ダイヤ「吸血鬼の噂」

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19 : ◆tdNJrUZxQg [saga]:2019/07/06(土) 07:56:24.60 ID:ZRnZyA2Z0

キバが刺さっていると言う割には、痛いと言うよりはくすぐったかった。

千歌さんが少しずつ血を飲んでいく。

すると、何故だかだんだんと心拍数が上がっていく。

吸血されるという、余り経験し得ない行為に、緊張しているのかもしれない。


千歌「……ん……ちゅ……コク……」


しばらく、吸血行為を続けた後──


千歌「ん……ぁ……」


千歌さんはわたくしの首筋から離れた。


千歌「……は……ぁ…………おいしぃ……」


千歌さんは心底幸せそうに、息を漏らす。


ダイヤ「……そう、ですか……」

千歌「うん……なんか、生きた心地がする……」

ダイヤ「千歌さん…………もっと、吸っていいですわよ……?」

千歌「……え?」

ダイヤ「いえ……もっと、もっと吸ってください……わたくしが枯れるまで、吸ってください……?」

千歌「へ……え……?」

ダイヤ「わたくしはもう千歌さんのものです……? 好きにしてくださいませ……?」

千歌「……!? ま、待って……!!? ダイヤさん、どうしちゃったの……!!? さっきと言ってること違うよ!?」

ダイヤ「…………え……あ……? ……え、今わたくし……なんて……?」

千歌「……えっと」


一瞬頭に靄が掛かっていたような気がする。

なんだか、凄く千歌さんに血を吸われるのが心地よくて……もうずっと吸っていて欲しい……。


ダイヤ「え、あ、いや……!!」


思わずかぶりを振る。


千歌「だ、ダイヤさん……?」

ダイヤ「い、いえ……大丈夫ですわ」

千歌「ホントに……?」

ダイヤ「……ええ」


得体の知れない現象に襲われた。


ダイヤ「……あの、追加でお願い事をしていいですか?」

千歌「う、うん」

ダイヤ「たぶんなのですけれど……血を吸われた直後、わたくしにもなんらかの影響があるようですわ……。血を吸った直後にわたくしが言ったことは、あまり聞かないで貰っていいですか……?」

千歌「う、うん! わかった!」
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