異種界転生レビュアーズ

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:29:50.67 ID:NyeYYPZX0

●全25レス前後(予定)
●キャラ曲解・崩壊注意
●凄絶な戦いに挑み散ったTOKYO MX社に敬礼


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1581348590
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:32:19.50 ID:NyeYYPZX0

【異種混合街】




 ザワ ザワ

  ガヤ ガヤ




「おにーさーん。こっちこっちー」

「おう」

「ねー、お店決まったのー? 遊んでってよー」

「ああ」




 ザワ ザワザワ

  ガヤガヤ ガヤ…




スタンク(今日はなかなか店が決まらねえな。 ・・・おっ)




≪大人の時間を貴方へ〜禁断の熟成樽≫




(・・・たまには同族、熟女ってのもいいか)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:33:42.29 ID:NyeYYPZX0

… チャプチャプ パチャパチャ



スタンク「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

???「お兄さん、緊張してる?」チャプチャプ

スタンク(してねえよ)

???「こういうお店はじめて?」パチャパチャ

スタンク(はじめてじゃねえよ)

???「はい、準備できました。横になってね」ヌラ〜

スタンク(・・・はいはい)

???「足元気をつけてね」

スタンク「はいはい・・・んおっ?!」ツルッ!

???「危ないっ! ・・・きゃあ?!」




 ム ニ ュ ッ !




スタンク「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ムニ…

???「大丈夫?」ギュッ

スタンク「あ、ああ、悪いな(・・・おえっ)」ムニュッ

???「いいのよー、うふふふふ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:34:42.16 ID:NyeYYPZX0

スタンク(笑うんじゃねー、余計気色悪い)

???「じゃあ、ここに横になって。うつぶせでね」

スタンク(・・・なまっちろくてぐにゃぐにゃした、脂肪のかたまりみてーな体。

      垂れさがった皮膚の上をけばけばしく塗りたくった顔)

???「もうちょっと真ん中に・・・うん、そこでいいわよ」

スタンク(熟女ってったって限度があるだろうが。 なまじ同族だからなお気持ち悪く感じる。 失敗した・・・)

???「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃ、いくわよ」… ツ ッ



 ──── ぬ る っ 。



スタンク「うおっ」ビクッ!

???「ふふっ」ニュルリ

スタンク「う・・・お? おうっ」



 にゅる にゅる ぬらっ


  ぬら ぬら ぬるうっ



スタンク「く・・・ うあ、あ」ビクンビクン

???「ふふふ、気持ちいい?」ニュルニュル

スタンク(く、くっ、くそ。 マジですげえ)

???「気持ちいいみたいねえ、うふふふふっ」クチュクチュ

スタンク「うっ、るせ・・・・・・・・ うあっ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:35:32.32 ID:NyeYYPZX0


┌──────────────────────────

│レビュー:人間♂ 30歳くらい


│イイわねえ。 人間の男ってホント最高。
│最初わたしを見たときに「うわっ」って顔するでしょ?


│それがね、触っていくと、どんどんどんよくなっていっちゃって。
│嫌だって思ってたのが気持ちいいのに負けそうになっちゃって。

│そのせめぎ合ってるときが、最高にいいの。 ドキドキしちゃう。
│わたしのこと気に入ってくれて、そのまま指名してくれるようになる男もいっぱいいるけど。

│けれど一番いいのは、嫌だってのに、また来ちゃうって男。
│頭では気持ち悪いって思ってるくせに、体が気持ちよくしてほしいってうずうずしちゃって。


│そんな男はもうかわいくってね、いっぱいいじめてあげちゃうの。
|ああ、たまんない。


|点数:9点♪
└──────────────────────────









スタンク(あー、ひでえ目に遭った。 二度と来ねえぞ、ちくしょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・)

(???「待ってるわ、ふふふふふっ」)

スタンク(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・行かねえったら行かねえ! くそったれ!!)

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:38:30.89 ID:NyeYYPZX0

カンチャル「・・・これはどう? これは? こっちはどうかな」

???「ちょっと痛いわあ」

カンチャル「すぐよくなるよ、ふふふ」

???「ほんとに痛いの、やめて!!!」



┌──────────────────────────

│レビュー:ハーフリング♂ 50歳くらい

│なんだか子供っぽい感じねえ。 見た目だけじゃなくて中身まで。
│ヘンにテクニックに自信がある子が多いんだけど。
|その気にもなってないのにいじくられても痛いだけなのよ。

│そう言ったらすぐヘソ曲げちゃって、いつまでもグジグジ文句言って。
│そういうところだけは年相応にオジサン。嫌になっちゃう。

|点数:2点><
└──────────────────────────



ブルーズ「わふん、すごく・・・よかったよ。 また来ていいかい」

???「嬉しいわねえ」

ブルーズ「出来るだけ早く来る・・・くぅん、くうん」

???「あらあら、甘えんぼさん」



┌──────────────────────────

│レビュー:犬獣人♂ 20歳くらい

│すごく甘えんぼう。ほんとうに大きなワンちゃんみたい。
│言うことは素直に聞いてくれるからいいんだけど。

│やっぱり、ちょっとしつこく感じちゃうこともあるかな。
│毛皮をモフモフしてあげるのは暖かくて気持ちいいんだけどね。

|点数:4点⤵
└──────────────────────────
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:40:04.15 ID:NyeYYPZX0

┌──────────────────────────

│レビュー:エルフ♂ 200歳くらい


│エルフさんたちにとっては、わたしたちくらいの年の人間は魅力的みたいね。
│マナって言われてもよくわからないけど。


│でも申し訳ないけど、お客様としてはあんまりありがたくないわねえ。
│嫌ってわけじゃないのよ。けど、滅多に来てくれないから。
|時間の感覚がぜんぜん違うから、また来たよって言われてもこっちは忘れちゃってたり。


|あっちのほうも、ねえ・・・ なかなかよくなってくれないのに、すぐ終わっちゃう。
|見た目はみんな若いんだけど、そういうところはやっぱりお年寄りなのかな。


|点数:3点><
└──────────────────────────







ゼル「・・・また来たよ」

???「あら、待ってたわ〜 なんだか最近、よく来てくれるじゃない」

ゼル「ありがたくないお客さんって言われちゃったからね」

???「あら、読んじゃったの? イヤあねえ」

ゼル「何度も来なくっちゃ。・・・ミツエさんが僕のことを忘れないようになるまで」グッ

ミツエ「ゼルくんのことを忘れたりなんかしないわよぉ・・・あっ」




    あ  あ  っ  ・・・

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:40:56.39 ID:NyeYYPZX0

ミツエ「ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んぅ」コロン

ゼル「大丈夫? ミツエさん」

ミツエ「うん・・・ 今日もすごかったあ」

ゼル「ふふん、僕は他のエルフとは違うよ?」

ミツエ「ほんとうにそう。 あなた、実は人間だったりしない?」

ゼル「そうだったらいいな。 貴女と同じ時間を生きられる」

ミツエ「寂しいこと言わないで。 ・・・あっ」

ゼル「ミツエさん、ミツエさん・・・」…ギュ

ミツエ「あ、ゼルくん、あっ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




(貴女と同じ時間を生きられる)




ミツエ(・・・貴方と同じ時間を?)

ゼル「愛してる。 ミツエさん・・・」

ミツエ(・・・ふざけないで)クスッ





誰があなたと同じ時間なんか、生きてやるものですか。





 クス クス クス クス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:44:05.62 ID:NyeYYPZX0


【3時間後 スナックミツエ】


… ♪  ♫ ♫  ♪



エルマ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 ♪♪   ♪♪ …



エルマ(・・・素敵な音)



 … カラン カラン



エルマ「あ」

ミツエ「ただいま」

エルマ「おかえりなさい」

ミツエ「店番ありがとうね」

エルマ「お安い御用です。 ・・・・・・うふふ」

ミツエ「なあに、エルマ」

エルマ「いいえ、すっごくお楽しみだったのかなって」ニヤニヤ

ミツエ「ええ。楽しかったわ」

エルマ「あらら」

ミツエ「ほんとうに素敵だった。 ふふっ」

エルマ「かなわないなあ、ミツエさんには」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:45:15.10 ID:NyeYYPZX0



… ♪  ♪  ♪

    ♪  ♫  ♪ ・・・



ミツエ「ごめんなさいね、片付けまで手伝ってもらっちゃって」カチャ カチャ

エルマ「いいんです、わたしももうあとは寝ちゃうだけだから」キュッ キュ

ミツエ「いつもありがとうね」

エルマ「こっちこそ、いつもありがとうございます」

ミツエ「え?」

エルマ「このサキュバス街があるのは、ミツエさんのおかげです」

ミツエ「・・・ゼルくんのおかげよ。 彼のおかげで、わたしは自分の店も持てた」

エルマ「ミツエさんのおかげです。 この街にいいお客さんがいっぱいいるのも、悪いお客さんがいないのも」

ミツエ「・・・そんなことないわ」

エルマ「不思議ですね。 あなたとお話してると、なんだか自然にかしこまってしまう」

ミツエ「・・・・・・・・・・・・」

エルマ「わたし、あなたより、ずっと年上のはずなのに。 そんなの気にしないって女じゃないのに・・・」

ミツエ「あなたは素敵な女性よ」

エルマ「そうかな。 ・・・ミツエさんって不思議な人」

ミツエ「えっ?」

エルマ「会うたびお話しするたび、いつも新しいことを教えてもらえる」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:46:05.33 ID:NyeYYPZX0

ミツエ「そうかしら」

エルマ「これもそう。はじめて聞く曲」




… ♪  ♪  ♪




ミツエ「いい曲でしょう」

エルマ「500年生きてきて、はじめて聞く曲。 聞いたことも無い曲・・・」

ミツエ「・・・・・・」

エルマ「ミツエさんって本当に不思議。 違う種族だから、ってだけじゃなくて。 なんていうか」




「違う世界から来た人、みたいな」




ミツエ「えっ?」

エルマ「ねえ、実はそうだったりするんじゃないですか?」

ミツエ「わたしが? そんな、まさか」クスクス

エルマ「噂で聞きますよ? もうすでに何人か、別の世界からこの世界に来てる人がいるって」

ミツエ「そうねえ」

エルマ「魔王や大魔導士しか知らない秘密らしいですけどね。 ・・・これだって」




 ♪  ♪  ♪ …
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:47:11.25 ID:NyeYYPZX0

ミツエ「これ?」

エルマ「ええ、この音が出る機械もそう。 ここ以外じゃ見たことない」

ミツエ「わたしにもよくわからないの。 古い遺跡から出たんだって」

エルマ「ほんとうかなあ。バレちゃったらミツエさん、魔王にさらわれちゃいますよ?」クスクス

ミツエ「もう、エルマったら」

エルマ「ふふっ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミツエ「エルマ?」

エルマ「・・・わたしは、ミツエさんの味方ですからね」

ミツエ「・・・」

エルマ「あなたが他の世界の人だろうと。 どこから、なにをしにきた誰だろうと」

ミツエ「・・・・・・エルマ」

エルマ「わたしだけじゃない。 この街の人はみんな、あなたの味方です。

    サキュバス街だけじゃなくって、この街に住んでる人は、みんなみんな」

ミツエ「ありがとうね、エルマ」







┌──────────────────────────

│レビュー:エルフ♀


│本当に素敵な人、いつも若々しく華やいで。
│わたしのほうこそ、いつもいろんなことを教えてもらってる。
|貴女のように年月を重ねていきたいわ、ずっと仲良くしていってちょうだいね。



|点数:10点◎
└──────────────────────────

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:48:32.96 ID:NyeYYPZX0

エルマ「それじゃ、おやすみなさい」

ミツエ「おやすみ、エルマ」




  パ タ ン 。   カラン カラン …




ミツエ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミツエ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カサッ




≪親愛なる友人 ミツエ殿≫




ミツエ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カサ…




≪わが友デミアより すでに報告を受けていると思うが≫
                        ゲート
≪大変遺憾なことに 先日 トウキョウ 門 が閉鎖された≫




ミツエ「・・・・・・ダメ、だったのね」


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:49:32.98 ID:NyeYYPZX0

≪北アメリカゲートに続き このような事態になってしまったこと≫
              ちから
≪ひとえにわれわれの魔 力不足によるもの 慙愧の念に堪えん≫


                 エィテイエックス
≪だがまだキョウトゲート、8 0 - X ゲートふたつが健在である≫
                   ブルー・レイ
≪ゲートに頼らぬ転送魔法「紺碧の光」も わが友デミアの手により完成が近づいている≫



≪われわれは そなたのために 最善を尽くすことを約束する≫




(おばあちゃーん! いってらっしゃーい!)

(山道に気をつけて、行ってきてね)


ミツエ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




≪ついては来月 法皇猊下に謁見がかなうことにあいなった≫

≪猊下もそなた含めた転生者の境遇に 心を痛めておられる≫



≪そなたの思うところをはばかることなく 猊下に伝えられるがよい≫

≪わたしも転生者らを保護する立場として 猊下に物申すつもりである≫
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:51:09.69 ID:NyeYYPZX0

≪われらはそなたらの技術や知識を求めるのみにあらず≫

≪心と心の交流を目指すものである≫



≪生まれた世界は違えど 心を通わせることはできると信じる≫

≪そなたが異種混合街に溶けこみ受け入れられたように≫



≪そなたとそなたの故郷 そしてそなたがいま住む街≫

≪それらとわれらの絆が永遠のものとならんことを≫



≪悪魔党代表 第666代魔王 デスアビス≫





ミツエ「・・・お前の保護者はわたしだ、法皇にもそう伝える」

ミツエ「わたしとこの街を守りたければ心から従えってことね」






┌──────────────────────────

│レビュー:魔王♀ ????歳くらい?


│どこの世界でも、偉い人ってのはおんなじね。
│見栄っ張りで、わがままで、底意地が悪くて、悪知恵がはたらいて。

|そういう人たちあってのわたしたちだってのはわかってるんだけど、ね。
|ああ、もう、うんざりしちゃう。


|点数:2点><
└──────────────────────────
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:52:18.19 ID:NyeYYPZX0


ミツエ「見栄の張り合い、ハッタリのきかせあい、腹の探り合い」

ミツエ「こっちの世界もおんなじねえ、嫌になっちゃう・・・・・・・・・・」




(いっつもお仕事お疲れさま。 ありゃー、肩こってるねえ)

(・・・そんなこと言わないで。 おばあちゃんは、わたしたちの自慢なんだから)




ミツエ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの子たち、元気にしてるかしら」

ミツエ「体、壊したりしてないかしら」




(大丈夫だよ。いつまでも、甘えてられないもん)

(今度はわたしたちがおばあちゃんを養う番だもの)




ミツエ(親に似てしっかりした子たちだから、大丈夫だと思うけど)

ミツエ(不自由しない程度のものは遺してきたつもりだけれど・・・)




 ・・・ ギ ュ ッ 。




ミツエ(帰りたい。 あの子らにもう一度だけでも会わなくては)

ミツエ(会うことがかなわなくても、せめて何か一言だけでも・・・)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:53:05.82 ID:NyeYYPZX0

【???????】




 ミーン ミンミンミン ミーン


  ミーン ミンミンミン ミーン ・・・




???「・・・お盆だね」

??「新盆、だね」

???「新盆じゃないよ」

???「・・・」

???「だって、生きてるもん」




… ミーン ミンミンミン ミーン




??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・けれど」

???「山道運転してたら、トラックと正面衝突しちゃって」

??「・・・」

???「ガードレール突き破って落っこちて、車はぐちゃぐちゃ」

??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

???「それでも、死体は見つかってないでしょ」

18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:53:50.29 ID:NyeYYPZX0

???「それは、きっと・・・」

??「しつこいなあ、外に出た形跡も動物に食べられたあとだって全然無いって

   警察の人たちだって不思議がってたじゃん」

??「だけど」

???「きっと、異世界に転生したんだよ。 だってトラックだよ? そうに決まってるよ」



「そうだよね、おばあちゃん」



??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

???「あ、おばあちゃんって言っちゃった。 また怒られちゃう」

??「・・・あなた」

???「女はいつまでも花びら満開だって言ってたからなあ」

??「せめて、遺影だけでもかざってあげないと」

???「だからまだ死んでないって」

??「おじいちゃんがひとりぼっちになっちゃうでしょう?」

???「・・・あ、おばあちゃんきっと、おじいちゃんのところにいるんじゃない?」

??「・・・・・・」

???「死んじゃったって意味じゃないよ。 きっとおじいちゃんも先に転生してて」

??「もうやめて」

???「・・・ごめんなさい」

??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 ・・・ ミーン ミンミンミン ミーン
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:54:35.18 ID:NyeYYPZX0


 ミーン ミンミンミン ミーン…




??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

???「・・・ごめんね」

??「・・・ううん。 もしかしたら、そうかもしれない」

???「え?」

??「おばあちゃん、おじいちゃんのところに、いるのかもしれない」

???「そうでしょ?」

??「おじいちゃん、おばあちゃんのこと大好きだったものね・・・」

???「それなのに、おばあちゃんよりも先に亡くなっちゃって」

??「バチがあたったんだって、言ってたよね」



(おじいちゃん、昔は遊び人でねえ。 すごくカッコよくてモテたのよ?)

(わたしもよく泣かされちゃって、ねえ。 ほんとうに・・・)



???「・・・それでも、おじいちゃんのこと、大好きだったんだよね」

??「うん、ほんとうに大好きだったんだと思う。」

???「きっといまごろ、ふたりで楽しくやってるんだよ」

??「そうね、そう。 きっとそう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




 ミーン ミン ミン ミン   ミーン ミン ミン ミン ・・・
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:55:14.68 ID:NyeYYPZX0

【異種混合街 性転換の宿】




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 … トクン トクン トクン




(…胸の鼓動が止まらない)

(初めてのときみたいだ。 …いや、初めてか)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




(やめておけばよかったか。 ・・・くそ、何を今さら)

(覚悟を決めろ、もう後戻りは・・・)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ギシッ




「!」ドクン!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:56:20.31 ID:NyeYYPZX0


 ・・・ ギシッ  ギシッ  ギシッ

 ドクン   ドクン   ・・・




(き、来た…  来てくれた)




 ギシッ  ギシッ  ギシッ  ・・・

 ・・・ ドクン  ドクン  ドクン




(俺の心臓、すげえ勢いで鳴ってやがる)

(・・・早鐘のよう、ってのはこういうことか)




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ギ シ ッ




(止まった、ドアの外で。 入ってくる ───────)




 ガ チ ャ リ 。   キ イ …
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:57:05.80 ID:NyeYYPZX0


 ガ チ ャ リ 。   キ イ …


     パ  タ  ン  。




ミツエ「・・・お待たせ」

??「・・・・・・・・・・・・」

ミツエ「呼んでくれて嬉しかったわ、ゼルくん」

??「・・・・・・・・・・・・あ、ああ」

ミツエ「いえ、ゼルゼルちゃんって言ったほうがいいのかしらね」

ゼル♀「い、いや。 どっちでも」

ミツエ「じゃあせっかくだから、ゼルゼルちゃん」スッ

ゼル♀「あっ」



 ・ ・ ・ ハ ラ リ 。



ミツエ「まあ、きれい」

ゼル♀「そう、かな」

ミツエ「嫉妬しちゃう、うふふふふ」グッ!

ゼル♀「そんなこと・・・ あ」



 ─ ギ シ ッ 。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:57:39.03 ID:NyeYYPZX0

ゼル♀「ミ、ミツエさん。 お、俺・・・」

ミツエ「ふふっ」…ペロリ



「たまにはわたしに、リードさせてちょうだい」



ゼル♀「・・・ああっ、ミツエさん」

ミツエ「ふふ、ゼルゼルちゃん。 あふれでる蜜でとろとろになってるわよ」チュク

ゼル♀「うっ・・・ ああっ」ビクッ!




  ─ つ ぷ っ




ゼル♀「 ! 」

ミツエ「・・・ほんとうに、いいのね。 後悔しない?」

ゼル♀「あ、ああ。 やってくれ。 俺のはじめて、やっちまってくれ」

ミツエ「わかったわ」… ツ ッ




  つ 、つ 、つ っ …


     ぷ つ っ 。




「 あ  あ  あ  あ  っ  ・・・ 」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:58:32.90 ID:NyeYYPZX0

ゼル♀「は、はあ、はあ、はあ・・・」ビクン ビクン

ミツエ「ふふふっ、可愛かった」

ゼル♀「はあ、すご、かった・・・」

ミツエ「女の子相手は、わたしも久しぶりだったからねえ。 上手くできて良かったわ」

ゼル♀「・・・俺のはじめて、ミツエさんに頼んでよかったよ」

ミツエ「はじめてなのに、こんなに感じてくれるなんて。 ・・・嬉しいわ」

ゼル♀「俺のほうこそ、ありがとう(・・・やっぱり、慣らしておいてよかった)」

ミツエ「ふふふっ。 ・・・・・・・・・・・・」

ゼル♀「今日は、ほんとうに、ありがとう・・・ 無理言っちゃって・・・」ウト…

ミツエ「大丈夫? ゼルゼルちゃん」

ゼル♀「あ、ああ。 ちょっと、よくなりすぎた、みたい・・・」ウツラ ウツラ

ミツエ「いいわよ、寝ちゃっても」

ゼル♀「ごめん。 ・・・・・・・・・・・」




ほんとうにごめん。 女の子相手なんてやってないのに、無理言って。

でも、俺のはじめて、なんとかして、ミツエさんにもらってほしかったんだ・・・




ゼル「・・・・・・・・すう・・・・・・・・」

ミツエ「おやすみ、ゼルくん。 ・・・・・・・・」




もう、ゼルくんったら。 勝手なんだから。

あなたのいちばんはじめて、わたしがもらいたかったのに。
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:59:34.01 ID:NyeYYPZX0

ゼル♀「ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」シュウウ…

ミツエ「あら」

ゼル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐう」…シュー

ミツエ「元に戻っちゃった。 ・・・・・・・・・・・」




(・・・ほんとうにあなたったら、いつも勝手なんだから)

(ひとりで勝手に決めて、勝手なことばかりして)




ゼル「すう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミツエ(いろんな女の子に言い寄られて、断りきれないでお付き合いして)

ゼル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐー」

ミツエ(あとくされなく離れるってことが出来なくて、いつも最後まで面倒見ようとして)

ゼル「すぴー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミツエ(そのせいで何度も何度もだまされて、いいようにされて。 それでも・・・・・・・・)

ミツエ(でも、そんなことはどうでもいいの)…スッ




 … ナデ ナデ




ミツエ(なぜ、もうすこし・・・ もうすこしだけでも、生きていてくれなかったの?)
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 01:01:55.02 ID:NyeYYPZX0


 誰にも内緒で医者にかかって。 余命宣告も教えてくれないで。

 最後の最後の最後まで、自分の好きなように生きて。

 わたしたちの言うことなんか全然聞いてくれないで・・・・・・・・・・




ゼル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐう・・・・すう・・・」




 ふざけないで、誰があなたと同じ時間なんか生きてやるものですか。

 今度はわたしがあなたを追いていってあげる。

 わたしがどんなにさみしかったかつらかったか、わからせてあげるんだから。




ミツエ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ナデ ナデ

ゼル「ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミツエ(・・・だけど、それはもうちょっとだけあとまわし)クスッ




(おばあちゃーん)(おばあちゃん・・・)




ミツエ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




 ふたりとも、ごめんね。 だけれど・・・

 もう一度だけ、もうすこしだけ、この人に恋していさせて。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 01:04:35.37 ID:NyeYYPZX0




┌──────────────────────────

│レビュー:ゼルくん


│ほんとうに相変わらず。
│悪い友だちと一緒に女の子追いかけてばっかり。
|まあ素人の子に手を出さなくなっただけ、成長したのかもしれないけど。

|見栄っ張りでわがまま、甘えん坊で威張りん坊、スケベでスケコマシ。
|子供に大人にお年寄り、男の悪いところ全部集めたような人。

|おまけに冒険者なんて危ない仕事しちゃって。
|そんなに稼がなくったっていいのに。わたしもう、何もいらないのに。
|長生きのエルフさんなんだから、ゆっくり長生きしてくれればいいのに・・・


|ああ、ほんとに、ほんっとうに、勝手な人。





|点数:100点♡
└──────────────────────────






※おしまい※
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