マリオ「最近、テニスやパーティーにゴルフばかりで…何かを忘れているような」

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403 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/03/19(火) 22:39:11.09 ID:RPhB0ynO0


  城上空に響き渡る重低音、耳の鼓膜が引き千切られるんじゃないかと
錯覚するような怒鳴り声に、思わずルイージが耳を塞ぎ
ブンブンも顔を歪め、ただ1人…名前を呼ばれた男だけは
平然とした表情で声の主を見上げていた



   クッパ「――――コォォォォォッッ!!!!」カパッ!ボォォォッ




  ルイージ「はぁ!?あの馬鹿嘘でしょ!」バッ!



此方に振って来る怪物は大顎を開き、喉奥で燃え盛る紅蓮を見せる
 脳がそれを認識するや否や、猛炎を吐き出す1秒前のクッパに
文句の1つでも投げながら倒れたブンブンの腕を無造作に掴みその場を
飛び退いた



 紅炎が屋根の上に叩きつけられ、四散したのはその直後だった


 桶いっぱいの水を物見台の真上から地表にひっくり返したような勢いで
獰猛な紅桜の花びらが吹雪く、一枚一枚が触れただけで大火傷の花弁に
見える美しい炎の揺らめき、恐ろしい熱量の桜吹雪だ


見慣れた赤い帽子の男はブレス攻撃の火線からは既に外れていた

ブンブンを連れてその場を飛び退くのに気を取られ何時、マリオが其処を
離れて好敵手の火炎攻撃から逃れたのかは見えなかったが


 燃え盛る灼熱の有効範囲からは数メートル先の地点にマリオは居た



ギュルッ!


 プロペラ機から飛び降りた奴は火を吐き終えた後、上体を大きく捻り
そのまま大きく身体を旋回させながら着地地点を赤い帽子に定めた


初めからルイージは眼中に無い



 利き手の指を曲げて何かを鷲掴みにする様な動きで
爪による切り裂きを繰り出すッ!



  クッパ「喰らえぇぇぇ―――ッ!」

  マリオ「通用するとでも思ったかぁぁぁぁっっ!!」



 剣の達人が抜刀術の構えで神速の一閃を放った、凡人の眼には
それほどの恐ろしく早い振り下ろしに見えたことだろう


パシッ!乾いた音と同時に片手でクッパの腕を掴み、上空から降って来た
その巨体の重量ごとマリオは彼奴を受け止めた


   クッパ「甘いぞ!」シュッ

   マリオ「むっ!?――うぐぁ!」ドガッ! ズサーーーッ!


  クッパ「ワガハイに尻尾がある事を忘れたままか!バカめ!」


 利き腕を封殺されもう片方の腕を振り下ろす――のではなく
彼特有の武器である尻尾を振るい、マリオの横腹を思いっ切り叩きつけた

404 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/03/19(火) 22:39:45.97 ID:RPhB0ynO0

人間の構造には無い尻尾による追撃ですっぱ抜かれ、ゴルフボール並みに
飛んで尖り屋根に叩きつけられるマリオは、小さく呻き声をあげる…


【たいよう】の熱で少し焼けた時よりも

【ゲドンコ星人】のビームで機体を壊され谷底に落ち身体打った時よりも


今日、戦った敵から受けた攻撃で一番に効いた一撃である



 クッパ「ハァッ―――とぉっ!」シュバッ!――ヒュゥゥン、ズシンッ!


 クッパ「ガハハハ!情けないものだなマリオよ!」

 マリオ「いってぇ…な、このクソ野郎…」ヨロッ…


 クッパ「あれほどお前が掴んで飛ばした尾に今度はお前が飛ばされる」

 クッパ「これを笑わずして何が笑えるか!」


 マリオ「久々に会って早々に嫌味かよ…ったく」



 クッパ「…フン!」














     クッパ「…よくぞ帰って来たな、待っていたぞ」






     マリオ「…あぁ、悪かったな、待たせちまった」







 ルイージ「兄さん!クッパ!!」


 クッパ「なんだ緑のヒゲ、貴様も居たのか…」

 ルイージ「…へぇへぇ、どーせ僕は緑のヒゲでごぜぇますよーだ」


 クッパ「…。」チラッ、ジッ

 マリオ「見ての通りだ、全部思い出したさ…ルイージにも聞いた」

 マリオ「お前は俺が思い出せない間自分の家おとなしくしてたんだろ」


 マリオ「苦労かけたな、一番暴れたがりの問題児のお前が抑えたんだ」


 マリオ「…だが、再会の記念で出合い頭に殴りかかるんじゃねぇよ」



ブレスに爪、尻尾、常人なら数回死んでる"挨拶代わり"である
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/03/19(火) 22:42:53.97 ID:RPhB0ynO0
*********************************



       少しですが、今回は此処まで!


>>400の会話文は>>23の回想ですね、幸せの定義は人それぞれ違う…





>>398 あります、これ以外で速報Rに現在進行形で3〜4ほど
*********************************
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/03/19(火) 22:45:08.23 ID:HAF6rTto0
お疲れ様でした

いよいよクライマックスかぁ
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/19(火) 22:59:16.52 ID:1kqpZAiP0
乙 クッパ様楽しそう
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/20(水) 20:10:51.05 ID:mW6FecrY0
良かったら作者の他のスレの名前教えて?
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 04:21:04.79 ID:EtWlXE4rO
ついにクッパと合流か、乙
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:05:10.49 ID:+3E/zLSV0

 ブンブン「クッパ様…」ヨロッ

 クッパ「ブンブンよ、此度の件はわかっているな」


痛む箇所を抑えながら老人は仕える者に声を掛けた
 この後の事は分かっている


 御叱りのお言葉も、罰も甘んじて受けよう…
どうしても抑えきれない、このまま胸の内に押しとどめては
胸が張り裂けんばかりの情動があった

主君の為と言いつつも心の片隅には自分の為が無かったとは言えない


 英雄兄弟と再び、戦って負けて…心は満たされた


 勝敗云々じゃない、老いて手足すら皺くちゃで動かす度にプルプルで
もう二度自力で身体を動かすこともできない要介護老人になる前に
恋焦がれた戦場に戻った、人生の大半を打ち込んで来た場所に返り咲いた



――――戦うことができた、それだけで、心はもう満たされていた



 道半ば一度、朽ちて錆びついた車の車輪が再び磨き上げられて
今度こそ旅の終着点に到達出来た様に
 ずっと停滞していた彼の世界はもう一度動きだせたのだから


 ブンブン「…。はい、ワシの独断で軍を動員させました」

 ブンブン「覚悟はできておりますゆえ」


 クッパ「お前がやったことはワガハイが協定を組んでいる国に
     対して攻撃を仕掛けるというワガハイの顔に泥を塗ることだ」

  クッパ「不問には、できん」


 ブンブン「…仰る通りです」








 クッパ「…だが、だ」



 クッパ「お前の暴走も元を正せばワガハイにも非があるのだ」

 クッパ「軍の肥大化を理由にお前達一人一人をよく見てやれなかった」


 クッパ「…。」

 クッパ「…実践経験の浅い若手たちの指導教育、それが必要と考えた」

 クッパ「だからマリオ達と戦場で戦う兵の半数以上を新しく入った
     新兵ばかり配備して最古参で実力のあるお前達は城に置いた」



  クッパ「それが古くから仕えて来たお前達にとって
       耐え難い苦悩を与え、誇りを奪い取る結果になったのだ」



クッパ「人員が増えすぎた事で軍が抱える不満や実情の監督不十分と」

クッパ「新人教育の名目、その二つを盾にお前達を蔑ろにしてしまった」


   クッパ「…すまなかったな」
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:05:37.44 ID:+3E/zLSV0



   ブンブン「〜〜ッ…っ!クッパ様…」グッ




  クッパ「…お前の処遇は城に帰ってから言い渡す」

  クッパ「最後に、まだ一つだけ大仕事が残っているからな」

  マリオ「…もう、いいのか」


 クッパ「うむ、我が軍を好きにしてくれた落とし前は
              キッチリとつけさせてもらおう…!」


 終始を眺めていたマリオもルイージも常に気を張っていた
"何か"に警戒していたのだ…
 騒動の大将首であった指揮官殿ことブンブンを倒した今も…ずっと



 クッパ「最後に一つだ、ワガハイの非もあるがもう一つ…」

 クッパ「お前含めて全員に酌量の余地がある」



 ルイージ「…そうそう、クッパが落ちて来た所為で説明できなかった」

 ルイージ「さっきも言ったけどブンブン、アンタ利用されたんだよ」





     - ぐふ、ぐふふ…! 流石やなぁ… -




 ブンブン「な、なんじゃこの声は…頭に直接響いて…」




 マリオ「…はぁ、溜息も吐きたくなるぜ」

 マリオ「テメェをぶちのめしたあの日から何年経ったと思ってるんだ」

 マリオ「そんなに復讐がしたかったのか」




- 当たり前やろボケェ!ハァ〜…
   あんさんが記憶失くした言うとるから
       ビッグチャンス到来やで!!思うとったのに -


  - せーっかく、ワイが立てた計画が全部パーやで… -




 ルイージ「回りくどい作戦だなぁ、クッパのより杜撰だよ」ヤレヤレ

 クッパ「おい緑のヒゲ」



   - どや?中々凝った演出やったろぉ? -

 - あんさんが過去にぎょーさん倒して来た敵が大集合 -


 - なのに、そこ亀ジジイはこうもあっさり負けるわ使えんわホンマ -


 …姿は見えない、だが声の主は確かにこの場に居る全員に語り掛けた
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:06:10.11 ID:+3E/zLSV0


 マリオ「語源が通じない宇宙人のゲドンコ共と手を組んでる」

 マリオ「その時点で疑問は持ったさ、そしてあらゆる可能性を考えた」




 マリオ「どうやってゲドンコとブンブン達は意思疎通が出来たのか」


 マリオ「"ある意味催眠に近い暗示"だったな…」

 マリオ「ブンブン…お前、いや軍全体がこれと同じモノを持ってるな」





 マリオはそういって一つ、手にした物を掲げて見せた
老人はそれに見覚えがあった…
 それは一見すれば何処のご家庭にもある何の変哲もない生活用品
強いて言うなら、甘い香りがしてフカフカで安眠が約束されそうな"枕"だ




  ブンブン「それは…確かにワシ等が使ってた枕じゃが…」






-『…へっへっへ、ありがとよキャプテン・シロップ』-


-シロップ『にしても、"あんた等"も変な奴等だね、こんな雪山で
      降ろして欲しいだなんてさ、オマケに…
      なんだい、その荷物は?

       アタシにゃ唯の"枕"にしか見えないけどねぇ』-


-『"枕"が変わるとイイ夢見れないんでね…俺達は』-

-シロップ『ふぅ〜ん、まぁなんでもイイんだけどね』-




 あの日、ゲドンコ星人が埋まっている雪山まで採掘する為
脱獄させた女海賊の船での会話をふと思い出す

何故、それを彼が持っているのか




 マリオ「ゲドンコ星人の宇宙船をパクって来た時に中で見つけたのさ」

 ルイージ「君らさぁ〜、これ幾つ盗んで来たワケ?」

 ルイージ「いや少数を発言力のある偉い人等で使い回したかもだけど」



 クッパ「ほぉ〜、懐かしいモノだな」フム


 クッパ「黒幕の正体は鼠から聞き出したから知ったが…」

 クッパ「そうか、それを使ってかナルホド…」


 マリオ「ん?あぁ〜、チュルゲの奴ことか、それでお前知ったのか」

 マリオ「さて、話はそれたがこの【ユメまくら】だ」


 マリオ「【マシュマロ王国】にあったこれをお前は利用した」


413 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:06:40.96 ID:+3E/zLSV0













         マリオ「違うか、"マムー"」











414 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:07:18.66 ID:+3E/zLSV0


 - …ぐふ、ぐふふ…!ご名答…せやで! ワイこそが悪夢そのもの -



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオォォォォォォ…!



       マムー『悪夢の大王 マムー様や…』ボォォォ



 緑の体色、腹部には大きな白が円を描きそこに赤い宝石を嵌めた
首飾りがぶら下がっていた、爬虫類の蛙そのものと言った顔に
性根の悪さをこれでもかと言わんばかりに主張した二重目をしている

 恰幅の良いでっぷりとした体格に加えて戴冠式の王族が着る様な
マントの裾に鋭い爪の生えた腕を通し頭には王冠を乗せ
 アラビアンナイトを思わせる空飛ぶ絨毯に
踏ん反り返るように奴は座っていた


  ブンブン「こ、こやつは…」ググッ



  マムー『おおっと、今あんさん達が見とるのはワイの幻や』

  マムー『殴ろう思っても無駄さかい、そのつもりでな』



  クッパ「なるほど…初めて見たな」フム




  クッパ「お前がマメーか」

  マムー『マムーや!!人の名前間違えんなや亀ェ!!』



 覇者は何処か皮肉めいた微笑を浮かべて悪夢の帝王に次のように言う


 クッパ「おぉ、すまんな、…このような回りくどいやり方しか
         できん輩の名など一々覚える気も起きんのでな」


 クッパ「夢を変幻自在に操れる者が居るとだけは噂に聞く事があった」

 クッパ「だがこれで高が知れたものだな」



  マムー『…今の内に好きかってほざいとけや』



 マリオ「【マシュマロ王国】は観光地として良い場所だからな」

 マリオ「心に付け入る隙があるクッパ軍の古参兵が立ち寄るのを狙い」



 マリオ「そして、名物の【ユメまくら】を
          使った者の夢にお前が入り込み、暗示を掛ける」


 マリオ「大方、枕を盗んで同じ不満を抱いてる者にそれとなく使う
             そんな暗示を心に植え付ける悪夢だろう?」


 マリオ「目が醒めた後は"夢"の内容は残らない」

 マリオ「しかし植え付けられた暗示は残り続け
      お前からの命令を無意識の内に実行しようとする」


 マリオ「不自然な点や疑問にさえ気づかない
            それを含めての"催眠"…いや"洗脳"か」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:08:50.15 ID:+3E/zLSV0


 ルイージ「最初は1人、2人だったのが伝染病みたいに増えてって」


 ルイージ「少しずつ拡大、んでブンブンとか要になる人物も取り込む」

 ルイージ「そうやってお前はゆっくりと侵食した」



 ルイージ「ブンブンや他のクッパ軍、全員の心を煽り立てる様な夢で」

 ルイージ「"旧"クッパ軍を扇動させたのさ…」


 ルイージ「当然、そこには自分にとって都合良く動く暗示も
              こっそり混ぜた極上の夢を使ってね」




 ブンブンは声を出せずにいた。

 今まで自分は自分の心情と信念に従って動いたと思った
だが、戦士として戦いたかったという想いすらも、全て見知らぬ誰かに
突っつき回されて思うように誘導された行動だったというのか…ッ!


 マリオ「ゲドンコ共とは言葉で会話してたワケじゃない」



 マリオ「"夢"ってのはよ、便利なモンだよな」

 マリオ「抽象的でふわふわとしててさ…」

 マリオ「明らかに不自然でありえない物事が起きても」

 マリオ「見てる間は何の疑問も持たず受け入れるんだ」



 マリオ「あの言葉が通じないエイリアン共にも通用するさ」

 マリオ「アイツ等の夢なんだから、語源関係なく誘導できる」


 あるいは、毒々しいあの宇宙人の精神に感応することでマムーも
かの惑星の語源を覗き見て、メッセージを夢越しに送れたのか…


ブンブン含め、誰一人として言葉が通じないのに自分達に協力してくれる
そういう思想を疑わない、そもそも何故、その前提で物事を進めた?


 初めから誰一人、疑問を持たないのだ


 深層心理に『脳がその事実に気づかいてはならない』という命令を
発信する暗示という棘を…っ

過去の栄光に今一度縋りたくなるような心地よい夢という名の麻薬で
深々と差し込んでいくからだ


 城攻めの大まかな作戦も統率も取れていたワケじゃない

 どっちもある意味、洗脳された状態だったから
お互いの関係を怪しまなかったに過ぎない




 "旧クッパ軍"が戦<イクサ>を起こそうと思い立ったのも

 ゲドンコが埋まってる場所を知らせ、目覚めたばかりで協力的なのも

 ドン・チュルゲがどうやって騒動が起きる情報を握って参戦したのかも



何もかも、夢の支配者であるマムーの策だったのだ…ッ!
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:09:22.96 ID:+3E/zLSV0


 クッパ「それで、どうする気だ小物?」

 クッパ「今目の前にいるお前が幻だから殴れないならどうだという」


 ルイージ「そうそう、お前夢の世界の住人じゃん?」

 ルイージ「前は【サブコン】に入ったから僕達で物理的に干渉できた」

 ルイージ「逆に言えばお前そっちからじゃ現実世界の僕達に触れない」



 ルイージ「この数年で僕達も色んな人と仲良くなってね」

 ルイージ「特に夢の世界に干渉することに
      掛けてはプロの人とも知り合いになったんだ」


 ルイージ「ゆっくりと態勢整えて
       大勢の仲間とそっちにボコりに行ってもいいんだぜ?」





  マムー『そらぁ困るわな、態勢整わん内に潰さんとあかんなァ〜』


  マムー『ぐふふ!安心せい、ワイはそこんとこ考えてんで』

  マムー『夢の世界だけじゃなく現実も乗っとる為に』

  マムー『ごっつぅエエモン造らせたんや…』ニィ



ゴゴゴゴゴゴゴゴ…



  クッパ「なに!?」

 ブンブン「うぉっ!…この揺れは、まさか中庭のアレが完成したのか」



 マムー『ワイはご存じ夢の世界の住人や現実世界に肉体が無い』


 マムー『無いならなぁ、"造れば"ええねん』

 マムー『さぁて!!過去からの贈り物作戦のメインディッシュ登場や』



  マムー『目ん玉かっぽじってよぉく
           見とけぃマムー様のニューボディーをな!!』



  ゴゴゴゴゴゴゴ…!

 ルイージ「なんだって!?」ハッ!?



 マリオ「っ!?…まさか、…クソッ!野郎なんて物をッ」
 クッパ「なるほど、鉄屑を集めて作っていたのこれか…厄介だな」



英雄と覇者は表情を苦々しい物に変えた

それは彼等の激戦の記憶にある鋼の肉体…

そいつは"武器"の墓場から連れて来た残骸だった
既に魂など無い鋼の骸をパズルのように合わさるそれは既に
"胴体"が出来ていた、中央の黄色い星の印、右手には金鎚を握るその身体


  「ぐふ、ぐふふ…良い身体や、ワイの新しい身体ぁぁぁ!!」
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:13:09.42 ID:+3E/zLSV0





 緑の帽子を被った英雄は額から出た汗を拭った

 彼は実物を見た事は無いが、音に聞いたことだけはあった


 それは老兵のブンブンとて同じだった




 「うおおおぉぉぉぉ!guoo…!GUOOOOOOO!!!!」ゴオォ!




 その全容が露わになり、過去の産物の名を英雄と覇者が呼んだ





        マリオ/クッパ「【カジオー】…ッ!」








 マムーinカジオーボディー「ぐふふ!ぬぅふふ!ぬははははは!!」

 マムーinカジオーボディー「さぁ!!ラストバトルの開幕や!!」



418 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/04/12(金) 23:34:55.59 ID:+3E/zLSV0
*********************************


            今回は此処まで!


  解説(?)【メカマムー】


 スーパーマリオくんネタ、かなり前に仰った通りマリオくんネタです

 大事なことだから2回ry)



 マリオUSAに置いて夢の世界【サブコン】を支配し
 悪夢の世界を作ろうとした存在【マムー】

 元はマリオとは別のゲーム【夢工場ドキドキパニック】世界の住人



 口を開いて泡を吐き出す攻撃を行う巨大カエルで野菜が大の苦手

 野菜を引っこ抜いて口の放り込んで倒すのが本来の攻略法である




 マリオくんだと今まで倒して来たUSAボスを取り込んだ姿になり

 身体が【チョッキー】で頭部から三首蛇の【ガプチョ】が生え
 また【ヒーボーボー】の炎を利用も可能なうえ


 ハンマーやたぬきスーツ、フラワーからキノコまで全て


 "現実世界から持ち込まれたパワーアップアイテムを消し去る"という

 とんでもないチート能力まで発揮したのであるッ!
 夢世界サブコンを支配するだけあるようだ




 そして最後は倒したと思いきや巨大メカになってまだ襲い掛かるという
 怒涛の展開が――――




    ―――と思いきや、ヨッシーに一口で喰われて終わった








 マムーinカジオーボディー



 急ピッチで造られたマリオRPGのラスボス【カジオー】の最終形態を
 現実世界での肉体としたマムー

 最終決戦の幕が開くッ!!


>>408

サガフロンティア長編SS

【ブルー「俺達は…」ルージュ「2人で1人、だよねっ!」『サガフロ IF】】


ラブライブ安価コンマスレ

穂乃果「えっ…此処、何処なの…?」【せいぞん・たんさく・げぇむ】【R-18】


他にもあと2〜3ほど
*********************************
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/04/13(土) 00:00:58.62 ID:K9BzqPMK0
お疲れ様でした
サガフロは何となく予想ついてたけど、せいぞん・たんさくもだったとは気が付かなかった
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 22:25:34.93 ID:v4h1z8C+O
続き来てた、サガフロとラブライブの人だったのか 乙
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/04/16(火) 08:37:36.04 ID:bLGnBEnNO
なるほど、黒幕はどんな奴かと思ってたが過去のラスボスかつ長らく登場していないキャラだからふさわしい人選だな
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/28(金) 21:17:54.56 ID:FIRVIzfnO
おつ
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 03:14:00.63 ID:iNLImay40
マメーもマリオくんネタだったなw懐かしい
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2019/07/29(月) 21:17:28.08 ID:jPyqYXbgO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
アーカイブ(7/28配信)

スーパーマリオメーカー2 配信 Part7

マリオメーカー2 バトルモードSランク目指す
/高難易度コースクリアする。

https://www.youtube.com/watch?v=QVNzwdSr39o


Jun Channel

https://www.youtube.com/channel/UCx1nAvtVDIsaGmCMSe8ofsQ
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 20:32:32.54 ID:tFZrzOMN0
更新停止して半年近くになるのか...
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/07(土) 22:21:25.53 ID:v6a1EmI10
つい最近ここまで読んだよ
色んなマリオシリーズ遊んだことあると目頭も熱くなる展開があって感動
作者の方は今どうしてるか分からないけど続きを待ってます
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/11(土) 22:50:41.52 ID:fB7UWkNV0
一年か...
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/26(日) 03:06:49.78 ID:NSZsnUVN0



 言葉通り血肉持たざるボディは世に再臨した。


 原始から始まった人間は楽園の林檎を齧り、いつしか知恵を手にした
身に着けた探求心と好奇心はあらゆるものを創造した



その過程で創られた―――鉄と火薬、それらを用いた暴力


 鈍い輝きを放つ命を感じさせない不気味なソイツは忌むべき人の叡智を
これでもかと言わんがばかりに繋ぎ合わせたような象徴だ



 カジオーボディ『グオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ』カッ



 再構築された鉄屑の魔王は産声を上げる
夕刻、朱色の空へ唸る様に咆えた、恨みがましい怒りとも
現世に舞い戻った事に対する歓喜にも受け取れるような叫びと共に
 彼奴は起動と同時に倒れていた上体を起こし右手の鉄槌を振り回す
砂場で創った泥の城を壊したかのように脆く崩れる城壁
当然ながら一部を破壊された城は傾き英雄兄弟達も落ちそうになる



 ブンブン「う、うおぉぉぉぉぉ!!」ズザーッ

 ガシッ



 マリオ「くそっ!城の修繕費が高くついちまうぜ…!」ガシッ

 ブンブン「す、すまなんだ」

 マリオ「礼は良い、んなことより手ぇ放すんじゃねぇぞ」



 傾いた屋根の縁を掴み、持ちこたえるマリオは嘗て倒したモノを睨む


 【カジオー】の頭部は過去の決戦で数パターンの変形を見た
戦車であったり魔法使いを模していたりだが現在対峙している頭部形態は




   マムーヘッド『ぐふ、ぐふ…ぐふふ』ニタニタ

 ルイージ「うわぁ、きっしょいな、どデカい鉄のカエル頭かぁ」シュタッ


 夕光を反射する鉄色の顔面はでっぷりと膨らんだ頬、丸みを帯びた鼻や
ツインアイの上部に再現された二重…マムーの特徴を捉えていた


 マムー「なんやワレ人の顔にケチつけたらアカンって
                 親に教わらんかったんか〜?」


 マムー「ほな、あんさんから潰れた顔になってもらいまひょか」
 カジオーボディ『ウゴオオォォォォォォォ!!』グワァン


 胴体は右手を振り上げる、鉄槌がオレンジの光源を遮るように掲げられ
照らされた武器は太陽の色に染まる様に変色する


 じゅわり…っ!



 空気が揺れる、鉄塊が熱を帯びて輝黄赤色へと変わる
真夏日の雨上がりに見るアスファルト上の蜃気楼じみた空間のぶれ

屑鉄魔王の肉体に寄生した悪夢の脳は鉄槌を下す指示を送る
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/26(日) 03:09:14.91 ID:NSZsnUVN0

 焔の槌は振り下ろされる、高度が下がるにつれてルイージの頭上に点を
合わせた黒い影は大きくなり、終いにはピーチ城の屋根を粉砕する



―――ゴシカァン!!



  ルイージ(うまく挑発に乗ってくれるじゃあないか!)ガシッ

  壊れた窓枠『』



 ギリギリまで敵の攻撃を引き付けてからの飛翔、屋根から離宮の屋根へ
飛び去ろうとする際に壊れた窓枠を拾いあげる


 そして跳んだ弟の視界に映ったのは…




 マムー「ぐっふっふ!そないな遅さで逃げられる思うたんかボケェ!」



 愚鈍に見える巨体からは想像もつかない機敏性
振り下ろした筈の右腕は既に引かれていて、振り翳したまま身体を捻り
横軸にフルスイングをぶちかまそうとするマムーの姿だったッッ!!



   ルイージ「おおっと!?…こいつぁやべぇかも」タラーッ



 初手で挑発をかまして自分にヘイトを向けさせて
自分は彼奴の攻撃回避に専念、その隙に火力の高い兄とクッパが
がら空きになったマムーの背部から叩くッ!



 というのが想定していた理想の動きだったのだが…
如何せん【カジオー】と対峙した経験が無い故に相手の俊敏性を見誤った


 早速"保険"を使うことになるとは思わなかったと、冷汗がタラリ…




夕陽を背景に屑鉄王の影が迫る、赤焼けに良く映える黒い鉄槌が

巨影の後ろに何かを抱えた人影と甲羅を背負った怪物の影も



  マムー「死にさらせぇぇぇぃぃぃいいいいいいッッ!!」



  ゴベキャッッッ!!

 鋼鉄の腕は確かに、物体を潰した感触を感じ取っていた
ニタニタと笑うカエル頭の口角が更につり上がる…!



   マムー「っしゃぁぁまず1匹ぃぃっ!!」グルンッ!



 生物の構造上決してありえない首の動き、180℃頭部がぐるりと回って
後方から迫る二人を捉えた



    マリオ「どらぁぁぁぁッ!!」グッ!

    クッパ「破ァァッッッッッッ!!」ブンッ

430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/26(日) 03:11:13.87 ID:NSZsnUVN0

首が旋回した時、既に跳躍した英雄と覇者は目先に居た


 年季の入ったブーツで顔がこちらを向く事など初めから想定済みだと
謂わんばかりに顎下から蹴り上げる姿勢を見せる


 英雄より僅かに低い位置には裂けぬ物など無いと仲間達に誇らしげに
語っていた爪を振り上げて首元から胴を掻っ捌いてやろうと両腕を己が
背まで振りかぶる覇者の姿もあったのだ



   マムー「しゃらくさいわ!」カッ!



 鉄蛙の両目に赤紫色の怪しい光が灯ったかと思えばそれは放たれる
本来のカジオーには備わっていない高出力の破壊光線が空へと穿たれるッ


 逃げ場のない空中でこの距離、速度では歴戦の勇士も巧くは避けれまい
そんなマムーの予測を上回る動きをやってのけるのが真の英雄達だ




   マリオ「恨んでくれていいぞ!」ドガッッッ!

   クッパ「おうッ!後で100倍にして返してやろうぞ!」ガッッ




 さて振り返ってみよう、マリオは鉄蛙の顎下を蹴り上げる為に飛び
その僅かに低い位置に同じくクッパが喉元から下に向かって裂くべく居る



 咄嗟の判断…っ! 歴戦であるが故の応用…っ!


 なによりも、好敵手<ライバル>であるが為に可能な阿吽の呼吸…っ!




 大魔王クッパは自身の甲羅の棘に触れるかどうかまで振り上げた両腕を
十字にクロスさせて頭の上に乗せる

 英雄マリオは…そのまま"クッパを踏み台にした"…ッ!!



 真冬にできる凍りついた水溜りをパリンっ!と踏み割る様に鍛えた脚で
自分の真下に居るクッパの頭部を――頭を護る様に交差した野太い両腕を

力強く下方向に向かって蹴落とす様に踏みつけたのだ…ッ!




 結果…っ!


 上から圧を加えられることによって急速落下していく覇者
 彼を踏み台にしたことで更に上昇していく英雄


 宛ら磁石の同極同士をくっつけた時に発生する反発力の如く…っ!
お互いが宙でそれぞれ上下に分かれて迫りくる破滅の光を回避したのだ!




  マムー「ぬぅぅ!?…サーカスのピエロかいなっ」チッ




「サーカスの曲芸はお嫌いかい?じゃあマジックショーなんてどうさ!」


431 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/26(日) 03:13:53.58 ID:NSZsnUVN0


 マムーの照準は好敵手を踏み台にした事で更に高く、それでいて一気に
距離を詰めてきたマリオに合わせられることは必然であった


 破壊光線の第二波までに掛かる時間ならギリギリ赤帽子を撃墜できた筈
頭部はマリオを凝視し、胴体部は当たるかどうか分からずとも
クッパへの牽制になれば良いと鉄槌で薙ぎ払う様に振るう




   そこで聞こえてきたのがもう一人の英雄の声だ




 マムー「!?」ハッ!



 ルイージ「無防備な頭を〜〜っ ダブルスレッジハンマーでドーン!」


――――ドガッシャァァァ




  マムー「 く" が っッッ!?」グワンッ




 プロレス技に置ける打撃技の一種、両手を組んで作った拳の鎚で
思いっ切り相手の頭部を殴打してやるハンマーパンチが炸裂する

 声の主は間違いなく"手応えありだった相手"…

いや確かに死んだかどうかまで確認はしていなかったが、ありえない
 マリオでさえクッパを踏み台にしたことで得た高高度を
自分を殴りつけてきた緑のヒゲはあっさりと得ていたのだ

 屑鉄帝王の背丈よりも遥かに高い制空権を獲得した英雄の弟に
殴りつけられたことによりマリオに向けていた筈の照準は外れ
赤紫色の破壊光線は虚しく地平線の彼方へと飛んでいく



 マリオ「上のお次は下からだぜ?忙しいだろう…なァア!!!」ヒュゴッ



 汚れ切った茶色の靴が下顎を撃ち抜く、自動車のボンネットが
潰れた時に聴こえる嫌な音が響いて鉄の蛙は天を見上げさせられる


 ウゲッ!!っと声を漏らして破壊光線射出装置と化した眼球が言葉通り
眼を回し、中央の瞳が渦を巻く


       ―――ザ ン ッ  ッッ ッッ



ギィギギギギッ…!メキキィィィーッ


 次いで聞こえたのは腹部から分厚い金属板を強引な力で引っぺがす音だ
視界がグルグル回る悪夢の帝王はまだ揺れる視界の中で腹の皮を一枚裂き
剛腕で剥がす亀族の覇王を見た…っ


  クッパ「ムッ?金属板の腹を破ってもまだ金属板があるのか…」

  クッパ「まるでタマネギの皮のようだな」グググッ!


  クッパ「フンッッッッ!!」


 鉄屑ボディをタマネギと吐き捨てて右ストレートを繰り出す
圧倒的な体格差にも関わらず、よろめき思わず二歩後退る鉄屑の帝王
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/26(日) 03:16:37.58 ID:NSZsnUVN0


  ルイージ「いってぇぇぇぇ…っ!」シュタッ



  ルイージ「くっそあの蛙、石頭…あっ、いや鉄頭か?」ヒリヒリ

  ルイージ「無駄に硬くなって帰って来やがって、あー!もうっ!!」



  マリオ「…"保険"を掛けていたとしても甘く見過ぎだ、気を付けろ」

  マリオ「【奴】はあの見た目に反してそこそこ早いからな」



  ルイージ「…わかってるよ、実際想像してたのより速かったからね」



 鉄蛙の鉄頭を思いっ切り両手で殴りつけた英雄の弟は
白いグローブ越しにヒリヒリと痛む手に息を吹きかけていた

主役は兄、二番手は大人しく囮や陽動のサポートに…と
手慣れた動きをしようと思えば想定外の鉄槌スイングが来たから驚きだ



  マリオ「お前なら、壊れた窓枠を拾うだろうと思って俺も拾ったが」

  マリオ「俺がもし窓枠を抱えながら走っていなければどうする気だ」


  ルイージ「なぁに、兄弟の絆を信じたまでさ」ヘヘッ!




   クッパ「お喋りしてる場合でもなかろう…」スクッ!

   クッパ「見ろ、ワガハイ達の攻撃を受けてもあの通りだ」





  マムーinカジオーボディー「……。」ヒュゥゥゥゥ…



 ほんの僅かにへこんだ後頭部と顎下にできた窪み、そして覇者によって
"文字通り皮一枚"の損傷…経験者2人は与えたダメージの少なさから
頑丈な肉体を得たマムーを一瞥して『そうだろうな』と思った



  マムー「ぐふ、ぐっふっふ…」



 ゴゴゴゴゴ…!





討ち滅ぼされた筈の異界の王、その形骸を依り代とし"夢魔"は大地に立つ





 マムー「ぬはははははっ!ええやないかっ!!ワイのボディーはァ!」





 黒鉄の巨人は心底愉快そうに笑い半狂乱気味に鉄槌を振り回す
ただ目の前の3人に当てるでもなく、軽い準備運動でもするように

その肉体が徐々に自分に馴染んでいくように…ッ!!
433 :今回ここまで [saga]:2020/07/26(日) 03:44:10.46 ID:NSZsnUVN0


 ルイージ「うっわ、そんなありかよ…」

  クッパ「!…これは厄介だな」



  マムー「何を驚いとんねん、ワイはマムー様や…」ニタァ…

  マムー「【夢世界】を支配する悪夢の王のマムー様なんやで!!!」



―――
――




 悪夢は現実となりて。



 胡蝶の夢という思想があり曰くソレは『夢と現実の区別がつかない』
そんな状況を表現した言葉だそうだ


 現在進行形で目の当たりにしている光景はそんな思想さえも上回る状況
幻夢が現実との間にある明確な境界線を飛び越え現世に干渉するのだから




  カジオーボディー『…グオオオオオオ!!』シュウウウウウゥゥゥ…!




  マリオ「オリジナルのカジオーも自己修復機能があったがな…」

  マリオ「形態変化もせずに、それも生身の人間みたいな治り方とは」



 英雄兄弟、大魔王が与えた傷はみるみる内に塞がった
頭部に出来た窪みも、切り裂いた腹部の装甲も…
カジオー本来が持つべき修復機能を遥かに上回る回復速度で
 血肉の通った有機生命体の擦り傷が細胞の力でどんどん治る様に…っ



  マムー「悪夢を実現させるのが夢世界の支配者や…」

  マムー「どや?タダでさえ頑丈な鋼の肉体が人間みたいに治る」

  マムー「どれだけ殴っても先が見えない、終わりの見えぬ"悪夢"」




マムー「現実で自由に活動できる肉体を得たからこそ夢から現実に…!」

マムー「悪夢の王たる力がなさしめる能力で干渉可能になったんや!」



  マムー「にしても…あんさん等」

  マムー「…ちぃっと見ん内におもろいことできる様になったやんけ」

  マムー「そっちの緑がどうやって助かったんかやっとわかったわ」



 ルイージ「…へへ、面白いマジックショーだっただろ」グッ


 あの時、クッパとマリオがマムー目掛けて飛翔した時…
確かに赤い英雄は"何かを抱えていた"…その何かというのは城の窓枠だ


 ルイージ「【あちこちウィンドウ】…種も仕掛けもありませんってね」

434 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 07:50:35.11 ID:fNbM6Bbt0
久々に来たな、そして新作も発売されたけどその新キャラたちは出演しないのかな
435 :>>434 折り紙さん世界は残念ですが今からの出演はちょっと… [saga]:2020/07/26(日) 21:48:59.11 ID:NSZsnUVN0


 マムー「はんっ!種がわかればどうってことのないトリックやな」

 マムー「ワイが手応えありと感じたんはあんさんの骨やなく窓枠や」


 マムー「そっちの赤い方が亀と跳んどった時に抱えてたブツを投げた」

 マムー「ワイの頭上より上空に投げられたブツ…窓枠から瞬間移動と」

 マムー「そないなとこやろ?」


 念のために用意していた"保険"…万が一にも避け切れないという事体に
なった場合は拾い上げた窓枠を【あちこちウィンドウ】として利用して
 そこからマリオが拾った方の窓枠へワープすることで緊急離脱
焔槌がぶち当たる頃には弟の姿は既に鋼鉄巨人の上に投じられた窓枠から
出てくるという寸法だ


 回避と同時にそのまま奇襲攻撃への流れを自然に持っていく
首が旋回して此方を見ることまで何もかも織り込み済みで
マリオも敵の死角となる後頭部側にルイージが現れる様に投げた



……とはいえ、本当にただの"保険"であって
  いつでも視覚外から仕掛けられる布石として撒く程度のつもりだった


 これほど早く使うことになるなど想定外だ




  マムー「惜しかったな〜?初見なら対応に困るやろけど」

  マムー「初見殺しは、一度見てしもうたら初見殺しやなくなるで?」




 手札を知られたのは確かで、更に3人の一斉攻撃でも
あれだけしかダメージを与えられなかった


 その癖カジオーの修復機能を圧倒的に上回る常時自動回復を見せつける
マムーの"悪夢の力"による回復力…っ!
 もう鉄屑帝王の肉体には外傷と呼べる物は無くなっていたッ!



  マムー「ぬはははっ!ワイは無敵の力を手に入れたんや!」

  マムー「目ぇかっぽじってよぉく見ときやぁぁぁ!」メキッ、メキッ



 ビキビキ…ベキョッ!

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!



 マリオ/ルイージ「「…!」」

 クッパ「なんなのだ…あやつらは…」




ぺきぺき…にょきっ!

うじゅる…うじゅる…!

ぼぉぉぉぉぉ…めらめら…っ!



 ルイージ「悪夢の王、ね…確かにこりゃあ名にふさわしいバケモンだ」

  マリオ「ああ…マムー軍総出でお出ましとはな」

436 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/26(日) 21:50:41.23 ID:NSZsnUVN0

 黒鉄の胴体、頭部に罅が入り内側から"何か"が出てきた…
卵から孵化した雛が嘴で殻を打ち破る様にソイツ等は姿を見せたのだ


 身体の両サイドから生えた甲殻類を思わせる計6本の節足と
肩部からメキメキと音を立てながら生えてきた
蟹の鋏を思わせる金属製のロボットアーム


 背部に円形状の穴が開いたかと思えばガス管に酷似した配管が数本出て
恐らく可燃性のガスと思われる気体を噴出
 それが勢いよく発火してマムーが大火を背負うかの様であった
背景にある夕陽と相まって神話に出る太陽を背負う王か何かだ


 最後にマムーの頭部を模した王冠付きの蛙頭の天辺から3つ
うじゅるうじゅると蠢きながらそれは伸びていた


蛇だ。

三又の蛇が牙を覗かせ、クッパには目もくれずに英雄兄弟を見て嗤う
何がおかしいのか、愉快そうに…お道化ながら彼等は口にした



 「ガーです、くくくっ」
 「プーですっ、へへへ!」
 「チョでーすっ、きひひっ」


 「「「皆合わせてガプチョでーすっ!ギャハハハハハハ!」」」



 人を喰ったような態度と底意地の悪そうな吊り上がった目元
金属のメカメカしい姿に変わっても尚健在で嘗てのマムー軍幹部は嗤った


  マリオ「三馬鹿蛇に蟹部分は【チョッキー】か、背部からの炎は…」

 ルイージ「【ヒーボーボー】だろうね」


 ブンッッッ!


 右腕の鉄槌による薙ぎ払いが飛んでくる


 シュバッ!シュバッ! ギュリィィィィン―――ッッ!


 胴体から伸びる鋼鉄の6本脚がそれぞれ鉄槍と化して迫って来る

 蟹鋏のアームがドリルじみた螺旋回転を加えて左右から振るわれる


 マムー「くたばれやぁぁぁぁぁぁ!!」ガッ、ビィィィッッ

 ガプチョ「「「そらそら」逃がしゃしねぇよ」喰っちまうぞ!」


 赤紫色の破壊光線がマムーヘッドの眼球から撃たれる

 三つ首の蛇がそれぞれ火炎・叩き潰し・毒牙を使って来る



 ドッッッ!!ベギャッ!ゴッガアアアアアアァァン!


 さしもの英雄達も手数の多さに舌を打った、付け根部分から直線状に
飛んでくる蟹足の槍を躱しながら本体を叩きに向かう兄弟、その進路を
潰す様に三つ首蛇の中央が鉄の身体で圧し殺そうと身を振り
 赤と緑が左右に分かれて跳ぶと赤に目掛けて破壊光線と火炎弾の雨が
緑側には執拗に追尾して毒液を滴らせる牙を剥ける蛇頭がそれぞれ向かう

 英雄兄弟<マリオ・ブラザーズ>と比べて素早さが若干足りていない覇王は
横薙ぎの焔槌を屈むことで紙一重に回避するも
 ドリル回転の鋏が両サイドから挟み込む様に攻めて来る、自慢の剛腕で
それを受けきり回転を止めるまでに至るのだがマリオ目掛けて撃たれた
破壊光線がそのまま城の屋根伝いを焼きながらクッパの元へやって来る
437 :短いけどここまで [saga]:2020/07/26(日) 23:14:45.75 ID:NSZsnUVN0


  クッパ「おのれ、止むを得んかっ!」バッ!シュバッ!


 回転を止めた蟹鋏くらいはそのまま腕力でへし折ってやりたかったが
眼先に迫った赤紫色の光のカーテンに呑まれるわけには行かない

 ガッシリと掴んでいた両手を放してチョッキーの腕を解放し
その場を飛び退く、破壊光線の光に今しがた立っていたピーチ城の屋根が
灼かれたのは直ぐのことであった


―――
――



  ルイージ「しつこいんだよっ!この蛇頭!」

   「うひゃひゃ誉め言葉だぜ!そして余所見してる場合か〜?」


  ルイージ「うげげっ!?」

   「前からどうもこんにちはってなァ!!」


 追尾してくる頭部とは別でさっき自分達を叩き潰そうとした頭が
前方から突っ込んでくる、前門は蛇、後門も蛇と来たモンだ…ッ!

 噛み砕かんとする相手の動きを見切り踏みつけても後ろは未だ
追い続けて、そうこうしてる内にまたもう一体が態勢を整える
 一向にマムー本体への攻撃が加えられない…っ!


―――
――


  ボォッ! ボォッ!

  火炎弾『』ボォォォォ!!


  マリオ「ふゥっ!はっ!でやぁぁぁ!」タンッ、タタンッ、シュタッ


  「ちょこまか動いてんじゃねーよ!!!」ボォォォ
  マムー「いい加減に墜ちろぉぉぉ!!」ビィィィィーッ


  マリオ「遅い…っ!そして貰った!」サッ!ググググ…!
  マムー「甘いわ!」


―――――ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


  マリオ「うっ、ぐわあああああぁぁっ」ジュウウウッ


 マムー「只単に死角となる背中を護るだけやと思うたか!」

 マムー「背部のヒーボーボーは前含む全面防御範囲やわかったか!?」



  マリオ「〜〜っ!」スタッ

  ルイージ「兄さんっ!」タッタッタッ…!


 マリオ「クッパの火炎ブレス並の火力とはやるじゃねぇかよ…」

 マリオ「背面攻撃が炎壁で防がれたから今度は正面と思ったらコレか」


 瞬時に受けたダメージを回復する常時自動回復機能、頑丈な肉体
攻撃を仕掛けようとする者を焼こうとするカウンター
 更にあまりにも多すぎる手数と重火力


 認めたくはない…が、認めざるを得ない、攻守共にヤツは完璧だ
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 19:13:08.48 ID:FOXeWnn/0
乙 更新嬉しい
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/08/15(土) 01:41:37.06 ID:4puVGhdTO
生きとったんかワレェ!
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2020/08/26(水) 21:20:35.45 ID:CWDFpndXO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
Switch/マリオカート8DX
『マリオカート8DX 初プレイ』
(20:54〜放送開始)



https://youtube.com/watch?v=1FaYtD5GktM
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2020/08/29(土) 18:00:25.25 ID:Mj5S3xsSO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive

高難易度ステージ集
VIPマリオ『スーパーマリオメーカー2』編

『マリメ2で視聴者が作ったマリオをプレイする』
(15:20〜放送開始)



https://youtube.com/watch?v=RPqSnJez-YI
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2020/08/31(月) 22:15:51.94 ID:gQtpT5CLO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive

視聴者作成『マリオメーカー2』
VIPマリオ風鬼畜ステージ集
『スーパーUNKマリオワールド』配信

【難易度★★★★★
W6-5:マグマグタワーから】

『マリメ2で視聴者が作ったマリオをプレイする
その5』
(15:00〜放送開始)

https://youtu.be/RPqSnJez-YI
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2020/09/04(金) 21:11:46.64 ID:uIyc9Vg4O
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
視聴者作成『マリオメーカー2』鬼畜ステージ集

『スーパーUNKマリオワールド』#6
W6-5『マグマグタワー』から


『マリメ2で
視聴者が作ったマリオをプレイする。その6』
(19:28〜放送開始)


https://youtu.be/8Ch4X1AeEn0
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/28(月) 23:28:42.49 ID:m8Q92RCH0
二ヶ月か...
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2020/10/27(火) 22:00:54.73 ID:Ijl4GkqOO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
Switch:マリオバトロワ
『スーパーマリオブラザーズ35をやる。』
(21:47〜放送開始)


https://youtube.com/watch?v=JBcieuNyPbg
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/14(土) 20:10:40.14 ID:o5aVMK1iO
447 : 【だん吉】 [sage]:2021/01/01(金) 22:17:17.89 ID:RHDPSjF20
今年は完結するだろうか...
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2022/10/23(日) 16:08:24.41 ID:t6ZkyUL0o
『3Dマリオ/スーパーマリオオデッセイ
ストーリーを楽しむ。Part1』
(15:10〜放送開始)

https://www.youtube.com/watch?v=hI5R1Dn_Ob4
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2023/08/19(土) 14:09:59.43 ID:xbF5MV9fo
■夏のつべら第6弾
『視聴者が創りしUNKマリオ2 完全攻略放送』
▽マリオメーカー2/創作ステージ
「SUPER MARIO 2 UNK WORLD」
1-1『デコボコへいげん』〜8-4『最終決戦』
36時間放送(12:00〜)

https://youtu.be/RxQf-J8qGKw

1以降の配信

https://youtube.com/@junchannel
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2023/08/30(水) 21:40:47.19 ID:WE3qa/rDo
『さよなら、UNKマリオ2。
エクストラタワー攻略12時間チャレンジ』
※配信終了後に消滅
▽スーパーマリオメーカー2
(17:59〜)

https://youtu.be/kFIOowUdAX4
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [age]:2023/10/26(木) 19:49:50.41 ID:Tvr0VlH+O
『UNKマリオ2完全制覇者が新作マリオを嗜む』
▽Switch/2Dマリオ
スーパーマリオブラザーズ・ワンダー
(18:54〜)

https://www.twitch.tv/kato_junichi0817
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2024/03/01(金) 00:20:52.44 ID:FH7UJJEz0
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