【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】

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361 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 22:27:12.68 ID:THAHMxUSO

―――【???】


真っ暗な空間、そこにテンペラー星人がいた

そしてその向かいには椅子に座す“宮永咲”、その隣には原村和

さらに、金色の髪をなびかせる少女“大星淡”がいる


和「ギャラクトロン二体も、グローカーも役には立たなかった」

テンペラー星人「ええい、また須賀京太郎か!」

咲「騒がしい……」


その一言で、テンペラー星人が黙る


咲「……メビウスもだ」

テンペラー星人「メビウス、そういえば聞いたことがある。我が同胞や貴様をやった」

咲「……次は、どうする?」

テンペラー星人「しっかり手は打っている」

淡「……」


肩を震わせながら笑うテンペラー星人が、両手を大げさに広げる


テンペラー星人「暗殺を行う!」

咲「へぇ……」

テンペラー星人「フフフ、そしてベリアル因子を手に入れさえすれば……フフフフ」

和(ダメそうですね)

テンペラー星人「頼んだぞ、我が刺客よ」

362 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 22:48:25.66 ID:THAHMxUSO


―――【渋谷】


雀荘から出てくる京太郎と智葉

体を伸ばして腕を回すと、京太郎は息をついて後ろの智葉を見た


京太郎「さすがっす」フッ

智葉「なにを言ってる。大したものだあそこまでやれるとは」

京太郎「まぁ修羅場くぐってますから」


勝たなければいけないのだ

経験は確かにものになっている


京太郎「さて、次の雀荘に向かいますか」

智葉「ああ」フッ

京太郎「まさかあの辻垣内智葉と麻雀やる日がくるとはなぁって思っちゃいますね」

智葉「私も半年前は清澄の男子と麻雀をすることになると思ってなかった……それに、その、色々とはじめてが、おおいし、な」カァッ

京太郎「?」

智葉「き、気にしなくて良い……いくぞっ」フイッ

京太郎「うっす」コクリ


先を行く智葉を追って、歩き出す京太郎



そして、そんな二人を遠くビルの屋上から見る影

長い髪をなびかせる少女は―――弘世菫


菫「……」フッ


口元に浮かぶは、笑み


菫「バ〜ロバロバロバロ! 須賀京太郎! 抹殺してやるでバロッサぁ!」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/08(土) 22:52:51.31 ID:7Pir9d650
おいたわしや菫さん……
そういうのはネキとかが適任だったろに……
364 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 22:57:06.91 ID:THAHMxUSO


―――【渋谷駅:構内】


1人、赤い髪をなびかせ立つのは―――宮永照


照「……」


共に来たはずの雀明華はどこにもいない


照「……どこ、ここ?」

365 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 23:14:19.24 ID:THAHMxUSO


―――【渋谷:街中】


再び、一件の雀荘から出てくる男女

嬉しそうに笑う京太郎と、そんな彼を微笑ましそうに見る智葉


京太郎「いやぁ、智葉さんに勝てるとは……」

智葉「役満をツモるとは予想外だったな」フム

京太郎「今日、ツイてるかも」

智葉「それは結構」フッ



一方、ビル屋上

弘世菫がライフルを片手にスコープから須賀京太郎を見る

トリガーにかけた指に、そっと力を込めた


菫「その綺麗な顔吹っ飛ばしてやるバロ!」


そして、引き金が引かれ銃弾が放たれる



そんなことに気づかず意気揚々と歩く京太郎

だが足元に、突如転がってくる空き缶

見事にその空き缶に足を乗せて、バランスを崩す


京太郎「どわっ!?」

智葉「京太郎!?」


体勢を崩す京太郎と、支えようとする智葉

そして人知れず放たれた弾丸は京太郎の頭のあった部分を通り過ぎる

受け止めた智葉と、なんとか体勢を整える京太郎




ビル屋上の菫が地団駄を踏む


菫「バロバロォ!? なんでどうして!?」

366 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 23:41:02.82 ID:THAHMxUSO


弘世菫が再びスコープを覗いている頃

意図せず、抱き合っているような形になる京太郎と智葉の二人

凛々しい智葉の、柔い感触に京太郎は顔を赤らめる


京太郎「あ゛……」

智葉「ッ!」バッ


二人が同時に離れて眼を逸らす

そして知れず二人の間を通り過ぎていく銃弾


京太郎「す、すみません」

智葉「い、いや……へ、平気っ」ウツムキ

京太郎(耳まで真っ赤やないですか)


突如、京太郎の脛が強打される

まるでつま先が突き刺さったかのような……否、しっかりつま先に突かれていた

即座にうずくまる京太郎


京太郎「ぐおぉ、なぜだ照さんっ」

照「京ちゃんが私置いてった」


そして再び、人知れず銃弾が京太郎の頭があった場所を通り過ぎていく


京太郎「え〜」

明華「ちょっと宮永さんっ、宮永さん見つけるだけでも大変だったんですからもう単独行動は……あぁ、智葉ちゃんに京太郎君」

京太郎「明華さんも?」

智葉「……むぅ」

367 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 23:46:32.41 ID:THAHMxUSO


ビルの屋上、弘世菫が再び地団駄を踏む


菫「バロバロォ! こうなれば接近戦で手籠めにしてやる!」


ギラギラと瞳を燃え上がらせる菫

そしてそんな彼女の肩に、手がポンと置かれる


菫「?」


振り返れば、警備員が二人


警備員A「君、ここでなにやってんの?」

菫「黙るバル!」ゴッ

警備員A「ぐふぅっ!」

警備員B「めっちゃ綺麗なドロップキック!」

菫「やってやるバルゥ!」ダッ


走り去って行く菫


警備員B「もう冬なのに頭湧いてるJKがいる!」

警備員A「夏でも頭湧いてるJKはいねぇよ!」

368 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:03:58.53 ID:kYRkQAqeO


公園で四人

白い息を吐きながら、ホットコーヒーを飲む京太郎

他の三人もホットの缶を持っている


京太郎「でも四人だと雀荘行っても四人固まっちゃいません?」

照「それじゃ別れよ。京ちゃんと私、他二名」

明華「他二名って」

智葉「なっ、ずる……じゃなく、さ、最初の組み合わせで問題ないと思うが!!?」

明華「……まさか」

照「……ガイトさん」

智葉「知らない呼び方するな」

京太郎「えーっと」


もうジャンケンとかで良いんじゃないかとも思う

どうするかと頭をひねってみる

そもそもおびきよせたいのは―――


菫「見つけたバロッサァ!」

京太郎「そうそうああいう奴……」

照「菫だ」

京太郎「飛んで火に入った!」

菫「このムサシンソードの錆びにしてやるバル!」

明華「夏の虫ってレベルじゃねーですよ!?」


刀を持って突っ込んでくる弘世菫

だが京太郎たちの前に立つのは、智葉

いつから持っていたのかどこにひそませていたのか、小刀でその刀を受け止め逸らす


智葉「ッ!」バッ

菫「忍者!? シノビの者!?」

京太郎「智葉さん……」

智葉「私の大事な仲間を傷つけさせないっ!


強い瞳で、バロッサ星人を睨む智葉

その後ろ姿を見る京太郎、その裾を引く照


京太郎「?」

照「女子高生忍者ってエッチだね」

京太郎「ちょっと黙っててください」


わからんでもないのだが……

369 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:06:45.09 ID:kYRkQAqeO
>>368 間違えてないけど間違った
×バロッサ星人
〇菫
370 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:29:56.83 ID:kYRkQAqeO


しかし、刀と小刀での戦力差は明らかだ

菫の中に入っているのが何メダルかはわからないが、おそらく身体能力も強化されていることだろう

智葉の隣に立つ京太郎


京太郎「俺だってやりますよ。むしろ俺がやる」


そう言いながらガッツハイパーを構えた


智葉「なっ、下がっていろ!」

京太郎「お断りなんっすよね、そういうの」


鋭い瞳を菫へと向ける

照は、その京太郎の背後に黒い何かを感じ取った

彼の力の由来を考えれば、それもそのはずなのだが……


照「ん、私もやる」

京太郎「ウルトラマンが味方とは心強い」

照「……」ジト

京太郎「ははは」


明華は端末で応援を呼んでいるようだった


菫「バルバルゥ……」

京太郎「てかなんだあれ、なんのメダルだ」

照「ん……えっと、バロッサ星人、な気がする」

智葉「知っているのか!?」

照「ぼんやり」

京太郎「バロッサ星人か」

菫「宇宙海賊バロッサ星人様バル!」

京太郎(愉快なタイプの異星人)
371 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:44:57.73 ID:kYRkQAqeO


菫「こうなれば……!」


真っ直ぐに立つ弘世菫ことバロッサ星人

どんな動きをしてくるかわからないと、面々が構える

だが、次の瞬間―――


菫「撤退バルー!」

京太郎「……」

智葉「……」

照「……」

京太郎「……逃げたァ!」

智葉「お、追うぞ!」

京太郎「了解!」


二人が走り出すと、明華は続いて状況を報告

走り出した二人に合わせて照も走り出すのを視界に入れるのだが……


照「!」ドテッ

明華「負傷者あり! 宮永さんがこけました! 顔面から!」

照「……ぃたぃ」

372 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:49:33.60 ID:kYRkQAqeO

早いけど今回はここまでー

菫はバロッサ星人メダル、ろくでもない役回りでございやした
まぁいいことある、たぶん

そんじゃまたー
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/09(日) 05:06:23.81 ID:J+eH1+40O
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/09(日) 09:19:08.52 ID:jmbnIG4t0
復帰乙!
せっかく智葉たちがラブコメ展開を頑張ったのに
菫プラスバロッサ星人のインパクトが全部持っていったな…
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/10(月) 21:15:59.23 ID:ZPBampqA0
乙。
376 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/10(月) 23:17:18.34 ID:x6FuaopHO
ちょっとやってくー
377 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/10(月) 23:39:07.95 ID:x6FuaopHO


バロッサ星人こと弘世菫を追う京太郎と智葉の二人

怪獣メダルが入った人間の身体能力というのは異常であり、徐々に距離を離されていく智葉

しかし、須賀京太郎はベリアル因子、所謂デビルスプリンターを濃く持った存在


京太郎「失礼!」

智葉「きゃぁっ!?」


所謂“お姫様抱っこ”で智葉を抱えた京太郎が―――加速する


京太郎「ッ!」


一歩一歩が確実に地を捉えて跳ねるように加速して菫を追っていく


菫「バロッサぁ!!? はえぇっ!!?」

京太郎「逃がすかぁ!」

菫「こうなりゃ逃げないでやってるバル!


振り返った菫が再び“ムサシンソード”を持ち、立ち止まる

砂煙をあげて止まる京太郎が、赤い顔をした智葉を降ろす


智葉「ッ!」


なにかを言いたそうにしているも、我慢して小刀を構えて菫を見やる智葉

京太郎も懐からガッツハイパーを出して構える

止まっている菫に、智葉が走り出す


菫「!」


だがしかし、所詮は人に毛が生えた程度の強さ

バロッサ星人は、振るわれるその刃をムサシンソードで受け流す


京太郎「一人じゃぁないんだよッ!」


ガッツハイパーから放たれるエネルギー弾を、ムサシンソードで弾く

しかしその隙に接近した智葉が蹴りをその腹部にみまう

吹き飛んで転がる菫だが、受け身をとって立ち上がる


智葉「こいつっ!」

京太郎「二人でもうちょい!」

「やらせるものかぁ!」


ハッとして京太郎が後ろに振り返って両腕で“次の衝撃”を受ける

吹き飛ぶも、地に着き転がるよりも早く両足で着地、智葉のすぐ後ろに立つ

そこにいるのは―――


京太郎「テンペラー星人!」

テンペラー星人「抹殺してやる!」
378 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/10(月) 23:54:51.35 ID:x6FuaopHO


背中合わせの京太郎と智葉

テンペラー星人とバロッサ星人に挟まれて絶体絶命というところだろう

しかし、どうするもこうするもない


京太郎「逃げろって言ったらどうします?」

智葉「どうやって、と聞く」

京太郎「ハッ、違いない……」


鼻で笑うと、静かに深呼吸

智葉も同じように深呼吸、そして―――息を吸う

それと同時に、ほぼ同時に足で地を蹴る


京太郎「!」


地を蹴って跳ぶようにテンペラー星人に接近しつつ、回転し蹴り

それを腕で凌ぐテンペラー星人を、力任せに吹き飛ばす

しかし、後ずさらせるのが関の山


京太郎「力技じゃぁな!」

テンペラー星人「わかっているならば消えろ!」


右腕ハサミから炎を拭きだすが、体勢を低くして接近、その腹部に蹴り

ひるませてから銃弾を数発放つも、左腕のビームウィップでそれらを弾き、ついでに京太郎へも攻撃

地を蹴り跳ねて距離をとりつつそれを回避、さらに追ってくるも壁を蹴ってさらに回避


テンペラー星人「バッタか!」

京太郎「ライダーって柄でもねぇだろ!」

379 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 00:17:00.76 ID:nIllX1ZWO


菫に接近した智葉が小刀を振るうも、ムサシンソードがそれを弾く

大きく腕を上げさせられるも、即座に体をひねって体を地に平行にして次の横一線を回避

上手く腕を使ってその腹部に蹴りを入れて吹き飛ばす


菫「バルッ! ただの人間がよくやる!」


そう言いながらも、やはり強化の影響かすぐに攻撃に転じる

智葉へと接近するために地を蹴るも、上からなにかが降ってくるのを察して止まった

目の前に現れるのは―――


菫「刀ァ!?」


落ちてきたのは―――智葉の刀、かつては錦田小十郎景竜という妖怪退治の専門家である剣豪の刀だ

智葉は即座にそれを握り、振るう

後ろに下がる菫の毛先が僅かに切れる


智葉「許せよ弘世ェ!」


刃の向きを変えて、さらに一歩前進しつつ刀を振るう

しかし、菫はそれを回避


菫「刀とか呼吸とか! 流行に便乗するなバロッサぁ!」

智葉「刀なのはお互い様だろ!」


しかして、相手は異星人

ムサシンソードで智葉の攻撃を受け止める

しかし、智葉のほうがやはり非力―――弾かれた


智葉「ッ!」


次の斬撃を受け止めるも、防戦一方


智葉「まだ足りないか!」


だが次の瞬間、なにかが現れる

その影が、菫の腹部に蹴りを打ち込んで吹き飛ばす

凄まじい勢いで地を転がる菫


菫「バルゥ!!!?」

智葉「はぁっ、はぁっ……」チラッ


そこにいたのは、長い黒髪の少女だった
380 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 00:42:07.14 ID:nIllX1ZWO


テンペラー星人へと銃撃をするも、それらがウィップで弾かれる

さらにそれが京太郎を追うも、走り出し回避

走って回避しながら銃撃を放つ


テンペラー星人「ちょこまかと!」

京太郎「でなきゃ勝てるか!」


地を蹴り壁を数歩―――走る


テンペラー星人「運動部か!」

京太郎「そのとぉぉりッ!!」


壁を蹴り飛ぶと、ビームウィップの間を縫うように接近、テンペラー星人のその顔面に蹴りを打ち込む

吹き飛ぶテンペラー星人が壁にぶつかる

着地した京太郎へと、向かいダメージを受けながらも火炎放射


京太郎「!」


回避しようとするも、目の前に影


京太郎「へ?」


炎が―――斬り裂かれる


京太郎「ッ―――トゲトゲ星人!」

ジャグラー「だからジャグラス ジャグラーだって! まぁ偽名だけど」


刀を持つ怪人、トゲトゲ星人がそこには立っていた

ハッとして智葉を見れば、離れた場所に転がっている菫

智葉の前には―――宇夫方葵がいた

381 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 00:55:35.94 ID:nIllX1ZWO


四体一、否二体一が二組

しかも未知数なのが宇夫方葵

情報がまったくなく、テンペラー星人もどうするかとこまねいているものの……


ジャグラー「あ〜、破壊神チャン的にはどう?」

葵「その呼び方やめて」


そう言う葵のその胸に、赤い光がぼうっとうかび上がる

それは、カラータイマーのようにも見えるが今まで見てきた物と形がやけに違った

京太郎は首をかしげる


テンペラー星人「ダークザギ!」

葵「うるっさいなぁ!」

智葉「っ!」


その瞳すら、赤く輝いた

ビクッとする智葉と菫


菫「こうなればぁ……!」ゴゴゴゴ

葵「ッ!」


菫からあふれ出す黒いオーラに、葵は顔をしかめて智葉を肩にかついで走り出す

テンペラー星人がビームウィップを振るうも、それらを刀で弾いてジャグラス ジャグラーも走り出した

合わせるように京太郎もガッツハイパーを撃ちつつ撤退


テンペラー星人「ええい、バロッサ星人!」

菫「バールバルバルバル! 芋羊羹の方が好みバル!」


そして菫は、どこからか取り出した“タピオカミルクティー”を啜る

382 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 01:09:15.74 ID:nIllX1ZWO


巨大化したのはバロッサ星人

その中に、弘世菫はいるのだろう

刀を振るって、ビルを一つ斬り裂いた


バロッサ星人「バールバルバル! 早く出ろバロッサァ!」


そんなバロッサ星人から離れた場所で立ち止まる京太郎と葵

いつのまにやら現れるジャグラー

葵が智葉を降ろす


智葉「あ、ありがとう……」

葵「どういたしまして」


そう言ってバロッサ星人の方を見る葵が、顔をしかめる

その胸は既に輝いていない

バロッサ星人に合わせて、テンペラー星人も現れた


京太郎「たく、やるか……!」


ゼットライザーを取り出すと、智葉の方をチラッと見る

視線が合うが、智葉は心配するような顔をするもすぐに笑みを浮かべて頷く

トリガーを引けば、ゲートが真上に現れる


京太郎「潰す……!」

照「私も同行しよう」

京太郎「照さん!」


鼻に絆創膏をつけた照が、そこには立っていた

左腕にメビウスブレスを出現させ、構える

二人が同時に頷いた


京太郎「!」


ゲートが京太郎に振ると、そのまま消える

照はメビウスブレスに添えた右手を、振るう


照「メビウス!」

383 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 01:30:33.29 ID:nIllX1ZWO


―――【インナースペース】


そこに現れた京太郎が静かに息をつき、眼を見開く

その瞳の赤を輝かせ、ベリアルメダルを弾く

周囲に広がって行く赤い稲妻を纏う闇


京太郎「奇機械改竜、宇宙ロボット―――」


ギャラクトロンメダルとキングジョーメダルを差し込む

そして落ちてきたベリアルメダルを取ると―――


京太郎「ベリアルさん!」


それを差し込んでブレードを可動させる


『Galactron. King-Joe. Belial. 』


音声が鳴り響き、紫電が周囲に迸る


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く


『 King Galactron. 』


京太郎「ベリアァァル!」

384 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 02:14:34.33 ID:nIllX1ZWO


バロッサ星人とテンペラー星人の前方、現れるのはベリアル融合キングギャラクトロンと、ウルトラマンメビウス

まだ明るく、陽も昇っている

避難していく人々、警報が鳴り響く


京太郎『ぶっ潰す!』

照『京ちゃん、野蛮』

京太郎『上等ォ!』


走り出すキングギャラクトロンとメビウス

バロッサ星人がムサシンソードを片手に突っ込んでくる

メビウスが、メビュームブレードを展開させてそれを迎え撃つ


テンペラー星人「ベリアルは私が倒す!」

京太郎『やってみろよォ!』


テンペラー星人がはさみから放つのは―――ビーム


京太郎『ペダニウムハードランチャー!』

キングギャラクトロン「!」


それに合わせるよう魔法陣を纏う右腕から離れるレーザー

必殺技たるその一撃はテンペラー星人の放ったビームと相殺

爆発を起こし、メビウスとバロッサ星人を吹き飛ばした


京太郎『この威力ッ!!?』

テンペラー星人「私のウルトラ兄弟必殺光線を相殺する威力とは!?」

京太郎『ウルトラ、兄弟?』

テンペラー星人『ならば!』


ビームウィップが振るわれる

それらをキングギャラクトロンが目から放ったビームと左腕で弾きつつ接近していく

街中が破壊されていくが、それでも……


京太郎『さっさと潰す!』

テンペラー星人「ベリアルの器、闇の因子……我々の方に来ればいいものを!」

京太郎『願い下げだよ!』


接近したキングギャラクトロンが左腕を振るう

テンペラー星人がその攻撃を凌ぎ、二体は硬直状態へと陥る

385 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 02:44:01.16 ID:nIllX1ZWO


吹き飛んでいたメビウスとバロッサ星人が同時に起き上がる

ハッとしてから同時に刀とメビュームブレードで再び戦いが始まった


鍔競り合っていたキングギャラクトロンとテンペラー星人が同時に後ろに跳んだ

目と右腕から放ったレーザーを、テンペラー星人がハサミからのレーザーで相殺させる


テンペラー星人「ぐっ、消耗が激しいか……ならば!」


接近するめに走り出すテンペラー星人

だが、輝くキングギャラクトロン


京太郎『宇宙怪獣、異次元超人、ベリアルさん!』

『 Eleking. Ace-Killer. Belial. 』


現れるのはサンダーキラー

そのまま走り出し、テンペラー星人へとぶつかる

二体が怯む


『 Thunder Killer. 』

京太郎『さすがに幹部か!』

テンペラー星人「ぐぅ、一体一だというのに!」

京太郎『ウォオォッ!』

386 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 02:44:38.03 ID:nIllX1ZWO
今回はここまでー
次回は明日か明後日かー

そんじゃまたー
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 18:19:32.30 ID:VaWM+4U0O
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 20:26:08.97 ID:bnOkV+mZ0

照のなってるメビウスは昔のメビウスっぽい
にしても京ちゃんはすっかり強キャラになってるな
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:48:44.02 ID:+cYuoN9i0
テンプラ星人は弱そうだな
390 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/13(木) 00:45:13.00 ID:ZDSjlJn0O
こんな時間になってしまった……
明後日にするっすー
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/13(木) 01:53:22.65 ID:or1HAUUO0
了解乙
392 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/15(土) 00:16:24.89 ID:CDju1rQQO
新年会でやばい
まじ新年はやばみなのでまた次ぃ……
393 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/16(日) 23:02:06.40 ID:vmxs8PmqO
よっしやってくー
お待たせしゃした!
394 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/16(日) 23:22:04.53 ID:vmxs8PmqO


とびだしたサンダーキラーが左手の鉤爪を振るう

それを右手のビームウィップで弾き、テンペラー星人は続けて左手で正拳突き

腹部に受けて怯むサンダーキラーだが、即座に尻尾をテンペラー星人の首に巻きつかせる


京太郎『ッ、離さねぇ!』

テンペラー星人「さすがは器と言ったところ、だがなァ!」

京太郎『器器と、いつまでもォ!』


電撃を放ちテンペラー星人に攻撃をしかける

しかし―――


テンペラー星人「ウオォ! 真ウルトラ兄弟必殺光線!」


―――放たれた光線が、サンダーキラーを吹き飛ばす

その一撃でテンペラー星人に巻き付けていた尻尾も外れ

そのままサンダーキラーはビルへと打ちつけられて倒れる


京太郎『ガアァッ!!?』

テンペラー星人「フハハハハハッ! これが真のウルトラ兄弟必殺光線、先ほどまでの低燃費のものとはわけが違う!」


大声で笑うテンペラー星人

京太郎は歯を食いしばりながら、痛みに耐えつつそちらを見据える

395 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/16(日) 23:46:46.31 ID:vmxs8PmqO

バロッサ星人が刀を弾かれる

メビウスのメビュームブレードがさらに振られて、バロッサ星人が火花を散らして下がる

しかし、すぐにどこからか新たな剣を取り出した


照『次はなに……?』

バロッサ星人「聞いて驚け! これぞレギュラン星人が使っていた例の風車バロッサァ!」

照『誰?』

バロッサ星人「なぜ聞いたぁ!」


地団駄を踏んでから、飛びだすバロッサ星人

メビウスが腰をかがめて、攻撃にそなえる

だが―――


バロッサ星人「これでどうバル!」

照『!!?』


ぶつかる直前、向けられるのは光線銃

避けようとするが遅い

引き金が引かれてその光線銃は直撃


メビウス「ウァッ!」


火花を散らしてその攻撃を受ける

さらに、接近したバロッサ星人が風車でメビウスを攻撃

怯むと共に膝をつく


バロッサ星人「バ〜ルバルバル!」

照『ッ!』

396 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 00:10:18.89 ID:3zAhCPluO


追いつめられたメビウスにさらに近づくバロッサ星人

接近戦ではなく、光線銃を向ける

だが、照の瞳は死なない―――


照『こんなところで……まだ、菫を取り戻すために、仲間を……!』

バロッサ星人「?」

照『ハアァァァッ!』


腕に竜巻が巻き起こる感覚、それが体中へと広がっていき―――炎を纏う


メビウス「ハアァッ!」

バロッサ星人「ばろっさぁ!?」


そして現れるのは、新たなメビウス―――バーニングブレイブ

陽の力、火を纏う不死鳥、勇者の新たな姿

その姿のままメビュームブレードを展開させ、構える


照『様子見は私の特権、次からは連続和了で決める……!』

バロッサ星人『せいぜいほざくバルぅ!』


走り出したバロッサ星人へと、メビウスは構えた

再び放たれた光線銃をブレードで弾くと、さらに接近するバロッサ星人が振るう風車の持ち手を掴んで凌いだ

さきほどとは―――違う


照『言ったはず……!』

バロッサ星人「ばるぅっ!?」

397 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 00:32:46.15 ID:3zAhCPluO


迫るテンペラー星人に、サンダーキラーが立ち上がる

その姿はボロボロ、今にも崩れ落ちそうな体

そしてその中の京太郎もまたしかり―――それでも


京太郎『悪い、申し訳ないと思うよ。でもなァ!』


咆哮するサンダーキラー

そして京太郎



―――【インナースペース】


タイラントメダルを握りしめると、周囲の雷の勢いが増す、闇の濃さもだ

京太郎の赤い瞳が輝く

体が悲鳴をあげるも、浮かぶビジョン


京太郎「テンペラー星人にタイラント、ね……」フッ


それはベリアルの、ダークネスファイブの記憶


京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」


メダル三枚をセット

さらにブレードを可動させていく

激しい雷、二体の怪獣ではない

タイラントという合体怪獣の強大な力


『Gomora. Tyrant. Belial.』


ゼットライザーを構えた


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げる


京太郎「ベェリアァアァッ!」

『Strong Gomorant』

398 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 01:13:33.97 ID:3zAhCPluO


現れるのは、巨獣―――ストロング・ゴモラント

咆哮をあげ、その赤き角を輝かせその紅蓮の如き瞳でテンペラー星人を射ぬく

テンペラー星人がわずかに後ずさる


京太郎『燃費が悪いもんでな、速攻で決める!』

テンペラー星人「タイラントの力を使おうと―――ウルトラ兄弟必殺光線!」


放たれた光線を、ストロング・ゴモラントは腹部で吸収

さらにそのまま腹部から跳ね返すように放つ

だが、それをさらにウルトラ兄弟必殺光線で相殺


京太郎『ただのバカじゃぁないか!』

テンペラー星人「当然、舐めるな須賀京太郎ォ!」

京太郎『テンペラー星人、ダークネスファイブのヴィラニアスさんの同族、舐めるわけないさ!』


走り出したストロング・ゴモラント

テンペラー星人は思考する―――まず炎と交戦は無意味と

ならばやれることは―――


テンペラー星人「ハアァ!」


振るわれるビームウィップ

それを受けつつ、接近していくストロング・ゴモラント

驚愕するテンペラー星人


テンペラー星人「化物か!」

京太郎『耐えられりゃその呼び名も納得するんだが、なぁ!』


接近したストロング・ゴモラントが体をひるがえしバラバテールでテンペラー星人を吹き飛ばした

空中に吹き飛ん多テンペラー星人が体勢を整えて、両腕から炎を放つ

ストロング・ゴモラントの角が輝くと共に炎は直撃するより早く、超重力で地上へと落ちて行きそれと共に消え去る


テンペラー星人「ここまでとは!」

京太郎『ぐっ……まだァ!』
399 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 01:29:35.34 ID:3zAhCPluO


空へと飛び上がるストロング・ゴモラント

空中のテンペラー星人へと突っ込むが、寸前で回避

過ぎて行ったストロング・ゴモラントが止まり振り返る


テンペラー星人「決着をつける!」

京太郎『こっちの台詞なんだな、これが!』


空中でぶつかりあうストロング・ゴモラントとテンペラー星人

一方で、地上のメビウスはバロッサ星人を追いつめていく


防戦一方のバロッサ星人が光線銃を放つも、それすらも斬り裂き蹴りで手を打ち光線銃を弾き飛ばす

さらに振るわれる風車を根元からバッサリ斬り裂くとさらに一撃

後ろへと下がるバロッサ星人


バロッサ星人「バルバルゥ! こうなったらぁ……」


右手をバッと前に出すもメビウスは再び、即座に体を翻すと蹴りでその手を弾く


バロッサ星人「シャイニングフィンガーがばろっさぁ!」

照『なにそれは』

バロッサ星人「ぐぬぬぅ!」

照『終わらせる……!』

400 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 01:43:21.20 ID:3zAhCPluO


上空のストロング・ゴモラントが放つ炎が、ビームウィップで斬り裂かれる

ハサミから放たれる炎を腹で吸収して吐き出すが、テンペラー星人はウルトラ兄弟必殺光線で相殺

京太郎はインナースペース内でデスレ星雲人―――否、デスローグメダルを使う


京太郎『炎で消え去れェ!』

テンペラー星人「バカの一つ覚えばかりなぁ!」


地上方向から上るように放たれる火炎弾

状況を機にしないのであれば四方八方から炎の雨をプレゼントしても良かった

しかして避けられた時のリスクを感がるとそういうわけにはいかない

だからこそ―――


京太郎『牽制で使うぜデスローグさん、今は!』


ストロング・ゴモラントが翼を翻し―――猛スピードで飛ぶ

その先はもちろん、テンペラー星人の咆哮だ

真下からの炎、下手に動けずにいるテンペラー星人


京太郎『ここでぇ!』

テンペラー星人「バカ正直に真っ向から、ならば――――真ウルトラ兄弟必殺光線!」


向けられたハサミ、発射されようとする光線

インナースペース内で、京太郎はグローザ星系人メダルを握る

黒い闇が、メダルを包み赤い雷がそのメダルに力を宿す


京太郎『グロッケンさん!』


ダークネスファイブ、グローザ星系人グロッケン

メダルが、それに変化した―――

401 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 01:46:25.82 ID:3zAhCPluO

今回はここまでー

よーやっと進みそうやー
また明日、少しだけでもやりたいとこ
そんじゃまたー
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/17(月) 07:16:28.28 ID:CeYeLAmUO
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/17(月) 16:54:29.79 ID:UvHFUyng0

京ちゃん性格荒くなってる?
404 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 00:04:37.14 ID:8bGmCPRoO
やってくー

>>403
ご察しの通り!
405 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 00:31:57.24 ID:8bGmCPRoO


テンペラー星人「なにをしようと今更ァ!」


放たれた光線それが氷の壁に阻まれる

少しばかり弾くも、その氷の壁は見る間に貫かれた

そしてその向こう、ストロング・ゴモラントを―――


テンペラー星人「消え去れぇ!」


―――貫く


テンペラー星人「いや!」


だが違う、貫き砕け散ったそれは……


テンペラー星人「氷の虚像!!?」


ハッと背後へと向きストロング・ゴモラントを確認

真ウルトラ兄弟必殺光線を放とうとするも、ストロング・ゴモラントが懐へと飛び込む方がはやい

紅の角がテンペラー星人の鳩尾部分に突き刺さる


テンペラー星人「ぐおぉぉお!!?」

京太郎『こいつでぇぇぇぇ!』


さらに冷気が集まる

ストロング・ゴモラントの角から氷が伸び、巨大な剣角を形成

テンペラー星人の体に大穴を開ける


テンペラー星人「べ、ベリアルがいないというのに……み、見事だ」

406 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 00:46:14.81 ID:8bGmCPRoO


テンペラー星人を貫いた氷部分から、さらに氷が広がる

それがテンペラー星人の全体を氷漬けにした


京太郎『……』


なにかを言おうとするも、すぐに口をつぐむ

そして赤き瞳を鋭く細め力を込める

ストロング・ゴモラントが頭部を振るうと、氷の剣角ごとテンペラー星人の体が粉々に砕け散る


京太郎『……ふぅ』


周囲に散るダイヤモンドダスト

ストロング・ゴモラントはその中心で白い息を吐く


京太郎『次ッ!』


バロッサ星人の方に視線を向ける

すでに追い込まれているようで、地を蹴り飛び上がった

光りの羽を広げてメビウスから逃げようとするも、ストロング・ゴモラントが素早くその前に飛んだ


京太郎『逃がすかぁ! 弘世さんを!』

照『仲間を、返してもらう……!』


地上のメビウスが炎をメビウスブレスから胸へと集め、火球を生成した

上空のストロング・ゴモラントが角を赤く輝かせて咆哮、重力を発生させる

落とせないまでも、動きを封じた


バロッサ星人「バルゥッ!? しゃ、シャープシュートもできないばろっさぁ!」

京太郎『させるかよ! さらに……もう一回お借りします。デスローグさん!』


ストロング・ゴモラントの前方に火球が生成されていく

二つの巨大な火球がバロッサ星人を狙う


バロッサ星人「二体一とは卑怯じゃなイカ!?」
407 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 00:57:13.01 ID:8bGmCPRoO


だが、聞く耳持たず


京太郎『このダブロンで、ハコ割れだァ!』

バロッサ星人「大きなお耳が必要なんじゃなイカバルぅ!」


そして、メビウスとストロング・ゴモラントが同時に火球を放つ


照『メビュームバースト!』

京太郎『ブレイズヘヴィキャノン!』


放たれた二つの火球が、真っ直ぐにバロッサ星人へと迫る

前方にも後方にも自分とほぼ同等の大きさの火球


バロッサ星人「俺が死んでも第二第三の……ってメダルだからいないばろっさぁ!」


そして―――爆散


408 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 01:15:36.66 ID:8bGmCPRoO


ゆっくりと地上へと降りるストロング・ゴモラント

メビウスと視線を交差させる

頷くメビウスに、ストロング・ゴモラントはなにを言うわけでもない


メビウス「……テヤッ!」


飛び上がるメビウスが空へと消えていく

ストロング・ゴモラントこと京太郎が視線を動かす

レイブラッド星人メダルを投げた男が、遠くで自分を見ている


京太郎(あれは……!)


だが、次の瞬間に視界から消えた

追おうとするも変身を解けばどうなるかなど理解している

だからこそ今は諦めた


京太郎(咲、和……ちょっとずつだが、確実に追い込んでいるか?)


暗い光と共に、ストロング・ゴモラントが消える

409 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 01:26:33.10 ID:8bGmCPRoO


地上へと立つ京太郎

歩き出そうと一歩を踏み出すが、ふらつく

なんとか耐えようとするも、前のめりになった体勢では―――


「おっと」ギュッ

京太郎「……智葉、さん?」

智葉「ん、お疲れ」フッ


抱き留められていることに気づく

離れようとはするも、体の違和感と痛みに顔をしかめる

鼻から血がボタボタと垂れた


京太郎「毛細血管が……」

智葉「ん、そこに座ろうか」


数適が智葉の服に付着するも、気にする様子もない

そっと手で鼻を押さえつつ、智葉の助けを借りて近くのベンチに腰掛ける

こみあげてくる感覚に手を口に当てるも、咳と共に血を吐きだす


京太郎「えほっ」

智葉「な、なんでっ!」

京太郎「あの姿、負担が凄いんっすよ……いや、いかんせん強敵だったもんで」ケホッ

智葉「っ……」


涙を浮かべる智葉が、そっと京太郎の頭を抱く

驚愕で、その柔らかな感触を満足に感じることもできない


京太郎「さ、智葉さんっ!?」

智葉「ごめん、それと……ありがとう」ギュッ

京太郎「……俺がやりたいことっすからね。俺のために」

智葉「それでも、だ」

京太郎「うっす……」フッ


笑みを浮かべ返事をする京太郎の口元の血が、智葉の服にしみる

410 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 01:46:00.11 ID:8bGmCPRoO


突如、智葉が引きはがされる


智葉「うおっ」

照「……なにおっぱいで京ちゃんのぬくもり感じちゃってるの?」

智葉「み、宮永っ! そ、そういうわけじゃっ」カァッ

照「くっ、強い」

京太郎(なんの話?)


しかし、とりあえず戦いが終わったことは確かだ

照の背後には菫が寝かされている

やはりウルトラマンのメダルが入っている影響で筋力なども高まっているのだろう


京太郎「お疲れさん、です」

照「京ちゃんもね……むしろ京ちゃんの方が」

京太郎「まぁ、ウルトラマンの力を借りてるわけじゃあないっすからね、多少は」


そう応えて、口の中の鉄の味に顔をしかめる


京太郎「戻りますか……」

照「ん、無理しないで、お迎え待とう」

京太郎「……ん」コクリ

京太郎(ダークネスファイブ、三人目……)


その左手にあるのはテンペラー星人メダル

存在しないはずの記憶にあるのは……テンペラー星人、ヴィラニアス

ベリアルの“仲間”の一人


京太郎(ベリアルさん、引き続きお力……借りますよ)

411 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 02:11:28.12 ID:8bGmCPRoO

―――【特異課東京基地:廊下】


智葉と共に歩いていると、服の裾が引かれる

そちらを見ればもちろん宮永照


照「ところで京ちゃん」

京太郎「はい?」

照「私もこけて鼻血出た……一緒だね」フッ

京太郎「……?」

照「?」


二人して首をかしげる


京太郎「え、俺が悪いんっすか?」

智葉「いや、宮永が悪い」

照「!!?」

智葉「そんなんだったか?」

照「……いつまで京ちゃんの血がついた服抱いてるの?」


先ほどのスーツから着替えた智葉

京太郎の血の付いたワイシャツを抱えているのだが、その顔が真っ赤に変わる


智葉「ちがっ、洗濯しようと!」

京太郎「すみません、新しいの買いましょうか?」


そう聞くと、智葉はギュッと服を握りしめる


智葉「いや、いぃ……」フイッ

照「……あざとい」

智葉「あ、あざとくない!」

京太郎「ちょっとグッとくるのでそういうのやめてもらっていいですか?」

智葉「!?」マッカ

照「京ちゃん……」ゲシッ

京太郎「一応負傷者なんだから脛蹴らないでっ」


ネリー「なにやってるのあれ」

明華「むぅ」

ハオ「お熱いことですね」

メグ「今ラーメンの話しました?」

ネリー・明華・ハオ「してない!」
412 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 02:18:03.09 ID:8bGmCPRoO


    第26話【須賀京太郎、抹殺指令】 END

413 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 02:28:52.33 ID:8bGmCPRoO

今回はここまでー
久々にちゃんと進んだ

ガイトさんのヒロインムーブ

たぶんちゃんと再開できるのは明後日かなーって感じで
安価置いてそんじゃまたー



◆どっちへ向かう!


1、長野
2、鹿児島


◇1↓から5↓まででコンマが一番高い方の選択肢を採用
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 02:41:51.91 ID:0GcvTG0X0
2
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 03:29:44.40 ID:2wzgQN0V0
2
ダークネスファイブいいね
なにがあるかわからんがとうとう鹿児島いけるか?
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 04:45:22.35 ID:1niZxFdpo
2
おかしい…テルーがヒロインだったはずでは…
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 05:18:07.54 ID:MzvjT2LHO

一応1
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 09:10:58.33 ID:lU2lLQM80
2
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 11:42:45.38 ID:nFKlIoeL0
テルーはマスコットだった!?
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/19(水) 00:18:40.96 ID:IGMeBjmy0
おもちのない雑魚は引っ込んでろですのだ!
421 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 19:23:38.19 ID:fdCCQQwdO

ちょっち次回予告のみ
続きは22時頃やるー
422 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 19:44:25.85 ID:6UAkRROQO
2、鹿児島


―――次回予告


京太郎:異様な感覚だなぁ

慕:いらっしゃい

晴絵:色々渦巻いてるねぇ

霞:彼が須賀京太郎……

京太郎:くるか!?

晴絵:くるね

葵:きやがった……ッ!

京太郎:花田さん!

煌:これが絆で受け継がれた光です!


次回【獣-Beast-】


京太郎:光を塗りつぶす漆黒の闇でェ!

423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/19(水) 20:42:27.69 ID:nPpFr7Qy0
ネクサスか?
424 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 22:03:02.06 ID:6UAkRROQO
おっし続きはじめてくー
425 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 22:36:24.23 ID:6UAkRROQO

―――【???】


テーブルに置かれているのは雀牌

その一つを、軽く指で弾くのは―――宮永咲

麻雀卓にバラバラに置かれている牌、弾かれた牌は開いている天窓に落ちていく


咲「デスレ星雲人、グローザ星系人、テンペラー星人……よくもまぁここまで」


息をつきながら、どこか不敵に笑う


咲「……そろそろ力は、戻った?」


そう言って視線を右に動かす、その先には原村和


和「手痛い攻撃を受けましたからね」

咲「使えないなぁ」

和「……そんな喋り方でしたか、あなた」

咲「お互い様、力が強いこの器に引っ張られている」


顔をしかめてそう言う咲の赤い瞳が揺れる

そして、その先には新たな影

暗い部屋、対面にいるのは―――男。しかし視えない


咲「……まぁ私は私のやりたいようにやる」

和「私もまた然り、です」

咲「道中は同じ、着地点が違う。そろそろ集まってやるのもよくないかもね」

?「お互い、な」

咲「……で、須賀京太郎はどうするの?」

?「自分の始末は自分でつけなければな、私がやる……」

咲「ふぅん、で……次は鹿児島か」

和「誰かいくなら私は別の場所で動かさせてもらいます」

咲「どうするの?」


それぞれが立ち上がる

今やるべきは一緒、しかしてこれからは……


?「奴を倒す―――それも私だ」


男はメダルを弾いて見せた

426 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 22:46:54.84 ID:6UAkRROQO


―――【鹿児島県:霧島市】


空港を出る京太郎

相変わらずのスーツ姿で、アタッシュケースを持っている

なにかしようものなら今にも止められかねない


京太郎「異様な感覚だなぁ」


淀んでいるようにも感じるが、どこかで感じたことのあるタイプの違和感ではある

最近、最も近く感じた時はいつだったか……


京太郎「……奈良、か?」


顎に手を当てて呟き、すぐに頭を振る

考えるのは後にしようと頷いてすぐに動き出す

腕時計型の端末を開いて、送られてくる位置を確認


京太郎「さてと……」


今回、須賀京太郎が鹿児島へとやってきたのは、咲や和の目撃があったからではない

怪獣が出現したということ、それも何度も……


京太郎「怪獣が途中で消える現象、それと―――ウルトラマンの確認、か」

427 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 22:58:11.62 ID:6UAkRROQO


歩いて合流地点まで行くと、すっかり見慣れた顔を見つけた

女性の長い髪が揺れている

眼が合うと、手が振られるので京太郎も手を振りかえす


京太郎「どうも、慕さん」フッ

慕「ん、いらっしゃい」フフッ


車の助手席に乗り込む京太郎、運転席には慕

走り出した車の中、京太郎は視線を動かす


京太郎「さて、今回はなにが出ますかねぇ」

慕「怪獣じゃないかなぁ」

京太郎「やっぱり?」

慕「うん」


溜息をつく京太郎は顔をしかめる

智葉たちにもたっぷり絞られた、あまり反動が強い力は使いたくはない

だが、それでも……


京太郎(やるしか、ないかぁ)


だがそれでも、今の自分にはそれがやりたいことなのだ

428 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 23:08:05.40 ID:6UAkRROQO


走り去って行く慕の運転する車

それを見送るように視界を動かして“赤土晴絵”は一歩前に出た

顔をしかめるのは、京太郎と同じ理由か……


晴絵「色々渦巻いてるねぇ……」

葵「……」

晴絵「相変わらず無愛想なんだから」

葵「放っといて……」


すでに小さくなっている車の影を見て、葵は上空を見上げる


葵「嫌な感じ、たぶん二人と違うけど」

晴絵「そなの?」

葵「ん……これは、メダルの怒り? 嫉妬?」

晴絵「大変だねぇお互い、変なメダル入っちゃってさ」


その言葉に、なにを返すでもなく葵は歩き出す

晴絵はそのあとを追って歩いていく

429 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 23:22:56.11 ID:6UAkRROQO


―――【特異課鹿児島基地:駐車場】


そこそこに大きな施設だった

ガレージではなくしっかりと駐車場が存在している

車から降りる京太郎と慕の二人


京太郎「ちゃんとしてる」

慕「まぁ神代のお膝元だしね」


その言葉に、なるほどとうなずく


京太郎「とりあえず作戦会議ですか、なにかわかんないっすけど」

慕「そうだね……一応、目撃情報があるからそこの調査、お願いしようかな」

京太郎「慣れたもんですよ」ハハハッ


そんな二人を、基地の最上階―――五階から見つめる人物が三人

一人は熊倉トシだ


トシ「ん、きたか」フッ

?「彼が須賀京太郎……」
430 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 23:47:28.71 ID:6UAkRROQO


―――【特異課鹿児島基地:】


京太郎は静かに息をついた

慕の後を追って作戦室に入った京太郎は座っている

二人だけだとは思っていなかったが……


京太郎「えっと、初めまして須賀京太郎です」


圧倒されていた。その存在感に―――石戸霞に


霞「石戸霞よ」タユン

京太郎(おぉう超弩級……玄さんにも見せてやりたかったぁ)


トシがコホン、と咳払いをする

ハッとした京太郎が頷いて立ち上がった

隣にいる霞だけに自己紹介をすれば良いわけでは無い


京太郎「えっと、須賀京太郎です。今回は応援という形で一応―――長野支部からの出向、的な?」

トシ「まぁ京ちゃんに限ってはどこ所属とかはないんだけど、形として長野支部所属にはなってるね」

京太郎「そうだったんっすか?」


頷くトシ、まぁなんでも良いだろう


京太郎「まぁなにはともあれお願いします」ペコリ


そう言うと、他の面々が頷いた

まずは薄墨初美、そしてとなりの滝見春


初美「よろしくなのですよー」

春「ん、よろしく」ポリポリ

京太郎(あ、やっぱ黒糖食べてるんだ……)

トシ「それと京ちゃんと同じくこっちに来てる……」

京太郎「花田さん」フッ

煌「花田煌です、すばらな再開です」ニコッ

431 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/20(木) 00:16:06.39 ID:9K+y7gzLO


軽い自己紹介を終えると、京太郎は座る

部屋が軽く暗くなると慕がリモコンのようなものを操作

モニターに映るのは、怪獣―――そして、ウルトラマン


京太郎「なんかやけにリアルっぽい怪獣ですね」

トシ「スペースビーストってとこだね。でもこの感じみたことない?」

京太郎「……」


似た系統の怪獣というのであれば―――ガルベロス


京太郎「で、それが一体?」

トシ「まぁこの怪獣が出てくるとこの―――ネクスト、いやネクサスと言おうかね。このウルトラマンが出てくる」

京太郎「なるほど、それから消えると……」

トシ「そーゆーこと」

京太郎「率直な感想を言っても?」

慕「ん、どうぞ」

京太郎「……こっちがなにもしないってわけにもいきませんけど、現状安定しているならば俺が手伝うもなにもないんじゃ?」

トシ「いや……」


慕がさらにリモコンのスイッチを押す

映し出されるのは……


京太郎「……なるほど」


そうつぶやいて霞、初美、春に視線を向けてからモニターに視線を戻す


京太郎「神代小蒔と野依理沙、ですか」

トシ「……」コクリ

慕「この二人が目撃されたのちにスペースビーストの出現が確認されてるらしいの」

京太郎「なるほど、ねぇ」ハァ

煌「数々の事件を解決しているという須賀君のお力、お借りしたいと思っているということです」

京太郎「……俺なんかでよければ」フッ


霞たちも安堵したように息をついた


京太郎(しかしまぁ、この異様な感覚も……放っておけないしな)

432 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/20(木) 00:40:10.80 ID:9K+y7gzLO

今回はここまでー
次回は明後日とか明々後日になる予定っすー

やってきた鹿児島、まぁまた色々大変って感じで

そんじゃまたー



◆安価!

1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、臨海(キャラ名を指定で)

3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、清水谷竜華
8、江口セーラ
9、愛宕洋榎
10、臼沢塞
11、小瀬川白望
12、鹿倉胡桃
13、姉帯豊音
14、宮永照
15、亦野誠子
16、弘世菫
17、石戸霞
18、薄墨初美
19、滝見春
20、白築慕

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 00:44:13.65 ID:eeh144eY0
乙。17
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 02:22:28.09 ID:3O1bOn6O0
乙1宥ねぇ
敵も動き出したみたいだがまさか男は父親とかか?
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 08:49:39.48 ID:Eeez8GchO
3
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 09:31:39.45 ID:u8lNyQlk0
1松実玄
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 11:21:13.39 ID:87gaT/FE0
18
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 13:19:24.70 ID:XjqW1z800
ネームドの男キャラといえば大沼プロかハギヨシぐらいしかいないような
クロス物ならアカギとかご無礼とか色々いるんだけど…
まさか大穴で京ちゃんのクラスメイト来る?
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/01/20(木) 17:59:23.93 ID:g8RiqJRq0
日本保守右派系の大嘘

「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↓大嘘です
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」
「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、
日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。
当時アメリカの自治国であったフィリピン(フィリピン・コモンウェルス=フィリピン独立準備政府)は
アメリカ議会からすでに1945年の独立(フィリピン・コモンウェルス成立から十年後)を約束されており、
日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。
よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、
またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、
日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。

日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、
同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。
「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。

「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。

「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。
事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。

「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で化け物扱いした」
大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。
開戦前に真珠湾奇襲で多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。
https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」
そもそも日本側も、アメリカとイギリスだけを鬼のように扱っていました。日本と開戦した連合国国家は他にもあります。(棚上げ)

日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。
詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 慰安婦」で検索してください。
他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/21(金) 16:11:33.34 ID:QXXJsLcN0
地味にのよりん出てるけどなんだろう
441 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 22:36:35.04 ID:p3GJn9zmO

まったりやってくよー

鹿児島編、これ終わったらまた色々ある
442 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 22:58:59.95 ID:p3GJn9zmO
17、石戸霞
3、福路美穂子



―――【特異課鹿児島基地:休憩所】


作戦室を出てからしばらくして、京太郎は休憩所にいた

コーヒーを一口飲んで、息をつく


京太郎(味が違うな、美味いけど……)フゥ


とりあえずやるべきことは、野依理沙と神代小蒔の捜索

それと後手に回るしかないものの怪獣かウルトラマンが出るのを待つ


京太郎(こっちから攻めたいけど、できることは怪獣メダルが完全に覚醒する前に、雀士を潰すってことか)


今の京太郎であれば並以上の雀士であれど倒すことも無理ではないだろう

誰かと組んでいれば、勝率はさらに上がる


京太郎「しかしまぁ、感慨深いもんだなぁ」


あの永水の生徒たちにまで名前が知れ渡っている

数ヶ月前のあの時であれば考えもしなかったであろう状況

望んでいた形ではないものの、やはり思うところがある


京太郎(にしても結局、なんで家に……いや、なんで親父がゼットライザーを持ってメダルまで……)


わからないことが、多すぎる

となれば……


京太郎(やれることを、やるしかか……)

ピピピピ

京太郎「ん、なんだろ……って福路さん?」

443 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 23:15:01.49 ID:p3GJn9zmO


連絡先を確認して、端末を開く

周囲には誰もいないということを確認してから通話する

モニターに映し出される美穂子


美穂子『あ、京太郎』ホッ

京太郎「どうもって……怪我してんじゃないっすか!」

美穂子『まぁ大した怪我じゃないのよ? ちょっと怪獣相手に事故っちゃって』

京太郎「え〜大丈夫っすか?」

京太郎(機械音痴だし、てか車って機械に含むのか? というより生きててなによりだけど)


頭に包帯を巻いた美穂子


美穂子『まぁ大した怪我じゃないから、跡も残らないそうだし』

京太郎「美穂子さんの綺麗な顔に傷ついたらたまったもんじゃないっすよ」ハハハ

美穂子『っ、もぉ……からかわないの』

京太郎(からかったつもりはないけど……)

美穂子『でも京太郎も無事そうでよかった……東京では無茶したって聞いたけど』

京太郎「あ〜」メソラシ

美穂子『そこ以外でもね』

京太郎「う゛っ」

美穂子『もぉ、心配するんだから……ね?』

京太郎「……はい」コクリ

444 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 23:37:50.39 ID:p3GJn9zmO


少しばかり、画面の向こうの美穂子の表情が曇ったように見える

そういうところに敏感になってきたのか、京太郎は察して少しばかり黙る

迷った様子で、美穂子は口を開く


美穂子『それにね……』

京太郎「?」


言い淀むような様子、だがそれでも……

何度も話をして何度も一緒に戦った京太郎だからか、頷いて話す


美穂子『色々と、迷っちゃって』

京太郎「そんなことが?」

美穂子『……私って、どっちだろうなって』

京太郎「へ?」

美穂子『光として生きた方がいいのか、人として生きた方がいいのか』


そんな言葉に、京太郎は応えようとして……口を紡ぐ

他人がどうこういう問題だろうかというような、そんな悩みより先に……

“自分が答えるべきか”という考えが浮かんだ

自分はウルトラマンではない。ハッキリとそう言える


京太郎(俺は俺のために、戦ってるだけだしな……)


ベリアルは自分がウルトラマンではないと言っていた。京太郎もまたウルトラマンになれるタイプではないと……

既に自分としても自覚はある

自分にやれることとは……


京太郎「探してくしかないっすよ。俺も……美穂子さんも」

美穂子『そっか……なら、やっぱり早く会いたいな』

京太郎「へ?」

美穂子『やっぱり直に会って、直に京太郎を感じたい、かな』ニコッ

京太郎「……」

美穂子『きょ、京太郎?』

京太郎「あ、すみません……俺も早く、美穂子さんに会いたいかな」フッ

美穂子『うんっ……ありがとうっ』ニコッ

京太郎(あぶねー! あやうく好きになるところだったぜ!)
445 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 23:52:49.03 ID:p3GJn9zmO


美穂子との通話を終えて、京太郎は街を見て回ろうとロビーに出る

しかし、どうにも動き方を見誤った

一人で見知らぬ街に出るわけにもいかないだろう


京太郎(花田さん、頼めば良かったな……いや、花田さんもわかるのか?)


彼女とは片岡優希、原村和と関係で話したことがある

知り合いではあるし話しやすい相手なので、少しは話をしても良かったなとも思う


京太郎「まだいるかなぁ花田さん」

?「花田さんを探してるの?」

京太郎「……石戸さん?」

霞「さっきぶりね」クスッ ドタプン

京太郎(超弩級……)

霞「?」

446 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 00:09:04.21 ID:UZTjJrIYO


咳払いを一つ、落ち着きを取り戻す

とりあえずは頷く


京太郎「知り合いってトシさん慕さん花田さんしかいないんで……出かけようにもって感じっすね」

霞「花田さんなら一人で行ったみたいよ」


その言葉に頷く


京太郎「なら……」

霞「私が案内しましょうか、雀荘とかなら」フッ

京太郎「じゃぁお言葉に甘えて……」

霞「ええ、行きましょう」フフッ


その言葉に、少しばかり感慨に浸る


京太郎(まさか石戸さんに案内されることがあるなんてな……人生なにがあるかわからんぜ、咲)


石戸霞と死闘を繰り広げた自らの親友を思い出して、口角を緩める

霞の後を歩きながら、京太郎は静かにあの夏を思い出す

447 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 00:27:33.63 ID:UZTjJrIYO


―――【鹿児島:街中】


霞と二人で歩いていると、やはり思うところがある

しかしまぁ、現状はそれどころでもないのだが……


京太郎(まずは、ここにいる奴だ……今ままでの傾向からして指揮官って言うかボスっぽいやつがいるはずだ)


デスレ星系人、グローザ星雲人、テンペラー星人

おそらく大阪ならばメフィラス星人


京太郎(……長野ってどいつになるんだ? レギュラン星人、とは違うか、スヒュームもまた違う気がする)


ならばゾグだろうか


京太郎(わかんねぇな……)

霞「須賀君?」

京太郎「へ?」


気付けば、霞の顔がすぐ傍にあった

驚いて後ろに仰け反りバランスを崩すも、どうにか体勢を整える

ハッとして霞の方を見るが眉をひそめて笑っていた


京太郎「えっと……」

霞「少し怖い顔してたから、色々考えることあるのかもしれないけれど」

京太郎「ああいや、すみません」

霞「ううん、いいのよ……私たちも、たぶん貴方に期待をし過ぎてしまってるから……たぶん、プレッシャーよね」

京太郎「いやそういうんじゃないんですよ。元々の性分もありますし」

霞「……」

京太郎「本当ですって、ただちょっと……仲間のことが」

霞「そっか、それは私もわかるわ」


そう言ってやはり眉をひそめて笑う霞

どこか儚いその笑顔に、今度は京太郎が眉をひそめた


京太郎(こんな良い人に、こんな顔させて……)

448 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 00:54:22.58 ID:UZTjJrIYO


―――【特異課鹿児島基地:作戦室】



そこにいるのは、熊倉トシと白築慕

二人して難しい表情をしながらモニターを見つめる

そこには先ほど京太郎たちが見たウルトラマン、とはまた少し違うウルトラマン


トシ「ネクスト、そしてネクサスってとこか……」

慕「?」

トシ「いや、これが確認されたのは確か……」

慕「ん、福岡ですね」

トシ「……」


眉をひそめて考える様子を見せてから、笑う


トシ「なるほどね、結局因果は因果か……まともじゃいられないねぇ」

慕「へ?」

トシ「いいや、白水たちは?」

慕「白水哩さん、安河内美子さん、江崎仁美さんは未だに意識不明みたいです」

トシ「鶴田は?」

慕「えっと、行方不明だそうで……一時は発見情報あったんですけど、あっそれで言うと広島のちゃちゃのっ、佐々野いちごさんも」

トシ「……受け継がれる絆、ね」

慕「へ?」

トシ「いいやなんでも……とりあえず今後も注目してくべきなのと」

慕「……アレですか?」

トシ「そ、アレの完成具合は?」

慕「いやぁ、急場で頑張りましたよ」

トシ「そりゃそうか……でも、いずれにせよだね」

慕「いっつもわけわかんないこと言いますね」

トシ「あんたはたまに遠慮なくモノ言うね」
449 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 01:29:00.20 ID:UZTjJrIYO


―――【鹿児島:街中】


雀荘から出てくる京太郎と霞

背を伸ばした彼と、その後ろで一息をつく霞

さらに後ろから担架で運ばれていく少女、そしてスーツ姿の男性が数人出てくる


京太郎「ビンゴでしたね」

霞「ええ……」

京太郎「怪獣メダル、回収と」


その手にあるのはゴキグモンの怪獣メダル

メダルホルダーにそれを納めて、端末で次の目的地を確認する

横へとやってきた霞が京太郎の端末を覗いた


京太郎(おっぱい当たる……)

霞「次は、ん〜近くの駅から電車に乗って10分ぐらいね」

京太郎「うっす」コクリ

霞「それにしても、本当に強いのね。話題になってなかったのが驚くぐらい」

京太郎「最近、ですからね」


ベリアルと融合して、麻雀を何度もやった

正規の方法ではないが、それで強くなった

言えはしないが……今は確かにその力を引き継いで自分なりに上手くやっているつもりだ


京太郎「さて、次ですね」

霞「ええ……」

京太郎「……の前にお昼でもいきますか」

霞「あ、もうそんな時間……それじゃあ私のおすすめのお店行きましょう。ここらへん詳しいのよ」クスッ

京太郎「それじゃあエスコートお願いしますよ。お姉さん」フッ

霞「お姉ちゃんでも良いわよ?」クスッ

京太郎「魅力的ですけど遠慮しときます」ハハ
450 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 02:01:42.46 ID:UZTjJrIYO


―――【???】


花田煌が、走っていた

雑木林の中、木々をかきわけて辿り着いた開けた場所でガッツハイパーを構える

その銃口の先には―――


煌「ここまでです。野依理沙さん……」

理沙「……」

煌「終わらせます。佐々野さんと姫子から受け継いだ光で」


右手にガッツハイパー、左手に謎の銃を持つ

両方から放たれる光弾を、野依理沙は懐から取り出した黒いロッドのようなもので弾く

虚ろな瞳の野依理沙が、花田煌をしっかりと視界に映す


煌「闇の力に飲まれて、野依さん!」

理沙「……!」


ロッドの先端が煌に向けられると、そこから光弾が放たれる

それを転がって回避する煌だが、起き上がった煌にさらに“銃口”が向けられた

光弾が放たれようとしたその瞬間―――黒い影が迸る


煌「!!?」

理沙「!」


すぐにその場から退こうとする理沙だが、既に遅い


?「アァァアァァッ!」


腹部に拳が突き立てられ、そのまま理沙が吹き飛び地を転がる

そしてそんな理沙を攻撃した本人は―――“赤い瞳”を爛々と輝かせていた

なにかに耐えるように歯を食いしばり、そこにいる


煌「ッ……誰ですか!」

?「人の、いやこのメダルの……力を勝手に!」

煌「闇の、力……?」

?「闇、だけどっ……明け透けに物を言う!」


本来なら真ん中分けされていた髪が垂れる


?「赤土っ、あの人また勝手に……!」


そして“宇夫方葵”は立ち上がる野依理沙を今一度―――睨みつける

451 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 02:11:50.98 ID:UZTjJrIYO

―――【鹿児島市:街中】


一軒の定食屋を出る霞と京太郎の二人

楽しげに笑みを浮かべる二人を見る人が見れば、勘違いもするだろう

趣味も一緒、目的も、職業も一緒―――特異課という共通点があれば会話も弾む


京太郎「ごちそうさまです。おいしかったぁ」

霞「満足いただけたようでなによりよ」クスッ

京太郎「正直、高級至高な人だと思ってました。神代家の関係者ですし」

霞「そうでもないわ。ただの女子高生よ」クスッ

京太郎(女子高生感皆無だけどね)

霞「余計なこと考えなかった?」ニコリ

京太郎「いいえ決して」メソラシ


とりあえず話をそらすために次の目的地を確認する

緊急連絡などもまだ来ていないようだった

そうしていると気配を近くに感じる


京太郎「ちょっと近」

晴絵「よっ」

京太郎「ドワォ! 晴絵さん!?」

晴絵「ん、丁度近くよったからね」

京太郎「近く寄っても会うのはまた別でしょうに」

晴絵「確かにそりゃそっか」

霞「えっと、赤土晴絵さん? 阿知賀の?」

晴絵「お、私ってば有名人」

京太郎「そりゃそうでしょレジェンド」

晴絵「え〜そ〜お〜?」ニヤリ


満更でもなさそうに笑う彼女に、京太郎は苦笑を浮かべる


京太郎「てか何用ですか?」

晴絵「ちょっとね、て用しかないんだよねここ」


その言葉に、ひっかかる

彼にとって赤土晴絵はなんでもない、特異課のメンバー

そして穏乃たちの先生なのだから……


京太郎「赤土さん」

ピピピピ

京太郎「端末、緊急通信!?」
452 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 02:22:52.41 ID:UZTjJrIYO


    第27話【獣-Beast-】

453 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 02:24:59.64 ID:UZTjJrIYO

今回はここまでー

まぁわかる人はサブタイでわかる感じの話
と見せかけてちょっとひねりはあるよー

明日もできるかもー

そんじゃまたー
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 07:32:48.29 ID:pFSbTE/n0
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 11:50:17.64 ID:wZ7fvpOr0

京ちゃんは一回り達観してるのはやっぱベリアルといたからか?
上手くやればトリガートゥルースと似た感じになりそうだ
456 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 22:50:51.48 ID:bgcJVvDxO
やってくよー

トリガー最終回よかったのー
映画も楽しみー
457 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 23:06:46.75 ID:bgcJVvDxO


緊急通信に応えるべく、京太郎はボタンを押す

モニターに映ったのは白築慕だった

彼女がわざわざ緊急通信でかけてくるということは、それなりの状況なのだろう


慕『高エネルギー反応が京太郎くんたちの近くの、神社に! 異常だよこれ!』

京太郎「神社!? 雀荘じゃなくてか!」

慕『わかんないけど、でも確かに神社、どんどん膨れ上がってる』


マップが出てくると京太郎は霞の方を見る

少しばかり迷った表情をして、頷いた

小首をかしげる霞


京太郎「霞さんに切り替えて!」

慕『あ、うん』

霞「え、ええ」


通信を霞の方の端末に切り替える

霞が腕時計型端末で慕への通信を引き継ぐのを見ると、霞に近寄った

晴絵が驚いたような表情をするが、いたしかたないのだ


京太郎「移動しながら話しましょう」


霞の方と膝裏に手を回して、抱えると走り出す


霞「ちょ!? 須賀君っ!?」カァッ

慕『な、なにしてるの!』

京太郎「しょうがないでしょ! マップ開いて!」


開かれたマップを見て、そちらに走り出す

確かに霞を連れて走るよりも速いだろう

異常な身体能力だが、見せるのも戸惑われるがいたしかたない


京太郎「その神社なんか特別なんっすか!?」

晴絵「龍脈ってあるじゃん?」

霞「レイライン?」

京太郎「えっと、地脈がどーたらとか?」

晴絵「そうそう、そういう“力”が集まるのが……神代の本殿なわけなんだけど」

慕『こっちも結構な数が通ってる!』

晴絵「そゆこと」

京太郎「どうでもいいけど晴絵さん運動能力高いっすね」


隣を走る晴絵にそう言う


晴絵「まぁ雀士だからねぇ」ケラケラ

458 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 23:19:49.66 ID:bgcJVvDxO


その言葉に、京太郎は少し考えを巡らすも―――中断する

やるべきことは今は赤土晴絵について考えることではない

神社の誰か―――神代小蒔か野依理沙を確保することだ


京太郎「どうなってます!」

慕『依然変わらずだよ。いや、突然変わらなくなった? これって……』

晴絵「収束をはじめてる、か……」


そう言って止まる晴絵と京太郎

見上げるのは階段、その上にいる

そして凄まじい力を感じる……


京太郎「石戸さんはここで!」

晴絵「私もここで」

霞「なっ、私もせめて手伝うくらい」

晴絵「まぁまぁここはベテランに任せようよ」

霞「赤土さん!?」


驚愕する霞の方に手を置いて笑う晴絵

京太郎は顔をしかめるも、すぐに頷く

察してくれたということは理解した


京太郎「お願いします!」


そう言って、地を蹴り数段を飛ばして階段に足をつくと、さらに蹴って数段を飛ばして跳ぶように昇って行く


霞「っ……」

晴絵「まぁ大丈夫でしょ、こっちには“ウルトラマン”がいるでしょ?」

霞「……はい」コクリ

459 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 23:47:47.43 ID:bgcJVvDxO


―――【鹿児島:???】


開けた林の中、煌と葵が退治する野依理沙

体を前のめりにして肩で呼吸をする葵は目を見開いて野依理沙の“中心”を見つめる

“メダル”が入っているからこそ理解できるもの……


煌「何者ですか! デュナミスト!?」

葵「ハッ、オリジナルぅ……それより先に、こいつか!」


飛び上がった葵が爪を立てた腕を理沙へと振り下ろすが、理沙はロッドことダークエボルバーでそれを凌ぐ

理沙がダークエボルバーを振るうと、葵は吹き飛ぶも空中で体勢を整えて着地

口から白い息が吐かれ、その口の端から涎が垂れる


煌(普通じゃない! それにこの妙な感覚っ)

理沙「……ダークザギ」

葵「わかってるならさっさと返しなさいよっ、私の力ァ!」


前へと跳びだそうとした瞬間、葵は咄嗟に後ろに跳ぶとそこに銃撃

すぐに着地して、そちらを見ればそこには―――


煌「仮面の、男?」

葵「お前も、嫌な感じするなぁ……」


そこに立っているのは仮面をかぶった男だった

四つの目が描かれた白き歪な仮面


仮面の男「闇の皇帝も根源破滅天使すらも、か……まぁここは私のフィールドとしよう」

煌「誰なんですか一体……!」

仮面の男「……須賀京太郎はいないか」

煌「須賀君!?」

葵「お前かっ、中途半端なダークザギメダル入れてからにっ」

仮面の男「暴走しなかったのは予想外だが、そろそろか」

葵「ッ!」

仮面の男「野依理沙、出番だ」


野依理沙が、ダークエボルバーを両手で持って前に出す

瞬間、葵と煌が同時に距離をとった

そして野依理沙は両手でダークエボルバーを―――引く

460 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 23:59:48.35 ID:bgcJVvDxO

―――【鹿児島:神社】


階段を上り、鳥居をくぐる

そしてそこにいる人物を見て、遅かったことを理解した

いたのは―――神代小蒔


京太郎「神代、小蒔さん……」


腕時計型端末から声が聞こえる

視線の先にいる神代小蒔はいつも結わいている髪がほどけて黒髪がなびいていた

そして虚ろな瞳は、なにを映しているのか……


京太郎「なら……ッ!」バッ


ゼットライザーを取り出す京太郎

神代小蒔が凄まじい光を発すると共に、光の柱を生み出す

それが高く上り―――


京太郎「ゲートオープンだ!」


トリガーが引かれ、京太郎がゲートの中に消える

そして光の柱が消えると共に現れる―――怪獣



離れた場所で、霞と晴絵がそちらを見る

ハッとした表情をする霞の肩にてを置く晴絵


晴絵「大丈夫だよ」

霞「須賀君がっ」

晴絵「まぁあの子はベテランだから……にしてもそうか、そういうこと」


顔をしかめる晴絵、その視線の先に現れた怪獣


晴絵「マガゼットン……!」

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