埋もれる日々 (オリジナル百合)

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1 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2016/11/03(木) 20:07:44.83 ID:6MK2L5jjO
暗くてエロいかも
書き溜めなし
のろのろ進む


もう、こんな時間。
定時から7時間経過。
瞬きをすると、呼吸を忘れそうになる。
上司の長話から解放され、今日の仕事を終えて会社を後にする。
先に会社を出た上司の机に一瞥をくれてやる。
鞄の中に放り込んだ鍵を探した。
人の気配のない社内を見回して、私以外誰もいないことを確認。
がちゃん、と暗闇の玄関口に物悲しさが響く
振り返って、少し途方に暮れる。
終電はとっくに過ぎていた。
またか、と思う。
今月に入って何度目だろう。
その原因は様々だけど。

街灯がやたら眩しい。
繁華街はいつも通り騒がしい。
やたら固く感じる道路を歩き始める。
家まで歩けば2時間はかかる距離だ。
タクシーを使うのももったいない。
だから歩く。
どうせなら、途中の交差点で車に跳ねられてしまえばいいのに。
そうすれば、明日は上司の顔を見ずに済む。

「ねえ、お嬢さん」

私のことだろうか。
振り返ると、30代過ぎたくらいの女性が立っていた。

「どう?」

どうって。
見ると、両手にチラシをいっぱい持っていて。
ガールズバーのスタッフ募集と書いていた。

「あの、いいです……」

暗がりに溶ける笑顔から顔を背けた。
そういう手合いに見えたのだろうか。
少し、ショック。
化粧、もう少し抑えようかな。

「あ」

横に、もう一人立っていた。
茶髪に色白の肌。
大人しそうな印象。
同い年くらいに見えた。
20代後半。
緩慢に微笑んでいた。

「すいません……」

急ぎ足で通り過ぎる。
ああいう仕事はしたくない。
男の人のご機嫌を取るなんて。
上司の顔が蘇ってくる。
思い出したくないのに。
お酒の力で消してしまおうか。
ううん。
明日も仕事。
自棄にならないようにしないと。
子どもみたいに意地を張らないで。

数分後、タクシーを捕まえて家に帰った。
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