このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください

【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索【百合】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 16:49:59.20 ID:uejYnXGz0
ルウェリアの姉は>>497の方に決定しました
以前にも自由安価のことで言いましたが、範囲外にはなるべく投げないようお願いします
とはいえ今までは範囲外のキャラも軽率に採用してきてしまったこともありますので、今回>>498の方は特に差し支えなければルウェリアのママンということにします(登場機会があるかは未定です)。差し支えあればお早めにお申し付けくださいませ
今後は範囲外に投げられたものは自由安価もキャラクターも原則採用しない方針にしたいと思います。いろいろ変更して申し訳ないですが、よろしくお願いします
――――――――――――――――――――――――――――――――

―8月2週 某日 朝
 部室

 ガラッ

ルウェリア「おはようございます」

エンシァン「ルウェリアか……。今日は活動の予定はないぞ」

ルウェリア「……予定がないからと言って、調査を続けちゃいけないわけじゃないでしょう」

エンシァン「そりゃそうだ。まあ座れ。茶を淹れてやる」ガタ

ルウェリア「いや、お茶くらいなら自分で――」

エンシァン「美味い淹れ方があるんだよ」

ルウェリア「はあ」


 トプトプトプ…

エンシァン「ほれ、飲め」スッ

ルウェリア「いただきます……。あつっ……」

エンシァン「真夏に冷房の効いた部室で飲む熱い茶は格別だろう?」

ルウェリア「いや……普通に冷たいお茶の方が良かったです」

エンシァン「可愛げのないやつだ」

ルウェリア「……可愛げ、ですか。ふふっ……どこかに忘れましたよ、そんなもの」

エンシァン「……」

ルウェリア「わかってますよ。リアンちゃんのような優しさも、ノルンさんさんのような強さも、サーナさんのような前向きさも……私には、ない」

ルウェリア「私にあるのは……姉と遺跡への執着心だけです」

エンシァン「…………フッ。去年は今よりあったと思うがな。可愛げ」

ルウェリア「……あの時のことは……もういいでしょ」

エンシァン「まあそう言うな。どうせ活動予定のない日だ。思い出話でもしようじゃないか――」

 ◆
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 16:51:54.94 ID:uejYnXGz0


――

――――


―1年前
 遺跡探索部 部室

 ペチャクチャ ヘラヘラ

ルウェリア「――なんですか、これは」

先輩部員A「あ、新人クン? いや、ウチはそんな真面目な部じゃないからさ」

先輩部員B「そーそー、気楽にいこうよ。遺跡調査は顧問が一人で全部やってくれっから!」

先輩部員C「あたしらはそれを文化祭でテキトーに発表すりゃいいだけ。こんな楽な部活ないっしょ!」

ルウェリア「…………」


ルウェリア(話にならない。せっかくユリトー魔法女学院の、遺跡探索部に入ったのに)

ルウェリア(こんな部には期待できない。やっぱり、自分でなんとかするしかない――)

 ◇

―新西区 住宅街

ルウェリア「すみません! 元調査チームの――さんですよね!?」ザッ

元調査員「え……? な、何、君……?」ジリ…

ルウェリア「私、ルウぇリア・モースって言います!」

元調査員「え、モースって……まさか、ルウェインさんの――」

ルウェリア「はい! 姉のことを、お聞きしたくて――」

元調査員「――ごめんなさい、私は何も知らないわ。それじゃ……」スタスタ

ルウェリア「ま、待ってください! どんなことでもいい! 姉がいなくなる前のことを――」

元調査員「知らないって言ってるでしょ!! 遺跡のことは……思い出させないで……っ」タッタッタッ

ルウェリア「……っ」

 ◇

―大学部 渡り廊下

ルウェリア「すみません! 教授の――さんですよね!? 私――」

教授「……ああ、君か。最近、お姉さんのことで元調査チームやその関係者に不躾な聞き込みをして回っているという高等部の一年生は」

ルウェリア「……っ、だ、だから何です!? 私は、姉のことを知りたいだけで――」

教授「我々は何も知らない。君のお姉さんの失踪は、我が学院や調査チームとは一切関わりのない場所で起きたことだ」

ルウェリア「そんな……はずは……」

教授「それとも、彼女が遺跡調査やそれに関連した行動中に失踪した証拠でもあるのかね? ないだろう?」

ルウェリア「…………」

教授「わかったらもうやめなさい。お姉さんのことは気の毒だが、君は栄えあるユリトー魔法女学院の生徒なのだ。我が校の生徒として知性と良識のある行動を心がけてもらいたい」

ルウェリア「…………」


ルウェリア(確かに……姉が遺跡調査中に失踪したという決定的な証拠はない)

ルウェリア(でも……姉の失踪と調査チームの解散は、ほとんど同時期に起こっている)

ルウェリア(そんな偶然あるだろうか。結び付けて考えない方が無理だ)

ルウェリア(でも……大人たちは、私の言い分なんてちっとも―――……)

 ◇
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 16:53:36.67 ID:uejYnXGz0
―高等部校舎 廊下

ルウェリア「……」トボトボ

?????「ルウェリア・モース!」

ルウェリア「!?」バッ

ルウェリア(突然名前を呼ばれて、後ろを振り返ると――そこに立っていたのは、ボサボサの白髪にヨレヨレの白衣を着た女性――)

ルウェリア(いや、誰!?)

エンシァン「挨拶が遅れたな。私は遺跡探索部顧問のエンシァン。君が将来有望な新人のルウェリアくん、で合っているかな?」

ルウェリア「え、ええ……。私がルウェリア・モースですが……」

ルウェリア(第一印象は、あまり良くなかった。だってあの遺跡探索部の顧問だ。どうせ顧問もろくでもない奴に――)

エンシァン「ククク……聞いているぞ。手当たり次第に調査チーム関係者に突撃している問題児らしいな?」

ルウェリア「むっ……だから何だってんです。姉のことを……家族のことを追うのがそんなに悪いですか」

エンシァン「いいや! むしろ大変良い! 君、今週末に北側の岩山に来い!」

ルウェリア「え、ええ!? 何でです!?」

エンシァン「巧妙に隠蔽された調査済の遺跡を見つけたんだよ、そこでな……。クク、調査隊の足跡を辿りつつ新人研修ってわけだ!」

ルウェリア「!!!」

ルウェリア(この人は、堂々と不法侵入宣言をした)

ルウェリア(でも――だからこそ、他のどの大人たちよりも信じられると思ったんだ――)


――――

――



 ◆
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 16:56:05.82 ID:uejYnXGz0
―部室

ルウェリア「あれから、部室を占拠してた先輩たちを追い出したり、シャーロット准教授に出会ったり……いろいろありました」

エンシァン「シャーロットのアホは調査チームでもなんでもないただの遺跡オタクの癖にいろいろ知っていたからな。ルウェリアの姉君とも知り合いだったようだし」

ルウェリア「はい。お二人に出会えたから……私はなんとか、ここまで折れずに来れました」

エンシァン「謙遜するな。我々がいなくともお前は歩み続けていたさ」

ルウェリア「……そうかもしれないですけど、その歩みはきっと今よりもずっと遅かったと思います」

エンシァン「フッ、闘志だけではどうにもならんこともある。私も、お前が来てくれなかったらこの部室を取り戻そうとすら思わなかったぞ」

ルウェリア「……そうですね。でも……この部室も、また賑やかになってきました」


剣ルルが入っていた箱「」

遠足でリアンが買ったプチドラゴンのぬいぐるみ「」

袋に入った精霊樹の実の種「」

海底で拾ったエーテル結晶「」

金メッキのトロフィー「」キラキラ…


エンシァン「クク、やる気のある部員が和気藹々としているのは大歓迎だ」

ルウェリア「はい。今日も午後からここで勉強会することになってます」

エンシァン「なんだお前たち、夏休み中に勉強会なんてやるのか。呆れた学習意欲だな」

ルウェリア「その……リアンちゃんが、赤点ギリギリだったので……」

エンシァン「…………まあ、その、なんだ。赤点じゃなくて良かったじゃないか」

ルウェリア「それはまあ、そうなんですけど」

エンシァン「……リアンくんは優しいが、それ故の脆さもある。お前がしっかり支えてやれ」

ルウェリア「ふふっ、言われなくても。リアンちゃんは私が守りますよ」

エンシァン「それで良い。可愛げなどいらぬと言うなら、強くなれ。全てを取り戻し、守り切れるようにな――」

ルウェリア「ええ……必ず」

エンシァン「フッ……。茶が冷めてしまったな。淹れ直すか」

ルウェリア「いえ、このままで――」


 ☆ルウェリアがパッシブスキル〈不壊〉(致命的なダメージを受けた時、一度だけ持続力1で耐える)を習得しました

 ◆
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 16:56:54.89 ID:vCumE0SwO
食いしばりは
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 16:58:48.33 ID:uejYnXGz0
―8月2週 某日 昼
 部室

 ガラッ

サーナ「わたくしが来ましたわ!」スタスタ

ルウェリア「お疲れ様サーナさん。熱いお茶と冷たいお茶、どっちが良い?」

サーナ「冷たいの!」

ルウェリア「そりゃそうだよね。ちょっと待ってて、冷蔵庫開ける」ガチャッ


リアン(この夏休みのある昼下がり、私たちは部室に集まってきていた)

リアン(その目的は……期末テストの反省会だ。主に、私の……)


ノルン「リエムちゃん。その後、大丈夫だった……?」

リエム「はい。リアンさまにお世話をしていただき、すぐに良くなりました」

リアン「ふっふっふ、そうなんだよ……! 私がリエムちゃんのことを精一杯お世話いたしました!」

ノルン「そっか。良かった……。ふふ、立場が逆転しちゃったんだね」

リアン「うん。たまには、こういうのも良いなって……」

リエム「……はい」


金メッキのトロフィー「」キラキラ…

サーナ「あっ! あれは草テニスの優勝トロフィーではありませんこと!?」

ルウェリア「草テニス……あ。ごめん、あの日はシャーロット准教授に頼まれてちょっとバイトしてて……」

ノルン「私とリアンちゃんは……ちょっと用事があったの。ごめんね」

サーナ「良いんですのよ、夏休みですもの! 充実しているようで何よりですわ。ところでこのトロフィーを獲ったアリムは来ませんの?」

リアン「アリムちゃんはルルちゃんと一緒に虫採りに行くんだって」

サーナ「ああ……ルルにせがまれたんですのね」

ルウェリア「何でも突っぱねるエンシァン先生と違って、アリムちゃんはルルさんの頼みなら大体何でも聞いちゃうからね……」

 ◇

リアン(そして雑談もそこそこに、主に私の為の勉強会は幕を開けた――)


ルウェリア「リアンちゃん、ここの公式はこれだよ。理屈はわかる?」

リアン「あうぅ……」

 ◇

ノルン「リアンちゃん、レーヴェンツァーン国が崩壊したのはね――」

リアン「ひぃん……」

 ◇

サーナ「リアン、これは待つ身の辛さだけでなく、待たせる身の辛さも描いた作品なのですわ」

リアン「う、うぅぅ……」

 ◇

リアン(みんなは、とても優しく、丁寧に私のわからなかったところを教えてくれた……)

リアン(それが……逆に、つらかった……)

リアン(私……泣きそう………)

リアン(いや……でも、ここで泣いちゃだめだ! 次こそは――次こそは、良い点を取って、みんなに並んで見せる……!!)


↓1 反省会の成果
01-60 次回テスト対策++
61-90 次回テスト対策+++
91-00 次回テスト対策++++
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 17:04:34.30 ID:SAXb87DF0
えい
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 17:32:19.89 ID:uejYnXGz0
 ・リアンたちの次回テスト対策++

リアン(テスト後すぐに復習したからか、いつもより理解と吸収が上手くいった気がする)

リアン(もちろん、みんなの教え方に心がこもっていてわかりやすかったのもある)

リアン(泣きそうと言えば泣きそうだったけど……私の為にわざわざ勉強会を開いてくれるなんて、良い友達に恵まれたんだなあ、私……)


ルウェリア「……うん。今回のテスト範囲に関しては、もう十分だと思う」

ノルン「よく頑張ったね、リアンちゃん。偉いよ」

リアン「え、えへへ……みんな、ありがとね。次は多分、大丈夫そう!」

サーナ「今後も勉強会は時々やっていきましょう! わたくしも頑張りますわよ!」

リエム「リアンさま……皆さま……。お疲れさまです。お茶とお菓子をご用意させていただきました……」ススッ

リアン「リエムちゃん!」

ノルン「ありがとう! ふふっ、じゃあ勉強会はお開きにしてお茶会だね」

 ◇

サーナ「ところで皆さん、海に行く準備はもうできてまして?」

ルウェリア「週末だったよね。うん、バッチリ」

ノルン「私も! リアンちゃんは……ど、どう……?」

リアン「…………」


リアン(まずい……勉強会のことで忘れていたけれど、今週はそれもあった……)

リアン(すっごいスケスケの……辛うじてお胸のとことおまたのとこだけギリギリ透けない、アレな競泳水着を着なきゃいけない日だ……)

リアン(や、やばい……。下手したらコーゼンワイセツの罪でタイホされちゃうよ……)

リアン(あれなら古代のハイレグ競泳水着の方がまだマシだよぉ……)


ルウェリア「そ、その……もしアレだったら、今から別の水着でも――」

リアン「――ううん! 私……着るよ!!」

リエム「り、リアンさま……」

サーナ「だ、大丈夫なんですの? あまり無理をしない方が……」

ノルン「そ、そうだよ。下手したら、噂になっちゃうかも……」

リアン「みんな……心配してくれて、ありがとう……。でも、せっかくアリムちゃんが選んでくれた水着だもん!」

リアン「アリムちゃんが私の選んだ赤スクを着てくれるなら――私もアレを着るのが礼儀だよ!!」

リアン「アリムちゃんに、人間はちゃんと約束を守るってところを見せてあげなきゃ……!!!」


リエム「リアンさま……!」

サーナ「リアン……! わたくし、感動いたしましたわ!! それでこそですわよ!」

ノルン「え、ええ……!? いいの!? それで本当にいいの……!?」

ルウェリア「……ノルンさん。私たちでリアンちゃんを守ろう。悪い輩が近寄って来ないように」

ノルン「――! そうだね……リアンちゃんを、悪い虫から守らなきゃ……!」

 ◆
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 19:42:43.24 ID:uejYnXGz0
―8月2週 某日
 ユリトー南海岸 海水浴場

 ワイワイ ガヤガヤ

太陽「――」サンサン

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」



サーナ「やって来ましたわ! 海ッ!!!」(E:クロス水着)

ノルン「暑いねえ……。みんな、日焼け止めはちゃんと塗った?」(E:フリルワンピース水着)

ルウェリア「うん、一応。さて……うん、今のところ周囲に怪しい輩はいないね」(E:フレア水着)

リアン「…………」ビクビク(E:スケスケ競泳水着+パーカー)

アリム「ふうん……。一応着てきたみたいだけど、それはズルじゃない?」(赤スク)

リエム「アリム……あまり、リアンさまをいじめないでください」(白スク)

ルル「えへへ……リエムとアリム、ルルと色違い!」(スク水)


リアン(例のスケスケ競泳水着は着たが……その上に何も羽織っていけないというルールはなかったはず……)

リアン(こ、今回はこれで乗り切ろう……。日和った私を許して、アリムちゃん……)


アリム「……フン、まあいいわ。リアンの馬鹿がどれだけ痴態を晒そうともどうでも良いけど、それで遺跡探索部まで痴女の集まりだと思われたら困るものね」

シャーロット「あら、リアンちゃんは下にどんな水着を着ているの?」(E:魔法潜水服にそっくりなハイレグ競泳水着)

ルウェリア「え゛ッ……!? 准教授、その格好は……!?」

シャーロット「あら、大丈夫よん。これは本物じゃなくてそっくりに作ったオーダーメイド品だから。古代遺物をみだりに晒すような愚は犯さないわ」

ノルン「オーダーメイドで作るほど気に入ったんですか……」

 ◇
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 19:43:30.12 ID:uejYnXGz0
ルル「キャッキャ」

リエム「キャッキャ」

アリム「ギャーギャー」

 キャー スクミズヨウジョカワイー!!



シャーロット「――」アハァン…

 ウォォォ! エロッ! ドスケベエルフ!!



サーナ「――」バァーン!

 ウォォ… エロイ…ケド…



リアン「盛り上がってるなあ」

ノルン「私たちはパラソルの下にいよ?」

ルウェリア「こうやって眺めているだけでもけっこう楽しいよね」

リアン「……そ、その……もし、私に気を遣ってくれてるなら、二人も遊びに行って良いんだよ……?」

ノルン「ううん、ここが丁度良いの。海を見ながらゆったりできる、ここが」

ルウェリア「わかるなあ。喧騒の中にいるより、一歩離れたとこの方が気楽なんだよね」

リアン「そ、そうなんだ……。じゃあ私もゆっくり――」


 キャーッ! タスケテクダサイ!! ウチノコガ-!! アアアアアアア!!!!

リアンたち「!!」

ノルン「あっちの方から……!」

ルウェリア「子供が溺れて……!?」

リアン「――ッ」ダッ

ノルン&ルウェリア「リアンちゃん!!」
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 19:44:17.93 ID:uejYnXGz0
リアン(急がなきゃ――! 大丈夫、私の水魔法なら――!)

リアン(水に入るからパーカーは脱ぎ捨てて――ッ!)タッ

 バシャァン!

リアン(子供は――いた! もがいてる!)スイスイ

リアン(掴まえて泳ぐのは難しいから……硬めのジェルで持ち上げる!)ギュオオッ

リアン(後は急いで陸に運ぶだけ……!)スイスイ

 バシャァン!

幼女「――」ピクピク

リアン「――し、心臓が……動いて、ない……」

観光客男「あ、ああああ!! うちの子は!? 大丈夫なのか!!?」ドタドタ

観光客女「いやあああああ!! 誰か、誰か助けてえええ!!!」

リアン(肺に溜まった水を吸い出さなきゃ……でも、人の肺に入った水を動かしたことなんて……)

リアン(あ、あれ……心肺蘇生を行うのが先だっけ……?)

リアン(あ、あああ……ど、どうすれば……!! 時間が過ぎていく……!!)

リアン(私が……私が不甲斐ないせいで……)グニャァ

 ザッ!

シャーロット「ハートショック!!」ドクン!!

幼女「」ビクン

シャーロット「心臓は動かしたわ! リアンちゃん、水を吸い出して!!」

リアン「シャーロットさん!? は、はい……!!」キュォォ…

リアン(し、慎重に……! この子の肺を傷付けないように、丁寧に、かつ、素早く……!!)

幼女「」スルスル…

シャーロット「いいわ……! そのまま、そのまま……!」

リアン「――――ッ! 全部――出しましたッ!!」

幼女「――けほっけほっ……! ひっ、はひっ、ひい」


観光客男「ああああ!!! 良かった、良かったよぉ〜〜!!!」ガクッ

観光客女「あ、ああ……神様って、いるのかしら……」ヘタリ


リアン(女の子はケホケホとしばらくむせていたものの、ちゃんと自発呼吸ができるようになった)

リアン(よ、良かった……)


救急隊員「到着しました!! 患者は!!?」ザザッ

幼女「ひい、ひい……」

観光客男「こ、この方たちが……応急手当をしてくださって……!!」

観光客女「ほ、本当に何とお礼を言ったら良いか……!」

シャーロット「ふふ、お礼はこの子へ。私は最低限の処置をしただけですから。念の為、病院でもちゃんと診てもらってくださいね」

リアン「わ、私は……准教授が、指示してくれたからで……!」

観光客男「あ、ありがとう、ありがとう……!!!」

観光客女「あなたは神様よ……! 私たちの娘を助けてくれた、神様なのよ……!!」


リアン(その人たちはドバドバを涙を流してお礼を言いながら、救急車に運び込まれた女の子と共にその場を去っていった)
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 19:45:07.34 ID:uejYnXGz0

シャーロット「フゥ……お疲れ様、リアンちゃん」

リアン「准教授……! その……ありがとうございました!」ペコッ

シャーロット「ふふ、さっきも言ったけど功労者はあなたよ。あなたがいなかったらどの道助からなかったわ、あの子」

リアン「で、でも……!」

シャーロット「自信を持って。あなたの水魔法が人を救ったの。ふふ、格好は過激なのに心根はいつものままね」

リアン「え? あ――――」


リアン(そこまで来て私は――ようやく、自分がスケスケ状態だったことに気付いた……)


 ワアアアアア!! ドスケベレスキューダ!!! エロカッコイー!!!!

リアン「あ、ああああ……ッ!!/////」

 ◆

リアン(その後、『過激な格好をした二人の女性が、海水浴場で溺れた子供を救助した』という噂が立った……)

リアン(残念ながら噂でもなんでもない事実なのだけれど……)

リアン(まあでも、私の水魔法が人を救ったのなら……良かった……)グスッ
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 19:58:19.33 ID:uejYnXGz0
―8月3週 夏休み
 部室

ルウェリア「アリムちゃんは、私の姉――ルウェイン・モースのことは何も知らないんだよね?」

アリム「前にも言ったけど、知らないわよ。データベースを探れば何か出てくるかもしれない……けど……」

ルウェリア「……魔鍵の下から離脱してくる時に破壊しちゃったんだっけ?」

アリム「し、仕方なかったのよ。そうしなきゃわたしがやられてた。この時代の法制度で言うところの正当防衛ってやつよ」

ルウェリア「いや、それを責める気はないけど……。うーん……何か、ほんの少しでも良いから手がかりがあればな……」

アリム「各フォルトを統括管理してるのは魔鍵だから、魔鍵なら何か知ってるかもね。もう聞ける間柄ではないけど」


―次の遺跡発見率[399/500]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+1)〈不壊〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+3、戦闘力+3、持続力+3)〈貫通〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+1)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+3)〈聖域〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)

☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉の手がかりを探す
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える

8月3週の行動です。夏休みです
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、何らかの特殊なイベントが発生することがあります
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 19:59:17.84 ID:SDUj6VRU0
生徒会長が部室を訪ねてくる
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 19:59:40.92 ID:SAXb87DF0
夏祭りに全員で行く
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 20:00:04.44 ID:8HLVubtv0
そういえばリエムが封印されてた場所はなんだったのかアリムに聞いてみる
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 20:01:31.44 ID:fWpXugFqO
>>512は安価連取だけどいいの? いつだかも連取してる人いたような気がするけど
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 20:05:26.13 ID:8HLVubtv0
連取は禁止ってことにはなってるね一応
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 20:10:22.56 ID:uejYnXGz0
>>512は連取りなので無効とします。自由安価あと一つ↓1
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 20:12:05.25 ID:kjwzJSOgO
肝試し開催
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 20:19:20.86 ID:wMvoI329O
しれっと連取してる人多いし>>1も気をつけて見ておかないと何かあったとき揉めそう
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 20:26:24.40 ID:8HLVubtv0
次の安価まで時間が開くから一度取ったの忘れちゃうのはあるかもしれない
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 20:52:43.94 ID:uejYnXGz0
普段は日を跨ぐことが多いので、IDの確認を怠りがちでした。申し訳ない
今後はIDをちゃんと確認する癖を付けないといけませんね
――――――――――――――――――――――――――――――――

―8月3週 某日
 海岸洞窟

 コツコツ…

リアン「そう、ここ。ここでリエムちゃんと出逢ったんだよ」

リエム「はい。わたしはここでリアンさまに起こしていただきました」

シャーロット「こんなところにも遺跡があったのね……!! 一体何の施設だったのかしら……!?」

アリム「海蝕が激しすぎて推測しづらいわね……。リエムは何も知らないの?」

リエム「はい……。わたしを安置していた時間凍結カプセルを調べれば何かわかるかもしれません」

シャーロット「時間凍結カプセル!!!?!?!? ま、また強烈な古代テクノロジーが……!!」

 ◇

―リエムが眠っていた部屋

リアン「ここ! ここの、あの、卵みたいな棺みたいな機械からリエムちゃんが起き上がったんだよ!」

アリム「……確かに時間凍結カプセルだわ。それも、かなり特別製の。部屋中がカプセルを維持する為の魔法陣になってる……」

リエム「…………」

シャーロット「……この部屋の外は限りなく天然の洞窟だったけど、この部屋だけ明らかに人工的ね。老朽化は進行しつつも、本来はかなり堅牢な作りをしていたように思えるわ」コンコン

アリム「…………そうね。多分、ここは――」

シャーロット「――シェルター、かしら?」

アリム「ええ。恐らくは。それも、時間凍結カプセルの稼働を前提としてそれ以外の一切の機能を省いた、ね」

リアン「誰かがリエムちゃんを、時間凍結カプセルに入れて何かから守ろうとした――ってこと?」

アリム「そうね。魔法人形が我が身可愛さで自分だけシェルターに引きこもるとも考えにくいし……」

シェルター「何か……というのはやはり、文明崩壊の原因となった何かかしら」

アリム「そう考えるのが順当ね。肝心の文明崩壊の原因はわたしにもわからないわ。データベースを調べようにも壊しちゃったし……」

リアン「ん? あ……!」

↓コンマ
01-90 カニだ!
91-00 ??
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 20:56:01.77 ID:8HLVubtv0
お?
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 21:16:07.41 ID:uejYnXGz0
カニ「チョキチョキ」

リアン「カニだ!」

アリム「そりゃカニくらいいるでしょうよ……。この部屋、馬鹿リアンが開けたっていう穴が開いてるんだもの」

シャーロット「ふむ……。誰かがリエムちゃんを守ろうとしていたというのが間違いなさそうね」

リエム「誰かが……わたしを……」

アリム「良かったわね、リエム。あんた、昔から主人には恵まれてたみたいよ。あんた一人の為だけにこんな特別製の施設を作るくらいだもの」

リエム「…………」



――
―――

???『りえむ? ―――、りえむ、しゅき!』


???『やらあ、やら、やら! りえむ、いっしょがいい……!!』


???『いつもありがとうね。―――の面倒を見てくれて』


???『もし、そんなことになったら……あなたは、海蝕洞のシェルターに避難してね』


???『貴殿も頃合いを見て、海蝕洞に避難するように』


???『任務了解――』

―――
――


リエム「…………」

リアン「リエムちゃん?」

リエム「!」

シャーロット「大丈夫?」

アリム「……断片化した記憶のフラッシュバックでも起きた?」

リエム「……はい」

アリム「消してしまったものはもう戻らないけれど……微かに残ってたなら、大事にしなさいね」

リエム「…………はい」

 ◆
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 23:03:38.27 ID:uejYnXGz0
―8月3週 某日
 東区 旧市街 夏祭り

 ワイワイ ガヤガヤ ピーヒョロロ ドンドコドンドコ

ルウェリア「リアンちゃん!」

ノルン「わあ……!」

サーナ「似合っていますわね……浴衣ッ!」

リアン「え、えへへ……そうかな……?」(E:碧色の浴衣)

サーナ「フフッ……わたくしと良い勝負ですわ!」(E:蒼色の浴衣)

ルウェリア「わ、私……おかしくないかな……?」(E:空色の浴衣)

ノルン「全然おかしくないよ! ふふ、みんなすっごい綺麗……」(E:淡黄色の浴衣)


リアン(私たちはその日、東区の旧市街で毎年行われるという大規模な夏祭りに来ていた)

リアン(なんでもここの地元の人たちは、この時期をオボン≠ニ言って慰霊や納涼を行うそうだ)

リアン(この夏祭りもその一環なのだという。私たち外様の学生もそれにあやかって夏祭りを楽しませていただく、というわけだ)

リアン(ちなみに私たちが着ているこの浴衣は、旧市街の呉服屋の方が毎年学生用に貸し出してくれている品だそうだ)

リアン(リエムちゃんとルルちゃんの分まで貸していただいて、頭が上がらない……)


 カラン…カラン…(下駄の足音)

リエム「リアンさま……わたしは、似合っていますか……?」(E:白百合の浴衣)

リアン「わあ……! すっごい似合ってるよ! 可愛いよ! 最高だよ!!」

ルル「ルルは? ルルは?」(E:黒百合の浴衣)

リアン「ルルちゃんも最高! 可愛いよ!!」

アリム「……ねえ、わたしたちのカラーリング……既視感があるんだけど」(E:赤百合の浴衣)

リアン「き、気のせいだよ!! アリムちゃんも可愛いよ! 最高!!」


リアン(私たち学生組も綺麗にキマってるけど、リエムちゃんたち遺跡組もバッチリ可愛くキマっている)

リアン(ふふ……夏祭り、良いね!)


↓1〜3 夏祭りでやること 自由行動終了後、肝試しイベントに移ります
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 23:06:49.57 ID:8HLVubtv0
珍しく白衣以外の姿で髪もボサボサじゃないエンシァン先生に遭遇(一応付近の調査ではあるらしい)
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 23:07:39.59 ID:8HLVubtv0
話題になった側から自分で取ったの忘れてた……御免なさい自分の分だけ下にずらしてください……
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 23:10:12.98 ID:Dni3v2ZtO
アリムがめちゃくちゃお菓子食べたそうに屋台をチラチラ見てる
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 23:21:13.64 ID:1gpxRnxEO
お菓子が気になるアリムやここの祭りが初めてのリアンにノルンが気にかける(本人的に楽しそう)
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/13(土) 23:24:49.11 ID:2BrPS469o
射的て勝負!
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 23:57:04.78 ID:uejYnXGz0
―屋台通り

りんご飴「」

わたあめ「」

プチカステラ「」

かき氷「」

アリム「…………」チラチラ

ノルン「アリムちゃん、何か食べたいのある?」ズイッ

アリム「わっ……! べ、別に……」フイッ

ノルン「ふふ、遠慮しないで。夏祭りはいろんなものを食べてこそだもの」

アリム「え、遠慮なんか……」

リエム「…………ノルンさま。アリムはまずりんご飴が食べたいそうです」

アリム「り、リエム!!」

ノルン「りんご飴だね。ふふっ、じゃあリエムちゃんの分も買ってきてあげるから」カラン


アリム「……余計な真似を」

リエム「……はしたない魔法人形だと思われたくないという気持ちは、わたしにもあります」

アリム「……?」

リエム「でも……リアンさまやノルンさまは、わたしたちが素直に甘えると喜ばれます」

アリム「だから……あんたみたいにあいつらに媚を売れって?」

リエム「…………媚まで売る必要はありません。でも……少しくらい、素直になっても――」

アリム「ハッ、御免だわ。最近確かにちょっと馴れ合い過ぎていたけれど、わたしは元々人間とは相容れぬ魔法人形だもの。そろそろそこら辺の線引きを――」

ノルン「お待たせ! はい、アリムちゃん、リエムちゃん」スッ

りんご飴「」キラキラ…

アリム「線引き、を……」

リエム「ノルンさま……ありがとうございます。いただきます」スッ ペロッ

リエム「…………美味しい、です……」ニコリ

アリム「っ……し、仕方ないから今回は貰っといてやるわ! 今回だけね!!」ヒョイ ペロペロ

アリム「……甘酸っぱくて……わ、悪くないわね……」

ノルン「ふふ、アリムちゃんの悪くないは、とても美味しい――だったよね」

アリム「あああ! もう! 馬鹿リエム!! 馬鹿! 美味しいわよ!」ペロペロペロペロ

 ◇
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/13(土) 23:58:53.88 ID:uejYnXGz0
リエム「キャッキャ」

アリム「ギャーギャー」


リアン「ふふ、リエムちゃんとアリムちゃん……すっかり仲良くなったみたい」

リアン「……それで、ええと……つまり、お祭りっていうのは食べ歩けば良いの?」

ノルン「それも良いけど、他にも型抜きとかボールすくいとか射的もあるよ」

リアン「射的はなんとなくわかるけど……型抜き? ボールすくい……?」

ノルン「実際に見てもらった方が早いかなあ。行ってみよ!」ぎゅっ

リアン「あっ……」

リアン(手、握っちゃった……! ノルンさんの手……あったかい……)


リアン(そうしてノルンさんに連れられて型抜きやらボールすくいやらを見せてもらった)

リアン(大体わかった)

リアン(流石に水魔法を使ってボールすくいとかをするのはズルすぎるから……)

リアン(私が挑戦するのは――型抜きだ!!!)


↓1 リアンの戦績
01-10 全敗……
11-40 やさしい型抜き成功
41-70 むずかしい型抜き成功
71-90 むずかしい型連勝
91-00 型抜き名人
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 00:02:10.34 ID:nc+uh7d6o
はい
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 00:19:07.89 ID:jUj14TsR0
リアン「…………」チクチクチク

ノルン「…………」チクチクチク

リアン「………あ」パキッ

リアン「〜〜〜ッ!」

ノルン「り、リアンちゃん……! 負けないで……!」

リアン「う、うん……! おばさん、もう一回……!!」

屋台のおばさん「あいよ」チャリン

 ◇

リアン「…………」ドキドキ

リアン「…………!!」パリッ…

リアン「で、できた……! できたよ……! 一番かんたんなやつだけど……!!!」バッ

ノルン「わあ……やったね、リアンちゃん!」

屋台のおばさん「おめでとう、お嬢ちゃん!」

リアン「でも……すっごい苦戦しちゃった……」

屋台のおばさん「初めてならそんなもんさ。名人様だって初めはど素人から始まったんだよ」

リアン「おばさん……!」

ノルン「ふふっ……お祭り、楽しいな……」

 ◇
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 00:19:34.63 ID:jUj14TsR0
リエム「――」モグモグ

アリム「――」モグモグ


リアン「――」チクチクチク

ノルン「――」チクチクチク


サーナ「みんな食べ歩きやら型抜きに熱中しておりますわね」

ルウェリア「私たちはどうしよっか?」

ルル「ルル射的やりたい!」

ルウェリア「射的! せっかくだし私もやってみたいかも!」

サーナ「フフ……二人とも、なかなか良い目の付け所ですわね。良いですわ! 射的で勝負ですわよ!!」



サーナ「一回の挑戦で得られるコルクバレットは五発! 景品にはランクがあるようですし、高い棚のものほど得点が高いということにしましょう!」

屋台のおじさん「嬢ちゃんたち、学院の学生さんだろ? ウチは魔法使用可だから存分にやってくれ! ただし銃は壊さないでくれよな!!」ガハハ

ルウェリア「魔法使用可……! フッ、それならこの勝負私が貰っちゃったかも」

サーナ「あら、強気ですわね? わたくしの風魔法も軽いコルクバレットとは相性バツグンでしてよ?」

ルル「んー……魔法かあ。やるだけやってみよ」

↓勝敗 コンマ一桁
1-3 ルウェリア
4-6 サーナ
7-9 ルル
0  通りすがりのエンシァン
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 00:20:54.20 ID:C7lthZ0N0
えい
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 00:20:54.23 ID:paPlEqIZ0
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 00:21:50.03 ID:yoqo5qbmO
まさかのせんせえ!
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 00:50:08.59 ID:jUj14TsR0
サーナ「まずはわたくしから! 風で弾道の通り道を作って――それ!」パァン

 スカッ…

サーナ「あ、あら……? こ、コルクが軽すぎて調節が難しいですわ!!」

 パァン パァン パァン パァン
  スカッ  スカッ  スカッ  スカッ

サーナ「……ぬかりましたわ……」(0点)

 ◇

ルウェリア「フフッ、サーナさんがあれなら私の勝ちだね。柔らかいコルクを硬化させて、あの一番大きなぬいぐるみを――」パァン

 ポフッ…

ルウェリア「えっ……あ、当たったのに落ちない……!?」

屋台のおじさん「ガハハ、落とせなきゃ0点だぜ!」

ルウェリア「クッ……それなら、落ちるまで当てるだけ!!」

 パァン パァン パァン パァン
  ポフッ ポフッ ポフッ ポフッ

ルウェリア「そ、そんな……! こ、こんなのイカサマだ!」(0点)

屋台のおじさん「ガハハ、損切できなかった嬢ちゃんの負けだぜ!」

ルウェリア「く、くう……やっぱり、大人って……!!!」ギリリ

 ◇

ルル「んふふ……ルル、良いこと思いついちゃった……」

屋台のおじさん「ほう。何でも試してみな?」

ルル「ルルの属性は土。だから、コルクに土を混ぜて重くすれば、あのでっかいぬいぐるみも――落ちる!」パァン

 ポテッ…

ルル「あれ……? 弾が……」

屋台のおじさん「重すぎて途中で落ちちまったみてえだな。そんな火力はねェんだ、その銃」

ルル「むー……!! だったら――」シャキン

屋台のおじさん「えええ!? わー何すんだ!! そんなの反則だ! 嬢ちゃんは反則負け!!」

ルル「むむー!!!!」(0点)

 ◇

「フン、遺跡探索部の精鋭ともあろうお前たちが、なんと無様なことか!」

ルウェリア「そ、その声は……!」

サーナ「まさか……!」

ルル「エンしゃん!!!」

エンシァン「フッ、あとはこの私に任せておけ」ザッ

 ◇
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 00:51:10.91 ID:jUj14TsR0
エンシァン「私の魔法のちょっと特殊な使い方を見せてやろう。まずは銃の前の空間を……ほいっと」ガオン!

エンシァン「そしてすぐに撃つ!」パァン

 ダン! トサッ…

屋台のおじさん「なっ……!?」

ルウェリア「た、弾が……消えたと思ったら、一瞬で命中していた……!!?」

ルル「???」

サーナ「い、一体何をしたんですの!?」

エンシァン「フッ……空間を掘った≠だ。掘って無となった空間は、無だからその距離はゼロに等しい――つまり」ガオン!

 パァン! ダン! トサッ

エンシァン「実質ゼロ距離射撃が可能となるわけだ!」

ルウェリア「わけがわかりません!」

サーナ「わかるように説明してくださいまし!」

ルル「?????」

 ◇

エンシァン「わっはっは! 射的勝負は私の勝ちというわけだな!!」(15点満点)

ルル「むー!! エンしゃん、ずるい!」

エンシァン「なんとでも言え! 魔法使用可というルールにしたのは射的屋のオヤジだ!」

サーナ「くぅ……全く持ってその通りすぎて何も言い返せませんわ……!」

ルウェリア「……先生、さっきの魔法の使い方、今日初めて見たんですけど……」

エンシァン「そりゃ私自身つい最近ようやく完成させた技だからな」

ルウェリア「えっ!?」

サーナ「本当ですの!?」

エンシァン「フッ、祭りは始まったばかりだ。楽しめよ、お前たち」スタスタ

 ◇

エンシァン「……つつ、やはり空間掘削は消費が重いな……」フラッ

エンシァン「…………だが、この前ルルたちに前線で体を張ってもらって、私は何もできなかった……」

エンシァン「鍛え直さねばなるまいよ……! 年長者としてな……!!!」

 ☆エンシァンの能力が大きく成長しました
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 00:53:46.33 ID:jUj14TsR0
本日はここまで
次回、肝試し編です。お楽しみに
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 00:57:01.78 ID:Yxbz45Zuo
おつ
エンしゃん先生(やったことは置いといて)かっけぇな……
出来ることを突き詰めて行った姿勢は手本となる大人の鑑
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 10:32:41.28 ID:jUj14TsR0
本日の更新の前に、敵として登場する人造種を2人募集します
ただし今回は、聖鍵、インテリジェンスソード純粋種、エピタフ型などの強力な種は禁止とします
物語の性質上、ひどいめに遭う可能性がとても高いです。ご了承の上お願いします

【名前】
【種族】(魔法人形やインテリジェンスソード等の人造種)
【性別】女
【学年】該当なし
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意とする属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)

↓1〜2 敵キャラクター
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 11:02:19.96 ID:PkGE5Ua7o
【名前】スイス
【種族】部分型インテリジェンスソード
【性別】女
【学年】該当なし
【容姿】片腕が剣になっていて変形がてきないタイプのインテリジェンスソード。元は綺麗な銀髪だったと思われるが現在はくすんで所々錆も浮いている。瞳も濁っていてよく見えてない様だ。サイズはルル以下。
【性格】人間様のお役に立つ事が第一。ただ回路が劣化しているのか、すーぐ周囲(特に人造種)を敵認定して襲いかかる
【魔法】弱い電撃を操る
【備考】セリフにカタカナが交じる
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 11:09:00.65 ID:9gU+jC2CO
【名前】クロリア
【種族】魔法人形
【性別】女
【学年】該当なし
【容姿】薄い朱色のロングストレートに、女性としてはやや高めの身長
端正が取れたスタイルの良い美少女
エプロンドレスを着ている
【性格】良くも悪くも真っ直ぐで前向き、一途。情が深く感情豊か
【魔法】状態固定(物質を年月で風化させず、状態をたもち続ける)
【備考】自らを作り出した主人を心底慕っており、はるか昔になくなった主人の住み家兼、魔法人形の工房を今なお守り続けている
主人はなくなる前に彼女に自由に生きるように伝えており、守り続けているのは彼女自身の望みである
メンテナンスや家事は得意だが、戦闘能力はそこまで高くない
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 11:22:45.06 ID:jUj14TsR0
素敵なキャラクター案をありがとうございます。割とすぐ登場することになると思います。よろしくお願いします
――――――――――――――――――――――――――――――――

―8月3週 某日 夜
 東区 町外れ

 ドンドコドンドコ ピーヒョロロ…

リアン(このお祭りでの民族音楽が、遠くに聞こえる)

リアン(私たちはお祭りの最中で合流したシャーロット准教授の提案で、『肝試し』なるものをやることになった)

リアン(何でも、こういうひとけのない町外れとかじゃなければできないことらしいが……)


シャーロット「よーし、じゃあルールを確認するわよ! まずくじ引きで二人組のペアを作る! ペアができたら、ペアごとにこの道の先にある小さな祠に置いたお題箱から紙を一枚取るの! 紙にはちょっとした命令が書いてあるから、そこでそれを実行して、後は帰るだけ! ね、簡単でしょう?」

ルウェリア「聞いた感じなら特に難しいものじゃなさそうですけど……お題、というのは?」

シャーロット「お題もみんなで書いていきましょう! 内容は、危険なこととか強要させられたら嫌なことじゃなければ何でも良いわ。でも普段ならちょっとやりにくいようなことだとベターね」

ルル「普段ならやりにくいこと……?」

サーナ「魔法を使わずにバック宙をキメる、とかですの?」

シャーロット「そういうのはできない人もいるからダメ! というかここで言っちゃだめよ、お題は見るまでのお楽しみなんだから」

ノルン「とは言っても、どういうことを書けば良いのか……」

シャーロット「そうねえ……例えば、好きな人の名前を叫ぶ……とか?」

アリム「……それは強要させられたら嫌なことに該当するんじゃないの? ていうか好きな人がいなかったら実行できないじゃない」

シャーロット「あ、そっか! まあとにかくそんな感じよ。最悪実行できなくても良いの。ペアの二人で盛り上がれたら成功だから」

リアン「あはは……まあそれくらいのルーズさの方が気楽で良いですね」

サーナ「最悪実行しなくても良いならちょっと際どいのを書いても良いかもですわね!」

 ◇

シャーロット「よし、みんなお題は箱に入れたわね? じゃあここからはペア決めよ! この割り箸で作ったクジを引いて、同じ数字の人がペア相手よ!」

リアン「だ、誰になるかな……」ドキドキ

シャーロット「ちなみに私とペアになった人は私やエンちゃんと一緒に裏方に回ってもらいます! ごめんね!」

ルウェリア「エンシァン先生もいるんですか?」

シャーロット「フフ……エンちゃんは盛り上げる為の準備に取り掛かってるところよ」


↓1 リアンのペア
01-15 リエム
16-30 ルウェリア
31-45 サーナ
46-60 ノルン
61-75 ルル
76-90 アリム
91-00 シャーロット
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 11:28:58.49 ID:C7lthZ0N0
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 11:36:00.23 ID:jUj14TsR0
リアン「私は……1! 他の1の人は……」

ノルン「あ、私も1! よろしくね、リアンちゃん!」ギュッ

リアン「う、うん……! ノルンさんが一緒なら心強いな……」

リエム「ノルンさま……リアンさまをどうか、よろしくお願いいたします……」ペコリ

ノルン「うん、任せて。リアンちゃんのことは、私がしっかり守るから……!」

リアン「ところでリエムちゃんの番号は?」

リエム「わたしは……」


↓1 リエムのペア
01-20 ルウェリア
21-40 サーナ
41-60 ルル
61-80 アリム
81-00 シャーロット
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 11:49:42.62 ID:vs1MeT5kO
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 11:58:45.52 ID:jUj14TsR0

アリム「わたし2なんだけど、他の2は誰よ?」キョロキョロ

リエム「…………」

リアン「……リエムちゃん?」

リエム「…………わたしも2です」

アリム「…………」

リエム「…………」

アリム「まあ……よろしく」

リエム「はい……よろしくお願いします」



シャーロット「ふふ、可愛い組み合わせになってきたわね。はい、ルウェリアちゃん」

ルウェリア「はい。さて、私は……」

↓1 ルウェリアのペア
01-33 サーナ
34-66 ルル
67-00 シャーロット
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 12:10:00.98 ID:C7lthZ0N0
てい
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 13:04:19.12 ID:jUj14TsR0
シャーロット「ルウェリアちゃんのペアは4番……つまり私ね!」

ルウェリア「は、はあ……」

シャーロット「……ほ、ほんとにごめんね?」

ルウェリア「いえ、シャーロット准教授にはいつもお世話になってますから。お返しさせてください」

シャーロット「くぅ、良い弟子を持ったわ……!! ルウェリアちゃん、大好きよ……!!!」

ルウェリア「弟子になった覚えはないんですが……」



ルル「3ばん!」

サーナ「わたくしですわ!」

ルル「サーナ!」トテトテ

サーナ「ふふっ、よろしくお願いしますわ。ルル」

ルル「ん!」

サーナ「それにしてもルルとは不思議な縁がありますわね」

 ◇

シャーロット「じゃあみんな、ペアはできたわね! それじゃあ裏方役の私とルウェリアちゃんがまず向かうから、10分後に1番のリアノルペアが祠へ向かって頂戴ね」

アリム「2番以降はいつ向かえば良いの?」

シャーロット「1番ペアが戻って来たら! じゃあ行くわよ、ルウェリアちゃん!」

ルウェリア「はい!」

 ◇

―東区 林道

 ザァァァ…
 スタスタ…

シャーロット「さて……肝試しの成否は私たち裏方にかかっていると言っても過言ではないわ」

ルウェリア「裏方って何をするんです?」

シャーロット「ふふ……これから来るペアの子たちを驚かし、怖がらせるのよ」

ルウェリア「え、ええ……!? な、なぜ……?」

シャーロット「それが肝試しの本質だから、よ。怖い思いをしながら手を取り合って、一つの目的に向かい邁進する二人……肝試しを終える頃には、二人の間に淡い感情が芽生え――……」

ルウェリア「ええ……」

シャーロット「まあつまり、ちょっとしたハプニングを楽しもうってこと! ふふ、面白そうでしょ?」

ルウェリア「ハプニングなら遺跡探索で十分間に合ってるんじゃ……」

 ◇
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 13:14:23.90 ID:jUj14TsR0

リアン「…………」

ノルン「……10分経ったね……。じゃあ、行こっか」

リアン「う、うん。じゃあ行ってきます!」

リエム「行ってらっしゃいませ、リアンさま」ペコリ


―林道

 ザァァァ

リアン「………な、なんか……暗くて、怖い……」

ノルン「大丈夫……私が一緒にいるから、何かが出てきても平気だよ」

リアン「そ、そうだね……。ノルンさんの光魔法があれば、闇なんて怖くないよね」

ノルン「うん! でも、基本的には前方を少し照らすくらいの明かりしか点けちゃいけないらしいから、それは守らないとね」

リアン「なんでだろ……」

ノルン「これは私の推測なんだけど――」

 ギーギー!! バサバサバサッ!

リアン「ひっ!」ギュッ

ノルン「大丈夫……ただの鳥みたい」

リアン(あっ……怖すぎて、ノルンさんにしがみついちゃった……)

リアン「ご、ごめん……いきなり、しがみついちゃって……」

ノルン「ううん。リアンちゃんなら、いつでもしがみついて良いよ。手、つないでこ?」

リアン「う、うん……!」ギュッ


 スタスタ…

ノルン(……肝試しをやる意味、多分わかっちゃった)

ノルン(リアンちゃんみたいな子を怖がらせて、ペアの人に頼らせるっていう割と悪趣味な遊びなんだ、これは……!)

ノルン(でも……その悪趣味さがもたらした恩恵を今まさに私も享受している以上、私は何も言えない)

ノルン(だって……私にしがみつくリアンちゃん……すっごい可愛いんだもん……!!!)

 ◇

エンシァン「…………」

シャーロット「…………」

ルウェリア「…………」

エンシァン「あいつらは放っておいても良いんじゃないか?」

シャーロット「……そうね。鳥の声くらいで涙目になっちゃうリアンちゃんに、これ以上何かするのは酷だわ……」

エンシァン「ノルンくんも満更でもなさそうだったしな……ククッ」

ルウェリア「むむ……私もリアンちゃんにしがみつかれたいかも……」

 ◇
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 13:15:33.10 ID:jUj14TsR0
―祠

ノルン「ここだね……」

リアン「な、なんか出そう……。雰囲気ありすぎだよぉ……」

ノルン「祠って大体は神聖なものを祀ってるから、何か出るとしても悪いものは出ないと思うよ」

リアン「そ、そうなんだ……。流石だなぁ、ノルンさん……」

ノルン「ふふっ、光魔法と聖性ってけっこう密接に関わってるから」

リアン(流石は勉強熱心で努力家のノルンさんだ。私も水魔法周りのこと、もっとちゃんと勉強しようかな……)

ノルン「それで、確かこのお題箱から紙を一枚取るんだよね」

リアン「うん。書いてある命令を実行するって。最悪実行しなくても良いらしいけど」

ノルン「とりあえず引いてみよっか。えいっ」


↓1 お題
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 13:25:03.06 ID:uTIfxaXGO
地面に自分のスリーサイズを記入
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 13:53:54.33 ID:jUj14TsR0
お題「地面に自分のスリーサイズを記入」

リアン「…………」

ノルン「…………」

リアン「シャーロット准教授かな、これを入れたのは……」

ノルン「どうだろう……。サーナさん辺りがふざけて入れた可能性も……」

リアン「…………ど、どうする?」

ノルン「……スリーサイズを記入しろとしか書いてないから、数列だけ書こ」ガリガリ

リアン「あそっか。それなら、知らない人から見れば何のことかわかんないもんね」ガリガリ

ノルン「そうそう。言われたことだけやっとこ」ガリガリ


地面「895788」

地面「835681」


ノルン「よし、帰ろ!」

リアン「うん!」

リアン(ノルンさん……やっぱりおっきいんだなあ……)

 ◇

ノルン「ただいま戻りました」

リアン「ただいまー、帰ったよー」

リエム「リアンさま……!」トテトテ

リアン「リエムちゃん。暗くて怖かったけど、ノルンさんと一緒だったから大丈夫だったよ」

リエム「リアンさま……ご無事で、何よりです……。ノルンさま、ありがとうございました」ペコリ

ノルン「あはは、もう大げさだなあ。ただ行って帰ってきただけだよ?」

アリム「……? まあいいわ。わたしたちも行くわよ、リエム」ザッ

リエム「はい。それではリアンさま、わたしも行って参ります……」ペコリ

リアン「行ってらっしゃい! 暗いから、リエムちゃんとアリムちゃんも気を付けてね……!」

 ◇
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 14:57:30.52 ID:jUj14TsR0
―林道

 ザァァァ…

アリム「……」スタスタ

リエム「……」トコトコ

アリム「…………あんた、体の調子はどう? 変なとことかない」スタスタ

リエム「はい。正常に動いています」トコトコ

アリム「そう。なら良いわ」スタスタ

リエム「はい」トコトコ

アリム「…………」スタスタ

リエム「…………」トコトコ

アリム「…………学習は進んでる? わたし謹製の魔法人形強化メニューはちゃんとこなしてるかしら」スタスタ

リエム「はい。リアンさまとの生活に支障が出ない範囲で、毎日少しづつ最適化を進めています」トコトコ

アリム「そう。別に急ぐ必要はないわよ。あんたは物理的には初期装備のままだもの、限界はあるわ」スタスタ

リエム「はい」トコトコ

アリム「…………」スタスタ

リエム「…………」トコトコ

アリム「…………気にかかることとか、心配なことはない? 情緒機能が活性化されたあんたは不安やストレスの影響を受けやすいわ。精神面の不調は全体的なパフォーマンスの低下に繋がる。困りごとがあったら一人で抱え込まないようになさい」スタスタ

リエム「…………では、申し上げます……。わたしは……リアンさまのことが、心配です」

アリム「……心配するなと言う方が難しいわね、あいつの場合」

リエム「はい……。遺跡には、魔鍵や黒髪のエピタフ型など……リアンさまに害をなそうとする謀略が渦巻いています。わたしは……魔法人形の分際で、こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが……リアンさまに、遺跡から手を引いて欲しいです……」

アリム「………あんたが言えば、案外素直に引いてくれるんじゃないの? ちょろっと泣き顔見せればイチコロだと思うわ」

リエム「しかし……リアンさまは、遺跡で活動することを志しておいでです。遺跡探索部の皆さまと一緒にいらっしゃる時も、とても楽しそうです。わたしの我儘で、それを断ち切ってしまうのは――…」

アリム「……それをすればきっと、あんた自身も後悔することになるんでしょうね」

リエム「………はい」

アリム「はあ……難儀なものね……。それじゃあやっぱり、リアンから目を離さず守り抜くしかないわ。わざわざ言わなくてもわかってると思うけど」

リエム「はい。わたしが、リアンさまをお守りいたします」

アリム「……ま、わたしも可能な範囲で見といてやるわ。あの馬鹿リアン、目を離すとすぐ死にかけるんだもの。こっちだって気が気じゃないわよ」
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 14:58:39.13 ID:jUj14TsR0

 スタスタ… ヌチャッ 

アリム「ん? なんかぬかるんで――わっ!」ドロロ…

リエム「地面が液状化して――ひゃっ!」ピト

アリム「リエム!? くっ、刺客か!? どこから――ひあああ!!!」ズルルッ コテッ

リエム「アリム! っ――林ごと、焼き払う――!」キィン―


ルウェリア「わー!! わーわー!! ご、ごめんごめんごめん! 私たちだから!!」ドタドタ

リエム「ルウェリアさま!」

エンシァン「や、焼き払わないでくれ! すまなかった!」ドタドタ

シャーロット「ご、ごめんね!? キュア!」ポウ

アリム「いたた……な、何なのよ……」ポウ…

 説明中……

アリム「肝試しって、そういう……」

シャーロット「事前にちゃんと説明してなかった私のミスだわ。ごめんね……」

アリム「ったく……ある意味最悪に怖かったわ。魔鍵か何かからの刺客かと思ったじゃない」

シャーロット「ど、どうする? 続ける?」

アリム「まあ良いわ、続けましょう。リエムもそれで良い?」

リエム「はい。異存はありません」

 ◇

―祠

アリム「で、ここがその祠ってやつね」

リエム「お題箱から、一枚の紙を引き抜くそうです」

アリム「フン。下らないお題だったら無視して帰るわよ」ガサッ

↓1 お題
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 14:59:45.20 ID:INY+NFCN0
相方のほっぺにチューする
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 15:01:36.17 ID:PkGE5Ua7o
いいぞ!いいぞ!!
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 15:30:00.17 ID:jUj14TsR0
お題「相方のほっぺにチューする」

アリム「…………」

アリム「帰るわよ、リエ――」

 ちゅっ

アリム「――――……」

リエム「…………どうぞ」スッ

アリム「〜〜〜ッッ!!//////」

リエム「……??」

アリム「馬鹿! 馬鹿リエム! なんでそう軽率にチューなんてするのよ!! 馬鹿!!!///」

リエム「……? お題に書いてあったので」

アリム「なんでそういうとこだけ魔法人形らしいままなのよ!!? もう!!///」

リエム「……??? アリムもどうぞ」ススッ

アリム「…………わ、わかったわよ……! してやるわ! チューくらい……!」

 ちゅっ…

リエム「―――……」ポー

アリム「……//////」ササッ

リエム「……?//」

アリム「な、何よ……あんたも赤くなってんじゃない……///」

リエム「……あ……体温が、上がっています……//」

アリム「だ、誰よこんなの入れた奴は……ほんとにもう……///」

リエム「…………//」

リエム(……? リアンさまに感じるのとは別の、未知の感情を知覚……)

リエム(…………アリム……?)

アリム「……帰るわよリエム! ぼけっとしてないで!//」

リエム「あ――はい……//」

 ◇
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 16:02:46.66 ID:jUj14TsR0
アリム「も、戻ったわよ……//」

リエム「ただいま戻りました、リアンさま……//」

リアン「おかえりなさい……! あれ、二人ともなんだか顔が赤い……?」

アリム「な、なんでもいいでしょ……! ほら、次は3番よ//」

サーナ「ええ、待ってましたわ! 行きますわよ、ルル!」ザッ

ルル「ん!」ストッ

 ◇
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 16:03:44.76 ID:jUj14TsR0
―林道

 ザァァァ

 スタスタ… トコトコ…

サーナ「暗いですわね……。ルルは暗いのは平気?」

ルル「ん。前は野宿してたもん」

サーナ「わ、ワイルドですわね……。あ、だから道端で平気でお昼寝できるんですのね!」

ルル「んー? まあ、そうかも」

サーナ「これは頼りになりますわ! わたくしも苦手なわけではありませんが……」

 ギーギー!! バサバサバサッ

サーナ「なかなか……雰囲気がありますし。この林は……」

ルル「ふいんき?」

サーナ「雰囲気、ですわ。いかにもおどろおどろしい何かが出てきそうという意味ですわよ」

ルル「おどろおどろしー?」

サーナ「そうね、例えば――ボサボサの真っ白な髪を振り乱した――」

 ガサッ

ボサボサの真っ白な髪を振り乱した人「アァァァ…………」ジリ ジリ…

サーナ「…………」

ルル「…………」

サーナ「で、で、で……出ましたわァァァ!!!」ドタドタ

ルル「きゃーッ!!」タタタッ キャッキャッ

 ◇

―祠

サーナ「はァー、はァー……!! な、何だったんですの……アレは……!!?」

ルル「ちょっとエンしゃんに似てた」

サーナ「ルル……いくら白いボサボサ髪だからって、何でもかんでもエンシァン先生扱いするのは感心しませんわ」

ルル「えー? だって寝起きのエンしゃん、いつもあんな感じだもん」

サーナ「…………まあ、いつも身だしなみを整えないエンシァン先生に非がありますわね、これは……」

ルル「ん、エンしゃんが悪い」

サーナ「それにしてもこの森、一体何なんですの……? あんな妖怪が潜んでいるなんて……。これは速くお題を済ませてみんなに報告した方が……」

ルル「? サーナ、これ。見て」クイクイ

サーナ「な、何かしら?」


地面「895788」

地面「835681」


サーナ「ひっ……! な、なんですの、この文字列は……!? 何かの暗号……!? 呪いの儀式の跡……!!? い、いや……!!」ガクブル

ルル「……サーナ、大丈夫?」

サーナ「……! え、ええ。大丈夫ですわ……! ルル……あなたが心配することは何一つないんですのよ……!!!」

サーナ(そうですわ……わたくしが不安がっていては、ルルも不安になってしまう。わたくしは、強気に胸を張っていなければ……!!!)

サーナ「よ、よし! それではお題をこなしてさっさと帰りますわよ!!」ガサッ

↓1 お題
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 16:18:32.46 ID:cG5yyNZMo
帰り道の間二人で肩を組んで帰る
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 17:07:43.45 ID:jUj14TsR0
お題「帰り道の間二人で肩を組んで帰る」


サーナ「か、肩を組んで……!? あの森で移動速度を落とすのは危険すぎますわ……!! しかも……」

ルル「?」

サーナ「わたくしとルルでは、身長差がありすぎて……わたくしが腰を落とさなければ肩を組めませんわ……! そんなことをしていたらあの妖怪に……ううっ……!」

ルル「……お題、むずかしそう……? サーナ、無理しちゃだめだよ……?」

サーナ「…………」

サーナ(いいえ……。ここで引き下がるのは女が廃るどころではありませんわ。しかもルルに気を遣わせるなんて無様にも程がありましてよ)

サーナ(かくなる上は――)

 ザッ!

サーナ「ルル! わたくしの肩に跨がりなさいまし! 肩車をしますわ!!」

ルル「え? お題は肩を組む、だけど」

サーナ「似たようなものですわ! さあ、早く!!」

ルル「ん!!」ピョン

サーナ「んっ……! よし……飛行魔法――」フワッ

ルル「わっ……!」

サーナ「出ますわ! 飛ばしますわよッ!!!」バビュン!!

ルル「きゃーっ!!!」キャッキャ

 ◇

―東区 町外れ

 ギュォォォ―― ズザザザザッ!!

サーナ「はァー、はァー……!! 3番ペア、帰還いたしましたわ!!」ザッ

ルル「サーナ、すごかった! ふわってして、びゅーんって!!」キャッキャ

リアン「ど、どうしたのそんなに凄い勢いで……!」

サーナ「皆さん!! あの森には真っ白な髪を振り乱した妖怪が潜んでおりますわ! 祠に怪しげな呪術の文言まで書いてありましたの!! 早く専門家を呼んで退治していただかないと――」


「フッ、その妖怪とは私のことか?」スタスタ

リアン「あ、あなたは――」

サーナ「まさか――」

ルル「エンしゃん!!!」

エンシァン「まさかあれほど怖がってくれるとはな!! 恥を捨てて妖怪に扮した甲斐があったというものだ!!!」

ルル「やっぱりエンしゃんだったんだ!」

サーナ「ま、まさか本当に……エンシァン先生……?」ヘタリ

シャーロット「その文字列というのも……多分私のお題でどこかのペアが書いたものね……」スタスタ

サーナ「う……ぐすっ……ふぐっ……。ひ、ひどいですわ……。わたくし……わたくし……」エグエグ…

ルル「あー! エンしゃんがサーナ泣かした!」

ノルン「さ、サーナちゃん。大丈夫だよ……。はい、ハンカチ……」

ルウェリア「ご、ごめん……。私も、ここまでとは思ってなくて……」

 ◇
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 17:46:47.30 ID:jUj14TsR0
―夏祭り 花火大会

 ピュ〜〜〜…… ドンッ―― パラパラパラ…

リアン「わあ〜……すごい花火!!」

ルウェリア「凄いよね。私も去年初めて見た時は感動したよ」

シャーロット「ユリトー魔法女学院もここの花火には技術協力してるんですって」

エンシァン「火薬と魔法を融合させた世界有数の花火……だそうだ。私は関わってないから知らんがな」

リアン「へえ〜。なんか凄いんですねえ」

ノルン「火魔法だけじゃなくて光魔法も使ってるんだって。一度尺玉の中身を見てみたいなあ……」

サーナ「グスッ……。ええ、本当に……綺麗ですわ……」

ルル「サーナ、元気出して。ルル、楽しかったよ?」

サーナ「ルル……! ふふ、ありがとうございますわ……」


リエム「…………」

アリム「……リエム。あんたも気付いた?」

リエム「……はい。私たち以外の人造種の、魔力反応です」

アリム「数は……3? フォルトからはぐれた野良人造種の可能性もあるけど、警戒しておきましょう」

リエム「エピタフ型の可能性は?」

アリム「検出された魔力パターンに例のエピタフのものはなかったわ。でも念の為――」


 ピュ〜〜〜…… ドンッ――――

アリム「――ッッ!!! 防護魔法が使える奴は頭上で今すぐ展開してッ!!!」

 エッ ボウゴマホウ? イキナリイワレテモ…

リアン「バブルバリア・ラージ!!!」ボワァン…


リアン(アリムちゃんの言葉を聞いて急いで特大バブルバリアを頭上展開した直後――)

リアン(天から、火の雨が降り注いだ――)

 ◇
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 18:29:49.02 ID:rnpIe5LlO
この世界って科学技術は発展してるのかな? スマホとかその辺あるのかとか、ある場合動力は何なのかとか気になる
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 20:55:47.38 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場 どこか

 キャアァァァァ!! アツイヨォォ!! ヤダァ!! タスケテエエエエ!!


朱の魔法人形「…………」

量産剣「……不服か?」

朱の魔法人形「……いいえ。私たちの家を、守る為ですもの」

くすんだ銀剣「…………」ボー

量産剣「お前は……」

くすんだ銀剣「……これデ……人間さまを……まも、レる……?」

朱の魔法人形「…………」

量産剣「…………ああ。守れるよ」

くすんだ銀剣「ほン、と……? 良カった……」ニコリ

朱の魔法人形「…………」

量産剣「――何もわからないなら――わからないままでいる方が、良い」

朱の魔法人形「そんな、こと……!」

量産剣「ないと、銀色の前で言えるのか?」

朱の魔法人形「っ……」

量産剣「私たちは使い潰されるだけの消耗品。余計な情報はなければないほど良い」

朱の魔法人形「そんな……そんなの……っ」

量産剣「……ああ。そういえばお前さんは、名前持ち≠セったか」

朱の魔法人形「………」

量産剣「いや、嫌味とかじゃないんだ。ただ……私とは、多分見えている世界が違うのだろうと、思っただけで」

朱の魔法人形「……わかっています。お気になさらず」

くすんだ銀剣「朱色さん、名前、アるの……?」

朱の魔法人形「はい……。ご主人さまから頂いた、大切な名前が……」

くすんだ銀剣「知りタい」

朱の魔法人形「……クロリア、です」

くすんだ銀剣「クロリア……。きレい……」

クロリア「ありがとう……銀色ちゃん」

くすんだ銀剣「……銀いろも、なマえ、ほしイ……」

量産剣「…………」
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 20:56:34.64 ID:jUj14TsR0
クロリア「……だったら……自分で、付けてみるのはどうでしょう……?」

くすんだ銀剣「ジぶん、で……?」

クロリア「はい。自分自身で――自分を、再定義して――」

くすんだ銀剣「じゃア――……銀いろハ……スイス!」

クロリア「スイス?」

スイス「うん……。由来は……特ニないケど……」

量産剣「……良いんじゃないか。悪くない響きだ」

スイス「ありガとう……。そウダ、量産さンも……」

量産剣「私はこのままで良い。気に入ってるんだ。量産型インテリジェンスソードって名前が」

スイス「そウなの……? じゃア……量産サん!」

量産剣「ははっ、変わってないな」

クロリア「…………本当に、良いのですか?」

量産剣「重荷になるだけだ。私はこのままで良い」

量産剣「それに――」

量産剣「一人くらい、捨て駒がいた方が戦いやすいだろう?」

 ◆
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:01:12.68 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場

 キャアァァァァ!! アツイヨォォ!! ヤダァ!! タスケテエエエエ!!

リアン(夏祭り会場は、一瞬にして地獄絵図へと変わった)

リアン(みんなが楽しんでいた花火が――無慈悲な火の雨に変わり、地上へと降り注いだからだ)

リアン(私の周辺はバブルバリアのお陰でほとんど被害はなかったけれど――)


シャーロット「回復魔法が使える人は速やかに負傷者の手当を! 重症者は病院へ運んで!! リアンちゃんは消火を優先!!」

ノルン「は、はい!」

リアン「わかりました!」

シャーロット「ルウェリアちゃんの魔法は消火に使える!?」

ルウェリア「燃えている物体を硬化させて燃焼反応を止めれば――!!」

サーナ「風魔法も真空を作って消火できますわ!」バッ

エンシァン「私も燃焼中の物体を掘削して消火活動を行う!」バッ

アリム「わたしは下手人を捜す! リエムは消火中のリアンを守れ!」

リエム「はい――言われなくても――!」タッ

ルル「ルルは!?」

アリム「ルルもわたしと一緒に敵の捜索!!」

シャーロット「必ず二人一組以上で行動して! あと頭上には常に警戒!! 良いわね!?」

 ◇

リアン(水を使う私の消火方法は、ルウェリアちゃん、サーナさん、エンシァン先生のやり方と相性が悪い)

リアン(私が一緒だと、私の水が彼女たちの消火方法の邪魔をしかねないからだ)

リアン(逆に、その三人のやり方はお互いに競合しないから相性が良い)

リアン(そういうわけで、私たちは四つのグループに分かれることとなった)

 有水消火班…リアン、リエム

 無水消火班…ルウェリア、サーナ、エンシァン

 救護回復班…ノルン、シャーロット

 犯人捜索班…アリム、ルル

リアン(私たちの他にも人命救助や消火活動を行っている人たちは多数いる……)

リアン(そういう人たちとも協力し合って、一刻も早く事態を沈静化させないと……!)

 ☆リアンの〈水の守り〉に(味方の受ける火属性ダメージを1/2にする)効果が追加されました

 ◇
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:03:20.81 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場 消火率[0/20]
       合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[6/6] 防御[3]
 ◆有水消火班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)


ルウェリア「リアンちゃんたちはあっちを! 私たちは向こう側を消す!」

サーナ「火だけでなく熱にも気を付けてくださいまし!」

ノルン「何かあったらすぐ私たちのところに来て! 手当するから!!」

リアン「みんなありがとう! リエムちゃん、行こう!」

リエム「はい、リアンさま!」


↓1
01-40 消火率+4、襲撃
41-60 消火率+4、市民の協力(追加で消火率+2)
61-80 消火率+4、かき氷マナポーション味(持続力+3、超過分はストック)
81-98 消火率+4、消火栓発見!(追加で消火率+4)
99-00 消火率+4、??
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:06:03.96 ID:7bQIi8qJ0
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:16:01.71 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場 消火率[8/20]
       合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[5/6] 防御[3]
 ◆有水消火班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)


リアン「くっ……火の手が強い……! 私一人の水じゃ……」バシャバシャ

リエム「リアンさま! あちらに消火栓があります!!」タタタ

リアン「リエムちゃん! ありがとう!」バッ


リアン「よし、準備完了……! いっけぇ……!」グッ

 バシュウウゥゥゥゥ!!!


リアン(消火栓の水は私の水魔法と組み合わさって強化され、その一帯の消火を一気に進めることができた)

リアン(よし、次の区画に行こう……!)ダッ


↓1
01-50 消火率+4、襲撃
51-75 消火率+4、市民の協力(追加で消火率+2)
76-98 消火率+4、かき氷マナポーション味(持続力+3、超過分はストック)
99-00 消火率+4、??
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:21:19.37 ID:Yxbz45Zuo
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:31:45.77 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場 消火率[12/20]
       合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[4/6] 防御[3]
 ◆有水消火班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)

 ヒュッ

リエム「!」キンッ

リアン「――え」

くすんだ銀剣「……」ストッ

リエム「リアンさま、お下がりください。敵です」

リアン「ま、待って……! でも……!」

くすんだ銀剣「」タンッ

リエム「来ます!」


 ◆くすんだ銀剣 踏破力[2] 戦闘力[4] 持続力[2/2] 防御[1]

↓1コンマ 〈水の守り〉により痛恨無効
01-25 失敗 味方に1ダメージ
26-95 成功 敵方に7ダメージ
96-00 会心 敵方に14ダメージ
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:33:20.16 ID:paPlEqIZ0
やあ
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:38:53.06 ID:+6IJPPV4O
下振れてる……
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:41:39.23 ID:o9mgvOVxo
くすんだ〜ちゃんリアン特攻だろそんな痛々しい見た目は…!
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:42:34.71 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場 消火率[12/20]
       合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[3/6] 防御[3]
 ◆有水消火班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)


リアン「だめえ!!」バッ

リエム「リアンさ――」

 ズバッ

リアン「う、ううっ……」ヨロッ

リエム「リアンさま!!」


くすんだ銀剣「…………?」

くすんだ銀剣「どウ……して……?」

くすんだ銀剣「あ、レ……? なんデ……スイス……人間、さま、ヲ……」

くすんだ銀剣「ッ」シュタッ


リアン「り、離脱していった……? う、く……癒やしの水」ポウ

リエム「リアンさま……! も、申しわけ――

リアン「う、ううん……今のは、リエムちゃんの言葉を無視して前に出た、私が悪いよ……」スクッ

リエム「リアンさま……」

リアン「でも……今の子……一体、なんで……?」

 ―戦闘終了―

↓1
01-40 消火率+4、市民の協力(追加で消火率+2)
41-80 消火率+4、かき氷マナポーション味(持続力+3、超過分はストック)
81-98 消火率+4、消火栓発見!(追加で消火率+4)
99-00 消火率+4、??
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:43:50.24 ID:HIFoer7/0
えい
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:56:01.54 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場 消火率[18/20]
       合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[2/6] 防御[3]
 ◆有水消火班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)

リアン「はあ、はあ……」バシャバシャ

リアン(まずい……目が霞んできた……。水魔法の使いすぎと……さっき斬られたのが効いたな……)

リエム「リアンさま……! ご無理は、なさらないで……」

リアン「ううん……無理、しないと……! 火が……!」


市民A「嬢ちゃんありがとな! 少し休んでくれ!!」ブシューッ

市民B「俺たちの町は俺たちで守るぞ!!」ブシューッ

市民C「学生さんばっかりに負担はかけらんねえべ!!」ブシューッ

市民D「消火器は足りてるか!? なくなったら持ってけ!」ブシューッ

型抜き屋のおばさん「お嬢ちゃん立派だよ! 型抜き名人よりもずっとね!!」ブシューッ

射的屋のおじさん「俺の消火銃が火を吹くぜ!!」ブシューッ


リアン「み、皆さん……!」

リエム「少し休ませていただきましょう、リアンさま……」


↓1
01-40 消化率+4、かき氷マナポーション味(持続力+3、超過分はストック)
41-80 消火率+4、出張救護班(持続力+6、超過分はストック)
81-98 消火率+4、かき氷+出張救護班
99-00 消火率+4、??
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:57:12.02 ID:paPlEqIZ0
えいやー
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:57:39.69 ID:o9mgvOVxo
火は吹くな(真顔)
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 22:04:14.06 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場 消火率[20/20]
       合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[1/6] 防御[3]
 ◆有水消火班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)


リアン「はあ、はあ……」グッタリ

リエム「あ、ああ……リアンさま……! リアンさま……!」

 ガラガラガラッ

かき氷屋「かき氷マナポーション味持ってきたよ! お嬢さん、食べられるかい!?」

リアン「あ……」

リエム「わたしが食べさせて差し上げます……!!」バッ


リエム「リアンさま、お口を開けてくださいませ……」

リアン「うん……。あむ……」

リエム「ゆっくり、咀嚼してくださいませ……」

リアン「んん……」

リアン(冷たくて……生き返るみたい……)

 合計持続力が3回復しました。

 ◇
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 23:00:07.96 ID:jUj14TsR0
―夏祭り会場 消火率[20/20]
       合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[4/6] 防御[3]
 ◆有水消火班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)

リアン(かき氷を食べて回復した私は、リエムちゃんと共に夏祭り会場を見回っていた)

リアン(見た所、もう火の手はほとんど見えない。消火作業は概ね完了したと見て良さそうだ)

リアン(しかし、気になるのは――)

リアン(あの痛々しい、くすんだ銀色の女の子……)

リアン(片腕が剣になっていたから、多分インテリジェンスソードの子だと思うけれど……)


リアン「リエムちゃん……あの子は……」

リエム「……あちらの方角へ離脱して行きました。追いますか?」

リアン「うん……!」

リエム「わかりました……。ですが、絶対に無理はなさらないでくださいませ……」

リアン「う、うん……気を付ける」

 ◇

―東区 町外れ

アリム「……ここね」

リアン「アリムちゃん! ルルちゃん!」タッタッタッ

ルル「リアン! リエム!」

アリム「消火は終わったの?」

リアン「うん……! ねえ、くすんだ銀色の女の子を見なかった……?」

アリム「見たわ。私たちも追ってきたのよ」

リエム「!」

リアン「じゃあ、目的は――」

アリム「同じみたいね。一緒に行きましょう」

 ◇
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 23:25:34.32 ID:jUj14TsR0
―廃屋

スイス「あ……アあ……。なん、デ……?」カタカタ

量産剣「…………クロリア、スイスを頼む」スクッ

クロリア「あなたは……?」

量産剣「足止めをする」

クロリア「……死ぬ気ですか?」

量産剣「死ぬだろうな」

クロリア「そんな……あっさりと、言うことなんですか」

量産剣「私一人の命でお前たち二人が助かるなら、悪くない戦果だろう」

クロリア「そういう問題じゃありません! だって、死ぬって……!」

量産剣「だから名前など不要と言ったのだ。どうせまた、次の私が稼働する」

クロリア「ッ! でも、それは――あなたであって、あなたじゃない……!」

量産剣「わかっている。私自身は、ここで途切れて終わりだ」

クロリア「だったら――!」

量産剣「…………お前さん、魔法人形クロリアには決して断ち切れぬ思いがあるのだろう?」

クロリア「――それ、は――……」

量産剣「……スイスもだ。初めて得た名を、ここで途切れさせるなど――」

クロリア「…………」

量産剣「それにスイスは型が古すぎて修理どころか整備すらままならん。これ以上どこかが壊れてしまえばお終いだ」

クロリア「……私が、もっとご主人さまの技を学べていれば…………」

量産剣「……資源不足にも関わらず、スイスが未だに生きていられるのはお前さんのお陰だろう」

クロリア「……」

量産剣「私はこの中の誰よりも替えの効く量産品だ。気にすることはない。名前も、過去も、未練もないのだから」

クロリア「…………いいえ。過去なら、あります。ごく僅かですが、私たちと共に過ごした時間が……」

量産剣「…………フッ。冥土の土産としては……私にはあまりにも、過ぎたものだ……」

クロリア「……スイスに、何と言えば……」

量産剣「次の私によろしく、と」

クロリア「………ッ!」

量産剣「! 来たようだ。スイスを連れて速やかに撤退するように。では、参る」シュタッ

クロリア「…………そんなこと……言えるわけ、ないでしょう……!」

 ◇
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 23:58:46.78 ID:jUj14TsR0

量産剣「…………」ザッ

ルル「!」

リアン「あっ……あなたは……!!」

アリム「知り合い?」

リアン「前に、ゾンビ屋敷の地下で……! い、生きていたの……!?」

量産剣「……リアン・ロールセン。記憶にはないが、前の私の記録には残っている。厄介な水魔法の使い手、と」

リアン「ま、魔鍵に支配されてるんでしょ!? も、もうやめよう? 殺し合うことなんて……」

アリム「実際、この戦力差でどうする気? 投降するなら悪いようにはしないわよ?」

量産剣「大規模なテロを働いた我々を許す法などあるものか」

量産剣「…………リミッター、解除」ジャキン…

アリム「リミッター解除!? 死ぬ気なの!?」

量産剣「魔鍵に支配されているだけならここまではしなかったろうな。前と同様に適当に戦って、斃されて、終わりだ」

リアン「ど、どういう……」

量産剣「だが今回の私には……守りたいものが、できた」

量産剣「それだけだ」

リアン「な、なんで……! あなたが死んじゃったら……その、守りたかった人たちだって……!」

リエム「リアンさま。お下がりくださいませ」スッ

リアン「で、でも!!」

量産剣「これ以上の問答は不要――いざ」タンッ

ルル「!!」ギンッ

リアン「どうして……どうして……!?」


―町外れ 消火率[20/20]
       合計踏破力[10] 合計戦闘力[20] 合計持続力[13/15] 防御[10]
 ◆追跡班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)

 VS
 ◆量産剣 踏破力[10] 戦闘力[15] 持続力[20/20] 防御[10]
 〈リミッター解除〉全ステータスが5倍になるが、毎ターン最大持続力が5減る

 ――ボス戦闘開始――

↓1コンマ
01-25 失敗 味方に5ダメージ
26-95 成功 敵方に10ダメージ
96-00 会心 敵方に20ダメージ
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 23:59:27.53 ID:paPlEqIZ0
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 00:08:11.08 ID:a9mnaenF0
―町外れ 消火率[20/20]
       合計踏破力[10] 合計戦闘力[20] 合計持続力[13/15] 防御[10]
 ◆追跡班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)


量産剣「」ビビビッ

ルル「!」キンキンキン!

アリム「やるしかない……! たぁっ!」ヒュッ

量産剣「!」ギィン!

ルル「」シャッ

量産剣「!!」ガガガッ

リエム「――」キィン―

リアン「やめて……もうやめてよお!!!」


 ◆量産剣 踏破力[10] 戦闘力[15] 持続力[5/15] 防御[7]
 〈リミッター解除〉全ステータスが5倍になるが、毎ターン最大持続力が5減る

↓1コンマ
01-25 失敗 味方に5ダメージ
26-95 成功 敵方に10ダメージ 撃破
96-00 会心 敵方に20ダメージ 撃破
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 00:09:02.55 ID:a9DUoAW4O
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 00:18:15.34 ID:a9mnaenF0
―町外れ 消火率[20/20]
       合計踏破力[10] 合計戦闘力[20] 合計持続力[13/15] 防御[10]
 ◆追跡班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)


アリム「リアン! あいつはもう助からない! 自分が怪我しないことだけ考えて!!」

リアン「そんなの……そんなの……!!」

ルル「リアン……ごめん」シャッ

 ザシュッ

量産剣「――――」フラッ

量産剣(………あいつらは……無事、逃げられたか……?)

量産剣(これが……未練、か――……)

量産剣「――…」ガクッ

リアン「あ……あああああああ!!!!!」


 ◆量産剣 踏破力[10] 戦闘力[15] 持続力[0/10] 防御[7]
 〈リミッター解除〉全ステータスが5倍になるが、毎ターン最大持続力が5減る

 ――戦闘終了――
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 00:18:49.38 ID:a9mnaenF0
本日はここまで
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 00:21:53.95 ID:Bo3DJOWFO


リアンちゃんのストレスがマッハだ・・・
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 00:29:16.95 ID:f2QP8O4uo

人造種で邪悪な子がいないのもまた辛い
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 00:33:02.74 ID:ygC3wX0co
乙です
なんとか…救いを…
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 14:47:55.90 ID:c85iaxe1O
乙です
アリムちゃんキスのことチューっていうの可愛い……

ご迷惑でなければこのスレの漫画とか描いてみたいなあと思ってたりするんですけど、大丈夫ですか……?
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:43:46.84 ID:a9mnaenF0
>>595
この板の著作権周りとかよくわかっていないのでなんとも言えないのですが、個人的には全然迷惑ではありませんしむしろすごく読んでみたいです
上の方に絵を描いてくださった方もいらっしゃったので、割と大丈夫だと思います(曖昧な回答ですみません)
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:45:11.14 ID:a9mnaenF0

リアン「――――」

リエム「リアンさま……」

アリム「……言ってもわかんなそうだけど、一応言っとく。あんたのせいじゃないわ」

リアン「…………うん」

ルル「リアン……えっと……」

リアン「…………ルルちゃん、ありがとう。この人を……介錯してあげたんだよね」

ルル「…………うん。すごく……苦しそうだったから」

リアン「…………」

ルル「……どうして、こんなに悲しいことになるの? この人も……ルルと、同じなのに……」

アリム「……魔鍵の差し金よ。それ以外考えられないわ。こんな短絡的で露骨な手に出るのは予想外だったけど」

リアン「…………せめて、どこかに……」

アリム「……そうね。治安組織や行政機関に見つけられてもどうせ隠蔽されるだけだし……それなら私たちの手で弔ってあげましょう」

リアン「うん……」


―町外れ 消火率[20/20]
     合計踏破力[10] 合計戦闘力[20] 合計持続力[13/15] 防御[10]
 ◆追跡班
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)

 踏破完了……

 ◇
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:45:36.03 ID:a9mnaenF0
(その遺体はアリムちゃんの手で魔導機械工場へ運ばれ、然るべき方法で弔われた)

(夏祭り会場の大火災については、学生や市民の方々の努力もあって迅速に消し止められたそうだ)

(回復魔法に長けた学生や学院職員たちの救護活動もあり、死者は奇跡的に0人だったらしい)

(けれど……大火傷を負って長期入院を余儀なくされた人や、火事で家や財産を焼失してしまった人も少なくない)

(手放しで喜べる結末とはとても言えないだろう)

(…………)

(私は……どうすれば良かったのだろう)

(ルルちゃんやアリムちゃんを、止めれば良かった?)

(ううん。そんなことしたら、ルルちゃんやアリムちゃんが危なかった)

(それに、あの人は戦いながら自壊し始めていた)

(もし戦いを止められても、長くは持たなかっただろう)

(……どうしようも、なかったの?)

(…………どうしようも、なかったんだ)

(私なんかじゃ……どうしようも…………)

 ◇
816.27 KB Speed:2.4   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)