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女友達「だから、本質は照れ隠しなんでしょ?」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/02/27(木) 01:03:07.30 ID:/796ddojO
「あなたの事なんて好きじゃないんだからね」
「突然どうした?」
「有名なツンデレの台詞よ」
「熱でもあるのか?」
いきなりツンデレになられても反応に困る。
高熱で脳みそが溶けちまってるのかと思い。
女友達の額に手を当ててみると平熱だった。
「ちょっとは体温を上昇させろよ」
「恒温動物に無茶を言わないでよ」
「変温動物にだって不可能だと思うが」
「わかってるなら、馬鹿なこと言うな」
言葉のキャッチボールを楽しめないとは。
なんて可哀想な奴なんだ。不憫だと思う。
そんな俺の憐れみの視線に、腹を立てて。
「なによその生温かい眼差し。ムカつく」
「俺はただ、お前を憐れんでいるだけだ」
「怒りで体温が上がってきたんだけど?」
この女友達はあまりにも沸点が低すぎた。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1582732987
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/02/27(木) 01:05:39.10 ID:/796ddojO
「そんなことより、話を戻せよ」
「は? 何の話よ?」
「お前がツンデレの話題を振ったんだろ?」
「ああ……そういえば、そうだったわね」
テヘペロっと、舌を出す女友達は可愛かった。
「ツンデレって、よくわからないのよね」
「読んで字の如くじゃないのか?」
「普段ツンツンしてる子がデレるってこと?」
「それ以外にどんな意味があるんだ?」
すると女友達は、ニヤリと、口の端を曲げて。
「ツンツン脇腹を突っついたら出ちゃうとか」
「何が出るんだ?」
「それは、もちろん、うんちよ!」
くだらない。俺は溜息を吐きながら指摘した。
「それだと『ツン漏れ』になっちまうだろ」
「フハッ!」
「おかしな嗤い方をするなよ。癖になるぞ」
「あっ……ごめんなさい、私ったら、つい」
少しは品性というものを身につけて貰いたい。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/02/27(木) 01:08:16.52 ID:/796ddojO
「それで、ツンモレのことなのだけど」
「ツンデレの話だろ?」
「ああ、そうそう。それを言いたかったのよ」
一字違いでえらい違う。気をつけて頂きたい。
「ツンという部分に、違和感があるの」
「具体的には?」
「あれはあくまで照れ隠しでしょ?」
あまり詳しくはないが、概ね、間違いはない。
「まあ、そうだな」
「だったら、『テレデレ』と呼ぶべきよ」
「まるで、テレビ電話みたいな語感だな」
「人の閃きを駄洒落みたいに言わないで」
残念ながら、俺には、駄洒落としか思えない。
「しかし、テレデレは発音が難しくないか?」
「たしかに、デレデレという表現と被るわね」
「そもそも、似ているようで、やはり異なる」
「そう? 似たようなものだと思うけど」
「テレデレとツンデレは、似て非なるものだ」
「具体的な違いは?」
「照れ隠しに、ツンツンするかしないかだろ」
なんだか話が振り出しに戻ったようで不毛だ。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/02/27(木) 01:10:03.45 ID:/796ddojO
「だから、本質は照れ隠しなんでしょ?」
「だけど、結果としてツンツンするんだ」
俺たちの意見は一見同じに見えて大きく違う。
「テレが本質よ」
「ツンが結果だ」
本質と結果。どちらを優先するべきか揉めた。
「たとえば、私が照れたとするわ」
「それがどうした?」
「だからと言って、暴力は振るわない」
「当たり前だろうが」
何を言ってるんだ、こいつは。至極、当然だ。
「つまり私は、テレデレなのよ」
「お前のことなんて、どうでもいい」
「あ?」
「ぼ、暴力反対」
胸ぐらを掴まれたので両手を上げて降参した。
「あら、私ったら、ごめんなさいね」
「思いっきり、暴力を振るおうとしたよな?」
「今のは単純な怒りよ。照れ隠しではないわ」
あんなのが照れ隠しであって、たまるものか。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/02/27(木) 01:12:15.52 ID:/796ddojO
「では、こうしましょう」
「どうするつもりだ?」
「照れ隠しに、今からうんちを漏らします」
脈絡なくおかしなことを言うのはやめてくれ。
「お前、ツンモレだったのか?」
「何を隠そう、ツンモレとは私のことよ」
「いや、少しは隠せよ」
「嫌よ。私は我慢するのが何より嫌いなの」
ただのわがままで糞を漏らされても困る。
「ひとまず考え直せ。絶対に後悔するぞ」
「それはあなた次第ね」
「どういう意味だ?」
「私に漏らしたことを後悔させないで」
「具体的には?」
「よくやったと頭を撫でて頂戴」
アホかこいつ。いくらなんでも、それはない。
「あのな、いいかよく聞け」
「手短に頼むわ」
「例えば俺が漏らしたとするだろ?」
「道理で臭うと思ったわ」
「例えばの話だ! 鼻をつまむな!」
すぐさま鼻をつまんだ女友達を叱りつけると。
「ごめんなさい。ちゃんと嗅ぐわ」
「嗅ぐな!」
くんかくんかと鼻を鳴らし始めたのでキレた。
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