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やる夫で学ぶ柳生一族(パー速版その2) - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :1 [saga]:2009/08/30(日) 21:42:52.55 ID:YEIE92I0
           ,__ , _ 、           _, .._ 、
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         ゙゙ゞlll_ _____llll′"lllllL_ `゙lllllj リlr 'lllll!_ョll厂 __llll广
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         ulll广    ゙lllll       ´~~~~`lllll~~゙lllllニ
                            ~~   ゙゙

 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの
パー速での2スレ目です。

 【前スレ】
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1220736325/

■ 基本、史実ベースではありますが、史実においても意見が分かれていたり、
 当方の知識不足などにより、若干の創作が入ることもありますので、
 「大体こんなもん」程度に捉えて頂ければ重畳ー。

■ 次回のスレ立て告知については、現スレと避難所の両方で行います。
  基本的に毎週金曜の夜にしております。

■ 以下、過去のまとめを載せて頂いてるサイト様です。
 ありがとうございます。

 【やる夫観察日記-「柳生」】
  http://yaruokansatu.blog44.fc2.com/?q=%CC%F8%C0%B8
 【『やる夫で学ぶ柳生一族』まとめ】
  http://yagyuo.g.hatena.ne.jp/a-kubota/20050101
 【多元 - 「やる夫で学ぶ柳生一族 まとめ」】
  http://tagenmatome.blogspot.com/2009/07/blog-post_06.html

■ あと、以下は>>1が別にやってる歴史伝奇紹介用のスレです。
 こちらもご覧頂ければ重畳ー。

 【やる夫で紹介する歴史伝奇】
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1240743842/l50
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/

満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 :出来杉3.0 [age]:2009/08/31(月) 19:28:11.14 ID:???
ここ以外はHTML化させてもらいます
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/31(月) 19:29:33.94 ID:ZBAICago
おつかれさまですー
4 :出来杉3.0 [age]:2009/08/31(月) 19:37:47.24 ID:???
完了しましたー
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/31(月) 19:40:23.43 ID:ZBAICago
ありがとうございましたー
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/08/31(月) 19:44:48.05 ID:K6v.VGoo
ごくろーさまです
7 :1 [sage]:2009/08/31(月) 23:57:18.15 ID:TG1HMl60
 どもども、柳生スレ作者です。
あらためて、スレ立てありがとうございます。
やる夫板の方も、あと少しで書き込めなくなるようですし、
今後はこちらで更新を一本化していくですよー。
よろしゅうです。
8 :1 [sage]:2009/09/03(木) 23:32:51.53 ID:yVeU57o0
 どもどもです。
いつもなら明日に更新の予告をやるわけですが、
今回は「その27」の後付け解説を先に出す必要があるので、今のうちに。

 「その28」が間に合うかどうか謎なのですが、
とりあえず、明日(9/4)の夜12時くらいから「その27」の解説をここで投下する所存。
よろしゅうですー。
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/03(木) 23:40:52.59 ID:xxDs5kQo
了解でござんす
季節の変わり目ですのでお体にはお気をつけてー
10 :1 [saga]:2009/09/05(土) 00:01:30.06 ID:eq0ZT9.0
 どもどもです。
てなわけで妙に間が開いてしまいましたが、
おくばせながら「その27」の解説をば投下します。
大体1時間くらいかと。

 では、次から開始をば。
11 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:03:02.48 ID:eq0ZT9.0
                              ...      ヾミミヽ、 ,r───‐ 、
                                      ゞヾミミヽ、_      >─ -、_
                              ...      ,r‐── -〈__〉- 、__  `>‐- ヽ
 こんばんは!                     ..      l  ,..-‐-.、  `ヽ_:::::::ヽ、`ー‐、‐- \
本編に入れられなかったのをこれ幸いと             ラ:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、 \`ヽ::::`ヽl〉 ヽ \__
後付の解説というのをやってみるでアリマス、とか   _  <´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;-=ヽ、 ヽ、`ヽ、l‐ 、_   ノノ、
>>1が言ってるけど、そんなわけで          . ! \ ,ィ:.:.:.:.:..;-、:../ィァ:ォ、 `ヽヽ、 \  `ゝィ::::/ \
(その27)の解説です!               ......  \ \イ:.:.:/  レ  ゞソ    -`ー-、_\ /:::/   \
                              ...   \ \彡ヽ__        =、 ./ミゝ `` >イ、,     \
 今回は、本編で語られたうち、                 ,ゝ、 `ー──‐、 r 、  `  iソ     `!リル`ゝ、   \
                              ...    〈  \  ,r─、‐' ヽ_> .ノ__     ゞハルルン;ゝ、    \
1:「宗矩と諏訪部文九郎の逸話について」      .    l、`ー‐イ /::::l lー`─、  /::::::::::/       _>リルラハゝ、  〉
2:「宗矩と宗冬の逸話について」               ヽ二丿/::::ノ .ト、:::::::!::´::::::::::/ ̄ヽー──'"´   `ゞリルハゝ<
3:「家光の手紙について」                    ト、:::::::::::/  i  \::Y ̄ヽ:ヽ、_  ヽ         _, イミゞ゙
                              ...     ヽ ヽ/    i   \,<´_`ー-、`ヽ、 \    _,、≪ヾミゞ゙`
 それぞれ解説を入れます!                  _,>イリト、  ヽ    `ヽ、::`!  ヽ:::::ヽ ヽ≪ミヾミゞ`゙`
今回はボクと…                    .....     `ヽ彡イリハヽ、 ヽ、     `ヾ、  i、:::::::ヽ ヽ`゙`
                                       ``マルハ   ヽ、_     `ヽ、ヽ:::::!  !
                                          ヾハヽ、   ` ー- 、_  `ヽ、l  !
                                            ヽミミ i        ̄` ー- ヽ!
.  i    l :.:.:    l  :./!    :|  .ハ       l:.:  i:.   l.:.:.  l
.  |    |.:.:    | .:.| |  .:| |  :.| | |      |.:.  |   |.:.  │
.  |    |:.:.    | .:.:.| |  .:.:|:.:.| .:.:.l L,イ     |:. /|   |.:.:.  |
.  |    |:.:.     | .:.:.l ヽ_⊥上‐丁 | ハ    /ソ-X!.:.  l.:.:   l
  !   .l:.:.:.    }.ー‐ト7ヽ: | N∨j |:| ',   / }:/ | 7 /ト‐- ,'      私が担当します。
  l    |:.:.:.   l |:.:./ j  ヽ.{ __从 リ l:  / 〃 j |/リi:.  /
  l    |:.:.:.:.  | fり. _ -=≠==r`    }/  ‐_,ニ、_  j  /      (わあ、かっこいい子だなあ…。
.  ',   |:.:.:. :.  ヽヽ. ー'  ̄   `     ノ   ´  ̄ ヾ /〃  /     こういう子はきっと女の子にも
   i   |:.:.i :.::.   \\ ;;;;;;;;;;;;            .... /   / /     もてるんだろうなあ…)
   |   |:.:.|:.:      ヘ ヽ                ;;;;;/ /=イ_
   |   :l.: l.:.:     {\\        '     <ィ‐´   / /
  イ  .:.:.:l: l.l:.:.:    i 、 `ー--、    ー_-     /!:.l.:.:.  /./
  ノ.!  .:.:.:.l:.|:L:.:.    ヾへ              イ  /:.: / /
 ,' :l  .::.:.:.| |:.へ     X   ` 、        ,....": |  //  /
./ ,'  :.:.:.:.:| !:.ヽ \  ヽ \   > 、 _ イ:.:.:.:.:.   ソ   /
  ノ  :.:.:.:.:.:リ.:..:.:\ \  \\____  _i__:.:.:.:.:/  /
12 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:05:02.66 ID:eq0ZT9.0
                               ..            __,
                               ..          //,,______
                               ..          \∨ ニニニ ,, __ `
                               ..        /:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
(綺麗な人だなあ…。                   .      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
 きっと男の人からモテモテなんだろうなあ。         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
 いいなあ…)                          /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
                               ..   /::::::/::::,:::::::/i::::.:::::::::::::,;::::::::::\;;:::::\::::::::\::\
 さて、まずは1つ目、                     i::::::/::::/::::::/ |:::i´i:::iヽ::::\ヽ::::::::\;::::\::::::::\`\
「宗矩と諏訪部文九郎の逸話」についてなんだけど、  |:::/|:::/:::::/i |:::| i:::i, \:::\`\\;;:\ヾ:, ;:::ヽ
まず確認なんだけど、これって史実なの?     ....  |:::i.|:::i::::::/| .|:::|,  \ヽー-tヒX `ii´,ヽ. i;:::i 丶
                                  i:/ .i::|::::/)--土、    /フニ7'  | /ノ::| ヽi
                                  .i|  ヽ::|ヘヾf`ヒ_ン      ´ ̄   ./|\|  `
                                   |   i::| ヘ    ,         /i:::i
                                      `i.  \          /|´i:|
                                          丶 、 -     / | `
                                           _ `>.、 / -―┴-- 、
                                           i, ̄| ̄ ̄        /
13 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:06:09.67 ID:eq0ZT9.0
            , ' ´ ⌒V/'' 一_-、        
          /  /        `ヽ,` 、      
         / / / /  i     ヽヽ ヽ. \
        /  i i ./ / .ハ   i i i .i ヽ`、 ゙ 、         そうですねぇ…。
.        l / i  iイハi i i i iリi i  i i ヽヽ i         結論から言えば、
        l/ i  i斗ェ士Iト;/ //__iリ  i i ハ ',
        l バ|  〈.{゚:::::i}゙ レノ/,ィメミト  i  i i.l.l i          「史実かどうかは不明。
       l i ハ  i.辷ソ  " .{:::ソ〉i / .レ .| i            ただあってもおかしくはない」
       l i  ハ  ヽ:::::  _ ' :::゙"/ / レノノi.l
      l i  i ト ヽ \  _ , イ イ ハノノ            というところですね。
.      l i  i  i  「`゙''ー゙r"T// i/ i i
      l__i_, 斗‐へ ___ ィL/`ー- i_i iヽ            この逸話の出典である『明良洪範』は、
     /  } }  <´  ∧+.ト、`ヽ  } }  ヽi ヽ          その成立の詳細な時期は不明ですけど、
   /     } }  _〉 :: :∧゙ヽ 〈  } i   ヽ ヽ         慶長から正徳頃(1711〜1715)までの逸話を載せているので
  /       V´ | , イ ハヽ、 ハ`' く     '、ヽ        おそらく、宗矩の死後、かなり経ってから書かれたものと
. /       /  ノイ/ .H ヽ ヽ,〉  ヽ    ヽ \       思われます。(著者は真田増誉という幕臣)
〈        i   ムr-i^'|ウレ イへi  i     .〉  \
. \      ト、:::::::::::::::::::i「o]i|::::::::::::::...ノ     .人   ヽ     そして、他の史料、つまり
  / に_ >'i. `' -----┴┴-----イ  < イ ヽ \       『徳川実紀』『寛政重修諸家譜』『玉栄拾遺』などに
  /< ̄7" i ハ             |ハ こ イ i\\ \     載っていないことを考えると、信憑性という意味では、
. /    V  i iハ            ,iハ   .i i ヽヽ  ヽ    若干不足している(情報量が少ない)ところがあるのです。
/ ⌒ヽ〈  i i i .ト、          ii  { ー イ  iヽ ヽヽ  ヽ  (宗矩の兄・五郎右衛門宗章を「十郎左衛門」と書いて
|     V i i 〉ヽ、         | i  i   .i  iヽ ヽ ヽ    「宗矩の弟」としている話も載っていたりしますし)
.\    「>、i/ \ ー  ―  イハ i i    }  i ヽ ヽヽ

 【原文:近代デジタルライブラリー「明良洪範(巻之六)」】
  http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=49002525&VOL_NUM=00000&KOMA=47&ITYPE=0
14 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:09:02.84 ID:eq0ZT9.0
                             ,.イ  ,..-,. =-
                            (:.:i /:/_
                            ヽ:V:/ ´:.:.:.:.:``ヽ、
                          ,..:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ
 へえ。               .     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
じゃあ、あくまで「逸話」ってこと?    ./:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.ヽ:.:.:.::.:.:.:.ヽ.:.:.ヽ
                        !:.:.i:.:.:.l:.:.:.:i:.l:.:.ト:.:ヽ:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:!
                       l:.:.:.!:.:.:.l:.:.:.ハ:!、:i ヽヽ >-‐-:ヽ:.:.:ヽ:.:!
                       .!:.:.l:.:.:.:ト:.:.レ-     ,.r=ミ、 ヽ:.:.:.トl
                        、:.:l:.:.:.:lX:.l,r.=ミ.   '.!:::::::!.' l 〉::.:!
                        ヾト:.:.:.:l、 !(::::::j.    ` ." i':.lレ'
                          ヽ:.:lヽ. ` ´ ._,`-r   イル
                            二ゝ、 _  `-' /
                         r' ´   .\   ̄ lj  )`ヽ、
                         .l ヽ、, -‐' ´ ヽ、》_, <   .`ヽ
        ____   ヾ、
       '´ ̄ ̄ ̄`ヾ、  .!l
         ____ヾ!| _
      ,、 -‐'==―‐- 、 ツ´ニ、ヽ`ヽ                  それが一概にそういうわけでもないの。
    ///´  /`      \ ヽ\               というのは、逸話を構成する個々の物事には
    / //    / i     i i  ヽ ', ヽ              特におかしな点がありませんから。
   ,' / / / ,'  |   l  | l   l  |  ト,
   ' / /./ /  l   |   !  l l   |  |   l '.             ・ 家光の頃、品川御殿は現存した
  ,イ / / ,'  l  ハノ `ト、ハi ハ l ! :!: l  l '.            . ・ 旗本の馬方・諏訪部家は実在する
  ,' l ,イ / l |  |才丁l  |イ二サトl、リ :l |  l             ・ 家光が近習達に仕合をさせ、
. i l! | ,ィ| .l |  |,r=行ヾ .ノ イ! ̄_/ ./ 、!  ! l             それを見物するのはごく普通にあった
   i ! l |! | l   l ト、_| `" 、ト、__ノイ / /'´|  l !l             ・ 宗矩は家光に近侍することが多かった
    l ! l |、!  ヾ ̄ 、     ̄フ  /-イ  !  :l !l
     l! ヽト、!   ド、  っ   / ./ /  i    l !l           これらを考えると、
     '、 ト、|ヽ  \>、_ - ア/ /ュ/  i     l !l         「家光が興に乗ってこの仕合を催す」というのは、
     .  |! |  ヽ、ミ | `Y´/'レ'/ !         l !l         可能性として実際にあってもおかしくはない、
       l! | _  __ノL !    __ノ`ー--ァr- へ、 l !l         というところなの。
      i!/ lr -ー ‐i⌒i ´ ̄ ̄` ー、 .//     ヾ !l
     ./ノ ...|     l、_ノ      ///      ヾ l         他の史料に載ってないのも、
     /     |    /ヽ   ` 、 ///        ', l       話の規模として然程のことでもないから、
    /    , '!   /|  \    | ̄「          l l      載せてないだけ、という考え方もできますし。
.   /  / .トー'´ l| ,'  `ー、 :!/           ! l
.   /   /  /   ::!|  , -、 \!            | i l      まあ、「剣豪・柳生但馬守」のお話として
  /   {:  L,ー⊂∨|/ .└-ー-/             | l l    出来過ぎな分、頭から史実と見るには微妙だけど
  /    '、    i !iOi ! i    ヽ    - ==-     !  l l   「有り得る話」として程度なら問題ないと思います。
  ヽ    ヽ、  _ -‐⌒ヽ、   ノ\          /   l l
15 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:12:24.25 ID:eq0ZT9.0
                         .....           ____
                                     l´:七,´‐― - 、
                                     ヤ::l/:/ ̄ ̄ `
                                  , -―-ヽ|/´ ̄..`..ヽ
                                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....' ,
                               /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                         ......    / : : : : : :::: : : : : : : : \:::::::::::::::、ヽ
 なんだか勿体無いね。            .   /::::::/::::::::::::/|:/l:::::ハマヽ;、\:\:::::ヽ',
即座に機転を利かせたりして、        .  ,'::::::/:::::::::::/ |l ',::| ヽヽ|_⊥|_|、l::::l::l
如何にも名人らしい話なのに。       ...  l::i::::l:::::::ハ::l,-┼-ヽl   ´.ィ-c、 `lカ::l:::|
                         .....  l::l::::レ::::l: :`,-,‐o、    ´:辷;j. ! lル'!Xl
 じゃあ、2つ目の「宗矩と宗冬の逸話」は?  l:::l:::ヽ::l: : l .辷;j   ,      l /:l|
                             ヤ::l:|::l `. : :             l'Vソ
                             `マl|ハヽ_、: .     , - 、 _  ./リ
                               ` ヽ!::lヽ: .    `ー/ ,__,`ゝ
                                  l/ヽ!゙、ュ :_ . ./ -',.-_'ュ_
                                      l〈`l    ´,.ィ l
                                      l. ヤ!     !- '
                     , -_ュ              / __l    .}`\,_
                    //´   , -―_ュ
                      { {  // ̄
                ,.  - ┴`く∠、
                /  /    i ヽ \
            / /   ! ! l´ l ! l l   ヽ            これも実は『明良洪範』記載なの。
           /   li   l,_l_l__ム/! l l | ! l           というか、この二つは、同じ日に起きたこととして
             l   _l!  l,ネZVl/ l/_ムl ! ! l           続けて載っているのよ。
           l.  〈r:l.  Nニツ   ,世/ ,! l
              ,'  ,∧_!  l'''' ト-ャ´`ラ´ / /             この本文では、宗冬のことは、
 ,.、       /  / / l  i、  ̄  ,Zニ∠_           「飛騨守」と記載されてるのだけど、
 ヽ\ n    / ,/,ノ ,.-l,ヘl≧‐-ィ´      _ヽ___     宗冬が飛騨守に任官するのは
  rヽ l マヽ ///  _/r┬─‐xイ | ヽ  /        `i    ずっと後の明暦三年(1657)だから、
  {ヽ! i、`_!´_/ //-:.Y:.:.:.:\_:_;>|         Y     !    これも宗矩の死後に書かれた話である、
  ,ブ' ´   ヽ /´ /:.:.:.,ハ.: : : /ヽ、l!| 、    _,フ ̄`!   i    という傍証にもなるわね。
-‐ニ_」 , -_-_」 ! ,l_:_;/l。!ヾハ_、:.:.>l`  ヽ,/    l    レ    そして、この逸話も、他の史料には
´/ K厂  l ≠く:.:./ .l ! l;_:ノ  ̄ l.   〈      ,.-┴==ミ、    載っていない話なの。
/  ,/l   /  :lV  l゚l     丿  い    l'´     `!
 /  l         l   Pl  _,. -‐´    入__ ! __ l    そういう意味では、逸話自体の信憑性は、
/   人   ,. イ^ゝ-‐ヤ`´            ´   `‐{  スFミタ   先の諏訪部文九郎の逸話と同程度と
  /  ヽ.ィ´ /  ,/\                ヽ.┘l _ル   思っていいんじゃないかしら。
 /  /  / /  ,/ ,_ ,>、               ` ´ヽ
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:12:30.58 ID:CUu2tDUo
ほほぅ
17 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:14:44.19 ID:eq0ZT9.0
                                  ヾヽ!:.l  ____
                                 ,..-ヾヽ!´:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                                /:.:.:..:.:.:`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
                               /:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ
 ふーん。                    .     l:.:/:.:.:i:.:.:.:.i:.ヽ:.:ヽ:.:.:ヽ:.ヽ:.:.:.:ヽ、
さっきの話もそうだけど、                 !:.!:.:.__!、:.!:.lヽ_Lヽ-:.:.:.lヽ:ゝ:.:.,ゞ
久々に宗矩が剣士らしく剣を振るったのに、     レリ:.:..,ォ、lヽ!´,ィ=t-、ヽl:.:.:.:.:、l`
史実かどうか分からないっていうのは     .      ヽト、!ヒ!    ヒリ_ r'´:´:`:ヽ
残念だね。                    .        l、 '   "",i´: : : :))ノ`!
                                   ヽ、´`   ,{: : : : : :)ヽ: :)
                                  r'´: : :` T´ {: : : : : :) ./: :)
                                 ,!: : : : :) lー 、 {: : : : : :} l ̄ヽ、
                                 {: : : : : } l__  ヽ: : : : :) ,! ./ ヽ
                                /{: : : : : } |::::: ̄::;ゝ: : ノ. ヽl!  ヽ
                               /(: : : : : ) !::::::::::/ ` ハ   ヽ、__`-、
                               / ヽ: : : :}  !::::::/  / ヽ   ヽ  ` ト、
                              / ヽ ト、: : :)ヽl/  /   ハ   〉   \
                              /   ヽ`ー' / /    l!:::ヽ、_/      /
                             / _  ノ  /  /      ヾ、:::〃     /
                            r'  , - `ヽ!_〈  /         ヾ、     /
                            ヽ/    ヽ`ー-.、_,ォ-、,-、___, イ   ̄` ー'
                             l   ,r‐‐-〉`ー-,〃::::;!:::::トヽ-‐'ヽ、
                             ヽ /:::〉/l  /:::l`ー'└‐' ヾヽ  ト、

              //  /  /  l | |   ヽ \
           /) / /  ////, !   l | | | ヽ 、ヽ. \ 
         ///){  | | l l.| |   l | | l || | | l.  ハ    そうね。
        /,.=゙''"/ | l | l |ハ| lハ   | | |_」 | | | l N   でも、この逸話のポイントは実はそこじゃなくて、
 /     i f ,.r='"-‐'つ l ルlチ幵弐 ト l リシ武| | | | ト l    
./      /   _,.-‐'~ト.   .∨仏:::| リノ' 凸'}ll | | | | ||       『(若い頃の)宗冬の評価』
  /   ,i   ,二ニ⊃kヘ  ヽゞ ┘  __'└ 'リ | | |ノ. l|
 /    ノ    i./ /  l `ヽ. ヽ   ( ノ  .イ ノ /ハリ ノ     という意味でも見ることが出来る点に
    ,イ「ト、  ,!/ /  / _∨\ ',`r 、_. イ / // ノ|      あると思うの。
   / iトヾヽ_// /,イ⌒ヽヽ ヽ  ヾーv'トー-<^ヽ./ !
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:17:34.54 ID:IE3jCc.o
なかなか興味深い者同士の解説とは、おもしろい。
19 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:17:50.82 ID:eq0ZT9.0
                                          ___
                                       ./:::::::/`ヽ
                                       {:::::::::/__
                                       ゝ .〈/:::/ ̄¨`ヽ.
                                  ,.  ´ ̄ ̄ `¨` ヽ
 宗冬の評価…?           .           /:. :.:.:.|: : : /i: : :.、.: : : :\
ええと…それはつまり、       ...         /:. :. : /i.:.:.:/ .|.:.:.:.:|: : : : : :.\
                               //: :ヘ:/  |:.:/  L__斗: : : : : : : :ヽ
 「未熟者」              ....      /' /: //>r、_,,l: ト,=≦r、: | ト、: : : : : : : ',
 「宗矩・十兵衛より弱い」      .        //}{ //・リ レ' //・リ ∨:.|: }: : : : : : : :i
 「かませ犬(伝奇的な意味で)」  ....       ./'  / { { /    { /  ト、j: l: :.|: : ト、: :|
 「役立たず(伝奇的な意味で)」            /  `´    `´  ´  j∧: l: :..l Y
 「女装乙(柳生武芸帳的な意味で)」         {     , ‐、           Vト、_l
                           r‐、    \   {__}         <」
 とかそういうこと?               l {      > 、  ____  <ノ「\j
                          {_ ',__r'7    {{ ̄}  〉‐┴「
                         /⌒ヽ / /       }} 〃 ,ィ{{
                        .{ __ノ/ /       〃 |  .l ヾ
                         \__  {      / ‐┿‐┤ }}

                                         あの、もうちょっとこう、手心を加えてあげて。
                                        もう宗冬のライフはゼロよ?
.  i    l :.:.:    l  :./!    :|  .ハ       l:.:  i:.   l.:.:.  l
.  |    |.:.:    | .:.| |  .:| |  :.| | |      |.:.  |   |.:.  │    …でも、まあ、そういうことね。
.  |    |:.:.    | .:.:.| |  .:.:|:.:.| .:.:.l L,イ     |:. /|   |.:.:.  |    特に、この頃(18歳より前)の宗冬は、
.  |    |:.:.     | .:.:.l ヽ_⊥上‐丁 | ハ    /ソ-X!.:.  l.:.:   l    癪を患うこともあったせいか、稽古にも熱心ではなくて
  !   .l:.:.:.    }.ー‐ト7ヽ: | N∨j |:| ',   / }:/ | 7 /ト‐- ,'    本ばかり読んでいたらしいの。
  l    |:.:.:.   l |:.:./ j  ヽ.{ __从 リ l:  / 〃 j |/リi:.  /
  l    |:.:.:.:.  | fり. _ -=≠==r`    }/  ‐_,ニ、_  j  /      だから、『玉栄拾遺』でも、
.  ',   |:.:.:. :.  ヽヽ. ー'  ̄   `     ノ   ´  ̄ ヾ /〃  /   「幼少の頃は修行不足で未熟だった(大意)」と
   i   |:.:.i :.::.   \\ ;;;;;;;; u            .... /   / /  書かれたりしているわけで、
   |   |:.:.|:.:      ヘ ヽ                ;;;;;/ /=イ_   そういう面からこの逸話を見ると、
   |   :l.: l.:.:     {\\        '     <ィ‐´   / /   これは「宗矩の逸話」としてだけではなく、
  イ  .:.:.:l: l.l:.:.:    i 、 `ー--、    ー_-     /!:.l.:.:.  /./    「宗冬の逸話」としても見ることができるわけです。
  ノ.!  .:.:.:.l:.|:L:.:.    ヾへ              イ  /:.: / /
 ,' :l  .::.:.:.| |:.へ     X   ` 、        ,....": |  //  /      「名人である父・宗矩に比して、未熟な不肖の倅・宗冬」
./ ,'  :.:.:.:.:| !:.ヽ \  ヽ \   > 、 _ イ:.:.:.:.:.   ソ   /
  ノ  :.:.:.:.:.:リ.:..:.:\ \  \\____  _i__:.:.:.:.:/  /        の逸話としてね。
20 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:21:21.78 ID:eq0ZT9.0
                             .           __,
                                     //,,______
 でも、なんだか逸話でも           ...         \∨ ニニニ ,, __ `
酷い目にあうってのも気の毒だなあ…。    .       /:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                          ......     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
 というか、そういう面で見ると、            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
武芸者の逸話と云うより、              /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
反抗期の中高生みたいな話だね。       .  /::::::/::::,:::::::/i::::.:::::::::::::,;::::::::::\;;:::::\::::::::\::\
                          ...... i::::::/::::/::::::/ |:::i´i:::iヽ::::\ヽ::::::::\;::::\::::::::\`\
 自分の境遇に不満を持って、           |:::/|:::/:::::/i |:::| i:::i, \:::\`\\;;:\ヾ:, ;:::ヽ
家業の稽古もせずに本ばかり読んで、   ..... |:::i.|:::i::::::/| .|:::|,  \ヽー-tヒX `ii´,ヽ. i;:::i 丶
それでいて親に負けたら思わず愚痴るとか、.  i:/ .i::|::::/)--土、    /フニ7'  | /ノ::| ヽi
なんていうか、普通の若者っぽいよね、宗冬。 .i|  ヽ::|ヘヾf`ヒ_ン      ´ ̄   ./|\|  `
                          ......  |   i::| ヘ    ,         /i:::i
 十兵衛なんかだと、子供の時の逸話でも ....     `i.  \          /|´i:|
                          ......         丶 、 -     / | `
 「片目をやられた際、次の攻撃に備え               _ `>.、 / -―┴-- 、
  咄嗟に無事な方の目を覆った」      ...          i, ̄| ̄ ̄        /
                          ......          .|  |          /
 とかいって「如何にも剣豪」な感じなのに。 ..          ) `フ , -――   L
                                    // ̄/    ヽ    `\

                ,,ィ===== 、     
          , ==ミゝメ== ,,__     ヽ
       / ,/ r '´ `´´  ̄ 丶_、
        / // 〃 ,  ヽ  ヽ ヾ `ヾ、      そうね。
     / / /' 〃 イ   ト', ', ヽ\\ ヾ     実際、この頃の宗冬は立場的に言えば、
      !  i 〃,イii ハ   i ', ', ! ',ヽヽ  ',    剣において自分より強い父と兄二人がいて、
     ! λ i/⊥山-イ  人i i'リ i ',',ヽヽ "    そして将軍の側で働く者としても、
      i , カ  ',rtテ=ミi〃 /ソ_メ、i  i !i !! ',     遥かに寵遇されている父と兄(友矩)がいるという、
    i ヽi'   パ:::。i 〃リ イ゚::i`〉  リ :レi i リ     常に自分より上の存在と比較される
    i  i ハヽ ヽ'',,´   、 `''゚〃 /i i/ソ リ     かなり劣等感を刺激されたであろう状況だったの。
    !  ! ハ ヽ ヽ   ワ '''〃 // /ノノ
   i  ! i ハ、_ヾヾゝ ィ</ /〃イi !         そういう意味では、その劣等感故に
   i  !  !_〔   ̄Y´´ト、'´_ i i i ハ',       反抗的になったのでは、というのもおかしくないかもね。
   iィ─rt' ´  >='´†ヾ=< `rt-ヘハ',
  /´;  i!ヾ  く´ '´ `大'  ' ,`>//i! ;, ヽヾ
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:24:03.92 ID:LvSGvawo
フルボッコwwwwww
22 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:24:13.90 ID:eq0ZT9.0
               .          , '::::::::::::::::::{  {/ /   ` 、
                       ∠'´::::::::::_::,::─-ヽ.v /..- _..........  \
                .      , '/:::::::/::::/:,:: :::...   、 ` 、  ....  ',
                     //:::::::/: ::/:::/.:::::.....  .  \  \  ... ヘ
                    //::/:  .:/::::::/:::::::......  ....   `、  ヽ  .....',
                .    //::/:::  .::/:::::/:::::::: !..... { .....  ....!...  `、  ..',
                   //:::,':::: .::/:::::/,'::::::::::i....... ! ......  ..|.... .  ',  ...i
                  ,' }..::}::::: ::,':::::/ リ::::::/ |,..... {、`,......  i....... .. ',  ',.',
                  | i..::!:::: :::}:::::,'/ }::::∧ |ヘ.... !ヘ!'、...  !........ .. i  i...!
                  | |..,',:::!..::::|:::::ト-|::::廴',i ',ヽ.. |  __ト、 込、 .... .. i   {!.|
  …「ぼうふらの剣」じゃ   | |.:|ト::|..::::!::::汀弐仆ミ、! ', ヾ{ ´≠,=心、}...... .. |  ハ.!
 凄かったのにねえ。  .   ',ヘi|:、:i.::::ィ:_!{ kぇィV       仟,壬:} l〉!.... . ハ ,}/
                    |{:!',|::::、!}`rゝ- ´       弋__ツ. / !.... / }/,'´
                  /...',..',::::{:|} ! ',゚::::    ,    ::::。:::::/_,y... ,' ノ
                . / .............,ヾ!} i ! t.           /´|::i.../´ \
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             . /,. .  }  } `、`、{: : ry,_     /:: : :/ . : :   . ', /_z-メ,}/

        ⌒ヽ〉
        . -―‐-  .            まあ、あれはホラ、
     /           \         隆慶先生の俺補正が掛かってるから、
    ./   ハVV∨VVlハ. `、   ☆   期間限定のブーストですよ。
   ,′ / ・    ・   ',  i       柳生力(やぎゅう・ちから)限定解除ですよ。
   { i i     ワ    i  |       
    Vl ヽ           , rゥ.        尤も、宗冬については
    /\__>        ,.イ// l       まだこれから先、色々あったりするのですけど
    /,  ..:::::>‐--‐<〆/  ヽ      今は、この逸話にあるように
  ノイ ..:::〈 ̄{二口二}./::::..   \    
   |:::::i:::〉/:| <,ノL> |::::::::::ヽ::::\_>    「この頃の宗冬は、十兵衛とは別の意味で
   |:::::l:〈〈:::j      〈::::l:::::::l\:::|       宗矩の悩みの種だった」
   .\ハ:::>'      ∨:::l:::|  iノ     
      /           Vノノ         ということだけ
    .〈           ヽ         覚えておいてもらえれば、それで構いませんわ。
      `‐ァァ========ァァ'′
...........__(/____〈/__...............     
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:26:03.47 ID:LvSGvawo
限定解除ww
24 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:27:14.23 ID:eq0ZT9.0
                                            //_
                                          /.,〃 _ 二ニ=-
                                      ,...-‐:.'!:l//ー-..、
 (…急に頭身変わった…!?)        ...       /.:.:.:.:.:.:.:.`':.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
                                    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ  て
 今後の展開待ち、ってことだね。              ./:./:/:.:..:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.ヽ そ
                                  !:/:./:.:.〃:/l:.ハ:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:i
 …あ、そういえばひとつ気になったんだけど、...     .!:i.:.l -、.l:/ l:.l .!.:l、:.!:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.!
宗冬って、よく「又十郎宗冬」って呼ばれるけど、     レハ:/ ォミ  ヾーヽ!--、 !:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:l
ここじゃ「主膳」って呼ばれてるよね?      .      !.ヽ! ヒソ    ィ= 、  !!:.:.j:.:.:.:.:.:i
                                      l "",     .ヒ ソ .リ!:.ハ:.:.:.ル'
 これってどういうこと?                       ヽ、 ,   """u..,イレノレ"
                                .r '二)、   ヽ`    _ . ' ヽ./: :``ヽ、
                                l   ̄┐     ̄ .!    / : : : : : : :ヽ
                               .j    .iン  ., - '"〃!  〃: :/: : : : : _:.ヽ
            _
           〃⌒ヾ
      /  ̄/ ̄  `ヽ       あ、これ?
  __   / ハ ((  ノj ) い      どうも「又十郎」は幼名だったみたいで、
〃   ヽ! ! .    . レ !     成人してからの宗冬は、
{    ノ| !(こ) ヽァ  に). |     「主膳宗冬」または「内膳正俊矩」と
 `ーヾn ', ハ          ノ│     名乗っていたみたいなの。
   /^ヽK、> __  < ノ      (ただ、主膳と内膳のどちらを
.  /: : : Y´ヽ: :/ イ: :|  !       どの時期に名乗っていたかは不明)
  ゝ: ___:ノ  ̄ ̄ ̄`!ヽヽ
     ノi! ├───‐| ヽゝ○    だからここでは、その呼称に従って、
     リ |: : : : : : : : |  ノう/    今後「主膳」と呼ぶことにしますね。
.       ヽ|: : : : : : : : |ノル"
        l_____ノ "       (わーいらくちーん♪)
       (_ノ   (_ノ
25 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:29:45.17 ID:eq0ZT9.0
                        ...         _,,.-'',r'" ̄ ゛゛''‐,,_
                                γ"  /        ヽ'-、
                                /   i          i ヽ
                                /   .i           i  |
                               /__,,.,.,..i-―---  ..,,_     |
                            _,,.-''"::::::::::::::ヽ、       ゛゛''r''r‐r‐-.、
 了解!                     ,.-ニニ,.:::::::::: ::_,::::::::::ニ>.,,___,,..-‐'|./    ヘ
                        ...    "7::::::r''"-ir'"く(りリト, i/ //ヾ!ヘヽ..,    ヘ
 それじゃ最後の一つ、               .''/_;;;::ヽ__    ¨´    (り》/i|!'|!ヽ   .〉、
「家光からの手紙」についてなんだけど…    " /"'イ::|ヽ        ,    /   \〉  .i' .\
本編じゃ手紙を意訳したから、     .....        "| \  `‐-- .ノ'    ./  ./    ゛'‐.、
こっちでは原文を公開するよ。             _,,..-‐く  ゛'‐..,__,,.-''".   _,,../   /ヾ_    ノ
                        ...    /    \   ト-――‐‐'" /   ./::::,    /
 少し長いけど、意訳文もつけるから ......   /:::  ,r'"”  ゛'‐..,,_):::::::::>  ../   /:::::::i-‐'"
大体の感じを掴んで貰えたらいいな。  .   i:::::::: ,':::::彡  .二゛''‐..,,_ 〈::::::::/    /::::::: |
                            i::::::::::i:::::/::::::        ゛' z_/    /::/:::: |
 (意訳は>>1の解釈なので、          .:,:::::::::',/ //:::    /     ./::/:::: ',
  これ訳が違ってるよ、とかあれば       .',:::::::::)彡::::::::::::::::::::::::/      ./::/::: _,,.:::ゝ
  ご指摘頂けると幸いです)           .',  i::::::::::::::::::::::: :./''''‐- ...,,__/_,,.-''".
                              `、::::::::::::\   ./   / ',  i
                              (彡/:::::::::::\ i  / i  ',', .|
                               `、 /:::::::::::::ト-" ' ' ',,,  ',', |
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:30:01.52 ID:bFLpfmYo
かわいそうすぎるww
27 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:31:12.34 ID:eq0ZT9.0
『一 へいほうをなぐさみ、遊さんにつかう事なし。
   但馬へいほうを一しんのすわりところ、よくゑとくし、兵法じゆうにするところを見つけたるゆへ、
   此きんねんしうしんをふかく入りてけいこする事。』

意訳(余(家光)は、兵法(剣術)を慰みや遊びでやっているのではない。
    お前(宗矩)が兵法を心の据わり所として、よく会得し、これを自由に使うのを見ていたので、
    近年から熱心に稽古している)


『一 兵法のき、おろそかにおもひ、けいこするやうに但馬思うこともあるべきと思ひ、
   此書付をつかひ見せ候事。』
                                               ,. ‐:,.=―
意訳(兵法について、余が稽古を疎かにしていると、              /: :/ ___
    お前が思っているかもしれないので、                   ヽ::/ /: / ̄ ̄`
    これを書いて見せるのだ)                           __ヾv'∠____
                                         /: : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
                                         / : : : : : /: : : : : : : : : : : : : \
                                        /: : /: :. :.}:ハ: : : :ト、: : : : : : :. :. : \
                                     /:. : :./ : : /ノ'\Vト、:| X´i|\ : : : : :ヽゝ
                                       jヘ/: :i_\r‐--、       r---、ヽi : :ヽハ
                                       /: :{ヘ|/ {:::::::::::i     {::::::::::::i i\:j: :j
                               .        i: : ハ i `ー'''’     `ー‐''’ .|´ }ト、|
                               .        |ノ从⊂⊃    _ノ\_     ⊂⊃'|
                                         \>、  r‐、 {   ノ     . イ/`i
                                             ` {   }ー__r‐、,<ノ´/'
                                               `Y´:::::::::ヽ>‐、
                                             / ̄ ̄ ̄ヽ-’
                                             r' ̄ ̄ ̄ ̄\
                                              /::::::::::::::::::::::::::::::〉
                                                ト、_/ ̄ ̄`|、_/
                                                `´       `´
28 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:34:26.27 ID:eq0ZT9.0
『一 上下によらず、さふらいハ、一しんのすわる所をゑとくするより外の事ハなきとおもふ故に、
   ふかくしうしんに思ひ、朝夕わすれず心にかくるといへども、心持いたらぬ故か、
   じゆうにならざる事。』

意訳(身分の上下によらず、武士にとって心の据わり所を会得することは
    大切なことだと思う故に、兵法に深く執心し、
    朝夕忘れず心がけているのだが、まだ未熟なせいか、どうも自由にならない)


『一 下々の弟子の心もちとちがふべし、但馬兵法をばしんじつよりしうしんに思ふ故に、
   ふだん心にたゆることなし、それによりせがれの時よりもたじま儀はいまにねんごろにすること。』

意訳(下々の弟子たちと余は違う。お前の兵法を真実大切に思っているからこそ
    普段から忘れずに心がけているのだ。
    だから、倅(十兵衛)がいた時よりも、お前を大切に扱っているのだ)


『一 へいほうの儀、まへにてよきとばかりほめ、しんじつ兵法をよきやうにおそへざる事、
   但馬心中には、にやはざる事と思ふ。つねのものなりとも、しうしんによりおしへべきに、
   これほどしうしんの所にしんじつよりよきやうにしたてず、とうざばかり教へ候事、
   たじまにはには、にやわざる事とおも夫ふ事。』

意訳(兵法の稽古の時、前から「よろしゅうございます」とばかり褒め、            /
    本当に兵法をちゃんと教えてくれないのは、お前らしくもない。            //_ -‐
    他の者でも、熱心にやっている奴にはちゃんと教えているのに           < /| ,_ ´
    これほど一生懸命やっている余にちゃんと教えず、            _ -.:´ ̄:::.   ̄ ` ヽ 、
    適当な教授をするのは、お前らしくないと思う)               /.:,;::  ハ:::.  ,:..  ::.. ヽ、
                                              / '7/: 〃ノ|:.l i::.. l:::.  ::.. .. :;::\
                                               〈./::/ レ' |:| i:::. l:::.  |::: ::. ヽ\\
                                               〆,\   リ-弋:. ll:::. |:: l:::.. 〈::.,ゝ
                                              _ /( )   ( ) \ハ:::. l::: |\:. 〈
                                               \弋~ 、_,、_, ~~ ノノV\::ト、.\i
                                                \` 、 _ i<_ノV人ゝ;,.\
                                                  〉' >ー‐<.\
                                                  / ̄/‐-  ヽ\\
                                                   / ̄ナー- _7 ーくつ
                                                  〈_j'__ \〈
                                                 ヽーt‐- ̄=)
                                                  `、_ri _リ|
                                                   ト-┤\___|
                                                  と._j  \j
29 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:37:55.23 ID:eq0ZT9.0
『一 此きんねん、しょもつ、せいしあけ候事、其上ならいを一ぺんはのこさず申上候所満足の故に、
   つねづねねんごろ、しょ大夫にまでする也。されどもならひにねんの入おそへざる故に、
   兵法なりがたし。此上しんじつにためを思ひ、ようにたたぬとおもはば、へいほう、
   ねんの入りたるやうにおしへば、まんぞくすべし、兵法をなみにつかひてはゑきなし、
   しんのすわり、わがままにせねば、やくにたたずとおもふ事、此上へいほうよくせんも、
   いまのむきにておかんも但馬ふんべつしだいたるべし。思ふ所は一ツがきにてゆいきかせ候。

   此うへにても、へいほう申しあけぬについてはたしましんしうのとほり、やうにもたつましきと
   思ひ候。是程兵法しうしんの所を但馬よくしり、其上にてもなりしだいとおもはば、
   いままでのねんごろも水になるとおもふべし。此一ツ書之通をゑとくし、ためを思ひ、
   しんしつにへいほう、ねんを入申あくるにおいては、たじま儀はゆふにおよばづ、
   左門其ほかの子供まて但馬はてたるのちにも、しょさいすべからず。
   され共子とも、ふかくこならば、格別たるべし。

    六月六日 家光(花押)
    柳生但馬守』


意訳(近年、伝書や誓紙をくれ、柳生新陰流の技も全て伝授してくれたので、
    それが嬉しかったから、常々目をかけ、諸大夫にまでしてやったのだ。
    しかし、お前の教え方がよくないせいか、どうも兵法が上達しないのだ。
    今の通り一遍の修行のままでは満足できないし、兵法の腕が上がらないのでは意味もない。
    兵法をちゃんと使いこなせるようにならねば役に立たないのだ。
    この先、余の兵法が上達するか、今のままかは但馬の考え次第である。
    そう思ったから、こうしてお前に伝えたのだ。

     これを読んだ上で、まだ兵法をちゃんと教えないのなら、お前は役立たずである。
    これほど熱心に稽古している余のことを知った上で、なお今まで通りにするなら、
    今まで大切にしてやったことは全てなかったことになると思え。
    しかし、この書にある余の思いを知り、真実に心を込めて兵法を教えてくれるなら、
    お前は言うに及ばず、左門や他の子供も、お前が死んだ後も大切にしてやるぞ。
    まあ、子供の行状が悪ければ、また話は別だが。

    6月6日 家光より                 /i /
    柳生但馬守へ)                  -‐ {// ─  、
                            / /"`ヽ ヽ 、 ゝ
                        //, '/ヘ\ヽ ハ  、 ヘ
                        !'/_{/ノ丶丶ハヽヽ| l ハ
                        ',小l●    ●  从 N
                           l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ ノレ'
                       /⌒ヽ_ ヽ  ゝ._)    j ./⌒i!
                      \/:::::\ >,、 __, イァ/`'-/
               .         \ ′"/ヽ_・||・_/ヽ、_∧
                          ヽ /----||-- ゞ::: 〃
30 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:41:21.09 ID:eq0ZT9.0
                           ...    _
                              /´ ̄,. -‐   ̄   ‐  _
                             〈 ( /                `  、
                              y'´  `丶、`             、_ヽ
 ええと…その、紹介しておいてなんだけど、 .,.イ、 ` 、  ヽ.  ` 、   ` 、 \`
…これなんていう脅迫?            .... { ハヽ丶 \  \   丶     \`ヽ
                           ... V ト、ヽ.\ 丶  丶 、  \ ヽ .._ヽ
1:「俺の剣の腕が上がらない」          .  ヾヘ メ>,` ‐-i|`丶、ヽ\ ヽ 、 \ `
   ↓                      .....     ) リノ  u  `'ノ、 、 ヽ、\ゝ ._\
2:「お前の教え方が悪いからだ!」           〈  ''"       \,ゝ、>ヽ!    ̄
   ↓                      .....     \ィァ    _,. -‐─‐-,
3:「今回はチャンスはやるけど、              ` ‐-‐ク´     __/
   俺の腕が上がらなかったらお前クビな」  .       くヘィ-‐_,ニ -‐-ヘ
                           .....       ,.ィ{人」ィ'´.;. -‐ ニハ
 ってことだよね、これ。             ..      /ノノ/;. ´     j !
なんという嫌三段論法…!                 /´/;/   /   ハi|
                                // /.;∠ -‐ ´   ,. ' ノ!
                               .イ { /'´           / ノ

      , ´ ̄ ̄ ̄ 丶、,.'⌒ヽ
    ./         ヽ⌒ヽ.
   /       i /从从)
   |       | |  .lリ      …まあ、確かにとんだ災難なんですけど…
   |      (`l l   |      これについては、ある意味、宗矩の
   l      |`l l.   |
   |      L_ll,n_,ノ            「自業自得」
   !      |`) 口
   !  |   !lト、゙リ         と言えなくもないのですわー。
   !! !,! .ノ从リ l `´
    ヾH|´´´   |
     ιl    !
      ´゙゙i゙゙l゙゙゙i゙゙l゙`
       .ヒ!. ヒ!.
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:42:34.81 ID:ZrCSnP.o
びっくりするほど真がかわいいんだけど
32 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:43:33.69 ID:eq0ZT9.0
                     ..  ヾ:(:! _,..:':"´:.:.:.:.`ヽ、
                         `>:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:、:.ヽ、
                        ./:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:ヽ、:.:.:ヽ:.ヽ、
                        l:.i:.:!:lヾ,ィ 、ヽ:.:.i、:.:iヽ、:.lヾ!`
 「自業自得」って…どういうこと?    !:ハヾl/ォ‐、 ヽ!:.:!ヽ:.:.:.:`ヽ
                        .リ ノ .!ソ   リ -':.:.:.、ゞ``
                          ,>、 _       リー--、_
                         /! /ヽ、 /      i:::::l ̄`ヽ、
                        / i /   l´l:`lヽ     l:::::l    ヽ
                       /:/ /    l l::::l       !:::::i     !

        ⌒ヽ〉
        . -―‐-  .
     /           \          はい。
    ./   ハVV∨VVlハ. `、   ☆    どういうことかと言いますと、まず、この時期、
   ,′ / ・    ・   ',  i        将軍が実戦で剣を振るうことなどまずなくて、
   { i i     ワ    i  |        周囲も将軍が剣を学ぶ必要があると
    Vl ヽ           , rゥ.        考えてはいなかった…つまり、
    /\__>        ,.イ// l
    /,  ..:::::>‐--‐<〆/  ヽ          「将軍に剣術は無用」
  ノイ ..:::〈 ̄{二口二}./::::..   \
   |:::::i:::〉/:| <,ノL> |::::::::::ヽ::::\_>    というのが当時の認識だった、というのは
   |:::::l:〈〈:::j      〈::::l:::::::l\:::|      前にも書いた通りですね?
   .\ハ:::>'      ∨:::l:::|  iノ 
      /           Vノノ
    .〈           ヽ
      `‐ァァ========ァァ'′
...........__(/____〈/__...............
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
33 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:44:50.79 ID:eq0ZT9.0
                                   ____
                                  l´:七,´‐― - 、
                                  ヤ::l/:/ ̄ ̄ `
                               , -―-ヽ|/´ ̄..`..ヽ
                             /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....' ,
                            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                        .    / : : : : : :::: : : : : : : : \:::::::::::::::、ヽ
                          /::::::/::::::::::::/|:/l:::::ハマヽ;、\:\:::::ヽ',
                          ,'::::::/:::::::::::/ |l ',::| ヽヽ|_⊥|_|、l::::l::l
 まあ、確かに、普通に考えたら、     l::i::::l:::::::ハ::l,-┼-ヽl   ´.ィ-c、 `lカ::l:::|
戦の起こらない世の中じゃ、     .....  l::l::::レ::::l: :`,-,‐o、    ´:辷;j. ! lル'!Xl
将軍が剣術を修める必要はないよね。  l:::l:::ヽ::l: : l .辷;j   ,      l /:l|
                          ヤ::l:|::l `. : :             l'Vソ
                          `マl|ハヽ_、: .     , - 、 _  ./リ
                            ` ヽ!::lヽ: .    `ー/ ,__,`ゝ
                               l/ヽ!゙、ュ :_ . ./ -',.-_'ュ_
                                   l〈`l    ´,.ィ l
                                   l. ヤ!     !- '
                                  / __l    .}`\,_
                             , -‐七´:l  /二二 ヽ/  /:::::|`ー― 、
                            '     l::::::ヽ/      \〉 ./:::::::l .      \
                           l    /:::::::/:.      //::::::::::',        \

                                  そう、実際、初代将軍たる家康自身が、

                                   「大将は自ら戦う必要などない。
       ,ィ                      __     まず危機を避けることが肝要なのだ」
      ,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、         , -‐、/./.- 、
    / | |    ヽ   l l         ( 男◇女 ノ   という主義でしたし、
  /o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、       ノ ◇ ◇ (   その家康が石舟斎を激賞したのも、
  /o O / /(((リ从  リノ)) lo ',ヽ      ( 子◇ 装 }  「無刀取り」という「護身に徹した剣」が
  \___/.  l   . ヽノ .V  ∧      `⌒/7へ‐´   家康の思想に合致したからですし。
 / ,イ   l  ///    ///l ~T--‐彡    /./
/ ̄ ̄l.  l    ヽ_フ  ノ'l  l:::::::::::彡ー7⌒つ、      だからこそ、今回の家光の手紙には、
彡:::::::::::l  ヽ       / |  l:::::::::::::ミ  {,_.イニノ      重要なポイントがあるのです。
34 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:47:05.79 ID:eq0ZT9.0
                  ヾ:(:! _,..:':"´:.:.:.:.`ヽ、
                   `>:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:、:.ヽ、
        というと?     ./:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:ヽ、:.:.:ヽ:.ヽ、
                   l:.i:.:!:lヾ,ィ 、ヽ:.:.i、:.:iヽ、:.lヾ!`
                   !:ハヾl/ォ‐、 ヽ!:.:!ヽ:.:.:.:`ヽ
                   .リ ノ .!ソ   リ -':.:.:.、ゞ``
                    ,>、 _       リー--、_
                   /! /ヽ、 /      i:::::l ̄`ヽ、
                  / i /   l´l:`lヽ     l:::::l    ヽ
                 /:/ /    l l::::l       !:::::i     !

            〃´⌒ヽ     
.     , -――  メ/_´⌒ヽ   
   /   / ̄  ´ヽ ヽ      この手紙の中で、家光は
.  /  ,  /// ト. !  、 丶ヽ
  l  / /(((リ从  リノ)) '     「身分の上下を問わず、武士にとって
  |  i  l   . ヽノ .V l      心の据わり所を得る(ために兵法を修める)ことは
  l ,=!  l  ///    ///l l      大切なことだ」
  l ヾ! ', l    ヽ_フ   l l
  |  ヽヽヽ        //      と言ってるでしょう?
  l    ヾ≧ , __ , イ〃      つまり、家光にとって兵法…即ち剣術は、
 ⊂二二二`)l {ニ0ニ}、 |二二二⊃
  li   /  └ タl」            『身分を問わず、「武士」が修めるべき術』
  リヽ/   |    /  
        ( ヽノ           という認識になっていた、ということですわ。
        ノ>ノ
    三  レレ
35 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:48:53.31 ID:eq0ZT9.0
     .                   ___
                      ./:::::::/`ヽ
                      {:::::::::/__
                      ゝ .〈/:::/ ̄¨`ヽ.
                  ,.  ´ ̄ ̄ `¨` ヽ
                /:. :.:.:.|: : : /i: : :.、.: : : :\   て
               /:. :. : /i.:.:.:/ .|.:.:.:.:|: : : : : :.\  そ
             //: :ヘ:/  |:.:/  L__斗: : : : : : : :ヽ
            /' /: //>r、_,,l: ト,=≦r、: | ト、: : : : : : : ',
             //}{ //・リ レ' //・リ ∨:.|: }: : : : : : : :i
 あ…!       ./'  / { { /    { /  ト、j: l: :.|: : ト、: :|
              /  `´    `´  ´  j∧: l: :..l Y
              {     , ‐、           Vト、_l
         r‐、    \   {__}         <」
         l {      > 、  ____  <ノ「\j
         {_ ',__r'7    {{ ̄}  〉‐┴「
        /⌒ヽ / /       }} 〃 ,ィ{{
        .{ __ノ/ /       〃 |  .l ヾ
        \__  {      / ‐┿‐┤ }}
         .レ⌒i   〃.‐─┼‐┤ i|

            〃´⌒ヽ     
.     , -――  メ/_´⌒ヽ     この思想は、明らかに家康のそれと違うますね?
   /   / ̄  ´ヽ ヽ      そして、同世代の戦国時代の武将たちにしても
.  /  ,  /// ト. !  、 丶ヽ     剣術を重視した者は少数派だったわけですし、
  l  / /(((リ从  リノ)) '     そのことから考えると、
  |  i  l   . ヽノ .V l
  l ,=!  l  ///    ///l l       『武士にとって兵法(剣術)は大切なこと』
  l ヾ! ', l    ヽ_フ   l l
  |  ヽヽヽ        //      という家光のこの認識は、明らかにおかしいの。
  l    ヾ≧ , __ , イ〃     
  li   (´`)l {ニ0ニ}、 |_"____    武士にとって剣が特別なものでなかったのと同じく、
  li   /l, l└ タl」/l´        `l   剣術もまた、あくまで「様々な武芸の一つ」に過ぎず、
  リヽ/ l l__ ./  |_________|   武士云々というような術ではなかったのですから。
   ,/  L__[]っ /      /
36 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:51:05.35 ID:eq0ZT9.0
::::::::/           ヽ、   :: ::: ::: :::::::::::::::    特に「二世権現」を自認するほど
:::::/            lハ ::: : :: :::::::::: :::::::::::   家康に傾倒していた家光が、
::::l           l  /ノリ ::: : :: ::::::::::: :::::::::   どうしてこれほど剣術を重視して、
:::|          /) / ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::   その腕前が上がらないことを
::l          /イ/| . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::   ここまで悔しがるようになったと思います?
/          / ||/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄7l:::::::::
      i   /_,/i!/  ◎  ◎  / l::::::::    …「誰かさん」が、
      l    人  /   く    /  /:::::::   家光をとことん剣術にハマらせて、
     l   / /⌒ヽ       /  /:::::::::::   そういう価値観に染めたからじゃないでしょうか?
     l  /il  |   )  皿   /  /:::::::::::::
     ll l i! `ー、\___ / n/::::::::::::::::
     lヽ l    |\. \   /⌒〉::::::::::::::::
                       ...     _
                           /´ ̄,. -‐   ̄   ‐  _
                          〈 ( /                `  、
                           y'´  `丶、`             、_ヽ
                         .,.イ、 ` 、  ヽ.  ` 、   ` 、 \`
                          { ハヽ丶 \  \   丶     \`ヽ
                          V ト、ヽ.\ 丶  丶 、  \ ヽ .._ヽ
    あー…わかった。          .   ヾヘ メ>,` ‐-i|`丶、ヽ\ ヽ 、 \ `
   だから宗矩の「自業自得」なのか。      ) リノ  u  `'ノ、 、 ヽ、\ゝ ._\
                             〈  ''"       \,ゝ、>ヽ!    ̄
                             \ィァ    _,. -‐─‐-,
                               ` ‐-‐ク´     __/
                                 くヘィ-‐_,ニ -‐-ヘ
                                ,.ィ{人」ィ'´.;. -‐ ニハ
                               /ノノ/;. ´     j !
                              /´/;/   /   ハi|
                             // /.;∠ -‐ ´   ,. ' ノ!
                            .イ { /'´           / ノ
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:51:47.05 ID:Ro.cZmgo
つまりガチホモを洗脳しきった点では大成功なんだけど、
惜しむらく本人が「効果ないじゃん」となると、
宗リンのはったりそのものが瓦解するという二律背反。
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:52:44.82 ID:bFLpfmYo
なるほどなー
39 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:53:18.45 ID:eq0ZT9.0
   /'⌒`ヽ、   ___       
      ン=ヽ~イ _   `ヽ,-、     そういうことです。
      〃   `´  ヽ  ("R")    状況的に考えても、
    ./  // /  、  ヽ ゝt"    家光にこの価値観を埋め込んだのは、
   / 〃((从  リノ))ハ 、 ',    .まず間違いなく宗矩でしょうね。
   |  l   . ヽノ  . l i  |
   | ⊂⊃      ⊂⊃ i  l     そのおかげで、家光は歴代将軍の中でも
    !  !    =      リ リ    一ニを争う剣術好きの将軍になって、
    ヽ ',         〃 イ  ,   宗矩も諸大夫に出世できたわけですけど、
    ,メ、 ヽ、 ___ ∠/ | .     やりすぎたせいで、変な反動が出た、というのが
      ` 7゙}  ,ゝ "7ヽ   l     今回の一件なわけです。
      /ミ//,、_,、 |!、 ヽ  ! .
       l l  (・ー・)  l l  |
      ヽ ニニ⊃⊂ニニノ ,リ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                  _, -‐:  ̄ ̄: : : 丶
                              ,,.-、~: : : : : : : : : : : : : : : ::ヽ、
                             彡二ミ: : : : : : : : : : : : : ::////ヽ
                             〆/⌒: : : : : : : : : : : : : ::////// ヘ
                             ./: : : : : : : : : : : : : : : : ://///// .ヘ
 なるほどねえ…。                 ..i: : : : : : : : : : : : : : : : :///////: : ::ヘ
                              i: : : : : : : : : : |\: : :ヘ: : : i///: ヘへ_ヘ
『気になってた娘に色々アタックして、   ....   | .i!: : /|: ∧: ::| \: : :ヘ: :|ヘ: : : : :|
 付き合える様になって、リア充まっしぐら!   |/'|: :/ |/  \|,'"'"ヽ,: :jヽ|_ノ: : | ̄
 …とか思ってたら、嫉妬が強すぎて    .    ', i ⊂>    <つ " >、\|
 途方に暮れてます」            ......     ',         /ヘ
                                 >'.‐‐⇔--‐/ /ヘ ヽ
 みたいなものか。                      〈γ⌒ / ⌒ /  | ∧ ',
                                 < ヽ  .|  ノ < ./  ', ',
 …なんだか生々しいなあ。         ..      |ヾヘ |/_,,..-‐'"i   | i
                                 .|  >"r'"    |   | .|
  「NiceBort」って単語が                 .| |∂~     .__|   | |
 頭に浮かぶのは気のせい?          / ̄/~| .| \    "',   .|, .|
 ねえ気のせい?                 .-‐'"-‐.ソ   |        ',  | ',|
                               ノ   入       |  ! ヽ
                               ~| / ∧       ヽ   >‐--、
                               ∨uux' _,.>、   / ̄\ /   /
                                  ~~~  \/
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:55:15.22 ID:ZrCSnP.o
この時点ですでに洗脳というかすり替えというか価値観の転換に成功してたんか
やるなむねりん
41 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:57:30.83 ID:eq0ZT9.0
                        (スルーして)
                        ちなみに、この家光への刷り込みに際して、
                       宗矩の動機として考えられるのは、

                        ・柳生家の存続/繁栄
                        ・太平の世での剣術(新陰流)の存続/繁栄
    , -f‐_、  __   /ヽ
    , -┼tァ=メンー―`、∧ |       この二つだと思われます。
  /  / //´ ヽ、ヾ  ヽヽ
     /  ,/从   !ノノリヽ  ヘ',      まあ、宗矩からすれば、
     l ,/ . ヽリノ .   ',   !l     自分の家と、自分の家業ですからね。
      li !          リ  !l     「太平の世だからお前らイラネ」とかいわれたら
      li ! '''  -   '''' /'  ハl     .たまらないでしょうし、生き残りのためにも、
      ヾハ         イ 〃 .l
      ヾ`ゞ  _   ≦ イ〃 | ,.-、   「兵法…なかでも剣術は武士が修めるべきものでございます。
        トゝ{ニOニ(ノハ | ! il l l`J   神君様もかつて新当流や新陰流を学び、
        |i iく_ハ,,/ rイ ! l ilノノ     また我が父石舟斎の無刀取りを激賞して云々」
       _リ _!ノ ...../ /::::lリ l ハ'
       <(    <ニ>:::ス、_ハヘヽ     とか言ったりしたんじゃないでしょうか?
        '-' ̄ ̄'-' ̄ ̄"

                       .       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                            /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.;ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                           / ,.ィ:.:.,r‐y:.:.:.:.:.:フ ‐- 、/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                          .//./:.:.:! /:./r‐,-,..、  /:..:.〃:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
                            !:.;イ:! lイ   /ー':::::〉// /イ lヽ/!:.:.:.:l:.:.:l
 あー、いかにも宗矩なら       .      l:./ !:.`ー、  ヽ、:ノ    , = レ_ ヽ:.:.:.i:.:.i
言いそうだよねえ…。          .        !:.:ハ:.ハ         /-':/ .//:.:.:/:./
いや、実際どうだかは知らないけど。        ∨r- ノヽ     ' `ー' ,/イ:.:.,.イ:/    _
                        ,r'"´ ̄ \ /r、 `ヾヽ、` -    _.ノ // 〃    //
                       ./: : : :r'" ̄ \ `!   lヽ‐=、´          //
                      . /: : : : :!  、     ヽ   l「  .l_/:`ヽ、       r///´`ヽ
                      . !: : : : : l  、ヽ    \.ヾ!  > '"´ ヽ:ヽ     i//  _, -.、L
                       !: : : : : :!   ヾ, -──-`.lヒ´_   ./ ヽ:ヽ  く`' 〉'"     〉
                       ヽ : : : : l   〈   __ヾ `ヽ、l´  .l: : !  r'/l`ーf´ ̄  .l
42 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:59:07.20 ID:eq0ZT9.0
     , -―‐ 、  __
     , -―‐ァ=メンー―`、ヽ       でも、ここで宗矩が
    /  / //´ ヽ、ヾ  ヽヽ     家光にこういう価値観を刷り込まなかったら、
      /  ,/从   !ノノリヽ  ヘ',    果たしてこの後、剣術が、
      l ,/ . ヽリノ .   ',   !l
       li !`'''    `'''   リ  !l     「武士たる者が修めるべき術=表芸」
       li !         /'  ハl
       ヾハ; ; .    . ; ;  イ 〃 .l     とまで呼ばれるものになっていたかどうか
       ヾ`ゞ ,_ ; ; ≦ イ〃 |    ちょっと怪しいのですわ。
         トゝ{ニOニ(ノハ | ! il
         |i iく_ハ,,/ rイ ! l il
        _リ _!ノ ...../ /::::lリ l ハ、
        <(    <ニ>:::ス、_ハヘヽ
         '-' ̄ ̄'-' ̄ ̄"        ......          __,
                                    //,,______
                                    \∨ ニニニ ,, __ `
                                  /:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  て
                                /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ て
                              /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
 なんで?                     . /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
だって、この時期、剣術は             /::::::/::::,:::::::/i::::.:::::::::::::,;::::::::::\;;:::::\::::::::\::\
様々な流派があって、              .i::::::/::::/::::::/ |:::i´i:::iヽ::::\ヽ::::::::\;::::\::::::::\`\
かなり盛り上がっていたんでしょ?        |:::/|:::/:::::/i |:::| i:::i, \:::\`\\;;:\ヾ:, ;:::ヽ
                          ......|:::i.|:::i::::::/| .|:::|,  \ヽー-tヒX `ii´,ヽ. i;:::i 丶
 家光一人が嫌いになったって、         i:/ .i::|::::/)--土、    /フニ7'  | /ノ::| ヽi
それほど影響はなかったんじゃないかなあ。 .i|  ヽ::|ヘヾf`ヒ_ン      ´ ̄   ./|\|  `
                             |   i::| ヘ    ,      u  /i:::i
  (…あれ?なんだか変な…ひげ?)         `i.  \          /|´i:|
                                    丶 、 -     / | `
                                     _ `>.、 / -―┴-- 、
                                     i, ̄| ̄ ̄        /
                                     .|  |          /
                                     ) `フ , -――   L
                                   // ̄/    ヽ    `\
43 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:01:48.65 ID:eq0ZT9.0
                                 (…やばッ!)

 / {∧  /|斗┤ /:,,__|/ヽ ト、 \、 ヽ \ \      やっている者が多いことと、
./ /::::ヽ/:::::::::::|/:::::::::::::`ヽ}/:::::\} }   l  ヽ  ヽ    ステータス…つまり「格」が高いのはまた別の話ですね。
  ,'::::《 )》::::::::::::::::::::::::::::::::::::《( 》: 从   |    ',  ',
∨:::::::: ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄::::::::::}  |     l  l    これ以前の武士の「表芸」といえば、
:::::::::::::::::::::.        ::::::::::::::::::::::::::| /    |  |   まず、「弓馬」…即ち「弓術」と「馬術」、
::::::::::::::   -───-、   ::::::::::::::::::!/l    |  |   そして槍があって、その下に剣、というのが
      /───ー┤   :::::::::::::〃 |     |  |   概ねのところだったのです。
       /  /    |        /  ,'  ト、 |   実際、武家諸法度にも
=== 、/ /.       |        ヽ /  /  ∧ }|
   ̄` \{      |    , ' / ,イ   / ノ.|   「文武弓馬の道、専ら相嗜むべき事」
      \\.      | '   ' , //〃   厶 ′ |
       \\.    ! , ,'   、 、/   /  |  |    とあるわけですし。
        \\.__}     ′、 イ   ハ   l  l
          ヽ ', '  ' 〃ヽ //  ,' l   l  l    だからこの頃の剣術というのは、
           } }′  、{l _}く|/  /  |   l  l  まだ「武士の表芸」と言うには「格」が低い状況にあったのです。
           l├─ーく{´  ヽ /   |  l  l  これは普及度や実用性とはまったく違う次元の話なの。
44 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:02:42.85 ID:eq0ZT9.0
                               .             , '::::::::::::::::::{  {/ /   ` 、
                                          ∠'´::::::::::_::,::─-ヽ.v /..- _..........  \
                                .         , '/:::::::/::::/:,:: :::...   、 ` 、  ....  ',
                                        //:::::::/: ::/:::/.:::::.....  .  \  \  ... ヘ
                                       //::/:  .:/::::::/:::::::......  ....   `、  ヽ  .....',
                                .       //::/:::  .::/:::::/:::::::: !..... { .....  ....!...  `、  ..',
                                      //:::,':::: .::/:::::/,'::::::::::i....... ! ......  ..|.... .  ',  ...i
                                     ,' }..::}::::: ::,':::::/ リ::::::/ |,..... {、`,......  i....... .. ',  ',.',
 あー、                          ..      | i..::!:::: :::}:::::,'/ }::::∧ |ヘ.... !ヘ!'、...  !........ .. i  i...!
カレーやラーメンはみんな食べてるし美味しいけど、      | |..,',:::!..::::|:::::ト-|::::廴',i ',ヽ.. |  __ト、 込、 .... .. i   {!.|
じゃあ高級料理なのか?というと、          ..      | |.:|ト::|..::::!::::汀弐仆ミ、! ', ヾ{ ´≠,=心、}...... .. |  ハ.!
それはちょっと違う、というのと同じようなものか…。.      ',ヘi|:、:i.::::ィ:_!{ kぇィV       仟,壬:} l〉!.... . ハ ,}/
                                       |{:!',|::::、!}`rゝ- ´       弋__ツ. / !.... / }/,'´
  (…見なかったことにしよう…)                 /...',..',::::{:|} ! ',゚::::    ,    ::::。:::::/_,y... ,' ノ
                                .    / .............,ヾ!} i ! t.        u  ./´|::i.../´ \
                                  /.......\ /  /| ' }  ゝ、,  -       ,./ |/|/|,'−、_ \
                                 / ............./\/', 、丶ヽ   \    ,イ:/  i i. ` 、  \ \
                                . {`` 、-/ /` ......\       ャ'..:´../  //    \, ヘ `、
                                 !. .( \ト´...........、  /\__     }斗´   /ト、      ヘ ',  }
                                 ',... . ヽ( \...........',/::::::r-}二二_ ,'    // \      ', ',/
                                 〉... . | `!、 \',. /: : :::}     `t、_,≠´::,'´ : : : ヽ  /   }-/
                                . /,. .  }  } `、`、{: : ry,_     /:: : :/ . : :   . ', /_z-メ,}/
                                 ヽ\ i  i...........`t_..// ̄,-、`ー-_≠:: : / . : :   . : , 斗-´/´/ ||
                                  ! `!、. i ... ..........!'/  /  `  ヽ-. ,': : :   : : /ー'/´ / ||
                                  ',-メ、.`ト、 ..........//  /      {: :/: : : : : : : /     /. ,' !
45 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:04:26.05 ID:eq0ZT9.0
                         まあそんなところですわね。
                        そんな剣術が、
        ⌒ヽ〉
        . -―‐-  .             「身分を問わず、武士たるものが修めるべき術」
     /           \
    ./   ハVV∨VVlハ. `、   ☆     と言われ、
   ,′ / ・    ・   ',  i        「武士の表芸」として扱われるようになったのは、
   { i i     ワ    i  |        「剣術好きの将軍家」の存在が
    Vl ヽ           , rゥ.        大きかったのではないか、と思われるのです。
    /\__>        ,.イ// l
    /,  ..:::::>‐--‐<〆/  ヽ       そういう意味では、この時期は
  ノイ ..:::〈 ̄{二口二}./::::..   \     宗矩が「太平の世の剣」、つまり
   |:::::i:::〉/:| <,ノL> |::::::::::ヽ::::\_>
   |:::::l:〈〈:::j      〈::::l:::::::l\:::|        「”武士の表芸”としての剣術」
   .\ハ:::>'      ∨:::l:::|  iノ
      /           Vノノ         を、確立しつつあった時期だと言えます。
    .〈           ヽ          実際、わざわざ宗矩の弟子を自藩に招いて、
      `‐ァァ========ァァ'′        指南役にした大名家が出てきていますし。
...........__(/____〈/__...............    それだけ剣術の「格」が上がってきつつあった、というわけですね。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
                            ,ィ  __
                           //イ/´
                           { { /_
                         /⌒`´    ` 、
                        '    ,   _     \
               ,. ‐- 、     /     '  ! 、 `\   ,
 なるほどねえ。     /  j、ノ    ,     /{ヘ ト、ヽ,> 、ヽ  '
              /  ,ム'     i / />、`  ´ィriぃ Yヘ、 ノ
            _}>¬'´ヽ}      |,ハハ{( {り     じ' ' ,ノハ′
           { { 、_,>'ーイ      Vヘ{N、   '     ハ,ゝ!
           }|_」 0 _」 、        \  { ̄ノ  /"′
           `¨´「 ̄ i   〈           ` ,二 イレヘ
              !   !  }        r-〈ソ-‐彡イ,ゝ、
              !   ', ├-‐──‐-yヘ::.;'::.:7´ /.:.:_.\
              !   、 __      //`7¨´/.:/´  `ヽ
              丶._  _ 二 ニ_ヽノ/ ,゚/ /.:.::/      }
                  ̄  r'´ヽ }{ { ;/ /.::.:::{     ,/
46 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:06:09.36 ID:eq0ZT9.0
::::::::/           ヽ、   :: ::: ::: :::::::::::::::  
:::::/            lハ ::: : :: :::::::::: :::::::::::   で、話は戻りますけど、
::::l           l  /ノリ ::: : :: ::::::::::: :::::::::  だからこそ、今回の出来事は、
:::|          /) / ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::  宗矩にとって、断固乗り越えなければならない壁だったのです。
::l          /イ/| . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::
/          / ||/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄7l:::::::::   ここで失敗したら、
      i   /_,/i!/  ◎  ◎  / l::::::::  今までの苦労が全て水の泡になる危険性すら
      l    人  /   く    /  /:::::::  あったわけですからね。
     l   / /⌒ヽ       /  /:::::::::::  それも、柳生家ごと。
     l  /il  |   )  皿   /  /:::::::::::::
     ll l i! `ー、\___ / n/::::::::::::::::
     lヽ l    |\. \   /⌒〉::::::::::::::::
                                   .       ,.イ  ,..-,. =-
                                         (:.:i /:/_
                                         ヽ:V:/ ´:.:.:.:.:``ヽ、
 だよねえ。                                 ,..:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ
家光の性格だと、そのまま剣術自体やめちゃいそうだし。 .   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
…ついでに柳生家も潰しちゃいそうだよねえ。        .  ./:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.ヽ:.:.:.::.:.:.:.ヽ.:.:.ヽ
                                   .  !:.:.i:.:.:.l:.:.:.:i:.l:.:.ト:.:ヽ:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:!
 でも、どうやって解決するのかな?               l:.:.:.!:.:.:.l:.:.:.ハ:!、:i ヽヽ >-‐-:ヽ:.:.:ヽ:.:!
家光の剣術の腕自体は、もう上げようがないんでしょ?   .!:.:.l:.:.:.:ト:.:.レ-     ,.r=ミ、 ヽ:.:.:.トl
根本的に稽古時間が(多分才能も)足りないわけだし。    .、:.:l:.:.:.:lX:.l,r.=ミ.   '.!:::::::!.' l 〉::.:!
                                     ヾト:.:.:.:l、 !(::::::j.    ` ." i':.lレ'
                                        ヽ:.:lヽ. ` ´ ._,`-r   イル
                                          二ゝ、 _  `-' /
                                       r' ´   .\   ̄ lj  )`ヽ、
                                      .l ヽ、, -‐' ´ ヽ、》_, <   .`ヽ
                                      i   `f: : : : : : :〃: : : :.\ / !
47 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:09:48.88 ID:eq0ZT9.0
                  〃´⌒ヽ
.           , -――  メ/_´⌒ヽ
        /   / ̄  ´ヽ ヽ
.       /  ,  /// ト. !  、 丶ヽ         そう。
       l  / /(((リ从  リノ)) '        そして、ここで宗矩が打った手こそが、
       |  i  l   . ヽノ .V l        柳生家の未来、そして、剣術に
       l ,=!  l  ///    ///l l        大きな変革をもたらすことになるのです。
       l ヾ! ', l    ヽ_フ   l l
       |  ヽヽヽ        //         この「一手」によって剣術は、
       l    ヾ≧ , __ , イ〃         単なる「武芸」「武術」から、
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.           「武道」
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |      に変化したのですから。
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄    そしてそれは、
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ___   「柳生但馬守宗矩」という人物がいたからこそ
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l        起こり得た出来事だったのですよ。
__f゙// ̄ ̄     _ -'     |___  
  | |  -  ̄   /   |     _ | ̄ ̄ ̄ ̄
___`\ __ /    _l - ̄  l___ /         ヾヽ!:.l  ____
 ̄ ̄ ̄    |    _ 二 =〒  ̄  } ̄ /   ....      ,..-ヾヽ!´:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
_______l       -ヾ ̄  l/      .     /:.:.:..:.:.:`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
                             .     /:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ
                             .      l:.:/:.:.:i:.:.:.:.i:.ヽ:.:ヽ:.:.:ヽ:.ヽ:.:.:.:ヽ、
                             .      !:.!:.:.__!、:.!:.lヽ_Lヽ-:.:.:.lヽ:ゝ:.:.,ゞ
                             .     レリ:.:..,ォ、lヽ!´,ィ=t-、ヽl:.:.:.:.:、l`
                             ..      ヽト、!ヒ!    ヒリ_ r'´:´:`:ヽ
          これはまた、大きく出たね…!.         l、 '   "",i´: : : :))ノ`!
                                    ヽ、´`   ,{: : : : : :)ヽ: :)
                                    r'´: : :` T´ {: : : : : :) ./: :)
                                  ,!: : : : :) lー 、 {: : : : : :} l ̄ヽ、
                                   {: : : : : } l__  ヽ: : : : :) ,! ./ ヽ
                                 /{: : : : : } |::::: ̄::;ゝ: : ノ. ヽl!  ヽ
                                 /(: : : : : ) !::::::::::/ ` ハ   ヽ、__`-、
                                / ヽ: : : :}  !::::::/  / ヽ   ヽ  ` ト、
                                / ヽ ト、: : :)ヽl/  /   ハ   〉   \
                               /   ヽ`ー' / /    l!:::ヽ、_/      /
                               / _  ノ  /  /      ヾ、:::〃     /
                              r'  , - `ヽ!_〈  /         ヾ、     /
                              ヽ/    ヽ`ー-.、_,ォ-、,-、___, イ   ̄` ー'
                               l   ,r‐‐-〉`ー-,〃::::;!:::::トヽ-‐'ヽ、
                               ヽ /:::〉/l  /:::l`ー'└‐' ヾヽ  ト、
48 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:11:33.84 ID:eq0ZT9.0
       , r'""`'' 、      ,、     , r-''''ニ==- 、
      '-‐- 、    ヽ  / /ヽヽ, - 、/   ´ ̄  ̄`ヽ、
  , r −‐-`=‐-,`ヽ、 / ,-、l l   l l'´ヽ ヽ -、    ,´ ̄
 /           ,ゝl l  l l   l l  l リ´l l  ,r'´_
''/ __, -= ___    l l`l l ヽヽ  ノノ、 ノノ ノノ '´´r-l
ソ´  _, r -='´   l l ヽゝ=<- ''ァ/`' ´、<  ´ _l ゞ ―、    その「手」とはなんなのか。
  , '´,  - -―>r'''  ゞ、/  , ヽ`'/ 、  、 ヽ  ヽヾY
 ,'´     ,r'´    // l /l ,ヘ `' ノlノ`ヽ|ヽl ヽ /`/       どうやってそれを成し遂げたのか。
      ,r'  ヾヽ  l l  ハl .` `''´  ・ ' lハ l l .l /フ
     /    \ヽlll l    l`''''"|     |l kl 」 l        そして、その「一手」によって何が起こったのか。
     /       ,r\|l l    ヽ _ノ     | l ||l」 |
     l     /  ||l l l          ノ/ リ| | l        また、どうして宗矩だったのか?
    l    /    |ヾヽlヽ         ノ ノリ | l ヽヽ
    l   ,イ   l  ヾl `'  、__ , ィ' ン | ,! l 、 lヽ      …それらについて、次回、
     l  / l   |,'    ヽ  || \/ヾ、>、 |.| l 〉ハ | リ    ようやく語ることができるわけなのです。
      ヾ,'  l lヾ /  ,   Lr'´rヽz^r_l;入 \l  l/,リ  |ノ
        リ ,X,  l   |´`trh´ ̄ `ヾ > lK ,イ       それでは皆さん、次回もよろしくお願いしますね!
         ノ l  |   l         V /l |ヽ Y
  ┌┐   ―‐ ┤ _l    l         l ヽl l _ノl
 .ヽ´ ヽ「 「. !  l l´ `l  l       .   l`l´ll
  ノ /|  |_|  | l  l  l_         l l l l         ヾミミヽ、 ,r───‐ 、
  '┐ |ヽ`ニニ l ┌  l l ヽ XニX-x、-rtK'Fフl /リハ         ゞヾミミヽ、_      >─ -、_
  .| | l | | | |  .Llヾ、 `ヾy )「l+チ| //_/ヾ          ,r‐── -〈__〉- 、__  `>‐- ヽ
  .| | ノ ノ. | |tl (´ )  `l´/ ヽL+'フ      ...      l  ,..-‐-.、  `ヽ_:::::::ヽ、`ー‐、‐- \
  '└  ´    `ー‐'  `   `    | /       .      ラ:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、 \`ヽ::::`ヽl〉 ヽ \__
                     ヽ'        .  _  <´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;-=ヽ、 ヽ、`ヽ、l‐ 、_   ノノ、
                             .... ! \ ,ィ:.:.:.:.:..;-、:../ィァ:ォ、 `ヽヽ、 \  `ゝィ::::/ \
                                \ \イ:.:.:/  レ  ゞソ    -`ー-、_\ /:::/   \
                                 \ \彡ヽ__        =、 ./ミゝ `` >イ、,     \
                それじゃあさようなら!.     ,ゝ、 `ー──‐、 r 、  `  iソ     `!リル`ゝ、   \
               またね!         ..    〈  \  ,r─、‐' ヽ_> .ノ__     ゞハルルン;ゝ、    \
                                  l、`ー‐イ /::::l lー`─、  /::::::::::/       _>リルラハゝ、  〉
                                  ヽ二丿/::::ノ .ト、:::::::!::´::::::::::/ ̄ヽー──'"´   `ゞリルハゝ<
                                   ト、:::::::::::/  i  \::Y ̄ヽ:ヽ、_  ヽ         _, イミゞ゙
                                   ヽ ヽ/    i   \,<´_`ー-、`ヽ、 \    _,、≪ヾミゞ゙`
                                   _,>イリト、  ヽ    `ヽ、::`!  ヽ:::::ヽ ヽ≪ミヾミゞ`゙`
                                   `ヽ彡イリハヽ、 ヽ、     `ヾ、  i、:::::::ヽ ヽ`゙`
【やる夫で学ぶ柳生一族(その27)】 後付解説・完
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/05(土) 01:12:01.21 ID:TKeEI7.0
二人ともAAが可愛いww
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:14:45.16 ID:Ro.cZmgo
つまり家康〜家光に取り入ってたのが、

「坂田金時の子孫」とか言う人だったら、
「侍たるもの護身のためのマサカリ殺法の習得は必須でござる」とか、

服部半蔵がもうちょっとキルマニアで弁がたったら、
「侍たるもの護身のための忍法鏖殺外道剣の習得は必須でござる」とか、
もうちょっとファンキーな世の中になってた可能性もあったのか。
残念。
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:18:44.88 ID:J9UZquwo
乙でした。
秋月涼クンか、AAの数的に無理と思ったらローラ・ローラで。
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:19:02.83 ID:LvSGvawo
乙乙!

本篇も楽しみにしてるぜww
53 :1 [saga]:2009/09/05(土) 01:20:11.50 ID:eq0ZT9.0
 てなところで、今回は終了でございます。
お付き合いありがとうございました>皆様

 今回のキモである家光の手紙ですが、やっぱ長いで砂。
実を言えば、これを書き足そうとすると、思いっきり話が中断してしまうので
本編の途中に入れるのは断念したのですが、
でもこんな面白愉快な手紙は公開せずにいられない、というところで、
今回は後付けになってしまった次第。
でも実際、読みやすさ的にはどうなんでしょうか喃。

 あと、上では大きくぶち上げましたが、実際のところ、
「剣術の武道化」は、いずれ起こっていただろうとは思われます。
ただ、それが何年先になるのか、また、今あるものと同じものなのか、
それは謎である、という意味では、
やっぱ宗矩以外には無理だったんじゃなかろうかね、とも思ったり。
その辺の話も次、しようかと。

 てなとこで、次回「その28」の投下ですが、
今んトコいつも通り、日曜(9/6)夜の21時を目処にしたく。
場所は継続でここでアリマス。
よろしゅうですー。
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:20:28.58 ID:IE3jCc.o
乙です!次がたのしみだな〜
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:23:47.29 ID:9980UKgo
乙でした〜
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:26:02.96 ID:Ro.cZmgo
乙でした。
しかし家光ってアホ殿……
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:26:45.49 ID:0ik0Q8Uo


今の形の「武道化された剣術」は、宗矩以外にはできなかったでしょうね。
ただおっしゃるとおり、宗矩がいなかったら、いずれ別の人が別の形で
「武道化された何かの武術」を造っていたと思います。
当時の武士のありようと、日本人の趣味思考(嗜好?)からいって。
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:29:13.63 ID:bFLpfmYo
日曜か、楽しみにしてるわ

昔名君だと思ってたんだがなぁ、家光ww
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 02:28:46.31 ID:ykvvyfQ0
こんな愉快な手紙を紹介してくれるとは流石は学ぶ柳生スレ
長さとテンポを考えると解説で丁度良かったと思います
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 09:01:43.12 ID:dzX4FOco
家光の手紙って妙に平仮名多いな
それだけでどうこう言うのもアレだがなんかやっぱ…
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 10:58:26.95 ID:jV/bYRso
好意的に見れば自分の家業に誇りを持っているということだけど、
中には「宗矩は上様をどうでもいい剣術ごときのオタクにした元凶」と
敵視する人もいたんだろうなあ。
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 11:17:44.37 ID:J9yDXEQo
勝ち組へのやっかみもあったろうしね 世渡りは大変ですな
63 :1 [saga]:2009/09/06(日) 21:00:04.91 ID:/WkTHtU0
 どもども、お疲れ様です。
予想より若干手間取ってしまったので、
スタートはもうちょいだけ遅れて、21:30からにさせて頂きたくー。
すいませぬ。
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 21:02:30.83 ID:RnB9naIo
了解です
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 21:09:11.40 ID:xewaQXY0
楽しみに待ってます。
66 :1 [sage]:2009/09/06(日) 21:29:15.52 ID:/WkTHtU0
 お待たせしました。
それでは、これから投下します。
タイトルは「やる夫で学ぶ柳生一族(その28)」で。

 つか、何気に今日で1周年だったり。
なんというか、なんでこんなに延びたんでしょうか喃…。
ともあれ、始めまする。
67 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:30:16.28 ID:/WkTHtU0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:柳生但馬守宗矩(やぎゅう たじまのかみ むねのり)】

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |    柳生家の当主にして徳川将軍家剣術指南役、
. |  (__人__)  |      従五位下・柳生但馬守宗矩だろ。常識的に考えて…。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/
68 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:31:41.37 ID:/WkTHtU0
■ 基本、史実ベースではありますが、史実においても意見が分かれていたり、
 当方の知識不足などにより、若干の創作が入ることもありますので、
 「大体こんなもん」程度に捉えて頂ければ重畳ー。

■ 次回のスレ立て告知については、現スレで行います。
  基本的に毎週金曜の夜にしております。

 【現スレ:やる夫で学ぶ柳生一族(パー速版その2)】
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1251636172/

■ 以下、過去のまとめを載せて頂いてるサイト様です。
 ありがとうございます。

 【やる夫観察日記-「柳生」】
  http://yaruokansatu.blog44.fc2.com/?q=%CC%F8%C0%B8
 【『やる夫で学ぶ柳生一族』まとめ】
  http://yagyuo.g.hatena.ne.jp/a-kubota/20050101
 【多元 - 「やる夫で学ぶ柳生一族 まとめ」】
  http://tagenmatome.blogspot.com/2009/07/blog-post_06.html

■ あと、以下は>>1が別にやってる歴史伝奇紹介用のスレです。
 こちらもご覧頂ければ重畳ー。

 【やる夫で紹介する歴史伝奇】
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1240743842/l50

■前スレ

 【やる夫で学ぶ柳生一族(その27)】
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1220736325/l50
  http://yy700.60.kg/test/read.cgi/yaruo/1249653963/238-

 では、はじめます。
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 21:33:08.35 ID:RnB9naIo
お、キタキター
70 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:33:21.66 ID:/WkTHtU0
>>1からのお願いコーナー】
 毎度お馴染み、今回も次回(その29)の解説役を投票で決めたく。
ルールは以下の通りでアリマス。

 ・ 支援の際、以下の条件を満たすキャラについて名前なりAAなりを挙げて頂いた後、
  集計を行い、投票数が最も多かったキャラを次回の解説役にする。
  (例:支援。○○(キャラ名)とかでOK。作品名もあると更に吉) ※一応、1人1票でお願いします。

 【条件】
 ・ 女性キャラ。または外観が女性のキャラ(女装美少年込み)
 ・ AAが複数ある(できれば20行以下のバストアップAAが3種類以上があると嬉しい)

 既出キャラ有りなので長門なり翠星石なりも投票数次第で再登場可でアリマス。
でもできれば作中の登場人物に割り振り済みのキャラはややこしいのでご勘弁をば。

 ちなみに、票が同数のキャラが複数いた場合、恐縮ですが、その中から>>1が使いやすいキャラを
選ばせていただく所存(AAの使い勝手がいいとか、そのキャラを知ってるとか)。
あと、解説役の相方は>>1が適当にチョイスします。
よろしゅうですー。

 【過去、投票で決まった解説役(今回含む)】
  その13 : マシロくん(舞-乙HiME)            ....
  その14 : 渡良瀬準(はぴねす!)             
  その15 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)        ......
  その16 : 綾崎ハーマイオニー(ハヤテのごとく!)   .
  その17 : 宮小路瑞穂(乙女はお姉さまに恋してる)  
  その18 : 菊地真(THE IDOLM@STER)         ..
  その19 : 木下秀吉(バカとテストと召喚獣)      ...
  その20 : ドリィ&グラァ(うたわれるもの)        
  その21 : 祇堂鞠也(まりあ†ほりっく)          
  その22 : 大佛はずむ(かしまし)            ....
  その23 : マコ(みなみけ)                 ...
  その24 : 佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)  ※2回目  ...
  その25 : 渡良瀬準(はぴねす!)  ※2回目     ....
.       : シモン(下妻市非公式マスコット)       
  その26 : 藤岡ハルヒ(桜蘭高校ホスト部)       ..
.       : 須王環(桜蘭高校ホスト部)         ....
  その27 : 宮小路瑞穂(乙女はお姉さまに恋してる) ※2回目
.       : 菊地真(THE IDOLM@STER) ※2回目
  その28 : ティエリア・アーデ(機動戦士ガンダム00)
71 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:34:44.05 ID:/WkTHtU0
【寛永九年(1632)時の柳生一族系譜】

  大膳長永
     :
  <柳生家>
     :
    ├─────┐
  柳生永珍   中坊源専
     :
    ├─────┐
    家厳      重厳
    |    (七郎左衛門)
    |     (松吟庵)
    ├─────────────────────────────────────┐
    宗厳                                                     妹
  (新左衛門)                                                    .|
   (石舟斎)                        【江戸柳生】                  <幸徳井家>
    ├───┬───┬────┬───────┐                        |
    厳勝   久斎   徳斎     宗章          宗矩                       友景
  (新次郎)             (五郎右衛門).     (又右衛門)                     .|
    |                            (但馬守)                       |
    |   【尾張柳生】                   |                         |
    ├────┬────┬────┐        ├─────┬────┐         |
    純厳    利厳.     妹     厳倚      三厳      友矩     宗冬      .友種
   (久三郎)  (兵庫助).         (権右衛門)   .(十兵衛).    (左門)   .(主膳)
           |                   (幼名:七郎)        (幼名:又十郎)
           |
           ├─────┬────┐
          .清厳      利方     .新六
        .(新左衛門)  .(茂左衛門)
72 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:36:06.65 ID:/WkTHtU0
【第1部(その1〜11)のあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復する。
更に、家康が幕府を開き、後継たる秀忠を二代将軍とすることで、宗矩は将軍家剣術指南役となった。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。

【第2部前編(その12〜24)のあらすじ】
 石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その世において、柳生家は二つに分かれる。
将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」である。
宗矩は「坂崎事件」を見事解決するなど、一剣術指南役の枠を超えた才を発揮し、
また、三代将軍家光の指南役ともなることで、柳生の権威を確立させた。
同じ頃、兵庫助は「直立たる身」の工夫を編み出し、尾張藩主・徳川義利へ新陰流正統四世を相伝する。
そして時は寛永に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を成し遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。

【第2部後編(その25〜27)のあらすじ】
 晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の沢庵和尚が紫衣事件の件で罪に問われたため、
その赦免のために奔走したものの、その努力も空しく、沢庵は配流となってしまう。
それから三年の時が過ぎた寛永九年(1632)の一月、
大御所・秀忠の逝去で幕を明けたこの年より、三代将軍・家光の親政が始まった。

 そして、この国における最高権力者となった家光は、
宗矩に対し、「己の剣の腕を上げろ」と要求する。
それは家光が将軍である限り不可能はなずのことであった。
だが、ここで宗矩が沢庵の配流さえ赦されれば成し遂げてみせると言い切ったことで、
沢庵の配流が解かれる事になった。

 果たして宗矩は如何なる手を打つのであろうか…?
73 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:37:20.03 ID:/WkTHtU0
 寛永九年(1632)七月十七日、宗矩や天海たちの尽力により、
大御所秀忠の逝去に伴う大赦の際、沢庵和尚は流罪を赦された。

      /;;;;;;;;;;;;;;_..-';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ
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     「;;;;;;;;;;;│ -----..__    -__..--一ー 、│;;;;;;;丿
     │;;;;'、;;ノ  ニ..___   ゙〕}  !l  ___....-ー‐..1;;;;;/
     ┤;;〕|;;丿  ..┬'テ三 丿   l ニ三'1‐ュ-┘'、│
      l''''lソ′    ̄"`´〒   |'、  " ̄    '1メ-、
    ‐ィ┤,'         `   ′       1 ,,,T     和尚、何卒ご無事で…。
     !(〕1                     ユ !11    
     |! 1卜        ナ    __'、       ノ''、卜  
     │1│        ゙'ゞニニテ ̄      _ノ ノ 丿
     ヘノ l′       .._ -、、      ヾ|! ゙ /
      ヘ│      ..l{リに三E┐      ,' 丿
        1       -ニ'―‐'ワ       卜'´
        '、       "‐'' ̄        ノ
         ゝ                 ,,/′
         |!゙ゝ、__            ..t|"|
        ニl  `'lニゝ、___      _....''ワ’ '、
______,,..r‐""ゝ   `┐   ̄ ̄ ̄ ̄´ _r   ノサゝl'llIぅコ 、
‐''⊃'''´ /  ゝ ヽ、  ′         / │  ゙ゝ ゙`'"''、
            松本理左衛門定好
         .(まつもと りざえもん さだよし)


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',      くっくっく…この俺を解き放つなど、
 , '   / / //ヽ、. 。ゝ イ 。ノ| |      幕府の連中も怖いもの知らずよ…。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|       また難癖をつけてくるなら、
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ     再びKOUBENしてくれるわ!!
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、     「おお!さすが沢庵和尚だー!」
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、  「和尚は流罪なんか全然恐れてねー!」
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
         沢庵宗彭
       (たくあん そうほう)
74 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:39:26.94 ID:/WkTHtU0
                               
                ,. '"´三二二三`ヽ     
              /,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ    
              /   /    夢     ', ヽ   
            /   /::(         ノ:::)  ヽ   
              /   /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``',   ヽ 
          /    ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ',   ヽ
            /    /     ,,   ,,      ',    \ \、_ハノ
         /   /::、  /   .;;;;;;'  ヽ   /::ト、   ヽ\).',..、
         ./   //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V .  / 
        /   // 1:::::;  V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV  ;:::::ト、V ヽ,)  
      /   // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ  ;_ ___ノ) )    では貴様ら!
       /   // /  l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ;::: ̄\ `ヽ   .
     /   // /   1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  ;::! i i _)  . またの再会を待つがいいわー!
.     /   // /   / l:::;.   |WWWWWW!  /1 | | .l,)   
    /   // /   / .|ヾ、  L二二二ニノ / | | | /-、
.   /   // /   /   |(__ノ\ /xxxxxヽ/   /! ! !  .,ソ/ヘ '"
.      // /   /  ノ  ',  l}}}}}}}}}}}}}  /| | | |  /  //7/ヘ /l ト、 |\
     // /   /  ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/  l | | |        /   V | l ヽ|
.   // /   /   l  >.-、/   ヽ  ヽ  | | ! ! 
   // /   /    |/ /       \)  l/ | |  
  .// /   /    V   〉   '"´  ``ヽ).     | ! 
      /    /  〈    '"´   ``ヽ)    l/  

 こうして沢庵は、配流先の出羽上山を出ることとなったのである。
75 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:41:10.40 ID:/WkTHtU0
 そして、上山を出た後、同じく流されていた玉室と合流した沢庵は
七月二十七日、江戸へ到着した。


   O  人
   o 人 人  .____
    ||人 人 人 |広徳寺|
   人 人 人 人 | ̄ ̄ ̄
  /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\
   |  □□  .|
   |  □□  .|
─卜|  □□  .|
  ヒ|       |
    ̄|| ̄ ̄|| ̄\      λ λ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     (広徳寺に入る二僧の図)

 そして、以前、上府した時と同じく、神田広徳寺へ入ったという。

 尤もこれは、京に戻るのではなく、江戸への上府であることも含めて、
まだこの段階では完全に赦免されたわけではなく、
幕府の監視下にあるということでもあった。
76 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:43:11.58 ID:/WkTHtU0
                 .rニYニヽ          , -----一 、
   |レ               //_夢_ j |         / お....世 く i
   !!_           イ t` !_,` } |        ,'  礼 話 っ .i
   ゙- '´ ,、       /j ト ‐=' レj        l  参 に....く |
      -''´   ,r'´ ̄`゙} |二二j l|rニ二ト、    |  り. な っ |
           〉─7-'´l|jト、`}-イl;|`--l一〈   .|  を っ .く .|
     __ii__    |   レ ルリ-ト、|州リ   |  .|   `|  し.... た .: .|
     イi    j  j ,,  ヽヽ |/     |  ',   l  て 連   |
      `  , イ  ハ ヒ、 ト、 |     j   ',  |  く.. 中   |
        ノ  }  / }、 ヽ} ヽヽ|    ノ ',  |  |  れ に...  |
      /   イ  } {ニ二ニニ}´7二ニニ}  ',  |   |  る      |
    //  / l  | ',ニ二ニニi |ニ二Y   ', |   |  わ     |
.  //  /   l  } ヾニ二ニi |ニ二イ   ', ',  |  :      i
/ /    l    レミj   {ニ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{    {三i .ヽ !     ノ
 / i   /    } ヶ / `丶、 _, -'´ |    } ヽ  ` -----一 '
ん-ト、        |_彡 j 二ト、 }-|    |   ヽj-''
   ヽ/    /    {    / |    |     l
    ヽ   /    レ、   |  |    レ-、  /
     `-- ´--、__  j ヽ  j  |  ./', |  `丶{
             ̄|  ', / ̄| /  ij
             ',   〉{   |./   l|
              ',__,r' }  .|k   j
               ',   |   |`丶、r'
               ',  |  |   j

 その後、江戸に着いてからすぐの沢庵の動向は明確ではないが、
おそらく、世話になった天海僧正や堀直寄、また上府中であった上山城主・土岐頼行などに
礼を言いに行っていたのではないかと思われる。
77 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:45:23.25 ID:/WkTHtU0
 そして、江戸へついて数日後…

                 _..-''" ̄ ゙̄''---- ,,,,
                   /             `'‐、
                /                    `'、
             /                       ゙l,
               /                        !
            |       . ___、               |
              l    ., ‐'"゛    '''''''、            |
           l   . /           l           |
              ,'   /      . 、    !        !
          /   / 、    l.夢´!   .,!       |   
            /   ./ l     .f゙'‐.,i',   ,!       |    さて、但馬の奴は元気にしておるかな?
         /   .l ゙l \           !           l゙    例のモノも用意できたし、早くあの大福ツラを
        ./     !.ゞ \ .ヽ        l゙        !    拝んでやりたいものよ…!
       ./      |   .`ッ',     .,r‐/         !     くっくっく…!
      ./       .!      ゛   ./;:;:;l            |
    ./  .r    .!         ゙‐''''}            l
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./
        ',   .,'  `'、   `''" ̄ ̄ .,!      /
        !  .i',    ゙'y.     .._.. !     /
        |  ./ ヽ    ゙',゙'---ッ'"  !     /
        | /  ..l.   ..l, /    .l    ./
        l ,i',    l    .li′   .!    ./
        // \  .!    !    l   ./
       〃   ヽ. !   !    :!  . /
       l′    ヽ|   .l    | ./
       .゛          !     ! /
                      l′

 沢庵和尚は、宗矩の屋敷へも向かったという。
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 21:47:49.42 ID:RnB9naIo
みなみけの冬馬でおながいしま
79 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:47:50.80 ID:/WkTHtU0
 だが…

  ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
   ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
   ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
    ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
      vymyvwymyvymyvy     ザッ
ザッ    n_n,n_n、n_n,n_n、n_n,n_n、
      ∩_∩^−^∩_∩^−^∩_∩^−        但馬様に仕官の斡旋をお願いするクマー
  ザッ   ∩__∩ ∩__∩ ∩__∩ ∩__∩
         ∩_ ∩__∩ ∩__∩ _∩ ∩_    ザッ
     ∩___∩    ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩  但馬様に挨拶に行くクマー
     | ノ      ヽ   | ノ      ヽ | ノ      ヽノ      ヽ  
     /  ●   ● | /  ●   ● |  ●   ● | ●   ● |
    |    ( _●_)  ミ |    ( _●_)  ミ  ( _●_)  ミ  ( _●_) ミ
    彡、   |∪|  、` 彡、   |∪|  、`\ |∪|  、`\ |∪| 、`\   新陰流に入門するんだクマー
   / __  ヽノ / / __  ヽノ /´>  ) ヽノ  / ノ //ヽノ /´>  )
   (___)   / (___)   / (_/_)   / (_/    / (_/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\  て 
    / / / / u  夢  | ヽ  そ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |    …なんだこのクマ混み、もとい人混みは!
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |   但馬の奴にこれほど客が来ておるのか?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 21:49:28.16 ID:xewaQXY0
ムネリンもお偉いさんになったからなあ
81 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:49:47.64 ID:/WkTHtU0
そして柳生屋敷前…

                    (二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
                    //_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
   二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
   //_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
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  //_/__//_/__//_/__//_|   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
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                  |   |││││││││││││││││||  .||
                  |   |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
                  |   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
  ___________|   |││││││││││││││││||   ||____________
  \/\/\/\/\/\|   |││││││││││││││││||   ||\/\/\/\/\/\/
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   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``````````````````````````````` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
82 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:51:26.22 ID:/WkTHtU0
                 くまー
                r -、,, - 、
            __    ヽ/    ヽ__
  くまー     ,"- `ヽ, / ●     l )   まだ順番待ちだクマー
         /  ● \__ (● ● i"
        __/   ●)      ̄ )"__ "`;     
      .(_i  ●    ' __, '"  ̄`'(___/.i⌒i   いつになったらクマの番だクマ?
        丶_ ,i⌒i,,_(_/    ● i ̄ ̄ )_|__
      __, '"   ̄ ヽ! ● ●)  ミ~ ̄_● ヽ)      腹減ったクマー
くまー   (_/     ● i    ∪  / ⊂{●  | くまー
       l ●( _●) (  ̄)-    /   -'  i    
     /ヽ、   |∪l   T      i     ● '")
               くまー

              ,,, -'''"""""""''-- ,__
            /    /,, __     `ヽ、
           /  ///      ..   ... ヽ
          / ,、i i  / /// /      'ヽ
         / i,,/ ``、ヽl i i  /  ノ ノ ノ /  ヽ
         /( i'   ..::::::``ii, , //ノノ/,; ',,,  ノノ   l
          iヽ/  ..::: :::     ) )    彡 彡'  |
         ;ミ!   :: ..: ::   /ノ    彡 _,, '  .ノ     今しばらく待つがいい。
        ;ミi(((ii,、 : : :::: /.      彡 _,, ' .ノ     我が殿、但馬守様はお忙しいのだ…!
__,,, --------;ミlヽi_\((  O .:      彡  ノノ.ノ
::::::::::::::::::::::::::::::`| ''\u`、ミi、' i、_,,,,, -'''))) ヽン / ノ       あくまで待てぬと言うのなら、
_________::::::::::::::::::|    ̄~/ ミ `、ーu-';_,;;;;''' ),ノ) ノ、       この新陰流・鳳凰剣を見舞ってくれるぞ!
    |:::::::::::::::::| .......:: / '~ :::ヽ ̄~~~  /__ノー'---、__
  .  !:::::::::::::: l| .: , ./、  、 :.     ..:;;/、  `::    ヽ
     i:::/ ̄'i | ::.ヽ ヽ ー'''' :     .::;i~ :: ::. ::
:..    ヽ :  ,i |  .~''- ,,,,___    ,;/`::..   :::__,, ----=
:::::::...   ヽ : i ::| .:"'' ..,,,     /i`:::::: .::::::./
\::::::...   \| :::|   :::     ,, -''"::: \ :::::::/
;;;;;;\:::::......  \:: `''- ,,_,, -''" .:_;;--''" \/;;;;,/   ::::::
;;;;;;;;;;;;\::::::...   ヽ、 :::::::::::: , -''"     ,::ヽ、/   :::::::
;:;;;;;;;;;;;;;;;;`'- ;,,__    `---<'~.........:::::::;;;'''ノ;;;;;;;;;;)::  :::::::::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`''- ,,_______,,`-''''''''''''''//ノ);;;;;;/ ::::::::::::::::::
             村田与三久次
          (むらた よぞう ひさつぐ)
83 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:54:07.06 ID:/WkTHtU0
  |:::::::::::::::::::::
   |i__∩:::::::::::
   | ,,.ノ ヽ、,,ヽ:::::::::::
   | ●  ● |::::::::::::::::
   | (_●_)  ミ      十字に裂かれるとか嫌クマ。
   |  |∪|   ノ:::::::::::::: こうなったら気長に待つクマよ…
   |  ヽノ   i::::::::::::::::
   ミヽ_  /::::::::::
   | ヾ   /::::::::::::::::::::


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',      ううむ…
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     随分待たねばならぬようだな。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      赦免されてすぐの身で、
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ     長々と出歩くのもマズかろうし、
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\     仕方ない、今日は帰るか…。
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 こうして、この日、沢庵は宗矩に会わずに引き上げたという。
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 21:54:09.12 ID:EEHN99oo
みなみけならカナで一つ
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 21:56:08.20 ID:iw6t8Wco
和尚って沢庵の名前を出して押しとおる人柄ではないのね

くっ…トウマとカナだと…どちらもいいではないか…
ここは、カナで!
86 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:56:21.23 ID:/WkTHtU0
 そして、その日の夜…

 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /
//   
/     
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/
. | u   (__人__)  l;;,´  …ふう。
  |     `∩_ノ)━・'  今日もこれで客は終わりか…。
.  |     |_ノ     
 /ヽ    |  |_       沢庵殿も江戸へ着いたらしいというに、
 |  \_/ ノ ヽ    これでは会いに向かう時間すら取れぬ…。
 \     /_|  |
 | \ /  _/
87 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:58:16.04 ID:/WkTHtU0
          .、'''ー'`'''''"`"`'ー、 
        /   ,,  ,,,// ィ ,,,rr )  
        {   |从 lll",,," llllj '' `'ー、r
       { 从从´´´从从从iiiiiii lll从 ll ,
       { 从从ll|||'''从从:::''''""/"jj  }
      {、-、|lllll|、,,, l|||l从;;;;/''"'彡シ   }   
      (ミ'ミ   ゙゙''' 、ィヽ)ヽ::    '彡:シ }     殿、失礼致します。
      ミッ|      リノノ:::::::  ィ彡,,ノ,、}    沢庵和尚より使いが参りまして
      { ミ}r 、_ {  "彡::::::''" ,,゙'' 、::j´、',    殿にこの手紙をと…。
        }::l|ー-、ヽ}_ O'"_,,、-''イ::ツ }jリ, リ
        ヽ',シミ゙'、;;ヶ、ili、ィ;ィ;;乏彡ミ /ノ''/|,,,,__
         '、 `""´: | ''''''::::: ̄  /イ,,/:::}
     ,,、- '''"ヽ   ,l,,  、:::::::   /リ:   } | ̄
 ,,、-''"      ヽ  `'-''´  ッ::  j::   レ
'"(         :ヽ  ー-ー ''´:::   ノ::: ヽ/
  ヽ,,,,,, 、-、    ::ヽ  '''''''"ツ:::: /:::   /
        ヽ  ri::::ヽ   レ' /:::::  /
゙' 、      ヽ/ t::::::::'、,,_,,/::::::  /
 ̄`'' -、     ゙' 、ヽ、::::::::::::::::: ::::/      ,,

   / ̄ ̄\  て
  / ノ  \.\ そ
 |  .(●)(●)  |
. |  (__人__)  |         なんと!
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)  和尚からの手紙じゃと?
.  |        |    .) ;;;;)  
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/
88 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:59:37.49 ID:/WkTHtU0
          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
        /   /   /
        /   /   /
       /   /   /
       /   /   /
      /   /   /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     沢庵からの手紙

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( −)(−)    
   |      (__人__)    ううむ、わざわざ手紙などよこさずとも、
.   |        ノ    直接来てくれて構わぬのに…どうしたというのじゃ。
    |      ∩ ノ ⊃   
  /     ./ _ノ     さて、どれどれ…。
  (.  \ / ./_ノ │  
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /  
89 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:01:12.49 ID:/WkTHtU0
 沢庵からの手紙は以下のようなものであった。

          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
        /   /   /
        /   /   /
       /   /   /
       /   /   /
      /   /   /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

『尚尚ここ元迄参候さへ、路地人多候て、とをり申候に令迷惑候。
 一昨日罷上候儀を、元盛を以申入候つる。今日者、丹後守殿へ、そと可懸御目ため、是まで参候。
 それへも参度存候へ共、定而人多に可有御座候間、出家の見苦候間、是にひかへ申候、
 いかが被成候哉。日々御隙入候て、御くたびれと推量申候。是にはたれも無御座候而、
 かたり申候而居申候。恐々謹言。

 七月晦日(※) 沢庵
 柳生但馬守殿 人々御中』


 大意:「今日そちらに行ったんだが、やたら人が多いし、迷惑になるかもしれないので帰った。
(意訳) そっちも疲れてるだろうから、また暇になった時にでも話をしよう。すまんね」

 ※月の末日。おそらく三十日。
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:01:44.29 ID:EEHN99oo
和尚空気読んでるなぁwwww
91 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:03:31.07 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/   なんと、今日来てくれておったのか…。
. |    (__人__)  l;;,´   水くさい。
  |     `∩_ノ)━・'
.  |     |_ノ        一声かけてくれれば、
 /ヽ    |  |_       すぐにでも通したというに。
 |  \_/ ノ ヽ
 \     /_|  |
 | \ /  _/


   / ̄ ̄\
  /  ノ  \\
 |  .(●)(●)  |         まあ、ともかく、
. |  (__人__)  |         そういうことなら、明日にでも
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)   .なんとか暇を作るしかないだろ。
.  |        |    .) ;;;;)   友情的に考えて…。
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/
92 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:05:40.10 ID:/WkTHtU0
 そして、おそらくこの手紙を受け取ってから
ほぼ日も立たない八月頭頃、宗矩と沢庵は再会したものと思われる。
(宗矩から広徳寺へ出向いたのか、それとも自邸に招き入れたかは不明)

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)    …久しぶりじゃな、和尚。
. |     (__人__)    息災そうで何よりじゃ。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     ふん、上山はいいところだったぞ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    温泉もあるし、調伏しがいのある山もあった。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ    こんな江戸などよりよほどよいところであるわ。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
93 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:07:40.30 ID:/WkTHtU0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ⌒)(⌒)     ははは、相変わらずじゃの。
   |      (__人__)    その分なら心配はいらぬの。
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |    お前の方こそ、随分羽振りが良いようではないか。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |   この間の客の多さを見るに、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|   お前の柳生新陰流も、前にも増して人気があるようだな。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
94 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:13:17.94 ID:/WkTHtU0
                 _..-''" ̄ ゙̄''---- ,,,,
                   /             `'‐、
                /                    `'、
             /                       ゙l,
               /                        !
            |       . ___、               |
              l    ., ‐'"゛    '''''''、            |
           l   . /           l           |
              ,'   /      . 、    !        !   とはいえ、もう六十二の爺が未だに剣術指南役とは、
          /   / 、    l.夢´!   .,!       |  年寄りの冷や水というものだろう。
            /   ./ l     .f゙'‐.,i',   ,!       |
         /   .l ゙l \           !           l゙  まだ隠居する気はないのか?ん?
        ./     !.ゞ \ .ヽ        l゙        !
       ./      |   .`ッ',     .,r‐/         !
      ./       .!      ゛   ./;:;:;l            |
    ./  .r    .!         ゙‐''''}            l
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./

 ┛┗ ̄三\
 ┓┏  _ノ 三 \
 |;;;;;;;  ( ○)(○)
. |;;;;;    (__人__)   それができるなら苦労しないだろ。
  |;;;    ` ⌒´ノ   愚息的に考えて…!
.  |;;;;        }
.  ヽ;;;       }
   ヽ;;;l    ノ
   /    く
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:14:22.12 ID:H4OktGco
もういつ逝っちゃってもおかしくねえ歳だなぁ・・・
96 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:15:10.82 ID:/WkTHtU0
        ┛┗  ̄\
      /┓┏    \    そもそも、十兵衛の奴が、もっと真っ当であれば、
      |::::::        .|  わしもこのような苦労をせずに済んだかもしれぬのじゃ…!
     . |:::::::::::     |
       |::::::::::::::    |   …この際じゃ、和尚、聞いてくれい。
     .  |::::::::::::::    }   家の恥を晒すようだが、我が息子十兵衛は
     .  ヽ::::::::::::::    }    これがまったくもって…ブツブツ…グチグチ…
        ヽ::::::::::  ノ
        /:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u   夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、−ゝ  イ−ノ| |   (…虎の尾を踏んでしまったか。
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     しかしこの愚痴…余程不満が溜まっておるな)
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:15:29.82 ID:xewaQXY0
孫が居てもおかしくない齢だしな
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:16:26.49 ID:iw6t8Wco
子供に関する愚痴ってのは、子持ちでない人間にはつらいんだぜ…ww
99 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:17:08.69 ID:/WkTHtU0
   ┛┗ ̄ ̄\
   ┓┏  \  /    …大体、柳生家は三千石直参旗本の格式の家じゃ。
   |    ( ー)(ー)   将軍家指南役の家に相応しいだけの腕前がなければならぬのは当然じゃが、
.   |     (__人__)   あれは剣の事しか考えておらぬ…!
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }    あれでは家を潰しかねん!
.   ヽ   L     }    まったく…ブツブツ
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     …ならいっそ、他の奴に継がせることも
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    考えてみてはどうだ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    確か、あと2人息子がいたであろう。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
100 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:19:18.69 ID:/WkTHtU0
 ┛┗__
 ┓┏  . \
 /. \.i||i./ .\     …主膳と左門か。
 |  (◎)(◎) .|    主膳では未熟すぎて話にならぬ。
. |  (__人__).. |    この間も、上様の御前であるにも関わらず、
  |.   `⌒´   |    不覚悟な真似を晒して…ブツブツ
.  ヽ       /   
   ヽ     ノ\ 
  /      __/ ̄`く._ __ て
  |      /〃 \   '"  \ そ
  |     ./¨\    \,_ ``ヾ} て
     . 人''" \  、__ ` 、_/ 
      〈 " \ __.ヽ ヾ、._,)'´
      ハ.  ヽ.  、__`ン
      ∧ !、_  `'_,/

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u   夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、−ゝ  イ−ノ| |   (…もしかして、
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     お前の育て方が悪いだけではないのか…?)
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:19:35.78 ID:H4OktGco
和尚wwwwww
102 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:22:11.24 ID:/WkTHtU0
          / ̄ ̄\
        / _ノ  \ \
        |  (−)(−) |      まったく、まともに勤めておるのは左門だけじゃ。
        |  (__人__)  |     今は友矩を名乗らせておるがの。
         |   ` ⌒´  ノ
   r"ヽ   |         }      上様にも気に入られ、
  (   =‐' ヽ        }      稽古のお相手はもっぱらあやつじゃ。
   ゝ-'    ヽ     ノ     _
        _/     l__   / /
   __ゝ_/         ヽノ   ノ
   \___ノ'          ノ


        / ̄ ̄\
      /       \     正直、左門に家督を継がせることも
      |::::::        |   考えねばならぬやもしれぬ…。
     . |:::::::::::     |
       |::::::::::::::    |    …じゃが、如何に愚息といえど、
     .  |::::::::::::::    }    やはりできれば十兵衛に継がせてやりたくも思う…。
     .  ヽ::::::::::::::    }    剣についてだけ言えば、間違いはないし、
        ヽ::::::::::  ノ     なにより、わしの長男なのだからな…。
        /:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:23:23.59 ID:xewaQXY0
宗矩・・・
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:23:34.16 ID:H4OktGco
むぅ・・・
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:23:45.99 ID:ggXDYF.o
宗冬・・・
106 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:24:40.60 ID:/WkTHtU0
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |    …そろそろ気は済んだか。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |   しかし、随分と溜め込んでおったようではないか。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)    おお、すまぬ。
. |  u  (__人__)    なかなか他人には話せぬこと故、
  |      |r┬|}    つい、長話をしてしもうた…。
  |      | | |}
.  ヽ     `ニ}    そうそう、本題がまだであったな。
   ヽ     ノ
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:25:57.71 ID:H4OktGco
マシロくんとかまた見てみたいお
108 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:26:17.41 ID:/WkTHtU0
     __
    /   \
  / \, 、/ \
  | (●) (●) |   和尚、頼んでおった
  |  (__人__)  ..|   「あれ」はできておるか…?
  l   `⌒´ u |
  .l         .|
   {        ./
   .ヽ      ノ
  /      `ヽ.

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     うむ、概ねな。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     ただ、もう少しだけまとめたいことがある。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ    もう何日かしたら届けさせるから、待ってくれぬか。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
109 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:28:06.37 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 / _ノ  \\     ありがたい!
 |  (⌒)(⌒) |    和尚のそれこそが、我が柳生家が
. |  (__人__)  |    生き残れるかどうかの鍵なのじゃ。
  |.   `⌒´  ノ    どうか、よろしく頼む…!
.  |        }
.  ヽ       }     それでは和尚、さらばじゃ。
   ヽ     ノ     話の大半が愚痴で、すまなんだの…。
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

                 _..-''" ̄ ゙̄''---- ,,,,
                   /             `'‐、
                /                    `'、
             /                       ゙l,
               /                        !
            |       . ___、               |
              l    ., ‐'"゛    '''''''、            |
           l   . /           l           |
              ,'   /      . 、    !        !   
          /   / 、    l.夢´!   .,!       |    ふん、気にするな。
            /   ./ l     .f゙'‐.,i',   ,!       |   別の話がしたければ、またいつでも来るがいい。
         /   .l ゙l \           !           l゙    当面は、この広徳寺にいるからな。
        ./     !.ゞ \ .ヽ        l゙        !
       ./      |   .`ッ',     .,r‐/         !
      ./       .!      ゛   ./;:;:;l            |
    ./  .r    .!         ゙‐''''}            l
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./


 こうして、宗矩と沢庵の赦免後最初の会談は終わった。
110 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:30:06.53 ID:/WkTHtU0
           /: : : : :/: : : : : ://: : : : : : : : : : : : :\     私の名はティエリア・アーデ。
          ,' : : | : ': : : :///: : : _: : -―: : : : ヽ: ヽ\   この話に、解説として介入する。
             ': : : :|: :|: : : l´/: : : /: : : : : : :/ : : }: : :\
         / :l : : l: :l: : : l´ニニニ: :-: : : : :/: : :/ / : l: :     まず、この会談が実際にあったかどうかは不明だ。
         /: :l: : : :ヽl: : : |二_:―――: : ´: : /: /: : :|: :    話の内容についても、>>1の推測に過ぎない。
        /:/: l: : : : : ゝ: :l:|ヤッ≧==、―‐ァ:/: :イ : : /: :
.        / / /: l : : : : : : ヽトト弐  jトヽ=彡'_ ,r≦メ: : / l: :     だが、後の展開や、宗矩と沢庵の親密さを考えると、
      /:イ / : |: : :l: : : : : : :ゝ-  -=テ¬元ソ/: ∨:/l /    沢庵が江戸に来て然程間を空けず、
.     |:l l: |:l: :|:l: : |: : : : : : : :\---‐ ⌒i{ 彡 : : /l///     一度は会っていたであろう事は間違いない。
.     l|l l: |:l: :| l: : | : : : : : : : ヽ ヽ、 、  冫メ --彳´/´     事実、江戸に来てすぐ、沢庵が宗矩の屋敷に
.     'リ l: |:l: :| l: : ヽ: : :ヽ: : : : :vl-`、、´/: : : : :l|        訪れようとしていたのだからな。
       _∧l」 -ゝ……―- 、: :i: :lリ` ィヽ : : : : : l l'\
    /. ´  ______`" ‐<lム: l : : : : l|:|         また、話についても、「不動智神妙録」などから見て、
.   /l/  /         `  、 \>: : :/: :l.l:|        概ねこのような話が出たのではないかと思われる。
. / /  /                \ \/l //ノ'
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:30:09.63 ID:ggXDYF.o
ここは雄度満点な女、公安9課の草薙少佐で。
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:30:38.53 ID:BXZbmyU0
解説投票 らんま(らんま1/2の早乙女乱馬)
113 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:33:19.97 ID:/WkTHtU0
 そして、宗矩と沢庵の会談と前後するある日…

      _/  /''''ー 、.     ヽ
     ..イ   /' ....=ーこ 、    \
     /}′  ,'/´ ..r= 、 ^! ' 、    ヽ       _
    :l   」〕 〈L__丿 ! ヘ    │ __,,..--‐''''"′
    |    | ゝ `"ニ_.. ''  ノ      `'ヽ、
    |     弋 `''"゙ _ ´  ''"ゝ     _/        
    l .|    `''''"´    _ ′   _ノ´   ヽ 、     へえ。
   _..ク │   ___,,,, 丶‐''"` ,,._rY'、      ヽ     じゃあこの間、柳生が来てたのか。
   弋__ ゛ 二 ___,,..=jjノ.(世.)  |      |
    ノ~~゙'i!llnコナ(世)从)yjl.'''冖'''  |      丿
    / ,,/Y ll(l  '''´ ’ ´      l ''     〃′
  ,,/ /|` 、./_|、     _ _、 _、  / ..゛  /′
../ / 丿‐ ー.. }ソヽ、  _ ニ-;=イ7 / ⊥ヘ/
'"/ 丿      ィ<ヽ_,'て辷ニナ/、..‐_ィと_、
/_ノ′     」 ̄`  '、''―'´卜  ' 〈J∀
-''´        {ぃ..、  |''Fコクl _  -/ ..jlリ 、 __
 、        |l⊥ 个 、`∪''"´ ヘl’│ ノヤ''" 、、 `
           堀丹後守直寄
      (ほり たんごのかみ なおより)

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     おう。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    随分と羽振りが良くなっておったな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    貴様の家に出向いたのと同じ日に行ったのだが、
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ    人が多くてな、会うにも難儀したわ。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
114 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:34:43.01 ID:/WkTHtU0
   >                            
  /             _─/    /`~ヽ|\  | 
. // ̄ ̄ /   X\  /   /  / ./ |  |  |
/    _ V  / (.\ \|   ヽ // / | |  |  /| /
. \   / _ /| /ヽ/⌒\\  /∠─-、/ / |/~ヽ
  \/ / | | ( (    O\ゞ//O   ヽ/ .|/ヽ |    羽振りねえ…。
    | .l | | ヽ ヽ___/   \__ノ   |  //    あいつ、あんまりいい噂は聞かないけどな。
  /  \` |                   |_´/ |  
 /    |`-|.         |         .l__  |   気に入った弟子は、腕がなくとも贔屓するとか、
/     |  |         /l          /  /  |   まめに挨拶しに来る大名衆には上様に取り成しをするとか、
      |  |         ・・         /  /  |    そんな噂があるんだ。
      |.  |      _____     /  /   |   
      |  l     /ニ二二二ニ.`7  /  /   | 
       |  \   `-、____/ /  /     |   
       |    \     --   ./  /    / 
        |     \__二___/   /   / 
       |      /|`ー─-┬─-<     /
        |    /  ヽ    /    \ /
        .|  ./    L__/       7
        |/     /  |         /

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     ほう、そうなのか。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    …で、実際、貴様から見てどうなのだ?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:35:25.50 ID:H4OktGco
色々言われてるねぇ
116 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:37:08.97 ID:/WkTHtU0
   >                            
  /             _─/    /`~ヽ|\  | 
. // ̄ ̄ /   X\  /   /  / ./ |  |  |
/    _ V  / (.\ \|   ヽ /./ / | |  |  /| /
. \   / _ /| /ヽ/⌒\\  ./∠─-、/ / |/~ヽ    …実際のところがどうかは知らねえ。
  \/ / | | ( (   −\ゞ//−   ヽ/ .|/ヽ |    ただ、細川家や鍋島家あたりと
    | .l | | ヽ ヽ___/   \__ノ   |  //     仲がいいのは間違いないな。
  /  \` |                   |_´/ |    あそこは当主が柳生に弟子入りしてるしな。
 /    |`-|.         |         .l__  | 
/     |  |         /l          /  /  |     あと、関係ないが、
      |  |         ・・         /  /  |    あいつの能狂いは有名だぜ。
      |.  |      _____     /  /   |    この間も人ん家に押し掛けて、
      |  l                /  /   |    能を薦めたりしていたそうだし…。
       |  \             /  /     |  
       |    \     --   ./  /    /     ありゃもう病気だな、病気。
        |     \__二___/   /   / 
       |      /|`ー─-┬─-<     /
        |    /  ヽ    /    \ /
        .|  ./    L__/       7
        |/     /  |         /

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u.  夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     ふむ、そうなのか…。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     というか、あやつの能好きは
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ    そこまで悪化しておったのか…。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\   
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:37:47.64 ID:H4OktGco
へうげ宗リン思い出しちまったwwww
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:38:28.77 ID:jlIFRH6o
>細川と鍋島 どっちも世渡りがうまい家だな……
119 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:39:14.90 ID:/WkTHtU0
 そして、堀直寄と別れた後…

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |     …本当にそうであるかどうかは知らぬが、
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     「そういう噂がある」ということは危険であるな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ     まあ、能の件はあやつらしいから本当かも知れぬが…。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     それに、この間の息子の愚痴の事もある。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    ここらで一筆、喝の一つも入れておいてくれるか…!
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:41:03.61 ID:XWSRuy60
じゃぁみなみけのトウマで
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:41:34.51 ID:ZOQjOc.o
いいねぇ、草薙少佐で
122 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:42:30.34 ID:/WkTHtU0
               _.. -ー'''''''―-..,,,
             /゛         `゙''ー ..,,,,,,__、    \ \、_ハノ
           ,i'゙,,....,,,、                ,,,,.....,,..二T" ヽ\).',..、
        i./    `''、                  `'';;;;;;i、 /
       ,!l 夢>   i'i|.゙l ,               `'- ヽ,)   さあ但馬よ、これが俺の
       l:|.`.゛ ./´゙7i}゙'、                ) )
          !l,,_  l / '´   ...}               /`ヽ    ”TYUUKOKU”だ!
        .',_/       / !                /..l_) 
           l ._i、 ,、ヽ !;:;:;ヽ              /   .l,)    これでこの書を完成にしてくれるわー!!
            l. i-'" ゙',/ l;:;:;:;:;\  _,,,,.............../ !    /-、 
            リ',、  .l゙''、|;:;:;:;:;,ノ゙ /   .,.‐',   l    .,ソ/ヘ '"
             '!|.l.  / .゛', ;;l" /   ., /  l,  .',  //  //7/ヘ /l ト、 |\
             _,.l,', ;;,'-'./ ゙./  _,,,/  !  ..l  ,ゞ゛   ___,/ _____V__ | l ヽ|
      ,./ '"   ゙''" / , ''"'''"| / .l   l   .l./
     i'"    ./ ./ /   ., '~',  .l   ! / ;',
   _..-'"゙゙フ'./ / ,/   ./',  .',  .l /;:;:;:;:;:|
 /゛  イ゛,/./ ,/   ,,-',  .l  .', _ '";:;:;:;:;:;:;:;:;|      .、  ,
   , ',゛i!〃゛ /   ., ''.l  ',  .l ,,ミ'゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',゙''-、、   ゙',ゝ、,.l,
 ,..┴-iフ" ./   ._‐{  . !  ', ._ノ'l丶;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|   `''' !./ -',、`′
   / /   .// l  ', .,ゞ゛  !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !     . ゙'- `'
 / . /   .,,/゙l゙ .!  .l ._ソ"    .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !
   /   ., ''l'7 !  ヽ,,,,','"|      ',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}
 ./  .,-{..,i,' |  ′    .l_      !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!
: '.l.,,i'゙.l |i./ .ヽ      .',,'',、     .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
..ィ ! ', ',`'、.      _,,,',. ゙リ..,,,_   !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
 ', l  l..,ノ'´ `'-、 .,,...../   ゙'イ;:;:;:;:; ゙゙̄''゙‐' ..、;:;:;:;:;:;:;:;!
 .l .!/      `'-,, \,ノ゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
 .,','----.... ......,,,,,_、  `'く、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.!
. ゛―----........,,,,_、 .`゙''''ー-ミ;;ッ、,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.!
 ------ ....,,__ .`゙"'― ..,,、.゙/゙'''-、、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l゙
 ー''''''''''''―-..,,_ ゙゙゙̄"'''ー ,,, ./゛    `''ー ..,,,_;:;: /
             `゙'''‐    ~

 こうして、沢庵から宗矩への書状は完成したという。
123 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:44:07.34 ID:/WkTHtU0
 そしてそれから数日後…

          .、'''ー'`'''''"`"`'ー、 
        /   ,,  ,,,// ィ ,,,rr )  
        {   |从 lll",,," llllj '' `'ー、r
       { 从从´´´从从从iiiiiii lll从 ll ,
       { 从从ll|||'''从从:::''''""/"jj  }
      {、-、|lllll|、,,, l|||l从;;;;/''"'彡シ   }   
      (ミ'ミ   ゙゙''' 、ィヽ)ヽ::    '彡:シ }     殿、失礼致します。
      ミッ| U     リノノ::::::: u ィ彡,,ノ,、}    沢庵和尚より使いが参りましたぞ。
      { ミ}r 、_ {  "彡::::::''" ,,゙'' 、::j´、',    
        }::l|ー-、ヽ}_ O'"_,,、-''イ::ツ }jリ, リ    ただ、少々奇天烈な者でございますが…。
        ヽ',シミ゙'、;;ヶ、ili、ィ;ィ;;乏彡ミ /ノ''/|,,,,__
         '、 `""´: | ''''''::::: ̄  /イ,,/:::}
     ,,、- '''"ヽ   ,l,,  、:::::::   /リ:   } | ̄
 ,,、-''"      ヽ  `'-''´  ッ::  j::   レ
'"(         :ヽ  ー-ー ''´:::   ノ::: ヽ/
  ヽ,,,,,, 、-、    ::ヽ  '''''''"ツ:::: /:::   /
        ヽ  ri::::ヽ   レ' /:::::  /
゙' 、      ヽ/ t::::::::'、,,_,,/::::::  /
 ̄`'' -、     ゙' 、ヽ、::::::::::::::::: ::::/      ,,

           / ̄ ̄\
         /     \ /
         |    ( ●)(●)
        . |     (__人__)    遂に来たか…!
          |     `|::::::|ノ   よし、すぐ通せ!
        .  |      l;;;;;;l}    
        .  ヽ     `ー'}    (奇天烈…なんのことだ?)
            ヽ      ノ: i |i |
         /⌒      ヽ  | || |  |
     :: / ̄ ̄ヽ ::       \ ||     |i
    :: (「    `rノ ::      \   ||i  \
     :: ヽ   ノ ::          \       \
ガタッ!  |   | r         「\   \       \
       |   | |       ノ  \   \__   \
          ヽ_ノ       /||| l   \_,       `ヽ   \
     || i  /         | ||| |    (_つ ̄と_ノ)    \
     || ||  |         | ||| |                    \
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:44:52.60 ID:U0qs5Qso
沢庵和尚、本当に良い友達だなぁ
125 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:46:35.86 ID:/WkTHtU0
              ,..-'' フi''‐- 、   
             ./,' ヽ‐ -` -- ゙lゝ  
            ノ/ ''―‐ 丶―U|    但馬守様、和尚より書状を預かって参りました。
            :〃 ´`゚ ′ 「 ゚` "|'、  こちらでございます。
            |ル  丶- ..-   │ 
            │   -=一、  〃  
             、  ̄   _丿  
         _....-‐','n:こ-コっ::コ: :什‐-..,,_
     ,,,,-‐´   l丿 ^´‐―‐ ̄’ ゙lゝ  ``ー、
     ..'´     /丿         l''、     ヽ 
    /      /,'     ヽ     !'l       ヽ
   丿  _ ..ァ'冖'"‐ゝ、_ ./!i 、 ,,,uャ〃'ゝ、、    |
   丿   ノ广;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;^'゙┬ー/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`'ゝ    |
   ゝ   │;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;│ 卜;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ゞ   !
  l 、   卜,,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;__..ニ- 廴;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.丿   │
  !    │ `'''''''''''''''"´    `''''‐‐―''''´│   │
            沢庵よりの使者

   / ̄ ̄\
 / u _ノ  \      う、うむ。
 |    ( ○)(○)    ご苦労であった。
. |     (__人__)     確かに受け取った旨、和尚に伝えてくれい。
  | u   ` ⌒´ノ
.  |   u      }     (こいつが和尚からの使者だと…?
.  ヽ        }      和尚、なんというか、自由過ぎやしねえか…?)
   ヽ     ノ
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:46:45.22 ID:.GpiQx2o
じゃあうちもこれでww<公安9課の草薙少佐
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:47:37.85 ID:H4OktGco
ちょwwwwww
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:48:39.89 ID:iw6t8Wco
なんというフリーダムww
129 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:48:43.25 ID:/WkTHtU0
    , -─- 、._
   /      ヽ
  |   \ ./  |     …まあ、ともかく、
  |  (⌒)(⌒) |    
  |   (__人__)  |    「ついにねんがんの おしょうのしょじょうを うけとれたぞ!」
  ヽ  `⌒´  ノ    
   人_____ノ⌒ヽ   これをずっと待っておったのじゃ…!
  ( ヽ  ___ ././  
  .\ \|  .,レ゛/
    .\旨 爻ン


   / ̄ ̄\
 /    \  /
 |   ( ●)(●)     沢庵殿…!
. | u.  (__人__)     では、読ませてもらうぞ…!
  |      `⌒´ノ     この書の内容次第で、我が柳生家の将来も決まる…!
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ      |\    /|
  /   /⌒ノ  \/ ( )
  |    / / |      |
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:49:03.99 ID:H4OktGco
ニアころしてでも(ry
131 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:50:04.50 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 /    \ /
 |    ( ●)(●)   ふむ、
. |     (__人__)  『無明住地煩悩。無明とは明になしと申す文字にて…
  |     `⌒´ノ
.  |         }       __
  \      } / ̄ ̄⌒/⌒  ./
  (⌒\    /     /    /
  i\  \ ,(つ    /   ⊂)
  .|  \  y(つ    /,__⊆)

 こうして、宗矩は沢庵よりの書状を読み進めた…。
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:50:36.96 ID:ZOQjOc.o
そりゃ流されるよ、治安的にww
133 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:51:32.44 ID:/WkTHtU0
 そして読了後…
                              あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          ., ―――- 、           
         /     u' ヽ、        ......『和尚の書状で、禅について語られていると思ったら
         .|  ヽ_{ル{_ノ  |          . いつのまにか兵法の極意が述べられていた』
       _.| {(○{liii{(○.))u|         ....
     ./´  {  u(_人__)  .|         .... な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'    .{   `⌒´   |           .おれも何が説かれているのかわからなかった…
    ,゙  / ) {       u /ヾ、      ......
     |/_/.  {       /V:::::ヽ      .... 頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7__u'_/u'/:::::::/`ヽ     .
   /'´r ー---ァ‐ T '"´ /::::/-‐  \    . 説法だとか方便だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ .....そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }  
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...      イ  .... もっと凄まじいものの片鱗を味わったぜ…
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:52:01.11 ID:BXZbmyU0
和尚の書状は至る所にレ○プの跡がありそうだ…
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:52:09.81 ID:xewaQXY0
和尚sugeeeeeeeee
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:52:19.72 ID:H4OktGco
和尚様すげぇwwwwww
137 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:53:53.54 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 /   \ /
 |    (⌒)(⌒)    …沢庵殿!
. |    (__人__)    やはりお主を見込んだわしの目に狂いはなかった…!
  |      `⌒´ノ    これを組み入れれば、「真の大将の剣」は完成する…!
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ      |\    /|
  /   /⌒ノ  \/ ( )
  |    / / |      |


                /´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./
               ./                      /
              /   /´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   /  ./ ̄ ̄\
             ./   /               /  ./  /   _ノ  \
             /   /              ./   /  .|    ( >)(<)   これで、上様にも面目が立つだろ。
            ./   /              /   /    |  ///(__人__)   指南役的に考えて…!
           /   /             ./   /     .|     ` ⌒´ノ
          ./   /            /   /       |         }
          /   /           ./   /         ヽ        }
         ./   /           /    /           ヽ     ノ
        /   /           /    /              i   i
       ./   /            ,'   ./              i   i
       /   /            i   .{               i   i
      ./   /´(ヽ三/) ))     {    丶_________.ノ   .i
     /   /  ( i)))          '                    /
⊂ヽ γ    く  ./ /           \                 イ
i !l ノ ノ     |./ /             . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⊂cノ´|       |/
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:54:32.06 ID:H4OktGco
きめぇwwwwww
139 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:56:04.42 ID:/WkTHtU0
゚ | ・ +o            o。 |  *。 |
 *o ゚ |+ | ・゚   / ̄ ̄\+・  o  |*
 o○+ |  |i  / ._ノ  ヽ、\  ゚| o ○。
・+     ・ l  |  (≡)(≡) |・|*゚ + |
゚ |i    | +   |::::: (__人__) ::::| |! .   |       しかし、これほどの書に名がついておらぬのが勿体無いの…!
o。!   |! ゚o   |   |r┬-|  .} |. * ゚ |        この但馬が書の名付け主(ゴッドファーザー)に
  。*゚  l・    |   `ーlj´  } |o  ゚。・ ゚      なってくれようぞ!
 *o゚ |!     ヽ       / |*|○・ |o゚
。 | ・   o,. ‐- .._ヽ、.,__. /  !| ・ +゚ ||*|     …うむ、「諸仏不動智」について
* ゚  l| /    、  i  }  \   o.+ | ・    語られていることを以って、
 |l + ゚o i     ` -、{! /_   \  ○・ |o゚
 o○ |  | ヽ.     ヾ´    ̄  `ヽ  *。      『不動智神妙録』
・| + ゚ o }  }                ヽ O。
 O。 |  | リ、  ..:::        ..   l 。      というのはどうかな!!
 o+ |!*。| / `ー::::       , ヘ:::::..  | *
 |・   | ゚・ |/   /  :::... ..   /:::/ | ::..... { |
    _|\∧∧∧MMMM∧∧∧/|_
    >                  <
  /\  ──┐| | \     ヽ|  |ヽ  ム ヒ | |
  /  \    /      /  | ̄| ̄ 月 ヒ | |
      \ _ノ    _/   / | ノ \ ノ L_い o o


 こうして、宗矩は長年追い求めていたものを、
遂に得ることができたのであった…。
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:56:51.92 ID:H4OktGco
宗リンノリノリッスねww
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:58:31.24 ID:ggXDYF.o
資本主義のブタwwwwww
142 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:58:32.81 ID:/WkTHtU0
             _ -―……―- _
.         .  ´          ` 、
      /                \
.     /       /        、  ヽ
.      /        / //    /  ヽ ∧
    /         /'´/  /  /  . | ∨ ∧     さて、こうして宗矩は「不動智神妙録」を得た。
.    ′    .  //  /   /  | |  |   ',
    |   /  /  l'  /   // . // . /| ||     しかし、この書について、その内容を語ると
    |  ' ' | | |//   // / ィ /| /┤ ||   完全に本編の話が中断してしまうので、
    |//  | | |/ /∠、 彡 ´///∠イ l, V    .ここでは簡単な説明だけすることにする。
    l//  / | | |/代汀ヘ≧='彡ィfjアノ/ .イv |
    | l  / | ト l|`{  ̄   ´}__,_{ ̄イイ l| ,l |     まず、この「不動智神妙録」の主題は、
    | | ′| ∨ゝゝ    rソ⌒V` / イ|l|/     簡単に言えば、
    l || | ヘヘ\   ̄  - / イ /l/l/ノ
    `l|| {   ヘヽ   ,. __¬/| | |/ ノ        『禅法は、兵法の心法に通じる』
    | | |  ヘ ||ヽl> .   / |!||
    | | |   ∧∧ヘ \/  ̄l   | lヽ|         というものだ。
     ゝv∨  ∧ ヘヘ ∧  |   | | ト
     Vv V  ∧ トヽ{   |   | | /
143 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:00:09.67 ID:/WkTHtU0
          /: : : : : : : : : :ヽ : : : /ィ         . また、その内容について、
          ,.': : : : :/: / : : l: l|: : : : : :∧          再び簡単に言えば、
.        /: : : : ://: : : : /:/|: : :、:ヽ : ',        
       |: : : : : |'/:_ : ィ/ Wi: :V: l: : |       ..... 『何事にも動ぜず、こだわらぬ自由な心。
       |:|: : :l: :|r≦、/ ,. =ヘlヽ: V: : :|       .....  それこそが兵法の至極の境地であり、
       |:|: | ヽ:{ 弋tァミ. i 〃辷アトヽ: :|       .....  禅法にも通じるものである』
       `ト、\: ゝ_ rソ{ム___ .イ : l : |       .....
         |: : l`T≦  { .     /|:|: l : |.       .... ということになる。
         |l : |: |: :>、 r..ュ  . イ_.|:|: || :|       .....つまり、俗に言う
         |l : |:/  l丶 __/ | _|:|: ||: |       .....
         |l : ||\ V|     W|:|: |li/        ..   『剣禅一如(剣禅一致)』
         lヘ リ  .>ヽ    /ト//イヽ、        .
       ,. ´ W/|L ∧  r/ 」.l/ >ヽl ` ‐-._    ... ということだな。
      /     lヘ ∨ \`y '/  / /   ,  \   この概念…剣と禅が相通ずるものだという思想は
     ,    .l     V∧  /。    / /   |:  / ヽ  この「不動智神妙録」によって確立されたのだ。
.    / l.  :|:/ __V∧_ヽ.   / /     :|::.〃  ∧ 
   /  l:::..:||:  |_____| |   '  '    ::|::l|::   ∧ ......
.  /   : l::::||: |      || |  / /     :|:|::    ∧  
144 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:02:51.65 ID:/WkTHtU0
               __              
            ,  "´:.:.:.:.:.:.:.` ‐ 、            そして、ここで重要なのは、
           /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\         
         /:.:.:.:.:.:.:.:.:.―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ          『剣を学ぶ事で得た境地は、禅にも通じる』
           /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:.:.∧       
          /:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:/:./|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.|         ということだ。
       //:.::.:.://:.:.:/:./ ,':∧:.ヽ:.:.l.:.!      .....これが単に剣と禅だけで完結するのであれば、
       ‐='イ:l:.:.:.:.lニニ≦z ´ /:/≦ヽ|:.:ム:|        今までと然程変わりはなかっただろう。
          |:l|:|:.:.:| 戈〒ミヽ ノアfテ丈//:lノ:|       
          `lY:.:.ゝ  ̄  ノ}`ゝ  ̄、//:/:.:.|         だが、当時既に「茶禅一味」といい、
         `l|ヽト:≧= ´ 、,   ̄≦イ:.:|:.|        茶の湯は禅にも通じる、といった概念が
           |:.:.|:.l:l\  -_-  ∠:.|l:.:.|:.|        既に存在していた。
          /:./:./ lヽ、__ ィ |  ヽ:.:.|:.|       
       _」:.:|:/,、 l|     V  ∨/ ̄`ヽ、   . つまり、
      /   V.〃 |ヽ.リ    / / /`>ヽ.   ∧   
.      /     Y ∨├‐ 、 r'‐/ Vl:/ /`ヽ   l∧ ..... 『禅に通じることは、他の道へも通じること』
    /     `W ト ヽ   /  イノ' /     / |  
     ′  |: l  V∧ ヽヽ // / /      | |   ということになる。
    |    l: |   V∧ ヽV´ // /     | | ......即ち、
   ハ    |:. |   ∨ム  {。 / /      / | |   .
   〈 ヘ   |:..|    ∨ム l丶/ /     / /:  |  ... 「兵法の至極の境地に達すれば、
    ハ:..∧  ∨     \`レ' /     .:/ :l::: l |  ...  「禅」を経し、他の諸道にも通じるのでは」
   l  ::.. ヘ:. {        |O/      .::/ :::l::::l  |  ...
   |   ::. ヘ:.L       l'´|    .::/  ::/:::l   |  ... ということなのだ。
   |    \\:\      l |    .:/  ::':::::l  |    これが、この後宗矩が語る
   |    ......\::丿     | l   ::;:   :/:::::/  |   「真の大将の剣」に繋がる事になるのだ。
  /  .:::∠ニニ:.\   o |  | /   .〈:::::/:   |   
145 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:04:48.59 ID:/WkTHtU0
         ,    ´ ̄ ̄`ミ 、__
       /      __   、 \
      /       /    , ヽ ヽ
     /   /      ,  }  ',  ',
     ,   /       /  ∧  ;   ,
      i   〃      丿,   / ',  i |     まあ、それはこの後、しばらくすれば分かる。
      |   ii ノ   / イ  ム一ヤU |     では、話を続けようか。
      ’  j{´__ /イ__ノイぇヮi汀、|  ′
      、 彳 /   i^Y゙H 」__tりヽ! /i      実はまだ、この「不動智神妙録」には
       ト ミー‐一 j !|` ー‐一ノ' !     続きがあるのだからな。
      i   ド: : r' ノ !└、 : : : 彳 :
      :  i>、 j ´   └、  ィ i  ′
       ,   !/’、     ノ<_」U,
       、 {〉、V´二二`Vrl ム_i/
      r へ Vヽl´    `l_l」/ /  ̄∧
      | \ ` ├──‐┼く     ,  !
      |     「 ̄ ̄ ̄]     / U
      |    |j      |     v   !
      |     W      !    |  |
146 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:07:10.94 ID:/WkTHtU0
      __  ,  
    / 〜\-  
  / ノ  (●)\       ん?
. | (./)   ⌒)\     まだ続きがあるのか、どれどれ…
. |   (__ノ ̄   \
  \          |     ええと…『内々存寄候事、御諫可申入候由、
    \       /           愚案如何に存候得共、折節幸いと存じ…』
.      \  ⊂ヽ∩
      /´    (,_ \.   
       /       \. \
      ./   /       |. \ソ
    (  y'      .|
147 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:08:51.94 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\ 
 /   _ノ  \      『…御賢息御行跡の事、親の身正しからずして子の悪しきを責むること逆なり』
 |    ( ○)(○)
. |     (__人__)     『…只今寵臣たるにより、諸大名より賂を厚くし…』
  |     (
.  |     ` ⌒´ノ     『…貴殿乱舞を好み、自身の能に奢り、諸大名衆へ押して参られ…』
.  ヽ        }      
   ヽ     ノ       『…挨拶のよき大名衆をば、御前に於いてもつよく御取なし成さるる…』
   /    く
   |     \\
    |    |ヽ、二⌒)
   l    l     \
148 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:10:38.19 ID:/WkTHtU0
 そして読了後…

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |   ( −)(−)   …心こそ心迷はす心なれ 心に心 心ゆるすな』
. | u   (__人__)
  |      `⌒´ノ     …か。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ      |\    /|
  /   /⌒ノ  \/ ( )
  |    / / |      |
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:14:37.37 ID:ggXDYF.o
剣と禅の融合をたのんでいたのに、いつの間にかお説教になったデござるwwww
150 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:14:54.97 ID:/WkTHtU0
      __,‐⌒ヽ、
      /   '─ \        …なんで俺がこないだ某家のトコ行って、
     ノ ノ-、 (○) \     能薦めてきた事とか知ってんだよ和尚!
     | 。(○)  、゚ ヽ, ヽ
     ヽ  ヽ__,,,トー'i   )     つか、
      ノ    ` ⌒''  ノ
     (           }      『息子の事でブツブツ言ってたけど、
     ヽ         /       オメーがしっかりしてないからダメなんだよ。
      ヽ     /         鏡見ろ鏡!』
    ./ー-.l`‐-‐< ̄``ヽ
   (   ⌒⌒ ̄ ̄`r:ュ〈      とかひどくね?
    ´`´ー-、_,. -‐'´/l .ト''ヽ    それちょっとあんまりじゃね?


          _______
        /          \      それに、賄賂って進物のことと間違えてるんじゃね?
      __/     u    |||i  \    あと、好き嫌いや仲のよさで贔屓をしてるとか、
    /.     u      、   . |    誰だよ、そんなこと言ってるの…。
    |.         ,(⌒(◎)ヽ    |
    l  lヽ      )>   三  /     あとで誤解を解いておかないとダメだろ。
   /    ヽ\   `(__,(◎) / /      俺の印象的に考えて…。
   |      \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  \
   |     |ヽ、二⌒)、          \
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:16:26.60 ID:iw6t8Wco
溶けてる溶けてるww
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 23:16:45.36 ID:xewaQXY0
まあ手遅れになる前に諫言してくれるのはありがたいんだけどね
153 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:18:08.00 ID:/WkTHtU0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)
.   | u   (__人__)    …とはいえ、せっかくの和尚からの忠告じゃ。
    |      `⌒´ノ   何かの役に立つやもしれぬ。
   .l^l^ln      }    .憶えておくとするかの…。
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ      わざわざこのように忠告を書いてくれたのも、
   /  /    \     和尚なりの思いやりであろうしの…。
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

    __
   /  . \
 /. \.i||i./ .\
 |  (●)(●) .|    それよりも…今わしが為すべきことは、
. |  (__人__).. |   「真の大将の剣」を、今こそ完成させることじゃ。
  |   ` ⌒    |  .
.  ヽ       /    次の稽古の時こそ、わしの…柳生の命運を決する時のだ!
   ヽ     ノ\ 
  /      __/ ̄`く._ __ て
  |      /〃 \   '"  \ そ
  |     ./¨\    \,_ ``ヾ} て
     . 人''" \  、__ ` 、_/ 
      〈 " \ __.ヽ ヾ、._,)'´
      ハ.  ヽ.  、__`ン
      ∧ !、_  `'_,/

 こうして、宗矩は「不動智神妙録」を得て、
己の「真の大将の剣」確立の最終段階へ足を進めたのである。
154 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:20:30.87 ID:/WkTHtU0
             _  -――-  _            ......
         , .::.::´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::`丶、         ..... さて、ここで書いてあったことだが、
       , .::.´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\        ...実は沢庵はこの「不動智神妙録」の最後に、
     /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.゙       .....宗矩個人に対する忠告を付け足したのだ。
.    ,.:'::.::.::.::l::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:       .....
    /::.::.::.::.::.:l:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:          その詳細についてはまた別途説明するとして、
.   /:.::.::.::.::.::.::.l、.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       ...大雑把に言えば、
  l:.:.::.:.::.::.::.::.l:| >、::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:         .
  |:.:.::.:.::.::.|:./l:|´.ィム::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:         . 「悪い噂が色々立っているので気をつけよ」
  |:l::.::.l:.::.:レくリ比チ Y:.l、::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       ... 「息子の件はお前が悪い。あと能やり過ぎ」
  |:l、::.:';.:.:ム V ´  ヽ:!|:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       ...
.   いヽ:.:.、:ハ l    ゙!|:.::.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:         という2点に集約される。
   ヽl `、′ `      |:.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       ...
      i`ヽ'      |:.:.:.::.::.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       . 前者については、あくまで
       'l:.:.:.`T⌒     !:.l::.::.::.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.     ...「そういう噂があるので心掛けよ」というトーンで、
        l:.:|:.:.::`i    /:/:.::.::.:.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:       .実際のところ、「事実」としては語られていない。
       l:.:!:.:.::.lゝ__ イ:/:.:.::.::.::.:.:.::.::.::.::.::.::.::__::.::ィ     ......
       |:.|l:.:.::.l、::.::.:〃l:.:.::.::.:|:.:l:.::.::.::_::.:≦__{         これに対し、後者は具体的かつ断定的で、
        ヽぃ:.:、〉ヽィ/イl:.:.::.::/!_jL:ィ彡 ´      `丶、     .柳生家や宗矩個人に対する忠告として
        ` ゙ソ  Y |j:.:.ィ´ //            \ .   かなり直球のものを投げている。
               い´///  ,   ´ ̄ ̄ ̄`  、  ヽ   
             j/ //  /           \ ',   
               /  /  /              ヽ !. .....
155 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:22:14.14 ID:/WkTHtU0
                                      まあ、このうち、前者については、
                                     実際にそうであったと言うより、
                                     それだけ宗矩が家光から寵遇され、
           ,.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.、        その影響力が強まっていたことの反動だろうと言える。
       ,.':::::::::/::::::/::::::::/:::∧l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
      /:/::::::::l::::::/:::::::::/:::/ l::、:::::{::::l::::::::::::|::::::::::|         「他人を責める時、
      /:/:::::::::l::::/:::::::::/.::/  ゙、:_:::::、:::、:::::::::}:::::::::::!         人間は過剰に道徳的になるものだ」
      l/!::::::::::l:/::::::://,r‐__ニ_;⊥、ヽ::ヽ::::/:::::::::::|
      |! !:::::、:::l:::_∠X´ r "バ_;メ_ノ |`ヽ`:/::::::::::::::!        というからな。
      | 、、:::ヽ:i、ゞノ`,L.l    ̄  /::::::/:::::::::::::::|        それでなくとも、比較的新参の剣術指南役が
       ヽヽ::::::ゝ _ノ  ` ー一 ´/ィ:´::::::|:::::::::::::!        三千石の身の上、諸大夫にまでなったのだ。
           ト:::T`´ヽ 、       ´ !:::::::::|:::::::::::::!        嫉妬からの陰口もかなりのものがあっただろうな。
           !::::::ヘ   ____.,      !:::::::::|:::::::::::l:|
         l:::::::::::l:.、 `ー_ ''´    ,.ィ:::::::::|!::::::::::|:|         なんにせよ、文面全体から受ける印象は、
         !:::::::::::|:!:\      , ´ |:::::l:::|l::::::::::|::|        宗矩を諌めるというよりも、
         !:::::::::::|:|::|:::ヽ.... ‐ ´   _」:::::|:::|l::l::::::l!::!        「悪い噂が立っているので気をつけよ」という
         !:::::l::::::l:l;>,..r=ヲ__,....-ィ ノ:::::l:::|j::|:::::/!:|--  ..._    好意からの忠告がメインとなっている。
         |::|:::、:::f {::::了::::::::「 //:::/::/::/::ノ.ノ     `   ある意味、宗矩と沢庵の親密さを示すものだと言える。
           !:|ゝ〉ノ |::::::|:::::::::::| |/:::/_/ ‐ ´      ,.  
       ,r ´ ヽ   } !:::::l:::::::::::! ムィ´        /       なお、後者については、原文がかなり面白いのだが、
     _/      ノ !::::<::::::::::{ イ¨- ../         /  , '    紹介すると長くなるのでこれもまた後に述べる。
   , '´ l l   r ''^i ゝ--'-- ''´´   〈_    r‐ .._ /
  /   | | ‐'   ` 冖冖''´       ` 冖´ヽ  ヽ       …さあ、話は戻るぞ。
                                     次、宗矩はいよいよ大勝負に出ることになるのだ…!
156 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:24:39.63 ID:/WkTHtU0
そして八月のある日の事…

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''〜^〜ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ    但馬よ。
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ   約束通り、沢庵の奴は江戸に来たぜ。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ    …さあ、俺に教える「真の大将の剣」というのはできたのかい?
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、
          徳川家光


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)    ははっ!
       |  u  (__人__)
         |     ` ⌒´ノ     今こそ、「真の大将の剣」を
         |         }     上様にご教授致しますぞ…!
         ヽ        }     
    /  ⌒ヽ    '´(      (さあ…勝負の始まりじゃ…!)
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:27:48.58 ID:aUY.IPco
なんということでしょう
158 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:27:51.58 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    _ノ \
       |    ( ●)(●)    まず、上様。
       |     (__人__)    上様が求めておられるものは、
         |     ` ⌒´ノ    
         |         }     「剣を自由自在に使いこなせる境地」
         ヽ        }     
    /  ⌒ヽ    '´(      でございましたな。
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<    ああ。
    !∩|.}. '___゙`   ./'__` f^|   それを得るために、俺は剣を振っているんだからな。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄' |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ    …だが、お前はこの間、
.    }.iーi       ^ r'    ,'    「それを得るには剣を振るだけでは足りない」と言った…。
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\
159 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:29:53.69 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \  /    左様でございます。
       |    ( ●)(●)  そして、その境地に達する為に、
       |     (__人__)  この度、沢庵和尚の善知識より得た極意…
         |     `|::::::|ノ    
         |      .l;;;;;;l     それをこれよりご教授致します。
         ヽ     .`ー'    
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

       |  !                        |  |       |
      | │                   〈   !      人
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   ̄ .Y  ̄
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    |
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |       おお…嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !       沢庵を呼んだ甲斐があったってことだな。
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′        さあ、聞かせてくれ。
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'         その極意とはどういうものなんだ?
    |    `!                    /
    人     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
  ̄ .Y  ̄    |\      ー ─‐       , ′ !
    |       |  \             /   |
160 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:31:38.27 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)
       |     (__人__)   それは…「こだわらぬ心」でございます。
         |     ` ⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


\\ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、:::::::::::
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::
   |        〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、    「こだわらぬ心」…だと?
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん
   l/   """"´`    )ノ
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !
     ゙、`ー‐'     ,'       \
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:32:20.71 ID:ggXDYF.o
いよいよ、その時が来た
162 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:32:44.59 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)
       |     (__人__)    はい。
         |     ` ⌒´ノ   上様…そもそも上様にとって、
         |         }    「剣」とはなんですかな?
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


            ___ _
         -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
     ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr〜ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::     それは…武士たる者に必要な
    フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::    「心の据わり所」を得るためのものだ。
.    l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::
     〉゙゙`'''Tjフ ̄   ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::::::     だからこそ、
.    /   ,.‐'"      }:::/ /ヽ ハ:::::::    これほどこだわっているんじゃないの。
    /..             "´ 2ノ/ l:::::
.   ヽ.ニ,`           __/ :l::::
.     'ーr_‐;        .ィ    l:::
      〈..        /:{      ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !
163 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:34:52.62 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\      上様。
       /    \i||i/    それこそが問題だったのです。
       |    ( ○)(○)  
       |     (__人__)    上様は、腕前が上がらぬ事…
         |     `|::::::|ノ    それも、「剣術」の腕前が上がらぬ事に
         |      .l;;;;;;l     とてもこだわっておられました。
         ヽ     .`ー'    
    /  ⌒ヽ    '´(      上様が、「真の大将の剣」を得るためには、
   / ,_ \ \/\ \    そこにこだわっていてはならぬのです…!
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


\\ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::  て
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、::::::::::: そ
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::
   |     u.  〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、      なん…だと!?
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん    但馬よ、腕前にこだわってはならぬとは、
   l/   """"´`    )ノ    どういうことだ!?
=-- /        u  l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !
     ゙、`ー‐'     ,'       \
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´
164 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:37:19.24 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( −)(−)
       |     (__人__)    …上様。
         |      `⌒´ノ    上様にとって、神君様のお言葉は
         |         }     如何なるものでございますか…?
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }    …無論、それは至極のものだ。
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<   そもそも俺が将軍家になれたのも、
    !∩|.}. '___゙`   ./'__` f^|   神君様が…お爺様が俺を認めてくれたからだからな。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄' |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ     だが、それが、
.    }.iーi       ^ r'    ,'     今の話にどう関係あるんだ…?
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\
165 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:38:35.75 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( ○)(○)    ならば、神君様のお言葉のうち、
       |     (__人__)
         |     ` ⌒´ノ     「大将たるものが自ら剣を振るい、敵を倒すことなど不要である。
         |         }       大将に必要なのは生き残り、軍勢を采配する事である」
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(      このお言葉は…如何お思いになりますか?
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


     /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
     (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、
     .l `'^'´ u   }::::::::::::::::::i
     ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|
      !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|   そ、それは…!
     .ソ   ``` i  ソ,iノノ::::::|
     ヽ,-     !  シ_,イ、:::::l
       i==-    イ   ヾヘ
      , ゝ. ̄  _,.ィ  i
     , ´  ゙'ーイシ″ ,
   /   、 \ヾ   /
166 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:40:03.88 ID:/WkTHtU0
       / ̄ ̄\
     / \i||i./ \
     |  (○)(○) |    上様…神君様が剣術をお学びになられたのは、
    . |  (__人__)  |   自ら敵を斬る…そのような「匹夫の剣」を得るためではございませぬ。
      |    ||||ii|   |
      |    l;;;;;;.l   }     しかし、今、上様がこだわっておられる剣の腕こそ、
      ヽ   `ー'   }    まさに「匹夫の剣」なのでございますぞ…!
       ヽ     ノ
      /      く l!| !
     /       \ |i
   /       ヽ !l ヽi
   (   丶- 、    しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ    煤@l、E ノ <
             レY^V^ヽl


\\ /::::::::::::::::::::::::::::::┛┗
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、:::┓┏
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::     但馬、貴様…ッ!!
   |     u   〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、     なら、お前が今まで俺に教えてきた剣は
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん    一体なんだったんだ!
   l/   """"´`    )ノ    貴様は、何のために俺に剣を教えたんだ!
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !      言ってみろ!!
     ゙、`ー‐'     ,'       
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:42:16.66 ID:LAfEzL.o
その反応はもっともだww
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:43:15.81 ID:iw6t8Wco
お、ついに上様のお怒りを!
勝負所だ
169 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:43:17.11 ID:/WkTHtU0
       / ̄ ̄\
     / \i||i./ \
     |  (○)(○) |    上様…神君様が剣術をお学びになられたのは、
    . |  (__人__)  |   自ら敵を斬る…そのような「匹夫の剣」を得るためではございませぬ。
      |    ||||ii|   |
      |    l;;;;;;.l   }     しかし、今、上様がこだわっておられる剣の腕こそ、
      ヽ   `ー'   }    まさに「匹夫の剣」なのでございますぞ…!
       ヽ     ノ
      /      く l!| !
     /       \ |i
   /       ヽ !l ヽi
   (   丶- 、    しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ    煤@l、E ノ <
             レY^V^ヽl


\\ /::::::::::::::::::::::::::::::┛┗
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、:::┓┏
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::     但馬、貴様…ッ!!
   |     u   〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、     なら、お前が今まで俺に教えてきた剣は
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん    一体なんだったんだ!
   l/   """"´`    )ノ    貴様は、何のために俺に剣を教えたんだ!
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !      言ってみろ!!
     ゙、`ー‐'     ,'       
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´
170 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:45:08.60 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /   − −
       |   ( −)(−)
       |     (__人__)    …………。
         |      `⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


   / ̄ ̄\
 /  _ノ   \
 |   ( ⌒)(⌒)l    …それは、上様が大将として、
. |    (__人__) |   諸々の軍勢を采配する為に、
  |    ` ⌒´ |   剣を学ばれる必要があったからでございます。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

       /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
       (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、
       .l `'^'´     }::::::::::::::::::i
       ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|
        !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|  …軍勢を采配するために…剣を…だと?
       .ソ   ``` i  ソ,iノノ::::::|
       ヽ,-     !  シ_,イ、:::::l
         i==-    イ   ヾヘ
        , ゝ. ̄  _,.ィ  i
       , ´  ゙'ーイシ″ ,
     /   、 \ヾ   /
     i    `  \,メ--─
     ハ.  y     /
    /   i     ミ
171 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:48:32.15 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\     はっ…。
       |    ( ●)(●)    そもそも、大将にとって、
       |     (__人__)    軍勢とはこれ即ち自らの手足でございます。
         |     ` ⌒´ノ
         |         }      この手足を操り、敵と戦い、
         ヽ        }      これを打ち破る…これこそが大将の戦いでございます。
    /  ⌒ヽ    '´(      これはお分かりいただけますな?
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''〜^〜ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|  u.   ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ    それは…確かにその通りだ。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ    数万人のいい男たちを自由に扱って、
     ヾ、!      !;     ,レソ    敵とヤリあうのは、大将である将軍家の役目だ。
       `|      ^'='^     ム'′   
       ,rト、   ──   /|       だが、それと剣とがどう関係するんだ?
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、
172 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:51:31.04 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 /  _ノ   \
 |   ( ⌒)(⌒)l  
. |    (__人__) |   …上様。
  |    ` ⌒´ |   軍勢とは、即ち大将たる上様の手足でございます。
.  |         }  
.  ヽ        }    故に、上様ご自身の手足を用いた技…即ち、剣術は
   ヽ     ノ   大なる手足であるところの軍勢を采配するためにこそ
   /    く     修め、用いるべき技なのでございます…!
   /     ヽ

\\ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、:::::::::::
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::
   |        〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、    なんだと…!
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん   それは本当なのか…?
   l/   """"´`    )ノ
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !
     ゙、`ー‐'     ,'       \
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´
173 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:53:21.74 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \  /     上様…今まで、上様にご教授した
       |    ( ●)(●)   我が新陰流の技法…思い起こしてくだされ。
       |     (__人__)  
         |     `|::::::|ノ     『敵の動き…心を読み、
         |      .l;;;;;;l       それに合わせて敵を打つ』
         ヽ     .`ー'    
    /  ⌒ヽ    '´(      これは、たとえ一対一の立ち合いであろうと、
   / ,_ \ \/\ \    諸々の軍勢を率いての戦いであろうと、同じでございます!
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

       /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
       (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、
       .l `'^'´ u   }::::::::::::::::::i   
       ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|   つ、つまり、
        !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|.   大将たる者、自らの手足を用いるように軍を操り…
       .ソ   ``` i  ソ,iノノ::::::|   そしてまた、軍を采配するために、
       ヽ,-     !  シ_,イ、:::::l    己の手足を操る技を修める…ということか…?
         i==-    イ   ヾヘ
        , ゝ. ̄  _,.ィ  i
       , ´  ゙'ーイシ″ ,
     /   、 \ヾ   /
     i    `  \,メ--─
     ハ.  y     /
    /   i     ミ
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:55:47.78 ID:Y8vNf8so
確か前にも少佐が候補にあがったけど逃しちゃったんだよね。
草薙素子に1票入れるお。
175 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:55:59.58 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 /  _ノ   \
 |   ( ⌒)(⌒)l    上様…!
. |    (__人__) |   その通りでございます!
  |    ` ⌒´ | 
.  |         }    かつて神君様が剣をお学びになられたのも、
.  ヽ        }    そのためにこそなのです。
   ヽ     ノ    そうでなければ、大将たる神君様が
   /    く      .あれほど熱心に剣をお学びになられますまい…!
   /     ヽ

         _,r'´::::::::::::::::::::::::::`'、.     
        {::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.     神君様もそうだったのか…!
         ゙l'´゙《 u. __,,,ゝ:::r、:::::l    …なら但馬よ、今一度答えよ。
         ト=r;、 ゙"rィァ‐リメ }:::::}    
          ゙i`"l   ̄    ソ::::ヽ    大将が…俺が修めるべき剣とはなんだ?
          ゙i. ゝ^   ,  /ヾヾヾ、  
           ヽ ゙こ´  /     ヽ、  
            ヽ、  /__,∠、    `'-、   ^
             `゙ク'゙´   `    ゙'、 ヽ
              /           〉 ヽヽ
            ィ               ヽヽ
         _,,-'´:::                 ゙i
        /    `                  }
      /         ,-ィ‐r'´´      /   l
   __r'〈      ,ノ   / ```l       /     l
-‐ ´      ‐ '' ´  /l:::    l     ー'´      l
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:56:27.53 ID:ZOQjOc.o
なんたる詐欺師ww
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:57:26.21 ID:GLpxk5c0
ノセ上手だなあ、宗りん
178 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:58:02.24 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\    ははっ。
       |    ( ●)(●)   …大将である上様がお振るいになられる剣…兵法とは、
       |     (__人__)   即ち、自らの手足の如く、諸々の軍勢を操るためのものでございます。
         |     ` ⌒´ノ
         |         }     即ち、その大なる手足を自在にされんがためにこそ、
         ヽ        }     上様は剣をお学びにならねばならぬのです。
    /  ⌒ヽ    '´(     
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


       / ̄ ̄\
     / \i||i./ \     それに比べれば、
     |  (●)(●) |    一剣の勝ち負けで得られるものなど、たかが知れております。
    . |  (__人__)  |
      |    |::::::|   |     おそれながら、自ら剣をお振るいになられ、敵を倒すのと、
      |    l;;;;;;l   }    将として采配を振るわれるのとでは、
      ヽ   `ー'   }    どちらが大将に相応しい兵法でございますか!?
       ヽ     ノ
      /      く l!| !
     /       \ |i
   /       ヽ !l ヽi
   (   丶- 、    しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ    煤@l、E ノ <
             レY^V^ヽl
179 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:00:03.49 ID:ZCVdHnw0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''〜^〜ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|  u.   ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ    …それは勿論采配だな。
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ   俺は将軍家…即ち、大将なんだからな。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ  
     ヾ、!      !;     ,レソ   
       `|      ^'='^     ム'′  
       ,rト、   ──   /|     
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)    左様でございます。
       |     (__人__)    それこそが大将の剣、即ち
         |     ` ⌒´ノ
         |         }      『大なる兵法』
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(      でございます。
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
180 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:02:18.79 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)    これに比べれば、一剣を振るって強いの弱いの、
       |     (__人__)    勝ったの負けたのと申すは、まさしく匹夫の剣…
         |     ` ⌒´ノ    即ち「ちいさき兵法」に過ぎませぬ。
         |         }
         ヽ        }      再度申し上げますが、上様がこだわっておられたのは、
    /  ⌒ヽ    '´(     おそれながら、その「ちいさき兵法」だったのです…。
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

        _,,.、、、、、.,,_
      /.:::::::::::::::::::..`ヽ、
     / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
     | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ
      | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j     一剣を振るい…その強弱勝敗にこだわるのは、
     |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{     小人の所業、ということか…。
     .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙
      }:::::::::::::::ノ゙  l  /.
     ,xァ''ー'゙'`    '、 /
    / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
   ''^ーァ 、_____  ̄ /
    `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
    /           /    ヽ
   ,'        ,   /      ゙、
            l /  __      !
            l, l  く,_  、   |
181 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:04:07.64 ID:ZCVdHnw0
                     左様でございます。
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/      思い起こしてくだされ。
       |    ( ●)(●)   神君様は剣を修められましたが、
       |     (__人__)    自ら敵を求めて立ち合うことなどございませんでした。
         |     ` ⌒´ノ
         |         }      そして逆に、自ら太刀を振るい、
         ヽ        }     立ち回れた足利将軍義輝公の最後を思い起こし下され。
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \      大将たる者に必要な剣が
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.   いずれにあるか、明白でございましょう…!


       ______
    ,,..-‐";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;` 、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
  |;;;;i "'`~  "`~ `i||i" '' ゙` " |;;;;;;|
  |;;;;|       ヽ`     u  |;;;;;|
  .|;;| ,-;;;;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;;;;;;;;;;;;;ヽ |;;;;|   
 ,,ト;| ',,_==-、く    >゙-==、  |/ i    …神君様に…義輝公か。
 |i 、|   ' ̄"彡|         || |
 |'. (|       彡|          |)) |
  ! 、|      i,"(_ ,, 、,      |" i
  ヽ_|        `         .|_/
   .|゙      、,.−-‐ 、,,     |
   .i ゙、    '  ̄ニ ̄     /|
   |   、      ̄ ̄    , ' |
   |  i ` 、    (    , "   |
    |      ` ー---― "|    |
   |  |          i     |
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:05:23.85 ID:JRONfDco
>勝ったの負けたのと申すは、まさしく匹夫の剣…
問題はここからだよな。柳生の生存に考えて
183 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:06:41.89 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( −)(−)   そして、話はここで終わりませぬ。
       |     (__人__)
         |    . `⌒´ノ    …戦乱の起こらぬこの太平の世に於いて、
         |         }    「大なる兵法」は、更に姿を変えねばならぬのです…!
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(     (さあ…ここが勝負どころじゃ…!)
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


       /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、  て
       (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、そ
       .l `'^'´ u   }::::::::::::::::::i 
       ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|    なに?
        !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|.   どういうことだ?
       .ソ   ``` i  ソ,iノノ::::::| 
       ヽ,-     !  シ_,イ、:::::l  
         i==-    イ   ヾヘ
        , ゝ. ̄  _,.ィ  i
       , ´  ゙'ーイシ″ ,
     /   、 \ヾ   /
     i    `  \,メ--─
     ハ.  y     /
    /   i     ミ
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:08:36.03 ID:NL.iiZwo
ここでたたみかけるのか
畳の上の仕合も並大抵ではないね
185 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:09:06.82 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/      太平の世には、太平の世に相応しい
       |    ( ○)(○)    「大なる兵法」があるのでございます。
       |     (__人__)   
         |      `⌒´ノ     即ち、諸々の軍を采配するが如く、
         |         }     諸々の臣を采配し、諸人を活かし、天下を治める事…。
         ヽ        }     
    /  ⌒ヽ    '´(       これこそが…!
   / ,_ \ \/\ \     
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.   
186 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:11:02.11 ID:ZCVdHnw0
         , --────-- 、
        /           \
       /              \
     /   ノ L     .|.  | | | | | | | |\ .|
    ./    ⌒      !、 | | | | | | |  /\
   /             _`'- | | | | | |;-'´:::: \
  |         / / ̄\\:|||||||// ̄\\
  .|        | |. ○ .|  ,|:;;;;::| |  ○ | |     これこそが「真の大将の剣」!
   |         \ \_/ /::;;;;:::\\_//     即ち、
   .|             ,/    ::|::     \   
    |            |     |     .|        『活人剣・治国平天下の剣』
    |            |     |     .|
    .|             \__/\__/|        でございます!!
    |.              トエエエエエイ  .|
    .|                   '.{| | | | | |.|  }  ./
     |                   .{| | | | | |   }  /
      丶                  .{| | | | |   }  l
      \                 、`ー一一 ' /
       .\                       /
       /ヽ                /
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:12:29.48 ID:O.2cWJso
大見せ場だなー、ゾクゾクするわ……
188 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:13:50.78 ID:ZCVdHnw0
\\ /::::::::::::::::::::::::::::::::::: て
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、::::::::::: そ
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::
   |     u.  〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、     治国…平天下の剣だと…!?
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん
   l/   """"´`    )ノ
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !
     ゙、`ー‐'     ,'       \
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´

         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( ○)(○)   左様でございます。
       | u.   (__人__)   そして、この但馬の六十余年の生涯にかけて、
         |   u. `||||ii.|ノ   上様が修めるに相応しい「大なる兵法」は、
         |       l||i .}    この「活人剣・治国平天下の剣」しかないと申し上げます!
         ヽ     .`ー'}
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:14:43.72 ID:5hwgQooo
ここで、「ならば学ぶのが剣である必要はないな」と突っ込む人がいたら
柳生家一巻の終わりだな。
190 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:16:10.61 ID:ZCVdHnw0
         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\          上様!
        /,//::       \        今こそ、「ちいさき兵法」へのこだわりを捨て、
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ      大将として、「大なる兵法」へお目覚め下され!
     /  /、:::::...       |ヽ_ \
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )   それが、この但馬、畢竟の願いでございます!!
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:18:32.77 ID:toq7Ho.0
何か剣理を説いてる風に見せかけて将軍を洗脳してるようにしか見えないんですがww
192 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:19:42.19 ID:ZCVdHnw0

         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\        
        /,//::       \        (言うべき事は全て言った……。
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ       あとはただ、上様のお心次第…!)
     /  /、:::::...       |ヽ_ \ 
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )  
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━


        _,,.、、、、、.,,_
      /.:::::::::::::::::::..`ヽ、
     / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
     | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ
      | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j
     |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{     ………。
     .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙
      }:::::::::::::::ノ゙  l  /.
     ,xァ''ー'゙'`    '、 /
    / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
   ''^ーァ 、_____  ̄ /
    `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
    /           /    ヽ
   ,'        ,   /      ゙、
            l /  __      !
            l, l  く,_  、   |
193 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:20:54.66 ID:ZCVdHnw0
             ___
           ,ノ' ´    ` ''ヾ、
         /            ヽ
        }f^'^^了t^'^'`'ー1  l
        |L_ ! ___ { ,..、|
         }f'tr'i  ''^'tォー` }j/i',|   …………。
          l.| ´ |    ̄  vijソ.!
         丶 └、     Fイ l′
     /    ',  ‐--‐  ,イ ケ|
   , ,/.       ヽ `''"´,/ !  ^|ー、
  / /      _,,」、'....ィ'       '|. \、_
. /./  ,. ‐'''"´    ! /   ,  _」__ヾ',
.,'.,'  /´   └ 、_ ノi   ノ  (、_  ``ヾ!
,'/ /     ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^    `
l|  !            リ    `ぅ ー=、_
| |          サ     〉
  ト             ′    ./''ー- 、,.._ 
  |  ヽl            (B     /    ヽ、
  |     !,、      !     /     ∠_
  ,イ     ヾ'     ィ 、   . /   ,,ィ'´
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:23:35.39 ID:jDHa6Bko
脱ぐなww
195 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:24:21.82 ID:ZCVdHnw0

    | | ::|                         _,r'´::::::::::::::::::::::::::`'、.
    | | ::|                        {::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.
    | | ::|                         ゙l'´゙《   __,,,ゝ:::r、:::::l
    | | ::|                         ト=r;、 ゙"rィァ‐リメ }:::::}
    | | ::|                          ゙i`"l   ̄    ソ::::ヽ
    | | ::|                          ゙i. ゝ^   ,  /ヾヾヾ、
    | | ::|   チャッ                     ヽ ゙こ´  /     ヽ、
    | | ::|                            ヽ、  /__,∠、    `'-、
  ー==r=t==ー                                  `゙ク'゙´   `    ゙'、 ヽ
    {∠j}                                /           〉 ヽヽ
    {∠j}                              ィ               ヽヽ
    {∠j}                           _,,-'´:::                 ゙i
    {∠(ヽ                            /    `                  }
   ,イ∠>i \                         /         ,-ィ‐r'´´      /   l
  {   ̄´   ヽ_                   __r'〈      ,ノ   / ```l       /     l
   {         ` ー 、        ,、 -‐ ´      ‐ '' ´  /l:::    l     ー'´      l


         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\        (……刀を抜かれたか…。
        /,//::    u  \        もはや是非もなし…父上…申し訳ござらぬ…!
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ      又右衛門…柳生家を遺し損ね申した……)
     /  /、:::::...       |ヽ_ \ 
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )  
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
196 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:26:51.79 ID:ZCVdHnw0
              , '
             〆
           //
           ノ /
          /  i
          ,i  |i
         ,'  |i
         i|   |i       
        i|   .|i       
        |    .i、     
        ゝ     i、    
        .i|      ゝ    
         .i|      丶
         .i|       \
          .i|        丶
          .i|        丶丶、、,,
           i|         \ゞ`
            i|、       `\ 、、,
             ゝ       `丶`\ゞ
               \  ,.   ミ\丶 `
                 `;丶\丶  、`丶
                       \ 丶
                           \
197 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:28:04.78 ID:ZCVdHnw0
    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }   
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<
    !∩|.}. '___゙`   ./'__` f^|    …但馬よ。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄' |l.|    面を上げよ。
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\


         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( ○)(○)
       | u.   (__人__)   …は、ははっ…。
         |   u. ` ⌒´ノ
         |         }    (生きて…おる…?)
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
198 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:29:41.48 ID:ZCVdHnw0
                                      ___ _
                                  -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
                              ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                            r(:::::::::::::::::,、_ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::
                r‐、   r‐、    _,,,_ ゞ, rr〜ヅ   ミ::::::::::::::::::::::::::::::
          _,,_      ヽ ヽ  ! l    / / !  フハ       ミ:::::::::::::::::::::::::::   …こだわりを捨てるというのは、
        __,,-r‐' ,r''''ヽ. _,,,,_ ヽr' ヽ !'´ !  ! ! l  l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::   なかなか難しいもんだな。
    ./´ ;  ,'    /} l、r‐、! >  l  !  ! ! l___〉゙゙`'''Tjフ ̄   ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::  今もこうやって、剣を振るうと楽しいんだ。
  ______!  ; ,'    / }_`l¨''__>、____l_/¨ヽ! l l _. /   ,.‐'"      }:::/ /ヽ ハ::::
//7X/ !  ,     / {XXXXXXXX!____,ノ !  !l__/..             "´ 2ノ/ l:::   …だが、大将はこれではいけない。
ヽーーi '  ,    /   ヾ''''''i'''''''''''''''''''',r'’ /i l. ヽ.ニ,`           __/ :l::   そういうことだな、但馬?
    !  ,   ,r''' _,,-"´ l   , ' /     ! i !.!   'ーr_‐;ァ       ィ    l:::
   ,/  ,   _!,,/     ヽ _    、__,ノ`:L,!」   〈..        /:{      ヽ
  /'       ;!         `ー-、` 、 ヽ    \、   `}     /:: ! i'''‐
/´       ;!            `ヽ、ヽ ヽ   `\ 丶、,、. イ::::::    ! 
       .    ;!                丶,   _,,-‐'''''''''''`ヽヽ 
      :    ;!               ',,r''´          
      :   ;!             /            


         / ̄ ̄\
       /    \ /
       |    ( ●)(●)
       | u.   (__人__)   ………。
         |   u. ` ⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
199 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:31:22.41 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)   …上様。
       |     (__人__)   .剣を楽しむことと、その勝敗にこだわり、
         |     ` ⌒´ノ   心を囚われる事はまた別でございます。
         |         }
         ヽ        }     楽しむ分には、存分にお楽しみくだされ。
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


      (⊃ ̄ ̄\
    (⊃   _ノ  \       我が父石舟斎も、隠居後は
   (⊃    ( ⌒)(⌒)
    |   /// (__人__)       『兵法は 浮かまぬ石の 舟なれど
     |       `⌒´ノ        好きの道には 捨てられもせず』
     |           } \
   / ヽ         }   \    などと歌って、
 ./   .ヽ、.,__ __ノ     )  死ぬまで兵法三昧でございました。
/        .   | _/
|        / ̄ ̄(_)      上様が剣術を楽しみたいと申されるなら、
\   \ /| JJJ (      この但馬、いつまでもお付き合い致しますぞ。
  \  /  / ⊂_)
200 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:33:51.91 ID:ZCVdHnw0
       |  !                        |  |       |
      | │                   〈   !      人
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   ̄ .Y  ̄
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    |
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !    そうか!
    ヽ {  |           !           |ノ  /    俺はこのまま剣術を楽しんでもいいんだな!?
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
    |    `!                    /
    人     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
  ̄ .Y  ̄    |\      ー ─‐       , ′ !
    |       |  \             /   |

         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)   勿論でございます。
       |     (__人__)  
         |     ` ⌒´ノ    それに、今、申しました「真の大将の剣」は
         |         }    それこそ修めるにはまだまだ稽古が
         ヽ        }    要るのですぞ…!
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
201 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:35:04.51 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    _ノ \
       |    ( −)(−)    そもそも、この但馬とて、知命の年過ぎて、
       |  ///.(__人__)    やっとこの道の滋味を得たのでございます。
         |     `|::::::|ノ
         |      .l;;;;;;l      今回とて沢庵和尚の導きがなければ、
         ヽ     .`ー'     とても上様にご教授できるほどは…。
    /  ⌒ヽ    '´(    
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<     なんと…。
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    但馬、お前でもそうなのか。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\
202 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:36:44.49 ID:ZCVdHnw0
      (⊃ ̄ ̄\
    (⊃   _ノ  \    
   (⊃    ( ⌒)(⌒)
    |   /// (__人__)      左様でございます。
     |       `⌒´ノ      兵法修行に果てなどござりませぬよ。
     |           } \
   / ヽ         }   \
 ./   .ヽ、.,__ __ノ     )
/        .   | _/
|        / ̄ ̄(_)   
\   \ /| JJJ (    
  \  /  / ⊂_)

    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<     ふふっ、但馬ですらまだまだなのか。
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    …はっはっは。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー_ ‐-‐ァ'  /
.   /}   \    二"  ,イ
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\
203 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:38:12.28 ID:ZCVdHnw0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''〜^〜ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|   …但馬よ、俺は目が醒めた思いだ。
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ  俺は確かにこの国を治める大将…匹夫ではない。
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ   大将たる者は、
     ヾ、!      !;     ,レソ   ちいさき兵法にこだわってはならぬ…よくぞ言ってくれた。
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)
       |     (__人__)    ははっ!
         |     ` ⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
204 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:40:04.23 ID:ZCVdHnw0
     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ      但馬よ、これからもお前の剣、
  (i'"((´  __ 〈    }     頼りにさせてもらうぜ。
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }
  ヾ|!   ┴'  }|トi  }      いずれ沢庵という僧にも
    |! ,,_      {'  }     会ってみたいもんだな。
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、
    ヽ ‐'  /   "'ヽ    さあ、今日は下がっていいぜ。
     ヽ__,.. ' /     ヽ  また次も頼むぞ!
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \
   ,'              }  i  ヽ
    {             j   l    }
   i   ヽ    j   ノ   |   } l
   ト、    }   /  /   l  | .|
   ! ヽ      |  ノ    j  ' |
   { |     } |      l    |
   ヽ |     i  | \    l    /|
    { |     l   |     |   / |


         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\        
        /,//::       \       ははっ!
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ     
     /  /、:::::...       |ヽ_ \ 
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )  
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:40:34.67 ID:O.2cWJso
乗り切った!
206 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:43:46.42 ID:ZCVdHnw0

         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\        
        /,//::       \       ………
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ     
     /  /、:::::...       |ヽ_ \ 
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )  
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━


         / ̄ ̄\
       /    ー ー\
       |   ( −)(−)
       | u 。゜(__人__)    な、何とか生き残れたか…!
         |     ` ⌒´ノ    正直、寿命が縮んだわ…!
         |         }    
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:44:18.14 ID:TvLXreMo
よかったよかった
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:45:19.58 ID:NL.iiZwo
また胃にダメージを受けそうな時間だったなww
でも乗り切れてめでたい
209 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:45:20.55 ID:ZCVdHnw0
   / ̄ ̄\
 /   _ \ /
 |    ( ●)(●)    だが、ほっとばかりしていられないだろ。
. |     (__人__)    上様にあそこまで大見得を切った以上、
  |     ` ⌒´ノ    なんとしてでも、この「活人剣・治国平天下の剣」を
.  |         }    確立させねばならぬ…!
.  ヽ        }
   ヽ     ノ     
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

    __
   /  . \
 /. \.i||i./ .\
 |  (●)(●) .|  
. |  (__人__).. |  わしの真の戦いは、まさしくこれからじゃ…!!
  |   ` ⌒    |  .
.  ヽ       /  
   ヽ     ノ\ 
  /      __/ ̄`く._ __ て
  |      /〃 \   '"  \ そ
  |     ./¨\    \,_ ``ヾ} て
     . 人''" \  、__ ` 、_/ 
      〈 " \ __.ヽ ヾ、._,)'´
      ハ.  ヽ.  、__`ン
      ∧ !、_  `'_,/

 こうして、宗矩は家光に「真の大将の剣」…
即ち「活人剣・治国平天下の剣」を説き、家光の御意を得たのであった。
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:47:00.92 ID:XqwCoBwo
打ち切りフラグktkr
211 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:47:21.63 ID:ZCVdHnw0
                  _ .. -―‐- .. _
                  , . .´. . . . . . . . . . . . . .丶、
             /. . . . ..: . . . . . .: . 、:..:. . . . .\          さて、この宗矩と家光の会話自体については、
             /. . . ..: ..:. . . . ..: . ..: :.. ヽ . . . . . . ヽ        直接史書などに記述があるわけではない。
              , . ..: . ..:. ..:.. . . . ..:..: ..:..: :..:. .i. . . . :. . . .゙,
          /. . ..: . ..:..:/. . ..:..:..:..:..:..:..:../:. |:..:..: . :.. :. :. ,        だが、この時期、これ近い内容の会話があったのは
           /..: ..:..:. .l:../:. ..:..:..:..:..:..:..:..:.イ:.. :|:..:..:.. .i:..:.. :..l       前後の状況を考えてもまず間違いない。
.          '..:..:..:..:..: |/:..:..:..:..:../..:..:, ゙/..: ハ:..:..:..:l:..:..:..:.|
         l..:..:..:..:..:. !:..:../:../:..:../ ゙.: ,.'  ゙、:.i:..i:..:..l:..:!        そして、ここで宗矩が編み出した「真の大将の剣」
         |..:l..:..:..:..:.i:..://__..: ゙´  ノ/ _  ヘ v:..:..:.!:..l       即ち、
         i..:l..:..:..:..:..Vィ云ミ‐-、/´-‐彡tセf刀:..:..:/:..:!
         ゙、:ぃ..:..:..:..、代_fソ`/    ´_゙=='ン:../:..:..:!          『活人剣・治国平天下の剣』
            `、 `、..:..:..:ミ ̄    l     ´- イ:..:..:.i:..!
           \ i..:.‐-. =-    !       j:..:..:..i:..!         が家光に伝えられたものと思われる。
             i..:..:八     ヽ ,      /!.:i:..:..!:.l
.               l..:..:..:.!\   ー--一   .ィ゙..:l:..!:..:.!:.{        なお、この「活人剣・治国平天下の剣」については
             j:..i..:..:l..:..:丶、   ̄   /!:l:..:.l:/:..:.!:..!       .まともに解説するとここでは収まらないので、
              ,..:.!..:..:i..:..:..:..:i_ヽ __  ´ r1:!:..:':..:..:.l:..:l        これはまた別に回させてもらう。
             ,..:..:!..:..:l..:..:..:..:!:  ̄ ̄ ̄: :l:.!:/:..:..:.:':..:.!
             /..:..:i..:...:l..:..:_,.ィ: : : : : : : : : W:..:..:..∧:..:'、        ここでは、この時期で、宗矩が家光に
              /.._」..:..:.!゙´: : : : l: : : : /: : :v:..:..:.ム:.、:..:ヽ       この「活人剣・治国平天下の剣」を説いたという事を
         ,  ゙´!::::!..:..:.!: :___: l: : : /: : : ,:..:..:..:'::::::/ ̄`` 、_    憶えておいてくれればそれでいい。
         /     {:::::l..:..l:|: : : : : `゙ : : ´ ̄/:..:..:..:!::::/        `ヽ
      /      V::l..:..|:|: : : : : : : : : : : : !:..:..:..:.l::/         ゙:,   …あと、この格好に意味はない。
       /         V..:..:!:! : : : : : : : : : : : l:..:..:..:.:k          :,  「最後くらい女装でゴー」とか>>1が言ってるだけだ。
.       ′   、   /l..:..:.lノ : : : : : : : : : : : l:..:..:..:ハヽ         l  なんということだ…!
     l     丶 //!..:..:.!、: : : : .:. : : : : : ;l:..:..:..゙:::::i:::i     /    !
     |     ∨/:l..:..:.l:::ヽ : : : :::: : : : :/:!:.l.:..l:::::::i:::l   /       !
     |     //:::l..:..:..!::::::ヘ: : : :::: : : /:::l:..!:..l::::::::Vヘ  ,′       !
     l      //::::::!..:l..:|:::::::::ハ:: ::::: : :/::::::l:.l:..:l::::::::::Vヘ ,         l
     |    ':::::::::::l..:.l..:!:::::::::::ハ::::l::../:::::::::、:!:..:l:::::::::::Vマ!       l
     l    i:::::::::::::|..:.|..l:::::::::::::::',:.i:/:::::::::::ハ:..:.i::::::::::::ヽl       l
.       l    {:::::::::::::!..:.l..:!::::::::::::::::V:::::::::::::':::::!:..:.!:::::::::::::::i      ,
.     l    '、:::::::::::、..:l..:i:::::::::::::::::::::::::::::::!::::::!:..:.l::::::::::::::ノ       /
      l    \::::::::ヽ:、.i::::::::::::::::::::::::::::ノ:::::ノ:...ノ::::::::/      /
212 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:50:12.56 ID:ZCVdHnw0
 そして時が過ぎ、月も変わって九月二日…。

    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }    但馬よ、お前にこの「五の字の指物」を
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<   許してやろうじゃないの。
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|    これからも俺のため、
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ    頑張って欲しいんだぜ?
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)     ははっ!
       |     (__人__)    
         |     ` ⌒´ノ     (あれ以来、上様は強い弱いを
         |         }       口に出されることがなくなった…。
         ヽ        }       良いことじゃ)
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

 宗矩は、使番の中でも、特に限られた者にだけ与えられる
「五の字の指物」を許された。
(この時点での宗矩の公的な役職は「使番」だった様子)
213 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:51:38.94 ID:ZCVdHnw0
                 ,.. --t'7.ノ ヽ'i i :.ヽ、ヽ、
                     |'l^'‐ミ_リ∠-ゝ'l : ::.i ヽ 丶
                     リ ,-''´   ヽ!l i | i: `!ミ`l
                 |i' |, __ ;,..ィ=ニ!i i :.i|! /.、 |   この度のはからい…どのような意図があるのか?
                 !,.i |ンt.)   ´~^!| //.ノニ)'
                 リ、 'l. ノ     !//)ノ:ンi'
                 |'.ヽゝ.`,..'... - |/'ノ ,|ヽ !
                   'l'ゝ.     ' ,./ `|
                     .ヽ___,....<__,.....-'_l:、
                   _,..-/ )ニ/ / .l i Yニ|. ヽ-、_
               __,.- '´./ .ノ!/ .| ___.i. ヽ,|, 丶 `‐.、.._
            _,..ィ‐'´   /  .i' y,‐、〈´| | ,-t||!  ヽ    `'‐.、.._
          /' /     <._  ,.j|||〉 `´ ' `T '||l!、 _,.>      :  ヽ
           /  |     _>´ ||||7'i .l'i'、 f L.r,、| ヽ、       |!  i
┌────┐.,|  |'    ノ   ||フ! ,>='ン-Y ,..., ||||   \     :   l
│.イノウエ .| !  :     '|    |'||| ,|li,__| l、./||__)||    /     :  '|
                    井上筑後守政重
               (いのうえ ちくごのかみ まさしげ)

               i、 ノ,.'‐'´,.-'ニ'-‐ 'ッ
.               N .!' / , , -;=‐‐‐<
               !_,,. '_‐,ヽ_'´r''_,ニニ'' `ー,.-   ふっ、この俺にもツキが廻ってきたか…?
              ノ,ニ-,._,`ーi`.i´ヽー-.、く
            _ /.i,='三_-' .ノヽ!ノ,!、ヽヽ.、ヽ
        ,.-r‐r',ノ'っ'ヾ三='‐'ヽノ'i;ド' '、i,ヽヾ`
        ,1,.!..iン' //.  'ーi'_,,,..  ノ  '_ゝN`
  .     / 7´  ノ       ヽ.,, ,'_,'-‐'"´,. ‐`-,..,,_
       ,iー'  ,ィ'       '"i´ ,ゝ、/'./.,.'.,.'´r',`'"''''ー.、
      io'iー‐ 'i       ,ィ7/.`! ,イ /././ /./, '       .',
      l l   .l     ,.//〃 .,' ,.'/././././././       i
      /`7 ''''  ヽ  ノ////  !/.,'./././././ ,'         !
      !     .i r'´ /i,'.,'/  ./ /.,' ,' ,' ,' ,'./        ,'
      ',     iノ-.、i.i.i.i.i  ./,'.,' ,' ,' ,' ,' ,!'        , '
      i     i';  l !l.l ! ,'.,'.,' ,' ,' ,' ,'.,ヘ,_        ,.'
      |     ,'  .!',',','i ,' ,'.,' ,' ,' ,' i r'ー'‐`=、、   ./
      ';      _,,.!i」,!r'ー'‐ー'‐' ''"`i;    `ヾ'、ノ
       ヽ,__ , ‐'´./ /              ,./
         !r',.  i,__.i            //
┌‐────┐/ r.ァ'´!i i\   __    , ィ_,'_ ,,,,.....
│ アキヤマ .|`.".´... !'-'-'‐=‐´― ''''""" ̄
            秋山修理亮正重
       (あきやま しゅりのすけ まさしげ)

 またこの時、宗矩の他にも、井上筑後守政重、秋山修理亮正重、
仙石大和守久隆(仙石久秀の息子)、新庄美作守直房、宮城甚右衛門和甫、
馬場三郎左衛門利重、曽我又左衛門古祐といった面々も同じく召し出され、
この「五の字の指物」を許されていたという。
214 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:53:02.86 ID:ZCVdHnw0
 また、この九月中…

        / ̄ ̄\
      /      \
      |   -   -   |
      |  (●)(●) |   …………。
      |  (__人__)  |
    .  ヽ  `⌒´  ノ
      ´ ヽ     ノヽ
   /´           `\ カキカキ…
  /  /          l  l   .___
__l  l_¶______/_/__/     ヽ
  \, ´-'ヽ  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|   l二二二二l
    ヾ_ノ   | '''' '   |   l二二二二l
   | 9=ε-8. | '''..--  |   l二二二二l:::..
   |   ..''  |  ''-.  ,|
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
215 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:54:39.91 ID:ZCVdHnw0
 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /
//   
/     
   / ̄ ̄\  ( ;;;;(
 / _ノ  ヽ\ ) ;;;;)   ふー、やれやれ。
 |  ( ─) (─)/;;/   これで後少しか…。
. |   (__人__) l;;,    
  |    ∩ ノ)━・'      上様の次にこれをご教授するのが
.  |   /  ノ´ }     信濃守様(鍋島勝茂)になるとは思わなんだが、
.  ヽ  / /    }      あれほど熱心に頼まれてはのう…。
   ヽ/ /   ノ
216 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:56:02.91 ID:ZCVdHnw0
        / ̄ ̄\    
      /      \    とはいえ、鍋島家は、紀伊守殿(鍋島元茂)の縁もあって、
      |   \i||i/  .|   我が柳生家とは縁も深い家…その当主の頼みとあれば、
      |  (−)(−) |   流石に断りきれぬか…。
      |  (__人__)  |  
    .  ヽ  `⌒´  ノ    それに、あの家であれば、
      ´ ヽ     ノヽ   我が柳生の兵法を託すに足るであろうしの…。
   /´           `\
  /  /          l  l   .___
__l  l_¶______/_/__/     ヽ
  \, ´-'ヽ  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|   l二二二二l
    ヾ_ノ   | '''' '   |   l二二二二l
   | '''. --  - | '''..--  |   l二二二二l:::..
   |   ..''  |  ''-.  ,| カキカキ…

 この頃、宗矩は鍋島勝茂に頼まれ、
「活人剣・治国平天下の剣」を伝書の形で書き記したという。
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:57:17.13 ID:FuvdkMko
勝茂・・・キョンか!(違)
解説は瀬戸の花嫁のサンで。
218 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:57:33.56 ID:ZCVdHnw0
 そして…

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |    信濃守様。
. |  (__人__)  |   こちらが頼まれていた我が柳生の兵法の極意を記した書…
  |   ` ⌒´  ノ   名付けて、
.  |         }
.  ヽ        }     『兵法家伝書』
   ヽ     ノ     
   /    く      でございます。
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

                  .__ ____         おおっ、これが!
              |ヽ /:::::::||:::::::::ヽ/|._    未だ誓紙も入れておらぬわしに、
             ).|:::ヽ:::::::::::.||:::::::::::::::|丶___  これほどの厚遇…礼を申しますぞ!
            /..|:::::::::::::__/ヽ__::::::::||())_)ノヽ ____   
    ___,,, ,,__  ((0|Iヽ武..\:::/::神 ||:::::) ..)-|/::ヽ____ヽ_/)ゝ
  .//―.|___.|.ヽ--ヾノ::::ヽ::::::/_.|._ヽ:::::::||0:/ /::::::ヽ------‐-.... \
  | |ー-..|-..|:::::::ヽヽゝ::┌--.i|::.i--┐:=::/::::::::::/....-===-.... ヾ ..ヽ
  |:::|(_(_(_.┘(O)ノ|:ヽ::ー-::|^|^|:ー-‐:i/::::::::::///....--.... \..\ ヽ
  |::|(_(_(I|_|)(O)/...._[ヽ::::|::ヽ-:::::::|:/:::::::::://// ___...\..\..\ ヽ
  \|(_(_(_|_.)ノ-┘―--―|::|::====:|:|::::::::::::/ / | |..../  .ヽ | . |  .| |
               |:::ー---―|::::::::::::| .|  | ..| |   . .| .| |..|/
              ...|:::| ゝ__ノ ヽ____/ ヽ ヽ..ヽヽ...____..././ ./ ./| 
              /:ヽヽヽ|..| ー::__|...-...:::\ \\__/./../...|
             ...| ..|:::ヾ.| |..--..../ ~~| ::::|.\..\_______/../::::/::)
              | ..|_..===.._/   .|:::::::|::::::\__________/::::::/:::::|
              ヽ_/ _○__ |     人::::|::::::::::::/::::::::::/:::::::/:::/ヽ
               ..|../ ~ ヽ |______/ /\::::::/:::::::/::_:/____..へゝ
                鍋島信濃守勝茂
           (なべしま しなののかみ かつしげ)

 こうして書かれたのが、「兵法家伝書」と呼ばれ、
後に書かれる「五輪書」と並び称される武道伝書の双璧とも言うべき書であった。

 なお、この伝書を譲り受けた時、まだ勝茂は誓紙を入れていなかった。
その意味では、この家伝書の伝授は相当な厚遇であり、
宗矩が鍋島家をかなり特別視していたと言われる一因ともなっている。
219 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:00:24.06 ID:ZCVdHnw0
 そして、更に時が過ぎ、
今度はその翌月の十月三日…。

     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ
  (i'"((´  __ 〈    }        但馬よ。
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }       今まで長年仕えてくれたお前に、
  ヾ|!   ┴'  }|トi  }       加増が全くなかったのは、
    |! ,,_      {'  }       流石に冷たい仕打ちだったじゃないの。
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、
    ヽ ‐'  /   "'ヽ      さあ、三千石を加増してやるぜ。
     ヽ__,.. ' /     ヽ    力を抜けよ?
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \
   ,'              }  i  ヽ
    {             j   l    }
   i   ヽ    j   ノ   |   } l
   ト、    }   /  /   l  | .|
   ! ヽ      |  ノ    j  ' |
   { |     } |      l    |
   ヽ |     i  | \    l    /|
    { |     l   |     |   / |


         / ̄ ̄\
       /    ー ー\
       |   ( ⌒)(⌒)
       | u   (__人__)   は、ははっ。
         |     `⌒´ノ   ありがたき幸せにございまする…!
         |         }
         ヽ        }   (おかしい…いくらなんでも昇進が急過ぎる…。
    /  ⌒ヽ    '´(    これは何があるだろ、常識的に考えて…!)
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

 この日、宗矩は三千石を加増され、合計六千石の身となった。
これにより柳生家は、旗本の中でも上位1%内のほぼ最上位格といっていい石高となる。
220 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:02:39.54 ID:ZCVdHnw0
                ,-、_ ./`゙':、___
                | i:、`| i ', `:、 `ヽ、
                | !.,r'ー'‐‐| i `i  ヽ
                |i',i、 -r=' | ,i i i i_  i   …秋山殿。
                !'.!l' ` ̄.!/|,' /i-',  !  私やそなた、それにあの柳生殿も加え、
                 i`___   !/ r';,ノ ./   先月、五の字の指し物を許された者が、
                 ヽ `  ' /" ',./   また今月、このような加増を…どう思う?
                    ゙ー-r‐''" ._,.-‐'i:、_
                   ,:-|‐'iニ"_,,-=:l. i`':、_
                 ,.;'" ,'  i"-‐ _.,:'  .|    ̄ `''=:、
                // ,'-:、 |-‐フー-=ニ    ,.;-'"  ヽ
              _,.-',`-i"`i ,' .`i.,.:'/   ./ ,.-, /        i
            ,r'  i-、!"'、r-'"i゙ ./   //,.:'-"       |
           ,:' / r''l__ri"r| i"'、|./   r-"-く_        .i
          /__,,,!__| |  i" 7 /.i  ,!゙-ニ_''‐、'`:、..      /
.       _,.-:;'r'゙,.',:-'  `''―:'-'-'---!-',r‐-,,,`‐:、)‐'     ,,:'
      / -'、_,'/             ` ―`゙´-     _,:',:'
       /    i                     ,.-'".,:'
.     /     |                   /  ,:'
     ヽ     `''‐‐-、_              /  /
┌‐────┐ _,,.-r‐‐''"´「`''''ー-:、____,.:'゙   /
│ イノウエ .|    |     |     |        /

     /       i   i、 ノ,.'‐'´,.-'ニ'-‐ 'ッ
.     ー- 、     i   .N .!' / , , -;=‐‐‐<
         !_,.........⊥  !_,,. '_‐,ヽ_'´r''_,ニニ'' `ー   フッ、上様には何かお考えがあるようだ…。
       /!     | ノ,ニ-,._,`ーi`.i´ヽー-.、く  そいつがわかるまでは…下手に動かないのが上策だぜ?
      ,ノ-┤    | i,='三_-' .ノヽ!ノ,!、ヽヽ.、ヽ
      { ‐コ.   ____| 'ヾ三='‐'ヽノ'i;ド' '、i,ヽヾ`
      | ´_,`T‐┬‐"   'ーi'_,,,..  ノ  '_ゝN`
  .    ヽ く. /         ヽ.,, ,'_,'-‐'"´,. ‐`-,..,,_
       ,i` . ,ィ'        '"i´ ,ゝ、/'./.,.'.,.'´r',`'"'ー.、
      io'iー‐ 'i       ,ィ7/.`! ,イ /././ /./, '       .',
      l l   .l     ,.//〃 .,' ,.'/././././././       i
      /`7 ''''  ヽ  ノ////  !/.,'./././././ ,'         !
      !     .i r'´ /i,'.,'/  ./ /.,' ,' ,' ,' ,'./        ,'
      ',     iノ-.、i.i.i.i.i  ./,'.,' ,' ,' ,' ,' ,!'        , '
      i     i';  l !l.l ! ,'.,'.,' ,' ,' ,' ,'.,ヘ,_        ,.'
      |     ,'  .!',',','i ,' ,'.,' ,' ,' ,' i r'ー'‐`=、、   ./
      ';      _,,.!i」,!r'ー'‐ー'‐' ''"`i;    `ヾ'、ノ
       ヽ,__ , ‐'´./ /              ,./
         !r',.  i,__.i            //
┌‐────┐/ r.ァ'´!i i\   __    , ィ_,'_ ,,,,.....
│ アキヤマ .|`.".´... !'-'-'‐=‐´― ''''""" ̄

 なお同日、宗矩の他に井上筑後守政重(目付)、秋山修理亮正重(目付)
そして中山勘解由照守(槍奉行)にそれぞれ二千石が加増されている。
221 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:04:39.80 ID:ZCVdHnw0
 こうして、謎の急激な昇進が続く中、
寛永九年も終わりが近づきつつある十二月十七日、「それ」は起こった…。

            , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i
           | |,,_   _,{|    お前たち、今日はよく来てくれたじゃないの。
          N| "゚'` {"゚`lリ   待ってたぜ。
             ト.i   ,__''_  !
          /i/ l\ ー .イ|、
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l                  |


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)   ははっ…!
       | u.   (__人__)   
         |     ` ⌒´ノ   (わしだけではなく、井上殿や秋山殿、あと水野殿か。
         |         }     水野殿以外は、わしと同じように急激な昇進をした者…。
         ヽ        }     間違いない、上様には何か意図がおありになる…!)
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

 宗矩の他、井上、秋山、そして大坂町奉行兼堺奉行である水野河内守守信の4名が、
召し出された。
222 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:06:06.52 ID:ZCVdHnw0
     イ`ヽ、:::::::::::::`:ヽ-、_lllllllllllllllllllll`、
__,―'´lllll|lllllllll`ヽ、:::::::::::::;;;;;;`ヽ、_lllllllllllll|
`l ‐-、_lllllllllll|、lllllllllllll`、;;;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;ll`|lllllllllll`l
`|l|ll|lll`ヽ、llllヽll'‐'´⌒`、llllllllllllll;;lllllll|ニ、lllll|
  |l|ll|lllllllli'´ ̄´     `、llllllllllllllllllll|,-、`|llll|   (…上様の意図は何だ…?)
  |l|ll|llllllll|    ,  _,.‐ |ll,、l,lllllllllll|‐ 、/lll/
  |lト、lllllllll`ー、_ ヽ`-',=iフ.|l|`l|`|l|、l/ー' /llll`l
    || ヽllト、lll`F|    ̄´. || ||ll|llノ i‐' ‐、lll|
   ll  `ヽ、`ヽ| l      l/ | |l||/ `l   |`i、
   |     `ー `し_ ー  /   |l/ /   / 人`、
          \_, -‐―   /_, -、'`< ノ llllヽ、
           ,.‐∧―-    / `l  `ヽ`ヽ、ノllllll\-、
        /llllll/llll`、___,/ |  |  `ヽ  ヽllllllllll`ヽ


         i、 ,/f´'´レ=ニ-ァ
        iv' '´, ,-‐=ー'´、
         >-‐=:ーュ、-=ニ`>  (今、ここでそれが明らかになる…!)
        ,:i=三= ,! ト,)i、ミ`ミ、
    rv‐t')</ヾ,==へノ;〈゙ レ、ミ`、
    /`tj''´i/  `ヽ;-  ,.:'_,.-‐ャ゙`
   i '´ /    `ーァ、´ ,.-',´.'`=‐ァー--、
  f`iー-|     ,.-'/7'^>'.,' :',:'.'/   ヽ
  |_|__j、  ,:/;':/ i /´.' ,:.',:' .'/      |
  /'    l ,r‐'/;./ レ',:'.; : ' : .,.:'´      !
  |     |,!、_/: ;|  /, ,: , : ; /        /
  ヽ   トi |l|.il| ///,:'.:',i ヽ、_   r'´
  |   ノ ||il:`y'//.',;.:-r' ̄`ー、ヽ、i´
223 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:08:20.72 ID:ZCVdHnw0
            __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''〜^〜ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!     …お前達を集めたのは他でもない。
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|    本日を以って、お前達を新設の役職、
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ        『惣目付』
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ     にする。
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|       その役目は、俺の手足になって、
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、     諸大名…そして年寄を監察することだ…!
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


         / ̄ ̄\   て
       /    \i||i/  そ
       |    ( ○)(○)
       | u.   (__人__)    そ、惣目付…!
         |   u. ` ⌒´ノ
         |         }    そして諸大名と…年寄方の監察ですと!?
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:09:25.73 ID:Ak1Y7UIo
政治は気が抜けないな。
そこを泳ぎきる才能があったのが宗矩だったというのは、
多分非常に柳生家には幸運だったんだろうなあ。
多分兵庫か十兵衛だったら
「一日じゅう剣振ってろ。話はそれからだ」
で終わる気がする。

あと恒例佐々木さんにいっぴょう
225 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:10:53.36 ID:ZCVdHnw0
        _,,.、、、、、.,,_
      /.:::::::::::::::::::..`ヽ、
     / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
     | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ     ああ…特に年寄のうち、
      | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j     父上の…大御所様の時からの者たちは、
     |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{     完全に俺の意思通りに動いているとは言い難い…。
     .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙
      }:::::::::::::::ノ゙  l  /.      手足は、己の意思通りに動かせてこそ手足であり、
     ,xァ''ー'゙'`    '、 /      それでこそ自在に技が振るえる…。
    / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
   ''^ーァ 、_____  ̄ /     そうだろう、但馬?
    `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
    /           /    ヽ
   ,'        ,   /      ゙、
            l /  __      !
            l, l  く,_  、   |

         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( ○)(○)
       | u.   (__人__)   ………は、ははっ。
         |   u. ` ⌒´ノ
         |         }    (これは…!)
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
226 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:12:35.87 ID:ZCVdHnw0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''〜^〜ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|     但馬よ、頼むぞ。
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ     お前の柳生新陰流…「大なる兵法」のために
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ    実際に振るってくれるよな?
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ      他の者達も頼りにしてるぜ?
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


            /⌒`"⌒ヽ、
           /,, / ̄ ̄ ̄\
          /,//::       \     …ははあっ!
         ;/⌒'":::..        |⌒ヽ
       /  /、:::::...       |ヽ_ \
     __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )
    ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━


 こうして宗矩は惣目付(大監察ともいう)…後の大目付の地位に就いた。
寛永九年(1632)十二月十七日、宗矩62歳のことであった…。
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:13:07.32 ID:/93Xmc.o
裏・柳・生!裏・柳・生!
228 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:13:56.56 ID:ZCVdHnw0
  \ヽ, ,、
   `''|/ノ
    .|
_   |
\`ヽ、|
 \, V"
   `L,,_
    |ヽ、) ,、
   /  ヽYノ
  / r''ヽ、.|
  | `ー-ヽ|ヮ
  |    `|
  |.     |
  ヽ、   |
   / ̄ ̄\
 /  _ノ ヽ_ \
 |  (≡)(≡) l
. |   (__人__) .|
  |   ` ⌒´  |
.  |        }
.  ヽ       }
   ヽ     ノ

┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ

【やる夫で学ぶ柳生一族(その28)「宗矩、惣目付になる」】 完
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:13:58.46 ID:Ak1Y7UIo
裏柳生キター!!
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:14:17.43 ID:NL.iiZwo
これが大目付誕生の時か…!
62で大変だの…御同役の中でも年かさだろうに
231 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:15:27.99 ID:ZCVdHnw0
【今回の新規登場キャラ】
 井上筑後守政重  : 御剣怜侍(逆転裁判)
 秋山修理亮正重  : ゴドー(逆転裁判)
.
 沢庵よりの使者 .. : 資本主義の豚(デトロイトメタルシティ)

 解説役      ... : ティエリア・アーデ(機動戦士ガンダム00)
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:17:08.65 ID:QkOx2UYo
伝奇創作の中での切られ役の誕生ですね。

あ、ロラン・セアック君か秋月涼くんで。
233 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:17:50.41 ID:ZCVdHnw0
 どもども、お疲れ様でした。
本日も遅くまでお付き合いありがとうございました>皆様

 ようやっとここまで来れたなあ、と感慨深いところでありますが、
何気に気づいたのは、今日、このスレを始めてちょうど丸1年ということなので砂。

>1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/07(日) 00:15:27.50 ID:i2jNfP490
>   えー、初VIPです。
>  やる夫シリーズも色々ありますが、
>  剣豪ネタの話とかは見当たらないように見えたので、
>  ひとつやってみようかと。

 このスレを始めた時は、まさかここまでかかるとは思っていませんでした。
せいぜい全10話位で、秋くらいに終わるかな、とか思ってたのですが、
年末の段階で、「…こりゃGWまで掛かるなあ…」となり、
GWの段階で、「…9末に終わるかなあ…」となり、
今現在となると「…なんとか09年以内に終わらせたいんだがなあ…」となっている有様。
我ながら計画性がないというか、計画は立てても、ちっともその通りに行っておらず、
なんともはやでアリマス。

 で、更にアレなのですが、
今回の話の筋となった「活人剣・治国平天下の剣」については、
これでは殆ど話をできたことにならないので、次回は久々の外伝にしようかと。
やる夫とやらない夫で話を進めて、この宗矩が作り上げた思想…というか、
この時宗矩が考えていたであろうことや、その周辺の物事について、
あれこれ解説をする所存でアリマス。

 …つか、正直、これが次の1回で終われるかどうか、サッパリ確信がないので、
もしかすると、今月をその話だけで使い切るやもしれませぬ。
とはいえ、当時の状況とか、それまでの宗矩の道筋とかを踏まえた上で読むと、
この宗矩の思想というか、それを記した「兵法家伝書」が実に味わい深いシロモノになって
立ち上がってきたりするので、愉快千万なのでアリマス。
お話の方を期待されておられる方にはなんとも申し訳ないのですが、
実は当方が一番書きたかったネタはここにあるので、どうかご容赦頂ければ重畳ー。

 よろしゅうですー。
234 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:19:12.10 ID:ZCVdHnw0
 ちなみに、次回の解説役投票の結果発表ー。

4票:草薙素子(攻殻機動隊)
2票:カナ(みなみけ)、トウマ(みなみけ)
1票:秋月涼(アイドルマスターDS)、マシロ(舞乙HiME)、らんま(らんま1/2)、
   瀬戸燦(瀬戸の花嫁)、佐々木(涼宮ハルヒの憂鬱)

 というわけで、次回の解説役は草薙少佐で砂。
わー超おっかねー姉さんで砂。
キャラ立ち的にバラライカとかともタメ張れるナイスガイ(ガイ違う)で砂。

 あと、今回はせっかくティエリアだったので、
相方は絶望先生か可符香にでもしてやろうかしらん、とか思ったものの、
テンポの都合で断念でアリマス。
うむう。

    /         /'´/  /  /  . | ∨ ∧   .ノ    幺ク 亡 月 |  ┼‐ .|] |]
.    ′    .  //  /   /  | |  |   ',  ヽ   小巴 三l三. ヽ_ノ / こ o o
    |   /  /  l'  /   // . // . /| ||    \
    |  ' ' | | |//   // / ィ /| /┤ ||    /  ツッコミ役のいない
    |//  | | |/ /∠、 彡 ´///∠イ l, V   /  一人旅状態の解説に絶望した!
    l//  / | | |/代汀ヘ≧='彡ィfjアノ/ .イv |  /    
    | l  / | ト l|`{  ̄   ´}__,_{ ̄イイ l| ,l |  ̄ ̄|_     /ヽ、  /\   /\    /
    | | ′| ∨ゝゝ    rソ⌒V` / イ|l|/   (ヽ、//\/   \/   \/   \/
    l || | ヘヘ\   ̄  - / イ /l/l/ノ     ヽ´ヽ、ヽ
    `l|| {   ヘヽ   ,. __¬/| | |/ ノ   (,ゝ、 \ ヽ l、
    | | |  ヘ ||ヽl> .   / |!||     ヽ、 ヽ、 | | ! l
    | | |   ∧∧ヘ \/  ̄l   | lヽ|       ヽ ヽ/  l | l
     ゝv∨  ∧ ヘヘ ∧  |   | | ト        〉  `ヽ  l/
     Vv V  ∧ トヽ{   |   | | /       /     ,!

 あと、>>169は単なる二重投稿でアリマス。
お恥ずかしい。

 それではではー。
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:21:39.73 ID:NL.iiZwo
おつでしたー

>実は当方が一番書きたかったネタはここにあるので、どうかご容赦頂ければ重畳ー。

You、やりたいようにやっちゃいなYO!
すごく楽しみだNE!
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:21:40.15 ID:XqwCoBwo
おつおつー
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:23:09.90 ID:Ak1Y7UIo
乙でしたー。
一周年おめでとごぜます。
しかしまあ、ペンは剣よりも強しというか、
世の中舌先三寸というかまあ。
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:23:13.73 ID:TvLXreMo
乙でした!
宗矩62だったのか。
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:24:44.54 ID:JRONfDco
お見事、おみごとに御座いまする
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:29:00.70 ID:6nrJ.h20
おつかれさまでした、次回を楽しみに待ちまする
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:35:22.63 ID:2xaxtsYo
おつ!
も・と・こ!も・と・こ!
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:45:35.97 ID:jDHa6Bko
お疲れ様でした!
外伝も楽しみだ
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 02:03:45.68 ID:gX6A0kgo
お疲れ様でした!実に面白かった!
治国平天下の剣のところは手に汗握りましたよ!
次回も楽しみに待ってます〜。
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 02:21:52.77 ID:Z6jMKMko
乙でした
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 05:12:38.83 ID:y0hfWlso
乙乙〜

次回も楽しみにしてま
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 12:56:24.03 ID:SbQ4VFUo
おつかれさまでしたー
ついに惣目付までキター
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 19:52:34.13 ID:TgUogh2o
しかし、惣目付って宗矩だけかと思ってたら他にもいたのね。
そりゃ一人だけでは担いきれないか。
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/07(月) 22:15:38.55 ID:.D7vTWU0
62の爺さんに惣目付は厳しそうな気が・・・
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/08(火) 20:08:58.51 ID:79Yq0vc0
惣目付の嫡男が長い間江戸を離れてたら、隠密って噂も当然。
優秀な十兵衛を隠密として使いたいから、宗矩が隠居しないで頑張ってると普通は思う罠。
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/08(火) 21:52:44.64 ID:sTKxiXoo
こうして見てると勝茂と宗矩が二人でタッグ組んで
「今夜はダブル新陰流だからな…」って不逞の輩を切り[ピーーー]シーンとかが見てみたいもんだ
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/08(火) 21:56:46.90 ID:f3LoORQo
なにその柳生新陰流SPIRITS
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/08(火) 22:00:36.39 ID:yrKCQ6Qo
「ほほぉ……いい腕前だな。キサマの作戦目的と役職は!?」

「治国平天下の剣。柳生又右衛門宗矩」
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/09(水) 02:07:51.73 ID:TPAL0rMo
敵首領は歴代柳生剣士の能力を完全コピーしてるんですね、わかります
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/09(水) 07:56:59.26 ID:Sy1eqQwo
>249
その実態はただの糞ニート…現実は残酷だ
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/09(水) 10:06:42.72 ID:1psmCcQo
「俺は兵法家である前に柳生家嫡男として生まれた。
  柳生の家の為に生まれた。
  この剣・・・・この命はその為のものだ」
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/09(水) 19:48:35.51 ID:LdAuZDM0
十兵衛が柳生庄に引きこもってるから
やる夫の出番がないねえ・・・
257 :1 [saga]:2009/09/11(金) 23:34:54.55 ID:7ATR/eo0
 どもども、お疲れ様でアリマス。
今週もなんとか土日は休めそうなので、日曜(9/13)の夜21時からを目処に、
このスレで予告通り、

 【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編)】

 をやろうかと。
今の時点で3部構成の予定ですが、さてどうなることやら。
よろしゅうですー。

 あと、「柳生新陰流SPIRITS」とか言われると当方も嬉しくなって
ついあれこれ妄想しちゃうじゃないですか、と思った途端に
大首領ってきっと半島関連だよなあと頭に浮かんで
「それってなんて柳生雨月抄?」となったり。
あと、偽ライダーならぬ贋造宗矩が山ほど出てくるんですねわかります。
きっと髻とかが黄色いに違いない。

 そういえば来週は「徳川家康(トクチョンカガン)」が出ま砂。
(タイトルの時点で誰の作品か言うまでもなし)

 イメージ的にはこんな感じで。

「柳生の使者!シンカゲブラック!」         -- 、ノ⌒丶_
           __                  レ'´: : : : :_: : :_: :\
           レ=--\、              レ: :rーf‐'⌒}厂}┐)
         r-〈  ー-、 \ー、        /: : 入_,ノ ̄ ̄ ̄`ー-、
         l   r、   \  , ┐ーァ    |: :/ r 、: : : :∠/`ヽ: :ヽ
          /`ト、\\ー 、V  !  ̄`ア    ゝ{_/:l  V/≠  =V: :l   「柳生の使者!シンカゲホワイト!」
       / /!ィ=、ヾトィ=、 | | ̄`アァ   ./ :_〕  | ノfJ!   fJ!l: ノ
        |//ノハ{ソ   {ソ_,人__厂`寸´     .广, |  ト、ゞ'   , ゞ'K
       | /ハ!  r ┐//__  〉⌒l l     .ノ l  lー ,  〉! , ┐  !ノ
       |ノ   ゝ、ー' | {  `y'   ヽ}     |ヽ \_У / |、ー /
       |   ノノ≧ェ| `ヽ_)、__/l.   └┬テ{_/_ノ\丁´ヽ
         _,ノ彡ィリ、  ` ー‐ァ'´      .ノーーく´   ノ卜、-、:\_
     /\// ̄}ノ,/l  ー‐r '´     ./: : : : : {ゝ _,ノノV: : :\: : /\
      / -/7-  /_」j   \__,ノ       /: :/: : : : :r`Tfー'´ |ト>、: ヾ}┐ |
    〈_{_{  / |  //r┘     ./: :/l: : : : : :L. ドミー‐'   | \:V_}
   /  | | \_}   `ニ´∠:┘       /: / /: : : : : : └t入    .ノリハ  \
    ̄ト、H   |ー、 /         .|: :l /: : : : : : : : : : : :l\   /  卜|V ̄
    _ノ ノ └' ̄ `ヽ /           .ヽ:l |: : : : : :ト、: : : : :ノ: :ノ ∠二∨ミ7_r―_、_
 ,ィf⌒⌒リー――- 〈               丶: : : :ヽ \/-'´>彡'´ ̄ ̄`ヾ´>ゞこ)
/ 」{  /       l                   ` ーゝ   / /        \  `> 、
/jjイ  ̄ ̄フフ¬ー-、!                       / /           丶    \
 /    /r┘    \                   /

                   「ふたりはシンカゲ!!」

 誰がホワイトで誰がブラックかとか、思い描きながら読むと、
より一層玄妙な気分になれて愉快千万でアリマス。

 ではではー。
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/11(金) 23:40:31.19 ID:7ZMUBGso
キタワァ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:* ミ ☆
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/09/12(土) 22:06:28.60 ID:3znUSzYo
>>257
ウイッス、楽しみにしております。

> そういえば来週は「徳川家康(トクチョンカガン)」が出ま砂。
>(タイトルの時点で誰の作品か言うまでもなし)
前作の「鳳凰の黙示録」から一カ月おきで新刊ですか。
先生、ノッてますね。w

本日、休日出勤の帰りに東郷隆「戦国名刀伝」、南條範夫「おのれ筑前、我敗れたり」を購入。
こういう、王道とは異なる視点から見た作品も面白いですね。
>>1殿の外伝も楽しみにしております。
260 :1 [saga]:2009/09/13(日) 21:00:28.78 ID:i8VajmY0
 どもども、お疲れ様です。
それではこれから投下します。
タイトルは【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1)】で。

 よろしゅうですー。
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:01:28.97 ID:5mT.6i2o
お、キタキタ
262 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:01:46.33 ID:i8VajmY0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:なし】
                                  / ̄ ̄\
                                 / _ノ    \
           でも、やる夫は           .|  (●) (●)|   まあ、
             久々の出番なんだお       |   (__人__) |  出られる時は出ないと駄目だろ。
               ____               |    ` ⌒´ |   やる夫スレ的に考えて…。
              /     \            |        }
            /   ⌒   ⌒\          ヽ       .}
           /   (●)  (●)\        __,_,,.ヽ_    ノー- 、
          |     (__人__)   |      ハ  /  V又イ ::::〉::::::i:
          \_    ` ⌒´ _/       } ヽ 〈   l |;;|ノ /::::::::::i
          /⌒ヽ  | \><ヘl ヽ \ .   r iY'ノ.;;  }::ヽ  l|;;| /::::i::::::::}
          {:::   l  \ ヽ };;{ |   | i  }  .|| | ノ::::   }:::::::\|;;;レ'ー'' ⌒.::::ヽ_,,.-‐''"
         {:::::.. 〈;;,,  ヽ V;;;}ノ  l彡 ヽ  .|| | {,,;;;; .:::: ヽー---ケト、, へ、::::::ノ
    _,,.-‐''" |::::::::  ヽ--、 \ >--'⌒ヽ::.  } .|| | } .::::::::::ノ.:::/ /   彡} ̄
    || |_,,.ィ'|::::.....   }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し'::  )_,,. -‐''" ̄`゙゙ ''ー-、'ー----'
    || | || !::   /      .::ノ::::::::::.  ノ
    || | || _ヽ,, .;:::   _,,.-‐''"ー''--'' ̄
   _,,. -‐''"  `ー---''"
263 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:03:52.81 ID:i8VajmY0
             (ヽ三/) ))
         __  ( i)))
        /⌒  ⌒\ \
      /( ●)  (●)\ )     というわけで久々の出番のやる夫だお!
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
    |    (⌒)|r┬-|     |     石舟斎と十兵衛というビッグネーム二役なのに、
    ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/    ここまで出番がないのは、宗矩の…もといやらない夫の陰謀だお!
    | | | |  __ヽ、    /
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |
    `ー---‐一' ̄
264 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:05:09.54 ID:i8VajmY0
      / ̄ ̄\    
    /ノ( _ノ  \   人聞きの悪いこと言ってんじゃねえ!
    | ⌒(( ●)(●)
    .|     (__人__) /⌒l
     |     ` ⌒´ノ |`'''|
    / ⌒ヽ     }  |  |                  オヤクソクッ!!
   /  へ  \   }__/ /             / ̄ ̄\      
 / / |      ノ   ノ           / ●)) ((●\’, ・
( _ ノ    |      \´       _    (   (_人_)’∴ ),  ’
       |       \_,, -‐ ''"   ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ   て
       .|             三三三三三三三三三 ノ    (
       ヽ           _,, -‐ ''"  ノ       ヽ   r'" ̄
         \       , '´        し/..     | J
          \     (           /      |
            \    \         し-  '^`-J
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:05:28.04 ID:5mT.6i2o
なんか久しぶりだなコレwwww
266 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:07:05.54 ID:i8VajmY0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \      つーかな、マジな話、剣術以外の視点を加えると、
   |    ( ー)(ー)    宗矩の事績が圧倒的過ぎるんだよ。
.   |     (__人__)    剣術だけで見ても大概多いんだけどさ。
    |     ` ⌒´ノ    
   .l^l^ln      }      だから史実準拠だと、どうしたって宗矩の割合が増えるだろ。
.   ヽ   L     }      史実的に考えて…。
    ゝ  ノ   ノ 
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

        ____
      /      \       蟄居中の十兵衛は、伝奇だと廻国隠密の旅で大活躍なのに、
    /  _ノ  ヽ、_  \     史実だと実家ニートとか、扱い逆転過ぎだお。
   /  /⌒)   ⌒゚o  \
   |  / /(__人__)      |    なんでもいいけど、出番が来てよかったお…。
   \/ /   ` ⌒´     /
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:07:50.09 ID:5mT.6i2o
実家ニートww
268 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:09:19.73 ID:i8VajmY0
 ま、今回は解説編だし、前に好評みたいだったから、
お前の出番はバッチリだぜ。
安心しろよ。

     / ̄ ̄\
   /   ⌒ ⌒\
   |    ( ⌒)(⌒)               ____
.   |   ⌒(__人__)            /⌒  ⌒\     それを聞いてホッとしたお!
    |     |r┬-|           /(⌒) (⌒) \   それじゃ早速始めるお!
.    |     `ー'´}  \      /:::⌒(__人__)⌒:::::: \
.    ヽ        }     \     |    |r┬ |      |
     ヽ     ノ       \   \   `ー ´    _/
     /    く. \         \  ノ           \
     |     \  \    (⌒二              |
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:10:23.61 ID:9JV.pqoo
>廻国隠密
あるいは山中に篭って修行中とかでも格好いいよ!
まあ肉体は別だけど
270 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:11:37.79 ID:i8VajmY0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \      そうだな。
   |    ( ●)(●     それじゃ早速、先週ようやく登場した
   |      (__人__)
.   |        ノ      『活人剣・治国平天下の剣』
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ      について話をしようか。
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

               ____
             /      \      というか、長い名前だお。
            /─    ─  \    それが正式名称なのかお?
          / (●)  (●)   \
          |    (__人__)      |
          \   ⊂ ヽ∩     <
            |  |  '、_ \ /  )
            |  |__\  “  /
            \ ___\_/
271 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:13:04.87 ID:i8VajmY0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \     ああ、これは通称だ。
 |  (●)(●) |    宗矩自身は、この剣というか、思想全体について
. |  (__人__)  |.    特定の名前を付けているわけじゃない。
  |   ` ⌒´  ノ
.  |         }     ただ、それじゃ説明しづらいんでな。
.  ヽ        }    よく使われる通称を使うことにしたんだ。
   ヽ     ノ 
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

         ____
       /      \      そういうことかお。
      / ─    ─ \    話の腰を折って悪かったお。
    /   (●)  (●)  \
    |      (__人__)     |   じゃあ、あらためて説明を頼むお。
     \    ` ⌒´    ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |
272 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:15:14.57 ID:i8VajmY0

   じゃあ、まず、この「活人剣・治国平天下の剣」とは何かについてだ。
  こいつは簡単に言えば、

    『「活人剣」「大なる兵法」「剣禅一致」という”思想”を主軸とした兵法理論と技術の体系』

   というところになる。

         |         . 【活人剣】
    / ̄ ̄\        ...  剣術とはただ人を斬るための術ではない。
   /   _ノ  \.      ....  人を活かすために使うべき術である。
   |    ( ●)(●)     ....
.   |  ::::::⌒(__人__)      . 【大なる兵法】
   |     ` ⌒´ノ       .  大将たるものにとって兵法は、
.   |         }.    。    一対一の立ち合いではなく、天下を治めるためのものである。
.   ヽ        }    /  ... 
    ヽ     ノ   ./   .. 【剣禅一致】
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)      剣の道の極まるところは、禅に通じ、諸道にも通じる。
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'    ....
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
273 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:17:15.99 ID:i8VajmY0
     ____
   /      \ ( ;;;;(    …うーん。
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)   前回、既にツッコミを貰ってたけど、
/    (─)  (─ /;;/   なんで剣術で人を活かすとか、
|       (__人__) l;;,´|    統治の術に使うとかいう話が出るんだお…?
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /


      ___
    /     \       ぶっちゃけた話、剣術は、
   /  _ノ '' 'ー \     「剣を使うための術」なんだから、
 /  (●)  (●)  \   それ以上でも、それ以下でもないと思うお。
 |      (__人__)    |
 \      ` ⌒´   /    誰か当時、突っ込まなかったのかお?
274 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:19:49.50 ID:i8VajmY0
         / ̄ ̄\
       / ヽ、. _ノ \     …よくぞ聞いてくれた。
       |  (●)(●) |    俺がオプーナの奴なら、権利をやるところだぞ。
       |  (__人__) |
          |   ` ⌒´  |     既に剣が実戦で使われない現代ですらそう思うんだ。
        |        }    当時なら余計にそうだっただろう。
        ヽ       }
        人_____ノ"⌒ヽ
      /           \
     /            へ  \
     (  ヽγ⌒)     |  \   \
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
275 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:21:45.25 ID:i8VajmY0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \/`i     だからこそ、ここで宗矩がこの
 |  (●)(●)./  リ    「活人剣・治国平天下の剣」を提唱した事がどれだけ特異で、
. |  (__人__)..|  /     且つ、それを世に定着させてしまったことが
  |   ` ⌒´ リ  ヒ     どれだけのことか…わかるか?
.  ヽ     //  ,`弋ヽ
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l
   /〈  `ー〈::....ノ   V
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //             ___
    |    フ-、`ー┴‐-〃         /      \
         `ー‐一′        /ノ  \   u. \    そ、そう言われると確かに…。
                     / (●)  (●)    \  何でこんな思想が受け入れられたんだお?
                      |   (__人__)    u.   | 
                      \ u.` ⌒´       /
                     ノ            \
                   /´               ヽ
276 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:23:33.87 ID:i8VajmY0
      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)     …ま、その話をすると長くなるし、
    |  (●)(●)/;;/     まず、その前提となる宗矩の思想そのものについて、
    |  (__人__)l;;,´|      説明しようってのが、今回の本題だ。
    | ./´ニト━・' .l
    | .l _ニソ    }        俺たちがあれこれ喋って、
     /ヽ、_ノ    /       フィルターがかかった状態になるより、
    __/  /    ノ__.       先に「現物」を見てもらう方がいいだろうしな。
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /

      ___    ━┓
    / ―\   ┏┛
  /ノ  (●)\  ・     現物…?
. | (●)   ⌒)\     それってなんのことだお?
. |   (__ノ ̄  |
  \        /
    \     _ノ
    /´     `\
     |       |
     |       |
277 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:25:24.54 ID:i8VajmY0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \      ああ、この「活人剣・治国平天下の剣」は、
 |  (●)(●) |     それを宗矩自身が伝書にして残したものが現存しているんだ。
. |  (__人__)  |     その名を
  |   ` ⌒´  ノ
.  |         }        『兵法家伝書』
.  ヽ        }
   ヽ     ノ       というシロモノだ。
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

          _____
        / '⌒ヽ  ; '⌒゙\       ||  ||
       /        ∪     \      ||  ||
     / /´  `ヽ   /´  `ヽ \     o   o
    /  (   ● l    l ●   )  \
  /    ヽ_   _ノ   ヽ_  _ノ  ; \    そんなものが残っているのかお!?
  |  ;  ''"⌒'(    i    )'⌒"' ∪  |
  |  ∪      `┬─'^ー┬'′      |
   \          |/⌒i⌒、|         /
    \       !、__,!    U  /
    /       、____,,      \
   /                        ヽ
    |  、                 ,   |
278 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:27:46.33 ID:i8VajmY0
            |
            人
            ̄ Y  ̄
     / ̄ ̄\.  |
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| / / /     |r┬-|     | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) U .| |  |    /   ゝ  :::::::::::/
|     ノ    | |  |    \  /  )  /
ヽ    /    └ー.┘    ヽ /    /
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:28:06.92 ID:5mT.6i2o
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280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:29:00.12 ID:inSCeq2o
どこのTVショッピングだwwww
281 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:29:19.69 ID:i8VajmY0
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   {  ,riiニヽ      _.    ',   石舟斎が金春七郎に与えた
   !   ,..  _,,.. -‐' _,..r'  i
   ',   '、., __ ,.. -‐''"゙  }  |    「新陰流兵法目録事」
    `、  ヽ        !   }
     '、  ヽ      ./   !    までついてくるんだぜ!
     \  `ヽ==='゙    ,'   1冊で二度美味しいとはこのことだろ!
       ' 、        / .   
        `''‐   . r' \
         /    く    \   
         |     \     \  
          |    |ヽ、二⌒)  \


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| ::::::::::::(⌒)    | |  |   /    ゝ  ::::::::::/
|     .ノ      | |  |   \   /  )  /
ヽ    /      `ー'´       ヽ /    /
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l   バ
 ヽ    -一''''''"〜〜``'ー--、   -一'''''''ー-、 ン
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒)) バ
                             ン
282 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:30:50.25 ID:i8VajmY0
 というわけで、モニタの前の諸君!
これはもう今すぐカートに入れるしかないだろ!
お買い得的に考えて…!

           / ̄ ̄\ 
         /  ヽ_  .\               これはもう、
         (⌒)(⌒)    |     ____    ジャパネットたかたが取り扱ってもいいくらいの
         (__人__)     |    /      \   お買い得っぷりだお!!
         l` ⌒´    | / ─    ─   \
        . {          | /  ⌒     ⌒   \
          {       / |      (__人__)     |
     ,-、   ヽ     ノ、\    ` ⌒´     ./_
    / ノ/ ̄/ ` ー ─ '/><  ` ー─ ' ┌、 ヽ  ...ヽ,
   /  L_         ̄  /           _l__( { r-、 .ト
      _,,二)     /            〔― ‐} Ll  | l) )
      >_,フ      /               }二 コ\   Li‐'


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283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:31:04.48 ID:5mT.6i2o
ちょwwwwww
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:31:36.03 ID:inSCeq2o
おいwwwwww
285 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:32:19.01 ID:i8VajmY0
        / ̄ ̄\  ………。
      /  ヽ_  .\
      ( ●)( ●)  |     ____
      (__人__)      |    /      \
      l` ⌒´    | / ─    ─  \   ………。
     . {          | /  (●)  (●)   \
       {       / |    (__人__)       |
  ,-、   ヽ     ノ、\    ` ⌒´     ,/__
 / ノ/ ̄/ ` ー ─ '/><  ` ー─ ' ┌、 ヽ  ヽ,
/  L_         ̄  /           _l__( { r-、 .ト
   _,,二)     /            〔― ‐} Ll  | l) )
   >_,フ      /               }二 コ\   Li‐'
__,,,i‐ノ     l              └―イ   ヽ |
            l                   i   ヽl
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:33:09.94 ID:Pn7NMlMo
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287 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:33:12.46 ID:i8VajmY0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \    …流石にテレビショッピングネタはどうかと思うだろ。
 |    ( ー)(ー)  話の腰的に考えて…。
. | u./// (__人__)
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }      / ̄ ̄ ̄\      アメリカン風にトムとかマイクとか言い合ったり、
   ヽ     ノ       /  ⌒  ⌒ \   「この兵法家伝書から得た夜の新陰流でマイワイフも満足さ!HAHAHA!」
    i⌒\ ,__(‐- 、    / u (ー) ::::(ー)ヽ   「それはステキだね!ボクも早速買って今晩チャレンジだ!」とか
    l \ 巛ー─;\  |   :::⌒(__人_)⌒:l   言い出さないだけマシだお…。
    | `ヽ-‐ーく_)  \    `  ̄´ /
.    |      l      i⌒\、___ ィヽ     …そろそろ本題に戻るお。
    |      |     .l \ 巛ー゙‐;\    
     リー──‐‐t____.  |   ヽ-‐≠ー '′
    l   " ~ ̄ ̄⌒ヽ`ヽ.|゙ ̄ ̄⌒ヽ ̄ヽ
───`ー───ソ  |  |┴‐─-r  |i'  |───────┐
           |  |  |       |,_|, __|              |,
            |_、| __|.     (´_)゙_)             |,
            l'___)__)                
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:33:55.77 ID:5mT.6i2o
アメリカン風てwwww
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 21:34:26.82 ID:xuO13jk0
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290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 21:35:24.93 ID:xuO13jk0
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291 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:35:38.80 ID:i8VajmY0

   / ̄ ̄\        …さて、じゃあ話を戻して、
 /   _ノ  \      この宗矩の思想を知るのに最も良いテキスト。
 |    ( ●)(●)    それがこの「兵法家伝書」だ。
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ      今回は、これを元にして、
.  |         }     『活人剣・治国平天下の剣』がどういうものか、
.  ヽ        }      説明していこうと思う。
   ヽ     ノ  mm
   /    ̄ ̄ ̄ つノ
   |    | ̄ ̄ ̄


.   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|    
    | ._  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
    | |活| | ._  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
    | |人| | |殺| | ._        ...|_|
    | |剣| | |人| | |進|       .....|_|
    |.  ̄  | |刀| | |履|       .....|_|
    |    .|.  ̄  | |橋|        .|_|
    |    .|    |.  ̄          |_|
    |____|    |           |_|
   └──.|__ |          ....|_|
       └──|________ |_|
           └───────┘
        【兵法家伝書】
292 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:37:33.45 ID:i8VajmY0
      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・    あれ?
. | ( ●)   ⌒)   |     「兵法家伝書」っていうのに、
. |   (__ノ ̄    /     タイトルが違うお?
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ

       ., ──‐、             ああ、「兵法家伝書」は、
      /     \
.     .|     _ノ  ヽ            「進履橋(しんりきょう)」
     |     ( ●) (●).             「殺人刀(せつにんとう)」
     |       (__人__) , -―ーっ     「活人剣(かつにんけん)」
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
.      ン         } ゙| ̄'|        この三巻の総称なんだ。
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ' ./        原本となる柳生家に伝わる伝書では、
| |  /   /    r_____/        これらを収めた箱に「兵法家伝書」と
| | /   /      |i             題されているそうだ。
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
293 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:40:03.76 ID:i8VajmY0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \     この「兵法家伝書」は、寛永九年(1632)九月、
 |  (●)(●) |    宗矩が家光に「活人剣・治国平天下の剣」を説いた後、
. |  (__人__)  |    それを三巻の書にまとめたものなんだ。
  |   ` ⌒´  ノ
.  |         }     本編でも書いたけど、宗矩はこれを
.  ヽ        }    佐賀鍋島家の当主・鍋島信濃守勝茂に与えている。
   ヽ     ノ    
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

━┓
┏┛    ⌒
・    .___ ⌒  ___   ━┓
   / ―\ / ―  \  ┏┛
 /ノ  (● X  (●)  \ヽ ・.    え?どういうことだお?
| (●)  /_  (⌒  (●) /.    これって家光の為のものじゃなかったのかお?
|   (__/      ̄ヽ__) /     なんでここで鍋島家が出て来るんだお?
 \  /´    ___/
   \|        \
   /|´        |
294 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:42:29.75 ID:i8VajmY0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ●)(●     ああ、実は家光にこの「兵法家伝書」が
   |      (__人__)    与えられたかどうかは不明なんだ。
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /


       (⊃ ̄ ̄\      .... というのは、
     (⊃   _ノ  \     ..現存を確認されている「兵法家伝書」には、
    (⊃   ( ●)(●)      .
     |     (__人__)     .. 江戸柳生家本 : 成立年代不明?江戸柳生家に伝わるもの。いわば原本。
     |     ` ⌒´ノ    ...... 鹿島鍋島家本 : 寛永九年九月、鍋島勝茂に与えられたもの。
       |         } \     . 細川家本    : 寛永十四年五月、細川忠利に与えられたもの。
     /ヽ       }  \  ... 小城鍋島家本 : 正保三年三月、鍋島元茂に与えられたもの。
   /   ヽ、____ノ     )  
  /        .   | _/   . この4つと、それらの写本があるんだが、
 |         / ̄ ̄(_)   .このうち、家光(あるいは家光に披露する酒井忠勝)宛のものは
  \   \ /| JJJ (     ないんだな。
   \  /   /⊂_)   ......
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:44:35.34 ID:Pn7NMlMo
えー?ww
296 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:44:40.52 ID:i8VajmY0
      ___
    /     \        …それって、どういうことなんだお?
   /  _ノ '' 'ー \      将軍家指南役の宗矩が、主君である家光ではなく、
 /  (●)  (●)  \    鍋島勝茂に伝書を与えたってことかお?
 |      (__人__)    |
 \      ` ⌒´   /


      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)      ここは正直、よくわからないんだ。
    |  (−)(−)/;;/      実際には先に家光に提出しているけど、
    |  (__人__)l;;,´|       それが現存していないか、未発見なのか、
    | ./´ニト━・' .l       それとも、江戸柳生家本を元に、講義という形で教授したのか…。
    | .l _ニソ    }
     /ヽ、_ノ    /         まあ、どちらにせよ、
    __/  /    ノ__        「活人剣・治国平天下の剣」を説いた最初の相手が
  / /  /       `ヽ.     家光であるのはまず間違いないと思うぜ。
  /´  ./       ,.  ヽ.    内容的に考えて…。
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:46:31.79 ID:CcTDx1so
ふむふむ
298 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:47:05.11 ID:i8VajmY0
               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |    じゃあ、そろそろ、「活人剣・治国平天下の剣」について
   /( ●)  (●)\  !   !   解説を始めて欲しいお!
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l   皆もそろそろ待ちくたびれてる頃だお!
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー'´     //
  / __        /
  (___)      /


         / ̄ ̄\ 
        /   _ノ  \         そうだな。
        |    (⌒ )(⌒)       では、これからこの「兵法家伝書」を元に、
        |     (__人__)       「活人剣・治国平天下の剣」とはどういうものなのか、
          |     ` ⌒´ノ        本人の筆から読み取っていくとしようか。
        |         }
        ヽ     ヘミ|         ちなみに、4冊ある本にはいくつか相違はあるが、
        /,` 、` -`,--` ,       基本的なところは同じだ。
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ |      差のある点は、いずれ本編での授与の際に解説する。
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ    なので、ここでは江戸柳生家本を元にした
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|    岩波文庫版で解説を進めていくぞ。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'  `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く   ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 21:47:36.04 ID:E5H5Sl2o
>この兵法家伝書から得た夜の新陰流でマイワイフも満足さ!HAHAHA!

これをガチホモファックでやっちまう荒山センセーはいろんな意味で桁外れだと実感いたしました
300 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:49:26.64 ID:i8VajmY0
【進履橋】

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \    ではまず、
 |  (●)(●) |   三巻のうち最初の書になる
. |  (__人__)  |
  |   ` ⌒´  ノ     『進履橋』
.  |         }
.  ヽ        }    から説明する。
   ヽ     ノ    
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・   『進履橋』…?
. | ( ●)   ⌒)   |
. |   (__ノ ̄    /    それってどういう意味なんだお?
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ
301 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:51:20.09 ID:i8VajmY0

              ああ、こいつは宗矩自身も最後に解説している。
         |    こうだ。
    / ̄ ̄\       ...
   /   _ノ  \.     .... 『此の一巻を進履橋と云ふ事は、
   |    ( ●)(●)    ....  張良、かつて石公(黄石公)に履(くつ)をすすめて、
.   |  ::::::⌒(__人__)     .  兵道を伝へて後、張良がはかりごとにより、
   |     ` ⌒´ノ      .  高祖(劉邦)天下を治め、漢家四百年を保ちし也。
.   |         }.    。   是によりて、其心を取りて進履橋と名付けたるなり。
.   ヽ        }    / ...  此の一巻を橋となして兵法の道をわたるべしと也』
    ヽ     ノ   ./  ..
     / lヽ介/lヽ、 ,rE) 
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

      ____
    /_ノ   ヽ_\       んー…まあ、大体意味は分かるお。
   /( ●) ( ●)\     要するに、この張良と黄石公の逸話にちなんで、
 / ::::::⌒(__人__)⌒::::\   この巻を「進履橋」と名付けたってことかお。
 |        ̄      |
 \               /    …宗矩も随分と大きく出たもんだお。


【張良】
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E8%89%AF
>張良(ちょう りょう、? - 紀元前186年)は秦末期から前漢初期の政治家・謀将。字は子房。諡は文成。
>軍師として劉邦に仕えて多くの作戦の立案をし、劉邦の覇業を大きく助けた。
>蕭何・韓信と共に劉邦配下の三傑とされる。

【黄石公】
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E7%9F%B3%E5%85%AC
>黄石公(こうせきこう,生没年未詳)秦代中国の隠士。
>黄石公は太公望と伴に兵法の祖として仰がれ、
>その名を冠した兵法書の種類は多く、中でも『三略』が有名である。
302 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:53:37.10 ID:i8VajmY0
          ____         これって、自分を張良になぞらえて、
        /_ノ  ヽ\       自分の兵法…「活人剣・治国平天下の剣」が
      / ( ●) (●)、     徳川家の繁栄に繋がるものだ、と言ってるってことだお?
    /::::::::⌒(__人__)⌒\
    |      |r┬-|    |    宗矩がこの手の大見得を張るのは珍しい感じだお。
    \       `ー'´  /
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ

               / ̄ ̄\
              / ヽ、_   \
            . ( (● )    |   まあ、確かにな。
            . (人__)      |  だが、逆に言えば、
            r-ヽ         |  それだけ宗矩には自負があったってことだろ。
            (三) |        |  この「活人剣・治国平天下の剣」に。
            > ノ       /
           /  / ヽ     /
          /  / へ>    < 
          |___ヽ  \/  )
              |\   /|
              |  \_/ |
303 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:55:52.50 ID:i8VajmY0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      まあ、それはともかく、
 |    ( ●)(●)    この「進履橋」は、他二巻と少し違う…というか、
. |     (__人__)    ある意味、これ単体で伝書としても成立するものなんだ。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }      というのは、この一巻だけは
.  ヽ        }     将軍家以外にも伝授して構わない、と
   ヽ     ノ      されているからなんだな。
   /    く__,-ュ__  
   |    ___ 三)  
    |    |       ̄  

           ___   て
       /      \ そ
      /ノ  \   u. \     え?
    / (●)  (●)    \   「活人剣・治国平天下の剣」は
     |   (__人__)    u.   |   将軍家のための剣じゃなかったのかお?
     \ u.` ⌒´       /
    ノ            \
  /´               ヽ
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 21:57:20.72 ID:xuO13jk0
ほうほう
305 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 21:58:13.85 ID:i8VajmY0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \     うん。
   |    ( ●)(●    実はな、この「進履橋」は新陰流の兵法目録にも兼ねていて、
   |      (__人__)   江戸柳生の門下で、免許を許した人物には、
.   |        ノ    この「進履橋」だけは写筆して授けてよい、とあるんだな。
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ     だから、この一巻に関しては、
  (.  \ / ./_ノ │   比較的普通の内容の伝書なんだ。
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

     ____
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\    普通って…具体的にはどういうものなんだお?
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
306 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:00:03.81 ID:i8VajmY0

                      ... そうだな。
                       具体的なところを挙げていくと、
                       例えば冒頭だと
                      ...
       ., ──‐、          .... 『○新陰流兵法の書
      /     \         
.     .|     _ノ  ヽ           ○三学
     |     ( ●) (●)      ......
     |       (__人__) , -―ーっ    一 身構
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄  ...  一 手足
.      ン         } ゙| ̄'|     ...  一 太刀
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |    ......
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  /     ...  右の三个(さんか)を以て、初学の門として、是より学び入るべし』
| |  /   /    r_____/       .
| | /   /      |i            . …とか、
| | ( 〆⌒'──r─≒、.         
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


『○三学に就き、又五ヶの習

 一 身を一重になすべき事
 一 敵の拳を我肩にくらぶべき事                         / ̄ ̄\
 一 我拳を楯につくべき事                        .rヽ  / ノ  \ \
 一 左の肘を延ばすべき事                        i !  |  (●)(●) | 
 一 さきの膝に身をもたせ、あとの膝をのばすべき事』     r;r‐r/ |.  |  (__人__)  |
                                     〈_L (`ヽ .}  |   ` ⌒´  ノ
 …とか、こんな具合に、                      l` ( ``/ .  |        }
上泉伊勢守以来の新陰流の技法について            ヽ   l  .  ヽ       } 
一通りの目録となっているんだ。                   |,.   l  /⌒   ー‐  ィ ヽ
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 22:02:51.15 ID:Pn7NMlMo
この巻はあくまで「橋」であって、本命はその先って事かね?
308 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:03:00.07 ID:i8VajmY0

                ...... 今のは冒頭だから、基本となる構え方の項目だったけど、
                  この後、

     / ̄ ̄\          『.一 一刀両段(いっとうりょうだん)
   /   _ノ  \     .....  一 斬釘截鉄(ざんていせつてつ)
   |    ( ●)(●)    ....  一 半開半向(はんかいはんこう)
.   |     (__人__)    .....  一 右旋左転(うせんさてん)
    |     ` ⌒´ノ     .  一 長短一味(ちょうたんいちみ)
   .l^l^ln      }      
.   ヽ   L     }      .  右、一々立相の習、口伝にあり、書顕はし難し』
    ゝ  ノ   ノ       
   /  /    \     ...... …という具合に、具体的な勢法(他流でいう「型」の事)の目録になっていく。
  /  /       \      .また、それぞれの勢法の中身については、上記の通り、
. /  /      |ヽ、二⌒)、 ”書き表しがたいので、実際にやって憶えろ”ということになっている。
 ヽ__ノ             この辺りも他の伝書と似たようなもんだ。
 

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)    まあ、そりゃ結局は剣術だから、
/    (─)  (─ /;;/    体で覚えるしかないのも当然だお…。
|       (__人__) l;;,´|
./      ∩ ノ)━・'/     でもまあ、納得したお。
(  \ / _ノ´.|  |      そういう内容なら、確かに将軍家限定じゃなくても
.\  "  /__|  |      特に問題のない話だお。
  \ /___ /
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 22:05:00.14 ID:xuO13jk0
構え方の名前がカコイイな
310 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:05:15.84 ID:i8VajmY0

                   そうだな。
   / ̄ ̄\          しかし、逆に言えば、これらの技法を基本として修めて、
 / ノ  \ \/`i      はじめて、その応用である「活人剣・治国平天下の剣」に
 |  (●)(●)./  リ      移れるという話でもあるんだ。
. |  (__人__)..|  /       だからこそ、基本から応用へと繋ぐ「橋」…
  |   ` ⌒´ リ  ヒ       .即ち、「進履橋」という題になっているわけなんだよ。
.  ヽ     //  ,`弋ヽ   
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l   実際、家光にしても、これを受けた時点で、
   /〈  `ー〈::....ノ   V   .既に宗矩に9年も剣を習って、免許も受けているわけだしな。
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //   基本は既に出来ているわけだ。
    |    フ-、`ー┴‐-〃
         `ー‐一′

         ___        そう言われてみると、
      /)/ノ ' ヽ、\      家光も長いこと続いてるもんだお…。
     / .イ '(●)  .(●)\    一つの習い事を9年も好きでい続けられるのは、
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \   なかなか大したもんだお。
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /
311 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:07:22.96 ID:i8VajmY0

           / ̄ ̄\             まあな。
         /   _ノ  \           それだけ宗矩の教え方が上手かったってことだろ。
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__)          さて、そういうわけで、この「進履橋」は、
         |      `⌒´ノ          「活人剣・治国平天下の剣」の面で見れば、
          |         }           それほど突っ込んだことは書いてない。
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )    ただ、フレーズとして、
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (   いくつかポイントとなると思われる箇所があるので、
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)   そこをいくつか紹介させてもらおうか。
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !

             (ヽ三/) ))
         __  ( i)))
        /⌒  ⌒\ \     そうだお。
      /( ●)  (●)\ )    まだこれから先も長いし、
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\    サクサクやっちゃうお!
    |    (⌒)|r┬-|     |
    ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/
    | | | |  __ヽ、    /
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |
    `ー---‐一' ̄
312 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:09:07.60 ID:i8VajmY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|    
| ._         .|_|   『惣別かまへは敵にきられぬ用心なり。
| |進|        . |_|    城郭をかまへ、堀をほり、敵をよせぬ心持也。
| |履|        . |_|    敵をきるにはあらず。
| |橋|        .|_|    卒尓にしかけずして、手前をかまへて、
|.  ̄         .|_|    敵にきられぬやうにすべし』
|          . .|_|
|            |_|
|________.|_|
└───────┘

   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)  「構えは攻める為ではなく、斬られぬ為のものだ」
 |    (─)(─)  /;;/  
. |    (__人__)  l;;,´    ということだな。
  |     `∩_ノ)━・'    まあ、護身術として見込まれたというのが、
.  |     |_ノ       当初の新陰流だったからな。
 /ヽ    |  |_       その意味では、「敵に斬られぬ事」が
 |  \_/ ノ ヽ      構えの主体となるのは当然だろ。
 \     /_|  |
 | \ /  _/
313 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:11:02.85 ID:i8VajmY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._         .|_|
| |進|        . |_|   『右の数々を能々習い得て、此中より、先手万手をつかひ出すべし。
| |履|        . |_|    三学九ケなどと云ふは、大体を云ふ也。
| |橋|        .|_|    此道をよく得てより、太刀の数を云ふべからず』
|.  ̄         .|_|
|          . .|_|
|            |_|
|________.|_|
└───────┘
                      一通りの勢法を紹介し終えた後のまとめだお。

                      「これで勢法は全部だけど、実際にはこれを応用して、
               ∩_      その時々に合わせて剣を使え」
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }     ってことだお。
     /⌒  ⌒\   |   |    あと、
   /( ●)  (●)\  !   !
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l    「こんなもんは大体で、まともに剣を修めたら、
  |     |r┬-|       |  /     技の種類とかいちいち言わねえよ」
  \     ` ー'´     //
  / __        /       とか言ってるのが面白いお!
  (___)      /
314 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:13:10.99 ID:i8VajmY0

              ....『○策を帷幄の中に運らして、勝つことを千里の外に決す。

                此句の心は、幕をうち、其中に居ながら様々のはかりごとをなして、
                千里の外の敵に勝つと也。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   . 然れば、此句を兵法に肝要と用ゐる心は、
| ._         .|_| ...... 我胸の内を帷幄の中と心得べし。
| |進|        . |_|   . わが心のうちに油断もなく、敵のうごき、はたらきを見て、
| |履|        . |_|   . 様々に表裏をしかけ、敵の機を見るを策を帷幄の中に運らすと心得べし。
| |橋|        .|_| ...... さてよく敵の機を見て、太刀にて勝つを、勝つことを千里の外に決すと心得べし。
|.  ̄         .|_| ......
|          . .|_|  .. 大軍を引きて合戦して勝つと、立相の兵法と、かはるべからず。
|            |_| ...... 太刀二つにて立相ひ、切り合ひて勝つ心を以って、大群の合戦にかち、
|________.|_| ...... 大群の合戦の心をもって、立相の兵法に勝つべし。
└───────┘   太刀さきの勝負は心にあり。心から手足をもはたらかしたる物也』


         ___         …こいつは、他と少し違うお?
      /)/ノ ' ヽ、\
     / .イ '(●)  .(●)\      「大軍を引きて合戦して勝つと、
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \     立相の兵法と、かはるべからず」
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /    ってのは、「大なる兵法」へのつなぎかお?


                  そうかもしれんな。
                 あと、

     / ̄ ̄\        「敵のうごき、はたらきを見て、様々に表裏をしかけ、
   /   _ノ  \       敵の機を見るを策を帷幄の中に運らすと心得べし」
   |    ( ●)(●
   |      (__人__)     というのがポイントだ。
.   |        ノ     「兵法に肝要」と言っている「策を帷幄の中に運らす」は、
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ      「敵の動きを見て、変化や揺さぶりをかけ、敵の心の動きを読む」
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |      ことだと言っている。
.    \/ ___ /     つまり、敵の考えを読むのが兵法のキモ、というわけだ。
315 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:16:15.39 ID:i8VajmY0

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(      さて、とりあえず「進履橋」はここで一旦終わらせてもらう。
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)     まとめると、
    |  (●)(●)/;;/
    |  (__人__)l;;,´|         『新陰流の技法(目録)を書き記した書』
    | ./´ニト━・' .l
    | .l _ニソ    }        というのが
     /ヽ、_ノ    /        この「進履橋」の概要というところだ。
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.      「殺人刀」「活人剣」を応用編とすれば、
  /´  ./       ,.  ヽ.    「進履橋」は基礎編といったところだな。
  ト、_,/.       |、  ヽ   だからこそ、一巻目になっているんだろ。
   |         |/  /


             (ヽ三/) ))
         __  ( i)))     まあ、基礎は大切だってことだお。
        /⌒  ⌒\ \
      /( ●)  (●)\ )   じゃあ、次はいよいよ、
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\  「活人剣・治国平天下の剣」を説明した
    |    (⌒)|r┬-|     |  「殺人刀」「活人剣」の話だお!
    ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/
    | | | |  __ヽ、    /
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |
    `ー---‐一' ̄
316 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:18:23.83 ID:i8VajmY0
【殺人刀】

   / ̄ ̄\           というわけで、それではこれから
 / ノ  \ \/`i
 |  (●)(●)./  リ         『殺人刀』
. |  (__人__)..|  /
  |   ` ⌒´ リ  ヒ        の説明に移るぞ。
.  ヽ     //  ,`弋ヽ     この巻は、冒頭のところから相当トバしてるので、
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l    順に説明していくぞ。
   /〈  `ー〈::....ノ   V    少し長くなるが、勘弁してくれ。
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //
    |    フ-、`ー┴‐-〃
         `ー‐一′

         ___
       / ⌒  ⌒\      いよいよ宗矩本人の口(というか筆)から
      / (⌒)  (⌒)\    「活人剣・治国平天下の剣」が聞けるわけかお。
    /   ///(__人__)///\   ちょっとドキドキするお…!
     |   u.   `Y⌒y'´    |
      \       ゙ー ′  ,/
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
      / rー'ゝ       〆ヽ
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|
    | ヽ〆        |´ |
317 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:21:19.71 ID:i8VajmY0

              ...『古にいへる事あり、
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|  
| ._         .|_| ..... 「兵は不祥の器なり。天道之を悪む。
| |殺|        . |_|     .止むことを獲ずして之を用ゐる、是れ天道也」と。
| |人|        . |_|  
| |刀|        .|_| ..... 此の如何にとならば、弓矢・太刀・長刀、是を兵(つわもの)と云ひ、
|.  ̄         .|_| ..... 是を不吉不祥の器也といへり。
|          . .|_|  . 其故は、天道は物をいかす道なるに、却而(かえって)ころす事をとるは、
|            |_| ..... 実に不祥の器也。
|________.|_| ..... しかれば、天道にたがふ所を即ちにくむといへる也。
└───────┘   .しかあれど、止むことを得ずして兵を用ゐて人をころすを、又天道と云ふ』

       ___
      /     \
    /  一'  `ー\     …「不吉不祥の器」って、
   /   ( ○)  (○)\   いきなり剣(ここでは武器全般を指すが)を否定してるお…。
   i       (__人__)   i   トバすにも程ってもんがあるお!
   ヽ、    |r┬-|  /
     /    `ー'´  く

   / ̄ ̄\ 
 /   _ノ  \      一応、ラストで
 |    ( ー)(ー)    「止むことを得ずして」とはフォローしてるだろ。
. |     (__人__)    まあ、全否定ってわけじゃないし、
  |     ` ⌒´ノ    まだ続きはあるんだ、進めるぜ。
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \
318 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:24:15.06 ID:i8VajmY0
              ...
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   『其心如何となれば、春の風に花さき緑そふといへ共、
| ._         .|_| ..... 秋の霜来て、葉おち木しぼむ。是れ天道の成敗也。
| |殺|        . |_|    物の十成(※)する所を、打つことはりあらば也。
| |人|        . |_|    人も運に乗じては、悪をなすといへども、其悪十成する時は、これをうつ。
| |刀|        .|_| ..... ここをもつて、兵を用ゐるも天道也といへり。
|.  ̄         .|_| ..... 一人の悪に依りて万人苦しむ事あり。
|          . .|_|  . しかるに、一人の悪をころして万人をいかす
|            |_| ..... 是等誠に、人をころす刀は、人を生かすつるぎなるべきにや』
|________.|_| .....
└───────┘  ※ 十分に出来上がること。極点に至ること。


                    つまり、
   / ̄ ̄\           
  /  ノ  \\          『武器や兵法は本来よくないものだけど、
 |  .(●)(●)  |          万民を苦しめる悪を倒す為、
. |  (__人__)  |           時には使わなければならないものでもある。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)    その時、悪を倒す剣は、殺人刀ではなく、活人剣になる』
.  |        |    .) ;;;;)    
.  ヽ       }   /;;/      …いうなれば、「一殺多生」ということだな。
   ヽ     ノ   .l;;,´      これを更に突き詰めれば、
. /    ∩ ノ)━・'       
 (  \ /|_ノ ヽ.         「剣を使わずに済むなら、それにこしたことはない」
. \  ""  /_ノ  |        
   \ /___/         ともなる。

     ____
   /      \ ( ;;;;(   
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)   …うーん。
/  u. (─)  (─ /;;/   まあ、理屈自体はごく真っ当だけど、
|       (__人__) l;;,´|    剣術の伝書の前文にこれってのはどうなのかお?
./      ∩ ノ)━・'/    一歩間違えば、剣術自体の否定だお。
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
319 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:28:01.38 ID:i8VajmY0

                 / ̄ ̄\                    . まあな。
               / ._ノ   \\     _,,            ただ、ここで述べられているのは、
               | ( ●) (●) |     l;l  
              . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,            . 「剣術そのものの”意義”」
                |   ` ⌒´  |, ト-=y  丶
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l           . についてなんだ。
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,          それまでであれば、「戦に勝つ」「敵を倒す」という
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,        ..わかりやすい目的があったから、
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,       ....わざわざ意義を掲げる必要は無かったんだが、
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i         太平の世になると、それでは済まなくなったんだ。
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、     . だからまず宗矩が手をつけたのは、
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、   .
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l    「”太平の世における”剣術の意義」
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l    を定義する事だったんだよ。
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|   
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">-−  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /


      ___          そんなところから再定義というのも一苦労なもんだお。
    /     \        で、この部分で宗矩は剣術を、
   /  _ノ '' 'ー \
 /  (●)  (●)  \     「悪を殺し、万民を活かすためのもの」
 |      (__人__)    |
 \      ` ⌒´   /     としたってわけかお。
320 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:30:32.18 ID:i8VajmY0

     / ̄ ̄\        まあ、そういうことだな。
   /   _ノ  \      だから、「万人」を「活かす」ための剣、
   |    ( ●)(●    
   |      (__人__)       「活人剣」
.   |        ノ    
    |      ∩ ノ ⊃      というわけだ。
  /     ./ _ノ      「殺人刀」は、そういう意味では、そのままだな。
  (.  \ / ./_ノ │     「人」を「殺す」ための刀…つまり今までの、
  \  “ /___|  |     .「ただ人を斬るための(技法としての)剣」というわけだ。
.    \/ ___ /    

                ____
              /      \      なんにせよ、のっけから
             /─    ─  \    剣術を否定しかねない話を持ってくるってのは
           / (●)  (●)   \  本の掴みとしては上手いところだお。
           |    (__人__)      |
           \   ⊂ ヽ∩     <    さ、次に進むお。
             |  |  '、_ \ /  )
             |  |__\  “  /
             \ ___\_/
321 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:32:39.59 ID:i8VajmY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   
| ._         .|_| ..... 『その兵を用ゐるに法(兵法)あり。
| |殺|        . |_|     法をしらざれば、人をころすとして、人にころさるるならし』
| |人|        . |_|    
| |刀|        .|_| ..... 
|.  ̄         .|_| ..... 
|          . .|_|  . 
|            |_| .....
|________.|_| .....
└───────┘  

                     まあ、ここはそのまんまだな。
       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \      「その剣(活人剣)のために剣術は存在する。
    (⊃   ( ●)(●)      剣術を修めてなかったら、
     |     (__人__)       いざ、悪を倒そうとしても、逆にやられてしまうからだ」
     |     ` ⌒´ノ
       |         } \      ということだ。
     /ヽ       }  \ 
   /   ヽ、____ノ     )   「活人剣のためには殺人刀もまた必要だ。
  /        .   | _/    だから剣術は存在する」
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (      というわけだな。
   \  /   /⊂_)

     ____
   /      \        …なるほど。
  /  ─    ─\      すぐ後にこうやってフォロー入れてたのかお。
/    (−)  (−) \
|       (__人__)    |     「活人剣(一殺多生)」という目的があって、
./     ∩ノ ⊃  /     その手段として「殺人刀(剣術)」がある…そういうことかお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
322 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:35:16.68 ID:i8VajmY0
              ...
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|    『熟(つらつら)想ふ。兵法といはば、人と我立ちあふて、
| ._         .|_| ..... 刀二つにてつかふ兵法は、 負くるも一人、勝つも一人のみ也。
| |殺|        . |_|    是はいとちいさき兵法也。勝負ともに、其得失僅か也。
| |人|        . |_|    一人勝ちて天下かち、一人負けて天下まく。
| |刀|        .|_| ..... 是大なる兵法也。』
|.  ̄         .|_| ..... 
|          . .|_|  . 
|            |_| .....
|________.|_| .....
└───────┘  

       ____        …さっきフォローしたと思ったら、またトバしてるお…。
     /⌒三 ⌒\      剣士のくせに、
   /( ○)三(○)\
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\    「立ち合いとか意味ねーよ(意訳)」
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /    とか書くとか、どういう神経してるんだお?


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      まあ、これは先にも書いたが、
 |    ( ⌒)(⌒)    あくまで「家光の為に説かれた思想」だからな。
. |  u  (__人__)
  |      |r┬|}      当時の家光は、将軍家のくせに
  |      | | |}     (将軍家には不要な)立ち合いの強さにこだわっていた。
.  ヽ     `ニ}     ここは、それを諌める為の理屈ってわけだ。
   ヽ     ノ     .
   /    く  \    実際、普通の弟子に与える「進履橋」ではこんな事言ってないわけだし、
   |     \   \  そこは切り分けておくべきだろ。
    |    |ヽ、二⌒)、
323 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:37:19.04 ID:i8VajmY0

   / ̄ ̄\            ともあれ、家光を諌める為に、
  /  ノ  \\         ここでわざわざ
 |  .(●)(●)  |
. |  (__人__)  |          「ちいさき兵法」
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)     「大なる兵法」
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/     と区別して、立ち合いを(相対的に)否定し、
   ヽ     ノ   .l;;,´     「大なる兵法」こそ、将軍家に望ましいものである、
. /    ∩ ノ)━・'       と言っているわけだ。
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 22:38:23.76 ID:cnPEHVco
某イン殺さんとこのレビューで>>318の部分に爆笑してたの思い出した
325 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:39:16.19 ID:i8VajmY0
               ...... ちなみに、>>1が個人的にツボったのは、
            |    .
            人    .  『熟(つらつら)思ふ』
            ̄ Y  ̄  
     / ̄ ̄\.  |    . の箇所だ。
   /   ⌒  \    ...この後、立ち合いの否定が入るわけだが、
   |  ミィ赱、i .i_r赱     .この言葉に含まれた宗矩の脳内回想とかを想像すると
.   | ::::::⌒ (__人__)    .非常(ディ・モールト)に赴き深い。
.   |     トエエエイ   .....
.   ヽ     `""´}    .. きっと親父とか甥とか息子とかの顔が色々浮かんで、
    ヽ     ノ     ..かなりシブい顔になっていたんじゃねえかな?
     /    く     ......


                       . そう言われると…確かに目に浮かぶようだお!
                       書きながら色々思い出して、
       ____           
      /⌒  ⌒\           「お前ら趣味(剣術)ばっかやってんじゃねーよ!
    。o(゜>)  (<゜)o 。          ちゃんと仕事しろバカ!
   /::::::⌒(__人__)⌒::::: \      .  立ち合いとか意味ねーっての!」
  .|     |r┬-|     |   て  
   \      `ー'´     /( `´) そ   とかヒートアップしながら書いてそうだお!
  /           \ノ ノミ  .....実体験が滲み出た一文でもあるわけだお!
  |\ \・      ・ \____ノ    ...説得力あり過ぎだお!
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 22:40:02.45 ID:/GvETgUo
ヒートアップてwwww
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 22:41:12.64 ID:9JV.pqoo
剣術家の書なのにもうここで既にトバしっぷりがハンパなさすぎるなあ
これは後世色んな脚色されちゃう訳だよ
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 22:42:01.84 ID:.3EU0sUo
「策を帷幄の中に運らして、勝つことを千里の外に決す」
これは「進履橋」のところに出てきた張良を称えた文ですね。

「兵は不祥の器なり」は「老子」からの引用。

「進履橋」に出てくる殺人刀、活人剣は剣で戦う技術で今回の主題である
活人剣とは別物らしい。
329 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:42:19.02 ID:i8VajmY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|    『一人とは、大将一人也。天下とは、もろもろの軍勢也。
| ._         .|_| ..... もろもろの軍勢は大将の手足也。
| |殺|        . |_|    もろもろの勢をよくはたらかするは、大将の手足よくはたらかする也。
| |人|        . |_|    諸の勢のはたらかぬは、大将の手足はたららかぬ也。
| |刀|        .|_| ..... 太刀二筋にて立ちあふて、大機大用をなし、
|.  ̄         .|_| ..... 手足よくはたらかして勝つごとくに、
|          . .|_|  . 諸の勢をつかひ得て、よくはかりごとをなして、合戦に勝つを、
|            |_| ..... 大将の兵法と云ふべし』
|________.|_| 
└───────┘

                     さて、こいつはさっきの続きだ。
      / ̄ ̄\ ( ;;;;(     「進履橋」でも触れていたが、
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)     立ち合いと、軍勢を率いて戦うことが
    |  (●)(●)/;;/      どういう具合に通じるものがあるかを説いている。
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l        『大将にとって軍勢は手足である。
    | .l _ニソ    }         立ち合いで己の手足を使うように、
     /ヽ、_ノ    /         軍勢を用いるのが大将の兵法で、
    __/  /    ノ__         剣術はそれに応用できるものである』
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.     というわけだ。
  ト、_,/.       |、  ヽ   「大なる兵法」とはどういうものか、という補足でもある。
   |         |/  /

                 ____        この辺は、どっちかというと
               /      \      例え話っぽい感じだお。
              ─   ─    \     何かを人体に置き換えて語るのは、
             (●)  ( ●)      \    割とよく見るパターンだお。
             | (_人__)        |    普通にわかる話だお。
              \` ⌒´       /  
               / ー‐       ヽ    じゃあ次行くお。
              /            `  
330 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:45:59.33 ID:i8VajmY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   『又両陣たがひに張りて、戦場に出て勝負を決するは云ふに及ばず、
| ._         .|_| ..... 大将たる人は、方寸の胸のうちに両陣を張りて、
| |殺|        . |_|    大軍を引きひて合戦して見る。是心にある兵法也。
| |人|        . |_|    治まれる時乱をわすれざる、是兵法也。
| |刀|        .|_| ..... 国の機を見て、みだれむ事をしり、
|.  ̄         .|_| ..... いまだみだれざるに治むる、是又兵法也。
|          . .|_|  . すでに治まりたる時は、遠き国々のはてはてまでも、そこの国へはたれ、
|            |_| ..... ここの国はへたれたれと、受領・国司を定め、
|________.|_|    国の守をかたふする心の配り、是又兵法也』
└───────┘

           / ̄ ̄\           あ…ありのまま 今 起こった事を話すお!
         /       \
        / ヽ   ノ  u  \        『おれは兵法についての論を読んでいたのに
       /´| fト、_{ル{,ィ'eラ,   |         いつの間にか治国についての論になっていた』
     /'   \ .(__人__)⌒`  /
    ,゙  / )ヽ(,`⌒ ´    / ヾ、       詭弁だとか屁理屈だとか
     |/_/  /  ̄ ̄ ̄      ヽ      そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ。
    // 二二二7      __    `ヽ    もっと恐ろしいものの片鱗を味わったお…。
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´     -‐  \
   / //   广¨´  /'       ´ ̄`ヽ ⌒ヽ
  ノ ' /  ノ `ー- 、___            ヽ  }
_/`丶 /         ̄`ー-- {.       イ


     / ̄ ̄\      
   /   ⌒  \    いやー、清々しいくらいの超展開だよな、これ。
   |  ミィ赱、i .i_r赱   これを将軍家に面と向かって言って、
.   | ::::::⌒ (__人__)  しかも通しちゃってるんだから、大したもんだよ。
.   |     トエエエイ    この辺りを読むたびに、ニヤニヤしてくるものがあるぜ。
.   ヽ     `""´}   ここまでトバすのは大したもんだよな!
    ヽ     ノ
     /    く
331 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:48:26.70 ID:i8VajmY0

【問】                 【結論】
@『戦で勝負を決する』    .→ 当然兵法である。

A『戦を想定して
  シミュレーションする』   → 兵法である。

B『平和時にも、
  戦が起こることを想定し、
  それに備える』       → これも兵法である。

C『平和時に、戦の危険を
  事前に警戒し、
  戦が起こらぬようにする』 → これまた兵法である。

D『平和を維持するために
  適材適所を心がける』   → なんとこれも兵法である。

      _,,.. - 、
     ,.-'      `' 、.
   ,r'       ,rfn、 \       こうやって整理すると、Dを兵法と言い切るのは
    ,'  ,rffn.   '"     ヽ      相当にアレなんだが、@からDまでを順に言い、
   .i  '"     ,riiニヽ.   ',.    個別単位で、
   {  ,riiニヽ      _.    ',
   !   ,..  _,,.. -‐' _,..r'  i     「上様、これも兵法でございますぞ」
   ',   '、., __ ,.. -‐''"゙  }  |     「うむ、確かに」
    `、  ヽ        !   }
     '、  ヽ      ./   !     とかいう具合に、Dまで納得させていったんだろうなあ、とか思うと、
     \  `ヽ==='゙    ,'    もうたまんないものがあるな!
       ' 、        /
        `''‐   . r' 
         /    く  
         |     \     
          |    |ヽ、二⌒)

       ____
     /      \
   / ─    ─ \     やらない夫、イイ顔し過ぎだお…。
  / -=・=-   -=・=- \  でも実際、よくこんなのを通したもんだお。
  |      (__人__)  U  |
  \     ` ⌒´     /
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 22:50:48.16 ID:UH4Rlrco
まあ、孫氏の兵法も、本質は国家論だからなあ
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 22:51:23.80 ID:QJuVji6o
>>331
新陰流的には、それほどの超展開ではないのかも。
新陰流は相手の一手先を読んで対応することを重んじる。
これを戦争に置き換えれば行き着く先は
「戦争が起こりそうな気配を読んで先に潰す」
つまりCまではOKと。
334 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:51:28.74 ID:i8VajmY0
                      まあ、実際、
        / ̄ ̄\        よっぽどの家光からの信頼がなかったら、
      /   ⌒   \      こいつは通らなかったと思うぜ。
     ( へ)( へ)  |
     .(__人__)      |       逆に言えば、それだけ家光から見て、
      l` ⌒´    .|      宗矩の剣の腕と政治的才能は
      {          .|      高く評価できるものだったんだろうな。
      {       _ |
     (ヽ、ヽ   /  )|       「宗矩が言うならそうなのだろう」
      | ``ー―‐'| ..ヽ|
      ゝ ノ    ヽ  ノ      という具合に。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


         ___         とにかく、これで宗矩が、どうやって
      /)/ノ ' ヽ、\
     / .イ '(●)  .(●)\      「兵法は治国にも繋がるものだ」
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |    と論理展開していったのかわかったお。
  . \ ヽ           /   この後はどうなるんだお?
335 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:53:23.20 ID:i8VajmY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   『受領・国司・代官・地頭の私ありて、
| ._         .|_| ..... 下のなやみとなる事、尤も亡国の端也。
| |殺|        . |_|    此機をよく見て、彼受領・国司・代官・地頭の私に、
| |人|        . |_|    国を亡ぼれさぬ謀、
| |刀|        .|_| ..... 是立相の兵法に手字種利剣(※)の有無を見るがごとし。
|.  ̄         .|_| ..... よく心をくだきて見るべきにや。
|          . .|_|  . 是兵法の大機なるもの也』
|            |_| .....
|________.|_|   
└───────┘  ※ 「相手の動きを見て、隠している相手の手立てを見極める」の意

         ____
       /::::::::::  u\
      /:::::::::⌒ 三. ⌒\     …もう完全に剣術で治国する語りに入ってるお…。
    /:::::::::: ( ○)三(○)\   でも、前からの流れだと、あんまり違和感ないから凄えお。
    |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒  | 
     \::::::::::   ` ⌒´   ,/ .  「諸大名や代官の私心(私腹を肥やす)を、
    ノ::::::::::u         \    剣術で得た「手字種利剣」で見抜くのだ。
  /::::::::::::::::     u           このポイントが兵法から学べるのだ」
 |::::::::::::: l  u           
 ヽ:::::::  -一ー~、⌒)          とか無茶振りがパネェお…。
  ヽ::::::::___,ノ


     / ̄ ̄\       いや、大したもんだよな、これ。
   /   _ノ  \     確かに、
   |    ( ⌒)(⌒
   |      (__人__)     「部下の腐敗は組織崩壊の始まり」
.   |        ノ     「部下の動きをよく見て、腐敗が起こらないようにせよ」
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ      ってのは、その通りだから、
  (.  \ / ./_ノ │   誰にも否定できないけど、そのための技法として、
  \  “ /___|  |    「兵法」を入れ込んでくるセンスは宗矩ならではだろ。
.    \/ ___ /
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 22:54:41.78 ID:9JV.pqoo
つくづく、基本スポーツ大好きの脳筋一家に
なんでこんな突然変異種が生まれたかってのが不思議に思えてくる始末
337 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:55:47.51 ID:i8VajmY0

                『又君の左右に佞人(ねいじん)ありて、
                上にむかふ時は道ある風情をなし、下をみる時は目をいからす。
                此人に手をつかねざれば、よき事をあしきに申しなし、
                罪なき者はくるしみ、罪ある者は却而ほこる。
                此機を見る事、手字種利剣よりも大切也。
                国は君の国也。民は君の民也。
                ちかく左右につかふまつる者も君の臣也、
                とをくつかふる者も、同じく君の臣也。
                親疎いくばくぞや。君の御為には、手のごとく足のごとし。
                
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|      (中略)
| ._         .|_| ..... 
| |殺|        . |_|    しかるに、ちかき者遠きをかすめ、罪なきをくるしめば、
| |人|        . |_|    くもりなき君をうらみたてまつらん。
| |刀|        .|_| ..... 
|.  ̄         .|_| .....   (中略)
|          . .|_|  . 
|            |_| ..... 是左右の者のする所にして、君のとがにあらず。
|________.|_|  .  此機をよく見て、とをきもめぐみの外ならぬ様にあらまほし。
└───────┘   是よく機を見るにあれば、即ち兵法也』
338 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 22:57:10.45 ID:i8VajmY0

                 なんだか中略が入ったけど、大丈夫なのかお?
                ちょっと長くなるけど、

     ____        「側近の悪行に気づかないままだと、
   /      \       それ以外の家臣たちが、その側近のせいで苦しみ、
  /   _ノ ヽ、_.\      挙句、主君を恨むようになる。
/    (●)  (●) \     そのようなことがあってはならないから、
|       (__人__)    |     近かろうが遠かろうが家臣は同じく気遣いし、
/     ∩ノ ⊃  /     また、側近の動きは特に注意して見なければならない。
(  \ / _ノ |  |      これを見る事は、やはり兵法である」
.\ “  /__|  |
  \ /___ /      …という理解でいいのかお?


   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \      ああ、そんなもんだ。
 |  (●)(●) |     言ってる事は、まあ、今までの延長線上だが、
. |  (__人__)  |     こいつの面白いところは、
  |   ` ⌒´  ノ     側近である宗矩自身が言ってるところにある。
.  |         }
.  ヽ        }      …沢庵和尚が不動智神妙録に
   ヽ     ノ      宗矩への忠告を書いた件、覚えてるか?
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)
339 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:00:17.80 ID:i8VajmY0

       . … .         あー…確か、
       :____:
     :/_ノ  ー、\:       「十兵衛や宗冬がアレなのは親のお前が悪いからだよ!」
   :/( ●) (●)。 \:     「人んち押しかけて能踊るな。ほとんどビョーキ(死語)だぞ」
  :/:::::: r(__人__) 、 :::::\:
  :|    { l/⌒ヽ    |:    とか怒られたやつかお?
  :\   /   /    /:   あれは笑ったお。

 
   / ̄ ̄\        …まあ、それもあるが、
 /   _ノ  \      それとは別の件、つまり、
 |    ( ー)(ー)
. |     (__人__)      「挨拶の良い者達を
  |     ` ⌒´ノ       家光に良いように取り成している、という噂があるから
.  |       nl^l^l     .気をつけよ」
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く      という忠告だよ。
   /     ヽ \
340 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:02:23.33 ID:i8VajmY0
           ___
       /      \
      /ノ  \   u. \    そういえば、確かにそんなのがあったお…。
    / (●)  (●)    \  でもそれをわざわざここで書いてるって事は…?
     |   (__人__)    u.   | 
     \ u.` ⌒´       /
    ノ            \
  /´               ヽ


       ., ──‐、
      /     \
.     .|     _ノ  ヽ          そう。
     |     ( ●) (●)        沢庵の忠告を宗矩なりに消化したってことだな。
     |       (__人__) , -―ーっ
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄     家光の側近である宗矩が、
.      ン         } ゙| ̄'|       わざわざこれを書いているというのは、
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |      .ある種の自戒も含んでいる、ということなんだろうな。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |
| |  /   /    r_____ /        そう思うと、なかなか大したもんだよ。
| | /   /      |i             さ、次行こうか。
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
341 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:04:43.20 ID:i8VajmY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   『又友に交りて、はじめ終りたがはざるも、
| ._         .|_| ..... 機を見てなす所なれば、兵法の心ならざるにあらず。
| |殺|        . |_|    一座の人の交りも、機を見る心、皆兵法也。
| |人|        . |_|  
| |刀|        .|_| .....  (中略)
|.  ̄         .|_| .....
|          . .|_|  . 実に事はかれども、理は一つの物なれば、
|            |_| ..... 天下の事にあつるともたがふべからず。
|________.|_|  
└───────┘  

                             「人付き合いも、場の空気を読むことも、全部兵法」
                     *'``・* 。
                  ★     `*。   「事は色々あるけど、根っこの理屈は一つだから、
                      |       *    これは天下のことに当てはめても間違いはない」
         ____      |       *
       /⌒:::::::⌒\     |       +゚   …アレも兵法、コレも兵法…兵法兵法…
     /( ◎):::::(◎)\   |      ゚*  …兵法地獄だお〜ッ!!
    /::::::⌒(__人__)⌒::::: \/⌒)     +゚
    |  u   |r┬-|     | ノ   。*゚     ホント宗矩さんの手に掛かると、
  __\     `ー'J::::    .// 。*・ ゚     あらゆる物事が全部兵法で説明できちまうんだお!!
(⌒               |。*・ ゚          大槻教授のプラズマも吃驚だお!
 ""''',。ヽ_       。*・ ゚             .アヒャヒャヒャヒャ!!
342 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:07:01.83 ID:i8VajmY0
             /7Г|ロロ冂
            `/ / | | [二 二]
            /_/ |_| [二 二]
                  凵 ロロ┐
            ボギ ベギ   /_/
               \丶ハノ(/
               )"⌒ヾ( バギ
               / ̄ ̄\
       ゚    mn / ノ  \ \⌒)mn
    (⌒ヽγ⌒)i_j_j_| |  (●)(●)  | i_j_j_j ふんむっ!
   /○))⌒    ヽ |  (__人__)  .|    `:、
  /  V         |   ` ⌒´  |     i、:
  |        / / |         } ノ    i、:
  ゝ       / / /ヽ       }以     i :
   ヽ、.____/ //   )     ノ  \    i :
        (__丿 \     Y      ノ\    )
            |     ミ|ミ     |   ヾ‐‐'
343 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:08:34.55 ID:i8VajmY0
     . -──- 、
    /       ヽ
   j            ',    まあ、おちつけよ……
   |   ______,, ,,___ |   さもなきゃ このAAのまま いっちゃうぜ…
   |  ‐kz-   -ァ'|
   !       、,  _.L.._
    '.       ‐=/    \
    ',     〃__   ,.ニ、 ヽ     それはとてもかんべんだお。
     ]i、  _ノ ゝ.._) 、, ヽ.ノ- `ヽ   おちついたから もとにもどしてくれお。
   /^  〃    /{    j    }
  /    八   /  ̄ 二⊇   /
  {      ゞ._/    _.三ュ ∠
  \   ∨´ /  jシ''´      `ヽ
    ヽ  ! /  l
     ',  〉'   l
      ',  {    l
      {     /
344 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:10:21.84 ID:i8VajmY0

        ____        でも、でも、やらない夫…。
      /      \      治国も人付き合いも場の空気を読むのも、
    /  _ノ  ヽ、_  \    全部兵法とか、もうわけわかんねーんだお…。
   /  /⌒)   ⌒゚o  \
   |  / /(__人__)      |   これじゃ兵法自体も
   \/ /   ` ⌒´     /   なんだかよくわかんなくなってくるんだお…。


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \      まあ、お前が混乱するのも
   |    ( ●)(●     わからなくはないけどな。
   |      (__人__)
.   |        ノ      だが、宗矩が、
    |      ∩ ノ ⊃    兵法を当て嵌めている部分には、
  /     ./ _ノ     一つの共通点がちゃんとあるんだぜ?
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /
345 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:12:48.73 ID:i8VajmY0
                   ,, -‐ 、
                  /'    ヽ
       / ̄ ̄\      ./      i
     / ._ノ  ヽ、\    /    ...........i
     |  (●)(●) |  /   ..:::::::::::::::|      …それは
     |  (__人__)  |  /  ..::::::::::::::::::l
     .|   ` ⌒´  .} ./  ..::::::::::::::::::::!       「相手の動きを見て、その考えを読む」
      |         }/  .::::::::::::::::::::/
      ヽ       ./   .:::::::::::::::::::/        という一点だ!
      .ヽ    . ./  .:::::::::::::::::::/
   ,. ‐'"´  `'‐,r''"~   .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′     ..:::::::::::::/|
:,'      /       !.:::::::/:i..:..l
r   、  /           !::::::::::: i..:..i
l  .......`:i    i         !:::::::::: ゙、:.i
!  ::::::::::/    i       i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/     i      .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::|  `、   `、  .....::::::::::::l::::::::::::  `,
/ \:::l.   `、   ヽ::::::::::::::::::::l:::::::::::  /'''ー─----、
   `ヽ   `、  .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,,   ,. ‐;''


         ____  て
       /   u \ そ
      /  \    /\     あっ…!?
    /  し (○)  (○) \ 
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /
346 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:15:02.82 ID:i8VajmY0
                 / ̄ ̄\                      実際、新陰流の根本ともいえる
               / _ノ  \.\      _,,
               | ( ●) (●) |     .l;l              『相手の心の動きを読んで、それに対応する』
              . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,    
                |   ` ⌒´  |, ト-=y  丶             という要素は、
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l           立ち合い・戦・統治・人付き合いのいずれにも
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,           根幹として関わってくるし、
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,          その部分を抜き出して、「兵法」と称すれば、
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,         宗矩の言ってる事は真理でもあるんだ。
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,         むしろ、宗矩の場合、
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、      自身の修めた技が兵法…即ち新陰流だから
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、    それを軸にしただけで、そこを除外すれば、
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l.    特殊どころか、極めて普遍的な話なんだぜ?
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">-−  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /

     ____  
   /      \ 
  /  \   ,_\.     た、確かに言われてみると、
/    (−)゛ (−) \   宗矩が「兵法を応用できる」と言ってるのは、
|  ∪   (__人__)    |   その部分が殆どだお…。
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |     そこだけで見れば、
.\ “  /__|  |    確かに理屈としてスッキリするお。
  \ /___ /
347 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:17:29.58 ID:i8VajmY0
      / ̄ ̄\ ( ;;;;(       基本となる「進履橋」でも、
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)      「兵法に肝要」としているのは、
    |  (●)(●)/;;/       .「策を帷幄の中に運らす」こと、
    |  (__人__)l;;,´|        即ち、
    | ./´ニト━・' .l
    | .l _ニソ    }          「敵の動きを見て、
     /ヽ、_ノ    /           様々に仕掛け、揺さぶって、
    __/  /    ノ__           敵の心の動きを読む」
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.      だからな。
  ト、_,/.       |、  ヽ    まさしく、「兵法」という基本を
   |         |/  /     「治国」という応用に用いるわけだ。


     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)   なるほど…。
/    (─)  (─ /;;/   だからこそ、一対一の立ち合いを「ちいさき兵法」と格下げすることで、
|       (__人__) l;;,´|    治国たる「大なる兵法」への応用を促した、というわけかお。
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |      つくづく上手いやり方だお…。
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
348 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:20:09.74 ID:i8VajmY0

                    まあ、家光は将軍だからな。
   / ̄ ̄\
  /  ノ  \\          これはあくまで相手が家光だからであって、
 |  .(●)(●)  |         一般の弟子達相手には、
. |  (__人__)  |         ごく普通に教えているわけだから、
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)   これは相手の立場の違いによる
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/     「何が相手にとって重要なのか」
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'        というのを宗矩が読んだ結果、というところだな。
 (  \ /|_ノ ヽ        まあ、言ってみりゃこれもまた兵法ってとこか。
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/         さ、次に行こうか。
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:20:58.67 ID:QJuVji6o
「殺人刀」の要旨は「空気読め」か…
350 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:22:00.15 ID:i8VajmY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   
| ._         .|_| .....『兵法は人をきるとばかりおもふは、ひがごと也。
| |殺|        . |_|    人をきるにはあらず、悪をころす也。
| |人|        . |_|    一人の悪をころして、万人をいかすはかりごと也』
| |刀|        .|_| .....
|.  ̄         .|_| .....
|          . .|_|  .
|            |_| .....
|________.|_|  
└───────┘  

   / ̄ ̄\  ( ;;;;(
 / _ノ  ヽ\ ) ;;;;)   「剣術は人を斬る為だけのものではない。
 |  ( ─) (─)/;;/    人ではなく、悪を斬るためのものである。
. |   (__人__) l;;,      一人の悪を倒し(殺し)、万人を救う(活かす)ためのものである」
  |    ∩ ノ)━・'
.  |   /  ノ´ }       …というところだな。
.  ヽ  / /    }       まあ、冒頭にあった剣術の意義を再確認してるわけだ。
   ヽ/ /   ノ

             (ヽ三/) ))
         __  ( i)))
        /⌒  ⌒\ \    なんていうか、
      /( ●)  (●)\ )   漫画なりゲームなりアニメなりで、山ほど出てきた主張だお!
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\   「一人の悪」側が主人公だったりする話も結構あるけど、
    |    (⌒)|r┬-|     |   まあ、概ねはこれだお。
    ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/
    | | | |  __ヽ、    /      そう思うと、結構定着してるもんだお。
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |
    `ー---‐一' ̄
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:22:02.42 ID:ZZYJwJEo
「空気」じゃなくて「真意を読め」って事だな。
352 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:25:27.82 ID:i8VajmY0

 とりあえず、この辺りまでが、
「活人剣・治国平天下の剣」の「意義」の根幹を成す

  「活人剣」
  「大なる兵法」

 の大体の説明になっている。
ここまでの宗矩の主張をざっくりとまとめると、こうなる。

         |        .@ 太平の世において、本来、兵法は使うべきものではない。
    / ̄ ̄\       ...  だが、万人を苦しめる悪が現れた時、それを殺さねばならぬので、
   /   _ノ  \.     ....  学び、用いるものなのだ。
   |    ( >)(<) 
.   |  ::::::⌒(__人__)     .A そして大将(家光)にとって、立ち合いの剣は不要である。
   |     ` ⌒´ノ      .  むしろ、大将にしか出来ない「大なる兵法」、
.   |         }.    。   即ち、治国平天下を実現する兵法にこそ心を砕くべきである。
.   ヽ        }    /
    ヽ     ノ   ./  ..B 剣術(新陰流)で学んだ「相手の心の動きを読む」ことは、
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)     その「大なる兵法」に応用が利くのである。
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

         ___
       / ⌒  ⌒\       これを家光以外に適用すれば、
      / (⌒)  (⌒)\
    /   ///(__人__)///\      「普段は自ら好んで剣を振わず、治国平天下のために働き、
     |       `Y⌒y'´    |      一朝事あらば、その剣を用いて悪を斬り、万民を救う」
      \       ゙ー ′  ,/
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ      まさしく、「太平の世の剣」だお!
      / rー'ゝ       〆ヽ     なんだか藤沢周平みたいな感じだお。
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|
    | ヽ〆        |´ |
353 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:28:37.10 ID:i8VajmY0

                     まあな。
                    それまでの剣術が、あくまでも
                    「戦に勝って手柄を立てる」「そして何より生き残る」ための
         / ̄ ̄\      「戦国の世の実用術」だったのに対し、
       / ヽ、. _ノ \    この宗矩の「活人剣・治国平天下の剣」は、
       |  (●)(●) |    「戦の無い世での剣とは何か?」という
       |  (__人__) |    「太平の世の剣術」の意義を確立するためのものだったんだ。
          |   ` ⌒´  |
        |        }      そして、辿り着いた答えが、
        ヽ       }     上で述べたものだったわけだ。
        人_____ノ"⌒ヽ
      /           \
     /            へ  \
     (  ヽγ⌒)     |  \   \
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


                    これは確かに、
       ____         将軍家剣術指南役である宗矩にしか出来ない仕事だお。
     /_ノ   ヽ_\       他の剣士じゃ、そもそも家光に呼ばれないわけだし…。
   /( >)  (<)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \     しかし、当の将軍家剣術指南役の宗矩が、
  |     |r┬-/      |    よくここまで思い切った変化を打ち出せたもんだお。
  \     ` ̄'´     /    感心するお。
354 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:30:10.52 ID:i8VajmY0

    / ̄ ̄\
  /:::::::⌒ ⌒\
  |:::::::::(●)(●)|     でもな…この宗矩の「活人剣・治国平天下の剣」には、
 . |:::::::::::(__人__)|   実はまだ先があるんだよ…!
   |::::::::::::` ⌒´ |
 .  |::::::::::::::    }
 .  ヽ::::::::::::::    }
    ヽ::::::::::  ノ
    /ヽ三\´
    |:::::::::::::::: \

           ___
       /      \      や、やらない夫?
      /ノ  \   u. \   そんなもったいぶって、何が残ってるんだお?
    / (●)  (●)    \  「太平の世の剣術の意義」は、これで決まりじゃないのかお?
     |   (__人__)    u.   | 
     \ u.` ⌒´       /
    ノ            \
  /´               ヽ
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:30:55.17 ID:Rf1GGfwo
…おや、続きがあるのか
356 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:31:51.85 ID:i8VajmY0

          / ̄ ̄\        ああ、実はまだ全部じゃないんだな、これが。
        / −  − \      最初に「活人剣・治国平天下の剣」の概要を紹介した時、
        |  (●)(●) |
        |  (__人__)  |       「活人剣」
         |   ` ⌒´  ノ       「大なる兵法」
        |         } 
        ヽ        }        の他に…「もうひとつ」挙げただろ?
         ヽ     ノ     _
        _/     l__   / /
   __ゝ_/         ヽノ   ノ
   \___ノ'          ノ


         ____  て
       /   u \ そ
      /  \    /\     あっ…!?
    /  し (○)  (○) \  そういえば、そう…「剣禅一致」がまだあったお!
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /
357 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:33:56.38 ID:i8VajmY0

   / ̄ ̄\           そう。
 / ノ  \ \/`i      世間的に「活人剣」と並んで有名な
 |  (●)(●)./  リ      この「剣禅一致(あるいは剣禅一如)」については、
. |  (__人__)..|  /       まだここまででは触れていないんだ。
  |   ` ⌒´ リ  ヒ
.  ヽ     //  ,`弋ヽ     言ってみれば、
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l   ここからが沢庵から得た「不動智神妙録」の
   /〈  `ー〈::....ノ   V   影響が強まる部分であり、
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //    後の世まで剣術全体に影響を及ぼす部分でもあるわけなのさ。
    |    フ-、`ー┴‐-〃
         `ー‐一′

       ____
     /      \       う〜わ〜…宗矩だけでも大概なのに、
   / ─    ─ \     これに沢庵が加わったら、どこまで超展開するか、
  / -=・=-   -=・=- \   .想像もつかないお…。
  |      (__人__)  U  |
  \     ` ⌒´     /
358 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:35:49.31 ID:i8VajmY0

                …というところで、タイミングもいいので、
               今回はここで区切らせてもらう。

                次回は、この「剣禅一致」にまつわる部分と、
               この後、記述される個別の技法や心法に関しての
               説明を入れていこうと思う。
      / ̄ ̄\
     /  ⌒ ⌒ \   また次回も俺とやる夫になる予定だけど、
     |  (●)(●)| また見てもらえたら嬉しいぜ。
.      |   (__人__) |                         / ̄ ̄ ̄\     やる夫も久々に出番多めで
      |   `⌒´  ノ                    / ⌒    ⌒ \   スッキリしたお!
      |        }                     / (⌒)  (⌒)   \ 
.     ヽ       .|                     |    (__人__)///   |
   _/⌒ヽ     ィ                       \          /
  i'⌒゙l |   l       \                    / ̄         ̄ ̄)___
  |  |. |   |       ト \                    / //        /'./ / 〃 ⌒l.
  |  | ( " ̄⌒ヽ、 |_" ̄ ̄⌒ヽ、 _____/⌒\./         /   し'_|;;;;;;;;;;;;|
  |.   ̄ ̄ ̄ ̄|ソ,),) ̄`ヽ ̄⌒ヽ|,),)ソ .l'⌒゙l  ( ゙̄^  ヾ  /⌒ l\ /   |⌒゙|;;;;;;;;;;;;;|
  |        l  .| y  |_ィ   |  .| |  |──=`──‐/  /────|   |;;;;;;;;;;;;;|
  |        |  .|.|   |  |  |   | |  |         ノ_  /       |   |;;;;;;;;;;;;;|
  |        |   |___|  |__|  | |  |        iヘ__ソ         |   |;;;;;;;;;;;;;|
  |_______.|___(__゙)__{___゙)_|__|__|_______ ̄_______.|__|;;;;;;;;;;;;;|
359 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:37:32.78 ID:i8VajmY0

 さて、じゃあ明日もまた仕事だし、
飯でも食いに行こうぜ!
               / ̄ ̄\
              / ヽ、_   \
             (⌒)(⌒ )    |   こないだは天一だったから、
              (__人__)     │  今日はカレーにするお!
             (,`⌒ ´      |  
      __      . {        |     ____
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      l1 ,. -  、   ` ー   イ-、 /( >)  (<) \/ /
    rz=γ⌒ヽ  \rf} ィ ̄>、 1 //::::::⌒(__人__)⌒:::::/ /
    Y⌒ Y1  ! z=、}z} `´/:.:.:}ミ、::! |    /| | | | |   / /
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    _,.く:::::::::ヘ  `Y: : : : :\─-`Y´:/: :!/    ̄ ̄ ̄   ,/
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【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1)「解説・兵法家伝書(進履橋・殺人刀)」】 完
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:38:47.98 ID:QJuVji6o
乙です。
大分の兵法については、五輪書でも似たような記述がありますな。
両者の関連なども調べたら奥が深そう。
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:39:23.61 ID:E5H5Sl2o
乙でした
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:39:29.71 ID:fDKzUPUo
乙!
やる夫ひさしぶりww
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:40:23.39 ID:Rf1GGfwo
おつでしたー

後の先をとる、というのは確かに汎用性あるっすね
しかし理屈と膏薬は(ry
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:42:10.62 ID:wCY8d1Eo
乙。

>>363
下手しなくても単なる精神論になりかねないからね。
結局は宗矩という人の実践あっての理論じゃないかと。
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/13(日) 23:43:14.88 ID:xuO13jk0
乙でした
366 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/13(日) 23:43:53.28 ID:i8VajmY0
 てなとこで今回は終了でアリマス。
今回もお付き合い、ありがとうございました>皆様

 以前、「兵法家伝書」の解説を別にやったことがあったのですが、
改めて読み直すと、しみじみ味わいがあって面白い本でアリマス。
当時の状況とかを考慮に入れて読むと、何気ない一文から
宗矩の感情とかを脳内演出できたりして愉快痛快。

 今回のところは、この「活人剣・治国平天下の剣」の
思想のベースとなる部分なので、かなりベタに原文を引用しましたが、
次回からはかなりはしょるかもで砂。
つか、兵法家伝書分111Pのうち、まだ17Pまでなので、
今の時点で解説を3話構成で終わらせるのが絶望状態気味でアリマス。
うひい。

 では、今回はこんなところで。
来週は荒山先生の新作「徳川家康(トクチョウンカガン)」が出るので、超楽しみでアリマス。
あの暗黒コンビが凄いことになってしまってマァ大変であり、
買ったら速攻で全読みしてレビューしたいところ。
(つか、買ったその日に書いた「鳳凰の黙示録」のamazonレビューが
 いまだに反映されないってどういうことなんじゃろか…文字数?)

 それではではー。
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:45:10.86 ID:inSCeq2o
乙乙!

次回も楽しみだぜww
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:49:29.73 ID:wCY8d1Eo
>>366
文字数だと思うよ。
800字限度とか言ってるけど、600字くらいをめどにしないと時間がかかる。
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:51:03.16 ID:EOjwYV.o
乙ですた〜
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 23:52:02.63 ID:6Kdm6ZMo
御疲れ様でした。

兵法家伝書は、後半の新影流目録もおもしろいんですよね。
イラスト入りで漢字が難しくても、絵を見て大体のことがわかるというサービスぶり。
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 00:28:49.12 ID:JBI5ipc0
毎度お疲れ様であります。
トクチョンカガンは頭が悪くてたまりませんな。ムトードリとかは本屋の店先で大いに笑いそうになったっけ…
そう言えば、張良もシャクチに登場していたっけ。
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 00:32:19.08 ID:7uYuaqco
兵法とは男女の交わりにも通じるのだ!
とかいっていきなり十兵衛と小野一刀流の娘が
ギシアンする荒山ワールドは、
こうした基礎を踏まえた上のことなんですね!

土台の上に斜め上にヤク撃ってぶっとばない限り思いつきそうもないが
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/14(月) 00:34:06.31 ID:c2KPerc0
面白かったす。説得力のある超理論ってのは不思議と魅力がありますね。
この兵法家伝書が柳生武芸帳に繋がったりするんですか
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 17:41:13.00 ID:vbkihgEo
衆道も兵法ですねわかります。
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/14(月) 17:54:06.49 ID:sfhOJ1ko
>>374
『恋愛も武士道』by葉隠
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 00:57:47.87 ID:0ChLakU0
今更ながら作者さん乙でした。

今日(もう昨日か)本屋で買っちゃった。まだ殺人刀までしか読んでないのですが、
懸待って下の理解で良いのでしょうか?

懸→
                r,''ヘ_  
              _,,,,_⊂-くノ`ヽ,
          _  〆_゙'ir''⌒"  )
         ξ⊂!  っ》`   く ∠___
         .''\ノ''''‐`` i、 ,ノ  │,-ヽ7=、、 ,,rー'"`-、
           \_゙l、,,,_,/i゙、 ,ノ 〈 ゛  `ヌ⌒ )/=i、 l
                 `゙゙'''"`'ミ--/-,_  ´ /"  `''
                        \ .,,、`lニン-゛
                      \__ノ
待↓
      ___
    _ ┐  /            
    / 'rlご ┥ .,,,、 
    |  |゙ `jエ |〈゙',) 
    ゙l,,,i´ /,/,ノ"r
   ,r_,ノ''こ!、,,┴.
   |  ‘''く′ ,/ │
  .r'ヘ,、  `'イ゙>'"
  .厂|,`'-,,  .|'ヽ、
377 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編1) [saga]:2009/09/15(火) 01:22:37.05 ID:cTiS3dQ0
>>360
 五輪書との比較もどっかのタイミングでやっておきたいところでアリマス。
今回の外伝でやるか、もっと後でやるべきか、さてはて。

>>368
 むう。
文字数多めだったのが悪影響してたので砂。
ありがとうございます。

>>376
 そしてこうで砂。
             ┏┓┏┳┓
           ┏┛┗┻╋┛               \  i
           ┗┓┏┓┃                ── +<コノママデハ オワランゾー
             ┃┃┃┃ ┏┳┳┓          // | \
             ┗┛┗┛ ┗╋┛┃        /  / |
                        ┗━┛      /   /
                       ̄ 二─ _
                          ̄ 、  - 、
                           -、\   \
          /                  \\   \
         //                  \ヾ ヽ     ヽ
        ///                 \ ヾ、 |       i
     /__(                     |! `i        |
    <_,へ >- 、       ,.-、_         |         |
       \ノ人\    / 、 }! \        |         |
         \へ〃\/ヾ\_ノ、ノ人 ,.-、    |         |
          \|\rj\ヾ /   \_フ ,/   |! リ        |  
          rm\ノ _  Y     Lノ      /    |    |   
         |ヽ-r< ̄`ヾr' ̄ヽ           / /  /    /
        | └、ノ/ ̄`,-`┐ {         _/ / /  //
       レ⌒\!_  ー -{ ノ }         /  / /
             ̄`ー一 '゙        _//_ /
                       _二─ "

『身足手にて敵の先をおびき出して、とかく敵に先をさせて勝つ也』
378 :1 [saga]:2009/09/15(火) 01:24:06.28 ID:cTiS3dQ0
 なので敵が攻めてこなかったら、こうでアリマス。

        _____
.       __`ヽ   ,トr,' ´ ,.へ,
.      ,イ,ィ'⌒"゙f''ト、!ヽ, ィ゙ ./  , _-_‐_‐ - 、
       バ, k,ゝ└ト、└ ''゙ ,ス ´''~    .`Y \
      j、 ` ーク'ー-‐ぅ7',´ ,ノf⌒ヽ, ___ ,ノ   〉
     .f`'`ー-R,,__   `'<,グ. ゝ、       . /
      |    、  `' .、       `" ''''''''''' "´
        ',  .  ',__    ゙Y
       ',    | ',   .|
    ,r''゙~    〉 . い  |
  ,rァ弋   _,ァ-‐'゙  `'i"~i!
  ぃ_f_⌒"´.        ,ト、入_
  `'.ー┘.        └┴‐‐`'

 つまり…
379 :1 [saga]:2009/09/15(火) 01:24:59.75 ID:cTiS3dQ0
    ,ィィr--  ..__、j
   ル! {       `ヽ,       ∧
  N { l `    ,、   i _|\/ ∨ ∨
  ゝヽ   _,,ィjjハ、   | \   わかったぞ…!
  `ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ   > マーシャルアーツは
     {___,リ ヽ二´ノ  }ソ ∠  新陰流が起源だったんだよ!!
    '、 `,-_-ュ  u /|   ∠
      ヽ`┴ ' //l\  |/\∧  /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ /  |`ー ..__   `´
    く__レ1;';';';>、  / __ |  ,=、 ___
   「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
   |  |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,|  , -,
    ! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | |   | | .l / 〃 ))
    l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj  7
    | |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\::  ::::|  ::l /


         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!   
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・ 

     / ミ:::,..::- 、::;;;ミミミ彡)             ./´.: .:: ~:. :.`゙ー=,
    !'"  ミ:::/   u`ヽ--、'k.、  ,..-一、,.‐--、,,_   i '.: .: ,,..,.,..,.. ドヾ   __,,,,...::-一=、
    i. ミ::/ ゙゙゙''ヽ、  u   iミ;!,.'";: .: .: .: .:. :: ド;'.  i _,.ァ='-ノノi!_、i    /.: .: :   :. :.ミ
  /',、ヾ ! u ,'"´r。`ヽ、_ :. _,,iミi ''  彡_イィiレヾi゙`  iヘi ゙--゚,..` t_;7!   .i .: ,.=-、ソiヾ、.,ヾ
  ゙i 'ヘ i:┘  ゙ー---.,,  ゙i''f..i ,.i.-./r'"r。ヾ、ィ;、゙!   ゝ. u .,.-、.,.ゞ. i   .r、:i‐i' ( ;) i-i;"゙i'
   .! ゙ヾ  u    "   .:ヤ''〈ヘォi u ̄,._ ト‐-!   ,,.ィ''ヾ ド--、 〉丿   ゞ_ u゙ー=、'.冫ィ
  _,__7‐'i     ,.:-‐-、.´/ .i,゙F'i   /__.゙ラ' ,..j_,,ィ'" i. .:ヾ.==-'/  _,,../i' .、(ー-7 ノ
;'";;;゙i.  i.    /`==‐-/  .ノ: i. \ ゙、__././  ゙、  :i. ゙' .:::`゙T´ i`ー'-、;,.  ゙、 ::゙ーr-'_´
;;;;;;;;;;゙i.  ,;\  ゙、-- 、.:/ /;,: : :゙i :. ;,,`ーr'´、.__   ゙、  .i.-、 ,.-i: .i   ゙i ;,  ゙、;::::i  ';,ー、
;;;;;;;;;;;;゙i. , ; ;;\  ゙二ニ'./: : : ;,: : :゙ト、 ;;::i: : :;,: :.ヽ  ゙、 .:i.   i :i    ゙i ;,  ゙、ノ  ;'  :i


 …ということで砂。
とっぴんぱらりのぷう。
380 :1 [saga]:2009/09/15(火) 01:35:29.94 ID:cTiS3dQ0
        ───―――
   /\       ヾ、-=====─-丶\`'‐ .,_ ___ _、ニミ 三.、/
 、.ヾ 丶丶----;‐ゝ、 -:==;─- .,∠ i.丶   /_.、 -‐''` `'‐.,
 } |  ⌒l l‐┬‐'-r.| .,(_Y_) __`' ``{ .二}ゝb'ソ_ ̄ ̄ | ̄     …いや…もしかすると、
  丶 ⌒! !ニ!    l|   ̄ ̄  '''' 、d/ ̄リ`‐゙--    |      俺はとんでもない思い違いを
  丶.ノ(ゞ     \,_     _.、/  ..:;;ソ        |      していたのかもしれない……!
   \'‐\i   u.   ̄ ̄ ̄ 、..   .,__)`'‐--==ー
    |::\_、l      u.     `  ̄ 、ト:::.       i       そう……!
    |    :|                           !
    、ト  ::!          ⊂ニニニ:==‐ー     /
381 :1 [saga]:2009/09/15(火) 01:36:59.02 ID:cTiS3dQ0
        ,   / `ー---─一''"~´ ̄`ヾヽ
      i  i| ilレ           ミミミミ''"`─- 、
    , .,i! i !/i  i         ミミミミヾ   ミヾ ゙ヽ
    .i  ,!i l.| ' i  ゞ       彡ミミミヾ   ミヾヾ  `ヽ
  ,  i!、k ヽ、 ヽ          彡ミミ   ミヾヾ    ゙
  li l ヾ、    ヾ        _,,==  ミヘベ
  , |i、ヽ  ヽ、     ヽ             ヾ ゙
  !ヾ ヽー- _ ー- ,,__         〃ヾ
  ヾヽヾ ‐- ,,___             /ソツ、ヾゞ、ヾヾ
   ` 、`ー- 、...,,─--  __,,     彡ソソ ヾゞゞミミ
  ヽ.、 `ー --- .,,─--  __,, 彡ソソノ,;  ,,-弋ミミミミ
    \ ゙ー‐- 、..,,,____,,. --彡彡彡'"'",ィ'-====、ヽミミミ
      ``,.-、-─r,=====、:;;,,::;;::f" ,.'i´ o`i 冫ヽ ]-'´ ∧∧
         ゙iヾ ニill 〈 (.O)ーi` ̄´i  _`_-_'....'  li ゙_/   ヽ
        ゙i   ill::::::::;ー-‐γ'i'::l,⌒ヾ`)::::::::::;;''  〃u \
        ゙i  :ill::::::::;;  ソ::::;i,、,  ヾ:::::::;''' _,,ノ'  ,r-| 
         ゙i、  ゙`‐=='"..::::::;i,, .,,,  ゙゙'''''"~´    l_|  ガイル少佐は米空軍に潜った柳生剣士だったんだよ!!
          ヾ.イ        '''"..-一、   u   .lヽ  「待ちガイル」こそは、その確たる証拠だ!!!
            ヽ     :;;l ̄´ _,,,...,.ヽ     ,イ_〉
             ゙i. u   ;;iェ'´ i'  ヾト!    ./:! \    つまり…「裏柳生は実在する」!!
              ゙!.    :;;Fi、   ,,.ツ   ./;:;:  ゙i
             ./゙i ヽ   ゙;ヽニ二ニ-'´  ./ :;:;  / ヘ
            / i  ヽ    :..,,-‐' /::;'  ;:; /  /∨\/


         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
ミミ:::;,!      u       `゙"~´   ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ  ゞヾ  ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/   ゙̄`ー-.、     u  ;,,;   j   ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\   ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/    J   ゙`ー、   " ;, ;;; ,;; ゙  u ヾi    ,,./ , ,、ヾヾ   | '-- 、..,,ヽ  j  ! | Nヾ|
'"       _,,.. -─ゝ.、   ;, " ;;   _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ  | 、  .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
  j    /   ,.- 、  ヾヽ、 ;; ;; _,-<  //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─--  エィ' (. 7 /
      :    ' ・丿   ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、  i     u  ヾ``ー' イ
       \_    _,,......::   ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... '  u ゙l´.i・j.冫,イ゙l  / ``-、..- ノ :u l
   u      ̄ ̄  彡"   、ヾ ̄``ミ::.l  u   j  i、`ー' .i / /、._    `'y   /
              u      `ヽ  ゙:l   ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_   ̄ ー/ u /
           _,,..,,_    ,.ィ、  /   |  /__   ``- 、_    l l  ``ーt、_ /  /
  ゙   u  ,./´ "  ``- 、_J r'´  u 丿 .l,... `ー一''/   ノ  ト 、,,_____ ゙/ /
        ./__        ー7    /、 l   '゙ ヽ/  ,. '"  \`ー--- ",.::く、
       /;;;''"  ̄ ̄ ───/  ゙  ,::'  \ヾニ==='"/ `- 、   ゙ー┬ '´ / \..,,__
、      .i:⌒`─-、_,....    l   /     `ー┬一'      ヽ    :l  /  , ' `ソヽ
ヾヽ     l      `  `ヽ、 l  ./  ヽ      l         )  ,; /   ,'    '^i

                                            ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                     今度こそ d⌒) ./| _ノ  __ノ
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 06:42:40.82 ID:q4rMPSgo
なんという超論理wwwwww キバヤシに言わせるとはまりすぎるww
もうこれ伝奇ですらないよねwwww
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 07:59:33.09 ID:0ChLakU0
参りましたw
軽ーい質問のつもりだったのですが、結論は全くの予想外でしたw
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 09:34:32.80 ID:wy2DtBYo
なんでだよwwwwwwwwww
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 14:25:00.05 ID:19TFZaU0
これが柳生新格ゲー流の秘伝「待ちガイル」よ!

とかそう言うことですね。
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 14:47:27.52 ID:.jwhQyYo
というか、今では格ゲーの常識となった、
キャンセル必殺(攻撃キャンセル→必殺技コマンド)は、
柳生のまろばしであることは既に定説となっていますが(ry
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 15:08:51.29 ID:uZYGbp.0
今読み終わった乙。宗リンはつくづく異質だなぁ
親父や弟が長嶋とかペレとすると、
宗リンは野村克哉かクライフかってぐらい違うなww
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/15(火) 18:42:06.13 ID:Dnp5Fv.o
クライフは確かに心筋梗塞起こすまで宗リン同様タバコ好きだったけどさww
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/18(金) 01:59:29.05 ID:NyigCeQo
テレビ東京、正月時代劇は「柳生武芸帳」

 テレビ東京は30日、来年1月2日に計7時間放送する新春ワイド時代劇として、
「柳生武芸帳」(仮)を放送すると発表した。原作は五味康祐の同名小説。
徳川3代将軍家光の治世を舞台に繰り広げられた、徳川家、反徳川家の権力闘争を描く。
主演の剣豪、柳生十兵衛役は、時代劇初主演となる俳優の反町隆史さん(35)が務める。(30日 21:09)

ttp://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090730AT1G3002H30072009.html


反町が時代劇初主演、柳生十兵衛役に意欲

 俳優反町隆史(35)が時代劇初主演を務めることが29日、分かった。
テレビ東京系恒例の新春ワイド時代劇「柳生武芸帳」(1月2日放送)で孤高の剣豪・柳生十兵衛を演じる。
五味康祐原作の同名小説のドラマ化で、3部構成の7時間スペシャル。
リアルな殺陣などアクションシーンをふんだんに盛り込んだ内容になるという。
体づくりのために普段から殺陣の練習に励んでいるという反町は
「時代劇の中でも柳生武芸帳はとても興味のある作品。十兵衛の魅力を出せるように演じていきたいと思います」と決意を語った。
9月下旬から約2カ月にわたって撮影する予定。
ほかに父宗矩を高橋英樹(65)、弟又十郎宗冬を速水もこみち(24)が演じる。

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20090730-524867.html
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/18(金) 09:20:05.25 ID:3I4iV4Uo
反町かあ。
大河の影響か、時代劇じゃ信長のイメージが強いなあ。
主演としては初、というのはちょっと意外だった。
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/18(金) 10:09:52.24 ID:oFuU3sUo
「きちんと時代劇俳優のキャリアつんだ若手」がもう育つ環境じゃないから、
しょうがない面もあるかもしれないけど、
「反町かあ」というところだなホント。


ケータイ7の主役だった子、宗冬役にちょうどいいと思うんだ。
過呼吸気味に、「あああ兄上」とか似合いそう。
392 :1 [saga]:2009/09/19(土) 00:19:46.40 ID:yVP9vNM0
 どもども、お疲れ様です。
今夜はハイパー徳川家康タイムであり、久々にぶっ通しで読み耽る所存。
嗚呼愉快痛快。

 …じゃなくて、今度の更新ですが、
今んトコいつも通り明後日の日曜(9/20)の夜21時から始めたくー。
タイトルは「やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2)」でアリマス。

 まあ、もしかすると、
久しぶりに伝奇スレの方が更新されたりする可能性もあるかもですが、そこはそれ。
とりあえずよろしゅうですー。
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/19(土) 00:25:16.28 ID:AD6q.36o
どうですか、もう超柳生?
394 :1 [saga]:2009/09/19(土) 18:31:04.10 ID:yVP9vNM0
 どもども、「徳川家康」読了しました。
夜2時からぶっ通しで朝まで一気読みでアリマス。

 とりあえずamazonとmixiにはレビュー出しましたが、amazonは出るまで時間掛かりそうで砂。
今度は600文字でやってみたので、上手く行けばいいんですが。

 あと、一応紹介用AAも簡単に用意しましたが、
物が物だけに、一応、歴史伝奇スレの方に投げたので、そちらで見て頂ければー。
よろしゅうです。

【やる夫で紹介する歴史伝奇】
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1240743842/354-
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/19(土) 23:56:51.38 ID:NZIJ6B2o
コンビニの500円本で「天下無敵の剣士」とやらがあったので買ってみたがまあまあ面白かった
この本によると最強の剣豪は順に
上泉信綱 塚原卜伝 宮本武蔵 小野忠明 丸目長恵だそうで

この手の格付けは特に宮本武蔵のランクが難しいよな
396 :1 [saga]:2009/09/20(日) 21:02:37.81 ID:mov9PzM0
 どもども、お疲れ様です。
それではこれから投下を始めます。
タイトルは以下の通りで。

 【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2)】

 では、よろしゅうですー。
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:03:20.79 ID:zVzHg5Io
いえっさー
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:03:38.92 ID:z7IZhhso
バッチコーイ
399 :1 [saga]:2009/09/20(日) 21:04:14.37 ID:mov9PzM0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:なし】

       / ̄ ̄\
     /   _ノ  \   いきなり飯の話ってのはねえだろ、
     |   ( ●)(●)  スレ的に考えて…。
     |     (__人__)
     |      ``⌒´ノ          ____
     |   .     }         /      \
     ヽ       .}          /   ⌒  ⌒ \  やらない夫、今日は何処に食べに行くお?
       ヽ     ノ       /   (●) (●)  \
     /      \      |     (__人__)    |
     /  /     } |      \_    `⌒´  _/
    /  /.      | |     /         ヽ
    |  |      .|  |     |  |         |
    |  |       ||  |     |  |        | |
    (__)    |   |し__)    ヽ  ヽ       | |
       |   }  |          (_) _   |_)
       |   | /          |   / |   |
       |   |/           /   /  |   |
      (_⌒)          ヽ_⌒)   (_⌒)
400 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:05:28.41 ID:mov9PzM0
         ____
        /⌒  ⌒\           二週連続スレの頭からの登場だお!
      。o(゜>)  (<゜)o 。        やはりやる夫スレはこうじゃないとダメだお!
     /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      |     |r┬-|     |   て    これであとは長門か
     \      `ー'´     /( `´) そ   翠星石でも出てくれば勝ったも同然だお!!
    /           \ノ ノミ
    |\ \・      ・ \____ノ


          / ̄ ̄\
        / −  − \
        |  (−)(−) |      ああ、諦めろ。
        |  (__人__)  |     両方とも>>1は出す気レスだ。
         |   ` ⌒´  ノ
   r"ヽ   |         }      俺とお前の二人で進めるのが楽でやりやすいから、
  (   =‐' ヽ        }      これ以上他の奴がレギュラーで出る事はないってさ。
   ゝ-'    ヽ     ノ     _
        _/     l__   / /
   __ゝ_/         ヽノ   ノ
   \___ノ'          ノ
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:07:06.55 ID:LevI9CIo
ホントに女っ気ないシリーズだなあw
402 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:07:36.81 ID:mov9PzM0
      ____
    /:::::::::  u\           それはあまりに残酷無残だお!
   /ノ└ \,三_ノ\   ,∩__    断乎抗議するお!
 /:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu
 |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | |   |     足りない女っ気を補うのは
 \:::::::::   ` ⌒´   ,/_ |   |    エンタメの基本なんだお!
   ヽ           i    丿    白饅頭二人だけとか、どんだけなんだお!
  /(⌒)        / ̄ ̄´
 / /       /


     / ̄ ̄\       (自分で白饅頭とか言うなよ…)
   /   _ノ  \     
   |    ( ー)(ー)     しょうがねーな。
.   |     (__人__)    …じゃあ、ここで安価だ。
    |     ` ⌒´ノ    
   .l^l^ln      }       @とAのb振られた2人の女の子がいる。
.   ヽ   L     }     >>405の人が指定してくれ。
    ゝ  ノ   ノ      選ばれた方の娘に、お前のパートナーをお願いしようか。
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:08:16.07 ID:DmFrdWIo
なん・・・だと・・・
404 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:08:32.65 ID:mov9PzM0
           ____
        :/    \:       …そんなこと言って、
       :/ _ノ iiiii \. \      どうせ全員男とかババアとか人外大魔境とか
      /  (○)  (○)  \    そんな地獄展開に決まってるお!
     : |    (__人__)    |:
       \   ` ⌒´   /      あと、もうこれ以上
       / ⌒ /⌒Y⌒ヽ ヽ      男の娘にwktkするのも嫌だお!
      :|  \|  .i  イ |
       |\ /   人  .\!
       |  \___/  \__/:
        |        /
        |         /


       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \      安心しろ、2人ともかわいい女の子だ。
    (⊃   ( ●)(●)     地獄開始でもない。性別だってれっきとした女だ。
     |     (__人__)     惨い目にあうことは無いから安心しろ。
     |     ` ⌒´ノ
       |         } \
     /ヽ       }  \
   /   ヽ、____ノ     )
  /        .   | _/
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:08:37.57 ID:LevI9CIo
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:08:56.61 ID:zVzHg5Io
珍しくも安価すね
そういう時はAだ
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:09:41.86 ID:7yAGm1so
完全に運じゃねーかwwww
408 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:09:45.88 ID:mov9PzM0
       ____
     /_ノ   ヽ_\       ありがとうだお!>>405
   /( >)  (<)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    やらない夫!
  |     |r┬-/      |   Aだお!Aになったんだお!!
  \     ` ̄'´     /


              / ̄ ̄\
         ((  /   _ノ  \ 
            |    ( ─)(●)     おお、Aの娘か。
            |      (__人__)    それじゃ、早速連れてくるか。
         .   |        ノ  
             |     ∩ ノ)     やる夫、ちょっと待ってろ。
        ((  /    / _ノ´
           (.  \ / ./   │
           \  “ /___|  |
         .    \/ ___ /
409 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:11:24.44 ID:mov9PzM0
      / ̄ ̄ ̄ \
    //     \\      ふふふ…久しぶりの出番に続いて、
   /  ( ≡)   ( ≡) \    可愛いパートナーまで…。
   | ///  (__人__) /// |   やる夫って、もしかして勝ち組…?
    \__ `ー ' ___/    これが勝ち組さんってやつですかお?
   /    ヾ、 //  \ ヽフ
   ヽ_⌒)ハ //   | レつ||)
  i⌒l ミ゚Д゚,,彡⌒)  ヽ_ノ  ̄
  |  | ヽ__"" ヽ_ノ|  |
  ヽ  ̄ ̄ ̄/ ヽ ヽ_ノ
    ̄ ̄ ̄ /  /ヽ__)
       (__ノ
                            ..      / ̄ ̄\
                                 /  ヽ、_  \  ))
                                (●)(● )   |
          おーい、連れてきたぞ。    .   (__人__)     |
         この子がお前のパートナーだ。    (          |  ))
                                {          |
                                ⊂ ヽ∩     く
                                 | '、_ \ /  )
                                 |  |_\  “ ./
                                 ヽ、 __\_/
410 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:13:05.56 ID:mov9PzM0
        ,..-'''゙゙゙゙゙'-、
       ,i'゛::::::._―-、 l, ______,
      ./:::::::r'"::::、::::. l/::::::::::::::::::::. ̄'''ー 、
      .!::::::::.ゝ...../ ., 'ミ.:::::::::::....`゙'ヽ::::::::::::::::゙''-、
      ゙'-、,,_,,,../゙.r'´゙'――ー'" `―--;;,,,,./::::::`'、
          |  .,r'"´ .`'、   ン'',゙,゙゙゙゙''、\::::::::.l      ばぶう!
     .,, l!、 .! ."../:::::,゙,゙'-、 .r'::´::.::`'、 ゝ .\ .,ノ'''、
    ._.l,゙'!.゙/ ! .,,,ゝ l::::.(.,._,ノ::.〉 !::::.(_,..ノ:::::l    ゙l′  l
    `';;i__ .|'´   ヽ,__..,.. -゙  .`ー .. -'´           !
     .´゛ ゙│   .ゝ--'''     `'―ー'"   ,, ‐'''-....ノ
       ゙l.          __           _..ィ'´ /::: 、
        !.l     ./  !    _..-'" ./.i‐":::::::::!
        .l.\    !    ! ._..-'"   / │:::::::::::!
        ヽ .゙>...!  /''"    ,../__,,./:::::::::::./
         ` !、!  ゛゙´      / /:::::::::::::::::::./
          l、ヽ     ,,, / ン../::::::::::::::::::::/
           `".'ミ"'''''ブ‐'-ー′
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:13:17.43 ID:xjTivyAo
あああああああ
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:13:34.04 ID:JnY2szwo
うっ! この時期にこのキャラは(ry
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:13:43.06 ID:7ythI3co
ひwwまwwわwwりww
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:13:46.41 ID:DmFrdWIo
タイミングがwwwwww
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:14:08.55 ID:FkSJ1xko
作者さんは……
あの断崖絶壁みるに、足滑らせたのじゃないんだろうなあ……
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:14:20.22 ID:zVzHg5Io
間違っちゃいねーがようorz
この時期そいつは…無事を祈願するしかないな
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:14:44.85 ID:LevI9CIo
うひー、二重の意味で心が痛む
418 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:15:51.83 ID:mov9PzM0
         ___
        /⌒  ⌒\         ━━┓┃┃
       /(  ̄)  (_)\         ┃   ━━━━━━━━
     /::::::⌒(__人__)⌒:::: \         ┃               ┃┃┃
    |    ゝ'゚     ≦ 三 ゚。 ゚                       ┛
    \   。≧       三 ==-
        -ァ,        ≧=- 。
          イレ,、       >三  。゚ ・ ゚
        ≦`Vヾ       ヾ ≧
        。゚ /。・イハ 、、    `ミ 。 ゚ 。
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:16:37.39 ID:DmFrdWIo
まあ光源氏計画ってことでww
420 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:17:50.98 ID:mov9PzM0
         ___       や、やらない夫?
        / .u   \    こ、この子…というか、このAKASANは一体…!?
      /((○)) ((○))\
/⌒)⌒)⌒. ::::  (__人__) l_j :::\     /⌒)⌒)⌒)
| / / /     |r┬-|     | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) U .| |  |    /   ゝ  :::::::::::/
|     ノ    | |  |    \  /  )  /
ヽ    /    └ー.┘    ヽ /    /


               |
     / ̄ ̄\    .人
   /   ⌒  \   ̄Y  ̄
   |  ミィ赱、i .i_r赱   |   よかったな、やる夫!
.   | ::::::⌒ (__人__)     とても可愛い女の子だろ!
.   |     トエエエイ     常識的に考えて…!
.   ヽ     `""´}
    ヽ     ノ                  あぶうー >
     /    く
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:18:40.95 ID:LevI9CIo
済まん! みんなマジ済まん!
422 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:19:33.52 ID:mov9PzM0
        ノ L____
       ⌒ \ / \       そういうこと言ってんじゃないお!
      / (○) (○)\     そりゃ可愛いは可愛いけど、
     /    (__人__)   \    可愛いの種類が違うお!!
      |       |::::::|     |
     \       l;;;;;;l    /l!| !   つーかやらない夫!
     /     `ー'    \ |i   この時期に流石にこの子はマズ過ぎるお!
   /          ヽ !l ヽi   お前の得意の常識は何処に行ったんだお!!
   (   丶- 、       しE |そ  
    `ー、_ノ       煤@l、E ノ < ドンッ!!
               レY^V^ヽl
423 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:21:39.17 ID:mov9PzM0
        でかい声出すなよ…。
        この子がびっくりするだろ?
        もし泣き出したらどうすんだよ…!
    ___
    /    \       ___
  /ノし   u;  \   ;/(>)^ ヽ\;
  | ⌒        ) ;/  (_  (<) \;    ぐ、うぐぐ…わ、悪かったお…
  |   、       );/   /rェヾ__)⌒:::  ヾ;   大声出さないからやめてくれお…。
  |  ^       | i   `⌒´-'´  u;  ノ;;
  |          | \ヽ 、  ,     /;
  |  ;j        |/ \-^^n ∠   ヾ、
  \       / ! 、 / ̄~ノ __/ i;
  /      ⌒ヽ ヽ二)  /(⌒    ノ
 /       r、 \ /  ./   ̄ ̄ ̄/


   ´___  う…うぐぐ…
  :/   u\;      ____
 ;/   ノル(<)\;   / ;u  ノ し ヾ     でもこの時期に、
 ;|  (>)  _)  \;./      ⌒  \   よりにもよってこの子を連れてくる
 ;|::: ⌒(__ノェソ   /              ヽ  .やらない夫も悪いお!
 .;\ u ´   ソ /        ^     │
  ` ;\     ,  |              │  もう一回云うけど、常識はどこ行ったんだお!
   ,ヾ \_ n^^- \           , _/   常識的に考えて…!
  ;/ ∠_;i  ̄丶/ ̄        \
  ;(    ⌒)  ´   ノ         \
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:22:48.38 ID:NcWQg2oo
今、ニュース速報流れたぞ・・・
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:25:02.73 ID:zVzHg5Io
確定来たのかorz
426 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:25:31.13 ID:mov9PzM0
                           うぅ…もう二度とこんなこと言わないから、
                          頼むからこの子を親御さんのところに
                          戻してあげてくれお。
              -─‐──‐-、
           /             \    もし泣かれたら、それこそどうしたらいいか
          / ;              ヽ.  わかんないお…。
         l  U                l
         |      , 、     ;    |⌒´⌒`ヽ、
         !、  _ノ" "ヽ、__  ∪         \
          ヽ ((ー)  (ー) )::  /⌒゛`       l:
           /ヽ (_人__) __ ,ノ|     ,      |
           /   /` ⌒ ´     |.    |    ,   !
             /   /    |  `-,,,.|"   |___,ノ   |
         /.   /     |    |    |     ,lー─- 、
      , --‐-ー、_/      l     ,|    |   ,/ )    )
     く / / ァ- ,ノ      \ノ^ノ^/⌒ヽj\   /^ー-‐'
      `ー' ー´ ̄      (_(_イ_,イ、_,ィ'´__/  ̄


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \      それがわかりゃいいんだよ。
   | u  ( ─)(─)
   |      (__人__)     親御さんもそこにいるから、
.   |        ノ     すぐお返しするだろ。
    |     ∩ ノ).     常識的に考えて…。
  /    / _ノ´
  (.  \ / ./   │    それに、流石にこれはマズいかもと
  \  “ /___|  |    >>1も反省してるだろ。
.    \/ ___ /

 ※ 今、速報ニュース見ました。
   …流石にこれは自重するべきだったと反省しております。
   申し訳ない。
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:28:06.56 ID:EGW.BBMo
もう一週間早かったらなww
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:28:59.72 ID:7ythI3co
@なら誰だったのだろう・・・
429 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:29:35.38 ID:mov9PzM0
         ____
         / _ノ ヽ_\      …あーあ。
.     /u.(ー)  (ー)\    >>1に期待したやる夫が馬鹿だったお。
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \
    ヽ   L   |r┬-|    |   でも、どうせ本編でもさっぱり女っ気がないし、
     ゝ  ノ  `ー‐'    /   それが十兵衛だけじゃないことだけが唯一の救いだお。
   /   /         \  この調子だと、宗矩…やらない夫も似たようなもんだろうし…。
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


        / ̄ ̄\
      /       \    (………気の毒だから、
      |::::::        |     先の事は黙っておいてやるか。
     . |:::::::::::     |    あと、先生のご冥福をお祈りするだろ…)
       |::::::::::::::    |   
     .  |::::::::::::::    }      気は済んだか?
     .  ヽ::::::::::::::    }     じゃあそろそろ始めるぜ?
        ヽ::::::::::  ノ
        /:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:31:10.79 ID:7yAGm1so
魔法剣士への道を着々とのぼっとるなぁww
431 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:32:27.80 ID:mov9PzM0

        / ̄ ̄\    さて、前回は「殺人刀(せつにんとう)」の序文まで説明したわけだが、
      / −  − \.  今回はその続き…「殺人刀」の残りの部分についての話をしようと思う。
      |  (●)(●) |  (量が多かったので、「活人剣」はまた次回に…)
      |  (__人__)  |              ._
       |    `⌒´  │           //
       |         .|          //
       ヽ        /         //
        ヽ     ノ        //
      _/     l__      .//
 __ゝ_/         ヽ   .//
 \___ノ'        ヽ⌒)/

         ____
        /― ― \      前回は「活人剣」や「大なる兵法」について…
      /(●)  (●) \    つまり、太平の世での剣術の意義についての話だったけど、
     /   (__人__)     \.  今回は少し違うのかお?
      |    ` ⌒´      |
      \           /
        /         \
       |             )
432 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:34:26.46 ID:mov9PzM0
              / ̄ ̄\      ああ。
         rヽ  / ノ  \ \    前回触れた殺人刀の序文は、
         i !  |  (●)(●) |   実は、「殺人刀」「活人剣」両方の序文でもあるんだ。
      r;r‐r/ |.  .|  (__人__)  |
      〈_L (`ヽ .}  |   ` ⌒´  ノ    この後、「殺人刀」では、
     l` ( ``/ .  |        }    立ち合いにおける心法論、勝負論が語られるんだが、
     ヽ   l  .  ヽ       }     こいつは新陰流、ひいては”宗矩個人の兵法観”を
      |,.   l   /⌒   ー‐  ィ ヽ  表すものでもあるのさ。


         ____ 
       /      \ ´_
      / ─    ─ \    宗矩個人の…?
    /   (●)  (●)  \  それはどういうことだお?
    |      (__人__)     |
     \    ` ⌒´    ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |
433 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:37:33.03 ID:mov9PzM0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \      うん、元々、この「活人剣・治国平天下の剣」は、
   |    ( ●)(●     大将たる家光が修めるべき兵法、というものなわけだが、
   |      (__人__)    その根底となるのは、新陰流の…この場合は宗矩の兵法なわけだろ?
.   |        ノ    
    |      ∩ ノ ⊃     だとすれば、具体的な心法論、勝負論となれば、
  /     ./ _ノ     それは、より色濃く出るだろうから、そこから
  (.  \ / ./_ノ │    宗矩個人の兵法観が見て取れるんじゃないか…というわけさ。
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

           _____
         /         \        それは…何気に面白いんじゃないかお?
        /            \      言ってみれば、「将軍家剣術指南役」としてではなく、
      /     \,      ,/     \    「一剣士」としての宗矩の兵法観ってことだお?
     /  /´  `ヽ   /´  `ヽ  \
   /    (   ● l    l ●   )    \  「史実上の宗矩がどんな剣士だったか」
   |     ヽ_   _ノ   ヽ_  _ノ     | 
   |    ''"⌒'(    i    )'⌒"'     |  …これはなかなか気になるお!
    \       `┌,─'^ー,,-┤       /
     \     `ー -- -一'     /
     /                 \
    / ̄ ̄ヽ;               ヽ
    (「    `rノ                |
    ヽ   ノ              i   |
    i´ ̄ ̄`i                 l   |
434 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:40:31.18 ID:mov9PzM0
         / ̄ ̄\
       /   ⌒   \    うん、喰い付いてきたな。
      ( へ)( へ)  |   そう反応がいいと、俺も紹介のし甲斐があるってもんだ。
      .(__人__)      |   じゃ、早速はじめるか。
       l` ⌒´    .|
       {          .|
       {       _ |
      (ヽ、ヽ   /  )|
       | ``ー―‐'| ..ヽ|
       ゝ ノ    ヽ  ノ
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      …あと、ここから先は、全文をベタに引用すると、
 |    ( ⌒)(⌒)    話が進まなくなるので、重要な部分をピックアップして
. |  u  (__人__)     要点を解説していく形になる。
  |      |r┬|}
  |      | | |}      なので、いくらかはしょったり、
.  ヽ     `ニ}     順を入れ替えて話す場所も出るが、
   ヽ     ノ      どうか容赦してくれ。
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 21:42:24.84 ID:NcWQg2oo
いや、明るく送ってやろうや〜
436 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:43:15.42 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   『大学に、致知格物と云ふ事あり。致はつくすと云ふ義也。
| ._         .|_| ..... 知をつくすは、凡そ世間に人のしると云ふ程の事、
| |殺|        . |_|    ありとあらゆる事の理をみなしりつくして、
| |人|        . |_|    しらずと云ふ事なきを、知を致すと云ふなり。
| |刀|        .|_| ..... 又格物とは、事をつくすとよめり。
|.  ̄         .|_| ..... その事々の道理をしりつくせば、その事々皆しらずと云ふ事なく、
|          . .|_|  . せずと云ふ事なき也。しる事がつくれば、事もつくる也。
|            |_| ..... 理をしらざれば、何事もなさざる物也。
|________.|_|  
└───────┘   万の事はしらざる故に不審あり。
                うたがはしき故に、その事が胸をのかざる也。
                道理があきらかにすめば、胸に何もなくなる也。
                是を知をつくし、物をつくすと云ふ也。

                胸に何もなくなりたれば、よろづの事が仕よく成る者也。
                此故に、よろづの道を学ぶは、胸にある物をはらひつくさむ為也』

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \     まずこの「殺人刀」の序文以降の部分は、大別すると、
 |  (●)(●) |
. |  (__人__)  |.     ・ 新陰流における兵法上の心法論
  |   ` ⌒´  ノ     ・       々        .勝負論
.  |         }
.  ヽ        }     この二つに分けられる、というのは先にも述べた通りだが、
   ヽ     ノ     宗矩はまず、「心法論」についてから話を始めるんだ。
   /    く 
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

     ____  
   /      \      ふむ、これは、
  /  ─    ─\
/    (●)  (●) \   『学問に限らず、道を極めるのは、
|       (__人__)    |    心の中の迷いを拭い去る為であり、
./     ∩ノ ⊃  /    .迷いを全て拭い去った状態になれば、何事も上手くこなせる。
(  \ / _ノ |  |     .この状態を、”知致格物”という』
.\ “  /__|  |
  \ /___ /      …ってことかお?
437 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:46:01.76 ID:mov9PzM0
      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/     まあ、そんなところだな。
    |  (__人__)l;;,´|     そしてまだ続きがある。
    | ./´ニト━・' .l
    | .l _ニソ    }
     /ヽ、_ノ    /
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /
438 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:47:27.82 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   『はじめは何もしらざる故、一向に胸に不審も中々になき者也。
| ._         .|_| ..... 学に入りてより、胸に物がありて、其物にさまたげられて、何事も仕にくくなる也。
| |殺|        . |_|    其学びたる事、わが心をさりきれば、
| |人|        . |_|    ならひも何もなくなりて、其道々のわざをするに、
| |刀|        .|_| ..... ならひにかかはらずして、わざはやすらかに成りて、ならひにもたがはず、
|.  ̄         .|_| ..... われも其事をすながら、我もしらずしてならひにかなふ物也。
|          . .|_|  . 兵法の道、是にて心得べし。
|            |_| .....   (中略)
|________.|_|    此位にいたらん為の習也。
└───────┘   ならひ得たれば、又習はなく成る也。
                是が諸道の極意向上也。

                ならひをわすれ、心をすてきつて、
                一向に我もしらずしてかなふ所が、道の至極也。
                此一段は、習より入りてならひなきにいたる者也』


           / ̄ ̄\          ...『最初は物を知らないから、一々不安にすら思わない。
         /   _ノ  \         . しかし、一度学びだすと、わからないことだらけになって、
         |    ( ●)(●)         なかなか上手く行かなくなる。
         |     (__人__)        
         |      `⌒´ノ       ...... だが、その道を修め切れば、わからないこともなくなるので、
          |         }          不安に思うことも、そもそも意識すらせず、技が出るようになる。
          ヽ        }      (  ...
           _ヽ     ノ`ヽ、_     ) .. 兵法は、このような心持になるように心がけるべきである。
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( .. 稽古とは、この状態に至るために行うものものだ。
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)  この状態こそが、「道の至極」の状態である』
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁......
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|     ちょっと長いが、まあこんなところだろうな。
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ | ...
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   ! ..
439 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:50:10.39 ID:mov9PzM0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \      と、まあ、この辺りが宗矩の説く、
   |    ( ●)(●     「新陰流における兵法上の心法論」になる。
   |      (__人__)
.   |        ノ      つまり、剣術を振るうに際して、
    |      ∩ ノ ⊃    目指すべき至極の境地がなにであるか、
  /     ./ _ノ     そして、そこへ至るにはどうすればよいか、という話だ。
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

                                  ____
 ざっくりと見た感じ、まず、「至極の境地」は、 .   /      \ 
                               /─    ─  \
 『知らない・わからないということが全くなく、  / (●)  (●)   \
  意識せずに技を自在に振るえる状態』     |    (__人__)      |
                             \   ⊂ ヽ∩     <
 というところかお?                 .  |  |  '、_ \ /  )
これが最初に出た「知致格物」ってやつかお?   |  |__\  “  /
                               \ ___\_/
440 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:52:14.72 ID:mov9PzM0
      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/     そうだな。
    |  (__人__)l;;,´|     そして、そこに至るためにこそ、
    | ./´ニト━・' .l     稽古は積むものである、ということだな。
    | .l _ニソ    }
     /ヽ、_ノ    /
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /


      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・    うーん…でも、
. | ( ●)   ⌒)   |     「物を知らない状態」が理想だっていうのなら、
. |   (__ノ ̄    /     そもそも剣を学ぶ事自体、
. |             /      無意味ってことになり兼ねないんじゃないかお?
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ
441 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:54:12.61 ID:mov9PzM0
         / ̄ ̄\
        / _ノ  ヽ、_ \      いや、そうじゃない。
      . | ( ●)(● ) |     そもそも大前提として、
      . |  (__人__)  │
        |    `⌒´   |      「技が使える事」
      .  |           |
      .  ヽ       /       というのがある。
         >      <      これは稽古しないと無理だろう?
 r、     r、/      ヘ
 ヽヾ 三 |:l1         ヽ    それに話がややこしくなるから別に廻すけど、
  \>ヽ/ |` }        | |   単に何も知らない状態の無心と、
   ヘ lノ `'ソ         | |   知り尽くした上での無心は、概念としても違うんだ。
    /´  /         |. |
    \. ィ           |  |
        |           |  |

       ____
     /_ノ   ヽ_\       …そういやそうだお。
   /( ●)( ●)\     心構えだけあっても、技が使えなかったら
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   兵法としては意味無いお。
  |     (  (      |
  \     `ー'      /
442 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:57:33.11 ID:mov9PzM0

   / ̄ ̄\        ともあれ、宗矩はこのような心の状態、
 / ノ  \ \      つまり、
 |  (●)(●) |
. |  (__人__)  |      「何かを意識することなく振舞える」
  |   ` ⌒´  ノ
.  |         }      という状態になることを非常に重視している。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ       この後、他にも宗矩は心法…
   /    く        即ち「理想とする心の状態」について、
   |     \       表現を変え、何度も言及しているんだ。
    |    |ヽ、二⌒)
                 そいつをいくつかピックアップしよう。
443 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 21:59:38.45 ID:mov9PzM0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 病気の事
| ._         .|_| ......  かたんと一筋におもふも病也。
| |殺|        . |_|   .  兵法つかはむと一筋におもふも病也。
| |人|        . |_|   .  習のたけを出さんと一筋におもふも病、
| |刀|        .|_| ......  かからんと一筋におもふも病也。
|.  ̄         .|_| ......  またんとばかりおもふも病也。
|          . .|_|  ..  病をさらんと一筋におもひたまりたるも病也。
|            |_| ......  何事も心の一すぢにとどまりたるを病とする也。
|________.|_| ......  此様々の病、皆心にあるならば、
└───────┘    此等の病をさって心を調ふる事也』
              ....

          ____
        /_ノ  ヽ\       こりゃまた細かいお…。
      / ( ●) (●)、    ここでいう「病気」っていうのは、
    /::::::::⌒(__人__)⌒\   「こだわり」という理解でいいのかお?
    |      |r┬-|    |
    \       `ー'´  /
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ

                         まあ、大体そんなもんだな。
       ., ──‐、             「勝とうと思うこと」、「技を使おうと思うこと」
      /     \           「稽古の成果を存分に見せようと思うこと」等、
.     .|     _ノ  ヽ          これら全て、そのように「一筋に」思う事は
     |     ( ●) (●)         「こだわり」であり、よくない、というわけだ。
     |       (__人__) , -―ーっ
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄     そして面白いのは、
.      ン         } ゙| ̄'|
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |       「こだわりを捨てようとこだわることも、
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |        またこだわりである」
| |  /   /    r_____ /
| | /   /      |i              と言っていることだな。
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
444 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:02:02.52 ID:mov9PzM0
     ____
   /      \   
  /         \      そんなこと言っても…なんだか
/           \    それだけ聞いていると、「考えるな」と
|     \   ,_   |    言われるよう聞こえてくるお。
/  u  ∩ノ ⊃―)/
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

                 そうだな。
                宗矩は「こだわり」…つまり、
     / ̄ ̄\      「何かに意識を向け過ぎること」を
   /   _ノ  \    否定している。
   |    ( ●)(●
   |      (__人__)    それだけで言えば、所謂
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃    「考えるな。感じるんだ」
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │    というものに近いのかもしれないが、
  \  “ /___|  |    この場合、また少し違うようなんだな。
.    \/ ___ /
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:03:29.26 ID:xjTivyAo
欲をなくそうとおもう、之もまた欲なり。

禅のおしえだなぁ。
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:03:40.70 ID:JnY2szwo
この辺は禅問答の思想が入ってるね。
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:04:35.89 ID:zVzHg5Io
禅もそうだけどなんだか陽明学っぽくもある
448 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:04:51.03 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『○僧古徳に問ふ、如何なるか是れ道。
| ._         .|_| ......  古徳答へて曰く、平常心(びょうじょうしん)是れ道。
| |殺|        . |_|   .
| |人|        . |_|   .  右の話、諸道に通じたる道理也。
| |刀|        .|_| ......  道とは何たる事を云ふぞととへば、
|.  ̄         .|_| ......  常の心を道と云ふ也とこたへられたり。
|          . .|_|  ..  真に至極の事也。
|            |_| ......  心の病皆さつて、常の心に成りて、病と交じりて病なき位也。
|________.|_| ......    (中略)
└───────┘    道とて何にても、一筋是ぞとて胸にをかば、道にあらず。
              ....  胸に何事もなき人が道者也。
                   (中略)
                 道者の胸の内は、鏡のごとくにして、何もなくして明らかなる故に、
                 無心にして一切の事一つもかく事なし。
                 是只平常心也。
                 此平常心をもつて一切の事をなす人、これを名人と云ふ也。
                   (中略)
                 無心とて、一切心なきにあらず。唯平常心なり』

               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |     「平常心」?
   /( ●)  (●)\  !   !    これが、この宗矩が理想とする
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l    心の状態のことなのかお?
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー'´     //
  / __        /
  (___)      /

              / ̄ ̄\          そうだ。
              _ノ  ヽ、  \   ,.:┐   この「平常心(びょうじょうしん)」と呼ばれる心の状態が、
            .( ●)( ●)  ..| / |   今まで書いてきた物事の集約点とも言える。
            (__人__)     .|./   /
             i⌒ ´ .r−、  |/  /     「常の心」…つまり、「普段通りの心の状態」で
             {     ヽ, ',. .,/ :/',     一切の事を成す、これを「名人」と言い、
             .ヽ   .|  l_/_, -‐、',     この状態の事を「平常心」とするわけだ。
              .ヽ . |   / , -−'i|
              /   {  V , -−ヘ
              |   ヽ  L| r= |
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:05:12.12 ID:FkSJ1xko
ムネリンは、ビジネス書を書いてもベストセラー作家になれたきがする。
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:06:47.44 ID:JnY2szwo
ピンピンに張りつめてふっと抜けた時に「あっこれか」と体得するみたいな感覚かな?
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:07:42.67 ID:pJEB4CQo
刀を掌とか爪くらい身近に感じられないと、
そこまで無意識になれないだろうな
452 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:08:19.17 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .
| ._         .|_| ......『花を見るとて、花見る心を新たに生じて見ざる也。
| |殺|        . |_|   . ただ常の心にて無心に見るをいへり。
| |人|        . |_|   .   (中略)
| |刀|        .|_| ...... 常の心を無心とは云ふなり』
|.  ̄         .|_| ......
|          . .|_|  ..
|            |_| ......
|________.|_| ......
└───────┘  

               / ̄ ̄\            そして、ここでも言及されているが、
              _ノ  ヽ、  \          「平常心」というのは、俗に思われるような
            ( ●)( ●)   |         「無心」…特殊な、集中した状態とは違うんだ。
            (__人__)      | ../}
      _       ヽ`⌒ ´     | / /    __    先の文にも、
   (^ヽ{ ヽ      {        ./ /  . / .ノ
 ( ̄ ヽ ヽ i      ヽ      / 厶- ´ /     「無心とて、一切心なきにあらず」
.(二 ヽ i i |,r‐i    ノ.   ヽ /     /
  ヽ   /  ノ  /    r一'´ ー 、   ̄ ̄ ̄)   とあっただろ?
   i   {   イ―イ /   .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄    ここでいう「無心」とは「常の心」、
   ヽ. `ー '/   /           /\ \     つまり、普段通りであることが大切だってわけだ。
      `ー '  ̄ ̄!           |  ヽノ     「考えない」というわけではないんだな。


       ____         …それって裏返せば、
     /      \
   / ─    ─ \      「常住坐臥常に立ち合いの時と
  / -=・=-   -=・=- \     変わらぬ心持であれ」
  |      (__人__)  U  |
  \     ` ⌒´     /    とも言えるお?
                   特別な時だけ無心でいるより、
                   よっぽど厳しくないかお?
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:10:00.32 ID:Ygm.0fco
へうげで千利休がやってた感じか
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:11:24.77 ID:LevI9CIo
>>450 一休禅師もそんな感じで悟ったらしいね
455 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:11:28.15 ID:mov9PzM0
        / ̄ ̄\      まあ、そうだな。
      /       \    少し先の話になるけど、
      |::::::        |   「葉隠」で言う「常住死身」…所謂「死人」も
     . |:::::::::::     |  これに繋がる部分があるな。
       |::::::::::::::    |
     .  |::::::::::::::    }    こうして見ると、「兵法家伝書」…というか、
     .  ヽ::::::::::::::    }    宗矩が「葉隠」に与えた影響は
        ヽ::::::::::  ノ    想像以上にあるのかもしれないな。
        /:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

                           .....      ___
                                 /      \
 うーん…でも、宗矩は簡単に言うけど、       /ノ  \   u. \ 
そんな状態になれるなら、誰も苦労しないお。  / (●)  (●)    \
                           ..... |   (__人__)    u.   | 
 どうすればそういう心の状態になれるか、    \ u.` ⌒´       /
教えて欲しいお。                ....  ノ            \
                           /´               ヽ


   / ̄ ̄\        まあ、そこに至るために「稽古を積むように」と、
 /   _ノ  \      既に言っているわけだが…。
 |    ( ー)(ー)     まあ、そう思うのも無理は無いか。
. |     (__人__)     ややこしいしな。
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l    宗矩自身もそう思ったからか、
.  ヽ      |   ノ    この点については補足を入れているんだ。
   ヽ    ヽ く     そこを紹介しよう。
   /     ヽ \
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:13:40.13 ID:axwedEQo
>>450
賢者タイムか
457 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:13:42.89 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 病をさるに初重・後重の心持ある事
| ._         .|_| ......
| |殺|        . |_|   .   病をさる初重
| |人|        . |_|   .
| |刀|        .|_| ......   念に渉って無念、着に渉って無着・此心は、
|.  ̄         .|_| ......  病をさらんとおもふは念也。
|          . .|_|  ..  心にある病をさらんとおもふは、念に渉る也。
|            |_| ......    (中略)
|________.|_| ......  しかれば、念を以って念を去る也。
└───────┘    念を去れば、無念也。
              ....  念に残りたる病を、念を以てされば、
                 後はさる念もさらるる念も共になくなる也。
                 楔を以て楔を抜くと云ふは、此事也。
                 ぬけぬ楔を、又同じ楔を打こめば、くつろぎて楔が抜くるなり。
                 ぬけぬ楔がぬくれば、後に打こみたる楔も後には残らざる也』

                                         / ̄ ̄\ ( ;;;;(
                                       / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
 これはこの後の「後重」と合わせての文になるんだが、 .    |  (●)(●)/;;/
ここで述べられている「初重・後重」というのは禅語でな、     |  (__人__)l;;,´|
                                        | ./´ニト━・' .l
 初重 : 初心稽古の位                   ......    | .l _ニソ    }
 後重 : 仕上げの段階                   ......     /ヽ、_ノ    /
                                        __/  /    ノ__
 ということだそうな。                       .  / /  /       `ヽ.
「重」とは「工夫公案の重(かさね、段階、階梯)」で、    .  /´  ./       ,.  ヽ.
要するに、稽古初期の段階と、仕上げの時の段階の  ....  ト、_,/.       |、  ヽ
それぞれの心掛けについて述べているわけだ。       .   |         |/  /
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:14:15.53 ID:7yAGm1so
>>456
おいww
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:15:30.20 ID:PIsNVGoo
「懸待表裏一隅を守らず」を何重にも書いてるだけな気もしないではない。
460 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:17:47.21 ID:mov9PzM0
     ____        …となると、ここの「初重」は、
   /      \
  /  ─    ─\     『「病(こだわり)よ去れ!」と念じることで、病が去れば、
/    (●)  (●) \     あとはそう思った念もなくなって、無心になれる』
|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  /    ということかお?
(  \ / _ノ |  |     やり始めの時は、「こだわるな、こだわるな」と
.\ “  /__|  |     心に言い聞かせながら稽古しろ、とそんな感じかお?
  \ /___ /


       (⊃ ̄ ̄\         そうだな。
     (⊃   _ノ  \       今のところ、俺はそういう理解をしている。
    (⊃   ( ●)(●)
     |     (__人__)        稽古の最初に心がけとして教えるには、
     |     ` ⌒´ノ       確かにそんなところからだろうしな。
       |         } \     いきなり「無心になれ」と言われても
     /ヽ       }  \    無茶な話なわけだし。
   /   ヽ、____ノ     )
  /        .   | _/    そして、そういう風に
 |         / ̄ ̄(_)    心掛けながら稽古を積んだ後、
  \   \ /| JJJ (      「後重」の出番になる。
   \  /   /⊂_)
461 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:19:09.01 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『 後重
| ._         .|_| ......
| |殺|        . |_|   . 後重には、一向に病をさらんとおもふ心のなきが病をさる也。
| |人|        . |_|   . さらんとおもふが病気也。
| |刀|        .|_| ...... 病気にまかせて、病気のうちに交わり居るが、病気をさつたる也。
|.  ̄         .|_| ......   (中略)
|          . .|_|  .. 病気と云ふは、着也。
|            |_| ...... 仏法に深く着をきらふ也。
|________.|_| ...... 着をはなれたる僧は、俗人にまじりてもそまず、
└───────┘   何事をなすも自由にして、とどまる所かなひ者也。
              ....   (中略)
                病にまかせて心をすてきつて、行き度き様にやるべき也』


     / ̄ ̄\          後重の段階は、既に稽古も十分に積んだ状態なわけだ。
   /   _ノ  \  ( ;;;;(   ここに至って宗矩は、
   |    ( ─)(─  ) ;;;;)
   |      (__人__) /;;/    「”病よ去れ”と思う心自体が病である」
.   |        ノ l;;,´
    |     ∩ ノ)━・'      と言うようになる。
  /    / _ノ´       そして、この段階まで来たならば、
  (.  \ / ./   │      逆に「こうしよう」「ああしよう」と思う心にまかせて、
  \  “ /___|  |       そのままにやる方が良い、と言っているわけだな。
.    \/ ___ /

                                  ...     ____
 なるほど…。                         ....   /      \
稽古を初めて、技が身についてない間は、          .  /─    ─  \
技を覚えさせつつ、それにこだわらないよう心がけさせ、 / (●)  (●)   \
稽古を十分に積んだ人間には、                |    (__人__)      |
その、こだわらないという心がけ自体も捨てさせる…、 .....\   ⊂ ヽ∩     <
そういうことかお。                          |  |  '、_ \ /  )
                                     |  |__\  “  /
                                     \ ___\_/
462 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:22:09.58 ID:mov9PzM0

        / ̄ ̄\       まあ、そんなもんだな。
      /   _ノ  \     ちなみに、この辺りの禅語を交えた話は、
      |    ( ●)(●)   沢庵の影響もあっただろうな。
     . |     (__人__)    実際、文中にある、
       |     ` ⌒´ノ
     .l^l^ln        }     「着をはなれたる僧は、俗人にまじりてもそまず、
     .ヽ   L       }      何事をなすも自由にして、とどまる所かなひ者也」
       ゝ  ノ    ノ
     /   /     \     という「着をはなれたる僧」というのは、
    /   /        \   宗矩からすれば、まさしく沢庵のことだっただろうし。
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))


         ____           …そう言われてみればそうだお。
         / _ノ ヽ_\         沢庵の言動は自由過ぎだと思ってたけど、
.     / (ー)  (ー)\       ああいうことをできる心の状態が、
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \      宗矩にとっての理想だと言うのなら、
    ヽ   L   |r┬-|    |      教えを請うたのも納得だお。
     ゝ  ノ  `ー‐'    /
   /   /         \       というか、あんなフリーダム坊主が
  /   /            \     そう何人もいるわけないお。
. /    /         -一'''''''ー-、.  いたら逆に怖いお。
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:23:12.70 ID:FkSJ1xko
日本中の名所旧跡、山や川がレイプされてしまう
>何人もいたら
464 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:24:20.74 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『○中峰和尚云く、放心心(ほうしんしん)を具(ぐ)せよ。
| ._         .|_| ......
| |殺|        . |_|   .  右の語に付きて、初重・後重あり。
| |人|        . |_|   .  心を放ちかけてやれば、行さきにとどまる程に、心をとどめぬ様に、
| |刀|        .|_| ......  あとへちゃくちゃくとかへしかへせと教ゆるは初重の修行也。
|.  ̄         .|_| ......  一太刀うつて、うつた所に心のとどまるを、
|          . .|_|  ..  わが身へもとめかへせと教ゆる也。
|            |_| ......  後重には、心を放ちかけて、行き度き所へやれと也。
|________.|_| ......  はなしかけてやりても、とまらぬ心になして、心を放すなり。
└───────┘    放心心を具せよとは、心を放すこころをもて、
              ....  心を綱を付けて常に引きて居ては、不自由なぞ。
                 放しかけてやりても、とまらぬ心を放心心と云ふ。
                 此放心心を具すれば、自由がはたらかるる也
                   (中略)
                 法の師の示しをうけてここに記す者也』

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \     まあ、こいつは初重・後重の補足みたいなもんだな。
 |   ( ●)(●)   初重では、「一太刀打ったら、もうそれにこだわるな」と教え、
. |    (__人__)    後重では、「思ったことがあれば、思ったようにやれ」としている。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }     そして、「思ったようにやる心の状態を持て」ということを
.  ヽ        }    「放心心を具せよ」としているわけだ。
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |     |

                                     ____
 まあ、初重・後重で言ってることと大体同じだから    /^  ⌒  \
その辺はなんとなく分かるお。           .....   (●)  (● )   \
                                 /⌒(__人_)⌒::::::  \
 というか、その最後の               .....  |   |-┬r|       |
「法の師の示しをうけて…」というのは           \  `'ー`        /
やっぱり沢庵のことなのかお?          ......
465 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:28:17.33 ID:mov9PzM0
       (⊃ ̄ ̄\        まず、そうだろうな。
     (⊃   _ノ  \      理由はわからないが、この兵法家伝書内では、
    (⊃   ( ●)(●)     沢庵の個人名は出てこない。
     |     (__人__)      まあ、家光の名前も出てこないから、
     |     ` ⌒´ノ      具体的な個人名を書くのは避けただけなのかもな。
       |         } \
     /ヽ       }  \    どちらにせよ、
   /   ヽ、____ノ     )  この時期の宗矩が「法の師」とまで書く人物は、
  /        .   | _/  まず沢庵だけと考えていいだろう。
 |         / ̄ ̄(_)   つまり、家伝書を記すに際し、沢庵からの教示を
  \   \ /| JJJ (     受けたことを示している…というわけだ。
   \  /   /⊂_) 

                             .         ___
 なるほど…。                          /)/ノ ' ヽ、\   
しかし、これだと文の結語みたいな感じだお?     / .イ '(●)  .(●)\ 
今のところ、心法論の話しかしてないけど、  ...  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
勝負論の方はどうなんだお?              .  | ≧シ'   ´ ⌒`     
                               . \ ヽ           /


        / ̄ ̄\         うん、そうだな。
      / −  − \       実を言えば、この「法の師の〜」の一文で
      |  (●)(●) |       「殺人刀」は終りなんだ。
      |  (__人__)  |       最後に述べられたのが心法論というのが
       |    `⌒´  │      あらためて、宗矩がそれだけ
       |         .|       心法を重視しているということを表れだといえる。
       ヽ        /     
        ヽ     ノ         さて、それじゃ、ページを戻して、
      _/     l__        今度は勝負論について話をしようか。
 __ゝ_/         ヽ  
 \___ノ'        ヽ⌒)
466 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:30:40.62 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 気と志との事
| ._         .|_| ......  右、内にかまへて、おもひつめたる心を志と云ふ也。
| |殺|        . |_|   . 内に志ありて、外にはするを気と云ふ也。
| |人|        . |_|   . たとへば、志は主人也、気はめしつかふ者也。
| |刀|        .|_| ...... 志内にありて気をつかふ也。気がはつし過ぎてはしれば、つまづく也。
|.  ̄         .|_| ...... 気を志に引きとめさせて、はやまり過ぎぬ様にすべき也。
|          . .|_|  .. 兵法にていはば、下作(したのつくり)によくかためたるを志と云ふべし。
|            |_| ...... はや立相ひて、きつつきられつするを気と云ふべし。
|________.|_| ...... 下作にとくととりしめて、気を急々懸々にすべからず。
└───────┘   志をもつて気を引とめ、気に志をひきずられぬ様にしてしづまる事、簡要也』


               さて、まずここでは、

   / ̄ ̄\       志 : 心・考え
 /   _ノ  \      気 : 外面に現れる様々な動き
 |    ( ●)(●)  
. |     (__人__)    としているわけだが、
  |     ` ⌒´ノ   これに基づいて宗矩の話をまとめると、
.  |         }   
.  ヽ        }     「気持ちをしっかりと引き締め、
   ヽ     ノ       動きに心を引きずられないようにせよ」
   /    く      
   |     \       というところになるかな。
    |    |ヽ、二⌒) まずこれが簡要だとしている。

                            .     ____
                                /      \
 んー、結局、心なのかお?            .  /_ノ ヽ__   \
そういう意味では、なんだかさっきの心法論と / (−)  (−)   \
あんまり変わらない感じだお。           .|    (__人__)      |
                             \   ⊂ ヽ∩     <
                               |  |  '、_ \ /  )
                               |  |__\  “  /
                               \ ___\_/
467 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:32:49.69 ID:mov9PzM0

        / ̄ ̄\       まあ、そう言うな。
      /   _ノ  \     そもそもの心法論自体が、
      |    ( ●)(●)   「兵法を用いる際の心がけ」なわけだからな。
     . |     (__人__)    ここで語られている勝負論…即ち、
       |     ` ⌒´ノ
     .l^l^ln        }     「実際に立ち合う際の心がけ」
     .ヽ   L       }
       ゝ  ノ    ノ      とそりゃ近いところもあるさ。
     /   /     \    さあ、続けるぞ。
    /   /        \
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))
468 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:35:14.25 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 表裏は兵法の根本也。
| ._         .|_| ......  表裏とは略(はかりごと)也。偽りを以て真を得る也。
| |殺|        . |_|   .  表裏とはおもひながらも、しかくればのらずしてかなはぬ者也。
| |人|        . |_|   .  我が表裏をしかくれば、敵がのる也。
| |刀|        .|_| ......  のる者をば、のらせて勝つべし。
|.  ̄         .|_| ......  のらぬ者をば、のらぬよと見付くる時は、又こちからしかけあり。
|          . .|_|  ..  然れば敵ののらぬも、のつたに成るなり。
|            |_| ......  仏法にては方便と云ふ也。真実を内にかくして、外にはかりごとをなすも、
|________.|_| ......  終に真実の道に引入る時は、偽り皆真実に成る也。
└───────┘    神祇には神秘と云ひ、秘して以て人の信仰をおこす也。信ずる時は利生あり。
              ....  武家には武略と云ふ。略は偽りなれ共、
                 偽りをもつて人をやぶらずして勝つ時は、偽り終に真と成る也。
                 逆に取りて順に治まると云ふ、是也』


                      これはわかりやすいお!
             (ヽ三/) ))     
         __  ( i)))      「表裏は兵法の根本也。表裏とは略也」
        /⌒  ⌒\ \
      /( ●)  (●)\ )    「表裏」は「略」…立ち合いで言う「駆け引き」だから、
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\   宗矩にとって、
    |    (⌒)|r┬-|     |
    ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/     「立ち合いでは”駆け引き”が重要だ」
    | | | |  __ヽ、    /
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |       ということだお!
    `ー---‐一' ̄
                                    / ̄ ̄\
                                  /  ヽ、_  \
 まあ、そのままと言えばそのままだが、         (●)(● )   |
確かにそうだな。                 ......    (__人__)     |
                                  (          |
 元々、「大なる兵法」も、              .    {          |
この「駆け引きが重要」という共通点を以って       ⊂ ヽ∩     く
兵法を、治国や人付き合いにも活用できる、と      | '、_ \ /  )
言ってるわけだからな。             ......     |  |_\  “ ./
                                  ヽ、 __\_/
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:35:22.43 ID:FkSJ1xko
ハイデッガーの後期哲学を、実存主義的に解釈すると案外近いかもしれん。
ゲラッセンハイト(放下)の実存主義的な解釈とかそんな感じで。
470 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:38:02.38 ID:mov9PzM0

                   しかし、この「しかけ」についてのくだりは、
                  なかなかえぐいお〜。

       ___        「駆け引きの仕掛けとわかっていても、
     /   ヽ、_ \       仕掛ければ人は乗ってくるものだ…。
    /(● ) (● ) \     仕掛けに乗った者は、そのまま乗らせて勝てばいいし、
  /:::⌒(__人__)⌒::::: \    乗らない者は、乗らないぞ、と警戒しているところに
  |  l^l^lnー'´       |    また別の仕掛けをすれば、これも乗ったも同然になる」
  \ヽ   L        /
     ゝ  ノ            なんていうか、伝奇世界の宗矩もかくや、
   /   /           という感じだお。


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \       そうだな。
   |    ( ●)(●      しかし、宗矩の面白いところは、
   |      (__人__)     ここで「真」という言葉が出ることだ。
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃      「偽りをもつて人をやぶらずして勝つ時は、
  /     ./ _ノ        .偽り終に真と成る也」
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |      と言ってるだろ?
.    \/ ___ /
471 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:40:06.77 ID:mov9PzM0
..      ____
     / ―  -\
.  . /  (●)  (●)       そういや書いてあるお。
  /     (__人__) \     これってどういう意味だお?
  |       ` ⌒´   |
.  \           /
.   ノ         \
 /´            ヽ

                      ああ、こいつは、

                      「はかりごとを用いて、相手を害さずに
      / ̄ ̄\           降すことができたなら、そのはかりごとは真実となる」
      _ノ  ヽ、  \   ,.:┐
    .( ●)( ●)  ..| / |    ということだな。
    (__人__)     .|./   /    .人を殺さず、傷つけずに済めば、
     i⌒ ´ .r−、  |/  /     それに越した事はない、ということだ。
     {     ヽ, ',. .,/ :/',
     .ヽ   .|  l_/_, -‐、',      まあ、これ自体は「活人剣」を説く宗矩だから
      .ヽ . |   / , -−'i|     .当然と言えば当然だろうが、
      /   {  V , -−ヘ     剣士として見れば、やはり異端の部類だと言える。
      |   ヽ  L| r= |
                      さて、次にいくか。
472 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:43:09.25 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 草を打ちて蛇(くちなわ)を驚かすと禅に云ふ事あり。
| ._         .|_| ......   草の中なるくちなわをうつておどろかす様に、
| |殺|        . |_|   .   人をも一おどろかしおどろかすが手立也。
| |人|        . |_|   .   おもひもかけぬ事をしかけて、敵をおどろかすも表裏也、兵法也。
| |刀|        .|_| ......   おどろかされて、敵の心をとられて、手前がぬくる也。
|.  ̄         .|_| ......   扇をあげて見せ、手をあげて見するも、敵の心をとる也。
|          . .|_|  ..   わが持ちたる太刀を、ほかとなぐるも兵法也。
|            |_| ......   無刀を得たらば、太刀に事はかけまひ也。
|________.|_| ......   人の刀は我刀也。機前のはたらき也』
└───────┘  


   / ̄ ̄\         こいつは「駆け引き」に絡む話だな。
 /   _ノ  \       駆け引きの手立ての一つとして、
 |   ( ●)(●)      敵を驚かせるという手があり、
. |     (__人__). rm、  これもまた兵法だ、ということだ。
  |     ` ⌒´ノr川 ||
.  |         },.!  ノ'    敵を驚かせて、敵愾心が消えれば、
.  ヽ        r / .|    それでいい、というところか。
   ヽ     ノノ ノ    それを「機前」…つまり、敵が何かをしようと思う前に、
   /     / ./     そのように仕掛けよ、ということだな。
   |      /
    |    i´

     ____         そういえば、宗矩にはそういう逸話も結構あるお。
   /      \       この間、葉隠スレでも紹介されていた逸話で、
  /  ─    ─\
/    (●)  (●) \     「家光が隠れて打ちかかろうとしているのに気づいた際、
|       (__人__)    |      わざと「上様の稽古である!控えよ!」と大声を出して、
./     ∩ノ ⊃  /      家光が固まったところで、しないを取ってしまった」
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |       というのがあったけど、これも「機前のはたらき」ってことかお?
  \ /___ /

 【やる夫が葉隠武士になるようです・聞書11の8の逸話】
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1250857951/452-
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:44:16.22 ID:PIsNVGoo
>>471
>はかりごとを用いて、相手を害さずに 降すことができたなら、そのはかりごとは真実となる

孫子の謀攻編みたいですな
474 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:45:59.94 ID:mov9PzM0
         / ̄ ̄\       おお、そうだな。
       /   _ノ  \     さっきも軽く触れたが、
       |    ( ⌒)(⌒)   鍋島家が宗矩と縁が深いこともあってか、
          |     (__人__)    「葉隠」でもたびたび宗矩の逸話が登場する。
        |      ` ⌒´ノ
          ,|         }     興味のある人は読み比べてみてもいいかもな。
       / ヽ       }     ちなみに、葉隠スレでも宗矩や家光、十兵衛が出るが、
     く  く ヽ     ノ     配役が全然違う(特に家光)ので面白いぞ。
       \ `'     く
        ヽ、      |
            |       |

                          まったく、あちらの家光を見た時は、
         ____            心底世の中不公平だと思ったもんだお。
         / _ノ ヽ_\           こっちはガチホモのいい男なのに…。
.     / (ー)  (ー)\
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \         ま、それはともかく、話を戻すと
    ヽ   L   |r┬-|    |        これ、駆け引きって結構なんでもありな感じだお。
     ゝ  ノ  `ー‐'    /        扇や手を上げて、敵の注意を向けたり、
   /   /         \        いっそ刀をぽいと投げてみるとか…。
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.     …ああ、でも、無刀取りが使えるから、
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))  自分の刀にこだわらなくていい、ということなのかお。


                             .      / ̄ ̄\
 まあ、宗矩からすれば、             ...    /  ヽ、_  \
刀や扇なんかは道具に過ぎず               (●)(● )   |
目的…この場合は勝ちを得ることができれば、    (__人__)     |
それでいい、ということなんだろうな。        .   (          |
                             ..   {          |
 そういう意味では無刀取りも、          .   ⊂ ヽ∩     く
そのための一手段に過ぎない、というわけさ。  .    | '、_ \ /  )
                                  |  |_\  “ ./
                                  ヽ、 __\_/
475 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:48:57.10 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『 懸待二字仔細の事
| ._         .|_| ......
| |殺|        . |_|   . 一 懸とは、立ちあふやいなや、
| |人|        . |_|   .   一念にかけてきびしく切つてかかり、
| |刀|        .|_| ......   先の太刀をいれんとかかるを懸と云ふ也。
|.  ̄         .|_| ......   敵の心にありても、我心にても、懸の心持は同じ事也。
|          . .|_|  ..
|            |_| ...... 一 待とは、卒尓にきつてかからずして、
|________.|_| ......   敵のしかくる先を待つを云ふ也。
└───────┘     きびしく用心して居るを待と心得べし。
              ....   懸待は、かかると待つとの二也』


      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)     こいつは見ての通りだな。
    |  (●)(●)/;;/     「懸待」という概念について説明している。
    |  (__人__)l;;,´|      ここでは、
    | ./´ニト━・' .l
    | .l _ニソ    }        .懸 : 敵より先に太刀を入れようとすること。
     /ヽ、_ノ    /        待 : 敵の仕掛けを待つこと。
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.     というように対比させているわけだ。
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /

         ____
       /      \       まあ、大雑把に言えば、
      / ─    ─ \     「攻め」「待ち」ということかお。
    /   (●)  (●)  \    この辺りはまだわかりやすいお。
    |      (__人__)     |
     \    ` ⌒´    ,/     で、次はどうなるんだお?
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |
476 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:51:01.79 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 身と太刀とに懸待の道理ある事
| ._         .|_| ...... 身をば敵にちかくふりかけて懸になし、
| |殺|        . |_|   . 太刀をば待になして、身足手にて敵の先をおびき出して、
| |人|        . |_|   . 敵に先をさせて勝つ也。
| |刀|        .|_| ...... ここを以て、身足は懸に、太刀は待也。
|.  ̄         .|_| ...... 身足を懸にするは、敵に先をさせむ為也』
|          . .|_|  ..
|            |_| ...... 一 心と身とに懸待ある事
|________.|_| ...... 心をば待に、身をば懸にすべし。
└───────┘   なぜになれば、心が懸なれば、はしり過ぎて悪しき程に、
              .... 心をばひかへて待に持ちて、
                身を懸にして、敵に先をさせて勝つべき也。
                心が懸成れば、人をまづきらんとして負をとる也。

                又の儀には、心を懸に、身を待にとも心得る也。
                なぜになれば、心は油断無くはたらかして、心を懸にして、
                太刀をば待にして、人に先をさするの心也。
                身と云ふは、即ち太刀を持つ手と心得ればすむ也。
                然れば、心は懸に、見は待と云ふ也。
                両意なれども、極まる所は同じ心也。
                とかく敵に先をさせて勝つ也』
     ____
   /     \
  /  ─    ─\    …引用が長いお…。
/ u  ‐=・=‐ ‐=・= \  申し訳ない。
|       (__人__)    |
\     ` ⌒´   ,/
477 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:53:21.58 ID:mov9PzM0

      / ̄ ̄\           まあ、読んでの通り、宗矩は、
      _ノ  ヽ、  \   ,.:┐    その目的を、
    .( ●)( ●)  ..| / |
    (__人__)     .|./   /      「とかく敵に先をさせて勝つ也」
     i⌒ ´ .r−、  |/  /
     {     ヽ, ',. .,/ :/',       とした上で、状況に応じて
     .ヽ   .|  l_/_, -‐、',      懸待を心と身に振り分けよ、としている。
      .ヽ . |   / , -−'i|      裏を返せば、心と体が両方とも懸、または待だけ、
      /   {  V , -−ヘ     というのはよくない、としているわけだな。
      |   ヽ  L| r= |


         ___ 
       /     \ キリッ    ふむ、俗に言う「後の先」
      /   \ , , /\     …カウンター狙いって事かお!
    /    (●)  (●) \
     |       (__人__)   |     この「敵に先をさせて」ってのも、
      \      ` ⌒ ´  ,/    単に敵の攻撃、という意味ではなくて、
.      /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ  敵の動きそのもの、という感じがするお。
      |  ,___゙___、rヾイソ⊃
     |            `l ̄      敵を先に動かして、
.      |          |      それに合わせて動く、ということかお。
478 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:55:18.34 ID:mov9PzM0
          ____
        /_ノ  ヽ\        でもなんだか格ゲーとかだと嫌がられそうな戦法だお。
      / ( ●) (●)、     「待ちガイル新陰流説」は論ずるに足らぬ妄説としても、
    /::::::::⌒(__人__)⌒\    まず攻撃、というのが比較的好まれるところではあるお。
    |      |r┬-|    |
    \       `ー'´  /     実際の立ち合いでも、
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ  こういうのは嫌がられてたのかお?
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ


                   その辺りは認識の相違だな。
     / ̄ ̄\         そもそも、宗矩は「兵は不祥の器也」としてるんだ。
   /   _ノ  \       立ち合いなんか、やらずに済むなら、
   |    ( ー)(ー)      .それに越したことないんだよ。
.   |     (__人__)      基本、自分から仕掛けるものじゃないんだ。
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }        それでも相手が仕掛けてくるから、
.   ヽ   L     }       .受けて立つだけで、そういう意味では、
    ゝ  ノ   ノ        こうなる方が当然なのさ。
   /  /    \
  /  /       \       無論、それだけでもないんだが、
. /  /      |ヽ、二⌒)、  それはまた後で話すぞ。
 ヽ__ノ
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:55:57.12 ID:1iTpFF6o
待ちガイル新陰流説は妄言スかww
480 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:57:06.94 ID:mov9PzM0

       ., ──‐、             さて、この後、宗矩は、
      /     \           この懸待に絡めて、それぞれの状況に際して
.     .|     _ノ  ヽ          どのような習…つまり技法を用いるべきか、説明をしている。
     |     ( ●) (●)         まあ、具体的な技法についての話になるわけだ。
     |       (__人__) , -―ーっ
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄     ただ、この辺りは「仔細は口伝すべし」として
.      ン         } ゙| ̄'|
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |         一 二星
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |         一 峰谷
| |  /   /    r_____ /         一 組物の時遠山の事
| | /   /      |i   
| | ( 〆⌒'──r─≒、.            という具合に、項目だけ挙げるなどしているので、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  若干飛ばすぞ。


       ____
     /⌒  ⌒\        まあ、結局は剣術だし、
   /( ―)  (―)\      体で覚えるしかないって事だお。
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\
  |             |     で、次はどんな話なんだお?
  \              /
                                      / ̄ ̄\
                                    /  ヽ、_  \
                                   (●)(● )   |
                                   (__人__)     |
 ああ、この後もいくつか面白いポイントがあるので、   (          |
それを何点か紹介しよう。                 .   {          |
                                   ⊂ ヽ∩     く
                                    | '、_ \ /  )
                                   |  |_\  “ ./
                                    ヽ、 __\_/
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:57:10.20 ID:pJEB4CQo
先に動かして、どこを狙うのか感じ取って対処…みたいな?
実践する姿が想像できないなww
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:57:17.68 ID:LevI9CIo
マンガ版桃太郎侍で、左手の袖に十手隠しといて、それで敵の斬撃受けて
右手の刀でバッサリ反撃したら卑怯呼ばわりされてたなあ
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:58:59.84 ID:PIsNVGoo
小さい兵法としては、誘いのソニックブームは打草驚蛇の好例ですよね。
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 22:59:05.11 ID:FkSJ1xko
高橋英樹だから別に構わん!
485 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 22:59:42.04 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 打ちにうたれよ、うたれて勝つ心持の事
| ._         .|_| ......
| |殺|        . |_|   . 人一刀きる事はやすし。人にきられぬ事は成りがたき物也。
| |人|        . |_|   .  (中略)
| |刀|        .|_| ...... 当たらぬ太刀は、死太刀也。
|.  ̄         .|_| ...... それをこちから越してうつて勝つ也。
|          . .|_|  .. 敵のする先ははづれて、われ返而先の太刀を敵へ入る也。
|            |_| ......
|________.|_| ...... 一太刀打つてからは、はや手はあげさせぬ也。
└───────┘   打つてより、まうかよとおもふたらば、
              .... ニの太刀はまた敵に必ず打たるべし。
                ここにて油断して負也。
                うつた所に心がとまる故、敵にうたれ、先の太刀を無にする也。

                うつたる所は、きれうときれまひと、まま、心をとどむるな。
                二重、三重、猶四重、五重も打つべき也。敵にかほもあげさせぬ也。
                勝つ事は、一太刀にて定まる也』


                   こ、これは…

                   「一度打ったら、後はもう徹底的にやれ」
         ___
        / .u   \   …ということかお?
      /((○)) ((○))\
/⌒)⌒)⌒. ::::  (__人__) l_j :::\     /⌒)⌒)⌒)
| / / /     |r┬-|     | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) U .| |  |    /   ゝ  :::::::::::/
|     ノ    | |  |    \  /  )  /
ヽ    /    └ー.┘    ヽ /    /
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:00:23.11 ID:FkSJ1xko
やべえガチだww
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:01:28.46 ID:1iTpFF6o
ボッコボコにしろってことですねww
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/20(日) 23:01:39.67 ID:YQuQ4yA0
まあ一度打っちゃったら、殺さないとやられるからね。
489 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:02:26.69 ID:mov9PzM0
           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \           そういうことだな。
         |    ( ●)(●)         自分からは仕掛けない、とだけ書くと、
         |     (__人__)         斬る事自体を嫌うようにも見えるが、そうじゃないわけだ。
         |      `⌒´ノ          さっき言ったのはこのことなのさ。
          |         }
          ヽ        }      (     一度斬ったら、あとは完全に勝ちが決まるまで、
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )   何度でも、徹底的に打て、というわけだ。
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (   「一太刀入れても油断するな。逆襲されて負けるぞ」とか
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)  「切れようが切れまいが気にするな。とにかく打て」と言ってるのも
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁   戦国時代の剣を知っている宗矩らしい言葉だな。
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !


           ___
       /      \       …宗矩がこういうことを言うのは、ちょっと意外だお。
      /ノ  \   u. \    一太刀入れて終り、という印象があったけど、
    / (●)  (●)    \   違ってたわけだお…。
     |   (__人__)    u.   |   ガチな時はガチってことかお。
     \ u.` ⌒´       /
    ノ            \
  /´               ヽ
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:05:04.13 ID:FkSJ1xko
つまり一言「夢じゃ」と言ってしまったら、
あとはエンドレスに「夢じゃ夢じゃ夢でござる」
と言い続けねばならんというアレだな。
491 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:05:52.03 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 三拍子の事
| ._         .|_| ......  相打一、上ぐればつけて打つ一、さぐればこして打つ一也。
| |殺|        . |_|   .  あふ拍子はあしし、わはぬ拍子をよしとす。
| |人|        . |_|   .  拍子あへば、敵の太刀つかひよく成る也。
| |刀|        .|_| ......  拍子ちがへば、敵の太刀つかはれぬ也。
|.  ̄         .|_| ......  敵の太刀のつかひにくき様に打つべし。
|          . .|_|  ..  つくるもこすも、無拍子に打つべし。
|            |_| ......  惣別のる拍子は悪しき也』
|________.|_|
└───────┘  

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \        拍子…つまりタイミングだな。
 |   ( ●)(●)      ここで重要視されているのは、
. |     (__人__). rm、
  |     ` ⌒´ノr川 ||    「敵にタイミングを合わさせないこと」
.  |         },.!  ノ'
.  ヽ        r / .|      というわけだ。
   ヽ     ノノ ノ     だから、敵のタイミングをずらす為に、
   /     / ./      「あわぬ拍子」が良い、ということになる。
   |      /
    |    i´

     ____
   /      \       まあ、確かにタイミングが合わない状態では
  /  ─    ─\     中々打ちづらいお。
/    (●)  (●) \    そこで、無理に打ち込んだら、後の先を取られる、
|       (__人__)    |   というわけかお。
./     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |      …色々考えられてるもんだお。
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
492 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:08:20.96 ID:mov9PzM0

     / ̄ ̄\           まあ、そこは流石にな。
   /   _ノ  \  ( ;;;;(    ちなみに、この後も宗矩は、
   |    ( ─)(─  ) ;;;;)
   |      (__人__) /;;/     「大拍子小拍子、小拍子大拍子の事」
.   |        ノ l;;,´      「章歌の心付の事」
    |     ∩ ノ)━・'
  /    / _ノ´         といった具合に、能や踊りに関連付けた
  (.  \ / ./   │       表現をいくつか出している。
  \  “ /___|  |        この辺りは能好きな宗矩らしいところだな。
.    \/ ___ /


          ___          つーか、将軍に兵法を語るのに、
         (⊃     \        表現として趣味を入れ込むとか、
       (⊃ _ノ  ヽ、_ \      かなりくだけた感じがするお。
     (⊃  (ー)  (ー) u.\    確か当時の能は、今で言えば、
    /|     (__人__)    |    カラオケとかゴルフくらいの扱いだったはずだお?
  /  \____` ⌒´    /   
 (               \      …そう思うと、ビジネス論の教科書で、
  \_ |            \     いきなりカラオケでたとえ話を
     ヽ|          ト、  ヽ    されるような感じだお。
      ヽ         | >   )
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:09:07.04 ID:1iTpFF6o
分かりやすくていいんじゃないですかねw
494 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:10:18.41 ID:mov9PzM0
       ____
     /      \       …もしかして、単に宗矩が
   / ─    ─ \     能の話がしてみたかっただけとか、
  / -=・=-   -=・=- \   そういうオチだったりして…。
  |      (__人__)  U  |
  \     ` ⌒´     /


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      いやまあ、流石にそんな事はないと思うが…。
 |    ( ⌒)(⌒)    …思うんだがなあ。
. |  u  (__人__)
  |      |r┬|}      ただ、理屈としてはわかりやすいし、
  |      | | |}     表現としても通じるので、
.  ヽ     `ニ}     問題はないんじゃないか。
   ヽ     ノ
   /    く  \     細かい事は気にすんな!
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、
495 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:12:31.07 ID:mov9PzM0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   .『一 風水の音をきく事
| ._         .|_| ......
| |殺|        . |_|   . とにも角にも此の道は、表裏を本として、様々に序を切かけ、
| |人|        . |_|   . 色をしかけて、敵に先手をさせて勝つ分別ばかり也。
| |刀|        .|_| ...... 立ちあはぬさきは、敵は懸也と覚悟して油断すべからず。下作専要也。
|.  ̄         .|_| ...... 敵懸也ともおもはずして、立相ふといなや、ほかと急々に
|          . .|_|  .. きびしく仕かけられてからは、わが平生の習も何の手も出でざる者也。
|            |_| ......   (中略)
|________.|_| ...... 水鳥の水にうかびて、上はしづかなれども、そこに水かきをつかふがごとくに
└───────┘   内心に油断なくして、此けいこつもりぬれば、内心外ともにうちとけて、
              .... 内外一つに成りて、少しもさはりなし。此位に至る、是至々極々』


 そして、この下りが、言ってみれば「殺人刀」における
宗矩の勝負論の結論とも言える部分だ。
                               ...         / ̄ ̄\
 まあ、結論だけあって、言ってること自体は          rヽ  / ノ  \ \
今までと然程変わらないわけだが、注意点として、......    i !  |  (●)(●) |
                              ..   r;r‐r/ |.  |  (__人__)  |
  「常に油断せず、覚悟しておくように」     ...... 〈_L (`ヽ .}  |   ` ⌒´  ノ
                              ... l` ( ``/ .  |        }
 と言っているのがポイントだな。             ヽ   l  .  ヽ       }
                                 |,.   l   /⌒   ー‐  ィ ヽ

     ____
   /      \
  /  ─    ─\      そして、常日頃からその心持で稽古を積むことで、
/    (●)  (●) \   先に出た心法論での「平常心」に至る、というわけかお。
|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  /     なるほど、ここでこう繋がるわけなのかお…。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/20(日) 23:13:31.12 ID:YQuQ4yA0
そういえば前に石舟斎と能の家元との交流があったな。
497 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:14:21.85 ID:mov9PzM0

 そういうわけだ。随分と掛かってしまったが、
これで「殺人刀」についても一通りの解説は済んだ。
序盤に挙げた「心法論」「勝負論」についてまとめれば、こんな風になる。

         |        .【宗矩の心法論】
    / ̄ ̄\       ... 「こだわらないこと」が重要。
   /   _ノ  \.     ....如何なる際にも常時と変わらぬ気持ちでいて、
   |    ( >)(<)    ....執着・こだわりのない、自在に技の振るえる境地を目指す。
.   |  ::::::⌒(__人__)     . ⇒ この至極の境地を「平常心」と形容する。
   |     ` ⌒´ノ      .
.   |         }.    。 【宗矩の勝負論】
.   ヽ        }    / ... 「表裏(=略:はかりごと)」が基本。
    ヽ     ノ   ./  ..敵の動きをよく見て、様々にしかけ、
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)   敵をこちらのしかけに乗せて、そこを打って、勝つ。
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'     ⇒ そのために「懸待」を心掛けよ。
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }    心法についてはともかく、勝負論については、
     /⌒  ⌒\   |   |    元々のイメージもあって、
   /( ●)  (●)\  !   !   割とわかりやすかったお。
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l
  |     |r┬-|       |  /    さて、それじゃあ、そろそろ
  \     ` ー'´     //     「一剣士としての宗矩の兵法観」について
  / __        /       まとめてみてくれお!
  (___)      /
498 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:16:27.33 ID:mov9PzM0

               / ̄ ̄\             そうだな。
              _ノ  ヽ、  \           まあ、心法論についてはともかくとして、
            ( ●)( ●)   |          .この勝負論から読み取れる立ち合いの際の
            (__人__)      | ../}        「一剣士としての宗矩の兵法観」は、
      _       ヽ`⌒ ´     | / /    __
   (^ヽ{ ヽ      {        ./ /  . / .ノ    ・ 相手の動きを読み、あるいは、相手を操り、
 ( ̄ ヽ ヽ i      ヽ      / 厶- ´ /       それを見切って一太刀を入れる。
.(二 ヽ i i |,r‐i    ノ.   ヽ /     /        .・ 一度打ったら、あとは徹底的に打つ。
  ヽ   /  ノ  /    r一'´ ー 、   ̄ ̄ ̄)
   i   {   イ―イ /   .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄       というところだ。
   ヽ. `ー '/   /           /\ \       「正統派の新陰流剣士」というところだな。
      `ー '  ̄ ̄!           |  ヽノ


      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・   正統派?
. | ( ●)   ⌒)   |    宗矩といえば、黒い黒いと言われるから
. |   (__ノ ̄    /    剣自体も正統派じゃない印象があるけど…そうでもないのかお?
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ
499 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:18:03.53 ID:mov9PzM0

                 / ̄ ̄\                     あのなあ…。
               / ._ノ   \\      _,,            宗矩はまがりなりにも石舟斎直伝の剣士だぜ?
               | ( ●) (●) |     .l;l
              . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,            伝奇じゃ石舟斎と不仲に書かれることも多いけど
                |   ` ⌒´  |, ト-=y  丶          .実際のところ、本当に不仲なら
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l          .わざわざ京まで出向いて仕官の手助けとかしないし
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,          遺言書でもわざわざ名指して後を頼んだりしねえよ。
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i, 
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,         宗矩自身も相当石舟斎をリスペクトしてるし、
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i        史実の石舟斎と宗矩は、親子としても師弟としても
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,       かなり円満な関係だったと見るのが妥当だろうな。
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、    そこから考えると、宗矩が正統派なのは
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l  当たり前といえば当たり前なんだ。
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">-−  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/20(日) 23:18:18.11 ID:YQuQ4yA0
どっちかというと新陰流の剣術的には甥っ子のほうが正統派から遠ざかってるよな
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:20:51.83 ID:FkSJ1xko
それ以外の所が目立ちすぎて、
あまり新陰流の剣士って印象がないんだよね。
502 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:21:02.68 ID:mov9PzM0
      ____
    /_ノ   ヽ_\
   /( ●) ( ●)\     なるほど、そんなもんなのかお。
 / ::::::⌒(__人__)⌒::::\  まあ、でも確かにそう言われてみればそうだお。
 |        ̄      |  .史実にフィルタリングする伝奇力おそるべしだお。
 \               /


     / ̄ ̄\          尤も、宗矩の場合、
   /   _ノ  \  ( ;;;;(   そもそも立ち合い自体に否定的だし、
   |    ( ─)(─  ) ;;;;)   斬らず/斬られずに済むなら
   |      (__人__) /;;/   それでよし、としているところがあるからな…。
.   |        ノ l;;,´
    |     ∩ ノ)━・'      そういう意味では、
  /    / _ノ´       .一剣士としての宗矩の姿は
  (.  \ / ./   │      ある意味、幻とも言えるものなのかもしれんな。
  \  “ /___|  |      
.    \/ ___ /
503 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:23:09.86 ID:mov9PzM0

 さて、これで「殺人刀」はようやく終わったぜ!
二話分に分かれたからまとめなおすが、
この「殺人刀」の内容は、以下の通りになる。
     .
    / ̄ ̄\       ...
   /   _ノ  \.     .... 【殺人刀】
   |    ( ⌒)(⌒)    ....
.   |  ::::::⌒(__人__)     .  序文 : 「活人剣・治国平天下の剣」全体の概要である
   |     ` ⌒´ノ      .      「活人剣」「大なる兵法」の提示。
.   |         }.    。 
.   ヽ        }    / ...  本文 : 柳生新陰流(宗矩)の兵法論(心法論・勝負論)の提示。
    ヽ     ノ   ./  ..
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)   
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'   ....
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|


       / ̄ ̄ ̄ \       かなり長く掛かったけど、大体わかったお…。
     /       . \
    /  _ ノ   ヽ、_   \    …しかし、これでやっと半分とか、どんだけなんだお。
   .|   (ー)  (ー) .  |   流石「近代武道書の二大巨峰」とか
    \    (__人__) .  /   書かれるだけあるお…。
     /    `⌒´    ヽ
    ヽ、二⌒)   (⌒ニノ
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:24:25.16 ID:LevI9CIo
でも心のそこでは石舟斎に対して、
「この剣術バカが! 話をややこしくさせるだけさせて逝きやがって!」
とかチラっと思ってたりして……
ここのスレ見てると地雷しか踏まないもん、石舟斎って
505 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:25:37.48 ID:mov9PzM0

     / ̄ ̄\          まあな…。
   /   _ノ  \        正直、>>1も、1話で全部終わらせて、
   |    ( ー)(ー)       次で推察あれこれ、その次に周辺の話を書いて…と
.   |     (__人__)       三部構成にするつもりだったんだが、
    |     ` ⌒´ノ       結局、説明だけで3話(見込)になっちまってるからなあ…。
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }         本編が楽しみという人にすれば、
    ゝ  ノ   ノ        延々解説が終わらないようなもんだし、
   /  /    \        申し訳ない気持ちも正直あるんだが、
  /  /       \       どうか御寛恕頂きたい。
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

         ___
       / ⌒  ⌒\
      / (⌒)  (⌒)\     とりあえず、これで半分は終わったわけだから、
    /   ///(__人__)///\   次で何とか終わらせれば、一段落着くお!
     |   u.   `Y⌒y'´    |
      \       ゙ー ′  ,/    次回の「活人剣」で頑張るので、
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ    また見てもらえたらありがたいですお!
      / rー'ゝ       〆ヽ
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|
    | ヽ〆        |´ |
506 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:28:11.26 ID:mov9PzM0

 それじゃ、今日はここまで!
やる夫、明日も休みだし、飲みに行こうぜ!
ついでに中華食い放題だ!

     / ̄ ̄\
   /   ⌒ ⌒\
   |    ( ⌒)(⌒)               ____
.   |   ⌒(__人__)            /⌒  ⌒\     賛成だお!
    |     |r┬-|           /(⌒) (⌒) \   ここは思い切り飲むとするお!!
.    |     `ー'´}  \      /:::⌒(__人__)⌒:::::: \
.    ヽ        }     \     |    |r┬ |      |
     ヽ     ノ       \   \   `ー ´    _/
     /    く. \         \  ノ           \
     |     \  \    (⌒二              |
507 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:29:08.74 ID:mov9PzM0

 そうと決まれば、早速行こうぜ!
ちょうど行きたかった店があるんだ!
                            ここはやらない夫に任せるお!
        / ̄\                いい店連れてってくれお!
 ,---、  /     \   ,----、
 |   l |        |   |    |     ,---、  __     ,----、
 ゙|  l' |       |   ヽ  /     |   l /    \  |   |
  |  | |         }   l  |     ゙|  /        \ヽ  /
  |  | ヽ       }  /  /     | |           l  |
  、  \_     ノ  / /      | \        /  /
   \       '---´ /        、  \       ´ /
     \         ィ            \         ィ
      |       |              |       |
      |       |              |       |
      |       |              /          |
      |   l\   \            /    / |   |
      |   |  \   |          /   / |   |
      |   |   /  /           \   ヽ, /   /
      |   |  <   ヽ            \__/〈    ヽ
      L______ヽ  \_/                `゙‐-‐'"


【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2)「解説・兵法家伝書(殺人刀)」】 完
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/20(日) 23:29:59.00 ID:YQuQ4yA0
乙です。
509 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:30:03.45 ID:mov9PzM0
 どもども、お疲れ様でした。
本日もお付き合い、ありがとうございました>皆様

 そして、最初に書くのもなんですが、
あらためて臼井先生のご冥福をお祈りさせて頂きます。
今回の安価ネタ自体は、Aがひまわりなのも含めて前から用意してたのですが、
臼井先生があんな風になってしまって、どうしたものかと悩んだものの、
他の女の赤ちゃんAAが見当たらなかったので、諦めた所存。
うぅ、でも、裏でこそっと@の子に差し換えるべきでしたか喃。
なんというか、申し訳ない。

 あと、今回もまたもや解説が終わらず、
次回まで持ち越しになってしまい、これも恐縮するところ。
次回こそは「活人剣」を1話内で終わらせて、次に進めるつもりでアリマス。
(…とかいうと、本文と「無刀之巻」に分かれてしまったりしそうですが…)

 できれば、この連休を利用して、水曜辺りにでも更新したいところなのですが、
仕事の方もどうなるか読みきれないので、確証がない状態でアリマス。
ううむぬ。

 ともあれ、現状は斯様な塩梅でアリマス。
またお付き合い頂けましたら重畳ー。
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:31:53.42 ID:zVzHg5Io
おつでござる
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:32:21.54 ID:7ythI3co
乙でした
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:32:28.62 ID:JnY2szwo
ところで、1だったら誰になったんですか?
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:32:54.03 ID:xjTivyAo
お疲れさまでした。
うちのところの逸話とうまく絡むことができてうれしく思います。
次の活人剣こそ、宗矩の宗矩たるところが最も表れているところでしょうね。
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:34:30.73 ID:FkSJ1xko
乙でした。
中華か。
そういや立川にもういっこラーメンスクエアみたいなのできたんだよなあ。
515 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:34:59.85 ID:mov9PzM0
                   ,,rツ''                 `ゝ,,,,_,                 ,,,.. -.
                 _..'彡‐      _..-‐_..、   ._.         ´"ー、.       ,,i=ニ'"",゙ ̄゛
            , ''ン´ ,/   . / ..;;ア'´  _//゛ _..‐        `'、,,....、._/_.. ;;ニ"――
           ,ii/ア゛ / / ./ , '/  ,, |!゙/フ  ン'/,-                    '"
          if!./  /  /  /  .,/〃  ./ンソ./  ./ ./ ,," ./                     ´
         / ,i′ /  .iッ ./….,/〃  ./.// !.'"゙/ ./ ./  ′                i''''''''''〜 、、
        ./ /  /  .//  /  ///   l゙ iリ  !  .l゙ ., .、 .‐                 l゙      `
       i" / ./  ./″ l   ".! !   ゙ 「  l.,,,,,,゛ .′,! ″                  l
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.l     "'/     /                `゙´.゛    .|                  ! /
′     !     .!     .,i'" ̄`゙''-、           !               !.,!
       ゙゙'-、,   !     .l     .,!          │           、 /lゞ
!、        ゙''-、.l     \、 ._..-"              !........、        ′//
 l           `!、     .´                   _, l         //
 ..l.           .\                      '゙゙l  l        ,i./
  .l               `'-、                      ,./        / ″
   .ヽ              `'、           ,/゙"''''"´        / ,,、
    ヽ              │             / ____,,,,,,..,,,,,,,,__..,/'"´ /  !
     \     _ ‐       .゛      _.. -‐''"´         ゙'''―ir'"   Y'''''''''シ
      .\. ./              '"                 ゛    .″ i"
       ,ノ´                                            `';;i.
      ./                                             (´

 ちなみに安価ですが、@の場合だと、こちらの子になりました。

 安価候補@ : みらい(ママは小学4年生」)
 安価候補A : ひまわり(クレヨンしんちゃん)

 でアリマス。
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:35:01.83 ID:pJEB4CQo
お疲れ様でした〜
ここまで読んだだけで、なんだか時代を越えて
助けてもらえそうな書だなと思いました。わかりやすいですね。
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/20(日) 23:35:47.83 ID:YQuQ4yA0
大体同じ感じなのねwwwwww
518 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:42:38.24 ID:mov9PzM0
 あと、こないだの懸待ネタは、実はもう一個作ってたのですが、
「今度こそ終り」って書いたので、未投下だったのです。
でもまあ、せっかくなので、今、投下ー。

                         ,.....'" ̄ ̄ ̄:::::::::.....、
                      ,.ィ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::..、
「懸待」…                ,.ィ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::..、
                  ,.ィ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
『懸×待』…?       ィ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
              ./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
誘い受け        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
  ×誘われ攻め…?:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
            /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
            .;.:.:.:.:.:.:.:.:.、.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
            .l.:.:.:.:.:.:.:.:.;'.、.:.:.:.:::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
            .l.:.:.:.:.:.:.:.:l ヽ:.:.:.::::ヽ.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;!
            l;;';.:.:.:.:.:::::|  fヽ;:::::::::ヽヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;!
    ,...ィチ´三三オヘ;',.:.::::::::::ト、 ヽ,ィ、:::::::ヽヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'
  ,.ィ'´三三二ニニヾヾヘ.:::::::::::l.ヽ ´マヘヽ::::::::ヽ';:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'
'´三二ア´    .\\.\:::::::l.,<\ マム `'<_ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;
ニア´         \\.\::::lヽヽ\ `´    `゙';:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
´             \\.\l. / ヽ \.      ';:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
               \\ ::' ..._ ゝ´       .;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
               \\\  i    __    l:::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::i
   兵法家伝書       \\\  ̄ゝ、     ,l:::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::',
                  \\\   `ヽ.___/ |::::::::::::::::/:i ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::',
                   \\\       |:::::::::::::/ | ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::',
                    \\\      l::::::::::/  l.  ヽ::::::::::::::::::ヽ:::::::',
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:46:44.55 ID:PIsNVGoo
誘い受けて転ばせる、これぞ転の極意…お〜いww
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:47:46.59 ID:FkSJ1xko
絶望した! 兵法書すら己が領域に引きずり込む、
腐女子の無敵っぷりに絶望した!
521 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:49:34.75 ID:mov9PzM0
    /;;;;;;:ォ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
.    {;;;;;;;;f \;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;/    
    {;;;;;;;;;;{  >、;;;;;;;;i;;;;;;;;/     
.    {;;|i;;;;`、  ィォ、;;;;;;|;;;;/.      
    `t;ョ、;;;;i, -t.ヒj \;|;;|  …でもそれだと「待×懸」だし…。
     `, { リi  l|~".  |;| 
      `y'`ー'''    |{   いや、でも、懸がヘタレ攻めなら…?
      ゙ - ,.     |;|  …なんか違うなあ…。
        ` t‐-   };;|     
          `ヽ   |;;;|.    うーん…………って…
           |;`ー';'|;;;;;|
.          |;;;;;;;;;|;;;;;;;\
          |;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;\
          |;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;\
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/20(日) 23:50:29.63 ID:B6kYp8Ao
>>518
なんというだいたいあってるっぷり
523 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編2) [saga]:2009/09/20(日) 23:51:58.46 ID:mov9PzM0
            ,....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
          ,..:'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
        /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\.         ・
       /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ        ・
.      /::::::::::::::::::::::::,ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ       ・
.     ,'::::::::::::::::::::::::/ ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ    イ ー┬
     l::::::::::::::::::::::::/   \\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙i    |ロ |
     ,l::::::::::::::::::::::::l __ \.\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l    十┴、
    ,'i::::::::::::::::::::::::l ̄   ゙̄' \ `ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l     |  ‐'
     l l:::::::::::::::::::::::l ..---、    \  \::::::::::::::::、::::::::::::::::::::::::::}     つ
     l. l::::::::::::、:::::::l ´ィ―--、    \ ‐7ヽ::::::::::::l:i:::::i:::::::::::::::::l    ー‐ッ
    l l:::::::::::ヽ:::::l'7_;;;;;;;;_゙i ヽ.:.:.:.:..r'´ 、{;;r==::::::::l|::::;'::::::::::::::::l     (_
.     l ';::::::::::::'ヽ::lヾ;,,'''',ィリ  l;:;:;:;:;|  `ヾ=-ヘ:::::|:::;:::::::::::::::::l      /
     l. ';:::::::::::ヘヾ!゙`¨¨"_,,,,:';;:'''ヾ、;;;,,,,,,,,.___,ヾjソ:::::::::::::::::l      ハ__ノ
.     l  ':;:::::::::::ヽー  ゙̄'':;;;;;:'    `''''"    ' /:::::::::::::::/       十_・・
     l  ';::::::::::::ヘ                    /:::::::::::::::/       ./ 、___
   ・  l   ';:::::::::::::ゝ、     _,.. -‐ァ     /:::::::::::::::;イ       ー‐ッ
   ・  .   l::::::::::::::::::`....、  ` ー '    /:::::::::::::::::::/.l         ̄`)
   ・      }::::::::::::::::::::::::::i`ヽ、   ,.ィ'´i::::::::::::::::::::::::l .l          ̄
  イ /    l:::::/i:::::::::::::::::::|  `ー‐ '   :l:::::::::::i、:::::::::l l       二二、
  木/-ヽ.   l:::://:::::::::::::::::::|         |:::::::::::lヽ::::::| .l          }
        l::/,'::::::::::::::::::::::|        |::::::::::::゙i ヽ:::| .l        _/
  【完】

 斯様な塩梅でアリマス。
それではではー。
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 00:27:14.54 ID:tKdx8zIo
乙乙wwww

次回も楽しみにしてますww
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 00:33:21.61 ID:YB38hK6o
乙でした〜
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 00:55:20.36 ID:jGhzBxYo
おつです〜
527 :376 [sage]:2009/09/21(月) 03:16:40.47 ID:mJnQGDk0
乙でした〜
ついでに、殺人刀でも色々分かってないところがあったことを
思い知りましたorz
活人剣でもよろしく〜
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 13:16:42.58 ID:xfBvznw0
乙。冷静に見つつも一度攻めはじめたらガチなんですね
ここら辺は実際の戦術にも通じる感じがするなぁ
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 14:55:10.23 ID:Iz7JA5Ao
つまり、隙を見つけて一度浮かせたら、KOの表示が出るまでコンボを叩き込むと。
真剣勝負でハメ技は卑怯だと文句を言うヤツもいないだろうし。
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 15:25:52.81 ID:MWYQH82o
ソニックブームでジャンプを誘い
飛び込んできたところを撃墜して浮かしてコンボか

米国陸軍で用いられる格闘技が新陰流というのは
既に定説となっておりますが
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 15:38:09.81 ID:rAXU0nUo
裏柳生とかネタなしにしてもガチの戦国末期経験者だからな宗矩
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/21(月) 23:58:31.89 ID:oxbHQx20
今日トリッパー最新号を読んできたんだけど、「柳生黙示録」でも兵法家伝書の「表裏」のくだりを引用して、十兵衛が見事に「身は待・心は懸」をやってましたね。
昨日このスレ見た後だから「おおっ!」って感動するとともに、徹はネタ的要素ばかり注目されるけど、基礎はきっちり出来てるんだなあ…と感心した次第。
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/22(火) 08:48:46.03 ID:ILBmXrU0
新陰流(尾張柳生系)の門弟ですが、いつも楽しく読んでいます。
型(勢法)の上でも、懸待表裏がよく表されています。

こういう背景があって、新陰流が発達したんだなぁと思うと、稽古がさらに面白くなりますねww
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/22(火) 20:48:00.87 ID:B9RPQcQo
>>469
今更レスだが、その思想をつきつめて論文書くと意外とコクが出るやも知れんね。
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/22(火) 22:22:26.29 ID:Q2uUbYIo
いや、ハイデッガーの後期の「存在の明るみ」とか「脱-存(エク−システンツ)」とかは、
実存も嫌いだし、従来の主観主義が存在の本質をダメにした、って思いがやたら強いから、
実存側にひきつけるとたいがい失敗すると思う。
あとゲリアンプロパーの総攻撃くらう危険が。
中期〜後期の思想を前期にひきつけるのは、
形而上学入門か芸術作品の本質あたりまでにしとくが吉だと思う。まじめにやったことないけど。
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/23(水) 00:27:52.59 ID:6V6CaJYo
まさかやる夫柳生スレで西洋哲学の話になるとは思ってもみなかったなあ。
(俺も『存在と時間』は読んだことあるけど当時のノートがどっか行ったままだ)
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/23(水) 07:18:48.56 ID:t1oQdm6o
禅とか剣術が哲学と似たような部分を持ちつつ決定的に違うのは、
形而上的な思想を座禅や稽古という形而下的な行動が裏打ちしてることだと思う。

身体的なリアリティというか、感覚というか、そういう物を抜きに語らないということで、
思想として浮き上がるのを防いでるんじゃないだろうか。
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/26(土) 01:09:34.88 ID:W2Rotko0
 どもども、お疲れ様でアリマス。
なにやら面白ゲな展開になってるようで重畳の至り。
でも、当方は哲学は門外漢なので、もひとつネタが用意できないのが残念無念。
むむう。

 で、それはそれとして、次回の更新でありますが、
今のところ、いつも通り9/27(日)の夜21時開始で投下しようかと。
場所はここで、タイトルは、

 【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)】

 でアリマス。
今度こそ兵法家伝書の解説を終わらせて、次へ進むですよー。
よろしゅうです。

>>533
 恐縮です。
実際に新陰流を習っておられる方に読んで頂けるのは
なんとも気恥ずかしいものがアリマス。
もしおかしなことを書いてたら、突っ込んで頂けると当方欣快の至り。
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/26(土) 11:43:43.91 ID:8gNgAOgo
りょかーい
540 :1 [saga]:2009/09/27(日) 21:31:33.37 ID:XcrTFUY0
 どもども、お疲れ様です。
少し遅くなりましたが、これから投下を始めます。
タイトルは、

 【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)】

 でアリマス。
では、よろしゅうですー。
541 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:32:36.43 ID:XcrTFUY0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:なし】

          だといいんだが…。
  \  /                 \  /
    X   / ̄ ̄ ̄\           X
  / ∩ ./ _ノ   ヽ、 \.       / ∩
/ ( ⊂) |  ( ●)(● ) |      / ( ⊂)      ____   今度こそ前編終了だお!
     | | |   (__人__)  |         | |    /⌒  ⌒\
    トニィ'|   `⌒´   |        トニィ'. /( ●) (● ). \
    |    |         }         |   / :::⌒(__人__)⌒::::: \
    \   ヽ        }         \  |     |r┬-|      |
     \  ヽ     ノ           \\_  `ー'´    _/
        ン ゝ ''''''/>ー、_           ン ゝ ''''''/>ー、_
       / イ( /  /   \        / イ( /  /   \
       /  | Y  |  / 入  \     /  | Y  |  / 入  \
      (   | :、 |  / /  ヽ、 l     (   | :、 |  / /  ヽ、 l
       j  | :   | / ィ    |  |       j  | :   | / ィ    |  |
       くV ヽヘ_ ヽ  \  仁 」       くV ヽヘ_ ヽ  \  仁 」
        ー 〕   \  〉(⌒ノ        ー 〕   \  〉(⌒ノ
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 21:34:19.87 ID:no1I/6so
お、ハジマタ
543 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:34:47.06 ID:XcrTFUY0
          / ̄ ̄\
        /  _ノ   \     こんばんは、やらない夫だ。
     |  (⌒) (⌒)
        |    (__人__)|     前回までで「進履橋」「殺人刀」を紹介したから、
       |     `⌒´ .l    今回、最後になる「活人剣(かつにんけん)」を紹介しようと思う。
      |         }
      ヽ        }
       ゝ     丿
  ____( ̄ ̄    / ̄ ̄/´ ̄/_
i⌒ゝ、  ヽ ヽ.   /    /  ⊂)  i⌒ゝ、
i;;;;;;;;;;|__ L人   ̄ ̄`´ ̄ ノ__i;;;;;;;;;;|


       ____  て
     /ノ   ヽ、_\ そ 
   /( ○)}liil{(○)\   や、やらない夫!?
  /    (__人__)   \
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |
  \    |ェェェェ|     /
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 21:36:19.80 ID:do.l1zMo
今日も楽しみですわ
545 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:38:52.57 ID:XcrTFUY0
              .                            ひどいお!
                                          こっちでもやらない夫が挨拶するとかないお!
                                  γ ⌒⌒ヽ
                 / ̄ ̄\           ( ( ヽ ) ノ  本編じゃ全然出番がないんだから、
 わかったわかった。   ./ノ  \.  \     (⌒) 三  ノ 从 ゝ   こっちでくらいやる夫に最初の挨拶させてくれお!
次からはそうするよ…。 ( ●)( ●)  ヽ   三/ | ニ  ____     (⌒)
               . | (__人__) u  }   |  |   /\   / ) し / |  ミ
                | ` ⌒´    ノ   !   、 /(○ )::(○ )⌒\/ | ミ
               .  |         }    \./:::::::(_人_)::::::::  i'   |
               .  ヽ        }      |     )ww)     |  |
                 ヽ     ノ   ヘ   \    `ー"      ノ
                  /    く 、_/っ/      \ .    .   \
                 |       \--一''         \
                 |    |ヽ、二⌒)、          \
546 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:41:29.59 ID:XcrTFUY0
   / ̄ ̄\       さて、それじゃ紹介に入るぞ。
 /   _ノ  \     まず、「活人剣」は、その構成で大別すると2つに分けられるんだ。
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)      ・ 本文
  |     ` ⌒´ノ      ・ 無刀之巻
.  |         }
.  ヽ        }     というわけで、まずは本文から紹介する。
   ヽ     ノ   
   /    く__,-ュ__  
   |    ___ 三)  
    |    |       ̄  

               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |    無刀之巻…。
   /( ●)  (●)\  !   !   あの「無刀取り」についての話かお?
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l
  |     |r┬-|       |  /    そいつは楽しみだお!
  \     ` ー'´     //
  / __        /
  (___)      /
547 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:44:43.39 ID:XcrTFUY0
     / ̄ ̄\        ははは。
   /   _ノ  \      そいつは後のお楽しみだ。
   |    ( ⌒)(⌒)
   |      (__人__)      さて、「活人剣」の本文だが、
.   |        ノ     内容としては、
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ        ・技法論
  (.  \ / ./_ノ │       ・心法論
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /      この二つに大別される。


                             ____
 まーた心法なのかお…。       ...   / _ノ ヽ_\
「殺人刀」でも同じ事を表現を変えて   . / (ー)  (ー)\
何度も繰り返していたけど、        l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \
こっちでも同じなのかお?   ....    ヽ   L   |r┬-|    |
                         ゝ  ノ  `ー‐'    /
                       /   /         \
                      /   /            \
                    . /    /         -一'''''''ー-、.
                    人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


   / ̄ ̄\       まあ、そう言うな。
 /   _ノ  \     要はそれだけ重要だってことだ。
 |    ( ⌒)(⌒)
. |  u  (__人__)     あと、こちらの心法論については、
  |      |r┬|}    若干違った表現も出てくるから、
  |      | | |}    その辺を軸に話をすることになるかな。
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、
548 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:47:44.18 ID:XcrTFUY0

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)     だが、その前に、先に技法論についてから話す。
    |  (●)(●)/;;/     「活人剣」は、立ち合いにおける技法論から始まるんだ。
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l       まあ、この時代の伝書だから、
    | .l _ニソ    }       技そのものについて語るというより、
     /ヽ、_ノ    /       あくまでそのエッセンスを伝える、という感じだが、
    __/  /    ノ__.       概ねは理解できるかな。
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /

         ___
       / ⌒  ⌒\       ちなみに>>1曰く、今回も前回と同じで、
      / (⌒)  (⌒)\     説明の都合上、書いてある順通りではなく、、
    /   ///(__人__)///\    若干順を入れ替えたり、省略したりの説明になるけど、
     |   u.   `Y⌒y'´    |   そこはお許しください、とのことですお!
      \       ゙ー ′  ,/
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ     じゃあやらない夫、始めてくれお!
      / rー'ゝ       〆ヽ
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|
    | ヽ〆        |´ |
549 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:50:53.88 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 百様の構えあり共、唯一つに勝つ事
| ._         .|_|   右きはまる所は、手字種利剣(しゅじしゅりけん)、是也。
| |活|        .|_|   百様千様にをしへなし、ならひなして、身がまへ、太刀がまへ、百手につかひなすも
| |人|        .|_|  此手字種利剣一つを眼とする也。
| |剣|        .|_|  敵のかまへの百様ありとも、わが身に百様あり共、手字種利剣の目付に極る也。
|.  ̄         .|_|  秘伝なる故に、本字に書あらはさずして、音をかりて手字種利剣と書く者也』
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

              宗矩が「活人剣」で最初に話すのは、
             この
   / ̄ ̄\ 
 / ノ  \ \     「手字種利剣」
 |  (●)(●) |
. |  (__人__)  |    になる。
  |   ` ⌒´  ノ
.  |         }   『あらゆる型を習い、使いこなすのも、
.  ヽ        }    全ては「手字種利剣」に集約される。
   ヽ     ノ     それは敵の構え、己の構えがどれほど変わろうと同じである』
   /    く 
   |     \     というわけだな。
    |    |ヽ、二⌒)
550 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:54:43.89 ID:XcrTFUY0
      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・  そもそも「手字種利剣」って何のことだお?
. | ( ●)   ⌒)   |  
. |   (__ノ ̄    /   「本字に書あらはさずして、音をかりて手字種利剣と書く者也」
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\    とあるけど、どういうことだお?
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ


   / ̄ ̄\       まあ、正直、この「本字」というものについては
 /   _ノ  \     なんともいえないんだが、意味だけを簡単に言えば、
 |    ( ー)(ー)
. |     (__人__)      『相手の手の内を読む』
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l   ということだな。
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \
551 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 21:57:49.39 ID:XcrTFUY0
     ____
   /     \
  /  ─    ─\    …結局、またそれかお。
/   ‐=・=‐ ‐=・= \
|       (__人__)    |
\     ` ⌒´   ,/


       / ̄ ̄\
     /   _ノ  \     まあ、お前がそう言いたくなるのもわからなくはないが、
     |    ( ⌒)(⌒)   実は、ここから少し具体的な話になってくるんだな。
     |  u   (__人__).   そこを紹介しよう。
     |      ` ⌒´ノ
     ,|         } 
   / ヽ       }
  く  く ヽ     ノ
   \ `'     く
     ヽ、      |
      .|       |
552 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:01:03.36 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 有無の拍子、附(つけたり)有も無、無も有と云ふ事
| ._         .|_|   右是は、手字種利剣に付きて、有と無といふ習あり。
| |活|        .|_|  あらはるる時は有也、隠るる時は無也。
| |人|        .|_|  此かくれあらはるる有無、即ち手字種利剣也。
| |剣|        .|_|  太刀をにぎる手にあり、仏法に有無の沙汰あり。
|.  ̄         .|_|  是になぞらへていへり』
|            |_|  
|            |_|  
|________.|_|  
└───────┘ 

                 まず、ここで「手字種利剣」について、
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \    『あらはるる時は有也、隠るる時は無也。
   |    ( ●)(●     此かくれあらはるる有無、即ち手字種利剣也。
   |      (__人__)    太刀をにぎる手にあり』
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃    と説明している。
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │    つまり、立ち合いにおいて、
  \  “ /___|  |    「太刀をにぎる手」に表れるもの/隠れるものが、
.    \/ ___ /    「手字種利剣」である、というわけだな。


     ____
   /      \ ( ;;;;(    なるほど。
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)   とりあえず、目に見える物らしいことは
/    (─)  (─ /;;/   わかったお。
|       (__人__) l;;,´|
./      ∩ ノ)━・'/     「心を読め」みたいなことを言われたら
(  \ / _ノ´.|  |     どうしようかと思ったお。
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:02:49.18 ID:keV.i/oo
握る手…ああ、シグルイの異な掴みはここからか?
554 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:05:36.98 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『太刀をにぎる手に、有無と云ふ事あり、秘伝也。
| ._         .|_|  これを種利剣と云ふ也。
| |活|        .|_|  手を伏せぬれば、有かくるる也。手を仰くれば無又顕るる也。
| |人|        .|_|  此の如く云へども、相伝せずば、此等の言葉しりがたき事也。
| |剣|        .|_|   (中略)
|.  ̄         .|_|  此種利剣の有無をみる事ちがはば、百手をつくしてつかふとも、
|            |_|  勝利あるべからず。百様の兵法も、此一段に極る所也』
|            |_|
|________.|_|
└───────┘

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)     で、その続きがこれだ。
    |  (●)(●)/;;/     ここを読む限り、
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l       『太刀をにぎる手に、有無と云ふ事あり、秘伝也。
    | .l _ニソ    }         これを種利剣と云ふ也。
     /ヽ、_ノ    /         手を伏せぬれば、有かくるる也。手を仰くれば無又顕るる也』
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.     とあるから、ざっくりと言うと、
  /´  ./       ,.  ヽ.   「太刀を握った手の動きに注視せよ」ということらしいな。
  ト、_,/.       |、  ヽ  つまり、手の内…文字通りの「相手の手」を見よ、ということだな。
   |         |/  /

         ____      
       /      \        なるほど。
      / ─    ─ \      確かに、刀を見るより、
    /   (●)  (●)  \     その刀を扱う手の動きを見る方が、
    |      (__人__)     |    初動も察知しやすいのかもしれないお…。
     \    ` ⌒´    ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ       でも、そうして言われると、
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |      「なあんだ」という感じがするお。
   /    / r─--⊃、  |     「秘伝也」というのは大げさなんじゃないかお?
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:07:34.15 ID:4gy9yX.o
「本字を…」は本来の漢字を用いず、同音の当て字を用いたとの意

本来の字で書くと「手持手裏剣」つまり太刀を持つ手に手裏剣を
隠しておいて不意打ちしろってことなんだよぉぉぉ!

#よい子は信じないでね。
#一応マジな話をすると、新陰流の分派であるタイ捨流には、
#「打ち太刀がいきなり投げつけた手裏剣を防ぐ」という型があります。
556 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:10:04.01 ID:XcrTFUY0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      まあ、その辺りは時代もあるんだろうな。
 |    ( ー)(ー)    どういうものであれ、芸の重要事はできるだけ外部には隠す、
. |     (__人__)    というのが当時の風潮なわけだし。
  |     ` ⌒´ノ    千葉周作の「地擦りの星眼」の逸話とかもあるしな。
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ    ましてや、柳生新陰流は御流儀だしな。
   ヽ    ヽ く 
   /     ヽ \

                                ...     ____
   まあ、そんなもんかお。               ...   /      \
   でも、それを差し引いても、                /─    ─  \
                                .../ (●)  (●)   \
   『此種利剣の有無をみる事ちがはば、      ...|    (__人__)      |
    百手をつくしてつかふとも、勝利あるべからず。 \   ⊂ ヽ∩     <
    百様の兵法も、此一段に極る所也』       ...  |  |  '、_ \ /  )
                                ...  |  |__\  “  /
    とか、えらく重視してるお。            ......  \ ___\_/


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      それは確かにそうだな。
 |   ( ●)(●)
. |    (__人__)     それだけに、この有無を見る分については、
  |     ` ⌒´ノ    他にも説明があってな。
.  |         }    若干ややこしくなるかもしれんが、一応補足しておこうか。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
    |     |
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/27(日) 22:10:54.34 ID:SruZI3U0
兵庫さんも脇差投げてたから
手裏剣を防ぐ型を覚えるのは大切かもしんない
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:13:13.61 ID:6yr4b4so
巨人の長嶋さんと稲尾の対決だと、
「投げる瞬間の手首の角度で内角か外角か見分けて打つ」
「どう裏かいても打たれるので↑のことに気づき、
 投げる瞬間逆に投げて打ち取る」
とかいう超人的なことやってたから、そういう「動作の起こり」を読み取る、
っていうのは、結構重要なんだろうなあ。
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:14:20.20 ID:keV.i/oo
見て判断して行動までが、常人の何倍になるんだろう…すごいなww
560 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:15:13.10 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『凡夫は有を見て無を見ざる也。
| ._         .|_|  手字種利剣には、有をも見、無をもみる也。
| |活|        .|_|  有もあり無もある也。
| |人|        .|_|  有の時は有に付けてうち、無の時は無に付けてうち、又有をまたずして無をうち、
| |剣|        .|_|  無をまたずして有をうつ程に、有も有、無も有と云ふ也。
|.  ̄         .|_|  老子経の註に、常に有常に無と云ふ事あり。
|            |_|  有も常にあり、無も常にあり。かくるる時は、有即ち無となる。
|            |_|  あらはるる時は、無即ち有となる。
|________.|_|   (中略)
└───────┘  さあれば、有無はただかくれあらはるる也。其躰は一つなり。
               然れば、有も無も常なる者也。仏法には、本無本有(ほんむほんう)と云ふ也』


     ____        ややっこしいお…。
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\     『手字種利剣には、有をも見、無をもみる也。
/    (●)  (●) \     有もあり無もある也』
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /     これって、
(  \ / _ノ |  |     「動きが有る事だけではなく、無いことも見よ」ってことかお?
.\ “  /__|  |     わかるようなわからないような感じだお。
  \ /___ /

                           まあ、確かにな。
        / ̄ ̄\             ただ、相手の動きを読むに際し、
      /   _ノ  \           その見抜くきっかけは多いに越した事は無いだろう。
      |    ( ●)(●)
     . |     (__人__)           冒頭で「凡夫は有を見て無を見ざる也」と
       |     ` ⌒´ノ          書いているが、宗矩クラスだと、
     .l^l^ln        }           「無い」ということも「動き」としても見る事ができた、
     .ヽ   L       }           ということなのかもな。
       ゝ  ノ    ノ
     /   /     \            だからこそ、
    /   /        \         「有も無も常なる者也」と書いているのかもしれん。
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))   さて、次に移ろうか。
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/27(日) 22:16:18.35 ID:SruZI3U0
手を見ればというけど本番になったら怖くて刀しか目に入らないだろうな。
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:16:42.52 ID:no1I/6so
なるほどー
563 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:19:13.30 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 是極一刀の事
| ._         .|_|   是極とは、これ至極也と云ふ儀也。一刀とは、刀にあらず。
| |活|        .|_|  敵の機を見るを、一刀と秘する也。
| |人|        .|_|  大事の一刀とは、敵のはたらきを見るが、無上極意の一刀也。
| |剣|        .|_|  敵の機を見るを一刀と心得、はたらきに随ひて打つ太刀をば、第ニ刀と心得べし。
|.  ̄         .|_|  是を根本にして、様々につかふなり』
|            |_|  
|            |_|  
|________.|_| 
└───────┘

       ., ──‐、            この文は、所謂「後の先」への言及だな。
      /     \
.     .|     _ノ  ヽ          『是極とは、これ至極也と云ふ儀也。
     |     ( ●) (●)          一刀とは、刀にあらず。
     |       (__人__) , -―ーっ    敵の機を見るを、一刀と秘する也』
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
.      ン         } ゙| ̄'|       まず、相手の動きを見る事を
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |      最初の攻撃(アクション)と見立てるべし、というわけだ。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'   ∫
| |  /   /    r_____ ∬
| | /   /      |i    ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((|   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     ____         今までも何度も語られていたことだけど、
   /      \ ( ;;;;(    それにしても徹底してるお…。
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/    『敵の機を見るを一刀と心得、
|       (__人__) l;;,´|      はたらきに随ひて打つ太刀をば、第ニ刀と心得べし』
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |       とか、よっぽどだお。
.\  "  /__|  |      逆に言えば、考えなしの攻撃は論外、ということかお。
  \ /___ /
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:20:21.25 ID:T2VS4hMo
ここで動いてないとこの軌道が出やすい、とかかな?>「無い」ことの「動き」
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:21:52.65 ID:4gy9yX.o
>>561
「勇のこと」ですな。
566 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:22:23.66 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『手利剣、水月、神妙剣、病気、此四、手足の動き、以上五也。
| ._         .|_|  是を五観一見と習ふ也。
| |活|        .|_|  手利剣を見る、是を一見と云ふ。
| |人|        .|_|  残り四つをば、心に持つ程に、観と云ふ也。
| |剣|        .|_|  目に見るをば見と云ひ、心に見るをば観と云ふ。心に観念する儀也。
|.  ̄         .|_|  四観一見といはずして五観と云ふは、おしこめて五観と云ひ、
|            |_|  其の内より手利剣を一見と云ふ也』
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

       (⊃ ̄ ̄\        そして、こいつはさっきの文の続きでな、
     (⊃   _ノ  \
    (⊃   ( ●)(●)      『是を根本にして、様々につかふなり。
     |     (__人__)        手利剣、水月、神妙剣〜』
     |     ` ⌒´ノ
       |         } \     とあるから、相手の動きを読むことを第一としつつ、
     /ヽ       }  \   その上で心がけなければならないこと、として
   /   ヽ、____ノ     )  「五観一見」を挙げているわけだ。
  /        .   | _/
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)


             (ヽ三/) ))
         __  ( i)))      「水月」とか「神妙剣」とか、
        /⌒  ⌒\ \   聞いた事のあるような単語だお…。
      /( ●)  (●)\ )   なんだかカッコいい響きだお!
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
    |    (⌒)|r┬-|     |    ちなみに、なんで
    ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/
    | | | |  __ヽ、    /      「手利剣・水月・神妙剣・病気・手足の動き」
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |
    `ー---‐一' ̄          これで5つなのに、「五観一見」なんだお?
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:26:18.43 ID:RaUttx.0
新陰流には腕、手首、柄を抑える技が多い。
斬る動きを円運動と考えた時、太刀先は大きく動くけど、軸に近い手首の動きは小さい。
円運動だから太刀先に大きなエネルギーがかかっているし、大きく動くから惑わされやすい。
手首から技の発生を見て、手首を小さい力で制す、というのがメイン戦術っぽい。
568 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:26:38.74 ID:XcrTFUY0

             それはちゃんと書いてあるだろ。

             『四観一見といはずして五観と云ふは、おしこめて五観と云ひ、
              其の内より手利剣を一見と云ふ也』
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \    「五観」の中に手利剣も含まれているけど、
 |    ( ●)(●)  手利剣は「見」の要素があるから、「一見」としているんだ。
. |     (__人__)   つまり、二つの意味を持っている、ということなんだな。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }  ミ        ピコッ
.  ヽ        } ミ  /\  ,☆____
   ヽ     ノ    \  \ /     \      なるほどわかったお。
   /    く  \.  /\/ ─    ─ \    じゃあ次に進んでくれお。
   |     `ー一⌒)  /   (●)  (●)  \
    |    i´ ̄ ̄ ̄ \ |      (__人__)     |
               \_   ` ⌒´    /
                /          \
569 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:30:18.86 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 水月、神妙剣、病気、身手足、此四の分別
| ._         .|_| 
| |活|        .|_|  一 水月は、立合の場の座取也。
| |人|        .|_|  一 神妙剣は、身の内の座取也。
| |剣|        .|_|  一 身手足は、一 敵のはたらきを見る。
|.  ̄         .|_|           .一 我身のはたらき。
|            |_|  一 去病は、手利剣を見む為也。
|            |_| 
|________.|_|  右、然れば、極る所は手利剣の有無を見る事専一也。
└───────┘  四は大躰也』


   / ̄ ̄\           というわけで、手利剣を除く「四観」の説明になるんだが、
  /  ノ  \\        まあ、割とそのままだな。
 |  .(●)(●)  |       ...
. |  (__人__)  |       ....  水月  : 相手との距離の取り方
  |    `⌒´  |    ) ;;;;) .....  神妙剣 : 姿勢の取り方
.  |        |    .) ;;;;)   .  身手足 : 実際の体の動き
.  ヽ       }   /;;/      去病  : 手利剣を見極めるための心の持ち様
   ヽ     ノ   .l;;,´     .
. /    ∩ ノ)━・'      . といったところか。
 (  \ /|_ノ ヽ      ..
. \  ""  /_ノ  |      
   \ /___/      ..

          ____
       / ノ  \\            そう言われるとわかりやすく聞こえるお。
      / (●)  (●)\          でも、
    / ∪  (__人__)  \
    |      ` ⌒´    |          「結局は手利剣が一番重要です。
     \ /⌒)⌒)⌒)   //⌒)⌒)⌒)    この辺は大体できればよろしい」
    ノ  | / / /   (⌒) ./ / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  ::::::::::/     とか言っちゃうのはどうなのかお…。
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /
570 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:34:36.63 ID:XcrTFUY0
           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \            まあ、その辺りは冒頭でもあった通り、
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__)           『敵のかまへの百様ありとも、わが身に百様あり共、
         |      `⌒´ノ             手字種利剣の目付に極る也』
          |         }
          ヽ        }      (      ということなんだろうな。
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )    ここで挙げられた四観は、
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (    その「我が身の百様」のためのものなわけだし。
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁     でも、一応、いくつか説明はあるんだぜ?
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|    そいつも紹介しておこう。
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !
571 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:37:46.27 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 水月 付 其影の事
| ._         .|_| 
| |活|        .|_|  右、敵と我との間に、凡そ何尺あれば、
| |人|        .|_|  敵の太刀我身にあたらぬと云ふつもりありて、
| |剣|        .|_|  その尺をへだてて兵法をつかふ。
|.  ̄         .|_|  此尺のうちへ蹈入(ふみい)り、ぬすみこみ、敵に近付くを、
|            |_|  月の水に影をさすにたとへて、水月と云ふ也。
|            |_|  心の水月の場を、立ちあはぬ以前におもひまふけて立ふべし。
|________.|_|  尺の事は口伝すべし』
└───────┘

      / ̄ ̄\          まず、こいつは「水月」についてだ。
      _ノ  ヽ、  \   ,.:┐   要するに、
    .( ●)( ●)  ..| / |
    (__人__)     .|./   /     「相手の太刀が当たらない距離を取りつつ、
     i⌒ ´ .r−、  |/  /      太刀を入れる際、そうと気づかれないように踏み込む」
     {     ヽ, ',. .,/ :/',
     .ヽ   .|  l_/_, -‐、',      この距離の取り方と、その後の踏み込みのことを、
      .ヽ . |   / , -−'i|     月影が水に差すのに例えて、「水月」と称してるわけだ。
      /   {  V , -−ヘ    存外に雅やかなもんだな。
      |   ヽ  L| r= |

               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |    『心の水月の場を、立ちあはぬ以前におもひまふけて立ふべし』
   /( ●)  (●)\  !   !
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l    ってのは、立ち合う前から常々考えておけ、ということだお。
  |     |r┬-|       |  /   確かにイメージトレーニングは大切だお!
  \     ` ー'´     //
  / __        /
  (___)      /
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:39:50.77 ID:6yr4b4so
>一 水月、神妙剣、病気、身手足、此四の分別
ここの「病気」は「去病」? 項目立てとしては「病気」?
573 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:41:06.22 ID:XcrTFUY0
       ____
     /_ノ   ヽ_\       …でも、肝心の「相手の太刀が当たらない尺」は口伝、
   /( ●)( ●)\     というのは、どうなのかお?
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   そこが書いてないのはどうかと思うお。
  |     (  (      |
  \     `ー'      /


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      そこはそれぞれだからなあ。
 |    ( ー)(ー)    彼我の体格や、刀の尺がどれくらいあるかで、
. |     (__人__)    適当な尺は変わるわけだし。
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l    ただ、その点について、
.  ヽ      |   ノ   少し触れている箇所もあるな。
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \
574 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:45:04.00 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 敵身方両一尺の事 相寸、無刀の用心也。
| ._         .|_|  道具、両方ともに身をはなるる事一尺なり。
| |活|        .|_|  一尺にては、はづす物也。
| |人|        .|_|  此尺よりちかくよるは、あやふし』
| |剣|        .|_| 
|.  ̄         .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

       ., ──‐、
      /     \
.     .|     _ノ  ヽ         これを大雑把に言えば、
     |     ( ●) (●)
     |       (__人__) , -―ーっ   『武器から一尺(30cm)離れれば、概ね当たらない』
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
.      ン         } ゙| ̄'|       というところかな。
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |     これより近付くと当たるかもしれない、というわけだな。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |
| |  /   /    r_____ /
| | /   /      |i   
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

         ____             一寸(3cm)の見切り、というのはよく聞くけど、
         / _ノ ヽ_\           この場合はそこそこ安全枠を取ってるお。
.     / (ー)  (ー)\
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \         …まあ、実際にギリギリしか
    ヽ   L   |r┬-|    |        安全枠取ってなかったら、それを割った時、
     ゝ  ノ  `ー‐'    /        エラいことになるから、ギリギリに取れとか論外だお。
   /   /         \        スケジュールの〆切はデッドラインのずっと手前に置かないと
  /   /            \       怖くて洒落にならないお。
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |   ‐=・=‐‐=・=   (…何の話をしてるんだよお前は)
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   .>    <
   |     |
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:47:51.47 ID:6yr4b4so
……デスマが待ってるんですねええわかります
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 22:50:38.43 ID:4gy9yX.o
片手打ちに転じて目一杯手を伸ばせば、たしかに一尺くらいは伸びそうだな…
577 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:50:52.47 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 敵のかまへ、太刀先、我方へむかはば、あぐる所につけてうつべし。
| ._         .|_| 
| |活|        .|_|  一 敵をうつとおもふて、我身をうたすべし。
| |人|        .|_|   敵が我をうちさへすれば、敵をばうつた物也。
| |剣|        .|_| 
|.  ̄         .|_|  一 水月の場をとれ。それより心持を専にすべし。
|            |_|   それより心持を専にすべし。われ場をとらんとするに、
|            |_|   敵すでに先づ場を取りたらば、それをわがにすべし。
|________.|_|   つもりさへちがはねば、敵がよるて五尺も、わがよつて五尺も、
└───────┘   敵と我との間の尺は同じ事也。
                人が場をとりたらば、とらせてをくがよき也。
                場をとるとかたまりたるはあしし。身をうきやかに持つべし』


                      あと、割と具体的な話としては、こんなのもあるな。

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(       「敵がこっちに斬りかけてきたところを打て」
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/        「敵に先に打たせよ。打ってきたら、こちらが打ったも同然である」
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l         「場取りより心持を固めよ。
    | .l _ニソ    }          相手が先に場を取っても、調整すれば事足りる。
     /ヽ、_ノ    /           場は取らせておけばいいのである。場取りにこだわるな」
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.       という感じかな。
  /´  ./       ,.  ヽ.     最後の一文に関しては、場取りについても、
  ト、_,/.       |、  ヽ    「こだわりを捨てよ」としているのが面白いな。
   |         |/  /

     ____
   /      \      なるほど。
  /  ─    ─\    しかし、三つのどれにしても、
/    (●)  (●) \   「後の先」が徹底してるもんだお。
|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
578 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 22:55:14.29 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 神妙剣の事 付 座の心懸身に取り足にとる事
| ._         .|_|  右、神妙剣、至極の大事也。我が身に神妙剣とさす所あり。
| |活|        .|_| わが身にありては、神妙剣の剣の字を剣の字に書きてしるべし。
| |人|        .|_| 右にかまへても左にかまへても、太刀神妙剣の座をはなれぬ程に、
| |剣|        .|_| 剣と云ふ字に心あり』
|.  ̄         .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \      で、こいつは「神妙剣」についてだ。
   |    ( ●)(●     これだけだと、どうもわかりづらいが、
   |      (__人__)
.   |        ノ      『神妙剣の座』
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ      という表現で、「基本となる姿勢」について述べているようなんだな。
  (.  \ / ./_ノ │    で、左右どちらに構えても、太刀がそこから外れないように、
  \  “ /___|  |    ということのようだ。
.    \/ ___ /

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)    確かに、これだけだとどうもよくわからんお…。
/    (─)  (─ /;;/    もうちょっと他に説明はないのかお?
|       (__人__) l;;,´|
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
579 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:00:31.94 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 足ぶみも、身のあてがひも、神妙剣の座にはづれぬ様にすべし。
| ._         .|_|  立ちあはぬさきから、此心がけわするべからず。
| |活|        .|_| 
| |人|        .|_|  一 神妙剣見る事 三段の分別
| |剣|        .|_|  心にて見るを根本とす。心から見てこそ目もつくべき物なれ。
|.  ̄         .|_| 然らば、目にて見るは心の次也。
|            |_| 目にて見て、その次に身足手にて見るべし。
|            |_| 身足手にて見るとは、敵の神妙剣にわが身足手のはづれぬ様にするを、
|________.|_| 身足手にて見ると云ふ也。心にて見るは、目にて見む為也。
└───────┘ 目にて見るは、足手を敵の神妙剣の座にあてんと云ふ事也』


      __             他だと、例えばこの辺りがあるんだが…
    / 〜\          どうも「神妙剣の座」がどういうものか、
  / ノ  (●)\        具体的に記した箇所がないようなんだな。
. | (./)   ⌒)\
. |   (__ノ ̄   \      ただ、読んだ限りでは、
  \          |     姿勢についてのことであるのはまず間違いないと思う。
    \       /
.      \  ⊂ヽ∩      あと、この文では身手足(ここでは身足手だが)にも
      /´    (,_ \.    触れてるんだが、これも殆ど説明が無いんだ。
       /       \. \  「姿勢」や「体の動かし方」は、実際に体で憶える事だから、
      ./   /       |. \ソ  説明してないってことなのかもしれん。
    (  y'      .|

                       このの文を読んだ限りだと、
                      身手足ってのは、

         ___          「敵の手足の動きに対し、
      /)/ノ ' ヽ、\         相手の姿勢から外れないように自分も動け」
     / .イ '(●)  .(●)\
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \     ということっぽいお?
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |    まあ、確かにこれ以上となると、
  . \ ヽ           /    実際にその時にでもならないとわかんないお…。
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/27(日) 23:02:13.66 ID:SruZI3U0
基本姿勢は口伝じゃなくて実際に稽古しないと無理だよな
581 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:05:12.49 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 歩みの事
| ._         .|_|   歩みは、早きもあしく、遅きもあしし。
| |活|        .|_|  常のごとくするすると何となき歩みよし。
| |人|        .|_|  過ぎたるも及ばざるもあしし、中をとる也。
| |剣|        .|_|  早きは、おどろきふためく故也。おそきは、臆して敵をおそるる故也。
|.  ̄         .|_|    (中略)
|            |_|  只常の心をうしなはぬ心持がせんなり』
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

   / ̄ ̄\
  /  ノ  \\
 |  .(●)(●)  |        さて、身手足ってわけでもないが、
. |  (__人__)  |        体の動き、という点では、こんなことが書かれているな。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)  歩き方についても、いつも通りである事を重要視している。
.  |        |    .) ;;;;)  こいつは割と具体的な方だな。
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

         ____
       /      \
      / ─    ─ \     まあ、この辺りは割とわかりやすいお。
    /   (●)  (●)  \
    |      (__人__)     |
     \    ` ⌒´    ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |
582 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:09:28.69 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 心は水の中の月に似たり、形は鏡の上の影の如し。
| ._         .|_|   右の句を兵法に取用ゐる心持は、水には月のかげをやどす物也。
| |活|        .|_|   鏡には身のかげをやどす物也。人の心の物にうつる事は、月の水にうつるごとく也。
| |人|        .|_|   いかにもすみやかにうつる物也。
| |剣|        .|_|   神妙剣の座を水にたとへ、わが心を月にたとへ、心を神妙剣の座へ移すべし。
|.  ̄         .|_|   心がうつれば、身が神妙剣の座へうつる也。
|            |_|     (中略)
|            |_|   人の心のものにうつる事、月の水にうつるがごとくすみやかなと云ふたとえなり。
|________.|_|   意の速かなること水月鏡像の如しと云ふ経文も、月が水にうつりて、さだかにあれども、
└───────┘   水のそこをさぐれば、月はなひと云ふ儀理にはあらず。
                  (中略)
                か様に心のうつりゆく事を、水月鏡像にたとへて仏は説き給ふと也。
                経は呉音によむ程に、水月(すいがつ)とよむと也。
                  (中略)
               一 右の句を、又兵法の水月(すいげつ)にあてても同じ事也。
                我心を月のごとく場へうつすべし。心がゆけば身がゆく程に、立あふてより、
                鏡にかげのうつるごとく、場へ身をうつすべし。
                心がゆけば身がゆく程に、立あふてより、鏡にかげのうつるごとく、
                場へ身をうつすべし。下作に、かねて心をやらねば、身がゆかぬ也。
                場にては水月、身には神妙剣也。いづれも、身足手をうつす心持は同じ事也』

   / ̄ ̄\       
 /   _ノ  \     で、こいつはさっきまでの話の複合パターンだ。
 |    ( ●)(●)   少しややこしいが、場取りとしての「水月(すいげつ)」とは別に、
. |     (__人__)
  |     |vvv|ノ     「場に応じて自在に心が応じ、
.  |      `^^´}      その心のままに身体も動く」
  |        }
  ヽ_.   l~~i ノp~~i   という境地の事を、「水月(すいがつ)」と称している。
   ( \/ / 卜 /  字が同じだからややこしいが、読みは別、というわけだな。
   |\  /  .| /
   |     /⌒i
  i⌒ 、`ヽ  ´/
  レ^丶、_)_`)

     ____
   /     \
  /  ─    ─\    つーか長いお。
/   ‐=・=‐ ‐=・= \
|       (__人__)    |
\     ` ⌒´   ,/
583 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:13:55.73 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 
| ._         .|_| 『一 急々にかかる事、以ての外あしき事也。
| |活|        .|_|  下作によく持ちて、立あふてから、
| |人|        .|_|  よく見すまして後の急々懸々也。
| |剣|        .|_|  ふためかぬ事、簡要也』
|.  ̄         .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \     で、今度はまた具体的な話になる。
 |  (●)(●) |    大体書いてある通りだが、平たく言えば、
. |  (__人__)  |
  |   ` ⌒´  ノ     「慌てて仕掛けるな」
.  |         }
.  ヽ        }     ということだな。
   ヽ     ノ    仕掛けるにしても、よく見てからにせよ、というわけだ。
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、 

       ____
     /      \
    / ─    ─ \    まあ、こっちはすぐわかるところだお。
  /   (●)  (●)  \ 慌ててもろくなことが無いのはその通りだお。
  |      (__人__)     | 
  \     ` ⌒´   ,/
  /     ー‐    \
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 23:17:14.35 ID:6yr4b4so
十兵衛両断の最後の立会いの描写って、
一応ここらへん踏まえてのっぽいかな?
585 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:17:42.24 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 心をかへす事
| ._         .|_|  右の心持は、一太刀うつて、うつたよとおもへば、
| |活|        .|_|  うつたよとおもふ心がそのままそこにとどまる也。
| |人|        .|_|  うつた所を心がかへらぬによりて、うつかと成りて
| |剣|        .|_|  二の太刀を敵にうたれて、先を入れたる事も無に成り、二の太刀を打たれて負也。
|.  ̄         .|_|  心をかへすと云ふは、一太刀うつたらば、うつた所に心ををかず、
|            |_|  うつてから心をひつかへして敵の色を見よ。うたれて、敵気をちがゆる物也。
|            |_|  うたれて、やれ口惜しや、うたれたよろおもひて、いかりも出る物也。
|________.|_|  いかれば、敵きびしく成る物也。ここを油断して、敵にうたるる物也。
└───────┘  うたれた敵は、いかり猪とおもふべし。
               われはうつたとおもふて心をとどめて油断する。敵はうたれて、気が出ると覚悟すべし。
               又うたれたる所を敵ははや用心するを、われは前の心にてうつて、うちはづす物也。
               うちはづせば、こして敵が我をうつべし。心をかへすとは、わがうつた所に心をとどめず、
               心を我身へとひつとれと云ふ儀也。心をかへして、敵の気色を見よと云ふ儀也』

               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }     これまた長いお。
     /⌒  ⌒\   |   |     でも、言ってることはわかりやすいお。
   /( ●)  (●)\  !   !    一言で言えば、
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l
  |     |r┬-|       |  /     「一太刀入れたくらいで油断するな」
  \     ` ー'´     //
  / __        /         ということだお?
  (___)      /


         / ̄ ̄\             ま、そういうことだな。
        /   _ノ  \           ただ、表現が他と比べてもやたら具体的で面白かったから
        |    (⌒ )(⌒)          思わず全文引用してしまったんだよ。
        |     (__人__)
          |     ` ⌒´ノ           『うたれて、敵気をちがゆる物也。
        |         }            うたれて、やれ口惜しや、うたれたよろおもひて、いかりも出る物也』
        ヽ     ヘミ|
        /,` 、` -`,--` ,          とか、
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ |
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__        『うたれた敵は、いかり猪とおもふべし』
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|      とか、見てきたような表現だから、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l      実際に宗矩が立ち合って一太刀入れた時、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ     負けた側が真っ赤になってるのをまんま書いた感じだよなあ。
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、   頭から湯気が立ってそうなイメージすら浮かぶようじゃないか。
;;;;;/'  `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く   ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 23:21:38.52 ID:keV.i/oo
泣いたら強くなったみたいな?
587 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:21:57.88 ID:XcrTFUY0
    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \       あと、
  |    ( 一)(●)
  |     (__人__)       『われはうつたとおもふて心をとどめて油断する。
   |     `⌒´ノ        敵はうたれて、気が出ると覚悟すべし』
   |   ,.<))/´二⊃
   ヽ / /  '‐、ニ⊃     というのも、結構実感篭もってる感じがするな。
   ヽ、l    ´ヽ〉     逆襲されて、ピンチになったことがあったりしたとかさ。
''"::l:::::::/    __人〉
:::::::::|_/ヽ.   /|||||゙!:゙、-、_    そういう経験から、「油断するな」という言葉が出たのかもな。
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
588 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:25:33.42 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『又は、一むきに打つた所を、心をかへさずして、
| ._         .|_|  程をぬかさず二重三重にたたみかけてうつて、
| |活|        .|_|  かほをも敵にふらせぬはたらきも、至極の心持也。
| |人|        .|_|  間に髪を容れずとは是を云ふ也。
| |剣|        .|_|  一の太刀と二の太刀との間へは、髪一すぢ入るべき間もなく、
|.  ̄         .|_|  はしはしはしとつづけてうつ心也。
|            |_|   (中略)
|            |_|  延びたれば人にこまるる也。
|________.|_|  勝負文明也』
└───────┘

          ____              …で、さっき「一太刀打ったからって油断するな」と言ったすぐ後に、
       / ノ  \\            これが来るのかお。
      / (●)  (●)\
    / ∪  (__人__)  \          「とにかく打ちまくれ。それが至極の心持なり」
    |      ` ⌒´    |
     \ /⌒)⌒)⌒)   //⌒)⌒)⌒)    とかさっきと言ってる事が180度違うお…。
    ノ  | / / /   (⌒) ./ / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  ::::::::::/     というか、殺人刀でも似たようなこと言ってたけど、
 |    l  |     ノ  /  )  /     宗矩もやたらアグレッシブな時があるのはなんでだお?
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /


     / ̄ ̄\        いや、こいつは、「油断するな」という
   /   _ノ  \      一点に関して言えば、さっきと同じ話だぜ?
   |    ( ●)(●     要は、
   |      (__人__)
.   |        ノ      「敵に反撃されないようにせよ」
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ       という意味では、一太刀入れた後、
  (.  \ / ./_ノ │    相手の反撃に備えるのも、
  \  “ /___|  |     そもそも相手に反撃をさせないのも、同じわけだしな。
.    \/ ___ /
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 23:26:44.81 ID:6yr4b4so
小パンチ連打でピヨらせ続けるのは確かに安全な戦法ではあるな。
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 23:26:47.78 ID:do.l1zMo
勝った!と心で思ったとき、それは敗北へのフラグ……ってことですな。
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 23:28:47.78 ID:4gy9yX.o
反撃に対する最善の防御は「反撃させないこと」か…
592 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:31:16.16 ID:XcrTFUY0
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/    さて、このくらいが技法論ってとこだな。
. |    (__人__)  l;;,´    大体は殺人刀でも語られていたように、
  |     `∩_ノ)━・'     立ち合いにおける心がけに近いところがあるけど、
.  |     |_ノ        比較的具体的な話があるというのが違いかな。
 /ヽ    |  |_
 |  \_/ ノ ヽ
 \     /_|  |
 | \ /  _/
                                   ____
                                 /_ノ   ヽ_\
 つーか、あんまり殺人刀と変わんなかったお?   /(● ) (● )\
                              / ::::::⌒(__人__)⌒::::\
                              |        ̄      |
                              \               /

     / ̄ ̄\          まあ、確かにな。
   /   _ノ  \       実際のところ、「殺人刀」「活人剣」は、「進履橋」と違い
   |    ( ー)(ー)      「活人剣・治国平天下の剣」を説くための
.   |     (__人__)      合わせて一つの書であるだけに、
    |     ` ⌒´ノ      内容的にそう違いがあるわけではないからな。
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }        さて、それはそれとして、
    ゝ  ノ   ノ        ここからは再び心法論になる。
   /  /    \       まずは、さっきの四観でひとつだけ
  /  /       \      話に上がってなかった「去病」について
. /  /      |ヽ、二⌒)、  紹介するところから始まるぞ。
 ヽ__ノ
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/27(日) 23:39:05.93 ID:do.l1zMo
「攻撃し続ければ、いつかはくたばる」に通じるものがあるなww
594 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:41:18.15 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 一去と云ふ心持の事
| ._         .|_|  一 空の心持の事
| |活|        .|_|  一 捧心(ぼうしん)の心持の事
| |人|        .|_| 
| |剣|        .|_|   右、一去と云ふ心は、数々を一つにさると云ふ心也。
|.  ̄         .|_|  数々とは、病の数々也。
|            |_|    (中略)
|            |_|  凡そ病とは、心のとどまるを云ふ也。
|________.|_|  仏法に、是を着とて、以ての外きらふ也。
└───────┘  心が一所に着しとどまれば、見る所をみはづし、思ひの他に負を取る也』

       ., ──‐、
      /     \
.     .|     _ノ  ヽ           さて、ここでは「一去」とあるが、
     |     ( ●) (●)         まあ、「去病」の事だな。
     |       (__人__) , -―ーっ
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄      すでに語られている通り、
.      ン         } ゙| ̄'|        この兵法家伝書においては、
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |       「何かにこだわる心」を「病」と称している。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'   ∫
| |  /   /    r_____ ∬        これを取り去るのが「一去」というわけだ。
| | /   /      |i    ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((|   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                                 ___
 で、それはどうやるんだお?            /)/ノ ' ヽ、\
あと、「空」と「捧心」は項目だけあるけど、   ./ .イ '(●)  .(●)\
説明がないお?                .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
                          .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
                          . \ ヽ           /

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)     まあ、ちょっと待て。
. |     (__人__)    まだこの話は続くんだ。
  |     ` ⌒´ノ    「空」も「捧心」もな。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ  mm
   /    ̄ ̄ ̄ つノ
   |    | ̄ ̄ ̄
595 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:45:00.22 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『数々の病を一去して、唯一(ただひとつ)を見はづさぬ様にと也。
| ._         .|_|  さて唯一とは、空を云ふ也。空とはかくしこと葉也。秘伝すべし。
| |活|        .|_|  空とは、敵の心を云ふ也。
| |人|        .|_|  心はかたちもなく色もなくして、空なる故也。
| |剣|        .|_|  空唯一を見るとは、敵の心を見よと云ふ義也。
|.  ̄         .|_|  仏法とは、此心空をさとる事也』
|            |_|
|            |_|
|________.|_|
└───────┘

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \    で、これが「空」だ。
 |  (●)(●) |   「相手の心を読む」ということだな。
. |  (__人__)  |
  |   ` ⌒´  ノ    手利剣は、相手の「手の内」を「見る」、というものだったが、
.  |         }   こちらの場合、「空」、即ち「心」を「読む」ことが
.  ヽ        }   重要というわけだ。
   ヽ     ノ    
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、

                                     ___
 なんだかえらくレベルが上がってきたお…。      /      \
あと何気に                          /ノ  \   u. \ 
                              / (●)  (●)    \
 「仏法とは、此心空をさとる事也」          |   (__人__)    u.   | 
                               \ u.` ⌒´       /
 とか書いてるけど、                  ノ            \
これってもしかして伏線かお?          /´               ヽ


     .  / ̄ ̄\
     ./ _ノ  .ヽ、\     そいつは読み進めていけばわかるさ。
     .|  (●)(●) |    ちなみに、空についての話は暫く続くんだが、
.     .|  (__人__) .|    概ねは手字種利剣の有無に近い話なので略す。
      .|   ` ⌒´  ノ
      ヽ  ._   .}      ただ、ここで「心」=「空」としていることを
       ヽ_/ } . ノ     憶えておいてくれればいい。
       /、 〈  く
      ハ ヽ Y`ー.、i
      { ヽ_ゾノ-‐1
      `¨´┬' . |

※Firefoxが落ちてました。すいません…。
596 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:50:23.83 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『又捧心と云ふは、心を捧(ささぐ)るとよむ字也。
| ._         .|_|  敵の心は、太刀をにぎつたる手にささげてゐるなり。
| |活|        .|_|  敵のにぎつたる拳の、いまだうごかざる所をそのままうつ也。
| |人|        .|_|  そのうごくかうごかぬかの所を見む為に、一去と云ふ也。
| |剣|        .|_|  百病を一去して、空をみはづすなと云ふなり。
|.  ̄         .|_|  敵の心が手にある也。手にささげて居る也』
|            |_| 
|            |_|
|________.|_|
└───────┘

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(      そしてこいつが「捧心」だ。
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)     表現としては違うものだが、
    |  (●)(●)/;;/      内容としては手利剣に近い内容だな。
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l        ただ、
    | .l _ニソ    }
     /ヽ、_ノ    /         『敵のにぎつたる拳の、
    __/  /    ノ__          いまだうごかざる所をそのままうつ也』
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.     とあるように、手利剣で言われていた「有無」のうち、
  ト、_,/.       |、  ヽ   「無」…即ち、動きが無いところにも機を見出すことを
   |         |/  /    主眼にしているようだ。

     ____
   /      \
  /  ─    ─\     「無」を見る、というのは話に出ていたけど、
/    (●)  (●) \   こっちに繋がるのかお。
|       (__人__)    |   続けてくれお。
./     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
597 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:54:49.48 ID:XcrTFUY0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『人の様々のわざ、きどく、皆心のわざなれば、又天地にも此心あり。
| ._         .|_|  是を天地の心と云ふ。此心がうごけば、雷電風雨をおこし、時ならぬ雲の景色、
| |活|        .|_|  炎天に雪霰を飛ばし…(略)…然れば、此空は天地にありては天地のあるじ、
| |人|        .|_|  人の身にありては人の身のあるじ…(略)…鉄砲をうてば鉄砲のあるじ、
| |剣|        .|_|  弓を射れば弓のあるじ、馬をのれば馬のあるじ也。
|.  ̄         .|_|  此あるじに私曲あれば、馬にものられず、弓もあたらず、鉄砲もはずるべし。
|            |_|  此心が座敷、位を得て、在所にすはりぬれば、よろづの道自由也。
|            |_|  此心を一度見付けて、さとり明くる事大切也』
|________.|_|  
└───────┘

     ____    ━┓   
   /      \   ┏┛   …こいつはどういうことだお?
  /  \   ,_\.  ・
/    (●)゛ (●) \      『人の様々のわざ、きどく、皆心のわざなれば』
|  ∪   (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /      こいつは、人の動きは心によるもの、と解釈したとして、
(  \ / _ノ |  |       その後、なんなんだお?
.\ “  /__|  |       天にも心があるとか、わかりづらいお。
  \ /___ /


        / ̄ ̄\       まあ、そいつはあくまで表現だな。
      / _ノ  ヽ、_\     ここで宗矩の言っていることをまとめれば、
      .|  (●)(●)  |
      |  (__人__)  |      「万事、心こそ根本である」
      っ   `⌒´   |
     / ミ)       /      というわけだ。
    / ノヽ      /      何事をするにせよ、その主体は空…即ち心にあり、
    | |/      ヽ     それが私曲、つまりよくない状態にあれば、
    |  | /|     | |     何事も上手くいかない、としている。
598 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/27(日) 23:58:09.85 ID:XcrTFUY0
       (⊃ ̄ ̄\      
     (⊃   _ノ  \       そして、そこから導き出した結論として、
    (⊃   ( ●)(●)
     |     (__人__)       『此心が座敷、位を得て、在所にすはりぬれば、よろづの道自由也。
     |     ` ⌒´ノ        此心を一度見付けて、さとり明くる事大切也』
       |         } \
     /ヽ       }  \     としている。
   /   ヽ、____ノ     )   つまり、あるべき心、理想的な心理状況を得たならば、
  /        .   | _/   あらゆることは自由自在にこなせる、
 |         / ̄ ̄(_)    だから、その心を得ることこそが大切だ、というわけだ。
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)
                             .     ____
                                 /      \
 今までの話から見ても、             ...  //    \  \
とにかく「心」が重視されるのはわかるお。    / (−)  (−)   \
                             .|    (__人__)      |
 しかし、肝心の「此心」とは何か、とか、      \   ⊂ ヽ∩     <
その「此心」を得るにはどうすればいいか、とか   |  |  '、_ \ /  )
そっちの話が出てこないお?            .  |  |__\  “  /
                                \ ___\_/

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)    まあ待て。
. |     (__人__)    実はこの後も結構色々と話が出るんだが、
  |     ` ⌒´ノ   テンポが悪くなるから、ここで一気に結論を出すぞ。
.  |         }
.  ヽ        }     それじゃ進めるぜ。
   ヽ     ノ  mm
   /    ̄ ̄ ̄ つノ
   |    | ̄ ̄ ̄
599 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:01:51.59 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『禅とは此心を伝へたる宗旨也と承はる所也。
| ._         .|_|    (中略)
| |活|        .|_|  妄心は心の病なり、
| |人|        .|_|  此妄心をさるを病気をさるといふ也。
| |剣|        .|_|  此病気をされば、無病の心也。
|.  ̄         .|_|  即ち此無病の心を本心と云ふ。
|            |_|  本心にかなはば、兵法は名人になるべし。
|            |_|  ありとあらゆる程の事、一つも此道理にはづるべからず』
|________.|_| 
└───────┘

         ____
       /      \       なるほど…ここで禅が出てくるのかお。
      / ─    ─ \
    /   (●)  (●)  \     今まで散々「心が重要だ」と煽っておいて、
    |      (__人__)     |   そのためにどうすればいいか、を伏せてたのは、
     \    ` ⌒´    ,/    ここに繋げるためだったのかお。
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |      「此心」を得るために禅をせよ、ということかお。
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |


       ., ──‐、
      /     \
.     .|     _ノ  ヽ          まあ、そういうことだな。
     |     ( ●) (●)        宗矩自身も「此心」については
     |       (__人__) , -―ーっ   兵法だけでは説明しきれないと割り切って、
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄    禅に委ねた、というわけなんだ。
.      ン         } ゙| ̄'|
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |       だからこそ、それを説くことが出来る沢庵を
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'   ∫     あそこまで重視した、というわけだ。
| |  /   /    r_____ ∬
| | /   /      |i    ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((|   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
600 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:04:14.36 ID:LgeqtBQ0

          ____          確かにこういう風に話をつなげられたら、
        /_ノ  ヽ\       
      / ( ●) (●)、       「じゃあ、その禅を修めるにはどうすればいい?」
    /::::::::⌒(__人__)⌒\
    |      |r┬-|    |     と、相手が思うのも当然だお。
    \       `ー'´  /     で、そこに「実は沢庵という僧が…」と持っていったわけだお。
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ   上手いことやってるお。
  \ ヽ  /         ヽ /
   \_,,ノ      |、_ノ


         / ̄ ̄\
        /   _ノ  \       まったくだ。
        |    (⌒ )(⌒)     ちなみに、実はここで本文については〆になるんだが、
        |     (__人__)      この結論に至るまでの箇所で、
          |     ` ⌒´ノ      いくつか面白い項目もあるから、
        |         }      そこを抜き出して紹介した後、次に移ることにしよう。
        ヽ     ヘミ|
        /,` 、` -`,--` ,
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ |
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__
601 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:07:21.85 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『此こと葉、われよく心を得て、此の如く云ふにあらず。
| ._         .|_|  此の如くいふといへども、われも心のすぐにして、すぐなる心にかなふごとくに
| |活|        .|_|  身の進退動静する事は成り難き事なれども、道なればしるす者也。
| |人|        .|_| 
| |剣|        .|_|  しかりといへ共、兵法には、此心まつすぐにして
|.  ̄         .|_|  身手足にかなはざればならざるわざなり。
|            |_|  平生のわが身の進退は、身地にかなはざれども、
|            |_|  兵法の道には、此得道なくてはならざる也』
|________.|_| 
└───────┘

       ____        …なんだかえらく謙虚だお。
     /      \
   / ─    ─ \     『此こと葉、われよく心を得て、此の如く云ふにあらず』
  / -=・=-   -=・=- \
  |      (__人__)  U  |   自分もわかっているわけではないが、とか
  \     ` ⌒´     /  教える側がこんな風だと、教わる側も不安になってくるお?


   / ̄ ̄\        まあ、この辺りは、
 /   _ノ  \      「此心を得るために参禅するべし」という
 |    ( ⌒)(⌒)     結論に至るまでの煽りだからな。
. |  u  (__人__)
  |      |r┬|}      この「自分でもわかっていない(此心を得ていない)」というのは
  |      | | |}     おそらく宗矩の本心でもあったんだろうが、
.  ヽ     `ニ}      「だから(これをわかっているであろう)沢庵を」と繋げるための
   ヽ     ノ      伏線、というわけだ。
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、
602 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:10:04.56 ID:LgeqtBQ0

    / ̄ ̄\           あと、ここでポイントになるのは、
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)        『平生のわが身の進退は、身地にかなはざれども、
  |     (__人__)          兵法の道には、此得道なくてはならざる也』
   |     `⌒´ノ
   |   ,.<))/´二⊃       というところだ。
   ヽ / /  '‐、ニ⊃       将軍家指南役である宗矩ですら、
   ヽ、l    ´ヽ〉        「此心」を会得しきれているわけではない、
''"::l:::::::/    __人〉        だが、兵法の道を得るには、これを会得しなければならない。
:::::::::|_/ヽ.   /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、     「だから稽古(or参禅)が必要だ」
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|    という話なわけだ。


 まあ、そりゃ目的があれば、                     ____
そこに至るための努力は必要だお。               /      \
                                    /─    ─  \
 この場合、「此心」に達していないのなら、        / (●)  (●)   \
稽古というか、参禅が必要だ、という結論になるのは   |    (__人__)      |
当然といえば当然だお。                    \   ⊂ ヽ∩     <
それがどうかしたのかお?                    |  |  '、_ \ /  )
                                    |  |__\  “  /
                                    \ ___\_/
603 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:12:22.84 ID:LgeqtBQ0

                            うん。
           / ̄ ̄\           そして宗矩は家伝書の別の箇所で、
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)         『此心をとくと見付けたる人はまれ也』
         |     (__人__)
         |      `⌒´ノ          とも書いている。
          |         }         つまり、そう簡単に「此心」を得ることはできない、
          ヽ        }      (   としているわけだ。
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (   こいつを転じて言えば、
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁   「稽古に限りなど無い」
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |   ということでもあるわけだ。
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !


     ____
   /      \       …あー、なるほど。
  /   _ノ ヽ、_.\     目標を明確にした上で
/    (●)  (●) \    稽古の必要性を説いてるわけだお。
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /     …でもこれだと、
(  \ / _ノ |  |     一生稽古とか、そういう話にならないかお?
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


      / ̄ ̄\           というか、そういう話だろう、ということさ。
      _ノ  ヽ、  \   ,.:┐    こいつを突き詰めれば、
    .( ●)( ●)  ..| / |
    (__人__)     .|./   /       「生涯修行」
     i⌒ ´ .r−、  |/  /
     {     ヽ, ',. .,/ :/',       という話になる。
     .ヽ   .|  l_/_, -‐、',      後の「武道」の礎とも言える考え方が
      .ヽ . |   / , -−'i|      ここにはあるわけだ。
      /   {  V , -−ヘ
      |   ヽ  L| r= |      まあ、この辺りはまた後で話をしようか。
                      それじゃ続けるぜ。
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:16:08.05 ID:r0hD0LAo
常在戦場から生涯修行に切り替わるわけか。
605 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:16:41.71 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『よろづの所作に此心はづれず、其道々の上には此心かなへども、
| ._         .|_|  よの所へ通じてする事は成らざる物也。
| |活|        .|_|  通じてしり、通じてなす事をば、通達の人と云ふ也。
| |人|        .|_|  一能一芸の上に通ずるは、其道々の達者と云ふ也。
| |剣|        .|_|  通達とはいふまじき也』
|.  ̄         .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \       ここでは、「芸」と「心」を区別している。
 |    ( ●)(●)     一芸に通じる…つまり、技を極めた者を「達者」とし、
. |     (__人__)     「此心」を得た人を「通達の人」としているんだな。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }       まあ、心の重要性を重ねて強調しつつ、
.  ヽ        }      芸を極める事は、「此心」を得ることと
   ヽ     ノ       イコールではない、という話だ。
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、 


 まあそりゃそうだお。              ......       ___
腕は立つけど、人間としてどうなの、というのは      /   ヽ、_ \
それこそいくらでもいるお。                  /(● ) (● ) \
                            ....  /:::⌒(__人__)⌒::::: \
 …この時、誰の顔が思い浮かんだのか、  .....  |  l^l^lnー'´       |
宗矩に聞いてみたいところだお〜?       .  \ヽ   L        /
                                  ゝ  ノ
                                /   /

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)    …ははは。
. |  u  (__人__)    まあ、それ以上はやめとけよ。
  |      |r┬|}    さ、次いくぜ。
  |      | | |}
.  ヽ     `ニ}
   ヽ     ノ
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、
606 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:19:01.22 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『さる歌に、
| ._         .|_| 
| |活|        .|_|  (妄)心こそ     妄心とてあしき心也。わが本心をまよはする也。
| |人|        .|_|  (本)心まよはす  本心也。此心を妄心がまよはす也。
| |剣|        .|_|  (妄)心なれ.     妄心をさして心なれと云ふ也。心をまよはす心也とさしていふ也。妄心也。
|.  ̄         .|_|  (妄)心に      妄心也。此妄心にと云ふ也。
|            |_|  (本)心        本心也。心殿とよびかけて、本心よ妄心に心ゆるすなと也。
|            |_|  (本)心ゆるすな  本心也。妄心に本心をゆるすなといふなり。
|________.|_| 
└───────┘  右の歌、真妄をいふ也。心に本心、妄心とて二つあり。
               本心を得て、本心の様になせば、一切の事すぐ也』

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/      そしてこいつが最後だが、ここで挙げられている歌は、
    |  (__人__)l;;,´|      沢庵が宗矩に与えた「不動智神妙録」にある歌なんだ。
    | ./´ニト━・' .l
    | .l _ニソ    }        内容については、既に述べていることと
     /ヽ、_ノ    /       それほど変わりはないわけだが、
    __/  /    ノ__       宗矩が沢庵の影響を強く受けていた、ということを示す
  / /  /       `ヽ.    一要素、ということでここに挙げておく。
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /

      ____
    /  ⌒  ^\       まあ、「不動智神妙録」が
   /  ( ●)  (●)      「兵法家伝書」よりも成立が先であろう、というネタだお。
 /  ::::::⌒(_人__)⌒ヽ    次に進めるお。
 |       |r┬-|   |
 \        `ー'´  /
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:19:05.43 ID:kEC2WQYo
ごまかしたwwww
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:20:11.35 ID:r0hD0LAo
オプ(ry
609 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:21:50.28 ID:LgeqtBQ0

 …てなところで、
「活人剣」の本文の紹介は終わりだ。
ここをまとめると、こうなるかな。

    / ̄ ̄\        ...
   /   _ノ  \.      ....【技法論】
   |    ( ●)(●)     .... 手字種利剣 : 相手の「手の内」を見ることが最重要
.   |  ::::::⌒(__人__)      .          是極一刀・一見五観もこれに付随する。
   |     ` ⌒´ノ       .【心法論】
.   |         }.    。   此心     : 「此心」を得ることが至極。
.   ヽ        }    /  ...          そのために禅が必要である。
    ヽ     ノ   ./   ..
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)    
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

               ∩_     
              〈〈〈 ヽ    大体分かったお。
      ____   〈⊃  }   技法論はともかく、心法論に関しては、
     /⌒  ⌒\   |   |
   /( ●)  (●)\  !   !    『”此心”を得れば、兵法も名人になる。
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l     このための心法を修めるため、参禅するべし』
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー'´     //      としたわけだお。
  / __        /       …あ!これが「剣禅一致」なのかお?
  (___)      /
610 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:24:00.72 ID:LgeqtBQ0

       (⊃ ̄ ̄\         いや、ここではまだ、そこまでストレートに言ってない。
     (⊃   _ノ  \       この時点では、あくまで「此心」を得るために禅が必要、と
    (⊃   ( ●)(●)      述べているに過ぎないんだ。
     |     (__人__)
     |     ` ⌒´ノ        心の動きを読むのが新陰流の重要事であり、
       |         } \     そのために、敵の心を読むこともそうだが、
     /ヽ       }  \    まず己自身の心も制御できなければならない…
   /   ヽ、____ノ     )
  /        .   | _/    「だから禅を修めよ」という理屈だな。
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)
                                          ____
                                        / _ノ ヽ_\
 うーん…。                         ....     / (ー)  (ー)\
じゃあ、何時になったら「剣禅一致」になるんだお?  .    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \
もう本文は終わってしまったお?            .....    ヽ   L   |r┬-|    |
                                      ゝ  ノ  `ー‐'    /
                                    /   /         \
                                   /   /            \
                                 . /    /         -一'''''''ー-、.
                                 人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |     安心しろ。
. |  (__人__)  |    その話については、次からの
  |   ` ⌒´  ノ    「無刀之巻」で語られることになるんだ。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、
611 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:25:58.80 ID:LgeqtBQ0
           _____
         / '⌒ヽ  ; '⌒゙\       ||  ||
        /        ∪     \      ||  ||
      / /´  `ヽ   /´  `ヽ \     o   o
     /  (   ● l    l ●   )  \
   /    ヽ_   _ノ   ヽ_  _ノ  ; \    無刀之巻!
   |  ;  ''"⌒'(    i    )'⌒"' ∪  |
   |  ∪      `┬─'^ー┬'′      |    柳生といえば、裏柳生と並ぶ名物の「無刀取り」だお!
    \          |/⌒i⌒、|         /    ここで紹介してるのかお?
     \       !、__,!    U  /
     /       、____,,      \
    /                        ヽ
     |  、                 ,   |

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)     お前なあ…。
. |     (__人__)    まあ、確かに無刀取りについての話も
  |     ` ⌒´ノ    あるにはあるんだけどな。
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \

           ____
         /_,r'  ' !、\         やったお!
       /(≡)   (≡)\       やっぱり「甲種無刀取り」とか「乙種無刀取り」とか
     n/ ::::⌒(__人__)⌒::::::\      あるのかお!?
    y |     |r┬-|     |⌒)
    l \_   `ー'ォ     //     「徳川家康(トクチョンカガン)」上下巻は
     \      ・    ・  ̄ /     好評発売中だお!
       \         /       .皆で溢れるホワイティ宗矩パワァを堪能すると吉だお!
        >      <
       〃   (::)っ   ヽ
       ヽ  <  `‐' >  )
        と__)   (__)
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:27:47.15 ID:kEC2WQYo
宣伝乙wwww
613 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:28:47.70 ID:LgeqtBQ0

      / ̄ ̄\   
    /ノ( _ノ  \   んなわきゃねーだろ!!
    | ⌒(( ●)(●)
    .|     (__人__) /⌒l
     |     ` ⌒´ノ |`'''|
    / ⌒ヽ     }  |  |
   /  へ  \   }__/ /             / ̄ ̄\   アベシッ!!
 / / |      ノ   ノ           / ●)) ((●\’, ・
( _ ノ    |      \´       _    (   (_人_)’∴ ),  ’
       |       \_,, -‐ ''"   ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ   て
       .|             三三三三三三三三三 ノ    (
       ヽ           _,, -‐ ''"  ノ       ヽ   r'" ̄
         \       , '´        し/..     | J
          \     (           /      |
            \    \         し-  '^`-J
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:29:36.19 ID:r0hD0LAo
無刀取り(小型限定)
無刀取り(限定解除)
無刀取り(二種大型)
615 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:30:21.88 ID:LgeqtBQ0

      / ̄ ̄\
     / _ノ  .ヽ、ヽ
     | (●)(●) |    ったく、伝奇と現実を混同するんじゃねえよ。
     |  (__人__) |   裏柳生も甲種無刀取りも実在しねえっての。
     |   ` ⌒´ ノ
     ヽ  ._   .}     …まあ、あったら面白いのになあ、とか、
      ヽ_/ }   ノ    白もいいけど、やっぱり僕らは黒宗矩くんも好きなんです!とか
      /、 〈  く     .思っててもそこは言わないのがたしなみってもんだろ。
     ハ ヽ Y`ー.、i
     { ヽ_ゾノ-‐1
     `¨´┬' . |


 このタイミングで蹴りが入るとか予想外だったお。      ____
冒頭で大丈夫だったから油断したお…。           /,:' /,';;;}: \
                                  ./_, 。ィ' li:.、ヒァ' \
 でも、結局やらない夫も好きなんだお?        / ⌒';,゙i, ri:.:i .::' メ、 \
                                |    ,:' /,';;;}:.ヾ:.     |
                                \     ' {;!゙'     /

         / ̄ ̄\
       /   _ノ  \     …そりゃあ…なぁ?
       |    ( ⌒)(⌒)
          | ///  (__人__)    まあ、そこについてはここまでだ。
        |      ` ⌒´ノ   それじゃ次から「無刀之巻」について説明に入るぞ。
          ,|         }
       / ヽ       }     最初は少し量が多いから、意訳と平行で出して、
     く  く ヽ     ノ     あとでまとめて解説させてもらおうかな。
       \ `'     く
        ヽ、      |
            |       |
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:32:27.50 ID:9M1CyEwo
>>614
大型だと薙刀とか大金槌が取れるのかな?

>>615
やる夫よ、そこで「蹴ってやる」という心の働きを読み取ることが…
617 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:33:03.18 ID:LgeqtBQ0
【無刀之巻】

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『○無刀之巻
|   ._       .|_|   無刀とて、必しも人の刀をとらずしてかなはぬと云ふ儀にあらず、
| 無 |活|      .|_|  又刀取て見せて、是を名誉にせんにてもなし。
| 刀 |人|      .|_|  わが刀なき時、人にきられじとの無刀也。
| 之 |剣|      .|_|  いで取て見せるなどと云ふ事を、本意とするにあらず』
| 巻.  ̄       .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

(意訳:まず言っとくけど、無刀取りって絶対刀取らなきゃいけないわけじゃないよ?
    ましてや、刀取って自慢するとかも有り得ないから。
    刀が無い時、斬られないためにやることが無刀取りなんだよ。
    だから、無刀取りなんかわざわざ自分からやるもんじゃないよ)
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:34:21.50 ID:/uxMgUko
技を発揮したいも、たしか病でしたっけね
619 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:34:27.14 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 とられじとするを、是非とらんとするにはあらず。
|   ._       .|_|   取られじとするをば、とらぬも無刀也。
| 無 |活|      .|_|   とられじとられじとする人は、きらふ事をばわすれて、
| 刀 |人|      .|_|   とられまいとばかりする程に、人をきる事ばなるまじき也。
| 之 |剣|      .|_|   われはきられぬを勝とする也。
| 巻.  ̄       .|_|   人の刀を取るを芸とする道理にてはなし。
|            |_|   われ刀なき時に、人にきられまじき用の習也』
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

(意訳:別に無刀取りってったって無理に取らなくていいんだよ。
    向こうが無刀取り警戒して、斬りかけてこなけりゃそれでもいいんだから。
    こっちは斬られなきゃ勝ちって思えばいいんだよ。
    大体、見世物じゃないんだから刀なんかわざわざ取ってどうするの?
    馬鹿なの?死ぬの?
    刀がない時、斬られない為の技なんだよ、コレは)
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:35:18.00 ID:kEC2WQYo
ちょwwwwwwww
621 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:35:37.62 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 無刀と云ふは、人の刀を取る芸にはあらず、諸道具を自由につかわむが為也。
|   ._       .|_|   刀なくして、人の刀をとりてさへ、我が刀とするならば、
| 無 |活|      .|_|   何かわが手に持ちて用にたたざらん。
| 刀 |人|      .|_|   扇を持ちて也共、人の刀に勝べし。
| 之 |剣|      .|_|   無刀は此懸りなり。
| 巻.  ̄       .|_|   刀もたずして、 竹杖つひて行く時、人寸の長き刀をひんぬいてかかる時、
|            |_|   竹杖にあしらひても人の刀を取り、もし又必ずとらず共、おさへてきられぬが勝也。
|            |_|   此心持を本意とおもふべし』
|________.|_| 
└───────┘

(意訳:なんか何回も言ってるけど、無刀取りってのは、別に刀取ることじゃないよ。
    道具(刀も含む)を自由に使うためのものなんだよ。
    わざわざ人の刀を取って使うくらいなら、
    他のものがあれば、そっち使った方が早いだろ?
    扇でも杖でも何だって使ってもいいから、斬られないように持ち込めばいいんだよ。
    とにかく斬られなきゃいいんだよ。それが大事なの)
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:36:47.12 ID:/uxMgUko
ママンを思い出すなぁ……親孝行しなくっちゃ
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:37:07.60 ID:aOfCTPMo
なるほどなーwwwwwwww
624 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:37:11.53 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 無刀は、とる用にてもなし、人をきらんにてもなし。
|   ._       .|_|   敵から是非きらんとせば、取るべき也。
| 無 |活|      .|_|   取る事をはじめより本意とはせざる也。よくつもりを心得んが為也。
| 刀 |人|      .|_|   敵と我が身の間何程あれば、太刀があたらぬと云ふ事をつもりしる也。
| 之 |剣|      .|_|   あたらぬつもりをよくしれば、敵の打つ太刀におそれず、
| 巻.  ̄       .|_|   身にあたる時は、あたる分別のはたらきあり。
|            |_|   無刀は、刀のわが身にあたらざる程にはとる事ならぬ也。
|            |_|   太刀のわが身にあたる座にて取る也。
|________.|_|   きられてとるべし』
└───────┘

(意訳:しつこいけど、無刀はわざわざ取らなくてもいいの。あと、斬らなくてもいいの。
    相手が何が何でも斬ろうとしてきた時だけだよ、取るのは。
    つーか離れてたら斬られないんだから、それでいいだろ。
    わざわざ取ろうとしてどうする。
    取るのは、刀が当たりそうな時だけだよ)
625 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:38:22.09 ID:LgeqtBQ0

     / ̄ ̄\
   /   ⌒  \      というわけで、
   |  ミィ赱、i .i_r赱     これが世に名高い柳生の「無刀取り」だ。
.   | ::::::⌒ (__人__)
.   |     トエエエイ      …さて、どう思った?
.   ヽ     `""´}
    ヽ     ノ
     /    く
                                         ____
                                       / _ノ ヽ_\      
 なんていうか…しつこいお。               .     / (ー)  (ー)\
そこまで繰り返さなくてもいいじゃない、っていうくらい    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \
何回も同じこと言ってるお…。                  ヽ   L   |r┬-|    |
                                     ゝ  ノ  `ー‐'    /
 つーか訳が超訳過ぎないかお?              /   /         \
                                  /   /            \
                                . /    /         -一'''''''ー-、.
                                人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \  ( ;;;;(
   |    ( ─)(─  ) ;;;;)    まあ、確かにな。
   |      (__人__) /;;/   よっぽど嫌なことがあったんじゃないかと思うくらい、
.   |        ノ l;;,´     細かく、しかも繰り返し書いてあるよな。
    |     ∩ ノ)━・'
  /    / _ノ´        まあ、訳については、宗矩の心情を
  (.  \ / ./   │       >>1が臨場感溢れる形で代弁してみました、だそうだ。
  \  “ /___|  |        夢で怒られてもしらねえぞ…。
.    \/ ___ /
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:38:29.22 ID:r0hD0LAo
なんか後世の伝記作家たちに向けての警句と罵声のようだww
627 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:40:00.55 ID:LgeqtBQ0

           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \            つーか、宗矩は、新参の割にかなり出世してるから、
         |    ( ●)(●)          結構嫌味とか色々言われていたと思うんだが、
         |     (__人__)          その中で、
         |      `⌒´ノ
          |         }            「名高い柳生の無刀取りをやってみろ」
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )     とか言われたりしてたんじゃないかな?
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)    で、あんまりしつこく言われてたから、
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁     その鬱憤がこういう風に、何回も念を押す形で
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|     発露したのかもしれないな。
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !


       ___
     /   ヽ、_ \       なるほど…。
    /(● ) (● ) \     つまり、これはアレだお…
  /:::⌒(__人__)⌒::::: \
  |  l^l^lnー'´       |
  \ヽ   L        /
     ゝ  ノ
   /   /
628 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:41:38.72 ID:LgeqtBQ0
          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、  \ \、_ハノ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.\ ヽ\).',..、
         .′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽrー .  /  
      ./ :.:.:.:.:.:.:.:∧.:.:ト,:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ヽ,) 自分では気の利いた嫌味を言ったつもりでしょうが
        {:.:.:.:.:.:.:.{≧x:kヘ.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_;_;)
        ':.:.:,ィ.:.:.込尤!i}∧.:ト,:.:.:.:.厶:.:.:.:.:.:.`ヽ  それを言うのはあなたで100万人目なのです!
          ∨^Yトー― '  ハ!ヘ.:.:/i!i∧:.:.:.卜_)  
        ヽ,ム`    ' '  ∨ ムノヽ:.:.! .,ソ/ヘ '"
         }.:∧、  r===ぇ  /.:.:|  ∨ /  //7/ヘ /l ト、 |\ヘ /l ト、 |\
           j/小.:ヽ、{こ二'」 ,/.:ij.:i          /   V | l ヽ|    V | l ヽ|
           |.:.:.j:} ` - ' {、.:.仆{
            j/"|     | ヽ{
           /⌒'┤     ├'⌒ヽ                     (^ヽ {^ヽ
            /  {f¨ ̄「 ̄¨^/    '.                  rヘ   '. '. '. '. Y^}
         /   ;ーr宀ー‐/      '.                 '. '.  / ,// 厶/ {
     -一¬ヘ    '.     . ′     / '¬=ー-            '. ー'  ¨  ´  _」
 /´     .′'.   '.  /      . ′ '.      `ヽ       〉      /´}
 ′    /   '.    '. , ′    . ′   '.        '.     /      厶 '
/      ′   '.    /    /      '.       '.    {     /
!      /      '.  ′    /      '.          '.   ム,___j___
|      '         './      .′      '.        '.  {      ○ |
!    j        /      /           i          '. ,j     _rー┘
      柳生宗矩、心の叫び(イメージ図)
629 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:43:17.62 ID:LgeqtBQ0

 …案外、当たらずとも
  遠からずかもな…。

        / ̄ ̄\
      /       \      ____
      |::::::        |   /      \   …ってことだお?
.      |:::::::::::  u  |  /  ⌒  ⌒  \
       |::::::::::::::    |/   (●) (●)   \
.       |::::::::::::::    } |     (__人__)    |
.       ヽ::::::::::::::    } \    ` ⌒´   _/
        ヽ::::::::::  ノ   |           \
        /:::::::::::: く    | |         |  |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴――
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:43:52.33 ID:kFWSeDYo
1さんの最近のお気に入りは絶望先生かなww
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 00:44:12.40 ID:/uxMgUko
的確ww
632 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:45:09.39 ID:LgeqtBQ0
         ____
         / _ノ ヽ_\       …しかし、それにしたって
.     / (ー)  (ー)\     これが「無刀取り」とかあんまりだお。
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \   地味過ぎるお。
    ヽ   L   |r┬-|    |
     ゝ  ノ  `ー‐'    /     wktkしていた全国の伝奇少年の期待は
   /   /         \    どこに行けばいいんだお?
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


                そんなこと言われてもな…。
   / ̄ ̄\       斬られないのに一番いいのは、危ない奴に近寄らないことだろ。
 /   _ノ  \     どれだけ腕が立っても、力があっても、
 |    ( ー)(ー)    届かなきゃ意味無いんだからさ。
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ     宗矩自身も言ってる通り、
.  |       nl^l^l   「芸ではない」んだから、地味だろうがなんだろうが、
.  ヽ      |   ノ   「斬られないため」という目的を考えると、
   ヽ    ヽ く     ここで言われていることがベターだろ。
   /     ヽ \
633 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:46:57.30 ID:LgeqtBQ0
         ___
      /)/ノ ' ヽ、\       そうは言っても…他に何かないのかお?
     / .イ '(●)  .(●)\     もうちょっと具体的な方法とか…。
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /


   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |     …まあ、一応
. |  (__人__)  |    具体的な心がけについても語っている箇所はある。
  |   ` ⌒´  ノ    そこも紹介しておこうか。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く 
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)
634 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:48:25.73 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 無刀は、人には刀をもたせ、我は手を道具にして仕合するつもり也。
|   ._       .|_|   然れば、刀はながく、手はみじかし。
| 無 |活|      .|_|   敵の身ちかくよりて、きらるる程にあらずば、成間敷也。
| 刀 |人|      .|_|   敵の太刀と我手としあふ分別すべきにや。
| 之 |剣|      .|_|   さあれば、敵の刀はわが身より外へゆきこして、
| 巻.  ̄       .|_|   われは敵の太刀の柄の下になりて、
|            |_|   ひらきて太刀をおさふべき心あてなるべきにや。
|            |_|   時にあたつて、一様にかたまるべからず。
|________.|_|   いづれにても、身によりそはずば、とられまじき也』
└───────┘

(意訳:もし、無刀取りをする羽目になったら、
    手を道具として仕合うつもりでやれ。
    で、手は刀と比べたら短いから、やるなら敵の懐に飛び込め。
    そうすりゃ敵の太刀は外れるし、手は届くだろ?
    あと、変に固まったりすんなよ?とにかく相手にくっつけ)


                   そうそう、こういうのが無刀取りってもんだお!
          ____     距離取れとか、地味過ぎるんだお!!
        /_ノ  ヽ、_\
 ミ ミ ミ  o゚((●)) ((●))゚o       ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒) :::::⌒(__人__)⌒:::\      /⌒)⌒)⌒)
| / / /      |r┬-|    |   (⌒)/ / / //
| ::::::::::::(⌒)    | |  |   /    ゝ  ::::::::::/
|     .ノ      | |  |   \   /  )  /
ヽ    /      `ー'´       ヽ /    /
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l   バ
 ヽ    -一''''''"〜〜``'ー--、   -一'''''''ー-、 ン
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒)) バ
                             ン
635 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:50:25.39 ID:LgeqtBQ0
          ____
        / ─  ─\       …でも、あらためて見ると、やっぱり普通だお。
       / (●) (●)\     真剣白刃取りとか、そういう雰囲気は全然ないお。
     /    (__人__)    \   これじゃボクシングのクリンチだお。
     |     ` ⌒´     |
     \             /
     ノ            \
   /´               ヽ
   |   l              \
   ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
    ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

                         ....        / ̄ ̄\
                                 / ヽ、_   \
 そりゃ刀はリーチがあるからな。    ......     . ( (● )    |
懐に入られてたら、使いづらくなるだろ。       . (人__)      |
そこを押さえるわけだ。                 r-ヽ         |
                         ....     (三) |        |
  命が掛かってんだし、           ..     > ノ       /
白刃取りなんてやってられないだろ。         /  / ヽ     /
常識的に考えて…。                  /  / へ>    <
                             |___ヽ  \/  )
                                 |\   /|
                                 |  \_/ |

         ____
         / _ノ ヽ_\          …そう言ってしまうとミもフタもないお。
.     / (ー)  (ー)\        まあでも確かに、その通りだお。
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \
    ヽ   L   |r┬-|    |       これで終わりかお?
     ゝ  ノ  `ー‐'    /
   /   /         \
  /   /            \      「いや、一応最後の一文がまだある」
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))
636 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:52:44.54 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 無刀は、当流に、是を専一の秘事とする也。
|   ._       .|_|   身構、太刀構、場の位、遠近、うごき、はたらき、つけ、かけ、表裏、
| 無 |活|      .|_|   悉皆無刀のつもりより出る故に、是簡要の眼也』
| 刀 |人|      .|_| 
| 之 |剣|      .|_| 
| 巻.  ̄       .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ●)(●     まあ、ここまできたら意訳も何もいらないだろ。
   |      (__人__)
.   |        ノ     無刀は柳生新陰流の秘事であり、
    |      ∩ ノ ⊃    立ち合い時のあらゆる物事は、
  /     ./ _ノ     全て無刀のつもりでやれ、というわけだ。
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /
                              ...     ____
                                   / ⌒  ⌒  \
 お?                             ./( ―) ( ●)  \
「新陰流」じゃなくて「柳生新陰流」と読んだかお?   /::⌒(_人_)⌒:::::  | 
                                 |    ー       .|
                                 \          /
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \  ( ;;;;(    まあな。
   |    ( ─)(─  ) ;;;;)   無刀をここまで強調するのは、
   |      (__人__) /;;/   柳生新陰流…より正確に言えば江戸柳生の特徴だ。
.   |        ノ l;;,´
    |     ∩ ノ)━・'      だからこそ、石舟斎の逸話も相まって、
  /    / _ノ´       柳生といえば「無刀取り」と定着したんだろうな。
  (.  \ / ./   │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /
637 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:54:26.91 ID:LgeqtBQ0
      (              , ---――---、
      (            _/lllllllllllllllllllllllllllllll`ヽ、
      (           /lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllヽ
       (         /\、llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll冫
       (         |:/ ヽlllllllllll,,--ーヽ--'´::::::::::|
       (         | `ヽ、二二_..-''''-、 |:::::::::::::|   とんだところで、
       (         / -ニヽ、   _..-'ニヽ \::::::::::|  護身完成ってか…。
       (        r-‐‐‐--、  二二____   ,!‐-<
       (        〔 | ̄ ̄`i --' r‐‐---、`/ /^ 冫
        (       i、----//~l\ヽ_____//  > 〉/
        (        `| ̄ / ノ┐`‐--‐'´ / __ノ
        (        `l`l<ヽニ-'´ヽ、  ,-‐' /ト、
        (         \`‐‐-‐-‐->    / | \
        (        ,-'´ |トニ二ニニ/ __/ / | |\
         (     .,-'´ //|ー‐‐‐‐' /   / ///\
          (         ヽ――'´    ///
           ⌒⌒○⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
     ____   ○
   /      \。○   
  /  ─    ─\     なんにせよ、実際の無刀取りというのがどういうものか、
/    (●)  (●) \   技法はともかく、その心がけはよくわかったお。
|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  /    「達人ッ!」とか「護身完成ッ!」とかいう単語が
(  \ / _ノ |  |     脳に浮かぶのはスルーしとくお。
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


      / ̄ ̄\ ( ;;;;(    (何想像してるか丸分かりだなー)
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/      まあ、ある意味、
    |  (__人__)l;;,´|      (自ら立ち合いを求める)武芸者からすれば、
    | ./´ニト━・' .l      論外と言えなくもない思想だが、
    | .l _ニソ    }      こいつはまず護身ありきの家光のための兵法だからな。
     /ヽ、_ノ    /       むしろ、こうでないとマズいわけだ。
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.     さて、それじゃ続きになるぞ。
  /´  ./       ,.  ヽ.   先にも出ていた禅が、ここで本格的に顔を出してくるんだ。
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /
638 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:56:05.94 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 大機大用(だいきだいゆう)。用(よう)を用(ゆう)ととむべし。
|   ._       .|_|   物の躰用の時、用とよむべし。
| 無 |活|      .|_|   物ごとに躰用と云ふ事あり。
| 刀 |人|      .|_|   躰があれば、用がある物也。
| 之 |剣|      .|_|   たとへば、弓は躰也、ひくぞ、いるぞ、あたるぞと云ふは弓の用也。
| 巻.  ̄       .|_|     (中略)
|            |_|   刀は躰也、きる、つくは用也。
|            |_|   然れば、機は躰也、機から外へあらはれて、様々のはたらきあるを用と云ふ也。
|________.|_|     (中略)
└───────┘   大はほむる言葉也。
                大明神、大権現、大菩薩などと云ふも、大は褒美の言葉也。
                大機なる故に、大用があらはるる也。
                禅僧の自由自在に身をはたらかし、何事をいふも、何事をするも、
                皆道理にかなふて理に通ずる、是を大神通と云ひ、大機大用と云ふ也』

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \     ここで言う「大機大用」は、
 |  (●)(●) |    言ってること自体は、心があって、それに行動が従うので云々、という
. |  (__人__)  |    従来通りの話だが、ここで「大」の文字が付くことにより、
  |   ` ⌒´  ノ    より大きな次元の話になる、としているわけだ。
.  |         }
.  ヽ        }     そして、ここでもそのモデルケースとして、
   ヽ     ノ     「禅僧」…まあ、ぶっちゃけ沢庵を引き合いに出している。
   /    く 
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)
639 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:57:35.45 ID:LgeqtBQ0
     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)   …なんていうか、
/    (─)  (─ /;;/   宗矩は沢庵を信頼し切ってる感じだお。
|       (__人__) l;;,´|    これ、沢庵がいなかったらどうなってたんだお…?
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /


      .__             
    / 〜\           さあなあ…。
  / ノ  (●)\        実際のところ、この兵法家伝書の
. | (./)   ⌒)\       禅的思想の部分については、
. |   (__ノ ̄   \     かなりの部分が沢庵の影響を受けているからな。
  \          |     もしいなかった場合、というのが想像も付かん。
    \       /     
.      \  ⊂ヽ∩      だから、もし沢庵がいなかったら、
      /´    (,_ \.    この「兵法家伝書」も成立しなかったかも、という意味でも
       /       \. \  やはり沢庵は宗矩を語るのに欠かせない人物だよ。
      ./   /       |. \ソ
    (  y'      .|
640 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 00:59:13.84 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 
|   ._       .|_| 『数々の太刀構、表裏、偽り、諸道具のさばき、
| 無 |活|      .|_|  飛びあがり飛びさがり、手にやいばをとり、足に蹴をとし、
| 刀 |人|      .|_|  様々にはたらき、習の外に自在を得る事、是を大用と云ふ也。
| 之 |剣|      .|_|  常々内に機を具せざれば、大用はあらはるまじき也。
| 巻.  ̄       .|_|    (中略)
|            |_|  此機常に内にある故に、自然の時、
|            |_|  きどくの早速が出で合ふ、是を大用と云ふ』
|________.|_| 
└───────┘

       ., ──‐、
      /     \           そして、ここではその大用を発するためには、
.     .|     _ノ  ヽ         常に機を内にある状態…つまり、注意を怠らない状態を
     |     ( ●) (●)        常のものとすることが大事、としている。
     |       (__人__) , -―ーっ
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄     そうすれば、何かあった時、
.      ン         } ゙| ̄'|       おのずと大用…この場合は適切な行動が
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |      発揮されるだろう、というわけだ。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'   ∫
| |  /   /    r_____ ∬
| | /   /      |i    ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((|   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                              ____
 まあ、そりゃそうだお。              /      \
それが前に出ていた「平常心」あたりと    /─    ─  \
繋がるというわけかお?           / (●)  (●)   \
                         |    (__人__)      |
                         \   ⊂ ヽ∩     <
                           |  |  '、_ \ /  )
                           |  |__\  “  /
                           \ ___\_/

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)     そういうことだな。
. |     (__人__)    単に注意ばかりしているのでは、いつか疲れるし、隙も出る。
  |     ` ⌒´ノ    自然の状態でそのようにできることが至上、というわけだ。
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \
641 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:02:16.08 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『此大機大用の人にあふては、習のたけをつかふ兵法は、
|   ._       .|_|  手をあぐる事もならぬ物也。
| 無 |活|      .|_|   (中略)
| 刀 |人|      .|_|  禅句に、大用現前軌則を存ぜずと云ふ。
| 之 |剣|      .|_|    (中略)
| 巻.  ̄       .|_|  この大機大用の人は、そつとも習・法符にかかはらぬを、
|            |_|  軌則を存ぜずと云ふ也。
|            |_|  軌則とは、習・法符・法度の事也。
|________.|_|  よろづの道に、習・法符・法度と云ふ事有る也。
└───────┘  至極の人は、はらりとそれをはなるる也。
               自由自在をする也。
               法の外に自在をする、是を大機大用の人と云ふ也』

             ____
           /      \      …なんていうか、実物が目の前にいると、
          / ─    ─ \    例え話もやりやすい、という実例のようだお。
        /   (●)  (●)  \
        |      (__人__)     |   どう見ても沢庵です。本当に(ry
        \     ` ⌒´    ,/
       r、/          ヘ
      |:l1             ヽ


   / ̄ ̄\        こらこら終わらせるな。
 /   _ノ  \      まあ、でも、確かにそうなんだがな。
 |    ( ⌒)(⌒)
. |     (__人__)      大機大用の人物には、
  |      |r┬|}     そこに至らない人物では到底太刀打ちできないし、
  |      | | |}     更に、その人物の自由自在さを強調することで、
.  ヽ     `ニ}      「理想像の強化」をしているわけだ。
   ヽ     ノ
   /    く  \     目指すべき理想が具体的で素晴らしいほど
   |     \   \   目指すモチベーションも上がるわけだからな。
    |    |ヽ、二⌒)、
642 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:04:23.72 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 摩拏羅(まぬら)尊者の偈に云く、心は万境に随つて転ず。
|   ._       .|_|   転処実に能く幽なり。
| 無 |活|      .|_| 
| 刀 |人|      .|_|   右の偈は、参学に秘する事也。
| 之 |剣|      .|_|   兵法に此意簡要なる故に、引合ひてここに之を記す。
| 巻.  ̄       .|_|    (中略)
|            |_|   万境とは、兵法ならば敵の数々のはたらき也。
|            |_|   其一つ一つのはたらきに、心がてんずる也。
|________.|_|   たとへば、敵が太刀をふりあぐれば、其太刀に心がてんじ、
└───────┘   右へまはせば右へ心がてんじ、左へまはせば左へてんずる、
                是を心は万境に随つて転ずと云ふ也。
                転処実に能く幽なりと云ふ所が兵法の眼也。
                其所に心があとを残さずして、こぎ行く舟のあとのしら波と云ふごとく、
                あとはきえてさきへ転じ、そつともとまらぬ処を、転処実に能く幽なりと心得べし』

           (ヽ三/) ))
       __  ( i)))
      /⌒  ⌒\ \
    /( ⌒)  (⌒)\ )     これは…「転(まろばし)」かお!
  ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\    新陰流の極意の一つってやつだお!
  |    (⌒)|r┬-|     |
  ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/
  | | | |  __ヽ、    /
  レレ'、ノ‐´   ̄〉  |
  `ー---‐一' ̄


 まあ、確かにそうだが、
ここで宗矩が述べているのは、       ....
「転(まろばし)」そのものではなく、     ....     / ̄ ̄\
あくまでその根本の部分…          ..    / ヽ、_   \
つまり、                     ....  . ( (● )    |
                          ...  . (人__)      |
 「周囲の変化に心を移し、且つ留めず、    r-ヽ         |
  自由自在に応ずる」             .  (三) |        |
                          ...  > ノ       /
 ということだな。                  /  / ヽ     /
                          .../  / へ>    <
 …ちなみに、こいつについては、      .|___ヽ  \/  )
後で挙げられた例文が愉快なので、          |\   /|
少し挙げておこう。               ..    |  \_/ |
643 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:06:41.46 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 
|   ._       .|_| 『人の心も、物にうつればあらはれ見ゆる也。
| 無 |活|      .|_|  ちご若衆に心をうつせば、やがて人が見しるなり』
| 刀 |人|      .|_|   ・ ・ ・ ・
| 之 |剣|      .|_| 
| 巻.  ̄       .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
            \
-‐7" ヾー---┐ \
 ̄   ./゙ニ,ニF、''    \      ど う 見 て も 家 光 限 定 で す。
 :   ,.,. |ヽ 」9L.`    \
    l'  """        l     本当にアッーりがとうございました。
   h、,.ヘ.      ;:::    |
(    j    )       l
:.`ー-‐'´`ー-‐'′    /
  ≡≡        /
         イ\
 `ー- -‐'"´      \
 : .                \


       / ̄ ̄\
     /   ⌒  \     …まあ、実際に宗矩が家光相手にも
     |  ミィ赱、i .i_r赱    これを言ったかどうかは分からんが、
.     | ::::::⌒ (__人__)   もし言ってたら色々な意味でナイス度胸だよなー。
.     |     トエエエイ
.     ヽ     `""´}     いやあ、味わい深い(ニヤニヤ
      ヽ     ノ
       /    く
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:07:37.13 ID:kEC2WQYo
アッーりがとうwwww
645 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:09:00.88 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『○兵法の、仏法にかなひ、禅に通ずる事多し。
|   ._       .|_|  中に殊更着をきらひ、物ごとにとどまる事をきらふ。
| 無 |活|      .|_|  尤も是親切の所也。とどまらぬ所を簡要とする也。
| 刀 |人|      .|_|    (中略)
| 之 |剣|      .|_|  如何様の秘伝を得て手をつかふも、
| 巻.  ̄       .|_|  其手に心がとどまらば、兵法は負くべし。
|            |_|  敵のはたらきにも、我手前にも、きつてもつひても、
|            |_|  其所々にとどまらぬ心の稽古、専用也』
|________.|_| 
└───────┘

                      そして、ここで遂に
    / ̄ ̄\            「剣禅一致」について記した話が出るわけだ。
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)          『兵法の、仏法にかなひ、禅に通ずる事多し』
  |     (__人__)
   |     `⌒´ノ           兵法上の心法と、禅は、
   |   ,.<))/´二⊃        「着(執着・こだわり・心が留まること)を嫌う」
   ヽ / /  '‐、ニ⊃         という点に於いて同じである、というわけだな。
   ヽ、l    ´ヽ〉
''"::l:::::::/    __人〉           今まで、あくまで兵法のために禅を、と言っていたのが、
:::::::::|_/ヽ.   /|||||゙!:゙、-、_        この段階では同列、あるいは同一のものとして語っている。
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!      …即ち、「剣禅一致」だ。
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|

     ____
   /      \       なるほど。
  /  ─    ─\     そして最後に「心の稽古に励むべし」とくるわけかお。
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |    …確かに、ここまでくると、
./     ∩ノ ⊃  /    兵法の修行でも禅の修業でも、
(  \ / _ノ |  |     どちらでも変わらないような感じだお。
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
646 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:11:29.13 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一切の道理を見おはりて、皆胸にとどめず、はらりはらりとすてて、
|   ._       .|_|  胸を空虚になして、平生の何となき心にて、所作をなす。
| 無 |活|      .|_|  此位にいたらずば、兵法の名人とは言ひ難き也。
| 刀 |人|      .|_|  兵法は我が家の事なれば、さして兵法と申す也。
| 之 |剣|      .|_|  兵法一つに限るべからず、よろづの道此の如き也』
| 巻.  ̄       .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

                       , -、    さて、ここが「無刀之巻」の最後の部分なんだが、
                  , -   / /    宗矩はこの最後の段で、このように述べている。
       / ̄ ̄\      / ノ/ /
     /ノ,、\_  \    / / /`ヽ      前にも、平常心を以って事に当たる人を「名人」と
     ( ●)( ●)    |   {    (__/}    呼んでいたが、ここで再びその言葉が出てくる。
    (__人__)     |   {    (__/}    「平常心」を得て、「名人」に至ることを至極とし、
     (`⌒ ´     |   /     (__.ノ    これを結論としたわけだな。
      {        |   /   ,;-ー'´     そして、
      {         /  . /  . ノ
       ヾ      /  / ./           『兵法一つに限るべからず、よろづの道此の如き也』
       ソgヘ二ニ=7./  /
      ∧ii/ oィ/厂  /             として、ここまでで述べた心法が、兵法に限らず、
     / .|//=≠. r'´              万事諸道全てに通じるものであるとして、
     l  |。     `~/               一気に格上げして風呂敷を畳み込んだ、というところだな。
     /  |。      /
647 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:13:23.29 ID:LgeqtBQ0

                    風呂敷を広げるだけ広げて、
                   最後に上手いことまとめられた感じだお…。
      _____     
    / ―   \          …というか、これって
  /ノ  ( ●)   \ 
. | ( ●)   ⌒)   |       「上様の兵法稽古はこれからだ!」 (完)
. |   (__ノ ̄    /
. |             /        ってことなんじゃないのかお?
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\     だって、この理屈だと、
.    |  /     \_ノ    これから禅を修めなければならないわけだお?


                         / ̄ ̄\
   まあ、そうだな。           /  ヽ、_  \
  というか、それこそが        (−)(− )   |
  宗矩の目的だっただろうしな。  (__人__)     |
                       (          |
                  .     {          |
                      ⊂ ヽ∩     く
                       | '、_ \ /  )
                       |  |_\  “ ./
                       ヽ、 __\_/

     ____    ━┓
   /      \   ┏┛
  /  \   ,_\.  ・
/    (●)゛ (●) \     …それってどういうことだお?
|  ∪   (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
648 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:15:17.24 ID:LgeqtBQ0
    / ̄ ̄\
  /:::::::⌒ ⌒\
  |:::::::::(●)(●)|     …まあ、そいつについては、
 . |:::::::::::(__人__)|   ここで語ると終わらないから、次にするさ。
   |::::::::::::` ⌒´ |   さ、それじゃあ、最後の〆に入るぜ?
 .  |::::::::::::::    }
 .  ヽ::::::::::::::    }
    ヽ::::::::::  ノ
    /ヽ三\´
    |:::::::::::::::: \
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:15:41.58 ID:7PGaHBIo
じ・か・ん・か・せ・ぎ・?
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:16:36.62 ID:/uxMgUko
ゴクリ…
651 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:16:39.30 ID:LgeqtBQ0

 まず、「無刀之巻」についてだ。
こいつの内容は、まとめればこうなるな。

    / ̄ ̄\        ... 【無刀】
   /   _ノ  \.      ....  無刀は、柳生新陰流の秘事にして、
   |    ( ●)(●)     .... 基本ともなる心得である。
.   |  ::::::⌒(__人__)      .
   |     ` ⌒´ノ       . 【剣禅一致】
.   |         }.    。    兵法上で必須となる心法は、
.   ヽ        }    /  ... 突き詰めれば禅の心と同じである。
    ヽ     ノ   ./   .. その行き着く先は「平常心」である。
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)    
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)    こうして見返すと、つくづく心法の比重が大きいお…。
/    (─)  (─ /;;/    「殺人刀」でも、かなりの部分が心法だったし、
|       (__人__) l;;,´|     全体だとどれくらいになるんだお?
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
652 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:18:25.77 ID:LgeqtBQ0

 うむ。
じゃあ、通しでまとめてみようか。
                    【進履橋】
                     ・新陰流についての伝書
    / ̄ ̄\        ... 
   /   _ノ  \.      ....  【殺人刀】
   |    ( ⌒)(⌒)     ....   ・序文(「活人剣」「大なる兵法」など「活人剣・治国平天下の剣」概論)
.   |  ::::::⌒(__人__)      .   ・心法論(「平常心」を目指すべき)
   |     ` ⌒´ノ       .   ・勝負論(勝負は「表裏(=略:はかりごと)」が基本である)
.   |         }.    。   
.   ヽ        }    /  ...  【活人剣】
    ヽ     ノ   ./   ..   ・技法論(「手字種利剣」を心がけること)
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)       ・心法論(「此心(=平常心)」を得る事)
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'        ・無刀之巻(「無刀」の心得。「剣禅一致」)
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

                      なるほど…。
                     これが「活人剣・治国平天下の剣」を説いた
         ___        「兵法家伝書」の概要というわけかお。
      /)/ノ ' ヽ、\
     / .イ '(●)  .(●)\      でも、こうして見ると、
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \   「殺人刀」と「活人剣」に大きな差はないお。
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |   むしろ、「序文」「本文」「無刀之巻」で分けた方が
  . \ ヽ           /   バランスよかったかもしれないお?


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ●)(●    ああ、そこについては、
   |      (__人__)   一応後書きの方で補足がしてあるな。
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /
653 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:20:14.18 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『此巻上下を、殺人刀、活人剣と名付けたる心は、
| ._         .|_|  人をころす刀、却而人をいかすつるぎ也とは、
| |活|        .|_|  夫れ乱れたる世には、故なき者多く死する也。
| |人|        .|_|  乱れたる世を治める為に、殺人刀を用ゐて、
| |剣|        .|_|  巳に治まる時は、殺人刀即ち活人剣ならずや。
|.  ̄         .|_|  ここを以て名付くる所也』
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \      まあ、分割したことそのものは、
    (⊃   ( ●)(●)     製本上の都合とかがあったのかもしれんが、
     |     (__人__)     上下間の命名に関しては、
     |     ` ⌒´ノ     「活人剣・治国平天下の剣」の肝と言うべき
       |         } \
     /ヽ       }  \     「殺人刀・活人剣」
   /   ヽ、____ノ     )
  /        .   | _/   を題することで、この兵法(というか思想)が、
 |         / ̄ ̄(_)   どういうものであるかを示した、ということらしいな。
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)
654 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:22:05.01 ID:LgeqtBQ0

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(      
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)      そして、こうして通しで見ると、
    |  (●)(●)/;;/      さっきお前も言った通り、
    |  (__人__)l;;,´|       序文の「活人剣」「大なる兵法」を除けば、
    | ./´ニト━・' .l       兵法上の心法(「剣禅一致」含む)への言及が
    | .l _ニソ    }        大半を占めることがわかる。
     /ヽ、_ノ    /        
    __/  /    ノ__         これが、江戸柳生が
  / /  /       `ヽ.     
  /´  ./       ,.  ヽ.      『心法の江戸柳生』
  ト、_,/.       |、  ヽ   
   |         |/  /     と称される所以だ。


          ____
        /_ノ  ヽ\         あー、そういえば、
      / ( ●) (●)、      尾張柳生が『刀法の尾張柳生』と
    /::::::::⌒(__人__)⌒\     呼ばれていたというけど、
    |      |r┬-|    |     それは江戸柳生と対比して、ということだったのかお。
    \       `ー'´  /
⊂⌒ヽ 〉        <´/⌒つ    まあ、こうして見ると、
  \ ヽ  /         ヽ /     そう呼ばれるのも納得だお。
   \_,,ノ      |、_ノ
655 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:24:15.08 ID:LgeqtBQ0

        / ̄ ̄\
      / ⌒  ⌒ \
      |  (⌒)(⌒) |     …いや、長くかかったが、
      |  (__人__)  |    とにかくまとめきれてほっとしてるぜ。
       |    `⌒´  │ 
       |         .|     それじゃあとは後書きを紹介だ。
       ヽ        /    
        ヽ     ノ   
      _/     l__   
 __ゝ_/         ヽ  
 \___ノ'        ヽ⌒)
656 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:25:23.74 ID:LgeqtBQ0

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『兵法の本書一巻は、進履橋と名づく。大凡の目録なり。
| ._         .|_|  亡父但馬守宗厳、上泉武蔵守藤原秀綱より、直伝するところ也。
| |活|        .|_|  右の目録の分、相窮むる人に於ては、右の本書一巻を写筆して之を授け、
| |人|        .|_|  相伝の証と為すべき者なり。
| |剣|        .|_|  今此の上下両巻は、習の外の別伝也。
|.  ̄         .|_|  亡父一生此の道を以て、寝食の間此を忘れず。
|            |_|  故に此の道に於て妙理を得、平生予を左右に置き、妙を談じ玄を説く。
|            |_|  聊かも聞き得ること有るときんば、拳々として胸に服く。
|________.|_|  予人と成り、手に刀柄を握つて父の業を継ぐと雖も、未だ嘗て自由ならず。
└───────┘  漸く知命の年を過ぎ、此の道の滋味を得たり。
               一件の理を得る毎に此を記す。積んで多端に渉り、窮むる所一心に帰し、
               一心多事に渉り、多事一心に収まる。畢竟茲に在り。
               今之を書きて両巻と為し、併せて本書共三巻、以て之を家に遺すと云ふ。

                                         寛永九年壬申長月吉辰
                                          上泉武蔵守    藤原 秀綱
                                          亡父柳生但馬守 平   宗厳
                                          的子柳生但馬守 平   宗矩』

                                          ___
…なんだか随分謙虚な感じだお。             ......     /   ヽ、_ \
                                        /(● ) (● ) \
『知命の年(50歳)を過ぎ、此の道の滋味を得たり』        /:::⌒(__人__)⌒::::: \
                                      |  l^l^lnー'´       |
とか、将軍家指南役が言っちゃっても大丈夫なのかお?   \ヽ   L        /
                                        ゝ  ノ
                                      /   /

                 まあ、これを書いた頃には、
                もう耳順(60歳)を過ぎてるわけだからな。
                その辺は割と正直な気持ちだったんじゃないか?
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \     俺がここで面白いと思うのは、
   |    ( ⌒)(⌒)   文から滲み出る石舟斎への感情だな。
   |      (__人__)   総体として、
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃    「親父は偉かったなー(超訳)」
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │    という素直な思慕と尊敬のトーンで統一されている。
  \  “ /___|  |    伝奇での印象が一気に変わって見えてくるな。
.    \/ ___ /    ここを読むと、なんで不仲に描かれる事が多いのか
                不思議になってくるぞ。
657 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:28:55.24 ID:LgeqtBQ0
               
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|   
| ._         .|_| .... 『今此三巻にしるすは、家を出でざる書也。
| |殺|        . |_|    しかあれど、道は秘するにあらず。
| |人|        . |_|    秘するは、しらせむが為也。
| |刀|        .|_| .... .しらせざれば、書無きに同じ。
|.  ̄         .|_| .... 子孫よく之を思へ』
|          . .|_|  
|            |_| ....
|________.|_|  
└───────┘  

           / ̄ ̄\             あと、こいつは「殺人刀」の序文の最後にある一文だったんだが、
         /   _ノ  \          全体の流れから見ると入れづらかったので省いてたんだ。
         |    ( ●)(●)         でも、せっかくなのでここに追記しておく。
         |     (__人__)         内容としては、子孫向けの一文なわけだが、
         |      `⌒´ノ
          |         }            『秘するは知らせむがため』
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )    というのは、世阿弥が書いた
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (   「風姿花伝」の影響があるのかもしれない。
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁    「風姿花伝」が公開されたのは明治に入ってからだが、
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|   概念自体は能楽者の間では広まっていただろう。
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |   能と関わりのあった宗矩は、そこから知見を得たのかもな。
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<)\   能狂いも無駄じゃなかったってわけだお。
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
  |    /| | | | |     |
  \  (、`ー―'´,    /
       ̄ ̄ ̄
658 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:30:16.92 ID:LgeqtBQ0

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \  ( ;;;;(
   |    ( ─)(─  ) ;;;;)    …さて、これで「兵法家伝書」の紹介は全て終りだ。
   | u    (__人__) /;;/   岩波文庫版のページ数にすれば、
.   |        ノ l;;,´     111pに過ぎない伝書なわけだが、
    |     ∩ ノ)━・'     こうして紹介してみると、長く掛かったなー。
  /    / _ノ´
  (.  \ / ./   │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

         ____
         / _ノ ヽ_\       …>>1の手際が悪かった、というのもあると思うお。
.     / (ー)  (ー)\     完全にエッセンスだけ抜き出して紹介した方が
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \   手っ取り早かったんじゃないかお?
    ヽ   L   |r┬-|    |
     ゝ  ノ  `ー‐'    /
   /   /         \
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))
659 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:31:29.92 ID:LgeqtBQ0

   / ̄ ̄\       まあ、それも一手だったんだが、
 / ノ  \ \     >>1の解釈が間違ってる可能性だってあるんだ。
 |  (●)(●) |     その場合、原文を紹介しつつであれば、
. |  (__人__)  |    気づいた人から指摘をもらえるかもしれないだろ?
  |   ` ⌒´  ノ
.  |         }     それに、>>1の目標の一つに、
.  ヽ        }    「兵法家伝書」の全文現代語訳があるからな。
   ヽ     ノ     ある意味、この紹介はその為のものでもあるんだよ。
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)    まあ、結局は言い訳だお。
/    (─)  (─ /;;/    これの是非は、読者に判断頂くことだお。
|       (__人__) l;;,´|
./      ∩ ノ)━・'/      …で、やらない夫、
(  \ / _ノ´.|  |      この後、どうするつもりなんだお?
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
660 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:33:28.85 ID:LgeqtBQ0
                 / ̄ ̄\
               / ._ノ   \\     _,,
               | ( ●) (●) |     l;l            ああ、次は、今までの話を下敷きに、
              . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,    
                |   ` ⌒´  |, ト-=y  丶          『「活人剣・治国平天下の剣」とはなんだったのか?』
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l  
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,          という点について話をしていこうと思う。
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,       これは言ってみれば、
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i        「柳生宗矩という人物は如何なる存在だったのか?」
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、    という話にも繋がるわけだから、
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、  ある意味、このスレで一番>>1
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l やりたかったことと言える。
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">-−  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /

      ____
    /_ノ   ヽ_\       わかったお。
   /( ●) ( ●)\     今回、まとめとか総論がえらく短く終わったのは、
 / ::::::⌒(__人__)⌒::::\   そっちに話を繋げるためだったのかお。
 |        ̄      |
 \               /    …じゃあ、今回はこれで終わりかお?
661 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:35:01.20 ID:LgeqtBQ0

               ま、そういうことだな。
              今日もお疲れさんだ。
      / ̄ ̄\
     /   ⌒  ⌒ …それじゃあ恒例の飯にしようぜ!
     |    ( ⌒)(⌒)                                 待ってたお!
.      |     (__人__)                         / ̄ ̄ ̄\    今回は久々にお好み焼きが食べたいお!
      |     ` ⌒´ノ                    /⌒    ⌒  \
      |         }                     /(⌒)  (⌒)    \
.     ヽ       |                     |   (__人__)///    |
   _/⌒ヽ     ィ                       \          /
  i'⌒゙l |   l       \                    / ̄         ̄ ̄)___
  |  |. |   |       ト \                    / //        /'./ / 〃 ⌒l.
  |  | ( " ̄⌒ヽ、 |_" ̄ ̄⌒ヽ、 _____/⌒\./         /   し'_|;;;;;;;;;;;;|
  |.   ̄ ̄ ̄ ̄|ソ,),) ̄`ヽ ̄⌒ヽ|,),)ソ .l'⌒゙l  ( ゙̄^  ヾ  /⌒ l\ /   |⌒゙|;;;;;;;;;;;;;|
  |        l  .| y  |_ィ   |  .| |  |──=`──‐/  /────|   |;;;;;;;;;;;;;|
  |        |  .|.|   |  |  |   | |  |         ノ_  /       |   |;;;;;;;;;;;;;|
  |        |   |___|  |__|  | |  |        iヘ__ソ         |   |;;;;;;;;;;;;;|
  |_______.|___(__゙)__{___゙)_|__|__|_______ ̄_______.|__|;;;;;;;;;;;;;|
662 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:36:00.84 ID:LgeqtBQ0

           / ̄ ̄\
         /  ー  ‐\    そうと決まれば善は急げだ!
         |   ( ●) ( ●)  早く行かないと店が閉じちまうぜ!
         |     (__人__)
         |   )  ` ⌒´ノ
         |        }
       r⌒ヽrヽ,    }
      /  i/ | __  ノヽ        _____
     ./  /  /      ) __  .  / ー  ー\    …言っといてなんだけど、
     ./ /  /     //  \. / ( ●) ( ●)   この時間帯にお好み焼き屋って
    /   ./     / ̄、⌒) /     (__人__) \ 開いてるのかお…?
    .ヽ、__./     / ⌒ヽ ̄  |       ` ⌒´   |
        r    /     | /  \     i⌒\   /  ま、とりあえず行ってみるお!
      /          ノ    / ⌒ヽ, _.ヽ  .\/
     /      /    /   ./     |./ー、\   \
    ./    //   /i,        ノ    \^   .i
    /.   ./ ./  /、/ ヽ、_../   /      .  ヽ、__ノ
   i   /  / / | ./  //  /
   i  ./  ノ.^/  .ヽ、_./ ./ /
   i  ./  |_/      / /
   i /             ノ.^/
  / /             |_/
  (_/

【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)「解説・兵法家伝書(活人剣)」】 完
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:37:37.07 ID:/uxMgUko
乙でした
ちゃんと理屈にあってるから、わかりやすいと云うか、単純というか…達人の残した言葉って深くて面白いな
664 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3) [saga]:2009/09/28(月) 01:38:15.44 ID:LgeqtBQ0
 どもども、お疲れ様でした。
本日もお付き合いありがとうございました>皆様
というか、夜遅くまですいません…明日は月曜日なのに。

 随分と長く掛かってしまいましたが、
兵法家伝書の解説というか、紹介は今回で終わりでアリマス。
次回からは、ようやく「後編」に移れるかと。

 …ちなみに、当初想定していた中篇を外して、後編にしたのは、
今の調子で書いてると、下手に前・中・後に分けたら、
解説だけで今年が終わるんじゃないかという嫌な予感が湧いてきたので、
後編に一括したのでアリマス。
書く内容が減るとかそういうことはない…というか、
むしろ下手に増えていつまでも本編が始まらないというのを
避けるための措置でアリマス。
うむう。

 あと、どーでもいいですが、
「真マジンガー」はどーなるんでしょうかねアレ。
今川監督らしいと言えばらしいわけなんですが、
それにしたって次の展開が五里霧中でアレをやられると、困惑するばかりで砂。
グレート編は果たして何時になるのやら。

 それでは次回もよろしゅうでアリマス。
ではではー。
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:38:58.71 ID:kFWSeDYo
お疲れさまでした。
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:38:58.76 ID:FhDCpA2o
おつかれさまでしたー
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:39:27.92 ID:ZYk3FYwo
乙ですー
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:41:44.96 ID:kKqKj2oo
おつです〜
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:43:22.01 ID:r0hD0LAo
乙でした。
石舟斉をはるか高みに見てる感じが本当意外。

……マジンガーは、売れ行きの問題で次ないんじゃないかとか実況で言われてますた。
正直、
驚愕! 科学者を野放しにするな編 もしくは、
驚愕! ヒロインから主役からラスボスまでこなすあしゅら編
だったので続きどーでもよかです。
最近の今川は、自分の芸風焼き直しすぎてクドくて……
漫画板GRとかもうネタにする気力もわかない。
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:45:01.42 ID:kEC2WQYo
乙乙!

真マジンガーはあしゅら男爵でそれなりに満足したわwwww
1話が最終回だったしなぁwwwwww
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 01:46:08.86 ID:aOfCTPMo
乙でした〜

次回も楽しみにしてます
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 02:40:51.67 ID:GZA5jSM0
乙でした!

ここまで徹底的に「無刀取りなんて進んでやるもんじゃねぇ」と書いてあるとはwwwwww
宗矩は「無刀取りやってみろよ、無刀取り!」といろんな人から言われたんでしょうねww

無刀取り……広い意味で言うと奪刀法ですが、いろいろなパターンがあります。
(無刀取り=武器を持たない奪刀法)
入り身などで相手の太刀をかわし(または打たせず)、相手の柄を取るのは共通しています。
最初は白羽取りみたいなことをするのかと思ってましたwwwwww
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 10:15:57.38 ID:bJRlsX.o
>>672
結構講談だと白刃取りで言われるもんね>>ム頭取
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 10:26:42.57 ID:fFDvAZw0
乙。無刀取りの話はイッパツ系芸人みたいで泣ける
ああ、小島よしお
ああ、レイザーラモンHG
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 10:27:15.43 ID:N63SagUo
というか、白刃取りできる腕前があれば、もっと気の利いた攻撃なり守備なりできそうだしな
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 12:26:41.04 ID:mgaovZso
現代の達人が
相手が銃を持って襲ってきたらどうしますか?という質問に対して
そんなの逃げるに決まってるじゃないですか、としれっと答えたって話があったな
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 18:17:31.98 ID:L4cHRnwo
やっぱり、孫子の影響も感じるね
勝ち残る、と言うより生き残ると言う感じ
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 18:21:56.08 ID:lY3LCdAo
孫子は諜報を重んじたから、それが裏柳生につながったのかなあ。(そんな人たちはいません)
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 19:17:47.67 ID:2X1TIEoo
参考出品。中国武術の無刀捕り「空手奪刀」

ttp://www.youtube.com/watch?v=nx6gQp_fu5Q&hl=ja
680 :吉良邸作者@optimus :2009/09/28(月) 21:02:36.06 ID:ym/E87k0
>真マジンガー

最終回および全編とおしてですけど、おなじような事を傑作としてやっていた『人造昆虫カブトボーグVxV』
が既にありますから。

特にカブトボーグ第14話。
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 21:07:42.29 ID:8L7uujYo
ちょ、オプティマスwwww
682 :吉良邸作者 ◆jSbj2zyy3Q :2009/09/28(月) 21:09:35.16 ID:ym/E87k0
多分、一回か二回しか使わないでしょうけど、こちらの家光AA配役

 \::.\                         \ :::::::: |
   〉::::::>            _,.ィ          ヽ  \:::::j/}
 /.::/  /___  / 」   }\ __  } ̄⌒::::::::,′
-‐,ァ'′_〃  `=‐、 `<   |  //,.x-<´  厂 ::::::::: /  オレは生まれながらの将軍!
/-ァ'":/   ,ィ" ̄テ=x\ リ 〃,x=テ ̄マ、 /::::::::::::: /‐ァ 謀反を起こす奴には、
  |::::7  x个{   {:{・}:}  //  {:{・}:}   レイ.:::::::::::::: /  レッド・レッド・メテオバースト!!
  |::::| ,イ¨ヘ   、 ゞ=彡/ ,   ミ=彡_,   }ハト、 <
  |/l|/ィ{ ィハ    ̄ _.. --─‐、      ハ ィ }:::::..\
    /人ヽ八    /-‐──‐-ヘ     八 ノ人| ̄⌒
        \_ヘ    {/  ̄ ̄ `ヽ}   /__/::\
          \   ゝ        ノ  /:::\  ̄⌒
          ,.ィ今x、 ` ー---‐彡ィ今x ̄ ̄
           〈: : : : : : 〕 >-< { : : : : 〉
       _. -‐\: : : :/        ヽ: /‐- .._


秀忠AA配役

            , -- 、
         l : : : : ヽ
         l: : : : : : l
         ヽ: : : : : l
         ,.'―v‐ 、|   / ̄ \
         ゝ (__)く'‐-.'´: :{ : : : : ヽ
        /ゝ_人_ノ: : : : : :ヽ: : : : :}
.        /: : : :____: : : : : : :ゝ-- ′
       l: : /-、   `丶、: : : :',
       、: { {::::ノ      , -,ヽ: :|
        `ヽ`´ _、o   {::::j }: /
          >.ノ ゝ`ヽ `´_ノ'´
           { ´  .イ へ「
          |  ̄  ゝ- イ
          l       l
           ,.ゝ   h   ヽ
         ゝ___ノゝ__ノ

          土ヽ j百 丁 !  、(⌒'⌒)
        {_ノ )/.小 貝 し } \/
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 21:28:11.26 ID:Qy96lyEo
ゲェー!サンリオの白い悪魔!
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/28(月) 21:49:10.04 ID:2rTgltso
リュウセイさんwwwwwwwwww
685 :1 [saga]:2009/09/29(火) 01:44:43.92 ID:ofvxu4E0
 どもども。
お疲れ様でアリマス。

 やはり無刀取り関連は受けが良かったようで重畳ー。
当方も最初にこの下りを見た時は、「えー」とか思いつつも、
そのミもフタも無さっぷりに大いに面白がったものでアリマス。

 つか、例の刀取るのをDISりまくるアレですが、
門弟の中から、

 「但馬守様がすなる無刀取りといふものを、我もしてみむとてするなり」

 とか言って、オリジナル無刀取り(ぼくの考えた無刀取り)をやってみた挙句、
斬死体と化すおバカが続出したので「お前ら無刀取りすんなー!!」という具合に
ブチ切れた怒りの発露だったりしたら面白愉快なのになあ、とかつらつら妄想ったり。
まーンなわきゃないのですが。

>>572
 文脈からすると「去病」のことのようです。

>>679
 おおぅ、これは。
こっちも相手の懐に入って、あと抑える時は相手の手や柄が殆どですね。
いや、いい物を見せて頂きました。
ありがとうございます。

>>吉良邸作者さん
 お疲れ様です。
おお…なんというジャリ漫魂というか、フリーダムスピリッツ溢れる家光…!
そしてもしかすると、やる夫スレの秀忠の中で最強というか最凶やもしれぬ秀忠!

 ちなみにちょっとだけ柳生と赤穂浪士の吉良邸討ち入りがつながるまめ知識。

 「宗矩の末子・義仙列堂(六丸)の入寂は、討ち入りの年・元禄十五年」
686 :1 [saga]:2009/09/29(火) 01:46:56.72 ID:ofvxu4E0
 あと、絶望先生ネタでもういっこ思いついたので、さっくりと。


              `ー―‐r:┬┬:ァ 1 .l:::::::::::::::::::::::::::::
                 /:::::', .l:/‐ナ |:l:::::l::::::::ト::::::::::
  別の人生も      ∠::/fYv イjフ .lハ:::ハ:::::|__V::::::
 あったと思うんですよ。 /ノ升.|=====l:7 Tl:::「 ∧::::
                 < し      .リ .lハ::| ).ハ::l
                    >         リ   八l
                  ヽ _         厂  リ
                    l `        /
                    }     ,..    / 斗
                    `ー  壬_レ七´
    . ,. -<> 、           (二{
     /--<. \ ヽ            ヽ
   / /⌒ヽ\__ト1               )
   .し' ⌒ヽ ヽ  l           (二{
   / r― 、 ヽ_}   l           /
   .Τ   }       l          /
   |   /     /           /
   ノ   {     h          /
 /     >、   ノ }ヽ     /
/     /  l__/ /  \.   /
687 :1 [saga]:2009/09/29(火) 01:48:51.94 ID:ofvxu4E0
      _,__,__.、r彡三三ヾi
   ,イ三三ミi.{二!j三三三ミl |
   l l三三ア三li三三ミぇミj l
   l ミZアイ三三l、三三三t,ノ、
   ヽ,Y三三ア´ `゙ヾミ三ミiハ     …ああ、凄いですよね。
    lミl .三ア     >、三lミハ    .二百石の新参小身から幕府初代惣目付に。
    |ミl ミ,'ー-、  / ,.-r、リ-ミ|i.    しかも将軍家剣術指南役。
    |ミツヾl`fオュ、   イ三j, l,.イ ,lli
    |ミl、ヾ':, ゞ.サ    `¨ ./ー彡'|l
   .|ミミ゙ー:へ、      ,.イ三三ミli
   .|ミ三三三ミォェ,,二イミ三三三ミli
   |ミ三三三三ミム  ヾミ三チミ三ミi
    lミリ三/  ./´  ,. ,'三ミ/´  `ヾ、

            ,..::::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::...、 _
            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   \
           /::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/       ヽ
        /::::::::::/|::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::/  思 .だ   ヽ
        i::::|:::::/ |:::::::::::::l:::::l::::::::::::::::::|.   う  か   ト、
       i:::::l:::∧ヽ|::::::::::::ハ::::|l::::::::::::::::|   .ん .ら    l:::::\
         l::r |::L{メi l|::::::::::l__l:::l_l::::::::::::::::!   で      /::::_::」
        l:::メV`ヽ.八::::::::l _V__l:::::::::::::::ヽ  す     /::::::|
       l::,' `ァ´ハ ヽ::::!'^ たj::::::::::::::::::::\__/::ト、:: ::|
          l::! i´  `\ヽ|ヽ  `¨l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ヽ! \|
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        l′! \>       V,ム:::::::::::::::::l、:::::::l
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688 :1 [saga]:2009/09/29(火) 01:49:47.78 ID:ofvxu4E0
  /:: :: :: :: :: ::|_ヽ:: |ヽ:: :: :::|、:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::lヽ:ヽ  \
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  ヽ:: :: :::/ヽ::| __ 丿   ヽ _ ヽ:: / 丿l丶:: :: :::l      /   もしかしたら
   l:: :::/  lヾ      , 、   ヽ/   l   ヽ :: l      /   政治の才能があったが故に!
   |:: /l 、 l      ____     /  /:| ヽl     /    
   |:/ l:: ::`l     ト――― |    /- ':: :: l      /      剣豪としての輝かしい人生を
     |:: ::ハ\.   l_____.l  /::l\:: :: |      \    棒に振ってしまったのではないかと!
     |://:: :::> 、   ー    イ\:: l  \:|       \   
       /: /  lヽ  _  イ l   ヾ__        /   
       //    l       .l / ̄    |       /
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         / イ- ‐ ´/        |       ̄ ̄/  
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689 :1 [saga]:2009/09/29(火) 01:50:38.59 ID:ofvxu4E0
                 __
           ,. ィ ''" ̄;;;;;;;;;;;;¨`ヽ、
.         ,.ィ'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`、
        ,イ;;;;;y、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`、         
       /;;;;;;;/  `、;;;;;;;;;;t、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、         
.      l;;;;;;;f    >へ;;;;\、;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;、   今でも十分成功しているじゃないですか。
      {;;;;;;;ト=、.  .r''´,ィ-≧、=ヾ;;;};;;_;;;;;;;;;;;;;;、       
.      ';;;;i;;'vt-、   "{::::::::}`! `tj ,-、`i;;;;;;;;゙,       
       ヽ;|、;} {::」    `ー'     j__ノ,.';;;;;;;;;;゙、     
        ` `.i ~´         (__.ノ;;;;;;;;;;;;;;;;、     
          `.、 ヽ_,,. --、   ,. ' {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、     
.           i≧、.   ',,. '   l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i    
            l;;;;;;;;`~;;;;;;l    !ェ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i    
     ,,..-―‐-、  |;;;;;;;;;;;;;;;;リ    `フ::`..、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i    
  <: : : : : : : : : `..、l;;;;;;;;;;;;/:|  _,,y'''''" ̄‐ヾ_;;;;;;;;;;;;,i  
    `、 : : : : : : : : : :`..、./==ヲニ、y''''''" ̄~フ"   ~>、;;;;;|i 

      \
       ノ
      <.   剣一筋だったら
        |  もっと大成していたかもしれないじゃないですか!!
       ,,,イ
     /::::/
    /::::::::/______ __
   /:::::::::::::::::::::::7__|::::::::::::|/:::::::::
    i:::/ヽ::::::/ヽ::|7;l !:::::::::::::::::::::::::
    |::i r'=/   |:|シ  ',::::::::::::::::::::::::::
    _|_レ'  i   ノ:|    ',::::::::::::::::::::::::
    ヽ. 、  `-イ:::|    ヽ.:::::::::ハ::::::
      )       ヽ:|     ヽ:::/ i:::::
      7ー-、   `      |:|  |:::::
      `7::::::l          i:l   !:::
690 :1 [saga]:2009/09/29(火) 01:51:31.21 ID:ofvxu4E0
                          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、   \ \、_ハノ
                        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.\ \).',
                         .′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽrー-ヽ./   家さえ背負わずに済んだなら我々は、
                        :.:.:.:.:.:.:.:∧.:.:ト,:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\`ヽ   正しく「天下無双の剣豪・柳生宗矩」を
                          {:.:.:.:.:.:.:.{≧x:kヘ.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_;_;ヽ,)  見る事もできたかもしれないと!
                        ':.:.:,ィ.:.:.込尤!i}∧.:ト,:.:.:.:.厶:.:.:.:.:.:.ヽ /-、
                           ∨^Yトー― '  ハ!ヘ.:.:/i!i∧:.:.:.卜} .,ソ/ヘ '"
                        ヽ,ム`    ' '  ∨ ムノヽ:.:.!  /  //7/ヘ /l ト、 |\
                         }.:∧、  r===ぇ  /.:.:|  ∨        /   V | l ヽ|
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                           |.:.:.j:} ` - ' {、.:.仆{
                            j/"|     | ヽ{
                           /⌒'┤     ├'⌒ヽ                     (^ヽ {^ヽ
     ,ィヘ /^), -―,                /  {f¨ ̄「 ̄¨^/    '.                  rヘ   '. '. '. '. Y^}
.    / /{ .イh r'"             /   ;ーr宀ー‐/      '.                 '. '.  / ,// 厶/ {
  f^} {  { ヘ '._」 {          -一¬ヘ    '.     . ′     / '¬=ー-            '. ー'  ¨  ´  _」
  } L≧ ∨     `ー-、    /´     .′'.   '.  /      . ′ '.      `ヽ       〉      /´}
  ヽ.___           {    .′    /   '.    '. , ′    . ′   '.        '.     /      厶 '
      `¨¨ ¬-,   }   ,      ′   '.    /    /      '.       '.    {     /
         r==ム,___j__  !      /      '.  ′    /      '.          '.   ム,___j___
         | ○      }h     '         './      .′      '.        '.  {      ○ |
         └ァー、 __.ィ^ヽ!    j        /      /           i          '. ,j     _rー┘
691 :1 [saga]:2009/09/29(火) 01:52:46.32 ID:ofvxu4E0
                 ___
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.        l::::::::_:::::::::/::::::::::::::::斗‐ ´    |:::::::|
.         |:::::/ 、`i:::ム一 ´   \    __|::::::|    「天は二物を与えない」と言いますが、
        |:::::| ( `Yレ′ ,>r=-、 `  / |:::::|   実際にはニ物も三物も与えてますものね。
.       |::::::ヽヽ、j    ` l′ /!     ,ィ斤||::ノ
.        |::::::::::ゝ-ト、    ゙ー'     ' l_〃|レ′
       |::::::::::::::::::| ヽ              /:::ハ
        |:::::::::::::::::::| \    _  '  ノ::::::::ハ
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.       |:::::::::::::::::::::L___`七ニ´::::::::::::/|::::::::::l
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     ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
     .´ ̄  ̄ >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
        ./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::l
      ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/l:::::::::::!    天が二物を与えないのではなくて、
     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ:::::::::::/´!:::::::::;'   世間がニ物を与えないのです!
      ̄ ̄.フ::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヘl:::::::::/,___l::::::::;'
       /:::::::::::::::::::::::::;ィ::::∠,,,ィ::::::ム' ̄レ',)/    
       ̄ ̄7:::::::::<´ /イ´(_/:::/ ̄ヽ'¨7::/     
        ム'イ1::::::`Tヽ    // __ ´ ィ::/
           l:::/.\', \ '  ∠ィ./ル'、
           レ′ /〉  >  _ イ/.王'、      _ _
              /.,' .',      ./    ヽ-、 -‐' ´
              ,'+l ∧     /   o  ./ 王   o
           // レ'  ',   /   ゚.o..゚/l      ゚.o.゚
692 :1 [saga]:2009/09/29(火) 01:53:39.59 ID:ofvxu4E0
                         ノ
                        ヽ    日本人はその道一筋というのが好きなのです!
                          ヽ  突出した二つ目の才能は認めないのです!!
                          / 
  l::::::::::::::::::|_!::lヽ:::::::::ハ::::::::::::::::::::::::::::::::i、::! ノ   幺ク 亡 月 |  ┼‐ .|] |]
  !:::::::::::::::::l-‐ェ!;ト ヽ:::::l ´!:::::::::::::::::::::::::::::l ` ヽ.   小巴 三l三. ヽ_ノ / こ o o
  l:::::::::::::::::「(;;;)ヽ、__、::レ'´l:::::::::/l、:::::::::::::l   / 
  !:::::::::/l:::l__,,,rタ"゙、;!)、__!::::/ノ 〉、::::::::l   \   久々に「影武者」を読み返したら
   l::::/ lヽ!    _ _   l;/´  ! >、::l   /  泣けてくるくらいの宗矩のやられ役っぷりに絶望した!!
  ノノlヽ、_!    r――‐┐   /_ノ:::|  /   
    l::::::>、   レ,二二ェ!  /i:::::::::::l   ̄ ̄|_     /ヽ、  /\   /\    /
    l:::/ /::ヽ、 `ー-―-' ,ィ'::::!\:::::l    (ヽ、//\/   \/   \/   \/
    レ' ム-''´lヽ、  _,,./! ゙ヾ!__ヽ!    ヽ´ヽ、ヽ
            !   ̄     レ;'´  |  (,ゝ、 \ ヽ l、
        /| _,,.-/´  ;; .,,,-!  ヽ、 ヽ、 | | ! l
       / 斤'"〇 /´    ,;;:''" _,l_   ヽ ヽ/  l | l
      /; l、」_,,/     '' ゙;;/  ヽ、   〉  `ヽ  l/
      /!,r''´!/  /     ';,/"゙''':;,,,,;;'' \ /     ,!
    / l ,;;  |l  /`'';, ,,   /   ,;;''"゙''   l     /     【「持つ男」 おわり】
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/29(火) 01:57:18.45 ID:qHkyx6wo

斬殺者って漫画の宗矩は頭も切れて
政治謀略を張り巡らせ
剣の腕も一流というトンデモ性能だったなぁww

あと新当流に比べたら大成功してるからいいじゃないか
朴伝爺以外早死にしすぎだろww
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/29(火) 02:00:59.11 ID:PMAO4F6o
あまりボロのでない役だと、片恋さぶろうとかww
695 :1 [saga]:2009/09/29(火) 02:03:12.07 ID:ofvxu4E0
 てなとこで、思いついたのでやってみた次第。
いや、絶望先生は愉快で砂。

 存在は前から知ってたのですけど、宇喜多スレ読んでるうちに気になってきたので、
コミックスで読んでみたら面白いじゃないですか。
というわけで、ひとまず単行本は全部買い揃えて読み切ったり。
なんか奇面組を思い出すものがありま砂。
ギャグのテイストは全然違いますけど。

 ちなみに宗矩の場合、剣一本だとどうなったか想像つかないで砂。
なんだか微妙な感じに終わってしまうかもしれませんし、
逆に、割と何とかしてしまう可能性もありそうですし。

 ただまあ、剣と政治の両方を同時並行にやってしまうところが
他に無い宗矩の個性でもあるので、やっぱどっちかだけとかは難しいで砂。
ふむう。
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/29(火) 07:29:01.24 ID:6jIvyVko
大将の剣ってのは言い得て妙だね。
守る物があって失う物がある人の剣だと思う。

実際に命を捨ててやりとりとかだと、
示現流みたいなひたすら死ぬまで斬りつけろという方が
手っ取り早く人切りになれるような気がする。
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/29(火) 13:23:59.90 ID:vawT1PMo
乙乙ww
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/29(火) 14:29:12.75 ID:DNphbQ2o
「刀である」という必然性がまるで説明されてない。素敵な詐欺トークですね宗矩ww
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/29(火) 18:47:51.68 ID:Tn137sco
絶望先生て、巻数多かったと思うんだww
1乙〜
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/30(水) 22:51:18.05 ID:GYVEAfoP
>>698
「剣術家」である宗矩が語るのは、必然的に剣を通しての話だろ。
これが剣以外のことを語ればそれこそ詐欺だ。

君は必然性の意味を勘違いしている。
701 :1 [saga]:2009/10/02(金) 23:26:51.07 ID:j/QU4uI0
 どもども、お疲れ様でアリマス。
早速ながら次の更新についてですが、今のところ、
いつも通り日曜の夜21時から投下したくー。
タイトルは【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編)】で。
よろしゅうですー。

>>696
 その辺の話は、五輪書との比較をする時に書ければなー、と
考えてるところでアリマス。
まあ、五輪書は筆者とか成立年代とかで諸説あるわけですが、
比較して話をするにはちょうどいい塩梅なので。

>>698
 先に>>700の方にも言って頂いたところではありますが、
>>646でも挙げた通り、

>兵法は我が家の事なれば、さして兵法と申す也。
(ウチは兵法の家なので、兵法を使って語ってみました)

 というお話でアリマス。
ただ、「語り手が宗矩だから」という属人的な部分を越えて、
ここで宗矩が剣を通じて治国と修身を説いた理由というのがあるので砂。
その辺が明後日お話できるかとー。
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 00:06:50.85 ID:0c1WkZEo
よし!全裸になるぜ
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 11:49:03.96 ID:RMdFND2o
りょーかい
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 14:56:19.23 ID:wd/cwzIo
>>701
http://up3.viploader.net/ippan/src/vlippan016325.jpg
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/03(土) 14:57:14.03 ID:wd/cwzIo
>>701
http://up3.viploader.net/ippan/src/vlippan016325.jpg
706 :1 [saga]:2009/10/04(日) 21:00:46.35 ID:qQyWZI20
 どもども、お疲れ様でアリマス。
それではこれから投下を始めます。
タイトルは【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1)】で。

 それでは、よろしゅうです。
707 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:01:42.63 ID:qQyWZI20
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:なし】

 女っけがないなら、
せめてやる夫達で女装してみるお。
                          ___
      / ̄ ̄ ̄ ̄\           /::::::::::::::::\
   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::\     /:::: _//i\::::::ヽ
  /::::::::::::∧:::∧::::∧::::::::::::ヽ    |:::/  _ノ   ::\
  .|::::::/V V  V  V\::::::|    |::::  ̄( −)=(−)  …何の意味があるんだよ。
  |::::::|   ―   ―   |:::::::|     |::::: u   (__人__)  空しいだけだろ、常識的に考えて…。
 .|::::::|  (−) (−)  :|:::::::|  ()|      `⌒´ノ
 |;;;;(|    (__人__)   |);;;;;|  ()|    .    }
   ヽ     `⌒´   ノ     △.ヽ        }
     `ー――――´         ヽ     ノ
    /||:|(_乂_)|:||\        / ̄(_乂_) ̄ヽ
   //||:|    |:||\\      | _/ミヽ、」_|
⊂l_/  ||:|     |:||  \lつ     |_(_ヽ/___l_ノ
     [二二二二二]         L____」
    .//::::|:::::::|::::\::\      .//::::|:::::::|::::\::\
  /:::/:::::::|::::::::|:::::::::\:::\  /:::/:::::::|::::::::|:::::::::\:::\
  ~ ̄ ̄| ̄|~ ̄~| ̄| ̄ ̄~  ~ ̄ ̄| ̄|~ ̄~| ̄| ̄ ̄~
     | ̄|   .| ̄|         | ̄|   .| ̄|
     ノ_|   |_ヽ       ノ_|   |_ヽ
    (___|   |___)       (___|   |___)
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 21:02:20.25 ID:bWvcOJoo
チェンジ!
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/04(日) 21:02:40.58 ID:aOIssAI0
これは、日曜6時のww
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 21:03:29.00 ID:4xMTSwEo
まるちゃんwwwwww
711 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:03:39.13 ID:qQyWZI20

       / ̄ ̄ ̄ ̄\        
     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::\    
    /::::::::::::∧:::∧::::∧::::::::::::ヽ   
    .|::::::/V V  V  V\:::::::|    というわけで、とうとう10月になってしまい、
    |::::::|   ―   ―    |:::::::|   9月が過ぎても解説が終わらない有様なのですが、
   .|::::::|  (●)  (●)  :|:::::::|   皆様いかがお過ごしでしょうかお?
   |;;;;(|    (__人__)    |);;;;;|  
     ヽ    ` ⌒´    ノ       皆様の愛されキャラ、やる夫…
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ     もとい、ちびやる子ちゃんですお。
     /      ,⊆ニ_ヽ、  |
    /    / r─--⊃、  |
    | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 | u  ( ー)(ー)     …お前、その珍妙な格好を続けてどうするつもりなんだよ…。
. |     (__人__)    あと、「愛されキャラ(笑)」とか寝言は寝て言えよ。
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 21:04:51.62 ID:4xMTSwEo
新キャラwwwwww
713 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:05:32.70 ID:qQyWZI20

                    γ ⌒⌒ヽ
 またこの展開かよ…       ( ( ヽ ) ノ
                      ノ 从 ゝ
   / ̄ ̄\            ____
 /_ノ \  \     (⌒)  /:::::::::::::::::::::\           うっせーお!
 ( ●)( ●)  ヽ   三/ | /:::::::::::::::::::::::::::::::\ (⌒)     いつも言ってるけど、女っけゼロとかあんまりすぎるお!
. | (__人__) u  }   |  | /::::::/\∨/∨∨|丶/ |  ミ
  | ` ⌒´    ノ   !   、|:/(○ )::(○ )⌒\/ | ミ     でも下手に新キャラ追加とかやると、
.  |         }    \./:::::::(_人_)::::::::  i'   |      この間みたいな展開もあって洒落にならないから
.  ヽ        }     |;;;|     )ww)     |  |.      こうなったらやる夫自ら男の娘になってやるってんだお!!
   ヽ     ノ   ヘ   \    `ー"      ノ
   /    く 、_/っ/      \ .    .   \
   |     \--一''           \
    |    |ヽ、二⌒)、          \
714 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:07:36.23 ID:qQyWZI20

 じゃあお前、これから先、本編でもソレな。

        / ̄ ̄\
      /       \        ___
      |::::::        |     /     \    ワーオそいつは冗談きついおマイケルもといやらない夫。
     . |:::::::::::     |  / ⌒  ⌒  .\  もうやめたからさっさと話進めるお。
       |::::::::::::::    |/  (●) (●)   \
     .  |::::::::::::::    } |    (__人__)     |
     .  ヽ::::::::::::::    } \   ` ⌒´     _/
        ヽ::::::::::  ノ   |           \
        /:::::::::::: く    | |         |  |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 21:08:27.82 ID:SnlpoFoo
十兵衛が女装…伝奇的にはおかしくないな
716 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:09:04.60 ID:qQyWZI20
                        `     '
                           、   ノヾ     '
                           )ヽ/  ヽ、ノ|ノ´
                            `r      r'
                            )     (
                          , '´⌒`Y´⌒` 、        ,、    /
                             ,              キ人_,/
            `                                )  て
             \ ,,_人、ノヽ                       /´⌒Y,.
              )ヽ    (                           \
           - <       >
              )     て
             /^⌒`Y´^\
717 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:10:39.27 ID:qQyWZI20
       ____
     /,:' /,';;;}: \      …やっぱり男の娘とか美しい幻想なんだお。
   /_, 。ィ' li:.、ヒァ' \    白まんじゅうは女装しても白まんじゅうなんだお…。
  / ⌒';,゙i, ri:.:i .::' メ、 \
  |    ,:' /,';;;}:.ヾ:.    |   …でも、夢を…ほんの少しだけ夢を見たかったんだお…。
  \     ' {;!゙'    /


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   | u.  ( ー)(ー)    お前が女装しても意味ねーだろ…。
.   |     (__人__)   まあ、そのうちなんとかなるかもしれないんだから、おとなしくしてろ。
    |     ` ⌒´ノ   な?
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }      そろそろ本題に入ろうぜ。
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ
718 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:12:35.30 ID:qQyWZI20
               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |    わかったお。
   /( ●)  (●)\  !   !   それじゃあ、早速だけど、今回は何の話をするんだお?
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l
  |     |r┬-|       |  /    前編は「兵法家伝書の解説」だったわけだけど、
  \     ` ー'´     //     この後編はどういう話になるんだお?
  / __        /
  (___)      /


          / ̄ ̄\
         / ノ   ヽ ヽ        ああ、後編では、
         |  (●)(●) |
         |  (__人__) |       『”活人剣・治国平天下の剣”とはなんだったのか?』
         |   ` ⌒´   |
         ヽ        }        についての話をしようと思う。
       __,, -ヽ     ノ -、   
      /⌒ヽ  | \><ヘl ヽ \ .    そもそも、「兵法家伝書」の解説自体、
      {:::   l  \ ヽ };;{ |   | i  }    そのための準備だったんだからな。
     {:::::.. 〈;;,,  ヽ V;;;}ノ  l彡 ヽ   正直、随分と掛かっちまったが、
_,,.-‐''" |::::::::  ヽ--、 \ >--'⌒ヽ::.  }   ようやく本題を話せる時がきた、ってわけだ。
|| |_,,.ィ'|::::.....   }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し'::  )_,
|| | || !::   /      .::ノ::::::::::.  ノ
|| | || _ヽ,, .;:::   _,,.-‐''"ー''--'' ̄
_,,. -‐''"  `ー---''"
719 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:15:00.26 ID:qQyWZI20
      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・    なんだったのか…って、
. | ( ●)   ⌒)   |     それって「兵法家伝書」を読めば事足りるんじゃないかお?
. |   (__ノ ̄    /     家伝書は、それを説いた書だったはずだお?
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ

                           .      / ̄ ̄\
                               /  ヽ、_  \
                              (●)(● )   |
             いや、それは違うんだ。   (__人__)     |
                              (          |
                            .   {          |
                              ⊂ ヽ∩     く
                               | '、_ \ /  )
                               |  |_\  “ ./
                               ヽ、 __\_/

        ___
     /)/ノ ' ヽ、\
    / .イ '(●)  .(●)\   どういうことだお?
  . /,'才.ミ).  (__人__)   \
  . | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  .\ ヽ           /
720 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:17:10.52 ID:qQyWZI20

   .  / ̄ ̄\
   ./ _ノ  .ヽ、\     というのは、「兵法家伝書」を読んで把握できるのは、
   .|  (●)(●) |    「活人剣・治国平天下の剣」という「思想」だけであり、
.   .|  (__人__) .|
    .|   ` ⌒´  ノ     『どうして、このような思想が作り出されたのか』
    ヽ  ._   .}      『この思想は、どのような評価を受けたのか』
     ヽ_/ } . ノ      『この思想は、後にどのような影響を及ぼしたのか』
     /、 〈  く
    ハ ヽ Y`ー.、i      といった、思想に対する「理由」「評価」「影響」などは、
    { ヽ_ゾノ-‐1     読み取ることができないからなんだ。
    `¨´┬' . |


        ____  て
      /   u \ そ
     /  \    /\    あっ…!
   /   (○)  (○) \
    |      (__人__)  J |
   \     `⌒´   /
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 21:18:32.28 ID:bWvcOJoo
テクストについて述べた後で、
コンテクストについて語りましょうってやつですね。
722 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:19:18.68 ID:qQyWZI20

         / ̄ ̄\           特に「思想」というものは、
       / ヽ、. _ノ \         .それが発生した当時の情勢を踏まえた上で話さないと、
       |  (●)(●) |         片手落ちになる。
       |  (__人__) |
          |   ` ⌒´  |          例えば、「天動説」は、
        |        }         .現代では、ほぼ完全に否定されているが、
        ヽ       }          それこそが真理であると信じられていた時代もあったんだ。
        人_____ノ"⌒ヽ
      /           \       しかし、どうしてそのような思想が生まれたのか、
     /            へ  \.    またどうしてそれが信じられ続けたのか、ということは、
     (  ヽγ⌒)     |  \   \  天動説単体を見てもわからないだろ?
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     ____
   /      \      
  /   _ノ ヽ、_.\      確かにそりゃそうだお。
/    (●)  (●) \   
|       (__人__)    |    .現代のやる夫たちは、
/     ∩ノ ⊃  /     天動説が間違っていると判断できるけど、
(  \ / _ノ |  |     それを判断するための天文学の知識があるからだお…。
.\ “  /__|  |     天動説それだけを見て、是非を判断するのは無理だお。
  \ /___ /
723 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:21:53.38 ID:qQyWZI20

                 / ̄ ̄\
               / ⌒  .⌒\     _,,      そういうことだ。
               | ( ●) (●) |     l;l
              . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,      だからこそ、ここでは当時の情勢も踏まえた上で、
                |   .`⌒´  |, ト-=y  丶    「活人剣・治国平天下の剣」について話をしよう、というわけさ。
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l  
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,    さて、それじゃ始めるぜ。
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i, 
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">-−  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /
724 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:23:38.49 ID:qQyWZI20

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \         というわけで、今回は、まず、
 |  .(●)(●)  |        この「活人剣・治国平天下の剣」の「理由」…
. |  (__人__)  |        即ち、
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)   『どうして、このような思想が作り出されたのか』
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´     についての話をしようと思う。
. /    ∩ ノ)━・'      
 (  \ /|_ノ ヽ         まあ、若干、「評価」に絡む話も混じるが、
. \  ""  /_ノ  |       それも理由の一部みたいなものだと思ってくれ。
   \ /___/
725 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:25:36.04 ID:qQyWZI20
        ____
      /     \ キリッ
     /   \ , , /\    そう、それだお!
   /    (●)  (●) \  やらない夫、そこで聞きたいことがあるんだお!
    |       (__人__)   |
    .\      `⌒´   ,/
.     /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
     |  ,___゙___、rヾイソ⊃
    |            `l ̄
.     |          |
                    ..              / ̄ ̄\
                                 /  \    \
                               .(●)(● )   . |
 ん?                 .           (__人__)      |   
なんだやる夫、珍しく気合が入ってるじゃないか。  .(`⌒ ´      |   
何が聞きたいんだ?                    {          |   
                                 {       . /
                     .            __\     /リ 厂`'‐- .._
                             / :  : :介ーz<__」// |: : : : : : :ヽ
                             | : : : : ::〈 「`乂/  / 丿: : : : : : : |
                             | : : : : : /: | {::::} / `7: : : : : : : :│
                     .          | : : : 〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |
726 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:27:07.19 ID:qQyWZI20

        / ̄ ̄ ̄\
        /        \
     /  \,   ,/   ヽ
      |  (●)  (●)   |
     \  (__人__)   __,/
     /  ` ⌒´    \
   _/((┃))______i | キュッキュッ キュッ
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/  /_________ヽ..  \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


           / ̄ ̄ ̄\
         / \,   ,/ \    これだお!
       /  (●)  (●) ヽ
        |     (__人__)    |
        \.    `⌒´ __,/
        /            \
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  トン
    _(,,)  何で剣で    (,,)_
    /  |   政治なの?  .|  \
  /  そ|__________」て  \
727 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:29:09.21 ID:qQyWZI20
         ___
       /     \       既に何度かツッコミをもらっていた
      /   \ , , /\
    /    (●)  (●) \     「政治を語るなら、別に剣じゃなくてもいいんじゃね?」
     |       (__人__)   |
      \      |r┬-|  ,/     という件についてだお!
   , -‐ (_).ヽ  `ー'´   ィヽ    これについて、今こそ答えを返してほしいお!
    l_j_j_j と)           i
     ̄`ヽ          | l


    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( 一)(●)
  |     (__人__)      おお、やはりそいつが来たか。
   |     `⌒´ノ     ま、確かに普通変だと思うわな。
   |   ,.<))/´二⊃
   ヽ / /  '‐、ニ⊃
   ヽ、l    ´ヽ〉
''"::l:::::::/    __人〉
:::::::::|_/ヽ.   /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
728 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:31:16.53 ID:qQyWZI20
      ___
    /     \       実際、もっともなツッコミだと思うお。
   /  _ノ '' 'ー \     .剣で政治とか変だお。
 /  (●)  (●)  \   本編で登場した時に、既にツッコミがあったのに、
 |      (__人__)    |   なんで答えなかったんだお?
 \      ` ⌒´   /   


           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \            ああ。
         |    ( ●)(●)          そいつに答えるには、
         |     (__人__)          本編の解説で語るには尺が足りないし、
         |      `⌒´ノ           前編で語ると話が脇に逸れ過ぎる、というところで、
          |         }           そいつをひとまとめに語る場が必要だったんだよ。
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )     というわけで、随分とお待たせしたが、
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (    今から答えさせてもらおう。
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁      「何故、宗矩は剣で治国修身を説いたのか?」
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |     についてだ。
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !
729 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:33:49.00 ID:qQyWZI20
         ____
       /     \
      /  u   ノ  \     …あれ?
    /       (●)  \   なんで「修身」までくっついてるんだお?
    |         (__人__)|
     \        .` ⌒/
    ノ           \
  /´               ヽ

                                         / ̄ ̄\
 いや、だって、                         .....    / ヽ、_   \
「活人剣・治国平天下の剣」は、政治(治国)だけではなく、   . ( (● )    |
そのための心の鍛錬(修身)にも言及しているんだぜ? ......  . (人__)      |
                                      r-ヽ         |
 でも、従来的な意味での剣術は、                  (三) |        |
あくまで実戦術…技法なんだから、                  > ノ       /
ここでいうような意味での心の鍛錬とは関係ないだろ?  ... /  / ヽ     /
命のやり取りに絡む「度胸」の類は付くかもしれんけどさ。  ./  / へ>    <
                                   ....|___ヽ  \/  )
 剣の腕は立つけど、性格的に問題がある奴も.           |\   /|
実際いるわけだしなあ。                          |  \_/ |
730 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:36:12.75 ID:qQyWZI20

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      だから、
 |    ( ー)(ー)
. |     (__人__)     「剣術で心なんか鍛えられるわけないだろ」
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l    ってツッコミも来るかと思ったのに。
.  ヽ      |   ノ   来なかったから、ここで補足したんだよ…。
   ヽ    ヽ く     (前の十兵衛の逸話の補足の時に一応もらいましたけど…)
   /     ヽ \

     ____
   /     \
  /  ─    ─\     …まあ、そういう内幕はもういいお。
/ u  ‐=・=‐ ‐=・= \   とりあえず、さっさと理由について話してくれお。
|       (__人__)    |
\     ` ⌒´   ,/
731 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:39:03.93 ID:qQyWZI20

             ああ、それじゃあ宗矩が剣を通じて治国修身を説いた理由…、
            即ち、「活人剣・治国平天下の剣」が作り出された理由をまとめると、
    / ̄ ̄\  以下のようになる。
   /   _ノ  \. 
   |    ( ●)(●)    ....【「活人剣・治国平天下の剣」が作り出された理由】
.   |     (__人__)
   |     `⌒´ノ    ...... 1 : 宗矩自身の立場のため
.   |         }.    。  2 : 「太平の世の剣」を確立するため
.   ヽ        }    / ... 3 : 家光を諭すため
    ヽ     ノ   ./ 
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇' 
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 21:40:05.69 ID:3ysZaPgo
勝海舟の親父なんか、その典型だもんなあ >剣の腕は立つけど、性格的に問題がある奴
733 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:41:26.43 ID:qQyWZI20
     ____
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\     …色々あるもんだお。
/ u.  (●)  (●) \   本当にそんなにあったのかお?
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


        / ̄ ̄\
      / −  − \
      |  (●)(●) |    そりゃ俺たちは宗矩本人じゃないんだからな、
      |  (__人__)  |   あくまで推測に過ぎない。
       |    `⌒´  │   だが、史料の記述や、当時の状況などから考えるに、
       |         .|   .おそらく、この辺りが妥当なところだろうという話さ。
       ヽ        /   
        ヽ     ノ     さ、それじゃそれぞれ解説していくぜ。
      _/     l__    
 __ゝ_/         ヽ   
 \___ノ'        ヽ⌒)
734 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:43:55.49 ID:qQyWZI20

【1 : 宗矩自身の立場のため】

         ____
         / _ノ ヽ_\       …まあ、これはもう書いてしまった話ではあるけど、
.     / (ー)  (ー)\     あらためて、というところだお。
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \
    ヽ   L   |r┬-|    |    将軍家剣術指南役の宗矩が、
     ゝ  ノ  `ー‐'    /    将軍である家光に何かを話すならば、
   /   /         \   それは剣を通じてになるのは当然…ということかお?
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


   / ̄ ̄\  ( ;;;;(
 / _ノ  ヽ\ ) ;;;;)
 |  ( ─) (─)/;;/    ま、そういうことだな。
. |   (__人__) l;;,     ただ、単に「そういう立場だから」だけで済ますと
  |    ∩ ノ)━・'     まるで宗矩が自分からそういう風に言い出したのような
.  |   /  ノ´ }.      誤解を招くかもしれないので、いくつか説明しておこうか。
.  ヽ  / /    }    
   ヽ/ /   ノ
  /      ゝ
735 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:46:08.93 ID:qQyWZI20

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一切の道理を見おはりて、皆胸にとどめず、はらりはらりとすてて、
|   ._       .|_|  胸を空虚になして、平生の何となき心にて、所作をなす。
| 無 |活|      .|_|  此位にいたらずば、兵法の名人とは言ひ難き也。
| 刀 |人|      .|_|  兵法は我が家の事なれば、さして兵法と申す也。
| 之 |剣|      .|_|  兵法一つに限るべからず、よろづの道此の如き也』
| 巻.  ̄       .|_| 
|            |_| 
|            |_| 
|________.|_| 
└───────┘

      / ̄ ̄\          まず、「活人剣・無刀之巻」にも書いてあるが、
      _ノ  ヽ、  \   ,.:┐
    .( ●)( ●)  ..| / |    『兵法は我が家の事なれば、さして兵法と申す也』
    (__人__)     .|./   /
     i⌒ ´ .r−、  |/  /     とあるように、宗矩は、
     {     ヽ, ',. .,/ :/',     自身が兵法家…即ち剣士であるが故に、
     .ヽ   .|  l_/_, -‐、',     剣を通じて治国修身を説いた旨を述べている。
      .ヽ . |   / , -−'i|
      /   {  V , -−ヘ     まあ、こいつは「兵法家伝書」内で直接確認できるだけに
      |   ヽ  L| r= |    最も把握しやすい理由と言える。
736 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:48:09.72 ID:qQyWZI20
        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \     そして、これはそもそもの話になるが、
      |    ( ●)(●)   宗矩が「活人剣・治国平天下の剣」を家光に披露したのは、
     . |     (__人__)   前にも紹介した家光からの催促(その27解説参照)が理由なんだぜ?
       |     ` ⌒´ノ
     .l^l^ln        }     「俺の剣の腕を上げろ(意訳)」
     .ヽ   L       }
       ゝ  ノ    ノ     という家光からの下問があったからこそ、それに返答するという形で、
     /   /     \    「活人剣・治国平天下の剣」を提示できたんだ。
    /   /        \
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))


       ., ──‐、
      /     \
.     .|     _ノ  ヽ          …というかな、
     |     ( ●) (●)        たかが剣術指南役が聞かれもしないことを、
     |       (__人__) , -―ーっ   将軍家に話すことができるかというと、普通無理なんだよ。
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄    あくまで、家光に問われたから返答できるんだ。
.      ン         } ゙| ̄'|
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |       実際、将軍と直に話せる自体が、極めて特権的なんだ。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |      それが許されるのは、あくまで剣術を指南する上の都合であって、
| |  /   /    r_____ /      自分の役目と関係ないことを将軍家に話せる方がおかしいわな。
| | /   /      |i   
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                 ..     ____
                                     /      \
                                    /─    ─  \
 なるほど…。                        .../ (●)  (●)   \
つまり、話す内容がどうであれ、              |    (__人__)      |
剣を通じて話すしか手は無かった、というわけかお。  \   ⊂ ヽ∩     <
                                    |  |  '、_ \ /  )
                                    |  |__\  “  /
                                    \ ___\_/
737 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:50:26.80 ID:qQyWZI20
      _____    
    / ―   \  
  /ノ  ( ●)   \   ………う〜ん…?
. | ( /)   ⌒)   |    
. |   (__ノ ̄    /
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ

             ____
           /      \        いやいや、やっぱりおかしいお。
          / ─    ─ \      それだと、
        /   (●)  (●)  \
        |      (__人__)     |     「宗矩が治国修身を語るのに剣を用いた」
        \     ` ⌒´    ,/
 r、     r、/          ヘ      ことの理由にはなるけど、
 ヽヾ 三 |:l1             ヽ
  \>ヽ/ |` }            | |     「剣術指南役の宗矩が治国修身の話をした」
   ヘ lノ `'ソ             | |
    /´  /             |. |    事の理由にはならないお?
    \. ィ                |  |   剣術の腕が上がらないって要望に対して、
        |                |  |   なんだってこんな答えを返したんだお?
738 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:52:15.01 ID:qQyWZI20

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/     …まあそう慌てるな。
    |  (__人__)l;;,´|     その疑問についての回答が、
    | ./´ニト━・' .l     この次の理由である
    | .l _ニソ    }
     /ヽ、_ノ    /       「”太平の世の剣”を確立するため」
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.    ということに繋がるんだからな。
  /´  ./       ,.  ヽ.   さ、それじゃ2つ目の理由の説明だ。
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /
739 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:54:08.72 ID:qQyWZI20

【2 : 「太平の世の剣」を確立するため】

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |     というわけで、
. |  (__人__)  |    宗矩が剣を通じて治国修身が説いた理由…それは、
  |    `⌒´  ノ
.  |         }      「”太平の世の剣”を確立するためだった」
.  ヽ        }
   ヽ     ノ      というのが今のところ、妥当なところだと思われる。
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

         ___
      /)/ノ ' ヽ、\       …どうもそれだけだと、
     / .イ '(●)  .(●)\     理由として漠然としていてわかりづらいお。
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |    もう少し詳しく説明して欲しいお。
  . \ ヽ           /
740 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:56:36.57 ID:qQyWZI20

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      
 |   ( ●)(●)       そうだな。
. |     (__人__). rm、   では、言い方を変えよう。
  |     ` ⌒´ノr川 ||
.  |         },.!  ノ'    『剣術に太平の世の中での存在意義を、
.  ヽ        r / .|      そして新しい価値を与える必要があったから』
   ヽ     ノノ ノ
   /     / ./       …こんなところかな。
   |      /
    |    i´

     ____    ━┓
   /      \   ┏┛
  /  \   ,_\.  ・    …ちょっと待つお!
/    (●)゛ (●) \    その言い方だと、まるで
|  ∪   (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /      「剣術は不要になりつつあった」
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |       という感じだお?
  \ /___ /      どういうことだお!?
741 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 21:59:04.80 ID:qQyWZI20

         / ̄ ̄\
       / ヽ、. _ノ \
       |  (●)(●) |    いや、やる夫。
       |  (__人__) |   感じ、じゃない。
          |   ` ⌒´  |   事実問題、不要になりつつあったんだよ。
        |        }    当時の剣術はな。
        ヽ       }
        人_____ノ"⌒ヽ
      /           \
     /            へ  \
     (  ヽγ⌒)     |  \   \
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


      ____
    /:::::::::  u\
   /ノ└ \,三_ノ\   ,∩__    それはおかしいお!
 /:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu   江戸時代初期といえば、
 |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | |   |   剣術が一番盛り上がっていた時代の一つだお!
 \:::::::::   ` ⌒´   ,/_ |   |   それなのに不要とか、矛盾してるお!
   ヽ           i    丿
  /(⌒)        / ̄ ̄´
 / /       /
742 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:02:41.96 ID:qQyWZI20

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)    …やる夫。
.   |     (__人__)   今、お前が言った「剣術が一番盛り上がっていた」のは、
    |     ` ⌒´ノ   どうしてだと思う?
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

               ____
    , ヘー‐- 、    /ヽ  / \      そりゃ勿論、あの当時、
  -‐ノ .ヘー‐-ィ  /(●.)  (● )ヽ    剣豪が沢山出てきているからだお!
 ''"//ヽー、  ノ ./:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ
  //^\  ヾ-、.|    |r┬-|     |     一つ前の世代の戦国時代と比べても
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)\   `ー'´    /    遜色ないくらい剣豪が沢山でてるお!
/    <^_,.イ `r‐'゙ ::::ヽー‐-..、  ,..-‐|、    流派も色々誕生してるお!
\___,/|  !  ::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| \
743 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:04:21.56 ID:qQyWZI20

                    違う。
                   そもそもの理由は、
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \/`i        「戦がなくなったから」
 |  (●)(●)./  リ
. |  (__人__)..|  /        だよ。
  |   ` ⌒´ リ  ヒ        それによって、刀と並び、実戦で使われていた武器…
.  ヽ     //  ,`弋ヽ    即ち、鉄砲や弓、それに槍などが
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l   どれも日常において規制され始めていたんだ。
   /〈  `ー〈::....ノ   V
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //     剣術が盛り上がったのは、
    |    フ-、`ー┴‐-〃    日常での携帯を認められていた分、
         `ー‐一′     刀が他の武器と比べて相対的に残ったからなんだよ。
                   それに元々、護身具としての面があったからな。

         ____
       ./     \
      /  u   ノ  \      ちょっと待ってくれお!
    /      u (●)  \    なんでそんな規制が起きたんだお?
    |         (__人__)|
     \    u   .` ⌒/
    ノ           \
  /´               ヽ
744 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:07:04.40 ID:qQyWZI20

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)     なんでって…
    |  (−)(−)/;;/     戦国時代ならいざ知らず、
    |  (__人__)l;;,´|      徳川の支配が三十年弱続いて、
    | ./´ニト━・' .l      既に戦は過去の物になっていたんだ。
    | .l _ニソ    }       なら、それに絡む武器や技法が使われなくなるのは道理だろ?
     /ヽ、_ノ    /
    __/  /    ノ__        というか、お前、
  / /  /       `ヽ.    戦も無いのに街中で武器持ってうろつく奴がいたら、
  /´  ./       ,.  ヽ.   危ないと思わないのか?
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /

                     .        ___
                         /)/ノ ' ヽ、\
    あー…。              / .イ '(−)  .(−)\   
    まあ、確かにそうだけど…。 .  /,'才.ミ).  (__人__) u. \ 
                     .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
                     . \ ヽ           /

       ., ──‐、
      /     \           
.     .|     _ノ  ヽ          ようやく徳川による支配体制が安定しつつあった以上、
     |     ( ●) (●)        幕府は、二度と戦を起こさせるつもりはなかったんだ。
     |       (__人__) , -―ーっ   苦労に苦労を重ねて、ようやく世が落ち着いたんだからな。
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
.      ン         } ゙| ̄'|        改易の理由として、
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |       「(必要以上に)武器を揃え、戦の準備をしている疑いがある」
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |        というのがあったくらいだ。
| |  /   /    r_____/       .それだけ幕府は戦を警戒していたんだよ。
| | /   /      |i   
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
745 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:09:02.30 ID:qQyWZI20

         / ̄ ̄\         実際、この時期には武功派は中枢から外され、
       / ヽ、. _ノ \       幕府の実権を握っていたのは文治派の人間だった。
       |  (●)(●) |       彼らにとって必要なのは治国の術であり、
       |  (__人__) |      兵法は実質、使われないものだったのさ。
          |   ` ⌒´  |
        |        }        そして、その幕府の中枢に一番近かったのは、
        ヽ       }       将軍家指南役である宗矩なわけだ。
        人_____ノ"⌒ヽ     年を追うごとに、兵法が過去の物になっていくことを
      /           \   .実感していただろうな。
     /            へ  \
     (  ヽγ⌒)     |  \   \
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


         ____
         / _ノ ヽ_\         …それは場所が悪かったんじゃないのかお?
.     / (ー)  (●)\       政治の中心地なんかにいたら、
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \     そりゃ誰も剣なんか使わないお。
    ヽ   L   |r┬-|    |
     ゝ  ノ  `ー‐'    /       もう少し外に出たら、
   /   /         \     兵法に熱心な連中だって幾らでもいたと思うお。
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:10:40.42 ID:bWvcOJoo
由比正雪とかww
747 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:11:16.78 ID:qQyWZI20

                        あのなあ。
.        / ̄ ̄\           そういう問題じゃないんだよ。
     . / ノ  \ \/`i
     |  (●)(●)./  リ        そもそも、武士が兵法を修めようというのは、
    . |  (__人__)..|  /       「戦で功名をあげる」ためなんだぜ?
      |   ` ⌒´ リ  ヒ        その肝心の戦がないのに、
    .  ヽ     //  ,`弋ヽ    兵法だけ修めても意味ねーだろ。
   __ ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l   世の中全体がそうなりつつあったんだ。
  / :  : :介〈  `ー〈::....ノ   Vヽ  
  | : : : : ::〈 「`ヽ_ー 、 `ヾ_/ //:|    つまり、兵法…剣術は
  | : : : : : /: | {::::} フ-、`ー┴‐- │   その存在意義を喪失しつつあったんだよ。
  | : : : 〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|.    だから、不要になりつつあった、というわけだ。


     ____
   /      \
  /         \     …そういえば、
/           \   「旗本奴」なんてのがいたのを思い出したお。
|     \   ,_   |   戦が無いから街中で暴れまわるとか、
/  u  ∩ノ ⊃―)/   .迷惑極まりないお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |     そりゃ規制もされるお。
  \ /___ /
748 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:13:09.23 ID:qQyWZI20

                 / ̄ ̄\
               / ._ノ   \\     _,,            だからこそ、宗矩は
               | ( ●) (●) |     l;l           「活人剣・治国平天下の剣」を説いたんだ。
              . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,    
                |   ` ⌒´  |, ト-=y  丶          宗矩は、剣を通じて
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l         治国や修身を説くことで、
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,        「剣には、戦で功名を立てる以外の価値がある」
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i         と訴え掛けたんだ。
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,      つまり剣士として、
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、   
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ    「剣は太平の世でも価値があるものだ」
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l  と言い張ったわけだな。
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">-−  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /
749 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:16:45.25 ID:qQyWZI20
                   ,, -‐ 、
                  /'    ヽ
       / ̄ ̄\      ./      i
     / ._ノ  ヽ、\    /    ...........i      そう、ここで注意するべきなのは、
     |  (●)(●) |  /   ..:::::::::::::::|     あくまでこの「活人剣・治国平天下の剣」の主体が、
     |  (__人__)  |  /  ..::::::::::::::::::l
     .|   ` ⌒´  .} ./  ..::::::::::::::::::::!       「剣であること」
      |         }/  .::::::::::::::::::::/
      ヽ       ./   .:::::::::::::::::::/        にあるんだ。
      .ヽ    . ./  .:::::::::::::::::::/       「治国修身の役に立つから」剣を説いたんじゃない。
   ,. ‐'"´  `'‐,r''"~   .:::::::::::::::::/        「剣にはそういう価値がある」と言わなければ
..:./,. -‐‐- 、 l′     ..:::::::::::::/|         ならなかったから、剣で語ったんだ。
:,'      /       !.:::::::/:i..:..l
r   、  /           !::::::::::: i..:..i          治国修身は主体じゃない。むしろ逆だ。
l  .......`:i    i         !:::::::::: ゙、:.i
!  ::::::::::/    i       i:::::::::: ヽ:i          「剣に新たなる価値を与えるために」
.! ::::::::/     i      .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::|  `、   `、  .....::::::::::::l::::::::::::  `,        「治国修身にも使える」と説いたんだ。
/ \:::l.   `、   ヽ::::::::::::::::::::l:::::::::::  /'''ー─----、
   `ヽ   `、  .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,,   ,. ‐;''

     ____   
   /      \ 
  /  \   ,_\.     …でもそれって詐欺じゃないのかお?
/    (●)゛ (●) \   これじゃ目的からして全然今までの剣と違うお。変わり過ぎだお。
|  ∪   (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /     どうなのかお?
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
750 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:18:31.09 ID:qQyWZI20

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ●)(●     その辺りについて、少なくとも宗矩本人は
   |      (__人__)    そうは考えていなかったと思うぜ。
.   |        ノ    後書きにも書いてあったろ?
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /


| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『漸く知命の年を過ぎ、此の道の滋味を得たり。
| ._         .|_|  一件の理を得る毎に此を記す。
| |活|        .|_|  積んで多端に渉り、窮むる所一心に帰し、
| |人|        .|_|  一心多事に渉り、多事一心に収まる。畢竟茲に在り。
| |剣|        .|_|  今之を書きて両巻と為し、併せて本書共三巻、
|.  ̄         .|_|  以て之を家に遺すと云ふ』
|            |_|  
|            |_|  
|________.|_|  
└───────┘ 

        / ̄ ̄\
      / −  − \
      |  (●)(●) |    宗矩にとって、これは己の剣の集大成だったということさ。
      |  (__人__)  |   そうでなければ、そもそも「兵法家伝書」なんて形で、
       |    `⌒´  │   子孫に遺したりしなかっただろうしな。
       |         .|   
       ヽ        /     新陰流を修めた宗矩にとって、
        ヽ     ノ    .剣の至極は心にあり、それは治国も含む諸道に通じる、というのは
      _/     l__     自身の積み上げの果てに会得した境地だったんだろう。
 __ゝ_/         ヽ   
 \___ノ'        ヽ⌒)
751 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:20:08.56 ID:qQyWZI20

       ., ──‐、
      /     \           それに、剣を変える、と言っても、
.     .|     _ノ  ヽ         そもそも新陰流は流祖上泉伊勢守自身が、
     |     ( ●) (●)
     |       (__人__) , -―ーっ    「兵法は時代によって、恒に新たなるべし」
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
.      ン         } ゙| ̄'|        と言ってるわけだしな。
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |      太平の世に合わせて、それに相応しい剣を
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |      作ろうとするのは、別におかしな事じゃないだろ?
| |  /   /    r_____/
| | /   /      |i      
| | ( 〆⌒'──r─≒、.(  
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

         ___
      /)/ノ ' ヽ、\      うーん…。
     / .イ '(●)  .(●)\    でも、やっぱり変わり過ぎじゃないかお?
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \  今までの剣をここまで変えてまでやるものなのかお?
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /
752 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:22:53.49 ID:qQyWZI20

         / ̄ ̄\       なら…そうだな、仮にお前が親から受け継いだ会社があるとして、
       / ヽ、. _ノ \     会社の業種自体が今のままだとドン詰まりだけど、
       |  (●)(●) |     将来見込みがありそうな新規事業があったら、
       |  (__人__) |    それに進出するかどうか、少なくとも検討くらいはするだろ?
          |.   `⌒´  |
        |        }      それとも、潰れようがなんだろうが、
        ヽ       }     今やってる仕事以外はやりたくない、と突っぱねるか?
        人_____ノ"⌒ヽ
      /           \
     /            へ  \
     (  ヽγ⌒)     |  \   \
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

          ____
       / ノ  \\            そこでいきなり生々しい話にするのは
      / (●)  (●)\          勘弁して欲しいお。
    / ∪  (__人__)  \
    |      ` ⌒´    |          …そ、そりゃ、
     \ /⌒)⌒)⌒)   //⌒)⌒)⌒)  自分から会社を潰そうとか普通思わないお。
    ノ  | / / /   (⌒) ./ / /   もし見込みがありそうなら、
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  ::::::::::/    その新規事業をやってみようかと考えるかもしれないお。
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /      それに社長なんだから、
  ヽ __     /   /   /       社員に責任もあるわけだし…。
753 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:25:18.05 ID:qQyWZI20

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      そうだ。
 |    ( ●)(−)    当時、既に柳生新陰流は多くの門弟を抱えていた。
. |     (__人__)    それに、柳生家のことだってある。
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l    だからこそ、宗矩は
.  ヽ      |   ノ   それらを守る為にも手を打った、という面もあるんだよ。
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \

                                .     ____
 言ってしまえば、                     .   /      \
                                .  / ノ  \   \
 「そういう時代だった」                  ./ (●)  (●)   \
                                .|    (__人__)      |
 ということかお?                     .\   ⊂ ヽ∩     <
…もし、宗矩が戦国時代真っ只中に生きていたら    |  |  '、_ \ /  )
同じことは言わなかったかも、ということかお?  ......  |  |__\  “  /
                                  \ ___\_/

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \  ( ;;;;(   …まあ、IFの話はしても仕方ないが、
   |    ( ●)(●)  ) ;;;;).  もし、そうであれば、宗矩もこういうことは
   |      (__人__) /;;/  言わなかっただろうな。
.   |        ノ l;;,´
    |     ∩ ノ)━・'     こいつはあくまで、
  /    / _ノ´      戦国の世と太平の世の過渡期だからこそ
  (.  \ / ./   │      発生したものだからな。
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:25:54.90 ID:esSiDHoo
秀吉は「もう戦の無い世の中になったから、武士は僧にでもさせるか」なんて事を言ってたそうで。
755 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:27:26.90 ID:qQyWZI20
         ____
         / _ノ ヽ_\        …まあ、宗矩が治国修身を語るに際して、
.     / (ー)  (ー)\      剣を使った理由はわかったお。
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \
    ヽ   L   |r┬-|    |     でも、当時ツッコミはなかったのかお?
     ゝ  ノ  `ー‐'    /     剣で治国修身、というのはやっぱり変な感じがするお。
   /   /         \    ぶっちゃけ無理じゃないのかお?
  /   /            \   誰も突っ込まなかったのかお?
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \
    (⊃   ( ●)(●)      まあ、そうだな。
     |     (__人__)     実際のところ、治国を説いた学問は
     |     ` ⌒´ノ     別に存在しているわけだから、そちらを読めば事足りる。
       |         } \
     /ヽ       }  \    ただ、史料を見る限り、この宗矩の主張に突っ込んだ者は、
   /   ヽ、____ノ     )  当時の幕閣にはいなかったようだな。
  /        .   | _/
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (
   \  /   /⊂_)
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:28:19.01 ID:bWvcOJoo
まあホモ光の修養には実際一番役立った気もするし。
757 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:29:58.19 ID:qQyWZI20

      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・ 
. | ( ●)   ⌒)   |     なんでだお?
. |   (__ノ ̄    /
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ

   / ̄ ̄\
  / ノ   \\
 |  .(●)(●)  |          まあ、正確なところはわからんが、
. |  (__人__)  |          その理由としては、
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)     「それを語ったのが宗矩だったから」
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´       というのがあったかもしれんな。
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/
758 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:33:16.26 ID:qQyWZI20

━┓
┏┛    ⌒
・    .___ ⌒  ___   ━┓
   / ―\ / ―  \  ┏┛
 /ノ  (● X  (●)  \ヽ ・.
| (●)  /_  (⌒  (●) /.     …ますますわからんお。
|   (__/      ̄ヽ__) /     どういうことだお?
 \  /´    ___/
   \|        \
   /|´        |


           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)           つまり、
         |     (__人__)
         |      `⌒´ノ            「実際に”活人剣・治国平天下の剣”を
          |         }             使ってみせた人間が言ったから、説得力が出た」
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )      ということさ。
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (     実績が有ると無いでは、全然説得力が違うわけだしな。
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !
759 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:35:57.48 ID:qQyWZI20
         ___
      /)/ノ ' ヽ、\ 
     / .イ '(●)  .(●)\     実績…?
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \  宗矩にそんな実績なんてあったかお?
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /


    .  / ̄ ̄\
    ./ _ノ  .ヽ、\     
    .|  (●)(●) |      ん?
.    .|  (__人__) .|     随分前になっちまったから忘れたか?
     .|   ` ⌒´  ノ
     ヽ  ._   .}        「坂崎事件」を。
      ヽ_/ } . ノ
      /、 〈  く
     ハ ヽ Y`ー.、i
     { ヽ_ゾノ-‐1
     `¨´┬' . |
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:36:37.82 ID:jMedwY6o
なるほどなー
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:38:02.83 ID:bWvcOJoo
原監督が「野球のチームワークの精神は日常社会でも有用です! 胸と胸を突き合わせて!」
と言えば結構な人が信用するが、
1001が「野球はチームワーク! でも俺の勝利は俺が育てた夢だから!」
と言えば皆が総ツッコミに回るようなもんか。
762 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:38:58.27 ID:qQyWZI20
        ____  て
      /   u \ そ
     /  \    /\    …あっ!
   /  し (○)  (○) \
    | ∪    (__人__)  J |
   \  u   `⌒´   /


         / ̄ ̄\            そうだ。
       / ヽ、. _ノ \          あの時、宗矩は結局1度も刀を抜かず、
       |  (●)(●) |          兵法家伝書で説く「こだわらぬ心」と「表裏」…
       |  (__人__) |          即ち臨機応変に謀を用いて、ほぼ被害を出すことなく、事を収めただろ?
          |   `⌒´   |         
        |        }           それに、事を収めたのも、坂崎出羽守が兵を挙げたから…
        ヽ       }          .つまり、「悪が十成」したから、これを打ち、
        人_____ノ"⌒ヽ        「万民を活かす」…この場合、江戸の人々を守った、というわけだ。
      /           \      まさしく、宗矩が「活人剣・治国平天下の剣」で説いた通りなのさ。
     /            へ  \    
     (  ヽγ⌒)     |  \   \   こいつが、ここで実績として掛かってくるんだ。
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
763 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:41:25.45 ID:qQyWZI20
       ., ──‐、
      /     \           かつてのこの実績があり、
.     .|     _ノ  ヽ         そして、その後も使番として、大身旗本として
     |     ( ●) (●)        ずっと勤めを果たし続けた宗矩が言うからこそ、
     |       (__人__) , -―ーっ
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄     「但馬守殿が言うのであれば、そういうものなのかもしれぬ」
.      ン         } ゙| ̄'|
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |       と、誰も突っ込まなかったんだろう。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |
| |  /   /    r_____/       …もし仮にこれを石舟斎が言ったら、
| | /   /      |i            「でもお前、所領取られたじゃねえか!」と突っ込まれただろうな。
| | ( 〆⌒'──r─≒、.          他の連中も似たようなもんだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


     ____        というか、そんな実績があるのはこの時代、宗矩くらいだお。
   /      \      普通、ある方が珍しいお。
  /  \   ,_\. 
/    (●)゛ (●) \    でも、同じ齢で、同じような事を言ってても、
|  ∪   (__人__)    |.   実績が有る人と無い人とでは、
/     ∩ノ ⊃  /    世間の反応は確かに違うお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |      …やっぱり実績ってでかいお。
  \ /___ /
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:42:15.22 ID:06C/JFA0
幕閣の方々、趣味で剣に熱中すればアッーな事件が減るんじゃないかって考えだったりww
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:42:37.02 ID:jMedwY6o
石舟斎じゃ駄目なのかwwww
766 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:44:21.26 ID:qQyWZI20

        / ̄ ̄\
      / −  − \
      |  (●)(●) |    それにな、誰も突っ込まなかったのにはもう一つ理由がある。
      |  (__人__)  |   ここで3つ目の理由、「3 : 家光を諭すため」が出てくるのさ。
       |    `⌒´  │ 
       |         .|    では、そっちに移るぞ。
       ヽ        /  
        ヽ     ノ   
      _/     l__   
 __ゝ_/         ヽ   
 \___ノ'        ヽ⌒)
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:44:35.79 ID:AGYd6QEo
だってあの人豪族としてまともに働いた事一度もないぞ
768 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:46:41.91 ID:qQyWZI20

【3 : 家光を諭すため】

         ____
         / _ノ ヽ_\       将軍家である家光に匹夫の剣…
.     / (ー)  (ー)\     つまり、実際に立ち合う剣術は不要だから、
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \   それに執着する家光を諭して、
    ヽ   L   |r┬-|    |   大将の剣…つまり治国に目を向けさせる為、
     ゝ  ノ  `ー‐'    /    .…こういうことかお?
   /   /         \
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \       まあ、簡単に言えばそうなるな。
 |  (●)(●) |
. |  (__人__)  |       尤も、それだけじゃ宗矩がそいつを説いた必然性が
  |   ` ⌒´  ノ      伝わりづらいだろうから、当時の状況も踏まえて
.  |         }      それが必要だった訳を説明しようか。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ        それが、誰も宗矩に突っ込まなかった理由にも
   /    く        繋がるからな。
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 22:48:25.13 ID:bWvcOJoo
バカ殿に、唯一通じる教育方法だったような気もしないでもない。
770 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:49:00.60 ID:qQyWZI20
      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・
. | ( ●)   ⌒)   |     当時の状況ったって…何かあったかお?
. |   (__ノ ̄    /
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ

                                   .            ―― 、
                                          / 〉 ´      \
 あのなぁ…。                         .....     / /'  __ ノ   ゝ.__ ヽ
当時の状況をもう一度思い返してみろよ。              / //〉  ( ー) (ー )  l
                                       l  ´ イl   (___人___)  l
 宗矩が家光に「活人剣・治国平天下の剣」を説いたのは ...   l    iYl    ` ⌒ ´   l
寛永九年(1632)なわけだが、この年の一月、何があった? .  /   ハ !.!          !
                                       /  /  ' ヽ           / 
 …大御所・秀忠が亡くなっただろ。            ......   l   // 、ゝ       / ヽ_ 
                                     ´` ー‐ '`./  `ー、  ,−´  /   \
                                    . i      ii   / `:.i   i´ヽ.  /     `

━┓
┏┛    ⌒
・    .___ ⌒  ___   ━┓
   / ―\ / ―  \  ┏┛
 /ノ  (● X  (●)  \ヽ ・.
| (●)  /_  (⌒  (●) /.    それがどうかしたのかお?
|   (__/      ̄ヽ__) /    あんなボンクラ暗黒野郎が死んだのが
 \  /´    ___/       そんなに影響あるのかお?
   \|        \
   /|´        |
771 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:51:22.50 ID:qQyWZI20

           伝奇に影響され過ぎだろ、
   / ̄ ̄\  隆慶的に考えて…ッ!
 / ノ  \ \
 |  (○)(○) |
. |  (__人__) .i,r-v'ヽ、ノ ̄ ̄ ̄\  グヘアッ!?
  |   ` ⌒´ r‐く   ヽ'\ノ  ヽ、_ .\
.  ヽ    .ノ   \ \.))))  .(( ◎))゚o
   ヽ  イ   \  ヽ い)__人__)'   |
   /  .|  \_  Y  )ノノ ノ .ノ .   /
   |  ,ゝ、 マ_ノー彡'´  `⌒´   <
    | ..  .'rー=≦'"
772 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:52:57.59 ID:qQyWZI20

 そもそも、秀忠が黒かろうが白かろうが、
それまで政治の実権を握ってた事に変わりは無いんだから、
その大御所が死んだら、政治的影響がでかいのは当たり前だろ!
常識的に考えて…!
    ___
    /    \       ___
  /ノし   u;  \   ;/(>)^ ヽ\;
  | ⌒        ) ;/  (_  (<) \;    わ、わかったお…。
  |   、       );/   /rェヾ__)⌒:::  ヾ;  わかったから放してくれお…。
  |  ^       | i   `⌒´-'´  u;  ノ;;
  |          | \ヽ 、  ,     /;
  |  ;j        |/ \-^^n ∠   ヾ、
  \       / ! 、 / ̄~ノ __/ i;
  /      ⌒ヽ ヽ二)  /(⌒    ノ
 /       r、 \ /  ./   ̄ ̄ ̄/
773 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:54:29.68 ID:qQyWZI20

        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \      ま、とにかくだ。
      |    ( ●)(●)    この年、大御所たる秀忠が亡くなった事で、
     . |     (__人__)    将軍家の家光が、親政を敷くことになったわけだ。
       |     ` ⌒´ノ
     .l^l^ln        }     つまり、それまで秀忠が持っていた政治の実権が、
     .ヽ   L       }     家光に移った、というわけだな。
       ゝ  ノ    ノ     当然、政治的に色々と騒がしくなる。
     /   /     \    (この辺の具体的な話は、また本編で)
    /   /        \
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))


             ____
           /      \_
          / /   \( ;:;:;)      …まあ、今で言えば「政権交代」というところかお?
        /( ;:;:;:;:;ノ   (=)  \    タイムリーな感じだお。
       (;:;:;:;;;:;  (__人__)    .:::::)
       / ||    ` ⌒|||   ,/
       / / |\/ /  /l |  ̄
       / /__|  \/ / | |
      ヽ、//////) /  | |
       /  ̄ ̄ /   | |
     __/  )--- ヽ   ヽ つ
   ⊂---― 'ー----'
774 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 22:57:22.82 ID:qQyWZI20

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/     ああ、ちょうどいい例えがきたな。
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l      まあ、例え話としてはちょいとアレではあるが、
    | .l _ニソ    }      今の総理は落語が好きだそうなんだが、
     /ヽ、_ノ    /      .もしそっちにのめり込んで、是非とも落語が上手くなりたい!とか
    __/  /    ノ__      .言い出したら、お前、仮に自分が総理の側近だったらどう思う?
  / /  /       `ヽ.    
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /  (※ 前の総理だともっと使いやすいネタがあったんですが…)

             ____
           /      \
          / ─    ─ \      いや、この時期にそれは勘弁して欲しいお。
        /   (●)  (●)  \    どう考えてもそんな事言ってる場合じゃないお。
        |      (__人__)     |   それより少しでも仕事してほしいお。
        \     ` ⌒´    ,/
 r、     r、/          ヘ
 ヽヾ 三 |:l1             ヽ
  \>ヽ/ |` }            | |
   ヘ lノ `'ソ             | |
    /´  /             |. |
    \. ィ                |  |
        |                |  |
775 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:00:41.58 ID:qQyWZI20

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \  ( ;;;;(     まあ、普通そうだよな。
   |    ( ─)(─  ) ;;;;)
   |      (__人__) /;;/     だが、困った事に、党内に
.   |        ノ l;;,´      この人の動きを掣肘できる人がいないとしよう。
    |     ∩ ノ)━・'
  /    / _ノ´         そして、趣味にハマったこの総理が、
  (.  \ / ./   │        落語の師匠に「私も噺が上手くなりたい」とか
  \  “ /___|  |        言い出したとしよう…。
.    \/ ___ /


   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \/`i
 |  (●)(●)./  リ        さて、問題だ。
. |  (__人__)..|  /        もしこの時、この師匠なる人物が、
  |   ` ⌒´ リ  ヒ
.  ヽ     //  ,`弋ヽ      「では、芸の道は下積みから。
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l      他の者と同じように、前座の仕事をやってください」
   /〈  `ー〈::....ノ   V
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //      とか言い出したら…側近であるお前はどうする?
    |    フ-、`ー┴‐-〃     その立場になりきって言ってみろよ。
         `ー‐一′
776 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:03:08.26 ID:qQyWZI20
        彡彡彡             ミミミミ     `ヽ、
     彡彡彡彡                ミミミミ      `ヽ、
  彡彡彡彡                     ミミミミ       \        …もし、それに総理が従うようなら、
                                         \      最悪、その師匠とやらを
       ,,ヅ彡ニミ;;,,              ヅ彡ニミ;;,,          l     どこかに追い出してでも止めさせてやるお。
      ィ<"  , ‐ 、 ゙ミ、          ィ<"  , ‐ 、 ゙ミ、         ゙i
      ミミ、, ゝ_゚_,ノ,, イ           :ミミ、, ゝ_゚_,ノ,, イ           ゙i    たかが趣味のために、
       ゙'ヾ三≡彡'"            ゙'ヾ三≡彡'             i!   国政を邪魔されたらたまんねーお。
                /        ヽ                    i!
              /            \                  !
             /       ',/       ',                 l
             !          l        l                l
              、        ,' 、        ,'                i!
              ヽ . _ .. '  ヽ . _ .. '                 i!
777 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:05:25.24 ID:qQyWZI20

       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \       …まあ、そうなるわな。
    (⊃   ( ●)(●)
     |     (__人__)        では、別の師匠で、
     |     ` ⌒´ノ
       |         } \      「一国の総理は寄席に出るものではありません。
     /ヽ       }  \     むしろ、国政の場こそが、総理の寄席です。
   /   ヽ、____ノ     )    そこで政論を語ることこそ、真の噺なのです。
  /        .   | _/    .その為の話し方なら伝授しましょう」
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (       と言う奴がいたら、どうだ?
   \  /   /⊂_)


         ___
       / ⌒  ⌒\
      / (⌒)  (⌒)\     最高だお!
    /   ///(__人__)///\   それで総理が納得してくれるなら、仕事にも熱心になるし、
     |   u.   `Y⌒y'´    |    もしかしたら政治家としても良くなるかもしれないお!
      \       ゙ー ′  ,/
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ     是非その人に師匠を務めてほしいお!
      / rー'ゝ       〆ヽ
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|
    | ヽ〆        |´ |
778 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:09:31.81 ID:qQyWZI20

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(      …まあ、ちょいと長くなったが、そういうことだ。
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (−)(−)/;;/       剣士に関する話だと、なかなか出づらいことだが、
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l         「剣士にとって、剣は大事なものだが、
    | .l _ニソ    }           世の中には、もっと他に大事な事がある」
     /ヽ、_ノ    /
    __/  /    ノ__         ということだな。
  / /  /       `ヽ.     特に、当時の政治情勢で、家光が「実戦の剣」にこだわることは
  /´  ./       ,.  ヽ.    個人の害を通り越して、世間の迷惑とすら言っていい。
  ト、_,/.       |、  ヽ   例え、その剣士自身は、ただ剣を教えようとしただけでもな。
   |         |/  /


     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)    …だから、宗矩みたいに
/    (●)  (─ /;;/    剣と政治の間で、上手く帳尻を合わせられる人間が
|       (__人__) l;;,´|     重宝された、ということかお?
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/04(日) 23:09:54.30 ID:Tb7i.HY0
わかりやすいな
780 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:11:47.67 ID:qQyWZI20

           / ̄ ̄\             そうだな。
         /   _ノ  \           幕閣からすれば、「活人剣・治国平天下の剣」が
         |    ( ●)(●)         .剣術としてどうかなんてことより、
         |     (__人__)
         |      `⌒´ノ           「家光がそれに納得して、治国修身に励むようになる」
          |         }
          ヽ        }      (     ことの方が遥かに重要事だったんだ。
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )   ここで、「剣で治国修身とか無理じゃね?」と
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (   突っ込んでも誰も得をしない…というか、
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)   むしろまた家光が「実戦の剣」に戻りかねないんだからな。
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|    幕閣は否定するどころか、むしろ積極的に
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |   「活人剣・治国平天下の剣」を認めただろうな。
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !


       ____
     /      \
   / ─    ─ \     宗矩はそのことを…わかってて言ってそうだお…。
  / -=・=-   -=・=- \
  |      (__人__)  U  |   「まあ、そうだろうな」
  \     ` ⌒´     /
781 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:14:19.69 ID:qQyWZI20

        / ̄ ̄\        あと、宗矩の「活人剣・治国平天下の剣」に対して
      / −  − \      よくある批判として、
      |  (●)(●) |
      |  (__人__)  |        「心法に偏重し、実戦では使えない剣」
       |    `⌒´  │
       |         .|        というものがあるが、
       ヽ        /       それは、
        ヽ     ノ  
      _/     l__         「誰のための剣か」
 __ゝ_/         ヽ 
 \___ノ'        ヽ⌒)    という点を無視した論に過ぎない。


      / ̄ ̄\
     / _ノ  .ヽ、ヽ     将軍家にとって、所謂「実戦の剣」こそ、
     | (●)(●) |    実際に使う機会の無い…極論すれば無意味な剣だった、ということだな。
     |  (__人__) |    だから、「活人剣・治国平天下の剣」という
     |   ` ⌒´ ノ    大将…即ち、将軍家のための剣が編み出された、というわけだ。
     ヽ  ._   .}
      ヽ_/ }   ノ      まあ、使う人間も、その目的も違うのだから、
      /、 〈  く      批判自体がお門違いというところだ。
     ハ ヽ Y`ー.、i     リムジンにトラックと同じように荷物が詰めない、と
     { ヽ_ゾノ-‐1     .言うようなもんだ。
     `¨´┬' . |
782 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:17:15.79 ID:qQyWZI20
                                      _____
                                    /    .r┐ヽ「|
                                   /  r-、  | .| ./ l l゙l 
 それにな…家光は性格的に言って、       ..  . /.__,ノ ヽ ゙、_,ノ '-' .|,,/ |
かなり感情的になりやすいタイプだった。         |  (−) ヽ     ノ ´/ 
実際、衆道絡みで小姓を手打ちにしたり、      .   |       〉      〈_,,.-、
自分に諫言をした青山忠俊を罷免したりしている。   .|    (__人{         .r''´
                                  .|     ´ ⌒|    _,.-i'´
  こんな人間が剣の腕前を上げたら、       .  . .{       l-‐'''''''ーl } 
それこそ手のつけようがないだろ?            {   .   |´ ̄ ̄``l }
                                  {      .|     |.}

     ____
   /     \
  /  ─    ─\     …それってなんていう「キ○ガイに刃物」だお?
/   ‐=・=‐ ‐=・= \   書いたままってのがまた最悪だお。
|  u.    (__人__)    |
\     `⌒´   , /

                           ......     / ̄ ̄\
 それが、剣術の稽古として心…       .....   ./   ⌒   \
それも人を斬る度胸とかじゃなくて、         ( ●)( −)  |
「平常心」を持つようにせよ、と言われて、   ..  .(__人__)      |
本人がその気になってるんだ。              l` ⌒´    .|
                           ......   {          .|
 これまた歓迎こそすれ、            ....   {       _ |
反対する奴なんかいないよ。           .  (ヽ、ヽ   /  )|
                                | ``ー―‐'| ..ヽ|
                                ゝ ノ    ヽ  ノ
                               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
783 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:19:30.28 ID:qQyWZI20

             / ̄ ̄\
            / ノ  \ ヽ    …さて、宗矩が「活人剣・治国平天下の剣」を説いた理由、
            |  (●)(●) |   即ち、「何故剣を通じて治国修身を説いたのか?」というのは、
            |  (__人__) |   大体こんなところだな。
            |   ` ⌒´   |
            ヽ        }     どうだやる夫、納得できたか?
          __,, -ヽ     ノ -、
         /⌒ヽ  | \><ヘl ヽ \ .
         {:::   l  \ ヽ };;{ |   | i  }
        {:::::.. 〈;;,,  ヽ V;;;}ノ  l彡 ヽ
   _,,.-‐''" |::::::::  ヽ--、 \ >--'⌒ヽ::.  }
   || |_,,.ィ'|::::.....   }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し'::  )_,
   || | || !::   /      .::ノ::::::::::.  ノ
   || | || _ヽ,, .;:::   _,,.-‐''"ー''--'' ̄
   _,,. -‐''"  `ー---''"

                  ...     ____
                      /      \
 …まあ、大体わかったお。    /_ノ  ヽ__  \
でも…。               / (−)  (−)   \
                  ...|    (__人__)      |
  「でも?」            \   ⊂ ヽ∩     <
                     |  |  '、_ \ /  )
                     |  |__\  “  /
                     \ ___\_/
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:19:57.53 ID:bWvcOJoo
そおいうひとが駿府御前試合をやっちまったのだと思います
785 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:21:25.26 ID:qQyWZI20
         ____
         / _ノ ヽ_\       …しかし、今まで聞いた感じだと、
.     / (●)  (●)\    結局、この「活人剣・治国平天下の剣」は、
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \   宗矩と家光がいて、しかもこの時代だったからこそ成り立った、
    ヽ   L   |r┬-|    |   ってことじゃないのかお…?
     ゝ  ノ  `ー‐'    /
   /   /         \ 
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))


   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \     結局も何も、端っからそうだよ。
 |  (●)(●) |    だからこそ、当時の状況を踏まえての話をしたんだろ。
. |  (__人__)  |    .それを無視すると、
  |.   `⌒´  ノ 
.  |         }     「剣で治国修身を説く必然性が無い」
.  ヽ        }
   ヽ     ノ      なんて疑問が出てくるんだ。
   /    く       実際、剣を通じて治国修身ができる、という主張自体、
   |     \       あくまで宗矩個人が剣と政治の両方ができる事に
    |    |ヽ、二⌒)  拠っているわけだからな。
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:21:42.20 ID:Khw2d9oo
刀とかも長さとか規制されるのがこのころだったな
787 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:23:47.12 ID:qQyWZI20

        / ̄ ̄\
      / −  − \
      |  (●)(●) |   逆に言えば、
      |  (__人__)  |  宗矩という「活人剣・治国平天下の剣」の実例がいたからこそ、
       |    `⌒´  │  当時の人々は、宗矩の思想に納得した、と言っていい。
       |         .|
       ヽ        / 
        ヽ     ノ 
      _/     l__ 
 __ゝ_/         ヽ  
 \___ノ'        ヽ⌒)

         ____
         / _ノ ヽ_\
.     / (ー)  (ー)\      こうして思うと、
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \    しみじみ宗矩って変な爺さんだお…。
    ヽ   L   |r┬-|    | 
     ゝ  ノ  `ー‐'    /     …なんでこんなのが出てきたんだお?
   /   /         \
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))
788 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:25:32.40 ID:qQyWZI20

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/      まあ、「何故」は結局、推測にしかならんわけだが、
    |  (__人__)l;;,´|      今まで書いた宗矩の履歴や主張を見れば、
    | ./´ニト━・' .l      宗矩は柳生一族…というか
    | .l _ニソ    }       日本の剣の歴史の中でもかなり特異な人物だということが
     /ヽ、_ノ    /       わかってもらえると思う。
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.     だからこそ、本編で宗矩が生まれた時、
  /´  ./       ,.  ヽ.   『柳生一族の特異点』とまで書かせてもらったんだがな。
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /

>96 :1:2008/09/20(土) 23:32:35.90 ID:QjXPGAfl0
>          _,,..,,,,_
>         / ,' 3  `ヽーっ  アブー
>         l   ⊃ ⌒_つ
>          `'ー---‐'''''

>        ___
>      /      \
>   /          \     この歳になって、また子が出来たお…。
>  /   ⌒   ⌒   \    この子の名前は又右衛門にするお!
>  |  /// (__人__) ///  |   
>  \              /

> その後、元亀二年(1571)、宗厳42才の時に、五男・又右衛門(あるいは新左衛門)が生まれる。
>この子こそが、後の徳川将軍家剣術指南役にして柳生十兵衛三厳の父となる男、
>柳生一族の特異点、柳生但馬守宗矩である。
789 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:28:04.03 ID:qQyWZI20

                   特異点…。
                  まあ、確かにそれくらい言ってもおかしくはないお。

       ____        ところで、やらない夫。
     /      \     この話の最初の方で、
    / ─    ─ \
  /   (●)  (●)  \   > 『どうして、このような思想が作り出されたのか』
  |      (__人__)     |   > 『この思想は、どのような評価を受けたのか』
   \    ` ⌒´    ,/   > 『この思想は、後にどのような影響を及ぼしたのか』
   /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
  /      ,⊆ニ_ヽ、  |     という風に、
 /    / r─--⊃、  |   「活人剣・治国平天下の剣」に対する「理由」「評価」「影響」を
 | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |   項目として挙げたわけだけど、「評価」「影響」の方はどうなんだお?


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \        ああ、そいつについては、
 |    ( ●)(●)      次回以降、ということにさせてもらう。
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ       特に「影響」に関しては、
.  |         }       現代にまで繋がる話だから、
.  ヽ        }       このまま続けるには多過ぎるしな。
   ヽ     ノ  mm
   /    ̄ ̄ ̄ つノ
   |    | ̄ ̄ ̄
790 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:30:03.90 ID:qQyWZI20

             おう、お疲れさん。
            そうだな…今日は久々にピザでも取るか?
      / ̄ ̄\
     /   ⌒  \                                 じゃあ、今日はこれで終わりってことだお。
     |    ( ⌒)(⌒)                               お疲れさんだお。
.      |     (__人__)                         / ̄ ̄ ̄\
      |     ` ⌒´ノ                    /⌒    ⌒  \  今日の晩飯はどうするお?
      |         }                     /(●)  (●)    \
.     ヽ       |                     |   (__人__)///    |
   _/⌒ヽ     ィ                       \          /
  i'⌒゙l |   l       \                    / ̄         ̄ ̄)___
  |  |. |   |       ト \                    / //        /'./ / 〃 ⌒l.
  |  | ( " ̄⌒ヽ、 |_" ̄ ̄⌒ヽ、 _____/⌒\./         /   し'_|;;;;;;;;;;;;|
  |.   ̄ ̄ ̄ ̄|ソ,),) ̄`ヽ ̄⌒ヽ|,),)ソ .l'⌒゙l  ( ゙̄^  ヾ  /⌒ l\ /   |⌒゙|;;;;;;;;;;;;;|
  |        l  .| y  |_ィ   |  .| |  |──=`──‐/  /────|   |;;;;;;;;;;;;;|
  |        |  .|.|   |  |  |   | |  |         ノ_  /       |   |;;;;;;;;;;;;;|
  |        |   |___|  |__|  | |  |        iヘ__ソ         |   |;;;;;;;;;;;;;|
  |_______.|___(__゙)__{___゙)_|__|__|_______ ̄_______.|__|;;;;;;;;;;;;;|
791 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:31:14.99 ID:qQyWZI20

 じゃあ、来るまで暇だから
検索山崩しでもやって遊ぶお。
まずは、「柳生」からスタートだお。       / ̄ ̄\
           ____           /   ヽ_   \   これだとトップが宗矩なんだよなー。
         /     \        (●)(●)    |  じゃあ俺は「朝鮮」で。
        /  ─    ─\       (__人__)      |
      /    (●)  (●) \      ヽ`⌒´      |
      |       (__人__)   .|      .{         |
.       \     `⌒´  ./  _________ ノ
      ノ            \ /          / ⌒l
    /´                /          / |  |
    |               /          /  |  |
__(_______ 二二⌒)    /          /__.|  |_______
                \/          /   (U ⊃


【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1)「活人剣・治国平天下の剣、その理由」】 完
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:31:40.57 ID:bWvcOJoo
特異点というと、
仮面ライダー大目付
「いくよ十兵衛タロス」
とか想像してしまう自分がイヤだ。
乙でした。
793 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編1) [saga]:2009/10/04(日) 23:33:38.18 ID:qQyWZI20
 どもども、お疲れ様でした。
本日もお付き合いありがとうございました>皆様

 今回からは後編ということで
「活人剣・治国平天下の剣」に関するあれこれの話をしていきます。
今回は「なんでこんな思想が出てきたのか」について、
直接的な理由をメインに説明してきましたが、
実際のところ、宗矩一人でこれを考え付いたわけではなく、
歴史を眺めてみると、この「活人剣・治国平天下の剣」を構成する様々な要素が、
既に存在しており、そこを外すと、また説明が足りない感じになるところなので、
そっちも後々やっていこうかと。
(あんまり遡ると洒落にならないので、そこそこにはするつもりですが)

 なんにせよ、「治国修身を説くのは剣じゃなくてもいいんじゃね?」という質問は、
前から答えたかった話だったので、やっとまとめることができて重畳でアリマス。
いや、スッキリしました。

 ちなみに、この辺をあれこれ説明するのに、

 「ガンダムで例えてくれお」
 「まあ、ファーストとGガンみたいなもんだ」

 とか書こうかと思いましたが、却って話がこじれそうなのでやめたり。

 「ガンダムを、従来のそれとは違うものにするには、
  ”ガンダムで”従来と全く違うことをやらなければならなかった。
  他のロボットを使ったのでは、それは別のロボットアニメができるだけだ。
  あくまで”ガンダムでやること”が肝心だったのだ」

 という例のお話で砂。
変えたことの是非はともかく、Gガン以降、ガンダムがえらく変わったのは確かですし。

 しかし、この外伝を始めるに際し、
「9月全部使うかも」とか言ってましたが、時既に10月でございま砂。
我ながら話が長くなってどうにもこうにも。
申し訳ない。

 それではではー。
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:33:44.19 ID:du1jbjgo

検索山崩してどんなの?ww
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:36:28.06 ID:m5sPr.wo
>>794
検索する用語を1個づつ追加して行って
検索されるページがなくなったら負け
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:38:43.83 ID:du1jbjgo
おお、ありがとうww
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:43:18.44 ID:Khw2d9oo
おつかれさまです。

やはり評価というと、宗矩が「ぼくらの暗黒野郎」と呼ばれるところまでいっちゃうんですかww
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:44:55.32 ID:bWvcOJoo
なんか上の単語だと、多分最後まで残るのが
イン殺さんと>>1さんとあと2つぐらいかww
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:46:46.52 ID:XgMa8IQo
乙であります。柳生・朝鮮の後ろに「イヂェモッコロガンダ」を放り込んだら何も出てこなくなった(ノ∀`)
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:50:05.96 ID:on1XBJAo


しかし坂崎事件とその解決って、治国とか天下とか活人剣とかそんな大層なモノだったかあ?とも思う。
戦国時代に無数の例がある、口八丁と利で釣っての離間策そのまんまというか。
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/04(日) 23:53:56.50 ID:ibW8XKQP
乙でした
非常にためになりました。
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/05(月) 00:34:29.65 ID:yGkmMZAo
乙乙!
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/05(月) 03:27:20.44 ID:eDL/xJo0
乙。宗矩は広い意味での「護身」を極めた感じがするなぁ

>>800
ある意味で戦国時代より重視されたんじゃないかな
乱を未然に防ぐってのは当時の幕府の最優先課題だから
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/05(月) 03:37:17.97 ID:n3JRG0Io
乙です
評価で諸伝奇作家に触れるかどうか楽しみにしてます
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/05(月) 04:32:51.82 ID:BbiW.EAo
乙です
槍で攪拌する戦国剣豪漫画の解説でスポーツ化を計ったと書かれてましたっけ
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/05(月) 10:58:11.73 ID:52H11dc0
おつー

>>805
どちらかと言えば武道化だよな
スポーツ化は幕末の千葉周作あたりが発端になるんじゃないか?
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/05(月) 13:29:37.54 ID:9a2J.CYo
なんか、今風にいうと「平常心こそが成功への第一歩」って
マニュアル本がベストセラーになったようなもんだよなーとかちょっと思った。
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/06(火) 13:16:40.85 ID:cDWeR6Uo
>>807

イチロー著 「ベースボールで学ぶ上司の心得」 みたいな感じかww
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/06(火) 13:52:11.61 ID:KP4eD1go
イチローが引退後、監督やってワールドシリーズとWBCとオリンピック制覇して出すならそんなとこだよな
あ、王貞治ならいいのか
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/06(火) 13:56:12.54 ID:r16TZxEo
野球キチガイの大統領に特別国家コーチとして招かれたイチローが、国務長官あたりに
何とかしてくれと頼まれて、「私は野球しか出来ませんが、恐れながら」とリーダー論や
コーチングを語るような感じじゃね?
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/06(火) 14:08:07.60 ID:Hjze.TYo
長年巨人の四番を勤めてV9以来の3連覇と、
WBC優勝監督も成し遂げて、
当代では随一の実績を誇るはずなのに、
若大将がその手の本出してもみな買わなそうなのはなんでだろう。
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/06(火) 14:23:51.78 ID:08dblo2o
>>811
若大将は普通に一般評価高いと思うぞ。
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/06(火) 14:30:58.17 ID:k3K19/oP
講談 「柳生二蓋笠」 五代目一龍斎貞丈
http://www.nicovideo.jp/watch/1250225059
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/06(火) 17:00:29.76 ID:KP4eD1go
野球キチガイの国家元首というと、カストロだな
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/06(火) 22:52:25.50 ID:eaEzoqko

           ゞ         ゞノソr
         ヾ             ゞ      揺 と
        ヾ    ミヾ ゞヽヾ丶  ,.,.,.彳     れ き
        ミ   ミヾ      ゞ'ソ  个        る め
        ミソヘ ゞ ::::::::        |       な く
        │5 丶 r===≧  __ /       俺 な
        ゝヘ__  ( ::::ー-- ソ=√二 ア        の 俺
        彳八  丶--ー :: トー--/          心 の
        人  ヽ :::::::  ::_ 」  ノ           心
      _イ  `ヽ 丶:::::::ー─ /
-ー' ¨ ´  ゝ    `丶ヽ___∠_      λ
彡彡ノ    ヽ      Υ ノ   ̄ゞミミ 〆/}
彡        `丶_  / 丿       ヾ ┤
            ヽ┴ ´           トヽ
            │ ●         ││


鍋島紀伊守に支援
816 :1 [saga]:2009/10/07(水) 02:36:05.22 ID:hGKX0Dc0
 どもどもです。
評価と影響は、どの辺まで書こうかまだ思案中でアリマス。
思想単体の評価・影響を中心にするか、宗矩の評価・影響も込みでやるか、
どっちがいいかしらん、と。

 あと、「伝奇世界の宗矩」についてはネタがいっこあるので、
こいつもいずれやる所存でアリマス。

>>813
 おおお、ありがとうございます。
講談「柳生二蓋笠」は、「宗冬こと又十郎が二蓋笠を使って宗矩をギャフンと言わす」という
大まかな話だけは知ってたものの、実物を聞いたのはこれが始めてだったので欣喜雀躍。
おお…なんかいい話だ!

 あんまり文章化されてない話なので、そのうち聞き書きでテキスト化して、
短編外伝とかにしてみるのも一興で砂。

>>815
 やや、葉隠さんでしょうか。
覚悟は何気に結構AAも増えて重畳なのですが、散と朧がAA少ないのが残念無念。
「一線を超える!」AAとか色々試してるのですが、なんか見づらくてむむむ。
817 :1 [saga]:2009/10/09(金) 23:55:49.48 ID:RFMddjI0
 どもども、お疲れ様でアリマス。
さて次回なのですが、今のところ、一応毎度のように
日曜(10/11)夜21:00スタートにしたいと思ってはいるのですが、
本業がエラく微妙気味なので、場合によっては延びるかもでアリマス。
うむう。

 とりあえず間に合えば時間通り投下しますし、
ダメそうであれば、次の予定を投下する所存ー。
なんにせよタイトルは、

 やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2)

 ということで。
よろしゅうですー。
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/10(土) 01:09:16.77 ID:f9/wrQUo
了解です
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/10(土) 21:33:50.53 ID:RKEZ4bAo
把握しますた
820 :1 [saga]:2009/10/10(土) 23:14:41.20 ID:ZLuieGE0
 どもどもです。
予想はしていたものの、仕事絡みで一日が潰れたので、
明日の更新は多分無理でアリマス。
申し訳なし。

 なので、現時点では月曜(10/12)の夜21:00スタートにしたく。
祝日があってよかったなー、と思いつつ、
蓋開けたら呼び出しとかなってたらしょんぼりで砂。
ふむう。

 ではではー。
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/10(土) 23:16:26.42 ID:1wkENlwo
了解、お疲れ様でした
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 02:06:13.28 ID:Qx9mDXIo
サー、イエス、サー!月曜日が楽しみであります。

葉隠兄弟AA色々と追加したよー
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/11(日) 13:02:39.26 ID:DuwVfW.o
頑張って下しあ
824 :1 [saga]:2009/10/12(月) 21:00:43.76 ID:qoYHOwg0
 どもども、これから投下します。
タイトルは予定通り、

 【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2)】

 これで。
でははじめます。

>>822
 おお、AA保管庫にも増えてましたね。
お疲れ様でアリマス。
825 :1 [saga]:2009/10/12(月) 21:01:59.34 ID:qoYHOwg0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:なし】
                            ."⌒ヽ.
                            ヽ  ,'
                             ゙、;´     フゴゴ……
                           _(_`Y´ )
                         / |r┬`| \
                        /   `ー'´   \   、´`ヽ
                      /           ヽ ⊂´rィ_;ヽ、
                      |   、__/;;:  `   `⌒ ̄ ̄`  >
           「`ィ、- -‐ャ,--─´⌒      ̄`,. ̄   ,イ  , -─ ´
          、'ゝ_ /,____`_     ゝ、          ヽ´
           X/          ̄`ヽ             ヽ
                         |             、
                          |             ヽ
                         |,´  `      ´   `ヽ
                         /                ヽ
                        /      .,_──‐-、      ヽ
                        ′    /         、     ヽ
                      , ′   ヽ'           ヽ,´    ヽ    ,-、
                    ,イ     /              ヽ     ゝ- ´`'"ゝ
                 l、` ̄      ,'                 l        `j ラ
                 ヽ       i                  `、_  ,_  _.,~ノ
                  ゝ- ‐ ^─´
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 21:02:35.21 ID:6UNCDPg0
待ってましたー
827 :1 [saga]:2009/10/12(月) 21:04:02.81 ID:qoYHOwg0

             開始早々寝るんじゃねえ!
      / ̄ ̄\                        ゙i\
    /ノ(  ゝ 、_,ノヽ                       ゙i (,
    | ⌒(( ●)(●)                     i  ゙i
.    |     (__人__) /⌒l                     i|  i,
     |     ` ⌒´ノ |`'''|                 i|  ',
    / ⌒ヽ     }  |  |                 i|   |i
   /  へ  \   }__/ /                i|.   |i
 / / |      ノ   ノ                ,.i.    |
( _ ノ    |      \´                 ,.i     ゝ
       |       \_,              ゝ      |i.
       .|         \              , '       |i.
       ヽ      \  \        /       |i.
         \      \  \      , '        |i.
          \     ( \   ,, ,. ,., ' , '    _/⌒  ⌒\_
            \    \ \  `゙ィ/   /:●))(__人__)((● \ ぐぇあ
                    , ,. /`    |     |r┬-|     |
                    ゙ィ/`, ' `   \      `ー'┃     /
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 21:04:35.06 ID:mBnti5.o
ハジマタ
829 :1 [saga]:2009/10/12(月) 21:05:24.56 ID:qoYHOwg0

                     / ̄ ̄\
                  /ノ(    \
                  | ⌒ _ノ  \ |    やっと女っ気ネタがなくなったと思ったら、
                 .|   ( ●)(●)|   今度は眠気かよ!
              /\  |    (__人__) |   もう2・3発眠気覚ましを打ってやろうか!?
            (.  ヽ\|    ` ⌒´ ノ
             \ ヽヘヽ       }
              (   ソ       ノ ⌒)
               ` イ          /
           _   | mm     / /___
         /  \  | ヽ  η   //  ::::::\      や、やめるお!
        _/     \| |   |   /     :::::::::\   もう眠気スッキリだお!
      /´   \   / |  |  /u       .::::::::\.  ノーサンキューだお!
      ゝ_/ ̄\\/   |   \ |       ...::::::::::::.| 
       /     /    / \    \      ::::::::::::/
     (___へ   {     /ヘ  \          ::::::::::ヽ  。
         \___/  \ |         ::::u:::::::::ヽ
                   \          ,/\ ::::i
                     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     ̄
830 :1 [saga]:2009/10/12(月) 21:06:40.13 ID:qoYHOwg0
       ___
     /_ノ ヽ、\       でも、ここ最近、どうも眠くていけないお。
    / (−) (−).\     本格的に秋になってきたから、
  /   (__人__)  ...\   夜は長いし、布団も暖かくなってくるし…。
  |     ノ   ヽ,   |
  .\   (/⌒ノ´フ   ./    季節の変わり目って、どうしてこう眠いんだお?
   . .>   . ̄ ̄´  <.


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      まあ、気持ちは分からなくもないが、
 |    ( ー)(ー)    そんなんじゃコタツを出した後が思いやられるぜ?
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ     さ、それじゃ本題に入ろうか。
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \
831 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:09:17.25 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |         さて、「活人剣・治国平天下の剣」についてあれこれ話をする
. |  (__人__)  |         この外伝も後編2回目、通しで5回目だ。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)    前回は、この宗矩の思想が生み出された「原因」について述べたが、
.  ヽ       }   /;;/   今回は、その「評価」と「影響」について話をする。
   ヽ     ノ   .l;;,´ 
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

             (ヽ三/) ))
         __  ( i)))
        /⌒  ⌒\ \     おお!
      /( ●)  (●)\ )    「評価」に「影響」というと、
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\    廻国隠密とか陰謀とか魔界転生とか
    |    (⌒)|r┬-|     |    裏柳生とか朝鮮柳生とかシベリア柳生とか
    ,┌、-、!.~〈`ー´/    _/    そういうことかお!?
    | | | |  __ヽ、    /      めくるめく伝奇のターン!だお!
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |
    `ー---‐一' ̄
832 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:11:03.18 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\       それは「柳生」の「評価」「影響」だろ。
 /   _ノ  \    ここで扱うのは、あくまで「活人剣・治国平天下の剣」という
 |    ( ●)(●)   「思想」についてだよ。
. |     (__人__)  
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }  ミ        ピコッ
.  ヽ        } ミ  /\  ,☆____
   ヽ     ノ    \  \ /     \
   /    く  \.  /\/ ─    ─ \    なんでもいいから
   |     `ー一⌒)  /   (−)  (−)  \  早いトコせがわ先生版の
    |    i´ ̄ ̄ ̄ \ |      (__人__)     |  「魔界転生」が読みたいもんだお。
               \_   ` ⌒´    /
                /          \
833 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:13:14.83 ID:qoYHOwg0

           / ̄ ̄\
      rヽ  / ノ  \ \    というかな、「柳生」はもちろんのこと、
      i !  |  (●)(●) |   宗矩の評価にしても、この思想だけで収まらないものも多いし、
   r;r‐r/ |   |  (__人__)  |   まだ話題にしていないことだって色々あるんだ。
  〈_L (`ヽ .}  |    `⌒´  ノ   だから、そっちは本編で追々やっていくつもりだ。
  l` ( ``/ .  |        }
  ヽ   l  .  ヽ       }     …というか、「宗矩への評価の変遷(伝奇含む)」は、
   |,.   l   /⌒  ー‐  ィ ヽ  いずれ別にやるだろ、伝奇的に考えて…。


       ____
     /      \       宗矩の思想だけでこれだけ延々語ってるくせに、
   / ─    ─ \     まだやるつもりなのかお…。
  / -=・=-   -=・=- \
  |      (__人__)  U  |    よくもまあ、ネタが尽きないもんだお。
  \     ` ⌒´     /
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 21:15:30.28 ID:EWTAgmwo
それだけさんざんネタにされてきた素材だからな、柳生ってww
835 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:15:40.79 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \     
      |    ( ●)(●)     まあ、それだけネタに困らないってことさ。
     . |     (__人__)
       |     ` ⌒´ノ     …さて、「評価」と「影響」の話に移る前に、
     .l^l^ln        }     .あらためて、この「活人剣・治国平天下の剣」が、
     .ヽ   L       }     当時、どういう目的を持っていたか、言ってみてくれ。
       ゝ  ノ    ノ
     /   /     \
    /   /        \
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }     とりあえず、
     /⌒  ⌒\   |   |
   /( ●)  (●)\  !   !     1 : 「剣術の新しい意義の確立」
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l     2 : 「将軍・家光の教導」
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー'´     //       この2つってとこだお!
  / __        /        あと、前提条件として、
  (___)      /         「柳生家の生き残り」が入るお!
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 21:16:54.40 ID:6UNCDPg0
柳生は大体皆キャラ立ってるからネタにしやすい
837 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:17:36.94 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\         そうだな。
      / −  − \       そして、それによって発生したのは、
      |  (●)(●) |
      |  (__人__)  |        『剣術はただ実戦の為だけの術ではない』
       |    `⌒´  │
       |         .|        『稽古を通じて心を鍛え、至極の境地を目指し、
       ヽ        /        諸事(家光の場合は治国)に活かすものである』
        ヽ     ノ  
      _/     l__         という「価値観の変化」だ。
 __ゝ_/         ヽ      つまり、戦場での実用術に過ぎなかった剣術が「求道性」を帯び、
 \___ノ'        ヽ⌒)   また、剣術を修める目的自体が変わったわけだ。


     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)   まあ、その辺は前編で散々出た話だお。
/    (─)  (─ /;;/   戦がなくなったら、そりゃ剣術に限らず、
|       (__人__) l;;,´|    実用術としての武芸全般の必要性が薄れるのは当然だお。
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |      …うまいこと理屈付けたもんだお。
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
838 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:19:44.07 ID:qoYHOwg0

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/     あと、もう少し言えば、
    |  (__人__)l;;,´|     こいつは戦を望まない幕府の方針にも合致していた…というか、
    | ./´ニト━・' .l     意図的に宗矩が合わせたものと思われる。
    | .l _ニソ    }
     /ヽ、_ノ    /       実際、「殺人刀」序文の冒頭は、
    __/  /    ノ__      「武家諸法度」に合わせたものだしな。
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /


           ___   ━┓
         / ―  \  ┏┛
        /  (●)  \ヽ ・    …そうだったかお?
       /   (⌒  (●) /    武家諸法度とかうろ覚え気味だお。
       /      ̄ヽ__) /
.    /´     ___/      「じゃあ、少し比較してみるか」
    |        \
    |        |
839 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:23:38.25 ID:qoYHOwg0
【武家諸法度(元和令)】

  _■_ _________________________
 |∵∴∵|:::ー-ーーー-ー─ーー--ーーーー--ー─ーー--ーーーー-ーー-ー,||
 |∵∴∵|::::                                   i ||
 |∵∴∵|::::                                   ; ||
 |∵∴∵|::::  一、文武弓馬の道、専ら相嗜むべき事。           :; ||
 |∵∴∵|::::                                     | ||
 |∵∴∵|::::    文を左にし武を右にするは、古の法也。      .; ||
 |===|::::    兼備せざるべからず、                   ! ||===-3
 |∵∴∵|::::    弓馬は是れ 武家の要枢也。             ; ||
 |∵∴∵|::::    兵を号んで凶器となす、                ; ||
 |∵∴∵|::::    已むを得ずして之を用ふ。               |  ||
 |∵∴∵|::::    治に乱 を忘れず、何ぞ修錬を励まざらんや。  .i  ||
 |∵∴∵|::::                                  ; ||
 |∵∴∵|::::                                     .| ||
 |∵∴∵|:::ーーー ーー- -ーー-ーー-ーー-ーー- -ーー-ーー-ーー-ーー─ ||
   ̄■ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


【兵法家伝書・殺人刀(序文)】

              ...『古にいへる事あり、
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|  
| ._         .|_| ..... 「兵は不祥の器なり。天道之を悪む。
| |殺|        . |_|     .止むことを獲ずして之を用ゐる、是れ天道也」と。
| |人|        . |_|  
| |刀|        .|_| ..... 此の如何にとならば、弓矢・太刀・長刀、是を兵(つわもの)と云ひ、
|.  ̄         .|_| ..... 是を不吉不祥の器也といへり。
|          . .|_|  . 其故は、天道は物をいかす道なるに、却而(かえって)ころす事をとるは、
|            |_| ..... 実に不祥の器也。
|________.|_| ..... しかれば、天道にたがふ所を即ちにくむといへる也。
└───────┘   .しかあれど、止むことを得ずして兵を用ゐて人をころすを、又天道と云ふ』
                     (中略)
                その兵を用ゐるに法(兵法)あり。
                法をしらざれば、人をころすとして、人にころさるるならし』
840 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:26:14.94 ID:qoYHOwg0
       ., ──‐、
      /     \
.     .|     _ノ  ヽ          見ての通り、大意を言えば、どちらも
     |     ( ●) (●)        
     |       (__人__) , -―ーっ    『武力は使わずに済むならそれに越した事は無い。
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄      が、止むを得ず使わなければならない時もある。
.      ン         } ゙| ̄'|         そのために武芸は修めなければならない』
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'   |        ということで、意味としては共通している。
| |  /   /    r____/       まあ、これ自体は「老子」の一説を底にしているわけだが、
| | /   /      |i             その大本でもかなり兵…武力を用いる事に批判的だしな。
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


    γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
    (;;,);;)ll .l;;;;;;[>−∩_]仆;;;;;;;;;;;l l))
     ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;;;;;;;;;ノノ
 γ二ヽヽγ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
 (;;,);;)ll .(;;,);;)ll .l;;;;;;[>−∩_]仆;;;;;;;;;;;l l))
  ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;;;;;;;;;ノノ

『第三十一章 「夫兵者不祥之器」(または「夫佳兵者、不祥之器」)

 夫(そ)れ兵は不祥の器、物或いは之を悪(にく)む。
 故に有道者は処(お)らず。
 君子居れば則ち左を貴び、兵を用うれば則ち右を貴ぶ。
 兵は不祥の器にして、君子の器に非ず。
 已むを得ずしてこれを用うれば、
 恬淡なるを上と為す。勝ちて而(しか)も美ならず。
 而るにこれを美とする者は、是れ人を殺すを楽しむなり。
 夫れ人を殺すを楽しむ者は、則ち以って志を天下に得べからず』
841 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:29:16.55 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\        少し話が逸れたが、
 / ノ  \ \      まあ、宗矩の思想というのはそういうものだった。
 |  (●)(●) |     当時の「剣術」の常識から
. |  (__人__)  |     随分とかけ離れたものだったのは間違いない。
  |.   `⌒´  ノ
.  |         }      これに対し、当時の人物が
.  ヽ        }      どのように評価したか、というところを以って、
   ヽ     ノ      まず「評価」とする。
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、 


     ____
   /      \
  /   _ノ   ヽ、_\      ?
/    (●)  (●) \    当時、柳生新陰流(江戸柳生)があれだけ栄えたんだから、
|       (__人__)    |   .思想的にも評価されたと考えていいんじゃないかお?
./     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  | 
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 21:30:46.52 ID:6UNCDPg0
戦国に生きたものにとってはただの詭弁だからなあ
843 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:33:41.12 ID:qoYHOwg0

       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃  _ノ  \ 
    (⊃   ( ●)(●)       いや、この時点での流派の繁栄と、思想に対する評価は別物だ。
     |     (__人__) 
     |     ` ⌒´ノ.       実際、思想だけで評価されたというには、
       |         } \     宗矩には他にも色々と要素があり過ぎるからな。
     /ヽ       }  \    「思想が評価されたから、流派が繁栄した」というのは
   /   ヽ、____ノ     )   .論としては微妙だと思うぜ。
  /        .   | _/
 |         / ̄ ̄(_)       まあ、流派と思想の関係については、
  \   \ /| JJJ (      また「影響」に絡めて話すことにするさ。
   \  /   /⊂_)


       ____
     /_ノ   ヽ_\       …なんか含みのある言い方だお。
   /( ●)( ●)\     .まあ、とりあえず、当時の人物からの評価を
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   聞かせてくれお。
  |     (  (      |
  \     `ー'      /
844 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:35:31.28 ID:qoYHOwg0

                    そうだな。
                   では、当時、「活人剣・治国平天下の剣」の思想を
      / ̄ ̄\ ( ;;;;(    確実に宗矩から伝えられたと見る事ができる人物なんだが、
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)    まず、候補となるのは、
    |  (●)(●)/;;/ 
    |  (__人__)l;;,´|     ... ・ 家光
    | ./´ニト━・' .l        ・ 十兵衛
    | .l _ニソ    }      . ・ 鍋島勝茂
     /ヽ、_ノ    /      .. ・ 鍋島元茂
    __/  /    ノ__        ・ 細川忠利
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.    このあたりだな。
  ト、_,/.       |、  ヽ  まあ、家光以外について言えば、
   |         |/  /   「兵法家伝書」を与えられた人物、というわけだ。


         ___
       / ⌒  ⌒\
      / (⌒)  (⌒)\     おっ!?
    /   ///(__人__)///\   十兵衛にもちゃんと与えられたのかお?
     |   u.   `Y⌒y'´    |
      \       ゙ー ′  ,/
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
      / rー'ゝ       〆ヽ
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|
    | ヽ〆        |´ |
845 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:37:36.85 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)    そりゃまあ嫡男だからな。
. |     (__人__)   家伝書にも「之を家に遺す」と書いてあるわけだし、
  |     ` ⌒´ノ   十兵衛にも伝えられたのは当然だろ。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く__,-ュ__  
   |    ___ 三)
    |    |       ̄ 


   今までの話だと、                  .      ____   
  どうも不仲気味だったから             ...    /_ノ   ヽ_\ 
  ちょっと気になってたんだお。               /(● ) (● )\
                                . / ::⌒(__人__)⌒::::::::\
   じゃあ、十兵衛がこの宗矩の思想に対して     |       ̄       |
  どういう感想を持ったか、聞かせてくれお。     \               /


   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |    ああ。
. |  (__人__)  |   では、後に十兵衛が寛永十四年(1637)に書き上げた
  |   ` ⌒´  ノ   『昔飛衛といふ者あり』から、その辺りを抜粋しようか。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)
846 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:41:45.52 ID:qoYHOwg0

              ...『一家の書を作りて子孫に伝へむとてあつめ、上巻を殺人刀と名付、下巻をば活人剣と名付。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|    この上下は唯授一子の書也とて秘之。
| .___       .|_| ..... 又進履橋と名付る一巻は、おもてとする書にて、門弟たる人、
| |.  昔|       |_|    此巻の内の目録共習究たる人に、この巻を書て門弟之験授る者也。
| |い 飛|       |_|    此三巻に書述たるは、此道の諸道、或は長も或短も、
| |.う 衛|       |_| ..... おのれおのれの得たる道具たりとも、立相時に、太刀一つにて、
| |者 と.|       |_| ..... 兵法の心においては、はつるべからず。
| |あ   |       |_|  . 無刀と云事さへあれは、あいての持道具にはかかはらす、
| |り__.|       |_| ..... かかる秘伝ともみなつくせり。重畳せり。丁寧なり。
|________.|_| ..... 上泉武蔵守より三代なり。我其流の末に生れて身器にあたらす、修行功薄し。
└───────┘   此道に付て何をかいはむ』


                     うーん…。
                    これは思想への評価って感じじゃないお。
                    というより、あくまでも「剣術の伝書」としての評価って感じだお。
         ___
      /)/ノ ' ヽ、\      おまけに、読んでる限りだと、
     / .イ '(●)  .(●)\    「自分は未熟なので、この道に対し、
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \   まだ何か言えるほどでもない」とか言ってるお。
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /   …えらく謙遜したもんだお。
847 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:43:55.94 ID:qoYHOwg0

                     まあ、そうだな。
                    ただ、十兵衛は、この『昔飛衛といふ者あり』内で、
                    「列子」にある弓の名人伝を引用し、

        / ̄ ̄\        「名人同士が争ったらどうなるか」
      / −  − \
      |  (●)(●) |      という問いに対する回答として、
      |  (__人__)  |   
       |    `⌒´  │     『互に優劣なきあいてならは、太刀を一所に置いて礼をして退へし。
       |         .|      「把手共行山下路、眼頭各自見風烟」とはかかる風清をやいうへき。
       ヽ        /       兵法はここにおひてつきぬ』
        ヽ     ノ    
      _/     l__       という結論を出している。
 __ゝ_/         ヽ     剣の至極として「争わない」境地がある、という話だ。
 \___ノ'        ヽ⌒)  ある意味、宗矩の「活人剣」に重なるところがあると言える。


     ____    ━┓
   /      \   ┏┛
  /  \   ,_\.  ・      …ところで、なんか、ずっと前に似たような話を
/    (●)゛ (●) \      聞いたことがあるような気がするお…?
|  ∪   (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /        …なんだったかお?
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
848 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:46:46.18 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \
      |    ( ●)(●)    ああ、無住心剣流か。
     . |     (__人__)    最初の外伝で、柳生以外の新陰流の剣士を紹介した時、
       |     ` ⌒´ノ    奥山休賀斎の弟子筋になる針ヶ谷夕雲が創始した流派だ。
     .l^l^ln        }
     .ヽ   L       }     あれも達人同士が立ち合った際の「相抜け」を提唱していたが、
       ゝ  ノ    ノ      十兵衛のそれより更に哲学的というか、ややこしいからな…。
     /   /     \     とりあえず今回は置いといていいぞ。
    /   /        \
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))


         ____
       /      \
      / ─    ─ \     わかったお。
    /   (●)  (●)  \   じゃあ、十兵衛以外からの評価を
    |      (__人__)     |  教えてくれお。
     \    ` ⌒´    ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |
849 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:49:29.97 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \      …それがなあ。
 |    ( ー)(ー)    どうも調べた限り、この宗矩の思想そのものに対して、
. |     (__人__)    言及している史料というのは殆どないんだな。
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l    まあ、「兵法家伝書」自体、秘伝書の類だから、
.  ヽ      |   ノ   考えてみれば当たり前なんだが。
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/    なんだおそりゃ…。
|       (__人__) l;;,´|    じゃあ、評価と言っても、
./      ∩ ノ)━・'/    同時代だと、殆ど無いも同然なのかお?
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
850 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:51:42.09 ID:qoYHOwg0

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)    うーん…。
.   | u   (__人__)   あと、一応、思想そのものに対してかどうかはわからんが、
    |     ` ⌒´ノ   当時の宗矩の兵法に対する批評と言えるらしいものとしては、
   .l^l^ln      }    細川忠興が言った(らしい)評というのがあるにはあるんだが…。
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ      とりあえず紹介だけはしておこうか。
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

       ____
     /      \   
   / ─    ─ \      よりにもよって細川忠興かお…。
  / -=・=-   -=・=- \   またなんか嫌な予感がするお…。
  |      (__人__)  U  |
  \     ` ⌒´     /
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 21:53:33.31 ID:HhcnP3.o
ここで三歳様ですか!
852 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:54:13.68 ID:qoYHOwg0

【細川忠興、柳生新陰流について語る(?)】

 〈    、 、   ∠ニニ/  >く \\ \、_ハノ
  \  < ̄\_∠_ //´ヽ\∠ヽ\).',..、
   ̄≧-∠_\ \|\  ̄\   Y∠ / 
  \__.    ヽ ` |>、   ヽ//. ヽ,)  
 \ー┴‐    /イニニ二\___` ) )  . 新陰は
   >┬‐‐ト--'´ il{〈 句 `Yiト<__, ヽ   .柳生殿よりあしく成申候ッ!!
 \//」 ̄´| 〉  u u`ヽ-‐'人、ニ/_)  .
 ―‐'イ´トヽ、___ij_ .ト-</7/ \,)   
 >ーハ. l ヽー----、.入二7//0 0 ト/-、
  ̄ン'ヘ. |    __ト、.__レ'´//0〔リ0丿.,ソ/ヘ '"
 /  ハ|.   / \__/{.[ 0 0./j /  //7/ヘ /l ト、 |\
 、_/, ハ`、,、 / 丶=∠イ〉〉、,- //∧ ∠   /   V | l ヽ|
 `‐'".__/ハ[' `ー-,_,,.,/ノ// ./||∧ヽヽヽ
 //`7ィノ .l`ー---‐'´.// ./|lィ|ヽヽ/ ヽ
 / /  /ゝ、____/// ./ィv\>// \
 ―'   ` └-‐─7/ ./   /    / /  〉  
     /|ヘ     l_l__」 /    / ///
 、   ./ | l      ._/     ////
 冫 ∧ 丶 ` ̄ ̄´|  >、    /// 
 / /、  ̄ ̄ ̄ ̄/ / / \ ///   
./ / 丶     / / /   \      
       細川忠興
853 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:56:27.22 ID:qoYHOwg0

       / ̄ ̄\  ………。
     /  ヽ_  .\
     (●)(● )   |         ____
     (__人__)      |           /      \
     l` ⌒´    |      /─    ─  \  ………。
.     {         |       / (●)  (●)   \
      {       /      |     (__人__)     |
      ヽ     ノ、     \    ` ⌒´     ,/
     / |/\/ l ^ヽ     /7             l─、
     | |      |  |    |l           | |
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 21:57:28.65 ID:SOjS9/w0
抜群に空気読まねえww
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 21:57:28.97 ID:HhcnP3.o
「新陰流劣化乙」ってことか?
856 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:57:43.41 ID:qoYHOwg0
    __
   /   \
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)         キリッ ____
. |     (__人__)           /\   / \   「新陰は柳生殿よりあしく成申候ッ!!」
  |     ` ⌒´ノ          /(ー)  (ー) \
.  |         }         / ⌒(__人__)⌒   \
.  ヽ        }     \     |    |r┬-|      |
   ヽ     ノ       \  \   `ー'´     _/
   /    く. \         \  ノ          \
   |     \  \    (⌒二                |
    |    |ヽ、二⌒)、        \        |  |
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 21:57:45.68 ID:EWTAgmwo
こいつかよww
858 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 21:58:49.89 ID:qoYHOwg0
    __
   /   \   これだけ。
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)             ____
. |     (__人__)            /      \     
  |     ` ⌒´ノ          / ─  ─   \   ……これだけ?
.  |         }         / (●) (●)    \
.  ヽ        }     \    |    (__人__)       |
   ヽ     ノ       \  \    `⌒´     ,/
   /    く. \         \  ノ          \
   |     \  \    (⌒二                |
    |    |ヽ、二⌒)、        \        |  |
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 21:58:54.58 ID:93P//vQo
宗矩のせいで劣化した?
860 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:00:09.02 ID:qoYHOwg0

 ないから困ってんだよ。
常識的に考えて…。
                   γ ⌒⌒ヽ   これだけじゃ何がなんだかわかんねーお!
   / ̄ ̄\           ( ( ヽ ) ノ  具体的にどうなのかとか、続きはないのかお!?
 /_ノ  \  \     (⌒) 三  ノ 从 ゝ
 ( ●)( ●)  ヽ   三/ | ニ  ____     (⌒)
. | (__人__) u  }   |  |   /\   / ) し / |  ミ
  | ` ⌒´    ノ   !   、 /(○ )::(○ )⌒\/ | ミ
.  |         }    \./:::::::(_人_)::::::::  i'   |
.  ヽ        }      |     )ww)     |  |
   ヽ     ノ   ヘ   \    `ー"      ノ
   /    く 、_/っ/      \ .    .   \
   |     \--一''           \
    |    |ヽ、二⌒)、          \
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:01:19.20 ID:EWTAgmwo
まぁ誉め言葉には聞こえないが・・・
862 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:02:23.59 ID:qoYHOwg0

               そもそもこいつは、十兵衛が写したという
              「兵法書状」なる書に載っている一文なんだが、
              この文が載っているくだりを書き出すと、

   / ̄ ̄\     『  後八月廿三日
  / _ノ  ヽ、_ \     一 関新五左衛門兵法厚キと申進候由、私書違申物と存候。
. | ( ●)(● ) |      ひろき申様ニて御座候。新陰ハ柳生殿よりあしく成由候由申候。
. |  (__人__)  │     伊勢も習ハ不存者などと申候。福田五郎介などハ、
  |    `⌒´   |       来世にケ様之名人出来申事なとと申しほめ申候。
.  |           |      一円合点不参候』
.  ヽ       /
   ヽ      /      となっていて、正直、状況がよくわからん。
   >     <      .批判というより、内輪の雑談で盛り上がってる感じもするし…。
   |      |      書状も「遠江殿」なる人物からの状とはあるんだが、
    |      |      .これが誰かもわからんしなあ。


     ____
   /      \
  /         \      そもそも、これ本当に忠興の言葉なのかお?(※)
/           \    念のため「関新五左衛門」でぐぐったら、
|     \   ,_   |    なんか幕末の福山藩軍監とか出てきたお…?
/  u  ∩ノ ⊃―)/    .忠興は越中守だから遠江守じゃないし…。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /      (※一応、岩波版「兵法家伝書」の解説ではそうあるのですが)
863 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:04:54.32 ID:qoYHOwg0

      __  
    / 〜\           まあ、色々わからんところは多いが、
  / ノ  (●)\        こいつを忠興が言ったと仮定した場合、一つの推測ができる。
. | (./)   ⌒)\
. |   (__ノ ̄   \      「戦国武将であった忠興からすれば、
  \          |       宗矩の思想はよくないものに映った」
    \       /
.      \  ⊂ヽ∩      というところだ。
      /´    (,_ \.    戦国武将であった忠興からすれば、
       /       \. \  剣術は実用術以外の何物でもなかっただろうし、
      ./   /       |. \ソ  実際、同じ新陰流の疋田豊五郎とも縁があるだけに、
    (  y'      .|     宗矩の思想に対し、余計にそう感じたのでは、というところだな。


         ____
         / _ノ ヽ_\        うーん…そう仮定すれば、確かにわからなくはないお。
.     / (ー)  (ー)\      今までただ単に実戦術として扱っていたものに、
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \    急に「道」とか「活人」とか言い出す奴がいたら、
    ヽ   L   |r┬-|    |    「なにそれ?」と思うのが普通だお。
     ゝ  ノ  `ー‐'    /
   /   /         \     というか、よくその程度の批判で済んだもんだお。
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))
864 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:07:18.23 ID:qoYHOwg0

       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \
    (⊃   ( ●)(●)       それもなあ…。
     |     (__人__)       この批判が本当に忠興のものなのかどうか、
     |     ` ⌒´ノ       今ひとつ自信がないのは、この後も忠興は、
       |         } \     普通に宗矩との付き合いを続けたり、
     /ヽ       }  \    .宗矩門下の剣士(雲林院弥四郎光成)を
   /   ヽ、____ノ     )   個人的に召したりしているんだな。
  /        .   | _/ 
 |         / ̄ ̄(_)     付き合いはともかく、
  \   \ /| JJJ (.     兵法上の批判をしておいて、
   \  /   /⊂_)      その門下の剣士を召すとか、そんなことするか?


     ____
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\      ほんと、面倒だお…。
/    (●)  (●) \    とりあえず、そんなよくわからない話も
|       (__人__)    |    出さなければならないくらい、
/     ∩ノ ⊃  /     当時の「活人剣・治国平天下の剣」の評価は
(  \ / _ノ |  |      明確なものがなかった、ということかお?
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
865 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:09:09.73 ID:qoYHOwg0

           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \          まあ、厳密に言えば、
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__)         「思想そのものを評した当時の史料が無い」
         |      `⌒´ノ
          |         }          というところだな。
          ヽ        }      (   史料なしの推測でもいいなら、
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )  .そりゃなんとでも話はできるぜ?
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !

               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |
   /( ●)  (●)\  !   !    なんだお!
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l   それができるならサクッとやってくれお!
  |     |r┬-|       |  /   大体のところが分かればそれで十分だお!
  \     ` ー'´     //
  / __        /   
  (___)      /
866 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:11:25.30 ID:qoYHOwg0

                 / ̄ ̄\
               / ._ノ   \\     _,,
               | ( ●) (●) |     l;l        わかった。
              . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,      じゃあかなり推測になるが、
                |   `⌒´   |, ト-=y  丶     その分、一気に「評価」について結論を出させてもらうぜ?
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l 
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,      相当ぶっちゃけた話になるが、
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,   まあ、そういうものだと思って勘弁してくれ。
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,  
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
867 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:14:10.92 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\            では、「評価」について結論から言おう。
  / ノ  \ \         .この「活人剣・治国平天下の剣」は、
 |  .(●)(●)  |         おそらく出された当時、殆どまともに評価されなかったと思われる。
. |  (__人__)  | 
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)    むしろ、細川忠興が評したように、
.  |        |    .) ;;;;)   「従来の剣術とは異なるもの」として
.  ヽ       }   /;;/    反発すら受けたんじゃないか?
   ヽ     ノ   .l;;,´      まあ、一言で言えば、
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ         「お 前 は 何 を 言 っ て る ん だ」
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/        というのが、これを聞いた当時の人間の概ねの評価だろうな。


       ____
     /⌒三 ⌒\
   /( ○)三(○)\    …ぶっちゃけるにも程があるお。
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\  もうちょっとオブラートに包む気はないのかお?
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:15:02.38 ID:W13iNpo0
稲富祐直の事で何とかの達人だとか、そうゆう連中が嫌いになったとかかな?

って思ったけど宗矩門下の人間召抱えてるんだ。
869 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:16:47.29 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\        そんなこと言ってもな…。
 /   _ノ  \      剣術は、結局のところ剣を使う技法だし、
 |    ( ー)(ー)     剣は、基本的に何かを斬る為の道具だ。
. | u.   (__人__)     この時代、皆、それが普通だったんだ。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }      そういう人間ばかりのところで、
.  ヽ        }     「活人剣」「剣禅一致」とか言われても、
   ヽ     ノ        大抵の奴は途方に暮れるのが普通だろ。
    i⌒\ ,__(‐- 、    
    l \ 巛ー─;\    何度も言うが、剣術が「道」として認識され、
    | `ヽ-‐ーく_)   「武士の表芸」と化すのは、まだ後の話だ。
.    |      l     そこを踏まえて考えないとややこしくなる。


         ___
      /)/ノ ' ヽ、\       じゃあ、そこまで反発されたなら、
     / .イ '(●)  .(●)\     なんで「活人剣」とか「剣禅一致」とかが
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \   通っちゃったんだお?
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /
870 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:18:51.08 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\         それについては前回も言ったが、
      / −  − \       この「活人剣・治国平天下の剣」は、
      |  (●)(●) |
      |  (__人__)  |         「寛永九年当時の家光と宗矩」
       |    `⌒´  │ 
       |         .|        という限定的な状況があったからこそ通ったんだ。
       ヽ        /  
        ヽ     ノ         要するに、家光と宗矩の個人的信頼関係と、
      _/     l__        予断を許さない政治的情勢という機をついて、
 __ゝ_/         ヽ      打ち込んだのが通った、というわけだ。
 \___ノ'        ヽ⌒)   他の状況じゃまず無理だっただろうな。


                                ...      ___
                                     /     \     
 そんなもんなのかお?                  .   /  _ノ '' 'ー \   
だったら、何もそんな変な思想を作らなくとも、      /  (●)  (●)  \  
もっと普通の剣を教えてもよかったんじゃないかお?  |      (__人__)    |
                                  \      `⌒´   /


       ., ──‐、 
      /     \            それじゃダメなのは前にも言っただろ?
.     .|     _ノ  ヽ          元々12年間、普通に剣を教えていたんだぜ。
     |     ( ●) (●)
     |       (__人__) , -―ーっ     そこで、これ以上上がりそうもないにも関わらず、
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄     自身の剣の腕に不満がある家光を、
.      ン         } ゙| ̄'|        納得させる必要があったから、
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |       「活人剣・治国平天下の剣」の出番が来たんだ。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |
| |  /   /    r_____/         言ってみれば、
| | /   /      |i              「状況」という扉と「思想」という鍵というところだ。
| | ( 〆⌒'──r─≒、.           どちらが欠けてもダメだったのさ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
871 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:21:07.21 ID:qoYHOwg0
     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/    しかし…その評価だけ聞いてると、
|       (__人__) l;;,´|    なんでこの思想が今まで残ったのか、
./      ∩ ノ)━・'/    そっちの方が不思議になってくるお…。
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /


      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (●)(●)/;;/      まあ、そうだな。
    |  (__人__)l;;,´|      そこで、次からは「影響」についての話をする。
    | ./´ニト━・' .l
    | .l _ニソ    }        ここの部分が見えれば、
     /ヽ、_ノ    /       何故、「活人剣」「剣禅一致」という概念が
    __/  /    ノ__       現代まで残り続けてきたかわかるからな。
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:21:37.46 ID:EWTAgmwo
考えようによっては12年もチャンスを伺ってたと見えなくもないな。
873 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:23:37.77 ID:qoYHOwg0

           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)          さて、それじゃ
         |     (__人__)         「活人剣・治国平天下の剣」の「影響」についてだ。
         |      `⌒´ノ
          |         }           当の家光以外からは、おそらく
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )      「な に そ れ」
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)   扱いだったこの思想が、
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁   後世にどのような影響を与えることになるのか。
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|   そいつを順に見ていこう。
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !
874 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:25:50.67 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\           まず、この「活人剣・治国平天下の剣」が
  / ノ  \ \         当時の剣術の常識からすれば、
 |  .(●)(●)  |         かなり変わった思想だったのは間違いない。
. |  (__人__)  | 
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)    だが、他の人間ならまだしも、
.  |        |    .) ;;;;)   この宗矩の思想を受け容れたのは、
.  ヽ       }   /;;/    当時の日本の最高権力者である家光だった。
   ヽ     ノ   .l;;,´ 
. /    ∩ ノ)━・'        そして、その思想が如何に妙なものであれ、
 (  \ /|_ノ ヽ       現実問題、それによって、
. \  ""  /_ノ  |       感情的で扱いづらい将軍が少しは落ち着きだし、
   \ /___/       且つ、その思想に特に実害が無いとなれば…。


         ____
         / _ノ ヽ_\       
.     / (●)  (ー)\      「みんな慣れてくる」
    l^l^ln    (__人__)   \
    ヽ   L    `⌒´    |     …ということかお?
     ゝ  ノ         /
   /   /         \
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:28:07.59 ID:4QRL4zIo
忠興のことだから、けなしつつその流派の者を雇い入れるくらいはするかも。

本人DQNの極みですが、細川家の人間として、
保身術も極みに達しているので。
たぶん、
「グダグダ言ってねえで「[ピーーー]」と決めたときには「殺っていた」でなきゃなんねえんだ!」
とかそんな人だったんじゃないかなあ。
876 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:28:36.82 ID:qoYHOwg0

                   そういうことだな。
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)   そして、一旦慣れてしまえば、
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)   戦の無い世を求める幕府の人間にとって、
 |    (─)(─)  /;;/    .この思想はなかなか都合がよかった。
. |    (__人__)  l;;,´    
  |     `∩_ノ)━・'       「普段は自ら求めて剣を振わず、
.  |     |_ノ          しかし、事あれば修めた剣を振るって悪を切る」
 /ヽ    |  |_        
 |  \_/ ノ ヽ        というのは、
 \     /_|  |       武家諸法度にある通りの姿だからな。
 | \ /  _/       そりゃ受けるよ。


                      まあ、確かに、旗本奴とか
         ___         色々暴れていた連中もいたわけだし、
      /)/ノ ' ヽ、\      それにも悩まされた幕閣が、
     / .イ '(●)  .(●)\
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \    「こいつらがこの通りになってくれたらなあ」
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /    と思ったとしても不自然じゃないお。
877 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:30:25.73 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \      そして、こいつは幕閣だけではなく、
 |  (●)(●) |     諸大名にとっても都合のいい思想だった。
. |  (__人__)  |
  |    `⌒´  ノ      家臣が暴れたら困るのは
.  |         }     幕閣に限った話じゃないからな。
.  ヽ        }     むしろ、改易の危険がある分、
   ヽ     ノ      諸大名の方が切実だったと言えるだろう。
   /    く  
   |     \       しかし、諸法度にあるように、戦に備えて武術はさせる必要はある。
    |    |ヽ、二⌒)  そこにこの「活人剣・治国平天下の剣」の思想があれば…。


     ____
   /      \       『単に腕が立つだけでは駄目で、
  /  ─    ─\       心も鍛えなければならない。
/    (●)  (●) \     それも、単に度胸がある、とかではなく、
|       (__人__)    |    「活人剣」「剣禅一致」の方向でなければ』
./     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |      …という具合に、武術をさせつつも
.\ “  /__|  |     それで暴れる事を否定するように
  \ /___ /      仕向けられる、ということかお。
878 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:32:36.92 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\        そういうわけだ。
 /   _ノ  \      この宗矩の思想は、当時の幕閣/諸大名にとって
 |    ( ー)(ー)     実に都合のいい思想だった。
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ      正直、こいつは家光のためとか以前に、
.  |       nl^l^l   幕府の治安政策の一部として
.  ヽ      |   ノ    用意されたんじゃないかと思えるくらいだよ。
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \


     ____
   /      \       そりゃ上からすれば
  /   _ノ ヽ、_.\     下が暴れない方がいいのは当然だお。
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |    でも、こう言われたところで、
/     ∩ノ ⊃  /    当時の常識から言えば、この思想は変なわけだお?
(  \ / _ノ |  |     よく下の連中(旗本・諸大名の家臣)も黙ってたもんだお。
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:32:59.11 ID:WU/QVwco
武の道うんぬん、というよりも、規律を持たせる意味合いが強いってことですね。
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:34:28.61 ID:cQmoGxAo
強くなければ…優しくなければ…
ハードボイルドだど
881 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:34:49.67 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\       まあ、そこはそうすんなりとはいかなかったとは思うぜ。
      / −  − \     実際、今までやってきたこと(剣術)を、
      |  (●)(●) |
      |  (__人__)  |       「それでは駄目だ」
       |    `⌒´  │ 
       |         .|      と言われて納得できる奴の方が少ないだろ。
       ヽ        /  
        ヽ     ノ        だからこそ、宗矩の弟子が
      _/     l__       あちこちに指南役として入ったんじゃないか、という見方も
 __ゝ_/         ヽ     できると思うんだ。
 \___ノ'        ヽ⌒)


      _____     ━┓
    / ―   \    ┏┛
  /ノ  ( ●)   \  ・    どういうことだお?
. | ( ●)   ⌒)   |
. |   (__ノ ̄    /
. |             /
  \_    ⊂ヽ∩\
    /´     (,_ \.\
.    |  /     \_ノ
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:35:19.23 ID:EWTAgmwo
ちょっと違うが信長が家臣に茶を習わせたようなもんかねぇ。
883 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:36:36.77 ID:qoYHOwg0

       ., ──‐、            まあ、こいつは本編でやるつもりだが、
      /     \          この頃から宗矩の弟子は、ほぼ全国的な規模で
.     .|     _ノ  ヽ         指南役として散らばっていったんだ。
     |     ( ●) (●)
     |       (__人__) , -―ーっ   こいつを惣目付としての宗矩の
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄   「耳目」として捉える見方もあるわけだが、
.      ン         } ゙| ̄'|      思想的な側面から見れば、
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |      「伝道者」という捉え方もできるということさ。
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |
| |  /   /    r_____/       つまり、途中から言っても聞かないのなら、
| | /   /      |i            最初から教え込めばいい、というわけだな。
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


       ____         
     /_ノ   ヽ_\         それって「刷り込み」ってことかお…。
   /( ●)( ●)\       気の長い話だお。
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
  |     (  (      |      よくそんな手が通ったもんだお。
  \     `ー'      /
884 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:38:31.51 ID:qoYHOwg0

.        / ̄ ̄\
     . / ノ  \ \/`i
     |  (●)(●)./  リ        まあな。
    . |  (__人__)..|  /       だが、時が経つにつれ、
      |   ` ⌒´ リ  ヒ       その「気の長い」手による効果が表れる。
    .  ヽ     //  ,`弋ヽ
   __ ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l     「価値観の変化」だ。
  / :  : :介〈  `ー〈::....ノ   Vヽ
  | : : : : ::〈 「`ヽ_ー 、 `ヾ_/ //:|
  | : : : : : /: | {::::} フ-、`ー┴‐- │
  | : : : 〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|


     ____   
   /      \ 
  /  \   ,_\. 
/    (●)゛ (●) \    …価値観の変化?
|  ∪   (__人__)    |   ここでそれが起こるのかお?
/     ∩ノ ⊃  /  
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
885 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:40:19.28 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\        ああ。
      / −  − \      それまでは剣術に限らず、武術というものは、
      |  (●)(●) |      基本、
      |  (__人__)  |   
       |    `⌒´  │      「戦が起こった時に備えて」
       |         .|   
       ヽ        /       というのが建前だった。
        ヽ     ノ       だが、幕府は戦を起こさせる気は無かったし、
      _/     l__       .また、当の武士達とて、それを望む者は
 __ゝ_/         ヽ     .時を経るに従い、少数派になっていったわけだ。
 \___ノ'        ヽ⌒)


         ___
      /)/ノ ' ヽ、\      まあそりゃ戦国時代の生き残りも、
     / .イ '(●)  .(●)\    もう爺さんが殆どだし…そうなるのも当然だお。
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /
886 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:42:12.36 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\           さて、そうなると問題が出てくる。
      /   _ノ  \
      |    ( ●)(●)        「我々は何のために武術を修めているのか?」
     . |     (__人__)
       |     ` ⌒´ノ         という疑問だ。
     .l^l^ln        }        .無論、建前上「戦のため」というのは変わらない。
     .ヽ   L       }        だが、その戦が起こる気配がないんだ。
       ゝ  ノ    ノ
     /   /     \         だとすれば、武術を修めることに、
    /   /        \       果たして何の意味があるのか、というわけだな。
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))


         ____
       /      \       …ミもフタもなく言えば、
      / ─    ─ \
    /   (●)  (●)  \     「コレやってる意味あるの?」
    |      (__人__)     |
     \    ` ⌒´    ,/      ということかお。
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:44:50.51 ID:1YB4VI2o
>>882
でしょうね。ただ信長は、佐久間親子を「茶の湯にふけって武士の仕事を怠った」と譴責しています。
息子信忠に対しても「能にかまけて遊んでんじゃねえ」と道具を取り上げて謹慎させてます。
その時代は、あくまでも軍事が最優先だったということですね。
888 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:45:25.67 ID:qoYHOwg0

                     まあ、そういうことだ。
                    そして、そこで「活人剣・治国平天下の剣」に
                    意味が出てくる。

      / ̄ ̄\ ( ;;;;(      「剣術は単なる実戦の為の技ではない。
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)      .心を鍛え、至極の境地に至るためのものである」
    |  (●)(●)/;;/
    |  (__人__)l;;,´|        というこの宗矩の思想を経る事で、
    | ./´ニト━・' .l       「武術(剣術)そのもの」に価値が発生するようになったのさ。
    | .l _ニソ    }
     /ヽ、_ノ    /         それまでは、あくまで「戦のために」使うはずの「術」が、
    __/  /    ノ__        戦と無関係に、「それ自体を極める」ことに価値がある
  / /  /       `ヽ.     「道」になったんだ。
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ    やってることは同じ剣の稽古なのに、
   |         |/  /    捉え方が変わった…即ち「価値観の変化」というわけだ。


       ____         そこでそれに繋がるのかお…まあ、確かに、
     /_ノ   ヽ_\       使うかどうかわからないことを一生やれ、と言われるより、
   /( ●)( ●)\     「これをやること自体に価値がある」と思えることをやる方が、
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    まだモチベーションは上がるお。
  |     (  (      |
  \     `ー'      /     皆、そっちを取るのも納得だお。
889 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:47:31.49 ID:qoYHOwg0

           / ̄ ̄\             そしてこの宗矩の思想は、「柳生新陰流」という流派を
         /   _ノ  \           超えて剣術全体に定着し、普遍化する。
         |    ( ●)(●)         より厳密に言えば、
         |     (__人__) 
         |      `⌒´ノ            「剣術には、単なる実戦術以上の価値がある」
          |         }
          ヽ        }      (     という部分がな。
           _ヽ     ノ`ヽ、_     ) 
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (    こうして、「太平の世の武術」としての思想を確立した剣術は、
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)   身分証としての刀が携帯されることと合まって、
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁   「武士の表芸」としての地位を持つことになる。
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉| 
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |    そして、普遍化したこの宗矩の思想は、
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !   その後の江戸時代200年を通じて揺るがなかったんだが…。


         ___
      /)/ノ ' ヽ、\
     / .イ '(●)  .(●)\     だが…?
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /
890 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:51:53.65 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\           幕末だよ、幕末。
  / ノ  \ \         あの時代、世間が騒がしかった事もあって、
 |  .(●)(●)  |         従来以上に剣術が持て囃されることになった。
. |  (__人__)  |         
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)    そういう時代になると、
.  |        |    .) ;;;;)   「太平の世の武術」というのは影が薄くなる。
.  ヽ       }   /;;/    当時、江戸で人気が出たのは、幕府講武所の主流だった直心影流、
   ヽ     ノ   .l;;,´     江戸三大道場の北辰一刀流、神道無念流、鏡心明智流、
. /    ∩ ノ)━・'       あと、心行刀流といったところだな。
 (  \ /|_ノ ヽ       
. \  ""  /_ノ  |         まあ、実際に仕合に強く、
   \ /___/        名剣士も揃っている流派に人気が出た、というわけだ。


           ___
       /      \
      /ノ  \   u. \     …あれ?
    / (●)  (●)    \   柳生は?柳生はどうなったんだお?
     |   (__人__)    u.   | 
     \ u.` ⌒´       /
    ノ            \
  /´               ヽ
891 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:54:12.13 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\      まあ、一言で言えば
      /       \
      |::::::        |     「柳生?なにそれ?」
     . |:::::::::::     |
       |::::::::::::::    |    というところだな。.
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
        /:::::::::::: く         ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´


       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\     お前もうちょっと言い方ってもんがあるお!
  /    (__人__)   \   ストレートすぎるお!
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |
  \    |ェェェェ|     /
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:55:21.88 ID:mBnti5.o
幕末で柳生剣士ってのは聞いたことねえなそういやww
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:56:34.16 ID:EWTAgmwo
同じ指南役の一刀流はまだ歴史に名を残してるのにねぇww
894 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:56:49.95 ID:qoYHOwg0

                / ̄ ̄ ̄\
          /     :::::::::.ヽ     まあ、江戸の話だから
          /    :::::::::::::::::::: 〉     尾張柳生ではなく、江戸柳生限定の話なんだが、
          |    ::::::::::::::::::/     少なくとも、流派としての勢いは、
          |     ::::::::::::::::::::l     上述の各流派に完全に負けていたようだ。
          |   ::::::::::::::::::/
           \__  :::::::::く       まあ、理由は色々考えられるが、
.            ,イ   :::::::::ヽ      「御流儀」として他流試合ができず、
           / `   :::::::::::}      流派同士の交流がなかったことが
            ,' :::j  .:::::::::/      かなり大きかったんじゃないのかね。
         ,−´ :::ノ  .:::::::::{
       (,. - ―.i_   ::::::::::i
          /      ::::::::::: }
.        l,. ----ゝ.ー―一´ー--.._
     _ _」.   `l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄!
    {._  |    | 厂 ̄ ̄l ̄ ̄| |
.     `¨゙l____」__j    ..___|__j
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 22:56:54.38 ID:6UNCDPg0
まあ主な弟子が大名という時点で幕末活躍できそうにないな
896 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 22:58:42.02 ID:qoYHOwg0
        ____
      /      \
    /  _ノ  ヽ、_  \     …なんだか寂しいもんだお。
   /  /⌒)   ⌒゚o  \   諸行無常だお。
   |  / /(__人__)      |
   \/ /   ` ⌒´     /


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)     まあ、そうは言っても仕方が無い。
.   |     (__人__)    時代の流れってのはそういうもんだ。
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }      ただまあ、流派としての「格」は、
.   ヽ   L     }     相変わらず高かったようだな。
    ゝ  ノ   ノ      例えば…
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:58:42.97 ID:mBnti5.o
ガラパゴスの珍獣的ポジションか…
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 22:58:51.14 ID:SOjS9/w0
竹刀試合にも対応してなさそうな気がする。
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:59:13.64 ID:93P//vQo
化石剣術かい
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 22:59:39.59 ID:WU/QVwco
「幕府」ブランドがありがたかった時代も終わって、逆に名前がうっとおしくなったってところでしょうかねぇ。
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 23:00:08.99 ID:6UNCDPg0
防具もないんでないか?
902 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:00:39.03 ID:qoYHOwg0
                v-、___,,,,,,,,..........r-----‐‐‐‐‐‐‐‐‐、
               r'´                   ""'''''"\
              (                  _,,,,      >
            _|`''┘  /`-、           /       /
            }\  /  / ヘ        /      /\ /
           _r'  ゙'''┴</ィ'⌒ヽ,,,,,,,,,,_____    〃⌒ヽ//))) y
           _|        `ヽ,;;;ノ;;;;;;;;_,,____ '''‐-、,,\;;;ノ/〉///
           )  / ̄\    ゙'''‐、,,_゙'''‐、,,_゙'''‐-、,,_゙'''‐-、,,)//
          / //ヽ、|   _,,-''~_,,,,二_,_‐、,,>∨/''‐-、 ~\〕
         /^ 〈 ( /( |_,,,/   `ヽ、`ヾ、ッヾ、_ ゞソ_,,,,_〕~\ヽ       西部劇のガンマン風に言うと…
         |  \\ >      _ , ,,二二 -'´  ノ_=;;-‐''(ヽヾヽ、
        ,ノ゙    〉、oノ|     /          |`='/  )ノ  \\    『ぬきな!どっちが素早いか、試してみようぜ』
       r'     / ' ::::::|    /         ,,_,,___| /  〃    ::::)
      ,ノ゙    /(   :::|    '          \,::''"/`'‐‐‐(--- --- '´   というやつだぜ…。
     _∠-‐'''""~ ̄~"~ ̄ ̄~`ヽ      _,.......、_,.. /             例え柳生が御流儀だろうが関係ねえ。
 /"~ ̄  _,-‐-,_,ィ'⌒ヽ    //     ‐''''''-==-`/              .出てきてやり合おうじゃねえか。
 〉    ./   {    |   //\     "''ー-‐''/
./     { `-''' 人`-'''ノ   :|:| ::::\     r' /
|        `''‐''´  `''''´     |:|  :::::::゙'''‐-、,,__/            (原文)
"''ー-――             .:::|:|_________,,,;;:::::/    __,,,、、、、,,_    『槍剣とも、形ばかりの流儀も数多これあり候えども、
::::::::::::::::::                  / /--‐‐''"  _,,,,, /    講武所に召出し候ては、仕合仕るべし。
::::::::::::::.                ◯  } /"~ ̄~ ̄ ̄  ::://           (中略)
                       |/        .:::://      よって、柳生流なりともまかり出で候様、仕りたく存じ候』
               男谷精一郎信友
           (幕府講武所頭取並・直心影流)
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:02:09.58 ID:93P//vQo
幕末一の剣士wwww
904 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:03:07.12 ID:qoYHOwg0
       ____
     /      \
   / ─    ─ \      …つーかこれ、単に挑発というか、
  / -=・=-   -=・=- \   皮肉ってるだけじゃないのかお?
  |      (__人__)  U  |
  \     ` ⌒´     /


       (⊃ ̄ ̄\
     (⊃   _ノ  \        どうだろうなあ…。
    (⊃   ( ●)(●)       男谷精一郎は普段から、
     |     (__人__)
     |     ` ⌒´ノ       「流儀にこだわるのはどうか。
       |         } \       剣術は剣術でいいではないか」
     /ヽ       }  \
   /   ヽ、____ノ     )    と言っていた人物だからな。
  /        .   | _/   そういう人物から見て、そういう「流儀」の象徴として、
 |         / ̄ ̄(_)    「柳生」が挙げられた、というのは、
  \   \ /| JJJ (     それだけの「格」が認められていた、というところだな。
   \  /   /⊂_)
905 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:06:25.33 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \        ま、とにかく、
 |    ( ●)(●)      幕末においては流派としての柳生新陰流は
. |     (__人__)      無視しても構わない。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }        それより、ここで注目するべきは、
.  ヽ        }       幕末から明治へ移り変わる情勢を含めた
   ヽ     ノ  mm   剣術の移り変わりについてだ。
   /    ̄ ̄ ̄ つノ
   |    | ̄ ̄ ̄

         ___
      /)/ノ ' ヽ、\       移り変わりったって、
     / .イ '(●)  .(●)\     今言った通りじゃないのかお?
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |    この後だと、明治に入って剣道になって、
  . \ ヽ           /   今に続いてるんじゃないのかお?
906 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:08:26.58 ID:qoYHOwg0

              / ̄ ̄\       そこで終わるなら、
         rヽ  / ノ  \ \     ここまで話を取り上げないだろ。
         i !  |  (●)(●) |    常識的に考えて…。
      r;r‐r/ |.  |  (__人__)  |
      〈_L (`ヽ .}  |   ` ⌒´  ノ     実を言えば、
     l` ( ``/ .  |        }     .ここで大いに盛り上がったはずの剣術は、
     ヽ   l  .  ヽ       }     この後、従来無かったほどの大苦難を
      |,.   l   /⌒   ー‐  ィ ヽ   経ることになるんだよ。


          ___   ━┓
        / ―  \  ┏┛
       /  (●)  \ヽ ・
      /   (⌒  (●) /    …大苦難って、なんだお?
      /      ̄ヽ__) /
.   /´     ___/
   |        \
   |        |
907 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:09:25.44 ID:qoYHOwg0
        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \
     |   ( ●)(●)
    . |     (__人__)   これだよ、これ。
      |     ` ⌒´ノ   「銃」だ。
    . |         }
    . ヽ        }
      ヽ      ノ
     ./ー-.l`‐-‐< ̄``ヽ          
    (   ⌒⌒ ̄ ̄`r:ュ〈           
     `|  _r'゚lニニニl]_ ____/l      
fニニニニllニニ|  \[ l===ニニl]}||||||||ll]}コl|====iニコ
|l_,,=-'''~  | \... ヽ'''ニ「_,,,l⌒l。__。_]三i三三i
      | 〈,,/ヽ___)|ll [`ー' ̄


        ノ L____
       ⌒ \ / \
      / (○) (○)\      なんでそこで銃が出て来るんだお!
     /    (__人__)   \    剣の話をしてるんじゃなかったのかお!?
      |       |::::::|     |
     \       l;;;;;;l    /l!| !
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       煤@l、E ノ <
               レY^V^ヽl
908 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:10:37.56 ID:qoYHOwg0
        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \
     |   ( ●)(●)
    . |     (__人__)   これだよ、これ。
      |     ` ⌒´ノ   「銃」だ。
    . |         }
    . ヽ        }
      ヽ      ノ
     ./ー-.l`‐-‐< ̄``ヽ          
    (   ⌒⌒ ̄ ̄`r:ュ〈           
     `|  _r'゚lニニニl]_ ____/l      
fニニニニllニニ|  \[ l===ニニl]}||||||||ll]}コl|====iニコ
|l_,,=-'''~  | \... ヽ'''ニ「_,,,l⌒l。__。_]三i三三i
      | 〈,,/ヽ___)|ll [`ー' ̄


        ノ L____
       ⌒ \ / \
      / (○) (○)\      なんでそこで銃が出て来るんだお!
     /    (__人__)   \    剣の話をしてるんじゃなかったのかお!?
      |       |::::::|     |
     \       l;;;;;;l    /l!| !
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       煤@l、E ノ <
               レY^V^ヽl
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:10:48.86 ID:mBnti5.o
あ〜、なるほど
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 23:10:55.85 ID:SOjS9/w0
あー、やっぱりww
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:12:05.71 ID:mBnti5.o
あ〜、なるほど
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 23:12:59.60 ID:6UNCDPg0
おい、そこで怒ると撃たれるぞ
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:15:22.25 ID:PRekr0ko
そこで銃術ですよ! (字が違う)
914 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:15:48.16 ID:qoYHOwg0

                              「なんでそこで」じゃないだろ。
          / ̄ ̄\              最初に言ったじゃねえか。
        / \  /\            「世間が騒がしくなると」って。
        |  (●) (●) |    7Π
           |  (__人__)  |     | |       江戸期を通じて250年、
         |   `⌒´   |     |‖|      起こらなかった”戦”が起きるんだぜ?
  .       |        }     W入      だから、
  .       ヽ       }    {幵仆i !〕l
           ヽ     ノ     ヾl´ `i      「実戦で役立つはずの強い流派」
   ,┌、-、,--、/  ̄ ̄ヘ  ⌒\   l   l
   | | | |二|| ((◎)) 〉>   \ ノ   i       が持て囃されたわけだろ?
   レレ'、ノヽ_/ヘ____/      Y   ノ     
    `ー---‐一'´


          /  ̄ ̄\ 
         _ノ,、 \_   \     そして、ついに実戦で剣を振る機会が
        ( ●)( ●)    |    来たわけじゃねえか。
  Π7   (__人__)      |
  | |     (`⌒ ´     |      なら、この頃の主力となる
  |‖|    {           |     銃が相手になるのは当然だろ?
  入Y     {         /     常識的に考えて…。
〔! i仆幵}   ヾ     /
 i` `lッ    ノ      ´`7⌒ ̄"⌒ ̄〆"⌒ヽ
 l   l   /          〃  〔二〕〔≠三〕三二()
 i   ヘ / /       ー─〜゙─‐゙〜'´`´
 ヽ  Y   l         `/
   \  _ノ/|        /
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:18:29.49 ID:PQ5GPPMo
最低限銃弾をなんとかできんといかんわけかwwww
916 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:18:44.95 ID:qoYHOwg0
      ____
    /:::::::::  u\           無茶言うなお!
   /ノ└ \,三_ノ\   ,∩__    戦国時代の火縄銃相手じゃないんだお!
 /:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu    近付くまでに何発打たれると思ってんだお!?
 |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | |   |
 \:::::::::   ` ⌒´   ,/_ |   |     この時代の戦争になったら、
   ヽ           i    丿    剣で銃に勝てるわけないお!
  /(⌒)        / ̄ ̄´
 / /       /


   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \/`i
 |  (●)(●)./  リ      ほれ、それだ。
. |  (__人__)..|  /      そいつが答えだ。
  |   ` ⌒´ リ  ヒ
.  ヽ     //  ,`弋ヽ
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l
   /〈  `ー〈::....ノ   V
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //
    |    フ-、`ー┴‐-〃
         `ー‐一′
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:19:31.42 ID:PQ5GPPMo
最低限銃弾をなんとかできんといかんわけかwwww
918 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:21:41.47 ID:qoYHOwg0

         / ̄ ̄\           「剣では銃に勝てない」
       / ヽ、. _ノ \
       |  (●)(●) |         つまり、当時の主力兵器である銃に対し、
       |  (__人__) |       剣では既に歯が立たなくなっていた、というわけだ。
          |   ` ⌒´  |
        |        }         無論、状況によっては剣で立ち向かえる時も
        ヽ       }        あったかもしれないが、少なくとも戦争全体で見た場合、
        人_____ノ"⌒ヽ      既に剣は実戦での実用性を失っていたのさ。
      /           \
     /            へ  \   …これが何を意味するかわかるか?
     (  ヽγ⌒)     |  \   \
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


         ____         …つまり剣術が、
       /   u \       その本来の価値であるはずの
      /  \    /\
    /  し (○)  (○) \     「戦での実用術」
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /    という価値を失った、ということかお…?
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:22:17.82 ID:4QRL4zIo
女座頭ICHIの人の引き立て役になったりしてたよ!
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:22:41.53 ID:93P//vQo
束ねた竹で防ぐなんてもう無理だしなー
921 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:23:46.68 ID:qoYHOwg0

                 そういうことだ。
   / ̄ ̄\        剣術の元々の意義を考えると、
 / ノ  \ \      こいつは大問題のはずだ。
 |  (●)(●) |
. |  (__人__)  |       何故なら、剣に限らず、元々の武術の目的は、
  |   ` ⌒´  ノ      「戦の際に役に立てるため」だ。
.  |         }      そもそも、武士が武術を修めるのは
.  ヽ        }      そのためなんだぜ?
   ヽ     ノ       武士ってのはそういう身分なんだ。
   /    く  
   |     \         ところが、その武術が肝心の戦で、
    |    |ヽ、二⌒)、   「役に立たなかった」わけだ。


         ____
       /   u \
      /  \    /\    …………ッッ。
    /  し (>)  (<) \
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:25:39.98 ID:yo0U6Qco
刀で銃弾を切り落とす系のファンタジーは
あるいはこの時代に生まれたのかしらん
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:25:57.80 ID:4QRL4zIo
そこで新陰流ガン=カタをですね(ry
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 23:26:39.40 ID:SOjS9/w0
路上のケンカや奇襲くらいだったのかねー。>>剣術が役立った
925 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:26:53.74 ID:qoYHOwg0

        / ̄ ̄\ 
      / −  − \      「使うべき戦がないから使わない」
      |  (●)(●) |      「戦で役に立たないから使わない」
      |  (__人__)  |  
       |    `⌒´  │      この二者は全く意味が違う。
       |         .|      前者は、場さえ与えられれば、という言い訳も立つが、
       ヽ        /      後者はまさしく「不要」の一言で終わるわけだからな。
        ヽ     ノ   
      _/     l__         そう、この時、本来の実戦術という面に於いて
 __ゝ_/         ヽ      剣術そのものが「不要」という烙印を押されてしまったのさ。
 \___ノ'        ヽ⌒)  流派どうこう以前の問題だな。


         ____
       /   u \
      /  \    /\     それで…その後、剣術はどうなったんだお?
    /  し (○)  (○) \
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:28:30.37 ID:NME/bAco
幕末の剣客たちもショックだったろうなあ
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:30:26.27 ID:93P//vQo
伝統芸化する
武器が限定された中では強いことが証明されてある程度は使われる
スポーツ(剣道)化

このくらいかなあ?
928 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:30:57.22 ID:qoYHOwg0

                     まず、個々の剣士の苦労は言うまでもない。
                    実際、榊原鍵吉の撃剣興行の話を見ても分かる通り、
                    剣術は一気に下火になった。
      / ̄ ̄\ ( ;;;;(     
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)      おまけに武士階級自体が消滅し、
    |  (−)(−)/;;/       これに廃刀令まで加わったので、規模は一気に縮小した。
    |  (__人__)l;;,´|       この時、伝書を焼き捨てて切腹した元指南役までいたんだぜ?
    | ./´ニト━・' .l       あと、剣術の稽古をしたことで剣士が逮捕されたこともあった。
    | .l _ニソ    }       
     /ヽ、_ノ    /        . こんな状況だから、西南戦争で抜刀隊が頑張らなかったら、
    __/  /    ノ__        .悪くしたら剣術は本当に終わってたんじゃないか?
  / /  /       `ヽ.     
  /´  ./       ,.  ヽ.      「剣もまだ実戦で役に立つことがある」
  ト、_,/.       |、  ヽ   
   |         |/  /    として、これをきっかけに剣術復興の運動が始まったんだ。
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:31:19.55 ID:yo0U6Qco
ここで剣から衝撃波を出す方向に進化していれば今頃…
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 23:31:26.22 ID:SOjS9/w0
一時廃れてたような記憶がある。
931 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:34:23.50 ID:qoYHOwg0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |     そして、そこから剣術は少しずつ復興する。
. |  (__人__)  |
  |   ` ⌒´  ノ     …で、ここで再び出てくるのが、
.  |         }    「活人剣・治国平天下の剣」というわけだ。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く 
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、

                      .      ___    ━┓
                           / ―\   ┏┛
                         /ノ  (●)\  ・
 どういうことだお?           .. | (●)   ⌒)\
柳生は流派として           ... |   (__ノ ̄  |
廃れてたんじゃなかったのかお?    \        /
                           \     _ノ
                           /´     `\
                            |       |
                            |       |

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \     無論、流派としての柳生がここで絡むわけじゃない。
   |    ( ●)(●    それに、宗矩の思想そのものが
   |      (__人__)   そのまま出てくるわけでもないんだ。
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃    ただ、明治初期の剣士の代表格である山岡鉄舟が、
  /     ./ _ノ    自身の剣術を如何なるものとして位置づけ、これを説いたか、
  (.  \ / ./_ノ │   それを見てくれれば、わかると思うぜ。
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:34:23.60 ID:PQ5GPPMo
フォースでなんとか(ry
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:34:33.53 ID:HhcnP3.o
そうなったら融合して銃剣術だ!ww
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:35:30.39 ID:V.NytsAo
なるほどなるほど。修身の一環としての剣道か。
935 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:37:45.18 ID:qoYHOwg0

                 |__________三|____
         r‐=ニ二三|!:::.:::.:::.:::.:::.:::.::.:.     .:.:.::::.:::.:::.|三三ミ〕
         { { (( {{八:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:.  .:.:.:::.:::.:::.:::.|〃ノ彡′
.         \三ニー\二二ニニ==ノニニ二二二三三三/  「余の剣法や、ひたすらその技をこれ重んずる技にあらざるなり。
.         \三三三三三三三三三三三三彡i´Y     その心理の極致に悟入せんことを欲するにあるのみ。
            ヽ=ニニ二二二二ニ斗テ寸彡'' .:::::::| .:!     換言すれば、天道の発源を極め、
             ハ`弋赱テ≧ミニ´ ̄彡'⌒\::::::| .:|     併せてその用法を弁ぜんことを願うにあり。
             {ハ::.   ソ| ' :::.:::.:::.:r'⌒ヽ、 \|.:::|     なお、百言すれば、見性悟道なるのみ」
                Vハ::.  : :| j 、   | 、__::   ー=彡!
                 ヽム .、寸ー' ′  しソ::. 彡 :彡|
          . .-―''´/∧ ,,ヽ=ー―一'彡イ{:::    .::::::ト、___
    . . -=''´: : : : : : /: : ∧ 癶=ー-=≦ .::::!:::   ::::::||: \∧: : :
 . .-=": : : : : : : : : : :/: : : |Vヘ. :::.:.  .:.:::: .::人:::. 〃::::ク: : : |:/: : : :
´: : : : : : : : : : : : : : /: : : :.:| \:ヽ.,,,__..イ:./ヽ彡'、::::{{: : : |: : : : :
: : : : : : : : : : : : : : /: : : : :.:|  /彡ヘ:::::::厂ノく   ∧ ノ⌒ヽ、:.!: : : : :
                  山岡鉄舟
               (一刀正伝無刀流)
936 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:40:11.27 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\ 
 /   _ノ  \        結構難解な表現だが、大雑把に言えば、
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)       「ただ技のために剣術をやるのではない。
  |     ` ⌒´ノ        ”心理の極致”に至る為にやるのだ」
.  |         }
.  ヽ        }        というわけだな。
   ヽ     ノ        実際、山岡鉄舟は禅にも熱心でな、
   /    く__,-ュ__    その言は「剣禅話」という形で残っている。
   |    ___ 三)   彼もまた、「剣禅一如」を説いた人物だ。
    |    |       ̄  

                                 _____     
                               / ―   \   
 …これだと、実戦での剣というより、       /ノ  ( ●)   \ 
宗矩が説いた「活人剣・治国平天下の剣」に . | ( ●)   ⌒)   |
随分近い感じだお。               . |   (__ノ ̄    /
                           . |             /
                             \_    ⊂ヽ∩\
                               /´     (,_ \.\
                           .    |  /     \_ノ

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \/`i
 |  (●)(●)./  リ
. |  (__人__)..|  /      そう、そこがキモだ。
  |   ` ⌒´ リ  ヒ      それこそが、「活人剣・治国平天下の剣」の
.  ヽ     //  ,`弋ヽ  「影響」の最たるものだ。
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l
   /〈  `ー〈::....ノ   V
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //
    |    フ-、`ー┴‐-〃
         `ー‐一′
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 23:40:17.92 ID:SOjS9/w0
心を鍛える剣術修行という割には、ものすごく技にこだわったのも鉄舟居士らしくて好。
938 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:42:19.20 ID:qoYHOwg0

                   ,, -‐ 、
                  /'    ヽ
       / ̄ ̄\      ./      i
     / ._ノ  ヽ、\    /    ...........i     この時代、実戦術としての価値を喪失した剣術は、
     |  (●)(●) |  /   ..:::::::::::::::|    その代わりとして、宗矩が説いた
     |  (__人__)  |  /  ..::::::::::::::::::l     「活人剣・治国平天下の剣」の枢要、
     .|   ` ⌒´  .} ./  ..::::::::::::::::::::!     即ち、
      |         }/  .::::::::::::::::::::/
      ヽ       ./   .:::::::::::::::::::/       『稽古を通じて心を鍛え、至極の境地を目指す』
      .ヽ    . ./  .:::::::::::::::::::/
   ,. ‐'"´  `'‐,r''"~   .:::::::::::::::::/        これを、
..:./,. -‐‐- 、 l′     ..:::::::::::::/|
:,'      /       !.:::::::/:i..:..l         『剣の”本義”として再設定した』
r   、  /           !::::::::::: i..:..i
l  .......`:i    i         !:::::::::: ゙、:.i        ということなんだよ。
!  ::::::::::/    i       i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/     i      .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::|  `、   `、  .....::::::::::::l::::::::::::  `,
/ \:::l.   `、   ヽ::::::::::::::::::::l:::::::::::  /'''ー─----、
   `ヽ   `、  .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,,   ,. ‐;''


         ____  て
       /   u \ そ
      /  \    /\    あっ…!
    /  し (○)  (○) \
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /
939 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:44:46.20 ID:qoYHOwg0

         / ̄ ̄\             そういうことだ。
       / ヽ、. _ノ \          .戦国の気風が残る江戸初期、剣はまだ実戦術だった。
       |  (●)(●) |          だから、宗矩の思想はある種、異端ですらあった。
       |  (__人__) |
          |   `⌒´   |           しかし、太平の江戸時代200年という年月を経て、
        |        }          単なる実戦術が少しずつ「武道」として変わっていったことで、
        ヽ       }           剣術は実戦術としての意義を喪失しても、
        人_____ノ"⌒ヽ        その存在意義を失わずに済んだのさ。
      /           \     
     /            へ  \     つまり…剣術は実戦術ではなく、
     (  ヽγ⌒)     |  \   \   「心身鍛錬の為のもの」として生まれ変わったわけだな。
  ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


     ____   
   /      \ 
  /  \   ,_\.      …死んでから200年以上も経って、
/    (−)゛ (−) \    こんな形で自分の思想が実を結ぶとか、
|  ∪   (__人__)    |    流石の宗矩も思ってもいなかったと思うお…。
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:45:18.96 ID:1YB4VI2o
ヨーロッパでも銃剣は長く残ったんだがなあ
941 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:47:54.81 ID:qoYHOwg0
       ., ──‐、 
      /     \             まあ、後世の影響なんてのは、
.     .|     _ノ  ヽ           本人の予想だにしなかった方向に出る、
     |     ( ●) (●)          というのは往々にしてあることだ。
     |       (__人__) , -―ーっ
      |     ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄       そういう思想的側面で見ると、柳生新陰流という流派は、
.      ン         } ゙| ̄'|         「技」の面では廃れたかもしれないが、
    /⌒ヽ、     ノ  .|,  |        思想…即ち「意義」や「心」などの面においては、
__/   ノ \_ィ ´ー‐ィ'  |        現代の剣に於いても重要な位置を占める形で健在だと言える。
| |  /   /    r_____/
| | /   /      |i                まあ、「心法の江戸柳生」と
| | ( 〆⌒'──r─≒、.            呼ばれただけはある、ということだな。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【全日本剣道連盟:「剣道について」】
 http://www.kendo.or.jp/kendo/index.html

>剣道は剣道具を着用し竹刀を用いて
>一対一で打突しあう運動競技種目とみられますが、
>稽古を続けることによって、
>心身を鍛錬し、人間形成を目指す「武道」です。


【全日本剣道連盟:「歴史」】
 http://www.kendo.or.jp/kendo/history.html

>江戸幕府(1603〜1867)の開府以後、平和な時代が訪れるに従い、
>剣術は人を殺す技術から武士としての人間形成を目指す「活人剣(かつにんけん)」へと昇華し
>技術論のみでなく生き方に関する心法まで拡がった。
>幕府初期には柳生宗矩の「兵法家伝書」、
>第三代将軍家光のために「剣と禅」を宗矩にたのまれて沢庵が解説した「不動智神妙録」、
>宮本武蔵の「五輪の書」などは、そうした思想を集大成した兵法書である。

     ____
   /     \
  /  ─    ─\     つーか、それって柳生新陰流と言うより、
/ u  ‐=・=‐ ‐=・= \    殆ど宗矩一人の話だと思うお…。
|       (__人__)    |
\     ` ⌒´   ,/
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 23:48:05.60 ID:SOjS9/w0
相手の動きに応じて勝つ、ってのも柳生っぽい…のかな。>>無刀流
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/12(月) 23:48:38.85 ID:PQ5GPPMo
やっぱ宗矩スゲーなぁwwww
944 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:50:03.71 ID:qoYHOwg0
         / ̄ ̄\
        /   _ノ  \
        |    (⌒ )(⌒)         まあ、そこはなあ…。
        | u    (__人__)         それだけ宗矩が特異な人物だったということだな。
          |     ` ⌒´ノ
        |         }          さて、「影響」についてまとめると、
        ヽ     ヘミ|
        /,` 、` -`,--` ,        『”活人剣・治国平天下の剣”という思想は、
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ |         剣術の”武道化”の嚆矢となり、
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__       実戦術としての意義を失った剣術(剣道)に
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ      新たなる意義を与える礎にもなった』
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l     というところになるかな。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'  `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く   ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/


         ____
         / _ノ ヽ_\
.     / (ー)  (ー)\      …当時の状況を踏まえながら考えると、
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \    よくこんなの考え付いたもんだお…。
    ヽ   L   |r┬-|    |    
     ゝ  ノ  `ー‐'    /
   /   /         \ 
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))
945 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:52:21.25 ID:qoYHOwg0

   / ̄ ̄\           …いや、やる夫。
 / ノ  \ \/`i      ここで見落としてはいけないのは、
 |  (●)(●)./  リ      この宗矩の思想が、決して宗矩一人の力で
. |  (__人__)..|  /       作られたわけではない、ということだ。
  |   ` ⌒´ リ  ヒ
.  ヽ     //  ,`弋ヽ     後の世の進歩に宗矩が寄与したのと同じく、
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l   ずっと昔からの積み重ねがあったからこそ、
   /〈  `ー〈::....ノ   V   宗矩は「活人剣・治国平天下の剣」という思想を
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //    .完成させることができたんだ。
    |    フ-、`ー┴‐-〃
         `ー‐一′


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |
   /( ●)  (●)\  !   !    それって、例の沢庵和尚の
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l   「不動智神妙録」のことかお?
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー'´     //
  / __        /
  (___)      /
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/12(月) 23:52:48.62 ID:6UNCDPg0
本当に特異点としか言いようがないな
947 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:54:18.77 ID:qoYHOwg0

     / ̄ ̄\       まあ、そいつもあるが、
   /   _ノ  \     家伝書にも書いてあった通り、
   |    ( ●)(●    こいつはあくまで新陰流の「習の外の別伝」なんだ。
   |      (__人__)
.   |        ノ     つまり、沢庵の禅の知識だけではなく、
    |      ∩ ノ ⊃    父・石舟斎や流祖・上泉伊勢守以来の
  /     ./ _ノ     「新陰流」というバックボーンがあったからこそ
  (.  \ / ./_ノ │   作り上げることができたってわけだ。
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

          ____
       / ノ  \\
      / (●)  (●)\           …ということは、この話の流れでいくと、
    / ∪  (__人__)  \         また次も外伝なのかお…。
    |      ` ⌒´    |
     \ /⌒)⌒)⌒)   //⌒)⌒)⌒)    そろそろ本編に戻らないと、
    ノ  | / / /   (⌒) ./ / /    話を忘れられても知らねーお。
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  ::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /
948 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:56:10.95 ID:qoYHOwg0

           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    (⌒ )(⌒)          まあ、一応次でこの長かった外伝も終わらせるつもりだから、
         | u   (__人__)         あと1回だけお付き合い願いたい、というところかな。
         |      `⌒´ノ          確かに、そろそろ本編の話もやりたいところだし…。
          |         }
          ヽ        }      (     というわけで、次は、
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (    「活人剣・治国平天下の剣の”礎”」
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁    について話をしようと思う。
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|   長くなって申し訳ない。
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !
949 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/12(月) 23:58:33.28 ID:qoYHOwg0

           …さて、これで今日も何とか終わりだ。
          やる夫、おつかれ!
     / ̄ ̄\
   /   ⌒ ⌒\
   |    ( ●)(●)               ____
.   |   ⌒(__人__)            /⌒  ⌒\     まったくだお!
    |     |r┬-|           /(●) (●) \   やらない夫もご苦労様だお!
.    |     `ー'´}  \      /:::⌒(__人__)⌒:::::: \ それじゃ恒例の晩飯はどうするお?
.    ヽ        }     \     |    |r┬ |      |
     ヽ     ノ       \   \   `ー ´    _/
     /    く. \         \  ノ           \
     |     \  \    (⌒二              |
950 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/13(火) 00:01:04.10 ID:GNjGkVg0

    そろそろ冷えてきたし、今日は鍋にしよーぜ!
   うどん鍋とかやりてえな!

        / ̄\
 ,---、  /     \   ,----、
 |   l |        |   |    |     ,---、  __     ,----、
 ゙|  l' |       |   ヽ  /     |   l /    \  |   |
  |  | |         }   l  |     ゙|  /        \ヽ  /   もちろん鍋の後の
  |  | ヽ       }  /  /     | |           l  |   雑炊はデフォだお!
  、  \_     ノ  / /      | \        /  /   
   \       '---´ /        、  \       ´ /
     \         ィ            \         ィ
      |       |              |       |
      |       |              |       |
      |       |              /          |
      |   l\   \            /    / |   |
      |   |  \   |          /   / |   |
      |   |   /  /           \   ヽ, /   /
      |   |  <   ヽ            \__/〈    ヽ
      L______ヽ  \_/                `゙‐-‐'"


【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2)「活人剣・治国平天下の剣、その評価と影響」】 完
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/13(火) 00:01:28.31 ID:S9PRQKs0
乙です
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/13(火) 00:01:31.90 ID:7gPaOH.0
乙でした!
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:02:12.07 ID:yW8FM5ko
乙乙!

次回も楽しみにしてるぜ
954 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編2) [saga]:2009/10/13(火) 00:02:43.36 ID:GNjGkVg0

 どもども、お疲れ様でした。
今回もお付き合いありがとうございました>皆様

 なんだか延々と外伝ばかり続いて申し訳ないところではありますが、
次でこの外伝も終わらせて、その次から本編に戻ろうかと。
正直、ここまでかかるとは自分でも想像してませんでした。
むう。

 そして、今回は一気に幕末から明治、現代まで飛んだりしたこともあって、
はしょった話もかなりあるので、結構色々とツッコミがあるかと。

 実際、江戸期の剣術の変遷についてあれこれ話そうとすると、
直心影流と中西派一刀流は避けて通れませんし、
つーか千葉周作について全然語れなかったよとか、
幕末の江戸剣界の話で大石進が出ないとかどうよとか、
実戦絡みで新撰組と示現流の話スルーしたの絶対ツッコミくるよなあとか、
鉄舟以外の他の二舟はどうしたとか、
教育面で見る場合、高野佐三郎外しちゃ駄目だろとか、
中山博道忘れんなとか、戦後のGHQによる刀狩と「しない競技」の話はどうよ?とか
まあ、パッと思いつくだけですらこんな有様であり、
本気で腰据えて語ろうとすると、この外伝どころの話でなくなるので、
完全に”「活人剣・治国平天下の剣」の影響”に軸を絞って書きました。
すいませぬ。

 つか、そっち(幕末〜明治)を真面目にやろうとすると、それ単体でやんないと無理で砂。
難儀でアリマス。

 ともあれ、今回はここまででアリマス。
またよろしゅうー。
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:03:54.69 ID:oSFiEQ.o
乙でしたー。
なるほどと感心いたしました。
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/10/13(火) 00:05:44.42 ID:7gPaOH.0
というか、幕末〜現代の剣の流れを詳細に扱ったら本が10冊くらい出せる気がががが。
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:07:09.48 ID:tRiLYg2o
おつー

影響面はもうどこまでも広げられる分野てもんですわな
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:08:40.52 ID:yHQejdso
乙であります。
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:13:42.79 ID:rqURHyoo
乙でした。
伝奇ものでも幕末の裏柳生ってあんまないんだよね。
そう考えるとICHIって結構貴重な漫画じゃないかと。
顔の書き分けがぜんぜんわからないんだけど。
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:15:24.61 ID:GwhoKvI0
今日もお疲れであります。相変わらず読んでて楽しいぜ…
しかし、世の中の空気にあわせて最適なタイミングでの「活人剣・治国平天下の剣」とか言い出すのは
まさしく兵法の政治的利用だなあ。相手の動きを見て、それに対する最適な一手を繰り出してる感じだ。
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:24:33.35 ID:OFJzEFIo
乙でございました。
何かを残すって大変だすな〜
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 00:37:10.92 ID:9TZAKZUo
乙でした。
シマトラシマトラ
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 02:39:10.44 ID:kpfTCnoo
乙!

そういえば勘当されてそのまま放置だったなぁ、本編ww
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 08:25:14.73 ID:.D6uAg.o
幕末はクリミア戦争や南北戦争終わって世界中でだぶついた兵器が日本に持ち込まれた時代だよな。
火縄銃からいきなりボルトアクションライフルやレバーアクションライフルになっちゃった。
ただ、テロの凶器としてや、思想集団の核として剣術は幕末に大きな影響を及ぼした、と思う。
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 09:03:50.39 ID:isxw9hM0
乙。当時でも後世でも、教育論としての実用性が評価されてた感じがするなぁ。教育者としても一流だった宗リンならでは。
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 09:32:37.89 ID:fTs0Or2o
>>965
息子達をみると、その、ちょっとww>教育者
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 09:57:48.35 ID:AeYub2Uo
まあ教師がいい親とは限らないということはよくある。
他人事なら出来るけど自分のことはできないという。
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 15:00:08.83 ID:nmLOdzYo
乙でした〜
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 18:04:16.33 ID:Q7A26XYo
某細川親子とかな
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 19:06:48.84 ID:oSFiEQ.o
つーか大名家である柳生で、親が子を直接教育する事なんて、ほぼありえない。
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/13(火) 19:49:41.10 ID:wU0Xa/.0
十兵衛が子供の頃だと、まだ3000石の旗本だから、
宗矩が直に教育した可能性はないとは言い切れないのでは?
普段の面倒を見る程度ならともかく、
武士としての心得を教え込むのは父親の役目だと思うんだが。
ましてや、ただの親子じゃなく、剣の上での師と弟子でもあるわけだし。
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 00:59:43.54 ID:upQoJnk0
乙です。
技術(茶、能、剣など)が、精神論・求道的なものに取り込まれてしまうのは日本のデフォ?
色々考えさせられます。
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 01:06:26.21 ID:DWwBLF2o
いや、技術を通して一種の解脱的境地へ行けると言う価値観を付加しはじめたのは、
それこそ剣禅一如からかと。
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 01:32:41.83 ID:upQoJnk0
>973様
なるほど。宗矩恐るべしです。
今のスポーツで甲子園など求道的なものを感じてしまいます。
彼らは高校柳生だったんですね!
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 10:48:13.79 ID:ZALhyZ.o
誰うまwwww
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 11:01:58.16 ID:4R0z6/ko
>>973
その昔の歌道や雅楽にはそういった要素はあったよ。
悟りではないけれども、神域に至るというものはあった。

ただ、あくまでもそれは芸術分野であって、
殺人術であった剣をそういうレベルに昇華したのに価値があるかと。
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 11:16:28.40 ID:0kjihbMo
>>976
 そういった芸術分野からの反発ってなかったのかな?
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 11:48:09.09 ID:4R0z6/ko
>>977
なぜ?
別に反発するような要素はないよ。
違うジャンルだし、境地も別物と言えば別物だし、
将軍家指南役のやり方に畑違いの分野がケチつけられるとでも?

ただ、同じような価値がある、なんて言ったらなんだこいつとは影で思われてただろうけど。
それは、剣術側の反発と似たような物じゃないかな?

それ以外にも、名工、名匠への尊敬心や技術が神に通じるという考え方は普通にあったしね。
左甚五郎の逸話とかも含めて。
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 13:44:57.77 ID:E7OmN0Uo
>>978
「剣術も極めれば、芸術と同じで神の領域に達せられる」と主張すれば、
「我々の芸術を、剣なんて殺人の道具と一緒にするな」ってことでしょ。

当時の剣術は、一般的には大した価値のある代物ではなかったのだから。
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 14:52:27.42 ID:4R0z6/ko
>>979
武神とか軍神の存在をお忘れ無く。
もちろん、穢れ感による武術の忌避はあっただろうけど、
それと技術を極めれば神の領域に至るという思想は別だよ。
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 15:15:37.30 ID:DWwBLF2o
穢れと言えば、徳川秀忠が、「刀は元々人を斬る道具なんだから、その目的を果たした所で
穢れたりするわけが無い」って言ってたな。

あと、剣は昔から神宝として神社に奉納されているし、多くの剣術も神社にかかわりが強い。

当時の剣術の過大評価もあれだが、過小評価しすぎるのも非常に問題があると思うぞ。
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 15:36:32.85 ID:4z5fuuYo
剣術の話になると、過大評価しようとするやつと過小評価しようとするやつが
けっこう現れるよな。史実云々と言いつつ、やけに感情的になって意見を押し
通そうとしててさ。
過大評価側の動機は分かるんだが、過小評価側の動機って何なんだろうな?
異能・異形の個が突出するのをを認めないとかか?
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 16:22:57.21 ID:E7OmN0Uo
過小評価とういのでなく、宗矩がそういう価値を創出して付与するする以前の剣術は、
そこまでのものではなかったといっているのですが。
だからこそ、宗矩が凄いという話で。

別に刀や剣に限った話じゃありません。能や茶の湯だって同じです。
原形は以前からあったものだし、その頃から神仏との係わりもあった。
しかし芸術として完成させた創始者が出る以前は、やはり世間一般ではそう大層な
価値観は認められず、扱いも軽いものだった。

むしろ、宗矩以後の高められた価値観を、宗矩以前にまで敷衍して過大評価してませんかね?
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 17:15:29.99 ID:DWwBLF2o
>>983
一人の天才の出現で価値観がコペルニクス的に転換した、って発想は、お話としては
面白いかもしれないが、実態としてはどうかとおもうよ?

宗矩が何も無いところからああいう価値観を創設した、と言うのはありえない。
むしろそれ以前からそういった意識は世間にある程度存在していた、それをくみ上げた、
と考えるべきでしょ。
宗矩以前から、剣の道が神仏にいたる、と言う発想は確かに存在したし。

茶の湯だって利休が始めて芸術として解釈したわけでも、完成させたわけでもない。
近世茶の湯の完成は利休より後だし、総合芸術としての茶の湯の出現は利休よりも前だよ。

どんな発想も思想も、社会にそれを受け入れるだけのある程度の基盤が無ければ立ち消えるだけ。

歴史に、余りぎちぎちに区分や区分けを考えないほうがいいと思うよ?
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 17:36:48.27 ID:HrGSxL2o
まあ、蓄積されたものをくみ上げて、まとめ上げて今に残ってるだけでも、代表的存在っていうか、
宗矩さんすげーって感じだけどなww

>どんな発想も思想も、社会にそれを受け入れるだけのある程度の基盤が無ければ立ち消えるだけ。
と>984も書いてるように、その基盤の元にくみ上げる人間がいないと、同じく立ち消えるだけだろうから。

宗矩がいないならいないで、別のだれかがくみ上げたのかもしれないけど、
そういうのは、信長や秀吉や家康がいなければというIF話と同じレベルになってしまう?ww

ところで、そろそろスレ終がせまってきたなww
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 17:39:05.23 ID:svHuLJI0
>>1>>945で「宗矩一人で作り上げたわけではない」と書いてるしな。
次がちょうどその話になるようだし、楽しみに待とうや。
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 18:11:33.56 ID:4R0z6/ko
まあ、考えてみたら「剣聖」というのも凄い単語ではありますね。
中国にも「詩仙」とか「詩聖」、日本にも「歌聖」はありましたけれども。
「剣聖」という言葉ないし概念がいつ頃からあったのかというのも気になるところです。
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 18:14:10.83 ID:QcsCZ3Io
そう、つまり宗矩の背後には裏柳生が(ry
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/15(木) 19:36:49.58 ID:HZqbJHgo
まあ、能狂いでしたから、「芸」にも「三昧の境地」があることはわかってたでしょうしなー。
990 :1 [saga]:2009/10/15(木) 23:22:33.01 ID:AUqMSLE0
 どもども、お疲れ様でアリマス。
気が付けばこのスレもそろそろ終わりっぽいので、次スレをば。

【やる夫で学ぶ柳生一族(パー速版その3)】
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1255616258/

 あと、なにやら面白愉快そうな話が出てて当方としても欣快の至り。
本編でも書いたところですが、この「活人剣・治国平天下の剣」というのは、
太古の昔から現代剣道(あるいは剣術)に至る日本の剣術史の中において
大きな変異点(あるいは分岐点)であったわけですが、
同時に、大きな流れの中の点の一つに過ぎないわけでもアリマス。

 要するに、この思想は宗矩が一人でぽっと思いついたわけではなく、
今までの積み重ね(剣以外も含む)の上に存在し、
同時に、未来への積み重ねの一つでもあるわけで砂。

 だからこそ、この「活人剣・治国平天下の剣」の事をちゃんと書くためにも、
「評価」で成立当時を、「影響」で未来を書いて、
次回、「礎」で過去を書こうという腹積もりなのでアリマス。

 とはいえ、どこまでちゃんと書けるやら、というところではありますが、
お付き合い頂けましたら幸いです。
よろしゅうですー。
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 03:07:29.03 ID:kfHJMbko
1乙です!
次回もwwktk
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 13:13:02.79 ID:VRXyBjUo
よしうめ
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 13:56:02.82 ID:VRXyBjUo
うめ
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 13:57:52.68 ID:VRXyBjUo
  
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 13:58:58.87 ID:VRXyBjUo
  
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 14:00:19.83 ID:VRXyBjUo
   
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 14:01:17.57 ID:VRXyBjUo
 
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 14:03:43.10 ID:VRXyBjUo
  
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 14:59:14.28 ID:VRXyBjUo
      
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/10/16(金) 15:00:52.32 ID:VRXyBjUo
  
1001 :1001 :Over 1000 Thread

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セ界が闇に沈むとき、桧山は再びよみがえる @ 2009/10/17(土) 04:51:26.08 ID:i1wcduAo
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