渋谷凛「フロッシュゲザング」

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14 : ◆Rin.ODRFYM [saga]:2021/08/29(日) 13:00:55.09 ID:8iVJtLSD0

「ねぇ。紙、ある?」
「紙?」
「前に見せてもらったやつ」
「前に?」
「なんで、あれだけ洞察力があるアピールしたのに、察しが悪いの」
「え? どういうこと?」
「契約の紙!」

「え!」という彼の今日一番の声が広いレッスンスタジオに響く。

「よろしく。プロデューサー」
「はい。こちらこそ、凛さん」
「凛でいいよ。それとも、『プロデューサーさん』に私も直したほうがいいのかな」
「あはは。やっぱり、良い子じゃん」
「またわざと怒らせてる?」
「え。俺の笑い声ってそんなに腹立つ?」
「冗談だよ」
「人が悪い」
「ふふっ、ほら。早く契約のやつ、出して」
「えっと。それなんだけど、凛は未成年なので保護者の同意が必要です」

私とプロデューサーの間に、数秒の沈黙が流れる。
そうして目を見合わせたあとで、二人して噴き出すのだった。

「じゃあ、プロデューサーの初仕事は、私の両親の説得だね」
「土下座でもなんでもござれだ」
「絶対しないでよ。私の家の前、結構人通りあるから」

のっそり立ち上がったプロデューサーに続いて、私も立ち上がる。
ややあって、彼は私の顔を覗き込んで「ちなみに、凛のお父様って怖い?」と訊いてきたので「すごく」と返してやった。
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