結標「私は結標淡希。記憶喪失です」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆ZS3MUpa49nlt [saga]:2021/07/03(土) 23:39:09.88 ID:J2dUQG+b0


1スレ目
一方通行「バカみてェな三下を顔面パンチしたら記憶喪失になった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1328838816/
2スレ目
結標「何でコイツと同じクラスなのよ!?」一方通行「それはコッチのセリフだ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1331555151/
3スレ目
一方通行「もォ今年も終わりか」結標「何だかあっという間よね……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1335711061/
4スレ目
結標「わ、私が……」一方通行「超能力者(レベル5)だとォ!?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363437362/

スレタイ通りあわきんが記憶喪失になってる、一方さんとあわきんコンビのラブコメ?です

※注意事項

>>1の勝手な想像で物語が進むので、設定改変・キャラ崩壊・ご都合主義しかない

新約11巻くらいまでで止まってる知識

基本台本形式

週一更新できるといいね


もうオワコンかもしれないけどシコシコやっていくわ





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1625323149
2 : ◆ZS3MUpa49nlt [saga]:2021/07/03(土) 23:40:39.52 ID:J2dUQG+bo


風が吹き荒れる中、二人の能力者が相対していた。



一人は少年だった。

触れたら折れてしまいそうな華奢な体。
透き通るような白い肌を持ち、肩まで伸ばした髪の毛は、それに同調するよう黒をそのまま脱色させたような白色をしていた。
中性的な顔立ちからして、知らない人間が見れば白人の女性と見間違える人がいてもおかしくないだろう。
全体的に白で統一された容姿だが、瞳は真紅に輝いていて、彼の圧倒的存在感を助長させていた。


一人は少女だった。

腰まで伸びる長い赤髪を二つに束ねて背中に流している、歳相応の顔付き、体付きをした至って普通の少女、いや、至って普通と形容するのは間違えだと感じる。
彼女の右手には軍用懐中電灯という、その姿に似付かわしくない物が握られているからだ。
警棒を兼ねることが出来るそれは使い方によっては凶器にもなるようなもの。
そのような暴力を、まるで手に馴染んだシャーペンを気軽さに持っているかのように、手に持っているからなおさらである。


「――つーかよォ」


白い少年が呆れた様子で口を開いた。


「オマエみてェな格下がこの俺に楯突こォなンざ、本当に面白れェ話だよなァ? ホント馬鹿みてェなヤツだなオマエって女はよォ」


「…………ふふっ」


神経を逆撫でするような言葉を受けても少女は特に気にする様子もなく、不敵に笑う。


「そんなこと言っちゃってもいいのかしら? 今の貴方の置かれてる状況っていうのはお分かり?」


「あァ? 何言ってンだオマエ?」


「……やっぱり分かっていないようね。本当に理解できるような人なら、普通貴方みたいな口答え出来ないはずだもの」


一呼吸を置き、少女は勉強を楽観視する成績不振の生徒へ現実を告げる教師のような口調で語りかける。


「最初はお互いたくさんの仲間達がいたわ。もちろん貴方にも、一人一人が頼もしくて力になってくれるような仲間がいたわけよ。……でもその頼りになる貴方の仲間たちは次第に数が減っていった。一人減ってはまた一人、って具合にね」


手持ち無沙汰になったほうの手で、軍用懐中電灯を適当に触りながら少女は続ける。


「それに比べて私たちは誰一人欠けていないわ。当たり前よね。そういう風になることは、最初から誰もが分かっていたことなのだから。これはそういうものなんだって」


「…………」


少年は特に反論もすることなく少女の方へ顔を向けていた。


「……つまりは多勢に無勢、いや、そういうレベルを明らかに超えてる絶望的な状況……そうね。まさしく貴方は今絶体絶命の状況へ陥っているってわけ」


少女が言った多勢というのは嘘でも妄言でもない。たしかに彼女の周りにはたくさんの人影があった。
その人影は獲物を逃がすまいと少年を取り囲むようにと広がっている。
絶体絶命。彼女が言ったように少年は端から見ればそういう状況にある。


3 : ◆ZS3MUpa49nlt [saga]:2021/07/03(土) 23:42:03.87 ID:J2dUQG+bo


少女の言葉を聞いた少年は、周りの人影をぐるりと見渡した。
そして、


「…………ぎゃはっ」


笑った。泣くこともなく、驚くこともなく、怒ることもなければ絶望することなく。
少年はただ、不気味な笑みを浮かべて笑った。


「ったく、グダグダと何を話すつもりなのかと思ったがただの状況説明かよ、くっだらねェ」


少年は呆れながらため息をつき、続ける。


「たしかに俺は一人だ。仲間と言えるよォなヤツらがいたことも事実だ。オマエにはたくさんの仲間っつゥのがいるってのも現実だ。だけどよォ、違うンだよなァ……オマエは根本的な部分を間違ってンだよ」


「間違っている……? 一体どこを間違っているというのかしら?」


「その考え方だよ」


頭をクシャクシャと掻きながら少年は続ける。


「状況的に考えりゃオマエは有利な状況にあるだろォよ。誰が見てもそれは明白だ。これを見てどっちが勝つか賭けようぜ、って話になったら大穴狙いの馬鹿以外は全員オマエが勝つって方にベットするってぐれェ圧倒的な有利だ」


彼が言っていることはまさしくその通りだ。
例えるなら将棋で全ての駒が揃っている万全な状態と、王将以外の駒全て落とされた危機的な状態、パッと見てどちらが勝つでしょうと言われているようなものである。
大多数の人間は数が多い方が勝つと予想するだろう。それが将棋のルールを詳しく知らない人でもだ。
それくらい当然のことを彼は言っている。


「じゃあ有利、っつゥのは何だ? オマエらに勝ち筋が出てくるっつゥことか? 場の勢いってのがソッチに流れるっつゥことか? ……いや、もっと単純に言ってやる。オマエ自身が強くなるっつゥことか?」


「……そうね。流れってのは結構あると思うわよ。スポーツだってプロの世界もアマの世界も必ず流れがある方が勝つわ。格下が格上に勝ったって事例結構聞くけど、結局それは格下側に流れがあったに過ぎないわ」


「そォだな。オマエの言ってることは本当に間違ってねェ、至極真っ当なことだ。だからこそ違うンだよ」


首を左右に揺らしポキポキと音を鳴らしながら少年は指摘する。


「たとえ流れっつゥのが全部オマエ側にあるとして、オマエが人生の中で最高潮といえる場面で、最高の力を発揮できる最強の状態にあったとしてもよォ――」


少年の呆れた表情が一変し、口元を引き裂くような笑みを浮かべた。



「別にこの俺が弱くなったわけじゃねェだろォが!! どンな状況だろォと覆らないその根本的な部分をわかってねェンだよオマエはッ!!」



「…………そうね。貴方の言うとおりかもしれないわ」


少年の咆哮を受けて少女は肯定する、が。


「でも勝負ごとにはもしかしたら、ってことがあるのよ? 全部が全部、貴方の言うようになるとは思わないことね」


その瞳には敗北の色など一つも見えていなかった。


「チッ、くだらねェ。奇跡なンてモン崇拝したところで何も変わンねェってこと、この俺が分からせてやるよ」




4 : ◆ZS3MUpa49nlt [saga]:2021/07/03(土) 23:42:49.18 ID:J2dUQG+bo


両者が身構える。瞬間、音を上げながら吹き荒れていた風が止んだ。
まるで二人の威圧に怖気付いたかのように。
数秒間、両者の睨み合いが続いた。二人の口が一斉に開く。


「「…………勝つのは――」」


少年と少女の姿が一瞬にして消えた。




































一方通行・結標「「――俺(私)たちドロボウ(ケイサツ)だッ(よッ)!!」」







5 : ◆ZS3MUpa49nlt [saga]:2021/07/03(土) 23:43:32.82 ID:J2dUQG+bo


シュバッ! バッ! ドッ! ズァン!!


吹寄「……何ていうか、別格、よね?」

姫神「うん。私たちがあの二人に割って入るなんて。逆立ちしても無理」

青ピ「これもはやケイドロやないやろ。もうこれただのドラゴンボールやん。出たり消えたりまさしくヤムチャ視点ですやん」

土御門「なぁにカミやんなら余裕で付いていけるだろ。さぁカミやん、ゴー・トゥ・ヘル!」

上条「付いていけるかッ!! そもそも俺からしたらアレはヤムチャ視点どころじゃねえからな? 戦闘力5のおっさん視点だぞ舐めるな!」

青ピ「またまた謙遜しちゃってー、チャパ王クラスの力はあるんでしょー?」

上条「誰だよそれ!? つーか絶対そいつヤムチャより弱いポジションのキャラだろ!? 結局駄目じゃねーかよ!」

吹寄「ちょっとうるさいわよドロボウども!! 捕まったんだから円の中で大人しくしときなさい!!」

上条・土御門・青ピ「「「はーい」」」

姫神「……でも。青髪君が言ってることもよく分かる」

青ピ「おおっヒメやんの同意をいただいたっ!? これはアレですわ、ヒメやんルート確定のフラグが……!」

土御門「そのフラグ差す穴、すでにセメントか何かで埋め立てられてないかにゃ―?」

姫神「いつも通りの日常だったら。何てことないことで笑い合えるような。私たちと何も変わらない感じだけど。『能力有りケイドロ』みたいな『能力』が関わるだけで距離を感じるというか……別人みたく感じる」

上条「そうか? 別に何も変わらないと思うけど? 一方通行は一方通行、結標は結標だろ?」

吹寄「たしかにそうだけど、別人みたいってのは分かるわ。だって――」


一方通行「あはっ、ぎゃはっ! オイオイ遅せェ遅せェぞ格下ァ!? せっかくハンデで反射切ってやってンのによォ、そンなンじゃ百年経っても追い付きゃしねェぞォ!!」

結標「ぐっ、今に見てなさい……すぐに取っ捕まえてその格下呼ばわり辞めさせてやるわよ!!」


吹寄「二人とも、何というか楽しそうに笑ってる気がするわ。あたしたちと一緒のときとはまた別のベクトルの笑顔」

青ピ「まあアクセラちゃんに限っては同意や。能力使ってるときの笑顔はホント恐怖を覚えるわ」

上条「そりゃお前がいつも馬鹿やってアイツ怒らせてるからだろ」

吹寄「ま、だからと言って別に何かが変わるわけじゃないんだけどね」

姫神「そうだね。何も変わらない」

土御門「…………」

上条「どうした土御門? そんなシリアスな顔して?」

土御門「いや、別に何でもないんだぜい。てか何だよシリアスな表情って? そんなものこんな状況でするわけないにゃー」

青ピ「つっちーがシリアスぅ? あはははははっ、なにそれすごぉ似合わなさそうやなー!」

土御門「……よーし、あとでシリアスごっこしようか。タイトルは『突然の仲間の死』。もちろん死人役はお前だ青髪ピアス」

青ピ「ぎゃあああああああああああああっ!! 土御門君がシリアスな顔で手の骨パキポキ言わせとるぅー!? ヘルプカミやん!!」

上条「大人しく死人役になればいいんじゃないかな?」

青ピ「誰にでも手を差し伸べることに定評があるヒーローに見捨てられたっ!? 話が違うでカミやん!!」

上条「誰だよそんな評価してるヤツ」

吹寄「どうでもいいけどあんまり暴れるんじゃないわよ。今はケイドロ中だから」

姫神「と言っても。もうすぐ終わる時間」

土御門「さて、超能力者(レベル5)の第一位(首位)と第八位(最下位)が本気でやり合ったらどちらが勝つのか、って言っても考えるまでもないかにゃー」


―――
――



1732.47 KB Speed:0.7   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)