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アライちゃんのいる日常4
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41 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 13:05:31.30 ID:TA/FKC86O
『インターンシップ』…
日本国内にいる野良アライさん達の間に広まっているルールである。
起源は不明だ。
誰が考えて、どうやって野良アライさん達へ流布したか?誰にも分からない。
だが唯一確実なのは、このインターンシップというルールを生み出した何者かは…
学者や学会ですら未知の部分が多いアライさんという生命体のことを、
習性や生態などほぼ完璧なまでに知り尽くしていたということだ。
42 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 13:12:33.73 ID:TA/FKC86O
そのルールは、アライさんの個体数抑制と、厳しい環境で淘汰することによる、野良アライさんの品種改良が目的となっているようだ。
ルールの一例はこうだ。
育てているアライちゃんに乳歯が生えたら、簡単な狩りの訓練や生きる知恵を教え次第、両手に乗るサイズのうちに速やかに森から人里に放流しなくてはならない。
成体になるまでは、再び森に帰ってはいけない。
成体になったら、人間の畑から作物を獲ってはならない。
生きている人間は、赤ん坊でも老人でも襲って食ってはいけない。
森で親無しのアライちゃんを見つけたら、殺して食わなくてはいけない。
…などなど、色々とルールがある。
アライさんは人間の文字を勉強しないので、親から子への口伝てでしか引き継がれない。
そのため、アライさん達の間で完全なルールが抜け盛れなく広がっているわけではなく、
個体によって覚えているルールにばらつきがあるようだ。
もしもインターンシップのルールが無かったら…
アライちゃんは、森の中で高い運動能力を持ってから人里にやってくることになる。
また、大繁殖したアライさん達が森の恵みや野生動物を食いつくし、大規模な自然破壊につながる。
食べ物を求めて人里に今以上にたくさんのアライさん親子が押し寄せ、人間の作物にも人間の赤ん坊にも見境なく襲いかかる。
…等々、アライさんによる損害はさらに大きくなっていただろう。
…しかし、野良アライさん達の間で、律儀にインターンシップのルールが守られているのは何故だろうか?
何者かが全国の野良アライさん達を脅して無理矢理従わせているのであろうか?
あるいは、アライさんに自然を愛する善の心があり、自然環境を壊さないために律儀に守っているのだろうか?
43 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 13:28:33.54 ID:TA/FKC86O
その理由は2つ。
1つ目は…
『親アライさんにとって都合がいいルール』だから。
人里での厳しいインターンシップを生き残り、森に戻った成体のアライさん達は、
身体能力が著しく低いヨチラー時代を生き残れるだけの生まれ持った優秀な知能がある。
それ故に、人間の怒りを買うことがどれだけ恐ろしいことか理解しているのである。
もしもインターンシップのルールを守らなかったら、
森の資源が無くなり、嫌でも人里に食べ物を探しに行かなくてはならなくなる。
そうなれば、人間の強い武器で駆除される可能性は今より遥かに高くなる。
腹がへって人間の赤ん坊を襲ったりしたら、人間達はアライさんを滅ぼしに森へ攻めいって来るだろう。
人間が困ろうが環境が破壊されようだ知ったことではないが、
自分自身が困ることになるのは避けたい、というのが成体アライさん達の本心だ。
また、アライちゃんの育成には手間がかかる。
手のひらサイズのうちは、親の言うことに従順に従い、可愛がられようと甘えてくるので、育てるのは楽だ。
しかし大きく成長してくると、自己主張やワガママが激しくなり、食べる量もどんどん増す。
インターンシップでは、そうなる前に、アライちゃんを人里に放流する。
つまり、人間がペットアライちゃんを『ちっちゃくて可愛いうちだけ育て、大きくて反抗的になったら捨てる』のと同じように…
野良アライさんもまた、我が子を『ちっちゃくて可愛いうちだけ育て、大きくて反抗的になったら捨てる』のである。
44 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 14:03:46.86 ID:TA/FKC86O
そして2つめの理由。
それは…
『自分自身が、親にインターンシップを強制された』からである。
アライさんは、多産で、早熟で、長命だ。
そして産まれる子供はすべて雌だ。
それ故に、雄の野良アライグマが存在しない地域では、自力で繁殖することはできないが…
雄アライグマさえいれば、いち個体が一生の間に産む子供の個体数は、哺乳類では群を抜いてトップクラスといえる。
そのため、殖えすぎないようにするならば、
毎年産まれる子供のほとんどが厳しい環境の中で死ぬことになる。
しかし、アライさんにとって一番大事なものは自分の命である。
虫のようにウジャウジャ涌き出るアライちゃん達は、皆自分だけは死にたくないと思い、必死に生きている。
インターンシップに来たアライちゃんの多くは、最初の一ヶ月で餓死したり殺されたりする。
なぜなら、アライちゃんは親離れするには早すぎるほど、身体能力が未発達な状態で放流されるからだ。
アライちゃん達は、意気揚々と人里に来るものの、
そこで生きることの厳しさに苦しむことになる。
「母親がもっと大きく育ててくれれば、もっと速く逃げられるのに」
「母親が自分達を守ってくれれば、人間や野良猫に殺されないのに」
「自分はなんて不幸な生まれをしたんだ」
…そうやって、アライちゃん達は生きるには苦しすぎる自分の境遇を呪う。
45 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 14:22:28.39 ID:TA/FKC86O
思考せず、知恵を磨かず、本能の赴くままに生きる多くのアライちゃんは…
身体能力の未熟さ故に、人里で生き残れずに野垂れ死んでいく。
しかし、先天的に優秀な知能と学習能力を持って産まれた個体だけは、死と隣り合わせの日常で、姉妹の死を見届け、何度も死線を越えながら…
身体能力を知能によってカバーして生きるようになる。
未成熟で生存能力が弱い肉体で、いかにして生き残るべきか?
その体重比20%を超える異様にデカい頭で、必死に生存戦略を考え、学習する。
…そうして、大分部の平凡なアライさんは幼獣のうちに自然淘汰によって間引きされ…
必死に頭を使って生き延びた個体だけが、森へ戻って親となり、子を産むのである。
さて、ではこの親アライさん…。
インターンシップによって、いかに地獄の苦しみを味わうことになるか…
人生経験の中で嫌というほど身に染みているはずだ。
我が子をインターンシップへ送り出すことが、地獄の入り口へ我が子を突き落とす行為だと理解しているはずだ。
さて、親アライさんは…
自分の子供へ、インターンシップを強制したがるであろうか?
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 14:24:00.24 ID:tZPdTcWzO
これを読むと余所アライヤバイ存在とわかるな。
47 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 14:28:44.29 ID:TA/FKC86O
それが…
強制したがるのである。
アライさんの多くは、幼い我が子を本当に愛し、大切に育てる。
しかしながら、自分の子供が、自分より幸せになることを快く思わない。
『自分の子供を、自分より幸せに育てよう』と思わない。
自分は親にインターンシップを強制され、不幸な人生を送ってきた。
だから自分の子供といえど、同じようにインターンシップを強制しなくては、論理的にも感情的にも納得ができない。
『自分の子供には、自分と同じように不幸な人生で苦難を味わって貰わないと気が済まない』のである。
それ故に、親アライさんは何ら抵抗なく我が子をインターンシップへ送り出す。
たとえその先に、地獄が待ち受けていることになろうとも…。
48 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 14:37:06.77 ID:TA/FKC86O
そして、森にいる成体アライさん達もまた、楽々と自由気ままに暮らしているわけではない。
自然の恵みが非常に豊富であれば、アライさん同士でご近所付き合いをしたり、仲良く遊んだりすることもあるようだが…
自然が減ってくれば、成体アライさん同士でも縄張りや雄アライグマを巡った争いが起こる。
そうして、より身体能力が高く、高い知恵をもったアライさんが縄張りや雄アライグマを獲得し…
弱いアライさんは、命までは取られないが、自然の恵みが少ないヨソへ追いやられる。
そうして、優秀なアライさんは縄張りの中でたくさん餌を食べて子供を産み…
劣ったアライさんは、ひもじい思いをしながら、子を作らずひっそりと育つのである。
49 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 14:46:24.57 ID:TA/FKC86O
年々、人里にやってくるアライちゃん達は、少しずつ知能が狡猾になってきている、と言われている(別にそんなことないという声もある)。
たくさん産まれたアライちゃんのうち90%が死に、先天的に高い知能を持って産まれた才児だけが生き延びて子を産むのだから…
その連続で、さながら遺伝的アルゴリズムよろしく、
野良アライちゃんの知能は上がってきているのかもしれない。
ペットアライちゃん達が、『より甘えん坊で、成長が遅く、独立心が低い』…
いわば『独力での生存能力が低い』種へと人工的に品種改良されているのと同じように…
野良アライちゃん達もまた、『より狡猾で、成長が早く、独立心が強い』…
いわば『独力での生存能力が高い』種へと、自然淘汰の中で次第に『品種改良』されつつあるようだ…。
50 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 15:17:07.36 ID:TA/FKC86O
さて…
森アライさんの子供達を使って狩りの訓練を行い、肉を食った余所アライさん一家。
一家は巣である穴のあいた木の根元にいた。
木の穴の真下には、アライちゃん達が排泄した大便や糞尿、食った動物の骨などのゴミが山のように積み上がって悪臭を放っている。
鳥の巣の下よりずっと臭くて不潔である。
アライちゃん達が木から降りる時は、基本的に穴から真っ直ぐ下に降りたりはせず、横移動しながらキレイな地面に着地するようだ。
間違って穴から転落し、溜め糞に頭から突っ込むなんてことも稀にあるようだ。
余所アライさん「ふははー、チビ達!狩りの訓練はバッチリなのだ!あとは木登りが上手にできるようになれば、独り立ちできるのだ!」
余所アライちゃん1〜5「「「なのりゃー」」」ヨジヨジ
余所アライちゃん達は、木登りの練習をしている。
余所アライちゃん1〜4「「「わっちぇ!!わっちぇ!!」」」ヨジヨジ
余所アライちゃん5「わっちぇ…ぴぃ!?」ズルッ
木登りの最中に、余所アライちゃん5が手を滑らせた。
余所アライちゃん5「ぴいいぃいい!」ヒューン
https://i.imgur.com/4TEHfZp.png
余所アライちゃん5「ぴぎっ!」ボテッ
余所アライちゃん5は、柔らかい草の上に落ちた。
余所アライちゃん5「びえええーん!おがーしゃああーんっ!いぢゃいのりゃあああーーーっ!」ビエエエエン
余所アライさん「しっかり練習するのだ!きちっと受け身も取るのだ!」フフン
51 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 15:24:01.79 ID:TA/FKC86O
余所アライさん「よし、練習はもうバッチリなのだ!みんな、お昼寝するのだ!」
余所アライちゃん1「おひゆねしゅゆのりゃー!」ヨジヨジ スポッ
余所アライちゃん2〜5「「おやしゅみなのりゃあ〜」」ヨジヨジスポッ
余所アライちゃん達は、木の穴に潜った。
余所アライさん「アライさんのチビ達…立派に育ったのだ。こんだけたくましければ、きっと冬も越せるのだ」ウンウン
余所アライさん「アライさんも寝るのだ」ヨジヨジヨジヨジ
余所アライさんは、木を登り、木の枝の上で眠った。
https://i.imgur.com/xVsAB4e.png
余所アライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz
しばらく眠っていると…
余所アライさん「んん!?」ビクゥ
突如、余所アライさんが目を覚ました。
どうしたのだろうか?
余所アライさん「…!」キョロキョロ
余所アライさんが、あたりを見回している。
すると…
蛇「シャー…」シュルシュル
…アライちゃん達がいる木の穴に向かって、蛇が這い登っているのが見えた。
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 15:26:51.34 ID:tZPdTcWzO
以前あった野生のアライグマ増えてるとあったけど、牡か牝かによって恐ろしい推察が浮かび上がるな。
53 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 15:31:06.70 ID:TA/FKC86O
余所アライさん「…」zzz
余所アライさんは、半目を開けて寝た振りをしている。
蛇「シャー…」シュルシュル
蛇が巣穴に入ろうとしたとき…
余所アライさん「今なのだ!たあー!」ドガァ
蛇「シャギャア!?」ボギィ
余所アライさんが、跳びながら蛇にキック放った。
蛇「ギシャア」ドサッ
地面に落ちる蛇。
余所アライさん「たあああ!」ヒューン ドカァ
蛇「ブギュ!」グシャア
蛇の首めがけて着地した余所アライさんの踵が、蛇の脛椎を破壊した。
蛇「」ビグビグジタバタ…
余所アライさん「お肉なのだ!後で食べるのだ!」ヨジヨジ
余所アライさんは、眠っている間にも、木からの振動を感じ取っている。
風のざわめき程度ならば起きたりはしないが、
『何かが這い登るような振動』に対しては、無意識に強く反応して目を覚ますようだ。
余所アライさん「チビ達は食べ物じゃないのだ、まったく…。ふわぁ…」
余所アライさんは、蛇が他に近付いていないことを確認し…
https://i.imgur.com/xVsAB4e.png
…再び昼寝した。
54 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 15:51:08.30 ID:TA/FKC86O
なんとたくましい野性であろうか。
もうすぐ冬がやってきそうだというのに、成長期の子供5匹を余裕綽々と育て…
寝ている間でも、枝に伝わった振動を感じ取り、外敵を排除する。
アライさんは全ての個体がこんな芸当ができるわけではない。
余所アライさんもまた、先天的に高い知能を持って産まれ、人里で自ら生きる知恵を学習し…
そうしてインターンシップという戦場から帰還した…
いわば、アライさんの中でも特別に優秀なエリートなのである。
余所アライさん「くかー…むにゃ…。ふふ、チビ…。いいこなのだあ…」zzz
余所アライさんは、木の枝の上で眠りながら、何やら寝言を言っている。
55 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 15:52:17.34 ID:TA/FKC86O
https://i.imgur.com/uZuM2Gl.png
…アライさんは、木から落下した。
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 15:55:19.61 ID:tZPdTcWzO
グレイト。
57 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 16:06:41.42 ID:TA/FKC86O
余所アライさん「ごびゃあ!」ドシャア
地面に落ちた余所アライさんは身体中にいくつもの穴が空き、真っ赤な動脈血をどくどくと流している。
余所アライさん「ぎ…び…ぎゃああああああ!い…だいの…だああああっ…!げぼおぉっ!」ブシュウウゥドクドク
…一体どうしたのであろうか?
熟練猟師「こんなとこに、もう一匹いおったな」シュウウゥウ
猟犬1&2「「ハッハッハッ…」」ザッザッ
何が起こったかなど一目瞭然。
ブラックハウンドの犬種の猟犬が、匂いをたどってこの巣を探り当て…
熟練猟師が、ショットガンで余所アライさんを撃ったのである。
余所アライさん「いだい…いだい…のだああ…!ぎびいぃ…!だず…げ…で!」ブシュウウゥ
余所アライさんは、木からの振動を最大限に軽快していた。
だが、銃などの飛び道具は全く警戒していなかった。
余所アライさん「おま…えが…やった…のがぁ…!なんなのだ…それぇ…!があぁっ…!いだい…の…だぁあっ…!」ドクドク
それはそうだろう。
余所アライさんの母親は銃で撃たれたことなどないし、
余所アライさんもまた銃など見たことはない。
よって、余所アライさんは銃を知らないのである。
58 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 16:15:14.22 ID:TA/FKC86O
『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』という言葉がある。
余所アライさんの知識など、せいぜい自らの経験と、母親からの言伝のみで蓄積されたものにすぎない。
文字のないアライさんには、祖先から代々伝わる知識の蓄積…
いわば『歴史』など存在しない。
もしかしたら、全国のどこかのアライさんには、銃を見ても生き延びた個体がいたかもしれない。
その個体は、自分の子供に銃に気を付けるように教えるかもしれない。
だが、そこまでだ。
知識がそれ以上まわりに伝わるのは、せいぜいご近所さん程度。
基本的にあまり集団生活が得意でないアライさんに、知識の蓄積と共有などほぼ無縁である。
いかに個体としての才能が優れていようとも…
個体が自らの経験から学べる知見など、たかが知れたものでしかない。
59 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 16:20:58.46 ID:TA/FKC86O
熟練猟師「クソ害獣が!農家のニイちゃんが大事に育てた秋トウモロコシの仇!」ジャキィ
熟練猟師は、余所アライさんの顔にショットガンの銃口を向ける。
余所アライさん「ちがう…のだ…!ごぼっ…!きーろい…つぶつぶ…は…べつの、やつが…!ぶはぁ!やった…!あらい…さん…わるぐない…のだ…!ごぽぉ!」ゴブゥ
余所アライさんは自分は畑からの盗みをやってないと嘘をつき、森アライさんのせいにした。
https://i.imgur.com/zRFMAjp.png
余所アライさん「だず…げ…!あら…い…さん…には…!かわいい…ちびが…いる…のだぁ…!ぐぶっ…!」
余所アライさんは、必死で命乞いをしている。
熟練猟師「そいつを育てなきゃいかんから殺しちゃならんとか言うんか?」ジャキィ
60 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 16:23:03.37 ID:TA/FKC86O
余所アライさん「チビ…だぢを…!」ブルブル
余所アライさん「たべで…いいがら…!ごろざ…ないでぇ…!」ブルブル
熟練猟師「…」
https://i.imgur.com/NEBthFe.png
61 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 16:36:46.35 ID:TA/FKC86O
熟練猟師は無慈悲に引き金を引き、ショットガンで余所アライさんの頭を粉々にフッ飛ばした。
余所アライさん「」ブシュウウゥドクドク…
完全に頭が吹き飛んだ余所アライさんの胴体は、もはやゴキガイジムーブすらしなかった。
熟練猟師「『別のアライさんがやった』?そもそもなんでトウモロコシ泥棒がいたことを知っとんじゃボゲ。もっとマシな嘘つかんかい」ジャキィ
熟練猟師「つうか、そもそも最初から畑を荒らすなや!」
猟犬1「ハッハッハッ」シッポフリフリ
猟犬2「クゥン」
世界一鋭い嗅覚をもつ犬種であるブラックハウンドの猟犬は、木の穴の真下にこんもりと積み上げられた溜め糞の悪臭によってこの巣を嗅ぎ当てたようだ。
つまり、余所アライさんを仕留めたのは、熟練猟師の独力ではない。
熟練猟師は、余所アライさんと違って天才などではなく凡人である。
だが、熟練猟師は勤勉な男であった。
それに加え、ブラックハウンドという品種を作り上げた犬ブリーダーの努力…
さらび、ショットガンという武器を作り上げた武器職人達の努力…
それらの生み出した歴史がもつ力が重なりあって、余所アライさんの優秀な頭を打ち砕いたのである(物理的に)。
いかに余所アライさんが、生存能力に長けた天才であっても…
先人が必死に試行錯誤して残した膨大な知識を、必死に苦学して身に付けた凡人には、敵わなかったのであった。
62 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 16:42:37.88 ID:TA/FKC86O
熟練猟師「さて、ガキがおるって言うとったのう。そいつらも獲っておくか」カチャッ
熟練猟師は、木にハシゴを立て掛けた。
そしてトングを持ち、木の穴に向かって登った。
木の穴を覗くと…
余所アライちゃん1「さっきのおっきーおとなんだったのりゃ…?」
余所アライちゃん2「こあいのりゃ、おかーしゃにきーてみゆのりゃ!おかーしゃーん!」
余所アライちゃん3「おかーしゃん!さっきのおっきーおとは…うゆ!?なんかあらいしゃんたちのおうちのぞいてゆのりゃ!」
余所アライちゃん4「おかーしゃんじゃないのりゃ!だれなのりゃおまえ!ここありゃいしゃんのおうちだぞぉ!」フゥーッ
余所アライちゃん5「ごはんをとりにきたのか!?だめなのりゃ!このかえゆしゃんおにくはありゃいしゃんたちのなのりゃ!おまえのじゃなのりゃあ!」
https://i.imgur.com/YHH0lpi.png
余所アライちゃん1〜5「「ふうぅ〜〜っ!きゅるるぅ!おかーしゃんはつよくておっかないんだぞぉ!」」フゥーッ
余所アライちゃん達は、熟練猟師を威嚇している。
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 17:24:17.50 ID:bBWB9y1D0
今回のはまだ続いてる?
終わってない?
まぁ、ツイッターの画像がこういう話で使われるとはね。
流石っす。
64 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 18:19:19.86 ID:TA/FKC86O
熟練猟師「はーうぜぇうぜぇ…無視して回収するか」スッ
熟練猟師は、罵倒を無視してトングでアライちゃんを捕まえようとするが…
余所アライちゃん1「くゆなっていってゆのがわかんないのかぁ!このはげぇ!」フゥーッ
熟練猟師「」ピクッ
熟練猟師は、後退しつつある髪の生え際を指摘されて手が止まった。
余所アライちゃん2「うゆ!きーてゆのりゃ!やいやい!はげ!はげ!はーげぇ!!!」パチンパチン
余所アライちゃん2は、手を叩いてハゲ弄りをしている。
余所アライちゃん3「おーいはげ!いきててたのちーのか!?おまえなんかうんちいかなのりゃーはげー!」
余所アライちゃん4「はーげ!はーげぇ!かっこわゆいはーげ!はーげぇ!はーげ!ちゅゆぴかはーげぇ!」シッポフリフリ
余所アライちゃん5「でてけーはげ!ばーか!うんこ!かす!なめくじ!がいじ!はげ!はげ!はげえー!おかーしゃん!このはげどっかやってぇー!」ピギュルルルルル
余所アライちゃん1〜5「「「はーげ!はーげ!はーげぇ!」」」
余所アライちゃん達は、執拗に熟練猟師のハゲを指摘し罵倒し続けた。
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 18:22:38.16 ID:48tsT6Vzo
また髪の話してる…
66 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 18:23:59.27 ID:TA/FKC86O
>>64
訂正
熟練猟師「はーうぜぇうぜぇ…無視して回収するか。ひーふーみー…5匹もいらぁ、こいつぁ大猟だ」スッ
熟練猟師「生け捕りなら、ジビエモンのとこに持ってくかな?あーでも、ギョエモンも釣り餌に欲しがっとったか…。どっちにすっかなぁ〜」カチンカチン
熟練猟師は、罵倒を無視してトングでアライちゃんを捕まえようとするが…
余所アライちゃん1「くゆなっていってゆのがわかんないのかぁ!このはげぇ!」フゥーッ
熟練猟師「」ピクッ
熟練猟師は、後退しつつある髪の生え際を指摘されて手が止まった。
余所アライちゃん2「うゆ!きーてゆのりゃ!やいやい!はげ!はげ!はーげぇ!!!」パチンパチン
余所アライちゃん2は、手を叩いてハゲ弄りをしている。
余所アライちゃん3「おーいはげ!いきててたのちーのか!?おまえなんかうんちいかなのりゃーはげー!」
余所アライちゃん4「はーげ!はーげぇ!かっこわゆいはーげ!はーげぇ!はーげ!ちゅゆぴかはーげぇ!」シッポフリフリ
余所アライちゃん5「でてけーはげ!ばーか!うんこ!かす!なめくじ!がいじ!はげ!はげ!はげえー!おかーしゃん!このはげどっかやってぇー!」ピギュルルルルル
余所アライちゃん1〜5「「「はーげ!はーげ!はーげぇ!」」」
余所アライちゃん達は、執拗に熟練猟師のハゲを指摘し罵倒し続けた。
67 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 18:31:01.63 ID:TA/FKC86O
余所アライちゃん1「はーげ♪はーげ♪」シッポフリフリ
余所アライちゃん2「ちゅゆぴかはーげぇ♪」シッポフリフリ
余所アライちゃん3「はーげ♪はーげ♪」シッポフリフリ
余所アライちゃん4「もてないおーしゅぅ〜♪」シッポフリフリ
余所アライちゃん1〜5「「「やーい!やーい!ちゅゆぴかはーげ!はーげ!はーげ!ちゅゆぴかはーげ♪」」」シッポフリフリ
熟練猟師「…ッ」ワナワナ
余所アライちゃん5「おかーしゃーん!みゆのりゃ!はげあたまなのりゃ!のひゃひゃひゃひゃ!」ゲラゲラ
余所アライちゃん1「おかーしゃーん!みにくゆのりゃー!ぶしゃいくなのりゃー!」シッポフリフリ
余所アライちゃん2「うゆぅ?どーしたのりゃおかーしゃん?みにくゆのりゃー!」シッポフリフリ
余所アライちゃん3「やい!このはげ!おかーしゃんにわらわれたくなかったらかえれー!さっさとか・え・れー!」フゥーッ
余所アライちゃん1〜5「「「かっえれ♪かっえれ♪はーげはかえれ♪かっえれ♪かっえれ♪ちゅゆぴかはーげ♪」」」パチン パチン パチン パチン パチン パチン
余所アライちゃん達は、手拍子して熟練猟師を煽る。
一体なぜ余所アライちゃん達は、これほど執拗に熟練猟師のハゲを罵るのだろうか?
アライちゃん達の性格が悪いからであろうか?
68 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 18:56:07.41 ID:TA/FKC86O
まあ、アライちゃんの性格が悪いかどうかはここでは論じないとして…
性格云々は、直接的な動機ではない。
余所アライちゃん達は、体の大きさ…つまり力がでは熟練猟師に敵わない。
そのため、言葉で攻撃することで、熟練猟師の心を傷つけて、撤退させようとしているのである。
熟練猟師「…」カツンカツンカツン…
熟練猟師は、執拗なハゲコールが効いたのか、ハシゴを降りていった。
余所アライちゃん1「やったのりゃ!にげてったのりゃ!」
余所アライちゃん2「ありゃいしゃんのおそろしさにびびってにげてったのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリ
余所アライちゃん3「やーいやーい!はげー!すにかえっておかーしゃんになきつけー!」ノヒャヒャヒャヒャ
余所アライちゃん4「うゆぅ…?おかーしゃんはなんできてくれなかったのりゃ…?」クビカシゲ
余所アライちゃん5「なのりゃ!なのりゃ!なのなのりゃ!なのりゃ!なのりゃ!のりゃのりゃりゃ!≧∀≦」シッポフリフリ
余所アライちゃん達は、熟練猟師がハシゴを下りていったのを見て喜んだ。
執拗なハゲ弄りが、熟練猟師を退けたようだ。
69 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 19:07:49.25 ID:TA/FKC86O
だが。
その執拗なハゲ弄りが、逆に熟練猟師の逆鱗に触れた。
完全武装熟練猟師「…」カツンカツンカツン
熟練猟師は、ヘルメットと防具をつけて、再度ハシゴを登ってきた。
余所アライちゃん1「うゆ!?さっきのやちゅのにおいなのりゃ!」クンクン
余所アライちゃん2「やいはげ!そんなぴかぴかであたまかくちてもはげはなおんないぞぉ!」ゲラゲラ
余所アライちゃん3「はげっ!はげっ!やいやい!もっといわれたくなかったらさっさとかーえーれ!」フゥーッ
完全武装熟練猟師「おいお前…いまオレのこの頭のことなんつったッ!」
余所アライちゃん4「はげ!」
余所アライちゃん5「はげ!」
完全武装熟練猟師「オレの頭にケチつけてムカつかせたヤツぁ何もんだろうーとゆるさねえッ!!」ジャキィ
https://i.imgur.com/zryiWQi.png
熟練猟師は、余所アライちゃん達に向かってショットガンの銃口を向けた。
70 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 19:14:52.79 ID:TA/FKC86O
余所アライちゃん1「うゆぅ?そんなぼーきれ、おうちにいればぜんぜんあたらないのりゃー!≧∀≦」ゲラゲラ
余所アライちゃん2「はやくかえんないと!おーきくなってからぶっこよしゅぞぉー!≧皿≦#」フゥーッ
余所アライちゃん3「そーなのりゃ!ありゃいしゃんたち、おっきくなったらつよいんだぞぉ!」
余所アライちゃん4「ありゃいしゃんたち、いんたーちっぷいくのりゃ!いっぱいごはんたべておーきくなゆのりゃ!」
余所アライちゃん5「おまえもたべられたくなかったらかえれー!いまかえればおなさけかけてやゆぞぉー!」ピカピカガイジガオ
完全武装熟練猟師「ッ…!」ワナワナ
完全武装熟練猟師「…もう生け捕りなんて止めだァーーーッ!!」プッツン
完全武装熟練猟師「くたばりゃあァアアーーーーッ!!!!クソコバエウジムシ共ォァアアーーーッ!!!」ガチッ
熟練猟師は余所アライちゃん達へショットガンの銃口を向け、怒りを込めて引き金を引いた。
https://i.imgur.com/9XvPKtL.png
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 19:17:29.56 ID:X4jgQrI1o
アライちゃん達は無知でかわいいなぁ!
72 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 19:28:33.87 ID:TA/FKC86O
余所アライちゃん達は、ショットガンの弾を浴びて蜂の巣となったが、さらに巣穴の壁で跳弾した弾によって四方八方からブチ抜かれ粉微塵に粉砕された。
熟練猟師がショットガンの銃口から余所アライちゃんの巣へ一斉に大量射出した銀玉は、
巣穴の壁で跳ね返って音速を超える異様にピンボールを繰り広げ、幾度となく跳弾を繰り返し…
余所アライちゃんの血肉と残骸「」グッチャアアアドシャブチャアバシャアアアアアッ
巣穴から大量の残骸を排出し、見事なジャックポットを記録した。
完全武装熟練猟師「おっとっと」バシャッ グラッ…
大量の血肉やショットガンの跳弾をヘルメットやレインコート、防具に浴びた熟練猟師。
彼が乗るハシゴは、ショットガンを撃ち放った反動で後ろにぐらりと倒れた。
完全武装熟練猟師「ほっ!」クルクル シュタッ
熟練猟師は、ハシゴから跳んで宙返りをし、衝撃を殺しながら無事に着地した。
完全武装熟練猟師「慣れっこだもんネ」パシッ
そして、倒れてきたハシゴを手で受け止めた。
完全武装熟練猟師「イチチ…防具ありとはいえ、さすがにイテェな。痣つかねえかな」ヒリヒリ
巣穴の壁で跳ね返った跳弾が防具に当たったが、傷は負わなかったようだ。
73 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 19:37:47.93 ID:TA/FKC86O
熟練猟師「はぁー…。やっちまった、森の新鮮なアライちゃんを生け捕りできるチャンスだったのに」
熟練猟師「まあいいや…死骸を片付けるか。はーげんなりする」スッ
仕留めた獲物の死骸を森に残すのは猟師のルール違反である。
熟練猟師は、巣穴の中や地面から、散らばった余所アライちゃん達の残骸を拾い集め、ビニール袋へ回収した。
熟練猟師「さーて帰るか…」スタスタ
猟犬1&猟犬2「「ワン!」」ノソリノソリ
知能を駆使して自然の中でたくましく生きる余所アライさん一家であったが、
ショットガンには敵わなかった。
強いぞ、ショットガン!
凄いぜ、ショットガン!
負けるな、ショットガン!
害獣を打ち砕け!!!ショットガン!!!
74 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/26(土) 19:38:45.78 ID:TA/FKC86O
続く
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 19:45:01.19 ID:tZPdTcWzO
乙。熟練猟師お疲れさま。
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 19:46:34.07 ID:bBWB9y1D0
乙
生け捕りかと思いきや、まさかの展開。
猟師、(メンタル的な意味で)可哀そう...
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 19:49:57.21 ID:yXn8E83g0
乙
フルアーマ猟師怒りのショットガン
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 20:16:24.49 ID:pkD9tjyE0
ショットガンちゃんすっごーい!
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/26(土) 23:08:50.10 ID:5kwMd2cL0
乙でしゅ
コンプレックスを指摘されちゃ激昂するのも無理はありません
しかし、もし生け捕りしていたとしたら行く末がどうなっていたのかは気になりますね
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/27(日) 01:20:16.49 ID:/FzdnuwBo
痛みを感じる間もなく地獄に行けるとは幸運なアライちゃんたちだったな
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/27(日) 02:37:09.62 ID:czkRC3We0
乙
高橋邦子の影響が強く感じられた展開でした
ショットガン、最高の武器ですね
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/27(日) 23:27:50.76 ID:UFE9U8ZR0
全員髪の毛毟ってやればよかったのに
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/27(日) 23:59:44.25 ID:Hugl2utF0
まさか余所アライさんがこんなあっさりやられるとは思わなかった
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/28(月) 00:27:24.84 ID:GdRb+nq80
乙です
こんな奴らならショットガン使わず嬲り殺しがいい笑
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/28(月) 13:14:41.54 ID:UIqgYb7C0
乙です。やっぱアライがくたばる時は銃で撃たられるのが一番スカッとしますね、特に原型を留めないくらいの一撃は絶頂もんですよ…
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/28(月) 23:11:21.71 ID:ok5sZFESO
乙
恐怖も痛みも教えずまとめてショットガンを撃つのは慈悲深いですね
87 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 00:31:47.56 ID:ir3E2ndOo
熟練猟師が帰ろうとした…その時。
?「」ガサッ
熟練猟師「!?」ビクゥ
猟犬1「ワゥ!?」ビクゥ
…木の下あたりから、何かが落下した音…
いや、何者かが着地した音が聞こえた。
熟練猟師「…!?」キョロキョロ
今の音は、おそらくアライさんくらいの重さの二足歩行の生き物が着地した音だ。
猿でないならば、アライさんの可能性が最も大きいだろう。
熟練猟師「…」ジーッ
音がしたあたりの草むらを猟師は注意深く観察したが…
何も動く気配はない。
そして、何者の姿も見えない。
熟練猟師「今の音は…いったい…!?」ゾクッ
熟練猟師は、最も恐ろしい想像をした。
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2018/05/31(木) 00:35:40.59 ID:4myujDhJ0
まだ続きがあったのか。
89 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 00:36:08.55 ID:ir3E2ndOo
アライさんは、自分から人を襲うことは滅多にないが…
自分の命を防衛しようとしたとき、襲いかかってくることがある。
接近戦であれば、猟師の銃の前に沈むであろうが…
最悪のケースでは、民間人から奪ったアライボウを放ってきたという事例があるらしい。
熟練猟師「逃げろ!」タタッ
猟犬1&2「「ワンワン!」」ザザザッ
熟練猟師は、仕留めた余所アライさん一家の死骸が詰まった袋を、『頭だけ』持って投げ捨て、その場から一目散に逃げ出した。
…
熟練猟師は、無事に自分の車へ逃げ込むことができた。
熟練猟師「さっきの音は…何だったんじゃ…?」ゼェハァ
熟練猟師「…ともかく、依頼主には頭だけ見せるとするかの…」ブロロー
熟練猟師「さて、バラエモンのとこで和食でも食いにいくかのう」ブロロー
そうして、熟練猟師は街へ去っていった…。
90 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 00:40:34.28 ID:ir3E2ndOo
…
〜ペットショップ〜
レア動物マニア「こんちわー」ガラッ
店員「いらっしゃいませー」
ペットショップに、眼鏡をかけた男性が入店してきた。
彼はレア動物マニア。
珍しい動物を探して、写真を撮ったり、飼育するのが大好きである。
レア動物マニア「何か珍しい動物とか売ってないかな?」スタスタ
レア動物マニアは、ペット達を見ながら店内を回っている。
店員「珍しい動物をお探しですか?では、こちらのアライちゃんなんていかがでしょうか?」
店員は、レア動物マニアをアライちゃんコーナーへ案内する。
レア動物マニア「アライちゃん?珍しくも何ともないじゃないですか…」スタスタ
ノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャノリャヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ♪ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ♪シッポフリフリシッポフリフリシッポフリフリ♪シッポフリフリ♪
レア動物マニアは、とりあえずアライちゃん達を見て回った。
91 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 00:44:06.06 ID:ir3E2ndOo
すると…
レア動物マニア「ん?」ピタッ
レア動物マニアは、急に足を止めた。
店員「こちらの子なんて、とってもレア物ですよ!お安くなっておりますので、是非お買い求めください!」
レア動物マニア「こいつですか…?どこが珍し…」ジーッ
レア動物マニアは、指差されたケースの中のアライちゃんを見た。
https://i.imgur.com/IqvqwGX.png
レア動物マニア「…ん?何だ…なにか違和感があるぞ?」
アライちゃん「うゆ!おきゃくしゃんがみてゆのりゃあ!」
アライちゃんは、レア動物マニアに反応した。
92 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 00:46:42.24 ID:ir3E2ndOo
アライちゃん「なのりゃ〜!おきゃくしゃ〜ん♪ありゃいしゃんのかいぬちになってほちいのりゃ〜♪」ヨチヨチ
アライちゃんは客へ近寄り、ケースの透明な壁にくっついた。
その時、客はようやく違和感の正体に気づいた。
https://i.imgur.com/B8NvJSa.png
レア動物マニア「な…なんだ!これは!?」
店員「ね?レアでしょう!?」
レア動物マニアは、目を疑った。
こんなアライちゃんがいるなんて…!
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 00:49:45.29 ID:cuPHdC4QO
なんじゃこりゃあー。これはいったい。
94 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 00:55:33.99 ID:ir3E2ndOo
双頭二尾アライちゃん「「な〜のりゃ〜♪」」シッポフリフリ
そう。
このアライちゃんは、二本の尻尾と二つの頭を持っていたのである。
レア動物マニア「す…すげえ…!こいつはレアだ…!」ゴクリ
右の頭「うゆ!ありゃいしゃんたち、れあなんだぞぉ!みんなにじまんできゆぞぉ〜!」ピカピカガイジガオ
左の頭「ありゃいしゃんたち、『いんしゅたばえ』しゅゆぞぉ〜!ぶよぐにのしぇれば、てれびでほーだいだぞぉ!」ピカピカガイジガオ
レア動物マニア「あ…あの…これって…ペットショップに並べていいものなんですか!?研究者に買い取って貰うべきでは!?」アセアセ
店員「うーん…それも考えたんですが、でもまあ、大した儲けになりませんし」
レア動物マニア「450円よか儲かるとは思うんですが…」
95 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 00:58:42.82 ID:ir3E2ndOo
右の頭「かってかってかってかってかってかってかってかって!!!」シッポフリフリ
左の頭「おっきゃくしゃ〜ん♪いちれんたくしょーなかよちしまいのかいぬししゃんになってなのりゃ〜♪」シッポフリフリ
左右の頭「「のりゃ〜♪」」コスリコスリ
レア動物マニア「仲いいんですね」
店員「ふふ、そうでしょう?」
左の頭「そーだ!ありゃいしゃんのなかのよさと、げーたっしゃなとこみせてあげゆのりゃ!」クルッ
右の頭「のりゃ!そーなのりゃ!ありゃいしゃんたちのすぺしゃるなだんしゅ、みせてあげゆのりゃ!」クルッ
双頭二尾アライちゃんは、体を重そうに動かして旋回し、客へ尻尾を向けてきた。
https://i.imgur.com/qn9Ruu8.png
店員「なにするの?」
左右の頭「「なかよちこしゅこしゅだんしゅなのりゃー!≧∀≦」」
双頭二尾アライちゃんは、なにかの芸を始めるつもりらしい。
96 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 01:00:21.21 ID:ir3E2ndOo
左右の頭「「いくのりゃ!せーの…なのりゃ〜!なかよちこよち、こしゅこしゅだんしゅ〜♪」」
https://i.imgur.com/Om7Suux.gif
双頭二尾アライちゃんは、せわしなく尻尾を動かし始めた。
97 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 01:06:20.64 ID:ir3E2ndOo
二本の尻尾「」コスリコスリコスリコスリコスリコスリコスリコスリコスリコスリコスリコスリ
レア動物マニア「う…おぉ…」
随分器用に動くものだ…
レア動物マニアは、その尻尾の動きに圧倒されていた。
左の頭「いっちれんたっくしょ〜♪なっかよっちこっよち♪あっりゃいっしゃん♪」シッポコスコスコスコスコスコス
右の頭「げーたっしゃ〜で♪みんなのあいどゆ、にんきもの〜♪げっきれっあげっきれっああっりゃいっしゃん♪」シッポコスコスコスコスコスコス
左右の頭「「なっかよっちこっよち♪しっぽこしゅこしゅ、こしゅこしゅだんしゅ♪なのりゃー!≧∀≦」」シッポコスコスコスコスコスコス
双頭二尾アライちゃんは、二本の尻尾を器用に擦り合わせていく。
左の頭「しゅぴぃーどあっぷなのりゃあ!うゆゆぅ〜!」コスコスコスコスコスコス
右の頭「うゆゆぅ〜!!」コスコスコスコスコスコス
https://i.imgur.com/nLDrAj7.gif
尻尾を擦り合わせるスピードは、さらに上がっていく。
98 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 01:10:25.14 ID:ir3E2ndOo
左の頭「ぜぇ…はぁ…」ゼェハァ
右の頭「ちゅかれたのりゃあ…」ゼェハァ
https://i.imgur.com/upKSsYe.gif
双頭二尾アライちゃんは、大分疲れたようで、尻尾の動きの激しさを緩めてきている。
左右の頭「「ぜぇ〜はぁ〜…」」ハァハァ ピタッ
店員「おぉ〜!凄いですね!」パチパチパチパチ
店員は拍手を贈っていた。
店員「お気に召されましたか?この勢いで、お客様も飼ってみてはいかがでしょうか?」
レア動物マニア「……」
果たしてレア動物マニアの選択は…!?
99 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 01:10:55.69 ID:ir3E2ndOo
続く
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 01:41:21.64 ID:9YUZAFpE0
これが本当のアラ二尾(ジビ)ってか
ニビじゃねーか!
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 02:07:46.43 ID:Qso3De6Ao
乙
アライちゃん工場で無茶苦茶いじめられてそう
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 03:04:00.74 ID:1Dx6JItw0
乙でしゅ。正直かなり気持ち悪いっす(称賛)
しかし、これ肉体の方の主導権とかどうなんだろ?もし左右で言い争ったらどうなるか見てみたいね
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 03:38:24.48 ID:rxH6jHGMo
乙ー
このアライちゃんは育てるの大変そう
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 07:08:18.19 ID:imurbT+dO
乙
このキケイジ、クソ気持ち悪いですね。
どんな死に方をするか、楽しみだな。
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2018/05/31(木) 10:47:54.96 ID:cK2OHf2i0
NARUTOの右近左近みたい左右 別れたりしそう
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 11:50:55.52 ID:2fP6DRa9O
ちゃんと二つに分けてあげなきゃ(横一文字)
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2018/05/31(木) 13:55:26.91 ID:tZMlDmNVO
寿命短そう
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 18:15:36.60 ID:pYrT0JdT0
乙です
双尾はいいけど、双頭はキメえww
真ん中で裂いてあげなきゃ!
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2018/05/31(木) 18:26:08.32 ID:/rlQtbb80
裂けるアライちゃんかな?
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 18:48:47.63 ID:QXMiipcsO
乙です。
キモ過ぎて、死に際が楽しみです!
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 18:51:37.22 ID:biTsw/JsO
1つの頭を切り取ってもう1つは大量出血で絶望しながらショック死する様がみたい
112 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 19:07:16.43 ID:FJslp7MsO
レア動物マニア「気持ち悪い…」ボソッ
左右の頭「「ぴいいぃぃっ!?」」
レア動物マニアの反応は冷ややかであった。
明らかに、『なかよちこよちこしゅこしゅだんしゅ』を見る前よりも盛り下がっている。
店員「お気に召されませんでしたか?」
レア動物マニア「うん…僕はですね、『珍しい種の動物』が好きなんであって…別に奇形マニアなわけじゃないんです。遺伝しないんでしょこれ?」
店員「ですね」
左の頭「き、きけーっていわないでなのりゃあっ!」シッポフリフリ
右の頭「ありゃいしゃんは、しゅぺしゃゆなのりゃあ!とくべちゅなんだぞぉ!しゅごいんだぞぉ!」
レア動物マニア「ともかく…、『ちゃんとした』レア動物がいいです」
店員「ああ〜、『ちゃんとした』奴ですね、では…」スタスタ
店員は、レア動物マニアを連れ、昆虫コーナーへ行った。
左の頭「ぴいぃ!?ありゃいしゃんは!ちゃんとしてゆのりゃあ〜!」ビエエエエン
右の頭「かってかってかってかってかってかって〜〜!」ビエエエエン
レア動物マニア「おぉ〜、ニジイロクワガタ!レアですね、買います!」
店員「ありがとうございます」
左右の頭「「ありゃいしゃんのほーがいちおくまんばいれあなのりゃああ〜〜〜っ!そんなのじゃなくありゃいしゃんをかってぇ〜〜っ!」」シッポフリフリシッポフリフリ
レア動物マニアは昆虫を一匹買い、去っていった。
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 19:17:15.36 ID:1PiEGCcrO
ニジイロクワガタか...
ムシキングが懐かしい
114 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 19:30:02.30 ID:FJslp7MsO
店員「今回もだめだったかー…まあ、気を落とさないで…」
左の頭「う…」
右の頭「うゆうぅぅ〜…!!」
左右の頭「「こいちゅがありゃいしゃんのからだにくっちゅいてゆかりゃなのりゃあああああっ!」」
左右の頭は、仲良く罵声をハモった。
左の頭「なにぃ!?おまえがありゃいしゃんのからだにくっちゅいてゆのがわゆいんだろぉお!!」フゥーッ
右の頭「それはこっちのせりふなのりゃーっ!これはありゃいしゃんのからだなのりゃあ!おまえなんかくっちゅいてこなけりゃよかったのりゃあ!」ガシイィグイイイ
左の頭「ひゅぎいぃ!」
双頭二尾アライちゃんの右手が、左の頭のほっぺたを引っ張った。
左の頭「なんてことゆーのりゃ!いっつもありゃいしゃんがちっぽのこしゅこしゅだんしゅしてやってゆのにぃ!かんしゃちろぉ!」ガシイィグイイイ
右の頭「ふぎゅぎゅぅ!それがきもちわゆくてへたくしょなんだろぉ!」
双頭二尾アライちゃんの左手が、右の頭のほっぺたを引っ張った。
https://i.imgur.com/srVUOhP.png
左右の頭「「ふんぎゅぎゅぎゅうぅぅ〜〜!ふうぅーーーっ!」」グイグイ
店員「喧嘩はやめなさい!」
115 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 19:33:30.92 ID:FJslp7MsO
売られアライちゃん1「またはじまったのりゃ…」
売られアライちゃん2「いちゅものなのりゃ…」
売られアライちゃん3「うゆちゃいのりゃあ!いっつもなかよくちろっていわれてゆだろぉ!」フゥーッ
売られアライちゃん4「けんかはめーなのりゃあ!」シッポフリフリ
他のケースに入っているアライちゃん達が、双頭二尾アライちゃんを嗜めている。
左右の頭「「ふぎゅぐぎぎゅぅ〜〜っ!」」ハァハァ
基本的に双頭二尾アライちゃんの首から下は、左右どちらの頭でも自由に動かせるが…
どうやら、部位によって支配権が微妙に異なるらしい。
左腕、両尻尾は左の頭が。
右腕、両脚は右の頭が高い支配権を有している。
実を言うと、先程の尻尾の芸は、元々は二匹が別々に動かしてやろうとしていたが…
あまりにもタイミングが合わなかったため、『仲良く二匹でやっている』という体のもと、左の頭が一匹で両尻尾をコントロールしているのである。
116 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 19:39:57.87 ID:FJslp7MsO
左の頭&右の頭「ありゃいしゃんにあやま…げほげほ…!」「おまえのせーでありゃ…ごほごほ!」
二つの頭は、同時に別のことを言おうとして咳き込んだ。
左の頭&右の頭「だったらおまえがちっぽの…げほげほ!」「おまえがもっとじょーたちゅ…ごほんごほん!」
どうやら双頭二尾アライちゃんは、
『左右の頭が交互に喋る』ことと、『同じことを左右で同時に喋る』ことはできるらしいが…
『別々のことを、左右同時に喋る』ことが難しいようだ。
それはそうだろう。
口と喉と声帯こそ2つあるものの、肺と横隔膜は1つしかない。
しかもその支配権はほとんど同等。
空気を口に送り出すタイミングがずれるため、両方同時に喋ることは困難なのである。
117 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 19:47:47.88 ID:FJslp7MsO
店員「仲良くしなさいって言ってるでしょ!そんなに仲悪くしてたらお客さんの買ってもらえないよ!」
左の頭「びええええーーーんっ!てんいんしゃああああんっ!もーこいつきってえええーーっ!ありゃいしゃんのからだからきってええーーーっ!」ビエエエエン
右の頭「こいちゅこそわゆいできものなのりゃあ!ありゃいしゃんをなおちてええっ!゛の゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ーーーーぁ゛あ゛あ゛あーーーんっ!」ビエエエエン
https://i.imgur.com/9SC46QE.png
双頭二尾アライちゃんは大声で泣いた。
店員「ダメだよ!切ったら死んじゃうに決まってるでしょ!それに片方切っても、首の生え際の変なバランスは治らないの。『ただの可愛くないアライちゃん』として、ただ気味悪がられるだけ!」
店員「だったら、今の物珍しさを前向きにアピールして、珍しいもの好きなお客さんに買ってもらうしかないでしょ!」
左右の頭「「なんでありゃいしゃん、こんなのがはえてうまれてきたのりゃあ〜〜っ!ほかのこうらやまちいのりゃああっ!」」ビエエエエン
左右の頭「「ありゃいしゃんがかわいそーーなのりゃあああっ!の゛お゛ぉ゛ーーぁ゛あ゛んっ!の゛ぁ゛あ゛ーーーあ゛ん゛っ」」ビエエエエン
左右の頭は、再び仲良くハモった。
118 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 19:55:19.31 ID:FJslp7MsO
店員(本当は…ペットアライちゃんを虐目的で買うっていう人も、ごく一部いるらしいけど…)
店員(そういう層は極僅かしかいないらしいからな…)
店員(確か…アライちゃんがいなかった頃で言う所の、『犬、猫、小鳥などのペットを虐待してた人達』か、『幼児を虐待してた人達』が、そのままペットアライちゃん虐待勢になってるらしいな…)
店員(都合よく、偶然そういう人が来れば売れるかもしれないけど…。厳しいだろうな…)
店員(…なんて…)
店員(そんな酷い目には、遭わせたくないな…)
119 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 20:02:55.74 ID:FJslp7MsO
店員(いくら売り物とはいえ、アライちゃんも犬、猫、ハムスターや小鳥と同じ愛玩動物なんだ)
店員(犬や猫なんかのペットが虐待されるなんて…胸糞悪い。吐き気がする。…アライちゃんもそれと同じだ)
店員(ペットアライちゃんは、虐待用のストレス解消グッズなんかじゃない。可愛がってあげるべき動物だ)
店員(虐待する人達は、『野良アライちゃんが害獣だから、ペットアライちゃんも害獣だ』なんて言って自分を正当化してるらしいけど…)
店員(野良犬も野良猫も害獣だ。だったら、ペットの犬や猫も虐待していいっていうのか…!?)
店員(…)
店員(できれば、そういう悪い人達に捕まらず、いい人に飼われてほしい…)
左右の頭「「びええええええーーーんっ!!!ぴいぃいーーーーっ!」」ビエエエエン
双頭二尾アライちゃんは、大声で泣き続けている。
120 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 20:08:55.19 ID:FJslp7MsO
客「ん?なんだこの声…?」ガララッ スタスタ
その時、ペットショップに客が入ってきた。
店員「あ、お客さん来たよ、ほら泣き止んで!」
右の頭「うっぐ…ひぐっ…」グスグス
左の頭「ひぐっ…ぐしゅっ…」シクシク
客はアライちゃんコーナーに近づいてくる。
左右の頭は、泣き止んだようだ。
店員「いらっしゃいませー!こちらの子はいかがでしょうか?とってもレアな子ですよ!」
左の頭「のりゃー♪おきゃくしゃ〜ん♪ありゃいしゃんたち、かーいいかーいいなかよししまいといっしょにくらちてなのりゃ〜♪」コスリコスリ
右の頭「さんにんでなかよくしよーなのりゃ〜♪」コスリコスリ
https://i.imgur.com/B8NvJSa.png
双頭二尾アライちゃんは、新しく来た客に自分たちの仲の良さと可愛さを必死でアピールしている。
果たして、このアライちゃんが大きくなるまでに、買われる日は来るのだろうか…。
121 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/05/31(木) 20:10:04.26 ID:FJslp7MsO
続く
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 20:18:53.61 ID:NXW9cbYd0
乙
可哀そうだな、と思う一方、アラ虐の対象になってほしいな。
「工場男」辺りがちょうどよさそう。
もしくは、研究所に運ばれてほしい。
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 22:06:26.28 ID:x5nf0z+L0
なんだこのサザンドラの進化前…(ドン引き)
もしくは双頭のサンダードラゴンのハエガイジバージョン
あと失礼かもしれないけど、ベトナムのあの双子も思い出した
発想が天才のそれですわ
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/05/31(木) 23:53:31.90 ID:/EuGzetq0
乙です。くっそキモい身体ガイジのアライちゃんが今後どうなるなるか楽しみです。そう言えばナチスには人工的にシャム双生児を創り出す実験があったみたいですね。
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/06/01(金) 01:17:45.63 ID:LJakFQQio
乙乙
泣いていたのに直ぐ笑顔に、切り替えの速さが凄い
ここら辺も普通の愛玩動物とは違うな
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/06/01(金) 04:30:38.21 ID:nnbVAstf0
乙でしゅ。支配権や肺の構造の設定が非常に興味深いものでした
気持ち悪いから駆除されてほしいと思うけど、珍しいから実験で苦しんでほしいとも思っちゃいます
127 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/06/01(金) 08:06:28.91 ID:tbaJn6duo
〜オマケ〜
レア動物マニアが昆虫を買ってから、店を出る前までに、店員に質問をしていた。
レア動物マニア「そういえば結局、なんであの奇形アライちゃんは研究所とかに送らないんですか?大した儲けにならないって言ってましたけど…」
店員「以前、研究所にそういう話を持ち掛けたこともあったんですが…一言でいうと、『研究する価値がない』からだそうです」
レア動物マニア「価値がない…!?そんなバカな、かなりレアだと思うんですが」
店員「研究する価値というのは、要するに『研究によって得られる知識がどれだけ役に立つか』のことですよ」
店員「例えば、コンクリートや洗濯物によくくっつく、赤くて小さいダニ…『タカラダニ』。あれは未知の部分が多い生物でありながら、生態や体質などがほとんど研究されていない。何故か分かりますか?」
レア動物マニア「え?う、う〜ん…?なんでだろ…」
店員「答えは、『たとえ未知でも、解明しても何の意味もない』からです。毒がないことさえ分かれば、タカラダニの生態や体質など誰も興味を持たないし、その研究報告は何の役にも立たない。時間の無駄なんですよ」
レア動物マニア「なるほど…」
128 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/06/01(金) 08:15:39.46 ID:tbaJn6duo
店員「あの双頭アライちゃんも同じです。もしあれが、遺伝子レベルでの突然変異であれば、新種であるため研究する価値は大いにあるでしょう」
レア動物マニア「ああ…。あれはどう見ても遺伝子の変化による突然変異じゃなく、細胞分裂がうまくいかなかっただけの奇形ですね」
店員「…母胎内での発生過程になら研究の価値はあるかもしれません。しかし、産まれてしまった後では、別にアレから得られる知識なんてろくにないんです」
店員「色々実験や調査しても、せいぜいあの奇形個体1匹の体の構造が分かる程度です…。じゃあ、そこから得られた知識が、何かに役立つでしょうか?」
レア動物マニア「いや…。体の仕組みが分かっても、あの奇形アライちゃんが死んだらそれまででしょうね…。特に何かの役には立たないかも…」
店員「研究機関いわく、『万が一遺伝するものであるならば、アライさん遺伝子の解明に役立つかもしれないが、可能性は限りなく低い』だそうです」
レア動物マニア「…」
店員「『成長ホルモン等の脳から伝達される物質が、二匹分送られたらどう働くかは若干、多少興味がある』とのことで、一応研究所に売り飛ばせば僅な儲けにはなるそうです」
レア動物マニア「研究する旨味があまりない以上、やっぱ人の手に渡った方がいいんでしょうね」
店員「獣医さんからは、生きていくのに必要な臓器は全て揃ってると言われています」
店員「短命ではあるでしょうが…、アライちゃんは元々た…」ピタッ
レア動物マニア「ん?」
店員「…何でもありません。まあ、普通のアライさんよりは短命でしょうね」
レア動物マニア(何を言いかけたんだ…?)
そうしてレア動物マニアは店を去り、他の客たちとすれ違い、昆虫を持って帰宅した…。
129 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/06/01(金) 08:16:27.11 ID:tbaJn6duo
つづく
130 :
◆19vndrf8Aw
[sage]:2018/06/01(金) 08:22:01.98 ID:tbaJn6duo
※若干補足
アライさんの脳では不活性サンドスター(動物をフレンズ化させることができない)が生成され、胴体に送られています
そのため、双頭二尾アライちゃんは通常の二倍のサンドスターを生成できます
しかし、この世界ではまだサンドスターの観測技術がなく、発見すらしていないため、
この個体がサンドスターの性質解明に物凄い役立つことを気付けてすらいません
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage ]:2018/06/01(金) 09:15:13.54 ID:UV/Urr1u0
乙
つまり旨味も2倍...?
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2018/06/01(金) 10:10:40.60 ID:DAvf+erw0
宝の持ち腐れってやつか。
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/06/01(金) 12:27:13.29 ID:/0mkznwX0
乙です
えぇ…そんなことが!
こんなのがサンドスター用に量産されたらきもすぎる笑
134 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/06/01(金) 21:59:38.21 ID:tbaJn6duo
…
野良アライちゃんは、人里へインターンシップへ行き、過酷な環境で過ごす。
しかし、疑問に思わないだろうか?
足が遅く、人懐っこいアライちゃん達が、なぜ人里でサバイバル生活ができるのか。
もし人間に見つかったら、その場で皆一匹残らず残酷に痛め付けられて殺されるのでは…と、思わないだろうか?
あらゆる人間が皆、アライちゃんを見付け次第その場で殺すのであれば。
とても人里でなど、アライちゃんといえど生きてはいけないのではないか…と。
…しかし。
現に、いくらかのアライちゃん達は生き延び、成体へ成長している。
そして、その多くは、人間を『完全な外敵』とは思っていない。
一体なぜ、このようなことが起こっているのであろうか…。
135 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/06/01(金) 22:06:00.10 ID:tbaJn6duo
…
〜ギャルの家〜
ギャル「ふぅ〜いいお湯だった〜」ガラッ
ギャルが風呂場から、バスタオルを巻いて出てきた。
ティアラアライちゃん「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
そこへ、首輪とティアラをつけたペットアライちゃんがやってきた。
ギャル「あら〜ティアライ。ここまで来たの?もう、甘えん坊なんだから」ナデナデ
ティアライちゃん「なのりゃ〜!のりゃあ!のりゃあああ!」スリスリギューッ
ギャル「な…何怖がってるの?」
ティアライちゃん「なのりゃあ!なのりゃあ〜!」ヨチヨチヨチヨチ
ティアライちゃんは、ギャルをどこかに案内しようとしているようだ。
ギャル「ちょっと待ってて、今髪渇かして服着るから…」ゴォォー
ティアライちゃん「のりゃあ!のりゃあああ!」シッポフリフリ
ギャル「よし渇いた!どうしたの?」スタスタ
ギャルは、ヨチるティアライちゃんの後をついていく。
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2018/06/01(金) 22:12:40.75 ID:DAvf+erw0
新しいの飼ってるのかよ。
137 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/06/01(金) 22:16:44.28 ID:tbaJn6duo
ギャルはリビングについた。
すると…
https://i.imgur.com/uTuLneH.png
野良アライちゃん1「ふははー!こののりものおもちろいのだぁ!」キャッキャッ
野良アライちゃん2「あっちにすすめー!こらー!ゆーこときくのだぁー!」バンバン
2匹のアライちゃんが、ルンバに乗って遊んでいた。
ティアライちゃん「の、のりゃ…」プルプル
ギャル「」
ギャルは固まった。
野良アライちゃん1「うゆ!ひとしゃんなのだ!?あらいしゃんのおうちになんかよーなのだ?」シッポフリフリ
野良アライちゃん2「いっしょにあそぶのか?それともごはんくれゆのだ?」シッポフリフリコスリコスリ
ギャル「」
ギャルは無表情で固まっている。
ティアライちゃん「う、うゆうぅぅ…」プルプル
ティアライちゃんは、ギャルの足首にしがみついて震えている。
目の前のアライちゃん達は、どこからどう見ても、家に隙間をあけて侵入してきた野良アライちゃんである。
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/06/01(金) 22:23:29.08 ID:mC2D8zlX0
綺麗にする機械に野生だろうから汚れだらけのアライちゃんが…
139 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/06/01(金) 22:27:37.14 ID:tbaJn6duo
ギャル「う、うわぁ…野良じゃん…最悪…」
ギャルはひきつった顔をしている。
野良アライちゃん1「おい!おまえ!なんかこたえゆのだぁ!」フゥーッ
野良アライちゃん2「ここはあらいしゃんのおうちなんだぞぉ!かってにはいってきたらこまゆのだぁ!」フゥーッ
野良アライちゃん1&2「「ふぅぅーlっ!のりゃ!のりゃ!」」シッポフリフリ
野良アライちゃん達は、ギャルを威嚇している。
ギャル「…」
ギャルは動けずにいる。
なぜさっさと野良アライちゃん達を殺さないのであろうか…。
140 :
◆19vndrf8Aw
[saga]:2018/06/01(金) 22:33:50.15 ID:tbaJn6duo
ギャル「え、ど、どうしよ…」オロオロ
ティアライちゃん「うゆうぅ…」
ギャル「と、とりあえず、どっか追い出さないと…!どうしよう、どうしよう…!」アセアセ
ギャル「す、スマホで調べてみよっかな…」
ギャルはスマホで『野良アライちゃん 追い払い方』と検索した。
何故『殺し方』で検索しないのであろうか…。
野良アライちゃん1「うぅ?なんかいうのだぁ!もしかして、あらいしゃんのかぞくになりにきたのか?」シッポフリフリ
野良アライちゃん2「ごはんくれゆなら、あたまなでてもいーぞぉ!」フフン
ギャル「え、えっと…。追い払い方は…。『熱湯や催涙スプレーを噴射してひるませ、玄関まで蹴りながら追い払う…』?」
ギャル「…」
ギャル「む…」
ギャル「無理!!!スプレーとかないし!」
ギャル「それに、ね、熱湯…!?無理無理無理無理!!」アセアセ
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