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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十五輪目】
- 99 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/26(木) 22:31:57.71 ID:Fb1cLYZRo
-
では少しだけ
- 100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 22:32:47.42 ID:4+f46IK5O
- やったぜ
- 101 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/26(木) 22:42:49.03 ID:Fb1cLYZRo
-
天乃「本当は、どう考えているの?」
沙織は本当の考えを隠した。
だからそれは聞かないべきなのかもしれないが、
天乃は関せずに問う
沙織が本来の考えを話さなかったのは、
結局、天乃の為に話さない方がいいと考えたと思うからだ
沙織の視線が天乃へと向く
何も言わない無言の視線
天乃もまた、促すように黙ったまま目を向けると
沙織は「そうだなぁ」と諦めたように呟く
沙織「本当のことを言うと、久遠さんには進学してほしいって思うよ」
周りへの迷惑を考えて進学しない。
そう考えている天乃をよけいに考えさせるかもしれないと思ったのだろう
沙織は我儘だけどね。と前置きして
沙織「久遠さん、人とかかわるの好きだよね。というか、人が好きだよね」
天乃「それは」
沙織「でも、勇者としての責務とかで久遠さんって中学校生活のほとんどを満足に楽しめなかったでしょ?」
今月に行われた文化祭だってそうだ
結局、一番大切な日に体調を崩して参加できずに終わってしまった
沙織「だから、楽しんでもらいたいなぁって思うんだ」
天乃「……でも、私はこんな体だから」
沙織「だから周りの負担になる。そう考えると思ったから、そう考えてるだろうから、あまり言わない方がいいかなとも思ったんだけどね」
沙織はちょっぴり悲し気に言うと、
でも聞かれたからには本当に考えたことを全部言っちゃうからね
後から文句言われても何も聞かないし知らないからね。
聞いたのは久遠さんなんだからね。と
言葉のバリケードを瞬時に組み立てて天乃に押し迫っていく
- 102 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/26(木) 23:00:12.50 ID:Fb1cLYZRo
-
沙織「こほんっ。久遠さんは誰かの負担になるのが嫌だって考えてるけど、そんな人はまず出てこないから大丈夫だよ」
天乃「どうして?」
沙織「あたしが久遠さんと同じ学校に行くからだよ。むしろその他の高校に興味はないね。ノー久遠さんノーライフ」
もちろん冗談じゃないよ? と天乃が何も言わずとも答えた沙織は、
だから誰の負担にもなることはないんだよ。と、飄々とした笑みを浮かべる
一見ふざけているようにも思えるが、表情は至って真面目なもので。
沙織「だって、やりたくないなら久遠さんに力を貸す必要はないんだもん。おい、クラス委員長。久遠の世話をやれ。なんていう指示なんてまずない」
天乃「…………」
沙織「そう。だから久遠さんに近づいてくるというか、その手を貸してくれるのは負担と思わない人達。あたし達のように好意ある人だけ」
もちろん、場合によってはあたしが引き剥がすこともあり得るけれど。と
こればかりは冗談だったのだろう、
苦笑をこぼした沙織はすぐにそれはともかくと切り上げた
沙織「もしあたし一人じゃ人数的に不安だって言うなら、話せば乃木さんたちも入学させてくれるんじゃないかな」
天乃「九尾が?」
沙織「大赦が。多少反感は買うかもしれないけど、今以上に買うこともないだろうし」
天乃「……自覚はしてるつもりだったのだけど」
精霊。
それも西暦の勇者を学校に入学させるという我侭を通してなお
これ以上反感を買うことがないという久遠天乃の評価に
天乃は思わず顔をしかめたが、大して、沙織はそれはそうだよ。と笑う
沙織「今を生きてる子で数えれば、巫女1人に勇者7人も1人で囲ってるんだよ? 将来を考えればふざけんなって言いたいんだと思う」
- 103 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/26(木) 23:18:45.81 ID:Fb1cLYZRo
-
沙織「だから東郷さんが……あれも本気みたいだけど。東郷さんが女の子同士での子供云々言ってるの聞いてるよね?」
天乃「え、ええ。少しは」
沙織「それを大赦でもどうにかしようと研究してるって噂だよ」
天乃「……本気?」
沙織「三好さんが力を引き継いでいたっていう前例があるからね」
久遠家という神樹様さえ屠ることのできる力を敵に回すよりは、
敵に回さずに要望を叶えた上で、天乃の強力な力を多くの人が手にすることが出来た方が良い
当然ながらリスクはあるが、リターンもあるからだ
沙織「残念ながら、実現するまでこの世界が保たれてるって保障はないけど」
天乃「外、何か起きてるの?」
沙織「久遠さん覚えてるかな。外の灼熱地獄」
天乃「ええ。もちろんよ」
肌に感じたあの熱量、目に見えた真っ赤に燃え盛る世界
一瞬たりとも忘れきれたことのない光景を思い浮かべ、天乃は頷く
バーテックスから世界を開放するためには、
いずれ、何とかしなければいけなかった問題だ
沙織「ちょっと、気になるところがあるって話が大赦では出てるみたいなんだ」
天乃「皆には?」
沙織「お呼びはかかってないし、かからないと思う」
現在、
星屑の存在は確認されているがバーテックスの存在までは確認されておらず、
星屑ならば対応できる芽吹達防人の存在もあるために、夏凜達勇者を無理に連れ出す必要はないと考えられているのだ
そもそも、今のボロボロな状況ではまともに戦えるかどうかも怪しい
沙織「だから、これは内密に。ね?」
- 104 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/26(木) 23:42:52.62 ID:Fb1cLYZRo
-
唇に人差し指を充てる仕草をして見せた沙織に対して、
天乃は内緒ならどうして。と、問う
内緒ならば無理に言う必要はなかったはずで、
言われることがなければ何かが起こる不安を抱く必要もなかった
そう疑問に思った天乃に、沙織は困った表情を見せる
沙織「きっと、久遠さんに情報が流れることはない」
それが意味することは解るよね? と、沙織は疑問の矛先を捻じ曲げる
天乃に情報が流れることはない
だが、勇者部に情報は流れる事だろう
そして、それはやはり【天乃に情報が流れることはない】のだ
天乃を不安にさせないために
天乃を巻き込まないように
皆は内々に事を済ませようとする
あるいは、そこに首を突っ込んでいくことだろう
そうなった際に、蚊帳の外の不安にさいなまれるのは天乃なのだ
沙織「だからあたしは久遠さんに一つ先の情報を渡しておこうと思っただけ」
天乃「…………」
沙織「最も、あたしも伝え聞いた話でしかないから最新の情報というわけでもないんだけど……少なくとも今はまだ動いてないから平気だよ」
- 105 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 00:20:31.94 ID:qFvl7KV/o
-
しかしだからと言って安心出来るわけではない
いずれ何かが起きることは確実だろう
バーテックスは完全に消え去ったわけではない
外の世界が解放されたわけでもない
だから、必ず。
それは今年かもしれないし、来年かもしれない
天乃の子供が成長した数年後かもしれない
いずれにしても、いつかきっと。
増えてしまう悩みに天乃が深く息を吐くと
沙織は「進路の話に戻るけど」と言う
沙織「ああは言ったけど、久遠さんが考えてなお進学しない道を選んでも否定はしないからね」
天乃「……その場合は、、沙織はどうするの?」
沙織「その時はその時でまた考えるよ。進路希望はあくまで希望だからね。変えられるから」
そう言った沙織は、
だから久遠さんもとりあえずで良いんだよーと、
軽い声で笑って見せた
- 106 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 00:24:45.84 ID:qFvl7KV/o
-
√ 10月14日目 夜(病院) ※日曜日
01〜10 水都
11〜20 若葉
21〜30
31〜40
41〜50 友奈
51〜60
61〜70
71〜80 九尾
81〜90
91〜00 千景
↓1のコンマ
- 107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 00:25:12.07 ID:d15c7sn+O
- あ
- 108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 00:25:20.11 ID:+LjaUs5q0
- や
- 109 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 00:49:30.41 ID:qFvl7KV/o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
園子「わ〜っ、天さんに孕ませられちゃう〜」
風「こらぁっ! そんな言葉どこから仕入れた!」
園子「……」チラッ
東郷「……」フイッ
夏凜「壁見てどうすんのよ」
東郷「ごめんなさい、夏凜ちゃんと見間違えたわ」
夏凜「よーし表でろッ!」
- 110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 00:57:47.12 ID:VYARqoz5O
- 乙
久遠さんに情報を流さないのはかえって悪手になりそうだよなぁ
さおりんの情報で負のスパイラルを阻止できるといいけど…
- 111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 08:12:24.14 ID:YFiz2LK0O
- 乙
子供を産んだ後も色んな意味で忙しくなりそうだな
- 112 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 22:06:56.68 ID:qFvl7KV/o
-
では少しだけ
- 113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 22:32:49.46 ID:qs+v28lpO
- 来てたか
- 114 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 22:39:35.18 ID:qFvl7KV/o
-
√ 10月14日目 夜(病院) ※日曜日
水都「伊集院さんが言っていたようにバーテックスの気配は全く感じられないですね」
沙織が天乃へと話をしていたのを聞いていたのだと隠さずに告白した水都は
少し考えてから、言う
水都「ただ、少しですけど活性化してるんです。それが熱くなっている原因で……」
そこまでは伊集院さんから聞いてますよね。と
確認の意味で繰り返した水都は、どうやら未完成型は出てきているみたいなんです。と、続けた
天乃「未完成型って御霊がないタイプのよね?」
水都「私達の中では旧型バーテックスって印象ですけど、その通りです」
天乃「それ、沙織には伝わってないのね」
水都「伊集院さんは目立っちゃうので、どうしても気づかれちゃうみたいで」
水都は苦笑して、
その点、私は目立たないのでと自虐意味に言ってパーカーの帽子をかぶるような仕草をして見せる
水都「潜入には向いてるんです」
天乃「無茶するわね」
水都「……少し、気になることがあったので」
- 115 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 23:02:31.33 ID:qFvl7KV/o
-
水都「久遠さんは羽衣伝説と言うのをご存知ですか?」
天乃「羽衣伝説……? まぁ、良く聞く程度の知識ならあるわ」
羽衣伝説。
水浴びをしていた天女に魅了されてしまった人間が、天に戻るために必要な羽衣を奪ってしまう
地上に残った天女は知らずにその人間と結婚して子を生すが、
暫くして羽衣を盗んだのがその夫であることを知り、子と夫を残して天に帰ってしまうという話だ
水都「実は、その物語に登場する羽衣を用いての任務が防人に与えられるそうなんです」
天乃「羽衣を作って言うことは、天に……まさか生贄とか言わないわよね?」
水都「巫女が……あ、もちろん私や伊集院さんではないんですけど」
そう前置きしてから「巫女が外に出るということ自体は生贄と同等です」と、言う
もちろん、防人が護衛として傍にいるし、
巫女を外に放置したり、炎の中に身投げさせるといった作戦がとられるわけではないと水都は続ける
水都「実はこの羽衣伝説に登場する天女は、私達がもととなっている稲荷神の一部でもあるんです」
天乃「……トヨウゲヒメ。だったかしら」
水都「流石ですね。その通りです」
- 116 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 23:26:59.81 ID:qFvl7KV/o
-
良くある話しか知らないと答えながら、
自分が言おうとしていた名前を言い当てられたことに感心したように笑みを浮かべた水都は
知識の差で少し優越感に浸ろうとしていたのかもしれないと
照れ臭そうに咳ばらいをする
なぜ天の神がバーテックスを作り出していると言われる中、巫女の装束に羽衣という名がつけられたのか
それが気になるという話を聞いたので、私も気になって考えたんです。と、水都は神妙な表情を浮かべる
天の神が敵だとするのなら、
天に帰るための羽衣という装束は不吉な印象を受けてしまう
にもかかわらず付けられた理由
それは確かに自分でも気になるかなと、天乃も頷く
水都「トヨウゲヒメは神饌の神として、天の神……天照大神に安らぎを与えるために御傍に呼ばれたという話があります」
なので。と、水都は続けて
水都「自分達には害がないことを知らせるための作戦。つまり、天の神の目を欺こうとしている可能性が一つ」
天乃「一つ。と言うことはもう一つあるのね?」
水都は静かに頷く
水都「もう一つは人類が天女と人間の間に生まれた子のように神と共に在るものであり、正当に神々に認められるべきであるとの主張」
天乃「……天の神がそれを認めると?」
水都「思えない」
- 117 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 23:40:46.98 ID:qFvl7KV/o
-
水都にしては珍しくきっぱりと言い切ったのに驚く天乃の傍ら、
殆ど無意識な断言だったのだろう。
水都は付け加えるように思います。と小声で呟く
神の考えなど理解できるはずがないし、
想像の範疇に収まっているとも思えない
だからこそ、考えは断定すべきではない
水都「あとは単純に、トヨウゲヒメの力の一部としてそれを模している可能性があります」
むしろ作戦的にはその可能性が一番高いかもしれないですよと水都は誤魔化した笑みを浮かべる
いや、本当は……
そこまで考えを持った水都は、やはり、首を振って改める
生真面目に話題へと入ったは良いものの、
どれもこれも推測の域を出てくれてはいない
天乃と話せばその答えも搾れるかもしれないと思ったが、
思えば大赦中枢どころか、
だんだんと蚊帳の外にされ始めているのだ
重要な情報が伝わっていることはまずなかったのである
天乃「なるほどね……それで、貴女は私に気になる点を突いてほしいのね」
水都「え?」
天乃「違うの? 藤森さんの話し方的に、久遠さんはどう思いますか? って、続くとばかり」
水都「……それは」
1、詳しくは聞かない
2、作戦について聞く
3、大赦は何というか、もう少しろくでもないことを考えていそうだけどね
4、天の神をだましたりしたら今度こそ人類は滅ぼされるでしょうね
5、正直、私としては余計なことはしてほしくないわね
↓2
- 118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 23:43:24.90 ID:hcVI4vcZ0
- 2
- 119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 23:43:39.39 ID:qs+v28lpO
- 2
- 120 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/27(金) 23:52:56.00 ID:qFvl7KV/o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
沙織「天女が人類とか何言ってるのかわからないよ」
東郷「同感です」
沙織「でも、男の人が羽衣盗む気持ちには、ちょっとなってみたいよね」
東郷「久遠先輩、ちょっと露しゅ……水浴びに行きませんか?」
天乃「うん、貴女達は頭を冷やした方がいいわ」
- 121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 23:59:27.09 ID:qs+v28lpO
- 乙
月の終わりに新たな物語の幕開けの予感
エロや戦闘のみならず設定も相当よく練られてるよなぁ
- 122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 23:59:36.22 ID:Mkylp1e0O
- 乙
海!は今の時期無理だな…
- 123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 09:48:27.10 ID:iF/WRTZdo
- 乙
そういえばあれが羽衣だった理由は作中じゃ描写なかったよね
オリジナルでいくのかな
- 124 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/28(土) 22:17:05.27 ID:nAE3oRUpo
-
では少しだけ
- 125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 22:18:10.91 ID:IUGCS3WVO
- よしきた
- 126 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/28(土) 22:27:03.23 ID:nAE3oRUpo
-
天乃「それで、藤森さんその作戦っていうのはどういったものなの?」
水都「作戦自体は、近畿地方に向かうといったものです」
天乃「近畿地方……? あれよね? たしか、西暦時代の地方名」
授業で学んだ程度の知識しかない天乃は、
どうしてそんなところに行くのかと不思議そうに首をかしげる
西暦時代が終わってから300年
バーテックスの脅威を悟らせないために湾曲されたり省略されてきた外の世界の情報には
危険を冒してまで近畿地方へと理由がないのだ
水都「そうです。そこに陣地を築くために、羽衣をまとった巫女が道筋を作るんです」
手元にはないんですがといった水都は、
代わりの植物の為―歌野持参―を掌で転がし、力を宿した同様の種を植えていくのだと言う
巫女が道筋を作り、近畿地方にて陣地を築く。それが作戦なのだと水都は改めて要約する
天乃「近畿地方に、種を植えて……羽衣……?」
水都「流石にこれだけじゃ、何もわからないですよね」
天乃「情報がまばらと言うか、私が近畿地方について知らなすぎるだけだとは思うのだけど……」
考え込むように息を吐いた天乃は、もどかしそうに眉を顰める
決してつながりのない話ではないはずなのだ
必ず、理由があってそうなっている
それだけは確定しているからこそ、天乃はもどかしく思う
情報さえ出そろえば、何か答えを見出せそうなものなのだが
- 127 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/28(土) 22:55:08.23 ID:nAE3oRUpo
-
水都「伊集院さんも流石に近畿地方についての詳しい知識はなかったみたいで」
もちろん、一般人に比べて多くの情報を所持してはいるが
それでもある程度の隠ぺいは行われているのだろう
神世紀を生きる天乃達ではこの問題の答えにたどり着くことは難しいかもしれない
天乃「となると、あとは若葉達西暦のみんなに話を聞いてみるしかなさそうね」
水都「そうですね……ただ、うたのんはちょっと力になれないかもです」
そう言った知識に乏しいので。と、水都は冗談めかしたように笑う
勉強が完全にできないというわけではないのだが、
そういった神話に通じるマニアックな話となると難しい
だが、それを言ったら西暦世代も殆どが力になれないだろう
勉強が出来るから神話を知っているというわけではない
その特定の分野に興味を持って突き詰めてこそ得られる知識だからだ
天乃「近畿地方ねぇ……有名どころで何か知ってることはある?」
水都「そうですね……」
うーんとうなって長考した水都はおもむろにそういえば。と手を叩く
水都「天橋立という観光名所があったはずです。確か、有名なパワースポット」
天乃「パワースポットって言うことは何らかの力があるかそういった繋がりを持たせられる場所って事なんだろうけど……」
水都「西暦時代は結構無理やりな繋がりというか、爪先引っかかればコラボOKみたいな風潮もあったので微妙なところですけど」
そう苦笑いを浮かべながら頬を掻くと、
田舎者にはそんなに関係ない話なんですけどね。と自嘲する
水都「でも、天橋立はちゃんとした名所だった記憶があります」
- 128 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/28(土) 23:20:57.43 ID:nAE3oRUpo
-
長野にいた水都にとって、
東京といった都会や、そういった離れにある場所というのは興味があったのだ
弱い自分を変えたいと思っていた水都はなおさら、
そういったパワースポットという不思議な場所には惹かれたのである
水都「もう少し詳しく調べておけばよかったですね……」
天乃「まさかこんな知識が必要になるだなんて思わないもの、仕方がないわ」
水都「それはそうですけど、うたのんみたいに突き詰める根気があれば……」
天乃「歌野は歌野。藤森さんは藤森さんよ」
水都「そうですね」
あこがれる相手の全てを完璧に模倣することは出来ない
それを認めるように頷いた水都は天乃をじっと見つめる
その典型的なパターンが天乃だからだ
もちろん、天乃が超人的といってしまえばそれまでだが、
天乃の言動や人に対する接し方は模倣するだけでは上手くいかない
彼女の人柄でこそ、成立するものなのだ
天乃「……? どうかした?」
じっと見つめていると、不思議そうに小首を傾げて聞いてくる
心の優しさと、それゆえの辛苦を感じる大きな瞳
数々の想いを紡ぎ、紡がれた程よくふっくらとした唇
身体の不満足さを露にし、今は見つめられることに恥らってか赤くなっている白い肌
天乃「藤森さん?」
水都「あっ……い、いえ」
唇が動き、名前を呼ばれ
思いのほかまじまじと観察してしまっていたことに気付いた水都は慌てて目を逸らす
- 129 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/28(土) 23:44:58.59 ID:nAE3oRUpo
-
天乃「何かあった?」
水都「いえ、なんでもないです」
天乃「でも」
水都「ほんと、大したことじゃないので」
本当に大したことではないし、
今話していたことにも関係がない
だから、水都は手を振りつつ否定する
少し気になってしまったことがあるだけで
今までと何の変りもないことだったから
水都「それより、久遠さんも早く休んだ方がいいと思いますよ」
天乃「何か誤魔化したわね」
水都「言わないと寝ないとか言われても困りますよ」
ぐっと天乃の体を押してベッドへと寝かせて、冗談めかして呟く
大したことではないからと。
もう一度繰り返して、気にしないようにと忠告するように言い残して
水都は姿を消した
- 130 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/28(土) 23:46:42.67 ID:nAE3oRUpo
-
√ 11月01日目 朝(病院) ※月曜日
01〜10
11〜20 夏凜
21〜30
31〜40 樹
41〜50 千景
51〜60
61〜70 東郷
71〜80 友奈
81〜90
91〜00 風
↓1のコンマ
- 131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 23:47:01.92 ID:YrDx7esM0
- や
- 132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 23:47:21.09 ID:g8TSFXknO
- あ
- 133 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/28(土) 23:53:11.51 ID:nAE3oRUpo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
10月14日目まとめは明日
……11月の始まり。
- 134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 23:57:38.96 ID:g8TSFXknO
- 乙
11月に一体何が……
- 135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 23:58:03.91 ID:IUGCS3WVO
- 乙
長かった10月が終わり、いよいよ11月突入か…
そのっちの体は良くなってるかな?
- 136 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/29(日) 22:13:38.26 ID:fFOI0sjKo
- では少しだけ
- 137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 22:19:24.67 ID:NQfhNPLEO
- あいあいさ
- 138 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/29(日) 22:25:30.24 ID:fFOI0sjKo
-
√ 11月01日目 朝(病院) ※月曜日
振り返れば辛苦に満ち満ちていた10月
乗り越え月の変わった11月が始まって、勇者部の面々にも少しずつ変化が起きていた
満開の後遺症によって失っていた味覚を取り戻しつつある友奈は穢れの影響も薄まっており、
風に関してはまだ完全に握力が戻ってきていたわけではないが、今月中の回復も可能であると判断され
友奈と樹、沙織と共に登校を再開する
東郷に関しては両足の機能および右腕の機能も回復に近づいてきており、リハビリを開始
松葉杖を用いてのリハビリを兼ねた登校を申請したが、
右腕に不安があること、両足の機能もまだ不安があるということで却下され、
病院でのリハビリを継続
夏凜に関しては発症直後に比べてかなり落ち着きを取り戻しているが、
時折、少しだけ体調を崩すような天乃と比較的近い状態であるため入院は継続
病室は勇者部共同の部屋へと戻っている
園子についても動くことのなかった心臓が動き、
皮膚上の問題や身体的機能も回復に向かい、
簡単な手作業程度なら少しずつ行えるようになってきており、
座りながら足を動かすリハビリなども行うなど順調ではあるが、やはり、入院は継続している
そして、天乃だが。
看護師に言われたように穢れによる影響も収まり、つわりによる体調の変化も落ち着いたことで安定期に入ったと判断され、
みんなの病室へと戻ってきていた
一ヶ月近く経ってようやく、また、普通に会話が出来る所まで戻ってこれたのだ
天乃「長かったわね」
風「長いどころの話じゃなかったわよ、ホント」
ちょくちょく体調を崩していた期間も含めれば、天乃の体調不良の期間は長い
その間の精神的な疲労感を吐き出すように風は溜息をつく
妊婦として体調を崩すことはなくなったという安心感
元勇者として、久遠家の人間としての不安
間に挟まれるような感覚を風は感じてm、苦笑いを浮かべる
少なくとも、今は安堵してもいいのだと。
風「あとは天乃が元気な双子を産めば終わりでしょ?」
天乃「そのあとまた子育て期間があるけどね」
有名な話、夜泣きというものがあるのだと話すと
元気な証拠だし別にいいっての。と風は笑いながら一蹴する
- 139 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/29(日) 22:49:50.74 ID:fFOI0sjKo
-
赤ちゃんの夜泣きがストレスになってしまうという話は耳にするが、
そんなことよりも神経を使わなければいけないことが多々あったのだ
風としても、勇者部としても、沢山。
だからこそ、夜中や早朝に赤ちゃんが大泣きしようが、
それはむしろ元気であり、何の変哲もない日常の一風景なのだ
喜びこそすれ、煩わしく思うことなどありえない
風「とにかく、元気な子供を産むために暫く登校できないからって、ハメを外さないようにすること」
特にそこで寝てる人。と、ベッドで横になっている夏凜を指した風は、
あとそっち。と、園子の方に目を向ける
園子「そのっちで〜す」
風「そのっちじゃなくてそっち。溜まってるからって天乃の事襲わないように」
園子「……ちなみに襲うの範囲はどの辺りからでしょうか、わっしー先生」
東郷「合意じゃないと発覚したらダメよそのっち」
園子「つまりバレなきゃセーフだね」
風「アウトにきまってるでしょーが!」
不安だと愚痴る風は無造作に天を仰いで溜息をつくと天乃へと振り返る
どうすべきかと迷っている表情、不安な表情
だが決して切羽詰っているわけではないという日常的な不安を抱いている姿に、
天乃は苦笑して
天乃「大丈夫よ。園子だって優しい子だもの」
風「それは解ってるけど」
零しつつ、風の瞳はちらりと東郷を一瞥する
風「不安しかない」
夏凜は抑制が効くだろうという安心感―襲いかけたことを知らないため―があるが
東郷とずっとじらされ続けていた園子に関してはやや不安が残る
園子の身体機能は回復途中であり、まだまだ非力
しかし、東郷は違う。
風「やっぱ、あたし残ろうか?」
天乃「大丈夫だから学校行って。みんなだって心配してるんだから」
- 140 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/29(日) 23:21:37.24 ID:fFOI0sjKo
-
天乃「風は三年生組の中では友奈的な立ち位置なんだから」
風「友奈の?」
天乃「馬鹿は風邪引かない的な」
風「はぁ……風だけに?」
天乃「……あ、うん」
風「やめて! そんな目で見ないで!」
どこか呆れたような表情で、
仕方がなくそのノリに乗ってやろうという仕草で言う風に冷ややかな視線を浴びせた天乃は、
そんな冗談のつもりはなかったのだが、
思いのほか和んでくれた空気を含んで照れ隠しに顔を覆う風へと微笑む
天乃「私達の代わりに宜しくね?」
風「はいはい。解った。その代わり天乃は安静にしておくこと。東郷と園子もよ。特に東郷」
東郷「少しは信頼してください、風先輩」
風「むしろ信頼してるから言うのよ」
東郷「酷い話です……」
1、風は進路希望調査票書いたの?
2、風、悪いけれどみんなによろしくね
3、勇者部の活動はどうするの?
4、東郷なら大丈夫よ、きっと
5、気を付けてね
↓2
- 141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 23:21:58.66 ID:fTyxqF/qO
- 1
- 142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 23:23:37.47 ID:NQfhNPLEO
- 3
- 143 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/04/29(日) 23:55:06.68 ID:fFOI0sjKo
- ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
もしかしたらお休みいただく可能性があります
友奈「でも、東郷さんがえっちなことしようとするって言うことは久遠先輩が健康ってことだから。そういうところは信頼できるよ」
東郷「友奈ちゃん!」
樹「えっちな人って部分の否定はしないんですね……」
東郷「人が必ず持つ欲求の一つで秀でていることを恥じてしまったら、それはもう人間であることを否定したことになってしまうわ」
風「樹に変な事覚えさせるなーっ!」
- 144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 00:00:55.43 ID:yOsgie25O
- 乙
風先輩の心労が…w
あとこの時期までみんなの体の治りが遅いのはやっぱり原作以上に神樹様が弱ってるからなのかな?
- 145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 01:37:25.21 ID:iVH074toO
- 乙
最近元気ないせいかいちゃいちゃパートも減ったからなあ
- 146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 08:32:34.85 ID:rhZs4jOIO
- 公式の特典ゲームの実況で一瞬だけとーごーせんせーが出没した件
- 147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 15:53:59.84 ID:y1aVhVZgO
- とーごーせんせーは娘太丸の4コマで既出では…?
いずれにせよ穢れの件とか先出ししたりするスレだからな今更だわ
- 148 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/01(火) 23:02:25.44 ID:QZOcPKDyo
-
では少しだけ
- 149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/01(火) 23:06:11.02 ID:jF/LiW9L0
- よしきた
- 150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/01(火) 23:07:06.41 ID:V1rOpQRdO
- やったぜ
- 151 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/01(火) 23:21:29.02 ID:QZOcPKDyo
-
天乃「それで風、勇者部の活動のほうはどうするの?」
風「あー……」
考えてはいた。
だが、勇者部の事を考え、
依頼に来るみんなの事を考え、
中々答えを出すことは出来ていなかったのだ
風「それ悩んでたのよねぇ」
みんながどうにも出来ない状況ならば迷いもなく拒否できるが、
樹や友奈は活動自体の支障はない
勇者部が健在であるというアピールによる周囲への安心感を考えれば
活動すべきではないか。という考えも生まれてしまう
しかし……
風「友奈と樹は身体的には問題が無いといってもいいでしょ?」
天乃「そうね」
風「だから多少は部活も再開して良いのかなぁとは思うんだけど」
天乃「何か問題があるの?」
風「何があるか分からないでしょ? 友奈の体もそうだけど、樹海の方で」
- 152 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/02(水) 00:14:11.10 ID:ko8t3oWTo
-
天乃「もしも樹海化したらっていうところが心配なのね……」
風「そういうこと」
天乃「でも、今は勇者に変身する機能のない端末じゃないの?」
風「天乃が端末要らない変身できるから、あたし達も必ずしも必要ない可能性もあるし」
天乃が特例なだけ。と言う可能性が非常に高いけれど、
万に一つと言うものもある上に
友奈に至っては天乃から穢れを請け負った体なのだ
樹海化した場合、引きずり込まれてしまう可能性は十分ある
そうなった時に、
皆との距離が離れてしまっていることが不安なのだ
今のこの集まりもまたばらけない為。というものがあるのも理由の一つ
風「考えすぎかもしれないけど、やっぱりね」
天乃「…………」
風は困ったように笑みを浮かべて
解るでしょ? と言いたげな笑みを浮かべる
風もまた、全部終わったとは思えていないのだ
- 153 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/02(水) 00:52:51.36 ID:ko8t3oWTo
-
風「友奈達はどう思う?」
友奈「やりたいです。みんなあまり会えなくて心配してると思いますから」
樹「出来ることは限られるけど、勇者部としてしっかりやりたい」
友奈と樹
今勇者部として活動できる二人はそろって臨む
運動部系、文化部系、商店街などの一般からくる依頼
その一つ一つを少しずつ行っていくことで
勇者部の健在をアピールしたいと樹は言う
自分と似たような考えを持つ樹へと
風は嬉しいような、困ったような
少し複雑な笑みを浮かべて
東郷「こちら側に来てる依頼の内容は私が確認と管理できますし、無理させる心配はないですよ」
風「んー……」
樹「大丈夫だよ、お姉ちゃん」
風「樹」
樹「もしも樹海化したとしても私と友奈さんの二人なら、そうじゃなくて一人だったとしても、みんなのところに行くまでの力はちゃんとあるよ」
誰かの力に頼り切らなくても
自分には出来ることがあるのだという樹の表情に
風は認めるように頷いた
- 154 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/02(水) 00:54:19.50 ID:ko8t3oWTo
-
√ 11月01日目 昼(病院) ※月曜日
01〜10
11〜20 夏凜
21〜30
31〜40 東郷
41〜50
51〜60 千景
61〜70
71〜80 園子
81〜90
91〜00 若葉
↓1のコンマ
- 155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/02(水) 00:57:14.54 ID:BZ0fUBRDO
- あ
- 156 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/02(水) 01:05:09.74 ID:ko8t3oWTo
-
遅くなってしまいましたが、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
樹「料理だって、お姉ちゃんが教えてくれたから一人でできるようになってきた」
風「樹……」
樹「えっちだって東郷先輩のおかげで上達した」
風「樹……?」
樹「だから久遠先輩をあえg――」
夏凜「やめろ! 風の精神はもう死んでる!」
- 157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/02(水) 01:10:01.89 ID:jlzFJfPQO
- 乙
樹ちゃんいいぞ!
- 158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/02(水) 01:13:59.83 ID:BZ0fUBRDO
- 乙
樹ちゃん、派手な活躍は少な目だけど成長は確実にしててどんどん頼もしさが増してくるなぁ
- 159 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/02(水) 22:41:43.09 ID:ko8t3oWTo
-
では少しだけ
- 160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/02(水) 22:43:09.03 ID:TH5pv9HJO
- かもん
- 161 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/02(水) 23:24:30.48 ID:ko8t3oWTo
-
√ 11月01日目 昼(病院) ※月曜日
友奈や風達が学校に行き、
東郷と夏凜がリハビリのために病室を出て行ってしまった病室
残ったのは天乃と園子の二人
その静かな空間に割って入ったのは、千景だった
千景「久遠さん、少し良いかしら」
天乃「? どうかしたの?」
千景「この前の大赦の件で話があるのよ」
天乃「聞いてたの……?」
先月の話だ
樹海に起きている異変
大赦がとろうとしている作戦
沙織や水都から聞いた話の続き
千景「藤森さんから話を聞いただけよ。一応、藤森さんには話したけれど、私から伝えた方が分かりやすいだろうからって」
任されてしまったのよ。と
どこか困ったように言う千景の一方、
天乃は千景の陰に隠れるようになってしまっている園子へと目を向ける
天乃「園子はいても平気なの?」
千景「彼女知っている人間は多い方がいいと思うわ。強力な力を持っているのなら、なおさら」
- 162 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/02(水) 23:59:27.63 ID:ko8t3oWTo
-
千景「それに、久遠さん一人に教えておくと後々問題がおこりそうだわ」
天乃「そんなことはないけど……」
千景「その冗談は面白くないわ」
天乃だけをのけ者にするという情報のやり取りにも千景は異を唱えるつもりだが
だからと言って、天乃だけに重要な情報が伝わっていくというのも
それはそれで否定したいと千景は思う
少なくとも、今までの天乃の生き方的に
それは確実に間違った流れのはずだからだ
千景「それに、藤森さんたちは同意してくれているのよ」
天乃「私の事を信用してないのね」
千景「信じてるからこそ、嫌なのよ」
天乃が無茶するという信頼と言う皮肉ではなく
天乃ならばなんとかできてしまうという信頼
それがあるからこそ、集中させてしまうことを恐れる
今の勇者部にとって、
天乃が【妊婦】であり、病室で横になっていることは日常の象徴
それが壊れる可能性は一つでも多く排除したいのだ
千景「だから、園子にも聞いて貰うわ」
- 163 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/03(木) 00:34:59.67 ID:Qr5sl5nbo
-
天乃「…………」
千景「……なに?」
じっと見つめる視線に怪訝な目を向けた千景は問う
不思議そうで、どこか残念そうな天乃の表情が気になって
もしかしたら、園子を巻き込むという話に異論があるのかもしれないとさえ思って
けれど、天乃の吐息交じりの答えに千景はその考えを瞬時に捨てた
天乃「園子は園子なのね。乃木さんは?」
千景「乃木さんはもう一人いるわ。二人を混同するのは面倒よ」
樹と風に対するのと同じだ
沙織だって、二人で使い分けているのだ、千景がしていてもおかしいところなど一つもない
しかし、天乃は「それなら」と言う
天乃「陽乃さんと私がいるでしょ? 久遠さんで混ざらない?」
千景「彼女はここにいないわ」
首を振り、悲し気に零す。
若葉や球子と語ることができたように、
陽乃も居れば過去の過ちに向かい合うことができたかもしれないと考えていたからだ
それが望みすぎていることだと分かっていても、
後悔する記憶のある千景は少しだけ悔やんで、息を吐く
千景「だから久遠さんは久遠さん。そう呼ぶだけだわ」
天乃「そう……」
1、いつか名前で呼んでくれると嬉しいわ
2、名前で呼んでくれてもいいのに
3、じゃぁ、私はちーちゃんと呼ぶわね
4、話がそれてごめんね。続けましょうか
5、恋愛ゲームならこういうときって、じゃぁ呼んでやろうか? とか選択肢出てくるものじゃないの?
6、……ねぇ、できれば園子は巻き込みたくないわ
↓2
- 164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 00:36:14.81 ID:QFkOd+NzO
- 3
- 165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 00:36:44.38 ID:xxsqKsQrO
- 4
- 166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 00:37:10.74 ID:nHQLeTvg0
- 6
- 167 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/03(木) 00:58:46.59 ID:Qr5sl5nbo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
千景(自分はそういう疑問があるのに)
千景(藤森さんがその疑問を抱いているってなぜ思わないのかしら)
千景(久遠さん、身近な人で唯一彼女だけ苗字呼びだって気づいてないの……?)
千景(もしかして……性的な対象だけ名前呼び……?)チラッ
天乃「?」
千景(……ないわね。そんな考え持てそうな人じゃないわ。モテるけれど)
- 168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 01:04:49.79 ID:QFkOd+NzO
- 乙
謎のジンクス
- 169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 07:16:46.60 ID:xxsqKsQrO
- 乙
あれ、もしそうだと千景や球子とかも性的対象になるんじゃ…?
- 170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 09:51:38.07 ID:jPE4CtBoO
- 乙最近時間が遅いね
最初の頃みーちゃんが引きぎみだったから押し寄らない距離感保ってると思ってた
- 171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 14:00:32.45 ID:6Tmh11g7O
- 久遠さんに黙っておく→精神にダメージ+身を削ってみんなを助けにいく
久遠さんにだけ伝える→みんなに気付かれる前に身を削って何とかする
内容にもよるけど久遠さんクオリティだとどっちに転んでも自己犠牲しかねないイメージが…
- 172 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/03(木) 22:24:02.69 ID:Qr5sl5nbo
-
では少しだけ
- 173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 22:25:31.45 ID:e6JLFh3iO
- あいよー
- 174 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/03(木) 22:41:21.39 ID:Qr5sl5nbo
-
天乃「話を逸らしちゃってごめんね? 続けましょうか」
千景「園子に話す件については了承と取っていいのね?」
天乃「今更よ」
すでに興味深々な視線は千景に注がれているし、
ぜひとも。と言いたげな雰囲気をびしびしと感じる天乃は諦めて頷く
それに千景が言うことにも一理ないとは言えない
一人で無理をしないという約束は出来るが
その約束を破らないという約束は出来ないからだ
園子「天さんは人を巻き込むことを覚えたのです」
天乃「外に投げ出しても良いのよ?」
園子「ふっふっふ……動けるようになった完成型そのっちに勝てるかな〜?」
手をワキワキと動かして襲うようなそぶりをして見せた園子は、
千景の不機嫌そうな視線に委縮したのだろう
苦笑いを浮かべながら「ごめんなさ〜い」と身を縮める
千景「別に怒ったわけじゃ……ただ、貴女が乃木さんの子孫とはとても思えなかっただけよ。気にしないで」
園子「気になるよ〜」
千景「あとでにして。話が進まないわ」
ぴしゃりと言い切った千景
余計な言葉を慎み頷く園子
黙って見つめる天乃
ふざけてるときは賑やかな二人の厳粛な雰囲気に挟まれた千景は
初めからそうしてくれればと息を呑む
もちろん、あの空気も嫌いではないのけれど。
千景「まず園子にはどこまで話が進んでいるのかだけ、伝えておくわ」
- 175 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/03(木) 23:01:05.22 ID:Qr5sl5nbo
-
園子「ふむふむ〜なるほどなるほど〜」
千景「ここまでが、今久遠さんに伝わっている状況」
千景は沙織や水都から天乃へと伝わった外や大赦の情報を分かりやすく掻い摘んで説明した。
園子は特に質問なく首肯を重ねて説明を聞き終えて
園子「ちかっちはその近畿地方の天橋立ってところを目指す理由が分かるんだよね?」
千景「ちかっ……ちかっちは止めて」
不意に聞き馴染みのない呼ばれ方をされた千景は驚きに頬を赤くしたが
照れ隠しに悶えることなく冷ややかな目を園子へと向ける
園子「え〜かわいいのに〜」
千景「可愛くないわ」
園子「じゃぁ、シンプルにちーちゃん?」
無邪気に。
若葉の子孫とは思えないような軽快さで接してくる園子の姿勢
耐えかねた千景は震える手に戦うための大鎌を出現させ、振りかぶる
その一太刀は普通の人間には効果の薄い代物で、
血が出るような大けがを負うどころかかすり傷もつかないが
園子ほど体の供物をささげてしまった場合にはかなりの致命傷にもなり得る
千景「……神殺しの一振りを――」
園子「わーっ! 千景さん、郡様〜っ!」
ぱんぱんっと手を合わせて祈るように頭を下げる園子を見てなお、
千景は鎌を振り下ろすようにして――鎌を消す
園子「っ……うぅ……怖かったよ〜」
天乃「そんなに嫌がらなくてもいいじゃない。可愛いわよ? ちかっち」
千景「そういう呼ばれ方は好きじゃないの……似合わないから」
- 176 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/03(木) 23:23:50.25 ID:Qr5sl5nbo
-
千景のあだ名は西暦時代にもあった。
憎たらしい、忌まわしい
思い出したくもないような時期につけられた虐めるためのあだ名
そして、唯一心を許せると思った彼女が勘違いゆえに呼ぶあだ名
その彼女のことを想起して、彼女の声が紡いだ自分の名を心に震わせて
園子の申し訳なさそうな声に、我に返った
園子「あ〜……ごめんね。えっと……郡、さん。話を戻ろう?」
千景「……ええ」
言いにくそうに、残念そうに。
それが分かりやすい園子の表情を横目に捉えた千景は、
園子のその気遣いを受け取って一息つく
今は昔のことを思い出している時ではない
千景「この天橋立というのは天に続く橋とされていたのよ。イザナギやイザナミが降り立つために用いられたともいわれていたわ」
そしてなぜ、大赦は近畿地方へと向かわせる巫女に羽衣を纏わせたのかについても
千景はおそらくだけれど。と、続ける
千景「一説では、羽衣は天への道を開くためのものとされているのよ」
天にある国で作られたその羽衣を身に纏うことで、
自らは天の国の存在であるということの証しとして天への道、天橋立が立て掛けられるという説
ゆえに、天への帰還という不吉にさえ思える羽衣を纏わなければいけない
それがなければ、近畿地方にたどり着いたとしても、道が開かれることはないのだ
千景「大赦はそこを通過点として、天の神への攻撃へと転じようとしている可能性が高いわ」
- 177 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/03(木) 23:51:52.98 ID:Qr5sl5nbo
-
天乃「園子。貴女はどう思う?」
園子「……想像の域を出ない。でも、このままだとじり貧なのは確かだから……」
天乃「攻めに転じようとしているってところは合ってる?」
園子の首肯に天乃も同意見だと頷いて目を瞑る
聞いた話を整理してみれば、殆どが想像での語りだ
しかし、現状得られている情報
確実だと分かっている状況
それらを加味して考えれば、向かう近畿にて天橋立を通り天へと攻め入る可能性は非常に高い
このまま待っていても神樹様の力が尽きて人々は敗北するのならば
勝利を掴みに行くしかないのだから
園子「また、わっしーやゆーゆ達が戦うことになるかもしれない」
千景「防人では手に余ると思うわ……その場合、勇者が出されることは確実でしょうね」
天乃「……私もね」
千景「…………」
園子「そうだね……むしろ、天さんを放り込もうとする可能性が一番高いかも」
妊娠していることで力を使うことが出来なくなってしまっている天乃だが、
子供が産まれれば多少なりと髪を殺すことのできる力が使えるようになるだろう。
その力は人類に問って最高峰の力
本来ならば温存するべきそれも、時間がないとなっては即日投入での即時終戦を望まれるのが道理
もしそれで、天を討ちきれなくとも、疲弊した天の神に勇者をぶつければ勝率は非常に高い
なら逆でも良いのではと思うが
万全である神と勇者では弱らせるまで行けない可能性
天乃が終戦まで持っていけない可能性
ゆえに半ばで折れてしまう可能性があるために、難しい
- 178 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/04(金) 00:15:56.84 ID:fP64jANGo
-
そして何より……と
千景と園子が二人そろって命の宿る場所へと目を向けて、天乃の手が優しく撫でる
天乃「力の継承者は産まれてくる。残りかすは使い捨てても構わない」
園子「天さん……」
天乃「もちろん、そんなのは極端な言い方だって分ってるわ。大赦だって根っからの悪いところではないし……」
でも散々たてついたから、厄介払いが出来る上に人類解放が出来るのなら
それほど喜ばしいこともないでしょうねと、天乃はわざとらしく笑う
千景「……もちろん、そんなことは私達がさせないわ」
園子「そうだね……天さんの子供が出来たから天さんを犠牲にするなんてそんなのあんまりだよ」
天乃「解ってるわ、冗談よ」
二人の優しいフォローに天乃は笑みを浮かべて、
ありがとうね。と、言う
だが、自分がそこで無理をしなければいけない可能性は捨てきれない
むしろ、何もなくこのまま進んでしまったらきっと、そうなることは免れないと天乃は思う
神をも穢す力。それをここで用いないなど、ありえないからだ
千景「ただ、今防人が行っている作戦がうまくいけばの話だから、そうならない可能性もあるわ」
園子「樹海が今活性化してるって話だよね……少し力を借りてると言っても防人には荷が重い可能性もある……か」
活性化した樹海化
そこで生まれる星屑やバーテックスモドキによって
防人が負傷、あるいは……
そう言ったことの重なりによって作戦そのものがとん挫することもあり得るだろう
天乃「いずれにしても、覚悟はしておいた方がいいんでしょうね」
園子「……私も、リハビリ頑張らなきゃ。だね」
千景「経過から察するに今月半ばには確実に普通に動けるはずよ。無理はしない方がいいわ」
- 179 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/04(金) 00:26:37.32 ID:fP64jANGo
-
園子「お医者様はまだまだかかるかもしれない〜って言ってたよ〜?」
千景「医学的にはそうでしょうね。でも、神樹……様の力を借りている貴女達には適応されない」
園子「じゃぁ、頑張りしだいでは?」
千景「場合にもよるけれど、登校できる可能性もあるわ」
最初のうちは松葉杖を使う必要があるかもしれないが、
時期にそれも必要なくなるだろうと千景は言う
これも憶測ではあるが、神樹様の力を感じ取ることのできる九尾達での考えだ
確実とは言い切れなくとも信ぴょう性は高い
園子「わーい頑張ろ〜」
天乃「そんなに学校行きたいなんて、園子は勤勉ね」
園子「……学校よりも行きたい場所があるんよ〜」
天乃「そうね……銀のお墓参りとか」
園子「そうだね〜、今月だもんね〜」
切なげに言う天乃に頷いた園子は、
今は亡き銀の姿を思い出して笑みを浮かべると、言葉を飲む
園子「……でもそうじゃなかったんだけどなぁ」
天乃「ほかに行きたい場所があるの? イネス?」
園子「糠にくぎを打ち込むとはこのことだよ〜」
- 180 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/04(金) 00:47:10.30 ID:fP64jANGo
-
残念そうに俯いてぼやく園子を困ったように見つめた天乃は、
ご両親にも会いたいわよね。と、大真面目な言葉を返して
園子「それもあるよ、あるけど、天さん……」
天乃「あ……ごめんね、私もご挨拶に行かなきゃ」
園子「娘さんをくださいっていうやつだね、結婚には必要だからね」
確かにそれも必要だよね。
一緒にあいさつに言ってどうしても結婚がしたいんですって思いを語って
思いをはせる乙女のように頬を赤らめながら語った園子は
緩んだ頬を引き締めるように首を振って、でもね。でもでもだよ〜? と呟く
園子「それ以外にもあるんよ〜」
天乃「それよりも大事なところ……?」
銀のお墓参り、実家、学校
それらと同じくらいに行きたいところがあるという園子をじっと見つめた天乃は
考えて、考えて
天乃「そっか……忘れてたわ……」
園子「うんうん!」
天乃「美味しいおうどんが食べたいわよね」
園子「襲っちまうぞこのやろ〜っ!」
天乃「えぇっ!?」
千景「今のは久遠さんが悪いわね。ずっと相手にしてあげられなかったでしょう」
周りから話を聞くだけ、聞かされるだけ
自分で慰めることもできない苦痛の日々
それを生きてきたのだ、めったに聞くことのない声を上げるのも仕方がない
園子「目の前のベッドに行きたいんよ。限りなく近く限りなく遠いその場所に行きたいんよ〜」
天乃「園子……」
園子「そして溜まりに溜まった性欲のすべてを一夜にしてぶちまけるんだぜ」
天乃「そこまでとは……ごめんなさい、思ってなかったわ」
園子「あはは……本気にされても困るんよ〜」
でも、少しは私もいちゃいちゃしたいな〜って。
そう気恥ずかしそうに言った園子は、照れ隠しの笑みを浮かべていた
- 181 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/04(金) 00:50:43.50 ID:fP64jANGo
-
√ 11月01日目 夕(病院) ※月曜日
01〜10
11〜20 夏凜
21〜30
31〜40
41〜50 東郷
51〜60
61〜70
71〜80 園子
81〜90
91〜00 若葉
↓1のコンマ
- 182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 00:52:26.75 ID:cvlrZm7g0
- はい
- 183 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/04(金) 01:16:27.31 ID:fP64jANGo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
園子「お話と書いて」
東郷「猥談」
園子「お遊びは」
東郷「性行為」
園子「真面目な時は」
東郷「子作り」
夏凜「頭散華してんじゃないの?」
千景「残念ね、正常よ」
- 184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 01:21:53.63 ID:Wk/m3vRJO
- 乙
久遠さんや勇者部の運命は芽吹たちにかかっているな
そして次は待ち焦がれていたであろうそのっちのターン…後々溜まってた分を吐き出す時は来るのだろうか
- 185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 03:15:23.81 ID:fZkJubJWO
- 乙
冗談に見せかけて割と本当に悶々としてそうな園子
- 186 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/04(金) 23:09:41.85 ID:fP64jANGo
-
では少しだけ
- 187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 23:11:55.18 ID:pMQ5xp32O
- やったぜ
- 188 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/04(金) 23:38:28.57 ID:fP64jANGo
-
√ 11月01日目 夕(病院) ※月曜日
園子「天さん」
天乃「なに?」
園子「ん〜……天さん」
天乃「どうかしたの?」
園子「えへへ」
何かをしたわけでもなく、
ただ名前を呼部だけで満足気な笑みを浮かべる園子は
緩む頬をムニムニと自分で押さえて
園子「動けないのはもどかしいけど、声をかけることが出来て、答えて貰えるっていいよね」
天乃「……そうね。その気持ちは私も解るわ」
園子「天さんも一人になっちゃうことが多かったもんね」
天乃がそうだったことで、
園子もまた呼ぶことも答えて貰うこともできなかったのだ
もっとも、
そもそも眠っていることの多かった園子は呼ぶこと自体が出来なかったのだが。
天乃「でも、これからはちゃんと答えてあげられるし、話すこともできるわね」
- 189 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/05(土) 00:11:31.03 ID:1hy7kFt/o
-
園子「でも、天さんは学校……あと2か月くらいしか通えないんだよね?」
天乃「場合によってはむしろ短くなるまであるわね」
早くて12月の出産、
遅ければ1月に入ってからの出産となっており、
出産してすぐの登校と言うのは体の関係上出来ないため、
早くて1月中旬、遅ければ2月に入ってからの登校となる
となれば、卒業する3月まではほんの1か月程度しか時間はないのだ
園子「残念だなぁ……天さんと一緒の学校生活を過ごすの、楽しみにしてたのに」
天乃「そうだったの」
園子「うん。おんなじ部活に入ったり、先輩だから勉強教えて貰ったりとか……」
わっしーは絶対にありえないって言ってたけど。と、
ベッドで眠る東郷へと目を向けて、園子は苦笑いを浮かべる
園子「生徒会、とか、やっちゃったりして」
天乃「…………」
園子「文化祭とか、体育祭とか、いろんなこと。一緒にしたかったんよ〜」
やりたいことが沢山あったのだ
してみたいことが沢山あったのだ
そのすべてが、
もう、通り過ぎてしまったのだと今更ながら実感する
- 190 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/05(土) 00:33:03.34 ID:1hy7kFt/o
-
園子「天さん、浪人生になったりする?」
天乃「留年ではないのね」
園子「そうだったら嬉しいけど、天さんの休みは免除されるし学力は問題ないから」
天乃「それで浪人なのね」
産んだ子供と健康のことを考え、
高校に入るのは1年遅らせるという流れ。
1年もたてば子供のお世話に関して少しは安心できる部分も出てくるだろう
園子「でもそうしたら先輩ではなくなちゃうね」
天乃「そうねぇ、園子も敬語をやめなくちゃいけなくなるわね」
園子「天さんじゃなくて、くーちゃんとか、あまのんとか?」
天乃「ふふっ、そうね」
園子「それはそれで嬉しいかもしれない……」
悩むなぁ。と呟く園子は、
その状況を想像しているのか嬉しそうに笑みを浮かべながら、
一人、楽し気な雰囲気を醸し出す
園子「えへへ、そうしたら授業中も一緒にいられるんよ〜」
天乃「一緒なら、授業も寝ないでいられるかしら?」
園子「努力しまーす」
1、でも残念、私は浪人する気はないわ
2、園子は、私が高校には通わないって決めてたらどうする?
3、私もね、みんなでの学校生活は楽しみにしてたのよ
4、園子は、今ある問題が解決してもみんなが無事だって自信があるのね
↓2
- 191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 00:35:41.41 ID:oVQ3OXMQ0
- 3
- 192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 00:36:11.20 ID:Koe4it9mO
- 4
- 193 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/05(土) 00:51:44.69 ID:1hy7kFt/o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
園子「ほかにもいろいろしたいことがあったんよ」
東郷「夕暮れの教室、風邪に揺れるカーテンを纏った接吻」
東郷「体育倉庫での秘め事」
東郷「人気者の久遠先輩へとどうお菓子を渡すか胸を高鳴らせる2月14日……!」
夏凜「一つだけ普通で逆になんかこわいんだけど」
風「なんか入ってそうよね」
- 194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 00:52:54.24 ID:nWuUwSqKO
- 乙
上もマイルドで普通だろ!
- 195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 01:03:46.16 ID:Koe4it9mO
- 乙
考えてみたら久遠さんはこれから出産関係で身動き取れなくなる時期があって中々日常回がしにくくなるのか…
東郷さんの暴走阻止で展開が変わってる可能性があるなら今作の最終回はあわよくば卒業までがいいなあ
- 196 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/05(土) 21:55:45.58 ID:1hy7kFt/o
-
では少しだけ
- 197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 22:02:09.78 ID:ShTt3wYGO
- よしきた
- 198 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/05/05(土) 22:14:56.90 ID:1hy7kFt/o
-
天乃「そこはしっかりしますって言ってくれないと不安だわ」
とはいっても、
授業態度的な意味で不安があるだけで、
園子自身の学力に不安はなかった
ぼんやりしてはいるが、
園子は十分できる子だと天乃は良く知っているからだ
天乃「……でも、貴女は今ある問題が解決してもみんなが無事だって自信があるのね」
園子「それ以外なんて、嫌だからねぇ」
そうなる確証なんてどこにもない
天乃が言うように自信があるわけでもない
ただ、そうなってほしいという願いがあるだけだ
それ以外は嫌だという思いがあるだけだ
しかし、状況は刻一刻と悪い方向へと進んでいく一方で
園子「ミノさんを失っちゃったけど、だからこそ、残ったみんなはちゃんと無事でいたいって思うんよ」
天乃「…………」
園子「さっき、天さん言ったよね。お墓参りにもいかないと〜って」
天乃「ええ」
園子「そこでね、ミノさんが守ってくれたからって、報告したいんだ」
ミノさんのおかげで。
あの時、身を挺して守ってくれたから
みんなは今も無事なんだと
尊い日常を生きていけるんだと、報告したいと園子は思う
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