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新ジャンル「被害クール」 U - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/22(日) 22:35:26.19 ID:AnBRepoo
女「おっと、今日の上履きの中身はどうやら画鋲か。全く創意工夫が感じられないな」
女「ふぅむ……机がないな。仕方無い空き教室からとってくるか」
女「黒板消しはやめてくれ、チョークは落ちにくいんだぞ……うっ」
女「ん? ここに置いておいた上着が消えたようだが」
女「すまないが、今私が入っているんだ。水掃除は私が個室から出た後に……あ」
女「びしょ濡れになってしまった。しょうがない体操服に着替え……無いな」
女「ふぅ……やれやれ、やっと下校か。あいつらもご苦労な事だな、私にはいじめなど効果が無いのは分かるだろうに」

女A「ぷっ……! あいつ濡れた制服のまま帰ったよ!」
女B「きめー! 足跡ついてんだけど」

前スレ
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1213883195/
女C「しかも見た? あいつ平気そうな顔してずっと目に涙溜めてんの!」
女A「マジいい気味だわ」
女B「クスクス」

女「むぅ、垂れてくる水滴が邪魔だ。おかしいな、髪はもうとっくに乾いてるはず、なのに……」

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=^・ω・^= ぬこ神社 Part125《ぬこみくじ・猫育成ゲーム》 @ 2024/03/29(金) 17:12:24.43 ID:jZB3xFnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711699942/

VIPでTW ★5 @ 2024/03/29(金) 09:54:48.69 ID:aP+hFwQR0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711673687/

小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/

満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 22:52:18.65 ID:rBb/iqEo
ここであってる?
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 23:18:12.78 ID:l7.IQGg0
まだ前スレは保ってるのか…
とりあえず>>1
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/22(日) 23:34:08.52 ID:08wPsK.o
前スレ終わったらしいな
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 00:03:10.03 ID:F29jpfo0
さあ、はやくきてくれ。
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 00:53:07.41 ID:6Ah0bJMo
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/06/23(月) 00:57:26.67 ID:STcs9oSO
前スレ>>1はパー速にスレたってるの知ってるの?
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 01:58:53.34 ID:U516tAAO
このまま過疎って終わる予感
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 05:35:00.87 ID:YAMSHlMo
そうはさせるかっ!
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 06:06:27.26 ID:pwDGorA0
かそらせない
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 06:33:33.69 ID:IvCdsEY0
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 07:55:25.79 ID:WnZh86AO
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 09:23:13.02 ID:F29jpfo0
VIPに被害クール(>>1の完結待ち)とかいうスレを立ててみるのはいかが
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 16:41:28.84 ID:7ooxYkDO
建てようとしたが無理だったから誰か頼む
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 16:46:45.11 ID:7ooxYkDO
と思ったら建てられたからやっぱいい
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 19:16:34.80 ID:RE1Xvo.o
誘導トンクス!
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/23(月) 19:48:04.25 ID:BADDc2AO
>>15

前スレ>1くるかなー
18 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です :2008/06/24(火) 18:32:26.06 ID:Rxy9GLY0
VIPの方落ちてたぞ
これからどうすんだww
19 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です :2008/06/24(火) 19:46:56.05 ID:4hM//wDO
またVIPに建てたところで1はこねーだろうし、ここで誰かが完結させるか
このまま終わりってことになるのかね?
20 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です :2008/06/24(火) 19:54:32.55 ID:O.auBBUo
よし、>>19完結を簡潔に頼んだ
21 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です [sage]:2008/06/24(火) 20:16:02.01 ID:1aGyoQDO
>>20
あ、あはははは・・・・・
22 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です :2008/06/24(火) 20:44:39.66 ID:4hM//wDO
俺かよ、文才の無い俺には無理だ
23 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です [sage]:2008/06/24(火) 21:38:46.58 ID:kY/B8pU0
人間諦めが肝心
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/25(水) 13:58:47.07 ID:8DRqs4.o
ネバーギブアップ
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/26(木) 18:38:29.20 ID:4CXOkgIo
諦め切れずに
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/26(木) 21:05:21.25 ID:f27cQwDO
もう誰か代わりに完結させろよ
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/29(日) 21:10:24.66 ID:E7S6KcAO
オワタ
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 17:33:22.68 ID:Lajc/aM0
このままじゃホントに終わるぞ
誰か来い
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 19:51:31.16 ID:86sWYBg0
カナ速で読んだんだが・・
来ないのか?1週間待ってる奴いるじゃねぇえかwwww
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/06/30(月) 20:39:54.44 ID:0UschlY0
こんばんは
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/01(火) 01:19:16.29 ID:XAfGl.co
前スレは3日ルールでおちたんだっけ
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/02(水) 16:00:17.80 ID:sVJvQAAO
多分そう
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/03(木) 22:58:58.83 ID:VHABEQ.0
ならば戻ってくると信じて保守しようではないか
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [!灰色 res]:2008/07/03(木) 23:06:56.11 ID:/tbkNkDO
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 00:19:41.45 ID:7x/qyqY0
パー速って保守いらないんじゃなかったっけ?
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/04(金) 14:59:02.60 ID:1ux0pRA0
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/04(金) 15:03:29.57 ID:U8eCXmso
保守はいらないけど、誰も見てないスレのために
手間暇かけてSS考える気になるか?
エールなのだよ
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/04(金) 20:06:38.32 ID:haWbRpU0
知らんがな
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/05(土) 11:32:17.59 ID:uQY5yJg0
俺は毎日チェックしてるぞ
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/05(土) 12:48:36.13 ID:y50bCkAO
俺もだ
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/05(土) 22:32:22.53 ID:S5julqY0
俺もチェックしないとな
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/06(日) 00:46:39.36 ID:95uybhM0
続きが気になって仕方がない
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/06(日) 01:38:25.11 ID:h0HqIZI0
とりあえず定期的にこようか
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/06(日) 03:10:06.16 ID:95uybhM0
ほしゅひうま
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/06(日) 13:51:45.99 ID:tD.KjMY0
カナ速から、>>173の続き

男「あっ、女さんここで何してるの?」
女「あ……男」
ABC「……」
男「ん?そこに居る三人は女さんの知り合い?」
女「え?まぁ……一応」
男「所で女さん、今日日直じゃなかったっけ?急がないと」
女「そうだったっけか?じゃあ先に行ってるぞ」
男「どういたしまして」
タッタッタッ(女急いで教室へ)
男「さて……そこの三人、ちょっと来てくんないかな?話したい事あるから」
A「話したい事?……まぁ良いけど」

(男、ABC校舎裏へ)

A「こんな所に呼び出して言いたい事って何よ?」
男「さっきの女さんとの会話の事だよドブス三人組」
B「ドッ…あんた今なんて言った!?」
男「聞こえなかったかな?ドブス三人組って言ったんだよドブスさん達」
C「こんな所に呼び出しといていきなり失礼よ!」
男「俺耳は良くてさ(Cスルー)、さっきの会話聞いてたよ」
A「だから何よ!」
男「次女さんにちょっかい出してみろ、その汚い髪全部引っこ抜いてスキンヘッドにすんぞ」
B「ハァ…?何?あんたあんなのが好きなの?シュミわ…」
ゴッ(男の拳がBの顔面にクリーンヒット)
B「ガッ!」
A「ちょ!大丈夫B!」
C「女の子殴るなんてサイテー!」
男「うん、大好きだけど何か?(Cスルー)ちなみに悪口も許さないよ」
C「無視してんじゃないわよ!あんた何様のつもりよ!」
男「俺様のつもり……で、返事は?」
ABC「……」
男「"返事は?"って聞いてんだよドブス共!」
ABC「はっ、ハイ!」
男「分かれば良いよ、じゃあね」
(男去る)
A「あの野郎、見てろよ……」

女「男、随分遅かったが何してたんだ?」
男「ちょっとね……あれ?日直じゃなかったっけ?」
女「違かったぞ、今日の日直は田中だった」
男「そうだったか、ごめん女さん俺勘違いしてた」
女「しっかりしろよな、まったく」

文章下手かもしれませんがすみません、あと男の性格を俺なりに変えてみました、ダメならスルーしてください。
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/06(日) 14:00:32.95 ID:CSMrYFQo
男カッコイイよ男(*′д`)
俺もこういう男に成りたかった_| ̄|○
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/07(月) 11:55:20.08 ID:Fq09Xq.0
GJ!!
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/08(火) 18:02:15.81 ID:BbbZ/6AO
まだ人いたのか!良かった
>>45
男もついに本気を出したな
かっこいい
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/08(火) 20:57:15.92 ID:2Es8n5o0
>>45です、男をちょっと暴力的にしたので文句が出てくると思ったのですが意外と好評で驚きました。
男カッコイイよ男、GJ等のお言葉を頂き嬉しく思います、ありがとうございました。
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/09(水) 16:45:15.73 ID:vz0dXWE0
続きはないの?
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/09(水) 18:36:11.61 ID:lKtgZREo
ずっとROMってたが、45GJ!

52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/09(水) 19:11:01.59 ID:xkaoAXI0
>>50
今考え中です、しばらく待っててください。
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/09(水) 19:28:21.08 ID:xkaoAXI0
続き投下

続き投下

放課後
男「じゃあね女さん」
女「じゃあな男」
男「さぁて、桃缶とフルーツグラノーラでも買って帰ろっかな」
A「おいお前」
男「ん?あなたは先程の……えっとAさん」
A「今の間はなんだ今の間は、悪いがちょっと話がある」
(Aが指パッチンすると同時に後ろから図体のデカイ兄ちゃん(以後キンニ君登場))
キンニ君「こいつのダチ(B)殴ったお礼してやっからちょっとそこの裏路地まで来いや」
男「いえいえお礼なんて、人として当然の事をしたまでです」
A「女殴る事がか?」
キンニ君「こいつ馬鹿だwwwwwwww」
A「ちょっと用事があるからそこの裏路地まで来い」
男「いえいえ俺が好きなので女さんなので」
キンニ君「こいつ破滅級の馬鹿だwwwwwwww」
A「さっきのお詫びにボッコボコにしてやっから来いって言ってんだよ!」
(Aキレる)
男「嫌に決まってるじゃん、そんな事言われてホイホイついて行く馬鹿が居ると思う?病院行ったら?」
A「こいつムカつく……」
キンニ君「嫌でも来てもらうぜ、あの女がどうなってもいいのか?」
男「女さんに何かしたのかデクの棒?」
キンニ君「いやまだだ、だがお前が来ないなら捕まえてなんかすっけどな」
(キンニ君ちょっとキレる)
男「良いだろう、行けば良いんだろ?行ってやるよ」
A(最初からこう言っとけば良かったかな……)
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/09(水) 19:29:12.08 ID:xkaoAXI0
やべwwwwwwwwミスって「続き投下」入れちゃった、みなさんごめんなさい
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/10(木) 16:55:33.54 ID:I90.wmY0
GJです!
がんばってください!
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/11(金) 17:37:02.77 ID:ZiNEHxU0
応援しています!
続きがんばって下さいなww
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/11(金) 17:50:04.57 ID:VkJYUBQ0
早く続きをお願いしまっす。気になって会社から出られん。
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/11(金) 17:51:31.53 ID:hcLfgYDO
見てるぞー!
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/11(金) 18:12:39.15 ID:fenkEw.0
応援ありがとうございます!続き投下

裏路地にて

キンニ君「このへんでいいかな、じゃあやッガッハァ!」
(キンニ君が振り向くと同時に男の蹴りがキンニ君の股間にクリーンヒット)
キンニ君「グフ!ギャン!ザクレロォ!」
(立て続けに男の拳がキンニ君の鳩尾、喉、顎にヒット、キンニ君倒れる)
男「よっこらしょっと」
(男倒れたキンニ君に馬乗り、マウントポディションに)
キンニ君「グェ!ガッ!グハ!」
(男そのままキンニ君を殴り続ける)
男「ん?こいつ何もしてこないな、面白い」
(キンニ君、無抵抗戦法が裏目に)
キンニ君「ワイの……完敗や……」
(キンニ君ダウン)
男「さて、言う通りに裏路地まで来たんだから女さんに何かするなよ。やったら[ピーーー]」
A「え?あ、ハッハイィ!」
(男そのまま裏路地を去る)
A「……つ、強」

男「まったく、無駄な運動させられたな……桃缶とグラノーラ買わなきゃ」
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 01:43:40.99 ID:IAhF.OA0
GJなんだぜ
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/12(土) 01:50:31.30 ID:kPaoIPAo
1日1話が限界なのか どっしり構えて待つとするか
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/12(土) 17:47:07.53 ID:GsiMUb.0
TA☆NO☆SI☆MI
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/12(土) 21:25:37.11 ID:bGgsdXQ0
待ってるよーがんばれー
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/13(日) 12:18:02.36 ID:jfuOvgQo
|д゚) はやくかえってきてね
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/13(日) 14:01:54.98 ID:La9ErFo0
投下マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/13(日) 22:52:18.95 ID:3obnD0I0
wktk 穂種
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/14(月) 06:11:26.31 ID:8e3ao3o0
翌日学校にて

A(回想)「女が最近仲良くしてる男君だって、ホントはアンタを迷惑がってるって事v」
女(Aがあの時言った事は本当だろうか、男は私の事を迷惑に思っているのだろうか?でも男は私に話しかけてくれたし……)
モグモグ……(女の横から謎の音)
女「ん?」
男「モッグモッグクッチャクッチャ」
(女音のした方へ振り向く、男教科書に盾にして早弁中)
女「……おい、何をやってるんだ?」
男「何って早弁だけど?」
女「当然の事のように言うなよ!しかもまだ一時間目だぞ!」
男「しょうが無いじゃない、今日のお弁当エビフライなんだもん」
女「……エビフライ好きなのか?」
男「大好き、伊勢海老のエビフライとか食べてみたいね」
女「結構子供っぽいな」
男「なにおぅ?エビフライは素晴らしい食べ物なんだよ女さん、カリッと上がった衣とプリッとしたエビが醸し出すハーモニーは最高なんだよ?」
女「そうかそうか……ところで男」
男「何?女さん」
女「今気づいたんだがお前の後ろに先生が立っているぞ」
クルッ(男後ろを振り向く)
先生「……」
男「……せ、先生、一体どこへんから?」
先生「伊勢海老のエビフライの辺りから」
女「そんな前から?」
男「えっと……先生も食べます?尻尾しか残ってませんけど」
先生「……廊下に立ってろ」
男「嫌です」
先生「立つんだよ!ほら来い!」
(先生、男の襟首掴んで教室の外へ向かおうとする)
男「ヤダヤダ立ちたくない立ちたくないー!」
(男大人げなく必至にだだこねる)
女「……哀れだな」
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/14(月) 13:31:25.41 ID:/1p0i9w0
男かぁいいなー 
続きに激しくwktk
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/14(月) 16:21:14.72 ID:91l2m2Io
早くせんか!
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/14(月) 21:23:10.25 ID:Sspnl760
いや焦らなくていいよ
GJだぜ
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/15(火) 18:43:47.09 ID:0W3IcMAO
GJGJ!
女たんはやっぱりかわいいな
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/16(水) 04:24:54.98 ID:diMRpnQ0
女「それでな、母さん。その>>男ってヤツが授業中にエビフライを食べてたんだ。しかも伊勢海老! 先生の指摘も中々のもので、一目見ただけで・・・・」
母「ふふっ」
女「? どうしたんだ? 私、何かおかしなこと・・・・いや、おかしいのは>>男のほうなんだが」
母「>>女ったらここのところ毎日その>>男くんの話ばかりしてるじゃないのww」
 「・・・もう彼女いないか聞いた? メールのやり取りは?」
女「あっ、いや、その…全然そういうのじゃないんだよ、本当に>>男がおかしくてっ、それだけなんだ」
母「そう? …前は家に帰るとすぐに部屋に篭ってたじゃない。お母さん、学校のことが心配で先生に相談でもしようかなって思ってたんだけど…」
 「>>女がそうやって楽しそうに学校のコト話してくれると、お母さんも安心だわ…」
女(う…)
 「もうすぐ期末だし、そろそろ勉強しなくちゃ…お母さんもあまりそういうのは気にしないでくれないか」
 「私は学校でも上手くやってるし、話し相手もちゃんと居る。もしいじめられそうになったらちゃんと相談はするさ」


女(メールか…そういえば、>>男のアドレスはまだ聞いてなかったな。…というより、その発想は無かった)
 (今度聞いてみよっと…)



【数日後】



A「>>女ー」
女(ビクッ)「な、何か用かな?」
B「あんた最近やけにそわそわしてね? 携帯持ってww」
C「>>女のアドレス帳少なすぎwwwwww 家族だけってどんだけ孤独なんだよお前wwwwwwww」
女「! 見たのか…携帯…」(体育のときか…)
 (でも別段異常があるわけじゃないし…電池も抜かれてない…)
A「あwwwwww きたwwwwwwww」
(ガラッ)
男「おーい、誰か俺の携帯知らねー?」
友「体育ん時無くしたんだってー。誰か見なかったかー?」
女「あ……お、お前ら……」
A「>>男の携帯?」
B「あれ? >>女の机の中に入ってるやつじゃね?」
女「え…」
(Bが引き出しを覗き込む)
B「うっわ、何これ…バッキバキじゃん…」
A「引くわ…あんた>>男とは仲良かったのになんでー?」
C「陰湿にも程があるだろ…常識的に考えて…」
女(お前たちがやったんだろう…!)
 (いかん、涙が出そうだ…泣くな、泣くな…またお母さんに心配かけるぞ…泣くな…泣くな…泣くな…)
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/16(水) 04:25:40.76 ID:diMRpnQ0
男「あれ? ごめんwwwwwwwwポケットにあったわwwwwwwwwwwww」
ABC「は…?」
女「え?」
(男、女の机を覗く)
男「あー…ほらこれ、砂だらけじゃん。道路にでも落ちてたの、誰かがこの中に入れたんだろ」
女(いや…でも確かにこれは男の携帯のはず)
男「…」(ボソッ)
女「え?」
男「さっき友に携帯借りといたんだ」
(男、そう言ってポケットの中の携帯を取り出す)
女「?………あ」



【その日の放課後】



女「本当にすまなかった。本来なら私のコレがああなる予定だったんだが、今回は>>男に矛先が向けられてしまったようだ…」
男「予定って…」
 「友と俺の機種同じで良かったな。何とか誤魔化せたし」
女「で、でも君の携帯は粉々になってしまったじゃないか。大事なものなんだろ? そ、その…彼女とか友達のアドレスだとか…」
 「いっぱい登録してあって…写真だとか、データも全部…」
男「?…そんなもんまた聞けば良いだろ。しかも俺彼女いねーし、つーかメールすんの男友達が殆どだしな」
女「そ、そうなのか?」
男「それに大事な写真とか音楽はSDに入れてバックアップも取ってあるしな。今回みたいな非常事態に備えて」
女「そうか…」
 「とにかくっ、お詫びはさせてもらう! 何か私に出来ることがあるなら協力するし、携帯も弁償もするから安心してくれ」
男「あー…」
女「何かあるか?」
男「んじゃこれからさ」
 「携帯、買いに行こうか」



A「何アレ…何? どういうことだよ…」
B「きめぇ…>>男の携帯買いに行ってる、二人で…マジきめぇ…しかも>>女のやつめっちゃ嬉しそう」
C「あ、ありのままに(ry」
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/16(水) 05:54:43.89 ID:diMRpnQ0
○今回から>>女を「被害クール」略して「被ク」と表記します。呼称は、そのままで。


(ボリボリ…)
被ク「相変わらず授業中に食うのが好きだな。そんなに腹が減っているのか? もしかしてちゃんと朝ご飯食べてないのか?」
男 「いや、毎朝ちゃんと食べてる。ご飯は必ずおかわりするしな」
被ク「……」
男 「いやそんな呆れた顔で俺を見んで下さいよっ!? だって仕方ないだろ、体育の後で腹減ってるんだよ。>>女さんも食べる?」
被ク「いらん」
(グゥ〜)
被ク「あ……」
男 「鳴ってんじゃん腹……食べる? ポテコ」
被ク「ポテコ?」
男 「指輪ぐらいの大きさのスナック菓子。こいつが最高に美味い」
被ク「食べられる指輪なんて聞いたことがないな」
男 「食ってみ。いや、マジで多分それ世界で一番美味い指輪だわ。”指輪なのに食える”ッ!そして”食える上に美味い”ッ! 最高にロマンチックなお菓子じゃないか!!」
被ク「お前バカだろ」
男 「いや、食ってみって、ホント。絶対に美味いから、な?」
被ク「……」
(ぱくっ)
先生「こら!お前ら授業中に何食っとるんだ!」
被ク「あ、いえっ先生これはこの男がっ」
男 「オーノーだズラ。おめえもう駄目ズラ。先生に見つかっちまったからお仕置きで廊下に立たされるズラ」
被ク「…何だその口調は。お前こうなるの知っててわざとやっただろう? お前が立たされるのは勝手だが私を巻き添いにするな。こないだ問題の答え教えてやったろう、それをお前、お前は恩を仇で返すのか!?」
男 「オメーが俺のポテコ美味そうに見つめてるからだろうがッ! なァ>>女よォ〜〜〜!!」
先生「お前ら……そんなに俺の授業が嫌いか……」



A 「な、何あれ…意味わかる?」
B 「いや、全然」
C 「つーか>>男ジョジョオタかよ…」
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/16(水) 09:57:03.58 ID:EDQ7EF.0
>>72-74の人ありがとうございました、俺も投下

放課後

男「ABCさん、ちょっと校庭裏まで来てくれません?話があるので」
A「は、話があるならここで言えよ」
B「そ、そうだよ」
C「てかなんで私達なんだよ」
男「俺は来てくれと言ってるです、四の五の言わずに来て下さい」
ABC「……」
男「あと紙ここに置いておきますね、書く内容はなるべく家族宛てにお願いします」
A(家族宛て?遺書!?)
B(うわぁ……なんかすっげー起こってるよ)
C(やりすぎたかなぁ)

このあとABCがどうなったかは御想像におまかせします
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/16(水) 10:23:56.92 ID:EDQ7EF.0
続けて投下

翌日の放課後

男「被クさん、今日家に寄っていかない?家族とか居ないし」
被ク「え?えと、いいのか?」
男「誘ってるんだからいいに決まってるじゃない。寄って行きなよ、桃缶とグラノーラあるよ」
被ク「何故桃缶とグラノーラ?」
A「おい男!」
(男の後ろからABC登場)
男「ああ、今朝何故か顔にアザがいっぱいある状態で登校してきたAさんとBさんとCさん(以後ABCさん)
被ク「そういえばそうだったな」
A「昨日の恨みだ!今日と言う今日は生きて帰れると思うなよ!」
(ABCの後ろからキンニ君と不良っぽい男二名登場)
キンニ君「久しぶりだな男、この前は不意打ちでやられたが今日は通用しないぜ」
不良A「お前が例の男か、今のうちに遺書書いたほうが良いんじゃないの?」
不良B「まっ、そんな時間やらねーけどな!」
男「御託並べてねぇでさっさと来やがれ、被クさん下がってて」
被ク「あ、ああ。ところで彼らとは何が?」
男「うん、色々ね。でもすぐ終わるから」
キンニ君「何時まで余裕ぶっこいてられっかな![ピーーー]!」
(キンニ君の右パンチ攻撃!)
スカッ
(しかし男に避けられた!)
ボッ!
(男の攻撃!キンニ君のアゴにクリーンヒット!)
不良A「これでも喰らえ!」
(右から不良Aの鉄パイプ攻撃!)
パシッ、グルン
(男、鉄パイプで右手で掴んだ後ねじって奪う)
ガスッ!ガン!
(男、不良Aの腹に喧嘩キック食らわせると同時に後ろに居た不良Bに奪った鉄パイプで攻撃)
キンニ君「このっ!」
(キンニ君回復、男に襲いかかる)
ポイッ、ドッ!
(男鉄パイプをキンニ君に投げ、キンニ君の鳩尾に拳をめり込ませる)
(不良Bの右拳が左から襲いかかる、男少ししゃがんで避け、右拳で顎にアッパー)
不良A「うおぉぉぉぉ!」
(不良Aが後ろから襲いかかる)
男「不意打ちする時に掛け声は良くないね」
(男の後ろ回し蹴りが不良Aの顎にヒット)
(不良A&B気絶により戦闘不能)
(男、キンニ君の頭を持って膝に叩きつける)
男「よっこらしょういち」
(そのまま押し倒し馬乗り、マウントポジョンに)
(男そのままキンニ君を殴りまくる、キンニ君無抵抗主義が再び失敗)
キンニ君「ちょまガッ!グッ!まっ…グェ!ガッハッ……」
(キンニ君気絶により戦闘不能)
男「終わったよ被クさん、じゃあ行こう」
被ク「……え?あ、わ、分かった。行こう」
ABC「……」
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/16(水) 14:54:00.38 ID:CzZSYcU0
おもすれぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇx
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/16(水) 15:14:38.05 ID:P75cieYo
見てるよー
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/16(水) 15:25:18.87 ID:diMRpnQ0
>>75-76さんのとは少し時系列が違うかも知れませんが一応。


被ク「……買ったばかりの上履き、またか。何度やっても飽きないんだな、ホントに……毎朝毎朝……」
男 「あ、>>女さん女さん」
被ク「やぁ、おはよう>>男 何か用かい?」
男 「あー……今日の放課後、ちょっと良いかな」
被ク「? 別に構わないが」
男 「じゃあさ、美術室の前で待っててくれよ」


【放課後】
被ク「絵の被写体?……私にか?」
男 「うむ」
  「俺な、美大受験しようと思ってんだけどな。ここの部員俺だけだし、ここらへんに美大予備校とか無いから、こうやって放課後は一人で絵描いてるわけ」
被ク「友人は?」
男 「あ、駄目駄目……あいつらあんまそういうの興味ないから。よく遊んだりするけど、仲間内だと絵描いてるのは俺だけ。完ッ璧に個人趣味の領域だけど」
  「そうそう、そんで誰かデッサンのモチーフになってくれる人探してたんだけど。じっとしてるのが嫌だからってよく断られるんだよな。付き合ってくれたのは>>女さんくらいだ」
被ク「ッ……そ、そうか? 私はその、あまりこういうのが苦にはならないんだ。普段もじっとしてることが……多いからな……」
男 「そういや>>女さんが誰かと話してんの、あんまり見ないな…席は隣だけど」
被ク「私はほら、学校ではあんまり仲の良い友人は居なくてな。私とこうやって話してくれるのは>>男くらいだ」
男 「んー、俺も>>女さんのことは大人しい人だと思ってたけど、喋ってみて全然印象変わったからな」
  「もっと積極的に話しかければ友達出来るんじゃない? ほら、>>女さんって見た目ちょっとクールだからな」
被ク「……あ、ああ」
  「そう…見えるかい?」
男 「?」
被ク「あの三人に目を付けられるのが嫌で大人しくしてるだけなんだけどな……それが変に人を寄せ付けないんだったら……」
男 「そう? でも俺は格好良いと思うけどなぁ〜〜」
被ク「格好良い…のか?」
男 「これはある種のフェティチ(かんだ) ……フェティシズムだな。分かるやつには分かる、工場の夜景とか、廃棄ビルとか。ちょっと変わったのが好きなんだよなー」
被ク「ちょっと変わったのが……”好き”っ!?」
  「なっ、何を言っているんだお前、いきなりっ! なんだそれは、お前、お前それはっ、おっ、おっおっおっおっ、おまっ」
俺 「あ、そうだ…俺で良かったらいつでも話し相手になるからさ、ここで愚痴でも何でも言うと良いよ。その代わり>>女さん、暇なときは被写体になってくれよ」
被ク「好っ……おっ、お前……」
俺 「つーか>>女さん、こないだ俺が携帯買ったときにメアド渡したじゃん。たまには連絡くれよ」
被ク「えっ…あ、うん。じゃ、じゃあ送るが……返事はちゃんとしろよ」
俺 「するよー」
被ク「ほ、ホントに?////」
俺 「ホントよー」
被ク「そ、それとさっきの『好き』っていうのはお前……それは……」
俺 「うーん、名づけるなら新ジャンル『被害クール』……これは流行るな」
被ク「え?」
俺 「え?」
被ク「新ジャ……いや、やっぱり良い」


A 「何か絵描いてんだけど……」
B 「きめぇ……」
C 「と、とりあえず>>男がVIP住人だってことは分かった」
先生「お前ら……美術部に何か用か?……」
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/16(水) 21:24:35.83 ID:ucbHVrIo
GJ!
女さんかわいすぎるよー
81 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/16(水) 23:17:42.59 ID:diMRpnQ0
(被クが放課後に美術室に行くようになってから数日後)

被ク(>>男のやつ、よっぽど暇なんだな。ここ最近毎日メール送り返してきて)
  (おっと…送ってるのは私か………////)
ヴィー ヴィー
  「あ、メール……男からだ」
男 『ごめん>>女さん 今日はちょっと用事があるから、放課後は帰宅で」
被ク「そうか……」


A 「あ、>>女? 今帰り?」
B 「Aがハンドボールの練習したいって言ってんだけどww 付き合ってくんね?」
被ク「…ああ。別に構わないよ」
C 「あんたってホント素直でいい子だねーww じゃ、ちょっと背中向いて」
被ク「こ、こうか?」
(ドンッ)
被ク「痛っ…」
  「なんだこれっ…泥じゃないか…」
A 「あ、ごめんねーww 体育倉庫空いて無かったんだわww」
被ク(だから泥団子か。…一個一個お手製のな、精の出ることだ)
C 「そんで>>女、もう>>男くんには告ったわけ?」
被ク(ビクッ)
  「な、なんだいきなりっ!!」
C 「照れんなよーww あいつあれでしょ? いっつも放課後んなると一人で絵描いてんでしょ?」
A 「そなの?」
B 「へぇ〜、C詳しいじゃんww」
C 「え……あ、うん。まぁね……で、どうなん>>女? >>男くんのこと好きなんだでしょ?」
被ク「あ、いやっ……」
  (どうしよう。正直に言えば携帯のとき(>>72)みたいにまた>>男が被害を受けるし…)
  (でも……)
A 「今日のCやけに積極的だねーww」
B 「Cも男のこと好きなんじゃねぇの?」
C 「は、はぁ? あんなん好きになんの>>女だけっしょww あたしそんなゲテモノ好きじゃねーしwwwwww」
AB「だよねーwwwwwwwwww」
被ク「そ、そうだろうな…やはり私も相当の変わり者なんだろうな。でも」
  「私は>>男のことが好きだ」
A 「……」
B 「……」
C 「……」
被ク「どうかしたか?」
A 「何真顔で調子こいたこと言ってんだよ! 何? 愛の告白ッスかぁ?wwwwwwww 流行んねーんだよwwwwwwww」
B 「一瞬マジで空気止まったわwwwwwwww引くwwwwwwww引くしかないwwwwwwwwww本人の目の前でやれっつのwwwwwwwwww」
C 「……」
A 「しかも泥まみれでwwwwwwwwどんなギャグだよwwwwwwwwww」
B 「つかCwwwwwwww固まりすぎwwwwwwwwwwww」
被ク「…すまない。こんな格好になってしまって、少し躍起になっていたようだ。今日はこの辺りで失礼するよ」


 立ち去ろうとする>>女の背中に、何度も何度も泥団子が投げられた。
 特にハンドボール部所属のAは肩が強く、どこまで歩いても執拗に的を追い続けた。
 >>女はいつもの様に瞳をグッと堪えながら帰路を歩いた。家に帰ったらまた>>男とメールでもしよう。そう考えると、何故か泥団子の衝撃なんて気にしなくなっていた。
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/16(水) 23:23:19.30 ID:7/B6wCQo
そろそろABCはレイプされるべき
女の眼前で

無論女は無事で
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/16(水) 23:23:55.72 ID:6k7CvKEo
。・゚・(ノД`)女かわいそう ABCをなんとかしてくれよぉ
84 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/16(水) 23:30:52.72 ID:diMRpnQ0
あ、すいません。書き手がごっちゃになるといけないので、前回からコテハンです。

>>82-83
ABCが居ないと被クが被クでなくなってしまうじゃあないですか。
でもせっかくなので、ちゃんとABCもキャラクター色を強くしたら、面白いんじゃないかと書いております。自分は。
……というかもうそろそろ初スレから一ヶ月経つのか。早いなあ。
85 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/16(水) 23:40:31.86 ID:diMRpnQ0
先生「じゃあこの問題を……被害クール、お前解いてみろ」
被ク「はい! 答えは○○です」
  (ふっ、決まった。見ていたか>>男よ……)
男 「zzzz」
被ク「…………」



A 「なんかさー 最近アイツやたらテンション高くね? うっぜーんですけど」
B 「今日の放課後どーする? あたし彼氏と遊び行くんだけど。C暇でしょー、あたし抜きでやっといてよ」
C 「……あ、あたしもパス。何かちょっと乗り気じゃないし」
A 「なんかCさー、最近おとなしくない?」
B 「おとなしーっつかノリ悪くね。前はアイツいじめるっつったら大はしゃぎだったじゃん」
C 「…ンつーか。飽きたっつーか」
  「元々あたしはあんたら二人に付き合ってただけだしさー。なんつーかなぁ、こう」
  「あたしの中で”マイブーム”みたいなのがさ、変わったんだよね。>>女いじめんのも飽きたっつーか…」
A 「ハァ?」
C 「アイツが>>男と携帯買いに行った時、あたしら何してたよ? ずっと二人の後付けて陰から覗いてただけじゃん」
  「もう何つーかあそこらへんから虚しくなったっつーか」
  「あたしは飽きた。スイーツ(笑)」
B 「つかCさ」
  「マジで>>男のこと好きなわけ?」
C 「あ…?」
A 「前からおかしかったよなぁ? なんか男がオタっぽい話すると妙に反応してたしww何、Cってああいうのが好きなわけ? アキバ系

が?wwwwww」
B 「ちょ…A、あんたがCにケンカ売ってどうすんのよ…」
A 「あたしら共犯だぜ?」
  「今更いい子ぶってんじゃねーよ」
C 「……」
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/16(水) 23:42:07.68 ID:7/B6wCQo
Cも属性「被害クール」入りか?
87 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 00:03:31.78 ID:iI2hz6Y0
被ク(>>男も私がいじめられているのは知っている……)
  (でも、どうしてもあいつには相談する気になれない。何故だろう……)
  (やはりそれは私が……お、>>男のことを…………////)
男 「zzzz」
被ク「おい男……今は全校集会中だ。いびきを掻いて寝ている場合じゃないぞ」



素ヒ「喜べ男ォォォォ、今日はお前のために弁当を作ってきたぞォォォォ、さぁ食べろォォォォォ! !」
男子「うるさい、全校集会で叫ぶな」


男 「んっ…っるっせーなー…誰だ、全校集会中に叫んでるやつは。迷惑じゃないか」
被ク「人の隣でガーガー言いながら寝ている君も大分と迷惑なんだが」
  (……しかし、なるほど。ああいう表現もあるのか。参考にさせて貰おう)


【翌日】


被ク「なあなあ、>>男!」
男 「何、>>女さん?」
被ク「喜べ>>男ぉぉぉっ、きょ、今日はお前のためにクッキーを焼いてきたぞぉぉっ、さぁ食べろぉぉぉっ!!」
男 「お、サンキュー」
  「……ぜ、全部ボロボロだけど美味しいよ>>女さん」
被ク「…………」



A「クスクスクス」
88 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 00:37:57.81 ID:iI2hz6Y0
男 「>>女さんって普段何してんの?」
被ク「プライベートか? 読書だ」
男 「ははっ>>女さんのことだから難しそうな本読んでそうだなぁ」
被ク「そうか。何でも読む方だから、君が知っているのもあるかもな」
  「『物理的相対性理論』とか『物性論における場の量子論』とかな。古典だったら『信長公記』に『栄華物語』……勿論日本三大奇書も読んだぞ。知ってるか?『ドグラ・マグラ』とか『家畜人ヤプー』とか、あれはちょっと特殊だが」
男 「すまん、全くわからん」
被ク「そうか……まぁ絶版したものもあるからな。大きな図書館じゃないと置いてない」
男 「買ってんの?」
被ク「いや……私の家はその、あまり裕福なほうじゃなくてな。買うにしても文庫を中古でだ」
  「けど、お母さんの知り合いが図書館で働いててな。昔から一人で遊びに行くと、貸し出し禁止のものでも読ませてくれるんだ」
男 「そ、そうなのか…」
被ク「男は本は読まないのか?」
男 「ジャンプとかサンデーとか」
  「大王、アフタヌーン、アワーズ、フラッパー……」
被ク「すまん、全くわからん」
男 「そうか……じゃあ>>女さん、また良いの見つけたら教えてよ。あ、借りたほうが早かったらお願い」
被ク「ああ、勿論いいぞ。ちゃんと……乾かしてあるし……」
男 「……」
被ク「わけあってずぶ濡れでな」
男 「いや……大丈夫だ。皆まで言うな」
89 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 01:07:38.82 ID:iI2hz6Y0
男 「>>女さんって好きな曲とか無いの?」
被ク「ケルトだ」
男 「ケ ………??」
  「邦楽は?」
被ク「あまり聞かないな。書店やコンビニで流れているのはよく耳にするが、名前と曲は覚えていない」
  「男は何を聴くんだ?」
男 「あー……ipodあるけど、聴いてみる?」




被ク「ヒクッ……ふぇぇ……」
友 「お前>>女ちゃんに何聴かせたんだよ」
男 「ぶ、ブルーハーツの……ロクデナシ……」



 世間に虐げられた系の曲を聴くと泣いてしまうようです。
90 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 01:44:09.39 ID:iI2hz6Y0
男 「今日は俺の友達も一緒です」
友 「ういーっす、どうも>>女ちゃん。同じクラスの>>友です」
被ク「ああ、君も知っているよ。>>男とよく話しているの見ているし、以前>>男に携帯を貸してくれたのも君だったな」
友 「あー……それと」


チラッ


素ヒ「友ォォォォッッ!! 一緒に帰ろォォォォォ……あれ??」
友 「彼女の……”素直ヒート”です」
  「>>男の邪魔になるから、なるべく美術室には連れて来たくなかったんだけどな」
被ク「……ゆ、友人の彼女だったのか」
男 「ヒートさんは一つ上の学年だからな。さすがの>>女さんもあまりよくは知らなかったろう」
  (ヒソっ)
  「>>友のやつが学校ではあまり会わないようにしてるんだよ。会うとほら、叫ぶから……ね」
被ク「なるほど」
素ヒ「初めましてッ! えぇと……」
被ク「あ、えっと”被害クール”です。初めまして、素直ヒート先輩」
素ヒ「”被ク”か! そうかぁ>>男の彼女かッ! >>男も遂に女を持つようになったんだなぁぁぁッ!!」
男 「あ、いえ、そ、そいうのではなく」
被ク「か、かかか、かのっ、彼女なんかじゃっ、……ち、違います。ただ>>男には話し相手になって貰っているだけです(////)」
素ヒ「おい>>友ォォォォッ! 見ろォォォ、こいつらの顔がァ、真ァァァっ赤に燃えているぞォォォォォッ!!」
友 「分かったからちょっと黙れ」
  (なんだかんだで>>男もまんざらでもなさそうなのな)
91 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 02:04:48.64 ID:iI2hz6Y0
A 「あれー? >>男君の体操着ボロボロじゃん、誰がやったんだろーww」
B 「って思ったら>>女の体操着も糊でベタベタじゃーんwwwwww」
C 「あ…………」


男 「一瞬だけ目を離しただけなのにな」
被ク「執拗に監視するのが愉しくてしょうがない連中なんだ。すまない……」
男 「何で>>女さんが謝ってるんだよ」
  「糊なら洗えば落ちるさ……多分な。俺ん家で洗っといてやるから、お母さんにはそれっぽく言っときなよ」
被ク「……ご、ごめんな。ほんとに……」
男 「別に良ーって。これくらいなら」


A 「出たよ被害カップル……」
B 「何だあいつら……いじめられてんのにイチャイチャしてんのがマジうぜぇわ……」
C 「…………」
A (あー、そろそろかな)


【翌朝】


被ク「おや。今朝は何も無しか……ん?」
C 「…………」
被ク「お、おはようC。一人で何してるんだ?」
キラッ
被ク「……画鋲?」
C 「ち、違ぇーよ!……あ、ああ、これな。お前の下駄箱に入れとけっつわれたんだよ!」
被ク「『言われた』って……それに今、明らかに君は下駄箱から取り出してたじゃないか」
C 「ッ……違ぇっつってんだろ!! 良いから教室行ってろよ!!」
被ク(ビクッ)
  「…………わ、わかった。そうするよ」


C 「くそッ……今度はあたしかよ、あいつら……」
素ヒ「な、なんだこれはぁぁぁぁぁっ!!」
C (ビクッ)
素ヒ「誰だぁぁぁぁっ!! 私の引き出しに画鋲なんか入れやがったのはぁぁぁぁあっ!! はっ、そこの一年ッ!お前もかぁぁぁぁッ!!」
C 「え、あ……いえ、まぁ……」
素ヒ「くっそォォォォッ!! 誰だこんなことをしやがったのはぁぁぁぁッ!!私は”被害ヒート”じゃねぇぞぉぉぉぉッ!!」
  「やったヤツは探し出して先生に言い付けてやるからなぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
C 「探し出す前に言いつけたほうが早いのでは……?」
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/17(木) 03:37:30.71 ID:5Tl2eJUo
素直ヒートかっけぇwwwwww
93 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 03:46:24.76 ID:iI2hz6Y0
被ク「す、すみません。遂に素直ヒート先輩にまで迷惑を掛けてしまうことになるとは……」
素ヒ「なっ……お、お前がやったのか被クぅッ!!」
被ク「ち、違……あっやめて……アイアンクロウはっ……ううっ……」
友 「違う」
スパァンッ
素ヒ「いっ、痛いじゃないか>>友ォォォォッ!!」
友 「まったく…でもマジだよな、あいつら。俺の教科書も便所に突っ込まれてたって」
素ヒ「ッ!! 被害クール、貴様というヤツはぁぁぁぁあぁぁぁッ!! 許せんッ!! もはや明日の夕日を拝む事など出来んぞぉぉぉぉっ!!」
男 「だから違うんです、先輩」
  「お、俺達、ていうか……>>女さんが……その……」


素ヒ「いじめ?」
被ク「いつ頃だったかな。最初の頃は遊び半分だったんだと思う……それでもなるべく動じないようにしようとして、自然体で居ようとしたことが拍車を掛けてしまったんだろうな」
  「私に関わると同じ事になるからか、それとも同じく私のことが気に食わないからか、他の生徒は黙認している。今では波紋が広がって……>>男や先輩達にまで火の粉が飛んでしまっている」
  「私一人だったら……楽なんだけど……強がることには、慣れてるから……」
友 「先生には?」
被ク「……言ってない。私の家はアパートで母と二人暮らしだ。母の給料と父の慰謝料で何とか生活している」
  「そんな母に心配はさせたくなかったんだ。でも、私のせいで君達にひどい事をしてしまった……」
  「本当に、ごめんなさい」
素ヒ「被害クールよ」
被ク「え?」
素ヒ「お前はっ、バカかぁぁぁぁぁっ!?」
被ク(ビクッ)
素ヒ「ビクッとすんなぁぁぁっ!! 良いかっ、お前も>>友や>>男のように持ち物を壊されたんだろうっ!? 家が貧乏なら尚更だッ、誰かに助けを求めろぉぉっ!!」
  「それを『心配かけたくないから黙っていた』だとっ!? お前はバカだぁッ!!」
  「お母さんにとって、唯一の家族であるお前が苦しむことが一番、一ィィィち番ッ、悲しいコトじゃあ無いのかああああああっ!!」
  「どうなんだ、答えてみろ”被ク”っ!! う、うっ……ぅぅぅぅうわぁぁぁぁんっ!!」
友 「お前が泣いてどうすんだよ」
素ヒ「うわぁぁぁん、>>友ぉぉぉぉぉっ!!」
友 「だがな被クちゃん、そして>>男……俺もヒートと同じ意見だ」
  「お前ら教室じゃ『被害コンビ』とか『被害夫婦』だとか言われてるが、それに甘んじてるんじゃないか」
男 「何のことだ」
友 「わからないか>>男? 被クちゃんもお前もお互い虐められて、それで慰め合うことで満足してるんだよ」
  「”君だけじゃない、自分も君と同じ”……そう思わせれば被クちゃんの気は楽になるが、何も解決はしないんだぜ」
素ヒ「その通りだ>>友ぉぉぉぉっ!! お前は何て良いことを言うやつなんだぁぁぁぁぁっ!!」
被ク「し、しかし……」
  「私達二人でどうにか出来ることじゃない。ABCの三人がちょっと脅せば、他の生徒だって向こう側につく」
友 「かもな。だが安心しろ」
  「もう俺とヒートも居る。四人だ……二人で駄目だったことでも、四人でなら何とか出来るだろう」
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/17(木) 03:47:10.10 ID:kY1lW3Y0
最初からCは信じてたッ!!
C子かわいいよ
95 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 04:26:21.94 ID:iI2hz6Y0
 それからと言うもの……

A 「>>男と>>友のズボン、両方便所に置いとけば良いんじゃね?ww」
B 「ちょwwwwwwガチホモ演出wwwwwwwwでもおっけーwwwwwwww」
A 「んじゃC、あんたあのヒートって先輩の下駄箱頼むわww」
C 「……」
A 「頼 む わ」
C 「わ、わかったよ……」


素ヒ「おいぃぃぃっ!! 何でお前が>>友のズボン盗ってんだよぉぉぉぉぉぉっ!!」
A 「げっ……」
B 「やっば、逃げよっ」

 ヒート先輩が三人組と張り合い、未然に被害を防ごうとしてくれたり


A 「先生ぇ〜ww 男くんがこっちのことジロジロ見てくるんですけどぉ〜ww」
B 「きんめぇwwwwwwww」
友 「だがちょっと待って欲しい」
AB「ああ!?」
男 「zzzz」
友 「残念だがお前を視姦していたのは実はこの俺だッ! 男はこの通り寝ている」
A 「何なのこいつ 調子乗ってんじゃないわよ……」

ガラッ
素ヒ「私も視姦してくれぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
友 「いや、お前は来なくて良いから」


 こういった具合で教室内では>>友がフォローしてくれた。
96 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 04:30:55.66 ID:iI2hz6Y0
男 「ありがとな。>>友とヒート先輩のお陰で、前よりは随分と軽いよ。気持ちも、被害も。学校生活に支障をきたす分には、だけど」
友 「大っぴらにやってるのはともかく、細かいのは防げないからな」
  「……ま、それを何とかするのがお前の役目だろ。それと被クちゃんのメンタル面でのサポートだな」
男 「メンタルって……」
友 「しっかりしてる娘だからな、平気そうに見えて案外不安なんだよ」
  「自分でもなるべくネガティブにならないようにしてるんだろ。それが態度に出るから、余計にムカつかせてるんだよ」
  「だから、そんな被クちゃん支えてやれんのはお前くらいだ。美術室で二人っきりの時は、なるべく話を聞いてやることだな」
男 「あ、ああ……」
友 「……」
  「お前さ……ちょっと最近元気がないってか……何つーか……俺は不思議だったんだけど」
男 「何でこう、『受身』なんだよ? 被クちゃんはともかく……お前って大人しいけど度胸はあると思ってたから……」
ガラッ
被ク「>>男! 文化祭のポスターにお前の絵が載っていたぞ!」
男 「え……」
被ク「これだっ! この間油絵で描いてたやつだな。良かったなぁ>>男!」
男 「……」
被ク「男……?」


 学校には文化祭が迫っていた。
 入学してからのこの数ヶ月、ひたすらに絵を描き続けていたのは他でもない。全て、このためだった。
 この文化祭で、俺は描き溜めた絵を展示することが出来る。あの美術部には、たった一人で描き続けた俺の作品が展示される。
 俺だけの、小さな「個展」……それは俺のささやかな、本当にささやかな楽しみだったんだ。


 けれど……
 俺達がその『被害』を目の当たりにしたとき、それは───
 どんな人間がどれほど集まろうとも、決して元には戻せないことをしてしまったんだ。

97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/17(木) 08:13:41.06 ID:5Tl2eJUo
嫌わレッテル思い出した
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/17(木) 11:51:51.98 ID:qs3dUJ.o
いいねいいね
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/17(木) 12:53:13.45 ID:oYyCDx.0
wktk
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/17(木) 17:25:03.33 ID:kYkO5YQ0
>>76です、職人のみなさん来て下さってありがとうございます。
俺の役割はこれでお終い、後は皆さんにお任せします、みなさん男の喧嘩スキルの事を忘れないでくださいね。
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/17(木) 17:28:51.52 ID:5Tl2eJUo
被害って言ってもイジメの被害だけとは限らないよな・・・ゴクリ
102 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 20:29:57.87 ID:iI2hz6Y0
【放課後】
素ヒ「>友ぉぉぉぉっ!! 今日も四人で美術室かぁぁぁぁぁっ!?」
友 「いや、やめとこう」
素ヒ「……ふぇ?」
友 「今頃>>男は最後の追い込み掛けてるとこだ。邪魔しちゃまずい」


被ク「先生にもう許可は頂いたのか?」
男 「数ヶ月前にな」
被ク「ふふっ、そうか。……しかし、本当に凄いなぁ男は。この美術室がお前の絵で包まれるんだろう?」
男 「まぁね。けど、それほど凄いことでもない。美術部員は俺一人だし、この空間は殆ど俺と>>女さんだけしか利用してないからな」
  「それに、描いてれば絵は溜まるさ」
被ク「それを続けるのが凄いんじゃないか。好きなことでも、続けているうちに辛くなってしまうことだってある」
  「よく挫折せずにここまでやってきたなと感心しているんだ……ふふっ、何だか私まで嬉しくなってしまったよ」
男 「あ、はは」
被ク「私の絵も飾るのか?」
男 「あ、いや……」
  「デッサンは飾らないことにしてるんだ。そもそも、俺は人物をモチーフにした作品に自信が無い」
  「だから、植物や動物をね。自然の美しさとか、有機物の演出するフォルムを強く見せたいんだよ」
被ク「あ……そうなのか」
  (少し残念だな……)
  「また何か私に出来ることでもあったら言ってくれないか。お前には世話になっているし、頼まれれば何でもするぞ」
男 「ああ、ありがとう。でもしばらくは大丈夫だ、今描いてるのが最後だから」
被ク「そうか。……楽しみだな」


C 「……」
素ヒ「? ああっ、お前はこの間の一年じゃないかっ! 何だ? 美術室に何か用か?」
C 「ッ……い、いえ、別に、そんなんじゃ……」
素ヒ「だが残念っ! もう誰も居ないぞ、あそこに居た二人はさっき帰ったからな」
C 「そ、そうですか……」
素ヒ「ふむ……」
  「あ、そうかぁぁぁぁぁぁっ!! お前ぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
C (ビクッ)
  「なっ、ななな、何ですかぁ!?」
素ヒ「文化祭に先駆けて、誰よりも早く美術室の絵を見たいッ! そういう魂胆だなッ!!」(ビシッ)
C 「え……えと……」
素ヒ「しょぉぉがないなぁぁぁっ!! 本来は催しが行われる教室は部外者は立ち入り禁止だッ!」
  「私は生徒会の執行部員でなっ、こういった場では退場願うところだが今回は特別にっ!」
  「公開前見学を許そぉぉぉぉぉぉぉぉうッ!!……はいこれ、鍵ね」(ニコッ)
C 「…………ありがとうございます」
  「じゃあ、私はこれで」
素ヒ「うむっ!!」
  「青春だなぁっ……」
友 「おーい、ヒート?」
素ヒ「おお、>>友ぉっ! お前も絵を描いてみないかっ!?」
友 「な、何?」
素ヒ「そして次の展覧会前にぃっ、私に公開前見学させてくれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
友 「バカなこと言ってないで早く帰るぞ」
素ヒ「…………つれないなぁ」
  「だがっ、そんなお前が大好きぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/17(木) 20:38:48.23 ID:5Tl2eJUo
C もしくはCを利用してAに絵をぐちゃぐちゃにされるフラグか
104 :文才がない_ト ̄|○ ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 21:08:15.75 ID:iI2hz6Y0
【次の日の放課後】

被ク(文化祭までもう残り二日だ)
  (>>男の絵も今日で全て描き上がるし……後は飾るだけだな、ふふっ……)
  (それぞれのクラスの下準備が忙しかったからな。この数日間だけはあの三人組もあまり目立った事はしなかったし)
  (ほんの少しだけど、良い方向に向かっていってる気がする。>>男やヒート先輩のお陰だな……)

ガラッ

 
 扉を開けると、すぐに彼の姿が視界に映った。
 彼の名前を呼ぼうとしたとき、それがすっと喉の奥に引き戻されていくのが分かった。
 茜色に染まる美術室の中で私が見たのは、見慣れた───しかし初めて目にするそのすくんだ肩と、無残に引き裂かれた彼の作品たちだった。
105 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 21:20:09.91 ID:iI2hz6Y0
男 「…………あ、ああ、>>女さん」
被ク「>>男?……」
男 「絵は、反則だよなあ……」
  「これは駄目だ、ほんとに……はは、何て言うか……これだけは……」
被ク「……あいつらか」
男 「絵は……たった一度のアイデアのために途方もない時間を浪費し続けることもあって、途中で何度も何度も描けなくなって、それ

でも完成を信じて、諦めたくなかった……」
  「授業中……構想に悩んで、いつの間にか眠ってしまうことが殆どだ。でも、それだけに……完成させたかった……」
被ク「……」
  「今からじゃ駄目か? 今から描き直して、何とか一つだけでも飾ろう。ここに」

(男、首を横に振る)

男 「間に合わない。だから駄目なんだ……学校に入学してから数ヶ月以上かけて描いた。ここに置いてあったのはそういう絵ばかりな

んだ」
  「一個につき最低一ヶ月……文化祭は明後日だ。諦めるしかない」
被ク「ッ…………すまない」
  「全部、私のせいだ。君が私と関わったばかりに……迂闊だった……本当にすまない」
男 「本当はな、>>女さん。……俺、こうなるのが怖かったんだよ」
被ク「え?」
男 「作品は人質だったんだ、俺にとって……>>女さんが大切にしていた万年筆や制服ですら平気で使い物に出来なくする連中だぜ?


  「俺が絵を描いてるってこと知ったら、いずれはな。……だったら、せめて文化祭が終わるまではなるべく彼女達を逆上させないよ

うに、メチャクチャなことしないようにって……」
被ク「……!」



男『ん、そう。しかしよく俺の名前なんか知ってたな? 俺なんかあんま目立つ方でもないのに』



被ク「もしかして>>男、……君は……」
  「この文化祭で……」
男 「目立つ方じゃないって言ったよな俺、記憶力のいい>>女さんのことだ。覚えてんだろ」
  「今まで一人だけでこつこつ積み上げてきた苦労が、全校生徒に評価されると信じてたんだ」
  「そうなれば……あの三人だって、被害を黙認していた生徒だって、俺と君への価値観を変えてくれたかも知れない」
  「でも……もうおしまいだ。計画は失敗したんだ、今のこの『被害』が……決定打だ」
被ク「そ、そんなことはない」
  「今からでも描ける。描こう、>>男!」
男 「無理だよ」
  「こんなことならアンタに花でも集めてきて貰うべきだった。でも、ここにはもう何も描くものがない」
106 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 21:23:19.95 ID:iI2hz6Y0
被ク「わっ……」
  「……わたし、を……」
男 「え?」
被ク「わ、私では駄目かっ!?」
  「君が、ずっと毎日、必ず一回は描いてたのが私じゃないか! クロッキーにせよ、デッサンにせよ、君は私を選んで描いてくれてたんだろう!?」
  「大人しそうな、フェテチジュ(かんだ) ッ!……ふぇ、フェティシズムに誘われるような女だと言ったじゃないか!!……くっ」
男 「……」
被ク「ぅぅっ……ぁっ……あれは嘘だったのかっ!?……」
  「ぅくっ……私に関わってしまったことでっ、君に迷惑が掛かったのは本当に悪いと思っているっ、でもっ……」
  「そんな風に諦めるのは……っ」
男 「>>女さん……泣いて、んの?……」
被ク「当たり前だろっ!!」
  「君は知らないだろうけどな、これでも私は結構泣き脆い女なんだ……いじめられた日は家に帰った後、部屋に篭って必ず三時間は泣く、嗚咽が止まるまで夕飯は口に出来ないし───」
  「体操服が切られた日はそれを見て泣いた、万年筆が壊された日はっ、接着剤で必死に繋ぎとめようとしたけど、涙で視界がぼやけてそれどころじゃなかったっ!手にアロンアルファがついて大変なことになったっ!無理に剥がそうと皮がめくれて、それが虚しくて余計に泣けてくるんだ……」
  「Cに散発だと言って髪を短くされた日はっ……お母さんに聞こえないように、布団に潜りこみながら大声で泣き叫んだよ」
  「でもこれがっ……! 誰かのために泣くのはこれが初めてだっ……!」
男 「…………」
被ク「嬉しかったんだよっ、そんな私に、誰も相手にしてくれなかった私をっ……ぇっく……」
  「本当にごめんなさいっでもっ……」
  「お願いです、描いてっ……下さい……っ!」
男 「……」
  「うん……描くよ。いや、描かせて貰う。今わかった、>>女さんだから良いんだ、多分な」
被ク「本当かっ!? ぅわ、私で構わないんだなっ!」
男 「ああ、悪いが今の>>女さん……すっごく綺麗だ」
被ク「っ!……ぅぁぁぁぁっ……ばかっ……」
男 「嬉しかったんだ、俺も……」
  「いつも寝てばっかで、影は薄いし。クラスじゃ俺の名前なんて知らない奴も居た。でも、アンタはそんな俺の名前も顔も知っててくれただろ」
  「だから多分、それで自信がついたんだ。授業中は先生に叱られるようになったけど、早弁なんてアンタの横じゃなきゃ出来なかったよ」
被ク「そ、それは君が悪いっ……」
男 「ははっ、まぁな……でも自信がついたのは>>女さんのお陰だ」
  「さぁ準備を始めようぜ、被害クールさん。どうやら俺はもう、……絵の構成やアイデアで悩む必要は無さそうだ」
被ク「う、うん……そ、そうだなっいつまでも泣いているわけにはいかないしな」
  「すまない。私としたことが失態だった、今の涙は……忘れてくれ。そして存分に最高の絵に仕上げてくれ!!」
男 「そんな泣きっ面で言われてもな」
  「だが、勿論だ。二度と壊せないような絵を描いてやるさ」


男 (最高のモノを仕上げよう……)
  (それが完成して……そして文化祭が終わったら、俺は……俺は今気付いた自分の気持ちをちゃんと言うよ、クールさん……)
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/17(木) 21:46:45.09 ID:pZmHDngo
(´;ω;`)ウッ…
108 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/17(木) 21:49:45.18 ID:iI2hz6Y0
男 「じゃあ、>>女さん……また明日」
被ク「ああ……また明日な」
  「…………」


被ク「ただいま」
母 「おかえり、遅かったわね こんな時間まで何やってたの? 学校の行事か何か?」
被ク「ああ……文化祭の準備が忙しくてね。前にそう言わなかったかい?」
母 「えっ……あ、それもそうね」
  「ごめんなさい被ク、最近ちょっと仕事が忙しくて。ボーッとしてることが多いの……」
被ク「お母さんもあまり無理はしないで欲しい……晩御飯は後で自分で作るから……」
  「……それじゃ、私は先に部屋に戻ってるよ」
母 「……」
  「あんた、さ。やっぱり……学校で……」
被ク「何も心配はいらないよ」
母 「えっ……」
被ク「ほら、>>男のことは毎日話してたろ。彼の友人や先輩とも仲良くやっているしね」
母 「そう……」
被ク「じゃあ……母さん……」
母 「ええ……」


バタン


被ク「ぅっ……っく…………ぁっ、ぁぁ……」
  「何故……私じゃなかったんだ……何でだ……なんでっ……」
  「ごめん、>>男……本当にっ……本当に……」
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/18(金) 03:24:14.13 ID:oflyLPk0
◆UXGGyRWL3cには期待しているぞ。
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/18(金) 06:28:35.63 ID:NE9ZlOM0
>>45-59は無かった事にしたほうがよさそうだな
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/18(金) 06:43:00.22 ID:NE9ZlOM0
他の人に任せるとか言っておいてなんですが、やっぱり書きたくなっちゃいますよね。
ABC&キンニ君と不良AB側の展開ちょっと思いついたので書いちゃいます。二度レスゆるしてください

時間少し戻って

美術室の扉の近く
C「……AB、アンタたちやりすぎだよ」
(Cそう言うと同時に走り出す)
不良B(以後不B)「待てよC」
C「!……不B」
不B「まさかお前ひとりであいつらどうにか出来ると思ってるのか?」
C「……話し合えば…」
不B「ただ話して分かるような奴らじゃないのは知ってるだろ」
C「……!」
不B「分かったらお前は大人しくしてろ、良いな?」
C「分かったよ…でも、でもこれはひどすぎだよ……」
(泣きだすC)
C「男君頑張ってたんだよ?一生懸命頑張ってたんだよ?なのに……なのに」
不B「……あいつらに目を付けられたのが悪い」
(不B去る)
C「うう……」


不B「やりすぎだよなぁ……あれは」
  (おいおい、俺よ、まさか自分があいつらどうにかしようとか考えてんじゃねぇだろうな)
  (あいつらにはキンニ君と不良A(以後不A)がいんだぞ、勝てないのは俺が一番分かってんだろうよ)
  (……でもなぁ、Cの、好きな女の涙見ちまったら、無理承知でもなんとかしたくなっちまうもんさ)
  「勝てねぇとか関係ねぇ、意地があんだよ男の子にはなぁ!」
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/18(金) 06:55:27.52 ID:NE9ZlOM0
教室にて
不B「おいAB」
A「ん?不Bか、なんだよ」
B「どうしたのさ」
不B「ちょっと話がある、来てくれ」

教室から少し離れた所
A「で、一体なんの話だよ」
不B「さっき美術室覗いたんだが、あれはちょっとやりすぎじゃねぇのか?」
B「ハァ?何言ってんのいいじゃんあれぐらい」
不B「あの絵は男が一ヶ月間一生懸命悩んで悩みまくった描いたもんだぞ、それをメチャクチャにするのはいくらなんでもひどすぎるんじゃねぇのか」
A「……不B、アンタ一体どうしたのさ?」
不B「お前ら何時までこんな事してるつもりだよ、影でこそこそいやがらせしたりよ、わざわざお手製の泥団子とか作ったり、いい加減やめねぇか?」
B「アンタ裏切るってんの?」
不B「平たく言えばそうだ」
A「アンタ私達裏切ったらどうなるか分かってんでしょうね」
不B「承知の上さ、もう一度言うぜ、もうやめねぇか?」
A「やめるわけないじゃん、頭壊れてんじゃないの?」
B「病院に行って見てもらったら?」
不B「そうか…だったら力づくでも止めさせる!」
ドッ!
(不Bの右拳がAとBの顔の間と通り過ぎて後ろの壁に命中)
A「うわっ!」
B「キャっ!」
シュシュシュッ!
(不Bの左拳のジャブがAに命中)
A「ガッ!」
B「何すんのよアンタ!」
不B「やめねぇってんならしょうがねぇ、殴って体で分からせる!」
A「ふざけんな!こんな事して、どうなるか分かってんでしょうね!」
不B「承知の上だ!」
ボッ
(不Bの右拳がAに接近)
パシッ!
(不Bの右拳が何者かによって受け止められる)
不A「おい何やってんだ不B」
113 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 11:18:06.46 ID:6.wOAf60
>>108の次の日


男 「お、>>女さん。どうしたんだ、その隈……」
被ク「あ、ああ、これかい。実は昨日、あまり寝れてなくてね……」
A 「おっはーww」
B 「あ、Aww おはよーwwww」
A 「んっ……ちょっと>>女ーww 何その顔ww 肌もめっちゃ荒てるしwwwwww超ウケるんですけどwwwwww」
  「あー、もしかして美術室で一晩中ヤッてたとか?wwwwwwww」
C 「……」
A 「Cもそう思うよなぁ?wwwwwwww」
C 「えっ……う、うん」
被ク「…………どういうことだ、A」
A 「あ?ww」
被ク「……絵を壊したの……お前だろう……」
A 「はぁ!?」
B 「えっ、ちょっと何? 何言ってんのこいつ、Aがどうしたって?」
男 「ちょ、ちょっと>>女さん」
被ク「君は少し黙っていてくれないか」
  「明確な証拠があるわけじゃないが……私には判る。お前の考えそうなことだ」
A (ビクッ)
  「な、何さ……あんた……珍しくキレてんじゃん」
被ク「昨晩は徹夜で……ッ……あまり寝れてなくてね。少し調子が悪いんだが……ッ」(くらっ)
  (あ、あれ……)
  「お前ら……私を、怒らせ……」
  (視界が……歪……んで……)
男 「>>女さん!」
被ク「…………」


ドサッ
114 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 11:19:26.12 ID:6.wOAf60
被ク「んっ……あれ?」
男 「お、>>女さん……」
被ク「>>男……どこだここは。……って、ああなんだ、保健室か」
  「…………」
  「どうして私がこんなところで寝てるんだろう。すまないが、今何時間目か教えてくれないか?」
男 「もう放課後だよ」
  「アンタ、教室で倒れたんだ。今朝のことなんだけど覚えてないのか?」
被ク「いや……」
男 「先生は疲労だって言ってたけどな」
被ク「ふむ……」
  「いや待て……っということは文化祭は明日じゃないか。早く、続き描かなくちゃ駄目だろう」
男 「大丈夫なのか? まだ体調治ってないんだろう」
被ク「ははっ、当然だこれくらい……」
男 「正直に言ってくれよ。本当に大丈夫なんだな?」
被ク「……すまない。まだ少しボーッとする」
男 「……」
被ク「しかし、今日中に完成させなければもう間に合わないぞ」
男 「>>女さんをその身体でじっと椅子に座らせるわけにはいかんよ」
  「いや、姿勢は自分で調整出来るか……毎日それをデッサンしてたわけだし、何とかなるかな……」
被ク「なるほど。つまり私がこうやって安静にしていられる場所なら問題ない、ということだな」
男 「大雑把に言えばな」
被ク「そうか……」
  「なぁ>>男」
男 「ん?」
被ク「私の家、来るか?」
115 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 11:29:32.68 ID:6.wOAf60
 その後、自転車の荷台に絵の具や木製イーゼルを積んで、二人の少年少女が帰路を走ったッッ!!
 男は女を心配しながら、女は男の足を引っ張らないように、二人並んで帰ったッ!!
 そしてッ!!


被ク「ただいま」
母 「おかえりー、今日も遅かったわね。ご飯もう出来てるわよ」
男 「お邪魔します」
母 「はいどうぞー」
被ク「すまないがお母さん、今から彼と私の部屋で忙しいことになる。晩御飯は後で頂くよ」
  「それじゃ」バタンッ
母 「はいどうぞー」
  「…………」
  「……………………」




母 「え?」


 何を勘違いしたか、母は呆然とその場に立ち尽くした。
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/18(金) 11:46:44.43 ID:9BPjCbAo
>>115
そりゃ勘違いするわww
117 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 15:04:41.18 ID:6.wOAf60

 被害クールの部屋は思っていたよりも広く、机を移動させることで、木製イーゼルと画材を置くスペースは十分に確保することが出来た。
 衣装を変えてしまわないようにと気を使ってくれたのか、布団を敷くと、彼女は制服のままでそこに座り込んだ。
 机の上には、少しふやけて膨らんだ本や、接着剤の白い跡が残る万年筆が置いてあった。
 恐らく、彼女は被害にあった日は毎晩、この机の上でひっきりなしに修理していたんだろう。彼女が腰を落ち着かせているあの布団ですら、夜になると涙で濡れてしまうのだ。


男 「あまり無理はしないで、楽な姿勢のままで。一時間に十五分は休憩を取ろう。その間はなるべく横になっててくれ」
被ク「ああ」


 それからしばらくは無言の状態が続いていた。
 こういうとき、それが逆に有り難かったりする。普段一人で作業することに慣れてしまっている俺には、この沈黙が逆に心地よかった。
 音漏れやざわめき、第三者の声のない空間は、美術室に俺だけしか居なかった頃の、あの静寂に似ていた。
『ここが彼女の部屋であって、彼女が目の前に居る』
 普通、好きな女生徒の部屋に誘われれば心が躍る。だが、その歓喜が俺の中では創作への情熱に昇華され、自分でも驚くほどに作業が進んでいった。
 どの色を塗り、どのタッチで描き、どの調子を置けば良いのか。どうすれば上手くいくのかが、それが自然と理解できる。
 完璧にモチーフとして彼女を捉えていた。


被ク「>>男……」
男 「ん? 何だ」
被ク「先日のアレは、やっぱりあいつらだったか?」


 三回目の休憩のとき、彼女が訊いてきた。


男 「……違ったらしい」
被ク「えっ!?」
男 「あの時間、AとBも他の生徒と同じく遅くまで作業していたらしい」
被ク「それは考えられない。証言したのは誰だ? 彼女らに脅されている生徒ではなかったのか」
男 「残念だが先生もそれを認めてるんだ。違う学年の生徒や生徒会の人たちも何人か彼女たち二人を見てる」
被ク「二人……Cは?」
男 「……わからない」
  「誰かあの時間帯、Cを見た人を探すしかないよ」
被ク「そうだな……」
男 「それに、だ。今は壊された作品のことを考えてもしょうがない」
  「こいつを完成させるだけだ。……一夜漬けだけどな」
被ク「ああ……その、少し急いたほうが良いかも知れない。明日は雨らしいから……」
男 「マジかよ」
被ク「いくら梱包しても、雨水の直撃はなるだけ避けたほうがいい。降る前には持っていったほうがいいかも知れない」
  「文化祭初日だというのに、残念だな……」


 そして、午前五時半。
 絵が完成した頃には、窓の外には薄明るい陽の光が射し始めていた。
 それは俺達二人の緊張感をより一層強めた。雨天なら、この光景がいつまでも続くことは無い。
 学校にこいつを運ぶには、今しかなかった。
118 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 15:46:50.26 ID:6.wOAf60
 文化祭当日。

男 「その後は、>>女さんだけ軽くシャワーを浴びさせた後、一緒に学校に登校して貰った」
友 「……お前」
男 「な、なんだよ……」
友 「何も、無かったのか……マジで、その」
  「勃ったりとかしなかったわけ?」
男 「いや、全然」
友 「…………」
  「まぁ、そりゃそうだよな。そんなときに勃つほうがどうかしてるのかもな……で、被クちゃんは?」
男 「その、職員室にスリッパ借りに行ってる。今日も上履きが無かったらしい」
  「さっきまで、”はだし”で美術室の整理してくれてたんだ」
友 「ついてかなくて良かったのか?」
男 「……」
  「これ、見張ってろってさ」


 ただ何もない、広いだけの空間と貸した美術室に、一枚の絵が飾られていた。
 今朝がた完成したそれは、まだ梱包材を被せたまま壁に掛けられて、中は見えない。俺の役目は、文化祭が始まるまでこの絵を死守することだった。

友 「俺かヒートに頼めばいいだろ」
男 「それは出来ん。この絵だけは、俺だけで守り抜いてみせるさ」
  「ヒート先輩は?」
友 「さぁ……生徒会の仕事じゃないか」
男 「お前も役員じゃなかったか」
友 「そうだ、だからここに来てる」
男 「は?」
友 「各クラス、出し物をするときは生徒会の役員が一名付き添うことになってる」
  「俺ぁここの担当なんだよ。この美術室だって「催し会場」の一つだからな。だから手伝いに来たってわけ」
  「そしたら、お前がここに居たというわけだ」
男 「なるほど」
友 「残念だったな、一枚だけになって」
男 「そうか?」
  「俺はこの絵を描いてるとき、何ていうかな、凄く楽しくてな。いや、いつも楽しいんだけど」
  「……その数倍は楽しかった。だから多分、この一枚は他の何枚か分を超越した、とても素晴らしい一枚なんだよ。別格の」
友 「よくわからん。日本語でおk」


ガチャッ

素ヒ「…………」
友 「おお、おはよう」
男 「おはようございます、ヒート先輩」
素ヒ「あの……ね……その……」
友 「? 今日は元気がないな?」
素ヒ「……うん。まぁ……えー」
  「>>男ぉぉぉっ!! すまなかったぁぁぁぁぁっっ!!」
男 「はい?」
素ヒ「ちょ、ちょっと、お前もこっちに来い」(ぐいっ)
C 「……」
友 「あら、あららららら……」
119 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 16:19:47.16 ID:6.wOAf60
男 「C……さん?」
素ヒ「>>男の絵壊したのな」
  「こいつだ」











男 「え?」
友 「今更驚くことでも無いと思うけどな」
  「それを何でヒートが謝るんだ?」
素ヒ「うぐっ……」
  「へ、へへっ……いや、あの、あのね……(以下>>102参照)ということがあって……」
友 「おまっ……」
素ヒ「う、うっ、……ほ、ほほほ、本当にすまなかったァァァ>>男ぉぉぉぉ───ッ!!」
男 「いや、いい」
素ヒ「へ?」
男 「Cさん……一人で? アンタは一人であれだけの絵をやったのか?」
C 「……」
男 「Cさん!」
C 「……そ、そうだよ」
男 (でも、女子一人であれだけの絵をメチャクチャにするなんてことは……)
  「無いだろ、それは!」
C 「……」
友 「AとBに……指図されたとかな」
C 「ち、違う!」
  「あたし一人でやったんだよ。お前、>>男なぁ! 暢気に絵なんて描いてやがって、うざかったんだよ!前から!」
男 「ッ!……」
C 「あ……」
  「………………ちくしょうッ!」

ダッ
120 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 16:20:09.46 ID:6.wOAf60
友 「逃げてったぞあいつ」
男 「……」
被ク「>>男、さっきCがここから出てきたが、何かあったのか?」
男 「あ、>>女さん……かくかくしかじか」
友 「────ということがありまして」
被ク「Cが……」
  「本当だな? それは」
男 「ついさっきのことだからな」
被ク「わかった。悪いが>>男、もうしばらくここに居てくれ。私はCを追う!」
男 「なんだって?」
  「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 俺も行く!」
友 「……なんというか忙しいコンビだ」
素ヒ「うん……」
友 (……困ったなぁ、このテンションでこいつと二人っきりっていうのもな……)
男 「ヒート先輩は意地でもその絵を見張っといてくれッ!」
  「それで今回の件は”チャラ”だ!」
素ヒ「ッ!…… よ し 、 ま か せ て お け 」
友 「立ち直り早えーッ!」
素ヒ「ここは私と>>友が二人っきりの付きっきりで死守するっ! お前達は二人でCを追って来ォォォォォいッッ!!」



男 「だが、何でだっ!? 今更Cを捕まえたところで、どうにもなるもんじゃないぞ」
  「展示用の絵を壊されたことは先生たちにも知れ渡ってる。Cが認めたら後は、職員会議で処分が決まる」
被ク「だから問題なんだろう!」
男 「え?」
被ク「さっき……すれ違い様にCを見た。そのときに気がついたんだ」
男 「な、何を」
被ク「あいつが履いてたのは、貸し出し用のスリッパだった」
  「お前なら私の言ってる意味がわかるだろう!!」
男 「はっ」
  (コクッ)
被ク「そういうことだ。もしCが嘘の自白を行えば、それこそ取り返しのつかない事になるぞ」
  「何をするか分からんからな。自暴自棄になって職員室にでも駆け込まれたらアウトだ」
男 「あ、ああ……」
  (クールさん、頭の回転早ぇ……)
被ク「なんだ?」
男 「いやぁ、格好良いなと思って」
被ク「そうか。後でゆっくり聞かせて貰おう」
121 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 17:24:28.68 ID:6.wOAf60
被ク「居たっ! 待ってくれ、C−!!」
C (ビクッ)
  「ちょ……てめっ、追ってくんじゃねーよ!! くっそ、二人して仕返しかよ!ストーカー野郎!!」
男 「すっ……ストッ……」
被ク「違う!」
  「C……お前っ!」
  「お前っ───いじめられてるんだろう!?」
C 「っ……」
被ク「この前、画鋲持ってたろっ!」
C 「も、持っててねーよ!」
被ク「私が泥だらけになってたとき、お前うつむいてたろっっ!!」
C 「あっ……ッ!……決めつけてんじゃねーよ!!」
被ク「だってお前っ、今、お前と私の足はっ…………」
C 「うるせーーーぞッ!!」
  「どっこも一緒じゃねぇ! 断じて一緒じゃあねぇぞッ! 私はありのままだ、『私はいじめた側、お前はいじめられた側』だッ!!」
  「それ以上、私の傍に近寄るんじゃねえ──────ッ!! あっ」

ツルッ (←C、ここで滑った)
122 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 17:24:43.84 ID:6.wOAf60
C 「い、痛ぇっ……」
被ク「はぁッ、はぁッ……誰だか知らないが、雨の日に廊下の窓を開けてくれた生徒に感謝しておこう……」
C 「っくそ……」
  「お前……足速いな、スリッパのくせにさ……」
被ク「そうか? 慣れてるだけさ、私は」
C 「……マジありえねーわ。自分のコト、そこまで追い詰めた奴にさ……」
被ク「ああ」
  「正直に言うと私が髪の毛をバッサリ切られたあの日、家に帰って布団の中で泣き崩れながら、C、お前の名前をひたすら呼び続けてその後思いっきり歯を喰い縛りつつ、いつか貴様が死んだときは必ず地獄に落ちて血の池に浸りながら閻魔翌様に髪の毛を一本一本抜かれ、その毛穴に針を通して貰うように一晩中お願いしたものだ」
C 「ひ、ひぃっ」
男 (結構怨念込めてたのな……)
被ク「だが今はそんなことどうでもいい」
  「誰かが言っていた。人間、人の痛みが分かるようになれば人生は変わるもんだと」
C 「……」
被ク「もう一度訊こう……君が一人でやったのか?」
C 「ち……違う」
  「先輩から鍵貰ったあと、外に待たせてた連中を窓から入れたんだよ。AとBが呼んでた奴らな……そいつらが」
男 「壊したのは、アンタじゃないんだな?」
C 「私じゃ……ない」
  「出来るわけないよ……そんなの」
被ク「!……ほほう、やけに顔が真っ赤だな」
C 「な、なんだよ!!(////)」
被ク「いやぁ、君のそういう顔を見るのは初めてだからね。……なるほど、こういう気持ちだったんだなぁ」
  (ボソッ)
  「私も>>男のことが好きだと言ったとき、そんな顔の色してたのか?」
C 「……かなりな」
男 「何の話だ?」
被ク「ふふっ、>>男には内緒だ」
C 「……」
男 「Cさん、あのさ」
C 「な、何だよっ! 別にあんたのことなんか」
男 「これからポルナレフって呼んでいい? もしくはディアボロ」
C 「はぁ?」
男 「さっきの台詞、もしかしてCさんジョジョ読んだりすんのかなーっと思ってさ」
  「そっくりだったよ、あの声真似!」
C 「テメー……」

バキッ

男 「ごふっ」
C 「二度とあたしにそんな口聞くんじゃねーぞッ!!」
被ク「やれやれ……自業自得だな」
123 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 17:39:56.07 ID:6.wOAf60




 その日───
 雨天のため、校庭で行われる予定だった催しは全て中止され、生徒達の殆どは落胆の気持ちで校舎内に足を運んでいた。
 そして、


 美術室には、俺達が二人で描いたあの絵を観に来る客で溢れていた。



124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/18(金) 18:17:47.07 ID:ey/TZGE0
ジョジョ知らねえww
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/18(金) 19:20:07.30 ID:QcBlI0go
                            やつを追う前に言っておくッ!
                    おれは今やつのスタンドをほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは奴から逃げていたと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにか転んでいた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとか超スピードだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/18(金) 20:05:12.53 ID:NE9ZlOM0
>>112の続き

不B「来るのが早すぎだぜ不A!」
不A「俺は何やってんのか聞いてんだよ、質問を文句で返してんじゃねぇ!」
シュッ!
ヒョイ
(不Aの蹴りを不B避ける)
A「不A!こいつアタシ達裏切るって!」
B「言葉で分からないなら体で分からせるって言ってAを殴ったのよ!」
不A「おいおい……頭どうかしちまったんじゃねぇのか?」
不B「どう受け取ってもかまわねぇよ、やりたい事やってるだけだ」
不A「そうかい、ここだとセンコーが来る、外行こうぜ」
不B「分かったよ、行こう」
(不AB裏校舎へ)
A「キンニ君も呼んでおくかな……」

校舎裏

不B「おい不A、お前は何も思わねぇのか?」
不A「何がだイカレ野郎」
不B「男の絵の事だよ、お前も見たんじゃないのか」
不A「ああ見たぜ、ざまぁねぇぜ。ゴミのくせに調子こくからだ」
不B「てめぇ!」
不A「お前だって実はそう思ってんじゃねぇのか?だって俺らいままで同じ事して来たもんなぁ」
不B「たしかにそうだ、それを誤魔化すつもりはねぇ、だがなぁ、なんかムカツいて来たんだよ」
  「お前らのやっている事が、俺がやってきた事が。」
不A「だからアイツらと俺らをボコろうってか?お前に出来ると思ってんのか?」
不B「やってみなきゃわかんねぇだろ!」
127 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 21:20:21.09 ID:6.wOAf60
被ク「凄い人だ、次から次へと入ってくる」
男 「ああ。出て行くのも早いけどな」
被ク「確かに万人が関心を示すものではないから……得てしてそういうものなのかも知れない」
  「けれど、皆ちゃんと君のことを評価してくれるさ」
男 「被写体が悪いのかもな」
被ク「うッ……お前……今更……」
男 「冗談だ」
  「最高の絵が描けたと思ってる」
被ク「そ、そうか?」
男 「当然」
  「生まれて初めて絵が完成した喜びを───自分以外の誰かと分かち合えたような気がした」
被ク「ははっ、そうか。そう言ってくれると、私も描いて貰った甲斐がある」
  「ところで……」
男 「んー?」
被ク「何でこの絵のは、万年筆なんか持ってるんだ。これ、私の部屋にあったものだろう」
  「接着剤まで再現してるし……」
友 「そうそう。普段は『有機物のフォルムが〜』とか言って、何か付け足して描くことはないのにな」
男 「なんとなく……かな」
  「あったほうが良いと思ったから、入れたんだけど」
素ヒ「まったく……鈍い、鈍すぎるっ! どんくっさいぞお前らぁぁぁっっ!!」
友 「あ?」
素ヒ「つまり>>男は『この折れた万年筆も君の一部なんだ』とっ!そう言いたいんだっっ!!」
  「くぅ〜っ! あ、愛の大告白だなぁぁぁ……」
被ク「せ、先輩っ……そんな、大声で……」
素ヒ「そうだろうっ!? なぁ、>>男よぉぉぉぉっ!!」
男 「はい」
被ク「お、おまっ、ちょっ、な、何言ってるんだっ、お前までっ」
  「……す、少し外すよ。トイレに行って来る」
128 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 21:21:48.77 ID:6.wOAf60
男 「うーん……なぁ、ヒート先輩。>>ついでに友」
素ヒ「何だぁぁぁぁっ!! 何でも相談に乗るぞっ!!」
友 「そして俺はついでか」
男 「二人はどっちが先に告白したんだ?」
素ヒ「ぷ、ぷはっ! な、なななん、いきなり何っ!?」
友 「そうきたか……お前な、そういうことは思っても口にすんなよ。ったく」

男 「>>女さんに告白したいと思う」

友 「  」
素ヒ「  」
男 「……んだが、それで参考にしようと思ってな」
友 「おっ、おっ、おっ、おっ、おーおーおー。やっとかい?」
素ヒ「ふっっはっはっは、そうか!そういうことか男っ……って、えええええええままままだ付き合ってなかったの!?」
129 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/18(金) 21:23:19.46 ID:6.wOAf60
男 「ヒート先輩は驚き方が素直だなぁ」
友 「うむ」
  「>>男よ、あれは晴れ渡る初夏の頃だ。もうセミが鳴き始めていた頃だ……」



ミーンミンミンミーン


友 「暑っつう……何でもうこんな気温高ぇーのよ。あん?」
素ヒ「うぉぉぉぉっ!! 太陽ぉぉぉぉっ、お前と私どっちが熱く燃え滾るか勝負だぁぁぁぁぁっ!!」
友 「すっげぇ……屋上にバカがいる。熱血バカだ」
  「おーい」
素ヒ「なんだぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
友 「がーんばーれよーい」
素ヒ「頑張りまぁぁぁぁぁぁすっ!!!」
  「…………」
  (キュン)


友 「それから数日間、事あるごとにこの女が関わってきてな。年上でバカなところがこう、ギャップが、な」
素ヒ「告白しまくったらOK貰った」
男 「そうか」
  「お前らバカだろ」
素ヒ「参考になったか!?」
友 「なったかー?」
男 「いや全然……」
素ヒ「あのなぁ>>男」
  「私もこれは性分のようなものだ。いつもいつも叫び続けてアホの娘扱いされてきた」
友 「実際アホの娘だけどな」
素ヒ「私はこの性分を人に蔑まれてきたんだ。だが、その性分ゆえにそれを気にしなくて済んだ」
  「素直で元気なだけが取り柄の私だった……けれど、友達は欲しかったよ。誰も構ってくれなかったけど、欲しかったんだ」
友 「…………」
素ヒ「そんな中っ!>>友だけが私に『頑張れ』と言ってくれたんだ」
  「まさに運命っ……! あまりにも力強い、言葉っ……!!」
友 「んむむむ……肌がむず痒くなってきたぞおおおおおおおお」
素ヒ「おおっ! そうかぁぁぁぁぁぁっ!! だが、私は嬉しかったぞぉぉぉぉぉぉっ!!」
男 「いい話じゃないか」
友 「でも、お前らにとっちゃ通過しちゃった道だしな。これ」
男 「いや、今の話は参考になったよ。あんがと」
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/18(金) 23:45:33.89 ID:tdmnOzU0
追いついたーーーーー
ABと不良共に鉄槌をーーーーー
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/18(金) 23:46:35.24 ID:QcBlI0go
Cは根は良い子だと信じたい
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/19(土) 00:34:35.29 ID:T7TpiQ60
追いついたーーーーー
ABと不良共に鉄槌をーーーーー
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/19(土) 04:22:09.92 ID:UdlcpzI0
>>◆UXGGyRWL3c
時間かかっても待つから
ラストも上手にしめてくれ、な
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/19(土) 05:31:55.31 ID:Ptzyl.20
>>126の続き

不B「やってみなきゃわかんねぇだろ!」
不Bはそう叫ぶと右拳を振り上げ不Aへと突進して行く。不Bの右拳を不Aはひらりと避けた。
不Bが舌うちすると同時に不Aが動く、不Aは避けた体制でボクサーの構えを取り、右拳に己の全ての体重を乗せて。不Bの顔面に向かって拳を付き
出す。
不B「当たるかよ!」
不Bは少し後ろに下がってその攻撃をやりすごした。不Aはさらに接近し左拳でフリッカージャブを不Bに放つ。
不B「グッ!」
フリッカージャブを避けきれなかった不Bに隙が出来た、不Aの右拳が体の全体重を乗せて不Bの鳩尾にめり込んだ。
不B「ガッハァ!」
不A「おらっ、もういっちょ!」
鳩尾に拳をもらっい息が出来ずに悶絶する不Bに、不Aは先程のように構えを取り体重を乗せた右拳を不Bの顔面にめ
りこませ、一度引っ込ませてからその右拳で不Bにアッパーを決めた。
アッパーが見事に入いり体制がくずれる不Bに不Aの右拳が容赦なく襲った。
不A「素手じゃこんなもんか不B!獲物も持たずに来るからこうなんだよ!」
不Aはしばらく不Bを殴った後、これ以上殴る必要が無いと判断して「雑魚が」と言い残しその場を去ろうとした。
不B「待てよ…まだ終わってねぇぞ…」
不Aが振り向くと木の棒を持っている不Bが不Aの目に映った。
不A「まだやる気かよ、やけに頑張るじゃねぇか」
不B「このまま終われるわけねぇだろ」
不Bはそう言うと木の棒を剣のように構える、それを見て不Aを構えを取った。しばらくの沈黙が続き、不Bが動きだした。
不B「うおぉぉぉぉ!」
不Bは不Aに突進し木の棒を左から右へ斜め下に振り下ろす。
不A「ちっ!」
避けきれないと判断した不Aは左腕でガードを取る、木の棒は容赦なく不Aの左腕にめり込み痛みでしばらく使えなくさせた。
不A「くそっ!」
不Bはすぐに後ろに下がり間あいを取る、不Aもそれにならい右手と左手を入れ替えて構えた。それと同時に不Bが動きだす、不Bは木の棒を右から
左へ真横に振るう。
不B「喰らえ!」
不Bの叫びに反し不Aは後ろに下がってその攻撃をやりすごしさらに間あいを取った。不Bはすぐに突進し間あいを縮め、棒を振り上げ真下に振り下
ろす、不Aは右拳を振り下ろされる木の棒に向けて放った。
不A「おらっ!」
不Aの拳とぶつかった棒は嫌な音を共に耐久力の限界を超えて折れてしまった。
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/19(土) 05:49:07.40 ID:Ptzyl.20
不B「何!?」
その辺に落ちていた棒を拾ったのが悪かったか、不Bは折れた棒を投げ捨てる、それと同時に不Aの右拳が襲ってきた。
不B「うおっと!」
不Bはその拳をしゃがんで避ける、不Aをそれを見て左足の膝で不Bの腹を狙う。
不B「ガッ!」
不Aの狙い通り不Bは蹴りを避けきれず腹にもらった。不Bが膝をついた。
不A「結構頑張ったがここまでだな不B、頑張ったお礼に良い事教えてやるぜ」
不Aは不Bの髪を掴んで自分の顔に引き寄せながらその“良い事”を答えた。
不A「あの絵な、俺がメチャクチャにしたんだ」
不B「!!」
不A「良い運動になったぜぇハッハッハッ!」
不B「ッてっめぇ!」
不Bが呻きながら右拳を振り上げようとする、しかに不Aに頭を地面に叩きつけられてそれは叶わなかった。
不A「さぁて、そろそろ終わりにすっか、二度となめた真似しねぇように病院送りにしてやるぜ!」

ボコボコになった不Bは教師によって発見され、病院に搬送された。
不Bは翌日目覚め、絵をメチャクチャにした犯人をCに教えるために病院を出て学校に向かおうとし看護婦達に止められた。
不B「邪魔するんじゃねぇ!」
不Bは看護婦達を振り払い病院の出口へ向かう、そしてもう一歩で外に出る所で気付いた。
自分の“携帯”の存在に……。
不B「ちく…しょう…」
一気に力尽きた不Bは薄れゆく意識の中こう思った。携帯あるの忘れてた……と。

しばらくして再び病室で目覚めた不BはCに絵を壊した犯人の事をメールで送った。
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/19(土) 05:59:43.22 ID:Ptzyl.20
C「ん?メールだ」
不B(メール)「絵を壊した犯人分かった、不Aだ」
C「・・・・」
C(メール「知ってるよ、見たし、キンニ君も居たよ」
C「送信っと」

メールの内容を見た不B
不B「……病院抜け出そうとして俺の努力って…」
看護婦A(この子実はバカね…)
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/19(土) 09:40:16.91 ID:z6jYHZM0
不Bカコイイ
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/19(土) 10:10:23.36 ID:Ddz6iJA0
wktk
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/19(土) 18:02:42.12 ID:lQ.s/eco
いいよいいよ
140 : ◆UXGGyRWL3c :2008/07/20(日) 14:50:37.49 ID:peVW/6Q0
被ク「天気予報によると、明日は朝から雲ひとつない天気らしい」
男 「野外模擬店が開催される頃には恐らく真っ青ってことな。オーライ」
素ヒ「被ク達のクラスって何出すんだ?」
友 「俺らのクラスは気の抜けた奴らの集まりみたいなもんでなー」
被ク「誰も案を出さなかったから、特に何も行わない事になったんです」
素ヒ「……やる気ねー」
友 「他の奴らがありすぎんだよ。良イんじゃね? 楽しむ側と楽しませる側に分かれてる感じで」

(ここで男、妙にそわそわ)

被ク「? どうしたんだ>>男」
男 「あっ、いや、何でもない」
友 (ニヤニヤ)
  「こいつなwwwwww被クちゃんと一緒に模擬店回りたいんだってさwwwwwwww」
被ク「えっ!?」
男 「ちょ、おまっ……」
  「あ、いや……うん。まぁそうなんだけど……駄目かな、人多いのは」
友 「クラスの連中が居るとさ、被クちゃんの気が落ち着かないのかと思ってんだよ」
被ク「いや、それは大丈夫だ。元々それほど人見知りはしない性格だから」
  「それに……その、私の方からも……」
男 「へ?」
被ク「いやっ! 何でもない、良いよ。行こう、一緒に」
男 「あ……ははっ、そうか」
  「ありがとう」
被ク「……こちらこそ」
友 (『告白する』っつっても、こりゃもうキマッたようなもんだよなぁ)
141 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 15:27:27.81 ID:peVW/6Q0
ピーンポーンパーンポーン

【アナウンス】
『十分後に、吹奏楽部と軽音部による演奏会を行います』
『興味のある方は体育館にお集まり下さい』


男 「演奏会だってさ。誰か行く人ー?」
友 「行かね。お前と被クちゃんで行ってくれば」
被ク「ヒート先輩も行かないんですか?」
素ヒ「いやぁ、何やってても私は>>友と一緒のが楽しいからな」
友 (言えん……)
  (「ヒートを連れてくと大声で叫びだすから」とは……言えんよなぁ)
男 「……行く? >>女さん」
被ク「そうだな。芸術に携わる者としては観に行っておかなければなるまい」
男 「あはは……描いてるのは俺なんですけど」
被ク「細かい事は気にするな。さ、行くぞ」
男 「おう」


アナ『次の演奏はスタジオジブリ最新作「崖の上のポニョ」です』
男 (も、もう楽譜が出回っていたのか……)
  「しかし、さすがはブラス・バンド。集団で音楽を奏でるってのは、やっぱりパート編成あってこそだよな」
被ク「放課後はよく演奏している音が聞こえていたからな」
  「君が絵を描いてる一方で、彼らもまたこの日のために練習していたということだ。素敵なことじゃないか」
男 「なるほど」
  「つまり俺が絵を描いてたことも>>女さんにとっては素敵なことなんだな」
被ク「何だ、いきなり」
  「だがまぁ、うん……そうだな」
男 (……自分で聞いといてなんだが)
  (今のはクサかったし……て、照れる……/////)
被ク「お前……真っ赤だぞ……」
男 「ッ! ぽ、ポーニョwwwwwwポニョポニョwwwwwwwwww」(←誤魔化している)
142 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 16:09:51.43 ID:peVW/6Q0

アナ『次は、軽音部による演奏です』
男 (……なんだかんだで、こっちのが俺好みなんだよな)
  (人数は少ないけど、ちゃんと自分達のやりたい曲やってる感じで)
被ク「……ん?」
男 「どした?」
被ク「あのギター担当の生徒……Bじゃないか?」
男 「えっ、うそっ」
  「…………あっ、ほんとだ。よく分かったなぁ>>女さん」
被ク「まぁ……日ごろからよく……視ているからね……」
  「そういえば前に───」



B 「あのさー、あんたって普段どんな音楽聴いてんのー?」
被ク「ああ、民族音楽に興味があってね」
B 「ケルトwwwwwwwwww何だお前、土人かよwwwwwwwwwwwwwwww」
被ク「ちなみに近年ケルト音楽と呼ばれるカテゴリの中には複数の派層があって、それらは必ずしも元が同じものでは───」
A 「どーでもええわwwそんなもんww」
  「あたしはやっぱりアクアとかージャンヌとかー」
C 「J-POP(笑)」
A 「おめっ、ばっ、バカにしてんじゃねーよ!これがウチらのリアルだっつの」
B 「ふーん、ケルトねぇ……何回か聴いたことはあるよ」
被ク「ほ、ほう!」
B 「あたし何でも聴くしね。好きなのかどうかは別としてー」



被ク「あの時……Bだけは関心を示してくれた」
  「最も、その後に私は三人の手によって無理やり『マリリン・マンソン』のメイクにさせられてしまったよ」
  「……アレは落とすのが大変だったなー」
男 「ははは……」
被ク「でもまぁ……良いかも知れないな、こういうのは」
  「彼女も努力したんだろう。今ステージの上で演奏してるBに限っては、尊敬してもいい」
男 (……)
  (こういう時の彼女の温容な表情には助けられる……彼女の顔はどんな人間に対しても、その行動に価値を示してくれる)
  (例え、それが自分を陥れた主犯であってもだ……)
143 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 16:40:47.40 ID:peVW/6Q0
B 「おい、お前ら」
被ク(ビクッ)
男 「や、やぁ……演奏、上手だったな」
被ク「君が出てくるなんて驚いたよ。凄く良かった」
  「ひっ、ひひひ人を弄って遊ぶ前に、これからもっと、ま、真面目に勉強してみたらどうかな」
B 「あんた、>>男君の後ろに隠れて言っても説得力ないよそれ……声震えてるし」
  「ま、あんたら二人は来ると思ってたけどな。どうせ他にすることも無さそうだし、友達も居ねーだろ」
男 「はは……確かに」
被ク「否定するなよ……」
B 「>>男くーん、ちょっとコイツ借りるよ?」
被ク「う……きょ、今日はと明日だけはやめてくれ……二人で、その……」
男 「バンド終わってからすることじゃねーだろ。さっき演奏聴いてた生徒さんも、まだ残ってるよ?」
B 「ばーか」
  「あたしもギター終わって疲れてんの。このクソだっるい時に>>女いじめるほど体力ねーよ」
男 「え?」
B 「あんたが居たら出来ない話なの。マジで鈍いよなぁ……こんな男のどこが良いんだよ」
  「話するだけ、それでも来れない?」
被ク「……」
  「>>男、ちょっと行ってくるよ。終わったらすぐ戻る」
男 「十分経って帰って来なかったら先生呼ぶからな」


被ク「それで、話というのは……」
B 「……Cが>>男のこと好きなの、知ってた?」
被ク「ッ……あ、ああ」
B 「そっかー」
被ク「……ま、まさかっ!」
  「Bも……>>男のことを……」
B 「アホかお前。いじめるぞ」
被ク「ううっ! そ、それはやめて……」
B 「ま、それなりにいい男だってのは分かるよ。間抜けだどなww つってもあたし彼氏居るしー」
  「……んでさ。Aのやつが最近Cにもちょっかい出してんのよね」
被ク「ああ、知ってる」
  「絵を壊させたこともな。Cが白状した……」
B 「ふーん」
  「ま、あたしもさすがにアレは無いと思ったけどね。Aとはこの高校入ってからの付き合いだけど、まさか仲間討ち始めるとは」
  「Cな……降りるって言ったんだよ」
被ク「降りる……?」
B 「……そ。 降・り・る ってな。それからだね、AがCにああなったのはさ」
  「あたしもさー、さすがに友達いじめんのはどうかと思うし。んでさー」
  「あたし、もうA切るわ」
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 16:57:27.81 ID:mc7MbSUo
急展開ktkr
145 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 17:03:20.41 ID:peVW/6Q0
被ク「お、驚いたな……随分と思い切った決断じゃないか」
B 「そう? A切ってあんたとC側に回ることにしたいんだけど」
  「あたしとCだけ孤立するわけにもいかないじゃん? だから、あんたらと組もうってわけ」
  「条件付きでな」
被ク「条件……?」
B 「んー……あのさ」
  「Cと>>男、付き合わしてやってくんね?」
被ク「えっ……」
  「つまり、それは私に……」
B 「手ぇ引けってコト。まぁ………あんたには厳しいと思うけどな」
  「C……ほんとは前からあいつのこと好きだったんだろうな。やたら詳しかったしなー>>男のこと」
  「で、どうする?」
被ク「どうするも何も」
  「それはお前……かなり難しい、というか」
B 「当たり前じゃん」
  「難しいこと言ってんだから」
被ク(ビクッ)
B 「そーやって小動物みたいに反応するクセに、口調は偉っそうで」
  「一丁前に彼氏作ろうって魂胆だから、いじめたくもなるわ」
被ク「ッ…………」
B 「───って言うよな、Aなら」
被ク「え……」
B 「まぁ、最後に決めんのは>>男君だしー」
  「私らがどうこう言うことじゃないけどね、ホントは」
被ク「もし、私が断ったら……?」
B 「……」
  「Cと一緒に、先生に自白するよ。んでAを道連れにして後は……どうなんだろうな。退学かなー」
  「でもCは専門学校に進学したいらしいからな、美容師の。ま、学校であんたらと一緒にいじめられるよりは退学んなった方がねww」
被ク「そんな……それはお前、違うだろ」
B 「違わねーよ」
  「うん……多分、違わない。それがあんたいじめた責任だと思うけどね、Aはそうは思ってないんだろうケド」
被ク「Aはどうして……そこまで私を……」
B 「さぁ? 何かあるんじゃねーの? 理由だけは話してくんなかったし」
  「あたしはあんたの事が気に喰わないからノッてた。Cもね……」
146 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 17:34:10.85 ID:peVW/6Q0
男 「お……」
被ク「……」
男 「本当に何も無かったみたいだな。Bは?」
被ク「彼氏とデート、だそうだ。文化祭放っぽいてな」
男 「ははっ……彼氏、ねぇ」


男 。oO(問題はいつ告白するか、だよな)
被ク。oO(Bがああ言ってきたということは、第三者的に見れば>>男は私のことなどあまり気にしていないということか?)
男 。oO(被クさんは俺のことをどう思ってくれているのか。いや、彼女の性格や言動からして好いてくれてはいるんだろうけど)
被ク。oO(>>男は私のことをどう思っているんだ。それなりに、好意的だと感じていたんだが、私の気のせいなのか?)
男 。oO(俺は───)
被ク。oO(私は───)



           『この人のことが、好きなんだけどな……』



【美術室にて】
男 「ういー、お疲れさん」
友 「おかえー」
  (ボソッ)
  「で、どう? イケそうか?ww」
男 「うーん……ちょっと、分かんないな」
友 「あら……そ、そうなのか?」
  (おっかしいなぁ……俺は絶対両思いだと思うんだけどな)
男 「そろそろここも閉めるよ。もう、一日目は終わる頃だし」
被ク「今日が雨でなければ、催しが行われる時間ももう少し続いたのにな」
友 「良いじゃん、早く帰られるんだし」
素ヒ「おーい>>友、ずっと見張りで疲れたぞー。どっか連れていけー」
友 「雨の日は元気なくなるなーお前」
素ヒ「ああ、アイス食いに行こう。アイス」
友 「生徒会の役員が帰り食いして良いのかぁ?……俺は賛成だけど」
素ヒ「おおっ! はっはっは、お前のそういう所が大好きだぞッ!」
男 (ああ、良いなぁヒート先輩)
被ク(私もああいう風に直情的になれればな……)
男 (………………)
  「なぁ>>女さん」
被ク「ん?」
男 「少し、片付けるの手伝ってくれよ」
被ク「ああ。構わないよ、他にやることもないしな」
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 17:54:18.80 ID:gFFBlYSO
ケルト民謡大好物の俺がwktkしながら通りますよ
148 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 18:04:31.39 ID:peVW/6Q0
男 (……)
  (あー、そういやこの絵描いてるとき、俺スゲー決心してたよな)
  (この絵が完成して文化祭が終わったら……俺は……俺はクールさんに……)
被ク「……おい、>>男」
男 「へ?」
被ク「今の話、聞いてたか?」
男 「あ、ごめん。……なんだっけ?」
被ク「明日は校外からのお客さんが多いということだ。模擬店は多数開催されるし、しかしそうなると私達二人はどうしようか」
  「ずっとここで当番してるわけにもいかないし、>>友とヒート先輩にはもう頼めないぞ。あまり時間を取らせて、水を差したくないだろう」
男 「あ、ああ。それもそうだよな」
  「うーん……かと言って俺と>>女さんは一緒に模擬店を……」
被ク「……」
  「それ、なんだが……」
男 「?」
被ク「お前……Cと一緒に行ったらどうだ」
男 「……え?」
被ク「えっと……ほら、今日のことで落ち込んでいるだろうし。元気付けてやって欲しいというか」
  「彼女だって、被害を与えてしまった当事者に謝りたい気持ちもあるだろうからさ。お互いこう、仲直りの印……というのも、例えが変かも知れないが」
男 「>>女さんはどうするんだよ」
被ク「私はここで留守番してるよ」
  「あ、あー……当日はお客さんも多いから、さすがにAも手を出しては来ないさ」
男 (“Aも”………?)
  (どうしたんだ、クールさん……Bと何話したんだろう)
被ク「ということで、どうだろう>>男。Cと一緒には……」
男 「行かないよ」
被ク「……」
男 「はっきりと言っておくが、俺はCがA達と一緒にアンタに謝るまでは許すつもりはない」
149 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 18:04:50.16 ID:peVW/6Q0
被ク「しかし、絵が壊されたのは……」
男 「>>女さんって意外にそういうとこ鈍いよな(俺もだけど)……」
  「俺が言ってるのは絵の事じゃない、君と俺を加害していた事についてだ。それは三人の連帯責任だろ」
  「それに、絵のことだってそうさ。本当に悪いと思ってるなら向こうから頭を下げに来るはずだ」
  「何でこっちがわざわざ謝り易いようにお膳立てしてやらにゃいかん」
被ク「君の言い分は最もだろう。だが、その、Cは……」
男 「Cは、なんだよ?」
被ク「Cは……」
  「君のことが好きだぞ」
男 「…………」
  「……………………」
  「……………………………………え?」
被ク「だから」
男 「ちょっと待て! Bが言ってたのか? え、何? さっきの話はつまり……そういうことか?」
被ク「いや、私も薄々は、な……気付いてないのは君だけだ」
男 「ま、マジかよ……」
被ク「うむ」
  「だから……どうだ?>>男」
男 「いや、どうも何も…………」
  「あのさ」
被ク「何だい?」
男 「アンタは俺のこと、どう思ってるんだよ」
被ク「いっ」
  「いや、私は別に、別にそのっ…………(////)」
男 「俺は女子にあまり免疫のあるほうじゃないから、そういうのには疎いと思う」
  「でも俺……>>女さんとはその、よく喋るし……家にも上がらせてもらって、少なくとも嫌われては無いと思うんだけど」
被ク「いやっ…………」
  「普通、だよ」
男 「ッ!……そ、そうかい」
被ク「ああ……」
男 「普通か……」
被ク「普通だ……」
  「…………今日は先に帰るよ。じゃあな、明日は私一人でここに居るから」
男 「あ、ちょ」


 バタンッ


男 「…………」
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 18:18:15.53 ID:mc7MbSUo
せつないのう、せつないのう(´;ω;`)ウッ…
151 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 18:30:33.63 ID:peVW/6Q0
orz




男 「ファックッ! あんの腐れビッ……げふんげふん、いかん、いかんぞ。冷静になれ」
  「お、>>男よ。クールになるんだ、クールに、クールクールクール…………」
  「ク──────ルっ!! ダディ〜〜……ク──────ルっ!!」


 しかしまさかあのCがな。確かに、彼女はあの中でも特に俺好みの容姿ではあるが……。
 ここで俺の持つ特殊能力の一つが発揮される。
 その名は『ソフトM補正』
 これにより、いじめっ子であるCがいじめられっ子である俺に惚れているという設定が、若干俺のクールさんへの思いを鈍らせるっ!自分が好きな演出が目の前で展開されると弱いだろ、男ってそういうモンだろっ!
 だが、そのCに心揺らいでしまうのが男なら、被害クールさんへの一途な思いを貫き通すというのもまた男っ!


  揺るがないっ・・・! 

    俺は揺るがないっ・・・!

     どれだけMでもっ・・・! どれだけフェチでもっ・・・!

      使わないっ・・・使わないんだっ・・・!

       俺は>>男っ・・・! >>男っ・・・! 揺らいでたまるかっ・・・!
152 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 18:42:21.82 ID:peVW/6Q0

 『これまで好きだった被クを切り、Cと付き合ってハッピーエンド』

  バカっ・・・どこの鳴海様だ俺は・・・っ!

  最低じゃないかっ・・・!
 
  毎日がゴミっ・・・! 絵を描き続けいくら自己満足してもっ・・・・!

  他人から見れば俺なんてゴミでしかないっ・・・! 俺みたいな目立たない人間っ・・・!  

  それを評価してくれたのは彼女っ・・・! 彼女だけっ・・・!

  ここで前に進まなくてどうするっ・・・!  チートに頼ってどうするっ・・・!

  運・勘・人に頼るのはやめだ・・・そういうノータリンな考えはもうだめ・・・・

  自分の頭で考え・・・・

  告るべくして告るっ・・・! 

  やりますっ・・・! やります利根川先生っ・・・! 



   , '          ,ヘ. ト、 、.._  / r‐、ヽ.
  / ./     ,イ/ /`メ.`ヽv::\ \\r 、ヽ      やり遂げようっ・・・・!
. / //     / !' v/ / , ' !  :::::\ \ 、リ l     告ろうっ・・・・!仮に・・・・・・
,'/ / .,イ ,  / l _,/ /,/ │   :::::\.ヽ._ノ       仮に・・・・・・
.  ! / l ,イ ./、.  \//   ! }   v u:::::\'、       断られたとしても・・・・ 前へ・・・・!
  |/ |/ W  `''‐、,,ヽ ,ノ,j'      :::::|ヽ.   ト.  追いかけて伝えるんだっ・・・・・・!
           /  ~U   u ノ> uj ::::| ヽ   | i
.           / v ‐, j /'´    :::|;   !.   |. !    被クさん・・・・・・
            /   イ   / v   u:::|;;   !   | !   俺はアンタが・・・・!
.        / , ‐'´ノ _,/ u      :::|;;  |.  |. !    好きっ・・・・!
          ー''´    ̄  \_/`! u  v::|;;;  |  |  |



  俺 は 被 害 ク ー ル に 告 白 す る ッ !!
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 18:48:33.06 ID:mc7MbSUo
ちょっwwwwwwwwwwwwww男どうしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
154 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 19:08:29.52 ID:peVW/6Q0
男 「お、俺は今っ・・・かつてないほどの興奮に満ち溢れている」
  「興奮・・・・性欲や恐怖など超越した今まで感じ得たことのない不思議なエネルギーだ・・・・」
  「いや待て・・・俺はこれを知っている!」
  「”やり遂げる”・・・目的を達成させる。そのための決意、覚悟、欲望、これらは全て創作にも言い換えることが出来る」
  「俺は今、完成させようとしているんだ・・・『告白』することで、>>俺(16歳)の青春を」
  「願わくば達成ッ! 叶わずとも悔いは無い、博打で結構だ・・・告白する・・・告白・・・・告白・・・・・・・」



 廊下行く生徒を押しのけ、跳ねとばし、>>男は黒い風のように走った。
 文化祭執り行われる校舎の、その催しのまっただ中を駈け抜け、職員室の教師たちを仰天させ、先輩を蹴とばし、下駄箱を飛び越え、少しずつ遠ざかっていく被害クールの、百倍も早く走った。

                                       (原文:「走れメロス」)

先生「むっ、今のは>>男・・・・」
生徒「先生、彼は一体何を慌てているのでしょうか。あれほど必死そうな>>男くんを私は見たことがありませぬ」
先生「分からん。我が教師生活三十年の頭脳を以ってしても、我らは生徒の心を完璧に理解することなど出来ん」
  「だが男としての本能で理解することは出来る。男が必死になるときの原動力は大きく分けて三つ」
  「一つ、それは家族」
  「二つ、それは友情」
  「三つ・・・それは・・・・」
生徒「それは?」
先生「愛する女の存在だ」


              _,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,___
             ./=--- 、ヾい| | | / / -─ 、三、
             l三!      ̄ ̄ ̄     ヾE|
             !彡  -- 、 ─── ,─    lミ!       世間の大人どもが
            .F!/\ ̄\三三三/ ̄_, ヘ ',ミ!       本当のことを言わないなら
            F!´ `'-ニ、 、__    , -' - '"`'.ハ!       俺が言ってやる・・・
           , -l=!   二二、ノ   L二二_  F/、
           | f=E!  ニ‐-゚- 7    f ‐゚--‐ニ |;f_!l
           | |ソ!!  __二ニ,'    .! ニ二__  |kヒl!       愛は命より重い・・・!
           ヾ 、!;! -___/!     !\_- .!ノノ
             ̄| / __ L_  _!___ \ |''"        そこの認識をごまかす輩は
             /!.  / -──────--! .|、         生涯地を這う・・・・・・!!
            /::::!.  ヽ二二二ニニニ二ソ  /:ヽ
           /:::::::::ヽ、      ─      /:::::::|-、
      _,、-‐ '''"|::::::::::::|  ヽ、        ,  ' .!::::::::::|:::::::`"''- 、
_,,、-‐ '":::::::::::::::::::::|::::::::::::|\  ` ─── '"  /|::::::::::|::::::::::::::::::::::`"'''-
155 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 19:34:22.08 ID:peVW/6Q0
男 「お、>>女さーん!」
被ク(ビクッ)
  「な、な……なんだ、どうした>>男?」
男 「お、おんっ……」
  「>>女さん、びしょ濡れじゃないか。どうしたんだ?」
被ク「聞いてくれるかい? ついさっきのことだ。すごく大きな水溜りがあってね、それを避けようと思って道端を歩いてたんだ」
  「そこを軽トラックがね……ばしゃーッと……」
男 「か、傘は……」
被ク「風に飛ばされた」
男 「……ぷっ」
  「あっはっはっは!」
被ク「……失礼な奴だな、君は。これは私の性分だよ、ヒート先輩のアレのようなものだ。知ってるだろう……」
男 「くっは……クククっ、いや、そうじゃないよ」
  「被害クールさん」
被ク「え?」
男 「……Cとか他の女子、この学校、この日本、この全世界のどんな美人や金持ちよりも」
  「どんな被害受けても無理してクールぶってて、家に帰って涙で枕濡らしてる……おまけにちょっと抜けてる、そんなアンタが」
  「俺は好きです」
被ク「あ……え?」
男 「クールさん、俺と───付き合ってくれませんか?」
被ク「──────」
  「それは、もしかして……いや、もしかしなくても、その」
男 「告白だ」
被ク「お前……わっ、私と付き合ってみろ。また絵を壊される、いや、絵だけじゃ済まないかも……」
男 「構わん」
被ク「だ、だってお前、私はアレだぞ? こんな女無いぞ、変だし、いじめられてるし、見得っ張りで、こんな……」
男 「一向〜〜に、構わんッ!!」
  「だからその……答えをくれるだけでいいんだ。素直ヒート先輩ほどハッキリじゃなくても良いから」
  「はい、いいえ……で良いからさ」
被ク「んっ……えっと、その」
男 「……」
被ク「お、……OK、です」
156 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 20:23:38.68 ID:peVW/6Q0
ダダダダッ

被ク「お母さん!」
母 「きゃっ……ど、どうしたのあんた、何? 何かあったの?」
被ク「う……あの……」
  「えー……おぅ……」
母 「はっきり言いなさい」
被ク「好きな男子に告白された」
母 「……ほほう!」
  「でっ!?」
被ク「好きな男子だったから、OKした」
母 「そう……」
  「………………」
  「ってヴぇえええええええ、マジかよっ!ファッキン、この糞ビッチがッ、マジかよマジでマジキチ!マジキチ!あばばば」
被ク「お母さん落ち着いて!頭カクンカクンしないで!」
母 「ごめんね……お母さんちょっと驚いちゃったみたい」
  「そう……もしかして相手は>>男君っていう子?」
被ク「あ、ああ。そうなんだ……文化祭が終わった後、雨の中追いかけてきてくれてね」
  「そこで……(////)」
母 「良かったな。お前の股間も大洪水だったんだろ?」
被ク「おかっ……」
母 「ごめんね……お母さんちょっと驚いちゃったみたい」
被ク「…………」
母 「思い出すわ……お父さんのこと」
  「お母さん、若い頃は……学生の頃は、よくいじめられててね……」
被ク「えっ!?」



若母「うッ!……み、右腕が疼く! 静まれ……静まれ……」
生徒「まーたあいつだよ……よく飽きねェよなぁ」
生徒「あれで気ィ引こうとしてるんだぜきっと、マジキチ」
生徒(クスクス)
若母「ううッソウルオブデビルのささやきが聞こえる……!」
若父「コラ、>>女さん! また精神病の振りして、駄目じゃないか!」
若母「くっ……ち、近寄るな! 普通の人間がどうこう出来るレベルじゃない!」
  「私でなければ神を斬る事は出来ないのだ……来るな!死ぬぞ!」
若父「まったく……さぁ、早くこっちに来るんだ」
若母「な、なんだ貴様ッ……」
若父「ほら、僕って委員長だろ。授業が始まる前に君を連れて来いって言われてるんだ」
若母「はっ離せッ!……くっ、貴様も剣帝(ソードエンペラー)の力に飲まれるぞ……!!」



母 「そんなことがあって、委員長だったお父さんがよくお母さんの世話をしてくれててね」
  「あれほど優しかったお父さんが……もうこの世には居ないなんて信じられない」
被ク「いやお父さん生きてるし、お母さんが離婚したんじゃないか」
母 「そうだったかしら?」
被ク「お、お母さん……まだその時の名残が……」
母 「まぁ、あんたも頑張りなさいね」
被ク「あ、ああ」
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 20:32:20.57 ID:mc7MbSUo
母wwwwwwwwww邪気眼自重wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
158 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 20:54:45.61 ID:peVW/6Q0
男 「とりあえず……成功、したのか」
  「成功っていうか、なんていうか、もう……」
  「今日で色々なことが起き過ぎたorz」

(>>男宅)


男 「ただいまー」
男父「……」
男 「父さん、今帰ったよ」
男父「…………」
男 「……」
  「明日、文化祭の後日なんだけど。一般公開もしてるんだ」
  「美術室に、俺の絵が飾ってあるんだよ、父さん」
男父「……そうか」
男 「うん」


 父は厳格な人間だった。
 俺がまだ幼い頃、旅行先で母と父が事故に遭った。
 その事故で母は帰らぬ人となり、有名な油絵家だった父は後遺症で絵が描けなくなってしまったと聞く。
 母と絵の両方を失ってしまった父は、俺に執拗なまでの美術教育を施し、一切の自由を与えてはくれなかった。
 俺はその将来設計すら、思い通りにはいかなかった。


男 「父さん……明日、来てくれないか。紹介したい人が居るんだ」
男父「……」
男 「……」


 いつ頃からか、父は俺が話しかけても何も返さないようになっていた。
 唯一口を動かすのは、絵画の話だけだった。
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 21:15:12.56 ID:peRiNW20
急にシリアスになったな、良い展開だと思うけれど
160 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 21:20:30.26 ID:peVW/6Q0
※次の日

男 「お〜っ、>>女さんの言った通りの快晴だな〜」
被ク「ふふっ……だろう?」
  「ところで>>男……その「女さん」という呼び方はやめてくれないか」
男 「ど、どうして?」
被ク「少し他人行儀のような気がしてな」
男 「じゃあ、呼び捨てで?」
被ク「うむ」
男 「お〜っ、被クの言った通りの快晴だなぁ〜」
被ク「えー、そこやり直すの……」
友 「はいはいはーい。おはようございますカップルさーん」
  「付き合いたてで初々しいのは分かってるからさ。それよりも大きな問題があるでしょー?」
男 「問題?」
被ク「ふむ……美術室のことかい?」
友 「イエース! 被クちゃんは賢いねェ〜〜」
  「んで、どうする? 交代で当番するかい?」
男 「ああ、いや……それについてはもう大丈夫だ」
先生「私が引き受けたからな」
友 「せ、先生……良いんですか?」
先生「ククク……被害クール、お前ら付き合い始めたらしいじゃないか」
  「そりゃあ構わない……美術室の当番。それ自体は容易いことだ」
被ク「うッ……相変わらずテンションの高い教師だな」
先生「いや何、>>男は少し自堕落だが、熱い男でもある。野良犬……そう、牙の折れていない野良犬よ」
  「しっかり者のお前が一緒なら大丈夫だ。お前たちはきっと上手くいく」
  「大体私に言わせれば恋をせずに生きようとするのが、そもそも論外なのだ」
被ク「さ、さぁそろそろ行こう、>>男」
男 「そうだね、うん。ありがとうございます先生」
  「じゃあ俺達、いってきますんで。宜しくお願いします」
先生「口を慎みたまえ。居丈高になるのは決定してから・・・・結婚すると決まってからだぞ」
友 「俺もヒート探してくるかなぁ」
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/20(日) 22:01:45.91 ID:VkHKVlo0
お母さんのセリフで一気に萎えた。
自重しろwww
162 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 22:08:44.39 ID:peVW/6Q0
 『いじめられっ子の二人の男女』

 そんな風に認識されていた二人が、初めて恋人として巡り巡ったデートスポットは学校だった。
 毎日退屈で、何も感慨がなくて、学校といえば唯一楽しみだったのはあの美術室だけ。
 そんな俺達も、今日だけはこの学校という場所がどこか心地よく、校舎内の新鮮な空気だけを吸っているようだった。


B 「ウーッス、元気そうじゃんww」
男 「あ、どうも……」
B 「……」
  「>>男君が告ったの?」
男 「ぶはっ! な、なんだいきなり」
B 「仲良さそうに手ぇ繋いじゃって。見たよ、昨日ダッシュで追いかけてたとこ」
男 「うぐっ……」
被ク「お前……そんなことしてたのか」
男 「ま、まぁな」
被ク「B……彼は───」
B 「わーかってる、わーかってるってば」
  「そこまで来てるのを別れさせんのも、ね……後はCとあたしで何とかするから」
男 「Cさんは?」
B 「さぁ?」
  (ボソッ)
  「美術室で先生と一緒に当番してるよ。後で何か買ってってやんな」
被ク「そうか。ありがとうと伝えておいてくれ」
B 「ばーか……自分で言いな」


 二人が何を話しているのかは分からなかった。
 でもこの時、何となく俺はもうBとCが彼女を加害することはないんだろうと思っていた。
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 22:18:42.52 ID:jP6cBX2o
>何となく俺はもうBとCが彼女を加害することはないんだろうと思っていた。

「何となく俺はもうBとCが彼女に危害を加える事はないんだろうと思っていた。」

このほうがいいかも知れない
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/20(日) 22:29:22.61 ID:fsYJXPM0
あとはAがどう出るかだな
wktk
165 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/20(日) 23:00:55.98 ID:peVW/6Q0
>>163
ぐおわー そ、そそそそういう修正はどんどんして下されorz
うん。もう、何ていうかこういう時に言葉を選ぶセンスみたいなものが無くてね
・・・いや言い訳はやめよう。
すいません、随分とgdgdと続けてさせて頂きましたが、もうそろそろ土壇場です。ハイ。


166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 23:06:16.47 ID:mc7MbSUo
せっかくパー速にきてるんだから慌てずにいこうぜ^^
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/20(日) 23:42:34.09 ID:peRiNW20
父がどう出るかが気になるな
168 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 03:37:32.04 ID:5/0j5E60
先生「しかし>>男も災難だったな。ここに飾られたのは一枚だけになるとは」
  「犯人は未だ特定出来んが、探し出して必ず制裁を加えるぞ」
C 「……」
先生「ところで、Cよ」
  「お前、失恋したろ」
C 「え……」
先生「正直に言ってみろ」
C 「しました、多分。……どうして分かるんです?」
先生「クク……長い間教師という”役者人生”を生きているとな、お前らみたいな青臭いガキの、青臭い恋、そして青臭い失恋」
  「肌で感じ取ってしまうんだ……」
C 「役者人生、ですか」
先生「そうだ。我々教師は生徒達に夢や希望をくれてやる、そんな存在でなければいかん」
  「それ故にいつも、そうあろうと演じ続けるのだ……善人でも偽りの自分をな……」
  「最も、稀に己の本性を曝け出して警察に捕まる奴らも居るが……何、少し失敗しているだけさ」
C 「先生。私……いじめっ子だったんですよ」
  「スカッとするからって、いじめちゃったんですけど。その中に、私の好きな人も居て」
先生「……」
C 「その人が先日、同じいじめられっ子とくっついちゃって」
  「……おこがましいですよね。こんな私が、>>男君のこと好きだなんて」
先生「クク……おこがましい、か」
  「お前は自ら放棄したのだ、告白する権利を」
C 「え?」
先生「とどのつまり……お前はあの>>男を何も理解していなかったということだ」
  「”好きです”だとか……”愛してます”だとか……お前達はこれまで生きてきた中でどれだけその台詞を吐いた?」
  「青臭いケツを丸出しにして言ったところで何も意味が無いっ……虚言同然だっ……」
  「口で言うなら万人に出来るだろう。言うだけならな……だが、それを行動に現そうとなると重い……」
C 「……」
先生「これは仕事でも同じ……“働く”と言ってまともに努力した人間が何人いるのやら……親に食わせて貰ってるくせにっ」
  「……恐らく、告白する以前の>>男の中には葛藤があったのだ」
  「奴はそれを乗り越え、行動に示したのだ。お前のように”おこがましい”などと言わず、突き進んだ……」
  「そして成功を知った……」
C 「先生……」
先生「いじめていたから何だ? いじめられていたからどうだと言うのだ」
  「それらは全て過去っ・・・!」
C 「ですが、私が彼らをいじめていたのは事実です。彼らや私の記憶から消すことは出来ない、事実です」
先生「Fuck you」
  「Cよ、大切なのは今だ……お前はまだ他人が気張り出したクソの肥溜めの中に生きている……」
  「出ろっ・・・! そんな汚い場所にいつまでも集ろうとするなっ・・・!」
  「お前は汚い過去の縛られたいがために生きているのか? 違うだろう」
  「100人傷つけたら100人助けろっ・・・! それでプラマイ0っ・・・!」
  「更に101人目の人間を助ければ、それは大きな『1』だっ・・・!」
169 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 04:03:08.77 ID:5/0j5E60
先生「Cよ……終わってしまったものはどうでもいい」
  「───なんて思ったしまったら人間終わりだ。過去の過ちを取り返すための今、より良くするための未来」
  「お前は>>男にフラれて良かったのだ……今こうやってそれを知ることが出来たのだからな」
C 「そうです、ね」
  「先生」
先生「なんだ」
C 「>>男君の絵を壊したのは、私です」
先生「ほう」
  「それで、誰に頼まれた?」
C 「Aに……実行したのは私です」
先生「そうか」
  「どんなリスクを負おうとも……前に進もうと決めたかっ……」
C 「ハイ」
先生「わかった。後で職員室に来い……関係者を全て招集するぞ。塵も残さん」
C 「ぐっ・・・!」
先生「泣くな」
  「>>男があれだけ精を込めて、お前がこれだけ勇気を振り絞ったんだ」
  「何を悔いる? 胸を張れっ・・・! 胸を張れ・・・Cっ・・・・!」
  「CのCは『can』のCだっ・・・!『chance』のCだっ・・・!」
C 「はいっ・・・! はいっ・・・!」
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/21(月) 04:07:13.02 ID:azgs7sIo
Cは根は良い子だ
こういう事は中々自白できないぞ
171 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 04:26:49.67 ID:5/0j5E60
男 (きょろきょろ)
被ク「どうした、>>男? 誰か探しているのか?」
男 「いや……」
被ク「何だ、言ってみろ。今更隠し事なんてしないものだぞ」
男 「親父が、来てるかなと思ってさ」
被ク「お父さん……?」
男 「言ったっけ、親父のこと」
  「今は美大の教授やってんだけどな。昔、事故にあって絵が描けなくなってしまって」
  「そんときに、お袋も死んじまって……」
被ク「あ、そう……だったのか」
  「お前、家の話はあまりしたがらなかったもんな。それが関係してたのか?」
男 「うん……」
  「学校から家に帰ると、二人とも無言でな。話をすることはあまり無かった、あの人は俺の絵にも無関心だからな」
  「被ク、俺は……アンタを紹介したいんだ。あの絵を見て、アンタ本人を見ればきっと親父も何か感じてくれると思う」
  「良いかな?」
被ク「断る理由がないよ」
  「それにお前は一度、私のお母さんに会っているだろう。お互い、顔は知っておいたほうが良いからな」
男 「……ありがとう」
被ク「お父さんが来ることを祈ろう」



A 「あー……ったりぃなぁ」
  「Bのやつ何よアレ……『私も抜けるわ』とか。急に態度変えやがって、今更おせーっつの」
  「だーれも逃げれねー。もうやっちゃったしな……」
??「……すみません」
A 「あー?」
??「美術室は、どちらでしょうか」
A (あー……誰だこのオッサン、誰かに似てンぞ。誰だっけ……?)
  「アッチだよ。向こうの、割と奥のほうな」
  「看板が出てると思うから、よく読めー」
??「ありがとうございます……」
  「あなたは、何をやっているのですか?」
A 「サボってんのー」
??「一人で?」
A 「……っせーなぁ! 見りゃ分かんだろーが。一人だよ、ヒ・ト・リ」
??「そうですか……あのー」
  「私と一緒に、美術室に行って下さいませんか?」
A 「はぁっ!? オッサンなんだ? 何? あたし釣る気? ”そーゆー目的”で来てんの?」
??「いえ、別にそういうわけでは……」
  「いやぁ、私にもアナタと同じくらいの子が居ましてね。大きくなってからはあまり喋っていないもんで」
  「何かこう……我が子と話しているような安心感に浸れるのです」
A 「はー」
  「別に良いけど。ああ、そだ……あたしの愚痴に付き合ったら一緒に言ってやるよ。近くまでならな」
172 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 04:41:13.14 ID:5/0j5E60
A 「ウチの学校は入学してからすぐに体力テストと球技大会があってー」
  「一年の女子はハンドボールのトーナメント戦だったのよ。出場すんのは同じクラスから2チーム」
  「んで、あたしとそいつは敵同士のチームだったわけ」



 決勝まで勝ち残って、惜しくも私はそこで負けてしまった。
 中学からハンドボール部で練習を続けていた私にとって、それはすっげー悔しいことだったよ。
 泣きじゃくってる私に、そいつはこう言ったんだ。


A 「”ハンドボールくらいで落ち込むことじゃないさ”……ってな。そう言って何食わぬ顔で去っていったよ」
  「うっわぁ〜〜、思い出しただけでも腹が立つわ、くっそ!」
??「その娘とは、今はどうしてるんです?」
A 「いじめてんの、私が」
  「……向こうは何でそんな目にあってるのか、わかんねーだろうけどな。かれこれ半年は続いているよ」
??「そうですか……」
A 「んで、今日になって一緒にいじめてた奴らもどっか行っちまってな」
  「私はこーやって一人で居るわけ。ドゥーユーアンダスタン?」
??「ええ……」
A 「…………はぁ」
  「話したらなんかスッキリしたわ。来いよ、連れてってやるよ。美術室……あ、やっぱそこまでにしといてくれる?」



男 「居ないなぁ……」
被ク「一旦美術室に戻ったらどうだ? 先生達が見かけてるかも知れない」
男 「……かもな」
  「いってみるか。こういうときのアンタの勘、当たるもんな」
173 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 05:04:24.66 ID:5/0j5E60
男 「……あれ?」
友 「ウーッス」
被ク「>>友?……先生はどうした」
友 「ヒート連れてどっか行っちゃったよー。ああ、Cも一緒だったな」
男 「ここにさ、こう、50過ぎくらいのオッサン来なかったか?」
友 「いっぱい来てるぞー、親御さんとか」
  「あ、悪い。今さっき来てたな……一人でずっと絵見てたぞ。渋い感じのオッサンが。目ぇクワッ!って見開いててな」
男 「……」
被ク「親父さん、か?」
男 「多分な。わかんねーけど……」
友 「あら? 何だ……お前の親父だったのか。そいつぁ行き違いんなったな」
被ク「追わなくて良いのか?」
男 「良いさ。追っかけてまで話すこと無いし……それに───」


ガラッ


男父「……」
男 「え……」
  「と、父さん……」
男父「…………」

ジロリ

被ク(ビクッ!)
  「……は、初めまして」
男父「…………」
  「>>男」
男 「何だよ……」
男父「最高傑作か?」
男 「ッ!……ああ」
男父「だろうな」
男 「え?」
男父「ふっ……これまでに見たことが無い。素晴らしい完成度だ」
  「俺が教えるより、ずっと良いものを描けたんだろうな」
男 「あ、ありがとう」
男父「……名前は?」
被ク「ひ、被害クールですが……」
男父「そうかぁ……どうか、息子と仲良くしてやって下さい。成長にも繋がる……」
  「帰る……今から仕事に行かなくちゃならん」
男 「あ、ああ……」
174 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 05:39:18.40 ID:5/0j5E60
被ク「……お父さん、似てないな。お前に」
男 「ほっとけ。それはほォォ〜〜〜っとけ」


ピーンポーンパーンポーン
先生『一年○組の、被害クールさん、>>友さん、>>男さんは至急職員室に来るように』
  『至急だっ・・・! ただし廊下は走るなっ・・・!』


友 「げっ……俺もかよ。なんだお前ら、また何かやらかしたんか?」
被ク「私達はこれまでにも何かやらかした覚えはないがな」
  「……>>男」
男 「多分、な。ヒート先輩も連れてったっていうことはつまり……そういうことなんだろう」
友 「ああ。なんだ……もしかして文化祭の途中でそういう話になっちゃうわけ?」
被ク「Cも……昨日の今日だからな。私は覚悟していたよ」
男 「俺もだ」
友 「お、俺はしてねーぞ。……畜生」


ピーンポーンパーンポーン
先生『ぐずぐずするなっ・・・! 調子に乗りおってっ・・・!』
  『何故そうやって無駄口を叩く・・・ぶち[ピーーー]ぞゴミめらっ・・・!』


被ク「ご立腹だ……急ぐぞ」
友 「はぁ〜…………ったく」
175 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 05:39:37.34 ID:5/0j5E60
先生「話はCから全て聞いている。加害者の立場から包み隠さずな」
  「……何故黙っていた?」

ブチッ

素ヒ「何故気付かなかった?」
先生「何っ・・・」
素ヒ「良いか……耳の穴かっぽじってよ〜〜く聞け。お前ら教師にその言葉を口にする資格はない」
  「何故黙っていたと聞くなら、貴様らは何故気付かなかったんだっっ!!」
先生「うっ・・・!」
友 「先生、俺達は何も先生に常日頃から俺達のことを気遣ってくれとか、そういうことが言いたいんじゃないんです」
  「黙っていたことを責めれば、気付かなかった事を責められる」
男 「先生には分かって頂けると思っています」
  「被害クールさんは、先生や親御さんに心配をかけまいと……あくまでそのために、第三者に助けを求めなかったんです」
  「いや、求められなかったんだ。子供なら思う、一生懸命自分に尽くしてくれる親を、どうして不安に出来るっ!?」
先生「…………悪かったなどと、簡単には口には出来まい」
  「確かにそうだ。大切だ……彼女の親を思う気持ち……大切だろう……」
被ク「いえ、言わなかった私にも責任はあります」
先生「真……まっこと力強い少女たちだ。互いを助け合い、自分の比も認める……」
  「それがあったからここまで来れたか?……クク、どうでもいいがな。そんなことは……」
C 「先生……」
先生「後日、AとBに詳細を聞いた後、お前達の証言と照らし合わせる」
  「覚悟しろっ・・・! 少しでも不正があった場合、貴様らは制裁っ・・・!」
男 「しかし、彼女らが嘘をつく場合もあるのでは?」
被ク「やめよう。そんなことを考えるのは」
  「私達は私達が知っていること、それをすべて白状しよう。これまで通り、偽りなく」
先生「そんなんじゃ何も始まらねぇっ・・・! 何でもいいから話してみ・・・!」
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/21(月) 09:01:10.47 ID:aFpME.o0
そのころの不B

不B「あ〜、今文化祭かー、Cと一緒に回りたかったなぁー。多分回れなかっただろうけど」
看護婦A「ダメよそんな風に諦めちゃ、ダメかもって思うからダメなのよ。絶対に大丈夫!って考えなきゃ」
不B「いや、どのみち怪我のせいで無理ですし」
看護婦A「あ、そうだったわね」
不B「ところで俺の怪我何時治りますか」
看護婦A「あと三ヶ月ね、間違い無し」
不B「三ヶ月もここにいなきゃいけねーのかー、ツレー」
看護婦B「わがまま言わないでください、それほどの怪我をしているんですから」
看護婦A「若くてとても美人の看護婦さんが二人も居るんですよー?」
不B「いや、それ自分で言う事じゃないでしょ、俺好きな奴以外萌えねーし」
看護婦A「さっき言ってたCちゃんですか?」
不B「そうだよ、あいつはあいつで好きな奴いるみたいだから付き合うとかは無理だろうけど」
看護婦A「あららー失恋ってやつ?」
不B「そーかもねー…」
看護婦B「…告白はしてみたんですか?」
不B「ん?してねぇけど」
看護婦B「何故やる前からダメだと決めつけるんです?」
不B「言ったじゃん、あいつ他に好きなやつg……」
看護婦B「他に好きな人が居るからなんですか?もう付き合ってしまっているならまだしもさっきの話を聞いている限りまだ付き合ってないんでしょう?」
不B「まぁ……まだ付き合ってないみたいだけどさ」
看護婦B「だったら告白してしまいなさい、その子が好きな人より自分を大好きにさせてしまいまさい。」
不B「いや、でもあいつにh」
看護婦B「その子が他の人を好きになっているから諦めるなんてダメですよ、情けないです。男の子だったらそんなの気にせず根性入れて行動しなさい!」
不B「でも……」
看護婦A「大丈夫よ、さっきも言ったでしょ?ダメかもしれないって思うからダメなの、絶対に大丈夫って思えば大丈夫だって」
不B「……」
看護婦B「退院してからで良いから告白してしまいなさい」
不B「でももう付き合ってたr」
看護婦A「そうやってマイナス思考にならないの、+思考じゃないと世の中やっていけないわよ?」
看護婦B「そうですよ、男の子がウジウジしててどうするんですか」
不B「ウジウジか……それもそうだなぁ」
看護婦B「分かったら今からでも告白する時のセリフでも考えてくださいね」
看護婦A「クサくてもいいのよ、想いが伝われば良いんだから」
不B「いや、流石にクサイセリフはちょっと……」
看護婦A「そう?私は良いと思うんだけどなぁ……私達そろそろ他の部屋の人見に行くから」
看護婦B「この前見たいに勝手に病院抜け出そうとしないでくださいね」
不B「分かりましたよ、大人しく寝てます」
看護婦B「では、失礼しました」
バタン
不B「……告白か」
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/21(月) 09:13:04.23 ID:aFpME.o0
みなさんたまには不ABとキンニ君を使ってあげてください

キンニ君「Aここに居たのか」
A「ん?キンニ君か、何か用?」
キンニ君「ちょっと話があってな」
A「話?なんだよ一体」
キンニ君「俺抜けるわ」
A「ハァ?」
キンニ君「何時までもこんな下らない事していられないって言ってるんだよ」
A「お前、男の絵壊したくせに今更…」
キンニ君「ん?不Aに聞いていなかったか?俺はあの絵壊してないぞ」
A「え?」
キンニ君「止めようとしなかったのも事実だけどな、不A止めても止まらなそうだったし、Cは止めようと思ったが」
A「……」
キンニ君「そういう訳だ、お前もいい加減やめろよ。頑張ってたのは分かるが自分なりに励ましてくれた相手にちょっとやりすぎだぜ」
A「!…聞いてたのか?」
キンニ君「正確には聞こえてた」
A「盗み聞きかよ、趣味悪いな」
キンニ君「聞こうと思って聞いた訳じゃねぇ、ところで男とCの姿が見えないが何処にいるか知らないか?」
A「……男とCに何の用があるんだよ」
キンニ君「絵壊してたのを止めなかったのを謝ろうと思って、特にC」
A「馬鹿じゃねぇの?何もしてなかったなら良いじゃん」
キンニ君「何もしなかったからさ」
A「さっき放送でセンコーが職員室に呼び出してたよ、多分まだ居る」
キンニ君「そうか、ありがと」
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/21(月) 10:52:26.00 ID:NQrWKmoo
新展開急展開良展開
クライマックスキタコレ

でも母は自重しろwwwwwwww
179 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 13:15:21.07 ID:5/0j5E60
>>177
お前は不良とキンニ君が使いたいだけだろwwwwwwwwwwww
一応マジレスすると、これ以上キャラを増やすとただでさえ薄い被クさんの影が(ry
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/21(月) 13:15:46.14 ID:A0WIkms0
>>176
これ見て2年前のこと思い出しちまった、告白できんで結局その子と離れ離れになっちゃったけど・・・  もう少し早くこのスレができてたらよかったな
なんてなwwwwwwおれみてぇなチキンには無理wwwwwwとりあえず期待してますがんばって!
181 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 14:33:23.15 ID:5/0j5E60

 その後、Bを交えた事情聴取は驚くほど早く、そして何の喧騒なく進められた。
 文化祭の催し中にも限らず、T先生は次々と同じクラスの生徒を呼び出し、目撃情報を集め、俺達の発言と照らし合わせた。もちろん、そこに相違は無かった。
 別室で同じく呼び出されていたAも、自分のしたことについては包み隠さず話し──────


先生「証言は全てまとめた……被害クール」
被ク「はい」
先生「今日の晩、ABCを連れてお前の家に行くことになるだろう。無論>>男や素直ヒートも同じくだ」
  「構わないか?」
被ク「はい……」
先生「そうか。親御さんには私から連絡を入れておく」
  「ご心配をおかけしないように……何とか伝えよう」
被ク「よろしくお願いします」


 舞台はいよいよ、被クの自宅に移る。
 事態は良い方向に転んでいるのだ。俺はそう信じたい。半年間いじめ続けられた彼女が、ようやく救われるかも知れないのだ。
 情けないことに、こうして不安そうに俯く彼女の手を握ってやることくらいしか、俺には出来なかった。


男 「ここまで来てもう軽口は叩けないが……良かったな、被ク」
被ク「ありがとう。……けど、>>男に会ってからは私の気持ちも大分と変わった」
男 「な、なんだそりゃ……はは、照れるなぁオイ フヒヒwwwwww」
被ク「ふふっ……誤魔化すなよ」
  「……彼女らは、やはり退学なんだろうか」
友 「さぁな。だが今夜限り、しばらくはもう会うことは無いだろうな」
男 「どういうこと?」
素ヒ「こういった問題を起こした生徒は、最終的には職員会議で処分が決定されるんだが、どれだけ軽くても謹慎は免れないだろう」
  「謹慎中はその間、他の生徒との接触を一切禁じられる。……登校は他の生徒よりも早く、下校はすべての部活が終了してからになるんだ」
  「ABCは被クの家に行くまで……職員室で待機だろうな。最悪、退学なら───」
友 「文化祭があいつらの学校生活最後の華になったってことなww」
男 「ッ!……馬鹿野郎!」
友 「う、すまん」
被ク「…………」
素ヒ「心配か?」
被ク「え、ええ……」
  「先輩……私には動機がまず分からないのです。何故あのAはそこまで私を……」
素ヒ「さぁな。お前に原因があるのか、それとも彼女の私怨かは分からん。それは今夜分かることだ」
  「その時に被クがどういう態度を取るかで変わるんじゃないか、彼女らの気持ちは」
被ク(そうか……)
  (まだ終わらないんだ……私がAの気持ちを変えない限り、それは本当の終わりではないんだ……)
被ク「このまま精神的に何の決着もせずに終わると言う事はつまり……」
男 (ぽん)
  「一人で力むなよ。何とかバッドエンドだけは避けてみよう」
友 「スネー……げふんげふん、>>男の言う通りだ。被クちゃん、最終的には君とAで決着がつくことは本当だが」
  「脇役だって演出を変えることは出来るぜ?」
男 「被クとAが『これで良かった』と思える結果にしてみせるさ」
素ヒ「うむっ! 言えっ、被ク! お前が望むのは何だ?奴らへの報復か?退学か?」
被ク「三人とも……ありがとう」
  「私が望むのは、彼女らがこの学校に残ること。そしてもう一度、私達と一緒に学校で生活することだ」
182 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/21(月) 19:13:40.73 ID:5/0j5E60
 その晩………………


母 「そう……そんなことが…………」
先生「ぐがああ〜〜っ…………!」
  「ぐっ・・! ぐっ・・・! お母さんっ・・・!」
  「大変・・・大変申し訳ありませんでしたっ・・・!」
A 「すみませんでした……」
B 「ごめんなさい……」
C 「申し訳ありませんでしたっ・・・!」
母 「………………」
  「被ク……………………」
被ク「は、はい」
母 「今まで気付けなくて……ごめんね……」


 やがて被クのお母さんは、ゆっくりと涙を流し始めた。
 それに呼応するように、彼女の目にも水滴が溢れ出した。このとき、きっと彼女は初めて、母の前で涙することが出来たのだと思う。


被ク「A……私はまだ君に聞いていないことがあった」
  「私は君に一体……何をしてしまったんだ」
A 「…………」
  「>>男が絵を完成させたとき、どう思った? 感動したろ?」
被ク「……」
A 「けど、もし描き切れなかったら……どういう言葉をかけてた?」
  「球技大会が終わった後……アンタはあたしに”ハンドボールくらいで落ち込むことじゃない”って言ったんだよ」
  「バカにしやがって…………お得意の偉そうな態度でな……」
先生「Aよ、それなんだが」
A 「え……?」
先生「あの後、彼女は保健室にタオルを取りに行ったんだ」
  「自販機の前で飲み物を買っている彼女の姿を見た者も何人か居る。二人分……」
  「だが時すでに遅し……お前はその日、そのまま早退していっただろう。被害クールが校庭に戻ったとき、そこにお前は居なかった」
A 「何……だ……?」
  「ぐっ………てめぇ…………じゃあ何か!」
  「あたしの勘違いが生んだ…………こんなのっ、虚しいだけのっ…………」


 最後に泣いたのは……A───彼女だった。
 その場にいた誰もが俯いていた。T先生も、被クの母も。そして、俺達も。


被ク「A……」


 俺はゆっくりと視線を彼女に向けた。
 彼女はまっすぐAだけを見つめて、そっと手を差し出した。


被害ク「もう一度私と……ハンドボールをしないか?」
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/21(月) 21:14:59.92 ID:6qoOfg.o
リトバスですか?wwwwww
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/22(火) 00:12:39.85 ID:B7yiXug0
お、終わりか・・・?
エピローグはないのか・・・?

エピローグきぼん
ついでにEDテーマ選考きぼん
185 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 00:56:17.59 ID:SNf2ujE0
>>184
ちょ、ちょっと待ってくれ。さっき帰ってきたばっかなんだ。
もうちょと!もうちょっと待って!


というかリトバスと被ってんのか?書き直したほうがいいか? そ、それも迷ってる
186 :184 [sage]:2008/07/22(火) 03:08:03.46 ID:B7yiXug0
18禁の方はやってないが元祖リトバスをやった俺は被ってないと思うぞ。
正直被ってる要素は殆ど無い気がするけどな。
>>183がリトバスと何が被ってると思ってるのか俺には分からん。

このままでいいと思う。
そしてまだ書けるなら各キャラの後日談でも何でもいい、書いてくれ。
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/22(火) 07:10:26.81 ID:ztQQRkY0
>>183
被り疑惑浮上?どこが被っているのか詳細を詳しく
188 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 10:28:46.49 ID:SNf2ujE0
>>186
分かった! 任せてくれ。
構成は下手だがここまで来たんだ、終わりまでは責任持つぜ。

と、とりあえず今夜まで待って欲しいナー!
189 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 21:18:08.98 ID:SNf2ujE0
 とは言っても……被クの家にはハンドボールの道具などは無く、押入れの中に閉まってあったビーチバレーの球を代用することになった。
 先生監視の下、夜の公園で二人はもう一度球を投げ、受け取りあった。
 その光景こそ奇妙なものではあったが、公園の灯影の中で、Aは何度か安堵の表情を浮かべたように見えた。


被ク「A」


 不意に、彼女の手が止まった。


被ク「すまなかった」


 透き通った声で被クが言った。
 Aはしばらく戸惑った様子を見せた後、「私も」とだけ呟いた。それで良かったのだと思う。あれだけ傲慢だった彼女が今、同じ立場として被クと言葉を交わしたのだ。
 Bも、Cも、>>友も、素直ヒート先輩も、先生も。俺と同じ気持ちだろうと、そんな気がした。
 そして安心した。
 もうこれで、被クが傷つくことは無いのだ。
190 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 21:48:58.63 ID:SNf2ujE0
 数日後、俺達は校長室へと呼び出された。その間自宅謹慎の処置を下されていた加害組の三人も、そこに招集した。
 十分程度経ったところで、T先生と校長が姿を見せた。いよいよ、彼女らの処分が決定される。
 やるべきことはやった。この数日、俺達は何度も先生に証言した。「三人は反省している。自分達も許す」 必死にそれを伝えた。


校長「大変だった喃……被害クールさん」
被ク「いえ……」
校長「そうか?……この半年、君は大変傷つき……半ば死んだような学校生活を送っていたのだと思うが……」
  「そして友人達の感傷……それも分かる。清々しい学徒の青春が彼女らに侵害されたのだと…………」
男 「……」
先生「こ、校長……」
被ク(何だ、先生……どうしてそんな困った顔をする……)
  (そしてこの校長の態度……これは……)
校長「ククク…………」
  「もはや説明するまでもないが、一応言っておく…………」
  「この件はそもそもこのTの不届きな対応が原因……ありえぬのだ……いくらバカな教師だろうと、いじめを見逃すなどということは……」
先生(ぐっ・・・!)
校長「よって”コレ”には君らの担任から身を引いてもらう……」
男 「な、」
被ク「何だと……!?」
校長「無論のこと……彼女らは退学。そりゃあそうだろう……学徒の貴重な学校生活を汚した上、親御さんに心配かけまいとする心すら蔑ろにしたのだ」
被ク「だから、我々はそれですら許すと言っているのです!」
校長「いや……しかしなぁ」
  「わかっとらん……被害クール君……」
被ク「何を……」
校長「人間いよいよとなれば……頭などいくらでも下げる」
  「こちらは話しているのだ……入学した際、生徒手帳にこういった件についての処置を……」
男 (確かに、学生手帳には書いてあるが……)
  (彼女らについての俺達の気持ちについてはこの校長……何も口にしない……)
校長「こいつらが反省するだとか……君が許すだとか……とどのつまりそれは……そんなことは……」
  「どうでもいいっ・・・! そんなことは心底っ・・・!」
191 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 22:34:37.40 ID:SNf2ujE0
校長「肝心なのは生徒がいじめられていたという事実・・・! これこそが問題っ・・・!」
  「このような輩を招きいれた我が校の体裁……分かるか?」
A 「ッ…………」
校長「学校という施設は間違いなく……保護者や教育委員会による信頼だとか……期待の上に成り立っておる」
  「立場を侵害されることに教師たちは実に貪欲……それに彼女ら三人をこのまま学校に置けば、他の生徒に要らん不安を与えてしまうだろう……」
  「無論……彼女らに協力した落ちこぼれども……これも相当の対応をさせてもらうがの……」
先生「こ、校長・・・っ!」
校長「お前もだ……T……」
  「剥げたな……お前の化けの皮……所詮お前は指示待ち人間……」
B 「ううっ・・・!」
C 「…………」
友 「無意味だっ・・・! そんなことに何の意味がある・・・!」
  「少し間違えただけじゃないか・・・! 間違った生徒を正しい方向を導くのが教育ではないのかっ・・!」
校長「いかにも……」
  「しかし優秀な生徒の、ほら、なんだ……邪魔になるじゃろ? 正しい方向だとかに修正している間に……」
  「困るのだ、それは……彼女らは存在自体がもはや……」
  「クズっ・・・! クズ以下の、どクズっ・・・!」
A 「この─────ッ!!」
B 「ちょ、ちょっとA……駄目だよ、ここで変な行動とっちゃ……」
校長「この……なんだ?」
  「そもそも己が招いた結果……これは君らに対し当然の処置だろう」
  「それに”救い”を求めているなど、愚の骨頂・・・っ!」
被ク「違うな」
校長「……」
  「あ・・・?」
被ク「校長……私は少なくともこの半年、中間と期末共に学年最高の点数を叩き出しました」
男 (そ、そうだったのか……!)
素ヒ(頭良かったんだな被ク……この私でも学年26位だと言うのに……)
被ク「所謂ところ、私は貴方の言う『優秀な生徒』の最も頂点に立つ生徒……」
校長(…………)
被ク「その私が今……校長……」
  「貴方に危害を加えたら……どうなる?」
校長「…………」
被ク「間違いなく退学、いや傷害として受け取られるかもな……この最優秀な生徒である私が……」
  「となれば……当然メディアにもその事は筒抜け……学校の信頼はガタ落ち……」
校長「だからどうだと言うのだ?」
  「例えそうなろうが……仮に新聞に載ったとして……紙面にはこちらの処置の正当性は十分証明されるし……」
被ク「まるで分かってない」
  「そうなればここに居る誰もがこう証言する……私が…………」
  「私が”いじめられていた”ということ……そんな私がいきなり教師を殴る…………それが意味することが?」
先生「や、やめろ被害クール……」
被ク「嫌味なマスコミたちに掘り起こされるだろうな、学校側の思想……」
  「今彼女らを退学にさせるのならば、校長……私は……今だけは……」
  「加害クールになってもいいっ・・・!」
校長(ぐっ・・・!!)
  (壊れておる・・・っ! このアマっ・・・!)


 ざわ・・・・
          ざわ・・・・
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/22(火) 22:53:01.13 ID:/Vc8R4co
カイジネタ多いなww
193 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 22:58:01.09 ID:SNf2ujE0
校長「被害クール……君は、少し熱しているようだ……」
被ク「私はいつでも冷静だぞ」
  「さぁ校長、彼女らを退学にするのか! しないのか! はっきりして貰おう!!」
校長「…………」
  「クク………やめようではないか、そんなことは。何の意味がある? 自分をいじめた生徒を庇って?」
被ク「意味はある。私は彼女たちともう一度やり直したい……この学校生活を……」
  「校長、私はいじめられた日は毎晩泣いていました。彼女らを恨んでいました。けれど、同時に考えていたのです」
  「……『もし彼女らと友達になれたら』と」
  「今、貴方の決断一つでその思いが実るかも知れない。最悪だった私の日常が、最高になるかも知れない」
  「これでプラスマイナスはゼロ。これまでの最悪、この後の最高……それこそ平等になるというものではないでしょうか」
  「もしこの私の望みが叶わないなら……この無念と共に、校長……この学校を……」
  「道連れにしますが」
校長(ううっ・・・!)
  「確かに……フフッ、思い切った決断だ。そのぶっ飛んだ考え、秀才ならではの才能かな……敬意を表そう」
  「だが君一人の力でどうにかなると思っているのか? 半年間もいじめられていた貧弱な少女がたかだか───」
男 「俺もだ」
校長「あ…………?」
男 「校長、俺もアンタを殴ろう」
校長(………………)
  「何? 何を? 何をどうするって……」
友 「よし、なら俺も殴る」
素ヒ「私も全力で殴ろうっ!!」
A 「あたしらも……どうせ学校辞めさせられんならさ」
B 「こいつらと一緒に暴れてやってもいいかもなぁww」
C 「ジジイ……女の子にいじめられるのは好きか?」
校長「お、お前ら……なんだこれは……」
  「クズがっ・・・! どいつもこいつもクズに感化させおってっ・・・!」
  「クズっ・・・! クズっ・・・! クズクズクズっ・・・! クズがいっぱいっ・・・!」
先生「俺もだっ・・! 俺もだ皆っ・・・!」
校長「きっ、貴様〜〜〜〜っ!!」
先生「どうなります? 校長……教師ですら、この場を取り締まる立場の私ですら彼女の味方だ」
  「もう降参するか・・・? あ〜〜〜〜〜ん?」
校長「ぐぬぬぬっ」
  「クっ…………は、はんっ、半年だ」
被ク「!」
校長「半年……二年生になるまでは様子を見てやる。二年生の一学期、再びその三人の処分を検討するっ・・・っ!」
  「それまでは精々仲良くするがいい……クズ同士。慰めあって償え…………」
194 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 22:59:30.32 ID:SNf2ujE0







       こうして、一連の事件に終止符が打たれた。






195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/22(火) 23:07:48.56 ID:rVwXuAQo
(ノ△・。)
196 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 23:21:03.73 ID:SNf2ujE0
半年後……


男 (その後の話をしよう)




A 「ねー、Cってばぁ〜! あのときはホント悪かったよ!あたしらどうかしてたんだって、ね?」
B 「そうそう……だって、ねぇ。いきなり裏切ろうとするからさ、ほら……」
C 「あ?……」
A 「ちょ、そんな怖い顔すんなって……あたしら友達だろ?……な?」
C 「…………調子のいいやつら」
  「あ、そだ。私のお願い聞いてくれたら許してやってもいいよ?」
AB「なになに〜?」
C 「そうだな……明日までに五十万持って来い」
A 「え…………」
B 「ちょ……嘘だよ……ね?」
C 「…………ふふっww ジョーダンだよ、ジョーダン」
  「お前らのあだ名を考えたんだ。一ヶ月の間その名前で呼ばせてくれたら許してもいいよww」
A 「あだ名……?」
C 「ポルナレフとディアボロ、どっちがいい?」


 彼女ら三人は再び友情の契りを交わし、今度はCがリーダーになって学校の清掃活動や催し事に積極的に関わるようになったという。
 なんだかんだで、息のあった連中だったと思う。これからはこの学校のために死力を尽くして欲しい。
 ちなみに校長は定年で退職になった。T先生もそのまま半年は担任を継続し、彼女らの処分は卒業まで見送られることとなった。


素ヒ「えー…………全校生徒の皆さん」
  「私が生徒会長の素直クールだぁぁぁぁっ!!」
友 「副会長の、>>友です」
素ヒ「えー、我々が会長になったからにはお前ら、あれだな、あのー……いじめは無くそうっ!!」
  「相談や悩み事があればこの私に言えっ!!」
  「安心しろ諸君っ! 私はバカだが政は大好きだっ! それに優秀な参謀的人材も確保してあるっ!!」


 あの事件後、素直ヒート先輩は生徒会の役員選挙に「会長」として立候補し、持ち前のテンションと熱狂的な演説により見事当選した。
 >>友も同じく参加。ヒート先輩の演説内には彼に対する強い願望だとか有能性を示した旨も含まれていたため、相乗効果でそのまま副会長に当選してしまった。
 ちなみに、参謀とは被クと俺のことだ。
 「学校で起こる如何なるトラブルも見逃さない正義の生徒会軍団」として上手くやっていってくれるだろう」



 ちなみに、俺と被クはと言うと……これが少し長くなる。
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/22(火) 23:40:12.82 ID:zUq1y5Q0
俺・・・最後の書き込み見たら寝るんだ・・・
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/22(火) 23:47:03.00 ID:Q9vCxNUo
>>197
まだまだ終わらんよ
199 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/22(火) 23:52:08.17 ID:SNf2ujE0
 校長室で明かされた「被害クール」という女子の隠れた策略性と度胸が、なぜかは知らないが校内で有名になっていた。
 ABCが武勇伝として語り草にしたのか、それとも盗聴でもしていた生徒が居て、そいつが言い触らして回ったのか。真相は謎だが、彼女に憧れる生徒が急増。
 美術部員の一員になった彼女を追っかけるように、ファンが一斉に美術部に入部。今では「二人だけの美術室」などは跡形もなく消え去り、生徒達の溜まり場と化していた(これはちょっと残念)


 そうそう、あの絵だが……あれは被クにプレゼントしておいた。
 額縁に入れて部屋に飾ってくれているようで、嫌なことがあった日でも、あの絵を見ると悶々を全て吹っ飛ばしてくれるらしい。
 ABCの三人もよく彼女の家に遊びに行くようになり、皆揃って毎日が楽しいことを実感していた。
 そんなある日……


A 「進級祝いにカンパ〜〜イ☆」
友 「うおっ!こいつ酒飲んでやがる……」
A 「んだよ〜、今日くらい細かい事は言いっこ無しだぜ副会長〜」
  「ハンドボール部の副部長になったしなぁ〜ww 次の大会も優勝狙うぜ〜ww あはは〜ww」
男 「もう酔っ払ってんの? この子」
C 「Aは酒回るの早いんだ……」
素ヒ「いかん……いかんなぁっ! 健全な学生がそれは……」
  「そんなわけでッ、これは全て私が処分するっっ!!」
友 「駄目だっつーの」
B 「私も飲むっつーの」
友 「だが残念っ・・・! それも駄目っ・・・!」
被ク「……」
男 「被ク? 何一人しんみりしてんだ」
被ク「いや、しんみりというかな……まさかこのメンバーでこうやって進級祝いする日が来るとは思わなくてな」
  「色々と感傷深いものがあるんだ」
A 「そういや被クさ〜ww」
被ク「ん、何だい?」
A 「もう男とはヤッたの?」
被ク「ぶぶーーーーっ!!」(吹いた)
男 「ぐわっ」(直撃)
友 「うっわお、大丈夫か男……………………むっ!」
男 「へへへっ……」
友 (た、勃ってやがる…………)
被ク「お前、何を言ってるんだ。健全な男女の交際から外れるようなことは絶対にしないぞ、私は……」
A 「またまた〜ww そんなこと言っちゃってこの淫乱ビッチが〜ww」
B 「どえろいこと考えてんじゃないの〜?wwwwww」
被ク「そ、そんなこと考えるわけないだろっ! お前らどうかしてるぞ(////)」
AB「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
母 「そんなこと言ってお股にスコール降らせてんだろ?」
被ク「お母さん……ほんと最近どうしたの……しかもいつからそこに居るの……」
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/22(火) 23:54:16.09 ID:rVwXuAQo
母自重wwwwwwwwwwwwwwww
201 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 00:10:13.06 ID:YeGuP.E0

友 「しかし良いのか? Cさんって……>>男のこと好きじゃなかったっけ?」
A 「あーww Cねww あのなwwwwwwww」
  「おーいCwwwwwwwwお前その後は彼氏と上手くいってんの?wwwwwwww」
男 「おっ、なんだCさん。彼氏デキてたのかww」
C 「べ、別にカンケーねーだろお前らにはっ!」
B 「こいつな、ついこの前うちの不良グループのアイツとくっついたのよwwwwww」
C 「ちょ、ちょっとB!」
A 「半年間……ん猛〜〜〜〜烈ッにアプローチしてくる不B、遂にCの心は〜〜っ!!」
素ヒ「うおおおおおおおっ!!」
C 「う、うるさいうるさいうるさいっ!!」
  「っつか! アツアツなのはこいつらだろ実際っ!!」(ビシッ)
男 「え……」
被ク「私達は別にイチャつてるつもりは無いが…………」
友 「んふっふっふ。いやでもやっぱアレッスよねぇ、お互い苦難を乗り越えたのは愛あってこそでしょう」
  「そんなわけで、>>男と被クちゃんがチューwwwwwwwwwwwwwwwwww」
素ヒ「キャーーーーッ!! ><」
被害「お、おい……何バカなこと言ってんだ」
A 「良いだろーどうせ影で毎日やってんだろうしなー」
男 「してねーって!」
素ヒ「オラッ! 何ホラ吹いてんだっ、飲めっ!ええから飲めっ! バカになれっ!飲めば分かるさっ!1.2.3 ダー!!」
男 「ぶがっ……」(ゴクゴクゴクっ・・・!)
被ク「あ、ヒート先輩っ!駄目ですってば!」
男 「…………」
被ク「お、おい……大丈夫か?」
男 「被ク……」
  「キスしてくれよ」
被ク「ぷわっ!……な、何何何っ、なんだって!?」
C 「なっ!」
AB「なんだってー!!」
友 「こwwいwwつwwらwwwwwwwwwwwwwwwwww」
男 「吐きそうなんだ。だからキスしてくれよ……そしたら酔いが冷めるからさ……」
  「頼む……後生だ……気持ち悪いんだ被ク……」
  「お前の」
  「唇を」
  「俺の」
  「唇に」
  「重ねてくれ……」
被ク「っ(////)……す、すまん>>男……私は、わからないんだ……その人前で、その……」
  「…………えいっ!」


ズキュゥゥゥゥゥン!!


友 「や、やった!」
素ヒ「さっすが被ク! 俺達に出来ないことを平然とやってのけるッそこに痺れる憧れるゥ!」
202 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 00:27:51.01 ID:YeGuP.E0
被ク「うっ……今日はもう、恥ずかしくてその、死にそうだ……」
C 「ちゅ〜ww」
AB「ちゅっちゅちゅっちゅ〜〜wwwwww」
素ヒ「私達は一向に構わんッッッ!!!」
男 「お、おー…………へへっ」
友 (酔ったフリして……やったな>>男)
被ク「おっ……お前らもう帰れっ〜〜〜!!」


 無論、俺はこのときの被クにギャップ萌え。


A 「んじゃな被クぅ〜ww チュッチュ〜〜wwww」
B 「ばぁ〜〜いww」
C 「はじめてぇ〜のwwwwwwwwwwwwwwチューwwwwwwwwwwwwwwww」
被ク「うるさーいっ!帰れ帰れ帰れ〜〜っ!!(///)」
男 「お、俺も?」
被ク「お前がいるとまた変な噂が立つんだ! きょ、今日のところはな!」
男 「ちぇ…………」


 結局、その日は解散することになった。
 ABCは「飲みなおそー☆」とか言って何処かへ消えて行き、>>友とヒート先輩も、お手手つないで駅まで幸せ〜♪だった。
 俺だけが、一人寂しく帰路を歩こうとしていたそのとき……
203 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 00:28:06.91 ID:YeGuP.E0
??「あの……」
男 「はへ?」
??「……さっきの元気な子、VIP高校の女生徒さんですよね?」
男 (Aのことか?)
  「え、ええまぁ……A子って言うんですけど。全員VIP校ですよ」
??「あぁ良かった。やっぱりそうだったんだ……いやぁ以前、文化祭のとき(>>171)美術室に案内してもらいまして」
  「お世話になったんですよ〜……」
男 「ははは、そうですか。てっきり変質者だと思いましたよ」
  「えっと……あ、僕があの絵の作者です。>>男って言うんですが……」
??「えっ……!?」
  「ああ………………そうか、君があの絵の………………なるほど」
男 「?…………」
  「あの、失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
??「ああ、すみません。私、医者をやっております……」
  「父クールと申します」
男 「父………クールぅっ!?」
??「いやぁ……ついそこまで来てしまって、久々に娘に会おうかなと思っていたんですが」
  「何やら楽しそうだったもので、ええ……邪魔するのもどうかと思い、声を掛けさせて頂きました」
男 「ちょ、ちょっと待って下さい」
  「じゃあ、あなたがもしかして被クの……離婚したっていう…………」
??「そうです、私が」


  ./  ̄/〃__〃   /  ̄/       /
    ―/  __ _/   ./ ―― / /
    _/   /   /   _/    _/ /_/   ですっ!
    /\___/ヽ
   /''''''   '''''':::::::\
  . |(●),   、(●)、.:| +
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
.   |   `-=ニ=- ' .:::::::| +
   \  `ニニ´  .:::::/     +
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/23(水) 00:30:41.81 ID:5G.uLAoo
ダディでてくんなwwwwww
205 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 00:48:50.59 ID:YeGuP.E0
 これも何かの縁と思い、俺はダディクールさんと一緒に夜の街を巡ることになった。
 その間、彼はひっきりなしに被クの学校でのことを訊いてきて、俺はただバカ正直にそれに答えていた。

ダデ「そうですか……娘が、やはり……」
男 「娘さんがその……いじめにあっていた事は、ご存知だったんですか?」
ダデ「家内……いえ、元妻も薄々は気付いていたのでしょう」
  「そして……私は離婚してからの被害クールのことを何も知りません」
男 「何も?」
ダデ「ええ……」
  「>>男君、ちょっとそこの雀荘に寄っていきませんか? オーナーが美味しいうどんを作ってくれるんです。おごりますよ」
男 「は、はぁ……」


 オゴリという言葉に弱い俺は
 ダディクールさんに誘われるまま、ホイホイと雀荘についてきちゃったのだ。


ダデ「タ ン ヤ オ」
荘主「わかりました。びっくりかき揚げおうどんですね」
男 「……?」
ダデ「ふふっ……ちょっとした合言葉みたいなものです。ああいう言い方をしないと作ってくれないんですよ」
男 「そうなんですか……」
  「あ、今の『ふふっ』っていう言い方、被クさんの笑い方に似てますね。顔は死ぬほど似てないですけど」
ダデ「顔は似てませんが、娘です」
男 「ええ。どうやったら貴方みたいな人からあんな秀麗な美女が生まれるのか分かりませんが」
ダデ「はっはっは……」
荘主「ハフハフセットはお付け致しますか?」
ダデ「NO THANK YOU」
  「さて>>男君……ここで一つ真面目な話だ」
男 「その顔で、ですか?」
ダデ「こんな顔だが私は精神科医でね……>>男君、君のお父さんにも会ったことがあるんだ」
男 「えっ……!?」
ダデ「もう十年以上も前のことだ。私のところに画家さんが尋ねてきてね、外傷も酷かったが……」
  「もっと酷かったのはその精神のほうだ。その画家さんは事故で両腕を負傷し、そのときに愛する妻も失ってしまった」
男 「ち……父です、確かに」
ダデ「実を言うと、君のことは少し調べさせてもらった」
  「文化祭であの絵を見た瞬間、僕には作者がそのモチーフになった女性に、描写とは別の部分で熱を感じていたんだ」
  「すぐにその人物が被クのことを好きだと分かった……」
男 「は、はぁ」
ダデ「だが以前……僕は似た絵を見たことがあったんだ」
  「それが、僕の患者としてやってきた君のお父さんが描いていた絵にそっくりだったんだ」
  「僕のところにはね、患者さんの資料が沢山運ばれてくる。君のお父さんが描いた絵の写真も保管されていてね」
男 「父が……俺と同じ絵を……」
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 00:51:43.63 ID:LKspc.60
予想外すぎて吹いたwwww
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 00:53:21.03 ID:ASpDaH20
こwwwwwwwwwwwwwwwwwwれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 00:53:25.20 ID:LKspc.60
書き込んだ瞬間更新・・だと!?
早く続きを・・・眠い!
209 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 01:23:05.92 ID:YeGuP.E0
ダデ「当時、私はお父さんは奥さんを亡くしたショックで酷く弱っていてね」
  「僕は>>男君…………お父さんに君のことを話し続けた。退院する頃、お父さんは君を自分の跡継ぎにすると決心してくれた」
男 「そ、そんなことがあったとは……知りませんでした」
  「父は、美術のこと以外では僕とあまり話をしませんでしたから……特に、母のことは……」
ダデ「…………なぁ、>>男君」


 それまでにこやかだったダディクールさんが、急に真顔になった。


ダデ「君は被クを……どうしたいんだい?」
男 「え…………いや、どうって…………」
ダデ「被害クールがいじめにあっていた事も認めるし、それを救ってくれたのも君だ。本当に感謝している」
  「君は、お父さんの跡を継いで画家になるのかい?」
男 「それは、まだ分かりませんが……」
ダデ「まだ終わっていない」
男 「は……?」
ダデ「君はこの一件で娘がもう何の被害にも遭わないと思ってるんじゃないか?」
男 「…………なっ」
ダデ「私がさっき、どうしていじめのことについて知っていたと思う?」
  「元妻から聞いたわけでもないのに」
男 (………………)
  「遺伝、ですか?」
ダデ「遺伝……? それはどういうことだね」
男 「被クは、昔彼女の母……あの、お母さんがいじめられていたと言っていました。それを貴方が助けていたことも」
ダデ「…………惜しいな」
  「それならまだ良いほうだ。元妻は当初『左腕が疼く』とか言って奇声を上げていたからな。それがいじめの要因だった」
  「元妻こと邪気眼クールはその時期こそ荒れていたが、歳を重ねるごとにどんどん過去の自分の行動を恥ずかしがるようになった」
  「そして彼女が大人になった頃、もはやそれは完全に『黒歴史化』したんだ。彼女は自分の性分を克服した」
男 「はぁ」
ダデ「良いか? ここからはもう気の抜けた返事なんて出来ないぞ」
  「娘が幼い頃、幼稚園で園児が外に向けて投げた紙飛行機が”何故か被クに直撃した”……被クは室内に居たというのにな」
  「そのとき、娘は片眼を突いてしまってね。左目だけ視力が弱い……」
男 「聞いたことがあります。たまに、メガネをかけてますし……」
ダデ「娘はそのことに何の疑問も持たなかった。無論、私達夫婦も……」
  「だが小学生の頃だ。野球をやっていた男子がホームランをかっ飛ばした。そしてそのボールが被クに直撃した」
男 「ぐ、偶然では?」
ダデ「五回や十回そんなことが続いても、そう思うか?」
  「中学の頃には更に酷くなって…………私は家内にも内緒で一人、その要因を探ろうとした」
  「その結果……娘は『被害を被りやすい性質』だということが分かった」
男 「ちょ、ちょっと待って下さい。貴方精神科医ですよね? それにしては非現実的というか、説得力が無いというか」
ダデ「人間の精神には未知の部分がある。彼女の持つ何か、精神から湧き出る不思議なエネルギーのようなものがそうさせるんだ」
  「元妻もそうだった。だが彼女の性分はたまたま直しやすかっただけだ……」
  「私は……気付いたら家族から離れていた。耐えられなかった……もし自分が愛する我が子を、不可抗力とはいえ傷つけてしまうかも知れないと思うと……」
男 「そ、そのことは……」
ダデ「話したのは君が初めてだ。とても、元妻には相談できない」
男 「なら、被クの母さんは何故平気なんでしょうか……」
ダデ「分からん。もしかしたらもうとっくに気付いてて、得意の邪気眼パワーで娘の『被害エネルギー』を中和してるのかもな」
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 01:32:11.90 ID:LKspc.60
もうゴールしてもいいよな寝る明日には終わっていることを期待ノシ
211 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 01:49:05.69 ID:YeGuP.E0
男 「にわかには信用できません、そんなこと」
  「でも、本当なら………何か、それを抑える方法は無いんですか?」
ダデ「私も研究した……私は娘のように特異的な性分を持つ人間を『特異点:新ジャンル』と名づけた」
  「そして……私が今持っている薬が、その性質を完全に抹消する新ジャンル消去剤『止むジャンル』略して『ヤムジャン』だ」
男 「ヤム、ジャン?」
荘主「びっくりかき揚げおうどん、お待たせしました」
ダデ「やるじゃん!」
男 「ば、ばかばかしい……そんなことがあってたまるか」
  「アンタなんかただのインチキくさいオッサンじゃないか。トェェェイみたいな口しやがって」
ダデ「ハフッ!ハフハフッ……ハフッ!」
  「だがな、>>男君……君がもし被クと添い遂げたいなら、画家は諦めることだ」
男 「何?」
ダデ「絵が壊れたそうだな。君のご友人が言っていたよ、それも恐らく娘のせいだ」
男 「あれは! あれはいじめてたAがCにやらせたことだ!」
  「そのAだって……今じゃ彼女の友達だ、立派な!」
ダデ「辛いな……友達になってしまったばかりに、娘に『被害』を及ぼすかも知れない」
男 「だったら……だったら俺はどうなんだ! 彼女に何も害なんて与えて無い! 俺達の関係も上手く行ってる!」
  「それに俺に訪れた被害だって、二人で乗り越えた!仲間達と一緒に───」
ダデ「娘から君に伝染しているんだよ、『被害』が……絵が壊れたのは序の口に過ぎん」
  「もう一度言うぞ? 娘は幼稚園に入った時点で既に眼をやられているんだ。それに比べ、君はまだ自分自身を傷つけられていない」
男 「何度もバカなことを言うな!!」
  「そんな胡散臭い薬なんか無くったって、俺は被クを…………」
ダデ「…………」
男 「…………」
ダデ「僕は君が───最終的にはこの薬を使うと思う」
  「だから言っておく、この薬を使えば被害性質は完全に除去出来るだろう。だがッ!!」
  「それは娘が『被害クール』でなくなる、ということだ」
男 「ああ!?」
ダデ「どうなるか分からんということだ!」
  「『新ジャンル』とは『被害』だけではない、『被害クール』なんだ。性質と共に人格も失う危険性がある」
  「……無事なのか? 副作用は記憶喪失か? それとも溶けて綺麗さっぱりなくなるか? 何も分からん!!」
男 「…………」
  「あんた……それが分かってて、何で俺が”使う”と思うんだ……普通、娘がそんなことになれば、親は止めるはずじゃ……」
ダデ「私は……」
  「私は………例え、娘が娘でなくなっても、生きていて欲しいんだ。生きていてくれるだけでいいんだ……」
男 「………………」
ダデ「この薬は君に預けておく」
  「画家になりたいのなら、この薬を飲ませるか、娘と別れるかだ……」
  「君の命が危なくなったら、迷わず使って欲しい。君は娘を救ってくれた、二度目は、これで……」


 気がつくと、俺は薬を持って雀荘から出ていた。
 走った。
 あのときみたいに、ただ走った。
 走ればまだどうにかなるんじゃないかと思って、必死に走り続けた。
 四月の夜風はまだ冷たくて、突風が吹くと顔が凍りそうだった。
 けれど、俺の眼からぬぐってもぬぐっても、熱い涙が溢れ出て止まらなかった。
212 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 01:50:59.11 ID:YeGuP.E0
>>210
なんという未来予測。
この男が後に走り続けた>>男をゴールさせる人物になろうとは、まだ誰も知らない。


ところでもう寝ますorz
またこのエピローグは明日の晩に書かせて下さいorz
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/23(水) 01:54:29.79 ID:ZWw/ipYo
乙。楽しみにしてる。
214 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 07:48:29.50 ID:YeGuP.E0
友 「あっはっはっはww んでさ、その時俺が何て言ったと思う?」
  「いいえ、それはケフィアですってwwwwwwwwww」
男 「…………」
友 「?……おーい、>>男」
男 「………………」
友 「お・と・こ・ん♪」
男 (ビクッ)
  「な、なんだよ気持ち悪い……」
友 「どうしたんだよ。ボケーッとしちまってさ。悩み事か?」
男 「…………」
  「あのさ。お前、ヒート先輩のこと好きだよな」
友 「うおぁっ、なん、何だいきなり……」
男 「…………」
友 「いや、そりゃあまぁ…………な。好きだよ」
男 「どこがだ」
友 「性格がだ」
男 「……だよなぁ」
  「じゃあさ。もしヒート先輩が、えーっとそうだな……病気になって苦しんでるとする。仮に、な」
  「で、治す薬はあるんだが、それを飲ませるとヒート先輩がヒート先輩じゃなくなってしまうんだ。お前ならどうする?」
友 「そりゃ命には代えられん」
男 「! やっぱり、そうか……」
友 「ただ……ヒートは嫌がるだろうな」
  「あいつは自分自身の性格にかなり助けられてる部分があるからな。あいつ自身が耐えられんだろう」
男 「そうか……」
友 「ヒートはやらんぞ」
男 「いらん」
友 「なんだと……ここで一つ恥ずかしいことを言わせて貰うがな、>>男」
  「俺は恐らくこの世で最も素直ヒートという人物を愛している」
男 「…………あ?」
  「お、驚いたな。いつも振り回されてばっかりだから、俺はてっきり……」
友 「他人から見てそんなでも、俺は根の部分であいつに惚れ切ってるからな。言ってしまえば照れ隠しだが」
  「あいつが暴走して怪我でもせんように常にサポートしてるのも俺だ。俺はあいつの元気に助けられてるし、俺だって助けたいと思う」
  「そう言うもんじゃね? お前が被クちゃん関係で悩んでるなら、相手にちゃんと相談はしとけよ。じゃあな」
男 「……バレてたか」
  (相談、か。だが本人に言うのはまだ少し様子を見よう…………)


 あ、そうだ。亀レスなんだが>>184
 EDとかはまだ明確には考えてないんだけど、「希望峰」って曲が胸の中にある。アニソンなんだけど。
 それと山崎まさよしの真夜中の「真夜中のBoon Boon」かな、あんまり学生のイメージじゃない曲なんだが。ちなみに山崎の曲はそんなに知らんww
 一応つべのURLだけ貼っておきますね。

─────────────────────────────────
■「希望峰」
ttp://jp.youtube.com/watch?v=9uVX80GTh2I

■「真夜中のBoon Boon」⊂二二二( ^ω^)二⊃
ttp://jp.youtube.com/watch?v=yEPPsvDJDpo
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/23(水) 09:52:13.91 ID:jT9vOjU0
男なら薬無しでもなんとかしてくれるはず…!!

そのあと不Aは不Bの病室にて
不A「よぉ、不B…」
不B「うぉっ!?お前どうしたその怪我」
不A「いろいろな、俺には俺の物語があったんだよ」
不B「なんだそりゃ?」
不A「その…この前は悪かったよ、絵壊したのもさっき男達に謝りに行ったし」
不B「もう良いよその事は、久々にお前とやりあえたし」
C「不B−、具合どう……不Aじゃん、何か用?(怒」
不A「いや、えっと」
不B「色々謝りに来たんだってさ、気にしないでやって」
C「不Bがそう言うなら良いんだけどさ、ほら、今日は桃缶だよ」
不B「…缶切りは?」
C「あ…」
不B「……」
C「その…ごめん…」
不B「不A、悪いけどその辺で買ってきてくれね?近くのコンビニで売ってるハズだから」
不A「分かったよ、その近くのコンビニで缶切りが売り切れの予感がするから遠くのコンビニに買いに行くわ、しばらくラブラブしてると良い」
不B「ちょっ、バッ」
C「ララララブラブー!?」
不A「お前らが付き合ってんのは知ってるよ、さて邪魔者はしばらく…」
ガラッ
(不A、看護婦ABとばったり遭遇)
不A「……」
看護婦A「あれ?不B君のお友達?」
看護婦B「お見舞いに来てあげたんですか?」
不A「えと、その……」
(やけに看護婦Bを見る不A)
不B「……」
C「……」
不A「あ、あの、お、お名前は?」
看護婦B「え?私ですか?私は看護婦Bと言います」
看護婦A「私は看護婦Aよ、よろしくねー」
不A「え、えと、よろしければ今度喫茶店にでも…」
看護婦B「私は遊園地でも良いですよ?」
不A「え?えと、じゃあ今度ディスニー辺りにでも…」
看護婦B「今週の日曜日で良いですか?」
(看護婦A、不BとCにしか聞こえないように)
看護婦A「いいねー、運命の出会いってやつ?」
不B「みたいですね、俺的にはさっさと缶切り買いに行ってほしいんですが」
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/23(水) 09:52:54.80 ID:jT9vOjU0
キンニ君はと言うと>>193の後
キンニ君「終わったか?」
A「ああ、終わったよ」
キンニ君「これからどうするんだ?」
A「あいつらと友達になる事にしたよ」
キンニ君「そうか……なぁA」
A「ん?」
キンニ君「好きだ、付き合ってくれ」
A「ハ…ァ?今なんて言った」
キンニ君「俺お前の事好きだから付き合ってくれと言ったんだ」
A「え…えと、マジ?」
キンニ君「本気と書いてマジ」
A「……」
キンニ君「俺、そんなに顔悪くないだろ?ダメかな」
A「えと…その…」
キンニ君「…」
A「も、もう少し考えさせてくれ…」
キンニ君「そうか、分かった。俺自転車なんだが、後ろ乗ってくか?」
A「え?ああ、うん…」
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 13:29:45.72 ID:szZM.kI0
全員の頭がハッピーセット
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 14:46:38.13 ID:kS3XNY.0
>>216
時かけじゃねぇかwwwwwwwwww
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/23(水) 15:08:05.54 ID:vvfU3EAO
>>217

新ジャンルスレは初めてか?
もうちょっと肩の力抜けよ^^
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 18:08:45.78 ID:LKspc.60
昨日wktkして寝た結果がこれでした

それでも・・・それでも>>1ならなんとか・・・!(AA略
221 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 18:40:51.71 ID:YeGuP.E0
B 「はい?」
男 「いや、だからだな。もしアンタらの好きな人がこう、病気でさ……」
  「あ、そう。不治の病だ!それだ! それを治せる薬があるんだけど、飲ませるとその人がどうなるか分からないんだ」
  「で、どうする?」
C 「アンタ………あ、頭ヤバくなったの?」
A 「今お前それ、本気で引いたよ……? 何それ、何かの漫画の話?」
男 「おまっ……」
  「い、一種の心理テストみたいなもんだよ」
A 「あー、なるほどねェ」
B 「まぁ何つーか、どれだけ好きかにもよる……かな?」
男 「すっげぇー好きっ!」
B 「ああ、そう? …………ならそうねぇ。ギリギリまでは頑張るんじゃない?」
A 「んで死ぬ直前に飲ませるとww」
C 「あるあるww って…………まぁけど、アレだよね。それは何つーか……」
  「相手が嫌がるんじゃないの? やっぱ」
男 「え?」
C 「逆にあんた、もし自分がそうだったときのこと考えてみなよ」
  「自分のことスゲー愛してるとか言う人間にさ。自分が死ぬかも知れない薬飲ませないでしょ?」
男 「あ…………」


友 『ただ……ヒートが嫌がるだろうな』


男 「”自分が自分で無くなるのも嫌”……”他人にそれを飲ませるのも嫌”……」
  「だったら結局……やっぱそれは…………」(ブツブツ)
A 「お前……マジ大丈夫かよ……」
男 「あ、ああ、うん。こっちの話……ありがと、参考になったよ」
  「でも、俺がこんなこと聞いてたとか、絶対に人には言わないでくれな。変質者に思われるだろ?」
C 「もう十分ヘンだけどなww」
AB「「被害クール、キスしてくれぇ〜☆」」
男 「ぐっ……お前ら……」
C 「まぁまぁ、そう照れなさんなって。被クと何かあったのかは知らないけどさ、あんたなら大丈夫だろ」
男 「いや別に……そういうわけじゃないんだが……」
被ク「私がどうかしたのか?」
男 「うおっ!?」
C 「wwwwwwwwwwww あんたと一緒に帰りたいらしいよwwwwwwwwwwww」
男 (C子ちゃんナイスっ!)
被ク「ああ、なんだ探してくれてたのか。すまない、今日は私が日直だったもんでな……」
  「美術室に顔を出さなくていいのか?」
A 「大丈夫でしょ。部員の連中は殆どあんた目当てだしね……男子も女子も……あんた魔性の女だわ……」
被ク「うッ……そういう言い方はよしてくれ」
222 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 19:00:26.82 ID:YeGuP.E0
被ク「じゃ、また明日な」
男 「あ、ああ。……また……」
被ク「疲れてるのか? 絵の描きすぎには注意するんだぞ。体調管理に気をつけて勉強は怠らない」
男 「わぁーってるわぁーってる」
被ク「ふふっ……じゃあな」
男 「………………」


サッ


ダデ「こんにちは」
男 (びくっ!)
  「い、いきなり現れるなよアンタ……妖怪か」
ダデ「もう決心はついたかい?」
男 「…………あのな」
  「今日一日、色んな奴らに相談したが……やっぱりそんなものを易々と飲ませるわけにはいかん」
  「これは返す」
ダデ「おーっほっほっほ」
男 「喪黒福造か」
ダデ「…………ふぅ。その様子だとまだ私の言っていることが信用できてないようだね」
男 「無理もあるめぇ」
  「今さっきも一緒に帰ってきたが、普通だったぞ。特に何も起こらない」
  「学校のクラスメイトだって毎日同じ教室で勉強してんだぜ? 感染なんかしないし、そもそも被クだって何処も害されてない」
ダデ「セクロスしたら?」
男 「…………」
  「はい?」
ダデ「セ ク ロ ス し た ら ?」
男 「お前それは自分で何言ってるか分かってるわけ?」
ダデ「>>男君、君は自分で気付いてないかも知れないが、既に君には被クの『被害パワー』が感染しているのだ」
男 「? ……どこに?」
ダデ「気がつかない?」
男 「…………??」
ダデ「私と出会ってしまったろう」
男 「えー? そりゃアンタが偶然…………」
ダデ「偶然。そうだ、偶然のように見えるかも知れないが……元を辿れば、被クに繋がるだろう」
男 「アンタはこの世で起こる悲劇を全て自分の娘のせいにしたいらしいな」
ダデ「性交しろと言ったのは他でもない。男女が最も互いを触れることが出来るのがまさにそれだ」
男 「HIVみたいに言うのはやめろ。被クの性質なんだろ、俺はまだ信用してないが……」
  「それに下品すぎる。俺ぁ純白はちゃんと守るぞ。自分の娘にヤらせようとする親なんざ初めてみたよ」
  「んなことは自分で食えるようになってからだ。親に養ってもらってる人間がすることじゃない」
ダデ「冗談だ」
  「冗談に決まっとるだろう、そんなもん。もしOKと言ったらぶん殴っていたよ」
男 「冗談でも言うなカス」
  「まぁ、アンタが娘さん想いなのは分かってるから……マジだとは思わなかったけどな」
ダデ「昨日は泣きながら帰ったくせに…………むッ!?」
223 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 19:25:44.59 ID:YeGuP.E0
被ク「おーい>>男」
男 「お、噂をすれば娘さんだぜ」
被ク「……なんだ、今誰かと喋っていた気がしたんだが、気のせいだったか?」
男 「えっ」
  (うおっ、居ない………逃げるの早いよなぁ……」
被ク「?」
男 「いや、なんでもない。こっちの話……で、何?」
被ク「夕食を作り過ぎてしまってな。一緒にどうかと思って」
男 「え……あ、ああ。うん、ご馳走になろうか。献立は?」
被ク「ふふっ、聞いて驚くな? 特製カレーだ」
男 「おー………………普通」
被ク「特製だぞ、特製っ! と・く・せ・い」


 その晩は彼女とお母さんと食卓を囲んだ。
 付き合ってもう半年になるが、俺は被クのお母さんと一緒に晩御飯を食べるのは実は初めだった。
 

男 「えっと、ソースソース……」
被ク「ん……どうぞ」
男 「あ、どうも……へへっ」
母 「へへっとか言いながら内心は『俺はお前を食いたいよ』と考える>>男君であった」
男 「お、お母さんっ! 何を言うとるねんっ!」
母 「お母さんだなんて……まだ結婚してないでしょ……」
男 (この人もあれだな……ダディクールさんとは息のあった夫婦だったんだろうな)
  「…………あの」
母 「ん? なぁにかしこまっちゃって。冗談よ」
男 「いえ、そうではなく……」(チラッ)
被ク「?」
母 「被クが居るとまずいこと?」
男 「あー…………」
被ク「なんだ、>>男……私に内緒で母さんと何か企むつもりか?」
男 「いやぁ、そういうわけではないんだが……ちょっとな」
母 「ちょっと被ク、あんたシャワーでも浴びてきなさい。その間に>>男君は帰しておくわ」
224 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 19:25:52.44 ID:YeGuP.E0


 被クは「ぶー」とむくれた声を出して、そのまま浴室に入っていった。
 俺は心の奥で謝りつつ、急いでカレーを平らげてお母さんに向き直った。


男 「被クと毎日一緒に過ごしてますよね……それについて少し、聞きたいことが」
母 「うん、どうかしたの?」
男 「彼女の……こう、被クが原因でお母さんに何かトラブルや事故が起きたりとか、しました?」
母 「それはいつ?」
男 「いや、いつでも良いんですが。日常的にはさすがに無いですよね?」
母 「起きてないわよ」
男 「あ……いえ、なら良いんです。それが聞きたかっただけで」
  (なんだ、やっぱりあのオッサンの言ったことは嘘じゃないか)
  (そりゃそうだよなぁ、ねーよwwwwww なんだよ特異点ってwwwwwwww 厨二病乙wwwwwwww)
男 「あっはっは。いやー、すいません。実はこれ心理テストみたいなもんなんですが」
母 「そうよねぇww 親と子の間でそういうのはないわよ」

 俺はあらかじめ用意しておいた口上で誤魔化そうとした。
 そのとき


母「ちなにみ私、邪気眼使ってるわよ」
男「…………」


 彼女の母もまた、厨二病だった。
225 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 19:49:33.95 ID:YeGuP.E0

母 「>>男君、あんた夫と会ったでしょ」
男 「え……いや…………はい」
母 「やっぱりねぇ」
男 「何故、わかったんです?」
母 「ねぇ>>男君、あんたもし私が……例えば特殊な性質の持ち主だって言ったら、信じる?」
男 「何……」
母 「被クには内緒よ」
  「実は私、生まれつき何かよくわからない『変なパワー』が湧いてくる病気なの」
  「でも何に使うかは分からない……気持ちが悪かったわ、使いどころのないエネルギーが体中から湧き上がってくる発作」
  「私はこれを『邪気眼』と呼んでいたわ」
男 「お、お母さん……あの」
  「頭……大丈夫ですか?……」
母 「信じる信じないは勝手だけれど……」
  「邪気眼と名づけた後は自分で作った設定を適当に連呼していたわ。設定そのものは私の妄想なんだけど、パワーが湧いてくるのはマジよ」
男 「は、はぁ……」
  (なんなんだこの夫婦……本当に被クの両親か?……実はこれはこの二人が仕掛けた壮大なるドッキリネタでは……)
母 「でね、そのパワーはある時期を境に収まったの。それが、私の元夫ことダディクールさんと出会った頃よ」
  「そして再発したのが……被クを産んでから」
男 「…………え」
  「え、あの、一ついいですか?」
母 「なに?」
男 「ダディクールさんはそれをご存知だったんですか?」
  「彼は、貴女が実はその能力の使い手で、被クが引き起こすトラブルを影で抑えているのかも知れないと言ってました」
母 「そうね。邪気眼のことについては知っていたけど、私の妄想だと信じていたんでしょう」
  「そして被クのことは私も気付いていたわ。ダディには私が”気付いてないフリ”をしていたことに気付いてなかったんでしょ」
  「これが邪気眼フェイクカウンターよ。私が勝手につけた設定だけど」
男 「あ、あの……」
  「彼は、被クのそれを抑える薬を開発したんです、これです!」
  「でもこれを使うと被クがどうなるか分からないって…………」
母 「そう……医学で解決しようとしたのね。あの人のやりそうなことだわ」
  「けれどその必要はないわ。被クは私が抑えているもの」
男 「抑えてるって……ま、まさか」
母 「そう、その通りよ」
  「私が『邪気眼』と名づけたこの力は、娘のような変な力(エナジー)を持つ選ばれし者の力を制御するためのものだったのよ」
  「被クにそれが起きたとき、私にも初めて理解できたことよ…………」
男 「いやっ…………」
  「ないでしょ、それは。大体そんなの、年頃の子ならやるネタですよ。僕だって中三まで自分のことウルトラマンだと思ってました」
母 「ウルトラマンなんか居るわけないだろ……常識的に考えて……」
男 「………………」
母 「いい? >>男君……多分ダディさんも言ったと思うけど、あの子と付き合うならもう少し考えなさい」
  「被クは私が抑えてないとどうにもならないわ……だから今は、まだ良いのよ。今は……」
男 「あー……えぇぇー?……」
母 「でもあの子の力も歳を重ねるごとに肥大化していくのよ。そういうもんなの、エナジーって」
  「そして私は仕事の疲れもあって、どんどんと力が弱まっていっているわ。だから恐らく、あの娘がいじめられたのは私が制御し損ねた分よ……」
男 「いきなり話がファンタジーになっていっているぞ」
母 「ふむ……わかったわ。なら明日、素直ヒートちゃんを連れて来なさい」
  「証拠を見せてあげるわ」
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/23(水) 20:06:52.38 ID:H.bBdBEo
夕方どんどんdでも展開に・・・
227 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 20:11:58.91 ID:YeGuP.E0
翌日……

被ク「どうしてヒート先輩がウチに?」
素ヒ「知らんっ! >>男に来いと言われたんだっ!!」
友 「何故俺まで……」
素ヒ「はっはっはっはっ! >>友は常に私と一緒だと言ったろう!」
友 「言ったっけ?」
素ヒ「言ったっ!!(多分) お前が居るところに私あり、私が居るところにお前ありっ!!」
男 (お、俺は被クのお母さんに頼まれたんだが……)
  「…………えっと、>>友はちょっと被クとそこで待ってて」
素ヒ「人の話を聞けえええええっ!! 私はこいつと一緒じゃなきゃ嫌だと言っているだろう!!」
男 「い、いいからいいから……」
被ク「?……」


母 「よし、約束通り連れてきたわね」
素ヒ「おいっ! 私に何か用か、被クのお母さんっ! あ、あーあーあー、もしかしてあれかっ!? 何かっ!」
  「決闘だなああああああッッッ!!!」
母 「うッ……しまった、邪気眼がこいつの持つ力に呼応し始めている………ッ!!」
男 「…………」
母 「くっ……暴れ出しやがったっ! >>男君、少し離れていろっ!!」
男 「…………はーい」
素ヒ「な、なんだっ!やる気か貴様ぁぁぁぁっ!!」
母 「くっ、自我の奥底(チェーンフィールド)に猛獣を宿しているのかっ」
  「名づけるなら、潜伏する獣の性分(ダイビングビースト)……」
  「よし……邪気眼よ、あの猛獣を沈めろっ……!!」
素ヒ「邪気眼がなんぼのモンじゃああああっ!!」
  「あああぁぁぁぁぁ………………」
男 「?」
素ヒ「ぁぁ…………」
男 「え……」
素ヒ「……………………」
男 「ちょ…………ひっ、ヒート先輩?」
素ヒ「……………………………………死にたい」
男 「は?」
素ヒ「あれ……何で私こんなところに居るんだろ……あれ? ていうかなんで私……生きてんだろ……世の中に存在しても何の意味もないのに…………」
母 「彼女の能力があまりに強大だったため、こちらもかなり消耗してしまった…………」
  「クク……冥府王を力を多く浴びすぎたようだな。一時的な記憶喪失と意気消沈させてしまったようだ」
  「今日一日は鬱が直るまい…………」
男 「…………」


素ヒ「ただいま…………」
友 「あれ、戻ってきた。もう用は済んだのか?」
素ヒ「誰お前…………[ピーーー]………………」
友 「え……………お前」
  「おい、ヒート!ちょ、ちょっと、おい? おーい? おいおいおいおい、どうした?何があった?」
素ヒ「あー……なんか嫌だなもう。死のっかなぁ…………」
友 「ヒートおおおおおおおおおッ!!」
被ク「先輩? どうしたんです?」
友 「ちょ、駄目だ。何だ……何が起きた!? とにかく被ク、病院連れてくの手伝ってくれ!」
228 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 20:34:33.43 ID:YeGuP.E0
母 「どう? これで信用した?」
男 「いや…………えっと」
  「マジですか?」
母 「マジよ」
  「大マジよアンタ……人にこんだけさせといて……」
男 「だっておまっ……邪気眼ですよ? 邪気眼って……」
母 「元夫の何だっけ……『新ジャンル理論』は私も知っているわ」
  「私や娘のような特異的な性分を持つ人物はね、本当に居るのよ。恐怖新聞じゃないけど、『新ジャンルは本当にいるのよ!』って感じだわ」
男 「ん〜……し、信じましょう。一応」
母 「そう、良かった」
  「………………しまった」
男 「え?」
母 「あのー、あー……その、>>男君……大変なことに気付いたんだけど」
男 「何ですか?」
母 「私、制御してるって言ったわよね。娘のこと……」
男 「はい」
母 「毎晩欠かさずやってたんだけどね、それ……そのエネルギー……」
  「さっきので全部……つ、使い切っちゃった…………」
男 「…………え?」
母 「つまり、貴方はこれからとんでもない『被害』に遭うのよ……」
  「抑えられなかった分……は、はわわわわ………………と、とにかく私は夕飯の準備に戻るわ」
男 「は、はぁ…………」

 そう言って、お母さんは台所に立った。

被ク「ただいま」
母 「キャーーーー!!」
男 (ビクッ)
被ク「ど、どうしたんだい母さん……」
母 「な、なんでもないわ……あ、包丁落としちゃった」
被ク「ふぅ……まったく」

(被ク、包丁を拾おうとする)

男 (待て、待て待て…………)
  (待て待て待て待て待てえええええええええええええ)


 瞬間、何が起きたか分からなくなった。
 被クが手に持った包丁の柄がぽろっと取れたと思ったら、床下に落下した刃がパリンッと折れた。
 先端の部分がバウンドし、空中で凄まじいスピードで回転し、俺の眼前に迫る。
 急いで身体を退かせるが、勢い余って後頭部を壁に激突。刃は俺のまぶたの上を切りつけ、床に落ちた。

男 「痛っ…………!」
被ク「>>男っ! だ、大丈夫か? 今救急箱を出してやるからな」
男 「いや、日はもう、帰る、よ?」
母 (コクリ)
被ク「しかし傷が……」
男 「舐めとけば直るさ。……被ク、今日はなるべく早く寝るんだ。お母さんの邪魔しちゃ駄目だぞ」
被ク「お、おいちょっと……>>男っ!!」
229 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 21:07:01.50 ID:YeGuP.E0
男 「おい!ダディのおっさんっ! おっさーーん!!」
  「信じるよ、アンタの話っ! 全部信じるよ!」
  「あんたはどうやってお母さんの邪気眼を止めたんだ! おい、それを教えてくれよ!」
  「俺はどうすればいいっ!? おっさん!!」

 夢中で街中を駆け巡った。あの雀荘のオーナーにも尋ねてみたが、全く足取りが掴めない。
 呼ばなくても来る癖に、何故必要なときにいない。苛立つ衝動を足枷にしながら、体力の続く限り走り続けた。
 それでも、彼を見つけ出すことは出来なかった。

男 「ただいま……」
男父「おう」

 半年前の文化祭の一件以来、父は俺に挨拶を交わしてくれるようになった。以前は何を言っても無言だったから、これは大きな進展だ。
 ただし父と会話という会話をしているわけではない。被クのことで頼る宛が無い俺は、ふと父にこんなことを聞いてみた。

男 「父さん、さ……」
  「母さんと上手くいかなかったこと、ある?」

 父は俺を一瞥すると、

男父「何故今頃そんな話をする……」
男 「頼む、後生だ! 少しでもそういう話を聞かなくちゃいけないときなんだ……」
男父「…………」

 しばらくの沈黙。
 俺はその間、必死に父に頭を下げていた。これでも無反応なのか。
 頭を上げようとしたそのとき……

男父「会ったばかりの頃は、母さんとは喧嘩ばかりしていた」
男 「!……そ、それで?」
男父「母さんは気が強い女だった。普通の女の子とは少し違った性格をしていて……」
  「照れると、不器用にそれを否定した。口が悪くて『別にあんたのためじゃない』だとか、そんなことばっかり言ってたなぁ」
男 「ツンデレだったのか……」
男父「俺はそれが可笑しくてな……」
  「彼女に初めて絵のモデルを頼んだときも、即『あんたのためじゃないからっ!』って……」
  「でもな、学校で孤立し気味だった彼女はそのうち自分から美術室に来るようになった」

 父がどこか遠くに視線を向けた。感傷に浸る姿を見たのは、後にも先にもこれが最後だった。
 口元が、少し緩んでいた。

男父「俺が告白したとき───なんて言ったと思う?」
男 「…………」
男父「わからんか。お前はどうやった?」
男 「えっと……走って追いかけて、それで『付き合って欲しい』って……」
男父「…………俺もそうだった」
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 21:12:38.55 ID:LKspc.60
あれ・・・おかしいな・・・俺昨日までいじめられてかわいそうな女の子が幸せになる話みてたんだけど・・・あれ?                               
あれ?
231 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 21:30:13.43 ID:YeGuP.E0

( ^ω^)「ブーンはツンのためなら空だって飛べるお!」(シュバッ)
ξ゚听)ξ「ど、どうしたのよいきなり」


         /⌒ヽ
  ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /    「ブーンと付き合ってほしいお!」
         ( ヽノ
         ノ>ノ 
     三  レレ


男父「俺は必死で飛び……告白し、そして承諾を得た」
  「そんで生まれたのが>>男……お前だ」
男 「……親父、母さんと仲良かったんだな」
男父「お前、もう母さんのことは覚えてないか?」
男 「ああ……」
男父「そうか……」
  「ツンとは上手くいかないことばかりだったよ。結婚するときは親に反対され……彼女は怒りっぱなしだった」
  「でもな、俺は本当に母さんのことが好きだった。それを伝えようとすると、彼女はちゃんデレてくれた」
男 「……」
  「ん? ちょっと待って」
男父「……なんだ?」
男 (…………あれ? なんだ、こう、何だろう。喉の奥まで出掛かってるのに……)
  「もう少し、聞かせてくれ」
男父「……」
男 「頼む……」
男父「わかった。聞かせるが……どうしてそんなことを……今更……」
男 「親父、被クが困ってる」
  「彼女を救ってやらなくちゃいけない。でも、宛にできる人間が親父しかいないんだ」
  「俺がやらなくちゃいけないんだけど、方法がわからない。だから……教えてほしい」
男父「事情は知らん」
  「だから俺が一番苦しんだときの、母さんが死んだときのことを聞かせてやる」
男 「か、母さんの……」
  「いや、大丈夫だ。頼む」
男父「……旅行先で事故に遭ったとき、実はな>>男……お前もそこに居た」
男 「えっ……」
男父「覚えていないだろうがな。……レンタカーに乗っていたとき、衝突してしまって……」
  「運転していたのは母さんだったんだ。俺は後部座席でお前をあやしていた」
  「俺は一度気を失っていたんだが、母さんに起こされた。アイツはもう息絶え絶えなのにお前を先に助けてくれと俺に言った」
  「勿論、俺はそうした。でもな……>>男……俺がお前を外に出した後、道路の後ろからはもう一台、車が来ていた」
  「不運だったのは……そこが田舎の一本道だったこと。そしてもう一台の車の運転手は……酔っていて……」
  「二度目の衝突のとき、俺は母さんを助けようとして……そこで、両腕を……」
男 「……」
男父「最後に両腕を差し出した瞬間、彼女は…………笑ってた」
  「その笑顔が頭から消えなくなって、俺は……腕の治療が終わった後も、病院に通っていた」
232 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 21:33:51.22 ID:YeGuP.E0
>>230
ちゃ、チャージ中なんだ・・・・
なんなら、今は読み飛ばしてくれて構わん・・・・
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 21:39:21.23 ID:LKspc.60
おいおいここまできて読み飛ばせとかどこの鬼だ
・・・期待してんだから最後までかけ、読むから
234 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 22:03:01.05 ID:YeGuP.E0
男 「笑った……母さんが、笑った……?」
男父「これで俺の話は終わりだ。何かの役に立ったか?」
男 「………………」


 被クの母さんの「性分」が収まったのは、歳を重ねてからと……ダディさんと付き合い始めてから……
 そしてまた戻ったのは、彼女が産まれてからだろ……
 変化……?
 何か、気持ちの変化……?
 ダディさんが言っていた「被害ではなく被害クールが消える」……あの薬は……
 「性分を消す薬」っていうのは……いや待て、性分なんてどうやって消す? そもそも消せるもんなのか?
 抑える……あるいは変化させる薬と考えたほうがいい……変化……変わる?
 気持ちが、変わる……?
 ツンが、デレになるのもある種「変化」なのか?……いや、ならどうすればツンはデレになる?
 いや待て……
 待て……待て……待て……
 ツンがデレになるんじゃない……ツンとデレは「表裏一体」でツンデレなわけで……ん?……


───なら、これを被クの母さんや素直ヒート先輩で置き換えるとどうなる?


 あ……そうか……
 この薬……そうか、これは……「飲めば治るがどうなるかわからない」っていうのは……
 「アレ」を変える薬か……!
 人間の感情のアレを変えてしまう……
 

男 「そうか……なるほど!」
男父「?……」
男 「父さん! あと一つだけ聞かせてくれ」
  「この薬、知ってるか?」
男父「ん?………お、なんだ…………お前、何でこんなもの持ってる…………」
男 「父さんはこれを、ダディクールって医者に飲まされて、それで立ち直ったんじゃないか?」
男父「そ、そうだ。忘れるわけもない……」
男 「っ〜〜!!」
  「あんのヤブ医者ッ! あの大ボラ吹きがッ!! よくもこんなもん飲ませようとしてくれたな!」
男父「おい……?」
男 「親父、ちょっともう一回いってくる。俺はその人探さなきゃならん」
  「遅くなるかも知れない。……先に寝てくれ、体には気をつけてな。いつもありがとう」
男父「どうした、んだ……?」
男 「んじゃ、行ってきます!」

バタンッ

男父「よく分からんが……久々にお前の話なんかしてしまったよ……ツン……」
  「しかし、あいつが俺の前であんなに感情的になったのは、何年振りだろうなぁ」
  「毎日一緒に生きていたのに気付けなかった…………>>男も、大きくなったもんだお( ^ω^)」
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/23(水) 22:10:04.22 ID:TlfsRV.0
だお( ^ω^)
236 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 23:05:58.81 ID:YeGuP.E0
 その後、ダディクールさんは俺が思ったよりもすぐに見つかった。
 例の雀荘の前に立っていた。まるで誰かと待ち合わせでもしているかのように、腕時計をじっと眺めていた。
 サラリーマン姿で、手には大きな包みを持っていた。
「やぁ、意外に早かったね」
 俺はその言葉の意味が容易に理解できた。
 彼は「ついでおいで」と言って、雀荘の中に入っていった。俺も黙って、その後に続いた。


ダデ「タ ン ヤ オ」
荘主「かしこまりました」
ダデ「さて……幾つか君に質問したいことがあるんだが」
男 「はい……」
ダデ「まずは私の言ったこと、信用してくれたかね?」
男 「ええ。全てではないですが」
ダデ「ほほう。それでそれで? 何を信じて、何を信じてくれなかったんだい。というよりも」
  「どの嘘を見破ったのか。それを聞きたい」
男 「まず……被クや、お母さん、そういった方々……『新ジャンル』の存在については信用します」
ダデ「正解」
男 「…………被害クールという女性が、その性分ゆえに自身に被害を引き寄せたり、関わった人物をそれに巻き込むというのも分かりました」
  「この薬の効果と、それによる副作用……いや、副作用だとかそういうもんじゃないな。元も子も無くなるって感じだ」
ダデ「…………」
男 「俺の母はツンデレでした」
  「それを、素直ヒートや邪気眼クール、被害クールらに置き換えたとき、俺はこれに気付いたんです」
  「新ジャンルと呼ばれる少女たちには共通したものがありました」
  「男ですね?」
ダデ「……正解」
男 「やっぱり……だとしたらこの薬の本当の効果は……」
  「”愛”を消すこと」
ダデ「もっと厳密に言うなら?」
男 「”フラグ”です」
  「邪気眼クールさん……被クのお母さんがあなたと付き合うようになった理由……」
  「俺の先輩の素直ヒートさん……彼女が>>友と付き合うようになった理由……」
  「そして最後に被害クール……彼女が俺と付き合うようになった理由……これが悔しかった」
  「これまでのどのカップルも、付き合う要因は彼女らの『性分』が原因です。言い換えればそれは『フラグ』では?」
ダデ「正解」
  「……『新ジャンル』に接触する者が現れた時点で、『フラグ』は成立する」
  「彼女らを助ける者は……過程はどうあれ、とどのつまり……最終的には恋人同士になるということだ」
男 「やっぱり……」
ダデ「では次の質問」
  「元妻が『邪気眼クール』で無くなり始めたのは、どうしてかな?」
237 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 23:18:42.47 ID:YeGuP.E0
男 「これが曖昧なんですが…………愛が薄れたから?」
ダデ「んむ……」
男 「ま、マンネリ化というか……長期間の交際で何か、何かがこう、愛に似たものが…………」
ダデ「まぁ……要するに身体の付き合いだよな」
  「言い方を変えると……『子供』だよ」
男 「子供……?」
ダデ「そうだ。生々しい表現で口にするのも気が滅入るが……要するに肉体的な関係を持てば、フラグは完全に成立したと言える」
  「完全な成立とは、同時に消滅を意味する。二つとも、あくまで彼女らに限ってのことだが」
男 「は、はぁ……」
  「え……ちょっと待って。では『フラグ≒性分』と考えるとつまり……素直ヒート先輩や被クで言うなら……」
ダデ「処女というわけだ。要するに大人の階段をのぼってしまうと、性分は徐々に消える」
  「そして子供が出来たとき、今度は『我が子への愛情』が生まれてしまう。いわばこれが第二のフラグだ。そうなると、彼女らの性分が再発する」
男 「なるほど。……では、そのときに再発した性分はどうすれば……」
ダデ「…………夫への愛だ」
男 「あ…………」
ダデ「私がそれに気付いたときが、家内と別れた日さ」
  「家内の邪気眼……いや、もうそんな言い方はやめよう。『特異点を失くす得意点』である彼女の性分を保たせるには、それしかなかった」
  「本当はね、被クに被害を与えてしまうのが怖かったんじゃない。逆だ。与えられるのが怖かったんだ」
  「元妻が出産した日、なんて言ったと思う? 『邪気眼に選ばれし子が……』と寝言で呟いていたんだ」
  「彼女をよく知っていた私は、その異変にすぐ気付いたよ……」
男 「お母さんは被クを産むまで自分の性分については知らなかったと聞きます」
ダデ「彼女が知らなくても、私が知っていた。それで問題なかろう」
  「君のお父さんが衰弱し切っていたとき、あの薬を飲ませた。すると亡くなった奥さんへの愛が我が子に向けられ、元気になった」
男 「親父のスパルタ教育の元凶が貴方だったことには運命すら感じましたがね」
  「ダディ……いえ、お父さん。もしかして貴方は俺にそれを試したかったのでは?」
  「貴方が俺に『薬を飲ませるだろう』と言ったのは、俺に疑念があったからだ。でも、俺に貴方は、その……」
ダデ「交われと言った」
男 「そうっ!……あ、いや、まぁ……何て言うかすみません。低俗なことを言わせてしまって」
ダデ「>>男君……」
男 「はい?」
ダデ「謝るのはこちらだ」
  「最後の質問。さっきまで、私がどこに居たか分かるかい?」
男 「え……」

 ダディさんが持ってきた包みを開けた。
 その中にあったのは……俺が被クの部屋に飾った、あの絵だった。
238 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/23(水) 23:43:04.07 ID:YeGuP.E0
男 「あんた……」
ダデ「実はな、>>男君。私がさっき姿を消した後、じっと中の様子を見ていたんだ」
  「あれはまずかった……非常に、まずかった。君がもう少しで失明になるところだった」
男 「飲ませたのか?」
ダデ「娘のことだ。……どうなるか分かったもんじゃない。あの包丁で首でも切られたら大変だ」
男 「飲ませたんだな」
ダデ「……ああ」
  「飲ませた。フラグは完全に折れた……バッキバキにな」
  「二度と君のことなど考えんように、こうしてこの絵まで持ってきたわけだ」
男 「貴様ッ・・・!!」
ダデ「あのな、>>男君……これが私の性分だ。私はダディクール、父としての誇りが私を支えている」
  「父として、娘のために完成させた薬だ。君のような子が現れるのを待ってた、フラグが立つのをずっと……」
  「その時点で、もう娘は普通の子に戻る。ここから君の出現を喜んだ、こんな絵まで描いてくれて……」
男 「フラグが無くなった、ということは……被害クールの場合だと、どうなる!?」
ダデ「『被害クール』でなくなる、ということだ。もう被害は受けんし、クールな態度を取ることも無かろう。君への感情も消えた」
男 「俺への感情……」
ダデ「愛は無くなった」
  「成立する前に折れたフラグだ……元には戻らん。子供を産んでも再発しない」
  「君も娘と添い遂げれば……いずれはそうなったんだ。孫の顔を拝むのが遅くなったが、私の計画は成功した」
男 「ほ……」
ダデ「惚れ直させるか? 出来るか? 彼女はもう普通の子だぞ。被害を受けない、君が助けるチャンスはない」
男 「ありますね」
ダデ「ほう? どこにだ?」
男 「お父さん……僕はこれまで彼女と様々な受難を共に過ごしてきました」
  「いじめ……まずはそれに耐えた。次に、仲間たちと協力してそれを覆した。そして他の生徒の退学、これも突破した……」
  「お父さん……貴方が僕たちにとって最後の難問だ」
ダデ「私が?」
男 「貴方は僕に言った。貴方と出会ったことも被害の一つだと……その通りでした。それが今この状況を招いた」
ダデ「そうかもな」
  「だったら、覆せることも出来るかもな? だが忠告しておくぞ、もしそれが成功すれば彼女はまた『被害クール』だ」
男 「そうですね、そのときは───……」
ダデ「そのときは……?」
男 「成功したときに、言いますよ」
  「何も……助けてばかりいたから、好き合ったわけじゃない」
  「彼女の持つ性分が無ければ出会わなかったかも知れないけれど、僕はあの子が好きです。今までも、これからも」
ダデ「私よりもか」
男 「勝ちますよ、その点では」
  「明日からの学校生活、楽しみにしていて下さい。この絵はそれまで貴方に預けておきます」
239 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 00:01:32.05 ID:PkKnoDA0
 翌朝、登校の途中で被クのお母さんに会った。
 彼女はまず、昨晩起きたことについて話してくれた。それはダディクールさんが言っていた事と一致し、いよいよ俺には可能性がゼロになったことを自覚させた。
 でも、この人だって、俺と被クが一緒に居たとき、たまにだが邪気眼の話をしていたんだ。
 この人には、まだダディクールさんへの愛が残ってるってことなんだ。
 そう信じると、俺の心はより一層の決意を固めた。薬なんかで失くされた俺への気持ちは、必ず取り戻してみせる。
 そして、教室のドアを開けたとき……
 俺は───

「…………」

 澄んだ瞳の少女と目があった。
 不思議そうにぽかんと口を開け、何か言いたそうにしていた。
 だが、彼女はそれをやめた。頭に疑問符を浮かべ、しかし何も考えていないようにすら見えた。何かがぽっかりと抜けていた。

男 「……おはよう」
被ク「あ、おはよう」

 挨拶をすると、被害クール……ではなくなった被害クール、彼女はきちんと返事をしてくれた。
 無言の時間が続いた。

『すまない、私とした事が取り乱した。しかし良いのかい? 私に話しかけて』

『なな、なんだと? 失礼じゃないか!』

『なあなあ、男』

『聞いてくれ、昨日帰り道にな!』

『という訳だったんだ! どうだ驚いたか?』 

 これまでそこで、交わしていた言葉。そのときの覚えた感情の一切を、彼女は失くしてしまったのか。
 俺は毎日そこで何を話していたのか、一つ一つを思い出していた。それが積み重なっていく度に、涙が出そうになった。
 それを隠すため、ずっと居眠りしているフリを続け……その日は二度と彼女の顔を見ることは出来なかった。
240 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 00:13:34.46 ID:PkKnoDA0
友 「あのさぁ」
男 「ん?」
友 「被クちゃんと何かあったわけ……?」
男 「あった、けど……なくなった」
友 「はぁ?」
  「お前、今日変だったぞ。一日中喋ってなかったろ……昨日まであんなに仲が良かったのにな」
男 「ほっとけ」
友 「被クちゃん、ずっとお前のこと見てたぞ」
男 「ッ!!……ほ、本当か? 本当に?」
友 「ああ。不思議そうに、ずーっとな」
  「でも何ていうか……それに違和感あるんだよ。俺、被クちゃんって普段かなり『デキるぜ!』オーラみたいなのがあったじゃん」
  「無いんだよ、それが。何ていうかな……態度が変わったってーの?」
男 「…………」
  「被クは、学年の顔と名前をすべて覚えてるんだ」
友 「あん?」
男 「多分……今はそこに一つ、変な空白が出来てるんだろうな」
男 「……」
友 「……」
友 「昨日、素直ヒートがおかしくなってた……関係あるか?」
男 「さぁ……」
友 「あいつな、俺のこと忘れてたぞ」
男 「え?」
  (あ、そうか……お母さんに性分が消されちゃったから……)
  (ははっ、ヒート先輩から熱血を取ると鬱になるのか)
友 「今日の朝には戻ってたけどな」
男 「良かったじゃん……ははっ…………」


 その後、ABCや先生が何度も俺に尋ねてきたが、結局何がどうなったかは話さなかった。
 ただ、被クは俺のことを忘れたというわけではなく、俺に対し無感情になっていたらしい。何も話せなくなるんだと。
 それからずっと、彼女を見ると苦しくなって何も出来なくなることが続いた。大見得切った割りには、情けない末路になるのか。
241 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 00:35:34.38 ID:PkKnoDA0

 そのまた数日後、舞台は屋上に移る。
 放課後、ABCの三人がつるんでいた(んだっけ?)……キンニ君とその他不良の皆さんに呼び出された。


キン「この間の話だ……」
男 「どの間かはよく分からんが」
キン「そうか……じゃあまず俺とAの関係について話そう」
  「Aには元々目をつけてた男が居てな……お前と同じクラスのとある男子だ」(前スレ>>24参照)
男 「うん?」
キン「Aは半年前の一件以来、被害クールさんと仲良くなっていたことは知ってると思う」
  「あいつはあいつなりに変わっていった。それ以前からあいつのことを好きだった俺は、機会を伺って告白した」
  「先日、OKされたんだ」
男 「あ、そう」
  「で?」
キン「Cと不Bも付き合いはじめて……それは多分、お前のお陰もある」
男 「ん……で?」
  「何が言いたいお前ら……お礼しに来てくれたんかい?」
不B「被害クールと……何かあったろ? 話せよ。協力してやるから」
男 「いらん……」
キン「Aたちも気にしてんだ……理由くらいは教えてくれや」
男 「何で俺が>>友や先輩にも言わなかったことをお前らに言わなけりゃならん」
  「好きなあの子とくっついたんだろ? それでいいじゃねーか。お前らは……」

 ゴン、と鈍い音がした。
 頬の奥で骨が軋んだ。
 
男 「痛ぇな……」
キン「お前……死んだな、目が」
男 「あのな……」
  「俺は子供の頃ウルトラマンになりたかったんだ。でも、今の俺はどうだ? 学校の悪いさん達に殴られてへらへらしてる」
キン「絵を、描けばいいだろ」
男 「…………」
キン「お前の唯一得意だったモンがさ、それじゃなかったのか?」
男 「…………描けないんだ」
  「描こうとすると、目の前に被クが出てきて、『私を描いてくれ』って言うんだ……」
  「でも筆を握ると、手が震える。あれだけ無敵だった俺の手がな……」
キン「…………」
男 「俺がなりたかったのは結局ウルトラマンだったんだよな、って思った」
  「そうすりゃ、どんな被害だろうか、災害だろうが、救ってやったのになって……」
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 00:42:54.94 ID:vW2YZ.DO
久しぶりにきたがすごい展開になってるな、おい
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/24(木) 00:43:54.07 ID:a1bsepco
文字通りの超展開だよなww
244 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 01:28:22.39 ID:PkKnoDA0
キン「もう一度……聞く」
  「俺達に出来ることは? お前が欲しいものはなんだ、言ってみろ」
男 「言えん……言えば、俺は本当に落ちぶれる」
不B「そんで彼女と寄り戻せるだったら、言ってみりゃいいじゃねぇか」
男 「本当にか?」
  「本当に叶えてくれるんだな、貴様ら……本当だろうな……」
キン「うっ・・・」
  「あ、ああ……」
男 「被害……」
不B「あ?」
男 「被害だよ。被害……」

 気が付くと、俺はその言葉を口にしていた。
 ダディクールさんに奪い返されたそれを……俺は望んでいた。
 >>友や、先輩や、彼女の親。そして彼女自身と……過去の俺を裏切った。
 俺は、最低の人間だ。

キン「いじめろって、ことか? 冗談だろ……」
男 「………………」
キン「おい、そりゃいくら何でも出来んわ。っつーかお前……お前さ……」

 ぐっと胸倉を握り締められる。彼の顔には熱が篭っていた、だが、俺のほうは身体が脱力していた。
 もうどうにでもなれ、と思っていた。

男 「あのさ」
キン「あ?」
男 「殴ってくれないか」

 数分後、俺は身体中をぱんぱんに腫らしながら下校した。
245 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 01:29:06.42 ID:PkKnoDA0
 二年生になってから、様々な行事が執り行われた。
 球技大会、期末テスト……巡りめぐって、次の季節にはまた文化祭が始まろうとしていた。
 つまり被クと疎遠になって、もう三ヶ月も経つ。俺は>>友やヒート先輩とも距離を置くようになり、気が付けばいつも一人になっていた。
 文化祭……情熱のある言葉だ。一年前の今頃は、必死に絵を描き続けていた。今はもう、筆すら握っていない。
 俺は、死んだような日々を過ごしていた。……被クはどうなんだろう。どうなんだっけ。
 これが俺の末路だ。
 けど良いんだ……戻っただけだ。以前に。本当は被クと出会ってからこそが、どうかしていたのかも知れない。
 そう、自分に言い聞かせる。
 けれど


男 「そうじゃない……違う、違うだろ……こんな結末、望んじゃいない」
  「俺も被クも……誰も望んでない……」
素ヒ「おい、>>男?」
男 「ひ、ヒート先輩……」
素ヒ「なんだお前、えらく久々だなぁ! こっちは受験で>>友や被クとも会えないってぇのに」
  「どうした? 泣いてんのか?」
男 「いえ……」
素ヒ「お前……最近被クとはどうなんだ。何か喋ってるか?」
男 「いえ……」
素ヒ「そうか……あのな、>>男……」
  「お前が不良たちに吐いた言葉を聞いた。A経由でな……」
男 「…………はは」
素ヒ「他の仲間は絶対にお前には言うなと言っていたが……私は隠しごとは出来ん性格だ」
男 「知ってますよ」
  「何ですか? 被クに彼氏でも出来ましたか……はは、だろうなぁ。美人で秀才で……」
素ヒ「飛び降りた」
男 「え………………」
素ヒ「飛び降りたらしい。私も何故かは詳しくは知らんが……」
男 「…………え、何が?」
素ヒ「私の生徒会長の任期はもう終わった。『いじめを失くす』とか言っといて、私は何をやっていたんだろうな」
  「あの子、またいじめられていたらしいぞ……お前は知らなかったろうが」
男 「ちょっと待って下さいよ……」
  「いじめられる? そんなことあるわけないでしょ、彼女はもうそういう性質じゃなくなったんですよ?」
素ヒ「何を言っとるんだ貴様は?」
  「この世のどこに『絶対にいじめられない女生徒』が居るというんだ。バカか?」
男 「…………どういう、事、ですか」
素ヒ「ここ数ヶ月、彼女の成績は下がりっ放しだったらしく、不審に思った生徒が理由を聞いたんだ」
  「すると、彼女はこう答えた……『自分が自分でなくなってきたんだ』と」
  「成績不振のものは追試や補修を受ける。そこに、運悪くも彼女のことをよく思わない人物も居てな」
  「また、いじめられていたそうだ……全く気付かなかった私にも腹が立つがな」
男 「被クは……?」
  「被クは、どうなったんです!?」
素ヒ「幸いにも……無傷で済んだ。先週の話だ……」
  「お前達に何があったかは知らん。だが>>男、お前は何故彼女を助けてやらない?」
男 「…………」
素ヒ「おい……おい……」
  「>>男おおおおおッ!! お前、お前あの娘のことが好きだったんだよなぁ!?」
  「お前ら付き合ってたんだよなぁ!? 宇宙の彼方にでも意識ぶっ飛ばしたか!? ああ!?」
246 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 01:29:40.83 ID:PkKnoDA0
男 「…………」
素ヒ「どうしてあいつが飛び降りなきゃならんっ! あれほど冷静で知恵豊かだったあいつが、あれほど我慢強かったあいつがだッ!!」
  「死んで、しまうかも……知れなかったんだぞ……っ!!」
男 「…………」
素ヒ「もういい……わかった。もうお前には頼らん」
  「好きにしろ。もう少しで私もこの学校とはさよならだ」


 そして、二度目の文化祭。その頃になると、俺のことなど誰も相手にはしてくれなかった。
 まるで自分が居なくなってしまったようだった。学校で誰とも話さず、誰にも認識されなかった。


友 「今年の文化祭はやけに寂しいなぁと思ったら……ああ、そっか。絵が無いんだったなー、あいつの絵がさ」
素ヒ「一枚だけでも、最高だったのにな……」
友 「お前も最近ほんと暗くなったねー。なんだ、受験疲労か? しっかりしろよ、しっかりっ!!」
素ヒ「テンション上がんねー……」


チラッ


被ク「…………」
素ヒ「ん?」
  (被ク……何やってるんだ、一人で……)
  「すまん>>友、悪いが急用が出来た。また後で会おう」
友 「ういー」
  (前は急用よりも俺優先だったのにねぇ……人は変わる、変わるもんだなぁ……なぁ>>男よォ)
247 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 01:45:43.60 ID:PkKnoDA0
 屋上。
被ク「…………」
素ヒ「おい被ク、そんなところで何してる?」
被ク(ビクッ)
  「あ、ああ……ヒート先輩でしたか。誰かと思いましたよ」
素ヒ「はっはっは、誰かだったら良かったのかー?」
被ク「…………」
素ヒ「一人か?……一人だよな、そりゃ」
被ク「先輩」
素ヒ「ん?」
被ク「私……去年、先輩達と一緒に文化祭をやってたとき四人で>>男君の絵を……」
素ヒ「うむ。 楽しかった……いや、そういう言い方をしてはいけないのかも知れんが、今よりはずっと面白かった」
被ク「そうだったんですか……」
素ヒ「お前は違ったのか?」
被ク「さぁ……」
素ヒ「お前もその返事の仕方……やめろよ、そんなん。A達は?」
被ク「個々で楽しんでるでしょうね……」
素ヒ「……」
  「飛び降りたらしいな? またいじめられてるのか」
被ク「ええ」
素ヒ「ええ……じゃないだろ、ええ、じゃあ……」
被ク「A達が、庇ってくれてます。けど……なんか……わからなくなっちゃって」
  「何で私、いじめられてるんだろう……いじめられてなかった頃の私って、どんなだったっけ、とか……」
  「前いじめられてたときは……耐えられたんだけど……なんでだろ……何か、私の中で、私が知らないうちに変わっちゃって」
素ヒ(…………)


キラリッ……


素ヒ(ん、何だ今……何か光ったような……)
被ク「最近……元父と母が寄りを戻しました」
  「家も、もうすぐ引越します……でも、なんていうか……二人の仲見てたら、こう、喜んでいいんですよね?」
  「でも何か…………段々、おかしくなっちゃって…………」
素ヒ「…………」
被ク「私ね、飛び降りたとき……多分、あのー……そうするとこう、[ピーーー]たら良いなとかって……あはは……」
素ヒ「被ク……」
  「何持ってる?」
被ク「これ?……ああ、父に貰ったお小遣いで……買っちゃって……」
  「よく……切れるんですけど……ナイフ……」
素ヒ「メンヘラめ」
  「まさかお前までおかしくなるとはな。一体>>男と何があった? 話してみろ」
被ク「何も、ないんです」
素ヒ「…………」
被ク「おかしいでしょ……よくわかんない。いつの間にか、こんなことなっちゃって」
  「私…………あ、いじめられてたときのこと、思い出しました。学校って大して意味のないところだなーって」
  「そう思ってたんですよ、多分」
素ヒ「病みすぎだな……」
  「ナイフよこせ、没収だ」
被ク「…………」
素ヒ「早く寄越せぇぇぇぇっっ!!!」
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/24(木) 01:48:06.99 ID:uS1ZXgUo
(;゚д゚)ァ.... ヒートが戻った???
249 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 01:59:57.87 ID:PkKnoDA0
生徒「おい、なんだ……屋上で何かやってるらしいぞ」
生徒「あれ前の生徒会長の声だよな。よく叫んでばっかだった」
男 「…………ヒート先輩?」


素ヒ「寄越せ。おい……何してる……」
被ク「いやだな……渡します、渡しますよ……」
  「はい……」

(被ク、床にナイフを投げる)
素ヒ「まったく……」
(ガシャンッ)
素ヒ「えっ……!?」

 緑色のフェンスが、屋上から落下してくるのが見えた。
 途端、何事かと野次が集まりだす。俺はその群れに身を投じながら、視線の先に被クとヒート先輩が居るのを見つけた。

素ヒ「何で……ネジ……取れてる……」
被ク「昨日、取っときました。私が……学園祭の準備中だから、工具も借りられたし……」
素ヒ「お前……最初から……」
被ク「あー……見てください、先輩、ほら……私いじめてた奴らだ。AやBも居るぞ。Cも、皆彼氏と一緒だ」
  「すごい顔だな皆……あいつら、私がいじめられてたときは助けもしてくれなかったのに、こういうときは動きが速いよな」
素ヒ「フェンス外してどうするんだ」
  「お前……私の前で自殺なんか出来ると思うなよ。っつーかそこ降りたら、確実に死ぬ……」
  「それくらい分かるよな、お前も……」
被ク「はは……あはは……でもな、先輩。私は思うんだよ……もしかしたらこんな光景が一年前にもあったのかも知れない」
  「私が>>男と出会わなければ、いずれこうなってたかも」
素ヒ「お前はお母さんに心配かけたくないと言っていたが」
被ク「でも、今お母さん幸せそうだよ?」
素ヒ「……………」


生徒「うおー……やっべ、マジかよ……飛び降り?」
生徒「引くわー……引くっつか、無理があるっしょ」
男 「…………」

 頭に霞がかかっていた。あれは本当に被クか? 何であんなことしてんだろ、バカな奴だなぁ。
 今じゃ俺もこの野次以下だ……頼むから俺を見て死なないでくれよー。夢に出そうだから。
 なーんて……はは……あはは……

男 「おい……何だこれ……どうなってる……何してんだあいつ、何してんだ俺……」
  「おい……おいおいおいおいおい…………」

 被クは今にも飛び降りそうだった。
 何人かの生徒が体育倉庫からバカでかいマットをワゴンの上に重ねて歩いてきた。いや、走れよお前ら。
 走れって……な……お前ら、もしあいつが飛び降りたら……どうすんだよ……おい……

男 「貸せっ!」

 俺はそいつらからワゴンをかっぱらうと、急いで被クが着地する付近まで走らせた。
 群集の中から、キンニ君や不良たち、ABCも駆けつけてくれた。
250 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 02:09:42.05 ID:PkKnoDA0
被ク「あー、ワゴン来ちゃう……」
  「あー、あー…………」
素ヒ「被ク……お前、独りでずっと悩んでたんだよな」
  「何故私達に話してくれなかった? いつだって力になる、友達だったろう」
被ク「なんか、そういう考えが浮かばなくて……ほら、先輩も受験だし、迷惑かけちゃうし……」
  「どうせそのー、私の気持ちとか、分かんないよな? ね? 先輩、会長だし……」
素ヒ「訳が分からん……」
  「だが、取り返しのつかんことになってしまっているのだけは分かる」
被ク「取り返しの……つかん?……」
  「あーやっぱ、そうなんだ……何か、私すっごいもの失くしちゃったような気がしてるんだ……」
  「私なんていうか……二つ、失くしてるよなぁ。一つは>>男君、それはわかる……」
  「もう一つ、何か……自分自身が……あ、そっか」
  「私だ」
  「私が、無くなったんだ」


 被クが、何か呟いたように見えた。
 ふわ、と……彼女は……とん


 とん


 とん


 とん、だ。







 その、瞬間だった。
 身体中の血液がブワァ──────っと、沸騰し始めた。
251 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 02:18:02.24 ID:PkKnoDA0

 俺、何で彼女のことが好きだったんだっけ。

 ああ、そうだ。名前だよ……名前、覚えててくれて、うん……

 ずっと一人ぼっちだったんだけど、彼女がさ、絵描くの付き合ってくれて……

 そうだ。俺は絵を壊されて、沈んでたんだ。そしたら、彼女が泣いてくれたんだ。

 あの時は嬉しかったなぁ。

 そうそう。Cが俺のこと好きだとか言ってて、彼女ったら先帰っちゃって、そんで

 俺は・・・・

 追いかけたんだ・・・・

 絶対、逃がすかよって・・・・

 そうだ・・・・ 

 今、被クが何て言ったかわかった。

 助けてくれ、て言ったんだ。

 ああ・・・・

 うん・・・・・

 助けるよ・・・
 
 ああ・・・・ああ・・・・何やってんだ俺は・・・・・
252 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 02:22:41.43 ID:PkKnoDA0
 この数ヶ月、どっか遠い彼方に閉じ込めていた熱意が、この日、このとき、この瞬間に集中した。
 俺は、走った。

「受け止めろよ」

 キンニ君が、言った。
 それが耳に届いた瞬間、0.何コンマだかミクロンだか知らないが、まさにその時───

ゴキィィッッッ!!!

 その音はすぐ近く鳴った気がした。だが遥か遠くで轟く落雷の絶叫にも似ていた。
 やはりこれが俺のものだと理解出来た、あ、俺の・・・・俺の腰に、お、おおおお俺の腰が、腰が

「蹴りで砕けぼばあああああああっ!!」

 凄い勢いで加速した。
 だが、さらにその勢いが乗っかって、ワゴンのハンドルに前身が強く打ち付けられた。胃液が口の中から溢れ出た。
 俺はその昔ガキの頃、海で溺れたことがあるが、その時のそれも似た感じだった。口から吐いた水が鼻や喉奥に引き連られるのだ。
 だが俺の脚は止まらなかった。鼓動よりも速いテンポで、、細胞が茹でるよりも力強く踏みしめ、俺は駆けた。
 落下する二人の生徒の姿が見えた。
 ヒート先輩が、宙で被クを捕まえた。
 駆ける。
 落ちていく。
 また駆ける。
 徐々に地面との距離が縮まっていく。被クの頭を抱えたヒート先輩が眼を瞑った。
 その時点で脚が、筋肉を沈め始めた。何故だ細胞、お前らは何故止まる。何故俺の意思に反しようとする。そんな疑問で一瞬満たされた。
 だが一瞬だった。
 今この状態で、全てがスローに視えていた。色んな「一瞬」がコマ送りのように知覚できた。
 脳みそも完全に覚醒していた。
 親父の言葉を思い出した。
「必死で飛んだ」
 後ろには更に他の生徒が迫っている。背後からの緊迫が察知できた。
 俺はワゴンのハンドルから手を離した。跳躍、ハンドルを踏みしめて俺は、飛翔した。ウルトラマンに成れた気がした。
253 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 02:33:28.80 ID:PkKnoDA0
 空中の二人を包むようにしてキャッチ・・・・最高のタイミングで、良い感じで受け止めたと思ったのに落下の衝撃で体がガクンッとなった。
 何とか地面への激突を防いだ、が、どうする? このまま落ちるか!?
 落ちるんかい?
 ああ、それも良いかもな。そう思った。俺は何も考えていなかった、出来ることを全てやった結果がそれだった。
 でも止まらなかったんだよ、仕方ないだろ。全て燃焼し切った。 腰はもう砕けたし、背骨な、くれてやる。
 くれてやるよ。
 このまま落下すりゃ背骨は折れる。後頭部も打つ。絶対な。でもそれでもいいよ、こいつら守れたんだから。
 あー、どうだ被ク。見てたか? 俺はウルトラマンになれたろ? まぁ途中までだけどな。
 これでもうお前、俺のことは気にしなくていいぜ。
 ああ・・・・駄目だ。ミスったな。ワゴンが行っちまった。
 衝撃吸収用のマットを乗せたワゴンは着地地点を通り過ぎ、そのまま走り去る。俺・・・駄目じゃん・・・・
 
友 「ぉぉぉおおおおおおおおお」

 奇声を上げながら突進してきたのは、>>友だ。
 
友 「神様ぁぁぁぁぁぁっ!!!」
  「今だけはどうかぁぁぁぁぁっ!!!」
  「俺にっ、俺にもっ、俺にも素直ヒートのようなぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
  「元ッ!気ッ! をッ! ぉぉぉぉぉぉっっ!! おおおおおおオオオオオオオオオオアアアアアアアアアッッッッ!!!!!」

 その絶叫は普段のヒート先輩の何倍も熱く、力強かった。
 ああ見える、見えるぞ親友っ・・・・今お前の後ろにはガンダム並の馬鹿でかいブースターみたいなもんがある。幻覚だろうけどな。
 だが叫び終える前に、>>友はワゴンに体当たりをぶちかまし、その奇声は本来進行するべき方向とは逆のほうにぶっ飛んでいった。
 親友め、ワゴンに轢かれたか。
 でも

男 「>>友おおおおおおおおおっ!!」

 俺は二人のうち、ヒート先輩を放り投げた。空中で一体どれだけ動けるというのは、俺は。
 他の生徒たちが一斉に>>友を突き飛ばした。轢かれたりタックルされたり、忙しい奴だ。彼もまた嘔吐しながら飛んだ。

男 「骨ボッキボキだろお前ええっ!!」
友 「おばえぼばっ!!」(お前もなっ!!)

 二人の叫び声が空高く木霊した。俺は、やはりこいつが生涯最高の友であると確信した。
 二組の男女は、見事、マットの上に着地した。
254 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 02:51:22.38 ID:PkKnoDA0
友 「うぐぇ……なぁ、>>男……」
男 「なんだ……」
友 「生きてる、の? 俺ら……」
男 「ああ、ゲロだらけの傷だらけでも、何とか生きてる」
素ヒ「…………き、奇跡だ」
  「奇跡だぁぁぁぁっ!! おいっ、全校生徒の諸君、見たかっ!? 今の見ましたかあああああっ!!」
  「お前達は今っ、奇跡の目撃者となったっ! 喜べ、そして拝め、私の勇姿をっ!!」
男 「あ……腰痛ってぇ……全身痛いよぉママン……でも、生きてるから良いよな」
素ヒ「貴様っ、>>男おおおおおっ!! 今まで何処にいっていたんだっ!!」
男 「いや居たじゃないスか、ずっとお!」
素ヒ「あんなのはお前ではないっ! 断じてお前じゃないぞっ!! 私は断固言い切る、お前は宇宙の彼方から帰ってきたんだっ!!」
  「おい被クっ! >>男だ、男が帰ってきたぞっ!!」
被ク「ああ……」
  「お前……>>男、だよな」
男 「女に見えるのか? 頭打ったか?」
被ク「ばーか…………ふふっ」
男 「俺のことが分かるのか?」
被ク「ああ、バカが目の前に居る」
男 「何だと? 失礼じゃないか、命の恩人に向かってバカとはよォ〜〜〜!」
  「おい、被クさん」
被ク「何だ……」
男 「お前が飛び降りるときな……えっと」
  (ぱんっ)
  (ツー)
  (○)
  (見え) ←ジェスチャー
男 「……だった」
被ク「殴っていいか?」
男 「駄目だ」
生徒「凄かったです、元会長!」
素ヒ「ブァカ者どもがァアアアア! VIP校の生徒は世界一ッイイイイ!! 」
  「この>>友がゲロまみれ……うわ、くっさ…………ごほん、もとい怪我を省みず助けてくれたのだっ!!」
  「私の彼氏も世界一だ、ふははははっ……」
255 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 03:10:59.24 ID:PkKnoDA0
友 「あー……死ぬかと思った、マジで……腰が抜けた……筋肉も……」
男 「あーもうマジなんだったんだこの数ヶ月……夢だったのか? ていうかこれが夢?」
被ク「そんなわけないだろう。……という私も、未だに信じられん」
  「自分がほんとに……飛び降りた、ことに……」
素ヒ「びっくりしたぞぉぉぉっ!! お前何やってんだっ、コラっ!もう二度とするなよっ!! 」
被ク「ああ。私としたことが、見事にメンヘラっていたようだ」
ABC「被ク〜〜っ!!」
被ク「やぁ、親愛なるABC娘ズ……ここはどこ?私は誰?……なんてな、もう大丈夫だ」
A 「バカじゃねーの!? ちびるかと思ったわ〜……」
C 「……やれやれ、リアルさに欠ける展開だったわ」
B 「いいんじゃね? このVIPだしなww」
先生「お前ら……」
  「お前ら、一体何があったんだ?」
被ク「何を言われましても……」
男 「あれだよ、ちょっと病んでただけッスよ。なぁ?」
被ク「そ、そうそう。ほら……もうこの通り」
男 「ビンッビンッすわ、ビンッビンッ!」
  「被害クール復活ッッ!!! 被害クール復活ッッ!!!」
先生「とは言え貴様ら……これは一応職員会議にかけるぞ。処分は後に言い渡す」
  「ボケっ・・・! 死ななきゃ治らんボケどもっ・・・!」
  「二組っ・・・! ダブルでボケっ・・・! ダブボケっ・・・!」
男 「あー」
  「被クよォ」
被ク「なんだ」
男 「ただいまー」
被ク「ふっ……はっはっは、なんだそれはっ! この状況でどういうギャグだそれは」
  「まぁあれだな……その、おかえりっ!」
男 「おう」
256 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 03:13:18.63 ID:PkKnoDA0

 ストンッ

男 「うお……」
ダデ「…………それは君に返す」
被ク「お、お父さん……」
男 「あ……あはは、どうも……あ、これって絵ですよね?去年のww」
ダデ「随分と時間をかけてくれたな。タイムアップだ」
男 「見て、いらしたんですか?」
ダデ「当然だ。学園祭だというからやって来たのに、何だこれ? 何のパフォーマンスだ?」
男 「でもほら、これで元通りっ・・・! チャラっ・・・! ご都合主義のチラシ裏っ・・・!」
  「そして勝負は俺の勝ち。時間制限なんて無かったですものっ・・・!」
ダデ「フンっ……」
素ヒ「なんだ?険悪なムードだな」
友 「色々あったんじゃね? 知らんけどな……」
男 「おい、誰かちょっとマイク持ってきて」
キン「……ほらよ」
男 「んっ……あー、え〜〜・・・・」(キーン)
  「ふーっ……えー、全校生徒の皆さん。誠に申し訳ありませんでした。そしてありがとう!」
  「んーっと、あのー、ね……引き続き、学園祭を楽しんで貰いたいと思いますが、ここで一つ大切なお知らせがあります」
被ク「……?」
男 「お知らせっ・・・!」

ざわ・・・
     ざわ・・・・
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 03:41:28.43 ID:vW2YZ.DO
お知らせ・・・(゚Д゚)ゴクリ
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/24(木) 12:25:11.12 ID:IU5YFcAO
いよいよラストか
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 17:07:47.62 ID:VP/kAes0
展開についていけない・・・!?

でも見るが
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 18:46:50.42 ID:oTqehOg0
しかし、今更どうでも良いが厳格なブーンってのが想像出来んww
ともかく、楽しみにしてます。
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 18:52:15.22 ID:20YsnQAO
無駄だと思ってた言葉もリンクされるし、作者すげぇ才能だなwwwwww
それともう一つ…リアルで俺が悩んでた答えがこれ読んでわかった!
ありがとう
262 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 19:41:11.31 ID:PkKnoDA0
男 「あのな」
  「実はこの子はスッゲー性質なんだ。何がスゲェかって? 聞けよお前ら。それが普通じゃない、とても普通じゃない個性のようなものをこの子は持ってるんだよ。」
  「なんとびっくり、”被害を持ってくる”って特殊能力だよ。 被害だよ、被害。自分の害になるもんをだ、災厄を呼んで来るんだよ」

 その場が騒然となった。
 どいつもこいつも「ハイィ?」って顔をしている。頭でも打ったか、みたいな。
 だが俺は自分の知っていることを話し続けた。口の筋肉だけは止まらなかった。何故か股間もビンビンだった。

男 「この世にはな、お前ら……色んな人間が居るぞ。俺はそれを自覚させられた。ある医者が俺に教えてくれた、そいつは大ボラ吹きだったが……」
  「いじめられてる人間を助けたことがあるか? 俺はある」
  「いじめられてる人間を助けなかったことはあるか? これもある」
  「俺はこの彼女と居る時間が最高に幸せだった」
  「俺はこの彼女と居なかった時間は心底最低のどクズのビチクソ以下に不幸だった」
  「お前ら、自分の好きな人間がそんなだったらどうする?」
  「自分にも他人にも災いを呼んでくる人間を好きになったら、どうする?」

 誰も、何も答えなかった。


男 「俺はこう思うぞ。良いか……よく聞けよ生徒諸君。お前ら俺の愛する被害クール様が飛び降りるまで誰も助けなかったんだぜ」
  「助けたのも俺だ。だからよく聞け、お前らに出来ることはそれだけなんだよ」
  (すうっ…………)


男 「「「  仕 方 な い よ な ぁ ! !  」」」
  「だって、そういう人を好きになったんだもんなぁ! 全部ひっくるめて好きなんだもんなぁっ!!」
  「生徒諸君っ!先生の皆様方っ! 親御さん方、親友や先輩達……そして、被害クールさんっ!!」
  「俺は死ぬまでこの人の、ことが、大・好・きだぁぁぁぁぁっ!!」
  「祝福するやつ、拍手しろォッ!!」
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 19:47:20.44 ID:fJuCRyw0
キタ━━━━━y=-(゚∀゚)・∵.━━━━━ン!!
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 19:54:06.62 ID:VP/kAes0
熱い、熱すぎる、夏にきくような話じゃねぇ・・・
ちくしょうキンキンに冷えた麦茶でものんでくらぁ
265 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 19:57:04.13 ID:PkKnoDA0

 パチ……

 パチ……パチ……

被ク「待て、ちょっと待てお前ら……」
  「すんなよ、絶対すんなよ。おい、私の意思はどうなる? 何だ>>男、今の話は……私のことかっ!?」
男 「お前のことだ」
被ク「なんだそれは」
男 「安心しろ。そんなお前が大好きだ」

 パチ、パチ、パチ───
 飛沫が、波になった。生徒達の歓声と拍手の渦、その中心の中に俺と被クは居た。

男 「奇跡みたいだろ。昨日の晩、今日がこうなるって分かってたか?」
被ク「冗談……」
男 「じゃないぞ」
被ク「本気か?」
男 「本気だ」
被ク「それはお前、プロポーズか?」
男 「これはプロポーズだッ!! 断固プロポーズだぞ」
  「俺はまだガキだから健全な付き合いを始めるぞ。最近の若者の貞操概念はサッパリし過ぎだ。はきちんとしてる」
  「だから結婚前提で付き合おう」
被ク「け、結婚か?」
男 「結婚だ」
被ク「そんなお前、おまっ……なんだ、どうしたんだお前?」
男 「お前は俺と一緒でどうだ、つまらんか?」
被ク「いや」
  「どちらかというと、最高に幸せだ」
男 「じゃあ結婚しよう。大きくなったら」
被ク「結婚?」
男 「結婚だ」
  「俺は被クと結婚するぞおおおおおおっっ!!!」

 そう叫んだ瞬間、男子生徒の軍勢が俺の身体を掴んだ。アッー!
 胴上げだった。皆が祝福してくれていた。一部蹴ったり殴られたりもしたけれど、どいつの顔も笑ってやがった。
266 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 20:07:48.13 ID:PkKnoDA0
H 「素晴らしいっ……素晴らしいぞっ……」
先生「あ、あなたは……H校長っ!……」
H 「元校長じゃよ……くくっ……それにしても素晴らしいのはあの生徒……」
  「あのとき退学にしなくて良かった喃……いや、していてもこうなっていたのかも知れん───なぁ、Tよ」
友 「結婚式には先生も参加しましょうぜ」
先生「出る・・・! 出るが、今回まだその時と場所を指定していない」
  「今はただ、あの二人がゴールインっ・・・! それを待つのみっ・・・!」


 その数年後───
 彼はスーツ姿で二人の婚約を祝うことになった。
267 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 20:30:01.54 ID:PkKnoDA0

 A───彼女は卒業後、体育系の学校に進学した。
 (あのキンニ君とかいう男子も同じ学校に進学したらしく、仲が良いということは聞いている)


 B───彼女は就職した。きっと今頃は、制服姿のよく似合うOLとしてはたらいていることだろう。
 

 C───彼女は美容師の資格を取るため、専門学校に入学した。
 数年後にはそこで知り合った友人達と共に美容院を営み、立派な美容師として成長を遂げたと聞く。


 >>友とヒート先輩───
 素直ヒートさんは大学を卒業後、教員免許の資格を取って先生になった。
 >>友は、俺はこれが実に驚いたのだが、苦学しつつ司法試験を受け、合格した。今では弁護士になっている。
 ちなみに子供も生まれた。双子の女の子で、二人とも礼儀正しく、元気が良かった。
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 22:04:28.10 ID:vW2YZ.DO
男と被害クールさんはどうなったんだ!!!!

胸がざわざわしてきた
269 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 22:06:08.73 ID:PkKnoDA0
 早いもので、あの奇跡の文化祭から数年が経過した。
 俺は画家にはならず、普通のサラリーマンとして早々に就職した。月給は三十万たが、どうだ、食っていく分には問題ないぜ。
 被害クールは養護教諭……つまるところあれだ、保健室の先生になった。彼女がそうなりたいと言い出したとき、俺は無論、賛成した。
 実に彼女らしいと思った。
 苦労は耐えなかったが……あれ以来、もう二度と俺と被クの心が離れることは無かった。
 娘を授かってからは、ますます大変になった。けれど、毎日が嬉しさに満ちている。
 画家にはならなかったが、今でも絵は描いている。最近になって、人生の第二目標も出来た。俺はいつか喫茶店でも開いて、そこに自分の作品を並べたいと思っている。

娘 「パパー! パパとママの絵描いたよー!」
男 「ほう。どれどれ」
被ク「上手だなぁ。おじいちゃんに教えてもらったのか?」
娘 「うんー」

 今年で、娘クールは五歳になる。
 俺と被クは共働きしているため、娘は親父に面倒を見て貰っている。
 勿論、仕事が終わったら即迎えに行っているし、両親として愛する我が子への教育は怠っていないつもりだ。

娘 「それでねー、今日ねー。○○ちゃんと××ちゃんが、私が作ってた砂のお城こわしちゃったのー」
男 「?…………お前、何か悪いことしたのか?」
娘 「んーんー」
  「よくわかんないけど、たまにあるんだー 私何もしてないよー? ほんとだよー?」
被ク「あ、ああ。わかってるよ」
  「そういうことがあったらちゃんと私達に言わなきゃ駄目だよ? 誰にされたとか、そういうのも……」
娘 「うん……」
被ク「絶対だぞ……」
男 「はっはっは、お前もそう心配そうな顔をするなよ」
  「…………なぁ、娘よ」
娘 「んー?」
男 「この世には……何人も、そういう人が居るんだ。今日のお前みたいに、自分が頑張って作ったものを壊されちゃうこともある」
  「そんな子が沢山いる……お前ならどうする?」
娘 「んー……??」
男 「あのな……お前がおっきくなったら、やっぱり多分色々と悲しくなったり、泣いちゃったりすることがあるんだと思う」
  「でも……諦めるな。すぐ傍にお前を救ってくれる人がいるかも知れない」

 月日は流れ───
 いつか、この子も自分の性分に気付くのだろう。

被ク「ふふっ……そうだな、俯いてばかりじゃ駄目だ」
  「顔を見上げれば、そこに道がある。今、お前が見てるものを信じればいい」
娘 「うん」
  「じゃあ、私にとってそれはパパとママだよー」


 ああ……全人類の皆さん。一つだけ私のお願いを聞いて下さい。
 
 この子が大きくなったとき、もしも危険が迫ったら、どうか救ってやって欲しい。
 
 あなたの目の前に居るのは、私の子かも知れないのです。
 
 
                                 『被害クール』 第一部・完
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/24(木) 22:09:39.83 ID:.q19Jq2o
嫌わレッテル思い出した

競演wwktk乙
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 22:24:31.05 ID:dI8xOYw0
やべぇ感動した・・・


そして明日のテストオワタ・・・orz
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 22:39:36.77 ID:48rMK9w0
第一部って何だ…。
まさか第二部を作るつもりか?
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 23:00:00.51 ID:oS13.xE0
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
面白かった
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/24(木) 23:05:41.37 ID:HOmKkUAO
心から乙乙乙!!!!!!
マジで面白かった!
まさかこんな展開になるとはな。良い意味で予想を裏切られたわ。
男も被害クールもおめでとう

ところで第一部ってことは第二部に期待していいのか?
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 23:12:06.56 ID:VP/kAes0
第一部完!
第二部フラグですねわかります
そして俺明日から仕事涙目
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 23:19:13.37 ID:4N9qduAo
第二部にも期待!
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/24(木) 23:31:57.29 ID:vriE6GEo
まさかこのスレがここまでくるとは!
278 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 23:32:56.09 ID:PkKnoDA0
完結しました。スレ住人の皆さん、最後まで書かせてくれてありがとう。
誤字だとか脱字だとか、そんなチャチなもんじゃ断じてねえ。文才の無さを味わった気分だぜ。
途中から変なことになって自分でも何やってるか分からなくなったけど、アホな文章書くのは楽しかったよ。
最後に、軽く登場人物のおさらいをさせて下さい。これで〆に入りたいと思います。
ついでに私こと◆UXGGyRWL3cが同好会でやっている厨二病丸出しのSRCからイメージになりそうなアイコンをうpしてみた。
一応オリジナルだから転載とかは勘弁な。今、生でスレを見てくれている人のためのおまけ程度に思って欲しい。


■>>男
この話の主人公。というかこのスレが出来てから主人公になっちゃった感じ。
学校では目立たないほう。>>女こと被害クールが絡むとカイジになったり色々。
(//www.uploda.org/uporg1563801.png)


■>>女(被害クール)
前スレ『新ジャンル 「被害クール」』より登場。
別段めちゃくちゃクールというわけではなく、あくまで態度的みたいな。ケルト民謡が好き。
こんな設定を考えてくれた前スレ>>1は間違いなく天才。
(//www2.uploda.org/uporg1563876.png)
(//www.uploda.org/uporg1563879.png) メガネなし
(//www2.uploda.org/uporg1563882.png) おまけ


■>>友
主人公の友人。本編ではあまり書かないようにしていたんですが、若干チャラ男気味。
口調が主人公と被ったりキャラクターとして設定が少なかったりと色々残念。
(//www2.uploda.org/uporg1563902.png)


■素直ヒート先輩
どうしてもキャラが少ないと思って出演して頂いた新ジャンルメンバー。
なんというか微妙な扱いになってしまったので、素直ヒート関係のスレ住人の方に申し訳ない。
(//www.uploda.org/uporg1563915.png)


■A
いじめ役一号。
設定的には、頭は悪いけど運動はできる子。ゆえにハンドボール部。


■B
いじめ役二号。
こいつが一番影が薄かったのでは? 一応「三人の中では一番大人」という設定


■C
いじめ役三号。
前スレの頃から「美容師目指してる」という設定があったのでそれを踏襲。
ジョジョネタやVIP板のことを知っている辺り、若干その筋には詳しいのでは。
メインキャラでないのに何故かこいつだけイメージグラフィック有。
(//www2.uploda.org/uporg1563928.png)
279 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/24(木) 23:35:35.47 ID:PkKnoDA0
>>270-277
うわーん ありがとう!

>第二部云々
いや、だってこのスレってこれで終わりじゃないだろ?
誰か他の人がまた新しい被害クールのSSを書いてくれるんじゃないかと思ってさ。
過疎したらまた自分が書かせてください。今度はもっと短めで読み易くします。一行AAとか使って。
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/25(金) 00:09:20.56 ID:Akxj8l2o
>>1
面白かった!
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/25(金) 00:54:51.53 ID:Ik4z6MDO
>>279
お疲れ様でした。

おもしろかったよ。
いや、おもしろかったはおかしいかもな・・・

とてもよかったです。

娘クールみたいな人がいたら絶対助けるよ。

再度乙でした!!
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/25(金) 01:04:15.89 ID:sngAP3Io
読み応えあったわぁ
最初のほうは鬱になりがちで1回お気に入りから消したぐらいだもん
最後まで読んでよかった^^
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/25(金) 07:54:56.15 ID:xeaECQAO
画像見れない…ファイルがないらしい…ちくしょー
お疲れ様でした!
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/25(金) 08:15:43.81 ID:quT7Wl20
>>45です、被害クール完結おめでとうございます。私がこのスレに来た時は誰も自分で書こうとする人が居なくてかなり心配でしたが素晴らしい職人さんが出来くれて嬉しく思います。
さて、このまま書き込みが無いとこのスレは過去スレになるなぁ、すると俺を含めたいろんな人が見れなくなっちゃいますね、という事で誰か「被害クール」の保管庫を作ってくれませんか?
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/25(金) 14:27:46.36 ID:EMpuI6Q0
見逃した・・・
保管庫に>>278の画像も頼む><
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/25(金) 21:17:29.97 ID:tk398D6o
乙だ!
感動した
被クや素ヒみたいな彼女が欲しくなるな
そして第二部wwktk
287 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/25(金) 21:45:10.45 ID:F9Pi9wk0
>>284
こちらこそお疲れ様です。
保管庫はもうちょっと量が集まってからで良くね? まだスレの方向性に少し不安も。
wikiにするかサーバー借りるかも悩んじゃうところだしな。ちなみに自分はHTMLは無理ぽorz


えっとじゃあ、被害クールのみ再アップ。64アイコンだから小さいぜ。
http://www2.uploda.org/uporg1566004.png
http://www.uploda.org/uporg1566007.png
http://www2.uploda.org/uporg1566014.png
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/25(金) 22:46:40.13 ID:EMpuI6Q0
クールたんかわいいじゃないか
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/25(金) 23:35:42.11 ID:kJFp76AO
>>287
被害クール!俺だ!結婚してくれ!
そんでこれは照れた表情とかないわけ?
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/26(土) 01:15:48.04 ID:PP7sFxM0
これは第二部に期待せざるを得ないな
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/26(土) 12:45:28.09 ID:/V6QGpk0
また見れなかったorz
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/26(土) 19:07:27.68 ID:t8c1RcM0

再うpキボン
293 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2008/07/27(日) 17:47:55.78 ID:jgMYozQ0
>>289
こうですか? わかりません><
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org10830.png

>>292

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org10831.png
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org10833.png メガネ有り


さすがにこれで最後にしてくれorz
wikiのシステムはよくわからないが画像はうp出来るんだよな。
場所さえ確保してくれれば今ある画像は自主的に載せます。
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/28(月) 12:23:25.28 ID:3BvxLMAO
そろそろ過疎ってきたので誰か新しいの書いてくれ
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/30(水) 00:10:18.48 ID:wczbQIAO
よし>>293頼む
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/07/31(木) 12:47:06.63 ID:APG4fcAO
(´・ω・`)保守
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/01(金) 09:30:55.87 ID:cOZsqpc0
保守、誰か書かないと保守だらけになるな
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/02(土) 23:00:50.27 ID:Ga1ud2w0
ほしゅ
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/03(日) 12:45:34.21 ID:5msePMs0
ホシュ
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/04(月) 00:30:15.29 ID:cPc1MJE0
大変良かった!!すごい感動した!!・・・・が、後半母親の口調とか人格がかわりすぎたり、ダディーがでてきて滅茶苦茶になったり・・・邪気眼やらなんちゃらでてなんかその・・・人生で初めて「萎える」という感情を味わった

まぁけど、前半の告白まででのハッピーエンドならすっきりしててドラマとかになっても可笑しくないぐらい良いお話でした!本当にありがとうございました!

{最後に・・・二部は書かないほうが吉かも(なんかスタンドとか出てこられても困る)}
301 : ◆TDJmUo1zCE :2008/08/05(火) 00:56:28.28 ID:RDQpDE60
最高ですた
まとめサイトできたら嬉しいな
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/05(火) 05:00:39.74 ID:b42MIo60
第二部はないんじゃないの?

男たちの物語はこれからも続いていく、って言う意味であって
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/05(火) 14:24:28.15 ID:os/GBnUo
Wiki借りてきたぜ!
http://www39.atwiki.jp/higaicool/
誰か前スレのdat持ってたらうp頼む
あと初出って前スレでいいのか?
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/05(火) 21:31:28.95 ID:os/GBnUo
どうやってまとめたらいいか悩んでるわけだが・・・
ここからコピペしていいかね?>作者
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/08(金) 16:02:33.12 ID:DTolE5.0
画像が見れないから
もう一回乗せてくだしい。
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/08(金) 18:38:12.10 ID:IrUDMuw0
>>303
乙!!!!!!!!!!!!!
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/11(月) 07:47:51.04 ID:.3B1P2AO
保守
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/13(水) 03:03:45.60 ID:HWkQIY60
ブログで途中まで見かけて気になって続き全部読んじまった!!!
明日人と約束ある俺涙目wwwwwwwwwwwwwwww

まとめwikiにもまだ◆UXGGyRWL3c氏の画像載ってないみたいだが大丈夫なのか?
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/14(木) 15:20:24.16 ID:WT.XXus0
hsh
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/15(金) 15:22:10.23 ID:dQEtnRo0
誰か画像持ってない?
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/20(水) 12:07:00.46 ID:rg2GOko0
保守
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/08/21(木) 14:40:08.80 ID:H8PjCrY0
>>308
あれ、俺いつ書き込んだっけな
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/25(月) 12:40:49.67 ID:/UuQ3YSO
あげ
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/27(水) 01:06:50.78 ID:kEt8fk20
age
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/28(木) 03:58:44.66 ID:5yswx6A0
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/08/28(木) 04:02:12.42 ID:iWt2MWo0
面白かった!
素敵な夜を過ごさせてくれた◆UXGGyRWL3cに最大の拍手を送りたいッ!!!
317 :三本毛のパー速民 :2008/08/28(木) 12:20:41.39 ID:gIKZjCA0
いやあ、良かったな、被害クール!!
前半の告白がbestだったよ。最後の方は超展開だけど、しっかりまとめる書き手乙でした!
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/02(火) 17:23:45.12 ID:CqjxAVE0
まとめサイトとかは作らないのか?
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/02(火) 17:51:23.24 ID:3mZOqd.o
すみません忙しくて放置してるだけです・・・>>303
わずかな時間を見つけて更新してきます
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/04(木) 21:29:20.53 ID:qFlt6LQ0
おもしろかった!
これは加筆修正加えて本にしてもいいできだろww
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/05(金) 02:36:01.90 ID:vMOh8bo0
続きがあってよかった。面白かったよ。
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/06(土) 04:12:11.06 ID:/VcGjoc0
最後のノリは好きだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww乙!
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/10(水) 17:36:54.73 ID:diNHWLo0
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/12(金) 00:08:38.55 ID:oAR4j2SO
今日気付いたが、パー速に建っていたのか……
VIPに立ててから相当時間が経ったが……職人の方、心から感謝します。
では
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/12(金) 18:06:03.99 ID:AilhW220
ここにきてまさかの前スレ>>1登場とはww 乙です
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/15(月) 04:12:32.66 ID:S2m5oGU0
こんな時間までオレは何を見てたんだか。
まったく。泣いてしまったじゃないか。

前スレ>>1さん、◆UXGGyRWL3cさん。かなり時間がたってますが本当に乙でした。
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/17(水) 22:21:25.78 ID:joAs4Yk0
ホント面白かった!!
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/18(木) 02:46:43.37 ID:KTrtNMAO
hsh
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/18(木) 08:47:07.31 ID:ikLu8.AO
やばいくらい感動した!
これ普通に短編小説だよなwwwwww

第二部ってのは別の人が新しいストーリーを作るって意味だろ?
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/18(木) 15:37:10.83 ID:49Fe9o.o
男が強すぎてツマランのが残念すぎる
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/20(土) 22:05:06.38 ID:ZZWEtao0
漫画家まだー?
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/23(火) 22:17:23.45 ID:0W6Ktt2o
漫画化まだー?
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/09/23(火) 22:51:58.66 ID:FqxvDGoo
このスレが>>14くらいまでしか無かった頃見て今また思い出して来たら凄いな・・・
全部読み終わった、面白かったぜ
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/29(月) 16:40:56.73 ID:3Uz/FMDO
星間
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/09/29(月) 20:17:11.25 ID:Yn92dkY0
す・・・すげえ・・・
泣けるぜ
漫画化キボンヌ
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/18(土) 19:33:43.23 ID:l0OzBlY0
今日文化祭だった
ずっと一人で死にたくなったわ
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/27(月) 23:00:53.99 ID:F..8hbUo
保守
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/11/04(火) 13:56:25.27 ID:aik7U3M0
見た、良かった
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/11/19(水) 00:35:54.13 ID:htY70UDO
要らんけど保守
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/11/26(水) 20:07:02.90 ID:sGqNCoM0
オナマス並のクオリティだったぜ
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/11(木) 14:28:06.83 ID:GSheljIo

          \                /
           \              /
             \          /
              \ ∧∧∧∧/
               <    俺 >
               < 予 し  >
               <    か  >
 ─────────< .感 い  >──────────
               <    な  >
               < !!!! い >
               /∨∨∨∨\
              /         \
            /            \
           /     (-_-)       \
         /       (∩∩)        \
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/11(木) 16:17:02.30 ID:4tW9g8oo
俺もいるぜ!
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/11(木) 17:18:59.60 ID:ufkzv3ko
俺だっているぜ
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/11(木) 19:12:28.25 ID:GSheljIo
  ( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄

  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/14(日) 10:29:10.28 ID:g2NlI6c0
保守
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/12/16(火) 20:15:50.95 ID:tXk5/GY0
ほっしゅほっしゅ
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/12/20(土) 06:08:30.71 ID:3iz7uVE0
これは感動!
サウンドノベルゲームで再現してみたいと思った
348 : ◆wS7fZTvKNk [sage]:2008/12/29(月) 11:56:56.05 ID:RCIXeFU0
おkならこれの漫画書いて新都社に乗せたい
349 : ◆wS7fZTvKNk [sage]:2008/12/29(月) 12:23:01.50 ID:RCIXeFU0
ちなみに画力サンプル↓

http://isekotoba.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/src/mjd7871.jpg
350 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! [sage]:2009/01/02(金) 00:12:45.96 ID:dxp47wY0
yokoさんがいれば・・・
351 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 ! :2009/01/02(金) 00:34:17.07 ID:olVpx0.0
>>348

おk、やっちまえ!
352 :goki [sage]:2009/01/02(金) 17:52:29.50 ID:dYVXxco0
スレ主さんにも許可を頂きたいのだが、足跡みたいなのあるかな?
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/01/21(水) 05:13:33.74 ID:e1q8EgM0
次は渡辺か暴力はぐれメタルに期待
354 :goki [tamura_1997@mail.goo.ne.jp]:2009/01/21(水) 16:22:12.85 ID:5IGhZg60
宜しければメール欲しいよスレ主さん。
捨てアド書いとくから。

yokoさんはすごいよな。痴漢男でマジ泣きした俺きめぇ
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 12:51:44.14 ID:bkVHDnI0
今更ですが前スレ1です。
もはや私に口をはさむ資格などありませんで、皆さんの好きにして下さると嬉しいです。しかし出来ることなら漫画化希望!!!1

では
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/03(火) 12:54:00.89 ID:4om5kz2o
いや書こうか
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/02/05(木) 19:31:43.34 ID:khxGzzE0
hosyu
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/02(月) 01:21:06.36 ID:efO84W.0
ほしゅ
359 : ◆UXGGyRWL3c [sage]:2009/03/08(日) 04:42:33.44 ID:zkSZS6k0
てすと
360 : ◆UXGGyRWL3c :2009/03/08(日) 04:47:15.43 ID:zkSZS6k0
前スレ>>1さんに代わって途中から書き抜けた者です。
実はあれから急用でネットから離れる事になり、スレを放置したまま消えてしまった事が怖くてスレが見れませんでした。
ま、まさか漫画化の話が出ていたとは。
今更ぬけぬけとこんなことを言ってしまうのもずるいのですが、描いて下さる方、居ましたらどうぞ宜しくお願いします。
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/11(水) 18:16:43.52 ID:znlVpiAo
つまりABCは被害クールの能力によって「虐めさせられていた」んだよな
むしろ被害者じゃないか
それを殴ったりしていた男はマジ鬼畜
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/21(土) 20:11:53.01 ID:GdRM7ME0
保守
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/03/26(木) 17:56:05.63 ID:AAyfEkU0
漫画化期待
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/27(金) 12:26:41.25 ID:6dBlUVw0
久しぶりに読み直そうとしたら…
漫画化……だと……?
期待して待ってまふ
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/03/28(土) 04:12:52.00 ID:m2LWtzA0
まだかー
毎日新都社みてんぞ
(出遅れエイト面白っ勇者寺尾と水野さんm(ry)
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 01:04:24.48 ID:GBuL7CAo
ひっそり秘境
SSとる前に消えすぎなんだよksg
ttp://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d549608.jpg
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/08(水) 01:10:27.56 ID:BHALFUMo
404
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/05/06(水) 00:41:55.30 ID:eHHzmCs0
スレたてんぞ
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