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夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 04 中編 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆U0iVpigOj. :2009/06/18(木) 16:50:10.58 ID:2HFsee.0
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   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|   VIP規制につき、昨日は失礼いたしました。
   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 


夢の島のなくころに 第四回 中編

01、02、03とは似た世界での別の話となっています。



実際の団体、その他いろいろな現実とは無関係です。
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 16:54:34.66 ID:2HFsee.0
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   く/',二二ヽ>
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   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 

04 前編
ttp://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1245139129/




夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 01〜03まで下記ブログ様にございます。


AAまとめブログ(´∀`)

面白蛇屋
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 16:59:53.17 ID:2HFsee.0
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                  ..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..,
                 (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::\
                 //        ヽ::::::::::|
                .// .....    ........ /::::::::::::|
             /) ||   .)  (     \::::::::|
            ///)*******  |;;/⌒i
          /,.=゙''"/ | 'ー .ノ  'ー-‐'    ).| 民主主義にかかわる問題だ
    /     i f ,.r='"-‐'つ ノ(、_,、_)\      ノ  
   /      /   _,.-‐'~ |.   ___  \    |_
     /   ,i   ,二ニ⊃ |  くェェュュゝ     /|:\_
    /    ノ    il゙フ   ヽ  ー--‐     //:::::::::::::
       ,イ「ト、  ,!,!     /\___  / /:::::::::::::::
      / iトヾヽ_/ィ"   /::::::::|\   /  /:::::::::::::::::

合法的に各地に生まれた大陸移民街の存在は、将来的に拡大していくだろう。
大陸系移民の増加は、国籍法、参政権、地方分権などと無関係ではなかった。


政治家もメディアもそれには表立って逆らわない。
金と権力、そして自己保身の為に目を瞑った人間ばかりがいたから。
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:03:04.39 ID:2HFsee.0

               貧困層の自殺が増えているてヨwwww
              ∧,,∧.    ∧,,∧ 生活保護?誰が金だすネwwwwww
               (`・ω・)    (・ハ・´)
      ∧,,∧ | ̄ ̄(   つ ̄ ̄(     ) ̄∧,,∧
      ( `・ω) ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄lll(`ハ´ ) 大陸移民で補充すればヨロシ
      |   つ、_          Σ ⊂   |
   ∧,,∧ゝ-/ / /           _ ─\ノ


そして、大陸系帰化人の意向を無視して日本の政治は動かない。
日本の政治経済の上層部は、そんな大陸系の利益誘導に引きずられていた。

切り捨てられるのは、弱い立場の人間。

日本国内の問題は、上層にとって既に他人事であり、興味の埒外であった。
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:07:21.81 ID:2HFsee.0

    /´ ̄ ̄ ̄`丶-‐z__
    /            ≦、  
   ,'          /ニヽ、ゝ
   |       ,ィ/レ'\_, >``   
   |    r=| | ̄=。==~「|     
   |    |ニ| | u `二´ U\     
   |    ヾ,U    __ノ┌_ \  ちょっと待ってくれ。
   ,.|    /ヽ /==-┬` ̄   もしかして・・・かなり・・・やばいんじゃないのか?
 / \/   ヽ u ⊂ニ.\   
'" \   \   `ー┬‐r┘ /     
   \   \_/l L_  /      
      \_ \| |/ |ェェェェ|       
       /  |く/|  |

かつての中流階級は下流へと徐々に押し流され、下流に踏みとどまっていた人々は貧困層へ落ちた。
加えて貧困層は旧日本人だけではなく、移民達まで含まれている。
貧富の差は大きくなり、そして人々が営々と築いてきた何もかもが”合法的”に吸い取られていく。


強欲なまでに全てを手に入れようとするエリート階層だけが笑っている。
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:12:40.65 ID:2HFsee.0

     /  rヽ 〉ノソ ',      !     !ヽ ヽ \ `ー           …………
    /    ノ し/. ノ     .|    l ヽ、ヽ、 ヽ、 __ \       
.   l    r‐ ´   ヽ _  ,-, !    .l _/::::::ー--‐´/::::`:ヽ\     
   rL _  i       ` 7 ‐ /     ト/:::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::ヽ ヽ
   |   `ーfァ        /  i     l/:::::::::/:::::::::/:::::::::::::::::::::::::', ヽ
  イ.     |       /  |     |:::::::::/:::::::::〈::::::::ヽ、_::::::::::::i
./ `ー-、 ノ ー、     /   l       l:::::::::i:::::::::::::\::::::::ヾー、_::l
ヽ           i    !    l      l::::::::l::::::::::::::::::::ヽ:::::::`ヽ、`!

貧困は病の様に人々を蝕む。
そんな貧しさの中、惨めさを噛み締めている者は多い。

金があれば救えたわが子。
金があれば手術できた両親。

諦めきれない、そんな悲しみが人々の傍らに寄り添っている。
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:16:55.63 ID:2HFsee.0
       ,  ヾ            /        , ヽ    ,r'⌒"⌒ヽ
     /、Wヽ!            i        /_V    l.  八   ヽ
    ,、 ノ\゙|             |       rf「¨=;「l    | fニヽ ゝ==_}
  r// l==i|             l        `{{|ij ニK   (ト--仆--イj
 { | | .| ーl.         ,、-nn/|.      /lr',ニヒ′  /l t-`='ーァハ
 ヽ! !.| u | l    _,  -‐UJJJ| : :ト、--‐''''"´  | `,コニニニ7 ハ `ニ´ / |ニ''_‐- _
.   U|   L.」二_'''¬┐: : : : : : :.|: : :| \.    _」_;j    l  ト、`ー‐イ. |   '''‐ 、ハ
   ヽ⊂=ゝ__./ `ヽ ゙ .l: : : : : : : | : : l  冫 ,..イ: |: lヽ    |  |/.ハ ハl  |     | |
    \.r' P }: : : :}  }| : : : : : : |: : : l / .| ハ l: : | :|: |   !  |/./ハハヽ|  |.     |. |
. /`'''‐、 ヾ ヽ. `ー'  .'| : : : : : : l: : : :|   ||o`|: : |: |: |  |.  |//ト::イト、|  |.____ | |
/_   \ l/:\     _.」: : : : : : :|: : : :|   |.  | : :L:|/|  > |/| |l::l|.| ||<☆☆☆|レ'' |
: : : :  ̄`'''‐ゝ、.:_ヽ./  \ : : : : > : |   |o | くァ||:/|  |. || | ||::||| l|. l___l|/ |
: : : : : : : : : : : : : : `'''‐- 、.__ヽ: : : :|: : : |   |   | : |」|:,/|  | || | ||:::|.| |. |    │/.|

人々は困難に直面すると、少しでも安楽な道を選ぼうとする。
そして、ありもしない希望に縋って更に落ちていく。
かつて、多くの人々が口にしていた自己責任と言う言葉は変容した。


・・・そんな階層に生まれたのが悪いという意味に。


もう、”常識”は変わったと誰もが心の中で認めざるを得なかった。
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:23:20.07 ID:2HFsee.0
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      ∬∬∬∬∬∬∬∬
      //::          \
     /::.   _ノ  ヽ_ ヽ
     |::〉 ─┰┬┘└┰─|オンドレナニシテケツカンネン!
   (⌒ヽ    ̄      ̄  |)
    ( __     ( ∩∩ )    |
      |  ヽ__人_ノ  |
      ヽ    \__(_  |
       \          l
         ' - , ____ノ

夕暮れ時の繁華街。
怒声と共にサラリーマン風の男が蹴倒された。
蹲って許しを請う相手に容赦なく蹴りを叩き込んでいるチンピラ風の男達。

周囲の人間は係わり合いにならない様に、視線を落とし足早にその場を去る。
見て見ぬ振りをする事でしか自分を守れないと知っているのだ。
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:28:43.00 ID:2HFsee.0
     .’;^`⌒)∴⌒`.・  ”; ’、′・    〃
  、’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'人    ヽ    ぐぇあ
   、(⌒ ;;;:;´'从 ;'   ;:;;) ;⌒ ;; :) )、  ヽ
    ( ´;`ヾ,;⌒:: :: :.从⌒;) :`.・__人__)
     \:::::. :::   ´⌒(,ゞ、⌒) ;)r┬-|
      \.;:;_)  ...::ノ  ソ ...::ノ :;; ; -'
        \ 、′    、 ’、  ′  
違う場所でも同じ様に誰かがボコられていた。

遠巻きにして見ている人々の生気のない目。
自分には降りかからないで欲しいと望んでいる。



だが、同時に自分より不幸な人間がいる事を見て、安堵している。
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:34:41.24 ID:2HFsee.0
..      ,、
     /´ \.
.   / ,.へ、 \.
 . <._/.,、u〈(,ヘ,. .\   すみませんでした・・・・!
    |_『v 〈_ヾi 、"""冫
 . U 7`~゚/_〈|.u`l  /
 .   レ^´r/v .,|u/
    u 。 .`^!、,/冫
   00..__ .  〈
-=^,=- |┌-i |
〈〉|ノ〈〉 |_,==!」.O.o.。

従う事でしか身を守る術を知らない人々。
だが、虐げられるのは日本人だけではない。

移民として来た者達も、夢に破れ下層に転がり落ちている。

下層社会は、混沌と言うに相応しかった。
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:37:01.91 ID:SZdyeU.0
今日はこっちでやってたのか
今日も胃がきりきりするぜ!
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:38:49.61 ID:2HFsee.0
    |  _,、イ|            `ー-;  :|   
   |  ヾニ|:|           - /   |  
   | | |  |  ヽー----------‐ァ :|   ・・・・・・
    | |  |  |   ` ー-------‐´  ト    
.   | l/ヽ. ヽ     ー一    / |  
  _レ':::;;;;;;;;ト、 l.\           ,.イ , l     
 ̄:::::::::::;;;;;;;;;;| ヽ. l l ヽ、..__.// |ル^::ー-    
:::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;|.  \!         , ' :|;;;;;::::::::::     
::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|    \   /  :|;;;;;;;;;:::::::


それを他人事として見ていられるのは本当の特権階級。
もしくは弱者を叩く事で相対的に自分を強者だと思い込んでいる人間だけだ。

それを非難する事は、巨大な敵と戦う事に他ならない。
勝者と敗者が明確になりつつある今、そんな事をする人間は少数だ。
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:42:37.55 ID:2HFsee.0


規制が取れそうもないので、こちらにお邪魔しております。
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:47:07.21 ID:2HFsee.0


       / ̄ ̄ ̄\
     / ─    ─ \
    /  <○>  <○>  \.   ……。
    |    (__人__) し  |  
    \    ` ⌒´    / 
    /  し          \

その光景を遠くから見ていたやる夫は、咥内に血の味を感じていた。
思い出したくもない悔しさが口の中に広がっていく。

あの光景は象徴に過ぎないが、それが表面的なモノではない事を明確に示している。
悪くなる事はあっても、好転はしないと言う意味において。
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/18(木) 17:48:58.19 ID:g7dSBTko
いつも胸が締め付けられる…
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:52:04.23 ID:2HFsee.0
                   /)/ノ,>   
                   | lン.)っ  
                   |/ .〈/    
                      l   )   
                   |iii||||||    
                     |iii||||||    
                    |ii||||||||     
                ┌|ii|||||||||     
       、〜"イイ__   /iiii|||||||||||    
      ゝ:::::::::::レヘ .|__「iii|||||||||||||      :   :
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;イ::::::::</(ン ,_,<||||||||||||l'';;;;;;;,,,,,   :
;;:;:::;;;;;:::,,,;;;ム;/);;;モヽ u (ニ'ヘ||||||||l;;;::;;;;;;;..''':;;;,
::::;;;;;;:;;;;;..,,,,;;;;/フ;;;;;/);;;;:'''''::::;;;;;;;:::::'';;:;;;;;;,,::::;;;;;,,,,
;;;;;:::;;;;;;;::::::'''',,尸;;;;;';;''::::::;;;;;;;;'';;;::::;;;;;;;;::;;;:;;;;::::::''';;;;;;;
::;;;;;;;;:::;;;;;;;;;'';;;つ;;::::;;;''';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;;

埋もれ、沈み、そして腐っていく。
手を伸ばしても誰もその手を握ってくれない事を誰もが知っている。

他人への情けが優しさではなく愚かさに変容した時に、何かが決定的に方向付けられた。

そして、誰もがそれを”常識”と捉えた時、本当に全ては腐敗するのだろう。
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:57:48.35 ID:2HFsee.0

       ____
     /      \
   / ─    ─ \    ・・・・・・・・・・・・
  /   (●)  (●)   \ 
  |      (__人__)    |    
  \     ` ⌒´     / 

だが、今までと違う事がある。
それは、無抵抗で言いなりになる日本人ばかりではなくなったと言う事。
”かつての日本”を知らない人間、忘れた人間が徐々に増えている。
彼らは行き場のない怒りに満ちている。

もっとも、そんな彼らの多くは自暴自棄になった人間か・・・もしくは”壊れた人間”だったが。
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 17:59:25.49 ID:2HFsee.0

       ___
     /\  ,_ \
    /(ー )゛(ー ) \  どうにもならないお・・・もう、とめられんお・・・
  /:::⌒(__人__)    \
  |  l^l^ln ⌒´       |
  \ヽ   L        /
     ゝ  ノ
   /   /

感情の篭らない呟きだけが、灰色の街に飲まれていった。
白でも黒でもない、正義でも悪でもない・・・そんな灰色の世界。
お互いが一歩引く世界から、相手に一歩踏み込む世界への移行。


人々の間に存在していた”ゆとり”と言うものが食い尽くされた時、多分、むき出しの感情しか見えない。
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:06:05.95 ID:2HFsee.0
::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... ....::::::::::
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. ... ... ..::. .. .
  .. . .. .:::::      :: :.         ... .::::: :... . .:::: .. . .
... .. ..   . ... ...    ..::   . .. . .. . .. ..   .  ... ...      .. ..::   . .. . ..
 . .. . .. ... .. ..   . ... ...    ..::   . .. ...     ::  ◯    :   . .. .
. .:: : :.. . ... ::: :::..   §. .. . .. .. .. ..     ... ... ...   .... ..::   .


夜風が甲高い声で鳴く。

遠くから誰かの泣き声が聞こえる様だ。

心を裂く様な悲しみに満ちた・・・そんな声が。


やる夫は束の間のまどろみの中で思い出す。


思い出したくない・・・そんな泣き声を。
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:11:43.18 ID:2HFsee.0
          ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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      ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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         :::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
.         :::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         :::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
他愛もない日々
      ____
     /_ノ ' ヽ_\
   /(≡)   (≡)\
  /    (__人__)   \   Zzzzzzzzzzzz
  |     |r┬-|      |
  \     ` ー'´    /

楽観主義者を気取っていたのは、恐怖の為だ。

真面目でなければ失敗しても泣かない。
欲しいと思わなければ苦しまない。
何も持たなければ失う痛みはない。

だから、自分自身を鍍金した。
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:15:23.96 ID:2HFsee.0

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<)\    
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \     ま、他人事ってやつだおwwwwww
  |    /| | | | |     |   
  \  (、`ー―'´,    /

浸蝕され居場所を失いつつある事は何となく知っている。
他者の専横が嬉しいわけはない。
だが、それを他人事として無関係と思うことで自分を守っている。

・・・家族とすら距離を置いていた。
だが、結局それは”強さ”ではなく、”弱さ”でしかなかった。
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:21:15.12 ID:2HFsee.0
        ____
     / ノ  \\
    / (●)  (●)\    
  /     (__人__)  \
  |      ` ⌒´    | ・・・
  \           /
  /              \

自立と言えば聞こえは良いが、やる夫は空虚である事でしか身を守れない。
自分自身にすら嘘をつかなければこの世界を生きていけない。


そして、そんな自分を知られたくない。
鍍金が剥れてしまう事が何より恐ろしかったから。
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:26:09.15 ID:2HFsee.0
       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( ●) ( ●)\   
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   え・・・?昔の・・・日本・・・?
  |     (  (      |   
  \     `ー'     /

そんなやる夫に姪は昔の事を聞きたがった。

年は離れているが、妙に懐かれていた。
彼女が聞きたがったのは、昔の世界だった。

・・・やる夫の世代は、辛うじて前の世界を知っている。
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:32:12.67 ID:2HFsee.0
     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\
/.    (ー)  (●) \.     
|  .     (__人__)    |     
/     ∩ノ ⊃   /      (あんまり構って欲しくないお)
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

社会の変容は、人々の心まで塗りつぶしていく。
どうにもならない閉塞感でみんなが苛立っていた。


そんな中でやる夫は周囲とは異質に見えたのかもしれない。

・・・気楽に生きているやる夫は、家族にすら冷たく見られていたのだが・・・

25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:41:25.78 ID:2HFsee.0
     ____
   /      \     
  /  _ノ  ヽ__\   
/ U  (─)  (─) \  
|       (__人__)    |  ・・・・
/     ∩ノ ⊃  /  
(  \ / _ノ |  |     
.\ “  /__|  |    
  \ /___ /     

今までの様に生きていくなら、突き放す事もできた。
”今までの自分”を守りたいならそうすべきだった。

誤解されるより、理解されてしまう事が怖い。

なにより、他者と関わると言う事は、他人事として切り捨てられない何かを手にしてしまうことだから。

26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:48:56.31 ID:2HFsee.0
.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
    _.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 
                 / ̄ ̄\
               / _ノ    .\      
               | ( ●) (●) |.   
              . |   (__人__)  |  
                |   ` ⌒´  |, 
              .  |         }  人間ひとりじゃ生きていけないだろjk
              .  ヽ        }     
                 ヽ     ノ _    
                ,,_,i     y,ソト,,__  
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;
.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
    _.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;  

だが、ふと過ぎった”親友”の言葉。
その言葉だけは簡単に否定できなかった。
やらない夫だけは例外的にやる夫が長い付き合いをしている一人だ。

結局、一人ぼっちが怖くて腐れ縁を維持していただけかもしれない。


・・・そう思ったとき、無邪気に近寄ってくる相手を切り捨てられなくなった。
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:51:36.15 ID:2HFsee.0
     ____ 
   /_ノ  ヽ、\      
  / (● ) (● )\ 
/    (__人__)   \   あ、あの頃は・・・
|      ` ⌒´    |   
/     ∩ノ ⊃   /  
(  \ / _ノ |  |      
.\ “  /__|  |  

多分・・・楽しかった。
やらない夫以外でこんなに話したのは初めてだった。

こんな世界でも自分を必要としてくれる人間がいる。
空っぽの自分を満たしてくれる人間がいる・・・そう感じてしまった。
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:56:16.12 ID:2HFsee.0

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<)\    
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    
  |    /| | | | |     |   
  \  (、`ー―'´,    /

もう、失う事など考えられない事だった。
それはもう、”普通”になってしまった。

そしてその普通を手にした事で、自分が変わってしまった事を知ってしまう。




・・・それこそ、やる夫が一番恐れていた事であったのだが・・・
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:57:55.75 ID:2HFsee.0


「・・・と言うわけなんだお・・・で・・・だから・・・」

「昔の日本には色々・・・だお・・・」

「関係ないお・・・みんな・・・普通だお・・・」

「・・・これあげるお・・・・」

「これは・・・の・・・卵っていう・・・」

「コレ・・・昔ヤフオクで手に入れた、・・・お守りだお・・・」

「・・・マジで願えば・・・叶うって・・・・・・」
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 18:58:22.73 ID:2HFsee.0
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     /_ノ   ヽ_:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
   /( ●) ( ●)\ .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:   
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: :::::::::::::::::.. ., ..   ..:.. ... ,.. .. . ..,.    
  |     (  (.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::::::::.. ., ..   ..:.. ... ,.. .. . ..,.  
  \     `ー'.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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          ィ.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
 
楽しかった時間が崩れていく。
心躍るような毎日が崩れていく。

コレは夢だと判っている。
判っているからこそ・・・
だからこそ、この先は見たくない。
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:03:09.91 ID:2HFsee.0
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         `ヘ lヽ     _ _     厶 ./:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
             ', {.代ト、         , イ | /:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
           \_'i| > 、 _ , イ/ V:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
            / ヽj       {`:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.        _ /  「´        ヽ} :;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
    _, -‐ ´     l‐--‐、 _ -‐ |   .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
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・・・・・・
・・・姪御さんは・・・
・・・命に・・・
・・・昏睡・・・
・・・ご家族は・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

誰かの声が万雷の鐘の音のように響く。

一時も忘れた事のない顔が、色あせた写真のように見えている・・・
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:10:11.70 ID:2HFsee.0
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   /  _ノ  ヽ、_  :;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::::::::.. ., ..   ..:.. ... ,.. .. . ..,.  
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          ィ.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:

誰かの泣く声。  
ただただ、涙している姿。                    
助ける事ができなくて、何も出来なくて、無力で・・・
心を裂く様な悲しみに満ちた泣き声が苛立たしい。





それが自分だと知っていても。
  
  
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:17:06.40 ID:2HFsee.0

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               .|::|:     .::::| :::|    目を覚ましてくれお・・・頼むお・・・
               .`.|:     .::::| ::::;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:     
                ..,':     :;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:


小さな病室のベッド脇に立ち尽くしたままのやる夫。

それを後から見つめている”自分”。
終る事のない悪夢が続いている。


小さくすすり泣く様な声が、病室に静かに満ちていた・・・
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:21:42.17 ID:2HFsee.0
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      ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,


  ガバッ ! !  ______            
        /:υ::─ニjjニ─ヾ 
      /:::li|.:( ○)三 ( ○)\
      (:::||!.:υ::::: (__人__)):::: i|
    〃 ):::::::::::.   |r┬-| li::::/     
      /: : : : : : l\`ー '/j: : ::ヽ     
    \ヽ :ヽ: : : : 7ヽ />: : : :r:\    
     ( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ 
      ヽ               \  


知らずに溢れている涙を乱暴に拭った。
早鐘のような鼓動が収まるまで歯を食いしばって意識を別のものに回す。

外はまだ暗く、室内は青白い光に満ちている。
まるで・・・この世ではないかの様に。
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:26:17.98 ID:2HFsee.0
       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   <○>  <○>   \ 
  |      (__人__)    |    ・・・
  \     ` ⌒´     /

最近、良く思い出してしまう悪夢。
だが、そんな悪夢の中だけでしか、あの頃を思い出せないのも確かだった。


記憶に刻まれた悲しみ。
夢を見た後は決まってその記憶が止め様も無く頭の中で荒れ狂う。


頭痛をかみ殺し、それが過ぎるのを待つしかなかった・・・
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:32:38.73 ID:2HFsee.0

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         :::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,


      / ̄ ̄ ̄\
    /::::ノ:::::  ヽ、_ \   
   /:::::( ○)}liil{(○) \   
   |::::U::::::: (__人__)    |
   \:::::::ヽ |!!il|!|!l| / /    
   /      | ̄|´     \
  く      ri_l      ヽ   
    \   >!、_彡
      \   /

あの出来事で一瞬にして家族と叔母一家を失った。
正確には、姪一人残して全員死んだ。
姪は目覚めぬまま病院に眠っている。


その費用はやらない夫が出してくれた。
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:36:41.82 ID:2HFsee.0
      _____    
     / ノ' ^ヽ_\
  ゚ / 。;'⌒)  (⌒ヽ\°   
  / o'゚~(___人___)~o°\゜   
.  |    ゚ |/⌒ヽ|  ゚    |      
  \     ` ⌒ ´    /

大切な何かを失ったという苦しみは、やる夫の生活の全てを塗りつぶしていた。
鍍金で自分を守っていた頃なら、こうはならなかった。


だが、無味乾燥の世界から救い出してくれた相手を否定したくない。

やる夫の心は二度と戻らない日常の大きさに押し潰されていた。
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:41:15.31 ID:2HFsee.0
          \   r'´. ̄ ̄. ̄ ̄  ̄ `、::.   ___
   l} 、::       \ヘ,___,____ ._____./::.__|    .|___________
   |l  \::      | |    / ̄ ̄\   |、:..  | [], _ .|: [ニ]:::::
   |l'-,、イ\:   | |  / ノ  \ \ |::..   ヘ ̄ ̄,/:::(__)::
   |l  ´ヽ,ノ:   | | / ( ○)}liil{(○) \| ,l、:::     ̄ ̄::::::::::::::::
   |l    | :|    | | |    (__人__)   |l:::::
   |l.,\\| :|    | | \   ` ⌒´    /.ll::::  
   |l    | :|    | |,r'",´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ、|l:::: 
   |l__,,| :|    | |         ::::....  ..:::|l::::  
   |l ̄`~~| :|    | |             |l:::: 
   |l    | :|    | |             |l:::: 
   |l    | :|    | |   ''"´         |l:::: 
   |l \\[]:|    | |              |l::::   
   |l   ィ'´~ヽ  | |           ``'   |l::::
   |l-''´ヽ,/::   | |   ''"´         |l::::
   |l  /::      | \,'´____..:::::::::::::::_`l__,イ::::
   l}ィ::        |  `´::::::::::::::::::::::::::::::`´::::::            .........

眠る事ができなかった。

辛うじて抑え込んでいる虚無感は、意思の働かない眠りと同時に吹き上がってくる。
巨大で真っ暗な穴がやる夫を飲み込もうとしている。
悪夢となって記憶が繰り返される。



喪失感・・・やる夫が一番恐れていた事だ。
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:45:42.93 ID:2HFsee.0


         / ̄ ̄ ̄ \
      /   :::::\:::/\  
     /    。<一>:::::<ー>。    
     |    .:::。゚~(__人__)~゚j      ううううう・・・
     \、   ゜ ` ⌒´,;/゜
    /  ⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。  
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

押し潰さんばかりの圧力に、ただ無言で耐える日々。
日常に押し込めてしまう事でしか、今を耐えられそうもない。

だから、やる夫は全てから遠ざかりたかった。
もう誰とも係わり合いになりたくなかった。


これ以上の非日常が怖かった。
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:47:53.14 ID:2HFsee.0

        ____
    /::::::─三三─\   
  /:::::::: ( ○)三(○)\ 
  |::::::::::::::::::::(__人__)   |     ・・・え・・・・ガ・・・ン・・・?
   \:::::::::   |r┬-|  ,/     
   ノ::::::::   `ー'´  \      

姪の見舞いに行った時、病室で倒れたやる夫。
過労だと自分に言い聞かせたやる夫。
これ以上の”変化”を許容する事など、やる夫には不可能だった。

しかし・・・自分に時間制限が出来た事を知らされた。



この世界が全て、自分に敵対している様に思えて嘔吐した。
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:49:01.94 ID:XEoYT0.0
辛いことばかり重なるな…
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:50:53.50 ID:2HFsee.0
  |         l    ゚    ;゜   ゜   : ; ; i        l       l           !
:  ゜   i   ゚          i             、i;,| i, ゚,゜   ゜ i      l ゚;   l     。i
   |         。i     l   l   ゜;/ ̄u ̄;j\。´    i    ゚ |         !
゜  。       .|   i      i     :。/ :j :::::\:::/\;゚  !゜   ゜ i        l      | ゜
 l ゜  ゚           。゜    i / u  。<一>:::::<ー>。 ! 
    i   ゜     |           |:j ° .:::。゚~(__人__)~゚j       ゜  ゚ l        。i
  |。     !          i    !  \、 u ;゜.` ⌒´,;/゜   ゜ i     l    ゜ i     l
    !            l       。i      /゚:j⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。     !   ゜    。i
       。  ゚:     ! ゚    l   / ,_ \ \/\ \゜      !        ゜ i  ゚
  、i;,  、|;      、i;, 。  ゜ ;゚ 、i;,と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;._ 。  l  。i ゜    ;゚ 、i;,   ゜ ;゚ 、i;,

姪の病室で佇むやる夫に向けられる、医者や看護師の哀れむ様な視線。

だが、そんなものはやる夫の意識になかった。
未来の見えない今に疲れきっていたから。
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:55:05.09 ID:2HFsee.0

         / ̄ ̄\         
        /      \
       /::::::::::::::     ヽ       
       |::::::::::::::       |  ・・・・
        ヽ::::::::::    /        
        /::::::::::::   く        
-―――――|::::::::::::::::   \ -―,―   
         |:::::::::::::::  |ヽ ⌒)

だが、もう終わりだと思うと微かに安堵したのも確かだ。
いつまで続くか判らないこの苦しみに時間制限が出来たのだ・・・と。


疲労し磨耗したやる夫にとっては・・・救いだったのかもしれない。





ただ、最期まで姪と一緒にいる事ができれば良い・・・そんな諦観だけがあった。
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 19:58:21.09 ID:2HFsee.0

        .|::::::/ ::////⌒⌒ i.:::::ノ
        .|:::::/         |::::|
         |::/.  .ヘ    ヘ.  |::|  
         .⊥|.-(=・).-.(・=)-.|⊥   外国人が増えたからといって何が問題なんでしょうかね?
        l .!:;  ⌒´.し.`⌒  ;:|. l   
         ゝ.ヘ         /ィ  _ノ 殺されたって言ったって交通事故のようなものでしょ?
       __,. -‐ヘ  <ニ二ニ>  /─- __ 罪を犯した人々の方が辛いはずです。
  _ -‐ ''"   / !\  ̄ /!\     ゙̄ー- 、
 ハ       /   |ヽ ̄ ̄//  ヽ        ハ

そんな蜘蛛の糸の様な儚い救いを変えたのは、愛でも友情でもなかった。

生きる希望でも他人を守りたいと言う崇高な想いでもなかった。


赤の他人の言葉。



・・・この社会の冷たい現実だった。

45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:02:08.36 ID:2HFsee.0

       ____
     /     \
   /_ノ  ヽ、_   \
  /(●)三(●))   .\  ・・・?
  |   (__人__)      |
  \  `⌒´      /
  /             \


『暴動を起こした者達の心情を考え、遺族は野蛮な訴追をやめるべき』

そんな”音”が意味のある言葉となってやる夫の頭の中に染込むまでかなりの時間を要した。
理解できなかったのだ。



そんな発言がこの世に存在すると言う事が。
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:08:39.20 ID:2HFsee.0
       ____
     /     \
   /_ノ  ヽ、_   \
  /(●)三(●))   .\  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  |   (__人__)      |
  \  `⌒´      /
  /             \



社会の変容など知りたくもないし、知ったところで意味はない。

誰が生きようと死のうと、やる夫にとっては他人事でしかない。
混乱に向かいつつある社会がどうなろうとも、いまさら興味すらなかった。


だが・・・
今日に限ってそんなニュースに食い入るように見入った。
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:20:03.30 ID:2HFsee.0
         ____
       /      \
      /   _ノ  ヽ、_.\       
    /  u (●)  (●)\
    |  u    (__人__)   |     
     \      ` ⌒´   ,/ ・・・・・・
    ノ           \     
  /´               ヽ


湧き上がるような焦燥感がじりじりと自分を焦がす。
形容しようの無い熱さ。
そして、同時に頭の芯が凍るような冷たさ。

全てから目を逸らしていたからこそ、現実味が薄れていた。
思考と実行の間にあるはずのクッションまでも・・・薄れていた。
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:23:14.29 ID:2HFsee.0

       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   (●)  (●)   \ 
  |      (__人__)    |    
  \     ` ⌒´     /
 
家族や姪を返してくれるなら、自分の命はいらないと思っていた。
でも、それが叶わないと知っている。
だから受け入れ、そして諦めるしかなかった。

終わると言う事でしか救いが得られないと思っていた。


なのに・・・
奪われた者は忘れ去られ、奪った者ばかりが守られている事を知ってしまった。


49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:25:42.91 ID:2HFsee.0

       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   (○)  (○)   \ 
  |      (__人__)    |    
  \     ` ⌒´     / 

空っぽの自分には夢も希望も野望も何もない。
やりたい事なんてないし、枯れた心に何の感情もなかった。
全てを捨てて、全てから忘れ去られて消えていくだけだと思っていた。

それでも良かった。



しかし・・・
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:30:55.84 ID:2HFsee.0
       ____  
      /     \
    /   ⌒  ⌒\     ・・・
   /   < ○>  <○>\   
   i  ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i   
   ヽ、    `ー '   /


湧き上がる感情を抑える事はできなかった。
その強烈に湧き上がるモノが怒りと憎しみだと判ったのは後になってからだ。


その時は・・・ただ笑みが浮かんだ。

込み上げる笑いは壊れた人間のソレと同じだった。
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:33:16.03 ID:2HFsee.0

       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   <○>  <○>   \ ・・・・・・
  |      (__人__)    |    
  \     ` ⌒´     / 

社会も法律も誰も自分を省みないなら、自分もそのルールに従う気など失せていた。

閉塞した世界に対して、何かしてやりたい。
だが、つまらない真似はしたくない。

なにか・・・この感情をぶつけたい。
ただ、そう思っていた。
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:37:47.52 ID:2HFsee.0

.  ' |:、:::|:::',::::::::::ヾ::|: : `: : : : : : : : ノ: : : l::l.∨    
   1 l:;:ヾ、ヾ:::::::::N         _  /::!      
     リ ヾ:::`ト.、:::|       -=ニ -' ,イ|::|      
       ∨リ ヾト、       ´ ./l| `    ・・・・・・・・・・。
          /ー 、._ ` ` - 、_   _/
       r、     `  ‐ 、.._ 7ニ´
       /:.:.:`ヽ 、     `7 ト、

そんな中で”あの男”に出会ったのは、多分運命だと思う。

やり場のない、形のない、そんな感情に形を与えてくれた。
どうして良いか判らないもどかしさに手段をくれた。
無力感に苛まれていた自分に、力をくれた。


だから・・・あの男が何者なのか等どうでも良い事だった。
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:41:10.16 ID:2HFsee.0

        ____
     /      \
    /   :::─:::::::─\
  /    <●>:::::<●> \  
  |       (__人__)   |  
  /     ∩ノ ⊃  /   ・・・
  (  \ / _ノ |  |
  .\ “  /___|  |
    \ /___ /

ロスタイムの人生でやり残した事を行っている。

得体の知れない憎しみだけが生きる気力となっている。
繰り返し見る夢は、擦り切れる事もなく”新たな怒りと憎しみを湧き上がらせてくれる”

決して色あせる事なんてない。
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:44:36.69 ID:2HFsee.0

       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   <○>  <○>   \ 
  |      (__人__)    |    ・・・
  \     ` ⌒´     /

そして・・・死んでも良いという気持ちも変わらない。


しかし、あの日を境に変わった事がある。
逃げる為の死んでも良い・・・から、何か出来るなら死んでも良い・・・へ。

この期に及んで”やりたい事”が見つかってしまった。

苦しいほどの・・・そんな感情がやる夫を包む。
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:47:55.45 ID:2HFsee.0
          :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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  / ─    ─ \   
/   <●>  <●>  \  
|      (__人__)     |   
/     ∩ノ ⊃  /   
(  \ / _ノ |  |    
.\ "  /__|  |
  \ /___ /

・・・・・・。

鏡の中で、歪んだ笑みを浮かべるやる夫が見返している。
それを見ても、もう、何も感じなくなっていた。


やる夫の敵は巨大で、そして強くなければならなかった。
奪われた者の大きさを考えれば、それは当然だと思った。

それが例え逆恨みであったとしても・・・
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:50:13.33 ID:2HFsee.0
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 \|;;;;;;;;;「\ . . . . . . . . . .
 \|[]![]i|\l   __   ,__.          ,‐レ /
 \|[]![]i|\|\〃..:::日ヽ」 2 !ヽ        |Hレ' /
 \|[]![]i|\|\:\::::日  |ー ト、|         |Hレ' /
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 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|\ | : : ::: :: : : :||__|H| : : : :
 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\L__r;;;;;;;ュ r'il|:::|H| /
 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\|llllllllllllllllll| il「::|Hレ' /
 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\|llllllllllllllllll| il「::|Hレ゙ : : : :

いまだに薄暗い空が広がっている。
今日も、淡々とした日々が始まる。


変わり果てた”日常”が始まる。

57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:55:01.60 ID:2HFsee.0

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   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ  ・・・まじ?
.  |;;;;        } 
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

大陸系帰化人の議員が死んだ。
テロの可能性があるというおまけつきで。
日頃、情報交換している某国の人間の言う事だけに信憑性があった。




・・・やらない夫達、治安関連の人間が密かに危惧していた事がある。
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 20:59:46.08 ID:2HFsee.0
      |."しl|  ̄ ,._ ∨       `二⊃ノ    
      | " ゙ハ  ー--7′       ((  ̄    
      r'ニニヽ._\. ¨/           ;;       
     r':ニニ:_`ー三`:く._           [l、       
   /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;>      /,ィつ      
.   /: : : : : : : : / : : : ヽ\     ,∠∠Z'_つ  
  | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.   / .r─-'-っ      
.   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l   /  ):::厂 ´      
   |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´    
.   |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉    
   |::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/

それは、日本各地で不穏な動きが見え隠れしてる事だ。

この現象を、学者は社会の許容範囲を超えた為と言う。
本来日本人が持っていた美徳やら許容心が衰退し、ワンクッションが失われたと言う事らしい。

その学者は”アウトブレイク”と述べていた。
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:03:02.88 ID:2HFsee.0

***法改正審議始まる。
     ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  .-、  _
  ヽ、メ、〉      r〜〜ー-、__      ________________
  ∠イ\)      ムヘ._     ノ      |
   ⊥_      ┣=レヘ、_ 了     | え−−い、そんなくだらない話はもういいっ!
-‐''「 _  ̄`' ┐  ム  _..-┴へ   <
  | |r、  ̄ ̄`l Uヽ レ⌒',    ヽ.   | 魔砲殲鬼を流せっ! なのはを!!
  (三  |`iー、  | ト、_ソ   }     ヽ   |
  | |`'ー、_ `'ー-‐'    .イ      `、   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | |   `ー、    ∠.-ヽ      ',
__l___l____ l`lー‐'´____l.       |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||  .|      |
               ||  |__.. -‐イ
               ||   |    ノ/

今までの様な,事なかれ思想と平和ボケが拭い去られつつある。
それが良い事なのか、悪い事なのか直ぐには答えが出せない。

そんな寝ぼけた世界だからこそ平和だったとも言える。
逆にそんな世界だったからこそ、こんな情況に陥る事になったとも言える。
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:07:46.47 ID:2HFsee.0
    | |.ト、| | u` ー--‐ " u\ーァ"!    
    | l ヒ |:|.    u  r __   \l
     |  `ー 1|、 ヾニ二二二二フ 7′    くだらねぇ・・・
    ノ     | \     ___  /      奴だけは道連れだ・・・ 
.   /   ,ヘ、  ト、 \ u  ̄ ̄ /l       
  /  ./\.ヽ. ヽヽ、 \   , ' ,'
  ,' , ./   \ヽ、ヽ \./`iイ /       
. /l/l/     |\\ヽ  ヽ. Wレ'   


それと、昨今の社会情勢を見返せば、危険な兆候が垣間見える。

死を選ぶ者の多くが人生に悲観していると言うが、最近は違っている。
自分の命を代償にして相手に一矢を報いるという形式が出始めていた。

今までの日本人のメンタリティとは明確に違ってきているようだ。
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:11:19.41 ID:2HFsee.0

       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,      
         `、||i |i i l|,      
          ',||i }i | ;,〃,,   
          .}.|||| | ! l-'~、ミ    `
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ   
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/

臨界点を突破したら、あとは果てしなく騒乱を繰り返す社会となる。
数百年前の戦国時代さながらに、力とカリスマがバラバラの社会を再統合するまで。

それは、悪夢だったし、やらない夫も心の奥底では信じていなかった。


だが・・・
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:16:16.72 ID:2HFsee.0

       ∩
       ||  / ̄ ̄\
       || /   _─  \
      /〔|    ( ○)(○)   
      〔ノ^ゝ    (__人__)  ・・・!?
      ノ ノ^,-    ` ⌒´  
     /´ ´ ' , ^ヽ      }
     /     ノ'"\.  ⌒
   人    ノ \/,_ __ノ
   /:::::\_/l:::::::\ー-.,ノ、゙,
  ,/::::::::::ノ::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_


それでも”事件”の一報を聞いた時、正直心が動いた。
日本を浸蝕する連中との付き合いや、ムカつきすら磨耗するような毎日に疲れていたから。

何かが始まり、変わるかも知れないと言う予感に心が騒いだ。
心のどこかで何か薄暗い期待を持ってしまう自分。
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:17:04.49 ID:2HFsee.0


   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)


無関心が今の世界を生み、事なかれ主義者がそれを助長した。
それに加担した連中が死んだ事に対して、一般人の中には賞賛する声も聞こえる。

やらない夫だって死んだ連中に同情なんてしていない。
だが、テロに対しての一般人の賞賛は・・・危険だった。


一瞬の高翌揚した気分が冷めると・・・やらない夫は無力さと無責任さに自分自身を嫌悪した。

64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:21:18.52 ID:2HFsee.0
         ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
      ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・よう・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

久しぶりにやる夫と会った。

事件になんらかの関係があるという”あの男”からの情報を貰ったからだ。

無視しても良かったし、本来なら警察にでも対処を任せていた。
今のやらない夫は、軽々しく動ける身ではないのだから。

でも・・・そうしなかった。
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:22:17.09 ID:2HFsee.0
       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   (●)  (●)   \ ・・・テロ?
  |      (__人__)    |    
  \     ` ⌒´     /  

単刀直入に聞いたのは、事件に関与しているかどうか。
やる夫が否定したなら、やらない夫はもうこの話題を出さない気だった。

昔に戻る事はできなくても、親友と旧交を温める事ぐらいはできる。
仮初でも・・・変わらない何かを欲した。

だから・・・否定してくれる事を真剣に望んだ。
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/18(木) 21:22:37.74 ID:M0HHozMo
相変わらず辛そうな顔しかしていない……
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:25:17.04 ID:2HFsee.0

       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   (○)  (○)   \ 
  |      (__人__)    |    ・・・
  \     ` ⌒´     /  

・・・諦めて[ピーーー]って言うのかお?
犠牲になった人間は、運が悪いって・・・諦められるのかお?



勝手に作られたルールによって犠牲になっていく人々。
人々の屍の上に築かれた仮初の平和と繁栄。
その繁栄の陰で涙する人々の姿と怒りに震える人々の現実。
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/18(木) 21:26:51.39 ID:g7dSBTko
目欄にsagaって入れるとパー速の仕様を回避できるよ
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:27:19.10 ID:2HFsee.0
[ピーーー]?

この部分は しね です。
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 21:27:26.71 ID:.YfWO9U0
吐き出してしまったか・・・
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/18(木) 21:27:47.41 ID:M0HHozMo
パー速はメル欄にsagaって入れないと特定の言葉に規制入るよ
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:29:04.65 ID:2HFsee.0
*ありがとうございます




   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

やらない夫の発した質問とはすれ違った内容の答え。
だが・・・その意味するところは明確だった。

そして、言っている事は判るつもりだ。
やらない夫は立場上、それらの事を知っている。


だが、それをやる夫が真顔で言う事に、再び感じる強烈な違和感。
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:32:51.30 ID:2HFsee.0
            ∧_∧    
            (-@∀@) 
          ._φ  ⊂)  くっくっく・・・
        /旦/三/ /| 
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|    
        |_____|/
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|    
        |_____|/

やる夫の言う内容は、自称人道主義者の主張に対しての批判だ。

犯罪被害者より加害者のほうが辛い。
被害者の苦痛など、交通事故のように一瞬だ。
遺族は野蛮な復讐心など持つべきではない。
それが人道的配慮である・・・



そして、そんな事を賞賛する事で、移民達への人権的配慮まで付け加えたのは政治家達だ。
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/18(木) 21:34:33.42 ID:M0HHozMo
被害者の方が辛いに決まってるだろ……
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:35:22.42 ID:2HFsee.0

   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・お前・・・死ぬ気か?
.  ヽ;;;       }    
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

やらない夫はその裏側まで知ってしまっている。

だから、”あのやる夫”がそんな危険な事に首を突っ込むなんて信じられない。
大陸系移民を中心とした治安部隊は、荒っぽい事で知られる。


本当に関与しているなら・・・死ぬ気としか思えない行動だ。
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:37:01.20 ID:2HFsee.0

       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   <○>  <○>   \ 
  |      (__人__)    |   もう・・・もどれんお・・・
  \     ` ⌒´     /

やる夫が言ったその言葉。

再び、やらない夫の期待する答えとは違う”答え”。
体中にのしかかるような重さを感じてしまう。


冷ややかに見返すやる夫の視線が痛い。
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:38:10.02 ID:2HFsee.0


   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

やらない夫はこの時になって初めて、今まで感じていた違和感の正体が判った気がする。

それは立場の違いから生まれる建前論などではない。
予定調和の諍いでもなければ、駆け引きの為のブラフでもない。




何かを決めてしまい、それに縛られた人間。
そして、煮詰めた様な怒りと憎しみの詰まった人間の、血を吐く様な真実。
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:40:39.44 ID:2HFsee.0
    i   ゜     |           |:j ° .:::。゚~(__人__)~゚j       ゜  ゚ l        。i
  |。     !          i    !  \、 u ;゜.` ⌒´,;/゜   ゜ i     l    ゜ i     l
    !            l       。i      /゚:j⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。     !   ゜    。i
       。  ゚:     ! ゚    l   / ,_ \ \/\ \゜      !        ゜ i  ゚
  、i;,  、|;      、i;, 。  ゜ ;゚ 、i;,と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;._ 。  l  。i ゜    ;゚ 、i;,   ゜ ;゚ 、i;,

人の耐久力を超えた辛い記憶。
運が悪い多くの人間は諦めてしまう。

だが、さらに”運が悪い”と記憶は魂に焼きついてしまう。
”そうあって欲しかった未来”を何度となくシミュレーションしてしまう。

そして”そうならなかった現実”に打ちのめされ壊れていく。


永遠に、そして決して手に入らないモノに手を伸ばし続ける事になる。
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:43:49.47 ID:2HFsee.0

   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

その事に想いが至った時、やらない夫は何も言えなくなった。

・・・政治家としての綺麗事ならいくらでも言えるようになった。
だが、政治家の綺麗事ほど腹立たしいものはない。


やる夫の心に届くような言葉が思い浮かばない自分に愕然としていた。
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:44:47.40 ID:2HFsee.0
       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  /   <○>  <○>   \ 
  |      (__人__)    |    ・・・・
  \     ` ⌒´     /

大切な人間を失ったやる夫。
そしてそのやる夫を救う事もできず、目の前でソレを突きつけられているやらない夫。

”親友”との間には深い谷、高い山が存在している。

それは、やる夫と生きる世界が違った事を明確にした。
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:46:57.32 ID:2HFsee.0

   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)


親友として理解し合ったと思っていたのに、ここまで遠い。

今のやる夫が判らない、理解できない。
自分が見捨てた時間・・・その間に何があったのか・・・その重さに眩暈すら覚える。
大切な人間が、もう手の届かない所に行ってしまった・・・
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:50:33.40 ID:2HFsee.0

   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

だからこそ、やらない夫は何も言えなかった。
口の中がカラカラに乾き、舌が消え去った様に。


言ったら最後、やる夫と永遠の離別が確定してしまいそうで。



やる夫の視線が痛い。
何も答えてやる事ができない自分の心が・・・痛い。
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:51:23.98 ID:2HFsee.0
         / ̄ ̄\         
        /      \
       /::::::::::::::     ヽ    もう、会わない方が良いお・・・   
       |::::::::::::::       | 
        ヽ::::::::::    /        
        /::::::::::::   く        
-―――――|::::::::::::::::   \  
         |:::::::::::::::  |ヽ ⌒)

去って行く”親友”に掛ける言葉もなく、やらない夫は立ち尽くす。

それが決別の言葉だとは信じたくはない。
伸ばしかけた手は凍り付き、口にしかけた言葉は擦れた音にしかならなかった。

この先何があるのか・・・
多分、お互い判ってしまっている。
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:52:05.79 ID:2HFsee.0

  / ̄ ̄\
/u  _ノ :::::\  
|    ( ─)(─)  
| U   (__人__)    お、オレは・・・オレは・・・・・・・・・・
|     ` ⌒´ノ  
|  U     u }   
ヽ     u  }  
 ヽ、U__ __ノ   

自分がこの場にいるのは、悲劇を生み出す社会を何とかしたいからだ。
その為に、多くのモノを見過ごしてきたし、多くの物を手放した。

その根底にあるのが、やる夫への負い目である事は理解している。
ただの自己満足、ただの贖罪行為でしかないとしても・・・

もう、親友に降りかかった悲劇を繰り返したくないからこそ・・・だからこそ必死になっていた。
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:54:29.59 ID:2HFsee.0

  / ̄ ̄\
/u  _ノ :::::\  
|    ( >)(<)  
| U   (__人__)    なんで・・・なんで・・・こんな事に・・・
|     ` ⌒´ノ  
|  U     u }   
ヽ     u  }  
 ヽ、U__ __ノ   

なのに・・・親友は違う世界の住人と化していた。
信じたくなかったし、否定して欲しかった。

やる夫の心情は痛いほど判る。
それでも・・・見て見ぬ振りはできない。




今まで”これ以外に信じるものはなかった”のだから・・・
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:56:17.86 ID:2HFsee.0
          ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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         :::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

            ____
          /⌒  ⌒\
        /        \ 
       η::::::⌒(__人__)⌒::::: \    
     /ノ.    |r┬-|     |
.    / / \    `ー'´     /
    (  ' ̄   ""''ヽゝ//''"" | |
      ̄ ̄|      ∨    | |

根拠のない楽観に満ちていたあの頃の自分。

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)    
/    (─)  (─ /;;/    
|       (__人__) l;;,´      
/      ∩ ノ)━・'/      
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___

そして、現実に叩きのめされた頃の自分。

何を根拠に未来を信じていたのか、もう判らない。
現実世界はこんなにも荒涼としているのに・・・。
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:58:20.59 ID:2HFsee.0

       ___
     /\  ,_ \
    /(ー )゛(ー ) \      …………
  /:::⌒(__人__)    \
  |  l^l^ln ⌒´       |
  \ヽ   L        /
     ゝ  ノ
   /   /
自分がこんなザマになったのは、失ったモノの大きさに耐え切れないのではない。
下らない輩に奪われたと言う現実を受け入れられなかったのだ。

だから巨大な何かに憎しみをぶつけたかった。
”誰か”でなく、”何か”を憎む事でしか自分の虚無を埋められなかった。
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 21:58:45.67 ID:2HFsee.0
              ;'';;゚y;'';;';v''y;゚;';;;'゚'v'';;y;';;'v';';';;;゚''y;';;';'';'m;;'゚';;''
             ;'';;゚;y゚;;''y;;';'';';ymyv;';;'';m;y'。';'mmyv'';;'';;゚;''v;;'    
            yvyvymyvwvmyvwymyvymyvyvymyvwvyyvv   
          yvyωωyωvy vymωvwyωyvyωωyωvyωvωv   
        ωωωωωωωωωωωωωωωωωωωωωωω   
     ヽ(゚ω゚)v(゚д゚)っヽ(゚ω゚)v(゚ω(゚ω゚)っヽ(゚ω゚)v(゚ω゚)っヽ(゚ω゚)v(゚ω゚)   
    ヽ(゚ω゚)vヽ(゚ω゚)yヽ(゚ω゚)v(゚ω゚)っヽ(゚ω゚)ヽ(゚ω゚)vヽ(゚ω゚)yヽ(゚ω゚)v(゚ω゚)っ
  と(゚ω゚)д゚)と(゚ω゚)(゚ω(゚ω゚)と(゚ω(゚ω゚)っと(゚ω゚)ω゚)と(゚ω゚)(゚ω(゚ω゚)と(゚ω゚)  
 ( ゚ω゚ ) と( ゚ω゚ ) 〃ミ( ゚ω゚ )っ( ゚ω゚ )つ⊂( ゚ω゚ ) と( ゚д゚ ) 〃ミ( ゚ω゚ )っ( ゚ω゚ )
  ( ゚ω゚ ) ( ゚ω゚ )ミ( ゚ω゚ )⊃⊂( ゚ω゚ )っっ( ゚ω゚ )( ゚ω゚ )ミ( ゚ω゚ )⊃⊂( ゚ω゚ )     
  ヽ ⊂ )ヽ ⊂ )(⊃ /っ ,r ヽ ⊂ )∪ i_ ヽ ⊂ )ヽ ⊂ )(⊃ /っ ,r ヽ ⊂ )∪`- i
  (⌒)|.(⌒)|| (⌒)∪ .(⌒)|  (⌒)|.(⌒)|| (⌒)∪ .(⌒)|
   三 `J 三 `J. し´ 三   三 `J   三 `J 三 `J. し´ 三    三 `J  

だが、対象のない憎しみはやがて全てに広がっていく。
そして自分自身すらその対象としてしまう。
行き着く先は自分を代価として世界を道づれにしようと言う行為だ。


だから判っている。
これが単に八つ当たりだと言う事を。
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 22:00:17.80 ID:2HFsee.0

      :::::::::::::::::::.. ., ..   ..:.. ... ,.. .. . ..,. ::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
... .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   
   1 l:;:ヾ、ヾ:::::::::N         _  /::.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!      
     リ ヾ:::`ト.、:::|       -=ニ -' ,イ|::|.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      
       ∨リ ヾト、       ´ ./l|.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
          /ー 、._ ` ` - 、_   _/.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
       r、     `  ‐ 、.._ 7ニ.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´
       /:.:.:`ヽ 、     `7 ト、.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;


あの男の言うがままに行動している自分に疑問はなかった。
そうする以外になかったから。

あの男が何を企んでいるかなんて知らないし、知りたくもなかった。

自分で考えるより、結果だけが手に入ればよかったのかもしれない。
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 22:00:39.37 ID:2HFsee.0

     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\
/.    (ー)  (○) \.     
|  .     (__人__)    |     ・・・
/     ∩ノ ⊃   /      
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

自分自身が薄まり、消えていく感覚。
時間制限のある人生がそれを加速していく。

自分が消えてなくなる前に・・・”空っぽ”になりたかった。

溜め込んだこの”想い”を吐き出してしまいたかった。
今となっては、やる夫にはそれしかない。
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 22:01:34.28 ID:2HFsee.0

       ___
     /\  ,_ \
    /(ー )゛(ー ) \      …………
  /:::⌒(__人__)    \
  |  l^l^ln ⌒´       |
  \ヽ   L        /
     ゝ  ノ
   /   /

やらない夫には本当に世話になった。
入院費用を出してもらっていなければ、どうなっていたか・・・

それを考えると、やらない夫に迷惑をかける事はとても心苦しいのは本当だ。

だけど・・・
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 22:02:13.68 ID:2HFsee.0
         / ̄ ̄\         
        /      \
       /::::::::::::::     ヽ       
       |::::::::::::::       | 
        ヽ::::::::::    /        
        /::::::::::::   く        
-―――――|::::::::::::::::   \ -―,―   
         |:::::::::::::::  |ヽ ⌒)

もう、あの頃には決して戻れないと知っている。
楽しかった夢の時間が、破片となってやる夫を抉る。


自分がどこまで行ってしまうのか。
やる夫は自分を止める術を知らなかった。

なにより・・・止まる気はなかった。


04 中編 終わり
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/18(木) 22:03:49.66 ID:M0HHozMo



最近この心苦しさに快感を覚えるようになってしまった
そしてパー速に移ってくれたのは本当に有り難い
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 22:04:34.31 ID:2HFsee.0

     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|  
   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 

お付き合いありがとうございます。

明日17時頃、後編はじめます。
お暇ならお越しくださいませ。


95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/18(木) 22:07:17.53 ID:.YfWO9U0
乙です
やる夫の心情が痛いほどに伝わって苦しい…
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 22:07:35.22 ID:2HFsee.0
     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|  
   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 

前回、外伝云々言って放置してしまいました。

外伝的なもの 

やる夫がカオスな夢を見たようです(やる夫観察日記)

ttp://yaruokansatu.blog44.fc2.com/blog-entry-463.html

こちらもお暇でしたら宜しくお願い致します。
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/18(木) 22:13:28.86 ID:wHAmoAwo
相変わらずぐっとくる、乙です。

なんつーか、嫌だけど現実的な未来予想図だよね、ほんに
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/18(木) 22:18:10.91 ID:g7dSBTko
乙でした
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/18(木) 22:21:02.68 ID:2HFsee.0

     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|  
   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 


お付き合いありがとうございます。

この話の前段階もお暇ならよろしくお願いいたします。

派遣流民のなくころに
100 : ◆U0iVpigOj. [saga]:2009/06/19(金) 17:03:59.94 ID:gZS5Tqg0


夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 04 後編



     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|   それでは再開いたします。
   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 


夢の島のなくころに 第四回 後編

01、02、03とは似た世界での別の話となっています。



実際の団体、その他いろいろな現実とは無関係です。
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:05:00.18 ID:gZS5Tqg0
     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|  
   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 

04 前編
ttp://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1245139129/




夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 01〜03まで下記ブログ様にございます。


AAまとめブログ(´∀`)

面白蛇屋
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:08:40.60 ID:gZS5Tqg0
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              __   //\\           \ 
  _/          /|[]::::::|_ / \/\\         / 
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       _..|  |:::LLLLL//\ \/  \/\\/::::::/  /  | ロ  .|lllllllllllll
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                (⌒ヽ、_,ノ⌒Y"    Y     .....⌒)
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

のちに第一次ニシナリ暴動と呼ばれる事件が起こった。

あの辺りには日本でも比較的大きな”再チャレンジ村”があった。
また、大陸系の移民街も存在し、日頃から軋轢があった様だ。

切欠は些細な事だったと言う。
しかし、暴発を導くには十分な火薬が蓄積されていた様だ。
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:13:08.36 ID:gZS5Tqg0
              ______     ____..     ____
             /:::::─三三─\ /::三三─\/::...三三─\   
  ‐=≡  ‐=≡ /:::::::::(○)三(○):\(○)三(○)\(○)三(○):\
≡  ‐=≡   /::::::.:::::(トェェェェェェェェイ::::\ ェェェェェェェイ::::\ ェェェェェェェイ:::.:\
≡‐=≡ ‐=≡ |:::::::::::::::::::\ェェェェェ/:::.. | ェェェェェ/:::.. | ェェェェェ/:::.. |
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    ‐=≡     >::::::::::::::::::::::::::::::::::<  ::::::::::::::::::<.    ::::::::::::::::::<
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     <三三|(_|   r   / ..(_)=|三ラ  .(_)=|三ラ ....(_)=|三三ラ
             ヽ  |/   ヽ  |/.   ヽ  |/
              >__ノ;:::....     >__ノ;..     >__ノ;..


政府は事態を憂慮し、いつも通りに差別主義者の陰謀と言う形に落ち着けようと画策している。
明確な敵の存在を示す事で、国内の不満をそれにぶつけようとしている。


今までも上手くいっていたし、これからも上手くいくと思っているのだろう。

しかし・・・
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:16:26.37 ID:gZS5Tqg0
                  ..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..,
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                .// .....    ........ /::::::::::::|
             /) ||   .)  (     \::::::::|
            ///)**************|;;/⌒i
          /,.=゙''"/ | 'ー .ノ  'ー-‐'    ).|   こまけぇ事はいいんだよ!
    /     i f ,.r='"-‐'つ ノ(、_,、_)\      ノ  
   /      /   _,.-‐'~ |.   ___  \    |_
     /   ,i   ,二ニ⊃ |  くェェュュゝ     /|:\_
    /    ノ    il゙フ   ヽ  ー--‐     //:::::::::::::
       ,イ「ト、  ,!,!     /\___  / /:::::::::::::::
      / iトヾヽ_/ィ"   /::::::::|\   /  /:::::::::::::::::

人はいつまでも泣いてばかりではない。
人はいつまでも諦めるばかりではない。
首根っこを踏まれても目を伏せたままの人間ばかりではない。

もう、そういう時代は終わりを告げているのだ。
雲の上に立つ者は、そんな下界の事など知る由もなかった。
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:20:02.64 ID:gZS5Tqg0


      |."しl|  ̄ ,._ ∨       `二⊃ノ    
      | " ゙ハ  ー--7′       ((  ̄    
      r'ニニヽ._\. ¨/           ;;       
     r':ニニ:_`ー三`:く._           [l、       
   /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;>      /,ィつ      
.   /: : : : : : : : / : : : ヽ\     ,∠∠Z'_つ  
  | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.   / .r─-'-っ      
.   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l   /  ):::厂 ´      
   |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´    
.   |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉    
   |::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/

もちろん、社会情勢の変化と国民意識の変容に関しては警告されていた。
だが、旧日本人と嘲り侮っている連中はそれを無視していた。


実際に、過去の暴動も組織的ではなく、散発的に暴れていただけだ。
その点では、政府の思考は間違ってはいない。

弱者は力と権威の前に跪くという思考に・・・
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:24:12.29 ID:gZS5Tqg0
    /::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::\ 
  /:::::::::::ノー―´ ̄|::::::::::: \         
 /:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::|:::::    \      
/:::::::/ ̄::::::::::::::::::::::::::::::\_     |       
|::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |    |      
ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |    |     
 ヽ|::::::::::::::::::::::ノ=\:::::: ヽ、/´ヽ     
  |:::::::::::::::::::::ヽ_○/::     )/     
  /:::::::::::::::/  ::::::::      /   君には友愛が足りないんじゃないのか?
 (:::::::::::::::(   )ー      |ノ      
  ヽ::::::::::::::::!~        丿        
   |:::::::::::r―---ゝ ヽ   /|:\      
   \::::::::`ニニニ´ ノ  / /:::/       
    /:`ヽ:::ヽ〜   /  /::::::::::::::  


一連の事件発生に対して、やらない夫は強く非難される事となる。

政治家達は下層の人間が上に楯突く行為自体に不快感を示している。

・・・思い違いもはなはだしい。
やらない夫はそう思うが、ここまで来て失脚する訳には行かない。
自分が歩んできた今までが全て無駄になってしまう。
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:30:39.17 ID:gZS5Tqg0

        / ̄ ̄\   
      /    u  \     
      |::::::      u |  
     . |:::::::::::     | 
       |:::::::::::u:    |
     .  |::::::::::::::  u  }  (どうしたら・・・)
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ  
        /:::::::::::: く   
-―――――|:::::::::::::::: \
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

普通の犯罪とは違い、この手の事件はその下地が存在する。
それをどうにかしなければ、何の解決にもならない。

この国はもう、変わってしまっているのだ。

にも拘らず、それに関連している上の人間は、あくまで負け犬の暴発としか思っていない様だ。

簡単に始末がつく問題だと考えている。
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:34:01.19 ID:gZS5Tqg0
            ヽ\     ,          /ノ      
             \ト-i     `''‐- 、,,,_    /‐'      
              l ヽ       _  ̄ ノ
              l゙  ゙i           /          
             _,l    ヽ         /     ゴミ共等殲滅すれば宜しい。
           ,r'´ .l ,r‐- 、,_`'‐-─-- ,,_,,ィl` > 
      _   \ l/r'     ̄``'''─--─'´ノ-、
  _,,-‐''"´ _,,二ニニ=-、______,,,,,--‐ッ‐'  ``‐、,,_


やらない夫にはどこにも逃げ場がない。
政府にその能力がないと判れば、奴が出てくるだろう。

今や大陸系移民の支持を受け、近畿地方の治安維持部隊を率いている。
奴にとって、事件は自分の権勢を高めるイベントでしかない。

そんな奴に任せればエライ事になるのは明らかだった。
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:40:19.80 ID:gZS5Tqg0

                 / ̄ ̄\
               / _ノ    .\      
               | ( ●) (●) |.   
              . |   (__人__)  |  
                |   ` ⌒´  |, (くだらねぇだろjk)
              .  |         } 
              .  ヽ        }     
                 ヽ     ノ _    
                ,,_,i     y,ソト,,__  
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i  
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬   

政府は、この件に関してテロリストが介在していると公表していた。

社会や政府への不満が原因ではなく、卑劣な犯罪者が扇動している・・・と。

あくまでそんな鍍金で覆う気の様だ。
今更どれだけの人間が騙されるか知らないが・・・

だが、速やかに解決する必要があるのは確かだった。
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:43:24.27 ID:gZS5Tqg0

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                  . . . . ...... . . . . . . .... . . . . . . . . . ........... . . . . .
             n      . . . ....... . . . . ...... . .    . . . ....................:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.............
             |] p    . _ . . . .            . . ..........:.:.:.:.:.:::::::.:.:.:.:........ . .
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_ []  .:  .:      ロ  [|     __ ロ   `゙゙'''''ヾ、,,       . ._,,. - ‐‐ ''"´
::|  .:  .::   []       卩 |::|   ___      `゙'ヾ、___''_´_       _
  .:   :::.   口 冂        []  |::.|____          ,.---、、  |;:;:::| 



そんな多忙な中、あの男から呼び出された。

人気のあまりない、そんな寂しい場所だ。
・・・やる夫と再会した場所だと言う事に気がついた時、一瞬息が止まった。

111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/19(金) 17:48:24.71 ID:AOEvHI.0
いよいよ後編か
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:49:06.24 ID:gZS5Tqg0
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             n      . . . ....... . . . . ...... . .    . . . ....................:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.............
             |] p    . _ . . . .            . . ..........:.:.:.:.:.:::::::.:.:.:.:........ . .
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-‐‐‐‐‐:‐‐‐.:‐‐‐‐‐‐‐‐'ー'‐‐‐‐‐‐┴┴‐‐- 、,,_           . ....:.:.:.::::::.:.:.:.:. __,,.. --- ''"
_ []  .:  .:      ロ  [|     __ ロ   `゙゙'''''ヾ、,,       . ._,,. - ‐‐ ''"´
::|  .:  .::   []       卩 |::|   ___      `゙'ヾ、___''_´_       _
  .:   :::.   口 冂        []  |::.|____          ,.---、、  |;:;:::| 
   / ̄三\    .:    :::.        ____       Π  |::::;;|    .ji ||    |;;::.:.;;;|:|   |::;:::|   ,.-、
 /;;;; _ノ 三 \  ::.,.‐‐‐‐、.  !:::::;!    ____      _,----、   _ , |::..::;:::|.|   j::.::.|   |:;::
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

努めて冷静さを保ったつもりだったが、強張った表情は変わらなかった。
だが、相手は貴重な情報提供をしてくれる人物だ。

うろたえた真似は出来ない。

頼りない人間と見られるのは・・・・致命的だ。
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 17:55:20.96 ID:gZS5Tqg0
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( 〇)(〇)
          |     (__人__)
             |     ` ⌒´ノ    な、何の用だ?            
              |         }       
              ヽ        }     
            ヽ、.,__ __ノ      
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ 

だが、良く考えれば、男は公安ですら手にしていない情報を持っている。
やらない夫の事など当然、調べつくしているのだろう。
そう考えると、開き直りにも似た気分になった。



・・・やらない夫の出世が早いのも,この男の情報提供が大きい。
借りとしてカウントされているのだろうが、今はそんな事を気にしている暇はなかった。

114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:01:32.38 ID:gZS5Tqg0

          _ - ´ ヘ! l: :|       l         !':/イ ` ー、  ・・・”やる夫”は危険です・・・
        _ - ´     / ヘ: ',       !      /:/イハ    ` ー 、
         /       /    トt、  ー─ -   イ:/. /' ハ         \
.       /       /, − 、リ_!_> ---、ニ_ //' !  _ l          ハ
      /    、    /      く, -ニ二´、__ `Yニ´ ̄  `ヽ、!        ハ
   .   {    l  < \      亡r-- 、_   ー′        >、       l
      >    /  \ \       , -、_`ヽ、        / /`ヽ、    ム
       〉  /     ヽ Y`ー― 、_,/ , 、‐'ー '┬--─ 、/ /    ` 、 〈
    / /          ヽ ヽ    ト- ´`ト _ >  ,'      ,' ,'        `、ヽ
   /   /          y´    ヘ  |:::::::::| /       / ,'          `\


暴動の裏に存在する組織の話。

そんな組織の噂は知っているが、公安担当者ですら全容をつかめてはいない。
流石は某国の情報員といったところか・・・。


だが、その組織にやる夫が関与していると言う話を聞いて、口の中に苦いものが満ちる。
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:02:34.19 ID:gZS5Tqg0
   / ̄三\    .
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   (やる夫・・・)
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

覚悟していたとは言え、この男に言われると頭にのしかかる重さを感じる。
否定しようがない現実としてやらない夫に覆いかぶさってくる。

・・・それは、やる夫の事だけではない。
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:04:32.61 ID:gZS5Tqg0
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        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
         / ̄ ̄\            
       /   \  \           
       |    ( ●)(●)                  
       |     (__人__)             
       |     ` ⌒´ノ         日本人はそんな事しないだろjk   、      
        |         }            
        ヽ        }.                
         |ヽ、.,__ __ノ_ _ -ァー- 、_
       /j >-‐ ' ´/ /   /    /   
   , -‐ 7´/{⌒|  / _/   j                          
  / / //| 〉‐f/ \'    !               

  .. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;  

男の話は、暴動が反政府活動に近いモノに変わりつつある事を示唆している。


かつてやらない夫は、その可能性を一笑に付したことを覚えている。

そんな事あるわけないだろjk・・・と。

今となっては、どうしてそんな事を思っていたのか思い出せなくなっている。
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:07:24.76 ID:gZS5Tqg0
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         / ̄ ̄\     
       /  _ノ  .\    
       |  ( >)(<)       ____
.        |  ⌒(__人__)     ./ ⌒  ⌒\
        |    ` Y⌒l    /  (>) (<)\
.         |    . 人__ ヽ /  ::::::⌒(__人__)⌒ \
        ヽ         }| | |        ` Y⌒ l__   |
         ヽ    ノ、| | \       人_ ヽ /
.         /^l       / /   ,─l       ヽ \

  .. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

思い浮かぶのは、やる夫のだらしない笑顔。
気楽で、面倒臭そうで、それでいて争いの大嫌いな・・・ヘタレのやる夫。

そして、一緒になって笑っていた自分。
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:11:19.48 ID:gZS5Tqg0
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   |      (__人__)    |.     
   \     ` ⌒´     /
   /              \

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        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;


凝り固まった感情に囚われてしまったやる夫。
冷たく思い詰めた表情が張り付いたやる夫。


止めなければならない・・・やる夫。
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:13:46.03 ID:gZS5Tqg0


          _ - ´ ヘ! l: :|       l         !':/イ ` ー、      彼はこちらで対応します。良いですね?
        _ - ´     / ヘ: ',       !      /:/イハ    ` ー 、
         /       /    トt、  ー─ -   イ:/. /' ハ         \
.       /       /, − 、リ_!_> ---、ニ_ //' !  _ l          ハ
      /    、    /      く, -ニ二´、__ `Yニ´ ̄  `ヽ、!        ハ
   .   {    l  < \      亡r-- 、_   ー′        >、       l
      >    /  \ \       , -、_`ヽ、        / /`ヽ、    ム
       〉  /     ヽ Y`ー― 、_,/ , 、‐'ー '┬--─ 、/ /    ` 、 〈

やる夫とやらない夫の関係は、失脚どころではすまない大スキャンダルだ。
表沙汰になれば、やらない夫は排除される。
それは、多くの物を犠牲にして歩んできた自分の否定に他ならない。


男は遠まわしに切り捨てろと言っている。

・・・親友を・・・
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:15:11.17 ID:gZS5Tqg0
     ∵∴∵         : . .. :∵..::::/U::∪:`U
    ∵∴∵∴: : . . / ̄\   ::(つ´    ヽ
. : ∴∵   ....... :  .:|  . =-―‐‐ /0      ',-,,,_  ‐-,,,_
.. : :     ....:: :: . :::::::\_,,;-‐=ニ二_{o       :}_二ニ=-‐'''~
∵     ::..::   .:::::::  | ~'''‐-  ヽ ~~"'''―-----―'''
      ∵::  :::∵/ ̄ ̄ ̄\.   |ヽ、___,.,/  ∴∵
    ∴∵::.  ::/ ::\:::::::/:::: \ /   ::/   ∵
    ∵∴:: .::::   <●>;::::::<●>  \...:∴::  
  ∵:..:.: /⌒ヽ::l⌒`i (__人__)    |∵::   
  :/⌒ヽ|  |;; ;|  | ` ⌒´    /∴::   
 (  ヽ;;ヽ__ノ;;; ヽ__ノ ! ̄ ̄ ̄ ̄
 >‐' /´.:.:.:.::::::::::::ヽ`ト、 .:∴::  . ∴∵∴  
( : :/0   .:.:.:.::::::::::::', :    .. ...::∴
∵ |o    .:.:.:.:::::::::::::}: :: ..... ::∵

やる夫は更に何かしようとしている・・・
その男の言葉を否定できるはずもない。

もう逃げる事は出来ない。
もう目をそらし続ける事はできない。
結論を先送りにする事も出来なければ、他人に任せる事もできない。



何故なら、やらない夫が”その立場”にいるから。
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:17:37.13 ID:gZS5Tqg0

   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        }   ・・・・・・
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

やる夫に同情する心も、賛同する心も存在する。

だが、日本を混沌の渦の中に落すような事は認められない。

それは第二第三のやる夫を生み出すことに他ならないから。
やらない夫は、この場での決断を迫られていた。
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:18:25.91 ID:gZS5Tqg0

   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
.  |;;;;        } 
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

男に何らかの意図があるのは明白だ。

何を企んでいるのか判らないが、ここで男の言う事を拒否すれば後がない事は判る。
今までも色々情報を貰ってきた以上、袂を分かつ事は出来そうもない。

第一、やらない夫が何もしなくても、他の人間がやるだろう。


ならばせめて・・・
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:22:32.94 ID:gZS5Tqg0
  / ̄ ̄\
/u  _ノ :::::\  
|    ( ○)(○)
| U   (__人__)     ・・・判った・・・そっちはまかせる・・・
|     ` ⌒´ノ
|  U     u }
ヽ     u  }
 ヽ、U__ __ノ

搾り出す様に言った・・・言ってしまった。
・・・再びやる夫を裏切る事になる。


他に方法はないとしても・・・だ。
ならばせめて、その決断したと言う責任は自分自身で負う。



・・・やらない夫は、薄く笑う男の表情など見えてはいなかった。
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/19(金) 18:24:59.19 ID:zKqcG8Q0
どう転んでも悲劇の予感
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:27:15.29 ID:gZS5Tqg0
.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
    _.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 
.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
    _.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; .,..::,:,:,,
      /    u  \  .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   
      |::::::      u |  .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
     . |:::::::::::     | .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
       |:::::::::::u:    |
     .  |::::::::::::::  u  }    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
     .  ヽ::::::::::::::    } .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        ヽ::::::::::  ノ  .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        /:::::::::::: く  .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 
.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::::: \.. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
      :::::::::::::::::::.. ., ..   ..:.. ... ,.. .. . ..,. ::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
                  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
       ,......... ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;



憔悴しきった表情のやらない夫が無言のまま去って行く。

男はその後姿を黙ったまま見送った。

126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:29:14.82 ID:gZS5Tqg0
  l::::::::::::」::::::::::l:::::::ト.:::|:::::::::::ヾ::l.::\:::::lヾ:::::::| ヾ、:.、
   〉:::::::l::|:::::::::::l:::::|:.ヾ!:.:.:.:.:.:.:.:.`:.ヽ.\l:.|::、:::|   `
.  ' |:、:::|:::',::::::::::ヾ::|: : `: : : : : : : : ノ: : : l::l.∨    
   1 l:;:ヾ、ヾ:::::::::N         _  /::!      
     リ ヾ:::`ト.、:::|       -=ニ -' ,イ|::|      
       ∨リ ヾト、       ´ ./l| `
          /ー 、._ ` ` - 、_   _/    ・・・ああ、速やかに・・・
       r、     `  ‐ 、.._ 7ニ´   
       /:.:.:`ヽ 、     `7 ト、
     ,<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ 、  /'´: :ヽ‐、.._
     ':.:.:`ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽヘ: : : : :ヽ:.:.:.:ヽ

やらない夫が見えなくなった後、携帯を取り出し何事か指示を出す。



・・・やる夫は色々役立ってくれた。
混乱こそ男の求めるものだが、度が過ぎればあの手の道具は危険なだけだ。

だから使えなくなったら、最も有効な捨て方をするだけだ。
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:30:14.61 ID:gZS5Tqg0
  l::::::::::::」::::::::::l:::::::ト.:::|:::::::::::ヾ::l.::\:::::lヾ:::::::| ヾ、:.、
   〉:::::::l::|:::::::::::l:::::|:.ヾ!:.:.:.:.:.:.:.:.`:.ヽ.\l:.|::、:::|   `
.  ' |:、:::|:::',::::::::::ヾ::|: : `: : : : : : : : ノ: : : l::l.∨    
   1 l:;:ヾ、ヾ:::::::::N         _  /::!      
     リ ヾ:::`ト.、:::|       -=ニ -' ,イ|::|      
       ∨リ ヾト、       ´ ./l| `
          /ー 、._ ` ` - 、_   _/    ・・・
       r、     `  ‐ 、.._ 7ニ´   
       /:.:.:`ヽ 、     `7 ト、
     ,<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ 、  /'´: :ヽ‐、.._
     ':.:.:`ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽヘ: : : : :ヽ:.:.:.:ヽ

男の計画に支障はなく、予定通りに事は進んでいた。
そして、この件はやらない夫に対しての更なる大きな貸しになる。


だが・・・




やらない夫の決断を聞いた男は、どこか寂しげに見えた。
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:33:02.27 ID:gZS5Tqg0
          ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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.         :::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         :::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

:::::::::::::::::::::::......   ........::::::::::::::::::::::::::: ;;;;;;;::::::::::::::::::
           γ ⌒ ⌒ `ヘ
        イ,,,, ""  ⌒  ヾ ヾ               
     /゛゛゛(   ⌒   . . ,, ヽ,,'' ..ノ )ヽ         
    (   、、   、 ’'',   . . ノ  ヾ )        
 .................ゞ (.    .  .,,,゛゛゛゛ノ. .ノ ) ,,.ノ........... ........
 :::::::::::::::::::::( ノ( ^ゝ、、ゝ..,,,,, ,'ソノ ) .ソ::::::::::::::.......::::::
:::::::::::::::::::.:::::(、;''Y ,,ノ.ノ ,,,^ ^,,,;;;ノ)::::::::::::..::::::::::::::::... ,,,,:::::::::::
  . . . . :::::::::::::.('''yノ (''、,,,ノ)ノ ::::::::::,,,,,::,,:::::
  ,, . . . . . ::::::::::::( ( ,,,人、..ツ. ノ ) ::::.:::::   
  . . . ,,,,, . . .:::::::::::::'''(, イ")'"´ノ;; :::::    
 . . . . . . ,,,. . ,,,::::::( , ゛゛..(’_''/,,, ..ノ
 . . . ,, . . ((,⌒ノ,,,.:::::' (   (’''....ノ ソ ::::::: ... . . ,,,,,,,,,::::::::::::
 . . (’’,,,/(~〜ノ(’''''ソ:.:.,、,,,,,(   .:: ノ..)
 y(、,,'''ノ(、、...,,,Y),,,ノ:::.:)~〜ノノ)”),,, . ,,,ソ 


割れ窓の外に見える火災の煙は空高くまで達していた。
轟々と風が吹き込んでくる中、やる夫は無言のままそれを見つめている。


本来の脚本とは若干違う演出になったが、もうそろそろ時間切れだ。
あの男は不満に思うだろうが、今更どうでも良かった。
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:36:28.37 ID:gZS5Tqg0

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)    
/    (─)  (─ /;;/    
|       (__人__) l;;,´      
/      ∩ ノ)━・'/      ・・・遅かったお?
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___

だから、見知らぬ人物がやる夫の前に現れても驚く事はなかった。

名前も顔も知らないが、自分を消しに来たと言う事も判っていた。

用済みなのか口封じなのかもあまり気にならない。
大抵、こういった役柄のオチはこんなものだ。
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:36:58.27 ID:gZS5Tqg0
         / `ヽl`(´     !       /´ l !   |l !__,|  |
       /'    \ _  ー'   _, イ_  | !  | l |-─‐'
      /    /<´  lヽ__  _/l ̄`フ  |l   | | l`ヽ、   ・・・・・・・・・・・・・・・
   , -‐く、  _,,.、/   \  ̄`Y  ̄ /    l|   | l | ` ‐-、\
 /´_  ` ´   \_,/´   (´    `ー-、_, -‐-、,i -‐-、   ヽ\
__ヽ´ノ `ヽ              )            __ _)    //
   ̄ヽ___,. --、  ,イolヘ__/´\_r‐io、_/`ヽ_,く‐' ´ ̄ ̄`ヽ
´ ̄ ` く、    ` ´/ /,. -‐'_,. --、ヽ、. | l       \     /|


一瞬だけ交差した視線。
深い瞳の色が印象的だった。

そして、何の言葉も交わす事無く訪れる暗闇。


滲む視界には、ありえない世界だけが映っていた。

131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:40:07.65 ID:gZS5Tqg0
.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
       ___ .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
     / ⌒  ⌒\ .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
    / (○)  (○) :::::::::::::::::.. ., ..   ..:.. ... ,.. .. . ..,.   
  /   ///(__人__)///  :::::::::::::::::.. ., ..   ..:.. ... ,.. .. . ..,.     
  |   u.   `Y⌒y'´   .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   \      ゛ー ′  .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
    /      ー‐    ィ.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:

平和で変哲も無い日本に生きているやる夫

取り立てて面白い事も無く、悲しい事も無い
平坦で変わりの無い日常は退屈でしかない
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:40:37.26 ID:gZS5Tqg0
.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
      ____ .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
     /_ノ ' ヽ_\ .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
   /(≡)   (≡).:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
  /    (__人__)   \ .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
  |     |r┬-|     .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
  \     ` ー'´    .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:

別に希望に満ちているわけでも、誇りに満ちているわけでもない
悪さをする奴らはいるし、不平を言う日々だ

それでも、そこは”普通”が当たり前の世界だった

133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:46:02.59 ID:gZS5Tqg0
   .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:    ____
     /_ノ   ヽ_\.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
   /( ●) ( ●)\.:;:;;;;;ヤフオクで・・・;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:   
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::.:;:;;;;;この卵;;;;願いが・・・叶うって・・・;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:  
  |     (  (      .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:   
  \     `ー'     .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:
.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..:


もう一つの世界へ続く選択肢が存在したかもしれない世界

その世界に”自分達”が生きていたならば・・・

それがどれだけありえない可能性なのか判らない


それでも望んでしまう
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:48:18.32 ID:gZS5Tqg0
     |          {{        {        / ヽ     }               |
     |           ヽ       ヽ___/ __ \___ノ            |  
     \          人        ヽ   ´    `  '             /  
       \           ( し.)                                 /   
        \       `¨                           /     
         /                                     \      
        /                                          \    
      / ̄                           

ほんの一瞬で、夢は一つの物語を綴ると言う。



最期の瞬間見た、ありえたかもしれない未来
消えゆく思考の中、やる夫が唯一望んだ事

あの子だけでも救ってくれと・・・
あの子の希望だけは、かなえてやってくれと・・・
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:52:36.24 ID:gZS5Tqg0
       ー ,,   \         ,,       ;  .l     ィ"´''┐
              `ヘ、 .\     /'" `l.       !   l      └-r'"
              `'-, `!、    ´゙'v'"      ./   !
                \ ヽ,           /   ./                  /
                ,,,,,,_.  ..\ヽ.    、    ./   ,/             / ,
    ________       .`゙'‐、 `' !、    l   /  ,/                ,/ /
  ‘゙ ̄゛ ._______,゙_;;'ー-..,,_.   `'-,゙'.li、  .! .",,/             ,,/ /
 ―''''"´       ゙゙゙̄'''ーニニ、  .゙-    "      . /       .,, ‐´., /
               -――- ..,,           _./     . _..-'´.,..-"
                 _,,.. -¬'、            `゛    ,,.. ;;ニ―'''"゛
          _..-''"゛ _、ー''"               -=`-''″             _..-''"゛
       _..‐"  . /    /  ,i                    _,,.. -''". _,,.. -‐''
     ,/゛   /    ./   /           ................ -‐;;二.... ー''''"゛
   .../    ,,ヾ     !  / :!   .! .,   -,¬¬―ー''''''゙゙´
  /     /       .゛  ! l   .゙l、`''ー..,,..`''- ,,,
 '"    /              ! ..!   .ヽ、  . `'''ー ..,~''ー ..,,_
     /      ,、      l  .!、           `゙''ー、,_ ´゙'''ー ,,,、
    /     i!゙´ `/     !  .ヽ               `'''ー ,,_  ⌒゙゙゙'''"
   ″    `>  ,ゝ     .′  "                      `"''ー ..,,,,
          ´⌒´
その呟きは炎の爆ぜる音の中に消えていく


炎に煽られ吹き込んでくる強い風の音

それは、甲高い泣き声に聞こえた
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 18:58:04.02 ID:gZS5Tqg0
          ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
      ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
          :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         :::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
.         :::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         :::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,




                 / ̄ ̄\
               / _−   .\     
               | ( ●) (●) |.   
              . |   (__人__)  |  
                |   ` ⌒´  |, ・・・?
              .  |         } 
              .  ヽ        }      
                 ヽ     ノ _     
                ,,_,i     y,ソト,,__  
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,, 
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、

ふと、呼ばれた様な気がした。
やらない夫は報告書を読むのを中断して周囲を見回す。
だが、執務室には自分以外誰もいない。


その時、電話が鳴った。
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:04:30.40 ID:gZS5Tqg0

     '‐レ゙             .,r'    ノ
      l` `      、     i'" ゙ヽ、,/   ・・・
.      ゙、  ,,、 -‐'"      ノ    ヽァ、
       ゙、'´ ..       ,r゙     ノ ヾ^゙ヽ、
.       ゙,        ./    ,、r'  /   \
        !、     /  ,、r'"   /      /`'ー-
         `'''"入 ̄ ,、r ''"   ,、/      /
          く  .Y'"   .,、r'"/      /
         /" ` 、', ,、r''" /_____/
     ,、 - ''"´ ̄ ̄`゙i zz,,,/ \
   ,、 '"  ,、 ''"    | /    \


電話の先から聞こえる声は、あくまで落ちついた口調。
治安部隊の隊長だ。

暴動に関与したと見られるテロ集団を壊滅したという内容だった。


それがやらない夫の心をささくれ立たせた。
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:11:36.27 ID:gZS5Tqg0

       ∩
       ||  / ̄ ̄\
       || /   _ノ  \
      /〔|    ( ●)(●)   
      〔ノ^ゝ    (__人__)  
      ノ ノ^,-    ` ⌒´  勝手な行動は・・・・!
     /´ ´ ' , ^ヽ      }
     /     ノ'"\.  ⌒
   人    ノ \/,_ __ノ
   /:::::\_/l:::::::\ー-.,ノ、゙,
  ,/::::::::::ノ::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_

やらない夫は怒りを抑えた。
またも独断専行を行い、点数稼ぎの為に暴力を行使したと言う事だ。

だが、テロには毅然とした対応を採ると政府が決めている以上、それ以上は強く言えない。

それに、相手に感情を見せる訳にはいかない。
それは弱さだ。
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:16:45.61 ID:gZS5Tqg0
     '‐レ゙             .,r'    ノ
      l` `      、     i'" ゙ヽ、,/   弱腰が全ての元凶でしょう?
.      ゙、  ,,、 -‐'"      ノ    ヽァ、
       ゙、'´ ..       ,r゙     ノ ヾ^゙ヽ、
.       ゙,        ./    ,、r'  /   \
        !、     /  ,、r'"   /      /`'ー-
         `'''"入 ̄ ,、r ''"   ,、/      /
          く  .Y'"   .,、r'"/      /
         /" ` 、', ,、r''" /_____/
     ,、 - ''"´ ̄ ̄`゙i zz,,,/ \
   ,、 '"  ,、 ''"    | /    \


事なかれ主義がこの世界を生み、優しさと言う名前の”弱さ”が助長した。


・・・彼のいう強さがあれば、こんな世界にならなかったのかもしれない。
だが、そんなギスギスした世界など、誰も望まないだろう。


やらない夫にはどちらも明るい未来には思えなかった。
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:20:37.09 ID:gZS5Tqg0
  | ;`;|                            |  |:|》: ::::|        i'1
  | ;'l:|           i'`'i             、       /|  |:|\ : |  .      |;'|       ,、
  !:`l'|  ζ\     |;`;|             ‖       〕 .|  |:|  || | ./\   _.|;'|       /.:〉
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ー|_}:;|    \';、.\|;';;;|   ./〉 |;|_r//  /| ̄\:|  |:|   ̄ .:〃../>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
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ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<\/   〈:::.:... \ 》 ' .::::::::/|\_n::::::::::::::::::::
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::\\ _____:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ー|_}::/ 、';';〉.:/ /{_|┴lニニニニニl.r┴、_|_|_|:>:::::___|」__:l;_;_//..::. `〈 :| |: : : |:|::::::::| |: : :
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~゛'' ┘⊥ 」_ |  |{_|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|_;!__;!__:l__;!__;|<___;_/\_;_;_;|;|-∠|_|;_;_;
         ~゛'''' ┴'::⊥Λ二\.:|  .:|ー:|__;!__;!__;!__:l__;l:::...\/<>::.  ∠二
 `     , '  .   `   ∨_,,,;;;;/. ~゛`┴ -'⊥ .」_;!__;!__;!__;!_;ト、 r─‐-、   ...:.:.:.::.:
             ,                 ~゛ ┴  ⊥. .,_..:::| ::/ ̄. ̄'"ヽ┴-、_;_;_;_;_;_;_
                     ,,       `            ~゛'' ‐-|\___ト--/.. ...:::::::./|
  `             .,     `    ,.            '     \|__;_;_;_;_;!─l二二二l/

あの暴動は、一部テロリストの仕業とされた。
大きな事件だと思ったのに、急速に鎮火し、やらない夫の手柄となった。

それが気に食わない治安部隊隊長が余計な真似をしたのだろう。
テロ集団と言うが、それがどこまで真実かなんて判るわけはない。
どさくさに紛れて、隊長が何を仕出かしたのか・・・
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:23:20.64 ID:gZS5Tqg0
       ∩
       ||  / ̄ ̄\
       || /   _ノ  \
      /〔|    ( ━)(━)   
      〔ノ^ゝ    (__人__)  
      ノ ノ^,-    ` ⌒´  ・・・・
     /´ ´ ' , ^ヽ      }
     /     ノ'"\.  ⌒
   人    ノ \/,_ __ノ
   /:::::\_/l:::::::\ー-.,ノ、゙,
  ,/::::::::::ノ::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_

切れた電話を握り締め、無言のままのやらない夫。

今の世界は壊れつつある。
ルールは守らねばならないが、今のルールでは何も守れないのかもしれない。

だが、それでも力でひっくり返せばもっと悪くなる。



やる夫の行動も、隊長の行動も認めようがない。
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:35:32.07 ID:gZS5Tqg0

        / ̄ ̄\
      /       \
      |::::::        |
     . |:::::::::::     |     
       |::::::::::::::    |          
     .  |::::::::::::::    }         
     .  ヽ::::::::::::::    }        ・・・・・やる夫・・・
        ヽ::::::::::  ノ       
        /:::::::::::: く         
-―――――|:::::::::::::::: \
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

自分の地位が何の影響も受けていない所を見ると、やる夫とやらない夫の関係は表には出ていないようだ。

それが弱みを握られた事になるとは思わない。
何故なら、もう自分は何か大切なモノと決別したと思うから。



だが・・・裏切ったと言う負い目だけは残った。
その想いだけは永遠にやらない夫と共にあるのだろう。
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:38:22.17 ID:gZS5Tqg0

        / ̄ ̄\. 
      /      \.........:::::::::::...
      |::::::: :      | .... .........::::::::::...r‐ ' ノ.    
     . |:::::::::::::     | .... .........::::::::_ ) (_  
       |:::::::::::::      |.. ..... ......:::(⊂ニニ⊃)    
     .  |:::::::::::::::     }  ..... ......: ::::`二⊃ノ.    
     .  ヽ____    }  ..... ......: :::: ((  ̄      
        r'ニニヽ._\. ノ.. ..... ......: ::::::  ;;. 
      r':ニニ:_`ー三`:く._           [l、.      
    /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;>      /,ィつ   夢・・・か
 .   /: : : : : : : : / : : : ヽ\     ,∠∠Z'_つ     
   | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.   / .r─-'-っ 
 .   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l   /  ):::厂 ´     
    |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
 .   |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
    |::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/

沈黙が訪れた部屋に、黄昏時の光が差し込む。
赤と金色の光が一時の幻想を見せる。


普通が存在し、優しさが弱さでも愚かさでもなかった世界。

かつて存在していた・・・この国の。
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:45:28.90 ID:gZS5Tqg0
エピローグ




                              \           ,__| |=i=i=i=i=|
     _i'vk_                        _i^i三i        rIi^i:::| |=i=i=i=i=|
      |ーi|:lll|l                     |三l三|       |iil :liii| |=i=i=i=i=|
      |iiiI|:lll||                     _|三l三|__     |iil :liii| |=i=i=i=i=|
     _|iiiI|:lll|l     。                 |三:|三::|::|__.    |iil :liii| |::,==、===.、
      | ̄| ̄ |:┐   |              |三:|三::|::l::_l__l__ :liii| | |≡:|≡≡|
      |==| ==|ロl   li,     ,..、----:、   ,..、┴‐‐:、I:::| |三l l三|:::|Iiii| | |≡:|≡≡|
      |==| ==|ロl  _hi!. ┌: |=| ==== |i===i|| ==== | ̄| |三l l三|:::|Iiii| | |≡:|≡≡|__
  _l~|  l  |ロl⌒l:::lー┴ェ|=| ==== |ー一!!I==== |iHi| |三l l三|:::|lHl二二l_,.-'⌒i:::
 r‐ェ l┌┬| ̄ ̄| ̄|.  r‐─゙rェ::| ==== |:l:l:l:l:l|| ==== |iHi| __,.-' ̄| ̄l┴‐‐┴┐ _r==k
_,ェ‐┐ r=r‐、 r‐‐r‐‐:|lllllllll:|::| ̄ ̄l_,i^lHl_:l:l|_へ^丶 r‐‐‐:ェ:::I|::| i i i i i i |/  /::::::::|
::┴─┐___ _l^i,__i__.三:|lllllllll:|::| コココ|ェェ|ェェ|「llllL |::| i三iiiiiil I::I|::| i i i .:r──┐::::::::|
= = =I|::l  |:.|::| lニlニニlii.コココ|ェェ|ェ┌─┬┐ <二二il二>__lr─┘   : |::::::::|
 l l:!:≡!!L. ≧‐¨ l、|l、l|| \\  i|i-ニニニニ─--<-! | |冂トil|L_||=`┴ ¨´ <=≧-::_|三|-|三|i冂 「| ̄|l
  \≦¬─---- .___\\ 「「「l冖l二 ̄ ̄ ̄¨¨ 、i|Π> ¨-пΠ┐_ 冂、¬-、 ≧-_|三|i|_l| |,,-''"::::
i 「п\Π┐ ̄ ̄¨¨¬──----、¨¬┴--L]旦__>-¨¨ -‐Π┐冂 пli | ̄|li п¬::::::::::::¨--'''":::::::::::::


煌びやかな建築物が立ち並ぶ新首都。
そこに住むのは、新日本人と言う名前の”誰か”。

そして、その足元にへばりつく様にして乱雑に散らばっている家屋群。
空を見上げる旧日本人達。


それが今のこの国の現実を視覚化してくれる。
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 19:55:47.66 ID:gZS5Tqg0

       /|/.|:r||::::::` ー '   `〒'"|            
      / |/'ヽリ:::::,._ニニ    |:-'.|        
     /  |//,`|:::r'",_  i~- ._| .|             
--ー''"""|  .|/,`::::|::::::`-二二二二フ|、        r-=,,
     |   |,` ::::|:::::::::::      .|.|`ー=;,,_     `ー、`,  
.,-''つ  |   |,`  `ー-;;:::::::=≡ ../ |   ~''-=_ (こ''ー、.丶
"/   |   .|\     "''-;;_/ノ|  .|      r-、 ヽ,.ヽ )   
/__,,--、 |   | .\    ::::::::::/ .|  |     ( ̄~"''-,, ヽ,

20XX年、政府は労働者支援法の改正を可決した。

再チャレンジ村として知られる”労働支援拠点”の法的根拠となった法律の改正だ。
政府はコレを拡大し、移民を含めた労働支援策とする意図を持っていた。

度重なる暴動が貧困に起因する事をようやく認めたとも言える。

しかし・・・
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:00:21.29 ID:gZS5Tqg0
     '‐レ゙             .,r'    ノ
      l` `      、     i'" ゙ヽ、,/   ・・・くくく・・・
.      ゙、  ,,、 -‐'"      ノ    ヽァ、
       ゙、'´ ..       ,r゙     ノ ヾ^゙ヽ、
.       ゙,        ./    ,、r'  /   \
        !、     /  ,、r'"   /      /`'ー-
         `'''"入 ̄ ,、r ''"   ,、/      /
          く  .Y'"   .,、r'"/      /
         /" ` 、', ,、r''" /_____/
     ,、 - ''"´ ̄ ̄`゙i zz,,,/ \
   ,、 '"  ,、 ''"    | /    \

実体は全く違っている。


移民、旧日本人を含めた貧困層を隔離する目的があった。
犯罪予備軍と看做された人々は、支援目的で押し込められ、借金塗れにされた。
一定の金を持たない場合は、他への移動すら面倒な手続きが必要となる。


大陸系議員はこの手の人権侵害など全く考慮の埒外であり、法案は速やかに可決される事となった。

147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:06:17.84 ID:gZS5Tqg0

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ''';;';;;;;,., ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                      ''';;';';;'';;;,.,    シンテンチニダ
                       ''';;';'';';''';;'';;;,.,   
                        ;;''';;';'';';';;;'';;'';;; ウリナラキゲンニダ
                        ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
                    vymyvwymyvymyvy
               vymyvwymyvymyvyyvyyvy
       ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧  
    ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧    マズハシャザイトバイショウヲモトメルニダ
  ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧


増加する新移民や貧困層に落ちた移民達への対応が急務となりつつあったからだ。

権力を握る為に行われた一連の移民政策は、巡り巡って自分達の首を絞めつつある。

法案可決はそんな皮肉な情況に対しての一つの答えでしかなかった。


労働支援拠点は非公式ながら、隔離地域・・・ゲットーと呼ばれている。
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:13:16.03 ID:gZS5Tqg0

          ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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 . .. . .. ... .. ..   . ... ...    ..::   . .. ...     ::  ◯    :   . .. .
. .:: : :.. . ... ::: :::..   . .. . .. .. .. ..     ... ... ...   .... ..::   .
 . .. . .. .. .. ..   . . . .. .    . ... ...      . .. .
 .. . .. .:::: ::     -‐'" ゙''‐-  . ... ...     . ... ...    ..::   .
             n      . . . ....... . . . . ...... . .    . . . ....................:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.............
             |] p    . _ . . . .            . . ..........:.:.:.:.:.:::::::.:.:.:.:........ . .
             }| {}       ,! | . .              . . .....:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:...... .
-‐‐‐‐‐:‐‐‐.:‐‐‐‐‐‐‐‐'ー'‐‐‐‐‐‐┴┴‐‐- 、,,_           . ....:.:.:.::::::.:.:.:.:. __,,.. --- ''"
_ []  .:  .:      ロ  [|     __ ロ   `゙゙'''''ヾ、,,       . ._,,. - ‐‐ ''"´
::|  .:  .::   []       卩 |::|   ___      `゙'ヾ、___''_´_       _
  .:   :::.   口 冂        []  |::.|____          ,.---、、  |;:;:::| 



やる夫と再会した場所に来ていた。

一歩進んで二歩下がる様な緩慢な衰退の中、決して逃げる事のできない自分の道を再確認する為に。

どこからか響く鐘の音に、繰り返し繰り返し苛立ちと悲しみが波の様に押し寄せた。


・・・思い出すのは昨日の事だ・・・・
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:19:12.59 ID:gZS5Tqg0
        :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         :::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
.         :::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         :::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
    __
   /   \  
 /   _ノ  \  
 |    ( ●)(●)          
. |     (__人__)          
  |     ` ⌒´ノ    
.  |         }    ・・・?
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ      
   /    く.     
   |     \    
    |    |ヽ、二⌒)、     

警察がダンボールを持ってきた。
とあるアパートの住人が行方不明となった後の整理品だという。


なんで自分のところに?と思ったが、中を見て納得した。
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:23:22.22 ID:gZS5Tqg0
┏━━━━━━━━━━━━━━
┃ ┌─────────────
┃ │            / ̄ ̄\      
┃ │          /  ヽ_  .\     
┃ │          ( ●)( ●)  |    
┃ │          (__人__)      |          
┃ │          l` ⌒´    | 
┃ │         . {         |
┃ │           {       / |    
┃ │      ,-、   ヽ     ノ、\    `
┃ │     / ノ/ ̄/ ` ー ─ '/><  ` ー─ ' ┌、 ヽ
┃ │    /  L_         ̄  /           _l__( { r-、
┃ │       _,,二)     /            〔― ‐} Ll 
┃ │       >_,フ      /               }二 コ\  Li‐' .| ┃
┃ │    __,,,i‐ノ     l              └―イ   ヽ |   . | ┃
┃ │                l                   i   ヽl   . | ┃
┃ └ーーー────────────────────────┘ ┃
┗-━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
かつて撮った親友との写真。
切り取られたやる夫の横で、照れ隠しのしかめっ面の自分が立っている。
日付から推測するに、この写真が最後に撮ったものだ。

切り取られた部分にいるはずの”親友”
やる夫はどんな思いで自分自身を切り取ったのだろうか?
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:27:59.88 ID:gZS5Tqg0

            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( 〇)(〇)
          |     (__人__)   (これは・・・やる夫の・・・)
             |     ` ⌒´ノ                   
              |         }        /`‐──
              ヽ        }      / _三三
            ヽ、.,__ __ノ       / _三三
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、   /
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_

ふと見ると、手紙らしきものがあった。

幼い文字で書かれたそれには、”ゆき”と署名されていた。

今も政府高官用病院で眠るやる夫の姪だ。
・・・やらない夫にはそれぐらいしかできなかった。
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:29:15.87 ID:gZS5Tqg0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
        ` レヽ ! ̄/////:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
          `ヘ |>、  ‐   , イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
            ,∨- ≧ー≦´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         ,<ヾ、  \ニミ! `¨ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
         /::::\ , ――┘、/, ―‐:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         /::::::::::|  ̄ ̄ ̄ iー 'i    , :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,!、
         /::::::::::::レ┐    |  |   :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         〈:::_/::{  ]     |  |.  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
       /::´::::::::::>ー'    │ !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
        {::::::::::/::|_____|_|_, -:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
       `ー‐フ:::::::::::::::|/廾、ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,


”私は普通にせいかつして、およめさんになって、おかあさんに・・・”


”夢”と書かれた題名に続いて、そんな内容が記されている。
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:29:42.15 ID:gZS5Tqg0


   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)  
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        } 
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

やらない夫はそれを見たままずっと立ち尽くしていた。

書かれた時期は数年前だろう。
やらない夫がショックを受けたのはその内容だ。
そこに書かれているのは子供らしい無邪気な”夢”ではなかった。


年端も行かぬ子供が見るにしてはあまりに悲しかった。
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:30:13.31 ID:gZS5Tqg0


        / ̄ ̄\   
      /    u  \     
      |::::::      u |  
     . |:::::::::::     | 
       |:::::::::::u:    |
     .  |::::::::::::::  u  }
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ  
        /:::::::::::: く   
-―――――|:::::::::::::::: \
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

”普通 ”を残せなかった。
そんな事すら夢としてしまったこの国の現実。

その不甲斐なさと、その責任の重さ。
それは罪悪感となってやらない夫を縛る。


やらない夫は・・・
いつまでもいつまでもそれを握り締めたまま立ち尽くしていた。


155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:31:33.33 ID:gZS5Tqg0

        :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         :::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
.         :::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
         :::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

... .. ..   . ... ...    ..::   . .. . .. . .. ..   .  ... ...      .. ..::   . .. . ..
 . .. . .. ... .. ..   . ... ...    ..::   . .. ...     ::  ◯    :   . .. .
. .:: : :.. . ... ::: :::..   . .. . .. .. .. ..     ... ... ...   .... ..::   .
 . .. . .. .. .. ..   . . . .. .    . ... ...      . .. .
 .. . .. .:::: ::     -‐'" ゙''‐-  . ... ...     . ... ...    ..::   .
             n      . . . ....... . . . . ...... . .    . . . ....................:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.............
             |] p    . _ . . . .            . . ..........:.:.:.:.:.:::::::.:.:.:.:........ . .
             }| {}       ,! | . .              . . .....:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:...... .
-‐‐‐‐‐:‐‐‐.:‐‐‐‐‐‐‐‐'ー'‐‐‐‐‐‐┴┴‐‐- 、,,_           . ....:.:.:.::::::.:.:.:.:. __,,.. --- ''"
_ []  .:  .:      ロ  [|     __ ロ   `゙゙'''''ヾ、,,       . ._,,. - ‐‐ ''"´
::|  .:  .::   []       卩 |::|   ___      `゙'ヾ、___''_´_       _ 
   / ̄三\,;.:   :::.   口 冂        []  |::.|____          ,.---、、  |;:;:::| 
 /;;;; _ノ 三 \ 
 |;;;;;;;   ( ○)(○)
. |;;;;;    (__人__)  
  |;;;    ` ⌒´ノ 
.  |;;;;        } 
.  ヽ;;;       }  
   ヽ;;;l    ノ  
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

遠くから聞こえるサイレンの音に我にかえる。

そんな中に身を置いていると、声にならない泣き声が聞こえる。
それを気のせいだと、笑い飛ばす事はできない。


幻聴などではない・・・そう知っているから。
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:36:14.64 ID:gZS5Tqg0
        / ̄ ̄\. 
      /      \.........:::::::::::...
      |::::::: :      | .... .........::::::::::...r‐ ' ノ.    
     . |:::::::::::::     | .... .........::::::::_ ) (_  
       |:::::::::::::      |.. ..... ......:::(⊂ニニ⊃)    
     .  |:::::::::::::::     }  ..... ......: ::::`二⊃ノ.    
     .  ヽ____    }  ..... ......: :::: ((  ̄      
        r'ニニヽ._\. ノ.. ..... ......: ::::::  ;;. 
      r':ニニ:_`ー三`:く._           [l、.      ・・・・・・
    /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;>      /,ィつ  
 .   /: : : : : : : : / : : : ヽ\     ,∠∠Z'_つ     
   | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.   / .r─-'-っ 
 .   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l   /  ):::厂 ´     
    |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
 .   |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
    |::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/

この先に続く道が平坦であるわけはない。

だが、行ける所まで行くしかなかった。


寒空の下、痛みすら覚える沈黙がやらない夫を包んだ。

高く上った月が、やらない夫の影を延ばしていく・・・
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:36:43.71 ID:gZS5Tqg0
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. ... ... ..::. .. .
  .. . .. .:::::      :: :.         ... .::::: :... . .:::: .. . .
... .. ..   . ... ...    ..::   . .. . .. . .. ..   .  ... ...      .. ..::   . .. . ..
 . .. . .. ... .. ..   . ... ...    ..::   . .. ...     ::  ◯    :   . .. .
. .:: : :.. . ... ::: :::..   §. .. . .. .. .. ..     ... ... ...   .... ..::   .
 . .. . .. .. .. ..   . . . .. .  §  . ... ...      . .. .
 .. . .. .:::: ::     -‐'" ゙''‐-  . ... ...     . ... ...    ..::   .
  ..::   . .. . ..    ``侖侖''"               . .. .
              -‐'"韭 ゙''‐- . ... ...    ..::   .
゙''、,,_,,,,-‐'゛``''、,    ``侖侖侖''"
;'' ;~'',;'''',;'';'' ;~'',;''゚ ;~'',;;-‐'"韭韭 ゙''‐-
,;'',;''゚ ;~,;":;;;: : ;: ;: ;::::::``゙''ー-侖侖''"::;.-‐'゛~゙`゙''-、.,,,::    . ... ...
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:`;'' ;``'‐.、;;;;;;;.,.,.,.,..,.,.,.,.
:;,':,:;.,:;'' ;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙ :: :;":;; ~゙"'ー-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;...
":;;;: : ;: ;: ;:  ; ::; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ ;~'',;'',;' v'゚ ;~,;''゚ ;~゚''゚ ;~'',;'',;'~,;゙''、,,_ュiュ... .. ..   . ...
::;...;;.;;ii:i;;:;i,'' ;~'',;''゚ ;~'',;'',;' '゚ ;~,;''゚ ;..;;.;;ii:i;;:;i'',;'',;''゚ ;~,;::;.:".:;.:'::;...;;.;;ii:i;;:;i|゙:.:゙,:;、,"コエ...HE
゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ;~゚''゚ ;"i|:;.::;,,;''゚ ;~゚''゚ ;":;.::;,゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,:
:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,::.ミ,,;'',;' ;~,;:.ミ,,ii;'',;' ;~,;''゚ :.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミ,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;,:.:.、;:...:,:.:.、
.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙


かつて一つの国があった

何となく生きて、何となく暮らすことができた


そんな大昔の事ではないはずなのに、その記憶はとても遠い

・・・誰もが忘れた時、本当に夢となってしまうのだろう
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:37:40.72 ID:gZS5Tqg0

             ..;;;;;;;;;::::::::::::::                  `       ,,.. ;:::;;;;;;;;;
           ..;;;;;;;;;;;:::::::::::::     .          ::..       ` . ..,,,,,,,:::....::;;,,;;;;;;;,......
          .;;;;;;;;;::::::::::::::  .   .     ::::    .:::       ........ ,,,;;;;:::::;;:::;;;::::....
         .;;;;;;;;;::::::::::::    .   .     :::          ...... ::::;;;;,:::::::;;;;;;;::::;;;;;;;;....
        .;;;;;;;;;;:::::::::::.. 、  :  .     .::         ...........:::..,,::..,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;::...
       /;;;;;;;;;:::::::::::. .  、 :  /             ;;;;;.....:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   、
      .;;;;;;;;;;:::::::::::: .... .... ( );;;:: .. .... ..        ,.... ,,,,;;;....::::
       .;;;;;;;;;;::::::::::::   .  :   ::` .    .  ,,.::..:.:..,,,:;;;;;;...;;;;;;;:.....       :
       l;;;;;;;;;;;::::::::: .  .  :  ` 、   .    ...:::,,;;;;.,,...              l
     l;;;;;;;;;;;;::::::::::::  .   :                              l
     |;;;;;;;;;;;;:::::::   :    :    :                         |
     .|;;;;;;;;;;;;:::    .    :                _  _____      :l

赤い月が下界を照らす

月はかつて存在していた世界を知っている



その世界に割れた夢の欠片が静かに降り注ぐ

もう一度、夢を見たいと願う人々の上に









夢の島のなくころに 完
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/19(金) 20:45:25.64 ID:zcmOFL2o




締め付けられるような妙なリアルさに引き込まれたわ
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/19(金) 20:47:22.42 ID://.hcxs0
乙でした
どうにもならない遣る瀬無さが残って苦しい…

これでなくころにシリーズはお終いですか?
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 20:50:10.67 ID:gZS5Tqg0

     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|  
   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 


長らくのお付き合いありがとうございます。
またネタが入ったらやりたいと思います。


この形式で過疎っているスレがあったら多分私でしょう。
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/19(金) 20:54:16.82 ID://.hcxs0
次回もある予定なんですね
楽しみに待っています
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/19(金) 21:00:52.40 ID:oTR4ugg0
乙!
相変わらずやる夫界隈には珍しくいい鬱っぷりだ
次回作あるなら大いに期待!
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/19(金) 21:12:40.23 ID:zX9Gslco


実際これって、来る可能性のある未来なんだよな……
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/19(金) 21:19:12.49 ID:gZS5Tqg0

     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|  
   ノl ハ∨/^ヽ   
   ノ::[三ノ 

ありがとうございます。

次回に関してはカオスな夢系統か、全く別の話かまだ決めていません。
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/06/20(土) 12:21:02.12 ID:a.uG.XU0
おおう・・・
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/21(日) 21:35:23.63 ID:WYaXL0.o
乙でした

面白いなんて言うとアレですが、とにかく素晴らしい作品をいつもありがとうございます
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/06/22(月) 14:56:11.20 ID:5X5w1V60
やる夫がカオスな夢を見たようです、も見てきました。

夢の島のなくころにから繋がった話なんですね。
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/06/28(日) 19:31:26.53 ID:2got1I60
ありそうな話だ
胸が苦しい
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/17(月) 02:25:45.10 ID:KlvOrNMo

地の文を読むのがキライな俺でも、このシリーズはなぜか読んでしまう……
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/01(火) 23:21:35.55 ID:CMICve6o
やっと見つけたぜ。こんなトコで連載してたのか

理不尽でどうしょうもないこの感じは大好きだ!
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/20(日) 10:45:37.63 ID:Rge07Xo0
おおう・・・
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/22(火) 01:30:47.23 ID:0Gp.mCM0
何時かまたここに来るかな?
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/23(水) 00:02:52.34 ID:gwmKyuw0
「スイス政府民間防衛」より。新しい戦争。その名も「乗っ取り戦争」

第一段階「工作員を送り込み、政府上層部の掌握。洗脳」
第二段階「宣伝。メディアの掌握。大衆の扇動。無意識の誘導」
第三段階「教育の掌握。国家意識の破壊。」
第四段階「抵抗意志の破壊。平和や人類愛をプロパガンダとして利用」
第五段階「教育や宣伝メディアなどを利用し自分で考える力を奪う。」←いまここ
最終段階「国民が無抵抗で腑抜けになった時、大量植民。」 ←もうすぐここ

麻生叩きはモロにこれでした

「民間防衛」P256
その目指すところは、政府と国民との離間をはかることであって、そのためには、刃向かう者すべてを中傷し、
それに対して疑惑の目を向けさせることが必要である、と考えている。
そこで、連邦政府や州当局の有力者が特に狙いをつけられることになる。これらの要人に対して疑惑の目を
向けさせることによって、政府の権威は根底から覆えされていくのであって、国民がこれら当局者を信頼
しなくなったときこそ、国民を操縦するのに最も容易なときである。

保守釣って離間工作する、そこまでいって委員会みたいなものもありますしね

「民間防衛」P259
新聞、出版物、ラジオ及びテレビは、このような心理戦争の段階に於いては、まさに決定的な役割を果たすものである。
そのため、敵は、編集部門の主要な個所に食い込もうとする。われわれ国民はこれに警戒を怠ってはならない。
敵を擁護する新聞、国外から来た者を擁護する新聞は、相手にしてはならない。われわれは、われわれの防衛意識を
害するあらゆる宣伝に対して抗議しよう。
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/23(水) 11:49:19.19 ID:evO.1T.0
なんという
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/25(金) 14:25:29.21 ID:HY62zuM0
てst
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/27(日) 16:27:17.56 ID:c48lh.60
友愛社会になくころに
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 12:13:30.89 ID:Lylby7oo
>>177
サンクス
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/11(日) 12:47:03.65 ID:Lylby7oo
そうそう、言い忘れてた
もうこのスレを使わないなら、dat落ちさせましょう
もちろんパー速はdat落ちの概念がないので

ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1246374465/

上のスレにいってココのスレのURL書き込めばおk
パー速使うなら処理まできちんと自分でやりましょう
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/14(水) 19:46:04.38 ID:Fp95RuAo
さっそく依頼だしたのはさすがだ。>>1が出したと信じとこう

そうそう、dat落ちさせるとはいったが。書き込みは出来んが、ROMることはできるからな
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