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【百合モバマス】南条光・小関麗奈「罪色カタルシス」【ヒーローヴァーサス】
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12 :
◆K1k1KYRick
[saga]:2020/04/01(水) 21:39:44.81 ID:cPpLvxGd0
「あー、チョイ、チョイ」
そんなアタシたちの間に割って入ったのは、禿げ頭で小太りの中年男性。
なりこそ小汚ないが彼は名の通った特撮監督で、デビュー辺りから
アタシと麗奈に懇意にしてくれている共通の恩師でもある。
「盛り上がっている所悪いが、仕事中だぞお嬢ちゃんたち」
アタシと麗奈はすぐ切り替え、頭を深々と下げて詫びた。
「まあいい、さっきの二人ともスゴく良かったぜ。お陰でエモい絵が撮れた、撮れた」
「か……監督!? まさかさっきのシーンを使う気じゃ……!?」
「別に良いじゃないか、尊みがあってよぉ。
脚本見た時なんか足りねぇなぁって思ってたんだが、そうだ、キスだ。
こんだけ格好良く助けられたら男も女も関係ねぇ。
キュンときた心を抑えきれる方が不自然ってもんだ」
「ダメダメダメダメダメッッ!」
アタシと麗奈は千切れんばかりに首を左右に振った。
「こんなキス元々台本にないし!」
「固い事言うなよ、アドリブって事で良いぜ俺は」
「とにかくダメったらダメっ! カットして!」
「あーはいはい、分かった、分かった。
大胆に告白かました恋人のために、このシーンはカットして本編では使わないよ。
あーあ、もったいないねぇ……」
ようやく監督が折れたので、麗奈はまた気持ちを入れ替えて撮影に挑む。
しかし、まさか麗奈もアタシを好きだなんて思ってもみなかった。
アタシの出番はあれで終わりなので、監督の隣に座ってずっと麗奈を見ていた。
彼女の視線とかどうしても意識して一人でに熱い汗が滲み出てくる。
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