【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】

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404 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 00:04:37.14 ID:8bGmCPRoO
やってくー

>>403
ご察しの通り!
405 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 00:31:57.24 ID:8bGmCPRoO


テンペラー星人「なにをしようと今更ァ!」


放たれた光線それが氷の壁に阻まれる

少しばかり弾くも、その氷の壁は見る間に貫かれた

そしてその向こう、ストロング・ゴモラントを―――


テンペラー星人「消え去れぇ!」


―――貫く


テンペラー星人「いや!」


だが違う、貫き砕け散ったそれは……


テンペラー星人「氷の虚像!!?」


ハッと背後へと向きストロング・ゴモラントを確認

真ウルトラ兄弟必殺光線を放とうとするも、ストロング・ゴモラントが懐へと飛び込む方がはやい

紅の角がテンペラー星人の鳩尾部分に突き刺さる


テンペラー星人「ぐおぉぉお!!?」

京太郎『こいつでぇぇぇぇ!』


さらに冷気が集まる

ストロング・ゴモラントの角から氷が伸び、巨大な剣角を形成

テンペラー星人の体に大穴を開ける


テンペラー星人「べ、ベリアルがいないというのに……み、見事だ」

406 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 00:46:14.81 ID:8bGmCPRoO


テンペラー星人を貫いた氷部分から、さらに氷が広がる

それがテンペラー星人の全体を氷漬けにした


京太郎『……』


なにかを言おうとするも、すぐに口をつぐむ

そして赤き瞳を鋭く細め力を込める

ストロング・ゴモラントが頭部を振るうと、氷の剣角ごとテンペラー星人の体が粉々に砕け散る


京太郎『……ふぅ』


周囲に散るダイヤモンドダスト

ストロング・ゴモラントはその中心で白い息を吐く


京太郎『次ッ!』


バロッサ星人の方に視線を向ける

すでに追い込まれているようで、地を蹴り飛び上がった

光りの羽を広げてメビウスから逃げようとするも、ストロング・ゴモラントが素早くその前に飛んだ


京太郎『逃がすかぁ! 弘世さんを!』

照『仲間を、返してもらう……!』


地上のメビウスが炎をメビウスブレスから胸へと集め、火球を生成した

上空のストロング・ゴモラントが角を赤く輝かせて咆哮、重力を発生させる

落とせないまでも、動きを封じた


バロッサ星人「バルゥッ!? しゃ、シャープシュートもできないばろっさぁ!」

京太郎『させるかよ! さらに……もう一回お借りします。デスローグさん!』


ストロング・ゴモラントの前方に火球が生成されていく

二つの巨大な火球がバロッサ星人を狙う


バロッサ星人「二体一とは卑怯じゃなイカ!?」
407 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 00:57:13.01 ID:8bGmCPRoO


だが、聞く耳持たず


京太郎『このダブロンで、ハコ割れだァ!』

バロッサ星人「大きなお耳が必要なんじゃなイカバルぅ!」


そして、メビウスとストロング・ゴモラントが同時に火球を放つ


照『メビュームバースト!』

京太郎『ブレイズヘヴィキャノン!』


放たれた二つの火球が、真っ直ぐにバロッサ星人へと迫る

前方にも後方にも自分とほぼ同等の大きさの火球


バロッサ星人「俺が死んでも第二第三の……ってメダルだからいないばろっさぁ!」


そして―――爆散


408 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 01:15:36.66 ID:8bGmCPRoO


ゆっくりと地上へと降りるストロング・ゴモラント

メビウスと視線を交差させる

頷くメビウスに、ストロング・ゴモラントはなにを言うわけでもない


メビウス「……テヤッ!」


飛び上がるメビウスが空へと消えていく

ストロング・ゴモラントこと京太郎が視線を動かす

レイブラッド星人メダルを投げた男が、遠くで自分を見ている


京太郎(あれは……!)


だが、次の瞬間に視界から消えた

追おうとするも変身を解けばどうなるかなど理解している

だからこそ今は諦めた


京太郎(咲、和……ちょっとずつだが、確実に追い込んでいるか?)


暗い光と共に、ストロング・ゴモラントが消える

409 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 01:26:33.10 ID:8bGmCPRoO


地上へと立つ京太郎

歩き出そうと一歩を踏み出すが、ふらつく

なんとか耐えようとするも、前のめりになった体勢では―――


「おっと」ギュッ

京太郎「……智葉、さん?」

智葉「ん、お疲れ」フッ


抱き留められていることに気づく

離れようとはするも、体の違和感と痛みに顔をしかめる

鼻から血がボタボタと垂れた


京太郎「毛細血管が……」

智葉「ん、そこに座ろうか」


数適が智葉の服に付着するも、気にする様子もない

そっと手で鼻を押さえつつ、智葉の助けを借りて近くのベンチに腰掛ける

こみあげてくる感覚に手を口に当てるも、咳と共に血を吐きだす


京太郎「えほっ」

智葉「な、なんでっ!」

京太郎「あの姿、負担が凄いんっすよ……いや、いかんせん強敵だったもんで」ケホッ

智葉「っ……」


涙を浮かべる智葉が、そっと京太郎の頭を抱く

驚愕で、その柔らかな感触を満足に感じることもできない


京太郎「さ、智葉さんっ!?」

智葉「ごめん、それと……ありがとう」ギュッ

京太郎「……俺がやりたいことっすからね。俺のために」

智葉「それでも、だ」

京太郎「うっす……」フッ


笑みを浮かべ返事をする京太郎の口元の血が、智葉の服にしみる

410 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 01:46:00.11 ID:8bGmCPRoO


突如、智葉が引きはがされる


智葉「うおっ」

照「……なにおっぱいで京ちゃんのぬくもり感じちゃってるの?」

智葉「み、宮永っ! そ、そういうわけじゃっ」カァッ

照「くっ、強い」

京太郎(なんの話?)


しかし、とりあえず戦いが終わったことは確かだ

照の背後には菫が寝かされている

やはりウルトラマンのメダルが入っている影響で筋力なども高まっているのだろう


京太郎「お疲れさん、です」

照「京ちゃんもね……むしろ京ちゃんの方が」

京太郎「まぁ、ウルトラマンの力を借りてるわけじゃあないっすからね、多少は」


そう応えて、口の中の鉄の味に顔をしかめる


京太郎「戻りますか……」

照「ん、無理しないで、お迎え待とう」

京太郎「……ん」コクリ

京太郎(ダークネスファイブ、三人目……)


その左手にあるのはテンペラー星人メダル

存在しないはずの記憶にあるのは……テンペラー星人、ヴィラニアス

ベリアルの“仲間”の一人


京太郎(ベリアルさん、引き続きお力……借りますよ)

411 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 02:11:28.12 ID:8bGmCPRoO

―――【特異課東京基地:廊下】


智葉と共に歩いていると、服の裾が引かれる

そちらを見ればもちろん宮永照


照「ところで京ちゃん」

京太郎「はい?」

照「私もこけて鼻血出た……一緒だね」フッ

京太郎「……?」

照「?」


二人して首をかしげる


京太郎「え、俺が悪いんっすか?」

智葉「いや、宮永が悪い」

照「!!?」

智葉「そんなんだったか?」

照「……いつまで京ちゃんの血がついた服抱いてるの?」


先ほどのスーツから着替えた智葉

京太郎の血の付いたワイシャツを抱えているのだが、その顔が真っ赤に変わる


智葉「ちがっ、洗濯しようと!」

京太郎「すみません、新しいの買いましょうか?」


そう聞くと、智葉はギュッと服を握りしめる


智葉「いや、いぃ……」フイッ

照「……あざとい」

智葉「あ、あざとくない!」

京太郎「ちょっとグッとくるのでそういうのやめてもらっていいですか?」

智葉「!?」マッカ

照「京ちゃん……」ゲシッ

京太郎「一応負傷者なんだから脛蹴らないでっ」


ネリー「なにやってるのあれ」

明華「むぅ」

ハオ「お熱いことですね」

メグ「今ラーメンの話しました?」

ネリー・明華・ハオ「してない!」
412 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 02:18:03.09 ID:8bGmCPRoO


    第26話【須賀京太郎、抹殺指令】 END

413 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/18(火) 02:28:52.33 ID:8bGmCPRoO

今回はここまでー
久々にちゃんと進んだ

ガイトさんのヒロインムーブ

たぶんちゃんと再開できるのは明後日かなーって感じで
安価置いてそんじゃまたー



◆どっちへ向かう!


1、長野
2、鹿児島


◇1↓から5↓まででコンマが一番高い方の選択肢を採用
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 02:41:51.91 ID:0GcvTG0X0
2
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 03:29:44.40 ID:2wzgQN0V0
2
ダークネスファイブいいね
なにがあるかわからんがとうとう鹿児島いけるか?
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 04:45:22.35 ID:1niZxFdpo
2
おかしい…テルーがヒロインだったはずでは…
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 05:18:07.54 ID:MzvjT2LHO

一応1
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 09:10:58.33 ID:lU2lLQM80
2
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 11:42:45.38 ID:nFKlIoeL0
テルーはマスコットだった!?
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/19(水) 00:18:40.96 ID:IGMeBjmy0
おもちのない雑魚は引っ込んでろですのだ!
421 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 19:23:38.19 ID:fdCCQQwdO

ちょっち次回予告のみ
続きは22時頃やるー
422 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 19:44:25.85 ID:6UAkRROQO
2、鹿児島


―――次回予告


京太郎:異様な感覚だなぁ

慕:いらっしゃい

晴絵:色々渦巻いてるねぇ

霞:彼が須賀京太郎……

京太郎:くるか!?

晴絵:くるね

葵:きやがった……ッ!

京太郎:花田さん!

煌:これが絆で受け継がれた光です!


次回【獣-Beast-】


京太郎:光を塗りつぶす漆黒の闇でェ!

423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/19(水) 20:42:27.69 ID:nPpFr7Qy0
ネクサスか?
424 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 22:03:02.06 ID:6UAkRROQO
おっし続きはじめてくー
425 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 22:36:24.23 ID:6UAkRROQO

―――【???】


テーブルに置かれているのは雀牌

その一つを、軽く指で弾くのは―――宮永咲

麻雀卓にバラバラに置かれている牌、弾かれた牌は開いている天窓に落ちていく


咲「デスレ星雲人、グローザ星系人、テンペラー星人……よくもまぁここまで」


息をつきながら、どこか不敵に笑う


咲「……そろそろ力は、戻った?」


そう言って視線を右に動かす、その先には原村和


和「手痛い攻撃を受けましたからね」

咲「使えないなぁ」

和「……そんな喋り方でしたか、あなた」

咲「お互い様、力が強いこの器に引っ張られている」


顔をしかめてそう言う咲の赤い瞳が揺れる

そして、その先には新たな影

暗い部屋、対面にいるのは―――男。しかし視えない


咲「……まぁ私は私のやりたいようにやる」

和「私もまた然り、です」

咲「道中は同じ、着地点が違う。そろそろ集まってやるのもよくないかもね」

?「お互い、な」

咲「……で、須賀京太郎はどうするの?」

?「自分の始末は自分でつけなければな、私がやる……」

咲「ふぅん、で……次は鹿児島か」

和「誰かいくなら私は別の場所で動かさせてもらいます」

咲「どうするの?」


それぞれが立ち上がる

今やるべきは一緒、しかしてこれからは……


?「奴を倒す―――それも私だ」


男はメダルを弾いて見せた

426 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 22:46:54.84 ID:6UAkRROQO


―――【鹿児島県:霧島市】


空港を出る京太郎

相変わらずのスーツ姿で、アタッシュケースを持っている

なにかしようものなら今にも止められかねない


京太郎「異様な感覚だなぁ」


淀んでいるようにも感じるが、どこかで感じたことのあるタイプの違和感ではある

最近、最も近く感じた時はいつだったか……


京太郎「……奈良、か?」


顎に手を当てて呟き、すぐに頭を振る

考えるのは後にしようと頷いてすぐに動き出す

腕時計型の端末を開いて、送られてくる位置を確認


京太郎「さてと……」


今回、須賀京太郎が鹿児島へとやってきたのは、咲や和の目撃があったからではない

怪獣が出現したということ、それも何度も……


京太郎「怪獣が途中で消える現象、それと―――ウルトラマンの確認、か」

427 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 22:58:11.62 ID:6UAkRROQO


歩いて合流地点まで行くと、すっかり見慣れた顔を見つけた

女性の長い髪が揺れている

眼が合うと、手が振られるので京太郎も手を振りかえす


京太郎「どうも、慕さん」フッ

慕「ん、いらっしゃい」フフッ


車の助手席に乗り込む京太郎、運転席には慕

走り出した車の中、京太郎は視線を動かす


京太郎「さて、今回はなにが出ますかねぇ」

慕「怪獣じゃないかなぁ」

京太郎「やっぱり?」

慕「うん」


溜息をつく京太郎は顔をしかめる

智葉たちにもたっぷり絞られた、あまり反動が強い力は使いたくはない

だが、それでも……


京太郎(やるしか、ないかぁ)


だがそれでも、今の自分にはそれがやりたいことなのだ

428 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 23:08:05.40 ID:6UAkRROQO


走り去って行く慕の運転する車

それを見送るように視界を動かして“赤土晴絵”は一歩前に出た

顔をしかめるのは、京太郎と同じ理由か……


晴絵「色々渦巻いてるねぇ……」

葵「……」

晴絵「相変わらず無愛想なんだから」

葵「放っといて……」


すでに小さくなっている車の影を見て、葵は上空を見上げる


葵「嫌な感じ、たぶん二人と違うけど」

晴絵「そなの?」

葵「ん……これは、メダルの怒り? 嫉妬?」

晴絵「大変だねぇお互い、変なメダル入っちゃってさ」


その言葉に、なにを返すでもなく葵は歩き出す

晴絵はそのあとを追って歩いていく

429 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 23:22:56.11 ID:6UAkRROQO


―――【特異課鹿児島基地:駐車場】


そこそこに大きな施設だった

ガレージではなくしっかりと駐車場が存在している

車から降りる京太郎と慕の二人


京太郎「ちゃんとしてる」

慕「まぁ神代のお膝元だしね」


その言葉に、なるほどとうなずく


京太郎「とりあえず作戦会議ですか、なにかわかんないっすけど」

慕「そうだね……一応、目撃情報があるからそこの調査、お願いしようかな」

京太郎「慣れたもんですよ」ハハハッ


そんな二人を、基地の最上階―――五階から見つめる人物が三人

一人は熊倉トシだ


トシ「ん、きたか」フッ

?「彼が須賀京太郎……」
430 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/19(水) 23:47:28.71 ID:6UAkRROQO


―――【特異課鹿児島基地:】


京太郎は静かに息をついた

慕の後を追って作戦室に入った京太郎は座っている

二人だけだとは思っていなかったが……


京太郎「えっと、初めまして須賀京太郎です」


圧倒されていた。その存在感に―――石戸霞に


霞「石戸霞よ」タユン

京太郎(おぉう超弩級……玄さんにも見せてやりたかったぁ)


トシがコホン、と咳払いをする

ハッとした京太郎が頷いて立ち上がった

隣にいる霞だけに自己紹介をすれば良いわけでは無い


京太郎「えっと、須賀京太郎です。今回は応援という形で一応―――長野支部からの出向、的な?」

トシ「まぁ京ちゃんに限ってはどこ所属とかはないんだけど、形として長野支部所属にはなってるね」

京太郎「そうだったんっすか?」


頷くトシ、まぁなんでも良いだろう


京太郎「まぁなにはともあれお願いします」ペコリ


そう言うと、他の面々が頷いた

まずは薄墨初美、そしてとなりの滝見春


初美「よろしくなのですよー」

春「ん、よろしく」ポリポリ

京太郎(あ、やっぱ黒糖食べてるんだ……)

トシ「それと京ちゃんと同じくこっちに来てる……」

京太郎「花田さん」フッ

煌「花田煌です、すばらな再開です」ニコッ

431 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/20(木) 00:16:06.39 ID:9K+y7gzLO


軽い自己紹介を終えると、京太郎は座る

部屋が軽く暗くなると慕がリモコンのようなものを操作

モニターに映るのは、怪獣―――そして、ウルトラマン


京太郎「なんかやけにリアルっぽい怪獣ですね」

トシ「スペースビーストってとこだね。でもこの感じみたことない?」

京太郎「……」


似た系統の怪獣というのであれば―――ガルベロス


京太郎「で、それが一体?」

トシ「まぁこの怪獣が出てくるとこの―――ネクスト、いやネクサスと言おうかね。このウルトラマンが出てくる」

京太郎「なるほど、それから消えると……」

トシ「そーゆーこと」

京太郎「率直な感想を言っても?」

慕「ん、どうぞ」

京太郎「……こっちがなにもしないってわけにもいきませんけど、現状安定しているならば俺が手伝うもなにもないんじゃ?」

トシ「いや……」


慕がさらにリモコンのスイッチを押す

映し出されるのは……


京太郎「……なるほど」


そうつぶやいて霞、初美、春に視線を向けてからモニターに視線を戻す


京太郎「神代小蒔と野依理沙、ですか」

トシ「……」コクリ

慕「この二人が目撃されたのちにスペースビーストの出現が確認されてるらしいの」

京太郎「なるほど、ねぇ」ハァ

煌「数々の事件を解決しているという須賀君のお力、お借りしたいと思っているということです」

京太郎「……俺なんかでよければ」フッ


霞たちも安堵したように息をついた


京太郎(しかしまぁ、この異様な感覚も……放っておけないしな)

432 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/20(木) 00:40:10.80 ID:9K+y7gzLO

今回はここまでー
次回は明後日とか明々後日になる予定っすー

やってきた鹿児島、まぁまた色々大変って感じで

そんじゃまたー



◆安価!

1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、臨海(キャラ名を指定で)

3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、清水谷竜華
8、江口セーラ
9、愛宕洋榎
10、臼沢塞
11、小瀬川白望
12、鹿倉胡桃
13、姉帯豊音
14、宮永照
15、亦野誠子
16、弘世菫
17、石戸霞
18、薄墨初美
19、滝見春
20、白築慕

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 00:44:13.65 ID:eeh144eY0
乙。17
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 02:22:28.09 ID:3O1bOn6O0
乙1宥ねぇ
敵も動き出したみたいだがまさか男は父親とかか?
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 08:49:39.48 ID:Eeez8GchO
3
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 09:31:39.45 ID:u8lNyQlk0
1松実玄
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 11:21:13.39 ID:87gaT/FE0
18
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/20(木) 13:19:24.70 ID:XjqW1z800
ネームドの男キャラといえば大沼プロかハギヨシぐらいしかいないような
クロス物ならアカギとかご無礼とか色々いるんだけど…
まさか大穴で京ちゃんのクラスメイト来る?
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/01/20(木) 17:59:23.93 ID:g8RiqJRq0
日本保守右派系の大嘘

「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↓大嘘です
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」
「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、
日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。
当時アメリカの自治国であったフィリピン(フィリピン・コモンウェルス=フィリピン独立準備政府)は
アメリカ議会からすでに1945年の独立(フィリピン・コモンウェルス成立から十年後)を約束されており、
日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。
よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、
またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、
日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。

日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、
同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。
「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。

「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。

「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。
事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。

「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で化け物扱いした」
大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。
開戦前に真珠湾奇襲で多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。
https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」
そもそも日本側も、アメリカとイギリスだけを鬼のように扱っていました。日本と開戦した連合国国家は他にもあります。(棚上げ)

日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。
詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 慰安婦」で検索してください。
他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/21(金) 16:11:33.34 ID:QXXJsLcN0
地味にのよりん出てるけどなんだろう
441 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 22:36:35.04 ID:p3GJn9zmO

まったりやってくよー

鹿児島編、これ終わったらまた色々ある
442 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 22:58:59.95 ID:p3GJn9zmO
17、石戸霞
3、福路美穂子



―――【特異課鹿児島基地:休憩所】


作戦室を出てからしばらくして、京太郎は休憩所にいた

コーヒーを一口飲んで、息をつく


京太郎(味が違うな、美味いけど……)フゥ


とりあえずやるべきことは、野依理沙と神代小蒔の捜索

それと後手に回るしかないものの怪獣かウルトラマンが出るのを待つ


京太郎(こっちから攻めたいけど、できることは怪獣メダルが完全に覚醒する前に、雀士を潰すってことか)


今の京太郎であれば並以上の雀士であれど倒すことも無理ではないだろう

誰かと組んでいれば、勝率はさらに上がる


京太郎「しかしまぁ、感慨深いもんだなぁ」


あの永水の生徒たちにまで名前が知れ渡っている

数ヶ月前のあの時であれば考えもしなかったであろう状況

望んでいた形ではないものの、やはり思うところがある


京太郎(にしても結局、なんで家に……いや、なんで親父がゼットライザーを持ってメダルまで……)


わからないことが、多すぎる

となれば……


京太郎(やれることを、やるしかか……)

ピピピピ

京太郎「ん、なんだろ……って福路さん?」

443 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 23:15:01.49 ID:p3GJn9zmO


連絡先を確認して、端末を開く

周囲には誰もいないということを確認してから通話する

モニターに映し出される美穂子


美穂子『あ、京太郎』ホッ

京太郎「どうもって……怪我してんじゃないっすか!」

美穂子『まぁ大した怪我じゃないのよ? ちょっと怪獣相手に事故っちゃって』

京太郎「え〜大丈夫っすか?」

京太郎(機械音痴だし、てか車って機械に含むのか? というより生きててなによりだけど)


頭に包帯を巻いた美穂子


美穂子『まぁ大した怪我じゃないから、跡も残らないそうだし』

京太郎「美穂子さんの綺麗な顔に傷ついたらたまったもんじゃないっすよ」ハハハ

美穂子『っ、もぉ……からかわないの』

京太郎(からかったつもりはないけど……)

美穂子『でも京太郎も無事そうでよかった……東京では無茶したって聞いたけど』

京太郎「あ〜」メソラシ

美穂子『そこ以外でもね』

京太郎「う゛っ」

美穂子『もぉ、心配するんだから……ね?』

京太郎「……はい」コクリ

444 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 23:37:50.39 ID:p3GJn9zmO


少しばかり、画面の向こうの美穂子の表情が曇ったように見える

そういうところに敏感になってきたのか、京太郎は察して少しばかり黙る

迷った様子で、美穂子は口を開く


美穂子『それにね……』

京太郎「?」


言い淀むような様子、だがそれでも……

何度も話をして何度も一緒に戦った京太郎だからか、頷いて話す


美穂子『色々と、迷っちゃって』

京太郎「そんなことが?」

美穂子『……私って、どっちだろうなって』

京太郎「へ?」

美穂子『光として生きた方がいいのか、人として生きた方がいいのか』


そんな言葉に、京太郎は応えようとして……口を紡ぐ

他人がどうこういう問題だろうかというような、そんな悩みより先に……

“自分が答えるべきか”という考えが浮かんだ

自分はウルトラマンではない。ハッキリとそう言える


京太郎(俺は俺のために、戦ってるだけだしな……)


ベリアルは自分がウルトラマンではないと言っていた。京太郎もまたウルトラマンになれるタイプではないと……

既に自分としても自覚はある

自分にやれることとは……


京太郎「探してくしかないっすよ。俺も……美穂子さんも」

美穂子『そっか……なら、やっぱり早く会いたいな』

京太郎「へ?」

美穂子『やっぱり直に会って、直に京太郎を感じたい、かな』ニコッ

京太郎「……」

美穂子『きょ、京太郎?』

京太郎「あ、すみません……俺も早く、美穂子さんに会いたいかな」フッ

美穂子『うんっ……ありがとうっ』ニコッ

京太郎(あぶねー! あやうく好きになるところだったぜ!)
445 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/21(金) 23:52:49.03 ID:p3GJn9zmO


美穂子との通話を終えて、京太郎は街を見て回ろうとロビーに出る

しかし、どうにも動き方を見誤った

一人で見知らぬ街に出るわけにもいかないだろう


京太郎(花田さん、頼めば良かったな……いや、花田さんもわかるのか?)


彼女とは片岡優希、原村和と関係で話したことがある

知り合いではあるし話しやすい相手なので、少しは話をしても良かったなとも思う


京太郎「まだいるかなぁ花田さん」

?「花田さんを探してるの?」

京太郎「……石戸さん?」

霞「さっきぶりね」クスッ ドタプン

京太郎(超弩級……)

霞「?」

446 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 00:09:04.21 ID:UZTjJrIYO


咳払いを一つ、落ち着きを取り戻す

とりあえずは頷く


京太郎「知り合いってトシさん慕さん花田さんしかいないんで……出かけようにもって感じっすね」

霞「花田さんなら一人で行ったみたいよ」


その言葉に頷く


京太郎「なら……」

霞「私が案内しましょうか、雀荘とかなら」フッ

京太郎「じゃぁお言葉に甘えて……」

霞「ええ、行きましょう」フフッ


その言葉に、少しばかり感慨に浸る


京太郎(まさか石戸さんに案内されることがあるなんてな……人生なにがあるかわからんぜ、咲)


石戸霞と死闘を繰り広げた自らの親友を思い出して、口角を緩める

霞の後を歩きながら、京太郎は静かにあの夏を思い出す

447 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 00:27:33.63 ID:UZTjJrIYO


―――【鹿児島:街中】


霞と二人で歩いていると、やはり思うところがある

しかしまぁ、現状はそれどころでもないのだが……


京太郎(まずは、ここにいる奴だ……今ままでの傾向からして指揮官って言うかボスっぽいやつがいるはずだ)


デスレ星系人、グローザ星雲人、テンペラー星人

おそらく大阪ならばメフィラス星人


京太郎(……長野ってどいつになるんだ? レギュラン星人、とは違うか、スヒュームもまた違う気がする)


ならばゾグだろうか


京太郎(わかんねぇな……)

霞「須賀君?」

京太郎「へ?」


気付けば、霞の顔がすぐ傍にあった

驚いて後ろに仰け反りバランスを崩すも、どうにか体勢を整える

ハッとして霞の方を見るが眉をひそめて笑っていた


京太郎「えっと……」

霞「少し怖い顔してたから、色々考えることあるのかもしれないけれど」

京太郎「ああいや、すみません」

霞「ううん、いいのよ……私たちも、たぶん貴方に期待をし過ぎてしまってるから……たぶん、プレッシャーよね」

京太郎「いやそういうんじゃないんですよ。元々の性分もありますし」

霞「……」

京太郎「本当ですって、ただちょっと……仲間のことが」

霞「そっか、それは私もわかるわ」


そう言ってやはり眉をひそめて笑う霞

どこか儚いその笑顔に、今度は京太郎が眉をひそめた


京太郎(こんな良い人に、こんな顔させて……)

448 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 00:54:22.58 ID:UZTjJrIYO


―――【特異課鹿児島基地:作戦室】



そこにいるのは、熊倉トシと白築慕

二人して難しい表情をしながらモニターを見つめる

そこには先ほど京太郎たちが見たウルトラマン、とはまた少し違うウルトラマン


トシ「ネクスト、そしてネクサスってとこか……」

慕「?」

トシ「いや、これが確認されたのは確か……」

慕「ん、福岡ですね」

トシ「……」


眉をひそめて考える様子を見せてから、笑う


トシ「なるほどね、結局因果は因果か……まともじゃいられないねぇ」

慕「へ?」

トシ「いいや、白水たちは?」

慕「白水哩さん、安河内美子さん、江崎仁美さんは未だに意識不明みたいです」

トシ「鶴田は?」

慕「えっと、行方不明だそうで……一時は発見情報あったんですけど、あっそれで言うと広島のちゃちゃのっ、佐々野いちごさんも」

トシ「……受け継がれる絆、ね」

慕「へ?」

トシ「いいやなんでも……とりあえず今後も注目してくべきなのと」

慕「……アレですか?」

トシ「そ、アレの完成具合は?」

慕「いやぁ、急場で頑張りましたよ」

トシ「そりゃそうか……でも、いずれにせよだね」

慕「いっつもわけわかんないこと言いますね」

トシ「あんたはたまに遠慮なくモノ言うね」
449 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 01:29:00.20 ID:UZTjJrIYO


―――【鹿児島:街中】


雀荘から出てくる京太郎と霞

背を伸ばした彼と、その後ろで一息をつく霞

さらに後ろから担架で運ばれていく少女、そしてスーツ姿の男性が数人出てくる


京太郎「ビンゴでしたね」

霞「ええ……」

京太郎「怪獣メダル、回収と」


その手にあるのはゴキグモンの怪獣メダル

メダルホルダーにそれを納めて、端末で次の目的地を確認する

横へとやってきた霞が京太郎の端末を覗いた


京太郎(おっぱい当たる……)

霞「次は、ん〜近くの駅から電車に乗って10分ぐらいね」

京太郎「うっす」コクリ

霞「それにしても、本当に強いのね。話題になってなかったのが驚くぐらい」

京太郎「最近、ですからね」


ベリアルと融合して、麻雀を何度もやった

正規の方法ではないが、それで強くなった

言えはしないが……今は確かにその力を引き継いで自分なりに上手くやっているつもりだ


京太郎「さて、次ですね」

霞「ええ……」

京太郎「……の前にお昼でもいきますか」

霞「あ、もうそんな時間……それじゃあ私のおすすめのお店行きましょう。ここらへん詳しいのよ」クスッ

京太郎「それじゃあエスコートお願いしますよ。お姉さん」フッ

霞「お姉ちゃんでも良いわよ?」クスッ

京太郎「魅力的ですけど遠慮しときます」ハハ
450 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 02:01:42.46 ID:UZTjJrIYO


―――【???】


花田煌が、走っていた

雑木林の中、木々をかきわけて辿り着いた開けた場所でガッツハイパーを構える

その銃口の先には―――


煌「ここまでです。野依理沙さん……」

理沙「……」

煌「終わらせます。佐々野さんと姫子から受け継いだ光で」


右手にガッツハイパー、左手に謎の銃を持つ

両方から放たれる光弾を、野依理沙は懐から取り出した黒いロッドのようなもので弾く

虚ろな瞳の野依理沙が、花田煌をしっかりと視界に映す


煌「闇の力に飲まれて、野依さん!」

理沙「……!」


ロッドの先端が煌に向けられると、そこから光弾が放たれる

それを転がって回避する煌だが、起き上がった煌にさらに“銃口”が向けられた

光弾が放たれようとしたその瞬間―――黒い影が迸る


煌「!!?」

理沙「!」


すぐにその場から退こうとする理沙だが、既に遅い


?「アァァアァァッ!」


腹部に拳が突き立てられ、そのまま理沙が吹き飛び地を転がる

そしてそんな理沙を攻撃した本人は―――“赤い瞳”を爛々と輝かせていた

なにかに耐えるように歯を食いしばり、そこにいる


煌「ッ……誰ですか!」

?「人の、いやこのメダルの……力を勝手に!」

煌「闇の、力……?」

?「闇、だけどっ……明け透けに物を言う!」


本来なら真ん中分けされていた髪が垂れる


?「赤土っ、あの人また勝手に……!」


そして“宇夫方葵”は立ち上がる野依理沙を今一度―――睨みつける

451 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 02:11:50.98 ID:UZTjJrIYO

―――【鹿児島市:街中】


一軒の定食屋を出る霞と京太郎の二人

楽しげに笑みを浮かべる二人を見る人が見れば、勘違いもするだろう

趣味も一緒、目的も、職業も一緒―――特異課という共通点があれば会話も弾む


京太郎「ごちそうさまです。おいしかったぁ」

霞「満足いただけたようでなによりよ」クスッ

京太郎「正直、高級至高な人だと思ってました。神代家の関係者ですし」

霞「そうでもないわ。ただの女子高生よ」クスッ

京太郎(女子高生感皆無だけどね)

霞「余計なこと考えなかった?」ニコリ

京太郎「いいえ決して」メソラシ


とりあえず話をそらすために次の目的地を確認する

緊急連絡などもまだ来ていないようだった

そうしていると気配を近くに感じる


京太郎「ちょっと近」

晴絵「よっ」

京太郎「ドワォ! 晴絵さん!?」

晴絵「ん、丁度近くよったからね」

京太郎「近く寄っても会うのはまた別でしょうに」

晴絵「確かにそりゃそっか」

霞「えっと、赤土晴絵さん? 阿知賀の?」

晴絵「お、私ってば有名人」

京太郎「そりゃそうでしょレジェンド」

晴絵「え〜そ〜お〜?」ニヤリ


満更でもなさそうに笑う彼女に、京太郎は苦笑を浮かべる


京太郎「てか何用ですか?」

晴絵「ちょっとね、て用しかないんだよねここ」


その言葉に、ひっかかる

彼にとって赤土晴絵はなんでもない、特異課のメンバー

そして穏乃たちの先生なのだから……


京太郎「赤土さん」

ピピピピ

京太郎「端末、緊急通信!?」
452 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 02:22:52.41 ID:UZTjJrIYO


    第27話【獣-Beast-】

453 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/22(土) 02:24:59.64 ID:UZTjJrIYO

今回はここまでー

まぁわかる人はサブタイでわかる感じの話
と見せかけてちょっとひねりはあるよー

明日もできるかもー

そんじゃまたー
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 07:32:48.29 ID:pFSbTE/n0
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 11:50:17.64 ID:wZ7fvpOr0

京ちゃんは一回り達観してるのはやっぱベリアルといたからか?
上手くやればトリガートゥルースと似た感じになりそうだ
456 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 22:50:51.48 ID:bgcJVvDxO
やってくよー

トリガー最終回よかったのー
映画も楽しみー
457 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 23:06:46.75 ID:bgcJVvDxO


緊急通信に応えるべく、京太郎はボタンを押す

モニターに映ったのは白築慕だった

彼女がわざわざ緊急通信でかけてくるということは、それなりの状況なのだろう


慕『高エネルギー反応が京太郎くんたちの近くの、神社に! 異常だよこれ!』

京太郎「神社!? 雀荘じゃなくてか!」

慕『わかんないけど、でも確かに神社、どんどん膨れ上がってる』


マップが出てくると京太郎は霞の方を見る

少しばかり迷った表情をして、頷いた

小首をかしげる霞


京太郎「霞さんに切り替えて!」

慕『あ、うん』

霞「え、ええ」


通信を霞の方の端末に切り替える

霞が腕時計型端末で慕への通信を引き継ぐのを見ると、霞に近寄った

晴絵が驚いたような表情をするが、いたしかたないのだ


京太郎「移動しながら話しましょう」


霞の方と膝裏に手を回して、抱えると走り出す


霞「ちょ!? 須賀君っ!?」カァッ

慕『な、なにしてるの!』

京太郎「しょうがないでしょ! マップ開いて!」


開かれたマップを見て、そちらに走り出す

確かに霞を連れて走るよりも速いだろう

異常な身体能力だが、見せるのも戸惑われるがいたしかたない


京太郎「その神社なんか特別なんっすか!?」

晴絵「龍脈ってあるじゃん?」

霞「レイライン?」

京太郎「えっと、地脈がどーたらとか?」

晴絵「そうそう、そういう“力”が集まるのが……神代の本殿なわけなんだけど」

慕『こっちも結構な数が通ってる!』

晴絵「そゆこと」

京太郎「どうでもいいけど晴絵さん運動能力高いっすね」


隣を走る晴絵にそう言う


晴絵「まぁ雀士だからねぇ」ケラケラ

458 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 23:19:49.66 ID:bgcJVvDxO


その言葉に、京太郎は少し考えを巡らすも―――中断する

やるべきことは今は赤土晴絵について考えることではない

神社の誰か―――神代小蒔か野依理沙を確保することだ


京太郎「どうなってます!」

慕『依然変わらずだよ。いや、突然変わらなくなった? これって……』

晴絵「収束をはじめてる、か……」


そう言って止まる晴絵と京太郎

見上げるのは階段、その上にいる

そして凄まじい力を感じる……


京太郎「石戸さんはここで!」

晴絵「私もここで」

霞「なっ、私もせめて手伝うくらい」

晴絵「まぁまぁここはベテランに任せようよ」

霞「赤土さん!?」


驚愕する霞の方に手を置いて笑う晴絵

京太郎は顔をしかめるも、すぐに頷く

察してくれたということは理解した


京太郎「お願いします!」


そう言って、地を蹴り数段を飛ばして階段に足をつくと、さらに蹴って数段を飛ばして跳ぶように昇って行く


霞「っ……」

晴絵「まぁ大丈夫でしょ、こっちには“ウルトラマン”がいるでしょ?」

霞「……はい」コクリ

459 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 23:47:47.43 ID:bgcJVvDxO


―――【鹿児島:???】


開けた林の中、煌と葵が退治する野依理沙

体を前のめりにして肩で呼吸をする葵は目を見開いて野依理沙の“中心”を見つめる

“メダル”が入っているからこそ理解できるもの……


煌「何者ですか! デュナミスト!?」

葵「ハッ、オリジナルぅ……それより先に、こいつか!」


飛び上がった葵が爪を立てた腕を理沙へと振り下ろすが、理沙はロッドことダークエボルバーでそれを凌ぐ

理沙がダークエボルバーを振るうと、葵は吹き飛ぶも空中で体勢を整えて着地

口から白い息が吐かれ、その口の端から涎が垂れる


煌(普通じゃない! それにこの妙な感覚っ)

理沙「……ダークザギ」

葵「わかってるならさっさと返しなさいよっ、私の力ァ!」


前へと跳びだそうとした瞬間、葵は咄嗟に後ろに跳ぶとそこに銃撃

すぐに着地して、そちらを見ればそこには―――


煌「仮面の、男?」

葵「お前も、嫌な感じするなぁ……」


そこに立っているのは仮面をかぶった男だった

四つの目が描かれた白き歪な仮面


仮面の男「闇の皇帝も根源破滅天使すらも、か……まぁここは私のフィールドとしよう」

煌「誰なんですか一体……!」

仮面の男「……須賀京太郎はいないか」

煌「須賀君!?」

葵「お前かっ、中途半端なダークザギメダル入れてからにっ」

仮面の男「暴走しなかったのは予想外だが、そろそろか」

葵「ッ!」

仮面の男「野依理沙、出番だ」


野依理沙が、ダークエボルバーを両手で持って前に出す

瞬間、葵と煌が同時に距離をとった

そして野依理沙は両手でダークエボルバーを―――引く

460 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/23(日) 23:59:48.35 ID:bgcJVvDxO

―――【鹿児島:神社】


階段を上り、鳥居をくぐる

そしてそこにいる人物を見て、遅かったことを理解した

いたのは―――神代小蒔


京太郎「神代、小蒔さん……」


腕時計型端末から声が聞こえる

視線の先にいる神代小蒔はいつも結わいている髪がほどけて黒髪がなびいていた

そして虚ろな瞳は、なにを映しているのか……


京太郎「なら……ッ!」バッ


ゼットライザーを取り出す京太郎

神代小蒔が凄まじい光を発すると共に、光の柱を生み出す

それが高く上り―――


京太郎「ゲートオープンだ!」


トリガーが引かれ、京太郎がゲートの中に消える

そして光の柱が消えると共に現れる―――怪獣



離れた場所で、霞と晴絵がそちらを見る

ハッとした表情をする霞の肩にてを置く晴絵


晴絵「大丈夫だよ」

霞「須賀君がっ」

晴絵「まぁあの子はベテランだから……にしてもそうか、そういうこと」


顔をしかめる晴絵、その視線の先に現れた怪獣


晴絵「マガゼットン……!」

461 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 00:25:36.63 ID:b+a00aKjO


―――【???】


そして同時刻、現れるのは黒い巨人

地上に着地すると―――煌と葵を見下ろす

赤い瞳の黒い巨人は、右腕に鉤爪を持って雄叫びを上げるように両腕を広げて上空をむいた


煌「あれは……」

葵「ダークメフィスト……」

煌「佐々野さんが倒したのにっ」

葵「所詮はメダル、それと“力”さえあればいくらでも後継者をつくれる。メダルを回収しとくべきだったね」


その言葉に、煌が顔をしかめた

ダークメフィスト見上げて顔をひきしめる

やるべきは一つ―――


煌「ならもう一度、何度でも……それが受け継いだ私の!」


ガッツハイパーをしまうと、謎の銃を持つ

それ―――“エボルトラスター”を鞘から抜き放つ

銃のように見えたそれは短剣に近いように見える


煌「絆−――ネクサス!」バッ


そしてそれを、真上に掲げた

462 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 00:33:17.47 ID:b+a00aKjO
ごめんミスったー
銃(ブラストショット)とエボルトラスターが一緒のもんみたいに書いちゃったけど別物っすね
ちょっち修正する
463 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 00:37:02.07 ID:b+a00aKjO
>>461 の修正


―――【???】


そして同時刻、現れるのは黒い巨人

地上に着地すると―――煌と葵を見下ろす

赤い瞳の黒い巨人は、右腕に鉤爪を持って雄叫びを上げるように両腕を広げて上空をむいた


煌「あれは……」

葵「ダークメフィスト……」

煌「佐々野さんが倒したのにっ」

葵「所詮はメダル、それと“力”さえあればいくらでも後継者をつくれる。メダルを回収しとくべきだったね」


その言葉に、煌が顔をしかめた

ダークメフィスト見上げて顔をひきしめる

やるべきは一つ―――


煌「ならもう一度、何度でも……それが受け継いだ私の!」


ガッツハイパーをしまうと、謎の銃のようなものをしまい新たな鞘に収まった短剣のようなものを持つ

それ―――“エボルトラスター”を鞘から抜き放ち、下に振りかぶる


煌「絆−――ネクサス!」バッ


そしてエボルトラスターを、真上に掲げた

464 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 00:50:07.70 ID:b+a00aKjO

―――【鹿児島:街中】


神社に現れた怪獣“マガゼットン”が顔面の赤い“マガクリスタル”を輝かせる

火球を放つマガゼットンだが、その射線上に黒い光が立ち上りその火球が消え去った


『 Red King. Gomora. Belial. 』

『Skull Gomora.』


闇の中から現れたベリアル融合獣スカルゴモラ

マガゼットンはその場で立ったまま、軽く火を放つ

それを真正面から受けるものの、相性がいいのか別段問題はない


京太郎『本気でかかられたらやべぇか……?』


借りにも魔王獣、その強さは良くわかっている

おそらくストロング・ゴモラントを使うことになりかねないが、ギリギリまではこちらの姿で戦うべきだろう

地を軽く蹴って構えるスカルゴモラ、【光ノ魔王獣マガゼットン】がマガクリスタルを輝かせる


京太郎『ッ、この感覚! くるか!?』


晴絵「くるね」

465 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 00:56:36.22 ID:b+a00aKjO

―――【???】


マガゼットンとスカルゴモラが退治する場所から離れたその地に現れる巨人―――ネクサス

白銀の体を持ち、カラータイマーの代わりに赤いエナジーコアを持つ巨人

花田煌が変身したそのウルトラマンは静かに両腕を構える


ネクサス「ハァア……」

ダークメフィスト「グウウウウッ!」


そして地上の葵が、顔をしかめる


葵「っ……」


その胸には赤い光、ネクサスのエナジーコアと同じ形

光が点滅しているが、それがおさまった時に真上を見上げる

妙な感覚、特殊な力で“マガゼットン”の復活を予感した


仮面の男「マガゼットン、予定通りだな」

葵「きやがった……ッ!」

仮面の男「起きろ“この地球の怪獣たち”よ!」

466 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 01:07:54.54 ID:b+a00aKjO


―――【特異課鹿児島基地:作戦室】


モニターを見ていた慕が驚愕に表情を浮かべる

すかさずキーボードを叩いてモニターに映像を表示させる

共にいた熊倉トシが眉をひそめた


トシ「わかってはいたけど、マガゼットンの影響か……」

慕「怪獣が各地に出現しました。けどこれっ」

トシ「ああ……“元々この地球で眠っていた怪獣”だろう?」

慕「そんな、聞いてません!」

トシ「ほんとはまだまだ眠っていたはずのやつらだ」


そう言うトシが、各地で目覚めた地球怪獣たちを見据える


慕「っウルトラマン出現、メビウスとダイナ、他の怪獣たちのところにも!」

トシ「とりあえず自分たちのとこは自分たちでやってもらうしかないね」

慕「?」

トシ「援護ってわけにもいかない。とりあえず通信できる子たちは回収を急ぎ」

慕「りょ、了解です!」

トシ(頼んだ京ちゃん、花田……それにたぶん、動き出したね。奴も)

467 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 01:14:54.00 ID:b+a00aKjO


―――【鹿児島:街中】


ぶつかりあうスカルゴモラとマガゼットン

殴り合いの打撃勝負となっているが、流石に魔王獣、マガゼットンの方が優位に見える

避難する人々、霞もその中にいた


霞「赤土さん! どこに……!」


避難しろとだけ言って去ってしまった晴絵を探しながら基地の方へと走って行く

そしてそんな霞とすれ違うように怪獣の方へと走って行く影

それは―――西田順子だった


順子「でたあの怪獣、とうとう見つけた! やっぱりなんか法則があるはず!」

大介「ちょっとあぶないですって!」

順子「絶対なにかあるはず! 特異課が隠してるなんかを見つけるチャンスなのよ!?」

大介「命あってのもんでしょうに!」

順子「ちょい! はなっ、はなしなさいよぉ!」

大介「逃げますよ!」

順子「あ〜すくーぷー!」

468 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 01:23:22.95 ID:b+a00aKjO


―――【???】


ネクサスが腕を真上に上げた

光線が真上に上ると拡散、同時にドーム状に形作られていく

ハッとする葵が胸に手を当てる


ネクサス「!」


そしてフィールドが変わる―――フェイズシフトウェーブにより転移

戦闘用不連続時空間メタフィールドを展開し周囲に被害が及ばない場所へと、戦場を切り替える

その場にいるのはネクサスとダークメフィスト、そして葵

前に葵が形成したダークフィールドGと同じような空間


ネクサス「!」

ダークメフィスト「!」


だがダークメフィストが腕を上げると、その“メタフィールド”がダークフィールドGと同じ姿に変えられてしまう

それは闇の力が、ダークメフィストが戦いやすい空間

ネクサスはパワーダウンを感じるようで少しばかり怯む


葵「あのダークメフィスト、パワーが!」

晴絵「よ」

葵「っ」


隣に現れるのはジャグラス ジャグラーの姿をした赤土晴絵

日本刀を肩にかついでいる


葵「……手も貸せないでっ」

晴絵「まぁ本来の役目じゃないし良いんじゃないの」

葵「本来とか関係ないでしょっ」

晴絵「違いないね。私も、私の生徒が守れればなんでも良いってだけだし」ハッ


そして、駆けだしたネクサスとダークメフィストがぶつかりあう

469 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 01:58:59.25 ID:b+a00aKjO


―――【鹿児島:街中】


京太郎『インフェルノ・マグマ!』


スカルゴモラの口から放たれた火球

だがマガゼットンが消えるとスカルゴモラの背後に現れる

火球はマガゼットンがいた場所を素通り、背後に現れたマガゼットンはスカルゴモラの背後から拳を打ち込む


京太郎『がっ!?』


吹き飛んだスカルゴモラが地上に転がる

即座に起き上がるも、今度はマガゼットンが火球を放つ

それを受け止めるものの、先ほどまでとは比にならない威力にそれを受け止めたまま後ろに下がっていきビルにぶつかる


京太郎『っ!?』

スカルゴモラ「―――!」


火球は凌いだものの、ダメージに顔をしかめる

マガゼットンは強力だしこの感じからしてスカルゴモラで勝てる相手でもない


京太郎『ならッ!』


黒く輝くスカルゴモラ


『Galactron. King-Joe. Belial. 』

『 King Galactron. 』


現れるのはベリアル融合獣、キングギャラクトロン

開幕、ペダニウムハードランチャーを放つも、マガゼットンはシールドを展開してそれを防御

だが爆煙でその視界は曇る


マガゼットン「……」ピピピピ

京太郎『もらったぁ!』


爆煙の中、接近したキングギャラクトロンがマガゼットンとの間に魔法陣を展開

引き絞った左腕を下からすくいあげるように振るう

魔法陣を通して、その左腕の連打がマガゼットンに直撃する


京太郎『ペダニウムパンチング!』

マガゼットン「―――」


拳の連打を受けて吹き飛んだマガゼットンが地上に倒れる

さらにペダニウムハードランチャーを構えた、その瞬間―――火球が背中に直撃する


京太郎『がっ!? な、にっ!?』


そちらに顔を向ければそこには―――パンドンがいた

性格には左手と右足が機械になった改造パンドン

そしてその傍のビルの屋上に立つ“仮面の男”
470 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 02:07:44.53 ID:b+a00aKjO


京太郎『誰だっ!』

仮面の男「須賀京太郎、マガゼットンはいましばらく怪獣を出現させる役目がある。邪魔をしてくれるな」

京太郎『勝手なことをっ……!』


互いに聞こえない距離のはず、だが会話が成立する

不思議な力だがおそらくそれも仮面の男の力なのだろう

体勢を整えたキングギャラクトロンが、ペダニウムハードランチャーを改造パンドンの方に向け、放つ


京太郎『チャージできなかろうと!』

仮面の男「無駄だ」


だがその一撃が改造パンドンを貫くことはない

改造パントンの前に現れたマガゼットンがシールドでそれを凌いだ

顔をしかめた京太郎、だがすぐに両足を地につけて、シールドが消えるより速くその砲口にエネルギーを集めていく


京太郎『こいつで!』

仮面の男「……チャージなどさせるものか」


その声と共に、マガゼットンが押しのけられ改造パンドンが火球を放つ

完全な直撃コース


京太郎『くそがッ!』


だがその瞬間―――なにかがキングギャラクトロンの前に現れた


京太郎『!?』


そのなにかが、火球を弾く

上空へと飛んでいく火球

キングギャラクトロンの前に現れたそれは―――立ち上がった


京太郎『ウルトラマン……!』


ウルトラマン―――ネクサスがキングギャラクトロンの前に立った

471 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 02:25:47.57 ID:b+a00aKjO


仮面の男「ダークメフィストは、まだパワーを出し切れていないか……」


ネクサスがマガゼットンと改造パンドンを前に構えを取る


煌『ベリアルさんですね。ネクサスの力を借りている者です』

京太郎(花田さん!)

煌『こちらも少し手こずってしまいまして』


そうは言うものの、倒し切れてはいない

途中でダークメフィストには逃げられてしまっている

だからこそ、余力を残したままこれたのだが……


仮面の男「些細な変更か、まぁ良い……」


改造パンドンと組み合うネクサス

そしてマガゼットンへと射撃を行うキングギャラクトロン

仮面の男が、金色のメダルを握る


『Absolute Tartarus』


現れる金色のゲート、次元の扉


仮面の男「光の巨人……宇宙の調停者、そして守護神たる存在」

京太郎『お前は一体……!』

仮面の男「彼らは超絶的な破壊力と深い慈悲の心を併せ持ち、悠久の時を生きている……まさに神を具現化した存在と言えよう」

京太郎『ウルトラマンはっ』

仮面の男「私は宇宙の調停者となる」


そして、次元の扉の中へと消える


京太郎『くそっ!』

煌『須賀君ですか!?』

京太郎『今更っすか、ともかく……やるぞ!』

煌『ッ……了解!』

472 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 02:39:52.30 ID:b+a00aKjO


赤い改造パンドンに相対するネクサス

光弾を放つも、改造パンドンはそれを受けても多少怯む程度

接近した改造パンドンが鉤爪になった左手を振るうも、ネクサスは転がってそれを回避


煌『これが絆で受け継がれた光です!』


立ち上がったネクサスが片腕を振るう

それと共にその姿が―――青いジュネッスブルーへと変わった


煌『姫子、この姿を借りる!』

◆BGM:青い果実【http://www.youtube.com/watch?v=P020SANNcGs


ネクサスが腕を上げると再び、フェーズシフトウェーブが放たれる

それは改造パンドンと、マガゼットンとキングギャラクトロンを包んで怪獣たちを異空間、メタフィールドへと飛ばした

ダークフィールドGと違うその空間に驚愕する京太郎だが、次に飛んできた火球を避けてすぐに意識を切り替える


煌『須賀君、そっちは任せます!』

京太郎『任された!』


各々と戦いが始まる

473 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/24(月) 02:52:58.80 ID:b+a00aKjO
今回はここまでー

だいぶ話が動いた感じっす
まぁまだ不明なことも一杯だけどもー

そんじゃまたー
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/24(月) 08:27:33.39 ID:S1p33NiIO
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/24(月) 17:34:32.41 ID:DItlIgom0

すばらは3人目のネクサスなのか
敵の幹部出てきて話がだいぶややこしくなってきたな
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/26(水) 19:23:43.19 ID:gIzMG1KR0
乙。
477 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/26(水) 22:45:29.03 ID:NGs7pVqDO
ちょっちやってきますー

ネクサス関係は話結構進んでるというかなんというかって感じでー
478 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/26(水) 22:56:55.37 ID:NGs7pVqDO


ネクサスが素早く改造パンドンに走って行く

放たれる火球を、体操選手のように軽い身のこなしで回避していき、接近し回し蹴りを放つ


煌『まだ!』


それを改造された右手でガードする改造パンドンだが、メビウスは蹴りを放った方とは逆の足で改造パンドンを蹴り腕を上げさせる


ネクサス「タアッ!」


空中でパンドンから離れつつ、右腕に装備されたアームドネクサスから光弾を放つ

それを受けて改造パンドンが再び怯むも、すぐに火球を放ち反撃

ネクサスは同じくアームドネクサスから出現させた光剣でその火球を斬り裂いた


煌『強い……!』


だがそれでも、負けるわけにはいかないのだ


煌『まだまだ!』

479 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/26(水) 23:17:15.39 ID:NGs7pVqDO


キングギャラクトロンが目部分からレーザーを放つ

マガゼットンはそれを輝くバリアで防御すると、火球を放つ

魔法陣を展開して、防御するキングギャラクトロン


京太郎『こいつ、いつまでも……!』


バリアを張られるよりも速く、低出力でハードペダニウムランチャーを放つ


マガゼットン「!」


その一撃は、直撃

威力を絞ったというのもあってか、ひるみ確かなダメージになるも致命傷にはならない

そもそも、ハードペダニウムランチャーならば必殺で撃たなくては意味がなかった


京太郎『ともなれば仕方ないかッ!』


やるべきことは一つ、バカの一つ覚えと言われればそこまでだが……


京太郎『今の俺の、最強の力で!』


―――記憶の中、魔王獣を探る

魔王獣とは火・水・風・土・光・闇の六つの属性を持つ怪獣たち

災害を引き起こすまさに魔王というにふさわしき獣

ベリアルから引き継いだ断片的な記憶


京太郎『マガゼットン、光ノ魔王獣……!』


だが、それを思い出したとてやることは一つ


京太郎『光を塗りつぶす漆黒の闇でェ!』

480 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/26(水) 23:32:39.89 ID:NGs7pVqDO


―――【インナースペース】


タイラントメダルを握りしめ、赤き瞳を輝かせる

周囲の雷の勢いが増す、闇の濃さもだ

体が悲鳴をあげる感覚、そのダメージが最後に跳ねあがることも理解していた


京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」


メダル三枚をセットしブレードを可動させる

激しい雷、その輝きと共に京太郎の姿にベリアルがかぶった


『Gomora. Tyrant. Belial.』

京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く


京太郎「ベリアァルッ!」

『Strong Gomorant』

481 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/27(木) 00:02:16.67 ID:g3qOjbf4O


―――【メタフィールド】


現れたストロング・ゴモラントが雄叫びを上げる

マガゼットンが放った炎を腹部から吸収――――そして放出


京太郎『自分の炎をくらえ!』

マガゼットン「!」


頭部を光らせながら、バリアを張る

だが自らのバリアより攻撃の方が上だったのか、バリアが砕けてその直撃を受ける

吹き飛んで倒れるマガゼットン


京太郎『よーやくちゃんとしてやった感でたな!』

マガゼットン「!」


逆戻しするように起き上がったマガゼットンが、消える

ハッとするが、わかりきったことだ

他の形態ならわからないが、ストロング・ゴモラントの火力ならば可能なことがある


京太郎『後ろだろ!』


バラバラバテールを振るいながら振り返ると、背後にテレポートしていたマガゼットンはその一撃を受け止めて見せた

だが、完全にダメージを消すことができなかったのか受け止めつつも後ろに下がる


京太郎『マガバッサー、マガジャッパ、マガパンドン……次はお前だァ!』


バラバラバテールを受け止めたマガゼットンに対して、ストロング・タイラントが咆哮を上げる

そして京太郎は一枚のメダルをゼットライザーに入れて使う


京太郎『グロッケンさん!』

『Glocken』

京太郎『グローザコールドバスター!』


ストロング・タイラントの口から放たれた冷凍ビーム

その蒼き一撃がマガゼットンへと直撃、並の怪獣であれば貫かれるほどの攻撃だが、さすがに魔王獣


マガゼットン「―――!」

京太郎『わかってんだよ、んなことォ!』


だが確実に、ダメージによって弱ってきている

ならばと、バラバラバテールを振るう

吹き飛んだマガゼットンが―――改造パンドンにぶつかる


京太郎『煌ェ!』

煌『すばらです!』

482 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/27(木) 00:32:36.34 ID:g3qOjbf4O


倒れているマガゼットンと改造パンドンが、同時に起き上がる

そして、空中でその二体を見据えるネクサス

右腕を真っ直ぐに伸ばし、左腕をまげて添える


煌『姫子の技で……!』


アームドネクサスから光剣を出したまま、その左右からさらに光が新たな姿を形作る

それは弓のようで、添えた左手を手前に引くとそのまま光剣動く

動こうとするマガゼットンと改造パンドンだが、直後その二体に対して超重力が襲い掛かる


京太郎『動くなよ!』


ストロング・ゴモラントの赤き角が輝いていた

そして上空のネクサスの右手がひときわ輝く


煌『オーバーアローレイ・シュトローム!』


そして、放たれた一撃

マガゼットンがどうにか動きだし、バリアを張った

オーバーレイ・アローシュートが改造パンドンを貫き、さらにマガゼットンを貫こうとする

だが―――


煌『耐えて見せる……!!?』

京太郎『ッ!』


改造パンドンが爆散―――爆煙の中、バリアを解くマガゼットン


京太郎『終わりじゃねぇぞ!』

483 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/27(木) 01:04:17.71 ID:g3qOjbf4O


爆煙の一部が晴れ、なにかがマガゼットンの目の前に何かが現れる


京太郎『これでオーラスだァ!』

『Arstron. Bemular. Belial』

京太郎『ベェリアァル!』

『Burning Bemustra』


それは―――バーニング ベムストラ

咆哮をあげて口部から放つ一撃


京太郎『ペイルサイクロォン!』


ほぼゼロ距離で放たれた一撃が、マガゼットンを上空へと吹き飛ばす

必殺技の連続に、マガゼットンはボロボロだ

しかし―――倒すに至っていない


京太郎『だから! 連続和了って奴だァ!』

『Gomora. Tyrant. Belial.』

京太郎『ベリアァルッ!』

『Strong Gomorant』


暗い光が上空へと飛び上がると、それはストロング・ゴモラントへと変わった

口に獄炎が集まって行く

さらに京太郎は新たなメダルを握りしめる


京太郎『極悪のヴィラニアスさん!』

『Villanias』


ベリアル配下のダークネスファイブが一人、テンペラー星人“極悪のヴィラニアス”のメダルの力

そしてかつてはヴィラニアスとタイラントのコンビは無二のコンビネーションを誇っていた

赤き瞳のタイラントとテンペラー星人、極悪宇宙人と暴君怪獣


京太郎『極暴タッグの力、お借りします!』


ストロング・ゴモラントの口の炎に、新たな光が宿る


京太郎『必殺のォ!』


マガゼットンがバリアを張るがそれは中途半端で、この一撃で十分貫くことができるであろう

胸のカラータイマーが激しく点滅している


京太郎『必勝大火炎、ハイパーデスファイヤーァッ!!』


放たれた紫色の光が混じった獄炎が、バリアを貫きマガゼットンへと―――直撃した

484 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/27(木) 01:31:18.39 ID:g3qOjbf4O


―――【鹿児島:神社】


市内、マガゼットンが現れた神社

マガゼットンが現れた影響で本殿も半壊、さらに地上もクレーターができている

だがそんな中、破損していない石畳の上に倒れている少女が一人


京太郎「っ……神代、小蒔」


神代小蒔が、そこにいた

現れた京太郎は、ボロボロである

服こそ破損していないものの、体中から血が流れているし、両目からも血が流れていたようだった


京太郎「ッ……」


近づいて、横に膝をつく

体中を労りながら、そっと上着を脱いで小蒔の後頭部に敷いた

荒く呼吸をしながら、ワイシャツの袖で目元や鼻、口の血を拭う


京太郎「こういう感じじゃぁないだろぉ……」


つぶやきながら、傍に落ちている三枚のメダルを拾う

それは―――


京太郎「マガゼットンじゃ、ない」


―――ゼットンメダル

通常のゼットンと、漆黒のメダル、そして何も描かれていないメダルだ

なんのメダルかはわからないが、漆黒のメダルからは嫌な感覚がする


京太郎「なっ」


突如、何も描かれていないメダルに映し出されるマガゼットン


京太郎「そうか、ゼットンメダルと黒いメダルで、マガゼットンを出現させて……マガゼットンメダルを手に入れるため、に」


つまり漆黒のメダルは


京太郎「魔王獣?」

????「大魔王獣だ」

京太郎「ッ!」


突如の衝撃に、後ろに数メートル吹き飛ぶ

転がった京太郎が痛みをおして即座に起き上がる

手に握られているメダルは、一枚だけだった


京太郎「お前っ!」

仮面の男「マガゼットンメダル、生まれたか……」

京太郎「やっぱ……!」
485 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/27(木) 01:40:12.90 ID:g3qOjbf4O


小蒔の傍にたつ仮面の男の手には、漆黒のメダルとマガゼットンメダル

残ったゼットンメダルを握りながら、京太郎はしっかりと立ち上がる

手に持つのはガッツハイパー


仮面の男「無理をするな。そもそもウルトラマンのなりそこないが扱える力ではない」

京太郎「ベリアルさんに感謝だよ……」

仮面の男「父親が残したメダルか」

京太郎「ッ、親父のことっ!」


その言葉に、応えるでもなく仮面の男はなにかを察したのかまた金色のゲートに消える

首をかしげる京太郎が、膝から崩れ落ちた

さすがに限界なのだろう

朦朧とする意識、もやのかかる視界の先、神代小蒔が見える


「須賀君!」

京太郎「あぁ〜?」


声が聞こえた

誰の声かはわからないが、聞きなれた声ではない

なにはともあれが


京太郎「世界全快、おーるおっけー」

「どこが!?」


そして、真っ暗な闇に意識を落とした

486 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/27(木) 01:46:10.71 ID:g3qOjbf4O
とりま今回はここまでー

次回は明後日ぐらいになるかもー
話進んできたー
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 00:08:31.86 ID:xi7L3JsH0

仮面の男の正体は次に持ち越しか……
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 16:28:21.91 ID:HGAm0uCy0

上手く色んなシリーズの要素落とし込んでていいな
489 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/28(金) 22:18:13.26 ID:qgFz7X8CO

ごめんなさいー
今日はお休みでー

申し訳程度に安価おいとくー



◆どうする?

1、長野に帰る
2、鹿児島に残る

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い方の選択肢を採用
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 22:45:14.16 ID:jWePTyP0O
わからんが2
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 22:45:21.99 ID:HGAm0uCy0
了解2で
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 23:29:34.93 ID:hdE+0tWL0
2
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 00:55:33.65 ID:d86gTNM7o
2
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 03:49:23.71 ID:UEDBQhlC0
1
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 14:32:49.39 ID:3+wwBEvX0
永水女子と仲良くなれそうなのは2だけど
1の方選んだら何かメリットあったんだろうか?ヒッサイベント追加とか?
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/30(日) 02:29:44.88 ID:K/UJg/GO0
このイッチのことだから選ばなかった方に不幸が降り注ぎそう(震え声)
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/02(水) 23:29:09.26 ID:BZ2CQkKW0
そろそろ来るかな?
498 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/02/08(火) 22:46:16.60 ID:fskeHkCWO

久しぶりにやってくっすー
コロナにかかっておったよ、死ぬかと思た

京ちゃん大ピンチからのー
499 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/02/08(火) 22:58:13.76 ID:fskeHkCWO
2、鹿児島に残る



―――【???】


いつだったかの記憶

父も母もまだ家をそれほど空けていなかった頃だ

テレビの前で座っている幼い京太郎―――を見ている今の京太郎


京太郎「ここ……」


確かな家、そして父と母も笑っている

父に何かを話す自分、そして父は笑って頷いていた


京太郎「なんで今更……」


溜息をついて頭を掻く

その瞬間、景色が止まり―――暗い穴に沈んでいく

浮遊感に戸惑いながらも、京太郎は抵抗はしない


所詮、泡沫の夢だ

500 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/02/08(火) 23:05:17.37 ID:fskeHkCWO


次に眼を覚ませば、天井

そのままじっとしているものの、すぐに起き上がる

痛みに顔をしかめて上体だけを起こすと、左腕につながった点滴が気になった


京太郎「そんな重傷だった?」

「ええ、とても」

京太郎「あれ、花田さん……」

煌「……須賀君も、色々あったようですね」


その言葉に、顔をしかめて笑う

あまり深くは言葉にできないし、彼女もそれを察してかそれ以上はなにも言わない


煌「とりあえず起きたことを報告してきますね」


それだけ言って立ち上がり医務室を出ていく煌

近くにあった端末を取って開く

メッセージなども来ていたようだがそれらを一旦無視して、日付を確認


京太郎「……一日は眠ってなかったみたいだな」


せいぜい16時間程度

日は跨いだが、大した問題ではなさそうだ

しかしまぁ……


京太郎「もうちょっとここかな」


501 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/02/08(火) 23:24:49.74 ID:fskeHkCWO


―――1時間後【医務室】


精密検査などをしてから京太郎は霞などから小言をもらっていた

まぁ無茶をしたのは確かだ、初美と春にも心配をかけたとは思う

もちろん煌や慕にも……


煌「ところで須賀君」

京太郎「はい?」


いま、ベッドにて上体を起こしている京太郎

そのベッド横で座っている煌

医務室には二人だけだ


煌「黒髪の女性、御存知じゃないですか?」

京太郎「一杯いますけど」

煌「うーん、前髪が長い……」

京太郎「まだ範囲が広いっす」

煌「う〜ん……」

京太郎「……どういう人でした?」

煌「助けてくれたんですけど、どこかずっとしんどそうというか……獣みたいな雰囲気でした。でパワーも」


ふと、頭によぎる相手が一人


京太郎「宇夫方さんか、赤土さんもいたしあの二人関係が?」

煌「知っていましたか、あの方は?」

京太郎「全然わかんないっす。神出鬼没だし、そろそろまとまりたいとこなんっすけどね」

煌「妙な感覚なんですよ。あの人」

京太郎「……特別に?」

煌「はい、すばらな感覚ではないように感じますが……」


そう言って取り出すのはエボルトラスター


煌「それでも私は―――絆でつないだ光で、戦うのみです」

京太郎(知ってはいたけど、光の人だなぁ)フッ

502 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/02/08(火) 23:29:37.75 ID:fskeHkCWO


    第27話【獣-Beast-】 END

503 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/02/08(火) 23:45:35.02 ID:fskeHkCWO


―――次回予告


トシ:本格的に作るよ

京太郎:なにを?

トシ:戦闘機!

煌:私が戦うべきは!

晴絵:じゃじゃーん!

葵:殺す!

京太郎:戒能良子!

良子:ウジュイカ、レエガミヨ……


次回【亡霊-GHOST-】


煌:諦めるな!

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