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渋谷凛「フロッシュゲザング」
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◆Rin.ODRFYM
[saga]:2021/08/29(日) 12:42:25.12 ID:8iVJtLSD0
○
やがて、ひとしきり意味なくうじうじと考えたあとで、全ての思考打ち切るように私はため息を吐いた。
そして、吐き出したそれから目を逸らすように首の動きだけで空を仰ぐ。
すっかり葉桜となった青々とした緑の間に、紫色の空があった。
夕方。
一日の中の区分のひとつ。
昼と夜の間。
などと、先ほど電子辞書で調べた春の項目に倣って考え、くだらないと鼻を鳴らした。
目を閉じる。
風の音。
それに伴って木々が揺れる音。
車が走っていく音。
だむだむ響くゴムボールのような音は、ひとつ隣のバスケットボールのコートからだろうか。
これはこれで、音楽だった。
目を開ける。
これだけの時間で、空の紫は少しだけ深くなっていて、葉っぱとの境界も曖昧となっている。
視線を泳がせる。
ハザードランプを明滅させ、公園の沿道に黒色のセダンが停まる。
ひとつ隣のバスケットボールのコートでは体格の良い男性二人がワンオンワン、という簡易的な試合に興じている。
今見聞きした音と、光景。
これらの中で一番この公園に不似合いなのは、異物なのは、どう考えてもベンチで黄昏ている女子高生だろう。
そんな自嘲をしてみたあとで、私は立ち上がる。
片手でスカートを払って、大きく伸びをした。
帰ろ。
思いは、自然と口をついて出ていたようで、ぼそりと私の声が宙に澱む。
何故だかそれがいつまでもそこにあるような気がして、吹き飛ばすように息を吹いた。
追い討ちに、手でも払ってみる。
そんなとき、背後でくつくつと押し殺すような笑い声が響いた。
「ごめんなさい。面白くって。ふぅー、って。あはは」
軽い会釈と共に口を開いたのは、スーツに身を包んだ男だった。
背丈は私より高そうで、それなりに整っている体型に合わせて作られたのであろうスーツが様になっていた。
だが、第一印象は最悪だった。
見ず知らずの女子高生が気を抜いているところを目撃して、あまつさえそれを指摘して笑うなんて常識がない。
なんて、自身が気を抜いていたことは棚上げし、私は怒りの矛先を目の前の男に向けるのだった。
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