都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13

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4 :単発  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2017/06/05(月) 11:13:55.33 ID:fQci9Mfz0
ここはとある料理教室
女子高生から主婦、嫁入り前からお婆ちゃんまで、殆ど女性だが老若は様々
包丁の音や煮えた音、幾つもの音が飛び交う中、練り歩くのは美しい黒髪の女性
どうやら、この料理教室の先生のようだ

「はい、繰り返しますね皆さん
 今日のテーマは“夏”です
 冷たいもの、逆に熱いものでも構いません
 夏の食卓を彩る素晴らしい料理を考えてください」
「せ、先生! 出来ました!」
「えーホントにこれで良いの?」
「良いから良いから」

そう言って手を挙げたのは、学校帰りだろうか、女子高生2人組
片方は自信満々だが、もう片方はやや自身がなさそう、というよりげんなりしているようだった

「あらあら、元気ですね。どんな料理ですか?」
「はい! カキ氷にかき揚げを乗せてみました!」
「……えっと先生、この子ちょっとおバカなんです」
「ちょっとそれどういう意味!?」
「うふふ、発想は凄く素敵ですね
 シロップの代わりに天つゆをかけてるのも芸が細かいです」
「ほら見て、評価されちゃったよ!」
「でもこれだと“食べ合わせ”が悪いですね」
「「え?」」
「温かい天ぷら、体を冷やすカキ氷
 一緒に食べると胃がビックリしてあまり良くないんですよ」
「そ、そんなぁ」
「凄くクールに否定されてる…」
「その盛り付けは面白いので、氷の代わりに何か使ってみると良いと思います
 大根おろしなんて、カキ氷っぽいと思いませんか?」
「なるほど、天ぷらにも合う! 大根おろし作る!」
「うふふ、頑張って下さい」
「あ、あの…」

恥ずかし気に手を挙げるのは、若い女性だった
左手の薬指に輝く指輪を見るに、結婚したての新妻といったところか

「あらごめんなさい、そちらも出来ましたか?」
「は、はい…トマトやキュウリ、オクラを使った夏野菜のサラダなんですけど…」
「ん、すごく綺麗ですね、とてもいい盛り付け方です!
 それにトマトとキュウリは、どちらも体を冷やす作用があるので夏にはピッタリなんです」
「あ…ありがとうございます」
「でも、これも覚えておいて下さい
 トマトとキュウリ、よく見る組み合わせですが、そのままだと意外に相性が悪いんです」
「えっ…それも、さっきの“食べ合わせ”?」
「「トマトとキュウリも!?」」

“食べ合わせ”というワードを耳に挟んだ女子高生2人が、大根を片手に割り込んできた
うふふ、と“先生”と呼ばれる女性は笑う

「トマトはビタミンCが多く含まれてます
 ビタミンCは癌や脳卒中、心臓疾患など、様々な重い病気を抑えてくれる重要な栄養分です
 しかし、キュウリにアスコルピナーゼは、この大事なビタミンCを壊してしまいます
 その大根も、ビタミンCが多いからキュウリとは相性が悪いですね
 ちなみに、人参もキュウリと同じアスコルピナーゼを含んでいます
 死んでしまうような重大なことではないけれど、折角ならちゃんと摂っておきたいですよね」
「う、うーん……キュウリではなく、何かに変えた方が良いんでしょうか」
「いえ、実は一手間加えるだけで良いんです
 アスコルピナーゼは熱と酸に弱い」

ひょいひょい、と“先生”はお酢とオリーブオイルを取り、
簡単なドレッシングを作り上げ、そのサラダに振りまいた

「こうすれば、ビタミンCも効率よく摂れますし、美味しく頂けるかと思いますよ?」
「「「……お、美味しい」」」
「あら、これでは私が作ったみたいですね;」
「でも、“食べ合わせ”が悪いものって結構あるんですね」
「そうですね、中には一生出会わない組み合わせもありますけど
 一番気をつけた方が良いのは、ドリアンとビールですね」
「ドリアン…テレビでしか見たことない」
「私達はまだビール飲めないけど…どうなっちゃうんですか?」
「ふふ、死にます♪」
「「「えー!?」」」
「まぁ、そうやって色んな“食べ合わせ”を知って気をつけていけば、
 料理はますます面白く、そして美味しくなっていきますよ
 さて、他の皆さんは出来ましたか?」
5 :単発  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2017/06/05(月) 11:14:33.39 ID:fQci9Mfz0


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――――――





――









数時間後
料理教室が終わり、女性は帰路についていた

「うふふ、皆さん今日も美味くできていましたね……あら?」

ふと目の前に注目する
いつの間にいたのだろうか、それともふっと突然現れたのだろうか
黒く長い乱れ髪、赤いコート、大きなマスク
そして、目元しか分からないが、それは美しい顔立ちに見えた

「……私って、綺麗?」
「そうですね、綺麗だと思いますよ」
「…これでもぉ?」

マスクを剥ぎ取れば露になる、耳まで裂けた口の醜い顔
学校町恒例の「口裂け女」である

「あらあら、随分久しぶりに出会ってしまいましたね」
「お前の顔も同じにしてやる!!」
「まぁ慌てないで下さい、何かお食事なさいませんか?」
「は?」
「ちょっと待ってて下さいね、えっとお鍋と包丁、ザルとガスコンロ、テーブル」
「ちょっと待てそれどこから出してんの」
「はい、お待たせしました♪ 糸こんにゃくとキュウリの酢の物です
 持ち合わせがなくてこれくらいしか作れませんでしたが…どうぞ、お召し上がりください」

「口裂け女」は盛り付けられた小鉢と箸を押し付けられ、
しぶしぶ、箸をつけ、口に運ぶ

「……ん、美味い」
「うふふ、喜んでいただけて何よりです」
「なんかこう、さっぱり、し、て……」

からん、から、
小鉢と箸が「口裂け女」の手を離れて落ちる
喉を、胸を抑え、崩れ落ちる「口裂け女」
何が起こったのか分からない
まさか

「……こんにゃくとキュウリは、古くより“食べ合わせ”が悪いとされていました」

毒を……盛られた……!?

「でも、何故そう伝えられていたのか、根拠が分からないんです
 昔からあったんですね…そういう都市伝説が」
「ぐ……ぁ……く、そ…女ぁ………」
「うふふ、こう見えて私、男なんですよ」



   ...end
6 :影  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2017/06/05(月) 11:25:11.57 ID:fQci9Mfz0
新スレあげてから全くこれなかったという
そして料理できないのに料理教室の先生を書いてみたテスト

前スレの方々乙です
スレタイなんて気にしない! 最近スレタイ無視してる変態がいるからな!(俺
次世代ーズの人も一バトル起きそうだぜヒャッハー! 戦闘最高!(←戦闘に飢えてる
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