「今日からあなたは、仮面ライダーです」 せつ菜「へ?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/21(日) 22:15:53.77 ID:hlFWzfwz0
「それでは」
せつ菜「え、あ、ちょっと!?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1684674953
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/21(日) 22:17:45.39 ID:hlFWzfwz0
せつ菜「行ってしまいました……ドッキリにしては急すぎますし、なんなのでしょう……というか、どうやってこの生徒会室に来たんでしょうか……?」

せつ菜「……取り敢えず、この箱を開けてみればなにかわかるでしょうか?」ガチャッ

せつ菜「……私の知らないドライバーですね。随分シンプルな形ですし……ファンメイドのドライバーでしょうか?
変身には、このペットボトルの蓋みたいなのを装填すれば良いのか……というか、ベルト帯もないんですね……箱は凝ってるのに勿体ないです」ブツブツ

せつ菜「まぁ、取りあえず試してみますか!」スチャッ

『DESIRE DRIVER』

せつ菜「あれ? 私、電源スイッチいじってないのに……最初から入ってたんでしょうか?
というか、最近のは技術が進歩してるんですね……自動でベルト帯が出るなんて」

※令和ライダーのドライバーを購入したことがない

せつ菜「まぁいいでしょう……えーと、これをここにはめて……?」カチッ

『ENTRY』

せつ菜「えっ!?」シュンッ

副会長「忘れ物忘れ物……会長、失礼します!」ガチャッ

副会長「あれ? いない……荷物はあるのに?」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/21(日) 22:20:57.80 ID:hlFWzfwz0
「ようこそ」

せつ菜「ええっ!? どこですかここ!? 私、さっきまで生徒会室にいたはずなのに……!」

せつ菜(……というか、人が大勢……! 何かのドッキリにしては超常的かつ大掛かりすぎです!)

ドコダココーナニナニー? カエリテーヨー

せつ菜(どうやらここにいる人たちも私のように何か巻き込まれたようですが……)

「皆さん、こんにちは! 私はゲームナビゲーターのツムリです。ようこそ、デザイアグランプリへ!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/21(日) 22:29:14.06 ID:hlFWzfwz0
ツムリ「今、私たちの世界はジャマトの脅威に晒されています。
どこから来るのか、何が目的なのかはわからない……ジャマトから街の平和を守るため、誕生したのが……この、デザイアグランプリなのです!」

せつ菜「で、デザイア……?」

ツムリ「ふっ……皆さん、『なんじゃそりゃ』って感じですよね。知らないのも無理はありません……ジャマトの悲劇を忘れて平和に過ごせるように、デザイアグランプリが終わる度に人々の記憶はリセットされるように設計されているのです」

???「そういう……ことだったのか……」
せつ菜(なんだか納得した様子ですが……何か知っているのでしょうか?)

せつ菜「あ、あの──」
ツムリ「皆さんは仮面ライダーとなって、ジャマトと戦うのです。そして、見事に勝ち抜いた……通称『デザ神』には、自分の理想の願いを叶えることが出来るのです」

???「理想の世界か……いいね」

ツムリ「要はなんでも願いが叶うということです。それでは皆さん、お手元のデザイアカードに願いをご記入ください」

せつ菜「……仮面、ライダー」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/21(日) 22:31:18.18 ID:hlFWzfwz0
せつ菜(凄く一方的ですが……これは、中々に燃える展開ですね! いわゆるバトロワものと来ました! 見る限り、龍騎のように殺し合いをするみたいではなさそうですし、エグゼイドのように超協力プレイでクリアしてやるぜ! と出来そうです!)

せつ菜「これですか……いつの間に」

せつ菜(どうしましょうか。願いとなると……そうですね。出来る限り大体のことは自分たちで叶えられるように努力してきましたが……こればかりは、こういうものに頼って叶える方が良いでしょう)カキカキ

せつ菜「よし。書けました!」ペカー
ツムリ「お受け取りしまーす」スッ

せつ菜(突然ここに飛ばされたときはどうなるかと思いましたが、これはワクワクしてきました。私の大好きが止まりません!)
ツムリ「それでは、デザイアグランプリを開催いたします! 早速1回戦のゲーム、『戦争ゲーム』に参りたいと思います!」
せつ菜「え、結構急に──」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/21(日) 22:45:00.49 ID:hlFWzfwz0
せつ菜「わっ!?」シュンッ
ツムリ『本ゲームは、皆様に3人1組のペアとなっていただき、連携してジャマトたちから3回に分けて拠点を防衛するゲームです!
拠点を守る仮面ライダーが全滅するか、拠点にあるお宝を奪われたらその区画はゲームオーバーとなります!』

せつ菜「服が変わってる……それと、この携帯電話みたいなのは……このゲームの進行状況や、他の参加者さんのことを見れるんですね」スイスイ

せつ菜「中川菜々です! よろしくお願いします!」

男1「ふん……足引っ張んなよ」
女1「あ、よ、よろしくお願いします〜!」
せつ菜(お二人の名前は……佐藤 秀秋さんと、渡辺 千春さんですね! ライバルですが、今は仲間なので、仲良くできると良さそうです!)ペカー

ツムリ『それでは皆さん、まずはお足元にあるボックスから支給されたレイズバックルをお取りください!』
せつ菜「これですね。私のバックルは……おぉ、キラキラして格好良いですね! ムテキゲーマーみたいです!」ペカー
千春「私のバックルは……なんか、ちっちゃい……」ショボーン
秀秋「ふん。中々いいデザインだな」ニヤリ
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/22(月) 04:46:44.51 ID:nKW6xIbto
セリフとセリフの間に1行空けてくれると読みやすいかな期待
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 07:35:08.77 ID:M7t/lYat0
せつ菜「ドライバーとバックルを見る限り、ここに装着するようですね。よっ」スチャッ セット!フィーバー! デケデケッ、テレレテレレ!

秀秋「……」スチャッ セット!(カーン)

千春「こ、こう?」スチャッ セット!

せつ菜(昔から考えていたポーズ……拳を握った左腕をゆっくり上に伸ばして、右手を腰に当てて……)

せつ菜(素早く左手を下ろして、腰と肩を入れた右拳を突き出す!)

せつ菜「変身っ!」クルクルクルクル……デェーン! ヒット! モンスター!

せつ菜(くぅ……決まりました! 初変身ながら、格好良いポーズで変身を決められました!)レディ、ファイトッ!

秀秋「……変身」GRAB! CLASHOUT! ZOMBIE(Wooooo……)

千春「へ、ヘシンッ!」ガチャッ アームドプロペラァ!

せつ菜「……これが仮面ライダーに変身する感覚ですか。なんだか力が漲って来ます!」シュッシュッ、ブンブンッ

秀秋「はしゃいでる場合か。ジャマト共が来るぞ、構えろ」チャキッ

千春「あ、あんまり怖くありませんように!」ブルブル
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 07:43:15.95 ID:M7t/lYat0
※変身後の名前とモチーフ動物は特に考えてないので変身後も名前は本名の方で表記します



ツムリ『それでは、戦争ゲームスタートです!』カァーン

ポーンジャマト「ジャッジャッジャー」スタスタ

せつ菜「先手必勝! 私は攻めに行かせていただきます!」ダッ

秀秋「オイ!? 一人で突っ走るな馬鹿!」

千春「み、皆で連携しましょうよ〜!」

ポーンジャマト「ジャ?(テメ、なんだテメ、やんのかコラ)」

せつ菜「せいやーっ!」ドゴォッ

ポーンジャマト「ジャ〜(いってえ〜)」

秀秋「おい! ジャマトが来るのは一つの方向だけじゃないんだぞ! きちんと周りを見ろ!」ガキンッ、ドゴォ

せつ菜「わかりました! 全方位、全力で攻撃させていただきます!」フィーバービクトリー! モンスターストラァイク! ドゴォ!

ポーンジャマト「ジャ〜!(ギャーッ!)」ドカーン

千春「こっ、この人無茶苦茶〜!」ブルブル
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 07:44:48.33 ID:M7t/lYat0
秀秋「チッ……このままじゃ埒が明かねえ数だな……おいお前、それプロペラだろ? ちょっと空飛んでみろ」

千春「え、えぇっ!? こ、これでですか!?」

秀秋「さっさとしろ! このまんまだとあのバカ女が突っ走ってやられちまうぞ! 参加したからにはちょっとくらい命張れ! 逃げんなよ!」

千春「は、はぃぃぃ〜!」ピョンッ、バババババ……

ポーンジャマト「ジャ?(お?アイツ飛び出したぞ)」

ポーンジャマト2「ジャジャ(チャンスだ、攻撃しよ)」ガチャガチャ

ポーンジャマト3「ジャジャッジャッジャ〜!(ロケットランチャー! 発射ー!)」ズドン

千春「え? ひ──きゃあっ!」ドゴォーン、ドサッ

ポーンジャマト達「ジャジャジャ〜!(チャンスだー!)」ドドドドド

千春「い、いやーっ! 誰か助けてー!」

せつ菜「!? 今助けに行きます!」ダッ

仲間外れポーンジャマト「ジャジャジャ〜(させないぞぉ)」バッ

せつ菜「邪魔です! どきなさーい!」ドゴォ

仲間外れポーンジャマト「ジャマッ!(ひでぶ!)」ドカーン
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 07:46:38.83 ID:M7t/lYat0
千春「いたっ、いたっ、きゃっ、やめ……」バキ、ドカ、ドゴ、カスッ

リンチ中ポーンジャマト「ジャジャジャ(女の子いたぶるのって興奮するよね)」ボコボコ

リンチ参加中ポーンジャマト「ジャジャ(それな、可愛い子だと特に)」ドカドカパーツカ

秀秋「これでまとめてやれるぜ。よくやったな、プロペラ女。 フッ、動くんじゃねえぞ、テメェらぁ!」GRAB! ZOMBIE STRIKE!

リンチ中ポーンジャマト達「ジャ!?(ナニコレ!)」ガシー

秀秋「まとめて解体してやるよ、雑魚共!」ポイズンチャージ! タクティカルブレェイク!

ポーンジャマト達「ジャ〜!(おぎゃ〜!)」ドカァーン

秀秋「フッ。これで一網打尽出来たな。丁度、コレでウェーブの節目か」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 07:49:34.07 ID:M7t/lYat0
千春「あいたたた……あちこち痛いよぉ……」ヨロヨロ

せつ菜「っ! 大丈夫ですか! 渡辺さん!」

千春「だ、大丈夫……まだ、動けます……いてて」サスサス

せつ菜「佐藤さん……! 今の作戦、渡辺さんが自分から『やる』って言った作戦なんですか? 本人に了承を得たんですか!?」

秀秋「あん? んなわけねーだろ、俺が効率的にジャマトを倒すためにコイツを飛ばせただけだ。元々、小型バックルしか持ってない上に戦う気もなかったような奴だからな。チームの戦力は最大限活かすに限るだろ」

せつ菜「……二度とこんなことはやらないでください。次にやったら、私があなたをガードベントにしますよ」

秀秋「おもしれぇ。やってみろよ、その不安定なバックルで俺以上に戦えるってんならな」

千春「やめてください……喧嘩なんてしないで、協力しましょう……私は大丈夫ですから。怖がりで、戦えないのが悪かったんですから……」フラフラ

せつ菜「……渡辺さん」

秀秋「だ、そうだ。お荷物にはお荷物なりの働きをして貰おうじゃねーの。なっ」ポンッ

千春「あいたっ……」サスサス

せつ菜(ただ楽しくて、大好きがあるだけじゃない……仮面ライダーに変身するのって、これだけ重いことなんですね……)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/22(月) 08:10:24.24 ID:Ur5sP+UXO
こういう使命感に目覚めるのいいねな
がんばれ
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/22(月) 08:27:03.67 ID:p9pXWp3iO
他の虹メンバーどうなるかな
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 10:18:20.42 ID:M7t/lYat0
ツムリ「皆さま、お疲れ様です! 戦争ゲーム・第1ウェーブ終了となります!」

秀秋「ふん。今ので大体の参加者は消えたか。ライバルは少ないに限るぜ」

千春「……ゲームオーバーになった人たちって、やっぱり、その……消えちゃうんですか?」

ツムリ「IDコアの破損によって退場なさった方はこの世からもご退場となりますが、今回のゲームでお宝をジャマトに奪取されただけの方たちはあくまで脱落となり、デザイアグランプリに関する出来事を忘れ、元の生活へと戻っています」

せつ菜「今の時点で、ゲームオーバーになったのは私たちのところと、もう一つ以外のチーム全部……」

男2「よっ。そっちも三人揃って無事みたいだな。よかったよかった」

女2「あれ、その人たち知り合い?」

男2「あぁ、こっちの男とは前のデザグラで競い合った仲なんだ」

秀秋「何の用だよ、東条」

せつ菜(東条 夏雄さん……強者の風格がありますね。強そうです……)

夏雄「いや。ライバルが心配だったから見に来たんだよ。初手で引いたバックルがあんまり良くないものかどうか不安だったからな」

秀秋「ハッ。さてはお前、ハズレバックルでも掴まされたか? 生憎俺はこのゾンビだ、使いやすいバックルで楽だぜ」フリフリ

夏雄「いいなぁ、大型バックル。残念なことに俺はハンマーだから、ちょっと骨が折れたよ」

女2「でも夏雄くん凄いんだよ、私もおっきなバックル使ってるけど、私より強いんだもん! ほらこれ、あたしのバックル! ニンジャ!」

夏雄「ま、一応前回のデザ神だからな。小型でもあの程度ならやれなくはないぜ?」

秀秋「……調子に乗りやがって。今に見てろよ」

千春「……私と同じ、小型バックルで活躍したんだ」

せつ菜「彼は前回の優勝者みたいですから。大丈夫です、渡辺さんも頑張れば活躍の機会は巡ってきます」

千春「そう言ってくれると、嬉しいなぁ……」

男3「……賑やかだね。僕のこととかも紹介してくれたら嬉しいんだけど」スタスタ

夏雄「だったら自分から会話の輪に入ってきてくれよ、一人で考え事してるみたいだったから、そっとしといたんだぜ」

男3「それは悪かったね。なんて話しかけようか考えてたんだ」

夏雄「コイツも俺のチームメイトなんだ。結構頑張ってたぜ」

男3「ま、バックルがこんなのだから……このゲームと相性が悪くて戦い辛かったけどね」スッ

せつ菜「ドリルですか。もしかして、攻撃範囲が狭いんですか?」

男3「ご名答。一体ずつしか倒せないから、東条くんに庇って貰えなかったら死んでたよ……あ、申し遅れたね。僕は西野 冬樹。特技は賢そうなポーズを決めることさ、実際は偏差値30くらいだけどね」

女2「あ、あたしも自己紹介してなかったね! あたしは忍野 幸! 趣味はアイドルのおっかけ! よろしくね!」

せつ菜「中川菜々です。よろしくお願いします!」

秀秋「フン。くだらねぇ……蹴落とし合う仲でのんきになれ合いなんかやってんじゃねえよ」

夏雄「おいおい。そういう言い方はないだろ……ま、佐藤なら仕方ないか。次のゲームも全員生存できるといいな」

千春「そうですね……出来れば、誰も退場しないといいなぁ……あと、痛い目に遭わない奴だと助かります……」

せつ菜「はい! 世界をジャマトから守るのがこのゲームの目標でもありますし、頑張りましょう!」ペカー

冬樹(この子可愛いな……アイドルかなんかなのかな)ヒソヒソ

幸(わかる、どっかで見たことある気がする)ヒソヒソ

せつ菜「?」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 10:25:36.00 ID:M7t/lYat0
〜第2ウェーブはカット〜

秀秋「言われた通り今回は囮とかは使わなかったぞ。これで満足かよ」

せつ菜「はい。私もなるべく防衛に徹せるよう頑張りましたし、最後のウェーブまで守りを重視しましょう。無理に突撃しなくても、この戦力なら堅実に戦った方がいいみたいですし」

千春「プロペラって、飛ぶ以外にも使えたんですねぇ……アドバイスありがとうございました」フゥー



夏雄「いちち……ちょっとマズかったな。変身解除だけで済んで良かった」

幸「夏雄くん大丈夫? あたしのバックル使う?」スッ

夏雄「いや、女の子に小型バックル使わせるわけにもいかないからいいよ。それに、今はチームでも次のゲームではライバルかもしれないしな」

冬樹「夏雄くん、流石だね……紳士の鑑だ。ところで、良かったらそのハンマー僕と交換しないかい? ドリルだと戦い辛いんだ」

夏雄「誰がやるか、俺だってハンマーで戦ってても辛いんだぞ」

冬樹「がーん……」

せつ菜(あっちのチームは楽しそうですね……)チラ

秀秋「なんだよ、またなんか文句あんのかよ」

せつ菜「いえ。何かお喋りでもしませんか? と思いまして……」

秀秋「話題がねぇだろ」

千春「じゃ、じゃあ趣味とかどうですか?」

せつ菜「趣味ですか……私はラノベを読むこととかが好きですね。燃えるようなバトルの描写があると、私の心にも火が付きますから!」ペカー

秀秋「……俺は飯を食うことだな」

千春「私はスクールアイドルの応援……です。見てると、元気を貰えるんです。だから私、デザイアカードには『スクールアイドルのことがもっと知られる世界』って書いたんです」

せつ菜「いいご趣味ですね。渡辺さんのその『大好き』の気持ちが伝わるのを、私も願います!」

秀秋「フン……アイドルだかなんだか知らねえが、ふざけた願いだな」

千春「ひっ……」

せつ菜「……そういう佐藤さんは、どういう願いなんですか?」

秀秋「『俺が大金持ちになってる世界』だ」

千春「俗物的。クールぶってるくせに……」

秀秋「あぁ!? もういっぺん言ってみろ! 次はバックルなしでブッ飛ばされてえのか!?」

せつ菜「ま、まぁまぁ落ち着いてください! お互いの『大好き』をバカにし合うのはダメです!」

秀秋「……チッ。競い合いのゲームになったら覚えてろよ」

千春(あの人、ちょっと嫌い……)

せつ菜(私たちのチーム、大丈夫なんでしょうか……いえ、弱気になってはダメです。こんな風にまとまらないのは個性が強い証拠、同好会の皆さんのように、個々の魅力や力を活かせるチームになるように頑張るのみです!)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 21:27:25.55 ID:M7t/lYat0
ムリ「それでは、間もなく第3ウェーブが始まります! 皆さまご準備のほどをお願いいたします!」

秀秋「いつでも始めろ」

千春「は、はいっ!」

せつ菜「準備万端です!」ペカー

夏雄「そろそろ追加でバックルとか来てくれてもいいんだけどなー……」

幸「ホントに大変な時は言ってね? あたしより、夏雄くんの方がこれ使えそうだし」

冬樹「僕でもいいんだよ、忍野さん」

ツムリ「それでは、第3ウェーブスタートです!」シュンッ



ポーンジャマト「ジャッジャッジャー(仲間たちの仕返しだ)」ザッザッ

せつ菜「ここが最後なら……全力で行きます! 変身!」セット!フィーバー! ヒット! ビート!

秀秋「ブッ潰してやるよ……変身」セット! ゾンビィ……

千春「大分慣れてきたし……何とかなるかも! ヘシッ!」セット! アームドプロペラァ

ポーンジャマト「ジャジャ〜(突撃〜)」ドドド

せつ菜「佐藤さん! お願いします!」

秀秋「黙ってろ。今からやってやるからよ!」GRAB! ZOMBIE STRIKE!

ポーンジャマト「ジャ!?(動けない!?)」ガシィ

秀秋「おら。さっさと仕留めろ」

せつ菜「はい! かき鳴らします、私のソウル! うおおおおお!」ファンクブリザード! タクティカルブリザード! ジャジャジャーン!

ポーンジャマト「ジャアアア!(つめたあああ!)」ピッキーン

千春「うおおお! ひっさつー!」プロペラストラァイク! ドカーン!

ポーンジャマト「ジャ〜ッ!」ドカーン

秀秋「作戦成功だな……あとはゆっくり、俺が解体してやるよ!」ポイズンチャージ! タクティカルブレェイク!

せつ菜「私も負けていられません! もっとボルテージを上げます!」ジャジャジャジャジャーン! タクティカルファイア!

ポーンジャマト「ジャジャバーッ!(理不尽な暴力だー!)」ドカーン

千春「す、すごい……あっという間に倒しきっちゃった」

せつ菜「やりましたね! 私たちの勝利です!」

秀秋「ま。俺のゾンビのおかげだな」

せつ菜「はい! ありがとうございました、佐藤さん! それに、千春さんもこの作戦を提案してくださってありがとうございました!」ペカー

千春「わ、私はゾンビの必殺技を活かせないかなって思っただけで……実行した二人の方が凄いですから!」アセアセ

せつ菜「では、このウェーブは全員で守り抜いた、チームの結束の勝利ですね!」

『MISSION CLEAR!』

『報酬として守っていたお宝のバックルを使用可能になります』

千春「……私たちが守ってたお宝、バックルだったんですね」

せつ菜「白いバックル……なんでしょう、コレ」

秀秋「それはマグナムバックルだ。お前が持っとけ。俺はコレ嫌いだからよ」スッ

千春「あ、あぁ、はい……やった、おっきなバックルだ……」ニコニコ

せつ菜(バランスを考えて持たせてあげたんですね……佐藤さん、なんだかんだ優しいみたいです)ニコニコ

秀秋「あ? ニヤニヤしてんだよ。俺の顔に米粒でもついてんのか」

せつ菜「なんでもありません! ゲームは終わりましたし、早速帰りましょう!」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 21:31:23.62 ID:M7t/lYat0
秀秋「ふぅ、飯何すっかなー……あん? なんだお前ら、通夜みたいな空気出して」

夏雄「幸ちゃんが、退場したんだ」

冬樹「僕のせいだ……冗談のつもりでも、ふざけて彼女のバックルをねだったせいで……」

夏雄「冬樹が気に病むことじゃない、俺の指示が間違ってただけだ。それに、あの子は冬樹が使いづらいって言ってたドリルバックルを使うことの意味をわかった上でニンジャバックルを君に託した……自己責任って奴だ」

冬樹「違うだろ……! 僕がねだらなきゃ、僕がもっと強くて、どんなバックル使ってても問題なかったら……!」

秀秋「んだよ、そんなくだらねえことで言い合いしてんじゃねえよ。ライバルが減って、バックル貰えたんだから良かっただろ。あ、執事。俺にコーヒーくれ」ドカッ

ギロリ「かしこまりました」スタスタ

せつ菜「佐藤さん、その言い方は……!」

秀秋「事実だろ。デザイアグランプリってのは生半可な覚悟で挑めば消える。前回だって、ふざけたノリで戦って無様晒して散った奴が何人もいたぜ」

千春「……」

夏雄「……そうだな。俺たちは理想の世界を目指して戦ってきたんだ、誰が退場しようが脱落しようが、目指すのは頂点だけだもんな」

冬樹「狂ってるよ。君たちはおかしいよ……! 人が簡単に消えるような出来事を、なんで簡単に割り切れるんだ! それも、目の前で……」

秀秋「人間なんて世界のどこでもかしこでも命落としてんだろ。それが、たまたま目の前だったかどうかの話だ。明日は我が身って奴だろ、いちいち誰が消えるだの生きてるだので騒ぐなよ」

せつ菜(これが、仮面ライダーの世界。人が亡くなってしまうことが身近で……とても重い。ただ見てる側だけだった私じゃ、わからない世界……もう、イベントに参加したオタクの気分ではいられないですね……)

千春「……」

ツムリ「皆さま、本日はお疲れさまでした。次のゲームの開催は、後日お知らせいたします!」スタスタ

せつ菜「……はい。後日、ですね」シュンッ



せつ菜(……戻って来た。私がさっきまでいたはずの、生徒会室ですね)

せつ菜「……時間、結構経ってますね。同好会の活動に参加出来なかった上に、最終下校時刻ギリギリ……仮面ライダーも大変です」イソイソ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/22(月) 21:42:54.09 ID:auNCzRdvO
このギスギス感ややりきれなさををどう乗り越えるか
ヒーローは孤独
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 22:46:19.53 ID:M7t/lYat0
翌日〜

せつ菜「皆さん、昨日は連絡もなくお休みしてしまいすみませんでした」

侑「結構疲れてるみたいだけど、何かあったの?」

せつ菜「はい。ちょっと、やむにやまれぬ事情がありまして……」

かすみ「えぇ〜? うっかり寝坊しちゃった〜、とかじゃないんですかぁ〜?」

しずく「そんな彼方さんじゃないんだから……」

彼方「中々失礼だね、しずくちゃんよ。彼方ちゃんは練習中には寝ても、練習までにはちゃんと起きてるぜ〜?」

栞子「大差ない気がしますが……話が脱線しかけてますが、結局せつ菜さんは何があったんですか? 生徒会室にもいなかったと聞きましたが」

愛「まぁ、せっつー疲れてるみたいだし、話したくないならいーんじゃない?」

果林「そうね。洗いざらい全部吐かなくたって、せつ菜が忙しくて疲れるのはいつものことだもの」

せつ菜「ありがとうございます、愛さん、果林さん」

愛「へーきへーき。んじゃ、今日も、皆で協力して練習行ってみよー!」

侑「あひゃひゃひゃひゃ! 今日も協力って……!」ゲラゲラ

歩夢「侑ちゃん……毎日毎日大笑いしちゃってるよ」

璃奈「侑さんの腹筋はもう範馬勇次郎みたいになってる、これ以上は危険」

愛「ゆうゆの笑いのツボ側に問題あると思うんだけどなー……笑ってくれるのは嬉しいけど、流石に心配になって来たかも、ゆうゆの心肺が」

侑「あーっひゃひゃひゃひゃ! 心肺が心配って……! ひゃひゃひゃ! あはは、も、もう許して〜!」ゲーラゲラゲラ

果林「だからって笑わせ続ける方も笑わせ続ける方よ」

せつ菜「あはは……侑さんが落ち着いたら、練習始めましょうか」

かすみ「笑い終わるのを待って貰えるメンバーがいて、侑先輩は幸せですねぇ」ツンツン

侑「あひゃひゃ! ちょ、かすみちゃっ、そこ突かないでっ! あひゃひゃははは!」ゲラゲラヒーヒー

かすみ「突かないでと言われたら、突きたくなっちゃうじゃないですか〜」

歩夢「かすみちゃん?」ニッコリ

かすみ「さぁはい早く練習始めましょう! かすみんは先に行ってますね!」ダダダダ

せつ菜(歩夢さん、この威圧だけでジャマトも吹っ飛ばしてしまいそうですね……)

璃奈「怒った歩夢さんは怖い……璃奈ちゃんボード、ガクブル……」ガタガタ
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/22(月) 22:46:55.80 ID:M7t/lYat0
ランジュ「怒ってても笑顔を忘れない歩夢も可愛いわね、流石癒し系スクールアイドルだわ」

ミア「ランジュ。その台詞はベイビーちゃんに譲るべきだと思うけどね」

ランジュ「ラ? いまのアタシの台詞、侑が言った方が良かったの?」

ミア「はぁ……やれやれだね」スタスタ

栞子「ランジュは少々鈍いですね。鈍感系主人公の適性があります」

ランジュ「嬉しくない適性だわ……」シュン

栞子(落ち込むランジュも可愛いですね……ランジュには曇らせられ系ヒロインの適性もあります)ゾクゾク

しずく(また栞子さんが変な方法で欲満たしてますね……こういう関係も、また物語に映えそうです)

歩夢(笑い転げる侑ちゃんも可愛いなぁ……こっそり写真撮ろうかなぁ)パシャ

ミア(今日ばかりは帰りたくなってきたな)

エマ「ミアちゃん、まだ練習始まってないのに制服に着替え始めようとしちゃダメだよ〜」

ミア「Just kidding.冗談さエマ」

エマ「そうなんだ〜。良かったぁ……」

彼方「彼方ちゃん、三日後の遥ちゃんのライブが楽しみで体が燃え上がってるし早く練習したいぜ〜……」

侑「ま、待って、もう少しで落ち着くから……ふふはははっ」ビクビク

歩夢「侑ちゃーん、頑張れー。あと十秒で止めたらこの間本棚に隠してた……」

侑「じゃ、練習始めよっか」キリッ

エマ「侑ちゃん、切り替え早いねぇ……」

璃奈「明らかに時が飛んでる……璃奈ボード、キングクリムゾンッ」

ミア「ヘイ璃奈、そのボードは怖いよ」

せつ菜(……命がけで戦った後だからか、同好会でこうした日常が見れるのも、とっても安心感があります……この日常のためにも、絶対に勝ち残らないといけませんね)
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 07:10:14.17 ID:E+QeUo1kO
一層励んでほしいけどどうなるかな
無理がたたらないと良いけど……
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/23(火) 16:15:38.27 ID:rwUk7utg0
数日後

ツムリ「お待たせいたしました。皆さん、ジャマトが現れましたので、第2回戦のルールを説明させていただきます」

せつ菜「第2回戦……」

冬樹「今度は、誰も退場させないぞ……!」

秀秋「勝つのは俺だ。どんなゲームだろうと関係ねえ」

千春「また、皆で協力できる系だと助かるなぁ……」

夏雄(どうにかして、大型バックルを手に入れないとな……冬樹や千春ちゃんたちに交換を頼むのは気が引けるし、誰かが負傷して脱落するのを祈るしかないか。負けて記憶も気持ちも失うのは嫌だからな)

ツムリ「デザイアグランプリ第2回戦は『ライブ防衛ゲーム』です!」

千春「ライブ防衛ゲーム……? もしかして、皆で協力するタイプかな?」

ツムリ「はい。今回のゲームはプレイヤーの皆様が協力し、ライブを行うスクールアイドルを厄介オタクジャマトから守るゲームです!」

秀秋「厄介オタクジャマト? なんだそりゃ」

ツムリ「こちらになります」スッ

厄介オタクジャマト「ジャッジャッジャ〜(遥ちゃんのグッズ最高〜! あペーロペーロ)」レロレロニチャニチャ

冬樹「うわ気持ち悪っ……」

夏雄「流石に引くな……うえっ」

せつ菜「いくら大好きだとしても、これは……」

ツムリ「このように、気持ち悪いジャマトがライブ会場へ足を踏み入れてしまえばゲームオーバーとなります。
そのためにも、仮面ライダーの皆様方が協力して、2ウェーブに分けてライブ会場を守ってください。ちなみに、こちらがボスとなる厄介TOジャマトと、違反オタクジャマトです」

ルークジャマト「ジャジャジャジャ〜(あ〜、遥ちゃんと彼方ちゃんの組み合わせたまんねえ〜)」

ナイトジャマト「ジャジャッジャ〜(んほ〜、無断転載された東雲のライブ映像たまんね〜)」

秀秋「あの気持ち悪いの奴らの親玉か……」

夏雄「トップオタってだけあって気持ち悪さもトップ級だな、こういう奴らのせいでオタクの市民権がないんだぞ」

冬樹「僕を見ながら言うな僕を」

せつ菜「いくらスクールアイドルが大好きとは言えども、ジャマトが相手だと流石に嫌悪が勝ってしまいますね……」

千春「仕方ないよ、菜々ちゃん。スクールアイドル大好きな私でもそう思ったんだもん」

せつ菜(スクールアイドルそのものの私もそう思ってるんです……!)

ツムリ「それでは皆さん。ご武運をお祈りいたします」シュンッ
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/23(火) 16:17:45.60 ID:rwUk7utg0
せつ菜「中々慣れない転送ですね……っと……ん、これは……ボックス?」

冬樹「バックルの配布? 随分急だな……」

秀秋「……各員一人ずつに配られてんのか」ガチャッ

千春「私はもう二個持ってるけど、貰っちゃっていいのかな……」ガチャッ

夏雄「ハンマーしか持ってなかっただけにありがたいな……どれどれ」ガチャッ

せつ菜「蛇口のバックルですか。どうやって使うんでしょう……」ジロジロ

冬樹「これは……鍵盤のバックルか。大型だし、戦力増強になるか……良かった」ホクホク

秀秋「チッ。弓かよ……まぁ、爪とかよりかマシか」

千春「わ、おっきなバックルだ……なんだろう、猿かな?」

夏雄「……チェーンアレイか。流石にマズいな」

秀秋「ハッ。元デザ神様も運に見放されりゃこんなもんかよ」

千春「……私のバックル、片方あげようかな」

冬樹「……やめときなよ。君が生き残る確率が減るかもしれないんだ。彼は小型でも戦えるみたいだし、ここは初心者の僕らが大型を使わせてもらおうよ」

千春「あ、はい……そう、ですよね。退場しちゃったら……戻れないんですよね」

冬樹「理想の世界を叶えるためにも、多くの人を守るためにも……僕らだって、生き残らなきゃいけないからね」

せつ菜「私はガチャのバックルに蛇口……少々不安ですが、これで始まったのなら貫くのみです。よーし! 皆さん、頑張りましょう!」

千春「お、おー!」

冬樹「おー」

秀秋「……フン。慣れ合いたきゃ勝手にやってろ」

夏雄「まぁ、デュアルオンして頑張って使ってみるか。存外何とかなるかもしれないな」

ツムリ「それでは、ゲームスタートです!」カーン

せつ菜「始まりましたか……では!」セット!フィーバー!

千春「よし……」セット!

冬樹「はぁぁぁ……」セット!

夏雄「ふぅ……」セット!

秀秋「……」セット!

4人「変身!」

千春「エシッ!」

せつ菜「全力で、貫きます!」ヒット!マグナム!

千春「えっ、えいえいおー!」デュアルオン!ヤッ!モンスター! バァン!マグナム!

冬樹「スクールアイドルは、僕たちが守る!」デュアルオン! ニンジャァ! ビート!

秀秋「要は全部倒すだけだ、俺がな」デュアルオン! アームドアロー! GRAB! CLASHOUT! ZOMBIE……!

夏雄「まぁ、何とかなるか……多分」デュアルオン! アームドハンマー! アームドチェーンアレェイ!

秀秋「おいおいデザ神様。随分涼しそうじゃねえか」

夏雄「言うな。俺が一番気にしてるんだよ」

せつ菜「渡辺さん、お揃いのマグナムですね!」

千春「あ、ホントだ……菜々ちゃんとお揃いだ。嬉しいかも」

冬樹「中川さん、今すぐ引き直してニンジャかビート当てられない?」

せつ菜「流石にそれは難しいですね……」

『READY……FIGHT!』
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/23(火) 21:55:30.87 ID:2kmiVx7Vo
確かにせつ菜と同じはうれしい
それぞれの理想をもっと知りたいな
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/24(水) 00:12:00.72 ID:9gkPBj8d0
厄介オタクジャマト達「ジャッジャッジャ〜(遥ちゃんお持ち帰りしちゃうぞ〜)」ザッザッ

せつ菜「あ、来ました!」バシュバシュバシュ! ズバババ

秀秋「お前ら! あんまり前に出んなよ! 遠距離持ちの邪魔したら、互いにくたばるぞ!」ビシュ、ビシュッ

夏雄「だそうだ。冬樹、落ち着いて戦いなよ。焦ることはないぜ」

冬樹「……わかってる。僕は近づいてきた奴を倒すよ」

千春「じゃあ、私は……これで!」ヤッ! モンスターストラァイク! ズドォン!

せつ菜「爽快な火力ですね、千春さん!」バシュバシュ

千春「ありがとうございます……このバックル、強いです!」ドゴォ!

厄介オタクジャマト「ジャ〜!(ぎえー!)」ドカァン

秀秋「くっちゃべってる暇があるなら広がれ! アイツら、別方向から侵入しようとしてやがるぞ!」

夏雄「ならペアを組んで別れよう。戦力的には……千春ちゃん、俺と来てくれ!」ダッ

千春「は、はーい!」ダダッ

秀秋「俺は一人で十分だ。お前らで勝手に組んでろ」

冬樹「わかった。行こう、中川さん」

せつ菜「わかりました! 佐藤さん、ご武運をお祈りします!」

秀秋「うるせえ、お前らなんかいなくたってやれるに決まってんだろ!」ビシュ、ビシュッ
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/24(水) 00:13:17.35 ID:BC9qn3cK0
Y así amanecí con un saludo y un piko de este ángel #famemma18 #HaneyLoma #ClasicoRegio #bengalururain #ElPotrilloStarPlusLive #ぼっち・ざ・ろっく
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/24(水) 00:13:29.79 ID:9gkPBj8d0
せつ菜「西野さん! 最初からクライマックスで行きますよ! うおおおおお!」バシュバシュバシュ

冬樹「い、いくらなんでも速すぎるでしょ……こうなったら……! とうっ!」リボルブオン!

せつ菜「おぉ、そうやってフォームチェンジするんですか! オシャレで格好いいですね!」

冬樹「言ってる場合かなぁ……まいいや! ハァッ!」スカァン、ドガァン

せつ菜「……あ、あれは!」

厄介TOジャマト(ルークジャマト)「ジャッジャッジャ〜(雑魚を囮にこっちから入っちゃお)」 

せつ菜「大物みたいですね……大型バックル持ち二人の私たちの所に来てくれたのは、不幸中の幸いでしたか」

冬樹「でも、僕ら初参加の初心者だよ? ちょっとマズい気がするかも……」

せつ菜「確かに厳しいですが……理想を叶えるため、そして世界を守るために戦い始めたんです……そうやって始まったのなら、貫くのみです!」バシュバシュバシュ

冬樹「……貫くのみ、か。確かにそうだね、もう誰も退場させない! 僕の理想の世界には、参加者の皆だって巻き込ませて貰うから!」キンッ、ドガッ

せつ菜「ふふっ、なら……私たちの思いを一撃一撃に込めて! っ! ハァッ! もっと頑張りましょう!」バシュバシュ、ボコッ、ドカッ

厄介オタクジャマト「ジャ〜ッ(コイツら強いよ〜)」ニゲニゲー

厄介TOジャマト「ジャジャジャ〜(でも俺には生半可な攻撃なんて効かねえよ〜)」ガキンガキン

せつ菜「トップオタだけは、リュックサックを盾に……存外硬いですね、アレ! マグナムでも歯が立ちません!」

冬樹「だったら、これでどうだ!」タクティカルファイア!

厄介TOジャマト「ジャジャジャ〜(ガードベント)」ドガァン

厄介オタクジャマト「ジャ、ジャジャジャ……(お前……俺が、ライブに誘ってやったのに……)」ドサァ

厄介TOジャマト「ジャジャジャ(近くにいたァ、お前が悪い……)」ケラケラ

せつ菜「悪辣すぎます……!」ライフルモード!

冬樹「コイツは許しちゃダメな奴だ……!」チャキッ
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/24(水) 00:14:16.13 ID:9gkPBj8d0
夏雄「ふっ! はっ! っ……! ちょっぴり使いづらいな、鉄球! せめて、ドリルとか貰った方がマシだったかも!」キンッ、ガン、ドカン

千春「じゃ、じゃあプロペラ要ります……?」バシュバシュ

夏雄「もっといらない! アレ片手で使うの結構難しいんだよ!」ガンッ、ドガッ

千春「ご、ごめんなさい……」

夏雄(出来ればマグナムをねだりたいけど……幸ちゃんがバックルねだられて譲ったことが原因で退場した以上、それを俺が強要するのは良くない……悪印象を与えて、他のミッションとかで協力して貰えなくなる……! だったら、使い手側を活かすのは吉か!)

千春「っ……ちょっと、数が多い……!」ヤッ! モンスターストラァイク!

夏雄「……多数を薙ぎ払うなら、そのモンスターバックルよりも、下半身に使ってるマグナムバックルを上にした方がいいよ。リボルブチェンジだ」

千春「り、リボルブ?」

夏雄「真ん中のボタンを押してドライバーを半回転させるんだ! ほら、こんな風に!」リボルブオン!

千春「あ、そ、そういうこと……よし! チェーンジ!」リボルブオン!

夏雄「マグナムがメインなら、多数かつ多方向のジャマトも怖くないよ。頑張れ、千春ちゃん!」

千春「はい! 千春♡スプリングブラースト!」マグナム! タクティカルブラスト! ズバババババ、ドガガガ

夏雄「うお、すげー威力……もしかして、千春ちゃんって俺と同じでマグナムと相性いいのかな……」ガキッ、ドゴォ

厄介オタクジャマト「ジャ〜(コイツら強えなぁ〜)」 

厄介オタクジャマト「ジャジャ〜(ぶっちゃけもうライブがどうでもよくなってきた〜)」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/24(水) 00:17:32.70 ID:9gkPBj8d0
秀秋「ハッ! オラァッ……クソ、味方の数が減った分下がりながらはキチぃな……だったら!」リボルブオン!

秀秋「派手に蹴散らすとするか! オラァァァ!」ダッ

厄介オタクジャマト「ジャジャ〜!(コイツ急に突っ込んできた!)」

厄介オタクジャマト「ジャジャ、ジャジャジャ!(うわ、前からゾンビが!)」

秀秋「おらおら、どんどんかかって来いよ、キモオタども!」ガキン、ドゴォ、ズバァ

厄介オタクジャマト「ジャジャ〜!(お助け〜!)」ダダ

秀秋「てめぇらみたいなのは、まとめて駆除してやるよ……キモオタァ!」GRAB! ZOMBIE STRIKE!

厄介オタクジャマト「ジャ〜!(どぼぢでごんなごどずるのぉぉぉ!)」ジタバタ

秀秋「ハッ。何言ってんだかわかんねえよ!」ポイズンチャージ! タクティカルブレェイク!
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/24(水) 07:01:40.15 ID:9gkPBj8d0
せつ菜「っ! このトップオタ……強いですね!」バシュバシュ

冬樹「あぁ……僕らじゃ火力が足りないんだ……ニンジャはスピードに秀でてても、コイツの防御を破れないし、ビートは範囲攻撃が出来てもやっぱり火力が足りない!」

せつ菜「なら、これで!」ウォーター、タクティカルブラスト! ジョバババババ

厄介TOジャマト「ジャジャ〜(その程度じゃ俺は倒せないぞ〜)」ブンッ

せつ菜「どこ投げて……えっ!? きゃぁっ!」ドカァン

冬樹「中川さぁん! だ、大丈夫か、中川さん!」

せつ菜「いっつつ……まさか、投げたグッズが爆発するなんて……ごめんなさい。変身解除されてしまったので、ちょっと時間を稼いで貰えますか……?」

冬樹「っ、わ、わかった……! 来い、オタクジャマト! 僕が相手になってやる!」

厄介TOジャマト「ジャ〜(お前らやっちまえ)」

厄介オタクジャマト「ジャジャ〜(数の暴力ばんざーい!)」ダダダ

せつ菜「すーっ、ふーっ……変身!」セット! フィーバー! クルクルクルクル……デェーン! アームドウォーター!

せつ菜「流石にハズレすぎます……! 西野さん、すみません! ちょっと時間かかってしまいそうです!」

冬樹「え? あ、だ、大丈夫! 頑張って持ちこたえてみせるから! そのためのビートだし……頑張って、中川さん!」ガキンッ、キンッ

せつ菜「西野さんの期待に応えるためにも……もう一度!」セット! フィーバー! クルクルクルクル……デェーン! アームドクロー!

せつ菜「あああああああああ! もう一回ですーっ!」セット!フィーバー! デケデケッ、テレレレレレッ

違反オタクジャマト(ナイトジャマト)「ジャジャァ〜(俺も参戦〜)」ドゴォ!

冬樹「あぶぎゃぁっ! に、二体目のボスなんて……普通、あっち行くもんでしょ……」

せつ菜「西野さんっ! ……くっ、今行きます! 今度こそ!」クルクルクルクル……デェーン! アームドドリル!

せつ菜「あぁっ、もうこれで行きます! 大型バックルのフォームなんていりませーん!」

冬樹「っ、だ、大丈夫! まだ大丈夫! もう一回引き直して、中川さん! 何とか耐えるから! ハァッ!」キンッ、ドゴッ

せつ菜「西野さん……っ! わかりましたぁっ!」セット! フィーバー! デケデケッ、テレレレレレッ

冬樹「ぐわっ! ぐふっ……あ、で、でも! なるべく早いと! ぶぐっ! 嬉しい、かっ! なぁ……! へぶごっ! いてっ! えひゃい!」ドゴッ、ボコォ、ドグシャァ

せつ菜「は、はい! 今度こそ……!」クルクルクルクル……デェーン! ヒット! ニンジャァ!

せつ菜「大型バックルは嬉しいですけどこれじゃダメです……! もう一回!」セット! フィーバー! デケデケッ、テレレレレッ

厄介TOジャマト「ジャジャジャー!(ジャマトキック!)」ドゴォ

違反オタクジャマト「ジャジャジャジャーン!(ジャマトパンチ!)」ドゴォ

冬樹「ぐわあああああっ!」チュドーン

せつ菜「はっ……西野さーん! 大丈夫ですか!? 西野さん! しっかりしてください!!!」

冬樹「こ、声が頭にキーンってくる……だ、大丈夫だけど……いててて……」

厄介TOジャマト「ジャッジャッジャ(そろそろ仕留めるか)」ザッザッ

違反オタクジャマト「ジャジャジャ(それな、もういたぶるの飽きた)」ザッザッ

冬樹「な、中川さん……ごめん、時間かせげなくて……はぁっ、ぐっ……うっ……はぁ……はぁ……けど、僕……信じてる、よ……中川さん、なら……こいつらに勝てる……って」グッ

せつ菜「……西野さん……! ッ、やります! 絶対に、やってやります! 私が、私自身の手で!」シュルッ、ブンブンッ、スチャッ

冬樹「そ、その姿……」

せつ菜「スクールアイドル同好会の優木せつ菜として……この世界を、守りますっ! ハァッ!」クルクルクルクルクルクル……デェーン! ゴールデンフィーバー! デレーテーレッテーテーテー……テテーン! ブースト!

せつ菜「……覚悟してください。私の仲間を傷つけたこと、『大好き』を盾に人を傷つけようとしたこと……そして、この世に生まれたことを! 私は許しません!」

厄介TOジャマト「ジャッ!?(最後だけ理不尽じゃね!?)」

違反オタクジャマト「ジャジャジャ!?(俺たちが何をしたって言うんだ!?)」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/24(水) 07:02:54.58 ID:9gkPBj8d0
せつ菜「うおおおおおっ!」ブゥンッ

厄介オタクジャマト「ジャ〜ッ!(こいつさっきと動きが違う! 速い!)」ドカァンドカァン

せつ菜「っと……西野さん、こちらお借りします!」スチャッ

冬樹「あぁ、うん。持ってって……任せたよ、中川さん……いや、せつ菜さん」

せつ菜「よっ! ふっ!」リボルブオン! セット! ニンジャァ……

厄介TOジャマト「ジャジャ(なんかヤバい気がしてきた)」

せつ菜「ハァァァッ!」ズババァ、ブゥン、ズバァッ

厄介TOジャマト「ジャ〜(あ〜もう滅茶苦茶だよ、皆一撃で吹っ飛ばされまくってるよ、クッソ速いじゃんアレ)」

違反オタクジャマト「ジャジャ(しんどいから別の入り口行くわ、後は任せるわ)」

厄介TOジャマト「ジャジャ〜!(ちょ、お前何勝手に逃げてんだよ! 待って! ちょっと待って!)」

せつ菜「せいっ! ハァァッ!」リボルブオン! ドガァンバゴォン

厄介TOジャマト「ジャ〜(こうなったら逃げるが勝ちだ)」スタタタ

せつ菜「逃がしません! 待ちなさぁぁぁい!」ダッ

厄介TOジャマト「ジャッ!?(なんで俺!?)」ビクゥ

せつ菜「こっちから……! せいやぁっ!」ドゴォ、バキィ

厄介TOジャマト「ジャァッ!(いてえ!)」ビシビシベシベシバカバカ

せつ菜「これでフィニッシュです……! 」ガチャッ、シュルルル

厄介TOジャマト「ジャ〜!(お助け〜!)」

せつ菜「ダイナミックに……! せつ菜☆ライダーブレイク!」ブーストライカー! ゴールデンビクトリー! ブゥンッドカァンッ

厄介TOジャマト「ジャジャジャ〜!(いってえええええ! 半身吹き飛んだあああああ!)」ドゴーン

せつ菜「残りのジャマトも、蹴散らします! 待てーっ!」ブゥンッ

厄介オタクジャマト「ジャジャ〜!(許して〜!)」ダダダ

冬樹「凄い……免許持ってなさそうなのに、バイクで適格にジャマトを轢いてる……凄いなぁ、せつ菜さん……僕じゃ、あぁは、なれないや……」ヤレヤレ

厄介オタクジャマト「ジャジャ、ジャジャジャ……(皆があっちに夢中になってる内に、こっそり参加しちゃおう)」ソロリソロリ

冬樹「ッ! せつ菜さん! 逆方向に一人いる! 侵入しちゃいそうだ! っ、待てーっ! っ、あ……! 体が……! いっ、つ……ぐ、あぁっ……!」ガクッ、ドサ

せつ菜「大丈夫です……このニンジャなら!」グイッ、シュバババババ!

せつ菜の分身「会いたかったよー!」バァーンッ、ペカー

厄介オタクジャマト「ジャ〜!(俺は会いたくなかったー!)」ニゲニゲー

せつ菜「逃がしませーんっ!」リボルブオン! タクティカルスラァッシュ!

せつ菜の分身「そぉい!」ドゴォン

厄介オタクジャマト「ジャ〜!(あと少しだったのにー!)」キラーン ズバババババァッ

せつ菜「ふぅ……やりました。ブイ、です!」

冬樹「は、はは……すっげー……その赤いフォーム、超レアな奴なのかな」

せつ菜「……ですが、違反オタクの方は逃がしてしまいました。せっかく作ってくださったチャンスなのに、すみません」

冬樹「いいよ。片方倒しただけでも十分だよ……それに、僕があんまり役に立たなかっただけだからさ。はは……あぁ、緊張解けたら立てなくなっちゃった……ごめん、最初で最後のお願いだからさ、肩貸してくれない?」

せつ菜「はい、お安い御用です! よっと……」

冬樹(こんな可愛い子の肩借りちゃった……理想の世界を叶えるのに比べたら安いことだけど……生きてれば、意外といいことあるもんだな)

ツムリ『それでは第1ウェーブ終了でーす! 皆さん、お疲れさまでした!』
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/24(水) 07:31:06.76 ID:O9Ht0PskO
せつ菜の肩を借りれるのも理想の世界なのでは…うらやま
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