男「上司とゾンビサバイバル」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 20:54:45.17 ID:b87AJek30
職場、トイレ

男「あ、上司さん」

上司「お疲れ様、男君」

男「今日も暑いですね」

上司「もう七月だからねぇ。例年より暑いらしいよ?」

男「そういえば、昼どうしますかねー」

上司「あれ、今日外食? 一緒しようかなぁ」

男「そういうことじゃなくてですね」

上司「なんだい?」

男「さっきゾンビ出たんですよ、廊下に」

上司「ん? なにそれ」

男「ゾンビですよ、ゾンビ。人食って、食われた方もゾンビになるあれです」

上司「それは分かるんだけどね、廊下ってなんだい」

男「ちょっと来て下さい」グイ

上司「待って、男君! まだチャック締め切って――」

男「そーっと廊下覗いて下さい」

上司「な、なん――」ソッ

ゾンビ「オォォオ」

部下「ぎゃああああ!」

上司「ひぃぃいいいい!!」

男「ね?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1595764484
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 20:59:57.73 ID:b87AJek30
上司「な、なにあれ!」

男「ゾンビですよ」

上司「分かってるよ!! なに、本物!?」

男「みたいですね」

上司「部下君食べられてたよ! 血、血が沢山!」

男「はい」

上司「なんでそんなに落ち着いてるの!」

男「上司さんのせいですよ! びびって催して逃げてきたら、なに穏やかに小便してるんですか! 流れ落ち着いちゃったでしょうが!」

上司「だ、だって知らなかったんだもの!」

男「知りませんよそんなの!」

上司「え、待って。なに、ゾンビなのあれ? 本当に?」

男「ゾンビ以外ないでしょあんなの!」

上司「え、え? ははは、いやいやいや。もう一回確認するよ」

ソーッ

部下「ぎゃ、たす、たす、けて……」


上司「あれゾンビだよ! 男君! ゾンビゾンビ!」

男「わかってますってば!!!」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 21:04:11.92 ID:b87AJek30
上司「警察呼ぼう、警察!」

男「さっき掛けたら繋がらなかったです!」

上司「そんなのないよぉ……」

男「ど、どうしますか! 逃げますか! 窓、窓から逃げましょうよ!」

上司「ここ二十階だよ!? 無理だって!」

男「パラシュートとかないんですか! 防災用の!」

上司「ある訳ないでしょうが!」

カツ、カツ、カツ

男「え?」

部下「オォォオオ……」

上司「ぎゃああああ!」

男「大声出すから入ってきちゃったじゃないですか!」

上司「君だって大声出してたじゃない!」

男「上司さん、何とかして下さいよ! あれ部下でしょう!」

上司「ゾンビの部下なんてどうしようもないよ!」

男「いいから!」

上司「部下君、下がりなさい」

部下「オォオオオオ!」

上司「無理! 凄い歩いてきてる!」

男「やばいやばいやばい!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 21:07:56.55 ID:b87AJek30
上司「う、うわああああ!!」ドンッ

部下「オォォオ……」バタリ

上司「や、やっつけた! やっつけたよ男くーん!」

男「倒れただけですよ! 今のうちにトイレ出ましょう!」

上司「う、うん!」

タッタッタッタッ

ゾンビ「オォォオ」

ゾンビ「ウゥゥ」

ゾンビ「アァアアア」

ゾンビ「アアアー」

上司「ぎゃああああ! ゾンビで一杯だ!」

男「分かってますよ! 早く逃げましょう!」

上司「どこに!?」

男「ひ、非常階段だ! あそこの扉は分厚いから、逃げ込めば入ってこれませんよ!」

上司「よ、よし行こう!」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 21:13:00.92 ID:b87AJek30
非常階段

ガチャ、バタン!

上司「はぁ、はぁ、はぁ」

男「やっぱり、思ったとおりだ。誰も居ない」

上司「ほ、ほんとだね。どうして分かったんだい」

男「多分、逃げようとした人は皆エレベーターに向かったんですよ。人間、咄嗟になるといつも使ってる帰り道を使っちゃうもんですから」

上司「なるほど! 流石男君!」

バン! バン! バン!

上司「ヒッ!」ズザ

男「扉は破られないとは思いますが、鍵は掛かってないんで、何かの拍子に開くかもしれません。急いで降りましょう!」

上司「わ、分かったよ!」

タッタッタッタ

男「そういえば、上司さんなにで通勤してます!?」

上司「電車だよ!」

男「俺車です! 乗っていって下さい!」

上司「助かるよぉ、ひぃ、ひぃ!」

男「汗だくじゃないですか!」

上司「40過ぎだよ!? こんなに走るのなんて何年振りか!」
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