【艦これ】北上さまとの温泉旅行

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/01/08(日) 23:43:20.78 ID:8mh9XQDy0
乙おつ
北上さまって、こんなエロかったっけ……
うちの北上さまと違う……
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/01/09(月) 02:03:34.42 ID:Y6kOr3mP0
乙!何かラブラブというか仲良しでいいねえ
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 09:34:05.37 ID:DbECSK7ho

北上さまはありがとね可愛い
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/09(月) 13:55:16.63 ID:nuaVbutA0
おぉエロいエロい乙
提督のターン→きた
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 13:59:38.12 ID:nuaVbutA0
途中送信&あげてすまん
提督のターン→北上のターン!
次回楽しみ
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/10(火) 22:15:50.19 ID:Yk3SOc2k0
>>23
「君がお布団の中で考えてることを文章にすればいいんだよ」 に説得力ありすぎてワロタ
俺たちは>>1の、とんでもないお布団の中に入り込んでしまったようだ
54 : ◆axPwtNeSoU [saga sage]:2017/01/12(木) 23:17:03.98 ID:4jJZK47A0
沢山のコメント感謝感激です。完結までもう少しだけお付き合いいただければ幸いです。

現在ちびちびと書きため中。できれば土曜の深夜か日曜日に、完結まで一気に投下したいと思います。

取り敢えずここ最近のぶんの返コメをば。

>>35
ありがとう御座います。北上さま(&大井っち)大好きです。ハイパーズSSもっと増えろ

>>36
サンタ球磨ちゃん最高でしたね!
ハイパーズの私服グラはいつくるんだろ(血涙)

>>48>>51
初のエロSSだけにそう言っていただけると感激です。

>>49
ああ、北上さまとは「いちゃいちゃ」より「仲良し」な関係が似合いますよね。なんかしっくりきた

>>50
あの「ありがとね♪」の破壊力はヤバいです。握手

>>53
説得力はありますけど、エロ描写は文章に起こす時点で、表現がかぶりがちになるのが難しいです……
55 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 17:56:02.23 ID:4Skoll+A0
来ました。
仕事中ですが空き時間出来たので一部投下していきます。
56 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 18:03:34.78 ID:4Skoll+A0

「……全部飲んだのか?……別に無理しなくても良かったんだぞ」

心配になって声をかけるが、北上はゆっくり首を振る。

「……大丈夫だよ。提督のだったら……提督のだから、飲んであげたかったの。……提督はどうだったの?良くなかった?」

「いや、死ぬかと思うくらい気持ちよかったし、飲んでくれたのも……正直、嬉しかった」

照れくさいのを誤魔化しながら頬をかくと、北上が嬉しそうな笑顔になった。

「そっかぁ。……良かったぁ。……んじゃ、残りも、ちゃんと綺麗にしてあげなきゃねぇ」

北上は再び肘をついて俺の股間に手を伸ばした。

やや力を失いかけていた肉棒を握りしめると、尿道の中に残っている精を最後まで絞り出すかのように下から上へしごきあげる。

白濁した精液の粒がじわりと鈴口から染み出して来た亀頭を、ゆっくりと唇でくわえ込んだ。

口の中で舌を這わせ、肉棒に絡みついた精液を、丁寧に舐めとっていく。

「うぁ……っ!おま……今はまだ、刺激が……」

「んふふっ、今のあたしは、尽くす女、北上さまだよ〜。……んちゅっ……ちゅぶっ……れろっ……」
57 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 18:08:50.77 ID:4Skoll+A0

執拗に俺への奉仕を続ける北上の浴衣は、すっかり着崩れて、ほとんど右肩に引っかかっているだけのような有りさまになっていた。

露わになった左肩から首筋にかけての肌は少し汗ばみ、白さの奥から桃色の熱をにじませている。

北上が口の端から唾液を垂らしながら俺の股間に顔をうずめ、恍惚としたように頬を上下させている姿は、月明かりの下、恐ろしく淫靡な光景で、ぞくぞくとしたものが背筋を駆け上ってきた。

一度は欲望を吐き出したはずの肉棒が急速にこわばりを取り戻し、再び熱を帯びてくるのがわかる。

「う……っ、北上……。それくらいにしてくれ、このままじゃ、またすぐにイっちまいそうだ」

俺は北上の手を押さえて、顔を上げさせた。

「……いいんだよ?提督のだったら、いくらでも受け止めてあげたいから」

健気すぎる言葉に、胸の中に温かいものが広がる。

北上の言葉は余りにも魅力的な提案であり、正直心がぐらついた。

だが、だからこそ、俺は首を振る。

「いいんだ。……俺も、お前のこと、もっと気持ち良くしてやりたいんだよ」

「……そっか。……うん。……わかったよ。ありがとね、提督」

北上は濡れた目でふわりと微笑んで立ち上がった。
58 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 18:10:41.20 ID:4Skoll+A0

立ち上がった北上は、いったん窓の傍のテーブルに向かい、その上に置かれていたペットボトルの水を手にとった。

口の中をゆすぐかのように何回かに分けて、三分の一くらいを飲み干す。

ボトルをテーブルに戻した北上は、振り返ると、悪戯っぽい笑みを浮かべながらこちらに歩き出した。

「んじゃ、さ。……提督」

ゆっくりと歩み寄りながら、しゅるりと浴衣の帯を解き、足元に落とす。

月明かりの中、とろけるような目つきで微笑みながら近付いてくる北上の姿から目が離せない。

俺が座る布団の前に立つと、北上は浴衣の裾をたくし上げるようにして、白い下着の布地に両手の指をかけた。

見せつけるように、ゆっくりゆっくりと足元まで引き下ろし、そこからするりと足を引き抜く。

布でできた輪っかのようにわだかまる白い下着を、床に置き去りにして、北上は布団の上に足を踏み出した。

俺の前で膝をつくと、甘えるように両腕を広げて手を伸ばしてくる。

「いっぱい……可愛がってよね?」

「ああ」

息がかかるくらいの距離で見つめ合い、どちらからともなく唇を重ねる。

北上の肩から、はらりと浴衣が脱ぎ落とされ、白い裸身が露わになった。
59 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 18:11:57.82 ID:4Skoll+A0
いったん中断します。
続きは夜遅くに。
60 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 21:33:38.70 ID:4Skoll+A0
再開します
61 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 21:40:36.53 ID:4Skoll+A0

唇を繰り返し重ねながら、俺も浴衣を脱ぎ捨てて、北上の身体を引き寄せる。

あぐらをかいた上に脚を軽く曲げた体育座りのように座らせて、対面座位のような形で抱き合った。

北上の腕が俺の背中に回され、向かい合った身体の間で、小ぶりな胸が柔らかく潰れる。

首筋に舌を這わせると、北上は身を反らして睫毛を震わせた。

「んぁ……ふぅんっ……」

白い喉を下から上に向かって舐めあげ、耳朶に息を吹きかける。

「ぅぁ……ぁっ」

舌を絡ませる深いキスと、首筋や耳朶を舐め回すのとを交互に繰り返しながら、北上の全身を愛撫する。

耳朶を甘噛みしつつ脇腹を撫で上げ、喉に舌を這わせながら、やわやわと慎ましくも柔らかい胸を揉みたてる。

「あはぁ……それっ……気持ち……良いっ……」

いつになく積極的に快感を伝えてくる北上が新鮮で、興奮を掻き立てられる。

片方の乳首を口に含んで舌で吸い転がしながらもう片方の胸を揉みたて、乳首を親指と人差し指でつまみ上げるように刺激すると、北上が俺の腕の中で身を反らして甘い声をあげた。

「それ……っ……感じ、ちゃう……」

下の方に手を伸ばし、切なげに秘部を摺りつける北上の太ももの間に指を滑り込ませれば、そこは既に熱くぬかるんでいた。

62 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 21:45:46.76 ID:4Skoll+A0

割れ目に指を這わせ、下から上に何度もなぞりあげながら親指でクリトリスを弄ると、北上が高い声をあげた。

「あふっ……あぁっ!……やぁ……っ、それ、感じる……」

二人の身体で俺の手を挟み込みながら、北上が身体をグラインドさせる。

それは拒むというよりは寧ろ、自分の秘部を擦り付けて、奥へ奥へと導き入れようとするような動きだった。

その動きに応えるように、熱く煮えたぎった蜜壷に指を突き入れ、ぐっちゅぐっちゅとかき回す。

「ふぁっ!……いいっ!……あぁっ!……くふぅっ……やぁ……っ!ああっ……くぅっ!!」

北上は俺の首にすがりつき、髪を振り乱しながら膝立ちになって腰を浮かせた。

掻き出された熱い蜜によって薄い陰毛は濡れて肌にへばりつき、ぬめるような光沢を放っている。

太ももまで流れ出した雫がぽたぽたと垂れて、シーツに染みを作った。

「ひぅんっ……!提督ぅ……指でイくの……やぁっ……やなのぉ……提督のが……いいっ……くぅんっ」

きつく目を閉じて身体を震わせながら、北上が懇願する。

俺ももう限界だった。

北上を布団に押し倒し、膝を両手で押し広げると、肉棒を秘部に押し当てて、亀裂に沿ってずりずりと擦りつける。

クリトリスの上を亀頭が滑るたびに、北上が高い声を放った。
63 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 21:46:54.55 ID:4Skoll+A0

「っ!……ぁはぁっ!!」

両手で北上の腰を掴んで持ち上げると、いくぞ、とも言わずに蜜壷に亀頭を埋め、一気に一番奥まで突き入れる。

「〜〜〜〜〜〜っっ!!!」

北上の身体が弓なりに反り返り、びくびくと跳ねた。

「ぁっ…………はっ…………ぁっ…………」

絶叫をあげるかのように口を開けるが、呼吸も満足に出来ないようで、ぱくぱくと口を開閉しながら脚を突っ張らせる。

がくがくと痙攣する北上の蜜壷の中は熱い泥が煮えたぎり、肉襞が締め付けるような収縮をキュウキュウと繰り返す。

入れただけで、既に絶頂に達したらしい。

だが、その北上を気遣っている余裕はこちらにもなかった。

北上の腰を掴んで、突き入れた肉棒をずゅるりと半ばまで抜くと、外に逃がすまいとするかのように絡み付いた肉襞が引き出され、めくれあがる。

一度腰を止め、再び一気に奥まで埋め込む。

「あうぅっ!!」

北上の顔が苦しげに歪み、シーツをつかんだ手に、血管が浮かび上がるくらいの力が込められる。

歯を食いしばりながらこちらを見る北上の額には、びっしりと汗の粒が浮かんでいた。

「やっ……それ……待っ……だめぇっ……今……イっ……から……」

64 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 21:49:10.43 ID:4Skoll+A0

息も絶え絶えな北上の悲鳴には耳を貸さず、肉棒を引き抜いては腰を叩きつけての抽送を繰り返す。

ぱちゅっ、ちゅぼっ、と淫猥な音が弾け、北上の身体が何度も反り返る。

「……あぁっ!はぁっ!提督ぅっ!ひぅんっ……いいっ……いいよぉ提督ぅ……!それっ……感じ過ぎて……おかしくなるぅ……!」

半開きになった北上の唇からは涎が顎に垂れて首筋につたい、瞳は焦点の合わぬままに天井を見上げて長い黒髪を振り乱している。

けれどもその下半身だけは、俺の動きに合わせるかのように的確に秘部を突き出し、くねらせるように蠢く腰は、淫らに快楽を貪り続けていた。

「あぁっ!やぁっ!……いいっ!……いいよぉっ!てーとくぅぅ……はぁんっ!……もっとぉっ!もっとしてぇっ!突いてぇ!ずぼずぼしてぇっ!」

完全に理性のたがが外れたらしく、かつて口にしたこともないような淫語を口走りながら、北上は甲高い声をあげる。

その声の淫らさに、かっと頭が熱くなった。

北上に覆い被さって抱きすくめるように身体を密着させ、さらに激しく腰を振り立てる。

完全に快楽に溺れきっている北上は、シーツを掴んでいた手を離し、俺の背中に手を回してしがみついてきた。

65 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 21:57:33.93 ID:4Skoll+A0

「あぁっ、熱っ!……いいっ!いいよぉっ、提督ぅっ!おくっ、奥に当たっ……やぁんっ!……んぁっ!ああっ!イきそぉっ、イっちゃいそぉっ!」

「あぁっ、俺もだっ!!」

しがみつく腕に北上が力を込め、北上の両脚が俺の腰の後ろで離すまいとするかのように絡み合い、激しく締め付ける。

「あっ……!やぁっ!……あはぁっ!もぉイくぅっ!……イくのぉぉ……!!」

汗にまみれた全身を波打たせ、絡み合わせ、二人同時に快楽の絶頂に駆け上がっていく。

「出すぞっ、北上っ!!」

「いいよっ、提督のせーえきぃ、いっぱい出していいからぁ!」

「よしっ、イくぞっ、イけっ!北上っ、北上っ!」

「あぁっ、来て、来てぇっ、提督っ、提督ぅぅ!!」

俺は北上の背中を壊れるくらいに強く抱きしめ、いきりたった肉棒を、とどめとばかりに深く激しく突き込んだ。

「ううっ!北上!北上ぃっ!!ぐぅ―――ッ!!!」

「あっ、あたしもぉっ、あたしもっ……んんぅっ!……ああっ!あぁァッ!!!イくっ、イクゥゥゥゥッッッッ―――!!!」

北上の膣肉がきつく収縮し、びくびくと痙攣しながら、肉棒を奥の奥まで引き込むようにぎゅううっと締め付ける。

爆発するような快感が脳髄にはじけ、痺れるような感覚の中、俺は北上の中に、どくどくと大量の精を吐き出していた。
66 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 21:59:12.45 ID:4Skoll+A0
いったん中断。
続きは日付変わるくらいになるかも。
雑談や感想はご自由に。
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:16:35.27 ID:RSL3h6Lo0
ふう……
68 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 23:30:49.32 ID:4Skoll+A0
戻りました
再開します
69 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 23:40:09.86 ID:4Skoll+A0
――――
――




未だに焦点が定まらぬような、陶然とした表情のまま。

大きく胸を上下させながら、耳元で北上が囁きかけてくる。

「……なんか……さ……。凄かった、ね……」

「……あぁ…………だな…………」

あれから10分以上が過ぎても、ぐしゃぐしゃに乱れたシーツを整える気力さえ湧かず。

布団の上で抱き合ったまま、俺たちは汗みずくで荒い息を吐いていた。

身体の下では、ひくっ、ひくっ、と、北上の身体が未だに断続的に痙攣を繰り返している。

繋がったままの結合部はぐちゃぐちゃに汗と体液にまみれ、ほんの少し身体をよじるだけでもぬめるようにお互いの肌が滑る。

布団もシーツも酷いありさまだ。

一応押し入れの中に替えの布団やシーツはあるものの、明日の朝、片付けに来るだろう中居さん達にどんな眼で見られるかと思うと頭が痛い。

だが、その事に対する心配を除けば、俺たち二人は、どちらも深い満足感と、とろけるような幸福感の中にいた。

「なんか、ね……すっごい、幸せ。……溶けちゃいそう」

「あぁ。……俺もだ」

二人して顔を見合わせ、くすくす笑いながら、じゃれるように何度もキスを交わす。

先ほどまでの情欲にまみれたものではなく、親愛に満ちた、幸福感に満たされた甘いキス。
70 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 23:43:48.52 ID:4Skoll+A0

「ん……提督、大好き」

「俺もだ。……愛してるぞ、北上」

素直に甘えてくるこいつって破壊力高いよなぁ、と思いながら、ごろりと転がって体を入れ替える。

そのはずみに、力を失った肉棒が、粘液にまみれたまま、にゅるりと割れ目から抜け出した。

北上が不満そうな溜め息をもらす。

「あぁ、抜けちゃったぁ……。ちぇ―っ、朝まで繋がっていられたら良かったのに。残念」

「無茶言うな」

苦笑しながら右手で北上の頬を人差し指でつつく。

北上はぷく、と頬を膨らませて頭を振り、俺の指を振り払った。

もちろん本気で拗ねた訳でもなく、すぐに、弾けるような笑顔を浮かべる。

上から抱きついてくると、俺の体温を求めるかのように、胸板に自分の頬をすり付けてきた。

猫ならばごろごろと喉を鳴らしていそうな風情だ。

その頭を撫でながら、俺は思い出したように北上を気遣った。

「……それより悪かったな。ずっと俺が上にいて、重かったろ?」

「ううん。なんか、包まれてるみたいで安心した」
71 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 23:49:28.26 ID:4Skoll+A0

そうやって話していると、不意に腹のあたりに、ぬるみを帯びた温かさを感じた。

見ると、精液と愛液の入り混じった汁が、いつの間にか北上の割れ目からとろとろと溢れ出して、俺の下腹部に流れ出している。

「あっ、ごめん……」

「大量に出たからなぁ……。お前が謝るようなことじゃないさ」

すまなそうにする北上の頭を、気にするな、とやや乱暴にわしゃわしゃと撫でる。

周囲を見回すが、タオルやティッシュが見当たらない。

少し迷った挙げ句、脱ぎ捨てたままになっていた浴衣を丸めて、自分と北上の身体を拭った。

「……流石に、お風呂入りたいねぇ」

「そうだなぁ。……けど、動けるか?」

「……あ―、まだ無理。……身体に力入んない」

「だよなぁ」

全身に残る、痺れるような疲労感。

「もうちょいしたら復活するからさ。……それまで、ぎゅ―っとしてて」

「……こうか?」

「うん。いい感じ」

ふにゃら、と北上が猫のような笑みを浮かべて眼を閉じる。

「……改めて今日思ったけど、お前の髪って綺麗だよな」

「大井っちがうるさいんだよぅ、手入れしろって」

「ああ、お前そういうの面倒くさがりそうだもんなぁ」

「ま―ねぇ」
72 : ◆aWDFRPDHGY [saga]:2017/01/14(土) 23:53:12.74 ID:4Skoll+A0

「けど、俺もお前の髪、好きだぞ」

「じゃ、頑張る」

「決断早いな」

「提督のためだもん」

「………………」

「……何、にやにやしてんのさ」

「お前だってしてるだろ」

「…………」

「…………」

「……ねえ、提督」

「何だ」

「……大好き」

「とっくに知ってる」

「……そっか」

「…………」

「…………」

「……なあ、北上」

「何さ?」

「……愛してるぞ」

「とっくに知ってる」

「……そうか」

「…………」

「…………」

真顔で互いの顔を見つめ合い、しばしの沈黙。

こらえきれなくなって、同時に吹き出す。

身をよじりながらくすくすと笑い合い、しまいにはお互いの膝を叩きながら、息が苦しくなるまで、げらげらと笑い転げた。
73 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/14(土) 23:58:15.42 ID:4Skoll+A0

――――
――




それから、二人で、長い夜を過ごした。

狭いシャワールームに無理やり二人ぶんの身体を押し込んで、互いに洗いっこして。

二人で風呂に並んで浸かって、いろんな話をした。

鳳翔さんの料理で何が一番美味しいかとか。

間宮さんのスイーツで何が一番好きかとか。

俺の子供時代の事を話すと、何が面白いのか、北上が目を輝かせながら、もっともっととせがんできたり。

艦娘どうしの女子会でどんな猥談をしてるのかという話に、俺がドン引きしたり。

どの艦娘の制服のデザインが一番エロ可愛いか、を熱く真剣に語り合ったり。

「微妙過ぎて伝わらないモノマネ合戦」をなぜか二人で繰り広げたり。

好きな漫画や映画の話。

お互いのどこが好きで、どこにイラッとするかについての突っ込んだ話。

歴史の話や宇宙の話。

仕事の話は、二人とも、一言も口にしなかった。

にも関わらず、よくもまあ、と思うほど長い時間、色んな事を話し続けて。

風呂からあがる頃には、二人とも、すっかりのぼせてへろへろになっていた。

予備の浴衣のサイズが合わず、俺には丈が短すぎ、北上にとってはだぶだぶで。

お互いの姿を指差して、大声で笑った。

ふらふらしながら、惨憺たる有り様の布団やシーツを部屋の隅に片付けて。

新しい布団を敷き直すと同時に二人して倒れこんでしまい、また、げらげらと笑った。

馬鹿みたいにはしゃいで、馬鹿みたいに笑って。

明け方近くまで騒いだ挙げ句、仲居さんが起こしにくるまで二人して寝坊して。

部屋の様子に呆れかえりながらも微笑ましそうに笑う年配の仲居さんに、ぺこぺこ頭を下げながら、心付けを多目に包んでお渡しして。

時間の少ない中で、鎮守府の皆に買うお土産を選ぶために走り回り。

駅に着いたところで、帰りの切符がないと荷物をひっくり返す大騒ぎになって。

寝不足が祟ったのか、二人して列車の座席でお互い肩を寄せ合うようにして眠りこけてしまい、乗り過ごす寸前で目覚めて、大慌てしたり。




――とても、とても。

楽しくて、幸せな時間だった。
74 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/15(日) 00:05:11.77 ID:r6GIzwLA0

――――
――




駅から鎮守府へと向かう車の中。

俺たちは後部座席に並んで座り、ぼんやりとそれぞれの側の窓の外を眺めていた。

流れる景色や建物に見覚えがあるものが混じりはじめ、到着が近いことを伝えてくる。

「……楽しかったねぇ、提督」

後部座席の左側。ドアに肩をもたれかけ、窓に額を押しつけるようにして外を眺めながら、北上がぽつりと呟く。

「そうだな」

こちらも北上の方には顔を向けず、窓の外を眺めながら、口数少なく返す。

「……また、行きたいね」

「……また、行かなきゃな」

座席に置いた、北上の右手と俺の左手。その小指の縁だけが、軽く触れ合っている。

「……また、行こう。何度でも」


お互いの方は見ないまま。

手の位置は動かさず、運転手からは見えない位置で。

俺たちはそっと小指を絡めて指切りし、約束を交わした。

75 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/15(日) 00:10:49.62 ID:r6GIzwLA0

――――
――




車は、長い長い塀の横を通り抜け、大きな門の前で停まった。

大量の荷物を下ろし終えて、車が走り去った後。

北上がぴょんぴょんと跳ねるような足取りで門に向かって数歩進み、敷地内に足を踏み入れると、くるりと振り返った。

悪戯っぽい笑顔で、にっ、と笑う。

「……お帰り、提督」

「……ただいま、北上」

こちらも数歩、大股で歩いて北上を追い越し、振り返る。まじめくさった表情で、

「……お帰り、北上」

「……ただいま、提督」

顔を見合わせて、また、にっ、と笑い合う。

こちらの姿に気付いたのだろう。何人かの艦娘達が手を振って、こちらに駆けてくるのが見えた。

北上がぶんぶんと手を振り返す。


「……さてと、北上」

「……行きますかね、提督」

制帽をかぶり直し、髪を整え。

遠くから駆け寄ってくる仲間たちに向かってもう一度手を振り、俺たちは、せーの、と歩き出した。




――かくして、提督と艦娘の旅行は終わりを告げる。


――平穏という名の、非日常が終わり。


――戦争という名の、日常が始まる。








『北上さまとの温泉旅行』

FIN.

76 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/15(日) 00:12:35.61 ID:r6GIzwLA0
これにて完結です。
お付き合いいただきありがとうございました。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/15(日) 00:12:49.89 ID:Ebji8KJGO
おつ
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/15(日) 00:25:45.86 ID:Te3sn1ct0
乙です!
素晴らしく良いものを読ませていただきました!
うちの北上さまに読ませて真っ赤にさせたい
そんで大井っちに怒られたい
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/15(日) 02:17:29.22 ID:bKPDMFiSo
おつです!
エロかったわぁ……
良かったっす!
80 : ◆axPwtNeSoU [ saga sage]:2017/01/15(日) 11:06:50.57 ID:r6GIzwLA0
>>77
コメント感謝です

>>78
実にいい趣味をしてらっしゃる
握手

>>79
ありがとうございます
楽しんでいただけたなら嬉しいです
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/01/15(日) 11:17:34.69 ID:Te3sn1ct0
>>1は他作品あるの?非エロでもいいよー
82 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2017/01/15(日) 12:55:11.91 ID:r6GIzwLA0
>>81
ここ一年半は来てなかったのでかなり古い作品な上に、数もないのですが……

【艦これ】ハイパーズ と こたつ。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422850179/

【艦これ】天龍「龍田のオサレポエムのノートを見つけちまった」【短編】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434803418/

ちなみにあと一本、スレ立てしたものがありましたが、一身上の都合でエタらせてしまったので、いずれ改めて完結させたいです。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/15(日) 17:56:46.66 ID:GwKeA+rfo
すばらしい
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/17(火) 01:22:02.59 ID:pp9F/KjY0
おつー
これは良作
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/17(火) 11:48:51.30 ID:Ve4m6Pwk0
くそエロ乙
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/01/17(火) 12:59:42.89 ID:Io3a8vTA0
>>83>>84
嬉しいコメントありがとうございます

>>85
「くっそエロくって良かったよ、おつかれさま!」という意味なのか、「くそみたいなエロSS書きやがって、おっぱい喉に詰まらせて[ピーーー]」という意味なのかわかりませんが、どちらにしてもご褒美なのでOKですありがとうございました
87 : ◆axPwtNeSoU [sage saga]:2017/01/17(火) 13:01:26.15 ID:Io3a8vTA0
すいません酉&sage付けミスってましたが>>1です
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/17(火) 13:57:21.47 ID:wgwuoBBC0
乙&>>88get
89 : ◆axPwtNeSoU [saga sage]:2017/01/17(火) 18:29:23.15 ID:Io3a8vTA0
>>88
パチパチゲットおめでとうございます
拍手もらったと解釈しときますありがとうございました
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/18(水) 00:14:11.15 ID:cfz9rFUBo
大井っちとの温泉旅行 へ続くんですねわかります
91 : ◆axPwtNeSoU [saga sage]:2017/01/19(木) 08:53:56.97 ID:LiQZE8WA0
>>90
エロ表現の引き出しがボーキサイト並みに枯渇気味なので、ちょい厳しいかも
まあエロか非エロかはともかく、大井っちメインのはどこかで一本書きたいです
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/02/22(水) 02:10:40.52 ID:eqwXfdun0
えっろ
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/02/22(水) 02:11:34.95 ID:eqwXfdun0
間違えてあげた ごめんなさい
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/07/19(水) 22:25:58.25 ID:GW39looo0
尖ったとこはないけど普通にエロくて普通にいい話
なかなか良かった
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/06(水) 20:41:02.02 ID:NBnSKp2s0
某所で知って読みに来たけどすっげえエロくてすっげえ沁みた
こんな旅行してみたい
激亀だけど乙です
96 : ◆axPwtNeSoU [sage]:2017/09/09(土) 17:30:46.38 ID:i8qDSK3A0
>>92>>95
随分と前の作品にコメントありがとねです
以後のコメント返しは正直難しいと思いますが、とりあえず感謝を
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/02/22(木) 19:27:12.72 ID:108USyu90
良い…実に良い…
55.41 KB Speed:0   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)