【デレマス】ありす「恋」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:23:02.12 ID:u/mP8QrO0
ありす「…」


梨沙「おはよ、プロデューサー」

P「おー梨沙か、おはよう」

梨沙「今日の昼からのレッスンなんだけど…」


ありす「…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1626358981
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:26:10.71 ID:u/mP8QrO0
ありす(プロデューサー、後ろに寝癖が付いてますね…)

ありす(でも、梨沙さんは突っ込まない…ああ、見えてないんですね)

桃華「ご機嫌よう、ありすさん」

ありす(というか、プロデューサーと梨沙さんがお話しているのって、けっこう珍しいような…)

桃華「…ありすさん?」

ありす「…!ああ、おはようございます桃華さん」

桃華「ぼうっとしてらっしゃったようでしたけど、大丈夫ですの?」

ありす「ええ、問題ありません。考え事をしていただけですので」

桃華「なら、良いのですけれど…」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:26:53.32 ID:u/mP8QrO0
P「おーいありすー、そろそろ撮影現場に向けて出発するから、準備よろしくー」

ありす「あ、はい、今行きます」


ありす「では、行ってきます。また夕方にお会いしましょう」

桃華「ええ、お気をつけて」


桃華「…本当に、大丈夫なのでしょうか?心配ですわ…」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:27:29.20 ID:u/mP8QrO0
梨沙「あー、ありすの様子がおかしいんでしょ?」

桃華「ええ、最近ぼうっとされてる事が多くて…。疲れているんじゃないかと思うと、心配ですわね」

梨沙「ここんとこ1ヶ月くらい、あの調子よ」

桃華「それは、大きな問題ではありませんの!?急いで、プロデューサーちゃまに連絡しないと…」

梨沙「ありす本人が大丈夫だって言ってんなら、大丈夫でしょ。それに、あれはありす自身の問題よ。アタシたちがとやかく言うことじゃないわ」

桃華「ありすさん、自身の問題…?」

梨沙「そう。ありす自身が気付かないと意味が無いわ。今は、見守ってあげましょ」

桃華「…!そう仰るなら、見守るしかありませんわね…」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:28:39.34 ID:u/mP8QrO0
車内にて…

P「…」

ありす「…」

ありす(最近、プロデューサーの隣にいると、胸が締め付けられるように苦しくなります)

ありす(でも、いて欲しくない訳じゃない。一体何なんですか、この感情は)

ありす(大体、どうしてこんな人を意識しなきゃいけないんですか…)
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:29:15.09 ID:u/mP8QrO0
P『橘ありす、か。良い名前だな』

ありす『橘と呼んでください』

P『おお、分かった。よろしくな、ありす』

ありす『橘です。人の話を聞いていたんですか?』

P『えー、でも良い名前じゃーん、ねーありすー』

ありす『ふざけないでください。怒りますよ?』

ありす(人が嫌がることを平気でやってきたり…)
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:29:55.16 ID:u/mP8QrO0
P『お、ありす自主練?頑張ってるね〜』

ありす『プロデューサー、お疲れ様です。見世物じゃないので、お引き取りください』

P『え〜、せっかく歌が上手くなるコツでも教えようと思ったのに〜…』

ありす『…まあ、聞くだけ聞いてみましょう。何ですか』

P『じゃあ、目を瞑って力を抜いて〜…』

ありす『…』

P『…』

ありす『…?』

P『『『わっっっ!!!』』』

ありす『ひゃあっっ!!??』

P『ハッハッハッハッハ!』

ありす『もう、何なんですか!?怒りますよ!!』


ありす(人が真剣な時に、水を差してきたり…)
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:30:33.23 ID:u/mP8QrO0
ありす『ついに、歌のお仕事ですね…!』

P『ああ、長かったな…』

P『ありすのイメージに合うように、曲はバラード調にしてもらった』

P『歌うのは難しくなるが、大丈夫、ありすなら出来るさ』

P『この日のために今まで頑張ってきたんだ、絶対に成功させてやるからな』


ありす(…どうして)
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:31:18.12 ID:u/mP8QrO0
P『お、ありす髪束ねたのか』

P『いや、ちょっとドキッとしただけ。最近暑いもんな』


ありす(どうして…)


P「ありすー、コンビニに着いたけどどうする?何か買ってく?」

ありす(どうして、こんな人を…!)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:32:10.29 ID:u/mP8QrO0
P「…おい、ありす、大丈夫か!?」

ありす「えっ!?あっ、はい」

P「まさか、本当に体調が悪いのか!?だったら、今日の撮影はキャンセルして…」

ありす「いえ、問題ありません、大丈夫ですから」

P「そんな訳ないだろ…。何かあったのなら、聞かせてくれ」

ありす「…」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:32:42.45 ID:u/mP8QrO0
ありす「…わからないんです」

P「?」

ありす「どうすればいいか、わからないんです」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:33:35.63 ID:u/mP8QrO0
ありす「気が付けば、プロデューサーのことを目で追いかけていて」

ありす「頭の中が、プロデューサーの事でいっぱいで」

ありす「今も、プロデューサーの声を聞くだけで、胸が苦しくなります」

P「…」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:34:11.89 ID:u/mP8QrO0
ありす「わかってるんです、アイドルが、こんな感情を持ってはいけないことくらい…!」

ありす「でも、もう自分じゃ、どうにもならなくてっ…!」

ありす「私はまだ、アイドルを続けたいのにっ…!!」

ありす「私は、どうすればいいんですかっ…!」

P「ありす…」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:34:55.36 ID:u/mP8QrO0
P「すまなかった、そこまで悩んでることに、気付いてやれなくて」

ありす「…」

P「…俺はプロデューサーだから、その気持ちにそのまま応える訳にはいかない」

ありす「……っ」

P「でも」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:35:33.12 ID:u/mP8QrO0
P「俺はいつでも、ありすの側にいてあげられるし」

P「…どうしても耐えられない時は、抱きしめてやることもできる」

P「…今は、それでもいいか?」

ありす「…どうしても、耐えられそうにありません」

P「……そっか。じゃあ…」

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:36:04.38 ID:u/mP8QrO0
P「ただいま戻りましたー」

ありす「戻りました」

桃華「あら、お帰りなさい」

梨沙「おかえり。いつもより帰ってくるの早くない?」

P「それが、今日は撮影のNGが全然出なかったんだよねー」

ありす「当然です。私だって、アイドルとしてちゃんと成長してるんですから」

P「…確かに、笑顔が自然になったとは言われたな」

梨沙「…へえ、意外ね」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:36:44.48 ID:u/mP8QrO0
P「と、帰ってきて早々で悪いけど、ありすと今後の打ち合わせをするから、ちょっと会議室借りるわ。2人は先に帰っといてくれ」

桃華「あら、ありすさんはこれからも忙しくなりそうですの?」

P「…まあ、色々とな」

ありす「…」

梨沙「…ふうん」


桃華「では、私たちはこれで失礼いたしますわ。梨沙さん、行きましょう」

梨沙「うん、じゃあ2人とも、また明日!」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:37:28.30 ID:u/mP8QrO0
桃華「ありすさん、どうやら迷いが吹っ切れた様ですわね」

梨沙「何があったか知らないけど、良い方に転んだみたいだし、良かったわね」

桃華「…本当に、何も知りませんの?梨沙さんの口元が緩んでいらっしゃったのを、ちゃんと見ていましたわよ?」

梨沙「あーいうのは、水を差さないの!桃華の方こそ、本当は分かってるんでしょ!?」

桃華「…ええ、私も流石にそこまで鈍感ではありませんわよ。それにしても、プロデューサーちゃまも大変ですわね」

梨沙「ま、もっと大変なのはこれからでしょ。あの調子だと、もっとめんどくさいことになるわよ」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:38:28.30 ID:u/mP8QrO0

P「…というわけで、来月からライブに向けてのレッスンメニューが始まるから、そのつもりをしておいてくれ」

ありす「わかりました」

P「以上、今日もお疲れ様!」

ありす「…あの、最後にひとついいですか」

P「ん?」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:38:58.30 ID:u/mP8QrO0
ありす「…今日のことなんですけど、その、恥ずかしいので」

ありす「次からは、誰からも見えない所で、お願いします…」

P「…あー、うん、まあ、そりゃ、そうだよね…」

ありす「あと、その、もうひとつだけ」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:39:42.11 ID:u/mP8QrO0
ありす「あなたから、『愛してる』の一言が、聞きたいです…」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/07/15(木) 23:42:53.10 ID:u/mP8QrO0
終わりです。

どうか、皆様の思いも報われますように。
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