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男「大将! 油マシマシのアチアチラーメン一丁」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/07/05(日) 09:06:50.34 ID:sGoLw9kr0
??
ナナフシの着た服は、色は同じであるものの大タヌキのそれに比べて生地が丈夫でかつ上下に分かれたものであった。そして、手にはめられたゴム手袋。顔を覆うマスクにゴーグル、頭にのった同色の帽子が示す答えは、大タヌキとの関係性だ。ナナフシは、医者であったのだ。ならば大タヌキは。当然、患者であろう。
「先生。堪忍してくれ!」
「そんなものを食べてごらんなさい。折角下がった血圧が、また上がりますよ。そうしたら、次に手術ができるのがいつになるかわかったもんじゃありません!」
声を荒げる二人を前に、店主は、ようやく状況を飲み込みつつあった。察するに、何らかの手術を前にして逃げ出した大タヌキを医者であるナナフシが追ってきたのであろう。
三か月前のあの日、ナナフシはここ「雷来軒」で如何にも不健康そうな大男を見つけた。そのあまりの巨体、土色の肌、そして巨大なラーメンを貪る大タヌキを、ナナフシは医者として見過ごしておくことができなかったのだ。大好物の「こってりラーメン」を前にして、意を決し先に店を出た大タヌキを追った。そして、ナナフシは自らの素性を大タヌキへと明かし、自らが勤める病院で検査を受けることを薦めた。
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