【マギレコ】いろは「好感度測定のウワサ……?」【コンマ】

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191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/11(木) 22:19:50.34 ID:engSIxj8O
まだかな…本編のやちよさんはこんなに積極的なのに…
https://i.imgur.com/ODmUHdS.jpg
192 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/02/13(火) 01:56:45.73 ID:vwZ+Csro0
いろは「……はっ?」

 期待を込めてれんちゃんを見ていると、それは起こった。
 れんちゃんの頭上に見えていた数字が突如輝いて――数値が変わったのだ。
 つまり、好感度が変わった。
 加えて彼女の新たな好感度の近くにはまた一言コーナーが。

 えっと、好感度……114!?
 一言コーナーもそれっぽい感じに……。ど、どうして?

『あら、初めてね。遅かったじゃない』

 戸惑う私の頭に響く声。女の子の姿をしたウワサの声だ。楽しそうに笑みを零している。

『あなたの対応によって好感度が変わる……当たり前のこと。驚くものでもないわ』

 それはそうだけど、これって上がりすぎじゃ……。心を操ったり――

『しないから安心なさい。全てが真実よ』

 ……。信じていいのかな。
 ――けど、今までもなんだかんだと嘘はなかったしそこまでおかしな心変わりもない。
 苦手から恋愛感情くらいにレベルアップ――女の子同士じゃなかったら少しは信用できたのに。

いろは「……」

 小さく息を吐き、私は再びれんちゃんの頭の上を見る。今度は好感度が上がった理由を聞いてみよう。これで不自然じゃなかったら、認めるしかないだろう。

『いろはちゃん……私に気を遣ってくれて、それだけでも申し訳なかったのに』

『面と向かって仲良くなりたいだなんて、私には言えない』

『……やっと分かったような気がする。私はこの真っ直ぐさに憧れていたのかもしれない。控えめだけど自分をしっかり持ってて、素直に気持ちを伝えてくれる』

『梨花ちゃんがいろはちゃんを好きなのも今なら分かる。私も今、いろはちゃんを見てると女の子同士なのにドキドキしちゃうから』

『見た目も心も綺麗で、それに……さっき、すごくかっこよくて。こんなこと思ったの初めて――かも』
193 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/02/13(火) 01:57:49.30 ID:vwZ+Csro0

 ……。
 ど、どうしよう。筋は通ってるけど、到底信じられないというか……。

いろは「……」ウーム

れん「……聞こえ、ました?」

いろは「えっ!?」

 真実か嘘か。頭を悩ませていると、れんちゃんから先に口を開いた。
 ……そうだ。彼女は事情を知ってる子。ぼんやり頭上を見て悩んでいては丸分かりだろう。こうなったら誤魔化せないよね。

いろは「……うん。ちょっとびっくりしたけど、嬉しいかな。私のこと好いてくれて」

れん「そ、そう、ですか……」

 顔を赤くさせて、あたふたした様子で前髪に触れるれんちゃん。いつもより落ち着きがなく、時折少しだけだけど悲しげな顔をする。
 梨花ちゃんのことが気にかかっているのかもしれない。梨花ちゃんが先に私へ告白したのだから。

れん「こんな、形ですけど……本当です……はい」

いろは「う、うん」

 ……うぅ、この面と向かっての告白は中々慣れないなぁ。複雑を通り越して歪な状況が出来上がり始めてるのに、どこか浮ついたような気持ちになってしまう。

いろは「その……私は――」

 ひとまず先延ばしにしてもらおう。判断するにはまだまだ整理が必要だ。
 そう思い口を開いた私はれんちゃんの後ろ、棚の後ろからひょっこり顔を出している人物に気づいた。39という数字が嫌でも目についてしまう。……そう。知り合いの魔法少女だ。

 学校が休みなのにきっちり制服を着ていて……流石お嬢様な学校なだけはあるなんて感心してしまう。驚いた私は、無意識に彼女の好感度の理由を聞こうと思ってしまうのだけど……


↓1 ロマンチック気味な二人の光景を目撃した明日香の好感度 39(ちょっと苦手)の理由

194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 02:19:12.18 ID:LeGJVts+o
いろはの前で持ちネタの「自害します!」を言うと凄く怒るから
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 21:08:02.35 ID:Cn99wzkyo
くぅ〜!
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 13:06:53.03 ID:BXOf1Nn9o
再開してた!期待
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 15:03:27.08 ID:vBU+S/6mo
舞ってる
198 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/05/04(金) 19:20:28.41 ID:rwV/4AZZO
【アリナ先輩引けなくて破産しかねないから離れてたの。遅れてしまって、めんご!】



明日香『いろはさん……最近ご一緒に戦うことが多い魔法少女ですね。他の方たちとも仲良くて――

明日香『優しくてとても良い方なのですが……少し苦手な点が』

 あれ? 私、彼女――明日香さんの理由聞こうとしちゃってた?
 頭に響いてくる声に驚く私だけど、もうこうなったら止める術が分からない。せめてしっかり聞こう。好感度的には苦手に思われてるんだろうけれど。
 でも明日香さんに何で嫌われちゃってるのかな? 明日香さんいい人で行動力もあって、私結構好きなのに。

明日香『私の……』

 ……私の?

明日香『私の持ちネ――自害しますを本気で怒ってくるところが申し訳なくて申し訳なくて……っ!』

 な、なるほど……。確かに何回か怒ったような……? というか持ちネタとか言いかけなかった?

199 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/05/04(金) 19:21:06.44 ID:rwV/4AZZO

 〜回想〜


 私が最初に怒っちゃった時。それは確か、明日香さんとささらさんの二人とも協力関係を結んだちょっと後だったような。

 公園でたまたま見つけた結界の中に入り、その中で既に戦っていた二人と協力をして使い魔を討伐。結界が消えた直後のことだ。

いろは「――ふぅ。終わりましたね。何もなくて良かったぁ」

ささら「おつかれ、いろはちゃん。怪我は大丈夫?」

いろは「は、はい。少し痛みますけど大丈夫です。それより明日香さん、さっきはすみま――」

明日香「いろはさん!」ガバーッ

いろは「え? あ、明日香さん!? どうしたんですか、土下座して……」

 魔女は倒していないものの、あの結界内の使い魔は全て倒した。これで被害者は少なくとも減るだろうと安堵した刹那に、明日香さんがスライディング気味に土下座してきた。
 戸惑う私へ、明日香さんは潤んだ目で顔を上げ、
 
明日香「先程は攻撃の軌道に入ってしまい、すみません! そのせいでお二人に怪我を――」

いろは「あ、あはは。大袈裟ですよ。私の方こそ明日香さんの背中に思い切り撃ち込んじゃいましたし……すみません」

 実際、あれは私の愚策だった。あそこで撃って、当たっていれば何事もなく終わっていたのだけどリスクが大きすぎた。
 前に出ていた明日香さんのすぐ近くの敵へ援護射撃。明日香さんから私やささらさんへ攻撃対象が移る前に討伐。
 選択肢には入る高リターンな作戦ではあったものの、それは失敗するであろう難易度を度外視した決断で。
 結果、撃った瞬間に横へ移動し射線へ入ってしまった明日香さんの背中に矢がクリーンヒット。刺さるものではなく炸裂するタイプだったから重傷にはなり難いけど、多分すごく痛かっただろう。
 悶絶する明日香さんを飛び越え、使い魔は私やささらさんの元へ。そして乱戦。なんとか乗り越えて現在、というわけだ。
 明らかに格下だったからよかったけど、これがもっと強い敵だったらどうなるか。前衛中衛後衛ごちゃまぜの乱戦がどれだけ危険なことか。
200 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/05/04(金) 19:21:52.65 ID:rwV/4AZZO
明日香「いえ! あそこで私が怯まず、敵を押さえていれば……」

いろは「いや、それは流石に……全力で撃っちゃいましたから」

明日香「ですが不用意に動いたのは私です! 少なくとも私が動かずに、後ろのいろはさんを気にしていればこんなことには」

いろは「だ、だからっ。掛け声もなしに危ないところに撃っちゃった私の方が悪」

明日香「ですから、責任をとって自害します!」

いろは「い――えっ!?」

 急に立ち上がり、明日香さんがそんなことを大声で宣言する。自害。自分で自分を殺めること。
 私が全体的に悪いのにそれを責めず、自分が悪いと思い込み自害すらしようとする。この時、付き合いの浅かった私は明日香さんが思い込みで突っ走って、責任感の強さ故に口癖的に自害するという言葉を使うことを全く知らなかった。
 だからここで宥めて私も悪いのだとしっかり言い聞かせてあげれば良かったんだけど……。

いろは「や、やめてください! どうしてそんなことするんですか! 悪いのは私なのに!」

 ――怒っちゃった。
 私が悪いって言ってて、謝ろうとしても聞いてくれなくて、果ては自害するなんて言い出すから、すごく惨めな気分になっちゃって。
 明日香さんにそんな気はないのは分かるけど、失敗したことを遠回しに強調する皮肉みたいにも聞こえて。

 振り返ると、大人げなかったなぁと思う。

明日香「で、ですが、私が未熟なせいで……」

いろは「それ以上に私が未熟で、判断ミスしたんです! 迷惑かけたのは私なんです! だから自害なんてしないでください!」

明日香「うぅ……ですけど」

いろは「い い ん で す ! 迷惑かけてごめんなさい!」

明日香「ひっ。いえ……こちらこそ……」

ささら「なにこれ……」

 謝る側が怒って、謝られる側が縮こまる。奇妙な光景にささらさんが苦笑した。
201 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/05/04(金) 19:22:37.32 ID:rwV/4AZZO

明日香「で、ですが、私が未熟なせいで……」

いろは「それ以上に私が未熟で、判断ミスしたんです! 迷惑かけたのは私なんです! だから自害なんてしないでください!」

明日香「うぅ……ですけど」

いろは「い い ん で す ! 迷惑かけてごめんなさい!」

明日香「ひっ。いえ……こちらこそ……」

ささら「なにこれ……」

 謝る側が怒って、謝られる側が縮こまる。奇妙な光景にささらさんが苦笑した。


 と、いうのが一回目。
 普段なら軽めに宥めても止まるんだけど、命がかかっていた場面。明日香さんも引き下がらなくて、私も私が悪いと思っていて。結果、すごく揉めちゃった。
 あの後も何回かこういうことがあって……。


明日香「じ、自害しますー!」

いろは「あ、あの自害は止め――」

明日香「私の失態の責任を取りま」

いろは「やめてくださいって言ってるでしょ!? どうしてそんなこと言うんですか!」クワッ

明日香「ひぇっ!? ご、ごめんなさい!」

 ――とか。つい自害っていう言葉に反応して真面目に叱りつけちゃうから、あの明日香さんが怯え気味である。
 でもやっぱり、自害とか言ってほしくないよね……。

202 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/05/04(金) 19:23:10.10 ID:rwV/4AZZO
 ……と。こんな感じで回想終わり。
 好感度の理由も納得だ。あんな理不尽に怒られて、申し訳ないなんて思ってくれる辺り明日香さんの人柄の良さが窺える。

明日香「じー……」

いろは「あ、あの……明日香さん?」

明日香「はっ!? 気付かれた!?」

 好感度がチラついて、れんちゃんと話している気にはなれなかった。このまま私とれんちゃんが好きだとか嫌いだとか好感度だとか話していたら、またすごく誤解されそうだし……。

いろは「えっと、ごめんなさい。お店の中でこんな目立つこと……」

明日香「ぁ、いえっ! つい見てしまったのは私ですから! お二人の邪魔をしてしまって、この責任は――」

いろは「……」ニコッ

明日香「な、なんでもありません!」

 ……まだ怖がられていそう。
 つい自然に笑顔で威圧しちゃった私も私だけど。

れん「……」

 さてどうしよう。そんなことをのんびり考えながら明日香さんから、れんちゃんへ視線を移す。
 れんちゃんは――


↓1 コンマ判定
  01〜40 のほほん
  41〜80 やや嫉妬
  81〜100 暴走?
203 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/05/04(金) 19:25:03.43 ID:rwV/4AZZO
文章ダブった部分が……申し訳ないです
コンマはここから↓1で
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 20:06:18.86 ID:NBJ4sZ5yO
どうだ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 22:12:59.56 ID:V1nJvvva0
ヤベーイ!
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 12:20:34.65 ID:8wjhjTygO
修羅場レコードすぎる…
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 19:38:21.09 ID:HY07TBuF0
愛に生きる女れんぱす
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/31(木) 11:13:06.15 ID:ltizdAm9O
ウワサ鶴乃実装されるけど鶴乃→いろは←ウワ鶴って状況にはならないんです?
209 : ◆Kij4Tqc12U [sage saga]:2018/06/14(木) 08:11:02.84 ID:hZ9Lj7nm0

 86 暴走
 【れんちゃんストーリー進行】


れん「……」

 ――あ、あれっ?
 さっきまでなんともなかったのに何故だかすごく暗い雰囲気。
 ジーッと私のことを見つめて微動だにしない。

いろは「れ、れんちゃん? どうしたの?」

れん「……いろはさん。告白した、私のこと放って置いて……どうしてですか?」ガシッ

いろは「ふぁっ!?」

 なにやら不穏な空気を感じとった私。様子を窺うように声をかけると、彼女の腕が私の肩に伸びてきた。
 片手で右肩を信じられないほどの力で握る彼女。
 まるで幽霊みたいな重たいトーンでれんちゃんは囁き、光のない目を向けてゆっくり顔を近づけてくる。
 こ、怖い……。実際悪いの私だから否定できないし。

いろは「ごめんなさい! でもお店の中だし、明日香さん見てたし……」

れん「また、他の女の人の話……。そういうのダメ、だと思います……はい」ギュウウ

いろは「え、うん気をつけ――ぁイタたたたた!」

 肩にかかる力が強まる。制服に皺が、と思ったのは一瞬のことで、すぐ痛みと恐怖で頭の外へ吹っ飛んだ。片手なのにまるで振り払える気がしない。
210 : ◆Kij4Tqc12U [sage saga]:2018/06/14(木) 08:11:30.24 ID:hZ9Lj7nm0
明日香「れんさんっ、いろはさんっ!」

いろは「あ、明日香さん……」

 確実によからぬことが起きそうになっている。急な危機に目を白黒させていると、唖然としていた明日香さんが意を決した様子で口を開く。
 そ、そうだ。明日香さんもいたんだ。助けてくれそうだし頼りになるけど……好感度39。前に助けてくれたレナちゃんがももこさんに釣られるように暴走してたし、頼っていいのか微妙な線だ。
 でも一人じゃ逃げられそうにない。それに明日香さんなら、という気持ちもあった。誰よりも真っ直ぐで誠実であろうとする彼女ならば、私のことも好感度関係なく助けてく――

明日香「ふ、ふしだらな行為は店外でお願いします!」

いろは「これのどこがそう見えるんですかっ!?」

 ――そうだった。明日香さん、かなりそそっかしいんだった。
 頬を赤らめて叫ぶ明日香さんへ、私は必死に突っ込んだ。

れん「これから……そうなり、ます。はい」

 れんちゃんはれんちゃんですごいこと言ってる!
 なのにドキドキどころかメキメキ言いかねない握力を私に込めてくるのはどうなのだろう。
 言動はともかく行動は暴走していると見て間違いない。前は低い好感度の二人に殺されかけたけど、今は高好感度のれんちゃんに拘束されてしまっている。
 ウワサの説明から考えて……ど、どうしよう。明日香さんの言うようなピンク色なことになるか、愛しさ余って憎さ百倍みたいな血みどろ展開しか想像できない。
 で、現在はれんちゃんの言動から前者の可能性が高くて、行動は後者。どちらに転ぶにせよ私には損しかないし、ここは逃げたい……。
211 : ◆Kij4Tqc12U [sage saga]:2018/06/14(木) 08:12:06.00 ID:hZ9Lj7nm0

いろは「れ、れんちゃん、痛いからっ。正気に戻って?」

れん「……」ジー

 明日香さんの言葉に反応するなら、私の言うことを聞き入れてくれるかもしれない。一縷の望みをかけて再度訴えかけると、れんちゃんが私のことを見つめてずいっと顔を近づけてきた。
 腕の力が弱まってホッと安堵する暇もない。れんちゃんの整った顔立ちが息がかかりそうな距離に。驚いて後退りしそうになる私を、彼女は更に一歩前へ出て抱き締める。
 両肩ではなく今度は身体を拘束。痛くはないしふわふわと柔らかくて、いい匂いがして無性に落ち着いてしまう自分がいるけど――

れん「いろはさん……」サワッ

いろは「ひっ……!?」ビクッ

 お、お尻触られるのはちょっと……。
 感じたことのない感覚に戸惑い、驚きの声を短く上げる私。れんちゃんはそんな私の顔を間近で眺め、ちょっと嬉しそうなご様子。
 自分では嫌がってるつもりだけど、その様子が良かったり……?

 って、そんなこと考えてる場合じゃない! れんちゃんのためにも早く離れないと!

いろは「れんちゃ、ん――ちょっと、くすぐったいから止め」

れん「……かわいい、です。いろはさん。はい」

いろは「んんっ、耳元で囁かないで……っ」

れん「いろはさんも……満更で」

明日香「た、たあああ!」ブンッ

れん「はぶっ!?」ドンガラガッシャーン

 いきなりの大きな音と衝撃。身体の拘束が解けた私はその場にへたりこんだ。
212 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/06/14(木) 08:13:25.34 ID:hZ9Lj7nm0
いろは「……あ、ありがとうございます明日香さん」

明日香「へっ!? ああっ!? わ、私、れんさんの行動につい! 申し訳ありません!」

 よっぽど見てられなかったのだろう。顔を真っ赤に赤面させた明日香さんが魔法少女の姿を解除。目を回して倒れたれんちゃんにぺこぺこと頭を下げている。
 あ、危なかったぁ……。あのまま流されちゃいそうだったよ……。
 ……私、女の子に興味あるのかな。

 一度深呼吸。落ち着いて周囲を見ると、周囲がちょっと明るくなったような気が。結界が広がっていたみたいで、周りのお客さんは全然こちらを気にしていない。長物で女の子がぶっ叩かれて昏倒したのに。
 良かった。一連のれんちゃんの奇行が公にならなくて。

いろは「明日香さん」

明日香「は、はいっ! この責任は――」

いろは「だ、大丈夫です! 私もれんちゃんも感謝してますから」

明日香「様子がおかしかったのは、分かりましたけど……いきなり頭を殴りつけられて、ですか?」

いろは「あはは、そこは色々と事情があって……」

 まあ頭を叩いて叩かれた本人から感謝されるのは奇妙でしかないよね。奇妙でしかないけど、れんちゃん絶対安心してると思う。普段の彼女からしたら恥ずかしいだろうし。満更でもじゃない、とか言ってお尻撫で回すなんて。おじさんじみてる。
213 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/06/14(木) 08:14:05.80 ID:hZ9Lj7nm0
いろは「後で説明しますから、れんちゃん頼んでも大丈夫ですか?」

明日香「は、はぁ。ご迷惑をおかけしましたし、勿論。ですがいろはさんはどこかへ?」

いろは「これもまた事情の一つなんですけど、れんちゃんの暴走は私が近くにいるから起きたんです。だから一旦離れておこうかなと思って」

明日香「……大変そうですね」

いろは「はい……すごく……」

 苦笑する明日香さんへ、私は肩を落として頷いた。
 大変だけど、自分が原因で巻き込まれたこと。今はとにかく落ち着くまで距離をとらないと。
 明日香さんがれんちゃんを抱える。それを手伝う最中、私はふと思い出した。

いろは「……お揃いのペン」

 それどろじゃなくなっちゃって、すっかり忘れてた。お詫びの意味も込めて買っておこうかな。

明日香「では、私は近くのベンチに連れて――」

いろは「明日香さん、ちょっと待っててください」

 言って、私はボールペンを二本手に取ると小走りでレジへと向かった。


 高い好感度の暴走。
 同性の友達に身体を触られて、その先も――なんてことも起こりうるのに、嫌だという気持ちはなかった。
 むしろあの時、私はドキドキしちゃって……私もれんちゃんが好きってことなのかな?
 もう一回、ちゃんと考えておかないと。



【遅れました。メインのストーリーか進んで、いつの間にか呼称が変わってたりするやも】




↓1 店を出たいろはが会った魔法少女(登場済の子でも、そうでない子でも)
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 09:26:01.65 ID:FsNeAbMRo
アリサ
215 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/06/14(木) 12:45:47.81 ID:hZ9Lj7nm0

 【申し訳ないですが、ルールを変えておきます。他原作とのコラボキャラはあまり知識がなく、うまく書けないと思うので再安価でお願いします

 今回はマギレコのオリジナル魔法少女と、まどかマギカの魔法少女で書いていこうかと。後出しで申し訳ないです】

 ↓1 人物指定再安価です
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 12:57:15.51 ID:1yn9mEeOO
かりん
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 18:01:00.42 ID:FsNeAbMRo
アリナと間違えちゃったすまん
218 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/06/17(日) 08:45:45.99 ID:iiDXKZ6M0

【では、かりんとアリナで行きます】


いろは「……ふぅ。何も起こらなくてよかった」

 ペンを買って、それを明日香さんに預けた私はお店を出て、ひとまず家へ帰ることにする。今日は休日だし疲れることだらけだし、休んでおきたかった。

いろは「部屋でごろごろしたい……」

 嗚呼、ベッドが私を待っている……。

???「アーリーナーせーんーぱーい!」

???「――だから、シャラップって言ってるのが聞こえないワケ?」

いろは「ア、アリナ……?」

 まさか。
 突然お店の横辺りから聞こえてきた声と、覚えのある口調に私はピクッと反応する。
 見れば店の横、裏路地へと入る道へ続く曲がり角からどこかの制服らしいものを着た女の子の姿がチラチラと見えていた。
 あれは……どこの学校なんだろう? 見たことがあるような。

いろは「……いや、それよりも……」

 制服よりも、問題はあの長い黄緑色の髪。
 ……強く記憶に刻み込まれているからか、見た瞬間間違いないと本能的に確信を得た。
 怖い。怖いけど、人前。堂々と襲ってくることはない――よね?
 ちょこちょこと足を進め、遠回りめに路地が見える位置へ移動。
219 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/06/17(日) 08:46:26.84 ID:iiDXKZ6M0
アリナ「アリナは重要なミッション中なの。フールガールはお呼びじゃないカラ」

かりん「えーっ、ひどいの。せっかくのお休みの日なのに」

 ……や、やっぱり。
 アリナさんだ。
 一緒にいるのはかりんちゃん。杏子ちゃんとはまた違うタイプで一匹狼な魔法少女で、頼れば助けてくれるけど誰かとチームを組んでるところは見たことがない。
 ……アリナさんは言わずもがな。マギウスの一人でみんなに悪事を働く……よく分からない人だ。ただ、唐突に怒りだしたり趣味や趣向が危ない人だなぁとは思う。暢気な感想に聞こえるかもしれないけど、とにかく悪い人なのだという印象しかない。
 かりんちゃん、アリナさんと仲いいのかな……。思い返せばクールな先輩がどうとか言ってたような。
 私の中にはニヤニヤ笑いを浮かべて、私達の苦境を楽しんでる姿とか、怒って叫び散らしてる姿とか……とてもクールとは言えないイメージがあるけど。

いろは「……早く帰ろう」

 二人の関係は気になるけどアリナさんに見つかって良いことはない。私は素早く、そのまま路地を通り過ぎ……

アリナ「ミッション対象が勝手にどこ行くワケ? 大人しくしてほしいんですケド」

いろは「っ……」

 うぅ、そうだよね……のこのこ見に行ってバレない人じゃないよね……。背中を向けたまま声をかけてくるとは流石に思ってなかったけど。

アリナ「家に帰られると無駄骨なんだヨネ。せっかくの休日出勤なのに」

かりん「え? 先輩、急に何言って――あ、いろはちゃんなの。ん? じゃあアリナ先輩、もしかしてさっきからいろはちゃんをストーキングしてたの!? ミッションとか言って、ほんとは個人的趣味なの?」

アリナ「……。少し、トークしていかない?」

 振り向いたアリナさんは真面目な顔で静かに問いかける。その間近のかりんちゃんがうろちょろと忙しなく動いたり、彼女の頬をつついたりしても完全なるスルー。

かりん「先輩、白状するの!」

 ……。
 かりんちゃんのこと尊敬しちゃうかも。


 ↓1 かりんの好感度判定
 ↓2 アリナの好感度判定
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 08:55:08.26 ID:/3DBQYgt0
ハロウィン寄りのアリナになるのか本編寄りのアリナになるのか
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 09:00:29.52 ID:rwGf83NQO
フールガールひっく!
222 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/06/17(日) 09:26:26.48 ID:iiDXKZ6M0

 かりん 好感度26 ちょっと苦手な知り合い
 アリナ 好感度52 普通のお友達

 ↓1 かりんの好感度の理由
 ↓2 アリナの好感度の理由
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 09:28:40.01 ID:gkuD091Fo
強い魔法少女とコネをたくさん持ってるから
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 10:22:15.41 ID:NPRt20XaO
見た目はライクだけど邪魔ばかりしてくるからプラマイ0なんですケド
225 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/06/25(月) 01:07:36.65 ID:rKP+rS3cO

 返事をどうしようか迷っている間にも、二人の好感度が嫌でも目に入ってくる。
 アリナさんは52。かりんちゃんは26。どちらも意外といえば意外で……アリナさんに至ってはマイナスとかになってても驚かないつもりだったのに、友達ぐらいには好感度が高かった。
 ――気になる。理由を聞いてみたい。

いろは「……」

 誘いに答えるのは後回しにしよう。
 せっかくの機会だから、敵であるアリナさんのこと、頼もしい助っ人のかりんちゃんのことを知りたい。
 私は理由を聞きたいと念じた。

アリナ『んー……アイツの見た目はすごく好みな方だけど』

アリナ『アリナと違う清廉潔白なホワイト? とにかく綺麗で、手がつけられてないキャンバスみたいで……染めてあげたくなるヨネ』

アリナ『でもこうも計画の邪魔されると、いくら見た目がライクでも結局プラマイゼロなワケ』

アリナ『……アンダースタン? いろは』

いろは「っ!?」

 こちらへと声をかけてくる心の声。まるで私へ好感度の理由を聞かれると分かっているかのような台詞に、私は息を呑んだ。
226 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/06/25(月) 01:08:18.36 ID:rKP+rS3cO

アリナ「ふーん……本当にウワサのターゲットになったワケ」

いろは「――なっ。なんで知ってるんですか」

アリナ「ホント、鈍いヨネ。ミッション対象って言ってて分からない?」

 そういえばそんなことを……。
 退屈そうな顔を、楽しげなものに変えてからかうように私を見てくるアリナさん。
 私の見た目が好みとか、理由では言われてたけど……変なことされないよね?

アリナ「アナタは『好感度測定のウワサ』のターゲットになった。で、アリナはアナタの観察と接触をお願いされたワケ」

アリナ「すごいらしいよ? エネルギー。さすが色恋沙汰。人間の主な娯楽なだけはあるヨネ」

いろは「……」

 ……そう、だ。
 巻き込まれてすっかり頭から抜けてたけど、ウワサに関係するイコールマギウスに協力すると言っても過言じゃない。
 それも人の感情を暴走させるようなウワサ。得られるエネルギーも相当なものだろう。

アリナ「今まで見つけることもできなかったウワサだから、そのまま長く巻き込まれてくれると、アリナとしても助かるワケ」

 見つけることもできなかった……?
 よっぽど特殊なウワサなのかな。というか、何を思ってこんなウワサ作っちゃったんだろう。

かりん「??? アリナ先輩、いろはちゃん。全然意味が分からないの。何を話してるの?」

いろは「ぁ……。ご、ごめんねかりんちゃん。ちょっと事情があって」

 きょとんとした顔のかりんちゃんへ、私は苦笑いしながら答える。かりんちゃんはアリナさんがマギウスなのを知らないみたい。知ってても大変なことにしかならないし……私としても穏便に済ませたいこと。大事になる前に終わらせるつもりなら、あえて真実を教えることもないだろう。

いろは「――アリナさん」

 考えて、私はアリナさんへ一言

アリナ「……なに?」


 1 アリナさんもターゲットですよ、私の
 2 立ち話もなんですし……
 3 かりんちゃんと仲良さそうですね?

 ↓1 一つ選択
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 01:45:24.27 ID:YrQEAOt10
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 22:39:01.56 ID:75GZrl7mO
独自設定全開で行くのかと思ったら最新話の設定も反映されるのね
229 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/07/30(月) 03:24:22.20 ID:QIdJNp2a0

いろは「かりんちゃんと仲良さそうですね?」

 話題を変えるがてら、私はすごく気になっていたことを尋ねてみる。アリナさんの制服から、かりんちゃんと同じ学校なのは予想がつくけど……かたやマギウス。かたや魔法少女。その二人が仲良さげな光景を見てしまうと、想像に容易い結論が一つある。

アリナ「フッ……」

 平然を装っていたけれど、そんな思惑はお見通しらしい。私が訊くとほぼ同時にアリナさんは鼻で笑う。
 「そんな下らないこと」。なんて感じに。

かりん「そうなのっ。アリナ先輩とはいい先輩後輩なの」

 対して、かりんちゃんは嬉しそう。
 ……うーん、マギウスはかりんちゃんと関係なさそうかな。かりんちゃん思い切り態度に出るから、マギウスの敵の私を見たらすぐ分かる反応をしてくれるだろうし。
 けどちょっと好感度の理由が気になるから――彼女の理由も聞いておこう。

 はしゃぐかりんちゃんに返事をしつつ、私は念じた。

かりん『いろはちゃんは気に入らないの』

 ちょ、直球な……。明るい声で言い切られた。
 なんでここまで苦手意識というか嫌われちゃってるのかな。
230 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/07/30(月) 03:25:00.70 ID:QIdJNp2a0

かりん『私は一人で戦う魔法少女……。対して、いろはちゃんはすっごい群れてるの』

かりん『やちよさんに鶴乃ちゃん、なぎたん――特にやちよさんのお家の魔法少女はいろはちゃんを見る目が熱いの』

 そ、それは……気づいてなかったけど、つい最近好感度を見て気づきました。

かりん『とにかく、強い魔法少女といっぱいコネ持ちすぎなの! 軟派なの!』

 ……。調整屋行きすぎなのかな、私。
 はっきりした理由で嫌われてて若干ショックだ。唐揚げにレモンとかならちょっと笑えたんだけど。それで殺されかけたのは置いといて。

かりん「? いろはちゃんどうしたの?」

いろは「あ、や、なんでもないよ」

 理由を聞いて考え込んでいた私は彼女の声で我に帰る。なんとか誤魔化そうと苦笑しつつ答え――彼女の隣、アリナさんの意地悪い笑みに気づく。
 私が嫌われてる理由を聞いたのだと分かっているかのようなリアクションだ。

かりん「フフフ、やっぱり他の人から見ると仲良しさも一目瞭然みたいなの、アリナ先輩」

アリナ「アリナがフールガールと仲良しなんてあり得ないんですケド」

かりん「またまたぁ」

 ご機嫌だなぁ、かりんちゃん。何気なく選んだ話題だけど、これなら彼女の好感度もちょっとは上がるかな?


 ↓1 かりんの好感度上昇判定
     (前回が上がりすぎたため、今回はコンマの右から2桁の半分の値だけ上昇)
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 03:29:33.58 ID:1cVXBLlW0
さてさて
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 05:54:42.47 ID:VmHiraLm0
よし、普通!
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 08:34:05.14 ID:866kFsFVO
乙です
(うい…お姉ちゃん東西とマギウスのボスと面識あってその内二人と仲の良いかりんちゃんも中々のコネだと思うからね…)
234 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/08/20(月) 05:45:41.20 ID:9v3OOtnG0

 かりん 好感度26 → 55


 
いろは「……!」

 やっぱり来た。予想通りにかりんちゃんの好感度が変動する。一言コメントみたいなところは全然変わってないけど、中間点より上に好感度は上がってくれた。
 
かりん「あ、そうだ。せっかくだからみんなでご飯でも……」

アリナ「それはパス。ターゲットと同席なんて、面倒すぎるんですケド」

いろは(かりんちゃんとならいいのかな……?)

 なんて冗談を考えつつ、私は苦笑いを浮かべる。
 アリナさんの口振りからして誰かに私の監視を依頼されたみたいだし。でも――

かりん「えー? でもさっきはストーキング対象のいろはちゃんに帰ってほしくないって」

アリナ「……」

 わぁ、アリナさん面倒そう。すごく誤解されてるし。
 ま、まぁでもかりんちゃんの疑問は私も考えていたことだ。監視するなら一緒にいるほうが都合いいような。
 不機嫌そうな目をする彼女を見ていると、不意に頭へ声が。魔法少女のテレパシーだ。
235 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/08/20(月) 05:46:40.24 ID:9v3OOtnG0

アリナ(環いろは――アナタの恋愛事情、それとなく見させてもらうから)

アリナ(フフフ、楽しみだヨネ。誰かに乱暴されたり、殺されたりしちゃうかも)

いろは「……」

 なるほど。あくまでも監視、ということみたい。
 いや観察の方が正しいのかな。ももこさん、レナちゃん、れんちゃんとのことも見ていたのかもしれない。
 マギウスの邪魔をする私が振り回される姿に喜んでいるらしい。

アリナ(たまにアリナに会いにきてもいいケド。外見は好みだから)

 ……。何されるか分かったものじゃないし、多分それはしないと思うけど一応頭に留めておこう。

アリナ「じゃ、アリナは学校行くカラ」スタスタ

かりん「えっ? ちょ、アリナ先輩っ? いろはちゃん、またねなのっ」

いろは「あ、うん。またね、かりんちゃん」

 私の心の整理がつかない内に去っていく二人。
 監視、かぁ。ウワサが憑いていることは勘付かれてるみたいだし、マギウスにいつ見られててもおかしくはない。
 ……公共の場で暴走が起きないことを祈るばかりだ。


 ……さて。
 家に戻ろうと思ってたけど、どうしようかな。



 ↓1 人物安価 次に会う魔法少女を一人。既に出た魔法少女でもオーケー
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 07:12:33.05 ID:d0F4tByIo
フェリシア
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 17:30:06.18 ID:d27FOiF0O
高好感度キャラ来た!
238 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2018/09/03(月) 04:53:59.08 ID:N+EWXvSM0


フェリシア 好感度90 イベント一段階進行


 人目のないところにいないとマギウスに観察させる機会を与えちゃうかもしれない……。やっぱり家に帰ろうかな。
 一番はさっさと終わらせてウワサをどうにかすることだけど、先は見えないし。

フェリシア「おっ、いたいた。いろはー!」

いろは「……あれっ? フェリシアちゃん」

 アリナさんとかりんちゃんが見えなくなるくらいまで悩んでいると、そこへ代わるようにフェリシアちゃんがやって来た。
 いつもの制服姿で金色の髪を揺らし、元気に走っている。
 何か用事かな。すごく嬉しそうにしてるのが分かるけど。

フェリシア「やっと見つけた。今日もウンメーの相手探しか?」

いろは「うん。便利といえば便利だけど、やっぱり危ないから」

いろは「って……『見つけた』? 何か急ぎの用事?」

 尋ねると、フェリシアちゃんはフフンと鼻を鳴らし得意気に胸を張ってみせる。

フェリシア「ああ! 運命の相手って聞いたら黙ってらんねーし」

いろは「……。あっ」

 運命の相手。私の視界に映っている好感度。それで彼女が私を探してた理由の察しがついた。
239 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2018/09/03(月) 04:54:59.05 ID:N+EWXvSM0

フェリシア「いろはとオレ、その……結構運命的だと思うしな!」

 高好感度のフェリシアちゃんは、私に好意を抱いてて――つまるところ、私の運命の相手になろうと思って探してくれていたのだろう。
 もしくは単純に私の身を心配してくれたのかな。
 いずれにせよむずがゆい思いだ。頬をほんのり赤らめ笑うフェリシアちゃん。今までは家族的だったり、友情的だったり、そんな感情を向けられていると思っていたのに実際は違って。
 嫌な気は全然しないけど、未だに私がどうしたいのかは分からないままで。

いろは「うん、確かに。フェリシアちゃんに会ってから色々あったなぁ」

フェリシア「すごい昔みたいに言うのな。いろは、年寄りみたいだぞ」

いろは「と、年寄り……」

 味覚がそれ寄りとは言われるけど、ついに感性のほうまで影響が……。

フェリシア「で、どこで何する?」

いろは「えっ? あ、どこか行きたいの?」

フェリシア「当ったり前だろー。オレといろはが運命的だってガツンと示してやる!」
   
 フェリシアちゃん、すごく楽しそう。私も自然とのほほんとした気持ちになっちゃう。けど、注意しないと。高い好感度の人と係る時も暴走の危険性があるから。
 れんちゃん、明日香さんがいなかったらどうなってたか分からないし……。

 慎重に選ばないと。


 1 自室へ招待
 2 公園で遊ぶ
 3 その他(行き先、すること、自由に記載。あんまりなものは再安価有り)

 ↓1 一つ選択
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/09/03(月) 13:09:17.41 ID:9p2FAWWt0
1
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/20(土) 22:36:33.15 ID:bRC8bP+iO
更新キテた!
乙です
242 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/04(木) 03:30:12.04 ID:RxPOUEPb0
『1 自室へ招待』


 アリナさんへやめてほしいと言われたけど、従う理由はまったくない。私自身休みたいし、フェリシアちゃんとは同じ家に住んでる関係。部屋に誘っても問題はないよね。
 何もない場所だからガッカリされちゃうかもしれないけど……今後を考えるとゆっくりしたい。

いろは「それじゃあ……私の部屋に行こう? ちょっとウワサのことで疲れちゃって。休憩したいなぁって」

フェリシア「ええっ!?」

 申し訳なく思いつつ私は提案を口にする。するとフェリシアちゃんがとてもびっくりした様子で叫んだ。
 やっぱり行き先が私の自室だと退屈だったかな? ――あれ? なんだかフェリシアちゃん、顔が赤い?

いろは「どうしたの? フェリシアちゃん」

フェリシア「な、なんでもない……」

 とフェリシアちゃんは答えるけれど、なんでもないように見えるかは言わずもがな。妙にしおらしく縮こまり、もじもじとする彼女は小さく呟く。

フェリシア「いろはの部屋……休憩……いや、なにもねえって……うん」

いろは「? なにもない?」

フェリシア「……ほら分かってない」ジトー

 今度はすごい冷たい目で見られてしまった。
243 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/04(木) 03:31:12.80 ID:RxPOUEPb0

フェリシア「いいぜー、いろはの部屋でも。大変なのは分かってるし」

いろは「うん。ごめんね。今度一緒に出かけよう?」

フェリシア「じゃ、ごはん連れてってくれよな。ニクニク!」

いろは「あはは……あんまり高くないところなら」

 ふぅ、良かった。事情を説明してあったとはいえ、失礼だと思われても仕方ない選択だったから。
 話がまとまり、自然と家へ向かって歩き出す私達。そういえば、フェリシアちゃんと一緒にいる時間は結構長いけど、こうして二人きりでいるのは久しぶりなような気がする。外にいる時は他の魔法少女の子もいたり、家にはやちよさんもさなちゃんも鶴乃ちゃんもいるから、二人きりとなると案外その時間は短いのかもしれない。

フェリシア「やりーっ。どこ連れてってもらおっかなー」

 嬉しそうなフェリシアちゃんの横顔を眺めつつ私は考える。
 フェリシアちゃんは高い好感度。今までのルールに当てはめるのなら恋愛感情を持っていてくれているということ。わざわざアピールしに来てくれたんだし、できるだけ真摯に対応しないと。

 ……あっ。さっきの反応の意味、分かっちゃったかも。好きな人から自室に、休憩したいからだなんて誘われたら変な風に聞こえちゃうよね……。誤解されなかったみたいだけど気をつけないと。
244 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/04(木) 03:32:08.93 ID:RxPOUEPb0

 私はみんなのことをただの仲間だと思ってた。けど実際はちょっと違ってて。女の子同士がどうなのか。私は考えたこともなかったからちょっと分からない。
 けれどれんちゃんに迫られたとき、全く嫌な感じはしなかった。

 うーん……女の子を好きかどうか。難しいなぁ。
 というか何で女の子――それも魔法少女限定なんだろう? 男の子に好感度判定は反応しないし。私とうい、灯花ちゃんにねむちゃん……誰が考えたウワサなのかな。気になってきた。そこはかとなくアダルティというか、子供っぽくないウワサだけど。

フェリシア「いろは? なにボーッとしてんだ?」

いろは「――あっ。ごめんね。何か言った?」

フェリシア「何も。でもすげー上の空だったぞ」

 呆れた様子のフェリシアちゃん。真摯に、なんて考えていた途端にこれ。私は苦笑しか返せず。

フェリシア「これじゃ休まなきゃいけねーな。早く行こうぜ」
 
いろは「う、うん。ごめんね」

フェリシア「気にすんなって! ほら、行くぞ」

 にっこりと笑うフェリシアちゃん。彼女は私の手を取ってグイグイと引っ張っていく。ちょっと乱暴な誘導の仕方に、以前なら戸惑ってたかもしれない。でも今は私に早く休んでもらいたいんだなぁ、と微笑ましく思ってしまう。
 これだけ気を遣ってもらっているんだから、少しでも休んでおかないと。
 それで、納得のいく結論を……。
245 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/04(木) 03:33:14.44 ID:RxPOUEPb0

いろは(うう、気が重い……)

子供の声「うわーん!」

いろは「……っ!?」

 突然の大声にびっくりして思考を引き上げる私。慌てて声の方を見れば、そこには親子らしき人達が。お母さんとお父さん、それに小さな女の子。
 泣いている女の子を、両親であろう人達が宥めている。
 どこかの買い物帰りかな。両親さん達は買い物袋を持っていて、女の子もお菓子らしきものを持っている。女の子はそんな気分じゃないかもだけど、微笑ましく見える光景だ。

フェリシア「……」ジーッ

いろは「フェリシアちゃん?」

フェリシア「あっ。だ、だいじょーぶ、なんでもねえって!」

 そうは言うけれど、何かあるのは一目瞭然で。
 フェリシアちゃんは時折こういうことがある。家族を見て止まっちゃうというか、何か考えているわけでもなく、ただ『何も無い』状態になるというか……。
 思い返してみれば彼女の家族の話は全然聞いたことがない。魔女に殺された、ということは知っているけどそれだけ。
 本人も思い出したくないのかもしれない、と私は思っていたから尋ねることは今までしてこなかった。
 フェリシアちゃんが止まる理由は多分、考えることを必死に抑えてるからだと思うから。
246 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/04(木) 03:34:19.43 ID:RxPOUEPb0

いろは「そっか。前に気をつけてね」ニコッ

フェリシア「っ……ああ」

 何も聞かない私に、フェリシアちゃんは少し戸惑う様子を見せる。それから我慢するみたいに口を固く結んで歩き出した。
 何故追及しないのか。その疑問を呑み込んでいつも通りに戻る。私もフェリシアちゃんも同じ。深く問おうとはしないで、いつか知ることになるその時を待つ。
 それは決して先延ばしにしてるわけじゃない。私達は知っているから。どんな秘密や真実であっても、みんなと支え合って乗り越えていけるんだ、って。

 無言なのにどこか心地よくて、気持ちが落ち着く。フェリシアちゃんの手から伝わる体温と優しさを感じながら、私は家への道を進んでいった。
247 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2019/04/04(木) 03:36:03.74 ID:RxPOUEPb0
 

 みかづき荘に到着。今日はみんな出かけてるのか部屋にいるみたいで、いつものリビングには誰もいなかった。朝はみんないたのに、珍しい。
 リビングを確認してからフェリシアちゃんに手を引かれバタバタと自室に。

フェリシア「よーしっ、いろは。はやくはやく」

いろは「ちょ、ちょっと待って」 

 そのままの流れでベッドに座らされそうになり、私は慌てて抵抗する。

フェリシア「ん? なんか忘れ物か?」

いろは「ううん。まだ制服のままだから」

 休むにしてもまずは着替えなくちゃ。皺がついちゃうし。と言いながら服に手をかけ――フェリシアちゃんがいることに気づく。
 フェリシアちゃんの好感度は高い。私を意識してくれてる人の前で脱いだりしたら、ウワサの暴走も有り得る……よね?

フェリシア「……?」キョトン

 けどそんなことなさそうな様子でもあるんだよね……。
 ど、どうしよう。二人きりだし暴走が起こったら大変なことになりそうだし、慎重に考えないと。

 ……どうしよう?


 1 そのまま着替える
 2 一旦部屋の外へ出てもらう
 3 その他。いろは、フェリシア、その他の台詞など記載化

 ↓1 一つ選択。選択肢、内容によって判定発生も
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/04(木) 14:26:59.42 ID:KRAjSgiz0
1
後ろ向いててもらえば大丈夫っしょー(棒)
249 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2019/04/08(月) 08:00:58.04 ID:Kt6sqaYK0

【1 そのまま着替える
     (後ろを向いてもらう)】

 ということで、↓1で追加のコンマ判定です
   コンマが80以上で……


  大変久しぶりの更新になって申し訳ないです。すっかりメインクエストの方も終わってしまって。色々キャラも増えましたがとりあえず、現段階ではマギウスの灯花、ねむと万年桜のウワサを除くオリジナル魔法少女を攻略対象にしようかと。
 最初は見滝原の魔法少女も対象に入れていましたが、手が回らなそうなので除外しておきます。
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 08:35:46.22 ID:gEVoiUJ5O
ほい
251 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 07:38:42.42 ID:7MCOBOdp0
 
【22 暴走なし
    偶数ゾロ目なので、イベント発生】



 大丈夫……だよね。
 フェリシアちゃんはみかづき荘に一緒に住む仲間で家族なんだなら、信用しないと。着替えるから外に出てなんて、同性で警戒しすぎだと言われても仕方ない。
 でも万が一ということもあるから――

いろは「フェリシアちゃん。ちょっと着替えるから、後ろ向いててくれる?」

フェリシア「んー? 別にそれくらい――はっ!?」

 一度快諾しかけるフェリシアちゃんだけど、意外だったみたいで大きな声を出す。彼女は私を足元から顔まで視線を移し、ほんのりと赤くなる。
 ……意中の相手からそんなこと言われたら緊張しちゃうよね。つい自意識過剰かな、なんて自信がなくなっちゃうけど、常識的に考えてフェリシアちゃんの反応は妥当だ。
252 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 07:39:20.58 ID:7MCOBOdp0

フェリシア「着替えるっ? ここで?」

いろは「うん。えっと……恥ずかしい?」

フェリシア「オレは別にいいけどさ……はぁ。もう、さっさと終わらせろよ?」

 クルッと素早く背を向けるフェリシアちゃん。少し呆れ気味だったのは、私の無防備さが原因だろう。
 女の子複数人に恋愛感情を抱かれている……つまり、普通の女の子とは違う魅力を私は持っている、ということなんだろうけど――正直、まだ自覚がないんだよね。
 出ていってもらうのは警戒しすぎ、みたいな思考がまず働く辺り、私は自分が置かれている立場を客観的に見れていないのかもしれない。
253 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 07:39:47.57 ID:7MCOBOdp0

いろは「う、うん。すぐ着替えるから……」

 あれこれ思考が展開し、後ろで堂々と着替えるなんてどこのラブコメなんだろうなんて思いつつ、引っ込みがつかなくなった私は急いで着替えを始める。
 リボンを解いて制服を脱ぎ、下着姿に。いつも以上にテキパキとそれをハンガーにかけて壁のフックに引っ掛ける。
 フェリシアちゃんのすぐ後ろでこの姿。意識するとすごく恥ずかしい。
 肌に触れる空気をこそばやく思いながら、ふと私は気になったフェリシアちゃんの背中に視線を向け――

??『ごきげんよう』

いろは「わひゃぁっ!?」

 いつの間にか私とフェリシアちゃんの間に現れていた女の子に驚いて、思い切り絶叫した。
254 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 07:41:06.02 ID:7MCOBOdp0

フェリシア「うわっ!? な、なんだ、いろは――っ!?」

 振り向いたフェリシアちゃんも、急に現れた女の子に驚いたみたい。目を見開いて視線を上下に忙しなく動かし、顔を真っ赤にさせて……あれ? 私のこと見てる?
 ……。あ。下着にニーソックス姿だった、私……。

いろは「ご、ごめっ、着替えてる途中で――っ!」

 これは流石に恥ずかしい。驚きもあるんだけど、それ以上に。自分の顔が赤くなるのを感じながら私は着替えにと取り出していた部屋着で身体を隠す。
 ……といっても胸と下半身、下着を隠すくらいの効果しかないんだけど。ま、まあこれでちょっとは安心……

フェリシア「いろは、それ逆効果だぞ……」

 ……安心、できないみたい。
 どうしてか丸見えよりむしろいかがわしい要素を増やしちゃったみたいで、フェリシアちゃんが目を逸らしてしまう。直視できないほどなのかな……。
255 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 07:59:35.32 ID:2p+EUGrzO

いろは「うう……。あ、あの……あなたは?」

 ベッドの掛け布団を身体に巻いて、部屋着を身に着ける。ゴソゴソとしながら、私は謎の女の子に声をかけた。
 突然現れた女の子。私は彼女に見覚えがなく、フェリシアちゃんもそうみたい。身長はフェリシアちゃんより低いくらいで赤髪のロングヘア。
 年齢は……小、中学生くらいに見えるかな。お人形さんみたいに綺麗な顔立ちで、幼い容姿なのに綺麗だと思えてしまう。
 これまた見覚えのない学校の制服みたいなものを着た彼女は、私を見てにっこりと笑う。

??『この姿でははじめましてかしら? 誰だか分からない?』

いろは「え……? あっ」

 服を身に着け掛け布団を戻し、落ち着いたところでもう一度声を聞き、私はハッとする。
 この声……ウワサだ。
256 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 08:00:18.67 ID:2p+EUGrzO

いろは「好感度測定少女……」

??『そうそう。ちょっと用があって現れたの』

 やっぱり、彼女みたい。
 これまで聞こえてきた声と同じように、気さくに楽しそうな様子で彼女は頷く。
 用……? いや、今はそれよりも……。

??『ああ。今の私を叩いても解決しないから。大人しく見てて』

フェリシア「へっ、そんなの信じるわけねーだろ。いろはにみんなにメーワクかけてんだ。とりあえずぶっ叩いてやる!」

??『意味ないのに』

いろは「……フェリシアちゃん、多分本当だから変身は解いて」

 本体が出たなら倒せるかも、と私も思っていたのだけど、どうもウワサの余裕が気にかかる。変身し、今にも殴りかかりそうなフェリシアちゃんを止め、私は手を伸ばす。すると女の子の肩をすり抜けてしまう。
 やっぱり触れないみたい。
257 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 08:00:55.56 ID:2p+EUGrzO

フェリシア「クソ……」

いろは「心配してくれてありがとう、フェリシアちゃん」

フェリシア「当たり前だろ。こんなのすぐ終わらせた方がいいに決まってるし」

 フェリシアちゃんが変身を解除。制服姿に戻る。
 触れられない状態で姿を現す。当然そうした理由がある筈で。私は心の中で身構えながら、ウワサの言葉を待つ。
 私とフェリシアちゃんに睨まれるウワサは、数秒間をおいて不意に手を叩いた。

??『おめでとう! あなたはついさっき低確率の『不幸』を引き当てたわ、環いろは!』

いろは「不幸……? それって――」

 ウワサに憑かれた初日。やちよさんの説明がフラッシュバックする。

 『時々振りかかる不幸を乗り越えて』。

 説明された時は、好きと嫌いの暴走がその不幸だと思っていた。でも、ウワサの口振りからするとまさか……。
258 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 08:01:22.05 ID:2p+EUGrzO

いろは「ランダムで悪いことが……?」

??『そ。ランダムで起こって、ランダムで内容を決める罰ゲームみたいなもの』

フェリシア「んなっ。そんなの聞いてねーぞ!」

いろは「……」

??『そんなに睨まないの。誰かが死んだりはしないから、その辺りは安心していいけれど……フフフ』

 それを聞いてほんの少し不安が和らいだ。
 でもこのウワサは人の感情を扱うもの。それが不幸に作用するのだから、一体どうなるのか……。

??『ということでルーレット、始めるよ!』

 軽いノリでウワサが言うと、虚空に大きな円盤が現れる。バラエティ番組で見るようなルーレット盤。上には矢印がついていて、恐らくそこに止まったものを実行するのだろう。
 細かい仕切りの線の中に小さな文字が見える。多分これが不幸の内容なのかな。目を凝らしてしっかり確認してみる。
259 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/11(木) 08:02:01.90 ID:2p+EUGrzO

 確かに誰かの命にかかわるものは無い。
 けど、『セックスしないと出られない部屋』とか、『妄想シチュエーション』とか不穏な単語がちらほらと。『ふたなり』……とかよく分からないワードもあるけど。

 あと、すごく気になることが一つ。

『マギウスにタライが落ちる』
『マギウスの服が脱げる』
『マギウスの物が一つ消える』

 ルーレットの内容からマギウスの三人に対しての恨みを感じる。

いろは「えっと、この突拍子のないマギウスの登場は……?」

??『腹いせ。今まで自由がなかったから』

 わ、わぁ……はっきり言う。

フェリシア「だったら全部マギウスでいいじゃん。あいつらだけに一日中雨降らせたり。室内でも」

いろは(寝られないし結構辛い……)

??『馬鹿、消されるでしょ。デメリットに天秤が傾かないようにするのよ。敵のメンバーを撹乱してるメリット以上のことはやらかさないわ』

 服消されるのは余程なメリットが無いと物凄い迷惑だと思うんだけど……。ウワサも色々大変なんだろうなぁ。
260 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2019/04/11(木) 08:02:53.54 ID:2p+EUGrzO
??『ルーレット回すわよ。好きなタイミングでストップって言いなさい』

いろは「――えっ? あ、はい、ストップ! って言っちゃった!」

 気が緩んだ瞬間に声をかけられ、つい言われるままにストップの宣言をしてしまう。内容について交渉したりできたかもしれないのに。
 ハッと口を押さえる私の前で、回転していたルーレットはゆっくりと止まり――


 ↓1 不幸の内容をコンマ一桁目で判定
    1 妄想シチュエーション
    2 キャラ追加(プラス補正付き)
    3 しないと出られない部屋
    4 判定の中で一つを選択し実行
    5 いろはちゃん、ふたなり
    6 この場で暴走(いろはor他)
    7 妄想シチュ
    8 ピーヒョロ
    9 選択実行(4と同じ)
    0 高好感度でキャラ追加
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/11(木) 08:53:00.61 ID:yvtsmsCto
ほ!
262 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/12(金) 04:42:46.04 ID:dWqGqguo0

【妄想シチュエーション】

いろは「あっ……変なのに止まっちゃった」

フェリシア「なんたらシチュエーション? なんだそれ」

??『ちいっ。マギウスマスに止まらなかった……』

??『説明はここに』

 ルーレットが消え、入れ替わりに看板が一枚現れる。妄想シチュエーションの説明らしい。

いろは「えっと……」フムフム

『妄想シチュエーション!
   今からあなたは夢を見ます。夢はあなたとあなたの知る攻略対象との夢です。夢の内容は攻略対象の妄想。たまに不具合もあるかもしれないけれど、あなたとしたいこと、あなたで一度妄想したことがまるで現実のように展開されます。
 夢の中であなたは記憶があり、相手は妄想の役柄になりきります。相手に夢を見た記憶はうっすら残り、運が良ければあなたを苦手な人もあなたを意識してくれるかもしれません。

  簡単に言えばあなたと攻略対象のパロディショートストーリー。妄想の中であなたや攻略対象は先生だったり、ファンタジー世界の住人だったり――はたまた恋人だったり。

 罰ゲームになるかは攻略対象さんの妄想次第!』
263 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2019/04/12(金) 04:43:47.06 ID:dWqGqguo0

いろは「……」

 えっ。大体言葉の通りの意味だけど……妄想のシチュエーションでシミュレーション、みたいな。
 でも、これってあれだよね?
 鶴乃ちゃんが選ばれたりしたら、わたしと鶴乃ちゃんが一つになる妄想が繰り広げられたりするんだよね。
 ひょっとしたらアリナさんかもしれないし……そ、そう考えると恐ろしい。

フェリシア「なーいろはー。なんて書いてあるんだ?」

いろは「夢を見るって書いてあるけど、内容は決まってないみたい。ごめんね、ちょっと寝ちゃうかも――はれっ?」

 ちらっとフェリシアちゃんの方を見て答える。すると突然、強烈な眠気に襲われる。心構えも何もない状態から、一気にまどろみの中へ。抵抗する間も思考の暇もなく私は眠りの中に落ちた。


 ↓1 本SSに登場済のキャラクターを一人指名
 ↓2 妄想内容。いろはと相手の役や、世界の設定やその他諸々。書けなそうなのは再安価をとりますのであしからず。不幸の内容から察せるかもですが、えっちいのも可です
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/12(金) 23:08:24.25 ID:Upk63kRr0
マジカルかりん、ここにとうじょーっ!
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/13(土) 02:21:43.10 ID:fo3UYJkPO
天才大怪盗かりんのアジトを突き止めた新米探偵いろは
捜査の為にアジト内部に潜入するも、そこはいろはを誘き寄せ閉じ込める為の偽物のアジトだった!
アジトに仕掛けられたロボットアームで拘束され一糸纏わぬ姿でかりんに体を調べ尽くされるいろは
必死の抵抗も虚しくかりんのテクニックの前に徐々に快楽の虜へと堕とされてゆき…
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 21:34:57.90 ID:9I0lHn+V0
性知識が38のいろはにクリムゾン的な魔の手が迫る

鶴乃 77×2 154『一つになるべき運命だって』
ももこ 7 『一緒にいてウザいっていろはちゃんに思われたんだろうな、アタシ』
レナ 10 から揚げにレモンをかけられた
やちよ 38 変身後の格好がえろはちゃん過ぎて直視しづらい
ひなの 64 見た目を馬鹿にせずに頼ってくれるかわいい後輩だから
梨花 81 一目惚れ
れん 24 梨花がいろはが居る時の方が楽しそうにするから  
 自分のことを苦手だと思っている相手と仲良くなろうとするという姿勢に感銘をうけたから→114
フェリシア 90 こいつのお陰で今は一人ぼっちじゃないんだよな…
さな 86 必要としてくれるってそういうことですよね?
みたま 48 色々面白いものを見せてくれそうだから
明日香 39 いろはの前で持ちネタの「自害します!」を言うと凄く怒るから
かりん 26 強い魔法少女とコネをたくさん持ってるから
 → 55
アリナ 52 見た目はライクだけど邪魔ばかりしてくるからプラマイ0なんですケド
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 21:46:41.45 ID:OWrt3ZYiO
くやしい……でもビクンビクン されてしまうのか
268 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/04/19(金) 04:18:48.65 ID:dvXqRX5q0
【反応遅れてすみません!
  安価把握済です。かりんちゃんの妄想で今書いておりますので】
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/17(金) 22:12:34.17 ID:Z3jdXx5aO
まだかな
270 : ◆HTrEUwqtEM [sage]:2019/05/23(木) 03:47:20.39 ID:gczVYauT0
 
 
いろは「……ん。ふあ……」

 ぼんやりしていた意識がパッと元に戻る。
 目を覚ましたら何処かに立っていた。そんな経験、これまでしたことなんてなく。バランスがうまくとれずによろけてしまう。

??「っと。気をつけて、いろは」

いろは「へっ?」

 思わず素っ頓狂な声が出てしまう。私を横から支えてくれた人物。それはやちよさんだった。……何故か探偵ルックの。鹿撃ち帽にロングコート、一目でこの人は探偵だと思ってしまうほど典型的な姿をしている。

いろは「やちよさん? ……あれっ?」

 やちよさんの姿を見、しっかり立とうと身体を動かして自分の服装に気づく。私の頭にも同じ帽子が乗っていて、長めのケープに短いスカート。やちよさんのキリッとした探偵姿に比べてコスプレ感が強いけど、私も分かりやすい格好をしているみたい。
 やちよさんの腕から離れ、周囲を見回す。

 やっぱり、夢を見ているらしい。
 私の部屋とは全然違う景色が広がっている。
 時刻は夜。見るからに都会な街で、見上げるほど高いビルがあちこちに立っている。私とやちよさんがいるのはその裏道みたいで、街のネオンも喧騒も遠くぼんやり届きなんだか寂しい雰囲気。
 人気もなく、女の子二人で来る場所だとは思えなかった。
271 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/05/23(木) 03:49:28.20 ID:gczVYauT0

やちよ「大丈夫かしら、いろは」

いろは「は、はい……」

 私から手を離したやちよさんは、心配そうな顔をして首を傾げる。
 ……えっと。やちよさんがいるってことは、これってやちよさんの夢? やちよさんの妄想が探偵? なんだからしくないような気が……。

やちよ「これからあの大怪盗……かりんのアジトへ潜入するのよ、しっかりしなさい」

いろは「すみませ――はいっ?」

 かりん? 大怪盗?
 と、ということはこれってかりんちゃんの妄想なんだ……。
 それなら安心できそう。かりんちゃん漫画が好きで、描いてるくらいだからきっとこれもその漫画の題材的な妄想だろう。
 ……あ。でも嫌われてたから、もしかしたら私がひどい目に遭う妄想だったり……。い、いや、かりんちゃんはそんな子じゃないよね。

やちよ「不安だけれど……私は裏社会で顔が割れてるから、あなたに任せるしかない。しっかりね」

いろは「……」コク

 服装ですぐばれそうだけど……という主張は口にせず。ウワサによる妄想を再現する夢なのだ。ここで私が好き勝手暴れてもどうにもならない可能性が高い。登場人物に従うしかないだろう。
 
やちよ「アジトはあの酒場の奥よ。客になりすまして、機会を窺うのよ」

いろは「分かり、ました……」

 不安だ。これは夢で、なるようになるんだろうけど、私には記憶があって感覚もしっかりある。現実と違いがないのだ。
 命の危険はないけど、どうなるのか……。
272 : ◆HTrEUwqtEM [saga sage]:2019/05/23(木) 03:50:53.04 ID:gczVYauT0

いろは「やってみます、やちよさ――」

 酒場のドアから目を離し、やちよさんを見る――が、さっきまでそこにいた筈の彼女の姿はなかった。
 物音一つもなく人が消えた。紛れもなくここは夢なのだろう。

いろは「……少年漫画くらいがいいなぁ」

 敵の私と戦って友情展開、とか。肩をがっくりと落として私は呟く。

いろは「……はぁ」

 ……行こう。ため息を一つ吐くと私は酒場のドア目指して歩き出した。
 薄暗い道の中、酒場の看板は眩しいくらいの光を放っている。ドアの向こうからは楽しげな声が聞こえてきた。

いろは「子供で大丈夫なのかな……」

 呟きつつ中へ。ドアをくぐって入っていくと、そこは――

いろは「……え?」

 もぬけの殻。さっきまで声が聞こえていて、誰かがそこにいた筈なのに人の姿がない。急に無音になり、カウンターやテーブルの上には煙を昇らせるタバコが乗った灰皿、グラスやお皿に乗った料理、食器類が。
 形跡はあるのにそれを残した人物は姿形もない。不気味な光景に唾をごくりとのみこむ。

いろは「……」

 まるで魔女の結界に入ってるような不安感。
 何が飛び出してきてもいいように周囲を警戒しつつ私は酒場の奥のドアを開く。
 やちよさんの話通りなら、ここがかりんちゃんのアジトの筈だ。
273 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/05/23(木) 03:51:48.64 ID:gczVYauT0

いろは「誰もいない……よね」

 ドアを開いた先にある部屋は、やはり無人。パッと見た感じでは私達の私室と大して変わりない。ベッドが置いてあってクローゼットがあって、棚とかがあって……おかしなところといえば、部屋の中心にある台座くらい。
 広い部屋の中央。ぽつんと置かれたそれの上には、宝石みたいなものがポツンと一つ設置されている。
 かりんちゃんは怪盗らしいし、どこからか盗んだものかな。ドアをしっかり閉め、台座へ近づく。明らかに怪しいんだけど、つい無警戒に接近しすぎてしまった。

いろは「ひゃっ!?」

 宝石へ伸ばしていた手が不意に掴まれる。硬い感触にぎょっとし反射的に振り払おうとするけれど、まるで手応えなし。
 見れば、銀色の鉄? みたいな手が私の手首を掴んでいる。その腕部分はバネみたいになっていて、私が振っても形を変えて衝撃を逃がすだけ。
 強引に手の部分を開かせようと、もう片方の手を伸ばそうとするも――
274 : ◆HTrEUwqtEM [saga sage]:2019/05/23(木) 03:52:37.23 ID:gczVYauT0

いろは「こっ、こっちも!?」

 その手も同じような腕に掴まれていた。慌てて抵抗を試みるも、その瞬間にタイミングを計っていたみたいに金属のアームが収縮を始める。
 バネみたいな柔らかさが嘘みたいに固くなり、私が腕を動かしてもビクともしない。あっという間に私は腕を斜め上に挙げる形で拘束されてしまう。
 足は自由に動かせるけど、手は全然動かせない。これじゃあ何もできないのと同じだ。

いろは「うう……なんでこんな」

???「はーっはっはっは!」

 夢だからだろう。変身しようとしても変化はなし。焦る私がもがいていると、アジトの入り口のドアが開く。高笑いと共に登場したのは予想通りの人物で。

かりん「天才大怪盗かりん、ここに登場!」

 いつもの魔法少女姿のかりんちゃんだった。
 探偵と怪盗。私とかりんちゃんはこの夢では敵同士ということ。そして潜入、捕縛、アジトの主登場……不穏な流れだ。もしこれで処刑なんて流れになれば、どうなるのか。

いろは「か、かりんちゃん……」

かりん「ちゃん? 不思議な新米探偵もいたものだな。あんな罠にあっさりかかるなんて」

 決めポーズから姿勢を崩し、ちゃん付けに首を傾げるかりんちゃん。けれど今はその疑問より作戦が成功した喜びの方が大きいみたい。ニヤニヤと馬鹿にするみたいに笑いながら、私へとゆっくり近づいてくる。
 そういえば彼女、戦いの時のマジカルかりんモードだ。妄想でも使っているとは、よっぽど思い入れがあるらしい。
275 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/05/23(木) 03:53:51.24 ID:gczVYauT0

かりん「環いろは。頭はいいと聞いていたが、これではな」

いろは「離して……くれない、よね?」

 すぐ前までかりんちゃんがやって来る。妄想といえ容姿に変わりはない。けれどなんでだろう。私のことを上目遣いにニヤけつつ見てくる彼女の表情から目を離せない。なんていうか、色気が……。

いろは(肩におへそ、太もも……あぁああ。妄想の影響……っ?)

 表情も、制服に比べて薄い生地で露出も多めな魔法少女姿のかりんちゃんのあちこちが、魅力的に見えて仕方がない。
 急激に顔が熱くなるのを感じつつ、私は目の前で笑うかりんちゃんを見つめ続ける。
 今から拷問、処刑するなんて言われてもおかしくはない状況なのに私の頭の中はかりんちゃんのことでいっぱいだった。

かりん「当たり前だろう? 探偵をタダで返す怪盗がどこにいるのだ?」

いろは「だよね……」

かりん「フッ。お前のことはしっかり調べつくしてから……逆らう気が起きないようにするとしよう」

いろは「えっ? ……ふあっ!?」

 かりんちゃんの顔が急接近。思わずドキリとし後退りしようとするのだが身動きは当然とれず、かりんちゃんの更なる接近を許してしまう。
 ピトッと身体を密着させ、かりんちゃんの小さな手が私の頬に添えられる。息がかかりそうなほどの距離感。かりんちゃんのお菓子みたいに甘い香りが鼻に入ってくる。今この瞬間、思い切り蹴り飛ばすこともできるのに――私はかりんちゃんの唇を見つめていた。
 普段子供っぽい彼女の、余裕に満ちた大人びた表情。微笑に歪む柔らかそうな唇は、今まで感じたことがないくらい魅力的で。
276 : ◆HTrEUwqtEM [saga sage]:2019/05/23(木) 03:55:02.25 ID:gczVYauT0

いろは「んっ……」

かりん「どうした? 抵抗しないのか?」

 視界外で腰にそっと手を添えられ、身体を小さくよじる。過敏な反応に恥ずかしさを感じていると、頬に添えられたかりんちゃんの手が私を可愛がるように優しく撫でる。
 
いろは「そん、な……っ、抵抗したって逃げられないからっ」

かりん「それもそうだな。けど……」

いろは「あっ、う……」

 かりんちゃんの手が腰を無でる。くすぐったさと、よく分からない感覚が私の口から声を漏らさせる。かりんちゃんは楽しそうな笑みを深めた。

かりん「逃げる気すらないのではないか? 我にこうされることを望んでる……違うか?」

いろは「そんなこと……っ」

 これから何をされるのか。知識があまりない私でもなんとなく察しはついてしまっていた。これは、その……つまりこれからエッチな漫画みたいなことになっちゃうかもしれないんだよね?
 ……これって、私に対しての罰ゲームじゃなくて、かりんちゃんに対しての罰ゲームなのかな。妄想を私に見られるなんて。
 でも、妄想をリアルに体験できるなら嬉しいのかな? いや……私が相手だから、そんなことないのかも。

 色々なことを考えてしまい、緊張と恥ずかしさ、かりんちゃんの魅了攻撃もあって余裕がない。何をどうすればいいのか、必死に頭を働かせようとしているとかりんちゃんがまた手を動かした。
277 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/05/23(木) 03:56:04.12 ID:gczVYauT0

かりん「では、始めるぞ」

 頬に添えられていた手が私のお腹に触れる。服の下に何かないかチェックしているのか、念入りにゆったりとした動作でそこから上に指が動いていく。

いろは「ひぅ……」

 ただそれだけなのに身体がぞくぞくと震えてしまい、声が出てしまう。くすぐったいのもあるけど……もしかして、これって……。

かりん「何も持ってなさそうだな。……フフ、どうした?」

いろは「な、なにも……」

かりん「そうか? 身体が反応しているぞ?」

 分かって言っているのだろう。私の反応をすぐ間近で眺めながらかりんちゃんの手が私の胸を触る。
 それまであまり直接的に性的なことはしてこなかっただけに、分かり易い部位への刺激に羞恥心が煽られる。

いろは「ふぅ……っ、はぁ……ん♡」

 今までかりんちゃんに触られた時の未知な感覚。それが何なのかを認識してしまった。頭がぽわぽわとして熱っぽく、意思に反し強制的に感じさせられる強い幸福感……快感、なのだろう。
 かりんちゃんの指先が膨らみを無でる度、甘い感覚が私の身体に走る。少しでも何とかしようとしていた思考はぼやけ、身体から力が抜けていく。
 な、なにこれ……。服の上から触られるだけでこんなに気持ちいいの……?
278 : ◆HTrEUwqtEM [saga sage]:2019/05/23(木) 03:57:14.01 ID:gczVYauT0

かりん「蕩けた顔をして……嘘はよくないぞ。ボディーチェックで感じるなんて、とんだ変態だな」

いろは「違っ。そ、んな……ことは――っ、ひゃぅっ!?」

 否定しようとした矢先、指の先でくりくりと服越しに正確に……先っぽ、乳首の位置を擦られ声が出てしまう。一瞬目の前がチカッとするほどの快楽に頭の動きが止まってしまう。

いろは「はぁ……ぁ、んぅ♡」

 たった数秒のことだろう。快楽で薄れた意識が戻り、自分のうっとりとした声で我に帰る。
 やっ、やっぱりおかしい。経験もないのに、こんな……。

かりん「すごいだろう? 我のテクニックは。どうだ? 探偵を裏切るのならもっとすごいものを味あわせてやるぞ?」

 両手を私の身体に回し、抱きしめながらかりんちゃんが身体をこすり合わせてくる。ちょうど重なった胸の部分に柔らかい感触が。でも撫でられるよりはもどかしいくらいの刺激で、餌を前におあずけされているような気持ちになってしまう。

いろは「そ、それは――ううんっ、そんなこと絶対しない!」

 つい流されてしまいそうになるも、強すぎる快楽に抱いた不安が勝ち、首を横に振る。
 そう。これはかりんちゃんの妄想。だからきっと、私のこの反応も妄想の弊害なのだろう。つまり、かりんちゃんが私のことをこんな反応する女の子と思っているのか、それともかりんちゃん自身の設定がとんでもないテクニシャンなのか。
 かりんちゃんのセリフから察するに後者のような気がするけど……いよいよかりんちゃんへの罰ゲームの様相を呈してきた。
 かりんちゃんはこの夢を見たことを覚えてるらしいけど、絶対話せないよね。

 なにはともあれ、しっかり自分の意識は保たないと。
 ん? ……あれ? でも、これって妄想をなぞるから……結局意味ない!? 抵抗しようと決めたことも理由がはっきり言えないし。
279 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/05/23(木) 03:58:32.47 ID:gczVYauT0

かりん「ふむ、そうか。ではボディーチェックを続けるとしよう」

いろは「……あれっ!?」

 パッとかりんちゃんが私から離れる。その刹那、瞬きくらいの時間で起こった変化に私は驚愕する。私の探偵風味な服が綺麗に剥がれていた。腕をがっちり固定されていたにもかかわらず綺麗に、だ。
 前を見ればかりんちゃんの手の上に私の着ていた服がかかっている。破れた様子はない。さ、流石は大怪盗――という設定の妄想。

いろは「そ、その……これ以上は何も隠せないと思うけど?」

 服を奪い盗られ、下着とニーソックスに靴だけ。変にマニアックな姿になった私は自分の身体を見下ろしつつ弁明を始める。
 薄ピンク色で上下を揃えた下着。身体は現実と変わりないけど、服がなくなったことでパンツの違和感を強く感じるようになってしまう。かりんちゃんに触られた時のせいだろう。太ももにも滴ってるかもしれない。
 私の言葉通り、真っ赤になってしまいそうな恥ずかし過ぎるそれも今も隠すことはできず、かりんちゃんに晒すことしかできない。
 脚をモジモジと擦りあわせ、できるだけ見えないようにしながらかりんちゃんに言うと、彼女はゴクリと唾をのむ。

かりん「……そんなことはないぞ」

 人が『欲情した』とはっきり分かる表情、初めて見たかも。なんて暢気な心の声を発していると、かりんちゃんが指を鳴らす。

いろは「――なぁっ!?」

 今度はしっかり目で捉えた。まるで瞬間移動みたいに下着がかりんちゃんの手に移ったところを。
 驚く私の前でかりんちゃんはそれを床に置いた私の服の上に投げ、前へ。
280 : ◆HTrEUwqtEM [saga sage]:2019/05/23(木) 03:59:29.86 ID:gczVYauT0

かりん「まだ、隅々まで調べる必要があるな」

 またすぐ近くにかりんちゃんの顔が。急上昇する体温に硬直していると、視界外でかりんちゃんの手が素肌に触れる。肌と肌、かりんちゃんのすべすべとした指が私の胸に。小さい膨らみを揉まれ、甘い快楽が頭を走る。

いろは「あっ――んむっ」

 反射的に喘いだ私の口を、タイミングを計ってかりんちゃんが唇で塞ぐ。彼女に見惚れていた私だけど、急なことに驚いて目を閉じてしまう。
 勿論口も閉じようとして――その間を、かりんちゃんの舌が割って入る。

かりん「んっ、ふぅ……ちゅ」

いろは「ふぁ――っ、ぁ、んん」

 真っ暗な視界の中、かりんちゃんが私の口内を蹂躙する音が頭に響いてくる。唾液が混ざり、粘膜が擦れ合う淫靡な音。
 重なった唇は信じられないほど柔らかく、彼女の舌と私のものが絡む度、気持ちよさに身体が震えてしまう。

いろは「ぁっ、はぁ……ん、ぷぁ♡」

 彼女の熱に理性が溶かされるような心地よさと息苦しさ。頭がぼんやりして、いつの間にか口を開き舌を出したままの私をかりんちゃんが遠慮なく愛撫する。
 唇で舌を挟んだり、先を吸ったり、経験したことない快感に、苦しさは二の次。
 もっと。もっとしてほしい。考えられるのはそれだけで、私はきゅっと瞑っていた目を開く。
281 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/05/23(木) 04:00:34.44 ID:gczVYauT0

かりん「……ん」チュ

 彼女も感じていたのだろうか。私と目が合った彼女は若干涙目で、にっこりと笑う。いやらしい表情に心を奪われたのもつかの間、かりんちゃんがぐいっと私の頭を自分へと寄せ、再び深く口づけをはじめる。そして私の気持ちを読んだのか、胸に触れていた手で胸の突起をつまんだ。
 酸欠と快感にぼやけていた意識が一気に澄み、そして高まり――

いろは「ん、ふぁっ――あ、んうぅっ♡」

 一気に解放される。身体がガクガクと震え、触られてもいない下半身が熱く疼くのを感じる。目の前がチカチカと瞬き、強張った身体が弛緩。
 繋がった口からくぐもった嬌声が漏れる。

いろは「はぁ……っ、はぁ……♡」

 唇を離され、ぐったりとしてしまう私。ほぼ意識がなく絶頂の余韻が支配する頭。虚ろな目で舌を出したまま呼吸を繰り返し、唾液が垂れることも気にかからない。
 ほやっとした視界の中で、項垂れていたせいか足元に飛散している水滴が目に入った。よく見れば私の脚に透明な水の筋が。

かりん「まだ触ってもいないのにこんなに……どうだ? 我に協力するなら、更に強い快楽を与えてやろう」

いろは「ん、ぷぁ……ぁ♡」

 頭が働かない。かりんちゃんが私の内ももを撫で、蜜を付けた指を口へ入れてくる。人差し指で私の舌を撫で回し、口になんとも言えないいやらしい味と感触が広がる。
 経験のない状態でとても現実味のないレベルの快感。すっかり理性が飛んでしまった頭の中は、かりんちゃんから与えられる快楽のことしかなくて。
 私は夢見心地のまま、無意識に脚の間にあるかりんちゃんの脚へ擦り付けながら懇願する。
282 : ◆HTrEUwqtEM [saga sage]:2019/05/23(木) 04:03:18.94 ID:gczVYauT0

いろは「お願い……協力するから、もっと、気持ちよくして……?」

かりん「……。わ、分かった。交渉成立だな」

 ……一瞬目を逸らした?
 ちょっと落ち着いてきた頭に疑問が浮かぶものの、それは次の瞬間に吹き飛ぶ。

かりん「いくぞ……」

いろは「あっ、ぁ……入って――んうっ♡」

 かりんちゃんの指が下半身、秘所を撫でゆっくりと中へ入ってくる。身体の芯に直接差し込まれるような快感に、大した動きはしていないのにもう限界が近くなってしまう。
 身体を反らして反応する私を、かりんちゃんは容赦なく攻めはじめる。

かりん「そんなに腰を揺らして……聞こえるか? 敵に触られてこんなに濡らしているぞ?」

 指が抜き差しされる度、粘着質な水音が聞こえてくる。恥ずかしい……けど、そんなことを気にしてられないほど強烈な気持ちよさが彼女が一動作起こすごとに私を襲う。
 弱い絶頂の波が何度も押し寄せ、意識が点滅するかのように遠のいては目覚めてを繰り返し、苦しさもある筈なのにそれすらも快感の前ではどうでもよく。

いろは「あっ、はぁっ――ん、うっ♡」

 言葉を発する余裕もなくされるがままに愛撫を受ける。もう身体を拘束されていないとしても何もしないだろう。
283 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/05/23(木) 04:04:04.46 ID:gczVYauT0

かりん「――よし、そろそろイクといい」

いろは「あっ、あっ♡ もっ――う、いくっ♡」

 耳元でかりんちゃんが囁く。彼女の言葉に従うように私の快楽は上りつめ、そして――

いろは「ふああぁっ!♡」

 最高潮に達する。高まった快感が頭の中を塗りつぶし、身体が電撃を受けたみたいに震え、秘部から大量の蜜が噴き出る。
 絶頂を終えてもなお強い余韻が残り、私はぐったりと脱力。

いろは「は……っ、ぁ……♡」

かりん「少しやりすぎたか。まぁ、よい。これで駒として使えるのだ」

 ぼんやりした視界の中、かりんちゃんが機械を取り出し、ボタンを押したのが見えた。すると手の圧迫感が無くなり、身体が床に倒れるのをなんとなく感じた。
 拘束を解かれたのだろう。と、他人事みたいに考えたのが最後。

かりん「色々、活躍してもらうぞ……新米くん」

 かりんちゃんの声を聞きながら、私は眠気に襲われ意識を手放した。
284 : ◆HTrEUwqtEM [saga sage]:2019/05/23(木) 04:04:53.51 ID:gczVYauT0





いろは「はうあっ!」ガバッ

 それはまあされるがままな悪夢から私は突然目覚めた。
 奇声と焦燥感、寝坊確定な二度寝から覚醒したかのような慌てっぷりで身体を起こすと、そこは自室のベッド。
 身体にはしっかり毛布までかけられており、まるで本当にただ眠っていたみたいな感じ。

フェリシア「おわっ!? い、いろは!?」

 ただ違うのは、ベッドの横に座るフェリシアちゃんがいること。
 突然起きた私に飛び跳ねて驚き、彼女は心配そうな顔をする。

フェリシア「大丈夫だったか? なんか、すげーうなされてたけど。――エロい声で」

いろは「あ……。う、うん。一応安全といえば安全な夢だったから」

 健全ではなかったけど。精神的な貞操は守れなかったけど。
 現実の私がどんな声を出してたのか気になる。

 ……それにしても。

 額に手を当て、私は思い出す。
 今思い返しても、本当に現実みたいな夢だ。記憶がはっきり残ってるし、かりんちゃんの指が触れる身体の感触だって生々しく覚えている。
 ……うぅ。
 かりんちゃんの方に変な影響ないといいけど……。
285 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2019/05/23(木) 04:08:39.17 ID:gczVYauT0

 遅くなりました!
 とりあえず書いた分を投下して、今回は落ちます。続きはフェリシアの話を再開というところから。最後に判定だけ


 ↓1 かりんの好感度上昇判定
    コンマ二桁で判定。その2分の1、好感度上昇
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/23(木) 04:13:10.84 ID:vgp4k9C3o
ほい
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/23(木) 06:54:45.14 ID:MLcNxkBcO
かりんのこうかんどがグンとあがった
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:40:18.19 ID:nL2yMEt7O
待ってるの
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 07:00:38.30 ID:7E/4IzIDo
待ってます
290 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/01/13(月) 05:32:13.38 ID:ca7vPRRS0
 御園かりん
 55 → 97(+42)
 「夢の中でのことが頭に思い浮かぶの……」



かりん「っ――ぷはぁっ!?」

 御園かりんは長いようで短い夢から目を覚ました。
 悪夢から目を覚ましたかのように息は上がっており、けれど決して悪い気分ではなく。
 ぼんやりと、鳥の囀り代わりに聞こえる人々の喧騒をバックにかりんは夢での出来事を反芻した。
 自身の視点で現実と変わりなく自然な流れで展開された夢。夢に出てきた相手――環いろはにした行為は全て現実味があって、目を覚ました今も手に感触があるような感覚が残っている。
 自身の技術でいろはがかりんへ見せたあられもない姿。快感に抗い、それでも堕ちてしまう彼女の淫靡な反応。

かりん(……さ、さっきまで嫌ってたのになんでこんな夢を見てるの……?)

 まるで自分がいろはをそんな対象に見ていたかのような夢に、かりんは困惑する。彼女以外にも魔法少女、女の子の知り合いはいるのに。そもそも彼女は同性なのに。
291 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/01/13(月) 05:32:55.37 ID:ca7vPRRS0

かりん(まさか私、いろはちゃんのことが……?)

 未だ冷めない混乱の中、視線を動かすかりんは自分が喫茶店にいるのだと思い出す。

かりん(えーと……確か先輩をお茶に連れ出して、それで突然眠くなって……)

かりん「そ、そうだったの! ごめんなさい、アリナ先輩――」

 喫茶店に強引に連れて行って寝落ち。絶対に怒られる、とぼんやりした思考を放棄し即座に謝罪する。

かりん「……あ、あれっ?」

 けれども罵倒も、呆れたため息も返ってこない。それもそのはず、彼女の前の席には誰も座っていなかった。
 先輩がいるはずの椅子は無人で、その前、テーブルに一枚のメモが。

かりん「……」ゴクリ

 とりあえずのお説教は回避されたものの、これはこれで怖いものだ。恐る恐る手を伸ばし、メモを読む。

『アリナ、ミッションに戻るカラ。誘っといて寝るなんてほんとフールだヨネ。お金は払っておいたケド、後で覚えておいて』

 普段の口調に直すと、おおよそそんなことが書かれていた。後で覚えておいて。その一文だけは原文そのままだが。
292 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/01/13(月) 05:33:39.37 ID:ca7vPRRS0

かりん「あ、あわわ……」

 確かな恨みを感じさせる文面に戦慄するかりん。けれどそれ以上に、彼女の心を乱す事実がそこにはあった。
 馬鹿と言われることよりも、先輩が怒っているということよりも気にかかる点。それこそは――

かりん「アリナ先輩、そんなにいろはちゃんをストーキングしたかったの……!?」

 ――突然眠るかわいい後輩を置いて、それも奢りまでしてストーキング活動を再開する先輩の存在であった。
293 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/01/13(月) 05:34:15.36 ID:ca7vPRRS0

 ○

  
いろは「はああぁ……」

 深く、ふかーく、私は息を吐いた。大きく吸って吐く。深呼吸みたいなため息をして、私は頭を抱える。

いろは「このウワサも、やっぱり厄介だね……」

 分かっていたことではある。けれど最初から厄介と思っていたところに、あのランダムで襲いかかるトラブル。これからどうなるかを想像すると恐怖すらも感じる。
 今回のかりんちゃんの妄想だって、一歩間違えれば嫌いな相手をいじめる内容になっていた可能性だってあるのだから。
 ひょっとしたら、好感度を操作されたり、記憶を改竄したり……そんなことも起こるかもしれない。

フェリシア「まー、大丈夫だろ。今回はマギウスも見てるだけなんだろ? なら、仲間もいっぱいいるし心配ないって」

いろは「う、うん……。そこは頼もしい、けど」

フェリシア「けど?」

 沢山仲間がいるだけ、今回のウワサの厄介さが増してくような気がしてならないんだよね……。という心の声は胸にしまっておこう。
 悪いのはウワサだし、口にしてフェリシアちゃんを不安にさせちゃうのも嫌だから。
294 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/01/13(月) 05:34:49.50 ID:ca7vPRRS0

いろは「――なんでもない。言い間違えちゃった。そうだよね。みんなに頼ればきっとうまくいく筈」

フェリシア「そーそー。今まで通りだって」

 にっこりと笑うフェリシアちゃん。彼女にそう言われると、根拠はなくても信じられる気がした。

いろは「うん。ありがとう、フェリシアちゃん」

フェリシア「おう、どーいたしまして」

 お互いに笑みを向けて笑い合う。フェリシアちゃんの笑顔を見ていると、自然と不安も安らいでいく。
 鶴乃ちゃんもさなちゃんもそうだけど、彼女も、フェリシアちゃんも自分の気持ちを知られたのに全然変わらない。一連の騒動で変化だらけで振り回されてきた私には、それがとても有り難い。

フェリシア「――で、休むんだろ? 昼までまだ時間あるし、寝ててもいーぜ」

いろは「あ、うん。それじゃあ横になってようかな」

 実際に疲れていたので遠慮なくベッドに寝ることに。フェリシアちゃんはベッドのすぐ横、クッションを敷いて座る。身体を前に倒してベッドに上半身を乗せて頬杖をついた。
 昨日からずっと騒がしかったせいで、今こうしてのんびりしているとやけに静かに感じてしまう。夜寝た時と微妙に違うのは、フェリシアちゃんが隣で見ててくれるからかな。
 そんなことを思って隣を見ると、フェリシアちゃんが口を開く。
295 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/01/13(月) 05:35:27.53 ID:ca7vPRRS0

フェリシア「なぁ、いろは。辛くないか?」

いろは「え? 辛くは……ないかな。今のところ」

フェリシア「……女の子に好かれてるのに?」

 フェリシアちゃん、気にしてたみたい。言葉を発する前の間でなんとなく分かっちゃった。表情も不安げだし。

いろは「そこは全然気にならないかな。私自身、女の子をそういう目で見られるかと言われると……よく分からないから」

フェリシア「そっか……」

 複雑そうな顔をするフェリシアちゃん。彼女が何を考えてるのか、今度はすぐ分かった。出会ったばかりの頃に時々見せていたその表情――私は手を伸ばす。

いろは「でも、フェリシアちゃんが私の運命の人だったら――すごく嬉しいな」

 彼女の頭に手を乗せ、にっこりと笑う。女の子を恋愛対象として見られるかは分からない。でもフェリシアちゃんと恋人になれるのなら、私はそれを喜ぶだろう。矛盾しているようだけど、それが私の本心だ。
296 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/01/13(月) 05:35:56.26 ID:ca7vPRRS0

フェリシア「――っ」

 フェリシアちゃんは目を見開いて……あれっ? すごく顔が赤い。私が頭を撫でると、すごく恥ずかしそうな顔をしてもじもじする。
 よく考えると告白にしか聞こえない台詞だったんだけど、私はフェリシアちゃんを安心させようとしか思っておらず。想定外なリアクションを見せる彼女に若干戸惑いつつ言葉を続けた。

いろは「それは他の魔法少女の子たちも同じ。みんないい子ばかりだし、助けられてきたから……」

フェリシア「……やっぱりか」シラーッ

 こ、今度はすごく死んだ目を……。

いろは「えっと……フェリシアちゃん? 私、まずいこと言っちゃったかな?」

フェリシア「なんでもねーよ。ったく、もう。全然意識してねぇのな」

いろは「意識?」

 ぽかんと首を傾げる。そんな私を見て、フェリシアちゃんは大きなため息。頭に乗っていた私の手を下ろし、ベッドの上に身体を乗り出す。
 急に私へ顔を近づけてきたフェリシアちゃん。私が反応する間もなく、彼女はほっぺへと口づけをした。
297 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/01/13(月) 05:36:38.88 ID:ca7vPRRS0

いろは「えっ、あ――フェリシアちゃんっ!?」

フェリシア「あんまりむぼーびにしてると、食っちまうからな! き、気をつけろよ!」

 わ、わぁ顔が真っ赤……。捨て台詞みたいなことを言い放ち、フェリシアちゃんは素早く部屋から出ていく。

いろは「無防備……?」

 取り残された私はドキドキしながら彼女に言われた言葉の意味を考え、悶々とした休息を過ごすのだった。



 フェリシア編 1話進行
 フェリシアの好感度が+8 現在98
298 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2020/01/13(月) 05:41:52.34 ID:ca7vPRRS0

 【遅れました! そしてアニメ化おめでとう!今更ですが

 今回は次の魔法少女指名の安価を出して落ちます】


 ↓1、2 次に会う魔法少女を一人指名
      未登場、登場済問わず
      未登場の場合はコンマで好感度測定も同時に行われます
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/13(月) 17:40:05.04 ID:55C/E2h60
かえで
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/15(水) 23:41:30.68 ID:SFlZbXX50
かこ
301 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 07:58:08.20 ID:VoFUtFFJO
 かえで 好感度4 顔見知り……? 敵対? レベル
 かこ  好感度68 親友レベル
 
 
 その日の午後。

ひなの「……」

 ひなのはまたしても喫茶店にいた。
 奇しくも午前、彼女が座っていた席とまったく同じ場所で同じ飲み物を口にする。唯一違うのはここへ彼女を呼び出した人間か。
 さながら一度読み終わった本を読み返す気分。道を流れていく人を眺め、コーヒーを口に含む。余裕と退屈。喫茶店のテラスは街の喧騒から一歩ほどしか離れていないのに、やけに静かに感じられた。

ひなの「――いやいや。気取ってる場合じゃないだろう」
 
 一人で唐突にツッコミを入れる。
 梨花の相談に付き合い、そこから雑談に発展。あれやこれやとマシンガントークに付き合い、やっと店を出たと思えば今度は呼び出されてまた店内へ。
 そして自分を呼んだのは……嫌な予感しかしない相手。

ひなの「れん……。アタシを呼び出すなんて、嬉しいのやら戸惑うのやら……」
302 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 07:58:42.67 ID:VoFUtFFJO

 五十鈴れん。
 梨花と仲の良い後輩である。つい最近までは世間話ですら中々話せない子だったのだが、呼び出してきたということはおそらく個人的な話。または相談か。信頼関係が少し進展したということなのだろうか。
 普段の彼女を知っているからこそ、ひなのは断る気にはなれなかった。……れんの親友が女性に告白した、という複雑な状況があるタイミングでも。
 
ひなの「フフ……アタシも大人の頼り甲斐というものが身についてきたかな」

 単純に頼られて嬉しい、という気持ちが大きいのも承諾した理由ではあるが。
 さて、待機して十分ほど。電話してから外へ出るとなるとこの倍以上はかかる筈だが、意外にも待ち人はすぐに店へやって来た。

ひなの「来たか。こんにちは、れん」

れん「あ……こ、こんにちは。お忙しいところ、ありがとうございます……」

 ぺこりと頭を下げ、れんは着席。
 見たところ落ち込んでいたり、暗い様子はない。メニューを渡しつつ観察する。部活があるひなのは休みの日も大抵そうなのだが、目の前の彼女も制服姿。
303 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 07:59:20.25 ID:VoFUtFFJO

ひなの(……学校に行ってきた、それとも行くのか? もしかして、いろはに会ったり……)

 それで自分にアドバイスを、とそこまで考えて有り得ないと断定する。

ひなの(いや、それだとれんの様子と食い違うよなぁ……。いつも通りに見えるし)

 メニューを開き、それをじーっと見つめる彼女。しばらくするとボタンを押して店員を呼び、小声で注文。
 至って普通。れんが悩んでいたり、落ち込んでいる時は言葉に詰まることが多い。が、今はそれがまるでない。

ひなの(……むしろ浮かれてる? それは無いか)
 
れん「ぁ、あの……」

ひなの「――っと。悪い。ぼんやりしてた。今日はどうしたんだ?」

 問うと、れんは視線を下に。少しだけ俯いてしまう。頬はほんのり赤く、けれどこの時初めて悲しげな感情を表情に出す。矛盾しているような、複雑な気持ちの現れ。不意にひなのは梨花の姿を思い出した。

ひなの「……恋愛の話か?」

 普段ならからかい口調で言うようなこと。けれどそんな気にはなれなかった。
304 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 07:59:46.72 ID:VoFUtFFJO

れん「……」コクリ

ひなの(ま、マジか……)

 恋愛。タイミングがタイミングだ。
 いろはのウワサ騒動に梨花の告白。それらが起こった後に梨花と親しい彼女が恋愛相談。――考えられるのは一つしかない。

ひなの(そうか……梨花のことを……)

 やはり、梨花のことが頭に浮かんでしまう。友人の告白をきっかけに自分の気持ちを知って――

れん「その……でも、女の子同士で……」

ひなの「……単刀直入に聞くが、それは恋愛感情だとはっきり言えるか?」

れん「……はい」

 コクン、と小さく頷く。頭を上げたれんはひなのと目を合わせる。嘘や強がりは感じられない。正真正銘、本心から好きなのだろう。
 れんの真剣な表情に、ひなのも気持ちを引き締める。状況は複雑だ。魔法少女の感情の揺れは死を招くこともある。自分を頼ってくれた後輩を悲しい目に会わせることはしたくなかった。
 ――と、真面目に考えて椅子に座り直すひなのの前。膝の上でギュッと拳を握っていたれんが、今度は恥ずかしそうに両手の指をもじもじと弄り始める。
305 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 08:00:25.03 ID:VoFUtFFJO
 
ひなの(……本当に複雑だな)

 シリアスなやり取りをしていたつもりが、次の瞬間は和やかな雰囲気に。コロコロ変わるれんの表情に、ひなのは改めて思った。
 顔を真っ赤にさせ、チラチラとひなのを見、落ち着きなくれんは口を開く。

れん「……ぇっと、さっきはウワサの影響もあるんですけど……そういう、邪な気持ちにも……なって。は、はぃ……。抱きしめて……触って、しまいました……」
 
ひなの「――ぶっ!?」

 心構えも何もしていないところにいきなり爆弾投下。しどろもどろに話すれんの言葉に、梨花を襲うれんの図が脳内に浮かびひなのは口にしていたコーヒーを吹き出した。
 恋愛感情に気づいたその時から、もうお手つき済みとは完全に想定外であった。
 が、そういう対象として見ていると、分かりやすくはある。

ひなの(そうだ、落ち着けアタシ。触っただけだ。ウワサの影響も……ん? ウワサ?)

 ピンク色の想像に気を取られていたが、クールダウンした頭に一つの単語が引っかかる。
 ウワサ。今、そのワードを聞いて思い出すのは……
306 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 08:01:09.17 ID:VoFUtFFJO

れん「都さん、大丈夫ですか……?」

ひなの「あ、あぁ。……その、もしかしてだが、梨花じゃないのか? 相手は」

れん「……えっ!? り、梨花ちゃんとなんてそんな……っ。違います、はいっ……」

 『梨花ちゃんとなんて』釣り合い、と思っているのだろう。聞かれて盛大に狼狽えるれん。ひょっとしたら無意識に遠慮して引いてるいるだけで、梨花にも……とひなのは感じてしまうが、今はそれどころではない。

れん「私が好きなのは……い、いろはさんです……」

 ――恋する乙女な顔で、環いろはの名前を口にする五十鈴れん。彼女の相談に乗っているのだから。

ひなの(そっ、そっちかぁぁ! 完全に読み違えてた! いやそもそも読めるか! 昨日鶴乃の好感度カンストに、やちよさんの下心に、梨花の告白で驚いてたとこにコレだぞ。いろはは何だ、サキュバスか何かなのか! いやその言い方はよくないけど、女性人気すごいな!)

ひなの「そ、そうかぁ……で、いろはに触ったわけだ」

 脳内は駄々こね状態で、本体は努めて冷静に、けれど訳の分からないセクハラ発言。ひなのは完全に混乱していた。
307 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 08:01:46.58 ID:VoFUtFFJO

れん「はい……その、お尻を……」

 そしてそれに素直に答えてしまう彼女もまた混乱しているのは言うまでもない。
 れんの頭が一連の出来事についていけていないのは当然のこと。恋心もないうちから恋愛感情を抱き、告白し、ついには暴行未遂、そして頭部強打。目覚めてからは明日香にギクシャクした感じで説明をされ……彼女と別れた後はほぼ反射的にひなのを呼び出していた。
 普通の人間ならば、ベッドで半日は頭を抱えてようやく呑み込める案件。その時間がほぼ皆無というなら、どうなるかはお分かりだろう。

ひなの「……ウワサって、大変だな」

れん「はい……とても……」

 遠い目をして二人でしばし沈黙。少々落ち着いたところで、ひなのはため息を吐く。

ひなの「まぁ……ここに呼ばれた理由は大体分かった。梨花のことで申し訳なくなったんだろ?」

れん「……」

 黙秘。視線を下に向け、口を閉ざしてしまうれん。
 けれどもそれが肯定を意味していると流れで分かるし、彼女の表情がそう物語っていた。
 告白した友達のことを知っていての行動。それは彼女を裏切ることと同義。
308 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 08:02:14.01 ID:VoFUtFFJO

ひなの「……。気にすることはないんじゃないか?」

 考えて、ひなのは一言口にした。
 適当そうな言葉を意外に思ったのか、れんは勢いよく顔を上げる。しかしひなのの表情を見て、本気で言ったのだと理解する。

ひなの「アタシは……梨花のこと、少し知っていてな。今のれんの行動を知ったら、きっとあいつは喜ぶと思う」

れん「……」

 自分のようにはなってほしくはないから。梨花ならばそう思うはず。それに多分、同じ人を同じ性別の友人が好きになったと、仲間ができたと喜びすらすると思うのだ、彼女は。
 はしゃぐ梨花を想像し、ひなのはフッと笑う。

ひなの「それにな……」

 それに、れんの行動が問題ないともう一つ言える理由があった。それは梨花の過去や優しさ、れんの気遣いや不安――それらとはまた違う、シンプルな事実。

ひなの「いろは争奪戦は凄まじい激戦区だ」

 みかづき荘に加え、梨花を含むその他魔法少女まで。今更れんが加わっても全体的に見れば些事に違いない。
 
309 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 08:02:56.80 ID:VoFUtFFJO

れん「えっと……あの……女の子同士、ですよね?」

ひなの「ああ……」

 間違いなくマイノリティなのだが、ここ神浜、ひいてはいろはの周囲では例外なようだ。それがウワサの影響ならまだ分かりやすいのだが、みかづき荘メンバーの好意は既に外部の人間も認知しているもので。特別いろはが好かれやすいと考える他ない。

ひなの「とにかくだ。今更れんが参加しても卑怯だなんだと騒ぎ立てる奴はいない。堂々としてればいい」

れん「……はい。ありがとうございます……」

 安堵した様子の後輩に、ひなの自身もまたホッと胸を撫で下ろす。恋愛の、それも女性同士の悩み相談。自信はなかったがどうやら少しでも力にはなれたらしい。

ひなの(れんが恋か……。それも、いろはに)

 我が子の成長を感慨深く思うような気持ちで、ひなのはこれまでを思い返す。自分と話すこともままならなかった少女が、友達と同じ人を好きになって想い人に気持ちを伝えた。色々と複雑な気持ちはあれど、喜ばしいことであった。
310 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 08:03:30.94 ID:VoFUtFFJO

ひなの(……まぁ、いろはが大変なことになるだろうし、もうなっているだろうが……)

ひなの(応援するしかないだろう。後輩達の成長を)

 止めて、忠告したってやめたりはしない。
 自分も恋に関しては暴走気味な自覚はあるため、止める気にはなれなかった。ましてや消極的な彼女が告白、それを先輩に相談までしてきたのだ。

ひなの(5人以上から好意を……。今度そのモテモテさの秘訣を教えてほしいものだな……)

 今回は黙って成り行きを見守るしかない。
 どんどん厄介さを増していく後輩の状況に、ひなのは苦笑しつつ彼女の無事を祈った。
311 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2020/02/10(月) 08:04:04.57 ID:VoFUtFFJO
 




 家にいるだけじゃウワサは解決しない。
 危険だけれど外にも出なきゃ。そんな想いで、仮眠から昼食をみかづき荘のみんなで食べて、私は一人午後の外出に。

いろは「……どうしよう」

 外出……したのだけど、私は困っていた。
 原因は少し遠くに見える二人の少女と数字。なんで私が困っているのかは言わずともなんとなく分かるだろう。
 低いか、それとも極端に高いか。今回は……

かえで「それでね、レナちゃんとももこちゃんがいろはちゃんに――」

かこ「そ、そんなことがあったんだ……。フェリシアちゃん大丈夫かな……」

 かえでちゃんは好感度4 。
 かこちゃんは好感度68。
312 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2020/02/10(月) 08:04:37.32 ID:VoFUtFFJO
 私のことを嫌っている子と、友達と思ってくれてる子の二人組。それだけなら勇気を出して飛び込んでいくところだけど……二人は同じチームを組んでいて、とっても仲が良い。
 それに加えて、かえでちゃんが所属しているもう一つのチーム……レナちゃんとももこさん達とも仲良し。
 で、かえでちゃんの好感度が判明した今、ももこさんのチームメイト全員から嫌われちゃってることが確定したわけで。
 そんな彼女が、私が昨日二人を巻き込んだことを話しているのだから――行くべきか見て見ぬフリをすべきか迷ってしまう。
 せめてかえでちゃん一人なら、頑張ろうと思えるのだけど、今行くとかこちゃんとかえでちゃんの仲も悪くさせてしまいそうで怖い。
 かえでちゃんが暴走してしまったら、間違いなくかこちゃんも巻き込まれるだろうから。

いろは「うーん……」

??『何迷ってるの? とりあえず理由、行くわよ』

いろは「――へっ? えっ、ちょ」

 休日の通学路。私服姿で談笑している二人を、曲がり角から顔を出してじーっと観察していると不意に声が聞こえる。それがウワサのものと分かった時には遅く、私の頭に二人の言葉がどこからともなく聞こえてきた。


 ↓1 かえでの好感度4の理由
 ↓2 かこの好感度68の理由
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 22:53:16.78 ID:WVdzXzKP0
両替に行っている間に5000円吸い込まれたクレーンゲームでハイエナされた
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:30:49.58 ID:hUAkTcaGO
みかづき荘で戴いたいろは作の「あっさり魚介ネギ塩ラーメン」が忘れられない
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 00:15:52.09 ID:KJ1KjZPV0
もうイッチ帰ってこないのん?
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/02/25(木) 07:24:01.23 ID:L+qY0BqtO
帰ってきてほしいんよ
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/02/25(木) 21:17:40.26 ID:q54Hp5alO
続き
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 21:51:33.09 ID:SnC5wOeuO
そんなものはない
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