久川颯「Pちゃんはミニスカのはーとロングスカートのはー、どっちが好き?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:25:08.83 ID:TlW/t3gao


  ―都内、アイドル事務所にて―


久川颯「Pちゃんはミニスカートのはーとロングスカートのはーだとどっちが好きなの?」

P「……えっと、どうしたんだ?」

颯「ほら、Pちゃんってはーのファン第一号なんでしょ?」

P「ああ、それはそうだな。プロデューサーは担当アイドルの最初のファンだ」

?「生まれる前からはーちゃん単推しの凪を差し置いて一人目を名乗るとは、こいつはいい度胸をしている」

颯「だから、最初のファンなPちゃんの期待に応えてみようかな〜って思ったんだ。アイドルはファンサービスもちゃんとしなくちゃね!」

P「今なんか通っていかなかった?」

颯「なんか?」

P「いや、なんでもない。凪は下ツインテ三人での撮影でいないはずだからな……」

颯「? よくわかんないけど、結局Pちゃんはどっちのはーが好きなの?」

P「どっちの颯が好きかと言われてもな……スカート一つでファッションが決まらないことくらい颯ならわかるだろ。コーディネート次第だとしか言えないよ」

颯「Pちゃんはちゃんとトータルコーデで判断するタイプかー」

P「もちろん、颯は本人の素材がいいからどんな格好をしていても良く魅せられるだろうとは思っているよ」

颯「えへへぇ〜、どんなはーでも可愛いなんて、Pちゃんってばホントにはーのこと大好きなんだからー」

P「(よし、楽しく話せたな!)」



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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:26:50.45 ID:TlW/t3gao


  〜翌日〜


颯「Pちゃん、今日のはーはミニ丈スカートのコーデにしてみたよっ」

P「ああ、昨日言ってた……あれ、俺ミニスカがいいなんて言ったっけ?」

颯「うん、Pちゃん結局ちゃんと答えてくれなかったから、もうどっちも着てみることにしたんだ。今日はミニの日だから、明日はロングだよ!」

P「そうなのか」

颯「そうなの。それで……ね、Pちゃん、どうかな。はー、可愛い?」

P「もちろん颯は可愛いよ。それに服装もよく似合っていると思う。ホワイト系のサマーニットに明るめの青いフレアスカート、色の合わせ方も爽やかで俺は好きだな」

颯「えへへ、やったー!」

P「個人的にはニットの選択がビッグシルエットなのも良い」

颯「それは予想通り、なんせはー、Pちゃんの好みはばっちり知っているからね! Pちゃん、明日も楽しみにしていいよ」

P「(よし、今日も楽しく話せたな!)」

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:28:19.65 ID:TlW/t3gao

  〜別の日〜


颯「Pちゃん、明日のお昼はお肉とお魚だとどっちが食べたい?」

P「え、そうだな……肉か魚かで言えば魚かな」

颯「ふむふむ。メインは魚で、と……じゃあポテトサラダとマカロニサラダだったらどっちが好き?」

P「その二択ならポテトかなあ」

颯「なるほどっ。じゃあじゃあ、嫌いな食べ物ってある? これだけはだめだーってやつ」

P「大人は好き嫌いなんてしないさ」

颯「えーっ! Pちゃんスゴい! クラスの男子なんて野菜ぜんぜん食べられない子ばっかりなのに、オトナってスゴい……!」

P「……ごめん、見栄を張って嘘ついた。生野菜はあまり好きじゃない、特にプチトマト」

颯「うん、知ってた。Pちゃん、嘘つくとき前髪触るもん。すぐにわかるよ」

P「う、そんな癖があったなんて知らなかった。というか気付いていてあの反応だったのか」

颯「オトコの人はとにかく褒めたら喜ぶから、褒めて褒めて褒めるべしだって雑誌に書いてあったのを実践してみたんだー!」

P「……ああ、そういうこと書いているな、女性ファッション誌って」

颯「うん。けどPちゃんも見栄を張ったりするんだね」

P「大人になるほどしょうもない虚勢を張ってしまうものなんだよ。人にかっこ悪いところを見せられなくなるんだ」

颯「あ、わかるわかるっ! オトナはムズカシーってやつだ」

P「そういうこと」

颯「ふっふーん、そんなツラいオトナなPちゃんのためにはーが一肌脱いであげる! 明日のお昼、お弁当作って持ってきてあげるから楽しみにしていいよ!」

P「ああ、さっきから何を聞いていたかと思えばそういうことか。ありがとう、助かるよ」

颯「えへへ〜〜♪」

P「(よし、楽しく話せたな!)」

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:29:39.65 ID:TlW/t3gao

  〜それから翌日〜


颯「Pちゃん、どう? ちゃんと美味しくできてるよね?」

P「ん、美味しいよ。魚のフライにポテトサラダ、玉子焼き。それに飾りウインナーまで。子供の頃に遠足で食べたお弁当みたいで楽しくなるな。小中は給食だったし、高校では学食だったから、こういう弁当って遠足でもないとなかなか食べられなかったんだよなあ」

颯「えへへ、よかった……ちゃんと美味しく作れていたみたいで」

P「本当に美味しいよ。玉子焼きも、ちゃんと出汁の味がしているし、これは家庭料理のプロが作る味だよ。師匠は五十嵐さんか?」

颯「うん、正解っ。聞いてよPちゃん、響子ちゃんってスゴいんだよ! とにかく手際がめちゃくちゃよくて、味加減なんかも適当な量をちゃんと計らなくてもわかってるし、教え方もすっごくわかりやすかった!」

P「そうか、五十嵐さんに教えてもらえてよかったな」

颯「うんっ」

P「(よし、楽しく話せたな!)」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:30:20.54 ID:TlW/t3gao

  〜別の日〜


颯「Pちゃんもやっぱり……その、お、お、お――おっぱいに興味あるの!?」

P「………………棟方ァ!!!!!」

颯「どうして急に愛海ちゃんのことを怒鳴っているの!?」

P「棟方さんに何か変なことを吹き込まれたんじゃないのか?」

颯「ち、違うよ! 無実、無実だから今回は!」

P「そ、そうなのか。その、胸の話題と言えばてっきり棟方さんが原因かと」

颯「Pちゃん、そういう決めつけはよくないと思うよ」

P「そうだな。それについては反省しないといけない、気を付けるよ」

颯「うんうん、そういうPちゃんの素直なところ、はーすっごく良いなって思うよ」

P「(よし、楽しく話せ――)」

颯「とっ、ところでPちゃん、やっぱりその、えっと……Pちゃんはおっぱい好きなの?」

P「(そこはいつも通り場面転換でいいだろ!?)」

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:30:54.52 ID:TlW/t3gao

颯「Pちゃん?」

P「ああ、いや、そうだな。たぶん好きだったんじゃないかな。さすがに赤ん坊のころのことだから覚えていないけれど、母親からはよく飲む子だって言われたよ」

颯「そうだったんだー! えー、赤ん坊の頃のPちゃん、すっごい見てみたいなー!」

P「俺の赤ん坊姿なんて別に見ても面白いものじゃないぞ」

颯「見てみないとわかんないよ。そうだっ、今度Pちゃんのアルバム見せてよ」

P「アルバムか……こっちに持ってきたかな、実家に置きっぱなしにしていたような」

颯「ええー、はーたちよりもちっちゃいPちゃん見たかったなぁ」

P「そんな見たいものか?」

颯「うんっ。Pちゃんがどんな子供だったのか知りたい!」

P「そうか。まあ、颯が見てみたいなら今夜にでも少し探してみるよ、もしかしたらどこかに紛れているかもしれないし」

颯「ホント!? ふっふっふ、アルバムからPちゃんの弱み見つけちゃおーっと」

P「……やっぱり探すのやめるか」

颯「わーっウソウソ、弱みなんて探さないから!」

P「(よし、楽しくごまか、もとい話せたな!)」

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:31:22.38 ID:TlW/t3gao

  〜そして翌日〜


颯「Pちゃん! そういえば結局Pちゃんはおっぱい好きなの!?」

P「くそっ! 一晩経ってから思い出したか!」

颯「朝の歯磨き中に寝ぼけた美穂ちゃんがおっぱいに歯磨き粉をこぼしていなかったら忘れていたままだったよ……!」

P「あれって意外と拭き取るくらいだと取れないんだよな」

颯「パジャマだったからすぐに洗濯機に入れてたよ――じゃない! もーっPちゃんはすぐに話を逸らすんだから!」

P「そういえば昨日言っていたアルバム、家にあったから持ってきたんだけど見るか?」

颯「見る!」

P「(よし、今日も楽しくごまかせたな)」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:31:51.56 ID:TlW/t3gao

  〜別の日〜


颯「Pちゃんは、はーのことが好きだよね?」

P「(ライブ前だからか……少し不安そうだな。こういうときは――)」

P「ああ、好きだぞ。前にも言っただろう、アイドルの最初のファンは担当プロデューサーだって」

颯「そうだよね。あはは、ほーんとPちゃんってば、はーのこと好きすぎるんだから」

P「ああ、そうだな。そしてそれは、今となっては俺一人じゃないんだ」

颯「うん、知ってる。ありがとうね、Pちゃん」

P「おいおい、感謝はまだ早いぞ。颯はこれからのアイドルなんだから、まだまだやることも多い。それに――」

颯「もーっ、わかってるって。心配しなくても大丈夫だよ。だってはーは完璧だし、それにPちゃんだってついてるんだから」

颯「だからなーがいなくても、事務所の先輩たちが誰もいなくても……このステージのお客さんたちを盛り上げて、みーんなっ、はーの虜にしちゃうんだから!」

P「(調子が出てきたみたいだな、よかった)」

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:32:20.00 ID:TlW/t3gao

  〜ライブ終了後〜


颯「P゛ち゛ゃ゛ん゛ラ゛イ゛ブ゛お゛わ゛っ゛ち゛ゃ゛っ゛た゛〜〜〜」

P「ぎゃーっ! スーツに鼻水が! 鼻水が!!」

颯「ずびっ、ちーんっ……ふぅ、あのねあのねっ、お客さんすっごく盛り上がってくれた!」

P「そうだな。ところで今思いっきりスーツで鼻かんだよな」

颯「はーが歌って、踊って。それを見ていっぱいのお客さんが応援で返してくれるんだっ。それがすっごく嬉しいし楽しくてねっ。だからもうライブが終わっちゃったなんて思うと……ううっ、早すぎる」

P「ははっ、始まる前は不安そうにしていたのにな」

颯「う……そ、それはだって、なーもいない、先輩たちもいない、はーひとりだけのライブなんて初めてだったから仕方ないじゃん!」

P「責めてるつもりじゃないさ。むしろ凄いと思っているよ」

颯「えへ〜、もっと褒めて褒めてっ」

P「凄い凄い。よく頑張ったぞ」

颯「えへ、えへへ。も〜Pちゃんったらほんとにはーのこと大好きなんだから〜」

P「ああ、それはこれからもずっと変わらないだろうな。いや、それどころかどんどん好きが大きくなっていくかもしれない。颯がアイドルを続けていく限り、どこまでだって好きになっていくよ、俺も、ファンのみんなだって。だから――明日からもよろしくな、颯」

颯「――うん、これからもはーのことを応援してねっ」


  おわり


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:33:06.15 ID:TlW/t3gao



  〜おまけ〜


凪「りあむちゃんさん、凪は今度のはーちゃんのライブに参戦します」

りあむ「え! 凪ちゃん颯ちゃんのライブ行くんだ! いいなあ、ぼくも行きたかったんだけどチケットが当たんなくてさ〜。マジイープ〇スぶっ壊してやりたい。やむ」

凪「当然ですね、凪とはーちゃんは表と裏、陰と陽、となりのトトロととなりの席のますだくんのように運命づけられていますからチケットなんて。もちろん関係者席です」

りあむ「ずるっ!! い、いやよく考えたら用意されていて当然だけど!」

りあむ「でもいいなぁ〜ぼくも行きたかったよぅ」

凪「りあむちゃんさん、関係者席なんですが実は」

りあむ「えっ! もしかしてぼくも関係者席で参戦できるの!?」

凪「残念ながらご用意できませんでした。これからも凪プラスをよろしくお願いします」

りあむ「え、もしかして凪ちゃん自慢しに来ただけ!? めっちゃやむ!!」

凪「Pに誕生日プレゼントをねだった甲斐がありました」

りあむ「うわぁーん! ぼくも誕生日! 誕生日ということにしてチケットくれよPさまぁー!」


  おまけ、おわり

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/16(火) 00:34:30.02 ID:TlW/t3gao
はーちゃん、なー、お誕生日おめでとう。
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