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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【4頁目】
- 701 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/07/31(土) 00:26:36.23 ID:sxwl2XXZo
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陽乃はやや冷徹さを感じる声色で言ったものの、
年の功というものか、
会場にいるほとんどの人達はそれに怯えるでもなく、穏やかで。
そして、そのうちの一人が口を開く。
「私には息子が居たんだ。勇者様よりも半分……年上の息子が」
その男性は、とても悲し気な笑みを浮かべながら、
雰囲気は優しさを感じさせていて。
「生意気だった。叱っても逆らって、言うことを聞かない。親不孝な息子だった。けれど……そんな子があの日、私を助けてくれたんだ。
散々、悪口を言って暴言を吐いて、いなくなることを望んでいたくせに、助けてくれたんだよ。自分を犠牲にして」
男性は変に語って申し訳ないと言って、陽乃に笑みを浮かべる。
「君はそんな息子にそっくりだ。口では色々言うのに、気にかけてくれている。そんなあの子と雰囲気がそっくりなんだ」
性別が違う。
年齢も違えば、容姿だって違っていて、何もかもが違う。
けれどその雰囲気が似ているのだと男性は言う。
だから、心配なのだと。
「君は自分に言い訳をして、結局助けてくれそうな気がするんだよ。助けてしまいそうな気がするんだよ」
守る価値がないと言っても、
見捨てると言っても
結局、何か理由をつけて庇ってしまったりして、そして。
「だから、私達は置いていくべきだよ。ほかでもなく勇者様と前途あるみんなが生き残っていくために」
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