このスレッドはパー速VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

すみません至急にチラ裏を書かねばなりません - パー速VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 10:41:43.29 ID:oQlXrVY0
すまん。ちょっと俺の思い出を語りたくなりました。
暇な人は鼻糞を食べながら聞いて下さい。
話は俺の友人との話です。
鼻糞が無い人耳糞でも構いません。

ちょっと奇妙な話かもしれんが聞いてくれい
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 10:43:40.48 ID:oQlXrVY0
友人はかなり無鉄砲な奴でした。
名前はタクミ。
タクミとの出会いは覚えていない。
家が真向かいに有り、物心が付いた時には一緒に遊んでいた。
奴はかなりのイケメンであった。
俺は子供ながら、そう思っていました。
3 :1 :2010/01/23(土) 10:45:02.03 ID:oQlXrVY0
タクミは先程言った様にかなりの無鉄砲で、
家の2階から飛び降りて骨を折ったり、
木の板を川に浮かべて乗ろうとしてひっくり返ったり、
大雨の日に用水路に入り流されて溺れ死にしそうに成ったりと・・・
まあ、かなりの馬鹿ではあった。

俺は常にタクミと行動していたので、いつも親を呼びに行き助けるのが俺の役目だったよ。
お陰で俺も何回か死にそうな目に合っていたんです。
4 :1 :2010/01/23(土) 10:46:03.12 ID:oQlXrVY0
幼稚園に入ってもタクミの無鉄砲は治らない。
クラスの奴らを引き連れて、通称『タクミ軍団』と呼ばれる暴力団を構成していた。

タクミは体が小さい癖に運動神経が良くて喧嘩も強かったんだよ。
俺は小さい頃からガタイだけがデカいが小心で、いつもタクミの側に居るだけだった。
5 :1 :2010/01/23(土) 10:47:05.51 ID:oQlXrVY0
だが、タクミに好かれていた為か、タクミ軍団の副隊長にされていたんだよ。

タクミは確かに俺の事を気に入っていた。
幼稚園の頃だった。
俺とタクミが公園で二人で遊んでいた。
「シンヤ」
ふと気が付くとタクミが真剣な顔で俺の名前を呼んでいる。
「うん?」俺が答えるとタクミは真剣な表情を崩さずに言った。

「俺はお前が好きだ。だから絶対これからも俺の友達でいてよ」

そう熱い眼差しで言われたのを覚えている。
夕日を浴びた公園でそう言われ、子供ながらに嬉しく成った。
6 :1 :2010/01/23(土) 10:47:56.52 ID:oQlXrVY0
だが、俺は幼稚園の頃からタクミに対して少し違和感が生じていた。
なんの違和感かは分からない。
ただ、あれ?と言う時がよく有ったんだ・・・

小学生に成ってもタクミのヤンチャは治らない。
クラスが一緒に成る事は無かったが毎日一緒に帰り遊んだ。
小学二年に成った時に一緒に少年野球チームにも入った。
タクミは非常に上手い。
コーチもタクミを絶賛していた。
7 :1 :2010/01/23(土) 10:48:57.00 ID:oQlXrVY0
俺は、と言えばガタイだけでキャッチャーをやらされていたんだ。
土井垣さんが言う「君は一昔前のキャッチャーだな」だよ、ホント。

小学生時代タクミと共に過ごした。
だが、俺の違和感は益々広がるばかりであった。
頭が悪い俺は、その違和感が何なのか全然分からない。

そして深く考えもせずにタクミと過ごしていた・・・あの時までは。
8 :1 :2010/01/23(土) 10:49:53.71 ID:oQlXrVY0
小学生四年に成った頃だったと思う。
タクミは段々大人しく成って来た。
帰り道も一緒に帰る事が減って来たんだ。
まあ、元々クラスが違うから、学校では喋る機会が少ない。
俺もクラスの友達と遊んだりするから疎遠に成って来る。
9 :1 :2010/01/23(土) 10:50:50.83 ID:oQlXrVY0
それでも家が真向かいなので、タクミの家に行き一緒にゲームしたり遊んだりはしていた。
だが、それも段々少なく成って行く。
別に喧嘩した訳じゃ無いがタクミがやたらと俺と遊ばずに女子とばかり遊び始めたからだ。
タクミはイケメンだから女子にモテるのか?
俺はそう思いながら、少しモテるタクミに嫉妬をしていたと思う。
でも、まあ、仲が悪く成った訳では無いので少年野球も一緒に行っていた。
10 :1 :2010/01/23(土) 10:51:56.89 ID:oQlXrVY0
だが、ある日の事だった。
タクミが急に野球を辞めると言い出した。
「なんでだよ?」
俺がそう尋ねる。
「うーん・・・ちょっと・・・な」
タクミはそう曖昧に答えた。

俺はショックだった。
なんで?なんで辞めるの?俺はずっとタクミに聞き続けたと思う。
だが、タクミが最後はキレた。
「もう良いだろ!!!恥ずかしいんだよ!!!!」
「なんだその理由は!!!!」
11 :1 :2010/01/23(土) 10:52:51.05 ID:oQlXrVY0
俺とタクミは喧嘩に成った。
多分小学生に成ってから初めて喧嘩したんじゃ無いかな?
小さい頃はタクミに喧嘩で勝った事が無かったから、ずっと喧嘩を避けていた。

だが・・・この時は俺が勝利したんだ。
生まれて初めてタクミが喧嘩を負けて泣くシーンを見たよ。
タクミは何も言わずに泣きながら家に帰って行った・・・

それから俺はタクミと喋る機会が益々減っていった。
12 :1 :2010/01/23(土) 10:53:48.80 ID:oQlXrVY0
そして、ある日の事・・・確か二学期が始まり、すぐの時だったよ。

朝、学校に行く時だった。
俺がいつもの様に一人で学校に向かう。
この頃にはタクミを誘って学校に行く事は無かった。
俺も別の仲が良い奴が出来たからだ。

学校に到着して俺は始業時間まで校庭で遊ぼうと外に出ようとした・・・その時であった。下駄箱で靴を履いて目の前を見た時、ビックリした。
タクミが居たからだ。
13 :1 :2010/01/23(土) 10:54:42.66 ID:oQlXrVY0
いや、普通にタクミが居たら驚かないんだが・・・


タクミはスカートを履いていたんだよ。


俺は目が点に成る。
え・・・?????え????
俺に取って生まれて初めて受けた衝撃だった。
14 :1 :2010/01/23(土) 10:56:12.83 ID:oQlXrVY0
誰も見てないかな?

男がスカートを履いている。
え・・・???どーゆう事???
俺が呆然と見ているとタクミは俺の顔を見て、逃げて行った。
その顔は非常に恥ずかしそうであった。
俺は下駄箱で始業開始まで、ただ佇んでいたんだ。

授業が始まっても何も頭に入らない。
あれはどう言う事だ・・・?俺はタクミに聞きたかった。
だが、何故か聞いては行けない空気を子供ながらに感じていた。

聞きたい・・・思い切って聞きたい・・・
15 :1 :2010/01/23(土) 10:57:05.40 ID:oQlXrVY0
だが、俺は一つ不思議に思っていた事が有った。
何故みんな騒がない?
男がスカートを履いてるんだぞ?
学校がパニックに成っても良いんじゃないか?

俺はそう思うが、他の奴にも聞けなかった。
ひょっとして、今は男でもスカートを履くのが当たり前なのかも知れない・・・
何故か馬鹿な俺はそう思ったんだよ。
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 10:57:37.16 ID:CnUS9sAO
チラ裏を見る必要があるのかと
17 :1 :2010/01/23(土) 10:57:51.42 ID:oQlXrVY0
腑に落ちないまま家に帰り俺は自分の部屋から真正面に見えるタクミの部屋をボーッと眺めた。
おかしい。何もかもおかしい。

夕飯前に母親の所に行く。
母親は夕飯を作っていた。
俺は何と言って良いか分からずに母親の背中を見ながら立ち尽くしていたのを覚えている。母親は馬鹿ヅラで立っている俺に気が付いて話し掛けて来た。
18 :1 :2010/01/23(土) 10:59:38.56 ID:oQlXrVY0
>>16
まあ、そう言わずに鼻糞食べながら見てくれよ。

「どうしたの?」
母親の問いにすぐに俺は答えられなかった。
何を聞けば良いんだ?
「ねえ・・・」
俺はとにかく自分のモヤモヤを吐き出したかった。
思い切って母親に話し掛ける。
「何よ」
母親は玉葱を切っていた。
今日はハンバーグかな?嬉しいな・・・と俺は何故か夕飯のメニューを考えていた。
19 :1 :2010/01/23(土) 11:00:42.26 ID:oQlXrVY0
「あのさ・・・今日さ・・・」
俺がハンバーグの付け合わせは何かな?と思い母親に話し掛ける。
「うん?」
母親はジャガ芋を剥き出した。
やったマッシュポテトだ・・・俺はまたもや夕飯に付いて考えながらサラリと言った。

「今日、タクミがスカート履いていたんだよ・・・」

言った後に何故か俺の胸はドキドキして来た。
言っては為らない事を言ってしまった・・・マズイ・・・そう思ったが後の祭りだ。
20 :1 :2010/01/23(土) 11:01:36.58 ID:oQlXrVY0
母親は冷蔵庫から人参を取り出した時にチラリと俺を見た。

「あ、そう」

そう言って軽く笑う。
うおーい!!!!!!その人参は付け合わせにイラネー!!!!!
そう思う気持ちと、それだけかよ!!!!と言う気持ちが交錯する
21 :1 :2010/01/23(土) 11:02:29.04 ID:oQlXrVY0
「え???!!!スカートだよ???」
俺が少し怒った様に母親に言うと母親はまたもや笑い出して答えた。

「良いじゃない・・・タクミちゃんも女の子なんだから・・・」

俺は倒れそうになった・・・

ちなみに夕飯はカレーだったよ。
22 :1 :2010/01/23(土) 11:04:32.44 ID:oQlXrVY0
あら?続きは要らない雰囲気ですか?
つまらないです?
いくらチラ裏と言えども誰も聞いてくれないと壁に向かって話す様で悲しい・・・
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 11:06:08.73 ID:H51ogADO
見てるよー
24 :1 :2010/01/23(土) 11:06:52.53 ID:oQlXrVY0
誰も見てないかぁ
じゃ仕方ないね・・・

まあ一人で壁に向かって語り続けますか。
25 :1 :2010/01/23(土) 11:07:48.26 ID:oQlXrVY0
>>23
ありがとう!!!!すげえ嬉しいっす

タクミが女の子・・・
俺はそれを聞いた時に、このババア、何を言ってやがる!!!とキレそうだった。
母親は俺を騙そうとしている・・・絶対にそうだ。

俺は騙されまいと思い夕飯の際に父親と兄の前で再び言った。
「今日さ・・・」
父親はチラリと俺を見て「んー?」と答える。
兄はテレビを見ていた。
26 :1 :2010/01/23(土) 11:08:49.59 ID:oQlXrVY0
「タクミが・・・スカートを履いてたんだ・・・」
俺は再びドキドキしながら言った。
兄はテレビを見て笑う。
父親は「ほー」と呟き少し笑ってカレーを食べた。
え?何その軽い反応。
「まあ・・・タクミも年頃の女に成ったんだなーハハハハ!!!」
父親は笑い出した。

・・・・え・・・?

父親と母親はタクミが年頃に成ったと言ってそのまま笑っていた。
兄はお構い無しにテレビを眺めていた。
27 :1 :2010/01/23(土) 11:09:49.45 ID:oQlXrVY0
俺は夕飯の後に風呂に入りながら頭がおかしく成りそうであった。
タクミが・・・女・・・?
俺は本当に頭がおかしいのか?
いや・・・そんな訳は無い・・・!
確かにタクミは男だ・・・!!
小さい頃から一番ヤンチャでしかも・・・しかも俺は小さい頃にタクミとお風呂に入ってた
し、
立ちションも一緒にした事が有る!

その時にマジマジとは見なかったが・・・アイツのチンコを見た覚えが有る。
28 :1 :2010/01/23(土) 11:10:42.45 ID:oQlXrVY0
絶対これは何かの罠だ。
皆して俺を騙しているんだ・・・俺はそう思っていた。
何故か俺は『NASAの罠だ』そう思っていた。
多分CIAとゴッチャに成ってたんだろうね。

それからもタクミは度々スカートを履く様に成った。
学校の奴らはタクミに対して何も言わない。

俺は騙され無いぞ・・・!
学校中の奴らがグルで俺を騙そうとしていると思いながら過ごした。
29 :1 :2010/01/23(土) 11:11:35.61 ID:oQlXrVY0
だが、良い加減しつこい。
いつまで俺を騙してるんだコイツらは?
俺は我慢出来ずに、その時一番仲が良い友達の福山に尋ねた。

福山もかなりのイケメンだ。
俺はイケメンに気に入られる星の許に生まれたのか?
奴も少年野球をしており、一番気が合った。
まあ、福山雅治に似てない事も無いので、こう呼ぶ。
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 11:11:49.13 ID:CnUS9sAO
ひっそり見てますよ(´・ω・`)
31 :1 :2010/01/23(土) 11:13:09.93 ID:oQlXrVY0
>>30ありがとう!!!

「福山さあ」
「うん?」
俺と福山は放課後にキャッチボールをしていた。
「お前さー・・・俺に何か隠して・・・無い・・・?」
俺がそう言うと福山はギクッとした表情をする。やっぱり・・・
「おい、言えよ」
俺がそう言うと福山は申し訳無さそうに言った・・・

「ゴメン・・・お前の花の慶次五巻パクったの俺だ・・・」

お前かー!!!!!!!あれ無いから困ってたんだぞー!!!!
32 :1 :2010/01/23(土) 11:14:20.90 ID:oQlXrVY0
いやいや・・・
「それもムカつくけど・・・他に無い・・・?」
俺がそう言うと福山は首を傾げる。
「・・・なんだろう?」
福山の顔がマジだった。
「・・・お前・・・NASAから・・・なんか言われてるか?」
俺は思い切って聞いた。
殺されるんだろうか・・・?
何故かそう思った。
「NASA・・・?」
福山は不思議そうに言う。
「そう・・・NASA・・・」
福山は少し考えると・・・「NASAって・・・何?」
福山はちょっと馬鹿なんだよ。まあ、俺もだが。
33 :1 :2010/01/23(土) 11:15:11.57 ID:oQlXrVY0
俺は諦めて事のあらましを福山に言う。
福山はジッと俺を見つめていた。
言い終わると福山は応えた。
「まあ、高橋(タクミの苗字モチロン仮名)は男っぽい所が有るからなー」
そんなトンチンカンな答えを言いやがったんだ。
だが、福山の顔がマジだった。


だけど、その時に福山のマジな顔を見て俺は何かが繋がった・・・
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 11:15:25.29 ID:reyUWzUo
花の慶次パクるとか酷いやつだなww
35 :1 :2010/01/23(土) 11:16:15.92 ID:oQlXrVY0
幼稚園の頃からの俺がタクミに対する違和感だ。それがやっと分かった。

トイレだった・・・

俺は幼稚園の頃からタクミとトイレに行った事が無かったんだよ。
俺がポカンと口を開いて、違和感の源にショックを受けていると福山は言った。
「まあ、高橋って結構カワイイよね・・・」
ウルセー馬鹿。お前は早く花の慶次を返せ・・・
36 :1 :2010/01/23(土) 11:17:39.76 ID:oQlXrVY0
>>34
良い奴なんですけどね。

すみません、思った以上に長くなりそうなので覚悟して下さい。
で、ここからが本題なんですよ
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 11:18:02.77 ID:reyUWzUo
>>36
構わん、続けたまえ
38 :1 :2010/01/23(土) 11:18:30.16 ID:oQlXrVY0
そのまま、タクミの真相が明かされ無いまま時は過ぎて行った。
俺はタクミと全く喋らなく成った。
タクミも俺を避けたし、俺もタクミを避けた。
たまに、家の前で会ってもタクミは目を逸らす。
俺もタクミを捕まえて真相を解明したかったが出来ない小心な俺がいた。

タクミは相変わらずスカートを履いて来るし、女子と一緒に遊ぶ。
そして短髪の髪を伸ばし始め六年生の頃には肩まで伸びていた。
39 :1 :2010/01/23(土) 11:20:24.73 ID:oQlXrVY0
>>37
ありがとうございます。あんまり良いオチを期待しないで聞いて下さい。

髪を伸ばすに伴い「タクミがカワイイ」と言う噂が学校に広まり始める。
待て。お前ら騙されるなよ・・・アイツは男だぞ。

タクミも何を女に成り切ろうとしてやがるんだ・・俺はずっとタクミを男だと信じ続けた。

中学生に成り、俺は野球部に入った。
タクミはバスケ部に入ったよ。
アイツめ・・・野球を捨ててバスケなんかしやがって・・・俺はそう思った。

タクミの制服はモチロン女の子の制服だった。
俺はそれを見た時に吹きそうに成った。
40 :1 :2010/01/23(土) 11:21:27.99 ID:oQlXrVY0
うわ・・・コイツいつまで女装する気だよ・・・そう思っていた。
だが、そんな俺の気持ちとは裏腹にタクミはモテた。
男子達がタクミの事を噂する。
その噂は俺の耳にも入って来る。
そして誰から聞いたのか俺が幼なじみだと知ると俺に聞いてくる馬鹿が出て来た。
「なあなあ、シンヤって高橋(タクミの名字モチロン仮名)の幼なじみなんだろ????」
鼻息が荒く皆が聞いて来た。
41 :1 :2010/01/23(土) 11:22:20.74 ID:oQlXrVY0
俺は皆に言いたかった。
アイツは男なんだぞ・・・と。でも言わなかった。
多分皆、信じないからだ。

俺の親友の福山でさえ、俺がたまに、その話をしても信じない。
いつも言うのは「高橋は男みたいにサバサバしてるのがウケるんだよ」と意味の分からない事を言っていた。

中学も三年に成った時に俺は初めてタクミと同じクラスに成った。
タクミはすっかりその頃は女であった。
42 :1 :2010/01/23(土) 11:23:26.25 ID:oQlXrVY0
俺とタクミはあの小学四年生の時から喋っていない。
それまではタクミは自分の事を「俺」と呼んでいた。
同じクラスに成った時に初めて知ったが・・・タクミは自分の事を「ワタシ」と言ってたよ・・・

俺はそれを聞いた時に、その時に痛感したんだ・・・ああ、タクミは女に成ったんだ・・・って。

それからの俺は授業中や休み時間にタクミを目で追う様に成った。
タクミが気になっていた。
タクミが男と言う事をボロ出さないか何故か心配してたんだ。
43 :1 :2010/01/23(土) 11:24:30.67 ID:oQlXrVY0
ある日の放課後だった。
その日は朝から雨が降っていて部活は軽い筋トレで終了だった。
俺は福山と部活が終わっても部室で喋っていた。

ちなみに、福山は野球が上手い・・・と言うかスポーツ全般が上手かった。
イケメンで運動神経が良かったら女子は放っておかない。
福山は中一で先輩の三年生と付き合い、中ニの夏に童貞を捨てた。
44 :1 :2010/01/23(土) 11:25:31.91 ID:oQlXrVY0
俺はその話を聞いた時に凄く興奮したんだ。
親友がHしてる!!!
俺は福山の話しをオカズに何度もシコった。まあ、その話は良い。

その時も福山の女話で二人で盛り上がっていた。
何故か福山のH話を聞きながら俺は興奮する箇所をメモっていたんだ。
すると、福山が突然言った。
「お前ってさ・・・高橋の事が好きなの・・・?」
突然そう言われ俺はメモを書いていたシャーペンの動きを止めた。
45 :1 :2010/01/23(土) 11:26:43.32 ID:oQlXrVY0
「え・・・?」
「いや、よく高橋の事を見てるじゃん」
いや、それはそう意味で見てるんじゃねーよ。
「いやいや・・・前から言ってんだろ?高橋が男だってさ・・・」
俺は中学生に成りタクミの事を名字で呼び始めた。
思春期だったんだよ。
「そう言うのも好き、の裏返しなんだろ?」
福山はそう言ってニヤニヤ笑う。
「違うって!!!!」
「ハイハイ」
俺が否定しても福山はただ笑っていた。
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 11:27:15.25 ID:CnUS9sAO
パンツ脱いだ方がいい?
47 :1 :2010/01/23(土) 11:27:39.14 ID:oQlXrVY0
修学旅行で関西に行く事に成った。

修学旅行の行動班を決めた時にくじ引きで俺はタクミと同じ班に成ったんだ。
一日だけ班行動で動くんだけど、俺らは何をするかを話し合う。
久しぶりに、本当に何年か振りにタクミと近付いた。
まあ、勿論二人切りでは無しに皆でなんだが。

「神戸に行きたーい」とタクミが皆に言う。
普通に女の声で、女みたいな喋り方であった。

俺は何故かイライラしていた。
コイツはいつまで女の振りをしやがるんだよ・・・そう思っていた。
48 :1 :2010/01/23(土) 11:29:31.68 ID:oQlXrVY0
>>46
まだ脱がない方が良いよ。風邪ひくよ。

俺の中でタクミが本当は女で自分が分からなかっただけ、と言う答えは無かったよ。
俺はタクミをチラチラと見る。
だが、タクミは俺と目を合わせる事は無かった。

修学旅行の当日。俺は身支度を終えて家を出た。
門を閉めようとしていると向かいからもガチャガチャと言う音が聞こえた。

タクミが玄関を出る所であった。
以前にも何回か、こう言う場面は有ったが、その都度お互いが無視して学校に向かう。
家から出るとすぐに同じ学校の集団に紛れるので無視しても特に問題は無かった。
49 :1 :2010/01/23(土) 11:31:07.86 ID:oQlXrVY0
だが、今回は修学旅行なので、三年生だけ集合が駅で尚且つ、時間が早い。

しかも同じクラスで同じ班。無視したら駅まで無視し続けなければ為らない。
それは非常に辛い。
向こうも、そう思ったのか、タクミから挨拶して来た。

「おはよう・・・」
そう小さな声で言う。
何を女みたいに・・・俺はそう思い少し腹が立ったが、俺も「おう・・・」と無愛想に答える。

「集合時間って・・・8時で良いんだよ・・・ね・・・?」
タクミは話題が無いので、なんかそんな事を言い出した。
「だったよ・・・な・・・」
俺も答える。なんか久しぶりにタクミと二人で話たよ。
50 :1 :2010/01/23(土) 11:32:01.04 ID:oQlXrVY0
俺らは自然に一緒に歩き始めた。

「関西・・・行った事無いから・・・楽しみ・・・だね・・・あ、・・・な・・・」

タクミが言葉尻を言い直す。
女言葉を俺の前で使うのは恥ずかしいが、癖で出てしまう様だ。
「ああ・・・だな・・・」
お互い会話が続かない。凄く気まずい。
思春期の気恥ずかしさと、タクミの秘密を知っているが言い辛い気持ちとが交錯していたんだ。
51 :1 :2010/01/23(土) 11:33:28.62 ID:oQlXrVY0
二人で続かない単語による会話は10分程続いたが、クラスの女子との合流によって、それは終わった。

タクミは女子と喋り俺と別れた。
別れ際にタクミは俺をチラリと見て「じゃあね・・・石田(俺の名字モチロン仮名)・・・」

と言った。石田・・・か・・・
なんで名字で言うんだよ・・・
昔は「シンヤ」って名前で呼んでたのに・・・
俺に少し寂しい気持ちが沸いて来ていた。
でも俺もタクミの事を名字で呼んでたけどね。
52 :1 :2010/01/23(土) 11:34:22.62 ID:oQlXrVY0
修学旅行が始まり、俺は福山と基本、二人で過ごす。
福山は流石にモテモテで修学旅行中に二人の女から告白されていた。
て言うか、何故、修学旅行の時って告白とか多いんだ?

「モテモテだな、おい」
俺は福山の肩を殴りながら言った。
「結構、面倒臭いんだけどね」
厭味では無く福山はマジでそう思ってるんだよ。
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 11:34:40.95 ID:P5kxxqEo
結局、何で「至急」なんだ?
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 11:35:37.74 ID:CnUS9sAO
>>1は今いくつ?
55 :1 :2010/01/23(土) 11:35:39.44 ID:oQlXrVY0
そして修学旅行は班別の自由行動の日を迎えた。
俺らの班は結局、神戸に行く事に成っていた。

電車に乗り神戸に到着。
港に行ったり、タワーに登ったりした後に中華街に行く。

俺とタクミは特に会話はしなかった。
殆ど男女別々で固まっていたからだ。

中華街に到着すると何故か人だかりが出来ていた。
どうやら芸人がTVのレポートで来ている様であった。

「うお!!!○○だ!!!」そう言って皆が見に行く。
俺は正直、その芸人が誰かも知らず、そして興味が無い上に人混みが嫌いなので見に行かずに一人ベンチに腰掛けた。
56 :1 :2010/01/23(土) 11:37:11.86 ID:oQlXrVY0
>>53
いや、特に至急でも無いかな?まあ、適当にタイトルを書いてしまったものですから。
>>54
年齢は二十代です。
57 :1 :2010/01/23(土) 11:38:04.42 ID:oQlXrVY0
ベンチに座り一息ついて前を見ると少し離れた場所にタクミが立っていた。
タクミも芸人とかに興味が無い。
そして同じく人混みが嫌いだ。

タクミは俺から3m位離れた場所で一人佇んでいた。
俺は声を掛けたら良いのかどうか迷っていた。
タクミも同じく俺に話し掛けるべきかどうか迷っている様だ。

だが二人共勇気が出ずに、ただ黙っているばかり。
早く皆戻って来いよ・・・俺が思いながらタクミを見ると目が合った。
58 :1 :2010/01/23(土) 11:39:05.25 ID:oQlXrVY0
「あのさ・・・」
俺は思わず見切り発車でタクミに声を掛けた。

「え・・・?」「いや・・・座る・・・?」
俺は自分のベンチの隣を指差す。
「良い・・・?」「いや、別に俺の持ち物じゃ無いから・・・」
俺はそう言って笑った。

タクミも少し笑い「じゃ・・・」と言って隣に座る。
「・・・・」隣り合わせで座ったは良いが特に沈黙を破る様な会話スキルも俺は持っていない。
タクミも緊張しているのが伝わって来る。
59 :1 :2010/01/23(土) 11:40:20.97 ID:oQlXrVY0
昔の思い出話をするのが一番良い沈黙破りに成るんだろうが、如何せん、その話題には触れられ無い。

触れた瞬間にタクミの男疑惑の話題が浮上するからだ。
まあ、中学生の思考だね。

「みんな・・・遅いね・・・な・・・」
タクミが又もや語尾を変えた。

やっぱり・・・コイツは本当は男だ。
俺にはバレたく無いから昔の男言葉にしようとしているんだ・・・俺はそう決め付ける。

だが、俺にタクミの正体を暴く自信が無かった。
だから、とりあえずタクミに合わせて喋る。
60 :1 :2010/01/23(土) 11:41:28.32 ID:oQlXrVY0
「だな・・・何をしてんだか・・・」
俺が人だかりの方を見ると皆の姿が見えない。マジかよ・・・

「あれ・・・アイツらいる?」
俺がそう聞くとタクミも腰を上げて人だかりを見た。
「いない・・・ね・・・な・・・」
「あ、俺見て来るよ」

俺がそう言って立ち上がると「やだ・・・!」そう言ってタクミが俺のブレザーの袖を掴んだ。

「石田(何度も言うが俺の名字モチロン仮名)も居なく成ったら困る・・・」
んー・・・「じゃあ、一緒に探す・・・?」

俺の答えにタクミは黙って頷いた。
61 :1 :2010/01/23(土) 11:43:43.17 ID:oQlXrVY0
俺とタクミは人だかりに入って行く。
俺のガタイで人混みを掻き分ける。
その後にタクミがコソコソと付いて来た。

だが、人混みに班の連中の姿は見当たらない。
「いねーな・・・」俺がそう言うと「だねー・・・」タクミも呟く。

当時は携帯電話も持って無くて連絡が付けれない。
「もう少し探す?」「うん」タクミは頷いた。

俺らは探しまわった。
探す間俺とタクミは普通に会話する。

「ねえ石田、あっちは?」とか「神戸って入り組んでるな」とか言ってた。
・・・だが居ない。
62 :1 :2010/01/23(土) 11:45:05.40 ID:oQlXrVY0
再び先程のベンチに戻って来た。
「疲れたな」俺はそう言ってベンチに座る。
「疲れたねー」タクミも笑いながら座った。

「神戸って海が有って良いよな」
「一回来たかったんだよね」

タクミが笑顔で話す。

「た・・・高橋もナイス選択だな・・・」
俺は思い切って名字で呼んだ。
タクミはスッとコチラを見て・・・
「・・・でしょ!」
そう言う。

本当は『タクミ』と昔みたいに下の名前で呼びたかった。
だけど向こうは名字で呼んでるのに、俺だけ下の名前で呼ぶのが何故か悔しかったんだよ。
63 :1 :2010/01/23(土) 11:46:06.54 ID:oQlXrVY0
「皆どこ行ったんだろうな・・・」
「ねー・・・」
「あー、なんか喉が渇いたな・・・高橋、なんかいる?」
「え?良いよ、自分で買うから」
「良いって、買って来るからお前はこの特等席をキープしといて!」
「分かった・・・ありがとう」

タクミはそう言って微笑んだ。
俺は少しルンルン気分で少し離れた自販機に向かった。
なんかデートみたいだな・・・生まれて初めて女の子と二人切りだ・・・

俺はそんな感じで喜んでいた・・・
64 :1 :2010/01/23(土) 11:47:01.33 ID:oQlXrVY0
自販機に小銭を入れた時に、ふと気が付いた・・・

ああん????女の子????
チラリと遠くでベンチに腰掛けてるタクミを見る。
違うだろーが。アイツは男だろ・・・て言うか、昔ガキ大将だったタクミじゃねーか。

俺は何を言ってるんだよ・・・俺はそう思うと少しムカついて来た。
そしてタクミを見ると・・・ちょっとイジワルしようと物陰に隠れた。
65 :1 :2010/01/23(土) 11:47:58.09 ID:oQlXrVY0
タクミはしばらく下を見てたが、ふと顔を上げる。

俺は物陰からそれを見ていた。
タクミは顔を上げると、急にキョロキョロし始めた。
そして立ち上がると焦った表情をする。

俺は笑いを堪えていた。
昔はあんな表情を見た事が無い。
いつも周りの人間をイジメていた奴なのに。
タクミはキョロキョロして歩き始めた。

焦った表情は更に焦り出して、遂には泣きそうな表情に変わった・・・
66 :1 :2010/01/23(土) 11:48:59.01 ID:oQlXrVY0
そしてタクミは口を僅かに動かしている・・・

「シ・・・ン・・・ヤ・・・」

俺はそれを見ると笑いが消えた。
すぐに物陰から出るとタクミの側に駆け寄った・・・
「高橋・・・」俺がそう言うとタクミは俺を見つめて安堵の表情を浮かべた。

「ビックリした・・・シンヤも居なく成ったかと思った・・・」

タクミが思わず「シンヤ」と呼んでいた。
「ゴメン・・・ちょっと欲しいのが無くて違う自販機に行ってたんだ・・・」
俺は嘘をついた。
だが、タクミが「シンヤ」と呼んだのは、その一回だけで、それ以降は再び「石田」と呼んでいた・・・
67 :1 :2010/01/23(土) 11:49:52.63 ID:oQlXrVY0
その後に、他のメンバーと落ち合う事が出来て俺らは皆でホテルに戻る。
帰りの電車で俺は正面に座るタクミを見つめていた。
タクミは他の女子と楽しげに喋っている。

タクミのスカートから伸びる足を見て俺はドキッとした。

初めて意識してタクミの足を見た・・・
そしてタクミの胸元を見る・・・
胸が有るんだ・・・ちゃんと・・・

そして顔を見つめた・・・

そこには普通の中学生のカワイイの女子がいた・・・
68 :1 :2010/01/23(土) 11:50:44.74 ID:oQlXrVY0
夜には旅館で繰り広げられる修学旅行のメインイベント、
「好きな人の名前を言う会」が俺らの部屋でも始まった。

過去どれだけの修学旅行生達がこの会をしたのだろうか。
その数は天文学的な数字に成るのだろう。
「○○かわいいよな?」
「俺は△△が良い」
「いや、アイツは先輩と付き合ってるらしいぞ」
等と暗い部屋で会話が飛び交っていた。
69 :1 :2010/01/23(土) 11:51:36.32 ID:oQlXrVY0
誰かが「俺、高橋好きだわ」と呟いた。

部屋を暗くして皆、布団に潜っていたので誰が言ったかは分からない。
「ああー、高橋良いよなー」
他の誰かも呟く。

俺はボンヤリと真っ暗な天井を見つめながら、話を聞いていた。

そうか・・・タクミってモテるんだ・・・
本当は男なのに・・・

そんな強情な俺がいる。
70 :1 :2010/01/23(土) 11:52:32.13 ID:oQlXrVY0
「石田は?」隣の奴が話を振って来る。

「ん?」「お前は誰が良いの?」

隣の奴の質問に俺は考えた・・・

そして、「四組の○○かな・・・」

そう誰もが可愛いと言ってる女子の名前を出していた。
だけど、その時に最初に浮かんだ顔は・・・


本当はタクミだった・・・
71 :1 :2010/01/23(土) 11:54:24.35 ID:oQlXrVY0
すみません。書き溜めが終わりました。
すぐに続きを書こうと思いますが、如何せん今から急に来客が有ります。

中途半端で申し訳無いんですが、書けたらすぐにします
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 11:54:56.87 ID:reyUWzUo
>>71
おう、楽しみに待ってるぞ
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 11:55:50.04 ID:CnUS9sAO
来客があるのに何故書きはじめた!
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 11:58:18.18 ID:SJsqbISO
よし
鼻糞補充するか
75 :1 :2010/01/23(土) 12:03:22.27 ID:oQlXrVY0
>>72
ありがとうございます。
>>73
急に先程連絡がありました。
>>74
たっぷりめでお願いします。
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 12:05:16.45 ID:P5kxxqEo

鼻くそウマかった
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 12:22:27.41 ID:tHaRB6A0
何時くらいからパンツ抜いどけばいいかな?
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 12:25:04.13 ID:cghcXX20
で、不治の病で倒れるのは何時頃?
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 12:35:55.93 ID:WvCGXcDO
早くしてくれよ
鼻糞に耳糞、しまいにはチンカスまでなくなる前に
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 12:57:59.13 ID:C3l/PtMo
昔話騙るスレが流行ってるな
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 13:01:53.68 ID:CnUS9sAO
おい鼻糞ほじりすぎて鼻血出たぞはやくしろ
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 13:15:07.49 ID:WvCGXcDO
や…ヤバい…もう食うものがない…
く…くそ…目が…霞んできた…ぜ…
グフッ!
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/23(土) 17:05:40.05 ID:lBID2YDO
(ю:}どんだけ〜
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 17:28:50.84 ID:0ZUOWkAO
どら焼き食べながら待ってるわ!
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/23(土) 18:44:35.46 ID:PCPy6IA0
母親の料理のくだりで引きつけられた。
続き楽しみにしてるよ。
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/24(日) 10:28:57.84 ID:EHuGmAAO
続きはまだかね
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 01:54:39.14 ID:gUA0zEAO
また蒸発したか
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 02:37:04.97 ID:ALVZrb.o
 __     __       n     _____  _____     ___ ___    ___
 |   |    /  /      / /    /       | /__  __/ [][] _| |_| |__ _| |_
 |   |.   /  /    /⌒ヽ/     /   / ̄ ̄|. l    / /     |    _  | |_  レ'~ ̄|
 |   |  /  /    ( ^ω^ )    /   /.  / /    |  |___      ̄|  | / / /   /| |
 |   |  /  /     ノ/ /  ノ   /    ̄ ̄ /     \__|     |  |  ̄ /_  /  | |_
 |   |. /  /   // / ノ     /   / ̄ ̄ ̄                |_|     |__|   \/
 |   |/  /  ⊂( し'./    /   /
 |.     /     | ノ'      /   /
 |    /.     し'      ./   /
  ̄ ̄ ̄              ̄ ̄

89 :1 :2010/01/25(月) 17:03:17.24 ID:FMf5T/.0
すみません。遅くなりました。
続きを書きます。
90 :1 :2010/01/25(月) 17:04:16.14 ID:FMf5T/.0
あと、特に人が死んだりパンツを下ろしたりする様な場面は
無いかと思われますのですみません。
91 :1 :2010/01/25(月) 17:05:18.51 ID:FMf5T/.0
修学旅行から戻り、俺とタクミは再び二人で話す事は無くなった。
いつもの様に朝に家の前で出会っても一緒に学校には行かない。

ただ、違うのは軽く挨拶をする様に成った。
タクミは少し微笑みながら俺に「おはよう」と言う。
俺は少し照れながら「おう」と答える。
そこからは別々に学校に向かう。

まあ、その進歩は有った。
92 :1 :2010/01/25(月) 17:06:12.47 ID:FMf5T/.0
俺は相変わらず学校に行くとタクミをチラチラ見る。
やはりまだ『男だろ』と思う気持ちは捨てられ無かった。
その疑惑心と・・・
タクミを見とれてしまう・・・そんなトキメキも有ったんだ。
俺は自分の中でトキメキが出た時に自己嫌悪に成った。
頭を抱えて「あいつは男じゃん」と一人呟く。

声に出さないと益々トキめいてしまいそうだったからだ。
93 :1 :2010/01/25(月) 17:07:15.44 ID:FMf5T/.0
そして俺は中学三年の時は毎晩シコってたんだけどね。
たまにオカズとしてタクミを使用する様になり賢者に成ると自己嫌悪に陥ったりしていたんだよ。
俺は男で抜いてしまった・・・と。
自分はホモに成ってしまったのかとも思った。

だけど試しに他の男で抜こうとしたら、全然立たない上に気分が悪くなり壁を殴ったりしたんだ。
94 :1 :2010/01/25(月) 17:08:08.80 ID:FMf5T/.0
部活の夏の大会が終わり俺達は引退した。
夏休みが急に暇に成ってしまったのだった。
福山と俺とで受験勉強をする。
福山は結構勉強が出来た。
俺もソコソコ勉強が出来、二人で上手く競い合う。

「ああー・・・勉強も疲れるなー・・・」
福山がそう言って俺の部屋でゲームを始めた。
「おいおい、ちゃんとやれよ・・・二人プレイしようぜそれ」
俺らは二人でゲームを始める。
95 :1 :2010/01/25(月) 17:09:04.52 ID:FMf5T/.0
「福山さー」
「んー?」
ゲームをしながら俺は福山に聞いた。

「お前・・・男に興味有る・・・?」
俺がそう言った瞬間に福山は俺をチラリと見るとゲームのコントローラを置いた。

そしてカバンに荷物を急いで詰めて「お、俺は・・・無い・・・」そう言って立ち上がって帰ろうとする。

「ストップ!!!!違う!!!!」
96 :1 :2010/01/25(月) 17:09:55.99 ID:FMf5T/.0
俺は慌てて福山に言う。
「ハハハハ・・・いや・・・ハハハハ・・・!」
福山は何の笑いかは分からないが笑いながら後ずさりをしていた。
「違うって!!!!そう言う意味じゃねーよ!!!」
俺が福山に近付こうとすると福山は急にカバンをブンブン振り回して来た。

「いやだ!!!!やめろ!!!俺、ケツ綺麗に拭いて無いから!!!!」
「それは拭け!!!ちゃんと拭け!!!つーか、違うから!!!」

俺はとにかく福山を落ち着かせた。
97 :1 :2010/01/25(月) 17:10:58.57 ID:FMf5T/.0
福山は少し落ち着いて来た。

「違うよ!!!そうじゃ無くてさ・・・高橋だよ・・・」「え?」

福山は尚もビクビクしながら座る。
「俺さ・・・最近高橋の事が気になるんだよ・・・」
俺がそう言って、いつも言ってるタクミが男で有る事と、最近タクミにトキめいてしまう事を告げた。
福山は最後まで聞くとホッとした様に告げた。
「まあなー・・・でも、幼なじみとの恋愛って近親相姦みたいで興奮しそうだね」

「は?」

98 :1 :2010/01/25(月) 17:11:58.73 ID:FMf5T/.0
「いや、なんか背徳感みたいな・・・」

福山は嬉しそうにトンチンカンな事を言い出した。

「お前・・・ケツ出せ・・・」
俺は福山の側に近付いた。
「え?」
福山は少し焦る。
「なんかムカつくからお前を掘ってみる」
「やめてぇぇぇぇ!!!!!!!!!」

福山はケツを押さえていた・・・
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 17:12:45.15 ID:Jphq29go
福山変態だなwwww
100 :1 :2010/01/25(月) 17:12:58.48 ID:FMf5T/.0
確かその日の前後だったと思う。

俺は福山と二人で近所の夏祭りに出掛けた。
小さい頃はこの夏祭りもタクミとよく行った事を覚えている。
「綿菓子食いてー」
福山が子供が食べている綿菓子を見つめた。
「買えば良いじゃん」俺が言うと「50円しか無い」と答えた。

なんで金を持って来ないんだコイツは。
かく言う俺も金が無い。
仕方なしに二人で一つの焼きそばを食べる事になった。
101 :1 :2010/01/25(月) 17:13:50.99 ID:FMf5T/.0
俺らが縁日の隅っこでズルズル焼きそばを啜っていると声をかけられた。

「福山くん・・・」
顔を上げると同じクラスのバスケ部の女子が恥ずかしそうに立っていた。

コイツはあれだな・・・俺は思った。
福山を好きな女は皆同じ反応をしやがる。
俺も一緒に居るのに福山しか見えていないんだ。
「おう」福山が爽やかな笑顔で言う。
102 :1 :2010/01/25(月) 17:14:45.20 ID:FMf5T/.0
焼きそば食ってこんな爽やかな奴は福山しかいない。
そのバスケ部の女子の後ろに一人の影があった。
俺はチラリとそちらを向く。

タクミが立っていた。

どうやら、そのバスケ部の女はタクミと二人で夏祭りに来た様だ。
だが、そのバスケ部の女が福山を見て声を掛けに来たのでタクミも付き合いで来たのだろう。

タクミは俺と目が合うと軽く右手を上げて挨拶して来た。
俺も右手を上げて返す。
103 :1 :2010/01/25(月) 17:15:44.06 ID:FMf5T/.0
「何してるのぉ?」
バスケ部の女が福山の隣にしゃがむ。
ウゼエなコイツ。
俺はそう思うが福山は「焼きそば食ってんだよ、旨いよ」と笑顔で応えてやる。

コイツは本当にスゲエな。
バスケ女はそれに気を良くして福山に喋り続ける。
コイツの目にはどうやら完全に俺が見えていないらしい。
俺に全く目もくれない。いや、まあ、良いんだけどさ。
104 :1 :2010/01/25(月) 17:16:35.41 ID:FMf5T/.0
福山が俺に最後の一口の焼きそばを渡して来たので俺はズルズルと啜り終えた。
福山がバスケ女と喋っていたので俺はそのままゴミ箱に焼きそばを捨てに行く。

戻ると福山が俺に言って来た。
「シンヤー、皆で一緒に祭りわ見ようよ」
福山はそう言って俺に目配せをする。

そして小声で「俺はバスケ女と消えるから高橋と二人で楽しめ!」そう言った。

え・・・福山はそのままバスケ女と喋る。
自然と俺とタクミが二人で歩く感じとなった。
105 :1 :2010/01/25(月) 17:17:28.62 ID:FMf5T/.0
マジかよ。
チラリとタクミを見るとタクミも目を合わせて来た。
「石田も大変だねぇ・・・」
タクミはそう言って笑った。
「まーな・・・」
俺はムスッとした感じで応えた。凄く照れ臭かったんだ。
俺は顔を横に向けながら、目だけでタクミを見てみる。

タクミのTシャツ越しの胸の膨らみとデニムのミニスカートから見える足が俺の興奮を誘っていた。
106 :1 :2010/01/25(月) 17:18:32.33 ID:FMf5T/.0
「良いの・・・?」
俺が呟く様にタクミに言う。
「え?」
「あ、いや、せっかく二人で来たのに福山にバスケ女取られて・・・」
「ああ・・・」
タクミは笑った。
「しょーがないよ」そう言いながら俺を見る。
「石田は・・・良いの・・・?」
タクミの言葉に俺も笑った。
「慣れっこなんで」
そう言って二人で笑った。

なんか良い感じじゃない?
107 :1 :2010/01/25(月) 17:19:29.51 ID:FMf5T/.0
俺がそう思っているとタクミが続けて言った。

「早く、石田も彼女を作らないと・・・」

タクミのその一言に・・・俺は何故か少しムッとした。
なんだその上から目線は・・・
何をお前は言ってるんだ???この男女が・・・!
俺は凄く苛立って来た。

なんでそんな事で?と思うかも知れないが、中学生の男子はその程度でキレる。
108 :1 :2010/01/25(月) 17:20:35.23 ID:FMf5T/.0
「お前にはカンケー無いだろーが・・・」

俺は聞こえるか聞こえない程度の声で呟いた。
タクミはチラリと俺を見たが、何も答えずにただ黙った。
ガキ過ぎて恥ずかしいよ本当に。

俺は尚もイライラしていて前を行く福山を呼んだ。
「おい、福山!帰るぞ!!」
俺の声に福山がビックリして振り返った。
「え???マジ???」
福山がそう言うのを無視して俺はスタスタと歩き出す。

福山は慌ててバスケ女に謝り俺を追い掛けて来た。
109 :1 :2010/01/25(月) 17:21:30.52 ID:FMf5T/.0
福山は俺に追いついて言った。
「なんだよ??どうしたんだよ???」
「うっせー!!!」
俺はぷりぷり怒りながら歩いて行く。


ガキだねえ俺も。
110 :1 :2010/01/25(月) 17:23:11.15 ID:FMf5T/.0
それから俺とタクミは朝に顔を合わせても挨拶を再びしなくなった。
恐らくタクミも俺の馬鹿さ加減に呆れたんだろう。

中学生活もあっと言う間に過ぎて俺達は中学を卒業した。
そして高校生となった。

基本的に俺の学区は殆どの奴らが近くの公立高校に通う。
それは俺と福山も同じで、俺達は一緒の高校に通った。

そして、そこにはタクミの姿もあった。
タクミと俺は幼稚園から、俺と福山は小学校からの腐れ縁となったのだった。

とりあえず、ここまでしか書いて無いんですよ・・・
これって細かく書けばまだまだ続くんだけど・・・

先に結論書いた方が良いかな?
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 17:24:52.38 ID:/u/jIo2o
まぁ待て焦るな。ゆっくり行こうぜ
112 :1 :2010/01/25(月) 17:26:02.76 ID:FMf5T/.0
>>111
了解致しました。
そしたら、ゆっくり書かせて頂きます。
すみませんね、つまらん話に付き合って貰って・・・
続きを書けたらすぐに書き込みしますんで宜しく・・・
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 17:26:47.50 ID:/u/jIo2o
おう頑張れよ
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 17:29:26.25 ID:qQid3aIo
のんびりまってるよ。
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 17:47:45.97 ID:rZVii7Mo
つまらなくないよ。
細かく長く書いて下さい。
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 18:18:22.37 ID:gUA0zEAO
タクミ君と付き合うのかどうか教えてほしいんだけど・・・

みなさんどうですか?
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 19:20:50.20 ID:VBUx/2Q0
>>116
早漏は嫌われるぜ
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 19:47:40.97 ID:w76Gu.20
>>116
気持はわかるが、>>1に任せよう。
つーか>>1の語り口調が何気に壺ったからゆっくり書いてくれ。
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 21:03:47.82 ID:/KLEo/g0
>>116
楽しみは最後まで取っておくもんだぜ?
>>1
とりあえずちゃんと最後まで書いてくれ
もし書けないなら書けなくなる前にちゃんと言ってくれよ?
120 :1 :2010/01/25(月) 21:52:40.51 ID:FMf5T/.0
早速有る程度書けたので、書き込みます。
121 :1 :2010/01/25(月) 21:55:57.55 ID:FMf5T/.0
今から書く話は余り関係無い様に思えますが、かなり関係が有るんです。
つまらないかも知れませんがすみません。

俺らが入った高校は野球部が弱かった。
そして、他の部活も同じく弱いし、学校全体がシケシケであった。
文化祭も体育大会も遠足もやる気が全く無い。かと言って受験も適当。

まあ、皆そこそこに勉強をしてそこそこに大学に行く。
不良も余りおらず・・・全てが適当にシケてる学校であった。
俺と福山は部活をどうするか迷った。
122 :1 [sage]:2010/01/25(月) 21:56:54.95 ID:FMf5T/.0
「部活どうするー?野球する?」
俺が言うと福山が「いや〜、なんか違うのにしねえ?」そう答える。
「じゃあ、何をするんだよ?」
「例えば・・・」
そう言って福山はキョロキョロと辺りを見る。

そして・・・「これとか?」そう指差したのは一枚のポスターであった。

そこには『アメリカンフットボール部』と書かれていた。
123 :1 [sage]:2010/01/25(月) 21:57:55.86 ID:FMf5T/.0
「アメフトか・・・」
俺がそう呟く。
「格好良くない?この防具もなんかサイヤ人が着てる防具に似てるし」
いや、それはどうかな?俺はそう思ったが別に反対する理由も無く、アメフト部に入った。

入ってビックリしたのが防具を揃えるお金が高い事であった。
部費込みで7万円位掛かった。
俺の輝かしい(笑)アメフト人生の最初は母親を説得する所から始まった。
124 :1 [sage]:2010/01/25(月) 21:58:48.23 ID:FMf5T/.0
俺は家に帰って夕飯の支度をしている母親の所に行った。
「ねえ・・・」俺は母親を呼んでみた。
「なによ」母親は玉葱を切っていた。
ほう・・・ハンバーグか・・・俺は思った。
「あのさ・・・俺部活決めたんだけどさ・・」
俺が恐る恐るそう言った。
「へえ・・・」母親は関心が無い様にそう呟きながら、人参を切り出した。

ハンバーグ?カレー?
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 21:59:39.67 ID:/KLEo/g0
そこは調べろよwwwwwwww
126 :1 [sage]:2010/01/25(月) 21:59:40.95 ID:FMf5T/.0
「アメフト・・・しようと・・・思うんだ・・・」
「そうなの・・・」
母親は再び関心が無い様にジャガイモを切り出す。
やはりカレーか・・・俺は何故か苛立って来た。
「でさ・・・」
俺がそのまま続ける。
「うん」母親は普通に返事する。
「お金が掛かるんだよね・・・最初に・・・」「いくら?」
母親はひき肉を取り出した。

ハンバーグだ!!!!!俺は少しテンションが上がった。
127 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:00:32.33 ID:FMf5T/.0
「うん!!!7万円なんだ!!!」
その瞬間母親の動きが止まりコチラを見る。
そして手に包丁を持ったまま呟いた。

「・・・いくらって・・・?」
「な・・・ななまんえん・・・」

凄い叫び声と凄い形相の母親が包丁を持ちながら俺を追ってきた。
俺は一目散に部屋へと逃げて行った・・・

晩御飯はひき肉のシチューだったよ。
128 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:01:23.62 ID:FMf5T/.0
晩飯の最中も母親の文句が止まらない。
「何故そんな部活をする?」とか「野球にしておけ」と散々言われ続ける。
兄は何も言わずにテレビを見ていた。
俺はただひたすら頭を低くして嵐が過ぎるのを待ち続けた。
だが、その嵐は父親が帰宅して風向きが変わる。

「好きな事をしろ」と父親が言ってくれたからだ。
だが、勿論、母親と父親の争いは夜中まで続いたけどね。

俺は晴れてアメフトをする事になった。
129 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:02:19.24 ID:FMf5T/.0
部員は30人の部活であった。
勿論俺はアメフトのルールはよく知らなかった。
先輩達は良い人ばかりで、俺ら一年生に優しく教えてくれた。

勿論優しい人間が強いとは限らない。先輩達は非常に弱かった。
いつも一回戦で負けてしまう。顧問の先生もアメフトをよく知らない人であった。

俺はガタイが良いので一年の秋の大会からレギュラーで出場する。
福山も運動神経の塊なので、すぐに上手くなり、肩の良さと足の速さでQB(クオーターバック)として先輩と交互に出場する様になった。
130 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:04:21.78 ID:FMf5T/.0
だが、如何せんチーム全体が弱い。
チームは負け続ける事に慣れていたのだった・・・俺ら2人以外は・・・

福山はかなりの負けず嫌いだった。
小学校の頃から野球でも人一倍負けず嫌いで負けたら必ず泣いていた。
なので福山は負ける事が大嫌いであったのだ。

俺は、野球時代はそんなに上手く無かった。
そこそこでは有ったが、福山程では無い。そしてそんなに負けず嫌いでは無い。

ただ、一つ・・・高校に入り・・・と有る出来事があった。

それから俺が変わったんだよ。
それは夏休みの前の事であった。
131 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:05:16.61 ID:FMf5T/.0
ウチの高校の女子バスケ部がインターハイ予選でベスト8まで進んだのだった。

それはクジ運も有ったろうが、それ以上に一年生の部員の活躍有ったからだ。

そう・・・タクミであった。

タクミは俺もよくバスケは詳しく無いが、背が低いにも関わらず得点をかなりきめるらしい。
今年はインターハイに行ける!!!
そう踏んだ学校側が急遽運動部を集めて応援に向かわせた。
132 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:06:28.03 ID:FMf5T/.0
俺らは嫌々ながらも応援に行ったのだった。
タクミは凄く活躍していた。そして輝いていた。

俺の周りの連中は結構熱くなって応援をする。
だが、その試合は私学の強豪に負けてしまった。

タクミは泣いていた。先輩達に肩を支えられながら泣いていた。
タオルを頭から被って泣いている。
タクミが泣いている姿を見たのは小学校で俺と喧嘩して泣いた時以来だ。
皆がよくやったと拍手でほめる。
中には貰い泣きしている人間もいた・・・


だけど、俺は正直、そんな事を思えなかった・・・


133 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:07:19.79 ID:FMf5T/.0
俺は自分が惨めに感じた・・・
それと同時に悔しく感じた・・・

タクミは頑張っている・・・そして、最高の青春を味わっている・・・
俺はなんだ?先輩達が甘い事を良い事に適当に部活をこなし・・・
適当にサボってる・・・

そして、今タクミの活躍を素直に認められない・・・
その悔しさが溢れてくる・・・

タクミは負けて泣いている・・・
俺は負けてもヘラヘラしているだけだ・・・
134 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:08:21.52 ID:FMf5T/.0
俺の中に抑えようの無い気持ちが溢れかえった。
そして、まともにタクミを見る事が出来ず・・・

一人体育館を出た。

福山が気が付いて俺を追ってきた。
福山は何か俺に声を掛けようとしたが俺の顔を見て止めた。

そして2人で黙って歩き続ける。
しばらく歩いた後に福山が俺に言った。

「・・・負けたく・・・ねーなー・・・」

そう呟く。俺は何も言わない。
135 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:09:14.41 ID:FMf5T/.0
「なあ・・・」

福山が尚も俺に声を掛ける。
俺はチラリと福山を見た。

「・・・走って帰る・・・?」

福山は少し笑って俺に言った。
この場所から俺らの地元まで電車で20分。
俺は笑う。

そして・・・

「良いねえ・・・」

そう言って俺らは走って家に帰った。
136 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:10:05.12 ID:FMf5T/.0
そこから俺らは変わった。
毎日毎日、練習が休みの日でも俺ら2人は学校に行って練習をする。
家に帰っても練習をした。
先輩達は勿論適当に練習をする。だが、俺と福山だけは命懸けで練習をした。

ヘトヘトになり、もう良いや・・・そう思って練習を辞めようかと思う。
だが、体育館で練習するタクミの姿を見ると俺は頭が沸騰しそうになる。

負けて堪るか!!!!

その思いだけで俺は体を動かした。
137 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:10:56.11 ID:FMf5T/.0
今考えると、筋トレや練習内容も非効率で体だけを苛めていたと思う。
俺の体重はドンドン下がる一方だったよ。
80kgあった俺の体重は一時期75kgしか無かった。筋肉が疲労していただけだった。

そして、体だけでは無しにチーム内に軋轢が起きる。
先輩達と同級生が嫌な顔をしていたんだ。
俺と福山だけが完全に浮いた状態であった。
勿論、彼らに罪は無い。彼らは部活としてのアメフトを楽しんでいた。
138 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:12:03.49 ID:FMf5T/.0
俺と福山は勝ちたかった。
練習試合で負けると俺と福山だけが地面を蹴り悔しがる。
そしてヘラヘラしている先輩や同級生に切れそうであった・・・

俺と福山は2人だけだった。2人でいつもどうすれば強く成るか考えていた。
顧問も頼りに成らない。先輩も頼りに成らない。
毎晩2人で部室の前であーでもないこうでも無いと考える。

一年生の二学期から三学期に掛けて・・・俺達の高校生活では一番地獄の日々だったよ。

だけどね、努力する者には奇跡が起きるんだね。俺と福山は痛感した・・・
139 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:12:56.15 ID:FMf5T/.0
二年生に成った時に、ある先生が赴任して来た。
その人は若い先生では有ったが、元大学アメフト界で知る人ぞ知る存在の人間だった。
甲子園ボウルと呼ばれる大学の日本一決定戦にも出た事が有るその先生は
俺らの行き場の無い気持ちを充分に暴れさせてくれた。

先生は教え方が上手い。そして科学的に俺らを鍛えた。
優しさと厳しさで俺らをしごく。

先輩や同級生も当初反発をしたが、如何せん彼らもやはり若者だった。

情熱に火がつけば後は簡単に先生の手の平で転がされて、いつしか俺達は毎日、毎日アメフト漬けの日々と成って行ったのだった・・・
140 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:13:53.65 ID:FMf5T/.0
二年生の春の大会が始まり先生の指揮の元、俺らは初めて一回戦を突破した。
だが、二回戦で負けてしまう。
そんなに簡単に強くなるもんじゃ無い。

そして春の大会が終われば三年生は通常引退する。
本来は秋の大会まで三年生が参加出来るのだが、俺らの公立高校では春が終われば引退する事が慣習となっていた。

だが、アメフト熱に掛かった先輩達は秋まで残ると言い出した。
141 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:14:45.62 ID:FMf5T/.0
それは非常に助かった。
やはり一年生は始めたばかりなので心許ない。
三年間の経験はかなり違うからだ。

そして、コレは慣習通りなんだが、春の大会が終われば二年生がキャプテンと成る。

キャプテンに選ばれたのが俺だった。
福山は副キャプテンと成った。

先輩達も俺ら2人を盛り立ててくれていた。
俺らは先生の指導の下で厳しい練習にも耐えていたのだった・・・
142 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:15:38.96 ID:FMf5T/.0
夏休みに成り学校で部活毎に合宿をする。
全部活が一緒に合宿が出来ないので、三個の部活毎に合宿が行なわれた。

俺らは女バスとソフトボール部と同じ合宿の日であった。
眠る所は勿論違うが飯は共同で当番制で全部活合同で行なう。

俺らアメフト部と女バスは練習を遅くまで行なう。

ちなみに女バスは三年生が引退してキャプテンが・・・タクミであった。

女バスが練習を終えるまでは俺らも終えない。俺は意地になり練習をしていた。
143 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:16:33.86 ID:FMf5T/.0
よくよく考えれば部員は迷惑な話では有るんだけどね。
毎日晩の8時位まで俺らは練習をしていた。
自然と御飯を作るのがソフトボール部の日課と成ってしまったのだ。
でもソフトボール部の人達は嫌な顔をせずに作ってくれていた。凄く感謝している。

飯を食べた後も俺達は集まって作戦表の確認をしたりして倒れる様に全員眠る。
そして翌朝は5時に起きて朝からランニングや基礎トレーニングを行なう毎日であった。
144 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:17:28.88 ID:FMf5T/.0
合宿のある日の事。
アメフトは夏の時間昼の12時から3時までは外での防具装着の練習を禁止されている。
熱射病等の危険があるからだ。
昼間は筋トレに費やしていた。そして休憩を行なう。

唯一の休憩に全員が体育館裏などで眠っていた。
俺はその頃にはかなりの体力が付いていたので一人起きて女バスの練習を眺める。
タクミが声を出して練習をしている。

すげえな・・・
俺は思った。
145 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:18:22.40 ID:FMf5T/.0
俺の中でのモチベーションはタクミに負けたく無い・・・それがあった。
だが、タクミのモチベーションはどこから来ているのだろう?
アイツはなんでこんなにモチベーションを保ち続けるんだろう?
俺は不思議に思っていた。

俺はタクミと高校生に成りまともに会話をしていなかった。
あの夏祭り以来俺はタクミと朝の挨拶も交わしていなかったのだった。
つまらない意地を張っていたんだ。
146 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:19:17.74 ID:FMf5T/.0
女バスも休憩に入り皆が各々散らばっていく。
タクミは一人体育館の隅に座りタオルを掛けてボーっとしていた。
俺はそんなタクミを眺める。

ふと、タクミと目が合った。そしてタクミが軽く微笑んだ。

なんの微笑みかが分からない。
だが、俺はタクミから視線を外して・・・

そのまま皆の下に戻って行ってしまった・・・
147 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:20:24.46 ID:FMf5T/.0
理由は分かった。

俺はタクミにまだ負けている・・・そう思ったからだ。

タクミはこの年もインターハイの地区大会でベスト8まで残っていた。
俺はまだ勝てない。まだ負けている・・・そう思うと悔しかったからだ。

だから俺はタクミと肩を並べることが出来ない・・・そう思ったんだよ。

ガキだな本当に。
148 :1 [sage]:2010/01/25(月) 22:22:29.54 ID:FMf5T/.0
書き溜めていたのは以上です。
もう少し高校生の時のつまらない話は続きますが、ご容赦下さい。
リア充乙と思うかもしれませんが、その内に「ざまあwwwwww」と思いますので、しばらく待って下さいね。

じゃあ、また書け次第書き込みしますのですみません。
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 22:24:23.96 ID:mi7cpPEo
りょうかい〜
先が予想付かんでソワソワするwwww
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 22:27:06.60 ID:/u/jIo2o
青春じゃないか
楽しみにしちょるぞ
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/25(月) 22:30:21.30 ID:KoGOIoMo
明日まで残ってるといいな・・・
続きが気になる
wwktk
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 22:48:56.04 ID:Jphq29go
なぜだかこういう青春話を見てると鬱になるwwwwww
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/25(月) 23:54:12.21 ID:w57YLNE0
ざまああああとか思いたくねえから、そこらへん変えていいよ。
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/26(火) 00:40:23.28 ID:Q2SJQoAO
>>151
パー速ですぜ兄貴
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/26(火) 01:51:03.93 ID:VMt/26AO
俺も高校アメフトやってました

>>1の高校は、江戸かな?wwwwww
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/26(火) 14:31:58.13 ID:/L4pMTEo
>>1は話が終わったらスレ放置せずに自分でHTML化依頼を出しておけよ

■ HTML化依頼スレッド
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1246374465/
157 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:04:02.59 ID:RrHl05I0
>>156
了解致しました。
それでは続きを書き込みます。
158 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:05:09.95 ID:RrHl05I0
合宿も終盤になり、俺らは疲労で疲れ果てていた。
福山がマムシドリンクを買って来た。
「なんでマムシドリンク?」俺が聞くと
「効くんだよ、これ!」そう言って一気飲みして

「くはあああ!!!」と叫んでいた。

俺も思わず「くはあああ!!!」と叫びたくなり福山に「俺も一本くれ」と言う。
福山が「童貞はやばいぞ」と言い出したが関係無しに俺は福山が持っていたマムシドリンクを空けた。

「くはあああ!!!」
俺も叫んでみた。
うん。叫びたかっただけ。
159 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:06:02.18 ID:RrHl05I0
その晩は合宿最終日前で合宿に参加している全部活が集まり、お楽しみ会みたいな事が行なわれる。
体力の限界で動く元気が無い一年生も、それだけは元気よく参加をした。
現金な奴らだ。俺も、少しワクワクしながらそれに参加する。
まあ、皆で適当にジュースとかお菓子を食べながらゲームをしたりするだけなんだけどね。
160 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:06:55.38 ID:RrHl05I0
その後は自由時間と成るのだが、皆が眠れずに女子と喋る。
福山は相変わらずの人気で女バスの数人とソフトボール部の数人に囲まれて楽しげであった。
他の部員も女子達と話ている。
俺は、と言えば余り女子と話のが苦手だった。
中々女慣れをしていない。

福山の近くに居たが、それもなんか浮いてしまい、一人手持ち無沙汰で食堂の隅っこで座っていた。
161 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:07:55.35 ID:RrHl05I0
なんか一人取り残されているのが恥ずかしかった。
タクミは同じバスケ部の奴らとお菓子を食べながら喋っていた。
俺は仕方なくその場を離れて一人グランドに行った。
ふと、今日の練習の反省点が見つかったからだ。

アメフトは通常は完全に分業制だ。
オフェンスとディフェンスが別々なのは当然ながらキックオフする時だけのパートもある。
なにせ交代は自由で何回でも交代を勝手に出来る。
だが、人数が少ない高校生、ましてや弱小高校では主要メンバーはオフェンス、ディフェンス関係無しにフル出場をする。
162 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:08:50.17 ID:RrHl05I0
俺のオフェンスでのポジションはフルバックと言って、ゴチャゴチャとしている中央の混乱地帯をボールを持って突破する役目だった。

今日の練習でどうも思った通り動けない。
何度もディフェンスの奴らに止められた。
重心をもっと低くすれば・・・そう思い、スパイクを履きボールを持って低く走る練習をする。

その頃は訓練の賜物か、一人で相手をイメージ出来る様に成っていた。
そして暇潰しにやり始めただけなのに、いつの間にか熱中し始める。
163 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:09:59.77 ID:RrHl05I0
しばらく練習をしていると突然福山が立っていた。
「一人でやるなよ、オナニーか」そう言って笑いながら福山が手を差し出す。
俺も少し笑って福山にボールを渡した。
「女の子達は良いのかよ」
俺がそう言うと福山は頷いてボールを持ち構える。
「女より男とボール弄りの方が面白い」
そう言って俺にボールをトスして練習を始めた。

俺は嬉しかった。
あの晩の福山との練習は俺の胸に深く刻み込まれている。

「もっとステップを使ってディフェンスを避けたいんだが」
「そんな必要はねー重機関車が!」

そんな事を言いながら二人で時間が経過するのも忘れて練習していた。
164 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:10:57.65 ID:RrHl05I0
時計の針が10時半を回った時に慌てて練習を止める。

「うわ、先生に見つかったらヤバい!!」「戻るか」

俺らが校舎に向けて歩き始めた時に校舎前の石段の所に人影が見えた。
「うわ・・・先生か・・・」「ヤベーな」
俺らは少し焦り出した。
近付くと石段の所には女子が座っていた。
「うん・・・?」「あれ・・・」
よく見るとそこにはタクミが座っていた。
俺と福山は顔を見合わせる。
165 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:11:49.98 ID:RrHl05I0
タクミは俺達を頬杖をつきながら見ていた。
福山がタクミに声を掛けた。
「不良だな、こんな夜に外出するか?」
そう言って笑う。
「違うよ、お楽しみ会が面白くないからここに居ただけ」
タクミも笑いながら言った。
「見てる方が暇だろ」福山の言葉が夜の校舎に軽く響いた。

普通に話せる福山が俺は羨ましかった。
と、同時に何してんだコイツ、と言う苛立ちがタクミに対して芽生える。
166 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:12:55.89 ID:RrHl05I0
「明日で合宿終わりだなー」「そうだねー」

タクミと福山の会話を俺はそっぽ向いて聞いていた。
タクミと喋る気が起きないと言うより、長く喋って無いので喋るタイミングが分からなかった。

だから俺は黙っているしか無かったんだ。
福山は急に俺を見ると、少し目配せをして俺に言う。

「シンヤ、ちゃんと高橋を就寝所まで送ってやれよ、俺はボール直して来るから」

そう言って歩き出した。
167 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:13:56.95 ID:RrHl05I0
え・・・?
「おい・・・」俺がそう言うが福山はスタスタと歩いて行く。

いやいや、そんな気の使い方はいらねーよ。
そう思うが福山は歩いて行ってしまった。

マジかよ・・・チラリと俺はタクミを見た。

タクミもチラリと俺を見て目があった。
嫌な緊張感がヒシヒシと胸に迫っている。

ん〜〜・・・俺が悩んでいるとタクミが立ち上がった。
そしてお尻の砂をポンポンと払い俺を見た。

「・・・良いよ、一人で戻るし・・・」

そう言う。
168 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:14:47.45 ID:RrHl05I0
まあ、学校だから安心だろ・・・皆いるし・・・
俺はそう思い何も言わずにタクミを見送る。
が、どのみち同じ方向に戻らないといけないので、俺は少し離れてタクミの後ろを歩いた。

真っ暗な学校に月の光だけがタクミを照らしていた。
俺はタクミのジャージ越しの小さなお尻を見た。

うん、欲情してたんだよ。多分マムシドリンクのせいかと。
169 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:15:50.12 ID:RrHl05I0
就寝所は男子が体育館で女子が柔道場であった。
柔道場は体育館の裏から回らないといけない。
タクミが体育館の裏手に周り始め俺は体育館の正面に周る為に二手に別れた時に・・・

タクミが立ち止まった。

俺も「?」と思い立ち止まる。
タクミがしばらく動かずに居たが急に振り返って俺の側に走って来た。

170 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:16:43.21 ID:RrHl05I0
俺の所に来てシャツの袖を掴む。
「なに・・・」
俺がビックリしてタクミに言った。
「・・・なんか・・・動いてる・・・」
タクミは怯えながら、動いてる物が有るらしき空間を指差した。
「え・・・?」俺はそう言って目を凝らすが、何も見えない。

「見間違いだろ・・・」俺も少し肌寒い物を感じながら言った。
「違う・・・絶対になんかいる・・・」タクミが俺の袖を強く掴んでいる。
171 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:18:55.78 ID:RrHl05I0
タクミの目が真剣なので俺も少し怖くなった。
「ついて・・・ついて来て・・・」
タクミはそう言って俺を見上げた。

マジ?ついて行くのは良いけど帰りは俺、一人じゃ無いのよ。
そう言いたかったがタクミが本気で怯えているのを見て諦めた。
俺は黙ってタクミの前を歩き始めた。
タクミは俺の袖を掴むので歩きにくい。「あそこで揺れてた・・・」タクミの声が震える。俺も正直怖い。「見間違いだって・・・」俺の声も若干震えてるのが分かった。
172 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:20:20.64 ID:RrHl05I0
「違うって・・・」

タクミがそう言った時に、突然目の前の木がガサガサ!!と揺れた。

「ほらぁ!!!!」

タクミは叫びながら俺の腕に抱き着いた。
俺も心臓が止まる位にビックリした・・・!


まあ・・・幽霊なんかいない。
揺れた木から白い猫っぽい生物が走り出した。

俺はホッと胸を撫で下ろした・・・
「・・・猫じゃん・・・」
俺がそう言うがタクミは俺の腕にしがみついて目を瞑っていた。
173 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:21:34.27 ID:RrHl05I0
そして少しずつ顔を上げて前を見た。

「・・・え・・・猫・・・?」

タクミは俺の腕にしがみつきながら呟く。

「多分・・・猫か・・・ウサギ・・・?」
「え??ウサギ???」
「うん、白かったし・・・」
「なんでウサギがいるの・・・?」

タクミが俺を見上げながら聞いた。

「いや・・・白かったし・・・」

俺がそう答えるとタクミがいきなり吹き出した。
174 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:22:47.99 ID:RrHl05I0
そして俺の腕をポンポン叩く。
「白いだけじゃない!」
「いや、だって白いモンって言ったらウサギしか思いつかねーもん!」
俺もつられて笑う。

「昔からそう言う所が変わって無い!」
「お前は逆に昔の方が度胸有ったぞ!」
「違うの!あれは怖いのがよく分かって無かっただけ!」
「お陰で何回、俺は死にかけたんだよ!」

俺らは笑いながら一気にまくし立てた後に・・・
気が付いた様に顔を見合わせて黙った。
175 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:24:40.87 ID:RrHl05I0
言ってしまった・・・

お互いがそんな顔をする。
二人の間でタブーだった・・・昔話を言ってしまった・・・

その微妙な空気が俺らの間に広がる。
なんで・・・なんで俺らの間にこんな空気が広がったんだろう・・・

その時、俺は凄く悲しくなった。そして同時に馬鹿らしくなった。
だから・・・

俺は言った・・・

176 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:25:34.77 ID:RrHl05I0
「ずっと・・・男だと・・・思ってた・・・」


その言葉にタクミが俺を見上げる。
抱き着いていた腕からはタクミの手は離れていた。
俺はタクミを見つめる。
タクミに月明かりが照らされる。

昔、公園で二人で語った時に夕日に照らされたタクミを思い出した。

タクミは一度瞬きをすると、その大きい瞳で俺を見た。
177 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:30:36.11 ID:RrHl05I0
「・・・うん・・・知ってる・・・」


その一言だけで充分だった。
そうか・・・タクミはやっぱり女だったのか・・・

「・・・馬鹿だな・・・俺」俺はそう言って笑った。
タクミは微笑みながら首を振った。

「ううん・・・私も男の子に憧れてたから・・・だから・・・シン・・・」

タクミは『シンヤ』と呼ぼうとして一瞬止まる。
178 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:33:30.77 ID:RrHl05I0
だけど急に思い直したのか、続けた。


「シンヤには男の子の私で・・・いたかった・・・ゴメンね・・・」


タクミが『シンヤ』と呼んでくれた。
俺は凄く嬉しかった。

「いや・・・俺もタ・・・タクミを女と思いたく無かったつーか・・・なんか・・・」

俺も『タクミ』と呼んでみた。
そして自分が何を言いたいか分からずに笑ってしまった。
タクミも笑う。
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/27(水) 12:33:39.80 ID:j4e04kDO
おれ鬱になってきたわ
180 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:35:03.86 ID:RrHl05I0
「私達・・・」

タクミは笑いながら俺を見た。

「私達って・・・意地っ張りだね・・・!」

俺は少し照れながらタクミの言葉に頷いた。
本当にその通りだった。意地っ張り過ぎて笑える。特に俺。

俺の中で何かが流れて行く気がした。
夏の夜空は小さい頃タクミと見た夜空と同じだった。

だが、俺とタクミの間には歳月が流れていた。
俺は今までの7年の歳月の中でイロイロ聞きたい事が山ほどあった。
181 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:36:15.14 ID:RrHl05I0
何から聞いて良いかが分からなかった。

ただ一つ・・・俺はただ一つ聞いてみた・・・

「なあ・・・」
「うん・・・?」

「一緒にお風呂入ったり立ち小便したりしてたけど・・・あれはどうしてたの・・・?」

なんでそれ?
俺の質問にタクミは一瞬目を大きく見開くが、その後笑った。

「・・・企業秘密・・・!」

182 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:37:25.11 ID:RrHl05I0
「気になるよ」
「気にしなくて良いから!」

タクミは笑いながら俺の肩を叩く。俺も笑う。

7年分を取り戻すかの様に俺らは笑った・・・



就寝所に戻ると福山が起きて待っていた。
福山がニヤニヤしながら聞いて来る。

「どうだった?」「何が?」

俺は敢えて素っ気なく言う。
183 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:38:37.20 ID:RrHl05I0
いやいや、高橋と楽しげに喋ってたじゃん!」
「そうか?明日最後だから早く寝ろよ!」

俺はそう言って布団に潜り込むが顔は晴れ晴れした表情をしていた。
「ふーん・・・まあ、良いけど!」福山もニヤニヤしながら眠りについた。



俺は体育館の天井を見ながらタクミの笑顔を思い浮かべていた・・・




184 :1 [sage]:2010/01/27(水) 12:39:31.96 ID:RrHl05I0
取り合えず以上です。
まだまだ先は長いんですよ。長くてすみません。
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/27(水) 12:47:24.32 ID:aufxHpMo
ざまあwwwwwwwwwwww


って言われるオチになんてなってほしくない話だな
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/27(水) 13:11:46.67 ID:nvcbSYwo
ああいいなああああ

187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/27(水) 13:42:53.20 ID:0A03xoAO
はいはい、隣のイケメンにタクミ盗られるんですね
わかります
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/27(水) 14:11:58.66 ID:oQ5EHAko
美男美女の話なんて・・・

続きが気になるから待ってるわ
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/27(水) 16:36:59.84 ID:YbwLM160
おい>>1は美男子だったか?
なにこの突如襲って来たもげろ感。
だけどいいエンディングであって欲しい感。
続き待つ。
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/27(水) 17:28:57.14 ID:E4Dk5bko
良かったなぁ、喋れて、うんうん
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/27(水) 19:04:36.20 ID:KwWJK6DO
続きまだー?
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/27(水) 19:10:54.35 ID:lQ2dXIDO
追いついた。
んで、どーなる?
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/28(木) 03:11:24.06 ID:bbEteTs0
続き気になる!
でも、ちょっとずつでいからじっくり書いてくれよな!
194 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:31:07.57 ID:NfozyOM0
すみません。俺は少なくとも美男子じゃ無いです。
中山きんに君に似てます。ちなみにタクミは・・・誰に似てるんでしょうか?
よく分かりません。高校生の時は、肩までの髪で身長が160cmで細かったです。
目が大きくて可愛かった。脳内で好きに変換して下さい。
195 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:32:07.45 ID:NfozyOM0
取り合えず書けたものを書き込みます。

夏休み中、俺達は激しい練習をした。
毎日、毎日厳しい練習に皆よく耐えて脱落者も出ずに夏休みを終えたんだ。

たまに練習の休憩時間とかに給水器の前でタクミと会う。
その時はお互い軽く手を挙げたり、「お疲れ」と挨拶を交わす様に成っていた。
その瞬間、ドキドキする。胸が高鳴る。
俺は中学の頃に有ったタクミへの恋心が再び現れ始めていた・・・
196 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:32:59.67 ID:NfozyOM0
9月に入ると俺達は秋の大会が始まる。
高校のアメフトは秋の大会がメインイベントだ。

都道府県毎に地区大会が開かれ、勝ち上がって来た学校が全国大会に出場出来る。
そして東日本と西日本に別れて全国大会が開かれて、
クリスマスシーズンに開かれるクリスマスボウルに東日本の代表と西日本の代表が一騎打ちで日本一を決めるのだ。
197 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:33:55.63 ID:NfozyOM0
地区大会の前日、先生は俺達に発破をかけた。

「よく頑張って来たな」
先生はそう言って俺達を見た。

「俺が大学時代の監督に言われた事が有る・・・」
先生は少し上を向いて再び続けた。


「奇跡は・・・奇跡は最後まで努力した人間にだけ訪れる・・・!」


先生は少し笑い、俺らを見渡した。
198 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:34:47.44 ID:NfozyOM0
「どんな事態に成っても、どんな展開に成っても、絶対に最後まであがけ!最後まで努力をし続けろ・・・!」

先生はそれだけ伝えると軽く息を漏らした。
そして大声で叫んだ。

「絶対に勝つ!!!!!!分かったな!!!!!」
「はい!!!!!!!」

先生の一言に俺達も大声で叫び返していた・・・



正直ね。
高校生の頃の俺にはその言葉の意味は完全には理解出来なかった。
でも今の俺には深く身に染みてるよ。
199 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:35:44.17 ID:NfozyOM0
大会が始まり俺らは一回戦を僅差で突破した。
そして、勢いに乗った。
地区大会を俺らは勝ち上がって行く。
一回戦は応援席に誰も見に来て無かったが、大会が進むにつれて、親が見に来て学校の奴らも少し見に来る様に成った。

まあ、見に来てる女子の殆どが福山目的なのがムカついたけどね。
そして、俺達は遂に全国大会の切符をかけた一戦に辿り着く事が出来たんだ・・・
200 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:36:37.42 ID:NfozyOM0
その一戦の前日に練習を終えた俺達は着替えをして部室を出た。
俺と福山がいつもの様に二人で家に帰る。
すると校舎の石段で三年生の先輩達が防具を付けたまま座っていた。

「あ、お疲れ様です・・・」俺と福山がそう言って頭を下げた。
「おう、おつかれ!」先輩達が笑顔で応えてくれる。

俺らがペコリと頭を下げて行こうとすると、先輩の元キャプテンの人が俺らを呼んだ。

「石田、福山」
201 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:37:47.75 ID:NfozyOM0
俺らは振り返る。
「はい・・・」
元キャプテンは笑顔で立ち上がりそして言った。

「・・・ありがとな・・・」

そう言って笑う。
「え・・・なんすか・・・急に・・・」
「お前らが入って来て良かったよ・・・本当に・・・ありがとな」
それだけ言うと照れ臭そうに手で「行け」と追いやる。

俺と福山は顔を見合わせて笑った。
「こっちこそ・・・残って貰ってありがとうございます・・・本当に感謝してます・・・」
そう言って頭を下げた。

先輩達は恥ずかしそうに「うるせー」とか「本当は鬱陶しいと思ってるだろ」と照れ臭そうに言っていた。

俺らは「明日勝ちましょうね!」と言って帰って行った・・・
202 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:38:43.66 ID:NfozyOM0
翌朝、俺は目が覚めると気合いを入れた。
試合の時、異様にドーパミンが噴出される。
気持ちが高ぶり、早く試合がしたくなる。
緊張よりも高翌揚感が一杯に成るんだよ。

既に母親が弁当を作ってくれていた。
母親は最初あれだけ大反対したのに今ではすっかりアメフトを見るのが好きに成っていた。
俺が初めて目立てるフィールドに立てたからだろう。
203 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:39:35.39 ID:NfozyOM0
家から出ると調度、タクミが出る時と重なった。

「おはよう」タクミが笑顔で言う。
「うぃっす」俺も笑顔で応えた。
「今日さ、私達も午前中だけ練習して午後からシンヤの試合を見に行く事に成ってるよ」

タクミはすっかり俺を『シンヤ』と昔の様に呼ぶ様に成っていた。
今日は学校側が運動部を強制的に応援に駆り出した。
俺ら的には応援が有った方が嬉しい。

「ありがとう」俺は素直に礼を言う。
「ううん、頑張って!!絶対勝ってよ!」

タクミがそう言って笑顔で送り出してくれた・・・
204 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:40:27.46 ID:NfozyOM0
試合前に俺らはハドルと呼ばれる円陣を組む。
そこで雄叫びを上げて自分のドーパミンを最大限噴出させて試合に臨むんだ。
そして決戦が始まった・・・!


試合は一進一退の攻防が続く。
俺はオフェンスで点を取り、ディフェンスでも相手を止める。

そして試合は大詰めを迎えた。
ラスト残り三分を切った時に俺達は21対17で勝っていた。

だが、相手にタッチダウンを決められると、逆転される立場ではいたんだ。
205 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:41:30.70 ID:NfozyOM0
残り二分を切った時に俺達はオフェンスだった。
このままゆっくり攻撃して時間を流せば俺らの勝ちが確定する。
相手はタイムアウトが残っていない。
アメフトは時間をいかに上手く使うかの勝負でも有る。


でもね・・・
先生が最初に大会前に俺達に言った。
「奇跡は最後まで努力した者に訪れる」と・・・

俺はね、どこかに「勝った」と言う安心感が有ったんだろう。
まだ勝負の真っ只中なのにね。
本当に俺は馬鹿だよ。
206 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:42:32.66 ID:NfozyOM0
俺達は時間を流す為にランプレイをしていたんだ。
QB(クオーターバック)の福山から俺はボールを渡されて走る。
かなり掻き回した後に、相手のタックルで止められた・・・・


その時だった。


腰に激痛が走る・・・!
え・・・?

誰かのヘルメットのフェイスの部分が俺の腰に入った様だった。

ヤバい・・・!!
ヤバいのは俺の怪我じゃ無い。

もしも俺がこのまま立ち上がれずに居ると審判がレフリータイムアウトと言って時計をストップさせてしまう。

せっかく時間を流しているのに止められたらマズイ!!
207 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:43:28.15 ID:NfozyOM0
俺は急いで立ち上がろうとする・・・

だが、俺の体が上手く立ち上がれない・・・!
よろける・・・

ヤバい・・・!
審判に見つかったらマズイ・・・


気力を振り絞り・・・
俺は立ち上がった・・・!!


そこからの記憶が少し曖昧に成ってる。
208 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:44:24.72 ID:NfozyOM0
ピッピー!!!!

笛の音が鳴り響いた・・・
時計が止まっていた・・・


俺はタンカに乗せられてフィールドの外に運ばれる・・・

マズイ・・・
ベンチで先生が駆け寄ったのを覚えている。
先生が俺を心配していた。

だが、ベンチに戻ると痛みは疼く程度でゆっくりなら立ち上がれる・・・

なんでさっきは立ち上がれ無いんだ!!!!
俺はヘルメットを投げた。
209 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:45:26.55 ID:NfozyOM0
目の前で福山達が必死に時間を稼いでいた。


しかし・・・残り『8秒』を残し攻守交代に成る・・・


俺はその『8秒』と言う数字が頭にこびりついている。
そこからはテレビで見ていた様な風景だった。

恐らく、ビデオで何回もその試合を見たので、そんな感じなんだろう・・・
210 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:46:22.18 ID:NfozyOM0
俺達のチーム全員が必死でディフェンスしていた・・・

福山が俺の背中に手を回して必死に声援を送っている情景が目に浮かぶ・・・

残り2秒で始められた相手チームの最後の攻撃・・・

相手のQBがロングパスを投げる前に、


ビー!!!!



と言う試合終了のアラーム音がフィールドに響いた・・・
211 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:47:39.09 ID:NfozyOM0
俺達の学校の応援に来ている奴らが大歓声を上げる・・・

勝った・・・!そう思ったんだろう。


だが、アメフトは時間内に始められたプレイは有効に成るんだ・・・
俺はその瞬間をスローモーションで記憶している。
212 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:48:35.15 ID:NfozyOM0
ロングパスは長い滞空時間を経て相手チームのレシーバーがボールを受けとった・・・

そしてレシーバーは一気にゴールを目指し走る・・・!
俺らのチームのディフェンスが必死に追い掛けていた・・・!
歓声が遠くに聞こえる・・・!
追い掛けるディフェンスのチームメイトの手が伸びる・・・!


「とめろー!!!!!!!」


誰の声なのかは分からない・・・
先生なのか、福山なのか、それとも俺自身の声なのか。
213 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:49:33.65 ID:NfozyOM0
だが、ディフェンスの奴の手は空を切り・・・
相手チームのレシーバーは・・・・


タッチダウンエリアに舞い降りた・・・!!


相手の応援席からの大歓声が上がり、審判がタッチダウンのジェスチャーをした瞬間に・・

全員がフィールドにしゃがみ込んだ・・・
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/28(木) 11:49:56.50 ID:KEJeq/go
(´;ω;`)ブワッ
215 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:50:31.96 ID:NfozyOM0
隣に立つ福山はよろけてベンチに座り込んだ・・・

え・・・?

俺は一瞬何が起きたか理解が出来なかった。

負けた・・・?負けたのか・・・?。

俺の脳でそれを理解するのに数秒かかった。

負けた・・・負けたんだ・・・

そして俺は痛感した。

俺のせいで・・・負けた・・・!
俺が時間を止めたばかりに・・・
俺が立ち上がれないばかりに・・・


負けた・・・
216 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:51:24.18 ID:NfozyOM0
先輩が俺の肩に手を置いて、最後の挨拶に向かわせる。
俺は何も出来なかった。
最後に互いのチームが円陣を組みキャプテンがその円陣の中心でエール交換をするのだが、俺の声は聞き取れない位の小ささだった。

応援席に挨拶をし終わった後も俺はただ呆然としていた。
217 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:52:17.66 ID:NfozyOM0
負けた・・・俺のせいで・・・

試合後に俺らは円陣を組み先生が一言を言う。
先生は泣いていた。
だが、何を言ってたか覚えて無い。
福山が泣いていたのを覚えている。
先生に俺が指名されキャプテンとして一言を言う。

だが、俺は円陣の中心に立ち皆の前に立っても言葉が出て来なかった。
何かを喋り始めたが、何を言っているのか分からない。
218 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:53:13.19 ID:NfozyOM0
そして言葉が止まる・・・

負けた・・・あそこまで行って・・・
俺のせいで負けた・・・!

その瞬間俺の目の前に、あの立ち上がれなかった情景が浮かんだ・・・
そして大粒の涙が溢れて、俺は声を上げて泣き出した・・・

そのまま両膝と両手を地面に付けて声を上げた。


「すびばぜんでじだー!!!!!」
219 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:54:05.96 ID:NfozyOM0
俺は涙で何を言っているか分からない。

「俺のぜいで!!!!!俺のぜいで・・・・俺が時間を止めだぜいで・・・!!!!」

俺は狂った様に謝り出す。
すると元キャプテンが俺の前に来て俺の肩を抱いた。

「お前のせいな訳ねーだろうが!!!!!!」

そして俺を立ち上がらせた。

「しょーもねー事言うんじゃねー!!!!!!!誰もお前のせいなんか思う訳ねーだろーが!!!!お前が居たからここまで来れたんだろーが!!!!」
220 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:54:57.76 ID:NfozyOM0
そう言うと元キャプテンも泣き出した。
全員が泣いていた。
元キャプテンは俺を抱きしめると泣きながら言ってくれた・・・

「ありがとな・・・本当にありがとう・・・」

30人のむさ苦しい少年達はグスグスと言いながら泣きつづけた。
青春映画かよ。
221 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:55:48.13 ID:NfozyOM0
着替えた後に先輩達が俺と福山と一緒に写真を撮る。

「記念だ!記念!」

そう言って皆で騒ぎながら写真を撮り続けた。
「お前らは絶対有名選手に成るから自慢すんだよ!」と言ってくれた。

解散して皆がバラバラに帰る。
俺と福山はいつもの様に二人で帰った。
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/28(木) 11:55:51.40 ID:KEJeq/go
>>220
> 30人のむさ苦しい少年達はグスグスと言いながら泣きつづけた。
> 青春映画かよ。

そうとしか見えんがなww
223 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:57:22.26 ID:NfozyOM0
しばらく黙って歩いたが福山が突然笑い出す。
「何だよ・・・」
俺が言うと福山は笑いながら俺の肩を叩いた。

「ドジを踏みやがって!」
「痛くて立てなかったよ・・・」

俺も笑う。

「あれが一年の奴だったらボコボコにしてる」
「お前の後輩じゃ無くて命拾いしたよ」

俺らは笑った。

その時「さいならー!!」と言う声が聞こえた。
振り返ると相手チームの奴らが頭を下げていた。俺らも返礼した。
相手チームが通り過ぎると俺は思わず呟いた。

「アイツら・・・・全国に・・・行くんだな・・・」
224 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:58:52.56 ID:NfozyOM0
俺の言葉に福山も呟く。
「ああ・・・」
俺は夕日で赤く染まった空を見上げた。

「悔しいなあ・・・」

俺はそう言って拳を握りしめる。
福山は何も言わずに、ただ軽く頷いていた・・・
225 :1 [sage]:2010/01/28(木) 11:59:45.99 ID:NfozyOM0
地元の駅に到着して福山と飯を食った。
福山と別れた後に俺はゆっくり家に向かう。

俺はタクミに会いたかった。
タクミと無性に会話がしたく成っていた。
幼なじみの漫画とかだったら家の前でタクミが待ってたりするんだろうが、現実には有り得なかった。

家の前に到着してタクミの部屋を見る。
家に居ない様だ。電気が消えている。

まあ・・・タクミも部活をしてる訳だし・・・友達とも遊ぶだろうし・・・俺を待ってたりは・・・

しねーよな。
226 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:00:59.94 ID:NfozyOM0
俺は諦めて家に入った。
玄関先でいつもの様に靴下とか脱いでユニフォームと一緒に洗濯カゴに入れに行く。
これをしないと母親がうるさいんだ。

俺はリビングを素通りして、2階の自分の部屋に向かった。
母親が俺に気が付いてリビングから出て来た。
「シンヤー!今日残念だったねー!」
うるせえよ。
「ああ」高校生の男子は親に無愛想だ。

「あ、それからさー!」母親が続いて何かを言おうとする。
「あんだよー!!!いっぺんに言えよ!!!」

俺は叫びながら部屋のドアノブに手をかけて開けた。




「タクミちゃん来てるよー」



俺の部屋にはタクミが座っていた。言うのおせーよ・・・
227 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:02:10.12 ID:NfozyOM0
俺は焦った。
タクミは部屋でちょこんと座り俺の漫画を読んでた。
そして俺に気が付いて「お帰りー」と言って笑う。
「た・・・だいま・・・」
俺は余りの事にビックリしていた。

「ゴメンね・・・疲れてるのに・・・」タクミがそう言って謝る。
「あ・・・いや、良いんだけどさ・・・どうした・・・の?」

俺の言葉にタクミが反応した。

「そう!!!アメフト面白いねー!!!」

いきなりキラキラした目で俺を見て来る。はい?
228 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:03:22.17 ID:NfozyOM0
「私、初めて見たんだけどね!何、あの男のスポーツ!!めちゃくちゃ面白いんだけど!!!」

タクミは凄い興奮していた。

「あの、ゴチャゴチャした密集地帯からさ・・・シンヤがボールを持って抜けて来た時・・・ゾクゾク!ってした!!それでそのままゴールまで走った時・・・もう私、キャアアア!!!って叫んでてー」

タクミが楽しそうに話す。

まあ、正直ね。
このタクミの明るさは・・・凄く嬉しかった。
229 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:04:31.21 ID:NfozyOM0
タクミは一気にまくし立てた後に、ふと気が付いて言葉を止めた。

「・・・あ、残念だったね・・・今日・・・それでさ!あの人達のポジションなんて
言うんだっけ???」

かるっ!!!
軽すぎて笑えた。
もうタクミ最高。
コイツは選手だけあって、負けた奴の接し方を分かってるよ。
その位の軽さで充分なんだ。

俺は興奮して話すタクミの顔を見つめていた。
そして、俺はタクミにアメフトのルールを説明しながら、名試合のビデオをタクミに見せてやった。
俺とタクミのアメフト談義は夜中まで続いたのだった・・・
230 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:05:33.56 ID:NfozyOM0
翌日から三年生は引退して俺と福山が完全に仕切る。
なんだかんだ言っても三年生が抜けた穴はデカイ。
元々俺達のチームはガタイが小さい。
俺が一番大きく、ラインズと言って、俺達ランナーやQBとかの為に相手をブロックしてくれる奴らが小さい。

だから俺はいつも相手ディフェンスを弾き飛ばして走らなければ成らなかった。
だから何とか来年までに作り上げなければ成らない。
231 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:06:33.68 ID:NfozyOM0
そして、来年は絶対に勝つ!その思いで練習を続ける。
全国大会が始まり、その試合を見に行く。
俺は見ながら、歯ぎしりをしていた。

ちくしょー。羨ましいぜ。俺はそう思い益々気持ちが高ぶって行った・・・


秋が終わり、冬に成った。
年末に行われたクリスマスボウルを見終わり、福山と二人であーでもない、こーでもないと、これからの練習方針を話し合う。
駅に到着して福山がふと思い出した様に俺に言った。
232 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:07:56.58 ID:NfozyOM0
「あのさ」「ん?」
「お前冬休みに高橋と遊ばないの?」
そんな事をおっしゃる。

「え???」
「最近、お前ら仲良いじゃん」

福山がニヤニヤしていた。
確かに、あの負けた日からタクミと俺はよく喋る。
タクミが俺の家に来てアメフトのビデオを借りて行く様に成った。
すっかり奴はアメフトの虜に成っていた。

「あ・・・いや・・・」俺が曖昧に言う。
233 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:10:20.64 ID:NfozyOM0
福山は俺の肩をポンと叩くと告げた。

「いつまでも高橋が・・・一人だと思うなよ・・・」
「え?」
「あいつはモテるぞ。かわいいからなー」

福山の言葉に俺は焦り始めた。
「まあ、とにかく後悔だけはすんなよ、お前はアメフトでも不器用なんだから、とにかく真っすぐ突っ込むしか無いんだぞ!」
そう言って福山と別れた。
234 :1 [sage]:2010/01/28(木) 12:11:13.84 ID:NfozyOM0
すみません。書き溜めが以上です。
また書けたら続き書きます。
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/28(木) 12:11:51.26 ID:KEJeq/go
おつ
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/28(木) 12:15:31.48 ID:KvostT20
おつ
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/28(木) 12:16:12.25 ID:wRstEZYo
おっぱい!
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/28(木) 12:43:54.73 ID:i7pgDwAO
福山が掻っ攫っていきそうな流れだな
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/28(木) 13:33:35.19 ID:jzDKRy2o
おつ
俺にもそういう青春があったらなぁ
男子校だったけど
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/28(木) 13:50:33.60 ID:wy5KR8Ao
お疲れ

……俺の高校三年間に、そんな思い出はなかったなぁ
241 : [sage]:2010/01/29(金) 10:04:50.77 ID:VF88Vnw0
少し眠たいんですが、頑張って書き込みます。
242 : [sage]:2010/01/29(金) 10:05:57.21 ID:VF88Vnw0
家に帰るとタクミの家を見た。
タクミの部屋は電気が消えている。まだ帰って無い。
俺はどうしようかと悩んだ。

タクミを誘って断られたらどうしよう?めちゃくちゃ恥ずかしい・・・そして気まずい。
だけどこのまま何もせずに他の男に取られたらどうなんだろう・・・?めちゃくちゃ嫌だ。そいつを殴りたい。

うおー!!!!

俺は頭を抱えた。
誰か!!!誰かタクミに俺の事をどう思うか聞いてくれ!!!
243 : [sage]:2010/01/29(金) 10:08:00.55 ID:VF88Vnw0
俺は福山の家に電話をした。
福山は不機嫌そうな声で電話を代わる。
恐らく寝てたんだろう。
俺は福山に何を聞いたら良いか一瞬迷った。

「なあなあ、あのさ、俺って・・・どう思う・・・?」

いきなりそんな曖昧な事を言う始末。
「んぁ?」福山も変な声を出した。
「あ、いや・・・んー・・・」俺は困った。
「な・・・何・・・?」福山が少しビクついていた。

「あー・・・んー・・・やっぱり俺・・・好きなのかも・・・」

俺がそう言った瞬間に福山は黙る。
244 : [sage]:2010/01/29(金) 10:09:29.46 ID:VF88Vnw0
「いや・・・昔から・・・つーか、最近気が付いたつーか・・・」
俺は尚も口ごもりながらブツブツ続けた時、福山は口を開いた。

「ごめんなさい・・・」

は?

「俺は・・・お前の事は嫌いじゃ無いけど・・・無理だ・・・」

はあああああああ??????????フラれたー!!!!!!!
て、バカー!!!!!!

「違うわ!!!馬鹿か!!!しかもちょっとショックだ!!!!」
「え・・・?違うの・・・?」
「当たり前だ!!!高橋の話だあ!!!!」
「・・・ああ・・・」福山はホッとしていた
245 : [sage]:2010/01/29(金) 10:10:47.31 ID:VF88Vnw0
「いや・・・なんか、あいつが俺をどう思ってんのかな・・・と」
「うーん・・・微妙だな・・・」福山は呟く。
「そう・・・?」
「まあ、嫌いじゃ無い事は確かだけどな」
福山の言葉に少しホッとする。

「シンヤ」「ん?」

「どうせ、お前は不器用なんだからさ、当たって砕けろ」
「・・・砕けたら・・・後から気まずいじゃん・・・」
「そしたら一層アメフトに励め」

うおーい!!!それだけかよ!!!
福山はそれだけ言うと「幸運を祈る」と言って電話を切った。
246 : [sage]:2010/01/29(金) 10:11:46.17 ID:VF88Vnw0
俺はまた一人頭を抱えてベッドで跳びはねる。
何をしてるんだ俺は。タクミの部屋を見てみた。
タクミの部屋から電気が漏れている。
帰って来た。

ん〜〜〜


・・・俺が考え込んでいる時に、ふと壁に張ってあるアメフトのポスターが目に入った・・・

これだ・・・!
247 : [sage]:2010/01/29(金) 10:13:05.49 ID:VF88Vnw0
ピンポーン。
チャイムが響きインターフォン越しに声が聞こえた。
「はーい」タクミの母親の声だった。
「あ、シンヤです・・・こんばんは・・・」
「あら、シンヤちゃん、こんばんは、ちょっと待って」
おばさんはそう言ってインターフォンを置くと玄関を開けて出て来た。

「はいはい」笑顔でそう言う。
「あ・・・タクミ・・・居ますか・・・」
俺がそう言うと、おばさんは何故かニヤリとして、

「ちょっと待ってね・・・タクミー!シンヤ君よー!タクミとデートしたいんだってー!」

おい!!!
248 : [sage]:2010/01/29(金) 10:14:33.87 ID:VF88Vnw0
「ちょ・・・」俺が慌てると、おばさんはクスクス笑って中に入った。

何を言ってんだよ・・・
しばらくするとタクミが部屋から降りて来た。

「あれ?どうしたの?」タクミが笑顔でポッキーを食べながら言う。
「うっす・・・」俺はタクミの顔を見てドキドキして来た。

ヤバい緊張する。

「あ・・・いや、あの・・・バスケ部って冬休みは・・・どうすんの・・・?」
「ん?なんでー?」

タクミはポッキーをくわえた。
俺はドキドキして・・・そして、勇気が無くなった・・・
249 : [sage]:2010/01/29(金) 10:15:39.68 ID:VF88Vnw0
「あ・・・いや、あのー・・・あ、ちょっとアメフトの練習で・・・体育館を使えたら・・・って思ってさ・・・」

何故、そんな出鱈目を・・・
タクミはポッキーをくわえたままジッと俺を見ると「ふーん・・・」と答えた。

うわー絶対おかしいよ・・・俺、変だよ。

「どーかなー?一応、冬休みは29日から始業式まで練習は無いんだけど・・・他の部活が分からないし・・・」
おっしゃる通り。おかしすぎますよね。
「あ・・・ああ・・・そーだな・・・うん」
俺は曖昧な返事をした。
250 : [sage]:2010/01/29(金) 10:16:48.75 ID:VF88Vnw0
タクミは新たなポッキーを取り出す。
俺は恥ずかしく成って来た。
なんか変なのバレバレじゃ無いか・・・

いたたまれ無くなった俺は「分かった・・・じゃあ・・・」そう言って出ようとする。
すると・・・

「それだけ・・・?」

タクミが尋ねて来た。
「え?あ・・・いや・・」
タクミを見ると少し笑っている。その笑顔はまるで小悪魔の笑顔だった。
251 : [sage]:2010/01/29(金) 10:18:05.22 ID:VF88Vnw0
「それだけの用事ですか?」
尚もタクミは少し笑いながら言って来る。
俺の心を完全に見透かされている様だった。
「いや・・・あのさー・・・!」
もうここまで来たら言うしかない・・・!
俺は覚悟を決めた。

「あのー・・・ライスボウル見に行かない・・・?」
「ライスボウル?」
「うん・・・社会人のアメフト日本一と、大学の日本一が戦う試合なんだけど・・・行かない?」

俺はドキドキしていた。
252 : [sage]:2010/01/29(金) 10:20:02.47 ID:VF88Vnw0
自分ではサラリと言ったつもりだが・・・
タクミはポッキーをくわえたまま、少し斜め上を見た。
「んー・・・」
そう言ってタクミは少し声を伸ばした後に俺を見た。ドキドキ・・・

「・・・見たい」

っしゃああああああああ!!!!!!!!!!

「ホント???見たい????」俺は叫んでいた。
「うん!日本一上手い人達の試合でしょ?見たーい!!」
「年明けすぐに有るんだよ、行こうよ!」
「うん・・・!」

俺は心底ホッとした。
253 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/29(金) 10:20:35.80 ID:X6qf2QAo
私もドキドキしてます
254 : [sage]:2010/01/29(金) 10:21:11.82 ID:VF88Vnw0
それと同時に初めてタッチダウンを決めた時の気持ちを思い出した。
「じゃ、そう言う事で・・・」
俺がタクミの家から出ようとすると、タクミが「ねえ」と俺に言った。
「うん?」俺がドアを開けようとして振り返る。
タクミはキラキラした大きな瞳で俺に悪戯っぽく笑っている。


「これってさ・・・デート・・・?」
255 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/29(金) 10:21:59.99 ID:hAbAKbMo
アメフト見に行こうってデートに誘ったら普通は断られそうだww
256 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/29(金) 10:22:40.29 ID:X6qf2QAo
かーちゃんのせいでややこしくなったww
257 : [sage]:2010/01/29(金) 10:23:07.88 ID:VF88Vnw0
タクミにそう言われ、俺は顔が赤く成るのを体感しながら、焦って言った。

「え???あ、???いや・・・え・・・」
シドロモドロだった。

タクミはクスクス笑い「楽しみにしてまーす!」そう言って手を振ってくれた。
俺は焦りながら「じゃ!!」と言い外に出て行った・・・
258 : [sage]:2010/01/29(金) 10:24:26.02 ID:VF88Vnw0
家に戻るとボーッとしていた。
玄関で靴を脱ぎ、何故か靴をそのまま洗濯カゴに入れてしまう始末。
母親が「あんた、なんで靴を入れるのよ!」と言っても
「うん、大丈夫」と訳の分からない事を答えていた。
部屋に戻り一人でニヤニヤする。

『これってデート?』

タクミの言葉を思い出していた。

デートですよ!デートに決まってるじゃない!ウヒヒ!
俺は一人喜んでいた・・・
259 : [sage]:2010/01/29(金) 10:25:49.97 ID:VF88Vnw0
冬休みの練習は30日まで行われた。
俺は舞い上がり過ぎてテンションがおかしい。
年明けが楽しみで成らなかった。
福山がニヤニヤしながら俺に近付く。

「テンション高いねーシンヤ君」「そーおー?」

明らかにおかしい。
福山は俺とタクミがライスボウルを見に行く事を知っていた。
俺が嬉しくて伝えたからだ。福山が小声で囁く。

「良い雰囲気の店をちゃんと調べとけよ」
そう言って俺の肩を叩いた・・・
260 : [sage]:2010/01/29(金) 10:26:53.62 ID:VF88Vnw0
大晦日の日の事だった。
俺と福山でカウントダウンイベントに行った。
福山は彼女が居るがいつも大晦日は俺と遊んでいたんだ。

「綿菓子食いてー」
またもや福山が子供が食べてる綿菓子を見ながら言った。
「買えよ」「50円しか無いナリ」
無いナリじゃねーよ。お前マジで金持って来いよ
261 : [sage]:2010/01/29(金) 10:28:01.71 ID:VF88Vnw0
「シンヤー、綿菓子奢ってー」
「絶対嫌だ」
「ケチだなぁ」

だが、いつの間にか福山が綿菓子を食べていた。
「あれ?お前、金無いんじゃないの?」
「カードで買った」
どこの世界にカードが使える屋台が有るんだよ。
で、なんで高校生がカード持ってんだよ。

福山はたまに俺にタカる。
まあ、俺にしかタカらないから周りからは嫌われないんだけどね。
262 : [sage]:2010/01/29(金) 10:29:06.79 ID:VF88Vnw0
「人多いな」「だなー」
俺らが愚痴っていると、突然「あー福山君だー!!」そんな女の声が聞こえた。
また福山か。
なんで二人居て福山をピンポイントで呼ぶんだよ。
振り返ると、そこにはバスケ部の男子と女子が10人位が立っていた。
「本当だー福山くーん」「あ、福山君だー」
女バスの奴らが口々に言う。もう福山は良いから。
「おっすー」福山が笑顔で言う。
男バスの奴らが少し不機嫌だった。君達の気持ちはよーく分かるよ。
263 : [sage]:2010/01/29(金) 10:30:40.76 ID:VF88Vnw0
バスケ部って事は・・・居た。
後ろの方にタクミも居た。

「どうしたの?大勢で」福山が尋ねる。
「バスケ部でカウントダウンを見に行こうって成って皆で来たの」
一人の女バスの奴が目をハートマークにしながら言った。

へー・・・何だよそのイベントは・・・俺の中で軽い嫉妬が生まれる。
男バスの奴らが俺に声を掛けて来た。
大半の男バスの奴らは俺達に友好的だ。
だが、一部の奴らは俺達・・・
と言うより福山を睨んでいた。
俺は知らん。

そして大半の意見で俺達も一緒にカウントダウンを見る事に成った。
264 : [sage]:2010/01/29(金) 10:31:40.75 ID:VF88Vnw0
俺はタクミをチラリと見る。
タクミは女バスの奴と喋っていた。

カウントダウン会場の電気が消えていよいよ新年に向けてカウントダウンが始まった。

「10、9、8、7・・・」

大勢の声による秒読みが始まる。
ふと隣に人の気配を感じて隣を見た。


タクミが側に立っていた
265 : [sage]:2010/01/29(金) 10:32:47.28 ID:VF88Vnw0
タクミも俺を見てカウントダウンの声を上げている。

「3、2、1・・・!」

ゼロに成った瞬間に夜空に花火が上がった。
そして会場を仕切っているMCが叫んだ。「ハッピーニューイヤー!!!!!」

大歓声が新年の夜空に響き渡った。俺はタクミを再び見る。
タクミも俺を見つめて微笑みながら声に成らない声で呟いた・・・

「おめでとう」と・・・
266 : [sage]:2010/01/29(金) 10:33:26.99 ID:VF88Vnw0
ごめん眠気が限界です
寝ますすみません本当に途中で
267 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/29(金) 10:34:33.41 ID:X6qf2QAo
全然大丈夫ですええ
ゆっくりお休みになってくだしあ><
268 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/29(金) 10:35:00.98 ID:hAbAKbMo
おつ
俺の年末は年越しバイトだった
うらやましいな、おい
269 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/01/29(金) 11:17:44.74 ID:pHJQPdwo
ちくしょう、羨ましいぜ……俺にもそんな青春が欲しかったぜ
270 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/29(金) 13:22:31.83 ID:PY/XawDO
お前、最低男か?
271 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/01/30(土) 12:10:42.11 ID:xOpxwwAO
>>1は大学生か?
とりあえず見てます
272 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/31(日) 00:29:47.26 ID:twbA6wDO
今日は書かないのかな?
273 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:27:28.65 ID:ZLsm.3A0
すみませんでした。回線の調子が悪くて書き込み出来ないし・・・色々困っておりました。
やっと復調したので書き込みます
274 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:33:19.56 ID:ZLsm.3A0
年明けのすぐにライスボウルは開かれる。
ライスボウル前日、俺は出場する選手以上に緊張していたと思う。
俺は福山から貰ったお洒落なご飯を食べさせてくれる所をチェックする。
予習は完璧だ。後は明日の待ち合わせ時間に遅れない様に早く寝るだけ・・・

が、寝れない。
試合前でもこんなに緊張しないぞ・・・
俺の頭は羊が千匹を越えた辺りで更に冴えだした。
ヤバい・・・ヤバすぎる・・・

だが、いつの間に眠ってしまった・・・
275 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:34:27.05 ID:ZLsm.3A0
少ない睡眠時間に関わらず俺は朝6時に目が覚めてしまった。
恐るべき体内時計。

俺はとにかく待ち合わせの時間まで髪型を弄りまくった。
結局いつもの髪型にしたんだけどね。
待ち合わせ場所は駅だった。
昨日、俺が家の前で待ち合わせれば?と提案したが、
タクミに「デートらしく駅でしょ、そこは」と言われ駅で待ち合わせる事に成ったのだった。
ドキドキしながら駅へ向かう。
こんなにドキドキして駅への道を歩くのは初めてだった。
276 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:35:35.00 ID:ZLsm.3A0
俺は調度、待ち合わせの5分前に到着する。
が、先にタクミが駅で待っていた。
俺は遅れたかと思い急いで駆け寄る。
が、タクミは俺に気が付いて笑顔で手を振った。
「ゴメン、遅れた???」
俺が慌てて尋ねる。
「ううん、私が早く来過ぎただけ」
そう言って笑った。
その時、タクミのメイク姿にキュンキュン来たのを覚えている。

俺は緊張で上手く喋れなかったらどうしようかと思ったがタクミの
「デート楽しもうね!」と言う無邪気な一言で気が楽に成った。
277 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:36:55.70 ID:ZLsm.3A0
ライスボウルが始まり俺達は観戦する。
タクミが興味津々で色々と俺に質問して来ていた。
俺はその都度解りやすく教える。

試合はどんどん進み、いつの間にか俺は同じポジションの人間を見ていた。

上手いなー。
そして、ラインがデカイから皆よくランナーの為に道を開けてる・・・
走りやすいだろうな・・・

俺が真剣に観ていると気が付けばタクミが質問をしなくなっていた。
俺も、それに気が付いてタクミを見た。
278 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:37:56.21 ID:ZLsm.3A0
タクミは両手で頬杖を付いて俺を見つめていた。
「あ、ゴメン・・・ちょっと見入ってたよ・・・」
俺が謝るとタクミは微笑んで俺に言う。
「ううん、良いよ・・・見てて」
「あ、見るけどタクミも分からない事が有ったら聞けよ」
「うん・・・!」
タクミはそう言って笑う。

試合が終わったのは夕方だった。
「面白かったー!!!めちゃくちゃカッコイイんだけど!!!」
タクミはそう言って興奮した顔で話す。
「高校生とはスピード感が違うだろ?」

俺らはそんな事を話ながらドームを後にした。
279 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:39:01.82 ID:ZLsm.3A0
俺は師匠の福山様から指南されたデートスポットを周り、そのまま夕飯を食べに行った。

楽しかったなー。

ご飯を食べている時にタクミが言って来た。
「さっきの試合中・・・」
「ん?」
「さっきの試合中・・・シンヤ自身も試合の時みたいな表情してたね・・・」
そう言って笑う。
「え?そう?」
俺の返事にタクミは頷く。
「あの秋の試合の時・・・シンヤのあんな真剣な表情を初めて見た・・・」
「俺はいつでも真剣でしょ」
俺の一言にタクミはクスクス笑う。
280 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:40:07.03 ID:ZLsm.3A0
「でね・・・シンヤがさ・・・負けて泣いてたじゃん・・・」
タクミはストローの先を触りながら話す。
「あれは嘘泣きだ」
「バカ・・・」
二人で笑った。

そしてタクミは頬杖を付いて俺を見つめた。

「なんか・・・私も切なく成ったよ・・・」

タクミはそう言うと恥ずかしそうに下を向いた。


ドキッとした・・・
どうなの・・・これ。
行けるのか・・・?行けるの??
俺は急に飯が喉を通り難くなる。
大飯喰らいの俺が・・・
281 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:41:31.31 ID:ZLsm.3A0
食事を終えて家路に着く。
地元の駅に到着して夜道を二人で歩いた。タクミと色んな話をした。
友達の噂話から将来の夢まで。
「私は外大に行きたいんだ・・・」
タクミがそう言う。
「なんで?」
「通訳に成りたいの」
「ほー」
「スポーツ関係のね、で、NBAの選手が来たら会えるかなと」
タクミがそう言って笑った。
282 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:42:28.92 ID:ZLsm.3A0
「タクミ軍団を形成してた、あのタクミさんが通訳ですか・・・」
「それは言わないで!」
タクミが笑いながら俺の肩を叩いた。
「いやいや、お前何人の人間がお前に泣かされたんだよ」
「泣かしてません!」
「どの口が言うんだよ!まず俺に謝れ!」
俺らはケタケタ笑った。

笑い終えた後にタクミが言って来た。

「シンヤはどうするの・・・?」
「え?」
「アメフトで大学行くの・・・?」

タクミの言葉に俺は笑った。
283 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:43:31.81 ID:ZLsm.3A0
「まさか・・・!どこもスカウトなんか来ないよ・・・」
俺がそう言うがタクミはジッと俺を見つめていた。
「まあ・・・大学に行ってもアメフトは続けたいけど・・・」
「ライスボウルに出る?」
「出たいな・・・」
「出れるよ、きっと・・・」
「どうかな?」
俺は笑う。

「大丈夫!絶対に出れるって!」

タクミにそう言われると本当にそう成りそうで、ワクワクして来た。
そして笑顔でタクミが話続ける・・・


冬の夜空の下のあの会話はいつまでも俺の記憶に残り続けている・・・


284 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:44:23.07 ID:ZLsm.3A0
翌日から俺は毎日をドキドキして過ごした。
学校の廊下でタクミとすれ違う時、小さくタクミが手を振ってくる。
俺も軽く手を挙げて応える。
その度に福山がニヤニヤしながら俺の脇腹を突いて来た。
家に帰ってから、たまに家の前で二人で喋った。
寒い夜に関わらず二人で暖かい飲み物を飲みながら語り合った。

毎日が幸せだったんだよ・・・
285 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:45:44.27 ID:ZLsm.3A0
2月14日の前日。
福山が俺に言って来た。
「明日楽しみだな!」「え?」
福山の問いに一瞬なんの事だか分からなかった。
「バレンタインに決まってるだろ・・・!」
ああ・・・俺はそれでもピンと来ない。
そんなもん一回も貰った事ねーし。

俺がそう思っていると福山が顔を俺に近づけて言った
「高橋・・・お前にチョコくれると思うぜ・・・!」
なんだとおおおおおお!!!!!!!!!
俺は焦って福山を見つめる。
福山は尚もニヤニヤしながら、俺の肩に手を回して来た。
「とりあえず、ホワイトデーのお返しをどうするか考えろよ」
俺はドキドキして来た。

マジで??本当にくれるのか???・・・
286 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:46:38.11 ID:ZLsm.3A0
翌日。
俺はタクミがチョコレートをくれる事を期待していた。
朝からソワソワしている。

だが、中々タクミは現れない。
廊下ですれ違ってもタクミはいつもの様に軽く手を振るだけだ。

あれ・・・?俺は不安が出て来た。
ひょっとして・・・俺の勘違いなのか?
タクミはそんな気持ちは無いんだろうか?

不安が広がる。
287 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:47:43.73 ID:ZLsm.3A0
練習中も少し集中力が無かった。
練習が終わった時もタクミを待ったが現れない。
何と無く体育館を見に行くがバスケ部は既に練習を終えて帰っていた。

俺はショックだった。
何だよ・・・俺の独りよがりかよ・・・

部室に着替えに戻ると福山が着替え終わってニヤニヤして聞いて来た。
「どうだった?貰ったか?チョコ」
「・・・ねーよ」
「え?」
「全く有りませんけど・・・」
俺がブスっとしながら福山に言う。
288 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:48:30.89 ID:ZLsm.3A0
「マジで?」
「マジだよ」
福山は少し考える。
「でもなぁ・・・最悪、本命チョコじゃ無くても今のお前と高橋の関係ならば義理チョコ位は貰えそうなんだけどな・・・」
「それも有りませんよ」
俺は部室のベンチに座り込んだ。

「まあ・・・どうする・・・?俺のチョコ少し持って帰るか・・・?」
福山は袋に大量に入っているチョコを俺に見せて来た・・・

この野郎・・・
289 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:49:28.55 ID:ZLsm.3A0
家路に着く途中に俺はまだ期待を捨てて無かった。
ひょっとして・・・学校じゃ恥ずかしいから・・・家で貰えるのかも知れない。
そう微かな期待を胸に家路に着く。

家に帰り夕飯を食べる時に、ふと母親に聞いた。
「今日、タクミ・・・家に来なかった・・・?」
母親は俺の問いにチラリとだけ俺を見て「ううん、来てないけど」そう答えた。

いつ来るんだよタクミちゃん。
290 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:50:18.31 ID:ZLsm.3A0
だが、いつになってもタクミは現れない。
風呂も入り俺は部屋でタクミの部屋を伺う。
タクミの部屋は電気が既に消えていた。

おおおおい!!!!何寝てんだよ・・・
もうすぐバレンタインデー終わっちゃうよ!!!

俺は部屋の中をウロウロする。

タクミは俺の事をどうでも良いと思ってるんだろうか・・・
気持ちが通じ合ってると思ったのは俺だけで・・・
やっぱり独りよがりなのか・・・
291 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:51:37.25 ID:ZLsm.3A0
俺がそう思いながら時計を確認する。
もうすぐ12時だ・・・バレンタインデーはタイムアップだ。

もう駄目か・・・

そう思い再度タクミの部屋を見ると・・・
タクミの部屋に電気が灯った。

え・・・?

するとカーテンが動きタクミが現れた。
俺は一瞬隠れようか迷ったが既にタクミは窓を開けて俺を見た。
逆光でタクミの表情がよく見えないがタクミは手を挙げて俺に挨拶をする。
俺もそれに応える。
292 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:52:41.72 ID:ZLsm.3A0
そしてタクミがジェスチャーで家の下を指している。
俺は軽く頷いて階段を下りて家の外に出た。

家の外ではタクミがダウンを羽織り既に俺を待っている。
「良かった・・・起きてて・・・!」
タクミがそう笑顔で言った。
「うん・・・」

俺は曖昧に返事をするとタクミが少し恥ずかしそうに小包を俺に渡してくる。

え・・・?
293 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:53:24.93 ID:ZLsm.3A0
「ごめん、本当は昨日までに作り上げるつもりだったんだけど・・・私作った事が無かったから失敗ばっかりで・・・」
そう言って俺に渡したのは・・・

チョコレートだった・・・

「で、さっきまで掛かったの・・・シンヤが寝てたらどうしようかと思ったけど・・・起きてくれてて良かった・・・」
タクミは笑顔でそう言う。
俺は胸の中に生まれて初めて経験する感動が現れた。
294 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:54:29.88 ID:ZLsm.3A0
タクミが俺の為に手作りチョコを作ってくれた・・・

「あ・・・ありがとう・・・」
俺がそう返事をする。

「どういたしまして・・・!」
タクミも照れた様に笑った。

「ええっと・・・今・・・食べて良いものなの・・・こう言うのって・・・」
俺が聞くとタクミも少し首を傾げる。
「どうなの・・・?私も初めて渡したから・・・」
「俺も初めて貰ったから・・・」
二人で笑った。
「食べるね・・・!」
俺はそう言うとタクミも「うん!」と返事をした。
295 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:55:34.30 ID:ZLsm.3A0
包みを丁寧に剥がしてチョコを取り出した。
チョコは色んな形で区切られており6個位有った。
「頂きまーす」
そう言って俺は一つを食べる。
タクミは真剣な表情で俺を見つめていた。
口の中にチョコの甘い味が広がり香りが鼻から抜けていく
「・・・どう?」
タクミは緊張した顔で俺を見る。

「・・・美味い・・・めちゃくちゃ美味しい・・・!」

そう言った瞬間タクミがホッとした表情を浮かべた。
「良かった・・・」
296 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:56:43.14 ID:ZLsm.3A0
「本当に美味しいよ・・・!ありがとう・・・」
俺は生まれて初めて貰ったチョコレートに感動をしていた・・・
それが原因かは分からないが・・・
俺は何も考えずにタクミに呟いた・・・




「て言うか・・・好きな人が作ってくれた物だったら・・・全て美味しいよ・・・」




297 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:57:30.45 ID:ZLsm.3A0
俺はそう言った瞬間にビビッた。

うわああああああ!!!!!

何をサラリと言ってんだよ・・・俺は・・・
すぐにタクミの顔を見る。
タクミも大きな瞳を更に大きくして俺を見つめていた。
二人の間の時間が止まる。

俺は時を止める魔法を使えるんだ・・・
何故かそんな馬鹿な事を思っている冷静な俺がいた。
298 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:58:14.14 ID:ZLsm.3A0
しばらくした後にタクミは下を向いた。
俺は何をどう言って良いか分からない。
俺は今更何か言い訳をしようと考えるが良い言い訳が思いつかなかった。

当たり前だ。
と言うか今更言い訳したら駄目だろ・・・

俺とタクミの間にかなりの時間が流れて行く。
そしてタクミが・・・口を開いた・・・
299 :1 [sage]:2010/01/31(日) 05:59:33.52 ID:ZLsm.3A0
「ええっと・・・」
タクミの言葉に俺は喉がカラカラで何も応えれない。
タクミは自分の指を触りながら下を見つめていた。
そして再び口を開く。

「ええっと・・・それって・・・あの・・・」

タクミもなんて応えて良いか分からない状況の様であった。
俺もなんて言って良いのか分からない。
ただカラカラの喉で絞り出す様に呟いた言葉は・・・

「・・・そうだな・・・うん・・・そうみたいなんだ・・・」

煮え切らない・・・なんて曖昧なんだ・・・

「そう・・・なんだ・・・」

タクミもよく分からない言い方をする。何なんだ俺達は。
300 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:00:25.47 ID:ZLsm.3A0
そしてまたもや俺達は黙り込む。
俺の心臓はバクバクで血液達が全力疾走で酸素を体内に供給している。
血液達の頑張りと反比例して俺は益々弱気に成っていく。

頑張れ!
もうここまで来たら言うしか無いんだ。
もうちゃんと正式に言え!中央突破だ!!!!
俺は下唇を噛み締め、そして目の前に居る最愛の幼なじみに・・・



想いを告げた・・・
301 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:01:03.43 ID:ZLsm.3A0
「・・・好きだ・・・!」



そう言った瞬間にタクミが顔を上げる。



「好きなんだ・・・俺はお前が・・・好きなんだ・・・!」



言った後に俺は少し体が震えた。
302 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:01:50.95 ID:ZLsm.3A0
目の前で真っ直ぐに俺を見つめているタクミが夢の世界の様で、妙に非現実的に思えた。
タクミの表情が昔に俺と遊んでいた頃のタクミに思えた。
少年の頃のタクミ・・・


どの位の時間が経過したのか・・・
ほんの一瞬だったのか、それとも何時間だったか・・・
タクミの瞳が紅く染まる・・・

そして一筋の涙がタクミの頬を流れ始めた。
303 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:02:42.78 ID:ZLsm.3A0
タクミは手の平で涙を拭う。
そのまま手で顔を覆った。

「タクミ・・・」

俺はタクミに近付いた。
タクミは涙を拭きながら俺を見上げる。
そして笑った。

「タクミ・・・」

俺はもう一度呟いた。

タクミは「ん・・・」と言う一言と共にもう一度涙を拭い俺を見上げて・・・



応えた・・・
304 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:03:17.26 ID:ZLsm.3A0
「私も・・・好き・・・!」




その瞬間の思いは言葉に言い表せない。
ただ俺はその一言を受け取った瞬間に地面にへたり込んでいた・・・


その日に俺とタクミは付き合った・・・
305 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:04:02.61 ID:ZLsm.3A0
翌朝に目が覚めた瞬間に俺は昨日の事が夢じゃ無いかと思った。

それほど非現実的な出来事の様に思えたからだ。
だけど机の上に置いてあるタクミから貰ったチョコレートを見て現実で有る事を理解した。
朝練の為に俺は出掛ける。
タクミは今日は朝練無いのだろうか・・・?
そんな思いを胸に出掛ける。
306 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:04:56.15 ID:ZLsm.3A0
歩きながらもタクミを探した。
キョロキョロしながら歩く俺は気違いの様だったんだろう。
しばらくフラフラと歩いていると違う生徒にぶつかった。
俺は謝りながら尚もキョロキョロとしながら歩く。

後ろから頭を叩かれて振り返ると福山がいた。
「何してんだよ」
福山が不思議そうに尋ねる。
307 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:05:48.78 ID:ZLsm.3A0
「あ・・・いや・・・ちょっと調査を・・・」
「え?」
訳の分からない言い訳をする。

福山は俺の腹を軽く裏拳で殴ると「言え」と言った。
「な、何をですか・・・」
「お前と何年付き合ってると思ってる?何が有ったか言え」
なんと鋭い奴なんだ・・・
「あ・・・いやさ・・・」

俺は昨日の話を福山に告げた。
308 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:06:45.46 ID:ZLsm.3A0
最後まで聞き終わった福山は俺の腹に今度は正拳で一発いれた。
「やったじゃん!!!!!」
福山はそう言いながら再び俺にボディを入れる。
「いや・・・ング・・・痛い・・・痛いよ・・・」
そのまま福山が笑いながら頭を叩いてくる。
何なんだお前の祝いの表現は。

「さあ、次はチュウして・・・初エッチだ!!!!」
福山の声が朝の街に響く。
「声でけえ!!!!」
「いやいや!!!!ハハハハハ!!!!」

福山は笑いながら何度も俺の頭を叩いていた・・・
309 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:07:26.36 ID:ZLsm.3A0
朝練が終わり授業が始まる。
俺は休み時間に廊下に出てタクミのクラスに向かう。
タクミは教室で同じバスケ部の女子と喋っている。
タクミと喋りたかったが、どうやら無理の様だった。

そのまま教室に戻り授業を受ける。
よっぽど授業に集中して無かったのか、その日は何度も先生に当てられた。
310 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:08:12.08 ID:ZLsm.3A0
部活が始まる前に俺は防具を付けたまま体育館に向かう。
タクミを探す為だ。

だが、既にタクミは部員と一緒に軽いアップを行っている。
俺はしばらくタクミを眺めた後に自分達の練習時間に迫っている事に気が付き急いで練習に向かった。
流石に練習中は集中出来た。

練習が終わり俺はいつもの様に個人練習をする。
311 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:09:50.95 ID:ZLsm.3A0
時計の針が7時を回った時に、福山が声を掛けて来た。
「シンヤー」「んー?」
福山は自分の個人練習を終えて俺の側に来た。
そして顎で校舎の石段を差した。

そこにはタクミが立っていた。

「早く行け」福山が俺の肩をそう言って押した。
俺は軽く走ってタクミの側に行く。
「お疲れ様・・・」
タクミがそう言って俺に微笑んで来た。
「あ、うん・・・お疲れ・・・」

「えっと・・・一緒に帰らない・・・?」

タクミがそう恥ずかしそうに言う。
「あ、うん・・・うん・・・もちろん・・・」
俺はそう言いながら何度も首を縦に振っていた。
312 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:11:27.95 ID:ZLsm.3A0
急いで部室に着替えに戻り制服を着る。
そして福山に先に帰る旨を伝えると
「アタシと言う人が有りながら別の女と帰るのね!」
と言われたので無視して帰ろうとすると、後ろから

「緊張しないで楽しめよ」

と福山が言ってくれた。
俺は頷いてタクミの側に行く。

「ゴメン、お待たせ・・・」
「うん、帰ろ」

タクミの笑顔に俺はキュンキュン胸がときめく。
二人で夜道を帰る事が俺は夢じゃ無いかと思った。
タクミが少し恥ずかしそうに歩く。
俺はタクミ以上にモジモジしながら歩いた。

キモ過ぎて今思い出しても恥ずかしい。
313 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:12:12.24 ID:ZLsm.3A0
ふと、会話が止まった時に、タクミが俺を見て呟いた。

「ねえ」「ん?」

タクミは少し下唇を噛んで恥ずかしそうに話した・・・


「私達・・・付き合ってるんだよね・・・?」


その一言で俺の気持ちが幸せで満ち足りて行く・・・
そうだ・・・俺達は付き合ったんだ・・・
実感が確実の物に成った。
314 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:13:13.77 ID:ZLsm.3A0
「うん・・・!付き合ったんだよな・・・」


そう言って俺はタクミに微笑んだ。
そしてユックリとタクミの手を・・・

握った・・・

タクミは一瞬ビクッとした後に照れた様に笑う・・・

「強引・・・!」
「俺もそう思う」

俺もそう言って笑う・・・




これが俺達の幸せな日々の始まりだったよ。

そして、もちろん幸せは永遠に続かないもんなんです。
315 :1 [sage]:2010/01/31(日) 06:14:11.92 ID:ZLsm.3A0
以上です。俺は少し仕事をして寝ます。
また書けたらすぐに書き込みをします。
お休みなさい
316 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/31(日) 07:52:06.90 ID:Pt/ZCoAO
寝取られだけは勘弁して…
317 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/31(日) 10:33:56.66 ID:2AkPX2AO
おつ

もげなくていいよ
318 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/31(日) 10:44:02.55 ID:59MhAIDO
面白いんだが…文体から切なさが滲み出ててぐっとくるな。
319 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/31(日) 12:49:47.01 ID:EbswYeY0
ちょっとごめん。
嫌な予感がするんだが...待ってる。
320 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/31(日) 12:51:50.21 ID:Mstk/TI0
きっとハッピーエンドが待ってると信じてる
321 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/01/31(日) 15:21:34.13 ID:dRTn95Mo
おつ
気になったんだけど
福山に彼女はいないのか?
322 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/01/31(日) 23:49:45.99 ID:QbQJmMAO
>>1は中山金に君
323 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/01(月) 00:57:20.14 ID:BdOoBe.o
…がね なんかすげー悲しい感じがしてせつな過ぎるわ

ハッピーエンド希望…
324 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:02:00.90 ID:puSxb1E0
ごめんなさい。俺の書き方が悪かったですね。
そんなに悲しい話じゃ無いです。
いや、まあ、んー・・・まあ先を読んでくださいw
325 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:03:05.46 ID:puSxb1E0
毎日が春とは正にこの事だった。

付き合ってからの俺達は毎日、毎日一緒に過ごした。
二人共、部活をしているので、中々遊びに行く機会が無かった。
だけど俺達は家に帰ってから二人で僅かな時間でも会った。
まるで小さい頃、毎日二人で遊んだ様に二人で顔を付き合わせる。

会う場所は公園だったり、散歩で有ったり、また家の前ですら俺達の逢瀬の場所だった。
俺達は必ず手を繋いでいた。
手を繋ぐ事が俺達の繋がりを断ち切らない為の鎖であるかの様だったんだ。
326 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:06:15.04 ID:puSxb1E0
そしていつしか、その鎖にキスが加わるのは時間の問題だったよ。
初めてタクミとキスした時、俺はガクガク震えてしまった。

夜の公園で二人で話している時に俺がタクミの肩に手を回したのがキッカケだった。
そしてタクミは俯いていたが、俺は左に抱いた肩から前に手を伸ばして、そのままタクミの顎をそっと親指で押し上げた。

顔を上げた時のタクミはジッと俺を見つめて・・・
ゆっくりと目を閉じたのだった・・・

もちろん、これは師匠の福山様から教わったキスの仕方だった。
327 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:07:32.27 ID:puSxb1E0
それからの俺達は会えば必ずキスが加わる事になる。

公園でも、帰り道でも、学校でもキスをした事が有った。

福山とよくダブルデートをした。
だが、福山の彼女の顔を覚える事が出来なかった。
何故なら毎回連れて来る女の子が違うからだ。
良い加減俺とタクミは福山に説教をしたんだよ。
ちゃんと一人に絞れと。
だけど、福山の良い所は絶対に二股を掛けない所だった。
必ず別れてから新しい彼女と付き合う。

まあ、そんな感じの日々であった。
328 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:08:15.01 ID:puSxb1E0
ある日、タクミと俺の部屋でゲームをしていた。
試験前で部活が休みだったのでタクミは一旦家に帰り珍しくスカート姿で俺の部屋に現れたのだった。

二人でゲームをして楽しんでいた。
そしていつもの様にキスをした。

タクミのスカート姿が原因か、はたまたタクミの背中に映ったブラジャーの線が原因なのかは分からない。
その時の俺は少し興奮状態だった。
329 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:09:13.22 ID:puSxb1E0
ゲームをしながらタクミの横顔をチラチラと眺める。
そして胸とスカートから見えるふくらはぎを交互に見ていた。

タクミとキスをした頃から福山にコンドームを預かっていた。
福山曰く先っぽにシールが付いていて童貞でもワンタッチで装着出来ると言う代物だ。
俺はそれをお守りの様にポケットに入れていた。

だが、勇気が無かった。嫌われたらどうしよう?
それが頭に有ったからだ。
だからコンドームは既に少しクシャクシャの状態で俺のポケットの奥底に保存されていたんだよ。
330 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:10:04.17 ID:puSxb1E0
その日二回目のキスをした時に、俺は初めて舌を入れた。
タクミは一瞬ピクッと体を震わせたが、タクミも俺を受け入れる・・・

イケる・・・!

そう思い俺はタクミを抱きしめて、更に激しいキスをする。
そしてタクミの胸を服の上から・・・・触った・・・

タクミは少し逃げる感じで避けたが、俺は構わずにタクミの胸を触り続けた・・・
部屋の雰囲気が少し代わった。
ゲームの音楽音だけが部屋に響く・・・
331 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:11:06.49 ID:puSxb1E0
タクミは小さな声に成らない声で「ん」と囁いている。
俺は鼻息が凄く荒かったと思うんだ。

服の上からじゃまどろっこしいと思った俺はタクミのシャツの下から手を入れた・・・
スベスベしたタクミのお腹に触れた。
タクミは慌てて俺の手を押さえる。
俺はそれを避けて突き進もうとするが、タクミのブロックは強かった。

その時俺は我に返りタクミから唇を離してタクミを見た。
タクミは顔が紅潮して俺を見上げる様に見つめていた
332 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:12:10.26 ID:puSxb1E0
タクミは小さな声に成らない声で「ん」と囁いている。
俺は鼻息が凄く荒かったと思うんだ。

服の上からじゃまどろっこしいと思った俺はタクミのシャツの下から手を入れた・・・
スベスベしたタクミのお腹に触れた。
タクミは慌てて俺の手を押さえる。
俺はそれを避けて突き進もうとするが、タクミのブロックは強かった。

その時俺は我に返りタクミから唇を離してタクミを見た。
タクミは顔が紅潮して俺を見上げる様に見つめていた
333 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:15:04.60 ID:puSxb1E0
「・・・ゴメン・・・」

俺が一言、そう言うとタクミは「うん・・・」と俯いて答えた。

うわ!!!やっちゃった!!!!

俺はそう思い恥ずかしく成った。
そしてタクミに嫌われたらどうしよう・・・そんな不安が湧き出て来る・・・

俺がそう思って一人落ち込んでいるとタクミが俺の肩に頭を乗せてそのまま体に抱き着いて来た。
え・・・?
タクミはしばらく黙って抱き着いていたが、急に口を開いた・・・
334 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:15:54.60 ID:puSxb1E0
「ビックリした・・・」
「・・・ゴメン」
俺が謝るとタクミは顔を上げて俺を見つめた。
そして笑う。

「下に・・・おばさん居るじゃん・・・」

そう言えば俺の母親と言う存在を忘れていた・・・
俺が再び「・・・ゴメン・・・」と呟くとタクミは「ううん・・・」そう言って笑ってキスして来た。

しばらく黙って俺とタクミは抱きしめ合っていた。
俺は段々と冷静に成っていく・・・
335 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:16:50.73 ID:puSxb1E0
うん?下に母親がいるから・・・ダメ・・・って事?

て・・・言う事は・・・俺はタクミを見つめる。
タクミも俺を見上げた。

「・・・来月の・・・頭にさ・・・」

俺が話し掛けるとタクミは「うん?」と返事をした。

「うちの親・・・二人で旅行に行くんだよ・・・」

俺がそう言うとタクミはピクリと体を動かした。

「・・・うん・・・」そう言って微かな声で返事をする
336 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:17:38.31 ID:puSxb1E0
「・・・その日・・・一緒に居て・・・くれない・・・?」



俺の言葉にタクミは少し間を開けて・・・答えた。


「うん・・・」






ちなみに兄は大学生で一人暮らしをしていた。
337 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:18:35.03 ID:puSxb1E0
俺はテスト明けの部活終了後に福山の所に行く。

「福山・・・いや、師匠・・・」

俺がそう言うと福山の目がキラリと光った。
「うむ」福山が返事をする。

「Xデーが・・・・決まりました」「ほう・・・」

福山はベンチに座り俺を見上げた。

「・・・師匠の全てを・・・教えて下さい・・・」
「音を・・・上げるなよ・・・・!」

それから福山の特訓が始まった。
毎日部活終了後に部室のホワイトボードを使い俺に講義をする。
「ノートは取るな!!!頭じゃ無い!!!体で覚えろ!!!!」

福山の教えは厳しかったよ・・・
338 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:19:36.84 ID:puSxb1E0
当日。俺は部活中も集中出来ない。
何度もミスをして先生に怒られた。

部活が終わり俺は一目散に家に帰る。
両親が居ない事を確認するとホッとした。
ひょっとして急遽、旅行を取り止めたらどうしようかと思ったからだ。

風呂に入り念入りに体を洗った。
そして晩の8時位にタクミが現れたのだった。
タクミはわざわざ部活が終わると友達の家に行き俺が帰るまで待っていたそうだ。
親へのフェイクの為だった。

タクミが来た時、俺の声は上擦っていた。
タクミも笑顔が緊張していた。
339 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:20:40.42 ID:puSxb1E0
2人で晩飯を食べに行こうとしたが、タクミが言った。

「もし・・・良ければ私が作ろうか・・?」

なんて素晴らしい響きだ。
俺はタクミに甘えて料理を作って貰う。
俺はタクミの料理を作る後姿を見ながらはやる気持ちを抑える。

「ねえ・・・勝手に食材とか使っても良いのかな・・?」
タクミがそう尋ねる。
「良いよ良いよ、どうせ俺のおふくろ分からないし」
「そんな事は無いと思うけど」
タクミが笑いながらそう答えた。
340 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:21:39.13 ID:puSxb1E0
小さい頃は男の子の様な・・・
いや普通の男以上にやんちゃだったタクミが料理を作れる様になった・・・

俺の感激はひとしおだった。
料理が出来上がり俺は「頂きます」と告げる。
「どうぞ・・・美味しいかどうか分からないけど・・・」
タクミがそう言って笑う。

味噌汁から飲んだ。美味い。

「美味いよ・・・凄く」
「そう・・・?ありがとう・・・」

タクミも笑いながら食べる。
なんか凄く幸せな気分で一杯だったよ。
341 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:22:20.94 ID:puSxb1E0
料理を食べ終わり俺はタクミと一緒に片付けをしてゲームをした。
その時、俺はどんな風に雰囲気を持っていけば良いか・・・そう考えていた。

そして緊張でゲームをしているが何をやっているか分からなく成っている。

タクミが「ああ・・・負けちゃった・・・」

その一言を皮切りに俺は後ろからタクミを抱きしめた・・・
タクミはビクッとしたが、何も反応しない。
342 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:23:07.98 ID:puSxb1E0
しばらくそのままの状況で止まっていた。
俺の鼓動の音とゲームの音楽だけが部屋に響く・・・

「タクミ・・・」

俺が呟く。
「・・・うん・・・」タクミも震える様な声で答えた。

「好きだ・・・一生・・・お前を離したくない・・・」
「・・・うん・・・!」

タクミはそう言って俺を振り返り・・・キスをした。
俺らは抱き合った。
343 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:24:00.07 ID:puSxb1E0
多分俺はがさつにタクミの服を脱がしたと思う。
タクミの裸を見た胸を見た時に俺は興奮よりも感動をした。

タクミはやっぱり・・・女なんだ・・・等と言う馬鹿な事を思った。

タクミの吐息と服の衣摺り音だけが部屋に響く。
最後に入れようとするが上手く入らない。

「痛い・・・」タクミがそう呟く。
「・・・ごめん・・・」俺は焦る。

焦れば焦る程、入らない。終いには俺の物が小さく成って来た。
344 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:24:57.50 ID:puSxb1E0
ええ・・・なんでだよ・・・

俺は手で扱くが全然立たない。
駄目だ・・・俺はそのままベッドに突っ伏した。

「ごめん・・・タクミ・・・上手く出来ない・・・」
俺はそうタクミに呟いた。
「・・・ううん・・・私も・・・怖くて・・・」
タクミがそう言って微笑む。

ああ・・・駄目だな・・・俺はそう思い何故か笑ってしまった。
タクミも笑う。
345 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:25:56.59 ID:puSxb1E0
「ねえ・・・」

しばらくベッドで抱きしめ合っていた後にタクミが呟いた。

「ん?」
「・・・どうしたら・・・良い・・・か・・・な・・・?」

タクミが恥ずかしそうな声で俺に呟いた。

「・・・え?」
「・・・触った・・・方が・・・良いの・・・?」

タクミはそう言うと・・・俺の物を触りだした・・・
その瞬間に俺の物が・・・おっきしました。
346 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:26:46.98 ID:puSxb1E0
俺は興奮した。

「タクミ・・・タクミ・・・タクミ・・・」とうわ言の様に呟く。
「シンヤ・・・シンヤ・・・」

タクミも俺の名前を呼びながら俺達はキスをした。

そして・・・俺達は交わった。

タクミはかなり痛がったが、なんとか無事交わる事が出来たよ。
終わった後にタクミが「なんか・・・まだ挟まってる気がする・・・」と笑っていた・・・

347 :1 [sage]:2010/02/01(月) 11:28:47.25 ID:puSxb1E0
以上です。
途中二回も書き込んだのは二回言うほど重要n(ry・・・

とにかくこの頃の俺達は幸せでした。本当はこんなに詳しく書くつもりは無かったけどね。
ちょっと書いている内に俺も思い出して・・・

まあ、また続きを書きますのでお付き合い下さい。
348 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/01(月) 12:33:36.93 ID:r969wqwo
わっふるわっふる
349 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/01(月) 16:06:06.00 ID:X8jbGkAO
けしからん高校生だ



もっとやれ
350 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/01(月) 16:39:56.25 ID:Mn0Tcl.0
1のペースで書きたいことを書いてくれ
351 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/01(月) 17:35:41.66 ID:DmxdyAQ0
二回書き込まれてたのに気づかず半分位まで読んでたのは俺だけじゃないはず!
352 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/01(月) 17:43:13.05 ID:c/ZWYA.o
…とうとう俺のラブプラスでは追いつけない領域へ行ってしまったか、ちくしょう…
353 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/01(月) 18:23:57.81 ID:GOupqKg0
取り敢えず言って置くね。

も☆げ☆ろ☆!

でもどんな結果だろうと最後迄付き合うぜ。
354 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/01(月) 23:19:04.35 ID:VqKiHb20
まあお約束なんで

もげろ
355 : [sage]:2010/02/02(火) 01:17:36.51 ID:roiB3360
もげれば良かったですねマジで
取り合えず続きを書き込みます。
356 : [sage]:2010/02/02(火) 01:18:33.19 ID:roiB3360
体の交わりが出来れば、体を求めてしまうのは高校生ならではなんだろうか?
お互いの家では無理なので、俺達はたまの休みでデートをする時はホテルに行く様になった。

最初にホテルに入った時にテレビを点けた瞬間に始まったエロビデにタクミは絶句していたのを覚えている。
357 : [sage]:2010/02/02(火) 01:19:01.95 ID:roiB3360
俺はタクミがトイレに入った瞬間にエロビデを見た。
だけど音がデカ過ぎてトレイから出てきたタクミに怒られたのを覚えている。

そうやって俺達は穏やかで楽しい日々が続けていた・・・
358 : [sage]:2010/02/02(火) 01:19:54.83 ID:roiB3360
春の大会で俺達は初めて地方大会まで駒を進める事が出来た。
だけど一回戦で敗れたけどね。
そのお陰かどうかは知らないが、学校内で俺達アメフトの評価は高まる。
そして・・・

俺に大学からのスカウトが来た・・・

スカウトされた大学は俺達の顧問の先生の出身校であった。
359 : [sage]:2010/02/02(火) 01:20:38.23 ID:roiB3360
セレクションと呼ばれる実技試験を受けて、それに合格すれば後は簡単な筆記試験を受けるだけの状態であった。
そして、福山にもスカウトが来る。
もちろん別の大学だったけどね。
俺と福山は喜んだ。

そして、俺は夏休みにセレクションを受けて見事に合格したのだった。
360 : [sage]:2010/02/02(火) 01:21:39.18 ID:roiB3360
大学は勉強でも有名な所で有ったから俺の両親は喜んだ。
タクミも勿論喜んでくれて「私も頑張る」そう言っていた。

大学の心配が無くなった俺と福山は秋の大会まで全力疾走で駆け抜けた。

秋の大会で俺達は念願の全国大会に出場をした。
残念ながらクリスマスボウル出場までには届かなかったが俺達は充分に青春をしたよ。

毎日が楽しく、そして幸せな日々だったんだ・・・
361 : [sage]:2010/02/02(火) 01:22:21.30 ID:roiB3360
タクミが受験勉強で忙しく成り、俺は福山と現役の奴らで毎日一緒に練習をした。
多分現役の奴らは鬱陶しかったと思うけど。

そしてタクミも念願の外大に合格を果たし俺は喜んだ。

全てが順風満帆で悲しみ等は俺に不縁だった・・・


そう思い込んでいたんだ・・・
362 : [sage]:2010/02/02(火) 01:23:28.63 ID:roiB3360
卒業前、俺とタクミはいつも一緒に過ごした。
そしてよく福山とも過ごしたんだ。

三人共、地元から離れて一人暮らしをする事に成っていた。

三人でよく遊んだり飯を食いに行ったり、そして別れを悲しんだ。
特にね、三人で遊んだけど福山は絶対にタクミと二人に成る事は避けた。
363 : [sage]:2010/02/02(火) 01:24:06.56 ID:roiB3360
福山曰く「高橋が俺の魅力に翻弄されたら困るだろ」と笑っていた。

勿論、タクミはそんな事は絶対に無かったし、福山も馬鹿じゃない。

それに福山は絶対に親友を裏切らないんだよ。
本当にね。
364 : [sage]:2010/02/02(火) 01:24:53.73 ID:roiB3360
卒業式の日に俺とタクミは二人で帰った。
家までの道のりをゆっくり二人で歩く。

「シンヤ・・・」

タクミがふと俺に告げた。

「私は・・・ずっと・・・ずっとシンヤが好きだから・・・」

そう言っているタクミの髪を風が揺らしていた。

「・・・俺も、好きだよ・・・」
俺はそう言って笑う。
365 : [sage]:2010/02/02(火) 01:25:44.97 ID:roiB3360
「ううん・・・違うの・・・」

タクミはそう言って風になびく髪を押さえた。
その光景が俺に焼き付いている。

「小さい頃から・・・私はシンヤが好きだった・・・シンヤが私を男と思っている頃から・・・」

タクミは微笑む。
俺はドキドキしながらタクミを見つめていたんだ。
366 : [sage]:2010/02/02(火) 01:26:57.69 ID:roiB3360
「だから・・・ね、シンヤが私と話す様に成ってくれた時、凄く嬉しかったし・・・『好き』って言ってくれた時は・・・泣いちゃう程に感激した・・・」

タクミはそれだけ言うと少し俯いた。
春風が俺の頬をくすぐりながら抜けて行く。


「だから・・・いつまでも・・・この幸せが続いて欲しい・・・ずっとシンヤの側に居たいんだ・・・」


367 : [sage]:2010/02/02(火) 01:27:45.51 ID:roiB3360
タクミの言葉が終わると俺はタクミを抱きしめた。

潰れる程、壊してしまうんじゃ無いかと思う程に俺はタクミを抱きしめた。

「・・・俺も・・・俺も大好きだよ・・・」

そう言って俺達は抱きしめ合っていた・・・
368 : [sage]:2010/02/02(火) 01:28:34.58 ID:roiB3360
春風が俺達の間を通る事が出来ずに避けて行く。
誰も、何もかもが俺達の間には通る事が出来なかったんだよ。


あの日あの時あの瞬間・・・俺達は最高に幸せだった。


だけど運命は些細な出来事で変化して行くんだよ。
綺麗な表現してるけど。

何もかもが俺が悪いんだ。
369 : [sage]:2010/02/02(火) 01:29:31.99 ID:roiB3360
ごめんなさい
今日はこれだけしか書けてません。
少し昔を思い出し過ぎて鬱に成りました。

お休みなさい
370 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/02(火) 01:30:43.27 ID:aBWVTNgo
お疲れ
371 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 01:31:06.50 ID:ubwqRpQo
ここからくるのか…
372 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/02(火) 02:13:24.08 ID:Jl.tKgSO
伏線が多くていろいろ考えちまうが
それを書くのは無粋だな
373 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 04:08:24.44 ID:Ry2SScI0
お疲れ
頑張ってな
374 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 08:50:57.38 ID:3O8D2MAO
結婚おめでとうございます
375 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 22:11:24.24 ID:PqtnEgY0
もうこれは小説だな。
黙って最後迄読む事に決めた。
376 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:48:05.62 ID:I4nK9U.0
乙です。>>375そんな感じで気楽に見てもらえれば幸いです。
今から少し胸糞が悪くてゲボをする様な話になります。
だけど昔の話なのでご容赦下さい。
377 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:49:10.45 ID:I4nK9U.0
大学に入り俺は何もかもが新鮮だった。
だが、痛感したのが・・・練習の質が全く違う、と言う事だった。

皆、物凄く練習に集中しているし、上手さが違った。
それでも俺は負けたく無かった。
そして、俺が思った事は、なんて走りやすいんだ・・・だった。

高校の時のラインズ達は小さかった為に押し合いが弱い。
だからいつも俺は混乱の中を潜り抜けなければ成らなかった。
378 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:49:56.91 ID:I4nK9U.0
だが、大学ではそれが無かった。
上手いんだよ、皆が。

全員が俺の為に走るルートを作ってくれる。
俺はそれが堪らなく嬉しかった。
正直、俺は一緒に入部したメンバーの中でずば抜けていたと思う。
大学の春のリーグ戦で既に試合に出た。
そして夏前にはレギュラーとして定着していたんだ。
379 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:50:34.93 ID:I4nK9U.0
タクミとは住む場所が離れたが必ず週に一回は会う。
お互い初めて離れた事により余計に絆が深まった気がした。

福山とも連絡を取り合う。
その頃から携帯電話を持ち出してメールで福山とやり取りをする事が増えていく。

タクミはいつも週末に成ると俺の家に来てくれた。
そしてご飯を作ったり貯まった洗濯物を洗う。
380 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:51:46.22 ID:I4nK9U.0
タクミには合い鍵を渡していたので俺が練習の遅い日でも俺の為に色んな家事をしてくれたんだ。
俺も週末に成るのが楽しみであった。
タクミと共に過ごす週末を何より楽しみに毎日練習を頑張っていたんだよ。

だけどね、人間は傲慢と言うか、幸せに慣れてしまう生き物なんだろうか・・・
それとも俺が単純に馬鹿なだけかも知れない。

段々とその生活が慣れ始めた俺はしてもらう事を当たり前かの様に考える様に成った。
381 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:52:30.79 ID:I4nK9U.0
タクミが用事で週末に来れなく成ると俺はタクミに切れた。
なんて我が儘で子供だったんだろうな。
だけどタクミはそんな俺に愛想を尽かす事無く、ずっと一緒に居てくれたんだよ。

そして、それと同時にね。
俺は調子に乗り始めたよ。
部活でも傲慢に成っていた。
同級生の奴らを完全に下に見始める。
それは一部の先輩に対してもだった。
382 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:53:25.17 ID:I4nK9U.0
ここからは少し書くのが辛いです。
今思い出しても自分が馬鹿過ぎてかなり嫌になる。
383 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:54:17.86 ID:I4nK9U.0
極めつけはね、タクミに対する裏切りだった。

有名大学のアメフト部だからさ、女の子からの合コンの誘いがかなり有るんだ。
俺はそれに行ったよ。
そしてタクミには嘘を付いていた。
タクミは素直に俺が言う事を信じてたんだよ。
384 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:54:59.42 ID:I4nK9U.0
タクミは俺が遊び歩いている時も一人で家で待ってくれていた。
俺は気にせずに遊び歩く。

そしてね・・・何回か浮気もしたんだ。

本当に自分が馬鹿で情けないよ。
人の痛みも分からずにさ。
そんな自分を省みる事さえ出来ない程、あの当時の俺の脳は腐りきっていたんだよ。
385 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:56:07.70 ID:I4nK9U.0
そんな屑の生活を送っていたある日の事だった。
突然、福山から連絡が有った。

「久しぶりに会わないか?」と言われ俺は福山と飲みに行った。
久しぶりに会った福山は少し痩せていた。
そして表情にも元気が無かったんだ。
俺達は飲みながら昔話に華を咲かせた。

当時、俺は大学の同級生からは嫌われていた。
レギュラーで活躍しており、皆を下に見ていたからだ。
386 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:56:46.59 ID:I4nK9U.0
先輩からも疎まれていて、かなり孤立をしていたんだ。
だが、俺は平気だった。
全員を下に見ていたからだ。
信頼出来る先輩数人と一緒に過ごす事で満足を得ていた。

福山と飲んでいる時、福山はずっと聞き役だった。
不思議に思ったが俺はそれでも自分がいかに活躍しているか、と言う自慢話ばかりをしていた。
最低だよ本当に。
387 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:57:31.86 ID:I4nK9U.0
会話が止まった時に福山がポツリと話始める。
「肩を壊してさ・・・」
福山がそう言いはじめた。

どうやら福山は練習中に肩を壊して以来、クオーターバックからレシーバーと呼ばれるパスをキャッチして走るポジションに転向したらしい。
だが、如何せんレシーバーは勝手が違い、中々上達しない。
その上元々レシーバーとして入って来た人間が沢山居るので伸び悩んでいた。
388 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:58:38.29 ID:I4nK9U.0
福山は辛そうにそんな話をする。
俺は福山を元気付けた。

「頑張れ、お前なら出来る」そう言っていたんだ・・・

口先だけでね。
心では何も思ってなかった。
389 :1 [sage]:2010/02/02(火) 22:59:20.60 ID:I4nK9U.0
家に帰るとタクミが居た。
「お帰り」タクミが笑顔でそう言う。
「おう」俺は偉そうにタクミに答えていた。

そして今日福山と会って来た事をタクミに告げる。
「え〜〜・・・私も行きたかったー」
タクミがそう言うと俺は軽くムッとした。
「なんでだよ、福山の事が好きなのか?」
俺は訳の分からない嫉妬にタクミを攻める。
390 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:00:15.01 ID:I4nK9U.0
「え・・・いや、そう言う訳じゃ無いけど・・・」
タクミが下を向いた。

分かるよ。懐かしいもんな。
でも当時の俺はそんな事が分からない位に人間が腐っていた。

俺は「ふん!」と言うとベッドに横に成った。
そして俺が呟く。

「福山さー、肩を怪我してレシーバーに代わったんだよ」
「え?そうなの??大丈夫なの??」

タクミが顔を上げてそう言う。
391 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:01:26.29 ID:I4nK9U.0
「大丈夫じゃねーからレシーバーに代わったんだよ!て言うかさ・・・」
俺はゴロリと横に成り上を向いた。

「なんか・・・アイツも高校の時から比べて輝きが落ちたな・・・」

俺はそう言うと微かに笑った。
タクミは何も言わずに俺を見ていた。

「多分・・・もうダメだなアイツは・・・」

俺はそれだけ言うとシャワーを浴びに行った・・・

本当にね。吐き気がする程に俺は嫌な人間に成っていた。
親友に対して上辺で慰め、そして陰で悪口を言う。
本当に最低過ぎる。
392 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:03:31.23 ID:I4nK9U.0
それからも俺の傲慢な生活は続いた。
アメフトでは確かに上手く成り秋のリーグ戦ではレギュラーで出場してかなり活躍をした。
だが、甲子園ボウル出場まではその年は行かずに俺は散々ミスした人間に悪態をつく。
ここまで人間は最低な奴に成れるんだね。
昔の俺は人の気遣いがまだ出来た。
だけどこの頃の俺は気遣いが出来ない所かさ、人を貶めて楽しんでた。

393 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:04:09.85 ID:I4nK9U.0
ある日の事だった。
タクミが福山を家に連れて来た。
俺はビックリしたが、タクミが「久しぶりに三人で鍋しよ!」そう言って料理の準備をする。

俺はそんな事よりも何故福山がタクミと一緒に居るのかが不思議だった。

なんでだよ・・・俺の中に疑惑が沸き起こる。

タクミと福山が楽しそうに喋る空気に俺は溶け込む事が出来ずに一人黙っていた。
394 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:04:57.09 ID:I4nK9U.0
タクミが「シンヤ、お皿出して」そう言われた時に俺は爆発した。

「なんでだよ・・・」

俺が呟くと二人は俺を見た。

「なんで・・・お前ら一緒に居るんだよ・・・」

俺の言葉に少しタクミが悲しそうな顔をした。
福山が慌てて立ち上がる。

「高橋から聞いて無いのか・・・?高橋・・・」

福山は慌てながら俺とタクミの両方を見る。
「は?」俺は福山を見た。
395 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:05:43.18 ID:I4nK9U.0
タクミが下を向きながら呟く。

「福山・・・ゴメン・・・私が勝手にやってたの・・・」

タクミの言葉に俺は何かが胸の中で壊れそうだった。
福山はタクミの言葉に苦々しく天を仰いだ。

「・・・どう言う事だよ・・・」

俺の鼓動はヤバい位の音を立てはじめた。
福山は俺を見ると苦渋に満ちた言葉で言う。
396 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:06:35.65 ID:I4nK9U.0
「シンヤ・・・冷静に聞いてくれ・・・高橋は二回位俺の家で料理を作ってくれた。
それはお前が『福山を元気付けてやってくれ』と言ったからと・・・勿論、俺は何もしていない。
高橋も料理だけを作るとすぐに帰った・・・本当だ・・・信じてくれ」

福山が焦りながらそう言った。
だが、俺は福山なんか見ていなかった。

タクミを見つめていた。
397 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:07:37.92 ID:I4nK9U.0
「今日も・・・高橋がシンヤが飯を食いに来いと誘ってるから・・・と」

俺は知らない内にタクミの方へ歩きだしていた。
福山が慌てて俺を止めようとする。

「シンヤ!!!違う!!!高橋は悪く無い!!!高橋は俺に対して同情しただけだ!!!」

福山が俺の腕を掴んだ。
俺はその瞬間にキレた。

その掴んだ腕を思い切り外すと俺は福山の喉に思い切り手の平を押し込み壁に叩き付けた。
ドシン!!!と言う音と共に福山は「グ!!」と言う呻き声を発した。
398 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:08:43.47 ID:I4nK9U.0
「辞めて!!!!!!!」

タクミの金切り声が部屋に響く。
俺は福山をそのまま睨み付けた。
福山は目を反らす事無く俺を見つめる。
その目は怒りも恐怖も無かった。

例えるなら・・・悲しい目をしていたと思う。

「辞めて・・・シンヤ・・・お願い・・・」
タクミが声を震わせながらそう呟く。
だが、俺達は睨み合っていた。

いや、睨んでたのは俺だけだな・・・
399 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 23:09:34.01 ID:0QpNzxgo
woo....
400 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:09:41.15 ID:I4nK9U.0
「そんな風に成るとは・・・思わなかった・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

タクミがそう言って俺に謝る。
タクミは泣かない。泣かずに堪えていた。
シーンとした部屋に隣の家のテレビ音が聞こえて来た。

「・・・仲良くして欲しかった・・・だけ・・・二人が・・・昔みたいに・・・仲良く・・・」

タクミのか細い声が聞こえて来た。
401 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:10:52.84 ID:I4nK9U.0
俺は福山の喉に掛けた手を外すと座った。
福山はそのまま立ち尽くす。
タクミも下を見たまま立ち尽くしていた。

「・・・嬉しかった・・・」

突然福山が呟いた。俺は福山の顔も見ずに下を見ていた。

「お前が・・・シンヤが俺を気にかけてくれて・・・高橋を寄越してくれてる・・・そう思って・・・」

福山はそれだけ言うとゆっくり自分の鞄を拾い肩に掛けた。
402 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:12:17.56 ID:I4nK9U.0
「・・・ゴメンな・・・ややこしい事に成って・・・」

そう言う福山の声は少し笑っているかの様だった。それは悲しい自虐的な笑いだった。
そして福山はそのまま家を出て行った・・・

福山が帰るとタクミは泣き出した。
タクミは本当に俺と福山が仲良くして欲しかっただけなんだろう。
もしも浮気ならば福山を家に呼んだりはしない。
だけど、あの時の俺はそんな事すら気が付かない馬鹿チンだった。

その後、俺はタクミと会話もせずに眠りに着いたのだった・・・
403 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 23:12:51.94 ID:1V/dNK.0
福山本当に良い奴だなぁ
404 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:13:13.71 ID:I4nK9U.0
翌日から俺とタクミはギクシャクした。
俺はタクミに対して酷い言葉を投げ掛けていたと思う。
それでもタクミは俺に対して素直だった。俺を好きで居続けてくれた。

そんなタクミに俺は甘えて更に辛い言葉を投げ付けていたのであった・・・

そしてね、最低な人間はね、自分が最低な事に気が付け無いんだよ。
最低だから。
俺は馬鹿で最低なんだよ。

だけどさ、神様は俺にチャンスをくれたんだ・・・
最低な俺を救うチャンスを・・・
405 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:14:53.18 ID:I4nK9U.0
>>403
良い奴なんだよマジで。
ちょっと待って下さいね。
続きを書いてるんですけどね
書き込むのに、ちょっと時間を下さい・・・って言ってもおしっこするだけなんですけどねw

意味深な書き方してすみません
406 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 23:16:56.50 ID:0QpNzxgo
>>405
このトイレの時間がチャンスだったとは…
407 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/02(火) 23:18:04.79 ID:aBWVTNgo
おう、ゆっくりやってこい
408 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:19:57.53 ID:I4nK9U.0
お待たせしました。
おしっこが少し手に付きましたが平気です!

何度も言いますがこれは悲しい話じゃありません。
最後まで見て下さい。少し鬱に成る箇所が有りますが、決して最後まで見るのを止めないで下さい。
409 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 23:20:44.95 ID:0QpNzxgo
大丈夫
もう鬱だ
410 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 23:20:47.66 ID:1V/dNK.0
>>408
応援するぜ、最後まで見届けよう
411 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:20:52.58 ID:I4nK9U.0
冬のある日の事だった。
俺は先輩から貰ったボロの軽自動車のアルトを乗っていた。
その日は飲み会が有って俺はかなり飲んだんだ。
だが、酒を飲んだにも関わらず俺は車を運転して帰った。

それまでにもよく飲んで運転して帰った事がある。
タクミはいつも「危ないから絶対にヤメテ」と言っていたが俺は聞かなかった。
自分だけは大丈夫。そう思いながら運転をする。
412 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/02(火) 23:21:32.07 ID:aBWVTNgo
>>408
しっかり見てやるから、存分にやれ
413 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:21:55.79 ID:I4nK9U.0
どうやら俺はしこたま酔っていた。
運転しながらコクリコクリと成っていたんだ。しかも高速道路で。
走りながら目が閉じようとする。

ダメだ・・・そう思い目を開けた瞬間だった。

目の前に対向車が有った・・・様に思えた・・・

実際はどうかは覚えていない。
ただ覚えているのは左に避けて凄い衝撃の後に目の前がチカチカと成った事。
414 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:22:47.34 ID:I4nK9U.0
そして急激な眠気に襲われて俺は眠ってしまった。
恐らく気絶したんだろうけどね。

よく事故の瞬間、スローモーションに成ると言うけど俺にはそれは無かったよ。
それが酔いのせいなのかどうかは分からない。
途中で誰かに揺り起こされる感覚が有った。
寒気がして酔い覚めした時の気分が悪い感覚も有った。
415 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:23:40.46 ID:I4nK9U.0
レスキュー隊の人か救急隊員の人かは分からないが目の前に何人かが俺に声を掛けている。
だが、それが遠くに聞こえて、とにかく俺は眠いんだよ。

俺は再び眠りに着く・・・
寒い・・・眠い・・・

それが、その時の俺の感覚だったんだ。

そして俺が次に気が付いた時には・・・天井が有った。
周りに俺の両親とタクミの姿が有った・・・

うん?あれ・・・?
俺は一瞬何が何だか分からなかった。そして目を動かす。
416 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:24:23.75 ID:I4nK9U.0
周りに何やら機械が沢山有り、俺は呼吸器を装着している。
その時に成り・・・俺は気が付いたんだ。

ああ・・・俺は事故ったんだな・・・って。
そうか・・・やっぱり事故ったんだ・・・

俺は以外にもどこも痛く無く、ただ体に不自由さを感じた。
右腕に包帯が巻かれている。

ああ・・・これか・・・まあ、命が助かったし・・・骨折位すぐに治るよな。

俺はそう楽観的に事態を見た。
417 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:25:10.72 ID:I4nK9U.0
俺が目を開けた事で両親とタクミは泣きながら喜んだ。
俺は喋れないが少し体を動かして皆に微笑む。
その辺りから、また記憶が飛ぶ。

次に目を覚ました時は周りに誰も居なかった。
真夜中だったのかどうかも覚えていない。
そして再び眠りに着く・・・

何回か繰り返した後に、目が覚めた時は体は元気だった。
418 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:25:49.55 ID:I4nK9U.0
両親が俺に「大丈夫か?」と声を掛ける。
タクミも泣きながら俺を見つめていたんだ。
呼吸器を外して貰い、俺が起き上がろうとすると急に看護師さんが俺を止める。

いやいや、結構大丈夫ですよ・・・

俺はそう思いながら体を起こした。
その時に・・・全員の顔が強張る。
419 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:26:24.27 ID:I4nK9U.0
うん・・・?俺はなんかおかしいのか?
そう思いながら、俺は違和感を覚えた。

違和感の先は俺の右足だった。
ちょっと電気が走った様な痛みがある。

俺が自分の右足を見た時に全ての違和感と全員の顔の強張りを理解した。

俺の右足の膝から下が無くなっていた。
420 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 23:27:46.38 ID:0QpNzxgo
( ゚д゚)…


( ゚д゚ )
421 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/02(火) 23:28:34.09 ID:aBWVTNgo
なん……だと
422 :1 [sage]:2010/02/02(火) 23:28:47.08 ID:I4nK9U.0
一応書き溜めは以上です。
まあ、結構前の話なので、それ程深刻に成らなくても結構ですw

また続きは書きます。
皆さんがご声援頂いて嬉しいです。
色々質問が有るかと思いますが、とにかく最後まで見て頂ければ全てが分かると思います。

それでは、俺はこれから仕事の大詰めをしますので・・・失礼します。
423 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 23:29:31.74 ID:1V/dNK.0
アメフト選手の右足を...
自業自得とはいえ神様は酷だな、こんな形で人生をリセットするとは...
424 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/02(火) 23:33:49.52 ID:aBWVTNgo
お疲れー
仕事頑張ってこーい
425 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/02(火) 23:49:02.52 ID:scHkty2o
うおーいまきたけど…
>>1のこと大好きだぞ///がんばってくれww

不謹慎だけどタクミくれーちょ
426 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 00:09:06.16 ID:ZIjQM3Q0
こんな展開は予想してなかった・・・
でも元気で生きてくれてるみたいだからよかったよ
仕事頑張れ!!
427 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 00:09:33.98 ID:TY6XNxso
なんかドラマみたいな展開だな
428 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 00:24:29.98 ID:Lpb0CoSO
俺も居眠り運転しかけたけど
見えない車線とか車が見えるんだよな

続きを楽しみにしてる
429 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 02:15:15.55 ID:8d0UESco
最後までじっくり見たいからマイペースで頼む
430 :1 [sage]:2010/02/03(水) 14:53:52.59 ID:R68DuBk0
皆さんありがとうございます。
とりあえず続きを書き込みします。
431 :1 [sage]:2010/02/03(水) 14:55:03.99 ID:R68DuBk0
右足が無い。
俺に取ってその事は瞬時に判断出来る事では無かった。
何がどうなっているのかさっぱり理解が出来なかった。
母親が慌てた様に何かを説明し始める。

だけどね、俺にはさっぱり頭に入って来なかった。
足って生えて来ないのかな・・・?
何故かそんな馬鹿な事をボンヤリ思っていた事を覚えている。
そして俺の足はどこに行ったんだろう?そんな事も考えていた。

まだ頭がはっきり動いて無かったんだ。
432 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:01:44.66 ID:R68DuBk0
タクミは何も言わずにただ泣いていた。
俺はボンヤリとしながら自分の右足を見ていたが、それにも飽きて寝転がった。

そっかー・・・右足が取れたかー・・・

冷静だな、って思うかも知れないが医者曰く殆どの人間が最初は俺と同じ反応をするらしい。

ただここからが二手に別れる。
少し動揺して取り乱すが、結局運命と思って受け入れる人間。
そして、その事実を受け入れられずに人生を悲嘆する人間。

俺は後者だった。
433 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:02:28.56 ID:R68DuBk0
ちなみに俺の右足は衝撃で車の前部が完全にペシャンコに成り、挟み込まれてグシャグシャに
。その上、千切れていたらしい。
普通は何とか縫合して一旦は接続しようとするらしいが、俺の場合はそれも無理であった。

俺はしばらくボンヤリと天井を眺める。
そしてグルグルと次第に頭に浮かんで来た。
434 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:03:18.60 ID:R68DuBk0
右足が無い。
右足がもう無くなった。
俺は何かの機械を見ている医者に聞いた。

「・・・右足は・・・くっつかないんですか・・・?」

そう聞くと医者は抑揚の無い声で告げる。
「冷静に聞いて欲しい。君の右足はもう無い。これは事実だ」
なんかその様な事を言われた記憶がある。

母親と父親が医者に付け足して何かを言うが良く覚えていない。
何を言ってるんだコイツらは・・・そんな事を考える。
435 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:04:29.82 ID:R68DuBk0
タクミは泣いている。
同情してるのか・・・?俺はボンヤリそんな事を思った。
そして・・・俺の中にとんでも無く大きい文字が浮かぶ。

「右足が無い」

それを認識した瞬間に右足に電気が走った様な痛みを感じた。

痛い・・・痛いじゃ無いか・・・
右足切ったならせめて、この痛みも取ってくれよ・・・

そして俺の中にもう一つ事実を思い出させる・・・


アメフトが・・・出来ない・・・!
走れない・・・俺は二度と走れない・・・


436 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:05:31.74 ID:R68DuBk0
その瞬間の例えようの無い気持ちは文章では現せない。
叫びに成らない叫びを上げた気がする。

だが、俺は叫んでいた。泣き叫んでいた。
アメフトが出来ない・・・
走れない・・・
俺の・・・今の俺の全てが否定された・・・

泣き叫ぶ俺を母親が泣きながら諌める。父親も止める。
タクミも声を上げて泣き出していた。

俺は訳の分からない事を口走りながら叫んでいた。
そして暴れながら泣いていたんだよ・・・
437 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:06:35.41 ID:R68DuBk0
翌日かいつかは覚えていない。
正直、この頃の記憶は断片的でしかない。
記憶するのを拒否ってたんだろうか?

福山が来た。福山は俺を見るなり泣いた。そして言った。

「良かった・・・生きてたんだな・・・良かったよ・・・」

そう泣きながら言う。
福山は本心で泣いてくれていた。だけど俺の心はそんなに素直じゃ無い。

良かった・・・・だと・・・?
良い訳ねーだろうが!!!!!
俺はお前と違って将来を嘱望された人間だぞ!!!
良い訳ねーだろうが!!!!
438 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:07:34.50 ID:R68DuBk0
俺の中でそんな怒りが沸き上がる。
勿論、言わなかった。
そんな事を言う元気すら無い程、俺は暴れていたからだ。

ただ一言「ふん・・・」と鼻で笑っていた。

俺の母親が福山に謝る。
「まだショックから覚めて無くて・・・」
そう言った瞬間に俺は口に出した。

「ショックから覚めて無い?いつ覚めるんだよ?覚めるなら早く覚まさせろよ!」

母親は俺の言葉にオロオロする。
タクミが俺の側に来て俺の左手を触る。落ち着かせ様としたんだろう。
439 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:08:31.05 ID:R68DuBk0
「離せ!!!!!」

俺はタクミの手を払いのけた。タクミは悲しい顔で俺を見つめる。

「・・・シンヤ・・・」

福山もどうして良いか分からない表情で俺を見ていた。
だが、俺はそんな皆の表情が嫌だった。
憐れんでいるその表情が堪らなく嫌だった。
俺は自由な左手で顔を覆うと呟いた。

「・・・頼むよ・・・帰れよ・・・みんな」

俺はそう呟く。みんなが渋々出て行く。
出しなに余計な気遣いの言葉を残す。
皆は本気で俺を心配してくれていた
440 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:09:26.08 ID:R68DuBk0
だけど俺はショックで堪らなかった。
何を言われても「お前には足が有るじゃねーか!」そうとしか思えなかったんだ。

俺の気持ちは最低な位にささくれ立っていたんだよ。
それからも毎日、毎日タクミは俺の病室にやって来る。
母親が来れない時ですらタクミは来ていた。
福山も三日に一回は病室に来てくれた。
だが、俺は福山と一切喋らない。
福山はそんな俺に対しても、一人色んな話をしていた。

だが一切アメフトの話はしない
441 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:10:15.90 ID:R68DuBk0
タクミには俺は「リンゴ」とか「水」とかの単語を言っていた。
何様だよ本当に。
だが、下の世話だけはさせなかった。
させたく無かったし、して欲しく無かった。ちょっとした意地だったんだろうな。

医者から義足についての話をされたが殆ど聞いて無かった。
母親が全部聞いていた。

俺からしたら義足を付けたら前みたいに走れるのかよ、と言う拗ねた気持ちが有ったんだ。

自分で酒を飲んで事故って拗ねてる。うん、最低だ
442 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:11:02.30 ID:R68DuBk0
大学のアメフト部の奴らが見舞いに来た。
ただ、監督に言われて仕方なく来た感が丸見えだった様な気がした。
俺は嫌われていたからね。

だけど本気で心配してくれている奴らが居たんだけどね。
俺はそれすら気が付かない。
だけど皆が俺の右足を見て憐れみの表情を浮かべるのはありありと分かった。

俺はその憐れみが一番嫌だった。
それならば、まだ嘲り笑ってくれた方がマシだったんだよ。
443 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:12:17.61 ID:R68DuBk0
毎日、夜中に何回も目が覚める。
そして右足を見て泣く。
眠れないんだ。

明けない夜って分かるかな?朝がいつまで経っても来ないんだ。
夜中に目が覚めると毎晩そんな感覚に陥った。
俺は自分を恨まずに周りを呪った。来る人間に罵りの言葉を言う様に成った。
本当に最低なんだけどね。

タクミに対しては一番酷かった。
「なあ、お前は俺をザマアミロって思ってんだろ??!!」とか
「俺が浮気してたの知ってんだろ??」とか言っていた。

それでもタクミは悲しそうに首を振るだけだった。
そして、その後にそんな言葉を吐いた自分を嫌に成り欝になる。
444 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:13:11.02 ID:R68DuBk0
分かっていたんだよ。この頃に成るとね。
全て自分が悪い事に。

だけど、それを認めたく無かった。
誰かのせいにしたかった。
それか、誰かに罵って欲しかったんだ。

でも皆・・・優しいんだよ。
福山は自分の練習そっちのけで見舞いに来てくれる。

本当に最高の親友なんだよ。

でもね、俺の心は病んでいた。
それを素直に受け止められない。
俺の中に猜疑心が生まれる
445 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:14:14.29 ID:R68DuBk0
ある日も福山はお見舞いに来てくれていた。
そして、いつもの様に色んな話をポツリポツリとしてくれた。
だが、俺の中には猜疑心が有る。最低な塊が奥底に有るんだ。

「お前さ・・・」

福山が話している最中に俺は呟いた。
福山は俺が初めて返事をしたから凄く嬉しそうな表情を浮かべる。

「うん?」福山は返事をした。

俺は少し薄ら笑いを浮かべていたと思う。


「お前の目当ては・・・タクミだろ・・・?」


その瞬間に後ろに居たタクミがビックリして振り向く。
福山の顔から笑みが消えた。
446 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:15:15.89 ID:R68DuBk0
「そう・・・なんだろ?なあ・・・お前ら本当は陰でコソコソ会ってんだろ・・・?」

何をトチ狂っているんだろう。俺は何を言ってるんだろう。
福山がそんな事をする筈が無い。
有り得ない。
でも俺は猜疑心の塊だった。
福山は冷静な表情で答えた。

「そんな訳無いだろ・・・頼むよシンヤ・・・そんな事を言うなよ・・・」
「でもさ!!!」

俺は福山の言葉を遮った。

「でも・・・お前ら・・・俺に隠れて・・・会ってたじゃん・・・」
447 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:16:22.99 ID:R68DuBk0
俺がそう言うと福山は下を向いた。
タクミが背中を俺に向けている。

「・・・あれは・・・違うって・・・」

福山が呻き出しそうな声で告げる。
タクミが少し背中を向けて肩を震わせていた。

「違わねーよ・・・おい、タクミ!!!お前は俺を騙したんだよな!!!なあ!!!」

俺はタクミに向かって叫んだ。

「ヤメロって・・・シンヤ・・・」

福山が俺を抑える。

「うるせー!!!!お前ら俺を騙して楽しいのか!!!!足が無いから俺を笑って楽しいのか!!!!浮気されて当然なのか!!!!」

俺は訳の分からない事を叫んでいた。
448 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:17:20.07 ID:R68DuBk0
「ヤメロって!!!!落ち着けって!!!!シンヤ!!!!」

福山が俺を落ち着かせ様とするが俺は止まらない。
タクミは背中を向けて肩を震わせていた。泣いてたんだろう。

「なんとか言えよ!!!!この嘘つき女!!!!!ふざけんな!!!!!」

俺はそれだけ言うと泣き出した・・・

勿論。
何を言ったのかは完璧には覚えていない。
だけど俺はこんな感じに、いやもっと酷い事を言ってたかも知れない。
そして罵声を浴びせた後に自己嫌悪に陥って泣く。
449 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:18:14.77 ID:R68DuBk0
もう事故ってから何回繰り返したんだろう。
だが、この時初めてタクミは泣いた。
いつもは黙ってるだけのタクミが泣いた。
よっぽど悲しかったんだろう。よっぽど辛かったんだろう。
そして後悔していたと思う。

自分が良かれと思ってした事が結果的に俺と福山の溝を広げただけの事を。

勿論タクミは何も悪く無い。
悪いのは全て俺だ。

俺はタクミを傷付けただけじゃ無しに福山すらを傷付けたんだ。
450 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:19:08.44 ID:R68DuBk0
その日の夜だったと思う。
俺はボーッと一人で病室のテレビを見ていた。
医者は何度も俺に義足の話をして来るが俺は断っていた。

そんなモン付けて何なる・・・と。
いやかなり必要なんだけど、あの当時の俺は狂ってたんだ。

まあ、話は戻してテレビを見ていた。
一瞬だけ足が無い事を忘れる・・・が、ふと笑っている芸能人を見て欝に成る。

コイツらには・・・足が有る・・・足が有るんだ・・・

そう思うと、とてつもなく気分が沈む。そして将来の事を悲嘆する。
451 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:20:13.66 ID:R68DuBk0
俺はもうまともな職業に付けない。
そして一生表に出れない。
コイツらと同じ様に笑えない・・・

そんな事は無いんだけどね。普通に生活出来るし、楽しめるんだけどね。

まあ、とにかく悲嘆に暮れていた。
今の俺から言わせると悲劇のヒーローに酔っていた部分もかなり有るね。うん。
452 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:21:14.55 ID:R68DuBk0
福山が俺の前に姿を見せなく成った。
構わない。俺はそう思った。

所詮そんなもんなんだろう。
俺の事を憐れんで面白がっていただけなんだ・・・俺の心がそう語りかける。

勿論ね。勿論違うんだ。
福山はそんな奴じゃ無い。
ただ奴はタクミに迷惑を掛けたく無かっただけなんだ。
今の俺には分かる。

だけど当時の俺には理解が出来なかった。
そして福山が来ない事で益々俺はタクミを責める。
何故タクミを責めるんだ?

タクミは本当に堪えてくれていた。頑張ってくれていた。
453 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:22:07.80 ID:R68DuBk0
そして福山が居なく成った事を段々俺は後悔し始めると同時にホッとし始める・・・

分からないだろうね。この感覚。

福山に側に居て欲しいんだよ。でも居なく成っても欲しいんだよ。
言葉では上手く説明出来ないんだが、大切な物を壊してしまいたく成る感覚なんだ。

そしてね・・・それは最大の俺の大切な物にも向けられたんだ。

タクミだった。

俺はタクミに甘えて居たかった・・・慰めて欲しかった・・・
だけど、それと同時にタクミに憐れみを受けたく無かった。
タクミに甘えたく無かったんだ・・・
454 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:22:56.91 ID:R68DuBk0
ある日。俺はタクミにいつもの様に罵声を浴びせる・・・
タクミはそれをいつもの様に甘んじる。タクミは何も言わない。
ただ黙って俺の戯れ事を全て受け止めてくれていた。

俺にはそれが堪らなく嫌だった。堪え難い程に嫌だった。

だからね・・・俺は行き着く所まで行ったんだよ。


大切な宝物を壊してしまったんだよ・・・


455 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:23:51.48 ID:R68DuBk0
「もう来るなよ」

何の話でそう成ったのかは覚えていない。だけど俺はそう呟いた。
その瞬間に下を向いていたタクミが顔を上げた。

「もうさ・・・お前の顔を見るのが・・・鬱陶しいんだよ・・・」

壊しては成らない物を今、俺は破壊している。
その瞬間の俺でも分かっていた。だが、その衝動が止まらない。

「もう嫌なんだよ・・・同情して俺を見ているお前が・・・」

俺がそう言うとタクミは首を横に振る。
456 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:24:56.96 ID:R68DuBk0
「同情なんか・・・してない・・・私は・・・私は・・・」
「うるせー!!!!!してんだよ!!!!お前は俺を憐れんでるんだよ!!!!福山と同じでお前は俺を憐れんでるんだよ!!!!!」

俺は喚き出した。タクミが首を横に振り続ける。

「違う!!!福山も憐れんでなんか無い!!!!本気でシンヤの事が好きで・・シンヤに・・・」

そこまでタクミが言った時に俺はタクミを睨んだ。

「なんで・・・なんで福山の事が分かるんだよ・・・お前ら・・・やっぱり・・・」

俺の声が震える。
457 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:26:23.61 ID:R68DuBk0
「違う!!連絡は取り合ってる・・・でも、それは福山がシンヤの事を心配して・・・」「ふざけんな!!!!!!やっぱりお前ら・・・お前ら!!!!!」

俺は側に有った本をタクミに投げ付けた。

タクミの頭に本がバシッと言う音を立てて当たり・・・
そして床に落ちた・・・

タクミは泣き出した・・・

それは痛かったんじゃ無くて、どうしようも無い程にこじれてしまった俺達の関係が悲しくなり・・・だろう。
タクミは初めて声を出して泣き始める。
458 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:27:45.37 ID:R68DuBk0
「うわああああ!!!!!」と言うタクミの泣き声が響く。
しばらくそのままタクミは泣いていた。

そして俺も泣き始めた。なんでこんな事に成ったんだろう・・・

分かってる。全部俺が悪いんだ・・・全て俺が・・・しばらく二人で泣き続ける。

足が疼く。よくドラマとかで足が無いのに痒く成る、って言うけどね。
まあ、個人差によって有るんだろうけど、俺はそれよりも電気が走った様な感覚が続くんだよ。
ビリビリと・・・

俺もタクミも泣き止む。
そして俺はタクミに呟いた・・・



「別れよう・・・」
459 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:28:47.87 ID:R68DuBk0
俺の言葉にタクミが泣きべそをかいた顔で俺を見る。

「別れたいんだ・・・頼む・・・もう、これ以上、惨めに成りたく無い・・・頼む・・・」

俺はタクミに懇願する。タクミは首を横に振り続けた。

「頼むよ・・・俺のお願いを聞いてくれよ・・・もう嫌なんだよ・・・頼むよ・・・」

今更俺は何を言っている。
甘えるだけタクミに甘えて俺はタクミを捨てようとしていた。
タクミが再び泣き始める。俺はラチがあかずに怒鳴った。


「帰れっつってんだろ!!!!!見たく無いんだよ!!!お前の顔を見たく無いんだよ!!!!」
460 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:29:34.18 ID:R68DuBk0
俺がそう怒鳴った瞬間にタクミは泣き崩れた。
そしてタクミは泣き続ける。

俺はね、今この瞬間タクミを抱きしめてやりたい。
叶うならばあの日に戻ってタクミを抱きしめてやりたい。


しばらく泣いた後にタクミは立ち上がった。
そして鞄を持つと・・・黙ってそのまま・・・


病室から出て行った・・・
461 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:30:26.06 ID:R68DuBk0
タクミが出て行ってしまった後に・・・俺は我に帰る。

とんでも無い物を壊してしまった・・・
掛け替えの無い物を壊してしまった・・・
なんて事をしたんだ・・・

そう思った。だけどね、しばらく経つと俺は思い直す。
タクミはすぐに戻って来ると・・・

今までだってタクミは堪えて来たんだ。
今更、本気で別れたりしないだろう・・・
一時的に感情をあらわにしただけだ・・・

俺はね、身勝手にもそんな事を思っていたんだよ。本当に馬鹿だね
462 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:31:28.04 ID:R68DuBk0
だが、タクミは翌日も、その次の日も来ない。
え?
俺は不安に成った。なんで戻って来ない・・・?

タクミは何をしているんだ・・・身勝手にそう思う。
そして終いには切れ始める。

タクミの携帯電話を鳴らす。だが出ない。
何回も鳴らした。だがタクミは電話に出る事は無かった。

俺は例え様の無い不安感が胸に疼く。
そして押し上げる吐き気を感じた。

タクミが・・・タクミが・・・俺は狂った様にタクミに電話をした。

だが、タクミの携帯は、ただ鳴るだけで・・・

二度とタクミが出る事は無かった・・・
463 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:32:14.05 ID:R68DuBk0
タクミが来なく成って三日か四日経過した頃だった。
俺はタクミに昼夜問わずに電話をしていた。ストーカー乙だね。

その日に突然に福山が現れた。
福山は無表情のまま俺のベッドの隣に座る。
そして何も言わずに黙っていた。
俺は福山が何の用件で来たのかを瞬時に理解した。

しばらく黙った後に福山が突然口を開いた。
「何を・・・言ったんだ・・・?」
福山の言葉に何も返さない。
464 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:33:04.28 ID:R68DuBk0
「高橋から電話が有った・・・なんで別れた?」

その言葉に俺は胸が張り裂けそうな気分になる。
そうか・・・タクミは完全に俺と別れた気で居るんだ・・・

「高橋が別れたから、俺とシンヤに仲良くやって欲しいって・・・お前な、マジで本当に誤解だぞ・・・俺と高橋は何も・・・」
「関係ねーだろ・・・」

俺は福山の言葉を遮った。

「え・・・?」福山が俺を見る。
「お前には関係無いんだよ・・・何を口出ししてんだよ・・」
465 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:34:08.11 ID:R68DuBk0
俺はそう言いながら心では、この破壊衝動を止めたかった。

「シンヤ・・・」福山が悲しげな顔で俺を見る。
「いつまで・・いつまで同情してんだよ・・・胸糞悪いし、ムカつくん
だよ・・・」

俺はそう言うとベッドに横に成った。
福山はしばらく黙って俺を見ていた。
そして再び俺は言う。



「何を勝手に親友ヅラしてんだよ・・・ふざけんなよ・・・」



俺は再び大切な物を壊した。馬鹿だね。本当に。

福山は何も言わずに立ち上がり・・・そのまま去って行った・
466 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:35:11.79 ID:R68DuBk0
その日俺は飯を食べなかった。
元々事故ってからは飯の量は少なかったが、その日は全く食べなかった。

俺は全てを失った・・・しかも自分でそれを壊して。
勝手に自分で壊しただけだ。

だけど俺の中にどうしようも無い位の穴が空いた。
ぽっかりとね。

俺は目を虚ろにテレビを眺める。
楽しそうに笑う人達を全員呪った。
自分が何もかもを失った事に対する虚脱感がどうしようも無く広がる。

そしてね。俺は『死』を考えたんだ。
467 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:36:11.00 ID:R68DuBk0
だけどね、中々人間て[ピーーー]ないんだなよね。
俺は色々と自分を始末する方法を考えた。

だけど病院はね、屋上にも行けないし窓も開かないんだよ。
自殺をさせない様にね。

いや、全部言い訳だよ。結局俺は死ぬ度胸すら無かったんだ。
誰かに可哀相と言って欲しいと思っただけだったんだ。

自殺を思い止まるのは些細な事なんだよ。
テレビドラマを見ていて「来週も続きが見たいな・・・」それだけだった。

俺の命はそんなモンで左右されるんだよ。軽い命だ。
468 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:37:09.08 ID:R68DuBk0
そして俺は退院した。
医者からリハビリに来る様に言われるが行かない。
義足の話も一切聞かない。何の気力も起きずにただ家でベッドに横たわりテレビを見る。
床擦れが出来る位だった。

松葉杖をつくのも嫌だった。車椅子だけは退院の時に乗ったが、それ以上は使用しない。
そして家に居ても誰も見舞いに来ない。

そりゃね。行ったら罵られたり自虐的な言葉を言う奴の所に誰が行きたいんだよ
469 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:38:00.40 ID:R68DuBk0
俺はアメフトを辞めると同時に学校を辞めた。
行く意味も無いし皆に自分の姿を晒したく無かったんだ。

そして俺はヒゲも剃らずに髪も切らず、食うだけなので太って行く。
母親が介助をする時に辛そうであったが、俺は当然の様に母親に甘えていた。
些細な事で母親に切れていた。
本当に申し訳無いよ。
470 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:38:46.76 ID:R68DuBk0
俺は毎日携帯電話を側に置いていたんだ。
タクミから若しくは福山から連絡が有る事を期待して。

だけど来ない。

それと同時にタクミと福山が付き合っている事を勝手に妄想して気が狂いそうに成る。
二人が俺を笑っている。
そんな妄想が頭を離れなかった。

そして俺の明けない夜は続いて行ったんだ・・・

そんな生活が続き半年経過した。
471 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:40:03.58 ID:R68DuBk0
ある日、兄が突然実家に戻って来た。
兄はちなみに地方へ就職して実家に戻らない日々が続いていたんだ。

俺が事故っても二回位しかお見舞いに来ない。
来ても何も喋らない。俺の罵りも兄だけには響かなかった。
飄々とすり抜けるんだ。

兄は戻って来るなり俺の部屋に来た。
そして何も言わずに俺の机にパソコンを置いた。

「これ見てみろ」そう冷静な顔で俺に言う。
「見たら分かるだろ・・・そっちに行けないんだよ・・・足が無いからね!」

俺が厭味たっぷりでそう言うと兄は冷静に答えた。
472 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 15:40:47.42 ID:WYskl5Io
鬱になりそうだな
早く楽にしてくれwwww
473 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:40:50.04 ID:R68DuBk0
「見たら分かる。じゃあ這ってでも来い。もしも助けて欲しいならお願いしろ・・・『助けて下さい』と」

その瞬間に俺は頭が沸騰した。
誰一人そんな言葉を俺に掛けた奴は居なかった。

何を言ってるんだ・・・・コイツ・・・俺は睨み付ける。

「早くしろよ・・・トロいなお前」兄は俺の目を見ずにそう呟いた。

俺の怒りは頂点に達した。
俺はベッドから出ると床に手を着いた。
俺は床にゴロゴロと転がると顔を上げて兄の所へ向かう。
474 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:41:35.20 ID:R68DuBk0
多分色んな所に無理が有ったと思う。
だけど俺はそれより兄を殴りたい、その気持ちが強かった。
兄は俺に一切目をくれずに、ただパソコンを弄る。

無視しやがって・・・!俺は怒りが湧き上がる。

そして俺は兄の所に辿り着くと兄の足を持ち、そのまま体にしがみ着きながら立ち上がると、兄の顔を殴った。

俺は全力で殴ったつもりだが、渇いたペチッと言う音と僅かに兄の顔が動いただけだった。
475 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:43:03.12 ID:R68DuBk0
兄は顔色を変える事無く「ふん」と笑う。
俺は更に激昂して兄の顔を殴る。
そしてヨロけて兄に捕まり、更に殴った。

良い加減、兄も痛かったと思うが兄は何も言わずに殴られる。
しばらく殴り続けた後に俺は疲れ果てていた。

兄は俺をチラリと確認すると
「これなんだけどな」
そう言ってパソコンを開けた。

なんて冷静なんだ・・・俺は心で思わず突っ込んだ。
不思議に俺の気持ちは少し落ち着いた。
と、同時に兄には敵わない・・・その気持ちが湧き出で来た。
476 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:44:02.63 ID:R68DuBk0
兄はインターネットに接続をした。
「インターネットなんだよ。これさあ面白いぜ」
そう言って色んなサイトを俺に見せる。
動画で有ったりコピペブログで有ったり・・・俺は少し興味を湧きはじめた。

へー・・・素直に面白い、そう思った。

「でさ・・・・これ・・・」
兄は少し笑うとエロサイトに接続をした。

うお!!!うん。俺も素直に興奮したよ。

「な?面白いだろ?」
そう言うと俺の肩をポンと叩き、「貸してやる」そう言って笑いながら出て行った・・・
477 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:44:57.36 ID:R68DuBk0
それから俺は兄のノーパソでネットを見る。
良い暇潰しだった。

だが、ある日、兄から連絡が有り「悪いがノーパソを返してくれ」と言われた。
その頃に成ると兄に色々パソコンの事で質問をしていたので兄に対しては素直に成っていたんだ。

「うん・・・」
俺は残念だが仕方が無い・・・・そう思った。

「代わりにデスクトップのパソコン買ってさ、ADSLにも申し込んでやったからさ!早いし快適なネットライフを送れるぞ」

そう言ってくれた。
478 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:45:45.93 ID:R68DuBk0
兄の作戦は巧を奏した。
俺はデスクトップが来ると仕方なくベッドから出ないと行けなく成ったんだ。

松葉杖をつく。
そしていつの間にか、俺は床擦れに悩まされ無く成った。

松葉杖で歩く生活に慣れて来て、一人でトイレや飯を食べる事が出来る様に成ったんだ。

だが、あくまでそれだけ。

俺は一日家に篭りネット三昧。
ニートの誕生であったw
479 :1 [sage]:2010/02/03(水) 15:47:10.24 ID:R68DuBk0
以上です。とりあえず鬱にしてすみません。
まあ、でも何回も言いますが悲しい話じゃ無いんでね。

とにかく続きを書けたら、すぐに書き込みます。
そろそろ後半には入って来ていますので、もうしばらくお付き合い下さい。
480 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 15:47:59.00 ID:WYskl5Io
おー期待してるからがんばれww
481 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 15:49:07.82 ID:O0qHzioo
十分鬱にされたわwwww

おつ
482 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/03(水) 15:50:33.04 ID:svvDdA6o
ニート誕生wwww

乙!
483 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 16:17:37.56 ID:8d0UESco
区切りもテンポよくて読みやすいな
書くの慣れてそうだしそういった仕事してるんだろか
484 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 16:53:43.62 ID:agTAU7Mo
最初から見てるけどこんな話になると
思って無かったわwwww

続き待ってる!頑張れwwwwwwww
485 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/03(水) 18:51:14.04 ID:D0g7EwYo
お疲れ。続き、待ってるぞ
486 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 19:42:49.82 ID:ZIjQM3Q0
お疲れ頑張れよ
487 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 19:47:35.85 ID:SD69YoSO
自分語り乙みたいな文じゃなくてなんかスルスル読める。
上記にもあったが文を書くことを生業としてるのかもしれんな。

こんなにきついことがあったら昔話とかできないだろうに。
頑張って乗り越えて今幸せを掴んだからこそ書けるんだろうな。
最後にまで読めばそれがわかるだろうからすごく楽しみにしてるよ
488 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/03(水) 22:11:39.32 ID:5lAzsoDO
タクミくれ!
489 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 23:20:52.73 ID:W0SIb5Uo
うおお続き無茶気になる
気長に待ってます
490 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/03(水) 23:29:00.68 ID:jBd9Rm.0
兄に惚れた
491 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/04(木) 01:05:45.12 ID:BMnNxEDO
もう>>1が本出版したら買う!
492 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/04(木) 19:37:43.70 ID:/0CtdSoo
期待している。
続きマーダー
493 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:28:06.78 ID:Mazm9RQ0
お待たせしました。中途半端な所で終わるかも知れませんが続きを書きます。
494 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:29:06.15 ID:Mazm9RQ0
片足のニートに成った俺。
まあ、毎日部屋に篭り切りであった。
髪は伸び放題でヒゲも剃らない。

そしてね、生活習慣が完全に代わってしまった。
いつも夜に起きて朝に眠りにつく。
なんでこんな風に成るかと言うと親の目を避ける為だ。

勿論俺の親は何も言わない。
だけどね、やっぱりキツイんだよ。働いて無いし迷惑を掛けていたからさ。
俺の心の中に引け目を感じる様に成ったんだ。
495 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:29:58.68 ID:Mazm9RQ0
とにかく両親に会いたく無かった。
テーブルの上に置いてある飯を夜中に取りに行く。
たまに父親が遅い時に鉢合わせをする事があった。
その時は俺は目を伏せて無視をする。

父親は最初の頃は「足は・・・どうだ?」とか声を掛けていてくれたが俺は「うん」としか答えなかった。
次第に父親も声を掛けなく成って来たんだ。
母親は完全に腫れ物を触る様な扱いを俺にしていた。
甘やかせていた。

たまに両親の喧嘩の声が階下から聞こえて来る。原因は完全に俺だった。
496 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:30:44.15 ID:Mazm9RQ0
そうなれば成る程に俺はネットの世界に逃げ込んだ。
逃げて逃げまくる。

タクミと福山の事は毎日考えた。
二人はどうしたんだろう・・・タクミの家は目の前だ。
タクミの親に聞けばタクミの今が分かる。だけどそれも出来ない。
タクミの親に会わせる顔が無い。
俺はタクミに対して酷い事をしたんだ。

そんな奴が・・・だけど俺は毎晩、毎晩タクミの部屋を見つめ続けた。
497 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:31:37.98 ID:Mazm9RQ0
タクミが実家に戻って来た時に一目だけでもタクミの姿を見たかったからだ。
だが、タクミは帰って来なかった。

大学が休みの時にも正月にも・・・よっぽど俺と顔を合わせたく無かったんだろう。

そして俺は福山とタクミが付き合っている風景を妄想して胸が苦しくなる。
胸が掻きむしられる様な思いになる。
二人が抱き合っているシーンを想像して何故か勃起したりした。
頭がおかしく成りそうだった。

そうやって欝に成れば成る程に更にネットの世界に逃げるんだ。
ダメだね、俺は。
498 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 10:31:38.85 ID:g/0tPLko
更新きたー
まってたぞ///
499 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:32:49.53 ID:Mazm9RQ0
たまに夕方に起きて外を見たら子供達が楽しそうに遊ぶ声が聞こえて来る。
その瞬間、とてつも無く淋しい気持ちに成る。
いや、淋しいと言うよりも、心の中の大事な部分がえぐられた気分に成るんだ。

俺はどこで道を間違えたんだろう?
俺はなんでこんな風に成ってしまったんだろう?

そう思うと涙が溢れて来るんだ。
俺は一人咽び泣いた。

何とかしないと行けない・・・何とかここから脱しないと・・・

だけど脱する事が出来ない。その勇気が起きない。
500 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:33:46.04 ID:Mazm9RQ0
ニートや引きこもりはね、気持ちは有るんだよ。
だけど何かを言い訳にしてしまう。

俺の場合は足だった。
足が無いから仕事が見付からない・・・そう言い訳をする。
行動を鈍らせるんだ。
でもね、本人も分かってるんだよ。それが原因じゃ無い事位ね。
そんな物は言い訳に過ぎない事位。

そして言い訳をしている自分に自己嫌悪して益々、何もしたく無くなり欝に成る。
本当にね、毎日必ず一回は欝に成ってたよ。


兄が声を掛けてくれるまではね。
501 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:34:32.30 ID:Mazm9RQ0
ニート生活を一年位した頃。
俺は見る影が無い程に落ちぶれといた。
髪は肩まで有り汚い。ヒゲも生やし放題。腹は出て筋肉も無い。
粗大ごみだった。

そして親の目を気にして卑屈に成っていた。
ある日兄が実家に帰って来て俺の部屋に来る。
俺は兄とは電話でよく喋っていた。
502 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:35:55.62 ID:Mazm9RQ0
兄が実家に帰って来た時に俺を見ると
「元気か?障害者ニート」
といつもながら思い切りの良い言葉を掛けて来る。

だが、俺は兄の愛を分かっているので苦笑いをするだけだった。
俺は兄と喋る。俺が唯一外界との接触の場所は兄だった。
俺が声を発する事が出来る相手は兄だけだったんだよ。

引きこもってたらね、言葉を発する機会が無いからたまに声の発し方を忘れてしまいそうに成るんだ。

兄と有る程度会話をした後に兄が最後に言って来た。
503 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:36:34.61 ID:Mazm9RQ0
「あのさ、お前は何も考え無くて良い。とにかく飽きるまでニートをしろ飽きたら働け。それまでは俺が生活を支えてやる。分かったな?飽きるまでは逆に働くなよ」


兄はそれだけ言うと出て行った。
単純な言葉なんだけどね。
そして甘やかせた言葉なんだけど・・・


俺には効果的だった。
504 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:37:33.60 ID:Mazm9RQ0
俺は飽きていたんだ。
ニート生活に。
だから俺は前に進みたかったんだ。

まず自分で髪を切った。
グチャグチャだったけど、長い時よりかは幾分すっきりした。
そしてヒゲを剃る。ニート生活で白く成ったノッペリとした太った男の顔が現れた。

次に俺は両親の所に向かう。
これには少し時間を要した。
三日位、部屋のドアの前で逡巡したんだよ。

だけど俺には行くしか道が残っていない。


ニートは飽きたんだ。
505 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:38:19.93 ID:Mazm9RQ0
夜の8時位だったと思う。
俺は松葉杖を使いゆっくりと階段を降りて行く。
階下からテレビの音が聞こえ両親二人が無言で夕飯を食べている気配を感じた。

俺は緊張をしていた。
両親に会うのに緊張するのはおかしいと思うかも知れないが緊張するんだよ。
長い事引きこもりを続けると。

ゆっくりと階段を降り切り廊下を歩く。
ギシッギシッと言う音が夜の家に響く。


そしてリビングの前に到着して・・・ドアを開けた・・・
506 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:39:09.99 ID:Mazm9RQ0
俺がリビングに入ると両親はビックリした表情を浮かべている。

二人の箸を持つ手が動きを止めた。
俺は二人を見つめる。
二人も俺を見つめていた。
長い沈黙が続く。

俺は言葉を発する事が中々出来ない。
声が出ない。

「あ・・・」とか「う・・・」とかと言う呻き声に似た感じの言葉でしか話せない。

だが両親は俺を待ってくれていた。

「どうした?」とか「何?」とか言う言葉すら掛けない。

箸を置き俺を見つめている。
507 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:40:00.10 ID:Mazm9RQ0
少し母親が涙ぐんでいた。
父親は優しい顔で俺を見ている。
両親も俺の髪を切りヒゲを剃った姿を見て理解していたんだろう。
俺が決心をしている事に。

俺は下を向き歯を食いしばった。
何分経過したんだろう?
俺がリビングに入りかなりの時間を費やしていた。

俺はようやく・・・

言葉を発した・・・




「ぎ・・・義足を・・・付けたいんだ・・・」
508 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:40:38.11 ID:Mazm9RQ0
その瞬間に母親が泣いた。
ボロボロと涙をこぼす。
父親もウン、ウン頷いて目に涙を溜めている。

「い・・・良い・・・?」

俺が恐る恐る聞くと

「ああ・・・!もちろん・・・」

父親はそう言って力強く答えた・・・
509 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:41:32.28 ID:Mazm9RQ0
翌日、俺は父親に車に乗せて貰い病院に行き装具士さんを紹介して貰う。
義足は俺の足に合った物を作って貰う。

もちろんリハビリも必要だし義足歩行の練習もいる。
そしてすぐには出来ない。

通常は入院中に整形外科の先生と理学療養士さんが俺の傷口のケアをしながら装具士さんが作成したりするものらしいんだけどね。
俺は全てを断っていたから、大変だったよ。
510 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:42:11.05 ID:Mazm9RQ0
しかも事故からかれこれ一年半以上経過したからね。
でもたまに俺みたいな人はいるらしい。

まあ、とにかく俺は前に進む事にしたんだ。

そしてね、俺は本当に恵まれているんだよ。
恐らく殆どのニート達は就職活動の壁にブチ当たり失敗して、再びニートに戻る人も多いんだろう。

だけどね俺の前には神様が現れたよ。
別に宗教的な事じゃないんですけどねw
511 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:43:01.71 ID:Mazm9RQ0
ある日の事だった。
病院で仮義足のリハビリを終えて家に帰って一息ついた時だった。
その頃は俺もリビングで両親と一緒に御飯を食べる事が出来る様に成っていた。

そしてポツポツでは有るが両親とも会話をする様に成ってたんだ。
512 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:43:44.54 ID:Mazm9RQ0
俺が御飯を食べ終わり部屋に戻ろうとすると、家のインターフォンが鳴った。

誰だ?
と思いつつ俺は母親に出るのを任せて部屋に戻ろうとすると母親が慌てて俺の元に来た。

「シンヤ・・・先生よ・・・」

母親がビックリした顔で言っていた。

先生?病院の?
俺はそうぼんやり思っていると・・・リビングに現れたのは・・・

高校時代の・・・
アメフトの恩師だった・・・
513 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:44:28.67 ID:Mazm9RQ0
先生は俺を見るとのっけから笑顔で言った。
「おう!久しぶりだな!シンヤ!」
先生は快活な表情でそう言う。俺も慌てて頭を下げる。

「聞いたぞ・・・事故って足を無くしたらしいな・・・」
そう言って先生は俺の足を見る。そしてゆっくり俺に近づき足を触った。

「頑張ったな・・・」そう言って立ち上がり俺の肩をポンと叩いた。

先生も俺の兄と同じで敢えて人の痛みに突っ込む。
今でもそうだが、先生も兄も俺を障害者扱いをしない存在だ。
514 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:45:42.31 ID:Mazm9RQ0
先生を俺の部屋に通して母親がコーヒーを持ってきた。
先生は母親に「お構いなく」とだけ告げると母親は出て行った。

部屋で先生と二人切りになる。
「どうしたんですか・・・急に」
俺はそう言った。
先生は事故ってから勿論一度も来た事が無い。
と言うか卒業以来初めて再会した。

「ん?ああ・・・俺は今教師を辞めたんだよ」
先生はコーヒーを啜りながら突拍子も無く告げた。
515 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:46:51.41 ID:Mazm9RQ0
「え??そうなんですか??」
俺は驚いた。
「だってさ、お前らみたいな糞ガキと付き合うのは結構大変なんだぜ」
先生は冗談とも本気とも取れない言い方をして笑った。

先生はどうやら今は非営利団体の職員をしているらしい。
そこで子供達にスポーツを教えている。
先生は勿論タッチフット(タックルが無いアメフトと思ってください)を教えている。

「いや高校生と違って子供は素直で良いぞ〜ハハハハハハ!」

先生は昔の様に豪快に笑う。
516 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:47:44.81 ID:Mazm9RQ0
昔から先生は豪快だった。
戦略も練習でも積極的なミスでは一度も怒らない。
ただ非積極的なミスではガンガンに怒鳴っていた。

俺はそんな話を聞きながら結局何をしに来たんだ?
お見舞いか?
そんな事をボンヤリ思っていると先生は慌てた様に答える。

「おう、そうだ忘れてた・・・今日お前に会いに来たのは仕事の依頼だったんだ」

え?


先生はキョロキョロして俺の部屋を見る。
517 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:48:26.22 ID:Mazm9RQ0
「お、調度良い・・・パソコンが有るじゃないか・・・ちょっとネットに接続してくれい」

先生に言われ俺は何が何だか分からないままネットに接続をする。
そして先生が勤める団体のホームページを開けた。

「これなんだよ、今さあ子供らを募集しようと思ってるんだけどさ、それを集うのにアメフトの面白さを伝える文章が必要なんだ」

先生はそう言うとカバンから紙を取り出して俺に見せた。
518 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:49:07.00 ID:Mazm9RQ0
「1000文字以内でアメフトの体験談を書いてくれないか?勿論報酬を出すから」

先生がいきなりそう告げる。

「え??俺がですか???」
「お前国語得意だったろ?一回現国の山本先生からお前の文章を見せて貰った時、味が有るな〜って思ってたのを思い出したんだよ」

山本先生は俺の高校時代の国語の先生だった。
彼に俺はいつも褒められていた。
519 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:49:52.95 ID:Mazm9RQ0
「え・・・でも・・・」
俺がそう言うと先生は俺の足を見る。

「お前今就職して無いんだろ?大学も辞めたし。暇つぶしに仕事しろよ」

なんて強引なんだ。そして不躾な・・・

「期限は一週間。出来たら俺の名刺のメールに文章を送ってくれ・・・引き受けてくれるよな?」

先生の強引さに俺は思わず頷いてしまった。



こうして・・・俺の社会生活の復帰への道が始まった・・・
520 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:50:45.06 ID:Mazm9RQ0
先生からの依頼を受けたは良いが俺は悩んでいた。
文章なんか高校以来書いてない。
何を書けば良いか分からなかった。

俺は取り敢えずパソコンを立ち上げると俺は文章を書き始めた。
そして事故以来見ていなかったアメフトの雑誌を見る。

俺はその雑誌の名試合のレポートを抜粋したりしてアメフトの面白さを書き綴る。
521 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:51:25.29 ID:Mazm9RQ0
一度書き始めると中々面白い。
俺は暇を持て余して小説等を大量に読んでいたので、小説的な言い回しや句読点の位置等を気を付けて四日後には完成した。

文章を見直すと我ながら上手い。
良いんじゃ無い?これなら先生からも褒めて貰えるっしょ。

俺はそう思い先生にメールを送って少し気分が良くなりベッドに寝転んだ・・・
522 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:52:25.30 ID:Mazm9RQ0
何時間後だろう?

俺の兄しか鳴らさない携帯電話が鳴り響く。
俺は目を覚まして着信を見た。相手は先生からであった。

「もしもし」

電話に出ると先生は明るい声で言う。
「お疲れさん」「あ、すみませんお疲れ様です・・・」
俺は目を覚まして起き上がった。

さっきのメールの文章の件か?声の調子から反応は悪く無さそうだな。

俺がそう思い先生の言葉を待った。
523 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:53:20.29 ID:Mazm9RQ0
「取り敢えずやり直しな」

のっけからその言葉に俺はビックリした。
「・・・え?」
「全然ダメだなー・・・お前こんなんだったけ?」
先生はガッカリした声で告げた。
俺は焦った。

ダメ?嘘だろ?

「高校の時のお前の文章は良かったけどなー・・・読み易くて・・・何よりグイグイと引き込まれる物が有ったんだけどなー・・・」

高校生?嘘だろ?今の文章の方が遥かに、ちゃんとした文章だろ。
524 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:54:11.05 ID:Mazm9RQ0
俺は少し腹が立った。

なんだよ、お前に俺の文章が分かんのかよ・・・お前は社会科の教師だったじゃねーかよ・・・

俺がそう思っている時に先生が呟いた。

「シンヤ」
「・・・はい」
「お前の文章はテクニックばかり鍛えてるランニングバックだな・・・」

「え?」
「中央突破をする為に必要なのは・・・力だ」

俺は先生の言葉に黙った。
525 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:55:14.06 ID:Mazm9RQ0
昔、よく言われた。
確か福山からも言われた事が有る・・・

「テクニックなんかいらねーよ、重機関車が!」

そう笑いながら言っていた福山の言葉が頭に浮かんだ。

「テクニックなんかイラン。良いか?面白いか、面白く無いか、それだけだ」

先生の言葉に俺は黙り込んだままだった。

しかし・・・何かが俺の中に湧き出て来た。
何かが俺の心から溢れて行く・・・

「必ず俺が満足を行く物を三日以内に仕上げろ期限が迫っているぞ」

先生の言葉に俺は焦った。「
526 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:56:00.63 ID:Mazm9RQ0
「え?マジっすか・・・」
「当たり前だろ、お前はプロだろ」

は?何を言ってやがる・・・

「いや・・・俺は素人っすけど・・・」
俺の言葉に先生は笑った。
「は!金を貰って作業を行ったら、自分の仕事に責任を持つ!そしてそれを行うのはプロの仕事だ!」

マジかよ・・・なんか無理矢理じゃねーか・・・
527 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:56:38.55 ID:Mazm9RQ0
「それからな、メールを送ったら必ず相手に確認の連絡を取れ!パソコンは常に持ち歩いて無いんだぞ!自分の仕事に最後まで責任を持て!分かったな!」

先生はそれだけ言うと電話を切った。
俺は切った後もボンヤリとする。

なんか・・・いつの間にかプロにされてしまった・・・

俺はそう思う反面・・・『プロ』と言う言葉が俺をくすぐる。

『プロ』か・・・カッコイイな・・・なんか。
528 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:57:45.08 ID:Mazm9RQ0
俺はそう思うとパソコンを開いた。
そして自分の文章を確認する。

確かに・・・文章は良く出来ている。
しかし何か普通の新聞記事の様なただ事実を羅列しているだけに過ぎない気がする。

これを見て俺もアメフトをしたい・・・そう思える文章かと言えば・・・全然違う。

面白く無い。
だけど、どうすりゃ良いんだ・・・?

俺は目を閉じて考える。そして再び雑誌を読んでみた。
だけど何も思い浮かばない。
529 :1 [sage]:2010/02/05(金) 10:58:39.36 ID:Mazm9RQ0
俺がそのままパソコンと雑誌を交互に睨めっこしているとドアのノックが聞こえる。
「シンヤ・・・ご飯出来たけど・・・」
母親がそう気を使いながらドア越しに俺に告げた。

事故以来俺に気を使っている母親が少し不憫に感じた。
俺は元気よくドアを開けて答えた。
「うん・・・今行く・・・」


飯を食いながらも、トイレに入っても、風呂に入っても俺は先生が来れた仕事の事を考える。

何かが頭に浮かんでいる。
しかしそれが何かは分からない。
とにかく俺は考えた。
530 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:00:25.59 ID:Mazm9RQ0
夜中も眠れずに俺は考え続ける。
時間が過ぎて行く。
俺は締め切りの最終日まで何もまとまらなかった。

しかし・・・俺の中では断片的に色んな物が広がって行く・・・

そして俺が浮かんだのは・・・
先生の「自分の仕事に責任を持つ」と言う言葉だった・・・


責任か・・・
俺はその言葉に閃き、そのままパソコンを開いて文章を打つはじめた
531 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:07:13.23 ID:Mazm9RQ0
俺はアメフトをしている・・・その場面が思い浮かぶ・・・


俺よりデカイ人間が30m位向こうから全力で走ってくる。
俺も全力で相手に向かって走る・・・!
ドクドク言う心臓が俺の喉元までせり上がって来る思いをした。

こんな奴と全力疾走でぶつかったら・・・俺死ぬんじゃ無いか・・・?

その思いが込み上げる。
だが、走らなければ成らない・・・!
そして全力で相手にぶつかり・・・

後ろを走るランナーを守らなければ成らないんだ・・・!
532 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:08:19.88 ID:Mazm9RQ0
相手が鬼の様な形相をしているのが分かった・・・
相手も俺を吹き飛ばして後ろを走るランナーを捕まえなければ成らない・・・!

相手も俺にぶつかるのは嫌だ。
だけどお互いそうしなければ自分の仕事を遂行出来ない・・・!

ハアハアと言う呼吸音と
ダッダッダッ!!!!!
と言う走る音がヘルメット越しに聞こえて来る・・・

ぶつかる・・・!

相手とぶつかる!!!
俺は怖い・・・相手も怖い筈だ・・・!!

だけど俺達はぶつからない行けない!!!!

それが・・・それが・・・アメフトなんだ!!!!!!!
533 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:09:37.18 ID:Mazm9RQ0
俺はそのままでは無いが上記の様な内容を書いて締め切りギリギリに先生にメールをした。

もうね、一気に書いた。
本当に一気に書いたので推敲なんて全くせずに送ってしまった。

先生に電話をする。
「お疲れ様です・・・とにかく書き上がった物を送りました」
俺がそう言うと先生は「分かった。後で目を通す」そう言って電話を切る。

俺はそのままベッドに寝転がる

怖い・・・怖いなおい。

あれ以上俺は何も思い浮かばない。
もしもダメと言われたらどうしよう?
534 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:10:40.84 ID:Mazm9RQ0
俺はよっぽど携帯電話の源を切ろうかと思った。
一眠りしようかと思ったが怖くて眠れない・・・
先生にメールを送ってから恐らく一時間も経過して無いと思う。

だが、俺には何時間も経過した様に思えた頃に、先生から電話が入った・・・

俺は着信の音にベッドから飛び上がりそうに成った。
だが、慌てて電話に出る・・・

「もしもし・・・」

俺が恐る恐る言うと先生はブスッとした声で言う。
535 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:11:27.30 ID:Mazm9RQ0
「お前さー、誤字脱字位、チェックしろよな。プロとして最低条件だぞ・・・」

先生にそう怒られて俺は凹んだ。

「・・・すみません・・・」

ダメだー・・・俺はダメなんだ・・・

そう沈み切っている俺だったが「だが・・・」そう言って先生は急にトーンを変えた。

「・・・面白いな・・・!良い物を書いてくれてありがとう・・・!」

先生がそう笑う。
536 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:12:04.51 ID:Mazm9RQ0
「え????て、事は・・・?」
「OKだ!今回は初仕事と言う事で俺が誤字脱字の修正をしといてやる!」

そう言われた瞬間に・・・俺はベッドに崩れ落ちた・・・

やった・・・!認めて貰った・・・!

俺は思い切りガッツポーズをしていた。
そう初めてタッチダウンを決めたあの時の様に・・・!
537 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:12:48.79 ID:Mazm9RQ0
数日後、俺の元に現金書留が送られて来た。
銀行に行けない俺を気遣って先生が書留で報酬を送ってくれたのであった。

中を開けてみるとビックリした。
俺が思っている以上の金が入っていたのだ。
いや、多いと言っても数十万とかじゃ無いよ。勿論。

俺はこんな文章書くだけだから数千円位だろうと思っていたからビックリしたんだ。
報酬額を聞かない俺も俺だが・・・
538 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:13:42.19 ID:Mazm9RQ0
俺はその金をどうしようか考えた。
自分で何か欲しい物は無いのか・・・?
考えるが特に無い。

考えたら俺に物欲が全く無い。
無いんだったら・・・

夕飯の時、両親と三人で飯を食う。
両親とこの頃に成ると普通に話せる様に成っていた。
ただお互いまだ幾分の気の遣いが有ったのは仕方が無いと思う。
539 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:14:21.77 ID:Mazm9RQ0
飯の途中で俺は両親の前に金が袋をテーブルの上に置いた。
両親は「?」と言う顔をしながらその袋を見つめる。

「何?これ?」母親が尋ねた。
「いや、あの・・・少ないけど・・・義足代の足しにして貰おうと・・・」

義足は国から援助が出るので安く買える。
だが、安いと言っても数十万する。
かなり高いんだ。
540 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:15:05.14 ID:Mazm9RQ0
俺は先生から仕事を受けて、その報酬を貰った事を両親に告げた。
母親は又もや涙ぐんでいた。
父親も少し目が赤い。

「良いわよ・・・そんなの・・・これはシンヤの好きに遣いなさい・・・」
母親はそう言いながら鼻を啜る。
「あ、いや俺の好きにっつーか、それが義足代なんだけど・・・」
俺が慌てて言う。
541 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:16:08.55 ID:Mazm9RQ0
「じゃあ貯めて置きなさい・・・」
母親が突っ返す。
「いや、でも・・・」
俺が困っていると父親が頷いた。

「分かった・・・ありがたく使わせて貰う・・・」
そう父親が言う。
「え?でも・・・」
母親が困るが父親は首を横に振る。

「シンヤが一生懸命頑張って稼いだお金だ。それを正に自分の足に注ぎ込む・・・良い事じゃ無いか」

父親はそう言って微笑むと俺に自分のグラスを渡してビールを少し注いだ。
「少しだけ飲みなさい」俺にそう言った。

俺は事故以来酒を飲んでなかった。
飲む気が起こらなかったんだ。

だが、俺は頷くと何年か振りにビールを飲んだ・・・
542 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:17:11.14 ID:Mazm9RQ0
俺は毎日リハビリと義足歩行の練習を続けた。
そして俺の義足を作るべく装具士さんと打ち合わせをする。

「こんな感じはどうですか?」
装具士さんが聞いて来る。
俺は少し違和感が有ったが「あ・・・良いです」そう言った。

すると装具士さんは俺を見る。
「あの、無理せずにちゃんと言って下さいね」
装具士さんが真剣な表情でそう言った。

「あ、でも・・・」俺がゴニョると

「これから何年もアナタはこの義足を付けないといけないんです。そして、それをキチンと作るのが・・・我々『プロ』の仕事なんです・・・!」

543 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:18:03.88 ID:Mazm9RQ0
装具士さんの、その言葉に俺は頷いた。
「分かりました・・・すみません、ここがですね・・・」

俺は装具士さんの言葉を考える。

『プロ』か・・・お金を貰う以上、相手に満足を与える。
それは額に関係無いんだ。
相手がどの様な気持ちでお金を払うのか・・・

その思いに応えるのがプロ・・・か。
544 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:19:04.57 ID:Mazm9RQ0
そして俺は仮義足で家で歩く練習をする。
俺は初めて近くのコンビニまで行った。

僅か100m位の距離なんだけどね。
だが、俺に取っては冒険だった。
義足ってね最初の慣れない頃は疲れるんだよ。スムーズに歩けない。

また、俺はずっと引きこもり生活を続けていた。
正直、人に会うのが怖かった。

そのダブル爆弾を抱えながら俺は一人歩く。
545 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:19:55.37 ID:Mazm9RQ0
コンビニまで到着するまでに俺は一度休んだ。
壁に手を付いて休む。

辛い・・・これからずっと、この辛さを抱えないといけないのか・・・?

俺はそう思い投げ出しそうに成った。

だけど・・・もう二度と・・・あの日々には戻りたく無い・・・
あの何もせずに、ただ生きるだけの日々・・・

耐えろ・・・!頑張れ・・・!
俺は周りに迷惑を掛け続けた・・・!
この位の辛さはなんだ!!
546 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:21:17.77 ID:Mazm9RQ0
タクミはもっと辛かったんだ!!!
恋人に裏切られ、罵られ、挙げ句の果てに捨てられた・・・!!!

これはタクミに対する贖罪だ!!!!

俺はそう思うと再び歩き出した。
勿論、それが贖罪には成らない事位分かる。

だけど、そう思わないと俺は前に進めない位にヘタレだったんだよ。

コンビニが成功すると俺は近くのスーパーにも行った。
郵便局にも行った。

そうやって徐々に距離を広げて歩く練習をする。
俺は段々と自然に歩ける様に成っていた・・・
547 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:22:09.44 ID:Mazm9RQ0
ある日先生から電話が有った。
「おう、元気か」先生が相変わらずのトーンで言う。
「はい」俺も元気に答えた。

「良い返事だ・・・所で、お前にまた仕事の依頼をしたい」
「マジっすか!はい!やります!」

俺は嬉しかった。これでまた義足代の足しに成る。そう思ったんだ。

「サッカー教室の宣伝文章なんだけどな」

え?
548 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:22:58.09 ID:Mazm9RQ0
「あ、いや・・・俺、サッカーした事が無いんですけど・・・」
「うん、知ってる、だけどお前の文章が理事会に評判が良くてな、だから書いて欲しいと頼まれたんだ」
「え・・・でも、良く知らないし・・・」

俺がそう口ごもると先生は笑いながら軽く言った。

「じゃあ、サッカーの練習風景を見に来い」

は???

「子供達のサッカーの練習風景を見に来るんだよ、それでお前が感じた事を書けば良い」

先生の言葉に俺は動揺した。
549 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:23:56.46 ID:Mazm9RQ0
歩ける様に成ったと言えどもまだ慣れていない。
そしてもしも万が一義足が外れたりしたら、俺は皆から奇異な目で見られる。

それは怖かった。
特に子供達に奇異な目で見られる事を・・・

「ん?どうした?」先生は不思議そうに尋ねる。
「あ・・・いや、まだ・・・・」

俺は先生に自分の不安を告げた。怖い事を。
まだもう少し遠出をする事を避けたい旨を告げた。
550 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:25:07.47 ID:Mazm9RQ0
だが・・・

「あのさ、俺はハゲてるだろ?」突然先生はそう言う。
「え?」
「俺は見ての通り若ハゲだ。だから昔はアデランスに行こうかどうか悩んだ」
「は・・・はあ・・・」

「だけどな、ある日気が付いたんだよ。そんな事をしても意味が無い事に・・・コンプレックスを隠しても意味が無いんだよ」

俺は黙り込んだ。
551 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:25:52.69 ID:Mazm9RQ0
「このハゲはな・・・俺のチャームポイントだ!俺は顔が男前過ぎるから、これ位のハンデが有って調度良いんだよ!」

先生が笑いながらそう言う。

「世の中には色んな人が居る。だから、人生は様々だ。お前は単に足が無いだけだ。足が無いからこそ、今のお前が居る・・・それがお前のチャームポイントだ!」

先生はそう強引な理論を言い出した。

何を言ってるんだ・・・コイツは?

そう思っているんだけど、何故か胸が熱く成っている自分がいる。
552 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:27:07.78 ID:Mazm9RQ0
「シンヤ・・・」

先生は笑い声を止めて真剣な声を出した。


「奇跡はな・・・奇跡は最後まで努力し続けた人間にだけ・・・訪れる・・・!」


俺は目を見開いた。

「あがけ・・・!人生を足掻き続けろ!!!最後まで!!!奇跡を起こせ!!!!!」

先生はそう俺に言った。

何の奇跡だよ・・・


俺はそう思うが俺の心は・・・先生の言葉に打たれていたんだ・
553 :1 [sage]:2010/02/05(金) 11:28:03.09 ID:Mazm9RQ0
以上です。続きは今日中に書きます。そして、全ての話を明日の朝までに書こうと思います。

それではまた!
554 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 11:28:52.90 ID:GAxc6Q6o
乙!
もう眼から汗が止まらないじょ
555 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 11:29:01.11 ID:g/0tPLko
ええ〜
とりあえずおつ///

今回はあまり鬱じゃなくてよかったww
556 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 11:34:55.85 ID:5HfuuAAO
乙です!
マジで泣いた。
557 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 11:48:30.22 ID:nKUtETco

続き待ってる!
558 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 12:08:34.17 ID:O.KOkIc0
お疲れ
普通に泣きましたwwwwww
559 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 13:14:34.86 ID:b68/.YM0
乙です
目や鼻から変な汁が出て止まらん・・・
続き楽しみに待ってるからねー!
560 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 14:28:04.53 ID:cTN76Y.o
次で終わりか
楽しみだけどもっと見たいようなww
561 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/05(金) 14:58:13.21 ID:.zr6qRs0
頼むぜホント・・・勤務中に目から汗流させんなよ・・・
562 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 15:14:09.17 ID:qUAX0gI0
お疲れ!
今この事を書くって事は、昔を振り返りたくなるだけの何かが、現在のシンヤにあるのかな?
それがハッピーな事だと期待して待ってるぞ!
仕事いってくる!
563 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/05(金) 15:42:53.26 ID:rCrw4IYo
先生の言葉にもう汗が止まらん
564 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 02:04:44.58 ID:.iexfcAO
アメフトって楽しいですか?
565 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 05:45:02.29 ID:VIun96DO
うちの母ちゃんも21から片足無いんだが
かなりの肝っ玉、母ちゃんで
小さい頃は恐怖だった
こんなスレがあったので見せてみたら
回りみたら羨ましいときもあるけど
金のある無いとたいしてかわらん。
とりあえず生きてれば楽しいこといくらでもあるから
こんなことくらいどうってことないよ
20年たっても今でも、げんつうだけは嫌だけど
だ、そうです。
566 : [sage]:2010/02/06(土) 06:33:39.38 ID:RCcJM0c0
お待たせ致しました。皆さん全員にレスを返したいんですが、少し時間が有りません。
申し訳無いです。本当に・・・では続きです。
567 : [sage]:2010/02/06(土) 06:34:50.69 ID:RCcJM0c0
先生に言われてから数日後、俺は初めて電車に乗った。
母親が車で送ろうか?と言って来たが、俺は断った。

これは俺が引き受けた仕事だ。
金を貰う以上、俺はプロだ。プロならば自分の事は自分で責任を負う。
俺は些細な仕事かも知れないが、その気持ちで先生が勤めるスポーツ教室に向かう。

駅に着くと、俺は歩き方が変じゃ無いか?
義足とバレてるんじゃ無いか?そう不安に思った。
568 : [sage]:2010/02/06(土) 06:36:48.07 ID:RCcJM0c0
凄く不安だったが俺は電車に頑張って乗った。
電車が来た時、素早く乗れるかが心配したが、以外にスムーズに乗れる。
勿論、汗かいたけどね。

到着駅に着くと先生が車で迎えに来てくれていた。
先生は俺を見ると大きく頷いた。

そして・・・

「よく・・・頑張ったな・・・!」

そう言ってくれた。
569 : [sage]:2010/02/06(土) 06:38:01.20 ID:RCcJM0c0
先生の車に乗り、スポーツ教室に向かう。
そこには子供達が沢山居て元気良く練習をしていた。
皆、一生懸命にサッカーをしている。楽しそうだ。

「どう?なんかアイデアが湧きそうか?」先生がそう言う。
「あ、いや・・・全く・・・」俺がそう答えると先生は頷いた。
「まあ、ゆっくり見ていろ、俺は少し事務所に行って来るから」

それだけ言うと先生は離れて行った。
570 : [sage]:2010/02/06(土) 06:39:06.91 ID:RCcJM0c0
俺は子供達の練習風景を見た。

何を皆楽しんでるんだろう?
サッカーの面白さって何だろう?
ゴールを決めた時?
それともボールを蹴る事?

いや・・・違うな・・・

それも面白いんだろうけど・・・
もっと・・・

俺はしばらく子供達を見続けていた。
一人の子供がヘディングをした時に何かを感じた。

そして・・・自分の足を見た。
うん・・・これだな・・・
571 : [sage]:2010/02/06(土) 06:39:59.36 ID:RCcJM0c0
俺はカバンから携帯を取り出した。
そしてメモ機能を開けて文字を打ち始める。

今でもそうなんだけど、俺は文章を携帯に書き留めるんだよ。
この話も基本、携帯に書き留めてます。

サッカーの面白さ・・・それは不自由さだ・・・!

手でボールが触れない、だから面白いんだ。
よく考えるとスポーツ全てはそれに通じている。

不自由さを楽しむ・・・それがスポーツなのかも知れない・・・
572 : [sage]:2010/02/06(土) 06:41:09.04 ID:RCcJM0c0
そして、俺も痛感する。

不自由な足。
不自由な体。
だから何?

だから上手く歩こうとする。
歩く事に熱中出来る・・・

俺は心の中で何かが開けた気がした。




なんだ・・・簡単な事じゃ無いか・・・俺は楽しめば良いんだ・・・!
573 : [sage]:2010/02/06(土) 06:42:37.74 ID:RCcJM0c0
俺はその場で「不自由さこそがサッカー」と言う内容で文章を書き上げた。

先生はそれを読むと大きく頷き「やるな!」そう言って満足をしてくれた。

その日からだろうね。
俺が完全に変わったのは。
俺が片足生活を楽しむ様に成ったのは。

俺は一人で遠出をする様に成った。
コケる事も有る。失敗する事も有る。
だけど、だからこそ上手く行くと楽しい。

嬉しい。
574 : [sage]:2010/02/06(土) 06:43:42.33 ID:RCcJM0c0
ある日先生から電話が有る。
また、仕事の依頼か?俺は喜んだ。
もちろん、仕事の依頼では有ったが少し赴きが違ったんだ。

「正式に毎月報酬を支払うのでブログの管理をして欲しい」

そう言われた。
もちろん、ブログに文章を書く為に毎回各スポーツ教室を見て回らないといけないし、メールの返信等もする。

「どうだ?やるか?」

先生にそう言われたが俺は二つ返事で答える。

「宜しくお願いします!」

こうして俺はそのスポーツクラブに関わる事に成ったんだ。
575 : [sage]:2010/02/06(土) 06:45:06.31 ID:RCcJM0c0
そしてね、その時に俺は先生会ってに聞いたんだよ・・・
そもそも何故、俺に仕事を持って来たのかを・・・ね。

だっておかしくない?卒業して何年か経過している上にさ。
俺じゃ無くても良いだろ?
それに文章を書くだけなのに報酬が高すぎる。
俺の中の疑問はずっと有ったんだ。
だけど、この時に俺は初めてぶつけてみた。

先生は最初は口ごもっていたんだ。だけど・・・
576 : [sage]:2010/02/06(土) 06:46:08.67 ID:RCcJM0c0
「お前が事故った事を聞いたのは、かなり前だったよ」

先生はポツリと呟いた。

「だけど俺はお前に何もしてやれない。だから会いに行くのを避けたんだよ・・・」

先生はそう言うと微かに笑った。

「俺はお前にしてやれる事を考えた・・・俺の結論は・・・・チャンスだけだった」

俺は先生の話に目を閉じた。
577 : [sage]:2010/02/06(土) 06:47:12.08 ID:RCcJM0c0
「お前への報酬は俺のポケットマネーだ。だけど、お前は見事に俺の期待に応えたよ・・・ちゃんと・・・チャンスを掴んだんだ・・・!」

俺は涙が出て来た・・・ボロボロと涙が出て来た。
泣いた。正に全俺が泣いた。

昔の俺なら、プライドが邪魔をして切れていた。
「そんな施しは要らない」
そう言って先生の好意を突っぱねていたんだろう・・・

だけど俺はその時はちゃんと分かったんだよ。
578 : [sage]:2010/02/06(土) 06:48:19.54 ID:RCcJM0c0
俺は・・・いや、人は一人では生きて行けない事を・・・

俺は事故ってから、いや事故る前からもそうなんだ・・・
俺は誰かに支えられてしか生きて行けないんだ。

なのに、事故る前は一人で生きている顔をしていた。

「シンヤ・・・」先生が不安そうに声を掛ける。

俺は頭を下げると・・・「ありがとうございます・・・」

そう素直に、心の底から素直に御礼を言ったんだよ・・・
それは本当に心からの感謝だった。
579 : [sage]:2010/02/06(土) 06:49:32.57 ID:RCcJM0c0
でも、俺は理解していた。
先生がまだ俺に何かを隠している事も。
それが何かも俺は知っていた。
だけどそれは先生の好意に関係が無い。
それも含めて俺は先生に感謝をしたんだ・・・


それから俺は毎日仕事をした。正直、報酬は安い。だが、満足だった。
先生に恩返しがしたい。皆さんに恩返しがしたい。
そう思い仕事をする。

スポーツクラブに顔を出し、子供達とも会話をする。
子供達の目線で物事を考えたかったからだ。

俺の中に『プロ』の意識が芽生えたんだ。
580 : [sage]:2010/02/06(土) 06:50:24.84 ID:RCcJM0c0
そして俺は一人暮らしを始めたよ。
両親は心配したが、俺は色んな事にチャレンジしたかった。
そして兄が俺の為に費用を出してくれた。
甘えてばかりで申し訳無かったが俺は感謝して兄に頼った。

毎日が楽しかった。
スポーツクラブの職員さんも良い人達ばかりで幸いだったんだ。
毎日スポーツクラブに顔を出す内に俺はいつしかタッチフットチームのコーチに成っていた。
週に三日、子供達にタッチフットを教える。
581 : [sage]:2010/02/06(土) 06:51:07.90 ID:RCcJM0c0
それがね、凄く新鮮なんだよ。
人に物事を教えるって言うのは難しいんだね。

そしてね、自分も学べるんだよ。
それはタッチフットだけじゃ無い。

挨拶や物事に取り組む姿勢とかね。
俺は子供達に教えると同時に子供達から学んだ。

そうやって日々が過ぎて行く・・・
582 : [sage]:2010/02/06(土) 06:52:13.49 ID:RCcJM0c0
そして俺には更なる幸運が舞い込んで来た。
先生からの紹介で別の企業からブログの管理依頼が来たんだ。
どうやら俺のブログが好評だったらしい。

もちろん、俺は快くそれを引き受ける。
報酬はそれなりに良い。
しかし報酬の問題じゃ無い。

それよりも俺が人の役に立てている・・・それが一番嬉しいんだ。

そして、更に俺の仕事は増える。先生が色んな所で仕事を持って帰って来てくれた。
583 : [sage]:2010/02/06(土) 06:53:05.90 ID:RCcJM0c0
俺は忙しくて目が回りそうには成ったが、頑張った。

『プロ』として、自分の仕事に責任を持ったよ。

もちろん失敗する事も有る。余り評判が良くない事も有る。
そもそも俺は文章は上手くない。ただ面白いと思う物を書くだけ。
だからミスしたりも有ったよ。

ミスしたら落ち込むけど、それ以上にお金を支払ってくれているお客様に対して申し訳無い気持ちを持ちが有った。
だから俺は全力でお客様をフォローする。

それが『プロ』だと思った。
584 : [sage]:2010/02/06(土) 06:54:09.13 ID:RCcJM0c0
仕事を続ける内に俺の生活は安定して来たんだ。

そしてブログの管理で稼いだお金で両親と兄を旅行に連れて行った。
近場だったけどね。両親に旅行に行こうと話すと泣いて喜んでくれた。
兄は相変わらず冷静に「生意気な片足君だ」と言っていた。

ブログの管理が忙しく成っても俺はタッチフットを教えに行ったんだ。
楽しかったからね。

そうやって日々を過ごし俺は幸せだった。
585 : [sage]:2010/02/06(土) 06:55:19.56 ID:RCcJM0c0
だけどね・・・
だけど、俺の心には足りないパーツが有ったんだ。


そう・・・タクミと福山だった。


俺は二人を忘れた事を一度も無かった。
と言うより俺は毎日二人の事を考え続けた・・・
だけど、二人に俺からは会えない。
会わせる顔が無い。
それでも俺は会いたかった。

二人に会って色んな事を話したかったんだ・・・
586 : [sage]:2010/02/06(土) 06:56:30.54 ID:RCcJM0c0
ある日の事だった。
そう春の日だったよ。

桜が舞い散る中俺は子供達にタッチフットの指導をしていた。
少し疲れて俺はベンチに座り子供達のプレーを見ていたんだ。
そして・・・桜の花びらが俺に舞い降りて来た・・・

そうか・・・春なんだな・・・俺は感慨深くそう思う。

一枚、また一枚桜の花びらが俺の元に舞い降りていく時・・・隣に誰かが座った・・・

俺はゆっくりと・・・本当にゆっくりと・・・隣を見た・・・




そこには福山が座っていた・・・
587 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 06:57:18.79 ID:gDrGHZY0
きたー!!
588 : [sage]:2010/02/06(土) 06:57:23.13 ID:RCcJM0c0
俺は何故か驚かなかった。
何故か普通の出来事の様に思えたんだ。

福山が俺の隣に居る。それは俺に取ってとても自然な事だった。

福山は俺の親友なんだ。だから隣に座るのは当たり前だ・・・

そして俺はいつかこんな日が来る事は分かっていた。
だから俺は驚かなかった・・・
589 : [sage]:2010/02/06(土) 06:58:18.81 ID:RCcJM0c0
先生が俺の元に現れた事は俺の中ではまだ不自然な事が残っていた。

そもそも俺の事故をどうやって知ったのか・・・?
俺の事故を先生に伝えたのは誰か・・・?
そして俺が学校を辞めた事、俺がアメフトを辞めた事を伝えたのは誰なのか・・・?

まあ、風の噂ってのは有るだろう。
だけど、それは不自然だった。
作為的な物を感じたのは確かだった。

それが・・・福山だって事は俺には十二分に理解出来る事であり、
そして自然な事であった。
590 : [sage]:2010/02/06(土) 06:59:11.04 ID:RCcJM0c0
福山は真っ直ぐ子供達を見つめていた。
俺も子供達を見つめる。

「・・・上手いな・・・」

福山がそっと呟いた。

「・・・だろ・・・」

俺の声は少し震えていた。
591 : [sage]:2010/02/06(土) 07:00:03.22 ID:RCcJM0c0
「・・・足・・・」

福山がチラリと俺の脚を見つめて言った。

「ん・・・?」
「足・・・似合ってる・・・」

福山がそう言って、すぐに笑った。

「似合ってるって・・・おかしいな・・・」

自分の言葉に照れていた。俺も笑った。


俺達の間に桜の花びらが舞い降りる・・・ひらひらと・・・
592 : [sage]:2010/02/06(土) 07:00:50.44 ID:RCcJM0c0
俺の胸の中にも花びらが広がった・・・
そう桜の花びらが・・・

そして・・・


「・・・ごめん・・・」


俺は一言呟く。福山は何も言わない。ただ子供達を眺めている。
593 : [sage]:2010/02/06(土) 07:01:43.19 ID:RCcJM0c0
喉の奥から何かが込み上げる。
それは涙の源だって事はすぐに分かった。
鼻から鼻水が出てきた。
俺は鼻を啜る・・・


「・・・本当に・・・ごめん・・・!」


俺は再び言う。


「・・・謝んな・・・」


福山がそう答えるが福山の声も震えていた。
594 : [sage]:2010/02/06(土) 07:02:47.91 ID:RCcJM0c0
「・・・悪かった・・・」


俺はそう言った後に涙がこぼれる。
鼻を啜る。


「・・・だから・・・謝んなって・・・」


そう言う福山も鼻を啜っていた。
そして俺の肩に福山の手が置かれた・・・


「・・・頑張ったな・・・!」


福山がそう言って泣いた。
595 : [sage]:2010/02/06(土) 07:03:23.17 ID:RCcJM0c0
俺は何も言えずに頷きながら泣いている。

俺達は二人でずっと泣いていた・・・


桜の花びらが舞い降りる下で俺達二人はずっと・・・


ずっと泣いていた・・・
596 : [sage]:2010/02/06(土) 07:04:08.82 ID:RCcJM0c0
福山は大学を卒業すると、今の食品会社に入社した。
そして営業職として頑張っている。

タクミとは大学卒業以来連絡を取っていない。
だからタクミが今、どこに居るのかも分からない。

「高橋はお前をずっと気にかけていた」

福山は俺にそう言った。

「俺が知る限りは誰とも付き合っていない」

そうも言っていた。
597 : [sage]:2010/02/06(土) 07:04:53.74 ID:RCcJM0c0
「・・・どうする・・・?」

そう聞かれたのは福山との仲も戻った桜の季節が過ぎた初夏の頃だった。

二人で昔の様に俺がタッチフットを教えるグランドでキャッチボールをしていた時だった。

「どうする・・・って?」

俺がそう尋ねながら福山にボールを投げた。
598 : [sage]:2010/02/06(土) 07:05:36.16 ID:RCcJM0c0
「高橋だよ・・・お前の実家の目の前なんだから連絡の付け様もあるだろ・・・」

福山にそう言われ俺は初夏の空を仰いだ。

「んー・・・俺はさ・・・正直・・・良いよ・・・」

俺はそう言って福山が投げたボールをキャッチする。

「なんでだよ!」「俺はさ・・・」

福山の言葉を遮り俺は答えた。
599 : [sage]:2010/02/06(土) 07:06:21.59 ID:RCcJM0c0
「俺は・・・タクミをね傷つけたんだ・・・タクミに対して酷い事をしたんだよ」

俺の言葉に福山が首を傾げる。

「昔の・・・話だろ・・・あの頃のお前はさ・・・精神状態も不安定だったし・・・」
「違うんだよ」

またもや俺は福山の言葉を遮る。
俺はボールを握りながら福山を見る。
600 : [sage]:2010/02/06(土) 07:06:59.41 ID:RCcJM0c0
「俺はね、分かったんだよ。お前らを傷つけて、周りを傷つけて・・・そしてね俺も傷ついて、そして分かったんだよ」

福山は俺を見つめていた。

「俺はね、今心からお前らの幸せを願っている・・・その為にはどんな事でもする。それはお前らが好きだからだ」

俺は福山にボールを投げて福山はそれをキャッチした。
601 : [sage]:2010/02/06(土) 07:07:43.13 ID:RCcJM0c0
「タクミには・・・本当に幸せに成って欲しいんだよ、そしてタクミには幸せに成る権利がある。それは片足しか無いそして、タクミを一度不幸にした俺じゃ・・・無いんだよ」


福山は少し怒った表情をして
「かっこつけんな!」
そう言って思い切りボールを投げて来た。

俺はそれを少し慌てて取る。
602 : [sage]:2010/02/06(土) 07:08:59.03 ID:RCcJM0c0
そして俺もムッとして「かっこつけてる訳じゃねー!」そう言ってボールを返す。

「付けてるじゃねーか!!!」

福山は又もや思い切り投げる。

「お前・・・障害者にはもっとボールをゆっくり返せ!!」

俺も全力で投げる。

「うるせー!!!お前は高橋の所に行けば良いんだよ!!!高橋はお前を待ってんだよ!!!!」
「ああん???何でお前にそんな事が分かるんだよ!!!」
603 : [sage]:2010/02/06(土) 07:10:03.31 ID:RCcJM0c0
「分かるだろうが!!!誰が見ても!!!」
「うるせー!!!お前は早く、花の慶次の五巻を返せ!!!」
「そんなもん今はブックオフに有るわい!!!」
「売ったんか!!!お前売ったのか!!!」

・・・・
・・・・



そうやって季節は過ぎ去って行ったよ・・・
604 : [sage]:2010/02/06(土) 07:12:09.34 ID:RCcJM0c0
−2010年2月6日−

俺と福山は相変わらず喧嘩しながら仲良くやっている。

先生は今はすっかりハゲ上がっており、若ハゲどころの騒ぎじゃ無い。
でも元気に子供達の指導をしている。

兄は去年結婚した。もうすぐ俺の甥っ子が生まれるのが楽しみだ。

両親は元気でやっており、母親がヨガに嵌り父親が不倫じゃ無いかと疑っているのがウザい。

俺は今も数社のブログ管理とタッチフットの指導をしている。
毎日が楽しいよ。凄くね。
605 : [sage]:2010/02/06(土) 07:14:12.01 ID:RCcJM0c0
そしてもう一つ幸せな出来事が起きた。

福山が結婚する事に成ったんだ。
相手は同じ会社の事務員の子で結構可愛い。
何より感じが良い。

俺は紹介された時に悔しくて昔の福山の女癖の悪さを暴露してやろうかと思ったよ。


これが今の俺達です。
そしてこれが俺のチラ裏でした・・・

本当にね・・・長い文章で申し訳無かったです・・・


皆さん、ご拝聴・・・ありがとうございました・・・








と、言いたい所ですが、すみません。まだ終わらないんですよ。

606 : [sage]:2010/02/06(土) 07:15:04.61 ID:RCcJM0c0
実はね今日、2月6日。福山の結婚式なんです。

俺はスピーチを引き受けました。
今、凄く緊張しています。

スピーチ内容は既にまとめてあります。
でも上手く喋れるかどうか・・・不安で一杯なんですよ。


それと、もう一つ・・・ドキドキしている事が有ります。


607 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 07:15:54.96 ID:gDrGHZY0
そりゃこんなとこで終わられちゃ寝れないよ
608 : [sage]:2010/02/06(土) 07:16:21.44 ID:RCcJM0c0
実は福山の会社の人が主催している結婚式の二次会が有るんですけどね。


そこにね・・・
有る人を福山が呼びました・・・





そう








タクミです・・・!
609 : [sage]:2010/02/06(土) 07:17:19.26 ID:RCcJM0c0
福山がタクミを探して、連絡を取りました。

また奴のお節介癖がねー治って無いんですよ・・・


俺はそれを聞いた翌日に、このスレを立てました。
なんだか色んな事を思い出しましてね。

だから「至急に」って書いたんですよ。
610 : [sage]:2010/02/06(土) 07:17:59.92 ID:RCcJM0c0
タクミは俺が来る事を知っています。
正直、不安と期待が入り混じって・・・テンパってますよw

でも、とにかく俺はタクミに会って来ます。

会って・・・どうするんだろ?
とにかく会います。何をどうするかは全く考えてません。
611 : [sage]:2010/02/06(土) 07:18:39.80 ID:RCcJM0c0
そしてね、正直俺はタクミと復縁したいって気持ちは無いと言えば嘘になりますが・・・

それ以上にタクミには幸せに成って欲しいんです。
もしも今、恋人が居たらそれで俺は満足です。
そしてタクミに「今は幸せだ」そう言って欲しいんです。
612 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 07:19:15.72 ID:WVgw3wIo
>>610
なら、安価だろwwww
結婚式を増やしてやるよwwww
613 : [sage]:2010/02/06(土) 07:19:45.00 ID:RCcJM0c0
俺は本当に心の底からタクミに幸せで居て欲しい。
これは別に格好を付けてるとかそんなんじゃ無いんです。
本心で思っているんですよ。

そしてね、ただ一つ俺の我侭が許されるなら、タクミに謝って、タクミに許されたい。
それだけで俺は満足です。
614 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 07:20:29.41 ID:gDrGHZY0
>>612
このスレそんな軽いノリじゃねえだろw
615 : [sage]:2010/02/06(土) 07:20:49.21 ID:RCcJM0c0
>>612
いや・・・今も書いた様に俺は許されたいんですよ。
傷つけておいて勝手かもしれませんがね
616 : [sage]:2010/02/06(土) 07:22:04.78 ID:RCcJM0c0
だからですね・・・皆さんに一つだけお願いが有ります。

どうか嘘でも良いんで・・・

「頑張れ、お前の気持ちはタクミに届く」

そう言って貰えませんか?
617 : [sage]:2010/02/06(土) 07:23:08.87 ID:RCcJM0c0
もう不安で不安で・・・結局仕事もあり、これも書いてた事も有りますけど・・・
俺寝てないんですよ・・・w

もう今から準備して行かないと間に合わないし・・・

618 : [sage]:2010/02/06(土) 07:25:36.57 ID:RCcJM0c0
やばい時間です。

長々とチラ裏を語って申し訳ありませんでした。
俺の自己満足オナニースレにお付き合い頂いて本当にありがとうございました。

一応俺のチラ裏は以上です。
まあ、結婚式のお話は必ず最後に書き込みます。
それはお約束致します。

では、俺はそろそろ出掛けるのでこれで・・・
本当に皆さんありがとうございました・・・!
619 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 07:26:21.73 ID:WVgw3wIo
>>616
マジレスすると、もう届いてるんだぜwwww
がんがれwwwwww
620 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 07:28:46.48 ID:Peq6mIAO
届くよ
今のアンタは立派だもの
621 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 07:35:09.35 ID:gDrGHZY0
お疲れ様。リアルタイムでみてたよ。
許されるも許されないも、取り敢えず正直な心の内を伝えてきて欲しいと思う。
数年間、1の中にあった物を吐き出して、それまでの感謝と謝罪をすれば、結果どうであれスッキリするんでは?
あんな状況でも別れ話に一度でも首をよこに振った娘だし、分かってくれないわけないと思うけど。
長文スマソ。

ガンバレ!
622 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 07:38:04.02 ID:pTedN2AO
届かないはずがない。
頑張れ!
623 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 08:05:03.30 ID:7bXc.M6o
>>1の気持ちは必ず届くよ
がんば!
624 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 08:30:36.41 ID:U9oFNos0
頑張れ!超頑張れ!
ネットの向こうからじゃ何も出来ないかもしれないけど、
>>1の気持ちがタクミに届くように心から応援してるよ!
そして、このスレをハッピーエンドで終わらせてくれwwww
625 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 08:42:40.36 ID:5ZDmUG60
最初からずっとROM専でした

なんだこの小説はwwと思って読んでいたが
何時の間にか続きが気になって仕方が無かった

そんな俺、去年理不尽な理由で仕事を退職に追い込まれて
嫁と子供がいるのにニート状態で過ごしてきた

嫁、子供ごめん!
俺も前に進もうと思う

>>1ありがとう
626 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 08:47:15.70 ID:tPZHqy60
しかたねぇから言ってやんよ。

お前の気持ちはタクミに届く!


だから彼女と正面から向きあって思いの全てをぶつけてこい‼
627 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 08:54:40.53 ID:F57sJMoo
バカやろう。朝から会社で涙目じゃねーかww
もう見てないかもしれないけど頑張って来い。
今のお前ならきっと気持ちは届く。
当たって砕けて来いwwwwwwwwww
628 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 09:03:38.64 ID:iLypbp60
なんか良い運もってんなー
一生引きこもりでも不思議じゃない状況なのにな
良い運と環境(人間関係)に感謝しろよ
そして、今日タクミはお前(と福山)しか喋る人がいないから
しっかり話してこい
そうすればお前の気持ちは必ず届く
629 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 09:08:16.77 ID:cBg8iCYo
届くよ、届かない訳ねぇだろ!
お前の気持ちがタクミに届かないなんてアリエナイ!

報告待ってるぞww
630 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 09:12:52.80 ID:.wbuC2o0
携帯から見られるのかなぁ?
見られるなら....
心配しなくたってタクミに気持ちは伝わるに決まってるよ。
必要なのは素直になる事だけ!

頑張ってこい!
631 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 10:04:46.37 ID:bOcQ1ASO
>>1の思い
タクミに届け!
632 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 11:12:50.81 ID:Nrlcz4Y0
>>1頑張れ!超頑張れ!!!
うまく言えなくても気持ちが本物なら必ず伝わるよ

奇跡は最後まで努力し続けた人間にだけ訪れる

そうだろ?
633 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 11:32:02.51 ID:4ZjN5gc0
涙なしには読めなかったよ。久々に泣いたよ。
でもすごく清々しいのなwwww

>>1の思いは必ずタクミに届くぜ!!
634 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 12:42:18.87 ID:cSiBXkco
がんばれ!全力でぶつかればきっと思いは届く!
635 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 12:51:17.06 ID:eR33KUDO
絶対に届く!
お前は頑張ったんだから、奇跡は起こる!!
絶対届く!!
1の思いタクミに届けぇええぇえぇー!!!
皆幸せになれぇえぇええぇえぇー!!!!
636 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 13:26:33.73 ID:KNvKTRso
謝罪したいってのは自分の為でタクミの為じゃないだろ
タクミが今も一人なら一生かけて幸せにすることが責任の取り方だと思うんだがな
637 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 13:49:17.95 ID:p0ZYZ4Io
>>1は周りの人間関係に恵まれてるなww
うらやましい限りだよww

もう、見てないかもしれんけど・・・

>>1の思いは必ずタクミに届くよ!
だから自信を持って謝ってこい!
そして、許して貰ってこい!
638 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 13:56:32.92 ID:.6M84p20
頑張れ!!!
自分の気持ちをぶつけろ!
真剣に話せば思いは届くから!!!!!!
1にはもう足があるんだからもう一回走り出せ!!!!
639 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 13:58:43.04 ID:YRC4ghE0
いつまでも自分のしたミスをグダグダ引きずってんじゃねー!
ミスをしたら他のプレーで挽回しろ!
団体競技の基本だろ!
640 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 14:32:54.70 ID:aW5U8ADO
頑張って>>1
641 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 14:39:37.52 ID:IUHWr6go
きっと届くよ
642 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 14:40:03.00 ID:WlZGdeso
絶対届くから、がんばれ!!!!!
643 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 15:05:59.81 ID:.iexfcAO
ドラマのような展開になるかな?wwww
644 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 15:17:17.23 ID:ZxV1UUSO
>>1がんばれ
まずは伝えないと始まらないし終わらないよ
いっぱい話してこい
645 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 16:33:06.28 ID:gChqgsDO
届け、届け!届けぇ!!
646 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 18:21:32.66 ID:0mexWxoo
お疲れ。あんた、成長したなww
よし、背中を押してやる。

あんたの気持ちはタクミに絶対に届く。ここの連中がそれを保証してくれるさ。
そして忘れないでほしい。例え何があったとしても、あんたにも、幸せになる権利がある。あんたが幸せになることで、周りの人間が幸せになる、ということもあるんだ。

じゃ、頑張れよ。
647 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 18:36:11.50 ID:amjeO5go
俺が最後の鼻糞を食べ終わった時
お前の気持ちがきちんと必ずタクミに
伝わる呪いをかけておいた

これを解除するには>>1が俺の鼻糞を食べるしかないんだ
無理だろ?ぜってー無理だろ?

ったく>>1は俺になんつーもんを食べさせるんだよ
とっとと頑張ってきやがれ
648 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 18:58:58.12 ID:2GPrv/.o
今が幸せだからこのスレを立ち上げたんじゃなくて今幸せを掴もうとするためにこのスレを立てたわけだな。
確かに一時期は酷いことをしたかもしれないけど十分に反省して、前を向いて生きてるんだからきっとタクミも許してくれる。
タクミがまだ>>1のことを好きでいてくれたならタクミと幸せになる権利を持っていると思う。
自分で謝れるだけ謝って、言えなかった気持ちを全部いってこい。

頑張れ、お前の気持ちはタクミに届く!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
649 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 19:14:02.43 ID:4p4MHAAO
カタワだからって自分勝手な限界を作ってんじゃねえ!
謝るだけで赦されるわけないだろ
両手両足無くしたとしても一生掛けて傷付けた事を償い、感謝の想いを伝え、絶対に幸せにしろ!


まだプロローグが終っただけだよな?
この物語は今日から始まるんだよな?


楽しみにしとくぜ!
650 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 20:50:51.43 ID:DxGYJHs0
>>1の思い、届け!!
651 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 21:18:26.35 ID:S9kfMYDO
絶対届く!
1がんばれ!!!
652 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 22:22:57.13 ID:0jINHESO
みんな幸せになれるといいな。
653 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 22:31:08.76 ID:ElGzcTg0
俺はお前らに汗かかされたぜ。
654 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 22:31:32.68 ID:h5OmyVco
このスレは暖かいね

>>1が幸せになれるように祈ってる
そして>>1を応援してる皆が幸せになれますように!!
655 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 22:41:15.94 ID:FvlHXqEo
>>1頑張れ!
お前の気持ちは絶対タクミに届く!
656 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 23:14:56.54 ID:vbRaNLM0
1は今報告を書き溜めてるのか、それとも今夜も寝られないのか…
657 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 23:29:09.35 ID:BmTfDUAO
語りあかしてるんだろう、いい事だ
ゆっくり待とうじゃないか
658 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/07(日) 13:43:42.23 ID:qEJAWjA0
言っとくがここまで前置きだからな?
これからが本番だからな???
659 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/07(日) 15:08:03.20 ID:4k0lNk.0
>>1うまくいったかなぁ・・・
報告楽しみにまってるからねー
660 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 17:46:52.55 ID:YSyq7FI0
二、三日来ないんじゃないかな。もしかしたらもっとかも。

うまく行くに決まってるし、そうなれば一日や二日じゃ年月を埋められないでしょ。
661 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/07(日) 18:11:13.85 ID:.uvt6l.0
>>660
一般の人々は明日からまた仕事だぜ?
662 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/08(月) 13:36:56.63 ID:GCS6psAO
そろそろ報告あってもいい頃合いかな
663 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 14:04:30.31 ID:pdkGBX2o
勢い余ってジャンピング土下座とかやらかして大変なことになってたりしないだろうな…
664 :1 [sage]:2010/02/08(月) 16:39:08.25 ID:dXpzJQc0
すみませんでした。
ちょっと土日に色んな事が有って、俺も寝てない事もあり、そして仕事もあり・・・
もうテンヤワンヤでした。
ちょっとまだ書き溜めもしてない状況です。
そして俺にまだ仕事が有りまして、デジカメが壊れてて大変です。

もう意味が分からない位にテンパっておりますので、もうしばらくお待ち頂けますでしょうか。
デジカメがやばーーーーーーい
665 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 16:41:07.67 ID:Dn5QHcEo
待つぜ!
仕事がんばれよ!
666 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 17:08:03.42 ID:UQcfFlco
舞ってるわ
667 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 17:26:03.48 ID:ei6PKSIo
餅つくまで舞ってる
668 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 17:32:08.30 ID:6rLDsGco
正座して待ってる。
イロイロがんばれ。
669 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 17:34:14.14 ID:3yEEupU0
おかえり報告まってるよ
仕事頑張って
デジカメはデータもなくなったのか?
670 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 17:34:25.20 ID:YHWjgKM0
目の前の事片付けてからでいいからー!
671 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 18:22:11.20 ID:pfXHyYDO
しっかり舞ってるよ
672 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 18:27:14.76 ID:GCS6psAO
最近のスレ検索してもなぜか引っ掛からない
なぜ?
673 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 18:32:17.40 ID:ei6PKSIo
>>672 スレチ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1152262275/845-n
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1216088472/167-n
674 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/09(火) 10:52:01.19 ID:fvVrFUAo
早くパンツ履きたいぜ・・・
675 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/09(火) 11:25:05.20 ID:M8I4D0Y0
>>674
だめだ。
お前にはパンツは履かせない。
676 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/09(火) 12:21:42.45 ID:EhwVdhM0
俺今新宿のコクーンビルの前でパンツ抜いでる。
677 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/09(火) 12:57:09.58 ID:M8I4D0Y0
>>676
パンツで抜いてる
に見えたのは俺だけじゃないはず。
678 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/09(火) 13:02:30.52 ID:fvVrFUAo
ふぅ・・・
679 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/09(火) 15:14:52.84 ID:79mC3jYo
>>664
デジカメ乙
680 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 04:32:27.70 ID:dFhuZ.DO
寝なきゃいけないのに全部読んだらこんな時間に…

みんな幸せになーれ!
681 :1 [sage]:2010/02/10(水) 10:11:33.38 ID:AbEXm8Y0
おはようございます。
大変長らくお待たせを致しました・・・
本当に皆さんありがとうございます。
皆さんのご声援大変嬉しかったです!
本当にありがとうございます!

皆さんの思った結末・・・僕の思っていた結末と少し違うかも知れませんが・・・

とにかくご覧下さい!!
682 :1 [sage]:2010/02/10(水) 10:12:20.98 ID:AbEXm8Y0
土曜日の朝、俺は眠れぬまま福山の結婚式に参加した。

式には高校時代のアメフトの奴らと先生も呼ばれていた。
俺は高校時代の仲間と会った時、再会を喜んだよ。

皆が俺の足を心配してくれた。気にかけてくれた。

俺的には余り心配されたく無かったので、少し調子に乗って走ったりして、皆を安心させる。
683 :1 :2010/02/10(水) 10:13:11.46 ID:AbEXm8Y0
そうやって旧交を改めている時にタキシード姿の福山が現れた。
福山は皆に祝福のパンチを受ける。
皆が本気で祝福していたよ。

祝福の嵐から抜けて福山が俺の側にやって来た。
そしていきなり俺の肩に手を回して来た。

「おい・・・高橋への口説き文句はどうするんだ?」
「ねーよ、そんなの!」

俺がそう言うと福山は俺の頭を笑いながら叩いて、去って行った・・・
684 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/10(水) 10:13:32.08 ID:MaYptQY0
おはよう
685 :1 :2010/02/10(水) 10:14:01.13 ID:AbEXm8Y0
式の時間に成り俺達はチャペルに入った。
式は凄く良かったよ。
福山が緊張している顔を見たのは久しぶりだった。

最後にフラワーシャワーを投げる時に皆で福山に投げ付ける。
福山は照れながらも笑っていたよ・・・

披露宴が始まり福山の会社のお偉いさんが挨拶をして、またもやお偉いさんが乾杯の音頭を取った。
686 :1 :2010/02/10(水) 10:15:00.24 ID:AbEXm8Y0
>>684
おはようございます

後に皆で福山を飲ませに行く。
嫌がりながらも飲む所が福山の良い所だ。
結婚式を見ていて正直俺は羨ましかった。

良いなー・・・俺も結婚がしたいよ。

その時俺の頭にタクミの笑顔が浮かんだ。

いや・・・何を言っている・・・タクミはダメだ・・・と言うか俺は結婚したらダメだろ・・・

俺はそう思う。
引け目を感じてしまうんだよな。
口では俺は足が無い事を楽しんでるって言いながらも引け目を感じているんだ。
687 :1 :2010/02/10(水) 10:15:44.28 ID:AbEXm8Y0
披露宴はドンドン進んで行き、俺も久しぶりに酒を飲まされて酔った。
酒が弱く成ったな。
だけど俺の緊張が続いていた。

俺はいつスピーチをするんだろう?

途中で福山の大学時代の友達が余興をする。

あれ?俺のスピーチは無いのかな?でも福山に頼まれたし、結婚式の案内状にも入ってたんだけどな・・・

俺は不安に成ったが、ちょっとスピーチをしなくてホッとしている自分もいた。
688 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 10:16:21.79 ID:68AT7WIo
>>1おはよう。
恋人を待つような気持ちで待ってた。
期待している。
689 :1 :2010/02/10(水) 10:16:48.18 ID:AbEXm8Y0
だけど福山はもちろん俺の事を忘れては居なかった。
トリが俺だった。

「トリを飾って頂くのは新郎の親友で、新郎が一番尊敬する・・・石田様です!!!!」

そう司会者に言われた時に、デザートのアイスクリームを吹き出しそうに成った。

うわ・・・ハードル上げんな・・・

そう思いながら拍手と歓声に囲まれて俺は壇上に向かう。
690 :1 :2010/02/10(水) 10:18:07.84 ID:AbEXm8Y0
>>688
ありがとうございます。

前に立つと緊張をして来た。
うわ、皆が見てる。
俺は結婚式の挨拶の基本で有る、新郎新婦への挨拶と家族への挨拶をした後に、自己紹介をした。

そしてスピーチ用に書いた紙を取り出して、それを読み始めた・・・

691 :1 :2010/02/10(水) 10:19:16.44 ID:AbEXm8Y0
「福山君と出会ったのは・・・小学校二年生の時でした。
私が少年野球に入った際に福山君もそこに居たんです。
福山君は野球が上手かったんです。いや野球だけじゃ無しにスポーツ全般が得意でした。

そんな福山君と私が仲良く成ったきっかけは、些細な事でした。
福山君がピッチャーで私がキャッチャー・・・それだけです。
それだけの関係で今までの長年を一緒に過ごして参りました。

特に漫画の様に大喧嘩をして仲良く成った・・・そんな事も有りません。」


そこまで俺が読むと微かな笑いが会場から来たのでホッとする。
692 :1 :2010/02/10(水) 10:20:19.68 ID:AbEXm8Y0
「だけど福山君とはずっと一緒に過ごしました。
ですから福山君が女の子にラブレターを貰った数や、告白された数を一番知っていると思いますよ。
毎年のバレンタインはね、僕が虫歯に成る日でしたよ。
福山君から大量にチョコを貰えるので・・・」


俺の話に福山が少し苦笑いを浮かべる。
693 :1 :2010/02/10(水) 10:21:37.89 ID:AbEXm8Y0
「私達は高校生に成り、アメフトを始めました。

それが・・・私達二人の運命を変えたスポーツでも有りました・・・

高校時代、僕らは毎日朝から晩までアメフトをしていました。
正直、やり過ぎて他の仲間が付いて来れずに喧嘩した事も有りました。
だけど福山君はいつでも、気持ちを曲げる事は無かったんです。
私が弱気に成った時でも福山君は私を引っ張りました・・・」


俺の中で昔の気持ちや情景が浮かんで来た。
あの福山と2人で夜中に練習をした風景・・・
694 :1 :2010/02/10(水) 10:22:46.20 ID:AbEXm8Y0
「そして私達は全国大会にも出場が出来て二人共アメフトで大学に進学しました。

そこでね・・・福山君に不幸が起きたんですよ。
福山君は肩を壊してポジションを変更をしなければ成らなくなりました・・・」


俺は少し顔を上げた。
そして天井を見たんだ・・・
695 :1 :2010/02/10(水) 10:23:32.67 ID:AbEXm8Y0
「・・・だけど福山君は頑張りました。
頑張ってアメフトを続けました。
正直、レギュラーには成れませんでしたよ。
でも福山君は歯を食いしばって続けました・・・

そして四年生の時には見事にレギュラーに成りました。
努力を続けて彼は見事にレギュラーに成ったんです!」


そこで俺は一息ついた。
途中はクスクス笑い声が有ったが、その頃には真剣に話しを聞いてくれていたよ。
696 :1 :2010/02/10(水) 10:24:35.74 ID:AbEXm8Y0
「『奇跡は最後まで努力をした人にだけ訪れる』これは私達二人の高校時代の恩師の言葉です・・・

福山君には奇跡が訪れました。
それは彼が最後まで諦め無かったからです・・・!」


その時だった・・・!
俺はその瞬間に胸の奥から何かが溢れて来た・・・

697 :1 :2010/02/10(水) 10:25:37.37 ID:AbEXm8Y0
俺は・・・
俺は・・・その瞬間を見ていない・・・

福山が一番辛い日々を俺は福山を支える事が出来なかった・・・
福山に当たり散らすだけ当たって福山を支える事を一切しなかったんだ・・・

俺が読んでいる紙に涙が落ちた。
一粒涙が落ちると俺は鼻を啜る。

まだ続きが有るのに読めない。
読む事が出来なかった。

そして・・・俺は台詞に無い言葉を出した。
698 :1 :2010/02/10(水) 10:26:18.02 ID:AbEXm8Y0
「福山・・・ゴメンな・・・」

思わずそんな一言を言ってしまった。

「俺は・・・俺はお前にばかり支えられて・・・お前を支える事が出来なかった・・・」

福山の結婚式なのに、俺は何を言ってるんだ?
何を訳の分からない事を言ってるんだ?

そう思うが俺の涙が止まらない。
699 :1 :2010/02/10(水) 10:26:54.88 ID:AbEXm8Y0
だが・・・福山も泣いていた。
福山も鼻を啜り泣いている。

事情が分からない人達はコイツらホモ?と思われそうな場面だよ。

「・・・おめでとう・・・福山・・・本当におめでとう・・・俺は・・・俺は本
気で嬉しいんだよ・・・」

俺はそれだけ言うのが精一杯だった。
700 :1 :2010/02/10(水) 10:28:17.82 ID:AbEXm8Y0
まだ紙に書いた台詞が残っていたが、俺は言う事が出来なかった。
福山は立ち上がると俺の側に来た。

そして俺を泣きながら抱きしめる・・・

だからホモかって!俺はそう思うが俺の涙も止まらなかった。
何をしているんだ俺達は・・・

だけどね、盛大な拍手が贈られて来たよ・・・
高校時代の友達は泣いている奴がいた。事情を知っているからね。
先生も少し涙ぐんでたよ・・・
701 :1 :2010/02/10(水) 10:29:03.85 ID:AbEXm8Y0
披露宴が終わり二次会の時間まで俺達は喫茶店で過ごした。

その時にね、携帯で皆の書き込みを見させて貰いました。
正直ね、三人位しか言って貰え無いんじゃ無いかと思っていた。
中には「ふざけんな」とか書く人も居るんじゃ無いかと思ってた。

だけど、皆が応援してくれて俺は又もや涙が出そうに成った。
名も知らぬ顔も知らない人達が応援してくれている・・・

もうね、何故に俺を泣かすんだと・・・

トイレで見ながらチンチンからじゃ無く目からもオシッコが出ましたよ。
702 :1 :2010/02/10(水) 10:29:53.38 ID:AbEXm8Y0
それから二次会の時間まで俺は緊張していたよ。
胸がドキドキして心音が半端無い。
友達が俺に話し掛けるが俺は何も答える事が出来なかった。

タクミは本当に来てくれるんだろうか・・・?

来て欲しい気持ちと来て欲しく無い気持ちが交錯する。

タクミに会いたい。
タクミと話しがしたい。
だけど会いたく無い。
話しをしたく無い・・・
703 :1 :2010/02/10(水) 10:30:33.09 ID:AbEXm8Y0
俺の動悸が治まらないまま、二次会の会場に到着をする。
二次会の会場では既に福山の会社の人達が準備をしていた。

受付を済ませて俺達は中に入る。
中を見渡してタクミが居るかどうかを確認する。・・・居ない。

座席に着いて入口を見つめる。
色んな人達が入って来るがタクミの姿は無い。
704 :1 :2010/02/10(水) 10:31:20.79 ID:AbEXm8Y0
俺は手で顔を覆った。

タクミ・・・

その時隣に座る先生が俺の肩に手を置く。
「大丈夫だ・・・落ち着け」
先生はそう言って微笑んだ。

先生は勿論、俺とタクミの事を知っている。
今日タクミが来る事も知っていた。俺は黙って頷いた。
705 :1 :2010/02/10(水) 10:32:03.45 ID:AbEXm8Y0
「・・・人はな・・・」

先生が呟く。

「人は傷付き、傷付ける生き物だ・・・そして、それを反省して成長出来る生き物なんだ・・・」

先生はそう言って俺の方を見た。

「お前は、充分に傷付いた。そして反省して立派に成長した・・・お前の思いが今すぐ届くかどうかは分からない・・・だけど・・・頑張れ・・・!」

先生の言葉に俺は黙って頷く。
706 :1 :2010/02/10(水) 10:32:53.70 ID:AbEXm8Y0
先生はそれだけ言うと、前に座る高校時代の生徒に
「喉が渇いたからビールをパクって来い」
と言いながら笑っていた・・・・


俺は待つ。
タクミを待った。

そして・・・タクミが来ないまま・・・二次会は始まった・・・

福山と福山の奥さんが登場して全員が拍手で迎える。
俺は溜め息をついた・・・・
707 :1 :2010/02/10(水) 10:33:33.06 ID:AbEXm8Y0
そうか・・・タクミは来なかったか・・・

俺はそう思うと、気を取り直し福山を祝う事に全力を向けた。

そもそも、今日は福山を祝う為に来たんだ。
タクミが来るか来ないかは二義的な事だ。
あくまでそれはオマケだったんだ・・・

俺はそう思い高校時代の仲間で福山を飲ませる。
福山はベロンベロンに酔っていた。
708 :1 :2010/02/10(水) 10:34:29.56 ID:AbEXm8Y0
俺も飲まされる。
俺も酔った。
前の晩に寝てない事も有り、途中でトイレに吐きに行く程に酔ってしまった。

トイレから出るとフラフラの福山がトイレに来た。
「お前大丈夫かよ!」
俺が笑いながら言うと福山は俺の肩を抱き
「高橋・・・」
そう呟いた。

「え?」俺がフラフラの福山の顔を見る。
「高橋から・・・連絡が有った・・・ちょい待て・・・吐いて来る・・・・!」

福山は慌ててトイレに入って行った。
709 :1 :2010/02/10(水) 10:35:11.30 ID:AbEXm8Y0
俺もトイレに入り福山の背中を摩ってやる。
ゲロゲロと福山が戻し終わると少しスッキリした顔に成り洗面台で口を濯ぎ出した。

「ああー・・・スッキリしたー・・・」

福山はそう言うと俺を見る。

「二次会が始まる前にさ、高橋から電話が有ったよ・・・『今日は申し訳無いんだけど行けない』って」
710 :1 :2010/02/10(水) 10:35:44.65 ID:AbEXm8Y0
そうか・・・俺は溜め息をつく。
どこかホッとしている自分がいる。
それと同時にそこまでタクミに嫌われているのかと思いショックも受けた。

「まあ、俺に会いたく無いんだろうな・・・」

当然だ。あんな酷い事をしたんだし。
711 :1 :2010/02/10(水) 10:36:26.35 ID:AbEXm8Y0
「うーん・・・それはそうなんだけど・・・違うぞ」

福山が再度ウガイをしながら言う。

「高橋はお前をまだ思っている。もしも何も思って無くてお前を思い出としているなら、今日来た筈だ・・・けど、来れないって事は・・・」

福山は俺を鏡越しに見ながら手を洗う。
712 :1 :2010/02/10(水) 10:37:00.82 ID:AbEXm8Y0
「お前を憎んでいるか・・・まだ心が・・・残っている・・・かだな」

ドキン・・・俺の胸が鳴る。

「多分、一度は来ようとした所を見ると・・・憎んでる事は無いと思う・・・高橋はさっき電話した時は『仕事が・・・』って言ってたけど・・・多分違うよ」
713 :1 :2010/02/10(水) 10:37:39.96 ID:AbEXm8Y0
俺は福山を見つめた。

「シンヤ・・・」

福山はそう言って俺の側に来ると自分の携帯電話を取り出した。

「高橋の番号だ。これに電話をしろ」

福山は携帯電話のアドレスを俺に見せた。

「俺も高橋の住所までは分からない。だけど・・・会いに行け」

福山の言葉に俺は下を見た。
714 :1 :2010/02/10(水) 10:38:27.25 ID:AbEXm8Y0
「シンヤ・・・頑張れ・・・!お前は今まで頑張って来た!だからお前の頑張りは必ず報われる!」

福山は俺を見つめる。
俺も福山を見つめた。
だけど俺は福山から目を逸らした。

勇気が無いんだ。
タクミが今日来なかった理由は福山が考える様な理由に思え無かった。
福山は溜め息を着くと俺を見た。
715 :1 :2010/02/10(水) 10:39:13.00 ID:AbEXm8Y0
「これはさ・・・高橋がお前と別れたばっかりの時に言われた事でさ・・・俺もお前に言いたく無かったんだけど・・・」

福山はそう言うとトイレの壁にもたれる。


「『私はシンヤから・・・逃げてしまった・・・』って」


俺は福山を見た。
716 :1 :2010/02/10(水) 10:39:45.59 ID:AbEXm8Y0
「でな・・・『シンヤに会わせる顔が無い・・・でもシンヤには幸せに成って欲しい』そうも言ってたんだよ・・・」


俺の鼓動が・・・トクンと動き出した。
俺は福山を見つめる。
717 :1 :2010/02/10(水) 10:40:30.13 ID:AbEXm8Y0
「俺がこの前、高橋の連絡先を見つけて電話した時にさ、敢えてお前に言う必要が無いと思ったんだけど・・・」

俺は壁にもたれている福山を見つめていた。


「『シンヤが今、幸せなのに・・・私は会って大丈夫かな?』そう・・・言ったんだよ・・・高橋もお前に会うのを引け目に感じてるんだよ・・・そして、お前の幸せを誰より願っているんだ!」


俺は胸が潰れそうだった。
タクミの笑顔が浮かぶ。
718 :1 :2010/02/10(水) 10:41:35.92 ID:AbEXm8Y0
「お前も高橋の幸せを一番に願ってるんだろ!じゃあ簡単だろ!!

会えよ!!!

お前らが会うのが一番なんだろ!!!!」


福山は叫び出した。
俺は目を閉じた。


タクミ・・・


「お前は俺の幸せを願ってるって言ったよな???同じだよ!!!
俺もお前の幸せを願ってるんだよ!!!お前の幸せが俺の幸せにも成るんだよ!!!!」
719 :1 :2010/02/10(水) 10:42:24.98 ID:AbEXm8Y0
そう叫ぶ福山に一筋の涙が流れた。
酔って興奮してるんだろう・・・

ヤレヤレ・・・

まあ、俺も・・・・酔っていた・・・!
俺も泣き出した。
今日何回泣くんだよ。
歳を取れば涙腺が弱く成るのは本当だな。

俺は涙を拭いた。
720 :1 :2010/02/10(水) 10:43:06.39 ID:AbEXm8Y0
「シンヤ・・・行けよ・・・!お前はもう充分に傷付いたよ・・・もう充分に頑張ったよ・・・だから・・・行けよ・・・!」


福山が泣かせる台詞を言いやがる。
この野郎。お前はどこの脚本家だよ・・・!

俺は涙を拭くと、泣いている福山を見つめた。
721 :1 :2010/02/10(水) 10:43:39.27 ID:AbEXm8Y0
「・・・お前はお節介だな・・・本当に・・・」

俺が笑うと福山も笑った・・・


小学生の時に俺が福山に出会った事。
俺に取っては人生一番の幸福だよ・・・!
722 :1 :2010/02/10(水) 10:44:18.92 ID:AbEXm8Y0
二次会が終わり皆が帰り出す。

俺達高校時代のメンバーと福山夫妻で三次会に行く事に成った。
だが・・・その前に福山が俺を見る。


「シンヤー!!!今、電話をしろ!!!」


福山がそう叫び俺を見る。
皆も俺を見た。

え?今?
723 :1 :2010/02/10(水) 10:45:03.60 ID:AbEXm8Y0
「今、高橋に電話をしてアポを取れ!そんで思いをぶつけて来い!!」

福山の言葉に高校時代の仲間がざわつく。
そして事情が分かった勘の良い奴が言った。

「なら、福山の携帯から掛ければ良いんじゃね?そしたら高橋も出やすいだろ!」

その一言に全員がノリノリに成る。
724 :1 :2010/02/10(水) 10:45:48.20 ID:AbEXm8Y0
いや、何を面白がってやがる。この酔っ払いが!
すると先生まで悪ノリをする。

「早く電話をしろい!俺は生のラブシーンを見たいんだ!」

何を言ってるんだ、このハゲは。

皆が「早くしろ!」「大丈夫だ!」「男だろ!」と口々に叫び出した。
725 :1 :2010/02/10(水) 10:46:32.34 ID:AbEXm8Y0
そして酔っ払い共は叫び出した
「シンヤ!!シンヤ!!!シンヤ!!!」
シンヤコールが夜空に響き渡る。

俺は酔っ払い達の勢いの前で成す術が無かった。
福山の奥さんまで笑顔で「シンヤ」コールをしてやがる。

福山が俺に携帯電話を差し出すので・・・俺は受けとってしまった・・・
726 :1 :2010/02/10(水) 10:47:46.29 ID:AbEXm8Y0
そして、俺はコイツらの勢いに負けたよ・・・!

福山の携帯電話の通話ボタンを押して・・・電話をした・・・

プルルル・・・と言う音が鳴る。
俺の心臓が爆音を立て始めた。
プルルル・・・全員が静まり返り俺を見つめる。
プルルル・・・俺は目を閉じた。

プルルル・・・
727 :1 :2010/02/10(水) 10:48:45.47 ID:AbEXm8Y0
ほんの五コール足らずなんだろうが、俺には永遠に思える程の時間だった・・・
プッ。と言う接続音と共に電話が繋がり・・・


タクミが出た・・・!


俺は目を見開く。



「もしもし・・・」



そのタクミの声に俺は目の前がチカチカとした。

タクミ・・・タクミだ・・・
728 :1 :2010/02/10(水) 10:49:20.61 ID:AbEXm8Y0
「あ、福山、今日はゴメンね・・・行けなくて・・・」

タクミはそう言って話始めた。

俺は目を閉じる。足が震え始めて、それが体に伝わる。
体全体が震え始めた・・・
729 :1 :2010/02/10(水) 10:49:56.61 ID:AbEXm8Y0
「あの、今度良かったら新居にお邪魔してお祝いを・・・」

俺の胸が震え出した・・・

そして・・・
そして・・・涙が溢れそうに成る・・・


タクミだ・・・!タクミの声だ・・・!
730 :1 :2010/02/10(水) 10:50:38.66 ID:AbEXm8Y0
「・・・福山・・・?」


何も言わない俺に対してタクミが不審に思い福山の名前を呼んだ。


「・・・タクミ・・・・」


俺がそうタクミの名前を呼んだ声は震えていた。
タクミはその瞬間に黙る。
全員が俺を見つめていた。

俺は鼻を啜る。そして涙が溢れて来た・・・
731 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/10(水) 10:50:54.49 ID:sakbI9A0
お、リアルタイム遭遇だ。
待ってたよ、聞かせてくれ。
732 :1 :2010/02/10(水) 10:51:22.78 ID:AbEXm8Y0
「・・・タクミ・・・」


もう一度名前を呼ぶ。
タクミはしばらく黙ったままだったが・・・
微かに鼻を啜る音が聞こえる。
俺はもう涙でグシャグシャに成っていた。
もう前が見えない。

鼻を啜り再び名前を呼んだ・・・
733 :1 :2010/02/10(水) 10:52:09.37 ID:AbEXm8Y0
「タクミ・・・」


その瞬間に震える声が受話器の向こうから聞こえて来た・・・


「・・・シンヤ・・・」


グスッ・・・その鼻を啜る音に俺は更に泣く。


「・・・ゴメンな・・・タクミ・・・ゴメンな・・・」


俺はそう言って謝る。泣きながら謝った。
734 :1 :2010/02/10(水) 10:52:46.95 ID:AbEXm8Y0
「シンヤー・・・シンヤー・・・・」


タクミの泣き声が聞こえる。


「ゴメンな・・・タクミ・・・・本当に・・・ゴメン・・・」
「ごめんなさい・・・私も・・・ごめんなさい・・・逃げて・・・逃げて・・・ごめんなさい・・・」


タクミが謝り始めた。
735 :1 :2010/02/10(水) 10:53:34.50 ID:AbEXm8Y0
俺はその瞬間完全に胸が決壊した。
立って居られなく成り、そのまましゃがみ込む。
そして顔を覆って泣き出した。
本当に声を出して泣き始めた。

誰かが俺の肩に手を置く。
そして他の誰かが俺の肩に手を回した。

ソイツらが泣いているのも分かった。
鼻を啜る音が聞こえる。

俺もタクミもまともに話す事が出来ない。ただ、泣いているだけだ。
736 :1 :2010/02/10(水) 10:54:17.88 ID:AbEXm8Y0
福山は手で顔を擦り顔を上げた。
そして俺に言う。


「行け・・・シンヤ・・・・!」


俺は福山を見た。
福山は泣いていた。
そして泣きながら叫んだ。


「行け!!!!行けよ!!!!行って全てをぶつけて来い!!!」


737 :1 :2010/02/10(水) 10:54:55.21 ID:AbEXm8Y0
福山がそう言うと他の奴らも口々に俺に言う。

「シンヤ行けよ」「行くしかねーだろ・・・」

ずっと黙って下を見ていた先生がポツリと呟いた。

「・・・シンヤ・・」

そして先生は俺の前にしゃがんだ。
738 :1 :2010/02/10(水) 10:55:31.99 ID:AbEXm8Y0
「・・・これ以上、俺の生徒を苦しめるなよ・・・俺の可愛い生徒を救ってくれよ・・・お前を救うのはお前自身だ・・・!」


そして、先生は俺の頭を軽く叩く。
それから福山を見た。
739 :1 :2010/02/10(水) 10:56:11.96 ID:AbEXm8Y0
「福山ー!!!奇跡は・・・奇跡は・・・何だっけかなー????!!!!」


先生の言葉に思わず福山は泣きながら笑った。


「最後まで・・・努力した者にだけ・・・訪れます・・・!」


福山の言葉に先生は頷いた。
740 :1 :2010/02/10(水) 10:56:53.25 ID:AbEXm8Y0
「だ、そうだ・・・お前は誰より努力をして来た・・・!だから・・・奇跡が起きる!!!!」


先生の言葉に俺は再び泣き出す。

何だよ・・・そんなドラマみたいな事をすんじゃねーよ!!!!!
青春ドラマか!!!!

俺はそう思うが・・・完全に俺の心は動かされていた・・・!
741 :1 :2010/02/10(水) 10:57:31.73 ID:AbEXm8Y0
俺は受話器の向こうで泣き続けているタクミに言った・・・

「タクミ・・・」
「・・・うん・・・」

タクミは泣きながら返事をする。


「・・・お前に謝罪とか・・・色んな話しを・・・したい・・・だけど・・・それより・・・何より・・・」



俺は夜空を見た。
742 :1 :2010/02/10(水) 10:58:22.54 ID:AbEXm8Y0
昔、タクミと二人で見上げた夜空と同じだった・・・
あの頃の夜空と同じだった・・・



「・・・会いたい・・・!」




俺がそう言うとタクミの息を呑む音が聞こえた。
743 :1 :2010/02/10(水) 10:59:05.88 ID:AbEXm8Y0
「・・・会いたいよ・・・タクミ・・・会いたいんだ・・・」


俺がそう言うとタクミが再び泣き出す。
俺も泣く。
泣いていた。

周りを見ると皆が泣いている。
夜空を見上げて泣いていた。
天を仰いで・・・泣いていたんだ
744 :1 :2010/02/10(水) 11:00:05.31 ID:AbEXm8Y0
・・・そして・・・


「・・・私も・・・」


タクミが嗚咽を上げながら呟く。



「・・・私も・・・会いたい・・・」



俺は目を見開く。
そしてもうどれ位に涙が出たんだろう・・・
涙が止まらなかった・・・


「・・・ありがとう・・・」


俺がそう一言を告げ下唇を噛み締める。
745 :1 :2010/02/10(水) 11:00:49.24 ID:AbEXm8Y0
「・・・あの・・・場所で・・・」


タクミが呟いた。


「ん・・・?」
「あの場所で・・・待ってる・・・二人で毎日・・・会った・・・・あの公園で・・・」
「・・・うん・・・!」


俺はそう言うと福山や皆を見た。
746 :1 :2010/02/10(水) 11:01:24.89 ID:AbEXm8Y0
「行って来い!!!!」「行け!!!」「行きやがれ!!!!」


皆が口々に叫び、先生がタクシーを止めた。


「早く乗れ。お前自身を救って来い・・・!」


先生はそう言って俺の肩を叩く。
747 :1 :2010/02/10(水) 11:02:11.67 ID:AbEXm8Y0
俺は頷くと福山に携帯を返した。

「・・・スマン・・・お前の祝いの日なのに・・・」
「何回も言わせるな・・・お前が幸せに成る事が何よりの祝福だ・・・!」

そう言うなり俺の背中を叩く。
俺は頷くとタクシーに乗った。


そして・・・向かった・・・あの思い出の地に・・・


タクミと高校時代に毎日会った・・・



あの公園へ・・・!
748 :1 :2010/02/10(水) 11:03:44.65 ID:AbEXm8Y0
ちょっとだけすみません
電話が入りました

749 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:07:11.82 ID:xBHnJBgo
ええええええええ〜
生殺しやめてkるえええ

まってるぞ///
750 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:08:09.11 ID:68AT7WIo
こらwwwwww仕事中なのに仕事が手に付かんぞwwwwww

ココはパー速だ。
のんびりまつさww
751 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:10:47.03 ID:nqsC7YDO
いつまでも待ってからなwwwwww
752 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/10(水) 11:12:50.44 ID:sakbI9A0
このタイミングでタクミからとか、、、
まさかなw

くそう、ランチの約束でもしやがれw
753 :1 :2010/02/10(水) 11:14:24.09 ID:AbEXm8Y0
お待たせしました
続きを書き込みます。
754 :1 :2010/02/10(水) 11:14:59.63 ID:AbEXm8Y0
小さい頃に俺とタクミは毎日、公園で遊んでいた。
泥んこに成り、夕方に親が迎えに来るまで遊んでいた。

喧嘩して仲直りして・・・また喧嘩して・・・

そして夕日を浴びながらタクミは熱く俺に言ったんだ・・・


「俺はお前が好きだ。だから絶対これからも俺の友達でいてよ」


と・・・
755 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:15:23.21 ID:xBHnJBgo
おう!はやかったな!
一思いに浄化したいぞ
756 :1 :2010/02/10(水) 11:15:41.73 ID:AbEXm8Y0
だけど時は過ぎ
俺達は友達では居られなく成ったんだ・・・

お互いの性別に気が付き・・・
反発した・・・

そして、その反発は・・・
いつしか『恋』へと代わり、俺達二人は『恋』に落ちた・・・
757 :1 :2010/02/10(水) 11:16:33.50 ID:AbEXm8Y0
そして毎日俺達は再びこの公園で会った・・・
手を繋いで・・・そして毎日キスをした・・・

俺達の『恋』は今度は『愛』に代わって行った。

この公園は俺達の全てを見守っていた・・・
俺達二人の全てを知っているんだ・・・
758 :1 :2010/02/10(水) 11:17:14.95 ID:AbEXm8Y0
俺は公園の前でタクシーを止めた。
そして急いで金を払うと公園に入った。

白い息が俺の周りに浮かぶ。
シンとした夜中の公園には誰もいない・・・

真冬の公園には虫の声も無い・・・
ただ冬の夜空が音も無く星空を映しだしているだけだった・・・

そして、そこに・・・


タクミが一人・・・居るだけだった・・・
759 :1 :2010/02/10(水) 11:17:53.01 ID:AbEXm8Y0
タクミの姿を見た瞬間、俺は動け無くなった。

タクミを見つめる。
さっきあれだけ泣いた筈なのに、また喉の奥がグッと成り、鼻を啜る・・・

そして白い息と共に涙が出て来た・・・
760 :1 :2010/02/10(水) 11:18:37.33 ID:AbEXm8Y0
タクミも立ったまま顔を手で覆う。
肩を揺らして泣いていた。

俺達は10m位離れた距離で立っている。

タクミだ・・・本物のタクミが居る・・・

あのタクミと別れて以来夢にまで見たタクミが立っている・・・

タクミは綺麗だった。
俺の文才では表現が不可能だよ。

壊れそうだった。本当に綺麗で壊れそうなんだ。
761 :1 :2010/02/10(水) 11:19:09.66 ID:AbEXm8Y0
俺達はしばらくそのまま泣いていた。
何年分の涙を流したんだろう・・・
何年分の思いを涙で語ったんだろう・・・

ただ俺達は泣いていたんだ・・・

そして最初に口を開いたのは・・・
タクミだった・・・
762 :1 :2010/02/10(水) 11:19:41.69 ID:AbEXm8Y0
「・・・足・・・」

そうタクミが呟く。

「・・・ん?・・・」
「・・・足・・・カッコイイよ・・・!」

タクミはそう言って泣きながら笑った。
俺も泣きながら笑う。
763 :1 :2010/02/10(水) 11:20:23.67 ID:AbEXm8Y0
「・・・だろ・・・見てよ・・・」

俺はそう言って歩く。
タクミはそれを見ると再び顔を覆い泣く。


「・・・うん・・・頑張ったんだね・・・シンヤ・・・」


タクミの一言に俺も泣く。
その一言が何より嬉しかった。

そうだよ・・・俺は頑張って来たよ・・・
764 :1 :2010/02/10(水) 11:21:09.20 ID:AbEXm8Y0
「・・・タクミは・・・?」
「え・・・?」
「・・・通訳・・・成れた・・・?」

俺の言葉にタクミは元気よく頷いた。

「うん・・・!NBAの選手には・・・まだ会えて無いけど・・・」

そう言って微笑む。俺も笑った。

「・・・頑張ったね・・・」

俺の一言にタクミは泣く。

そうだ。タクミも頑張って来たんだ・・・
765 :1 :2010/02/10(水) 11:21:41.06 ID:AbEXm8Y0
俺達は泣きながら顔を見合わせて・・・笑った。
どうして笑うのかは分からないけど笑った。

「・・・ゴメン・・・タクミ・・・俺は・・・お前に酷い事をしたし・・・酷い事を言った・・・」

俺の一言にタクミは首を横に振る。
766 :1 :2010/02/10(水) 11:22:20.28 ID:AbEXm8Y0
「私も・・・私もシンヤに酷い事をした・・・私はシンヤから・・逃げた・・・」


俺はそれを聞くと笑った。

「俺が・・・お前から逃げたんだよ・・・」

そう言うと俺はタクミを見つめた。
タクミも俺を見つめる。


夜風が吹いていた。俺達の間に夜風が吹く。
767 :1 :2010/02/10(水) 11:23:01.42 ID:AbEXm8Y0
「タクミ・・・」


俺はタクミを呼んだ。
タクミが首を傾げ優しい顔で俺を見る。


「・・・お前は・・・今・・・幸せか・・・?」


俺はタクミを見つめた。
少し祈る様な気持ちは有った。

だけど大半はタクミに幸せで有って欲しい・・・そう願ったんだ。
768 :1 :2010/02/10(水) 11:23:45.66 ID:AbEXm8Y0
「・・・うん・・・!」


俺の言葉にタクミが頷く。

良かった・・・タクミには・・・幸せにしてくれている人が居るんだな・・・


俺はそれが伝わった。
そりゃあれから何年も経ってんだ。

タクミが一人で居る方が俺に取っては辛いんだ・・・
769 :1 :2010/02/10(水) 11:24:19.78 ID:AbEXm8Y0
「そっか・・・良かった・・・それだけが心残りだったんだ・・・」

全くショックじゃ無い。と言ったら嘘に成る。
でもタクミの幸せが俺に取って何よりの幸せなんだ・・・

良かったよ本当に・・・!

俺が満足そうに頷くとタクミが言った
770 :1 :2010/02/10(水) 11:25:01.85 ID:AbEXm8Y0
「・・・シンヤは・・・?」


タクミの言葉に俺は微笑んだ。


「・・・幸せだよ・・・もちろん・・・!」


そうだ俺は幸せだ。ちゃんと仕事をして、毎日が楽しい。
そして福山や先生が俺の側に居る・・・・!


こんな幸せな事は無い・・・!
771 :1 :2010/02/10(水) 11:25:44.10 ID:AbEXm8Y0
その言葉にタクミも頷く。

「シンヤが幸せで・・・良かった・・・!」

そう言ってタクミは微笑んだ・・・
タクミが微笑む・・・


が・・・急にその笑みが曇り始めた・・・


そして顔を押さえて・・・
再び泣き出した・・・


え・・・?
772 :1 :2010/02/10(水) 11:26:21.33 ID:AbEXm8Y0
タクミが泣く。
泣いている。
しゃくり上げながら泣いていた。


「・・・あれ・・・シンヤが幸せな・・・筈なのに・・・」


そう言って涙を拭きながら笑う。


え・・・?
タ・・・ク・・・ミ・・・?
773 :1 :2010/02/10(水) 11:26:56.83 ID:AbEXm8Y0
「あれ・・・駄目だ・・・なんで・・・なんで・・・」

タクミは顔をクシャクシャにしながら泣いていた。

ちょっと・・・待てよ・・・

「あのさ・・・タクミ・・・」俺がタクミに呟く。

タクミは俺の言葉に顔を上げた。
774 :1 :2010/02/10(水) 11:27:29.00 ID:AbEXm8Y0
「ええっと・・・ひょっとして何か俺達・・・勘違いして無いかな・・・?」
「・・・え?」
「あ・・・いや・・・俺・・・は幸せって言ってもさ・・・恋人は・・・いないんだ・・・うん・・・」


俺の言葉にタクミは目をパチクリとした。
775 :1 :2010/02/10(水) 11:28:19.86 ID:AbEXm8Y0
「え?」
「ええっと・・・タクミは・・・恋人・・・居るの・・・?」

俺の言葉にタクミはプルプルと首を横に振る。・・・

わーお・・・!

俺とタクミは顔を見合わせた。
そして俺が呟いた。

「ええ・・・何この・・・空気・・・」

その一言で俺達は笑った。
思い切り笑った。
腹を抱えて笑う
776 :1 :2010/02/10(水) 11:29:06.31 ID:AbEXm8Y0
勘違いだった・・・
大いなる勘違いだった。
お互いが笑い合った後に顔を見合わせる。
そして・・・

「私達・・・お互いが・・・お互いの幸せを・・・願ってたんだね・・・!」

タクミがそう呟く。
俺も頷いた。

「・・・ああ・・・」そして再び笑う・・・

777 :1 :2010/02/10(水) 11:29:56.31 ID:AbEXm8Y0
そうなんだ・・・
俺達はお互いの幸せを願う気持ちとお互いに恋人が居て欲しく無い気持ちが混じり合い、早とちりをしていたんだろう。

昔から変わって無い・・・
あのタクミが男だと思っていた頃から全く変わって無いな・・・
778 :1 :2010/02/10(水) 11:30:37.78 ID:AbEXm8Y0
そう思うと・・・
今、俺とタクミが立っている距離が馬鹿馬鹿しく思えた。
今、10m離れて立つ距離。

この距離は・・・要らない距離だ・・・

俺は少し笑ってタクミを見る。
そして・・・
「なあ・・・」
俺はタクミに声を掛ける。
779 :1 :2010/02/10(水) 11:31:14.41 ID:AbEXm8Y0
「うん・・・」
「お互いが今、ディフェンス包囲陣を組んでる様な感じで距離が開いてるんだけど・・・これ近付いたら・・・タクミの攻撃にやられちゃうの?ここから先はタクミの距離なの?」

俺の言葉にタクミはクスリと笑った。

「何それ・・・」
「あ、いや何となくタクミの間合いにやられそうで・・・」
780 :1 :2010/02/10(水) 11:31:53.05 ID:AbEXm8Y0
俺が笑いながら言うとタクミも笑いながら答えた。


「・・・試してみる?」
「・・・ああ・・・!」


俺はゆっくり近付いた。

一歩ずつゆっくりと・・・タクミに近付いて行く・・・
781 :1 :2010/02/10(水) 11:32:46.97 ID:AbEXm8Y0
この10mの距離はお互いの今まで離れ離れに成っていた距離だ・・・

俺はそれを埋める様にゆっくり、また、ゆっくりと歩みを始める。

タクミは待っていてくれている。
タクミは俺を待っている。
優しく微笑みながら俺を待ってくれていた・・・

この夜空が永遠の様な気がした。
俺達を永遠に見つめている気がしていたんだ・・・

そして、俺達の距離は・・・
無くなった・・・
782 :1 :2010/02/10(水) 11:33:33.19 ID:AbEXm8Y0
タクミの目の前に立つとタクミは俺の胸を
「パーンチ」
と言って笑いながら軽く叩いた。

俺は「ぐわっ・・・やっぱり・・・タクミの間合いだったんだ・・・」そう言っておどけた。

俺達は笑う。
笑い合い・・・

そして・・・どちらからとも無く・・・



抱き締め合った・・・!
783 :1 :2010/02/10(水) 11:34:08.33 ID:AbEXm8Y0
二人で抱き合う。
力一杯、相手を抱きしめていた。
何も言わずに抱きしめ合っていた・・・

俺は再び涙が込み上げる。
涙は枯れる事が無いんだな・・・何故かそんな事を思った。
784 :1 :2010/02/10(水) 11:34:55.46 ID:AbEXm8Y0
タクミの小さな体を抱きしめる。
昔、別れる時に抱きしめて上げる事が出来なかったタクミを年月を経てやった抱きしめる事が出来た・・・

もうずっと離したく無い・・・
もう二度とこの温もりを手放したく無い・・・

一生掛けてこの小さな幸せを・・・
守り続けて行きたい・・・

そう切に願った・・・!
785 :1 :2010/02/10(水) 11:35:46.75 ID:AbEXm8Y0
神様が俺にこのデカい体をくれたのは、アメフトをする為じゃ無かったんだ・・・

俺にこの子を守りなさい、この子を抱き締めて上げなさい・・・

その為だったんだね。

馬鹿馬鹿しいし少女チックだけど、俺はそう本気で思えたんだ・・・



抱きしめ合う俺達の頭上に星空が瞬いていた・・・
二人を見守る様に・・・・
786 :1 :2010/02/10(水) 11:36:41.17 ID:AbEXm8Y0
「シンヤ・・・」
「ん?」
「知ってた・・・?」
「何が・・・?」

「日が変わって今日は2月7日・・・」
「うん・・・」



「何年か前の・・・一週間後・・・なんだよ・・・」


「・・・え?」



「私達が付き合った・・・の!」



787 :1 :2010/02/10(水) 11:37:21.33 ID:AbEXm8Y0
そうか・・・
俺達が付き合ったのは・・・バレンタインデーだった・・・!


偶然なのか・・・
だけど微妙にズレている所が俺達らしい・・・

そう思いながら俺はタクミに呟いた。
788 :1 :2010/02/10(水) 11:38:17.93 ID:AbEXm8Y0
「来週の・・・」
「ん?」
「来週の日曜日・・・」
「うん・・・」

「会って・・・くれない・・・?」
「・・・うん・・・!」


「伝えたい・・・言葉が・・・ある」
「・・・私も・・・渡したい物がある・・・」




俺達は二人で顔を見合わせて・・・





いつまでも抱きしめ合っていた・・・






789 :1 :2010/02/10(水) 11:39:13.37 ID:AbEXm8Y0
・・・・
・・・・


プルルル・・・
と言う呼び出し音が響いた後に「もしもし・・・!」と言う声が聞こえた。

「お疲れ・・・終わったぞ・・・」俺がそう言うと「どうだった???」と福山が言った。

俺はタクミを家に送った後に福山に電話をしたのだった。
「いやいや・・・とにかく疲れた・・・・」
「どうだったんだよ!!!」
福山が結果を聞きたがる。
790 :1 :2010/02/10(水) 11:40:04.57 ID:AbEXm8Y0
「あー・・・福山、明日は新婚旅行何時に出るの?」
「昼の便だけど・・・」
「で?いつ帰る?」
「来週の日曜日に帰る」

俺はそれを聞くと頷いた。

「そっか・・・なら調度良いや・・・帰った時には全てが分かってるんじゃね?」
「あああん???!!!!」
「まあ、楽しく新婚旅行して来いよ!」
「ちょい待て!!!」
791 :1 :2010/02/10(水) 11:40:54.52 ID:AbEXm8Y0
俺は福山の声を無視して電話を切ろうとしたが・・・辞めて再び受話器を耳に付ける。

「あ、そうだ・・・」
俺がそう言うと福山は「うん!」と反応した。


「・・・ありがとうな・・・本当に・・・!」
俺の一言に福山は
「また・・・そんな意味深な言葉を言いやがって・・・」
そう言った。


俺は笑いながら電話を切った・・・
792 :1 :2010/02/10(水) 11:41:24.54 ID:AbEXm8Y0
来週の日曜日に俺はタクミに会います。
そして正式に付き合って欲しい旨を伝えようと思います。
それはケジメだと思いました。

奇しくもそれが同じ記念日に成るとは思いもよりませんでしたよ・・・
793 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:42:34.06 ID:CedhnJ20
ひとまず上手くいったみたいで良かった
心配したんだぜ

てか俺たちはまだしも福山はじらすなよwwwwwwww
794 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:42:49.48 ID:68AT7WIo
お疲れ。
上手く行きそうで良かったよ。
14日も良い結果を期待している。
795 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:43:19.93 ID:8TrQVDwo
乙wwwwwwww
よかったなwwwwww

でも、これ、菓子メーカーのバレンタインデーのキャンペーンの一貫じゃねーよな??wwww
796 :1 :2010/02/10(水) 11:43:21.47 ID:AbEXm8Y0
この先にどんな事が有るのかは分かりません。
だけど、俺はあの夜空の下で抱き締めた、温もりをね・・・

二度と離したくは無い・・・

それだけは思いました。

そしてね、いつか・・・

それがいつに成るかは分かりませんけど・・・



タクミにプロポーズをしようと・・・思います・・・!
797 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:43:50.51 ID:WGyAGaAo
乙です。
絶対うまくいくから、
先に言っとく。

おめでとう
798 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:43:53.58 ID:82DrzkAO
本当に良かった…
日曜日良い報告待ってるぜ!
幸せになれよ!
799 :1 :2010/02/10(水) 11:45:06.73 ID:AbEXm8Y0
>>793
ありがとうございます!
福山にはモンモンとして新婚旅行を楽しんでもらおうとww

>>794
14日の報告も・・・要りますか?

>>795
それはナイスなキャンペーンですが、如何せんパー速でキャンペーンをしなくてもww
800 :1 :2010/02/10(水) 11:46:09.41 ID:AbEXm8Y0
>>797
ありがとうございます

>>798
日曜日の報告ですか・・・まあ、分かりました。
今日で終わろうかと思ってましたが・・・
それでは最後までお付き合い下さい
801 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:46:09.96 ID:SZXHmCso
まじおめでとう!何度泣かせればすむんだ、文才ありすぎwww
絶対幸せになれ、んで、タクミを幸せにしてやれよ!!!
802 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:46:23.08 ID:CedhnJ20
当然14日も報告してくれ
書いたからには最後まで頼む
俺たちももんもんしちまうwwwwwwwwww
803 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:47:08.38 ID:BYzgyago
てめえ昼間から泣かせやがってwwww
プロポーズも14日にして一気に決めるところだろそこはwwww
804 :1 :2010/02/10(水) 11:47:19.33 ID:AbEXm8Y0
>>801
もちろん!!タクミには最後死ぬ時に「もう幸せ過ぎてヤバイ!」と言わせながら死なせますww
805 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:47:25.86 ID:8TrQVDwo
14日にプロポーズでいいだろwwww
仕事場で、俺がウルウルしてるところを、先輩に見られた責任を取るってことでwwww
806 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/10(水) 11:47:45.31 ID:sakbI9A0

来週かぁ、楽しみにまってるぞ。

先週、書きそびれたから今言ってやる。

大丈夫だ、お前の気持ちはきっと届く

頑張ってこい!
807 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:48:02.96 ID:xBHnJBgo
ところでおまえのこと結婚式のとき応援したんだけど
俺にも彼女できますようにっていってお///

14の報告いるにきまってるじゃねーかwwww
808 :1 :2010/02/10(水) 11:48:13.93 ID:AbEXm8Y0
>>802
分かりました!

>>803
ええ・・・プロポーズもするんですか・・・?
無理っす!!!まだ無理っす!!!
809 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/10(水) 11:48:55.19 ID:lgpb7mg0
果報を待つ
810 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:49:15.36 ID:EgfaiEE0
何言ってんだ?
日曜の報告は必須だろが

おめでとうは日曜までとっておくからな!
811 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:49:26.38 ID:.yHqphAo
リアルに追いついた
あwwwwww互いが互いを求めていたんだねwwwwww
涙、涙だよ

14日の報告も出来ればお願いします
紙吹雪を舞わせたい!!
812 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:49:30.88 ID:xBHnJBgo
これはプロポーズのながれだろjkwwww
指輪かってけwwww

まあうまくいくとおもうから
ほんとにおめでとう
813 :1 :2010/02/10(水) 11:51:18.42 ID:AbEXm8Y0
>>805
マジっすか・・・うわ・・・ええ・・・ちょっと待って下さい・・・少しお時間を・・・

>>806
ありがとうございます!!!

>>807
君にも間違いなく彼女が出来る!!!!!!!!!!
良い言葉を贈りましょう。
奇跡は最後まで・・・は、まあ良いか・・・
頑張れ!!!!!!!!!
814 :1 :2010/02/10(水) 11:53:01.54 ID:AbEXm8Y0
>>809
ありがとうございます
>>810
了解しました!!
>>811
分かりました
>>812
ええ・・・指輪のサイズも知らないんですよ・・・いや・・・ちょっとプロポーズは・・・
少し考えさせてください!!!
815 :1 :2010/02/10(水) 11:55:16.43 ID:AbEXm8Y0
とにかく皆さんありがとうございました。
僕は今からスポーツクラブに行って来ます。

じゃあ、皆さんそれでは日曜日の報告をお待ち下さい。


プロポーズはお約束出来ませんが・・・ww

乙でした。
816 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:55:56.17 ID:8TrQVDwo
>>813
奇跡は最後まで努力した人間にだけ訪れるんだ!!!
14日にプロポーズすることで、やっとお前らのスタートなんだぞwwwwww




てか、タクミを待たせた分、はよ幸せにしてやれよwwww
817 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:57:13.15 ID:IQ2lDeUo
目から汗が止まらんのです

幸せでなによりwwwwww
818 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:57:38.38 ID:jzO1XMI0
まじおめでとう!!!!
なんだか自分のことみたいにうれしいよ
ほんとによかった

だがしかし!!
昼間っから涙腺崩壊で顔どろっどろになったじゃんか
どーしてくれんの!wwwwwwww
819 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 11:59:10.48 ID:xBHnJBgo
乙wwww

プロポーズのチャンスのがすなよー
おいら逃したから人のこといえんけどなwwww
820 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 12:07:26.80 ID:BYzgyago
>>814
指輪なんて後から一緒に買いにいけばいいだろww
付き合った記念日にプロポーズなんてタクミすげー喜んでくれるんじゃね?

── =≡∧_∧ =愛してるって逝って来い!!
── =≡( ・∀・)  ≡    ガッ     ∧_∧
─ =≡○_   ⊂)_=_  \ 从/-=≡ r(    )
── =≡ >   __ ノ ))<   >  -= 〉#  つ >>1
─ =≡  ( / ≡    /VV\-=≡⊂ 、  ノ
── .=≡( ノ =≡    "  ,ヽ   -=  し'
 " ""        """  "  ,ヽ             /~~\ ⊂⊃
       "", ,,, ,,  , ,, ,,,"_wノ|           /    .\
""""     v,,, _,_,,, ,,/l ::::... |  ............,,,,傘傘傘::::::::傘傘傘...............
    ,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,/:: i
,    ,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /::./
    _V\ ,,/\,|  i,:::Y: :: :i/:: |
821 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 12:23:56.31 ID:.yHqphAo
でもさぁ、
自分の意志でここまで頑張ってきたんだから
プロポーズうんぬんも自分で決めて
二人でがんがればよろしと思うよ
822 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 13:05:53.40 ID:uDKhrVso
もうこれは映画化決定で良いよな??
823 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 13:16:30.40 ID:5RKy46Mo
>>821
ですよねww
顔も知らない他人からせかされたプロポーズなんて
100点満点にはなりえないだろ
824 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 13:38:58.37 ID:VXLllkIo
最初から居たがとてもいいスレに出会えたようだな
シンヤとタクミの幸せを遠くから願っています
14日の報告期待してるぞ!!
825 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 13:42:10.33 ID:eNxcq2AO
>>822
映画の尺に収まりきるかな?wwww
826 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 13:52:24.14 ID:VYch3Eso
>>1
報告読んでる途中から目から汗が止まらなくなったwwwwww
まじで良かった!感動した!!

14日ばっちり決めてこい!!!
そして俺に、いやここの住人たちにもおまいの幸せを分けてくれwwww



パー速はこういう素敵なスレがあるから辞められん
827 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 13:58:41.20 ID:dFhuZ.DO
日曜日楽しみにしてる!
まぁ報告は月曜になるのかな?

やっぱりプロは文章うまいな
うまいと言うのも失礼かと思うが言わせてくれ
828 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 14:31:50.35 ID:gvG6cMSO
シンヤが日曜日に言おうとしてることの頭に「結婚を前提に…」をつければいいだけだよ!!



映画化したら10回見に行く


俺も努力する、奇跡おこす、頑張る、しんや、おめでとう、ありがとう
829 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 14:35:28.13 ID:aGkR1LIo
>>828
シンヤ「結婚を前提に遅れてごめん、待った?」
タクミ「…だ、大丈夫、い、今来たとこ」
830 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/10(水) 14:36:43.12 ID:VK2RF8U0
おめでとうシンヤ!!
おめでとうと言うには気が早いのかもしれないがおめでとうだこの野郎‼

ドトールで泣いて不審者扱いされてる俺に謝れ‼

さて、と。
俺も、不細工だけど俺について来てくれる女とけじめ付けるかな。付けれるかな。

今距離置いてて会ってないけど、やっぱりあんな女いないと思うし。

いい女抱きたきゃ風俗行けばいいしな。
不細工な嫁と不細工な子供育てるのもオツかもしれないな。

可愛いと思えるかな。
来週会って確かめてみるわ。

チラ裏スマソ。
831 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 15:04:33.56 ID:/7Pu04so
ほんとよかったな
涙腺が決壊したわ
832 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 15:18:44.14 ID:jzO1XMI0
>>830ガンガレ!
早めに電話だけでも入れとけよ
833 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 15:41:55.91 ID:zkVMVsDO
ふたりは相思相愛 この気持ちはどうしようもない ねぇ、そうきっと遠い将来も変わることない yo,It's alright ふたり永遠に 相思相愛
834 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/10(水) 16:45:50.30 ID:sakbI9A0
>>832
人気のソープ嬢は予約が必須らしいもんな
835 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/10(水) 17:53:43.51 ID:VK2RF8U0
>>834
そっちかよ‼ww
836 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 22:15:44.92 ID:XNVoFKI0
よかった。まじよかった。
NBAの通訳の夢、支えてやってくれよな!
837 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/10(水) 23:04:05.15 ID:xe8rNqw0
1の努力も凄まじいものがあったとおもうが、周りの人間の助けがなければ
今のお前はない
家族、友人、恩師、恋人…
謙虚さと感謝の気持ちを忘れずにな

しっかし1は運が良すぎ
死んだじいちゃんばあちゃんはいる?
ご先祖さまたちも応援してくれたと思うよ

良い話し聞かせてくれてありがとう
勇気づけられたよ
838 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 00:56:27.07 ID:d8AOIYEo
今飲み会から帰ってきた全俺たちが泣いた
2ch(ここはパー速だけど)で泣いたの初めてだわ。まあ酒の勢いもあるんだろうけどなww
俺は書き込みで出来すぎた話をみると「釣りじゃねーの」とか疑う人間だった。
でもこればっかは違う。釣りとかそうでないとかそんなレベルの話じゃない。
もう・・・言葉にならねえ

タクミにお前の想いを全て告白してこい!!!!!別れたあの日から失ったものを取り戻すんだ!!!!
もう今書き込みしながら泣いてるwwwwwwwwダメだ俺wwwwwwwwwwwwwwwwww
839 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 01:05:41.29 ID:QWUjKNs0
>>838不覚にも萌えた

お願いだ…
プロポーズしてくれえええ
840 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 01:17:39.17 ID:twSMQ/Q0
なんかおれも告白したくなってきたw
841 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 02:10:57.62 ID:a3YDVMDO
俺も
842 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 12:31:45.66 ID:ub6QeQAO
じゃあ俺も
843 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 13:11:01.66 ID:Kkv.Rzc0
俺も俺も
844 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 13:18:38.09 ID:zX3E67so
俺も告白しよっと

>>845
好きだ
845 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 13:21:57.19 ID:StQEL5co
>>844
ごめんなさい
846 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/11(木) 16:36:34.25 ID:Kkv.Rzc0
>>845
3分で拒否ww
847 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/11(木) 18:03:59.63 ID:ELshSK6o
レス止まるよりマシだなwwwwww
848 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/11(木) 19:34:44.22 ID:NcrjUS20
シンヤが帰ってくるまでに埋まってもアレじゃね?w
849 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/12(金) 01:27:54.52 ID:Z5esPFI0
読み返した後に木村カエラのbutterfly聴くと更に泣ける
850 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/12(金) 07:28:58.72 ID:qiBYC8E0
>>849
それは無いな
851 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/12(金) 08:29:20.89 ID:7hwv6YDO
>>849それは無いな
852 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/12(金) 10:00:23.50 ID:J6gWVqco
>>849
それは…ないな
853 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/12(金) 10:25:35.64 ID:USEgokgo
最初から読んできた
涙腺が決壊したww
日曜の「報告を楽しみに待ってる!
854 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/12(金) 11:11:22.60 ID:/ulwN0s0
>>850
>>851
>>852
おお、これが伝説のジェットストリームそれは無いな。。。!
855 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/12(金) 17:48:30.79 ID:Sxub8xAo
仕事中になんて事を・・・T T
始まりからずっとROMってたけど書き込まずにはいられなかった!!
頑張ったね!!
14日の報告楽しみにしてる!!
856 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/13(土) 16:04:41.88 ID:5S0S6hYo
いよいよ明日か!!

>>1
ガンガレよ!!!!!
857 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/13(土) 19:45:36.51 ID:vKXadCM0
明日だな。
報告が明後日以降になる事を祈っとくぜ。
858 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/13(土) 19:47:29.54 ID:vKXadCM0
連投失礼。


とはいえ、出撃前に一言いってって欲しくはあるな。
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/02/14(日) 09:53:51.87 ID:ombBtfA0
ついに今日か。
俺までドキドキするよw
頑張ってこい!シンヤ!!

860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/14(日) 11:30:28.88 ID:iOvBoAAO
>>1ガンガレ―!
うまくいくよう祈ってるぜいっ!!!
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/02/14(日) 12:39:51.22 ID:HdQbMWE0
おいついた。
不覚にも目からおしっこがww
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/14(日) 14:43:58.89 ID:vuoGyi60
もう何も心配する事はないから…気をつけていってらっしゃい!
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/14(日) 16:22:01.16 ID:.4fc9Cg0
今頃もう出かけて会ってるのかな?
夜か。
思いっきりいい報告だったらいいなー。
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/14(日) 20:17:55.85 ID:hT5sx0Ao
ドキドキするなー。どうなってんだろ。
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/02/14(日) 21:07:24.54 ID:9gOS/wDO
流石の俺も涙腺がマッハ

みんな良い奴すぎるだろ……
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/15(月) 09:55:32.54 ID:RiQJgkI0
やべえ何年かぶりの一晩中セクロスとかこのスレに似合わない事を想像してしまう。
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/15(月) 10:00:23.31 ID:izkUAoMo
さて今日ぐらいにくるかな…
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/16(火) 01:15:09.78 ID:xaD6m2ko
幸せすぎてスレに来てる暇ないんじゃね?
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/16(火) 08:57:11.79 ID:lUjyZQSO
シンヤも仕事を持ってるし忙しいんだろう
まあ、ゆっくり待とうや
ここはパー速だ
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/16(火) 10:10:20.90 ID:xAC4lSk0
あー泣いた泣いた、くそー泣かされたわ。
幸せにしてやれよ!
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/17(水) 15:46:54.96 ID:b4hbJsSO
まだかな。
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/17(水) 18:05:48.40 ID:IATwXQE0
流石にパー速来てる時間自体がねえか。
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/17(水) 21:35:39.96 ID:7ILFiYSO
たとえ、残念な結果でも俺は待つ!!
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/02/18(木) 00:08:06.35 ID:ed64IkAO
報告待ってるぞ
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/18(木) 01:13:39.01 ID:jPldQzIo
しばらくはいちゃいちゃで忙しいのかもね
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:17:39.94 ID:.mytXIMo
test
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:20:45.71 ID:.mytXIMo
ume
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:20:58.71 ID:.mytXIMo
ume
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:21:10.83 ID:.mytXIMo
埋め
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:21:52.97 ID:.mytXIMo
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:22:03.98 ID:.mytXIMo
埋め
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:22:15.03 ID:.mytXIMo
ume
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:22:25.06 ID:.mytXIMo
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:22:37.43 ID:.mytXIMo
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:22:48.46 ID:.mytXIMo
うめ
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:22:58.69 ID:.mytXIMo
うめ
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:23:08.57 ID:.mytXIMo
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:23:19.60 ID:.mytXIMo
埋め
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:23:24.46 ID:C1Eiz4M0
埋めるなクソ
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:23:30.66 ID:.mytXIMo
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:23:41.91 ID:.mytXIMo
うめ
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:23:52.75 ID:.mytXIMo
宇目
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:24:03.83 ID:.mytXIMo
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:24:14.84 ID:.mytXIMo
宇目
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:24:24.93 ID:.mytXIMo
埋め
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:24:35.95 ID:.mytXIMo
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:24:47.98 ID:.mytXIMo
埋め
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:24:58.15 ID:.mytXIMo
うめ
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:25:15.58 ID:.mytXIMo
うめ
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:25:34.69 ID:.mytXIMo
うめ
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:25:57.27 ID:.mytXIMo
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:26:16.32 ID:.mytXIMo
うめ
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:26:27.90 ID:.mytXIMo
うめ
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:26:42.56 ID:.mytXIMo
ume
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:27:02.72 ID:.mytXIMo
ume
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:27:24.45 ID:.mytXIMo
埋め
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:27:46.09 ID:.mytXIMo
埋め
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:28:10.78 ID:.mytXIMo
ume
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:28:33.26 ID:.mytXIMo
うめ
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:29:00.77 ID:.mytXIMo
宇目
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:29:24.08 ID:.mytXIMo
うめ
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:29:45.83 ID:.mytXIMo
ume
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:30:12.28 ID:.mytXIMo
うめ
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:30:34.07 ID:.mytXIMo
宇目
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:30:46.14 ID:.mytXIMo
宇目
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:30:57.16 ID:.mytXIMo
ume
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:31:08.20 ID:.mytXIMo
埋め
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:31:18.24 ID:.mytXIMo
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:31:29.46 ID:.mytXIMo
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:31:40.34 ID:.mytXIMo
ume
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:31:52.09 ID:.mytXIMo
埋め
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:31:59.12 ID:G7xvEVMo







次スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1266517806/








あと荒らし報告してくる
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:32:02.46 ID:.mytXIMo
宇目
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:32:14.48 ID:.mytXIMo
宇目
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:32:24.53 ID:.mytXIMo
うめ
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:32:35.58 ID:.mytXIMo
うめ
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:32:45.63 ID:.mytXIMo
ume
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:32:57.75 ID:.mytXIMo
宇目
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:33:08.80 ID:.mytXIMo
埋め
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:33:18.95 ID:.mytXIMo
宇目
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:33:28.85 ID:.mytXIMo
うめ
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:33:40.02 ID:.mytXIMo
うめ
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:33:51.70 ID:.mytXIMo
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:34:02.12 ID:.mytXIMo
宇目
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:34:13.03 ID:.mytXIMo
宇目
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:34:24.01 ID:.mytXIMo
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:34:34.08 ID:.mytXIMo
ume
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:34:45.11 ID:.mytXIMo
うめ
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:34:56.23 ID:.mytXIMo
ume
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:35:07.23 ID:.mytXIMo
うめ
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:35:18.27 ID:.mytXIMo
うめ
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:35:29.30 ID:.mytXIMo
ume
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:35:40.14 ID:.mytXIMo
ume
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:35:50.70 ID:.mytXIMo
埋め
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:36:02.24 ID:.mytXIMo
宇目
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:36:12.46 ID:.mytXIMo
宇目
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:36:23.70 ID:.mytXIMo
宇目
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:36:35.38 ID:.mytXIMo
宇目
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:36:44.78 ID:.mytXIMo
うめ
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:36:55.91 ID:.mytXIMo
うめ
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:37:06.71 ID:.mytXIMo
ume
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:37:17.77 ID:.mytXIMo
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:37:28.80 ID:.mytXIMo
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:37:39.87 ID:.mytXIMo
宇目
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:37:50.09 ID:.mytXIMo
うめ
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:38:00.96 ID:.mytXIMo
ume
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:38:12.99 ID:.mytXIMo
宇目
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:38:23.09 ID:.mytXIMo
埋め
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:38:35.13 ID:.mytXIMo
うめ
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:38:45.14 ID:.mytXIMo
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:38:55.31 ID:.mytXIMo
うめ
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:39:06.28 ID:.mytXIMo
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:39:17.46 ID:.mytXIMo
ume
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:39:28.37 ID:.mytXIMo
埋め
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:39:39.61 ID:.mytXIMo
宇目
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:39:49.61 ID:.mytXIMo
埋め
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:40:00.84 ID:.mytXIMo
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:40:11.68 ID:.mytXIMo
埋め
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:40:22.74 ID:.mytXIMo
ume
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:40:39.64 ID:.mytXIMo
うめ
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:40:50.08 ID:G7xvEVMo
一応もう一度







次スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1266517806/








972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:41:02.95 ID:.mytXIMo
宇目
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:41:22.44 ID:.mytXIMo
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:41:47.16 ID:.mytXIMo
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:42:07.43 ID:.mytXIMo
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:42:30.04 ID:.mytXIMo
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:42:49.64 ID:.mytXIMo
宇目
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:43:09.55 ID:.mytXIMo
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:43:34.06 ID:.mytXIMo
うめ
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:43:53.59 ID:.mytXIMo
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:44:16.41 ID:.mytXIMo
埋め
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/02/19(金) 03:44:30.84 ID:C1Eiz4M0
>>971
ありがとう!
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:44:44.95 ID:.mytXIMo
宇目
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:45:14.12 ID:.mytXIMo
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:45:29.73 ID:.mytXIMo
うめ
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:45:53.45 ID:.mytXIMo
うめ
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:46:15.68 ID:.mytXIMo
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:46:38.23 ID:.mytXIMo
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:47:01.90 ID:.mytXIMo
埋め
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:47:22.72 ID:.mytXIMo
宇目
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:47:44.78 ID:.mytXIMo
埋め
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:48:06.86 ID:.mytXIMo
ume
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:48:24.54 ID:.mytXIMo
宇目
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:48:36.14 ID:.mytXIMo
宇目
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:48:44.86 ID:.mytXIMo
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:48:59.74 ID:.mytXIMo
宇目
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:49:19.73 ID:.mytXIMo
ume
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:49:40.53 ID:.mytXIMo
埋め
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:49:54.20 ID:.mytXIMo
ume
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/02/19(金) 03:49:58.88 ID:SBAWtmsP
       /:::/::::::::;: --- 、:::::::::|::::::::ヽ
        |::::|:::::::├――┤:::::::l::::::::::|
        |:::」.ィ ┴――┴‐- L::::::::|
       |´ : | , -‐ 、   ‐- 、| `T ト、     ありゃー
       l: : : |{  じ   じ  }: : :V::::::}     タクミとうとう死んじゃったのか・・・
        〃!: : | ー      ー | i: : }_/
      / |:i ; | u   '     jイ : ハ
          l:ト、:ト .  ^TTIト .イ/: /: :ヽ
       | ヾ ィ>イl川´}∨∠ェー ´
       _.. ヘ ヽ 川||/  ハー- ._
    , ィ''´    }  ンrtく  {      /ヽ
   /  l 、\ {_/ |o| \_}     /  ,
   {、 l  >--\   |o|     、 ,′   、
   ハ_} / _二ヽ \ Ll       V/     ヽ
   {  /   -- 、ン‐ヘ         {i   __}
   に7  ‐ァ-一'’_¨二\二二¨ `Y⌒ヾ_-―‐ノ
  //  /ヽ、<´ ミ=三ゝ=ミ `>ノ ノ  `ヽ |

1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
すみません至急にチラ裏を書かねばなりません @ 2010/02/19(金) 03:30:06.23 ID:G7xvEVM0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1266517806/

東方スレ @ 2010/02/19(金) 02:57:50.61
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1266515870/

北島三郎の鼻から産出された石で碁を打つ山本譲二の画像ください! @ 2010/02/19(金) 02:32:54.64
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1266514374/

寝ぼけてたら 名刺を入れられてた 3枚目 @ 2010/02/19(金) 02:09:57.35 ID:WquAb3go
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1266512997/

ぼくのにっき @ 2010/02/19(金) 01:53:44.07
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1266512024/


Powered By VIPService http://vip2ch.com/

291.36 KB   

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)