勇者「魔王封印するつもりがミスって殺してしまった。俺はもうダメかもしれない」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 22:44:22.99 ID:5IWe8gueO
やっと追いついた、面白い
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 22:57:15.31 ID:v1LnAAWJ0
魔物の描写が無いからかもしれんが人間のが魔物より醜いって最高だなww
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 23:49:20.53 ID:Ka1A1zjAo
パーティ組むならこっちだったな…戦闘力がないか…
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 00:35:25.22 ID:o3RvdVIg0
>>218
勇者のみで大魔王倒せてるし戦闘力無くても問題ないんじゃね
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/22(水) 00:53:35.65 ID:qvOM0bjZo
乙ー
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 01:56:05.91 ID:Leh6EFO2O


勇者「…そこまで言うなら、依頼人が誰か教えてくれるんですね?」

商人「無論。私も命は惜しいので」

勇者「誰」

商人「直接的な上は中央教区長。ですが命令の元を辿れば首席枢機卿…教皇の補佐を務める司教枢機卿でしょうな」

商人「この先は商業街に繋がっとります。一晩休んで行かれるといいでしょう」

勇者「いや寝首掻く気でしょ?結構です」

商人「では陰ながら応援するに留めておきましょう。ああ、討つのですか?」

勇者「まずは話を聞いてみます。商人さんこそこんなこと話して良かったんですか?」

商人「何の何の。命あっての物種ですからな。勇者様こそご武運を」

勇者(うるせえ[ピーーー])

……

盗賊「いいのか?もっと王国を弱らせなきゃいけないんだろ?止められちまうぜ」

商人「はて…?確かに私は『王国の国力を削ぐためにゲリラに手を貸している』とは言いましたが」

商人「ゲリラ活動で国力を削ぐなどと言った覚えはありませんな…?」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 02:07:45.98 ID:Leh6EFO2O
【教国】

神殿騎士A「…」

神殿騎士B「…」

勇者「」コソッ

勇者(内哨の数がやべえ…王国の工作員対策か?姫の性格知ってたらそりゃ立てるか)

勇者(しかも全員士気が異様に高い。敗色濃厚な戦争の前とは思えねえ)

勇者(…何か勝つための秘策があるって思った方がいいな、こりゃ)

勇者(さてどうするか…)
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 02:42:26.32 ID:Leh6EFO2O
勇者(枢機卿は実質的な国政のトップだ。奴さえどうにかできれば今度こそ教国に手はなくなるはず。血は流れずに済む)

勇者(いるとすれば間違いなく中央神殿。潜り込む必要がある)

勇者(だけどこの監視の厳しさはマジで異常だ。何なら国境の哨戒すら国内に回している。他を捨てても神殿だけは守り通すってくらいに硬い)

勇者(…正面突破?いやぁ無理でしょ。死んじゃう)

勇者「困った…」

「何が?」

勇者「どうやって神殿に入ろうかなって…」

勇者「え?」

賢者「あそこに入ろう、ねえ。また無謀なことに挑んでるんだな君は」

勇者「け、…賢者さん?」

賢者「やあ、久しぶり勇者。封印の塔以来だね」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 03:03:20.71 ID:Leh6EFO2O
勇者「あっはい、その説は本当にお世話になりました」

賢者「でも結局封印魔法使わないで魔王倒したんでしょ?あれをネタに勇者に恩を売るつもりだったのにな〜」

勇者「その、それより賢者さんこそ何でここに?」

勇者(世捨て人とか言ってたじゃんお前。え、あ)

勇者「まさか教国に雇われてるとか…」

賢者「普通に旅行だよ。ついでに君や僧侶や魔法使いに会えたらいいなってね。そしたらまた戦争が始まりそうとかで足止め。全く、これだから人間は」

賢者「で、撹乱魔法の気配がしたから王国のスパイかと思ってさ。ストレス解消にいたぶって殺そうと思って来たんだけど…ふふ、まさか勇者だったなんてね」

勇者「あ、あはは…」

賢者「勇者こそどうしたの?なんか王国に囚われたって聞いてたよ。今回の戦争もそれが理由だって」

勇者(こっちの国も似たようなことしてんなぁ…)
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 03:18:40.38 ID:Leh6EFO2O
賢者「あ、もしかして自力で脱出したとか?」

勇者「いやあの…話せば長くなるんで…」

賢者「ああ、神殿に入りたいんだっけ。協力してあげよっか」

勇者「…見返りは?」

賢者「暇だから別にいいよ。あ、でも後でお礼言ってね」

勇者「助かります。何か方法あります?」

賢者「ざっと二つ。一つは僕開発の強化薬(無認可)を君が飲んで特攻する。もう一つは僕がその辺爆破して気を引いてる隙に君がこっそり忍び込む」

勇者(今度からコイツのこと愚者って呼ぼう)
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 03:19:12.47 ID:Leh6EFO2O
ここまで
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 03:31:40.64 ID:ilLJCGTho

賢者とは……
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/22(水) 07:58:56.79 ID:TihRxEcFo
乙ー
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 13:22:32.90 ID:o3RvdVIg0
>>227
聖者って書かれてないし外道にだって賢(い)者はいるんじゃない?
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 13:53:30.43 ID:teh3XUBEo
インテリヤクザのファンタジー版
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/23(木) 02:41:26.80 ID:ernYLvKlO
勇者(しかし二人いるってのはアドだな。やれることも増える)

勇者(それなら…でもこいつアホだし…いや…うーん)

賢者「あれ、勇者考え込んじゃった」

賢者「こうなると長いんだよなあ。もういいや、やっちゃえ」

賢者「イオ」

ドォン!!

勇者「えッえッ!?」

賢者「あっ、こういう時に言ってみたい台詞があったんだよね」

賢者「ここは任せて先に行け!」

勇者「嘘でしょアンタ…!?」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/23(木) 02:55:06.92 ID:ernYLvKlO
【神殿】

勇者「いや確かに入れたよ?」

勇者「だからって馬鹿じゃんこれは」

勇者「も〜〜やだ〜〜〜!」

勇者「元仲間がみんなクズかアホなのほんとやだ〜〜〜〜〜!」

勇者「…」

勇者「あれ?この気配、なんか奥の方で儀式やってる?」

勇者(これが王国に勝つための秘策か…?)

勇者「…入っちゃった以上進むしかないもんな」

勇者「行こう」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/23(木) 05:18:26.19 ID:yGtowGCdo
乙ー
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 06:53:20.10 ID:DW8JGz/g0

最近更新多くて嬉しい
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 14:15:16.62 ID:Nc4hrhzc0

(私にかまわず先に逝って)とか心の中で考えてそうな賢者...

236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/24(金) 00:48:28.91 ID:z69A34BDO
家では稀によく使う台詞だな(主にG出現時)
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/24(金) 01:57:08.42 ID:EyJDsvnmO
枢機卿「ようこそお越し下さいました、勇者様」

勇者「…これは…」

勇者(神殿の最奥。光を放つ巨大な扉の前に枢機卿が立っていた)

勇者「バレてたんですか」

枢機卿「いえ?ですが勇者様ならきっとこの場に辿り着くだろうと思っておりました。むしろ遅かったくらいでしょう」

枢機卿「なにせ、他ならぬ僧侶様に関わることなのですから」

勇者(
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/24(金) 02:16:39.22 ID:EyJDsvnmO
>>237はミス

枢機卿「ようこそお越し下さいました、勇者様」

勇者「…これは…」

勇者(神殿の最奥。光を放つ巨大な扉の前に枢機卿が立っていた)

勇者「バレてたんですか」

枢機卿「いえ?ですが話は僧侶様に関わることなのですからな」

枢機卿「他ならぬ勇者様であれば、きっと道理など飛び越えてこの場所に辿り着くと信じておりました」
勇者(…えっ僧侶?いや知らんが)

勇者「その、とりあえず王国へのテロやめてください。そして王国に無条件降伏を。条件が軽くなるように俺も協力しますから」

枢機卿「ふむ、それが勇者様のお望みですか?」

勇者「え?ええ、はい」

枢機卿「ではそのように。金輪際信徒を使った王国への襲撃はしないと約束しましょう」

勇者「口約束ならどうとでも言えます」

枢機卿「信用出来ないならば魔法を使った契約でも構いませんよ」

勇者(…?随分あっさりしてやがる…)

枢機卿「別に大したことはありませんよ。我々はもうそれを行う必要がないというだけのこと」

枢機卿「――王国軍の編成が数日遅れた。これより多くを望んでは罰が当たりましょうな」

勇者「なにがッ…!?」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/24(金) 02:37:25.98 ID:EyJDsvnmO
勇者「眩しっ…!」

枢機卿「おや、これは失礼を。儀式の作用とのことです。しばし我慢いただけますか?」

勇者(扉から光が溢れ出てる。それと…は!?なんだこの馬鹿げた量の魔力!?)

勇者(しかもこれ、ただの魔力じゃない!)

勇者「女神様の…!?」

枢機卿「流石は勇者様。その通り、これなるは我らが崇め奉る女神の力です」

勇者「女神はこの世界に干渉できないはずだ!だからクソみたいや苦労をして俺が…!」

枢機卿「ええ。ですから女神は依代を必要とするでしょう?」

枢機卿「例えばそう、かつての貴方のように。力を容れられるだけの資質と精神を持つ者に女神は力を与えます。人類の文明が始まって以来幾度となく繰り返されてきたことです」

枢機卿「それだけの観測例があれば、いかに奇跡的な現象だろうが原理を分析し、応用することは充分に可能でした」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/24(金) 06:42:42.99 ID:zB4gXHyxo
乙ー
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/24(金) 13:31:04.34 ID:T/mDScsFO

僧侶さんはアウトオブ眼中w
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/24(金) 14:12:20.77 ID:cLFR5Thx0
>力を容れられるだけの資質と精神を持つ者に
ってなんか女神も勇者みたいに人間に対して疑心暗鬼にに陥ってそう...
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 00:30:52.13 ID:Mp9ZdBjuo
やはり人類の敵は人類
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 01:31:28.12 ID:qEWWFK4Q0
乙 最近更新多くてうれしい
しかしこの枢機卿「我らが崇め奉る女神の力です」とか言ってるけど崇め奉ってる存在の力を勝手に使おうとしてるとか碌な奴じゃないな…
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 02:44:11.56 ID:YL6bMQkKO
勇者「まさか…僧侶に女神の力を…!?」

枢機卿「正確には女神そのものを僧侶様の身に降ろし、顕現させます。彼女は元々そのために生み出された人間ですからな」

勇者「元々…」

勇者(何のために…なんて聞くまでもないか)

勇者「魔王への対抗策ですか」

枢機卿「ええ。勇者は加護により不死と聖剣を与えられますが、言ってしまえばそれだけですからな。失敗して囚われてもなんら不思議ではない」

枢機卿「そのように万一勇者が失敗した場合、女神を降臨させ魔王を滅ぼす。聖女とはそういう存在なのですよ」

枢機卿「だからこそ僧侶様が貴方に付いて行くと仰られた時は国中が騒然としたものです。あの数の反対勢力を鎮めるのは中々に骨が折れましたよ」

勇者(…ゲロ吐きそうだ)
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 03:03:27.68 ID:YL6bMQkKO
勇者(でも、確かにここまで強い魔翌力…)

勇者(そして僧侶の魔法)

勇者(兵を強化しながら前線に出れば…)

勇者(…でも)

勇者「この国、滅びますよ」

枢機卿「そうですかな」

勇者「簡単には負けない。勝てるかもしれない。でもそこ止まりです。こんな戦争は何にもならない」

勇者「教国なんて結局のところ女神信仰の結実です。それがなくならない限り滅びることは決してない」

勇者「降伏するべき、じゃない。降伏しなきゃならないんだ」

枢機卿「ふむ。では滅びれば良いのでは?」

勇者(…)

勇者「は?」

枢機卿「言葉の通りですよ。滅びるなら滅びてしまえばいい…ああ、伝え忘れていましたか」

枢機卿「この戦争は僧侶様のご意思によるものですよ」

勇者「意味が…意味が分からない」

枢機卿「この国を、世界を救ったのは女神でも信仰でもない。勇者様、貴方たちと僧侶様だ」

枢機卿「その僧侶様が決断され、決意されたのです。女神を降ろして王国と戦うと」

枢機卿「ならば我々は彼女に付き従うのみ。いや、そうでなくてはならない!」

枢機卿「彼女に救われた我々が、彼女に代わりに戦わせた我々が、彼女を信じることしか出来なかった我々が!」

枢機卿「この期に及んで彼女の意思に背くなど!許されるわけがない!!」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 03:06:05.04 ID:mr50fj4ro
狂信者……
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 03:09:55.43 ID:Mp9ZdBjuo
お気持ちヤクザが権力を握ると恐ろしい
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 03:16:02.30 ID:YL6bMQkKO
勇者「……」

枢機卿「…失礼。お見苦しい姿をお見せしました」

勇者(狂信者)

枢機卿「勇者様。ここに来られたということは僧侶様が気掛かりなのでしょう?」

枢機卿「是非とも僧侶様の力となって欲しい。僧侶様が真に求めているのは貴方ただ一人なのだから」

枢機卿「いや、この戦争に直接手を貸さずとも構いません。機を見て必ずや僧侶様を逃します。その先の未来で彼女の力となってくだされば、それだけで」

勇者「…」

勇者「すみません。駄目です」

勇者「俺は戦争を止めます」

勇者「勇者として」

枢機卿「…さようでございますか。残念です」

枢機卿「ではご退場願いましょう」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 03:33:19.08 ID:YL6bMQkKO
教皇「ご苦労だった、枢機卿殿」

枢機卿「猊下。ご準備の程は?」

教皇「五割といったところだ」

枢機卿「それだけ進行していれば充分でしょう」

教皇「ああ…」

勇者(…教皇まで出てきたか)

勇者「まさか…あなた達が俺の相手になるつもりですか?」

教皇「いいや。勇者殿、君の相手は他にいる」

教皇「こちらへ、僧侶…」

教皇「…いえ、女神様」

僧侶「……」

勇者(うっ…?)

僧侶「……」

僧侶「お久しぶりですね、勇者様」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 03:38:00.81 ID:YL6bMQkKO
ここまで
クズばっかで草
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/25(土) 09:17:33.38 ID:azOvQ+Tlo
乙ー
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 12:43:26.71 ID:ipSRmJUE0

書いてる本人がクズばっかって言ってるのがまた笑いを誘うというか草
枢機卿は僧侶の本当の望みが勇者って所はちゃんと分かってるんだな
僧侶≒女神の意志だから戦争するしかないって言うのはおためごかしにしか聞こえんけど
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 13:42:03.25 ID:qEWWFK4Q0
乙 まあ少しは生み出してしまった僧侶に対する贖罪もあるんじゃないか...あったらないいな...と思う
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 23:11:07.88 ID:4eaG1MMDO
どんどん滅びに向かって進んでいる…
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/27(月) 00:07:41.05 ID:qALvDyMc0
「勇者よ! 何ゆえもがき 生きるのか?
 滅びこそ我が喜び。死にゆく者こそ美しい。
 さあ、わが腕の中で息絶えるがよい!」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/27(月) 09:25:19.86 ID:aJFt4nu5O
勇者「言っても一ヶ月でしょ。そんな久しぶりってほどじゃない…」

僧侶「いいえ、十分に久しぶりですよ。私にとっては万を越す日数にも等しいのですから」

僧侶「そして私だけの言葉ではありません。こう言い直せば分かりやすいでしょうか?」

僧侶「――お久しぶりですね。勇者」

勇者「いやクッソ分かりづらいです。かっこつけてるとこ悪いけど滑ってますよ、女神様」

僧侶「わ、分かっているではないですか」

勇者「言語は文明の結晶です。アンタがサボるのは違うでしょう」

勇者(やばい怖いやばい怖いやばい怖い。これマジで強い)

勇者(下手しなくても魔王とタメ張ってやがる)

勇者(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ)
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/27(月) 10:02:59.26 ID:aJFt4nu5O
勇者「…本当に女神だってんならそこの二人に戦争やめるよう言ってください。アンタの言うことなら聞くでしょ流石に」

僧侶「無意味ですよ。今代の教皇はともかく、もう一人は私のことなど全く信奉していないようですし」

僧侶「なにより、これはこの子自身の」

僧侶「私自身の意思です。誰かにそそのかされたわけじゃありません」

勇者(わっかりづらいんだよどっちがどっちか)

僧侶「ですので、勇者様こそ退いてください。この力があれば王国に勝てます。少なくともあの姫の首だけは獲れるはずです」

勇者「どんだけ嫌いなんですか…」

僧侶「個人としてはそうでも。けれど、あの人は必ずいつか勇者様に害を為します。今の騒動がいい例です」

勇者(いくらなんでも俺のためだけにここまで大事にするほどトチ狂ってないと思うけど)

僧侶「…勇者様には分からなくても私には分かります。姫がどうして女王になって、どうしてこんな戦争を起こしたのか」

勇者「あ?理由?」

僧侶「勇者様。きっと私は生きて戻ります。その時は約束を…」

勇者「うるせえ黙れ。殺人鬼との約束なんて無効に決まってるでしょうが」

僧侶「…そうですよね」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/27(月) 10:31:29.73 ID:M/nztfcMo
乙ー
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/27(月) 10:36:17.03 ID:f91m/Wcx0
僧侶「…本当に良いのですか?」

僧侶「ええ。これで迷いはなくなりました」

勇者「先制ブレイブ足払い!」

勇者(コ・ローベ僧侶!魔王パパの如く!)

僧侶「分かりました。私も覚悟を決めましょう」ヒョイッ

勇者「あっ」スカッ

僧侶「勇者の加護を没収します」

僧侶「これからは一人の人間として生き、死になさい」

勇者「えっ」パリンッ

勇者「アッ聖剣が折れた!?」

僧侶「貴方は死にたくないのでしょう?ならば戦争になど来てはいけませんよ」

僧侶「さようなら勇者。もう会うこともないでしょう」

勇者「おい待てふざけ――」

カッ!
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/27(月) 11:02:39.57 ID:f91m/Wcx0
ここまで
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/27(月) 12:15:27.91 ID:fOq/uZTw0

>>256見ていや死にたくても[ピーーー]ないでしょと思ってたら本当に[ピーーー]るようになってしまったか…
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/27(月) 14:11:44.96 ID:i/NhD/Odo
乙ー
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/27(月) 15:38:07.00 ID:qALvDyMc0
乙 >>256 たった数レスで僧侶の台詞みたいになるとか恐ろしいな...
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/27(月) 15:51:09.55 ID:jA7Ckv6qO
まさに四面楚歌
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 04:08:53.80 ID:8P8muosZO
勇者「…」

勇者「ここは…」

戦士「目を覚ましたか」

勇者「戦士さん…」

戦士「一ヶ月ぶりだな。突然飛んで来たから驚いたぞ?」

戦士「しかし王国か教国のどちらかに捕らえられていると思っていたが…」

勇者「…どっちも嘘ですよ。戦争の口実です」

戦士「そうか。それで逃げてきたのか」

勇者「ここは?」

戦士「俺の家だ。今妻が食事の準備をしている。丸一日も寝ていたんだ、まずは食べて行くといい」

勇者(…毒を盛ったりは…)

勇者(…いや…)
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 04:10:06.13 ID:8P8muosZO

勇者「ご馳走様でした」

戦士「お粗末様だ」

勇者「それで、丸一日って本当ですか?」

戦士「ああ。昨日の未明からずっとだ。何があった?」

勇者(…僧侶、いや女神の言葉を信じるなら)

勇者(多分一番安全で信頼できる奴のところに飛ばしたんだろう)

勇者(話すべきか…?)

戦士「言い難いようなら質問を変えよう」

戦士「勇者、聖剣と加護はどうした?」

勇者「…」

勇者「女神様直々に没収されました」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 04:15:19.65 ID:8P8muosZO

勇者(いざとなったら妻子を人質にとって…)

勇者(…)

戦士「…そうか」

勇者「ええ、そうなんです」

戦士「ならば…」

戦士「今[ピーーー]ば、お前はもう蘇らないということか」

勇者「…」

勇者「それが?」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 04:17:49.72 ID:8P8muosZO
ここまで
ここから少し語彙が全体的に物騒気味になりそうです
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/31(金) 06:01:38.10 ID:WfwWiznVo
乙ー
あと、目欄にsaga入れると良い事有るよ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 06:53:13.61 ID:J/6EwuaEo
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 13:05:10.84 ID:7LPeQ5540

>>270 多分理解した上で入れてないんじゃないかなと...そして無いのが>>1って言う判断基準にもうなっちゃってるからな...
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 14:38:27.02 ID:wt9/2StI0

戦士「…」

勇者「…」

戦士「…ふう。それは困ったな」

勇者「?」

戦士「お前に頼もうと思っていたことがあったんだが、どうにも危険を伴う」

戦士「不死の加護がなくなったのなら無理に頼むわけにもいかないと思ってな…」

勇者「…俺を殺そうとしないんですか?」

戦士「?何の話だ?」

勇者「いえ…」

勇者(…やっぱり…)
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 14:40:30.73 ID:wt9/2StI0
勇者「…頼みたいことって?」

戦士「俺が今指揮しているレジスタンスの旗頭になって欲しい」

勇者「レジスタンス、ですか」

戦士「ああ。戦争を止めるためにな。ここと周辺の街の兵士が中心の組織だ」

勇者(…ああ。だから戦争始まるってのに真っ先に召集されるはずの戦士がこの街にいたのか)

勇者(となると軍令を無視してるわけだから、女王にはバレてるって考えた方がいいな)

勇者(そんな組織が目標を遂げられる確率は…)

戦士「この戦争の発端はお前だ。そのお前が姿を見せれば両軍の兵士は士気を失う…」

勇者「いやそんなわけないでしょ。どーせ偽物だのなんだの難癖つけられて殺されて終わりですよ。今は聖剣も持ってないんですし」

戦士「…否定はしない。だが死者を出さずに場を収めるにはもうそれしかないだろう。あとは兵士達の、人間の良心を信じるしかない」

勇者「だったら始まる前に失敗してますよ。誰かの命を奪うことにポジティブな奴らが良心なんて持ってるわけないでしょう」

戦士「それは違う」

勇者「あ?」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 14:41:55.22 ID:wt9/2StI0
戦士「女王も、僧侶も、兵士達も、命を平気で奪おうとしているわけじゃない」

戦士「ただそれに代えても成し遂げたいことがあるだけだ」

戦士「そこに命を奪う以上の価値を見出している。だから戦う。決して良心がないわけじゃないのだと俺は信じている」

勇者「…価値…」

戦士「ああ。人は誰しもそうして生きているものだろう」

勇者「……」

戦士「…まさか勇者に二度も説教する機会が訪れるとはな」

戦士「とにかく頼みたいことは伝えた。安心しろ、ここで決めろとは言わない。だが、時間がそうあるわけでもない。もう戦争が始まる」

戦士「俺はもう発つ。戦場となる国境線から少し離れた場所に陣を敷くつもりだ。もし協力してくれるならそこに来てくれ。地図を渡しておく」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 14:43:33.93 ID:wt9/2StI0
勇者(戦う理由。生きる意味、か)

勇者「馬鹿じゃねえの。さっぱり分かんねえよ」

勇者(命より大事なものなんかあるか。平和に生きること以上の幸せなんてあるわけがない)

勇者(だから戦争を止める。勇者なんだからそうしなきゃならない…)

勇者(…勇者として?)

勇者(魔王は死んで、聖剣と加護を失った)

勇者(名実共に俺はもう勇者じゃない。勇者じゃないんだ)

勇者「だったら…戦争なんて止めなくても…」

勇者(俺が危険を犯してまで止める理由なんて…ないのか…?)
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 14:44:46.22 ID:wt9/2StI0
勇者(仮に俺がここで介入をやめたらどうなる)

勇者(王国と教国の戦争は泥沼化する。女王のあの性格だ。教国がそうだったように、何かしらの切り札は持ってるはず)

勇者(戦争が長引くほど人が死んで…国が荒れて…周辺国も攻めたり離れたりしていく)

勇者(そうして商人や一部のクズだけが甘い汁を啜る)

勇者(最後に焦土となった国土で、屍の山の上で、姫様と僧侶さんのどっちかが死ぬ)

勇者(そんなのは許せない…と思う。だが、何故?ただの一般人の俺には関係ないはずだろ)

勇者(どうして俺はそれを許せないと思うんだ?)

勇者「…どうして、か」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 14:47:15.68 ID:wt9/2StI0
勇者「なぁ俺」

勇者「どうして枢機卿は俺に僧侶さんのことを頼んだ?」

勇者「どうして女神様は俺にあんなことを言った?」

勇者「どうして戦士さんは俺を問答無用で従わせなかった?」

勇者「どうして僧侶さんは俺を殺さなかった?」

勇者「どうして俺は、みんなが俺のことを殺そうとしてるって思ったんだ?」

勇者「もういいよ。認めよう」

勇者「全部とは言わない。でもほとんどが勘違いだった」

勇者「俺がみんなを信じていればこんなことにはなっていなかったんだ」

勇者「そりゃ無理だよ。出来ねえよ。俺にはそうとしか思えなかったんだから」

勇者「じゃあ、もう分かってんだろ」

勇者「なぁ俺」

勇者「一番悪いのは誰だ?」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 14:49:21.30 ID:wt9/2StI0
ここまで
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 15:02:25.13 ID:YkySQWgN0
ってsaga入れんのかーい
熱い展開になりそうでわくわくする反面そこも含めて本当に>>1なのか不安になってきたww
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/31(金) 15:06:51.47 ID:wt9/2StI0
擁護して頂けるのはとても嬉しいのですが、流石に死ねと殺すが頻出すると読みづらくなると思い入れさせていただきました。
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 16:30:19.74 ID:jwE9weZOO
おつおつ
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 19:09:41.23 ID:gbP1wa6Oo

魔法使いさん忘れられてるw
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 19:32:18.16 ID:7LPeQ5540
>>283
>>188
忘れさられた魔法使いさんの逆襲が始まる...
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/31(金) 19:56:20.98 ID:ChNKB6zeO
乙ー
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 23:03:21.12 ID:xgljrtw+0
一週間後

【野営地】

兵士A「設陣終わりました!」

商人「おお。即席ですがなんとか間に合ったようですな」

戦士「ああ。商人殿の手腕のおかげだ。感謝している」

商人「なんの。代金分の仕事をしたまでです」

商人「しかし、ふむ…勇者様はまだ来ませんか」

戦士「心配せずとも来る。信じて待つのみだ」

商人「ですが間に合わない可能性もある。もしそうなったらどうするおつもりで?」

戦士「その場合は両軍に妨害を仕掛ける。兵糧に火をつけるなり夜襲をかけるなり、敗勢の方に加勢するなり…とにかく時間を稼ぐつもりだ」

商人「そうして勇者様の到着を待つと…よろしい。ならば微力ながら我々も力になりましょう」

盗賊「――商人の旦那に戦士の旦那!偵察に遣ってた部下が戻ってきた!今にもおっ始まりそうだってよ!」

商人「戦士様」

戦士「…行くしかないだろう」

戦士「総員、出るぞ!」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 23:04:02.44 ID:xgljrtw+0
【国境線・戦場】

騎士「…」

神殿騎士「…」


僧侶(…数の比にして1対4。世界最大の国は伊達じゃありませんか)

女王(僧侶様のあのご様子。単純な戦力比で考えては足元を掬われそうですね。こちらも切り札を切るべきでしょうか?)

僧侶(あの人は勇者様を手に入れるためには手段を選ばない。…少しだけ羨ましくて、けれど私には決して真似できませんでした)

女王(あの方は誰よりも勇者様と近しい間柄。…どんなに望んでも、私では決して到ることのできない距離だった)

僧侶「だから殺します」

女王「故に排除します」


「「全軍前進」」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 23:05:30.69 ID:xgljrtw+0
女王「…」

女王「とはいえ、まさか真っ先に私の首を獲りに来るとは」

女王「嫌われたものですね。僧侶様?」

僧侶「それが一番の近道ですから」

僧侶「あなたの首一つでこの戦争を終わらせます。覚悟してください」

女王「できるとでも?この場には王国最精鋭の護衛が10人ほどいるのですが」

僧侶「逆に、その程度の護衛で今の私を止められるとでも?」

女王「…そうですね。女神様の力を降ろした今のあなたに10人程度では力不足。認めましょう」

女王「でも…1万人ならどうでしょう?」

僧侶「!」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 23:08:52.32 ID:xgljrtw+0
女王「教国の聖女計画には王国も少なからず出資していました。であれば今日までの間に対策を練らないわけがない」

女王「そして対魔王の最終手段を用意しているのが貴女方だけだと思ったら大間違いですよ」

僧侶「…なんて力…!」

女王「人類の一番の力は数です。そして我が王国は人類最大の生存圏として、どんな苦境にあっても人が集まる」

女王「これは王に忠誠を誓った全ての兵の力を私と繋げる魔法。同時接続可能な最大数は一万。王家の血にのみ伝わる秘術です」

僧侶「…そんな魔法が」

女王「長い歴史の産物ですよ」

女王「さて、一騎当千という言葉をご存知ですか?」

女王「我が国の騎士を表す言葉としてこれほど相応しいものもありません」

女王「よって、ここに在るのは1千万と1人と心得なさい」

女王「行きますよ」

僧侶「手加減は不要そうですね…!」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 23:10:20.40 ID:xgljrtw+0
戦士「始まったか…!」

戦士(戦場の中心で戦っているのは…僧侶と女王か…?)

兵士A「隊長!我々も!」

戦士「…両軍に側面から射掛ける!注意を引いたら散開、距離を取って分隊単位で独立行動!再び妨害工作にあたれ!」

戦士「いいか、絶対に死ぬな!傷を恐れ、死を恐れ、しかし殺しを恐れるな!それが平和に繋がると信じて戦え!」

兵士「「「イエス・サー!」」」

戦士「よし、戦闘開始!」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 23:11:19.31 ID:xgljrtw+0
「ギガデイン」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 23:12:00.00 ID:xgljrtw+0
ここまで
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 23:16:25.02 ID:Bybo6n+Eo
おつおつ
さす勇者と言わせてくれ…!
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 00:02:25.21 ID:aP5YvHm7O
魔法使いが最早蚊帳の外
哀れ
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/01(土) 11:05:07.48 ID:8rwMDyqCo
乙ー
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/01(土) 20:31:12.01 ID:ZM/Tthte0
騎士「……」

神殿騎士「……」

兵士A「……」

兵士B「……」

商人「……」

盗賊「……」

戦士「来たか…!」


勇者「…………」


女王「今の雷は…」

僧侶「…勇者様」

僧侶「なぜ来たのです…!」


勇者「…ふぅ」

勇者「…………」スゥ

勇者「――革命じゃあぁぁぁああああっ!!」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/01(土) 20:50:31.53 ID:ZM/Tthte0

女王「!?」

僧侶「か、かく…?」

勇者「生きる意味?平和より大事なもの?バーカ!バカバカブゥアァーーーカッ!!人が必死こいて守った世界で舐めたこと抜かしてんじゃねえぞボンクラ共が!!!」

勇者「特にそこのクソアマ二人!!命あっての物種って言葉を知らんのか!!産んでくれた親にごめんなさいしろ今すぐここで!!」

勇者「ハイッ、いっせーのでごめんなさい!!!」

女王「これは…」

僧侶「ゆ、勇者様が壊れた…」

勇者「僧侶ォ!」

僧侶「はっ、はい!」

勇者「答えろっ、お前は俺を殺すつもりだったか!?」

僧侶「えっ、えっ?なんの話ですか…!?」

勇者「ならばよォし!次、女王ッ!」

女王「な、なんでしょう…?」

勇者「お前は俺を殺すつもりなんてなかったんだろ!?」

女王「ええ、それはもちろん…」

勇者「――そう、俺は勘違いをしていた!」

勇者「お前たちが邪魔な俺を殺したいだろうと!危害を与えてくるだろうと!!まぁそっちは正直その通りだったが!」

勇者「何故か!?お前らと俺は物事の考え方が全く違ったからだ!!」

勇者「ならば悪いのは誰だ!?答えろ戦士ィイッ!!」

戦士「いや、それは…お前なのでは…?」

勇者「は!?ンなわけねえだろ!!!ブッ殺すぞこの糞野郎ッ!!!」

戦士「お、おお…?」


商人「絶好調ですな」

盗賊「というかアレが素なんじゃねえか?」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/01(土) 20:51:29.24 ID:ZM/Tthte0
勇者「命より大事なものなんてない!平和より優先することなんぞない!俺の言ってることが間違ってるか!?あァン!?」

勇者「俺は正しい!!そして俺が正しいならばお前たちは間違っている!!」

僧侶「あ、あの、勇者?それは流石に無理やりなんじゃ…」

勇者「うっせぇぞボケ女神!!誰がいつ発言を許可しましたか!?」

僧侶「ひいっ…!?」

勇者「話を戻すぞ。そうだ、俺は間違っていない。なら一番悪いのは誰だ?」

勇者「決まっている!お前たち全員の、いや、この世界の価値観そのものだ!!」

勇者「お前らが俺と同じように考えるようになれば!もうこんな勘違いも戦争も起きずに済む!」

勇者「だったらやってやる!勇者としてじゃねえ!平和を愛する一般的人類として!」

勇者「命に替えても成し遂げるなんてゴミみたいな価値観を!!命があればそれだけで幸せっていう価値観に!!」

勇者「俺色に、塗り替えてやる!!!」

勇者「オラこの戦場にいる世界で一番のボケナス共!!今からもう一回宣言してやるから耳かっぽじってよーーーく聞け!!」


勇者「――革命じゃあぁぁぁぁぁぁぁあッ!!!」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/01(土) 20:52:00.87 ID:ZM/Tthte0
ここまで
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 21:17:06.36 ID:zoeTzmdko

面白い展開
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 21:26:16.50 ID:VdH6LtI20
乙 全員が全員勇者みたいになったらそれはそれで混沌としそう...
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 22:08:45.46 ID:CuDCd4Zzo

全員引いてて草
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/01(土) 22:08:58.90 ID:ZM/Tthte0
よく考えたらこれ勇者も生きるために戦ってね?
まあいっか
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/01(土) 22:41:31.62 ID:M7KdTREMo
乙ー
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 11:21:57.23 ID:Xpu4098r0
勇者「メラゾオォォォマ!!」

騎士「ぎゃあああっ!!」

勇者「大地斬ッ!!」

神殿騎士「ぎいっ!?」

勇者「ザオラルゥゥゥゥゥゥ!!!」

騎士「…ぐ」神殿騎士「うう…」

勇者「っしゃあ!絶好調!ヒャッホウ!」

勇者「見てたかお前ら!!邪魔する奴はこうやって、ぶっ殺してから蘇生して生の喜び感じさせてやるからなァ!!」

勇者「行くぜオラァ!!全員ぶった斬ってやるからそこに直れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


女王(…勇者様と僧侶様を同時に相手には出来ませんね)

僧侶(まず女王様を殺して、勇者様と戦うのはそれから)

女王「全軍、勇者様を抑えなさい!僧侶様を討つまでの間、教国の軍勢は無視して構いません!」

僧侶「こちらもまず勇者様を!私が女王様を殺したら王国軍の制圧に移ってください!」
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 11:24:06.32 ID:Xpu4098r0
騎士「勇者様がご乱心だ!!女王様を守れえええ!!」

神殿騎士「怯むな!勇者様があんな汚い言葉を使うはずがない!偽物だ!」

勇者「マヒャデドス!!ザオラル!!」

騎士「覚悟!」

勇者「っ、後ろ――!」

騎士「ガッ!?」

勇者「!?」

戦士「フォローする!お前は思うように突っ込め!」

勇者「ザラキ!!!」

戦士「うおおおおおおお!?」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 11:25:28.25 ID:Xpu4098r0
勇者「は!?オイ避けんじゃねえ!!」

戦士「避けるだろう即死呪文撃たれたら!!」

勇者「仲間でもねえんだから即死呪文撃つのは当たり前だろうが!!」

戦士「こ、こいつ…!」

騎士「今だ――!」

神殿騎士「オオオッ!」

戦士「…ええい、ひとまず後だ!協力して奴らを倒すぞ勇」

勇者「全員消し飛べッ、イオナズンンンンン!!」

戦士「おまっ」
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 11:32:47.16 ID:UO2aq5jCO
徹頭徹尾勇者の味方になろうとしてるのにこの扱いwww
とても良いと思います
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/02(日) 12:02:11.30 ID:Xpu4098r0
ここまで
夜にまた更新します
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/02(日) 13:44:18.28 ID:BWHMX7n2o
乙ー
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 14:27:57.34 ID:G7Qs0oiD0

>>308
作中でちゃんと描写されたうえで真っ当に善人やってる唯一の人なのにね...
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 15:23:20.26 ID:HwJooW0u0
勇者という職業の孤独がよく分かるな
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 20:09:33.33 ID:LWOUPtbV0
勇者「ザオラル!」

戦士「…はっ」

戦士「お前っ…!今のはないだろう!人として!」

勇者(えっ、もう動けるの?一回死んだんだよ?)

戦士「チッ…ああクソ、遺憾ながら少しだけ理解した!成る程これが生の安堵か!凄まじいな!」

勇者「…分かったなら手伝えや!俺がこの世界を薔薇色の理想郷に変えるのをな!!」

戦士「それただの屍山血河だろうッ」

勇者「ああ゛!?」

戦士「とにかく戦争を止めるのが俺の目的だ!道は開けてやるからとっとと僧侶と女王を止めてこい!」

勇者「言われずともやるっつーの!昔っから小うるっさいんだよ戦士さんは!」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 20:13:11.85 ID:LWOUPtbV0
盗賊「っはっはっは!お前最高だよ!面白え!面白えってのは大事だぜ勇者サマよぉ!」

勇者「るっせえ!戦争が面白いわけあるかヴォケ!テメエももっかい死んどくか!?」

盗賊「そりゃ勘弁!それに――よっ!」

神殿騎士「ぐぶ…」

勇者(…撹乱魔法か!気づかなかった)

盗賊「俺が死んでたらこういう真似も出来ねえからな!」

勇者「ザオラル!チッ、恩着せがまうぜえ!」

盗賊「それとこれは商人の旦那からだ!受け取れ!」

勇者「!」パシッ

勇者(剣、それもすげえ業物…!)

盗賊「聖剣ないんだろ?そんな安物じゃかっこつかないぜ!」

勇者「商人に伝えとけ!媚びても後でぶっ殺すってな!」

盗賊「悪いがそいつぁ労働規格外だ!生きて帰って自分で伝えるこった!」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/02(日) 20:15:48.15 ID:LWOUPtbV0
勇者「ザオラル!…はあっ、次ぃ!」

「勇者!新しい顔よ!」

勇者「ゴボォ!?」

勇者「オエッ…んだこれ、聖水!?」

賢者「入り用かと思ってさ。賢者の聖水。魔法の聖水じゃ回復追いつかないでしょ」

賢者「実は僕作れちゃうんだよね。なんたって賢者だから」

勇者(愚物がなんか言ってる)

賢者「さて勇者、聞いてたんだけどさ。さっきの演説は本気なの?」

勇者「当然。邪魔するならお前も斬るぞ」

賢者「いや逆逆。むしろいたく感心したんだ」

賢者「君のいう理想郷。つまり縋り付く他人を蹴っ飛ばしてでも自分の身を守るってことでしょ?」

勇者「ああ。自分の命より優先するものはない」

賢者「だよね!やった、ようやく僕の時代が来た!」

賢者「これでもう世界なんかのために封印の塔の維持管理なんてしないで済む…!」

賢者「豪邸で食っちゃ寝して下民を指差して笑いながら生きていける!!」

賢者「ああ今日はなんていい日だろう!感謝するよぉ勇者!ハレルヤ!!」

勇者(うわぁ。屑だ)

賢者「自由と平和を今こそ我が手に!!バギクロス!!」
177.05 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)