【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】

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2 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 02:58:41.47 ID:pr8dXYOt0

◆プロローグ

須賀京太郎、15歳、高校一年生

夏、自らの在籍している清澄高校のインターハイでの団体戦優勝を見届けた

もちろん、自らが親友【宮永咲】の個人戦優勝すらも

過ぎゆく平和な日々

そして夏が過ぎ―――光と闇の混沌とした戦いが始まる
3 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/01(月) 03:01:13.51 ID:pr8dXYOt0

・【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」
[http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630256552/]
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 08:43:52.08 ID:nQ+7fY1z0
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/05(金) 06:05:18.52 ID:frCRALyb0
立て乙
6 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 20:23:22.62 ID:csAavWHH0

やってくっすー

タイラント終了からってことで

前スレのやつ『漫絹』『戒能さん』『松実丼』は進行してったらやるっすー
まぁ絹も玄も良子さんもいないから登場してからになるけどもー
7 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 20:35:05.05 ID:csAavWHH0


―――次回予告


京太郎:かわいい

胡桃:おっぱい大きければなんでもいいんでしょ!

デスレ星雲人:終わらせる

豊音:京ちゃんって、呼んで……いいかなー?

京太郎:好き

デスレ星雲人:獄炎の中、塵と消えるがいい!

京太郎:俺は尻も良いと思う!

塞:え〜こまっちゃうなぁ〜えへへ〜


次回【萌えろ!燃えろよ!】


トシ:特異課は婚活会場じゃないんだよ?

京太郎:微塵も思ってねぇわ!

8 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 20:57:39.47 ID:csAavWHH0


もう10月末、そろそろ肌寒い季節になり青い葉は紅葉へと変わって行く

あれから数日、京太郎は一人起きた熊倉家から特異課基地へとやってきた

時刻は9時過ぎ、欠伸を噛み殺しながら基地のロビーへと入る


京太郎「トシさん、起こしてくれてもいいのになぁ」

塞「重役出勤ってやつ?」


横に現れた塞の言葉に顔をしかめる


京太郎「うっ……そのぶん働きますよ」

塞「いや逆にそれはなぁ、働きすぎっていうか京太郎無茶するからなぁ」

京太郎「そうっすか?」

塞「そうでしょ」


他愛ない話をしながら、京太郎はエレベーターのボタンを押す

とりあえずトシと話をするためだ

着いたエレベーターに乗り込む京太郎と塞


塞「でもありがとね」

京太郎「へ、どしたんっすか?」


戸惑いながら、


塞「いやっ、ふ、普通に……私たちのために色々頑張ってくれてるし」

京太郎「……あとは葵さんっすね」

塞「そのために残ってる?」

京太郎「まさか、それもありますけどそのためだけじゃないっすよ?」

塞「……京太郎って、優しいよね」フフッ

京太郎「え、なにそれ口説いてます?」

塞「く、口説いてないよ!?」カァッ

京太郎(そんなに勢いよくこなくても)

塞「そ、それに口説くならもっと、その……」ボソボソ

京太郎「?」
9 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 21:19:18.85 ID:h1eTgY7q0


妙な雰囲気のまま、エレベーターの扉が開く

京太郎と塞が降りると、たまたまなのか胡桃と白望が作戦室の前で立っていた


京太郎「胡桃さーんシロさーん」


その声に反応して二人が京太郎の方を向く


塞「おはよー」

京太郎(あれ、いつも通り)

白望「ん、おはよ」

胡桃「作戦室?」

京太郎「はい、二人は?」

白望「私たちも」


そう言って、白望が気怠そうに京太郎の横に行ってからよりかかる

もちろん体が触れ合うのでドキッと、するのだが平静を装う

装えるだけ、成長したなと実感した


白望「ん、よりかかりやすい」

京太郎「かわいい」


そう言ってから、止まる


京太郎(しまった!)


装えてなかった


白望「そ……」

京太郎(ちょっと赤い?)

胡桃「……おっぱい大きければなんでもいいんでしょ!」

京太郎「ちょぉ!!?」

白望「……触りたい?」

京太郎(触りたい!!)

京太郎「ご、誤解を生みますよぉ〜」

10 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 21:35:43.99 ID:9bwMSkqR0

―――???


真っ暗な空間

ただ麻雀卓だけが置かれた空間で、座っているのは咲

そしてその隣には“ぐったりとしている和”と、対面にはデスレ星雲人がいた


咲「まだ?」

デスレ星雲人「奴は必ず殺す。次はない」

咲「次はないってのは、こっちの台詞だけど」

デスレ星雲人「……」


なにを応えるでもないデスレ星雲人

それもそうなのだろう

“本来の主”とはまた別の存在なのだ―――自分もまた然り、なのだが


デスレ星雲人「今度こそは、終わらせる」
11 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 21:43:16.45 ID:9bwMSkqR0


    第22話【萌えろ!燃えろよ!】

12 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 22:18:59.51 ID:9bwMSkqR0


作戦室へと入った京太郎たち

そこにいるのは熊倉トシ―――それと“姉帯豊音”だった

軽く手を上げると、豊音は嬉しそうな表情をしてかけてくる



豊音「京太郎くーん」ギュッ

京太郎「うぼっ」


その身長で抱きしめられた京太郎

当然顔は胸に埋まるのだがた、それはそれで……ありである


京太郎(むしろ僥倖!)

豊音「えへへ〜」


パッと離されると、京太郎はフッと微笑む


京太郎「好き」

豊音「……ふぇっ!!?」カァッ

京太郎「あ! 間違えた!」

塞「このばかっ!」ポカッ

京太郎「あいた!」

胡桃「……」ジトー

白望「……」ジトー

京太郎「ち、違う違う違うんですっ!」

豊音「え、えっとまずは村長にご挨拶からぁ〜」

トシ「よし、とりあえず全員座れ」
13 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 22:38:26.25 ID:9bwMSkqR0


京太郎が“とりあえず”神妙な顔つきで座る

塞と胡桃とシロがジトっとした視線を向けてくるが気づかないふりをする

豊音は相変わらずニコニコしていた


京太郎「トシさん、今回はなにを?」キリッ

トシ「うん、まぁ……宮守麻雀部をなんとかしてもらって、ここでやることはあと一つ」

京太郎「?」

トシ「デスレ星雲人を倒す」

京太郎「ああ、あれ」


そう返事をする京太郎だが他の面々はわかっていない

トシがキーボードを叩くとモニターにデスレ星雲人が表示される


塞「ああ、こいつ」

トシ「まだ力が集まっていないならやりようはいくらでもある」

京太郎「……こいつを倒す、ですか」

白望「どうやって探すの?」

トシ「いや、次に京ちゃんが往来にでも出ればあっちから出てくる……はず」

胡桃「はずって」

塞「てか京太郎があぶないんじゃ?」

京太郎「なるほど、今日中にどうにかできると?」

トシ「そういうこと……たぶんね」

豊音「京ちゃんが心配だよー」ナミダメ

京太郎「京ちゃん?」

豊音「あ、京ちゃんって、呼んで……いいかなー?」


首をかしげてはみかみつつそういう豊音を前に、京太郎は冷静を装おう

装いながら―――


京太郎「好き」

豊音「ふぇっ!?」ボンッ

京太郎「ああちがっ! と、友達としてね!?」


―――装えてすらいなかった
14 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 23:11:16.44 ID:9bwMSkqR0


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音

◇1↓から10分間でコンマが一番高い選択肢を採用

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 23:11:47.51 ID:NOQ2y7f70
13
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 23:15:42.73 ID:pEnGRbgy0
9
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 23:16:13.44 ID:91mimDqS0
16
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 23:17:14.71 ID:L/p6fQozO
3
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 23:19:44.96 ID:4bJBRwf40
7
20 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 23:42:25.47 ID:9bwMSkqR0
7、辻垣内智葉



作戦室を出て、京太郎は休憩所にいた

突如、腕につけていた端末が鳴る

腕時計型のそれを開くと、ボタンを押した


京太郎「智葉さん?」

智葉『ん、久しぶり、だな』フフッ


その声に、京太郎も微笑む


京太郎「どうしたんっすか?」

智葉『なにかないと、連絡しちゃだめなのか?』

京太郎「え、あ、いや」

智葉『……冗談だ』フフッ

京太郎「ちょっとやめてくださいよぉ」

智葉『真面目な奴ほどからかいたくなるものだろ』クスッ


笑う智葉に、京太郎は苦笑を返す

智葉がそういう風にからかかうのが珍しく、少しばかり京太郎は新鮮味を感じた


智葉『……その』

京太郎「ん?」

智葉『前の……』カァッ

京太郎「ああ、智葉さんが会いたいって言ってくれた」

智葉『よく普通に返すなっ!?』

21 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/07(日) 23:57:38.20 ID:9bwMSkqR0


端末のモニターに赤い顔の智葉が映る

笑う京太郎に、智葉が不満そうに頬をふくらます


京太郎「……俺も、会いたいっすよ」フッ

智葉『ふぇぁっ!?』マッカ


別になんのきなしに言葉にする京太郎

シンプルに、ただ単純に会いたいと思ってるからこその言葉だ

智葉と同じ気持ちだと―――思っている


京太郎「徐々に、状況は進んできてますから」

智葉『そう、かもしれない……こちらも、そうだから』


東京の方も、徐々に状況が好転してきてはいるのだろう

仲間たちも取り返すことができているのかもしれない……


京太郎「やばそうだったら言ってくださいね、すぐに行きますから」

智葉『……』

京太郎「俺が、俺のために守りたいんです。前も言ったけど」

智葉『その、わ、私を……?』

京太郎「はい、智葉さんを……」フッ


その言葉に、智葉の顔が一気に赤くなる


京太郎「それに明華さんやネリー、他にも」

智葉『ととと、とりあえずまた、ぜったい会いにくるようにっ!』

京太郎「え、あ、はい」

智葉『ま、待ってるから……今後は、う、うちに』

京太郎「へ、なんて?」

智葉『う゛っ……そ、それじゃまた連絡するっ!』


それだけ言うと、智葉が通信を切った

首をかしげる京太郎だが、フッと笑みを浮かべて頷く


京太郎「全部終わったら、もっと楽しそうだな」

22 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 00:13:36.59 ID:nMuI9Fsv0


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
×、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音

◇1↓から10分間でコンマが一番高い選択肢を採用

23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 00:17:08.53 ID:bWYg1zwi0
13
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 00:20:00.75 ID:d7qaeaGm0
4
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 00:20:40.62 ID:eHjoJ/eS0
10
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 00:22:25.76 ID:YCG9QPKq0
3
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 00:24:07.30 ID:38v+2KJgO
15
28 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 00:54:04.44 ID:nMuI9Fsv0
3、福路美穂子



智葉との通信を終えて、京太郎は街を歩いていた

目的も別段ないパトロール

雀荘めぐりと言っても過言ではないのだが……


京太郎(あまり客いなかったなぁ……)


雀士失踪時間も徐々に噂になっているせいかもしれない


京太郎(さてと、ともすればどうするかなぁ)


上を向いて、日光の眩しさにサングラスをかける

すると、腕時計型の端末が鳴った


京太郎「美穂子さん?」

29 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 01:20:18.15 ID:sKaWcmXC0


ピッ


京太郎「美穂子さん」

美穂子『あ、京太郎……繋がってるわよね?』

京太郎「声聞こえてれば」

美穂子『良かったぁ』


そう言って息をつく美穂子に、京太郎は笑みがこぼれる

相変わらず機械音痴のようでいまだに端末の操作もあやふやらしい


京太郎「おはようございます」

美穂子『もうお昼よ?』

京太郎「……ほら、業界内じゃいつもおはようって言うじゃないっすか?」

美穂子『テレビの人になるの?』

京太郎「すんませんそのつもりはないっす」


会話をしながら歩く


美穂子『あ、でもはやりさんが京太郎をテレビにーって言ってた気がするわ』

京太郎「丁重にお断りするぜ」

美穂子『でも、京太郎ってかっこいいから似合いそう』クスッ

京太郎「美穂子さんがカッコいいって言ってくれるだけで十分っすよ」フッ

美穂子『あぅっ』カァッ

京太郎「?」

美穂子『ず、ずるぃ』

京太郎「え、あ……臭かった?」

美穂子『き、嫌いじゃないけど、ね?』

京太郎「あ〜、ははは……」

京太郎(危うく好きになるところだったぜ!)
30 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 01:36:19.89 ID:sKaWcmXC0

今回はここまででー
続きは明日やれると思うー

明日22話終わればいいなぁー

そんじゃまたー
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 01:41:04.75 ID:YCG9QPKq0
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 04:47:34.84 ID:LtXllgu50

ガイトさんとキャップ落ちてるやん
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 09:06:59.89 ID:zTeGlUZC0
共闘したり命を救われたりしたら多少はチョロくなる
34 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 21:49:02.53 ID:zOz+QK0O0

やってくーミツバンバン!

安価取ったら落ちてくシステムー
取らなくても落ちてくキャラもいる……まぁ多少はね!
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 22:09:23.20 ID:awiNIwCb0
ガイトさんのお家に行ったらお見合いが始まっちゃいそう
36 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 22:11:00.36 ID:V/WqJ81a0


美穂子との会話を終えて歩く京太郎

デスレ星雲人―――ベリアルの仲間に同族が存在した

ダークネスファイブ、その一人だ


京太郎(デスローグさん、か)


人通りの多い大通りに出てしまい、ため息をついた

さすがにここにデスレ星雲人が来るとも思えない

やはり雀荘で怪獣メダル持ちを倒してあぶりだすしかないのだろう


京太郎(俺も敵の気配感じるとかできれば……)

??「あれ、そこにいるのは!」

京太郎(この声は……)


ゆっくりと振り返ると、そこには―――


京太郎(げぇ! 西田ぁ!)

順子「お久しぶりですね!」

大介「どうも」ペコ

京太郎「ど、どうもお久しぶりです」アハハ


西田順子と山口大介

ウルトラマン関係の事件を探っている記者二人だ

37 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 22:34:35.01 ID:/5u2klw70


しかし、まだばれていないはずだ

息をついてかけているサングラスの位置を整える

そうそうにこの場を離れたい


大介「仕事ですか?」

順子「長野から岩手なんて大変ねぇ」

京太郎「まぁ色々と……」

順子「守秘義務?」

京太郎「そういうことっす……それにしても、どうしてこちらに?」


軽く質問を返す

この問答を終えてさっさとそこを去ろうと決める

このまま宮守の誰かを見られても厄介だ


順子「ほら、長野でベリアルが消えたじゃない?」

京太郎「……そうっすね」

順子「それから出てきた怪獣と戦う怪獣、あれを追っててね」

京太郎「なんでまた」

順子「ベリアルに似てない? どっか」

京太郎「……さぁ、関係あるんですかね」


あまり話してると墓穴を掘りそうだ


京太郎「俺は仕事なのでこれで」

順子「えーそんなこと言わないでよ!」


順子が京太郎の腕に抱き着く

その感触に顔を赤らめながらも離れようとする

だが、いかんせん腕を掴む力が割かし強い


京太郎「ちょっ」

順子「須賀京太郎くん?」

京太郎「ッ!」

順子「ね?」

38 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 22:50:49.71 ID:/5u2klw70


腕を組まれたまま止まっている京太郎

サングラスの下から、視線だけを順子の方に向ける

ニヤリと笑みを浮かべる順子に眉をひそめた


京太郎「……俺が須賀京太郎だからって、なにか問題でも?」

順子「シラ切らないの?」

京太郎「下調べしてるんでしょ?」

順子「まぁねー」


そう言う順子を相手に、京太郎は眼を細める


京太郎「……で、なにか聞きたいことでも?」

順子「ええ、色々とそっちの組織のことと……ウルトラマンについてとか?」

京太郎「ウルトラマンについては知らないっすよ」

順子「ホントに?」

京太郎(面倒だな……トシさんとか出てこねぇかな)


そんなことを思っていると声が聞こえた


塞「あれ、京太郎?」

京太郎(塞さんは出てこなくていいから!)

順子「あれ、宮守の……」

京太郎(しまった……)

白望「?」

胡桃「女の人と腕組んでる!?」

京太郎(ややこしくなりゅ!)

39 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 23:10:05.89 ID:/5u2klw70


固まる京太郎、そして空気


京太郎「……えっと」

順子「はは〜ん、雀士失踪事件の詳しいこと聞きたいわね。怪獣との関係とか?」

京太郎「え〜っと」

白望「京太郎?」

塞「大人の女がそんなにいいのか!」

京太郎「ちげぇから!」

塞「よく考えれば白築さんにもデレデレしてた!」

京太郎「してねぇ!」クワッ

豊音「あ、京ちゃんだ!」ダキッ


順子とは反対側の腕に抱き着く豊音

もちろん京太郎より高いので背の順で並んでいるようになっている


順子「さて須賀君、色々聞かせてもらおうかしらぁ?」

京太郎「丁重にお断りさせてもらうんですが」

胡桃「修羅場だ」

京太郎「ちげぇから!」

白望「犯罪ですよ、大人が高1相手に」

順子「ち、違うから!」

京太郎(これもしや攻勢に出れるのでは……?)
40 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 23:26:23.30 ID:hkoR+JB+0


塞「で、ダブルで腕組まれてる色男は、どうすんの?」ジトー

京太郎「いや俺はなにも悪くない」

順子「と、とりあえず犯罪はマズイ……宮守のこととか聞きたいけど」スッ

京太郎(しかしまぁ、こうなると言い逃れとか……)


瞬間、周囲の人々の動揺する感覚を察する

そして同時に、自分に対する敵意と殺気

そちらに視線を向ければそこには―――


京太郎(そっちから来たか……)

デスレ星雲人「須賀ぁ、京太郎ォ……」

白望「目ぇつけられてない?」

京太郎「そうっすね……」


スッと、豊音も組んでいた手を離す


京太郎「!」


即座に、ガッツハイパーを抜いてトリガーを引く京太郎

他の宮守の面々もガッツハイパーを抜こうとするが圧倒的に京太郎の方が早かった

放たれた弾丸を、デスレ星雲人は左腕で弾く


デスレ星雲人「その程度でやれると思ったか!」

京太郎「チッ!」


この場で余計なことを喋らせるわけにはいかないと、さらに数発を放つ

だが、それもデスレ星雲人が火球を放ったことにより溶かされ―――さらに火球は京太郎に迫る


京太郎「ッ!!」
41 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/08(月) 23:49:55.74 ID:hkoR+JB+0


素早く、順子を大介の方に付き飛ばして自分は豊音と共に横に跳ぶ

火球が京太郎たちのいた場所を通って壁にぶつかり爆散する

豊音を庇うように倒れている京太郎の背中に瓦礫がぶつかっていく


京太郎「ぐっ……」

デスレ星雲人「獄炎の中、塵と消えるがいい!」


大したダメージでもなく、すぐに顔をデスレ星雲人の方に向ける

視線を動かせば大介と順子が見えた


京太郎「さっさと記者さんたち逃がして!」


そう言って、上体を持ち上げる


塞「りょ、りょうか……」

胡桃「あー!」

京太郎「何事っすか!」

白望「……」ジトー

京太郎「?」


だが違和感を感じる。主に右手に……


京太郎「……」チラッ

豊音「ぁ、ぁぅぅ……」マッカ

京太郎(俺の右手がなぜか豊音さんのおっぱいにー! こういうラブコメイベントあるんっすか俺の人生!!?)

豊音「きょ、きょぉちゃぁん……」


涙目で、ほんのりと赤らんだ顔の豊音

心臓がバクバクと音を鳴らすのを感じつつ、京太郎はハッとする


京太郎「そんな場合じゃないから!」

豊音「あぅっ、わ、私の村、来てくれる?」

京太郎「ちょ、話は後にしましょう!」

豊音「あっ……ぅ、うんっ♪」ニコッ

京太郎(かわいいかよ……)
42 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 00:11:55.52 ID:2bt/AtmP0


起き上がった京太郎はそっと豊音の手を取って起き上がらせる

身長に比べて体重が軽いなぁと思わないでもないが、その胸は豊満であった

頭を振るって、その感触を忘れるよう努める


京太郎「とりあえずさっさと散開して……」

塞「やっぱおっぱいなのか!」

胡桃「おっぱい星人!」

京太郎「ち、ちがっ! お、俺は尻も良いと思う!」


―――沈黙、ただ空気が凍った


京太郎「……」

塞「……え〜こまっちゃうなぁ〜えへへ〜」デレッ

胡桃「私は納得してないよ!」

塞「え〜まぁいいじゃんかぁ〜」

胡桃「下半身デブ!」

塞「!!?」

胡桃「とりあえず逃げるよ!」

塞「あ、はい」


胡桃と塞が豊音を連れて、順子と大介と共に避難しようとする

京太郎はガッツハイパーを構えたまま立っていた


デスレ星雲人「ふざけた件を見せられたが」

京太郎「そりゃ失敬、こっからは真面目に」

白望「京太郎」

京太郎「え、早く塞さんたちと行ってくださいよ!」

白望「……頑張って」

京太郎「……うす」


そう応えて頷く京太郎を見ると、白望は頷いて塞たちと共に避難していく

1人残すことに抵抗したような塞の声が聞こえるが……


京太郎「サンキューっす」


そっと、ゼットライザーを取り出す

43 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 00:30:30.67 ID:2bt/AtmP0


デスレ星雲人の体から闇が溢れだす

今までとは明らかに違う感覚に、京太郎は顔をしかめた

敵は目の前―――


デスレ星雲人「今回で終わらせる。オレも本来の力でな!」

京太郎「上等ォ!」


トリガーを引き、ゲートが出現する


デスレ星雲人「オォォォッ!」


巨大化するデスレ星雲人

溢れだす闇をその身に受けたまま、京太郎は勢いよく地を蹴り真上のゲートへと入り込んだ

44 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 00:49:08.96 ID:2bt/AtmP0


―――【インナースペース】


そこに立つ京太郎が、左手にゼットライザー、右手にカードを持つ

素早くアクセスカードを挿入


『kyotaro Access Granted.』


メダルホルダーを開き三枚のメダルを取り出す

敵は火を使う、ならば選ぶべきは―――


京太郎「どくろ怪獣、古代怪獣、ベリアルさん!」


挿入された『レッドキング・ゴモラ・ベリアル』メダル

それらを挿入すると、ブレードを可動させる


『Red King.Gomora.Belial.』


京太郎「これでオーラスだ!」


『Skull Gomora.』


ベリアル融合獣―――スカルゴモラ

45 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 01:23:48.92 ID:2bt/AtmP0


現れたのはスカルゴモラ

その正面にはデスレ星雲人

睨み合う二体の“宇宙人”たち……


京太郎『……ここで』

デスレ星雲人『終わらせる!』


顔の発光体から火球が放たれる


京太郎『そんなもんでェ!』


まっすぐ走り出したスカルゴモラが正面からその火球を受け爆散

だが、デスレ星雲人は素早く両腕を構えた

その爆煙の中から飛びだしてくるスカルゴモラ


京太郎『スカル超振動波ァ!!』


突進するスカルゴモラを受け止めるデスレ星雲人だが、その角から放たれた攻撃によりデスレ星雲人が後ろに下がって行く

立ち止まるスカルゴモラから放たれる振動波を勢いは殺せないまでもしっかりと凌ぐ


デスレ星雲人「ハアァッ!」


両腕を振るうと、振動波が拡散し周囲の住宅が吹き飛ぶ

すかさずデスレ星雲人が火球を放つ

先ほどよりも強力なその火球を、スカルゴモラは正面から受ける


スカルゴモラ「―――!」

京太郎『ぐぅっ!』


タイラントのデスファイヤーを耐えたスカルゴモラでさえこのダメージ

今までの火炎とはレベルが違うのだろう

さらにデスレ星雲人が巨大な左手を真上へと上げた


デスレ星雲人「デスインフェルノ!」

京太郎『上かッ!』キュピンッ


スカルゴモラの上空、時空が歪む

5つほどの波紋から放たれる火炎が一斉にスカルゴモラへと降り注ぐ

真上を向いていたスカルゴモラが頭部から超振動波を放つ


京太郎『三つが関の山かっ!』

デスレ星雲人「塵となれ!」


残った二つの火球が直撃、そして爆発
46 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 01:43:54.01 ID:2bt/AtmP0


爆煙が晴れるが、そこにはボロボロのスカルゴモラが立っている


京太郎『っ……!』

デスレ星雲人「まだ立っているか」ハハハハ


サンダーキラーもバーニング・ベムストラも相性故にどうにもならないだろう

炎に対する防御力ではスカルゴモラのはずだが、攻撃力ではバーニング・ベムストラ

しかし、そちらに変われば瞬く間にやられる


京太郎『どうする……!』

デスレ星雲人『もう一度受けろ!』


さらに、上空に5つほどの波紋が広がる

そちらに視線を向けるが、現状のスカルゴモラでは―――
47 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 01:51:03.37 ID:2bt/AtmP0


―――【インナースペース】


瞬間、京太郎は妙な直感でメダルを取る

そのメダルは―――


京太郎「豊音、さん……」


―――タイラント

だがその力は凄まじい

デスレ星雲人をもってして、素晴らしい素質を持った者でなければ使えない力だ


京太郎「七体の怪獣の力、いや合計して八、それからベリアルさん」


それだけの力を使えばどうなるかわからないが……


?『須賀ァ!』

京太郎「ッ葵か!」

葵『五発くる、三発やってよね!』

京太郎「了解!」


タイラントメダルを握りしめて真上を見る

とりあえずやるべきは―――


京太郎「スカル超振動波ァ!」

48 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 02:05:45.30 ID:2bt/AtmP0


―――【市街地】


スカルゴモラの振動波攻撃が上空に向かって放たれた

変わらず、三発の火球を消し飛ばす

残り二発は先ほどと同じく直撃する―――


京太郎『葵!』

葵『慣れ慣れしく余分じゃないよ!』


―――ことなく、別方向から飛んできた二つの火球によって相殺された


デスレ星雲人「なに!?」

京太郎『葵さん……』


向いた方向にいたのは、異形の怪獣

胴体までは普通の怪獣のように見えるがその頭部に眼は存在せず、口のみがあった

そして両肩から伸びる二つの―――犬の頭


京太郎『……じゃねぇ!』

葵『ガルベロスで援護するから、やってみせなよ須賀!』

京太郎『なんとでもなれだ!』


怪獣ガルベロスが咆哮を上げてその両肩の犬頭からデスレ星雲人に火球を放つ

大きな左手を振るって火球を凌ぐ

デスレ星雲人が火球を放つが、ガルベロスがそれを紙一重で回避する


京太郎『タイラント、力を借りるぞ……!』


記憶の中にダークネスファイブと共にタイラントの姿が蘇る
49 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 02:20:02.55 ID:2bt/AtmP0


―――【インナースペース】


手に持ったのは三つのメダル

バチバチと音を立てるタイラントメダルから、強い力を感じる

眼を閉じてそれを握りしめると、ニッと口元に笑みを浮かべた


京太郎「面子は揃った!」


ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く


京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」


落ちてきたメダルを取ると、三枚をセット

さらにブレードを可動させていく

バチバチと赤い稲妻が周囲に奔る


『Gomora. Tyrant. Belial.』


ゼットライザーを構えると、その赤い瞳が輝く

赤い雷に晒されながらもその笑みを崩さない


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げる


京太郎「ベリアァルッ!」

『Strong Gomorant』


顕現するはベリアル融合獣―――“ストロング・ゴモラント”

50 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 02:33:02.84 ID:2bt/AtmP0


―――【市街地】


巨大な翼を広げて、現れるのは大怪獣ストロング・ゴモラント

凄まじい咆哮と共に足を地に叩きつける

それだけで凄まじい衝撃が周囲に奔った


葵「須賀っ」


ビルの屋上にいた葵がふらつきながらもそちらを確認する

ガルベロスを後ろへと下げた

デスレ星雲人も動揺するように一歩後ろに下がる


京太郎『この力はッ!』

デスレ星雲人「タイラントの力を御した!?」

京太郎『!』


ドラゴンのような姿のストロング・ゴモラントが尻尾で地を叩く

その尾先はバラバの両腕の武器が融合したようになっていた

腹部にはベムスターのアトラクタースパウトもある


京太郎『こいつでぇッ!』

デスレ星雲人「消え去れベリアルの系譜ゥ!」

51 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/09(火) 02:37:42.81 ID:2bt/AtmP0

終わらせるつもりだったけど今回はここまでー

次回はストロング・ゴモラントでの戦いから
ちなみに選んでた場所によってメダルの取得順も変わるので色々変わる感じっすー
スカルゴモラの上位互換のため制約つくけど

次は水曜の夜ー
そんじゃまたー
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 03:06:27.06 ID:QmEiI4a60

順調に強くなってるな
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 06:47:15.29 ID:k0QXgoIy0
おつ
上半身も下半身も貧相な胡桃はどう戦えばいいのか
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 16:04:45.81 ID:PAjOwz4J0

安定のおっぱい星人だった
また知らない融合獣出たのと葵は怪獣使い疑惑?
55 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/10(水) 21:40:43.45 ID:aEIfLIq70

やってくー

ダークネスヒールズLiliも結構進んできてなーとか
ちなみに終われば移動が待ってますよーぉ

これでエンドマークっすわ

>>53
京ちゃんをロリコンにするとか!

>>54
ストロング・ゴモラントはゲームに出たベリアル融合獣っす
怪獣使いだとインスタンス・ドミネーションしそう……まぁ葵はなんやかんや
56 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/10(水) 22:12:55.18 ID:aEIfLIq70


デスレ星雲人が炎を放つも、ストロング・ゴモラントが横に回転

そのバラバテールにて炎を四散させた

さらに、勢いよく方向をあげるとその口に炎を溜める


京太郎『ハイパーデスファイア!』

デスレ星雲人「火を撃つ!?」


ストロング・ゴモラントが口から強力な炎を放つ

デスレ星雲人自身に対する炎攻撃に、驚愕しながらもデスレ星雲人も先ほどよりも強力な火球を放った

二つの炎がぶつかり、相殺

すかさずデスレ星雲人は左腕を真上に掲げる


デスレ星雲人「デスインフェルノで消し炭になれェ!」

京太郎『また上かよしつこいっ!』


上空に波紋が広がる


京太郎『バカの一つ覚えがっ!』

デスレ星雲人『さらにっ!』

葵『させないっ!』


ガルベロスが火球二つを吐きだすも、デスレ星雲人は左腕でそれを凌ぐ


葵『ガルベロスっ!』

京太郎『ッ、そういうことか!』


さらに、強力な火球を作り出すデスレ星雲人

明確な隙だが、上から降り注ぐ火球を放置するわけにもいかない


京太郎『ええい! ハイパーデスファイヤー!』


五発の火球を、口からの炎で一掃する

先ほどできなかったことが、今は可能だ

それほど強力な力、ならば……


京太郎『ぐっ!』


わずかに怯むストロング・ゴモラント


デスレ星雲人「消え去れベリアルの残滓!」

京太郎『器の次は残滓扱いかよッ!』


放たれる巨大な火球が、ストロング・ゴモラントへと迫る

57 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/10(水) 22:32:18.51 ID:aEIfLIq70


迫る火球はストロング・ゴモラントを―――すり抜けた


デスレ星雲人「!!?」


葵「ばぁか」ハッ


デスレ星雲人は素早くガルベロスの方を向く

ガルベロスの幻影を見せる能力

ビルの上にいた葵が笑みを浮かべる


デスレ星雲人「ならば奴は!」


瞬間、その背中にバラバテールがぶるかった

吹き飛んだデスレ星雲人が地に転がる


デスレ星雲人「ぐおぉっ!!?」

京太郎『葵ィ!』

葵「わかってるよ……!」


ビルの上にいた葵が、右上を掲げた

掲げた腕から闇が溢れだし空へと昇ると、それがデスレ星雲人とストロング・ゴモラントを囲う

もちろん葵も……


葵「ダークフィールドGで!」


その囲まれた空間の中にいたストロング・ゴモラントとデスレ星雲人、さらに葵が異空間へと跳ばされる

巨大な岩などが落ちているフィールド

起き上がろうとするデスレ星雲人を相手に、ストロング・ゴモラントが咆哮する


京太郎『ここならァ!』

58 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/10(水) 23:04:44.42 ID:aEIfLIq70


巨大な翼を翻し、ストロング・ゴモラントが飛ぶ

ふらつくデスレ星雲人を掴みそのまま上空へ


デスレ星雲人「なんのつもりだ!」

京太郎『オーラスを打つんだよ!』


勢いよく、上空でデスレ星雲人を離す


デスレ星雲人「落下ダメージ程度で」

京太郎『……超重獄でぇ! グラビトロプレッシャー!』


ストロング・ゴモラントの角が輝く

直後、超重力がデスレ星雲人へと襲い掛かり、勢いよく地上へと叩きつけられた

クレーターができあがる


京太郎『連荘ッ!』


地上へと叩きつけられたデスレ星雲人に、さらにもう一度重力波が放たれた

それがさらに巨大なクレーターを作り上げる

ダークフィールドGの悍ましい闇を背景に、ストロング・ゴモラントが咆哮


デスレ星雲人「ぐおおおぉっ!」

京太郎『まだまだァ!』


重力が止むと、デスレ星雲人が弱々しく起き上がる


デスレ星雲人「デスインフェルノォ!」

京太郎『当たるかァ!』


ストロングゴモラントが翼を振るった

その巨体をものともせず、上空を飛ぶ

地上へと向かって飛びながら、上から降り注ぐ火球を回避していく


デスレ星雲人「ぐっ、このような脆弱な地球でぇ!」


地上スレスレで、ストロング・ゴモラントは地面と水平に飛ぶ

真っ直ぐに―――デスレ星雲人へと向かって

デスレ星雲人が、火球を放つもストロング・ゴモラントはそれを真正面から受けながら飛行


京太郎『立直だ!』
59 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/10(水) 23:17:29.42 ID:Wv7hZDSY0


ストロング・ゴモラントはデスレ星雲人へとその角を突き立て―――飛ぶ


デスレ星雲人「ごおぉっ!!?」


脚と尻尾を地上へと着け、減速

凄まじい砂煙をあげながら、止まる

角に突き刺されたままのデスレ星雲人は宙に持ち上げられていた


京太郎『そしてこれでぇ!』

デスレ星雲人『どちらにしろっ、粛清かッ!』


ストロング・ゴモラントの口が赤く光る


京太郎『ハコ割れだァ!』

デスレ星雲人『闇の皇帝よぉ!』

京太郎『ハイパーデスファイヤー!』


放たれた獄炎が、デスレ星雲人を塵へと還す

60 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/10(水) 23:40:55.91 ID:pJtJ900v0


破壊された街、もちろん人気は無い

そこに暗い闇の柱と共に現れる京太郎

両足で地に立ちそこにいるが、すぐに膝がガクリと曲がる


京太郎「ぐッ!」


体に痛みが奔り顔をしかめた

胸あたりも痛むと、口を押える


京太郎「けほっ! ごほっ!」


鉄分の風味に顔をしかめつつ、手を見れば僅かに血液


京太郎「……タイラントメダルのせいか?」


やはり強大な力を無理矢理に使用した代償なのだろうと理解しながら、なんとか立ち上がる

少しばかり離れた場所に歩いていくと、落ちていた【デスレ星雲人】のメダルを取り上げた


京太郎「例の怪獣も、消えてるか……」


ガルベロスは既にいない

葵に礼を言おうにも、どこにもいないしコンタクト方法もわからない

ならば、次に出会う時は自分を助けてくれる“アンノウンハンド”が現れた時だろう


京太郎「……」

「京ちゃ〜ん!」

京太郎「豊音さん……」


軽く駆けてくる三人、と歩いている一人が視界に入り、フッと笑みを浮かべる

なにはともあれやるべきこと、やりたいことは終えた

やってくる四人の後ろに、周囲を見回している順子と大介も見える


京太郎(まぁなにも見つけてないようでなによりだけど……)

61 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/11(木) 00:03:09.69 ID:nLySq5RT0


―――【特異課岩手基地:作戦室】


あれから三時間ほどして、帰ってきた京太郎たち

血はバレないようにしたものの、擦り傷などもあって軽く応急処置はされた

話と言う話はないが、そっと取り出したメダル


トシ「それは……」

京太郎「終わったみたいです」

豊音「メダルだーわかりやすくていいねー」

胡桃「戦国武将が首とってくる的な?」

塞「恐い表現するね」

白望「んー」


トシはそれを確認して頷く

京太郎はといえばそれをメダルホルダーにおさめた

ずいぶんメダルも集まってきたが使えるものもは少ない

それを考えながらも体を伸ばそうとして、痛みに顔をしかめる


京太郎「痛てて……」

白望「あんま、無理しないでね」

京太郎「……まぁできる限りは?」フッ


隣に座る白望が椅子のまま寄って、そっと手を伸ばす

その手が京太郎の頬に触れられた

張ってある絆創膏を上からそっと撫でる


白望「心配するから……安心してゴロゴロできないし」フッ

京太郎「う、うっす」カァッ


少しばかり顔を赤らめながらも、京太郎も笑みを浮かべた


塞「え、なにそれ!?」

胡桃「いつの間になにしてんの!」

豊音「なんか良い雰囲気でどきどきするよ〜」エヘヘ

京太郎「や、やめてください別になんでも!」

塞「おっぱいに弱いし美人によわいしでしょ京太郎!」

京太郎「その理論なら塞さんたちにも弱くなるでしょ!」

塞「……えへへ〜しょうがないなぁ」

胡桃「!?」
62 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/11(木) 00:12:35.29 ID:nLySq5RT0


豊音「え〜胡桃と私は〜?」

京太郎「可愛いっすよ」フッ

豊音「えへへ〜」

胡桃(ま、まぁそういうなら許してあげても……うん)

豊音「おっぱいも触られちゃったしぃ、可愛いって言ってもらちゃったー」ニコニコ

京太郎「!!?」


忘れていたわけではないが、無かったことにしようとしてきらいがある。悪党である


京太郎「え〜っと」

豊音「けっこん?」

京太郎「早まらないでっ!」

豊音「そ、そうだよね、まずはお付き合いしてー、同棲してー」

京太郎「まだ早い! マッハ5!」

白望「……」クイクイ


袖が引かれる


京太郎「?」

白望「おっぱいがいいの?」

京太郎(すき)

豊音「シロも京ちゃんと結婚ー?」


なんだかややこしいことになってきた

トシに助けを求めるために、そちらに視線を送る

お互いの目が合い、頷き合う


トシ「特異課は婚活会場じゃないんだよ?」

京太郎「微塵も思ってねぇわ!」

塞「一夫多妻制!?」

胡桃「そんなのありなの?」

京太郎「時を戻したいッ!」

63 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/11(木) 00:39:23.79 ID:pOmq+Ypk0


◆どこへ向かう!


1、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海・白糸台)
3、大阪(千里山→姫松)
×、岩手(宮守)
5、北海道(有珠山)
6、長野(滞在)
7、福岡(新道寺)
×、鹿児島(永水)
9、東京(プロ・アナウンサー)


◇10分間で安価 1↓からコンマが一番高い選択肢

64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/11(木) 00:40:44.24 ID:xqXOyH+w0
3
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/11(木) 00:41:53.60 ID:yd6sKF0w0
1
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/11(木) 00:43:57.49 ID:+mYxQCbr0
2
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/11(木) 00:46:47.41 ID:9FmflB2RO
6
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/11(木) 00:47:54.62 ID:UEtVMGTE0
1
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/11(木) 00:50:01.34 ID:UEtVMGTE0
よし阿知賀
ゼットン出そうなとこわかればそこにするんだけどな
70 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/11(木) 00:55:46.26 ID:pOmq+Ypk0
1、奈良(阿知賀・晩成)



―――【特異課岩手基地:休憩所】



とりあえず岩手、遠野の地の安全はしばらく保障される

熊倉トシはそう言っていたので、それを信じて次の目的地を決めた


トシ「ん、奈良か」

京太郎「ああ……宥さんがちょっと」

トシ「松実宥、なるほどねぇ」

京太郎「なんか知ってます?」

トシ「いや、どうだろ……んー」


わからないようだった

彼女のわかる場合とわからない場合も、よくわからない

だがハッキリと口にしたことは信用できるだろう


トシ「あ」

京太郎「ん?」

トシ「……熱とか、火か?」

京太郎「もう炎はお腹一杯なんですけど」

トシ「まぁまぁ……古代から蘇った恐竜とかだって火ぃ吐くからね」

京太郎「吐かないでしょ」

トシ「吐く」

京太郎「あ、はい」

トシ「とりあえず頑張りな……あとこれ」

京太郎「ん、これは?」

トシ「キングジョーメダル、破片使って作った奴」

京太郎「……どうもっす」

トシ「どういたしまして」フッ

71 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/11(木) 01:15:59.10 ID:jUR9Pcrf0


―――【岩手:旅館】


借りている一部屋

あぐらをかいて自身が撮った写真を見ている順子が怪訝な表情を浮かべる

そっと視線を動かして大介の方を見た


順子「ちょっとこれ見て……」

大介「?」


彼の方も自分が撮った写真を確認していたようだった


順子「どう思う?」

大介「女の子、ですか?」

順子「そ、ビルの上にいたのが見えてめいっぱいズームして撮ったんだけど……」


ボロッとした制服姿の少女が、そこにはいた

少しばかり崩れてはいるが真ん中分けしていたであろう長い黒髪

怪獣の方に向けて何かを叫んでいるようでもあった


順子「この子、どう思う?」

大介「関係はありそうですけど……」

順子「怪獣を操ってるとかない?」

大介「これだけじゃ判断できないっすよ」


そう言ってその少女を見る


順子「……よし、調べましょう。見たところ十代後半、高校生とかっぽいし」

大介「こんな子供が、怪獣を……?」

順子「なにはともあれジャーナリストとして真実を暴く。それだけよ!」ニッ


良い笑顔を浮かべる順子に、眉をひそめる大介


大介「……この制服、どっかで見たことないっすか?」

順子「確かに」

大介「う〜ん」

72 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/11(木) 01:23:43.06 ID:jUR9Pcrf0


    第22話【萌えろ!燃えろよ!】 END

73 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/11(木) 01:45:31.17 ID:jUR9Pcrf0


―――次回予告


宥:おかえりっ

京太郎:ただいま

晴絵:イチャついてんじゃねぇよ!

穏乃:私も戦ってるよ。ここで!

憧:ありがとう、それとよろしく

灼:猛暑ってレベルじゃないとおも

京太郎:この時期に水着回!!?


次回【偽りの赤き日輪】


晴絵:ヴァージョンアップを見せてよね

京太郎:熱い奴で頼みます!

74 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/11(木) 02:07:53.54 ID:jUR9Pcrf0

今回はここまでー

次回は奈良編STARTってことでー
憧とか灼とか全開絡みがなかった二人共なんやかんや

たぶん金曜の夜にでもー

そんじゃまたー
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/11(木) 03:41:08.22 ID:WNFkhO4w0

葵はダークザギだったか!
記者組は余計なことしなきゃいいけどな
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/12(金) 10:15:34.88 ID:urXeywdBO
おつ
ダークザギよくわからんけど葵もウルトラマンてことね
ゴモラントはリスクありだし多用はせんか?
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/12(金) 13:12:00.88 ID:j7puP4bS0
>>76
容姿だけ見れば似てるけどダークザギはウルトラマンの模造品
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/14(日) 02:26:39.74 ID:ogMaZka4O
次も火を操る系の敵みたいだけどなんの怪獣だ?
79 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 00:54:19.70 ID:N70PNMhu0

遅くなったしちょっとだけどやってくー

葵に関してはバレるよねそりゃ
80 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 01:06:56.75 ID:N70PNMhu0

あれから一日

昼過ぎに京太郎は吉野の地に到着した

背を伸ばし、ベンチに腰かけるとケータイを取り出す


京太郎「……んー」

??「なぁにしてんの?」ヌッ

京太郎「うおっ!?」ビクッ


横からの声に驚きそちらを見る

真横には赤土晴絵

ニコニコ笑いながら、回り込んで京太郎の横に座す


京太郎「もうちょっと普通に登場してくださいよ」

晴絵「もうちょっと鋭くならないとだよー?」

京太郎「精進しますよ……ところで」

晴絵「車はあそこ、ほら行くよ」


親指で差す方向にワゴンが一台

頷いた京太郎は立ち上がってそちらへと向かう


京太郎「ところで、こっちは」

晴絵「なんもないよ。ちょっと怪獣が出て晩成の生徒を助けたよ」

京太郎「ガイアが?」

晴絵「そ、ガイアが」ハッ


正体を知っている晴絵はバカバカしそうに笑った

晴絵が運転席に乗り込み、京太郎は助手席へ

シートベルトを付けたところでバックミラーに少女を見る


京太郎「のわっ!!?」ビクッ

晴絵「ビビッてばっかだな京太郎」

京太郎「一回目は晴絵さんが悪いでしょ!」


そう言いながら、後ろを振り向く


京太郎「えっと、お久しぶり……で良いんですかね、鷺森さん」

灼「私ははじめまして、須賀京太郎くん……灼で良いけど」

京太郎「それじゃ灼さん、俺も京太郎で良いです」

灼「……ん、それと」

京太郎「?」

灼「……ありがと」

京太郎「いいえ」フッ

晴絵「私を忘れてイチャつかないでよ?」

京太郎「そんなことするわけないじゃないっすかー」

灼「須賀君、じゃなくてきょ、京太郎はただの恩人だから」

晴絵(寝取られものでありそうなセリフ回しをしてからに)
81 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 01:17:19.02 ID:N70PNMhu0


それから、雑談を交えながら晴絵の運転する車は特異課奈良基地へとたどり着く

ガレージ、というより駐車場に車が止まる


京太郎「なんか久しぶりだなぁ」

晴絵「なんか静かですね〜」

灼「阿知賀の戦力は軒並み」

京太郎「ちょっと待ってよくない流れ」


車から出る京太郎と晴絵と灼の三人が、基地内に入る

すぐそばにあるエレベーターを使い、最上階へのボタンを押す


晴絵「にしても、京太郎がこっち来れるとはねぇ」

京太郎「呼んだの晴絵さんでしょ」

晴絵「ほら人気者だからさ、京太郎ぉ」クスッ

京太郎「尾ひれついた噂のせいでしょ」

灼「そうでもないとおも」

京太郎「……意外と評価高めですか?」

灼「実際助けられてるからね」

京太郎「俺じゃないっすけど」

灼「……す、京太郎のおかげって聞いてるけど」

京太郎「え〜誰からっすか」

灼「穏乃と宥」

京太郎「……あの二人、俺をかいかぶりすぎだ」

晴絵「そーでもないと思うけど?」

京太郎「なら良いんですけど」


エレベーターが止まり、少しの浮遊感の後に扉が開く

そして正面のベンチには―――


京太郎「宥さん」

82 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 01:22:03.05 ID:N70PNMhu0


宥「京太郎くん」


エレベーターから出る三人

立ち上がった宥が柔らかな、笑みを浮かべる


京太郎「……」

宥「えっと……おかえりっ」ニコッ

京太郎「ただいま」フッ


連絡を取っていたし、晴絵と比べても身近に感じていた相手だ

だが、いざ顔を合わせるとまた変わった感覚


晴絵「イチャついてんじゃねぇよ!」

京太郎「なっ!?」

宥「い、イチャついてなんてっ」カァッ

晴絵「ついてんじゃねぇか!」

灼「ハルちゃん落ち着いて!」

晴絵「これが落ち着いてられるか!?」

京太郎「と、ともかく作戦室いきましょ! ね!?」

宥「う、うんっ、そうした方が!」アセッ

晴絵「たまには私に勝たせろよぉ!」

灼「ハルちゃん!!?」

83 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 01:39:22.57 ID:N70PNMhu0


晴絵をなだめて作戦室に入る

灼が先に扉を開けて、晴絵、宥、京太郎と入った

前と変わらぬその場所に、前とは違い見知った顔


京太郎「穏乃……」フッ

穏乃「京太郎! おかえり!」ニッ

京太郎「ああ、ただいま」コクリ

穏乃「色々あったみたいだけどさ……」


その言葉に、少しばかりの重みを感じた

それもそうだろうと頷く


穏乃「私も戦ってるよ。ここで!」

京太郎「ありがとな、ここを守ってくれて」

穏乃「みんなと、京太郎も帰ってくる場所だからね」ニッ


爽やかに笑う穏乃

そっと、京太郎はその隣の少女に視線を向けた

誰かは知っている


京太郎「新子憧……」

京太郎(ウルトラマン、アグルの偽物だった者、か)

憧「え、えっと……新子憧、です」


立ち上がってそういう憧に、京太郎は笑いかける


京太郎「知ってるよ。和の友達だし、俺は須賀京太郎」

憧「う、うん……」


少しばかり、緊張しているようにも見えた

だがそっと深呼吸をすると、憧は頷いて笑顔で京太郎の方へと向く


憧「ありがとう、それとよろしく」

京太郎「ああ、こっちこそよろしく」
84 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 02:08:47.11 ID:N70PNMhu0


座る京太郎、隣には灼と宥

モニターの前に立つ晴絵が、リモコンを片手に持つ

ボタン操作をするとカーテンが閉まり、部屋が暗くなる


晴絵「さてと、京太郎を呼んだ理由はほかでもない」ピッ


モニターに表示されるのは……


京太郎「マップ、ここらへんの?」

晴絵「そう、それで」ピッ

京太郎「……この何個もある赤い点は?」

灼「目撃情報だって」

京太郎「目撃……」

宥「うん、玄ちゃんたちの」


その言葉に、なぜ晴絵が自分を呼んだのか理解した


京太郎「……絞れました?」

晴絵「ある程度だけどね」

憧「和も見たとか」

京太郎「和、根源破滅天使ゾグが……」

穏乃「うん、まだ生きてたみたい。和を早く取り戻さないとッ!」


右拳を左手のひらにぶつける


灼「それに小走さんの目撃情報もあったとか」

憧「初瀬……」グッ

宥「玄ちゃん……」


それぞれ、取り戻したい相手がいるのだろう

京太郎は静かに息をついた


京太郎「やりましょう、計画は?」

晴絵「足で探す。そんだけ」

京太郎「……もうちょっと作戦」

晴絵「それしかないっしょ。それで見つからないようなら……そこから色々情報あつめてやるよ」

京太郎「情報第一なタイプでしたっけ?」

晴絵「私は元々そうだよ。非能力者のできることをやってきた結果ね」ハッ

京太郎「……俺はそういうとこ、好きですよ」

晴絵「ふぇあっ!?」

灼「ハルちゃん……!!?」

宥「むぅ」

85 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 02:26:54.65 ID:N70PNMhu0

短いけど今回はここまでー
安価だし丁度良い

次は明日というか今日の夜やってくけどちょっと早めにやれるはずー


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
17、新子憧
18、鷺森灼

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 03:59:56.07 ID:T7oNNarA0

1で
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 05:09:22.30 ID:fMgfz1Aj0
17
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:20:40.48 ID:b0KtROJd0
18
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:31:12.26 ID:zKHYuisEo
12
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:42:04.80 ID:J4khZlFw0
9
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:43:17.56 ID:U5+qnRhi0
10
92 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 21:24:30.13 ID:yCvFRQfo0
やってく所存ー

ほろ酔いでやってくよーん
93 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 21:52:38.59 ID:yCvFRQfo0
18、鷺森灼
9、雀明華



作戦室での会議の後、京太郎は休憩所にいた

見知ったメーカーのコーヒーを啜りながら、静かに息をつく

並べられたメダル、その数は昔の数倍


京太郎「……にしても、だな」


一枚一枚をホルダーに差し込んでいく中、タイラントメダルを見据える


京太郎「……」


凄まじい能力を持つストロング・ゴモラントの力

けれど、やはりその能力に顔をしかめた

その反動、副作用は能力と比例して上がっていく


京太郎(今度、もっと修行しないとか……)

灼「す、京太郎」

京太郎「ん、あれ灼さん?」

灼「ん」コクリ


すっかり女子生徒、しかも先輩を名前で呼ぶのも馴れたものだ

もうちょっと状況が違えば素直に喜べたのだが……


京太郎「どうしました?」

灼「これからパトロール?」

京太郎「はい」コクリ

灼「一緒に、いかない?」


そんな誘いに、素直に頷く


京太郎「喜んで」フッ

94 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 22:24:47.78 ID:SYsqrU6B0


車を運転することもないので、二人で街を歩いていく

一ヶ月足らずでだいぶ復旧も進んでいるようで、街並みは最初に来た時とそれほど変わりはないように見えた

しかして、違うものは違ったりもする

吹き飛ばされた花、同じ種を植え直しても結局は違う花なのと同じ


京太郎「……」

灼「私が、壊したんだよね」

京太郎「灼さんじゃないっすよ。入れられたメダルのせいだし、もっと言えば入れた奴のせいだし」

灼「そう、思えない」

京太郎「思ってください。ある程度、入れた相手だかメダルの怪獣に引っ張られるとこあるんっすから」

灼「……入れてくれたのが、京太郎みたいに優しい人だったら良かったのにね」

京太郎(なんかえっちだな……)チラッ

灼「……」カァッ

京太郎(お気づきになられましたか)
95 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 22:33:29.90 ID:SYsqrU6B0

街を歩いていると、ボーリング場が横に出た

見覚えがある以上に、灼の雰囲気が少しばかり変わるのを感じる

大体にして、そこらにあるボーリング場なんて一つだ


京太郎「ここが灼さん家っすか」

灼「なんで知ってるの?」

京太郎「いやボーリング場やってるなんて話あったらわかりますよ」

灼「……たしかに」


そう言うと、先に進もうとする灼


京太郎「ボーリングやってきません?」

灼「私に言ってる?」

京太郎「これでも球遊び得意なんっすよ」

灼「なんかやってたの?」

京太郎「ハンドボールを少々」

灼「仕事中だし」

京太郎「じゃあ終わったら!」

灼「……ならいいよ」フッ

96 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 22:46:17.54 ID:SYsqrU6B0


その後、灼は約束通り京太郎とボーリングをやった

当然、彼女の方がスコアは上なのだが京太郎も中々どうして食らいついていたようで、灼は意外そうに賞賛

ロビーにて京太郎は灼に敗者として缶ジュースを一本渡す


京太郎「さすがっす」

灼「当然」フフッ


笑みを浮かべる灼を相手に、京太郎も笑みを浮かべる


灼「……気、遣わなくても良いのに」ボソッ

京太郎「ん?」

灼「なんでも……」


そう言う灼が、立ち上がったレジの方へと向かう

レジにいるのは彼女の祖母だ

なにかを話しているようだと思いながらも、京太郎はベンチに座る


京太郎(さて、てかスポーツしたせいか暑いな)

灼「京太郎」


軽く駆けてくる灼

低身長と童顔故か、その姿がどこか可愛らしい

少しばかり赤らんだ顔をしながら、視線を泳がせる


灼「よかった晩御飯、食べて行かないかって……」

京太郎「え、あ……はい」コクリ
97 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 23:06:44.90 ID:SYsqrU6B0


灼の家で食事をした後に、京太郎は別れの挨拶をして道を行く

目的地というか、帰る場所は基地なのだが……

人気も少なくなってきた道で、京太郎は唸りながら、ネクタイを緩めてシャツのボタンを二つほど開ける


京太郎「暑いな……」


そうして歩いていると、腕につけていた端末が鳴る

首をかしげて腕時計型のそれを開くとボタンを押す


京太郎「明華さん、どうしたんっすか」

明華『あ、京太郎!』


弾むような声が聞こえてくる

歌を歌っていないものの、透き通るような声


明華『なにもありませんか?』

京太郎「え、なにがっすか?」

明華『いえ、妙な風を感じて……』


さすが“マガバッサー”に適応した者なのだろう

風を感じて読む力、風を巻き起こすはその能力故だったか……


京太郎「なにもないっすよ?」

明華『でしたら、安心ですけど』ホッ

京太郎「わざわざそれで通信を?」

明華『京太郎は私にとっても、大事な人だから……』フフッ

京太郎(俺は正統派巨乳に弱いぞ!)グハッ

98 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 23:31:43.88 ID:SYsqrU6B0


咳払いを一つして、歩みを止めることなく口を開く


京太郎「まぁ、またそっちにもお邪魔すると思うんで」

明華『でなければこっちから行くので』

京太郎「なんっすかそれ」ハハハ


軽く笑う


明華『智葉やネリーも会いたがってますよ?』

京太郎「なにそれ嬉しい」

明華『京太郎は、自分のこと過小評価しすぎじゃないですか?』

京太郎「え、そんなことないつもりなんっすけど……正当じゃないっすか?」

明華『それが過小なんですよ』


溜息をつく、端末に映る明華

首をかしげる京太郎は、本当にその自覚はない

そもそも、そういう役回りだったのだ


明華『さっきも言ったように、私は貴方のこと大事に思ってますから……他のみんなも』

京太郎「えー」

明華『だからしっかり、ご自愛を……ね?』

京太郎「……了解」フッ

明華『はい、よろしい』フフッ
99 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 23:56:08.96 ID:gFMuHoAi0


灼とのデート(暫定)と明華との密会(電話)を終えて基地へと戻った京太郎

晩御飯も食べて、報告をそのまま部屋からまとめて送った

ケータイでSNSを見ながら、慣れない部屋で眠りにつく



そしてベッドの上で眠りについてから……数時間


京太郎「だぁぁぁっ!!?」


既に陽は昇って、時刻は9時前

学校であれば遅刻、いや会社であっても遅刻である

だがなにはともあれ本日は休日……いや、そんなことはどうでもいい。問題はそこではない


京太郎「あっつい!!」


11月の涼しい、なんなら肌寒い季節

だが昨日からおかしいぐらいに猛暑

部屋の時計を見てそこに表示された温度計を確認する


京太郎「38度!!? この部屋で!!?」


服を脱ぎすてて、即座にシャワールームに飛び込んだ


100 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 00:13:06.98 ID:ljd4ZLr10


冷たいシャワーを浴びると、身支度をして部屋を出る

扉を開いた瞬間、そこに少女

昨日会ったばかり、鷺森灼がそこにいる


京太郎「へ?」

灼「おはよ」


扉をくぐった先はさらなる灼熱

廊下の先にある窓の外は、晴天


京太郎「……良い天気、否。気が狂いそうな猛暑ですね」

灼「猛暑ってレベルじゃないとおも」

京太郎「確かに!」

灼(食い気味)

京太郎「で、作戦室っすか?」

灼「松実館いくよ」

京太郎「へ?」

灼「いいから、暑いから早くして」

京太郎「確かに、さっさと行きましょ」


額に滲んできた汗を袖で拭いつつ、灼に着いていく

101 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 00:28:04.95 ID:ljd4ZLr10


―――【松実館】


灼の案内でやってきた松実館

熱波の中、5分ほど歩いたがそれだけで十分だった

上着は腕で持っており、既にネクタイはゆるめてボタンも二つ開けている


京太郎「だぁ……涼しぃ」

灼「サラリーマンみたいだね」

京太郎「暑くないんっすか?」

灼「暑いよ」


そう言いながら奥へと進んでいくと、温泉の暖簾をくぐる灼

暖簾には“女”と書いてあり足を止めるが灼が戻ってきた


灼「いいから」

京太郎「こんなことあります?」


暑さのせいだけでなく、京太郎の顔が少しばかり赤くなる

その意図を理解したのか、灼はジト目をむけた


灼「なに想像してるの」カァッ

京太郎「一緒にお風呂ってそれはちょっと」

灼「いいから」

京太郎「え、えぇ〜」


灼の後を追って、京太郎は恐る恐る暖簾をくぐった

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