「路地裏で猫を撫でたら、不思議な場所についた」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/11(土) 18:10:33.78 ID:HFGR9fg7O

先ほどまで右手にあったふわふわとした感触はもうなかった。

突然路地のアスファルトが苔の匂いのする地面に変わり、薄汚いファミリーレストランの裏手は太い幹回りの木々に変わった。

「えっ?」

状況が分からず、思わず口から声が漏れた。
左手には書類の入った通勤用のカバン、恰好は退勤時のパーカーのまま。
傍らには、帰ってクリーニングしようと思っていた白衣が無造作に丸まっている。

幻覚でも見ているのだろうか?
見上げると、先ほどまで夕闇の色だった空には、木々の隙間から見える真っ白な太陽が昇っていた。


「おんやぁ、ヌシは誰ぞ?」

後ろから、中年男性を思わせる声がした。

ああよかった。
何か起こっているかさっぱりだが、とりあえず人がいる。

「すみません、ここっていったいどこなん――」

勢いよく振り向いて、とうとう彼は――望田大樹(モチダ ダイキ)は声が出せなくなった。


「ここはツンガリ森の湖側じゃがどうした、迷子かね?」

目の前には、かっちりとスーツを着こなした猫が二本足で立っていた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1557565833
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/11(土) 18:26:19.38 ID:HFGR9fg7O

――――
――


「……い、おい、おいおい」

「んー……」


何か柔らかいものが頬にぽにぽにと触れる心地よい感触。
眠る前の記憶がぼんやりして思い出せない。

まどろんで向きを変え、再び眠ろうとした望田は、何やら覚えのある「ぽにぽに」の正体にふと思い当たった。

あ、猫の手だこれ。

「目ぇ覚ましたかい」

「ひぃっ!!」

目を開くと、自分をのぞき込むスーツ姿の猫。
思わず突き飛ばし、ベッドの上で後ずさりをした。

「いちち、何じゃいいきなり」

「えっはっ、えっ、猫が喋って、えっ!!」

「ああいかんなこりゃ、記憶が混線しておるのか」

肩で息をするパニック状態の望田とは裏腹に、二本足の猫は落ち着いた様子だ。
打った腰をさすりながら、ベッドと反対側の大きな本棚から一冊の本を取った。

「ええと、唄医者の寄こしたのはこれだったかな。少し落ち着かせりゃあいいから、『草原』第3節から……」

猫はぶつくさと呟きながら戻ってきた。
そして慣れた様子で本を開くと、おもむろに言葉を紡ぎだした。


「『開け草原の扉、彼方より此方へ、此方より彼方へ――』


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/22(水) 23:58:40.90 ID:jFHF2Qqxo
まだか
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/23(木) 00:45:55.81 ID:3h+2WALL0
名前ありのキャラってここでは嫌われるよ
なろう当たりでやった方がいい評価もらえると思う
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 19:34:45.33 ID:RBLjgTpbO
>>4
そんなことはないとおもうが
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/27(月) 06:48:38.50 ID:Twbqv8gg0
全くそんなことないから気にせんほうがいいぞ
とっくりの切れ目は縁の切れ目と同レベルで気にせんでいい
3.18 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)