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プリキュア作るぞ part2【安価有】

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800 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 23:20:47.05 ID:+gfMEwJio
雪菜「お泊まりならお泊まりってちゃんと言ってくださいよぉぉぉ……!」ガクッ

透「間違ってた?」

雪菜「大いに……!」

桜野「なぜ強姦……」

透「あの漢字、強いに女がいっぱいでしょ? みんなで集まって私たちさいきょーみたいな感じじゃないの?」

雪菜「じゃないです……!」

桜野「勘違いでもそこそこ物騒だねぇ」

透「それでそれで、どう? 来れる?」

雪菜「あ、えと、あー……あの、桜野さんも……来ますか?」

桜野「うん」

雪菜「そう、ですか……うん、なら私も行きます」

透「ほんと?」パァッ

雪菜「おはなし、したいので……もっとたくさん……そうしなきゃいけないと思うので……」

透「?」

雪菜「今週末ですよね?」

透「うん。どうしてもそこがいい」

雪菜「じゃあ霰にバレないように準備しなきゃです」

透「霰ちゃん? 一緒でもいいよ。ね?」

桜野「うんうん」コクコク

雪菜「ダメです。せっかくのお泊まりなのに、皆さんに妹の面倒を見てもらうなんてできません。特に朱さんにはたくさん迷惑かけちゃいそうですし」

桜野「むしろ喜ぶんじゃない?」

雪菜「……と、とにかく霰はお留守番です!」

透「喜びすぎて壊れてもめんどくさいか」

雪菜「はい、めんどくさいです」

桜野「辛辣ぅ……」
801 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 23:26:12.63 ID:+gfMEwJio
透「♪」トテトテ

桜野「……」テクテク

透「2人とも来てくれるって」ニコニコ

桜野「よかったねぇ」

透「うん! 張り切って準備しなくちゃ!」

桜野「うん」テクテク

透「桜野桜野」

桜野「……なあに?」

透「楽しみだね!」ニコッ

桜野「……うん」ニコッ
802 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/18(水) 23:27:02.37 ID:+gfMEwJio
ここまで
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 23:28:38.67 ID:mGni8yUn0

女子中学生達は割と耳年増
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 23:28:41.92 ID:P0BpYb6Go
おつおつ
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 23:53:00.24 ID:+QchJE7To
久しぶりの乙
806 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/20(金) 00:48:34.43 ID:/eqOIwGXo
週末 透宅

「「「お世話になります!!!」」」

透母「遠慮せずにくつろいでいってね」

朱「お義母さまお若い!」

透「なにか違和感……?」

透母「あら、ありがと。朱ちゃんにそう言ってもらえるなんてうれしいわ」

朱「え、あたしのこと……」

透母「もちろん知ってるわよ。でもまさかモデルの子が透と仲良くしてくれるなんてね」

朱「もっと仲良くしたいと考えております!」

透「私はおなかいっぱい」

朱「そんなぁ……」

透母「あなたが雪菜ちゃんね」

雪菜「あ、は、はい、はじめまして。透さんにはいつも仲良くしていただいて……」ペコ

透母「丁寧にありがとね。これからも仲良くしてもらえたらうれしいわ」

雪菜「こちらこそ、です」

透母「それであなたが……」

桜野「あ、岸波桜野です」ペコ

透母「あなたが桜野ちゃんね。あなたとは一度ちゃんとおはなししたいと思っていたの」

桜野「ほぇ? おはなし?」

透母「ええ、透がいろいろ話してくれるから気になることがいっぱいあって」

桜野「そなの?」

透「そ、そんなにいっぱいは話してない……」

透母「毎日すごく楽しそうに話してくれるの。特に『今日の桜野ちゃん』は我が家の食卓の人気コーナーよ」

桜野「人気コーナー!?」

透「お母さんっ!」

透母「ふふふっ」
807 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/20(金) 00:59:29.83 ID:/eqOIwGXo
桜野「あ、そういえばお父さんは?」

雪菜「そうですね。お世話になりますし、いらっしゃるならご挨拶を……」

朱「お義父さまに挨拶!? それはちょっと心の準備が……」

透「お父さん、か……」

雪菜「……?」

透「お父さん……いないんだ……」

桜野「!」

朱「え……?」

透母「ちょっと透、それじゃお父さん死んじゃったみたいでしょ。たまたま居ないだけだから」

雪菜「な、なんだ……びっくりしました……」ホッ

透母「ごめんなさいね。いつもなら今日はお休みなんだけど偶然出張で。帰りは夜遅くに……ううん、朝になるかな」

朱「偶然……透ちゃんまさか……」

雪菜「どうしても今日がいいって言ってたのって……」

透「うん、お父さんいないから」

桜野「?? なんでお父さんいない日が良かったの?」

透「だってなんか……お父さん見せたくない」

桜野「え?」

朱「ああ、うん……ちょっとわかる……」

桜野「え??」

透「せめて友だちがお父さんと同じ屋根の下で寝ることだけは避けたい」

桜野「え???」

雪菜「ごめんねお父さん……気持ち分かっちゃう……」

桜野「お、お父さん嫌いなの……?」

透「嫌いとまでは言わないけど」

桜野「えぇぇ……ならなぜ……」

透母「年頃だし仕方ないのかもね」

桜野「そ、そういうものですか……」

透母「でも桜野ちゃんは嫌がらないのね。親子仲がいいのかしら?」

桜野「……!」

桜野「…………はい、とっても」ニコッ
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 01:06:43.42 ID:kca27qBp0
お父さん達…(´;ω;`)
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 12:15:50.88 ID:+2JNseLe0
何気ない日常会話ですら桜野さんにキラーパスが飛んでくる
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 13:34:05.20 ID:1yXFzn8i0
もういい加減解決してくれ…こういう不穏なの一体何度目で、いつまで引っ張り続けるんだ
何やってても不穏さ不快さだけは常にふりまき続けて、そのくせ周りもいつも何もできず落ち込むばかりで全く進展しないし暗くなる一方
いっそ桜野が消えた方がもっとプリキュアらしく全体的に明るくなりそうとか思っちゃう始末だわ
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/20(金) 13:58:10.17 ID:ieeQnSU8o
プリキュアって初代から今まで大抵けっこう重くてドロドロしてたような…
男女関係とかも濃かったり明確な解決方法がない悩みは大体とにかく頑張ろうだったり
812 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:03:22.77 ID:ieevBYqbo
亀更新なのもあいまって確かにかなりくどいですね すいません調整します でもどうしてもそうなっちゃう部分はあるといいますか……
いつまで続くかとと言われると最後までになっちゃうんですよね…… 前にバッドエンド√で示した通り、このお話は敵倒したらゴールじゃないので 桜野の問題が解決する時はお話が完結するときなので
ぼちぼち桜野が置かれている環境の話もしていきますが、それをするためにはあとほんの少し足りないパーツがあります それを回収するためのお泊まりパートです もう少々お待ちを
余談ですが、上手くやって桜野が今いる環境を変える√はあります ただしその場合、桜野自身の問題が解決しないため強制バッドエンド√に入ります
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:04:49.96 ID:WI4MxM4oo
やはり誘拐は良くないか
814 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:16:15.08 ID:ieevBYqbo
透の部屋

朱「こ、ここが……透ちゃんのお部屋……!」キラキラ

雪菜「なんとなくものが少ないイメージでしたけど色々あります……! 意外と多趣味さんです……!」

透「お母さんは出てって」

透母「えー」

透「いいから」グイ-

桜野「……」

桜野(例の件、どこかのタイミングで話さなきゃ。明日の夜明け前だし出来るだけ早く……でもなんて切り出せば……)

シキ「桜野」ヒョコッ

桜野「……ううん」

雪菜「透さん透さん! これ釣り竿です!?」

透「あ、うん」

朱「釣りもするのね」

透「お父さんの影響で。最近はあんまりやってないけど」

朱「そうなの? ちょっともったいないわね」

透「前はよくやってた。シアに手伝ってもらって」

桜野「シアさんに?」

シア「ワタクシが細長くなって釣り竿と合体するんですのよ」

透「シアがいい感じに動いてくれる。入れ食い爆釣」

雪菜「な、なんかちょっとずるい気がしますけど……」

朱「待つのも釣りの醍醐味なんじゃ……」

透「なんにもない時間が続くとね……いろいろ考えちゃって体調悪くなるんだ……」トオイメ-

朱「あー……ごめん」

透「ううん……」トオイメ-

雪菜「で、でも今なら! みんなでやれば待ってる時間もきっと楽しいです!」

透「ふふっ、そうかも。じゃあ今度みんなで釣りしに行こっか」

雪菜「はい!」

朱「いいわね」

透「桜野もね」

桜野「……うん」ニコッ
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:18:20.51 ID:RIuUWMAUo
\ルゥナァ!/\メェタァル!/
816 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:24:48.23 ID:ieevBYqbo
朱「ねぇねぇ透ちゃん、これ……」

透「これ? アコギだけど?」

朱「弾けるの!?」

透「ちょっとだけ」

桜野「ほんとに多趣味だねぇ」

透「ギターもまあ、お父さんの影響かな」

雪菜「と、透さんのヴィジュアルでギターって……!」

朱「やばかっこいい……!」

透「弾く?」

朱「いいの!?」

透「声出るかな……あ、あー」トントン

雪菜「もしかして弾き語りですか!?」

透「そういうもんじゃない?」

雪菜「透さんのおうた……もともと声がきれいだからきっと素敵です……」

桜野「透ちゃんのおうたねぇ、すごいんだよ」

朱「聴いたことあるの?」ズイッ

雪菜「すごいってどれくらいすごいんですか?」ズイッ

桜野「音楽の授業がソロライブになります」

透「ならないから」

朱「やっぱりそうなのね……噂では聞いてたけど……」

雪菜「え、噂にまでなってるんですか……?」

朱「界隈ではちょっと有名よ」

透「どこの界隈なの……準備できたよ」

朱「雪菜ちゃん!」

雪菜「はいさ!」●REC

透「撮らなくていいから」
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:28:22.96 ID:RIuUWMAUo
そういや普段の授業風景とかあまり語られなかったな
818 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:32:49.60 ID:ieevBYqbo
透「♪♪♪」ジャカジャカ

雪菜「すてき……すてきですぅ……」

桜野「ねー……」

朱「ちょっと失礼……」パシャ

雪菜「でも初めて聞く歌です」

朱「そうね。どこの歌なのかしら」

シキ「シキたちの故郷の歌なのです」

桜野「え、シキたちの?」

シア「一所懸命覚えて、みんなと一緒に歌ってくれたんですのよ」

透「♪♪♪」ジャカジャカ

桜野「そうだったんだ……」

透「ふぃ……おしまい」ジャ-ン

桜野「……っ」パチパチパチパチ

雪菜「とってもとってもすてきでずぅぅぅ……!!!」パチパチ

透「ちょっと照れる……」ポリポリ

朱「メジャーデビューも夢じゃないわね!」

透「飛躍しすぎ」

ピコピコピコピコンッ!

桜野「え、なんかすごい鳴ってる……朱さんのスマホ?」

朱「気にしないで」ニコッ

桜野「?」
819 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:39:31.55 ID:ieevBYqbo
透「久しぶりに弾いた」

雪菜「こうして見ると、透さん本当にかっこいいです。クラスの子が言ってたのも納得です」

朱「透ちゃん人気だものね。王子様みたいで」

透「そんなんじゃ……」

桜野「あ、知ってる? 透ちゃんね、秘密のファンクラブがあるんだって」

朱「」ギクッ

透「なにそれ、初耳なんだけど」

朱「……」フイ-

雪菜「すごいじゃないですかファンクラブなんて!」

朱「……」ヨソヨソ

桜野「そういえば朱さんもありますよね、ファンクラブ」

朱「え、あ、ああ……そうね……」

雪菜「どうしたんです?」

朱「い、いやあ……」

桜野「朱さん知ってました? 透ちゃんの秘密ファンクラブ」

朱「ぜ、全然知らなかったわぁ……」

桜野「あはは、ですよね。知ってたら入ってそうですもんね」

朱「……!」ギクッ

雪菜「それどころか会長さんだったりして」

朱「……!!」ギククッ

朱「そ、そんなわけないじゃない……」ダラダラ

透「そうだよね。そんなわけないよね」

朱「……」メソラシ-

透「朱?」
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:42:32.33 ID:KrvnMlWC0
学園のマドンナの姿かこれが…
821 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:45:25.57 ID:ieevBYqbo
朱「そ! それより! それより、あー……あ、クローゼット! 見てもいい!?」

透「え、なんで……」

桜野「まさか下着を……」

雪菜「さすがにどうかと思います……」

朱「ちょっと待ってあたしのことなんだと思ってるの?」

透「聞きたい?」

朱「やっぱりいいわ。再起不能になりそう」

桜野「なんでクローゼットです?」

朱「透ちゃんの私服って中性的なのが多いじゃない? だからクローゼットはどんな感じかなって」

桜野「言われてみれば」

雪菜「モデルさんの本領発揮ですね!」

透「そういえば人気モデルだったっけ」

朱「そう何度も忘れないで……」

透「だって普段の朱がその……あまりにも……」

朱「わかったから言わないで……」
822 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 00:52:25.47 ID:ieevBYqbo
朱「うーんやっぱり中性的なのが多いわね」

雪菜「似合うしいいんじゃないですか?」

朱「透ちゃんならもっと冒険してもいいと思うのよ」

桜野「透ちゃんこういう服が好きなの?」

透「好きっていうか動きやすいから」

雪菜「だ、男子小学生みたいな理由です……」

朱「むしろそれをナチュラルに着こなせる透ちゃんのスペックがすごいわね……」

桜野「おー透ちゃんすごーい」パチパチ

シキ「すごいのですー」パチパチ

透「え、ありがと?」

朱「でも! それじゃもったいないわ!! というわけで!!!」ダンッ

桜野「でっかい荷物?」

朱「いろいろ用意してみました!!!」ガバッ

雪菜「ふああ! すごいです!! かわいいお洋服いっぱいです!!」

朱「お仕事の関係でもらったものなんだけど、あたしと透ちゃんなら背丈も同じくらいだし着られると思うの!」

透「うーん」

朱「着て! みないっ!?」ズイズイ

透「近い怖い」

雪菜「私からもお願いします! いっそ私が着たいくらいなんですから!」

透「さ、桜野……」

桜野「着てみたら? きっと似合うよ」ニコッ

透「う……」
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 00:54:24.81 ID:WNiY42P80
透ちゃんの部屋って広そう
824 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 01:00:29.94 ID:L3KxCFTuO
朱「せっかくだからがっつり振り切ってみたんだけど……」

雪菜「こ、これは……」

透「……///」モジモジ←がっつり甘めのふりふりガーリー

桜野「ほぁ……」

朱「か゛わ゛い゛い゛!!!!!」

透「う、うるさい……///」

雪菜「ほんとにほんとにすっごくかわいいです!」

透「ううう……制服以外じゃスカートはかないから変な感じするぅ……///」

シア「変身してる時の方がふりふりしてますわよ」

透「これは違うもん……///」

シキ「とってもかわいーのです。ね、桜野」

桜野「う、うん……えっと……」

透「さ、桜野……///」

桜野「うん……」

透「私その……かわいい?///」コテン

桜野「」ッタ-ン

朱「」ッタ-ン

雪菜「」ッタ-ン

透「ぇあ!? え!?」ワタワタ

シキ「これは仕方ないのです……」

透「ど、どうしよ……」

シア「大丈夫。幸せそうですわ」

透「えぇ……」
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:06:39.84 ID:y9TO5Uxko
霰ちゃんも生で見たかったろうなあ
826 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 01:07:10.93 ID:ieevBYqbo
朱「危ない危ない。三途の川が見えたわ、まだ1着目だというのに」

透「ま、まだ着せる気!?」

雪菜「せっかくいっぱいあるんですから他のも試してみましょうよ。ね?」

透「もういい……脱ぐ……」

朱「待って待って、写真撮らせて!」

透「……1枚だけだから」

朱「っしゃあ!」

シア「あら、もう少し嫌がるかと……」

透「ごねられる方が面倒」

シア「ああ……」

朱「」パシャパシャパシャパシャ

透「撮りすぎ!」

雪菜「見てください、こんなのもありますよ」ガサガサ

桜野「ほんとだかわいいねぇ」

シキ「ほー……う? あっちのバッグはなにが入ってるです?」フヨフヨ-

桜野「どれー?」

朱「へっへっへ、これで……ん? あ、それは!」

桜野「メイドチャイナナーススク水……これは……」ガサガサ

朱「あー……」

透「朱ぇ……?」ゴゴゴゴ

朱「……なし?」

透「絶対なし!」

朱「ふぇぇ……」
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:11:04.90 ID:37CMs2W4o
イヤらしいお店かな?
828 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 01:17:01.64 ID:ieevBYqbo
ピコピコピコピコンッ!!!

桜野「朱さん、またもやスマホが鳴りまくってます」

朱「予想以上ね……」

雪菜「なにしたんです?」

朱「さっき透ちゃんがギター弾いてる時の写真で『彼氏とお泊まりデートなう』したの」

透「は?」

朱「それで今着てる服の写真で『残念女の子でした』したの」

透「朱?」

朱「それがとんでもないことに……」

桜野「なるほどそれで……」

雪菜「どっちの透さんも素敵ですからね……」

透「聞いてないんだけど???」ゴゴゴゴ

朱「ご、ごめんなさい! 顔は映してないから許して!」

透「次からはちゃんと言って」

朱「はい! すみませんでした!」

透「言ってくれたら丁重に断るから」

朱「あ、断るんですね!」

透「もうこれ脱ぐから」

朱「も、もうちょっと……」

透「あ?」ギロッ

桜野「うぉぉ……出会った頃の眼ぇ……!」

朱「お手伝いします!」

透「まったく……」

ガチャ

透母「お飲み物いりませんかー?」

透「あ……」

透母「え……?」

透「あ……///」

透母「あ……!」

透「あああぁぁぁぁぁぁああああああ!!!///」バッ

透母「きゃあああぁぁぁぁあああああ!!!」キュゥゥゥンッ

透「出てって出てって出てってぇぇぇええええ!!!///」グイ-

透母「待って待って待って! 写真! 写真撮らせてお願い!!!」

透「やぁぁぁだああああああ!! 出てけえええええええ!!!///」

透母「お父さん喜ぶからぁ! 死ぬほど喜ぶからぁあああ!!!」

透「絶対いやあああああああああああ!!!!!!!!///」
829 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/21(土) 01:17:34.31 ID:ieevBYqbo
ここまで
もっと!早い時間に!やりたい!
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:21:29.80 ID:XBHYtEFc0
乙 え、炎上商法…
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:22:34.14 ID:WI4MxM4oo

うーん思春期!
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 01:25:07.34 ID:YRTgrd120

これでは透ちゃんが芸能界にスカウトされてしまう
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 02:01:11.48 ID:23riBY2Oo
おつー
透ママも朱さんタイプかwww
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/21(土) 08:08:59.34 ID:Ngo2aInF0

久々にただただ楽しい回だった
そして朱さんその写真お母さんに送った後俺にもください
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/22(日) 22:35:05.62 ID:nh8q05ng0
オトナプリキュア始まるまでに終わらせたいと言ってたがもうとっくにはじまっちゃってるしいっそのことかなりじっくりこってりやってもらっても良い
836 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/23(月) 09:45:37.26 ID:NPdcfMavO
>>835
ありがとうございます じっくりやります
とはいえ間伸びしてもしゃーないんで一応年内の完結を目標に こってりするところは思いっきりドロドロにしていきたい所存

今ちょっと忙しめで書いてるところも難しめなのでちまちま更新になります ご容赦
837 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/23(月) 09:54:11.59 ID:NPdcfMavO
透「やだ……もうやだぁ……」シクシク

雪菜「げ、元気だしてください……」

朱「ぐへへ、写真送ることを口実にお義母さまの連絡先げっと……!」

透母「ほんとにかわいいなぁ。お父さんにも見せてあげなきゃ」ニコニコ

透「やめろぉぉぉ……!」

透母「せっかくだしそのまま着てればよかったのに」

透「やだもん……似合わないもん……」

桜野「そんなことないよ。すっごく似合ってた」

朱「うんうんうんうん」コクコクコクコク

雪菜「首取れますよ」

透「……で、でもやだもん」

透母「残念ねぇ」

透「むぅ……もういいでしょ。ほんと何しに来たの」

透母「あ、そうそう。これ」

桜野「? なんですかこれ?」

透母「透のアルバム」

朱「!?!?!」バッ

透「また余計なことを……!」

雪菜「見てもいいんですか!?」

透母「そのために持ってきたんだもん」

桜野「ちっちゃい頃の透ちゃんかぁ。どんなかなぁ」

透「はぁ、もう好きにして……あ、お母さんは出てって」

透母「えー」

透「出 て っ て」

透母「はーい……」シブシブ
838 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/23(月) 10:06:40.59 ID:NPdcfMavO
透「……」

朱「かわいい……! ちっちゃくてぎゃわいい……!」

雪菜「なんかポヤーっとしてるのとかキョトンってしてるのが多いですね。あ、こっちの表情もかわいいですよ」

桜野「ほんとだぁ。ポヤポヤでかわいいねぇ」

シア「ワタクシたちも初めて見ますわね。本当に可愛らしい……」

シキ「よーちえんです? かわいーのです」

透「かわいいしか言ってない……」

雪菜「だってすっごくかわいいんですもん」

朱「こんなの誘拐されてもおかしくないわよ」

シキ「発想が容疑者なのです」

シア「あら、これはなにかの劇ですわね。透はなんの役かしら」

桜野「見たところ王子様みたいですね」

シア「お姫様ではないんですのね」

雪菜「あ、こっちにも劇の写真ありました……けどこっちでも王子様です」

透「そういえば昔から、なぜか王子様役が多かった」

雪菜「男の子を差し置いてですか」

桜野「かっこいいのも似合ってるもんね」

朱「お姫様も見たかったなぁ。透ちゃんもやりたかったんじゃない?」

透「え、うーん……」

シア「少なくとも写真の表情を見る限り……」

シキ「なぁーんにも考えてないのです」
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/23(月) 10:09:34.82 ID:GiQ4emtro
とおるちゃんこっちだよってよく友達にお手々引っ張られてそう
840 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 07:17:10.18 ID:mTknkx8No
朱「ねぇねぇちょっと気になったんだけど」

透「なに?」

朱「なんか女の子と写ってるの多くない?」

桜野「確かに多いですけど……なにかおかしいですか?」

雪菜「お友だちと写ってるだけに見えますけど」

朱「でもよく見て。なんだかやたら距離近くない?」

雪菜「言われてみれば腕組まれたり抱きつかれたりしてるのばっかですね」

桜野「そして透ちゃんは相変わらずのポヤポヤ顔」

シキ「はてなマーク描きたいのです」

シア「透、これ撮った時のこと覚えてます?」

透「ん? んー……あ、そういえば突然おままごとが始まってた」

朱「おままごと?」

透「うん。急にお嫁さんになるって言われて」

朱「お嫁さん、というと……桜野ちゃん」

桜野「がってん。透ちゃん、ちょっとこっち向いて」

透「うん……?」

桜野「すー……はー……よし」

透「なにす……」

桜野「おっきくなったら透ちゃんのお嫁さんになるー!」ニコ-

透「」ッタ-ン

桜野「みたいな?」

朱「カンペキよ」グッ☆

透「」

桜野「あれ透ちゃん?」

透「」ガシッ

桜野「へ?」

透「よく分かんなかったからもう1回!」ズイッ

桜野「へ???」

朱「おっきくなったら透ちゃんのお嫁さんになるー」ニコ-

透「あ、結構です」

朱「がっでむ!」
841 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 07:32:36.08 ID:mTknkx8No
雪菜「それにしても王子様役に何度も選ばれたり、女の子にくっつかれたり、お嫁さんになるって言われたり……」

シア「もしかして……」

シキ「透、男の子だと思われてたです?」

透「え、そういうこと?」

朱「この頃から女の子キラーだったのね」

桜野「遊園地でも女の人にナンパされてたもんね」

透「そういえばそうだった。なんでそんな男の子に間違えられ……」

透「!」ハッ

朱「どうしたの?」

雪菜「なにか思い当たる節が?」

透「っ……!」ピピピピッ

朱「?」

雪菜「?」

透「!?」ボンッ

透「ア……」フラッ

透「カテナイ……ゼッタイカテナイ……」ズ-ン

桜野「透ちゃん?」

透「!」バッ

透「っ……!」ピピピピッ

透「………………」

桜野「だいじょぶ?」

透「アアアア……!!!」ガク-

桜野「???」

透「世界はッ! 不平等だッ!!!」

桜野「急にどうしたの!?」

シア「大丈夫ですわ透。そんなに悲観するほどのものではありませんわよ」

透「ほんとに? あまりの断崖絶壁ぶりに思わず飛び降りたくなったりしない? ありもしない罪を自白しそうになったりしない?」

シキ「この話題の時はほんととことん卑屈なのです……」
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 08:16:48.59 ID:aBTQT3X+o
ぺったんぺったんつるぺったん
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 09:19:13.29 ID:9Q6xbhgHO
そもそも幼稚園なんてみんなぺったんだろっていう
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 09:49:49.01 ID:ga2U4heq0
アニメや漫画における男に見える系キャラって例え巨乳でも何故かそこ完璧に隠せて周りから男に見えるんだよね
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 19:02:20.58 ID:3sxeC/kHo
朱さんがお嫁さんになってもすぐ可愛い女の子に目移りして浮気しそう
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 19:53:46.55 ID:2etu7v2Ro
切れたナイフ人格は過大なストレスの結果生まれてしまったものでさては透ちゃん元来はフシギちゃん系だな?(今更)
847 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 22:41:58.68 ID:mTknkx8No
雪菜「ちっちゃい透さんかわいかったですねぇ」

朱「堪能したわぁ」

透「むぅ、私ばっかりでなんか不公平。みんなのちっちゃい頃も教えて」

雪菜「そうですねー、んー……私は絵本ばっかり読んでました」

朱「あたしは昔からお洋服大好きだったわね」

桜野「三つ子の魂って感じだねぇ」

透「桜野は桜野は??」

桜野「わたし? うーん、普通だと思うよ。特に特徴らしい特徴もないような感じ」

透「あれが好きだったとかこういうので遊んでたとかは? なんでもいいから」

桜野「と言われてもよく覚えてないし……」

透「なんにもない?」

桜野「これといって。ごめんね?」

透「うー……」シュン

雪菜「……私も聞きたいです」

桜野「え?」

透「!」パッ

雪菜「桜野さんの昔の話、私も聞きたいです」

桜野「い、いやでも……」

朱「あたしも聞きたいなぁ」

桜野「あ、朱さんもですか……」

朱「話してくれたら嬉しいわ。とっても」

透「!」コクコク

桜野「えー、えっとぉ……」

雪菜「……」ジッ

朱「……」ジッ

透「……!」キラキラワクワク

桜野「そ、そんなに……」

桜野(すっごい見られてる……なんか緊張……)

桜野「あ、の……」

桜野(でも、もしかしたら……チャンスなのかな……)

桜野「ぁ……」

桜野(今なら話せるのかな……例の件も……)

桜野「……」

桜野(それ以外も……)

桜野「…………」

桜野(……話すべきなのかな)

桜野「………………」

桜野(話したら……どうなるのかな……)
848 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 22:54:49.84 ID:mTknkx8No
桜野「はぁ……」

桜野(あの後結局、中途半端に誤魔化してしまった。透ちゃんには悪いことしちゃったな)

桜野(それからも話すチャンスはあったのに、いまだ話せずじまいだ)

桜野(もう時間が無い。何はなくとも、例の件だけは早く話さなきゃいけない。それは分かってるんだけど……)

桜野(迷ってしまうのはやっぱり、いざって時にみんなを守れる自信がないからかな)

桜野(決めたはずなのに、話すって。わたし一人じゃ約束守れないのに……)

桜野(迷って、言葉が出なくて、時間ばっかり過ぎて、そして……)

透母「透ーお皿出してー」

透「うん」カチャカチャ

桜野(あっという間にお夕飯の時間に……!)

透母「あら朱ちゃん、お料理も上手なのねぇ。このお鍋は任せちゃっても大丈夫?」

朱「おまかせくださいお義母さま」キリッ

透母「ほんと透にも見習ってほしいわ。あの子ったらお父さんにそっくりだから、将来はお料理できる人見つけないと大変なのよね」

朱「おまかせくださいお義母さま」キリッ

透母「?」

桜野(どちらにしても透ちゃんのお母さんに聞かせるわけにはいかないな……)

雪菜「さ、サラダを盛りつけるくらいなら私にも……!」モサモサ

透「お客さんなんだから座ってていいのに」

雪菜「そういうわけにはいきません!」フンスッ

桜野「透ちゃん、わたしもなにか手伝う」

透「桜野も座ってていいんだよ?」

桜野「そういうわけにはいきません!」フンスッ

透「……じゃあお皿出すの手伝って」

桜野「まかせて」ニコッ
849 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:08:17.27 ID:mTknkx8No
「「「いただきまぁす!!!」」」

透母「どんどん食べてねー」

桜野「ほぁ……」

雪菜「むぐむぐ、これとってもおいひいれす!」モグモグ

透母「あとでレシピ教えてあげるわね」ニコニコ

桜野「……」

朱「透ちゃんこれ食べてみて! あたしが作ったの!」

透「わかったから……近い……」

桜野「……」

透母「桜野ちゃん、どうかした?」

桜野「あ、いえ、あの……なんかいつもの食事とのギャップが……」

透母「うちだっていつもはこんなに豪勢じゃないわよ。今日はみんなが来てくれたから特別」

桜野「こ、こんなに賑やかなのも……」

透母「それもみんながいるからね」

桜野「みんなが……いる……」

透母「ほら、冷めちゃうから食べて食べて」

桜野「あ、はい。いただきます」パチ

桜野「」ズズッ

桜野「……!」

透母「どお?」

桜野「……っ」フルフル

透母「桜野ちゃん?」

桜野「…………あったかいです……すごく……」

透母「おかわりもあるからいっぱい食べてね」ニコッ

桜野「……はい」
850 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:21:55.30 ID:mTknkx8No
朱「さぁーてさてさてさてさてさてっ!!!」

透「え、なに……」

雪菜「急にテンション高いです……」

桜野(はやく話さなきゃな……)

朱「ふっふっふ。だってぇ……今からぁ……」ニヤッ

桜野(でもどのタイミングで……)

朱「お待ちかねのお風呂たーいむ!!!」

透「あー」

雪菜「う……」

桜野「……!」

朱「一緒に入るわよね!? お泊まり会だもね!? ね!?」

透「いっしょ……いっしょ? はだか……? つまり……?」カタカタ

雪菜「透さん?」

透「ア」

シキ「透っ! 気をしっかり持つですっ!!!」ペタ-ンッ

雪菜「あ、あの……変なことしませんよね……?」

朱「前向きに検討します!」

桜野(お風呂……)

シア「さて、ワタクシも準備しませんと」

朱「え、シアさんもですか?」

シア「前にぼーっとしてた透が溺れかけてから気が気じゃありませんの」

透「もう大丈夫だって……」

雪菜「ていうか入れるんですか……?」

透「釣りもできるから平気。あと水吸わせると増えて面白い。わかめみたい」

シア「あら、失礼しちゃいますわ」

桜野(一緒にってなると……その後はきっとそれどころじゃ……)ギュ

透「……?」
851 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:28:33.20 ID:mTknkx8No
透「桜野?」

桜野「……!」ビクッ

透「どうしたの大丈夫? あ、食べ過ぎちゃった?」

桜野(話さなきゃ……話さなきゃ……チャンスはもう、今しかない……)

透「桜野?」

桜野「…………あのねみんな」

透「なになに?」

シア「なんですの?」

桜野「話したいことが……あって……」

朱「話したいこと……」

雪菜「……はい」

桜野「わたし……」

透「???」

朱「……」

雪菜「……」

桜野「わたし……!」

シキ「……」

桜野「……」

桜野「…………」

桜野「………………お風呂、あとで入るね」ニヘッ
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 23:32:23.36 ID:3sxeC/kHo
うーむ戦闘のときは暴の化身なのにメンタルが
853 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:40:06.51 ID:mTknkx8No
ガプッ

シキ「……」

カプカプ

シキ「……」

ガププッ

シキ「……桜野」

桜野「…………なに」

シキ「……手首噛むの、もうやめるです」

桜野「…………やめたら……消えちゃう」カプッ

シキ「っ……! でもあの子はっ……!」

桜野「わかってるよ」

シキ「……っ」

桜野「コスモスを殺したのはわたしだもん」

シキ「……」

桜野「…………はぷ」ガプッ

シキ「……」

桜野「…………んちゅ、ん」ガプガプ

シキ「……桜野」

桜野「…………なに」

シキ「……よかったの?」

桜野「…………なにが」

シキ「……お風呂」

桜野「…………」

シキ「……」

桜野「…………無理だよ。わかってるでしょ」

シキ「……」

桜野「みんなには見せられない。見せられるわけないよ」

シキ「……」

桜野「こんな……」ギュ

シキ「……っ」



桜野「………………痣だらけのカラダ」
854 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/25(水) 23:40:39.49 ID:mTknkx8No
ここまで
こってりします
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 23:43:26.48 ID:3sxeC/kHo

リスカどころじゃねえな
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/25(水) 23:57:27.61 ID:D/QcfBUP0

こってりに加えて野菜もアブラもましましで!
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 00:04:33.69 ID:VWhfNdK4o
麺半分で……
おつ
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 00:08:17.69 ID:lwLA7HKlo

替え玉も一丁!
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 20:02:13.31 ID:GS4Bubzuo
───実はあるんだろう?
朱さんが仕掛けた盗撮用の隠しカメラが──
860 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 22:35:02.40 ID:h/pand+io
桜野「…………そうでしょ?」

シキ「でもっ……!」

桜野「…………みんなびっくりしちゃうもん」

シキ「それでもシキは……! みんなに話すべきだと思うのですっ……!」

桜野「…………どうして?」

シキ「どうしてって……! だって……!」

桜野「話したからってどうなるの? いたずらにみんなを不安にさせるだけだよ」

シキ「きっとみんな寄り添ってくれるのです……! 桜野の力になってくれるのです……!」

桜野「…………わたしのことなんかどうてもいいんだよ」

シキ「桜野っ……!」

桜野「そんなことより」

シキ「そんなことなんかじゃ……!」

桜野「そんなことより」ズイッ

シキ「……!」ビクッ

桜野「大事なことは別にあるの」

シキ「べつ……?」

桜野「遅かれ早かれだから、シキには先に話しておくね」

シキ「な、なにを……」

桜野「あのね……」



透母「桜野ちゃん?」



桜野「!」ピクッ

シキ「!」サッ

桜野「あ、透ちゃんのお母さん……」

透母「おばさんでいいわよ。お風呂は?」

桜野「あ、わたし……あとでいただきます……」

透母「そう? んー、それじゃあちょっといい?」パタパタ

桜野「?」

透母「おばさんの話、聞いてもらえる?」

桜野「は、はい……?」
861 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 22:47:16.39 ID:h/pand+io
透母「……」

桜野「あの、話って……?」

透母「桜野ちゃん」

桜野「はい……?」

透母「ありがとね、透のこと」

桜野「え? えっと……どういう……?」

透母「ねぇ桜野ちゃん、透と初めて会った時どんな感じだったか覚えてる?」

桜野「え、はじめて? えっとぉ……」

透母「感じた通り素直に言ってくれていいわよ。気を悪くしたりしないから」

桜野「じゃあ、えっと……透ちゃんが転校してきた時だから……最初はその、ちょっと怖い人なのかなって思いました。目つきがこう……鋭い感じで」

透母「うん」

桜野「それで、あの……ちょっと厳しい人なのかな、みたいな印象も……」

透母「ふふっ、そうね」

桜野「あ、す、すいません……」

透母「ううん、あの頃は確かにそんな感じだった。鋭くて、近づいたらこっちが怪我しちゃうくらい」

桜野「はい……」

透母「でもね、昔からそうだったわけじゃないのよ」

桜野「あ、あのアルバム見ました」

透母「あ、そうだったそうだった。アルバムは小さい頃のしかないけど、あのまま大きくなったイメージね」

桜野「なんていうか、ポヤポヤな……?」

透母「ふふふっ、そう、ポヤポヤ。天然っていうか、親としてはちょっと危なっかしいかなって感じの子」

桜野「ふふっ、たしかにちょっと不安かもです」

透母「……それと、よく笑う子」

桜野「笑う……」

透母「些細なことでもね、本当に楽しそうに笑う子だったの」

桜野「透ちゃんが……」

透母「それがね……変わってしまった……」

桜野「……」

透母「前にあの子ね、行方不明になったの」

桜野「……!」
862 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:12:06.31 ID:h/pand+io
桜野「ゆくえ、ふめい……」

桜野(それって……シーズンランドにいた時の……)

透母「うん。まるで消えたみたいに、本当に突然いなくなっちゃってね」

桜野「……」

透母「いろいろ手を尽くして探し回ったけど、小さな手がかりすら見つけられなかった。なにも進展がないまま時間だけが過ぎていって……あの時は本当に、生きた心地がしなかった」

桜野「……」

透母「でもね、もう見つからないんじゃないかって心が折れかけていた時に、あの子帰ってきたの。いなくなったときと同じで突然」

透母「嬉しかったわ。お父さんと2人で泣いて喜んだ。抱きしめて、もう絶対離さないって誓った。だってもう二度と会えないかもしれないって思った娘に会えたんだもん」

透母「でも、それで解決じゃなかった」

桜野「……」

透母「戻ってきたあの子は前みたいに笑わなくなっていた。それどころか、戻ってからしばらくは話すことすら」

透母「ずっとなにかに怯えてるみたいな、ずっとなにかを恨んでるみたいな顔してた。一日中部屋にこもってる日もあれば、いつの間にかいなくなって夜遅くに帰ってくる日もあった。ほとんどなにも食べてくれなかったし、話しかけてもまともな反応はなかった」

透母「行方不明のあいだに何かあったのは間違いない。でも何があったのか、どれだけ聞いても教えてはくれなかった。せっかくあの子が帰ってきて元の日常が戻ってきたって思ったのに、透は日に日にやつれていってずっと苦しそうにしてた」

透母「それなのに私たちはなんにもできなくて。情けない親よね。娘がなんで悩んでいるのか、ほんの少しだって理解してあげられなかった」

桜野「そ、そんなこと……!」

透母「……でもね、お父さんと決めたの、あの子のためならなんでもしようって。きっとまた前みたいに笑えるようになるからって」

透母「だからあの子が転校したいって言い出した時も、すぐに引越しの準備を始めた。理由は聞けなかったけど、それでもよかった。環境が変われば、あの子にもいい変化があるかもしれないって思った」

透母「それになにより、戻ってきてから初めて、あの子がしたいって言ったことなの。そんなお願い、叶えないわけにはいかないもんね」

桜野「……はい」

透母「すぐに転入の手続きをして、お父さんはお仕事の引き継ぎとかあったから先に2人で引っ越してきて……それで転校初日、帰ってきたあの子ね、なんだかすごく落ち込んでるみたいな、怒ってるみたいな、そんな感じだった」

桜野「あ……」

透母「転校なんて初めてだし、上手くいかなかったんじゃないかとか悪いことでもあったんじゃないかとかって不安になって透に聞いたの、学校どうだったって」

透母「そしたらあの子、うるさい、話しかけないで、ひとりにして……って」

桜野「そ、それは……」

透母「チャンスだって思った」

桜野「チャンス……?」

透母「だってそれまで話しかけても心が失くなっちゃったみたいな反応しか返ってこなかったのよ? それがあんなに感情むき出しにして」

桜野「……」

透母「それからは毎日学校のこと聞いた。今日はどうだった今日どうだったって毎日。最初はなんにも話してくれなかったけどね、だんだん我慢できなくなってったみたいで、少しづつ話してくれるようになった」

透母「その時話してくれたのが、桜野ちゃんのことだった」

桜野「わたしの……」
863 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:31:30.80 ID:h/pand+io
透母「行方不明になってからこっち、なにを聞いても黙って俯いていたあの子がね、あなたの話をするの。口を開けば岸波さんがって」

透母「なんだかとってもイライラしているみたいで、誰かに感情をぶつけなきゃ気が済まないって感じだったなぁ」

桜野「え、あ、ああ……確かにあの頃はすっごい怒らせちゃってて……」

透母「でもね……本人は気づいてなかったと思うけど、あの時の透、なんだか楽しそうだった」

桜野「た、楽しそう……ですか?」

透母「うん。イライラはしてるんだけど、なんていうのかな……やんちゃな友だちの行動に呆れてるみたいな……」

桜野「あー……」

透母「思い当たる節ある?」

桜野「えーっと……へへ……」ポリポリ

透母「ふふっ……ともあれ、それからは毎日あなたのことを聞いた。その度にどこに腹が立ったか教えてくれた」

桜野「あは、は……」

透母「ずっと浮かない顔のあの子だったけど、あなたの話をしている時だけは元気だった。あなたを話をする度に、あの子が元気になっていくみたいだった」

透母「相変わらずイライラしてたみたいだけど、少しづつ口数も増えていってね、朱ちゃんや雪菜ちゃんの話もするようになって、ゆっくりだけど元気になっていって、それで……」

桜野「……」

透母「あの日……あの子、笑った。笑ったの」

桜野「…………はい」

透母「前みたいにひたすらのんきでやわらかい笑顔ってわけじゃなかったけど、それでも確かに笑ったの」

透母「笑って、笑いながら、桜野がねって言うの。嬉しそうにあなたの話をするの」

透母「今日は何があったって、今日の桜野ちゃんはこんなんだったよって。些細な、本当に小さなことを、これでもかってくらい幸せそうに話してくれるの……!」

桜野「……はい」

透母「……」

桜野「……」

透母「…………あなたが助けてくれたのよね」

桜野「え……?」

透母「透がまた笑えるようになったのは、あなたのおかげなのよね。私たちじゃどうしようもなかった傷を癒してくれたのは桜野ちゃんなのよね」

桜野「そ、そんな……わたしまだなにも……」

透母「ううん……桜野ちゃん、改めてお礼を言わせて」

桜野「ぁ……」

透母「娘を、透を助けてくれてありがとう。本当に本当に、本当に……ありがとうっ……!!!」

桜野「……!」
864 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:39:54.68 ID:h/pand+io
桜野「あたま……あげて、ください……」

透母「……うん。でもこれだけら分かってね、あなたには本当に感謝してるの」

桜野「………………はい」

透母「……ごめんね、長々付き合わせちゃって。おばさんもう行くわね」

桜野「………………」

透母「お風呂、遠慮しないでゆっくり浸かってね。今夜は冷えるから」

桜野「…………」

透母「それから、なにかあったらなんでも言ってね。あなたは透にとっても、私たちにとっても恩人だもん」

桜野「……」

透母「それじゃあ……」

桜野「………………透ちゃんを愛してますか」

透母「え?」

桜野「あ……あ! い、いやあのなんでもなくて……! す、すみませっ……なんでこんなこと聞いて……」

透母「愛してるわよ」

桜野「……!」

透母「当たり前でしょ? 家族だもん!」ニコッ

桜野「!!!」

桜野「……か、ぞく…………」

桜野(………………そ、っか)

桜野「………………」

透母「桜野ちゃん?」

桜野「……大丈夫です」

透母「え?」

桜野「透ちゃんはもう大丈夫です。ずっと大丈夫だったんです」

透母「桜野ちゃん……」

桜野「……」

透母「……ありがとう」

桜野「…………いえ」
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 23:43:00.00 ID:3xrLA/BJo
あーいってなんだ♪
866 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:47:17.35 ID:h/pand+io
桜野「……」

桜野「ふぅぅぅ……」

桜野「……そっか」

シキ「桜野……?」

桜野「ううん」

桜野(わたしは……なにを迷っていたんだろう)

桜野「ん……」ググッ

桜野(本当ははじめから、迷う必要なんてなかった)

桜野「ふぅ……」パッ

桜野(透ちゃんは大丈夫だった。ずっと大丈夫だったんだ)

桜野「………………」

桜野(わたしがいなくても)
867 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/26(木) 23:47:50.32 ID:h/pand+io
ここまで
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 23:50:55.21 ID:3xrLA/BJo

愛する我が子のためとはいえなんも事情説明しない娘のために即転校出来るのすごいフットワークの軽さだ
前の学校のお友達は急に透ちゃんいなくなって泣かなかったかな?
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/26(木) 23:53:11.41 ID:iSz8fe36o

悲しいかな…大抵の人類は桜野さんが無理に助けてやらなくても大丈夫なんだ…
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/27(金) 01:09:41.15 ID:J5EJ2b4C0
透母何かを察してるか
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/27(金) 15:08:07.57 ID:qiJpeTMT0
岸波家 弓知夏家のご両親も出たなら秋葉家 久木家のご両親も出るかな?
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/27(金) 15:36:00.15 ID:c88D2ZWl0
いいよ別に出なくても
あのキャラの○○はやったからこのキャラも、とかいちいちやってたらくどくなる一方だし
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/27(金) 15:44:33.23 ID:m4Br13m8o
展開だいぶ駆け足だし掘り下げはくどいくらいがちょうど良い
874 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/27(金) 23:55:53.75 ID:vw1MMxydo
両親関連の掘り下げ予定は現状ありません 余裕がない
駆け足気味なのはお泊まりイベスキップしたからかな?それに関しては、じっくりやっても桜野がひたすらウジウジするだけなのでやらん方がいいかなと思いまして
875 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/27(金) 23:59:50.42 ID:vw1MMxydo


朱「」スヤスヤ

雪菜「」スヤスヤ

桜野「……」

桜野(……心は決まった)

桜野(そうなったらあとはシンプルだ。ひとりで行く。それでぜんぶ終わらせる)

桜野「……」ゴロ

桜野(でもそのために足りないものが……)

桜野「……」

桜野(みんなもう寝たよね……?)

桜野「……」モゾッ

透「桜野、起きてる……?」コソッ

桜野「!」ビクッ

透「……あ、ごめ。起こしちゃった?」ヒソヒソ

桜野「……う、ううん……どうしたの?」ヒソヒソ

透「……ちょっと来て」

桜野「……?」
876 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:09:02.81 ID:k2mxwA5/o
ベランダ

桜野「ふぅぅ……夜風が気持ちいねぇ」

透「うん。でもちょっと冷えるかも」

桜野「じゃあはやく済ませて戻ろっか」

透「うん」

桜野「それで、話したいことって?」

透「あの……シキは?」

桜野「シキ? 向こうで寝てるけど……連れてくる?」

透「あ、ううん、いい。寝てるならいいの」

桜野「まあ起こすのも悪いもんね」

透「そうだけどそうじゃなくて……」

桜野「?」

透「……」

桜野「透ちゃん?」

透「桜野、お願い……聞いて……」

桜野「いいけど……なにを?」

透「持っててほしいものがあるの……」ガサゴソ

桜野「持ってて……?」

ポワッ

桜野「!」

透「これ……」

桜野「そ、れは……!」

透「うん……」

パァァァ

透「……ウィッシュスター」
877 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:23:41.07 ID:k2mxwA5/o
桜野「これ……わたしに……?」

透「うん……」

桜野「で、でもっ、なん、で……?」

透「…………私じゃ……守りきれないから……」

桜野「……!」

透「この前の戦いだってすごく危なかった。もしかしたら奪われてたかもしれない。そうなっちゃったのは、これを持ってたのが私だったから……」

桜野「そ、そんなこと……」

透「ううん、あの時、桜野が来る前に私は敗けてた。向こうが本気で奪う気だったら、多分守りきれてなかったと思う」

桜野「それは……」

透「あの時だけじゃない、これまでずっとそうだった。私が弱いせいで、いつも桜野やみんなの足でまといになって……」

桜野「そんなこと……ないよ……!」

透「……桜野」

桜野「違うよ……透ちゃんはなんにも悪くなんかないよ……」

透「桜野」

桜野「……っ」

透「……これはいろんな人の願いがこもった大切なものなの。絶対守りきらなきゃいけないの」

桜野「……うん」

透「それを、弱い私が持ってちゃダメなの」

桜野「……」

透「だから……」

桜野「……」

透「……」

桜野「……みんなに話さなくていいの?」

透「言えないよ。こんなこと桜野にしか話せない」

桜野「……」

透「桜野、お願い……」

桜野「……」

透「みんなの願いを守って」

桜野「……」

桜野「…………」

桜野「………………わかった」

透「……ありがと」

桜野「………………ごめんね」

透「どうして桜野が謝るの」

桜野「………………ううん」
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/28(土) 00:29:41.55 ID:b/acpvi8o
そんな大切なものみすみす敵の前に持っていくのか…
879 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:37:00.15 ID:k2mxwA5/o
パァァァ

桜野「……」ギュ

透「ねぇ桜野」

桜野「……なあに?」

透「……明日だよね」

桜野「え……?」

透「帰っちゃうの」

桜野「あ、ああ……うん……」

透「楽しかったなぁ」

桜野「うん、楽しかった。ほんとのほんとに楽しかった」

透「でも心残りがある」

桜野「……なに?」

透「枕投げできなかった」

桜野「あ、あー……それはほら、しょうがないよ。ご近所迷惑になっちゃうしホコリ舞っちゃうし……」

透「やってみたかったのになぁ」

桜野「……そうだよね」

透「次は絶対やろう」

桜野「……次?」

透「うん。次はうち以外の誰かのおうちでお泊まり会するの」

桜野「……!」

透「あ、その時こそはお風呂いっしょね? 桜野がいなくて、その……あー、うん……なんていうか、ね……」トオイメ-

桜野「?」

透「そ、そうだ釣りもしよ。みんなでやるって言ったし」

桜野「……釣りか。朝早いんだっけ?」

透「釣り堀だったらあんまり気にしなくても大丈夫」

桜野「……そっか」

透「ニジマスとか釣ってね、大きさ比べっこして、焼いてもらってみんなで食べるの」

桜野「……うん」

透「あ、それならキャンプとかもいいかも。おっきいテント張ってね、バーベキューとかして、美味しいものいっぱい食べるの。あとね、近くの川で遊んだりしてね」

桜野「……うん」

透「夜になったらお待ちかねの枕投げ。テントでもできるよね?」

桜野「…………うん」

透「それで疲れたらね、朱が持ってきてくれたアロマでリラックスしながら星空見るの。雪菜が星にまつわるちょっとロマンチックなおはなしとかしてくれるんだ」

桜野「…………うん」

透「それで、寝ないで朝までおしゃべりしよって意気込むんだけど結局みんな寝ちゃってね、朝になって、いつのまにか寝ちゃったねって笑うの」

桜野「………………うん」

透「どうかな? そういうのも楽しそうじゃない?」

桜野「…………夢みたいだね」

透「叶えようよ」ニコッ

桜野「っ……」
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/28(土) 00:39:31.95 ID:A0hD3jHno
死亡フラグみたいな会話
881 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:42:01.83 ID:k2mxwA5/o
透「桜野?」

桜野「……っ」

桜野「…………」

桜野「………………ううん、なんでもない」

透「? ほんとに? なにか……くしゅっ」

桜野「あ」

透「へぅ……」

桜野「寒いよね。戻らないと」

透「ん、桜野も」

桜野「あ……」

透「ん?」

桜野「わたしは、その……」

透「?」

桜野「…………もう少し、風を浴びてく」

透「んー……」

桜野「……」

透「……ん、わかった」

桜野「……」

透「あんまり長居して風邪ひかないようにね」

桜野「……うん」

透「じゃあ……」

桜野「透ちゃん」

透「ん?」

桜野「……おやすみ」

透「ん、おやすみ」ニコッ
882 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:51:23.26 ID:k2mxwA5/o
桜野「……」ボ-

桜野「…………はー」

桜野「……」

桜野「………………いくか」

桜野「……っよ」ピョンッ

桜野「っとと……おぉ、2階でも結構高い……」スタ

桜野「……」

桜野「すぅぅぅ……」

桜野「はぁぁぁ……」

桜野「……」ボ-

桜野「……空が近いや」

桜野「……」

桜野(ウィッシュスターは手に入った)

桜野(時間ももうすぐ)

桜野(迷いは……ない)

桜野「……」

桜野(目標は、ぜんぶやっつけること。もう二度と、誰も戦わなくていいようにすること)

桜野「……」

桜野(できる限り自分の力で戦う。でももし……もしもダメだったらその時は……)

桜野「……」ギュ

桜野(ウィッシュスターの力で無理やり解決する)

桜野「……そうならないのが1番だけど」

桜野(だってこれは、その先にある願いを叶えるためのもの……)

桜野「……」

桜野(……そうだ)

桜野「……」ガサゴソ

チャリッ

桜野(ロケット……つけてこっかな……)チャリリッパチッ

桜野「……よし」チャリッ

桜野「すー……はー……」

桜野「……待っててね、コスモス。ぜんぶ終わらせてくるから」ギュ

桜野「ふー……」

桜野(どうせなら……)

桜野「せーのっ……」ググッ

桜野(くつ、ちゃんと揃えてくればよかったな……)

タンッ
883 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/28(土) 00:51:52.79 ID:k2mxwA5/o
ここまで
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/28(土) 00:54:31.65 ID:A0hD3jHno

ベジータ並みの戦犯にならないことを願う
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/28(土) 01:00:22.79 ID:bu0bQfm30

桜野さんのマインドはここまでやっても変化なくてぶっちゃけ一人の方が強くて
無敵の人かな?
886 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 00:41:58.37 ID:P9O2tPu4o
「……て……きて……!」

透「……ん……んぅう……?」

シア「起きて! 透!!!」グイ

透「……んっ、んむぅ……」ムクッ

透「くぁ、ぁぁぁふ……んぇう……?」ボ-

透「……まだよるだよぉ?」ポケポケ

雪菜「透さん! ぼーっとしてないで起きてください! 大変なんです!」ユサユサ

透「う、ぁぁ……なにぃ……? なにがあっ。ふああ……」

朱「桜野ちゃんがいないの!!!」

透「えぅ……さくの……? さくのなら……」

透「……」

透「………………え?」

ガタッ

透「え、いない!? いないってなに!? どういうこと!?」

朱「どうもこうもそのままなの! どこにもいないのよ!!」

透「え、え、でも! なんで!?」

雪菜「わ、分かんないですよ! シキちゃんが気づいた時にはもういなくなっちゃったあとで!」

透「こ、この部屋にいないってだけじゃ!? と、トイレとか!」

シア「ワタクシが感じ取れる範囲に桜野の気配がありません! 少なくとも家の中には……!」

透「こ、コンビニとか行ったんじゃ……!」

シア「こんな時間に!? 断りも書き置きもなく!?」

透「で、でもじゃあなんで! ど、どこに! なにかの間違いなんじゃ……!」

雪菜「わかんないですけど現にどこにもいないんです!」

透「な、なんで……! さくの……!」

朱「お、落ち着いて心当たりを整理しましょ! みんな何かない!?」

透「心当たりなんて……! なんて…………ぁ」

シア「なにかありますの!?」

透「あ、あの、えっと……」

シア「透?」

透「あの……私……」

シキ「……」

透「ウィッシュスター…………桜野に……渡した……」
887 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 00:52:46.82 ID:P9O2tPu4o
シキ「……!」

雪菜「……え」

朱「桜野ちゃんに……?」

シア「どうして!?」

透「だ、だって私……私じゃ……!」

シキ「それなのです」

透「え……?」

シキ「……みんな、聞いてほしいのです」

朱「なにかわかるの!?」

シキ「まず最初に、多分シキなら桜野が今どこにいるか見つけられるのです」

透「ほんとに!?」

シア「確かに、ずっと桜野の近くにいたシキなら可能かもしれませんわね」

透「だったら早く探しに行こうよ!」

シキ「……」フルフル

透「え……なん、で……??」

シキ「……」

透「なんでよ! 桜野の居場所わかるんでしょ!? なのになんで!!」

シキ「ただ追いかけるだけじゃ、桜野は戻ってきてくれないのです」

雪菜「……!」

透「え……なに……? どういう……?」

シキ「それで戻ってきてくれるなら、朱も雪菜も苦しい思いをしなくて済んだのです」

朱「……」

透「なに、それ……」

シキ「……順番に話すのです」
888 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 01:02:00.68 ID:P9O2tPu4o
シキ「……みんな覚えてるです? 前に学校でツナミが襲ってきた時、桜野はライガと戦ってたのです」

雪菜「そ、そういえばそうです……あの時なにか……」

シキ「桜野、ライガになにか言われてたのです。話の中身までは聞こえなかったけど、なにか……」

透「なにかって……?」

シキ「分からないのです。でもはっきりしてるのは、敵の目的がウィッシュスターだってこと……」

朱「も、もしかしてウィッシュスターを持ってこいって脅されたんじゃ……!」

透「!」

シキ「……かもしれないのです」

シア「しかし桜野に限って言われた通り渡すなんて思えませんわ……」

雪菜「確かにそうです。だとしたら、桜野さんなら……あ、桜野さんもしかして……!」

シキ「……うん」

透「なに、なに!?」

シキ「………………ひとりで戦いに行ったのです」

透「え……」

シア「そ、そんな……!」

透「なんで……? なんでなんで……! だって桜野っ、そんなこと一言も言わなかったっ!!」

シキ「朱と雪菜なら、なんとなく分かると思うのです。桜野の暗い部分に少しでも触れた2人なら」

雪菜「はい……桜野さんならそれが1番って……」

朱「考えるでしょうね……」

透「……!」
889 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 01:15:54.35 ID:P9O2tPu4o
透「な、なに…………なんなの……なんで……?」

透「朱も雪菜も……なに言ってるの……?」

透「暗い部分ってなに……! そんな桜野……私知らない……!」

シキ「透……」

透「わ、わたし……? わたしのせい、なの……?」

透「わたしがウィッシュスターあげちゃったから……? だからさくのいなくなっちゃったの……??」

シキ「……ちがうのです」

透「じゃあなんで! なんでよっ! なんで桜野いないのっ!!!」

シキ「……」

透「なんっ、ぅ、けふっ……! なんでっ……はぁっはぁっ……さくのっ、なんで……なんでよぉ……!」ガクガク

シア「透!」バッ

透「んくっ、はっ、はっ……! うぅぅ……!」

透「ふーっ、ふーっ……ちが、うもんっ……!」

透「さくの……いなくならないもん……なんにも言わずにかってにいなくなったりしないもん……!!!」

シキ「……透、聞いて」

透「やだ!」

シキ「ダメなのです。ちゃんと聞いて。桜野にはね……」

透「うぅぅううう……!!!」

シキ「……桜野には……多分もう、戦いしか残ってないのです」

透「………………ぇ」

シア「ど、どういうことですの……?」

雪菜「それって……!」

朱「シキちゃん……」

シキ「うん……」

シキ「話すのです、ぜんぶ。桜野のこと、桜野が話してくれたこと、シキが知ってること、ぜんぶ」

シキ「みんな、透、絶対耳を塞がないで……」
890 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/29(日) 01:16:25.95 ID:P9O2tPu4o
ここまで
ドロドロにします
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 01:18:54.11 ID:gBurVn2To

ついに秘密が明かされるか
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 02:00:22.05 ID:pKAcGazHo

食後に甘いものもください!
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/29(日) 02:15:23.58 ID:X7ux8oMo0

超濃厚ドロドロスープニンニクもりもり…
894 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/30(月) 23:43:58.57 ID:2/GKEhvRo
夜の街

タッタッタッタッ

桜野「……っ」タタタッ

桜野(……いわゆる虐待がはじまったのは、わたしがママの妹夫婦に引き取られたその日からだった。9さいになったばかりだった)

桜野(毎日殴られたし、毎日蹴られた)

桜野(叔父さんは、わたしのおなかを蹴り飛ばすのがお気に入りだった)

桜野(叔母さんは叔父さんほど力がないからか、灰皿で殴ったり、ベルトをムチみたいにしならせて体を叩いた)

桜野(2人ともタバコを吸うから、灰皿代わりにその火を体に押し当てられた)

桜野(全身が痣と火傷とミミズ腫れで埋め尽くされるまで、3日とかからなかった)

桜野(痛みから逃げるように気を失うようになった。それがわたしとっての睡眠だった)
895 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/30(月) 23:56:18.40 ID:2/GKEhvRo
桜野(当たり前だけど、わたしの分の食事が用意されることなんてなかった。だからわたしはいつも腹ぺこだ)

桜野(かといってなにか勝手につまみ食いしようものなら、せっかく薄くなって痛みが引いてきた痣がまた新しくなってしまう)

桜野(わたしはおなかが空かないように、できる限り動かずじっと耐えた)

桜野(それでもやがて限界はやってきて、意識が朦朧としてくる。平衡感覚が無くなって、気づいた時には床に倒れていたなんてことも珍しくなかった)

桜野(時おり叔母さんたちの気まぐれで目の前に残飯がぶちまけられる。手を使わずに食べろと言われた。言われたとおりにした)

桜野(叔母さんたちの機嫌を損ねるとせっかくの食べ物を吐き出すことになってしまうから、汁の一滴すら残さないように丁寧に床を舐めた。叔母さんたちは、そんなわたしの後頭部を踏んづけてゲラゲラ笑った)

桜野(口の中でぐちゃぐちゃの食べ物と床の苦さが混ざって酷い味だった。噛むたびに小さな砂粒が歯をこすった。機嫌を損ねずとも結局蹴られた)

桜野(それでも、なにも食べられないよりはマシだった)

桜野(どうしてこんなことをするんだろう。その答えは聞かずとも教えてくれた)

桜野(わたしが痛みに悶えたり、苦しそうに咳き込んだり嘔吐いたり、空っぽのおなかから胃液を吐き戻す姿が痛快なんだという)

桜野(じゃあしょうがないやって思った)
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/30(月) 23:58:07.66 ID:7D99fAlN0
これでなぜプリキュアになれるほどの光が
897 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/31(火) 00:10:25.44 ID:fERDBuF/o
桜野(幸いだったのは、叔母さんたちがとにかく世間体を気にする人たちだということだった)

桜野(どれだけ痣を作っても、硬い瓶や刃物が振り下ろされても、服で隠せない場所は怪我もなくきれいだった。だから学校には行けた)

桜野(年中長袖しか着れなかったとしても、せっかく終わらせた宿題のノートが登校直前にぐしゃぐしゃになったとしても、学校に行くことはできた)

桜野(わたしは学校が大好きだ)

桜野(だって学校に行けばごはんが食べられる。それに誰もわたしをぶたない)

桜野(できるだけ長く居られるように、毎日誰より早く登校して、誰より遅く下校した)

桜野(わたしはいつも家に入る前に深呼吸をする)

桜野(今日もまた気絶するまで嬲られ続ける、そう考えると体が震えてしまう。わたしが怯えると叔母さんたちはもっと面白がるから、そうならないように呼吸を整える)

桜野(気絶するまで嬲られるからといっても、すぐに眠ってはいけない。早くに気を失うと、殴り足りない叔母さんたちがものすごく痛いところを狙うかもしれないからだ)

桜野(起きている時も狙われるし同じくらい痛いけれど、身構えられる方がずっといい)

桜野(家の中でわたしが自由にできるのは、ゴミ箱の隣に置かれたぺちゃんこのクッションだけだ。そこに座ってぼーっとしたり、宿題をやったり、体を丸めて泣いたりした)

桜野(そんな生活は中学生になっても続いた。毎日が傷だらけで、痛みに怯える日々だった)
898 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/31(火) 00:20:09.90 ID:fERDBuF/o
シキ「……」

雪菜「っ……!」カタカタ

朱「うそ……でしょ……!」

シキ「……ぜんぶ本当のことなのです」

雪菜「そんっ……なのっ……!」カタカタ

シキ「……桜野はそんな状態でも、シキのことを一番に考えてくれたのです」

朱「うぅ……」

シキ「……食べ物を分ける時も、シキにはできるだけきれいなところをくれたのです」

シキ「……きれいなところがない時は、少ないお金でシキの分だけ何か買ってくれたのです」

シキ「遠慮すると、桜野の目が真っ黒になるのです。怖いくらい真っ黒に……」

透「………………」

シキ「みんな覚えてるです? 前に桜野が学校おやすみした時のこと……」

雪菜「……おみっ、お見舞いっ……みんなで行った……」

シキ「風邪ってことになってたけど……あれ本当は全然違う理由だったのです……」

朱「じゃあやっぱり……!」

シキ「あの時ね……」
899 : ◆15vHdNAAAEr/ [sage saga]:2023/10/31(火) 00:22:17.63 ID:fERDBuF/o
ここまで

実はコスモスさんは「1番幸せな世界線の岸波桜野」です
桜野が出会ったのがたまたまシキだったからプリキュアになってますが、余裕で逆だったかもしれねェです
余談ですが光と闇どちらの勢力も介入しなかった場合、桜野もコスモスもほぼ同時期に自殺します
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