【FEif】リリス(……これは、だめそう……ですね……)

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533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 09:36:44.83 ID:AFdDl4KSO
気分転換(最悪)
534 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/28(月) 20:50:53.68 ID:koGNGl1w0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―南国の異界・南の浜辺周辺―

ベルカ「……気分転換に歩くのも悪くないわね」

 ――! ――!

ベルカ(ん、この先の浜辺に誰かいるみたい…。いったい誰が――)チラッ

サクラ「んんっ、んひっ、だ、駄目ですぅ。マークスさぁん」

マークス「何がダメなんだ、サクラ王女?」グリグリ トントンッ

サクラ「そ、それを宛がうのを止めてくださいぃ。やっ、お尻の穴、そんなトントンしちゃだめです、マークスさん」

ベルカ「」
535 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/28(月) 20:53:33.50 ID:koGNGl1w0
マークス「ふっ、日焼け止めのオイルを塗るというからどんなものかと思えば、このようなものを準備していたとはな。ふっ、残念だが背後で蠢く企みには少々鼻が利く性質だ。少し準備が不足していたな、サクラ」グポグポ

サクラ「ふああっ、やっ、指……んんっ!!! 広げないでください、は、はずかしいです/////」

マークス「私にこれを入れようとしていたのに何を言うかと思えば。反省していない罰としてこちらを開拓させてもらうとしよう」ズブブッ

サクラ「んんっ、はうぅぅ////」

マークス「ふむ、良い締まりだ。こんなにも私の指を締め付けてくる……。それに淵回りがとてもキュートだぞ」グチグチ

サクラ「あっ、だめ、お尻の入り口、撫でまわさないで、んっ、くうぅぅ」ピクピク

マークス「こんな公衆の面前に見られそうな場所で、局部を晒して尻を弄られて感じているとは、やはりサクラはスキモノということだな」

サクラ「お、お尻を弄られて感じてるわけじゃ、ひゃううううぅっぅぅぅ!」

マークス「ふっ、こんなにお尻を震わせ、恥部からはしたなく涎を垂らしていてはな」

サクラ「こ、これは違うんです。これはぁ……ひゃっだめ、だめ、お尻、なんで、こんなにぃ、ふあああああっ」ビクンビクンッ

サクラ(や、私、お尻でしたことなんてないのに。どうして、こんな……。きもちいいんですかぁ)

マークス「んじゅるる、はぁ。これだけ湿らせておけば入るだろう。さぁ、私にもっと尻で善がる姿を見せてくれ」ピトッ

サクラ「や、らめ、いまわらめです。マークスさ――」

マークス「……ゆっくりと入れてやるからな」ヌプ、ヌププッ

サクラ「―っ! はああっ。んっ、んんんーーーっ!!!」
536 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/28(月) 20:58:53.50 ID:koGNGl1w0
サクラ(入ってる。お尻の中に、あんな太いの挿入って……)

マークス「ふっ、指の次にこんなものを取り込むとはな。どうだ、サクラ、中でお前がいつも使っている杖が動いているのを感じているか?」ヌププッ ズリュリュ

サクラ「やっ、んっ、だめ、ふああっ、きちゃう、またキちゃいます!!」

マークス「オーガズムを持続できるほどにこちらが好きなのか。ふっ、サクラはこちらの方が弱点だったとはな。良い発見が出来たぞ。さぁ、もう一度はしたなくイってしまうといい」

サクラ「やっ、んやっ、はぁはぁ。声、とめられない、あっあぁんっ!」

サクラ(こ、こんなのだめ。お尻の中で何かが動いてるのに、こんなに気持ちよくなってる。こんなの誰が見ても変態です。そんな姿をマークスさんにいっぱい見られちゃってる。私のアソコ、あんなにテラテラしてお尻でいっぱいベチャベチャに――。だめ、感じちゃ、感じちゃダメなのに!!!)

サクラ「あっ、あっ、んっ、ふあっ、あああっ。マークスさん、だめ、でちゃううううっ!!!!あああっんんんんーーー!!!」ビクンビクンッ

 チョロ チョロロロロロロッ

サクラ「や、だめ、おしっこ、とまって、とまってよぉ/////」ビチャチャ

サクラ(自分のおしっこいっぱい掛かっちゃってる…。お尻をいっぱい穿られて、おもらしまでしてしまいました……)
537 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/28(月) 21:04:02.95 ID:koGNGl1w0
マークス「おもらしまでするとは。粗相を働くいやらしいココを私のジークフリード躾けてやらなければ」クチュリッ

サクラ「ら、らめです。そんな、お尻に挿入れてるのに、今は――ふああああんっ!!!!」

マークス「はぁはぁ、おしっこに塗れたサクラのヴァギナ、ヌルヌルしていてそれでいて暖かい。すぐに出てしまいそうだ!」パンパンパンッ

サクラ「そ、そんなこと言わなでください、マークスさ、あっ、あんっ。んっ、ああ、おま〇こもお尻も奥まで、あっ、そんなに激しくしちゃ、だめ、だめえええぇ」

マークス「こんなにも欲張りなアナルを見て、興奮するなというのが無理な話というものだ! ああ、サクラ!!!」ビュルルルルルッ

サクラ「んんんっ! 熱い、熱いマークスさんのザーメン、私の中に出て、ふああっ、だめ、また出ちゃうぅぅ」チョロロロロッ
 
 ビチャチャチャチャッ

サクラ(ああ、私お尻で感じちゃう変態さんなんだ。だって、こんなにお尻をもっと苛めてほしいって思っちゃってる……。冷たい棒じゃなくて、マークスさんのおち〇ぽで苛めてほしい……。私のお尻でいっぱい気持ちよくなって、いっぱいいっぱいザーメンを注いでほしいって……)

サクラ(お尻にほしいよぉ)ドキドキ
538 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/28(月) 21:12:52.99 ID:koGNGl1w0
 ヌポンッ

サクラ「はぁはぁ……。んんっ、はぁはぁ……」クテンッ

マークス「こんなにアナルをクパクパとさせて、まだもの足りない様だな?」

サクラ「ま、まーくすさん……」

マークス「サクラ、これからどうしてほしい?」

サクラ「……ください」

マークス「聞こえないな?」

サクラ「お、お尻に、お尻にマークスさんのおち〇ぽ入れてください。いっぱい、もっといっぱいお尻で感じたいんです!」

マークス「わかった、それでは望みどおりにしてやろう。……ふんっ!」ズボッ

サクラ「ひゃあああっ、ああっ、いいですぅ、大きいの入ってます。熱くて逞しいマークスさんのおち〇ぽが入って、いっぱい中をゴリゴリされて気持ちイイですぅ」アヘェ

マークス「そうか、ではもっともっといやらしくしてやろう」ヌププッ ヌブッ!

サクラ「ああ、マークスさかぁん。いっぱい、いっぱい押し広げられて気持ちイイよぉ」グチュグチュ

サクラ(マークスさんに文化交流するのは失敗しちゃったけど……これでいいよね?)

サクラ「ああっ、マークスさん、来て、来てください。私のお尻にいっぱい受精させてください」

マークス「サクラ、ううっ!!!!」ビュルルルルルッ ビュルルッ

サクラ「んひいいいっ、お尻、いっぱい出されて、はぁはぁ、んああああっ!!!!!」ビクンビクンッ

サクラ(だってこんなに幸せなんだもん……)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ベルカ「」

ベルカ「……」

ベルカ「………」

「うん、西に行こう……」フラフラ
539 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/05/28(月) 21:15:29.19 ID:koGNGl1w0
今日はここまで

 ベルカは西に舵を取った!
540 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/04(月) 19:55:11.46 ID:PSq6feDZ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―南国の異界・北の小屋―

カミラ「そう、愛について……。とっても素敵なことを調べているみたいね」

ピエリ「素敵な事なの?」

カミラ「そうよ、誰かを愛さることはとても素敵なこと。ピエリもいつか誰かの事を愛せるようになるとわかるようになるわ」

ピエリ「んー?」

リリス『カミラ様、ピエリさんにはまだ早いことだと私は思うんです』

カミラ「ふふっ、リリスはピエリのお母さんみたいなことを言うのね」

ピエリ「リリスはピエリのお母さんじゃないのよ。カミラ様、おかしなこと言っちゃダメなの!」

リリス『そうですよ。ピエリさんにもちゃんとお母様がいるんですから』

ピエリ「そうなの。ピエリと同じくらいお胸が大きかったから、リリスは絶対にお母さんじゃないの!」

リリス『違う。その決め方は違う』

カミラ「胸の大きさね、例えば私はどうかしら?」

ピエリ「カミラ様は……お母さんなの!」

カミラ「ふふっ」

リョウマ「なるほど、貧乳は母に非ずということだな」

リリス『リョウマ様、頭をガブッてしてもいいですか?』

541 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/04(月) 20:13:24.94 ID:PSq6feDZ0
リョウマ「しかし、どうして愛について調べているのか、よくわからないところだ。もしかして、リリスは結婚を望んでいるということか?」

リリス『いいえ、全然。結婚の予定もありませんし、誰かを好きになる予定もありません』

リョウマ「心の声が筒抜けである以上、本当に浮いた話は無いという事か。では、何ゆえそのようなことを――」

カミラ「リョウマ王子、そういうことを探るのは良くないわ。女の子は、誰でも愛について深く考えちゃうときがあるの」

リョウマ「……ということはヒノカも愛について考えたりするということか?」

ヒノカ「な、なんで私に話を振るんだ!?/////」

リョウマ「四六時中、槍の振り方や天馬の兵法ばかりを考えているのではないかと少し心配でな。で、実際どうなんだ?」

ヒノカ「い、言えるわけないだろう! さっきリリスに言うだけでも恥ずかしかったんだ。もう一度なんて口が裂けても言えないし、言うつもりもないぞ!」

カミラ「そう……。ところで、リリス、ちょっと――」

リリス『なんですか、カミラ様?』

カミラ「ねぇ、ヒノカ王女は愛についてどんな回答をしたのか、教えてちょうだい」

リリス『えっと、手を繋いで互いに見つめ合いながら――カクカクシカジカ』

ヒノカ「」

カミラ「ふふっ、情景が思い浮かぶくらいに良いものね」

リョウマ「なるほどな、日々の中で育むものということか」

 ドタリッ

ヒノカ「コロシテ……コロシテヨォ……」
542 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/04(月) 21:01:55.84 ID:PSq6feDZ0
リリス『出来れば、お付き合いをしているマークス様とサクラ様にご意見を伺いたかったんですけど……』

リョウマ「なるほど、そういう事だったか。なら今からでも遅くない、南に赴いて二人に意見を聞いてみるのはどうだ?」

リリス『いえ、今お二人に遭遇すると精神崩壊を迎えてしまう人がいるので、後日改めてお伺いしようと思います』

リョウマ「そうか? それでその愛についての意見というのは、集まったのか?」

リリス『そうですね。十分だとは思いますが、もう少しあるといいなって思います』

ピエリ「あ、そうなの! だったらカミラ様とリョウマ様に答えてもらうのがいいの!」

リョウマ「お、俺もか?」

カミラ「あら、面白そうね。リョウマ王子はどんな愛を考えているの、興味があるわ」

リョウマ「うーむ、愛、愛か……うーむ」

リリス『難しく考えなくても結構ですよ。リョウマ様が愛だなと感じることを言ってもらえれば……』

リョウマ「…愛……愛……」

ピエリ「はやく、早くするのぉ」

リョウマ「……ピエリ、俺を兄だと仮定して、もう一度言ってみてくれないか」

ピエリ「おにいちゃん、早くしてほしいのぉ」

リョウマ「……ふぅ」

リリス『ふぅ、じゃないです』
543 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/04(月) 21:12:26.20 ID:PSq6feDZ0
リョウマ「……共にいられることもそうだが、やはり互いに愛していると思えることが愛だと俺は思う」

リリス『互いにですか?』

リョウマ「ああ、ヒノカの言った愛に近いかもしれないが、俺は一方だけの愛だけでは本当の愛だとは言えない。そう考えている。片方がどれほど心中でそのものを思っていたとしても、相手が意識していないのあれば、それは育まれることもないものだ」

ピエリ「んー、よくわからないの」

リョウマ「例えばピエリが誰かを愛していたとする」

ピエリ「……うん」

リョウマ「しかし、その誰かはピエリの事を愛していないとなれば、その思いが結びつくこともないということだ」

ピエリ「ピエリ、その人に嫌われちゃったの?」

リョウマ「嫌っているわけではないさ。ただ、互いに愛を共有していく間柄になることは出来ないというだけの事さ。ピエリにはまだわからない話ではあると思うがな。長くなってしまって済まない、これが俺の考えている愛というものだ」

リリス『なるほど、共有してこそ愛というわけですね』

リョウマ「ああ。もっとも俺は共有することは叶わなかったがな……」

リリス『その返しは雰囲気が重くなるのでやめてください』
544 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/04(月) 21:23:19.06 ID:PSq6feDZ0
今日はここまで

 
545 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/11(月) 20:17:59.03 ID:igfP/BJR0
ピエリ「ねぇ、愛って共有できるものなの?」

カミラ「ふふっ、共有できるものかもしれないわね。少なくともリョウマ王子はそう思っているという事よ」

ピエリ「そうなの? ねぇねぇ、リョウマ様」

リョウマ「なんだ、ピエリ?」

ピエリ「リョウマ様の共有する愛って何なの?」

リリス『ピエリさん、それはですね。互いを心の底から愛しているという相互理解の――』

リョウマ「やはり、鞘と刀のような関係だろうな」

ヒノカ「なるほど、守られる者と守る者のような関係ということか。流石はリョウマ兄様だ」

カミラ「そうね、守り守られる関係は愛が無いと成立しないものだから」

レオン「え、これって文面通りの意味に取るところ?」

リリス『レオン様、今は文面通りに取っておきましょう』
546 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/11(月) 20:28:09.00 ID:igfP/BJR0
リリス『それで、カミラ様は愛についてどうお考えなんですか?』

カミラ「あら、私にも聞くのね?」

リリス『はい。そもそも、ここまであまりいい回答が無いので……』

カミラ「そう、ヒノカ王女の回答なんて理想的な物だと思うわ。私はとても気に入っているもの」

ヒノカ「カ、カミラ王女。止めてくれ、恥ずかしくて死にたくなる……」

ピエリ「ヒノカ様の顔、髪と同じくらい真っ赤かになってる。えへへ、とってもおかしいの」

ヒノカ「ううっ……」

リリス『確かにヒノカ様の愛についての考えはとても素晴らしいものです。でも、その後が色々と言葉と行動がかみ合っていないと言いますか……』

カミラ「そう、中々リリスのお眼鏡には適わない答えばっかりっていう事ね?」

リリス『そ、そんなことは……』

カミラ「ふふっ、少なくともあなたの主観で選別しているんだから、あなたの価値観に会っていないのは事実でしょ?」

リリス『……そう、ですね。ごめんなさい』

カミラ「ふふっ、愛の形は人それぞれ。尖っているのもあれば丸まってるのだってあるの。今リリスは人が思う愛を探っているのだから、噛みあっていないなんて言い方はしちゃダメ。きちんとお願いしてくれるなら、話してあげるわ」

リリス『はぁ、カミラ様には敵いませんね。では、改めてカミラ様から愛について意見を聞きたいんですけど、よろしいですか?』

カミラ「ふふっ、良く出来ました」ナデナデ
547 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/11(月) 20:42:59.01 ID:igfP/BJR0
カミラ「それで愛についてね。ふふっ、まだ結婚もしてない私の意見だから鵜呑みにはしないでね?」

リリス『はい、それはもちろん。それで、カミラ様はどういったことを愛だと思ったり、感じたりしますか?』

カミラ「そうね……。ふふっ、その誰かが幸せになるように尽くしてあげること、それが愛だと私は考えてる」

リリス『尽くしてあげること、ですか?』

カミラ「ええ、臣下が主のために尽くすことと、主が臣下のために最善を尽くすみたいに。幸せという大きな目標に向かって、尽くしてあげることが愛なのかもしれないわ」

ピエリ「カミラ様の愛ってピエリしてるの。ピエリ、戦争中はマークス様にいっぱい尽くしてきたの!」

レオン「ピエリ、それはマークス兄さんとサクラ王女の前では言わないようにしてね。要らない誤解ってふとした言葉から生まれるからさ」

リリス『尽くしてあげることですか』

カミラ「ええ、その子が幸せになれるのなら、おねえちゃんはなんだってしてあげるの。言い方を変えるとね、私がその子を幸せにするために尽くすと言えばいいわね」

リリス『まさに良妻って感じですね。というか、カミラ様は見た目も相まって色々と良妻賢母と言いますか……』

リョウマ「ああ、カミラ王女の夫となれる者はとてつもないほどの幸せ者なのだろう」

カミラ「大袈裟よ。でも、その人の事は世界で一番の幸せにしてあげたいわ」ニコッ

リリス『ううっ、まぶしい……』
548 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/11(月) 21:01:38.98 ID:igfP/BJR0
リリス『ふぅ、やっぱりカミラ様ですね。慈愛に溢れているというのは絵に描いた餅ではないというのがわかりました』

カミラ「ふふっ、私の答えはあなたのお眼鏡に適ったみたいでよかったわ」

リリス『うう、そう言わないでください。先ほどの言葉、結構ダメージあったんですよ?』

カミラ「ふふっ、ごめんなさいね」

リリス『もう……。しかし、これだけデータが集まれば大丈夫でしょう。色々とご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした』

カミラ「気にしないで。色々とみんなの愛についての価値観が知れて有意義な時間だったわ。リョウマ王子もそう思うでしょ?」

リョウマ「ああ。特にヒノカも愛について興味を持ってくれていたこと、俺はうれしく思う」

ヒノカ「だから、その話をぶり返さないでくれ……」

レオン「はぁ、愛なんかよりも色々なことが重なって頭が痛いよ。特にエリーゼとタクミ王子の事とか……」

ヒノカ「止めてくれ、レオン王子。その名前は、私の心を抉る刃のように鋭い……」

レオン「あ、ごめん」

ピエリ「そういえば、マークス様とサクラ様から聞かなくてもいいの? 南の浜辺に行けばいるんでしょ?」

リリス『……気が向いたらお聞きします。ええ、気が向くことなんて今日は無いでしょうけど』

ピエリ「そうなの?」

リリス『そうなの!』
549 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/11(月) 21:16:32.04 ID:igfP/BJR0
カミラ「ふふっ、一息ついたみたいね。それじゃ、ここで少しだけゆっくりしていって、もう夜が近づいているみたいだから」

レオン「あ、本当だ。陽が落ち始めてる。暗夜ではあまり見ることが出来ない光景だね」

リョウマ「ああ、少しばかりの気分転換にと思ってきたが。思った以上の効果を得られる旅になりそうだ」

カミラ「ええ。とってもいいものになるといいわね」

リリス『まぁ、色々と問題があるメンバー構成ではありますけどね』

カミラ「ふふっ、それも旅の醍醐味でしょう? それに雨が降った後の地面が固くなるみたいに、この旅で固まるものもあるはずよ」

リリス『もう、カミラ様は天使か何かなんですか? 私はそう楽観的に構える余裕もありません』

カミラ「ふふっ、リリスは苦労人ね。いいえ、苦労竜かしら?」

リリス『こんな形での苦労はしたくありません。出来れば皆さんの戦いのサポートだけに専念していたかったくらいですから』

カミラ「あらあら、戦いが終わった後は隠居するみたいな言い方ね」

リリス『まぁ、そのつもりでしたから……』

カミラ「ふふっ、予定が狂っちゃったみたいね。でも、ならその予定になるまではゆっくりとしていきなさい、それが今できることならね?」

リリス『カミラさ、それもそうですね。出来れば明日はゆっくりと――あわわわ』ガシッ

カミラ「あら?」

リリス『ちょ、誰ですか。いきなり持ち上げないでください、ってピエリさん!?』

ピエリ「リリス、ペタンってしてる場合じゃないの! 外に出て綺麗な夕陽を一緒に見るの!」タタタッ

リリス『ピエリさんダメ、そんな風に持ち上げたら、あれが、あれが――』

『隠せないからやめて――――!!!!』
550 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/11(月) 21:17:13.45 ID:igfP/BJR0
今日はここまで

 リリスのあれ
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/19(火) 08:50:07.81 ID:XQiiku5r0
乙なのよ
552 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/20(水) 20:37:58.87 ID:ri7cwBYP0
◆◇◆◇◆◇
―異界の南国・宿泊施設『ロビー』―

ニュクス「ふぅ、どうにか魔符の確認は終わったわ。少し堪能するのに時間が掛かったけど、これは大人の時間の楽しみ方。背に腹は代えられないと白夜では言うように、時間と幸福は等価交換というのを改めて実感したわ」

アクア「時間と幸福が等価交換ね、私はそうは思わないけど?」

ニュクス「あら、アクア、あなたもここにずっといたの? てっきり、外に出ていると思っていたのだけど」

アクア「ちょっと気分ではなかったから……。それに外に出ても面白いことがあるかどうかはわからないでしょ?」

ニュクス「それもそうね。外に出て行った他のみんなもそろそろ戻ってくるはずだけど、お土産話に期待しておきましょう」

アクア「そうね……。リリスはうまくやってくれているかしら?」ボソッ

ニュクス「? あら、噂をすれば……」

ピエリ「えへへー、ただいまなの! あ、アクア様とニュクスなの!」

ニュクス「こんなに暗くになるまで歩いているなんて、ピエリは悪い子ね」

ピエリ「ぶー、ピエリもう立派な大人なの! 心配される子供じゃないのよ」

ニュクス「ふふっ、ごめんなさいね」

リリス『はぁ、なんだかんだ北側からここに来るまで結構な距離がありますね。浮遊しているとはいえ、なんだかんだ疲れました』

ヒノカ「ああ、疲れたな」ゲッソリ

ニュクス「?」
553 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/20(水) 20:49:19.81 ID:ri7cwBYP0
アクア「あら、他のみんなは?」

リリス『はい、リョウマ様とカミラ様はベルカさんを探してから戻って来るそうです。他の方々はわかりませんが、少しすれば戻ってくると思いますよ』

アクア「そう、ところでリリス、夕食の事なんだけど」

リリス『はい、カムイ様に夕食の準備が出来たらお伝えしておきますね』

アクア「そう、ありがとう」

アクア(どうやら、きちんと情報は集めてくれたみたいね……。もしも、あまり多く手に入らなかったら、夕食の事を私からカムイに伝える様に返すことになっていたから)

アクア「それじゃ、夕食の時間に会いましょう。失礼するわね」

リリス『はい、またその時間に』

ピエリ「リリス、戻って来たばっかりなのにカムイ様を呼びに行ったり大変なの。アクア様は呼びに行かないの?」

リリス『いいんですよ。それに私はカムイ様にお仕えしていたんですから、主のために出来ることはしたいですし、そのアクアさんにすべてお任せするのは、なんだか少し悔しいじゃないですか』

ニュクス「リリス……」

リリス『……』

ニュクス「アクアと仲良くしておきながら、実は主の隣を虎視眈々と狙っている。あなた、中々やるじゃない」

リリス『どうしてストレートに受け止めてくれないかなぁ……』
554 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/20(水) 21:00:39.03 ID:ri7cwBYP0
 タッ タッ タッ

リリス「ん?」

リョウマ「む、リリス達の方が先に着いていたか。もしかしたら、俺たちの方が早く着けるかもしれないと思ったが、やはりそうもいかないな」

カミラ「さすがにベルカと合流してからだと、真っ直ぐに帰ったリリス達には敵わないわね」

ベルカ「……」

リリス『あ、リョウマ様にカミラ様、お帰りさないませ』

ピエリ「えへへー、ピエリたちのほうが先にゴールしてたのよ」

リョウマ「ああ、どうやら俺たちの負けのようだな。しかし、ベルカはどうして浜辺に腰を下ろし、じっとしていたんだ?」

ベルカ「別に……。特に何もすることが無かっただけ……。あと、気分転換をしたかった……」

カミラ「ふふっ、ベルカらしいわね。さぁ、ベルカ、一度シャワーを浴びに行きましょう。海水はきちんと洗い流さないと肌も髪も痛めちゃうから」

リョウマ「そうなのか?」

カミラ「ええ、そうなのよ。それじゃリョウマ王子、また夕食の席で会いましょう」

リョウマ「ああ、ベルカも」

ベルカ「ええ、リョウマ様……」

 タッタッタッ

リリス『カミラ様とベルカさん、主と臣下というよりも仲の良い友人のような関係になりましたね』

リョウマ「……ああ、見ていてとても穏やかな関係だ。まるで寡黙な妹に寄り添う姉のように思えてくる」

リリス『大体そうなんですけど、リョウマ様が言うとなぜか釈然としませんね』
555 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/20(水) 21:06:45.85 ID:ri7cwBYP0
ヒノカ「私は部屋に帰って休むことにする……」

リリス『はい、そのゆっくり休んでくださいね』

ヒノカ「……ああ、なんとか夕食の時間には顔を出せるようにするよ……。ああ、まだ耳の奥に……あの獣みたいな叫びが……」フラフラッ

リリス『……ヒノカ様、とても不憫です』

レオン「所々、君が原因な部分もあると思うけど?」

リリス『いや、そうは言われても、さすがに予測可能でありながら回避不可能な行動をされてしまっては止めようもないと言いますか』

ニュクス「一体何の話をしているの? 少し興味があるわ」

リリス『えっと、実はですね――』

レオン「そうだニュクス、少し魔法について色々な意見が聞きたいんだけど、時間はあるかな?」

ニュクス「と思ったけど、リリスの話はそれほど面白くなさそうだから、また今度にしましょう」

リリス『あ、はい』

ニュクス「それで、レオン王子ともあろう人が、魔法にまだついて知りたいことがあるの?」

レオン「それなりにはね。それにニュクスの呪いの件、忘れてるわけじゃない。そのことも少し気に掛けているつもりだよ」

ニュクス「そ、そう///// それじゃ、上にテラスがあるから、そこで話しましょうか。夕食までの短い間だけど……」

レオン「ああ」タタタタッ

リリス『……レオン様もなんだかんだ鈍感な人ですよね』

ピエリ「レオン様、鈍感なの?」

リリス『ええ、だからある意味、これはこれで良いことなのかもしれませんね』

ピエリ「リリスがそう言うなら、きっといい事なのよ」

リリス『だといいんですけどねぇ……』
556 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/20(水) 21:11:13.08 ID:ri7cwBYP0
リョウマ「では、俺も部屋に戻って一息つくことにする。何か用があったら気にせずに声を掛けてくれ」

リリス『はい、わかりました』

 タッタッタッ

リリス『さて、私たちだけになっちゃいましたね。マークス様にサクラ様、タクミ様とエリーゼ様の姿は見えませんけど、さすがに夜になったら帰ってきますよね』

ピエリ「ふわぁ〜、ピエリもちょっとおねむなの……」

リリス『今日は色々とありがとうございました。ピエリさんには色々と助けられてばかりですね』

ピエリ「んー、気にしてないの……。ピエリもお部屋に戻ってお昼寝するの……。リリス、夕ご飯になったら起こしに来てほしいのよ」

リリス『はい、わかりました。って、ピエリさん。今にも寝落ちしそうじゃないですか、私の背中に寄り掛かってもいいですから、ちゃんと部屋に行きましょう』

ピエリ「んー、えへへ、リリスの背中ひんやりしてて気持ちぃの」

リリス『やっ、ちょっと背鰭に頬ずりしないでください。バランスが崩れたら倒れちゃいますよ』

ピエリ「うー、リリス意地悪なの。はふぅ……」

リリス『ひゃっ、背鰭に吐息を当てないで』

ピエリ「あ、リリス面白いの。ふーっ、ふーっ」

リリス『あ、ちょ、いやんっ』
557 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/20(水) 21:13:10.24 ID:ri7cwBYP0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―異界の南国・宿泊施設『ピエリとリリスの部屋』―

ピエリ「すぅ……すぅ……」

リリス『はぁ、ベッドに倒れたと思ったらすぐに眠っちゃいました。眠っている時の顔もそうですけど、やっぱり子供みたいですよね、ピエリさんって』ナデナデ

ピエリ「んー、えへへ……」

リリス『ふふっ、ゆっくり休んでくださいね、ピエリさん』フワフワ……

 ガチャ バタンッ

リリス『さて、おそらく夕食の支度が出来るまではあと一時間位でしょうか」

リリス「ここは夕食のお知らせを受けてからピエリさんを起こしてカムイ様を呼びに行くことにしましょう。アクアさんへの報告は夕食後にするとして………』

 フワフワ

「少しの間、どうしましょうか」
558 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/20(水) 21:15:52.55 ID:ri7cwBYP0
今日はここまで

 ピエリの寝顔は絶対に可愛いと思う。

 次にリリスがすることを決めたいと思います、参加していただけると幸いです。

◆◇◆◇◆◇
 この後のリリスの予定
・「レオンとニュクスの様子を見に行く」
・「まだ帰ってきていない文明開化組の到来を待つ」
・「ヒノカの様子を見に行く」
 
 >>559

 すみませんが、よろしくお願いいたします。
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 21:17:32.57 ID:Tjhs4gO2O
取ってしまえ
ヒノカの様子で
560 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/29(金) 20:48:57.61 ID:WvYfOck10
◆◇◆◇◆◇
―異界の南国・宿泊施設『ヒノカの部屋』―

ヒノカ「はぁー、タクミにあのような趣味があったなんて…。それにサクラもマークス王子に、その……文化交流を試したいなどと思っていたとは……」

ヒノカ「……はぁー」

ヒノカ(これほど心の底からため息が漏れるとは思っていなかった。しかも、政などではなく、家族の事でなんて……)

ヒノカ「はぁ〜。ううっ、どうしてこうなってしまったんだ。カムイが手繰り寄せてくれた暗夜と白夜の絆、その絆を確かなものにしながらハイドラに立ち向かった日々に戻れたらと思ってしまうなんて」

ヒノカ(それにしても、その、排泄をする穴を弄って何がいいのかわからない。その、男女が付き合い子を成すための行為が、副次的に気持ちが良い事だというのは聞き及んでいるが、不浄の穴に何かをしてとても気持ちがいいのか?)

ヒノカ「とてもそうは思えないのだが……。それとも男には女性のような物が無いから、その代用として?」

ヒノカ(いや待て、私は何を考えている。こんなことを考えている暇があるなら。一度、すべてを忘れて眠るべきだろう……)

ヒノカ「そうだ、一度寝れば色々と整理が付くかもしれない。武術の鍛錬も行き詰ったら、少し間を置くことで上達したことだし」

ヒノカ(今考えたことも、きっと疲れているからに決まっている。そうだ、一度眠ってしまえれば――)

 コンコン

ヒノカ「む?」

リリス『ヒノカ様、まだ起きていますか?』

ヒノカ(リリス?)
561 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/29(金) 21:29:23.61 ID:WvYfOck10
ヒノカ(どうしてリリスが私の部屋に? もしかして、心配してきてくれたのか?)

リリス『……』 

ヒノカ(……その、とてもうれしいが今は出来れば休んでいたいんだ)

リリス『もうお休みになられてしまったんでしょうか?』

ヒノカ(ああ、今から休むつもりだ。疲れて色々と壊れそうな精神に一時の休息を与えたいんだ。だから、すまないが――)

リリス『さすがに色々あったのですから仕方ないです。でも、ヒノカ様は強いお方ですから、きっと大丈夫ですよね……』

ヒノカ(ふっ、聞き耳を立てているようで少しばかりの罪悪感は生まれるが、こうして心配されていることが分かるのは、なんだかとても心地がいいな。あ、安心したらなんだかウトウトと――)

リリス『タクミ様のア〇ルプレイとか、サクラ様のマークス様文化交流疑惑とかいろいろありましたけど――』

ヒノカ「うわああああああああああっ!!!!!! それは言わないでくれええええ!!」ジタバタ!

562 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/29(金) 21:39:16.31 ID:WvYfOck10
リリス『すみません、てっきりおやすみになられたと勘違いしてしまって、その色々と思ってしまいました』

ヒノカ「いやいいんだ、お前が来た時にきちんと出なかった私にも責任がある」

リリス『ヒノカ様』

ヒノカ「うん、でもだ、もう少し思うべきことがあると私は思う。来るまでに見た海の景色とか、皆で泳いだ海水浴場の事。色々他にもあっただろう?」

リリス『すみません。ヒノカ様の事を考えますと、やはりタクミ様の光景が過ってしまいまして。あの光景はちょっとやそっとでは忘れ去ることもできませんから、運が悪かったと諦めるしかありません』

ヒノカ「……ううっ、私の頭の中、穢されてしまったよぉ……」

リリス『まぁ、あれを見て興味を持ってしまったのならある種の変態になってしまいますからね。色々とリカバリー出来ることはしようと思ってきたのですが……。真逆の事を行ってしまったみたいですね』

ヒノカ「もういい、いいんだ。はぁ、タクミもタクミだ。幾ら、その……。あれだからといって……。あんなふうに従順になってしまっては、男としての威厳は無い様なものじゃないか」

リリス『最初の頃は威厳というより我侭っていう感じでしたけどね。それをエリーゼ様が紐解いてくれたんでしょう。その、お二人の性的趣向に関しては、まぁ、あれですね。それはそれ、これはこれとしまして……』

ヒノカ「リ、リリスは、ああいったことに抵抗は無いのか?」

リリス『ああいったこと?』

ヒノカ「ほ、ほら。その……」

リリス『あー、ア〇ルをグリグリ弄ることですか?』

ヒノカ「……」
563 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/29(金) 21:46:05.16 ID:WvYfOck10
リリス『そうですね。世の中にはそう言ったものが大好きな方々もいますし、同意の上での行為で安全第一に行っているのなら問題ないかと』

ヒノカ「私は正直わからない。あのような行為が、その、いい事のようには思えない……」

リリス『まぁ、体験したことのないヒノカ様にはわからないものだと思いますし、知らなくてもいい事だと思います』

ヒノカ「体験すれば、私にもわかるようになるのだろうか?」

リリス『え?』

ヒノカ「……はっ!? いや、違う、違うぞ。そう言う意味ではない。ちがうからな!////」

ヒノカ「あ、あのような行為を見せられて気が動転して、変な事を口にしてしまっただけなんだ! 私がそんな事を望んでいないことくらい、おまえにだってわ、わわかるだろぉ!?」

リリス『とりあえず落ち着いてください、ヒノカ様』

ヒノカ「わ、私は落ち着いている。今ならあの時のタクミの姿も直視できるはずだ!」ガクガク

リリス『直視した結果が今のヒノカ様なんですけどね……』
564 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/29(金) 21:50:35.89 ID:WvYfOck10
ヒノカ「すまん、見苦しいところを見せてしまった……。せっかく、私の様子を見に来てくれたというのに……」

リリス『いいえ。私が来たことでヒノカ様に色々と迷惑を掛けてしまいました。本当にすみません』

ヒノカ「謝るのは私の方だ。元はと言えば、リリスの忠告を聞かずに吶喊した私に原因もある」

リリス『いえ、それが原因なんでけど』

ヒノカ「と、ともかく。先の発言は気の迷いであって、その私の本心では……」

リリス『ああ、はい。そう言うことにしておきます。でも、血は争えない可能性も』

ヒノカ「タクミは男だろう。だが、私は女だ」

リリス『それだと、すべての男性が対象になってしまうんですけど。リョウマ様やサイゾウさんも、その仲間になってしまいますよ?』

ヒノカ「サイゾウはそう言う人間じゃないはずだ。それにリョウマ兄様も……きっと大丈夫なはず」

リリス『サイゾウさんとリョウマ兄様で、かなり信頼差がありますね。ここまでの経緯を考えると当然ですけど…』
565 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/29(金) 21:57:16.00 ID:WvYfOck10
リリス『ともかくです。まずは落ち着きましょう。そうですね、お風呂にでも入って心と体を休めて見るのはどうでしょうか?』

ヒノカ「そうだな。もう眠気は吹き飛んでしまった。ここはお前の言う通り、一風呂浴びてくることにしよう。確かに湯船に浸かることで、いろいろと落ち着けるものがあるかもしれないからな」

リリス『はい、それがいいと思います』

ヒノカ「しかし、今から一人でというのも寂しいな、そうだリリスも一緒にどうだ?」

リリス『そのお誘いはうれしいのですが、私はピエリさんとカムイ様にお声がけをしなくてはいけませんので』

ヒノカ「そうか……」

リリス『それにお風呂の最中、私が何かをぽろっと零してしまうかもしれませんし。だれか他に入っていて聞かれたら致命傷になる可能性もあります』

ヒノカ「それは、勘弁してほしい……」

リリス『ですから、ヒノカ様だけでゆったりしてきてください。私の事は大丈夫ですから』

ヒノカ「そうか、わかった。夕食の時間にまた会おう、リリス」

リリス『はい、ヒノカ様』

 タタタタタタッ

リリス『……正直、ああいう風に言ってましたけど――』

『興味を持つ時点で、ちょっとあれじゃないかなぁ…』フワフワ
566 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/06/29(金) 21:58:38.26 ID:WvYfOck10
今日はここまで
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 09:39:44.53 ID:JwVXAQZYo
ヒノカ…?
568 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/09(月) 22:00:32.44 ID:IPAgZ3Gf0
◆◇◆◇◆◇
―異界の南国『宿泊施設・ピエリとリリスの部屋』―

 ガチャッ ガチャチャッ!‼‼
バタンッ

リリス『はぁっ、ようやく開きました。鍵を入れて回すのは慣れましたけど、扉を開くのは中々に難しいです』

 フワフワ〜

リリス『はぁ〜、早く人間になりたい。戻ってこの思考ガバガバ状態をどうにかしたいです』

ピエリ「あ、リリス」

リリス『あれ、ピエリさん。起きていたんですか? 私が起こすまで眠っていてもらってもよかったんですよ?』

ピエリ「なんだけ目が覚めちゃったの。うー、ピエリ一人でつまらなかったの」

リリス『そんなことを言われても、ピエリさん戻って来るなりすぐに眠ってしまわれましたし……』

ピエリ「うー、ピエリが一人で退屈な時間を過ごしてる間、リリスは何か楽しいことしてたに決まってるの!」

リリス『決めつけられるほど、私は面白い人間じゃありませんよ』

ピエリ「人間じゃないと思うの」

リリス『その返し、結構傷つきます……』
569 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/09(月) 22:19:13.72 ID:IPAgZ3Gf0
リリス『ともかく、特に楽しかったり面白かったりなんてことはありませんよ』

ピエリ「ぶー、リリスはピエリに嘘を吐いてるに決まってるの。だって、ピエリが起きた時にリリスはいなかったの」

リリス『ピエリさんが寝ている間しか、私に自由時間は無いってことですか?』

ピエリ「違うの。ピエリが起きた時にリリスがピエリの近くにいればいいのよ」

リリス『なんでそんなに束縛されなくちゃいけないんですか……』

ピエリ「だって、リリスはピエリの友達なの。友達と一緒にいたいと思うのは当然なのよ」

リリス『何でもかんでも友達という言葉で何とかなるわけではないです。私たち友達だから、私のために死んでくれるよねって言われて、素直に死ぬ人なんていないでしょう?』

ピエリ「それは友達じゃなくて敵なのよ。リリス、おかしなこと言ってるの」

リリス『……例えに真面目な回答されると、こちらの立場がありません。ピエリさん、もう少し流れに沿って言葉を返してくださいよ』

ピエリ「ピエリよくわからないの。ピエリがおしゃべりするのは、リリスとおしゃべりするのが楽しいからなのよ。リリスはピエリのことを変な風に見ないの。だからいっぱいおしゃべりしたくなっちゃうの」

リリス『うれしいですけど、出来れば会話のキャッチボールに協力してくれませんか。その、突拍子もないこと言われたら受け取れるものも受け取れません』

ピエリ「おかしな話を始めたのはリリスなの。ピエリは一緒にいたいって言っただけなのに、リリスは違う話を始めちゃったのよ」

リリス『……あー、そうですね。すみません』

ピエリ「わかればいいの!」
570 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/09(月) 22:28:24.95 ID:IPAgZ3Gf0
ピエリ「そう、リリスはヒノカ様とお話ししてたのね。ぶーっ、羨ましいの」

リリス『羨ましいですか。ピエリさんにはあまり聞いてもらいたくない話ばかりだったので、私としてはピエリさんがいなくてよかったと思いましたよ。例えばお尻の事とか、お尻の事とか、そう、お尻の事とか』

ピエリ「お尻? リリス、お尻に何かできてるの?」

リリス『いえ、そう言うわじゃありませんから。とりあえず、お尻の事は忘れてください。あれ、ピエリさん?どうして私の後ろに――』

ピエリ「ん」サスサスッ

リリス『……』

ピエリ「……」ナデナデッ

リリス『ピエリさん、何してるんですか?』

ピエリ「リリスのお尻を触ってるの」サワサワッ

リリス『そうですか……。ところで、今の問い掛けの意味わかりますよね?』

ピエリ「ん? もっといっぱい触ってほしいってこと?」

リリス『ふふっ、違いますよ。なんで触ったのかを聞いてるんですよ?』

ピエリ「んー、お尻の話で近くにお尻があったからなの」

リリス『自分の触ればいいですよね?』

ピエリ「リリスのはなんだか大きくて触り心地がとってもいいの。弾力もあって触り心地がいいの」

リリス『遠回しに下半身太ってるって言ってますよね? ねぇ? ねぇ!?』
571 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/09(月) 22:36:24.77 ID:IPAgZ3Gf0
ピエリ「それにお尻は大きい方がいいって聞いたことあるの」

リリス『あー、安産型という奴ですね。でも、それは将来子供を産む方に関係する話です。私には一切関係ありませんよ』

ピエリ「?」

リリス『まぁ、ピエリさんにはわからない話です。あの、そろそろ私のお尻を無暗に撫でたり掴んだりするの止めてくれませんか』

ピエリ「んー、ピエリはもう少し触っていたいのよ」

リリス『あのですね、こういうところを誰かに見られたりとかすると、それはそれで面倒になってしまうんです。今、ここにいる人の中で真面目な解釈ができるような人、結構少ないんですから』

ピエリ「? ピエリは触ってたいから触ってるだけなのよ?」モミモミ

リリス『素直に受け取られてもやばいし、素直に受け取らなくてもヤバいので、即刻辞めてください』

ピエリ「うー、わかったの。だけど、リリスのとっても柔らかかったのよ」

リリス『褒められても全然うれしくありませんから。まったくもう……なんだがお尻が変な感じです』

 バタンッ!

サクラ「お、お尻が変って、どんなことをしているんですか!?」

ピエリ「わっ、サクラ様。いきなり入って来たからびっくりしちゃったの」

サクラ「それよりもお尻が変ってどういうことですか? 詳しく聞かせてください、今すぐに!」

リリス『サクラ様のイメージがとてつもなく損なわれてしまうので、入って来るところからやり直してもらってもいいですか? 出来ればお尻の下りは全部無くしてくれると、なおいいです』
572 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/09(月) 22:54:00.70 ID:IPAgZ3Gf0
サクラ「すみません、取り乱してしまって……。今、お尻にはとても敏感になっているので……」

リリス『お尻に敏感になっているというのは理解できませんけど、サクラ様がいらっしゃるということは、他の皆さんもお帰りになられたということですか?』

サクラ「はい、その南の浜辺からここまで、宿近辺まで…お尻で…その////」

リリス『ああ、話さなくていいですよ。うん、というか話さないでくださいね。ピエリさんにとても有害な話だと思いますので』

ピエリ「?」

サクラ「その、少しまだお尻がの感触が安定しなくて、この心境をわかってくれる人はいないかなって思ってたら、お尻が変になるってリリスさんの声が頭の中に入り込んで来たので」

リリス『変になるじゃなくて、変な感じです。勝手に解釈して私を仲間にしないでください』

サクラ「お尻で変な感じ、それは絆が深まった証だと私は思います」

リリス『そんな絆の深まり見たくないです。CからBに上がるとどうなるんです? Aに至ってはどうやって絆を深めればAになるんですか?』

サクラ「それは、やっぱりお尻で――」

リリス『お尻お尻って、少しは白夜王国の王女である自覚を持ってください。ここに入ってきてから、サクラ様お尻って言ってない時ありませんよ?』

ピエリ「ピエリもいっぱいお尻って言ったの!」

リリス『ピエリさんは、なんで張り合ってるんですか?』

サクラ「そうですね。確かに言い過ぎ多と思います。ですから、ここからは臀部と言うようにしますね」

リリス『根本的にお尻から離れて……』
573 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/09(月) 22:55:36.17 ID:IPAgZ3Gf0
今日はここまで

 お尻で絆が強くなる……
574 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/16(月) 19:56:36.40 ID:YXuxl1x00
リリス『サクラ様、ピエリさんにそういった趣味はありませんし、私もありませんので。臀部の話はやめてください』

サクラ「そうなんですね。ごめんなさい、勘違いしてしまったみたいです……」

リリス『勘違いにしても色々と問題があると思いますけどね』

ピエリ「サクラ様、お尻で変になるってどういうことなの?」

サクラ「え、ピエリさんも興味があるんですか?」

リリス『サクラ様、ピエリさんは子供なんです。この興味があるっていうのは、初めて見た玩具や遊びに興味を持っているのと同じで、それがいけないことだったらいけないことだと遠ざける事も必要だと思います』

サクラ「でも、興味を持っている方を放っておくわけにはいきません。私は経験者です。少しでも、ピエリさんのお役に立てるなら……」

リリス『その使命感と優しさはうれしくもないので、すべて畳んでマークス様の下にお持ち帰りしてください』

サクラ「い、今マークスさんとは顔を合わせられません/////」

ピエリ「あー、サクラ様。顔真っ赤にしてるの、マークス様といっぱいラブラブしてきたのよ」

サクラ「そんなことは……////」

ピエリ「えへへ、照れてるサクラ様とっても可愛いの」

リリス『ふふっ、床に密着させたお尻をグリグリしていることに目を瞑れば、とっても可愛らしいですね』
575 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/16(月) 20:07:31.01 ID:YXuxl1x00
リリス『さてと、私は少しやらなければいけない仕事がありますので』

サクラ「そうなんですか?」

リリス『はい、カムイ様とアクア様をお呼びに行かないといけないので。もうそろそろ夕食の時間だと思いますし』

サクラ「夕食、そうかもしれません。先ほどここの方々が食堂で作業をしていました」

リリス『ということは、あと少しすれば夕食の席が整うということですね。それでは私は失礼しますので、ピエリさんはちゃんと食堂に向かうんですよ?』

ピエリ「はーい」

リリス『元気な返事ですけど、なんだか心配になってしまいます』

サクラ「ふふっ、リリスさんはピエリさんのお母さんみたいですね」

リリス『目を離すと何をするかわかりませんし、色々とこの島にはピエリさんに悪影響な方々も揃い踏みしていますから』

サクラ「えっと、ピエリさんに悪影響な人たちはいないと思います。マークスさんもカムイ姉様も、目標にしている方々はいっぱいいますよ」

リリス『わー、この世界の生末がとっても心配』

ピエリ「ふふーん、マークス様がみんなに尊敬されてて、ピエリとってもうれしいの」

サクラ「はい、私もとっても嬉しいです。でも、ちょっとだけするときは乱暴だから……」

リリス『それが悪影響なんですよ』
576 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/16(月) 20:18:19.13 ID:YXuxl1x00
ピエリ「ぶー、ピエリはもう大人だって言ってるのに、リリスは子ども扱いしてくるのよ」

リリス『見た目が大人なだけじゃないですか』

ピエリ「見た目が大人なら大人なの! ピエリのお胸は大人だねって、ピエリのおうちに来てたおじさんが良く言ってたのよ」

リリス『へー。ちなみにその人ってこの頃、ピエリさんのお屋敷に来ているんですか?』

ピエリ「ううん、この頃見ないの。お父さんに聞いたらね、そんな人いないって言ってたの」

サクラ「や、止めてください。それって怖い話じゃないですか。私、そういう話は……」

リリス『確かに怖い話ですねー。ピエリさんの危機感の無さもあれですけど……』

ピエリ「ピエリは強いの! だから問題ないのよ。どんな敵にも負けないの!」

リリス『まぁ、ピエリさんってそういうのが似合わない人ですからね……』

サクラ「……そうですね。やっぱりヒノカ姉様のような方だと、すごく絵になると言いますか」

リリス『あの、さすがにそれはヒノカ様に言わないでくださいね。血の繋がった妹に、そんな風に見られていると聞いたら、溝が更に開いてしまいますので』

ピエリ「むー、サクラ様もリリスも何の話してるの? ピエリだけ仲間外れにしちゃだめなの!」

サクラ「……ピエリさん、『くっ、殺せ!』って言ってみてくれませんか」

リリス『サクラ様!?』

ピエリ「くっ、殺せ! これでいいの?」

サクラ「……なにか違いますね」

リリス『同意したくありませんが、確かに何かが違います』

ピエリ「?」
577 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/16(月) 20:34:07.42 ID:YXuxl1x00
サクラ「やっぱり、ピエリさんは思ったよりも純愛肌なのかもしれませんね」

リリス『基本的にすべての行為は純愛であるべきではないかと……って、そんな話ばかりしている場合じゃなかった』

サクラ「では、私がピエリさんを食道にきちんとお連れしておきます。色々とご迷惑を掛けてしまいましたし」

リリス『……うーん、それはそれで心配なんですけど』

サクラ「大丈夫です。こんな場所で迷子になったりしませんから」

リリス『……例えばですけど、お尻の事を尋ねられたらどうします?』

サクラ「それは、やっぱり探求の手助けを――」

リリス『しないで』

サクラ「でも――」

リリス『しないで』

サクラ「わ、わかりました」

リリス『というわけでピエリさん。サクラさんにちゃんと付いて行ってくださいね』

ピエリ「わかったの。サクラ様、一緒に食堂まで行くのよ」

サクラ「は、はい。それではリリスさん、私たちは先に向かっていますね」

リリス『はい、あ、出来れば先に部屋を出てもらえませんか。その、扉を開けるのは中々に難しいので』

サクラ「はい、どうぞ」ガチャッ

リリス『ありがとうございます。サクラ様、それではくれぐれもよろしくお願いしますね?』

サクラ「任せてください、リリスさん」

 フワフワ〜

ピエリ「リリス、行っちゃったの……」

サクラ「そうですね。さてピエリさん、私たちも行きましょう」

ピエリ「はーい! サクラ様と二人きりは初めてなの!」

サクラ「ふふっ、そうですね。合流してもあんまりお話しすることもありませんでしたから、これからよろしくお願いしますね?」

ピエリ「うん。あっそうなの、さっきのお尻で変になるって結局どういう意味だったの?」

サクラ「あ、それはですね。お尻の――」

リリス『しないで』

サクラ「!?」

ピエリ「!?」
578 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/16(月) 21:24:18.15 ID:YXuxl1x00
今日はここまでで

579 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/22(日) 21:52:59.30 ID:9krMZ18o0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―南国の異界・宿泊施設『カムイ部屋前』―

リリス『はぁ、ようやくカムイ様の部屋に着けました。結局、サクラ様とピエリさんを食堂前まで送ってからになってしまいました……。もしかして、もう向かわれていたりして……』

 コンコンッ

リリス『カムイ様、リリスです。いらっしゃいますか?』

カムイ「あ、リリスさんですか。少し待ってくださいね」ガサゴソッ

 ガチャッ

リリス『こんばんはです、カムイ様』

カムイ「はい、こんばんはリリスさん。どうしたんですか、私に何か用事でも?」

リリス『はい、そろそろ夕食のお時間になると思いましたので、お声がけを」

カムイ「え、もうそんな時間なんですか?」

リリス『はい。といっても食堂を見てきたわけではないので確証はないんですけれど、サクラ様が先ほど戻られた際に、準備をしているようだと言われたので。時刻を考えるとそろそろと思った次第です』

カムイ「そうですか、ありがとうございます。リリスさんには色々とご迷惑をおかけしていますね」

リリス『そんなことはありませんよ。私はカムイ様の臣下、こうしてお役に立てることは至高の喜びでもあります』

カムイ「ふふっ、ありがとうございます。ところでリリスさん」

リリス『はい、何でしょうか。カムイ様』

カムイ「アクアさんから何か頼まれごとをしてませんか。主に、私に知られない様に何かを調べるようにとか?」

リリス『ファッ!?』
580 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/22(日) 22:04:52.13 ID:9krMZ18o0
リリス『と、突然何をおっしゃられるんですか?』アセアセ

カムイ「いいえ、今日の昼間、アクアさんとリリスさんが一緒にいるのを見掛けまして、それで何かあったのかと……」

リリス『と、特に何にもありませんよ。ただ、たまたまお会いしただけでして……。深い意味とかはなくてですね』

カムイ「そうですか。てっきり、浮気でもしているのかと思ってしまいまして」

リリス『え、浮気って?』

カムイ「リリスさんとです。面と向かって聞くようなことではないと思うのですが。私の恋人ですし、その……」

リリス『私とアクアさんをどうやって浮気という線で結んだのかが結構気になるんですけど?』

カムイ「そのアクアさん、もしかしたら私との竜プレイで、人じゃ満足できない体になってしまったのかもしれなくて、新しい刺激を求めて色々な竜と――」

リリス『カムイ様、世の中に生きている竜は真面目に子孫を残すために頑張っています。だから、娯楽の一種みたいな言い方はやめてくださいね?』ニッコリ

カムイ「あ、はい」
581 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/22(日) 22:20:50.67 ID:9krMZ18o0
リリス『それにしても、どう考えれば私とアクアさんを絡めることが出来るのですか?』

カムイ「……だってここ最近、リリスさんはアクアさんと一緒にいる時間が多いみたいですから。私という者がありながら……」

リリス『ここ最近って、あんまり一緒な時なんてありませんでしたけど。まぁ確かにこの異界に来てからは結構一緒にいた気もしますが……』

カムイ「それです。この島に来てからほとんど一緒じゃないですか! 午後は出来れば二人きりでいたいと思ったのに、アクアさん部屋に閉じこもってしまっていて、そんな中で一緒にいられたリリスさんが羨ましいんです」

リリス『カムイ様の最近って、本当に最近過ぎません? もう少し期間を開けてもいいと思いますよ?』

カムイ「アクアさんの飛沫成分が足りないのがいけないんです。アクアさんの溢れる飛沫成分が……」

リリス『……あの、少し予想は出来ていますけど、飛沫成分って何ですかカムイ様』

カムイ「主に私の手がアクアさんを悦ばせた時に溢れる物です」

リリス『うん、予想通りでどんな顔していいかわかりません』

カムイ「笑えばいいと思いますよ」

リリス『そんな微笑ましい話じゃありません』
582 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/22(日) 22:28:18.01 ID:9krMZ18o0
リリス『とにかく安心してください。私とアクアさんはカムイ様が考えているような関係ではありませんから、あくまでも知り合いというだけです』

カムイ「そうですか? そんなことを言いながら陰でアクアさんの事を虎視眈々と狙っているんじゃないですよね?」

リリス『さすがに私にも相手を選ぶ権利というものがあると思うんです。アクアさんをそういう目で見るのはちょっと無理ですね』

カムイ「はぁ、アクアさんの良さが分からないなんて。私リリスさんの見る目を疑ってしまいます」

リリス『ええ、私は残念ですがアクアさんに親愛以上の物を感じることはありません。まぁ、同性ということもありますけど……』

カムイ「同性は関係ありません。そもそもアクアさんに性愛を感じられない人は、きっといやらしさを感じる部分が欠如しているんです。あの、踊りながらちらりと見えるVラインとか、もう最高じゃないですか。健康的とか美術的とか差し引いて、ただ単純にエロいと思うんです」

リリス『はー、そうですか』

カムイ「そうなんですよ。色々な服装を試してもらいましたけど、やっぱりVラインのいやらしさではあの踊り子に敵う物は中々ありませんでした。黒い踊り子の服もありましたけど、一度着てもらった時、誰だかわからなかったですね。すごくエッチでしたけど」

リリス『理性より衝動優先だから姿を見破れないんじゃないですかね?』
583 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/22(日) 22:40:17.33 ID:9krMZ18o0
リリス『ならカムイ様がアクア様にきちんとお話をするのが一番です。なにせ、アクア様の心を繋ぎ止めるのはカムイ様にしか出来ないことですから』

カムイ「うっ、それは確かにそうですけど……」

リリス『……なんだか弱気ですね。あの日、私に無理やり跨ってアミュージアの林を駆け巡らせたカムイ様とは思えません』

カムイ「あの時、もう体から溢れるスキスキオーラが止められなかっただけです。その、今考えるとあれってレイプだった気がしなくもないと……」

リリス『誰がどう見てもレイプじゃないですか?』

カムイ「だって、気持ちが良かったらレイプじゃないって話を聞きました」

リリス『それは間違いです』

カムイ「あと、レイプで始まる恋というのもあると」

リリス『そんな恋が認められるなら、世界中の出来事の八割以上は恋で説明できますね』

カムイ「え、じゃあ。白夜と暗夜が戦争していたのも?」

リリス『恋ですね』

カムイ「では、やっぱり私のしたことは恋の始まりだったということですね!」

リリス『カムイ様の中ではそうですね。私は絶対に認めませんけど』
584 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/22(日) 22:42:55.10 ID:9krMZ18o0
カムイ「その……リリスさん」

リリス『なんですか、私はそういったものを認めるつもりはありませんよ?』

カムイ「いえ、違うんです。その私とアクアさんの関係をどう思いますか?」

リリス『……私はお二人の関係に口を出せる立場ではありません。まぁ強いて言うならセフレ的な関係でしょうか』

カムイ「セフレですか……。おかしいですね、私はアクアさんに愛しているといっぱいアピールしているのに、どうしてそう見えてしまうんですか?」

リリス『……あのカムイ様、一つお聞きしたいことがあるんですけど』

カムイ「はい、なんですか? 駄目ですよ、アクアさんの弱いところとかは教えませんからね」

リリス『そんな弱点興味ありませんので、どうぞ独り占めにしててください』

カムイ「そうなんですか。正直、私から聞きたいことなんてそれくらいだと思ったんですけど」

リリス『もう少し違う価値を見出しても罰当りませんよ』

カムイ「それで、聞きたいことっていうのは一体なんですか?」

リリス『はい、カムイ様は愛についてどう考えているんですか?』

カムイ「……愛、ですか?」

リリス『はい』

カムイ「な、なんだか改まって聞かれると、そのなんと答えればいいのかわかりません」
585 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/22(日) 22:44:25.51 ID:9krMZ18o0
リリス『ですが、カムイ様。先ほどアクア様に愛しているとアピールしているって、言ってましたよ』

カムイ「……確かにアピールをしているんですが……」

リリス『とりあえず、聞かせてもらってもいいですか?』

カムイ「わ、わかりました。その少し説明不足になってしまうかもしれませんが。よろしいですか?」

リリス『はい、お願いします』

カムイ「そうですね。まず―――」

カムイ「アクアさんの髪をペロペロしてお胸の匂いをいっぱい吸って好きといいながらそのまま胸にしゃぶりついて可愛い乳首を転がしながら口から洩れる吐息を感じつつ手で下着の上から愛撫してだんだんと下着が濡れ濡れになっていくのを耳元で囁きながらしんぼうたまらんと下着をずらして恥丘に生えた厭らしい草原に指を馴染ませつつ隠れた蕾を剝いて触れると体を痙攣させるのでそのまま下腹部に顔を下ろして見える様に――」

リリス『あ、一つ以上聞けたんでもういいです。とりあえず、私は食堂に行くので失礼しますね』フワフワ~

カムイ「そしてトロトロになったところで竜になった私が口に貯め込んだ水の力でアクアさんの奥に――」

リリス『……』

『愛っていったい何なんでしょうねぇ……』
586 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/22(日) 22:46:48.48 ID:9krMZ18o0
今日はここまで

 カムイの竜プレイは異種姦か、否か?
587 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/23(月) 22:13:25.23 ID:exWJQDRV0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―リリスとピエリの部屋―

ピエリ「んー、お料理とってもおいしかったの! でも、ピエリの料理のほうがもっともーっとおいしいのよ」

リリス『ふふっ、ピエリさんはお料理が上手ですから。私はどれもこれもおいしかったですね。やっぱり、一工夫しただけでこんなにおいしくなるんですから』

ピエリ「リリス、切っただけのサラダもおいしいって言ってたの」

リリス『いつも取ってきたのをそのまま置かれている身としては、切ってあるだけで感動ものなので』

ピエリ「でも、みんな同じ料理じゃないからびっくりなの。こういうところって、みんな同じ料理になると思ってたの」

リリス『どうやら、私たちの昼間の行動を加味して、最適な献立を提供しているみたいですね』

ピエリ「そうなの。それってすごいことなのよ」

リリス『そうですね。どんなに一流の人々でもその日の行動を見て、献立を考えるというのは中々に出来ませんから、さすがは竜脈の力を最大限使っているだけの事はあります』

ピエリ「でも、ちょっと偏ってたのもあったの。あれは多かったってピエリは思うの」

リリス『偏っていた人、誰かいましたか?』

ピエリ「マークス様とタクミ様なの。レバーが山盛りに置かれてたの。マークス様、良い心配りだって言ってたけど、どういう意味なの?」

リリス『無性にレバーが食べたいときがあるんですよ、きっと……』
588 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/23(月) 22:25:53.73 ID:exWJQDRV0
ピエリ「リリスはこれからどうするの?」

リリス『私は一度アクアさんに調査結果を報告しなくてはいけませんので、ちょっと出る予定です。ピエリさんはどうしますか?』

ピエリ「んー、ピエリお腹いっぱいなの。お布団でゴロゴロしてるのよ」

リリス『ゴロゴロするのもいいですけど、すぐに横になったら太っちゃいますよ』

ピエリ「大丈夫なの。ピエリ、太ったりしないのよ」

リリス『そう言って何百何万という女性が涙を流していると思っているんですか』

ピエリ「ピエリ。あんまり体系変わらないの」

リリス『何百何万という女性に喧嘩を売る一言ですねぇ。絶対何処かに無駄な栄養が付くに決まっています』

ピエリ「……んー、よく考えらリリスの言う通りなの。ピエリ、大きくなってる場所あるの。この前もちょっとだけ大きくなってたのよ」

リリス『そうでしょうそうでしょう。食べた後はすぐに眠らないで、ちょっとばかり体を起こしておくのがいいんです。ちなみにどこが大きくなったんですか?』

ピエリ「お胸なの」

リリス『』

ピエリ「少し前に買った可愛いお洋服、もう着られなくなっちゃったの。ショックだったの……。ん、どうしたの、リリス?」ハァ

リリス『なんでもないですよ。ええ!なんでもないですよ!』

ピエリ「どうして怒ってるの?」

リリス『怒ってません!』
589 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/23(月) 22:37:03.96 ID:exWJQDRV0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―アクアの部屋―

リリス『あんまりです。私は食べた分だけお腹がぽっこりしてしまうのに…』

アクア「落ち着きなさい。愛の報告を期待していたのに、いきなりピエリの胸が今も成長している、なんて話を聞かされても対処に困るわ」

リリス『そ、そうですね。すみませんでした。アクアさんになら、この愚痴を理解してもらえるかと思ったのでつい……』

アクア「遠回しに私の胸が小さいと言っているみたいね」

リリス『まぁ、立ち姿を見る限りそれほど大きくはないと思いますから』

アクア「そう、時の流れというのは残酷ね。こうやって、悲しい現実を教えなくてはいけなくなるから」

リリス『?』

アクア「そんなことはさて置いて、どうだったの? 量は確保していることはわかっているけれど、質の方まではわからないわ」

リリス『そうですね。色々と意見を頂きましたので、アクアさんの参考になればと思います。とりあえずこちらを見てください』ガサッ

アクア「ありがとう、……これはえーと、蛇?」

リリス『文字ですよ』

アクア「あ、文字なのね。うーん、どうやって書いたの? あまりにも踊りすぎてて目が回りそうだわ」

リリス『し、仕方ないじゃないですか。私、この姿で筆を取るしかなかったんですから』

アクア「そう、ある意味芸術ね。芸術は読む者じゃなくて感じる物だと思っているけど、これは感じることが出来ないわ」

リリス『ストレートに汚くて読めないって言っていいですよ』グスンッ
590 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/23(月) 22:51:56.23 ID:exWJQDRV0
アクア「そう、なるほどね。ヒノカが愛についてそんなことを考えていたなんて、ちょっと意外だったわ」

リリス『この中では一二を争う意見でしたから、まぁヒノカ様は恥ずかしそうにしていましたけど』

アクア「ふふっ、それにしても、みんなそれぞれに愛を感じる何かを持っているという事なのね……。それに比べて私は……」

リリス『アクア様……』

アクア「はぁ、わからないままね。むしろ、もっと謎の谷に落ちてしまっているみたい」

リリス『答えは十人十色だとは思いますから。この中にこれかなって思う物は無かったんですか?』

アクア「……この互いに愛し合っているというリョウマの意見かしら? 少なくとも今これに私とカムイは達していないはずだから、そう言う意味ではこれだって思うのよね」

リリス『否定する方角で納得するのはどうかと思いますけど。でも、やっぱりアクアさんとしては今の現状、愛し合っているのかわからないという位置は変わらないんですね』

アクア「ええ……。今日は部屋に籠りっぱなしで、カムイと顔を合わせていなかったから」

リリス『なんだか今にも破局寸前って感じで、正直怖いんですけど』

アクア「顔を合わせても何を話せばいいのかわからないの。話すよりも先に押し倒されてしまって、流されてしまうような気もして……。どうすればいいのか」

リリス『思った以上に重くて、今さらですが関わったことを後悔してきました』
591 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/23(月) 23:07:00.25 ID:exWJQDRV0
リリス『でも、そうやって悩んでいるということは。やっぱり、アクアさんもカムイ様の事を本当に愛したいからだと私は思います』

アクア「リリスに言われても、あなただって愛はわからないって」

リリス『そうですね、私には愛はわかりません。でも、同じことが繰り返されるとその行為に疑問を抱いてしまうのは、誰しもあることだと思います』

アクア「そうなのかしら?」

リリス『ええ、現に私にもそう言ったことがありました』

リリス『私がカムイ様にお食事を頂いていることは御存じと思います。毎日毎日カムイ様から食事をいただけるのはとてもうれしかったのですが、ある日を境に笑顔で無くなっている自分がいたんです。でも持ってきてもらった手前、無碍に出来ないからと力いっぱいジャンプをして喜びをアピールする。そんな状態になってしまいました』

アクア「そう、相手のために喜んだふりをする、色々と追い詰められていたのね」

リリス『はい。そんなある日、特に用事もなくカムイ様が来てくれたんです。私に声を掛けにきただけだったのですが。私はとてもうれしかったんです』

アクア「どうして?」

リリス『それはですね。私は食事を頂くことではなくて、カムイ様が会いに来てくださることが何よりもうれしいことだった。だけど、長く続いた食事という習慣がそのことを忘れさせ、その行為に対する対応だけをするように、私を縛り上げていたんです。私は、本当にうれしいことを忘れていたということです』

アクア「……」
592 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/23(月) 23:19:25.38 ID:exWJQDRV0
リリス『おそらく、アクア様もそうなんだと思います。毎日のように行われる行為に、今答えが見つからなくなっているだけで、きっと本当はカムイ様の事を色々と思っているに違いないんです』

アクア「……リリス」

リリス『だからゆっくりと考えていきましょう。大丈夫です、ここに滞在している間に答えを出す必要はありませんから』

アクア「……ふふっ、まさかあなたに本格的に慰められることになるとは思っていなかったわ。もしもそうなら、私がカムイをメチャクチャにしたいというのは、私がしたい愛情表現なのかもしれないわ」

リリス『やられっぱなしは性に合わないってだけでは?』

アクア「ふふっ、ありがとう。他のみんなの意見も色々と参考にしてみるわ。明日からは自由にして、私も私なりに頑張ってみるつもりだから」

リリス『頑張ってくださいね、アクアさん』

アクア「ええ」

リリス『ところで、アクアさん。最初に悲しい現実がとか言ってましたけど、あれってどういう意味なんですか?』

アクア「悲しい現実……ああ、そのことね」

リリス『はい』

アクア「大したことではないの。私の胸が前に比べて大きくなっただけの事だから」

リリス『え?』

アクア「ね、大したことなかったでしょう?」ニッコリッ

リリス『………』

『………え?』
593 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/23(月) 23:20:21.34 ID:exWJQDRV0
今日はここまで

 FEHのリリス実装は何時になるんですか。
594 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/29(日) 20:05:19.18 ID:gU7Y0K7Y0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―???―

リリス(また夢を見る。あまり見たくもないのに。だけど、私はそれをぼんやりと見るしかなかった。淡い光に包まれているからだけじゃない。私はその初めて見る場所が分からなかったから、ぼんやりと眺めるしかなかったのだ)

リリス(青い石畳の床に、黒い影が二つ。私はそれを後ろから、ゆっくりと眺めている。動き出さない世界を見つめながら、少しだけ輪郭に色が入り始める。だけど、誰だかはわからない。いや、誰だかは予想が付く、私が夢を見る理由は決まっているからだ)

リリス(それが私の役割であるのだから……)

リリス(光が強くなってくる。夢の終わりが来た。消滅していく世界に睨みを利かせて、何か手掛かりはと見つめてみるが、床が青い場所に二人の人影があるということ以外わからないまま。これはただの夢だと願いながら私は目を覚ました)
595 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/29(日) 20:39:54.34 ID:gU7Y0K7Y0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―南国の異界・宿泊施設『ピエリとリリスの部屋』―

リリス『……んっ。朝ですか……』ウトウト

リリス『えっと昨日は、そうでした。アクアさんに適度に報告を行って、それで胸が成長したとかいう話を聞いて……』

リリス『……』サスサス

リリス『竜の体ではまるまるフォルム過ぎて大きいのか小さいのかもわかりません。……でです』

ピエリ「スヤ……スヤ……」

リリス『なんでピエリさんが私を抱き枕にして眠っているんでしょうか。わざわざシングルベットを抜け出して、私を抱き枕にする必要なんてないと思うんですけど』

ピエリ「んんっ、えへへー、リリス〜」ギューッ

リリス『ちょ、ピエリさん。背鰭、背鰭が折れる。折れちゃいます!』

ピエリ「んー、冷たくて、きもちぃのぉ」ペタペタ

リリス『ひゃっ! ちょっと、お腹、そんないっぱい触っちゃダメ……んっ!』ピクッ

ピエリ「ん、えへへ〜」サワサワッ

リリス『や、駄目ですピエリさん! そんな下まで手を伸ばしちゃだめ――』

 サワサワ サワサワッ ピクンッ

 ……

 ギョムッ

リリス『ぴええええええええっ!』
596 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/29(日) 20:49:10.16 ID:gU7Y0K7Y0
 バッ!

リリス『はぁはぁ……。なんか、ギュムって、私のがギュムって!』

ピエリ「んー、ふわああああっ。リリス、どうしたの?」

リリス『どうしたのじゃありませんよ。ピエリさん!』

ピエリ「?」

リリス『あのですね、昨日ちゃんと話し合ったじゃないですか。夜は別々のベットで寝ましょうって』

ピエリ「んー、そんな約束したの?」

リリス『しましたよ。なのに、朝起きたら私を抱き枕代わりにして、約束守ってないじゃないですか』

ピエリ「だって、リリスの体冷たいし、とっても抱き心地がいいのよ。ピエリ、リリスを抱きしめて眠るのが気に入っちゃったの」

リリス『気に入ったとしても駄目です。私が竜の時にどんな姿をしてるのか考えてください。もしかしたら、私が狼になってあなたを襲っちゃうかもしれないんですよ?』

ピエリ「大丈夫なの。襲ってきたらお腹に向かって一突きえいってしてあげるのよ。襲われたら返り討ちにして問題ないってマークス様も言ってたの」

リリス『ああもう』
597 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/29(日) 20:56:22.26 ID:gU7Y0K7Y0
リリス『ともかくです。私が人の姿に戻るまでは、一緒のベットは遠慮してください』

ピエリ「うー、どうして人の姿ならいいのに、竜の姿じゃダメなの?」

リリス『ダメな理由位察してください』

ピエリ「そんな風に背を向けて言われても納得できないのよ。ピエリの方をちゃんと向いて話をするの」

リリス『い、今は向けません』

ピエリ「どうしてなの?」

リリス『ど、どうしてってそれは……だ、駄目ですそんなあそこがカチンカチンだからとか、そんなこと言えるわけがって、ああ、どうしてこういう事は思わず考えてしまうんですか私は!』

ピエリ「? リリスのあれ、カチンコチンになってるの?」

リリス『いえ、カチンカチンです、ってそうじゃなくて。ともかく、今はピエリさんに正面を見せるわけにはいかないので。その、あれです。ちょっとシャワー室に行ってきます!』ビューンッ!

ピエリ「あ……行っちゃったの」
598 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/29(日) 21:07:04.33 ID:gU7Y0K7Y0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ザアアアアアアアッ

リリス『冷水でかなり冷たいですけど、これなら効果ありですよね』チラッ

 ショボン……

リリス『はぁ、作戦は成功ですね。ピエリさんの無邪気さはどうにかしてもらいたいものですね』

リリス『……それにしても、やっぱり先ほど見た夢は、またそういうことが起きる前兆だという事でしょうか』

リリス『もう戦いは終わったはずで。そんな夢を見る事なんてないと思っていたのに、やっぱりあの時の淡い光は勘違いでも何でもなかったのだとしたら……』

リリス『でも、一体誰が仕掛けてくるというのでしょうか。この異界に乗り込んでくるなんてことを行う必要性があるとは思えませんし……』

リリス『だけど、私が夢を見る理由を考えると……』

 ザアアアアアア

リリス『いいえ、もしかしたら私も普通に夢を見るようになったのかもしれません。なら、あの見た光景にも意味がなかったと言えるはずです。だって、今まであんなにぼやけた夢を見る事なんてなかった』

 ザアアアアっ

リリス『だから、杞憂に決まっているんです……』
599 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/29(日) 21:12:14.21 ID:gU7Y0K7Y0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ガチャッ バタンッ

ピエリ「あ、リリス。もう大丈夫なの?」

リリス『はい、大丈夫ですよ。ちゃんとこれも持ちましたし』パシッ フワフワッ

ピエリ「えへへ、リリスはその玉を持ってるのが一番なの。ピエリのリボンみたいに、リリスのトレードマークなのよ」

リリス『できれば私のトレードマークはこのカチーフであってほしいんですけど。私だとわかるように、これを今でも被っているんですから』

ピエリ「? カチーフが無くてもリリスの事見間違えたりしないのよ?」

リリス『それはそうかもしれませんが、その没個性にならないようにと言いますか……。まぁ、いいです。それで、ピエリさんは朝食までどうしてますか?』

ピエリ「えっとね、ピエリちょっとお外を歩いてくるの。リリスも一緒に行くの?」

リリス『散歩ですか。少し運動したいので、確かにいいですね』

ピエリ「うん、それじゃ急いで支度するの」ババッ

リリス『部屋に同性しかいないとしても、なんの躊躇もなく服を脱ぐのはどうかと思います。そういう無防備さに男というのはですね』

ピエリ「ん? ピエリ別に気にしないの」プルンップルンッ

リリス『……大きいのが揺れてますね……」ジーッ

 ……ムクッ

リリス『……ちょっと、もう一度シャワーを浴びて来ますね』フワフワ

ピエリ「リリス、そんなに玉を押し付けてどうしたの?」

リリス『押し付けないといけない時ってあるものなんですよ……』

 ガチャッ バタンッ……

ピエリ「変なリリスなの」プルンッ
600 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/29(日) 21:14:52.37 ID:gU7Y0K7Y0
今日はここまで
601 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/30(月) 19:01:36.11 ID:gk0GcDcs0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―異界の南国・宿泊施設外周―

ピエリ「んー、すっごくいい天気。暗夜だとこんなにお日様が出ることないから、とっても楽しいの」

リリス『そうですね。しかし、暗夜と白夜、これほど偏った気候条件で生活が成り立っているのは不思議です。白夜にも夜という時間はあっても、暗夜のような暗闇は在りませんからね』

ピエリ「そう、白夜に初めて泊まって時ビックリしたの。眠ってた時も起きた時も明るかったから、ピエリ眠ってないって思っちゃったのよ」

リリス『白夜から暗夜に来た人も、何時も暗いから寝ても起きても夢の中みたいだって困惑していらっしゃるそうです。そう考えるとアミュージアやイズモといった公国の方が、朝昼晩がきちんとやって来る場所と言えますね。ピエリさんはどちらの方が好みですか?』

ピエリ「んー、ピエリはずっと暗夜の王都に住んでたから、ずっと暗い方が馴れてるの。白夜もいいけど、やっぱり暗夜の方が好きなの」

リリス『そうですか。私としては朝も昼も夜もあった方がいいと思うのですが』

ピエリ「そうなの? それじゃ、リリスはアミュージアとかイズモみたいな場所が故郷ってことなの?」

リリス『残念ですけど、それはハズレです』

ピエリ「ちがうの? でもそうなの、リリスは星竜だから、星界の生まれなのよ」

リリス『それもハズレです。私は元々星竜だったというわけではありません。色々とあって、こういう形になってしまっただけなんですよ』

602 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/30(月) 19:15:56.27 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「? 色々って何なの?」

リリス『色々は色々ですよ。残念ですけど、そこら辺はガードを固くしているので、そう簡単にポロリしたりしませんから』

ピエリ「んー。ピエリ、リリスの事あんまりよく知らないのに、リリスはピエリのことそれなりに知っててずるいの」

リリス『それなりにっていうわけではありませんよ。私が知っているのは、ピエリさんは料理がとっても上手な無邪気で子供っぽい人っていうことくらいです』

ピエリ「もう、ピエリは子供じゃないの。リリスはピエリのこと全然わかってないのよ」

リリス『そういうムキになるところが子供っぽいところなんですけどね。でも、ピエリさんがとても料理上手なのは間違っていないことだと思いますよ。いつかの料理、とてもおいしくて出来ればまた食べたいくらいです』

ピエリ「ふふーん、ピエリはお料理得意なの、中でもお肉を料理するのが大好きなの。大きなお肉を用意してもらって、包丁で八つ裂きにするの。血抜きしてないのはいっぱい血が出るから、ピエリいつも下ごしらえさせてもらえるのよ」

リリス『それ、一緒に面倒事も押し付けられてませんか?』

ピエリ「いっぱい血を抜いて、最後に包丁でえいえいってして炒めたり煮たりすると、とってもおいしい料理が出来上がるのよ」

リリス『ピエリさんは簡単に言いますけど、私はカムイ様ほどではありませんけど不得意なので、そううまく出来る気がしません』

ピエリ「リリス、ピエリの前でカムイ様の料理の話はしないでほしいの。ピエリ、あの料理を思い出すと、なんだかイライラしちゃうのよ」

リリス『まぁ料理できる人から見たら、あれは食材への冒涜ですもんね』
603 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/30(月) 19:31:26.68 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「……あれ、なんでピエリがリリスの質問に答えてるの? ピエリ、リリスの事知りたいって思ってたから危なかったの。忘れなくてよかったの」

リリス『うっ、気づかないでくれれば誤魔化しきれたのに』

ピエリ「ねぇねぇ、リリスの事を教えてほしいの」

リリス『はぁ、教えてほしいと言われても。いったい何を教えればいいんですか? 私の事を知ったところでピエリさんにメリットがあるとは思えませんし……』

ピエリ「よくわからないけど、ピエリはリリスのことが知りたいだけなのよ。ピエリ、リリスとお友達なの。だから、リリスのことをもっと知りたいって思っただけなのよ」

リリス『……そ、そうですか////』ポリポリ

ピエリ「? リリスどうしたの、なんだか顔が赤くなってる気がするの」

リリス『その、あまり態勢の無いことを言われてしまうと、こうなってしまうものなんです。恥ずかしいというよりは、その、何でしょうか、よくわかりません……』

ピエリ「ふふー、リリスはピエリに子供って言ってるけど、リリスの方がピエリより子供なの」

リリス『そ、そんなことはありません!』

ピエリ「あ、ムキになってるの。ムキになるのは子供ってさっきリリスが言ってたから、リリスは子供なのよ」

リリス『あれはピエリさんに向かっての言葉であって、それにピエリさん私より年下ですよね?』

ピエリ「ん、わからないの。ちなみにピエリは〇〇歳なの。リリスはいくつなの?」

リリス『やめましょう、年齢で子供か大人かなんてわかるはずありません』
604 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/30(月) 19:57:37.42 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「それで、リリスの事なの」

リリス『え、やっぱり話さないとだめなんですか?』

ピエリ「当たり前なの。えーっとね、リリスって星界を守ってるけど、その前は何をしてたの?」

リリス『前まで、それはマイキャッスルを管理する前という意味ですか?』

ピエリ「そうなの。ピエリ、マイキャッスルに来た時に一度だけリリスを見ただけなの。だから、それよりも前は何をしてたのか知らないのよ」

リリス『……そうですね。私は厩舎係として北の城塞に仕えていました。最初にした仕事はあまりうまくいきませんでしたけど、徐々に仕事にも慣れて――』

ピエリ「なんだかつまらないの」

リリス『えー、ピエリさんが話してって言ったんじゃないですか』

ピエリ「だって、リリス、仕事の事しか話してないの。ピエリ、リリスが何をしてたのか聞きたかったの」

リリス『だから厩舎係の仕事をしていたと言っているじゃないですか』

ピエリ「それじゃ、リリスはそれ以外に何かなかったの?」

リリス『それ以外と言われましても……。そうですね、あるとすればやはりカムイ様の事でしょうか。私が厩舎係になって少して、カムイ様が来てくださったときがあったんです。何でも、ギュンターさんから鍛錬の一種だと馬の世話をするように言われたらしくて』

リリス『だけど、その日の馬は気性が荒くて、正直カムイ様に怪我でもあったら大変だと注意していたんですが、一頭が激しく暴れ出してしまいまして』

ピエリ「それでどうなったの? その馬に何かされちゃったの?」
605 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/30(月) 20:08:42.50 ID:gk0GcDcs0
リリス『ふふっ、それがカムイ様、馬に近づくと優しく鬣を撫で始めたんです。見ただけで危ないってわかるのに、すたすたと近づいて』

ピエリ「暴れてる馬に近づくなんて危ないの。後ろ足で蹴られたら、首が変な方向に向いちゃったりするのよ」

リリス『私はかなり慌ててました。なにせ大切な主君を危険な目に合せてしまっているわけですから。でも、あれがカムイ様の人柄なんだと思います。暴れていたはずの馬が段々と大人しくなっていったんです。私は一頭宥めるのにも時間を使ってしまうのに、カムイ様はいとも簡単に宥めてしまうものですから、正直厩舎係の面目丸つぶれでした』

ピエリ「ふふっ、リリス。内心悔しかったのね」

リリス『ええそうですよ。これでも厩舎番を少しの時間任されるようになった矢先だったので……。本当に、カムイ様に敵いません』フフッ

ピエリ「えへへ、ピエリ一つだけリリスの事が分かったの」

リリス『え?』

ピエリ「リリスはカムイ様の事が好きなの。仕事のお話だけの時と違って、リリスの顔いっぱい、いっぱい動いてたのよ」

リリス『そ、そんなに動いてましたか。いやですね、恥ずかしい////』

ピエリ「えへへ、リリスのこと一つ知れてうれしいの」ニコニコ

リリス『もう……。私の事を、ピエリさんに一つ知られてしまいましたね』

ピエリ「ふふん、ピエリがもっともっとリリスの事を知って全部見つけ出してあげちゃうから、覚悟するのよ」ビシッ

リリス『ふふっ、お手柔らかにお願いしますね』
606 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/30(月) 20:14:59.20 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「ふふーん、ピエリ手加減なんてできないの」

リリス『はいはい、わかってますよ。それより、どうしますか? そろそろ宿泊施設に戻るのも――』

リョウマ「む、そこにいるのはピエリとリリスか?」タッタッタッ

リリス『あ、リョウマ様。おはようございます、それに……ベルカさん?』

ベルカ「おはよう……」

ピエリ「おはようなの!」

リリス『おはようございます。どうしたんですか、こんな朝からお二人とも』

リョウマ「俺は日課としている朝の素振りに出る所でな。そしたらベルカと会って、一緒に素振りでもしないかと誘って、今一緒に浜に向かっているところだ」

リリス『そうなんですか。でも、ベルカさん。なんで私の浮き輪を持っているんですか? 素振り用の武器は?』

ベルカ「昨日マークス様が武器にも使えると言っていたから、これで素振りをするわ。確かに、これは中々に強い武器になると思う…」

リリス『あのー、浮き輪は浮くためのものですよ?』

リョウマ「だが、俺の木刀の一撃を喰らって割れなかったところを見るに、これは中々に強い武器だ」

リリス『だから浮き輪は浮くためのものですから』

ベルカ「それで、朝の素振りが終わったら打ち合いをしてみようってことになったの」

リョウマ「ああ、俺の剣戟をどれほど受け切れるのか興味もあったが、何よりベルカの腕がどれほど上がったのか確かめてみるのも悪くない、そう思ったわけだ」

607 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/30(月) 20:47:35.15 ID:gk0GcDcs0
ピエリ「なるほどなの」

リリス『それにしても朝から素振りと打ち合いは中々にハードな鍛錬ですね』

リョウマ「何、毎日行っていればそれほど苦にはならん。それに毎日の鍛錬が今の自分に繋がっていることもある。これをやらないと一日が始まった気がしないのでな」

リリス『あはは、毎日続けてきた習慣は疎かにすると、なんだか調子が狂ったりしますからね』

リョウマ「ああ。そうだ、良ければお前たちも来るか?」

リリス『え、私たちもですか?』

リョウマ「ああ、無理にとは言わないさ。だが、朝から軽く汗を掻くのも悪くは無いと思ってな」

ピエリ「なんだかおもしろそうなの。ピエリ、リョウマ様とベルカと一緒に素振りするの。あ、だけど、ピエリ素振りのための道具持ってきてないのよ」

ベルカ「なら、予備のこれを使えばいいわ…」スッ

ピエリ「あ、リリスの浮き輪なの! あ、この角すごいの! すっごく固くて相手をボコボコに出来そうなのよ」

リョウマ「ふっ、言っただろう。中々に強い武器だとな。それでリリスはどうする?」

リリス『このまま一人帰るのもあれですし、ご一緒させていただきます』

リョウマ「そうか。しかし、リリスは何を使って素振りをするか……」

リリス『ご心配なく、私にも素振りに仕えそうなものがありますので』

リョウマ「? 何も持っていないように見えるが」

リリス『大丈夫です。私にはこの――』

『尻尾がありますので』ユラユラ
608 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/07/30(月) 20:48:25.58 ID:gk0GcDcs0
今日はここまで

 みんな、リリスの浮き輪は持ったか?
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 23:15:56.94 ID:8KqYmkxkO
更新が多いとやはり嬉しい
610 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/02(木) 22:17:04.55 ID:WaW1UoZ60
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ヒノカ「はぁ、昨日は色々とありすぎてあまりよく寝られなかった。サクラにタクミ、これから二人とどうやって接していけばいいんだ……」

ヒノカ「タクミを見ると頭にあの獣のような叫び声が反響するし、サクラを見てはもしかしたらという想像が頭を過って……」

ヒノカ「だめだだめだ、私は二人の姉だ。こんなことで迷ってどうする。どうにか気分を入れ替えるために、こうやって浜まで来たんだ。まずは軽く体を動かして――」

リョウマ「はっ! せやっ! とうっ!」ブンブンブンッ

ヒノカ「ん? あそこにいるのはリョウマ兄様か。朝の鍛錬を欠かさないとはさすがだな。リョウマ兄様!」

リョウマ「む? なんだ、ヒノカか。お前も朝の鍛錬か?」

ヒノカ「ああ、何をする予定かは決めてなかったけど、ちょっと体を動かしたくて。リョウマ兄様は一人で?」

リョウマ「いや、俺だけじゃない。向こうを見てみるといい」

ヒノカ「向こう?」チラッ

ピエリ「えいっ、えいっ、えいなの!」ブンブンブンッ ドゴンドゴンドゴンッ!

ベルカ「………」ブンブンブンッ ドスンドスンドスンッ!

リリス『ふっ、ふっ、ふっ』クルリンッ クルリン クルリンッ ベシンベシンベシンッ!

リョウマ「思ったよりも、あの浮き輪は侮れない存在だな。ピエリやベルカの黙々とした素振りにも耐えている」

ヒノカ「そっちよりもあれ(リリス)が気になって仕方ないんだ、兄様」
611 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/02(木) 22:28:46.56 ID:WaW1UoZ60
リリス『ふっ、ふんっ、はああっ!』クルリンッ クルリンッ クルリンッ

ヒノカ「リリス、何をやっているんだ?」

リリス『あれ、ヒノカ様。おはようございます、昨日は……あんまり眠れなかったみたいですね。目元、うっすらとですが隈が出来てますよ』

ヒノカ「うっ、わ、私の事はいいんだ。それよりもどうしたんだ、そんなくるくるくると風車みたいに回って」

リリス『え、私そんな風に見えましたか?』

ヒノカ「横から見ると、そう思えなくもなかったぞ。それに、あんなに力強く砂を巻き上げて、思ったよりも力はあるんだな」

リリス『はい、私宙返りだけは得意なので。毎日ご飯を貰う度に、カムイ様の目の前で宙返りをしていましたから。筋力の殆ども実際この尻尾だと言っても過言ではありません。まぁ、筋力を使う場面なんて一回もありませんでしたけど』

ヒノカ「リリス、ならどうして尻尾を使って素振りなんかを?」

リリス『特に理由は在りませんよ。そうですね、あるとすれば、時々砂とかゴミのついた食材を持ってくるカムイ様に一回くらいテールサマーソルトを喰らわせてやりたい!と言ったところでしょうか』

ヒノカ「リリス、そういう時は素直に怒っていいと思うぞ」
612 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/02(木) 23:10:30.32 ID:WaW1UoZ60
ピエリ「あ、ヒノカ様なの。おはようなの!」

ヒノカ「ああ、おはようピエリ。それにベルカも」

ベルカ「おはよう、ヒノカ様…。ヒノカ様も朝の鍛錬に?」

ヒノカ「ああ、そのつもりだ」

ベルカ「そう……。見た所、素振りの道具は持ってきてないみたいだけど」

ヒノカ「何をするかは決めていなかったから、どうするか」

ピエリ「なら、ヒノカ様もリリスの浮き輪を使うの。これとっても持ちやすくて、地面をどんどんって叩けるから、とってもおすすめなの! お鼻の部分で砂を叩くと、すっごい音がするのよ」

リリス『あの、本人が隣にいるのわかってて言ってるんですか?』

ベルカ「持ってきた予備があるから、これを使えばいい…」

ヒノカ「あ、ありがとう」ギョムッ

ヒノカ「……」

浮き輪リリス「」

ヒノカ「……思ったよりも可愛いい造形だな。これを使って素振りをするというのは、その、何だか気が引ける……」

リリス『うう、ヒノカ様だけです』

ヒノカ「はは、でもこれしかないなら仕方ないさ」

リリス『……え?」

ヒノカ「少しだけ素振りをさせてもらうとしよう。ふんっふんっ!」ブンブンッ

リリス『……』

ヒノカ「はっ、やっ!」ブンブンッ

リリス『……お尻』ボソッ

ヒノカ「やめろおおおおお!!!!」
613 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/02(木) 23:11:53.76 ID:WaW1UoZ60
今日はこれだけ

 リリスが宙返りした瞬間に飛び込んでビンタされたい
614 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/10(金) 19:00:38.96 ID:tD3gb6oL0
ヒノカ「リリス、なぜ言った!? なんでその言葉を口にした!?」

リリス『いえ、今唐突に尻尾の部分が痒くなってですね、別にワザと言ったわけじゃないんです』

ヒノカ「そんなに私が素振りをするのが気に入らなかったのか?」

リリス『……』

ヒノカ「そうか、すまない。すでにピエリやベルカが振っているから、大丈夫だと思ってしまって」

リリス『いえ、私の方こそごめんなさい。私の今の姿では心にとどめておくことさえも、難しい状況だということを忘れていました。ヒノカ様、昨日の一件でお尻に敏感になっているはずなのに、あえて、お尻と言ってしまいました』

ヒノカ「……やはりワザとだったんだな?」

リリス『ええ、まぁ、……そうですね』

ヒノカ「……」

 スッ

リリス『あれ、ヒノカさん。そんなに高く浮き輪を掲げてどうしたんですか?』

ヒノカ「リリス、やはり素振りは良くない。無心で振っているだけでは体がなまってしまう。そこでだ、ちょっとここに来てくれ」

リリス『はい、ここですね。着きましたよ、それでこれから何を――』

ヒノカ「はあああああっ!!!!」ブンッ

 ドゴンッ!
  パラパランッ……
615 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/10(金) 19:10:50.51 ID:tD3gb6oL0
ヒノカ「……」

リリス『ちょ、何ですか!? 反応遅れたら顔面に浮き輪が当ってたんですけど!?』

ヒノカ「ちっ。ああ、すまない、すまない、力加減が出来なくてな。本当は寸止めしようと思っていたのに、まぁこういうこともある。さぁ、定位置に戻ってくれ、今度はちゃんと寸止めするさ」

リリス『今、思いっきり舌打ち聞こえましたよ!? それに何ですかその構え、体反って待機して、確実に全力で振り抜くつもりじゃないですか。私、色々と食べても体はそれほど強くなれていないんですよ?』

ヒノカ「大丈夫だ、もし失敗してもノスフェラトゥに殴られたくらいで済む。流石に奴の一撃で死ぬようなことはないはずさ」

リリス『その威力は私のとって致命傷になってしまうと思います』

ヒノカ「む、そうなのか? まぁ、その時はその時だろう。さぁ、私の朝の訓練に協力してくれるよな?」

リリス『いいともー、なんて言うと思ってるんですか!?』

 ワーワー ギャーギャー

リョウマ「ふむ、ヒノカとリリスは思ったよりも打ち解けているみたいだ。ふっ、戦争が終わってからというもの、ああして楽しそうなヒノカの姿を見るのは久しぶりだ」

ベルカ「……楽しそう?」
616 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/10(金) 19:30:12.73 ID:tD3gb6oL0
リョウマ「ああ、裏表なく互いの本心をぶつけられる関係というのは、中々巡り会えるものではない」

ベルカ「ただ言い合いをしているだけのようにしか見えないけど……」

リョウマ「なに、あれも一つの良好な関係というものだろう。一度も喧嘩をしないということは確かにいいことかもしれないが、それはお互いの上辺だけを見合っているだけということもあり得る。相手を理解することはそう簡単にはいかないという事さ」

ベルカ「……よくわからないわ」

リョウマ「ベルカはカミラ王女と喧嘩したことは無いのか?」

ベルカ「私はカミラ様の臣下、従うことが私の役割…。カミラ様の指示に反したことをするつもりはないわ…」

リョウマ「そうか……。俺としては臣下にも気兼ねなく接してもらいたいと思っているのだが……」

ベルカ「リョウマ王子は少し変わっているわ…。臣下がそんな軽い行動を取れば、それがあなたの評価に影響する。私はカミラ様の評価が下がる様な事をするつもりはない…」

リョウマ「確かにそうかもしれないが、公の場でなければカミラ王女と親しくする分には問題ないだろう?」

ベルカ「……私にそんな時間は無いわ」

リョウマ「?」

ベルカ「それより、あの二人はまだ収まってないみたい…」

リョウマ「む?」
617 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/10(金) 19:33:16.56 ID:tD3gb6oL0
リリス『はぁはぁ、ちょ、ヒノカさん。そろそろ許してくれませんか……』

ヒノカ「ああ、許してやるさ。その木から降りてきて、ここにちょこんと座ってくれればな」

リリス『浮き輪を力強く握って言っているから、説得力ありませんよ!』

ヒノカ「くっ、私がカミラ王女ともっと親密に仲良くなっていれば、ここで飛竜を駆ることが出来たというのに……。さぁリリス、さっさと降りてくるんだ。大丈夫、最後の一撃は切なく終わると決まっている」

リリス『そんな一撃要りません!』

 ギャーギャー
  ウーウー

リョウマ「……もしかすると、ヒノカは本当に怒っているのかもしれないな」

ベルカ「そうとしか思えないけど?」

リョウマ「うーむ、しかし、喧嘩するほど仲がいいと――」

ピエリ「え、それじゃピエリとリリスは仲良しさんじゃないの!?」

ベルカ「またややこしくなりそう……」

ピエリ「リョウマ様。ピエリ、リリスとあんな喧嘩したことないのよ。喧嘩しないと仲良しじゃないってリョウマ様言ってるけど、それって本当なの?」

リョウマ「い、いやそうではないと思うが。ただ、俺からするとあの二人はとても仲が良く見える、というだけのことだ」

ピエリ「……だったらヒノカ様もピエリと同じことしたのか、確かめるの!」タタタタタッ

リョウマ「……何を確かめるつもりだ?」

ピエリ「決まってるの!」

「リリスのこと気持ちよくしたことがあるか聞くのよ」
618 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/10(金) 19:34:35.69 ID:tD3gb6oL0
今日はここまで

 理不尽な仲良し理論が二人を襲う
619 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/14(火) 19:51:08.27 ID:tBPp48J00
ヒノカ「降りてこいリリス! 降りてくるんだ!」

リリス『いやです。私、ヒノカ様がその浮き輪から空気を抜かない限り、この木の上に立て籠もります』

ヒノカ「そんなところにいたらいつか脱水症状で倒れてしまう。そんなことはやめるんだ」

リリス『いずれやって来る脅威よりも、今目の前にある脅威を避けさせていただきます。私、これでも断食にはそれなりの自信がありますので、ご心配なさらずにどうぞ』

ヒノカ「くっ、長期戦になればなるほどこちらが不利ということか」

ヒノカ(……というか。さんざん大声を出したからなのか、若干腹の虫が収まって来た気もする。今思えば、こうして条件反射のようにお尻に敏感になっていては、それこそ今後の生活に影響を与えかねない。そうだ、落ち着け、リリスに悪気があったにしてもだ、それを受け流す心の余裕、そしてゆとりを持ち合わせること、それこそが今私に必要なことなのではないのか?)

ヒノカ「……」

リリス『……あれ、静かになりました?』

ヒノカ「リリス……。今回の件だが――」

 タタタタタッ

ピエリ「ヒノカ様!」

リリス『ピエリさん?』

ヒノカ「なんだピエリ、私は今リリスと話を――」

ピエリ「ヒノカ様は、ピエリみたいにリリスにきもちいいことしたことあるの?」

ヒノカ「……は?」

リリス『ちょ――』
620 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/14(火) 20:04:24.41 ID:tBPp48J00
ヒノカ「おい、ピエリ。いったい何を言っているんだ?」

ピエリ「ん、ヒノカ様とリリスを見てて、リョウマ様がとっても仲良しだって言ってたの」

ヒノカ「仲がいい? これを見て仲がいいとは、リョウマ兄様は何を言って――」

リョウマ「いや、お前と臣下同士の掛け合いを見る限りでは、そう思えなくもないと思っただけの事だ」

ヒノカ「リョウマ兄様、何でもかんでもその理屈が通るわけではないと思う。私にも本当に怒りたくなることがいくつかある。リリスはそれを突いたんだ」

リリス『私もさすがに我慢できないことがあります。ヒノカ様、期待させておきながらあっさり裏切りましたし』

ヒノカ「う、それは確かにあるかもしれないが……。ともかくだ、ピエリの質問の意味がよくわからない。どうして、私にそんなことを聞いたんだ?」

ピエリ「前にピエリ、リリスのこと気持ちよくしてあげたのよ」

ヒノカ「あー、あのみんなの前でリリスが気持ちよかったと宣言したことか」

ピエリ「そうなの!」

リリス『自信満々な宣言やめてよぉ』

ピエリ「うん、スズカゼがね。気持ちよくしてあげて、相手が気持ちいいって思ったらとっても仲良しさんな証拠だって言ってたの! だけど、リョウマ様は喧嘩するほど仲がいいって言ってる。ピエリ、リリスとこんなに喧嘩したことないから……」

ヒノカ「ピエリ……」

ピエリ「だから、もしかしてピエリが知らないところでヒノカ様はリリスに気持ちのいい事したんじゃないかって思ったの!」

ヒノカ「どうしてそうなる?」
621 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/14(火) 20:30:50.14 ID:tBPp48J00
ピエリ「だって、昨日。リリス、夕ご飯のまえにどこかに出かけてたの。ヒノカ様、すっごく疲れてたから、リリスはお見舞いに行ってたのよ」

ヒノカ「た、確かにそれはそうだが……」

リョウマ「なるほど、疲れている自分を労わってくれたリリスに恩返しとして、気持ちのいい事を提供したという事か……」

ヒノカ「兄様の言葉の九割が勘違いで、私がどうにかなりそうだよ」

リリス『私も、少しクラクラしてきました』

リョウマ「しかし、気持ちのいい事というと一体何をしていたのか、そこが少しばかり気になるところだな……。やはり揉み解しといったことだろうか?」

ヒノカ「へ?」

リョウマ「む、違うのか? 昨日、島の中を歩き回っていたと言っていたただろう」

ヒノカ「……そ、そうなんだ。リリスの体を少し解してやろうと思ってな」チラッ

リリス『は、はい。そうなんですよ。私、こうして浮かんでいるだけに見えますけど、実は思ったよりも凝っているみたいで、ヒノカ様にとても気持ちよくさせていただいて』

リョウマ「ほう、そうだったのか」

ヒノカ「ああ、そうなんだ。あまり腕に自信はなかったが、満足してくれて何よりだった」

リリス『ええ、中々に良かったですよ』

ヒノカ「そういうわけだから、えっと、その……なんだ。私とリリスは、仲が良いということになるのか?」

リリス『……ピエリさんの考えだとそうなります。あはは、口にするとなんだか恥ずかしいですね////』

ヒノカ「はは、リリスはしゃべってないじゃないか。でも、そうだな、こうして口にすると照れ臭いな/////」

ヒノカ&リリス「//////」
622 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/14(火) 21:20:45.37 ID:tBPp48J00
リョウマ「ふっ、やはり俺の目に狂いはなかったな」

ピエリ「うう、ピエリ、ヒノカ様に負けちゃったの。こうなったら、ピエリ、もっともっと仲良しさんになるためにリリスと喧嘩するの!」ブンブンッ

リリス『あれ? また私下に降りられなくなってるんですけど?』

ヒノカ「ふふっ、私をからかった罰が当たったんだろう」

リリス『自分だけ何解決したみたいな顔をして、少しは助ける素振りをしてもいいと思うんですけど?』

ヒノカ「私が邪魔をすると、ピエリが困るだろう? それはお前も望まないことだと思うからな」

リリス『それはそうかもしれませんが……』チラッ

ピエリ「リリス、降りてくるの! えいっえいってしてあげるの!」ボスンボスン

リリス『うわぁ、地面がすごい抉れてますねぇ……』ガクガクブルブル

ピエリ「えへへ、リリス。早く来るの!」

ヒノカ「頑張るんだぞ、ピエリ」

ピエリ「うん、ピエリ頑張っちゃうの!」

ヒノカ(……ふぅ、どうにか話を濁すことが出来た。なんだかんだ、リリスが私の話に乗っかってくれて助かったな。朝食の時、なにかおかずを一つ分けてあげよう)

リョウマ「ところで、ヒノカ。一つだけいいか?」

ヒノカ「なんだ、リョウマ兄様」

リョウマ「純粋な疑問があってな。リリスは浮いているが、何処の筋肉を酷使していたんだ?」

ヒノカ「……へ?」
623 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/14(火) 21:47:07.52 ID:tBPp48J00
ヒノカ「リリスがどの筋肉を酷使していたか、か?」チラッ

リリス『?』

ヒノカ(浮いている物体が酷使する筋肉? やはり背筋か? いや、もしかしたら尻尾で均衡を保っていたのかもしれない。ううむ、だめだ、変に考えるといろいろ拗れる可能性がある。ここは太ももや足ということにしておこう、幸いあの変な玉を抱えているのだから、何時も力んでいるに違いない、さぞや疲れているはずだ)

ヒノカ「ああ、それはだな――」

ピエリ「お尻なの!」

ヒノカ「え?」

リリス『え?』

ベルカ「えぇ……」

ピエリ「昨日リリスにヒノカ様のお部屋で何してたのか聞いたら『お尻の事とか、お尻の事とか、そう、お尻の事とか』って言ってたの。多分、ヒノカ様にお尻をいっぱい気持ちよくしてもらったってことなのよ!」

リョウマ「そうだったのか……。お前たちは、すでに尻を揉みしだくような関係に……」

リリス『違います』

ヒノカ「断じて違う」
624 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/14(火) 21:49:03.87 ID:tBPp48J00
今日はここまで
625 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/21(火) 20:26:46.34 ID:strW7KPN0
リョウマ「まぁ、どんな理由にせよ。ヒノカとリリスの仲が良いのはいい事だ。これからもヒノカと仲良くしてやってくれ」

リリス『あの、理由の部分だけは訂正してもらえませんか?』

ヒノカ「そうだ、私とリリスはそんな爛れた関係ではない」

リョウマ「わかっているさ。それにお前がカムイと同じくそちら側の人間だった場合、報われない者が出てきてしまう、正直それはそれで心苦しいというか、なんというか……」

ヒノカ「そちら側? いったい何のことだ、兄様?」

リョウマ「こちらの話だ。気にすることは無い。それよりもベルカ、準備運動はここまででいいか?」

ベルカ「ええ、とっくに準備は出来ているわ…」ガシッ

リリス『……ベルカさん、その大量に背負った私の浮き輪はなんなんですか?』

ベルカ「予備ね。頑丈だけど所詮浮き輪、何度か使えば割れてしまうから…」

リリス『何度か使えばって、浮き輪として利用すれば数十回以上持つと思いますけど?』

リョウマ「リリス、今この場で浮き輪にも違う使い道が適用されていることを忘れていないか?」

リリス『いえ、浮き輪は浮き輪として使ってもらいたいと、心から願っていますよ』

ピエリ「そう? ピエリはこれでブンブンするのが楽しいのよ」ドゴンドゴンッ

リリス『ピエリさん。ちょっと海に行って浮き輪の使い方、ちゃーんと覚えましょうね』

ピエリ「浮き輪の使い方くらい知ってるのよ。リリスはお馬鹿さんなのね」

リリス『あぁん?』
626 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/21(火) 20:33:53.73 ID:strW7KPN0
リョウマ「よし、こちらの準備も整っている」チャキッ

ベルカ「そう、開始の合図は?」

リョウマ「ベルカの始めたいタイミングで構わん。本気で来い、こちらも本気で撃ちこませてもらう」

ベルカ「……」

 ジリッ

リョウマ「……」

 ザザッ

ヒノカ「この空気、やはり兄様だ。訓練であろうとも、これほどに場に緊張感を漂わせることが出来るとは……」

ピエリ「なんだか、見てるだけでも緊張するの」

リリス『リョウマ様と対峙しているベルカさんのビジュアルは、かなりシュールですけどね』

ヒノカ「確かにそうかもしれないが、ベルカの腕も確かなものだろう。心得の無いものが兄様の前に立てば、この気迫を前に動けなくなってしまうこともあるくらいだ」

リリス『そうなんですね』

ヒノカ「ああ、そういう意味ではとても尊敬しているよ」

ピエリ「ねぇヒノカ様、それ以外だとリョウマ様のこと、尊敬してないってことなの?」

ヒノカ「あ、そろそろ始まるみたいだ」

ピエリ「ヒノカ様?」
627 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/21(火) 20:44:19.04 ID:strW7KPN0
ベルカ「……!」ダッ

リョウマ「!」チャキッ

ベルカ「はあっ!」ブンッ

リョウマ「ふんっ」チャキッ ガキンッ

ベルカ「!」

リョウマ「そこだ!」グッ 

 ダッ
 ドスッ! パァンッ!

ピエリ「リリスが頭から割れたの!」

リリス『なんでそこだけ実況するんですか!?』

ベルカ「ちっ……。なら……これでどう!」ガシッ ブンッ

 ヒュンヒュンヒュン!

リョウマ「むっ……目くらましなど!」ブンッ ガキィンッ

 ポサッ

リリス『容赦なく地面に叩きつけられましたね、私の浮き輪……』シクシク

ピエリ「リリス、撃ち落とされちゃった。ベルカ、一本無駄遣いしちゃったの」

ヒノカ「いや、それはちがうぞピエリ。もう、ベルカは次の手を打っている」

ピエリ「え? そうなの?」

ヒノカ「ああ、おそらく距離を詰めるための一手、次でこの行為の理由が分かるはずだ」


628 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/21(火) 20:47:21.48 ID:strW7KPN0
ベルカ「……」タタタッ

リョウマ「なるほど、投擲した浮き輪にこちらの意識を逸らさせたか。だが、その手に乗ると思って――」

ベルカ「ふんっ!」ガシッ ブンッ

 ヒュンヒュンヒュン!

リョウマ「なに!?」

リョウマ(両方投げてきただと!?)

リョウマ「だが、こんなもの落としてしまえば!」ブンッ

 ドゴッ! 
  パァンッ!

リョウマ「なに!?」

ピエリ「あれ、今回のリリスは割れちゃったの。リョウマ様、そんなに力強く落としたようには見えなかったのにどうしてなの?」

ヒノカ「私にもわからない、兄様が思っていたよりもリリスの強度が弱かったのかもしれない。いや、もしかしたら先ほどの素振りの間に弱いリリスを一つ作り上げていたのかもしれないな」

ピエリ「どういうことなの、ヒノカ様」

ヒノカ「ベルカは自身の投擲攻撃にかなりの自信があるようだし、兄様は避けるより撃ち落とす選択をした。だから、二本目も同じように打ち落すだろうと予測して、他に比べて弱いリリスを投げ、破裂させることで隙を作り上げて肉薄する。これがベルカの狙いだったんだ」

ピエリ「なるほどなの! 弱いリリスならリョウマ様の攻撃で割れても仕方ないのよ」

リリス『私を弄って楽しいですか!? 楽しいんですか!?』
629 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/21(火) 20:49:53.09 ID:strW7KPN0
リョウマ(くっ、隙を作ってしまったか。だが、今のベルカは丸腰、距離に入られなければ!)

リョウマ「そこだ!」ダッ ブンッ

ベルカ「っ!」サッ ガシッ

 ブンッ
  ガキィン!

リョウマ「それは先に撃ち落としたリリス! くっ、まさか迎撃したつもりが、近距離に武器を設置させる行為に繋がるとは思いもしなかったぞ」

ベルカ「はっ、ふんっ!」ブンブンッ

リョウマ「っ」サッ ササッ

ヒノカ「すごい、兄様をあそこまで追いつめるなんて。ベルカの奴、さすがはカミラ王女の臣下だけはある」

ピエリ「あ、リョウマ様が押され気味なのよ。これはベルカの勝ちなの!」

ヒノカ「見た目は確かにそう見える。だが、そういうわけではないぞ」

ピエリ「?」

ベルカ(よし、動きを抑え込んだ。これで――)ガシッ ダッ

リョウマ「ここまでの打ち込み、見事だ。だが、最後の最後まで来は抜かぬことだ!」チャキッ ザッ

ベルカ「え!?」

リョウマ「はあああああっ」ブンッ

 バシンッ パァンッ!!!!
  ビリリリッ!
630 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/21(火) 20:54:13.49 ID:strW7KPN0
ベルカ「……あ」

リョウマ「見事だ。しかし、最後に欲が出たようだな、ベルカ」

ベルカ「……そうね。あの瞬間、こちらの攻撃を当てる事だけを考えていたわ。暗殺の時と違って、今は敵と対峙しているのに…。私の落ち度ね…」

リョウマ「だが、間合いをこうして詰められるとは思ってもいなかった。中々に新しい経験になったよ。ありがとう」

ベルカ「そう、ならいいわ。だけど、次は同じようには行かないわよ…」

リョウマ「ああ、望むところだ」

ピエリ「ベルカ惜しかったの……。それにしても、リョウマ様の動きはとっても早くて、ピエリわからなかったのよ」

ヒノカ「うむ、やはり強さに衰えは感じられない。兄様は白夜一の侍であることに変わりはないという事か。しかし、中々に白熱した試合だったな、リリス」

リリス『そうですね……』

ヒノカ「どうしたんだ、浮かない顔をしているが」

リリス『浮かない顔をしたくなる理由が私にはあるんですけど。それはさておいて、何かが破れたような音が聞こえませんでしたか? そのビリリって……』

ヒノカ「ビリリ? そんな音、聞こえたか――」

 ヒュウウッ
  ヒラヒラ ポスリッ

ヒノカ「む、なんだ、この布切れは……。先ほど割れたリリスの残骸か何か、か?」

リリス『出来れば、浮き輪の残骸と言ってもらえませんか。えっと、これは……。水着の切れ端?』
631 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/21(火) 20:58:01.12 ID:strW7KPN0
ヒノカ「……仄かに温かみがあるが。一体、誰のものだろうか? その、私よりはある気がする……な」

リリス『ヒノカ様、苦しそうに言うのは止めてください』

ピエリ「これ、ピエリには合わないから、ピエリのじゃないの」

リリス『私でもないですし、ヒノカ様の物でもありませんね』

ヒノカ「ああ、私たち以外に誰かが浜辺に来ていて、何らかの拍子にここまで飛んできたのかもしれない。私たち以外の人影は――ん?」

リョウマ「……」

ベルカ「……?」

ヒノカ「何だか二人の様子がおかしいみたいだが?」

ピエリ「本当なの、リョウマ様。なにか考えてるみたいに見えるの」

リリス『どうしたんでしょうか? ちょっと様子を見に行きましょう』スイスイ~

リョウマ「……」

ベルカ「リョウマ王子、なにか……?」

リョウマ「……ふむ」

ヒノカ「リョウマ兄様、何かあったの……か……」

ベルカ「ヒノカ様? リョウマ王子が動かなくなったのだけど、何かあったの?」 プルンッ

ヒノカ「ベルカ、む、胸が丸見えじゃないか!は、早く、これを付けろ!/////」

ベルカ「?」

リリス『なるほど、あの、ビリリリッという音は、ベルカさんの胸の水着が千切れ飛んだ時のものだったんですね……』

リョウマ「ああ、俺の攻撃の勢いで吹き飛んでしまったようだ、先ほどまで怪我がないかを確認した。どこにも怪我はなかったよ」

リリス『そうでしたか。それで、リョウマ様――』スッ

『言いたいことはそれだけですか?』ペチンペチンッ
632 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/21(火) 20:59:17.27 ID:strW7KPN0
今日はここまで

 
633 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 19:50:42.97 ID:sH0tw0bD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇
―南国の異界・宿泊施設入り口―

カミラ「今日もいい天気ね」

レオン「あ、カミラ姉さん。おはよう」

カミラ「あら、レオンおはよう。ふふっ、昨日はよく眠れたかしら?」

レオン「まぁね。こういった場所は熱帯夜っていうのかな? 夜も熱くて眠れないかもしれないって思ってたけど、そんなこともなくてよかったよ」

カミラ「そうね。この異界は蒸し暑い感じじゃないから、過ごしやすくてとてもいいところだと思うわ」

レオン「そうだね。あ……」

カミラ「?」

カムイ「あ、カミラ姉さんにレオンさん、おはようございます」

カミラ「おはようカムイ。ふふっ、今日もかわいらしいわね」

カムイ「ありがとうございます、カミラ姉さん。レオンさんどうしたんですか?」

レオン「な、なんでもないよ、その、おはようカムイ姉さん」

カムイ「はい、おはようございます。どうしたんですか、もしかして昨日あまり眠れなかったとか?」

レオン「ううん、そういうわけじゃないから。気にしないでいいよ。こんな朝早くにどうしたんだい?」

カムイ「はい、ちょっと軽く散歩にでも出ようと思いまして、良かったら一緒にどうですか?」

カミラ「うれしいわ、だけどごめんなさい。そろそろベルカが戻ってくるころだから、ここで待っていないといけないから」

カムイ「そうですか…」

カミラ「レオンはどうかしら? 起きたばかりなんだから、軽く歩いてくるのもいいと思うわ」

レオン「そんな、僕はまだ寝起きじゃ……」

カミラ「そう? それじゃその裏表逆の羽織は、レオンのセンスなのね?」

レオン「! そ、そういうことは静かに言ってよ!////」ガサゴソ

カムイ「ふふっ、なんだかレオンさんらしいですね。とっても愛嬌があっていいと思います」

レオン「か、揶揄はないでよ、姉さん!」
634 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:13:35.73 ID:sH0tw0bD0
レオン「はぁ、もう……。朝からどうしてこんな辱めを受けなくちゃいけないんだ…」

カミラ「あら、皆が集まった朝食の場で指摘されるほうが良かったのかしら?」

レオン「うう……。何も言い返せない」

カムイ「それでレオンさんはどうしますか? 正直、一人で歩き回るのもなんだか寂しいので、ご一緒していただけると嬉しいんですけど」

レオン「え、えっと……」

カムイ「……」

レオン(こういった場所を姉さんと一緒に歩いていて、僕たちの事を何も知らない人が見たら、恋人同士だって思ってくれるのかな……。アクアじゃなくて、僕の事を……。こうやって誘ってくれてるんだから、姉さんももしかしたら……)

レオン「……」

カムイ「レオンさん?」

レオン「ごめん、ちょっと僕も用事があるんだ。少しだけ外の空気を吸いに来ただけで、だから悪いんだけど……」

カムイ「そうですか。分かりました、それでは一人で歩いて来ます。朝食には間に合うようにしますので、遅れても気にしないでください」

カミラ「わかったわ」

カムイ「それでは……」タッ タッ タッ

レオン「……」

カミラ「まだ、諦めきれていないのね」

レオン「……うん」
635 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:26:22.93 ID:sH0tw0bD0
レオン「本当にどうかしてると思う。こんな難題は生れて初めてだ、こんな勝つことなんてない戦いだってわかっていても、それを受け入れられないことなんてさ…」

カミラ「……そう。レオンにもこんな風に誰かに恋い焦がれることがあるなんて、何だか不思議ね」

レオン「僕もそう思う。姉さんが幸せならそれでいいって思ってたのに、出来れば自分で幸せにしてあげたいって望んでいるんだから」

カミラ「……レオンはカムイを幸せにできる自信があるの?」

レオン「……わからない。だけど、辛そうにしてる姉さんを見るのは嫌だし……。ちがうね、多分だけど誰かに幸せにしてもらってる姉さんを見るのも僕は嫌なんだと思う…」

カミラ「欲張りね」

レオン「うん、初めてだからかもしれない。うまくコントロールできてないだけだから。離れたらどうにかなると思ってたのに、実際は心の中でただ膨れ上がっただけだったし、本当に厄介だよ、この感情は」

カミラ「厄介かもしれないけど、それはとても大切な物よ。誰かを好きなって、その誰かを幸せにしてあげたいっていう姿勢、おねえちゃんは嫌いじゃないわ」

レオン「ありがとう。でも。もしチャンスが巡ってきたら、僕は……」

カミラ「レオン?」

レオン「……ううん、何でもない」
636 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:42:25.26 ID:sH0tw0bD0
カミラ「そう……。それにしてもベルカ遅いわね…。朝の訓練だけだからもう戻ってきてもいい頃なのに……。あら?」

 ズズズ― ズズズズズ―

レオン「何だろうこの音、向こうから聞こえてくるみたいだけど」

カミラ「そうね、何かを引き摺っているような音だけど――」チラッ

リョウマ「くっ、お前たち。確かに俺が悪かったかもしれないが。こんな形で拘束する必要はないだろう?」

リリス『悪かったじゃなくて、悪いんです。乙女の柔肌を越えた先を曝け出しておきながら、あまつさえそれをまじまじと観察するとは、武士道が泣いて腹を割るまであります!』

ベルカ「リリス、私は別に気にしてないから…」

カミラ「ふふっ、何かあったみたいね」

レオン「そうだね。僕は部屋に戻るよ、その散歩からカムイ姉さんが戻ってきたら気まずいし……」

カミラ「ええ、わかったわ。それじゃ、またあとでね?」タタタタッ

レオン「……はぁ〜」トボトボ
637 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:50:42.50 ID:sH0tw0bD0
ピエリ「リリス、すごいの。あのリョウマ様をパッパッと捕まえちゃったの」

ヒノカ「あれは事故だと私は思うのだが。しかし、まさか浮き輪の残骸だけで見事に拘束できるものだな」

リョウマ「ああ、この材質では抜けるのに相当な力がいるぞ。出来れば解いてくれないかリリス」

リリス『ダメです。まったく、ああいうときは背中を向けるのが男だと思います。あんなにじっと見て……』

ベルカ「リリス、リョウマ様は私の体に怪我がないのか見てくれただけ…。だから――」

リリス『そうかもしれませんが……ん?』

カミラ「ふふっ、なんだかおもしろいことになっているみたいだけど。何かあったのかしら?」

リョウマ「む、カミラ王女か、おはよう」

カミラ「ええ、おはようリョウマ王子。ふふっ、今日はとてもカラフルな布を体中に巻き付けているのね?」

ピエリ「カミラ様、これリリスの残骸なのよ」

カミラ「リリスの残骸?」

リリス『ピエリさん、勘違いしそうないい方はやめてください』

カミラ「それで、どうしてこんなことになっているのかしら? リョウマ王子が何か粗相でも?」

リリス『それがですね……』
638 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 20:56:54.32 ID:sH0tw0bD0
リリス『というわけなんです』

カミラ「なるほどね。リリスの気持ち、わからないわけじゃないわ。女の子はそう簡単に肌を見せる物じゃないものね?」

ヒノカ「カミラ王女がそれを言っても、あまり説得力が……。その今もそんな恰好をしているし……」

カミラ「そう? ここは南国の異界なんだから、むしろこれが正装だと思うのだけど?」プルンプルンッ

ピエリ「ピエリも熱いより、涼しくて動きやすい格好の方がいいの!」プルルンッ プルルンッ

ヒノカ「くっ!」

リリス『ともかくです。事故だとしてもあんなにまじまじとベルカさんの乳房を見つめるのはどうかと……』

カミラ「そうね、その点はリョウマ王子も紳士の対応をしてほしかったわ」

リョウマ「すまなかった。だが、俺も本気だったからな、怪我をしていないか確認をする必要があった」

カミラ「ふふっ、わかってるわ。リョウマ王子はベルカの裸に鼻の下を伸ばしていたわけじゃないんでしょう?」

リョウマ「ああ、俺はベルカの身を案じていただけに過ぎない…」

リリス『ほんとぉ?』

リョウマ「本当だ」

リリス『即答されると、もう何も言えません』
639 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 21:00:10.19 ID:sH0tw0bD0
カミラ「なら何も問題は無いわ。それよりもベルカ、本当に怪我はなかった?」

ベルカ「ええ、怪我はないわ…。鍛錬では負けてしまったけど…」

カミラ「そう、次は勝てるといいわね」ナデナデ

ベルカ「ん……。撫でないでカミラ様…」

カミラ「ふふっ、頑張った臣下にはご褒美を上げないと」ナデナデ

ベルカ「……」

リリス『というかベルカさんもベルカさんです。もう少し体を隠すとか、そういうことをしてもいいじゃないですか。なんであんなに棒立ちのままでいたんです? 恥ずかしかったですよね?』

ベルカ「……え?」

リリス『だって、いつぞやのアミュージアで行われたダンスの祭典でカミラ様のダンスをお手伝いしたとき、かなり恥ずかしがっていたじゃないですか』

ベルカ「確かにそうだけど、あの時は多くの人もいたし、私も普通じゃなかっただけだから…」

リリス『そうかもしれませんが、もう少し恥じらいを持ってもいいとお思います。ベルカさんだって女の子なんですから』

ベルカ「恥じらいを持ったところで、誰かを殺せるわけじゃないなら。そんなもの必要ない…」

カミラ「ふふ、だけどそういうのに弱い男がいるのもまた事実よ。相手を骨抜きにしたりするのも夢じゃないわ」

ベルカ「そう? なら覚えた方がいいかもしれない…」

リリス『カミラ様、それはシャーロッテさんのお株です』
640 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2018/08/26(日) 21:01:29.71 ID:sH0tw0bD0
今日はここまで
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