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【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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◆eltIyP8eDQ
[saga]:2019/03/23(土) 23:17:51.72 ID:cpswsJVq0
華「……教えてください。あなたはなぜ、そんな事をしたのですか」
泣き崩れそうな優花里を支えながら、今度は華が問いかける。
たとえ理解できないとしても、本人の口から理由を聞かなくてはいけない。
華はそう思った。
「……ねぇ、あなたたちから見て私はどう見えた?」
返答の代わりにみほは逆に問いかける。
「優しかった?カッコよかった?強かった?」
どういう意味かと考えている沙織たちに、更に問いが重ねられる。
その答えに沙織たちが窮していると、みほがそっと振り返る。
その表情からは凛々しさは消え、柔らかく、今にも崩れ去りそうな笑みを浮かべていた。
彼女とは毎日のように会ってきたはずなのに、沙織たちはまるで初めて彼女と会ったかのように感じてしまう。
「私にとってのエリカさんはそんな人だった。どんな時でも凛々しくて美しくて、私を救ってくれた人だった」
みほがそっと月を見つめ、手を伸ばす。
少し欠けた月の輪郭を指先でなぞり、降り注ぐ月明かりをそっと手のひらで受け止めて、その手を閉じる。
そして、胸元に持って来た手をそっと開く。
「……ははっ」
もちろん、そこには何もなく、みほはそれを見て乾いた笑い声を出す。
その行動の意味を理解できない沙織たちは訝し気な表情をする。
やがて、みほは何事も無かったかのように向き直る。
「そんなエリカさんと比べたら、私の価値なんて無いのと同じで、だったら、エリカさんがいたほうが良いでしょ?だから私は――――逸見エリカになったのよ」
みほの表情が凛々しさを取り戻す。
それがつまり、みほにとっての『エリカさん』で、自分たちが見てきた『彼女』の真実なのだと沙織たちは確信を得る。
華「……西住さん。あなたの道は、あなただけのものなのです。誰かの姿を借りて進める物じゃありません」
華の諭すような言葉に、みほは何か思うところがあるかのようにそっと彼女を見つめる。
「華、前に言ったわよね?私は、納得できないことが嫌いだって」
華「……はい」
みほの顔から表情が消え去る。
「私が一番納得できないことはね、私が生きている事。エリカさんが死んだ事」
華「っ……」
「最初から道なんて無かったの。だって……エリカさんのいない世界に納得できることなんて一つもなかったから」
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