エンド・オブ・ジャパンのようです

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

167 : ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga]:2023/03/16(木) 23:07:54.56 ID:YzHzCrxO0
第一項。深海棲艦に対する利敵行為を認められた国家、個人、団体に関しては、例えそれが人間であったとしても“敵性”であると認定し攻撃することを認む

第二項。艦娘は自身の任にそぐわない行為・行動・思想を強要する存在に対して、第一項の抵触者と見なして無制限に抵抗する権利を有する

第三項。艦娘は全ての対深海棲艦を主とする軍事行動に関して、無制限に発言権を認める。また、これを理不尽に阻害する存在に対しては第一項の適用を認む

第四項。上記三項目は全て“艦娘三原則”に抵触しないものであるとして、“艦娘三原則”に対し優先して適用することを認む

南慈英が施行に漕ぎ着けたこの【艦娘自己自衛権】法案は確かに歴史的な大変革であるが、そこに決して“即効性”は求められていない。実際、彼女らの権利拡大はあくまで「深海棲艦との交戦時」における物に限定され、直接的な人権関連には触れることを避けている。

人類共通の敵にして目下最大の脅威と戦うにあたって、艦娘達が“円滑な作戦行動”を行うため……こんなお題目を掲げれば、艦娘技術において遥か後塵を拝する他国も否やは言い辛くなる。欧州諸国が次々と陥落しつつある現状では尚更に。
それでも否やを言ってくる連中は、“同盟の有無”を理由に確認をすっ飛ばしつつ仮初めとはいえ国際社会の中枢機関である国連の「アタマ」を押さえ反論を封じる───何を食べ、どんな暮らしをしていたらこうも悪辣に立ち回れるのか聞いてみたくなる動きだが、“最も角が立たない第一歩”であったことは間違いない。

その上で、深海棲艦の存在に託けて盛り込んだ第一項を徐々に拡大解釈していき、艦娘達の自己判断能力を育てつつ彼女達の権利を人間本来のものへ近づけていく。きっと、あの深海魚首相の脳内ではこんな青写真が描かれていたのだろう。

……だが今、現実に、“深海棲艦以外に対する適用事例”が起きてしまった。反艦娘運動家のような生温い内容ではなく、より明確な“敵意”を持った集団が、殺戮或いは無力化を目的として攻撃をかけてきた。それも第一項の緩やかな拡大どころか、法案それ自体の浸透周知さえ禄に済んでいない中で。

「…………いい気味」

今目の前にいる名取の姿は。優しげな風貌からは想像もつかないほど冷たい視線で見下しながら屍に向かって吐き捨てる有様は。

人類が「戦時下だから」と言い訳して“歪み”から目を逸らし、その解決を後回しにしてきたツケの表出だ。

ほんの少しでも状況を緩和しようと施行された法案が表出のきっかけとなってしまった辺りに、挙母はなんとも言えない皮肉を感じた。
478.21 KB Speed:0.3   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)