アライちゃんのいる日常5

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1 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 18:52:03.70 ID:FXzvQF+hO
前スレ

アライちゃんのいる日常
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514203819/

アライちゃんのいる日常2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1516230895/

アライちゃんのいる日常3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1518932661/

アライちゃんのいる日常4
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1526334448/


【このお話は?】
不思議な生き物『アライさん』やその幼獣『アライちゃん』を主役とし、
それらの生き方を観察するお話です。

野良アライちゃん達を、人々は害獣として駆除します(例外あり)。

ペットアライちゃん達を、人々は愛玩動物として可愛がります(例外あり)。

しかしそんな人間のことなどお構い無く…
アライちゃん達は皆、今日という日を必死に生き延びようとします。

天はアライちゃんにも、人にも味方をしません。
生存競争に勝つのに必要なのは神頼みではありません。
自らの実力で、必死に勝利へ手を伸ばすこと、それだけです。

必ずその努力が報われるとは限りませんが…。
2 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 19:01:15.22 ID:FXzvQF+hO
【注意】
このお話は、時にアライちゃんが残虐に殺されたり、絶望の中で悲惨な死を迎える…所謂『アラ虐表現』が存在します。

しかしながら、本作は『アラ虐SS』ではありません。

つまり、人々がアライちゃんを一方的に優位な立場でサンドバッグにするお話ではありません。

登場するアライちゃんの確実な死は一切保証されませんし、人々の確実な勝利も保証されません。

逆も然りです。
登場するアライちゃんの不自然な幸運続きは有り得ず、
人々への不自然な不運続きもまたありません。

どちら側もサンドバッグにはなり得ず、どちら側も常勝無敗にはなり得ない…

そんな公正な日常を生きる人々の物語です。
3 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 19:05:06.23 ID:FXzvQF+hO
〜登場人物〜

・アライちゃん達(♀)
本作の主役。
必死に生きる姿は美しいが、生にしがみつこうともがきながら絶望の中死んでいく姿もまたそれ以上に美しい。

・バイト(♀)
アライちゃんが大好きな女子高生。
愛でるのも大好き。虐めるのも大好き。
殺すのも大好き。食べるのも大好き。


・肉料理屋店主(♂)
肉料理屋の店主。筋肉モリモリのマッチョマン。
バイトと一緒にアライさん料理をたまに食べている。


・アラキレス(アライちゃん)
バイトのペット。
飼い主に愛され、よく躾られている。
アラキレスもまた飼い主が大好きなようだ。


・男児兄(♂)
男子小学生。活発でやんちゃ。

・男児弟(♂)
男子小学生。大人しくて慎重。

・男児母(♀)
アライさん駆除業者。
普段はおっとりしているが、極めて戦闘能力が高い。

・黒パーカーの少女(♀)
神出鬼没の少女。
DQN。

・工場男(♂)
うだつの上がらない男。アラ虐にハマっている。

・狂人卍(♂)
仮面をつけているアラ虐動画投稿者。
アラ虐コミュニティ『ジェノサアライド』の元締め的存在らしい。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/07/03(火) 19:25:51.67 ID:MRCXs7OmO
新スレ乙
アライさん達を皆殺しにしなくてもいいけどアライさん被害にあった人たちには何らかの形で救われて欲しいなぁ・・・
アラスコの親片親子とかそのあとも救いが無かったし
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 19:27:13.74 ID:5uXqUQyQO
キターーーー!
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 19:30:07.67 ID:TZNglXuT0


新スレが立ったから、前スレはまとめられても問題ないのかな?
7 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 19:31:27.76 ID:FXzvQF+hO


野良アライちゃん3「ぴいぃーーー!ひとしゃん!たしゅけてぇええーーーっ!」シッポブンブン

植木鉢の前に大量に仕掛けられたアライホイホイ…
粘着テープの罠。

そのうち1つだけに、野良アライちゃんが一匹くっついている。

花好きおばさん「あああああああ!!クソ!!!あたしのチューリップがぁ!」

花好きおばさんは、荒らされ、ほじくり返されたチューリップの植木鉢の前で激昂している。

チューリップは球根をほじくり返され、食われていた。

…以前も、ダリアの球根を野良アライちゃんに食われたことがあった。

その対策として、アライホイホイを仕掛けたのだが…

野良アライちゃん3「うゆうぅ〜〜!ひとしゃん!とってくれたらあらいしゃんのせなかなでなでしていいぞぉ!ほっぺなめなめちてやゆぞぉ!」ヒグッグスッ

罠にかかったのは、大泣きして涙と鼻水を垂らしている野良アライちゃん3…一匹のみ。

おそらく、他にも何匹か来たのであろう。

だが、罠にかかった野良アライちゃん3の様子を見て、アライホイホイを罠だと学習し、植木鉢を荒らして帰っていったようだ。

花好きおばさん「ハァー…ハァー…くそ…」ピポパ

花好きおばさんは、最近このあたりにできた『野良アライ回収センター』へ電話をかけた。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 19:38:55.32 ID:hb+KEXHz0
残機を消費して学習しちゃったか
9 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 19:39:50.77 ID:FXzvQF+hO
間もなく、軽トラに乗った回収業者が来た。

荷台には大きな箱が積まれており、中からはアライちゃんと思われるくそやかましい声が絶えず響き、助けを求める叫び声、泣き声がいくつも重なっている。

アライ回収業者「どうも…野良アライちゃん一匹ですね。50円で引き取ります」ガシィ

野良アライちゃん3「ひとしゃん!とってぇ!とってぇ!うゆぅ、うみゅみゅぅぅ〜〜〜っ!」ジタバタシッポブンブン

野良アライちゃん3は、アライホイホイにくっついたまま、懸命に身をよじっているが…

アライ回収業者「ほいっと」ポイッ

野良アライちゃん3「ぴいぃい!」ヒュー

野良アライちゃん3は、箱の上から投入された。

大きな箱『だぢでえええええ!せまいのやなのりゃああああっ!おうぢがえゆうぅう!おながしゅいだあああ!』ガタガタ

花好きおばさん「ども」スッ

花好きおばさんは、50円玉をひとつ受け取った。

アライ回収業者「ご利用ありがとうございました」

軽トラ「」ブゥーン…

アライ回収業。
最近、この近くの大学で始まった産学官連携のベンチャー企業だ。

アライちゃんは害獣でありながら、その肉体は有用な資源として注目を浴びている。

ペットフードに加工すれば、ペットの様々な健康促進作用がもたらされ、

ドライフリーズして畑に撒けば、大変いい肥料になるのである。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 19:43:00.80 ID:CL0Rcr460
新スレ乙、楽しみにしてるでー

ところでフリーズドライって逆のが一般的じゃないかな?
11 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 19:45:49.16 ID:FXzvQF+hO
花好きおばさん「あーーーもう!どうしたらあのアライどもを殲滅できるんだい!」

古道具屋おばさん「花さん、大変ですねぇ…」

花好きおばさん「全くだよ…。でも、花を植えるのはやめたくない…」

古道具屋おばさん「…そうだ、うちの息子が今帰ってきてるから、ちょっと相談してみようかねえ」

花好きおばさん「ん…。何だっけ、くず鉄業者の?」

古道具屋おばさん「そう、廃品回収やってる息子がね、アライちゃん捕る罠作るの上手なんだよ〜。ちょっと何かいいのないか、聞いてみるとするよ」

花好きおばさん「どうも〜、お願いしますね〜」

古道具屋おばさんは、自宅へ帰っていった。
12 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 19:55:37.51 ID:FXzvQF+hO


〜古道具屋の家、長男の部屋〜

廃品男「…」ジジジ…

広い部屋の中で、一人の青年がくず鉄いじりをしていた。

何やら、壊れた電化製品のパーツをいじっているようだ。

冷蔵庫のラジエーターを箱に仕掛け、木造の巣箱のようなものに繋ぎ合わせようとしている。

古道具屋おばさん「ユーちゃん、ちょっといいかい?」ガラッ

廃品男「どうした?母さん」

古道具屋おばさん「お隣の家のお花が、アライちゃんに荒らされて大変なんだよ〜。なんかいい罠ないかな?」

廃品男「…どんなのがいい?安上がりだけど手入れがやや面倒なやつと、高いけど生け捕りにできるやつ」

古道具屋おばさん「安い方がいいねぇ」

廃品男「…分かった。なんとかしてみよう」ピポパ

廃棄男「もしもし…課長、オレです。バケツとか、安いスクラップをいくつか持っていっていいですか?」

廃棄男「…ありがとうございます。では、持ってったものは休み明けにリスト提出します」ピッ

廃品男は家を出ると、軽トラに乗り、職場へ向かった。
13 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 20:06:13.30 ID:FXzvQF+hO
やがて、廃品男はいくつかのスクラップを持ってきた。

穴は空いてないが、持ち手が外れた金属バケツ。

ラムネの瓶。

錆びかかった金属製の細長い棒。

錆びた金属製の網など…。

廃棄男「よし、作るか」サッ

廃棄男は、ラムネの瓶の底へ穴を空け、細長い金属棒を貫通させた。

そして金属棒の両端を、バケツの持ち手があった部分に空いている穴へ通した。

さらに、匂いの強いサラミに接着剤をつけ、ラムネ瓶の外側の真ん中あたりへ貼りつけた。

最後に、金属棒の両端へ登れるように、網を梯子として垂直に取り付けた。

廃品男「よし…できた。母さん、お隣さんのとこへ行こう」スッ

古道具屋おばさん「おお、じゃあ行こうかね」スタスタ

廃品男は、出来上がった物体と、墨汁ボトル、サラダ油を持ち、車に乗った。
14 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 20:11:53.79 ID:FXzvQF+hO
〜花好きおばさんの家の前〜

廃品男「このバケツへ水を溜めて、墨汁を混ぜて黒い色をつけ…最後にサラダ油を垂らします。これで完成です」

廃品男が持ってきたのは、明らかにみっともないガラクタだ。

市販のアライホイホイよりもずっと見映えが悪い。

花好きおばさん「…こ、これでアライちゃんが捕れるのかい?ありがとう…お代は?」

廃品男「お代は、きちんと害獣を駆除した後に頂きます」

花好きおばさん「そ、そうかい…どうも…」

花好きおばさんは、サラミがくっついたラムネの瓶が金属棒を軸としてクルクル回る、このぶきっちょなガラクタバケツを、球根を植えた植木鉢の前に仕掛けた。


…なぜこんなハイペースで球根を植えてしまうのか。

きっと、1日でも早く開花するのを見たいからだろう。
15 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 20:16:42.65 ID:FXzvQF+hO
続く

>>6
大丈夫ですよ

wikiにまとめて頂く際は、登場した害獣がほぼ殲滅されるアラ虐回の見出しに、なんかのマークをつけておいて貰えると助かります

『ストーリーはおいといて、きちんと駆除完遂するアラ虐だけ読みたい』という読者の方が、そこだけピックアップして読めるようにしておきたいです
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 20:26:24.90 ID:hb+KEXHz0
乙ー
どんなトラップか次回が楽しみです

アライちゃん買取料金が動物園より安いのは
人件費が掛かってるのと都会のは森とかに住んでるのより不味いからとかかな
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 20:40:21.66 ID:dwy0TVzk0
おつー

またいいトラップ
こういうの好き
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 21:04:48.55 ID:TZNglXuT0


これ、ようつべで見た気がする。
たしか、そっちはネズミだったような...
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 21:08:16.24 ID:TZNglXuT0
これだ

https://www.youtube.com/watch?v=6SIlYiiCGLI
20 : ◆19vndrf8Aw [sage]:2018/07/03(火) 21:09:47.45 ID:FXzvQF+hO
>>19
Yes、元ネタはそれです
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 21:15:14.33 ID:hb+KEXHz0
こっちはトラップって訳じゃないけどアライグマ版だとこんな感じになるのかな
https://www.youtube.com/watch?v=JzolLysZ6MA
22 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 23:40:16.35 ID:Qav9Swgco
やがて夜が来て、アライちゃんの活動時間が始まった。


花好きおばさんの植木鉢には…


野良アライちゃん4「きょーもおやしゃいたべゆのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん5「あたらちーおやしゃい、たくさんはえゆからここはたべほーだいなのりゃ!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん4&5「「ごっはん!ごっはん!」」ヨチヨチヨチヨチ

…ヨチラー害獣共が近寄ってきた。
味をしめたのだろう。

野良アライちゃん4「ん?…くんくん…!」クンクン

野良アライちゃん5「なんかいーにおいしゅゆのりゃあ!こっちなのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん4&5「「のりゃ!のりゃ!」」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

野良アライちゃん達は、バケツのサラミの匂いにつられて近寄ってきた。

https://i.imgur.com/n1VlHQ7.png
23 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 23:44:13.87 ID:Qav9Swgco
野良アライちゃん4「ごちそーのよかんしゅゆのりゃあ!」ヨチヨチ

野良アライちゃん5「わっちぇ!わっちぇ!」ヨジヨジ

野良アライちゃん達は、バケツに取り付けられた金網を登り始める。

野良アライちゃん4「わっちぇ!わっちぇ!ごっはん!ごっはん!」ヨジヨジヨジヨジ

野良アライちゃん5「おっいちーごっはん!のりゃっ!のりゃっ!」ヨジヨジヨジヨジ

やがて野良アライちゃん達は、バケツの縁まで登った。

https://i.imgur.com/Y1vzXvu.png

野良アライちゃん達は、瓶についたサラミを発見した。

野良アライちゃん4「んおー!あそこなのりゃあ!」ヨジヨジ

野良アライちゃん5「よーし!いっぱいたべゆのりゃあ〜!」ヨジヨジ

野良アライちゃん4「これはわなじゃないのりゃ?」ピタッ

流石は秋まで生き残ったアライちゃん。
一応の警戒心はあるようだ。
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 23:44:35.71 ID:2H6VqbXz0
おばさんおばさん!
スイートピーや鈴蘭、水仙を植えなさいよ!
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 23:48:14.86 ID:2H6VqbXz0
話の中では秋か、納得
26 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 23:48:28.23 ID:Qav9Swgco
野良アライちゃん5「べとべとしないのりゃ!だからへーきなのりゃ!」ガシャガシャ

野良アライちゃん4「のりゃっ!のりゃっ!」シッポフリフリ

だが、今まで自分達が見て経験してきた罠に、こんなものはない。

それ故に、このバケツは罠でないと判断したようだ。

アライちゃんは、いくら年々賢くなっているとはいえ…
所詮は幼獣である。

自分が予想していない罠…
人間がどんな罠を仕掛けているかを、全ての個体が前もって想像できるわけではない。

https://i.imgur.com/ZLdS0hZ.png

野良アライちゃん4「いーにおいなのりゃああ!たべゆのりゃああ!」ヨチヨチシッポフリフリ

野良アライちゃん5「ごーはんっ!ごっはん!なのりゃー!≧∀≦」ヨチヨチ

野良アライちゃん達は、瓶の真ん中にあるサラミへ向かって猪突猛進した。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 23:53:56.36 ID:sawy9BNdo
二匹同時に行ったー!www
28 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 23:54:48.97 ID:Qav9Swgco
だが。

二匹分の重さが乗った瓶は…

ぐるんと、横に回った。

https://i.imgur.com/0HJughj.png

野良アライちゃん4「ぴぃ!?」ズルゥ

野良アライちゃん5「のりゃあ!?」ズルゥ

全く予想していなかった瓶の回転によって、野良アライちゃん達はバケツへまっ逆さまに落下した。

野良アライちゃん4「ぶへぇ!」バッチャアアン

野良アライちゃん5「ひびゅ!」バッチャアアン

墨汁が混ざった、黒い水へダイビングした二匹。

野良アライちゃん4&5「「ごぼごぼごぼごぼごぼごぼ!」」ブグブグ

水かさは、二匹が頑張ってバケツの底へ直立しても、頭が出ない深さであった。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 23:58:36.72 ID:2H6VqbXz0
はい、バイバイwww
30 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/03(火) 23:59:19.70 ID:Qav9Swgco
野良アライちゃん4「ぶはぁ!ぶぐぶぐ!ごぼごぼ!」バチャバチャ

野良アライちゃん5「ごぼぼ!げぼぉ!だれが!だぢゅげでぇ!」バチャバチャ

https://i.imgur.com/YdDMOhV.png

二匹の幼獣は、必死に水面に顔を出し、息継ぎをしている。

アライさんは、泳ぎが上手な生き物だ。

頭が異様にデカい幼獣でさえ、そこそこ泳げる。

だが、だからといって、朝から晩までずっと泳ぎ続けられる無尽蔵のスタミナなど無い。

第一、この頭のデカさだ。
水面に顔を出そうとするだけでもかなりのスタミナを消費する。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 23:59:53.67 ID:sawy9BNdo
アライちゃんお得意の姉妹の絆パワーでがんばえー(棒)
32 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:03:36.16 ID:qPLw05kfo
野良アライちゃん4「ぎぎなのりゃあああ!ありゃいしゃんのぎぎなのりゃああああ!」ペタペタ

野良アライちゃん5「のぼれないいぃい!ちゅゆちゅゆちててのぼれないのりゃあああああ!」ペタペタ

野良アライちゃん達は、バケツの壁を登ろうとして、必死に壁を手でペタペタしている。

だが、こんなアルミの壁を登れる生き物など、掌に吸盤がついた生き物…
カエル等々でなくては無理だろう。

野良アライちゃん4「ぐゆぢ、いいいういいい!ぶぎゅぅううううう!」ゴボゴボゴボゴボ

野良アライちゃん5「の゛ぉ゛ぁ゛あ゛あ゛ーーーーん゛っ!!の゛ぁ゛あ゛ーぁ゛あ゛ん゛っ!!」バチャバチャバチャバチャ

二匹はそろそろスタミナが尽きかけてきたようだ。
33 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:09:40.76 ID:qPLw05kfo
野良アライちゃん4「ご…ぼ…だぢゅげ…でぇ…!おが…しゃ…」ブクブク

野良アライちゃん4は沈みかけている。
もう足をばたつかせる体力もないのだろう。

野良アライちゃん5「う…うゆううぅう!たあー!」バッ

その時、突然野良アライちゃん5は、姉の上に飛びかかった。

野良アライちゃん4「ごぼぉお!」バッチャアアン

野良アライちゃん5「ごぼぉ!ぶはぁ!じぎだぐないいぃい!ごぼ!だれがだぢゅげ!ぶはぁ!」バシャバシャ

野良アライちゃん4「ブクブクブクブ…」バシャバシャ

なんと野良アライちゃん5は、姉の上に乗ることで、水面から顔を出そうとしている。

野良アライちゃん4「…」ブクブクピクピク

野良アライちゃん5「おねーしゃんぼーとなのりゃあ!ごぼ!?おねーしゃ!しずむなぁああ!げほぉ!たて!たてええええおねーしゃあああ!」バシャバシャ

だが、肺から空気を絞り出してしまった姉は、水の底へどんどん沈んでいく。
34 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:16:29.23 ID:qPLw05kfo
野良アライちゃん4「おばえ…の…ぜい…で…!ぶぐ…おばえが…ありゃ…しゃ…を…さ…そっだ…ぜい…で…」ブクブク

野良アライちゃん4「」ビグビグッビグッググッ

野良アライちゃん4は、激しく痙攣を始めた。

野良アライちゃん5「ぐぶぶ…ぶぐごぼぼ…」ブクブク

野良アライちゃん4「」ブクブク…

野良アライちゃん4は、とうとう痙攣すらしなくなった。

野良アライちゃん5「ご…ぼ…だぢゅ…っぶぐぐぐ…ごぼ…」ゴボゴボ

いくら姉にしがみつこうととも、共に沈んでいくのみであった。

野良アライちゃん5「がば…び…ぼ…」ブクブク

必死に今まで生き延びてきた、小さな命。

こんな小さな体であっても、天に与えられた命が確かに宿っているのである。

果たして、生き延びたいという野良アライちゃん5の意思は…
このまま功を為すことなく、消えてしまうのであろうか。

この憐れな命に、天は味方をしてくれないのであろうか。
35 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:19:35.60 ID:qPLw05kfo
https://i.imgur.com/6xkx5kN.png



野良アライちゃん4「」プカー

野良アライちゃん5「」プカー

真っ黒な墨汁水の上へ、真っ黒に染まった物体がふたつ浮かび上がった。

…神は弱き者へ手など差し伸べない。

無情にも、当たり前のことが当たり前に起こるだけであった。

力無く幼稚で愚かな二匹の害獣は、為す統べなく完全に呼吸も心拍も停止した。
36 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:23:07.74 ID:qPLw05kfo
その後、もう二匹の害獣がやってきた。

野良アライちゃん6「くんくん…!」ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん7「いーにおいしゅゆのりゃ!」ヨジヨジヨジヨジ

野良アライちゃん6「わっちぇ!わっちぇ!」ヨジヨジヨジヨジ

バケツの縁まで登った二匹。

野良アライちゃん7「よいしょ…んー?したになにかあゆのりゃ」

野良アライちゃん6「うゆ?なんなのりゃ?」キョロッ

野良アライちゃん6&7は、バケツの水面を見た。

黒く染まった物体1「」プカー

黒く染まった物体2「」プカー

…先客の姿である。
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 00:23:57.51 ID:xRjd+U/00
腹黒さを表しているようで滑稽
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 00:25:24.24 ID:FfnAcdzfo
汚い汚物が浮いてらっしゃる
39 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:27:07.89 ID:qPLw05kfo
野良アライちゃん6「うゆ〜…よくわかんないのりゃ!それよりごはんなのりゃ!」ヨチヨチ

野良アライちゃん7「なのりゃー!ごっはん♪ごっはん♪」ヨチヨチ

…だが、二匹は浮いている物体が、同族の死骸だと気付かなかった。

理由は二つ。

ひとつ目は、二つの死骸が墨汁で黒く染まっていたため、同族であることどころか、生き物だとさえ認識できなかったこと。

そしてもう一つの理由は、同族のにおいがしなかったためである。

これは、垂らされたサラダ油の効果だ。

野良アライちゃん達の体の獣くさい匂いは、水の中へ溶け込んでいたが…

水面から空気中には放出されなかった。

何故なら、水面に浮かぶサラダ油の油膜によって、匂い成分が吸着されたためである。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 00:29:20.41 ID:FfnAcdzfo
なるほどなー
夜だと余計分からなそう
41 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:29:32.13 ID:qPLw05kfo
野良アライちゃん6「び!」バッチャアアン

野良アライちゃん7「ぴゃぶ!」バッチャアアン

野良アライちゃん6&7「「ごぼぼ!ごぼごぼぼ…!」」バシャバシャバチャバチャ

…アライホイホイと違って、先客の死骸が認識できないが故に。

続く二匹も水へ落下し、やがて黒く染まってぷかぷか浮かんだ。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 00:32:40.27 ID:jH1JHz4HO
エクセレント。
43 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:33:32.25 ID:qPLw05kfo
…翌朝…

花好きおばさん「どれどれ?罠のほうは…」

花好きおばさんは、バケツを覗き込んだ。

中には…

黒く染まった物体1「」プカー
黒く染まった物体2「」プカー
黒く染まった物体3「」プカー
黒く染まった物体4「」プカー
黒く染まった物体5「」プカー

花好きおばさん「ひいいぃぃ!気持ち悪い!」ビクゥ


…五匹もの害獣が、仲良くぷかぷかと浮かんでいた。

古道具屋おばさん「おお、やったみたいだね」

廃品男「5匹か」スタスタ

花好きおばさん「おお、ありがとう…!アライホイホイが全然効かなかったのに、こんなに捕れたよ!」
44 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:37:30.73 ID:qPLw05kfo
花好きおばさん「これは、二晩とかもっと長く仕掛けていれば、もっとたくさん捕れるのかい?」

廃品男「ダメです。一晩使ったら、すぐに死骸を捨てて水を交換してください」

花好きおばさん「だめなの?」

廃品男「…この油膜では、獣くさい匂いはシャットアウトできても、強い死臭は防げません」

廃品男「強すぎる死臭は、アライちゃんを警戒させますし、何より片付けるのが大変になります。ハエもたかります」

花好きおばさん「そ、それは…やだね…。でも、これがあればもう大丈夫だね!」

廃品男「だが、墨汁バケツトラップは完全ではない。いくつか抜け目がある」

花好きおばさん「そうなの?」
45 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:39:50.61 ID:qPLw05kfo
廃品男「まず、体の大きいアライしゃんには通用しません」

廃品男「そして、4〜5匹ぐらいの群れでやって来られたら、溺れる声でさすがに警戒されます」

廃品男「今回は、2〜3匹ぐらいが2回に分けて来たから、無事でしたね」

花好きおばさん「そんなにたくさんこなけりゃいいけど…。ああそうだ、罠のお代はいくらだい?」
46 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:41:51.57 ID:qPLw05kfo
廃品男「300円です」

花好きおばさん「や、安いねえ!」

廃品男「ほとんどスクラップですからね。一番高かったパーツはキャラメルです」

花好きおばさん「壊れた物も、案外役立つもんだね…」


その後花好きおばさんは、アライ回収業者へ死骸を持っていってもらった。

死んだアライちゃんは、一匹10円ほどであった。
47 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:42:18.13 ID:qPLw05kfo
>>46訂正

×キャラメル
◯サラミ
48 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:46:11.92 ID:qPLw05kfo
そして古道具屋親子は家に帰った。

古道具屋おばさん「よかったねー!ユーちゃんの罠がまた役に立って!」

廃品男「ああ。動画で観たネズミ捕りトラップを、アライちゃん用にアレンジしたんだ。安上がりにしては交換があるな」

古道具屋おばさん「…」

廃品男「どうした?母さん」

古道具屋おばさん「…ユーちゃん、お休みの日はよく部屋に籠って、罠を作って…。いろんな人に売ってるみたいだね」

廃品男「趣味なんだ。機械や電子の弘産はな」

古道具屋おばさん「ユーちゃんがやってることは、いろんな人の役にたってて立派だと思うよ。でもね…」

古道具屋おばさん「…生き物殺すの、そんなに楽しいかい?」

廃品男「…」
49 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 00:49:03.74 ID:qPLw05kfo
古道具屋おばさん「別にアライちゃんを可哀想だっていってるわけじゃないよ。蚊もゴキブリも殺してるし、アライちゃんだって似たようなもんだし」

古道具屋おばさん「でもね…。生き物を殺すのって、普通の人はもっと、負い目を感じるもんだよ」

廃品男「…ああ。分かってる」

古道具屋おばさん「ユーちゃん、昔から機械いじりや工作大好きだったけど…。こんなに生き物を殺す道具たくさん作ってはいなかった」

古道具屋おばさん「私はね、ユーちゃん。あなたがどれだけ立派なことしてるとしても…。生き物を喜んで殺してるように見えるユーちゃんが、怖いよ」

廃品男「…」
50 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 01:00:17.47 ID:qPLw05kfo
廃品男「オレのやっていることは…確かに、歪んだ動機があるかもしれない」

廃品男「母さんの言うとおり、生き物を殺すのに夢中になるのは、正常じゃないかもしれない。たとえ相手が害獣であろうとも」

廃品男「だが、これがオレだ」

古道具屋おばさん「…!」

廃品男「残酷な動機があろうとも、正常じゃなかろうと…。オレは胸を張って、そんなオレ自身を肯定できる」

廃品男「オレは模範的な人間になどなれない。大多数の人が好む人間になどなれない。短所のない人間になどなれない」

廃品男「人は皆、自分だけの個性…長所と短所を持っている」

廃品男「だったらオレは、自分の長所を活かして、胸を張って生きていきたい」

古道具屋おばさん「…そうか。ユーちゃんがそういうなら、あたしは構わないよ。…さて、今日は作るものがあるんだろ?」

廃品男「ああ」
51 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 01:04:29.21 ID:qPLw05kfo
廃品男「改造した冷蔵庫の罠…。それを一つ、仕上げて送るつもりだ。工場男さんっていう人にな」

古道具屋おばさん「…頑張るんだよ」


もはや隠すまでもないだろう。

この男こそが、ジェノサアライドの革命児…

ゴミパンドラの箱をたった一人で作り、全国のアラ虐愛好家へ届けている男。
『トラップパウンダー』である。

ゴミパンドラの箱の価格は2万円。
それは、廃品を再利用して作っているからこそ、この値段に収まっているのである。
52 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 01:11:29.64 ID:qPLw05kfo
…アライちゃんは、人間のサンドバッグとして天に作り出されたわけではない。

弱くたって、れっきとした命。
運が良く、賢く育てば、人間の攻撃から生き延びて成長し続けることができるだろう。

だが、だからといって…
神様が、アライちゃん達をサンドバッグにならないよう、外敵から保護してくれるはずなど無い。

アライちゃんを殺すことに極めて長けた、駆除のエキスパート達に命を狙われては、生半可な運と実力では生き延びることなど敵わない。

アライちゃん自身が、好むと好まざるとに関わらず…

覆すことの敵わぬ圧倒的な実力差の前には、為す統べなくサンドバッグとなり一方的にぶちのめされるだけである。
53 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 01:11:57.23 ID:qPLw05kfo
続く
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 01:13:26.39 ID:FfnAcdzfo
乙乙
やったね工場男さんプレイの幅が広がるね!
そして一般人にもナチュラルに虫と同系列に語られるアライちゃんに草
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 01:13:42.84 ID:U/apqnFco
はい乙
可愛い可愛いペットアライちゃんも期待してるぜ
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 01:42:40.95 ID:unbiNCO30
おつおつ

しかしそうだね、今回のも冷蔵庫トラップも
少数行動のアライちゃん向けではあるけど
大グループのアライちゃん、大きくなったアライしゃんには通じにくいか
まだまだ課題はあるね

まあ残機の多いうちは学習が足りなくて一般罠とか野生動物に狩られる可能性高いだろうけど
大きくなったら大きくなったで隠れにくくて駆除されやすい?

2年で成体になるんだっけ?
アライしゃんの生態も興味深い
どれくらいの割合で生き残ってるんだろう
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 04:59:16.54 ID:zhSVo81P0
乙でしゅ
バケツ罠は安いけど毎日交換せにゃならんのは手間だね。これなら高値でも冷蔵庫を買う人のほうが多そう
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 19:13:16.79 ID:0GS8WH/t0


いい展開だったね。
バケツを大きめにしたら、捕獲量も上がりそう。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/07/04(水) 20:34:50.97 ID:YHwu+gCT0

「この水を飲み干すのりゃ!」とか斜め上の発想をする(可能性がある)ハエガイジ用にエチレングリコールでも混ぜとけばいいんじゃね?
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 21:02:32.71 ID:hQ9oTprt0
こういうオープンワールド?みたいな世界でアライちゃんが生きたり死んだりする世界観のほうが好きですね
61 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21:46:56.64 ID:qPLw05kfo


アラキレス「あ、ゆ、こー!あ、ゆ、こー♪あらーきれしゅげーんきぃー♪」ヨチヨチシッポフリフリ

アラキレス「あーゆくーのーだいーしゅきぃー♪どぉーんどぉーんゆーこーぉー♪」ヨチヨチシッポフリフリ

アラキレス「しゃっかみっちぃー♪とーんねゆぅー♪くぅーしゃーあっぱーやー♪≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリ

アラキレス「いっぽんばーちにー♪でこーぼこーじゃーいーみーちー♪」ヨチヨチシッポフリフリ

アラキレス「くーものーしゅくーぐぅってぇー♪くーだり、み、ちぃー♪なのりゃー!≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリ

私は、アラキレスの首輪に繋がれたリードを持ち、アラキレスと一緒に散歩している。

アラキレス「かいぬししゃーん!あらきれしゅ、おうたちゃーんとうたえたのりゃー!ほめてー!ほめてなのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリフリフリフリフリ

私は、アラキレスの頭を撫でる。

アラキレス「のりゃー!かいぬししゃーんしゅきしゅきなのりゃあ!せかいでいーーーっっちばんだいしゅきなのりゃあー♪≧∀≦」スリスリ

私のペットアライちゃん…アラキレス。
アラキレスは、他のアライちゃんとは、明らかに異なる点がある。

何だか分かるだろうか?
62 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21:47:44.03 ID:qPLw05kfo
そう。

私のアラキレスは…

世界で一番、可愛いのである。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 21:51:29.10 ID:0GS8WH/t0
今回は、飼い主の可愛がりパートかな?
64 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21:52:08.83 ID:qPLw05kfo
…誰がなんと言おうとも、それだけは譲れない。

私とアラキレスは、公園の広場についた。

ちょっと歩くの休憩しようか。

アラキレス「なのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリ

私は、アラキレスの首輪のリードを放した…。
そのとき。

アラキレス「わーい!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

なんと、アラキレスは私に背を向け、広場の真ん中へ勝手にヨチヨチ歩いていくではないか。

脱走だろうか?

アラキレス「かいぬししゃーん!こっちおいでなのりゃー!おにごっこなのりゃあー!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ

…なるほど。
アラキレスは、お外で私と遊びたがっているのか。

無理もない。
アラキレスにとって、私との散歩は貴重な時間。

外を歩きまわれる、数少ない時間なのである。

それに加え、アラキレスは最初に飼った時よりずいぶん大きくなった。

育ち盛りの食べ盛り。
日頃ケージの中でなまった体を、動かしたくてしょうがないのであろう。
65 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21:54:20.51 ID:qPLw05kfo
アラキレス「かいぬししゃーん!あらきれしゅをちゅかまえゆのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

アラキレスはヨチヨチと走り回っている。

よし、捕まえるか…
だが、全力疾走してしまっては、すぐにこのおいかけっこは終わってしまうだろう。

私は、全力を出さずに、適度なスピードでアラキレスを追いかけ回した。

…そのとき。
66 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 21:57:15.65 ID:qPLw05kfo
突如、空中から素早い何かが、アラキレスに向かって飛んできた。

アラキレス「う゛ゆぅ!?」




鷲「キュエェーッ!」ガシィィ

アラキレス「ぴいぃぃっ!?」グイイ



私は、とっさにアラキレスのリードを握った。

リードはすぐにピンと張られた。

鷲「キュロロロォ!」バサバサバサバサバサバサ

アラキレス「ぐ、ぐゆじぃいい!が、がい、ぬじじゃ!ぴ、ぎぃいい!」グググ


…なんてこと!
鷲がアラキレスを捕まえ、飛び去ろうとしているではないか!

とっさにリードを掴み、綱引きをする私。
67 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:01:13.56 ID:qPLw05kfo
アラキレスを離して!
その子は食べ物じゃない!

私はパニックになり、無我夢中でアラキレスの首輪に繋がるリードを引っ張った。

鷲「クエエエエ」バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ

だが、鷲も負けじとアラキレスの背中を鷲掴みし、アラキレスを引っ張る。

アラキレス「ぐびゅぎゅぎゅびゅぎゅ!びゅぎぃいいいいいいい!おご、ごぉぉぇえええ!」グググメキメキ

あああ!アラキレスの首が絞まっている…!
どうしよう、どうしよう…!

私は少しでもアラキレスの首への負担を和らげるために、鷲が飛んでいこうとしている方へ走った。
68 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:06:15.11 ID:qPLw05kfo
アラキレス「ぎ…ひいぃ!ぴぎぃいいい!がい…ぬじ…じゃ…!だ…ぢゅげ…でえええ…!じ…に…だぎゅ…ないぃい…!ぴぎゅぅるるるるうぅぅ!」メキメキ

離して!お願い!
早くアラキレスを離して!

私は鷲を追って必死に走り回る。

このままでは、鷲が諦めるより先に…
アラキレスが絞殺されてしまう…!

ふざけるな…

ふざけるな。

お前なんかにやるものか。

アラキレスの命は私のものだ!

そして、それを奪う権利も!私だけにある!

アラキレスを殺していいのは私だけだ!
横取りされてたまるか!害鳥がぁ!

私は、鷲と戦うことに決めた。

何か、鷲に向かって投げられるものはないか?

辺りを必死に見回した。



野良アライちゃん「うゆ〜?なんのあそびなのりゃ?ひとしゃん?いっしょにあそんでなのりゃ」ヨチヨチ

…広場で暴れる私の様子を見て、遊んでいるものだと思ったのか。

野良ヨチラーがヨチヨチと這い寄ってきた。
69 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:10:52.61 ID:qPLw05kfo
可愛いねアライちゃん。
おやつあげるからこっちおいで。

野良アライちゃん「おやつなのりゃ?たべゆのりゃ〜!≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

野良アライちゃんが、尻尾を振りながら私の足下へ近寄ってきた。

私は、野良アライちゃんの尻尾を握りしめ、持ち上げた。

野良アライちゃん「ぴ…ぎぃいいいい!いぢゃい、いぢゃいのりゃあ!ひとしゃ、ありゃいしゃんのふわふわちっぽつかむのやめてぇ!。≧Д≦。」ピギィイイイイ

そして私は、その尻尾を握ったまま、野良アライちゃんをブンブンと振り回して回転させた。

野良アライちゃん「ふぅうぎゅうぅぅぶぐぎゅぅうう!?はなぢでいっぢゃあああいいいいい!」ブンブンピイイイィィイ
70 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:14:50.85 ID:qPLw05kfo
野良アライちゃん「はなぢでええええ!ごあいいいい!はあああなああぢでええええっ!」ブンブンブンブン

私はハンマー投げの要領で、尻尾からぱっと手を放し、野良アライちゃんを空へ放り投げた。

野良アライちゃん「ふみゅぅううううううう!」ヒューーーンッ

野良アライちゃんは、空中へ…
鷲のほうへ向かって、高々と飛んでいく。

鷲「…!」パッ

アラキレス「び…ぎ…」ヒュー…

鷲はアラキレスを離した。

鷲「キュロロロォ」ガシィィ

野良アライちゃん「びぎぃ!?」ガシィィ

そして、野良アライちゃんを掴んだ。

鷲「キュララァ」バッサバッサ

野良アライちゃん「ぴぃいいいい!とりしゃ、やべ、は、はなぢで!やな!やなあああああ!」ブランブラン

…鷲は野良アライちゃんを掴んで飛んでいき、視界からすぐに消えた。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 22:15:40.79 ID:dwYS/dnU0
ナイスキャッチ
72 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:20:03.83 ID:qPLw05kfo
アラキレス「ぐ…げ…」ヒュゥウウウ

アラキレス!
私は、自分のお腹をクッションにして、アラキレスを受け止めた。

アラキレス「ふぎゅぅっ!」ボフン

痛いぃ!

お腹の中身、内臓を打ち付けられる激痛が走る。

アラキレス「ひ…ぎ…」ピクピク

アラキレスは落下のダメージを受けずに済んだようだ。

私はお腹の激痛に悶え苦しみ、悲鳴をあげながら広場をごろごろと転がり回った。

そして、地面の上に胃液をぶちまけた。

血が混じっていなかったのが幸いだ。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 22:24:01.55 ID:dwYS/dnU0
受け止めて結構ダメージ受けてるとは、アラキレスも結構大きくなってるっぽい?
74 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:26:23.95 ID:qPLw05kfo
私がうつ伏せに突っ伏していると…

アラキレス「かい…ぬし…しゃ…」ゼェハァ

アラキレスが、私に話しかけてきた。

よかった…死んじゃったかと思ってた。

私は、まるでアライちゃんのような無様な四足歩行をして、アラキレスにずるずると這い寄った。

アラキレス「ごめ…ごめんなしゃい…なのりゃ…!あらきれしゅが、かいぬししゃんから、はなれたせいで…!」ブルブルウルウル

アラキレスは涙を流し、泣いていた。
首を手で押さえている。きっと痛いのだろう。

アラキレス「ごめんな…しゃいぃ…!かいぬし…しゃん…!しなないで…しなないでえぇっ…!」ヒグッグスッ

私は、なにも言わずアラキレスを抱き締めた。

アラキレス「がいぬししゃんっ…!ありがとぉ…だぢゅげでぐれで…ありがとぉぉっ…!」スリスリ

アラキレス。
助かって…よかった。
75 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:31:26.99 ID:qPLw05kfo
しかし、アラキレスの身代わりに放り投げた野良アライちゃん。

あれが来てくれて、本当に運が良かった。

もしあの子が来なかったら、アラキレスは今頃、首が締まり窒息死していた。

野良アライちゃんも、役に立つときがあるんだな…。

私は、お腹の痛みが和らぐのを待ってから…
首を辛そうに擦るアラキレスをしっかりと抱き抱えながら家に帰った。
76 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:39:33.09 ID:qPLw05kfo
さて。

家に帰った私は、アラキレスの気持ちがまだ落ち着かないうちに…

しっかりと、教育を施すことにした。

アラキレス「ひ、ひいぃい…!」ブルブルガクブル

私はアラキレスを膝の上に乗せ、タブレットPCで色々な動物のことを検索し、その写真をアラキレスへ見せた。

…これがさっき、アラキレスを捕まえた大きな肉食の鳥。『鷲』だよ。

アラキレス「ぴっ…ぴいぃいいいいいいいいいいいいい!!!」ガクブル

アラキレスは先程の体験を思い出して恐怖している。

この『鷲』に、アラキレスみたいな小動物が捕まったらもう逃げられない。

この鋭いクチバシでお腹をつつかれ、内臓を引きずり出されて、生きたまま食べられるんだ。

アラキレス「やなあああああ!やなああああああああああっ!たべられゆのやああなあああああああっ!のぁああああああーーーんっ!のぉおおおおぁああああーーーんっ!」ビエエエエン
77 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:49:05.91 ID:qPLw05kfo
怖い生き物はこれだけじゃないよ。

こっちの写真はね…『熊』っていうの。

アラキレス「く、くま?」ブルブル

そう、熊。
こいつは森の中に住んでる、凄く強くて大きな肉食獣。

アラキレスみたいなちっちゃい子はもちろん…
アラキレスがどんなに大きくなって大人になっても、だこいつに会ったら絶対に食べられちゃうよ。

アラキレス「う、うゆぅ!?」ビクゥ

この熊はね、大人のアライさんが大好物なんだよ。

アライさんを見つけると、大喜びで襲いかかって。

鋭い爪と牙でバラバラに引き裂いて!頭から…がぶり!脳みそをすすり食う!!

アラキレス「ぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!やなあああああああああ!くまこわいいぃいいいいいーーっ!こあああああいいいいいいーーーーっ!」

ふふふ。
怖がるアラキレスの顔…とってもいい表情だ。

もっと見たくなるね。
私はアラキレスへ、森でヒグマがアライさんを襲って貪り食っている動画を見せた。

アラキレス「ひぃ、ひぃいいいいいいいいい!やなのりゃあああ!かい、かいぬししゃあああんっ!くま、くまこわいいいぃい!びえええええええんっ!」ビエエエエン
78 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 22:54:46.45 ID:qPLw05kfo
まだまだ怖い生き物はいるよ。
こっちはティラノサウルス。

アラキレス「てぃ、てぃら!?なんなのりゃ!?もうやなのりゃあ!」ブルブル

これは体の大きさが10メートルもある、すごく大きいトカゲ。

こいつに襲われたら、人間だって食べられちゃう。

アラキレス「ひ…ひとも!?」

こんな風にね。
私は、恐竜が人間を襲って食べる映画のワンシーンを見せた。

アラキレス「ぴ…ぴいいいいぃぃぃぃ!?こんなにおっきいのりゃあ!?びえ…ぴぃいいっ!やなああ!こあいいいーーっ!こああああいいーーーっ!」ビエエエエン

でも、こいつは人がたくさんいる所には出てこないから心配しないで。

アラキレス「う、うゆぅぅ…!?」グスグス

そう、アラキレスが私に守られている限りは、来ないよ。

もしアラキレスが大人になった後、私のところから自由になろうとして、お家を出ていったら…

アラキレスも、さっきの人みたいに、こいつにぱくり。丸かじりだ。

アラキレス「や…やなのりゃ…!がいぬししゃ…!あらきれしゅ…ずっといっしょに…いたいのりゃあ…!」ブルブル

ふふ、いい子だ。
79 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 23:07:55.92 ID:qPLw05kfo
アラキレス。
よく聞いて。

アラキレス「う…うゆ!」

アラキレスはそのうち、大人になる。
大人になったペットアライちゃん達は、みんな『立派』になろうとして…
『独り立ち』しようとする。

そう。
ケージの中にいるのが嫌になって、お家の外へ出たくなる。

自分は何でもできると思い込む。
自分は一番強いと思い込む。

だけど、その大半が、さっきの熊やティラノサウルスに食べられる。

これは、アラキレスよりずっと先に生まれた、たくさんのアライちゃん達の末路だ(嘘だけど)。

よく覚えておいて。いいかな?

アラキレス「は、はいなのりゃあ…」ブルブル

もしも、アラキレスが、お外で暮らしたくなったら、きちんと私に言って。

熊や恐竜に食べられると知っていても、それでもお外で暮らしたくなったら、必ず私に言って。
怒らないから。

…わかった。

アラキレス「わかったのりゃ…。でも、あらきれしゅは…おそとになんて、ひとりででないのりゃ…!」

アラキレス「さっき、わしにたべられそうになったとき…!ほんとに…ほんとに!こわぐってええぇ!」ヒグッグスッ

アラキレス「かいぬししゃんいながったら、あらきれしゅ、たべられでだのりゃあああっ!」グスグス

アラキレス「もうやなのりゃああ!おとなになっても、かいぬししゃんといっしょにいゆのりゃあ!くまもてらのしゃうゆしゅもたべられだぐないのりゃあああっ!」ビエエエエン

よしよし。
いい子だ。
その気持ち、決して忘れちゃあ駄目だよ。

私はアラキレスを抱き締め、優しく撫でた。
80 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 23:09:37.01 ID:qPLw05kfo
それからしばらくの間…

アラキレスは、散歩に行くことすら怖がるようになった。

ケージの中で、一生懸命、石膏粘土で動物のお人形やアクセサリーを作るのに没頭しているようだ。



どうやら、しっかりと…

『教育』の成果が出たようだ。

いつまでも、一緒にいようね…アラキレス。
81 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/04(水) 23:10:16.36 ID:qPLw05kfo
続く
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 23:16:17.14 ID:dwYS/dnU0
乙ー
アラキレスが大きくなってもギャルの前の子みたいにならないといいが
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 23:16:52.57 ID:0GS8WH/t0
乙。

アラキレスが死ぬのか、とヒヤヒヤしました。
てか、飼い主はヤンデレ化してないか...?
執着具合が怖い。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 23:49:01.27 ID:uA5SXidao
>>61
どうもー、JAS○ACでーす
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 01:20:54.81 ID:Vd4B+FWm0
乙でしゅ。T-REXは草
クマの動画がどんな様子なのか気になる。視てみたい
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/07/05(木) 03:46:55.21 ID:9MQikfQPO
早くアラキレス死なないかな
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 07:13:39.45 ID:x2zmYxoo0
なんだまたアライさんかよ
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 09:25:07.28 ID:scvHUxDYO
そろそろアラキレスはアライしゃんになるのかな?
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 15:40:46.51 ID:l5WrYaKZ0
T-REXが歩きまわっていたらしょうがねえ
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/06(金) 09:59:03.21 ID:6uq3lFKD0
アラキレスがアライしゃんになるまで残り数ヶ月ってところ?
どうなるのか
飼い主がどうするのか
楽しみですねぇ
引取りサービスは使わなそう
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/07/06(金) 23:33:49.09 ID:IcLWNDQu0
もうそんなに大きくなったのかぁ〜
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/06(金) 23:37:27.64 ID:N9FFM+iw0
sageしろって
93 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/07(土) 00:09:11.80 ID:tjns6SC+o
〜東大学 アライ生物学研究室〜

研究員1「近年、アライグマによる被害が全国で急増しているみたいです」

研究室教授「アライグマ?アライちゃんじゃなくてか」

研究員2「アライちゃんもそうですが…。動物のアライグマです。分布がどんどん増えているらしいですよ」

研究室教授「へぇ〜…。捨てられたペットアライグマ達が繁殖したんだっけか」

研究員1「今も捨てられてるペットアライグマはいるんでしょうかね?」

研究員2「いや、アライグマは楽園システムができてから、捨てる人はいなくなったそうだ」

研究員1「楽園システム…ペットアライちゃんみたいな?」

研究員2「そうだ。飼えなくなったアライグマは、楽園で引き取って世話するんだって」

研究員2「どっちかというと、ペットアライグマの楽園システムが先に出来てから、ペットアライちゃんにも同じようなシステムを導入したそうだ」

研究員1「へえ…。ほんとにあるんですか?面積が足りないような…」

研究員2「あるんだよ。…それ以上聞くな」

研究員1「す、すみません」ペコリ
94 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/07(土) 00:15:58.03 ID:tjns6SC+o
研究員1「ええっと…それで。非常に興味深いデータがあるんです」

研究室教授「何かな」

研究員1「全国で捕獲されたアライグマの、雌雄割合が算出されたのですが…。奇妙なことに…」

研究員1「雌が1に対して、雄が…5です」

研究室教授「…!?」

研究員1「オスのアライグマは、メスの5倍多く捕獲されているんです。それも、全国的にその傾向があります」

研究室教授「…たしかアライグマの性比バランスは、ほぼ1:1だったと思うんだが…?性比が偏るように遺伝子が変異したとか?」

研究員2「捕獲したアライグマを、人工的に繁殖した場合、出生した子供の性比はそうなります」

研究室教授「つ…つまり…性比の偏りは、遺伝子が変異したことによるものではない?」

研究員1「…おそらく自然環境の中でも、出生した赤ちゃんアライグマの性比は1:1ですが、何らかの後天的理由で、メスが減らされている…と想定されます」
95 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/07(土) 00:19:46.93 ID:tjns6SC+o
研究員1「こちらが、発見されたアライグマの個体数増加グラフです。右肩上がりにどんどん増えています」

研究室教授「あり得ん…!メスが1に対して、オスが5…!?こんな比率で、こんなペースで増殖できるはずがない!」

研究員1「しかし、すべて事実に基づいたデータです」

研究室教授「どうしてこんな性比の偏りが…?」

研究員2「何者かが、人為的にメスの赤ちゃんを間引きしている…とか?」

研究室教授「そんな者が全国に満遍なくいるとは思えんがな」

研究員2「むうぅ…?」
96 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/07(土) 00:22:22.58 ID:tjns6SC+o
研究室教授「…アライグマと交尾したアライさんが、オスのアライグマを産んでいる…とか?」

研究員1「今のところ、アライさんがアライグマを産んだというケースは全国で一切ありません」

研究室教授「…もしかしたら、アライさんは自然環境の中ではアライグマを産むようになる…?」

研究員2「科学的性質が未解明なアライさんだ…そういう可能性もあるかもしれませんね」
97 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/07(土) 00:25:18.58 ID:tjns6SC+o
研究室教授「…不明な点だらけだな…」

研究員1「そうですね…。まあ、こういうデータもあったよ、ということです」

研究員2「本日も実験、始めますか。今日はアライちゃんの迷路知能テストでしたね」

研究員教授「ああ、そうだな…。貴重な実験用捕獲野良アライちゃんだ、無駄遣いしないように実験しよう」
98 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/07(土) 00:25:44.71 ID:tjns6SC+o
続く
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 00:34:07.56 ID:ZZSHh3AV0


次回は実験パートか
ATLの参考にしようかな?
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 01:24:37.61 ID:EvYtJdnp0

何というかアラスコ以上に誰かの意を感じるのが不安な世界
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 04:12:13.77 ID:bcEAK+9R0
乙でしゅ
オスが増える原因、果たして明かされる日はあるのか。そして実験の内容とは。次回も楽しみです
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 12:39:38.61 ID:kLmDbg4uo
オスが増えてるんじゃなくてメスが減ってるんじゃね?
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 12:56:57.71 ID:4vIsKsYLo
単純に野生のアライさんが雌は邪魔だと認識して減らしてるとか?
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 13:14:11.86 ID:g/4W9DZH0
せやねぇ
アライグマが全体的に増えつつ、オスの捕獲数がより増えているということは
アライさんがオスを守っているというよりメスを間引いていると考えた方が自然か
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 16:13:38.64 ID:BaUEHWUR0
もしくは、アライさんもアライグマの一種とするなら、雌であるアライさんが増えているので、
アライグマ全体的な雄雌バランスを保つために、アライグマの雌が減って雄が増えているのかも?

このままアライグマの雌が絶滅すれば、アライグマ雄も生まれなくなるわけで、
そうなるとアライさんの交尾相手がいなくなり、アライちゃんも生まれなくなるので、アライさん絶滅?
んな都合のいい展開はないかなwww。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/08(日) 00:15:01.14 ID:hNrvOlJW0
アラスコと違ってこの世界にはまだサンドスターを認識できる技術が無い
雌のアライグマがサンドスターに触れてアライさん化してるのでは…それで全体的に見た結果雄が増えてると思ってるとか?
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/08(日) 00:34:42.24 ID:hv3k1ed70
みんな雑談スレで話しないの?レス埋まりまくりやん
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 22:02:30.38 ID:2FFZanWVO
雌を間引いたら個体数増加するのか?
むしろ減るんじゃね?
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 23:14:40.90 ID:UwvKzxjf0
間引いている以上に全体が増えているのでは?という仮定のものじゃ?

例えばある範囲の元々アライグマの数が

オス:100
メス:100

こうだった

その後、その高い繁殖力で同じ範囲のアライグマの数が

オス:600 +500
メス:600 +500

こうなった
メスはアライグマを維持する分だけいればいいのでアライさんが間引き、

オス:600 ±0
メス:200  -400

となったとする

メスは間引き、オスも守っているという訳ではないのでオスとメスは同じ確率で人間の罠にかかって減る
数が多いオスの方が罠にかかる数は多い

オス:300 -300 
メス:100 -100

そうと仮定すると、最初のころよりアライグマ全体は増えており
特にオスだけが増えているように見える
みたいな?
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 00:00:42.45 ID:6AZ1BAM40
この世界ってアライさんはアライグマからフレンズ化したことを知っているんだっけ?
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 03:42:15.34 ID:6HTZ/fks0
>>110
確か知らない、そもそもフレンズという概念そのものが無い
なんかアライグマの習性(?)らしき物がある奇妙な人型生命体くらいにしか思われてないんじゃない
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 05:20:31.67 ID:7Ri0iZw90
アライグマのメスが5匹中4匹サンドスターによりアライさんに変わっているみたいな可能性もあったか
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 18:59:07.73 ID:y7yeKo4fO


野良アライちゃん3「うゆうぅ…!だれかたしゅけてえぇ…!」ブルブル

野良アライちゃん3は、アライホイホイの粘着シートにくっついたまま、トラックで運ばれていた。

野良アライちゃん3「なんで…なんでこんなことになったのりゃあ…」ブルブル

不安に押し潰されそうになる野良アライちゃん3。

野良アライちゃん3は、今に至るまでの経緯を思い出していた…。
114 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 19:28:48.31 ID:y7yeKo4fO


野良アライちゃん3は、森の中で4姉妹の三女として産まれた。

母アライさん「ふはは、チビ達。木の実がとれたのだ」

姉妹アライちゃん1「たべたいのりゃ!」
姉妹アライちゃん2「ごはん〜」
野良アライちゃん3「すごいのりゃ〜!」シッポフリフリ
姉妹アライちゃん4「あむあむちたいのりゃ〜!」シッポフリフリ

母アライさん「まあまあ待つのだ。この木の実は、獣道へ置いておくのだ」スッ

野良アライちゃん3「はやくたべたいのりゃ!」

母アライさん「いいかチビ達。木の穴に隠れて、静かにしてるのだ。うんしょ、うんしょ…」ヨジヨジ

母親は、角が尖った岩を持ち、木の上に登った。

姉妹アライちゃん1「なにしゅゆのりゃ?きのみたべないのりゃ?」シッポフリフリ

母アライさん「…今から、アライさんが喋っていいって言うまで。一言でも声を出した奴は、お尻ペンペンなのだ」

木の上から、母アライさんの苛ついた声が聞こえてきた。

アライちゃん達「…」ゴクリ

野良アライちゃん3たち姉妹は、木の穴に隠れてじっと待った。

何が起きるのだろうか…。
115 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 19:35:17.88 ID:y7yeKo4fO
しばらく木の穴の中で待っていると…

猪「…」ノソリノソリ

野良アライちゃん3「…!?」
姉妹アライちゃん達「「…!!」」

母アライさんが置いた木の実に、大きな獣が近付いてきた。

猪「…」ムシャムシャ

猪は、木の実を食べ始めた。

野良アライちゃん3(うゆ…!おかーしゃんがあつめたきのみ、たべられちゃうのりゃ!)

すると…

姉妹アライちゃん1「ふぅーーーっ!!きゅるるるぅっ!それおかーしゃんのだぞぉ!とゆなああっ!」ヨジヨジ

なんと姉妹アライちゃん1が木の穴から這い出て、猪を威嚇した。

猪「!?」ビクゥ

姉妹アライちゃん1「おかーしゃんがとってくれたきのみ!ありゃいしゃんがまもゆのりゃあっ!わっちぇ!わっちぇ!」ヨジヨジ

母親の言いつけを守らず、穴から這い出て木から降りていく姉妹アライちゃん1。

猪「…」ボリボリ

猪は、気にせず木の実を食べ続けている。
116 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 19:44:40.72 ID:y7yeKo4fO
母アライさん「っ…!」バッ

そのとき、尖った岩を持った母アライさんが、木の上から勢いよく猪の上にとびかかってきた。

猪「!?」ヒュバッ

姉妹アライちゃん1の威嚇で木の方を警戒していた猪は、母アライさんの襲撃を避けた。

母アライさん「く…!くそっなのだぁ!」ズガァ

母アライさんが振りかざした尖った岩は、地面をどんと叩いてめり込む。

猪「フ、フギィィッ!」ドタッドタッドタッドタッ

猪は、獣道の向こうへ勢いよく逃げていった。

姉妹アライちゃん1「やったのりゃー!おかーしゃんのだいじなきのみ、まもったのりゃあ!≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリ

母アライさん「…」

姉妹アライちゃん1は、まるで木の実を守ったのは自分だと言わんばかりに、母親の足下へ這いヨチった。

姉妹アライちゃん1「みたかーおかーしゃん!ありゃいしゃん、あのけものをおっぱらったのりゃー!たべものまもったのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

姉妹アライちゃん1「うゆ〜!ほめて!ほめて!おかーしゃん!ありゃいしゃんのことうんとほめてぇ!ごほーびにきのみいーっぱいちょーだいなのりゃ!≧∀≦」スリスリ

姉妹アライちゃん1は、母親の足にすり寄っている。
117 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 19:45:30.98 ID:y7yeKo4fO
続きはあとで
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 20:20:10.40 ID:NZ3VirmU0
ごほうびのおいちーおにく食べさせてあげよう
まずはジビエを捕まえるための餌を用意しようか(ニッコリ)
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 21:18:39.09 ID:jsz7ZhtD0
乙〜

言いつけを守らなかったアライちゃん1がどうなるか楽しみだね。

で、野良アライちゃん3って前に出てきたっけ?
120 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 21:42:24.51 ID:EEyuLHPLo
姉妹アライちゃん1「ほめてー!なでてー!のりゃっ!のりゃっ!」コスリコスリ

母アライさん「…」スッ

母アライさんは、木の枝を拾うと…

母アライさん「全然偉くないのだ!バカチビ!」ブンッ

ベチィッ

https://i.imgur.com/ihb3Ufo.jpg

姉妹アライちゃん1「ぴぎぃっ!」

なんと、姉妹アライちゃん1の頭を叩いた。

母アライさん「褒めるとこなんて一つもないのだ!お前はアライさんの言いつけを破ったのだ!」

姉妹アライちゃん1「う…ゆぅっ…!」ウルウル

姉妹アライちゃん1の目には、次第に涙が溜まっていき…

https://i.imgur.com/k0tcBfY.jpg

姉妹アライちゃん1「びえええええーーーんっ!ありゃいしゃん、おかーしゃんのきのみまもったのにいいいぃいいいいいーーーっ!!いーことちたのにいいぃいーーーっ!のぁああああーーんっ!のぁああああーーんっ!」ビエエエエエンシッポブンブン

姉妹アライちゃん1は、大声で泣きじゃくった。

痛がる程度で済むあたり、母アライさんは相当手加減したのだろう。
121 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 21:51:51.03 ID:EEyuLHPLo
母アライさん「いいかチビ!アライさんは、お前に声を出すなって言ったのだ!覚えてるか!?」ガシィ ヒョイッ

姉妹アライちゃん1「びええーーんっ!のあああーーんっ!おもいだちたぁ!おもいだちたのりゃあ!」ビエエエン

母アライさん「あの言いつけはまだ続いてるのだ!アライさんはまだお前たちに、喋っていいなんて一言も言ってないのだ!」

母アライさん「あと5つ数えるまでに、泣き止まなかったら!もっと痛いお仕置きするのだ!」フゥーッ

姉妹アライちゃん1「やああなああああああ!おちおぎやなあああああああああああ!」ビエエエン

母アライさん「泣き止んだらお仕置きはしないのだ!いくのだ!ごーーー…よーーーん…さーーん…」

母アライさんは、カウトダウンを始めた。

当然だが、母アライさんは算数など習っていない。

しかしながら、自然に日本語を覚えるように、簡単な足し算と引き算ぐらいならできるようだ。

姉妹アライちゃん1「ぴぃいいぅーーーっ!いぢゃあいいい!あだまいぢゃああいいいぃーーーっ!」ビエエエン

母アライさん「にーー…いーーーち……」

姉妹アライちゃん1「ぴいいいいぃいいいいいーーーーっ!やなやなやなやなやなやなああああーーーーっ!おぢおぎやなあああーーーっ!」ピギイイイィイシッポブンブン

姉妹アライちゃん1は、お仕置きが嫌なら泣き止めばいいというのに、相変わらずピーピー泣きわめいている。
122 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 22:37:40.14 ID:EEyuLHPLo
母アライさん「ゼロ…なのだ!」ガシィ

https://i.imgur.com/pt9M4KJ.png

母アライさんは、姉妹アライちゃん1の尻尾を持ち上げ…
123 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 22:39:39.66 ID:EEyuLHPLo
母アライさん「泣き止むまで、そこで反省してるのだ!」グルグル

草の弦を使い、木の枝へグルグル巻きにして縛り上げてしまった。

https://i.imgur.com/K24KvOb.png

姉妹アライちゃん1「ぴいいぃいーーーーっ!おろちてえええーーーーっ!」ピギイイィイジタバタジタバタ

姉妹アライちゃん1は、必死に暴れている。

母アライさん「泣き止んで大人しくなったら下ろしてやるのだ!」

姉妹アライちゃん1「やなやなやなやなやなやなああああーーーーっ!」ジタバタ
124 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 22:45:01.35 ID:EEyuLHPLo
10分後…

姉妹アライちゃん1「う゛…ゆ゛…」ビクッビクッ

逆さ吊りにされていたせいで頭に血が上り、意識が混濁してきた姉妹アライちゃん1は、さすがに静かになった。

母アライさん「よし、そろそろ解放してやるのだ」グルグル

母アライさんは、姉妹アライちゃん1の尻尾を解放し、木の枝からおろした。
そして、そっと草の上に横たわらせた。

姉妹アライちゃん1「う゛…ぎゅ…゛う゛びゅぅ゛うぅ…」グッタリ

そんな姉妹アライちゃん1の姿を…

野良アライちゃん3&姉妹アライちゃん達「「…」」ブルブル

3匹の姉妹は、木の穴の中で震えながら、声を殺して見ていた。

母アライさん「チビ達!もう喋ってもいいのだ!」

野良アライちゃん3「っ…」ブルブル

一体なぜ母親がこんなに怒っているのか、幼い野良アライちゃん3には理解できなかった。
125 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 22:49:01.73 ID:EEyuLHPLo
やがて、姉妹アライちゃん1は意識を取り戻した。

母アライさん「チビ達。アライさんは今、木の実を使ってあの獣を誘きだして、捕まえようとしていたのだ」

姉妹アライちゃん1「つかまえゆ…?」

母アライさん「そうすれば、木の実よりもっとたくさん、美味しいお肉が食べられたのだ」

野良アライちゃん3「おにく!?」
姉妹アライちゃん2「おにくなんなのりゃ?」シッポフリフリ
姉妹アライちゃん4「きのみともむししゃんともざにがにともちがうのりゃ?」コスリコスリ

母アライさん「せっかくお前達に、美味しい美味しいお肉を食べさせてやれるところだったのに…!バカチビ!お前がアライさんの言いつけを破ったから、捕まえられなかったのだ!」

姉妹アライちゃん1「うゆぅう…!」

母アライさん「チビ達!美味しい食べ物が食べられなかったのは、一番上のバカチビのせいなのだ!」

姉妹アライちゃん1「!?」

この言い方はまずい。
126 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 22:51:24.24 ID:EEyuLHPLo
姉妹アライちゃん2「おねーしゃんのせーで!」
野良アライちゃん3「おねーしゃんがゆーこときかなかったからなのりゃあ!」フゥーーッ
姉妹アライちゃん4「ばかちび!ばかちびぃ!」

姉妹アライちゃん1「ぴいぃいーーーっ!ごめんなしゃいなのりゃあーーっ!」ビエエエン

母アライさん「全く…。また罠を仕掛ける場所を変えなきゃいけないのだ…」ハァ…
127 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 22:59:51.60 ID:EEyuLHPLo
その後…

母アライさん「だああ!」バッ

猪2「ブギイィイ!」ドグシャア

姉妹アライちゃん達「おおー…!」

母アライさんは別の猪を、尖った岩を凶器にした木の上からの奇襲で倒した。

母アライさん「のだっ!のだっ!」ドガッドガッ

猪2「ぶ…ぎゅ…」ビクッビクッ

猪は、強靭な体と硬い頭蓋骨を持った動物だ。

攻撃力も、防御力も高い。

成体のアライさんといえど、体当たりをくらえば、鋭い牙で貫かれて吹っ飛ばされてしまう。

木の上から小石を投げ当てた程度では、その肉体はびくともしないであろう。

猪2「」グッタリ

しかし、木の上から飛びかかってきたアライさんが、体重を乗せて角の尖った岩でその頭を殴ったのである。

これで脳震盪を起こすなという方が無理である。

母アライさん「いててて…。手が痛いのだ…」コスリコスリ

もっとも、それだけの威力で猪の硬い頭をぶったたいたのだから、
岩を持っていたアライさんの方も反動を受けるのは仕方がない。
128 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:05:50.33 ID:EEyuLHPLo
母アライさん「さあチビ達!お肉を食べるのだ!」

姉妹アライちゃん達「「「「のりゃーっ!」」」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

猪に群がるアライちゃん達。

姉妹アライちゃん達「「「「はぐっあぐっ!あぐあぐっ!」」」」ガジガジ

その未発達な顎と、まだ何本か乳歯が残ったままの歯では、猪の分厚い毛皮を食い破るのは相当苦労するようだ。

母アライさん「はぐがぶぅ!」ガブゥバリバリ

鋭い牙と爪を持ち、顎の力が充分に鍛えられた母アライさんでさえ、楽ではないようだ。
129 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:13:48.32 ID:EEyuLHPLo
母アライさん「こうなったら…これを使うのだ」スッ

母アライさんが取り出したのは、ステンレス製のハサミである。

恐らくまだアライしゃんだった頃に、インターンシップ中に人里で手に入れたものだろう。

民家の小屋に侵入して盗んだのであろうか…。

ハサミは余程使い込んだのか、ところどころ傷がついている。

母アライさん「いくつか似たようなのを持ってたけど…だいたい茶色になってダメになったのだ。でも、これだけはずっと使えるのだ!」

野良アライちゃん3「それなんなのりゃ?」シッポフリフリ

母アライさん「こうするのだー!ふははー!」ジョキジョキ

猪の毛皮を、ハサミで切り裂いていく。

姉妹アライちゃん達「「「おおー!しゅごいのりゃあ!」」」
130 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:18:59.39 ID:EEyuLHPLo
姉妹アライちゃん1「あむあむあむあむあむあむっ!(≧'u(≦ )」クッチャクッチャ
姉妹アライちゃん2「あむあむあむあむあむあむっ!(≧'u(≦ )」クッチャクッチャ
野良アライちゃん3「あむあむあむあむあむあむっ!(≧'u(≦ )」クッチャクッチャ
姉妹アライちゃん4「あむあむあむあむあむあむっ!(≧'u(≦ )」クッチャクッチャ

姉妹アライちゃん達「「おーいちーびりゃああーーーっ!≧∀≦」」ムシャムシャモグモグ

母アライさん「ふははー!チビ達。アライさん達は、猪と違って足が速くないのだ。だからおいかけっこしても勝てないのだ」ムシャムシャ

母アライさん「だから、一生懸命知恵を振り絞ってです罠を仕掛けるのだ!それがアライさん達の武器なのだ!」モグモグ

野良アライちゃん3(おかーしゃん…かっこいいのりゃあ…!はやくありゃいしゃんも、おかーしゃんみたいにつよくなりたいのりゃ…!)

姉妹アライちゃん4「おかーしゃんはさいきょーなのりゃあ!≧∀≦」シッポフリフリ

流石に一晩で猪の肉を 全部食うのは無理のようだ。

一家は木の根元へ猪の肉を置いておき、翌日食べることにした。
131 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:25:05.65 ID:EEyuLHPLo
…翌日の夕方…

野良アライちゃん3「…ん、みゅ…」パチッ

野良アライちゃん3は、木の穴の中で目を覚ました。

野良アライちゃん3「うんちしゅゆのりゃ…」ヨジヨジ

木の穴の中のアライちゃん達は、鳥の雛のように、巣穴から尻を出して排便する。

野良アライちゃん3は、穴の外へ排便するため、外を見た。

すると…

熊「ハグッハグッ」ムシャムシャ

猪の死骸「」バリボリ

野良アライちゃん3「!?」

なんと、せっかく狩った猪が、黒くて大きな獣に食われていた。

野良アライちゃん3「お、おかーしゃ…」キョロキョロ

木の枝に乗っているであろう母親へ、このことを伝えようとしたが…

母アライさん「っ…チビ、静かにしてるのだ…」

…母アライさんは、食糧を奪う熊を、じっと見つめていた。
132 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:28:33.19 ID:EEyuLHPLo
野良アライちゃん3「おかーしゃ…!いのしししゃんじびえが…!おにくが…!」

母アライさん「今盗み食いしてるあの獣は、熊っていうのだ。人間の次に強いのだ。あいつがいなくなるまで待つのだ…」

野良アライちゃん3「う、うゆ…」コクリ

野良アライちゃん3は、大便を我慢している。
そこへ…

姉妹アライちゃん1「うゆ!?なんかでっかいけものが、ありゃいしゃんたちのごはんぬしゅみぐいちてゆのりゃあ!」ヒョコッ

母アライさん「!」

…以前猪狩りの邪魔をした長女が、木の穴から顔を出した。
133 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:33:51.33 ID:EEyuLHPLo
姉妹アライちゃん1「おいっ!おまえっ!それありゃいしゃんのおかーしゃんのたべものだぞぉ!」ヨジヨジ

姉妹アライちゃん1は、木の表面に捕まりながら、ちょっと降りた。

母アライさん「バカ!チビ、巣穴に戻るのだ!」

姉妹アライちゃん1「ふうぅううううーーーっ!きゅるるるるるうぅーーーっ!おかーしゃんはなぁ!さいきょーなんだぞぉ!せかいでいーーーっちばんちゅよいんだぞぉ!」ヨジヨジ

姉妹アライちゃん1は、木の表面をまた少し降りた。

姉妹アライちゃん1「おかーしゃん!あのけものもぶっこよちておにくにしゅゆのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリ

姉妹アライちゃん1は、熊の前足が届かないであろう位置から熊を挑発した。

母アライさん「チビ!いいから早く戻るのだぁ!」アセアセ

姉妹アライちゃん1「やーいやーい!うんこぶーりぶりー!≧∀≦」ブリブリ

姉妹アライちゃん1は、熊の目の前で排便した。

熊「…」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 23:34:38.41 ID:2otY6acy0
カラー絵よりモノクロ絵のほうが迫力?あって好き
135 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:41:34.80 ID:EEyuLHPLo
母アライさん「いい加減にするのだガイジ!」ガシィ グイイッ

姉妹アライちゃん1「うゆうぅ!?」グイイッ

母アライさんは、姉妹アライちゃん1の首根っこを掴んで上へ引っ張り上げた。

その瞬間。

熊「フバアアアウウウゥウーーーーッ!」ズガァ

木の表面「」ズバシャアッ

つい今の瞬間まで姉妹アライちゃん1がいた位置に、熊の爪がふりかざされら。

姉妹アライちゃん1「ぴぃっ!?」ズガァ

姉妹アライちゃん1の尻尾の先端が、縦に引き裂かれた。

姉妹アライちゃん1「いっ…」ズキズキ

届かないと思っていた…はずなのに。

熊は両足で立った上に、その場で跳び跳ね、手を振りかざした。

その爪は、母親が一瞬掴み上げるのが遅かったら、姉妹アライちゃん1の腹を引き裂き内臓をズタボロに引き裂いていたであろう。

姉妹アライちゃん1「いっ…ぢゃあああああああああいいいいいいーーーっ!ありゃいしゃああんのかーーいいかーーいいちっぽいぢゃいいぢゃあいいなのりゃあああーーっ!」ピギイイィイジタバタジタバタ

母アライさん「黙ってるのだ!」ポイッ

母アライさんは、尻尾から血を流す姉妹アライちゃん1を、巣穴へ投げ込んだ。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/07/18(水) 23:42:54.10 ID:XT7JZ7yZ0
某○母アライを思い出すな。
137 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:47:53.46 ID:EEyuLHPLo
野良アライちゃん3「ひ…ひいぃ…」ブリブリジョボボボボ

野良アライちゃん3は、恐怖のあまり巣穴の中で失禁・脱糞した。

姉妹アライちゃん2「…!ぴいいいぃぃっ!くっちゃいのりゃあああっ!」
姉妹アライちゃん4「きちゃないのりゃあああーーっ!」



やがて、熊は去っていった。

姉妹アライちゃん1「ひぐっ…ぐしゅっ…しっぽいぢゃあいぃっ…」コスリコスリ

母アライさん「いいかチビ。アライさんは、世界最強なんかじゃないのだ。お前達もみんな、世界最強になんてなれないのだ」

野良アライちゃん3「うゆ…!?」ビクゥ

意外なことを聞いた。
猪を簡単に倒す自分の母は、最強だと思っていたのに。

母アライさん「アライさんも、昔は自分が最強だと思ってた恥ずかしい時期があったのだ…でも!そういうのは卒業したのだ!」

母アライさん「というか、アライさんは多分…猪よりも弱いのだ」

姉妹アライちゃん2「うゆぅ?」

母アライさん「弱いから、頭を使わないと、自分より強い敵に勝てないのだ。これはお前達もみんな同じなのだ!肝に銘じておくのだ!」

野良アライちゃん3「は…はいなのりゃあ…!」
138 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:51:06.03 ID:EEyuLHPLo
母アライさん「アライさんのお姉さんや妹達は、ほとんどみんな死んでしまったのだ」

母アライさん「アライさんが生き残ったのは…運が良かったからなのだ。ひょっとしたら、お姉さんの代わりに死んでいたのはアライさんだったかもしれないのだ」

野良アライちゃん3の母親は、死亡率80〜90%ともいわれる、超難関のインターンシップを生き抜いた個体。

身に付けてきたサバイバル知識も、それなりの蓄積はあるのだろう。
139 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/18(水) 23:56:02.16 ID:EEyuLHPLo
母アライさんは、その後も猪や鹿を狩り続けた。

何の罪もない野生動物を…己と子の糧とするために、殺し続けたのであった。

野良アライちゃん3「なんでこんなにいっぱい、けものいゆのりゃ?」

母アライさん「この獣道から下に降りると、人の畑があるのだ。鹿や猪は、そこを狙っているのだ」

姉妹アライちゃん1「はたけなんなのりゃ?」

母アライさん「畑は…」





畑アライさん「人間が、食べ物を作っている場所なのだ」




姉妹アライちゃん1「たべものつくゆ!?」

姉妹アライちゃん2「しゅごいのりゃあ!」
140 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:00:13.24 ID:aO0nSPlVo
野良アライちゃん3「ありゃいしゃんもたべていいのりゃ?」

母アライさん「…畑の食べ物をとると、人間は怒って殺しにくるのだ。森の安全な食べ物とは違うのだ」

姉妹アライちゃん4「こ、こあいのりゃ!うゆ…。ありゃいしゃんは、ずっともりでくらしたいのりゃ…」

母アライさん「ダメなのだ」

姉妹アライちゃん4「なんでなのりゃ?」

母アライさん「なんでって…」





母アライさん「森の安全な食べ物は、大人のアライさんだけが食べていいのだ」

姉妹アライちゃん達「「!?」」

母アライさん「お前達はインターンシップの間、森に帰ってきちゃダメなのだ。子供のうちは、森じゃなく人の畑から食べ物をとるのだ」

姉妹アライちゃん1「な、なにいってゆのりゃ!それじゃころされちゃうのりゃ!」アセアセ
141 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:05:44.75 ID:aO0nSPlVo
母アライさん「甘えるななのだ!」

姉妹アライちゃん達「「!?」」ビクゥ

母アライさん「…アライさんだって!ちっちゃい頃!ずっとずっと森に帰りたかったのだ!!!」

母アライさん「おっかない人間の畑からなんて、食べ物とりたくなかったのだ!野菜は森の食べ物より美味しいけど!命の方が大事なのだ!」

母アライさん「アライさんの妹も、畑で人に殺されたのだ!逃げ遅れて!大きな道具でグシャグシャにされたのだ!」

母アライさん「でも!森の食べ物は、数が限られてるのだ!チビ共が好き放題食いまくったら森の食べ物はあっという間に無くなるのだ!」

母アライさん「だから!大人だけが森で安全に食事していいのだ!チビ達は危ないとこで勉強しながら食事する!それが決まりなのだ!」

母アライさん「アライさんも!アライさんのお母さんも!ずっとずっとずーーっとそうしてきたのだ!だからお前達もそうするのだ!」

姉妹アライちゃん達「「」」ガクガクブルブル

野良アライちゃん3と姉妹は、いつになく激昂する母親の姿に恐怖を抱いていた。
142 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:09:36.65 ID:aO0nSPlVo
姉妹アライちゃん1「…にんげんって、そんなにつよいのりゃ?」

母アライさん「…人間は、最強の生き物なのだ」

野良アライちゃん3「…」

この母親が最強とまで言う人間という生き物。
一体どんなに大きくて、鋭い爪と牙を持った動物なのか…

野良アライちゃん3は、一度見てみたかった。
143 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:13:20.34 ID:aO0nSPlVo
…ある日の昼間。

野良アライちゃん3「うーん、きょうもうんちしゅゆのりゃ…」ゴソゴソ

野良アライちゃん3は、排便しようとして木の穴から尻を出した。

すると…

老人「…ケンタ、森はどうだい…?」ヨボヨボ

児童「わーい!木がいっぱい生えてる!クワガタみーっけ!」トタトタ

野良アライちゃん3「…?」

弱そうな生き物が2体、木の下を歩いていた。

野良アライちゃん3「おかーしゃ、あれなんなの…」クルッ

野良アライちゃん3は、木の枝の上の母親に聞こうとするが…

母アライさん「っ…!」ブルブル

母アライさんは、木の高いところへ登り、葉の陰になるように必死で隠れていた。

その顔には、熊が来たときすら見せなかった、絶望的な恐怖の表情が浮かび、とめどなく脂汗が流れていた。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 00:14:08.76 ID:IJsnqlqNO
「俺も苦労したんだからお前も苦労しろ」って奴だな
これを自分の子供に強要できるのがアライさんクオリティ
145 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:19:13.17 ID:aO0nSPlVo
姉妹アライちゃん4匹は起きて、老人と児童が通りすぎるのを観察していた。

やがて、二人が去っていた後…

母アライさん「…あれが、人間なのだ」

姉妹アライちゃん1「にんげん?」
姉妹アライちゃん2「よわっちそーなのりゃあ!」
野良アライちゃん3「ぜったいおかーしゃんのほーがつよいのりゃ!」
姉妹アライちゃん4「いしおとせばぶっこよちぇゆのりゃあ!」

母アライさん「…人間は、誰か一人が死んだら、それを仲間がすぐに知ることができるらしいのだ…」

母アライさん「そして、その回りに住んでるアライさんを、一匹残らず皆殺しにする…らしいのだ!」

姉妹アライちゃん1「らしいって…みたことないのりゃ?」

母アライさん「もしその光景をアライさんが見ていたとしたら…とっくにもう死んでるのだ」

姉妹アライちゃん達「ヒイイィイイイ」ガクガクブルブル
146 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:28:16.27 ID:aO0nSPlVo
母アライさん「そして、お母さんから聞いた話だと…。人間の赤ちゃんは、いつも親に監視されているらしいのだ」

母アライさん「だから、もしもお前達が、人間の赤ちゃんや年寄りを殺して食おうとしたら…」

母アライさん「食べる前に捕まって、死ぬよりも恐ろしい拷問をされるそうなのだ。全身の皮を剥がされ、目玉をくり抜かれ…!もう殺してと泣いても許してくれないのだ!」

野良アライちゃん3「は、はたけは!?はたけのおやしゃいは!?」

母アライさん「畑の野菜は、まだ監視がユルいらしいのだ。…とにかく、人間を自分から襲って殺しちゃダメなのだ!」

姉妹アライちゃん達「「わ、わかったのりゃ………」」

母アライさん「その代わり、中には優しい人間もいるのだ。可愛く甘えたら、ナデナデしてくれたり、ごはんくれるいい人間もいるのだ」

姉妹アライちゃん達「「いいにんげん!?」」

野生動物に餌付けするのが、『いい人間』かどうかは微妙なところだが…

きっとアライさんにとって都合が『いい』人間ということだろう。
147 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:29:36.93 ID:aO0nSPlVo
そうして姉妹アライちゃん達は、母親から多くのことを学んだ。

そして、乳歯がすっかり生え揃った頃…

姉妹達は、人里へ降りた。
インターンシップの開始である。
148 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:33:15.36 ID:aO0nSPlVo
だが、インターンシップは地獄であった。

野良猫「にゃー」トテトテ

野良猫が、道路を歩いている。

姉妹アライちゃん1「おかーしゃんみたく、かっこよく…わなで、けものをぶっこよちゅのりゃ…!」プルプル

姉妹アライちゃん1は、コンクリートの塀の上に登り、小石を持って猫の上に来た。

姉妹アライちゃん1「たあー!」パッ

姉妹アライちゃん1は、小石を野良猫の頭へ落とした。

野良猫「にゃっ!」ビシィ

頭の真ん中へクリーンヒット。

姉妹アライちゃん1「やったのりゃあ!ありゃいしゃんもおかーしゃんみたくさいきょーになれたのりゃあ!≧∀≦」

姉妹アライちゃん達「「おぉー………」」ゴソッ

野良アライちゃん3と姉妹は、草陰に隠れてその様子を見ていた。
149 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:36:09.10 ID:aO0nSPlVo
野良猫「…フゥー…!」ギロリ

姉妹アライちゃん1「うゆ?しなないのりゃ」キョトン

だが、所詮生後2ヶ月程度のヨチラーの体力。
木や塀を登るのは得意でも、大した大きさの小石は持てない。

小さな姉妹アライちゃん1の手に収まる、さらに小さな小石など、野良猫の頭に大したダメージをあたえなかった。

それどころか。

野良猫「フビャアアアッ!」ガバァ

姉妹アライちゃん1「≦∀≧」!?

野良猫は姉妹アライちゃん1の居場所を見つけ、コンクリート塀の上へ登ってきた。
150 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:38:50.75 ID:aO0nSPlVo
野良猫「フニャウゥ!」ガブゥ ブンッ

姉妹アライちゃん1「ぴいぃいっ!」ヒューンッ ドサッ

姉妹アライちゃん1は、塀から投げおとされた。

姉妹アライちゃん1「うゆうぅ…!いぢゃい、いぢゃいのりゃあ…!」シッポブンブン

熊に引き裂かれた跡がすっかり完治した尻尾を振りながら、姉妹アライちゃん1は落下の痛みに悶絶した。

野良猫「ガァブ!」ガブゥ

姉妹アライちゃん1「ふぐぎゅぅ!?」

野良猫は、姉妹アライちゃん1の首に噛みつき、絞め始めた。
151 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:44:28.11 ID:aO0nSPlVo
姉の命の危機。
妹たちは…

姉妹アライちゃん2「おねーしゃんをはなちぇ〜!」ガサッ ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3「はなしゅのりゃあ!ふぅーーっ!」ガサッ ヨチヨチヨチヨチ
姉妹アライちゃん4「はなしゃないとびっこよしゅぞぉ!きゅるるぅ!」ガサッ ヨチヨチヨチヨチ

姉妹アライちゃん2〜4「「「ふぅーーっ!」」」ヨチヨチヨチヨチ

妹達は、姉を助けに来た。

姉妹アライちゃん1「いも…と…だぢゅ…げで…」ビクビク

野良猫「フゥーッ」グググ

姉妹の情や絆?というのも多少はあるが…

これまでのインターンシップ生活から、いかに仲間との助け合いが重要か、身に染みて覚えていたからだ。

まあ、助け合いをしなくても、共に行動していれば、こういうふうに身代わりになってくれることもある。

『残機』を無駄に減らすと、自分の生存率も下がる。
そのため妹達は、怖いけど仕方なく姉を助けに来た。

これだけの数がいれば勝てるだろうと見込んでの助太刀だ。
152 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:47:57.64 ID:aO0nSPlVo
だが。

野良猫「フニャウウウゥ!」バリバリ

姉妹アライちゃん2〜4「「ぴぎいいぃいい!」」

野良猫は、姉妹アライちゃん2〜4を引っ掻き、ぶん投げ、体当たりし、ぶちのめした。

ヨチラー3匹よりも、成体の猫の方が単純に強かった。

姉妹アライちゃん2〜4「「に…にげゆのりゃああ〜っ!」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

一目散に逃げていく姉妹アライちゃん2〜4。

姉妹アライちゃん1「だ…ぢゅ…げ…」ブクブク

野良猫「がぶぶぢぃ!」ガブシュゥ

姉妹アライちゃん1「」ボギグシャア ガクッ

姉妹アライちゃん1は、喉笛を噛み砕かれて死亡した。
153 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:53:21.67 ID:aO0nSPlVo
…公園の木陰

姉妹アライちゃん2「ひぐっ…ぐしゅっ…」シクシク

野良アライちゃん3「だいしゅきなおねーしゃんが…しんじゃったのりゃあっ…!たべられたのりゃあっ…!」グスングスン

姉妹アライちゃん4「うええええん…!ぴええええーーんっ…!ぴいぃーっ…!」シクシク

姉妹アライちゃん2〜4は、姉を見捨てて生き延びた。

『残機』が1減ったのである。

姉妹アライちゃん2「でも…おねーしゃんのおかげでわかったのりゃ。あのけものはつよいって…!」

野良アライちゃん3「ありがとうなのりゃ…おねーしゃん…」

姉妹アライちゃん4「おねーしゃんは、ありゃいしゃんのむねのなかでいきちゅぢゅけゆのりゃ…!」シクシク

長女の死は、サバイバル知識へと姿を変え、生き延びた妹達へ受け継がれる。

こいつらの母親である母アライにも、このように…
『残機』である姉妹たちの犠牲からサバイバルの知識を得たおかげで、成体まで成長し、森へ帰還できたのである。
154 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 00:58:39.42 ID:aO0nSPlVo
…1ヶ月後、深夜の住宅街…

姉妹アライちゃん2「きょーもごはんさがすのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3「なのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ
姉妹アライちゃん4「なのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ

姉妹たちが、食べ物を探していると…

姉妹アライちゃん2「んん!こっちからいーにおいしゅゆのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ

姉妹アライちゃん3〜4「「なのりゃあー!」」ヨチヨチヨチヨチ

姉妹たちは、そのいいにおいがする方へ這い寄った。

そこには…

https://i.imgur.com/TE4Qkw7.jpg

いい匂いがする箱が、たくさんあった。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 01:01:35.31 ID:RSIJW/x00
久しぶりの大更新で嬉しいです
アライちゃんかわいいなぁ、プチッとしたくもある
156 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 01:02:17.74 ID:aO0nSPlVo
野良アライちゃん3「うゆ〜!たべゆのりゃあ〜!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

野良アライちゃん3は、箱へ突撃する。

野良アライちゃん3「なのりゃー!」スポッ

箱へ頭を突っ込むと…

粘着シート「」ベタアアッ

野良アライちゃん3「うゆうぅ!?と…とれ…ないぃ…!?」ビクゥ

姉妹アライちゃん2&4「「!?」」

野良アライちゃん3「とれないいいい!うゆうううう!とれないのりゃああああああっ!」グイグイシッポブンブン

なんと野良アライちゃん3は、箱にくっつき、出られなくなってしまった。

野良アライちゃん3「とってえー!たしゅけてえーっ!」ジタバタ

姉妹アライちゃん2&4「「いまたしゅけゆのりゃ!わっちぇ!わっちぇ!」」グイグイ

尻尾を引っ張る姉妹達。

野良アライちゃん3「いぢゃあいいい!とれないいいい!」ピギイイイィイ

…だが、一向にとれる気配はない。
157 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 01:09:32.73 ID:aO0nSPlVo
野良アライちゃん3「たしゅけてえ!はやくたしゅけてえ!」シッポブンブン

姉妹アライちゃん2「…わ…」

姉妹アライちゃん4「わな…なのりゃ…!」

野良アライちゃん3「!!!」

罠…
そう聞いて、野良アライちゃん3は、自分の母親が木の実を餌にして、鹿や猪、小さな猿などを狩っていたことを思い出した。

野良アライちゃん3「ぴ…ぴぃ…」ガクガクブルブル

…自分が今捕まっている『これ』は…

母親がやった『あれ』と、同じものだ。

野良アライちゃん3「…ぴいいいぃいいlーっっ!やなやなやなやなああああーーーっ!たべられたくないいいいいいいいいーーーーっ!」ピギイイイィイシッポブンブン

野良アライちゃん3は、大声で泣き出した。

野良アライちゃん3「たしゅけてえええええええーーっ!おねーしゃ!いもーと!たしゅけてえええええええーーっ!」ビエエエンシッポブンブン

野良アライちゃん3は、とにかく泣きわめいた。
158 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 01:15:22.73 ID:aO0nSPlVo
姉妹アライちゃん2「ここまでなのりゃ、いもーと…おまえはきっと、ひとしゃんにたべられゆのりゃ…!」

姉妹アライちゃん4「でも、おまえのことはわすれないのりゃ…!」

野良アライちゃん3「ぴぃ!?な、なにいって…!」


姉妹アライちゃん2&4「「おまえのぶんまでいきゆのりゃああーーーーっ!」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ


野良アライちゃん3「…」ポツーン

姉妹は去っていた。

野良アライちゃん3「や…やなああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーっ!やああああああーーーなあああああーーーーーっ!」ビエエエンシッポブンブン

野良アライちゃん3「だぢゅげでえええええええええーーーーっ!」ピイイイイイイイイイイ

野良猫に襲われ、自分たちが見捨てた長女も、こんな気分だったのであろうか。

野良アライちゃん3は、なんだかんだで自分は生き延びれると思っていた。

姉妹達が犠牲になっても、自分は特別に生き延びれると思っていた。

だが、その幻想は、ほんの一瞬で崩れ去った。

野良アライちゃん3「しにだぐないいいいいいいいいいいいいいいっ!たべられだぐないいいいいいっ!のおおおおーーーーぁああああーーーーんっ!」ビエエエン

…今回、『残機』となって減ったのは…
自分だったのだ。

姉妹が生き延びるための『知恵』となって消えるのは、自分だったのである。

野良アライちゃん3「なんでありゃいしゃんがこんなめにあわなくちゃいけないのりゃあああーーーーーーーーーーっ!」ビエエエン
159 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/07/19(木) 01:15:50.57 ID:aO0nSPlVo
続く
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 01:17:39.07 ID:ZEwUyyEH0
乙です。
このあとの2匹が人間の世界でどうあがいて生きて行くのか楽しみですね。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 02:07:25.40 ID:LgFv6TyRo
乙ー
どんどん賢くなっていてもインターンシップは続ける辺りアライさんらしいですね
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 03:26:31.76 ID:hJyRPdON0
乙でしゅ。久しぶりの更新、楽しく読ませていただきました
アライちゃん3だけ表記が姉妹でなく野良になってる理由が気になっちゃいますね。次回も楽しみに待ってます
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 06:32:08.56 ID:DX4Qi+Nfo
さてはザンキゼロやってるな?
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 07:34:34.24 ID:ak8BIw+wo
乙です
ダーウィンが来たとか見てるみたいで面白いですわ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 19:53:14.59 ID:Ez8jDk5b0
乙〜

残りの2匹の行方も気になるね
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 23:10:17.73 ID:wpN18n5Z0
更新おつです
前スレの分、アラ虐まとめwikiには今週末にまとめさせて頂きます
いつもお疲れ様です
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/20(金) 00:17:32.87 ID:HM25nvQD0
更新乙です。
まとめの方もありがとうございます。
楽しませて頂いています。

アライちゃんたちの、自分だけは大丈夫という幼さゆえの現状認識の甘さがいいですね。
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 15:55:46.21 ID:V4b6pz7fO
そういえばイボアライちゃんはどうなったんだろう
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