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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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42 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/12/11(水) 21:55:48.81 ID:YdM4ueeZ0
次々ともたらされる報告に賈駆は時に頷き、時に顔をしかめて次々と指示を飛ばす。
今のところ、想定の範囲内だ。
もとより最善の結果なぞ望むべくもない。時間的猶予などなく、根回しなんて何一つできずに蜂起せねばならなかった。ならなかったのだ。
李儒の要求はただ一つ。――何進の誅滅である。
何進、である。あの馬騰と互角の豪傑であり、この董家軍を引き上げてくれた恩人でもある。そしてその武勇は目の当たりにしている。彼を討つなぞ手持ちの札では呂布しかありえない。
最重要のそれは上手くいった。
だが、後は何とも言えない。
その馬騰については、張遼を宛てた。自刎して果てたというが、まあ、はなから抱き込めるとは思っていなかった。せめて虜囚とできればと思っていたのだが。
それでも、これで馬家軍は敵となる。だがそれもまた想定の範囲内。なに、それでも韓遂を動かせばなんとでもなる。馬騰ならばともかく、馬超相手であればどうにでもなるのだ。
朱儁についてもそうだ。軍権を示せば、万が一くらいには恭順するかと思ったのだが。
それもいい。禁軍の司令官が恭順しないのであれば除くのみ。この洛陽で執金吾たる董家軍の次に武力を抱えるは禁軍。その首魁を除けたのはまずまず。
張遼と陳宮は悄然としていたが、賈駆にとっては想定の範囲内。最悪は避けられたとすら思っている。

「なんですって……」

だが、続く報告にはさしもの賈駆も言葉を失う。
曹操の行方が知れないのはまあ仕方ない。宦官より情報が漏れていたのであろう。しかし、皇甫嵩までその足跡を追えないとは、不覚である。
彼奴はやっかいだ。禁軍にも影響力があり、なにより清流派の首魁の一人。どう蠢動するかなぞ考えたくもない。
苦虫を噛み潰していた賈駆に、とっておきの凶報がもたらされる。

「袁家当主袁紹の逗留地に於いて、現在交戦中!敵指揮官は雷薄!
奇襲により痛撃を喰らうも、現在優勢に戦局は推移しております!」

くら、と眩暈を覚える。
なぜ、と思う。平和裏に袁紹の身柄の確保を命じたのにどうしてそうなる。
それに雷薄だと?
匈奴大戦を生き残り、一兵卒から将軍までに出世したという立志伝の主人公もかくや、というほどの紀家の宿将が防衛戦に立つとはどういうことだ。
なによりどちらから仕掛けた。袁家と仕掛ける意味を分かっているのか。
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