【安価コンマ要素あり】Master of arms−−武具の支配者−−

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19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 01:26:11.56 ID:L9u8BWdVO
【人名】メモリア・フィアット
【真銘】未来紡ぐ叙事詩『リユニオン』
【固有能力】掴み取る運命(ディスティニー)
無限に存在する未来から、使用者が望む一つを手繰り寄せる
ただし絶対に起こり得ないことを起こすことは不可能
また、自分以外の人物が関わる場合、その人物が思いもしないこと、知り得ない情報による行動の結果を手繰り寄せることも不可
この固有能力の使用には多大なる魔翌力が必要
【魔法】加速魔法。あとこの本を枕にして寝ると望む夢が見れるらしい
【伝承】
 古代の大国において、平民でありながら故郷のため、ひいては国のために決死の想いで戦い、活躍し英雄と呼ばれるようになった男がいた
男の国には、優しく聡明で、強い癒しの魔翌力を民のために振るい続けるお姫様がおり、やがて互いに惹かれ合うようになる
だが、絶大な支持を得ている姫が、英雄とはいえ平民と結ばれることを危惧するものや、姫と同様に青年に想いを寄せる姫の姉の家臣達により、男は嘘を吹き込まれ、二人は結ばれることはなかった
時が経ち、真実を知った男は嘆き悲しむが、姫が愛し慈しんだ国に、姫と同じくその生涯を捧げた
だが男は晩年、後進に自分の責務を引き継いだ後、とある一つの魔法の研究に取り組んでいた
それは無限にある未来の可能性から、望む一つの未来を選び取る、夢物語と言われても当然の魔法であった
男は、愛し焦がれる姫と来世で、同じ時同じ場所で生まれ、巡り合う運命を掴み取ることに生涯の最後を捧げた
男の願いは叶ったのか、それを知るものは男以外にはいない
【詳細】赤髪で魔術師の服装で杖を持った少女
自信家で自負心が強いが、相応の努力はしており、また他人への思いやりはしっかりあり根はとても聡明で優しい子
ボケに律儀に反応するツッコミ気質
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 03:54:23.19 ID:gmGfHFeSo
【人名】エリー・メア
【真銘】宵闇の短剣『エクリプス』
【固有能力】漆黒の帳(ブラックカーテン)
黒い刃から湧き上がる暗く深い闇が周辺の広大な範囲を覆い、限定的な「夜」を生み出す
それは日光や炎の光も飲み込み、何者も闇を暴くことを許さない
【魔法】闇の中でものを見通せる魔法、自身の素早さや隠密性を高める魔法
【伝承】彼女は神々が戦争をする際に作られた短剣……の予備
結局戦時中も戦後も使われることはなかった彼女は武器庫での長い時を自分の存在意義に疑問を持ちながら過ごした
あるとき神々の武器庫に忍び込む不届き物に盗まれ人間の手に渡った彼女はやがて凄腕の暗殺者の仕事道具となり初めて戦いを知る
そのとき芽生えたのは、神器として生まれたのに暗殺などに使われる悔しさでも、自身によって人が死ぬことへの悲しみでもなく
武器として使われる喜び、戦いの高翌揚感、そして死力を尽くした末に相手を斃す充足感……彼女は存在意義を知った
【詳細】動きやすい黒装束に身を包んだ、短いくせっ毛の銀髪の小柄な少女
普段はおとなしくて口数が少なめで、甘えたり可愛いものに興味を示したりなど見た目相応に少女らしくふるまう妹系
一方で戦闘狂であり戦っているときはハイになっている
スピードと器用さを活かして戦う
夜が好きで、夜だと昼よりも少しテンションが上がる
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/22(水) 18:09:06.37 ID:HKE0cxfUO
募集は只今を以って一度締切です。
今回当選したのは

星に接続せし鍵杖『スターロード』
闇払う天翔の刃『アマカケル』
銀河を裂き穿つ天弓『ラーデイン』
宵闇の短剣『エクリプス』

の四名様です。他の方も後々出てくるのでお待ちください。
投稿はもう少し待ってね。
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 18:11:40.31 ID:oq0Rey09o
きたい
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 19:36:16.78 ID:w09we/UKO
乙です。期待
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 19:47:26.99 ID:gjctjS7P0
期待
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:44:59.54 ID:4XY11MqLO
おまだセ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:45:46.15 ID:4XY11MqLO
「おはようございます、マスター」

あなたを呼ぶ声に反応し、手を上げる。マスターと呼んだ彼女は、それに応え微笑した。
少女の佇むキッチンでコトコトと煮込まれているのは、野菜のスープ。
栄養バランスに気を遣った、ルーナの真心が込められたスープだ。

透き通った琥珀色のスープには野菜や鳥の旨味が凝縮されており、以前炊き出しがあった際にはこれを巡って戦争が起きたりした。
その結果、争奪戦に参加した一般人は皆あなたに完膚なきまでにボッコボコにされ、一人残らず治療され、完治した。

トラウマという心の傷は残りっぱなしだが、スープ欲しさに他人を蹴落とそうとした奴にはいい薬になるだろう、とあなたは責任を丸投げしているし、特に誰かが咎めているわけでもない。
敢えて言うなら、その炊き出しが終わった時のルーナの目が濁っていたくらいだ。

「スープはもうすぐ出来ますからね。それまではゆっくりしてください」

エプロンを着用したルーナは、鼻歌交じりにスープをかき混ぜる。まだ幼さの残る少女が楽しそうに料理をする様は、まるで新妻だ。
見る人が見たら、血反吐を吐きながら卒倒するほどの破壊力があるに違いない。

ルーナの促しもあり、あなたは書類を片手に席に座る。
これは、冒険者として活動する際に必要な申請書だ。この書類をギルドに提出し、認定を受けることで初めて冒険者を名乗り、正式に活動を行うことが出来る。

『わたしはますたー様に賛成さね。旅も堂々出来るたぁ素晴らしいじゃないかぁ』

と、神器の一振りも大絶賛していた。これは冒険者をやらない手はない。
その大絶賛した神器は、町を練り歩き食い倒れに勤しんでいるので今は家にいない。あと20分もすれば、満腹になって帰ってくるはずだ。

「完成しました。お熱いので火傷に気を付けてくださいねっ」

マグカップに注がれたスープが、食卓に置かれる。香ばしい香りが鼻を擽り、食欲を増進させる。
いただきます、とあなたは両手を合わせ、熱々のスープに口を付ける。野菜から滲み出た甘さと、鳥肉の旨味が調和し、寝起きの舌に襲いかかる。
食事の手が止まらないあなたは、ものの数分で数人分の朝食を完食した。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:46:53.57 ID:4XY11MqLO
「おはよ、パパ」

食事を終え、適当に書類の項目を埋めていたあなたの腕に、小さな女の子が抱き付く。
おはよう、と返事をし、作業を中断する。右腕に抱き付かれては、動かしようもないのだ。

あなたをパパと呼んだ女の子は寝ぼけ眼で書類を見る。そして程なくして、目を背けた。
どうやら、難しい言葉が多くて理解出来なかったようだ。特に教える必要もないので、あなたは無言で腕を離すのを待つ。

待つこと5分。お腹を空かせたエリーは、食卓に並べられた食事を求め、席に座った。
子供向けに作られた甘い甘いフレンチトーストや搾りたて牛乳、ウサギ型に剥いたリンゴが皿やコップに用意されている。
それを見たエリーは、嬉しそうな表情で食事を始める。
食事が好評なことにルーナも満足気だ。

エリーが朝食を食べている間に、あなたは書類の記入を終える。名前や出身は辞典から引っ張って書いたので、どこにでもいる一般人Aに見えるだろう。
束縛なんてされず、自由に冒険したいのだ。お国のために生涯を捧げるなんて冗談じゃない。
あの日にそう強く決心し、家出をキメた。その代償として、実家の屋敷は半壊したが別にどうでもいい。
どうせすぐに再建されるし、死人は一人も出ていない。お偉方は頭を抱えて血眼になって自分を探したがるだろうが、そんなことをしたら王宮が更地になりかねないと理解してるはずだから、たぶん安全だ。

ペンを片づけたあなたは、少しずつ夢に近付けていることを感じ、笑った。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:47:37.54 ID:4XY11MqLO
「やぁやぁ。おはようさん」

ぽわぽわとした声が玄関から聞こえてきたので、書類を鞄に仕舞いながら応対する。ルーナよりやや背の低い、金髪の少女がお腹を摩りながら靴を脱いでいた。

「いやぁ。やはり場所が違うとご飯の味も全然違うねぇ。ますたー様の家のご飯も良かったけど、ここのご飯もえくせれんとだよ」

「アマネ、おはよー…」

食事に舌鼓を打っていたエリーだが、眠気の方が勝っていたようでうとうととしている。
それを見たアマネは、優しい声で問いかけた。

「おはようエリー。眠たいなら一度顔を洗うといいよ」

「そうする…」

アマネの提案に、エリーはこっくりと頷いて答える。
が、とても眠たいようで立ち上がることも出来ず船を漕いでいた。

「おやおや。困ったものだね…」

肩を竦めたアマネは、ルーナの方を見る。ルーナは首肯を返答とし、エリーを抱き上げた。

「ご飯は逃げませんから。一度さっぱりして、美味しく食べましょう」

「んー…」

姉妹のような微笑ましい光景を目にし、アマネは微笑する。
あなたはそれを尻目に、最後の一人が部屋を出るのを待っていた。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:48:16.43 ID:4XY11MqLO
「ごめんなさい、遅れました」

カチューシャで髪を留めた、腰ほどまで伸びた黒髪が美しい女性が部屋から出て、開口一番そう言った。
別に速く起きろ、と催促なんてしていないので、気にしなくていいとあなたは首を横に振る。

そも、彼女たちはあなたの目的、夢を優先した自分勝手な行動に、文句一つ言わずに同行してくれているのだ。
感謝することこそあれど、悪態を吐くことはあり得ない。

それに、ヒミカが部屋を出たのは午前8時ジャスト。いつもと同じ時間に起きているだけだし、何なら他の人(ルーナ以外の全員)が偶然早起きしただけだ。

「…ふふ。気遣いありがとうございます、マスター」

そんなことを考えるあなたの心情を察したのか。ヒミカは謝辞を述べ微笑んだ。

何気ない会話をする彼女らは皆、伝承、御伽噺として語り継がれ、親しまれている伝説の生き証人。
あなたと出逢い、人に成れた、人の手に余る偉大なる存在。

彼女らは、伝承に出てくる神器そのものである。

あなたと神器の出逢いは、新たな物語を紡ぎ出す。それが悲劇か、喜劇かは誰にも分からない。
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:49:13.53 ID:4XY11MqLO
全員の準備が終わったことを確認し、ドアを施錠する。管理人に鍵を返却したら、目指すのは冒険者ギルドの受付だ。

冒険者生活を送るにあたって、一番ネックなのは彼女たち神器の存在だ。
全員が全員、常識を投げ捨てたような意味の解らないトンデモ能力を持っているため、下手に使うと速攻でお尋ね者になるわ誰ともパーティを組めないわ、と悲惨なことになりかねない。

故にあなたは、ソロ活動する時以外は極力神器に頼らないように決めている。
使われなければ存在意義を果たせない彼女らは少し苦い表情をしたが、世界を敵に回すよりはマシだ、というあなたの説得と本人らの気質もあって、それは容認された。

現にあなたは、装備品はどこにでもいる一般的な冒険者と同じものを揃えている。しかも全部安物で。
念のために言っておくと、あなたは自身の体質、あるいは能力によって戦闘力が異常にある。彼の能力の異常さと言ったら、世界中の冒険者や戦士がそれを知ったらブーイングと獲物が確実に飛んでくるであろうことが示している。
全世界の闘う人全員に喧嘩を売って中指を立てているような、理不尽極まりないぶっ壊れ体質を持っているあなたが、侵略行為を行わないのが不思議なくらいだと、昔の仲間にもよく言われた。

以上の理由から、多少装備が貧弱でも、町の五つや六つを容易に陥落させられるほどの戦闘力を持つので、特に問題はないのだ。
なんなら、素手でも町三つくらいなら陥せる。

談笑しながら進む神器御一行は、大通りに聳え立つ建物の前で足を止めた。目的地であるギルドに到着したのだ。

手続きを済ませるため、あなたは神器たちに待機を指示し、ギルドへと入った。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:49:55.65 ID:4XY11MqLO
ギルドに設置されたカウンターで、複数人の受付嬢が沢山の冒険者に応対する。あなたは冒険者登録専門の窓口に並び、呼ばれる時を待っていた。

「次の方、どうぞ〜!」

元気な声に弾かれたように、あなたは席を立つ。まるで子供に戻ったようだ、と自身のはしゃぎっぷりに内心苦笑する。

「手続きをさせていただきます、メリッサと申します。よろしくお願いしますね」

とても明るい、にこやかな表情で話をする受付嬢は、あなたから受け取った書類を片手に作業を始める。
時折写真と名前、あなたの顔を見比べて訝し気な表情をしていたが、あなたは無言で微動だにせず、ただ作業が終わるのを待っていた。
程なくして、ベルの音がカウンターの後ろで鳴った。

「…これでよし。冒険者登録は完了したので、あちらの部屋で教習を受けてください」

促されるままに部屋に向かうあなた。その後ろ姿を、受付嬢メリッサはじっと見つめていた。
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:50:52.01 ID:4XY11MqLO
「…というわけで、教習を始めまーす」

教鞭を取るのは、もうこの仕事飽きたわー怠いわー、という態度を隠しもしない中堅冒険者。実際、彼はここ数ヶ月、一日7回の教習をずっとさせられているのでかなり参っていた。

席に座って資料を読み込んでいたあなたは、他の新人に視線を移す。表情や態度は違うが皆、冒険者稼業を楽観視しているような雰囲気が見てとれた。
さもあらん、とあなたは目を細める。戦争が終わり、建物の修復や魔物の撃退、犯罪集団への対処等々とタスクが無数に積み上がった各国は、問題解決のために労働力を求めた。
それに応えたのがギルド協会であり、その結果、危険な依頼が減少したために冒険者全体の死亡率が低下した。
故に彼らのような、俺でも冒険者になれば一攫千金狙えるじゃろ、という楽観的な考えを持った新人もとい命知らずが後を絶たないのが現状だ。

実際、冒険者全体の死亡率は低下しているのだが、新人時代の冒険者の死亡率は以前と比べると跳ね上がっている。
低難易度だから、と碌な準備もせず依頼を受け、そのまま帰らぬ人となるケースがあまりにも多いのだ。
ギルド協会も現状を憂いているが、対処しても中々改善しないのが現実だった。

眼前の教導担当も諦めているのだろう。死んでも知らねー俺のせいじゃねー、と内心愚痴っているのが目に見えるし、目は死んでいる。

冒険者を取り巻く悲惨な現状に少し責任を感じつつ、あなたは恙無く教習を終えた。
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/23(木) 01:56:54.86 ID:4XY11MqLO
この程度の書き溜めしか出来てないだらしない>>1ですまない…。寝ます。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/23(木) 01:59:00.10 ID:SNy8jHEh0
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/23(木) 02:23:16.24 ID:zd9LAkD60

他の神器はクエストや依頼をこなしている間とか、旅の道中で出会ったりする感じかな?
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/23(木) 10:09:10.92 ID:sy6yi42R0
日本人はカス民族。世界で尊敬される日本人は大嘘。

日本人は正体がバレないのを良い事にネット上で好き放題書く卑怯な民族。
日本人の職場はパワハラやセクハラ大好き。 学校はイジメが大好き。
日本人は同じ日本人には厳しく白人には甘い情け無い民族。
日本人は中国人や朝鮮人に対する差別を正当化する。差別を正義だと思ってる。
日本人は絶対的な正義で弱者や個人を叩く。日本人は集団イジメも正当化する。 (暴力団や半グレは強者で怖いのでスルー)
日本人は人を応援するニュースより徹底的に個人を叩くニュースのが伸びる いじめっ子民族。

日本のテレビは差別を煽る。視聴者もそれですぐ差別を始める単純馬鹿民族。
日本の芸能人は人の悪口で笑いを取る。視聴者もそれでゲラゲラ笑う民族性。
日本のユーチューバーは差別を煽る。個人を馬鹿にする。そしてそれが人気の出る民族性。
日本人は「私はこんなに苦労したんだからお前も苦労しろ!」と自分の苦労を押し付ける民族。

日本人ネット右翼は韓国中国と戦争したがるが戦場に行くのは自衛隊の方々なので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人馬鹿右翼の中年老人は徴兵制度を望むが戦場に行くのは若者で自分らは何もしないで済むので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人の多くは精神科医でも無いただの素人なのに知ったかぶり知識で精神障害の人を甘えだと批判する(根性論) 日本人の多くは自称専門家の知ったかぶり馬鹿。
日本人は犯罪者の死刑拷問大好き。でもネットに書くだけで実行は他人任せ前提。 拷問を実行する人の事を何も考えていない。 日本人は己の手は汚さない。
というかグロ画像ひとつ見ただけで震える癖に拷問だの妄想するのは滑稽でしか無い。
日本人は鯨やイルカを殺戮して何が悪いと開き直るが猫や犬には虐待する事すら許さない動物差別主義的民族。

日本人は「外国も同じだ」と言い訳するが文化依存症候群の日本人限定の対人恐怖症が有るので日本人だけカスな民族性なのは明らか。
世界中で日本語表記のHikikomori(引きこもり)Karoshi(過労死)Taijin kyofushoは日本人による陰湿な日本社会ならでは。
世界で日本人だけ異様に海外の反応が大好き。日本人より上と見る外国人(特に白人)の顔色を伺い媚びへつらう気持ち悪い民族。
世界幸福度ランキング先進国の中で日本だけダントツ最下位。他の欧米諸国は上位。
もう一度言う「外国も一緒」は通用しない。日本人だけがカス。カス民族なのは日本人だけ。

陰湿な同級生、陰湿な身内、陰湿な同僚、陰湿な政治家、陰湿なネットユーザー、扇動するテレビ出演者、他者を見下すのが生き甲斐の国民達。

冷静に考えてみてほしい。こんなカス揃いの国に愛国心を持つ価値などあるだろうか。 今まで会った日本人達は皆、心の優しい人達だっただろうか。 学校や職場の日本人は陰湿な人が多かったんじゃないだろうか。
日本の芸能人や政治家も皆、性格が良いと思えるだろうか。人間の本性であるネットの日本人達の書き込みを見て素晴らしい民族だと思えるだろうか。こんな陰湿な国が落ちぶれようと滅びようと何の問題があるのだろうか?
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/23(木) 10:23:57.90 ID:7lR5qJiJO
乙です

実家半壊って、よっぽど腹に据えかねるようなことあったんだろうなあ……
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 19:19:02.19 ID:FTfW3EYxO
本日投稿予定であります。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 19:20:33.68 ID:5w5alGZp0
了解
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 19:22:56.26 ID:6s5fCy04o
待機
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:06:26.67 ID:FTfW3EYxO
コンマ判定をするところまで投げます。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:07:00.39 ID:FTfW3EYxO
しょぼい。あなたの感想はそれしかなかった。

ギルドに寄せられた依頼は、ペットの散歩、どぶさらい、臨時ウェイター等といった雑務が殆ど。
数少ない冒険者らしい依頼も、大量発生したティターントードの討伐のような簡単な仕事が全てだ。

これがファラリスやファフニール等の災厄獣(ディザスターズ)の討伐であれば、あなたのやる気も段違いだったのだが。
やはり、内地は平和であるが故に程度の低い依頼しか無いようだ。
本来ならそれは喜ぶべきことなのだが、あなたにとっては不満点でしかない。

理想と現実の差に打ちのめされ、項垂れているあなたの元に、見知った影が現れる。
それは、新米冒険者のあなたには訪れることのない朗報だった。
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:07:36.01 ID:FTfW3EYxO
「教習お疲れ様でした。その顔だと、思っていたよりも酷い仕事しかなくてガッカリしていたようですね」

声を掛けてきたのは、先程手続きを担当してくれた受付嬢だった。あなたは頷き、もっとやりがいのある依頼が欲しい、と抗議する。

「ふふっ。確かに、あまりやりたくないようなものばかりですが、その仕事をしてくれる人がいるから平和が保たれているんですよ」

「重要度は高い仕事ですから、是非ともこなしていただきたいのです」

勿論、それはあなたも理解している。重要性を承知のうえで抗議しているのだ。
あなたは雑用をしに来たのではなく、冒険者になるために来たのだから。

あなたの強い抗議を受け、メリッサは苦笑しつつも一枚の紙を出した。

「新人さんに任せるようなものではないのですが、そこまで言うのなら仕方ありません」

「これはあなたのお眼鏡に適うと思いますよ」

あなたは待ってました、とばかりにニヤリと笑う。
そのまま紙を手に取り視線を移すと、メリッサに渡されたのはただの地図だった。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:08:18.66 ID:FTfW3EYxO
目を細めたあなたは、地図のある地点を指差しながら問う。
それにメリッサは首肯を以って応えた。

「はい。あなたの言う通りそこは廃坑です。二世紀前に打ち棄てられた、エルオム坑道という名前の」

「廃棄されたそこに、魔物が棲みついたことは有名です。新人さんも、よくそこで腕慣らしや魔法の練習をしてますからね」

ここまで言うと、メリッサは表情を険しくさせ、声を落とした。
ここからが話の本題、あなたに依頼する内容であり、深刻な問題があるのだと、そう語っている。
あなたも表情を変え、続きを促した。

「…数ヶ月前です。突然、行方不明者が続出し始めたのは。それまではただの一人も、そんな人はいませんでした」

「王都の熟練冒険者も数名、異変が起きてから派遣されました。ですが…」

受付嬢の視線が落ちる。その先は、言わずとも知れた。
全員死んだのだろう。でなければ、今話題にすらなっていない。

「…一人残らず死亡する惨劇の後、その坑道は封鎖されました。これ以上悲劇を生まないために」

なるほど。確かにそれは、新米冒険者に話してはならないことだ。あなたは内心で納得する。
そして、それを話す意味も理解していた。

「ですが、あなたなら。そこまで自信があるのなら、解決出来るはずです」

あなたは自信満々に頷く。あなたが求めていたものが本当に来たのなら、高揚せずにはいられない。
こんな楽しいことを邪魔されたくない。あなたにだけ伝えてくれたのは、非常にありがたかった。

そして、そんな新人らしからぬあなたを見て、メリッサは苦笑する。
あまりに予想通りの反応をしたので、面食らったのだ。

数分前の暗い表情とは打って変わって満面の笑みを浮かべたあなたは、意気揚々とギルドを出る。

「…私の記憶が正しければ、あなたは。貴方様は…」

期待と羨望、感謝を込めた眼差しに、気付くことなく。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:09:38.13 ID:FTfW3EYxO
「…ねーますたー様。自分が新米ってこと忘れてやいないかい?」

エルオム坑道に進む道中、そんな問いを投げかけたアマネに、あなたは首を振って返す。
彼女はおそらく、自分の正体に勘付いている。ならば隠す必要は無いと。

「いや、ますたー様が良くてもだねぇ」

「アマネさんが危惧しているのは、そのメリッサさんが他の人に正体を明かさないか、ですよ」

「一応、素性は隠しているわけですし…。マスターが嘗ての勇者だと知られたら、冒険どころではありませんよ」

それに、とヒミカは一言付け加える。

「王様たちはまだしも、王都に住まう貴族の方々が、何をしでかすか分かりません…」

ヒミカの言っていることは尤もだが、あなたはそれさえも否定で話を終わらせる。
彼女が言いふらすのなら、その前にヒミカかアマネを使うまでだ。

『創世乃歌(ゲネシス・オーデー)』と『一ノ太刀(ジ・エンド)』。ヒミカとアマネ。銀河を裂き穿つ天弓『ラーデイン』と闇払う天翔の刃『アマカケル』。
彼女らの能力はそれぞれ異なるが、記憶への干渉は理論上可能だ。

ラーデインを用いて、あなたに対する認識を変える。
アマカケルを用いて、勇者の認識のみを断ち切る。
ただ、それだけの違いだ。どちらも『あなたが勇者だという真実』を失うことに変わらない。
だが、今回メリッサを対象に神器を使う時は訪れないことを、強い口調で、確信を持って言い切った。

「言い切った。ものっ凄い自信満々で言い切ったねぇ。何か根拠でもあるのかな?」

「マスターのことだから、たぶん何か考えがありますよ。ええ。…ありますよね?」

ない、とあなたはにこやかに答える。
根拠も理由も無いが、たった一つ確信しているものがあった。

彼女は、人の隠し事を言いふらすような人ではないという、話をして得た認識を。
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:10:28.14 ID:FTfW3EYxO
エルオム坑道が目前に迫ったが、神器御一行は何重にも設置された柵に足止めを食らっていた。

「厳重に鍵が掛かってますね。メリッサさんが渡し忘れたのかな?」

ルーナの疑問にエリーは違う、と答える。

「たぶん、パパを試してる」

あなたはその言葉に頷き、背中の直剣を抜いた。
そして、光のように鋭い一閃を放つ。凄まじい金属音を立て、金属製の柵はこじ開けられたように開いていた。

「…だよねぇ。ますたー様なら絶対そうするよね。そしてその結果がこれだよぉ…」

頭を抱えるアマネの視線には、ぐにゃぐにゃに曲がった直剣が映る。もう剣としての役割は果たせないガラクタに、たったの一振りで変貌していた。

「マスター…。だから武器だけは、少し良いものにしましょうって言ったじゃないですか」

「マスターのことだから絶対やらかすと思ってました」

胃痛に苦しんでいるようなヒミカとは対照的に、くすくすと笑っているルーナが印象的だった。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:11:20.49 ID:FTfW3EYxO
柵をぶち破り、入口を塞いでいた岩盤を蹴り壊して中へと入る。乾いた熱い空気が、頬を撫でた。

「昔はコルート鉱石が良く採れてた場所だから、普通は寒いはずなんだが…。空気は寧ろ生温い…どころか、砂漠の風のようだね」

「風だけじゃなくです。気温そのものがかなり高いですよ…これ…」

何もせず立っているだけで、肌がしっとりと濡れ始める。外の気温とは15度前後差がありそうだ。
これでこそだ、と表情を喜悦に歪めるあなたに、周りの神器は少しだけ引いた。

「あつい」

「よく楽しそうな顔が出来ますね、マスター…。私は正直辛いです」

「こんなに暑い場所もあるんですね。勉強になります」

「べりーべりーほっと…。観光ならまた一興と笑えるんだけどねぇ」

熱さで溶けそうな神器たちを一瞥し、提案する。
それなら、出番が来るまでアーマリーに戻しておこうか、と。
満場一致で賛成されたので、あなたは神器を異空間へ転送した。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:11:52.87 ID:FTfW3EYxO
あなたたちがアーマリーと呼ぶ異空間には、小さな円卓がぽつんと存在している。
それ以外は全くの無。何の塗装もされていない無地の床がほんの少しと、これまた無地の空間が広がっているだけだ。
神器は円卓の椅子に座り、眼前に広がった映像に目を移した。

そこに映るのは、あなたを真上から俯瞰した映像。とは言っても、洞窟の中なので殆ど周りは見渡せない。映像内のあなたは、ウキウキとしていた。浮かれているのが丸分かりである。

「パパ…楽しそう」

「楽しそうというか、楽しいんでしょうね。あんなに熱いのに…」

「冒険が出来てるから、なのかな。子供っぽく見えて可愛いかもしれません」

微笑するルーナをよそに、アマネは心中で彼女の言葉を否定していた。
子供っぽいのではなく、本当に子供なのだと。確かに年齢は成人しているが、彼は子供の頃から戦いに関わりすぎた。
故に、成長が止まっている。戦いに精神が順応する代償として、心は大人になれなかった。

だからこそ、彼には大人になってほしかった。戦いに関わらず、色々なことを知って、失った過去を取り戻してほしかった。

神器として振るわれることを望みながらも、一人の人としてあなたが成長するのを望んでいる、矛盾した願望。
それを、アマネは心に抱えている。勿論それは、誰も知らないし気付けない。
一人の英雄が戦う様を見続け、神器であったが故に彼の心を守れなかったアマカケルは、誰にもその胸中を吐露しないつもりでいるから。
輝かしい英雄譚を、それに喜ぶ子供たちの目を、汚したくはないから。
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:12:31.98 ID:FTfW3EYxO
エクリプスを両手に構え、魔物を斬殺しながらあなたは走る。その目には、確かに歓喜の感情が存在する。

走って。敵を見つけて。殺して。走って。敵を見つけて。殺して。
何度も何度も繰り返し、ただ先に進む。屍の築く道だけが、あなたの進んだ後に残っていた。

魔物の討伐数が200を越えようとしたところで、あなたは異変に気付く。
まだ最深部には程遠いのに、道がない。しかし、熱気は入口とは比べものにならないほどに強烈なものになっている。
熱傷をスターロードで治癒しながら、あなたは考える。

道すがらに冒険者の白骨死体が散乱していたことから、彼らもここより先には行けていないだろう。
僅かに生き残った者が更に奥で絶命している可能性もあるが、その奥に続く道が分からない現時点は、その可能性を除外しておく。

周囲を観察し続けるあなたはふと、あることに気付く。岩肌の色が、明らかに変わっている。
目の前の線路が続いている先に、突然壁が出来ている。その壁周辺だけが不自然に黒いのだ。
ならば、とあなたはアマカケルを構える。月光のような白銀の刃が、暗闇の中で光を湛えている。

目を閉じ、集中する。肌の熱さすら忘れ、滴る汗の感覚すらも無くなる。

完全な無を感じ、時が止まったと錯覚するほどの静寂の中。不意にあなたは目を開き、虚空を断ち切った。

鞘に刀を収める音だけが発生して数秒後。目の前の壁は突如として崩れ落ち、その先の姿を見せる。

あなたの放った一閃は、壁が道を塞ぐその事象を断ち切り、殺した。後は、自ずと道を開いてくれる。

そうして開かれた通路には、マグマの滝が流れる絶景が広がっていた。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:14:11.92 ID:FTfW3EYxO
下1のコンマが61以上で、エルオム坑道に神器が存在します。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 21:14:15.71 ID:FnMAacRv0
えいや
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:18:12.97 ID:FTfW3EYxO
神器が存在するのが決まったので終わり。
一応こっちでこのダンジョンで獲得出来る神器は既に決めてますが、神器たちに自由を!天命に任せよ!って人は何か一言おねげえします。
要望があれば、コンマ判定でどの神器が出てくるかも決定します。そうでなければこっちで全部決めちゃいます。

ではサラダバー。
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 21:20:11.43 ID:5w5alGZp0
乙、>>1が決めたのでいいんじゃない?
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 21:23:17.04 ID:+FjL7OxDo
おつ
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 21:24:34.02 ID:n1Z909By0
乙です
>>1さんが決めたのでいいと思います
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 22:07:41.94 ID:vmBo5OXu0

>>1にお任せで
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/31(金) 11:05:43.36 ID:Qw3AgvQzO
明日か明後日くらいに投稿します。
今後の展開を考えてパンピー冒険者を二人くらい募集です。
良ければテンプレ使ってね。


【名前】名前。
【性別】男か女かその他か無いか。
【種族】人間獣人魔族エルフと色々いる。
【魔法】どのような魔法を使うのか。
【詳細】どのような人物か。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 12:53:02.65 ID:z4WNkta90
【名前】ッパ
【性別】不明
【種族】獣人
【魔法】四次元ポケット
【詳細】よくお菓子を勧めて来る
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 13:33:37.35 ID:NDAmCv+C0
【名前】ルーシィ
【性別】男
【種族】人間
【魔法】初歩的な魔法のみ
【詳細】能天気で気楽家、勢いに身を委ねて生きている
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 13:53:39.46 ID:+MOaDsKVO
【名前】エルウッド
【性別】男
【種族】人間
【魔法】身体強化
【詳細】大柄な壮年の剣士
快活ながらも、落ち着きもあるベテラン冒険者
強いことは強いが、あくまで一般的な冒険者の域を出ない
一方でしっかりした仕事振りで、後進の面倒見が良く、ギルドからは信頼されている
女性と交際したことがなく、お嫁さん欲しい
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 15:33:45.45 ID:5jmBdDsZO
【名前】ビギナー
【性別】男
【種族】人間
【魔法】冒険者を目指す上では必須とされる初歩的な魔法(ただし、習熟度は低い)
【詳細】優男でそそっかしい青年。腕っぷしは弱い上に、魔法にも優れていないため、同期からは見下されている。ただし、その分、向上心は高く、いつかは伝説の勇者(主人公)のようになって人々を救いたいと考えている。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/01(土) 00:04:37.79 ID:HyOUARhp0
【名前】シルファ
【性別】女
【種族】エルフ
【魔法】精霊魔術
【詳細】冒険者になって数年ほどのエルフの美少女
穏やかで優しく柔らかい物腰
弓と精霊の力を借りた癒やしの魔術を扱う、頼れる後方要員
めったなことでは怒らないが、怒らせると柔らかい物腰はそのままに、無駄に洗練された格闘術や関節技を使う
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/01(土) 03:12:51.28 ID:m17EWL5mO
【名前】ドルク
【性別】男
【種族】人間
【魔法】火炎魔法
【詳細】冒険が好きな好青年(最近冒険者になったばかり)。明るく熱血漢な性格。火炎の魔法が得意。剣を使っており剣術も扱っている。剣に炎を纏わせて戦うこともできる。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/01(土) 04:39:18.92 ID:fzmELJh80
【名前】シャウト
【性別】男
【種族】魔族
【魔法】自分の影を操る魔法(影を使って攻撃や防御等できるが影が出来ない暗い場所では発動できないので、その時は灯りで影を作る必要がある)
【詳細】頭にヤギの角がついており、耳が尖っている青年。茶髪で目が隠れている。冒険者になって2年くらいになる。性格はどんなことでもネガティブになるが仲間想いで仲間のことを大切に思っている。槍使いで槍術に手掛けている。槍と影を同時に扱う戦闘スタイルをとる。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/02(日) 08:05:27.54 ID:BkhSvyJm0
【名前】ガウリス
【性別】男
【種族】鬼人
【魔法】岩石系魔法(岩を弾丸のように飛ばしたり、隕石ように降らせる等岩を操れる)
【詳細】黒髪短髪で額に一本角がある筋肉質の男でベテラン冒険者。無口でほとんど話さないがギルドの人達からは頼れる兄貴肌の人。格闘家でもあり、拳を使って戦うためグローブをはめている。鬼人族なので結構な怪力がある。
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/02(日) 18:57:25.53 ID:CfzDLqQoO
あけましておめでとうございます。
これからもちまちま進めていきますので気長によろしくお願いします。
キリのいいとこまで進めます。
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/02(日) 18:57:53.63 ID:CfzDLqQoO
undefined
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/02(日) 18:58:30.41 ID:CfzDLqQoO
あなたは高揚していた。どうしようもないほどに心が躍っていた。溶岩遊泳を試みても良いくらいにノリノリだ。

そんなことをしたら骨の髄まで燃え尽きて消し炭になるのは目に見えているので、流石に実践はしない。
なお、安全が担保されているのなら躊躇せず飛び込むつもりではいる。

そんな浮かれまくりなことはさておき、あなたは現状の把握に勤しむ。
今までに仕留めた魔物は前座も良いところだ。これからが本番であり、本命のいる本拠地とも言える。
その証拠に、先程までの魔物は炎を纏っていたのに対して、今目視出来る魔物は溶岩を噴出している。

基本的に、溶岩を操る魔物は炎を操る魔物の上位種として認識されている。普通の魔物は、溶岩よりも高温の炎を発生させられないためだ。
最上位種になれば、聖炎や黒炎といった規格外の炎を操るようになるが、そんな魔物は滅多にお目にかかれない。というか、出没したら人里が滅ぶ。

ともかく、より過酷な道が続いていることだけは確かだ。
ここまで高温の魔物だと、半端な水魔法や氷魔法も弱点ではなくこちらの脅威となりかねない。
そんなものを使える神器も味方もいないので関係ないが。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/02(日) 18:59:10.53 ID:CfzDLqQoO
『いくらマスターでも、この暑さは流石に命に関わります。一度退いて対策を練るべきだと思います』

火傷を負いながら絶景を眺め、探索を続けているあなたにヒミカが苦言を呈す。
彼女の提案は正しい。最適解と断言出来る。だが、あなたはテンションが上がっているので従わない。

『えぇ…!?』

アーマリーにいるため姿は見えないが、声色から頭を抱えているのが目に見えている。
うごごご、と唸っているのも聞こえる。

テンションが上がっているので、このまま突き進みたいのも本音だが、あなたが撤退しない重大な理由が一つある。

というのも、あなたはこの洞窟に入るために柵をぶった斬って閉鎖していた岩盤をぶっ壊した。盛大に。
さらにさらに、たった今最深部に繋がる岩盤すらも破壊した。これは非常に大問題だ。

あなたがここで撤退すると、中の魔物が外に出かねない。今までは道が塞がれていたからエルダの町に危険は及ばなかったが、開かれた今となっては話は別だ。
この探索を以って問題を解決する。それが、たった一つの希望なのだ。
でないと町は炎に包まれ大炎上祭りになるし、啖呵を切ったあなたは死ぬほどダサい。

暑さで頭がやられたのか、と心配していたヒミカは、かなり真っ当な理由が提示されたのでもの凄くびっくりした。
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/02(日) 18:59:48.93 ID:CfzDLqQoO
熱気で全身と体内を灼きながらも、あなたは躊躇なく先を進む。
望んでいた冒険者らしいことが出来ているのが、原動力となっているためだ。
溶岩の滝、溶岩の川。そしてそれを泳ぐラヴァサハギンに感動しながら、あなたはアマカケルを携え片手間に魔物を鏖殺していた。

エクリプスではなくアマカケルを使っているのは、偏にリーチ不足と火力不足だったからだ。
エクリプスを貶す意図は断じてない。これは、彼女ら神器の性質の違いと言っても良い。
アマカケルは一本の刀であり、その固有能力は攻撃に特化した謂わば『防御不能即死攻撃発射装置(敵絶対殺すウーマン)』だ。
対するエクリプスは二本の短剣であり、その固有能力は暗殺に特化した謂わば『認識不能攻撃発射装置(一方的な虐殺するウーマン)』だ。

そもそもが短剣であるが故にリーチが短く、人を殺めるために極限まで効率化されたが故に魔物とタイマンする際は相対的に火力が低い。
人間相手に殺害目的で使うなら、彼女が一番強いと断言出来る。そんな日が来ることはあまりないと思うが。

あなたは、利用取り止めとなって不貞腐れるエリーを慰める。
使えるタイミングが来たら最優先で使うし、君は対人神器最強の存在だ。自分を誇りに思え。
そんなことを伝えると、途端に上機嫌になった。クッソちょろくて困る。

身体中がジュージュー焼ける凡人なら発狂しかねない地獄の中、あなたは声無き会話をしながらずっと進んでいた。

最深部に着く頃には、血気盛んだった魔物たちが後退りして逃げていたのは気のせいだろう。

手を出した味方が即死して、この灼熱地獄の中でも平気で行動する化け物に関わりたくない。
なんて思っているわけがない。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/02(日) 19:00:48.41 ID:CfzDLqQoO
最深部に到達したあなたは、気配を察知して神器を構えていた。
装備しているのはスターロード。現在進行形でダメージを受けている身体の治療と、万一被撃した際に迅速に体勢を立て直すためだ。

溶岩の海にポツンと浮かぶ小さな孤島。その上に立ち、あなたは意識を集中させる。

来る。危機感が鳴らす警鐘に応え、あなたは鍵杖を横薙ぎに振る。
鈍い音が響き、あなたの全身が震える。力比べは互角といったところか。
孤島から弾き出されたあなたは、壁を蹴って孤島に舞い戻る。
吹き飛ばされた魔物は、また海に潜って姿を消した。
あまりの速さに一瞬しか見えなかったが、あの特徴的なシルエットは。
それは紛れもなく、奴だった。

『アラバコア…!気をつけるんだよますたー様!奴の突進は山をも震わせて噴火を起こすんだ!!!』

溶岩鮪アラバコア。災厄獣には該当しないが、それと同格の力を持った魚だ。
その肉は神々も喉から物理的に手が出て欲しがったくらいに美味い。

嘗ての戦争で出会った強敵(とも)と互角、いやそれ以上の強者と巡り会えたあなたは、表情が歪む。
それに対し、アラバコアはぴちぴちと跳ねることで反応を示す。

食わせはせん、食わせはせんぞ。そんな強い意志を感じさせる突進が、あなたを襲った。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/02(日) 19:02:05.75 ID:CfzDLqQoO
これでおしまいです。牛歩ですみません。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/02(日) 19:21:04.61 ID:OdklcIL3o
おつおつあけおめ
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/02(日) 19:27:04.09 ID:mGgiOhCC0
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/02(日) 19:54:57.13 ID:iu8AOzEU0
あけおめ乙です

敵絶対[ピーーー]ウーマン
一方的な虐[ピーーー]るウーマン
絶対癒やすウーマン
絶対状態異常与えるウーマン 

隙がない布陣だなあ……
強いて足り無さそうなものを言うなら広範囲火力かな
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/02(日) 20:29:28.50 ID:t6WWKYNSo
おつ
鮪とはシュールな
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 11:55:46.85 ID:lTrD4NG8O
今日の夜に神器との邂逅までやります。
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/09(日) 18:08:45.64 ID:llzCNz580
乙です 期待
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:07:58.12 ID:G2liQR26O
重くて疾い。それが、あなたがアラバコアに抱いた感想だ。
数mの巨体が高速で突っ込んでくるのだから、一撃が重いのは当然だ。
だが、些か重すぎる。明らかに体格とパワーが見合っていない。

そんな分析をするあなたを他所に、溶岩を纏って煉獄の弾丸と化したアラバコアは地の利を活かすべく溶岩中からの突撃を繰り返す。
今はまだ対応出来ているが、一瞬でも油断すれば致命傷は避けられないそれをただ防ぐだけでは勝機が無い。

『危ないっ!』

ルーナの反応よりも先に、あなたはスターロードで強烈な一撃を往なす。
そして、半身が焼け爛れた。
アラバコアは溶岩塗れで襲ってくるのだ。近接で対応すればどうなるかは火を見るより明らかだ。
というより、溶岩を浴びて炭化しないあなたがおかしい。人間を辞めてるんじゃないか、と神器全員が思った。

「ーーー!!!」

勝機と見たアラバコアは、突進ではなくその巨大な尾ビレで溶岩をぶち撒けた。
一滴一滴が致命的な赫い雫を、あなたは神器をアマカケルに変更し暴風で溶岩雨を拒絶、そのまま風と共に空を舞った。
天井付近まで逃げ延びたあなたは、小手調べに風の刃を撃ち出す。

「ーーー」

アラバコアは逃げることなく、堂々とそれを受け止める。
鋭い音が数度響き渡るが、アラバコアはピンピンしていた。この様子では、かすり傷にすらなっていないだろう。

『何重もの岩石の鱗が本体を守っています。生半可な攻撃は通さないのでご注意を…!』

ヒミカの警告にあなたは眉を顰める。
なるほど、通りで一撃が重いわけだ。と攻撃力の高さも得心がいった。

天然の重装鎧に身を包むのなら、その分威力が上がっているのも頷ける。
おそらく、様々な金属の微粒子が内部に混在し強度を底上げしているのだろう。
剥がれた欠片を精錬するだけで逸品が出来上がりそうだ。

そんなくだらない考えを巡らせながら、刀を構えた。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:08:53.10 ID:G2liQR26O
『パパ、逃げて』

命あっての物種だと、彼女なりに説得をする。しかし、あなたは退かないし退けなかった。

ここで取り逃がせばどうなるか。どれほどの被害が出るか。それが予想出来ないほど、おめでたい頭はしていない。

だから、ここで殺す。刺し違えてでもこの手で仕留める。

強い意志を秘めた双眸がエルオム坑道に巣食う脅威を見据える。
白銀の刃が、風を解き放った。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:09:31.82 ID:G2liQR26O
アラバコアは自身の勘の良さに感謝し、恨んでいた。
四日前から、尋常じゃない力を持った存在が近付いていたのは知っていた。

故に、その時から人類に気取られないように少しずつ棲家を広げていた。
折角手に入れた安住の地を奪われないように。全力を出せるように。

しかし、完成することなくそれがやって来た。神器なる、忌まわしき物を携えて。

ならば、殺す他ない。敵前逃亡など自身の強者としての矜持が許さないし、奴に勝てなければどうせいつか殺される。

そして、絶対に逃がさない。自身を殺し得る存在をみすみす逃すわけがない。
必ず、ここで殺す。自身の安寧のために。
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:10:43.98 ID:G2liQR26O
風圧でマグマが吹き飛び、壁にへばり付く。どろりとした液体が、滴り落ちていく。
直撃を狙ったが、野生の勘で避けられたようだ。

降下しつつ、あなたはアマカケルからスターロードに変更して迅速に治療する。
神器の同時使用が出来ない以上、回復しながらの戦闘は不可能と言ってもいい。
手早く回復し、攻撃出来る時間を増やすしかない。

『『ごめんなさい』』

ヒミカとルーナが頭を下げるが、仕方ないことだとあなたは突っ撥ねる。
神器にとって、他の神器と併用されるのは、一糸纏わぬ姿でくんずほぐれつイチャイチャラブラブしているのと同義なのだ。
そういう特殊性癖でも無ければ、到底受け入れられないだろう。
立場を自身に置き換え、同性の戦友と同じことをしている光景を想像し吐いたのは記憶に新しい。
あなたにとってそれくらいに嫌なことなので、やらないからと文句を言うつもりなど一切ない。

治療が終わったと同時に、アラバコアがその巨大な尾ビレであなたを打ち払った。
辛うじてガードは間に合ったが、勢いを殺すことは叶わず、岩盤に吹き飛ばされる。

粘ついた溶岩が背中に纏わり付き、焼いていく。スターロードを握ったままなので死にはしないが、大火傷と回復が交互に繰り返されるのはたまったものじゃない。

苦痛に顔を歪めていると、ダメ押しの突撃があなたを襲う。
その痛烈な一撃は、片目を潰す結果に終わった。

『パパっ!?』

砕けた岩盤と共に宙を舞ったあなたは、姿を露わにした空洞に吸い込まれる。

それと同時に、意識を失った。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:11:23.83 ID:G2liQR26O
目が覚めると、どこかの街中にいた。
広場の柵から身を乗り出すと青い海が見え、そこかしこに純白の家が建ち並んでいる。
綺麗な街並みだと感心するが、人の気配は感じられない。

このようなことは何回もあったな、と感慨深いものを感じつつ、足を進める。
今見えている街並みは、書籍で目にしたアクルカ共和国のそれと似ている。が、掲げた旗に記されている国章は現代のそれとは違った。

昔に読了した御伽噺で見たような気がする。あれは確か、輝かしい功績を残した英雄の冒険譚だったか。

そんなことを考えながら向かったのは、知らない言葉が刻まれた看板が立ち並ぶ大通り。

露店が沢山存在しているが、店主と思しき人影は無い。それどころか、通行人すらいない。

生命の存在しない寂しい大通りを歩いていると、空間が突如捻れ闇に覆われた。

闇が晴れると、今度は宮殿の中、玉座の間に移動していた。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:12:15.06 ID:G2liQR26O
鎮座する玉座に視線を移すと、そこには大柄の女性がいた。外見から想定される年齢は大凡20代後半、あなたより一回り歳上だ。

「ど、どちら様ですか…?」

おずおずと声を掛けてきた女性に、簡単な自己紹介をする。
新米の冒険者であり、神器を収集している者だ、と。

その言葉を受けた女性は、露骨に悲しそうな顔をした。

「なら、ここから出た方がいいです。私は神器に相応しくないので…」

何故か、とあなたが問うと、むぐ、と言葉を詰まらせて女性は俯く。
彼女が自分をどう思っていようと、神器である事実は不変だ。

神器たらしめる逸話が、証明が必ず残っている。
たとえそれがどれほど悲惨な物語だったとしても、その物語が存在していれば、神器となるのだ。

「でも、私は。ただ、残っただけ、なんです」

それは違う。そうあなたは強く言い切った。
運も実力のうち。とはよく言われる言葉だが、それは戦う人間にのみ当てはまることだ。
神器は自分一人では何も出来ない。武具であるが故に。
だが逆に、武具であるが故に使い手に極大の恩寵を齎すのだ。彼女を使っていた英雄だって、彼女がいなければ道半ばに屍になっていたはずだ。

「違いますっ!あのお方は、強い人だから…」

「私は…弱いから…。他の神器さんは、皆強かったから…」

でも、だって。と必死に否定を繰り返す女性に、あなたはなおも食い下がる。
どのような武具も、使い手が未熟ならただのガラクタだと、自身が一番知っているから。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:12:46.58 ID:q60dYNmqO
半ば口論になりかけたところで、あなたが大きく咳払いをする。
それに女性はギョッと驚き、玉座の影に隠れた。

「…えぇ!?!!」

怯える女性を無視して、あなたは現状を説明する。
自分は今、絶対絶命な状況にいること。周囲は溶岩に囲まれ、重い一撃を繰り出す強敵と戦っていること。
攻撃力は足りているが、防御力が致命的なまでに足りていないこと。

それさえあれば、勝てること。

「っ!?」

女性は、あなたの言葉に目を見開いた。

あなたは手を差し伸べ、もう一度言葉を紡ぐ。

生き延び、人々を救うために力を貸してほしい。
君は使えない神器じゃない。英雄様に相応しい神器だと証明してみせる。

そう、はっきりと言葉にした。
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:13:47.69 ID:djJVJ7oiO
いつからか、孤独(ひとり)でいるのに慣れていた。
あのお方はもういない。命ある存在は、やがてこの世を去るから。
それは神の子孫であっても同じ。時が経てば身体は衰えて、病にも罹る。

あの人は最期に、何と言っただろう。

『お前は我の生きた証。お前は我の誇り。だから、我と共に消えてはならぬ』

『我が英雄に、王になれたのはお前たち神器があったからだ。この身一つでは、悪を打ち倒すことなど到底叶わぬ夢であった』

『故に。真に讃えられるべきは激闘を生き延びたお前だ。死にゆく老いぼれでは、ない』

そんなことを、言ってたっけ。

彼は何故、戦っていたのだろう。

富のため?名誉のため?
違う。苦しむ人を助けるためだ。

なら、私は何のために在り続けるの?

そんなこと、決まっている。

たとえ非力な神器でも、私を望む人がいるのなら。
その人のために、全てを捧げる。

私なんかの力で良ければ、いくらでも差し上げます。
だから、必要ならば私をお呼びください。私の名は。

王鎧袖『バヴルス』。
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:14:17.97 ID:wuBOuwX2O
目を覚ますと、そこには石の棺があった。空洞にポツンと眠るそれは、不思議と安らぎを感じさせる。

焼け爛れた身体を無理矢理動かし、それに触れる。アラバコアと自身の位置関係からして、気絶してから数秒も経過していないようだ。

トドメを刺さんと構えるアラバコアを他所に、石棺を開ける。
そこには、人の頭一つ分と同じ大きさの肩当てがあった。

治療をある程度済ませたのと同時に、アラバコアが溶岩の荒波と共に押し寄せる。
狭い空洞の中では、上に逃げようとも避けられない。
文字通り、絶死の攻撃。

それが迫りながらも、あなたは笑った。

そして、声高らかに叫び、その名を呼んだ。汝の名は。

王鎧袖『バヴルス』
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:23:23.16 ID:UPj6ilHPO
閃光が周囲を照らし、視界を奪う。そして、轟音が鳴り響く。

アラバコアの一撃で、一人の人間は燃え尽き、すり潰された。

はず、だった。

「ーーー!?」

魚なので顔色は伺えないが、アラバコアが驚愕しているのが目に見える。

それもそのはず。その一撃で散るはずだった人間が、片手で突撃を受け止めていたのだ。
驚かないわけがない。つい先程まで満身創痍だった人間が、良くて互角のパワーだった人間が、防ぐなど有り得ないことだ。

獰猛な顔つきをしたあなたは、両手でアラバコアの顎(あぎと)を掴み、蹴り飛ばした。
外殻に罅は入らないが、その衝撃で巨体が浮く。
そのまま溶岩を泳ぎ、空洞から脱出。小島まで移動する。

『私の加護があれば、溶岩も打撃もヘッチャラです…!頑張ってください…!』

あなたは頷いて応え、拳を鳴らす。
そして、第二ラウンドの開始を告げるあなたの咆哮が、エルオム坑道に鳴り響いた。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/09(日) 20:24:30.38 ID:UPj6ilHPO
今日はここまで。次でアラバコア戦は終わりだと思います。

募集した冒険者はもう少し後に出す予定なのでお待ちください。
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/09(日) 20:35:38.29 ID:0AeBlNC30
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/09(日) 22:41:25.12 ID:+VUuXkqxo
おつ!
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/10(月) 15:33:07.19 ID:+3pdd8rx0
おつ
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/19(水) 08:30:39.35 ID:NvYML6GaO
明日の夜に更新予定です。
遅れて申し訳ありません。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/19(水) 09:57:21.00 ID:Uh93RZwGo
報告乙
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/19(水) 14:32:44.12 ID:qbHVxoeV0
多少間が空いても定期的に報告と投下をしてくれるから安心できる
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/26(水) 16:26:20.54 ID:jzsfrzK40
流石に一週間空くのはもうきついか……
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/26(水) 16:39:39.90 ID:gebejb9ZO
ここ最近止まるスレが多いなぁ
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 10:55:48.13 ID:Hetg/KVCO
投稿出来ず一週間以上音信不通で申し訳ありませんでした。
以後このようなことが無いように気をつけます。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 10:56:19.22 ID:Hetg/KVCO
生命を悉く焼き尽くす灼熱の中、人と鮪が鎬を削る。その争いの余波で、岩盤には亀裂が入っていた。

『パパ、頑張って』

『ますたー様ならやれるよぉ〜。わたしの舌を唸らせること間違いなしの激ウママグロ、期待してるからねぇ!』

『状況が状況とはいえ、力添え出来ないのは心苦しいのですが…。マスターならきっと、ううん、絶対に勝てます!』

『何があっても私が癒します。だから負けないで。死なないでっ!!!』

虚空からの声援を受け、激闘の中で青年は笑う。
いつだって、背中を後押しされるのは心地よいものだ。それが親しい者から送られたものならば、尚更。

蒼い瞳は輝きを増し、視線は氷点下になる。冷徹な眼差しの先には、逃れ得ぬ死に取り憑かれた哀れな犠牲者が映っていた。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 10:56:54.97 ID:Hetg/KVCO
ぞくり、と首を刎ねられたような錯覚を感じたアラバコアは、攻撃を止めた。
眼前の冒険者は防具を身につけているだけだ。自身を殺し得る武器を携えてはいない。

彼が様々な武器をしているのは、この対峙を経て知っている。
瞬間的に治癒を行える杖。風を放つ刀。確認出来たのはこの二つだけだ。
敢えて挙げるならば、つい先程入手した肩当ても入るだろうか。あれを身につけているとこちらの攻撃は意味を成さないのは厄介だが、あちらも有効打は無いので焦る必要は無い。はずなのだが。

防御を貫くことなど出来ないはずなのに、殺意は外殻越しに強く感じられる。
既に死が確定しているような、首元に牙が食い込んでいるような、絶望的な光景を幻視した。

そんなことはあり得ないと思考するも、破滅の未来が目の前に在り続けた。こうなると、話は別だった。
これ以上、奴と戦うのは危険だ。そう結論付けたアラバコアは、少し前まで持っていた強者としての矜持すら投げ捨て、保身に走った。

幾ら肉体が強靭になろうと、人間であるなら自身よりは速く泳げない。と、努めて冷静な判断をしながら。
背を向け、ただひたすらに海の底を目指し、遁走した。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 10:57:34.59 ID:Hetg/KVCO
敵意を感じなくなったあなたの行動は早かった。
即座にラーデインを装備し、跳躍。魔力の矢を溶岩の海に目掛けて撃ち出した。

水音と共に光の矢は海中に消える。静寂が空間を支配する。無音が続くこと数秒の後。

「ーーー!???!!!!」

溶岩の海が、爆ぜた。

効果は抜群だ、とあなたはしてやったりと言いたげな表情をする。
口角が上がり喜びをこれでもかと表現しているその顔は、悪人にしか見えないが。

ラーデインから引き出した音域魔法は、至って普通の音爆弾(ノイジーボム)だ。神器経由なので出力は段違いだがそれでも、アラバコアのような大物を仕留めるには無理がある程度の火力しか無い。

音は波であり、衝撃波でもある。爆音で窓ガラスが揺れることも、割れることも珍しいことではない。
凡人なら鼓膜が破裂して脳に著しい損傷を与える威力の音が、溶岩という液体の中で幾つも発生したのだ。
強烈な衝撃波がダイレクトに、その巨体を揺らす。死にはしないとはいえ、相当に堪えることは想像に難くない。

幾重にも重なる爆発に、アラバコアは海中から引き摺り出される。
苦痛から逃れようと飛び出したアラバコアは、さながら一本釣りされたマグロのようだった。

『あ、これは勝ちだね』

空中の巨大マグロを目にしたアマネが、確信を持って呟いた。
それもそのはず。今浮かんでいるアラバコアは、衝撃波によって外殻が剥がれ、その本体を剥き出しにしていたのだ。
防御を無視して絶死の斬撃を放つアマカケルの権能がある時点で、アラバコアは狙われる隙を作ったら敗北確定なのに、空中という身動きが取れない状態で自身を護る鎧を失っているのだ。
これでアラバコアが勝ったら逆におかしい。この状況ではどんな保険に入っても助からない。御陀仏確定だ。

それでも、と最期の抵抗として体表の溶岩を振り撒くアラバコアに、あなたは無慈悲に刀を向ける。

そして、音を置き去りにする一閃が、命を断ち切った。
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 10:58:14.10 ID:Hetg/KVCO
これで終わった。そう告げる長い溜め息が、空洞に響く。
スターロードの権能で傷を治しながら、あなたは周囲を見渡した。

激戦の爪痕がそこかしこに残されており、今にも崩れそうだ。というより、現在進行形で崩れている。
拳大の石が頭に落ち、砕けた。ほんのちょっと痛い。

ここに長居したら、流石のあなたでも生き埋めになってあの世行きになるのは確定的に明らかだ。
これ以上留まる必要は無い。とあなたは足を進める。

『あぁ…至高の大トロがぁ〜…』

エルオム坑道から脱出までの間、項垂れるアマネの落胆の声がずっと聞こえていた。

『え、えと…。ドンマイですぅ…』

そして、新入りのバヴルスがそれを宥める過酷なお仕事に就いていた。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 10:58:46.96 ID:Hetg/KVCO
坑道を抜けると同時に、入り口が崩落した。これでは、二度と中に入れないだろう。
だが、問題は無いはずだ。新米冒険者の訓練場が一つ潰れただけで、深奥に潜んでいた大いなる脅威は排除された。

無用な犠牲者が増え、エルダの町が炎に包まれお祭り騒ぎとなる悲劇は避けられたのだ。めでたしめでたしである。これほど素晴らしい喜劇は他に無い。

「めでたしめでたし!じゃあないよぉ〜…。確かに死人が増える事態は避けられたからそれはいいことなんだけどさぁ。わたしは数多の美食家(グルメ)が一生を捧げてでも追い求める『神泣かせの大トロ』って言われるアラバコアを一口でもいいから味わいたかったよ…。あ、神泣かせ云々は今適当にでっち上げたんだけどねぇ」

「でも絶対美味しいと思うんだよねー…。わたしたち神器と同じような感じでその味が言い伝えられてるんだから、不味かったら詐欺だよ詐欺。何百年も人を騙すとか、思い付いた人は悪魔にも劣る畜生だよ」

ここまで熱弁するアマネを見るのは久しぶりだ、と手の届かないところに行ってしまったアマネをあなたは遠い目で見る。

そして、あんな場所で生きてる魚が美味いわけがない、というあまりにも無慈悲なマジレスをかました。

「それを言ったらおしまいだよぉ!!!!!夢くらい見させておくれ!!!!!!!」

と、容赦の無い一撃に悲痛な叫びを上げる美食家アマネだった。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 10:59:43.82 ID:Hetg/KVCO
時間が無いのでここまでです。
お待たせして申し訳ありませんでした。
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/01(火) 11:36:27.52 ID:cNBwp84Lo
おつおかえりー
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/01(火) 18:29:02.48 ID:AWa/8TX/0
よかった
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/01(火) 20:32:30.89 ID:xs+uN0zF0
乙です
アマネ楽しいキャラしてるなあ
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:54:27.69 ID:vWMW32riO
少しだけ投稿します。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:55:26.75 ID:vWMW32riO
帰路の途中で治療を終えたあなたは、閉じていた片目を開ける。視界は良好、視力も正常。完治したと断言出来る。

「普通なら再起不能レベルの負傷だったんですけどね。マスターの耐久力には驚かされますし、私の権能が役に立って嬉しいですっ」

ルーナの言葉に首肯で返答し、視線をバヴルスに移す。彼女は宇宙の真理に気付いてしまった猫のような、呆然とした表情をしていた。

「どうしました?」

ヒミカの問いに、あうあうと言葉にならない声を漏らしバヴルスは困惑していた。何かあったのだろうか。

「あります。もの凄くあります。…その、どうして神器の私が、人の形をしているのか。本当に意味が分かりません…。あの人と一緒にいた時も、防具として存在していただけですから…」

「心象風景(クオリア)の私にそっくり…というか、私そのものなんです。その、服まで完全に再現されてて…あうぅ…」

そう言って顔を赤らめるバヴルスは、凄く露出度の高い服装をしていた。エッチなのはいけないと思います。
自分からそういう服を着ているのに恥ずかしいのはおかしい気がする。

「わ、私だってこの服が好きなわけじゃ…」

首を横に振り否定するバヴルスのたわわがぶるんぶるんと揺れる。重ねて言うがエッチなのはいけないと思います。

「うぅ〜…!」

恥ずかしさからか、バヴルスの目尻に涙が浮かび始めた。これは不味い、とあなたは彼女慰め、話を進めることにした。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:56:08.83 ID:vWMW32riO
「その、なんだ。これはますたー様の持つ魔法のようなものでね。詳しくはよく分からないけど、ますたー様を保有者と認めたら、わたしたちもこうなったんだよねぇ」

「無機物に命を与える魔法…ですか?」

「ううん、違うね。わたしたち神器を生まれ変わらせる魔法…と解釈した方が正しいかな。無機物に命を与えるのなら、彼が買った武器とかも人になってなきゃおかしいからね」

「魔法なのか体質なのか、そこまでは分からないけど。それでも、魔法に相当する異質なものであることは確かだね。だから、ますたー様は『再誕(リンカーネーション)』って呼んでる」

あなたは頷き使い物にならなくなった剣を見せる。命を与える魔法であるなら、これにも命は宿るはずだ。
だが、何も起こらない。うんともすんとも言わないそれを、あなたは片付けた。

「…あなたって、何かとんでもない血筋の生まれだったりしません?例えば、神族の末裔だったり英雄の子孫だったり」

得体の知れない何かを見るような目をしたバヴルスの問いに、あなたは大した血は流れてない、と否定する。
ただ、貴族の家に産まれた恵まれた人間だと、皮肉を込めて答える。
あなたは恵まれていた。衣食住には困らず、自由を謳歌していたから。
あなたは恵まれていた。本来なら長い時間と努力を費やして見つけ出す伴侶を、労せず得ていたから。

その全てが、自分を縛り付ける枷にして、自分を閉じ込める鳥籠だと、気付いてしまったが。

あなたは不運だった。共に戦った戦友、付き従う神器以外から、或いは彼らからすらも、人として扱われていなかったから。

彼を真に理解する人は、誰一人として存在しない。
化け物のことなど、誰も知りたくないから。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:56:58.37 ID:vWMW32riO
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112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:57:30.64 ID:vWMW32riO
意気揚々とエルダの町帰還したあなたは、店仕舞いの最中だったギルドに入る。
目を点にしたメリッサと、入った瞬間に視線が交錯する。

「おかえりなさい。あの、エルオム坑道はどうでしたか…?」

問題は解決した、とあなたは答える。それに付け加え、犠牲者のドッグタグを回収出来なかったこと、エルオム坑道が盛大に崩落したので、二度と立ち入ることが出来なくなったことを謝罪した。

「あ、いえ。それは大丈夫です。犠牲者はこちらでも把握してますし、あんな事態になった以上、金輪際立ち入りは許可されないと思ってましたから」

メリッサの返答に、安堵の表情を浮かべる。怒られないで済むならよかった。

「…やっぱり、お強いですね。あの時から変わらず」

それだけが取り柄だと返し、あなたは踵を返した。
そして、去り際に一言だけ呟く。

「………!いえ、それでは申し訳ありません!私に出来ることなら、何でもいたします!」

報酬は要らない、という呟きに対する爆弾発言に、あなたは面食らった。
そもそもとして、あなたは今回の依頼でマトモな報酬が出るとは露ほども期待していなかったのだ。
ギルド経由の依頼ではなく、今回はメリッサが個人的な依頼をしただけに過ぎない。
本人から直接そう言われたわけではないが、報酬について何も言われなかったことや腫れ物に扱うように掲示板に掲載されず放置されていたことが言外に示していた。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:57:56.47 ID:vWMW32riO
だから、報酬は必要無い。労働の対価は当然必要なものだが、あなたは既に受け取っている。
血湧き肉躍る溶岩洞窟の探索、久方ぶりの強敵との対峙、死力を尽くして得た勝利、その最中で巡り逢った神器。
どれもこれも破格の収穫だ。報酬としてはあまりにも多いのでまだ働かなくていいのか寧ろ疑問なくらいだ。

故に、メリッサの返答はあなたとしても非常に困る。人並みに物欲等はある方だが、こういった自分に有利な状況に託けて欲望を満たそうとするほど、あなたは外道に堕ちてはいないのだ。

だが、何かしらを受け取らねばメリッサが引き下がらないのは明白だ。
あなたは逡巡し、譲歩案を出すことにした。

「そ、それだけで良いのですか!?」

構わない、とあなたは頷く。疲れた身体を休めるには、美味い飯が一番だと相場が決まっている。

あなたの胃袋を満たし、満足させる一食。それが、あなたの要求だった。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:58:28.01 ID:vWMW32riO
ギルドを閉め、制服から私服に着替えたメリッサは、何やら赤面しながら先導する。
対するあなたは至って自然体。だらけにだらけきっている。激闘の後で疲れているのだから、さもありなんと言う他無いが。

「じ、実は女性の家に入るのは慣れてたりしますか…?」

そんなわけがない。ただ単に、メリッサが意識するほどの関係性ではないだけだ。
ギルドに所属する受付嬢にして、愉しい依頼を斡旋してくれた恩人。ただそれだけだ。
そんな人をどう意識しろというのか。ご教授いただきたいくらいである。

「そこまで言われると、何も言えませんね…」

はうう、と項垂れる受付嬢メリッサの表情はかなり落胆していた。
彼女の態度からして、何かしらで面識があるのは間違いないが、彼女と出会った記憶が無い。
ここまで美人ならそうそう忘れないと思うのだが。

思い出せずにいたあなたは、程なくしてメリッサの自宅に到着した。
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:59:03.89 ID:vWMW32riO
「狭い場所で恐縮ですが、ゆっくりしてくださいね」

ドアを開けるとそこには、二人用のサイズの机と二脚の椅子が置かれた部屋が目に入った。
なるほど、確かにこれは狭い。一人暮らしならこれで充分なのだろうが。

「まあ、そうですね。数年前はもっと大きな家に住んでいたのですが…」

そう告げたメリッサの表情は暗かった。嘗てはエルダの町も戦火に包まれていた。
戦火に巻き込まれ、喪ったのだろう。家も、家族も、全て。そういう話はよくあることだ。

懐かしい記憶だ、とあなたは物思いに耽る。戦列に加わったのが八年前で、この町で魔王軍を迎撃したのが六年前だったか。
あの時は物資も少ないし神器なんて大それた物は持ってなかったから、苦労したものだ。
何人仲間を喪ったことか。何人仲間を除名したことか。きっと、彼らからは恨まれているだろう。
別にそれでもいい。恨まれることには慣れているし、あの時の選択に後悔は無い。

各々が過去に思いを馳せ、暫し無言になる。
気まずそうにメリッサが咳払いをしたので、思考を中断させる。

「せっかくのもてなしなのですから、こんな暗い雰囲気は終わりにしましょう」

メリッサの発言と同時に、ワインボトルが置かれる。何の変哲もない、至って普通の白ワインだ。
酒は苦手だ、と苦笑するが、ジュースのように爽やかだから大丈夫だと返されたので、お言葉に甘えることにした。
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 02:09:48.91 ID:vWMW32riO
ここまでです。

まだパンピー冒険者を出してないのに申し訳ないですが、少し募集をば。
今回募集したいのは戦友枠と妹枠、婚約者枠です。テンプレは前回のをご利用下さい。
条件的なのは下に記述してますので、ご参考にどうぞ。
ティンと来たキャラクターをこちらで採用します。
質問等あれば、時間が作れた時になるべくお答えしたいと思います。


【戦友枠】

男女問わないが、年齢は二十歳以上限定。
途中離脱した人でも良し、最後まで共闘した人でも良し。
基本皆バカ強いが、あなたには一歩劣る。
魔族と妹は戦友枠に選べません。


【妹枠】

ガチ妹でも義妹でも良しだが、魔族はNG。
種族は魔族でさえなければ何でもOKですが、21歳以下限定です。
どうしようもないほどに弱いですが、執務に関しては完璧に出来ます。
なので現時点ではあなたの家の当主です。


【婚約者枠】

種族は問わない。魔族もOK。
年齢も問いませんが、エリューナ王国(あなたの祖国)の関係者であることは固定でお願いします。貴族も民間人も王族も大丈夫。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/04(金) 02:11:36.66 ID:QLMjWSUc0
乙でした
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/04(金) 02:12:54.04 ID:eVojw9g30
テンプレは>>57でおk?
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