【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】

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77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/12(金) 13:12:00.88 ID:j7puP4bS0
>>76
容姿だけ見れば似てるけどダークザギはウルトラマンの模造品
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/14(日) 02:26:39.74 ID:ogMaZka4O
次も火を操る系の敵みたいだけどなんの怪獣だ?
79 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 00:54:19.70 ID:N70PNMhu0

遅くなったしちょっとだけどやってくー

葵に関してはバレるよねそりゃ
80 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 01:06:56.75 ID:N70PNMhu0

あれから一日

昼過ぎに京太郎は吉野の地に到着した

背を伸ばし、ベンチに腰かけるとケータイを取り出す


京太郎「……んー」

??「なぁにしてんの?」ヌッ

京太郎「うおっ!?」ビクッ


横からの声に驚きそちらを見る

真横には赤土晴絵

ニコニコ笑いながら、回り込んで京太郎の横に座す


京太郎「もうちょっと普通に登場してくださいよ」

晴絵「もうちょっと鋭くならないとだよー?」

京太郎「精進しますよ……ところで」

晴絵「車はあそこ、ほら行くよ」


親指で差す方向にワゴンが一台

頷いた京太郎は立ち上がってそちらへと向かう


京太郎「ところで、こっちは」

晴絵「なんもないよ。ちょっと怪獣が出て晩成の生徒を助けたよ」

京太郎「ガイアが?」

晴絵「そ、ガイアが」ハッ


正体を知っている晴絵はバカバカしそうに笑った

晴絵が運転席に乗り込み、京太郎は助手席へ

シートベルトを付けたところでバックミラーに少女を見る


京太郎「のわっ!!?」ビクッ

晴絵「ビビッてばっかだな京太郎」

京太郎「一回目は晴絵さんが悪いでしょ!」


そう言いながら、後ろを振り向く


京太郎「えっと、お久しぶり……で良いんですかね、鷺森さん」

灼「私ははじめまして、須賀京太郎くん……灼で良いけど」

京太郎「それじゃ灼さん、俺も京太郎で良いです」

灼「……ん、それと」

京太郎「?」

灼「……ありがと」

京太郎「いいえ」フッ

晴絵「私を忘れてイチャつかないでよ?」

京太郎「そんなことするわけないじゃないっすかー」

灼「須賀君、じゃなくてきょ、京太郎はただの恩人だから」

晴絵(寝取られものでありそうなセリフ回しをしてからに)
81 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 01:17:19.02 ID:N70PNMhu0


それから、雑談を交えながら晴絵の運転する車は特異課奈良基地へとたどり着く

ガレージ、というより駐車場に車が止まる


京太郎「なんか久しぶりだなぁ」

晴絵「なんか静かですね〜」

灼「阿知賀の戦力は軒並み」

京太郎「ちょっと待ってよくない流れ」


車から出る京太郎と晴絵と灼の三人が、基地内に入る

すぐそばにあるエレベーターを使い、最上階へのボタンを押す


晴絵「にしても、京太郎がこっち来れるとはねぇ」

京太郎「呼んだの晴絵さんでしょ」

晴絵「ほら人気者だからさ、京太郎ぉ」クスッ

京太郎「尾ひれついた噂のせいでしょ」

灼「そうでもないとおも」

京太郎「……意外と評価高めですか?」

灼「実際助けられてるからね」

京太郎「俺じゃないっすけど」

灼「……す、京太郎のおかげって聞いてるけど」

京太郎「え〜誰からっすか」

灼「穏乃と宥」

京太郎「……あの二人、俺をかいかぶりすぎだ」

晴絵「そーでもないと思うけど?」

京太郎「なら良いんですけど」


エレベーターが止まり、少しの浮遊感の後に扉が開く

そして正面のベンチには―――


京太郎「宥さん」

82 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 01:22:03.05 ID:N70PNMhu0


宥「京太郎くん」


エレベーターから出る三人

立ち上がった宥が柔らかな、笑みを浮かべる


京太郎「……」

宥「えっと……おかえりっ」ニコッ

京太郎「ただいま」フッ


連絡を取っていたし、晴絵と比べても身近に感じていた相手だ

だが、いざ顔を合わせるとまた変わった感覚


晴絵「イチャついてんじゃねぇよ!」

京太郎「なっ!?」

宥「い、イチャついてなんてっ」カァッ

晴絵「ついてんじゃねぇか!」

灼「ハルちゃん落ち着いて!」

晴絵「これが落ち着いてられるか!?」

京太郎「と、ともかく作戦室いきましょ! ね!?」

宥「う、うんっ、そうした方が!」アセッ

晴絵「たまには私に勝たせろよぉ!」

灼「ハルちゃん!!?」

83 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 01:39:22.57 ID:N70PNMhu0


晴絵をなだめて作戦室に入る

灼が先に扉を開けて、晴絵、宥、京太郎と入った

前と変わらぬその場所に、前とは違い見知った顔


京太郎「穏乃……」フッ

穏乃「京太郎! おかえり!」ニッ

京太郎「ああ、ただいま」コクリ

穏乃「色々あったみたいだけどさ……」


その言葉に、少しばかりの重みを感じた

それもそうだろうと頷く


穏乃「私も戦ってるよ。ここで!」

京太郎「ありがとな、ここを守ってくれて」

穏乃「みんなと、京太郎も帰ってくる場所だからね」ニッ


爽やかに笑う穏乃

そっと、京太郎はその隣の少女に視線を向けた

誰かは知っている


京太郎「新子憧……」

京太郎(ウルトラマン、アグルの偽物だった者、か)

憧「え、えっと……新子憧、です」


立ち上がってそういう憧に、京太郎は笑いかける


京太郎「知ってるよ。和の友達だし、俺は須賀京太郎」

憧「う、うん……」


少しばかり、緊張しているようにも見えた

だがそっと深呼吸をすると、憧は頷いて笑顔で京太郎の方へと向く


憧「ありがとう、それとよろしく」

京太郎「ああ、こっちこそよろしく」
84 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 02:08:47.11 ID:N70PNMhu0


座る京太郎、隣には灼と宥

モニターの前に立つ晴絵が、リモコンを片手に持つ

ボタン操作をするとカーテンが閉まり、部屋が暗くなる


晴絵「さてと、京太郎を呼んだ理由はほかでもない」ピッ


モニターに表示されるのは……


京太郎「マップ、ここらへんの?」

晴絵「そう、それで」ピッ

京太郎「……この何個もある赤い点は?」

灼「目撃情報だって」

京太郎「目撃……」

宥「うん、玄ちゃんたちの」


その言葉に、なぜ晴絵が自分を呼んだのか理解した


京太郎「……絞れました?」

晴絵「ある程度だけどね」

憧「和も見たとか」

京太郎「和、根源破滅天使ゾグが……」

穏乃「うん、まだ生きてたみたい。和を早く取り戻さないとッ!」


右拳を左手のひらにぶつける


灼「それに小走さんの目撃情報もあったとか」

憧「初瀬……」グッ

宥「玄ちゃん……」


それぞれ、取り戻したい相手がいるのだろう

京太郎は静かに息をついた


京太郎「やりましょう、計画は?」

晴絵「足で探す。そんだけ」

京太郎「……もうちょっと作戦」

晴絵「それしかないっしょ。それで見つからないようなら……そこから色々情報あつめてやるよ」

京太郎「情報第一なタイプでしたっけ?」

晴絵「私は元々そうだよ。非能力者のできることをやってきた結果ね」ハッ

京太郎「……俺はそういうとこ、好きですよ」

晴絵「ふぇあっ!?」

灼「ハルちゃん……!!?」

宥「むぅ」

85 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 02:26:54.65 ID:N70PNMhu0

短いけど今回はここまでー
安価だし丁度良い

次は明日というか今日の夜やってくけどちょっと早めにやれるはずー


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
17、新子憧
18、鷺森灼

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 03:59:56.07 ID:T7oNNarA0

1で
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 05:09:22.30 ID:fMgfz1Aj0
17
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:20:40.48 ID:b0KtROJd0
18
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:31:12.26 ID:zKHYuisEo
12
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:42:04.80 ID:J4khZlFw0
9
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/15(月) 08:43:17.56 ID:U5+qnRhi0
10
92 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 21:24:30.13 ID:yCvFRQfo0
やってく所存ー

ほろ酔いでやってくよーん
93 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 21:52:38.59 ID:yCvFRQfo0
18、鷺森灼
9、雀明華



作戦室での会議の後、京太郎は休憩所にいた

見知ったメーカーのコーヒーを啜りながら、静かに息をつく

並べられたメダル、その数は昔の数倍


京太郎「……にしても、だな」


一枚一枚をホルダーに差し込んでいく中、タイラントメダルを見据える


京太郎「……」


凄まじい能力を持つストロング・ゴモラントの力

けれど、やはりその能力に顔をしかめた

その反動、副作用は能力と比例して上がっていく


京太郎(今度、もっと修行しないとか……)

灼「す、京太郎」

京太郎「ん、あれ灼さん?」

灼「ん」コクリ


すっかり女子生徒、しかも先輩を名前で呼ぶのも馴れたものだ

もうちょっと状況が違えば素直に喜べたのだが……


京太郎「どうしました?」

灼「これからパトロール?」

京太郎「はい」コクリ

灼「一緒に、いかない?」


そんな誘いに、素直に頷く


京太郎「喜んで」フッ

94 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 22:24:47.78 ID:SYsqrU6B0


車を運転することもないので、二人で街を歩いていく

一ヶ月足らずでだいぶ復旧も進んでいるようで、街並みは最初に来た時とそれほど変わりはないように見えた

しかして、違うものは違ったりもする

吹き飛ばされた花、同じ種を植え直しても結局は違う花なのと同じ


京太郎「……」

灼「私が、壊したんだよね」

京太郎「灼さんじゃないっすよ。入れられたメダルのせいだし、もっと言えば入れた奴のせいだし」

灼「そう、思えない」

京太郎「思ってください。ある程度、入れた相手だかメダルの怪獣に引っ張られるとこあるんっすから」

灼「……入れてくれたのが、京太郎みたいに優しい人だったら良かったのにね」

京太郎(なんかえっちだな……)チラッ

灼「……」カァッ

京太郎(お気づきになられましたか)
95 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 22:33:29.90 ID:SYsqrU6B0

街を歩いていると、ボーリング場が横に出た

見覚えがある以上に、灼の雰囲気が少しばかり変わるのを感じる

大体にして、そこらにあるボーリング場なんて一つだ


京太郎「ここが灼さん家っすか」

灼「なんで知ってるの?」

京太郎「いやボーリング場やってるなんて話あったらわかりますよ」

灼「……たしかに」


そう言うと、先に進もうとする灼


京太郎「ボーリングやってきません?」

灼「私に言ってる?」

京太郎「これでも球遊び得意なんっすよ」

灼「なんかやってたの?」

京太郎「ハンドボールを少々」

灼「仕事中だし」

京太郎「じゃあ終わったら!」

灼「……ならいいよ」フッ

96 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 22:46:17.54 ID:SYsqrU6B0


その後、灼は約束通り京太郎とボーリングをやった

当然、彼女の方がスコアは上なのだが京太郎も中々どうして食らいついていたようで、灼は意外そうに賞賛

ロビーにて京太郎は灼に敗者として缶ジュースを一本渡す


京太郎「さすがっす」

灼「当然」フフッ


笑みを浮かべる灼を相手に、京太郎も笑みを浮かべる


灼「……気、遣わなくても良いのに」ボソッ

京太郎「ん?」

灼「なんでも……」


そう言う灼が、立ち上がったレジの方へと向かう

レジにいるのは彼女の祖母だ

なにかを話しているようだと思いながらも、京太郎はベンチに座る


京太郎(さて、てかスポーツしたせいか暑いな)

灼「京太郎」


軽く駆けてくる灼

低身長と童顔故か、その姿がどこか可愛らしい

少しばかり赤らんだ顔をしながら、視線を泳がせる


灼「よかった晩御飯、食べて行かないかって……」

京太郎「え、あ……はい」コクリ
97 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 23:06:44.90 ID:SYsqrU6B0


灼の家で食事をした後に、京太郎は別れの挨拶をして道を行く

目的地というか、帰る場所は基地なのだが……

人気も少なくなってきた道で、京太郎は唸りながら、ネクタイを緩めてシャツのボタンを二つほど開ける


京太郎「暑いな……」


そうして歩いていると、腕につけていた端末が鳴る

首をかしげて腕時計型のそれを開くとボタンを押す


京太郎「明華さん、どうしたんっすか」

明華『あ、京太郎!』


弾むような声が聞こえてくる

歌を歌っていないものの、透き通るような声


明華『なにもありませんか?』

京太郎「え、なにがっすか?」

明華『いえ、妙な風を感じて……』


さすが“マガバッサー”に適応した者なのだろう

風を感じて読む力、風を巻き起こすはその能力故だったか……


京太郎「なにもないっすよ?」

明華『でしたら、安心ですけど』ホッ

京太郎「わざわざそれで通信を?」

明華『京太郎は私にとっても、大事な人だから……』フフッ

京太郎(俺は正統派巨乳に弱いぞ!)グハッ

98 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 23:31:43.88 ID:SYsqrU6B0


咳払いを一つして、歩みを止めることなく口を開く


京太郎「まぁ、またそっちにもお邪魔すると思うんで」

明華『でなければこっちから行くので』

京太郎「なんっすかそれ」ハハハ


軽く笑う


明華『智葉やネリーも会いたがってますよ?』

京太郎「なにそれ嬉しい」

明華『京太郎は、自分のこと過小評価しすぎじゃないですか?』

京太郎「え、そんなことないつもりなんっすけど……正当じゃないっすか?」

明華『それが過小なんですよ』


溜息をつく、端末に映る明華

首をかしげる京太郎は、本当にその自覚はない

そもそも、そういう役回りだったのだ


明華『さっきも言ったように、私は貴方のこと大事に思ってますから……他のみんなも』

京太郎「えー」

明華『だからしっかり、ご自愛を……ね?』

京太郎「……了解」フッ

明華『はい、よろしい』フフッ
99 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/15(月) 23:56:08.96 ID:gFMuHoAi0


灼とのデート(暫定)と明華との密会(電話)を終えて基地へと戻った京太郎

晩御飯も食べて、報告をそのまま部屋からまとめて送った

ケータイでSNSを見ながら、慣れない部屋で眠りにつく



そしてベッドの上で眠りについてから……数時間


京太郎「だぁぁぁっ!!?」


既に陽は昇って、時刻は9時前

学校であれば遅刻、いや会社であっても遅刻である

だがなにはともあれ本日は休日……いや、そんなことはどうでもいい。問題はそこではない


京太郎「あっつい!!」


11月の涼しい、なんなら肌寒い季節

だが昨日からおかしいぐらいに猛暑

部屋の時計を見てそこに表示された温度計を確認する


京太郎「38度!!? この部屋で!!?」


服を脱ぎすてて、即座にシャワールームに飛び込んだ


100 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 00:13:06.98 ID:ljd4ZLr10


冷たいシャワーを浴びると、身支度をして部屋を出る

扉を開いた瞬間、そこに少女

昨日会ったばかり、鷺森灼がそこにいる


京太郎「へ?」

灼「おはよ」


扉をくぐった先はさらなる灼熱

廊下の先にある窓の外は、晴天


京太郎「……良い天気、否。気が狂いそうな猛暑ですね」

灼「猛暑ってレベルじゃないとおも」

京太郎「確かに!」

灼(食い気味)

京太郎「で、作戦室っすか?」

灼「松実館いくよ」

京太郎「へ?」

灼「いいから、暑いから早くして」

京太郎「確かに、さっさと行きましょ」


額に滲んできた汗を袖で拭いつつ、灼に着いていく

101 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 00:28:04.95 ID:ljd4ZLr10


―――【松実館】


灼の案内でやってきた松実館

熱波の中、5分ほど歩いたがそれだけで十分だった

上着は腕で持っており、既にネクタイはゆるめてボタンも二つ開けている


京太郎「だぁ……涼しぃ」

灼「サラリーマンみたいだね」

京太郎「暑くないんっすか?」

灼「暑いよ」


そう言いながら奥へと進んでいくと、温泉の暖簾をくぐる灼

暖簾には“女”と書いてあり足を止めるが灼が戻ってきた


灼「いいから」

京太郎「こんなことあります?」


暑さのせいだけでなく、京太郎の顔が少しばかり赤くなる

その意図を理解したのか、灼はジト目をむけた


灼「なに想像してるの」カァッ

京太郎「一緒にお風呂ってそれはちょっと」

灼「いいから」

京太郎「え、えぇ〜」


灼の後を追って、京太郎は恐る恐る暖簾をくぐった

102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/16(火) 00:28:11.29 ID:obEsYv+30
こりゃ汗でたぬきTシャツも透けてるな…
103 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 00:58:28.50 ID:ljd4ZLr10


さらに熱のこもった脱衣所を、靴下を脱いでから抜ける二人

あまりの暑さにさらに汗が噴き出すわ意識が持っていかれそうになるわ

判断力も衰えてきたのかもしれない

せっかくの女湯脱衣所、さらに風呂場もなんの感情もわかずに早く出たいと思うのみ


ガチャッ

灼「ただいま……!」

京太郎「!!?」


露天風呂に出ると、そこには―――水着姿の少女たちがいた


京太郎「この時期に水着回!!?」

晴絵「お〜京太郎〜」

京太郎「なにやってんっすか!」

晴絵「まぁまぁ」

憧「ちょっ、須賀も来るってきいてないんだけどっ!?」

穏乃「京太郎も入りなよー」

京太郎「なにも聞いてないし」


溜息をつく京太郎


灼「っ!」ヌギッ

京太郎「灼さん!?」


勢いよく服を脱ぎだす灼に驚愕する京太郎

やはり暑さでやられている。判断力とかその他もろもろ

服の下に水着を既に着ていたようで、そのまま“水の溜まった露天風呂”へと飛び込む

水しぶきが京太郎の足元に飛ぶ


京太郎「あ〜つめたぁ〜」

晴絵「幸せそうだなぁ」

京太郎「いや四人には負けますけど……宥さんは?」

晴絵「そこについての話も……とりあえず、入る?」

京太郎「入……らねぇっす」
104 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 01:36:23.68 ID:FQgXnxTH0


さんさん、否ギラギラ輝く太陽の元、京太郎は水の入った桶に足を突っ込んでいる

四人は水風呂に入ったままだ

それぞれが腕につけた端末を開いている


京太郎「太平風土記?」

晴絵「そういうこと、ほれこれ」

穏乃「禍破呑(マガパドン?)」

晴絵「いや、マガパンドン」

京太郎「魔王獣……」


息をついて頷く

どれも強力な力を持った怪獣たち

容易に勝てるわけでもなければ、その災害の規模は通常の怪獣の比でない


京太郎「……まさかこの灼熱も?」

晴絵「そういうこと」

憧「許せないわね……」

京太郎「宥さんが、メダルの?」

晴絵「たぶんね、最近寒いとか言ってたけど、それはそれで例年の比じゃなかったし」


いつメダルを入れられたのか、入っていたのかわからない

顔をしかめてサングラスの奥の瞳を細めつつ上空を見上げる


晴絵「あの偽りの日輪の中に、たぶんいる」

京太郎「それじゃあ」

灼「穏乃の、出番」

穏乃「おっす!」グッ

憧「……」

105 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 01:56:16.44 ID:EETzGWBm0


京太郎は松実館の玄関にいた

そんなガラの悪い男がいたら営業妨害甚だしい

しかして、現状の奈良では営業している意味すらないので特に関係もないだろう

でなければ露天風呂を水風呂になどできない


京太郎「あっちぃ……」

晴絵「暑いって言うなよぉ」


嫌々着替えたのだろう四人が出てくる

とりあえず目的は決まっているのだからと、歩き出す

太陽が、二つ


京太郎「……真上のがマガパンドンか」

晴絵「鬱陶しいったらないなぁ……魔王獣、闇のとかまで出てこないでしょうね」ハァ

京太郎「詳しいっすね」

晴絵「トシさんに仕込まれてるからね」


そう言われては納得せざるをえないだろう

歩き出す面々、すると憧が京太郎の隣を歩きながら口を開く



憧「ホントに、なんとかする方法ないの? シズが戦う以外で」

京太郎「嫌なのか」

憧「友達が命かけて戦うのが嫌じゃない奴がいんの?」

京太郎「そりゃそうだわな……でもこれは、穏乃が望んでることだ」

憧「わかってる。わかってるけど……」グッ

京太郎「……」

106 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 02:18:51.06 ID:EETzGWBm0


―――【特異課奈良基地前】


良く見れば日輪は、案外近くにあるようだった

高度はそれなりにあるようだが、無理でもない

巨大なライフルを持つ京太郎、晴絵


京太郎「二人は無理だろなぁ」

晴絵「まぁ私らでなんとかするしかないっしょ」

穏乃「大丈夫、私がみんなを守るから……!」


懐から、エスプレンダーを取り出す


京太郎「頼む」

憧「怪我すんじゃないわよ」

穏乃「応!」


周囲に人影は―――ない


穏乃「ガイアァァッ!!」


107 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 02:26:08.62 ID:EETzGWBm0

てことで今回はここまー

次回は水曜にでもー
ガイアVSマガパンドンから開幕
それだけで終わらんけども!

そんじゃまたー
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/16(火) 07:29:42.24 ID:4ID573er0
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/16(火) 12:19:46.36 ID:NRQt4XOX0
やえさんの登場はまだ先ですかね
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 21:26:23.72 ID:L8+wUfbC0
ニワカ怪獣は相手にならんよ!
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/19(金) 05:49:10.68 ID:W/jGL6v80

このイッチのことだし王者は強いのになってそう
112 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 22:08:02.68 ID:lKjl0k/y0

水曜できんかったー
やってくー

やえはもうちょい後になるんじゃ!
113 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 22:26:20.06 ID:lKjl0k/y0


赤き輝きと共に現れるのはウルトラマンガイアV2

両腕を上に上げて飛び立つ

京太郎たちが頷いているのが見えるも、穏乃―――いや、ガイアのいまの敵は、天にこそいる


ガイア「チャッ!」


その偽りの日輪に腕を構えて、光線【クァンタムストリーム】を放つ

放たれた赤き光線が真っ直ぐに日にぶつかると共に、放たれる熱波


穏乃『グッ! でも……今の私はッ!』


さらに力強く、光線が真っ直ぐに伸びる

偽り日輪が揺れていく

相手は松実宥、熱の力を持つ者

その力は良く知っている。それでも―――!!


穏乃『いけぇぇっ!!』


―――そして、爆発

114 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 22:37:35.89 ID:lKjl0k/y0


その偽りの日輪の爆発に、地上の京太郎たちが顔をそむける

すぐに嫌な予感がして京太郎は叫ぶ


京太郎「走れ! 南だ南!」


その言葉に明確な返事がないものの、走り出す音が聞こえる

眼を開いて顔を上げれば、憧が逃げ遅れているようだった

晴絵と灼は既に逃げているようで姿はない


京太郎「ッ!」

憧「ちょ、きゃぁっ!」


即座に憧を抱きかかえて走り出す


京太郎「さっさと逃げるぞ!」

憧「なにがっ……ガイア?」

京太郎「感じるのかよ、お前も!」


走る京太郎の背後、離れた場所に落ちてくるガイア


ガイア「グアァッ!」


その衝撃により京太郎と憧が吹き飛ばされた


京太郎「ッ!」ギュッ

憧「ふひゃっ!?」


できるだけ憧を抱いたまま丸々

吹き飛んだ京太郎が地を転がるも、吹き飛びながらも掴んだ鉄パイプを地面に突き立てる

両足と鉄パイプでブレーキをかけながら、そのまま止まった


京太郎「ッ!」

憧「あ、ありがとぉ」


そっと、憧を降ろす京太郎が鉄パイプから手を離す

肩で息をしながら立ち上がり倒れているガイアの方を見据える

起き上がるも、どこか疲労しているようにも見えた


京太郎「くるぞ、ガイア!」

ガイア「!」


背後を見やるガイア、その視線の先に降りてくるのは……


京太郎「マガパンドン……!」

115 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 22:57:58.67 ID:lKjl0k/y0


炎ノ魔王獣マガパンドンは二つの頭を持った鳥獣

咆哮を上げ、その二つの頭の中心にマガクリスタルが輝かせている

ガイアが構えを取った


京太郎「穏乃……!」


放たれるマガパンドンの火球が二発

一つを拳で弾くも、もう一発を防げずに直撃

吹き飛んで、京太郎と憧の前に倒れる


憧「ッ……シズっ!」

京太郎「……」


倒れるガイアが、ゆっくりと起き上がる

少しばかり顔を後ろに向けて視線を京太郎と合わせた

静かに、京太郎は頷く


穏乃『私の、力はぁッ!!』


両腕を真上に上げた


離れた場所に、灼と晴絵がいる

食い入るように“友の戦い”を見る灼

その背後で、晴絵が口角を歪めた


晴絵「ヴァージョンアップを見せてよね」ハッ

116 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 23:23:16.67 ID:lKjl0k/y0


そしてガイアは両腕を胸の前にした

輝きがガイアの模様を変え、さらに体系すら変えていく

タイプチェンジとはまた違う


京太郎「ガイアが、ガイアが変わる……?」

憧「スプリーム・ヴァージョン……!」


ガイアが新たな姿へと変わった


京太郎「……ガイアと、アグルの力の融合か」


そう言うと、隣の憧が僅かに反応したのが見える

だが、何を言うでもなくその戦いを見守るのみ

最初期やV2ともまた違う構えを取るガイア


ガイア「チャァッ!」

マガパンドン「!!」


◆BGM:ガイアノチカラ【http://www.youtube.com/watch?v=FYIhZdbyY6U


再び放たれる二発の火球を、両方とも拳で弾く

接近すると同時に力強い拳でその胴を撃つ

咆哮を上げて、下がるマガパントンにさらに接近し、その体に膝蹴りを放つと胴体を掴んで背負い投げる


マガパンドン「!!?」

ガイア「ダァッ!」


地に叩きつけられるマガパンドンが、そのまま頭を掴まれさらに上空に持ち上げられてから地に叩きつけられた
117 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 23:40:45.86 ID:lKjl0k/y0


さらにガイアがマガパンドンを持ち上げようとするも、耐える

超至近距離でマガパンドンが火球を放つ

さすがに魔王獣なのだろう

並の怪獣の比では無い


ガイア「グッ!」


怯むガイアだが、即座に溜めた拳をマガパンドンに打ち込む


マガパンドン「!!」


吹き飛んで、地に倒れたマガパンドンがふらつきながら起き上がる

マガパンドンの周囲のビルが溶けていく

至近距離で戦うこと自体も簡単ではないだろう


京太郎「スプリーム・ヴァージョン、並じゃぁないか」フッ

憧「シズっ」

ガイア「!」


走るガイアが、マガパンドンの火球を弾きながら接近―――マガパンドンを拳で打ち上げる

吹き飛ぶマガパンドンを見据え、両腕を真上で合わせる

輝きをその両手に集めて、腰をすえて足を構えて合掌するように手を前に……


京太郎「……」


そしてガイアが右腕をずらすと、そこから放たれる必殺光線【フォトンストリーム】

消耗が激しいが、絶大な威力を持つその一撃


京太郎「ッ!」

穏乃『ハアァァァァッ!』


空のマガパンドンが放つその火球すらも消し去り、その一撃はマガパンドンを飲み込む


京太郎「あれが―――!」

憧「私、は……」
118 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 00:04:19.00 ID:ZyjDcJxu0


その光の奔流の中、消し去られていくマガパンドン

今まで通りならばそれでも問題ないはずだ

光線を止めたガイアが、素早く飛び上がる


京太郎「穏乃!」


マガパンドンが“存在した場所にあった光”を受け取ると、京太郎たちの方に降りる

そっとその手を降ろすとそこには―――


京太郎「宥さん……」ホッ

憧「宥ねぇ」


倒れた宥、上着を脱ぐとそれをまくらにして寝かした

ゼットライザーは腰後ろに差し込んでおく

そっと握っている手をほどいて、メダルを取る


京太郎「マガパンドン……」

憧「宥ねぇ、大丈夫なの?」

京太郎「知ってるだろ。メダルの器にされた人間はそこまでの負傷は……」


瞬間、凄まじい音と共にガイアが呻く声が聞こえた


ガイア「グアッ!」

京太郎「シズ!?」

憧「な、なにっ!!?」


ふらつきながら、起き上がるガイア

京太郎と憧もそちらを見やるがそこには―――


憧「ガイア……!!?」

京太郎「偽物が良く出るな!」
119 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 00:24:12.21 ID:ZyjDcJxu0


離れた場所で、現れたニセガイアを見据える晴絵と灼の二人

突如現れたニセガイアに顔をしかめる晴絵

腕につけた端末が鳴る


晴絵「なに?」

『研究部にあったアパテーとアルギュロスのメダルが盗み出されて……』

晴絵「なるほどねぇ、金属生命体……ミーモス」チッ


現れたニセガイアはV2とは違うが、それでも披露しているガイア相手には十分なのだろう

両腕を額に合わせて、頭を後ろにする

その頭部から伸びるのはフォトンエッジ


京太郎「いきなり決める気か……っ」

憧「ガイアが弱ってるからって!」


ガイアが右腕を真上に上げると、そこから伸びるのは―――フォトンクラッシャー

京太郎が左手にゼットライザーを持つが、既に間に合わないだろう

二つの光線が同時に放たれる


穏乃『ハアァァァァッ!』


ガイアとニセガイアの間でぶつかる光線

しかし二つの力が生み出すのはただの衝撃波だけでなかった

その混じりあった光が、上空へと飛んでいく


ガイア「っ」


二体の光線が止まるが、ガイアが膝をつく

ニセガイアはまだ余力があるようだった


憧「こんな連戦でどうしろって……!」

京太郎「やれることをやるしかないだろ」


息を吐いて頷く

ふと、横になっていた松実宥が、眼を覚ました

たまたま視線が合うと、京太郎が軽く微笑む


憧「やれることって」

京太郎「憧、宥さんを頼む」

憧「須賀!?」

宥「きょ、ぉたろぉ、くん?」

120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/20(土) 00:26:24.74 ID:f4Bdwox+0
そういう組み合わせ方か
めっちゃ詰め込んでるな
121 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 00:33:28.76 ID:ZyjDcJxu0


晴絵がミーモスと呼んだニセガイアがゆっくりとガイアへと近づいていく

それはすなわち、京太郎たちに近づいていくに近い

溜息をついた京太郎が、トリガーを引くと正面にゲートが現れる

妙な感覚だが、言いたいことはなぜだか頭の中に浮かんでいた


京太郎「憧」

憧「へ、な、なに?」


上体を起こそうとする宥をささえている憧の眼が、顔だけを横に向けている京太郎と眼と合う


京太郎「お前は、光に選ばれてるんだよ。きっと」

憧「な、なに言って!」

京太郎「……」


真っ直ぐ立った京太郎が、歩き出す


京太郎「そろそろ俺も混ぜろよ!」

122 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 01:00:32.18 ID:VvTPz9k20


―――【インナースペース】


そこに立つ京太郎が、左手にゼットライザー、右手にカードを持つ

素早くアクセスカードを挿入


『kyotaro Access Granted.』


京太郎「さて、こっちも―――熱いやつで頼みます!」


手に持ったのは三つのメダル、ベリアルメダルに語りかける

そのベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く


京太郎「どくろ怪獣、古代怪獣……ベリアルさん!」


レッドキングとゴモラのメダルを挿入

落ちてきたベリアルメダルを取るとさらにそれを差し込んでブレードを可動させる


『 Red King. Gomora. Belial. 』


その赤い瞳が輝いた


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げる


『Skull Gomora.』


スカルゴモラ、降臨

123 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 01:30:22.10 ID:VvTPz9k20


ガイアの前、現れたスカルゴモラが咆哮を上げる

紅蓮の瞳がニセガイアことミーモスを見据えた

背後で膝をついているガイアがその背を見上げる


穏乃『きょ、京太郎……?』

京太郎『下がってろ、連戦じゃこいつはやれないだろ』

穏乃『ずっと、助けてくれてたんだね』


その言葉に返すことなく、スカルゴモラが走り出す

ミーモスがガイアのように手から光弾を放つも、ベリアル融合獣にその程度の攻撃通用するわけもない

ガイアが成長しているように京太郎も成長しているし、相手は消耗もしているのだ


京太郎『舐めるなァ!』


直撃するも、減速することなくそのままミーモスへと突撃

ミーモスが吹き飛ばされてスカルゴモラの背後に倒れた

止まるスカルゴモラが、素早くその脚に火球を出現させて蹴り飛ばす


ミーモス「グッ、ガアアァッ!」


苦しむミーモスにダメ押し

それによりさらに暴れ―――外装がはがれていく


京太郎『化けの皮がはがれたな根源的破滅招来体……!』

ミーモス「!」


立ち上がるミーモス、体のシルエットはガイアの時とまた変わっている

その肩や足に伸びる金属片

その黄色い三つ目でスカルゴモラを“睨みつけ”ている
124 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 01:51:19.30 ID:VvTPz9k20


ミーモス「!」


その体から、金属片が浮遊しブーメランへと形を変える

腕を振るえばその金属片はスカルゴモラへと飛ぶが……


『Eleking. Ace-Killer. Belial.』

京太郎『これでオーラスだ!』

『Thunder Killer.』


ベリアル融合獣の姿が変わり―――サンダーキラーが現れる

口から放つ円刃型の光線と左腕の電撃でブーメランを撃ち落とす

苛立つように両腕を振るったミーモスが走り出した


京太郎『さっきから妙な感覚がする……さっさと潰す!』


暗雲立ち込める空、見上げる余裕はない

接近して腕を振るうミーモスだが、サンダーキラーでそれを受け流す

素早く長い尾をその首に巻き付けた


ミーモス「!!?」

京太郎『さっさと決める!』

125 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 02:06:46.99 ID:VvTPz9k20


その尾に電撃を流しミーモスに攻撃をしながら、さらに左腕を振るう

鉤爪のついたその左手がミーモスの頭を掴む


京太郎『オォォォッ!』

サンダーキラー「!!」


独特の鳴き声と共に、サンダーキラーがミーモスの頭を掴んだまま持ち上げる

バチバチと音を立ててさらに電撃を放つサンダーキラー


京太郎『サンダーデスチャージッ!!』

ミーモス「!!?」


一層激しく電撃が放たれると共に、ミーモスが爆散する


巻き起こる―――爆煙

126 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 02:28:04.04 ID:apnivVzo0


広がる爆煙が斬り裂かれ、中からサンダーキラーが現れる


憧「す、べ、え、えっと……お、おーい!」

京太郎『憧?』


声のする方を見ると、新子憧がいた

その隣には京太郎のジャケットを羽織っている宥

上を指差す憧、ガイアもそちらを見ている


京太郎『空に……なっ!!?』


上空に―――巨大な渦、いや穴が開いていた

ワームホールのようななにか、原因は理解している

先ほどのガイア同士の攻撃のぶつかり合い


京太郎『ッ、そういや前にベリアルさんが止めてたなっ』

穏乃『あれ、一体……!』


視線を再び宥たちの方へと向けると、そこには―――


穏乃『なっ!?』

京太郎『っ……和!』


和「……」


原村和が、宥と憧の前にいた

鋭い瞳をサンダーキラーに向けたまま、隣に松実玄を連れてだ

127 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 02:58:28.10 ID:apnivVzo0


地上に立つ和に、攻撃はできない

こうなれば生身の方がやりやすいことこの上ないのだが……


和「ワームホールが開いた……さぁ、ようやく出番です」

玄「はぁっ……んっ、ぅぁっ……」

宥「玄ちゃんっ!」

憧「宥ねぇだめ!」


駆け寄ろうとする宥を止める憧

苦しそうに呻いている玄の口から、涎が垂れる

和こと、ゾグは笑みを浮かべサンダーキラーを見上げた


和「私の勝ちです!」

??「勝手に勝った気になってんじゃぁねぇよ!」


そう言いながら和の背後に現れるのは―――ジャグラス ジャグラー

ジャグラーがその刀を振るうも、和の背後にさらに現れる影

それは、グローザ星系人


ジャグラー「チッ!」

グローザ星雲人「!」


素早く腕を振るうと、ジャグラーは後ろへと下がる

刀を肩に当てながら真っ直ぐに立つ

和は笑みを浮かべたまま、その手に集めた闇を玄の胸に突き付ける


玄「アアァァアアァァ!!?」

和「さぁ蘇りなさい……これで終末です!」

宥「玄ちゃぁん!」

憧「ッ!」


黒い輝きが玄を包み、それは光の柱となって上空―――ワームホールへと伸びて消えて行った

もちろん玄もすでにそこにはいない

どこへ行ったかなど考える必要もない


京太郎『ワームホールを介して、なにが!!?』


ジャグラー「ドラゴンって感じじゃないでしょあれ……」

128 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 03:19:16.13 ID:apnivVzo0


巨大なワームホール、その向こうから―――巨大な顔が現れた


ジャグラー「ゾーリム……ね」


ドラゴンの頭のようにも、蛇の頭のようにも見える

少なからずその異形は頭だけをそこから覗かせていた

溢れる力はあまりに強大


京太郎『なん、だよ……あれは!』


和「さぁ、根源的破滅をォ!」


ゾーリム「―――!!」


憧「……っ」



巨獣ゾーリムが咆哮し、海を、大地を震わせる


129 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 03:28:08.58 ID:apnivVzo0


    第23話【偽りの赤き日輪】 END

130 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 03:47:12.30 ID:apnivVzo0


―――次回予告


京太郎:穏乃ォ!

憧:たった一人で!

晴絵:おもしろそうじゃん

穏乃:受け取れ!

京太郎:オレが、オレ達が潰す!


次回【復活の日】


憧:私は、戦いたいっ!

131 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 03:58:25.43 ID:apnivVzo0

今回はここまでー

そして今回は色々詰め合わせでしたー
タイミングによってはまた色々と変わったりしたり

次は明日ってか今日またやりたいとこー
そんじゃまたー
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/20(土) 04:12:51.31 ID:QzhRU7mOO
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/20(土) 04:39:57.55 ID:aAI2cw3g0
乙です
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/20(土) 21:14:52.49 ID:jrPoyvyH0

これどうにもならんやろ
135 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 21:55:04.98 ID:3416BMKl0

インスタンス・ドミネーション!
とか言いながらやってくー

円谷の供給過多でしぬ
136 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 22:09:10.91 ID:3416BMKl0


空を覆う暗雲

サンダーキラーが立ち上がり、ガイアも同じく立ち上がった

地上ではジャグラーを前にグローザ星系人は和を抱えて跳んで消える


ジャグラー「チッ、めんど……」


悪態をつきながら、ジャグラス ジャグラーが空を見上げた

ワームホールから顔を出しているゾーリム

そこに走ってくるのは―――鷺森灼


灼「憧、宥もっ」

憧「灼……」

宥「灼ちゃん、先生は?」

灼「はぐれちゃって……」


そう言う灼が、ジャグラス ジャグラーにガッツハイパーを向ける

肩をすくめるジャグラーを前に、宥が灼の銃に手をそえて降ろさせた


灼「なんで?」

宥「この、トゲトゲ星人さんは悪い人じゃないから……」

ジャグラー「悪い人じゃない、ねぇ……どうかな?」ハッ

憧「……あんた」


瞬間、空のゾーリムが再び咆哮する


ゾーリム「―――!!!」

137 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 22:32:31.88 ID:3416BMKl0


サンダーキラーで既に廃墟になっている場所へと向かう

被害はなるべく出ないようにしようとする故だ

だが空の敵ともなれば……


京太郎『タイラントか……?』


反動は凄まじい、また増援が来た時に対抗できるかはわからない

だが、かなり疲労しているガイアに空の巨獣を一人で相手させるわけにもいかない


京太郎(この距離からの攻撃……いけるが)

穏乃『京太郎、私が突っ込む! 援護を!』

京太郎『全力攻撃は撃てないだろ!』

穏乃『でもアイツやばいで―――』

京太郎『くるぞッ!!?』キュピンッ


上空のゾーリムが再び地を揺らすほどの咆哮

肌にビリビリとプレッシャーを感じ、京太郎は迷わずメダルを取り出す

リスク管理を考えてられる状況でもない


ゾーリム「!」


空のゾーリムが火炎を吐く


『Gomora. Tyrant. Belial.』

京太郎『ベェェリアァルッ!』

『Strong Gomorant』


現れるはベリアル融合獣、ストロング・ゴモラント

咆哮を上げるとその角を赤く輝かせる


京太郎『グラビトロンプレッシャァァァァッ!』


重力を、下ではなく上に向かって発生させる

放たれた火炎を、無理矢理重力のシールドで凌ぐ

だがその火力故なのか、徐々に押されていく


京太郎(もうちょっと日ぃ空けなきゃ無理かぁっ!!?)


体中に痛みが奔る


穏乃『京太郎!?』

京太郎『終わった瞬間っ、いくぞォ!』

穏乃『お、応ッ!!』

京太郎『オオォォォッ!!』

138 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 22:58:49.50 ID:3416BMKl0


放たれ続ける火炎を凌ぐ

瞬間、翼を広げてストロング・ゴモラントはゾーリムを見据える

ガイアも、走り出す


京太郎『いくぞォ!』

穏乃『オーッス!』


二体が同時に飛びたつ

上空のゾーリムが、火球を放つ

火炎は消耗が激しいのだろう


京太郎『まだ完全復活って感じじゃあなさそうだな!』

穏乃『いまの、うちに!』


放たれる火球を、ストロング・ゴモラントは口から放つ火炎で相殺する

ゾーリムに接近していくごとに、その大きさを実感させられていく

あまりの巨大さ、ダメージを与えるには―――


京太郎(こんな時にベリアルさんがいればな!)

穏乃『やろう京太郎!』

京太郎『ああ!』
139 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 23:20:35.27 ID:3416BMKl0


ガイアがフォトンエッジを構える

ストロング・ゴモラントはハイパーデスファイヤーを撃つ構えだ


穏乃・京太郎『ウオォォォォッ!』



憧「あれは、光がっ!」


地上から見ればゾーリムのいる場所に凄まじい輝き


宥「穏乃ちゃんっ京太郎くん……っ!」

灼「っ……!」


だが、ゾーリムは健在


そして、落ちていくガイア


憧「しずっ!!?」
140 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 00:00:22.55 ID:UCKL5iVz0


ストロング・ゴモラントはゾーリムの前で浮遊している

落ちていくガイアに、ゾーリムが火球を放つ


京太郎『穏乃ォ!』


その射線上に出たストロング・ゴモラントが再び重力のシールドを張る


京太郎『グゥゥッ!』


歯を食いしばり、耐える

インナースペース内であろうとも汗が止まらないのを理解できた

もう一度放たれた火球によりシールドが破られる


京太郎『!!?』


直撃―――爆発


京太郎『だとしてもッ!』

『Arstron. Bemular. Belial』

京太郎『ベェリアァル!』

『Burning Bemustra』


爆煙の中、落ちていくバーニング・ベムストラ

口部に集まるエネルギー

ゾーリムは攻撃準備すらまだしていない


京太郎『ペイルサイクロォンッ!!』


その一撃が―――ゾーリムへと届く

141 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 00:09:35.52 ID:UCKL5iVz0


    第24話【復活の日】

142 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 00:44:18.92 ID:W9UFD85X0


―――覚醒


京太郎「!」バッ


眼を覚ました京太郎の視界にまず入ったのは天井

おそらく、いや十中八九特異課の基地内

右腕を動かそうとするも痛みが奔り少しびくつく


京太郎「あ゛〜」


痛みに顔をしかめながら起き上がる

すると、そこには―――


京太郎「宥さん……」


驚きながらも、そっと左手を伸ばしてその頭を撫でる

その目元に涙跡があるのがわかり、顔をしかめた

玄を助けられたとは―――思えない


京太郎(だけどここが無事ってことは……)

??「おはよう」

京太郎「……晴絵さん」

晴絵「起きたなら、状況説明しようか」


そう言いながら、晴絵が電気を点ける

眩しさに顔をしかめる京太郎


宥「ん……あ、京太郎くんっ!」

京太郎「おはようございます」フッ

宥「……だ、大丈夫!? どこも痛くない!?」

京太郎「大丈夫ですよぉ」

京太郎(体中痛ぇ……)

晴絵「はい、それじゃ」

143 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 01:03:34.23 ID:W9UFD85X0


晴絵からの状況説明を受けた


ゾーリムに関してはペイルサイクロンを受けた後に、ワームホール内に姿を隠したらしい

だがエネルギー反応は未だ強いようで、回復し次第出てきかねないとのことだ


穏乃は怪我をしていたそうだが無事で意識は既に取り戻している

一番重い部分が左腕の脱臼らしいがそこも数時間もすれば問題ないとのこと


京太郎に関しては全身打撲、一部内蔵に傷があるかもしれないということだった

やはりストロング・ゴモラントの反動ということだろう


京太郎「なるほどなぁ」

晴絵「まぁ大人しくしときなよ。奴でまた現れるまで」

京太郎「了解です」ハァ

晴絵「よそも大変らしいし……どうするかなぁ」ポリポリ


ぼやきながら、部屋を出ていく晴絵


宥「わ、私もいくけど大人しくしてなきゃ……めっだよ?」

京太郎「はい」フッ

宥「それと」

京太郎「?」

宥「私を、助けてくれて……ありがとぉ」フフッ

京太郎「俺じゃないっすけどね」

宥「それでも、だよ……助けようとしてくれた、でしょ?」

京太郎「そりゃ当然」

宥「えへへ、うれしいな」ニコリ

京太郎(結婚しよ)

144 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 01:13:43.08 ID:W9UFD85X0

今回はここまでー
短いけどたぶんまた明日やるー

そんじゃまたー


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
17、新子憧
18、鷺森灼

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用

145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 02:28:03.79 ID:KuMJCRGN0
17
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 03:36:13.82 ID:KYoGjAlQ0
5
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 04:21:45.08 ID:jisvhYGm0

京ちゃんめっちゃ無理するな
安価は14
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 04:50:34.36 ID:mLo8rGCqO
おつ。3
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 05:17:02.48 ID:0Oa4wZTZ0
7
150 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 00:48:28.32 ID:ZC957Po00

おそくなったけどのっそりと

とりあえず安価は5と17ー
151 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 00:58:26.48 ID:ZC957Po00
5、東横桃子



―――【特異課奈良基地:休憩所】



ゆっくりと、椅子に腰を下ろしてコーヒーを啜る

ホットコーヒーが喉を通って降りてくる感覚


京太郎「ふぅ」


安静にしているわけもなく、京太郎は部屋を出ている

他の職員や、阿知賀勢以外にも特異課に協力している雀士などともすれ違ったのですぐに宥たちの耳に届きかねない

しかし―――


京太郎「コーヒー飲みたかったしなぁ」


誰もいない休憩所、おそらく対応などを会議していたりもあるのだろう

窓から空が見える

つまりは、ワームホールもだ


京太郎「あれを放っておくわけにもいかないし……」


よそは忙しいとのことだが、このタイミングを狙ってなのだろう


京太郎「ん〜……」

ピリリリ

京太郎「お、モモ?」


腕の端末が音を鳴らしていた

すぐに開いて、ボタンを押す


京太郎「おう」

桃子『あ、京さん……ってやっぱ怪我してる!?』

京太郎「やっぱってなんだよ」

桃子『やってる気がしたんっすよねぇ』

京太郎「失礼な、人がやらかしたみたいに」

桃子『やらかしてるんっすよ』ジトー

京太郎「……」メソラシ

152 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:13:13.80 ID:ZC957Po00


バツが悪いという風に、眼を逸らし顔をしかめる京太郎

チラリと視線をモニタに向けると桃子は頬を膨らませて怒っている


京太郎「悪いな、心配かけて」

桃子『いつだって心配なんっすよ……私の目の届かないとこにいるの』

京太郎「母さんのようなことを言う」フッ

桃子『茶化さないでくださいっす!』

京太郎「すまん」


いささか、そこまで心配されるとついつい茶化したくもなる

慣れていないこともある

そもそも自分が傷ついたところで、それほど心配する人間がいるなど思ってもいなかったのだ


京太郎「みんな、言うな……俺に」

桃子『みんな心配してるんっすよ』

京太郎「すまん」フッ

桃子『それでも、私は……』

京太郎「ん?」

桃子『うっ、なんでもないっす』カァッ

京太郎(歯がゆいな)


食い下がって聞いても良いが、そういう雰囲気でもない


桃子『なにはともあれ、ちゃんと安静にしてなきゃダメっすよ。怪我してもすぐ動くんっすから』

京太郎「安静にはするよ。できる範囲で」

桃子『絶対しないやつっす』

京太郎「よくわかってるようで」フッ

桃子『わかる努力はしてるつもりっす』クスッ

京太郎「お前みたいな子にそう言われるとときめいちゃうな」ハハッ

桃子『えへへ、良いっすよ』ニヘラ

京太郎(好きになるわ!)
153 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:21:08.94 ID:ZC957Po00


桃子『と、ともかく、みんな心配してるんっすからね!』

京太郎「ああ、俺も心配してるよ。みんなのこと」

桃子『そういうとこっすよね』ボソッ

京太郎「そっちも大変そうだからな」

桃子『ん、まぁ頑張ってくれてますよ。ティガも、みんなも』

京太郎「そうか、また戻る」

桃子『はい、待ってるっす!』ニコッ


そこから数言を交わすと、通信を切る

コーヒーを飲み僅かに痛む体に顔をしかめた

その瞬間―――


憧「だから大人しくしろって言われたのに」ジト

京太郎「どわっ! 急に出るなよ!」

憧「なんか話してたみたいだから」

京太郎「聞いてた?」

憧「最後の挨拶ぐらいは聞こえたけど」

京太郎「そ、そうか……」

憧「なに? 聞かれちゃまずかったの?」ニヤリ

京太郎「んなわけあるかよ」

154 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:30:04.17 ID:ZC957Po00


そう言って息をつく京太郎の向かいに座る憧

少しばかり気安くなっている気もするが……


京太郎「もしかして探しにきた?」

憧「ん、抜け出してるって話は聞いた……宥ねぇはたぶんここにいるって言ってたけど」

京太郎(パターンを読まれてる……)


そこまでいなかった気もしたのだが、そういうものなのだろう


京太郎「宥さんの方も心配だけどな……マガパンドンにされてたんだし」

憧「シズが助けてくれて良かったけどね」

京太郎「そういや穏乃とまだ会ってないな」

憧「あんたら一緒にしたら勝手に出かねないから合流させないって晴絵が」

京太郎「あ〜そうかぁ」トオイメ


否定はできない


憧「力を持ってるから、戦いたいたいの?」

京太郎「ん?」


ふと、雰囲気が変わる

その言葉の声音も込められた想いも、先ほどまで会話していた雰囲気とまったく違う

だがわかった。わからざるをえなかった


京太郎「さてな、人によるからな……」

憧「じゃあ、あんたは?」

京太郎「俺は……戦いたかったんだよ」フッ

憧「?」

京太郎「最初は成り行きだけどな、今は違う」


あの日から沢山の自問自答をした

結果、答えは見えた。今も見続けている答えは一つだと、思いたい


京太郎「穏乃は、守るためだ。憧たちを」

憧「それは力を持って」

京太郎「違うよ。ウルトラの光があろうとなかろうとあいつは同じように戦ったよ。命かけて」
155 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:40:20.95 ID:ZC957Po00


その言葉を理解できない憧ではない

だからこそ言葉はでてこなかった

なにかを言いかけては止まるを、三度ほどする


京太郎「まぁ人それぞれ違うからな。自分が戦う意味も、自分が力を持った過程も」


単純【うちはうち、よそはよそ】という理論

なんの解決にもならないが、他人が口を出して解決させるものでもない

ヒントは与えられるがそれ以上はないと、京太郎自身が知っている


京太郎「戦う理由を見つけて、力を手にするか……」


そっと、メダルを取り出す

そこに映るのは、ベリアル


京太郎「力を持った意味を求めて、戦う為の理由を探すか」


外を見て笑う京太郎

どこか寂しそうな笑みを浮かべる彼を見て、憧は頷く

答えは出ていない。だが―――


京太郎「良い顔してる」フッ

憧「……ふきゅっ!? せせせ、セクハラよ!?」

京太郎「そういう意味じゃねぇよ!?」

156 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:05:53.38 ID:ZC957Po00


それから一時間ほど経っただろうか……


こっそりとロビーを出て、街を歩く京太郎

空のワームホールには時折、稲妻が奔っていた

エネルギーが溜まってきているのを感じる


京太郎「厄介なことで」


憧との会話を通して思うところがあったのも事実だった

今更、迷うことなどない

だが―――


京太郎「しつけぇなぁ」


視線の先には、自分自身


京太郎?「言っただろう。俺はお前だって」

京太郎「俺が俺の邪魔するんじゃあねぇよ」

京太郎?「ハハハハハッ!」


自分自身と同じ笑い声のはずだが、やけに癇に障る声だった

右手でガッツハイパーを抜いて迷わず引き金を引く

放たれた弾丸を、“須賀京太郎”は回避する


京太郎「……」

京太郎?「忘れるなよ。俺はいつだっている。お前の傍に……」


そうとだけ言って去って行く

顔をしかめて、ガッツハイパーをホルダーに収めた

上空のワームホールが激しくスパークする


京太郎「くるか……?」

157 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:19:10.55 ID:ZC957Po00


上空のワームホールから、ゾーリムが顔を出した

町中に警報が鳴り響く

瓦礫に囲まれた場所に立つ京太郎


京太郎「痛っ」


顔をしかめながら、ゼットライザーを左手に持つ

上空のゾーリムが火炎を吐く

無差別なのか狙ってなのかはわからないが、京太郎の周囲にも炎が降り注ぐ


京太郎「やるしかねぇだろ……!」

??「無理、するねっ」

京太郎「……お前もだろ、穏乃」


振り返るとそこには高鴨穏乃がいた

左腕を首からかけた包帯で吊るして、顔にもガーゼが張ってある


京太郎「やめとけ」

穏乃「私もそっくりそのままお返しするけど」

京太郎「……」

?「いや二人ともに言いたいわそれ」

穏乃「っ、憧!!?」


そこには、新子憧がいた

京太郎と穏乃に近づいて、立っている

言葉を失う穏乃と、先ほどの会話もあってか苦笑する京太郎

158 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:27:55.81 ID:ZC957Po00


憧「戦うの?」


その言葉に、頷く京太郎と穏乃


憧「昨日はたまたま二人だったけど……でも、いつもあんたたちは!」


グッと拳を握りしめて、力強く言葉を紡ぐ


憧「たった一人で!」

穏乃「一人じゃないよ」

憧「え?」

穏乃「一人じゃない。いつだって私は……みんなと一緒に戦ってたから」


穏やかな笑顔を浮かべる穏乃

きょとんとしていた憧だったが、すぐに笑みを浮かべた

どこか寂しそうでもある


穏乃「私が戦うのは、みんなを守りたいからだから……」

憧「それがあんたが戦う意味?」

穏乃「うん」

憧「力を持った、意味?」

穏乃「わかんないけど、きっと……」

??「おもしろそうじゃん」


ふいに、誰かが現れた

それはジャグラス ジャグラーこと赤土晴絵

しかしてその正体を誰も知らないのだが……


穏乃「トゲトゲ星人……」

憧「トゲトゲ星人、さん……?」

ジャグラー「トゲトゲ星人って呼ぶんじゃねぇよ!」


そう言いながらも、名乗る気はない


ジャグラー「新子憧は、アグルの力を元々持ってたんだ」

穏乃「?」

京太郎「力を、受け渡せると?」

ジャグラー「ご名答」


ネットリとして声音でそう言うジャグラス ジャグラー

159 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:46:39.56 ID:ZC957Po00


その言葉を聞いて、穏乃は顔をしかめた

守りたい者の一人なのだ。自ら戦いに行かせるつもりはないだろう

だが……


憧「シズ……」

穏乃「憧」


その瞳を見て、わかることもある

親友だからこそわかることもあるのだ


京太郎「……」


故に口をはさむでもない

ジャグラス ジャグラーが隣に立って肩に手を置いてくるので軽く払う

その顔は変わっていないはずが、笑っている気がする


憧「私は、戦いたいっ!」


その言葉に頷くと、穏乃はエスプレンダーを前に出す

クリスタルに浮かぶのは赤と青の光

その青い光が、憧へと飛ぶ


穏乃「アグルの力……!」

憧「!」


それを手に取る憧

その右腕に装着されるアグレイター

さらに、赤い光が憧へと飛ぶ


憧「えっ、これは……」

穏乃「憧、受け取れ!」


強い言葉に頷くと、アグレイターで赤い光を受け取った

点滅するアグレイターのクリスタル

腕を前に出し、拳を真上に向ける


憧「アグルゥッ!」


アグレイターが展開し、回転した

そしてその身を光に、ウルトラマンへと変える

160 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 03:02:20.35 ID:ZC957Po00


青き輝きと共にウルトラマンアグルが現れる

腰を落とし片膝立ちをするような体勢

顔をそっと京太郎たちの方を向けてから、立ちあがった


穏乃「あれが、本当のアグル……」

京太郎「憧……」


その眼はピンク色ではない

前までのアグルと違うのはそこだけでなく、黒いラインも追加されているようだった



◆BGM:アグル降臨【http://www.youtube.com/watch?v=qTa7XrlYBR4



ウルトラマンアグルV2が空を見上げる

161 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 03:16:06.44 ID:ZC957Po00

今回はここまでー
次はまた明日できればいいなー

ようやくアグル登場って感じで
京ちゃんも出番あるよー

そんじゃまたー!
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/22(月) 09:36:22.08 ID:jSbC0a/A0

アコチャーモモいいね
思えばモモとの付き合いは長いな
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/22(月) 22:14:47.41 ID:tIOK0vV20
アコチャーがんばえー
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/23(火) 01:58:58.64 ID:WcA2KKgpO
おつ
本編とは逆なんだな
165 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/23(火) 21:39:17.45 ID:OinumlaN0

昨日できんかったー
今日もできんけど明日はやれるはずー

なんか知らんけど海の女になってしまった憧
でも焼いたアコチャーもみてみたい
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/23(火) 22:49:28.71 ID:Q4SPx/xc0
明日は明日の風が吹く
そういや奈良は海なし県だったな
167 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:01:08.89 ID:yTjWvDcp0

遅くなったけどやってくー

がんばるゾイ!
168 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:19:25.65 ID:yTjWvDcp0


現れたアグルが、上空のゾーリムに向かって構えを取る

神秘的な―――海を彷彿させる青の戦士

ゾーリムが咆哮し、炎を吐く


アグル「ハッ!」


放たれた火炎を、アグルが回避

即座に両腕に青い光を集めて、その手に波動弾を生み出す


アグル「ハアァッ!」


放たれたフォトンスクリューが真っ直ぐに上空のゾーリムに直撃

少しばかり怯ませる

地上で、穏乃がそれを見てガッツポーズをとった


穏乃「よっしゃぁ! ってあいたたっ」

京太郎「落ち着け、とりあえずはダメージを与えたみたいだけど……」

穏乃「ッ! アグル!」


その切羽詰まったような声にハッとしたアグルが、即座にその場から跳んだ

元々いた場所に突き刺さる氷柱

アグルが右腕に光刃ことアグルセイバーを出現させると、さらに放たれる氷柱を斬り裂き、弾く


京太郎「……あいつ」

穏乃「和と一緒にいた宇宙人!」


巨大なグローザ星系人がそこにはいた


グローザ星系人「アグルが現れようと、ガイアとベリアルの器は現れまいよ」

アグル「……」


腕のグローザブレードを構え、走り出す

グローザ星系人がブレードを振るうが、アグルはセイバーで相対する

数度の剣戟の後に、お互いに跳んで下がった


グローザ星系人「……」


目的は見えている

上空のゾーリムが咆哮した


京太郎「……時間稼ぎ、いやゾーリムとの二体一の構図か」

穏乃「そんなっ!」

京太郎「……」
169 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:29:43.58 ID:yTjWvDcp0


京太郎は、ゼットライザーを手に持ちトリガーを引いた

目の前に現れるゲート

だが、穏乃が京太郎の腕を取る


穏乃「ちょっ! そんな体でっ!」

京太郎「……いかせろ」

穏乃「ダメだって! 宥さんが泣くよ!」


そんな言葉に顔をしかめる京太郎

他人、誰かが泣く、そう言われて躊躇しないわけもない

だがそれでも……


京太郎「今いかなきゃもっと大勢が泣くだろ、それに……オレは、戦いたい」


そう言って笑みを浮かべると、穏乃の手を振り払いゲートに飛び込む


穏乃「京太郎ッ!」


叫び、顔をしかめる穏乃

輝きと共に、アグルの前に現れるのはベリアル融合獣―――スカルゴモラ

もぉ! と悪態をついて穏乃がその場を離れていく

そして瓦礫の影から一部始終を見守っていた赤土晴絵は深いため息をつく


晴絵「京太郎がどうにかなっても、結構泣く奴多いけどね」ハッ

170 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:43:25.01 ID:yTjWvDcp0


現れたスカルゴモラに、グローザ星系人が氷柱を放つ

頭部から放った振動波で迫る氷柱をすべて破壊

蒸発した氷柱により周囲が僅かに白ずんでいく


スカルゴモラ「!」シュー


周囲の冷気のせいか、スカルゴモラの真っ白の息を吐く


アグル「!」

憧『須賀!?』

京太郎『上のは頼んだ……コイツはオレがやる。オレがやりたいんだよ』

憧『……大丈夫なのね?』

京太郎『なにがなんでも倒すよ』

憧『生きてだから』


インナースペースで、京太郎はハッと笑う

もちろんそのつもりではあったのだが、そう言われるとまた心持ちも変わる


京太郎『当たり前だろ』

憧『……お願い、京太郎!』

アグル「デヤァッ!」


空へと飛び上がるアグル

スカルゴモラは再び白い息を吐きつつ、目の前のグローザ星系人を睨みつける

グローザ星系人は両腕のブレードを輝かせた


京太郎『テメェは、潰す!』

グローザ星系人『貴様になにができる!』

京太郎『できるさ、お前を倒して無事に帰るぐらい!』

171 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:05:39.14 ID:1OZd0DP40


走り出したスカルゴモラ

グローザ星系人が口からブレスを放つ

それは地上を氷漬けにしていき、スカルゴモラへと徐々に迫る


京太郎『ショッキングヘルボール!』


助走をつけたスカルゴモラの脚から放たれる赤いボール

それがグローザ星系人に迫るも、相手はそれを両手のブレードで凌ぐ

さらに、ブレードで接近をするグローザ星系人


グローザ星系人「死ねェベリアルの器ァ!」


『Eleking. Ace-Killer. Belial.』

京太郎『こいつでェ!』

『Thunder Killer.』


右腕を振るうグローザ星系人だが、そのブレードはサンダーキラーの鉤爪に凌がれる

さらに左腕を振るおうとするも、サンダーキラーは尾を巻き付けてその手の行動を制限した


京太郎『電撃でェ!』


放たれた電撃を受けるグローザ星系人


グローザ星系人「こんなものぉ!」


至近距離で電撃を浴びながら、グローザ星系人は冷気を放つ

それを受けるサンダーキラー

ここからは我慢勝負―――なのだが


京太郎『ぐぅっ!』

グローザ星系人「その程度ではなぁ!」


さらに冷気のブレスの勢いが増していく

足元から凍って行くサンダーキラー

そのせいか電撃も弱まって行く


京太郎『ぐっ!!?』

グローザ星系人「どうするベリアルの器!」

京太郎『器、器と……オレはベリアルさんの相棒、須賀京太郎ォだァ!』

172 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:18:27.39 ID:1OZd0DP40


―――【インナースペース】


脚が凍って行くかのような感覚を覚える

やはりこのレベルの敵となると今の自分で、今のスカルゴモラで勝てるわけもない

ならできることは一つ……


京太郎「っ」


ストロング・ゴモラントに必要な三枚のメダル

凄まじいパワーを感じるタイラントメダル

姉帯豊音でどうにか耐えられたレベルのメダルを自分が使っていること自体が分不相応なのだ


京太郎「でも、だとしても!」


その瞳が紅蓮に輝く


京太郎「タイラント!」


その声に呼応するように、タイラントの咆哮が聞こえる

そして隣のベリアルメダルが輝くと、タイラントメダルの輝きが変わる

メダルに描かれたタイラントの瞳が赤く変わる


京太郎「これは……」


脳裏に浮かぶタイラント

自らの―――


京太郎「ッ、そうか……ならばァ!」
173 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:23:48.94 ID:1OZd0DP40


前を向いて、敵を見据える


京太郎「面子は揃った!」


ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く

心地いい闇の中、握ったタイラントメダルの赤い瞳が輝く


京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」


落ちてきたメダルを取ると、三枚をセット

さらにブレードを可動させていく

バチバチと赤い稲妻が周囲に奔る


『Gomora. Tyrant. Belial.』


ゼットライザーを構えた


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げる


京太郎「ベェリアァッル!」

『Strong Gomorant』

174 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:45:58.34 ID:1OZd0DP40


グローザ星系人と組み合いになっていたサンダーキラーが輝く

驚愕するグローザ星系人が吹き飛んだ

両足で着地しながらグローザ星系人がブレードを地に差して勢いを消して止まる


グローザ星系人「あの力をそう何度も!」

京太郎『やれるさ、支えてくれる奴がいる!』


現れたストロング・ゴモラントが咆哮し、尾を振るう

バラバラバテールがグローザ星系人を横から襲う

両腕を横にしてなんとか凌ぐグローザ星系人だが、羽撃たいたストロング・ゴモラントが接近と同時に拳を下から打ち込む


グローザ星系人「ガァッ!!?」


その一撃を腹部に受けたグローザ星系人が飛び上がる


京太郎『追撃ィ!』


同じように空に飛び上がるストロング・ゴモラント

空中で体を回転させてバラバテールでの攻撃

それをブレードで弾くグローザ星系人が冷凍ブレスを放つも、腹部で吸収


京太郎『こいつでぇ!』


さらに口から炎を吐きだすが、空中でグローザ星系人が回避、さらに氷柱を放つ

ストロング・ゴモラントは大きな翼で体を守る

攻撃が止むと翼を広げた


グローザ星系人「死ねぇ!」


目の前に現れたグローザ星系人を前に、ストロング・ゴモラントはさらに空中で縦回転


京太郎『視えてるんだよォ!』


尾での一撃で地へと落ちていくグローザ星系人

舞い上がる砂煙

だが、砂煙を即座に晴らしてグローザ星系人は氷柱のマシンガンを放つ


京太郎『!?』

グローザ星系人「消えろォ!」


凄まじい勢いで放たれるその氷柱に、京太郎が眼を見開く

175 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 02:03:29.61 ID:1OZd0DP40


―――【インナースペース】


真下から放たれる大量の氷柱

空を背にしたストロング・ゴモラント

京太郎は目の前に浮遊するメダルを見る


京太郎「これは……デスレ星雲人のメダル?」


そのメダルが、手元のベリアルメダルと呼応する

タイラントと同じく、赤黒い輝き

そして描かれていたデスレ星雲人の黄色の発光体が赤く変わった


京太郎「ッ!」


そのメダルを掴むとゼットライザーにセット、ブレードを動かす


京太郎「デスローグさん!!」

176 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 02:14:29.70 ID:1OZd0DP40


迫る氷柱はすべてストロング・ゴモラントを目標にしている

だからこそ……


京太郎『ウオォォッ!』


ベリアルのかつての配下【ダークネスファイブ】の一人【炎上のデスローグ】の力

ストロング・ゴモラントの口から放たれる炎

それはハイパーデスファイヤーとはまた別、十字の炎が回転しながら地上のグローザ星系人へと迫る


グローザ星系人「なんだそれは!?」


迫る炎を、グローザ星系人が両腕で凌ごうとするも腕が溶かされて無くなる


グローザ星系人「舐めるなぁ!」


だが即座に、氷がグローザ星系人の腕を再生した

空のストロング・ゴモラントに向かって飛ぶグローザ星系人

変わらず氷柱は放たれていく


京太郎『もうちょっと、借りるぜデスローグさん!』


ストロング・ゴモラントの背後から放たれる火炎弾の数々

それらが氷柱を消滅させていく

接近していくストロング・ゴモラントとグローザ星系人


京太郎『オォォォォッ!』

グローザ星系人『消えろォォォォ!』

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