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勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の続編の続編

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742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:48:17.05 ID:O6K4E5800
『貨物用気球』


フワフワ バサバサ


盗賊「…ほんじゃ闇商人に成りすましてアサシンが牢屋の中か?」

ウェアウルフ「この契約書は無実の拘留で生じた損失を証明する為の物…分かった?」

盗賊「つまりキ・カイ政府に対する圧力の一つって訳か」

ローグ「その損失は払わなきゃならんのですかね?」

ウェアウルフ「さぁ?私に言われても分からない」

盗賊「法の番人が法を犯す訳に行か無えんじゃ無ぇか?」

ローグ「そもそもその取引が違法だとか言いだしかねやせんぜ?」

盗賊「こりゃ公正取引の証明書だよな?」

ウェアウルフ「無実の拘留という事になれば良いけど…」

盗賊「もしかするとキ・カイに入って即俺が動く感じになるかもな?」

ローグ「闇商人が脱税した証拠を盗む訳っすね?」

盗賊「てか脱税した証拠ってどうやって把握すんだ?」

ウェアウルフ「あ…マズい…変体が解けそう」

ローグ「ちょちょちょ…脱いだ着替えは何処にあるんすか?」

ウェアウルフ「破れてどっか行った」

盗賊「お前裸で帰るつもりだったんか…」

ウェアウルフ「考えて無かった…変体解けると寝ちゃう」

盗賊「なんだお前世話の焼ける…」

ローグ「空の樽があるんでそれに入れて商人ギルドまで行きやしょう」

ウェアウルフ「あとお願い…寝る」シュゥゥ

盗賊「マジかよこいつ…女海賊並みのアホだな」

ローグ「いやぁぁぁ良い眺めっすねぇ…」ジロジロ

盗賊「樽に突っ込むぞ?」ヨッコラ ドサリ
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:48:56.08 ID:O6K4E5800
『夜_キ・カイ街道』


ヨッコラ ヨッコラ


衛兵「おい!!お前達2人…ここで何をしている?」ジロジロ

盗賊「何をしてるってお前…見りゃ分かるだろ…樽運んでるんだ」

衛兵「中身は何だ?」

盗賊「おいおい勝手に触るんじゃ無ぇ!!」

ローグ「衛兵さん何なんすか?持ち物検査かなんかでやんすか?」

衛兵「そうだ!!持ち物を見せろ」

盗賊「くぁぁぁ…何なんだよ何かあったんか?」ヨッコラ ドスン

衛兵「調べさせてもらう」

盗賊「なんだその探知機は?」


ピーーーーー


衛兵「持ち物を出せ!」

盗賊「嫌だと言ったらどうなるんだ?」

衛兵「脅すつもりか?笛を吹くぞ」スチャ

ローグ「盗賊さん…ここは従っときやしょう…」ゴソゴソ

衛兵「見せろ…ダガー2本と雑貨類…それから金貨の入った袋…」

ローグ「なんも持っちゃ居やせんぜ」

衛兵「次!!お前!!」

盗賊「ちぃ!!」ゴソゴソ ジャラジャラ

衛兵「なんだこの鍵の束は…ロックピック…お前は泥棒だな?」

盗賊「そんな証拠が何処に有んだよ」

衛兵「樽の蓋を開けろ」

盗賊「ほう?お目当ての物じゃ無かったらどうなるか分かってんだろうな?」ギロリ

衛兵「どうなると言うのだ?」

盗賊「二度とその口が利けん様にしてやる…良いか?俺は必ず実行するからな?」

衛兵「開けろ」

盗賊「…」パカ

衛兵「お…女?…裸」ジロリ
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:49:33.13 ID:O6K4E5800
盗賊「さぁどうなんだ?お目当ての物なのか?」

衛兵「裸の女をどうした?」

盗賊「んなこた聞いて無えんだよ!!お目当ての物かどうか答えろ…」

ローグ「衛兵さん…悪い事言わないんで逃げて下せぇ…あっしには止められやせん」

衛兵「おい!!目を覚ませ…起きろ!!」ペシペシ

狼女「ううん…ん?」パチ

衛兵「おい大丈夫か?」

狼女「あれ?ここ何処?もう着いた?」

ローグ「ちっとトラブルっすねぇ…裸見えちまいやすんで隠してて下せぇ」

衛兵「お前達!!なんて紛らわしい事を…行け!!」

盗賊「んあ?何言ってんだコラ!!お目当ての物かどうか俺が聞いてんだろうが…答えろ!」

衛兵「違った様だ…早く行け!」

盗賊「ローグ!リカオン連れて先行っとけ」

ローグ「分かりやした…お大事に」ヨッコラ ヨタヨタ


衛兵「何をする気だ?」タジ

盗賊「俺は先に言ったよな?必ず実行するとな?」

衛兵「貴様!!衛兵を馬鹿に…」


ドン!! ボカッ!!


衛兵「ぐはぁ…」ドタ

盗賊「ベロ出せ…引っこ抜いてやる」グイ


------------
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:50:06.39 ID:O6K4E5800
『商人ギルド』


ピーーーーー


商人「なんだか外が騒がしいな…どうしたんだろう?」

影武者「リカオンさん遅いですね…」


ローグ「おろろ?出迎えでやんすか?」


商人「ローグ!!どうして此処に…」

ローグ「リカオンを運んで来やした」

狼女「…」ヒョコ

商人「あ…樽の中か…」

狼女「変体が解けちゃって…」

商人「遅いから心配してたんだ…大部屋の方に」

ローグ「分かりやした!!リカオンが裸なんすが…」

商人「うわ…また着替えを破ってしまったね?」

狼女「急いでて忘れてた」

商人「まぁ良いや…それで契約書は?」

ローグ「ここに有りやす」パサ

商人「よし!間に合った…影武者!急いでこれを届けて」

影武者「はい…」スタ

商人「さぁローグ…中に入って」
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:50:40.77 ID:O6K4E5800
『大部屋』


ガチャリ バタン


ローグ「いやぁぁぁここに来るの久しぶりっす…」ヨッコラ ドスン

商人「ほらリカオン?着替えだよ…今度こそ破らないで」ファサ

リカオン「眠い所を無理やり起こされたんだ…起きてから着る」

商人「そうか…まぁ寝てて良いよ…走って疲れただろうし」

リカオン「グルル…グゥ」zzz

商人「契約書がギリギリ間に合って良かった…提出期限が夜明けまでなんだ」

ローグ「リカオンさんに聞きやしたぜ?法の強制力で政府にお金を支払わせるとかなんとか…」

商人「まぁどんな言い逃れしてくるのかも楽しみだ…これで僕を拘束するリスクを向こうは知る訳だよ」

ローグ「支払うとは思えんのですが…」

商人「支払わなくても10000金貨の価値があると認めざるを得ない…まぁ駆け引きやってるのさ」

ローグ「無実を証明出来るんでやんすか?」

商人「んんん…向こうがどんな証拠揃えてくるか分からないのがねぇ…」

ローグ「実はっすね…盗賊さんも一緒に来てたんすが今衛兵と揉めててですね…」

商人「外が騒がしいのはそのせい?」

ローグ「そうでやんす…盗賊さんもキ・カイ到着したら早速俺の出番だとか言ってたんで…もしかすると…」

商人「どういう事?」

ローグ「わざと捕まろうとしてるかも知れんでやんす」

商人「あぁ…アサシンと合流しようとしてるって事?」

ローグ「へい…大体事情知ってるもんすから」

商人「衛兵と揉め事程度なら軽犯罪…まぁ直ぐに出て来るだろうね」

ローグ「ハイディングも出来るし鍵開けも出来るんで心配はして居やせん」

商人「まぁ僕達は何もせず高みの見物だね」

ローグ「もし有罪になったらどうするでやんすか?」

商人「何の脱税か知らないけど不足分を支払うのと仮釈放の分も支払う…」

ローグ「損しちまいやすよね?」

商人「どうかな?支払った分を上乗せした価格で精密機械を売る様にすれば良いだけかな…カードは僕が持ってる」

ローグ「なるほど…値下げには一切応じないスタンスを見せる訳っすね」

商人「そういう駆け引きなのさ…だから尻尾捕まえられない様に何もしないのが一番」

ローグ「向こうが買い取りを諦める可能性はどう考えていやす?」

商人「他国に技術を売られるのってどう思うだろうね?無視出来ると思う?」

ローグ「いやぁぁあっしには難しくて分からんす…」

商人「楽しみだねぇ…フフフ」
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:51:18.71 ID:O6K4E5800
『キ・カイ地下牢』


ズダダ!! ドテ!!


盗賊「痛ってぇな…」スリスリ

看守「大人しくしてるんだなガハハハ」ドスドス

アサシン「クックック…アッハッハ…何をしている?」

盗賊「またえらくボロイ牢屋だ…話し声が丸聞こえじゃ無えのか?」

アサシン「お前は何故牢に入れられたのだ?」

盗賊「衛兵をボコボコにしてやったのよ…そんだけだ」

アサシン「ふむ…お前の怪我は大した事無さそうだ」

盗賊「まぁな?速攻降参したからよ…ほんで?そっちは何の罪状よ?」

アサシン「謂れの無い脱税」

盗賊「証拠は?」

アサシン「さぁな?」

盗賊「ちっと見て来るか?」

アサシン「…」ジロ

盗賊「まぁ見てろ…10分で戻る」スッ

アサシン「フフ牢の鍵か…すでにスっていたとはな…」

盗賊「寝てる振りでもしてろや…」カチャリ キー


ハイディング スゥ…


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748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:52:12.96 ID:O6K4E5800
『10分後』


リリース スゥ…


アサシン「何か分かったか?」ヒソ

盗賊「どうやら有形文化財の取引には50%の税金が掛かる様だ…いくらで買った事になってるのか知ってるか?」

アサシン「金貨8000枚だそうだ」

盗賊「つまり金貨4000枚の脱税ってこったな…どうすんだコレ?」

アサシン「払えば問題あるまい?」

盗賊「まぁ払った後に拘留中の損失分金貨10000枚返してもらえりゃ6000枚儲ける訳か…悪く無ぇ」

アサシン「その事実を知れば釈放するしか無いだろうな…更なる損失分を請求される羽目になる…クックック」

盗賊「しかし有形文化財扱いで無理矢理税金取ろうなんざセコイ真似しやがる」

アサシン「対象品目があいまいなのだろう…政府の良い様に出来る様にな」

盗賊「さぁて俺は用が済んだ訳だし返るか…」

アサシン「待て…これを商人に持って行け」パサ

盗賊「ん?メモか?」

アサシン「顕微鏡で拡大して見ろ…地図になっている」

盗賊「マジか…」

アサシン「盗賊ギルドの諜報員が調べた地下線路図なのだ…発見された古代遺跡の行き方も記されて居る」

盗賊「おぉ…とりあえず戻ってからしっかり見るわ…で?その諜報員は何処行った?」

アサシン「5分程前に脱獄した…牢が開いて居たからな」

盗賊「そら騒ぎが起きる前に俺も出とかんとヤバいな」

アサシン「私は寝たふりで残るから早く行け」

盗賊「おう!じゃぁな?」


ハイディング スゥ…


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749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:53:16.97 ID:O6K4E5800
『翌日_商人ギルド隠し部屋』


ガチャリ ギーー


影武者「…戻りました」

商人「どうだった?」

影武者「はい…税金の不足分は支払いを済ませて来ました」

商人「読み通りだったね?…それで契約書の方はどういう反応?」

影武者「先日予定していた取引の契約書3枚提出して明らかに顔色が変わって居ました」

商人「鉄鋼と石炭の大口受けも停止したんだね?」

影武者「はい…本日の分も提出しようとしましたが断られましたので直に釈放されるかと思います」

商人「さぁ次はどう来る?回収する為に何かのレート変えて来るよね」

影武者「暗殺の可能性が高くなりましたね…キ・カイに利する動きが必要に思います」

商人「ふむ…よーし分かった…精密機械を譲渡して摩擦を避けようか」

影武者「良いのですか?」

商人「向こうにはトータルで僕が2000金貨損失してる様に見えてるんだ」

影武者「鉄鋼と石炭の分を含めるとプラスマイナスゼロですが…」

商人「ここで手を引いてこの件に関わりたくないと見せかける」

影武者「分かりました…アサシンさんの釈放と同時に隠し場所を開示します」

商人「うんそれで良い…金貨10000枚にはならなかったけど…まぁ6000儲けたら十分か」

影武者「政府との喧嘩はやはりリスクが高いですね」

商人「今回の件で君は気付いたかな?キ・カイ政府で足並みが揃って無さそうだという事を…」

影武者「その様ですね…法の力を行使しようと策を張って来たのは経済産業省…」

影武者「一方で強行で拘留を行使したのは軍部…足並みが揃わないせいでしっぺ返し食らった形です」

商人「うん…拘留せずに税金の支払い義務が有るとだけ伝えて来ればこちらは支払うしか無かった筈なのに」

影武者「経済産業省は頭が回る様ですので今後注意しておきます」

商人「いやぁ…君は本当に優秀だ」

影武者「お恥ずかしい…今後も頑張ります」
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:54:05.68 ID:O6K4E5800
『大部屋』


ガチャリ バタン


商人「あれ?盗賊はもう釈放されたの?」

盗賊「いよう!!脱獄して来た…ヌハハハ」

商人「ハハまぁ無事なら良いんだ」

ローグ「商人さんこれ見て下せぇ…これ凄いっす」パサ

商人「んん?何だろう?」

盗賊「良く目をかっぽじって見てみろ…」

商人「お?…これ何かの地図?」

盗賊「そうだ…そんなに小さくどうやって書き込んだのか気になるだろう?」

商人「すごいな…小さすぎて良く見えない」

ローグ「商人さん顕微鏡持って無いでやんすか?」

商人「下の隠し部屋にあるよ」

ローグ「なんでもキ・カイの地下路線図が描かれて居るらしいんす」

商人「えええ!!?本当?」

盗賊「盗賊ギルドの諜報員からの情報なんだとよ…ずっと牢屋に入れらてた様だ」

商人「どうして地下路線図なんか調べてるんだ?」

盗賊「詳しくはアサシンに聞かんと分からんな…とりあえずそれを商人に渡せと言われて持って来た訳よ」

商人「ん?僕にちゃんとした地図を書けという事かな?」

盗賊「さぁな?お前は古代遺跡の場所を知りたかったんだろ?それも書かれてるらしいぞ?」

商人「おおおお!!」

盗賊「俺らローグとリカオンの3人で酒場で遊んで来るからよ…地図は任せた」

商人「そうかい…まだ聞いて無かったんだけど女海賊は元気?」

盗賊「体は元気なんだが情緒不安定でな…もうちょい掛かるんじゃ無ぇか?」

商人「盗賊はもう平気なんだね?」

盗賊「たまに混乱するがまぁ大丈夫だ」

商人「夢幻の記憶かな?」

盗賊「それが自分じゃ分かん無ぇ訳よ…そのうち慣れるだろ」

商人「なるほど…そういう感じね」


夢幻を忘れて行ってるのは自分じゃ気付けない…そうやって大事な記憶を無くすんだ

今の次元に調和する…こういう事なんだな

751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:55:00.68 ID:O6K4E5800
『商人ギルド前』


ザワザワ ザワザワ

あのフード被ってるのが噂に聞く闇商人らしい…

政府の軍部と何かの取り引きで拘束されたらしいぞ?


アサシン「私は見世物か?いつになったら釈放するのだ?」

兵隊「例の精密機械が確保されたのが確認されてからだ」

アサシン「クックック…良いのか?今日の損失分を又請求する事になるのだが…」

兵隊「それは上部に言ってくれ…私はただ上部に従っている身…」


ザザー こちらB18…指定の位置で対象を発見した…

鑑識にて特A級精密機械である事を確認…早々に被疑者を解放し取引を完了せよとの事


兵隊「こちらE2…了解!ただちに指定の箱と被疑者解放を実施して帰還する」

アサシン「私の勝ちか?」

兵隊「その様だ…箱の中身を確認して書面にサインを」

アサシン「…との事だ」

影武者「確認は僕が対応するよ…良いかい?」

兵隊「構わん…早くやってくれ」

アサシン「では私は喉が渇いた…建屋に戻るが?」

兵隊「行ってよし!!箱の確認は早く終わらせるんだ!!」


ザワザワ ザワザワ

おぉぉ金貨が詰まってる…

すげぇ!!何の取り引きだったんだ?

特A級精密機械って聞こえたぞ…何だか分かる奴いるか?
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:55:47.46 ID:O6K4E5800
『商人ギルド_大部屋』


ガチャリ バタン


アサシン「商人…ここで見て居たのか」

商人「フフ無事に取り引き終わった様だね…ほらワインだよ」キュポン

アサシン「ふぅぅ…軍部があまりにもザルなのが良く分かった」グビ

商人「ザル?」

アサシン「脱獄が簡単なのだ」

商人「あぁそれはワザとだね…脱獄させて罪を上乗せするんだよ」

アサシン「そういう事か」

商人「特に肩書のある人は脱走が簡単な牢に拘留されるらしい」

アサシン「盗賊達はどうした?」

商人「酒場に遊びに行くと言ってたよ…まぁ僕も仕事に戻るからアサシンも酒場に行ってみたら?」

アサシン「そうだな…集まっている人が掃けたら行って見るか」

商人「いやぁぁ闇商人が有名になってしまったね?」

アサシン「お前には都合良いだろう?」

商人「まぁね?お陰で仕事しやすい」


トントン


影武者「私です…」

商人「入って?」


ガチャリ バタン


影武者「よいしょ…よいしょ…」ヨッコラ ドスン

商人「兵隊は帰った?」

影武者「はい…書面に受け取りのサインをしたら直ぐに引き上げました」

商人「ギルドの資金から借りた分はここから持って行って良いよ」

影武者「わかりました…」

商人「あと君の頑張りの分で3000枚くらい持って行きなよ」

影武者「え!!?」

商人「僕はクジラの球皮が調達出来ればそれで良かったんだ…まぁ上手い事使ってよ」

影武者「こんな大金…私に使えません」

商人「何言ってるのさ…あ!!そういえば君は気球が欲しいと言ってたよね?」

影武者「あ…」

商人「買っちゃったら?どうせお金が何に使われてるのか監視されてるだろうからサッサと使おう」

影武者「監視…ですか」

商人「政府に反する使い方して無いのを示す必要もあると思うんだよね」

影武者「そうですね…分かりました」
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:56:31.41 ID:O6K4E5800
『酒場』


ワイワイ ガヤガヤ


盗賊「…じゃぁキ・カイで蔓延してる黒死病は治せないって事か?」

アサシン「そうだ…人間の体が本来持って居る免疫力で石化していると言うのだ」

ローグ「体の一部を機械に変えるのがそもそも間違いでやんすね」

アサシン「機械を外してしまえば石化の進行は止まるのだが…失った手足が生えて来る事はもう無い」

ローグ「北の大陸の黒死病と南の大陸の黒死病は違う病気だったんすね」

アサシン「いや…北の大陸の黒死病は病原体が浸食するのを体の免疫力が働いた結果石化する」

アサシン「エリクサーは病原体を不活性化する事が出来るから石化が完治する」

アサシン「だが南の大陸の黒死病は体に浸食した機械を体が病原体だと誤認して免疫力が働く…そして石化だ」

ローグ「エリクサーじゃ機械を不活性化出来ないって事っすね」

アサシン「そういう事らしい」

盗賊「せめて子供達が機械化の道を選ばん様にせんとな」

アサシン「それをキ・カイ政府がとうの昔に知って居たと言うのが問題なのだ」

盗賊「機械化を推進してるのが機械省だっけか」

アサシン「うむ…反対して居るのが環境省…この2つが大きく政府内で対立関係にある」


機械化による石化という事実を隠蔽し…治るという薬を売りつけ民から搾取する

これが奇しくもフィン・イッシュ経済を支えて居たのだが

キ・カイ政府内の力関係が変わり薬に効果が無いという事実が表に出て来た

加えて関税による影響もあってフィン・イッシュはポーションで資金調達出来なくなった

我々はこの一連の動きが公爵の計略だと思って居たのだが…実はそうではない


ローグ「なるべくしてなってるって感じっすね…」
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:57:09.09 ID:O6K4E5800
アサシン「うむ…キ・カイに送った諜報員のお陰で事の真因が掴めた」

盗賊「公爵はフィン・イッシュに殆ど関わって居ないと見るか?」

アサシン「断言は出来んがその可能性が高いと判断する…私が間違って居た」

狼女「じゃぁ一旦公爵を追うのは終わり?」

アサシン「それよりももっと気になる事案が有ってな…」

盗賊「ほう?何よ?」

アサシン「機械化の行きつく先は何だと思う?」

盗賊「キラーマシンか?」

アサシン「脳の機械化だ…どうやら何年も前に既に成功しているらしい」

盗賊「脳を機械にするって…そりゃホムンクルスみたいなもんだな」

アサシン「キ・カイの政務官は表には出てこない…何故なら全身機械化しているからだ」

ローグ「マジっすか…」

アサシン「つまりだ…キ・カイの重要事項は機械が決めて居るのだ…既に機械によって支配されて居ると言って良い」

盗賊「まぁでも元は人間なんだろ?」

アサシン「機械に支配されていないと言い切れるか?」

盗賊「う〜む…良い政治ならどっちでも良いが…」

ローグ「エネルギーの無くなった超高度AIでしたっけ?…それが欲しかった理由はもしかして能力上げたかったんすかね?」

アサシン「そうかもしれん…もしくはそれに入れ替える」

盗賊「ちょい待て…それはアダムと同じじゃ無ぇか?」

アサシン「私が言いたいのはソレなのだ…機械化…それはアダム化なのだよ」

狼女「またあの光る隕石が飛んで来るかも知れないという事?」

アサシン「情報屋が前に言って居たのだ…4000年以上昔ウンディーネの時代…争って居たのは人間と機械なのだと」

アサシン「最終的に人類は機械によって滅ぼされ…機械はエネルギー枯渇ですべて停止した」

盗賊「おいおい酒がマズくなるぜ…滅びの話はもうウンザリだ」

ローグ「そーっすね…お宝探しの話にしやしょう」

盗賊「おおおソレだそれ!!実はよ?ハテノ村にな?…」


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755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:57:53.61 ID:O6K4E5800
『商人ギルド_隠し部屋』


ガタン! ガラガラ


商人「んん?影武者かい?」ノソリ


シーン…

ヒュゥゥゥ…


商人「あれ?裏口から風が…影武者なんだろう?何かあったのかい?」キョロ


タッタッタ シュタ ブン!


商人「うわっ…き…君は…」タジ

悪ガキ「ちぃ…見つかったか…」チャキリ

商人「危ない物を持って居るね…ミスリルのダガーか…」

悪ガキ「悪いけどコレは返してもらう…追いかけて来ないで」

商人「それは君達が扱える物では無いよ…」

悪ガキ「友達だったんだ…閉じ込めて置けない」

商人「…」ジロ

悪ガキ「そこをどいて欲しい…お世話になった人を傷付けたくない」スチャ

商人「君は事の真相を知って居るんだね?…その脳をどうするつもりだい?」

悪ガキ「仲間に加える…ずっと一緒なんだ」

商人「…そうか」トーイメ

商人「わかった…友達を弔ってあげてくれ」

悪ガキ「もうここに迷惑は掛けないから…僕の事は放って置いて」

商人「無茶な事はしない様にね?」スッ

悪ガキ「泥棒みたいな真似してゴメンよ…じゃ」


タッタッタ 


商人「フフ…盗賊にそっくりじゃないか」

商人「友達の為に危険を顧みず…か」

商人「あ〜あ…散らかしちゃって」ガサガサ

商人「…あれ?地下路線図はどこだ?」


んあぁぁぁ!!な〜い!!
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:58:38.35 ID:O6K4E5800
『数日後_商人ギルド』


ワイワイ ガヤガヤ


商人「なんだ僕の気球と同じ物を買ったのか…」

影武者「最新式はどうしても売れないとの事でした…仕方ないです」

商人「まぁ政府相手だと売ってはくれないだろうね」

影武者「でも改造をある方にお願いしましたので」

商人「ある方?」


盗賊「お〜い影武者ぁ!!資材は気球に入れといて良いんだな?」


商人「もしかして…」

影武者「バレてしまいましたね…商人さんの気球も同時にお願いしてあります」

商人「なんだそういう事か…いくらでお願いしたのかな?」

影武者「俺にやらせろと息巻いて居ましたのでタダかと…」

商人「まぁやらせてて問題なさそうだ…それで?クジラ型の球皮の方は調達出来たかい?」

影武者「はい…今気球に積んで居る所です」

商人「よしよし…飛空艇が修理出来れば名もなき島にも行けるようになる…」

影武者「盗賊さんとローグさんが物資を積んで海賊の基地に戻られる様ですが…商人さんはどうされますか?」

商人「僕はここに残って色々仕込みをやるよ…トロッコの準備とか色々ね」

影武者「例の古代遺跡へ行く計画ですね?」

商人「うん…どうにかして古代のエネルギーを入手したいんだ」


盗賊「おい!!そろそろ出発しようと思うんだが…アサシンとリカオンは何処行った?」ダダ


商人「盗賊ギルドの諜報員と会うといって何処かに行ったよ」

盗賊「なんだ置いて行って良いんだな?」

商人「もう一基貨物用の気球があるから大丈夫さ」

盗賊「分かった…俺ら先に戻ってるからよ?後は適当に合流してくれ」

商人「適当か…ハハ」

盗賊「おいローグ!!どっちが早く到着するか賭けるぞ」

ローグ「ええええ!?それ早く言って下せぇ…こっちはクロスボウ大量に乗せてるんで重いんでやんす」

盗賊「うるせぇ!!負けた方が金貨100枚払うな?」

ローグ「いやいやいや…そんな持って無いでやんすよ」

盗賊「女戦士に泣きつきゃどうとでもなるだろうが!行くぞ!!」ダダ

ローグ「あぁぁ!!待って下せぇズルいっす」ダダ


商人「フフ…さぁ仕事に戻ろうか」

影武者「はい…予定の取り引きに出かけて来ます」スタ


-------------

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757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 20:59:20.76 ID:O6K4E5800
『海賊の基地』


フワフワ ドッスン


盗賊「ヌハハハハハハ!!俺の勝ちだ!!」

女戦士「何を一人で騒いでいる!!物資調達は済んだのか?」

盗賊「おう!!新しい球皮を調達して来たぜ?」

女戦士「それは良かった…魔女と女海賊の依頼した物も忘れて居ないだろうな?」

盗賊「乗ってるぜ?」

女戦士「急ぎで運んでやってくれ…何やら試したいのだそうだ」

盗賊「ぐぁぁぁ…ローグが居無ぇ!!何やってんだアイツ!!」

女戦士「何を言って居る…サッサと荷物を運ぶのだ」

盗賊「ちぃぃぃ雑用が俺に回って来ちまった…」ヨッコラ ヨタヨタ


女戦士「むぅ?もう一基同じ気球が…」


盗賊「おお!!やっと来たか…」

女戦士「どういう事だ?」

盗賊「もう一基買った訳よ…あっちにも物資が積んで在る」

女戦士「なるほど…では向こうにローグが乗っている訳か」

盗賊「そうだ…あっちにゃクロスボウが大量に乗ってる」

女戦士「クロスボウはもう必要無いが?」

盗賊「このデカい気球に搭載するんだ」

女戦士「ふむ…まぁ良い!早く魔女の所へ荷物を運んでやってくれ」

盗賊「へいへい…」ヨタヨタ



フワフワ ドッスン



ローグ「頭ぁぁぁ!!」ヒョコ

女戦士「ご苦労!!ローグ…来い!」

ローグ「へい?」

女戦士「体が硬くなって来た…マッサージを頼む」

ローグ「うひょおおおお!!今行きやす!今行きやす!」スタコラ

盗賊「ちぃ…アイツ…」
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:00:07.98 ID:O6K4E5800
『居室』


ガチャリ バタン


魔女「…この式が太陽の周りを周回する惑星の周期じゃ…そしてこれが4000年周期で回る黒色惑星」

情報屋「ダメね…桁が多すぎて私達じゃ正確に計算できないわ」

魔女「じゃろうのぅ…ホムンクルスが居れば計算させられるのじゃが…」


盗賊「おいおい俺が帰って来たのに気付かねぇのか?」ヨッコラ ドスン


情報屋「あら?戻って居たのね…議論に熱中してて」

盗賊「女海賊は何やってんだ?」


女海賊「…」ブン ブン ピタリ


魔女「魔人の金槌を振り回して夢を見て居る…依存せねば良いが…」

女海賊「ぶわぁぁぁん…ちゃんと呼んで!」ブン ブン

盗賊「記憶の方はどうなんよ?」

情報屋「割としっかりしてるから大丈夫よ…物資が何も無くてやる事が無かったの」

盗賊「そうか…なら良いんだ」

情報屋「あなたは混乱して居ない?」

盗賊「俺は良く分かん無ぇな?夢だったのか現実だったのか考えるのもメンドクセェ」

魔女「うむ…それで良いじゃろう」

盗賊「ほんで?この落書きの山は何なんだ?」

魔女「落書きでは無い…情報の整理じゃ」

情報屋「そうよ?魔女が見た夢幻の記憶を整理して歴史を紐解こうとしているの」

盗賊「そうか…まぁ俺にゃ関係無えかヌハハ」

魔女「わらわが頼んだ触媒は入手したのかえ?」

盗賊「あぁここだ…箱の中に小分けしてある…確認してくれ」


ドドドド


女海賊「私のどんぐりは!!?あと松脂と硫黄…ほんで砂鉄!!」

盗賊「今持ってくるから待ってろ」

女海賊「あぁぁ待ってらんない…私が行く!!何処!?」

盗賊「まぁ慌てるな…持って来てやっからよ」


ピューーーー スタコラ


情報屋「フフ元気を取り戻したみたいね」

盗賊「てかアイツ水浴びしたか?匂うんだけどよ…」

魔女「言う事聞かんのじゃ放って置け…」
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:01:09.84 ID:O6K4E5800
『10分後』


ヨッコラ ドスン!!


盗賊「ほら追加の物資だ…こら情報屋の物だろ?」

情報屋「盗賊?少し離れてて…」

盗賊「んん?どうした?」

情報屋「テーブルの陰に…」グイ

盗賊「魔女がなんか魔法使おうとしてんのか?」

情報屋「重力の魔法を試そうとして居るのよ」

盗賊「ほう?」


魔女「アブラカタブラ…重力魔法!」フワ


盗賊「何も起きんが?」

魔女「成功じゃ!!やはり夢幻の記憶は正しい様じゃ…見てみよこの小石を…浮いて居るじゃろう」

盗賊「小石?…確かに空中で止まってんな…」

魔女「これは重力を蓄える術じゃ…落下のエネルギーを蓄えて空間で静止しておる」

情報屋「魔女?それは危険だと思うわ?」

魔女「そうじゃな…爆ぜよ!」


シュン! カン!


盗賊「おぉぉぉ!!飛んでった…」

魔女「どこまで蓄えられるか実験したい所じゃが…これは禁呪にせねばイカン術じゃろうのぅ」

情報屋「落下エネルギーの蓄積を解放するのを忘れてしまうと大変な事に…」

魔女「うむ…大惨事になりかねぬ」

盗賊「今のは初めて使う魔法なんか?」

魔女「そうじゃ…重力と時空の魔方陣が理解出来たからのぅ…これで夢幻の記憶が正しい事が証明された訳じゃ」

情報屋「未来君が未来から来た話も全部本当だった」

魔女「夢幻から来たと言う方が正しいぞよ?わらわ達は只覚えて居らんかっただけじゃな…」

盗賊「ほーん…で?なんかヒントあった訳か?」

情報屋「アリアリよ…未来君の歩んだ歴史の殆どが解明したわ」

盗賊「てことはもう足取り追わんでも良いって事か…」

情報屋「あなた達が行ったニライカナイ…ここを拠点として時の王の時代までは行き先がほぼ分かった」

情報屋「白骨化していたエルフの事も辻褄の合う伝説だったのよ」

盗賊「おぉ…そういや金髪エルフの白骨有ったな…誰よ?」

情報屋「それは700年前の犬神伝説…エルフに従う犬神…犬神は剣士と未来君本人だった様ね」

盗賊「なるほど…」

情報屋「フィン・イッシュに伝わる一角仙人の伝説も全部剣士と未来君…ニライカナイを行き来してたの」
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:01:57.35 ID:O6K4E5800
その同時期に時の王と行動を共にしていて…セントラルの建国やシン・リーンに伝わる伝説で暁の使徒として生きた

後に虫を従えてドリアードを倒したのも剣士と未来君…私達の知って居る伝説は必ず剣士と未来君が関わってる

そして暁の使徒が倒れたのは3800年前…恐らく暁の墓所で眠ってると思われる

この後剣士一人で4500年前に飛んだ…ここでオークの地に剣士が予言を残した…


盗賊「暁の使徒が倒れたという話は女海賊に教えたんか?」ジロ

情報屋「教えたわ…遅かれ早かれ知る事になるから」

盗賊「それであの様子か?」

情報屋「何も言わない…認めたくないのでしょう」

盗賊「行くって言いださんな?」

魔女「本人が行くと言うまで触らぬ方が良かろう…認めたくないのは分からんでもない」

盗賊「ちっと俺の記憶の話なんだが…」

情報屋「なにか付け加える事でも?」

盗賊「前にハテノ村にある古代遺跡に行っただろ?ホムンクルスが居た場所だ」

情報屋「フフそういえば一緒に行ったわね…」

盗賊「あそこには遺物がわんさか有ったんだが…確かそこにも壁画があった筈なんだ」

情報屋「え!!?本当?」

盗賊「あとな?こりゃ夢の話なんだがあそこの木の下に大事な物を埋めた気がするんだ…なんか関係ありそうじゃ無ぇか?」

情報屋「ふむ…だとすると3100年前か3800年前のどちらかね…まだ足りない壁画が有ったのね」

盗賊「こういう前向きな話をアイツに伝えてやるべきだ…アイツはまだ信じてんだよ…約束を」


ドドドドド


女海賊「今なんてった!?ハァハァ…」

盗賊「いよーーう…聞いてたんだな?」

女海賊「まだ壁画あるんだね?」

盗賊「まぁそういう事よ…宝探しに行くか?ハテノ村まで」

女海賊「決まってんじゃん!!」

盗賊「おっし!!ほんじゃ飛空艇修理すっか!!」


女海賊「こらぁぁぁ!!海賊共ぉぉ!!」ターン ターン


海賊共「へ…へい!!」ドタドタ

女海賊「お姉ぇの船はもう修理終わったよね!?次は私の飛空艇修理すんよ!!来い!!」

海賊共「がってん!!」ドタドタ
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:02:42.38 ID:O6K4E5800
『飛空艇本体』


カサカサ ブーン


盗賊「おいおい…アラクネーが陣取ってたら近付けんのだが…」

女海賊「これさ…ホムちゃんが一人で何年も生活してたんだよ」

盗賊「その様だな?」

女海賊「船体の穴塞ぐのに鳥の羽詰め込んだり…多分苦労したと思うんだ」

盗賊「お前これそのままにしておくつもりで居たのか?」

女海賊「ホムちゃんの生きた思い出壊したく無かったんだよね…」

盗賊「何て言うか…虫の巣穴なんだがよ…」

女海賊「ホムちゃんゴメン!!もっかいやり直す事に決めた…だからちっと掃除する!!」


ガッサ ガッサ


盗賊「おいおいおい…アラクネーは大丈夫なんだろうな?」

女海賊「ん?あぁ…アンタは線虫居ないからビビってんだね?線虫!!行け!!」ニョロ

盗賊「いやアラクネーでビビんない奴はお前ぐらいだ…」タジ

女海賊「あれ?何コレ?」ガラガラ

盗賊「おぉ…そういやオリハルコンの武器を持って帰って来たんだった…」

女海賊「ちょいお姉ぇ呼んで来てよ…お姉ぇ欲しがってたのさ」

盗賊「うむ…全部出しといてくれ」ダダ

女海賊「あ!!こんな所に妖精の笛落ちてる…あぶあぶ…無くす所だった」

女海賊「樽は全部虫食ってダメだぁ…」


カサカサ カサカサ


女海賊「分かった分かった…新しい巣穴作ったげるから騒がないで」ガッサ


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762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:03:28.85 ID:O6K4E5800
『数分後』


ツカツカ…


女戦士「お前…何をしている?」

海賊共「姉さんが飛空艇の掃除してるんですが…俺ら近付けなくてですね…」

女戦士「フフそれで隠れて居ると言うか」

海賊共「へい…」

女海賊「あ!!お姉ぇ!!」

女戦士「呼ばれて来てみたが…お前は散らかして居るのか?」

女海賊「お姉ぇに良い物あるよ…コレ!」ポイポイ


カラン カラーン


女戦士「んん?」

女海賊「オリハルコンの武器だよ…欲しかったでしょ?」

女戦士「おお!!何処でコレを…」

盗賊「例の島で見つけたもんだ…どうやら時の王が残した武器らしい」

女戦士「時の王が…」

女海賊「刀身は痛んで無いから研ぎだけやれば使えそうだよ」

女戦士「この様な良い武器を雑に扱うな…」ガサリ

女海賊「どう?」

女戦士「ふむ…軽いがなかなか良い剣だ」ブン


”やっぱり女だったんだね…”


女戦士「ハッ!!こ…これは」

盗賊「ん?どうした?呆けて居るぞ?」

女戦士「今夢を見た…」

女海賊「お?もしかして呪われた武器?」

女戦士「これが破壊の剣と言う物…なのか?」

盗賊「ほう?俺にも使えるか?」ガサリ ブン


”お酒飲むでしゅ!!”


盗賊「赤毛の…」

女海賊「間違いなさそうだね…それ何でも切れるから研がなくて良いかも」

女戦士「柄は私が作ろう…盗賊!すべて鍛冶場に運んでくれ」

盗賊「おう!俺にも一本くれい」
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:04:08.76 ID:O6K4E5800
『大型飛空艇』


トンテンカン トンテンカン


サイドマストからスプリットに大き目の三角帆だ…これで上昇気流を推進力に変えられる

プロペラはそのまま尾翼替わりに使うから残してくれな?


ローグ「海賊さ〜ん!!こっちもお願いしやす!!」

海賊共「がってん!!」ドタドタ

盗賊「クロスボウはデッキ上に均等に配置だ」


ツカツカ


女戦士「ロープだらけの気球になったな…」

盗賊「そらそうよ…帆船はロープワークが重要だからな」

女戦士「フフ…どうだ?うちの海賊共は」

盗賊「おぉ…さすがドワーフなだけあって器用だ…特にロープの細工が良い」

女戦士「この気球には何人乗れるのだ?随分大きいが…」

盗賊「15人って所だな…まぁ空中要塞よ」

女戦士「大きさ的に船には乗らんだろうから海は超えられんな…」

盗賊「女海賊がウラン結晶使って良いって言ってたからイケる筈」

女戦士「そうか…では揺れんで済む分船より快適か」

盗賊「まぁ女海賊の飛空艇の方が船に乗せられる分何かと便利なのは確かだ…あっちはハイディングもあるしな」

女戦士「アダマンタイトか…」

盗賊「そんな都合良いサイズなんか無いだろう?」

女戦士「金塊があれば魔女に作って貰えるかもしれんが…良い顔はせん」

盗賊「ところで女海賊の飛空艇は手伝わんで良いのか?」

女戦士「本人が邪魔だと言っているのだ…放って置け」

盗賊「全然組み上がって居ないが…」

女戦士「正直私は妹にゆっくりしてもらいたいのだ」

盗賊「そうか…まぁ慌てんでも良いが」
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:04:41.91 ID:O6K4E5800
『飛空艇』


カーン カンカン カーン カンカン


盗賊「何作ってんだ?」

女海賊「帆の代わりになる物…」トンテンカン

盗賊「んん?骨と金属の組み合わせでか?」

女海賊「この隙間から風が出る仕組みなのさ…風の魔石で推進させる」

盗賊「なぬ?帆無しで推進するってか?」

女海賊「折角クジラの形してんだからさ…帆なんか付けたらクジラじゃ無くなるじゃん」

盗賊「いやまぁ…好きに作って良いが…風の魔石で推進するってのはシン・リーンの気球だろ?」

女海賊「遅いのは分かってるよ…でもその原因は空気抵抗のせいなのさ…それはちゃんと計算してる」

盗賊「ほーん…で?今作ってるのはヒレにあたる部分だな?」

女海賊「正解!!ちょいそっち側持ってて」

盗賊「お…おう」グイ

女海賊「ちっと魔石入れて風出してみる…」ゴソゴソ

盗賊「ほーう?空気を一旦溜めて噴き出す仕組みか」

女海賊「破裂するかも知れないから気を付けといてね…」

盗賊「マジか…」

女海賊「いくよ?」


シュゴーーーーーーー


盗賊「どわっ!!おとととと…」ヨロ

女海賊「もうちょい調整必要だけどまぁまぁかな…」

盗賊「なんでこんなに風が出るんだ?魔石一個だろ?」

女海賊「この隙間から勢い良く噴き出すとさ…周りの空気も一緒に吸われて質量流量が増えるのさ」

盗賊「ほーーーーすげぇな」

女海賊「このヒレの部分がサイドマストの代わり…固定翼になる予定」

盗賊「何か手伝うつもりで来たんだが…」

女海賊「あっちのでかい気球はもう終わったの?」

盗賊「まぁな?あんまやる事無ぇ」

女海賊「ほんじゃさぁ…球皮膨らませて船体を一回吊ってみてよ」

盗賊「んん?まだロープも何も付いて無いが…俺がやって良いのか?」

女海賊「重心がどの辺に来るのか知りたいのさ…一回吊って重心の位置寸法測って欲しい」

盗賊「分かった…」

女海賊「同じヒレをもう一個作るからそっち任せる」

盗賊「おい!ローグ!!お前もヒマだろ…手伝え」

ローグ「はいなー!!」ダダダ
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:05:20.23 ID:O6K4E5800
『クジラ型の球皮』


シュゴーーー ムクムク


ローグ「あらららら?なんかそんなに大きく無いっすね…」

盗賊「だな?キ・カイの気球は船体が軽いからな…前の球皮よりちっと小さい」

ローグ「材質も良く分からんでやんす…」

盗賊「炭素繊維とか言う材質だそうだ…丈夫で破れにくいらしいが…」

ローグ「色がツヤツヤでクジラみたいっすねぇ」

盗賊「この球皮だけで金貨1000枚だぞ?」

ローグ「うは…高すぎでやんす」

盗賊「やっぱ異形の球皮だから重心寄ってそうだな…ちっと前寄りか」

ローグ「あっしが支えとくんで船体とロープで結んで下せぇ」

盗賊「おう!!」ダダ


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フワフワ

あぁぁ!!ダメだダメだ…これじゃ球皮がかたぐ…もっと前で吊る

これ炉の位置買えないとはみ出ししまいやすぜ?

しゃー無ぇ一回外すか…


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766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:05:50.11 ID:O6K4E5800
『クジラのヒレ』


盗賊「ダメだぁ!!やっぱ左右独立じゃバランス取れん!!」グラグラ

女海賊「ちょっと重さ違うだけでコレかぁ…連結しちゃうかぁ」

ローグ「これ真っ直ぐだからダメなんじゃないすかねぇ?」

女海賊「そだね…連結してヤジロベエみたいに少し垂らす感じで行くわ」

盗賊「設置場所はデッキ上で良いんか?」

女海賊「そこしか無いじゃん…船体貫通すると邪魔になる」

ローグ「尾びれはどうしやす?一緒にやらんと又バランス崩れやすぜ?」

女海賊「ちょい借り付けしといて!!船尾の再後端」

ローグ「テールマストの最後尾っすよね?」

女海賊「その予定…球皮の後端と繋げる予定なんだ」

ローグ「これ重さだけ先に合わせて置いた方が良いんで…何か仕掛け作るならその分何か乗せといた方が良いっすね」

女海賊「ほんじゃ切り出してある骨のシャフトあるじゃん?それ2本テールマストに抱きつけといて」

ローグ「アイサー」ダダ シュタ



『クジラの尾ビレ』


トンテンカン トンテンカン


盗賊「ほーー…コレが舵部になる訳か…」

女海賊「うん…尾ビレだけ可動式」コンコンコン

盗賊「操作が簡単になりそうだ」

女海賊「前の縦帆はロープワーク大変だったからホムちゃんに操作出来なかったんだよ」

盗賊「まぁ…力必要だからな…張り替えも難儀だった」

女海賊「今度のは尾ビレの角度をギアを介して変える仕組み…ホムちゃんでもなんとか操作できる筈」

盗賊「ふむ…左右旋回はヒレ部から出る風の調整だけなんだな?」

女海賊「そそ…空気が出て行く通路の開閉だけかな」

盗賊「ほんじゃ小回り効きそうに無えなぁ」

女海賊「あんま考えて無いよ…もしかしたら尾ビレと組み合わせて回れるかもって感じ」

盗賊「ふ〜む…全体のフォルム重視か」

女海賊「私達を守ってくれたクジラを尊重したいんだ…出来るだけ似せて作る」

盗賊「ヌハハお前らしい…まぁ俺はそういうのキライじゃ無ぇ」

女海賊「今度は空を泳ぐんだ…あ!!!潮吹き機能も付けないとな…」

盗賊「お!!?良い案がある!!」

女海賊「何さ?」

盗賊「ウラン結晶に水掛けると水蒸気出るだろ…そいつを吹き出すんだ」

女海賊「おおおおおおおおお!!!アンタたまには良い事言うね!!」

盗賊「気に入ったか?」

女海賊「汽笛にして音が出る様にしよう!!ちょい作って来る!!」

盗賊「ちょちょちょ…ヒレの固定はまだ終わって無えぞ?」

女海賊「やっといて!!」ピューーーー スタコラ
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:06:23.50 ID:O6K4E5800
『鯨型飛空艇』


フワフワ

ヒレは固定翼だから金属糸で突っ張ってしっかり固定しておいて

球皮とデッキ部の隙間は布で全部覆う…接着剤用意したからコレで使って


ローグ「こんな接着剤だけじゃすぐに剝がれちまいやすぜ?」

女海賊「大丈夫!!アラクネーの糸で補強すっから」

盗賊「なぬ!?」

女海賊「なんかアラクネーはこの飛空艇から出て行く気は無いみたい」

盗賊「デッキ上に巣を作るってか…」

女海賊「結局最後まで私等を守ってくれたのはアラクネーじゃん…アイツもクジラとホムちゃんの友達だったのさ」

盗賊「まぁ…好きにしてもらって良いが言う事聞くんか?」

女海賊「巣を荒らさなきゃ何もしてこないよ」

ローグ「ほんじゃデッキ上が巣になるんすね?」

女海賊「そだね…だから隙間なく布張って!風入ると寒いから」

盗賊「球皮が温いから風が入らにゃ結構快適かも知れん」

ローグ「餌はどうするんすか?」

女海賊「ハチミツを食べるっぽい…飛空艇の中でミツバチ育てれば良い」

盗賊「なるほど…ミツバチと共生関係か…土と花…ほんで光がありゃ永久機関か」



『テスト飛行』


フワフワ ドッスン


女海賊「…樽は水満タンで7つが限界かな」

盗賊「まぁ普通の貨物用と同程度だ…十分だろ」

女海賊「あと旋回性がやっぱ課題だね…ちっとヒレの先っぽ細工して傾けられる様に改造する」

盗賊「またバランス崩れやし無えか?」

ローグ「ちっと待って下せぇ…尾ビレと一緒に操作出来るようにすれば良く無えっすか?」

盗賊「ふむ…確かに尾ビレ操作でいちいち船尾まで行くのはメンドクセェな」

女海賊「仕掛けを前の方に持ってくるの大変だなぁ…」

ローグ「いっそのこと操作系は全部尾ビレ付近で良いんじゃ無えすかね?」

女海賊「前が見えなくなるのがさ…」

ローグ「横が見えれば十分っすよ…そうそう正面に何かあるなんて無えでやんす」

女海賊「おけおけ!一回やってみるわ」


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768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:07:02.92 ID:O6K4E5800
『幽霊船』


ザブン ギシギシ


女戦士「フフ…空飛ぶクジラか…」

魔女「女海賊は立ち直った様じゃな?」ノソリ

女戦士「もう無茶はして欲しくないが…」

魔女「あの性格じゃで言う事聞かなかろう」

女戦士「うむ…そろそろ水浴びもさせないといけないのだが…」

情報屋「暖かいお湯なら良いのでは?」

女戦士「そうだな…湯を沸かすように計らう」

魔女「あ奴の入った湯には浸かりとう無いのぅ…」


ボエーーーーーー ブシューーー


女戦士「んん?」

魔女「ほう?クジラが潮を吹き寄った…」

情報屋「ウフフ…そんな機能まで付けたのね」

女戦士「虹だ…」


キラキラ キラキラ


情報屋「どうしてかしら?女海賊が作る物は何故か夢がある…」

女戦士「持って生まれた天性…」

魔女「ふむ…クジラが空を舞う姿は見ていて飽きんのぅ…」ウットリ


ボエーーーーーー ブシューーー

キラキラ キラキラ


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769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:07:41.70 ID:O6K4E5800
『鯨型飛空艇』


シュゴーーーー グググ


盗賊「どわぁぁぁぁ…」ゴロゴロ ドタ

ローグ「ちょちょちょ…」ズデン

女海賊「やっば!!コレ…」ググ

盗賊「おい!旋回やめろ!!」

女海賊「分かってるって…」グルグル

盗賊「樽がみんな転がっちまったじゃ無ぇか…」

ローグ「これ乗せた資材は全部ハンモックに吊らんと滅茶苦茶になりやす」

盗賊「おま…船体が真横向いてたんじゃ無ぇか?」

女海賊「尾ビレ使って旋回するとメッチャ旋回するわ…」アゼン

盗賊「危無ぇんだって!!窓からスッポリ落ちるぞ」

女海賊「なんか楽しくなって来たぞ!!」グルグル

盗賊「おいおいおい!!」ヨロ

ローグ「あららら?又でやんすか?」オトトト


シュゴーーーー グググ


女海賊「この姿勢で窓からクロスボウ撃てそう?」

盗賊「撃てるっちゃ撃てるが…足場がよ…」

女海賊「ちょい色々試すから戦い方考えといて…」グルグル

盗賊「おわわわ‥‥急降下か!!」

ローグ「これ海に落ちやせんよね?」ヨロ

女海賊「くそぅ!!推進の力だけじゃ海面付近まで降りられないか…」

盗賊「ふぅ…その場合球皮の熱も一緒に抜く必要がある」

女海賊「おけ!!もっかいやってみる」グルグル

盗賊「マジか!!…落下させんなよ?」

ローグ「こりゃ初めて乗った人は耐えられやせんぜ?」

女海賊「前の飛空艇より断然自由度高いから操舵がチョー楽しい!!」グルグル

ローグ「姉さん…聞いてやすかね?」

女海賊「もっかい!!右旋回しながら急降下!!」グルグル

ローグ「ちょちょちょ…」ゴロゴロ ズザザー

女海賊「ひゃっほーーーーう!!噴射!!」グイ


ボエーーーーーーー ブシューーーーー
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:08:23.05 ID:O6K4E5800
『海賊の基地』


フワフワ ドッスン


情報屋「おかえりなさい!!見てたわ?クジラが潮を吹くのを…虹が出るのよ?」

盗賊「お…おう…」ヨロ

ローグ「この飛空艇に乗るのは覚悟が要りやすぜ?」ヘナヘナ


ツカツカ


女戦士「どうだ?空を泳ぐ気分は?」

盗賊「最悪だ…見ろ!この傷だらけの体を…」ボロボロ

女戦士「優雅に泳いでいたでは無いか…」

盗賊「優雅も何も飛空艇の中はてんやわんやな訳よ…天も地もありゃし無ぇ」


女海賊「おい!!2人共ハンモック作って!!」


盗賊「ちっと休憩させろや…」グダー

女海賊「課題見つけたんだ…私球皮の熱を早く抜く仕組み作るからハンモックやっといて!!」

女戦士「フフ楽しそうだ…」

女海賊「あと落下防止用のロープも張っといて!!どうすりゃ真横の壁に立てるかアンタ達の方が分かるよね!!」ピューーー スタコラ

盗賊「ったく人使いが荒いぜ…」

情報屋「下から見てる感じではゆっくり泳いでいる様に見えるのに…中はそんなに大変?」

ローグ「そら遠くなんでゆっくりに見えるんすよ…実際は中でゴロゴロ転がってるんす」

盗賊「兎に角地に足が付かん…転がって受け身も取れん」

ローグ「樽があちこちに行くんでマズそれからっすね…樽が無きゃもうちっと動ける気がしやす」

盗賊「だな?」
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:09:01.02 ID:O6K4E5800
『翌日』


ヨッコラ ドサリ


盗賊「物資はハンモックに乗せて置いたぜ?」

女海賊「おけおけ!!ほんじゃどうすっかなぁ…とりあえず様子見に行くだけだから…」

女戦士「私も同行するぞ…」ツカツカ

女海賊「お姉ぇか…そうだね…あんまお姉ぇと行動した事無いな」

盗賊「俺は勿論行くよな?」

女海賊「今回はハテノ村がどんだけ灰で埋もれてるか見に行くだけさ…あんたはあのデカイ気球で来てよ」

盗賊「ちっと遅いが?」

女海賊「良いの良いの!!どうせ灰が積もっちゃってるから人駆が居るんだ」

盗賊「ふむ…」

女海賊「商人に相談してさ…働ける人を集めて欲しい」

盗賊「わかった」

女海賊「あと魔女と情報屋…アハハ全員女だね」

盗賊「まぁ今回は女だけで行って来い」

女海賊「4人なら広く使えて丁度良いさ」

女戦士「ふむ…女海賊!行く前に水浴びだけして行け…湯は用意してやる」

女海賊「ええええええ!!?」

女戦士「来い!」グイ

女海賊「ちょちょちょ…引っ張んないで!分かったから…」シブシブ
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:09:31.64 ID:O6K4E5800
『幽霊船』


ザブン ギシギシ


ローグ!私はしばらく船を降りて妹の監視役をやる…

お前は幽霊船を指揮して一旦父の下へ戻り妹の無事を伝えろ

船に積んで在る酒は土産だ…代わりにミスリル銀を貰ってこい

それから黒の同胞達の基地で見つけた器具類を父に直せるか聞いてみてくれ


ローグ「次の合流は何処でやんすか?」

女戦士「ハテノ村から続く川の河口だな…物資補給の拠点にしたい…父にそう伝えて欲しい」

ローグ「分かりやした…ですがあっしは寂しいっす」

女戦士「妹があの感じだ…又居なくなってしまっては私が耐えられない」

ローグ「へい…」

女戦士「船を任せられるのはお前しか居ないのだ…私が帰る場所を守ってくれ」

ローグ「ええと…貨物用の気球がキ・カイに置きっぱなしっすね…」

女戦士「そうだ…破壊の剣をアサシンにも渡してやってくれ…アレは良い物だ」

ローグ「あっしも使って良いでやんすか?」

女戦士「うむ…好きに使うのだ」

ローグ「ダガーなんて無いっすよね?」

女戦士「使うだろうと思って加工してある…好きな物を持って行け」

ローグ「おおおおおおお!!やっとミスリルのダガーを卒業出来やす」

女戦士「…では後は頼んだ」スタ
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:10:13.34 ID:O6K4E5800
『鯨型飛空艇』


フワフワ


魔女「なんと奇妙な気球じゃろうか…」ノソノソ

女海賊「乗ったらハンモックでくつろいでね」

情報屋「一応クロスボウの準備もあるのね」

女海賊「お姉ぇ!!早く乗って!!」

女戦士「さて…新型がどれくらいか見せてもらおう」スタ

女海賊「ほんじゃ盗賊とローグ!!後はヨロピコ!!」ノシ


シュゴーーーー フワフワ


盗賊「おーーーい!!この貝殻通じるんだろうな?」

魔女「無論じゃ…無くすで無いぞえ?」

盗賊「おっしゃ!!ローグ!!デカい気球で一旦キ・カイまで戻るぞ!!」

ローグ「もしかして又賭けっすかね?」

盗賊「当たり前ぇだ!!」

ローグ「今度は荷物がカラなんで負けやせんぜ?」

盗賊「ほう?やるってんだな?」

ローグ「ウハハハハ!!お先にぃぃぃ!!」ダダダ

盗賊「てめぇ!!」ダダ


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774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:10:46.80 ID:O6K4E5800
『上空』


シュゴーーーーー


情報屋「帆のバタつく音が無いのね…」

女戦士「これはどの位速度が出ているのだ?」

女海賊「えーっと水頭圧と…水銀柱…ほんで気温が−20℃で対向風だから…時速60km程度かな?」

情報屋「その速度だと大体30日で地球一周する計算ね」

女海賊「追い風ならもうちょい速度出ると思う」

女戦士「早いスクーナーの3倍という所か」

女海賊「対向風で真っ直ぐ行けるのと…狭間入って短縮出来るの見込めば大分早い」

情報屋「高度はこれ以上上げられない?」

女海賊「まだ行けると思うけど寒すぎる…これ以上寒いと色々問題出るよ」

情報屋「じゃぁ未踏の地ではもっと巡航速度落ちるのね」

女海賊「未踏の地?なんで?」

情報屋「オークが乗って来たと思われる古代の船は…たぶん未踏の地で封印されてると思うから…」

女海賊「古代の船…きっとそれ使って月まで行けるよね?」

女戦士「…」ギロ

女海賊「お姉ぇそんな目で見ないでよ…もう行くって決めたんだからさ」

情報屋「それを確実にする為にまずはホムンクルスの意見聞かないとね」

女海賊「そだそだ…ホムちゃんを起こさないと」

魔女「その船が封印されておる地の見当はついて居るんか?」

情報屋「たぶん南極の方ね…オーク領の向こう側」
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:11:36.40 ID:O6K4E5800
『山岳部』


シュゴーーーー グラグラ


女海賊「気流が安定しないな…山にぶつかって風が上向いてるのか…」

魔女「煙がポツポツ見えるのぅ…」

女海賊「小さい村がいくつかあるんだよ…なんとか生き抜いてんのさ」

情報屋「ハテノ村にも温泉が有ったわね?」

女海賊「らしいね?あの辺は火山地帯だからまだ誰か居るかも」

女戦士「南部はオークと争っていると言うが…」

女海賊「昔からだね…キ・カイがどんだけ押し込んでるのか知らないけど」

情報屋「全然押し込めて居ないらしいわ?」

女海賊「なんか知ってんの?」

情報屋「キ・カイは硫黄が無くて遠距離の大砲が使えないのよ…主な戦術はキラーマシンを先頭にして後方からクロスボウ」

女海賊「良さそうじゃん」

情報屋「オークロードは知って居るでしょう?」

女海賊「あーーー石投げて来る奴ね」

情報屋「石の遠投でクロスボウ部隊がやられてしまって進軍出来ないって聞いたわ」

女戦士「なるほど…大砲が使えない影響がもろに出ているのだな」

情報屋「だからオークロードが石を投げられない地下線路からのゲリラ戦でしか戦果が出ていない…」

女海賊「じゃぁこの辺まで地下線路が続いてるんだ?」

情報屋「彫り進めるのには時間が掛かるでしょう?全然攻めきれて居ないのよ」

女戦士「空から攻めれば…」

女海賊「ダメダメ!!オークロードは槍も投げてくんだよ…危なくて上から近づくのもダメ」

情報屋「キ・カイ政府内でも意見が分かれてしまって居て…海軍が外海の調査に出たのもあって内部はバラバラよ」

女戦士「内陸で海軍は無力だ…」

女海賊「…てかオーク領攻める意味無くね?」

情報屋「そうね…馬鹿バカしい…」


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776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:12:23.55 ID:O6K4E5800
『キ・カイ_気球発着場』


フワフワ ドッスン


ローグ「ウハハハハハハ!!…あっしの勝ちでやんす」フン!!


フワフワ ドッスン


盗賊「くそがぁぁ!!」ドン

ローグ「これでおあいこでやんすね?ウヒヒヒヒ」ニマー

盗賊「しゃーねぇ…美味い酒が飲めると思ったんだがなぁ…」

ローグ「盗賊さん…あっしは物資調達してちっこい気球で戻りやすんで後はお願いしやす」

盗賊「なんだもう行っちまうのか」

ローグ「この破壊の剣をアサシンさんと商人さんに持って行って下せぇ」ガチャ

盗賊「商人にもか!!ヌハハあいつ剣なんか振れるんか?」

ローグ「次ぎ会うのはハテノ村っすかね?」

盗賊「そうなるか?まぁ俺も人駆集めたらハテノ村向かうからよ」

ローグ「楽しみにしていやす」

盗賊「まぁそっちも上手くヤレ…じゃぁな?」ノシ

ローグ「いやぁぁぁ…盗賊さんの背中…カッコいいっすねぇ…」

盗賊「そうよ!!盗賊の極意は背中だ!!覚えておけ」スタ
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:12:59.02 ID:O6K4E5800
『商人ギルド』


ワイワイ ガヤガヤ

おぉぉ食料が値下がりしてる…

買いだ買い!!まとめて買うぞぉ!!



盗賊「いよ〜う!!帰ったぜ?」

娘「あ!!爺ぃ!!何処行ってたんだよ!!」

盗賊「商人達は居るか?アサシンとかも来てるだろ」

娘「皆地下の支店の方に集まってる…」

盗賊「なんだよ土産持って来たのによ」

娘「爺ぃは寝てく?それとも酒場?」

盗賊「支店に集まって何かやってんのか?」

娘「私等一切関与して無いから何も知らん」

盗賊「影武者は?」

娘「多分一緒」

盗賊「そうか…どうすっかな…」

娘「休んで行きなよ…子供達に顔合わせてさ」

盗賊「んんんん…まぁ先に用事済ませてからだな…ちっと行って来るわ」

娘「ちゃんと帰って来る?食事作っておくけど」

盗賊「おう!!頼むわ…たまにゃ家の飯食わんとな」

娘「よ〜し!!家族集めておく!!」

盗賊「じゃ行ってくんな?」ノシ


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778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:13:35.81 ID:O6K4E5800
『地下_商人ギルド支店』


ヨッコラ ドスン!!


アサシン「ふぅ…中々に重い…」

商人「…これで後はトロッコの所に引っ張って行けば良い」

狼女「食料はこれで足りる?」

アサシン「食料が必要なのはお前だけだ…」

商人「アハハそうだね」

影武者「…では私はこれで失礼します…本店の方へ戻ります」ペコ

商人「ありがとう…3日くらいで戻るからよろしくね」

影武者「はい…お任せください」

商人「じゃぁ行こうか…」グイ

狼女「あんたじゃ弱いんだって…」グイ


ガタゴト ガタゴト


商人「一回動き出したら僕でも荷車引けるよ」ヨタヨタ

盗賊「お〜〜〜い!!何やってんだぁぁぁ?」タッタッタ

狼女「んん?」キョロ

商人「おおおおおおお!!?盗賊!!」

盗賊「さっき帰った所なんだ…どっか行くんか?」

商人「丁度良かった…今からトロッコに乗ってお宝探しに行く所だったんだよ」

盗賊「マジか!!」


影武者「やぁ…」スタスタ


盗賊「おぉ!!気球改造してきたぜ?発着場に2台並んでるから見て来い」
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:14:01.91 ID:O6K4E5800
影武者「待って居たんだ…これで近隣の村との商談が捗る」

商人「どっちもナイスタイミングだ!盗賊が居れば色々楽になる」

盗賊「しまったな…娘達と食事の約束して来ちまったんだ」

アサシン「盗賊抜きでも構わんが?」

盗賊「いや…お宝探しと聞いて俺が行かん訳にも行くめぇ」

影武者「僕は本店に戻るから伝えておくかい?」

商人「3日程で戻るって伝えれば良い」

盗賊「うむ…んじゃ頼むわ…おっと!!忘れてた…ハテノ村に行ける人駆集めるんだった…」

影武者「それはどういう理由かな?」

盗賊「まぁ…穴掘りか?10人程集めたいんだ」

影武者「それはもしかして硫黄鉱山かな?」

盗賊「そうなるかもな?」

商人「おぉ!!良いね…」

影武者「僕が人駆を集めておくよ」

盗賊「そら助かる…気兼ねなくお宝探しに行けるぜ」

狼女「急がないと兵隊の交代時間過ぎちゃうよ」

商人「あぁそうだね…盗賊!!とりあえず今はこの荷車を運ぶのが先さ」

盗賊「お…おう!!じゃぁ影武者頼んだな?」

影武者「分かったよ…」ノシ


ガタゴト ガタゴト
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:14:41.70 ID:O6K4E5800
『チカテツ街道8番_廃線』


ヨッコラ ドスン!! ガチャガチャ


盗賊「重たいなこの箱…何入ってんのよ?」

商人「今は開けられない…」キョロ

盗賊「廃線になってるみたいだが?」

商人「それは政府の嘘だよ…人を近づけない為にそうしてるのさ」

狼女「交代する兵隊が歩いて来る…」クンクン

商人「トロッコの陰に隠れて」スタ


スタスタ

おい聞いたか?古代の兵器はみんな海軍が持って行ったってよ

やっぱりその話は本当なんだな?陸軍が戦線維持頑張っていると言うのに…

前線では脱走兵も出ているらしい…補給もろくに計画してない

俺ら憲兵が言う立場では無いがオークとの戦争はただの消耗戦だ…死にに行けと言ってるのと同じ…

スタスタ


狼女「…」クンクン

商人「…」コクリ

狼女「…」コクリ

商人「トロッコ押して…」ヒソ

アサシン「フン!」カタン コトン

商人「おけおけ…音出さない様に」

盗賊「おま…まさか人力でトロッコ押す訳じゃ無いだろうな?」ヒソ

商人「人力は200メートルくらいだよ…その後はキラーマシンが動かす」

盗賊「おぉ…ほんじゃこの箱の中はキラーマシンだってか」

商人「まぁね?…とりあえず先を急ごう」


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781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:15:28.90 ID:O6K4E5800
『200メートル先』


ゴソゴソ ガチャガチャ


キラーマシン「プシューーー」ウィーン ガチャ

商人「よしみんな!箱の中に入って!」

アサシン「…」ピョン シュタ

盗賊「こりゃ4人じゃ狭いな…」ピョン スタ

狼女「商人!先に乗って」グイ

商人「あぁ悪いね…」

盗賊「クロスボウ3台か…どうする?前方と後方で分けるか?」

商人「前方2台設置であと一台は手持ちだね」

盗賊「まぁ良いや!とりあえず設置しとくぜ?」ガチャガチャ

商人「キラーマシン!トロッコを動かせ!」


キラーマシン「プシューーー」ガチャコン ガチャコン


盗賊「おぉ言う事聞くんだな…」

商人「よしよし動き出した…これで安心だ」

狼女「私前方の索敵やる…クロスボウって引き金引くだけよね?」

アサシン「こう使うのだ…ここを持って照準で狙う」ガチャ

狼女「大丈夫!」

盗賊「あと一台のクロスボウは商人が使え」

商人「あ…うん」ガチャ

盗賊「まぁ少し落ち着いたな…アサシン!女戦士から武器を預かってるんだがよ」

アサシン「武器?間に合っているが?」

盗賊「そう言うと思ってたわ…まぁ使う使わないは任せる」ポイ

アサシン「ほう…これはオリハルコンなのか?」パス

盗賊「破壊の剣っていう呪われた武器なんだとよ…何でも切れるらしい」

アサシン「私はクサナギの剣で十分なのだが…リカオン?使って見るか?」

狼女「私それ知ってるよ…白狼のあの子…未来くんが使ってた剣だ」

アサシン「ゴーレムを切った剣か」
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:16:00.81 ID:O6K4E5800
狼女「ちょっと使ってみたい」

アサシン「フフそれはリカオンにやる…使いこなしてみろ」

盗賊「あと一本…商人の分も預かってんだ」ポイ

商人「僕!?剣かぁ…」パス

盗賊「まぁ護身用でぶら下げとけ…何でも切れるからお前でも使えるだろ」

商人「あ…何でも切れる…開かずの扉も開けられるって事だね」

盗賊「そういうこった…爆発しなきゃ良いがな?」

盗賊「ほんでよ?作戦の詳細が知りたいんだが…」

商人「あぁ説明する…この地下路線図を見て」パサ


驚くだろう?こんな向こう側まで地下線路が続いて居たなんて…

ここがバン・クーバ…ウィニ・ペグ…こっちがミネア・ポリス…全部古代遺跡が眠る場所らしい

そして調査済みの場所なんだ…というより既に滅びたキ・カイの様な都市だった様だ

海の恵みの無い場所だから仕方なかったんだろうね…とっくの昔にオーク領になった…


盗賊「てことはトロッコでオーク領まで一直線で行けるって訳か…」

商人「多分そこが最前線だと思われる…まぁキ・カイはその古代遺跡を取り返したい訳さ」

盗賊「まさかそんな最前線に行く訳じゃ無いだろうな?」

商人「そんな無茶はしない…その手前…エド・モントという場所に要所が有ってね…そこを調査したい」

盗賊「兵隊が沢山居る場所だろ?前線に行くのと変わらんぞ…」

商人「違うんだ…要所が魔物によって占拠されてしまってるのさ」

盗賊「魔物?オークじゃないのか?」

アサシン「話はこうだ…突如現れたガーゴイルとヘルハウンド…それからゾンビに襲われてキ・カイは補給路が断たれた」

盗賊「ガーゴイル…ヘルハウンド…てことは狭間がその辺にあるんだな?」

商人「ビンゴ!!そういう事さ」

アサシン「狭間が有るという事はそこに何かが隠されている可能性が高いのだ…それを調べる」

盗賊「狭間をそう簡単に見つけられんと思うが…」

狼女「私は匂いで分かる」

盗賊「ほう…なるほど面白そうだ」
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:16:39.22 ID:O6K4E5800
『トロッコ』


カタンコトン ゴーーーー


盗賊「…しかし3人で良くこんな遠足行く気になったな?」

アサシン「私と商人は不死者だぞ?何も恐れる事は無い」

盗賊「リカオンは生身だろうが」

商人「盗賊は知らないかも知れないけど…大抵の魔物は襲って来ないんだよ」

盗賊「人間には襲われるじゃ無ぇかよ」

アサシン「人間がこの様な場所をうろついて居ると思うか?」

盗賊「まぁ確かに…さっきからゾンビしか見無ぇし…」

狼女「もうすぐ分岐…次右の方向」

商人「キラーマシン!!速度落として…」


キラーマシン「プシューーー」ウィーーン ガチャ


狼女「見えた!!分岐確認して」

アサシン「私が行く…」ピョン シュタタ

商人「キラーマシン!!一旦停止!!」


カタンコトン コロコロ…


アサシン「分岐を変える必要がある…盗賊!!力を貸してくれ」グググ

盗賊「おう!!」ピョン ダダ

アサシン「そっち側を引っ張ってくれ」グググ

盗賊「こら錆びついて堅い…どらぁぁぁぁ」グイ


ガチャコン


商人「行けるかい?」

アサシン「恐らくな?」タッタッタ ピョン シュタ

盗賊「この分岐はずっと変えた形跡が無いぜ?」

商人「だろうね?通常ルートでは無い線路なんだよ」

アサシン「このまま真っ直ぐでは他の軍と接触する恐れがあるのだ…トロッコで正面衝突はしたく無いだろう?」

盗賊「大丈夫なんか?」

商人「少し遠回りだけど目的地へは反対側から行く感じかな…さぁ乗ってよ!!もう行くよ」

盗賊「なんだかなぁ…俺はビビってんのか?」ピョン スタ


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784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:17:10.44 ID:O6K4E5800
『10時間後』


カタンコトン ゴーーーーー


狼女「正面!!又障害物…止まって!!」

商人「キラーマシン!!止まれ!!」

狼女「見えた!!又放置されたトロッコ」

盗賊「ちっと周囲見て回るか…」ピョン シュタ

商人「これで3台目か…連結して行こう」

アサシン「リカオン!手伝え…手順は前と同じだ…一旦トロッコを横に倒す」

狼女「分かってる…ふん!!」ガタン

アサシン「フフこれで随分な量の宝を持って帰れる」


盗賊「お〜い!!商人!!来てくれ!!」


商人「んん?何かな?」

盗賊「立ちんぼのキラーマシンが2台あるぞ?これ動かんか?」

商人「おぉ!!動かなくても部品取り出来る!!」

盗賊「白骨がその辺に散らばってるから良い物有ったら持って帰るぞ…てかキラーマシンが良い物か…」

商人「こいつは2台とも動くかもしれない…」カチャカチャ

盗賊「そら良い!!」

商人「魔石の予備をもっと沢山持って来れば良かった…」

盗賊「ボルトの残弾まだ残ってそうだ…戦力になる」

商人「よし!動く…CMOS初期化した」カチャカチャ


キラーマシン「ウィーーン…プシューーー」


商人「もう一台の方も試してみる」タッタッタ
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:17:46.06 ID:O6K4E5800
『3両編成』


ウィーン ガチャ プシューーー


アサシン「フフ思わぬ収穫だったな?」

盗賊「俺用のクロスボウも調達できてウハウハよ!!…出発もうちっと待ってくれ!!ボルト拾って来る」ダダ

アサシン「ここは前哨基地だったのか?」

商人「違うね…撤退時にキラーマシン残して下がったんだと思うな」

アサシン「撤退?」

商人「オークの白骨があったんだ…襲撃されたのさ」

アサシン「一本道だが…どちらに撤退したと思う?」

商人「今から行く方向だろうね…そっちの方が近い」

アサシン「側道がいくつかある様だから注意しておかんとな…」


リリース! スゥ


アサシン「何!!?」

盗賊「やべぇぞ!!デカいゾンビが居る…早く出発しろ」

商人「キラーマシン!!出発しろ!!」


カタンカタン コロコロ


狼女「正面!!ゾンビ多数!!どうする?」

盗賊「デカいのが混ざってる!!進路に入って来る様なら先に倒せ!!心臓狙え!!」

商人「オークゾンビかい?」

盗賊「だろうな?いつ襲って来るか分からんぞ?クロスボウで狙っとけ」

アサシン「どうやらこの先は危険地帯の様だ…」

盗賊「来るぞ!?撃て!!」バシュン バシュン


オークゾンビ「ウゴゴゴゴ…ヴヴヴヴ…ガァァァァ」ドスドス
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:18:41.25 ID:O6K4E5800
『ゾンビ列車』


ヴヴヴヴヴ… ガァァァ


盗賊「ダメだ!ゾンビ相手にクロスボウじゃボルトの無駄だ!!」

アサシン「狙われて居るのはお前だけなのだが…」

盗賊「リカオン!クロスボウ撃つの止めてトロッコに憑りついたゾンビだけぶった切るぞ!」スラーン

狼女「じゃぁ私は左側…」シュタ

アサシン「ヤレヤレ…では私は鎮座しておこう」グビ

商人「どうして沢山ゾンビが…」

アサシン「死霊術師でも居るのではないか?」

商人「もしかして昔のフィン・イッシュと同じ事が起きて居ないか?」

アサシン「アレは病気の蔓延…」

商人「まてよ?新しく発見された遺跡に細菌兵器の類が有ったのかも知れない」

アサシン「古代の兵器の他にか?」

商人「それも兵器だよ…その事実を知ってるからキ・カイは新しい遺跡を確保しようとした」

盗賊「オークは病気に掛からんと聞いたが?」

商人「生きている内はね?でも死んだらゾンビになる…そういう病気だったとしたら?」

盗賊「なるほど…オーク領にばら撒きゃ勝手に自滅する訳か」

商人「盗賊ギルド諜報員からの情報でもゾンビが増えて苦戦してると言ってたんだよね?」

アサシン「うむ…」

商人「そうか…だからキラーマシンを増産してるんだ…前線をキラーマシンだけにしようとしてる」

アサシン「それではキ・カイはすでにオークとの戦争に勝っていると?」

商人「自滅を待っている状態…古代の細菌兵器は既に使われている…フィン・イッシュと同じ事がオーク領で起きてるんだ」

アサシン「その病気は直にキ・カイを蝕む…」

商人「機械化すれば回避出来るよね…」



--------------



盗賊「どらぁ!!」ブン スパ

アサシン「切れ味抜群の様だ…クックック」

盗賊「切れるのは良いが打感が全然無いのよ…素振りしてるみてぇだ」

商人「そろそろ到着する…」

盗賊「いよいよだな?」

アサシン「一応作戦だ…ゾンビは盗賊を狙う筈だ…あとは分かるな?」

盗賊「ケッ!!俺が囮になるんだろ?」

アサシン「分かれば良い…ハイディングで上手く逃げろ…後は処理する」

商人「見えた!!あのゲートを潜ったらエド・モント砦だよ」
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:19:17.08 ID:O6K4E5800
『エド・モント砦』


ガチャコン プシューーーー


盗賊「もしかしてコレはキ・カイ並みに滅茶苦茶広いんじゃ無ぇか?」キョロ

商人「そんな感じだね…チカテツ街道と同じ構造だ」

盗賊「兎に角手あたり次第行くしか無ぇな…」

狼女「…」クンクン

アサシン「リカオンどうだ?何か分かるか?」

狼女「狭間の深い方角だけ分かる…でも沢山ゾンビが居る」

盗賊「どっちだ?」

狼女「上の方…多分地上付近」

盗賊「ヌハハ上とは分かりやすい…俺が先頭行くぜ?来い…」スタ



『チカテツ街道のような所』


ガチャガチャ


盗賊「トロッコに大量の物資が積まれたままじゃ無ぇか…」ガサゴソ

商人「火炎放射器だ…スゴイ」

盗賊「使えそうか?」

商人「新品だよ…魔石もある」

盗賊「もうクロスボウは要らん…お前はそれを使え」

商人「…」カチ


ボボボボボボ ボゥ


盗賊「おっし!!それでゾンビ焼ける」

アサシン「これはまさにフィン・イッシュの惨状と同じだな…生き残ってる者は居るまい…」

商人「廃線にした理由はコレだね…誰も近づけない様にしたんだ」

アサシン「ゾンビが来るぞ…気を抜くな」スチャ


ゾンビ「ヴヴヴヴヴヴ…」ズルズル
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:20:17.17 ID:O6K4E5800

『上に続く通路』


ボボボボボ ボゥ


盗賊「俺が倒したゾンビは片っ端から焼いてくれ!!」

アサシン「やっている…」ボゥ メラ

盗賊「リカオン!!どっち行きゃ良いんだ?」

狼女「上!!」タッタ スパ スパ


オークゾンビ「ウゴゴゴ…」ピク


狼女「焼いて!!」

商人「うん…」ボゥ メラ

盗賊「もう大分上がって来たと思うんだがよう…」

狼女「兎に角上…道なんか分からない」

アサシン「しかし何処にガーゴイルなぞ居るのか…」

盗賊「だな?」

商人「これは広すぎるね…甘く見ていた様だ」

盗賊「魔物さえ居なきゃキ・カイと同じ様に暮らせそうだ」
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:20:45.72 ID:O6K4E5800
『吹き抜け』


ヒュゥゥゥゥ


アサシン「足を滑らせるな?」

狼女「上の方でガーゴイルが飛んでる…」

盗賊「見えんな…何匹よ?」

狼女「10匹以上…それしか分からない」

盗賊「まぁ一応ガーゴイルは居た訳だ…」

商人「この遺跡は大きな縦穴なんだね…」

盗賊「うむ…どうやって作ったんだか…」

商人「ゾンビは階段を上がって来ない…ここで少し休憩しようか」

盗賊「アサシン!!一口ワインくれ」

アサシン「フン!」ポイ

盗賊「もう何時間歩き通してる?」グビ

商人「分からなくなったね…帰れるのかも自信がない」

アサシン「焼けたゾンビを辿れば戻れる」

盗賊「違い無ぇ…」

商人「他の遺跡もきっとこれくらいの規模なんだろうなぁ…」

盗賊「こんなんあるの俺ら全然知らんかったな…」

商人「地下だからね…キ・カイの軍事機密でもあったよね」

アサシン「私達が思っていたよりもキ・カイの規模は大きかった様だ」

商人「うん…北の大陸は小国の集まりだったね…」


ヒラヒラ…


商人「雪だ…」

盗賊「ここの吹き抜けはちっと寒い…上がって通路入ろう」スタ
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:21:42.15 ID:O6K4E5800

『開かずの扉』


ダダダ


盗賊「おい!!この扉…」

商人「開いてる…もう盗掘されてるのか…」

盗賊「リカオン!狭間はどっちだ?」

狼女「上…」

商人「う〜ん…読みを外しちゃったかも」

盗賊「どういう事ヨ?」

商人「狭間になってるのはさっきの穴が上空から探せなくする為の物じゃ無いかなって…」

盗賊「空中に浮いてるって事か?」

商人「それは分からない…あれだけ大きな穴なら気球で探せた筈」

盗賊「ふむ…誰がそんな事を…」

商人「さぁね?魔術師の黎明時代なら出来たのかもね」

盗賊「まぁとりあえずこの扉は特別なもんだ…入ってみよう」スタ
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:22:12.16 ID:O6K4E5800
『古代遺跡』


ヒラヒラ…


商人「ここにも雪が積もって…」

盗賊「なんか色々謎の機械があるぜ?」

アサシン「この並んでいる塔は何だと思う?」

商人「多分光る隕石…ミサイルだよ」

アサシン「やはりな…」

商人「ここはあの光る夜の時天井が開いたんだ…空気が入ったせいで開かずの扉が開いた」

盗賊「火炎放射器で積もってる雪を溶かしてくれ…何があるか調べたい」

商人「もし古代のエネルギーを見つけたら教えて」

盗賊「おう!!ちっと向こう側探索してくるな?」ダダ

狼女「…」クンクン

アサシン「ん?何か臭うか?」

狼女「敵じゃない…何だろうこの匂い」クンクン

商人「何処?」

狼女「今入って来た扉の横…雪で埋もれてる」

商人「あああああああああ!!こ…これは!!」

アサシン「んん?」

商人「石化したホムンクルスだ…」

アサシン「何?」

商人「いつの時代なんだ…」サワサワ

狼女「匂いはその足元だよ」

商人「何処?」ガッサ ガッサ

アサシン「死体か?…いや…これはミイラだな」

狼女「他にも沢山…全部壁際だよ」

商人「ちょっと雪を解かそう」カチ


ボボボボボ ボゥ


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792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:22:52.90 ID:O6K4E5800
『30分後』


商人「みんな同じ衣類だ…全部女性だね」

アサシン「この辺りだけで20体近い…これをどう見る?」

商人「窒息死だよ…生きたままここの空気を抜かれた…これは古代人だ」

狼女「あそこのミイラは何か武器を抱きかかえたままミイラに…」

商人「取れるかい?」

狼女「ミイラが石になってて…」

商人「なるほどね…それは多分古代の兵器だ…取れなかったから盗掘されてない」

アサシン「その武器でミイラの部分を切り取ってしまえ」

狼女「分かった…」スパ スパ

商人「これは他にもありそうだな…僕も探して来る」タッタッタ


盗賊「お〜い!!こっち来てみろ!!」


商人「何か見つけたね?」

盗賊「この部屋はなんだ?謎の機械が並んでいやがる…」

商人「スゴイ!!」

盗賊「これ…椅子に腰かけてるのはミイラだよな?」

商人「この機械を操作してたんだ…ここは指令室か何かだ」ゴソゴソ

盗賊「ガラス越しの向こうにも部屋があるぜ?」

商人「よし…ここまでは雪が入って来て無いから一旦ここを拠点にしよう」


シュタタタ


狼女「古代の兵器取れたよ」

盗賊「おぉ!!見せてみろ」

狼女「これ使えるかな?」カチカチ

盗賊「ほぉぉぉ…インドラの銃みてえだな…」ガチャ

商人「他にも有るかもしれないから見つけた物は此処に…」

盗賊「だな?向こうも見てくる」ダダ


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793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:24:24.07 ID:O6K4E5800
『焚火』


メラメラ パチ


盗賊「燃えそうな物はここに突っ込んでくれな?…ぅぅぅさぶ」ゴシゴシ

狼女「これで3つ目…」ドサ

盗賊「古代の兵器…一人1つづつ持って帰りたいな…ふぁぁ〜あ」

アサシン「盗賊…少し仮眠を取れ」

盗賊「あぁ…ちっと疲れた」

狼女「使える物が無いのが…」

アサシン「エネルギー切れなのだろう」

狼女「もう謎の機械は無視して良いよね」

アサシン「うむ…すべてガラクタだ」


ヨイショ ヨイショ ドサリ


商人「やっと見つけたよ…」

アサシン「それは?」

商人「古代のエネルギーさ…容器の中にウラン結晶が入ってる」

アサシン「では見つけた古代の兵器にエネルギー充填出来るのではないか?」

商人「どうだろう?やり方が分からない」

アサシン「まぁ持って帰ってみてからか…」

商人「今は休憩中かい?」

アサシン「盗賊は軽く仮眠だ」

商人「見つけた物をトロッコまで運ばないとね…」

アサシン「持てる量に限りがあるからな…これ以上探索しても持って帰れん」

商人「書物が一切見つからないのが不思議だよ…本棚らしい物も無い」

アサシン「古代では不要だったのだろう」

商人「ちょっと集めた謎の機械類をバラしてみようかな…」カチャカチャ

アサシン「好きにしろ」
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:24:55.70 ID:O6K4E5800
狼女「その機械…何だと思う?」

商人「腕らしいものが付いて居るから自律で動くペットの様な物じゃ無いかな」カチャカチャ

狼女「沢山在るけど殆ど傷んでた」

商人「傷んで無い物は持って帰られた感じだろうね」カチャ

狼女「シィィィーーー」ピク

商人「!!?」キョロ

狼女「遠くで何か聞こえる…話し声」

アサシン「…」

狼女「先遣隊…部隊が前線から引き揚げて来るって…」

アサシン「私達も一度引き上げた方が良い…」

狼女「大分遠い…多分10人くらい」

アサシン「商人…今回は目標達成と見て良いか?」

商人「僕の目標は達成だね…でもアサシンの目標は達成してない」

アサシン「これほど広いとは想定外だった…すべての探索は2〜3日では終わらん…中止だ」

アサシン「そもそも此処でドリアードと同じ事が起きているかもしれないと言うのは私の勝手な思い込みなのだ」

盗賊「ぬぁぁ寝れやしねぇ…今の話は初耳だが?」

商人「諜報員の情報だとね…エネルギー源としてどこからか持ち込まれたのは黒い魔石らしい」

アサシン「私はそれが魔王を封じた魔石では無いかと疑っている」

商人「ここの所キ・カイでは魔石が供給過多で値下がりしてるのさ…どこかでエネルギーの移し替えをやってる」

盗賊「じゃぁその現場が此処だと思ってた訳か?」

アサシン「前線へのエネルギー補給を考えると此処が望ましい…そう考えて居た…たが確証は無い」

盗賊「なるほど…それを調査したかった訳か…だが広すぎたんだな?」

アサシン「うむ…」

盗賊「まぁ一旦仕切り直しが良さそうだ…マジで探すならしっかり地図とか作らんと厳しい」

商人「軍に見つかってしまう前に戻ろう…」

盗賊「だな?俺がそのエネルギー源とやらを持って帰るからその他は手分けしてくれ」ヨッコラ

アサシン「古代の兵器は1つづつ…後はどうする?」

商人「ちょっと待って…この機械の頭部ユニットだけ外して行く」ガチャガチャ

狼女「帰路は私が先頭…匂いで分かるから」

盗賊「そら助かる…後方は任せろ」


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795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:25:42.19 ID:O6K4E5800
『吹き抜け_帰路』


ヒュゥゥゥ ボボボボ


商人「ガーゴイルが燃えながら落ちて…」

盗賊「空で戦闘やってんな…ありゃ小型の気球が火を吹いてんだ」

アサシン「先遣で陸と空から…定石だな」

盗賊「良く見ると気球が沢山飛んでんじゃ無ぇか…」

商人「ここから一気に降りられると先越される…」

盗賊「ちぃぃ…高くてロープ使っても降りられんな…」

狼女「案がある!!私が変体すれば一人づつなら背負って飛び降りられる」

アサシン「む…」

狼女「元来た道を戻るのは10時間くらい掛かってしまうから…それなら変体した方が早い」

アサシン「良い案だ…リカオンが寝た後は戦力が一人減るがトロッコまで行けばキラーマシンが残って居る」

盗賊「下に降りた後は行き先分かるか?」

狼女「匂いで分かるよ」

商人「よし!それで行こう」

狼女「アサシン…破壊の剣を預かって」ポイ

アサシン「それは私が使おう」パス

商人「あぁぁちょっと!!服を脱いでから変体して!!」

盗賊「ヌハハ後で裸の女背負って行くのも問題が多いしな」

狼女「アッチ向いて!!」ヌギヌギ

盗賊「ヘイヘイ…んん?対岸の兵隊…こっちに気付いてんな」

アサシン「流石は前線の兵士という所か…手練れが居ると見た」

商人「マズいね…軍は貝殻と同じ様な機械を使って連絡し合ってる…気球が降りて来るぞ」

狼女「服を預かって!!」バサ

盗賊「おう!!」

狼女「盗賊から!!背中に乗って!!」ガブリ


ムクムク モサモサモサ


ウェアウルフ「グルル…早く!!」

盗賊「俺が下の安全確保だな?」ピョン

ウェアウルフ「舌噛むな?」ピョン シュタ シュタ


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796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:26:40.41 ID:O6K4E5800
『最下層』


グルルル ガウガウ


盗賊「おら…掛かって来いや」ブン ブン

ハウンドドッグ「グゥゥゥゥ…ガルルル」


ピョン シュタ!


ウェアウルフ「商人降りて…次行って来る!!」シュタタ ピョン

商人「これ…ゾンビの犬かい?囲まれてる…」

盗賊「ゾンビとちっと違う…知能があるから手強いぜ?」

商人「火炎放射器で威嚇した方が良いね…」ゴゴゴゴゴ ボゥ


ヒュゥゥゥ ドサーーー


盗賊「ガーゴイルも降って来やがる…上にも気を付けろ!!」

商人「う…動くぞ!!」

盗賊「さっさと燃やしちまえ!!」

ガーゴイル「ギャアアァァァ…」ヨタヨタ

商人「このぅ!!」ボボボボボ

盗賊「来るぞ?」ダダ
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:27:09.52 ID:O6K4E5800
ハウンドドッグ「ガウルルル…ガァァァ」ダダ

盗賊「くっそコイツ!!」ブン

商人「ハッ!!狙われてるのは盗賊だけか…」

盗賊「その様だな?素早くて対処出来ん!!上手い事燃やしてくれ」

商人「分かってる…賢いなあの犬…」

盗賊「だろ?ちゃんと距離を分かってる」

商人「この場合クロスボウの方が良いけど…置いて来ちゃった」


シュン シュン シュン ドス ドス ドス


ハウンドドッグ「ギャフゥゥン…ギャンギャン」バタバタ

盗賊「何ぃ!!?」

商人「クロスボウの撃ち下ろしだ…あの兵隊は降りて来るのが早い…」

盗賊「俺らを助けようとしてる様だ」

商人「そりゃそうだよね…僕達は人間の形をしてるんだから」

盗賊「あの兵隊は特殊な訓練を受けた精鋭だ…リカオンを狙われたらマズイ」



ピョン ズザザー



ウェアウルフ「アサシン降りて!!」

アサシン「…」ピョン シュタ

盗賊「リカオン!!身を隠せ!!」

ウェアウルフ「え!!?」

盗賊「上に居る兵隊に撃たれるかも知れん…あれは特殊部隊で俺ら以上に出来る奴らだ」

商人「兵隊が移動を始めてる…今の内にトロッコへ急ごう」

ウェアウルフ「こっち!!」シュタタ

盗賊「商人!!続け!!」ダダ
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:27:52.37 ID:O6K4E5800
『チカテツ街道のような所』


シュタタ タッタッタ


盗賊「ここは見覚えがあるぞ!!」ハァハァ

ウェアウルフ「向こう側…」

商人「ここは補給路だ…彼らはどうして先にここを押さえない?」

盗賊「走って来て分かるだろ?この都市はあの縦穴を中心に円形なんだ…押さえてんのは反対側だ」

商人「そういう事か…」

盗賊「焼かれたゾンビ辿って直ぐにここまで辿り着く…サッサと逃げるぞ!!来い」グイ

ウェアウルフ「声が聞こえる…私達の事を残ってる部隊だと思ってる」

盗賊「そら良い知らせだ…お前が見られんで良かったわ」

ウェアウルフ「見られてるみたい…どうしてウェアウルフが味方してるのか何処かに向かって話してる」

商人「それ機械で通信してるな…」

アサシン「ウェアウルフは北の大陸の生物だ…繋がりを勘繰る者が出て来るぞ」

商人「敵だと判断されるのは時間の問題かもね」

盗賊「どっちでも良い!!急いで脱出だ」



『連結トロッコ』


ハァハァ…


商人「みんな乗って!!」

盗賊「やっと休めるぜ…」ドタリ

商人「キラーマシン!!前後入れ替わって逆走して戻る」

キラーマシン「プシューーーー」ウィーン ガチャコン ガチャコン

アサシン「追っ手は間に合って居ない様だ…」

ウェアウルフ「もう匂いが分からないくらい遠い…」

アサシン「リカオン…今日の主役はお前だったな」ナデナデ

ウェアウルフ「撫でられると眠くなる…」

アサシン「もう良い…早く寝て次に備えるのだ」

ウェアウルフ「グルルル…グゥ」zzz

商人「出発するよ?キラーマシン!トロッコを発進させて!」

キラーマシン「プシューーーー」


カタタン コロコロ…


盗賊「さぁて…ここから半日…又ゾンビ列車だな?」ムクリ

商人「今度は火炎放射器が2台あるから随分ラクさ」

アサシン「トロッコに装着して放射しっぱなしでどの位継続する?」

商人「さぁ?でも魔石は沢山拾って来た…試してみようか」

盗賊「ちっと休めるならそれも良いな…貸せ!俺が取り付ける」グイ


ガチャガチャ
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:28:31.64 ID:O6K4E5800
『火炎列車』


ボボボボボボ ボゥ


盗賊「んがぁ…すぴー」zzz

アサシン「このまま進むのは他のトロッコと正面衝突するのでは?」

商人「いや…多分来ないね」

アサシン「地下路線図ではこの路線は一方通行だぞ?」

商人「もうオークとの戦争は終わってる…キ・カイは外海の調査に注力してるのさ」

アサシン「フフ戦地への補給は無しか」

商人「来るとしても少数のキラーマシンを輸送する程度だよ…予定していた子供達が居なくてそれも滞ってる」

アサシン「ゾンビ化の病気をばら撒くとは外道も外道…」

商人「半年もすればオーク領はゾンビだらけ…弱体化した所を攻めるんだ」

アサシン「補給が無いのを不審に思った前線の部隊が戻り始めて居る…そういう事だな?」

商人「多分ね…」

アサシン「もう太陽を見ず時間が分からんのだが…まさかチカテツ街道までこのまま突破じゃあるまいな?」

商人「う〜ん…帰りをどうするかあまり考えて無かったんだ」

アサシン「クックック…詰めが甘い」

商人「流石にキラーマシン3台持って悠々と帰る訳にも行かないなぁ…」

アサシン「キラーマシンは放棄が良かろう…4人で徒歩ならなんとか帰還できる」
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:29:10.56 ID:O6K4E5800
『その頃_チカガイ』


ガチャガチャ


オークの子「爺ぃ!!まだ?」

ジャンク屋「爺ぃと言うなぁぁぁ私は科学者だぞ!!」ガチャガチャ

オークの子「じゃぁ科学者…まだ?」

科学者「慌てんなや…キシシシシ…ホレ」ポイ

オークの子「よし!!これで…」パス

科学者「只じゃないよ?」ギロ

オークの子「…」ポイ

科学者「これだけ?んぎゃあああ…私は研究で忙しいと言うのに…」ムシャムシャ

オークの子「それうちらの最高の御馳走なんだ…それで勘弁して」

科学者「これだからガキは好かん…」ムシャムシャ

オークの子「これどうやって使うの?」

科学者「スイッチを押したらビビビーっとなる位分からんのかや?」ムシャムシャ

オークの子「ありがとう…やってみる」

科学者「それで…」ジロリ

オークの子「忘れて無いよ…機械を持って帰れば良いんだろ?」

科学者「ソレじゃ!!ソレソレソレソレぇぇぇぇ…持ってきたら何でも作ったる」

オークの子「大きな声出さないで…大人に見つかるとヤバいから」

科学者「私は此処で研究を続けて居るから…イヒヒヒヒ」

オークの子「研究ねぇ…牢屋から逃げて来て隠れてたんじゃ無かったっけ?」

科学者「見つかってしまっては研究が出来ん…シッシ!!あっち行け!!」

オークの子「又来る…」ノシ
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:29:53.75 ID:O6K4E5800
『地下通路』


ピチョン ポタ


悪ガキ1「あの爺ぃ頭大丈夫?」

オークの子「大人の中では信用出来る方さ…」スタスタ

悪ガキ2「ブツは手に入ったんだろ?見せろよ」

オークの子「おもちゃじゃ無いんだ!触るな…」

悪ガキ2「ケッ!!」

オークの子「…それで?…地下水路の方にオークの大人はどれくらい集まった?」

悪ガキ2「6人…」

オークの子「誰にも見つかって無いよね?」

悪ガキ2「うん…アイツらヤバい武器持ってるよ?」

オークの子「どんな?」

悪ガキ2「くそデカイ斧」

オークの子「普通だよそんなの…食料は言われた通り渡したか?」

悪ガキ2「木の実と骨…」

オークの子「まぁ良いや…作戦通りオークの退路確保頼んだよ」

悪ガキ2「バッチリ!!例の地図のお陰でチカテツ街道8番の奥まで出られる」

オークの子「じゃぁここからは別行動だ…悪ガキ1!!私に付いて来い」

悪ガキ1「分かってる…」スタ

オークの子「あんたの鍵開けが頼りなんだ…失敗すんなよ?」

悪ガキ1「こいつも連れて行くよ」

お手伝いロボ「ピポ…」ウィーン

オークの子「あの爺ぃが作った奴か…まぁ良いや!来い!」タッタ
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:30:36.27 ID:O6K4E5800
『軍の研究所』


ドドーン グラグラ


兵隊1「んん?何だ!?」

兵隊2「地上の方だ…又何か起きた様だ」


ザザー

緊急!緊急!

外部より未確認の砲撃あり!

地上市街地被害甚大…特別警戒レベル1に相当

至急司令部からの指示を要求する!!


兵隊1「何ぃ!!警戒レベル1だとぉ!!」ガタン

兵隊2「緊急招集が来る!!人駆集めるぞ!!」ドタドタ


ザワザワ ドタドタ

指令部からまだ指示来て無いのか?

兎に角軍用ドックに移動急いだ方が良い

砲撃って何なんだよ!!どっかの軍船か?

投石らしい…噂に聞くオークロードかも知れん

ザワザワ ドタドタ


---------------


ヒソヒソ


オークの子「始まったね…チャンス見てあの扉から入る」

悪ガキ「この場所で間違いない?」

オークの子「あの爺ぃは此処に収容所があると言ってた」

悪ガキ「みんな助けないと…」ブルブル

オークの子「震えてんのかい?」

悪ガキ「これは武者震いなのか?」ブルブル

オークの子「慣れろ…行くよ」グイ
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:31:09.18 ID:O6K4E5800
『研究所の中』


ガチャリ ギィィ


オークの子「よし!!誰も居ない」

悪ガキ「入って来られない様に内側から鍵を掛けて置く…」カチャン

オークの子「私が先に…」スタ

悪ガキ「待って…お手伝いロボ!!先に進んで様子見して!!」

お手伝いロボ「ピポポ…」ウィーン

オークの子「ふむ…良いね」

悪ガキ「大人が反応したらそのビビビの武器で倒して」

オークの子「分かった…後ろ頼むよ」コソーリ


女「うわっ!!だ…誰?」


オークの子「大人の女か…」

女「掃除の機械?一体誰が…」キョロ

オークの子「ゴメンよ!!」ダダダ

女「え!!?子供…いぎゃぁぁぁ」ビビビビ ドタリ

悪ガキ「…」

オークの子「先に進むよ…」グイ

悪ガキ「死んで無いよね?」

オークの子「気絶しただけ…これは遊びじゃない!!真剣にやって!!」

悪ガキ「分かってる…」ダダ
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:32:01.27 ID:O6K4E5800
『研究所の奥』


シクシク エ〜ン


子供達「だれ?ここから出して?」

オークの子「今から鍵開ける…だれもしゃべらないで」ギロ

子供達「…」コクコク

オークの子「悪ガキ!!あんたの出番」

悪ガキ「分かってる…集中するから静かに…」カチャカチャ

オークの子「私は例の機械を探して来るからそれまでに終わらせて」

悪ガキ「うるさい!!集中できない!」カチャカチャ

オークの子「…」タッタッタ

悪ガキ「お手伝いロボ…大人が来たら足止め頼む」

お手伝いロボ「ピピ…」ウィーン

悪ガキ「鍵が開いたら出口は右の奥だよ…出たらチカガイのギャング達と合流するんだ」

子供達「…」

悪ガキ「その後はギャングに従って事が済むまで隠れる…イイネ?」カチャン 

子供達「!!?」

悪ガキ「開いた…今なら逃げられる…早く行って!!」


ドタン! ガラガラ


兵隊「このぉぉ!!」

悪ガキ「ヤバイ…」ダダ
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:32:40.07 ID:O6K4E5800
オークの子「くっそバレた!!」ダダ

兵隊「どうやって逃げ出した!!」

悪ガキ「姉御!!いつも通り!!」スラーン

兵隊「武器を持って居る…だと?」タジ

悪ガキ「…」ギロリ

兵隊「子供が持って良い武器では無い…渡しなさい」

悪ガキ「姉御!!」

オークの子「…」ダダ ビビビビ

兵隊「んがががががが…ぐぅぅぅ」ピクピク

悪ガキ「よっし!!例の機械は?」

オークの子「見つけた…戻るよ!!」ダダ

悪ガキ「みんな付いて来い!!」ダダ


子供達「…」ガクブル



『商人ギルド』


ドカーーン パラパラ


娘「いやぁぁぁぁ…」タジ

影武者「こ…これはダメだ…娘さん!!家族を連れて下へ避難するんだ」

娘「し…下?」

影武者「早く!!商人の隠し部屋が地下通路になってる」

娘「皆を連れて来る!!」ダダ


ギャァァァ

誰か…誰か助けて…

伏せろぉ!!頭だけ守れぇ!!

兵隊は何をやって居るんだ!!
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:33:16.33 ID:O6K4E5800
『隠し部屋』


ガチャリ ギーー


娘「早く入って…」グイ

家族達「こんな場所がギルドの地下に…」

影武者「今はそんな事言ってる場合じゃ無い…奥の通路なら比較的安全だからそっちへ」


ゾロゾロ


娘「上の大部屋はもうグチャグチャ…大事な物は無かったかな?」

影武者「大事な物は命だけさ…」

娘「この砲撃は何だか知ってる?」

影武者「分からない…ただもうここで商人ギルドは厳しいね」

娘「爺ぃの為に家族集めといて良かった…」


ドーン グラグラ


娘「うわわわ…」

影武者「気球で物資運搬どころじゃ無くなったな…気球が無事なら良いけど」

娘「ここに包帯とか無い?」

影武者「ある…僕の包帯と商人のエリクサー」

娘「落ち着いたら他の人の手当てに回らないと…」

影武者「そうだね…」


ドーン ドカーン


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807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:34:23.44 ID:O6K4E5800
『火炎列車』


カタコン ゴーーーーー


商人「もうすぐチカテツ街道8番だ…何事も無く戻って来れたね」

狼女「この人ずっと寝っぱなし…起こす?」ペシ

盗賊「ふんが!?」パチ

アサシン「フフ寝覚めは良いか?」グビ

盗賊「おぉぉ…今何処ヨ?」ムクリ

商人「あと1時間くらいで到着さ…そろそろ徒歩に切り替えようと思ってた所だよ」

盗賊「ふぁぁぁ〜あ…どうやら俺はしっかり寝たみたいだ…腹減ったな」

狼女「ナッツ!」ポイ

盗賊「くぁぁぁケチくせぇ食い物だ…アサシン!ワインくれ」パク

アサシン「もう残り少ない…一口だけにしろ」ポイ

盗賊「一口かよ…まぁ無いよりマシか」グビ

狼女「…」クンクン キョロ

アサシン「リカオンどうした?」

狼女「オークの残り香…」

盗賊「おぉそら又てーへんだ」グビ

狼女「ちょっと待って!!何処かに隠れて居るかも…数が多い」クンクン

商人「このまま走り抜けた方が良いって事かい?」

狼女「いえ…止まって!!正面から何か来る」

商人「キラーマシン!!止まれ!!」

キラーマシン「プシューーーーー」ガチャコン


キキキキキーー ガッタン


狼女「警戒して?」スラーン

アサシン「正面…側道を誰か歩いているな…」

商人「どこ?」

狼女「子供!!」

盗賊「なぬ!?こんな所を一人でか?」

狼女「違う…子供がオークを引き連れて歩いてる」

盗賊「なんだとぅ!!」ダダ

商人「あ…そういう事か…子供はギャングの誰かだ」

アサシン「どういう事だ?」

商人「ギャングはオークと結託しているらしい」

狼女「聞こえる…多分トロッコに何か乗せて引っ張ってる」

盗賊「オークが物資調達やってんだな?」
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:35:27.26 ID:O6K4E5800
商人「参ったね…道を塞がれてる」

盗賊「ギャングなら話通じるだろ」

商人「オークが襲って来なきゃ良いけど…」

狼女「向こうのオークもこっちに気付いたみたい…どうする?」

盗賊「戦うと子供巻き込んじまうな…」

狼女「オーク2体!!走って来る」ピョン クルクル シュタ

盗賊「商人!!火炎放射の準備だ」ダダ

アサシン「私も火炎放射が良さそうだ…」グイ チャキリ

狼女「盗賊!!右側をお願い」スラーン

盗賊「マジか…オークとタイマンして勝てる気がせんのだが…」スラーン


オークウォーリア「ウゴォォォォ!!」ドスドスドス ドカーン


盗賊「うぉっと!!でかい斧だ」

アサシン「盗賊!!武器を壊せ」

盗賊「分かってらぁ!!」ダダ スパ スパ


オークウォーリア「ウゴ!?」バラバラ


盗賊「オラオラ!!武器無しでどうする?」---でけぇ---

狼女「弓!!」


シュン!! ストン!!


商人「あぶっ!!」タジ

盗賊「商人!!トロッコの陰に隠れてクロスボウで撃ち返せ」

商人「あわわわ…」ドタドタ

狼女「向こう引いてる…」

アサシン「こっちが只者では無いと気付いた様だ」

狼女「状況分かって来た…」クンクン
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:35:54.86 ID:O6K4E5800
オークは全部で6体…その内2体は傷付いてトロッコの中…

後方でオーク2体が向こう側と戦っていて

私達の目の前に来てるのが残りの2体…子供達は全部で10人程


盗賊「どういう状況か分からん!!子供達は掴まってんのか?」

狼女「自分の足で歩いてる…」

商人「なるほどオークを逃がそうとしてるね…」

アサシン「これでは膠着状態だな…少し間を詰めるか?」

商人「いや…なにか小さな機械がこっちに向かって来る…」

盗賊「爆発するんじゃ無いだろうな?」

商人「トロッコの陰に隠れようか…」


お手伝いロボ「ピポポ…」ウィーン


商人「張り紙だ!!」ダダ

盗賊「おい!!爆発したらお前吹っ飛ぶぞ…」

商人「道を開けてと書いて居る…」

アサシン「子供の字だな…この状況で道を開けてとは考えが甘い」

盗賊「開け様が無いんだが…どうするよ?」

商人「取引するしか無いね…」カキカキ


お手伝いロボ「ピピピ…」クルリ ウィーン


盗賊「なんて書いた?」

商人「簡単さ…トロッコを入れ替える…その間不戦協定だ」


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810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:36:58.37 ID:O6K4E5800
『数分後』


ピチョン ポタ


狼女「さっきのオーク2体は後方の戦闘に行ったみたい」

商人「フフ取引に応じた様だね…その間向こうから攻められたくない訳だ」

盗賊「武器はどうする?」

アサシン「不戦協定なのだろう?下げておけ」スタ

商人「キラーマシン!ゆっくり前進だ…」

キラーマシン「プシューーーー」


ゴトゴト ゴーーー


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『取り引き』


ヒソヒソ ヒソヒソ


商人「大人は居ない様だね…君が代表かい?」

オークの子「そうだよ…はぁはぁ」ヨロ

商人「君とは会った事有るかな?」

オークの子「知らない…それよりトロッコの入れ替えを早く」ポタ


ダダダ ズデー


科学者「おぉぉぉぉお!!私の子供達ぃ!!お前は初期型!!まだ残って居たのかぁぁアハハハハ」

キラーマシン「…」

商人「ん?」

オークの子「爺ぃ!!引っ込んでて!!」

商人「あ…」

科学者「爺ぃでは無いぃ!!私は偉大な科学者…うひゃぁぁ!!お前はぁぁ!!」ドタドタ

商人「なんでジャンク屋が此処に居るんだ…」ボソ

科学者「おまいが持って来たあの機械…」プルプル

商人「何の話かな?人違いだよ」

科学者「私の眼はごまかせんぞぃ!!何故他の者に売ったんやぁぁ!!」

オークの子「爺ぃ引っ込んでろって言ったよね!!」


狼女「ちょっと商人!!傷付いたオークが失血で死にそう」


商人「ここでゾンビになられると困るな…僕のエリクサーでとりあえず処置して」ポイ

狼女「一口しか無いよ…」
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:37:32.94 ID:O6K4E5800
アサシン「私の分も使え…」ポイ

オークの子「死ぬとゾンビになると知って?」

商人「ハハ…まぁね」

盗賊「トロッコ入れ替えるも何も…こんなデカいオークを誰が担ぐのよ」

商人「キラーマシンなら出来るじゃ無いかな…」

狼女「今にも死にそう…動かさない方が良い」


ダダダ ズザーー


チンピラ「ダメだ姉御!!ギャング掃討が始まった…全員連れて行かないと殺される!」

オークの子「ちぃぃ…仕方無い!!一旦線路の奥まで行くから全員連れて来て!!」

チンピラ「分かった!!もう少し時間稼いで!!」

盗賊「おいおいどういう話になってんのよ?」ズイ

オークの子「大人には関係無い」ポタ

盗賊「待て待て俺は子供のヒーローだ…お前怪我してんだろ…見せろ」グイ

オークの子「触るな!」グイ

盗賊「おい商人!なんかこの状況おかしく無ぇか?」

商人「そうだね…どうやら僕達は素通り出来そうに無い」

盗賊「察するにオーク呼び込んで政府から追われる立場になってんだな?」

オークの子「…」


科学者「おぉぉ!!こ…これは!!古代の兵器じゃ無いですかぁぁ…これをどうして」


アサシン「近づくな…」ドン

科学者「それがあればキラーマシンを強化して…更に…更に…ウシシシシ」

狼女「後方のオーク4体が押され始めてる…キラーマシンが出て来たみたい」

オークの子「あぁぁ…時間が無い!!子供達が逃げられない…」ソワソワ

盗賊「キラーマシンだけ倒せば何とかなるな?」

オークの子「え!!?」

盗賊「俺が時間稼いでやる…その間にこの状況を何とかしろ」

商人「盗賊…」

盗賊「まぁハイディングでキラーマシンぶった切って来るだけだ…なんとか話まとめろ!!」ダダ

商人「頼む!!」
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:38:45.80 ID:O6K4E5800
『チカテツ街道8番』


ザザー

オーク4体の後方にギャングと思われる子供数人確認

クロスボウでの援護射撃でオーク逃走を支援している模様

子供であろうと抵抗する者は容赦するな

線路損傷を裂ける為爆弾及び榴弾の使用は控えろ


バシュン バシュン ストン ストン


悪ガキ1「ヤバイ…キラーマシンがなにか発射してくる」

悪ガキ2「血が出てるぞ?」

悪ガキ1「今のが太ももに当たった…」ポタポタ

悪ガキ2「くそう!!キラーマシンさえ居なきゃ…」

悪ガキ1「オークもやられそうだ…どうしよう?」

悪ガキ2「逃げるしか無い…歩けるか?」グイ

悪ガキ1「逃げたらダメだ!!時間を稼がないと皆が逃げられない」


バシュン バシュン ストン ストン


悪ガキ2「居場所がバレてる…」

悪ガキ1「ここを死守する!!」ガチャコン

悪ガキ2「俺も付き合う!!」ガチャコン

悪ガキ1「オークに注意が行ったら向こうの柱の陰に行く…」

悪ガキ2「二手に分かれるのか…」

悪ガキ1「マズい!!兵隊がオークの右手に回り始めた…囲まれる」


リリース スゥ
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:39:52.43 ID:O6K4E5800
悪ガキ1「うわぁ!!」バシュン

盗賊「おっと危無ぇ…反射で撃つな」

悪ガキ1「誰だ!!」

盗賊「誰でも良い!!俺が時間を稼ぐからお前等は下がれ」

悪ガキ1「逃げる訳に行かない…ぅぅ」ポタ

盗賊「んん?足か…撃たれたんだな?」

悪ガキ1「これくらい…」

盗賊「おいクソガキ!この角を持ってろ…直に傷が塞がる」ポイ

悪ガキ1「角?」

盗賊「血が出ると長期戦出来んぞ?何でも良いから止血しろ」


バシュン バシュン ストン ストン


盗賊「ハハーン…やっぱあのキラーマシンは囮か…ようし!!」

悪ガキ1「どうする気だ?」

盗賊「お前等2人は骨がある…俺があのキラーマシンぶっ倒すからクロスボウでここから兵隊に向けて撃て…分かったな?」


ハイディング! スゥ


悪ガキ1「き…消えた…」ポカーン

悪ガキ2「兵隊はまだこっちに気付いてない…今なら撃てる」

悪ガキ1「ちょっと止血を…」グイグイ ギュゥ

悪ガキ2「撃つ!!」バシュン バシュン

悪ガキ1「僕も…」バシュン


ガコン ガラガラ ドサドサ


悪ガキ1「え!!?キラーマシンがバラバラに…」

悪ガキ2「おぉ!!一瞬で倒した…誰だあの人」

悪ガキ1「見とれてる場合じゃ無い…オークを援護しなきゃ」ガチャコン

悪ガキ2「そうだ…オークの退路を確保しないと…」ガチャコン


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814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:41:45.18 ID:O6K4E5800
『トロッコ』


ウヒャヒャヒャ

研究材料がまた一つ手に入った…キシシシ…これで亡命して又研究に勤しめる


商人「荷物は食料とポーション類…そうか状況理解したぞ」

オークの子「…」ギロリ

商人「オーク達はゾンビになるのを回避する為にエリクサーを求めに来たな?…それをギャング達が援護した」

オークの子「…」シラー

商人「残りの子供達はどの位で合流出来る?」

オークの子「10分…」

商人「こうしよう…トロッコは全部連結して君達に譲る…どうにかオーク達に守って貰って生き延びるんだ」

オークの子「…」ジーーー

商人「ジャンク屋!!」

科学者「私は科学者だと何度言えば覚えるのかぁ!!」

商人「大人はあなただけだ…キラーマシン3台使って子供たちを守るんだ」

科学者「キシシシ…私はぁ!!私は偉大な科学者ぁぁ…生き延びて世界を作るのだぁぁぁ」

狼女「あの人に話は通じない…」

商人「オークの子…良く聞いて…この魔石を君に譲るから上手くキラーマシンをコントロールするんだ」

商人「それからこの火炎放射器も持って行くと良い…ゾンビは焼けば動かなくなる」


トロッコは連結して合計6台…

これだけ有れば子供全員載せてオーク領まで行ける筈


アサシン「私達は戻るのだな?」

商人「地上がオークの襲撃を受けているんだ…商人ギルドに影武者も盗賊の家族も残されてる」

アサシン「ここを突っ切って戻るとでも言うか?」

商人「仕方ないよね…行くしかない…影武者は失えない…次の時代の僕になる逸材だ」

アサシン「フフ次の時代か…」チラリ

狼女「こんな大事を起こしたギャング達も次の時代の子供達…」

商人「そうさ…残りは大人がどうにかするんだ」


ズルズル


オークの子「悪ガキ!!」ダダ
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:43:05.67 ID:O6K4E5800
悪ガキ「皆連れて来た…」

子供達「え〜ん…え〜ん…」シクシク

オークの子「皆トロッコに乗って!!」


リリース!! スゥ


盗賊「やべぇぞ!!キラーマシン倒すだけじゃもう抑えきれん」

商人「盗賊!!事情が変わった…僕達は徒歩でこのまま帰る」

盗賊「何ぃ!!お前向こうのクロスボウの数半端ないぞ?」

商人「良いんだ…子供達を逃がす為だ」

盗賊「マジかよ…」

アサシン「クックック…毎度の事ながら苦難の道ばかり選ぶ…」

商人「出発だ!!子供達は早く乗って」

盗賊「おら小僧!!お前もだ!!」グイ


悪ガキ「痛い!!くぅぅぅ」

オークの子「悪ガキ?何処か怪我を?」

悪ガキ「大した事無い…」


盗賊「お前がリーダーだな?行くなら行くでサッサと出発させろ!!後は俺らが何とかする」

オークの子「キ…キラーマシン!!トロッコを動かせ!!」

キラーマシン「プシューーー」ガタコン


ゴロゴロ ゴトゴト


盗賊「おっし!!アサシン!!リカオン!!切り抜けるぞ!!」

商人「これだけ持って欲しい…」ヨタヨタ

盗賊「ぬあぁぁぁ…古代のエネルギーか…くっそ!!貸せ!!」グイ

狼女「私が先頭を行く…付いて来て」シュタタ


オークの子「ここから2つ目のマンホール!!そこに抜け道ある!!」


狼女「フフやっと話した…知ってるから心配無用!!行くよ!!」シュタタ

盗賊「じゃぁな!?お前等も上手く切り抜けろ」ダダ



ガタンゴトン ガタンゴトン ゴーーーーー


悪ガキ「…」---あの人が僕の父さん---

悪ガキ「…」---なんて声を掛ければ良かったんだろう---

悪ガキ「…」---僕の事を知らなかった---


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816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:44:06.55 ID:O6K4E5800
『地下水路』


ピチョン ポタ


狼女「オークが上を走り抜けて行った…」クンクン

盗賊「こんな抜け道有ったんだな?」ピチャ

商人「ここは地下路線図に書かれて無いね…ギャング達が隠れ潜んだ場所なんだろうね」

盗賊「方角的には線路と平行して続いてる…歩いた距離からして…」

商人「進入禁止の向こう側に出てくれれば良いけどね…」

盗賊「そういや商人!お前が持ってた古代の兵器はどうした?」

商人「あぁアレはあの科学者にあげた…落ち着きの無い人だったから渡せば大人しくなると思ってさ」

盗賊「マジか勿体無ぇな…」

商人「まぁ僕達はあと2つ有るから良いじゃ無いか」

狼女「ちょっと待って…話し声が何かおかしい」

商人「んん?」

狼女「なんか地上の市街地が壊滅的な状況って…」

商人「え!!?ただオークが攻めて来たんじゃないの?」

狼女「すごく混乱してる…」

商人「ギャングのリーダーからあまり聞き出せてないんだよなぁ…」

アサシン「一難去って又一難か?…いつも通り」

盗賊「早く帰ら無ぇと娘達にどやされるんだが…」

狼女「もうそんな状況では無さそう…」

商人「ちょっと急ごう」タッタッタ
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:44:56.41 ID:O6K4E5800
『チカガイ居住区』


ゴトン ズズズ


盗賊「ほーーこんな所に通じてたか…」ピョン スタ

商人「これは他にも沢山ありそうだなぁ」ヨッコラ

盗賊「アサシン!!手を」グイ

狼女「早く進んで!!」ピョン シュタ


ザワザワ ガヤガヤ

砲撃が止んだらしい…

どうする?荷を外に置きっぱなしなんだ

出入口は避難でごった返して…


盗賊「砲撃だと?」

商人「やっぱり只事じゃない…」

盗賊「ホームから向こうは人がえらい事になってる…他に道は知らんか?」

商人「有るにはあるけれど許可証が無いと通れない」

盗賊「因みにどこよ?」

商人「シェルタ砦から軍港まで連絡通路があるんだ…無理だよ」

盗賊「ぬぁぁシェルタ砦か…無謀すぎるな」

商人「仕方ない…ゆっくり出るしか無いね」
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:46:13.61 ID:O6K4E5800
『外へ通じる階段』


ザワザワ 

怪我人の応急処置の為スペースを開けてくれぇ!!

包帯!!包帯を持ってこい!!


盗賊「おぉ悪いな?通してくれ…」グイ

商人「もう軍が統制取れないくらい混乱してる…」

狼女「あちこちで声がしてて訳が分からない」

盗賊「出口は直ぐそこだ!!急ぐぞ」スタ



『地下入口』


モクモク メラ

雪だ!!雪を撒いて消化しろ!!

怪我人を損壊して居ない建屋に引き入れろ!!

ザザー

こちらB4…敵を見失った…南側の丘陵を西の方へ向かった筈だ

こちらC12…8番地区から逃走したオークはトロッコを用いて移動している模様

こちらD1…気球部隊で索敵を実施する



盗賊「なんだこりゃぁ…」アゼン

商人「あぁぁ…商人ギルドの建屋が倒壊してる…」

アサシン「西側の地区が被害に遭った様だ…東側の港はまだ使える」

商人「これを…ギャング達が主導した?そんな事が子供達に…」

盗賊「違うな…オークの計画にギャングが利用されたんだろ」

アサシン「うむ…不利を知ったオークは決死で敵の本拠地を攻める…これで遠征している部隊を下げざるを得ない」

商人「海軍の居ないタイミングを見計らって?」

アサシン「フフ…これが結果だ」

商人「海軍が居ないのをリークしたのもギャング達…そういう事か」

アサシン「子供達の力を甘く見ていたのだな」

盗賊「おい!!悠長な話してる場合じゃ無いぞ!!娘達の安否確認だ!!」

商人「そうだ!!まずそれだ」タッタッタ


兵隊「おいお前達!!何処に行く!!」


盗賊「悪いな兵隊さん…家族を探しに行くんだ…どいてくれ」

兵隊「又砲撃が始まるかも知れん…地下への非難を急ぐのだ」

盗賊「分かってる!!とりあえず家の確認だ…行かせて貰うぜ?」タッタ
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:47:43.90 ID:O6K4E5800
『倒壊した商人ギルド』


タッタッタ…


商人「信じられない…」ボーゼン

盗賊「見ろ…砲弾じゃなくて投石だ」

商人「誰かぁ!!誰か居ないかぁ!!」ヨロ

アサシン「見事にバラバラだ…」

盗賊「西側からじゃ丁度当てやすい…良い目印になった様だ」

狼女「下!!下で声がする…」

商人「下?…そうか!!僕の隠れ家…」

盗賊「裏口から入れるだろ」

商人「鍵は内側からカンヌキ…」

盗賊「んなもんこの剣で簡単に開く…いくぞ!!」ダダ

820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:48:11.78 ID:O6K4E5800
『裏口』


スパ ギギーーー


商人「誰か居るかぁ!!」スタ

盗賊「リカオン…アサシンも先に入ってくれ」

アサシン「うむ…」スタ

盗賊「俺はカンヌキを直してから行く」ガチャガチャ


娘「商人!!無事だったんだね?」


商人「良かった…みんな砲撃に巻き込まれなかったか…」

娘「爺ぃは?」

商人「居るよ…今裏口の扉直してる」

娘「爺ぃのお陰で家族全員集まってたのさ…」

商人「そうか…影武者は?」

娘「奥で蹲ってる」

商人「ちょっと皆居ると狭いなあ…」

娘「隠し部屋が有ったから助かったんだよ」

商人「まぁ通路も上手く使って休んで」

娘「外はどうなってるの?」

商人「ひどいもんさ…今はゴタゴタしてるから出ない方が良い」


盗賊「いよう!!無事だったか!!」ガシ


娘「マジ死ぬかと思った…」ウルウル

盗賊「何言ってんだ…次行く場所を考えとけ」

娘「船ある?」

盗賊「そういや俺の船何処行った?」

商人「ハハ今頃海で荷物運んでるさ」

盗賊「参ったなぁ…まぁとりあえず飯でも食おうぜ?」

娘「そんなの無いよ…」

商人「あ〜ワインなら僕の隠し部屋にあるよ」

盗賊「おぉぉソレよ…それで十分だ」

商人「まぁ奥に行こうか…」
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:48:59.81 ID:O6K4E5800
『隠し部屋』


カクカク シカジカ


商人「兎に角無事で良かった…」

影武者「こんな事になってしまって本当に残念です…」プルプル

商人「まぁ支店の方は無傷だしやり直しは利くさ」

影武者「2台の気球はどうなったのか知りませんか?」

商人「あぁ…見て無かったな」

アサシン「東の方は投石が届いて居ないから無事の可能性が高い」

商人「ふぅむ…気球が無事なら一旦ここを離れるのもアリだな」

盗賊「ハテノ村に人駆が必要なんだが…」

商人「子供達ばかりで?」

盗賊「10歳超えたら十分働ける」

商人「全員分の食料がねぇ…」

盗賊「この分じゃキ・カイはしばらく混乱状態が続く…商船も入って来ないんだろ?」

商人「う〜ん…じゃぁこうしよう…一旦皆でハテノ村に避難…」

商人「食料の仕入れは大型の気球で海士島か地庄炉村で入手」

盗賊「まぁ北の大陸まで買い入れに行っても良いけどな?…港町辺りによ」

商人「とりあえず今晩の食事をどうするか…」

影武者「運送する予定だった物資が気球に積まれている筈です」

商人「お!?何が積んである?」

影武者「一通りの食材と生活必需品その他諸々…近隣の村へ運ぶ予定でした」

盗賊「なんだ丁度良かったじゃ無ぇか…こんな穴倉に居るより気球の方がよっぽど快適だ」

商人「善は急げとも言うな…」

盗賊「夜まで待ってサッサと移動しちまおうぜ?」

商人「ふむ…ここにある資産は皆で運べば一回で行けるな」

盗賊「どんだけあんだ?」

影武者「ギルド資金で20000金貨と商人さんの分が4000金貨程…」

盗賊「ぶは…それを運ぶのは荷車が必要だ…まぁ良いや…袋に入れて俺がハイディングで運ぶ」

商人「まぁ後は皆で手分け出来るように整理しておくよ」

盗賊「金運んだあと俺は見張りで気球に居るから夜中に全員で来てくれ」

商人「分かった…」
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:49:36.19 ID:O6K4E5800
『夜_大型気球』


ヒュゥゥゥ…


盗賊「遅せぇなアイツ等…」グビ ウィー

盗賊「この辺に避難してる奴らも沢山居るんだからサッサとくりゃ良いのに」


シュタタ シュタ


狼女「もう直ぐ来る」

盗賊「おぉ待ちくたびれた」

狼女「この気球の操作教えて…どうせ向こうの気球は私が操作するよね?」

盗賊「あぁそうなるか…」


この気球はな…左右に張った縦帆で推進するんだ

上空に上がったらこのロープ引っ張って帆を張る…結ぶ場所は此処な?

ほんでだ…帆の角度が重要なのよ

そこの柱に引っかけがいくつもあるだろ?

風の具合に応じて引っかける場所を変える訳よ…まぁ習うより慣れろ…兎に角自分で工夫して早く進める

あと重要なのが風を受けると船体が傾く

そうすると折角の推進力が無駄になるんだ

そうならない様にするのがプロペラ…こいつで船体が傾かない様に上手く調整する


狼女「プロペラが2つ付いて居る理由は?」

盗賊「船体の傾く方向でどちらを強く回すか選択しろ」

狼女「なるほどね…」

盗賊「まぁとりあえず俺が先行すっから上手く付いて来い」

狼女「分かった…向こうでちょっと準備しておく」

盗賊「おう!!」
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:50:03.76 ID:O6K4E5800
『数分後』


ゾロゾロ


商人「荷物は全部荷室に入れて…書物はこっち」

盗賊「いよーーやっと来たな?」

商人「僕は盗賊の気球で良いね?」

盗賊「まぁ好きにしろ…てか人が多く無いか?」

商人「娘の友達夫婦も行く事になった」

盗賊「男手が必要になる事もある…向こうに乗せてリカオンのサポートもやらせてくれ」

商人「わかった…」

盗賊「おいリカオン!!そろそろ球皮膨らませろ!!」

アサシン「フフ大声を出すな…私が伝える」

盗賊「さっさと乗れぇ!!」グイ シュゴーーーー


ゾロゾロ ワイワイ


子供「うわぁ!!高〜い!!」

盗賊「落ちんなよ?暗いから足元に気を付けろ」

影武者「私はこちらの気球に乗ります」

盗賊「全員乗ったな?」

商人「乗ったぁ!!扉閉める」

盗賊「ようし!!出港だ」グイ 


シュゴーーーーーー フワフワ
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:50:34.11 ID:O6K4E5800
『上空』


フワフワ


盗賊「リカオンの気球はちゃんと着いて来てるか?」

商人「見ておくから操作に集中して良いよ」

盗賊「こりゃ逸れんように気を付けんとな…帆を張って来る!!」ダダ

商人「影武者も良く見ておくと良い…君の気球なんだから」

影武者「はい…」メモメモ

商人「リカオンの気球も帆を張り始めたな…やっぱりセンスがあると違うなぁ」

盗賊「アイツは俺の声が聞こえてんだよ…」ドタドタ

商人「ハハそうだね…悪口言えないね」

盗賊「リカオン聞こえてるか?とりあえず進路は南西だ…朝日が昇るまでゆっくり進むから先ずは慣れろ」


--------------

--------------

--------------
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:51:00.01 ID:O6K4E5800
『数日後』


ヒュゥゥゥ バサバサ


盗賊「あんにゃろう…距離を詰めて来やがった」グイ

商人「リカオンと勝負の最中かい?」モグモグ

盗賊「そうよ…俺を抜かしてみろと言ってみたら距離詰めて来やがった」

商人「それは負けられないねぇ…」

盗賊「アイツは風を読む勘がある…俺より先に帆を操作してんのよ」グイ バサバサ

商人「風の匂いとか言ってたなぁ…」

盗賊「うむ…大事な事だ…それより魔女と貝殻で話したんだろ?何か言ってたか?」

商人「あぁ大した話じゃ無い…向こうは物資調達で一旦名もなき島に行くと言ってた」

盗賊「やっぱ物資が無いのか…」

商人「食料だね…ハテノ村が困窮しているらしい」

盗賊「誰か住んでるのか?」

商人「教会に老夫婦と子供だけで働き手が居ないんだとさ」

盗賊「俺らも到着したら速攻調達に行かんとな…この人数じゃ1ヶ月で底を着く」

商人「小麦が欲しいね」

盗賊「今の季節だと北の大陸まで行かんと買えんわな」

商人「この気球でどの位かかる?」

盗賊「早くて一週間ぐらいか?…往復で2週間…結構掛かるな」

商人「積載量考えると船には遠く及ばないか…」

盗賊「女海賊の飛空艇で回数運んだ方が効率良いかもしれん」

商人「どのくらい運べる?」

盗賊「水満タンの樽で5杯だった筈だ…小麦なら10袋って所か」

商人「ふむ…ここは一回僕が港町まで行って商船の手配をした方が良さそうだ」

盗賊「新しい交易か?」

商人「うん…ちょっと女戦士に相談してみる」

盗賊「女戦士?」

商人「海賊の基地を商船の交易ルートに出来ないかってね」

盗賊「ほう?」

商人「キ・カイからすると密輸になるね…海賊の基地から色んな所に物資移送が出来るようになる」

盗賊「なんかキ・カイに近いし海軍が動きそうでヤバく無いか?」

商人「もっとドワーフの領土に近い場所で交易が出来たらなぁ…」
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:51:31.19 ID:O6K4E5800
『ハテノ村上空』


ヒュゥゥゥ バサバサ


盗賊「いやぁぁ…本当何も無い所だ…」

商人「冬だからそう見えるんじゃない?」

盗賊「前に来た時はもっと人が生活してる痕跡が有ったんだが…」

商人「ほら?一応温泉の煙は出てるじゃ無いか」

盗賊「噴火と戦争のせいでみんな出て行っちまったんだな…」

商人「まぁ仕方ないさ…教会見えて来たね」

盗賊「降ろすのは教会の横だな?」

商人「うん…あの辺しか人が居そうにない」

盗賊「まぁ良いや…高度下げる」グイ




『ハテノ村』


フワフワ ドッスン


商人「僕は教会に行って少し話をして来る」

盗賊「おう…俺らは子供連れてちっと周り見てくんな?」

商人「影武者!君は僕に付いて来て」

影武者「分かりました…」


盗賊「お〜い!!お前等ぁぁ!!焚火すっぞ!!」


子供達「わ〜い!!」キャッキャ
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:51:57.69 ID:O6K4E5800
『焚火』


メラメラ パチ


盗賊「おらぁ!!雪だるま作ってそこに並べろぉ!!」

アサシン「何も無い村だな?」スタスタ

盗賊「ヌハハまぁ…見ての通りよ」

アサシン「さてどうしたものか…」

盗賊「んん?盗賊ギルドの事か?ほったらかしでこんな辺境に来ちまったもんな?」

アサシン「ギルドはアヌビスに任せているからそれ程心配はしていない」

盗賊「じゃぁこの困窮した村をどうするってか?」

アサシン「フフ…村だけでは無い…此処に居る子供達全員…今は難民状態なのだぞ?」

盗賊「違い無ぇ…」

狼女「…」シュタタ クンクン

盗賊「いよう!!どうした?何か居るのか?」

狼女「何処かにシカが居る」クンクン

盗賊「おぉ!!そりゃ良い!!」

アサシン「リカオン!狩れるか?」

狼女「勿論」

盗賊「弓持って来て無ぇな…どうやって狩る?」

狼女「これで…」スラーン

盗賊「マジか…お前シカに近付けるんか?」

狼女「ちょっと行って来る」シュタタ

盗賊「弓無しで狩るってそんな事出来るんか?」

アサシン「やらせておけ…シカ狩りはリカオンに任せて良い」

盗賊「ほんじゃ久しぶりに新鮮な肉が食える…」

アサシン「内臓はリカオンに残せよ?」
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:52:50.98 ID:O6K4E5800
『数分後』


タッタッタ


商人「教会で話をして来たよ…寝泊まりは教会を使って良いってさ」

盗賊「まぁ気球を無人にする訳にもイカンから教会使うのは子供達だな」

商人「あと空き家も好きに使えって」

盗賊「もう誰も住んで居ないってか…」

商人「うん…」

盗賊「娘達ぃ!!教会使って良いらしいぞ!!物資運んでくれぇ」

娘1「ベッドある?」

娘2「水浴びしたいんだけど温泉どこ?」

盗賊「説明メンドクサイ訳よ…さっさと子供達連れて教会行け!」

アサシン「では私は少し辺りを見回って来る…」

盗賊「川の上流に温泉が有るからどんな感じか見て来てくれ」

アサシン「分かった…」スタ

盗賊「さぁて…俺はちっとこの辺の整理でもするかぁ」ノソリ


829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:53:21.13 ID:O6K4E5800
『木こり』


ブン! スパッ!! メキメキ…ドサーーーー!!


盗賊「…」ブン ブン


”イノシシの肉焼けてる…持って行って!” 

”忙しい忙しい…”

”ふぅぅぅやっと酒にありつける…カウンターに座るぜ?”

”盗賊さんお疲れでし!!”

”例の酒くれ!!早く飲みてぇ”

”分かってるでしゅ…どうぞ!!”


盗賊「赤毛の…子供達…」ボーーー


スタスタ


アサシン「何を呆けているのだ?」

盗賊「んぁ?…あぁ何でも無ぇ…」---誰だったのか思い出せ無ぇ---

アサシン「こんなに木を切り倒してここをどうする?」

盗賊「おぅ…気球発着に邪魔だったからよ…ちゃんとした広場作ってんのよ」

アサシン「原生の木に限りが有るから伐採し過ぎん様に…」

盗賊「分かってる…これで終わりだ」

盗賊「上流の温泉見て来たか?」

アサシン「うむ…近くの小屋もまだ使える様だ」

盗賊「おぉ!!そら良い!!」

アサシン「周囲は雪が溶けて冬だと言うのに植物が生えて居る…意外と住みやすいかもしれん」

盗賊「確か珍しい薬草が生えるんだ…子供達に採取させるわ」
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:53:59.56 ID:O6K4E5800
『夜_気球』


シーン…


盗賊「な〜んか荷物全部降ろしちまったら5人じゃ広すぎんな?」グビ

商人「そうだねぇ…子供達居ないとこんなに寂しいんだね」

盗賊「全員教会で寝てんのか?」

商人「子供達はそうだね…大人は空き家使うって言ってた」

盗賊「俺らはここで良いとして…当面どうするか考えとかんとな」

商人「とりあえず女海賊待ちかな…明日くらいに戻って来れば良いけど」

盗賊「俺はどうすっかなぁ…明るくなったら近くの村探して物資調達でも行って見るか…」

商人「あーそれなら影武者連れて行って気球の操作やらせて貰えないかな?」

盗賊「おぉそうだな…一台は影武者の物だからな」

狼女「私はもう一台の気球使って狩りに行って来る」

盗賊「ならアサシンと一緒に行け…てかついでに操作方法教えて置くだな」

アサシン「それには及ばん…もう習得済みだ」

盗賊「そうか…でも狩りは危無ぇから2人で行け」

狼女「分かってる…シカ狩って運ぶのが大変なんだ…気球使えばラク」

盗賊「なるほど…」

商人「じゃぁ僕は硫黄鉱山でも行って来るかな…」

盗賊「ツルハシ無いと何も出来んが?」

商人「破壊の剣が有るじゃ無いか…硫黄が入手出来たら色々使える」

影武者「!!?硫黄が…」

盗賊「お?やる気出したか?」

影武者「硫黄が有れば何処とでも取引が…」

商人「そうだねぇ…硫黄が世界の勢力バランスを変えてしまうくらい重要な物になってるね」

盗賊「火薬か…」

商人「あと酸だよ…」

影武者「どのくらい埋蔵して居るのか気になります…」

商人「それも見て来るさ…楽しみにしてて」
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:54:33.25 ID:O6K4E5800
『翌日_硫黄鉱山』


ヨイショ ヨイショ ドサー ゴロゴロ


商人「めちゃくちゃ沢山取れるじゃないか…」

商人「運ぶのに荷車が欲しいなぁ…」


女海賊「お〜〜〜い!!」スタタタ


商人「んん?あ!!女海賊!!戻ってたんだね」

女海賊「ハァハァ…皆何処行ったのさ!!」

商人「気球使って物資調達に行ってるよ」

女海賊「あんた一人で硫黄掘ってんの?ツルハシ持って来てたん?」

商人「いや破壊の剣で露出してるやつそぎ落としてるんだ」

女海賊「その手が有ったか…」

商人「でも掘り進むのは厳しいかも」

女海賊「道具が何も無かったからさぁ…わざわざ名も無き島まで取りに行ってたんだよ」

商人「なんだ食料調達じゃ無かったんだ?」

女海賊「一応積めるだけ積んで来たけどちょっとしか無い」

商人「魔女達は?」キョロ

女海賊「魔女と情報屋は教会…お姉ぇは温泉」

商人「そっか…まぁ合流出来て良かった」

女海賊「あのさ…灰で埋もれた古代遺跡掘り起こすの子供達じゃ無理じゃね?」

商人「まぁ…盗賊が何とかしてくれるんじゃない?」

女海賊「前にローグと一緒に掘ったんだけどさ…メッチャ大変だったんだ」

商人「ハハまぁ今度は場所分かるよね」

女海賊「分かんないよ!!全然地形変わってるし…」

商人「う〜ん…大人の手が欲しいか…」

女海賊「まぁ良いや…とりあえず丁度硫黄が欲しかったのさ」

商人「ここまで飛空艇持って来れる?これ運ぶの大変だよ」

女海賊「おけおけ!!持ってくるからちょい待ってて」ピューー
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:55:02.35 ID:O6K4E5800
『ハテノ村_広場』


フワフワ ドッスン


女海賊「お!!?お姉ぇ温泉出て来たんだ…ちょい来て!!」

女戦士「どうした?」スタスタ

女海賊「これ見て…商人が一人でこんなに硫黄掘ったらしい」

商人「いやいや露出してるのを切り落としただけだから…」

女戦士「これは…純度の高い硫黄」

女海賊「だよね?黄鉄鉱から抽出しないで取れるって事だよ」

女戦士「鉄鋼と石炭は無いのか?」

商人「別の坑道にある…硫黄取るのを優先しただけさ」

女戦士「硝石だけ入手すればここで大量に火薬が作れるな…」

女海賊「てかこれパパに来てもらった方が良いかも」

女戦士「うむ…ただ連絡が取れんのだ」

商人「この硫黄を元手に小麦とか買おうと思ってたんだけどさ…」

女海賊「あーーー小麦はシン・リーンか」

女戦士「魔法で需要はあるから必ず売れるな」

商人「そうそう…女戦士に相談したかったんだけど」

女戦士「んん?」

商人「商船を使った交易を何処か近い場所でやりたいんだ」

女戦士「あぁ…ここの川を下った河口に幽霊船を待機させて居てな」

商人「お?」

女戦士「その近場の漁村を物資運搬の拠点にと画策していた所だ」

商人「そこに商船も入りたいんだけど…」

女戦士「構わん…ただ海賊に襲われん様に私の旗印を掲げて貰う事になるが…」

商人「おけおけ…これでこの村の食料問題は解決する」

女戦士「こうしよう…海の安全は海賊が保証する代わりに硫黄の取り引きは優先させて貰う」

商人「ウィンウィンだね…それで行こう」

女海賊「とりあえずこの硫黄使って爆弾作っちゃうわ」

女戦士「魔女も硫黄を欲しがっていたから少し持って行くぞ?」
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:56:27.32 ID:O6K4E5800
『大型気球』


フワフワ ドッスン


盗賊「いよーーう!!戻って来たんだな?」

女海賊「何処行ってたのさ!!てかアンタ居ないと遺跡掘り起こせないんだけど…」

盗賊「まぁ慌てんな…道具無いと何も出来んだろ?」

女海賊「なんか調達して来た?」

盗賊「ちょい南行った所に放棄されたキ・カイの前哨基地があんだ…まぁいろいろ残っててよ」

女海賊「へぇ?」

盗賊「ちっと降ろすの手伝ってくれ…もう一回行きたいんだ」

女海賊「おけおけ…お姉ぇも呼んで来る」ピューーー

盗賊「あ!!アイツ逃げやがった…影武者!!資材降ろすぞ!!」

影武者「僕は商人さんを呼んで来る」タッタッタ

盗賊「あああああ!!てかなんで男は俺しか居無ぇんだ?」ブツブツ


ヨッコラ ガサガサ


盗賊「どるぁぁ!!」ガラガラ

盗賊「ん?…そういや…」


こないだ行った古代遺跡も…

ミイラになってたのは女ばっかだったな…

戦争で死んで行くのは男が多い…

女しか居なくなるってのは末期的な事かも知れんな…

もしかしてそうやって人口が減るんか?…


タッタッタ

商人「呼ばれて来たんだけど何だった?」

盗賊「おぉ荷物降ろすの手伝ってくれ」

商人「うわぁ…一杯積んで来たね…錆びた武器に木箱…あ!!荷車有るじゃ無いか」

盗賊「まぁガラクタばかりだが直せばまだ使えるんだ」ヨッコラ ドスン

商人「降ろすの一仕事だ…」ヨイショ ドサリ

盗賊「ほんで他の奴らは?」

商人「硫黄取りに行くって言ってたよ?」

盗賊「だぁぁぁぁ!!影武者まで逃げやがった…」

商人「硫黄見て目の色変わってね…」

盗賊「まぁ良い!!これ降ろしてもう一回資材取りに行くぞ!!」
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:56:58.55 ID:O6K4E5800
『夕方_教会』


ワーイ キャッキャ

これ!!文字の書き取りを終わらせてから遊ぶのじゃ!!


爺「いやいやすっかり体の調子が良くなってのぅ…」

婆「皆さんのお陰でちと元気が出て来ました」

女海賊「元気になって良かったじゃん」モグモグ

情報屋「食事を持って来ました…どうぞ」

爺「何から何まで…本真にありがたや」パク

女海賊「ほんでさ?勝手に硫黄掘って良い感じ?」

爺「もう領主様も居らん廃れた村なもんで自由にしなされ」モグ

女海賊「やったね!!」

商人「この辺は今オークは来ないのかい?」

爺「暗黙のルールがありましてな…オークに石なぞ投げなければ襲っては来んのです」

婆「オークの村に行った者も居りますで仲良くなれれば良いのですが…」

女海賊「ふ〜ん…まぁオークが襲って来ないなら割とこの村安全だね」


スタスタ


影武者「戻りました」

女海賊「あ!!あとアンタで最後!」

影武者「え?」

女海賊「病気の予防でみんなに線虫掛けてるのさ」

商人「影武者もやって置いて貰った方が良いよ…たまにガーゴイルが来て疫病持ってくるらしい」

影武者「線虫とは?」

女海賊「体の毒を食べる虫…これで教会の爺ちゃんと婆ちゃんの調子が良くなったんだ」

影武者「虫…苦手です」

女海賊「平気平気!!行くよ?いでよ線虫!!毒を食べちゃえ!」ニョロリ

影武者「え!!?」ニョロニョロ

商人「最初気持ち悪いけど直ぐ気にならなくなる」

影武者「目に…ぁぁぁ目の中に…」ゴシゴシ

女海賊「あんたの場合いろいろ体の調子悪そうだからきっと良くなるよ」

影武者「もう…こんな事止めて下さい…ハァハァ」

商人「まぁまぁ…害は無いから落ち着いて」

女海賊「ほんでさ?お姉ぇはまだ硫黄掘ってんの?」

影武者「今日は硫黄と過ごすとか…」

女海賊「あぁぁ悪いクセが…」

商人「ハハ砂鉄に埋もれたり変な趣味を持ってるね…今度は硫黄に埋もれるのか…」



---------------
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:58:04.21 ID:O6K4E5800
ドタドタ


盗賊「よう!!女海賊!!おもちゃ持って来たぜ」ポイ

女海賊「お!?何コレ?」パス

商人「あぁ忘れてた…古代遺跡で見つけた古代の兵器だよ」

盗賊「どうにかして使える様に出来んかと思ってな?」

女海賊「おぉぉ!!なんか変なデバイス付いてんな…もしかしてインドラの銃?」

商人「そんな感じ…情報屋が言うには光エネルギーじゃなくて別のエネルギーじゃないかって」

女海賊「別?何だろう?」

情報屋「プラズマの類だと思うわ…光が青白いのよ」

女海賊「プラズマ…雷の魔石有ったっけ?」

商人「僕が持ってる…気球に積んで在るよ」

女海賊「おけおけ!!ちょいバラしてみる…ほんじゃバハハーイ!!」ピューーーー



---------------


ワーイ ギャハハハ

これ!騒ぐな…耳を澄ませて妖精の声を探すのじゃ

妖精の声はのぅ…大人になってからでは聞こえ難うなるのじゃ

今の内に聞けるようになっておくが良い


盗賊「魔女は先生か何かやってんのか?」グビ

情報屋「意外と子供の面倒見が良いのよ…子供は嫌いだとか言ってたのに」

商人「アレで資質見てるんじゃない?」

情報屋「そうね…子供達の中に魔法使い向きの子も居るかもしれないし…」

盗賊「ほんじゃこの教会は魔法学校って所かヌハハ」

商人「自衛するなら魔法も使えた方が良いよね」


スタスタ


アサシン「戻ったぞ…ふぅ…盗賊!ワインをよこせ」グイ
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:58:30.38 ID:O6K4E5800
盗賊「遅かったじゃ無ぇか」

アサシン「生きたままシカを連れ帰るのに手間取ってな」

盗賊「おぉ!!もしかしてヘラジカか?」

アサシン「そうだ」

盗賊「マジか…てか気球には乗らんだろ」

アサシン「ロープで吊って運んだ…なかなか手間が掛る」

盗賊「ヌハハすげー事やったな…ほんで今どっかに繋いでるんだな?」

アサシン「うむ…川辺の雪が無い所だ…リカオンが言うには餌になる植物が生えて居るらしい」

盗賊「ようし!!これで土砂運ぶのが捗る」

アサシン「明日から穴掘りを頑張るのだな」

盗賊「何他人事みたいな事言ってんだよ…」

アサシン「私が穴掘りをやるとでも思って居るのか?」

盗賊「おいおい…」

アサシン「今日は生きたシカ一匹捕らえただけだ…明日は食肉になる獲物を探す」

盗賊「んぁぁぁ…まぁそうだな…人数多いから狩りで食料調達も重要だわな」

アサシン「さて…傷んだ体を魔女に癒して貰おう」スック
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:58:57.58 ID:O6K4E5800
『夜』


ホーホー コロコロ ホー バサバサ


情報屋「…それでギャング達はオークと共にキ・カイを出たのね?」

商人「うん…もう引き留めようが無かったんだ」

情報屋「あの子…」プルプル

商人「正直ギャング達があれだけ自立出来ているとは思って無かった」

情報屋「私どうしたら…」

商人「心配だろうけど彼等ならやっていけると思う…オークも相当賢い」

情報屋「キ・カイの商人ギルドはもうやっていけないからこっちに?」

商人「地上の破壊のされ方が半端なくてね…しばらく商売所じゃない」

情報屋「想像出来ないわ…」

商人「オークロードの投石で商人ギルドの建屋が倒壊さ…市場も酒場も全部無くなった」

情報屋「そんなに…」

商人「地上と地下からの同時攻めをギャング達が引導したんだ…想像以上の統率力だ」

情報屋「まだ子供だと言うのに」

商人「いや…ギャングの中には影武者と同年代の大きな子も居るんだ…もう立派な組織だよ」

商人「僕だって小さな頃から盗賊の後ろで何かとやってた」

情報屋「そうね…認めなくてはね…」

商人「実はね?君の子は一人で僕の隠し部屋にドロボーに来たんだ」

情報屋「あの子には何も教えてないわ?」

商人「自分で調べたんだよ…裏口のカンヌキまで自分でどうにかしてさ…凄くないかい?」

情報屋「泥棒って…何かを盗みに?」

商人「キラーマシンにされた友達の脳を…たった一人で助けに来た」

情報屋「一人で…」

商人「僕にダガーを向けてさ…友達を救うその姿は盗賊にそっくりだった…僕はね?未来を感じたよ」

情報屋「…」

商人「子供達の世界がもう始まってる…勇者たちが残した未来を見た」

商人「彼等は今…未来を歩き始めたんだ」


---未来が始まった---
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:59:23.70 ID:O6K4E5800
『翌日_鯨型飛空艇』


ヨッコラ ドサ!!


商人「…ねぇ聞いてる?商船を手配する為に北の大陸まで行きたいんだ」

女海賊「ハイハイ…聞いてる聞いてる」カチャカチャ

商人「この飛空艇は君が操作してくれないと行けないじゃないか」

女海賊「私忙しいんだ…アンタでも操作出来るから行けば良いじゃん」カチャカチャ グリグリ

商人「だったら操作の仕方教えて欲しい…」

女海賊「うっさいなぁ…使って覚えろ」


スタスタ


情報屋「私が操作できるから私も行くわ…」

商人「あぁ…君も色々忙しそうに…」

情報屋「丁度暁の使徒に関する書物を取りに行きたかったのよ…」

商人「そういう事ならお願いしようかな…情報屋も居るなら帰りに名も無き島でホムンクルスを目覚めさせるのも行ける」

女海賊「ん!?ホムちゃん起こせる?」

商人「古代のエネルギーは手に入れたんだ」

女海賊「おぉぉ!!そういう事早く言って!!」

商人「じゃぁとりあえずダッシュで港町まで行って商船手配する…その後名もなき島…これで良い?」

女海賊「おけおけ!!でも今忙しいから飛空艇の操作は情報屋お願い」

情報屋「分かったわ…」

商人「お〜い!!影武者!!」


タッタッタ


影武者「何か?」

商人「ちょっと北の大陸まで商船手配に行って来るからハテノ村の物資管理を君に任せたい」

影武者「わかりました…取り急ぎ塩の調達をお願いします」

商人「分かった…思いつく限り仕入れて来る」

影武者「あと働き手が足りて居ませんので商船でこちらに来られる様に手配もお願いします」

商人「おぉそうだね…そうか人員募集も必要か」

影武者「よろしくお願いします」

商人「もう行くから皆には上手く説明しておいて…じゃぁ!!」ノシ

情報屋「飛空艇飛ばすわよ?」グイ シュゴーーーー


フワフワ
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 21:59:49.20 ID:O6K4E5800
『上空』


シュゴーーーーーー ビュゥゥゥゥ


商人「うわ…なんだこれ…メチャクチャスムーズに飛ぶじゃ無いか…」

情報屋「目的地までの進路は案内してね?…とりあえず北進」スイーーー

商人「これ直進するだけ?ジグザグに行く必要無い?」

情報屋「風に流されてしまう分だけあらかじめ修正して直進するだけよ」

商人「ええと…」

女海賊「真北でおっけ!!風で流されても赤道超えたらまた元に戻る」カチャカチャ ビヨヨーン

情報屋「分かったわ…じゃぁハイディング!」スゥ

商人「スゴイな…操作系を一か所に集約してるんだ…」

女海賊「あのさ…正面からガーゴイルとか激突するかも知んないから一応前警戒しといて」

商人「あぁ分かった…」

女海賊「インドラの銃は使い方分かるよね?」

商人「うん…」

女海賊「じゃ…あとヨロシコ」カチャカチャ


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840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 22:01:18.45 ID:O6K4E5800
『翌日』


リリース スゥ


女海賊「おっし!羅針盤確認…ええと進路2時の方向に修正」

情報屋「すこしズレたみたいね…」スイーーー

女海賊「波紋からしてあと狭間入って2時間もしたら陸地見えると思う」

商人「流石に真っ直ぐ飛べると早い…」

女海賊「ちっと古代の兵器を試し撃ちしてく」

情報屋「仕組み分かったのね?」

女海賊「まぁね?磁力でプラズマ拡散しない様にして発射するみたい」

情報屋「エネルギーはやっぱり雷?」

女海賊「そだね…魔石だとエネルギー弱くて充填にちょい時間が掛かるっぽい」

商人「ちょい…というと?」

女海賊「それを今から試す…そこどいて」

商人「あぁ…」

女海賊「ほんじゃ撃ってみる!!いくよぉ!!」スチャ


ピカーーーーー チュドーーン


女海賊「だぁぁぁ何だコレ…飛距離全然出ないじゃん…」

商人「ええ!!?十分じゃ無いか…弾速も早いし爆発だってある」

情報屋「飛距離は300メートルという所かしら?」

女海賊「この手の兵器は飛距離と正確性が重要なのさ…インドラの銃は2キロ先を狙えるよ」

商人「連射は?」

女海賊「やってみる…」カチ カチ


シュン! シュン! パーン! パーン!


女海賊「あぁぁぁやっぱしっかり充填しないと飛距離も威力も弱いね…」

情報屋「いかづちの杖の様な物ね…」

女海賊「ソレソレ…そんな感じ…充填の具合で色々使い分けられるいかづちの杖だね」

商人「魔女の魔法よりも飛距離は出てるっぽいかな」

女海賊「まぁコレあんた使いなよ…クロスボウよりは連射利くからさ」ポイ

商人「ハハ君の期待した性能は無かった訳か…」

女海賊「私はやっぱ実弾のデリンジャーみたいのが好きかなぁ…調整次第でどんどん性能良くなるし」

情報屋「もう一つは私が使うわ?」

女海賊「おけおけ…まぁこれで魔法使い2人居るのと同じだしソコソコ良い武器だよね」

商人「古代の兵隊はこの武器が通常兵装だった様だよ」

女海賊「なんか想像出来る…照準レンズも無いあたり中距離ゲリラ戦用だわ」

商人「こんなの持ち歩いてたら怪しいね…」

女海賊「肩ベルト作ってあげるよ…背負ってマントの中に隠せる」

商人「あぁソレ良いね…」

女海賊「ハイほんじゃ作り物するからもう狭間入って良いよ」

情報屋「わかったわ…ハイディング!」スゥ
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/29(水) 22:01:51.06 ID:O6K4E5800
『港町_ユートピア』


フワフワ ドッスン


商船「ここは変わって無いなぁ…」

情報屋「街の方は賑わって居そうじゃない…商船も2隻…あっちは豪族の船かしら?」

商人「やっぱり戦争して居ない国は人が集まるね」

女海賊「あのさ…このあばら家ん中にデカいアラクネーが居るから気を付けて」

商人「え?今日はここで寝られない?」

女海賊「掃除しないと無理…てか私が置いて行ったアラクネーなんだけどね」

情報屋「折角だから宿屋に泊って今日は楽しみましょう」

商人「まぁそうだね…情報も集めたいしね」

情報屋「先にお墓参りしてくるわ」

商人「僕も行くよ」

女海賊「う〜ん…なんか私はこないだ来たばっかりなんだけどなぁ…まぁいっか」

商人「あぁ君は石化してたから年を取って無いのか…」

女海賊「実感ないのさ…アレから何年も経ったなんて」

情報屋「今更だけど…時の砂の効果ってそういう事だったのよね」

女海賊「ピーンと来たぞ!!何千年も石化したままの可能性もある!!」

情報屋「そうだと良いわね…」

商人「希望はある!!」

女海賊「よーし!!さっさと墓参り終わらせて宿屋いくどー!!」

商人「さっさと…あのね…」


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