【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】

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141 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 00:09:35.52 ID:UCKL5iVz0


    第24話【復活の日】

142 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 00:44:18.92 ID:W9UFD85X0


―――覚醒


京太郎「!」バッ


眼を覚ました京太郎の視界にまず入ったのは天井

おそらく、いや十中八九特異課の基地内

右腕を動かそうとするも痛みが奔り少しびくつく


京太郎「あ゛〜」


痛みに顔をしかめながら起き上がる

すると、そこには―――


京太郎「宥さん……」


驚きながらも、そっと左手を伸ばしてその頭を撫でる

その目元に涙跡があるのがわかり、顔をしかめた

玄を助けられたとは―――思えない


京太郎(だけどここが無事ってことは……)

??「おはよう」

京太郎「……晴絵さん」

晴絵「起きたなら、状況説明しようか」


そう言いながら、晴絵が電気を点ける

眩しさに顔をしかめる京太郎


宥「ん……あ、京太郎くんっ!」

京太郎「おはようございます」フッ

宥「……だ、大丈夫!? どこも痛くない!?」

京太郎「大丈夫ですよぉ」

京太郎(体中痛ぇ……)

晴絵「はい、それじゃ」

143 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 01:03:34.23 ID:W9UFD85X0


晴絵からの状況説明を受けた


ゾーリムに関してはペイルサイクロンを受けた後に、ワームホール内に姿を隠したらしい

だがエネルギー反応は未だ強いようで、回復し次第出てきかねないとのことだ


穏乃は怪我をしていたそうだが無事で意識は既に取り戻している

一番重い部分が左腕の脱臼らしいがそこも数時間もすれば問題ないとのこと


京太郎に関しては全身打撲、一部内蔵に傷があるかもしれないということだった

やはりストロング・ゴモラントの反動ということだろう


京太郎「なるほどなぁ」

晴絵「まぁ大人しくしときなよ。奴でまた現れるまで」

京太郎「了解です」ハァ

晴絵「よそも大変らしいし……どうするかなぁ」ポリポリ


ぼやきながら、部屋を出ていく晴絵


宥「わ、私もいくけど大人しくしてなきゃ……めっだよ?」

京太郎「はい」フッ

宥「それと」

京太郎「?」

宥「私を、助けてくれて……ありがとぉ」フフッ

京太郎「俺じゃないっすけどね」

宥「それでも、だよ……助けようとしてくれた、でしょ?」

京太郎「そりゃ当然」

宥「えへへ、うれしいな」ニコリ

京太郎(結婚しよ)

144 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 01:13:43.08 ID:W9UFD85X0

今回はここまでー
短いけどたぶんまた明日やるー

そんじゃまたー


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
17、新子憧
18、鷺森灼

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用

145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 02:28:03.79 ID:KuMJCRGN0
17
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 03:36:13.82 ID:KYoGjAlQ0
5
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 04:21:45.08 ID:jisvhYGm0

京ちゃんめっちゃ無理するな
安価は14
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 04:50:34.36 ID:mLo8rGCqO
おつ。3
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 05:17:02.48 ID:0Oa4wZTZ0
7
150 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 00:48:28.32 ID:ZC957Po00

おそくなったけどのっそりと

とりあえず安価は5と17ー
151 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 00:58:26.48 ID:ZC957Po00
5、東横桃子



―――【特異課奈良基地:休憩所】



ゆっくりと、椅子に腰を下ろしてコーヒーを啜る

ホットコーヒーが喉を通って降りてくる感覚


京太郎「ふぅ」


安静にしているわけもなく、京太郎は部屋を出ている

他の職員や、阿知賀勢以外にも特異課に協力している雀士などともすれ違ったのですぐに宥たちの耳に届きかねない

しかし―――


京太郎「コーヒー飲みたかったしなぁ」


誰もいない休憩所、おそらく対応などを会議していたりもあるのだろう

窓から空が見える

つまりは、ワームホールもだ


京太郎「あれを放っておくわけにもいかないし……」


よそは忙しいとのことだが、このタイミングを狙ってなのだろう


京太郎「ん〜……」

ピリリリ

京太郎「お、モモ?」


腕の端末が音を鳴らしていた

すぐに開いて、ボタンを押す


京太郎「おう」

桃子『あ、京さん……ってやっぱ怪我してる!?』

京太郎「やっぱってなんだよ」

桃子『やってる気がしたんっすよねぇ』

京太郎「失礼な、人がやらかしたみたいに」

桃子『やらかしてるんっすよ』ジトー

京太郎「……」メソラシ

152 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:13:13.80 ID:ZC957Po00


バツが悪いという風に、眼を逸らし顔をしかめる京太郎

チラリと視線をモニタに向けると桃子は頬を膨らませて怒っている


京太郎「悪いな、心配かけて」

桃子『いつだって心配なんっすよ……私の目の届かないとこにいるの』

京太郎「母さんのようなことを言う」フッ

桃子『茶化さないでくださいっす!』

京太郎「すまん」


いささか、そこまで心配されるとついつい茶化したくもなる

慣れていないこともある

そもそも自分が傷ついたところで、それほど心配する人間がいるなど思ってもいなかったのだ


京太郎「みんな、言うな……俺に」

桃子『みんな心配してるんっすよ』

京太郎「すまん」フッ

桃子『それでも、私は……』

京太郎「ん?」

桃子『うっ、なんでもないっす』カァッ

京太郎(歯がゆいな)


食い下がって聞いても良いが、そういう雰囲気でもない


桃子『なにはともあれ、ちゃんと安静にしてなきゃダメっすよ。怪我してもすぐ動くんっすから』

京太郎「安静にはするよ。できる範囲で」

桃子『絶対しないやつっす』

京太郎「よくわかってるようで」フッ

桃子『わかる努力はしてるつもりっす』クスッ

京太郎「お前みたいな子にそう言われるとときめいちゃうな」ハハッ

桃子『えへへ、良いっすよ』ニヘラ

京太郎(好きになるわ!)
153 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:21:08.94 ID:ZC957Po00


桃子『と、ともかく、みんな心配してるんっすからね!』

京太郎「ああ、俺も心配してるよ。みんなのこと」

桃子『そういうとこっすよね』ボソッ

京太郎「そっちも大変そうだからな」

桃子『ん、まぁ頑張ってくれてますよ。ティガも、みんなも』

京太郎「そうか、また戻る」

桃子『はい、待ってるっす!』ニコッ


そこから数言を交わすと、通信を切る

コーヒーを飲み僅かに痛む体に顔をしかめた

その瞬間―――


憧「だから大人しくしろって言われたのに」ジト

京太郎「どわっ! 急に出るなよ!」

憧「なんか話してたみたいだから」

京太郎「聞いてた?」

憧「最後の挨拶ぐらいは聞こえたけど」

京太郎「そ、そうか……」

憧「なに? 聞かれちゃまずかったの?」ニヤリ

京太郎「んなわけあるかよ」

154 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:30:04.17 ID:ZC957Po00


そう言って息をつく京太郎の向かいに座る憧

少しばかり気安くなっている気もするが……


京太郎「もしかして探しにきた?」

憧「ん、抜け出してるって話は聞いた……宥ねぇはたぶんここにいるって言ってたけど」

京太郎(パターンを読まれてる……)


そこまでいなかった気もしたのだが、そういうものなのだろう


京太郎「宥さんの方も心配だけどな……マガパンドンにされてたんだし」

憧「シズが助けてくれて良かったけどね」

京太郎「そういや穏乃とまだ会ってないな」

憧「あんたら一緒にしたら勝手に出かねないから合流させないって晴絵が」

京太郎「あ〜そうかぁ」トオイメ


否定はできない


憧「力を持ってるから、戦いたいたいの?」

京太郎「ん?」


ふと、雰囲気が変わる

その言葉の声音も込められた想いも、先ほどまで会話していた雰囲気とまったく違う

だがわかった。わからざるをえなかった


京太郎「さてな、人によるからな……」

憧「じゃあ、あんたは?」

京太郎「俺は……戦いたかったんだよ」フッ

憧「?」

京太郎「最初は成り行きだけどな、今は違う」


あの日から沢山の自問自答をした

結果、答えは見えた。今も見続けている答えは一つだと、思いたい


京太郎「穏乃は、守るためだ。憧たちを」

憧「それは力を持って」

京太郎「違うよ。ウルトラの光があろうとなかろうとあいつは同じように戦ったよ。命かけて」
155 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:40:20.95 ID:ZC957Po00


その言葉を理解できない憧ではない

だからこそ言葉はでてこなかった

なにかを言いかけては止まるを、三度ほどする


京太郎「まぁ人それぞれ違うからな。自分が戦う意味も、自分が力を持った過程も」


単純【うちはうち、よそはよそ】という理論

なんの解決にもならないが、他人が口を出して解決させるものでもない

ヒントは与えられるがそれ以上はないと、京太郎自身が知っている


京太郎「戦う理由を見つけて、力を手にするか……」


そっと、メダルを取り出す

そこに映るのは、ベリアル


京太郎「力を持った意味を求めて、戦う為の理由を探すか」


外を見て笑う京太郎

どこか寂しそうな笑みを浮かべる彼を見て、憧は頷く

答えは出ていない。だが―――


京太郎「良い顔してる」フッ

憧「……ふきゅっ!? せせせ、セクハラよ!?」

京太郎「そういう意味じゃねぇよ!?」

156 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:05:53.38 ID:ZC957Po00


それから一時間ほど経っただろうか……


こっそりとロビーを出て、街を歩く京太郎

空のワームホールには時折、稲妻が奔っていた

エネルギーが溜まってきているのを感じる


京太郎「厄介なことで」


憧との会話を通して思うところがあったのも事実だった

今更、迷うことなどない

だが―――


京太郎「しつけぇなぁ」


視線の先には、自分自身


京太郎?「言っただろう。俺はお前だって」

京太郎「俺が俺の邪魔するんじゃあねぇよ」

京太郎?「ハハハハハッ!」


自分自身と同じ笑い声のはずだが、やけに癇に障る声だった

右手でガッツハイパーを抜いて迷わず引き金を引く

放たれた弾丸を、“須賀京太郎”は回避する


京太郎「……」

京太郎?「忘れるなよ。俺はいつだっている。お前の傍に……」


そうとだけ言って去って行く

顔をしかめて、ガッツハイパーをホルダーに収めた

上空のワームホールが激しくスパークする


京太郎「くるか……?」

157 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:19:10.55 ID:ZC957Po00


上空のワームホールから、ゾーリムが顔を出した

町中に警報が鳴り響く

瓦礫に囲まれた場所に立つ京太郎


京太郎「痛っ」


顔をしかめながら、ゼットライザーを左手に持つ

上空のゾーリムが火炎を吐く

無差別なのか狙ってなのかはわからないが、京太郎の周囲にも炎が降り注ぐ


京太郎「やるしかねぇだろ……!」

??「無理、するねっ」

京太郎「……お前もだろ、穏乃」


振り返るとそこには高鴨穏乃がいた

左腕を首からかけた包帯で吊るして、顔にもガーゼが張ってある


京太郎「やめとけ」

穏乃「私もそっくりそのままお返しするけど」

京太郎「……」

?「いや二人ともに言いたいわそれ」

穏乃「っ、憧!!?」


そこには、新子憧がいた

京太郎と穏乃に近づいて、立っている

言葉を失う穏乃と、先ほどの会話もあってか苦笑する京太郎

158 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:27:55.81 ID:ZC957Po00


憧「戦うの?」


その言葉に、頷く京太郎と穏乃


憧「昨日はたまたま二人だったけど……でも、いつもあんたたちは!」


グッと拳を握りしめて、力強く言葉を紡ぐ


憧「たった一人で!」

穏乃「一人じゃないよ」

憧「え?」

穏乃「一人じゃない。いつだって私は……みんなと一緒に戦ってたから」


穏やかな笑顔を浮かべる穏乃

きょとんとしていた憧だったが、すぐに笑みを浮かべた

どこか寂しそうでもある


穏乃「私が戦うのは、みんなを守りたいからだから……」

憧「それがあんたが戦う意味?」

穏乃「うん」

憧「力を持った、意味?」

穏乃「わかんないけど、きっと……」

??「おもしろそうじゃん」


ふいに、誰かが現れた

それはジャグラス ジャグラーこと赤土晴絵

しかしてその正体を誰も知らないのだが……


穏乃「トゲトゲ星人……」

憧「トゲトゲ星人、さん……?」

ジャグラー「トゲトゲ星人って呼ぶんじゃねぇよ!」


そう言いながらも、名乗る気はない


ジャグラー「新子憧は、アグルの力を元々持ってたんだ」

穏乃「?」

京太郎「力を、受け渡せると?」

ジャグラー「ご名答」


ネットリとして声音でそう言うジャグラス ジャグラー

159 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:46:39.56 ID:ZC957Po00


その言葉を聞いて、穏乃は顔をしかめた

守りたい者の一人なのだ。自ら戦いに行かせるつもりはないだろう

だが……


憧「シズ……」

穏乃「憧」


その瞳を見て、わかることもある

親友だからこそわかることもあるのだ


京太郎「……」


故に口をはさむでもない

ジャグラス ジャグラーが隣に立って肩に手を置いてくるので軽く払う

その顔は変わっていないはずが、笑っている気がする


憧「私は、戦いたいっ!」


その言葉に頷くと、穏乃はエスプレンダーを前に出す

クリスタルに浮かぶのは赤と青の光

その青い光が、憧へと飛ぶ


穏乃「アグルの力……!」

憧「!」


それを手に取る憧

その右腕に装着されるアグレイター

さらに、赤い光が憧へと飛ぶ


憧「えっ、これは……」

穏乃「憧、受け取れ!」


強い言葉に頷くと、アグレイターで赤い光を受け取った

点滅するアグレイターのクリスタル

腕を前に出し、拳を真上に向ける


憧「アグルゥッ!」


アグレイターが展開し、回転した

そしてその身を光に、ウルトラマンへと変える

160 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 03:02:20.35 ID:ZC957Po00


青き輝きと共にウルトラマンアグルが現れる

腰を落とし片膝立ちをするような体勢

顔をそっと京太郎たちの方を向けてから、立ちあがった


穏乃「あれが、本当のアグル……」

京太郎「憧……」


その眼はピンク色ではない

前までのアグルと違うのはそこだけでなく、黒いラインも追加されているようだった



◆BGM:アグル降臨【http://www.youtube.com/watch?v=qTa7XrlYBR4



ウルトラマンアグルV2が空を見上げる

161 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 03:16:06.44 ID:ZC957Po00

今回はここまでー
次はまた明日できればいいなー

ようやくアグル登場って感じで
京ちゃんも出番あるよー

そんじゃまたー!
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/22(月) 09:36:22.08 ID:jSbC0a/A0

アコチャーモモいいね
思えばモモとの付き合いは長いな
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/22(月) 22:14:47.41 ID:tIOK0vV20
アコチャーがんばえー
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/23(火) 01:58:58.64 ID:WcA2KKgpO
おつ
本編とは逆なんだな
165 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/23(火) 21:39:17.45 ID:OinumlaN0

昨日できんかったー
今日もできんけど明日はやれるはずー

なんか知らんけど海の女になってしまった憧
でも焼いたアコチャーもみてみたい
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/23(火) 22:49:28.71 ID:Q4SPx/xc0
明日は明日の風が吹く
そういや奈良は海なし県だったな
167 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:01:08.89 ID:yTjWvDcp0

遅くなったけどやってくー

がんばるゾイ!
168 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:19:25.65 ID:yTjWvDcp0


現れたアグルが、上空のゾーリムに向かって構えを取る

神秘的な―――海を彷彿させる青の戦士

ゾーリムが咆哮し、炎を吐く


アグル「ハッ!」


放たれた火炎を、アグルが回避

即座に両腕に青い光を集めて、その手に波動弾を生み出す


アグル「ハアァッ!」


放たれたフォトンスクリューが真っ直ぐに上空のゾーリムに直撃

少しばかり怯ませる

地上で、穏乃がそれを見てガッツポーズをとった


穏乃「よっしゃぁ! ってあいたたっ」

京太郎「落ち着け、とりあえずはダメージを与えたみたいだけど……」

穏乃「ッ! アグル!」


その切羽詰まったような声にハッとしたアグルが、即座にその場から跳んだ

元々いた場所に突き刺さる氷柱

アグルが右腕に光刃ことアグルセイバーを出現させると、さらに放たれる氷柱を斬り裂き、弾く


京太郎「……あいつ」

穏乃「和と一緒にいた宇宙人!」


巨大なグローザ星系人がそこにはいた


グローザ星系人「アグルが現れようと、ガイアとベリアルの器は現れまいよ」

アグル「……」


腕のグローザブレードを構え、走り出す

グローザ星系人がブレードを振るうが、アグルはセイバーで相対する

数度の剣戟の後に、お互いに跳んで下がった


グローザ星系人「……」


目的は見えている

上空のゾーリムが咆哮した


京太郎「……時間稼ぎ、いやゾーリムとの二体一の構図か」

穏乃「そんなっ!」

京太郎「……」
169 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:29:43.58 ID:yTjWvDcp0


京太郎は、ゼットライザーを手に持ちトリガーを引いた

目の前に現れるゲート

だが、穏乃が京太郎の腕を取る


穏乃「ちょっ! そんな体でっ!」

京太郎「……いかせろ」

穏乃「ダメだって! 宥さんが泣くよ!」


そんな言葉に顔をしかめる京太郎

他人、誰かが泣く、そう言われて躊躇しないわけもない

だがそれでも……


京太郎「今いかなきゃもっと大勢が泣くだろ、それに……オレは、戦いたい」


そう言って笑みを浮かべると、穏乃の手を振り払いゲートに飛び込む


穏乃「京太郎ッ!」


叫び、顔をしかめる穏乃

輝きと共に、アグルの前に現れるのはベリアル融合獣―――スカルゴモラ

もぉ! と悪態をついて穏乃がその場を離れていく

そして瓦礫の影から一部始終を見守っていた赤土晴絵は深いため息をつく


晴絵「京太郎がどうにかなっても、結構泣く奴多いけどね」ハッ

170 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:43:25.01 ID:yTjWvDcp0


現れたスカルゴモラに、グローザ星系人が氷柱を放つ

頭部から放った振動波で迫る氷柱をすべて破壊

蒸発した氷柱により周囲が僅かに白ずんでいく


スカルゴモラ「!」シュー


周囲の冷気のせいか、スカルゴモラの真っ白の息を吐く


アグル「!」

憧『須賀!?』

京太郎『上のは頼んだ……コイツはオレがやる。オレがやりたいんだよ』

憧『……大丈夫なのね?』

京太郎『なにがなんでも倒すよ』

憧『生きてだから』


インナースペースで、京太郎はハッと笑う

もちろんそのつもりではあったのだが、そう言われるとまた心持ちも変わる


京太郎『当たり前だろ』

憧『……お願い、京太郎!』

アグル「デヤァッ!」


空へと飛び上がるアグル

スカルゴモラは再び白い息を吐きつつ、目の前のグローザ星系人を睨みつける

グローザ星系人は両腕のブレードを輝かせた


京太郎『テメェは、潰す!』

グローザ星系人『貴様になにができる!』

京太郎『できるさ、お前を倒して無事に帰るぐらい!』

171 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:05:39.14 ID:1OZd0DP40


走り出したスカルゴモラ

グローザ星系人が口からブレスを放つ

それは地上を氷漬けにしていき、スカルゴモラへと徐々に迫る


京太郎『ショッキングヘルボール!』


助走をつけたスカルゴモラの脚から放たれる赤いボール

それがグローザ星系人に迫るも、相手はそれを両手のブレードで凌ぐ

さらに、ブレードで接近をするグローザ星系人


グローザ星系人「死ねェベリアルの器ァ!」


『Eleking. Ace-Killer. Belial.』

京太郎『こいつでェ!』

『Thunder Killer.』


右腕を振るうグローザ星系人だが、そのブレードはサンダーキラーの鉤爪に凌がれる

さらに左腕を振るおうとするも、サンダーキラーは尾を巻き付けてその手の行動を制限した


京太郎『電撃でェ!』


放たれた電撃を受けるグローザ星系人


グローザ星系人「こんなものぉ!」


至近距離で電撃を浴びながら、グローザ星系人は冷気を放つ

それを受けるサンダーキラー

ここからは我慢勝負―――なのだが


京太郎『ぐぅっ!』

グローザ星系人「その程度ではなぁ!」


さらに冷気のブレスの勢いが増していく

足元から凍って行くサンダーキラー

そのせいか電撃も弱まって行く


京太郎『ぐっ!!?』

グローザ星系人「どうするベリアルの器!」

京太郎『器、器と……オレはベリアルさんの相棒、須賀京太郎ォだァ!』

172 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:18:27.39 ID:1OZd0DP40


―――【インナースペース】


脚が凍って行くかのような感覚を覚える

やはりこのレベルの敵となると今の自分で、今のスカルゴモラで勝てるわけもない

ならできることは一つ……


京太郎「っ」


ストロング・ゴモラントに必要な三枚のメダル

凄まじいパワーを感じるタイラントメダル

姉帯豊音でどうにか耐えられたレベルのメダルを自分が使っていること自体が分不相応なのだ


京太郎「でも、だとしても!」


その瞳が紅蓮に輝く


京太郎「タイラント!」


その声に呼応するように、タイラントの咆哮が聞こえる

そして隣のベリアルメダルが輝くと、タイラントメダルの輝きが変わる

メダルに描かれたタイラントの瞳が赤く変わる


京太郎「これは……」


脳裏に浮かぶタイラント

自らの―――


京太郎「ッ、そうか……ならばァ!」
173 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:23:48.94 ID:1OZd0DP40


前を向いて、敵を見据える


京太郎「面子は揃った!」


ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く

心地いい闇の中、握ったタイラントメダルの赤い瞳が輝く


京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」


落ちてきたメダルを取ると、三枚をセット

さらにブレードを可動させていく

バチバチと赤い稲妻が周囲に奔る


『Gomora. Tyrant. Belial.』


ゼットライザーを構えた


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げる


京太郎「ベェリアァッル!」

『Strong Gomorant』

174 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:45:58.34 ID:1OZd0DP40


グローザ星系人と組み合いになっていたサンダーキラーが輝く

驚愕するグローザ星系人が吹き飛んだ

両足で着地しながらグローザ星系人がブレードを地に差して勢いを消して止まる


グローザ星系人「あの力をそう何度も!」

京太郎『やれるさ、支えてくれる奴がいる!』


現れたストロング・ゴモラントが咆哮し、尾を振るう

バラバラバテールがグローザ星系人を横から襲う

両腕を横にしてなんとか凌ぐグローザ星系人だが、羽撃たいたストロング・ゴモラントが接近と同時に拳を下から打ち込む


グローザ星系人「ガァッ!!?」


その一撃を腹部に受けたグローザ星系人が飛び上がる


京太郎『追撃ィ!』


同じように空に飛び上がるストロング・ゴモラント

空中で体を回転させてバラバテールでの攻撃

それをブレードで弾くグローザ星系人が冷凍ブレスを放つも、腹部で吸収


京太郎『こいつでぇ!』


さらに口から炎を吐きだすが、空中でグローザ星系人が回避、さらに氷柱を放つ

ストロング・ゴモラントは大きな翼で体を守る

攻撃が止むと翼を広げた


グローザ星系人「死ねぇ!」


目の前に現れたグローザ星系人を前に、ストロング・ゴモラントはさらに空中で縦回転


京太郎『視えてるんだよォ!』


尾での一撃で地へと落ちていくグローザ星系人

舞い上がる砂煙

だが、砂煙を即座に晴らしてグローザ星系人は氷柱のマシンガンを放つ


京太郎『!?』

グローザ星系人「消えろォ!」


凄まじい勢いで放たれるその氷柱に、京太郎が眼を見開く

175 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 02:03:29.61 ID:1OZd0DP40


―――【インナースペース】


真下から放たれる大量の氷柱

空を背にしたストロング・ゴモラント

京太郎は目の前に浮遊するメダルを見る


京太郎「これは……デスレ星雲人のメダル?」


そのメダルが、手元のベリアルメダルと呼応する

タイラントと同じく、赤黒い輝き

そして描かれていたデスレ星雲人の黄色の発光体が赤く変わった


京太郎「ッ!」


そのメダルを掴むとゼットライザーにセット、ブレードを動かす


京太郎「デスローグさん!!」

176 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 02:14:29.70 ID:1OZd0DP40


迫る氷柱はすべてストロング・ゴモラントを目標にしている

だからこそ……


京太郎『ウオォォッ!』


ベリアルのかつての配下【ダークネスファイブ】の一人【炎上のデスローグ】の力

ストロング・ゴモラントの口から放たれる炎

それはハイパーデスファイヤーとはまた別、十字の炎が回転しながら地上のグローザ星系人へと迫る


グローザ星系人「なんだそれは!?」


迫る炎を、グローザ星系人が両腕で凌ごうとするも腕が溶かされて無くなる


グローザ星系人「舐めるなぁ!」


だが即座に、氷がグローザ星系人の腕を再生した

空のストロング・ゴモラントに向かって飛ぶグローザ星系人

変わらず氷柱は放たれていく


京太郎『もうちょっと、借りるぜデスローグさん!』


ストロング・ゴモラントの背後から放たれる火炎弾の数々

それらが氷柱を消滅させていく

接近していくストロング・ゴモラントとグローザ星系人


京太郎『オォォォォッ!』

グローザ星系人『消えろォォォォ!』

177 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 02:31:03.01 ID:1OZd0DP40

今回はここまでー
次は明後日できればいいなーとか

ダークネスファイブ要素っていうかそこらへんも

キャラとの掛け合いももっとしたいなー

そんじゃまたー

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 10:11:09.13 ID:e9P9q6ye0

デスローグは色んな意味で熱い展開
179 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 01:01:16.79 ID:oS1D2HzI0

相変わらず遅いけどやってくー
だいたいこの時間になりそうねー

そんじゃ頑張るゾイ!
180 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 01:16:33.24 ID:oS1D2HzI0


ストロング・ゴモラントとグローザ星系人の二体

放たれる氷と炎、それが凄まじい勢いで蒸発と再生を繰り返していき濃霧を発生させる

そんな姿を後ろに、アグルはゾーリムを相手に手をこまねいていた


憧『にしたってこんなんどうすれば……!』

?『たく、あたしがやれば良いんでしょぉが!』

憧『誰!!?』


黒い光が、アグルの背後から飛んでくる

ゾーリムがその黒い光を相手に炎を吐くが、黒い光はそれを回避しゾーリムの横を通り過ぎていく


憧『あんたなにを!?』

?『たく、なんでまた遭遇しちゃうかなぁ須賀ァ!』

憧『須賀、京太郎の知り合い!?』


黒い光がどこか人型のように代わった

だが、その姿はどこか“不完全”のようにも見える


憧『あんた一体!』

?『偽物だよ。どこまでいってもただの贋物だ!』


黒い光は、ゾーリムの頭が出現しているワームホールギリギリまで接近すると黒い光を放つ

その一撃が真っ直ぐにワームホールへと入って行くと、その奥で爆発が起きているのが確認できた


ゾーリム「―――!!!」


咆哮するゾーリムだが、それはいつもと違うように聞こえる

憧は意を決すると、その口に飛び込んだ

181 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 01:41:40.03 ID:oS1D2HzI0


ゾーリムの口内を奥に突き進んでいき、ある程度の場所で着地する

奥は未だに見えないが、直感的に大丈夫だと思えた

アグルは両腕を真上に上げる


憧『私はやれる。シズと京太郎が守ってくれたなら、今度は私がぁァァァァ!!!』


ガイアがスプリーム・ヴァージョンに変身するのと同じプロセスを辿り―――アグルが変わる


憧『アグルゥゥゥゥッ!!』


そして、アグルの姿は変わった

前よりもマッシブに、そして胸や脇腹から腕にかけて赤い部分が増える

ガイアと同じく、アグルはスプリーム・ヴァージョンにヴァージョンアップした


◆BGM:Beat On Dream On【http://www.youtube.com/watch?v=OdO0lC77eT8


アグル「ハアァァァァッ!」


両足でしっかりと体を支え、両腕を大きく振るう

そしてガイアと同じく、両腕を真上で合わせた

輝きをその両手に集めて、腰をすえて足を構えて合掌するように手を前で合わせる


憧『これで、終われぇぇぇぇっ!!!』


右腕を縦にずらすと、そこから放たれる絶大の一撃【フォトンストリーム】

ガイアと同じその技は真っ直ぐにゾーリムの奥へ奥へと放たれる


ゾーリム「―――!!?」


―――そして、爆散

182 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 02:16:57.12 ID:sm/i/U1A0



炎と氷がぶつかりあった濃霧の中、ぶつかり合う二体

ストロング・ゴモラントとグローザ星系人が組み合っている

両腕を組み合い、その口から氷結のブレスと灼熱のブレスがぶつかり合う


京太郎『墜ちろよォォォ!』

グローザ星系人『凍れェェェ!』


二体が同時に離れた

お互いにブレスを止めて再び次の一手を打とうとしたその瞬間―――空で、大爆発が起こる

それが濃霧を吹き飛ばし、二体を月光の元に晒す


グローザ星系人『ゾーリムが!!?』

京太郎『ゾウリムシだかなんだか知らねぇがァ!』

ストロング・ゴモラント「―――!!」


荒々しく咆哮するストロング・ゴモラントと京太郎

素早く接近したストロング・ゴモラントがバラバテールを振るい、グローザ星系人を真上に吹き飛ばす

ストロング・ゴモラントのその角が輝く


京太郎『グラビトロン・プレッシャーァァァァ!!』


真上からの重力波によって下降していくグローザ星系人

だが、さらに真下からの重力波によってグローザ星系人はその場に固定される

上下からの圧に、グローザ星系人が苦しむ


グローザ星系人『ぐおぉぉぉ!!?』

京太郎『こいつで、トドメェ!』


その胸の紫色のカラータイマーが輝く


京太郎『食らえ大火炎ッ!! ハイパーデスファイヤーッ!!』


放たれる獄炎が、グローザ星系人へと迫る


グローザ星系人『皇帝ィよォォ!!?』


―――消滅

183 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 02:30:31.02 ID:sm/i/U1A0


上空に浮遊しているストロング・ゴモラント

その胸に、消滅したグローザ星系人から出現した光が吸収された

ストロング・ゴモラントの前に現れる―――ウルトラマン


京太郎『憧……』

憧『……お疲れ、それと……ありがとう』


アグルSVが頷く

ストロング・ゴモラントは何を言うわけでもするわけでもない

空の彼方へと去って行くアグル

ストロング・ゴモラントは黒い光と共に姿を消した

184 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 02:56:14.47 ID:x6Ov142L0

地上へと降りた京太郎が、膝をついた

ボタボタと落ちる血液

口と鼻から流れるそれを拭うと、歯を食いしばって立ち上がろうとする


京太郎「ッ!」


だが、力が入らずに仰向けに倒れ込んだ

体の奥から這い上がってくるそれを感じて、体を横に向けた

血塊を吐きだして、荒い呼吸のまま這って近くの木に背中を預ける


京太郎「……たく」


タイラントメダルはあの異変により、負担は確かに減ったのだろう

だから“この程度”ですんでいる


京太郎「もうちょっと、休んだら帰るか……」


右手に握っているのはグローザ星系人メダル

なのだが、黒い輝きと紫電、それと共にメダルに描かれたグローザ星系人の目の部分の発光体が赤に変わる


京太郎「……お疲れさん、みんな」

185 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 03:05:09.81 ID:x6Ov142L0


それから数十分は経っただろうか―――


「京太郎!」


そんな声で、ハッとする

自分を呼ぶ声に顔を上げれば、そこには瞳に涙をためている新子憧がいた

驚愕したのは自分にだ


京太郎「悪い、寝てた」

憧「寝てないわよ! 死にかけてたわよ!?」

京太郎「……そっか」


苦笑して、横を見る

そこには赤土晴絵

他にも鷺森灼と高鴨穏乃、松実宥もいた


京太郎「……松実玄、さんは?」

宥「大丈夫、保護されたよ……」

京太郎「なんでここにいるんっすか?」


そんな言葉に、晴絵がグッと京太郎の腕を掴む


晴絵「あんたホント……」

京太郎「なんっすかぁ」


大事な妹が帰ってきたのだ。そう思わざるをえない

晴絵に肩を借りて立ち上がる京太郎

先ほどよりもよほど体調は良い


京太郎(体おかしくなってないか?)


回復が早すぎる


京太郎(まぁ、ベリアルさんの恩恵……か?)

宥「玄ちゃんもね、大事だよ」

京太郎「へ?」

宥「でも京太郎くんも、同じくらい……大切だから」ニコリ

京太郎「……え、好き」

宥「ふぇっ!!?」カァッ

晴絵「勢いでそーいうこと言うんじゃねぇよ!」

京太郎「すみません勢いで!」

灼「酷い話だね」

186 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 03:14:30.20 ID:x6Ov142L0


今回はここまでー

無事戦闘終了ーからの京ちゃんも無事帰還
そして今回もすまんな王者
さすがに強キャラだから許してやってください

ネクサス的な変身負荷

次回場所移動ー
そしてワンチャン明日


◆どこへ向かう!


×、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海・白糸台)
3、大阪(千里山→姫松)
×、岩手(宮守)
5、北海道(有珠山)
6、長野(清澄・風越・鶴賀・龍門渕)
7、福岡(新道寺)
8、鹿児島(永水)
9、東京(プロ・アナウンサー)


◇1↓から5↓まででコンマが一番高いものを採用
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 04:57:35.39 ID:Bj/LkhLS0

アグルSVが出るのかてか京ちゃんヤベーな
安価は8で
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 07:36:52.89 ID:JOTgwf85O
6
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 08:16:46.94 ID:6QI/OUEF0
2
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 08:38:11.85 ID:03Tmzapy0
5
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 09:31:41.16 ID:G3N2oG4d0

7
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 12:31:31.29 ID:pvt8m7yT0
何気に行き先安価選択で8の永水が解放されてたな
何か条件満たしたのかな?
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 13:25:11.92 ID:FNnxJdkWO
おつ
べリアル融合獣のヒロイックな活躍いいね
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 14:12:01.64 ID:D3xMyP7i0
永水は葵の出番あったとこ見るとネクサス関係とかありそう
195 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 01:45:10.86 ID:uQyCVJsP0
めっさ遅くなったけどちょっとやりけるー
196 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 02:10:22.73 ID:9hxbynWK0
2、東京(臨海・白糸台)



―――【特異課奈良基地:休憩所】


あれから一週間が経った

椅子に座ってコーヒーを飲む京太郎

怪我はほぼ完治、すっかりいつも通りだ


京太郎「さてと……」


そろそろ吉野の地を出る

晴絵への報告は済んでいるし、いつ出ても問題はない

それにここは十分任せることができる場所だ


京太郎「……」

?「京太郎くん!」ガッ

京太郎「うおっ!? く、玄、さん!」

玄「おはよ!」ニコッ


松実玄が、そこにはいた

あれから三日ほどして眼を覚まし、今ではすっかり元気満タン

経緯を知ったからか、やけに懐いているようだ


京太郎「ど、どうしたんっすか?」

玄「え〜タメ口で良いってば」

京太郎「いやいや」

玄「あ、そう言えばもう行っちゃうって?」

京太郎「え、ああまぁ」

玄「寂しいけど、京太郎くんは忙しいもんね」アハハ


どこか寂しそうに笑っている玄に、僅かに胸が痛む

しかし、京太郎としては気になる情報も得た

ここにとどまるわけにはいかない……


京太郎「すみません、また来ますから」フッ

玄「うんっ」ニコ

197 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 02:30:21.15 ID:Pp3puGBn0


玄と別れてから、京太郎はロビーへとやってくる

トシから送られてきたメッセージに返信をすると、ふと気づく

見回りから帰ってきた穏乃と憧に手を上げる


京太郎「おっす」

穏乃「あ、京太郎」

憧「出てくんだって?」

京太郎「まぁな、情報が入ったし」

穏乃「和!?」

京太郎「いや、咲」

穏乃「宮永さん……あの人も」

京太郎「まぁ助けるよ。咲も、和だってな……」


その言葉に、穏乃も憧も安心したようにうなずく

二人のやるべきことはここを守ることだ

守る者であり倒す者を追う、京太郎とはまた違う


京太郎「それじゃ」

憧「連絡、よこしなさいよね」フッ

京太郎「おう」

穏乃「ピンチになったら呼んでね、きっとかけつけるから!」

京太郎「ありがとな、二人共」


赤と青のウルトラマンたち

そんな二人に手を上げると、京太郎は基地を出ていく

198 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 03:07:11.69 ID:02LoGQb20


道を歩いていると、ふと松実館の前で立ち止まる

何度か世話になった場所であり、宥と玄の家

挨拶をしようとも思ったが、今生の別れでもないと、歩き出そうとする―――だが


「あ、京太郎くん」

京太郎「宥さん……偶然っすね」フッ


自分の行先からやってきた宥は、ビニール袋を持っている

食材かなにかだろうか……


宥「……東京に行くっていうのは聞いたんだけどね」

京太郎「はい」

宥「ちょっとさびしいけど、待ってるからね」フフッ


少し寂しそうだが、送り出そうと笑みを浮かべている


京太郎「まぁ、いつでも連絡は取れますから」

宥「うん、それにまた……帰って来てくれるでしょ?」クスッ


帰ってくるというのが正しいのかはわからないが、宥はそう言ってくれている

ここは自分の帰ってくる場所だと……

帰る場所があるというのはそれだけで、縛りにもなる

彼を良く理解しているからこその縛り


京太郎「はい」フッ

宥「ん、それじゃあ……」


そっと近づく宥が、片手をビニール袋から離してちょいちょいと手でしゃがむように言う

そのジェスチャーを察して腰を落とす京太郎

体勢を低くした彼の傍によると、少しばかり背伸びをして……


宥「んっ」

京太郎「へ?」

宥「そ、それじゃあ……ま、またねっ!」


慌てたように帰って行く宥

頬に手をそえて、京太郎は歩き出す

ふむ、と空を見上げた


京太郎「……やっこい」

199 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 03:27:58.49 ID:U8+Xwhn90


駅前で、京太郎は時刻表を確認して息をつく

あと十分ほどは余裕があるようだった

息をついて自動販売機に小銭を入れる


京太郎「どれにー……」

「コーヒーでしょどうせ」ピッ

ガコン

京太郎「……ご察しの通りですよ」


そう言って斜め下に視線を向ける


京太郎「灼さん……」

灼「ん、どういたしまして」

京太郎「ありがとうございます」

晴絵「因果の逆転だね」

京太郎「どういうことっすか」

晴絵「てことで私には?」

京太郎「ない」

晴絵「え〜」


抗議しようとする声を聴きながら、小銭を入れる

晴絵の方を見れば、満足そうに笑みを浮かべながら頷く

ピッとボタンを押して飲みものが出てくる


京太郎「灼さんは?」

灼「いいの?」

京太郎「もちろん」

灼「……じゃあ、お言葉に甘えて」

ピッ
200 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 03:44:59.62 ID:2rzu0N6s0


三人同時に、缶に口をつけて傾ける

ふぅ、と頷いて時計を確認

空になった缶を放り投げてゴミ箱に入れる


京太郎「さてと、それじゃお世話になりました」

晴絵「ん、それじゃまたね」

灼「……あんまりに帰ってこないと、宥が心配すると思」

京太郎「わかってますよ」フッ

灼「ならよし」フッ


電車がやってくるのが見える


灼「それに、私もちょっとは……」カァッ

京太郎「なにかあったら、呼んでください」フッ

灼「……ん」コクリ

晴絵「それじゃ達者でな、それとあんまり無茶しないように」

京太郎「わかって」

晴絵「って言っても聞かないんだろうけど」


おわかりのようで、と苦笑して歩き出す

軽く手を振ると二人も軽く振りかえした

電車に乗り込んでベンチに座る


京太郎「……さて、次は東京か」


行くべき場所、再びの東京

201 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 03:50:26.89 ID:2rzu0N6s0


    第24話【復活の日】 END

202 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 04:06:45.40 ID:2rzu0N6s0


―――次回予告


京太郎:なんだかずいぶん久しぶりだなぁ

智葉:もう家で飼ってやろうか

明華:たいしたものですね

メグ:ラーメンの話ですか?

京太郎:宇宙?

照:京ちゃん発見伝

京太郎:伝?


次回【銀河よりの正義】


京太郎:正義だろうが……潰す!

203 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 04:14:28.09 ID:2rzu0N6s0

今回はここまでー

次回は明日か明後日にでもー
奈良編終了で次は東京にー

そんじゃまたー
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/28(日) 13:01:51.76 ID:Xr5cidmo0

宥ねぇヒロインすぎる
てか照あっさり出そうだな
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/28(日) 14:26:43.00 ID:PBLwdr5j0
姉にもヒロインフラグで先を越されそうな咲さん
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/28(日) 14:32:10.05 ID:v9pqERE+O
おつ
銀河ってことは淡も出そう
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/28(日) 20:53:29.16 ID:q+9NnbM70
てかガイドさんのセリフ京ちゃんに言ってるんじゃないよな?(震え)
208 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/29(月) 20:37:46.52 ID:4diSId9W0

今日無理そうやから水曜でー
せっかくやからキャラ安価だけ置いてくー


◆安価!

1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、福路美穂子
3、瑞原はやり
4、東横桃子
5、竹井久
6、辻垣内智葉
7、ネリー・ヴィルサラーゼ
8、雀明華
9、清水谷竜華
10、江口セーラ
11、愛宕洋榎
12、臼沢塞
13、小瀬川白望
14、鹿倉胡桃
15、姉帯豊音

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用

209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/29(月) 20:47:32.33 ID:2CXoydDZ0
了解
1玄
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/29(月) 20:54:20.71 ID:TELD7hRs0
9
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/29(月) 21:30:44.14 ID:aK4LXzOo0
6
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/29(月) 22:02:50.68 ID:P+bIk7v10
13
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/29(月) 22:09:03.91 ID:LuyW/leWO
2
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 08:17:47.65 ID:u4Q5MKZh0
せっかくゾロを出したクロチャーにも何か欲しいところ
215 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 00:24:49.49 ID:L6OOcL2u0
やってくよーん

安価は美穂子と竜華ってことで
そこまでまだちょっちあるけどー

そういやゾロ目特典みたいなのってやってなかったなぁ
玄ちゃーなんかやるけ
216 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 00:38:22.82 ID:L6OOcL2u0


―――【東京】


再び、その地にやってきた京太郎

別段なにかが変わったわけでもないのだが……

京太郎は小さく息をついて鞄片手に歩き出す


京太郎「……」

ドンッ

京太郎「うっ、すみませ」

「ひゃっ!? す、すみませんすみません! 私なにも!」

京太郎「え〜」

「……あ、須賀君」

京太郎「どうもっす、宇野沢さん」


宇野沢栞がそこにいた

まぁ金髪高身長サングラススーツの男とぶつかれば焦りもするだろう

そっと、着けていたサングラスをずらし瞳を見せる


京太郎「そんなこわいっすか?」

栞「うん」

京太郎「歯に衣着せてください」


そう言ってサングラスをかけなおす

その瞬間、腕を掴まれた


「おい、あたしの栞になにやってんだ?」

京太郎(面倒な予感……)

217 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 00:51:34.19 ID:L6OOcL2u0


金髪の女性がそこにはいた

京太郎はその女性が誰かを知っている

麻雀をやっているのであれば知らない訳もない


京太郎「テレビの人だ」

栞(私やはやりさんもだけど……)

「あ?」

京太郎「渡辺琉音さんっすね。どうも……須賀京太郎です」


サングラスを外してそう言う

この状況で栞と一緒にいて、特異課でないとは思えない

それに特異課にいるのならば、自分を知らないとも思えない


京太郎(なんか有名人みたいな思考になっちまった)

琉音「……あ、須賀京太郎、そういうことか……ふ、ふ〜ん」フイッ

京太郎「渡辺さんの宇野沢さんに手を出そうなんてとてもとても」

琉音「うっせぇよ、いくぞ!」


京太郎(見た目こわいなこの人)

琉音(こいつ見た目こえー!)


栞「あ、あはは……ご、ごめんね須賀君」

京太郎「いえいえ……イメチェンでもしようかなぁ」

栞「してもそんなに変わらない気がするなぁ」

京太郎「だから歯に衣着せて、オブラートも」

218 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 01:06:45.56 ID:L6OOcL2u0


その後、二人に着いていき近場の駐車場で車に乗り込む

運転席に琉音、助手席に栞

開いた後部座席に……


ネリー「よ!」

京太郎「なぜにネリー」

ネリー「せっかくネリーが迎えに来て上げたんだから喜びなよぉ」

京太郎「わーい」

ネリー「驚くほど棒!」


適当に相手をしながら後部座席に乗り込む京太郎

ドアをしめると、隣のネリーがニコニコしながら京太郎を見ている

小首をかしげて後ろをみた


京太郎「なに、なんかトラップしかけたか?」

ネリー「純粋に会えてうれしがってる女の子にそれ!?」

京太郎「いやぁ、そんな女の子人生にいなかったからさ」トオイメ

ネリー「ネリーだけは優しくしてあげるね」ヨシヨシ

京太郎「好きになっちゃう」

琉音「なに、付き合ってんのか?」

ネリー「つきっ!?」カァッ

京太郎「んなわけないじゃないっすかぁ〜」ケラケラ

ネリー「もうちょっと動揺しなよ!」バシッ

京太郎「なぜ!?」


車が動き出す


琉音「仲良いなぁ〜」

栞「琉音さんガム食べる?」

琉音「食う」アーン

栞「はい」ヒョイ

琉音「さんきゅー」

京太郎「付き合ってんすか?」

琉音「」カァッ

京太郎「……いやなんか言ってよ」

ネリー「京太郎がどーしてもっていうならネリーもやぶさかじゃ」

京太郎「いや別に言わないけどさ」

ネリー「」
219 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 01:20:48.16 ID:L6OOcL2u0


―――【特異課東京基地】


ガレージに車を停めて、四人は作戦室に向かう

京太郎はネリーと共に琉音と栞に着いていく


京太郎「なんだかずいぶん久しぶりだなぁ」

ネリー「そうでもないでしょ?」

京太郎「まぁそうだけど……一日一日の密度が濃くてな」

ネリー「まぁ京太郎はそっかー」

京太郎「そういうこと」


色々とありすぎるのだ。戦いもそうだが……

だが確実に一つ一つ、物事は好転しているのだ


ネリー「怪我ばっかしてるんでしょ?」

京太郎「え、知ってんのか」

ネリー「うん、智葉が凄い心配してた」

京太郎「そりゃ申し訳ない」

ネリー「それに」

京太郎「ん?」

ネリー「ネリーだって心配したんだからね?」

京太郎「……ありがとな」フッ ナデナデ

ネリー「んぅ、うんっ」コクリ カァッ

220 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 01:29:56.36 ID:L6OOcL2u0


作戦室の扉が開く

琉音と栞に続いて京太郎も部屋へと入る

アレクサンドラ・ヴィンドハイムが笑みを浮かべていた

見渡して、周囲を確認……


京太郎「お久しぶりっす」フッ

アレク「ん、無事そうでなにより」

京太郎「あはは……」


苦笑して、そっと視線を一ヵ所に向けた

明華とメガンダヴァンとハオ・ホェイユーを超えて……


京太郎「……」

智葉「……」ギロッ


そっと、ネリーに聞こえるような声で言う


京太郎「……俺、智葉さん怒らせるようなことやった?」

ネリー「だから心配してたって言ったじゃん」

京太郎「怒られる?」

ネリー「怒られはしないと思うけど……」

京太郎「ご、ごきげんうるわしゅう、お嬢」

智葉「……誰がお嬢だ」ジト

221 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 01:37:40.10 ID:L6OOcL2u0


それぞれが席に座る

決まっているのか琉音と栞、ネリーは迷いない

京太郎も空いている席……智葉と明華と間に座った


智葉「お前っ……聞いたぞ」

京太郎「……よ、吉野での話っすか?」

智葉「それもだけど前も……岩手でも長野でも奈良でもっ」


少しばかり、否、凄まじく不満そうだった


智葉「私がどれだけ心配したか」ジト

京太郎「す、すみません……」

明華「智葉ちゃんのあんな顔はじめて見ました」

京太郎「え、そんなに?」

智葉「そんなに心配した」


ハッキリと言われて、京太郎は顔をしかめた


京太郎「すみません……」

智葉「しっかり自分を大事に」

京太郎「大事にしてるつもりなんっすよ? ただやむを得ないから……」

智葉「もう家で飼ってやろうか」

京太郎「!!?」

222 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 01:49:29.58 ID:L6OOcL2u0


衝撃が走る部屋

琉音あたりは空いた口が塞がらない

固まっている京太郎


明華「ほう……男を飼う発言、たいしたものですね」

ネリー「なんて?」

明華「社長令嬢などがよくやる手腕ですね。主にお金持ちにのみ許されるやつ」

ネリー「またお金! お金すげー!」


暴走するネリー


ハオ「なんかこう、智葉ってあんなドロッとしてましたっけ?」

メグ「ラーメンの話ですか?」

ハオ「違います」


アレク「とりあえず作戦会議っていうか、話していい?」

京太郎「どうぞ! はい! すぐ進めて!」

智葉「むぅ」ジトー

京太郎「……」メソラシ

223 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 02:00:53.26 ID:L6OOcL2u0


少しばかり部屋が暗くなる

アレクサンドラがキーボードを叩く

そこに表示されるのは―――


京太郎「マップですか」

アレク「ん、そゆこと……でだ」ピッ


マップに赤いマークが表示された

それが数か所……


京太郎「なんっすかこれ」

アレク「怪獣メダルを入れられた雀士が私たち以外に倒されてた場所よ」

京太郎「……このメンツ以外にも戦ってる雀士がいる?」

アレク「そういうこと、それにこの各場所に……妙な感覚もあったらしいし」

京太郎「妙、ですか?」

栞「えっと、カネゴンが言ってただけだけど」

京太郎「そうだった、ここにはカネゴンがいるんだった」


怪獣が言うなら間違いないのだろう

しかし、それが良いのか悪いのかわからない

ならばと京太郎は頷く


京太郎「そこ、行きたいな」

アレク「頼むわ、それと近辺の調査も……」

京太郎「はい」コクリ

224 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 02:29:51.13 ID:FRKmHo7t0


その後、京太郎は休憩所にいた

他の面々は既に出かけたようで基地内で活動するスタッフしか見かけない

コーヒーを一杯飲み干したら調査に行くつもりではあるのだが……


京太郎「ん?」


腕につけた端末が鳴る


京太郎「美穂子さん……」


なんだか嫌な予感がした

まぁ予感というか、フラッシュバックだが……

開いてボタンを押す


美穂子『あ、繋がった……』

京太郎「どうもっす」

美穂子『っ京太郎! け、怪我は!? 大丈夫!?』

京太郎「大丈夫っすよぉ、そんな心配しなくても……ほら俺って頑丈じゃないっすか」

美穂子『心配よ、いつも怪我してるんだから……』

京太郎「やんちゃ坊主みたいな扱いしますね」

美穂子『もぉ、心配するんだから』ハァ

京太郎「お姉ちゃんみたいっすね」

美穂子『お姉ちゃんって呼んでも良いわよ?』クスッ


そう言って笑う美穂子は、やはり安心した様子だった

智葉もそうだが、心配をかけている

そういう自覚もあるし、泣く相手も確かにいることも理解してきているのだ……


京太郎(でもなぁ、やめらんないし……)

美穂子『無茶するなとか言っても、どーせするんだろうけど』ジトー

京太郎「う゛っ」
225 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 02:40:15.74 ID:FRKmHo7t0


美穂子『だけど、なにかあったら……きっと泣いちゃうから』

京太郎「肝に銘じときますよ」


さすがに自分を心配する相手を泣かす趣味はない

未だ完治には至らないが……変身はなるべくしないつもりだ

タイラントを使っては、だが……


美穂子『あ、それと戻って来たりは、する?』

京太郎「まだ決まってないけど、まぁ近い内には」

美穂子『……そっか』

京太郎「なにか不安事でも?」


自分の偽物が跋扈しているような状況だ

なにがあっても不思議ではない……


美穂子『その……』

京太郎「ん?」

美穂子『竹井さん、最近なんか難しい顔してるから……』

京太郎「そっか……機会があったらこっちから連絡してみます」

美穂子『お願いね。それと……』

京太郎「?」

美穂子『私も単純に、京太郎に会いたいなって』カァッ

京太郎(え、好きになっちゃう)

226 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/02(木) 02:44:32.87 ID:FRKmHo7t0

今回はここまでー

キャラとの絡みが基本な回
次は竜華と電話とか、そのあと色々あったり

それじゃ金曜あたりにでもまたー
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/02(木) 03:25:39.93 ID:WmvoaQxzO
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/02(木) 06:30:02.50 ID:bBnRHEUc0

全体的に好感度高くていいね
キャップかわいい
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/02(木) 13:13:46.85 ID:AF554iD30
ガイトさんが昼食に2リットルの炭酸抜きコーラと特大タッパのおじやとバナナを食うぐらい重いんだが
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/03(金) 13:30:37.08 ID:au2byftZO

照もウルトラマンかなにかっぽいか?
231 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/03(金) 22:54:14.48 ID:UYAQF8zw0

やってく所存ー

グリッドマンユニバースも続報来そうでなにより
232 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/03(金) 23:15:30.29 ID:UYAQF8zw0


美穂子との電話を終えて、京太郎は外へと出ていた

電車に揺られて、目的地へとやってくる

そこは、例の雀士が倒されていたという雀荘近く

道を歩きながら、京太郎は今回の件を自分なりに整理しつつ行く


京太郎(つまり、だ……今回の件を知っていて“特異課”に所属していない雀士)


十中八九メダル持ち、とは言えない

現にウルトラマンや自分がいない地方では、雀士がメダル持ちを倒しているのだ

だが……


京太郎(事情を知ってる雀士がいたとして、トシさんが放置するとも思えないし……)


ともすればやはり―――


ピリリリリ

京太郎「うおっ!」


腕に付けた端末が鳴る

考えていればメダル持ち、しかも特殊なタイプ

息をついて落ち着くとボタンを押して通話に出る


京太郎「もしもし、竜華さん」

竜華『あ、京太郎くん?』


―――自覚のないメダル持ち、ミズノエノリュウメダルを持つ清水谷竜華

233 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/03(金) 23:34:59.11 ID:sQ4Y+/x00


京太郎「どうしたんっすか?」

竜華『まぁ色々あったからちょっと不安になって』

京太郎「……なにかありました?」


その言葉に、竜華が少しばかり顔をしかめた


竜華『ちょっと洋榎がな、最近元気なくて……』

京太郎「なるほど」


おそらく、戦いの中でなにかがあったのだろう

しかしあの洋榎の元気がないということはよっぽどに思える


竜華『こないだ、奈良の方で色々あったらしいやん?』

京太郎「え、ああまぁ……アグルが頑張ってくれたんっすけど」

竜華『その時、こっちでもなんかメフィラス星人? が、なんかしてたっぽくて』

京太郎「なんかっすか……」

竜華『それに、ニセダイナまで出てきてまうし』

京太郎「偽物、ですか」


思わず苦笑する

あっちもこっちも偽物、やはり定番なのかもしれない


京太郎「大丈夫っす」

竜華『え?』

京太郎「ダイナはきっと乗り越えてくれますよ。それに洋榎さんもなに悩んでるか知らないけど……きっと」


その言葉に、腕時計型端末のモニタに映る竜華が寂しそうな表情を見せた

それに小首をかしげる京太郎


竜華『怜と同じこと言うから……』

京太郎「あ〜園城寺さんも同じことを?」

竜華『うん……』

京太郎「じゃあ、信用しても良いんじゃないですか?」

竜華『そういうもん?』

京太郎「そういうもんっすよ……それに」

竜華『?』
234 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/03(金) 23:49:16.88 ID:bh5H+Hlm0


京太郎「竜華さんが助けを求めてるなら……園城寺さんも俺も放っとかないっすよ」


その言葉に、モニタの竜華が眼を見開いて、すぐに顔を赤らめて眼を逸らす

小首をかしげる京太郎

ハッキリと物を言った自覚はある

だが……


京太郎「本当のことっすよ。竜華さん」

竜華『わ、わかったから……じゃあ、ピンチのピンチのピンチの連続なったら、頼るかも』

京太郎「俺はウルトラマンじゃないんだからもっと速めに頼ってくださいよ」

竜華『うん、ありがと』フフッ


自分と怜だけではない

マガジャッパの時を思えば、ミズノエノリュウも彼女を守る意思があるかもしれない

今はまだ、そのまま……


京太郎「今度は園城寺さん、紹介してくださいよ」

竜華『ん、約束するっ』ニコッ

京太郎「はい、それじゃ……また」フッ

竜華『またな、京太郎くんっ♪』ニコリ タユン

京太郎(正統派おもち美少女とか死ぬわ俺)

235 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/04(土) 00:08:57.96 ID:BT4rUXwH0


竜華との電話を終えて、再び歩き出す

目的地はないが、雀荘に入っては数局打って他の店へ

それを繰り返すのみだ


京太郎(気配を感じたらそっち行って……だろうな)


ベリアルと分裂したものの、感覚は研ぎ澄まされた

第六感的、超人的ななにか……


京太郎(人間から離れてるとか、じゃないよなぁ)


宇宙的な感覚か、宇宙に触れた人間的な進化か……

妙な考えをしてしまうのはやはり、正気を侵食されすぎたのかもしれない

非常識に脳が着いて行かなくなかった、か……


京太郎「特別に浸りすぎだな……」

「宇宙的?」

京太郎「そうそう宇宙……宇宙?」


ふと、聞いたことはあるが聞きなれてはいない声

236 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/04(土) 00:23:43.80 ID:BT4rUXwH0


バッと頭を振ってそちらを見る

同じ高さの目線にはなにもない、が視線を下げる

赤い髪、見覚えのある瞳、見慣れた制服


京太郎「……照、さん?」


宮永咲の姉、宮永照


照「京ちゃん発見伝」

京太郎「……伝?」



◆???

1〜50 普通

50〜98 おや?

ゾロ目 ???

◇1↓のコンマ

237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 00:37:32.11 ID:0i4QUIcH0
まさかの安価
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 00:39:04.51 ID:0i4QUIcH0
まじかww
239 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/04(土) 00:48:11.57 ID:BT4rUXwH0
(なんとなくやったらマジか……



【ゾロ目 MAX】



そこにいたのは―――宮永照

中学からの馴染みである宮永咲、その姉

実際に会ったのはインターハイ終了後なのだが、なんだか妙に仲良くなってしまった相手ではある


京太郎「どうもっす」

照「久しぶり、だね」フッ


微笑を浮かべる照に、見惚れそうになる……

だが思い出す


京太郎「メッセージ送りましたけど」

照「ショートメールにしてよ」

京太郎「あっちのが楽でしょうに」


確認不足、故に返事無しである


京太郎「まぁ、安心しましたけど」


咲の姉の照がまともにしている

怪獣メダルにとらわれていないというのは僥倖だった

怪獣メダルに囚われていたとして、逆に誰が助けられるのかという問題もある


照「しょうがないからいいよ」

京太郎「なにが?」

照「再開のチューして」

京太郎「せんわ!」

照「大人になったね」

京太郎「子供のころからしない自信ある」

240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 01:20:25.53 ID:gLRVviXK0
12塞
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