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【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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◆eltIyP8eDQ
[saga]:2019/05/05(日) 01:02:30.73 ID:GKT/EkqT0
ねこにゃー「バレー部の特訓を受けさせられて、本当に大変だった。インドア派な僕たちがみんなについていくために必要だってわかっててもね」
典子「お前たちは鍛えがいがあったな!」
楽しそうに笑う典子にねこにゃーは「キャプテンは笑いながらボクたちを地獄に落としてたよね……」と小さく苦笑すると、そっと梓の肩から手を放す。
梓の顔をのぞき込むように屈んで、ゆっくりと、噛んで含めるように、
ねこにゃー「でも、あの人は特訓を乗り越えればもっと戦車を好きになれるって言った。……その言葉に嘘はなかったよ」
真っ直ぐなその言葉に、真っ直ぐなその瞳に、梓は視線をそらしてしまう。
そんな梓の姿にねこにゃーは一瞬悲しそうな顔をするも、今度は典子が口を開く。
典子「澤。私は、一度は八九式を信じられなくなった。足を引っ張るだけで、何も出来ないんじゃ……って。そしてその言葉を隊長は否定しなかった」
梓の頭に想起される聖グロとの練習試合の記憶。
最後の一手を任された自分たちの奮闘は届かず、敗北を喫した事は苦い思い出として今も梓の中にあった。
そして、いつだってやる気に満ちていた典子が自分たち以上にその敗北を気に病んでいたという事に梓は驚きを隠せなかった。
けれども、典子ははっと笑うと少し気まずそうに頬をかく。
典子「でも、結局私たちは八九式に乗ってる。正直、戦車道をやればやるほど性能差を嫌でも実感する。でも……それでも私たちはあの子で戦うって決めたんだ。
正しさとか合理性とか、そういうのを無視して、それでも私たちは今のままで頑張ることを選んだ。そして、私たちの覚悟も隊長は否定しなかった。
だから―――私は隊長に感謝しているよ」
典子の言葉に何も言えない梓に、ねこにゃーはそっと語り掛ける。
ねこにゃー「澤さん、逸見さんが西住さんだったとして、僕たちを騙していたとして、何もかも嘘だったってあなたは思える?」
梓「……わからない、わからないよそんなのッ!!」
二人の視線に耐えられなくなった梓が、泣き叫ぶように怒鳴る。
梓「私は、本当の逸見先輩に会ったことがないっ!!西住さんがどんな人かだなんて知らないっ!!なのに、一緒に戦った時間が全部嘘かだなんて、決められない……」
けれども、その声はどんどんと小さくなっていき、梓の瞳から涙が流れだし、最後には嗚咽としゃくりあげるような音だけがあたりに響いた。
ねこにゃーたちはそんな梓が落ち着くまで、何も言わずに待っていた。
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