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白雪千夜「私の魔法使い」
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◆KSxAlUhV7DPw
[sage]:2020/02/04(火) 21:18:43.44 ID:ldlfMP+C0
「……ああ。アイドルを続けるためにちとせを退屈させない、ちとせに嘘をつかない。もっと増えていくかと思ってたのに、2つのままだった」
「それだけ私が求めていたことを、あなたはやってくれてたんだよ。私のことも、千夜ちゃんのことも」
「そうだと……いいんだけど」
「自信持って。だから私、アイドルのままでいたい。あなたがくれた夢を見ていたいから、あなたに嘘をつかせたくないの」
柔らかく笑みをこぼすちとせを、プロデューサーは直視できない。
気遣うようにちとせは視線を元に戻し、レッスンをこなす千夜のことを愛おしそうに、しかし哀しげに見つめていた。
「最近、2人きりの時でもあまり笑ってくれなくなっちゃった。あの子……私がいなくても、大丈夫かな」
「そんなこと……言うなよ」
「私もあなたに嘘はつきたくないから。思ってたより、早かったのは残念だけど」
「そんなに悪いのか?」
「夏を過ぎた頃から、ちょっとずつ自分のカラダじゃなくなっていくみたいだった。でもアイドルをしてたからそうなったなんて、あの子に思わせたくないじゃない?」
デビューしたての頃はいくらか体調を良さそうにしていたが、あの時は千夜の見立てからも本当に調子が上向いていたはずだった。
アイドルを続けていたせいでちとせの身体は悪化してしまったのだろうか。
レッスンや仕事をちとせの限界を超えてこなさせていたというなら、酷使させたプロデューサーのせいでもある。
「だから思い詰めないで。そうと決まったわけじゃないし、私が選んだ道だもん。止めたってアイドルは続けてたよ。私が持てあましそうなハードな仕事だって、させないよう気遣ってくれた」
「それは……。それぐらいしか、してやれなかった。俺はちとせのこと、千夜のことだってまだ何もわかってやれてないのに」
「私だってあなたのこと、知らないことだらけだよ? だからおあいこ、ねっ」
敢えて踏み込まず、知らないままでいてくれようとするちとせにプロデューサーは掛ける言葉を失っていた。
それほどまでに、ちとせが天命に従おうとしているのが伝わってくる。今からでも何かしてやれることはないのだろうか。
「…………そうだ。何か、プレゼントしないと。今のままじゃ千夜と不平等、だよな」
「あは、いいの? それじゃあ……私の言うこと、聞いてくれるかな」
「何でも言ってくれ。出来る限り、いや、絶対叶えるよ」
「そうそう、その調子♪ ……いつか、あなたにしか出来ないお願いをする時が来ると思う。その時に伝えるから、待ってて?」
「待ってるよ。待つけど、早く身体を治して千夜の隣に立ってくれよ。2人が並んで立つ舞台、まだまだ観ていたいんだからな。プロデューサーとしても、1人のファンとしても」
「うん……そうだね」
ちとせは肯定も否定もせず千夜を見守っていた。
かつて太陽のように輝いていたという、闇に沈まぬよう大切にしまってきた少女から、今度は自分が笑顔を奪ってしまいかねないことを、自分の身体のことよりも恐れながら。
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