長門有希「言語だけが意思疎通のツールではない」

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3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2023/08/20(日) 22:13:03.18 ID:BLEbgWdpO
「とまあ、そんな感じだな」
「ふうん」

洗いざらい話してやるとハルヒは納得したようなしてないような不満そうな返事をした。

「それで?」
「なんだよ、別に話の続きなんてないぜ?」
「有希の気持ちは伝わったの?」
「そう言われてもな……」

たしかに長門はキスが意思疎通のツールでありコミュニケーションの一種であると言ったが、あの時は正直驚きのほうが大きくてな。

「有希が何考えてたかわかった?」
「俺は超能力者じゃないからな」
「そんな難しいことじゃないでしょ」
「なら、お前にはわかるのか?」

そう訊き返すとハルヒはまた困ったように。

「……有希とキスしたのは私じゃないし」

まさか拗ねてるのか。よくわからない奴だ。

「まあ、たしかに情報量自体は多かったな」
「変態」

変態でも、瞬間的な密度は特筆するべきだ。

「何考えてんのかなんてさっぱりだがそれでも終わったあと何故か分かり合えたような気がするんだよな。喧嘩後の仲直りの証にキスってのは案外良い手法なのかも知れないな」
「ふん。一時の快楽で誤魔化すなんて最低」

それはどうだろう。ハルヒにそっと耳打ち。

「キスされた時、驚いた拍子に糞が漏れた」
「フハッ!」
「思えば、長門の目的は脱糞だったかもな」
「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

一時の快楽に身を委ねるのもそう悪くない。
キスにせよ、脱糞にせよ。言語以外での意思疎通特有の満足感や充溢感は特筆すべきだ。


【長門有希の目的】


FIN
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