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女の子とぶつかった in パー速 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/19(火) 09:55:18.07 ID:Oqv1HE2o
ベタだけど壮大な、真のツンデレラストーリー。
そして、生み出される数々のパラレルワールド。
職人達が織りなす、ツンデレクオリティ。

【関連】
まとめサイト
http://onnanoko-to-vip.hp.infoseek.co.jp/

暫定まとめサイト
http://www.h6.dion.ne.jp/~v-no1/aitsulove.htm

暫定まとめサイトU
http://www.geocities.jp/vip_onnanoko/

まとめサイト for Mobile
http://onnanoko-to-vip.hp.infoseek.co.jp/i/
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/19(火) 09:55:58.19 ID:Oqv1HE2o
【ここまでの登場人物:メインキャラ】

あいつ:主人公と同じクラスに転校してきた少女
     背が高いほうで、ショートカットで活発な性格
     両親と実家に住んでおり、弟が一人いる
     性格はツンデレww普段はキツイがたまにかわいい一面をみせる
     カエルが苦手。足が速い。暴力的。料理がちょっと苦手。
     今は小悪魔の部屋に居候
     初出:#1 : 出会い

あの子:主人公の隣のクラスの学校一の美女といわれる。生徒会副会長
     背の高さは普通で、黒髪のロング
     きゃしゃな体型で出るとこは出ている。胸が小悪魔より大きいらしい?
     成績優秀でおしとやかで料理も上手いが天然だ。ついでに絡み酒
     主人公が中学時代に片思いをしていた
     MVSとして留学経験もしているが、一ヶ月ほどで帰国
     初出:#7-1 : 亀裂

小悪魔:主人公のクラスに来た第二の転校生
     背が低く、童顔な顔つき
     明るく活発で、強引な性格
     主人公を何度も誘惑する
     資産家の娘で、父親が会社の会長で母親はいない
     家が嫌で主人公の学校に無理やり転校してきて一人暮らし
     初出:#16-4 : 予兆
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/19(火) 09:56:22.70 ID:Oqv1HE2o
【ここまでの登場人物:サブキャラ】

サッカー野郎:主人公とあいつを取り合った元ライバルで、今は良き親友
         背が高く、スポーツ界系ハンサムボーイ
         主人公達とは違う学校だが、サッカーの名門校
         古風なしゃべりかたで、真面目な性格
         バナナが大の苦手
         初出:#8 : 告白

オタク:主人公の数少ないクラスメイトの一人
     情報通の異名を持ち、膨大なデータが詰まった手帳を持っている
     いわゆるオタクだが、カップル祭以降あいつの写真と引き替えに
     主人公が世話になることもしばしば
     いろんなアニメのキャラのような言葉を使う
     初出:#58-1 : カップル祭

D組男子:カップル祭でなぜか主人公にアプローチしてきた空手部
      パラレルで主人公にそっちの気を目覚めさせた本物の漢
      初出:#59-2 : D組男子

女性担任:主人公のクラスに来た美人担任
       妖艶な魅力で主人公を惑わす
       小悪魔の阻止で収まったが、本当に諦めたかは不明
       巨乳。美人。網タイツ、ハイヒール。
       初出:#94-1 : 新しい担任
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/19(火) 09:56:57.08 ID:Oqv1HE2o
【相関図】
  親友――――→【あいつ】←――ライバル
  |          |          |
  |          好き          |
  ↓          ↓          ↓
【あの子】―好き→【 俺 】←好き―【小悪魔】
             ↑
             好き
             |
           【D組男子】

★常時イベント募集中!
★職人さんはトリップ推奨です。

★暗黙のルールは・・・
・名前(仮名)をつけない
・俺視点
・けっして終わらせない(名セッターになれ)

★★職人さんへのお願い★★
 シナリオorイラストorその他投下中など、活動中以外は
 なるべくトリップを外しましょう。。
※スレが鳥だらけになっちゃうとふいんき(ry が・・・ということで。
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/19(火) 10:02:46.03 ID:Oqv1HE2o
ちょいとテンプレを弄った。反省はしてない
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/19(火) 12:55:27.61 ID:ewfRrKkO
………まあいっか
一乙
7 : ◆I8KrARgYU. :2006/12/19(火) 19:48:01.35 ID:S2eyMQk0
>>1乙です。
早速今日描いたあいつ投下。
http://imepita.jp/20061219/711050
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/19(火) 20:58:46.44 ID:AC3uu.o0
あいつきたあぁぁぁぁん。・゚・(ノ∀`)・゚・。
まってたお…
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2006/12/19(火) 21:53:56.52 ID:lRqhhXco
久々の>>1乙!

復活を何ヶ月待ったことかwwwwwwwwww
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/19(火) 23:23:30.98 ID:7vSlc.E0
>>1乙&>>7GJ!!!!11
まさしくあいつだwwwwwwwwwwセクシーポーズktkrwwwwwwww

さてさて、まとめサイトの改装作業も重要だけども、
かれこれ1年近く暖め続けてずっと形に出来なかった
序盤の続行可シナリオの続きでもまとめようかwwwwwwwwwwwwww
近日中に公開出来ればと思います^^^
11 :α :2006/12/20(水) 01:29:46.72 ID:7h1UR.2o
>>1>>7乙!
でも今日は遅くなって何か頭いたいんで、あっためてたネタ書くのは明日にしますね・・・ww
明日は残業ない予定なんでwwwwwwww
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/20(水) 13:20:29.77 ID:xBQeqSAO
α氏もおつwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
明日か…( ^ω^)wktk
13 :デス :2006/12/20(水) 15:30:39.41 ID:Ov1vmXco
http://www.imgup.org/iup303064.jpg

超wktkwwwwwwwwwwwwwwwwwwww長期間休載してた漫画が再開するときのような気分だwwwwww
正にそんな感じですけどwwwwwwwwww過度に期待しておきます^^
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/20(水) 16:51:53.57 ID:3.9e5Wgo
てす
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/20(水) 17:29:13.97 ID:od6zkBEO
オモシレースレ発見
粘着させてもらいます
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/20(水) 21:39:50.62 ID:5CNjRjI0
>>13
ハァ━━━━(*´Д`*)━━━━ン
小悪魔もなかなか…
17 :α :2006/12/20(水) 21:49:02.76 ID:7h1UR.2o
さて、今日の仕事も何とか片付いたけど
もうちょい準備中なんで、ちと待っててくだされww
18 : ◆I8KrARgYU. :2006/12/20(水) 22:16:07.02 ID:S1ko8hc0
>>15歓迎します!

http://imepita.jp/20061220/801380
あの子投下ww
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/20(水) 22:58:28.12 ID:j6m7XcYO
スゲwwwwwwスゲwwwwww頑張れ(ーωー)
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/21(木) 01:27:05.85 ID:dgWJi7co
うーん、、、しばらくサボってたせいでなかなか調子が上がらん・・・orz
てことで、とりあえず書きかけだけど、寝る前に書けたとこまで投下しまーwwww
21 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/21(木) 01:27:58.13 ID:dgWJi7co
〜プレゼント〜

「へえ〜、可愛いお店じゃない。あんたも意外とやるわね」
「へへ、だろ? ほら、さっさと入ろうぜ、ちゃんと予約してあんだから」
「うん。私もさっきからもう、おなかペコペコだもん」

ある日曜の夕方のこと、俺はあいつを連れて隣町の小さなレストランに来ていた
目を輝かせて店に入って行くあいつの様子に、俺はちょっとした満足感を覚えていた
(ん、やっぱあいつ誘って良かったよな、あんなに喜んでるみたいだし)

「ねえ、何ボーっとしてんのよ? 早く来なさいよ!」
「あ、ああ、わりぃわりぃ。今行くよ」
振り返ったあいつに呼ばれて、俺は我に返ると慌ててあいつの後を追った・・・


──店の中は落ち着いた感じのインテリアで、あいつも一目で気に入ったようだった

やがて運ばれて来た料理に手をつけると、あいつはまた歓声を上げた
「うーん、このパスタ美味しい!!雰囲気もいいし、ホント素敵なお店ね」
「だろ? ま、お前がそう言ってくれるとおごった甲斐もあるよな」
「ふふ。ありがと。あんたもたまには気が利くわよね」
「そりゃまぁ、こないだのテストの時はお前にもかなり世話になったしさ、ちょっと早いけど、
 お礼も兼ねてクリスマスプレゼントってとこかな」

俺の言葉に、あいつは軽くニヤリとして俺を見た
「そーよね、あんたが追試クリアできたのも、私のノートがあってのことだもんね!」
「う、ま、まぁな・・・」
「それ考えたらこのぐらい当然よね、なーんてね! でもホントおいしい♪」

そう言って手作りピザを美味しそうに口に運ぶあいつに、俺は思わず見とれてしまっていた
22 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/21(木) 01:28:49.66 ID:dgWJi7co
>>21 つづき

──帰り道でも、あいつはまだ満足そうにさっきのレストランのことをあれこれと話していた

「ほんと、食後のデザートにもびっくりしちゃった。ケーキに私の名前かいてあるんだもの!」
「ハハ、あれ、予約の特典なんだってさ。チョコで好きな名前入れてくれるんだよ」
「へー、そうなんだ・・・でもさ、高かったんじゃないの? あのお店」
あいつはそう言うと、ちょっと心配そうな目で俺を見つめた

「いやそれがさ、意外とっつーか全然そうでもねぇんだよな。あれこそまさに穴場って奴だな」
俺がそう答えると、あいつは感心したように大きく息をついた

「ふぅーん。でもホント見直しちゃった。まさかあんたにあんな演出が出来るとはねえ」
「何だよ、お前がそんなにほめてくれるなんて、珍しいな」
「いいでしょ別に、ほめてあげてるんだから! 素直に喜びなさいよ」
「チェッ、まぁいいや。でもあの子もさすがだよなぁ。あんないい店、すぐに探してくれるんだから」
「えっ?」

そう言って立ち止まったあいつに、俺は気付かずにそのまましゃべり続けていた
「やっぱあの子に頼んで正解だったよな。あんな雑誌にも載ってないような店、よく知ってるよな。
 センスもいいし、予算もちゃんと押さえてくれるしさ。それに何たって、やっぱり親友だよな。
 お前が喜びそうな店ないかなって言ったら、お前の好みとかもうバッチリだったもんな」
「・・・ねえ。 まさかあんた、あの子にそんなこと言ってあのお店探させたの!?」
「え!?」
俺がようやく気付いて振り返ると、あいつは肩を震わせながら俺をじっとにらんでいた
「人がせっかく感動してたのに、何よあの子あの子って! バカじゃないの!?もう知らない!!」

あいつは投げつけるようにそう言い残すと、そのまま一人で走って行ってしまった

(な、何だよあいつ? いきなりキレやがって・・・いったい何だっつーんだよ!?)
23 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/21(木) 01:30:37.92 ID:dgWJi7co
・・・ってことで、すいませんが続きはまた明日でwwwwwwwwwwww

けどここって100行まで書けるのね・・・ついVIPの時のクセで30行ずつに区切ってたけど、
少し書き方変えてみっかな?ww
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/21(木) 09:06:26.33 ID:VU0F2AEo
あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/21(木) 12:48:18.85 ID:IoFViOkO
α氏乙ですwwwwww
小悪魔の話もwwktkしてます!
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/21(木) 16:33:08.97 ID:Fs1N9x6O
きたー(・∀・)ーーーーー
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/21(木) 23:09:46.25 ID:M1PDexgO
ハァハァ(´ω`)つづきを
28 : ◆I8KrARgYU. :2006/12/22(金) 18:34:36.79 ID:XFY0wHA0
http://imepita.jp/20061222/667980
小悪魔投下
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2006/12/22(金) 19:01:29.31 ID:FAAf0Fko
GJGJ!
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/22(金) 19:16:13.92 ID:awFFGmUO
小悪魔愛してるwktk
31 :α :2006/12/22(金) 19:32:42.53 ID:aLum8kYo
すまん、また夕べは寝落ちしたwwwwwwwwwwwwww
もうちょい休んだら続き書くわwwww
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/22(金) 20:31:23.03 ID:3UWH4cwO
古亜熊ぁぁぁぁぁぁぁ(*´д`*)ぁぁぁぁぁぁぁあ
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/22(金) 20:37:51.42 ID:u6DlbDYO
ってα氏きてたwwwwwwwwおつwwwwwwwwwwwwwwww
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/23(土) 04:03:00.50 ID:RvelOlAo
 
35 :α :2006/12/23(土) 10:09:21.93 ID:H0nEES2o
書いてる途中にまた寝てしまったwwww
>>28に刺激されて小悪魔の話なんだけどww
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/23(土) 19:52:29.98 ID:nzV/wVA0
( ^ω^)wktk
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/23(土) 20:23:06.24 ID:y6ZMxQ20

◆◆◆◆2007あけおめカップ1-1000! 来年もvipは大はしゃぎ! ◆◆◆◆

    ★★目標48秒!!!!新たな伝説が今始まる!!!!★★

現在の会議室、レースまでのタイムテーブル ↓↓ 不明な点は会議室へ 
(埋まり次第、会議室移動するので注意!) ↓↓
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1166871661/l50#tag10

↓↓↓2007/1/1(月) 00:00:00 1回目会場URL↓↓↓ ツール使用推奨
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1167577200/l50
※スレタイが何だろうと容赦なく書き込んで下さい。
     (⌒─-⌒)     
     ('((´*>∀</゙゙)    最速はVIPのロマン!!
      ヽ    /       ●持ち求む!!(なくてもおk)
       )  (⌒))      初心者は参加する前に予習を怠るな!
      (,__,ノ゙´´
※「.」でksk厳守! 本気で記録狙う!

◆◆◆◆◆ex17での最高記録は1分32秒、過去最高記録は49秒◆◆◆◆◆

宣伝協力求む!!
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/24(日) 01:41:51.85 ID:AD8vGfYo
さて、まだ書き途中だけど続きでも行っときますかねー
つかまた気が付いたら寝ちゃってそうだしwwwwww
39 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/24(日) 01:43:40.30 ID:AD8vGfYo
>>22 つづき

「──ってわけなんだけどさ、あいつ、あれから全然口もきいてくれねぇんだよな・・・」

次の日、昼休みに俺は小悪魔に昨日のいきさつを話していた
そこまで話すと、小悪魔は妙なしかめ面をして俺を見た

「うへぇ・・・」
「な、何だよ、酸っぱいものでも食ったような顔しやがって・・・」
「もぉ!そんな顔にだってなるってのよぉ。ハァ・・・何て言うか、君って色々ダメだよねぇ〜」
「でもさ、最初は喜んでたんだぜ!?あいつが気に入りそうなとこ探すのが、何でダメなんだよ?」

俺がそう言うと、小悪魔は肩をすくめてそっとため息をついた
「ふぅ。分かんないかなぁ? ニブいって言うか、デリカシーがないって言うか・・・あーあ」
「べ、別に、分かんねぇってこともねーけどさ・・・そんなことでヤキモチ妬かれてもさ、なぁ?」

すると小悪魔は俺の顔をチラリと見やって、そのまま俺の腕を引っ張った
「しょーがないなぁ。だったらちょっと一緒に行こ? たぶんすごいもの見れると思うよぉ?」
「いてて、何だよ。急に引っ張るんじゃねーよ」
「いいから来るのぉ! 彼女、さっきあの子のこと屋上に呼び出してたから、きっと今頃・・・」
「???」


そして小悪魔と屋上に行ってみると、ちょうどあいつがあの子と二人で話をしているところだった
「あ、ホントにあいつ、あの子呼び出してたのか・・・?」
「シッ! ほら、そこに隠れて」
小悪魔に言われるままにそっと物陰に隠れると、あいつとあの子の話し声が聞こえてきた

「・・・ねえ、私が言うのも変なんだけど、ゴメンね? あのバカが勝手に変なこと・・・」
あいつが言いにくそうにしながら手を合わせると、あの子はキョトンとした顔でそれを見つめていた
40 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/24(日) 01:44:05.61 ID:AD8vGfYo
>>39 つづき

「えっ、私、あなたに謝られるようなことあったっけ?」

あの子が目を丸くしてそう言うと、隣にいた小悪魔がそっとつぶやいた
「うわぁ、あの子、あれ計算して言ってるんなら大したタマだよねぇ・・・まーでも、あの子だしなぁ」
「え? け、計算って!?」
「シーッ!気付かれちゃうってばぁ」
小悪魔につつかれて、俺はまた黙って聞き耳を立てることにした

「だってあのバカが、その・・・あのレストラン、私と・・・って、あなたに探させて・・・」
言いにくそうにポツポツと話すあいつに、あの子はニッコリと微笑んだ

「ああ!あのレストラン♪ どうだった?いい雰囲気だったでしょ」
「そ、そうね・・・お店は素敵だったんだけどね」
「うふふっ、良かった。喜んでもらえたんなら、私も彼と一緒に探した甲斐があったもんね」

そう言って無邪気に笑うあの子に、あいつは眉をひそめて軽くにらみつける
「もう! 何でそんな風に笑ってられるのよ?」
「何で、って・・・なんで?」
「何でもよ!だいたいあなた、悔しくないの?他の子とデートに行くお店なんか探させられて・・・」

声を強めたあいつに、あの子はまだ余裕の笑みを浮かべていた

「そんなことないわ。ああいう隠れたお店探すの、私大好きだもん。それに・・・」
「それに?」
あいつがおうむ返しに聞き返すと、あの子はまたクスッと微笑んだ

「ふふっ♪ あのお店、私もこないだ、彼と一緒に下見に行ったんだもの。だからおあいこでしょ?」
41 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/24(日) 01:44:30.81 ID:AD8vGfYo
>>40 つづき

ふと気がつくと、小悪魔が俺を冷ややかな目でにらんでいた

「ふぅ〜ん? 君、あの子ともこっそりデートしてたんだぁ? わたしに内緒で!」
「バ、バカ、そんなんじゃねーって! 下見だよ下見。どんなとこか知らなきゃ行かれねーだろ?」
「そんで今度は彼女ともデートしちゃってさぁ。ひどいわぁ、わたしという者がありながらぁ」
「シッ!ほ、ほら!まだあいつらの話、終わってねーだろ」

何とか強引に小悪魔を黙らせてまた様子をうかがうと、あいつは心なしかむくれているようだった
「何よそれ、じゃあ結局あなたとあのバカが一緒になって、私が一人で踊らされてたってこと?」

すると、それまで微笑んでいたあの子がふっと真顔になった
「ねえ・・・あなた、私のことそんな風に思ってたの?」
「な、何よ? 私だって知ってるわよ、あなたがまだ、あのバカのこと忘れ・・・」
あいつがひるみながらそう言いかけたが、あの子は語気を強めてあいつの言葉をさえぎった

「そんなんじゃないわ。今はいいお友達だもの。私はただ、あなたに喜んでもらえるなら、って」
「よ、余計なお世話よ、そんなの・・・それで、ラ、ライバルに塩を送ったつもり!?」
「違うって言ってるじゃない。ひどいよ、あなたまでそんな風に思ってたなんて!」
「あ・・・ご、ごめ・・・」
珍しく怒った様子で眉間にしわを寄せたあの子に、あいつは慌てて手を差し出そうとしたが、
あの子はその手を振り払うように、そのままあいつに背を向けて歩き出した

「やばぁ、こっち来ちゃうよ! 行こっ、早く早くぅ!!」
「あ、ああ!」
あの子がこちらに来るのに気付いた小悪魔につつかれ、俺と小悪魔は慌ててその場を逃げ出した・・・
42 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/24(日) 01:45:55.10 ID:AD8vGfYo
>>41 つづき

そして俺と小悪魔は人通りの少ない特別教室のフロアまで来て、ほっと息をついていた

「ハァ、ハァ・・・つか、何でまたあんなことに・・・」
「ふぅ〜。もぉ!そもそも、君が女心もてあそんだりするから悪いんじゃなぁい!!」
「もてあそんだとか言うなよ、人聞き悪い!」
「あの子を巧く言いくるめて二人とデートしちゃってさぁ。それも、わたしに内緒で勝手に!!」

小悪魔はまだそのことにこだわっているらしい

「わかったわかった、こんど埋め合わせはするからさ・・・それよりどうしよう、あの二人?」
俺が話を戻そうとそう言うと、小悪魔は腕を組んで頬をちょっと膨らませた

「むぅ〜! しょーがないなぁ、もぉ。す〜ぐそぉやって人のこと頼るんだからぁ」
「いやその・・・悪いとは思ってるって。な?この通り!もう俺にはお前しかいねぇんだよ」
そう言って手を合わせた俺に、小悪魔はむくれながらもしぶしぶうなずいた

「まー仕方ないかぁ。これもつくづく、この人に・・・れちゃった弱みだよねぇ・・・」
「へ? 何か言ったか??」
ブツブツと小声でつぶやく小悪魔に聞き返すと、小悪魔は首をブルッと振って俺を見た

「ううん〜、何でもないっ! 任せときなさいってぇ。その代わり・・・分かってるよねぇ〜♪」
ニヤリと微笑んだ小悪魔に鼻先をつつかれ、俺は乾いた笑いを浮かべていた
「ハ、ハハ・・・う、埋め合わせだろ? そ、そっちは任せとけって。じゃあ頼んだぜ」

そう言って小悪魔の肩をポンと叩きながら、俺は内心でそっとため息をついていた
(はぁ〜、何でまたこんなことに・・・つーかまた高く付きそうだよなあ、埋め合わせって・・・)
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/24(日) 01:46:25.85 ID:AD8vGfYo
てことで、ここらでひと休み♪
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/24(日) 01:47:40.64 ID:HJI32AUo
乙ですwwww
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/24(日) 03:00:48.09 ID:EQyN3hcO
超乙です!!
続きwwktkしときます。
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/24(日) 03:30:19.39 ID:.YMSkD6O
いいですなぁ(´ω`)乙
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/24(日) 04:01:35.87 ID:jxpIVhg0
あの子が怒るの見たのもなかなか久しぶりだな…
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/24(日) 14:45:09.08 ID:.YMSkD6O
まとめ西都復活に期待( ̄∀ ̄)
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/25(月) 16:59:12.62 ID:hEi/9awO
しかし…保守しなくなってから名無しのできることがひたすら投下をまつことだけになっちゃったな……

もどかスィ( ´ω`)
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/25(月) 17:18:13.74 ID:6a.NQHYO
関係ある雑談すれば良いんじゃね?ww
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/25(月) 17:58:52.36 ID:AIBQBRQo
クリスマスもあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
52 :α :2006/12/25(月) 19:43:07.21 ID:Zu9Mq8Io
Merry Christmas!!!
昨日は来れなくてゴメン、ちと野暮用でww
・・・っても事情により基本的に長電話だけなんだがねwwwwwwwwww

たぶん今日は続き書くヒマぐらいあると思うんだけど、でもまた電話来そうなんだよな・・・ww

>>49-50
まぁ別に雑談でも何でもアリじゃね?
今さら誰も文句言わんっしょ、ふいんきさえ悪くしたりしなきゃwwww
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/25(月) 22:12:27.45 ID:uA9CyGYO
雑談しようにもぶっちゃけ盛り上がるようなネタもないんだよな(´・ω・`)
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/25(月) 23:37:05.52 ID:uMW/TGwO
おれはあいつが好きだwwww
よろっとクリスマスも終わるなww関係ないか(´ω`)
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/25(月) 23:59:13.92 ID:apZB3TgO
クリスマス………なんですかそれ(;^ω^)
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/26(火) 00:32:21.93 ID:h2HD6NIo
もっとも主人公が憎たらしい二日間が終わったな
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/26(火) 01:04:44.84 ID:vYiR5Ako
サンタ服姿見れなくてもあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/26(火) 04:35:48.04 ID:oobF0Rwo
禿同
59 : ◆I8KrARgYU. :2006/12/26(火) 18:00:18.56 ID:5Il1VxY0
遅くなったけど皆にクリスマスプレゼント(`・ω・´)
http://p.pita.st/?lo2la6u0

あいつ無くてごめんなさい・・・明日描くお。
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2006/12/26(火) 18:59:11.53 ID:MBA28xMo
乙GJ!
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/26(火) 21:13:44.42 ID:vYiR5Ako
瑠氏の描く小悪魔にノックダウンしつつも、あの子を想う気持ちが再び闘志を萌え上がらせる……

あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
62 :α :2006/12/27(水) 23:08:41.41 ID:1r8KK7go
2日さぼってすいませんwwwwwwwwまた寝落ちしちゃってたwwwwww
今日は書けたら続きを・・・
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/28(木) 01:08:28.57 ID:4Szwr7AO
α氏乙wwwwwwwwwwwwwwww
( ^ω^)続き!続き!
64 :α :2006/12/28(木) 01:20:43.51 ID:qSDb3Q2o
ごめん、寝る前に・・・と思ってたんだけど投下できるほど書ききれなかったww
明日で仕事おわりだし、まとめて明日ってことでwwwwwwwwww
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/28(木) 02:34:05.39 ID:KN.tL/sO
( ´ω`)…………

うし明日明日!!
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/28(木) 03:11:01.81 ID:WXlipnAo
投下なくてもあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/28(木) 05:28:46.37 ID:EFoUBCEO
古亜熊萌ぇえwwwwww
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/29(金) 04:12:37.42 ID:4JOgnOIo
明日っていまsあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/29(金) 13:29:24.52 ID:DBkkQwUO
( ´ω`)あいつは…まだ…ディスカ……
70 :α :2006/12/29(金) 23:02:00.92 ID:yuIYunMo
書くと言いながらまた寝てしまいますたorz
やっぱつかれてんのかな・・・

でも今日こそ大丈夫、明日は仕事もないし、用事もないはず(多分ww)だし

てことでもうしばしお待ちをwwwwwwwwww
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/29(金) 23:53:01.38 ID:o5FdWlEO
小悪魔待ち(*´ω`*)
72 :α :2006/12/30(土) 04:01:23.89 ID:G.LBvn6o
さぁて、けっこう眠いけど少しずつ投下wwww
73 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/30(土) 04:02:05.07 ID:G.LBvn6o
>>42 つづき

──そして、次の日

俺はなぜか、朝から何となく居心地の悪さを感じていた
(何だろ? 妙な視線感じるし、なーんかあちこちで俺の噂されてるみたいな・・・?)

そんなことを考えているうちに昼休みになり、俺はふと廊下で隣のクラスの奴に話しかけられた

「なあ、お前さ、卒業したら結婚すんだって? やるじゃん!」
「・・・はぁ!?」
「なに隠してんだよ、うちのクラスでももう、噂で持ちきりだぜ?すげぇよなぁ、結婚だなんて」

そう言ってニヤニヤしするそいつに、俺は思わず間の抜けた声を返していた
「へ!?結婚、って・・・誰と?」
「なんだよ、今さらとぼけやがって!あのちっこい転校生だろ?お前の彼女ってさ」
「ちっこい・・・小悪魔のことか!?だ、誰に聞いたんだよそんなこと!!」

俺の言葉に、そいつはまだニヤニヤしながら手を振ってきた
「ああそっか、わりぃわりぃ。まだ秘密の話だったんだよな。まー確かに、しょうがねぇよな。
 学校にバレたりしたら色々面倒くさそうだもんな・・・」

そいつはそう言い残して教室に帰って行った

(クソっ! この手の噂がこんなに早く広まってるってことは・・・さては、あの野郎か?)


そして俺が急いで引き返すと、教室の前の廊下でその『心当たり』が得意気に噂話をしている所だった
74 :α ◆6ytwm3xJRY :2006/12/30(土) 04:03:12.76 ID:G.LBvn6o
>>73 つづき

「──ってワケで、二人はもう親公認、後は卒業を待つだけでヤンス。ある筋からの確かな情報ナリよ」

声をひそめてクラスの奴に話すそいつの肩を、俺は後ろからギュッとつかんでやった
「へぇ〜、その『確かな情報』って奴、面白そうだな。俺にもぜひ聞かせてくれよ?」

思い切りドスを利かせた俺の声に、そいつは凍りつくように一瞬固まり、そのまま恐る恐る振り返った
「ヒィッ!!に、兄さん・・・?」
「なあ、俺そんな話初耳なんだが、一体どういうことなんだよ? コラ、答えやがれオタク!!」
「・・・へへへ、拙者はただある筋からの情報を流しただけでござるよ」
初めは怯えたようにオドオドしていたオタクは、やがて開き直ったようにそう言って胸をそらした

「何だとこの野郎・・・で、そのある筋ってのは誰のことなんだよ!?」
「ヘッヘッへッ。ニュース・ソースは明かせないナリ。信用問題に関わるでござるからな」
ニヤリと余裕の笑みを浮かべ、俺を見つめ返すオタク
俺は思わず頭に来て胸倉をつかみかけたが、すぐに思いとどまってその手を放してやった

「チッ、まぁいいや。だいたい話の出所は想像つくしな。それよりテメェ、もうそんな下らねぇ噂、
 二度と流すんじゃねーぞ! いいな、分かったか!?」
「へいへい、仰せのままに。もうアッシからは流さないのでございます。けれども・・・」
「けど、何だよ?」
「へへへッ、世の中には『買い逃した限定フィギュアは、二度と買えない』って言葉もあるでヤンス」
「何だそれ!?」
「言い換えると、アニメの放送事故におわびテロップ流すようなものナリな。では、しからばっ」

そうして逃げるように立ち去るオタクを呆然と見送っていると、不意にメールの着信があった

『やほ〜。ちょこっと話あるんだけどさぁ、屋上に来てくれなぁい? 今すぐねっ!』
小悪魔からの呼び出しだった
75 :α :2006/12/30(土) 04:12:59.74 ID:G.LBvn6o
ちょっとだけ休憩
寝ちゃう前にもうひとネタぐらい頑張りたいがwwwwww
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/30(土) 04:36:58.76 ID:YVGJL86o
がんがってくだせ(´ω`)あの子分が足りない…ぬ
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/30(土) 23:47:27.51 ID:q.T0VakO
( ^^ω)ちゅっちゅ
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2006/12/31(日) 03:12:27.35 ID:e37n31Q0
(ヽ´ω`)あの子…
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2006/12/31(日) 08:00:57.44 ID:mjUgO7Io
今年最後のあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
80 :α :2006/12/31(日) 13:32:10.54 ID:Mz6BbqUo
ごめん、昨日は別なことやって遊んでたら丸一日過ごしてしまったwwwwwwwwwwwwww
今日は大掃除終わったらまた戻ってくるわww

一応風呂とトイレは終わったんだが、まだ部屋とかキッチンとか大事なとこが残ってorz
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/01(月) 00:29:13.17 ID:j/a.9ps0
今はどうなってんだ?本編なのか?
久しぶりに来た俺に教えてくれないか
82 :α :2007/01/01(月) 01:00:20.42 ID:FU9bqEco
あけおめ〜
年越しで酒のみながら続き書いてたら、結構いい気分に酔ってきた件wwwwwwwwww

>>81
本編がどこからだったかいまいち覚えてないんで、
今はとりあえず読み切りのつもりでシリーズ書いてるww

片付いたら本編整理しなおしてそっちの続きも書いてみるよ
83 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/01/01(月) 01:08:02.23 ID:FU9bqEco
>>74 つづき

屋上に行ってみると小悪魔の姿は見えず、あいつが一人でたたずんでいた

「あ・・・あれ、お前、一人?」
「何言ってんのよ、あんたが呼んでるって言うから来たんじゃないのよ」
「え?」
「何よその『聞いてねーぞ、俺?』みたいな顔。もしかして私の聞き間違いだったのかなあ」
あいつは訝しげに俺を見やっている

(ははぁ、さては小悪魔の奴、わざと俺が呼んでる風にしてあいつと話させよう、って・・・?)
何となくピンと来た俺は、そのまま適当に取り繕った
「いや、ハハハ。うん、ちょっとお前に話があってさ・・・」
「もう!変な奴ねえ」
あいつはそう言って一つ息をつくと、手すりに腕を乗せて外に目をやった

(そう言えば、あいつとまともに話するの、あれ以来だっけ・・・)
隣に並んで手すりに腕を掛け、チラリと横顔を見たが、あいつは特に機嫌が悪くもなさそうだった
が、俺は何となく声を掛けるタイミングも逃して、しばらく二人で黙って外の景色を眺めていた

(うーん・・・気まずい・・・)
そして俺は雰囲気に耐え切れず、思い切ってあいつに話し掛けようとした

「なあ」「ねえ、ちょっと」

かぶってしまった・・・
思わず二人で顔を見合わせると、あいつは照れ臭そうに苦笑いしてうつむいてしまう

(何だよ・・・こいつ、こんな風にしてると意外と可愛いじゃん?)
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/01(月) 01:34:25.91 ID:hps84rAO
おまえら\(^o^)/あけおめ

>>82
本編ktkrrrwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/01(月) 02:31:29.22 ID:FfKmbJQo
明けて最初のあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/03(水) 02:35:54.60 ID:8TVM9620
絵かける人に質問!
絵を練習したいんだけど瑠氏とかうまい人の絵を写生するのは練習になりますかね?
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/03(水) 05:58:53.49 ID:6kU4Q3oo
練習にはなるだろうけど、基本なってないとすぐに限界来るかとオモ
素直に絵描きスレ行った方がk

んなことよりあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/03(水) 17:49:04.36 ID:q..0sQMO
(´・ω・)α氏…ガンガレ……
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/04(木) 00:06:49.19 ID:90377wM0
ガンガレ
90 : ◆I8KrARgYU. :2007/01/04(木) 09:27:35.03 ID:mj08ZVU0
>>86
練習になりますよ。
自分も幼稚園の時はよくアニメの絵を写したり真似してました。
そこからバランスとか勉強できたと思います。模写からでも基本は学べるかとww
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/04(木) 17:40:10.63 ID:l7S0UhE0
>>87>>90
ありがとうございますー
目写しで書いた奴なんですがこれからも書いたらうまくなりますかね?
この判定だけ聞いたら絵描きスレに行きますんでお願いします
http://www.uploda.org/uporg642022.jpg
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/04(木) 17:42:36.37 ID:zBu6Z/QO
( ^ω^)瑠氏おひさー


あいつ………
93 :α :2007/01/05(金) 00:08:06.04 ID:UpNIUico
色々出かけててやっと家に戻ってきたーwwwwwwwwww
と思ったら少しgdgdしてるうちにこんな時間にorz

さて、こないだはどこまで書いたっけ・・・確かまた途中で寝ちゃったんだが
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/05(金) 01:07:45.06 ID:XWukGKUO
あいつの照れ笑い終わったとこからだお(*´ω`*)
95 :α :2007/01/05(金) 01:54:22.07 ID:UpNIUico
あーそっかwwwwww
その後こうしようとか考えてるうちに、酔っ払って寝ちまったんだっけww

つか明日仕事初めなの忘れてたwwwwwwwwwwww
てことで、すいませんがまた明日wwww
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/05(金) 08:19:17.80 ID:15zYb8Ao
>>91
404 File Not Found

( ^ω^)・・・

あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/06(土) 17:06:38.72 ID:ZBzLxFUO
( ^ω^)あいつはまだかお?
98 :まとめ草 ◆xAiTSU88R2 :2007/01/07(日) 02:11:40.60 ID:BvNASrE0
皆さん、今年も宜しく^^^^^^
すんません、喪中なんです(´・ω・`)

さて、リハビリがてら続行可になってる本編の続きを書いてみましたよwwwwwwwwwwww
シナリオの流れ上、あの子の呼称がマドンナになってますが、
今回は補正しませんwwwwwwwwwwwwwwww
そして小悪魔不在のシナリオですwwwwwwwwサーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
99 :まとめ草 ◆xAiTSU88R2 :2007/01/07(日) 02:13:48.28 ID:BvNASrE0
本編#29-2 : 蒼の記憶 の続き

[#30-3 : 二兎]

ベッドに倒れ込んで眠りに就いた俺は、夢を見た。
結論から言えば、言うまでもなく悪夢だった。
シャツと背中の間をびったり浸してしまう程の冷や汗が、そう言っている。
内容はよく覚えていないけれど、
大切な人達が皆いなくなってしまう夢だったような気がする。

あいつも、マドンナも、従姉妹も、誰も…

二兎追う者、一兎も得ずってことわざがふと頭を過ぎった。
昨日の従姉妹の発言がよほど気になるんだろうか。
自分に問いかけるまでもなく、確かに気になる。
だけど、真意を問いただすのを躊躇している自分にも気付く。
あいつにそれを話すべきか否かを考える自分もいる。

すっかり混乱状態だ。
従姉妹が「恐怖の大王」ってのは、あながち間違いじゃなかったらしい。

そんな事を考えつつ、ベッドの上で幽体離脱しかけていると
部屋をノックして従姉妹が入ってきた。

「おはよ!そんな寝ぼけた顔してたら、学校遅刻しちゃうわよ?」
「姉ちゃん…寝ぼけた顔をしてただけで遅刻したってヤツは聞いた事ないよ。」
相変わらずな従姉妹のペースに、朝から惑わされてしまう。
そりゃそうだ。既に昨晩から俺の頭は考えすぎでオーバーヒート間近だというのに。

朝食を光速で平らげ、学校へ行く支度をする。
いざ行かん、そう思って玄関を見ると…

「遅いよ、速くしないと遅刻しちゃう!」
じゃあ先に行ってりゃ良いのにと心の中でツッコんだ。

そもそも、途中まで一緒のルートとは言え、俺を待ってる必要性は一つもないじゃないか。
むしろ従姉妹は、いくら学校まで徒歩で行ける距離とはいえ確実に遅刻フラグが立っているじゃないか。
全く、本当に何を考えてるか分からない。

それにしても、このいつものペースで登校すると確実にあいつに遭遇する。
あいつも俺並に朝は弱い。
食パンを銜えて出てくる事なんて、出会った頃から数えて数知れないくらいある。
100 :まとめ草 ◆xAiTSU88R2 :2007/01/07(日) 02:14:11.04 ID:BvNASrE0
ちょっと待て。良く考えるんだ。
逆に考えれば、だ。
あいつと遭遇する事によって、俺が好きなのはどっちなのかを
ハッキリと見せるチャンスでもあるんじゃないか?
いや待て。この従姉妹、そう簡単に諦めるタマでもないだろう。
従姉妹に関する昔の記憶が、そう思わせる。
ああどうしよう本当に弱った全くこれはひどい。

「どうしたの?さっきから一言も喋らないで…調子悪いの?」
「…!」
あれこれと考え事をしてたら、従姉妹が急に話しかけてきたので、
思わず30cmくらい飛び上がるところだった。
「い、いやいや、何でもないよ。ちょっと考え事してただけだからさ!」
「ふ〜ん…考え事ね?」
ちょっとニヤニヤしてやがる。確実に俺の考えを見透かしてる感じだ。

そんな軽くテンションの低い状態で歩いていると、
予想通りあいつがパンを銜えてダッシュしてる。

「おーい、またパン銜えて走ってんのか?喉詰まるぞ〜?!」
先手必勝だ。

しかし、あいつはこっちをキッと睨んで、
パンを銜えたまま学校へ向かって走り去ってしまった。
怒ってる。多分色んな理由で怒ってる。

「あいつちゃん、面白い子ね〜。」
従姉妹が呑気に言う。
「怒ったら怖いんだよなぁ。」
「あら、もしかして私怒らせちゃった?」
心の中で深く頷いたが、表面上はとりあえずう〜んと唸っておいた。

従姉妹と途中の十字路で別れて、もうすぐ学校に着く。
さて、どうしたもんかね…。

二兎追う者、一兎も得ず。か。
自分の気持ちを伝えるって事を躊躇してたら、マジであの夢が正夢になりかねない。
そんな事にはさせない。
101 :まとめ草 ◆xAiTSU88R2 :2007/01/07(日) 02:15:13.54 ID:BvNASrE0
とりあえずまぁ、今日はこんなところで寝ますwwwwwwwwwwwwww
ちなみに、また9日からTOKYOに出張です(´・ω・`)
もう出張とか良いよマジでwwwwwwwwwwww
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/01/07(日) 02:25:44.85 ID:L3y7Ybso
乙ですwwwwwwwwwwwwwwwwww
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/07(日) 04:56:37.59 ID:pY8ESCso
マド……あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/07(日) 05:02:48.14 ID:1YizQHMO
まとめ人おつつwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
仕事もシナリオもガンガレまとめ草(`・ω・´)!
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/08(月) 03:31:03.82 ID:tGMuuFU0
シナリオマップcgiいじってたらこんな時間にwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
とりあえず実験中のまま放置しておきますwwwwwwwwwwwwwwww
再帰呼び出しなんて大嫌いだwwwwwwwwwwwwwwww
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/08(月) 14:51:02.60 ID:jh0JMyYo
……━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/08(月) 22:12:05.00 ID:X68n31sO
あいつ乙wwwwww(^ω^)
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/08(月) 22:13:38.46 ID:kJ6aA0gO
(;´・ω・`)おつっぽ
109 :α :2007/01/09(火) 00:59:21.74 ID:XYwpUNEo
みなさんすいません、ここんとこ飲み会だの仕事だのに引っ張りまわされて
全然時間取れなかったorz

あと、まとめ氏乙ですーww

プロットは考えてあるんだし、俺も書きかけの奴は明日にでも終わらせようwwwwwwwwwwww
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/09(火) 17:32:11.62 ID:Zp.VCgc0
wktkしてる待ってるんだぜ( ^ω^)
111 :α :2007/01/11(木) 02:15:15.59 ID:tKwVSjoo
また書き終わらなかった・・・orz
とりあえず、寝る前に出来たとこまで投下しときますwwwwww
112 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/01/11(木) 02:16:23.83 ID:tKwVSjoo
>>83 つづき

そして、あいつはまた黙って外を眺めている

「な、なあ。お前、さっき何言いかけたんだよ」
俺がそう声をかけると、あいつはチラリと俺を見た

「・・・ううん、別に。何でもないわ」
「何だよ、何かあるんなら言えって」
そう俺が繰り返すと、あいつはグッとこっちに体を向けて、軽く口を尖らせた

「だからいいってば。それより、あんたこそ何か言うことあるんじゃないの?」
「え? あ、ああ」
「何よ、ハッキリ言いなさいよ」
ジロリとにらんで来るあいつに、つい俺は一瞬ひるんでしまった

(うぅ、改まると何か話しにくい・・・えぇい、とりあえずこないだのこと謝っちまうか)

そうして俺は、思い切って口を開いたのだが・・・
「あ、あのさ」
「えへへぇ〜♪ 待ったぁ?」

いきなり弾んだ声が割り込んで来て、俺は思わず声のした方を振り返っていた

「って、小悪魔!?・・・ったく、待ったぁ?じゃねぇよ」
「まーいいからいいから。ね、それよりさぁ、今日はわたしたちから大事なお話しがあるんだけどぉ」

小悪魔はそう言って駆け寄ると、俺に腕を絡めながら、悪戯っぽい目であいつの顔を見つめた
113 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/01/11(木) 02:19:37.81 ID:tKwVSjoo
>>112 つづき

「で。何なのよ、話って」

あいつは怪訝そうな顔で小悪魔と俺を見比べている
小悪魔は一呼吸置くと、俺の腕をギュッと抱きしめて悪戯っぽく微笑んだ

「うふふっ。実はねぇ、わたしたち・・・今度、結婚するんだぁ♪」
「はぁ!?」
「結婚・・・って、何で急にそんなこと・・・?」
呆然としてポカンと口を半分開けたままのあいつに、小悪魔は更に追い討ちをかけてくる

「ふふふふっ、だぁってえ。お腹の中にはもぉ、カレの赤ちゃんだっているんだもぉん!」
「はあああ!!??お、お前、何言ってんだよ!!」
俺はギョッとして隣の小悪魔をにらんだが、小悪魔はただニコニコと笑みを浮かべているだけだった

そして文句を言おうと小悪魔の腕を引っ張った時、ちょうど昼休み終わりの予鈴が鳴リ出した
「やだぁ、もぉこんな時間?じゃわたし次の時間の当番だから、先行ってるね。バイバ〜イ♪」
小悪魔はパッと俺から離れると、そのままタタッと走って出て行ってしまった

・・・ふとあいつの方に目を向けると、あいつは顔を伏せて怒りに肩を震わせている

「お、おい・・・いや、違うんだって!こ、これは小悪魔の奴が勝手に・・・」
「うるさい!!話ってこのことだったの!?ただの下らない噂だけだと思ってたのに・・・」
「う、噂って、もしかしてお前もあの噂、聞いてたのか? アレはただ、オタクの奴が」
「ゴチャゴチャ言わなくてもいいわよ、バカ!!何よ、いつの間に・・・それも子供まで!!」
「だ、だからそんなのは・・・」
「うるさーーーい!!あんたの話なんて聞きたくない!もう知らない!!バカ!!!」

あいつはそう言い捨てると、出入り口のドアをバタン!と閉めて出て行ってしまった・・・
114 :α :2007/01/11(木) 02:20:16.90 ID:tKwVSjoo
てことで、続きはまた明日wwwwwwwwwwww
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/01/11(木) 02:24:14.84 ID:7geRLGQo
乙ですwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/11(木) 02:40:00.97 ID:V8EYrBkO
α氏おつデス(´ω`)まとめ西都更新も願ってオリマス(-o-)ノ
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/11(木) 08:43:43.15 ID:wZ/g5w.o
出番なくてもあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/12(金) 01:32:30.55 ID:sjwejiUO
( ^ω^)今日はあいつなしなのかお…?
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/13(土) 11:23:24.59 ID:7sT2BVEo
2ch閉鎖でもあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/14(日) 10:14:32.15 ID:AmZQvn2O
(´ω`)あいつ………
121 :α :2007/01/15(月) 02:12:55.40 ID:VwZRSfso
ごめん、また色々やってたら時間なくなったorz
平日だけど明日は行けそうな気が・・・ww
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/15(月) 10:42:29.27 ID:Wr9/U5.O
( ^ω^)おっおっ今日こそはっ
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/17(水) 00:47:05.81 ID:TWI8bKEO
( ´ω`)ねむ……あいつ……
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/17(水) 01:37:19.07 ID:3ST4e2Yo
続きマダー?AA(ry
125 : ◆RSfqKE6tuk :2007/01/18(木) 17:35:41.35 ID:A15/rG.0
ここどこ???カテゴリおしえて

2chなの?
126 : ◆RSfqKE6tuk :2007/01/18(木) 17:42:45.30 ID:A15/rG.o
1@療養中です

ゲーム化に向けて思うことを書いておきます。

ブツが出来ればそれでよいと思うんですよね。
きれいな完成を目指すと完ぺき主義になっちゃうし

だから、とりあえずver0.0.01は音なし。とか言ってリナックスみたいに
どんどん、つぎはぎで作ればいいんでないかな?

音楽どうしようね。音系とかエロゲ系のカテにいってそうだんしてみたらどうだろう?
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/01/18(木) 17:52:58.77 ID:G5fB7.Mo
2chではなく外部のパー即っすね がんgふぁれ応援してる
ってか1の人も久々っすほんと
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/18(木) 17:57:17.71 ID:A15/rG.o
おひさしぶりー

もう、終わったかと思ってたんだけど、友達がまだ続いてるって教えてくれた

みんなタフやね
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/18(木) 19:16:43.73 ID:/3TBqMkO
( ^ω^)あいt……………って唐突に1にktkrwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
リアルで初めて会ったwwwwwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/18(木) 21:55:40.46 ID:6nUtbqoo
1よりもあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
131 : ◆RSfqKE6tuk :2007/01/19(金) 17:00:23.03 ID:FXd40p.o
今日久しぶりに病院に行ったら、入院してた時に知り合いだったその子と合った

病院でその子と再会した。俺もあの子も抱えてる病気はとてもつらくて
人には言えない病気だ。

だから、お互いに恥ずかしい気持ちもあるんだけど、やっぱり、合うとなつかしい

僕はその子の笑顔を久しぶりにみれてなつかしさでいっぱいだった。

その子と久しぶりにカラオケをした。その子は相変わらずの天然ボケで

全然うまく歌えてないんだけど、それでもカラオケはとても楽しかった

その子は病気の関係で3時には親が迎えに来る、だから僕とその子との
時間は本当に少ししか残されてない。でもあえて良かった。
132 :α :2007/01/22(月) 00:19:01.06 ID:HywiX2so
ずっとサボっててゴメンwwwwwwww
先週あたり急に仕事が溜まりだして、風邪気味なせいでさっさと寝てたもんで・・・orz

あと一山こえれば落ち着きそうなんですがねww
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/22(月) 01:15:34.72 ID:33wMJKMO
( ^ω^)ガンガンガレ
134 :VIP閉鎖まであと 931 秒 :2007/01/23(火) 19:44:30.24 ID:G5cANgo0
( ´ω`)……
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/25(木) 01:27:19.01 ID:v2YpSGcO
あいつ…は……'A`
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/25(木) 21:03:24.50 ID:K8UXpkco
あの子を信じて待つんだぜ
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/28(日) 00:37:58.77 ID:rWdM8xUO
フレーフレーフレーフレーガンガレ……(`ω´)ノシ
138 :α :2007/01/28(日) 21:36:42.42 ID:Q5UxQCoo
やっと戻って来ましたww
も少ししたら続き始めるんで、もうちょい待ってて下されwwwwwwww
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/01/29(月) 01:25:38.01 ID:aMGI.mso
あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/29(月) 19:47:04.81 ID:pNfqlygO
あいつクル-----m9`・Д・´-----!?
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/01/31(水) 18:31:40.52 ID:wyOixKE0
( ´ω`)あいつ……お…
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/01(木) 13:21:09.17 ID:x6Y6g1Uo
2月ですお(´ω`)あの子あの子
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/03(土) 12:29:16.95 ID:c1X75oDO
(・ω・)あいつ
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/03(土) 21:58:04.72 ID:gg2HX6AO
ここには小悪魔好きはいないんですね

まぁかく言う自分もあいつ好きな訳ですがww
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/04(日) 01:11:19.18 ID:xlqcc2DO
しかし発言がなくても小悪魔好きってのは結構ひそんでるもんだ…油断は出来んよ……
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/04(日) 03:38:54.08 ID:gWfCWEM0
>>144
悪い。俺は無類の小悪魔好きだ
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/04(日) 09:32:27.82 ID:x1Xw93Yo
昔は小悪魔派でした

今ではあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!






あの子……(ヽ´ω`)
148 :α :2007/02/04(日) 22:57:11.24 ID:5km6Zvko
ぐぅ、また日曜もこんな時間か・・・
気が付くと仕事とかやんなきゃならんことに追っかけられて、
なかなかこっちに手が回らなくなるなorz

とりあえず、少しずつでも進めますんで (´・ω・)


ちなみに俺も小悪魔好きだが・・・ヒロイン的にはあの子の方が正統派だよねwwwwww
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/04(日) 23:44:41.22 ID:QxpsHxI0
( ゚∀゚)o彡゜あいつ!あいつ!
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/05(月) 19:55:25.78 ID:jiqTyQs0
俺も小悪魔みたいに一生懸命自分を追いかけてくれる子がいればなあ、といつも思ってるぜ。
そして俺もまた何かを犠牲にできるまで人を愛せるようになりたいとおもたんだ。
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/05(月) 22:00:50.44 ID:JC1vJgAO
便乗
( ゚∀゚)o彡゜あいつ! あいつ!


思ったんだけどあいつEndってないよね(´・ω・')
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/06(火) 00:46:53.56 ID:wMoC8MDO
俺も( ゚∀゚)o彡゚あいつ!あいつ!


確かに……早く本編続きが見た………
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/06(火) 22:08:34.68 ID:YTAOKEAO
あいつendは本編ラストで(´∀`)
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/07(水) 06:46:08.77 ID:xFbaEUSO
小悪魔萌えマダー?
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/07(水) 13:10:59.94 ID:xBNDagAO
>>154
いやいやあいつでしょ

( ゚∀゚)o彡゜あいつ!あいつ!
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/08(木) 08:18:16.73 ID:6B6a6wSO
小悪魔っ 小悪魔っ 小悪魔っ!
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/08(木) 18:51:15.68 ID:lwe3kdUo
あの子……萌え……(´ω:;.:...
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/08(木) 21:02:43.46 ID:JCbN4lA0
あいつで始まった物語なんだ、あいつENDもみてみたいぜ
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/08(木) 21:31:17.60 ID:GIILPUAO
言われてみればそうだよな
うん、やっぱりあいつendみたいね
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/09(金) 17:50:43.51 ID:??????DO
マジで…そろそろ……あいつを………
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/09(金) 20:21:49.65 ID:wtNYc12o
名にその謎めいたID……

あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/10(土) 23:56:44.82 ID:rIQrwcAO
今日書き込みないではないか
やっぱり腕降るだけでも最低一日一書き込みあった方がいいと思うんだ

ということで( ゚∀゚)o彡゜あいつ!あいつ!
163 :α :2007/02/11(日) 01:24:38.91 ID:lpvbPg2o
ごめんよママン、やっとさっき仕事がかたづいたんだorz
でも終わってホッとしたら、ついビールのみすぎちゃって・・・wwwwww

明日こそちゃんとやるぜいww
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/11(日) 15:57:59.11 ID:??????DO
今日あいつに会えると聞いてやってきました( ^ω^)
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/11(日) 18:58:48.57 ID:RHeq3gUo
このスレで言う明日は一ヵ月後くらいと思える精神じゃないと持たn

あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/11(日) 19:18:39.09 ID:.4lcH2SO
こぉぉあぁぁぁくまぁぁぁああ
167 :α :2007/02/11(日) 21:23:16.38 ID:lpvbPg2o
えっと、書き途中の話の続きってどっからだっけ・・・
結構前になっちゃうんだよなぁww

忘れてる人のが多そうだがwwwwwwwwwwまぁいいやwwww
168 :α :2007/02/11(日) 21:34:27.96 ID:??????DO
連投規制!?
きついな、これいつから始まったんだ?
169 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/02/11(日) 21:38:11.66 ID:lpvbPg2o
>>113 つづき

──次の休み時間、俺は廊下の端の人気の少ない辺りに小悪魔を引っ張り出した

「おい!どーいうことだよ、さっきのあれ!」
「もぉ、怒っちゃやぁん♪」
小悪魔はそう言って、ニヤニヤしながら頭を抱えるふりをしている

「このぉ・・・ふざけてる場合かよ!」
「べっつにぃ? ふざけてなんてないも〜ん」
「お前な、だったら何であいつの前で、あんなデタラメなウソ言ったりすんだよ!?」

いら立ってつい声が大きくなる俺に、小悪魔はふっと真顔になって向かい合った
「あらぁ? 誰があれ、デタラメだって言ったぁ?」
「えっ・・・?」

思わず小悪魔の顔を見つめ直したが、小悪魔はいつになく強い口調で続けた
「別にわたし、でたらめなんて言ってないけどぉ?」
「だ、だってお前、その・・・そもそも俺、そんな心当たりねぇし・・・」
「ふぅ〜ん、覚えてないんだぁ?」
「覚えてないって、な、何をだよ?」
すると小悪魔はふっと息をついて軽く首を振ると、また俺をじっと見つめ返して来た

「うふふ、こないだ君がうちに遊びに来たとき、二人っきりだったでしょ?」
「ああ、あいつが友達の家に泊まって来るとかで、心細いからってお前に呼び出された時か・・・」
「あの夜、君ったらすぐに寝ちゃってさぁ、結局そのまま一晩過ごしたじゃない」
「あ、あれはお前が勝手に親父さんの高そうなブランデー開けて、俺に飲ませたりするからだろ!」
「その夜のこと、ホントに全然覚えてないのぉ・・・?」

小悪魔にそう言ってじっと見つめられ、俺は思わずゴクリと息を飲んでいた
170 :α :2007/02/11(日) 21:41:21.27 ID:??????DO
連投規制対策w

めんどくさいぞこれ
何とかならんの?
171 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/02/11(日) 21:41:47.65 ID:lpvbPg2o
>>169 つづき

「お、覚えてないったって、そのまま寝ちまって気付いたら朝で、お前に起こされただけだろ?」
「やだなぁ、君が寝ちゃうからわたしがベッドまで運んだんだよぉ? 重くて大変だったんだからぁ。
 それでベッドに寝かせたんだけどぉ、君ったら『お前・・・いい匂いしてるな』なぁんて♪」
「ちょ、ま、待てよ! 俺、マジでそんなこと言ったの?」

思わず顔がカッと熱くなるのが自分でも分かったが、小悪魔は俺の様子にお構いなしに話を続けた
「でね、お布団かけてあげようとしたらさぁ、君、わたしのこといきなり抱きしめて・・・」
「え、え、ちょ、ちょっと!!それでお前、まさかそのまま・・・?」
「もぉ、やだぁ♪ こんなとこでその先まで言わせるつもり? 他の人に聞かれちゃうよぉ」
小悪魔はそう言うと、両手を頬に当ててモジモジしている

「マ、マジかよ・・・あん時って確か俺・・・ダメだ、全然思い出せねぇ」
その場にへたり込み頭を抱えて考え込む俺に、小悪魔はポンポンと俺の頭を軽く叩いた

「うふふっ、やだなぁ。そんなに落ち込まれたらわたしも傷ついちゃうよぉ」
「あ、いやその・・・何ていうか・・・」
俺が顔を上げて見上げると、小悪魔はニッコリと微笑んだ

「なぁ〜んてね。君がやったのは、そこまで♪」
「はぁ!?」
「君ったら、そのまま寝ちゃったんだもん。わたしは別に、最後まで行っても良かったんだけど♪」
「・・・ってことはお前、やっぱりデタラメだったんじゃねーかよ!!」
「まーまー、そんな怒っちゃダメだよぉ。これもあの子と彼女を仲直りさせる作戦なんだからぁ」
そうだった、すっかり忘れていた・・・俺は思わずカッとして振り上げた手をそっと下ろした

「ほーら、さっそくお魚ちゃんがあそこに一匹、釣れたみたいだよぉ?」

小悪魔が指差す方を見ると、あの子が不安と戸惑いを浮かべた顔でこちらに駆け寄って来る所だった
172 :α :2007/02/11(日) 21:45:34.54 ID:??????DO
いったん休憩ww
ちょっとメシくってきます

今夜中にこの話にはケリつけたいけど、終わるかなwwww
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/12(月) 00:21:39.06 ID:wWOzekSO
小悪魔サイコーだぜい
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/12(月) 01:02:43.43 ID:DyfCBxQo
小悪魔萌…

あの子クル━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!??
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/12(月) 13:30:49.18 ID:??????DO
灯火あったのに…寝ちまったぜ………
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/13(火) 23:41:41.01 ID:q15./QAO
あいつーーーーーーーーー
177 :α :2007/02/14(水) 00:08:57.20 ID:XxyB.Wgo
すまん、続きは一気に最後まで書いてからにしようと思ってたら
昨日は途中で寝てしまったwwww
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/14(水) 00:10:30.02 ID:YWNZN.AO
wwktk
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/14(水) 19:26:30.09 ID:41b6fqoo
あの子からチョコモライタス(´ω`)
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/14(水) 21:57:13.01 ID:??????DO
あいつの……………(;´ω`)ホスィ
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/14(水) 23:42:44.98 ID:YWNZN.AO
あいつのチョコなら99%カカオでも一口でいけるのに
もらえるわけないよね・゚・(ノД`)
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/15(木) 23:25:42.50 ID:hgjhF5c0
投下マダー?
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/16(金) 22:18:14.21 ID:m4z.n.AO
>>182
催促イクナイ!(゚∀゚)
静かに待とうではないか
確かに待ち遠しいけど
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/17(土) 15:24:03.28 ID:??????DO
灯下マダマダー??
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/18(日) 01:02:13.73 ID:t/ybqH6o
あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/18(日) 04:39:28.60 ID:08kgVAAO
あいつ好きだwwwwww(^▽^)
この話終わたら次はあいつとイイ感じにしてくたさい(´ω`)ノα氏おつ
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/19(月) 19:03:14.30 ID:HPe762AO
久しぶりに腕振るか
( ゚∀゚)o彡゜あいつ!あいつ!
188 :α :2007/02/19(月) 23:10:27.10 ID:EKx8RDoo
次から次に仕事で面倒ごとが降ってくる日々・・・orz
でも今日こそ少し頑張ろうっとwwww
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/20(火) 01:30:32.87 ID:JEArPlMo
いつまでも投下を待ってm

あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
190 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/02/20(火) 01:36:38.12 ID:X0KmisAo
>>171 つづき

「なあ、釣れたってどういうことだよ?」
俺が小声でそう聞くと、小悪魔も声をひそめてニヤッと笑い返して来た

「ふふ、あの子が慌ててこっちに来るってことはさぁ、誰に聞いてきたか分かるでしょ?」
「あいつから、か・・・」
「ね♪ こーゆぅハプニングがあったら、もぉケンカどころじゃないもんね」
「だからって、あんな作り話まですることねぇだろ!」
「シッ! ほら、こっち来るよ?」

あの子は俺たちの前まで来ると、息を弾ませながら軽く俺をにらんだ
「ねえ、一体どういうことなの? いきなりその、結婚するだなんて?」
「あ、いや、それはその・・・」
とっさに上手い言い訳が出てこずに口ごもっていると、小悪魔が横から口を挟んできた

「あの・・・ゴメン、ちょっと気分悪いんだぁ。先に帰ってるから、あとはよろしくね?」
そして小悪魔はそのまま小走りに行ってしまう

「あ、おい!こら、ちょっと待て!!」
俺は慌てて後を追おうとしたが、あの子にグイッと腕をつかまれて引き戻されてしまった

「ダメよ、まだ話は終わってないんだから!」
「え? いやその、話って言っても、さ・・・」
話ったって、あの子に何話せっつーんだ?単なる小悪魔の悪戯なのに・・・クソッ、小悪魔の奴!
あの子はそんな俺の様子を不満げに眉をひそめたが、すぐに心配そうに小悪魔の方を見やった

「やっぱり・・・あの話も本当だったんだ・・・」
「あ、あの話って、まさか?」
俺の言葉に、あの子はキッと俺を振り返った

「もう、ダメじゃない!ああいう時はそっとしてあげなきゃ。つわりは最初が一番辛いんだから」
「いやだから、つわりなんて・・・」
うぅ、やっぱあの子、思いっきり勘違いしてる・・・

そしてあの子はふぅっとため息をつくと、改めて俺の方に向き直った
「ねえ、どうしてあなたっていつもこうなの?私に心配ばかりかけて!」
「いやだからさ、それはその、話すと長くなるし」
「ダメ。全部話して。昔から私たち、一番のお友達じゃない」

あの子に真っ直ぐ見つめられて、俺は思わず目をそらしてしまった
仕方ない、全部話すしかねぇか・・・
「分かった、話すよ・・・まぁあれは別に、俺の子ってわけでもなくてさ」

そこまで言った時、辺りの空気が一瞬ピーンと凍りつき、俺は背筋にゾクリと冷たいものを感じていた
ふとあの子の顔を見ると、あの子は目に爛々と冷たい炎を宿している

ん? あっ・・・俺ってもしかして今、物凄く誤解されるような言い方、した??
191 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/02/20(火) 01:38:02.03 ID:X0KmisAo
>>190 つづき

「ちょ、待て!お、俺が言いたいのはそういう意味じゃなくて、その・・・」
慌ててそう言って手を振ると、あの子は張り詰めていた緊張感がふっと解けて、悲しげな目になった

「ねえ・・・こういうことって、男の子がきちんと責任取ってあげなきゃダメなんだよ!?」
「だから聞いてくれって!あれは小悪魔の奴が勝手にだな・・・」
「勝手にって、女の子の方で勝手に出来るわけないでしょ?男の子が、その・・・なことしなきゃ!」

してないんだけど・・・

「・・・ハァ」
俺が途方に暮れて、思わず頭を抱えてため息をつくと、あの子はどうやら違う意味に取ったらしい

「ねえ、大変なのは分かるけど、元気出して。大丈夫、何があっても私はあなたの味方だもの」
そう言ってあの子は、そっと俺の肩に手を置いた

ふと顔を上げると、あの子が優しく微笑んで俺を見つめている
こいつ、こんな俺でも本気で心配して・・・そう考えると俺はグッと胸に熱いものがこみ上げてきた
「お前・・・ありがとな」

肩に置かれたあの子の手に自分の手をそっと重ね、俺たちはしばらくそのまま見つめ合っていた
やがてあの子はポッと頬を赤く染め、ふと目をそらす
「ダメだよ・・・あなたには、もう・・・」

・・・って、ちがーーう!!今はこんなムード作ってる場合じゃねぇだろ!?
これじゃ小悪魔とのこと自分で認めたようなもんじゃねーか!

俺は慌ててあの子の手をつかんで肩から下ろすと、ぐっと正面からあの子を見据えた
「ち、違うんだ!聞いてくれ、実は・・・」
「えっ、な、何?」
あの子は俺の勢いに怯んだように身をすくませた

「実はな、あの話は全部、小悪魔の・・・」
そこまで言いかけた時、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた

「あっ、次の授業!ゴメンね、もう行かなきゃ」
あの子はそう言って俺の手をそっと振りほどくと、駆け足で行ってしまった

ちょっと待てよ、これじゃまるっきり、あの子に誤解されたままじゃねーか?
どうすんだよ、これ・・・
192 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/02/20(火) 01:38:56.60 ID:X0KmisAo
>>191 つづき

──そして、放課後

どうやら既にあちこちで小悪魔との噂が広まっているらしい
どこかに行くたびにヒソヒソ声と俺への視線を感じて、居心地の悪いことこの上ない

小悪魔はホームルームが終わるとすぐに帰ってしまったらしく、辺りには見当たらなかった
「チェッ、バカバカしい。俺もさっさと帰るか」

そして教室を後にした俺は、校庭を出ようとした所で、門の陰にあいつが立っているのに気付いた

「あれ。お前、こんなとこで何してんだ?」
「な、何でもいいでしょ、別に! ・・・ちょっと人を待ってただけよ」
あいつは俺に気付くと、不機嫌そうに口をとがらせてプイッと脇を向いてしまう

うーん、まだ怒ってやがるな・・・ま、しょうがねぇかもしれねーけど・・・

「なぁ、さっきのことだけどさ」
「聞きたくない」
そっぽを向いたままのあいつから、間髪いれずに冷たい返事が返って来る

「いいから聞けってんだよ、あれは小悪魔の奴がさ」
「聞きたくないってば」
「お前なぁ、たまには素直に俺の話も聞けって!いいか?」
「あんたの話なんて聞きたくないって言ってるでしょ?別に何も話すことなんかないもん!」
あいつはそう言って振り返ると、尖った目つきで俺をにらみつけた

(うぅ、ヤバイ・・・こんなとこで言い争ってたら、また余計な噂が立っちまうぞ?)
後ろを通る他の生徒たちの視線を感じて、俺は慌てて目立たないよう、脇の方に引っ張った

「ちょっと、何よ!引っ張んないでよ」
「いやだからさ、お前、誰か来るの待ってんだろ?そいつ来るまで、もう少しこっちで話そうぜ」
「あんたこそこんなとこで油売ってないで、早く可愛い彼女に会いに行ったら?」
そう言ってあいつはまた、ツンとそっぽを向いてしまう

「だーかーらー、あれは違うんだって!」
「何が違うのよ」
「そもそもあれはさ、小悪魔の奴がいいアイディアがあるっつうから、聞いてみたら・・・」
「何よ、小悪魔小悪魔って!あんたのノロケ話なんか聞きたくないって言ってるでしょ!」
「なっ・・・別にノロケとかじゃねーよ!」
「もういいわよ。じゃあね、彼女とお幸せに!!」

そしてあいつは俺の腕を振り払うと、走って行ってしまった

(何だよあいつ。誰か待ってたんじゃなかったのかよ・・・?)
193 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/02/20(火) 01:39:26.41 ID:X0KmisAo
>>192 つづき

──そして、その夜

「・・・だからな、昼間はあれから大変だったんだぞ!?」

俺は思い切り文句をぶつけてやろうと、小悪魔に電話していた

「うふふっ、ちょおっと効き目が強すぎたのかなぁ?」

相変わらず能天気な小悪魔の声に、俺はムッとして思わず声が高くなっていた
「だいたいだな、お前が適当なことばっか言いやがるから、あんなことになるんだろーがよ」
「まぁまぁ、そんなに怒っちゃやぁよぉ、パパぁ♪」
「だっ、誰がパパだ、誰が!!」
「いいじゃなぁい別に。あの二人もぉケンカしてないんでしょ?わたしのおかげだぞっ、と♪」

(クッ、このヤロ・・・さては全然反省しとらんな?)

俺は落ち着けようと一つ息をつくと、改めて電話口に向かって話しかけた
「なぁ、いいか? 物にはやり方ってもんがあるだろーが!?」
「でも『勝てば官軍』って言葉もあるよねぇ」

それはちょっと違うんじゃねーのか・・・?

「ったくそれにしても、あんな下らねー噂まで流しやがって。だいたいお前だって、明日学校で
 他の奴らにジロジロ見られたり噂話されたりして、嫌じゃねーのかよ?」

俺がそう言うと。小悪魔はふと一瞬だけ間を置き、急に真面目な声に変わった
「・・・君は、そういう噂になるの、嫌だったの?」

俺はなぜかドキッとして、思わず反射的に答えていた
「あ、あたりめーだろ! 何でそんな変な噂の的にされなきゃなんねぇんだよ?」
「・・・」

小悪魔はそのまま黙り込んでいる・・・さすがに反省したってことかな、やっぱ

「だいたい、あいつにもあの子にも完全に変な誤解されてるし、何とかしなきゃまずいだろ?」
「・・・・・」
「聞いてんのかよ。まぁいいや、とにかく明日はあいつとあの子に、お前からも説明しといてくれよ?」
「・・・もぉ、分かったよぉ。 そっか、そーだよねぇ・・・変な噂じゃ困っちゃうよねぇ、アハハ」

何だか乾いたような笑い声が気になったが、ともかく俺はホッとしていた

「ま、まぁそういうわけで。ともかく頼むぜ、な?」
「はぁ〜い。・・・そんなに心配しなくても大丈夫よぉ、ちゃ〜んと明日、全部やっとくからさぁ」

そして俺は意味ありげな小悪魔の言葉が気になりつつ、そのまま電話を切った

(小悪魔の奴、何だか妙な言い方してやがったよなぁ・・・また変なことになんなきゃいいけど・・・)
194 :α :2007/02/20(火) 01:40:33.01 ID:X0KmisAo
ってことでそろそろ遅くなったんで、今夜はすまんけどこの辺でwwwwwwwwww
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/20(火) 01:56:59.99 ID:JEArPlMo
α氏乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwww


>やがてあの子はポッと頬を赤く染め、ふと目をそらす
>「ダメだよ・・・あなたには、もう・・・」

ちんだ(´ω`)
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/20(火) 08:04:22.86 ID:lZ/N1USO
α氏乙!糖化キター
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/20(火) 14:42:13.79 ID:rYwP.cDO
α氏まじおつ!今回すごい量だぜうwwwwwwwwwwwwww
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/21(水) 02:28:28.76 ID:7XtQE2.o
あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/22(木) 22:26:56.19 ID:9yKIwLA0
うわっ めちゃくちゃ来てるー
乙です
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/24(土) 03:00:25.72 ID:Jjt1VIAO
灯下ヤタwwwα氏乙wwwwww(^ω^)ノ
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/24(土) 12:44:10.41 ID:gadO4MSO
次回が楽しみだすwwww
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/25(日) 22:37:22.21 ID:3ai9/IAO
うおっ久しぶりに来たら大量に来てるではないか
α氏乙

よーし腕振るぞー
( ゚∀゚)o彡゜あいつ!あいつ!
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/27(火) 20:01:53.58 ID:CRRu22DO
( ´ω`)…あいつ……
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/02/28(水) 13:12:11.59 ID:J2KhP.SO
小悪魔萌えキボンヌ
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/02/28(水) 18:10:01.34 ID:5VP91yMo
あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/02(金) 03:27:32.65 ID:uMM5RcAO
アイツヲシンジテオレハマツゼ……(-.-)y-~~~
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/03(土) 23:07:41.15 ID:1I5XDkw0
ひなまつりでも小悪魔!小悪魔!
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/03/05(月) 15:35:47.37 ID:cxAkNJAo
( ^ω^)……あの子
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/05(月) 23:46:46.30 ID:TOG4gR60
まとめサイトって全然更新してないよな?
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/06(火) 11:17:42.22 ID:TMX1DsDO
まとめ氏は出張だっけか
211 :α :2007/03/08(木) 00:45:50.10 ID:YjE/SUUo
ご無沙汰してごめん、しばらくずっと忙しかったせいか
一段落ついたら今度は体調崩してて・・・orz

だいぶ体調も復活してきたんで、週末には復帰しますね><
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/09(金) 05:03:10.58 ID:MC6FEgAO
頑張れ(≧ω≦)
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/09(金) 07:01:57.04 ID:pM0llgSO
復帰宣言キター
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/03/09(金) 19:01:59.58 ID:8luKDM2o
あの子クル━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!?????
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/10(土) 17:33:10.04 ID:N0ondQDO
週末はあいつでふ(;´ω`)
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/11(日) 19:01:26.18 ID:YZDrhsSO
復帰マダーー?
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/11(日) 23:08:26.06 ID:XpUVUrAo
月末の間違いです
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/14(水) 15:13:46.56 ID:jTEvg.SO
マダーー?(・ω・;)
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/03/15(木) 00:06:54.31 ID:G7oTEbso
(´ω`)……あの…子?
220 :α :2007/03/16(金) 01:21:47.91 ID:usWJZggo
すいません・・・先週からまた色々あってサボっちゃいましたorz
さすがにそろそろ落ち着くとは思うんで、もうちょいお待ち・・・
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/16(金) 13:54:06.66 ID:kS4q4.SO
koakuma-kibonnu
222 :α :2007/03/18(日) 14:50:37.21 ID:mxaBb/6o
すんません、また風邪ひいたみたいで今くたばってますorz
たぶん会社で隣の奴に伝染されたんだよなぁ><

・・・てことですいません、今日は一日中寝てます(´・ω・)
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/03/18(日) 19:26:58.90 ID:zzAIQDIo
あの……子(´ω`)…萌…え……?
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/19(月) 14:36:20.81 ID:g8tSigDO
あいつあいつ( ^ω^)
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/20(火) 20:38:45.87 ID:jE2P2sAO
あいつ…キボン…ヌ。
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/21(水) 14:21:37.61 ID:.SVPK8U0
ゆっくりでいい!
その炎を途絶えさなければいい!
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/22(木) 16:04:43.55 ID:IwviwwSO
つ[小悪魔萌え!]
228 :マーク「晩御飯中!」 :2007/03/27(火) 20:26:49.48 ID:D0FFF6DO
もう…あいつにあえない日々が…どれだけたっただろうか………
229 :以下、名無しにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/03/29(木) 23:40:03.83 ID:o.KtBLoo
あの子萌え
そんなふうに言っていた時期が
おれにm

あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
230 :以下、名無しにかわりましてパー速民がお送りします :2007/03/30(金) 11:12:43.40 ID:pbunx2AO
あいつが欲しいです……(´・д・`)ホシス…
231 :まとめ草 ◆xAiTSU88R2 :2007/04/01(日) 03:36:23.90 ID:3wCO1FU0
えー、皆さん。大変申し訳ございません。
まとめサイトのデータが全て飛びました。
もう更新出来ません。本当にすいません(´;ω;`)

大嘘こきましたwwwwwwwwwwwwwwwwwwサーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
長い出張も終わり、無事に会社も辞めて、次の就職先も決めて、引っ越しも終わって
やっと楽になりましたwwwwwwwwwwwwww
月曜日から仕事ですが、今までより忙しいという事は多分ないと思うので
ボチボチ今ある分のシナリオを登録して、次へ繋げます!

と言いつつ今まではすぐに忙しくなって死んでたので、
今度は皆さんを裏切らないように頑張ります(`・ω・´)
長文すんません><
232 :以下、名無しにかわりましてパー速トップ絵募集中 [あの子あの子]:2007/04/01(日) 19:34:38.02 ID:Bcc23iko
産業だけ読んで泣いた

あの子萌え…(´ω`)
233 :以下、名無しにかわりましてパー速トップ絵募集中 :2007/04/03(火) 21:59:36.62 ID:AJ/..8A0
妹が小悪魔に似すぎてる件
234 :以下、名無しにかわりましてパー速トップ絵募集中 :2007/04/04(水) 11:13:10.18 ID:rQ8n.2DO
シナリオ登録なら俺も暇な時にちょこちょこやってみるよぉ〜♪
235 :以下、名無しにかわりましてパー速トップ絵募集中 :2007/04/04(水) 16:25:05.49 ID:Z.XlrcSO
で、更新は?
236 :α :2007/04/05(木) 22:10:23.26 ID:bRpvcEAo
ずっとサボっててすいません、どうやらまとめ氏と入れ替わりで
春から死ぬほど忙しくなったみたいです><><
昇進させてやる、とか部長の甘い言葉に乗せられた俺がバカでしたwwwwwwwwwwwwww

とりあえず今週の会議は議事録書きから解放されたし、レポート締めは来週だから
今週末こそ何とかなるかな・・・つかチャンス少ねぇヽ(`Д´)ノ
237 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/07(土) 08:29:57.27 ID:xgZAJcDO
仕事もガンガレα氏( ^ω^)
238 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/10(火) 16:44:31.40 ID:FKcsQYSO
もう話終わりでもいいから更新キボン
239 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/15(日) 01:26:47.14 ID:K5PGHgSO
せめて完結させてくれ
240 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/15(日) 20:46:51.06 ID:fqbUgcDO
…( ´ω`)
241 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/15(日) 23:52:54.95 ID:XfDcNyQo
あの子……(´ω`)萌え……
242 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/16(月) 18:23:10.00 ID:nHa/Xas0
みんな気長にまとーぜ!人生なげーよ
243 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/17(火) 10:46:05.74 ID:T/Lr6MDO
人生長いようで短いもんだ……
244 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/17(火) 15:05:22.55 ID:FjsqrsM0
かといって急かすのもどうかと思う
2の次でいいから続けていってもらいたい
245 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/17(火) 19:00:26.58 ID:e4p1WgYo
しかし待ち続けた結果のこの現状。
これは住人全員が頑張るか諦めるかの時かもわからんね(´・ω・`)
246 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/17(火) 23:13:41.68 ID:FjsqrsM0
そこで考えた打開策が住民もSS書かないか?
本編ばっかりはα氏とか職人さんにまかせたほうがいいと思うが
書きたい住民もいるだろうしスレも活気付くだろうし。
247 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/20(金) 13:11:02.21 ID:sEh3r2DO
VIPでやってたころより明らかに職人達のモチベ下がってるよな
てか正直SSとかかけない俺………
248 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/21(土) 00:19:20.21 ID:zRba4dEo
絵の練習してたのにネトゲにはまってむしろ下手に……(´ω`)あの子あの子
249 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/21(土) 22:24:50.67 ID:Cp69JQ60
ってことでみんなSSとか絵とかどんどん描いていこうぜ!
VIP復帰だって夢じゃなくなるかも!
250 :α :2007/04/21(土) 23:10:21.90 ID:/NtsWako
ごめん、続きとか少しずつ考えてはいるんだけど
いつも時間なくなってそのまんまになっちゃうんだよなぁ・・・

何か最近、プチ冨樫みたいになってきてるような。。
・・・って、俺にあんだけ自分勝手が許されるぐらいの才能あるわけじゃないけどさwwwwwwwwwwww

てことで皆も絵とか何とかで盛り上げてくれると嬉しいですねえ。
自分もこの週末はどっかで時間つくって来るようにしますんで、、

とりあえず残ってた仕事(報告書系)はもうすぐ終わりそうだし。
251 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/22(日) 08:07:32.01 ID:9pQEr4E0
まってるよー
会社からwww
252 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/24(火) 08:30:17.74 ID:IYdIAwDO
(´・ω・`)……
253 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/24(火) 20:59:26.96 ID:9i83bYAO
ちょっとずつでも書き込んで気長に待ちましょうか(´A`)
254 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/26(木) 11:56:59.56 ID:kIZ0lYDO
( ´ω`)…誰も書かないな……いいだしっぺはどうしたんだ………
255 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 [あの子あの子]:2007/04/27(金) 04:22:15.41 ID:bU9GJ5Mo
文才も何もあったもんじゃあないお……(´ω`)
256 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/04/29(日) 18:53:29.92 ID:3c4Lp7U0
ああぁぁあいつうぅはまだですかあぁぁ………
絵師の方々は元気でやってるかな( ´ω`)
257 :NoName :2007/04/30(月) 23:53:43.46 ID:aq6z.dQ0
あ…の子は…
258 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/07(月) 08:09:47.44 ID:SvGAk.SO
小悪魔タン キボン orz
259 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/09(水) 23:39:51.47 ID:1XP4rkDO
´ω`………
260 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/10(木) 03:38:37.21 ID:sqZnpYoo
あの……あ……の……?(´ω`)
261 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/12(土) 10:48:55.71 ID:JI.O4sSO
(゚Д゚)
262 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/16(水) 07:37:27.04 ID:0LEHVoSO
ねばーぎぶあっぷ orz
263 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/18(金) 23:04:41.93 ID:ecbftws0
(´ω`)お…おお…お?
264 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/21(月) 23:57:42.76 ID:gVSPwQDO
結局職人がいないとどうしようもないんですね
その職人たちももうこのスレ見捨ててるっぽいし…ほんとどうしようもない
265 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 [sage]:2007/05/25(金) 23:56:36.17 ID:Zk8CENgo
(゚ε゚)キニシナイ!!
266 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/26(土) 12:29:12.30 ID:8ohb0.SO
せめて続きをorz
267 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/05/31(木) 22:09:19.24 ID:nVy8jhY0
ふゅーちゃー
268 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 [sage]:2007/06/02(土) 19:53:53.98 ID:jaOhCISO
( ´ω`) ……
269 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/06/03(日) 21:24:37.99 ID:hDjr20s0
あの子はまだか?
270 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/06/04(月) 01:28:29.11 ID:D0k3E.DO
あいつまだー?
271 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/06/12(火) 01:13:34.31 ID:KlTLi.DO
レス無し一週間越えを記録しました。
272 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 [sage]:2007/06/12(火) 05:31:13.40 ID:Ey2KoC2o
書く人も描く人もいないからなぁ……の子あの子
273 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/06/14(木) 12:40:15.42 ID:qgBK4EDO
これ2年前くらいに見た気がするんだがまだやってたんだww
子悪魔かわいいよ子悪魔
274 :VIPにかわりましてパー速からお送りしますPart774 :2007/06/22(金) 07:48:56.34 ID:h1GZyYSO
少しでも文を書けるひと挙手
275 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/01(日) 12:30:50.02 ID:LANmj2DO
もう7月か…
276 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/03(火) 21:27:02.34 ID:ErnxqnI0
ここはいったんVIPでたてて新しい書き手でもさがーす?
277 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/10(火) 09:40:28.60 ID:gf.tzkDO
そもそも今ここに何人残っているんだろうか…
278 :VIPにかわりましてパー速からお送りします [sage]:2007/07/10(火) 20:12:53.47 ID:HEk59I2o
不思議なのはまとめに訪れる人の数が以前からずっと変わらないって事なんだが(´ω`)あの子あの子
279 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/11(水) 07:41:34.08 ID:ruprzUSO
小悪魔「書き手さん来ないねぇ」 あいつ「べっ別に新しい人だっていいんだからねっ」
280 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/19(木) 14:57:54.61 ID:kqAPges0
もうVIPにたててあたらしい書き手募集しようぜ!
テンプレつくろ!!
281 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/19(木) 21:58:13.57 ID:kqAPges0
もう動かないのはごめんだぜ!
いる人でもいいから一緒に動かそうぜ!
【新書き手】女の子とぶつかった【募集!】
事情・現状かくかくしかじか

こんなかんじにしないか?
282 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/19(木) 22:59:18.74 ID:7GfDDKQ0
いいんじゃね?
283 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/19(木) 23:56:18.81 ID:kqAPges0
明日かあさってには立てたいな。
時間帯とかどうする?
284 :VIPにかわりましてパー速からお送りします [sage]:2007/07/20(金) 05:46:50.71 ID:6O/LLT.o
VIPに立てるのはどうかなと思うがなwwwwwwwwwwwwwwwwww
しかし動かないと進展もしない……やれやれだぜ(´・ω・`)
285 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/20(金) 20:18:05.47 ID:ZUO8KhI0
>>284
ダメだったら別の手を考えればいい!ここまでいい話書いてくれたんだから
このまま終わるほどもったいないことは無い!いなくなった書き手さんにも感謝しかないぜ
>>1-4のテンプレの先に現状書いたほうがいいよな?
286 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/22(日) 04:40:25.92 ID:cZOpYUs0
まとめ更新されなったし自然消滅かーっなんて思ってたのにパー速でやってるとは…
もう2年近く経つんだな
287 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/22(日) 10:52:44.89 ID:W7wlV4Yo
>>286
また消滅の危機なんだぜテンプレ作ろうぜ!

【新書き手】女の子とぶつかった【募集!】
今までがんばってくれた書き手がいなくなってしまったんだぜ!
もうしばらくこないんで仕方なく新しい書き手を募集するぜ!
どんどん書いてみてほしいんだぜ!!!!1


ベタだけど壮大な、真のツンデレラストーリー。
そして、生み出される数々のパラレルワールド。
職人達が織りなす、ツンデレクオリティ。

【関連】
まとめサイト
http://onnanoko-to-vip.hp.infoseek.co.jp/

暫定まとめサイト
http://www.h6.dion.ne.jp/~v-no1/aitsulove.htm

暫定まとめサイトU
http://www.geocities.jp/vip_onnanoko/

まとめサイト for Mobile
http://onnanoko-to-vip.hp.infoseek.co.jp/i/

あとは普通の
288 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/22(日) 10:52:57.54 ID:W7wlV4Yo
これでどうっすか?
289 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/22(日) 18:27:56.09 ID:fjbeRsQo
(^ω^;)

むしろさり気なく募集して欲しいと思うのは保守的な考えだろうか
半分も読んでいない人があいつやあの子を書いたら何か違うキャラになりそうな悪寒が……
全く同じにしろ、というわけでもないがな(´ω`)あの子あの子
290 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/22(日) 18:38:23.60 ID:W7wlV4Yo
>>289
たしかにそうだおね。
保守するメンバーがいればいいんだけど・・・
いっぱい人が集まれば書き手候補を何人も出してその中から選ばせてもらうっていう感じがいいんだが。
でもまあこれまで作り上げてきたストーリーにそれくらいの余地はいるよな
291 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/07/25(水) 22:47:21.34 ID:KifWnUDO
前保守してたときはコテの人達がきてくれるってわかってたからこそ保守も頑張れたってもんだが………
そのコテの人達すら来てくれるか分からないとなると保守する気なくなってくる
292 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/08/05(日) 17:57:57.14 ID:q9kOdEDO
( ^ω^)あいつあいつ
293 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/08/16(木) 23:09:35.83 ID:86GHseQo
これはなんという
294 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/08/17(金) 07:18:43.32 ID:i/gQAMDO
自然消滅ヤダー
295 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/08/27(月) 21:53:06.89 ID:llLslZc0
( ´ω`)もうすぐ8月も終わりか………
296 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/08/28(火) 22:46:44.10 ID:3gRWmgoo
俺はいつまでも(´ω`)あの子あの子
297 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/09/10(月) 07:43:26.34 ID:pw5r.ESO
小悪魔っ!小悪魔っ!
298 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/09/12(水) 09:45:54.74 ID:Y/RHCADO
あいつ・・・
299 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/09/21(金) 23:28:52.62 ID:nK6ppaI0
(´・ω・`)あの子…
300 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/09/23(日) 13:09:15.05 ID:rFZxkMDO
あいつにもう会えないのか
301 :VIPにかわりましてパー速からお送りします :2007/09/23(日) 23:37:01.39 ID:9djpFB60
マジで終わるのか?
302 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 :2007/09/27(木) 10:43:17.79 ID:wnZSJQDO
まぁ…このままじゃ確実に終わる
303 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 :2007/09/28(金) 00:01:48.47 ID:PeMT3Fco
ここが落ちてまとめの掲示板も全て消滅した時が本当の終わりだな(^p^)
304 : ◆RSfqKE6tuk :2007/09/30(日) 13:29:52.90 ID:vyIsUdco
終わりじゃなくて、1冊の本ができあがったって考えはだめ?
そんな俺は今入院中、本日一時帰宅とりあえず ほしゅ
305 : ◆RSfqKE6tuk :2007/09/30(日) 13:37:26.88 ID:vyIsUdco
あと、職人さんたち本当にありがとう、僕は種をまいただけでここまでそれが育ったってのも本当にうれしいです。
VIPに依頼する件もありだと思いますが文学系の板にお願いしてみるものありだと思います。両方ありだと思います。

306 : ◆RSfqKE6tuk :2007/09/30(日) 14:04:16.62 ID:vyIsUdco
>>254
入院中です。今日は一時帰宅、それなりに社会的責任は感じてます。



それなりに。
307 : ◆RSfqKE6tuk :2007/09/30(日) 14:06:55.27 ID:vyIsUdco
>>279
そのノリでいいとおもうんですよね。パラレルワールドだから。αさんみたいに優秀に仕上げる必要も無い。
あるがままおもいのままでいいんです。初期のころを見てください。
308 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 :2007/09/30(日) 18:01:53.03 ID:F8N1nWo0
俺の考えではやっぱ文学系のところに頼むのはやっぱり違うと思うんだぜ。
「VIPでやるからこそ」なんて聞き飽きたセリフかもしれないけどやっぱ大事なことだと思う。
てことで明日辺りに書いた奴うpしていい?
309 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 :2007/09/30(日) 22:37:26.21 ID:SlQwOGg0
おkおk
310 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 :2007/10/01(月) 00:35:07.48 ID:2EkRI6DO
おおー>>1久しぶり!てかコテの人自体久しぶりだなww
入院おつかれさん。とりあえず一時帰宅乙

ちなみに俺ももしスレ立てるならVIPで
311 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/10/01(月) 14:53:25.03 ID:sKlBjU2o
こんな空気の中ご無沙汰です。実は自分が管理している(していた)暫定まとめですけど、
プロパイダを変更したためにアドレスも変わりました。
もう1ヶ月も前のことなんですけど、報告忘れてました。ごめんなさいorz
http://www.mni.ne.jp/~sytst/aitsulove.htm
新しいアドはこれです。よろです。

ちなみに自分もどうせスレ立てるならVIPで、と思う一人です。
312 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 :2007/10/02(火) 12:54:23.06 ID:29sAO.DO
デス氏おひさー( ^ω^)
313 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 :2007/10/08(月) 23:51:16.31 ID:uVhO5wDO
そういえばうpがまだない(´・ω・`)
314 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 [sage]:2007/10/13(土) 05:08:00.84 ID:pFSoB4Qo
スレは活気付いたけど、どのキャラも全くの別物になってしまった

という夢を見た(´ω`)あの子あの子
315 :VIPにかわりましてパー速からトップ絵募集中 :2007/10/14(日) 17:37:32.38 ID:B6qfZsDO
あいつが俺を選んで結婚してニャンニャンしちゃう夢なら俺も見た気がする
316 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/10/20(土) 23:09:03.23 ID:pofCxTEo
20日ぶりくらいですこんばんわ。えーと今回はまた別の報告があって来たんだぜ。
実は勝手に一人でゲーム化を進めてます><

とは言っても、本当に勝手に作ってるもので、あんま人の手を借りずに自分だけで作ろうと思ってて。
だから完全にアンオフィシャル。こっちのやりやすいように多少シナリオもいじるかもしれない。
完成したら報告しようと思ってたんだけど、コテが誰もいなくなる中捕手してくれてたみんなには、
黙ってちゃいかんだろって思って報告に来ました。とりあえず年内を目標に頑張ってます。

状況は自分とこのブログで逐一載せてるんだぜ。
http://blog.livedoor.jp/forza_ts93/

頑張って作るので見守ってください><
キャラは多分、別物にはなってない…と思うwwwwwwwwww
ちなみに絵はこんな感じ。
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/c/3/c35be48c.jpg
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/4/2/42ede960.jpg


それと、これからは出来るだけ顔出すようにしますwwwwwwww
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/10/21(日) 01:48:29.08 ID:PVVxx0so
あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
318 :α :2007/10/21(日) 03:25:38.83 ID:FJixqYUo
こんばんわですー
何かずっと放置しちゃってごめんなさいです><><

最近、やっと仕事も落ち着いてきてメンタル的にもだいぶ安定してきたんで
そろそろ復活しようかな、と勝手に戻ってきてみました。。。

今、少しずつだけど話のプロット考えてる最中ですんで、まだ投下できるほどにはなってないけど
それが形になったらまた書きに来ますねー

ではでは、よろしくです。。
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/10/22(月) 20:10:58.17 ID:uAJKKgYo
>>318
きっきっきっきたあああああああああああああああ
遅くなってどうしたんだよ!!!ふざけんなよ!!!
この作品はもうあな書かないと成り立たなくなってきてるんだから・・・
もう消えないでくれよ・・・
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/10/22(月) 20:15:11.19 ID:uAJKKgYo
>>319
みすったwwwwww「あなたが書かない」とでつ
321 :α :2007/10/23(火) 01:05:25.00 ID:TQMstk6o
>>319
マジすんませんwwwwwwwwwwwwなんか色々あったりしてねwwww
一応消えないけど、まだまとまってないんでもうちょい待ってねww

ホントは元々かなり遅筆なんで、拙速にやるのも何かおれ的には納得いかないしww
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/10/23(火) 09:44:27.05 ID:5bpuG.DO
あれwwwwコテおおすwwいつのまにwwwwww
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/10/27(土) 01:57:39.62 ID:cZK71cDO
よかった、完全に蒸発してしまったのかと思った(;´д⊂)
超wktk
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/10/27(土) 22:15:56.80 ID:0HZDipU0
蒸 発 し た と 思 っ て い た ら


再 開 し て た の か
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/10/27(土) 22:40:07.92 ID:gXxIs2DO
久方ぶりのあいつ分補充マダー(´ω`)
326 :α :2007/11/01(木) 01:19:56.55 ID:eAW/eGMo
さて、と。
遅くなったけどとりあえずやっと書き終わったんで、投下してから寝まーすww
327 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:20:52.70 ID:eAW/eGMo
短編 〜エレベーター・パニック〜

「おい、ちょっといいか?」

ある日の放課後、俺は廊下で社会科の教師に呼び止められた

「はぁ。何すか?」
「ん。この資料なんだけどな、ちょっと資料室まで戻して来てくれないか?」
そう言って教師が指した先には、大きめの段ボールが2箱積み上げられていた・・・

「ちょ、ちょっと、って量じゃないでしょこれ!?」
「まぁそう言わずに頼むよ。職員室には置いておく場所もないし、俺はこれから会議でな」
「そんなこと言ったって、何で俺ばっかり・・・ぶつぶつ」
「お前、こないだも遅刻してたの見逃してやっただろ?これで貸し借りなし、だな」
「チェッ・・・わかりましたよ」
「うむ、頼んだぞ!」

社会科の教師はそう言うと、そそくさと行ってしまった

「ったく、弱みにつけ込みやがって・・・こんなもん一人で運べっかよ!?」
そう文句を言いつつ、俺はまだ残っている奴がいたら手伝わせようと、教室に戻ってみることにした


教室に戻ると、ちょうどあいつが一人で戸締りをしている所だった

「あら、あんたまだいたの? そろそろ私帰るけど」
「お、助かった!なぁ、これからちょっと付き合ってくんね?」
「え?ちょっと、何よ?」

そして俺は怪訝な顔のあいつの腕を引っ張って、廊下に連れ出した
328 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:21:28.66 ID:eAW/eGMo
>>327 つづき

「・・・ってわけでさ、悪ぃけどこれ運ぶの手伝ってくれよ」
「やだ」
一言で切り捨てられた・・・

俺は慌てて、踵を返そうとするあいつの腕をつかんで呼び止めた
「だ、だからちょっと待てって。なぁ、頼むよ・・・お礼はするからさ」
「お礼?」
「ああ、お前、駅前の何とかって店のパフェ、食いたがってたろ?」
「え? もしかしてパフェ・オブ・ファンタジアDXのこと?」
「そうそう、その何とかってやつ。どう?」
「うーん・・・ま、そこまで言うならしょうがないか。いいわ、手伝ったげる」
「よっしゃ、じゃあ早速始めようぜ」
そう言って段ボールをあいつに1つ任せると、俺ももう1つの箱を抱え上げた

「それで、これどこに運べばいいの?」
「社会科資料室」
「・・・えぇ!?それって旧館じゃない!」
あいつは段ボール抱えたまま立ち止まり、そう不満げな声を上げた

「何だよ?しょうがねぇだろ、そこまで持ってけっつう指令なんだから」
「だって・・・あそこ暗いし建物古いし、何か怖いんだもの」

社会科資料室のある旧館は、建てられてからかなりの年月が経っている、古い建物だ
普段はもう教室としては使われておらず、資料室や古い机や椅子などの倉庫になっている
しかも目的の社会科資料室はそこの4階にあって、薄暗い建物の奥まで行かなければならない
というわけで、あいつが嫌がるのも無理はないと言える

まぁ倉庫主体の建物だからエレベーターがあって、階段で昇らずに済むのは助かるけど・・・
329 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:24:22.38 ID:eAW/eGMo
>>328 つづき

──何とか資料室まで荷物を運び、俺たちは帰りのエレベータに乗っていた

「このエレベーター、何か古くて怖いわよね」
「まーなぁ。何か妙に揺れるし」
「・・・ね、揺れ方ちょっと変じゃない?」
「えー、気のせいじゃね?行きもこんなもんだったろ」

そこまで言った瞬間、ガガッッと嫌な音がして強く揺れた後、エレベータはそのまま止まってしまった

「えっ!?や、やだ、これ止まっちゃったわよ?」
「何だろ、地震か何かみたいな感じだったけど」
などと言っていると、室内の明かりがまばたきするように2、3度明滅した後、フッと消えてしまった

「キャッ!」
「うわ!!」

一瞬、辺りが真っ暗になって俺たちはパニックを起こしかけたけど、すぐに非常灯の淡い光が灯った
「停電か・・・多分、非常電源に切り替わったんだな」
「えぇ〜!じゃ私たち、閉じ込められちゃったの!?」

薄暗い中にもだんだん目が慣れてきて、ようやく俺は少し落ち着いて来た
「とりあえず非常呼出ボタン押してみよう、インターホンで誰か出るんじゃねーかな」
俺は【非常】と書かれたボタンを何度か押してみたが、何も反応らしき物はなかった

「誰も出ないの?」
あいつは心細そうな声を俺にかけて来る

「ああ・・・停電のせいかな?それともさっきのショックで故障したとか・・・」
330 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:24:56.13 ID:eAW/eGMo
>>329 つづき

「もう!こんな時に使えないんじゃ、非常ボタンの意味ないじゃない」
「んなこと俺に言われたって・・・あ、そうだ!携帯で誰かに助けに来てもらえばいいんじゃん」

俺はポケットから携帯を取り出すと、あの子の番号を呼び出した
「うわ、電波弱ぇ・・・つながんのかな? あ、もしもし!?俺だけどさ。おーい、聞こえる?」
電話は一瞬つながったが、まともな会話も出来ないまま、ピーッと音がして切れてしまった

「ありゃ・・・しまった、電池切れかよ! なぁ、お前もかけてみてくんね?」
振り返ってあいつにそう声をかけたが、あいつはふるふると首を横に振った

「えーっとね・・・実は教室に携帯置いてきちゃった。てへ☆」
あいつはそう言って軽く舌を出し、微妙な苦笑いを浮かべている

「ったく、『てへ』じゃねーよ・・・肝心な時に使えねーんだからな」
「しょうがないでしょ、またすぐ教室に戻ると思ったから、鞄に入れっぱなしだったんだもん!」
そう言って口を尖らすあいつに、俺も仕方なく肩をすくめた

「ま、今さら言ってもしょうがねぇか・・・それよりどうする?閉じ込められちまったみたいだけど」
「どうって言われても・・・どうしよ?」
「うーん・・・」

あいつはそのまま、頭を抱えて床にぺタッと座り込んでしまった
俺もその隣に腰を下ろして、投げやりに体を壁に預けた

行き詰まった状況に、思わずため息が出てしまう
「あーあ、どうすっかなぁ・・・」

そして何となく天井を見上げた俺の目に、ふとある物が映った
331 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:25:27.37 ID:eAW/eGMo
>>329 つづき

「なぁ。あれ、もしかして非常用の脱出口じゃね? あそこから出れるんじゃねーかな」
「え、脱出口?でもどうやってあそこまで登るのよ」

やっと見つけた糸口にも、あいつはまだ不安げな顔をしている

「そりゃあ・・・俺が下から持ち上げてやっから、お前があのフタ持ち上げて登ってくれよ」
「いや」
「何でだよ!?」
「じゃ私が下になるから、あんたが私の肩に乗って上がってよ」
「そんなの無茶だろ、いくらお前だって。つか体重軽い方が上になった方がいいに決まってんじゃん」
「何よ、どうせ下から私のスカートのぞきたいんでしょ。スケベ!!」
そう言ってあいつはべぇっと舌を出した

「お前なぁ、こんな時にそんなこと考えてるわけねーだろ!!だいたい、この暗さじゃ見えねーよ」
「じゃ、明るかったら見るんだ?」
「そりゃまぁ・・・って何言わせんだよ!!お前のパンツなんか、頼まれたって誰が見るか」
「嘘ばっかり!!いっつも私にエロいことしてくるくせに」
「ひ、人聞き悪いこと言うんじゃねーよ!!ほとんどいつもお前が勝手に誤解してるだけだし」
「何よこの、エロエロ魔人!!」
「んだとぉ!?」

──そんなこんなで言い合いしつつ、あいつはしぶしぶ納得したようだった
332 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:26:00.91 ID:eAW/eGMo
>>331 つづき

「届くか?」
俺は肩車であいつを乗せて立ち上がると、頭の上のあいつに声をかけた

「一応、何とか届くけど。でもこの姿勢じゃ力が入んないかも」
頭上からあいつの声が返って来る・・・何だかちょっと不思議な感じだ

「そっか。じゃ、足押さえててやるから、もうちょい腰上げられるか?」
「ん、やってみる・・・ちょっと、上見たらひっぱたくわよ!?」
「見ねーっつってんだろ、ったく」

いくら女の子とは言え、さすがにこの体勢で更に持ち上げるのはキツい・・・

「っしょ、ハァ、ハァ・・・なぁ、これでどうだ?」
「うん、これなら行けそう。あ、このフタ結構簡単に開くのね」
「よおし、そのまま登れるか?」
「やってみ・・・キャッ!!」

その時、エレベータ全体がまたグラリと揺れた
バランスを崩したあいつが、そのまま床に落ちそうになる

「危ねえっ!!」
俺はとっさにあいつを受け止めようと、体をひねって手を伸ばす

ドスン!!という衝撃と共に、俺とあいつはもつれるように床に倒れこんだ・・・
333 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:26:32.13 ID:eAW/eGMo
>>332 つづき

「あいたた・・・ご、ごめん。大丈夫?」
あいつは先に立ち上がって、俺の手を引いて起き上がらせてくれる

「ん、まぁな・・・痛っ!」
立ち上がった拍子に、右足首に鋭い痛みが走る
どうやら、もつれ合った時のドサクサで足を捻ったか何かしたらしい

「ちょっと、大丈夫!?足、痛むの?」
「んー、少しな」
「無理に立たない方がいいわよ、じっとしてて」
あいつはそう言って俺を座らせると、自分も隣に座って俺の右足に手を当てた

「・・・良かった、骨は大丈夫みたいね」
「お前こそ、平気かよ?急にバランス崩すから焦ったぜ」
「ホントにもう、ボケッとそのまま下敷きになるなんて!!何でよけなかったのよ?」
「よけるとか出来るわけねーだろ、お前が怪我するじゃん」
俺がそう言うと、あいつは不意にプイッと脇を向いてしまう

「・・・っとにもう、バカなん・・・」
「え?何か言った??」
「何でもないわよ、バカ!」
あいつは振り返ってそう言うと、クルリと背中を向けてしまった

よく見ると、あいつは耳たぶまで赤くなっている

(何だよ、急にまた怒り出して・・・何かまずいこと言ったっけ?)
334 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:26:57.38 ID:eAW/eGMo
>>333 つづき

──そして、どのぐらい経ったろうか

始めは何やかやと言い合いしていた俺たちも、いつの間にか口数が少なくなっていた

「・・・ね、まだ痛い?」
ふと、あいつがそう聞いてきた

「足のこと? んー・・・ま、ちょっとはな」

本当はもうそれほど痛くはなかったけど、何となく俺はそう答えておいた方がいいような気がした
それに、さすがにまだあいつを肩車して天井まで持ち上げる、なんてのは無理そうだったし

あいつは一瞬何か言いかけたが、すぐに小さく息をついて口をつぐんだ
そして、今度は全然別の話題を出してきた

「ねえ、あんたってさ、ああいうピンチの時になるといっつもあの子を頼るよね」
「え!?そ、そんなこと・・・まぁ、何となくあの子なら頼みやすいっつうか・・・」
「ふぅん、そうなんだぁ」
「な、何だよ急に、変なこと聞いてきやがって」

あいつは何だか意味ありげにちょっと微笑むと、遠くを見つめるような目になった

「同じ中学、だったんだっけ」
「あの子と? まぁな」
「そっかぁ・・・いいなぁ、何か羨ましいな。そういうのって」
「そうか? ま、昔なじみだから何でも話しやすいってのはあるかな」

俺がそう言うと、あいつは少し寂しそうに微笑んだ
335 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:27:25.87 ID:eAW/eGMo
>>334 つづき

「私は高校で引っ越しちゃったからなあ・・・」
「そういや、そうだったな」
俺が相槌を打つと、あいつは小さな声でつぶやいた

「・・・私も、その頃に一緒にいられたら良かったなぁ」
「ん?何か言ったか?」
そう聞き返すと、あいつはハッと我に返ったようにピクッと体を震わせた

「べ、別にあんたのことじゃなくて、あの子と一緒だったらなって・・・って何でもないわよ、バカ!」
そう言ってあいつは急に俺の右足をバシッと叩いた
「痛っ!!何すんだよ!」
「ふんっ、だ。知らないっ!!」
「つっ・・・何だよ、ったく。ワケ分んねえなぁ・・・」

プイッとそっぽを向いているあいつに軽く悪態をつくと、俺は天井を見上げてため息をついた
「あーあ、腹減ったよなぁ・・・どうすっかなぁ、これから」
「・・・」
あいつは俺の言葉を聞いているのかどうか、脇を向いたまま黙っている
「今何時頃だろ」
「・・・」
「掘ったイモいじるな?」
「・・・・・」
「斉藤寝具店」
「・・・それ、どこの初海外旅行のおじさんよ!?」
「何だよ、聞こえてんじゃねーか」

俺の言葉にも耳を貸さず、あいつは俺の服の袖を引っ張った
「馬鹿なこと言ってないで、ねえ! このエレベータ・・・何か下がってない?」
336 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:28:12.03 ID:eAW/eGMo
>>335 つづき

「へ!?」
慌てて口をつぐむと、俺も周りの様子をうかがおうと集中してみた

 『ギッ・・・ギシッ・・・』

よく聞くと時々何かが軋むような音が聞こえ、その度に確かに少しずつ下がっているような気がする

「ね、下がってるでしょ?」
「確かに・・・でも、どうしたんだろ」
「そう言えば、こないだニュースで見たんだけど。古いエレベータの不具合とかって・・・」
「あー、そういや何か言ってたな。ワイヤーが錆びてどうとかって奴だろ? って、まさか!?」
「たしかT社のエレベータでいくつも見つかった、とか言ってなかった?」

そして恐る恐る操作パネルの方を見てみると、銘板にはあちこちで見かける "T〜" のロゴが・・・

「ちょ、ちょっと待て。これ・・・」
「や、やっぱり、そう・・・なのかな?」

俺たちは思わず顔を見合わせた

──と、その時

 『ガッ!! ガタガタッ!!!』

俺たちを乗せたエレベータが、嫌な音とともにハッキリと下に動き始めた

「え、え・・・やだ、どうしよ!?」
「マ、マジかよ!?」
337 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:28:43.72 ID:eAW/eGMo
>>336 つづき

「やだっ・・・もしかして、私たち、このまま・・・」
あいつは青ざめた顔でかすかに震えていた

「バ、バカ!変なこと言うなって!!」
「だって・・・」

か細い声でうつむくあいつが何だか弱々しく見えて、俺は思わずギュッと抱きしめた

「──だ、だ、大丈夫。も、もし何かあったって・・・ま、また俺が下で庇ってやるから、さ」
「・・・バカ。声、震えてるわよ」

あいつはそう言いながらも俺の胸にそっと体を預け、そのまま目をつむった
俺はあいつの背中に回した手に、軽く力を込めてやる

「・・・」
「・・・」

少しの沈黙のあと、あいつは軽く涙で潤んだ目で俺の顔を見上げてきた
「ね・・・もし、これで最後でも、私・・・あんたと一緒で、良かっ・・・」

最後の方はもう、言葉にならなかった

そして、そのまま、二人の唇が吸い寄せられるように───

 『ガガガガッ!!・・・ダァンッ!!!』

大きな軋み音と共にエレベータが激しく揺れ、俺とあいつはバランスを崩して転がってしまった
338 :α ◆6ytwm3xJRY :2007/11/01(木) 01:30:41.17 ID:eAW/eGMo
>>337 つづき

「イテテ・・・」
気が付くと、あいつが俺の上に覆いかぶさるような姿勢で、二人でもつれて倒れているところだった
大丈夫か、と声をかけようとした時、エレベータの扉が軽く軋む音を立てながらゆっくり開いて行った

「やっぱりここだったんだ!!良かった、心配したんだよ!?ねえ、あなた大丈・・・!!」
扉が開くや否や、女の子の弾むような声が飛び込んで来たが、その声は途中で固まってしまった

そちらに顔を向けると、あの子が口に手を当てたまま、唖然とした顔で俺を見つめていた
いや、あの子は "俺たち" を見つめていた

自分の状況を見直してみると、俺の上にはのしかかるようにして、あいつがいる
そして、二人の顔は今にもキスしそうなぐらいの距離だった(いやまぁ、確かに寸ぜ・・・っと、、)

・・・空気が一瞬固まった後、能面のような表情のあの子が、静かに閉まる扉の向こうに消えていった

「───ちょ、ちょっと!!ねえ待ってよ、誤解だってば!こんなのと一緒に置いて行かないでよ!!」
ハッと我に返ったあいつが、閉まる扉に向かって叫ぶ

「てめ、一人だけ助かろうってのかよ・・・つか、おーい!!だから誤解だって!!!」
「そうそう、誤解よ!こいつが私のこと密室で押し倒そうと・・・」
「んだとぉ! せっかく人が助けてやろうと・・・」
「な、何よっ!!そもそも、あんたがドサクサに紛れて私の唇を奪おうと・・・」
「だーかーらーっ!!あれはお前から目ぇつぶって来たからだろっ」
「う、う、うっさあーーーいっっ!!!と、とにかく誤解されたのはあんたのせいでしょ!バカッ!!」

 『ドゴォォッッッ!!!!』

・・・ううう、け、結局また俺はこんな目にあって終わりかよ・・・くそぉ・・・
339 :α :2007/11/01(木) 01:36:21.43 ID:eAW/eGMo
ここまでっ。

つーかこの程度のプロットに時間かけすぎ。
ってか長すぎwwwwwwwwww

とりあえず復帰初戦、ホントはもうちょっとスッキリ決めたかったんですけど、
まぁリハビリ中ってことでご容赦ww


今回はサイドストーリーにしちゃいましたけど、
次は本筋系の話でちゃんとやろうと思ってますんでww

そいではまた近いうちに〜wwww
あでゅー♪
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/11/01(木) 06:28:05.14 ID:ToJy8yAo
乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

ちょっとしか出番なかったあの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/11/01(木) 18:32:14.96 ID:Z8DglUAO
>>331
エムゼロwwww
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/11/01(木) 20:16:52.96 ID:EkTfNE.o
小悪魔きぼん!小悪魔きぼん!
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/11/04(日) 19:55:26.47 ID:JxJKUsQ0
あれ? これってまだやってんの?
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/11/05(月) 01:02:47.00 ID:zn/brcDO
い、いつのまにか投下されてる…!とりあえず乙!そしてあいつGJ
345 :2年ぶり :2007/11/05(月) 03:04:50.32 ID:LX6Xe2U0
まとめ#7-2の続き
====================================================
あいつとの距離が近付いた、と思ってたような気がするんだが、正直、なんかやっぱ分かんねえ。
昨日あった事が嘘みたいに、あいつときたらいつも以上の憎まれ口なわけ。
もしかしたら夢でも見てたのかって疑いたくなるほどなんだが、あいつの手にまかれた包帯を見てると、
確かにあった事だよなあとか思ったりサ。

抱きしめちゃったんだよな……。

こうなんてゆーか、やっぱ女の子って細いんだな。なんだろう、身体の幅が違うからかな?
手を回して、こう、そんで胸とかが柔らかいってのは分かるんだけど、腕とかも細くて柔らかくて、
頭もちっちゃくてなんかいい匂いがしてって、いてぇぇぇぇ!!!!!!!

「薄気味悪い……。なに一人でニヤニヤしてんの?」

「……普通さ、教科書で頭殴る時ってパーンって音になるだろ? いま、ゴンって音したぞ」
「いい所に気が付いたわね。いい、こうすると……」
と言いながら手に持っていた現国の教科書を卓球のラケットさながらに持ち替え勢いよく俺の頭を叩く。

 パーン

「こうだとパーンになるわけね。で、ゴンっていうのは……」
「良く分かった。もういい」

……なんか距離を元の地点まで戻されようとしている気がする。

やっぱあいつ性悪なのかな?
なんか自分でも良くわかんなくなっちまった。


俺、あいつ好きなのかな?


そりゃあさ、可愛いと思うときはあるよ。それはある。認める。

……それだけで充分な気がしてきた。
346 :2年ぶり :2007/11/05(月) 03:05:54.08 ID:LX6Xe2U0
>>345続き

俺も高校生なわけで、流石にやっぱ分かるわ。
俺はあいつの事が気になってしょうがない。って事はやっぱ好きなんだろうな。

……やっぱコクっちまうわけか?
俺が? あいつに?

なんていうの? 「ぶつかった時から好きでした」ってか?


アホか!


ってゆーかお前なんで付いてきてんの?

「べ、別に付いていってるわけじゃないわよ! たまたま途中までは方向が一緒だから……」
「その途中を過ぎたから訊いてんだよ」
「……」

正直、俺のモノローグだけで時間の経過が分かりづらかっただろうから説明しとくが、もうすでに放課後だ。
そして帰路だ。

「そんなボソボソ言ったって聞こえねぇよ!」
「だから……ゴメンって」

面食らった。正直面食らった。ゴメンの意味がわからん。いや、謝ってるんだろうが、なぜ謝られるのか分からん。
なんかされたのか、俺は?

347 :2年ぶり :2007/11/05(月) 03:06:22.36 ID:LX6Xe2U0
>>346

「……今日、アンタずっとイライラしてたじゃん」

してたと思う。いや、間違いなくしてた。そしてそれはお前のせいだ。


あ。


「……ゴメン」

謝られる理由あんじゃん。

俺が足を止めると一緒に足を止める。暫くそのまま待ってると、ちょっと躊躇ってから、やっと俺の横に並んだ。
それを認めて、俺も歩を進める。

「大体謝られる事なんて……」
俺のぶっきらぼうな言葉は次の一言でかき消された。


「好き!」


俺、放心。

「あたし、あんたの事、好き! ぶつかった時から好きだった!」

俺、超放心。




どっひゃーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!


何、この展開? これがVIPクォリティ?
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/11/06(火) 13:21:26.46 ID:xgy5/QDO
乙!しかし随分懐かしい話しの続きww本編の続きなんてほんと久しぶりだわ( ´ω`)
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/11/14(水) 21:50:47.06 ID:putLD.DO
…( ´ω`)
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/11/17(土) 14:29:00.14 ID:xvesgMDO
あいつ…あいつ!
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/11/25(日) 02:24:01.28 ID:LPrcitQ0
>>347
ごめん、大好きだ。あんた
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/12/01(土) 08:20:03.66 ID:FJc37IMo
あの子上げだぜ(´ω`)
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/01(土) 14:55:32.27 ID:GcQ9pgDO
あいつはまだかい?
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 07:48:45.10 ID:EQ/LIUDO
俺しかいない
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/11(火) 14:06:08.37 ID:0418avQo
お前だけに、いいカッコさせるかよ!
356 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/12/13(木) 12:24:24.04 ID:UB09RGEo
出来るだけ来る、とか言いながらこの醜態…もうしわけないです><
おわびということで、ひとつ。

つ http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/8/4/8407cd2f.jpg

これからは出来れば2日にいっぺんくらい絵でも持って来ますお。
少しずつまた盛り上がりを取り戻していきたいんだぜ。
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2007/12/14(金) 00:39:23.95 ID:zKEshE6o
>>356
うめぇ!
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/14(金) 11:32:33.91 ID:lgupagEo
三人分一気に補充ですか><

俺も絵が描けたら……と思いつつも全く書かないから上達しない(^p^)ふしぎ!
359 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/12/15(土) 23:03:20.75 ID:UNvStBEo
小悪魔 http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/0/b/0b5cdc64.jpg
あの子 http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/2/f/2faa1b55.jpg
あいつ http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/2/c/2c52fa3c.jpg

遅筆な俺に3人はキツかったんだぜ…あいつ全然可愛く描けなくてごめんなさい\(^o^)/
右手が痛いよ。看護婦姿のあの子に癒してもらいたいです^^^^^

ちなみにあの子はメイド。ウェイトレスに見えますけどもwwwwww

>>358
沢山描く=上達する、さぁ早く絵を描いて投下する作業に戻るんだ^^^^^^^^
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 00:36:15.52 ID:7SqxVako
デス氏乙ですwwww

俺の家にもあいつサンタ来てくれないかなぁ…
来るのは新聞&変な宗教の勧誘だけだぜ('A`)
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/16(日) 16:07:49.93 ID:smQN/.DO
久しぶりのあいつイラスト(;゚∀゚)=3ブゥァー
362 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/12/18(火) 00:52:25.25 ID:bf.cnjoo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/b/f/bfcba0b3.jpg

日付変わっちゃったから2日に1回が守れなかったんだぜ…。しかも途中なんだぜ…。

ところでもう何描いていいかわかんなくなってきたので、
こんなの描いたらどうよ的なアドバイスをくれると髪の毛がハゲあがるほど喜びます。
363 : ◆xAiTSU88R2 :2007/12/19(水) 01:42:20.08 ID:3eQkf9U0
やぁ(´・ω・`)
久しぶりのところなんだが、皆の意見を聞きたい事があるんだ><
下の項目から選んでもらおう><

1.シナリオマップはとりあえず良いから更新して!
2.シナリオマップなきゃ読む気にならん!
3.代替案あるよ!

あと、こっそり入れ替えておいた新しいロゴが住民的にどうなのかも気になる…!
取り急ぎ以上、明日も仕事だ…
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 06:32:54.35 ID:WBO8rBgo
>>362
数日かけてガチで描いたものや、適当な落書きも見てみたい次第であります(^o^)ゝ

>>363
4.逆に考えるんだ。「両方やってしまえばいいさ」と、考えるんだ

それは冗談として……いなくとも、無理はなさらずに><
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/19(水) 23:38:42.77 ID:F/FoWREo
小悪魔かいてええええええええええええ
おねがいいいいいいいいいいいいいい
366 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/12/20(木) 01:08:32.45 ID:yy5mEEMo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/b/f/bf2b19c7.jpg

なんだこのシチュエーション。主人公氏ね。
綺麗に描きなおして色も塗るつもりなので、
少し時間かかるかもですがよろしければマッテテクダサイ…。

>>363
個人的にはやっぱシナリオマップは重要かなって思ったりします><
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [あの子あの子]:2007/12/20(木) 04:51:55.52 ID:SZxbacIo
小悪魔ああああああああああああああああ
と抱きつきたくなるかわいさだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

あの子萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/20(木) 14:34:15.13 ID:lk3rzVgo
>>366
小悪魔かわいすぎわろたあああああああああああああ
MOTTOMOTTO!!!
369 :デス ◆s9p/K6FE/2 [あの子マジ天使]:2007/12/20(木) 15:44:41.74 ID:yy5mEEMo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/b/8/b80f6c1b.jpg

「はっ…はっ…はっ…。」

空からはこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいが舞う寒空の中、俺は走る。
今日はこれからあの子との食事なんだ。
だけど、決して楽しみなあまり走っているわけではなく。

予定の時間を、1時間違っていた。
それに気付いたのは本当の待ち合わせ時間が過ぎてからだった。
あの子にお詫びのメールをいれると、俺はすぐに家を飛び出した。

「着いたっ…あの子は…?」

待ち合わせ場所は駅前の桜の木の下。
いつもの笑顔で、彼女は待っていた。

「早かったね。」
「ごめん!本当にごめん!」
「ううん、大丈夫だよ。」
「大丈夫なことあるか。ほら、頬だって真っ赤になって…。」

「真っ赤になってるのは…うふふ、君が来たから、かな?」

そう言って、笑うあの子は、いつものあの子だった。

「はっ恥ずかしいこと言うなよっ。」
「ねぇ、それより寒くない?手。手袋着けてないじゃない。」
「え?あ…そういえば…急いできたから忘れてたな…。」
「ダメだよ?ちゃんとしないと…風邪引いちゃうんだから。」
「う…ゴメン。」

時間に遅刻したことは怒られなかったのに、ここで怒られた。

「でも…それじゃあ寒いよね? ん…はい、ほら。
 私の手、手袋であっためておいたよ。手、つなご?」
370 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/12/20(木) 15:46:05.28 ID:yy5mEEMo
うはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww勝手にこなあああああゆきいいいいいいになってて吹いたwwwwwwwwwwww
何これパー速の仕様?wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/22(土) 08:03:00.84 ID:398D2Q6o
うおお……時期的に、主人公の野郎があの子とイチャついている所を想像すると……orz
372 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/12/24(月) 01:46:07.30 ID:afzcISQo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/6/4/6429cda9.jpg

メリー…苦しめ!
前の絵に色塗っただけです。
373 :プレゼント :2007/12/24(月) 23:22:18.13 ID:Y6thzFYo
小悪魔ああああああああああああああああああ

じゃない、あの子あの子……とケーキ食べたいよ(´ω`)
374 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2007/12/28(金) 00:51:57.73 ID:v1honEko
最近また来れなくてゴメンナサイ。年明ける前に何度か来れるよう頑張ります…。
てかちょっとまた文章も書いてみようかと思ったんだけど、
全然書き方忘れちゃったんで、もうα氏に期待するしかないです^^^^^

見てたらなんですけど、まとめ氏に。登場人物紹介のとこの絵、変えてもらいたいですww
変えてくれるならすぐ描きます><いっそ全員描きますんで><
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/28(金) 08:04:49.47 ID:9ktJLADO
なんかもう久しぶりにデス氏の絵見まくって俺は今最高に幸せだお(´;ω;`)
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2007/12/30(日) 21:49:47.92 ID:NmGtT2DO
( ゚∀゚)o彡゚あいつ!あいつ!
377 :★A Happy New Year 2008 !★ :2008/01/01(火) 00:03:28.68 ID:???
お前らあけおめーww
今年こそ初夢に3人娘が出てきますようにwwwwww
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/02(水) 16:09:45.09 ID:jxhcfIDO
初夢まだかなーあいつあいつ( ´ω`)
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/06(日) 12:46:35.28 ID:p1I.QcDO
学校行きたくないお( ^ω^)
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/08(火) 19:38:08.22 ID:PZXwv.DO
(´・ω・`)…?
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/13(日) 11:09:46.76 ID:vGxm7cDO
( ´ω`)…
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/01/14(月) 07:14:42.16 ID:rIx6DNAo
あの子あの子(´ω`)
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/18(金) 13:32:41.13 ID:bCFl.QDO
あいつは( ´ω`)
384 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/01/22(火) 18:12:47.21 ID:3JqyfGYo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/3/e/3ed8a2f7.jpg

女の子とぶつかったがアニメ化されたようです。
なんという作画崩壊…この制作会社は絶対に叩かれる。

っていうか全然来なくてスイマセン…また頻繁に来るようにするんで><

それにしても、あいつやあの子が望まれている中に小悪魔を投下だなんて、
俺は一体どこまで空気を読めていないんでしょうか。
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/23(水) 21:48:39.42 ID:ZGdmgsSO
いや小悪魔萌えは水面下にたくさんいるさー
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/01/24(木) 01:54:22.56 ID:tht4s5Uo
元小悪魔派だったがな、今ではあの子あの子(´ω`)
387 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/01/26(土) 01:35:47.34 ID:SxEfUwMo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/a/7/a712c3be.jpg

めんどくさくなったから3人まとめて描いてみた。
誰も小悪魔いらないなら僕がもらっていきますね^^^^^^^^
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/27(日) 09:50:18.07 ID:vUXHzcDO
キタ━━(゚∀゚)━━!!
念願のあいつ( ^ω^)おっおっ


…そういやデス氏の絵がどことなく…微妙に変わってるような気がするのはやっぱり気のせいですね
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/01/31(木) 11:39:16.30 ID:/HAMUQDO
( ^ω^)おっおっ
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/05(火) 07:53:05.64 ID:vxSocEDO
( ^ω^)あいつあいつ
391 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/02/10(日) 05:33:47.13 ID:ByLkeHUo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/0/6/0650996d.jpg

ウッーウッーコアコア(゚∀゚)

ニコ厨でサーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

>>388
単純に絵が下手なのと、しばらく絵描かなかったりとかで、
絵柄が全然安定しないだけなんですだぜ…。
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/10(日) 18:13:22.57 ID:OjTk0.DO
ウマウマwwwwwwいやいや素晴らしいwwwwwwww

しかしあいつがいないというのはどういうことかね
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/10(日) 23:09:16.50 ID:7ZKB3fEo
なんというボインボイン……(^o^)ハサマレタイ
394 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/02/11(月) 12:14:45.59 ID:2gZ.zJco
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/c/f/cf0f49bf.jpg

>>392が暗に「あいつを描かないとお前の妹の命はない」って言ってる気がしたので、
小悪魔を描きなおすついでに急いであいつを描いてきた。凄く急いだ。
でも考えてみたら俺に妹なんかいなかったぜ。
ちなみにあの子はこれからなんだ…あの子スキーごめんね…。

しかしなんという胸の格差社会。

あといずれ動かしてウッーウッーウマウマさせます。これすらまだ下書きだけど。
頑張ってせめて1週間以内には作りたいなーとか…。
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/11(月) 17:13:49.08 ID:oQJ0.HAo
小悪魔かわいいよ小悪魔・・・・
小悪魔萌え少なくないか?まあ独り占めできるからいいけどNE!
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/11(月) 22:09:10.20 ID:kPnbZUDO
こ…こんな笑顔をするあいつに今だかつて出会ったことがあっただろうか…!!!!!!!!

ほんと素晴らしいよあいつ(*´ω`)
397 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/02/13(水) 05:47:31.51 ID:JNBxdRIo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/2/7/27293704.jpg

ちょっとすっげぇ凹んでるので前に描いた絵でお茶濁す。確かここでは晒してないよね…?
ウマウマは1週間じゃちょっとキツいかもしれないです、すんません。
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/13(水) 22:34:41.08 ID:kbubbcDO
>>デス氏
これは初見子悪魔だぜ…!!
ウマウマも気長に待ってるお( ´ω`)
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/02/13(水) 23:00:16.10 ID:U3pCypco
で……ウマウマって……何?(^o^)
400 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/02/14(木) 14:32:27.94 ID:6TBvOH.o
避難所の方に◆7gz6xndNZs氏が来てて驚いた。
また◆7gz6xndNZs氏の話読みたいんだぜ。って、ここで言ってもダメかww

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/f/5/f519e8d9.jpg

ゴールデンロアでコアクマってキャラ作ったらいつの間にか描いてたので置いときます><
でもこういうシチュエーションなら小悪魔じゃなくてあいつにすべきだろ、と後悔…。

>>399
なんかニコニコ動画とかで流行ってるんだぜ。
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/14(木) 21:41:54.96 ID:8M65izIo
小悪魔ばっかで幸せだああああああああああああ
さすがデス氏わかってるぜ( ^ω^)
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/15(金) 16:31:18.40 ID:XaO/XgDO
いいや、デス氏は分かってない。なぜあいつにしなかったのか…!
403 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/02/16(土) 05:29:53.55 ID:FIpJMpUo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/9/3/93592a06.jpg

「じゃあ次はあいつだろう」ってとこであの子を描く俺マジKY。
っていうか小悪魔のもこれも手適当すぎワロタwwwwwwwwごめんなさいwwwwwwwwwwwwww

さて、小悪魔は剣士、あの子は魔法使い風味。あいつは何にしたらいいんだろう…。
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/16(土) 17:39:44.00 ID:Be8wFT6o
>>403
恥ずかしがってる踊り子
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/16(土) 22:25:31.59 ID:0w2ovI6o
ここは武闘家だろ……DQ的に考えて……

そういう意味では、あの子は僧侶がよかったけどっ
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/17(日) 09:57:46.73 ID:V7qAKADO
そこであえてのあいつ僧侶に「べ、べつにあんたのために回復(ry」 って感じでよろしく頼む
407 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/02/18(月) 10:41:29.30 ID:9JT0l5.o
三者三様すぎて吹いた。
これはもう全パターン描くしかないだろ…選ぶのめんどくさい心情的に考えて…。

>>405
>あの子は僧侶がよかった

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/9/0/900cd312.jpg

こうですか?わかりません><
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/19(火) 22:13:23.72 ID:5vm5UEDO
ごめん正直全裸僧侶に見えて鼻血吹いた
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/20(水) 00:04:34.90 ID:fl/4fIc0
実は全裸じゃね?
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/20(水) 03:32:06.30 ID:dtv2FSo0
三年半ぶりくらいにまとめサイトから来ますた
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/22(金) 02:12:51.14 ID:CI8Ic.DO
そういや俺もこのまとめサイトに出会って三年たつなー…感慨深し…
412 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/02/22(金) 06:02:07.49 ID:AA5R28so
俺は初代スレからずっと。3年かぁ…って何すかこの雰囲気

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/8/a/8ac5bac6.jpg

とりあえず武闘家が一番描きやすそうだったから描いたんですけど、
武器持ってないせいで日常生活で主人公が蹴られるシーンにしか見えない件。
服装を変えればよかったかもわからんね…。

>>408
あの衣装は全裸じゃなくてもどっちにしろ鼻血もんです。
413 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/02/22(金) 18:01:25.75 ID:AA5R28so
連投でもキニシナイ。

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/a/f/af8d664f.jpg

なんか踊り子ってどんなん描けばいいのかわからんくて、迷いまくりまして、
もうわかんなくなったから適当にFFTの踊り子っぽいの着せときました><

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/a/3/a329a598.jpg

「か、勘違いしないでよっ。本当は回復なんてしたくないんだから。
 別に好きでやるんじゃないんだからね!仕方ないんだからね!」

「いいから早く回復してくれ…死ぬ…。」

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/1/a/1a2e67cd.jpg
僧侶服ver
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/23(土) 20:06:41.18 ID:bwtmF2DO
うぇwwwwwwあいつ祭りwwwwwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwwwwwww

やっぱりツンデレ僧侶は最高だお(*´ω`)
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/02/27(水) 00:19:21.93 ID:DAU5U.Yo
やっぱ貧乳はステータスだよな・・・
てか暫定まとめサイトが見れなくなってるんだが・・・
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/03/03(月) 08:23:43.31 ID:7uNXWcwo
男ならやっぱ巨乳に夢をだな……

というか、時が止まっているぜ
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/03(月) 22:07:22.80 ID:p.KBuCIo
ええい!小悪魔じゃ!今まで粗悪にされてきた小悪魔をだせい!
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/04(火) 19:59:04.69 ID:KR6LQwDO
巨乳なんてただの脂肪の塊じゃないですか何いってるんですか

ああSSまだかなSS…
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/07(金) 10:22:56.55 ID:904XeADO
あいつはまだかえ
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/13(木) 10:40:44.49 ID:iOAef6DO
そして時はうごきだす
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/03/22(土) 11:12:18.43 ID:g4p4ab2o
止まりすぎて泣いたあの子あの子
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/03/27(木) 02:01:06.57 ID:nhLf7IDO
あいつがいない日々なんて…
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/02(水) 23:49:18.00 ID:JH/RuADO
まさかレスが一つもついてないなんて…あいつあいつ…
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/09(水) 14:03:12.72 ID:qwdp3MDO
(´ω`)…
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/13(日) 00:31:18.85 ID:rF7W.k6o
ねえ動き出してよおねがいねえ
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/13(日) 09:16:22.76 ID:dIFvKYDO
嘘だろ…?たのむから動いてくれよ…
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/16(水) 16:56:18.22 ID:qxQQ8cwo
動かないなら動かして見せるさ・・・
しかし絵もストーリーも書けない/(^o^)\
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/22(火) 22:56:16.21 ID:Y0GZfQDO
俺も\(^o^)/
というわけで誰か頼んだ
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/22(火) 23:15:17.63 ID:k1eS1wwo
むしろこういうときほど力合わせるときじゃね?
くそな展開でもいいからリレーかなんかでストーリー作ろうぜ!
そうすれば嫌でもレスつくはずさ
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/25(金) 13:28:24.51 ID:tzE8pgDO
いいぜ

つってもどうせ誰もかきはじめないだろうが
こういうときはとりあえずいいだしっぺがなんとかしないといかん
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/25(金) 15:55:48.68 ID:0Tt0lJMo
わわわわわわかった!
ルールは一人3行以上でつなげるレスに安価つける感じで!自らレスはどうしようか。
あと女の子とぶつかったに依存な感じでいっても大丈夫かな。まあ依存でいいでよね!
****
私は小悪魔。父はとても資産を持っていてお金もち。
実は私今好きな人がいるんです。彼には一回フラれちゃったけど
私絶対あきらめない!あの二人には負けたくない!!
****
路線はかってに決めちゃうけど小悪魔視点のSSがいいな・・・
コアクマニアでサーセンwwwwwwwwwwwwww
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/27(日) 14:33:42.12 ID:zl9rC.Eo
>>431
すまん、俺の理解力が足りないせいかいくつか質問があるんだが、
自らレスってどういうこと?あと、女の子にぶつかったに依存な感じ、ってどういう意味?
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/27(日) 14:41:08.36 ID:fd1qeRIo
うーん説明下手でわかりにくかった!
前のレスが自分で書いたレスに続けて自分で書いちゃうみたいな・・・ごめん日本語むずかしい
たとえばここで俺が自ら431にレスつけて続けちゃうってこと!
依存な感じじゃない場合は女の子にぶつかったの設定やキャラを出さないってこと!
まあただの小説スレじゃなくて女の子とぶつかったスレだから小悪魔とかだしてもいいっすよね
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/27(日) 15:07:25.42 ID:zl9rC.Eo
>>433
なるほど自レスのとはそういう意味か
・・・ってかスレに依存するってそういう意味かよwwwwそこはむしろ依存しなくちゃこのスレでやる意味ないだろww
そういうわけでとりあえず色々と把握しますた。ちなみに俺的には自レスは基本的にやめた方がいいと思うぜ
つってもそこらへんはまだ決める必要はないしこれからの流れによるだろうけどな
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/27(日) 23:43:53.23 ID:fd1qeRIo
まあ自レスしたらリレーの意味ないしなww
ってか俺ら2人しかいなくねww
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/28(月) 02:04:29.48 ID:LNpgEQDO
なあに…一週間もすれば…きっとみんなきてくれるさ
さて…色々と思い出すためにもちょっくら読み直してくるか
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/30(水) 00:17:05.55 ID:8eps4fUo
ゆっくりでいいよな・・・ゆっくりで
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/04/30(水) 00:28:34.79 ID:xOKh0Ioo
レスする人が1人いたら、ロム専は30人いるという話をだな……
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/04/30(水) 14:50:22.96 ID:rrK/S4so
まるでG・・・!
しかしどんなにロムが多くてもレスする人が増えないとリレーはどうしようもないよなww
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/01(木) 17:18:10.49 ID:9FPtym6o
まだ人いないかもだけどとりあえず>>431の続き


そう、私はそれほどあの人が好きで・・・・・・それなのにぃ〜
「なんなのよもぉ〜・・・!」
思わずもらしてしまうその言葉の原因は、遡ること今日の放課後の出来事・・・


産業だけだけど許して><だって予想以上の難しさ・・・!
そういや今小悪魔とあいつは一緒に住んでるって事でいいんだよな?
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/05/01(木) 18:27:30.52 ID:sQGQ05oo
http://chubei.myminicity.com/
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/05/04(日) 14:14:37.10 ID:QawPeZIo
どこから話書くかで設定は変わるんだろうけど、147-1からはそうだろうな

その次の話読んだら、あの子とサッカー男の熱いキスシーンがあって……(´ω`)あの子あの子
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/04(日) 14:18:31.81 ID:VNleW8Eo
>>442
ああ・・・あのシーンな・・・
でもたしかサッカーとあの子は今付き合ってないんだよな・・・
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/14(水) 23:28:59.55 ID:dl6AE1so
( ^ω^)あいつあいつ
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/19(月) 14:17:35.56 ID:T2xZ7F2o
( ^ω^)
446 :デス ◆s9p/K6FE/2 [sage]:2008/05/21(水) 01:13:38.45 ID:kUnroq6o
おまいら久しぶりです。SAIの使用期限が切れたので絵は描けません^^

ところで物語の最初からあの子をヒロインにした形で話を書きたいんだけど…。
おまいらそんな話読みたいですか…?
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/21(水) 01:32:03.45 ID:QL0abawo
読みたいです。
でも正直途中で打ち切りになったりするくらいならいらないです。
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/21(水) 22:29:42.89 ID:BmjV4hko
あいつじゃない・・・だと・・・?
やむをえまい。あの子で我慢するか
449 :デス ◆s9p/K6FE/2 [sage]:2008/05/22(木) 16:39:53.95 ID:x..kWsMo
軽く書いてみたらめちゃくちゃ長くなりそうだったけど、
ちゃんと終わりまでの見通しがついてから投下すると思うから、大丈夫なんだぜww
もし途中で終わることがあったらそん時は俺に何かあったときです^^

あいつじゃなくてごめんなさいwwwwwwww
ただ正直、あいつをヒロインにした話に、区切りを付ける勇気はないんだ…。
その時点でこのスレも終わっちゃいそうだから。

というわけで、しばらくは短編をいくつか投下するかもです。よろしく^^
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/22(木) 20:48:01.28 ID:TnGWKVgo
>>449
最後までやってくれるとわかったら応援するしかないな!
あいつendは作りにくいよな・・・
gdgdながらもこの続けてきたこのスレを切実に残したいのだぜ
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/05/22(木) 21:12:57.29 ID:dym/VVUo
あの子あの子とな!?(´ω`)
452 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/23(金) 21:47:51.95 ID:jvqNVsoo
さて…正直まだ全然書き終わっちゃいないけど、少しずつ投下するおー。
本当進んでないから、少しずつww
ちなみに「主人公がずっとあの子を好きだったら」っていうもしもストーリーだから、
原作の話を焼き直ししながら展開していきます。

中学時代の話の続き、みたいな感じで読んでもらえるといいかなって思う。

あと最初の方はあんまりあの子メインじゃないけど、あんま気にせずに^^
それと多分すっげぇ長くなると思うけど、気長にお付き合いくださいww
小悪魔いつ登場させられるだろう…。


あ、それと遅レスだけど、>>415
プロパイダ変わったせいでアドレス変わったんだ。ごめんなさい。
http://www.mni.ne.jp/~sytst/aitsulove.htm
453 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/23(金) 21:49:24.97 ID:jvqNVsoo
"relations."

「あの子と同じ高校だから」目指した今の高校生活は、決して楽しいものではなかった。
それは一重に、アレ以来あの子とはまともに話をしていないから。
新しい友達は愉快なやつも多いし、オタクも相変わらずワケわからないけど面白い。
でも…心にぽっかり穴が空いてるような気がして。

あの子と会話してないのは、同じクラスじゃないことが災いしたのもある。
あるけど…正直気まずさだけが先行して。自ら会いに行く気にもなれなかった。

俺はまだ、多分あの子が好きだ。
会わない内に、少しずつ気持ちがわからなくなっているけど。
はぁ…片思いもつらいもんだ。
そんな憂鬱な気分で、今日も今日とて遅刻しそうになりながら、通学路をひた走る。

この先の交差点は、確かあの子の通学路との合流地点でもあったはずだ。
いっそその先からあの子が飛び出してこないかなぁー。
そんなわけないんだけどな。あの子がこんな時間にいるわけもなく…。

いつもどおり、交差点を右にまわ

「うわぁっ!危ない!」
「えっ!?」
あの子!?……じゃない!

ドッシーンッ。
俺は交差点を曲がろうとして、トーストをくわえた女とぶつかっていた。

「イテテ…。」
「いったぁ…バカぁ!ちゃんと前見て走りなさいよ!」

な、なんだよこの女…!
俺だって不注意だったけど、そんなのお互い様じゃないか!

「そっちこそ…!って、うわっ。」
「え?キャッ!」
ぶつかってきた拍子にめくれたようで、女学生のパンツが見えていた。
事故で見えてしまったわけで、俺にはまるで非はない。
非はないはずなのに、みるみる内に女学生の顔は紅潮し、非難の目で俺を睨みつける。
454 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/23(金) 21:52:49.95 ID:jvqNVsoo
>>453続き

「変態!チカン!さいてー!」

罵倒3連発。その捨て台詞を残すと、彼女は猛ダッシュで消えていった。
俺は少しの間ポカンとしていたが、時間がヤバいことを思い出して走り出す。
ったく…ついてないぜ。なんなんだよあの女。

…ん?そういえばあのパンツ、じゃなかったあの制服。
もしかしてウチの学校か?あんなやついたっけかな?


キーンコー…ガラッ!
「セーフ!」

チャイムは鳴りかけていたが、まだ担任はきていなかった。

「ギリギリアウトでやんす。」
「チャイムは鳴ったけど担任はまだ来てないだろー?」
「今日たまたま遅かっただけで、普段どおりなら確実アウトでやんすよ。
 兄さん最近ギリギリすぎでげす。」
「う…しゃーないだろ、今日は色々あったんだ。」

通学途中のことを思い出して、嫌になる。
よかったことと言えば、ぶつかった女の子が可愛かったことと、
パンツを見れたことくらいだ、くそっ。…なんかそれで十分な気がしてきたな。
でもあんな性格悪いやつのパンツなんか、いくら可愛かろうがどうでもいいけどな!

「そういえば兄さん、今日転校生が来るらしいでやんすよ。」
「転校生…?」

また変な時期に転校生が来るんだな。家の事情か何かだろうか。
…ん?転校生?

ガラッ。
455 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/23(金) 21:55:34.45 ID:jvqNVsoo
>>454続き

「席につけ、HRはじめるぞー。…っと、その前に、転校生の紹介だ。入ってきなさい。」

その姿を見て、カバンを机の上に置き、今まさに座ろうとしていたその状態で、
体が硬直してしまった。今朝の性格悪そうな女だ…!

「は、はじめまして。今日から転校してきた……あーッ!今朝の痴漢男!」
性悪女も俺に気付いたようで、指差しながらとんでもないこと叫びやがった!
あいつ、なんつーことを!勝手に見せやがったくせに!

「待てテメー!お前が勝手にパンツ見せたんだろうがっ!」
「なっ…!何よ変態!痴漢男の分際で言い訳する気!?」
「ふざけやがって………ん、なんだよ?」

気付いたらオタクが肩を叩いてた。

「兄さん、見てる時点で兄さんの負けでやんす。」

ふと気付くと、教室中から軽蔑の視線が送られていた。
いや違う。
男からは「あんな可愛い子のパンツ見やがって。氏ね」という怨念が、痛いほど伝わってくる。
女子からは…う…完全に軽蔑されてる…。
噂になって他のクラスにまで流れないといいけど…。

「うっ…すいませんでした…。」
誰に謝っているんだかわからないけど、とりあえず謝っておいた。

「あー…なんだかよくわからんが、とりあえずお前の席、隣空いてるな。あそこ座ってくれ。」
担任はそう言って俺を指差す。俺の隣だった。
「えっ!?」「え!」

「な、なんであんなやつの隣に座らなきゃいけないんですか!」
「あんなやつとはなんだよ!」
「変態痴漢男なんてあんなやつよ、ベー!」
「て、てめぇ…!」
「まぁまぁ…空いてる席があそこしかないんだ。悪いな。」

そんなこんなで、憎たらしいあいつと、俺は隣同士の席となった。
「ヨロシクオネガイシマス。」
「ヨロシク。」

お互いそっぽを向きながら。ケッ。
456 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/23(金) 21:58:05.59 ID:jvqNVsoo
とりあえず今日はこんなもん…。
ごめんね、大量投下するとネタ切れしちゃうから、ごめんね。

出来るだけ毎日投下するようにします。また明日。
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/05/24(土) 08:57:34.42 ID:5c/BV96o
おつおつです

毎日ニヤけられる嬉しさ(´ω`)あの子あの子
458 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/24(土) 18:54:21.99 ID:6oBTVugo
>>455続き

ところが昼休みは風向きが変わってきた。
午前の休み時間はずっと女子に囲まれていたあいつだが、
昼に近づくにつれそれは段々と男子に変わり、昼休みの今はついさっきまで完全に男子だけに囲まれていた。

察するに、その結果昼飯の約束をしていた女子と、行き違いがあったみたいだ。
その代わり男子に昼飯を誘われていたが、弁当だからと断っていた。

で、俺がなんでそこまでしっかり観察していたかというと、
俺の昼飯は、昨日母親が「安かったから」大量に買ってきた菓子パンだからだ。
あいつの様子を遠巻きに眺めながらパンをもぐもぐ。

結局誰ともお昼を一緒に出来なかったらしく、隣の席で落ち込みながら弁当を抱くあいつ。
特に興味もないので、それ以後は外を見ながらパンをもぐもぐ。

「ねぇあんた、お昼ごはん付き合いなさいよ。」
矛先は俺に向いたようだ。どうやら一人で食べるのは寂しいらしい。

「もぐもぐおまえ、もぐもぐひとりで、もぐもぐたべれば、いいだろ。」
「飲み込んでから喋りなさいよ!でも、へぇ、断るんだ?あんた断れるわけ?
 パンツを見た変態痴漢男のくせに!見物料だと思えば安いもんじゃない、付き合いなさいよっ。」

カチンときた俺は、
「勝手に見せ付けてきたのはどこのどいつだよ?
 見たくもないのに見せ付けられて、挙句罵倒されて…慰謝料もらいたいぐらいだけどなぁ?」
とハッキリ言いたいこと言ってやった。見たのは正直ラッキーだったけどな。

「〜!何よ、可愛くないわねー!女の子が誘ってるんだから、つべこべ言わず付き合いなさいよ!」
プンプンと効果音が聞こえるほどの表情のあいつは、俺の腕を無理やり掴むとそのまま乱暴に引っ張っていく。
俺はというと、こんなこともあろうかと持ってきた菓子パンを全て腕に抱えていたので特に動揺もせず…、
イテッ!いて!このやろ!引きずったまま階段登るな!っていうかどこ行くんだ!
こいつ今日転校してきたばっかのくせ、校舎のことちゃんとわかってんのか…?
459 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/24(土) 18:55:16.23 ID:6oBTVugo
>>458続き

不安は的中し、俺はあてもなく歩き回るあいつに引きずられながら幾星霜。
実際は2分程度の出来事だったのだけど、引きずられてる痛みと、周囲の視線は、
2分を2時間以上に感じさせるほどの力を持っていた。
結局ついた先は屋上。

ちなみに屋上は普段は鍵がかかってるはずだけど…?

「さぁ、やっとお昼ごはんね。あんたのせいですっかり時間なくなっちゃったわ。」
「お前が強引に引きずりまわすからだろうがっ。
 ちゃんと昼飯食いやすい場所教えてくれ、って言えばもっといい場所教えたのによ。」
「いいわよ、私屋上好きだから。」

その後、少し他愛ない会話を続けた。午前中ずっと質問されてる姿が滑稽だったとか、
この学校は前の学校より授業が進んでて少しついていけないとか、
この学校の印象を聞かれたりもしたな。自由な学校だと言っておいた。
きょとんとしていたが、いずれ分かるだろ、きっと。

「っていうかお前、まだ校舎の構造覚えてないだろ?放課後暇なら案内してやるぞ。」
「何?痴漢の次はナンパ?」
「バッ…ちげーよ!親切で言ってやってんのによ!」
「ま、付き合ってあげてもいいわ。特別だけどね。」

ったく…コイツなんでこんなにツンツンしてるんだ?
女子や男子に質問攻めされてたときは、こんなんじゃなかったけどなぁ…。
ああ、なるほど。俺が嫌われてるだけか。納得。

「でもここの屋上は素敵!海まで見えるのね!
 前の学校は結構街中だったから、周りはコンクリートだらけで、あんまり遠くまで見えなかったわ。」
「そんなに屋上が好きなら鍵の開け方を伝授してやる。」
「…?開いてたじゃない。」
「知らないよ、本当はいつも閉まってるんだ。
 確か生徒会か教師が鍵持ってるだっけかな…とにかくだな、実は鍵がなくても開けられる方法があるんだ。
 ただしこれは校舎側から有効なだけだからな?もし屋上に閉じ込められるようなことがあったら、」

ガシャンッ。
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/05/24(土) 18:56:27.25 ID:6oBTVugo
>>459続き

「………あったら…。今その状況みたいだ。」
「え?今の…鍵が閉まる音…?」
「ビンゴ。」
「ビ、ビンゴじゃないわよー!どうするのよー!」

キーンコーンカーンコーン…。

運悪く予鈴もなり、おそらく俺達に気付いてくれる人はいなくなっただろうな。
念のため校庭の方を見下ろしてみるが…いねぇ。アウト。

「運がよければ5時限目の授業終わったら開放されるよ。」
「ていうかあんた何でそんな冷静なワケ!?」
「前にも同じことやった。」
「…あんたバカでしょ。」
「うるせー!今お前もバカな俺と同じ状況下にいるんだよー!」

そんなこんなで罵りあいを続けること数分、結局すぐ疲れてしまい、あとはお互い無言のまま。
昼下がりの屋上で、大の字になって寝るのも悪くない。しかも授業中だからな、凄い静か。
ラッキーだったと思うことにして、俺は残りの40分強を寝て過ごすことにする。

「はぁ…転校初日からいきなりサボり…あんたに監禁されたってことにしよ。」
どうやら簡単に眠らせてはくれないみたいだ。
仕方ないのでコンクリートを背もたれに、しばらくあいつとおしゃべりすることにした。

「俺のせいじゃないだろ。」
「…そうね、そうよね。そういえばここには私が連れてきたんだったわ。」
なんだ?どうした?やけに素直だな、ちょっと面食らう。
461 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/24(土) 18:57:20.68 ID:6oBTVugo
>>460続き

「ところであんたのアドレス教えてよ。」
「おいおい、なんだ。痴漢からアドレス交換の仲か。すげーな俺。」
「か、勘違いしないで!ただなんとなく携帯のメモリ多い方がいいなって思っただけなんだから!」
まったく素直じゃないな。
とかいいつもしっかりアドレスは交換する。
閉じ込められたおかげで、あいつとも随分仲良くなれたみたいだ。
閉じ込められたっていうか、締め出されたっていうか…。

「ん…ねぇ、寒くない?」
「そうか?俺はそんなことねぇけどな…。」
まだこの季節の風は冷たい。女子には少しつらいのかもしれない。

「寒いんだったら近寄れよ。」
「…変なことする気でしょ?」
「しねーよ!」
「ふん、ま、いいわ。湯たんぽ代わりにしてあげる。」
口とは裏腹に、行動は素直なあいつは、俺の隣にぴたっと座る。
…この距離はちょっとドキドキしてしまうな。
でも落ち着けよ、俺。俺には想い人がっ。

「ん…くー…。」
…寝息?
俺が理性を必死になだめている間に、あいつは俺の肩を枕代わりにちゃっかり昼寝に入りやがっていた。
俺の昼寝は邪魔しておいて、こいつめ。

でも、こういうのもいいな。本当はあの子とこうして…。…。
462 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/24(土) 18:59:27.78 ID:6oBTVugo
>>461続き

…ンコーンカーンコーン。

チャイムの音に、目を覚ます。あいつはまだ俺の肩を使ったままだ。
ふぅ、まぁいいか。放課後にならないと、大声出しても気付いてもらえないかもしれないからな。
2つも授業サボったら、変な噂が立ってしまいそうだけど…。
不可抗力だ。屋上で飯食ってたのは平謝りして許してもらおう…。

ガチャ。

「えーと、どこだったかなぁ………あ。」
「………あ…ひ、ひさし、ぶり…。」

突然の来訪者に、驚きすぎて上手く喋ることが出来なかった。
来訪者の正体はあの子。どうやらあの子は鍵を持っていたみたいだ…。
突然の再開に、どうしていいかわからず、テンパって言葉が出てこない。
「あー…その…昼休みにこっそりここでお昼したんだけど、忘れ物しちゃってて…。
 それを、と、取りに来たんだけど、お邪魔だったみたいだねっ。ごめんねっ。」

バタン!ガチャ!

目が泳いでるあの子を見て、俺は自分の今の状態に気付いた。
俺の肩で、女の子が寝ているってことに。
屋上に連れ込んでいかがわしいことをしてたと思われてもおかしくない…。
な、なんてこった…!しかもあの子、どさくさに紛れてまた鍵閉めていった…!

ガチャッ。キィー…。

「あ、あの、ごめんね…邪魔して悪いけど、出来れば中に戻ってくれるかな…?
 そもそも昼休みの最後に、私が屋上確認しないで
 鍵閉めちゃったから閉じ込められちゃったんだよね!ごめんね!」
「お、おう……おいっ!起きろ!」
「ん〜…むにゃむにゃ。はっ、私ったらつい寝ちゃって……どちら様?」
「こ、こんにちわー…。」

目が泳いでずっと苦笑いのあの子。テンパってどうしていいかわからない俺。事態が飲み込めてないあいつ。

結局その後、屋上を脱することには成功したものの、微妙な雰囲気のままなのは変わらず。
あの子は一目散に逃げていって、と思ったらまた戻ってきて、
忘れ物あったんだった…と顔を真っ赤にしながら屋上に出て行った。
いつまでも踊り場でボケーとしてるわけにもいかないので、
とりあえず俺とあいつは職員室に行き、5時限目の授業の教師に事情を説明し、一応許しを得た。

が…教室に戻ったあと、教室中から好奇の眼差しを集め、その後は質問攻めもといからかわれてばかりいた。
放課後は予定通りあいつに校舎を案内してやったのだけど、
運の悪いことにオタクがそれを見ていたらしく、翌日には再びそのネタでからかわれた。
オ、オタクのヤロー…!

得てして俺とあいつは付き合ってるような風潮がこのクラスには蔓延しているが、
どうか他のクラスにそういう悪い噂が伝わっていないことを祈るばかり。
463 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/24(土) 18:59:51.71 ID:6oBTVugo
今日はここまで。また明日ー。
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/25(日) 00:09:46.03 ID:efm4BTUo
ひさびさに来てみたけど、ひさびさに乙ですー。
小悪魔はまだですか。まだですねww
普通にベタな三角関係でも面白いですけどwwww
465 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/25(日) 20:54:36.33 ID:MDnoy4Io
>>462続き

あの日以来、あの子とは話をしていない。
そもそも高校に入学後は、お互い気まずさもあってまるで話をしなかったんだ。
昨日偶然会った以外は…何度話しただろうか…?ほとんど記憶にない。
そんな状態なんだから、弁解をしたくても結局弁解の機会なんてないも同然だった。

一方あいつとは割りかし上手くやっている。あいつの憎まれ口も慣れてきたし。
ただ周りにはその光景を「夫婦漫才」とか呼ばれるため、お互い気まずいったらありゃしない。
それでも普通に会話はしたし、相変わらず昼飯は一緒に食うし、
メールもこまめに返してるし…ああ、はたから見たらこれは恋人同士なのだろうか…?

そんなつもりはないけれど、あいつは友達として凄く楽しいやつだし、
親しい友人が出来たのは悪い気分ではなかった。

そのあいつにある日、異変が起きた。

「あれ?まだ来てねーのか…?」
いつもどおり遅刻寸前に教室に駆け込んだ俺の目に入ってきたのは、隣の空席。
あいつが遅刻しそうになっていたのは転校初日だけで、
それ以後は俺が遅刻しそうになる度「またこんな時間?」と嫌味を言われていたから。
今日も言われるんだろうな…と思っていたけど、なんだ。ちょっと変な感じだ。

HRで、あいつは風邪で欠席だと担任が言っていた。
風邪…風邪ねぇ。バカはなんとやら…とは言わないが、あいつ風邪引きそうにない健康体っぽかったのにな。
もしやいつぞやの屋上で二人きり事件の時のが、今になって…?
うーん…だとしたら悪いことをしたな…別に俺が閉じ込めたわけじゃないけど…。

1日ならまだしも、それは3日続いた。
466 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/25(日) 20:55:33.45 ID:MDnoy4Io
>>465続き

あいつが転校してくるまでは、俺の隣は空席だった。
しかしまぁ…慣れると寂しいもんだな。
あいつが学校を休みだしてからメールは送っていないし、あいつからもメールは着ていない。
本当大丈夫なのか?あいつ。

さすがに気になったのでメールをしてみる。「大丈夫か?」っと…。

メールの返信が来たのは3時限目の授業中だった。
「ちょっと風邪引いただけ。あんたに心配されなくても大丈夫よ、バカ。」
いつもどおりの嫌味もしっかり入っていたけど、何か弱さを感じた。
住所は担任に聞けばわかるよな。…お見舞い行ってみるか?

…なんて考えていたら、4時限目になって突然雨が降り出した。
今日の天気予報ではお姉さんが「今日は1日晴天でしょう♪」とか言ってたのに。
傘なんか持ってきてねーよ…。なんてな、置き傘してるから問題ないんだ。
ただ、こんな雨の中お見舞い行くのは正直、だるいなぁ…。

だがこういう場合って、得てして行かざるを得なくなるもので。
大事なプリントがあるらしく、あいつの家に届けてくれと担任に頼まれた。
女子に頼めばいいでしょうと言ったら、お前が一番仲いいだろ?とニヤリとされた。
くそ、このエロ親父め。

そして放課後、降り続ける雨に軽く憂鬱になりつつ、下駄箱に向かうと…。
あの子が空を見上げながら、呆然と立ち尽くしていた。
男子では、中には他人の傘を勝手に物色したり、かばんを盾に走っていくやつもいたが、
あの子は他人の物を物色するような人間じゃないし、走っていくのは女の子としてキツいみたいだ。

幸い、俺の傘は誰にも持っていかれてなかった。
…チャンスだな、うん。話しかけよう。
467 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/25(日) 20:57:19.58 ID:MDnoy4Io
ごめん、短いけど今日はここまで…。
なんかさっぱり進んでないけど、今度大量投下とかするんで許してくだしあ><
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/25(日) 21:21:00.51 ID:80nIrMDO
なるほど…王道とは良いものだな
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/05/25(日) 22:03:01.55 ID:KM/qMqko
まったくだ
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/26(月) 00:33:35.49 ID:V3fLXo6o
スレ進んでてびっくり
デス氏乙。そして限界まであいつの出番を増やしておくれ


471 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/26(月) 20:42:35.86 ID:1CHPa.Yo
>>466続き

「よぉ…どうしたんだ?」
「え?あ…う、うん。」
なんか微妙な表情をされた…やっぱこの前の印象のせいかな…。

「傘…持ってきてなかったから。濡れちゃうなぁ、いやだなぁ、って。えへへ。」
困ったように笑うあの子を見て、ちょっとだけいじわるをしたくなる。
「そっかぁ…。俺も傘忘れたんだ。」
「そうなの?大変だね…結構おうち遠かったよね?」
「ああ…ま、こいつがあるから大丈夫だけどな。」
と言って隠してもってた傘を見せる。

あの子は少しポカンとした後、怒った表情になる。
「だめだよっ。人の物勝手に使ったら!」
「いや、俺のだよ?」
「…え??どういうこと…?」
あの子の頭には?が沢山浮かんでいて、凄く可愛らしかった。

「実は、今日は傘持ってこなかったけど、日頃からずっと置きっ放しにしてたんだ。」
そう言うと、あの子はやっと理解したようで、口に手を当てて笑った。
「…騙されちゃった、うふふ。」
「はは、まさか簡単に騙されるとはなー。」
「だって知らなかったんだもの。」
「そりゃそうか、はは。…えと、んで…よければ、入ってく?」

考えてみたら、話かけることよりも、相合傘を誘う方がよっぽど勇気のいることだった。
「…うん、よろしければ。」
「ん、まぁ、地元同じなんだ。家も近いしな、しっかり送ってやるよ。」
「うふふ、よろしくお願いします。」
472 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/26(月) 20:43:35.31 ID:1CHPa.Yo
>>471続き

というわけで、あの子と密着しながら雨の中の帰路を歩くことになる。
ありがとう突然の雨。毎日のように突然雨降ってくれたらいいのに。

久しぶりに沢山の時間をもらった俺達は、高校生活の楽しいことを山ほど話した。
不思議だな。あの子とこうして話すまでは高校生活なんて楽しいものじゃなかったのに。
それが急に楽しいものに感じてくるんだ。
中学とはここが違うとか、どの授業が退屈だとか、久しぶりに中学のやつと会ったらこんなにも変わっていたとか。
楽しい話は尽きなくて、俺はすっかり屋上でのことを弁解するのを忘れていた。

「でさぁ、ウチのクラスにはこんなやつもいて…。」
「うふふ…そうなんだ。……あっ。」
「え?どうかしたか?」
「肩。」
「肩?」

言われて肩を見てみると傘からはみ出た部分が濡れていた。

「ああ、大丈夫だよ、こんぐらい。」
「もっと寄って!」
眉を寄せて怒るあの子。こころなしか頬まで膨らませて怒っている。

「大丈夫だって、こんなもん。」
「じゃあ私が濡れる!」
そう言って傘を俺の方に強く押し付けて、あの子の体が半分以上雨に晒されてしまう。
「バ、バカ!」
俺は慌てて傘をあの子に返し、その勢いで胸元にあの子を抱きいれる形になってしまった。
おかげで二人ともすっぽり傘の下だ。

「うん、これならいいよ。」
「で、でもなぁー…。」
近い。近すぎる。意識するなっていうのが無理だ。
体が柔らかいし、少し息の音まで聞こえるし、髪の匂いはたまらないし…。
理性が吹っ飛びそうになる。いやに雨音が耳障りだ。
473 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/26(月) 20:44:31.60 ID:1CHPa.Yo
>>472続き

「…ごめんね、私じゃ嫌だよね。」
「な、何言ってんだよ!そういうんじゃねーって!」
むしろありがたすぎる。

「じゃあいいよね?」
満天の笑顔でそう問いかけてきたあの子に、俺はNOなんて言えなかった。

その後は俺の方が気まずくて、あの子の話にうなずいてばかりいた。
気まずさから開放されたい反面この天国が永遠に続いて欲しい。
悶々としながらあと数分で終わる天国の素晴らしさを噛み締めていた。
のだが。

「あ、晴れてきた!」
嬉しそうにあの子は俺の元から離れていき、空を見ながらくるくると回る。

「よかったね♪」
「んん…そうだな…。」
本当ならもう少し味わえたはずの天国は、雨が上がるという予想外の事態で終焉を迎えた…。
憎し雨雲。貴様の天邪鬼な性格を俺が正してやろうか。

と、雨雲に怨念を送っていたとき、あることを思い出した。プリント。
あいつにプリントを届けてやらなきゃいけないんだ。
幸いにも、目の前はちょうどあいつの家の方への分かれ道だった。

「あ、わりぃ、ちょっと用事あるから。」
名残惜しいがあの子に別れを告げる。
「うん、それじゃあね。…って、あれ?どっちに行くの?あなたのおうちはこっちじゃなかったっけ…?」
俺の家とは違う方に歩む俺を、ちょっと不思議に思ったようだ。
474 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/26(月) 20:45:08.13 ID:1CHPa.Yo
>>473続き

「えー…いや、なんていうか。」
…なんていうか。なんて説明したらいいんだ?プリント届けるって言えばいいんだろうけど。
「…あっ。そ、そっか…ごめんね…そうだよね…。」
突然あの子の目が泳ぎ始めた。
「あなたには今彼女いるんだよね…だから、私とくっつくの嫌だったんだよね…あの、ご、ごめんねっ。」
またも止める間もなく走り去ってしまうあの子。
…誤解を解くのを忘れた上、更にそれに上乗せしてしまったようだ。
彼女がいる…って。そりゃあの状況じゃそう誤解されるか…。あーもうっ。

イライラして頭をかきむしりながら、そもそも雨のせいだ!と雨雲に八つ当たりをする。

あいつの家に着くと、パジャマにカーディガンを羽織ったあいつが出迎えてくれた。
驚いた様子だったけど、プリントを届けにきたと言ったら「そんなことだと思ったわよ。」とか言われた。
上がっていけというので、遠慮なくお邪魔したけど、
そもそもあいつは病人なわけで今も大分つらそうだった。
というわけで、紅茶を入れてくれるという申し出を断って、俺が看病してやることにした。

「俺なー、お袋が風邪の日とか、親父が仕事帰ってくるまでは俺がお袋の面倒見てたんだ。
 だから料理は得意じゃねーけど、おかゆだけは超絶品だぜ。」
と、俺は勝手に台所を借りて俺特製おかゆを作っている。
あいつには自分の部屋で寝てろと言ったのだけど「そんなことしたらあんたズカズカ入って来るでしょ!」とか言われて、
結局あいつは居間のソファで寝てる。
いつも元気なあいつのこんな姿を見ると、否応にも力が入った。
…でもあいつと仲良くすればするほど、周りには勘違いされるんだろうな…。
いや今はそんなこと考えないようにしよう。
475 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/26(月) 20:46:01.24 ID:1CHPa.Yo
>>474続き

俺特製おかゆはあいつに「お世辞抜きで美味しい」と大絶賛だった。
その後しばらく冷えピタの交換をしてやったり、氷嚢の氷を入れ替えてやったり、
看病をしてやったのだけど、その間のあいつがあまりにもおとなしくて。
冷えピタを交換する時なんてもっと怒られるかと思ったけど、むしろ「ありがとう」と俺を言われた。

そんなあいつの様子を見て俺は思わず「なんかお前可愛いな」と苦笑交じりに言ってしまった。
普段は狼みたいなくせに、おとなしいと子犬みたいになってるから思わず口をついた、ってのは内緒だ。

「バ…バカッ!何言ってるのよっ。…親がいない上、私が弱ってるからって襲うつもり!?」
「んなわけねーだろっ。ったく…お前そろそろ自分の部屋戻って寝ろよ。俺はもう帰る。」
「えっ……。って、そ、そうね。さっさと帰ってよ、危険人物。」
「お前なー。まぁいいや。お大事にな。」
「うん…。あの、本当に、ありがとう。」
「はは、らしくねーな。じゃあな。」

なんとなく、今のあいつを見ていると変な気持ちになりそうで、早々に退散を決めた。
と言っても随分長居したけどな…。
あの俺特製おかゆを食ったからには、きっと明日にはあいつも元気良く登校してくるだろ。


予想通り。教室に入ると、空席だった席にあいつの姿。

「あの、昨日はありがとうね。おかげで体調もよくなったから。」
赤くなってしおらしく礼を言うあいつを見て、こいつまだ熱あるんじゃねーのか?なんて思ったりもしたが、
そんなことを言えばきっといつもどおり違う意味で赤くなって怒るだろうから、よしておいた。

「あの、お礼と言っちゃなんだけど、お弁当作ってきたんだけど…。」
あいつのカバンの中から、可愛らしい袋に詰められた弁当箱が登場する。
「お父さんのお弁当箱のスペアにたっぷり入れてきたから、間に合うと思うけど…。」
「お、おお…ありがとう…。」
まさかこんなお返しが来るとは。どうしよう、ちょっと本気で嬉しいな。
476 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/26(月) 20:46:45.80 ID:1CHPa.Yo
>>475続き

「おー!なんだなんだー!遂に愛妻弁当の登場だー!」
「だ、だから!ずっと言ってるけどそんなんじゃないんだから!」
クラスの男子がよってきて、そう茶化すもんだからあいつは結局怒る。

「でもでもー、実際のところどうなの?」
今度は女子があいつを茶化す。
「どうって何よっ。」
「彼のこと、好きなんでしょー?」
ドキッとする。いや待てよ、俺達の関係はそんな関係じゃない。

「そ、その、人間的には嫌いじゃないっていうか、好きな方だけど、そういう意味の好きでは」
うおおおおおー!!!!!!
と教室中が盛り上がり、俺はお前何言ってんだよ!という顔のまま硬直してしまう。
あいつの言葉は最後まで聞こえなかったが、何を言いたいかは分かる。
でもそんなのこいつらにとっちゃ火に油なんだよ…!

「でぇわ彼氏さぁん!あなたの気持ちはどうなんでしょうかぁー!」
司会者を気取った男子が俺にマイクを持った風にした手を向ける。
どうもこうも…。

「俺達はそういう関係じゃないってば。ただの友達。
 お前らは友達嫌いか?俺は好きだぜ。オタクだって好きだもんよ。」
「っ……。そ…そうよっ、友達!そういうことを言いたかったの!うん……。」

冷静な俺に白けたのか、なんだよーという反応を残し散り散りになるクラスメイト。
結局お祭り騒ぎしたいだけなんだろ、こいつらは…まったく。
一部の男子からは本気で殺意を感じたりもするが、きっと気のせいだ。

「お前もよ…あんま誤解招くようなこと言うなって。」
「べ、別に本当のこと言っただけよ。誤解するほうが悪いんだわ。
 だって、ただの仲のいい友達だもんね、私たちは……。」

…?なんだこいつ、やっぱりまだ熱あるんじゃないか?心なしか元気がなさそうだった。

「兄さん兄さん。」
一段落したと思ったら、オタクから声をかけられる。
「なんだよ、どうした?」
「兄さん、拙者…まことに申し訳ないでやんすが、ノーマルでやんす。」
「別にお前に告白してねーよっ!!」

ちなみにあいつの弁当は美味かった。
それを伝えると、また暇だったら作ってきてあげてもいいわよ、とちょっと嬉しそうに言っていた。
477 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/26(月) 20:48:21.99 ID:1CHPa.Yo
今日はここまでー…。毎日こんぐらい投下出来ればいいんだろうけど、無(ry

>>470
下手したら一番出番増えるかもわかりませんwwwwwwwwwwww
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/05/26(月) 23:54:57.83 ID:TtLKBW2o
あいつかわいいよあいつ

あれ? どっちがメインヒロイン……?
479 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/27(火) 21:57:55.10 ID:nkEbMNco
>>476続き

それからしばらく後。あいつとはいい関係を続けられていたが、あの子とはまた会えていない。
接点がないから。屋上では毎日のように飯食ってるけど…彼女と会うことはない。
何か接点を…と考えれば考えるほど、だったら何の理由もなくあの子のクラスに遊びに行けばいいんじゃないか、
という当然の答えが出てくるのだけど、それはちょっと…気まずいんだよ。

「というわけで、だ。体育祭の実行委員なんだがなぁ、やりたいやついるか?」

HRなんて、普段は担任の声はほぼBGMだが、今回は何故かやけに気になった。
体育祭の実行委員…ね。ふむ。あの子は生徒会だかなんかの実行委員だか、とにかく何かやってたはずだ。
これはもしかして接点になるんじゃないのかね?

俺は意気揚々と挙手した。

「ほぉ、珍しいな。んじゃあ女子の方は…。」
クラス中から「もう決まりみたいなもんでしょー!」という声が上がる。
「え?え?」と困惑していたあいつだが、満場一致であいつに決定。
一応担任からあいつで問題ないか聞かれたが、何も問題ないので大丈夫ですと答えた。
その瞬間クラス中からヒューヒュー!って歓声とか、
どす黒い殺意のこもった視線やら、色んなものが俺に浴びせられたのは言うまでもない。
何度「あいつとはなんでもない」と言ってもこいつらはまるで学習しないから困ったもんだ。

「ったく、あんたなんでそうやって勘違いされるようなことするのよっ!」
ぷいっ、とそっぽを向くあいつの顔は、口調ほど怒ってるようには見えなかった。
うーん…もしかしてこいつ、こうやってからかわれるの、まんざらでもないのか?
まぁ俺も最近は割かし楽しんできてるけどな。
いじられキャラっていうやつ?
480 :デス :2008/05/27(火) 21:58:42.10 ID:nkEbMNco
>>479続き

「別に俺が推薦したわけじゃないだろー?嫌なら辞めろよ。」
「…い、嫌じゃないわよ…。中学生の頃、実行委員やった時楽しかったから。」
「ならいいだろ?あんま細かいこと気にするなよ。」
「うーん…。」

何か腑に落ちないようだが、とりあえずこうして俺とあいつは体育祭の実行委員に決まった。


翌日、早速の委員会初招集。他の連中はどうか知らんが、俺は楽しみで仕方なかった。
もしそこにあの子がいなければ、辞退申し込みたい気持ちでいっぱいだけど。

そして俺の憶測どおり、あの子は委員会に参加していた。
事がうまく運ぶ時はうまく行くもんで、なんとあの子とは隣の席になれた。
多少の他愛ない会話をするだけで、俺はデレデレな顔になっていたと思う。
反対側の方から威圧感を感じたのは、きっと気のせいだな。うん。

と、ここで俺は大きな過ちに気付く。パートナーはあいつではない方がよかった。
個人的には他の女子よりも気楽に喋れるあいつで問題はないが、
周りからは俺とこいつは付き合ってるんじゃないか、的な目で見られているんだ。
実際雨の日のあの子だって、そう勘違いしていたじゃないか。
…勘違いを、俺自ら事実に昇華させようとしてないか…?

その事に気付いた俺は凹んで軽く意識が飛んでしまい、
結局その委員会で何を話し合っていたのかまるで覚えておらず、
解散後に教室に戻ったときに資料を棒状に丸めたものであいつに袋叩きにされた。
「何デレデレしてんのよ!」とか違う理由で殴られてた気もする。

そうか、いいことを思いついた。
あいつとあの子に仲良くなってもらって、それで誤解を解いてもらえばいいんだ。

その計画を翌日の委員会で早速実行する。
481 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/27(火) 21:59:38.63 ID:nkEbMNco
ごめんね、今日はここまでなんだ。ごめんね。

>>478
当然のごとくあいつに決まっ……あれ?
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/28(水) 00:47:18.73 ID:1WNNUhoo
>>481
あいつですね。わかりまう( ^ω^)
483 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/28(水) 21:31:34.85 ID:c1UeKLYo
>>480続き

そして翌日。委員会終了後に少し話しようぜとあの子を誘い出す。あいつと共に。
「こいつ、少し前に転校してきたんだ。」
「よろしく…。」
「よろしくね。彼女さんだよね?」
早速誤解なさってる!

「だ、だから違うんだってば!俺とこいつは何もないの!ただのいい友達!」
「でもそうは見えないし、結構話題になってるよ…?」
話題になってるだと。いつの間に。

「誤解なんだって…お前も何か言えよ、ったく。」
「何よ、あんたいつも周りの勝手な勘違いだからどうでもいい、とか言ってる癖に。」
「勘違いも広まれば迷惑になる、ってことだよ。」
「はぁ…まぁそうね。その…誤解です。」
あの子にしっかり誤解だと説明してくれる理解あるあいつ。

「ふーん…そうだったんだ、大変だね。」
…特に感想なし。あの子の笑顔が苦しいです。

結局誤解は解けたものの…何か発展することもなく。
強いて言えば話しやすくなったな。今度何かに誘ってみようかな…?
それにしても、あいつの冷たい視線が痛い。
別に俺は何をしたわけでもないのに、ずっとあいつが冷たい。なんなんだ一体。
まぁいいさ、俺の今の気分はルンルンルン。そんなのはどうってことないのさ。
484 :デス :2008/05/28(水) 21:32:14.88 ID:c1UeKLYo
>>483続き

「えーと、んで最後にリレーなんだけど、各クラス5人選抜するという決まりで、
 何でか知らんけどそれには必ず実行委員も含まなきゃダメらしい。
 だからあと4人ほど足に自信あるやつ、手上げてくれ。」

体育祭の種目振り分けは、思いの外スムーズに運んだ。
このリレーも結局男子が6人女子が7人立候補したが、
元々立候補が多ければ実際にタイム計って4人選ぶことを決めていたので、特に問題もなく。
あいつはともかく、俺は脚に自信はないので、残りの4人に頑張ってもらおう。

そんなこんなで体育祭前日。
つまるところ「実行委員」という名を冠した奴隷なんだな、と思わずにはいられなかった。
「男だから」と力仕事ばかり任され、頑張って運んでると「お、お前元気だな」と教師に目を付けられ、
更に重い荷物を運ばされるハメになり、へばっていると「これしきでへばるな!」と何故か体育教師に怒られる。
もう抜け出して帰ってやろうかと思ったけれど、
それを踏み留めたのは現場を仕切っていたのはあの子だったからで。

「大変ね?大丈夫?」
「あー…こんぐらいなら。」
嘘。キッツい。もう無理。

「そう?凄いね。びっくりしちゃった。」
俺にとってのホイミはあの子の笑顔だった。
「それで悪いんだけど、体育倉庫の奥のもの取り出して欲しいんだよね…結構大きいんだけど。」
さすが僧侶のあの子。ザキも使えるようだった。

二人して体育倉庫の中に入ると、物凄い暑さ。
こりゃ窓を開けなきゃやってられん、ってことで、とりあえず一番奥の窓を開ける作業に入る。
うまい具合に跳び箱やら何やらが重なって、上に乗れば丁度手の届く場所に窓が。
「大丈夫?気をつけてね。」
「大丈夫だって、こんぐらいっ。」

と、足元に力を入れた途端、視界がぐらつく。倒れるっ。
ガシャーン!
485 :デス :2008/05/28(水) 21:33:00.96 ID:c1UeKLYo
>>484続き

「っ…てて…ご、ごめん、大丈夫か!?」
「ん…平気だよ。ありがとう。」

やっちまった。調子に乗ってバランス崩して…。
マットやらなにやら、色んな物が倒れて俺の背中を圧迫する。
あの子を守るようにして倒れたのはいいけど、動けない。
かと言ってあの子に抜け出してもらうような道もない…。
…くっそ、物音で誰か気付いてくれ…!
暗さから察するに、何かが落ちた拍子に体育倉庫の入り口まで閉まったみたいだ。

「わりぃ…本当、ごめん…。俺のせいで…。」
「ううん、平気だから。それより大丈夫?」
「大丈夫。絶対守るから。」
「…うん、頑張って。」

あとで気付いたけれど、俺はこの時顔から火が出るほど恥ずかしいこと言ってたんだな…。
状況が状況じゃなきゃこんなにすんなりとこんな言葉は出てこなかったと思う。

あの子とはほとんど密着したような状況で、
言うなれば満員電車で彼女の分のスペースを体で作るイケメン男子みたいな感じだった。
彼女の息もかかるような距離で、先日の雨の日よりも近い距離だったのだけど、
自分のせいであの子を危機に晒した責任感から、俺はとにかくあの子を守ることで必死だった。

そんな状態が何分続いたかわからない。
日ごろの運動不足がたたり、俺の腕は震え始め、徐々に限界が近づいていた。
「…!!くそっ!」
それでも必死に耐えて…あの子との距離は更に縮まっていた。

その時、あの子はそっと俺の腕に触れた。
「私、潰れても大丈夫だよ?大丈夫、人が来ればすぐに助けてくれるから。
 だから、ね?そんなに頑張らなくてもいいんだよ…。」
その言葉に、俺はもう一度奮起する力を貰った。
でももってあと2分程度…頼むから!早く誰か…!
486 :デス :2008/05/28(水) 21:33:30.44 ID:c1UeKLYo
>>485続き

ガラッ。

「ちょっといつまでも何やってんのよバカ!」
あいつの声だ!

「わりー…下敷きになってる。助けてくれ。」
「…え!?な、何この惨状…。どこにいるの?」
「多分上にマットとか乗ってると思う…一人じゃ無理なら誰か助けを…。」
「だ、大丈夫、なんとかなるわっ。んしょ…えいっ。」

バサッ!ドタドタ!
上に乗っかっていた重いものを引きずり下ろしてくれたみたいで、
まだ何か重いものは背中に乗っているが、もはや自力で脱出出来るレベルだった。
だからあの子を抱き上げるようにして、背中の重いものを無理やりどかし奇跡の生還を果たす。

明るい光が差し込んだ部屋に、俺とあの子は嬉しさがいっぱいになる。
だけど、何か冷ややかなものを感じた。

「……何してたの?あんたたち。」
ジトーと、軽蔑したような目で俺を見るあいつ。
俺達はまだ、抱き合ったような状態でいた。
「〜〜〜んのっ、最低変態痴漢常習犯ー!」
あんまりな罵詈雑言と共にバレーボールを俺の顔面にぶち当ててあいつはどこかへ消えた。

「あ、あのクソ女…!」
「うふふ…どうしよう、今度は私たちが誤解されちゃった…。」
そんな誤解なら大歓迎なんだけどな。

「改めてお礼言うね、ありがとう。」
「いや…元は俺が悪いから。」
とにかくこの笑顔を守れて、俺はほっと胸をなでおろした。

ちなみに運ぶ予定だった荷物のことは、俺もあの子もすっかり忘れていて、
あとで揃って実行委員のリーダーに怒られた。
487 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/28(水) 21:34:25.29 ID:c1UeKLYo
今日はここまで。あの子!一応メインヒロインはあの子っていう想定で書いてるからっ!
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/28(水) 23:20:36.93 ID:CA/fiWIo
>>487
( ´ω`)・・・
まああいつがたくさん出ててくれるなら・・・
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/05/29(木) 08:42:03.84 ID:w/ArTUso
なんという体育倉庫でのお約束な展開……(^o^)
でも現実ではありえないんだよなぁ
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/29(木) 20:18:47.53 ID:Cc.O34go
>>486続き

体育祭当日。昨日あんなことがあったせいで、あの子とは気まずいながらも仲良く喋れたが、
あいつは未だに冷ややかな視線をこちらに送るだけで、まるで相手にしてくれない。

それ以外はまったく順調で、そこそこの盛り上がりも見せる中、
いよいよリレーがはじまるっていうんで、俺は柄にもなく緊張していた。
俺のせいで負けたらどうしよう、なんてことを考えていたから。
いっそ雨で中止になればよかったのに…なんて小学生じみたことも考えていた。
しかも何の苦行か、実行委員は必ずアンカーというのだからつらい話だ。

でもその気持ちは、あいつのリレーを見て変わった。
3番手でバトンを受けると、1度汗で滑ってバトンを落としてしまったのだ。
その影響で一時4番手に順位を落とすも、目つきが変わったあいつは物凄い走りを見せ、
次々と相手を抜き去り、ついには1位になってゴールインした。
確かに相手は早い相手ばかりではなかった。
だけど、特に2位を走っていた選手は確か陸上部だったはずだし、
そもそも1位とは最早絶望的な差があったのだ。それをひっくり返しやがった。

気持ちだな、気持ち。その走りを見て俺はそう確信したから、やる気が出てきた。

そして俺の番。ウチのクラスは選考で選んだ4人が爆発、なんと1位で俺にまで回ってきた。
と言っても差は僅差。少しミスをすれば一気に3位か4位…いやそれ以下もありえる。
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/29(木) 20:19:15.30 ID:Cc.O34go
>>490続き

俺は落ち着いてバトンを受け取ると、全力疾走。
よしっ!とりあえず1位は堅守!
そしてそのままの勢いでコーナーにさしかかった時、足に異変が起きた。
左足の踏ん張りがきかない。
周りがスローモーションに見えて、俺は昨日のことを思い出した。
どうやら痛めていたみたいだな…足も。

これはもうむりだ。そう思った。

頑張って! 頑張りなさいよ!

その声が聞こえるまでは。

スローモーションから開放されると俺は地面を転がっている最中だったが、
とにかくすぐに立ち上がって、左足を殴って痛みをごまかす。
おそらく今は5位くらいまで落ちてしまった。
だけど1位はまだ近い!逆転も可能だ!

とにかく走って、走って、走った。痛みは気にならなかった。
それでも左足から力が抜けることはあったし、何度もバランスを崩しかけた。
でもそんなもの、気力さえあればどうってことないんだ。

…結果的に、俺は3位までしか追い上げることは出来なかった。
1位でバトンを受けながら、なんというていたらくだ…。
それでもクラスのみんな、リレーの仲間は祝福してくれた。
それがただ嬉しかったから、実行委員をやってよかったなと、今更思う。

足を引きずりながら、実行委員が控えている仮設テントに行くと、
あいつは笑顔で、あの子は泣き顔で迎えてくれた。
「頑張ったじゃん、褒めてあげる。」
「へっ…お前らしくもねー。」
「らしくなくてもよ。…あと病院はちゃんと行きなさいよ。」
「おう。」

あの子に顔を向けると、涙を流しながら、笑顔で頑張ったねと、言ってくれた。
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/29(木) 20:21:23.61 ID:Cc.O34go
なんか名前入れると書き込めないみたいなんで、コテ無しで。
冗談抜きでネタ切れしたので、今日も短いけどごめんなさい><

>>489
物が安全に崩れて尚且つ閉じ込められてしまう仕掛けをあらかじめ作っておいて、
適当に用事つけて連れ出せばお約束な展開に…なんか犯罪チックですね^^^^^^^
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/29(木) 22:10:17.34 ID:7hKEc4Ao
今日も乙
てかデス氏はまだゲーム製作してるのか?
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/30(金) 02:13:02.83 ID:xevN6kco
>>493
ごめん、メイン3人の立ち絵描いたあたりでストップしてる><
というかもし全員分の立ち絵描けても、正直作れないかもしれないです…ww
Nスクってソフト使って作ろうと思ってたんだけど、打ち込みがめんd(ry
誰か打ち込みやってくれないかなぁ…。
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/30(金) 21:17:55.19 ID:xevN6kco
>>491続き

体育祭以来、俺は「雑用係」として生徒会に呼ばれることが増えた。
なんでも実行委員の中で俺が一際力仕事に長けていたから、らしい。
…別に俺は体育会の人間ではないのだけど…。
ただあれはあの子がいたから頑張ってやってただけの話で。

とはいえ生徒会にもあの子はいるので、結局俺は頑張れてしまう。
それにしても「ごめんね」と言いつつ多量の荷物を運ばせるあの子が小悪魔ちっくに見えて仕方が無い。
でもそこもまた…いや、なんでもない。

今日も今日とて、朝早くから学校に呼び出されていた。
いっそ生徒会に入ればいいのに、と先輩に言われたが、
もしこの勢いで生徒会に混ざってしまうともっと雑用を押し付けられそうなので全力で拒否した。
というか、こんな酷使が続くようなら雑用もいい加減辞退したい…。

そんな調子で、気が乗らない上に眠いおかげで、俺の頭はボーッとしっぱなしだ。
それがまずかったんだろう。近づいてくる車に気付かなかった。

キキーッ!!

視界の端で捉えた瞬間、意識せずに脊髄反射的に避けたものの、受身を取れずに転がってしまう。
ヤバかった…!けど悪いのは俺だ。文句言えるわけもない…。
とりあえず謝ろうと頭を上げて、止まった車を確……ベンツ…?
いかにも金持ちが乗ってそうな黒塗りのベンツがそこにあった。
金持ちじゃなければ、そう…893的な人が乗ってそうな…。

そのベンツの後部座席のドアが、開いた。
ドキッとする。やべぇ、俺殺されるんじゃ…。
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/30(金) 21:18:35.00 ID:xevN6kco
>>495続き

そんな不安は一瞬で消し飛ぶ。中から出てきたのは美少女だった。

「ごめんねぇ、大丈夫?」

ふたつのおさげを携えたその少女は、俺にハンカチを差し出してくる。
唖然をしていた俺は、それにしばらく気付かなかった。
すると少女はそのハンカチで俺の顔を拭いてくれた。

「…あ。ちょっと急がなきゃダメだから…ごめんねぇ。」

そういうと彼女は俺にハンカチを握らせ、ベンツに戻っていく。
後部座席のドアが閉まると、走り出すベンツ。
その姿が地平線に消えたあとも、俺はしばらくポカンとしていた。
ボケーとしていたら、車に轢かれそうになって、その車はベンツで、ヤバい!と思ったら中から美少女が出てきて…。
色んなことが一気に起こりすぎて、処理が追いつかない。
…って、あれ?今の子が着てた制服、ウチのじゃなかったか…?

…とりあえず、学校行こう…。オタクに聞けばきっと分かるだろ。


「はぁー…朝から散々だぜ。」

朝のHR前のわずかな時間、俺とあいつは向き合っておしゃべりをする。
いつの間にか毎朝の習慣になっていた。

「何かあったの?」
「色々ありすぎて何がなにやら…。
 5分遅刻だ!って生徒会長には怒られるし…。」
「あんたまだ生徒会の小間使いやってるの?物好きねー。」
「イヤ、腹たったから今日で辞めるって言ってきた。」

きっと生徒会長も俺があの子目当てなのは勘付いているんだろう。
最初の内は毎度あの子が一緒に行動してくれたんだが、
最近は俺の堪忍袋の緒が切れそうなときにしかあの子を遣してくれない。
あのメガネの会長は、俺の扱い方をよぉく心得てやがる…。
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/30(金) 21:19:22.06 ID:xevN6kco
>>496続き

が、今日はあの子はいなかった。
朝から色々ありすぎて頭がパーになっていた俺には、あの子が必要だったのです。
そんな日に説教されたら、もう堪忍袋なんて爆発しました。

「ふーん…ま、私には関係ないけど。」
「あ、そうだ。オタクに聞きたいことがあったんだ。」

「なんでやんすか。」

にょろん。突然後ろの席に現れるオタク。

「うわぁ!なんだお前!どこでそんな忍術を!」
「オタクたるもの、忍術のひとつやふたつ使えて当然でやんす。」
「そ、そうなのか…?んでお前に用ってのはだな…。」

今朝あった少女のことを細かく説明する。覚えてる範囲で、だが。

「ふむふむ…そんで、体型的にはどんな感じだったんでやんすか?」
「体型かぁ…。そうだな、胸は…。」
チラッ。
「胸はでかかったな。身長は小さかった。」
「ちょっとあんた今一瞬私の方見たでしょ!比較したでしょ!最低男ー!」

ゲシッ!ゲシッ!
太ももにローキックを2発いれられる。痛い。
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/30(金) 21:19:52.69 ID:xevN6kco
>>497続き

「ご、誤解だ!」
「うるさい!絶対こっちを一回見たわ!変態!」
「…兄さん、その子は…。」
「お前なー!もしお前を一回見てたとしても、なんで胸を見たことになるんだよ!」
「そういう視線だったからよ!スケベ!」
「…きっと…。」
「いつもお前はそうやって俺にいいがかりを…!」
「いいがかり!?今まであんたがしたセクハラ行為は全部事実でしょ!?」
「…この学校には…。」
「なんだとー!事実無根だ!裁判するか!?」
「えぇ、いいわよ!私が転校してきた初日から今に至るまでの全てのセクハラ行為を」

「それでやんすッ!」

ガタン!と急に立ち上がって目を光らすオタク。
あまりの勢いに言い争っていた俺とあいつは二人そろってポカンとする。

「え…裁判がどうかしたか…。」
「違うでやんす。何言ってるでやんすか。兄さんの言う少女の話でやんす。」
あ、ああ…すっかり忘れてた…。

「そもそも拙者が今座ってる席は、今日になって増設された席でやんす。」
「あ、そういや…。俺最後列だったもんな…。」
「そして、兄さんが上げた身体的特徴に当てはまる女子生徒はこの学校にはいないでやんす。」
「え…全員把握してるの…?」
あいつがちょっと引いてる。
「だけど兄さんの証言ではその美少女は我が校の制服を着ていた!
 つまり!そこから導き出される答えは!」

『超美少女の転校生!!!!!!イヤッホーウ!!!!!!』
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/30(金) 21:20:32.27 ID:xevN6kco
>>498続き

いつの間にかオタクが導き出す推論を見守っていたクラス中の男子が歓喜する。
その歓喜っぷりを見てる女子の「何こいつら…」という視線がまた面白い。

「背ちっちゃくておっぱいでかいんだろ!?たまんねぇなぁあああー!」
「バーカ!髪型がいいんだろうが!」
「そもそも言葉遣いが可愛いだろ!ああああああー!甘えられてええええー!」

クラス中の男子共がバカ騒ぎしている。
いやだが正しい。俺が見た美少女は、バカ騒ぎしたくもなるほどの美少女だ。

「待つでやんす。あくまで推論でやんす。
 そもそもこの高校のセーラー服は特に珍しいものでもないでやんす。」

男子の盛り上がりにオタクが水を差す。
現実に帰った男子たちは、皆遠くを見ている。現実はつらいもんだな、うん。

「何にせよ、HRで明らかになることでやんす。」
「お前のいらん推論でクラス中の男子が無駄に元気使っちゃったな…。」

キーンコーンカーンコーン…。

そんな無駄話をしていると、チャイムがなる。朝のHRだ。
ウチの担任はチャイムが鳴り終わらない内に教室へ入ってくる。
すぐだ、もうすぐだ…結果が分かる。

…でもそもそも、本当に転校生なんて来るのか?こんな時期に。

ガラッ。
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/30(金) 21:21:04.43 ID:xevN6kco
>>499続き

ざわ…ざわ…。
クラス中の男子のざわめく声。転校生の姿はまだ見えない。

「HRはじめるぞー。席につけー……。
 ってなんだお前ら…言う前から席についてるじゃないか…気味悪いな…。
 …あー…もしかして知ってたのか?転校生がいるんだ。紹介する。入って来なさい。」

ざわっ!そして姿を現す転校生。

「……ぐ、偶然ってこえぇ…。」
「はじめましてぇー。家庭の事情で転校してきましたぁ。よろしくおねがいします♪」

ウオオオオオオオオオオー!!!!イヤッホオオオオオオーウ!!!!!

教室は野太い男の大歓声に包まれる。
野球でサヨナラ勝ちした時、サッカーでロスタイムに逆転ゴールが決まった時。
そんな時のスタジアムの状況を想像してもらいたい。まさにそんな状況。

結局その後は両隣のクラスから何事かと見物人が押しかけるやら、
大騒動になってしまって1時限目の授業がはじまるまで大混乱だった。
そんな中隣のあいつが「何よ、私の時はこんな大騒ぎしなかったくせに…」とむつけていたのは内緒だ。
501 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/30(金) 21:22:02.44 ID:xevN6kco
今日はここまで。あ、しばらく小悪魔ばっかりになるかもしれないです^^
それにしてもやっと500かぁ。
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/30(金) 21:47:29.71 ID:OGb9I2DO
GJ!!!
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/31(土) 00:29:13.37 ID:YBsB6UQo
おつ
打ち込みか・・・よく知らないがww
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/31(土) 20:03:24.27 ID:JV1H6Fko
>>500続き

1時限目の授業が始まる頃。ちなみに担任が1時限目の教科の担当だった。
俺の後ろに座った転校生は、やっと状況が落ち着くと、俺の姿に気付いた。

「あれ?今朝の…ごめんねぇ、大丈夫だった?」
そう言って、さりげなくかすり傷がある腕を触ってくる転校生。
「あ、ああ。大丈夫。俺の不注意だったし、謝らないでくれ。」
な、中々積極的な女性でらっしゃる…。
そういう友好的な関係を築いてくれるのは男としてはありがたいことだが、
いつにも増してクラス中からの殺気が凄いことや、
特に隣の席から異様な何かを感じるので、出来れば自重していただきたかった。

しかしそんな様子を見ていた担任が一言。
「お前…転校生と仲良くなるの上手いな…。
 よしっ、んじゃあお前その子に放課後校舎の事案内してやれ。いいな?」

殺気が強くなる。やめろ担任、俺を[ピーーー]気か。

「えぇ!?いいのぉ?ありがとう。」
俺はまだ何も言っていないのに、転校生は俺の手を握って喜ぶ。
結局俺は意見する暇すら与えられず転校生のことを案内するハメになった。
ちなみにそんな中「何よ、エロ担任…。私の時は自分で歩いて回って覚えてみるといい、
とか言ってたくせに…。」と隣であいつがむつけていた。


その後、休み時間の度に男の群れが転校生の席を囲む。
その様子を見る度あいつが「私の時は…」とむつけている。今日のあいつはむつけっぱなしだ。
結局俺とあいつは席から締め出されることになり、
あいつはクラスメイトの女生徒とおしゃべり、俺は群れる男子から「出て行け」オーラを感じたので校舎をぶらぶら…。
まともに落ち着くことが出来たのは昼休みに屋上に出た時だけだった。
珍しくあの子もやってきたので、本当に心は休まった。
「大変だったよね…ごめんね。」と雑用の件を謝られてしまい、
いっそ雑用に復帰しようとしかけたが、生徒会長が腹立つので踏みとどまった。

そんなこんなで放課後。何食わぬ顔で帰ろうとする俺の制服を、小さな手が掴む。
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/31(土) 20:04:12.68 ID:JV1H6Fko
>>504続き

「案内してね♪」
クラス中から殺気が。この子わざとやってんじゃねぇのか…!?
無邪気な笑顔だったが、なんというかこう…小悪魔的なものを感じた…。

というわけで結局案内することになる。
男子の尾行があるかと思っていたが、そうでもないようだ。
教室から出るときに転校生がクラスの男子に向かって、
「付いてきちゃダメだよ?」
と困ったような顔で言ったせいだろうか。男子共は従順な下僕だな、もう。

「はい、んで…ここが音楽室。わかりましたかー。次行きますよー。」
「わかりましたぁ♪…あれ?この階段は?」
「ああ、これは屋上に続いてる。」
「へぇ…この学校では屋上はいっつも開放してるのぉ?」
「いや、閉まってるよ。ただ俺は開け方知ってるから、昼飯の時はいつもここで…。」

…し、しまった。

「…ふーん、そうなんだぁ。」
ニヤリと笑う転校生。何かたくらんでます、という顔そのものだった。
間違いない、この子は小悪魔だ。


案内も終わり、精神的なプレッシャーから開放された俺は、すぐにでも帰って眠りたい気分だった。
肉体的にはまだまだだが、精神的な疲労が…。
ところが小悪魔な転校生は俺をまだ離してくれないようだった。
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/05/31(土) 20:04:59.41 ID:JV1H6Fko
>>505続き

「案内ありがとぉ♪それじゃあ…今度は私のこと、送っていってくれてもいいよ?」
なんとなくそんなことを言われるんじゃないかとは、予想していました…。
「あぁ…わかった、送ってやる。家はどこなんだ?」
「えっとねぇ…まだよくわかんないんだけど…神社が近くにあったよぉ。」
神社?神社っていうと、この近所では一箇所しかない。
なんの因果か、その神社はウチの近所なわけですが。

「神社ね…ってことはお前んちウチの近所か。」
「え!?そうなのぉ?じゃあ今度遊びに行くね♪」
「い、いやそれはちょっと…。」
クラスメイトに殺されたくないので…。
「えっ…だって私たち、友達でしょ…?」
そんな悲しそうな目で見るなっ。
「そうかもしれないけど…。」
「じゃあいいよねっ!けってぇーい!今度行くねっ!」
…小悪魔。

その調子で常に会話の主導権を握られながら、俺達は並んで下校する。
あいつを相手する時みたいに言い返せばいいのかもしれないが、
小悪魔な転校生を相手にしていると、何故か言葉を飲み込んでしまう…。

下校中、公園にさしかかった時、小悪魔は急に立ち止まった。
「疲れたぁ〜…。」
毎日歩いてると(走っていると)気にならないもんだが、結構遠いみたいだ。

「休憩しよぉー。」
強引に小悪魔は俺の腕を引っ張って、公園に連れ込まれた。
「お、おい…もうすぐ着くぞ?」
「疲れたんだもん…。」
「ったく…。」
ベンチに腰掛ける小悪魔。様子を見ていると本当に疲れてるみたいだ。

そういえば、小悪魔は今朝あんな立派なベンツに乗っていた。
つまり随分いいとこのお嬢さんなはずだ。
…もしかして家もデカかったりして。
507 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/05/31(土) 20:07:20.67 ID:JV1H6Fko
ちょっと中途半端だけど、疲れてるんでここまで。ごめんなさい><

>>503
なんかこんな感じで実際にゲームにする作業みたいな。
http://kamakura.cool.ne.jp/o_show/nscripter/
もう読んでるだけでめんどくs(ry
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/01(日) 12:50:19.97 ID:miF2vXIo
乙おつ
小悪魔かわいいよ小悪魔
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/01(日) 21:26:01.03 ID:dV/0mFco
>>506続き

「お前、車で送り迎えしてもらえばいいじゃないか。」
「んっ…明日からは登下校どっちも歩きだよぉ。今日だけ。」
「そうなのか…。」

会話が途切れたところで、自販機で飲み物を買って渡してやる。
笑顔でお礼を言われ、美味しそうに飲み物を飲んでいる様子を見ると、
何か悪い気はしないから不思議だった。

「あ、ブランコ!懐かしいなぁ。」
ブランコに駆け寄る姿を見ていると、子供を見ているようで思わず噴出す。
背が小さいから、小動物みたいだった。

「えいっ、えいっ。わー、まだ全然コツ覚えてるぅー♪」
楽しそうにブランコを漕いでいるが…。
「…おい、あんま勢いよく漕ぐと、スカートめくれるぞ。」
俺の一言に顔を真っ赤にして、慌ててブランコを止める小悪魔。
「…えっち。」
「み、見てねぇよ!」
「んふふ…でもね、君なら見てもいいよぉ♪」
そう言ってまたさっきのように勢いよくブランコを漕ぎ出した。
見ないように、視線を逸らす。

と、たまたまた向けたその視線の先にあの子がいた。
正しくはちょうどあの子が公園を通り過ぎようとしてた時で…。
音に気付いたのか、あの子がこちらに視線を向ける。

「あれ?こんなところでどうしたの?」
「あ、あぁ…いや…。」

こちらに寄ってくるあの子に、危機感を募らせる俺。
やべぇ…また誤解される…。
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/01(日) 21:26:38.88 ID:dV/0mFco
>>509続き

「…あら?その子は…?」
「いや、えーと、」
「ん?あれ?誰誰?もしかして君の彼女?」
こちらに気付いた小悪魔も、駆け寄ってくる。
「違うよ?」
即答するあの子。いや事実だけど…。

「じゃあもしかして君って今フリー?私が狙っちゃおー!」
ぎゅっと腕に抱きついてくる。
ぜ、絶対誤解されるっ。
「こいつは今日転校してきたやつなんだ!い、家が近いってんで!送ってやる途中で!」

「へぇ…そうなんだ。仲いいんだね?じゃあ、私帰らなきゃいけないから、ばいばい。」
笑顔を残してあの子は去った。
頭を抱えたくなる。くそう…また変な誤解された…。

「今の人綺麗だったね?そういえば君の隣の人も綺麗だったね。
 君には綺麗な人ばっかり集まるのかなぁ?んふふ。」
「…帰るぞ。」

十分休んだことだし、多少強引に公園から出る。
ちなみに、腕に抱きついたのは引き剥がしたんだが、
その後何故か俺の手を握っている。なんでこんな状況になったんだっけかな。
小悪魔が言葉巧みに…そう、いつもどおりだ。

「あ、着いたよー。ここ。」
…あれ?俺の予想してた家とはまるで違う。
というかただのアパートだった。少し大きめの。

「…あれ?豪邸に住んでるんじゃないのか?」
「何言ってるのぉ?」
「い、いや、今朝のイメージでなんとなく…。」

結局最後まで今日は小悪魔に振り回されっぱなしだった。
事情はよく知らないが、朝はベンツで登校したくせに、これからはずっと歩いて登下校、
しかもあんなベンツ持ってるくせに家は普通のアパート…。
小悪魔にはまだ色々と秘密がありそうだが、あまり深入りするのは嫌なのでやめとく。
小悪魔に関わったせいで、今日だけで色んなものを失った気がするからな…。

とりあえず、俺に残ったものと言えば、
右腕に今も感じるあのやわらかいもの感触くらいだ。
それと今朝借りたハンカチ。洗って返さないとな。
511 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/01(日) 21:27:12.53 ID:dV/0mFco
今日はここまで。明日は多分沢山投下出来る…かな、わかんないっすwwwwww
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/01(日) 22:01:08.44 ID:miF2vXIo
おつおつ

あの子ルート(?)なのにそのヒロインが不憫だ
これはもう俺が貰っていくしかあるまい(´ω`)あの子あの子
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/01(日) 23:51:08.48 ID:CR1oz4Yo
それじゃああいつは俺がいただきます( ^ω^)
514 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/02(月) 21:55:38.91 ID:EJqfr8oo
ごめんなさい、今日ちょっと投下無理っぽい<<><>
その分明日たくさん投下するんで許してくださいorz
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/02(月) 22:51:51.69 ID:zKAYp1ko
まったりいこうぜ( ´ω`)
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/03(火) 23:51:42.50 ID:NwJzvSgo
>>510続き

「ほれ。」
「ん?なぁに?」
朝一番、洗濯して綺麗になったハンカチを小悪魔に返す。

「借りてたハンカチだよ。」
「あ…そっかぁ、あの時の…。」
ぽっ。
何故か顔を染める小悪魔。
そして横から襲い掛かる、あいつの冷たい視線。
小悪魔と話すたび、必ず新しい誤解を生んでる気がする…。

「何で顔を赤くするんだよっ。」
「だって、はじめての時の…。」

ざわ…。

「へ、変な言い方するな!」

俺はいたたまれなくなって、教室を飛び出す。
おそらくクラス中から変な誤解をされていることだろうが、
その誤解を解こうにも、俺が何を言っても小悪魔の手のひらの上な気がする…。

だからもう俺は逃げるしかない。くそう、何も悪いことしてないのに。
そんな調子で、休み時間のたび、俺はずっと教室から逃げつづけた。
しかし教室の外は外でつらいものだ…。
噂が広まっているのか、俺に向けられるのは好奇の視線。

仕方ないので屋上に逃げることにする。
だけどまだ午前中の内は、ちょっと肌寒いんだよな…。
贅沢は言っていられない。たかが十分程度のことだしな。
いつもの調子で、無事屋上に出ると、やっと安らぎの時間が訪れた。
はぁ…でも、なんとか誤解を解かないと毎日こんな感じなんだろうな。
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/03(火) 23:52:28.38 ID:NwJzvSgo
>>516続き

ガチャ。
ビクッ!とする。まさか小悪魔…?

「あ、やっぱり。ダメだよ、屋上出たら。」
あの子だった。

「よく言うぜ。屋上御用達のくせに。」
「う…私はちゃんと鍵で出入りしてるんだから、いいの。」
それはいいのか?と苦笑する。

「えと…とにかくあんま勝手に屋上出たらダメだからね?」

もう少し話をしたかったけど、そそくさとあの子は行ってしまった。
でもそんなことは大した問題じゃない。
俺はある重大な事実に気付いた。
いつも人の目を見て話をしてくれるあの子が、最後まで俺の目を見てくれなかった。
うぅ…絶対昨日のことで誤解されてる…。
誤解の山だな、俺って。
散りも積もればなんとやら…いつかこの誤解が事実になってしまいそうで怖くなる。
なんとかしないと。


「ふーん…まぁ楽しそうでいいじゃない。」
「おまっ…他人事みたいに!」
「悪いけど、他人事だもの。」

昼休み。いつものように屋上で昼飯。
なんだか随分久々に話したような気もするあいつ相手に愚痴るものの、
あいつはまるで興味なしといった感じでそっぽを向いたままだ。
なんだよ、ツーンとしちゃってさ…もっと同情してくれよ。

「大体よかったじゃない。あんな可愛い子とイチャイチャ出来て。」
嫌味ったらしく、そんなことを言う。
まったく可愛くねぇな、コイツは…!
「だから俺は別に嬉しくねぇの!」
「胸も大きいもんね。」
「だからっ…!……いやまぁ胸はデカいな、うん。」
今もまだ腕には感触が…。
あの感触を思い出すと、否応にも顔がニヤけて…。
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/03(火) 23:53:10.36 ID:NwJzvSgo
>>517続き

「…っの!バカ!変態スケベ!男なんてみんな大きい方が好きなんでしょ!バカみたい!」

くそ、確かに大きいのは悪いことじゃないが、さすがに腹が立ってきた。
「ちげーよ!俺は小さくても大好きだ!」
って、俺は何言ってんだ!

「…ふ、ふんっ。バカみたい。」
だけどあいつは頬を染めて、うつむいた。
あれ?なんか知らないけど、機嫌を取ることに成功したようだ。
こいつのことは全然わからん…難しいやつだ…。

ガチャ。

その時、扉の開く音。あの子が来たのか?

「あぁー!やっぱりいたぁ♪」

小悪魔。
そしてその後ろからあの子。

「絶対屋上にいると思ったんだけどぉ、ちょっとだけ迷っちゃって…。
 そしたら偶然会っちゃったから、案内してもらっちゃった♪」
嬉しそうにそんな話をする小悪魔の後ろで、少し困ったような笑顔のあの子。
一瞬こちらを見てくれたが、目が合うとすぐに目を逸らされてしまった。
うぅ…。

「それで、私も今日からここでお昼食べるからぁ♪」
「…はぁ!?ふ、ふざけんな!俺の安らぎの地を奪う気か!?」
「…いいんじゃない?」
あいつから思わぬ一言。

「な、なんでだよ!?」
「だってその方があんたも楽しいでしょ?」
「た、たのしくなんて」
「やったぁー!ありがとぉ♪」

そこで小悪魔が予想外の行動に出る。あいつに抱きついた。
突然のことに慌てるあいつ。驚くあの子。目のやり場に困る俺。
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/03(火) 23:53:42.82 ID:NwJzvSgo
>>518続き

「なななな、何するのっ!?」
「だって、優しいんだもん…。
 それに私ね、可愛い女の子も好きなんだぁ…。」
「わわわわわわわ、わわ、私は、その、ノーマルだからっ。」
「えぇ…?仲良くしようよぉ…。」

うっ…なんだこの雰囲気、とても見てられん。目線を逸らす。
と、あの子と目が合った。

「あ、あのっ。私今日ここでお昼してる時間ないから…じゃ、じゃあね。」
逃げた!

そして変な雰囲気の中、残される俺とあいつと小悪魔。
あいつは頭から湯気が出そうなほど顔を赤くしている。
俺はどうしたらいいんだ…。

「なーんてね!でも本当に仲良くしてね?」
小悪魔はあいつから離れ、その代わり両手であいつの手を握る。

「う、うん…別に仲良くするのはいいけど…。」
「よかったぁ。嫌われてるかと思ったぁ。」
「そんなことはないわよ、うん。」

あいつは顔を真っ赤にしたまま斜め下あたりを見てる。

「それじゃっ…これからちょっと用事あるから、失礼するねぇ。」
「え?お前昼飯は?」
「えへへぇ、実は今日はもう食べちゃったんだ♪」
「じゃあなんで屋上来たんだよ…。」
「言わなきゃダメ?恥ずかしいなぁ…君に会いに来たの…。」

困ったような顔して、モジモジする小悪魔。
可愛いなクソ…演技のくせにっ。
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/03(火) 23:54:11.08 ID:NwJzvSgo
>>519続き

「んふふ、それじゃあねっ♪」

そして屋上から嵐が去っていった。
取り残された俺とあいつ。未だに変な雰囲気が充満してる。

「…どういうやつか分かったか?」
「う、うん、なんとなく…。」
「ああいうやつだから、きっと俺のこともおもちゃみたいに思ってるんだよ。」
「…それは知らない。だって彼女、男子であんたにしかああいう態度取らないし。」
「だ、だからいいおもちゃだと思われてるんだよ!」
「どうだかね。」

勢いに乗じて誤解を解こうとしたが、うまくいかなかった。くそー…。


そんな状態で数日が経過する。相も変わらず俺は誤解されたまんまだ。
昼休みも小悪魔にちょっかいをだされてはあいつの冷たい視線を浴び、
あいつが例の如く「男なんて…」と俺に文句をいいはじめると、
小悪魔が面白いことを言い出す。
あなたも魅力的なんだから、その魅力を使えば男なんて簡単に落ちるだとか、
男なんて押しの強い女の子には弱いんだよとか、
あなたみたいに可愛い人は私が好きになっちゃいそうだよ…とか。
小悪魔はあいつ弄りを覚えたみたいだった。
その光景を見ているのは中々楽しかった。あいつの狼狽ぶりが面白くて。

そして金曜日の昼休み。

「ねぇ、明日暇なら付き合ってくれない?」
意外なことに、あいつからお誘いがあった。

「えぇ!?デートデートぉ?ダメ!」
「ち、違うわよ!そんなんじゃないってば!」
「じゃあ、私も一緒に行ってもいい?」
「うん、全然問題ないけど…。」
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/03(火) 23:54:40.87 ID:NwJzvSgo
>>520続き

何故か少しガッカリしたのは気のせいだ。

「だったら二人で行けよ。俺はいらないだろ?」
「ダメよ!あんたがいなきゃ意味ないじゃない!」
「な、なんで…?」
ちょっと期待してしまう。

「弟の誕生日だから、男のあんたにプレゼントを見繕ってもらおうって思ったの。」
「あぁ、なるほどね。」
またしても少しガッカリ。
いや違うんだ、俺はあの子が好きなのだから。そういうガッカリじゃないんだ。
なんというか…誰が好きだとしても、人から好かれるのは嬉しいもんで…。

「………何か勘違いしてたでしょ。」
「い、いや?別に?」
「仲のいい男友達があんたしかいなかったってだけなんだからねっ!」

「ふーん…好きなのぉ?」
今まで様子を伺っていた小悪魔が、突然そんな発言。
「そそそ、そんなわけないでしょ!私の話聞いてた!?」
「だってあなた男の子とも結構おしゃべりしてるけど、
 彼とは特別仲良くしてる気がするよぉ。
 別に彼だけじゃなくみんなと同じくらい仲良くすればいいのに…。
 だから好きなのかなぁ?って。」
「え?そうなの?」
「違う!違うってば!そそそ、そんなつもりはっ!」
「だけどダメだよぉ!好きなら尚更私邪魔しちゃうもんねぇ!」
「照れるなぁ…。」
「だから違うの!違うんだってばー!もー!」

あいついじりは面白い。
522 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/03(火) 23:55:37.04 ID:NwJzvSgo
とりあえずここまで。夜中にまた投稿するかもなんだぜ。

あの子好きな人ごめんね><今はまだあれだけど今後活躍すると思うからごめんね><
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 02:11:46.13 ID:6GUngCMo
>>521続き

翌日。特に問題も起こらずプレゼントは決まった。
っていうか男が欲しいもんなんてよく分からないからな。
適当にゲームとかでいいんじゃないか?と言ったら、
そういえば欲しいゲームがあると言ってた、とのことでゲーム屋に。
ちなみにそのゲームは大作RPGだった。俺はまだ未プレイだ。
最近はRPGは当たり外れが大きいからな…面白いRPGだといいんだけど。

個人的にはこっちのアクションゲームを激しくオススメする、
とあいつに進言したのだけど、
よくわからないからと言って結局その大作RPGを買うことになった。
弟の嫌いなゲームだったら意味がないし、とのことだ。
なかなか弟思いのいいやつだった。
その優しさを少しでも俺にも見せてくれたらいいのに。

ちなみに小悪魔はあまりゲームはやったことないらしく、
ものめずらしそうにゲーム屋を見てまわっていた。

その後はウィンドウショッピングに付き合ったり、
女物ばかり取り扱ってる店に連れて行かれ気まずい思いをしたり、
カラオケに行ってあいつと小悪魔の上手さにビビったり…。
有意義な土曜日を過ごさせてもらった。

ところで夕食に小悪魔が「美味しいお店がある」というので付いていったら、
値段が学生には少しキツい感じの店で、結局あまり食えなかった。
やっぱ小悪魔はどっかのご令嬢に違いない…。

それにしても、二人の私服姿は新鮮なものだった。
いやぁ…たまにはこういうのも、いいですね。


帰り道。あいつや小悪魔とわかれたあと、ふと神社へと足を向けた。
今夜は満月だから。高台の神社から見える夜景は中々乙なもので。
本当はあいつや小悪魔を誘えばよかったのだけど、
神社へ行こうと思いついたのは二人とわかれたあとだった。
仕方なしに、一人寂しく夜景を独り占めしようと思う。
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 02:12:40.28 ID:6GUngCMo
>>523続き

階段をゆっくりと登っていく。
休日はよく近所の学校の運動部がここで練習してるっけな。
あまり長い階段でもないので、ちょうどいいらしい。

そんなことを考えていると、急に前方から男が現れ、
階段を何段飛ばしかで下りていくと、どこかへと消えていった。

な、なんだ…?幽霊でも出たのか?
それにしても、何か引っ掛かる。今のやつ、どこかで…。
満月じゃなかったら、顔は分からなかっただろうけど。
今夜は満月だから。
はっきりと見えた横顔は、どこかで見覚えのある顔だった。

階段を登りきると、賽銭箱の前でうずくまっている女の子。
やっぱり幽霊でも出たんじゃ…。
そんでこの子は怯えてるんじゃ…。
となるとさっきの男は、この子を残して逃げたのか?最低な。

だけど俺はあることに気付いた。
うずくまっている女の子は、誰かによく似ている。
少しずつ近づいてみると、次第に鼻をするる音が聞こえてきて。
誰かに似ている、と思った女の子は、やっぱりあの子だった。

「どうしたんだ…?大丈夫か?」

状況がよくわからないから、恐る恐る声をかける。
すると、涙でくしゃくしゃになった顔を上げるあの子。
俺だと気付いたのだろう。ハッとした表情をして、泣き顔を拭う。

「だ、大丈夫っ………はは…へんなとこ見られちゃったね…。」

さっきの男は、あの子を泣かせて逃げたんだろうか。
例えば映画やドラマの場合。こんな状況の時、考えられることは…。
恋人同士の別れ話か喧嘩。
恋人…。

嫌な考えを振り払って、ポケットからハンカチを取り出す。

「よくわかんねぇけど、涙拭けよ。」
「ありがとう…。」
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 02:14:42.67 ID:6GUngCMo
>>524続き

満月が恨めしい。あの子の泣き顔が、いやでもハッキリと見えてしまう。
暗がりだったらよかったのに。

「君はいっつも優しいね…。」
「そんなことねぇよ。」
「中学生のころから、ずっと優しかったよね。」
「…そうだったかな。」

「でも、中学生の時より、ずっとカッコよくなったよね…。」

胸が痛んだ。もしも今あの子が泣いているのは、俺が想像したとおりの状況だとしたら。
あの男と恋人同士で、ただ喧嘩しただけなのだとしたら…。
俺は、あの子に褒められても、嬉しくない。

「…そうかな、嬉しいよ。」

それ以上何を言ったらいいかわからなかった。
何を言うのが正解なのだろうか。正解はあるのだろうか。どうしたらいいのかわからない…。

あの子が立ち上がる。
「こんな顔じゃ、いつまでも外にいられないから…帰るね。」

「…ああ、気をつけて帰れよ。」
「うん…。あ、ハンカチ。洗って返すから。」
「…おう。」

階段を下りていくあの子の背中を見送る。
よかった…と思う。あんな状況がいつまでも続いたら、耐えられなかったから。

中学の時より、カッコよくなった…か。
中学生の俺は勇気が足りなくて、あの子に告白出来なかった。
そしてあの子はテニス部のやつと…。

…あの横顔は。そうだ、テニス部のあのイケメンだ。

あの子とあのイケメンは、まだ付き合っていたのか。
喧嘩したのか別れ話をしていたのか、そんなことはどうでもいい。
あの子は泣いていた。あの涙が意味するのはつまり、あの子の気持ち。
あの子はあのイケメンが…。

…。もし別れ話をしたのだったら、俺は喜ぶべきなんだろうな。
でも喜べない。あの子のあんな涙を見てしまうと。

…はぁ、見たくなかったな。こんなの。知りたくもなかった。
満月じゃなかったら、神社に来ようと思わなかったのに。
満月じゃなかったら、イケメン野郎の顔なんて見えなかったのに。
満月じゃなかったら、あの子の泣き顔もよく見えなかったはずなのに。
満月じゃなかったら…。
526 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/04(水) 02:15:05.39 ID:6GUngCMo
ここまで。それではオヤスミナサーイ。
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 12:18:36.36 ID:mFq.UwDO
おつおつ( ^ω^)
しかしテニス部イケメンとはまた懐かしい奴がでてきたもんだww
528 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/04(水) 19:49:14.31 ID:6GUngCMo
>>525続き

日曜日は憂鬱だった。何もすることがなくて、嫌でも昨夜のことを思い出す。
出かけて気を紛らわそうと外に出ると、小雨が振り出す始末。
小悪魔から来る能天気なメールが、唯一の気分転換だった。


月曜日。1時限目の授業が終わると、あの子がたずねてきた。
ハンカチを俺に差し出して「ごめんね。」と苦笑いをすると、教室に帰っていった。
それがまた俺を悩ませる。
ごめんね、ってなんだ?何に対して謝ってるんだよ。
冷静に考えれば「迷惑かけてごめんね」とかそんな意味なんだろうけど、
今の俺ではそんな風に受け取れず、マイナスな方へと思考が展開する。
告白してもいないのにフラれたんじゃ、とか最悪なところまで被害妄想していたところで、
あいつから声を掛けられる。

「そういえばお礼言うの忘れてた。弟喜んでたわ、ありがとう。」

弟?…ああ、誕生日のプレゼントか。

「そりゃよかったな。…でも考えてみたら、別に俺行かなくてもよかったんじゃないか?」
「そうでもないわよ。弟がゲーム欲しがってたこと、すっかり忘れてたもの。」
「ん、まぁそれならいいけどな。」
「それに…割と楽しかったかなって思うしね。」
「私も楽しかったよぉ♪また遊ぼうねぇ♪」

ずいっ、と後ろの席から乗り出してくる小悪魔。

「今度は遊園地でも行こうよぉ。」
「えぇー…暇なときならいいけどよ…。」
小悪魔と遊園地って、なんか色々大変そうだな。
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 19:49:46.50 ID:6GUngCMo
>>528続き

「私は嫌よ。なんでこんな男と遊園地なんて…。」
「それなら仕方ないねぇ…二人きりで行こうか♪」
後ろから首に抱き着いてくる小悪魔。
やめろ!耳に息を吹きかけるなっ。

「そ、それはダメ!」
慌てたような様子で大声を出すあいつ。
「なんでぇ?」
「なんか…なんかダメな気がするの!」
「じゃあ3人で行こうよぉ。」
「うっ…仕方ないわね。」

よくわからないが、今度は遊園地に3人で行くことになったようだ。
あいつの反応は面白いなぁと、あいつの顔を見ていたら、
視線に気付いたらしいあいつが顔を赤くして、
「何よ!別にあんたと行きたいわけじゃないんだから!」
と怒っていた。

この3人でいると何か楽しくて、つい土曜の夜のことを忘れてしまう。
そのことに気付いた俺は、なにか複雑な気持ちになる。
好きな子のことを考えるよりも、考えてない時の方が楽しいのか?
それは…どうなんだろうか…。

「ちょっとトイレ行ってくる。」
もやもやした気持ちは、小便でもして晴らしてしまおう。

「兄さん、いつの間にハーレム作ったでやんすか。」
小便を終えて手を洗ってるとき、急に横に現れるオタク。
「うわ!なんだよ急に!」
「教室では話しかけづらいでやんす。」
「…それはあの二人に文句を言ってくれ。」
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 19:50:37.82 ID:6GUngCMo
>>529続き

「それにしても兄さん、二人とも手に入れるつもりでやんすか?」
「何の話だよ。」
「随分親密そうに見えたでやんす。」
「ありゃ、小悪魔があいつのことを気に入っただけだろ。」
「ふむ…百合好きにはいい情報でやんすな…。」
メモを取るオタク。ゆ…なんだって?

「それで兄さん、どっちの子が好きなんでやんすか?」
「バッ…そんなんじゃねぇよ!」
「じゃあ兄さん。もしかしてまだあの子のことが…?」
「…わかんねぇ、わかんないだよな。」
「…兄さんもいろいろあるんでやんすね。じゃあ拙者はこれで失礼でやんす。」
「え?今の話の流れ的に、相談乗ってくれるんじゃ…。」
「有益な情報を手に入れたので、もういいでやんす。」

なんて薄情なやつだ…。つっても、オタクに相談してもなんともならんか。

でも俺は本当に、あの子が好きなんだろうか?
あいつや小悪魔といる方が楽しいと思っているのに。
それでも俺はあの子が好きなのか…?わからない。

「やっと戻ってきたぁ。まったく、私のこと置いてどこ行ってたのぉ!」
「いや、だからトイレだってば。」
「30秒でも離れてると私寂しくて死んじゃうんだからねぇ!」
「何の話だよ…。」

「そういうものでしょぉ?好きな人と一緒にいたいのは当然だもん。」
「えっ?」
驚いた様子で声を上げたのは、あいつ。
「す、好きって…こいつのこと?やっぱ…好きなの?」
「そうだよぉ?言ってなかったっけ?」
「俺も初耳だけど…。っていうかあんまそういう嘘ばっか言うなよ、お前。」
「嘘じゃないもん!」
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 19:51:25.14 ID:6GUngCMo
>>530続き

バッ、と立ち上がる小悪魔。
「いい?そんなこと言うなら、今から宣言しちゃうからぁ。」
スーハースーハーと大袈裟に深呼吸をしている。
宣言って、何をだ?

「はーい、みなさんちょっと聞いてくださぁーい。
 私は、彼の事が大好きでーす♪」

………凍りつく教室。主に男子が、だが。
あいつも唖然としている。そりゃまぁ、突然こんな行動に出たらな…。

キーンコーンカーンコーン。

嫌なタイミングで鳴るチャイム。
ま、言い訳しなくても問題ないだろ。小悪魔がこういう奴なのは、みんな知ってる。
俺が遊ばれてるってのもわかってるはずだ。


次の休み時間。

「本気で付き合ってるなら俺は身を引くよ…。」
「今まで殺意抱いててごめんな…彼女の幸せのためなら俺は…うっ…。」
「幸せになれよ!」
「彼女のこと絶対に幸せにしやがれよ…じゃなかったら俺は…!」

全然理解されてなかった。

そんな感じで俺と小悪魔の仲を祝福する言葉ばかり。
しかも全員が全員、捨て台詞を残して教室を去っていく。
これは小悪魔の冗談だと言っても聞き耳を持たない。
女子には「冗談だなんて言って酷い!」とか言われる始末で。
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 19:51:55.05 ID:6GUngCMo
>>531続き

結局無理やり既成事実を作られてしまった感じで…。
隣のあいつはと言えば、怖いぐらいに静かだった。
な、なにか言ってくれよ…。

その後、祝福されながら無理やり教室を追い出される俺と小悪魔。
あとは若いもの同士で、とか言われても。
仕方なく適当に次の授業まで校舎をまわって時間を潰すことにする。

「んふふ、クラス公認になっちゃったねぇ♪」
小悪魔はずっと俺の腕に抱きつきっぱなしだ。
まったくこいつはやたらとボディータッチが好きだな。

「はぁ…まぁクラス公認とか関係ないけどな。」
「そうだねぇ♪相思相愛なら周りの目なんてどうでもいいよねぇ♪」
「ちげーよっ。俺は別にお前が好きなわけじゃないっ。」
「どうして?私は君の事大好きだよ?」
それは俺の気持ちを無視してる。

…でも、どうなんだろうか。
小悪魔は可愛い。背も小さくて男が好きな感じだし。
しかも胸がでかい。非の打ち所なんてどこにもないんだ。
このまま本当に小悪魔と付き合っちゃってもいいんじゃないのか…?
いやダメだそんなの、小悪魔にも悪い…。

もやもやした気持ちでなんとなしに外を見ると、校門付近にあの子がいた。
…なんだ?あの子の腕にいるのは…犬?どうしたんだろう。

「悪い、また後でな。」
腕に抱きついた小悪魔を無理やり振りほどいて、俺は走り出す。
「あ、どこ行くのぉー!」
533 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/04(水) 19:53:56.13 ID:6GUngCMo
ここまでー。

>>527
もはや全てが懐かしい…。
話書くために中学時代の話を読み返したときは思いっきりニヨニヨしちゃいました。
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/04(水) 22:06:18.80 ID:8VMJznso
おつおつ

あの子と犬……シロクルー?
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/04(水) 23:16:09.94 ID:J.sbkeMo
>>533
中学時代の話かー…なんか俺も久しぶりに読み返したくなってきたな
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/05(木) 21:38:10.61 ID:avm.wQ.o
>>532続き

「どうしたんだ?」

校門に着くと、あの子にすぐ声をかける。
すると、悲しそうな顔をしたあの子が俺を見上げてきた。
…また泣き顔か。涙こそ流れてはいないけど。

「この子が、校門のとこで横たわってて…。」

あの子の腕の中で、泥に汚れた子犬がつらそうに息を荒げていた。
動物には詳しくない俺だけど、正直この犬はもう助からないと思った。

「…残念だけどさ。」
「ダメ!絶対助けるの!だって可哀想で…こんなにつらそうなのにっ…。」

チャイムが鳴る。

それでもあの子は子犬を抱いたまま、動こうとしない。

「…どうするんだよ…。」
「わかんない、わかんないっ…どうしたらいいのっ…どうしたら助けっ…。」
「近くに動物病院があるの知ってる。行こう。」
「え…?近くに動物病院なんて…。」
「最近出来たんだ。たまたま見つけた。ほら、早く行くぞ!」
「う、うん!」

次第に泣き声に変わっていくあの子の声を聞いてるのが我慢出来なかった。
もう助からないとしても、あの子が望むなら悪あがきをしよう。
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/05(木) 21:38:39.01 ID:avm.wQ.o
>>536続き

「もう少し遅かったら手遅れだったよ。よく運んできてくれた。
 でも学校さぼったのかい?それは関心しないなぁ、ワハハ。」

人の良さそうな獣医さんは、子犬を助けてくれた。
ただの野良犬なのに、子犬を心配してずっと涙を流し続け、
助かったと聞いてまた嬉し涙を流して、
あの子は本当に優しい女の子だということに、俺は改めて気付いた。

子犬は何日か入院が必要だということで、獣医さんに預けて俺達は学校へ戻る。

「でも、あなたが来てくれて、本当によかった。」
「子犬を助けたがってたのはお前だろ。俺はそれを手助けしただけだ。」
「うん…でも、あなたが来てくれなかったら、あのワンちゃんのこと助けられなかった…。
 学校の中に連れて行っても「もう助からない」って絶対言われてたと思うし、
 私本当にどうしたらいいかわからなくて、何も出来なかった…。」
「…その助けたいって気持ちが、動物病院を知ってる俺を呼び寄せたんだよ。」
「うふふ…そうかもね。本当にありがとう。」

やっぱり俺は、あの子が好きだった。優しいあの子が。
あの子がこういう女の子だから俺は好きになったんだ。
もしかしたらあの子はあのテニス部のイケメン野郎のことが好きなのかもしれないが、
だとしても俺はあの子が好きなんだ。

「シロってどう?」
「へ?何が?」
「あのワンちゃんの名前。」
「シロ…っていうか茶色だったけどな…。」
「あれは汚れてるだから、洗ってあげれば絶対白くなるよ!」
「そうかなぁ…。ま、でもお前がそう思うならそれでいいんじゃないか?」
「うん、そうだね。今日からあのワンちゃんはシロ。」

ニコニコして楽しそうなあの子を見てると、こっちまで楽しくなってくる。

「大事に育てろよ。」
「うん。」
心配はないだろう。シロはきっと、あの子の愛情を沢山受けて立派な犬になる。
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/05(木) 21:39:48.50 ID:avm.wQ.o
>>537続き

学校に戻ると、当然の如く職員室に呼び出される俺達。
しかし、なんとお咎めナシだった。
あの子がきっちりと何があってどうしてサボったのかを説明したところ、
教師も納得して「次からはそういうことは先生に任せるように」と言われただけでおしまい。
俺だったらいくら説明しても「言い訳するな!」だったろうけど…。
日ごろの行いって大事だなぁ。

教室に戻ると「旦那が戻ってきた!」「よっ!新郎!」とか野次が飛ぶ。
……ああ、俺と小悪魔のことか。すっかり忘れてた。

結局クラス中からかけられるちょっかいは放課後まで終わることはなかったが、
気分の問題なのか特に気にもならなかった。
けれど小悪魔の方にははっきり言っておかないとダメだな。

そして帰り道。依然ベッタリとくっついてくる小悪魔。

「それでねぇ、新居はこんな間取りでー。」
ひと気がない道になってきたので、そろそろ言おう。
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/05(木) 21:40:11.03 ID:avm.wQ.o
>>538続き

「あのさ、悪いけど俺はお前とは付き合えない。」
「え?どうしてぇ?」
「好きなやつがいるんだ。」
「私でしょぉ?もーう!わざわざ言わなくても分かってるよぉ。」
「違う。だから離してくれ。」
「………誰?教えてくれなきゃ離さない。」
腕にかかる力が強くなる。

「…公園で会った子がいるだろ。お前を屋上に案内してくれた子だ。
 あの子。俺は彼女が好きだから。」
他人にあの子が好きだと告げるのは初めてかもしれない。
オタクはいつの間にか知っていたけどな…。

小悪魔がゆっくりと、腕から離れていく。
諦めてくれたか。ま…悪い気分ではなかったけど。

「…でも私は大好きだもん。」
「悪いな…。」
「ううん、大丈夫。だって、私が好きってことは、君もいつか絶対私を好きになるもんね。」
「…はっ!?」
「だからぁ、絶対私のことを好きにさせてみせるって言ってるのぉ!」

チュッ。
ほっぺたにキスをされた。
「んふふ、今日はこれで勘弁してあげるっ。また明日ねぇ!」

「お、おいっ…。な、なんだよ…。」
諦めたんじゃなかったのかよ…。ったく、また明日からも小悪魔に振り回されるのか。
それにしても…。
頬を手で拭うと、何も付いていない。当然か。口紅はつけていないようだった。

だけどいつまでもその感触が頬に残り続けて。
拭っても拭っても消えないその感触のせいで、
俺の中で小悪魔が絶対に消えない存在になったような気がして。

そして初ほっぺチューを小悪魔に奪われちまったという事実も俺の中に残り続ける…。
540 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/05(木) 21:48:00.68 ID:avm.wQ.o
ここまでー。そろそろネタ切r(ry

どうでもいいんすけど、各キャラに合いそうな音楽とかあったら教えてください。
テーマソング的な。ボーカル物でもインスト曲でもかまわないです。
話書く時にそれ聞きながら書くんでww
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/06(金) 13:31:27.40 ID:7e.EhADO
テーマソングwwwwwwしかし言われてみると以外と思いつかない
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/06(金) 13:47:05.88 ID:lKLXqNwo
アニソンしか聴かない人間ですお(^ω^;)
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/06(金) 22:12:48.55 ID:H92AvVco
>>539続き

「ねぇ!忘れてなぁい?遊園地の約束!」

久しぶりにあの子も屋上に来た昼飯時、小悪魔が声を張り上げる。
小悪魔の様子から察するに、小悪魔自身今しがた思い出したように見えるんだけど…。
もぐもぐと弁当を食ってたと思ったら、あ!って顔をして急にこれだ。

「忘れてた。」
「ひどーい!それじゃあ週末ね!けってーい!」
「ちょっと待てよ!なんだよ急に!人の予定も考えろよ!」
「私は週末大丈夫よ。」
「当然私もぉ。君はぁ?」
「…いや暇なんだけどさ。」
「じゃあけってーい!」

結局決定だった。これといって問題もないけど。
あるとすれば、ぽかんとした表情で置いてけぼり食らってるあの子だ。
あの子の前で他の女の子と約束するなんて、ちょっと嬉しくない状況。

「遊園地に行くんだ?」
「うん、そうだよぉ!…あ、そういえば、私たちお昼は時々一緒するけど、あんまり仲良くないよねぇ。」
「えっと…そうね、クラスも違うもんね。」

そういえばそうだな。小悪魔とあいつにとって、あの子は昼飯を時々一緒にするだけの間柄。
あの子もよくそんな状況で屋上に来るな、とも思うけど。

「そういえば、私もあんまり仲良くないかも…。このバカとは知り合いだったの?」
「うん、地元が一緒だからね。中学生の時同級生だったの。」
「ってかちょっと待て!バカってなんだよ!」
「バカじゃない。」
「お前なぁ…!お前だって飛びぬけて成績いいわけでもないくせに…!」
「あんたよりは点数よかったわよ?覚えてる?この間のテスト。」
「く、くそう…!」
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/06(金) 22:13:28.70 ID:H92AvVco
>>543続き

「そんなわけでぇ!」
両手を広げていきなり場をしきる小悪魔。
「遊園地、一緒にどぉ?」
思わぬ展開だ。小悪魔があの子のことを誘っていた。
個人的にはあの子が来てくれるなら大歓迎だけど、急には無理だろうな…。

「えと…うん、いいよ。今週末は暇だから。」
俺は心の中で小躍りしていた。

けれどその後、俺はなんとなく思い悩む。これは楽しめる状況なんだろうか?
あの子はもしかしたらまだテニス部のイケメン野郎と付き合ってるかもしれないんだ。
今週末は暇だから。あの子はそう言った。
…あまり深く考えないようにしよう。とにかくあの子と遊べるその時間を大切にしよう。


そんなこんなで週末。
先週見たばかりだけど、相変わらず私服ってのはいいな。ギャップっていいな。
そして当然のごとくあの子も私服だ。ごちそうさまです。

ところで小悪魔からこんな提案があった。
アトラクションによっては4人一緒に、というのは無理なものもある。
今日は小悪魔とあいつがあの子と仲良くなろうという目的もあるのだから、
そういう場合はあいつと小悪魔が交互であの子と組になろう、ということだった。
…つまり俺はあの子と二人きりにはなれないっていうことです。
反対したかったが、どう反対したらいいかわからず…。

そういえば小悪魔には俺があの子を好きだ、と伝えたんだっけ。
もしや…これは小悪魔の策略じゃあ…。
そんなことを考えてると、横から小声で、
「んふふ、これで二人きりになれる時間が増えるねぇ。」
という声が聞こえたが、聞こえないフリをしておく。

「それじゃあ、まずどこに行くんだ?」
「お化け屋敷っ!」
「…いきなりか。」
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/06(金) 22:14:05.22 ID:H92AvVco
>>544続き

というわけで、早速組み分けをする。
結果、俺とあいつ、小悪魔とあの子という組み合わせになった。

「うー…ダメだよ暗闇でエッチなことしちゃあ!」
「しねえよ!」「しないわよ!」

もし小悪魔と一緒になってたら…と思うと恐ろしいぜ…。

お化け屋敷は怖かった。しかも長かった。

「きゃー!」「うおおおー!」
みたいなことが続いて、何か出てくるたびにあいつは飛びついてくるし、
しまいにゃ手まで繋いでいたんだけど、そんなことは気にしてる暇がなかった。

「ま、まだ終わらないのかしら…。」
「長いらしい、っていう話は聞いてたけど、本気で長いな…。」

かなり後ろの方から、ぎゃー!っという悲鳴が聞こえる。
なんとなく小悪魔の声っぽかった。
そうか…小悪魔でも怖いもんはあるのか…。

「う……ちょ、ちょっと!絶対手離さないでよ!」
「バカヤロー!お前こそ離すなよ!」

こんな調子だ。いつもなら「離しなさいよ!」とグーパンチを食らっているところなのに。
もう肩と肩がくっつくぐらいの距離だ。
別に彼女でもない女の子とこんなに密着出来るんだからお化け屋敷はいいところだな!
…なんて思ってる余裕は一切ない。もしあの子と一緒でもこのお化け屋敷には二度と来たくない。

「それにしても、あと一体どれくらい歩けば…きゃああー!」
「うおおおー!走れー!」

「あ、ダメです!あんま走らないでくださーい!」
オバケに声をかけられたが、無視して走る。
結局その後もほとんど走りっぱなしだったが、なんとか無事完走することが出来た。

お化け屋敷を出たあと、ベンチで体を休めていたときもお互い無言で手は握りっぱなし。
5分くらいした後に「も、もういいでしょ!すけべ!」とあいつが怒り出した。
こ、こいつ…!むしろ自分から握ってたくせに…!

後から出てきたあの子と小悪魔も、随分憔悴しきっていた。
二人も手を握り合って、小悪魔はあの子にもたれかかるようにぐったりしている。
俺がぽつりと「入らなきゃよかったな…。」と言ったらみんなが頷いていた。
546 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/06(金) 22:16:17.60 ID:H92AvVco
今日はここまで〜。

てかそうですよね、あんま「お、誰々っぽい」とか考えて聞かないですよねwwwwwwww
言っといてなんだけど、俺だってそういう聞き方しn(ry
ちなみに俺もアニソンばっか聞いてますお^^^^^
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/07(土) 00:11:17.94 ID:LBzUqHco
それっぽい曲ね・・・アニソンだけだとなおさら思い(ry
ってかいつのまにあの子はみんなと弁当食うようになってたのかww
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 00:22:07.73 ID:THe0WtMo
>>545続き

その後は休憩しながら色んなアトラクションを楽しむ。
ちなみにここの遊園地は一番の目玉はお化け屋敷で、
あとはどこにでもあるようなアトラクションばかりだ。
だから思ったのだけど、遊園地っていうものはアトラクションの内容ではないんだな。
誰と来るか、なのだと思う。この3人と一緒に来て、最高に楽しめている。

日が落ちてきた頃。残すアトラクションはもう残り数個という状況になってきた。
でも時間が時間だ。そろそろ帰らないとな。

「次で最後かな。どうする?」
「決まってるよぉ!観覧車!」

まぁ…そうなるだろうな。なんとなくそんな気はしていた。
というわけでまた組み分け。
ちなみにここまで、どちらかというと小悪魔と一緒になる方が多かった。
けど、最後はあいつ。最初があいつではじまり、最後もあいつか。

「あーもう!どうしてぇー!もう!絶対えっちなことしちゃダメなんだからね!」
「だからしねーってば!」「しないわよ!」

あれ?デジャヴ…。

というわけで、観覧車に乗ることになったものの、時間帯も影響してか結構列が長い。
高い位置から夕焼け空を眺められるのかと思っていたけど、
この分じゃ夜景を眺めることになりそうだった。

「…ねぇ、これ一体何分かかるのかしら?」
「はぁ?知らねぇよ。ここの観覧車乗るのはじめてだもん。」
「そう…気が重いわね、いつまであんたみたいな変態とこんな空間に…。」
「お前な…。たまにはもっと可愛げのあることを言えよな。」
「そうね、相手があんたじゃなければ考えてもいいけど。」
「たく…。」
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 00:22:41.42 ID:THe0WtMo
>>548続き

小悪魔、心配するな。こいつはこんなやつさ。
例え密室に閉じ込められようが俺とこいつじゃ間違いなんて起きねぇよ…。

「わぁ、きれい!」
段々と高くなってきて、遠くがよく見えるようになってきた。
身を乗り出して夜景になりつつある町並みを見るあいつ。
…怖くないのかな。俺はその…ちょっとだけ怖い。ジェットコースターもちょっと怖かった。
なんてことを思ってたら、突然あいつが俺の隣に座った。

「こんな素敵な光景をあんたと一緒に見れて、嬉しい…。」
「なっ!?」

そんなことを言って、あいつは頭を俺の肩に乗せてくる。
ななな、な、なんだ!?何が起きた!?
俺がテンパっていると、あいつは俺の向かいの席に戻って、笑う。

「こういうのがいいわけ?バーカ。」
楽しそうに笑っている。こいつ、小悪魔と仲良くしてる内に性格移ったんじゃ…。
「あのなぁ…!」
「でも悪くないでしょ?」
「悪くねぇよふざけんな!」

ついつい本音が出てしまった。
「あ、いや、違う。今のは違う。」
「あはは、バカみたい。」

またあいつは楽しそうに笑って、もう一度俺の隣に席を移す。
な…また俺をからかうつもりか?ナチュラルに移動してきやがって…。
と、思ったが、特になにかしてくるでもなし。
俺とは反対側の窓の外を眺めている。
つっても窓が鏡みたいになって表情は見えるんだけど。

「でも私には無理。恥ずかしいもん。」
あいつの顔は赤くなっていた。ははーん、今度は俺のターンだな。
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 00:23:09.42 ID:THe0WtMo
>>549続き

おもむろに隣に座っているあいつの手を取る。
「な!」
「そうやって恥ずかしがるお前、中々可愛くて俺は大好きだぜ。」
俳優のような笑顔でそう囁く。自分でやっててなんだけど、キモい。

てっきり変態!とか言われて殴られるのかと思えば、あいつは顔を真っ赤にして、
これが漫画ならドーン!という効果音と共に頭から湯気が出そうな表情をしている。

「す、すすすすす、すき、すきってあんたっ…。」
予想外の反応をされて俺もちょっと慌ててしまっているので、軌道修正することにする。
「な、なんだよ。お前もこういうの好きなのかー?」
両手を広げてヤレヤレという動作。

と、さっきとは違う意味で顔が真っ赤になるあいつ。
「か、からかったわね…!」
「お返しだ。」
「信じられない!」
「なんだよ!先にやってきたのはお前の方だろ!」
「大体可愛いとか好きとか簡単に言わないでよ!」
「そうだなぁ、お前主に性格が可愛くないもんなぁ。」
「あんたねぇ…!」

ワーワー!ギャーギャー!
結局俺達二人が揃うとこういうことになるんだろうか。
隣同士という至近距離でギャーギャー言ってたらいつの間にか観覧車は下に着いてた。
夜景なんてほとんど見てませんでした。

観覧車から降りても、興奮から俺もあいつもまだ顔が赤い。
ついでに俺もあいつも息切れしてる。あいつが譲らないからこうなるんだよっ。

と、次に降りてくる小悪魔とあの子。

「あー!やっぱりなんかえっちなことしてたでしょぉー!」
「してねぇよ!」「してないわよ!」
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 00:23:35.13 ID:THe0WtMo
>>550続き

帰り道、あいつ、小悪魔と分かれてあの子と二人きりになる。
なんだか今日1日中一緒にいたのに、二人で話すのは初めてな気するな…。
あの子はあいつや小悪魔と随分仲良くなったようで、楽しそうに二人のことを喋っていた。
でもあまり小悪魔とは仲良くしてもらいたくないもんだな…。
何を言うかわからないしな。
それにあいつだって小悪魔の性格が若干移ってた。あの子までその毒牙に…。
…小悪魔っぽいあの子か。悪くないな。

「そういえばシロ、元気になったよ!もう、すっごい可愛いの!」
「そうか、そいつはよかったな。」
シロの様子を語るあの子の目は、正にハート。
そうか、あの子は動物が好きだったっけ。優しい女の子は動物好き。王道だね。

「それでね、シロもお礼が言いたいと思うから今度是非うちに遊びに来て?」
犬がお礼言うのか?と思いつつ、笑って頷く。

…けれどふと思い出す。神社でのこと。嫌でも思い出すよな…あの子と一緒にいると…。
聞くべきだろうか?あの事について。
いや、やめておこう。聞けない。聞きたくない。

俺の家の方向とあの子の家の方向の分かれ道になる最後まで、あの子はシロのことばかりだった。
絶対可愛いから来てね!と言うあの子に、手を振って別れる。
…うーん、あそこまで可愛い可愛いと連呼されると、シロにちょっと嫉妬する…。
そもそもシロってオスなのか?メスなのか?

帰宅してからメールで聞いてみた。シロはオスらしい。
あの子、シロのそんなとこまで見ちゃってるのか…くそう、シロめ。
でもあの子の家に遊びに行けるきっかけをもらった。シロ、褒めてやる。
552 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/08(日) 00:25:00.17 ID:THe0WtMo
ここまで。来るの遅くなっちゃってすいません。

てか当然アニソンじゃなくても全然問題ないんすけどねwwwwwwwwww
ゲーム作ろうって素材集めしてたとき、フリーの音楽も随分聴いたんだけど、
結局「これだ!」っていう、テーマになりそうな曲ってなかったんですよねぇ。
誰か作曲できる人がいるなら、この3人のテーマ曲作ってもらいたいんですけどww
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 01:07:10.47 ID:/auV2/so
デスさん乙です!

テーマソングかぁ…
物語全体はアクエリだけどキャラは難しいなぁ…wwwwww
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 19:11:57.25 ID:THe0WtMo
>>551続き

「えぇ!?可愛い子犬がいるの!?見に行くー!」
「私も見てみたいかな…。」

あの子が昼飯中にシロの話題出すもんだから、こういう状況になった。
結果的に3人であの子の家にお邪魔することになりました。
けっ…そんなもんだろうよ…。

その日の放課後はみんな暇だということで、早速お邪魔させてもらうことに。

あの子の家に入ると、早速綺麗になったシロが尻尾を振って出迎えてくれた。
可愛いー!と目をハートにしてシロに駆け寄るあいつと小悪魔。
案内された部屋で、あいつが座るとあいつの膝の上にジャンプして乗っかり、
小悪魔に呼ばれると飛びついて同じように膝の上に着地、
今度はあの子の膝の上に収まり、子犬らしくもう疲れたのか顔がウトウトし始めた。
ご主人サマの膝の上がよほど気持ちいいと見える。俺と代われ。

あいつも小悪魔も揃ってシロに心を奪われている。
ちなみにここまで、あいつの顔も小悪魔の顔もあの子の顔もシロは舐めてる。
なんだコイツは…!部屋の隅で俺は一人怒りに打ち震えていた。

さっきまでウトウトしていたシロは、急に起き上がり、
また尻尾をパタパタさせながら女の子たちに媚を売り始めた。
考えてみたら俺はまだ一度もシロを触っていない。いい加減触りたいのでシロを呼んでみる。
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 19:12:24.31 ID:THe0WtMo
>>554続き

「シロ、ちょっとこっち来い。」
無視。

「シロ、おいで。」
あいつが呼ぶ。尻尾をパタパタ。手をペロペロ。

「シロ、来いってば。」
無視。

「シロ、こっちおいでぇ。」
小悪魔が呼ぶ。尻尾をパタパタ。胸にダイブ。

「シロ、こっち来いコノヤロー。」
無視。

「シロ。」
あの子が呼ぶ。尻尾をパタパタ。あの子の腕の中にすっぽり。

「こ、このやろう…!」
なんという振る舞いだ!そんなに男が嫌いか!
そりゃ俺だって男の手や顔なんて舐めたくねーけどな!
あの子の腕の中にいたシロを床に下ろさせ、説教する。

「お前な!呼んだらちゃんと来いよ!」
カプッ。指を噛まれた。子犬だから特に痛くはないが、心は痛む。
その後「この人怖い」とばかりにあいつにスリスリ。あいつはもう完全に虜だ。
「て、てめぇ…!」
「ちょっと!やめなさいよ!可哀想でしょ!」
「だってコイツが!」
「犬にやきもち焼いてるの?バカみたい。」
「んの…!くそっ。」
不貞腐れた俺は、さっきと同じ部屋の隅のポジションに収まる。
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 19:12:51.33 ID:THe0WtMo
>>555続き

「シロ?ダメよ。彼はシロの命の恩人でもあるのよ?」
シュンとするシロ。いやそういう風に見えただけだ。
すると、トボトボとシロが俺の方に向かって歩いてくる。
そして俺の前でお座り。
な、なんだよ…可愛いとこあるじゃねぇか…。

そして頭をなでてやろうと手を伸ばした時、その手をカプリ。
更に猛ダッシュで再びあいつの影に隠れるのだった。

「この子犬風情が…!」
「シロ!ダメよ!」
「あはははは!!!」
バカ笑いしてるのは小悪魔。ツボに入ったのか、泣きながら笑ってる。

「おい!そこをどけ!一発殴ってやる!」
「ダメよ!こんなに可愛いのに!」
「でも一度叱らないとダメね…シロ分かってる?」
ワン!と一度吼える。分かってるらしい。

「分かってるなら噛むなよお前!」
ワン!
口答えするなって事らしい。

「あーもう…いいや、分かったよ。お前は俺が嫌いなんだな。」
ワン!
そうらしい。素直なやつだな、まったく…。

再び部屋の隅に座る。女の子を相手にはしゃぐシロ。
ああ、もういいよ…俺はこういう扱いで。
ところがふと気付く。噛まれた右手の人差し指。
同じところを二度噛まれたのだが、一度目よりも二度目の方が痛みを感じてない。
そもそも一度目も大して痛くなかったんだけど、二度目はほとんど痛み感じなかったな。

…シロ、お前実はいいやつなんだな。
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 19:13:15.15 ID:THe0WtMo
>>556続き

帰り道、自然と小悪魔と二人になる。

「最近よくお話してみて分かったけど、彼女いい子だねぇー。」
「だろ?」
「好きになっちゃうのもよく分かるよぉ。私も好きになっちゃった♪」
「男にも女にも好かれるいい子だよ、本当。」

「でもね、あの子を彼女にしたいって思うなら、無理だと思うよ。」
急に小悪魔らしい顔つきになる。ニヤリとしたような。
「…なんだよ急に。」
「彼女と話をしてみてよぉくわかったことがあるの。彼女はね…なんでもない♪」
「な、なんだよ!続きを言えよ!」

「ダメー♪」
「もったいぶるなってっ。」
「じゃあ、キスして?」
唇を、んーと突き出してくる。
「くっ…分かったよ、もういい。ほら、お前んち着いたぞ!」
「あ、ほんとだ。じゃあねっ♪」

小悪魔の後姿を見送りながら、小悪魔の言葉に悩み続ける。
なんだよ…「彼女は」なんなんだ。何を知っているんだよ、小悪魔は。
558 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/08(日) 19:14:31.59 ID:THe0WtMo
ここまで。どうでもいいけど俺は犬派です^^^^^
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/08(日) 21:41:57.68 ID:ORkTgN6o
おつおつ
俺も犬派だな

思ったが、メインの三人に獣耳だの尻尾だのをつけるとしたら何になるんだろうな
あの子は犬のイメージで、小悪魔は猫耳なんか似合いそうだし……あいつは……(´ω`)?
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/08(日) 23:50:46.96 ID:AqIIaNoo
俺的にはあいつこそ犬っぽいかな
あの子は・・・ペンギン?
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/09(月) 00:24:22.70 ID:NgxWjToo
言われてみりゃあいつも犬っぽいなぁ

しかし個人的にはあいつは猿……いや、なんでもn
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 16:41:28.52 ID:Qtp1YkDO
俺はどう考えてもあいつには猫耳以外ありえないと思うんだ
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 19:21:35.19 ID:gOkW6Og0
一昨日この作品を発見した
    ↓
まとめサイトの作品を読む
    ↓
感動した。俺も書きたくなった ←今ここ


今は職人さんがいるみたいだし投下するつもりは無いけど、人が来なくなったらぼちぼち投下してみようと思う

書き書き専用のPCが帰ってくるまでノートに話を纏めてるけど、出会いから書いてるせいで時間がかかり過ぎて泣きそう


ところでこの作品のゲーム化は進んでるの?
一応楽しみにしてるんだけど


あいつは犬だと信じてる
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 21:20:42.79 ID:j463EO2o
>>563
大歓迎( ^ω^)おっおっ
ゲーム化は…そうだな、デス氏が打ち込みに苦労してるそうで…
誰か手伝ってくれる人がいればなー><
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 21:29:29.98 ID:UEiaJaIo
>>557続き

それから数日、顔を合わせるごとに小悪魔は不敵な笑みを浮かべ、
俺が何度問いただしても「交換条件はキス」と唇を突き出してくる。

もう気にしない方がいいんだろうが、俺は一度気になったら中々忘れられない性格なんだ。
ちくしょう小悪魔め、俺の性格まで読んでいやがったのか?

だが俺は閃いた。もしかして、小悪魔が知っているということは、あいつも知っているのでは?と。

というわけで久しぶりにあいつと二人で下校することにした。
誘ったら物凄く嫌そうな顔をされたけど、
「どうしてもお前と一緒に帰りたいんだ!」と真顔で説得したら、
「し、仕方ないわね」と了承してくれた。あいつは割りと押しに弱いと思う。

だけどどう切り出したらいいかわからない。
いきなりあの子のことについて聞くのは…ちょっとおかしいよな?

「そういえば。」

悩んでいると、あいつの方から話題を振ってくる。

「あんたの嫌われっぷり、面白かったわね。」
そんなことを言って笑っている。
「…なんの話だ?」
「シロのことよ。」

ああ、なるほど。確かに俺はシロにすげぇ嫌われていたな。
おそらく「俺のハーレムにオスが入るな」ってことだろう、同じオスとしてなんとなく気持ちは分かる。

「あんたは嫌われてたけど、シロは彼女のお父さんには優しいんだって。」
「…マジか。」
てことはつまり、シロの中の序列で俺が一番下にいるだけらしい。
くそ、なんてやつだっ。
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 21:29:56.62 ID:UEiaJaIo
>>565続き

「それにしても彼女は本当にいい子ね。同性からも好かれる人なんてあんまりいないわよね。」
気付いたら、計らずもあの子の話題になっていた。

「そうだな。あの子のお人よしは中学ん時から全然変わってねぇよ。」
「…そっか、そういえばあんたたち、中学の時から知り合いだって言ってたっけ。
「……彼女は色々知ってるんでしょうね…。」
「え?」
「な、なんでもないっ!」

何を呟いていたのかはよく聞こえなかったが、あいつにとっては聞かれたら困ることだったみたいだ。
言葉を濁すと慌てた様子でぷいっとそっぽを向いてしまった。

まぁでもせっかくあの子の話題なんだ…例の件について、聞いてみよう。

「なんか言ってたか、あの子。」
「…なにかって何?」
「いやその…なんだろうな、わかんねぇけど。」

そういえば小悪魔は「彼女は…」と焦らしただけで、
具体的にあの子が小悪魔に何を言ったのかを分かるようなヒントはまるでくれなかった。
だから「なんか言ってなかったか」としか聞きようがないんだけど…。

「…好きな男子の話とか?」

ドキッ。
もしかして、あの子は小悪魔に「俺ではない誰か」を好きだと伝えたのだろうか。
だとすれば俺とあの子は付き合えない、と小悪魔が言ったのも分かる。

でもそれは…もしそうだとしても、聞きたくない話だった。
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 21:30:21.39 ID:UEiaJaIo
>>566

「知らないわ。」
「…は?」
「だから、そういう話はしてないもの。」
「な、なんだよ…そうなのか。」
「……なんだよ、って何よ。」
「い、いや別に。気にするなよ。」

あいつは俺があの子を好きなのは知らないからな、あまり変なことは言えない。
…あれ?なんで俺はあいつに、あの子が好きだと教えてないんだろう?
小悪魔には教えているのに。
状況は確かに違う。小悪魔には、いい加減しつこいから俺はあの子が好きだと伝えた。
あいつには別に教えなければいけない状況はやってきていない。
でも…知っておいてもらったほうが、もしかしたら手助けもしてもらえるかもしれない。

俺はあいつに、あの子が好きだと伝えた方がいいのだろうか?

「ちなみに。」

あいつが俺の2,3歩先を歩きながら、俺に背中を向けたままで切り出す。

「彼女の好きな人は知らないわ。でもね、実は私も好きな人がいるの。」
「…っ、そ、そうか。」
どきり、と胸が何故か高鳴る。あいつの表情は見えない。
何故そんなことを俺に言うんだ…?

「誰かは、教えないけど。じゃあね!」

そのままあいつは俺に背を向けたまま、走っていった。
何であいつは俺にそんなことを言ったんだろうか。
誰が好きだ、とも言わなかった。俺に手助けをして欲しいようでもなかった。

なぁ、俺はそれを聞いて…どうしたらいいんだ?


翌日。あの子のこととあいつのこと。どちらも俺の頭を悩ませる。
そのおかげで寝不足だ。夢にまで二人が出てきた。
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 21:30:56.14 ID:UEiaJaIo
>>567続き

ところが教室に入ってあいつと挨拶を交わすと、あいつはといえばまるでいつもどおり。
勝手に俺が悩んでいたのか、と少しバカらしく思える。
そもそも…俺があいつの好きなやつのことで悩んでても仕方がないんだ。
あいつに相談されたときは力になればいい。
とりあえず今の俺はあの子の問題を解決することが先決だ。

というわけで、結局今日も小悪魔の後を付回す。
俺がありとあらゆる交換条件を出しても、結局小悪魔はキスしての一点張りだけど。

もう交換条件を100個は提示しただろうか。さすがに何も浮かばなくなってきた。
そんな折、小悪魔の方から条件の緩和を提示してきた。

「口と口じゃなくて、ほっぺでもいいよぉ♪」

俺はこれをのんだ。小悪魔はこれ以上の条件の緩和はあり得ない、と言ったから。
仕方なかったんだ…仕方なかったんだよっ…。
別にちょっと嬉しいなんて一切思っていない。

というわけで誰にも見られないよう、屋上までやってきた。
誰にも見られないように、とか考えてる辺り、やましいことをやっているようで嫌だが、
実際多少はやましいことをやっているので仕方ない…。

周りに誰もいないのを確認すると、小悪魔のほっぺたにキスをする。

小悪魔はキャー!とはしゃぐと抱きついてきて、
そのままの勢いで口と口でキスをしようとしてくるが、全力で小悪魔を引き剥がす。
幸い身長差もあることだし、小悪魔がいくらがんばっても俺の口には届かないけどな!
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 21:31:20.14 ID:UEiaJaIo
>>568続き

「ったく…ほら、さっさとあの子のことについて教えろ。」
「むぅ…まぁ仕方ないよねぇ。ほっぺにチューもしてもらったし。言いふらしちゃおー♪」
「言うなっ!」

正直小悪魔は本当に言いふらしそうだから怖い。

「じゃあ本当のことをお話するね。実はね…。」
「…おう。」
ゴクリ。自分の喉から、息を飲む音が聞こえる。

「…何も知らないんだぁ♪」
「……は?」
俺は今どんな顔をしているだろうか。おそらく限りなく間抜けな顔をしてるだろう。

「だってね、ああいうことを言えば君が凄く気になって、自ら私に会いに来てくれる様になるかな?って思ったのぉ♪
 結果的にそれは大成功だったよぉ!んふふ。ちゅーもしてもらったし!」

…く、くだらねぇ…。

「お、お前、そんなことで…。」
「でもよかったでしょ?大丈夫だよぉ、努力すれば付き合えるかもね!
 ただそうはいかないよぉ、私がいる限り♪」
腕にぎゅーと抱きついてくる小悪魔を振り払う。

…ったく、変に悩ませやがって。お前のせいでさっぱり眠れなかったっていうのに…。
でもそうか。特に何もなかったか。そいつはめでたい。
テニス部の野郎の方はまったく解決してないし、ついでにあいつの件もまだ俺の頭を悩ませるけど…。

「あ、でもねぇ。本当に君が知らないことも知ってるよぉ?
 男の子には言えないようなことだけどね!」
「なっ…。」
「教えないよぉ?」

いたずらな笑顔をする小悪魔。まったくもって「らしい」笑顔だ。
それにしても…何を知っているんだ小悪魔!さっきまでとは違う意味で興味がある。
570 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/09(月) 21:35:01.88 ID:UEiaJaIo
ここまでー。

あいつは確かに犬か猿かもわからんねwwwwwwww
小悪魔は猫耳似合いそうだなぁ。そしてペンギンの被り物を着てるあの子を想像して吹いた。

>>563
新規の人が増えるとなんか凄い嬉しいんだぜ。
そしてどうせなら今俺が書いてる話の続きを書いてもらっても全然問題ないですよww
元々リレー小説のスレだしねー。書き手の数だけお話があるんです。

ゲームはプログラム関係得意な人がいれば日の目を見るかもわからないです^^
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 21:51:20.46 ID:gOkW6Og0
>>564
どうも
打ち込みは俺じゃできないorz

>>570
そう言ってもらえるとこっちも嬉しいww
他人の話の続きを書くのには慣れてないですwwww
氏はあの子と主人公がくっつく話なんだろうけど俺はあいつとくっつく話になってしまうので

プログラム得意な人・・・。誰か手伝ってくれないだろうか
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/09(月) 22:53:21.88 ID:Qtp1YkDO
む……あいつ……?あいつEDとな?
573 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/10(火) 18:50:37.13 ID:cQ8BEGYo
すいません、今日ちょっと投下出来そうにないです><
その分明日は多めに投下出来るよう頑張るんで…ごめんなさい。

正直ユーロのせいで寝不足で頭動きませんorz
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/10(火) 19:00:57.28 ID:gFtzPaI0
本編の完成が見えてこないのはルールのせいでしょうかww
まったり書き続ければなんとかなると思いたい


>>572
EDの定義がよく解らんけど・・・、結婚?
とりあえず友達以上恋人未満の関係を目指して頑張ってます

>>573
無理して体調崩さないでくださいね
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/10(火) 20:06:12.89 ID:F8NKnUDO
いやあいつEDがあるのはいいと思うんだよね。むしろいい加減(ry
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/10(火) 21:11:18.67 ID:gFtzPaI0
女の子とぶつかった(なんてやつだ・・・) ←今ここ
         ↓
その子とメル友になった(友達が増えるのはいいことだな)
         ↓
あいつが風邪を引いたので看病してやる(意外と可愛いじゃん)
         ↓
あいつと二人でお出かけ(ちょwwこれデートじゃねwwww)
         ↓
体育祭でお互いの良いところを発見(頑張ってるなぁ・・・)
         ↓
襲われたあいつを助ける(助けてくれてありがと)
         ↓
小悪魔がやってくる(ちょww初日からボディタッチっすかwwww)
         ↓
嫉妬するあいつ(べ、別にヤキモチなんて妬いてないんだから!)
         ↓
小悪魔に告白される(ちょwwマジっすかwwww)
         ↓
あいつに告白される(ちょwwお前もかよwwww)
         ↓
結論:あいつと交際(文化祭とか間に挿む予定)
         ↓
学校から帰ってくると、家が焼けていた(orz)
         ↓
私の家に住まない?(将来のことも考えて・・・ね)
         ↓
修学旅行→体育祭→文化祭(いろいろありすぎて書けるか解らんww)
         ↓
大学受験(もちろんあいつと一緒の学校に進学)
         ↓
結婚しよーぜ(ED的な意味で)
         ↓
本編終了(本当にありがとうございました)


あいつEDが必要と聞いて勢いで書いてみた
今更だけどこれ全部書ききれるか不安になってきたよ・・・
リアル受験生なので時間があんまり取れないのが辛い
とりあえず来年には完成させたい
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/10(火) 21:53:03.72 ID:FvXbdAAo
気楽に書いて良いと思うYO
途中で結婚とは別のENDに走らせたくなるかもしれないし

短編から書いてみるのもいいかも試練ね
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 02:06:08.39 ID:sSLYfgDO
まとめ見ればわかると思うが結婚EDなんてあんまないと思うお
てかできるなら話の流れは書かないでおいて欲しかった
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 17:24:32.46 ID:Lw7jEYEo
>>569続き

あれから、何故かあいつとの距離が遠くなっている。
俺は意識しないようにしているし、あいつも一見普段どおりではあるんだけど、
付き合いの長い者にしか分からない違和感がどこかあって…。
いや、付き合いはまだ短いんだけどな。
とにかくその違和感が「距離が遠い」と感じる原因で。

正直その空気に耐えられなくなって、今日の昼休みに話をしようと思っていたが、
「今日は他の女友達と食べるから」
と小悪魔ともどもどっかへ行ってしまった。
放課後…誘うべきなんだろうか。少し迷っている。

そんなこんなで、一人で屋上だ。雲ひとつない晴天で、外で飯食うには最高の状況だった。

ガチャ。

「あれ?一人?」

扉が開くと同時に、俺の好きな声。
嬉しすぎて顔が赤くなりそうになるのを隠して、振り返ると、そこにはあの子。

「ああ。二人とも女友達とどっか行った。俺はハブられた。」
「強引についていけばよかったじゃない?」
「冗談…強引に誘われても断るぜ。」
「あはは、ちょっと気まずい?でもいつも女の子3人の男の子1人で遊んでるんだもの。女の子多いのには慣れてるでしょ?」
「うんまぁ…でも違うって、やっぱ。」

仲のよくない女子の方が多い状況で、男が俺一人じゃつらいよな。
あの子がいれば…喜んでついていったかもしれないけどな。
でも結果的にこうして二人きりになれたんだ。一人でも屋上来てよかった。

「屋上で二人きり、か。うふふ、懐かしいね。」

あの子は笑ったけれど、何故かその笑顔には悲しさの色が混じっていた。ように見えた。
気のせい…か、はたまた自惚れか。
あの時のあの子が俺を好きだったかもしれないという、自惚れ。
だからあの時のことを思い出すと悲しそうな顔になるんじゃないかと、そういう自惚れ。
でもそれは自惚れであって欲しくないと思っていた。
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 17:24:59.53 ID:Lw7jEYEo
>>579続き

「そういえば、またこうして話すようになってから、いつもあいつか小悪魔がひっついてたな。」
「モテモテだもんね?」

「バカ、そんなんじゃねぇよ…。」

いたずらそうな笑顔を向けられて、なんだか恥ずかしくなって顔を逸らす。
ひとつひとつのあの子の動作が可愛らしくて、現在進行形であの子をどんどん好きになっていく。
でもそれとは同時に、未だに心に引っ掛かる神社のこと。
好きになればなるほど心が苦しくなっていく。

「でも…あなたには話したかな、この事。」
「ん…なんのことだ?」
「私ね、テニス部の彼に告白されたでしょ。でも結局断ったんだよ。本当は。」

初耳だった。あの日以来あの子と先輩は傍から見て親密な関係に見えたし、
あの子の様子もまんざらではないように見えて、その光景が俺には苦痛だったから。

「実は今少し気になってる人がいて、だからあなたとは付き合えないって、そう言って断ったのよ。」

ドクン…。

少しずつ、中学時代の情景が思い浮かぶ。
あの子に恋をしてからは、少しつらい思い出ばかりだったけど。
偶然あの子が不良グループの男に告白されたのを目撃してしまったとき、俺はそのことを知っていたはずだ。
少し気になってる人がいる、っていうことを。

「でもね、彼ったら強引で、気になってる程度なら関係ない!絶対俺のことを好きにさせてみせる!って。
 凄い自信だよね、少し笑っちゃった。
 それで…今の関係のままでいいから、もし俺のことを好きになったら、その時は正式に付き合ってくれ…だって。
 彼は本当にいい人だったから、あなたにもああ言われたし、じゃあ…って少しだけ仲のいいお友達状態を続けたの。」
「そうか…そうだったんだ、知らなかったわ。」
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 17:25:27.54 ID:Lw7jEYEo
>>580続き

都合のいい記憶かもしれないが、思えば、テニス部の野郎とあの子が親密そうにしていたときは、
どちらかと言えばテニス部の野郎が強引にあの子に近づいていた気がする。
はは…本当に都合のいい記憶だ。

そうか、うん、そうだったんだ。あの子が「気になっていた男」はテニス部の野郎じゃなかった。

「それでね、神社でのこと…あなたには変なとこ見られちゃったよね…。
 彼から正式に付き合ってくれって強く言われて、私はやっぱり彼のこと、恋人として好きになることは出来なかったの。
 だから断ったの。
 彼は怒ってすぐどこかに行ってしまって、でも思えば私は彼のことを散々振り回したんだなって気づいたの。
 そしたら申し訳なくて涙が出てきて…そんなときにあなたが来たのよね。うふふ、凄く驚いた。」

「あの時はだから泣いてたのか。てっきりフラれたのかと思ったけど…そうだな、お前に限ってそれはないか。」
「え?それはどういう意味?」

だって、お前可愛いから。…なんて言えるわけあるか!
思わず口から出そうになったのを我慢して、「なんとなくだよ」と強引にごまかす。

今日は幸せな日だ。あいつのことでもやもやしていたけれど…。
あの子のと二人きりで話せて、あの子の可愛いところがまた見れて、
あの子が「気になっていた男」がテニス部の野郎じゃなかったことも知れて…。
自惚れが少しだけ、自信へと変わっていく。もしかしたら。

こんな幸せな日は滅多にないだろうから、俺はチャンスだと思った。

告白。

あの時渡せなかったプレゼントはどこへ行っただろうか。
もし告白が成功したら、あのプレゼントを探して改めてプレゼントしよう。
中学の時に伝えられなかったことを今伝えよう。
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 17:26:04.76 ID:Lw7jEYEo
>>581続き

「それにしても、聞いた話じゃお前、中学の頃好きなやつがいたって聞いたぜ?そいつとはどうなったんだ?」
「え、えぇー!?そんなのどこで聞いたの?」
「風の噂。」
「うーん…恥ずかしいなー。でも別に何もなかったよ。」
照れ笑いをするあの子を見て、今しかないと思った。


「でも昔は昔。今は、好きな人いないんだけどね。」

ドクン…。

あの子は、顔を染めてエヘヘと笑った。
え?

いまは すきなひと いないんだけどね

「どう?あなたは今好きな人いる?」
「っ…い、や…お、おれは…。」
「うふふ、言わなくてもいいよ、分かってるもの。」

ドクン…。

「あの二人のどっちかでしょ?当然だよね。」

ズキン…。

大きく脈打っていた鼓動が、次第に痛みに変わっていく。
苦しい。息が出来ない。

いまは

すきなひと

いないんだけどね
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 17:26:35.44 ID:Lw7jEYEo
>>582続き

ついさっきまで「告白」しようと思っていた俺の決意は、どこか遠くへと消えていく。
変わりに絶望が重くのしかかる。
もしかしたらあの子は、中学の時は俺のことを好きだったのかもしれない。
だけど、今のあの子は俺のことを別に好きじゃないんだ。

「図星、っていう表情だね。大丈夫だよ、二人には内緒にしておくから。」

言わなくちゃ。それは誤解だって。俺が好きなのは…。
……言ったところで、どうにもならない。

「それじゃあ私、少し委員会の用事があるから。お先に失礼するね。」
そう言ってあの子はひとつ笑顔を見せると、校舎へと戻っていく。

「ぁっ…。」

言葉も手も出なかった。

バタン。

そして扉は閉まった。
扉が閉まるときの風が運んできたあの子の髪の匂いが、余計に胸を締め付ける。

「今は好きな人いないけどね」と言ったあの子の言葉に怯えて、俺は逃げた。
何度目だろうか。プレゼントをあげられなかった時。相談されて、断れよと言えなかった時。
あの時は告白も出来なかった。俺はまたこうして逃げた。また逃げた。
きっと次も逃げるんだろうな。その次も。そのまた次も。

俺はこんなにあの子が好きなのに、もしかしたらあの子は俺を好きじゃないかもしれない。
それを考えると、俺は体が動かなくなって、声も出なくなった。
それでも諦めるのはせめて、気持ちを伝えてからでも遅くないはずなのに。
俺はフラれて傷つくのが怖くて気持ちを口に出せなかった。
その弱さが吐き気がするほど憎くて、心の底から悔しくて、頭がどうにかなりそうで。

気がつくと、アスファルトの地面が濡れていた。

ああ、そういえば今朝の天気予報では雨だって言ってたな…。
でも心配ない。俺は置き傘をしているんだ。

ゆっくりと空を見上げると、西に少しだけ落ちた太陽が、雲ひとつない空で輝いていた。
傘は必要ないみたいだ。
584 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/11(水) 17:27:29.41 ID:Lw7jEYEo
一旦ここまで。ちょっと出かけてくるんで、帰ってきたらもうちょい投下します。
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 18:27:42.39 ID:6Quiglco
デス氏おっつー( ^ω^)
さああいつあいつ
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 19:33:20.78 ID:QDx209E0
明日から試験orz
今日は執筆できんかも試練

>>577
おk気楽に書いてみる
結婚EDは正直書ける気がしなかったんだ
短編はまぁ考えとく

>>578
確かに結婚EDなんてあんまり見ないな
できるだけ流れ通りに書かないように心がける


デス氏の続きが見たいけど見れないorz
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 22:14:39.77 ID:Zo7UWfoo
>>586
ま、もともとリレー形式のスレだし
流れなんて書き手の数だけあるわけでww
お気楽、極楽がいちばん。

ついでに試験も時々息抜きすんのが一番よwwww
俺は毎日息抜きしてたら見事に1浪したけど><
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 22:28:02.56 ID:Lw7jEYEo
>>583続き

5時限目と6時限目の授業は覚えてない。何の科目だったかすら覚えていない。
覚えているのは、5時限目の授業がはじまるチャイムを聞いてから放課後まで、
みっちり凹みまくってずっと頭ではあの子のことを考えていたこと。

少しは立ち直ったものの、依然として気持ちはブルーだ。
考えてみれば…当然の話なんだ。あいつや小悪魔と違って同じクラスなわけでもない。
最近は毎日顔を合わせるようになったとはいえ、ただそれだけで…。

でも、あの子にフラれたテニス部のことを思い出してみる。
あの野郎は「好きにさせてみせる」とか言ってたはずだ。
俺もそのくらいの気概がなくては、あの子と付き合うなんて到底無理なんだろう。

だけど弱い人間な俺は、せめて中学時代あの子が好きだった相手を知りたくて…。
それが俺だったとしたら、少しは自信になりそうだった。

「中学の頃の話ねぇ…ちょっとだけ聞いたことあるよぉ。失恋したって、悲しそうな顔で笑ってた。」

凹みっぱなしの俺に気付いたらしく、小悪魔の強引な誘いによって今こうして喫茶店で肩を並べている。
昼休みよろしく、確かあいつ達と一緒に出かける…なんて話をしていた気がするんだけど。
俺の様子を見てそっちは蹴ったんだろうか。

慰めてくれているのか相談に乗ってくれるのか知らないが、
何故か隣に座った小悪魔は常に俺の腕に抱きついていて、そこからやわらかい感触が伝わりどうでもよくなりそうな気分になる。

離れろっ、と腕を振り回すと余計に強く抱きついてくるので、もう余計なことはしない。

「失恋って、俺はそんな話聞いたことないぞ。」
「そんなこと言ったってぇ…。私もよく知らないもの。ちょっと聞いただけ。心当たりはないの?」

「心当たりったってなぁ…。俺か?」
「フったのぉ?」
「んなわけねぇだろ!」
「だったら違うんじゃないの?」
「う…だよな…。」
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 22:28:38.05 ID:Lw7jEYEo
>>588続き

とは言っても、「中学の頃に」失恋した話なんて俺は知らない。
例えばテニス部の野郎と結局恋人には至らなかった話。
あれはある意味「失恋」と解釈してもいいかもしれないが、それは高校になってからの話だ。

「割と仲良かった方なんだ、俺達。
 それで……ある時あの子から「告白された」って相談を受けたんだ。
 俺は自分の気持ちに嘘付いて「付き合えばいいんじゃないか」って言った。
 その時、あの子がちょっと泣いてたような…そんな気がするんだ。
 それがもし俺への思いの結果だとしたら…って、今ちょっと思った。」

「うわぁ、それって自惚れすぎだよぉー。その自信はどこから出てくるの?」
「ほ、ほっとけ!だってそれしか心当たりがなかったんだよっ。」

自分でも自惚れすぎなのは重々承知だ。ほぼフラれた状態でよくもまぁここまで自信満々なものだ。
でも、それは今は関係ない。あの子は昔は昔だと言っていた。
ただ知りたいだけで…あの子が誰を好きだったのか。

「でも、私不思議なんだよねぇ。こうやってからかったけど、結構それいい線いってると思うの。
 きっとあの子だってまんざらじゃなかったよぉ。同じ女だから分かるよ。」

「女」の部分で腕に抱きつく力を強める。
無駄に「女」をアピールしなくていい。今はそういうのはいい。

「不思議なのは…君、それ中学生の時に気付いてたんでしょ?好きだったんでしょぉ?
 なんで告白しなかったの?」

グサリ…と小悪魔の言葉が突き刺さる。
ガキの俺にも、あの子が俺に接するときは、他の男子と話しているときは違う優しさを感じることが出来たし、
俺のことを大切に思ってくれているんだというのはわかっていた。
だけど俺は弱い人間だから、あの子が俺のことを好きだという確信が持てなくて、好きだと言えなかった。
フラれるのが怖くて。大事なときにはいつも俺を不安にさせる出来事もあったし。
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 22:29:14.11 ID:Lw7jEYEo
>>589続き

「お前は…強いよな。」

腕を抱きしめる力が弱くなった。

「どういうこと?」
「俺は怖いんだよ、あの子に好きだと伝えて、フラれることが。
 でもお前は俺がハッキリ「あの子が好きだ」って言ってるのに、俺のことを好きだと言ってくれる。
 好きなやつが他のやつを好き。そんな状況俺なら耐えられないから…。」

ついに俺の腕は小悪魔から開放された。

「…あは、そう見えてたんだぁ。私女優になれるかもねぇ。」
小悪魔は苦笑いしながら、手をつけていなかったドリンクに手をかける。

「私だって耐えられないよ、そんなの。」
「でもお前は、」
「私もねぇ、弱いから。だから好きって沢山言って、いつか君も私を好きになってくれるのを待ってるの。
 好きな人が違う人を好き。それを黙ってみてるなんて、私心が壊れちゃうよぅ…。
 だから好きって言って、気分を紛らわしてるの。
 私は君が好きって公言してるから、こうやって抱きついても周りは「イチャついてるんだな」って思うの。
 そうやってせめて周りの目を騙さないと…好きな人が遠くにいっちゃいそうで怖いから…。
 何言っても動じないような女だって思ってたのぉ?」

言葉に詰まる。小悪魔の行為は、怯えた自分を隠すため。
逃げてるだけの俺とは違うけれど、それでも小悪魔も怖かったんだ。
胸が苦しくなる。小悪魔は本当に俺のことを好きでいてくれている。
俺はひどい質問をしたかもしれない。

いつの間にかまた俺の腕には小悪魔が抱きついていた。
けれどさっきまでの小悪魔より、小さく見える。
小悪魔の手が俺の手に伸びてきて、求めるように握ってきたその手を、俺は握り返した。
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 22:29:39.28 ID:Lw7jEYEo
>>590続き

「ごめん俺…。」
「…んふふ、心変わりしたぁ?私は誰よりも君のこと大好きだからねぇ、君が望むなら私の全てをあげるよぉ♪」

腕じゃなくて体に抱きついてきた。そこで俺は我に帰る。
立ち上がって引き剥がそうとしたが、中々離れない小悪魔。

「バ、バカ!ちげぇよ!なんか悪いこと言っちゃったなって思っただけだ!」
「えー?本当は心変わりしたでしょぉ?私こんなに君のこと好きなんだよぉ?」
「〜〜〜っ!お、俺は悪いけど!あの子が好きなんだよっ!」

小悪魔がちょっとだけ寂しそうな顔を見せる。

「わかってるよぉ。うん、やっぱりそういう君の方が好き。ふらふらしてちゃダメだよぉ。
 多分そうやって誰かを一途に好きでいる君を見て、私はまた君に恋しちゃうんだぁ。」
「恥ずかしいこと言うなよっ!俺が恥ずかしいだろー!」

小悪魔は怒るかもしれないが、俺はこうやってバカなことを小悪魔とやるのが楽しくて、
恋人同士じゃなくても長い付き合いが出来ればいいなと思った。
あの子にもしそんなことを言われたらと思うと、
俺はなんて残酷なことを小悪魔に要求しているんだという気持ちにもなるけど…。

「ところでずっと言いたかったことがあるの。」
「な、なんだよ。今度はなんだっ。」
「さっきから大声出してるけど、ここ喫茶店だよぉ?」
「あっ。」

店員からは睨まれ、客からは好奇の視線。中にはウチの学校のやつもいた。
…もう諦めよう。小悪魔といる限り、こういう誤解はつきものさ、きっと。

それにおかげで元気になった。小悪魔には感謝しよう。
結局中学の時にあの子が好きだった相手は知ることが出来なかったけど、
小悪魔と話をして「それは俺だったかもしれない」という思いは強くなった。
もう自惚れでもいい。それを自信にして、またあの子に好きになってもらえるよう、頑張ろう。
592 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/11(水) 22:34:39.38 ID:Lw7jEYEo
今日はここまで。あーもう疲れた。
なんかもうユーロもいいけどJリーグもね!って気持ちです。
ここにサッカー好きな人いるのか知らんけどww

>>586
あんま気負いせずに、いっそ書きあがる前に投下しちゃえばいいと思うんだぜ。
俺も今投下してるやつ、本当は書きあがってから投下するつもりだったけど、
なんかめんどくさくなって結局書きながら投下してるしww
レスもらえればモチベーションにもなると思うしね。

でも俺も短編何本か書くことはオススメしますよ。
なんていうかこう、書き手としてスレの空気読むには短編が一番だと思うwwwwww
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 23:14:27.16 ID:sSLYfgDO

……だけど主人公の自惚れすぎでなんだかイライラが止まらないよ!
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/11(水) 23:45:29.28 ID:Lw7jEYEo
ごめんね、こうでもしないとなんか主人公が積極的にならない気がして、ごめんね。
エロゲ脳なせいか、エロゲの主人公にありがちな割と受身な主人公になっちゃうんだよね…。
だからなんでもいいからとにかく前を見させてみたんすけどwwwwwwww

でも自分で書いててなんだけど、こんな主人公をあの子とくっつけさせるのか?と思うと、
ちょっとどうにも腑に落ちない気持ちになりますww
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/12(木) 02:07:18.40 ID:q1RkRs6o
相手の気持ちに全く気付かない鈍感主人公っていうべたべたさ加減が好きだったからな
だから今回の主人公にちょっと殺意感じちゃっただけだよっ!本当だよ!
まあなにはともあれデス氏の書く主人公にも期待してますぜ
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/12(木) 23:25:08.90 ID:igcpSlAo
>>592
乙っす

ユーロはスペインのフェルナンド・トーレスとイタリアのデ・ロッシを応援してるぜ
Jなら今野ww


>>595
俺もぶっちゃけ、あり得ないぐらい鈍感な主人公の方がほっとするかもwwww
でも自惚れまくりでイラッとする主人公ってのもまたアリじゃね
東京大学物語の村上っぽい感じでww
597 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/13(金) 00:57:38.23 ID:RWPuUxMo
ごめんなさい、ちょっと今日無理っぽいんで、明日多めに投下します。
明日からまた毎日投下出来るようするんですいません><

主人公は正直受身な方が書いてても書きやすいんっすけどね、
そんだといつまでも物語が進まないんで、本当なんかすいません許してくださいwwww
なんか改めてめぞん一刻とかの名作ラブコメの凄さを実感したり。

>>596
そんな俺はJ2のサポなんだぜ…。ついでにユーロではクロアチアに注目してるっていうww
単純に期待してるのはやっぱオランダとポルトガルとドイツだけど。
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/13(金) 02:51:23.95 ID:C7QoH2DO
サッカーね……俺の場合持ってる知識の八割方はウイイレで(ry
そういやサッカー男なんてのもいましたな(´ω`)
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/13(金) 20:54:01.02 ID:MqiG1Zk0
今日の目覚めは最悪だった
昨日はかなり遅くまで勉強してたから当然と言えば当然なんだけど
正直まだ眠いけど遅刻するわけにはいかないので朝食もほどほどにしていつも通り自転車で通学したんだ
いつもの交差点を曲がろうとしたんだけど横から女の子が走ってきて派手にぶつかったんだよ
幸い自転車の方に故障は無かったんだけどぶつかった女の子が痛そうに足を押さえてるんだ
流石の俺も少し罪悪感を感じたんで一応声をかけてやることにする

「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないわよバカ!ちゃんと前見て走りなさいよ!」

心配してやったのに返ってきたのはキツイ言葉だった
確かに俺の不注意のせいだけどそれはお互い様だろうが
かなり気分を悪くした俺は女の子を置いて学校に向かうことにする

「待ちなさいよ!あんた女の子を怪我させておいて知らん顔で学校に行く気?ほんっとサイテー!!」
「ぶつかったのはお互い様だろ。それに見たところ重傷じゃないみたいだし一人で歩けるだろ」
「何よ!言い訳するつもりなの?重症じゃないけど捻挫して歩けないんだから!」

うーん・・・、確かに捻挫してるみたいだし歩けないのも本当だろうな
ここは俺の非を認めて女の子を助けてあげますか

「悪かったよ・・・。そんなに痛いんなら後ろに乗るか?学校まで送ってやるけど」
「な、何であんたなんかの後ろに乗らないといけないのよ!」
「そう言わずに乗れよ。・・・痛いんだろ?」
「あんたがそこまで言うなら乗ってあげてもいいけど勘違いしないでね!私は別に乗りたいなんて思ってないんだから!!!」
「へーへー分かりましたよ。んじゃしっかり捕まってくれよ」

女の子を乗せた自転車は想像以上に不安定だ
さっきから重心が安定せずに何度も倒れそうになる

「乗ってて凄く危ないんだけど、あんたこういうの初めてなの?」
「危ないのは俺も分かってるよ!なにしろ初めてだからな!!」
「分かってるんならしっかりしなさいよねバカ!」
「うるさいな!そんなに文句言うならもっと抱きついてくれよ。多分安定するから。」
「な、何であんたなんかに抱きつかなきゃいけないのよ!!この変態!!!」




そう言って殴られたところで目が覚めた
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/13(金) 21:02:58.14 ID:MqiG1Zk0
とりあえずネタ投下
俺の文才の無さに自信を無くしました


>>587
気楽に書くのは難しいけど頑張ってみる
勉強を頑張りすぎたせいで試験中ずっと頭痛がしてた
まともに頭が動かないのであんまり解けなかったorz

>>592
乙です
書きながら投下するのはネタ切れが生じるから苦手なんだよね
ある程度の目安は考えとかないと後が恐いし


サッカーのこと解らないww
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/13(金) 23:23:32.11 ID:MHH8Feko
>>600
おつおつ
あいつ√わくわく( ^ω^)
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 03:53:17.78 ID:yyT7SqAo
>>591続き

あいつの件は、自分から何とかしようとしなくても問題は解決しそうだった。
未だにどこかギクシャクしたまんまだったのだけど、
あいつの方から今日の放課後に少し付き合ってくれないか、との誘いがあったんだ。

願ってもない話なので、俺は特に何も考えずにすぐにOKをした。
…けど、考えてみれば女の子と二人きりで遊び行くって、ちょっとあれだよなぁ?
まぁいいか、別に今更気にする心証もなにもない気がするしな。

そんなこんなで今に至るんだが、あいつと二人駅前のファーストフード店にいる。
ここの限定ハンバーガーが美味くて…いやそんなことはどうでもよくて。

「ところでさ。」
「何?」
「聞いてなかったけど、どういったご用件で?」
「…別に。」

お前はどっかの女優か。
いや用件を聞かずに即OKしてる俺も俺なのかもしれないけど。

「じゃあ俺から聞きたいこと聞いていいか?」
「ん…変なことじゃないなら、答えてあげるわよ。あんた変なことばっか言うし。」
「ああ!?俺がいつ変なこと言ったよ!?」
「常に言ってるじゃない。おまけにスケベでバカで変態。」
「お前…!なんだ結局そうやって憎まれ口叩くために俺呼んだのかっ。」

と軽く口喧嘩しても、あいつにはいつもの覇気はなく。
どこか呆けていて、小さくため息をついて窓の外を眺め始めた。

「……私、言ったわよね。好きな人いるって。」
結局あいつの方からその話題を振ってきた。
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 03:53:56.52 ID:yyT7SqAo
>>602続き

「…ああ、聞いたな、そんなこと。」
「あんたは誰かを好きになったことはある?」
「人並みにな。」
「そう…そうよね。」

またため息をつく。なんか深刻に恋で悩んでるみたいだ。
ええと…こういう時ってどうすればいいんだろう。
気まずいとか気まずくないとかじゃなくて、どう対応したらいいかわからない。

「はぁ…私ほとんど初恋みたいなもんなのよねぇ…。」
「そりゃまた…珍しいな。」
「悪かったわね。」
「悪いとは言ってねーよ。」

紙コップについた水滴をとると、何か絵みたいなのを描くあいつ。
特に意味はないだろう。手慰みについ手が動いてしまうタイプだな、こいつは。

「ほぼ初恋なのに…そいつは凄く鈍感で、全然私の気持ちには気付いてくれないし、
 いつも他の女の子と仲良くしてるし、バカだしアホだし…どうしたらいいのよ。」
「…へぇ、また難儀なやつを好きになったもんだな。」

意外だった。あいつはその男のこと、よく見てるんだな。
いつその男のこと好きになったんだろうか?俺の知ってる限りあまり男友達は多くないように見えるけど…。
俺の知らない間に色んなやつと知り合ってた、ってことか。ちゃっかりしてるぜ。
…でも何故だか、男としてちょっと悔しい気持ちになる。
あいつも黙ってれば可愛いやつだからな。

「でもあれだぜ?あんま気にしすぎるとよくない。
 どうせそういうタイプの男はあんま何も考えてないだろうしな。」
「そうは言ったって、あんただって好きな子が他の男子と仲良くしてたらいい気はしないでしょ?」
「それは…そうだけどさぁ。」
「好きなんだもん。他の子と一緒にいるとこ、あんま見たく……って私何言ってんのっ。」

あいつは慌てて赤くなった顔をうつむいて隠す。
うーん、こういうとこも可愛いとは思うしな。
普通の男だったら何かよっぽどのことがない限り、こいつのこと好きになると思うけどな。
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 03:54:31.99 ID:yyT7SqAo
>>603続き

「お前の積極性が足りないんじゃねーの?」
「そんなことないわよ、結構私も話してるもん…多分。」
「だったら大丈夫だって。お前割りと可愛い方だからな、そいつもきっとお前が好きだよ。」

なんて適当にあいつを励ますと、あいつは少し顔を赤くして俺をジーッと見つめる。
いや、見つめるというか…眉間にしわ寄せて、俺の言葉の真意を見抜こうとしてるような目というか…。

「…はぁ、まぁいいわ。そもそもあんたにこういう話するのが間違いなんだし…。」
「なんだよそりゃあ、真面目に相談聞いてやってんのに。」
「仕方ないでしょ。どう考えてもあんたに相談するのはおかしいんだもん。私何考えてるんだろ。」

そりゃ女子に相談した方がいいだろうけど…そういう言い方ってなくないか?
なんで俺じゃダメなんだよ。むしろその男の気持ちを上手く代弁してやれたと思うけどな。
うーん。なんで俺じゃダメなんだろうか。

「最後にひとつ、聞いてもいい?」
「俺でもいいならな。俺に相談するのは間違いなんだろ?」
と、ちょっと嫌味ったらしく言ってみる。

「…別に、悪い意味ではないの。気分悪くしたならゴメン。」
「え、いや、その、気にはしてないけど。」
あいつはこうやって時々しおらしくなるから困る。
まったく、そういう反応されたときの俺の気持ちにもなれってんだ。困っちゃうだろうが。

「なんつーか…とにかく気にしてねーから続き言えよ。」
「うん…。私さ、告白された。」

ちょっとだけ場の空気に戸惑い、ドリンクを飲もうと手を伸ばし、その手が止まる。

「隣のクラスの男子なんだけど…よく知らない人。」
「そ、そうか。」
「どうしたらいいんだろう。」
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 03:55:39.09 ID:yyT7SqAo
>>604続き

どうしたらって…それこそ俺に聞く質問なのか…?
でも、そうか、そうだよな。あいつは…可愛いんだよ。
告白のひとつやふたつ、当然受けててもおかしくないんだよな。
ずっと今の関係のまま変わらないのかと思っていた。
好きな人がいる、と言われて複雑な気分になったのも、今の関係が崩れるかもしれない不安からか。

小悪魔もきっと、沢山の告白を受けてるんだろうな。
そしてあの子だって…。

「ねぇ、聞いてる?」
「あ、ああっ。」
「どうしたらいいと思う?」
こういう時は素直に俺が思うことをアドバイスすればいいんだ…よな?

「断れよ。」
「…どうして?」
「だってお前他のやつが好きなんだろ?好きすぎてちょっと悩んだりしてんだろ?
 だったらお前…そんなの告白してきたやつにも悪いだろうし、断れよ。
 何より好きなやつと一緒になるのが、一番だからな。」
…状況は少し違うけど、中学のときにあの子に似たようなことを言えてればな。

「…好きな人が私以外を好きかもしれなくても?」
「バカヤロー弱気になるなよ、お前可愛いんだから自信もてよ。
 …ってさっきからなんで俺がお前に可愛い可愛い言わなきゃダメなんだっ。」
自分の発言で少し顔が赤くなる。

「私、そんなに可愛い?」
「うるせー!可愛いよバカ!」
もうヤケクソだ。

「……そう、そうなんだ。ふふ、私可愛いんだ?」
少し顔を染めて、いたずらっぽい笑顔で俺をからかう。

「まぁな。」
「でもあんたに言われても嬉しくない。」
「テメ…!けっ!いくら顔が可愛くてもお前の場合喋っちまえば台無しだよ!」
「ちょっと、何よそれ!」
「よく言うだろ?喋らなければ可愛い、ってな。お前のことだよ。」
「失礼ね!あんたなんか喋っても喋らなくてもカッコ悪いわよ!」
「悪かったな!どーせ俺はカッコ悪いよ!」

「…でも、好きになっちゃえば、どんな人でもカッコよく見えるものよね。」
「あ!?なんだよ!」
「なーんも言ってないわよ、バーカ。」

結局そんな感じで、いつもの調子になってしまったけど、
考えてみればこの「いつもの調子」こそ俺が望んでいたものだった気がする。
こうやって言い合いしてるけれど、あいつはいいやつだから、出来れば幸せになってもらいたいもんだ。
606 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/14(土) 03:57:42.51 ID:yyT7SqAo
ここまで。とんでもない時間の投下になってしまったwwwwwwwwすんませんww
投下してる間にオランダ先制しちゃったぜ。
っていうかなんかあいつの話書きたくなってきたwwwwww元々俺あいつ一番好きなんでwwwwwwww
ちょっと脱線して短編でも(ry
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 08:49:43.54 ID:5vdoaQ6o
>>606
おつおつ
あいつ可愛いねww

俺も何か書いてみようかなぁ
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 17:12:55.91 ID:7wvAPb6o
デスおっつー
俺もなんだか話書き(ry
でも書ける時間がなかなかみつかんないんだよな…
暇な時にちょくちょく話考えていつか書いてみようかな
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 22:37:48.78 ID:bLou6e60
乙です
あいつかわええwwwwww
好きな奴に可愛い連呼されると嬉しいねwwやっぱりwwww
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 23:23:56.78 ID:yyT7SqAo
>>605続き

日曜日。俺はあの子と二人きりで出かけることに成功した。
「欲しいものがあるけど、近場には置いてないから」ということを理由に、ちょっとした遠出だ。
ぶっちゃけそこまでして欲しいものは無いんだけどな。
遠くの本屋でしか扱ってない参考書が欲しかった、とかそんな理由にしようか。
え?あんまり勉強しそうにないように見えて、実は影で努力してるんだ!素敵!ってならないか?
…いや、ならないな。やめとこ。

とにかくあの子と二人きりなんだ。
あの子には「それならあの二人と…」なんて言われて、少し傷ついたりもしたが、
最近はよくあの二人と遊んでるからたまにはあの子と色々喋りたい、ということで了解を得た。

だがその日曜日。ちょっと予定外のことが起きる。
すっかり失念していたのだけど、実は今日は地元で大きめのイベントがある。
その為いつもよりも人が多く、電車もまるで通勤ラッシュかというような込み具合だった。

そんなわけで今現在、俺は必死にあの子のためにスペースをキープしている。
あの子はというと申し訳なさそうな顔で俺の腕を掴んで、大丈夫だよ?と何回か言ってくれている。
だがしかし、男ならここで踏ん張らないといけないだろうっ。
そんな意地だけで俺は涼しい顔をして背中からの圧力に耐え続けている。

「…うふふ。」
ふと、あの子が笑った。

「あなたはいつも私を守ってくれるね。」
まぁ、好きな子を守るのが男の仕事だからな。
「ねぇ、体育倉庫の時のこと覚えてる?」
「…よく覚えてるよ。」
だけど思い出すと少しだけ恥ずかしい。恥ずかしいことばかり言った気がするから。

「あの時も凄く嬉しかったよ。…本当にカッコよくなったよね。」
なんという魔法の言葉。背中にかかる圧力が軽くなっていく。
「からかうなよ、バカ。」
「本音だよ?」
「へっ…そうか、ありがとよ。」
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 23:24:27.77 ID:yyT7SqAo
>>610続き

なんてぶっきらぼうに言いましたが、本当は嬉しくてたまりませんでした正直。


俺達の目的地は、ちょっとだけ遠い。
大量の人は俺達の目的地より手前で降りていき、その後は俺達も座ることが出来た。

ところで俺は今日朝飯を抜いてきた。寝坊しただけの話だけど。
そんなわけで朝飯抜きでこの重労働、正直キツい。
早く電車から下りてどこかで飯を食べたいところだったが、残念なことに電車はもう少し走る。

そもそも遠くに行こうと考えたのは誰にも会いたくなかったからだ。
人通りの多い街中だと、バッタリ誰かに会っちゃいそうで。小悪魔とか小悪魔とか小悪魔とかな!

だから割かしのんびり出来て、人も少ない、いつもはあまり行かないようなとこに誘ったのだ。
あの子もそういうところが好きそうだしな。…勝手な俺のイメージだが。

グー。

…ついに腹が鳴ってしまった。
隣にいるあの子がクスクスと笑う。

「わ、わりぃ。朝飯食ってないんだ。」
「それなのにあんなに頑張ってくれたの?もう…本当に大丈夫だったのに。」

と、少しむくれた顔でいうと、あの子はトートバッグの中をゴソゴソと漁っている。
そしてその中から現れたのは…銀紙に包まれたおにぎり。

「はい。今日は遠く行くって聞いて、お天気もいいしお昼は外で食べたいなって思ったの。
 だからおにぎり作ってきちゃった。沢山あるから、少しだけなら今食べてもいいよ?」
「お、おお…マジか、ありがたいよ。」
あの子の手作り。おにぎりって結構腹にたまるけど、あの子の手作りなら何個でも食えそうだ。
「あ…でも電車の中で食べたら、ちょっと良くないよね………こっそり食べてね?」

なんて、あの子は人差し指を口に当てて「しー」のポーズを取りながら笑った。
思わず俺も笑ってしまう。あの子も中々のワルだな。

そんなわけで目的地につくまでにおにぎりを一つ頂いた。凄い勢いで食った。
俺の食いっぷりを見てあの子は笑っていたけど、美味すぎたので仕方ない。
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 23:25:03.44 ID:yyT7SqAo
>>611続き

目的地に着いたあとは、一応「欲しいもの」の名目上ショッピングを楽しむ。
とはいえショッピングをするなら断然駅前なわけで…。
途中であの子にバレた。欲しいものなんて、本当は特にないことに。

「そうだよね。だったら駅前で済むもんね。」
「わりぃな、嘘ついて。」
「なんでそんな嘘ついたの?」
「…えと、まぁ…たまにはお前と沢山話もしてみたいな?とちょっと思っただけさ。」
結局目的は買い物ではなくあの子だ、とはっきり告げたようなものだった。

「じゃあデートだね。」
「え!?」
「だって、買い物が目的ならともかく…違うなら、デートじゃない?」
「そ、そうか?」
「デートかぁ…どうしよう、誤解されちゃったら困るし、帰ろうかな…。」

ドキッとする。帰られちまう!とか、誤解されるのそんな嫌か!とか、色んなことが頭の中で錯綜し…。

「なんて、嘘だよ。」
というあの子の笑顔で全部吹き飛んだけど。

「なんだ…ちょっと本気でびびったぜ。」
「うふふ、私そんなに嫌な性格してないよ?」
「はは、そうだな。」
「でも…あなたが誤解されちゃったら困るよね…その時は弁解してあげるね?」
まだあの子の中では俺があいつか小悪魔が好きだと思ってるみたいだ。
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 23:25:33.82 ID:yyT7SqAo
>>612続き

「だからっ、違うんだってば。誤解。」
「そんなに隠さなくても大丈夫だよ、私言ったりしないもん。」
「違うっての!あのな、俺は他に好きなやつがいるんだよ。」
「…え!?そうなのっ?」

ヤベ、言っちまった。なんて思いながらあの子の様子伺ったらこれだ。
女の子は色恋沙汰が本当に好きなんだな。あの子の目がキラキラ輝いてる。
口に出さなくても目で「誰?誰?」と聞いてきている。
…あの子がもし俺のこと少しでも気になってるなら、こんな反応しないよな…。

「い、言わないからな。誰とか、そういうことは。」
「えぇー…でもそうだよね、諦める。」
「…例えば、お前が中学ん時に好きだったやつを教えてくれるなら、教えてもいいかな。」

ちょっとした賭けに出てみた。
もしここで実は中学の時あの人が好きでした、と頬を染められて言われたら俺は自滅するわけだけど。
でも実際のところ、そこは本当に知りたいわけで…。

「内緒♪」
「…じゃあ俺も内緒だ。」

…でも結局そんな感じで落ち着いた。


この付近は自然が豊かなこともあって、そういった施設が充実している。
サイクリングコースがあったり、森林公園が沢山あったり、川で釣りをしている人も沢山いる。
動物園や水族館もこの先にある。ついでにバスに少し乗ればあっという間に海だ。
そんなわけで、なんだかんだで飽きることはなく楽しめたりする。

ところで今俺達は昼食休憩のために森林公園に向かっている。
当然のごとく俺とあの子は隣同士で歩いているわけだ。
あの子の身長は小悪魔よりも大きく、あいつよりも小さい。
とはいえ小悪魔は特別背が低いほうだと思うし、あいつは女子の中では背が高いほうだ。
というわけであの子の身長はちょうど世にいる女学生の平均…くらいだと思う。
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 23:35:22.86 ID:yyT7SqAo
>>613続き

だから隣同士歩いていると、目線を気持ち斜め下に向けるとあの子の顔があるわけだ。

空を見上げると雲ひとつない晴天。絶好のお出かけ日和。
いよいよもって夏も近い。気の早いセミの声が聞こえてきたりもする。
だが無理もない。今日はもう夏になりました、と言われても信じてしまうような日だ。

…何を言いたいかと言うと。あの子が結構薄着なんだ。
あの子の私服を拝めるというだけで1ヶ月分くらいの疲れが吹っ飛びそうなのに、嬉しいことにこの暑さ。
夏は一人の男として楽しみな季節であるけれど、その楽しみを今味わっている。

というか、あの子の方を向くと、その、胸元が視線に入るんだ。
それを「見ちゃいけない!」と思い目線を逸らすも、俺の中の天使と悪魔が暴れている。

それにしても、あの子は着やせするタイプなのかもしれない。
小悪魔はいわずもがな、胸がデカい。
身長小さい癖に胸がデカいって、お前一部の人間を狙い撃ちですねと言いたくなる。

あいつは…いやあいつも着やせだろ、うん…。

あの子はこれまた「女学生の平均」程度だと思っていた。
ところがどっこい。これは意外や意外…。
小悪魔と同等…とまでは行かないが、なんというか非常に立派です。
オタクが昔こんなことを言っていた。あの子は意外な武器を持ってるでヤンスと。
もしかしてこれのことだったのか!?そしてオタク、てめぇどこまで知ってる!

…って何を俺は考察しているんだ!

頭から胸のことを振り払おうと円周率を計算してみる。
無理だ、3.14以降わからない。

「あっれぇー!偶然ー!」
615 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/14(土) 23:37:15.23 ID:yyT7SqAo
とりあえず今日はここまで。
っていうかおまいら地震大丈夫でした?俺仙台なんで、死にそうだったんですけどww
本気で死ぬ、って思ったぜー。怖かったぜー。

てかみんな話書きたいならどんどん書いちゃえばいいと思うんだwwwwwwww
短編でも止まってるルートの続きでも、いっそ俺が書いてるやつの続きでも。
もともとリレー小説スレなんだから何でもアリだと思うんだぜ!
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 23:50:00.50 ID:yyT7SqAo
>>614続き

その時、俺が胸という単語を必死で頭から消し去ろうとしてるっていうのに、
胸の権化とも呼べるような存在の声。いやまさか、きっと幻聴だろうな。

あの子と二人、声の方を振り返る。
そこには小悪魔とあいつがいた。げ、幻覚か…いよいよもって俺もおしまいだな。

「あれ?こんなところでどうしたの?」
あの子もあの幻覚が見えてるらしい。……って、じゃあ幻覚でも幻聴でもないってことかよっ。

「…偶然ね。」
あいつはなんか微妙な表情をしている。悪いことをしてるような、そんな表情。
俺とあの子のデートを邪魔したのを悪いと思ってるのか?いやちょっと違うような…。

「でも本当偶然ー!なんとなぁくここに来たのにぃ!ねぇ?」
「そ、そうね、うん、偶然だわ。」

…なるほどね。

「どこで聞いてやがったコノヤロー。」
「ん?オタク君に聞いたら、兄さんなら日曜日はあの子とデートでやんす、って教えてくれたよぉ?」
オタクか!あの野郎!
「代わりに彼女の情報を提供したけどねぇ。」
そう言って小悪魔が視線を送るのは、あいつ。
「え!?わ、私?何教えたのよ!」
「ひっみつー。」
「ちょっと!待ちなさいよ!」

まるでトムとジェr…いや待て、今の内に逃げよう。
何も考えずにあの子の手を取る。

「行こうか。」
「え?あ…う、うん。」

ガシッ。

あの子の手を取った方とは逆の腕を、何かにつかまれた。
何か…って考えなくても想像はつくけれど。

「せっかく偶然会ったんだから、一緒に遊ぼうよぉ。」

いやお前、さっき偶然じゃなくてオタクに教えてもらった、ってハッキリ言ってたよな?
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/14(土) 23:50:41.45 ID:yyT7SqAo
もうちょっとだけwwwwww今度こそここまでー。
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/15(日) 01:01:57.38 ID:Oap4Vaco
>>615
関東でもけっこう揺れてたから心配してたんだぜ
無事そうでなにより
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/15(日) 02:16:21.18 ID:p9ZITXIo
デス氏乙
小悪魔スネークかよwwww
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/15(日) 03:16:51.94 ID:S.WCl6DO
あれ?俺も関東だけど地震なんて全く…


いやはやかろうじて関東なだけはあるな茨城……まったく恐ろしいこ
てなわけでデス氏今夜も乙だぜ
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/15(日) 20:05:46.48 ID:W6gK0MA0
地震は怖いよね、うん
関西に住んでて本気で死に掛けたから・・・
ともかくデス氏無事で良かったです
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/16(月) 02:04:36.27 ID:iwlPhh.o
>>616続き

というわけで結局4人で行動することになり…。
昼食も4人でとった。こうやって空の下でこの4人で昼食。妙な既知感が…。

ちなみにあの子が作ってきたおにぎりは大量で、人数が増えても特に問題はなかった。
とはいえ女の子達は少食で、ほとんど俺が食ったのだけど。
美味そうに大量に食う俺を見てあの子は嬉しそうにしていたけれど、さすがにキツい…。
結果的に電車の中で食ったのも含め、5,6個食ったかな。
…いや、サイズも結構でかくてですね…。

その後、適当に歩いて楽しそうなものを見つけては遊び、
せっかくここまで来たんだしと動物園と水族館にも行ってみた。
あの子と二人きりでなくなってしまったのは残念だけど、楽しかったのでよしとする。

ところで4人になって以後、右手の方にあの子、左手側に小悪魔とあいつがいた。
当然のごとく小悪魔やあいつも結構薄着なんですよね。
…右にあの子、左に小悪魔。どうしていいのかわからなくなった。

と、そんな時小悪魔が面白いものを見つけたのか、あの子の手を取って先に行く。
妙なプレッシャーから開放されてほっとした瞬間にケツに衝撃。

「いだっ!」
あいつの蹴りだった。
「鼻の下伸ばしてんじゃないわよ、バカ!」

「な、なんだよ!蹴ることないだろ!」
「あんたが変な顔してるからでしょ!」
「だってお前…仕方ないだろう!」

「…ふん、前に私にあれだけ可愛いとか言っておきながら、私と二人じゃ別に鼻の下伸びないのね。」
「え…だって、そりゃあ…。」

チラ、っと目線を下にした途端、やべっと思ってあいつの顔を見ると、真っ赤になっていた。

「む、むむむ、胸だけが全てじゃないわよー!」
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/16(月) 02:05:05.64 ID:iwlPhh.o
>>622続き

ガシッ!
また俺に蹴りを入れると、あいつはあの子と小悪魔のところまで走り去っていった。
ち、ちくしょう…!暴力的なやつだ…!仕方ないだろうが男なんだから!
…それにしても、あいつって結構胸のこと気にしてるんだな。
そりゃそうか。二人があれだからなぁ…可哀想だからあんま触れないでおいていてやろう。
個人的には別に小さいのも悪くはないと思うが…ってどうでもいいよ、そんなことは。


あいつと小悪魔が来たのは、悪いことばかりじゃなかった。
実は夏に先駆けて小さな花火大会をやるらしいのだ。
俺はそんなこと知らなかったから、せっかくの花火を見ずに帰るとこだった。

そんなわけで今、少しだけ出てた屋台で食い物を買って、
一番見やすいポイントを色々探している途中だ。

…だったはずなのだけど、気付いたら俺とあの子だけになっていた。
はぐれてしまったのか、はたまた小悪魔たちが気を使ってくれたのか…。
いや、小悪魔に限って後者はないよな?
だったらそもそもここに来ないだろうしな。

「二人だけになっちゃったね。どうする?」
「ん、まぁ後で合流すりゃいいだろ。とりあえずいい場所探そうぜ。」

せっかく二人きりになれたんだ、わざわざ探すこともないよな?

というわけで、二人で歩き回って、いい感じに人気も少ないスポットを見つけた。
そもそも小さな花火大会ということで人も少ないんだけどな。
それでも一番近くで見ようとすると人ごみの中だから。
出来るだけ近くて、尚且つ人も少ないとこ…なんて探せばあるもんだな。
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/16(月) 02:05:46.93 ID:iwlPhh.o
>>623続き

上手い具合にコンクリートを椅子代わりに出来そうだったので、そこに腰を下ろす。
屋台で買った食い物でも食べながら開始まで待とうと思ったがここで気付いたことが。
…俺があいつや小悪魔の分の食い物も持ってるんだった。
どうしようコレ。やっぱり二人を探した方がいいだろうか?…ま、いっか。

とりあえずあの子と二人、たこ焼きをつつきながら少しおしゃべりをする。

「あ、そろそろ始まるみたいだよ。」

すぐ後、大きな音と共に花火が打ち上がる。
小さな花火大会という割には中々大きな花火で、思わず「おぉ」と感嘆の声が漏れる。
次々に打ち上がる花火を、あの子と二人してしばらく心を奪われる。

「二人とも、ちゃんとこの花火見てるかな?」
「見てるだろ、どこにいるのかは知らんけど。」
「残念だったね。」
「何が?」
「だってこういうのって好きな人と一緒に見たいでしょ?」

いや、今こうして好きな人と一緒に見れてるけど…。
ってあの子はまだそのネタを引っ張るか。何度言えば誤解が解けるんだよっ。

「だからさ、俺は別にあの二人とは…。」
「そんなに言うなら、あなたの好きな人教えてくれてもいいんじゃない?」
「さっきも言ったろ?それならお前の中学の時好きだったやつを教えてくれ、ってな。」

どうせ教えてくれないんだろうけどな、という気持ちであの子の表情を伺うと、
やっぱり教えてくれそうにない表情で「うふふ」と笑っていた。
でもその後、あの子は俺の目をじーっと見つめてくる。
あまりに思いっきり見つめられるものだから、俺も目が逸らせない。
視界の外では何発も花火が上がっては、大きな音だけを俺の耳に届ける。
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/16(月) 02:06:20.60 ID:iwlPhh.o
>>624続き

「…な、なんだよ。」

結局根負けしたのは俺だった。
すると、あの子は俺から目を逸らして花火の方向に目線を向け、また笑った。

「なんでもない。」

なんでもないようには思えなかったけど。
なんだよ畜生、あんなに見つめられてやたらとドキドキしてしまった。


「あー!いたー!」

花火終了後、駅に歩きながら小悪魔やあいつのことを探していると、小悪魔の方が俺を見つけた。

「お、どこ行ってたんだ?」
「もぉー!何が「どこ行ってたんだ?」だよぉー!こっそりいなくなったくせに!」
「ち、ちげぇよバカ!お前らがどっかに行ったんだろうが!」
「むぅー!一緒に花火見れなかった分、今ベタベタしてやるぅー!」

むぎゅ。小悪魔が背中に抱きついてくる。バカ、おま、薄着だろうがっ。

「や、やめろ!離せ!」
「やだ!」
「はーなーせー!」

離そうと動くたびに胸に伝わる柔らかい感触。イカン。これはイカン。

「わかった!じゃあ手繋ごう!だから離してくれ!」
「えっ…君からそんなこと言ってくるなんて…積極的だねぇ。」

というわけで背中から離れた小悪魔は俺と手を繋ぐ。
だけどやたら密着してくるから、ぶっちゃけあんま変わらない気がする。

「うふふ、よかったね。」
「…ダメだよぉー!彼はあげないよー!」
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/16(月) 02:06:48.55 ID:iwlPhh.o
>>625続き

あの子が小悪魔に声をかけるも、小悪魔は何故かあの子に敵意むき出しだった。
こいつはこいつで何か勘違いしてるな。なんもしてねーってのに。

「大丈夫よ、とらないから。」

…あの子はあの子でそんなことを言う。くそう、ちょっとショック。

ちなみにそんな様子を一歩引いたところで見ていたあいつはというと、
例の如く冷ややかな視線を俺に送っていた。

「…な、なんだよ。」
「よかったわね。」
「よくねーよ!」

しかしよくないのはこれからだった。帰りの電車に乗ると、最初はよかったものの途中からやたら人が入ってきた。
忘れてた、そういやイベントあったんだっけ…朝もこんなんだったな…。
元々座るスペースもないような状況だったのに、大量の人が入ってきて朝のような状況になる。
隅にどんどん押され、でも朝のように女の子達を守ろうと必死に頑張るも…。
朝より背中の圧力がやべぇ!俺が潰れる!

「ちょっと!ちゃんと抑えてよ!男でしょ!」
「あんまり無理しなくても大丈夫だよ?」
「もぉー、どさくさに紛れてそんなとこ触らないでよぉ♪」

女の子たちは三者三様の反応だ。っていうか小悪魔おかしなこと言うな!

「ど、どこも触ってねぇよ!」
「嘘ばっかぁ。だってほら、手がこんなところに…。」

気付いたら左手が小悪魔のお尻付近にいっていた。
後ろからおされまくって圧力に耐え切れず、結果的に手がずれただけであって、不可抗力だっ。

「あんたねぇ…!」
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/16(月) 02:07:13.41 ID:iwlPhh.o
>>626続き

不可抗力なのにあいつがワナワナと怒っている。
この状況で殴られると防御しようがないのでビビっていると、電車が揺れる。
そのせいで背中を更に押され、つんのめる形になってしまう。

むに。

あの子の胸に顔がダイブしていた。慌てて顔を引っ込める。

「わ、わりぃ!」
「……だ、大丈夫よ?」

顔を真っ赤にして、困ったような表情であの子は許してくれた。
だけど俺の右手側にいる人は許してくれないらしい。

「またしてもあんた…!」
「ち、ちげぇ!俺は悪くない!」

ガタン。また電車が揺れる。ズル、と両手が滑った。

「キャ!」「いやん♪」

結果的に俺は左手で小悪魔のお尻を触ってしまい、右手はあいつの腰を抱くような形に…。
なんというラッキー…もとい不幸な事故だろうか。
ラッキーだなんてとても思えない。だってあいつが物凄い怒ってるんだもの。

俺が耐え切れなかったせいで、4人の距離はさっきよりずっと近くなっている。
小悪魔はなんかもう俺に抱きついてきてる。あの子はまだ困った表情だ。可愛い。
そして物凄い近くで真っ赤な顔をしたあいつにめっちゃ睨まれてる。

「あんたね…!これ以上なんかしてみなさい、その時は…!」
「だから仕方ないんだってばー!」

ガタン。電車はまたしても揺れる。
また滑った俺は、またあの子の胸にダイブしてしまい、右手もついにあいつのお尻を触ってしまった。
…ああもうダメだ、俺もう言い逃れできないよ…。

電車を下りたあと、あいつにボコボコにされたのは言うまでもない。
628 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/16(月) 02:09:25.80 ID:iwlPhh.o
ここまでー。…はぁ、最悪の週末だったぜ。ラッキースケベな主人公書いてると腹立ってくるぜ。

>>620
震源地は岩手と宮城の山の方なんだし、
むしろ東京とか神奈川とかよりも茨城の方が震度おおきかったんじゃね?ww
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/16(月) 03:47:59.96 ID:wz7U3QDO
デス氏もつ

あるぇー?しかしまったく揺れとか分からんかったがwwさては南部だからか…!
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/16(月) 19:45:42.07 ID:BQ9dgMQ0

何故か今回の主人公に殺意が芽生えてきたんだが、どうするべきだろうか


書きたいことが沢山あるし作業に戻りますノシ
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 01:47:08.48 ID:T0mpS4Io
>>627続き

「ねぇ、あんた今朝の情報番組見た?」
キラキラした笑顔で、あいつが詰め寄ってくる。

「見たけど…それがどうしたんだよ。」
「明日公開のあの映画、すっごく面白そうじゃなかった!?」
「ああ、あれね…前から気になってたよ。っていうか、あの映画ずっと宣伝してたろ。何を今更。」
「バカね、最新映像!とか言って今まで公開されてなかったシーンを少しだけやったでしょ。
 あれに惹かれたのよ…名作の予感…。」
「ふーん…。」

ちなみにあいつの言っている映画は恋愛映画。
俺は正直DVDがレンタル開始したら見てみようかな、程度にしか思っていなかったけれど。
あいつとは何本か一緒に映画を見たことがあるけど、とことん恋愛映画が好きなやつだ。
性格的にお前はアクションが似合う、って言ったら殴られたことがある。

「あれは絶対面白いわ。明日見に行くから付き合ってよ。」
「えっ!?なんでだよ、小悪魔とでも行って来いよ。」
「バカねぇ、当然あんた誘う前に誘ったわよ。明日は無理って言われちゃった。」
「じゃあ他のやつ誘えばいいだろ?明日は俺もちょっと用事あるんだよ。」
と、明らかに嫌そうな反応をしていたら、あいつはうつむいてしまった。

「…わかった。」

トーンの落ちた声でそんなことを言うので、戸惑ってしまう。
明日はあの子を誘ってどこかに行こうと思っていた。
思っていたけど、まだ誘ってないから…現段階では暇だ。
…まぁ、たまにはあいつと二人で遊ぶのもアリかな…。
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 01:47:43.15 ID:T0mpS4Io
>>631続き

「あ、待てよっ。思い出したんだけど、用事は明日じゃなかったわ。」
「…じゃあ大丈夫なの?」
「ああ、全然暇だ。」
「嘘ね。」
「は?」
「用事なんて最初からなかったんでしょ!私と行くのが嫌なだけでしょ!ふん!」
「そ、そんなことねーって!」
「何よ慌てちゃって!やっぱりそうなんじゃない!」
「お前なー!人の言うこと信じろよっ。」
「10時ね!」
「…え?」
「いいわね!?10時に駅前!わかった!?」
「わ、わかりました。」
「ふんっ。」

あいつはきびすを返すと教室を出て行った。
一方的に待ち合わせ場所と時間を決められてしまった。なんて傍若無人な…。
でも教室を出て行ったあいつの足取りは、断ってしょんぼりしてたときよりも軽かったように見えて、俺はそれで満足した。
あいつの性格はまだよくわからないけど、あれはあれで可愛げがあるよな、と思うと少しニヤけてしまう。
…って、俺はあの子一筋なんだけどな。


「あ、見つけた♪」
トイレから教室に戻る途中、あの子が笑顔で駆け寄ってくる。

「どこにいたの?教室に行ったのにいなかったから。」
「ちょっとトイレに行ってただけだ。」
「あら、ちゃんと手洗った?」
「ばっ…洗ったに決まってるだろっ。」
「うふふ、ならいいの。」
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 01:49:06.34 ID:T0mpS4Io
>>632続き

あの子が俺目当てで教室に来ただと?ちょっとドキドキしてしまう。
なんの用事だろうか。もし何かの頼まれごとなら無条件でOKなのに。

「あなた、映画結構好きだったよね?」
「ん、まぁ…人並みにだけどな。」
「明日から公開するこの映画、知ってる?」

そういってあの子は俺にチケットを見せてくる。
それはさっきあいつと話していた映画のチケットだった。

「実は明日限定なんだけど、特別招待券を2枚もらっちゃったの。もしよければ、一緒にどう?」

何も言えずに、固まる俺。なんてことだ…。
あの子からの誘いだ。二つ返事で頷くところだけど、今回ばかりは。
今更あいつにやっぱり無理だなんて言えない。

「…悪い、明日はちょっと無理なんだ。」
「あ、用事あった?ごめんね、無理なら仕方ないよね。
 でもチケットは無駄になっちゃうなぁ…。」
「他の女子でも誘ったらどうだ?」
「え、でも……ううん、なんでもない、女の子誘ったんだけどね、興味ない子と用事ある子ばっかりだった気がするの。」
「そっか、そりゃ残念だな…。」
気がするという曖昧な言い回しがちょっと気になる。

「うん…でもね、この映画一度見てみたいと思ってたの。
 明日はダメでも明後日はどうかな?」
「あさっては暇だけど…。」
「そう!よかった!じゃあ明後日付き合ってくれる?」
「あ、うん…でも悪いけどさ、他の映画じゃダメか?ホラーとか。」
「え、どうして?私はこれ見たかったんだけど、あまり好きじゃない?」
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 01:49:51.59 ID:T0mpS4Io
>>633続き

俺はどうしようか迷う。はっきり言ってしまおうか。
そもそも俺が我慢すれば映画を2度見るってだけで済むことなんだけど。
恋愛映画をあの子と見る前にあいつと見て、次の日すぐにあの子と見るというのは、何か心情的に後ろめたいものがあった。
だから正直に言ってしまうことにする。

「実は明日あいつとその映画見に行くんだ。」

さっき「あまり好きじゃない?」と俺に少し残念そうに聞いたあの子の表情のまま、動かない。
う…あの子がどういう反応をしているのか読み取れない…。
と、思ったら、今度は笑顔になった。

「そうだったんだ、それじゃあ仕方ないよね。
 ごめんね、私は一人で勝手に見に行くから。あ、そうだ、このチケットあげるね。
 あらやだこんな時間。次の授業はじまっちゃう。そろそろ失礼するね♪」
ニコニコしたまま一方的にまくしたてられて何もいえない。
チケットも押し付けられて、あの子は足早に立ち去ろうとする。

「ま、待てって!明後日はどうするんだよ!?」
「ごめんね、私一人で見に行くから大丈夫。」
「いやそうじゃなくってさ!他の映画でもいいわけだろ!?」

キーンコーンカーンコーン…。

「ほらチャイム鳴っちゃった!すぐ戻った方いいよ!」
結局あの子は走っていってしまって、俺は取り残される。
あー…くそ、やっぱり地雷だったか。
何も言わずにもう一度同じ恋愛映画を見るって選択がベストだったのかもしれない。
とりあえずまた次の休み時間にあの子を話をしよう。
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 01:51:03.41 ID:T0mpS4Io
>>634続き

と思っていたがあの子に避けられてるような気がする。会えない。
昼休みになれば屋上に来るだろうし、そこで話せばいいか…。
…ってあいつや小悪魔もいる場でそんな話出来ないな。恥ずかしい。

「あんた本当に用事あったわけじゃないのよね?」
窓の外をぼんやり見ていたら、反対方向からあいつの声。

「んぁ…?ああ、大丈夫だよ、問題ない。何だよ急に。」
「だってずっと憂鬱そうな顔してるんだもの…実は無理させたんじゃないかって、ちょっとだけ思って…。
 べ、別に心配してるんじゃないんだからね!もし用事あったんだったら、相手方の人に迷惑だろうと思って!」
「あはは、そっか。でも本当に用事ないから、気にするなって。」
そこでふと思い出して、俺はポケットからチケットを取り出す。

「そういやこんなのもらった。」
「これ…明日の映画の招待券!?うそ、誰にもらったの?随分タイミングいいのね。」
「あの子。」
「えっ。」

ぴたっとあいつの動きが止まる。その後、少しずつ顔が悲しみに染まっていった。
「もしかしてあんた、あの子と明日…。」
「違う。さっき誘われたんだ。でもお前と約束してたから断った。そしたらそれくれた。」
「そう…なんか悪いことしちゃった気がする。」
「なんでさ?お前との約束の方が早かったんだ、お前が気にすることじゃない。」
「…うん。でもチケット、いいの?」
「もらったもんは有効活用させてもらおうぜ。」

「そうね。うん、そうだわ。せっかくだものね。」
「ああ。」
「…楽しみね。楽しみにしてるから。」
「はは、俺に言われてもなぁ…映画の面白さは変わらないぜ。」
「そういう意味じゃ……い、いやなんでもない!なんでもないからね!じゃあね!」

なぜか顔を真っ赤にしたあいつは、慌てて教室を出て行った。
って、おい、もうチャイムなるぞ?
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 01:55:13.51 ID:T0mpS4Io
>>635続き

結局昼休みにもろくに話をすることが出来ずじまい。
メールで「帰る前に話がしたい」と懇願したところ、委員会があるからと断られてしまった。
始まる前の時間でも、何なら終わってからでもいいから、と必死に頼み込んだら、
始まる前に少しだけ時間があるから、その時ならと了解を得た。
あまりに必死な文面だったせいかあの子も折れてくれたようだ。
何事も本気でどうにかしたかったら、なりふり構わずにってことかな。

そして放課後。屋上に繋がる階段の下で、ということだったので、一足先にそこで待機。
3分くらいしてからだろうか、あの子が来た。

「あまり時間はないけど、ごめんね。どうしたの?」

よかった。昼休みはあまり目合わせてくれなかったから心配してたけど、特に怒っているようでもないみたいだ。
ひたすら弁解して終わりかと思ったけど、こりゃすぐに誘ってしまおう。
…というか、俺は何を弁解するつもりだったんだっけ?

「俺から明後日のお誘いをしたかったんだけど。」
「あ、うん…でも、大丈夫、結局映画は友達と見に行くことになったの。来週の話だけどね。」
「じゃあ関係なしに明後日出かけないか。俺暇なんだ。」
「どこに連れて行ってくれるの?」

…あ、考えてなかった。
ど、どうしよう。適当にでも早く思いつかないと。

「あの、あれだ、うん、その、え、映画とか!」
「うふふ、結局映画?」
「あ…そっか。でも…うーん。」
「それで、何の映画?」
「えと、さっき言ってたろ?ホラー映画。あれとかどうかな。」
「うーん…そうだね、男の子と見に行くならある意味いいかもね。いいよ。」
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 01:55:47.46 ID:T0mpS4Io
>>636続き

「そっか!じゃあ待ち合わせとかは、あとでメール送るよ!」
「うん、わかった。…でも、お誘いもメールでよかったんじゃない?」
「なんとなく直接がよかったんだよ。」
「そう、そうなんだ。うふふ。あ、そろそろ時間。ごめんね。」

あの子はトタトタと階段を下りていく。少し楽しげに見えたのは、俺の気分が高翌揚してるせいかな?
「ちなみに。」

その足を止めて、俺を見上げながらあの子。
「私ホラー映画は特に苦手じゃないから、キャーって言って抱きついたりしないよ?」
ニコニコしながらそんなことを言う。いたずらっぽい笑顔で。

「そりゃ残念だ。」
「もしかして期待してた?」
「し、してねーよ!」
「うふふ♪」

「でも遊園地行った時、おばけ屋敷で凄く怖がってなかったか?」
「あ、あれは…まったく別よ…凄く怖かったもん…。」
「はは、じゃあ映画も結局怖くて俺に抱きついて来るんじゃないか?」
「そ、そんなことないわよ?……でも本当に怖かったらそうなるかもしれないから、守ってね?」
「おう、任せろ。」
「うふふ、それじゃあ私行くね。」

手を振りながら、あの子は階下に消えていった。
振り返って外を見ながらしばらく呆けていると、窓に映る自分の姿を見てひとつのことに気付いた。
…凄くニヤニヤしていた。
もしかしてこれあの子と約束取り付けたとき、ずっとこんな表情だったのか!?
恥ずかしさのあまり校舎に残ってるのが嫌になって、帰路についた。
638 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/17(火) 01:58:19.11 ID:T0mpS4Io
今日はここまで。やべぇ、なんか今の展開は小悪魔完全に空気になってるwwwwwwww
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 03:20:47.26 ID:BkG.YEDO
あいつがかわいいのならそんなことは些細な問題ですです^^
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 20:08:24.05 ID:1HACasU0

あいつかわえええええええええええ


でもなんかデジャヴなんだよな、どうしてだろ
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 21:15:39.94 ID:T0mpS4Io
>>637続き

あいつと一緒に見た恋愛映画は、予想外に素晴らしい出来だった。
ヒロインの可憐な演技は誰しもが「これは片思いして当然だ」と思えただろうし、
主人公の心理描写も巧みで、ただすれ違うばかりの恋愛ものじゃない、甘酸っぱくて切ない極上の恋愛映画だった。
そして俺はその主人公にひどく感情移入をしてしまった。
あまりにも、境遇が似ていたから。

結果的に主人公とヒロインは結ばれることはなかったが、
それでも恋愛映画としては凄くよかったと思う。DVDを買おうかな、と思ってしまったぐらいに。
だけど、主人公に感情移入をしてしまった俺は、
主人公とヒロインの関係を俺とあの子の関係に移し変えてしまい、
結末には感動を覚えるとともに、不安になった。
俺の恋も、結局はかなわない恋なのだろうか?


「いい映画だったな。」
「…そうね。」

公開前から話題になっていた映画だけあってか、観客は大入り。
もしかしたら招待券がなかったら目的の時間の映画は見れてなかったかもしれない。
その影響から、映画館付近の喫茶店やファーストフードも客だらけ。
随分歩いてようやく空いてるファーストフード店を見つけ、こうやってのんびりしている。

「でも、不思議ね。見せ方によってこうも違うなんて。」
「なんの話だ?」
「昨日言ったでしょ?凄く惹かれたシーンがあった、って。
 私、あれはてっきり二人の気持ちが通い合ったシーンだと思ってた。
 でも実際は違った…あのシーンだけ見て映画館に来ると、きっと騙されたー!って思うわね。
 だけどそんなの関係なしに面白かった。感動しちゃった。」
そう言うあいつの目は心なしか赤い。
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 21:16:25.98 ID:T0mpS4Io
>>641続き

「それに私、主人公に凄く感情移入しちゃったわ。」
少し意外だった。
あいつは転校してきて以来、あの子や小悪魔と並んで校内トップ3の美女という称号を欲しいままにするほどで。
むしろヒロインに感情移入してるだろうな、と思っていたのに。

「へぇ、そいつは奇遇だな。俺もえらく感情移入した。」
「ねぇ。あの二人は幸せなの?」
あいつの目は悲しそうで。

「結果的に二人はそれぞれの幸せを見つけた。映画として凄くよかったわ。
 でも一番大切だった人と一緒になれなくて、それで幸せなの?」
少し必死なくらいのあいつの質問は、俺にとっても理解出来るものだった。でも。

「わかんねーな、実際にあの立場になってみないと。
 二人とも一応幸せは手に入れたんだ。それと二人がくっつくのとどっちか幸せかなんて、俺には判断できない。
 だから、実際にあの立場にならないと……はは、なりたくねーな。」
「うん、私もなりたくない。やっぱり、一番大切な人と一緒に…。」
今度は不安そうな顔で俯いたあいつ。急に小さく見える。
あいつも、俺と似たような不安を抱えてるみたいだ。

「片思いしてた経験でもあるのか?」
「っ、うるさいわね、別にかんけーないでしょ!」
顔を赤くしてそっぽを向くあいつはいつものあいつだった。

「でも。」
いつものあいつは、またさっきの不安そうなあいつに戻り。
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 21:16:47.52 ID:T0mpS4Io
>>642続き

「片思いなのか、両思いなのか…。そんなのいつまでも分からないわよね。
 手っ取り早く確かめたいなら告白するのが一番。
 だけど…怖いよね、そんなの。それならずっと、相手の気持ちを知らないで片思いしてるって思い続ける方が…。」
「っ…片思いのままでいいなんて、そんなのは悲しすぎるだろ。」
「………そうね、うん。って、バカねー。私がそんなの本気で悩むわけないでしょ?」

悲しいことを言うあいつだけど、俺とあいつは似ていた。
怖くて相手の気持ちを知りたくない。

もし。
もし、あいつが今現在片思いをしていて、その相手が俺だとしたら。
もし、俺があの子への思いを諦めて、あいつと一緒になったとしたら。
きっと弱い心の二人同士、支えあっていけるに違いない。

…そんな仮定の話は、どこまでいっても仮定なのだけど。
俺はあの子が好きだし、あいつが現在誰に恋してるかなんて見当もつかない話だ。
絶対に教えてくれそうにないしな。

ただ、高校で俺はあいつと小悪魔、二人の魅力的な女性に出会った。
その中で俺は、何故あの子を好きになったのか。何故今も好きなのか。
何故あの子じゃなくちゃいけないのか。
それが少しだけ分からなくなっている気がして…。

…なんてな。簡単なことだ、俺があの子を今でも好きな理由。
誰にでも優しくて、明るくて、笑顔が可愛くて。
そんなあの子に寂しい顔をさせたくないから、傍で守ってあげたい。抱きしめたい。
ずっと変わらず、中学の頃からそう思っているんだ。
やっぱり俺はあの子が大好きだから。
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 21:17:13.57 ID:T0mpS4Io
>>643続き

ホラー映画が苦手じゃない、なんて言ったのはやっぱ嘘だったみたいだ。
小刻みに震えたあの子の手と、何度か触れ合う。
表情を伺うと、真顔でスクリーンを見つめたまま、顔は少し青ざめていた。

何度か触れた手を、こちから握ろうかと迷う。
映画は確かに怖くて俺も何度かビビってしまったが、
今は違う意味でビビってこっちまで震えてきてる始末だ。
男なら好きな子が怯えてる時に手ぐらい握ってやるべきだ。うん、絶対そうだ。

そう決意して、あの子の手を握ると、ビクッとした反応のあと凄い勢いでこちらを見てきたが、
手を握っているのが俺だと分かると安心したような顔をした。ように見えた。
暗くてよくわからない。
ま、おかげで恥ずかしさが半減したからいいんだけどな。

その後、迫力満点のシーンでは何度もあの子が強く手を握り返してきて、
やっぱりホラー映画は好きな子と見るもんだな、と強い満足感を得たのだった。


「舐めてた…怖かったよー。」
「はは、洋画のホラーってああいう脅かし方ばっかりするからな。」
「うーん…でも家で見てた時は平気だったのになぁ。映画館の迫力は全然違うね。」
「そりゃあテレビとは違うさ。」

紅茶を飲みながら外を眺めゲッソリするあの子は、なんだか可愛らしかった。
でも少し後悔する。個人的には大満足だったホラー映画鑑賞だけど、
あの子にとっては疲れるばかりだったのではないか?と。

「悪いな、ホラー映画なんかに誘っちゃって。」
「そんなことないよ、大丈夫。あんなに大迫力だとは思わなかったもの。いい体験だったよ。
 それに、後半は手握ってくれたから、そんなに怖くなかったしね、うふふ♪」
「な、べ、いや、あれは、なりゆきだよっ。」
あたふたする俺を見て、あの子はまたうふふと笑う。
ううう…頼りになる男ってのはからかわれても動じない方いいよな…。
まだまだ頼りない男だな、俺は。
645 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/17(火) 21:18:38.17 ID:T0mpS4Io
今日はここまで。なんかもうマジでヒロインをあいつへ軌道修正しようかと思ってきた。

>>640
そりゃ俺が書くとなんか見たことあるような展開ばっかりになるからねっ!
多分ぶつかったスレで一度は通った展開のオンパレードですよwwwwww
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 21:33:30.05 ID:1HACasU0
またまた乙
俺の中のメインヒロインはいつでもあいつだZE!!!!


見たことあるような展開って訳じゃなくて、文面まで全く同じものをいつか見た気がするんだよなぁ
でも、過去を振り返っても見つからなかったし・・・
もしかすると俺は別の世界で見たものをまだ覚えてるのかもしれない・・・なんて気がしてきたww
常識的に考えるとまずありえないけど、昔から何度も既視感を味わってきたからもしかすると・・・なんて
まぁいずれ解るときが来るでしょ、きっと

書き手として気を悪くしたのなら済まなかった、今後は慎むようにします
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/17(火) 22:33:00.21 ID:FksRaD.o
別の世界ね…デジャヴにあうたびそんなこと考えてたなんて時代が俺にもあったな…
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/18(水) 02:58:45.99 ID:2fEs5Zco
> ヒロインをあいつへ軌道修正

えええええええええええええええええええええええ
あの子と絡むシーンでは、ものっそいニヤニヤしてる俺もいるんすけど(´ω`)
649 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/18(水) 23:25:08.64 ID:wUg6.C2o
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/1/2/1213546c.jpg
ちょっと落書きでお茶濁してみたり。人物紹介の絵描きなおしたいんだぜ…。

>>646
いや全然気悪くなんてしてないっすよ。
プライド高い人だったら「俺のオリジナルな展開にいちゃもんつけるな!」って怒るかもしれないけどww

こういうベタな展開だと、ぶつかったスレの過去の話じゃなくても、
漫画なりドラマなり映画なりのラブコメとかでそういう話があったかもわからんね。
というか俺もそういうのを無意識に覚えてて、同じ話書いちゃってる可能性もありますしwwww

でも実際本とか読んでて初めて読んだのにデジャヴって事ありますよね。

>>648
大丈夫です、一応冗談ですwwwwwwwwww
だってあいつに軌道修正しちゃったら、考えてある先の展開がパーになっちゃいますもんww
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 00:14:39.90 ID:i0vDzxgo
デジャヴュ、ってのは結構よくある話なんだぜ

まぁまだこれと言って定説はないけど、似たような体験がこま切れで色々寄せ集まって
何かの拍子に記憶が再構築されて、メモリの片隅に放り込まれてた物が
呼び起されて『あ、これ見たことある!』と感じるっていうようなのが
よく言われてるメカニズムかな。

要するに夢と同じような物が記憶のすき間に入り込む、みたいな。

何かの拍子ってのが、心霊現象的な物だったりする可能性もあるかもねーww
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 00:53:47.14 ID:PUvnPsDO
デジャヴってほんと突然になるよな

てか絵投下wwwwなんか久しぶりにデス氏の絵が見れたきがする
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 02:48:13.06 ID:w4kBXREo
>>644続き

前が見えない。腕が痛い。

今俺は、2時限前の授業で使った教材を準備室に運んでいる。
だがそれだけならまだマシなのだ。
俺が運んでいるのは、ウチのクラスで使ったもの、隣のクラスで使ったもの、もう一つ隣のクラスで使ったもの。
…計3クラス分の教材を今運んでいるんだ。
だから前が見えない。そして腕が痛い。
だけど荷物を下ろすわけにも行かない。多分これ、一度下ろしたらもう持ち上げられないから。

ちなみに俺は日直でも当番でも委員でもなんでもない。
担任に「お前これ片付けといて」と何故か押し付けられた。意味がわからない。
俺って雑用係として扱われることが多い気がする。
そういう顔なのか?そういう雰囲気をかもしだしてるのか!?
嫌すぎる…。

それにしても律儀に運んでる俺も俺だな…まったく。
ちなみに2時限前の教材を今更運んでるのは、さっきの授業が体育だったから。
律儀な俺は高速で教室に戻り着替え、今こうして運んでる最中だ。

…っと、この先だ。えーと…ここだっけかな?よく見えない。ここのはずだ。
しかしどうしたもんか。両手が塞がってて開けられないぞ。
誰もいるはずがないけど、一応ノックをしてみる。
…くそ、ノックするにも一苦労だ。右ひじで無理やりノックする。

コンコン。

「はぁーい。」

聞き覚えのある声。小悪魔の声だ。
ガチャリと扉は開く。

「さんきゅー、助かったぜ。待っててくれたのか?いいやつだなお前。」
「…?」

小悪魔の反応はない。なんだ?
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 02:49:21.38 ID:w4kBXREo
>>652続き

「何でこんなとこ来たのぉ?」
「え?いやこの荷物を置きに…イテテ、悪い、限界だ。」

小悪魔の横を通り過ぎて準備室の中へ。
通り過ぎるときに視界の端に入った小悪魔の表情は少しポカンとしていた。
ん?小悪魔は別に俺を待ってたわけじゃないのか…?

とりあえずそんなことはどうでもいい。
この荷物を置けそうなところを足で探して、ちょうどいい高さのところを発見して荷物を置く。

「ふぅ…重かったぜー。」

一応ちゃんと指定の場所にしまった方がいいんだろうが、めんどくさいしこのままでいいか…。
とか思いながら顔を上げたときに異変に気付く。
「…どこだ、ココ。」
準備室ではなかった。

「更衣室だよぉ。」
扉を閉め中に戻ってきて、俺の隣に立つ小悪魔が言う。
「ああ、更衣室か。どおりでロッカー多いわけだ。」

納得。ちょっと入ったことない場所だったせいで、異次元にでも来たのかと思ったぜ。
しかし間違ってたとは…これじゃあまた準備室に運ばなければ…。
………更衣室?

「…女子更衣室…?」
「そうだよぉ。」
「お前が最後か…?」
「むしろ最初だよぉ。」

ガタン!物凄い勢いで荷物を持ち上げようとして落とす俺。
「ぐおおおー!火事場の馬鹿力出ろー!持ち上がらねえええー!」
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 02:51:02.22 ID:w4kBXREo
>>653続き

荷物と格闘をし始めて数秒後、小悪魔に腕を引っ張られる。
何事!?と思ったのも束の間外から女子の声。入ってくるんだろう。
ああ、これ終わった。と思った瞬間には俺の視界は闇になっていた。
小悪魔に引っ張られてロッカーの中にいたのだ。

…小悪魔と一緒に。

「…!お、お前なんで一緒に入ってきた!」
「んふふ、勢いかなぁ。」
「出ろよ!」
「ダメだよぉ。もう遅いよ。」

ガチャリ。扉の開く音と共に、多くの女子の声。
…絶体絶命。嫌な汗が出てくる。

っていうかこのロッカー大丈夫か!?ロッカーの中から外の様子が伺えるんだが…。
「(外からはよっぽど注意しない限りロッカーの中見えないから安心してぇ。)」
安心していいらしい。って全然安心出来るか!ああもう早く開放して…。

次々と入ってくる女子生徒。体育は2組合同だから、当然隣のクラスの連中も…。
ああ、あいつも入ってきた。げ、あの子まで入ってきた。
なんという背徳感…見ねぇ!絶対見ねぇから許してくれ!

ところでさっきからいやに小悪魔がひっついているんだが。
いや狭いからそうなるのは仕方ない、仕方ないけど…!
こんな近い距離だと小悪魔の匂いがして変な気分に…な、ならないぞ!

「(ねぇ、このロッカー、今日私が使ったんだよぉ。)」
背伸びをして小悪魔が俺の耳元で囁く。
「(さっきまでここに制服あったんだぁ…ねぇ、私の匂いはいい匂い?)」
「(し、知るかっ!黙ってろ!)」

いい匂いすぎてどうにかなりそうなので本当勘弁して欲しい。
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 02:52:27.62 ID:w4kBXREo
>>654続き

「(んっ…せまぁい…。)」
とか言いながらひっつくだけじゃなく、俺の腰に手を回して抱きついてくる小悪魔。
やめろ!その胸を必要以上に押し付けるな!
そしてその目もやめろ!悩ましげな目を俺を見上げるな!やめてくれえええー!

ちなみに小声で喋る分には特に問題ないみたいだ。
外はガヤガヤと結構うるさくて、大きな物音さえ立てなければ問題なく…。

けど例え外にはバレなくても今のこの状況は問題ありだー!

「あれー?ねぇ、これ誰が持ってきたの?」
外でそんな声が聞こえてきた。

「本当…これさっきの授業で使った教材よね?」
「誰か運んできたの?」
やべ…俺が持ってきた教材のことか…。
マズいな、確かにおかしすぎる。ついでにもし俺が片付けるはずだったことを知ってるやつがいれば…。

「これ、ウチのクラスのバカが片付けるはずだったけど…。」
あいつの声。お、お前…コノヤロー!

「でも何でここに?」
「そういえばさ、そっちのクラスで一人すぐ戻ってきた子いなかった?」
「うん、いたわね。」
小悪魔のことだ。

「もしかして彼女がその人の手伝いしてたんじゃない?」
「だとして…なんでここに?」
「重すぎるから少しずつ運んでるのかもしれないよ。」
「それじゃあその片付ける予定だった人が、あとは任せたーって感じで更衣室に置いていったとか?」
「最低ね…。」
「その人最低だわ…。」
なんか知らんが勝手に俺が最低扱いされてる。いや最低だけどな…今の俺の状況考えると…。
656 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/19(木) 02:53:06.29 ID:w4kBXREo
なんか短編のノリでバカな話書こうと思ったら長めになっちゃったから続きはまた明日ww
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 17:49:33.20 ID:w4kBXREo
>>655続き

「そんなことないと思うな。」
最低だとみんなが噂する中、それを否定する声はあの子の声。
「片付ける予定だった人って…彼でしょ?彼には生徒会の雑用も受け持ってもらったことがあったけど、
 本当にしっかりやってくれる人だったわ。」
「それじゃあどうしてここにあると思うの?」
「それは分からないけど…どういう理由があるかもわからにのに、勝手に人を疑ったらダメだよ。」
「うーん、それもそうかもね。」

うう、あの子…本当にありがとう…。俺、君を好きになってよかったです…。
ジーンときてしまった勢いで、思わずロッカーの外に視線を移す。

視線の先にはあの子がいて、あの子が下着姿で、そこで我に返った俺は大慌てで視線を外す。

み、見ちまった…!ごめんなさい、ごめんなさい…!
あの子は俺をかばってくれてるっていうのに、俺ときたら…!
ちくしょう、鼻血が出そうです…!ありがt…いや違うごめんなさい!

苦悶していると、体がずり落ちる感覚に襲われる。
というかずり落ちてた。小悪魔に引きずり込まれてた。
幸い奇跡の如くまるで音は立たなかったのだけど、体勢がとんでもなく大変なことになってる。

「(こうすれば100%外から中は見えないよぉ。)」

い、いやだからってこの体勢は!
確かにこの位置なら外から見えないし、俺も誤って外を見てしまうこともなくなる!
だけどだな…!
小悪魔の顔は今や俺の真横にある。胸は俺の胸部に押し付けられている。
…そして、俺の足と足の間に小悪魔がいる…。
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 17:50:14.31 ID:w4kBXREo
>>657続き

「(んっ……あ…。)」
変な声を出すなあああああああー!
エ、エマージェンシー!エマージェンシー!!大変危険です!

「ねぇ、ところでさ!そんなに彼のこと理解してるなんて…もしかして好きなの?」
耳がダンボのように大きくなる。
なんか物凄く興味深い話を外でしているんだが。
もしかしたら女子同士では本音で話して、あの子の好きな人がポロリと口から…。

「うふふ、そんなことないってば。」
否定。せめて恥じらいながら否定してくれれば、なんとなく可能性が見えそうなものを…。
笑って平然と否定されしまった。表情は見えないけれど…。

「だって彼は、きっとこの子のこと好きなんだから。」
「…へ!?私!?」
上ずった声はあいつ。ち、違うぞ…!何度も言ってるけど、それは違うんだ…!
「(もう、勝手な話ばっかしてぇ…君が好きなのは私だよね?)」
それも違うわ!

「彼に聞いても「違う」って言うんだけど、あれ絶対照れてるの。」
「そ、そんなこと…。だ、大体あんなバカが私のこと好きでも嬉しくなんてないわよ!」
言ってくれるじゃねぇか…。

「本当?」
「うっ……いやその…お、男の子が好きって言ってくれるなら…ちょ、ちょっとは嬉しいけど…。」

…なんだこの展開。

「だったらいいじゃない。彼、いい人だよ。」
「…ん、うん…分かってるけど…。」
「そういえばさ、転校してきたばっかのころ、付き合ってるって噂あったよねー!」
「あったあった!」
「結局どうだったの!?」

「ち、違う!あれは本当に誤解!付き合ってなんてなかったもの!」
「あっちの彼もなかなかまんざらじゃなかったような感じだったけどねー。」

「…ううん、あのバカと私が付き合うことは、絶対ないことだと思う。だって、あのバカは…。」
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 17:50:42.80 ID:w4kBXREo
>>658続き

沈黙。
「…どうしたの?」
あの子の声。
「ううん、なんでもない。」
そしてあいつの声。

顔が見えないというのは、やっぱ会話の上でつらいことなんだな。
今あいつはどんな表情でいたんだろうか。
表情さえ見えれば、あいつが何を言わんとしていたのか、少しでも分かるのに…。

「もう戻りましょ。男子も着替え、終わったでしょ。」
「…そうね。そうしようか。」

少しずつ女子が更衣室を出て行く。

…が、ある意味ここからが本番だった。
小悪魔が頬をすりすりとしてくる。

「(…お、お前こら!)」
「(今さぁ…ある意味君凄く無防備だよねぇ…。
  何されても、声出せないし物音も立てられないもんねぇ…。)」

頬ずりをやめたと思うと、今度は真正面に小悪魔の顔。
鼻と鼻が触れ合う。近い…近すぎる…!

「(や、やめろ…!)」
「(んふふ…女の子を、教えてあげようかぁ…?)」

そういうと、体を動かす小悪魔。こんな体勢で体動かすんじゃねぇ!
そして顔もどんどん近づいてきて…!
このままじゃ初キッスだ…!や、やめて…!初キスは好きな女の子と、って決めてたのに…!

だが小悪魔の顔は逸れて、先ほどのように頬が触れ合うような真横に落ちる。

「(やっぱやめた…。ちゅーは君に私のこと好きになってもらってからにする!)」
そうやって小さく宣言すると、俺のほっぺにちゅーをして、立ち上がる小悪魔。
なぁ、ほっぺちゅーも一応ちゅーじゃないのか?
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 17:51:17.83 ID:w4kBXREo
>>659続き

「ん…大丈夫みたい、もう誰もいないよぉ。」
ロッカーのドアが開かれる。ああ、やっと俺は帰って来たんだね。

一応キョロキョロとあたりを見回して確認する。本当に誰もいないみたいだ。
安心して俺も立ち上がる。いつまでもへたりこんでると小悪魔のパンツが見えてしまうから。
…ていうか小悪魔はきっと見せ付けてくるに違いない。

「ったく、お前よぉ。普通は男が女を押し倒すもんだぜ…。」
「いつまで経っても押し倒してくれないから、我慢できなくなっちゃった♪」

体をくねくねさせながら言うな。
…今さっきまでこの体と密着して、抱き合ってたのか…。
い、いかんいかん。

気を持ち直して、さっさと教材を運んでしまうことにする。

「…悪い、少しでいいから持ってもらえるか?」
「うん、全然大丈夫だよぉ。」

というわけで小悪魔に手伝ってもらって、無事教材は準備室に届けることが出来た。
教室へ戻る道で、ひとつ疑問に思ってたことを小悪魔に聞いてみる。

「そういえばお前、なんで一人だけ早かったんだ?」
「え?君のお手伝いしようと思ってたからだけど。」
「…え、そうなのか。」
「そうだよぉ。だってあんな量じゃ大変だもんねぇ。」

なんだよ、小悪魔ってそういう一面も持ってたのか。
そういう気配りってあの子の特権かと思ってたぜ…。
まったくいいやつじゃねぇか。エロいし、俺があの子好きじゃなかったらすぐ落ちてたな…。

「…そっか、ありがとよ。」
「んふふ、お礼はいいから、その代わり私を好きになって?」
「バカ、何言ってんだよ。」
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 17:51:45.60 ID:w4kBXREo
>>660続き

ところで「何故更衣室に教材が置かれていたか」という謎解きの件。
小悪魔と口裏あわせをして、こういうことにしておいた。
俺は教材を運んでいる時にトイレに行きたくなって、廊下の隅に一旦教材を置いた。
それを見た小悪魔が「あとは自分が運ぼう」と心遣いをしてくれて、
とりあえず少しずつ更衣室まで運んだのだけど、着替えをしている間に忘れてしまって教室に戻った。
そこで俺達二人が顔を合わせ、思い出した…。

…というもの。
割と普通の回答に、興味津々だったあいつや女子は「ふーん」と興味を失った様子。

だが少し後にあいつがこんな疑問を口にした。
教室は男子の着替えの場なのに、そんなに早く教室に戻ってどうしたの?と。
聞かれた小悪魔は少し戸惑ってたが、慌てて「俺が呼び出してた」ことにした。

「二人で何してたのよ。」
「いいこと♪」
「おまっ!」
「へぇ、それは楽しそうで…。」

「違うっての!」
「じゃあ何してたのよ?」
「そ、それは…。」
「もうこの際だから言っちゃったらぁ?」
「言えるかー!」
「そう、言えないようなことしてたのね…。」
「違うー!」
ある意味そうだけど…。

「…っていうか、あんたの匂い…。」
あいつの視線が小悪魔と俺とを往復する。
…やべ。
「…そういうことしてたのね。」
「ご、誤解だ!」
「抱き合ってたのは事実だよねぇ。」
「事故だ!」
「……へぇ。」
「事故なんだってばー!」

結局小悪魔と何かやってた…という誤解だけは残ってしまった。
いや誤解でもなんでもない事実だったりするけれど…。
662 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/19(木) 17:52:25.37 ID:w4kBXREo
ここまで。本当短編みたいな話だけどあんま気にしないでくださいwwwwwwwwww
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/19(木) 20:42:54.92 ID:psOBo7g0
>>649
気を悪くしてなかったようで安心した
久しぶりの絵投下乙です
なんか久しぶりに絵を見た気がするwwww

>>650
説明どうも
何かの拍子にってのが気になるけどある程度は理解できたと思う

>>662

短編も本編の流れに沿って書いてるみたいね


俺も他人の作品を見てるだけじゃなくてさっさと書き上げないとな、ってことでノシ
664 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/19(木) 22:45:28.34 ID:w4kBXREo
そういやちょっと聞きたいことがあったんだけど、
今までキャラの絵を描くとき、制服はセーラー服にしてたんだけども、
おまいらセーラー服とブレザーとかの服とどっちが好きですか?
個人的にはどっちでもいいんで、どうせならおまいらの趣味に合わせようと思うのですがww
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/20(金) 01:28:00.43 ID:B9Htq2DO
むしろ俺はぶつかったの制服はセーラーで決まっているものだと思ってたwwwwww
いや勿論私はセーラー推奨ですが
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/20(金) 11:18:15.99 ID:ZkHYK4Uo
ずーっとセーラーだと思ってた
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/20(金) 21:02:27.46 ID:jRKnkLM0
セーラーに決まってるんだと思ってたww
無論セーラーで
668 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/20(金) 21:14:51.77 ID:TLi88igo
おkwwwwwwwwwwww誰か一人くらいブレザー派いるかと思ったwwwwwwwwww
でもブレザー…もといYシャツもエロくていいですよね。
胸の大きい子がしっかりYシャツをスカートの中に入れてると…いやもうどうでもいいやwwww

またちょっと絵でお茶を濁しとく。今描いたあの子と前に描いた小悪魔ー。
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/e/8/e8ad83f8.jpg
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/9/5/955f9c45.jpg

どうでもいいけど、俺って何も考えずに絵を描き始めると、
いつの間にか小悪魔を描いてるんだけど、もしかして俺、小悪魔のことが一番好きなんでしょうか。
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/21(土) 03:00:30.85 ID:TFqXkLMo
>>ブレザー…もといYシャツもエロくていい
その点に関してはね、もう気が狂うほど同意せざるをえない
特に消失の挿絵でブレザーハルヒ見た瞬間に俺のブレザーに対する意識がぶっとんだね
もうあのYシャツあのくびれにあのミニスカのエロかわいさは異常。否反則だろと。

まあ要するにブレザーもいいよねって話です。
いや別におまけでブレザーあいつも描いて欲しいってわけではなくてねほんとに
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/21(土) 21:20:31.67 ID:kzWcfFQo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/a/e/aeeee4a2.jpg
転校してくる前の学校の制服がブレザーで、
それを知った主人公が見せてくれとお願いするも最初は「嫌よ!」って断られるけど、
でもその後の説得で主人公の熱意に負けて「し、仕方ないわね…」っておkしてくれて、
渋ってた割にはノリノリで制服を着てくれるんですね、分かります。
あいつはYシャツ系のが似合いますよね。おっぱい小さくてもYシャツだと目立t(ry

そういやどっかのアニメ雑誌の表紙だった長髪ブレザーハルヒがめちゃくちゃ可愛かった。
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/21(土) 23:44:02.21 ID:n4QR2KMo
>>670
あいつかわぇぇwwwwww

今さらテーマの話だけど
デス氏の中学時代の主人公にはsurfaceの「ジレンマ」って曲が個人的にピッタリwwww
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 02:38:52.84 ID:ZA6AygQo
>>670
ありがとうほんとありがたう
…がしかし非常におしい…そこは上着のボタンを締めることによってできる腰のくびれとだな
それによってさらに強調される胸の膨らみのその二つのバランスがまた逸品なわけだ
なにはともあれデス氏乙。しかし絵のうまさはやっぱりうらやましいな…
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 02:50:07.64 ID:RWYo2wAo
>>661続き

あいつの家に及ばれして、4人で遊んでいたときのこと。
あいつの部屋に見慣れないものを見つけた。

「…どこの制服だ?あれ。」

壁にかかっていたのは見慣れぬ制服。
ブレザーとチェックのスカート…校章は…知らんなぁ。
ウチはセーラー服なので、どう考えてもウチの制服ではないのだけど。

「前の学校の制服よ。」
「へぇ…あ、そうか、お前転校生だっけな。」

数ヶ月前までは俺のこいつのことなんてまったく知らなくて、
こいつも違う地で今とはまったく違う生活をしていたんだよな。
小悪魔もそうだ。

「あ、私その制服しってるよぉ。結構評判のいい進学校だよねぇ。」
「うん。入る時は結構苦労したわ。」
「それじゃあ転校するの嫌だったんじゃないか?ウチは凄い進学校でもないし…。」

でも俺の頭じゃ、入る時は結構苦労したけどな。

「そうね、最初は…。でも今は…そうでもないかな…。」
「ウチの学校そんな楽しいか?」
「……べ、別にどうだっていいじゃない、そんなこと。」

「ねぇ、着せ見せてくれない?」
「え!?」

ニコニコしながらあの子は、あいつにそんなことを言った。
前の学校の制服を着てくれってことだよな。…え?生着替え?

「そりゃいいな。着てくれよ。」
顔が思わずニヤけてしまう。
「…なんか変なこと考えてるでしょ、変態。」
見透かされてた。
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 02:50:42.35 ID:RWYo2wAo
>>673続き

「嫌よ、だって恥ずかしいもの。」
「え、どうして?」
「だって…中学生の時の制服着ろ、って言われたら恥ずかしいでしょ?そんな感覚だもの。」
「そうね…確かにちょっと恥ずかしいかも…。」

あの子の中学生の時の制服か…いやぁ、似合っていたな。
俺が保障するんだから間違いない。校内で一番似合っていた。

「赤信号、みんなで歩けば怖くない…って知ってるよねぇ。」

小悪魔がぽつりと呟く。

「私も転校生だから、前の学校の制服あるんだよぉ。だから、今度前の学校の制服着て集まろう♪」

男としては嬉しい状況を小悪魔が提案する。
え…なにこれ、イメクラ?

「い、嫌よ!」
「逃げるのぉ?」
「だ、だって…。」

チラッと小悪魔が俺の方を見る。何かの合図のようだ。
…何かって勿論「ここでダメを押せ」ってことだろうな。

「俺も見たいなぁ。」
「…何よ変態。」
「だって今とは違うお前に出会えるわけだろ?いやぁ、違う魅力を持ったお前に会いたいなぁ。」
「う…何よ、気味が悪いわね…。」
「お前って結構何着ても似合うよな。その制服着ても似合うんだろうなぁ。」
「…わ、わかったわよ…着るわよ、着ればいいんでしょ!」

あいつって本当に押しに弱いよな。

「うふふ、それじゃ私たちは傍観者だね。」
あの子が笑う。そう、俺達は転校してこの学校に来たわけじゃないからな。
前の制服と言えば中学校のものになってしまう。
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 02:51:17.42 ID:RWYo2wAo
>>674続き

「二人は中学生の時の制服着てね♪」
「えっ。」「はぁ!?」

今のあの子が中学時代の制服を着るのか…それはそれで…。
って、でも何で俺まで着なきゃならんのだ!

「でも…男子の制服なんてあんま変わらないぞ。」
「そっかぁ…じゃあ中学校のジャージ着てきて♪」
「そ、それは無理だっ!わかった、制服着てくる!」
あんなダサいジャージで外歩けるか!

「どうしよう…中学校のだなんて…恥ずかしいなぁ。」
「小悪魔は言い出すときかないからな…諦めるしかないんじゃないか。」
とかなんとか言いながら、俺が見たいだけだけど…。

小悪魔がニヤニヤしながら俺を見ている。こいつは何でもお見通しか…。


数日後、再びあいつの家に集合。

「…。」
「…凄く小さいねぇ、その制服…。」
「仕方ないだろっ!俺は中学の間だけでも随分背が伸びたんだ!」
「そういえば、あんた昔は結構小さかったよね。」
「う、うるせっ。」

というわけで、俺もパッツンパッツンの制服を着てきた。
ところで俺のことなんてどうでもいい。気になることがある。

「…お前その制服、超お嬢様校じゃねぇか!俺でも知ってるぞ!」
「んふふ、そんなことないよぉ。」

成績良し、運動部も強い、可愛い子が沢山いる、制服も可愛いっていう女子高だ。
ちなみに全部オタクの情報だが。
そのお嬢様校はここから随分遠いのだが、オタクは情報収集のために現地まで足を運んだらしい。
呆れを通り越して尊敬する。

それにしても、あの学校は金持ちじゃないと入れないっていう噂だ。
小悪魔の家って一体どんな家なんだ…?

ところで部屋の隅の方でずっとあいつがもじもじしてる。

「…似合ってるぞ。」
「…!?な、何よ!褒めても何もでないわよ!」
「なぁその制服ってセーターとかはないのか?」
「あるけど…。」
「ならそれも着てみてくれよ。」
「……し、仕方ないわね。」
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 02:52:48.50 ID:RWYo2wAo
>>675続き

なんだこいつ、案外ノリノリじゃねぇか。小悪魔にものせられ、軽くファッションショーになりつつある。
それにしても…。あの子の中学時代の制服姿が、やけに新鮮だ。
髪型に大きな変化があったわけでもないし、俺みたいに身長が伸びたわけでもない。
だけど印象としてやはりあの子は大人っぽくなったし、
大人っぽくなったあの子が、あの頃の制服を着てると…不思議な気持ちになる。

「やだ、あんまり見ないで。恥ずかしいよ。」
「今でも似合ってると思うぞ。」
「もう…そんなお世辞言っちゃって。」
「お世辞なんかじゃねーって。」
俺はあの頃から変わらずずっとあの子が好きだ。
でも、あの子も少しずつ色んなところが変わっていたんだな。
当然のように今のあの子も大好きだけどな。

俺は?俺は、身長以外に何か変わっただろうか。
変わらないと…いけないよな。あの子に好きになってもらう為に。

ちなみにあいつのファッションショーは続いてる。
色んなパターンの着方をしていたが、小悪魔の要求がどんどんエスカレートしていく。
「夏服が見たいなぁ。」
「え…一応あるけど…仕方ないわね、着替えてくる。」
部屋を出て行くあいつ。

「段々薄着になっていくな…。」
「んふふ、願ったり叶ったりでしょ?」
「…お前中々いいやつだな。」
「そんなことないよぉ♪」
そんな話をしていると、あいつが夏服に着替えて戻ってきた。
…かー、まぶしいね。一足先にここに夏がやってきたみたいだ。

「ど、どう?」「ひゅーひゅー最高だよぉ。」
小悪魔はどっかのオッサンみたいだな。

「凄く似合ってるわ。可愛い。」「そうかな…。」
「おう、中々お前に似合って爽やかじゃないか。」「あ、あんたに言われても嬉しくないわよっ!」
なんだよ、褒めてんだから素直に受け取ればいいものを。

「ねぇ、取替えっこしない?」
小悪魔が提案する。
それはつまりお互いの制服を交換…ということだよな。生着替え?
そんなわけもなく、俺が部屋からつまみだされることになる。

部屋の中からキャーキャー聞こえる声は中々乙なもので、
取替えっこした3人の制服姿もまたまた乙なもので。
それにしてもウチの中学の制服をあいつや小悪魔が着ているのも不思議な感覚だった。
もし俺があの子を好きになる前に…。
中学の時に、あいつや小悪魔が引っ越してきていたら、俺は誰を好きになったのだろう?
…でも俺はそれでも、あの子を好きになったような気がする。
677 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/22(日) 02:58:37.46 ID:RWYo2wAo
あまりにも話のネタが思いつかなかったので、丁度制服の話してたしそんなネタで時間稼ぎww
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/9/e/9e50d0c1.jpg
あと適当にさっきの絵に色塗ったりしたよー。
でもやっぱブレザーは紺が一番いいかもわからんね。

>>671
聞いてみたら確かにぴったりで吹いたwwwwwwサンクスwwwwwwwwww

>>672
おぬし、中々のフェチだな。
締めようか締めまいか迷って、でも俺はこのYシャツの感じが好きでですね。
まぁいっそブレザー着てるのと着てないのを描けばよかったんだけどww

どうでもいいけど、上着しっかり着た上でスカート短いと、ハンパなくエロいよね。
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 03:21:59.70 ID:3W9hXS2o
>>677
surfaceあんまり売れてないけど他にも良曲多いZE!

つか俺今までブレザー舐めてたわ…
あいつ可愛すぎだろ…JK…
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 11:07:27.10 ID:3MJBje6o
ユーロのオランダロシア戦見てたら、かなり鳥肌ものでしたww

で、サッカーつながりってことで。
ちょっとサッカー男のネタで続き書いてみますねwwwwww
680 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:10:15.63 ID:3MJBje6o
>>676つづき

「ねぇねぇ、最近この人ったらさぁ、すごいんだよー?」

それから数日後の昼、いつものように4人揃った昼飯の最中。
小悪魔があいつを指差してそんなことを言い出した。

「凄いって、何がだよ?」
俺が聞き返すと、小悪魔はニヤニヤして全員を見回した。

「隣の高校のサッカー部でさぁ、エースの人いるでしょ? その彼がね、・・・」
「ちょ、ちょっと!変なこと言い出さないでよ!!」
あいつが慌てて小悪魔の袖を引っ張る。

「変じゃないでしょー? 何たって、そのカレに告白されちゃったんだからぁ♪」
「えええっ!?」
「マ、マジかよ?」

明かされた衝撃の事実!
・・・ってほどのこともないか。あいつ可愛いもんなぁ。

真っ赤な顔で小悪魔をにらみ付けるあいつに、あの子はニコニコして話しかけている。

「ね、ね、それで、お返事どうしたの?」
「え? それは、えーと・・・」

言葉をにごすあいつの後を、小悪魔が更にニヤニヤして続ける。
「それがさぁ、断っちゃったんだよねー?」
「あら、そうなの??」
「うん・・・」
681 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:12:29.35 ID:3MJBje6o
>>680つづき

隣の高校のサッカー部エースと言えば、こないだの全国大会でも大活躍していた、全国区の有名人だ。
そんな奴の告白を断るとか、普通じゃありえねーと思うんだが。
そういやあいつ、好きな奴がいるとか言ってたしな。

「前に隣のクラスの子からも告られてたしさぁ。いーなぁー、モテモテで」
小悪魔は羨ましがってるというより、明らかに面白がっている顔でそんなことを言っている。
つーか、あんただって男には不自由したことないでしょ。って別に変な意味じゃねーけど。

「・・・でも、いくらモテても、一番好きな人が振り向いてくれなかったら意味ないものね」
あの子がニコニコしながら、でも何だか寂しそうな顔でそんなことをつぶやいた。
それって、昔の自分のこと・・・なのかな?

「まーそれはそうだけどさぁ。でもやっぱ羨ましいじゃない、よりどりみどりなんだよぉ?」
小悪魔は思いっきりニヤニヤしている。明らかに面白がってるだけだろ、お前。

「もう!変な言い方しないでよ!!」
「いーじゃない、別に♪ でさぁ、本命のひととは実際、どーなのぉ?その後進展あった??」
小悪魔の追求に、真っ赤になって困るあいつ。
ふと横を見ると、あの子も興味いっぱいの顔で二人の様子をじっと見つめている。

「そ、それは別にま・・・って、こんな所で言うわけないでしょ!!」
「ちぇー、勢いでカミングアウトしてくれるかと思ったのにぃ」
「もうその話はいいでしょ、おしまいっ!・・・それより今度のテスト休み、何か予定ある?」
あいつが強引に話を切り替えて、話題はそのままテスト休みの過ごし方に流れて行った。

でも、さっきのあの子の話。『一番好きな人』って、結局誰のこと言ってたんだろう。
もしかして・・・いや、まさか、なぁ。
つうかあの子のことを振るなんて、何てひどい奴!
682 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:13:19.13 ID:3MJBje6o
>>681つづき

・・・その日の放課後。

そろそろ帰ろうかという時、ふと窓の外を見ると校庭にいやに人だかりが出来ていた。なんだろ??

と、クラスメートの一人が慌てて教室に駆け込んで来た。
「おい、何かお前のこと呼んでるみたいだぜ」
「へ!?誰が?」
「アレだよアレ。隣のサッカー名門校の奴」
そう言ってそいつは窓の外を指さした。

人だかりの奥、校門の辺りに見えたのは、確かに新聞とかで見覚えのあるサッカー部の男。

「つか、何で俺??」
「さあなぁ。けど何かやたらいきり立ってて、お前のことぶん殴ってやるとか言ってたぜ」
「っておい、勘弁してくれよ・・・何でいきなりケンカ売られなきゃなんねーんだよ?」

クラスメートの奴も、さっぱり分からないという顔で肩をすくめてみせた。

「つうかさ、どうすんだ、お前? 言われた通り出てくか?それとも裏から逃げる??」
うーん・・・面倒だし、やっぱ裏から逃げた方がいいか。
そう思って帰ろうとした時、ふと野次馬の中にあの子の姿を見つけた。

やべ、ここで裏から逃げたりしたらあの子にもバレバレじゃん・・・卑怯者とか思われたら嫌だしなぁ。

仕方ない、ここは潔く正面から出て行くしかねーか・・・
俺は一つため息をついて、サッカー男の待つ校門へと向かって行った。
683 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:14:06.85 ID:3MJBje6o
>>682つづき

俺が出て行くと、遠巻きに見守っていたギャラリーが軽くどよめいた。

「貴様か。よく逃げずに出てきたな」
サッカー男は腕組みをしたまま、俺を品定めするようにジロジロと眺め回す。

向かい合って見ると、サッカー男は俺より頭1つ分背が高い。
ガタイの方はそこまで大きくはなさそうだが、それでも引き締まった体はよく鍛えられている感じだ。
さすがにサッカーの名門校でエースを張っているのは、伊達じゃないってことか。

「つ、つうか何だよお前。いきなりうちの学校まで乗り込んできて、何の用だ?」
「フン、貴様に1つ質問があってな」
「質問? 何だよ」

サッカー男はジロリと俺をにらみ付けると、更に声を一段大きくした。

「貴様、あいつとはどうなってるんだ?」
「へ!?あ、あいつ?? 別に、どうって言われても・・・」
「何とも思ってないと言うのか!?」
更にサッカー男の声が鋭くなる。

「べ、別に何ともってことはねーけど・・・」
慌てて辺りを見渡すと、ギャラリーに交じってあの子の心配そうな顔が見える。

サッカー男はそれを聞いて、ますます険悪な顔つきになって行った。
「煮え切らん奴め。それで二股を掛けていたというわけか」
「バッ、バカなこと言うんじゃねーよ!!」

あの子の前で、これ以上変なこと言わねぇでくれよ・・・
684 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:15:11.73 ID:3MJBje6o
>>683つづき

「何が馬鹿なことだ、あいつの気持ちを弄びおって!腐った性根、叩き直してくれるっ!!」

 『ドゴッッ!!!』

サッカー男が叫ぶや否や、いきなり俺は殴り飛ばされていた。

「くっそぉ・・・いきなり何しやがる」
反撃しようと立ちあがった俺は、ふと視界の隅にあの子のハラハラと焦る顔を見つけていた。
人ごみをかき分けて、何とか前に出ようとして苦戦しているっぽい。

チッ、だから俺が本当に好きなのは、あの子だってのに。
でもこんな大勢の前で、しかもあの子もいるところでそんな話出来るわけないし。
どうすれば・・・そうだ!生徒会のあの子なら、校内でケンカなんかしたら絶対止めに入るはずだよな。
だとしたら下手に反撃なんかしないで、被害者ってことにしといた方がいいんじゃねーかな。

ついでに何発か適当に殴られてれば、ケガの手当てとか保健室に連れてってくれたりとか・・・
そしたら保健室で二人っきり。もしそれでいい雰囲気になったら、想いを伝えるチャンスかも?

「貴様、何を殴られてニヤニヤしてる? 気でも触れたか、それともそういう性癖の持ち主か!?」
 『ボカッッ!!』

サッカー男の重たいパンチが今度は腹に食い込んだ。
ぐぅっ・・・へへ、さすがにキツいかも・・・
でも、せっかくのあの子と二人になるチャンスだし。もう少しの我慢だよな。

 『ゴスッ!』

体勢を立てなおした所にサッカー男のフックがきれいに決まり、俺はまた吹っ飛ばされてしまった。
685 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:16:29.35 ID:3MJBje6o
>>684つづき

立ち上がった俺をサッカー男は燃えるような目でにらみ付け、問いかけてきた。

「・・・貴様、なぜ反撃せん?」
「だって、お前を殴ったって意味ねーじゃん」
そうだ。後であの子に優しく介抱してもらうために、今は我慢の時なんだからな。

「クッ、見下しおって!!そういうことなら、貴様がどこまで本気か、見極めさせてもらうぞ!」
指をポキポキと鳴らしながら近づいて来るサッカー男。
その目の前に、突然両手を広げた人影が立ちはだかった。

「やめなさいよ! 何で無抵抗の人を一方的に殴ったりするのよ!?バカッ!!」
あれ・・・あいつ??

「なぜ止める? この男は、お前の気持ちを踏みにじって・・・」
「違うの!!・・・もういいの。私のこと後押ししてくれたのも、このバカだもん」

俺はあいつの肩に手をかけた。
「ほら、危ないから向こう行ってろよ。俺なら少しぐらい殴られたっていいんだよ、大丈夫」
そうしなきゃ、あの子に介抱してもらうって作戦が上手くいかないしな。

すると、サッカー男が不意に体の緊張をほどいた。
「もういい。そういうことならもう、俺の出る幕はないな・・・あいつを泣かすんじゃないぞ!?」
そう言い残すと、サッカー男は踵を返してそのまま出て行ってしまった。

へ!?あいつを泣かすなって、何でそんな話に?
つうか、あの子がいねぇ・・・?

俺はそのまま、少しずつ意識が薄れて行くのを感じていた・・・
686 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:17:57.18 ID:3MJBje6o
>>685つづき

ハッと目を覚ますと、目の前になぜか小悪魔の顔があった。

「あれ?ここは・・・保健室?」
「ピンポーン♪ 良かったぁ、もう目を覚まさないんじゃないかと思ったんだからぁっ!」
「んなわけねーだろっ!」

大げさに泣き真似をして抱き付いてくる小悪魔を押し返しながら、俺は辺りを見回してみた。
確かにここは保健室らしい。ってことは、あのまま気を失って運ばれたってことか・・・

「・・・あの子は?」
ベッドの脇に座った小悪魔は、俺にそう訊かれ、呆れた目つきで俺を見返した。

「あのさぁ、そこは『あの子』じゃなくて『あいつ』でしょ?誰が君の介抱したと思ってんの?」
「あ・・・そっか。あいつが?」
「私も一緒に、君をここまで運んだんだけどっ?」
小悪魔は口を尖らせてそう抗議した。

「ハハ、そっか。サンキュ」
「言葉のお礼なんていいからさぁ、何か1つ言うこと聞いてくれるぅ?」
「分かった分かった。後でな」
「やだ。今がいい。お礼のキ・ス♪」
「はぁ!?」

何をまた冗談を、と言い返そうとすると、小悪魔はいつになく真剣な表情だった。
息のかかるぐらいに顔を近づけ、俺の上にのしかかって来る。

「ダメだよ、こぉいう時は目を閉じなきゃ・・・」
「あ・・・」
687 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:19:09.06 ID:3MJBje6o
>>686つづき

思わず目をつぶった俺の唇に、そっと何かが触れる。
 『ムギュ』

押し当てられたのは、近くに置いてあった花瓶だった。

「きゃははっ♪ 引っかかったぁ」
「あっ! てめ、またからかいやがったな!?」
「やぁん、犯されるぅ〜」
「てめぇ、待ちやがれ!」

ベッドから抜けだして小悪魔を追いかけようとした矢先、急に視界が真っ暗になった。
 『ベチャッ!』

「こらっ! 何やってんのよ、ケガ人のくせに!」
戻って来たあいつが、濡れたタオルを俺の顔めがけて投げつけたのだった。

「うわっ!!だって、小悪魔の奴がまた俺のことバカにして・・・」
「もう、いいからあと少しだけ大人しく休んでなさいよ!」
「分かったよ、ったく・・・」

そこでふと、あいつと目が合った。
あいつはなぜか赤くなって、さっとうつむいてしまった。

「あ、あの・・・私、もう一回タオル絞ってくるねっ!」

さっさと出て行ったあいつの後姿を見送って、小悪魔が俺の脇でなぜかニヤニヤしていた。
「あーあ、つくづく罪作りだよねぇ、君も」
688 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:22:31.16 ID:3MJBje6o
>>687つづき
「な、何がだよ・・・」
俺がそう言い返すと、小悪魔はいたずらっぽい目で俺を見つめた。

「だってさぁ、あんなことがあったら、見てた人は皆、二人が付き合ってるって思っちゃうよね」
う・・・いや、そんなつもりは全然、全くなかったんだけど・・・。

「気を失うまで頑張って、最後は『あいつを泣かすなよ?』だもんねぇ。感動的♪」
ちっとも感動的じゃないと思うが。でも、やっぱり誤解はされた・・・のかな?

「あの子もあれ一部始終見てて、おっきなため息ついて帰っちゃったし。絶対誤解してるね♪」
「うっ・・・」
そうだった。ってことは、あの子にますます誤解されるようなことを・・・こりゃまずい。非常に。

「そのくせ、さっきも一言目には『あの子は?』だもんねぇ。ホントしょーがないなぁ」
「う、うるせーな! それはちょっと間違えただけで・・・」
「とりあえずさぁ、あの子が好きだってこと、彼女にも言っちゃえばぁ? 私から言ったげようか?」
「じ、自分で言うからいい! つか余計なことしゃべんじゃねーぞ!?」

と、そこにちょうどあいつが戻って来た。
「どしたの? 何の話?」
「んーとねぇ、実は・・・」
グッ! 俺が必死でよせ!と目線を送ると、小悪魔は意味ありげにウィンクを返してきた。

「実はねぇ、カレが介抱してくれたお礼に、駅前で甘いものおごってくれるんだってぇ♪」
「ホント? いいわね、行こ行こ!!」
そしてあいつと小悪魔はそれから駅に着くまでずっと、何を食べるかでキャアキャア言い合っていた。

くそ、これでまた今月も小遣いピンチじゃねーか。
でもやっぱ、いつかはあいつに言わなきゃだめだよなぁ・・・俺が好きなのは、あの子なんだから。
689 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/22(日) 11:30:49.69 ID:3MJBje6o
てことで、とりあえず今のところはここまででーす。

今後使いやすくすること考えて、本編のサッカー男とはすこし(かなり)アレンジしてますが
まぁこれはこれで別もんの流れってことで。(元々デス氏もそんな感じっすよねww)


てかずっとサボっててすんません。。
仕事ムチャ忙しくなってから慢性的に寝不足なもんで><
最近来たひとには「あんた誰?」状態っすよねwwwwwwwwww

久しぶりなんで変なとことかあるかもしれませんけど、ご容赦ww

とりあえず書くとき以外はまた名無しに戻りますが
久々に書いてみてちょっと勘取り戻した感じもあるんで、
また別のやつでも書いてみようかな。

ずっとペンディングになってる本編の続き、とか・・・もやれたらいいなぁww
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 23:03:19.92 ID:zvYn02AO
α氏ktkr!乙です
最近地味に活気づいて来て嬉しいなww
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 01:23:52.76 ID:Ptl.BsAo
α氏乙ー。助かります><
そしてその間に俺は絵でも描いたりするんだぜ。

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/2/1/21831676.jpg
>>672の願望を出来るだけ全力で叶えてみた。
なんていうかその…自分で描いたくせになんだけど、>>672の言わんとすることが凄く分かったwwww
ブレザーはブレザーでいいねwwwwwwwwwwwwww

>>678
surfaceは「さぁ」がやたら好きだったんだぜ。確か守護月天のOPだったっけか。
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 01:46:59.49 ID:Ag7GsHIo
>>691
なるほど、これがブレザーの魅力ってやつか・・・ww

確かにジャケットって普通は腰ライン絞ってありますもんね。
こういうことかぁ・・・そういや男物のスーツだってそうですしねwwww
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 20:49:03.67 ID:iG7vxV6o
>>691
GJ…!まさに理想のブレザー。もう叶ったなんてレベルじゃないです^^^^^
胸があると上着の胸元の部分がはだけて、よりあらわになるあのYシャツもまたいいんです><

…ああもちろんあいつには期待してな(ry
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 23:57:58.74 ID:Ptl.BsAo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/e/c/ec3fa002.jpg
塗っただけー。あとちょっと表情変えたけどww

てかいっそブレザーとセーラー服混ぜればいいんじゃね?って思ったので描いてみた。
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/e/8/e893d940.jpg
なんかこんなことするなら別にセーラー服でいいじゃんって感じになっちゃったwwwwwwww
まぁいいやこれ中学時代の制服とでもしとけばいいかなww
考えてみるとセーラー+ブレザー的なデザインってエロゲやギャルゲじゃ結構見るかも。
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/24(火) 00:33:43.90 ID:c5Z0xsDO
デス氏乙!俺はブレザーの色は紺のほうが好みだな。なんか細身に見えるというかなんというか…
696 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/24(火) 02:56:51.99 ID:JTO7/3Qo
>>688つづき
「ねぇねぇ、今度のテスト休みだけどさぁ。みんなで海、行かない?」
中間テストの合間の休み時間、不意に小悪魔がそんなことを言い出した。

「海?まだ泳ぐにはちょっと早いんじゃない?」
隣で怪訝な顔をするあいつに、小悪魔がチッチッと指を振って見せる。
「分かってないなぁー。こーいうシーズン前だからこそ、穴場で気持ち良く遊べるんじゃなぁい」
「そりゃ空いてるでしょうけど。でも、せっかく行っても泳がないんじゃ、何して遊ぶのよ?」
「そーねぇ、水着のファッションショーとか?もちろん、カレが審査員で♪ ね、どぉ?」
「・・・」
いきなり俺にそんな話振られても。
つか、今は次のテストの準備で手一杯なんだよ。

「もーっ、黙ってないで何とか言ったらぁ?」
「もう、勉強の邪魔しちゃ可哀想でしょ。こいつなりに最後の悪あがきしてるんだから」
うるさい。余計な話してたら、さっき覚えた英単語忘れちまうだろ?

「もしかしてさぁ、私たちの水着姿想像して、興奮しちゃった??」
「・・・ぶっ!!」
「そう言えば、なーんかさっきから前かがみだよねぇ♪」
「ぷっ、あはは。やだぁ!その言い方、何かやらしいってば」
あいつがこらえきれずにクスクス笑っている。

「だぁーーーっ!!いい加減にしろっつーの!!だいたいお前ら、勉強しなくていいのかよ?」
バン、と机を叩いて抗議すると、小悪魔もあいつもシレッとした目で俺を見返してくる。
「だって、私たち別にこんな間際まで焦らなくたって、普段からちゃんとやってるもの」「ねー♪」

 『キーン、コーン・・・』

くそっ、こんな時だけ結託してバカにしやがって・・・って、次のテスト始まっちまうじゃねーか!!
697 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です [sage]:2008/06/24(火) 02:57:23.34 ID:JTO7/3Qo
>>696つづき

昼休み。屋上でいつものように集まった面子で、昼飯の最中にさっきの話題がまた持ち上がっていた。

「海かあ。確かに今なら空いてて、意外と気持ちいいかもね」
まんざらでもなさそうな顔のあの子に、わが意を得たりと小悪魔があいつの腕を引っ張る。

「でしょでしょ〜?ねぇねぇ、行こうよぉ」
「でも、水着ショーなんて私・・・まだ去年の古いのしか持ってないし」
「いいじゃない、別に。どうせ隠すとこなんて大して出っ張ってな」
「何ですってっ!?」

妙な所でケンカを始めた二人に、あの子が苦笑しつつ割って入る。
「もう、変な言い争いやめてよね。それに、さすがにまだ水着はちょっと寒いと思うわ」

まぁ確かに。晴れた日は蒸し暑いこともあるけど、まだまだ夏本番ってわけでもない。
うーん・・・と他の3人が考え出した所で、あの子がポン、と手を打った。
「ねぇ、そしたら浜辺でバーベキューとかどうかな?うちに道具もあるし」

「あ、それいいかもぉ!」
「そうね、意味もなく水着とかより面白そうよね」
「あ、やっぱりそっちは自信ないんだぁ?」
「そんなことないわよ!!だいたいあなたこそ、今度の休みまでにダイエット間に合うのかな?」
「あーっ、言ったなぁ!?自分がちょっと痩せてるからって、わたしそんなに太ってないもんっ!」
また意味もなく争い始めたあいつと小悪魔に、俺はあの子と顔を見合わせてため息をついていた。

と、小悪魔とじゃれ合うのにも飽きたのか、あいつがふと俺の方を振り返った。
「ところで、遊びに行くのはいいけど、あんたテストの方は大丈夫なの?補習とかないでしょうね?」
「だ、大丈夫と思う・・・多分」
赤点なんか取ったらテスト休みは補習と追試で丸つぶれだ。とにかく残り科目は必死でやらなきゃ・・・
698 :α ◆6ytwm3xJRY [sage]:2008/06/24(火) 03:01:11.47 ID:JTO7/3Qo
>>697つづき
「ふーっ、やっと終わったぁ・・・」
最後の科目も終了し、何とかギリギリ追試を免れた俺は、晴れてテスト休みを無罪放免で迎えられた。

「何とかギリギリ通過、って感じよね。まぁあんたにしちゃ上出来ね」
あいつもいつもの憎まれ口はともかく、休みを前に機嫌が良さそうだ。
「まぁ、何とかな。つうかお前のノートの写し、助かったよ。サンキュ」
実は、追試で遊びに行けなくなるのを危惧したあいつに、テスト中何かと助けてもらっていたのだ。

それを横で聞いていた小悪魔は、ジトッと俺を見つめて来る。
「ふぅ〜ん? いつの間に君たち、そんなことになってたわけぇ?」
「べっ、別にそういうのじゃないんだから!ただ、こいつのせいで行けなくなったら、ほら・・・」
あいつは真っ赤になってそう主張する。俺ももちろん同意。
何度もあいつからそう言われてたし、な。『皆のために、あんたのテストの手伝いしてるだけ』って。

「そ、まぁいいけどぉ。それより、こないだの計画。あの子も明後日で大丈夫だって言ってたよ」
「オッケー。じゃあ道具はあの子にお任せとして、材料は? 私たちで用意した方がいいよね」
「そだね。生ものは向こうのどこかスーパーで買うことにしてぇ、調味料とかはこっちで・・・」
あいつと小悪魔はそのまま、あれこれと小旅行の打ち合わせに入ってしまった。

あの子と海まで小旅行、か・・・そう考えると、俺は何だかワクワクしてきた。
まぁ、オマケも二人ほどついて来るけど。
向こうに行っちまえば、何だかんだ言って、どっかで二人になるチャンスぐらいあるだろ。
二人っきりで、静かな海を眺めながら、いつしか甘いムードが漂って、そして、そのまま・・・

そんな妄想に浸っていたら前日の夜は全然寝付けなくて、思いっきり当日の朝は寝坊してしまった。
待ち合わせ場所に駆けつけた俺を待っていたのは、いつもの3人の明るい声と、妙に野太い声1つ。
「・・・貴様、遅かったな。これだから時間にルーズな奴はダメなんだ」
ハアァ!?な、何でサッカー男がここに???

「うふふっ。わたしが呼んどいてあげたんだぁ♪男手多い方が助かるし、それに色々楽しそうでしょ?」
こ、あ、く、まぁ・・・っ!!!

「おう、何でも言いつけてくれ。今日は飛び入りの身だし、それにこないだは迷惑もかけたからな」
そう言って腕をまくるサッカー男に、小悪魔はこぼれるような満面の笑みでニコニコと応えている。

悪魔の笑みだ。何考えてやがるのか、さっぱり掴めない。最初っからこれが狙いだったのか?
って何のために??いや、言ってた通りだな。絶対、俺の反応を面白がってるだけだろ・・・

前途多難な旅になりそうで、俺は一人ため息をついていた・・・
699 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/24(火) 03:13:10.64 ID:JTO7/3Qo
てことで、ヤバイ時間になっちゃいましたんで、今日はここまで。
後半は明日書きますww

>>694
あいつのブレザーって結構似合いますよねww

>>695
濃い目の色って引き締まって見えますよね。
あと紺系は清潔そうなイメージで見えるから、
学生の制服とかリクルートスーツに多いらしいです
(って、就職の時に初めて作りに行ったスーツ屋で教わったww)

ちなみに、黒系は知的に見せる効果があるらしいですwwww
(それもあって、おれのスーツは黒系ばっかww)

ではでは〜
700 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です :2008/06/24(火) 03:35:23.09 ID:2iIexC.o
なんというほぼリアルタイム…α氏乙ですー。

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/f/e/fe7e3bdb.jpg
\(^o^)/
小悪魔の前の学校の制服のイメージ。差別化したいからワンピースっぽいのにしてみた。
けど俺こういうワンピースっぽいのも嫌いじゃないんだぜ。

これで3人ともセーラー服じゃない違う制服着せたから、描くネタが尽きた^^^^^

>>695
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/3/3/33ffc221.jpg
やってみたんだぜ。だが赤いチェックのスカートだけは譲れない。
701 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です :2008/06/24(火) 20:07:56.84 ID:VHNYRe20
暫く目を放した隙に何だこれww
もう皆乙としか言えないじゃねーかwwwwww

俺もピアノの練習なんかせずに執筆に専念するべきなんだろうか
702 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です :2008/06/24(火) 21:35:17.63 ID:c5Z0xsDO
やっぱりあいつはかわええなあ(´ω`)あいつあいつ
703 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です :2008/06/24(火) 23:39:54.58 ID:JTO7/3Qo
>>701
自分がやりたいことやるのが一番だよ

おれはガキの頃習ってたピアノを色々あって途中でやめちゃって、
続けてりゃ良かったなぁって今頃後悔してるけど><
704 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/25(水) 03:04:12.23 ID:XKBR9c2o
>>698つづき
「・・・で、何でお前がここにいるんだよ?」
「あのちっこい女に誘われたからな。悪いか?」

海辺に向かう電車の中で、俺はボックスシートの中、サッカー男と向かい合わせに座っていた。
反対側のシートからは女の子3人、カードゲームに興じる賑やかな声が聞こえて来る。

「ったく・・・小悪魔の奴」
思わずため息が洩れた俺を見て、サッカー男が怪訝な顔をする。
「なんだ貴様。もしかして、あのちっこい女のことで妬いてるのか!?」
「へっ!?そ、そんなんじゃねーよ」
「ふむ?ならいいが。言っておくが、俺は別に小悪魔のような女は好みじゃない。それに」
そこで少し言葉を切って、ジロリと俺を睨んで来る。
「な、なんだよ?」
「この間も言っただろう?あいつを泣かすな、と。まだあの女との間でフラフラ迷っとるのか?」
「だからそんなんじゃねーっつってんだろ!別に俺は小悪魔のことなんか・・・」
「なら、それでいい」
「あ、いや、だからあいつのことも別に・・・」

サッカー男はそれっきり黙ってプイと窓の外の方に目を向け、話が終わってしまった。
くそ、だから俺が好きなのはあの子の方だっつうの。ハァ、やりにくい・・・

しばらくして、ふとあの子が俺たちの方にジュースの缶を差し出して来た。
「はい、お二人にもどうぞ。ジュース冷やして持って来たの」
「お、サンキュー」
「うむ、感謝だ」
二人してジュースの缶を開ける。
チラリと反対側のシートに目をやると、ニコニコと笑顔で談笑するあの子の姿があった。
そちらをボーっと眺めていると、サッカー男がポツリとつぶやいた。

「・・・あの子は、いい子だな」

ふとサッカー男に目線を戻した。奴もあの子のことを眺めていたらしい。
「そりゃそうさ。昔だって俺のこと、何度も助けてくれたり・・・」
「ああ、昔馴染みだそうだな。貴様とは中学の時からずっと一緒だったとか」
「って何でそんなこと、お前が知ってんだよ?」
「本人から聞いた」
「なっ・・・!?」

何で、こいつとあの子が!?い、いつの間に・・・
705 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/25(水) 03:05:26.77 ID:XKBR9c2o
>>704つづき

思わず唖然とした俺に、サッカー男はニヤリと笑みを返して来た。
「フフン。貴様、昔からあの子に苦労ばかりかけてきたらしいな」
「う、うっせーな! そりゃまあ、昔は色々あったけどさ」
「言っていたぞ。『出来の悪い弟を持ったみたい』だとな」

お、弟!?俺って、あの子からそんな風に見られてたのか・・・
思わずガックリと落ち込む俺。

チラリとまたあの子の方に目をやってみる。
目が合うと、ニコニコと微笑んでちょっと手を振ってくれた。

余裕の笑み。

そっか、これって、弟に向けるような笑顔だったんだ・・
いつも俺に優しくしてくれて、何かと世話も焼いてくれて。
でも、それは出来の悪い弟の面倒を見なきゃって思ってただけ、なのか??

「・・・おい、聞いてるのか?その話にはもう少し続きがあったんだが」
サッカー男がまだ何かしゃべっていたが、俺の頭からは半分以上、素通りしていた。

そうこうしているうちに、電車は目的地に着いていた。
「到着ぅ〜♪」
「さ、行きましょ。海辺に行く前に食材とかも買っておかなきゃね」
「うふふ、楽しみねー」
口々に言い合いながら女の子たちが降りて行く。

まぁいいや。あれこれ考えたって仕方ねーもんな。
これからもっと、俺が彼氏として頼れる男だってとこ、見せてやればいいんだっ!!・・・よな?
706 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/25(水) 03:07:40.19 ID:XKBR9c2o
すんません、帰って来たの遅かったせいで、ここまでしか書けませんでした><
明日こそこのシリーズ一区切り、の予定ですww

それでは〜wwww
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/25(水) 12:01:18.01 ID:8XnJKoDO
もつもつ。そういやα氏って書きかけの話なかったっけ?
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/25(水) 19:52:25.92 ID:if30KOs0
>>703
ピアノの練習って言っても独学でちまちまやってるだけなんだけどな
それでもピアノを弾いてるときは楽しいから適当に時間配分してやってみようと思う
どっちも中途半端に終わりそうな気がするけどな


>>706
乙です
相変わらず小悪魔が何か企んでいるようですねww
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/26(木) 03:40:20.71 ID:a3I/dgco
ところで、おまいらの想像するサッカー男の外見を知りたい。

なんかあまりに描くネタが思いつかなくて落書きしてる内に、
いつの間にかサッカー男を描いてみようって気分になって、出来上がったらこんな顔だった。
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/f/3/f3b74f46.jpg
しっくりこねぇwwwwwwwwwwww
710 :α :2008/06/26(木) 07:23:38.93 ID:S3d3vHQo
すいません、夕べは飲み会があったせいで
酔っ払って帰ってきて寝ちゃいました><

つか久しぶりに激しい二日酔いのまま仕事に行くことに・・・orz
とりあえず続きはまた今夜、で。。。

>>707
あったかもww
一区切りしたらちょっと見返してみるwwww
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/26(木) 18:56:29.93 ID:nbOMZQDO
デス氏おっつっつ
個人的にサッカー男は短髪な感じで美形タイプではないけどイケメン…みたいなイメージ
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/26(木) 19:07:53.56 ID:kBJMzX20
サッカー男は、みなみけの保阪先輩のイメージ。
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/27(金) 04:00:05.24 ID:llZ9vBso
意見真っ二つでワロタ。あ、でも短髪で保坂みたいな印象を醸し出すキャラを描けばいいのかwwwwww
短髪で美形だけどイケメンではなくて気持ち悪いキャラね、おk。
って、そんなやつが果たしてモテるんだろうかww

http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/3/b/3b4a287c.jpg
他のサブキャラもちょっと描いてみた。こんな印象。

あと時々こういう表情させとけばギャップという需要があるってエロい人が言っていたので。
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/9/f/9f98deb0.jpg
あいつの元制服を着るハメになったものの、ウェストがちょっとキツくて恥ずかしいそうです。
あと胸もキツいらしいです。凄くキツいらしいです。ボタンが取れそうなくらいだそうです。
714 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/27(金) 07:24:43.92 ID:gd/Nn5.o
>>705つづき
地元のスーパーで買い物を済ませ、俺たちは浜辺に向かった。
さすがにまだ時期外れの海は、人気もまばらで広々としていた。
「わぁ〜、わたしたちの貸し切りって感じだねー」
「雨降らなくて良かったわよね。ポカポカして気持ちいい」
初夏の陽気に、あいつと小悪魔も上機嫌ではしゃいでいる。

「ええっと、この辺が良さそうね。じゃあ、手分けして準備始めましょ」
あの子の一声で、思い思いに散らばって遊んでいた俺たちも、そちらに集まった。

「じゃあ、あなたはあそこの流しでお野菜とか切ってきてくれる?」
「オーケー、行って来る!」
ようし、ここでビシッと決めて、俺がイケてる奴だってこと見せてやるぜっ!
「あ、待ってよ、私も手伝うから」
まな板と包丁を取って、張り切って洗い場に向かおうとすると、あいつが後ろから声をかけて来た。

そしてあいつが材料の袋をまとめるのを少し待って、いざ歩き出そうとした時。
あの子がサッカー男に話し掛ける声が聞こえた。
「それじゃ、こっちは場所とか道具を準備しましょ。手伝ってくれる?」
「おう、火起こしでもカマド造りでも何でも引き受けるぞ、安心しろ」
「うふふ、ありがと。頼もしいね♪」
なにっ!?

「じゃーわたし、ちょっと追加でお買い物行ってくるね〜。ごゆっくり、お二人さぁん」
小悪魔も出かけてしまうらしい。ちょっと待て、あの子とあの野郎が二人っきり!?

「あ、ちょっと待てよ、やっぱり俺もそっち・・・」
「ほらほら、何グズグズしてんのよ? 早く行こ!」」
あいつに背中を押されて、俺は仕方なく洗い場に向かうことにした。
くそ、あの子のことも心配なんだけど・・・
715 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/27(金) 07:25:13.33 ID:gd/Nn5.o
>>714つづき
流しでナスや玉ねぎ、ニンジンと格闘しながら、あの子の様子をチラチラと様子をうかがって見る。
けど、木や電灯なんかが邪魔して、あの子もサッカー男もよく見えない。
「くっそ、あの野郎・・・」
「えっ?」
並んで流しに向かっていたあいつが、不思議そうな顔で俺の方を振り返る。
心の中でつぶやいたつもりが、思わず口に出してしまっていたらしい。

「あ、いや。悪ぃ、何でもねーよ」
そう言って手を振りごまかそうとしたが、あいつは指先で俺の鼻をギュッと押して来た。
「もう!さっきからご機嫌ナナメねえ。せっかく皆で遊びに来たっていうのに」
「別に機嫌悪いわけじゃ・・・ただ、何で小悪魔の奴、わざわざあんな奴呼んだんだろ」
あいつはちょっと呆れた顔で俺を見る。
「あんた達に仲直りもらおうと思って、わざと呼んだんでしょ。そのぐらい汲んであげなさいよ」
「仲直り、って言われてもな・・・」
あいつはやれやれといった顔でちょっと肩をすくめたが、それ以上は何も言わなかった。

「あっ、痛っ!」
と、手が滑ったのか、あいつが短く声を上げた。
「どうした?大丈夫かよ??」
「ううん、ちょっと指切っちゃっただけ・・・大丈夫よ」
大丈夫と言われても、見れば結構血が出ている様子。
「いいから、ちょっと見せてみろよ」
「あ・・・」

グイッとあいつの手を取ると、あいつは一瞬手を引っこめかけたが、すぐに力を抜いて任せて来た。
右手の人差し指に血がにじんでいる。
俺はそのまま水道で傷口を軽く洗ってやり、指の付け根をギュッと押さえてやった。
「ほら、これで血が止まるまで押さえてろよな。カバンにバンドエイドあったはずだから、取って来る」
「う、うん」
716 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/27(金) 07:25:34.97 ID:gd/Nn5.o
>>715つづき
荷物を取りに行くと、あの子とサッカー男が何やら作業しながら和やかに笑っているのがチラリと見えた。
サッカー男の奴、二人っきりでいい気になりやがって。サッサとこっち終わらせて、早く合流しなきゃ!

バンドエイドを持って戻ると、あいつは脇のベンチに大人しく座っていた。
手早くあいつの指に巻いてやる。
血はだいたい止まったようだったが、包丁を握ると傷の部分が柄に当たって痛そうだ。
「後は俺がやっとくからさ、お前は先にあの子の方に戻ってろよ」
そう言って戻らせようとしたが、あいつは首を横に振った。

「ううん。ここで見てる」
「何でだよ、座って見てるだけじゃ暇だろ?」
「あ、あんたがつまみ食いとかしないように見張ってるの! 暇じゃないわよ」
「食うわけねーだろ! 生の肉とかニンジンとかナスとかじゃねーかよ・・・」
俺が抗議すると、あいつは口を尖らせて軽く目を伏せ、モゴモゴと何かつぶやいた。

「・・・がと」
「え? 何か言ったか?」
「何でもない!ほらほら、早く続きやっちゃいましょ!!」
「わ、わかってるよ!」

そしてしばらく、俺は黙々とナスやニンジンを切り分ける作業に戻った。
ふと視線を感じて振り返ると、あいつがなぜか少し嬉しそうに、じっと俺の方を見つめていた。
目が合うとあいつは赤くなって、プイッとそっぽを向いてしまう。
「フン、だ」

ったく。何だよ、こいつ。。。
まあいいや、サクッと終わらせて早く向こうに行かなきゃ。
いつまでも奴と二人っきりじゃ、あの子が何されるか分かんねーし!
717 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/27(金) 07:30:11.31 ID:gd/Nn5.o
ごめん、ちょい早起きして書いてみたけどまた終わりきらなかったww
帰ってきたら、今度こそこっちのシリーズは終わる予定ですwwwwww

#あと3、4レス分ぐらいの予定なんだけどね・・・
 (↑そう思って書いてるといつの間にか長くなる人)

>>713
小悪魔が着たら、ボタンが飛んじゃってあいつがますます不機嫌になるわけですね!
わかります。

てかサブキャラの方、右下に何か変な生物が・・・ww
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/27(金) 22:32:57.08 ID:R8sxsv6o
α氏おつ!
>>713
おつ!というか弓道部主将がかわいすぎる件
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/29(日) 01:48:49.74 ID:KoF8.Nko
あーもう学校つらいつらすぎる
( ´ω`)あいつあいつ
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/29(日) 02:59:31.01 ID:DrY0iQko
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/0/3/0333fd26.jpg
可愛いとか言われると描きたくなるんだぜ。
721 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/29(日) 03:31:38.33 ID:x58cQrAo
>>716つづき

「かんぱーい!」

何とか準備を終え、ジュースの乾杯でバーベキュー大会が始まった。
「んー、おいしーよねー」
「外で食べるご飯って、何でいつもと味違うのかしらね」
小悪魔もあいつも、飯が始まって機嫌が良さそうだ。

「はい、こっちも焼けてるよ?」
「おう、ありがとよ」
ふと見ると、あの子がサッカー男に肉やら野菜やら、あれこれ取り分けてやっているのが目に止まる。

「ふふふ、な〜んかいい感じだよねぇ、あの二人♪」
小悪魔もそれに気付いて、俺をつついてヒソヒソと話しかけて来る。
「べっ、別にたまたま隣にいたからだろ、あんなの」
「そぉかな? 今日のサッカー部クン、張り切ってて結構カッコ良かったし、好感度アップじゃない?」

確かに、炭火の火起こしとか焼き台の設置とか、今日の派手な力仕事は全部奴がやったようなものだった。
特に近くからベニヤの廃材を拾って来て風よけをガッチリ作った時は、女の子全員が奴に感謝していた。
お、俺だって一応仕事してたんだからなっ! 野菜切りとか・・・

「痛っ」
と、あいつが軽く顔をしかめる。切った指が箸に当たって、まだ痛むらしい。
「・・・貸しな。俺が取ってやるよ」
「ごめん。ありがとね」

俺があいつの皿に食い物を取り分けてやるのを、小悪魔はニヤニヤしながら黙って見ている。
あの子もチラッとこっちを見たような気がしたけど、気のせいだろうか?
ニコニコしているあの子の姿は、いつもと変わらない。うう、こんなんじゃまた誤解されたかも・・・
722 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/29(日) 03:32:24.14 ID:x58cQrAo
>>721つづき
食事が終わって片付けも済んだ後、俺たちはしばらく思い思いに近くで遊ぶことにした。

「ね、あっちの岩場でお魚とかがたくさん泳いでるの、見に行かない?」
あの子はあいつを誘って岩場の方に行くらしい。

「へぇ、行く行く。ねえ、あなたは魚だったらどんなのが好き?」
「うーんと・・・一番好きなのは、やっぱりペンギンさん♪」
「アハハ、それ魚じゃないし。それに、こんな所の海には住んでないわよ」
「そっかー、残念」
何かゆるい会話をしながら二人は行ってしまった。

波打ち際では、サッカー男と小悪魔が水切りで競争している。
手持ち無沙汰な俺も何となく混ざろうと近づくと、俺に気付かないままの二人の会話が聞こえて来た。

「ねぇねぇ、君、あの子のことどう思ってんの? ・・・んしょ」
貝殻を投げながら小悪魔が言い出した。って、いきなり核心突き過ぎだろ!
「まあ、あれだけの美人はそう滅多にいないだろうな・・・シュッ!」
サッカー男は素気ない口調で返し、続けて小石を投げた。さすがスポーツ馬鹿、遠くまで飛ばすなぁ。

「へぇ〜、何だか脈ありそうじゃん? ・・・あらら、波に当たっちゃったぁ」
「フン、振られてすぐ別の女に乗り換えるほど、俺は器用じゃない」
こいつの方はあんまり乗り気じゃないってことか? それなら安心なんだけど・・・

「ふぅん? 合コンじゃ結構鳴らしてるって噂に聞いたけどぉ?」
「バカ言え、複数の女と同時に付き合ったことなどないぞ。全部前の女と別れた後だ。それに」
サッカー男はちょっと言葉を切った。つか、やっぱこいつ手が早いんじゃねぇか。油断できねー!

「それに?」
「もうすぐ大会予選だからな、そろそろ女の事など考えていられなくなるな」
「じゃ、それがなければ付き合っちゃうってことぉ?」
「それは・・・」
「あ、おーい!君もそんなとこにいないで、こっち来ればぁ?」
肝心なところで、小悪魔に気付かれてしまった。

「何だ、暇人め。あいつのことは放っておいていいのか?」
「別に関係ねーっての! あいつならあの子と遊びに行ってるし」

サッカー男に言い返しながら、俺はこいつがさっき言いかけてたことを考えていた。
もし大会がなかったら、やっぱり付き合うつもりだった? いや、でも・・・くそっ、気になる・・・
723 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/29(日) 03:32:48.42 ID:x58cQrAo
>>722つづき

そして辺りはいつの間にか夕方になっていた。
結局、海ではほとんどあの子と話す時間がなかったな・・・

帰りの電車の中では、疲れていたのか、皆乗ってすぐに寝てしまっていた。
ふと目を覚ますと、同じように起きたらしいあの子と目が合った。

「ふふ、起きてるの私たちだけだね」
「あ、ああ・・・」
やっとあの子と二人で話が出来た。
どきどき。
話したいことはいくらでもあるのに、うまく舌が回らない。クソッ、俺のバカ!

気になってチラリと向いのサッカー男を見る。軽くいびきを立てて、よく眠っているようだ。
「よく寝てるねー」
「う、うん・・・」
あの子に考えを見透かされたようで、ちょっと慌てた。でも実際、こいつの事どう思ってるんだろ?

「最初見た時はもっと乱暴な人かと思ってたけど、良く気が付くし、優しくていい人だよね、彼」
「そ、そう・・・かな?」
「そうだよー。だからケンカなんてやめて、仲良くしてあげてね」
「別にケンカなんて、俺は一方的に殴られただけだし」
「あなたのことも、それで見直したって言ってたわ。カッとして殴り返さなかった、根性あるって」
別に男に褒められても嬉しくない。しかもこんな奴に。
て言うか、やっぱりあの子、こいつのこと・・・?

「もう、そんなに変な顔しないのー。それに私もあなたのこと、素敵だと思うよ?」
「えっ!?」
俺は思わず、心なしか少し頬を染めたあの子の顔を、まじまじと見返していた。
724 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/29(日) 03:34:03.71 ID:x58cQrAo
>>723つづき
そしてあの子は窓の方に寄りかかって眠っている、あいつの方をチラッと見た。
「彼女、指ケガしちゃったんでしょ?」
「え? ああ、まぁな」
何でここであいつの話?

「あなたが手当てしてくれて、包丁仕事も代わってくれて、すごく助かったって感謝してたわ」
「まぁ、そりゃ当然のことだし」
「それに、その後のバーベキューの時もお料理取ってあげたり、優しかったものね」
「うっ、、」
やっぱ気付いてたのか・・・

「意外と頼もしいのねーって。あ、これ彼女が言ってたのよ? でも、私も見直しちゃった」
「う、うん・・・」
何か複雑。まぁ一応、頼れる所は見せられたってことかな?

「やっぱり、好きな子の前だと頼れる男の子、って感じね。ちょっと妬けちゃうなぁ。うふふ♪」
「へっ? あ、いや、それは・・・」
違うんだってば。俺のその、好きな子ってのはあいつじゃなくて・・・

その時、最寄の駅に着くアナウンスが車内に流れた。
「あ、もうすぐ着くのね。皆を起こさなきゃ」
そう言ってあいつと小悪魔の腕を揺さぶるあの子に、俺もそれ以上話をするのを諦めた。
仕方なく、サッカー男の足を蹴飛ばして起こしてやる。
「・・・ムッ、また性懲りもなく俺様を削りに来るか!?今日こそ目にもの見せてくれるっ!」
「お、おい!てめー、寝ボケてやがんのか!?」
「問答無用ッ!!成敗ィィッ!!」
寝ぼけ眼のサッカー男に胸倉を掴まれ、背負い投げ一閃。向い側のシートに叩きつけられる俺。
「グハァッ!!!」

ようやく正気になったサッカー男は、ひっくり返った俺から両手を離し、大きく伸びをする。
「うーん、ふぅ・・・嫌な夢だったが、最後に一矢報いてスッキリしたな。ん?貴様、何やっとる?」
「その悪夢に俺も付き合わされたんだよ!」
「何だ、相手のムカつくDFは貴様だったのか。主審に隠れて執拗に削るなど、セコイ事をした報いだ」
「あのなあ! てめーは試合中でも、相手の選手が反則したら柔道技でぶっ飛ばすのかよ!!」
「そんなことするものか。ここは試合場じゃなくて電車の中だろうが」
「もっと悪いっつーの!!電車の中で背負い投げなんかするなっ!!」
「いいから降りるぞ、モタモタするな」
くっそぉ・・・この借り、いつか利息もまとめて返してやるからなっ!!
725 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/29(日) 03:34:38.48 ID:x58cQrAo
>>724つづき
「あー、今日は楽しかったねぇー」
「ほんと、またいつか来たいわよね」
「ふふっ。じゃあ次のお休み、また来ちゃう?」
電車を降りて改札を出たところで、女の子たちは口々にはしゃぎ合っている。

俺は腰をさすりながらサッカー男に恨めしそうな視線を送ったが、奴はどこ吹く風で知らん顔だった。

「じゃあ、私はこっちの方が近いから。それじゃまた学校でねー♪」
あの子が先に別れて、別方向に歩き出す。
バーベキュー道具などなど、荷物の多いあの子を見て、サッカー男がひょいと1つを取り上げる。
「ふむ、荷物運びなら俺が手伝ってやろう」
「あっ! そ、それなら俺も・・・」
慌てて手を出そうとした俺を、サッカー男は手で制した。
「ここはいい。貴様は彼女らを送る役目があるだろうが」
「え、でも・・・」
「いいから、早く行け」
ドンと背中を押されて、俺は仕方なくあいつと小悪魔の方に戻って行った。

「バイバイ。あなたも気を付けてねー」
「ああ、またな・・・」
笑顔で手を振るあの子に軽く手を上げて返すと、あの子はサッカー男と角を曲がり、見えなくなった。

「何してたのよ、さっさと帰りましょ」
あいつに促されて、俺も渋々歩き出す。

「でもほんと、今日行って良かったわよね」
「でしょお〜?だから最初から言ったじゃない、意外と面白いと思うよぉって」
「ん、まぁ。そーだな」
はしゃぐあいつと小悪魔に適当に相槌を打つうち、やがてあいつの家の近くまで来ていた。
726 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/29(日) 03:37:45.67 ID:x58cQrAo
>>725つづき
「じゃ、私こっちだから。またねー」「バァ〜イ」
小悪魔と軽く手を振り合った後、あいつは俺の目をじっと見つめ、小さく口を動かした。
「・・・じゃね。今日はありがと」
そのまま、あいつは俺の返事も聞かずに駆けて行ってしまった。

しばらくして、あいつが見えなくなってから、俺は小悪魔をにらみ付けてやった。
「てめぇ、どういうつもりだよ?」
「あら、何のことぉ?」
「サッカー男のことだよ! わざわざ今日も呼んで、あの子とくっつくようにけしかけてただろ」
「〜♪」
小悪魔はそっぽを向いて適当な口笛なんかを吹いている。

「くっそ、しらばっくれるつもりかよ。だいたいお前、俺の気持ちだって知ってるくせに・・・」
「だってあの子、ずるいんだもん」
不意に小悪魔が俺の方を振り返った。
「ずるい?」
「だってさぁ、いくら君が想ってても、あの子は結局かわいい弟を手元に置いときたいだけでしょ?」
「う。さては聞いてたな?」
「なのにいつまでも思わせぶりな態度でさぁ。今のぬる〜い関係壊れるのが、嫌なだけじゃない?」
「お前なぁ。あの子のこと、あんま悪く言うんじゃねーよ」
「あっ・・・ゴメン」
俺がつい少しムキになると、小悪魔はハッとしたように目をそらした。
いや、今の関係が壊れるのが怖いのは、むしろ俺の方かもしれない。
あの子のせいじゃない。図星指されてイラッとしたのは、俺の方か・・・

二人とも少しの間黙って歩いていたが、やがて小悪魔がポツリとつぶやいた。
「でもさぁ、やっぱり。ちゃんと君のこと見てくれる人と一緒になった方が、幸せだと思うよ?」
「えっ?」
急に話しかけられて反応が遅れた俺に、小悪魔は不意打ちで頬にキスして来た。
「ホントだよ?あの子もそーだけど、舞い上がっちゃってる彼女なんかよりも、ずうっと」
「あ・・・」
「わ・た・し・の、方が、ちゃぁんと君のこと見てるんだから。ね♪ じゃあね〜」
そして、小悪魔も小走りで行ってしまう。
柔らかい感触の触れた頬に手を当てたまま、俺はしばらく呆然と立ち尽くしていた。

小悪魔の言うことも分かるけど、だったらお前自身はどうなんだよ。
自分が本当に好きな奴のこと、諦めない方がやっぱり幸せだから、そうしてるんじゃねぇのか?
だったら、やっぱり俺は・・・いや、グダグダ考えてても仕方ねーか。なるようにしかなんねーし。
俺はこびりついた考えを振り払おうと2,3度首を振ると、再び家に向かって歩き出した。
727 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/06/29(日) 03:41:39.66 ID:x58cQrAo
とりあえずここまでー。

オリジナルな話もだんだん疲れて来たし(おい)
コンセプト的にそろそろ本編をなぞった話に戻った方がいい気がしてきましたww

てかまぁ、そろそろデス氏に(ry


>>720
さらに可愛いんだぜww
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/29(日) 04:22:29.03 ID:DrY0iQko
α氏乙ー。ヒロインはあいつですね、わかります。
もうヒロインだろうかサブヒロインだろうがあいつが可愛いことに変わりないのがよくわかりました!

てか、
>主審に隠れて執拗に削る
福西乙!
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/29(日) 05:24:08.42 ID:x58cQrAo
>>728
最近、さわやか893の人はキレが落ちてカードもらうこと多くなって来てるんだぜww

てか最近ひそかに、サッカー男は緑川声で変換して妄想してるおれwwww
それだと>>709よりもうちょい線が太そうな感じですかね?よくわからんですけど。
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 10:04:12.97 ID:ew1GVADO
>>720
やっぱ弓道部といったらポニテですよねーしかし予想通りかわいいですな
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 22:09:20.90 ID:RIkEamgo
>>726続き

「ダメよ、もっと優しくしてあげないと。」
「いいんだって。まだ数ヶ月だけどな、割と仲良くなったから。問題ないさ。」
「よくないよ。彼女達も女の子なのに、あんな態度なんて。」

昼飯後、あの子と二人残った屋上の空気は、あまりよろしくない。
あいつや小悪魔に対する態度がよくないと怒られた。
いつもこんなんだけどな…あの子に言わせればそれは女の子に対してとる態度ではないらしい。

やたらと絡んでくる小悪魔を邪険に扱ってみたり、あいつをからかってみたり、
ある意味それぐらい仲良いわけだよな?だったらまったくもって問題ないさ。

「それぐらい仲がいい、ってことにしてくれ。」
「ダメ。彼女達のどちからと付き合ったあとも、そんな態度のつもり?」

…雲行きがよくないな。ちょっといやな感じだ。

「どういうことだよ?」
「お友達としてならともかく、彼氏彼女であんな態度はよくないと思う。」
「……付き合ってねーし、付き合わないし。」
「わからないでしょ?彼女達、きっとあなたのこと好きだよ。二人ともいい子じゃない。」
「…そうかもな。」
「それにあなただってそうでしょ?」

更衣室での出来事を思い出す。
あいつに対して「彼はいい人だから」と俺と付き合うことをすすめていた。
今はそれの逆。彼女達はいい子だ、と。あの子はよほど誰かと俺をくっつけたいらしい。

そして先日のバーベキューの時のこと。
あの子にとっては俺は世話のかかる弟みたいなものだということ。
その弟の周りに最近可愛い女の子がいるから、姉目線で世話を焼いてるってか?

少しイラだってくる。
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 22:11:04.01 ID:RIkEamgo
>>731続き

「なんなら私が彼女達との橋渡しをしても…。」
「必要ねーよ。何度も言ってるだろ?俺はあの二人とはなんでもない!」
「…うん、だから、これから付き合うとき…。」
「付きあわねーよ!前も言っただろうが!俺は他に好きなやつがいるんだよ!」
つい大声を出してしまう。

「でも…。」
「でも、なんだよ!?俺が好きなやつより二人のがいい子だから付き合えってか!?」

「だって私は、二人のいいところ凄く知ってるから…。」
「だから何だよ!?俺だって知ってるさ、でもそういうのは関係ないんだよ!いい加減にしろよ!」

言い過ぎた、と思ったのはしばらく経ってからだった。
あの子は肩を落として申し訳なさそうな顔をしている。

「ごめんね…悪気はなかったんだけど…本当、いらないおせっかいだったね…。」
「…ああ、まったくだ。」

あの子に謝られても、結局俺のイラ立ちは収まらず、そのままその場を去った。

あの子にあんなこと言われるのが嫌だった。
言い争いをしてる中で、あの子も気付いたみたいだった。
「あの子に」そういうことを言われるのが嫌だ、という俺の感情には気付いていないだろうが、
とにかく恋愛沙汰のことでいちいち口を出されるのを俺は好んでない、と解釈したようだった。

おせっかいでごめんね、と謝られた。おせっかいが嫌なんじゃない。お前にそれを言われるのが嫌なんだ…。
だからってあんな態度を取って、俺は最低の人間だ。

そもそもサッカー男のせいだ!…なんて八つ当たりをしてみる。
あの野郎、あいつ目当てだったくせにあの子とも仲良くなりやがって…くそ。
弟扱いされてる俺と、男として見られてるサッカー男…。
そのこともあって、俺は余計にイライラしてしまう。

あの子は今でも好きな男はいないんだろうか?
今の俺は…むしろ「いない」と言ってもらった方が安心してしまうかもしれない。
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 23:49:12.64 ID:RIkEamgo
>>732続き

放課後。コンビニに寄り道して、外に出るとあの子とバッタリ遭遇した。

「あ…あの、こんにちは。」
苦笑いするあの子。
「…よぉ。」
「その…今帰りかな?」
「ああ。」
「じゃあ、一緒してもいい?」
「…ああ。」

その後二人並んで帰った…わけではない。
二人の距離は傍から見れば「たまたま帰る道が一緒なだけの学生二人」。
俺の後ろを2メートルくらい離れてあの子が着いてくる。そんな関係。

俺はあの子に合わせるでもなく、いつもどおりの歩幅で歩いていたから、
時折あの子が小走りで着いてくるのが聞こえて、自己嫌悪に陥る。
だからといってその後あの子に合わせて歩いたわけでもない。
自分が嫌になる。

でもとにかく、俺がしなければいけないことがひとつある。
昼のことを謝ること。怒鳴ってしまったから。

「……あの。」
「…え?な、何?」
小走りで俺の横にまで追いついてくるあの子。
それでも俺は自分のペースで歩き続ける。

「悪かった。昼のこと。」
「あ……ううん、私こそごめんね…。」
俺はあの子の方を見なかったけれど。
視界の端に入ってきたあの子の表情は、悲しそうな顔をしていた気がする。

あの子を悲しませているのは俺だ。
あの子の性格を考えると、ひどいことをした…と必要以上に落ち込んでるはずだ。
俺の心が広ければ、こんなことにすらならなかったのに。
「付き合う気はないよ」と優しく言って、あの子が「でも彼女達はこんなにいいところがある」、
と物凄くアピールしてきて…そんなやり取りで終わったはずだったのに。
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 23:49:56.58 ID:RIkEamgo
>>733続き

そもそも、あの子が俺と誰かをくっつけようとしてくるとき、
俺はあの子に、お前好きなんだとハッキリ言ってしまえば終わる話なのに。

…だが実際に口にする勇気はない。未だに俺はフラれることに怯えているんだろうか?
いや、きっと昔とは違う。
今の状態が心地いいから、この関係を壊したくないだけなんだよ、俺は。

俺が一言謝ったあと、また無言の時間が続いていた。
とてもじゃないけど何か会話が弾むような空気じゃないな…。

「あの……あ。」
あの子が言いかけてた何かを飲み込む。同時に、空からは雨粒。
夕立ってやつか。

「ど、どうしようっ。」
「…近くに駄菓子屋があるから、そこで雨宿り出来る。
 夕立だからすぐ晴れるだろ。」

俺は走り出す。あの子の様子も確認せず。
数拍遅れてあの子の足音。ついてきていることに、妙な安心感を覚える。
だったら、手を差し出すことくらいすればよかったのに。
あんな言い方だけど、俺は謝ったし、あの子も許してはくれたんだ。
それならいつもの関係だ。どうせ俺は手を差し出せなかった?
きっとこういうところに男らしさが足りないんだろうな。
サッカー男なら…くそっ。

ザー…。
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 23:50:29.54 ID:RIkEamgo
>>734続き

「やまないね…。」
「そうだな。」

あれから10分くらい経っただろうか。
時計も確認していないから、分からない。
俺はタバコの自販機の前で雨宿り。あの子はガシャポンの前。
駄菓子屋の端と端だった。

雨か。
前にもこんなことがあったっけな。突然雨が降ってきて、下駄箱で佇んでいたあの子。
あの時は、俺が置き傘をしていたから、二人で相合傘をした。
まだ心は遠かったけれど、体と体の距離は凄く近かったな。

あの頃より、少しは心の距離は縮まったと思う。
だけどお互いのちょっとした行き違いで、こうも遠く感じるのだろうか…。

でも。いつかの雨と、今日の雨。
気持ちは全然違うけれど、やはり今日も「やまなければいいのに」と、そう思った。
息苦しくて仕方がないけど、あの子と同じ空間にいれるだけで、俺は…。

「あ、晴れてきたよ。」
しかしいつでも雨はこうして、二人のことを引き裂いていく。

「ああ…よかったな。」
「…うん、そうだね。」

会話が続かない。でもそれはきっと俺のせいだ。
俺だってこんな気まずいままでずっといいとは思っていない。
だから何か変えたいとは思っている。でも、どうしたらいんだろう…。

いよいよ完全に晴れてきて、慌てた俺は何でもいいから、と周りを見てみる。
そこで見つけた。ささいなものだけど。
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 23:51:00.92 ID:RIkEamgo
>>735続き

「…ラムネ飲むか?おごるよ。」
「え?あ、ほんと、ラムネだ。懐かしいね。それじゃあ…ご馳走になろうかな。」
「ああ。すいません!ラムネ2本ください!」

声をかけると、店の奥からおばあちゃんが出てきた。
こういう店って大抵引き戸を開けると奥から店の人が出てくるよな。
ラムネはちょうど残り2本だった。
賞味期限的な意味で大丈夫なのか聞いたら、選ばれた2本だから大丈夫と言われた。
…なんかごまかされた気がしないでもないな…。

「おまたせ。」
「ありがとう。わぁ、本当に懐かしいなぁ。」
「今でも夏祭りとかのたび、出店で並んでたりするだろ。」
「うん、そうだけど、飲むのは久しぶりなんだ。」

特に久しぶりでもない俺は、慣れた動作でフタを開ける。
中身はまったくこぼれない。熟練のなせる業だ。
けど、こぼれそうなのをアタフタ飲む方が、それはそれで楽しいなと思う。

「わ、すごい。」
「全然凄くないって。」
「すごいよ。だって私、ぷしゅーってなるの怖くて、なかなか力入れられないもんっ…よいしょっ…。」

ぷしゅーとなるどころか、全然開かなかった。

「はは、ちょっと貸せよ。開けてやる。」
「うー…お願い。」
さっきと同じように、慣れた動作で開ける。よし、中身はこぼれなかった。

「ほら。」
「ありがとう!やっぱすごいよ。」
「そんなことないって。」
俺は苦笑しながら、いつもどおりあの子と話せていることに気付く。
ラムネには感謝しないといけないな。
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 23:51:35.44 ID:RIkEamgo
>>736続き

夕立で濡れた道を、あの子と二人ラムネを飲みながら歩く。
もうお互いすっかり昼の嫌な空気は払拭した。いつもどおりの俺達だ。

「あ、虹!」
あの子が指差す先には、ハッキリと綺麗な虹が架かっていた。
「本当だ。なんか虹なんて久々に見たなぁ。」
「そう?もっと空見なきゃダメだよ。私は雨の後はよく虹見てるもん。」
「へぇ、んじゃ、今度はそうするかな。」

しばらく二人、虹を見ながら立ち止まる。
別に虹なんてじっくり見るものでもないけれど。
ただそういう雰囲気というか、空気だった。

「嫉妬…してたのかも。」
「え?」
あの子の口から意外な言葉が出てきて驚く。

「私はあなたと中学校から一緒で、仲良くしてたから色々なことも知ってるのに、
 まだ数ヶ月しか一緒にいない彼女たちの方があなたと凄く仲良くしてるように見えて…。
 何よ、それなら付き合っちゃえばいいじゃない、って…そういう気持ちがあったかもしれない。」
「…そっか。」
「う、うん、そうなのかも。」

それは決して恋敵が現れたことでの嫉妬とかそういう類のものではなかった。
だけど…たとえ弟程度の扱いでも、あの子が嫉妬をしてくれた、ってのはちょっと嬉しくて。
俺ばっかりが嫉妬してるのかとずっと思っていたからな。
恥ずかしそうに顔を赤らめて言うあの子を見て、心の中では小さな俺が小躍りをしていた。

手持ち無沙汰にでもなったのか、あの子が早足で歩き出す。
俺もそれに倣って歩きだす。が、俺が黙ってしまってるから、会話も途切れる。
とはいえ、何を言えばいいやら…。

夕暮れに響くのは、二人の足音と空になった瓶の中のビー玉の音。
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 23:52:09.02 ID:RIkEamgo
>>737続き

「……ねぇ、ビー玉取り出せる?」
あの子が突然そんなことを言った。

「昔はね、ラムネを飲むたびにお父さんにビー玉を取り出してもらってたの。」
俺はあの子の手から瓶を借りると、力をこめて蓋を開ける。
あんまり開けたことがなかったから不安だったけど、無事にあいた。
「わ、すごい!ありがとう!」

取り出したビー玉を、空にかざして嬉しそうに笑うあの子。
あまりにもその様子が楽しそうだったので、思わず俺も自分のビー玉を取り出す。
ラムネの匂いがするビー玉は、空にかざして見ると綺麗だった。

「こうやってビー玉を通して見ると、なんでも見えそうな気持ちになってこない?」
「どうだろうな…。」

なんでも…か。このガラス玉を通せばあの子の心も見えるんだろうか。
そう思い、ガラス玉越しにあの子の姿を見る。
…残念。心までは見えなかった。

「交換しないか。」
ビー玉を制服で拭きながら、俺は提案する。
「え?」
「ビー玉。」
綺麗になったビー玉を、俺は差し出す。

「だって、嫉妬してたんだろ?」
少しだけにやけながら俺が言うと、あの子はあたふたと戸惑う。
「し、嫉妬と何か関係あるのっ?」
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 23:52:49.71 ID:RIkEamgo
>>738続き

「俺達だけの秘密。ちょっとしたお守りとか…どうかな。」
「お守り…。」
「そう、いくら誰と仲良くしてようが、ふふん、自分には二人だけの秘密があるんだもん、みたいな気持ちになれるだろ?」
「…そうだね、そうやって物があると違うかもしれないね。」
「それに俺もお前のビー玉貰えば、へへん、
 俺は校内一の美人と仲が良い上に二人だけの秘密があるんだぜ、って気持ちになる。」
「もう、そんなこと言って…私全然校内一じゃないよ。」
「そんなことねーさ。俺が見る限りお前が一番じゃねーかな。」
「…うふふ、ありがとう。お世辞でも嬉しいよ。」
「お世辞じゃないって。」

俺の差し出した手から、あの子はビー玉を受け取る。その手にあの子のビー玉が渡される。
きっと一生の宝物になる。気持ち次第でただのガラス玉がこんなにも綺麗に見えるなんて。

「…恋人みたいだね。」

こっ…なんだって?もう一回お願いします。
あの子がちょっと顔を赤くして言った台詞に、こっちは凄く顔が熱くなる。
これは…ちょっとした、あの子との擬似恋人体験…?
嬉しくてたまらないなそれは。このビー玉は宝物どころか国宝級だぜオイ。
けっ!羨ましいかサッカー男め!俺達は目に見える物で繋がってるんだぜ!

「は、はは。」

なんとも言えず結局笑って返す俺。
…ったく、何故ここで「本当に恋人にならないか」とか言えないんだろうか…。
それは俺がまだヘタレだから、ってことだろう。

「…ってダメよ、あなたには好きな人いるんだものね。でも、ビー玉は大事にするね。」
「おう。俺も大事にするよ。」

というかあの子も随分鈍いよな。
校内一可愛い、とかちょっとした告白じゃねぇか、今考えてみれば。
好きな人がいるっつってんのに、校内一可愛いのはお前だとか言ってるんだから、
ちょっとは勘付いてくれてもいいんじゃないか…?

「そ、それじゃ。私こっちだから。バイバイ。」
「え?ああ…んじゃな。」

いつもより早めの別れだ。もうちょい先でも問題ないはずなのに。
この恥ずかしい空気にあの子も耐え切れなかったみたいだ。

ところで、いつも帰りが一緒になると、あの子は手を振って別れを告げる。
今日はその手の振りが従来の3倍くらいの速さだった。
ちょっとおかしくて、笑ってしまう。

さて、どうしようかこのビー玉。一生肌身離さず持っていたいくらいだな。
740 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/06/30(月) 23:54:33.63 ID:RIkEamgo
今日はここまで。パー速がやたら重い時間があって、間を開けての投稿になっちゃった。

どうでもいいけど「百舌谷さん逆上する」って漫画が面白かった。
ツンデレ好きな人は読んでみてもいいと思うよwwwwwwwwww
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/01(火) 06:21:30.60 ID:KPnrVCIo
デス氏おつー
百舌谷さん逆上する、かぁ。チェックしてみよ
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/02(水) 23:36:12.50 ID:mHMOyQDO
デス氏おつー
しかしあの子もかわええのー><
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:08:21.93 ID:pgTsNaUo
>>739続き

窓の外からはセミの鳴き声がうるさく聞こえる。
俺の部屋には扇風機しかねぇんだ。あんまり騒がれると暑さが倍増だ…。
苦し紛れに風鈴を付けたこともあるが、余計うるさくなっただけだった。

夏休み…このうだるような暑ささえなければ完璧なのにな。

というわけで夏休みに入ってまだ間もないわけだが、俺は宿題に励んでいる。
あの子と二人で。

「暑い…。」
「集中すれば暑さも感じなくなるよ。」
「そうは言ったってさぁ…。」

大体お前だって汗かいてるじゃないか。首の汗が色っぽ…い、いやそんなとこ見てないっ。
ちなみに俺の部屋には扇風機しかないと言ったが、現在扇風機すら稼動しておりません。
扇風機の風でプリントがはためいてしまって、さっぱり勉強にならないとあの子に言われたので止めた。
我慢できるからいいよ、と笑顔で言われたけど俺が我慢できないです。

「やっぱお前の家でやりたかったなぁ…。」
「ごめんね、今日はお父さんいるから…。」
「…だよなぁ。」

あの子のお父さんには何度か会ったことがある。
あるけど、出来ればあまり会いたくない。
だ、だって…女の子のお父さんに会うって、やっぱ緊張するし…。

「今からでも図書館行こうか?」
「それもなぁ…。」
「じゃあ、文句言わないで早くやっちゃおうよ。」
「うぅ…わかりました。」

図書館はそう遠いわけでもないが、歩いていくにはちょっと遠くて。
自転車で行ってもいいんだが、坂とかが多いもんだから、ちょっと疲れる。
だもんで、どうせ行くなら午前中の内に行きたいんだ。
まだギリギリ涼しいかな?と思える午前中の内に。
こんな太陽がてっぺんにいるような時間に運動するのはイヤだ。
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:09:36.46 ID:pgTsNaUo
>>743続き

「暑い上にわかんねぇ…。」
「どこ?」
「ここだけどさ。」
「ここは、ほら…この公式を使えばいいのよ。」
「そもそも公式を覚えられないんだよなぁ。」
「そこは…工夫してなんとか覚えないと。」
「歴史も年号が覚えられないんだよ。あれどうやって覚えりゃいいの?」
「それも工夫して…。」
「うーん…お前の工夫の仕方教えてくれよ。」
「私のでいいの?自分なりにやった方が覚えられると思うよ。」
「いや、大丈夫。どうせ工夫なんて思いつかない。」
「仕方ないなぁ…わかった、ええっとね、例えばね…。」

この方法であの子も覚えてるんだ、とか思えば簡単に覚えられそうだぜ。

ああ、それにしても近い。小さいテーブルしか無くてよかった。
お願いだから時間を止めて欲しい…ついでに涼しくしてくれ。

ちなみに何故あの子と二人きりで宿題をやっているかというと。

あいつは家族旅行で地元にはおらず、小悪魔は帰省だとか言っていた。
そういや小悪魔の実家のこと、まだ詳しく聞いてなかったな…。
間違いなく金持ちのお嬢様だろうけどな。そういや何で転校してきたんだろうか。
…ま、いいや。話したくないこともあるだろう。

あの子は夏休み後半に家族で旅行に行くらしい。寂しすぎる。
だから宿題を早めに終わらせておこうと思って、俺にも声をかけてくれたらしい。
まぁ旅行があろうがなかろうが毎年7月中に終わらせてしまうらしいが…。
俺?ラスト1週間は毎年地獄を見てる。

「…というわけ。どう?覚えられるかな。」
「おう、覚えやすいと思うわ。先生の才能があるんじゃね?」
「そんなこと言って、もう。あ、覚えやすいって今言ったよね?
 もし覚えられてなくて、夏休み明けのテストが悲惨だったら、うそつきってことで何かしてもらおうかな♪」
「なっ…わかった、任せとけ。テストなんか楽勝だ。」
「うふふ、頑張ってね。」

とはいえ惨敗して、あの子にこき使われるのも悪くないな。
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:10:49.86 ID:pgTsNaUo
>>744続き

「ふぅ、それにしても、今年はいっぱい宿題出たね。」
「あぁ…俺一人だったら終わらなかったかもしれない…。」
「4人だったらもっと早く終わらせられたのにね。」
「……そうだな、俺、お前の足引っ張ってるだけだもんな…。」
「そ、そんなことないよ!二人でやると、自然と楽しくやれるし、はかどるもの!」

あんまり慰めになってないぜ…。
でも二人でやるとはかどる、ってのは事実だと思う。なんとなくだけどな。

はかどるって言ったって、この暑さじゃ集中は途切れまくりだが…。

「…明日は図書館でやろうか。」
「私は別にあなたの家でもいいけど…。」
「だって暑いじゃん…。」
「夏は暑いものよ?」
「そうだけどさぁ。」
「でもそんなに暑いなら仕方ないよね、うん。明日は図書館でやろっか。」
「だろ!?んじゃ、チャリで乗っけてってやるから、出来るだけ荷物は減らしてこいよ。」
「二人乗りはダメだよ…それに私重いもん、大変だよ。」
「大丈夫大丈夫。おまわりさんには見つからねーって。それにお前全然重くないだろ、何言ってんだよ。」
「うーん…じゃあそうしようかな…。」
「よし、決まりだ!」

っていうか正直、図書館でやりたいのはこれが目的だけどな!
あの子を後ろに乗せれば当然あの子は抱きついてくるわけだ!イヤッホーウ!
…いや抱きついてこないかもしれないけど…。
それでも後ろにあの子を乗せてるってだけで恋人気分!ヒャッハー!
やべぇ、テンション上がってきた!

「んじゃ明日は涼しいとこでやれるわけだし、今日はこの辺でおわr」
「ダメっ。今日やれるとこはちゃんとやるの。明日以降の負担を減らさないと。」

あの子はこういうとこ、厳しいなぁ…。マジで先生みたいだ…。

「ちぇ、わかったよ。………先生、暑くて集中できなくてわかりません。」
「もうっ!ほら、ここはね…。」

あの子が隣にやってきて、肩が触れるほどの距離で教えてくれる。
密着するとそりゃ当然暑いんだけど、その暑ささえも喜びに変わっていく。
幸せすぎて血を吐きそうです。だがあの子と付き合える日、その日までは[ピーーー]ない…!
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:11:45.23 ID:pgTsNaUo
ピーーーてwwwwwwww「氏ねない」ですwwwwwwww
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:12:28.39 ID:pgTsNaUo
>>745続き

翌日。昨日に比べればやや涼しいかな。
だが雲は少なく、太陽はやたら元気だ…そんな太陽の下で、ウキウキな気分の俺。
この夏休みに入って何度か図書館で宿題をやったが、チャリにあの子を乗せて行くのははじめて。
早く恋人気分を満喫したくて仕方がないぜ…!

数分後、どっかのアイドルかと見間違うほどの可愛さであの子がやってきた。
どこの夏のお嬢さんだよ。たまらないです。

「お待たせっ。中で待ってればよかったのに…暑かったでしょ。」
「いやむしろ涼しかったくらいだな。」
「…だったらあなたの家でもいいんじゃない?」
「暑い凄く暑い一刻も早く図書館へ行こう。」
「うふふ、どうしちゃったの?」
「どうもしねーよ。ほれ、さっさと乗れ。」
「うん。私あんまり自転車の後ろに乗ったことないから…落とさないでね?」
「おうっ、つかまっとけ。」

さりげなく俺につかまることを薦めてみる。
そして俺の腰にあの子の手が。
抱きついてくるとまでは行かなかったが、ああもう俺は満足だ。

あの子を後ろに乗せた俺は鉄腕ならぬ鉄脚で、ちょっとやそっとの坂じゃ動じない。
普段は登るのが嫌になる坂だって楽勝だ。二人だけど一人の時より軽いんじゃないか?と思う。

そんなわけで俺ははりきりまくり、予想よりも随分短い時間で図書館へと着いた。
おかげで汗だくだ。…う…制汗スプレー持ってくればよかったな…。

「こんなに急がなくてもよかったのに。」
「急いだつもりはないんだけどな。」
なんて強がりを言ってみたり。

「汗だくだよ?」
「え?マジ?全然気付かなかったわ。」
なんて嘘を言ってみたり。
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:13:06.67 ID:pgTsNaUo
>>747続き

「もう…はい。」
あの子が取り出したのは、フェイスタオル。
それであの子に顔を拭かれる。

「なんとなく無理しそうだな、って思ったから持って来たの。正解だったね。」
「ん…いや、無理したつもりないけどな…。」
「うふふ。」
まったく、こういう優しさがあの子のいいところだ。
ウチの学校でお嫁さんにしたい人アンケートをしたら間違いなくあの子がトップだ。
どうでもいいけどあの子のタオル、すげぇ良い匂いがする。
あの子の物は何でもいい匂いがするんだろうか。恐ろしい子。

「…はいっ。大分すっきりしたでしょ?」
「おう、さんきゅ。」
「それじゃ中入ろうか。中の方が涼しいもんね。」
「そりゃそうだ。」

というわけで図書館の中に入る。おお、すげぇ涼しい。天国。
…が、ちょっと汗かきすぎただろうか?
正直ちょっと肌寒い…うぅ、乾くまでの我慢だな。

「あ、そうだ。あのね、もし肌寒かったらTシャツ持ってきたから、着替えてね。」

お父さんのだけどね、と笑いながらTシャツを広げて見せてくれた。
マジで、お嫁さんにしたい人ナンバーワン。
でも少し乾けば問題なくなる程度の汗だったので、お礼を言いつつ断った。
もうその気遣いだけで俺は満足だ。


服も乾いて宿題に集中しだすと、お互い聞きたいことがある時以外は黙ってしまう。
しかもここ図書館だから、すっげぇ静か。人はいるのにすげぇ静か。
セミでうるさいのも嫌だけど、ここまで静かだと逆に集中出来ないな…。
俺ってめんどくさい男だな。
更にクーラーの温度がちょうどいいせいで、なんだか段々気持ちよくなってくる。
ここに来るとき超はりきったしなぁ…体力ゲージが空っぽだぜ…。

「涼しいなぁ…思わず寝ちゃいそうだ…。」

ジロッと、あの子に睨まれる。
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:13:57.42 ID:pgTsNaUo
>>748続き

「うっ、す、すみません先生。」
「図書館でやりたいって行ったのはあなたなんだからね、もっと集中しないと。」
「そうですね…。」

仕方なく宿題をやっつけにかかる。この上ない強敵だが、あの子とのタッグなら何とかなるはずだ。
ちなみにあの子が勇者だとしたら俺は僧侶ってところだな。
出来ることと言ったら補助だけだからな…。
いや最悪遊び人か?はたまた商人?賢者になれる分遊び人ってことにしとくか…。

「もうっ。ちゃんと集中してる!?」
「す、すいません先生!」

そんなことをボケーッと考えてたら、またあの子先生に怒られた。
集中しよう…あんまあの子に迷惑かけないようにしよう…。


「さてっ…結構進んだねー。」
「俺がお前に迷惑かけなければはかどるってのが証明されたな。」
「迷惑だなんて…あなたに教えてもらったとこもあったじゃない。」
「そういやそうだっけ。」
「集中してない時は怒るけどね♪」

やっぱりあの子は厳しいや。

「でも本当結構進んだよな?これ数日中に終わりそうだな。」
「うん、そうだね。もっとかかるかな、って思ってたよ。」

ここで俺の頭は急回転する。
宿題が予定よりも早く片付いてしまう。てことは、あの子と遊ぶ時間が増える。
正直あの子が旅行に行く少し前辺りに終わるんじゃ…とか思ってたが、
これならしばらく遊べるぞ。個人的には驚異的なペースだからな。

あの子が暇な日は毎日遊ぼう、みたいな約束を取り付けられたら、
この驚異的なペースはもっと伸びて世界新クラスにまで跳ね上がるかもしれない。
よし、話をそっちの方へ持っていこう。

「お前旅行に行くのいつって言ってたっけ?」
「えっとね、まだしばらく先の話だよ。」
「それじゃあしばらく暇になるんだな。」
「そうだね。うふふ、宿題に追われると思って、あんまり遊ぶ約束もしてないよー。」
「じゃあお前のスケジュールは俺がもらったっ!」
「…え?」
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:14:40.27 ID:pgTsNaUo
>>749続き

立ち上がって叫んだ俺に、あの子はきょとんとしている。
どうでもいいがここ図書館だってこと忘れてた。周りの人に睨まれる。
ちょっと小さくなりつつ着席…。

「いや、だからさ…俺も暇なんだよ。こんなに早く片付くと思ってなくて。」
「う、うん。そうだよね。」
「だから出来れば……まぁお前に付き合ってもらえればいいなーとか。」
「いいよ。」

笑顔でニッコリ。キタコレ。

「でも、二人でずっと遊んでたら飽きちゃうんじゃない?」
「俺はそんなことないけど…。」
「私とずっといても退屈だよ、きっと。」
「いやだからそんなことは…。」
「そういえばサッカー部の彼はこっちにいるんじゃない?」

何故そこであの男の名前が!
くそ…むかつく…意地でもサッカー男は誘わないぞ。絶対にだ。

「あの野郎はサッカー部だろ?運動部にとって夏の部活動は命なんだ。
 だから休んでる暇なんてないさ…。」
よく知らないけどな。

「そっか…そうだよね、彼もきっと大変なんだよね。」
「ああ…だからそっとしておいて俺らだけでも楽しもうぜ。」
「うん、そうだね。」

よっしゃ!昨日に増してテンション上がってきた!
これからしばらくほぼ毎日あの子と一緒にいれるかもと思うと!なんという幸せ!
学校で毎日顔を合わせるのとはワケが違うからな…。

「それじゃあ今度、前にあなたが言ってたゲームをやりに行くね。」
「…え、そんなインドアな遊びするのか。」
「でも…興味あったんだけど…。」
「ゲームもいいけどさ、夏と言えば他にもっとやることあるだろ?」
「えっと…宿題?」
「海だよっ!」
「……え、えぇー!?や、やだよ、恥ずかしいってば。」

急にあたふたしだすあの子。海に行くって発想はなかったのか?
だがダメだ、何がなんでも俺はあの子を海に連れて行く。
なぜならあの子の水着姿を見たいからだ!
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:15:37.17 ID:pgTsNaUo
>>750続き

「夏と言えば海だろー?」
「そうだけど…うーん、わかった。いいよ。」
「マジ?いやぁ、楽しみだ。」
「その代わり、花火大会がある日ね。」
「花火…?」
「うん。前に小さい花火大会はあったけど、今度大きな花火大会もあるの。
 だからそのついでに海に行くなら、おっけーだよ。
 …実はその花火大会、あなたのこと誘おうと思ってたの。」

と、あの子が嬉しいことを言ってくれる。
なんだよ、俺達マジで今良い感じだな。もうほとんど恋人だな。

「周り恋人だらけだから、女の子同士で行くとなんか恥ずかしいの。」
そう言って笑うあの子。な、なんだよ…そんな理由か…。

「よし、じゃあそうと決まればさっさと宿題終わらせなきゃな。」
「そんなにはりきらなくても、もう全然問題ない量だよ。」
「だってもっと早く終わればもっと遊べるじゃねーか。」
「それは…うん、そうだね。」
「うし。じゃあ明日からもガンバロー。おー。」
「おーっ。」


というわけで予定より早めに終わりそうだった宿題を更に早くやっつけた俺達は、
あの子や俺の家で遊んだり、近場に遊びに出かけたり、なんともまぁ充実した夏休みを過ごした。
落ち物ゲーで対戦したときは、あの子が慣れるまでは俺の圧勝だったものの、
あの子が慣れてからは一度も勝てなくなってしまった…。
その代わりにスポーツゲームでボコボコにして、手加減してよ!って怒られた。

そんなこんなで海&花火大会の日。
待ち合わせ場所でワクテカしながら待っていると、見知らぬ人に肩を叩かれた。
…と思ったらあの子だった。浴衣を着てた。

「待ってたのに、私に気付かなかった?」

浴衣が似合いすぎて、雰囲気まで変わっている。気付かないって、これじゃ。
思わず無言になる俺。
俺の視線に気付いたのか、くるりとあの子が一周する。
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 00:16:04.94 ID:pgTsNaUo
>>751続き

「うふふ、着てきちゃった。似合うかな?」
「すげぇ似合ってる。」
「そう?よかった。」
「でもそれ…これから海行くんだぜ?」
「うん、大丈夫だよ。自分で着れるから。ちょっと邪魔になっちゃうけどね。」

そんないつもの10倍くらい可愛いあの子と並んで歩いていると、ふと気付いたことがある。
大抵こういう時って中に水着を着てくるもんだよな?
かくいう俺も既に海パンをはいている。

そしてだな、水着ってのは人に見られることを前提のものであって…。
それが表に晒されても恥ずかしくないわけだ。
これはちょっとしたお代官様ごっこが出来るんじゃねーのか?

「なぁそれ中に水着を着てるよな?」
「うん、着てきたよ?」
「じゃあ後でお代官様ごっこさせてくれ。」

一瞬きょとんとしたあの子は、お代官様ごっこの内容に気付くと顔を真っ赤にした。

「や、やだよっ!何言ってるのよ、えっちなんだから。」
「別にいいじゃないかー。」
「そういうのは彼女とやってよっ。」

その一言がグサリと突き刺さる。
う…当然だけど、そういう線引きははっきりしてるのね…。

「…わかった、ごめん。」
「……そ、その…今度…人がいないとこ…例えばあなたの家とかなら、やってもいいよ…。」

あの子の優しさに感動した。逆に人がいない方が興奮することをあの子は知ってるのだろうか。
753 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/03(木) 00:18:00.93 ID:pgTsNaUo
今日はここまで。思いの外長くなっちゃったwwwwwwww
しばらくあの子しか出てこないかもしれないけど気にしないで下さい^^

てか昨日はサーセン、疲れてたんで寝ちゃったんだぜ。
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/03(木) 16:34:06.60 ID:Qe60m/Io
よいではないかwwwwwwよいではないかwwwwwwwwww
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:00:37.72 ID:pgTsNaUo
>>752続き

電車に乗ること数十分。人がそこそこいる海水浴場に着いた。
今日みたいな日はめちゃくちゃ人がいると思っていたけど、そうでもないな。
花火大会の影響だろうか?
俺らみたいに海水浴の後に花火見に行く人はあまり多くなさそうだしな。

「それじゃ私ちょっと着替えてくるね。」
「おう、適当に場所確保しとくわ。」

シートを貼って、ビーチパラソルをレンタルしてきて。ばっちりと場所を確保する。
あの子はまだ時間がかかりそうだったので、砂でお城を作ることにする。
昔から俺は海に来ると、海自体で遊ばないでこうやって砂で遊んだりすることが多く…。

「おまたせ。」

城が出来る前にお姫様がやってきた。
そのお姫様の水着姿に絶句。この子は本当に何着ても似合うな。
青い感じの水着は、正にあの子にぴったりだった。

「恥ずかしいからTシャツ着ちゃおうっ。」
あの子は素早くTシャツを取り出すと、ささっと着てしまった。
「あ、ああ、あぁ…。」
「だってえっちな目で見るんだもん。」
「うぅ…ごめんなさい…。」

まぁいいか。上がTシャツ、下が水着ってのも…なんかイイ。

海ではあんまり海に入って遊んだりせず、バレーしたり城作ったりあの子が作ってきてくれた弁当食べたり、
まったりした感じで過ごした。
あ、ちなみにわざとTシャツを着たあの子に水かけてTシャツ透けさせました。
作戦通りです。むしろ水着オンリーな状態よりエロくなったので満足です。

「なんか飲み物買ってくるけど、何飲む?」
「あ…じゃあウーロン茶で。」
「おっけー。」

駆け足で浜茶屋に向かう。あの子のことだ。少し目を離しただけでナンパされそうだからな。
むしろ俺が離れる瞬間を狙ってる輩もいそうだからな。
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:01:11.85 ID:pgTsNaUo
>>755続き

ウーロン茶を2杯受け取ると、早速戻……ってやっぱり二人組みの男にナンパされてやがる!
こぼれないように気を使いながら出来るだけスピードを出して戻る。

「えっと…その…友達が…。」
「いいじゃん?俺らと遊ぼうぜ。」

ったく、なんだコイツラ…あの子嫌がってんじゃねぇか。

「あー、すいませんねぇ。」
俺が出て行くと、あの子は俺の背中に隠れた。
「あ?」
「何か御用ですか?」
「お前には用ないからすっこんでてくれない?」

カチン。

「すっこんでて欲しいのはそっちなんですけどねー。」
「…なんなのお前?」
「だからさぁ、彼女に手出すなっつってんだよ。」
「は?何?こいつが彼氏?こんなの放っておいてさ、ほら、俺らと遊ぼうぜ。」
「手出すなっつってんだろうがっ!」

出来る限り凄むと、どうやらあちらのスイッチを入れてしまったみたいだ。
だがムカツくのでこちらも煽ってやることにする。

「何?やんの?」
「え?何を?猿みたいな顔してるけど、猿の物まねでもしてくれるんですか?」
「テメェ…!」

こちらからは殴り返さずにボコボコにされて、傷害事件にしてやる!とか、
サッカー男の時には叶わなかったあの子看病フラグ立ててやる!とか、
そんなことを考えてると、今まで黙ってた二人組みの片方が口を挟んできた。

「もうやめろ。」
「何でだよ!こいつぶっとばす!」
「ツレがいる子に声かけても意味ないだろ、バカ。」
「うるせぇ!関係ねぇ!」
「はいはい…傷害事件にでもされたら困るし、もういいから戻るぞ。」

と言った具合で頭に血が上っていた方が引きずられていった。
あのクールな男…間違いなくモテる…イケメンだったし…。
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:01:45.35 ID:pgTsNaUo
>>756続き

「……彼女?」

ついでに今まで黙ってたあの子が横からひょこっと顔を出してきて、そんなことを。

「い、いやあれは…勢いで。」
「私たち恋人に見えたりするのかな?」
「どうだろうな…主に俺の方が釣り合ってねぇと思うぞ…。」
「そんなことないよ。」
「そうか…ならそう見えてもおかしくないんじゃないか?」
「…うふふ、本当は恋人じゃないのにね。」

その言葉に凹む。いやそうだけど、恋人じゃないけど…。
今の流れだと「じゃあ今日は恋人の気分で楽しもうか」とか言ってくれるのを…期待してた…。
現実って厳しいなぁ。でも確かに俺達恋人じゃないから、仕方ない。
早く恋人になりたーい。


電車が混むのも嫌だったので、俺達は早めに海を出て花火大会へと向かった。
ところであの子はまたちゃんと浴衣を着ているわけだけど、
替えの下着とかは持ってきたんだろうか?
浴衣なんかは本来下着類は着けないものだと聞いた事があるけど、
もしそれをあの子が真に受けて実践してたら…。
も、もしかしたら今…はいてn…ゴクリ。

鼻血が出そうになったので、慌てて違うことを考える。
数学の教師のハゲ頭のことを思い出したら、一気に冷めた。

花火大会の会場の最寄の駅で下車すると、案の定人だかり。
ってか、浴衣美人だらけだ。これはちょっとした目の保養になるな…。
まぁもっとも目の保養になる子が一番傍にいるわけだが。

「あんま離れるなよ?迷子になっから。」
「うふふ、あなたこと迷子になっちゃダメよ?」
「おう、気をつける。」

会場への道は人だらけで、進むのにも時間がかかる。
気付けば空は夕焼け。いつの間にか夕方になっていたんだな。
とはいえ花火大会は夜に行われるわけだし、全然問題ないんだが。
そういえば、あの子は夜遅くに帰るのはOKなのか…?
この人ごみを考えると、花火が終わったあと、帰るのにしばらくかかりそうだが…。
あの子は両親に信頼されてるんだなぁ。
いや、最近はあの子宅によくお邪魔してるし、お母さんともよく顔を合わせる。
だから俺を信頼してもらってるのかも?
…はは、まさか。
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:02:28.01 ID:pgTsNaUo
>>757続き

「あ、ラムネだよ、ラムネ。飲もうよ。」
「そうだな、ちょうど喉渇いてたし。」

例によって俺があの子の分も蓋を開ける。その様子を見てるあの子は楽しそうだ。

「そういえばちゃんとビー玉持ってる?」
「当然だろ?」
「うふふ、私もちゃんと持ってるよ。」

じゃあ今回も交換しようか…なんて言おうと思ったが、
ラムネ飲むたびに交換してたらやたらお守り代わりのビー玉が増えそうな気がしたので、やめておいた。

途中たこ焼きなんかも買ったりして、会場近くの公園に着いた。
この辺に場所を取ってる人はあんまりいないみたいだな。
おそらく道路が開放されるまで待ってる人が多いのだろう。

いいポジションを探しさえすれば、この公園でも問題なさそうだな。

「どうする?道路が開放されるまで待つか?」
「私この辺でも大丈夫だよ?」
「そっか、んじゃいいポジション探すか。」

道路が開放されるのを待ってる人の気持ちは分かる。そりゃ正面から見たいしな。
でもこういう少し離れたとこから、いいポジションを見つけるのも悪くない。

そういう考え方をする人は少なかったのか、結構簡単にいいポジションを見つけた。
早速そこにシートを敷いて場所取り。
食い物も飲み物もあることだし、あとはのんびり待つことにした。

「でもこれあんまり人多くないんだろうな。」
「そうなの?沢山いるのに…。」
「東京の花火大会とか、テレビで見たことないか?人すんげーぞ。」
「へぇ…。じゃあ今度行ってみようか♪」
「はは、マジかよ…。あの人の量の中で花火見物かぁ…。」

無駄話やら世間話やらしていると、辺りはどんどん暗くなっていき、いよいよ開始も近づいてきた。
花火まであと数分というところで突然あの子がトイレに行った。
緊張すると…らしい。俺は特にそういうタイプでもないな。
それにしても大丈夫か?もう真っ暗だ…この公園電灯少ないし、コケないといいけど。
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:03:03.97 ID:pgTsNaUo
>>758続き

その心配はいらなかったようで、無事にあの子が帰って来た。
ナンパされないかもちょっと心配だったけど。

「間に合った?」
「おう、まだ大丈夫だ。」
「よかっ…キャッ。」
「うお、だいじょっ…。」

足元がよく見えてなかったせいで、あの子がつまづいてしまって、それを俺が受け止める。

そのまま後ろに倒れて、その勢いで唇と唇が触れ合った。

キスをしていた。

時間が止まる。

もしかしたら止まっていたのは俺の時間だけかもしれないけど。それは永遠にも感じて…。

そんな、主観時間では永遠にも感じた時間の後、あの子が慌てて俺の上からどける。
「ご、ごご、ごめ、ごめんねっ!」
いやむしろお礼を言いたいくらいだったけど…。
暗くてあの子の表情が見えないのが残念だ。彼女はどんな表情をしているんだろう。
本気でいやそうな顔していたら凹むなぁ…。

「いや…俺こそ、ちゃんと受け止められなくて、ごめん…。」
「ううん、そんなことないよ、ありがとう、ごめんね…。」

なんか段々と今の状況を理解しはじめた。
キス…したんだよな?俺はあの子と。
俺のファーストキスは、大好きなあの子と…くぁ…これほど幸せなことってあるか?

残念なのはそれが事故だったってことぐらいだ。
俺の中に住んでいる小さな俺は、物凄い勢いでカズダンスを踊っている。

「本当にごめんなさい…こ、こういうことは…好きな人としないとダメなのにね…。」

もう言ってしまおう。そう思った。俺が好きなのはお前だ、と。

「それは違う、だって俺はおm」

ドォーン!
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:03:53.19 ID:pgTsNaUo
>>759続き

…一発目の大きな花火が、打ちあがっていた。

「……え?」
「いや、あのその…。」

く、くそ…なんか言いにくくなっちまった。

「だからだな…ぜ、全然悪い気はしてないから、そんなに謝るなと言いたくて…。」
「…うん。」

結局告白出来なかったし、これじゃあただのスケベじゃねぇか…。
つくづく俺のヘタレっぷりには参ってしまう。
でも今回は花火が…!いや、花火のせいにするのはやめておこう…。

「あ、あのさ、花火はじまってるぜ!」
「…そ、そうだよねっ。ちゃんと見ないとね。」

結局花火には気をまぎらわすのに一役買ってもらった。
これで花火が終わるまでは、気まずいけど話はしなくて済むな。

それにしても…。

綺麗だね。とのあの子の言葉に、ああ。と返事をしつつ、
俺はまるで花火なんて目に入っていなくて、
花火が上がるたびに照らされるあの子の横顔ばかりを見ていた。

意識しなくても頭の中があの子だらけになっていく。
あの子と…キスを…。

ああっ、くそ、どうにかなってしまいそうだ。


花火が終わったあとの帰り道。お互いまだ気まずくて、会話が続かない。
だけど道が人でごった返していたせいで、お互い身を寄せ合ってはぐれないようにしている内に、
いつの間にか手を繋いでしまっていた。
でもよかった…うう、こんな男とキスしてしまった…とかそんなことは思われていないようだ。

右手に伝わる体温を、ずっと離したくないと星に願うけれど、それは駅に着いたらオシマイだった。
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:04:02.66 ID:5Z3KHUDO
wwktk
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:04:39.48 ID:pgTsNaUo
>>760続き

だが電車も酷い有様だった。いつだかの満員電車を思い出す。それ以上だ…!

はじっこに寄ることすら出来ず、中央でひたすらおしくらまんじゅうだ。
だけど俺はともかく、あの子が窮屈そうなのが我慢ならなくて。
クソ野郎どもめ、あの子に何か変なこととかしてないだろうな!?
もし何かしてたらぶっ飛ばしてやるっ!

そんな時電車が揺れて、あの子が俺の方に倒れてくる。

「キャッ…。ご、ごめんね。」

今度は上手く抱きとめられた。…当然だけど。
あの子は俺から離れようとしたが、それを俺が拒む。抱きしめてみた。

「え、えっ…あの…。」
「…この方がまだ楽だろ?」
「あ…うん、そうだね…ありがとう…ごめんね…。」

もし拒絶されたらどうしよう、と思いながらした行動だった。
それが拒絶されずに安堵したのと同時に、俺を悩ませる言葉。
また謝られた。

常にネガティブな思考を忘れない俺は、これが実は嫌がっているように聞こえてしまい。
あの子は優しい子だから、迷惑をかけたくないのかもしれないけど。
男としては逆に迷惑をかけられたい、とすら思うんだが。
もし恋人同士だったらあの子は謝らずに身を託してくれたのだろうか…。

はぁ…花火がもう30秒打ちあがるの遅かったらなぁ…。
……でももしかしたら断られてたかもしれないよな?ならある意味命拾い…?

あの子の体温を全身で感じながら、常に俺はネガティブシンキング。

だけど淡い期待を寄せてしまうことを、あの子がしてきた。
今まで俺に身を任せてたあの子が、俺の腕に手を寄せて、
体も心なしかさっきよりも俺に体重をかけた気がする。気のせいかもしれないけど。
そして顔を俺の胸辺りに寄せて…。

心臓がバクバクいいだした。

バ、バカ…胸に耳を付けるなっ。ドキドキしてるのがバレてしまう。

「……うふふ、心臓の音。凄く早いよ。」
「う、うるせー。」

その後再び無言になる。
周りの人間の雑談と、電車が走る音、時折揺れてはあの子を抱きしめる手に力が入り。
…もうこのままずっと電車走ってればいいのに。
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:05:58.73 ID:pgTsNaUo
>>762続き

そんなことが叶うわけもなく、俺達は今こうして駅を出て歩いている。
でも何故かまた手を繋いでいるのだけど。
…暗いし危ないからと、そんな成り行きだ。
これはきっと今は凄く良いムードに違いないと思うんだ。

二人の家の分かれ道になったら…その時また、チャレンジしてみよう。
今日改めて思ったから。あの子を力いっぱい抱きしめたいって。
そしてこの子を守りたいと。ずっと傍にいたいんだよ。

遂にこの先が分かれ道だ。

怖くなる。
手を離すことも、告白することも、その結果も。

でも俺が離さなくても、あの子の方から離れていった。

「それじゃあ、今日はありがとう。楽しかったよ…うん。」
恥ずかしげに笑うあの子を街灯が照らす。
こういう表情をしてくれるんだ。きっと…嫌われてないよな?

「ああ…。」
俺が相槌を適当に打つと、あの子は手を振って帰ろうとした。

「あ、あの!俺さ!」
慌てて呼び止める。

「ごめんね、明日は用事があるから…早く寝なくちゃ。」
今度は申し訳なさそうに笑って、あの子は去っていく。

止めろ!
呼び止めろよ!
だけど声は出なかった。

くっそ…何度目だ、俺のへたれ。

でも何故だろう。何故あの子は俺の話を聞いてくれなかったんだ…。
あれか?もう俺とは一刻も早く離れたかったとか?
はぁ…またネガティブ思想だぜ…。

奇しくも、今日であの子とはしばらくお別れになってしまう。
あの子が旅行に行くまでまだ数日あるのだが、その数日は既に予定が入っているらしい。
というわけで…。
俺があの子に会えるのは、今度は夏休み終了直前か…もしくは終わってから。

だからこそ言いたかった。
…くそ、次に備えて俺のへたれ根性を叩きなおしておかなくちゃいけない。
764 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/03(木) 20:08:46.11 ID:pgTsNaUo
今日はここまで。我ながらなんというベタな展開…。

にしてもメインヒロイン3人って、誰と結婚してもいい嫁さんになりそうですね。
改めて主人公氏ねばいいのにって思いました^^
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 20:12:22.18 ID:5Z3KHUDO
ベタではない 王道だ
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 19:31:46.54 ID:2.4pAJco
>>763続き

あの子が旅行に行ってから数日が過ぎた。今も俺の頭の中はあの子のことでいっぱいだ。
これまでもあの子のことでいっぱいだったけど、それ以上にいっぱいだ。
やることがないせいで、余計にあの子のことばかりを考えてしまう。

あ、あの子と…き、きき、きキスとか…したしな…。

思い出しただけで悶えてしまう。あんな事故なら何度でも起きればいいのに。

でもそれ以降のことを考えると鬱で嫌になる。
はぁ…俺ってダメなやつ…。

それにしても暑いな…あの子が旅行に行ってから、また一段と暑くなった気がする。
こういう日こそまたあの子と海に…はぁ…。

あの子がいないんじゃ、まるで何もやる気がおきない…宿題も終わってるし…。
まだクリアしてないRPGとかあったか?…ねぇな…買いに行くのもダルいな…。
気になる映画とかあったか?…ねぇよ。もういいや、ごろごろしよう…。

ゴロゴロしようと決め込んだとき、テーブルの上の携帯がなった。
この着信音はメールか…。誰だ?あの子かな?あの子だろうか?

開いてみると…あいつだった。そういえばあいつは昨日だか一昨日こっちに帰って来たらしい。
帰って来たっていう旨のメールが来ていた。
なんだか適当に返信してしまった気がするが、まぁいいか。

今日の用件は要約すると「今は暇かどうか」。
……ゴロゴロするから暇じゃない。「暇じゃない」とさっさと返信する。
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 19:32:14.46 ID:2.4pAJco
>>766続き

さて、これからはゴロゴロしよっと…。

……。

…。

…ンポーン…。

ピンポーン。

…ん?
チャイムが鳴っている。どうしよ…なんかの配達かもしれない、出ないと…。
…でも配達だったらまた後で来るよなぁ?いいや、無視だ。

しばらく経つと、チャイムは鳴らなくなった。
よしよし、これでゆっくり…。

ピンポンピンポンピンポンピンポーン!

「だああああああー!うるっせえええええーー!」
俺は起き上がると走って玄関まで行って、思いっきり扉を開く。

「どちら様ですかっ!!?」
そこには予想してた人とは違う人間が。
「私だけど。」
「……なんでお前がいんの?」
あいつだった。

「暇そうだったから遊びに来たの。」

…え?俺暇じゃないって返信しなかったっけ?
「お前遂にこの暑さでボケたのか?」
「何言ってんのよっ。ボケてないわよ、ピンピンよ。」
「俺は確かに暇じゃないってメールしたはずなんだがな…。」
「あの速さで返信が着たから暇だなって思ったんだけど、間違いじゃなかったようね。」

なんという女だ。くそ、メールって返信時間まで計算しなきゃいけないのか…!
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 19:33:03.51 ID:2.4pAJco
>>767続き

「生憎だが本当に忙しいんだ。」
「寝癖立ててる癖に忙しいんだ、へえ。」
「ぐっ……わかった、わかったよ。暇だよちくしょう。入れよ。」
「どーも。お邪魔しまーす。」

というわけで俺の平穏なゴロゴロ生活はあいつにぶっ壊された。
ったく…なんだよこの女は…。

部屋に案内すると、何故か驚かれる。

「あれ?あんた前までもっと部屋汚くなかったっけ…。」
「失敬だなお前はっ。つってもまぁ、あの子が頻繁に来てたから掃除してただけだけど…。」

言ったあとに後悔。やべっ、こういうことってあんま言わない方よかったか?
あいつは「へぇ」みたいな冷たい表情をしている。
ま、まぁあいつだからよかった…小悪魔だったら何言われるかわかったもんじゃない。
じゃあ私も毎日来る!とかじゃあ私は泊まる!とか言い出しそうだもんな…。

「あの子が来てたってことは…もしかしてさぁ、あんた結構宿題進んでる?」
「そんなもんとっくに片付けた。」
「…え!?」

おい!何だその表情は!ハトが豆鉄砲って感じだぞ!
俺が真面目なのがそんなに以外か。いや俺も以外だけど。

「…あ。あの子の力か。なるほど。」
「何がなるほどだテメェ!俺も力添えいたしました!」
「ちょっとでしょ?」
「なんでわかるんだよ!」
「…はぁ、やっぱりね。」

呆れながらあいつは座ると、テーブルの上に自分の宿題を広げ始めた。
…おい、なんのつもりだ。
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 19:33:38.28 ID:2.4pAJco
>>768続き

「私もしばらくあんたの家で宿題やるから。」
「はぁ!?」
「あんた終わってるんでしょ?分からないとこ教えてよ。」
「くっ…まぁそりゃ…でもなぁ、結構あるんだぞ、宿題。いつまで居座る気だよ。」
「終わるまで来るわよ。」
「……俺のゴロゴロする時間が…。」
「光栄に思いなさいよ、こんなに可愛い子と一緒に過ごせるんだから。」
「暴力振るう女と一緒になんかいたくねぇよ。」

蹴飛ばされた。すぐこれだ!この女は、まったく…!

どうでもいいけどコイツ、なんでまたスカートなんてはいてきたんだ。
こうやって座って勉強することを考えたら、短めのパンツのがいいんじゃないのか。
あの子だってスカートよりもそっちをはいてくることの方が多かった。
時々スカートをはいてきたけど…パンツ見ないように努力しました。

っていうか、ははーん?こいつむしろパンツ見て欲しいんじゃねーのか?
日ごろ俺がこいつのこと女扱いしないから、アピールしてるんじゃないか?
それに会うの久々だしな。私しばらく会わない内に可愛くなったと思わない?とかアピールしたいんだ、きっと。

その手にはのらねぇ。むしろこっちから覗いてやる。

というわけで扇風機を用意。あいつの正面にセット。強でスイッチオン。

「お、白。」

飛び散るプリントと共に見事にめくれ上がったスカート。白いパンツが思いっきり見えたのでした。
俺の白発言のあと、即座にあいつは俺に詰め寄ってきて蹴りを3発ほど入れられる。
顔は真っ赤で無言のまま。ふん、見てやった、見てやったぜ。

「あんた最低ね!」

やっと口を開いたと思ったら罵倒の言葉が飛んできた。
けっ、俺は前から最低だよっ!
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 19:34:20.17 ID:2.4pAJco
>>769続き

「スカートなんてはいてくるのが悪いんだろー?
 そりゃこんだけ暑いんだから、扇風機もつけるしだな。」
「だからって何であんな位置で扇風機つけるのよ!」
「たまたまだよ。とにかくお前がスカートなのが悪いっ。」
「女の子なんだからスカートくらい普通でしょ!」
「女の子って柄かよ…。」

と、何気なく呟いた言葉であいつにスイッチを入れてしまったらしい。

「女の子よ!立派な!」
「立派…?」
目線を胸にやると、あいつはまた顔を真っ赤にして俺を蹴飛ばしてきた。
さすがにやりすぎたかな…と思った次の瞬間、あいつが急に詰め寄ってきた。

息がかかるような距離。無理しやがって、顔真っ赤だぞお前…。

「な、なんだよ…。」
「…ほら、髪の毛の匂いとか、女の子でしょ?」
「し、知らねぇよ…。」
「……じゃあ、キスでもすれば分かる?」

ドクンッ。
キスという言葉であの日のことがフラッシュバックする。
途端あの子に申し訳ない気分になって、立ち上がってあいつから距離を取る。

「ふざけんのもいい加減にしろよ。」
「ふざけてないわよ。だって名誉毀損されたようなもんなんだもん。」
「わかった、わかったよ…。お前は女の子。可愛い可愛い女の子だよ。」
「ふん、分かればいいのよ。」

あいつはぷいっとすると、座って宿題をやっつける作業に戻った。

心拍数が上がったままだ。まだ落ち着かない。
キス…キスか。あの子の唇は柔らかかったなぁ…。
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 19:35:29.89 ID:2.4pAJco
>>770続き

「ねぇ。」
「!?な、なんだ…?」

変なタイミングで声をかけられて焦る。

「…何驚いてるの?」
「なんでもない…。」
「ここのところなんだけどさ…。」
「…ああ。そこなら、あの子に教わったんだけど…。」

その後はその調子で普通にあいつは宿題をやっていた。
しかしなぁ…こうやって真面目にやるなら別に場所を提供しないでもないが、
俺の部屋を占領されてしまうとゲームも出来ないじゃないか。
漫画本でも読んでろってか?でも俺声に出して笑うタイプだから、邪魔だと怒られそうだな…。
…あれ?それならあいつは自分の家でやればいいんじゃね?
…まぁ、いいか、どうせ暇なんだ。我慢してやる。

考えがまとまったところで、飲み物を持ってくることにして、立ち上がる。

「待って。」
そこであいつに呼び止められ。
「なん…。」
振り向こうとしたら、後ろから抱きつかれた。

「なっ…!」
「…さっきの続き。」

つ、続きって…キ…。

「…私女の子でしょ?」

…そ、そっちか…。
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 19:36:09.57 ID:2.4pAJco
>>771続き

「だからさっき認めたろうが、女の子だって。」
「…そうね。」
納得したのか、開放される。ったく、ただでさえ暑いっていうのに…。

「ねぇあんた、私のこと女として見てる?」

は!?な、何を言い出すんだこいつは。
そりゃあどっからどう見ても女だし、女として見てるに決まってるけど…。
一体こいつ何を気にしてるんだ?さっぱり分からん。
あんなこと言ったのは悪いなとは思うけど、そこまで気にすることか…?
いつもの悪口の延長線上じゃねぇか。
大体自分で鏡見てわからないのかコイツは。誰がなんと言おうと可愛い女の子だろうが。

「見てるっつーか…お前女だし、そりゃ当然。」
「そう…そうなんだ。」

わからん…何を気にしているんだ…。
飲み物を持ってきて置いてやる。一言お礼を言われる。
…でもまぁ、とりあえず謝っておくか。

「女の子って柄かよ、って言ったこと気にしてんなら、謝る。悪かった。」
「…ううん。」
「てか俺が何言おうがさ、お前自分で鏡見てみろよ。可愛い女の子だから。」
「…そうかしら。」
「そうだよ。ったく、恥ずかしいこと言わせるなって。」

まぁ自分で蒔いた種だが。


その後は特に問題もなく、あいつも宿題は順調なようで。
日も暮れてきたし帰るということで、送ってやることにした。

並んで歩いていると、あいつが突然こんなことを言った。
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 19:36:32.20 ID:2.4pAJco
>>772続き

「あんたって、身長私より大きいけど、あまり変わらないわよね。」
「うるせー。ちびで悪かったな。」
「ううん…私もっと小さい方がよかったな…。」

「なんで?お前スタイルいいんだから身長そんぐらいがちょうどいいだろ。」
「…そうかな。」
「そうだよ。」

わからん。なんで他人が欲しがるものを、お前はいらないと言うんだ。
スラッとしててスタイル良ければ、着れる服も増えるしいいことばかりだと思うが。
何が嫌なんだ?
小悪魔みたいに身長小さい方が胸大きくなるとか思ってるんだろうか。んなアホな。

「小さい方が…可愛いと思う。」
「そんなの人それぞれだろ?俺は別になんとも思わない。」
「………あ、あんたの意見なんて、どうでもいいわよ…。」

お、ようやくいつもの調子が出てきたか?
なんか俺が言った言葉で機嫌悪くしちゃったようだけど、少しずつ元気になったようで何より。

頭をポンとしてやる。

「なっ…。」
「背小さいのがいいんだろ?こういうことされると、ちょっと背小さくなった気分になれるだろ。」
「…よ、余計なお世話よっ。」

最後はいつもどおり、からかって別れた。
にしてもなんとなく気まずい空気があったわけだけど、
明日も来るのか聞いたら来ると言っていた。普通来づらかったりするんじゃ…。
なんで俺の家にこだわってるんだ?
自分の家じゃ家族がうるさいとか…?なら友達の家行けよ。…それが俺の家だったのだろうか。
774 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/04(金) 19:37:26.86 ID:2.4pAJco
今日はここまで。うってかわってあいつばっかり。

>>765
なるほど…王道か。なかなか便利な言葉だwwwwww
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/05(土) 03:12:44.53 ID:8fWb5.DO
随分積極的だなあいつwwwwwwwwwwwwwwいやはや王道とはいいものですな
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/05(土) 22:41:37.12 ID:LKhBbzco
>>773続き

今日も今日とてあいつはウチへ来る。
やることない俺は傍でペン回しをしながら、あいつが分からない問題が出てくるまで待っている。
…何やってんだろ…。
俺が教えるにしてやっても、あの子みたいに上手く教えることは出来ないし、
既に俺は宿題を終えているという心理的に有利な立場に立っているせいか、
ついつい上から目線で物事を言ってしまうからあいつから顰蹙は買うし…。

だったら一人でやれよと言うのだけど、それでもあいつは固執する。
あ、わかった!こいつ俺のこと好きなんじゃねーの?
なんてな。ないない…こいつに限って俺のことなんて好きになるわけねー。

というわけで俺個人としてはあいつにはさっさと宿題を終えてもらって、
ゴロゴロする時間を返していただきたい所存です。

「まだ終わらねぇのか?」
「そうね…結構残ってるかも。」
「はぁ…お前ペース遅いよな。結構休憩も入れるし。わざとかー?」
「な、何言ってんのよ!別にそんなんじゃないんだから!
 ただあんたが暇だろうなーとか思って気を使ってやってるだけで、
 わざと宿題終わらないようにしてるとか、そういうんじゃないわよ!勘違いしないで!」

気を使っていただけるなら自分の家でやれよと…。

「ったく…あの子はペース早かったぞ。おかげで遊ぶ暇すげぇあったしな。」
「…ふーん。」
「ゲームでボロ負けしたり、映画も見に行ったし…。」
「…へぇ。」
「海にも行ったぜ。目はなした隙に即ナンパされてやがった。」
「…そう。」
「花火にも……。」

う…思い出してしまう。こ、この話題は、やめておこう。

「というわけでだな、宿題を早く終わらせれば沢山遊べるわけです。」
「何それ、あんた私と遊びたいの?」
「何言ってんだ。俺は早くゴロゴロしたいだけだ。」
「…あっそ。」
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/05(土) 22:42:07.29 ID:LKhBbzco
>>776続き

呟いてあいつは、シャーペンを握って宿題に向きなおした。
なんとなく目の色が変わった気がするのは気のせいだろうか。

「…すぐ終わらせるから。」
「は?」
「すぐ終わらせるから、余った夏休みはどこかに連れて行ってくれるんでしょうね?」
「な、なんでそんな話になるんだよ!?」
「彼女と行って楽しかったんでしょ?だったら私とでも楽しいかもしれないじゃない。」

な、何を言い出すんだコイツは…!
あの子との思い出がとても楽しいものになるのは、俺があの子を好きだからだろうがっ。
…ってそうか、こいつは俺があの子を好きなのは知らないんだっけ…。

それにしたって、私とでも楽しいかもしれないじゃない、って何だ。
女としてのプライドか?知ったこっちゃないけど。
しかしまぁ…あいつと遊ぶのも悪い気分ではないし、それもアリか。
宿題を終わるのをひたすら待ってるよりは全然マシだ。

「はぁ…分かったよ。だったらさっさと終わらせろよ。」
「そうね。」

それからのあいつのペースは、やっぱてめぇ手抜いてただろ!と思わざるを得ないほど。
特に問題に詰まることもなく俺に聞くこともなく…。
そりゃそうだ、こいつ結構頭いいんだもんな。
だったら何でさっきまで俺にいちいち聞いてたんだよ?わからんなぁ、こいつのことは。


というわけで翌日、あいつの宿題は完了していた。
やっぱり一昨日まで絶対こいつは手を抜いていやがった…。

「お前手抜いてやってただろ、やっぱり…。」
「そんなことないわよ。たまたまよ、たまたま。」
「たまたま?それなら仕方ないか…。」

俺もたまたま調子いい時はある。得意科目が残っている場合は、いつもよりペースが早いしな。
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/05(土) 22:42:34.02 ID:LKhBbzco
>>777続き

「……こうやってのんびりしてるのも、嫌いじゃなかったけど…。」
「ん?なんか言ったか?」
「な、なんでもないっ。」

あいつがなんて呟いたのかはよく聞こえなかったけど、まぁ大したことじゃないだろ。
なんにせよこれで俺は解放だ、ゴロゴロでき…ないんだっけか、そういえば。
実はあの子と遊びまくったせいで金がギリギリだったりする。
あいつにはその辺気を使ってもらいたい。

「それにしても…あんたの部屋暑いわね。」
「今更かよ。お前のせいで扇風機もつけられねえんだよ。」
「自分の部屋にクーラーの一個ぐらい…。」
「うるせー!扇風機しか無くて悪かったなコノヤロー!」
「扇風機まわしていいわよ。」
「……いやいや、お前今日もスカートじゃねぇかよ。」
「だから…あんたが私の後ろに来ればいいのよ、そしたら問題ないもの。」

見えなければバサバサとめくれ上がっても構わないと?中々開放的なお嬢さんだこと。
というわけで扇風機にスイッチを入れて、俺はパンツが見えない位置へ行く。
…が、前方ではあいつのパンツがスカートがめくれ上がってるのかと思うと、なんか興奮する。

それは困るのでスイッチを切る俺。

「ちょっと、暑いじゃない。」
「いやなんかこう我慢の限界でだな。」
「…?何言ってんの?」
「どうせなら外に出ようぜ…。」
「あ、そうね。それでどこに連れて行ってくれるのかしらね。」

あまり期待をされても仕方が無いので正直に言う事にした。

「金が無い。遊びすぎた。」
「……。」
「な、なんだよ、仕方ないだろ。金は使う物なんだよ。」
「…はぁ。じゃあ今日は図書館に行かない?」
「別にかまわないけど…。」
「じゃあ決定。読みたい本があるから。」

というか宿題も図書館でやればよかったんじゃないか?
こんな暑い俺んちでやんなくてもさ…。
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/05(土) 22:43:33.55 ID:LKhBbzco
>>778続き

図書館へは自転車で行くことになる。無論、二人乗りで。

「お、お前あんましがみつくなよ!」
「仕方ないでしょ!でないと落ちちゃうんだから!」
「そんな簡単に落ちねーよっ!」

あの子に比べて、あいつはしがみつくように俺の背中に身を預けてきた。
妙に心臓がバクバクと…必死にペダルを回して何も考えないようにする。

おかげであの子の時よりも早く図書館へと着いてしまった。
勿論汗だくだ。汗はいい、汗をかくことで邪念を振り払える…。
すると、あいつのトートバッグの中から、タオルが出てきた。

ドキッ。
あの子とまったく同じことを。

「まったく…。」
そうやって呆れながら、汗まみれの顔を拭いてくれた。

「はい、体は自分で拭きなさいよ。」
タオルを押し付けてくる。
ここで拭いてあげる、とか言えば可愛げがあるものを…。
…い、いや、それはそれで困るな…。

図書館の中ではお互い適当に本を選んで、隣同士座って静かに読んでいる。

とはいえ…なんかこう、さっきのあの子と同じ行動をするあいつを見たせいで、落ち着かない。
俺はあいつとは男友達に接しているような気軽さを持っていた。
だけど当然だけど、あいつも女の子なんだよな。
ああいう女の子っぽいとこ見せられると、変な気持ちになる。

本にまったく集中出来ない俺は、ちらりとあいつの方を見る。
すると丁度胸元が目に入ってしまい、慌てて目を逸らす。
…ここはあんまり女の子っぽくないな。とか言ったらぶん殴られそうだ。


夏休みは結局あの子と会えることはなかった。
残りの休みはずっとあいつと二人で遊んでいた。遊びに出かけるわけでもなかったけど。
俺の方が意識してしまってから、ちょっと気まずかったりもしたけど…。

あいつといるのは気楽だな、と改めて思ったりもした。
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/05(土) 22:46:48.75 ID:LKhBbzco
>>779続き

さて、昨日で夏休みも終わり、今日から再び学校だ。
あの子には「お土産があるから持って行くね」というメールが着ていた。
一体どんなお土産なんだろうかと、今からワクテカだぜ。
教室に入ると、なんとなく懐かしいなと思える顔に会う。小悪魔だ。
小悪魔は俺の顔を見るなり抱きついてきた。相変わらずだな…。

「久しぶりだよぉ、会いたかったよぉ。」
「お前全然帰ってこなかったよな。どこ行ってたんだ?」
「海外連れ回されて、戻ってきたくても全然戻ってこれなかったぁ…。」
へぇ、そいつは難儀なことで……か、海外?

「海外って…お前一体…。」「はい!お土産だよぉ!」
そういって小悪魔のバッグの中からドサドサと出てきたのは、各国の名産品。
テレビで見たことがあるようなものばかりだ…。
っていうかアメリカから南米、ヨーロッパからアフリカ。めちゃくちゃ沢山の地方の名産品が…。
一ヶ月ちょいの間に一体いくつの国に行ったんだよ?
こいつの家はきっと金持ちなんだろうなとは思ってたが、想像を絶する金持ちらしい。

「あれ?そういやお前にはお土産もらってないな、俺。」
傍観してるあいつに声をかけた。
「なんで私があんたなんかにお土産買ってこなきゃならないのよ。」
こ、こいつは…!夏休み中に女の子っぽい、とか思ったの取り消しだ!まったく。

「あ、そうだ。お土産。あの子から受け取りに行かねーと。」
「隣のクラスに行くのぉ?」「そうだけど。」
「だったらHR終わった後に行った方がいいと思うよぉ。」
「なんで?」「噂だけどぉ、隣のクラスに転校生が来るんだって。」
隣のクラスにも転校生がやってくるのか。まったくこの学校の転校生の多さときたら。

「別に興味ないけどな…。」「まぁまぁ、とにかくHR終わってから行こうよぉ♪」
仕方なしに小悪魔の言うとおり、HRが終わるのを待って隣のクラスに行くことに。
話を聞けば転校生は男かもしれないらしい、という話だし、尚更興味ないんだが…。
HRも終わり、早速隣のクラスへと行く。
何故かあいつと小悪魔もついてくるが…まぁいいかきっとこいつらのお土産もあるだろ。
隣のクラスには人の群れが出来ていた。主に女子の。
…なんか嫌な感じだなぁ。イケメンか?イケメンなのか?ふざけやがって。
その群れを掻き分け、教室の中へと入ってみると…。
あの子は男と談笑中だった。見かけない顔だ。さわやかな笑顔で笑っている。

「ああ、彼が転校生かもねぇ。」「へぇ中々カッコいいじゃない。」
けっ、面食いめっ。
「仲良さそうだねぇ。」
ニヤニヤしながら小悪魔が俺に耳打ちをしてくる。
「…たまたまだろ。」
何故だ、何故早速あの子と仲良さそうなんだ。あの子も楽しげに笑って…。
いけ好かない、いけ好かないぜ、さわやかなあの男。
俺の男の本能が言っている。あの男は敵だと。
ふざけやがって…あの子と仲良くしていい男は俺だけなんだよっ!まったく。
781 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/05(土) 22:48:06.48 ID:LKhBbzco
やっと夏休み終わった。さっさと終わらせるつもりだったのに、長くなっちゃったwwwwwwww
あいつのターンはまだ終わらないかもわかりません。
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/06(日) 11:55:33.47 ID:YKxJwkDO
もつもつ
夏休み終わっちゃったで思い出したんだが昨日読み終わったイリヤの空UFOの夏かなりおもろかったなー…
でも読んでる人少なそうだけど
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 03:26:48.12 ID:IV4GyO6o
>>780続き

あの子がいけ好かないさわやかな転校生野郎と仲いいのは気に食わないが、
あれはまだクラスメイトとして仲がいい…と思うべきだ。…多分。
でも噂によると二人で遊びに行ったりもしているらしい…。
うぐぐ…やはり許すまじさわやか野郎…。

でもだからといって何か行動に出ようにも、どうしたらいいかわからず、
あの子の様子も変わった様子はないし、しばらくは現状を観察するしかないと思う。

それに気になることがある。

あの子の様子はまったく変わらないが、最近あいつの様子がおかしい。
授業中、休み時間、放課後、いつもボーッと視点が定まらないような表情をしている。
こんな時期に5月病にでもなったんだろうか、こいつは。

あんまボケッとしてると交差点で誰かとぶつかるぞ、なんて注意してやると、
そうね…と聞いてるんだか聞いてないんだかわからない返事が返ってくる。
だけど何か悩み事があるのは確かなようで。

「あんた告白とかされたことある?」
なんてことを突然に質問された。

「は?…な、なんだよ急に…。」
「いいじゃない、別に。」
「……ある…かな、多分。」
小悪魔にな。
「そう。」

小さく息をつくと、何事もなかったかのようにまたボーッとした表情でいる。
なんなんだ一体…一方的に質問してハイ終わりか?
腹が立ったので不貞寝でもしようとしたところ、またあいつが口を開いた。

「告白されたの。」
「…へぇ、何回目だ?」
「わからない。」
なんだそれは、嫌味か?こちとら数えずともすぐに答えが出てくるってのに。
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 03:27:26.00 ID:IV4GyO6o
>>783続き

「どれだけ私のことを好きか、目の前で凄く熱く伝えられたの。」
「そりゃまた…熱血なやつかロマンチストかのどちらかだな。」
「でも私好きな人がいるから断ったわ。」
「…そうか。」

「私は…どれくらい好きなんだろう。」
呟いたあいつの表情は、儚げだった。

「私はあんなに風に気持ちを思いっきり伝えられるほど、好きなのかな…。」
「…人それぞれだろ?」
「…そうね。」

あいつは机に突っ伏した。
小さく、どれだけ好きかわからないけど好きだもん…と呟く声が聞こえた。

まったく。どうやら恋のことで随分悩んでいるみたいだな。
一体どれほど自分が相手のことを好きなのか…。
考えてみると、俺はあの子を好きな気持ちでは誰にも負けたくないと思ってる。
あいつもそういった類の悩みだろうか?


放課後の帰り道。俺とあいつ二人での下校になる。

未だにあいつはどこか気が抜けた様子で、足取りもフラフラしている。
危なっかしいなぁ…と思っていたら案の定、車が来ているのに道路の方に行こうとしている。

「危ねぇ!」
咄嗟にあいつを自分の方に抱き寄せて危険を回避する。
車の方はあいつにまったく気付いてなかったらしく、一切スピードを落とすことなく彼方へと消えていった。
「…ったく。何やってんだ、しっかりしろよバカ。」
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 03:28:10.04 ID:IV4GyO6o
>>784続き

「…悪かったわね、バカで。」
「何考え事してんだか知らねーけど、道はしっかり前を向いて歩けよな。」
そうやって注意しながら、あいつから身を離す。
「離さないでよ!」
「…え。」
だけど怒られた。離さないでよって…一体全体何故だ。

周りを見渡すと、今はもう特に危険はない。別にあいつを離しても何も問題ないはずだ…。
そしてここであることに気付く。抱き寄せたのは、まぁまだいいだろう。
だけどその抱き寄せ方がまずかった。両手で抱き合うように、抱き寄せてしまった。
距離0。傍から見たら「こんな道端で…何あのバカップル」って感じだ。
何より俺にとっての問題は、こういうことをするとあいつは顔を真っ赤にして怒ることで…。
は…「離さないでよ!」じゃねぇよ!離さないと俺の命の危機だ。

慌ててあいつから距離をとろうとして、何故か失敗する。

あいつの腕が俺の背中に回っていた。

突然のことに困惑する。
車に轢かれそうになったのが怖くて、心細くて思わず俺の背中に手を…?
いやでも別に手は震えてる感じはうけないんだが…。
「お、おい。」
テンパったままの俺は、とりあえずあいつの背中に回した手は離したのだけど、
依然としてあいつは離してくれないから、俺の手は落ち着きどころをなくして空中をさまよっている。

しかしもっと俺が困惑するのは、この直後。あいつが泣き出した。
俺の肩らへんに顔を押し付けて…声だけで泣いているのが分かった。
突然泣かれても困る。俺はどうしたら…視線も泳ぎまくる。どうしたらいいんだ。
そ、そんなに怖かったのか?どうやって慰めればいいんだ。

「なんなのよ、もう…。」

あいつは泣きながら、一言そう呟いた。そしてまた一言。
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 03:28:43.36 ID:IV4GyO6o
>>785続き

「もう我慢出来ない…。」

どうやらあいつは何か相当溜め込んでいるみたいだった。
そんなところに俺がこんな風に抱きしめてしまったから、爆発したんだろうか。
今はあいつが落ち着くまで俺も抱きしめてやるべき…なのかな?
と思って警察に無罪を主張するかのような状態で空中で静止していた手を、あいつの背中に回そうとして、
そこで俺の手は止まった。

「大好き…。」

それは…誰に向けて言っているんだ?
やけに周りの音がハッキリ聞こえるようになる。通り過ぎる車の音。カラスの鳴き声。
大好きと言ったあと、あいつはまだ泣いている。

「ずっと、ずっと好きだった…もうヤダ…。」

俺に…言っているんだろうか。

「他の子が好きなのは分かってた…だから好きじゃないって思い込むようにしてたのにっ…。
 もう無理だもん…好きなんだもん…。どれだけ好きかなんて関係ない…好きなんだもんっ…。」
「……なぁ。」

あいつの肩に手を置いて、離そうと力を入れる。
だが「やだ。」と小さく呟いて、更にあいつは俺を抱きしめる。

いい加減にしろ俺。
この状況でもまだ「他の誰かに恋していて、鬱憤が溜まってたのが爆発しただけ」と頭で考えている。
それは多分…あいつにとっても失礼なことなんじゃないのか?
だけど俺はどうしたらいい。俺はあの子が好きだから、と言って突き放すのか。
…もしあいつが俺を好きなら、いずれそうなる時は来るだろうけれど。
でも今それをしろというのか…?

なんてどうしたらいいか考えていると、頬に柔らかい感触が。
あいつにキスをされていた。
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 03:29:31.22 ID:IV4GyO6o
>>786続き

「…今のは、事故。」
一瞬だけ顔を上げて俺の頬にキスをすると、あいつはまた俺の肩辺りに顔を押し付けている。
あいつがどんな表情で今の言葉を言ったのかはわからなかった。
でも…あいつが俺の事を好きらしい、と認識するには十分な一押しだった。

呆然としているとあいつが俺の胸を両腕で押し、突き放してきた。
びっくりしてあいつの顔を伺うと、笑顔だった。涙で目を真っ赤にしながら。

「お前…。」
「好きって言ったのは、あんたが昔に言ってたアレと一緒。」
「え?」
「友達として好き…ってやつ。私、あんたのこと好きよ。」
「…そうか、ありがとう。」

目を真っ赤にしながらそんなこと言われても、嘘だと言っているようなものだった。
ふと、あいつの目からまた涙がこぼれた。

「…私は嘘が下手ね…。誰かさんみたいに、もっと嘘が上手くなればいのに。」
誰かさんというのは小悪魔のことだろうか?
小悪魔は嘘が上手いというより、話術で相手に勘違いをさせるという感じだけど。

「………好きだから。」

そうやって俯きながら呟くと、あいつは走っていく。

「お、おい!待てよっ。」
口ではそうやって制止を促しても、足は動くことはなかった。
俺はあいつを追いかけようとしていなかった。

あいつのあんな姿を見せられて平静ではいられなかった。
どうするべきなんだろうか。…決まってる、俺があの子を本当に好きなら、断ることしかないはずだ。
だけど…思わず抱きしめたくなってしまうほどに小さくなっていたあいつに、俺はそんなこと出来るのか?
それはただの同情だろうか…。
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 03:30:30.82 ID:IV4GyO6o
>>787続き

気付いたら空は随分赤くなっていた。
俺は一体どれくらいの時間突っ立っていたんだ…とりあえず帰ろう。
帰りながら頭をめぐらす。今の関係を壊したくない。でも断ることしか出来ない。
いっそこの告白がうやむやになってしまえばいいのに、なんて最低な考えまで浮かんできた始末だった。


『…ねぇ、私だって君のこと大好きなんだけどぉ…。』

帰宅後、思わず小悪魔に相談の電話をいれる。
だけど小悪魔にはそう言われて拗ねられてしまう。いや、分かってはいるけど…。

「だからこそ、あいつの気持ち分かるかと思ったんだよ。」
『そんなこと言われてもねぇ。私と彼女は別の人間だから、わからないよぉ。』

「…だよなぁ。」

テーブルにうなだれる。そもそも性格だって全然違うものな。
性格…か。性格が違っても、人を好きになる気持ちって一緒なんだろうか。

「前にお前言ってたよな。」
『何を?』
「俺のことが好きだから、好きって言いまくって俺が好きになってくれるまで待つって。」
『そうだよぉ、今でも全然そのつもりだよぉ。』

テーブルに肘をついて、窓の外を見る。まだ少しだけ明るかった。

「あいつ爆発したみたいだった。すげぇ泣いて、好きって言われた。」
『…そう。』
「お前みたいに好きって相手に言いまくる方が、まだ楽なのかもしれないな…。」
『私は溜め込むの好きじゃないからねぇ。』
「性格の違いか。」
『そうだねぇ。でも君も溜め込んでる人だよねぇ。』
「…そうだな。」
『溜め込んでる気持ちはどう?』
「…もし今のままの距離が続くなら、恋人になれなくてもいいとかちょっとだけ思えてしまってるよ。」
『へたれー。』
「うるせっ!」
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 03:31:11.58 ID:IV4GyO6o
>>788続き

ベッドに移動して腰掛ける。
窓の傍に寄ったせいか、他の家の夕食の匂いがしてきた。

「もしあの子に好きな人がいたら違ったのかな。」
『どういうこと?』

ベッドの上で大の字になる。蛍光灯が目に入る。
そういえば天井にポスターとか貼ってるやついたっけな…。

「あいつ、俺があの子を好きなの知っている風だった。
 だから余計に気持ちが溜まって、爆発したのかなって…そう思ったんだ。」
『そうだろうねぇ、彼女の性格的に。』
「…俺そんなにあからさまだったか?」
『一度もしかして?って疑問を持って行動を見てみると、結構あからさまだったよぉ。』
「そっかぁ…じゃああいつ、結構前から知ってたのかな…。」

何とも言えない気分になる。好きな人が他の人を好き。片思い…か。

「…片思いってキツいか?」
『君だって中学生のときあの子に片思いしてたんでしょぉ?その時どうだった?』

そういやそうだった。

「キツかったよ。あの子はモテるしなぁ…。」
『一緒じゃない?君だって、今モテモテだもんねぇ。』
「はぁ…恋愛って楽しくないな…。」

なんて思わず呟いて小悪魔に笑われる。
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 03:32:13.60 ID:IV4GyO6o
>>789続き

『どうしたのぉ?哲学?』
「ちげーよ。」
『ねぇ、ところで。』
「なんだよ。」
『最初にも言ったけど、私だって君のこと大好きなんだよ?』
「…分かってるって。悪いな、なんかお前が一番相談しやすそうだったんだ。」
『相談しやすいって、ずぅーっと伴侶として最高っていうことじゃない?私と付き合っちゃいなよぉ♪』
「わりぃな、俺あの子が好きだから。」
『がーん。』

少しの間沈黙が続く。それにしても俺は好きだと言ってくれる小悪魔に対して、邪険すぎやしないか。
好きだと言ってくる度「俺あの子好きだから」って…なぁ。
小悪魔も最近はそれに慣れて、色んな反応を示してくるようになったけど。

『君があの子を好きなのは、見てればよく分かるよ。』
「…ん。」
『だから彼女もそれを凄く分かってるはず。それでも我慢出来ずに告白しちゃった気持ち、考えてあげて。
 そしてちゃんと断ってあげて。君はあの子が一番好きなんでしょ?』
「…わかってる。」
『実はうやむやになって終わればいいなーとか思ってたでしょぉ?』
「う、うるせぇな!お前エスパーか!」
『へたれー。』
「うるさいうるさいっ。」
『だって私にどうしたらいいか相談してくる時点で、その辺見え見えだよぉ。』
「ちっ、お前にはかなわねーな。」
『そんな気が利く私は伴侶には最高だよねぇ♪』
「ああ、そうだな。じゃあな。」

ピッ。携帯を切る。相談に乗ってもらっておいて、なんて切り方だよと我ながら思う。
でもまぁ俺と小悪魔の関係なんてこんなもんだ。
…冗談抜きで、一番仲良いというか近い存在なのって、小悪魔かもしれないな。

だから本音で相談できた。小悪魔も俺の気持ちを察してしっかり答えてくれた。
小悪魔の言うとおりだ。断ろう。うやむやになんて出来ない、しちゃいけないんだ。
あいつのためにも。
791 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/07(月) 03:34:30.72 ID:IV4GyO6o
今日はここまで。こういう感じの話って書いてて心が痛むぜ。


イリヤかー。すげぇ評判いいよねアレ。
同じ作者の別の作品持ってるんだけど、面白いからイリヤにも興味あるんだけど…。
アニメ…の方じゃダメですよねーwwwwwwwwwwなんかあれ黒歴史らしいしwwwwwwww
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 04:29:59.31 ID:hJjoEP2o
イリヤのアニメは一話だけ見たけど、どんな内容だったか記憶に無いよう

つーかラノベ全然持ってないや/(^o^)\
何かオススメの作品ってあるかな?
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 16:54:14.68 ID:IV4GyO6o
ぶっちゃけ俺もあんまラノベ持ってないっすけど。エロゲの方が(ry
イリヤ書いてる人が書いた鉄コミュニケイションのラノベのやつとか、
ウィザーズブレインとかが、俺が持ってるやつの中では面白いと思う。
あとハルヒやら狼と香辛料やらも面白いけど…アニメ化したやつは大抵面白いんじゃねww

とりあえず俺はイリヤを揃えてみようと思うんだぜ。
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 18:33:43.11 ID:NIW0nMEo
書いてくれるのはうれしいけどさ今まで散々放置しといて
信じて保守してたやつに何も言わないのってないんじゃないか
必死に盛り上げようとしてたやつもいたわけだし
勝手とは言わないが個人的にだけどちょっと改めたほうがいいと思うわ
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 23:25:37.91 ID:Nh6fqUDO
>>792
イリ(ry
アニメは…まあ6話完結じゃ頑張ったほうかなってレベルだありゃ。けど3話だけはヤバイ。後半のあのシーンは間違いなく殿堂入りです
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 23:37:15.38 ID:Nh6fqUDO
>>794
俺は書き手が来てくれたってだけで嬉しかったからな
でもおまえの気持ちもほんとよく分かる
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/08(火) 01:17:20.76 ID:V0tcPRko
>>790続き

翌日のあいつは凄くあからさまだった。
朝教室に入って目が合った途端、顔を真っ赤にして俺から目を逸らす。
俺も気まずくて仕方なかったから、なるべくあまり会話しないようにしていたものの、
ちょっと用事があって話しかけると今度は耳まで赤くして声を上ずらせて回答してくる。
「なにかあった」と周囲が簡単に気付けるほどの変化で…。
と、思ったけどクラスメイトから特になんやかんや言われることもなかった。
もう俺達に関わるのめんどくさくなったのかもしれないな。

それにしても以前「好きな人がいる」なんて言われたあと、
あいつは役作りしてるんじゃねーかってぐらいまるで変化がなかったもんだから、
今回もそんな感じなんじゃ…と思っていたが今回は思いっきり変化している。
ちなみに小悪魔はからかってこない。昨日話したからだろうか。
ただあいつの様子を見てはニヤニヤしている。

ちょっとしたことがあったのは昼休み。
ちゃんといつもどおり4人で屋上で飯を食ったのだけど、あいつの様子は朝から変わらない。
あの子はそれが凄く不思議そうで、昼食後あの子に呼ばれ二人屋上に残る。

「付き合い始めたの?」

なんて思わずジュースを吹きそうにになることを言われた。

「なんでさ!?」
「だって彼女の初々しさが何とも…同じクラスに、付き合い始めた頃あんな感じだった子がいるの。
 彼女のあなたに対する反応がそれに似てるなって思って。」

あいつの場合単純に俺に告白してしまった恥ずかしさからあんな感じになってるだけだけどな。
というわけで、どうやって誤解を解いたもんか。
…はぁ、正直になろう。告白されたってハッキリ言おう。

「付き合いはじめたわけじゃない。」
「じゃあどうしてあんな風になってるの?」
「…告白された。」
「へ?」
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/08(火) 01:18:00.28 ID:V0tcPRko
>>797続き

あの子は一瞬きょとんとして、その後少し戸惑って。
色々考えたあと、結果的に状況を把握したようで、そうだな…あいつを心配するような、そんな目になっていた。

「じゃあ付き合うの?」
「いや、断る。」

またあの子はきょとんとした。どうして?みたいな表情で。

「俺には好きな人がいるから。」
「でも…彼女本当にいい子なのに。」
「分かってるよ、一番付き合い長いのは俺だ。よく分かってる。
 でもだからこそ、他に好きなやついるのに付き合うのって失礼だろ?」
「そんなに…そんなに好きな子がいるのね。」
「…ああ。」

本人を前にしてこんな話をするのも、ちょっと恥ずかしさがある。
あの子はというと、何か腑に落ちないような表情をしている。
俺があいつと付き合わないのがそんなに納得いかないんだろうか?

「何で告白しないの?」
「え?」

あいつと付き合わないことではなく、俺が「好きな人」に告白しないことが納得できないみたいだ。

「だって好きなんでしょ?相手の女の子も待ってるかもしれないよ?」
「…そうかな。」

俺があの子に告白しない理由。今は好きな人いない、と言われたから。
…なんて理由にならないな。あいつや小悪魔は俺が他の子を好きなの知って好きだと言ってくれてるんだから。
だったら俺があの子に告白しない理由ってなんだろうな?
簡単だった。単純に怖いから。まだ逃げてるだけ。

「………私ね、中学の時あなたのことが好きだったの。」
「えっ。」

ドクンッ。
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/08(火) 01:18:36.00 ID:V0tcPRko
>>798続き

心臓の音がこれでもかというほど耳に響いた。

俺なんじゃないか、とは思っていた。というか思い込んで勝手に自信にもした。
だけどあの子の口からハッキリと俺が好きだった、と聞いたのは初めてだった。

「だから分かる。後悔したくないなら、ちゃんと好きって言った方いいよ。」
「後悔…?」
「あなたは私のこと…好きじゃないみたいだったから、私から好きって言えなかった。怖くて。
 でも凄く後悔したよ…好きって伝えるだけで全然違うの。…今になって伝えられたね。」

あの子はそう言って笑った。昔は好きだったと言ってくれた。
でも今はそうじゃない、っていうのは、俺には少しキツい現実でもある。

「だから後悔しないように、砕けてもいいから伝えるべきだよ?
 …あ、ダメだね、砕けちゃったら。」
「…ああ。」

あいつのことを話していたはずだったけど、いつの間にか俺の恋愛相談になってたな。

「それじゃ…私教室に戻るね。
 それとね、断るなら断るでちゃんと言わないとダメよ。彼女に失礼なんだから。」
「分かってるよ。」

ったく、俺の周りのいるやつはみんないいやつだな。
小悪魔といいあの子といい、これでもかと言うほどあいつのことをしっかり考えてくれている。
みんなが優しい人間だから俺も居心地がいいんだろうか。

「それじゃあね。」
「あ、あのさ。」

あの子が扉を開けて校舎に戻ろうとしていたところ、何故か俺は引き止めた。
自分でもなんで引き止めたのか分からない。気付いたら止めていた。

「…何?」
「い、いや、その…。」
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/08(火) 01:19:08.58 ID:V0tcPRko
>>799続き

止めた理由に気付く。多分俺はあの子に伝えたかったんだろう。

「俺もさ、中学ん時お前のこと……好きだったよ。」

今も好きだとはまだ言えなかったけど、少しは前進しただろうか。
それを聞いたあの子は、少し驚いたような顔をした後、悲しそうに笑った。

「遅いよ。」

その言葉を呟いたあの子の表情は忘れられそうになかった。


「なぁ、放課後…いいか。」
あいつに声をかけると、今度は顔は赤くならなかった。
何かを覚悟したような表情で、少しだけ悲しそうに見えた。

「…うん。」

二人きりになれる場所なんて思い浮かばず、結局またこうして屋上に来た。
屋上だって邪魔が入るかもしれないけれど。

完全にもう夏だな。冬ならもう真っ暗な時間だけど、昼間かと勘違いする明るさだ。
今から真面目な話をするのを考えると、場違いなほどに明るすぎるけれど。
もうちょっと空気を読んで夕焼けにするとか、少しだけ暗くするとかだな…。

俺にはそんなことを考える余裕はあっても、あいつはそうじゃないみたいだった。
…当然か。

「ありがとう。」
「えっ。」
びくっ、とあいつの体が跳ねる。急に切り出しすぎたか。

「人に好きと言われるのは嬉しいから。」
「そう…そうね、感謝しなさい。」
そうやって強がって見せても、どこかいつものあいつではなくて。
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/08(火) 01:19:31.58 ID:V0tcPRko
>>800続き

「でもゴメン、俺はあの子が好きなんだ。」
だからそんなあいつを見るのがつらくて、はっきりと単刀直入に言うことにした。

「………うん、知ってる。」

あいつは笑った。今にも泣きそうな顔で。

「分かってて言ったもの。別に付き合いたいと思ったわけじゃない…もう我慢できなかっただけ。」
「…悪いな、その…お前は…前にも言ったけど可愛いと思うし、十分魅力的だけど…。」
「や、やめてよっ。あんたに言われても、う、うれしくなんてっ…うれしくなんて……。」

大粒の涙がコンクリートを濡らす。
昨日はその涙を、はっきりとは見ることはなかった。泣き声だけだったから。
シャツにはあいつの涙がしみ込んでいたけれど。
だから改めてそうやって涙を見ると、何か心にくるものがあった。

「あんたがあの子をどれだけ好きかは…知ってるから…ちゃんと告白しなさいよ!」
涙で顔をくしゃくしゃにしながらなのに、あいつはそうやって強がった。

「それと…ひとつだけお願い。」
「ん…なんだ。聞けることなら全然聞く。」
「忘れろ…なんて無理だろうけど、出来れば私があんたに、す、すすす、す、すきって言ったのは忘れて、
 一昨日までみたいな関係で…仲の良い友達として接して欲しい。」
「…わかった。俺もそうしてもらえると嬉しいよ。」

二人で顔を見合わせて、笑う。本当にそれが俺にとっても一番の幸せだから。

その後、どうせだからどこかに寄って行かないかと誘うも、涙で顔くしゃくしゃだから帰る、と断られる。
ついでに「あんた好きな子いるんだから、他の女の子を簡単に誘うんじゃないわよ!」と怒られた。
う、うーん…あの子はそういうこと気にする子だろうか…。

結局あいつを家まで送って、また明日な、と別れる。
あいつの告白を忘れて一昨日までの関係…は無理だと思う。
だからいっそ一昨日までの関係以上に仲良くなってやろう。
多分だけど…あいつもそれを望むんじゃないだろうか?
802 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/08(火) 01:20:36.94 ID:V0tcPRko
今日はここまで。

>>794
ごめんなさい。
正直俺はモチベーション上がらないと書くことも描くことも出来なくて、
だから後ろめたさもプラスされて数ヶ月ほったらかしになったりもして。
今回は長めの話がある程度思いついたからほぼ毎日書けてるけど、
そうやって書くことでほったらかしにしてたの許してもらえるかな?と思ってたのも事実です。

でも何事もなかったように戻ってこないで、しっかり言うべきでした。
今更ですが保守してくれてた人、今でも見てくれてる人、ありがとうございます。
本当にすいませんでした。

とにかく今は、それに報いるためにも、
文章も絵も稚拙だけど出来る限り毎日続けることを目標にやってます。
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/08(火) 18:22:02.53 ID:N4VQ3z6o
>>802
それが一番保守してくれてたひとたちもうれしいとおもうぜ
がんばってくらはい
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 01:22:32.15 ID:axBxLYYo
>>801続き

一方が上手くいけばもう一方が上手くいかなくなる。そんなことはよくあることだ。
というわけで、あいつの件は解決した。
いまだにギクシャクはしているが、時間の問題……でもないか。

とにかく、今は別の問題が起きているんだ!

それはあいつの告白を断った数日後。
あいつと今までどおりの関係でいこうと、ギクシャクしながら必死に会話をしていると、
忍者のように俺の背後にオタクが現れた。

「キャ!」
「え?…うおっ!なんだお前!」
「兄さん…話があるでやんす…。」

オタクに廊下へと引きずられていく俺。
お前なかなか力あるんだな。

「なんだよ、話って。」
「あの子のことでやんす。」

ぴくっ、と反応してしまう。
あの子のことだと…?毎日昼飯を一緒にしているんだ。特に変わった様子は…。
…変わった様子は受けないからこそ、オタクが言うことに興味を煽られ、
更には不安感までもが煽られる。

「…あの子がどうした。」
「転校生が彼女と仲良くしているのは知ってるでやんすね。」
「当たり前だろ…。」
「何やら最近新密度が更に増したらしく、付き合ってるんじゃ?という噂があるでげす。」

思わず廊下の壁を拳で叩いてしまい、周辺がシーン…とする。

「んなわけあるか…!」
「兄さん、あくまでも噂でやんす。」
「……そ、そうだったな…悪い…。」

あの子のこととなると急に頭に血が上ってしまっていけない。
それにしても、絶対ありえないだろ。あの子があんな軟派そうな男と付き合うなんて。
例えばサッカー男のようなやつだったらまだ理解出来るが…。
…って、ダメだ!サッカー男でもダメだよ!俺だよ俺!
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 01:23:17.99 ID:axBxLYYo
>>804続き

「……個人的には…でやんすが、やはり兄さんとあの子が恋人になるのを、望んでいるでやんす。」
「オタク…。」
「中学生のときから一緒でやんすからね。」
「俺、お前のようなやつと友達で、すげぇ嬉しいよ…。」
「影ながら協力させてもらうでやんす。」
「ありがとう…。」
「で、情報を提供する代わりに対価を要求するでやんす。」
「…は?」

「ギブアンドテイクでやんす。そうでげすね…あの子の情報となると…。
 重要度にもよるでやんすが、兄さんが日ごろ仲良くしてる彼女達の生写真1枚と交換…で、どうでやんすか?」
「………考えておく。」

お前のようなやつと友達でよかった、なんて撤回だっ。
くそう、最初からそれが目的だったな?こいつ。

…でもあいつと小悪魔の写真と引き換えに情報もらえるなら、安いもんか?
いやいや…急に二人に写真を撮らせてくれ、と言ったら不審がるに違いない…。
しばらくは自分で探ってみよう。それでダメなら…最終手段としてオタクとの情報交換だ。


だが探るとはいえあの子は隣のクラス。
休み時間のたびにちょこちょこ覗きに行くものの、時々さわやか野郎と会話をしているが、
それ以外は女子生徒と会話を楽しんでいる…。これじゃさっぱりわからん。
昼飯の時にさりげなく探りをいれようとしたが、どう探りをいれればいいかわからず…。
うぅ、俺絶対に刑事とか向いてないよ…。

しかしひとつ分かったことがある。今週末遊びに誘ったら、断られた。
用事が入ってるから…ごめんね、とのことだ。
つまりこれは…あの男とデートするんじゃないだろうか…?
そう推理した俺は、週末はあの子を尾行することにした。
…いや違う、たまたまあの子と同じような場所で遊ぶことにした。尾行じゃないよ。
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 01:24:02.36 ID:axBxLYYo
>>805続き

「というわけで、尾行ってどうしたらいいのかわからん。」
「そんなこと私に聞かれても知らないよぉ。」

いやお前が一番そういうことには博識そうだから聞いたんだが。
尾行…もといたまたまあの子と同じ場所で遊ぶことを決めた俺は、
早速どうやったらあの子にバレないかを考えることにしたのだが、
とりあえずそういうことが得意そうな小悪魔に相談してみた。

「大体尾行しても無駄だよぉ、あの二人付き合ってるよぉ。んふふ。」
「ま、まだわからないだろ!?」
「だからって尾行して確かめようっての?まったくあんたは…。」

あいつは呆れ顔だった。

「なんにせよ、私は協力しないよぉ。」
「な、なんでだよぉー。協力してくれよ…。」
「…私、あの彼のこと好きじゃないのぉ。」

小悪魔は嫌いな食べ物のことを思い出したような表情で、そんなことを言った。
意外や意外…あんなイケメンのことを嫌いなやつもいるんだな。

「なら余計協力してくれよ!」
「あの彼に近づきたくないのぉ。常に何かたくらんでるような目が嫌…。」
「確かに私もあんまり好きじゃないかも…。」

そんな小悪魔やあいつの話を聞いてると、いろんな不安が掻き立てられる。
元々は「あの子をとられる」という不安だったのに、
あの子のこと自身が心配になって…。やっぱ尾行しよう。あ、尾行じゃなくて…もういいや。

「…尚更尾行して確認しなきゃいけなくなってきたな。」
「頑張ってねぇ。」
「…本当に協力してくれねぇの?」
「だってぇ…じゃあ代わりに助言をしてあげる。えっとねぇ、まず対象との距離は…。」
「やっぱお前プロじゃねぇか。」
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 01:24:35.27 ID:axBxLYYo
>>806続き

いつだったかあの子とのデート先に小悪魔とあいつが現れたことがある。
小悪魔はオタクに場所を聞いたと言っていたが、
そもそも俺とあの子がデートする約束をした現場を小悪魔におさえられていて、
だからデートしているのがバレたわけだよな?
そう考えると、もしや俺ってずっと小悪魔に尾行されてるんじゃ…。
……んなわけないか。

「しかしなぁ…一人じゃ心許ないな。」
「男の子なんだからぁそんな弱気なこと言ってるとモテないよぉ。」
「でも………ん…。」
「…な、何よ。」

もう一人頼りになりそうなのがいるじゃないか。小悪魔とは別の意味で。

「手伝ってくれるか?」

俺はあいつに向き直って、あいつの目を凝視しながらそう言った。

「い、いや、私は、そういうことしたくないし…。」
「頼むよー手伝ってくれよ…。」
「でも…。」
「あの子がどうなってもいいのかよー?な、頼むよ。」
「……わ、わかったわよ…。」

相変わらずあいつは押しに弱かった。


「なぁ、これから尾行するの分かってるか、お前。」
「分かってるわよ、それが何か?」

あいつは動きにくそうな格好でやってきやがった。
ついでに目立つ。通りすがった男はみんな一度こっちを見てる気がする。
ったく、そんな長い足でミニスカートなんてはくんじゃねぇよ!
お、思わず見ちゃうだろうがっ…。

それにしても、少し前にフッたばかりの女の子とこうしてるなんて、
なんか不思議な感じだな…おかげでギクシャクも少しは解消されたけどな。
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 01:25:00.34 ID:axBxLYYo
>>807続き

「あ…おい、二人とも来たぞ。」
「そうね。……彼女なかなか可愛い格好で来たわね?」
「う、うぐぐ…許すまじ…。」
「……私もなかなか可愛い格好で来たと思うけど…。」
「ん?なんか言ったか?」
「な、なにも言ってないわよっ。」

二人は今日はショッピングをメインに楽しむつもりらしい。
さわやか野郎は笑顔であの子に積極的に接し、
あの子も笑顔でさわやか野郎と会話をしている。
むかつくほどにお似合いカップルな感じで、怒りを通りこして情けなくなってきた。
はぁ…俺じゃ、あの子とはお似合いになれないよな…。

「ねぇ、この服可愛いと思わない?」
「…っていうかなんでお前は普通にショッピングを楽しんでるんだよ。」
「え、だってどうせだし…。」


二人が喫茶店に入ったのをきっかけに、俺達も外が見やすいファーストフード店で一休み。
なんだか尾行してる自分が惨めに思えて仕方なくなってくるぜ。

「そういえば、今度新しいお店が出来て…。」

あいつはあいつで、あんまり本気で尾行する気なさそうだしな…。

「あの二人、お似合いって感じだったよな…。」
「…そうかもね。傍から見てれば。」
「はぁ…。」

ああ、もう尾行するのやめて、今日はあいつと二人で楽しもうかな…。
そんな気持ちになってくる。
どうせあいつと二人でいたとしても、あの子の顔ばかりが思い出されるのだろうけど。

「…でも私としては、やっぱりあの転校生の人は好きじゃないし、
 彼女が付き合うなら…あんたが一番合ってると思うわよ…多分。」
「……そうかなぁ。」
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 01:25:39.27 ID:axBxLYYo
>>808続き

あいつに慰められてしまった。少し前に俺に告白してきたばっかりのあいつに。
うう、更に自己嫌悪だ…。
っていうかそもそも、あの子の様子を尾行する場にあいつを連れてきたこと自体ダメだよな?
俺何やってるんだろう…あいつの気持ちまったく考えてないじゃないか…。

「ほら、元気出しなさいよ。その…わ、私のことフッたんだし…。
 せめてあんたがちゃんと彼女と付き合わないと、私の気は済まないわよ。」

あいつは果てしなくいいやつだった。


喫茶店を出た二人は映画館へと向かう。どうやら今日の本当の目的は映画らしい。
暗闇の中で何をしやがる気だ…!あの野郎…!ハレンチなやつめ!

遠巻きに観察していると、さわやか野郎が映画の割引券を取り出した。
その割引き券から、二人が見るであろう映画の特定に成功する。
とはいえ…その映画以外に他に見るものあるの?というラインナップだったが…。
公開後数週間が経っている話題のアクションムービーだ。
俺のように下心まんまんでホラー映画に誘わなかったことは褒めてやる。

チケットは全席指定だったため、もし近くになったらどうしよう…と不安だったが、
劇場に入ってみると、二人はやや前方、俺達は後方だったので安心する。
それにしても劇場に入る時、よくバレなかったな…。
俺は帽子をかぶってるからいいんだが、前述どおりあいつが目立つ。
いやむしろいつもより可愛らしい格好してるからバレなかったのかもしれないな。
まぁとにかくバレなかったので何よりだ。

しかし問題が起きる。映画がはじまってしばらくした頃。
映画公開後数週間経っているせいか席は「そこそこ埋まっている」程度だったのだが、
突然さわやか野郎が席を立つと、後ろの方にやってきたのだ。
おそらくトイレに行くんだろうが、前方に人が固まっているせいもあってか、
その人たちの邪魔にならないようにわざわざ上を通るつもりらしい。
くそ…!いらん配慮を…!
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 01:26:08.48 ID:axBxLYYo
>>809続き

俺やあいつの顔をさわやか野郎が知っているのかは分からないが、
あの子と付き合おうとしているのだとしたら、俺の顔くらいは知っていそうだ。
というわけで、慌てた俺はあいつに覆いかぶさるようにして身を潜めた。

「(なっ…!!)」
「(しっ!静かに!)」

さわやか野郎が通り過ぎるのをじっと待つ。
場内は暗いし、まず間違いなく気付かれないはずだ…。
……数秒後。さわやか野郎は場内を出たようだ。
って、戻ってくるまでこの状態じゃなきゃまずくないか…?

「(悪い…もうちょっと我慢してくれ。)」
「(あ、あの…私、突然こんな…フラれたばっかりなのにっ…。)」
「(何言ってんだよ。とにかく我慢してくれ。)」
「(が、我慢って…恥ずかしいのにっ…。)」

さわやか野郎が戻ってきたのを感じる。…予想通りまた近くを通った。
無事に元の席に戻ったのを確認する。はぁ、なんとかなった。

「(…よし。)」
「(ッ!!わ、私…まだ心の準備が…。)」
「(へ?何言ってんの?)」
「(で、でもあんたがどうしてもって言うなら…別に、私はっ…。)」
「(……な、何言ってんだよお前!違う!別に俺はだな!)」

そこでまだ覆いかぶさったままなのに気付き、慌てて起き上がる。
あいつも起き上がって…く、くそっ。またギクシャクしちゃうじゃないか。
もう映画の内容は頭に入らない。
あの子達のこともチェックしなきゃいけないのに、頭に入らない。

結局暗闇の中あの子達には何もなかったみたいだ。何かあったのは俺達の方で。


日も暮れる頃。あの子はさわやか野郎に手を振ってわかれ、帰路についた。
はぁ…こんなんなら尾行しなくても全然問題なかったな…。

「あのさ…私が言ったこと、忘れてね…。」
「…あ、ああ…。」

色んな意味で強烈で、しばらく忘れられそうにないけどな…。
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 01:26:49.67 ID:axBxLYYo
>>810続き

翌日。一応あいつと廊下で昨日の反省会をする。映画館のことには触れずに。

「少なくとも彼女の方は、単純に友達としてしか見てなかったように思うわ。」
「そうか…問題は転校生の野郎の方だな。」
「それはあんたの方が気持ちよく分かるんじゃないの?同じ男なんだし。」
「うーん…わからん。」
「はぁ…ダメ男ね、まったく。」
「なんだとっ!?」

「あれ?君たちは。」

声をかけられて、振り向くとそこにはさわやか野郎とあの子。
ちなみに俺はさわやか野郎と今まで会話したことがない。

「君たち、昨日映画館にいたよね?」

さわやか野郎の言葉に、思わず体が硬直する。
バレてた…?嘘だろ?いつ…?映画館でバレるわけが…入場の時か…?

「え、そうなの?」
あの子が驚いたような顔でこちらを見る。

「そういえば同じ学校の人だった気がするな、って思ってたんだけど、
 君たち二人いちゃついてるようだったから声かけられなかったよ、ははは。」

な、なんだと…?でも落ち着けよ、俺。
たまたま映画館にいただけで、俺とこいつは仲が割りといい方だから、
たまたまいちゃいちゃしてるように見えただけじゃないか?とか、そんな言い訳をすればいい。
あの子は俺達の関係も知ってるわけだから、それで解決…。

「いやぁ、たまたま…。」
「な、なななな、何もしてないわよっ!ほ、ほんとうなんだから!」

先にあいつの方が取り乱していた。

あいつの狼狽振りを見て、あの子の視線が俺を向く。
取り乱したあいつにつられて、俺も慌てた顔をしていたんだろうか。
俺の表情を伺うと、あの子は微笑みながら、
「そうなんだ。」
と言ってさわやか野郎と共に隣の教室へと戻っていった。

ち、違う待ってくれ…!誤解なんだよっ…!
812 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/09(水) 01:31:33.05 ID:axBxLYYo
今日はここまでー。

ところで、このスレに載ってる話とかって、暫定まとめにでも載せておいた方いいんですかね?
なんやかんやで気付いたら800超えてしまってるし…。
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 03:27:54.46 ID:i/UPLpIo
デス氏今日も乙!

個人的には読み返せるように載せて貰った方がありがたいかなーww
最近のスレの速度じゃすぐ1000行きそうだしwwww
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 23:06:09.23 ID:8qXCJBko
まとめ更新待ち遠しいです><
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/10(木) 01:29:39.23 ID:cT9T/Aco
>>811続き

あれから昼飯も気まずい空気が漂うようになった。
女の子同士で会話してるときはいいんだが、
俺が混ざるとあの子はずっとニコニコしているんだ…。
笑顔って怖いです…。

その笑顔だけで言わんとしていることは理解出来た。
なんで告白断ったのに一緒にいるの?ってことだと思う。
何故私に相談してくれなかったのかなー、とかそういう感情もこめられてるような…。
なんとなく嫉妬からくる怒りではなさそうなのが、何よりも残念だ…。

そんなニコニコして怖いあの子を見て、あいつは責任を感じるばかり。
私のせいだ…と凹んでいるが、どう考えてもあいつのせいじゃない。
あいつは俺のことを本気で応援してくれているようなので、ここからなんとか挽回しねぇと…。

というわけで、尾行なんていう女々しい作戦はもう終わりだ。
ここからは男らしく!さわやか野郎からあの子を取り返す!

早速あの子との接点を増やすため、以前一時期こき使われてた生徒会にお邪魔する。
生徒会長に頼んで、しばらく雑用として使ってもらえることになった。あの子専用の雑用として。

そんなわけで、今こうして、二人きりになれたんだが…。

「あの…。」
「うん、それはこっちね。」
「お、おう。そんでさ…。」
「あれをこっちに持ってきてくれる?」
「…は、はい、わかりました…。」

話を聞いてもらえそうになかった…。


結局雑用が終わるまで一切俺の話を聞いてもらえることはなかった。
もしあいつと遊びに行ってたことに腹を立ててもらってるんだとしたら、それは嬉しいけど。
そ、それにしたって弁解することすら許してもらえないとは…。
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/10(木) 01:30:17.09 ID:cT9T/Aco
>>815続き

「あの、ところで…。」
「そういえば昨日のドラマ見た?」
「…見たけど…。」
「私あんな展開になるなんて思ってなくて、びっくりしちゃった。」

こうして並んで下校してても、俺の話は聞いてもらえないぜ。
あ、明らかに怒ってる…だって目が笑ってないんだもん…。

「な、なぁ!ちょっと聞いてくれ。」
「……なに?」

強い口調で言うと、ようやく…ってやっぱり目が笑ってない。怖い。

「…さ、最近よく転校生と遊んでるらしいな。」
「うん。」
「なんであんなやつと…。」
「だって誘われて、特に用事もなければ断る理由もないもの。」
「そりゃそうだけどさ…。」
「それに、あなただって同じでしょ?」
「うぐ…。」

そういってあの子はニコリと笑い…。
ぐ…まったくもってその通りだから何の反論も出来ない…。
俺があいつと遊んでたのはお前を尾行するためだからだ!とハッキリ言うか?
い、いや、そんなこと言ったらドン引き間違いなしだ…落ち着け俺。

いっそお前が好きだから嫌なんだ、と言ってしまうか?
え、えぇ…?こんな場面で告白しちゃうの?嫌だなあ…。
だったら他に何か反論を…!くそ、このままじゃあの子はさわやか野郎と…。

「ね?別に彼と遊んだって、おかしいことはないでしょ?」
「でも………いいや!やっぱダメだ!あんなやつと遊ぶなっ。」
「…どうして?」
「俺が嫌だから!!」
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/10(木) 01:30:42.18 ID:cT9T/Aco
>>816続き

本音をぶちまけた。だってそれ以外に言うことがなかったんだっ。
それを聞いたあの子はぽかんとしていた。
当然の反応だよな、我ながら子供のわがままみたいなアホなことを言っている気分に…。

「それとだな!別にあいつとはいちゃいちゃしてないっ!
 あの転校生の野郎が見間違えただけだっ!わかったな!?」
「…う、うん。」
「よしっ。言いたいことは全部言った。」

「…ふふ。変なの。」

あの子がいつもどおりの笑顔で笑ったのを見てホッとする。

「嫌だから遊ぶな、って言われても困っちゃうよ。」
「本音だから仕方ないだろ。」
「じゃあ用事がなくても断れって言うの?お友達なのに、そういうことしたくないな…。」

それを言われると弱る。どうしたもんか…。
…ん?じゃあ俺が用事を作ってしまえばいいんじゃないのか?

「…よし、来週遊ぼう。」
「え?ええと…うん、大丈夫だったと思うけど…どうしたの?急に。」
「再来週は暇か?」
「…多分。」
「よし決めた。どうしても外せない用事がある日以外、俺と遊んでくれ。」

って、すげぇ強引なことを言っているな俺は。

「…うふふ、本当にどうしちゃったの?大丈夫だけど。」
「なんでもない。なんとなくな。」

強引だろうが関係ないな、OKをもらえたんだ。これであの子と転校生が遊ぶことはなくなるわけだな!?
名付けてさわやか野郎より先に予定を入れちゃえ作戦だ。
してやったり!

おかげであの子と遊ぶ時間も増えて、一石二鳥となった。
ちなみに生徒会の雑用は、近々学園祭があることもあってしばらく続けることになった。
あの子にこき使われる分にはむしろ楽しいから問題ない。
818 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/10(木) 01:33:26.88 ID:cT9T/Aco
ちょっと短いけど今日はここまで。右手の小指が痛くてキーボード打ちづらい…。

んじゃ暫定まとめの方に、とりあえず今俺が投下してる話は補完しとくんだぜ。
余力があったら、他に補完しきれてない話も補完しときたいけど…。
どの辺からまとめにも暫定まとめにも暫定まとめ2にも載ってないんだろうか?
819 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/11(金) 02:13:31.91 ID:j2S2BKco
ごめんなさい、ちょっと今日無理っぽいっす。
明日は大丈夫だと思うんで、また明日来ます
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/11(金) 10:30:13.83 ID:0CsjuMDO
おつ
どのへんからかはわからんな
とりあえず自分がやってる話だけでいいんじゃない?
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 04:36:53.45 ID:pE0l1Ako
>>817続き

「…というわけであの子と転校生の野郎の仲を引き裂くことに成功した。」
「最初から強引に誘えばよかったんじゃないのぉ?」
「本当そうよね。尾行なんてしないで。」
「う、うるさいな…結果的になんとかなったんだからいいだろ?」

休み時間にこうして3人で向き合って雑談するのは恒例行事となっているが、
最近は何故か俺があの子のことを話すことが多い気がしてならない。
…いや俺が勝手に話してるのかな?
小悪魔もあいつも俺があの子を好きだと知ってる今、あまり気にすることもないからな…。

とはいえ、俺に好意を寄せてくれてるその二人の前でそんな話するのもアレだが。

「だけど俺ってデートとかに疎くてさ。」
「…デート?デートね…ふーん。」
「な、なんだよ…。そんで、もしよかったらデートに最適な…デートスポットとかをだな…。」
「いいよぉ、私が教えてあげる♪」
「ほんとか!?」
「ただし、いっかい私ともでーとしてね♪」
「……は?」

小悪魔によるとこういうことらしい。
実は学園祭実行委員な小悪魔は、色々と小道具のチェックなんかをしなくちゃいけないらしく、
ようはまぁそれに付き合えということだ。
ウチのクラスが何をやるか決まってもいないってのに…。
逆に「何をやれるか」を計りにいくという意味もあるらしいが。

「…まぁ、あの子も一緒なら。」
「えぇー…。」
「だって仕方ないだろ?この先しばらく休みの日は予定はいってるんだから。」
「しょうがないなぁ…。じゃあ早速今週末にGO!」
「…私も行きたいけど、今週末は用事ある…。」

あいつがしょぼくれているが、なんだ、一人だけ仲間はずれなのが寂しいのか。
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 04:37:29.32 ID:pE0l1Ako
>>821続き

「一応あの子に相談してくる。NG出るかもしれないしな。」
「彼女はそんなことしないよぉ。第一NG出たら困るのはキミじゃないのぉ?
 あぁ!どうしよう!もうデートコースがないよう!って迷った挙句、
 先週行ったばかりのところに連れて行ってダメな男…って思われたりしちゃうよぉ?」
「うっ…わ、わかってるよっ、しっかり了承もらってくるだけだっ。」


「うん、いいよ。」

しかしこうもあっさり了解を得ることが出来るとちょっと複雑だよな。

「即答だな…。」
「私も小道具の確認は同じクラスの実行委員さんに頼まれてたの。」
「へぇ、生徒会も大変だな…。」
「うふふ、むしろ生徒会でもないのに雑用してるあなたの方が大変だと思うよ?」
「はは。そりゃそうだ。」


そんなわけで時間は飛んで週末の土曜日。
ちなみにあの子の暇な休日の予定を全部頂いてる俺は、明日もあの子と遊ぶ予定だ。
とはいえ明日はあの子の家にでもお邪魔してゲームをするつもりだが…。
夏休みに落ち物ゲーであの子にボコボコにされた屈辱を、俺はいまだ忘れてやいないのだから。

「おっまたぁー!」
「よう。」
「あれ?彼女はまだ来てないのぉ?」
「いや、もう来てる。ちょっと用事があるとかで今はいねぇけど。」
「そっかぁ…じゃあベタベタし放題だね?」

小悪魔はスルスルと俺の腕に自らの腕を絡ませてくる。
くっ、こいつはなんかタコみたいなやつだなっ!くっついたら中々離れないし!
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 04:38:05.66 ID:pE0l1Ako
>>822続き

「やめろバカ!まだ暑いんだから、ベタベタとまとわりつくなよっ!」
「えぇー、でもぉ、二人が仲いいってとこ、周りの人に見せ付けたいし…。」
「よくねぇ!仲よくねぇよ!」
「嘘ばっか。だって、ほっぺにちゅーも何回かしてるんだよぉ?」

俺の腕が小悪魔に強く引き寄せられ、体勢を崩す。
すると頬に柔らかい感触。またしても小悪魔にほっぺちゅーされたのだった。

「お前なっ…!」
「んふふ♪」

「…おまたせ。」

気が付くとあの子が戻ってきていた。や、やべぇ、見られた!?

「あっ。二人が仲いいとこ、見られちゃったねぇ…。」
「うふふ、そうね。とっても仲いいわよね。」
「バレちゃったー!どうしよぉー?」
「どうもしねぇよ!仲良くねぇよ!いい加減離れろバカヤロー!」
「女の子に向かってバカだなんてひどいわ。」
「そうだよぉ!ひどいひどーい!」

ああもうどうにでもしてくれ…。
そしてあの子は誤解を真に受けたような表情をしているし。
違うんだ誤解なんだ…いや、ほっぺちゅーされたのは誤解じゃないけど…。


小悪魔に連れられてやってきたのは、貸衣装屋だった。

「…コスプレでもする気か?」
「うーん、それもありかもねぇ。コスプレ喫茶とかねぇ。」
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 04:39:03.86 ID:pE0l1Ako
>>823続き

そうだな、それもありだな。お前とあいつがいりゃ客も沢山来るだろうな。
きっとやたらと高いコーヒーとかがあっても売れるに違いない。
目の前で特製ミックスジュースとか作っても高く売れるに違いないな。
…立派なぼったくり喫茶の完成だ。

「でもまだ何も決まってないし、とりあえず使える衣装とかあるかなぁ?って…。」

そう言って小悪魔が手に取る衣装がどれもちょっと過激で…。
思わずちょっと想像してしまうから困る。鼻血が出る前にやめてくれ。

あの子はというと…メイドやらウェイトレスやら、そういう衣装に興味あるようだ。

「このフリフリ可愛い…着てみたいな…。」

是非来て欲しい。喜んで会いに行く。

「ねぇねぇ、これとかどう?」
「あん?なん……ブホァッ!!!」

いつの間にかSM女王みたいな格好になっている小悪魔がいた。

「ねぇ?どーお?」
「ど、どうもこうもあるか!いいわけないだろそんなもん!」
「でもさぁ、ほら、これでこうやって…エイッ!」

鞭のような物で俺のケツが叩かれた。

「うっ……って感じるかバカ!いいからそんな格好はすぐにヤメロ!」
「えー…えっちでいいのになぁ…。」
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 04:40:01.83 ID:pE0l1Ako
>>824続き

だから目に毒なんだよ!ったく…あの子の趣味とは正反対だな…。
そう思いつつあの子の方を振り返ると…。

「どうかな?」

さっきのメイド服に身を包んでいるあの子がいた。
思わず俺は絶句してしまう。メイドというよりお嬢様だったけれど。
ああ、このメイドさん、いったいいくらで雇えるの?

「…変?」
「い、いや!そんなことない!すげぇ似合ってる!」
「本当?うふふ、お世辞でも嬉しいな。」

楽しそうに笑うあの子を見ていると幸せな気分になる。素敵なメイドさんだ…。

「ねぇねぇ!これなんかどお?」
「ん、今度はな……ブハッ!!!」

今度はバニーの格好で小悪魔がそこにいた。
しかも前かがみで、胸を腕で寄せながら…。
し、刺激的すぎる!こんなもん高校生がやっていい格好じゃねぇ!
っていうか何より俺自身に刺激が強すぎる!鼻血が出そうだっ…。

「今すぐ着替えろ!」
「えー?ダメー?」
「そんなもん、学園祭で実際に使えるわけがないだろー!」


そんなこんなで貸衣装屋では小悪魔に振り回されっぱなしだった…。
こいつといるといつもこんなんだけどな。
まぁそれも悪くないな、なんて思ったりしているのも事実だけど…。

「へぇ、ここのお店美味しいね。」
「でしょー?私も偶然発見したんだけどねぇ。」

そんな女の子同士の会話を眺めているのも中々楽しかったりする。
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 04:41:49.93 ID:pE0l1Ako
>>825続き

でも気になるのは、俺とあの子が向き合う形で、小悪魔が俺の隣にいることだ。
…この場合、むしろ小悪魔はあの子の隣に行くべきじゃないのか?
というか俺があの子の隣に行きたいんだけどな。

「ねぇ聞いてるー!?」

ガシッ、と小悪魔が腕にしがみついてくる。
今日何度もしがみつかれているせいか、段々慣れてきてしまった。
離れろ!と怒るのがめんどうになっただけかもしれないが。
け、決して感触がどうとか、そういうことじゃない。

「え?なんだ?」
「もぉー!聞いてなかった罰!とりあえず頷いて!」
「はぁ?なんで?」
「いいからぁ!」
「…わかったよ。」

コクリと頷く。それが何を意味するのかさっぱり分からないまま。

「ほらねぇ?彼は私のこと好きなんだってさー。」
「はぁっ!?」
「うふふ、今のはちょっと強引じゃない?」
「でも頷いたでしょお?」
「そうね。」

いや、あの子も笑ってないで…!くそ、本当俺は小悪魔に振り回されっぱなしだ。


俺とあの子の家は、あいつや小悪魔の家よりも近いため、
結局毎回必ず俺とあの子が二人きりになる時間は用意される。
というわけで、今がその時間だ。

「…そういやさ、今日のアレ、真に受けるなよ?」
「彼女のことが好きだって話?」
「バッ…!だから真に受けるなって。」
「うふふ。」

あの子が楽しそうなのを見て、おそらく誤解してるわけではないな、と思う。
あの子も小悪魔がああいう性格なのを分かりきってるからだろう。
とはいえ小悪魔のボディータッチの多さときたら…。
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 04:42:26.22 ID:pE0l1Ako
>>826続き

「そういえば。」
「ん?なんだ?」

突然足を止めたあの子は、くるりと俺の方を向いて俺の目をジーと見た。

「…なんで嫌なの?」
「え?」
「私が転校生の彼と遊ぶのが嫌だ、ってあなた言ったよね?」

うっ…その質問を俺の目を見ながら聞くのか!?
恥ずかしさのあまり俺は思わず目をそらしてしまった。へたれめ…。

「なんで?」
「そ、それはだな…。」
「うん。」
「………ま、前にお前も言ってたけど……嫉妬、かな…うん。
 ウチの高校の男子では俺がお前と一番仲良いし…。」
「付き合ってもいないのに?」
「そ、それはお前だって一緒だろう!?」
「あ…うふふ、そうだね。」

小走りで走り出すあの子を、まだ恥ずかしい俺は歩くような速さで追いかける。

「男の子でも嫉妬するんだね。」
「するよ。すげぇする。」
「そうなんだ……。」
「…な、なんだよ。」
「なんでもない♪」

満面の笑顔なあの子を見て、思わず顔が赤くなる。

その後笑顔で手を振るあの子と別れたあとも、まだ顔は熱いままだった。
男の嫉妬なんて女々しくて嫌われるかもしれないと思ってたけど、
女の子も嫉妬してもらえるのは嬉しかったりするんだろうか…?
俺は嬉しかった。だって、好きな女の子に嫉妬してもらえたんだからな。

…あれ?それって…。
もしあの子が、俺が嫉妬していることを喜んでいたとしたら、
もしかしたらあの子は…俺の事を…。
……なんてな。発想が少し突飛になりすぎだ。

ひとまず今日は早く寝ることにする。もしかしたらメイドさんなあの子が夢に出てきてくれるかもしれない。
インパクトで言えば女王な小悪魔やバニーな小悪魔だけど…。

あ、ちなみに、小悪魔からは約束どおりメールでデートスポットを教えてもらった。
いくつか「こんなとこ行けねーよ!」っていう場所も含まれていたけど…。
828 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/12(土) 04:44:55.21 ID:pE0l1Ako
ここまでー。外で雷なりよるー、超怖え…。
っていうかパー速のスレって容量なんぼまでおkなんですかね?
そろそろ500KBになっちゃいそうなんですけど…。

>>820
おk、とりあえず今書いてるのだけ載せておきます。
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/13(日) 03:34:57.57 ID:FZlfudQo
おつおつ
500kbで止まったらスレ立てて避難所に報告でいいんじゃね?

>>1000取ってあの子を嫁に貰いたかったがwwwwww
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/13(日) 12:55:32.09 ID:K3UK2koo
>>829
まてまて。1000は俺と小悪魔のために存在するんだ
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/13(日) 16:56:13.21 ID:8X1biADO
おいおい……1000は俺とあいつのためにだな…
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/15(火) 08:36:54.97 ID:herTx.DO
あいつはまだかぬぬぬ(´ω`)
833 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/17(木) 00:37:42.32 ID:KGAv2nAo
ごめんなさい、ちょっと来れませんでした><
話の続きもう少し待ってください…。

暫定まとめに載せる作業は今やってます。明日辺りには終わると思います。
久々にhtmlいじったから思い出すまでに時間かかった…。

あ、ところでイリヤの1巻買ったんだけど、面白いっすねコレ。
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/17(木) 17:41:35.87 ID:8umAZIDO
そうかそうか
しかしまとめサイトの更新も久しぶりだなww
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/18(金) 00:48:18.56 ID:6johL/Io
おもろいよな。全4巻であまり長すぎないのも好きだな
836 :デス ◆s9p/K6FE/2 :2008/07/18(金) 03:37:57.46 ID:sCb77sko
終わったー。いじり方思い出したら思い出したで、あと単純作業だからめんどくs(ry
一応もっかいアドレス載せておきますね。
http://www.mni.ne.jp/~sytst/aitsulove.htm

イリヤはあれ、もし巻数二桁だったら、正直買ってなかったかもしれないwwwwww
全4巻だと知って思わず衝動買いしてしまったぜ…まだ1巻の途中だけど…。
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/18(金) 20:07:01.45 ID:.wc/4DQo
>>836
おつおつ
俺も本読みたいけどなにか面白い本はないだろうか
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/21(月) 23:04:03.86 ID:dNuM7dko
(´ω`)時が・・・
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/22(火) 02:49:52.48 ID:.qKpCHwo
まとめ更新乙です

>>837
宝島社から出てる、「この○○がすごい」系のガイドブックの上位とか、
「本屋大賞」の上位に出てる作品ならだいたいハズレはないと思うよ

それ経由で読んで良かったのが、覚えてるのだと「ホワイトアウト」とか「クライマーズ・ハイ」とか、
ラノベなら「狼と香辛料」とか・・・
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 22:07:59.73 ID:FhnBYX.o
>>839
狼と香辛料か・・・アニメの方が個人的に微妙だったからな・・・
クライマーズハイあたり読んでみよっかな
あと最近読んだクビキリサイクルが結構おもしろかった
841 :α :2008/07/25(金) 07:01:26.63 ID:VwEmAE.o
みなさんゴメン、ちょっとデス氏お休み中の間、
少し続き書こかと思って書いてたんだけど
切りのいいとこまで終わんなかったです><

そろそろ仕事も落ち着くかと思ってたのに、
急にまた忙しくなって・・・とちょい言い訳ww

今日は帰ったらやりますんで、しばしお待ちを。。。
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/25(金) 11:40:22.74 ID:KifWnUDO
待ってるぜ(´ω`)
843 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/07/27(日) 20:13:03.58 ID:2PDL.wUo
>>827 つづき

それからしばらくした、ある日のこと。

昼休み、俺たちはいつものように屋上で飯を食って、ダベっていた。
残念ながらあの子は生徒会の仕事で呼び出されて、弁当だけ食い終わったらすぐに行っちゃったけど。

「──ところでさ、今度の学園祭、私たちも何かやる? うちのクラスは特に予定ないわよね」
「そぉねえ・・・転校してきたばっかりでわかんないけど、学園祭ってどんな雰囲気なのかなぁ?」
小悪魔とあいつは、今度の学園祭のことで何やら話し合っているらしい。

「私もよく知らないけど・・・ね、あんたは去年どうしてたの?」
「・・・ん」
あいつが話を振って来たみたいけど、俺はその時ちょっと忙しくて、適当に聞き流していた。

「ねぇってばぁ〜。わたしたち転校して来たばっかりだし、去年のこととか教えてよぉ」
小悪魔にもゆさゆさと肩を揺すられる。
ちょ、よせって。危ねぇだろ、死んだらどうすんだよ?

「もう! ちょっとあんた、ちゃんと聞いてんの!?」
とうとう焦れたあいつに、グイグイ耳を引っ張られた・・・

「痛い痛い痛い!!ちょ、やめろってば!」
「あんたが全然聞いてないからでしょ! ゲームに夢中になっちゃって、ほんとガキなんだから!」
「うっせーな、今いいとこだったんだよ。もうすぐ中ボス倒せそうなのに」
「・・・」
俺が言い返したら、あいつに凄く冷たい目で睨まれた。
仕方なく、俺はクラスの奴から借りていたPSPの電源を落として、あいつと小悪魔に顔を向けた。
ここ何日かずっと借りっぱなしだし、早くクリアしたいんだけどなぁ。
ま、いっか。今日は奴も塾で忙しいって言ってたし、明日までずっと借りてても大丈夫だろ。
844 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/07/27(日) 20:13:33.61 ID:2PDL.wUo
>>843 つづき

「で、何だよ話って」
「あんたホント、人の話全然聞いてなかったのね」
「そーよそーよぉ、わたしたちよりゲームの方が大事なのね!?ひどいわっ!」
二人から口々に責められた。チェッ、ゲームぐらいやってたっていいじゃねーかよぅ。

「わかったわかった、悪かったよ!だから話の続きを・・・」
「だから、学園祭のこと。もうすぐでしょ?去年どうだったとか、教えてよ」
「学園祭ねぇ。うちはみんな結構自由にやってる感じかな。仲のいい連中で一緒にやったりさ」
「へえー。で、あんたは去年どうだったの? 何かやった?」
あいつに訊かれて、1年前のことを思い出してみる。
去年もあの子とは別々のクラスだったせいで、結局一緒に見て回ったり出来なかったんだよな。

あの子は同じクラスの奴らと、焼きそばだか何かの屋台の模擬店をやっていたような。
俺は結局、楽しそうなあの子の様子を遠目に見ているしかなくて・・・

「・・・ま、俺は特に何も。あの子は同じクラスの奴らと、屋台みたいのやってたと思うけど」
「へぇ、そう。じゃあ、あの子に聞いた方が早いかな。でも今年は生徒会で忙しいのかしら」
「さあな。でも学園祭の方は実行委員が別にいるし、そんなでもねーんじゃねぇの?」
「そうよねー。そしたらせっかくだし、あの子も誘って皆で何かやったら面白そうよね」

そうだよ、今年こそあの子と一緒に学祭、楽しみたいし。
それに一緒の企画やってたら、そのままさりげなく後夜祭に誘うことだってできそうだし。
あの子と二人で後夜祭・・・確かチークタイムとかもあったよな。やば、超楽しみになって来たぞっ。

「ん〜? キミ、なーんかニヤニヤしちゃって、怪しいなぁ。何か別のこと考えてなぁい?」
「ち、ちげーよ!いや、お前らと一緒なら楽しそうだなぁって。ホントホント、ハハハ・・・」
思わず乾いた笑いで誤魔化してしまった。
ったく、小悪魔の奴、時々妙に鋭いからなぁ・・・
845 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/07/27(日) 20:14:21.99 ID:2PDL.wUo
>>844 つづき
そして、放課後。
帰り道の途中で川沿いの道を歩いていたら、シロを連れたあの子にバッタリ出会った。

「あら、今から帰るところ?」
「まーな。そっちは早かったんだな」
「うん。今日は生徒会のお仕事もなかったし、シロちゃんのお散歩しようと思って早めに帰ったの」
「ワン!」
シロはあの子を見上げて嬉しそうに尻尾を振ると、早く行きたいと言うように手綱を引っ張った。
「ふふっ。急かさなくても分かってるわよ。早く河原に行って遊びたいんでしょ」
苦笑しつつシロに引っ張られて土手から河原に降りて行くあの子に、俺も何となくついて行くことに。

「ふうん、いつもここで遊んでるんだ」
「うん。最近この子、ここでフリスビーで遊ぶのがお気に入りなの」
そう言ってあの子が持っていたフリスビーを投げると、手綱を放されたシロが一目散にダッシュする。
シロは綺麗に放物線を描くフリスビーに追いつき、ジャンプ一番、見事にキャッチした。

「へえ、上手いもんだな」
「うふふ。まっすぐ投げてあげないと、まだかっこ良く取れないんだけどね」
戻って来たシロからフリスビーを受け取って、それをあの子は再び綺麗なフォームで投げてやる。
シロはそれを見て、投げられた方に夢中で駆けて行く。
何度かそれを繰り返していると、不意にあの子の携帯が鳴り出した。

「──はい。・・・え、そうなんですか? 分かりました・・・」

あの子はちょっと残念そうな顔で電話を切ると、俺に向かって軽く手を合わせ頭を下げた。
「ゴメンなさいっ!急に生徒会で呼ばれちゃったの。しばらくシロちゃんの相手してもらっていい?」
「ん、俺は別に用もないし、いいけど。急ぎの用事なら早く行って来いよ」
「ありがと! ゴメンね、すぐ戻ってくるから!!」
そうして二つ返事で引き受けた俺を残して、あの子は学校に走って行った。
846 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/07/27(日) 20:14:47.28 ID:2PDL.wUo
>>845 つづき
「・・・で、これを投げてやりゃいいのか。ふーん」
適当にフリスビーを放り投げてやると、シロはそれをくわえてすぐに戻って来た。
そしてまた投げる。走ってキャッチする。戻って来る。それの繰り返し。
「にしても、よく飽きねーな、こいつ」
何度投げてもすぐにまた戻って来るシロを見て、思わずそうつぶやく。

「・・・そうだ。今のうちにさっきのゲームの続き、進められるじゃん」
俺は土手の石段に腰を下ろすと、借りておいたPSPをカバンから取り出した。
そしてゲームを始めると、すぐにシロが戻って来た。
「フッ、フッ!」
シロはせがむように、俺にグイグイとフリスビーを押し付けてくる。
「ったく、うるせーな・・・思いっきり投げてやりゃしばらく戻って来ねーかな」
わざと少し強めに投げてみる。
今までで一番遠くまで飛んだおかげで、シロは追いかけたまましばらく戻ってこない。

・・・と思ったのに、またすぐに戻って来てしまった。
「ワン!ワン!!」
「くそ、お前って意外と足速ぇんだな・・・よーし、だったら今度は川の向こうまで行って来い!」
そう言って、フリスビーを川の向こう岸に届くように思いっきり飛ばしてやる。
「ワンッ!」
シロは勢い良く飛んだフリスビーを見て、張り切って川にザブンと飛び込んで行った。
「おー、これならしばらく戻って来れねーだろ。ま、溺れることもないだろうし、今のうちだな」

そして、ゲームのボス戦に集中する俺。

「──ワン!!」
しばらくして、戻って来たシロに呼ばれたが、俺は中ボスとの激しい戦いでそれどころじゃなかった。

「わかったわかった、ちょっと待ってろって。もうすぐこいつ倒してやるから・・・」
847 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/07/27(日) 20:17:15.35 ID:2PDL.wUo
>>846 つづき
中ボスとの戦いは激しく、俺は相当なダメージを負っている。
「ワン!」
うるさい、待ってろっての。今はポーズとかも掛ける余裕ねーんだよ。
「クゥ〜ン」
わかったわかった、もう少しだってば。
「・・・ワウッ!!!」
そして待ち切れなくなったのか、シロは少し大きな声で吠えた。

「だから、静かにしろっての!もうちょっとしたらまた相手してやるから!!」
画面に目を落としたまま、叱ってやったら大人しくなった。よしよし、いい子だから待ってろよ。

・・・と思った俺が甘かったらしい。

いつの間にか俺の前に回っていたシロは、目の前のPSPをひょいとくわえて走り去った。
「・・・あっ!?こらっ、待て!!」
シロは尻尾を振って、PSPをくわえたまま辺りを走り回っている。
「返せ、こらバカ犬! それはフリスビーじゃねーんだよっ!!」
俺が追いかけると、シロは嬉しそうに逃げ回る。
「・・・ハァッ、ハァ、ハァ。何でこいつ、こんなに元気あり余ってやがんだよ・・・」
肩で息をつく俺を尻目に、シロはまだPSPをくわえて走り回っている。

ふと目を上げると、学校から帰って来たらしいあの子の姿が対岸に見えた。
あの子も俺たちに気付いたらしく、向こう岸から手を振って来た。
「おーい!シーロちゃ〜ん!!楽しんでるー?」
わっ、バカ、そっち側から声かけたりしたら・・・
慌てて止めようとしたが、俺は息が切れて声が出せなかった。

そしてあの子に気付いたシロは、大好きな飼い主の側に駆けつけようと、嬉しそうに川に飛び込んだ。
借り物のPSPをくわえたままで・・・
848 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/07/27(日) 20:18:16.08 ID:2PDL.wUo
>>847 つづき
「ごめんなさい・・・まさか、あんなことになるとは思わなかったの」
「いや、まぁ犬のやったことだし。ちゃんと見てなかった俺が悪いんだよ」
俺たちは近くの喫茶店に入って、これからどうするか話し合っていた。
二人の間のテーブルには、ずぶ濡れのPSPが置いてある。(もちろん壊れてる)

ちなみにこの状況を作り出したバカ犬は、店の前につないで大人しく待たせてあった。
つか、あの子に叱られたら一発で大人しくなりやがって、絶対俺のことナメてやがるだろ。

あの子は飼い犬の仕出かしたイタズラに、まだしょんぼりとしている。
「本当にごめんなさい! やっぱり私が弁償す・・・」
「いや、いいってば、マジで。そっちは俺が何とかするから」
「でも・・・」
こんな時ながら、俺は思いがけないあの子とのデートに、ちょっと心が弾んでいた。
だから、もちろんあの子に怒る気持ちなんてこれっぽっちもなかったわけで。
「もう気にするなって。ただ、買って返すにしても、俺もここんとこ小遣いピンチだからなぁ」
「実は私も、あまり今お金残ってないの・・・お父さんにお小遣い前借りしようかな」
「だから金なら俺の方で適当に色んな奴から借りとくから、いいってば。・・・あ、そうだ!」
「え? どうしたの?」
ふと、俺は金を稼ぐいい方法を思い付いていた。そう、昼に話していた話題。

「いや、今度の学園祭あるじゃん。あれで皆で模擬店出してさ、小遣い稼ぎにしないか?」
「あっ・・・そうね、それだったら私も協力する!私の取り分も借りたお金に充てていいから」
そうだよ、これならあの子と一緒にイベントもやれるし、一石二鳥じゃねーか!

「──でも、模擬店って何やるの? 焼きそばとか?」
首を傾げるあの子に、俺は軽く指を立てて振ってやった。
模擬店と言えば、俺には1つアイデアがあったのだ。少し前に聞いた話の受け売りだけど。

「いや、せっかく皆でやるんだし、もっとインパクトある奴にしよう。『メイドカフェ』とかさ」
849 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/07/27(日) 20:19:35.66 ID:2PDL.wUo
>>848 つづき

俺の案を聞いて、あの子は目を丸くしていた。
「・・・メイドカフェ?」
「ああ、普通の屋台とかやったって、ライバルも多いしそんなに稼げないだろ?
 だったらさ、やっぱり他の奴らが真似できないようなインパクトある企画の方がいいって」
「って、こないだ貸衣裳屋さんにあったあれでしょ?でも私、メイドさんなんてやったことないよ?」
「大丈夫だって。お前ぐらい可愛い子が可愛い衣装着て接客するんだぜ?もう繁盛間違いなし」
「そ、そうかな? そんなこと・・・」
軽く頬を赤らめてうつむくあの子。やっべ、こんな可愛いメイドなんて他にいねーだろ、絶対。。

その後少し渋っていたあの子も、ちょうど置いてあった雑誌に載っていたメイド喫茶特集を見て、
「あ、この衣装可愛い〜♪ ねえ、こっちのデザインもいいよね! 私たちはどんなのにする?」
いつの間にかノリノリだった!

結局、その場で店のイメージキャラクターまで決めてしまうほど話が進んでいた。
(ちなみに、キャラクターはペンギンの『ペン子ちゃん』らしい)

つうか、あの子ってやっぱこういうの好きだったんだなぁ・・・
もっとおしとやかだと思ってたのに、ちょっと意外。

「で、やっぱ女の子一人じゃ手が足りないし、あいつと小悪魔にも頼まなきゃいけないんだけどさ」
「ふふ、大丈夫よ。衣装もカワイイし、楽しそうだもの。きっと喜んでくれると思うわ♪」
大丈夫かなぁ? 小悪魔はともかく、あいつはコスプレなんて絶対しそうにないと思うんだが・・・

ま、あの子が喜んでやってくれるんなら、それでいっか。
850 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/07/27(日) 20:20:26.20 ID:2PDL.wUo
ここらでちょっと晩飯休憩しますww
てかそろそろ容量オーバー?
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/28(月) 22:04:14.22 ID:7QJ6WIso
おつおつ!

しかし……なんだ。
消防時代に友達から借りたポケモンとマイゲームボーイを溺死させた時の事を思い出した('A`)
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/30(水) 10:34:53.90 ID:0Fg.REDO
メイドカフェか…俺のクラスも去年やったけど酷かったなww
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/31(木) 22:56:26.49 ID:if8MM0oo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/6/5/656bf8c8.jpg
めいど!
ていうか容量大丈夫そうっすね。
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/01(金) 00:11:13.89 ID:5czqDEko
>>853
乙!素晴らしい…やっぱメイドって良いよね
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/01(金) 02:07:48.89 ID:y6q1RmAo
よっぱあの子の奴隷になりたい(´ω`)
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/01(金) 15:22:03.29 ID:OSkRwbko
いやいやそれでも小悪魔に人生メチャメチャにされたのちに告白されたい・・・
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/01(金) 21:47:24.26 ID:9E80ivYo
じゃあ俺は普通にあいつとラブラブに…
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/02(土) 23:10:03.33 ID:2RTBYwDO
しかし残念…あいつは私のものだ
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/08(金) 07:17:22.01 ID:Zo7hbAUo
この暑さでスレが止まっちまってるぜ……
860 :α :2008/08/08(金) 19:08:56.32 ID:16efwMso
またまた皆に保守ばっかさせちゃってごめんなさいです、
夏休み前の仕事の追い込みでここ2週間しにそうだったんで。。。><

でもようやくだいたい片付いたんで、最後のレポートだけ終わればこれで復帰だぜ^^
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/10(日) 09:57:17.23 ID:l9QqWGoo
デス氏にいっぱい小悪魔の絵かいてもらいたい!
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/11(月) 13:14:11.99 ID:2vnl4.DO
むしろスク水ひんぬーなあいつをかいてほしい…!
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/13(水) 00:40:23.18 ID:tApPC0go
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/9/9/99f5e83f.JPG
一度ゴスロリな小悪魔描いてみたかったんだけど何がなにやらわからない絵にww
今度もっかいリベンジする

>>862
スク水ひんぬーなあいつだと…?
スク水ひんぬー幼女のイラストとか探してきて参考にしながら描いてみる!
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/15(金) 10:31:09.02 ID:0iwA9cDO
この躍動感…!やっぱり元気が子悪魔が一番かわいいです
865 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/08/17(日) 03:44:38.39 ID:uiTwW9Mo
>>849 つづき
「えぇ!?それ、ホントにやるの?」
翌日の昼休み、俺とあの子の話を聞いたあいつは、やっぱり気の進まない様子だった。

「ふぅ〜ん、コスプレやるんだぁ・・・」
小悪魔の方はまんざらでもない様子。いや、むしろ妙に目を輝かせて・・・?
「──ね、ね、どうせならさぁ、もっと派手な衣装にしよーよ、バニーちゃんとかさぁ」
「へ??」
「思いっきりセクシーな格好でさぁ、もぉ可愛い男の子いっぱい呼んじゃうの♪」
「そ、そんなの出来るわけないでしょ!!」
悪ノリする小悪魔に、あいつは真っ赤になって反対する。

「で、女の子が指名されたら指名料もらって、その子にボーナスね。いっぱい指名取っちゃうんだから」
「どこのキャバクラだよっ!」
「大丈夫よぉ。キミなら指名料なしでオッケーだし、特別サービスだって・・・」
小悪魔はそう言うと、腕を絡めてグイグイと体を寄せて来る。

(ってか胸! 当たってる!当たってるからっ!!)
腕から感じる柔らかい感触に、思わずバニーガール姿で俺に寄り添う小悪魔が脳裏をよぎる。
「ふふっ。サービスサービスぅ♪」
小悪魔がそっとささやく。吐息が耳をくすぐり、俺は思わず唾を飲み込んだ。
「え、あっ・・・」
ヤバい。これはヤバいぞ?
知ってか知らずか、小悪魔はギュッと腕に力を込める。当然、柔らかい感触も一層ハッキリと。
てかこいつ、絶対わざとやってるんだろうなぁ。

(でも、バニーちゃんの小悪魔に特別サービスかぁ)

うっかりそんなことを考えてしまったせいで、やがて俺の意思に反して、違う部分が徐々に力を・・・
いや、マジでヤバいです。ピンチですっ、これ!
866 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/08/17(日) 03:45:34.91 ID:uiTwW9Mo
>>865 つづき
──その時ふと一瞬、周囲の気温が急に下がったような気がした。

我に返って辺りを見回す。
(じーっ)
あの子と目が合った。
てか、この人。微笑んでるのに目が笑ってません。

再び横に目を向けると、俺の腕を絡め取る小悪魔の姿。もしや、寒気の正体はこれか??
慌てて小悪魔を引き離し、元にいた場所まで押し戻す。
離れた瞬間チラリと名残惜しさが胸をかすめたが、俺は残った理性で強引に妄想を振り払った。

「・・・って、ダ、ダメだっての!!つかいくら何でも、バニー衣装なんて許可されるわけねーだろ」
「え〜、つまんなぁーい」
小悪魔は口を尖らせたが、それ以上は押して来ない様子。
ふぅ、危なかった。あのままやられてたら、もっと収まり付かなくなっちまうとこだったぜ・・・
つうかもし、その収まり付かないとこをあの子に見られたら、って、んなことどうでもいいっ!

「つまんないったって、仕方ねーだろ。な、なぁ?」
恐る恐るあの子の方を見ると、あの子は既にいつもの笑顔だった。さっきのあれは、気のせいかな?
「うーん、さすがにバニーガール衣装はちょっとね。生徒会はともかく、風紀委員会が黙ってないかな」
「そうよそうよ、バニーのコスプレなんてダメに決まってるじゃない」
あいつは何となく、あの子の言葉にホッとしたような顔だった。

「ふぅん?ま、バニーちゃんのカッコじゃパットに頼るわけにも、ねえ。やっぱ無理かぁ」
小悪魔は肩をすくめて、チラリとあいつの胸に視線を送る。
「って、何よその目は!?」
むきになるあいつに、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる小悪魔。ったく、いい加減にしろっての!
「べっつにぃ〜、わたし何も言ってないもーん。何怒ってるのかなぁ?」
「言ってたでしょ!パットがなくて無理って、どういう意味よ!?」
867 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/08/17(日) 03:46:29.28 ID:uiTwW9Mo
>>866 つづき
ヒートアップする二人の様子に、慌てて俺も仲裁に入る。
「まぁまぁ、無理なんてことねーからさ。お前のバニーってのも、それはそれで・・・あー、ゴホン!」
また背後から禍々しい気配と冷たい空気を感じて、思わず途中で誤魔化してしまった。

「うふふ。それはそれで、どうなのかしら?」
禍々しい気配の持ち主は、あくまでにこやかで丁寧に俺に問い掛けてくる。
えーと、それ、やっぱり答えなくちゃダメですか??

と、そこに救いの天使、いや小悪魔が手を差し伸べてくれた。
「ほら、落ち着いて。カレも思春期の男子なんだし、リビドー持て余すぐらい大目に見てあげなきゃ」
「そ、そうなの?・・・やっぱり男の子って皆、そういうのに興味あるのかな・・・?」
あの子は小悪魔と小声で話しながら、チラリと俺の方に視線を向けた。
「もっちろん。あれって変に抑圧して溜めすぎると後で暴発するから、ときどき抜かないとダメなの」
「ふうん、そういう仕組みなのね」
ちょっと、アナタたちものすごい会話してません?しかも俺の方見ながら!!
「だからね、あんまり無理にガマンさせちゃダメだよぉ?いきなり狼になって襲われちゃうんだから」

ニヤリと笑みを浮かべる小悪魔に、あいつもなぜか何かを納得した顔で相槌を打っている。
「ふむふむ、そっかー。そう言えばこのバカ時々、私のことエッチな目で見てることあるかも!」
「大丈夫よぉ、見てるだけなら安全だもん。そうやって妄想たくましくしてガス抜きしてるのよ」
得意げに語る小悪魔。つーか俺そんなことしてねーっつうの!!濡れ衣だっ!!!・・・多分。

そしてあの子も、何だか俺を憐れむような目で見ている気がする。
「そうかぁー。男の子って大変なんだねー」
「そうなのよねぇ〜。だからあなたも恥ずかしがらずに時々、オカズになってあげなきゃダメだよぉ♪」
「おかず??うーん、肉じゃがとかなら私、割と得意だけど」

「──こらっ!純真なあの子に妙なこと吹き込むなっ!!!つーか本題はどうした本題は!!」
くそ、小悪魔の奴、俺のこと散々コケにしやがって! 覚えてやがれ・・・いや、むしろ忘れてくれ!
868 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/08/17(日) 03:47:30.33 ID:uiTwW9Mo
>>867 つづき
「きゃははっ。そーいえば、何の話してたんだっけ?」
「そ、そうよ、バニーガール衣装の話!」
舌戦再び、の構えの小悪魔とあいつに、俺は思わず緊張が走る。

が、小悪魔は人の悪い笑みを消すと、優しい目であいつの肩をポンポンと叩いた。
「まぁまぁ、結局バニーちゃんはナシってことになったんだし、落ち着きなさいってば」
「えっ? あ、うん・・・」
あいつも虚を突かれたのか、肩の力を抜いて大人しくなった。

「そんでさぁ、あなたもバニーちゃんは抵抗あるかもしれないけど、メイドさんなら平気でしょ?」
「うーん、まあ、そのぐらいなら・・・」
あいつは少しためらいつつ、そう言ってうなずいた。

「──だってさ。彼女も大丈夫みたいよ♪」
小悪魔があいつの手を取って、あの子にそう報告する。

「うん、良かったぁ。一緒に頑張ろうね!」
あの子も嬉しそうに微笑んで、あいつをギュッと抱きしめる。

「やだ、ちょっと、分かったから。苦しいってば!」
あいつは何だか照れながら、あの子を引きはがそうともがいている。

そんな3人の様子を見て、俺はふと思った。
(小悪魔の奴、もしかしてあいつにウンと言わせようとして、わざとさっきみたいなことを??)
目を向けると、小悪魔は妙に優しい顔であいつとあの子を眺めている。

・・・やっぱ嘘くせぇ。特にあの、何かスッキリした顔。
面白がってただけなんだろうなぁ。多分。いや絶対。
つーかどっちでもいいけど、もう少しやり方考えてくれよ、頼むから!
869 :α ◆6ytwm3xJRY :2008/08/17(日) 03:48:59.93 ID:uiTwW9Mo
すっかり遅くなってすんません。。。
とりあえず今は出先なんで、続きはまた明日でww

ではでは〜
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/17(日) 04:09:15.74 ID:aX6My96o
久々にα氏乙!wwww
俺も寝るかな…
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/17(日) 09:43:32.15 ID:i/gQAMDO
α氏乙
しかし主人公め子悪魔の胸なんぞにたぶらかされおって…貧乳のよさもわからんのか……
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/17(日) 13:04:37.32 ID:rYogF3Ao
巨乳はロマンだからなッ!
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/22(金) 01:56:24.59 ID:o2jdM6go
あげ
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/22(金) 08:13:37.27 ID:0FXESnwo
http://dainamaita.myminicity.com/env
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/23(土) 03:56:36.96 ID:IaIFDADO
恐くて踏めないわけで
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/31(日) 21:44:16.04 ID:MDzbHnAo
あげ
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/01(月) 00:49:23.27 ID:KSrLLtko
( ^ω^)あいつー
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/01(月) 08:46:33.78 ID:XLv2tnoo
あの子との夏が終わっちまった/(^o^)\
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/06(土) 20:05:21.10 ID:kM0y.EDO
俺、いつか幽体離脱してあいつに会いにいくんだ…
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/20(土) 17:35:23.61 ID:Yw.ubBgo
時が止まっとる
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/24(水) 00:07:57.24 ID:lV5mBIDO
この流れは…デジャヴ
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/24(水) 00:11:36.33 ID:FMH20iYo
よし・・・いっちょもりあげるか・・・!
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/26(金) 08:05:54.65 ID:.mVacEDO
いいぞいいぞ!やっちまえ!
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/11(土) 22:35:21.45 ID:9DpjdVIo
あいつの・・・冬服が見たい・・・
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/12(日) 21:29:07.32 ID:WqrHOi60
すげぇ懐かしいわこのスレ
あの子とラブホ入る辺りの話で興奮した
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/16(木) 21:55:16.94 ID:UM2VigQo
もう2ヶ月か……
887 :α :2008/10/17(金) 01:10:46.50 ID:89V.rgko
ごめんなさい、急に忙しくなったり体調崩したりメンタル的に落ちたりしてて、
またずっとサボってますが。。。。

忙しさはともかく、調子の方はだいぶ戻ってきたし、もうちょいしたら絶対復帰するんで・・・
来週は一週間休みとって海外でのんびりしてくるんで、そん時に色々練って来るつもり。。
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/20(月) 12:14:04.73 ID:1BSIdwDO
おつ
楽しみにしてるぜ
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/23(木) 02:02:56.61 ID:jBDTbBIo
海外編とな!
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/23(木) 15:33:32.19 ID:mExdfTco
俺おもったんだけどこのスレの雰囲気ってなんか素人は書きづらくないか?
正直言っちゃわるいけど更新率よくないんだし素人も気軽に書けるようにしようぜ
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/25(土) 08:50:57.52 ID:BVet6IDO
たしかにな。

そういや前に話書くって言ってたやつがいくらかいたけど結局誰も書かないで終わってるな
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/11/12(水) 19:29:25.30 ID:5kfJq2Q0
これまだ続いてたのかwwwwww
何年前に読んだかも忘れたけど面白かったのは覚えてるから期待age
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/11/16(日) 18:09:09.10 ID:qf4b9ADO
誰か!あいつの話を…
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/11/25(火) 05:24:26.14 ID:Jjd730wo
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/11/28(金) 09:58:39.28 ID:mUCcojIo
おつ
896 : ◆rNiNKtLPbM [sage]:2008/12/10(水) 23:43:13.65 ID:cOnBZpko
test
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/15(月) 19:54:23.13 ID:aRtKIMDO
進んでないな…誰か書き手はおらんのか
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/21(日) 12:49:23.50 ID:THbs/cI0
t
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/25(木) 19:35:05.85 ID:cwWMokY0
めりーくりすまーす
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/26(金) 23:29:56.83 ID:WGiP3c60
900
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/30(火) 21:33:04.00 ID:NmGtT2DO
今年こそあいつと年越し( ^ω^)
902 :以下、2009年まであと5528秒。。。 :2008/12/31(水) 22:27:53.90 ID:vWZFo4so
2,3年前の正月にチョコボール向井とか言われてたのが懐かしいぜ…

今年もあいつと過ごせてよかったぜ!
来年もあいつとイチャイチャできますように…
903 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/01(木) 00:06:55.14 ID:.PYxtgAO
明けましておめでとう、小悪魔
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/10(土) 00:44:31.25 ID:mnfBzfQo
>>902
俺がちょうどこのスレを見始めた頃だ…多分
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/01/27(火) 23:06:53.92 ID:R/J0oooo
おろおろ・・・?
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/27(火) 23:11:12.63 ID:DmEipw6o
名にそのID

しかしスレが止まると、容量で書き込めなくなっちまっているのか心配になるなぁ
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/08(日) 01:38:42.56 ID:3xcDcPMo
そろそろあいつの話がみたいわねえ
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/02/19(木) 17:26:48.21 ID:NYcBpoAO
ほし
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/28(土) 12:59:02.30 ID:QZZjm9k0
ほす
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/07(土) 08:01:02.90 ID:IUQhnQDO
ほっしゅ
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/23(月) 14:33:17.56 ID:FXqcUH20
もう信じて待つのやめて誰か書き始めようぜ。
と思いつつ自分も書く勇気がないんだ
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/23(月) 23:42:25.46 ID:05pPWdwo
別に古参の書き手だけを信じて待ってるわけじゃないんだけどな。むしろ新しい書き手大歓迎なんだが…
でも前から>>911のようなこと言う奴は何度もいたけど
結局言い出した奴も含め誰も書かずに終わる、て展開がループしてる今日この頃

お願いだから誰かあいつの話書いてください。
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/26(木) 01:51:28.95 ID:KPK8RO.0
ヤンキー女にひそかに期待。
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/28(土) 04:10:56.92 ID:cOt6I0w0
できれば続きを書きたいと(決めたわけじゃないが)ちょっと考えている。
まとめサイトでいう、序盤で途切れているシナリオ、例えば
♯7−2「強がり」とか、♯29−2「蒼の記憶」とかの続きを書きたい。
特に前者なんかは、新キャラを投入してもいいのではないか?


915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/28(土) 04:32:42.04 ID:P2RPV/.o
#2 : 風邪 以降は好きにして良いと思う
新キャラはもちろんの事、既存のキャラを出さない世界ってのもアリだろうし

俺が書けるとしたら、#3-3 : 第8部 の続きだけだろうなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/28(土) 20:54:20.21 ID:DRqVkiAo
もうね、あいつEDが一つもないとかもうね
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/15(水) 22:52:09.94 ID:JFctogE0
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/21(火) 21:22:13.25 ID:ocR0V4Io
えいじ
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/05/07(木) 15:22:35.03 ID:q4Lf7Tgo
GWも…終わりか……あいつあいつ
920 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv [sage]:2009/06/01(月) 09:36:54.39 ID:vOIjgdEo
もう6月か
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/08(月) 10:57:43.02 ID:0NHBr5Mo
もう夏だな…
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/13(土) 13:15:22.52 ID:Mizg3UwP
http://blogs.yahoo.co.jp/simba_240
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/25(木) 19:58:23.96 ID:wqm8PZMo
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/04(土) 21:35:12.99 ID:.38B12g0
うおおおおおお
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/09(木) 00:35:42.98 ID:hv6.gwUo
だれか…だれか…!
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/25(土) 00:48:34.24 ID:45zCFrco
ユンケルンバのガンバルンバでチンコガンミとソイヤソイヤして・・・
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/27(月) 10:58:22.29 ID:eIBcQy60
保守
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/07/27(月) 11:01:53.21 ID:eIBcQy60
sage
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/07/27(月) 17:13:30.68 ID:RbGyopgo
age
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/09(日) 09:21:11.12 ID:P4EVz5wo
あー
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/17(月) 22:08:20.81 ID:G2NLvVMo
ああー学生最後の夏休みが終わっちまう…
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/19(水) 17:19:23.62 ID:MplZAT.o
あつ
933 :J◇TWISTER [sage]:2009/08/20(木) 17:57:43.53 ID:LT7JLnM0
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/21(金) 22:21:38.43 ID:nVypfH2o
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/08/30(日) 17:58:29.87 ID:Dfu8.06o
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 01:05:13.83 ID:n5VmbiM0
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/21(月) 16:09:10.23 ID:ZxGF6fs0
あうあうあー
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/30(水) 11:24:30.74 ID:1M2Okyco
50

      |┃三 バーーン!!
      |┃  ____
      |┃/\  /\
      |┃(●)  (●) \
───|┃:⌒(__人__)⌒:::::\
      |┃  |r┬-|     |⌒)      「はーい、こんにちは!!
      |┃   `ー'ォ     //          みんなのアイドル、柔息弟 やる夫、19歳童貞です!!」
      (⌒ヽ・    ・ ̄ /
      |┃ノ       /
      |┃       <
      |┃ ___   ヽ
      |┃/    >  )
      |┃     (__)




       |  !                        |  |       |
      | │                   〈   !      人
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   ̄ .Y  ̄
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    |
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !           「 や ら な い か 。」
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
    |    `!                    /
    人     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
  ̄ .Y  ̄    |\      ー ─‐       , ′ !
    |       |  \             /   |




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           /      \         |┃┃
          /  _ノ  ヽ__\       |┃┃
        /    ( ○)  (○).\    三|┃┃
        |  u    (__人__)   |     |┃┃ ピシャッ!
         .\           ,/  三  |┃┃て
        ノ            \       |┃┃ て
        |              \ 三 |┃┃
        |            |ヽ、二⌒)|┃┃

939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/01(木) 18:43:41.86 ID:vABdX2so
62

                       ____
                      '"::::::::::::::::::::::::`ヽ、
                  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \
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               _ム:::/ /::::::::/::::::.ハ:|:::::::::::::::::|:::::::::ヽ
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             ,'::::::::::!:::::l::: |:|::::::ハ:「 ̄リヽ:::::::厂¨ソ !:::::,
            ,::::::::::::ト、::l:::::l:!::: !ィをミ、 \/チァく./!::/
            :::::::::::::| ヽハ::::::\代こン    ヒソ '/::レ
            , /::::::::::!  ヽ」::::::::ト      、  ,':::::!
           ,'/:::::::::::,'   !:::::::::!          ,:::::::|     ……まるで召喚獣の見本市ですね、太公望。」
           〃:/::::::/  ,イ}:::::::::ト 、     , イ::::::レ
          / レ :::: / , イ | レ!:::::ト 、`'ーr <:::::|:::::: !
.         /:::/::::>'´   l  ',:: | \/| ト、:::::::l::::ハl
         /:: /:,イ      |  .V /ァTV | \∧:|
.         '::::/イ       |    V/〃!l | l.  ヽ
       /::: /: l         \  ///小!} |   }
.      ,::::: /:::::{         / \,イ| V く  / l
      ':::::::'::::::::ト 、        \  l| | | / ! .|


                                               ′ |               __,ノ /l
                                             {   水Zr=='二⌒´込ミー- 、/   /' |
                                              ,√`ブ´                 \ {  !
                                            {仏イ  ´ /´ ̄\ニ二≧='⌒ヽ   `ー 1
                                             〈/ {ノ ト、{      \ \      ヽ. i
                                            ,イ  ノ ̄| \       \ \    、 l l
                                           ノ厂フ'   l'   \       ヽ      j |
                                          //! ' ノ !  、     i、        ∨ |
.                                         //ハ   i i |_\   │>、ノ\}  j\〉 |
                                         ,ノ'′ }! } }  !ノ  \  | 芹抔ミ | l/   l  l
                                            {i i j lVレィ'万ミ \,j   込ソ j/   リ V
                     「なかなか、賑やかじゃろ。」       从N川ハi八し'ノ  ゛         /イ l/
                                              }乂廴≧=一    、        / レ′
                                                `ーヘ    、__ .... '   /ト匕!
                                                   > .      /|川ブく
                                                  〈`ー'^二 ー−'´-‐'´ ̄`八
                                                  `7ー          ∠コ}
                                                 __ノフ^ー      -‐'´   〈


940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 18:53:34.41 ID:cNYKFyYo
あずにゃん(;´Д`)ハァハァ
あいつあいつ(;´Д`)ハァハァ
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/20(火) 20:48:09.55 ID:eiZ4JVQo

       i::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::l::::::i:::::::::::::::::i::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::i::::::i
      ヘ:::::::::::::::::::::i::::::::i::::::::∧:::i::::::::::::::::::i::::::iヽ::::::i:::::::::::::::::::::::::i::::::i⌒ヽ
     /::i::::::::::::::::::::::l::::::::i::::::/ i:::V::::::::::::::::::i:::::i l::::∧:::::::::i::::::::::::::i:::::i::::::::\
    /::::::i::::::::::::::::::::i::::::::::i:::::l ̄l::i V::::::::::::::l::::l ̄`l::iーV::::::i::::::::::::::i:::::i:::::::::::::ヽ
   /::::::::::l::::::::::::::::::::i:::::::/l:::/  l:i ヽ::::::::::::::/  i::l  V::i::::::::::::::i::::::l::::::::::::::::ヽ
  /::::::::::::::V:::::::::i::::::::i::::/ V  ヽi  v::::::::::/ ' l/   V V::::::::::l::::∧::::::::::::::::::ヽ
 /::::::::::::::::/ V:::::::l::::::::l:/_夕笊ミミゞ  v:::::/  /夕笊ミミ  l::::::::/::::l V::::::::::::::::::ヽ
 ::::::::::::::::/  V::::::V::::::l巛 んrイ::::l}   ヽ/   "んrノ:::ハ 》/::::/:::::::l  V:::::::::::::::::::ハ
/:::::::::::::::/   V::::::V:::::i  弋:::::::oノ         弋::::o:ノ /::::/:::::::::l   V::::::::::::::::::::ハ    「あ、そうだ、ちょうどいい。
:::::::::::::::/    ト:::::::::メ\ ^¨``          ^´¨``^ レ:レ/::::::::::l   V::::::::::::::::::::ハ
::::::::::::/     l::::::::::ハ   " " "     、    " " "    ::::::::::::::l    V:::::::::::::::::::ハ      今から北の森に行くから
::::::::::/     l::::::::::::ハ                    /:::::::::::::l    V::::::::::::::::::ハ        あなたついて来てください。」
::::::::/      l::::::::::::ハ                   /:::::::::::::::l     V:::::::::::::::::::ハ
::::::/       i:::::::::::::ハ        ' ヽ        ∧::::::::::::::l     V::::::::::::::::::::i
::::/        i::::::::::::::::l\               / l::::::::::::::::l      V:::::::::::::::::::i
::::l         i:::::::::::::::l  `  _        _  '   l::::::::::::::::i       V::::::::::::::::::i
::::l         i::::::::::::::i    ム` 、 _   イ_    l::::::::::i:::/       V::::::::::::::::::i
::::::l         i:::::::::::::l   /メ_        レヽ   i::::::::/:/        V:::::::::::::::::i
::::::i         ヽル::::::i _/l   ヽ、    /  l\  i::/i/         l::::::::::::::::::::l
::::::::i           \l///l    ンナv'     l///レ           l::::::::::::::::::::::l
::::::::::l         //l////l    />幵テヽ   l////lヽ         i:::::::::::::::::::::::i



::::::... ..丶
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:::.' ──-.. \
:::::::... ⌒__丶 \
:::::::::.... .'::. ).ヽ  .ヽ
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:::::::::::...    ヽ   .ヽ     「………は?」
:::::.._ ノ ヽ.____丿   .丶
::::::::::::::.... ..::ノ      .)
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:::::::::.⌒ "       ..ノ
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:::::::::::::::::::::.. ......::::./

942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/29(木) 22:36:29.23 ID:Q2vr.9ko
69


               / ̄ ̄\
             /       \
             |  _ノ  ⌒   |
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.             l   `⌒ ´  }
              ヽ      ./ 
             /:ヽ    .ノ,'ヽ、--、
         ,.-‐,ィ‐"/ゝ.ヽ.___ノゝ::::::::ヽ、:::ヽ.
          //::_,、/,';;;;;;;゙;;;;;;;;;;;;;";;;;;|:゙、::::_::ゝ、ヽ.
       ノ:::i ̄//;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l::::/::::::::::::l:::゙i
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                                       \              /
.                                       , '´7::::|.7 「i .}::::ヾー、
                                       |ヽ:::::|∧|/| .| ! |∧|:::::::|ヽ
                                       |:::i::::::::lニト i | |.,|ニl:::::::::i:::::|
                                      /::ハ:::::::lニ|::\/:|ニl:::::::::|::::ヽ
                                      〉:::::|::::::lニ|::::::||:::::|ニl:::::::::|::/::|


                       ____
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             ,'::::::::::!:::::l::: |:|::::::ハ:「 ̄リヽ:::::::厂¨ソ !:::::,
            ,::::::::::::ト、::l:::::l:!::: !ィをミ、 \/チァく./!::/
            :::::::::::::| ヽハ::::::\代こン    ヒソ '/::レ
            , /::::::::::!  ヽ」::::::::ト      、  ,':::::!     「…………。」
           ,'/:::::::::::,'   !:::::::::!          ,:::::::|
           〃:/::::::/  ,イ}:::::::::ト 、     , イ::::::レ
          / レ :::: / , イ | レ!:::::ト 、`'ーr <:::::|:::::: !
.         /:::/::::>'´   l  ',:: | \/| ト、:::::::l::::ハl
         /:: /:,イ      |  .V /ァTV | \∧:|
.         '::::/イ       |    V/〃!l | l.  ヽ
       /::: /: l         \  ///小!} |   }

943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/30(金) 19:12:08.55 ID:3.vnv9Io
vipでやってりゃあ、今頃は……

大して変わらんか…
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2009/11/07(土) 20:03:55.99 ID:AsrIIS20
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/15(日) 02:49:48.30 ID:8Kg.rNYo
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/15(日) 02:51:10.88 ID:lhaUZADO
ここが奈落か
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/11/28(土) 01:32:16.12 ID:sCeVd/Ao
あげたい…
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/01(火) 20:35:40.65 ID:Mf74r82o
アゲアゲ
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/14(月) 21:22:15.55 ID:JPunKUc0
脳死状態
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/21(月) 16:28:38.25 ID:gCcnz2AO
俺がこのスレに来て4年は経ったのか
時代は変わってしまった
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/21(月) 23:28:53.49 ID:cPo0jAgo
俺もそれくらいになるか…
あの頃はまだvipでわいわいやってたな
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/24(木) 04:42:55.65 ID:3Qx.F3Ao
   /⌒ヘ、
  / ,    `i、
  ○⊂ニニニ⊃
    ,( ´∀`) メリークリスマス!!
  /(|二:二)
 (   |__|_|
  ' ̄(__)_)
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/25(金) 20:29:06.93 ID:NtKzV8so
今年もあいつと過ごすクリスマスは叶わなかった…
954 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage]:2010/01/02(土) 12:38:19.84 ID:Es3DCx2o
昨日、あの子と一緒に初詣に行った。
道中で「二人は一緒じゃないの?」って聞かれたけど、
あいつは家族と行くみたいだし、小悪魔のやつも今日は家に帰るらしいって言った。
まぁ、嘘だけど。

たこ焼きやリンゴ飴を一緒に食べながら出店回ったりしてさ、
金魚すくいで一匹も取れなくて悔しがってたら、あの子に「ふふふ」って笑われるの。

そのままおみくじに行ったんだけど、あの子は大吉が出て、俺は凶が出た。大凶じゃないとこが妙にリアルなのな。
地味に凹んでたら、あの子がお守り買って来てくれてさ。
「このお守り大事にしてね。あなた、いつも危なっかしいから」って俺にくれた。
もうこの時点で俺の運勢大吉だね。おみくじなんて当てにならないね。

最後は神様に手を合わせてさ、今年もあの子と一緒に過ごせますようにって祈って帰った。



あの子を家まで送った直後にあいつと小悪魔に出くわしてさ。
二度目の初詣(?)に無理矢理連れて行かされて、
「あんた男でしょ! 払いなさいよ」って不機嫌なあいつにリンゴ飴4つ買わされたり、
「さっきの君、デレデレしちゃってさぁ……ほんとぉに楽しそうだったよねぇ」
って小悪魔にささやかれながら金魚十匹取らされてたら、俺の財布がからっぽになってた。
やっぱ俺、凶かもしんない。
955 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/07(木) 22:27:34.61 ID:7Zig7qYo
 *     +    巛 ヽ
            〒 !   +   。  + 。    *     。
      +    。  |  |
   *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ!
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / +    。 +    *     。
      ,-     f
      / ュヘ    | *     +    。     +   。 +
     〈_} )   |
        /    ! +    。     +    +     *
       ./  ,ヘ  |
 ガタン ||| j  / |  | |||
956 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage]:2010/01/08(金) 02:28:52.44 ID:JIR6zlUo
去年はホント何もなかったな……
957 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/11(月) 09:22:13.44 ID:RBHzv2I0
あげ
958 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 14:10:48.51 ID:Ee5f9ego
あれ…?そういえば去年保守しかしてなくね…?
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/17(水) 23:19:16.05 ID:Harv2uoo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/c/0/c0574ebb.jpg
数日遅れだけど

保守してくれてる人たちありがとう、ごめんなさい
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/17(水) 23:45:13.31 ID:tPqKYHko
デス氏、デス氏じゃあないか!
絵のふいんき変わったなぁ……の子あの子
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/02/18(木) 23:02:45.63 ID:9sfS7yAo
デス氏…か?なんかまったく絵が違う気がするのは気のせいか・・・?

まああいつ絵来たしどうでもいいわwwwwwwwwあいつあいつwwwwwwwwwwwwwwwwww
962 : ◆s9p/K6FE/2 :2010/02/27(土) 08:53:17.08 ID:KdGt79Eo
http://image.blog.livedoor.jp/forza_ts93/imgs/e/b/ebafcc11.jpg
酉忘れてた…絵変わったかもだけど、俺です
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/27(土) 12:05:09.76 ID:ASEGEkMo
冬の夜空の下であの子を待たせてる何者かをぶん殴ってやりたいorz


あの子はもっと大人びた感じにすれば良いと思うよ
もちろん髪は腰まで届かせ、おっぱいは大きく……フヒヒ
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/03/01(月) 00:03:29.86 ID:XrTaqHEo
本当に画変わったな……まるで別物だ…
しかしまあ塗りがうまくなっとる
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:14:43.33 ID:1isgg3Yo
ぺぶんゃな
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:14:54.45 ID:1isgg3Yo
れもょぅぐ
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:15:19.43 ID:1isgg3Yo
せしょいけ
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:15:45.96 ID:1isgg3Yo
ぬぺちだゅ
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:16:08.69 ID:1isgg3Yo
かぜだぷつ
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:16:36.80 ID:1isgg3Yo
っぶぶみぢ
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:16:53.90 ID:1isgg3Yo
あゅらぺり
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:17:22.10 ID:1isgg3Yo
ほゑてしぴ
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:17:46.13 ID:1isgg3Yo
つぬぴこざ
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:18:13.55 ID:1isgg3Yo
むでぜとて
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:18:30.05 ID:1isgg3Yo
もごみよむ
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:18:53.31 ID:1isgg3Yo
ぱけべづだ
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:19:14.33 ID:1isgg3Yo
ひひとゐわ
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:19:32.30 ID:1isgg3Yo
ゆぐっくぼ
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:19:44.48 ID:1isgg3Yo
がべじにか
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:19:49.84 ID:Itm2ar6o
落とされるか
次スレどうするかはまとめの避難所でやるかー
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:20:09.44 ID:1isgg3Yo
にがふぺよ
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:20:26.89 ID:1isgg3Yo
ぽしきづぢ
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:20:48.30 ID:1isgg3Yo
べへゎごろ
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:21:10.97 ID:1isgg3Yo
でとまもぶ
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:21:30.34 ID:1isgg3Yo
ゃせぴとゃ
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:21:51.20 ID:1isgg3Yo
どぽっべう
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:22:12.44 ID:1isgg3Yo
げらちいけぷょすひも
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:22:25.54 ID:1isgg3Yo
てづじょに
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:22:47.71 ID:1isgg3Yo
すげのちの
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:23:07.26 ID:1isgg3Yo
やうさぺぜ
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:23:26.08 ID:1isgg3Yo
でわづゐあ
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:23:28.53 ID:0nZnbREo
めゃでわり
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:23:38.84 ID:0nZnbREo
すわたげば
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:23:49.59 ID:0nZnbREo
ゆもへごぅ
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:23:51.26 ID:1isgg3Yo
けゃうだら
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:24:00.10 ID:0nZnbREo
ふいひらさ
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:24:10.91 ID:0nZnbREo
じゑょざぢ
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:24:14.16 ID:1isgg3Yo
ねぃいざや
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:24:22.93 ID:0nZnbREo
ゑてえめす
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/03/16(火) 09:24:29.63 ID:1isgg3Yo
ねさぐがし
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
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ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
どえむふぁくとりー @ 2010/03/16(火) 04:36:44.94 ID:MT6gjMQo
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3月32日 @ 2010/03/16(火) 03:56:37.40
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女体盛り @ 2010/03/16(火) 02:33:28.98
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苺ましまろ @ 2010/03/16(火) 02:16:23.93 ID:/AluxWUo
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振りかざす太刀の下こそ地獄なれ 一足進め先は極楽 @ 2010/03/16(火) 01:13:56.46 ID:z2IZ.uwo
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