【安価コンマ要素あり】Master of arms−−武具の支配者−−

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138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 21:20:47.95 ID:0cMDG0tGO
【戦友枠】

【名前】ブレッド・ラウディア
【性別】男
【種族】獣人
【魔法】氷雪系魔法 威力も高く炎とかも簡単に消せる。
【詳細】白髪でオオカミの耳がついている25歳の筋肉質の男性。性格はクールだが天然な所がある。昔故郷の村が魔物に襲われて家族を失った事がある。"あなた"と共に魔王軍と戦い英雄になった。今はソロで魔物の討伐をしている。"あなた"が困った時、一緒に協力してくれる。協力した後はよく一緒に飲みに行くくらい"あなた"とブレッドは今でも友達になっている。格闘家で武器は鉤爪を使い戦っている。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 21:23:00.36 ID:072Weh+B0
七英雄的な総称ありそう
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 21:43:03.96 ID:UjSrNrVIO
戦友枠は複数いても問題なさそう、妹枠は実妹と義妹でなんとか、けど婚約者だけはどうしたって一枠よね
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/06(日) 23:11:02.00 ID:JHzDer0lO
>>139、あっても良さそうですね。【極天の七災】としましょうか。あなたは【天命の煌災】です。
意味は『死の天命を齎す厄災』となります。

>>140、本編で語る時が来たら詳しく話を入れたいのですが、お偉方の保身が絡んだ政略結婚なので婚約者は普通に何人もいます。
まぁぶっちゃけ(本人の感情はどうであれ)碌でもない理由で婚約させられてる人が多いです。全員が全員そうではないですが。

ちなみに魔王様はピンピンしてます。
魔王とあなた御一行の最終決戦→お互いに殺しきれないと悟る→とにかく戦争を終わらせて犠牲者を減らしたい思惑が一致する→終戦・和平協定を結んで終戦。平和な世の中に、が一連の流れです。
魔王は単体の戦闘力ならあなたより強いです。

再開予定は水曜を予定してますが、正直間に合うか微妙です。11連勤楽しい。
再開するまで募集はしてるのと、質問等あれば空き時間に少しずつ返答していきます。
お待たせして申し訳ありません。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/02/07(月) 23:14:36.66 ID:8ahqn4XE0
お仕事お疲れ様です。

【戦友枠(2名)】

【名前】グスタフ・アインシュタッド
【性別】男
【種族】人間
【魔法】防御魔法特化
【詳細】
大柄で長身、黒の短髪。26歳。
とある国の元1兵士。
真面目で実直、だが堅苦しくというわけでもなく、接しやすく気配りができる好青年。
彼が扱えるのは防御魔法(水を出すとか火を起こす程度はできなくもないが)のみだが、その防御魔法と剣と盾で、敵の攻撃からパーティーを護る砦としてあり続けた。
幼少期に国のお姫様に恋をして、血が滲むような努力の末に「あなた」のパーティーに加わる。
そこで戦功を挙げて、本当にお姫様と結婚できる地位と名声を手に入れた実はやべー奴。
「あなた」のことを昔も今も気にかけており、自分では「あなた」の孤独を癒やすことはできないことをどこか悟っておりつつも、なるべく力になろうと思っている。

【名前】メルヴィ・アインシュタッド
【性別】女
【種族】人間
【魔法】幅広く使えるが、特に弓矢を強化し、高い連射性と火力と飛距離を兼ね備えた射撃が得意
【詳細】
金色ロングストレート、スタイルの整ったかわいい印象の美人。23歳。
とある国のお姫様(三女)。
優しく朗らか、親しみやすい性格で、柔らかくも凛とした佇まい。
研鑽により裏打ちされた広い知識と知見、高い魔法の手腕とその人柄。および魔王軍との戦いにおける功績により、国民から強い支持を受けている。
幼少期にとある平民の男の子に恋をして、血が滲むような努力の末に「あなた」のパーティーに加わる。
そこで、その意中の相手を陰日向に支え、知略を駆使し戦功を挙げさせて地位と名声を得させ、自分と結婚できる地位を手に入れさせた実はすごくやべー奴。
「あなた」のことを昔も今も気にかけており(以下グスタフと同文)。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 17:43:22.40 ID:6121LotJ0
婚約者枠

【名前】アリシア・レイシェント
【性別】女
【種族】人間
【魔法】回復系魔法 
【詳細】エリュ−ナ王国の第3王女。金髪ロング碧眼の20歳の女性。誰にでも優しい性格。博愛主義者で誰にでも平等に考えている。国の者達からは女神と称されている。他の姉と比べると他の魔法と力は非力ではあるが回復魔法にとっては国一番と言われている。子供の頃、お忍びで城の外に一人で遊びに行った際、盗賊に襲われそうになるが子供の頃の"あなた"に助けてもらった事がある。それ以来"あなた"に一目惚れしている。いつか"あなた"と共に旅をしたいと考えている。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/09(水) 00:23:48.98 ID:QGQFy1HSO
【妹枠】

【名前】イーリス・エファーリス
【性別】女
【種族】人間
【魔法】一度でも見聞きしたことを完全に記憶する
【詳細】
ブラウンロングの髪の19歳の少女。
実年齢よりやや幼く見えるが、しっかりもので年齢離れした実務能力と器の広さ、周りを惹き付けるカリスマを兼ね備えている。
戦闘能力こそ皆無だが、別に病弱でもなく、運動神経はそこそこ良く足は速い。ただし武器の扱いは致命的にダメで、魔翌力はバカ高いくせに、完全記憶という魔法にリソースを割いているためか、攻撃魔法もまるで使えない。
幼い頃は兄である「あなた」に懐きつつも、運動能力を始め余りにも差があることに劣等感を抱いていたが、「あなた」に勉強がよくできることや、優しい気配りができることを褒められ、劣等感は徐々に薄れ自分の長所を磨いていこうと頑張るようになる。
「あなた」が魔王軍との戦いに挑むようになると、初期こそまだ幼い故なにもできなかったが、中期以降は急成長した政務力や渉外力を遺憾なく発揮し始め、「あなた」達の支援に尽力する。
その中で、神器の少女達や「あなた」の戦友達とも友好関係を築いていった。
終戦後は当主になるであろう「あなた」の補佐になる気でいたが、「あなた」の失踪を知るとショックを受けつつも当主の座に付き、混乱を即座に掌握。
領内の安定と近隣領の関係維持を短期で見事に果たし、元より認められつつあった家臣や領民から完全に当主として信頼されるようになった。
「あなた」には帰ってきたら文句を言ってやろうと思う一方で、「あなた」の境遇を思いしばらくは行方を抑えるだけで、好きにさせてあげ、自領を「あなた」が安心して帰れる場所としてあれるように準備している。
公式には自分の影響力で「あなた」の行方を追うのは不要として抑えているが、「あなた」の戦友や婚約者が個人的に素性を追う場合には密かに情報提供や支援をしている(イーリスのお眼鏡に叶う者に限る)
普段は全く表に出さないが、実はかなりの乙女思考な一面を持っている。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/09(水) 19:23:12.48 ID:2jncZFs/0
【妹枠】

【名前】シャロン・シーファー
【性別】女
【種族】人間
【魔法】生き物の言葉が分かりそれを使役する。(場合よっては魔物も可能)
【詳細】銀髪ショートの16歳の女性。"あなた"とは実の兄妹。おとなしい性格だが"あなた"に対して少しブラコン気味。"あなた"の事になると多弁になったり、"あなた"の事が心配で生き物を使って様子を確認したりしている。身体能力は高くないが頭が良く学力では一番になっている。自分より"あなた"のほうが当主に向いていると思っている。"あなた"の魔法の事も知っており、神器達の事も知っている。神器達に対してうらやましいと思う時があるも仲の良い友人と思っている。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/10(木) 20:27:22.01 ID:ZLIkfJiRO
11連勤が終わって漸く一日お休みをいただけるので、明日やります。
昨日に再開出来なくて申し訳ありません。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 21:37:17.34 ID:ytqkwk7d0
お疲れ様
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 20:36:27.41 ID:Lu5RmoVu0
【婚約者枠】 

【名前】リーヤ・ウォレット
【性別】女
【種族】人間
【魔法】未来予知(24時間の間に何が起こるか予知する事ができる。予知する時間は本人の自由に視れる)
【詳細】紫髪ロングの21歳女性。あまり自分の事を語ることがなくミステリアスな雰囲気がある。世話好きでお姉さんっぽい性格。エリュ−ナ王国出身でエリュ−ナ王国の教会でシスターをしている。お見合いの際に"あなた"と知り合いになった。特に本人は結婚に興味がないため"あなた"とは良き友人くらいでいいと思っている。最近占いにはまっており、結構当たるので彼女の占いは国中で人気になっている。魔法だけではなく格闘術も手掛けている。実はウォレット家の先祖は"あなた"が持ってる神器の一つ「スターロード」の伝承に登場する姉姫の側近をつとめていたことがある。そのため「スターロード」の伝承の本当の話しも知っている。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 00:22:24.97 ID:xBcOa4v7O
ものすごく短いですが進めます。
ちょっと暗いお話になります。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 00:22:54.37 ID:xBcOa4v7O
メリッサお手製のボロネーゼを味わいながら、ワインを嗜む。アルコールが身体中を駆け巡り、程よく酔いが回ってきた。
流石に、メリッサの家で酩酊状態になるほど羽目は外さない。
そんなことをするとしたら、戦友と宅飲みをする時くらいだ。その時は思う存分羽目を外すしはっちゃける。

一度戦友の家を盛大にぶち壊したような気がするが、たぶん気のせいだろう。戦友の笑顔が引き攣っていた気もするがこれもたぶん気のせいだ。身に覚えのない請求書が届いた時があったが、きっと無関係だろう。

料理を平らげたあなたは、賑やかだった飲み会を思い出す。また機会があれば是非やりたいが、そんな日はきっと来ない。

戦いが終わり、戦友は皆各々の進む道を選び、先へと行った。勿論、あなたもそうした。
その結果がエリューナ王国からの逃走だ。とは言っても、まだ国内に残留しているが。
それでも、国に帰属するつもりは一切ない。自分を産み育てた親に感謝はしているが、自分の命、未来を全て国に捧げられるほど、あなたは奉仕の精神に溢れていないから。

自分のやりたいと思ったことを。自分の正しいと思ったことを。他人の事情など関係なく押し通す、自己中心的で自分本位な愚か者があなたなのだ。
そんな自分が勇者と、救世の英雄と褒め称えられるなんて胸糞悪かった。
『天命の煌災』と、影では忌み名で呼んでおきながら、自身に害が及ばないように機嫌を取ろうとしていた貴族連中にはほとほと呆れていたし、呆れを通り越して感動すら覚えていた。
よくもまあ、そこまで毛嫌いしている相手に愛想を振り撒けるな、と。
嫌いなら、忌まわしいのなら、正直に言えばいいのに。別にそれで、癇癪を起こして人民を皆殺しになんてしない。

あなたが殺すのは、自身を殺さんとする存在全て、ただそれだけだ。危害を加えない人を殺す意志など、持っていない。

理性で抑え込んでいた箍が弛んだのか、暗い思考を続けていたあなたは、僅かな間瞑目した。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 00:23:27.99 ID:51aPMnHVO
目を閉じているあなたの顔を、メリッサは静かに眺める。
そして、ぽつりと言葉を漏らした。

「貴方様がいなければ、私はあの日死んでいました」

ギルドで出会った時に伝えたかった言葉。山ほどある感謝と恋慕の感情。
メリッサは、酒の力を借りてそれを伝える。たとえそれが間違った方法だとしても、酒に頼らなければ伝えられなかった。
自分のような町娘が、英雄に想いを伝えるなんて思い上がりにも程があるから。

「…卑怯、ですよね。お酒に頼って、お酒の所為だって誤魔化せる状況で、こんなことを言うのは。でも、ここまでしないと言えません。恥ずかしいし、聞いてくれる貴方様に申し訳ないですから」

スカートの裾をぎゅっと握り、意を決した表情でメリッサはあなたを見つめる。
その目には、不退転の覚悟が宿っていた。

「あなたが好きです。この世で一番、愛しています。あなたにとって私は、どこにでもいる有象無象の人間でしょう。でも、それでも構いません。私にとって、あなたは命の恩人であり、生きる希望でもあります」

「あの時私を救ってくれて、ありがとうございました。どれだけ言葉を重ねても伝えきれないくらいに大きな感謝の気持ちですが、ほんの少しでも伝わっていたら嬉しいです…」

眠っている相手に伝わっていないことは百も承知。だが、これでいい。意識のある時に、面と向かってこんなことは言えない。
考えるだけで恥ずかしさで燃え尽きてしまいそうなくらいだ。実際に行動に移したらどうなるか、想像もつかない。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 00:24:16.32 ID:jg6cwsDvO
一度零れた感情は、止めどなく溢れ出す。それはもう止められないし、止めるつもりはない。
吐き出すだけ出し切って、はっきりさせたかった。それが、数年もの間募り続けた恋心というものだから。

「あの日からもう、私の目にはあなたしか映っていないんです。声を掛けてくる殿方は皆、あなたの影に埋もれて消えました。だからどうか、少しだけでもいいから…私を見てください…。私のことを、好きだって言ってください…!」

「勇者様…!お願いします…っ!」

数秒前とは矛盾した言葉。だがそれが、偽りなき本心の言葉。
有象無象でいい、なんて嘘だ。もっと私を見てほしい。好きだって言ってほしい。

私を、あなたの特別にしてほしい。

英雄に恋した乙女は、その英雄の特別になりたかった。
特別ではない自分も、誰かの特別になれるはずだ、と希望を抱いていたから。
私を救ってくれたのなら、今度は私が救う番だと。

ただ直向きに勇者という英雄を想う恋心は、歪に歪んでいた。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 00:25:08.45 ID:zrcTeFVdO
ただ目を瞑っていたら、急に告白が始まった。
いつ起きている、と声を上げるかタイミングを図りかねていたあなただが、不意にその瞬間が訪れた。

「勇者様…!お願いします…っ!」

その言葉が聞こえた瞬間、あなたは目を開けていた。

それが嫌いなんだ、と告げあなたは冷めた目でメリッサを見た。
ぽかん、と突然口を開いたあなたに呆気に取られたメリッサは硬直した。

「え…?」

あなたの発言を咀嚼し、理解し。そして絶望した。
どうして嫌われたのか。何が悪かったのか。その全てが理解出来なかったら。

「私のどこがダメでしたか!!?悪いところがあったなら言ってくださいっ!!!」

メリッサは目を白黒させ、涙ながらに詰問する。あなたは大きな溜め息を吐き、冷静に答えた。

そもそも自分に英雄なんて呼び名は相応しくない、と。

無数の死と絶望、怨嗟の積み重ねの果てに得たその称号は、本来敬称にはなり得ないものだ。
過去の彼らもそうだとは言わないが少なくとも、あなたの手にした『英雄』はそうだった。

敵対する魔族を殺め、未来を摘み取り、血河を築き、屍山を造った。
幾千、幾万と散った命があることを、英雄の名が示しているのだ。
その事実を知らず、幻想に酔いしれるメリッサの恋慕は、あなたからすると見るに堪えないものだ。

存在しない輝かしい自分(嘘)に踊らされ、勝手に絶望されるのは御免被る。
だから、突き放す。現実を知るのは辛いだろうが、踊り続けたその先で絶望という崖に落ちるよりかは軽傷で済むはずだから。

「え…?…え…っ?」

冷淡な対応に理解の及ばないメリッサは、狼狽の声を漏らすだけだった。
その失言は酒の所為だろうから、自分は気にしない。そう告げたあなたは、逃げるように家を去った。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 00:25:54.59 ID:zrcTeFVdO
ここまでです。短くてすみません。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 00:27:05.52 ID:5J4p5twj0
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 00:48:25.95 ID:gCpnSOYv0
乙です

究極的には戦友からも妹からも、神具の少女達とすら一線引いてる感じなのかな。根が深い
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 01:13:41.93 ID:2Ok7oYIEO
またちょっとだけ進めるんじゃ。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 01:14:09.87 ID:2Ok7oYIEO
undefined
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 01:14:53.83 ID:2Ok7oYIEO
深夜、人気が無くなり閑散とした道路を歩いていると、不意に後ろから声を掛けられた。

「あれでよかったのですか?もっと他に言い方があったと思いますが…」

そこまで気を回せるほど器用じゃない、とあなたは答える。あなたに出来るのは、現実を突きつけて突き放すことだけだ。

除名した仲間たちもそうだ。必要ないから除名した。いても足手まといで邪魔だから除名した。
その言葉に嘘、偽りは存在しない。只々事実を告げ追放した。
実力不足な人を、負傷者を守りながら戦えば、寧ろ余計な被害を生む。だから、除名した人は本当に邪魔だった。
彼らが自身の言動に何を想い、行動しようと勝手だ。だが、あなたは自分の選択は正しかったと、そう断言する。
何故なら、その選択の果てに、今無辜の人々が謳歌する平和が存在しているのだから。

「…本当に不器用なお方ですね。新参者の私が言える立場ではないですが、よく誤解されるでしょう?辛くはありませんか?」

誤解、恨み、嫉妬には慣れっこなので、特に問題は無い。
それよりも、『救世の英雄』という虚像に惑わされている人を見る方が辛い。
所詮自分はただの人間で、人に畏れられる化け物だ。そんな自分が素晴らしい存在だと謳われるのは虫酸が走る。
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 01:15:24.85 ID:2Ok7oYIEO
「自分を卑下しないでください。たとえ幾千もの命を奪っていても、あなたはそれより多くの命を救っています。彼女だって、その一人です」

だからなんだというのだ。どれだけの人を救おうと命を奪うのは、人を殺めるのは等しく悪だ。戦争だからと許されるわけがない。
殺すことをよくやった、と褒められて、素直に喜べるような人種ではないのだ。

「………っ」

あなたの淡々とした返答にヒミカは唇を噛み、押し黙った。
嘗てのラーデインの所有者と目の前の男性を重ねているのか、その瞳には僅かに後悔の念が混じっている。

あなたはこれからも、他者を殺めながら生きていく。それしか生き方を知らないから。
奪った命と十字架を背負い、生き続けるのが罰だ。死んで楽になるのは死者の魂と自分が許さない。
だから、あなたは死を拒む。それだけが贖罪の方法だと、あなたの心が信じているから。

所有者を慮り声を掛けようとする神器だが、それに応えることなく、青年は背を向けた。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 01:15:55.55 ID:Iow0Uf7gO
ぐっすりと眠って迎えた翌日、あなたは新調した槍を背負い、ギルドへと入る。今回は神器の面々も一緒なので、衆目を集めているが本人は気にしていない。

「はうぅ…」

その中でただ一人、ぶっちぎりの露出度とダイナマイトボディを誇るバヴルス改めジーナだけが、他の神器に隠れて縮こまっていたが。

「あのね、わたしやエリーみたいなちんちくりんにおまえさんのような大きな人が隠れられるわけがないんだよ。すまないけど、どうしても目立ちたくないなら外套でも羽織ると良いんじゃないかな?」

「ですよねー…!」

「私のケープで良ければ使っていいですよ」

「ありがとうございますルーナさん…。でも、それだと逆効果な気がしますぅ…」

「逆効果だねぇ。下半身は丸出しだから余計に目立つ気しかしない」

「うん。ジーナはどうしたって目立つから諦めた方がいい」

子供特有の悪意なきど正論が突き刺さったジーナは、しょぼんと沈黙した。

そんな談笑をする神器をよそに、あなたは掲示板を物色する。
日が変わって新しい依頼が持ち込まれたのか、ラインナップは昨日と変わっていた。

これでいいか、と適当に選んだのは、エルダの町の清掃活動の依頼書だった。
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 01:16:25.79 ID:Iow0Uf7gO
「お、おはよう…ございます…」

何やらげっそりした表情の受付嬢メリッサに、普段と同じ態度であなたは挨拶をする。
そのまま依頼書を提出し、仔細を聴くことにした。

「あ、あなたがその依頼を選ぶとは思いませんでした…。…というか、あの時のことは気にしてないですよね…?」

申し訳なさそうに質問するメリッサに、全然これっぽっちも気にしてない、と返答をする。
あなたからすると全くもってノーダメージだから大丈夫なのだ。他人もそうとは言い切れないのが、悲しいところだが。

「そ、そうですか。ならよかったです」

こほん、と咳払いをし、気を取り直したメリッサは依頼の説明を始めた。
あなたが先日に難色を示したばかりの雑用を受領したのには非常にシンプルな理由がある。
様々な依頼を達成し実績を積むことで、より沢山の依頼を受けられるようにするのだ。

冒険者は階級制ではないが、依頼を受領する際には実績と実力が考慮される。
昨日のエルオム坑道の調査など例外中の例外だ。

地道に実績を積み重ねることが、冒険者としての人生を楽しむための近道だと、戦友の冒険者が言っていた。当の本人はその地道な作業が大嫌いだったらしいが。

そんな打算的な考えで行動するあなたは、意外にも文句の一つも言わずきっちりと依頼を終わらせた。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 01:17:17.14 ID:cMp/dmlqO
今までやったことのない作業に新鮮さを覚え、これはこれで悪くないと満足したあなたは、数日間雑用依頼を受け続けた。

いつしか顔見知りも増え、飲みに誘われることもしばしばあったりと充実した冒険者が始まってご満悦のあなたは、帰宅した後に依頼や酒場での歓談を神器と語らうのが日課になっていた。

神器も神器で、各々が自由に行動している。食べ歩きに出掛けたり、自室で本を読んだり、近所の子供と遊んだり。折角人の身体を手に入れたのだから、と思う存分人生を謳歌していた。

そんなある日、あなたはメリッサから手紙を受け取った。

−−−−−−−−−−

件名:どこに居ても逢いに行くわ。

あなたと離れ離れになって、二週間が過ぎたわ。
たった数日姿が見えない日が続いただけなのに、この心は張り裂けそうになるほど辛くて、苦しかった。
でも、漸く見つけることが出来たの。あなたの妹さんのお陰で、ね♪
あなたが私のことをどう思っているのかは知らないわ。だから今、はっきりさせたいの。
どこに行っても、私はあなたを追い続ける。パパに発破を掛けられたし何より、私はあなたのことが大好きだから。あの時から、ずっと。

あなたのフィアンセより。

−−−−−−−−−−

妹より差し向けられた刺客に、あなたはガッデムと叫び手紙を細切れにした。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 01:39:02.93 ID:+EOagQraO
ここまで。
重ね重ねですみませんが、魔王様枠を募集します。
これで募集は当分しない予定です。
条件は以下に記載した通りです。


【魔王様枠】

人の王と相反する存在なので女性固定。魔王なので魔族固定。
タイマン最強で、人類最強クラスのあなたも「こりゃ勝てん」と匙を投げる。戦友と共闘したらどっこいどっこいだが、それでもお互いに殺しきれないヤバさ。
平和を想う善人であるが故に、終戦を望んだ。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 01:39:45.64 ID:WpOLE4/40
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 01:45:40.26 ID:WORNHnk7o
おつ
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 02:03:00.16 ID:WpOLE4/40
【名前】アドミニストレータ
【性別】女
【種族】亜神
【魔法】創造(物質や命は当然、地上では数少ない「神器」を生み出せる存在。神器を抜きにしてもほぼ無限の兵糧を生み出せる)
【詳細】
常闇色のローブを纏った長い黒髪の女性。人間の形をしているが、誰もが一目見るだけで人ではないと理解する、圧倒的な存在感の持ち主
邪神の血を継ぐ魔族として生まれ、己に流れる魔族の血を極限まで薄め、神の血を徹底的に強める事で神の領域に踏み入った。地上に存在する唯一の神とすら称される
徹底的な合理主義者で、魔族を管理する装置の如き存在。魔族達を「子ら」と呼び愛しているが、愛に溺れる愚者ではない、1億の魔族を守るためならば100万の魔族を躊躇いなく犠牲にするだろう
人類に対する全面戦争も多種多様な魔族を「共通の敵」で取り纏めるために行ったもので、和平すら既定路線。戦争を口実に統一軍を作り、それをそのまま魔族の統治機構に変え、軍を利用して魔族に「社会」をもたらした天才
平和を尊んではいるが理想主義者ではないため、ある程度の犯罪や定期的な戦争は必要なものと理解している。その精神性は神の域に達しており、誰も理解する事はできない
"あなた"とはまた別種の化物で、お互いが「誰にも理解されない化物同士」だと認識している。そして別種の化物であるゆえに、お互いを理解する事もないだろう
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 02:18:26.85 ID:6z+ngX5K0
乙です

手紙は(>>130)で、居場所教えた妹は(>>144)かな?

あなたのために努力し、どこまでもあなたを追い掛ける幼馴染婚約者と、領地を掌握してあなたの帰りを待つ内政・外交能力激高妹の強タッグ感
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 15:04:57.06 ID:L4kzY1jk0
【名前】イードゥナスーチ
【性別】女
【種族】巨人
【魔法】なし
【詳細】
冷たい瞳の黒髪美女。シックな黒のドレスを着ている。身長は50m。無表情で感情も薄く、スカートを覗かれたりする事への羞恥心はない、というか対峙する相手にとっちゃそれどころじゃない
神々と覇を競い合った神代の巨人に先祖返りした巨人族の突然変異。巨人族は異界に起源を持つ種族で、この世界と相性が悪い
その為この世界を由来とする魔法がろくに通じず、肉体の再生速度も異常に速い。防御魔法も圧倒的質量で圧し潰す
まさかの物理攻撃オンリーの地上最強の超生物で、どうしようもなく強い。世界最大の都市も100万の軍隊も一人で潰せる。タイマン最強?そりゃそうだ。必殺技はボディプレス
最強ゆえに魔王に就任し、周囲の意見を汲んで開戦した。平和を尊ぶ善人なのだが根本的にノリが軽く、平和がいいけど開戦した以上は仕方ない人間滅ぼして平和にするかというノリで戦いを続けていた
思ったより戦争が長引き戦死者増加、しかし今更やめようにも切っ掛けがなく悩んでいたところに"あなた"一行が来ていい感じに引き分けたので終戦の口実にした
平和を尊ぶというものの、そもそも他人への興味が薄いようで、魔族はともかく人間を滅ぼす事に抵抗はない。平和を望んでいたのはあくまで戦死者を憂いての事
なお10つの国を滅ぼした生きる災厄で、誇張抜きで千万人は殺したらしい。しかし彼女に復讐しようという者はいない。あまりにも次元の違う存在であるため、復讐しようとすら思えないのだ
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 19:57:49.06 ID:imqhszoM0
乙です!

【名前】サタニアス
【性別】女
【種族】魔族
【魔法】消失系魔法(魔法や神器の力を無効化したり、消すことも可能。さらに人や魔物、物等を簡単に消滅させる事ができる)
【詳細】赤眼赤髪ロングで黒ドレスを着た女性。頭には羊のような角があり、耳がとんがっている。性格はいつもは魔物達に優しいが戦闘だと冷静沈着で冷徹な所がある。魔法や力も魔族一番で魔族全員が認めており、誰しも彼女を魔王として認めている。統率力が高く過去に1億人の魔物を従えていたことある。無害化の魔物がやれてしまうの見て心を痛めている。その為、平和を求める為、国と戦争しておりその統率力と魔法によっていくつの国が滅び消滅した。しかし"あなた"達との戦いの際、終わらない戦闘で疲労している時にお互い犠牲者を減らしたくないと想いが一致し、和平協定を結んだ。終戦後は魔王城で静かに暮らしている。"あなた"は彼女が本当は優しい人だと気づいている。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 21:01:11.92 ID:tZ69SF18O
【名前】フレア・カスタード
【性別】女
【種族】魔族
【魔法】超高温・大規模の火と爆発
【詳細】長身(170cm弱)、赤髪の美女。
周りに振り回される苦労人気質の魔王。
だが本来は奔放で快活、美味しいもの食べて、仲間達と騒ぎながら、いろんなことを楽しくやって生きたい性質。
エリューナ王国から遠く離れた、ろくに人がいない山岳地帯に遥か昔から、魔族の仲間と一緒に暮らしていた。
ある日、人間と魔族の争いが始まる。
「あなた」達の活躍で苦境に立たされた魔族は、遠く離れた地にいるフレアに救援を求める。殺し合いなど心底関わりたくなかったが、同族を見捨てられず参戦。
圧倒的な強さにより、フレアは(望んでないのに)魔族の王、「魔王」と人間、魔族の両方から畏怖されるようになった。
そんなことをしているうちに、(ストレスでさっさと終わらせたかった)フレアは、「あなた」達を倒すことで戦争の早期決着を図る。
爆裂魔法一発で終わらせるつもりだったが、「あなた」の仲間に魔法を無効化する魔法の使い手がいたため、やむなく直接対峙。
「スターロード」もあって戦いは泥仕合に終わり、「あなた」とフレアは休戦を結ぶ。
あまりの凄まじい戦いに、表立って「あなた」やフレアの突然の休戦に文句を言うものはほぼおらず、魔族側の少ない例外はフレアが黙らせた。
さっさと魔王を辞めて故郷に帰ろうとしたが、残存魔族に全力で慰留される。休戦こそしたが、勇者とその仲間達は健在だったからだ。
断りきれず、フレアは魔王を続けたが、勝手な魔族達に振り回され、気が休まらない日々を過ごす。
ストレスが溜まるのか、故郷から旧友を呼び寄せたり、また「あなた」を無理矢理呼び出してはルーナやフィズの料理が食べたい、アマネの踊りが見たい、ヒミカの歌を聴きたい、エリーや「あなた」の妹と遊びたいなど、ワガママも言うようになる。
そんなある日、「あなた」の失踪を知りあ然とする。
フレアは「今なら勇者の仲間達を各個撃破できますぞ!」とか宣う部下達をぶちのめしながら、パワーバランスを崩しやがった「あなた」に文句を叫んだという。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 00:05:43.33 ID:7L0HGD+lo
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 18:43:47.30 ID:VaCnm7EAO
魔王討伐まで一緒に行ったのに、結婚直前で逃げられて手紙まで破かれた婚約者ちゃんかわいそう
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 19:04:17.96 ID:GGZxBf8wO
正直な話し実際手紙を書いた人が>>130とは限らないと思うけどな。
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/16(水) 00:50:34.46 ID:rvisf9OY0
【名前】ベロニカ・ルシフェル
【性別】女
【種族】魔族
【魔法】時間系魔法(時を止めたり、時を速めるもしくは遅くする事ができる。少し間だけ時を巻き戻す事もできる。過去を一部だけ介入し自身の過去を改変させる事もできる。)
【詳細】白髪でショート、右目が青と左目が緑のオッドアイの女性。黒色のドレスを着ている。背中には漆黒の翼がついている。博愛主義者で平等に接している。魔族も人お互い助け合うべきと考えて平和を望んでいた。どんなに人々に語りかけても相手にしてもらえず最終的に戦争になってしまう。本人は戦争はしたくなく悩んでいた。"あなた"一行と対決する時も時間系魔法で時を止めたり、自身がやられそうになるもその過去をかえて有利にしたり等彼女の魔法に"あなた"は「これは勝てない」と思ってしまうくらい最強クラスの実力者でもある(魔法以外にも格闘術も手掛けていて結構強い)。しかし実際は致命傷をあたえていない事に"あなた"は気付きそこからお互い話し合い"あなた"も彼女が善人な人だと知り和平協定を結び終戦した。終戦後は旅をしており色々とまわっている。また"あなた"と出会いたいと思っている。今度は"あなた"と会う時は戦闘ではなく普通に話しをしてみたいと考えている。
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 23:35:15.73 ID:qCAqh6Ct0
でもまあ、異常性を理解した上で「それがどうした私はあなたのことが大好きなの」って追いかけてくるくらいの子じゃないと、このあなたは落とせなさそう
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 07:25:32.13 ID:SHUxHxf6o
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/21(月) 14:37:48.55 ID:w8ITmXioO
今日の夜に進めます。重要な安価を出す予定です。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 15:48:43.97 ID:EWCZdgXk0
了解
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 01:18:38.81 ID:GctcJf8jO
お仕事かな? 乙です
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 07:21:16.23 ID:5Ctb9CLAO
おはようございます。安価の部分まで投げます。
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 07:22:03.96 ID:5Ctb9CLAO
深夜のリビングに神器と冒険者が一人ずつ。遊び疲れた幼き少女は、男性の膝の上で眠っていた。

エリーを抱き抱え寝室に寝かせる。隣ではアマネとジーナがお休みしていた。
音を立てないように静かに部屋を出たあなたは、自分もそろそろ寝るか、とリビングで冷たい水をコップ一杯だけ飲む。

それと同時に、ご丁寧なノックが三回行われた。
はて、こんな夜更けに来客の予定などあっただろうか。あなたは首を傾げ、しっかりと施錠をし、床に就く。
今日も充実した一日だった。願わくば、明日も同じような日にならんことを。
そう思いながら、目を閉じた。

「お嫁さんが来たのにその対応はちょっと酷いと思うわ」

がちゃり、と音を立て、何者かが家に侵入した。盗人許すまじ、とあなたは渋面を作り、侵入者と相対する。
犯人は見知った顔で、正直見たくない顔だった。

げっそりとした表情のあなたを見て、犯人も頬を膨らませた。

「そんな顔されると流石の私も傷ついちゃうわよ。女の子は繊細なんだから」

自宅に忍び込んだ犯人は、あなたの婚約者である『フィズ・クラウディア』だった。
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 07:23:03.22 ID:5Ctb9CLAO
この場所がバレたからにはしょうがない。口封じをして王都に強制送還するか。と物騒な対処を真面目に検討し始めたあなたを他所に、フィズはあなたの部屋を物色する。

箪笥の中からベッドの下まで、隅から隅まで調べていく。健全な大人の男性であるあなたは、何もやましいものを隠していない。

「あら、男の子はこういう場所にエッチな本とかを隠してるものだってパパが言ってたのだけれど」

悪いことは言わないからその父親は早急にぶん殴るべきだ。あなたの口からそんな言葉が出そうになったが、既のところで思いとどまる。

王都に連れ戻すために妹が差し向けた刺客なのか、とあなたは警戒心を顕にするが、フィズはきょとんとした表情を浮かべる。

「え?どうして私があなたを王都に連れ戻さなきゃいけないの?私はただ、大好きな旦那様と一緒に居たいだけなのに」

婚約者の返答に、あなたは警戒心を更に強めた。恋愛感情など皆無の政略結婚で結ばれる予定だったというのに、そんな理由があるはずがない。

「確かに、結婚を決めたのは王様たち。私たちの希望でそうなったわけじゃない。でも、私はあなたと結婚したかったのよ。心の底から、そう願ってた」

『龍帝の碧眼(アイズ・オブ・バハムート)』が、あなたを映す。あなたの眼とよく似た、しかし確かに違う色の、透き通るように綺麗な瞳は、その眼差しを愛した人に向けている。

全ての魔法を解析する、フィズの持つ『魔法殺し(アンチマジック)』の根幹となる眼。その瞳には、強い意志が込められている。
好き。大好き。とにかく好き。あなたが自分のことをどう思っていようが関係ない。私があなたを大好きなことに変わりはないの。そんな声が聞こえてきそうだ。
というか、実際に彼女がそう言った。

あなたへの愛を熱弁する婚約者に警戒するのが馬鹿馬鹿しくなったあなたは、溜め息と共にフィズの手を取る。
そして、少し外で話そう、と家から連れ出した。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 07:23:53.72 ID:5Ctb9CLAO
人々の憩いの場である噴水広場も、深夜では人気が全く無い。ボルテージが高まりに高まったカップルが数人イチャイチャしている程度だ。

「ラブラブカップルだなんて、そんな…。あなたがそんなことを言ってくれるとは思わなかったわ…!」

頬をポッと赤らめて世迷言を宣う婚約者をジト目で睨む。少しだけでも乗ってくれたっていいのに、とフィズはほんのちょっぴり不機嫌になった。
が、一瞬で元に戻った。『虚無の麗災』の名を冠するほどに戦場を経験したフィズの流石のバイタリティと言えよう。

「…うーん。良い雰囲気の場所だけれど、他の人がいたらムードが台無しね。あなたにまた逢えたから、再会を祝したキスとかしたいのに」

視線をあなたに移したフィズは、その指先を街灯で艶かしく照らされている唇に近づける。
健全な一般男性なら見るだけで劣情を唆られる蠱惑的な姿だが、悲しいかな。
あなたの心は何一つ動いていない。彼女自身、そうなることを望んでいるわけではないので当然なのだろうが。

一番人の少ないエリアに移動し、ベンチに腰掛ける。何を言うでもなく、フィズはあなたの隣に座り、愛しの殿方に身体を預けた。
左肩に重みと温かさを感じながら、夜空を見上げる。幾千もの星が煌めき、鮮やかな空模様を描いていた。

こうやって夜空を見上げたのは何年振りだろうか、という考えが出たことで戦いに染まりきっていた自分を自覚し、あなたは視線を落とした。

そんなあなたを知ってか知らでか、フィズは腕をあなたの首に回し、抱き寄せた。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 07:24:32.93 ID:5Ctb9CLAO
突然の奇行に眉を顰めたあなたは、何のつもりなのか問う。

「なんだか悲しそうだったから。そういう時は伴侶が慰めるものでしょう?」

耳元での囁きに、他人が勝手に決めたものに良くもまあ夢中になれるものだ、と冷めた返答をする。
所詮これは、親や王族が勝手に決めた政略結婚だ。
自身の保身のため。国民の安全のために、単騎で国の一つや二つを滅ぼしかねない力を持った獣に首輪と枷を付け、繋ぎ止める儀式にすぎない。
あなたは彼女らとの結婚をそう捉えていたし、実際それは間違っていなかった。
一人で満足しないなら二人。それでも満たされないのならもっと多くの美人を。そんな下卑た考えがあなたには見えていた。
彼らの判断が悪い、とは思っていない。国民の命は何よりも大切なものだし、こんな危険物が目の前にあるのに放置など以ての外だ。
だが、理解出来ることと同意出来るかは別問題だ。あなたは他人のために、自身が飼い殺されるのを良しとするほど、人間性は良くなかった。

だのに、彼女は。どうしてそこまで好意的に受け入れられるのか。自分はその現実が嫌で嫌で、王都から逃げ出したというのに。

「だって、元々あなたのことが好きだったし。そこであなたと婚約が結ばれたってなったら、喜ぶに決まってるじゃない」

こんな自分のどこに、好きになる要素があるのだろうか。間違っても好きにならない、なってはならない人種だと自覚しているあなたとしては、抗議を送りたい気分だ。

フィズは不満一色の視線に、微笑で答えた。
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 07:25:13.67 ID:5Ctb9CLAO
「あなたは確かに、人の道を誤ったのかもしれないわ。でも、それがどうしたっていうの?私はあなたと居たから自分を取り戻せたの。あなたが居たから、今の私が存在するの」

「あなたが救世の英雄だろうが稀代の殺人鬼だろうが関係ないわ。私は何があってもあなたを愛し続けるし、あなたが何になろうと寄り添うだけ。愚かな女と思うのならそれでも構わない。あなたが私をどう思おうと、私があなたを愛する事実は、心は変わらないから」

抱き締める力が強くなり、あなたとフィズの身体が密着する。傍目にはそこらのイチャイチャカップルと思われるだろう。
だが、そのイチャイチャカップルは二人して化け物だ。

「…でもこの際、はっきりさせたいの。あなたにとって、私は何?愛しの婚約者?それとも、ただの戦友?」

「…それとも。目障りな小娘?」

フィズの問いに、あなたは瞑目する。
自分にとって、彼女は何か。その答えを探す。
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 07:26:08.92 ID:5Ctb9CLAO
彼女は幼馴染とも言える存在だ。幼少期、それこそ七歳の頃から今に至るまで絶えず交流がある。
あなた自身、彼女のことはそこら辺の人と比べれば信じられないほどに彼女を好意的に見ている。共に死線を越えた戦友だという色眼鏡で見ている事実はあるが。
だが、恋愛の対象としては見ていない。そもそも、あなたはそういう人と逢ったことがない。畏怖と好奇の視線を浴び続けた精神は、いつしか自身の感情の機微に疎くなり、麻痺していた。
それでもなお、闘争による高揚が残っているのは何という皮肉か。殺戮による高揚は微塵もないのが、せめてもの救いだ。

さて、どう答えよう。どう答えれば、彼女を納得させられる。
あなたは大真面目に、戦闘以外で初めて頭を使った。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 07:28:41.53 ID:5Ctb9CLAO
ここまで。安価内容は『どう答えるか』です。
内容が内容なので、暫くの間シンキングタイムとします。
質問等ありましたら受け付けますし、皆さんで話し合っていただいて結構です。
今日の夜くらいに安価を出す予定です。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 07:37:22.31 ID:/hWoL6Zp0
乙です

>>187でだいたい「あなた」の心情は語られているかな
「状況的に恋とかそういう感覚はマヒしていて、良く分からない。ただしフィズのことは好ましく思っているし一緒にいたい」みたいな感じか
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 08:27:25.99 ID:VJoQvk/GO
愛しの婚約者…恋愛とか分からないと言ってるので、上辺だけの言葉になる。たぶんこの子にはバレる
ただの戦友…好ましいとは述べてるので、これも違う
目障りな小娘…論外

「そもそも恋愛感情が良く分からないし、他人にそういう感情を抱いたことはない。
ただ、フィズの想いは嬉しい。
恋愛感情か分からないが、自分もフィズを好ましく思っているし、一緒にいたいと思う。」

こんな回答かな? ちょっと長いかもだけど
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 08:49:46.73 ID:nT8UI+060

ひねくれているがとりあえずこんな感じで

ここで答えが出せるほど単純なものではない。お前はそこそこ目障りで鬱陶しいが嫌いじゃない、大切な戦友ではある
だが愛しの婚約者はあり得ないな。お前に好感はあるが、お前に恋愛感情と断言できる想いを持っているなら、もう少し事は簡単に進んださ
……まぁ、俺を理解しようとしているのは分かったよ。その努力……いや好意は、まぁ、好きにしてくれ。鬱陶しくない程度にな
俺も、応えられるようには努力する。それくらいには、お前の事は嫌いじゃない
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 10:26:17.40 ID:VJoQvk/GO
それにしても
あなた:自分を理解せずに好意を寄せられるのも迷惑だが、自分を理解してなお好意を寄せるのも理解できない
フィズ:あなたが英雄だろうが殺人鬼だろうが、あなたが私のことをどう思っていようが関係ない好き

どっちもめちゃくちゃ重いなおい
でも激重なあなたのフィアンセちゃんに心開かれていくあなたを見たい
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 12:15:07.56 ID:4BSwo5PiO
質問あるけど"あなた"の婚約者って何人かいて今後登場したりするの?それともフィズだけなの?
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 12:24:13.02 ID:mjx+J7iwO
そういやあなたがフィズが形式的な婚約者だけでなく、本当に好意抱いてるなんて初めて知った的な反応だったけど、今まではフィズはこんなグイグイ押してこなかったのかな?
それとも、前からこんな感じで押してきたけど、「律儀に婚約者として周りにそう見えるよう振る舞ってるんだな」って捉え方だったのかな
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 13:44:27.22 ID:Kmtwc5hwO
>>193、現時点で確定している婚約者は

アリシア・レイシェント
リーヤ・ウォレット

です。もう一人はフィズと来歴で被っている点がちょくちょくあるのでどうするか悩んでます。


>>194、婚約決定してからは今よりもやや遠慮気味でしたが割りかしグイグイ行ってました。終戦後は言うまでもなく、です。
あなたは少年期は色々なところに連れ出すフィズに戸惑っていて、終戦後は『こんな化け物の婚約者として振る舞うフィズに同情するよ』って感じです。
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 14:43:38.04 ID:k5cIg9yeO
回答ありがとうございます
こんだけ分かりやすく好意寄せられて、演技だと思ってたのか、このあなた……

>>190 >>191を参考に

自分には恋愛感情が良く分からないし、他人にそういう感情を抱いたことはない。
そもそも、自分を理解してくれた上で、怖れずにいてくれる、ましてや好きでいてくれる人がいてくれるとすら思っていなかった。
だから悪いけど、今までのフィズも婚約者として仕方なく振る舞っていたと思っていたぐらいだ。
だからこそ、フィズの想いはとても嬉しい。
恋愛感情かは分からないが、自分もフィズを好ましく思っているし、一緒にいたいと思う。
自分も、これからフィズのことを真剣に考えるし、その想いに応えられるように努力する。そうしたいと思うくらいには、大切に思っている。

こんな感じでどうだろうか(長いけど)
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 19:28:41.11 ID:IydzczKZ0
恋愛ゲーム的な好感度を稼ぐ最適解は思い浮かぶけど、この"あなた"には"あなた"らしい不器用な答えをしてほしい
とりあえず嘘というかその場しのぎみたいな答えは無い。他を参考に……

「お前に恋愛感情は持っていない。お前の事は嫌いじゃないが、俺を好くのは理解できない、けど理解する努力はしたいと思う。だから、これからたまに来てくれるなら歓迎する」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 21:42:20.44 ID:mpDYLGceO
>>196、戦争中に貴族の陰謀に巻き込まれたりしてますからね。戦友とはいえ、どうしても偏見が出てしまうものです。

22時に安価を出します。それまでがシンキングタイムです。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 22:05:16.51 ID:thgRP8qMO
では安価スタートです。
22:10から数えて4番目のレスを採用します。
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 22:10:05.25 ID:t+xXdLoKo
>>197
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 22:12:07.64 ID:nT8UI+060
鬱陶しいが、目障りというほどじゃない……嫌いじゃないよ、むしろ好きだ、信頼もしている。だが恋愛感情ではないと思う
俺を理解しようとしてくれることは嬉しい。俺も、お前に応えられる努力はするよ
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 22:12:11.88 ID:o/CmKn100
>>196 一部修正

自分には恋愛感情が良く分からないし、他人にそういう感情を抱いたことはない。
そもそも、自分を理解してくれた上で、怖れずにいてくれる、ましてや好きでいてくれる人がいてくれるなんて思っていなかった。
悪いけど、今までのフィズも婚約者として仕方なく振る舞っていたと思っていたぐらいだ。
だからこそ、フィズの想いはとても嬉しい。
恋愛感情かは分からないが、自分もフィズを好ましく思っているし、一緒にいたいと思う。
これからフィズのことを真剣に考えるし、その想いに応えられるように努力する。そうしたいと思うくらいには、大切に思っている。
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 22:12:18.94 ID:T9aRKC08O
>>196
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 22:12:25.11 ID:HBraNwja0
>>197
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 22:21:20.99 ID:lkQsRiYKO
>>196のレスで決定しました。では、お疲れ様でした。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 22:22:19.10 ID:o/CmKn100
乙です

ぶっちゃけこの返答がどうなのか、すごく気になる
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 22:25:01.17 ID:nT8UI+060
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 23:31:42.89 ID:t+xXdLoKo
おつー
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 01:23:56.65 ID:o9cNyHGV0
乙です

自分を理解した上で肯定してくれる人がいることを知ったあなたが、少しずつでも心を開いてくれるといいな
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 12:24:53.71 ID:N2ZNGbIyO
>>134を書いた者です

>>195で言っていたもう一人ってラウルのことでしょうか?(違っていたらすみません)
もしそうなら来歴のところを変更もしくは無しなど自由に変えても大丈夫です
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 15:51:56.63 ID:ci3DQS+t0
わざわざ読者側がなんか言うまでもなくそりゃある程度は変えるでしょ
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 11:09:38.09 ID:+qZUamSNO
お待たせ。
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 11:10:30.34 ID:+qZUamSNO
思考の海から抜け出し、目を開ける。視界の端には手入れされたフィズの髪がチラリと映っている。
抱き締めているフィズと違って、あなたはただ座っているだけだ。両の腕は下に垂らしているし、フィズに抱き締められているので動かせない。

離れてくれ。あなたがそう頼むと、フィズは残り惜しそうな仕草を見せた後に力を抜き、あなたを解放した。

必死に思索し、導き出した答え。それで満足してもらえるかは分からないが、無言を貫いても何も変わらないのだから、それを伝えるだけでもするべきだ。
そう結論づけたあなたは、重い口を開いた。

自分には恋愛感情が良く分からないし、他人にそういう感情を抱いたことはない。

「…うん。知ってる。あなたはそういう人だもの」

怒るでもなく、悲しむでもなく。フィズは視線を逸らすことなく、あなたの言葉を受け止める。
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 11:11:15.33 ID:+qZUamSNO
そもそも、自分を理解してくれた上で、怖れずにいてくれる、ましてや好きでいてくれる人がいてくれるとすら思っていなかった。
だから悪いけど、今までのフィズも婚約者として仕方なく振る舞っていたと思っていたぐらいだ。

「あれを演技…か…」

自分の言葉が何か琴線に触れたのか、黒い感情がフィズの背中から見え隠れする。
気にすることなく、あなたは話を進めた。

?だからこそ、フィズの想いはとても嬉しい。
恋愛感情かは分からないが、自分もフィズを好ましく思っているし、一緒にいたいと思う。?
ピクリ、とフィズの眉が動く。

自分も、これからフィズのことを真剣に考えるし、その想いに応えられるように努力する。そうしたいと思うくらいには、大切に思っている。

フィズの表情が、固まった。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 11:13:06.39 ID:eJIZ/F2GO
待つこと数分。痺れを切らしたあなたが硬直したフィズの前で手をプラプラ動かすと、我に帰ったフィズが反応を示す。

「ご、ごめんなさい。まさかそんな返答をされるとは思わなかったから」

そう答えるフィズの表情はよろしくない。どうやらこの答えはお気に召さなかったようだ。

「違うの。…いや、そう、なのかもね。嬉しさ四割、戸惑い四割。それが今の感情の割合ってところかしら」

では、残りの二割は何なのか。あなたの問いにフィズは逡巡の後に答えた。

「…後悔。もう少し段階を踏んでから言語化させた方がよかったなって。あなた自身、まだどう思っているのか解ってなさそうだし…」

あなたは少し気まずそうに視線を落とす。あなたの反応に慌てたフィズは、あたふたと弁解をする。

「う、嘘だと思ってるわけじゃないの!でないと、嬉しさなんて感じないし!ただ、言葉にするのが難しいのに無理矢理言わせるのは卑怯というか、なんと…いうか…」

尻すぼみになった声は、最後の辺りでは何も聞こえなかった。はうう、とフィズは項垂れ。

「なんだか、空回ってるわね。私たち…」

そんな言葉を漏らした。あなたは大きく頷き、肯定の意を示す。
二人の溜め息が、宵闇に溶けた。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 11:13:44.43 ID:eJIZ/F2GO
重たい沈黙が場を支配して少しの時間が経った。熱が収まったカップルは既に退散したようで、噴水広場にはもう誰一人居ない。

「…これで解散にしましょう。寝る直前に起こしてごめんなさいね」

別にいい、とあなたは返し、背を向ける。フィアンセと別れるのだからもっといい感じの別れ方は無いの、なんて声が聞こえたが、とりあえず無視した。

「いけずー!…あ、私は暫くシャングリラホテルに泊まるから!部屋はVIPルームね!」

行く気はありません。

「そう言わないでよ。あなたの名前を出したら通してくれるようにガードさんにも言ってるから、気軽に遊びに来て。冒険する時に声を掛けてくれてもいいわよー」

神器がいるので大丈夫です。

「…むー。フレアさんみたいな極限魔法を使う敵と当たったらどうするのよー」

魔王様より弱いなら殺せるから平気平気。
そう答えたあなたは脱兎の如く逃げ出した。

「…むー!!!あなたの意地悪!にぶちん!でもそんなところも大好きー!!!」

一瞬で気配が消失した婚約者に、届かぬ叫びを上げた。
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 11:14:32.57 ID:eJIZ/F2GO
珍事を終えた日の朝。支度を終えたあなたはギルドに足を運んでいた。

「視線を浴びたくないのでお願いします…」

というジーナの懇願を受け、神器は全てアーマリーに保管してある。
食べ物の持ち込みは自由なのでアマネが大量に買い溜めし、皆で食っちゃ寝に興じている。

仲良しなのは良いことだ。価値観を共有出来る友人がいることほど恵まれたことはない、とあなたは神器が今を楽しんでいるのを感慨深く感じ、掲示板を眺めた。

が、ダメ。依頼は全て他の冒険者に受領されていた。
どうやらあなたが雑用も含めて片っ端から片付けていたせいで金欠に陥った他の冒険者が、日銭を稼ぐために形振り構わず依頼を受けているようだ。

これにはギルド職員もニッコリ。受付嬢メリッサも草葉の陰で泣いて喜んでいるだろう。

しかし、困った。これでは今日の仕事が無い。

報酬はちょっぴりでいいから、誰かパーティに一時的に入れてくれないだろうか。

あなたはそんな願望を抱きながら、冒険者に声を掛けることにした。
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 11:18:13.51 ID:eJIZ/F2GO
安価です。↓2を採用します。


A:パーティ名『付き合ってません。本当です』
墓場の死徒殲滅依頼に同行する。

B:パーティ名『人生何とかなるブラザーズ』
エルダの平原での薬草採取に同行する。

C:やっぱ何もしない。自由行動を記入。
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 13:23:17.97 ID:2VOVC1/x0
乙です

安価はAで
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 13:35:18.82 ID:7CGOoMFzO
A
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 16:01:07.10 ID:Qh9hIJsvO
ここまで。ちなみにパーティのメンツはエルウッドとシルファです。

少し前に暫く募集しないと言ったな、あれは嘘だごめんなさい。
こういう世界で一番重要とも言える神様についてなにも募集してませんでした。
条件は下記にあります。ついでに魔王軍の四天王枠も募集します。


【神様枠】

国毎に国教が決まっているわけではなく、個人によって信仰は異なる。
彼らが扱うのは魔法ではなく概念、摂理そのものなので、【魔法】の枠は【権能】になる。
神が表立って信徒を救うのは御法度であり、あくまで神託という形で助言をする程度に留めている。聖戦(ジハード)とかしたら神が泣く。
彼らはあなたという異端な存在を認知しているが、どういう認識なのかは投稿レスのコンマで判定される。
0、1:恋慕
2、3:関心
4、5:中立
6、7:苦手
8、9:敵意
ゾロ目:ゾッコン

また、彼らは人の世で過ごすための肉体【化身】を保有しており、そちらは人間と同レベルまで格を落とされている。
化身が神であると知られることは禁止されており、もしバレたらご飯が一週間抜きにされる。
そのため、普段は化身としてのんびり現世で暮らしており、人々の生活を観察している。
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 16:16:18.15 ID:Qh9hIJsvO
神様枠は魔法を権能に書き換えてください。
化身はいつもの感じで大丈夫です。

名前の例

忘却の風神・クトゥネシリカ
雷神・ブラックサンダー

など。


【四天王枠】

【三冥雄】と呼ばれる強いお方。一人一人があなたの戦友と同レベルに強いが、それ止まりなのであなたにボコられて逃げ延びた。
全員存命で魔王城で執務をしている。
三冥雄なのに何故か三人以上いる。
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/02/27(日) 16:41:47.37 ID:k6Qcw/HqO
乙です

神様も四天王もテンプレは>>57かな(神様は【魔法】→【権能】)

四天王枠(三冥雄)に条件はありますか?(魔族オンリーとか)
魔王枠は決まってますか?(四天王のキャラ付に影響するかもしれないので)

7歳から懇意にしてた、自分と同じような境遇で魔王討伐に無理矢理同行する女の子の好意を演技と思い込むって、改めて考えると相当追い詰められたんだね「あなた」
今は好意持たれてても、果てにこの子にまで怖がられたって想像して、そう思う故の自己防衛もあるのかもだけど
けど今回の件で誤解もなくなったし雪解けも近そう
返答の最後の方は(自覚してないけど)好きって言ってるようなものだし
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 16:58:36.68 ID:Qh9hIJsvO
>>227、魔王軍に与してるのでもちろん魔族限定です。

そも、魔族は吸血鬼とか鬼とかのそれっぽいのも含まれてる大雑把なカテゴリです。
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 17:14:26.08 ID:sAj+2T730
乙です
神様枠の作成で質問あるけど、コンマで恋慕やゾッコンって書いてあるけど性別は女性限定なの?
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 17:26:45.50 ID:Qh9hIJsvO
>>225、神様だから性別なんて些細なものには拘らんのです。
だから特に女性限定とかの縛りはないっす。
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 18:38:51.94 ID:bomyy1Qg0
ちょっとややこしいので既存のじゃなくて改めてテンプレ欲しい
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 18:42:39.74 ID:3MU/Jcl7O
神様はこっち

【名前】名前。
【性別】男か女かその他か無いか。
【権能】どのような権能を持っているか。
【詳細】どのような人物か。


それ以外はこっち
四天王枠は魔族系限定です。

【名前】名前。
【性別】男か女かその他か無いか。
【種族】人間獣人魔族エルフと色々いる。
【魔法】どのような魔法を使うのか。
【詳細】どのような人物か。

また、現在採用しているキャラがどの神を信仰しているかは募集した中からこちらで割り当てます。
あなたと神器は神を信仰してません。
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 18:49:08.87 ID:bomyy1Qg0
ありがとうございます
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 20:59:23.07 ID:kLGu/NTLo
>>222>化身はいつもの感じで大丈夫です。

とあるけど化身は神様とは別で設定を書くってこと?
それとも神様の【詳細】の中に化身の設定を書けばいいの?
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 21:13:08.78 ID:bomyy1Qg0
【名前】ゼリウス
【性別】男
【権能】天候操作
【詳細】(現在の)神々の王。雷雲と力と正義を司る。かつては若い世代の神々のリーダーであった
しかし狡猾な神に唆されて、古き神々に戦争を挑んでしまう。多くの神が死んだ後に過ちに気付き、狡猾な神を追放した
結局戦争は若い神々の勝利に終わったため、その後神々の王となる
傲慢、尊大、明朗快活だが怒りっぽい、良くも悪くも人間臭い
化身は威厳ある老人、あるいは朗らかな美青年。いずれも美しい肉体美を誇る
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 21:17:08.70 ID:bomyy1Qg0
ああ、名前はもう少しアレじゃないとだめか。>>231はこうで

【名前】"荒ぶる天神"ゼリウス
【性別】男
【権能】天候操作
【詳細】(現在の)神々の王。雷雲と力と正義を司る。かつては若い世代の神々のリーダーであった
しかし狡猾な神に唆されて、古き神々に戦争を挑んでしまう。多くの神が死んだ後に過ちに気付き、狡猾な神を追放した
結局戦争は若い神々の勝利に終わったため、その後神々の王となる
傲慢、尊大、明朗快活だが怒りっぽい、良くも悪くも人間臭い
化身は威厳ある老人、あるいは朗らかな美青年。いずれも美しい肉体美を誇る
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 21:20:42.50 ID:+XPwrw/V0
一回例をくれ!
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/02/27(日) 21:38:27.48 ID:2VOVC1/x0
【四天王枠】

【名前】エーティ・ウィズダム
【性別】女
【種族】魔族
【魔法】火・水・風・光属性の多種多様な魔法を使いこなす
【詳細】見かけは銀髪の長い髪の18歳くらいの少女。人間とほぼ変わらない外見。
魔女然としたトンガリ帽子に黒いローブと黒いマントに身を包み、先端に赤い宝石をつけた杖を持つ。
表向きは毒舌かつ他人に無関心に見えるが、その実はかなりお人好しかつ寂しがり屋。
だいたいいつも眠そうにしているが、知識の獲得と魔法の研鑽に対する貪欲さは尋常のものではない。
魔王とは大戦以前から親交があり、魔王の力になるために参戦を決める。
魔王からは明らかに戦争に向いていないエーティの性格から止められるが、譲らなかった。
当初は魔族の仲間のための戦争と思っていたが、大戦の悲惨さから戦いの意味を自問自答するようになっていく。
魔王ならばこの戦争と戦後の世界を上手く治めていけると信じ、戦い続ける中で宿命のライバルに出会う。
己の大半を占めると信じる魔法を分析し、無効化する勇者の仲間の一人、フィズであった。
エーティは魔法を無条件で無効化するとかふざけんなと、思いっきりムキになり幾度もフィズに魔法で挑む。
強力な魔族であるエーティは、魔法以外の攻撃手段もこなせるが、魔法が効かないから他の手段を使うのは敗北宣言に等しいと、
フィズに対しては決して魔法以外の攻撃手段は取らなかった(「あなた」相手には普通に魔法以外も使った)
そのうち、自分が全力で真っ直ぐぶつかれる相手であるフィズに対して、ある種の友好的な感情を持つようになり、「人間も魔族も変わらない」と思うようになっていく。
以前から魔王の意思をくみ取り、なるべく人間を殺傷しない手段を使っていたが、
フィズ達に友好感情を持って以降は、更に被害をなるべく抑えて終戦するために己の魔法と知識を駆使して立ち回るようになる。
それにより、魔王は「エーティは戦争に関わるべきではない」という前言を撤回し、エーティがいてくれることに感謝を述べた。
終戦後は魔王の側で復興に立ち回るようになる。
フィズにはすっかり懐いてしまい、いつの間にか姉さんと呼ぶようになっている。餌付けされたという説もあるが、憶測の域を出ない。
「あなた」にも終戦に導いたこともあり、それなりに尊敬と友好感情は内心持っているが、最終決戦でフィズに立ち向かう前にあっさりぶっ飛ばされたことと、
「あなた」のフィズに対するそっけない態度から、表向きはかなり毒舌で接している。
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 21:38:36.98 ID:CtLP5jl/O
急いで作ってきました。これが少しでも参考になれば幸いです。


【名前】宵闇の女神・トバリノヒメ
【性別】女性
【権能】闇、および死者の霊魂の支配。
【詳細】
局地的にカルト的な人気を博している地母神。
どういうわけか信徒は皆加虐嗜好を持っており、そんな信徒と相反するような性格を持つ。
つまりドM。
しかし権能だけは本物で、彼女が本気を出したら死徒の軍勢で世界が覆われるらしい。????

【名前】ヨミ
【性別】女性
【種族】魔族?
【魔法】死者の使役。所謂死霊術(ネクロマンス)。?
【詳細】
トバリノヒメの化身にして、高位の死霊術師(ネクロマンサー)。
信徒の欲望と自身の欲望がどうしようもないほどにマッチしているので、暇な時は信徒の家を訪ねて酷い目に遭わされている。
お肌は二十四時間三百六十五日ツヤツヤで、本人は至って大満足なので問題ありません。
普段は死者と生者の橋渡しをして、言いそびれた遺言を直接伝えさせたりしている。
よく趣味と仕事が絶望的なまでに噛み合っていないと言われる。
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 21:51:10.14 ID:sAj+2T730
四天王枠

【名前】グランツ・バルベッド
【性別】男
【種族】魔族(鬼族)
【魔法】大地系魔法 地面を操る事ができ、さらに地面を叩く事で地震を発生させたり、海辺ですると津波、山だと火山を発生させるなど自然災害を引き起こす事も可能。
【詳細】赤髪褐色肌で筋肉質の男。身長は2メートルある大男。額に2本の角がある。性格はどんな時でも全力でやる熱血漢でもあり、兄貴肌なところがある。戦争時にはメイスと剣の二刀流で戦っていた。他の三冥雄の中でも特攻隊長を務めており多くの兵士や"あなた"の戦友をなぎ払った事がある。しかし"あなた"との戦闘でボロボロにやられ悔しい想いをした。終戦後は"あなた"にリベンジする為、魔法や武術を磨いている(もちろん魔王城での執務もこなしている)。最近、趣味で魔王城の近くに畑を耕しており野菜を育てて販売している(普通の人でも食べられるもので王国の間で人気になっている)。
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 23:54:23.88 ID:k+gYNrcI0
【名前】享楽の誘い・パリメテヒア
【性別】男
【権能】言葉を聞かせ、知識・思想・主張を理解させる(言いくるめるともいう)
【詳細】
人に貨幣と賭博と酒の概念を教えたとされる神。すなわち俗的な事柄を司っており、主に文明神として扱われる
しかし、人に悪の概念を植え付けた堕落と欲望を司る邪神ともされ、地域によって信仰に差異がある
陽気な知恵者だが無責任で自由主義。悪を許すが悪を助ける事はない。化身は仮面をつけた行商人、あるいは無精髭の遊び人。多くの神に嫌われており、同じだけ多くの神に好かれている
蛇はパリメテヒアの使いであるとされ、蛇を巻き付けた姿が神像としてよく描かれる
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