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【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】

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69 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/07/25(日) 19:18:16.84 ID:kSZaZ/Zr0


「……そういえば、クリスマスの予定は立てたのか?」


 秘密の特訓が終わったのち、シンボリルドルフはふとマヤノトップガンに尋ねた。


「まだ! でも、トレーナーちゃんと一緒に過ごしたいなーって」
「そうか。去年はひと悶着があったと聞くし、今年こそは早めに連絡をつけておくことをお勧めする」
「うん! そーするね! ありがと、かいちょーさん!」


 満面の笑みで返すと、シンボリルドルフは面食らったような表情を浮かべた。

 その表情が良く解らなくて、マヤノトップガンはふと聞き返した。


「どーしたの、かいちょーさん?」
「いや、去年のクリスマスはかなり大変だったんだろう? なのに、君はこの時期のことをなんとも思っていない、というか、むしろ望んですらいる」
「それが、不思議?」
「……ああ、そうだな。不思議、なのかもしれない」


 心配してくれていた。マヤノトップガンは、シンボリルドルフの様子をそう解釈した。

 だが、その心配はマヤノトップガンにとっては無用のもので。

 あの日、あの瞬間の体験は――むしろ、マヤノトップガンにとっては宝物のように煌めいて見えている。

 いつも強くて、自分のことを引っ張ってくれるトレーナーが、いつもは隠していた心の"うろ"の扉を開いて、想いを零してくれたこと。そして、それをあまつさえ拾わせてくれたこと。

 すべてを知りたいだなんて思ってはいないけど。ただ、自分の知らないトレーナーが知れたことで、まるで、自分の心の寂しさまで消えていくような――そんな気がしたから。

 その日は。


「特別な日、なんだ」


 特別な言葉で飾る必要はない。だって、それだけでもう、マヤノトップガンにとっては素晴らしい日の最大の形容なのだから。

 ルドルフは、その一言で何かを察しとったのか、くすりとほほ笑んだ。


「理解できないな」
「いつか、かいちょーさんにもわかる日が来るといいね」
「……。いつか、私も君みたいに――等身大の存在として、何かを想う日がくるのであれば。きっと理解ができるんだろう」


 そうつぶやくシンボリルドルフは、どこか懐かしむような瞳で、遠くを見つめていた――。


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