ヒーローとその姉(オリジナル百合)

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61 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 18:52:17.03 ID:hbVB15e3O
「俺は……さっさと家を出たい。それだけだよ」

「あんたは、まだ中学生なのよ?」

「分かってるよ! 分かってるから、もう、俺に構わないでよ! 姉ちゃんが、俺の周りの人を傷つけてるんだ……知ってる? 絵ちゃんは、姉ちゃんのせいで年上の女性がトラウマになった。ろくに授業も集中できないんだってさ! 俺の小学校の時の友達、姉ちゃんが叱ってから音信不通なんだよ? それから、教室で姉ちゃんが張り倒した子……俺の初恋だった」

ひろ君は、ちあきさんの手を払い退けた。

「姉ちゃんのせいだ! 全部、姉ちゃんが悪いんだよ! こんなんだったら、父さんとこに行けば良かった! もう、俺に構うな! 消えてくれ!」

ひろ君もちあきさんも酷い顔で涙をぼろぼろ流していた。
二人の応酬が、人を集め始めていた。
息を荒げて、ひろ君は言いたいことを言い終えたのか、

「帰る……」

一言言って、踵を返した。
ひろ君の溜まりに溜まっていた怒りを浴びて、喉がからからになっていた。
呆然と立ち尽くすちあきさんに声をかける。

「あの……」

私は、目を一度瞑って、決心して彼女の手を握る。
が、するりと離れてしまった。

「反抗期ってやつ?」

ちあきさんが言った。

「そうかもね」

何か慰めの言葉を探す。
見当たらない。

「あのね……」

彼女は、頭を抱えて、

「死にたい」

と呟いた。
62 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 19:06:29.57 ID:hbVB15e3O
わんわん泣くちあきさんを私の部屋にもう一度連れ帰るのは苦労した。
橋を見かけたら飛び込もうとするし、線路を見かけたら立ち止まるし。
それはそれは大変だった。
それはもう、私の中の年上女性観がどんどん切り崩されていくくらいには。

お風呂に入って、ベッドの端でミイラみたいにシーツに包まって動かない彼女に、

「ココア飲む?」

と尋ねる。
音もなく、体を揺らした。
お湯をコポコポコップに注ぐ。
かき混ぜて、机の上に置いた。

「ちあきさん、できたよ」

無言。
私はテレビをつける。
見たいドラマの時間だったから。
一匹狼の医者の話。
ずずっとココアをすする。
オープニングが流れ始める。

「絵ちゃん」

「うーん?」

くぐもったちあきさんの声。

「ごめんなさい……」

ひろ君に叱られただけで、この有様。
63 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 19:51:37.72 ID:hbVB15e3O
CMに入った。もう一度ココアをすする。甘い。
私はこの数日で、ちあきさんの様々な表情を見た。
怒ったり、泣いたり、笑ったり。
忙しい人だった。
私よりもずっと繊細で、大人っぽくない。

「ぷっ……」

可笑しい。
笑われたのに気づいたのか、ちあきさんがのそりとこちらを向いた。

「私こそ、ごめんね」

どうしてあんたが謝るのよ、と言いたげに私を見やる。

「ちあきさん……ちあきちゃんが怖いなんて言って」

言い直すと、照れ臭かった。
ひろ君。絵ちゃん。ちあきちゃん。
そうやって呼んでいた頃が懐かしい。

「何いまさらちゃんづけで呼んでるのよ……」

ぶっきらぼうに、また転がった。
心なしか嬉しそう。

「ちあきちゃん、私たちにはひろ君が変っていくのを止められないんだよ。寂しいと思うけど。ひろ君だって、いつか守りたいなって思う人が現れるんだから」

ちあきちゃんがいつまでもひろ君を守ってちゃいけないんだよ。






64 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 20:22:13.75 ID:hbVB15e3O
ひろ君が自分で正しいかどうか判断できない時は、さっきみたいに叱ってあげればいいけど。
彼には彼のペースがある。やり方がある。
明日、ちあきちゃんが家に帰ってもきっとひろ君は口を利いてくれないだろうけど。
待ってあげてね、ちあきちゃん。

「ちーあきちゃん」

私は芋虫みたいなちあきちゃんに近づいて、抱きしめた。

「ちあきちゃん言うなっ」

「よしよし」

「よしよしじゃない! どうして、怒らないのよっ。あんたは、もっと私に言うことあるでしょっ? ちゃんと言ってくれなきゃ、分からないんだから……」

「んー、じゃあ、ちあきちゃんには罪を償ってもらおうかな」

「な、なによ」

「抱っこさせて」

「はい?」

「たぶん、ちあきちゃんにずっと触ってれば私のトラウマ無くなると思う」

もぞもぞとちあきちゃんの両脇から腕を出して、がっちりホールドした。
テレビの見える位置に移動。
両足の間に座らせて、顎を頭の上に置いた。

「なにこれ」

顎下からちあきちゃん。

「実は、一回やってみたくて」

脂肪の神、桜田ちゃんの抱き心地には敵わないが、湯たんぽみたいだ。

「あんたも変な子よね」

「私、実はひろ君が羨ましかったんだ。ちあきちゃんはいつもひろ君、ひろ君って、私はのけ者だった」

「そんなつもりは……」

「ないよね。いいの、私が勝手に拗ねてただけだよ」
65 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 20:52:10.51 ID:hbVB15e3O
小さい頃の話だよ。
今は、まあ、ちょっとはそういうこともあったかも。

「思えば、私さ、片想いみたいに……」

そう、片想いみたいに。
年上の女性を見ては、ちあきちゃんのことを思い出していた。
動悸がして、居ても立ってもいられなくて。

「ちあきちゃんのことばっかり考えてたなあ。うーん、やっぱり、私ちあきちゃんのこと大好きだったんだよ、そうだそうだ」

ちあきちゃんがもじもじしていた。

「恥ずかしいから、そういうの」

「えー、ちゃんと言わないと分からないって言ったの、ちあきちゃんじゃん」

ちあきちゃんの脇腹をくすぐる。
すぐに仕返しされた。
ドタドタとベッドの上で暴れる。
見ようと思っていたドラマはいつの間にか後編が始まっていた。
二人分のココアが波打つ。

66 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 21:21:02.37 ID:hbVB15e3O
ずーっと私を縛っていたもの。
あの日のちあきちゃんの匂い、声。
今は、どうしてか、心地いい気さえする。
本当はこうしたかったんだ。
仲の良い姉妹のように、じゃれ合って。

「ひろ君とも早く仲直りしてね」

「頑張る……」

「頑張って、お・ね・え・ちゃん」

ちあきちゃんの頬に、人差し指をつぷりと刺した。

「なーんか、ひっかかるんですけど」

「そう?」

「ま、いいけど」

その晩、ちあきちゃんを抱き抱えたまま眠ってしまったようで、
翌朝に、寝違えて首が痛いと抗議されてしまったのだった。

67 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 21:29:26.79 ID:hbVB15e3O
ちあきちゃんは早々に、家を出て自宅へ戻っていった。私は寝ぼけ眼でそれを見送った。
私は1時間後くらいに、のろのろと着替えて、高校へ向かった。
ちあきちゃんを避けるためにわざと通っていた路地に差し掛かる。

「あら、絵さん」

カラカラと車輪を鳴らせて、渚先生。

「おはようございます」

もう大丈夫だろうと思って、彼女の目を見た。

「あ」

蛇に睨まれたカエルの気持ちを味わった。

「せ、先生、先に失礼します」

ぎこちなく、駆け出す。
治ってない。
ウソ、ちあきちゃんを克服したと思ったのに。
68 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 21:36:50.73 ID:hbVB15e3O
教室と言う名のオアシスに駆け込むなり、私は小錦な桜田ちゃんのおっぱいに飛び込んだ。

「……ほっ」

「ほっ、じゃないわ」

「やっぱり、私、ここが一番落ち着く」

「問題は解決したの?」

「うーん、概ね」

「そりゃ、良かった」

「根本的には何も変わってないかも……しれないけど」

桜田ちゃんが笑う。

「もし、ずっとそのままだったら、秋田犬の次に可愛がってあげる」

秋田犬の次か。
ありかもなー。
いや、ないない。
69 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 21:55:12.92 ID:hbVB15e3O
1時間目の後に、ひろ君からラインがきていたのに気が付いた。
どうやら、ちあきさんとちょっとだけ仲直りできたようだ。
良かったね。二人とも。

トイレから出て、私は微笑ましい気持ちで携帯をポケットに入れた。
と、目の前に渚先生。英語のノートを抱えて、ゆらゆらしていた。
危なそうだなと思ったけど、今朝と同じような状態になるのが嫌で素通りしようとした矢先、

「あ」

彼女は躓いて、ノートごと廊下に雪崩れ込んだ。
タイトスカートの破れる音と共に。
顔面を擦りむいていそうな態勢だった。

「やだ、私……ッ恥ずかしい」

独り言を呟いて、渚先生が慌てて立ち上がる。
ストッキングも線が入ってしまっていた。
先生はすぐにノートを拾い集め始めた。ややあって、私の視線に気が付いたのか、振り返る。

「み、見た?」

おでこと鼻を真っ赤にしていた。
私は頷いた。
先生は拾い上げたノートで、ゆっくりと顔を隠し、両目だけ出して言った。

「誰にも言わないでね……」

「いやです」

「絵さん?!」

「ウソです。言ったりしません」

なんだ、この先生。
こんなに可愛かったっけ。
と、私は彼女の瞳をしっかりと見れていることに気が付いた。


もしや――。
ギャップ萌え?
と、私は思い当たるのだった。



おわり
70 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/09(月) 21:57:42.52 ID:hbVB15e3O
エロくしたかったけどできなかった。
読んでくれてありがと。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/09(月) 22:17:24.73 ID:R5djghZAO
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 22:48:06.13 ID:hByT/6jVO
まだいけるよなぁ?
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 23:29:02.18 ID:gIUFpc2to
どっちに転んでも年の差百合で美味しい
はやく続きを
74 : ◆/BueNLs5lw :2017/01/09(月) 23:55:39.01 ID:Z3tFBeLfO
力尽きたので、選択式ノベル風に安価で続けてみます


1、先生を助ける
2、授業に遅れるので先を急ぐ


安価?
75 : ◆/BueNLs5lw :2017/01/09(月) 23:57:43.07 ID:Z3tFBeLfO
安価出せてなかった


安価>>75(株ったら?)
76 : ◆/BueNLs5lw :2017/01/10(火) 00:00:00.02 ID:79qUzwd+O
携帯からむずかしいな

安価>>76被ったら↓
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/10(火) 00:01:21.60 ID:oUq858mDO
1
78 : ◆/BueNLs5lw :2017/01/10(火) 00:13:33.67 ID:n7o06QMFO
「先生、このノートどこに運べばいいですか」

「え、職員室だけど……いいのよ、授業に遅れるでしょ」

「そうなんですけど、でも、先生……その恰好で廊下を歩くのは……」

第一、スカートが破れて下着が見えそうになっている。
先生はスカートの端を抑えた。

「替えの服とかあります?」

先生は顔を赤らめて、首を振った。

1、自分の体操服を持ってくると提案する
2、自分のスカートを貸すと提案する
3、他の先生に助けを求めに行く


安価>>79(被ったら↓)
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/10(火) 00:40:03.33 ID:oUq858mDO
2
80 : ◆/BueNLs5lw :2017/01/10(火) 01:14:13.04 ID:n7o06QMFO
「あの、もし良かったらスカート貸しましょうか。私、下に短パン履いてるので」

「だ、大丈夫だからっ」

と断られたのだけれど、一応脱ぐ。

「職員室に行くまで履いておいた方が……」

先生はかなり迷った末に、私の手からスカートを受け取った。
ノートを半分に分けて運ぶ。先生は、私の後ろに隠れるようにして、廊下を進んだ。
職員室の前に来た頃には、予鈴のチャイムが鳴った。

「先生、私、もう行きますね」

「え、あ、絵さん」

「それ、また今度返してください」

引き止められたけど、短パンは寒かったので、持ってきていたジャージをさっさと履きたくて私は教室へ戻った。
渚先生が私のスカートを普通に履けてしまったことに関して、一抹の驚きを感じつつ、会話らしい会話ができたことにも感動を覚えていた。

「嬉しそうじゃん」

桜田ちゃんが席に着く私に言った。

「うん」


81 : ◆/BueNLs5lw :2017/01/10(火) 01:15:44.20 ID:n7o06QMFO
寝ますわ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/10(火) 02:03:51.83 ID:oUq858mDO
おやすみ
次は安価競える時間でまた
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/13(金) 02:46:09.48 ID:isjqRCBYO
次は安価参加したいな
84 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/14(土) 21:10:34.92 ID:Mp8FYmWR0
人がいたら安価します
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/14(土) 21:52:14.73 ID:iIWproWjO
居ますよー
86 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/14(土) 22:20:09.89 ID:Mp8FYmWR0
食わず嫌いだったのかも。
なんて、独りごちる。

「そう言えば、スカートは?」

桜田ちゃんが尋ねた。

「渚先生が履いてる」

彼女は大きく首を傾げたのだった。



放課後。
桜田ちゃんと帰ろうと思って、玄関を出た時だった。

「絵さん!」

渚先生だった。
スカートは履いてない。
代わりに先生もジャージだった。
いつもタイトスカートで、いかにも女教師な恰好だったので、なんだか体育の先生みたいで笑ってしまう。
87 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/14(土) 22:34:51.27 ID:Mp8FYmWR0
「ごめんなさい。呼び止めちゃって。これ……」

恥ずかしそうに、右手にぶら下げていた紙袋からスカートを取り出した。

「お洗濯に出そうかとも思ったんだけど、替えのものがなかったらいけないと思って確認しにきたの」

「え、私持って帰るんで大丈夫です」

紙袋をそのまま引っ掴んだ。

「だめよ」

と、二の腕に軽く触れられた。

「ひァっ」

小さく飛び跳ねる体。
先生もびっくりしていた。

「痛かった? け、怪我してるの?」

「そ、そういうんじゃないんですけど」

あれ、おかしいな。やっぱまだだめか。
何か上手い言い訳をと思っていると、

「せんせー、絵さん最近女性関係でもめてるそうなので相談に乗ってあげてください」

桜田ちゃんが突然のカミングアウト。

「ちょ、ちょっと桜田ちゃん!?」

「そろそろ、一人くらい相談しておかないとさ……、あんたホントに卒業できなくなっちゃうよ」

と珍しく険しい表情。

「あ、いや、その……」

解決してきてるというか、未だというか。
あとちょっとっぽいというか。

「何か、相談事があるなら……先生で良ければ」

前々から良く注意を受けられている私を気遣うように先生も言った。
確かに、味方が居れば学校でも上手く立ち回れるけども。
私は悩んだ。


1、じゃあ、お言葉に甘えて
2、なんでもないです

>>88(被ったら↓)
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/14(土) 22:37:43.44 ID:iIWproWjO
1
89 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/14(土) 22:49:51.54 ID:Mp8FYmWR0
「じゃあ、お言葉に甘えて」

確かに、もう一人で抱え込んで苦しむ必要なんてない。
だって、こうやって話ができるくらいになったんだから。
もはや、体の条件反射的なもので、嫌気があるわけでもないし。
先生は、私の言葉を聞いて少しほっとしたような微笑みを浮かべた。

「それじゃあ、ちょっと職員室に行きましょうか」

「え」

「どうしたの?」

「あー、他の先生には聞かれたくないです」

「大丈夫、荷物を取りに戻るだけなの。進路指導室が開いてたと思うからそっちで」

私は軽く頷いた。
担任の先生とも上手く喋れてないのに、渚先生とは波長が合うのか話しやすい。
ちょっと抜けてる所があるせいかも?
90 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/14(土) 22:58:40.67 ID:Mp8FYmWR0
桜田ちゃんの計らいで、私は進路指導室のソファーに埋もれるように座っていた。
対面で座ると緊張すると言ったら、横ならどうかと言われて立ち上がられてしまったので、すぐにこう言った。

「わ、私、年上の女性がトラウマなんですっ」

「え」

先生が、ぴたりと止まった。
まるで、そこだけ時間が停止したみたい、とはこのことか。
先生は立ち上がって、座ろうか歩き出そうか迷った挙句、座った。

「ええと」

きっと質問とか用意していただろうに、意表を突かれた先生は人差し指を立てて、

「どうして?」

と簡単に聞いた。
91 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/14(土) 23:07:08.18 ID:Mp8FYmWR0
可愛い仕草ですね、と質問と全く関係のないことを考えながら、
私はとある日の幼馴染の話をし始めた――。




「それで、さっきも、飛び跳ねて……すみません」

話し終えて、玄関での奇妙な行動の動機を理解した先生に、ぺこりと頭を下げる。

「変な子ですよね……」

「ううん、こちらこそ……気づかなくて、ごめんなさい」

気づけなくて当然だとは思う。

「突然だとびっくりするんです。分かってて触られたりすると、そのまま耐性がついたりし出したんですが」

「そうなの……」

先生の反応があまりにも薄い。
うー、先生に変人と思われているような。
やっぱり言うんじゃなかったかな。
後悔。
92 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/14(土) 23:12:36.99 ID:Mp8FYmWR0
「分かってたら、大丈夫なの?」

先生は私の弱点でも探っているんじゃないかというくらい、目を細めた。
疑っている?

「は、はい」

「……いい?」

「え?」

「触ってみてもいい?」

先生は、意外と大胆だった。


1、い、いいですけど
2、だ、だめです


>>93(被ったら↓)
93 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/14(土) 23:19:58.91 ID:Mp8FYmWR0
寝ます(被ったら↓)
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/14(土) 23:42:14.15 ID:42VdLZ/n0
2
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/15(日) 01:21:07.24 ID:mTlUeBoDO
おつ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/15(日) 04:35:11.58 ID:8XZKPgIA0
おつ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/16(月) 11:53:25.59 ID:zusmDc7WO
ちあきさんはもう出てこないのかな
98 : ◆/BueNLs5lw [sage]:2017/01/16(月) 21:44:19.04 ID:FLPfmWnC0
>>97
93が先生のフラグを折りましたので、先生ルートがいったん回避されました
99 : ◆/BueNLs5lw [sage]:2017/01/16(月) 22:09:49.88 ID:FLPfmWnC0
「だ、だめです。慣れてきてるだけで、もしかしたら倒れるかもしれません」

「そ、そうなの? そんなデリケートな問題なのね……」

先生はますます疑わし気だ。ちょっと手のひらが汗ばんできた。
からかってるんじゃないんです。
本当なんです。
私のために、渚先生が悩んでいる。
どうしよう。ちょっとどころかかなり汗掻いてきた。
ちあきさんの時は、色々あったから平気だったのかな。
正面から、私の事だけを考え、見られている。それが、だんだんときつくなってきた。

「それなら、やっぱり病院とかでちゃんと診て頂いたほうがいいんじゃないかしら」

先生は学校の近くの病院名をいくつか挙げる。

「そ、そうですね」

緊張のせいで、教えられた病院の名前が右から左に流れる。覚えられない。
適当な相槌を打ってやり過ごす。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/16(月) 22:18:23.30 ID:pXxNG/0kO
先生ルート意外と厳しいのなw
少なくとも四回選択肢ミスったらフラグ折れるのか
101 : ◆/BueNLs5lw [sage saga]:2017/01/16(月) 22:47:34.48 ID:FLPfmWnC0
>>100
あと、1のその時の気分ですw
102 : ◆/BueNLs5lw [sage saga]:2017/01/16(月) 23:09:24.16 ID:FLPfmWnC0
「男の人は大丈夫?」

「それは、はい……」

全く、問題ない。
むしろ、なんの感情も沸かない所が問題かも。

「同い年の女子も大丈夫? 年下も?」

「問題ないです……」

先生は、まだ色々聞きたそうに口を開きかけたが、

「ねえ、もしかして今、辛いんじゃ?」

私は正直に頷いた。
呆れられただろうか。
心配そうに覗くその瞳が怖くなってきた。
ドキドキしてきた胸の部分に手を当てて、立ち上がった。
先生が呆然と見上げている。
部屋の狭い感じは、家の自室と同じくらいなのに。
もう無理だった。

「ソ、ソーリー……先生」

自分でも情けない声を出して、

「絵さんっ」

先生の声を無視して逃げた。
103 : ◆/BueNLs5lw [sage]:2017/01/16(月) 23:38:52.27 ID:FLPfmWnC0
ああ、みんな男の人だったら良かったのに。
というか、みんな男だと思って話せばいいのかな。
そもそも、男と女の何が違うんだろう。
外見?
脳の構造?
腕力?
みんな桜田ちゃんみたいだったら、平気なのに、きっと。
こんなんで生きていけるんだろうか。
私は鼻をすすりながら、帰宅したのだった。


2、3日、私は今度は渚先生の通らないルートを選択して登校した。
先生は廊下ですれ違うと気づかわし気にこちらを窺ってくるのだけど、気づかないフリをしてやり過ごした。
ある夜、ひろ君から電話があった。
お風呂上りの牛乳をぐびぐび飲みつつ、子機を片手にリビングのソファの上に座る。

「え、ちあきさんが熱?」

『うん、なんか、たぶん、俺のせい』

「今度は何」

『あれから、毎日、一日中、気遣ってる。俺に話しかけないように……それで、たぶん知恵熱みたいなの出た』

「はあ?」

極端な話に、牛乳をこぼしそうになる。
104 : ◆/BueNLs5lw [saga]:2017/01/16(月) 23:50:48.26 ID:FLPfmWnC0
あのブラコンは本当にやることが極端だな。
それだけ、愛してるってことなんだろうね。

「でも、良かったじゃない。ひろ君離れし始めてるってことだよ」

『そうなんだけど、調子狂うし……それで、絵ちゃんに頼みたいことあってさ』

「うん、何」

『俺、明日ちょっと家に帰るの遅くなるんだ。学校の帰りに、姉ちゃんがちゃんと寝てるかだけ確認して欲しいんだ。窓から覗いたら分かるようにカーテン少しだけ隙間空けておくから』

あんたもシスコンだな。
と、ツッコミたくなった。

1、見るだけなら
2、桜田ちゃんと映画に行く予定で……
3、先生に呼ばれてるの。自分で見に行きなよ

>>105(被ったら↓)
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/16(月) 23:56:19.07 ID:pXxNG/0kO
いち
106 : ◆/BueNLs5lw [sage]:2017/01/17(火) 00:04:30.32 ID:WFsTsYlO0
「見るだけなら、まあ」

『助かる』

「てか、どこ行くのひろ君は」

『先輩が、バイク乗せてくれるって』

「補導されないようにね」

『へーい』

失恋の憂さでも晴らしに行くのだろうか。

「そう言えば、5万」

『あ、はい』

「あ、はい、じゃないから。ちゃんと返せこの野郎」

『も、もうちょっと待って』

「待って出てくるものなの? ちあきちゃんに相談……するわけないよね」

『絶対無理』

107 : ◆/BueNLs5lw [sage]:2017/01/17(火) 00:19:19.22 ID:WFsTsYlO0
ひろ君は、今月中には必ず、と何度も取り立てられた借金滞納者みたいなことを言っていたのだけど、
私は気長に待つよ、と返答して電話を終えた。
ちあきちゃんが熱かー。
何か持って行こうかな。
ただ、渚先生の件もあって、私は少し警戒もしていた。
治ったり、治っていなかったり。
ちあきちゃんに会いたい気持ちもあるけれど、その実、やはり体が強張る感じも拭えていない。
弱くて頭の悪い自分を見透かされてしまう。
鋭い眼光を、頭の中で何度もリフレインさせてしまうのだ。
それがいけないのだと、ネットにも書いてあった。分かっている。
でも、一度不安の回路が開いたら、光通信よろしくどんどん別の不安回路に接続されていくのだった。
108 : ◆/BueNLs5lw :2017/01/17(火) 00:20:32.52 ID:WFsTsYlO0
今日はここまでー
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/17(火) 00:29:44.75 ID:KAjaBrO+O
ちあきちゃん久々で楽しみ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/17(火) 07:45:38.07 ID:DJ0+3vY6O
いいぞお
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