未来「未来に吹く風」

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6 : ◆Zg71aiNoxo :2019/05/23(木) 21:47:54.53 ID:mKt9f9jP0



レッスンに向かう星梨花を見送ってから、いつも通りに
事務室に行き、自分のデスクに向かった。
壁に掛けられた真っ白の予定表を見ながら、
「もっと頑張らないとな」と気合を入れ直し、作業を進めていく。




作業が一段落したところで、手元にコーヒーの入った
マグカップが置かれていることに気づいた。
顔を上げると、事務員の美咲さんが立っていた。


「あの、お疲れ様です!」


「ああ、お疲れ様です。コーヒー、ありがとうございます」


事務員の美咲さんも、例に漏れず新人だ。
最初はおっちょこちょいな性格を存分に発揮して
数え切れないほどのミスをしていた。
だが、最近は事務仕事も立派にこなせるようになっており、
今となってはとても信頼の置ける人だと思っている。
ただ、そのような偉そうなことは、自分の立場では
到底言い出せることではない。


「それは、次の公演の企画書ですか?」


美咲さんは、私のパソコンの画面を覗き込みながら問いかけてきた。


「ええ、まあ。まだほとんど何も決まってないんですけどね……」


その言葉通りに、パソコンの画面には「企画書」という仰々しい
文字以外には、本決まりでない一部出演者の名前と、
会場がここであることの情報が載っているだけだった。



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