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ベース買ったけど一人で練習つまらないしVIPに書こうとしても - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 16:15:54.02 ID:NwAsziAo
ベーススレに参加できないから

ここでひっそり生息します
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ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part6 @ 2024/03/16(土) 18:36:44.10 ID:H9jwDXet0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1710581803/

昔、スリに間違えられた @ 2024/03/16(土) 17:01:20.79 ID:TU1bmFpu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1710576080/

さくらみこ「インターネッツのディストピアで」星街すいせい「ウィキペディアね」 @ 2024/03/16(土) 15:57:39.74 ID:7uCG76pMo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1710572259/

今日は月が……❤ @ 2024/03/14(木) 18:25:34.96 ID:FFqOb4Jf0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1710408334/

どうも、僕は「げじまゆ」をヤリ捨てた好色一代男うーきちと言います!114514!! @ 2024/03/14(木) 01:23:38.34 ID:ElVKCO5V0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1710347017/

アサギ・とがめ・新生活! @ 2024/03/13(水) 21:44:42.36 ID:wQLQUVs10
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1710333881/

そろそろ春だねー! @ 2024/03/12(火) 21:53:17.79 ID:BH6nSGCdo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1710247997/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part5 @ 2024/03/12(火) 16:37:46.33 ID:kMZQc8+v0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1710229065/

2 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 16:17:30.42 ID:uvzeKUYo
うおー!見つけたぞー!捕まえろー!
3 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 16:21:19.27 ID:NwAsziAo
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org627830.wma.html

ここまでひけるようになりました
4 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 16:22:18.29 ID:NwAsziAo
てかこれで上達すんのかな

こればっかり繰り返してるんですがww
5 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 16:29:56.74 ID:NwAsziAo
次のフレーズに移るか・・・
6 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 16:38:39.54 ID:NwAsziAo
おらがんばるぞ
7 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 17:20:39.71 ID:NwAsziAo
そろそろバイトだ〜
8 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 17:34:05.03 ID:tBjCykDO
です
9 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 17:34:49.59 ID:NwAsziAo
>>8

いってきますです
10 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 19:13:30.41 ID:tBjCykDO
びょんびょぉん
11 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 19:22:09.57 ID:yY2c3jUo
べいんべいん
12 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/06(土) 20:22:00.33 ID:uvzeKUYo
どどいんどいーんwwwwwwww
13 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 21:35:51.60 ID:NwAsziAo
ただいま
14 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 21:46:56.02 ID:tBjCykDO
おかえり


とか言っちゃってみちゃったりしちゃったり
15 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 21:53:07.93 ID:NwAsziAo
>>14

の優しさに涙

楽器やってる人?
16 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 21:53:57.02 ID:tBjCykDO
ベースやってるよ
17 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 21:58:21.34 ID:NwAsziAo
おお

スラップとか最初何練習しました?
18 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 22:00:13.15 ID:tBjCykDO
残念

初心者だよ
19 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 22:03:09.48 ID:NwAsziAo
バッハの無伴奏チェロで今は精一杯だけど
スラップソロまでがんばりたい
20 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 22:10:34.33 ID:NwAsziAo
なんか弾けるフレーズうp
21 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/06(土) 22:37:10.14 ID:NwAsziAo
これ弾いてて上達することを願う
22 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/07(日) 04:08:21.42 ID:07yPDogo
練習方法とかで悩みある?
23 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/07(日) 04:22:29.99 ID:07yPDogo
>>3
どこまで上手くなりたいのか分からないけどピックじゃなくて指弾きのほうがいいとおも
あとタブ譜使ってるならやめて五線譜を読むようにしたほうがいい
そして今自分が何の音を弾いてるのか常に意識する
ソレシラシレシレって歌いながらでもいい
んでその音が指板上のどこにあるのかも常に意識する
24 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 09:59:08.39 ID:49W1PN.o
>>23
おはようございます
アドバイスありがとうございます

指弾きです

確かに何の音かわからないまま弾いてました
歌いながらやってみます!
25 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 11:58:01.42 ID:EUtQVHMo
うおーがんばれー!
26 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 12:58:45.52 ID:49W1PN.o
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org630678.wma.html


ここまで弾けるようになったけど、いかんせんTAB譜にたよってしまう
27 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 13:00:39.62 ID:49W1PN.o
>>25
応援感謝!
28 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 17:06:13.10 ID:49W1PN.o
バイトいってきまんもす
29 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 17:54:39.87 ID:qX3ajEDO
いってらっシャイン
30 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 20:52:53.99 ID:PSdT9UDO
Mr.ChildrenのくるみのPV
スウィングガールズ

この二つを見たせいでベースをやりたくなった
31 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 21:33:33.06 ID:49W1PN.o
>>29
ただいま

>>30
ベースやろうずww

32 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 21:45:03.34 ID:49W1PN.o
練習プログラム組みます

朝9時起床←できればもっと早く

9時半〜10時半 バッハの無伴奏チェロ練習
どの音を弾いてるか確認
10時半〜11時半 ラジオなどでバッハの無伴奏チェロ
11時半〜12時 昼ごはん
1時〜1時半 クロマチックフレーズ
1時半〜2時 サイトめぐり (ベースの)
2時〜3時  寝る
3時〜4時 昔やってたギターを触り始める(耳コピ)なにするかは未定
4時〜5時 バイトの仕度
5時から〜10時 バイト
10時〜11時 まったりタイム
11時〜9時 就寝

しばらくはこれでいこうと思っているが、練習内容についてもっと濃くしたいのでアドバイス
あればよろしくです
33 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/07(日) 23:16:58.57 ID:PSdT9UDO
>>31
昨日も来た初心者だよ
34 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 03:01:35.20 ID:rKDK8gco
スケールとアルペジオの練習は毎日したほうがいい
極端な言い方すると全てのフレーズはスケールとアルペジオでできてるから
35 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 03:07:54.90 ID:rKDK8gco
ごめん
アルペジオだと曲解されるかもしれないから分散和音に訂正させてください
36 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/08(月) 08:29:03.46 ID:kdzI35so
>>33
またきてくれましたか!
一緒にがんばろうぜww

>>34
スケールの練習もしていきます。

今日は早起きしました
早速練習開始

9時半〜10時半 バッハの無伴奏チェロ練習
どの音を弾いてるか確認
10時半〜11時半 ラジオなどでバッハの無伴奏チェロ
11時半〜12時 昼ごはん
1時〜1時半 クロマチックフレーズ
1時半〜2時 サイトめぐり (ベースの)
2時〜3時  寝る
3時〜4時 昔やってたギターを触り始める(耳コピ)なにするかは未定
4時〜5時 バイトの仕度
5時から〜10時 バイト
10時〜11時 まったりタイム
11時〜9時 就寝

とりあえず10時半まで練習だ〜
37 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:29:42.42 ID:h2p/Udgo
2・

 スティーヴには、何が起っているのか、まったく信じられないことの連続だった。数分間に生じている出来事は、すべてが文字通りに、言葉に表現することが不可能なことばかりだった。なんとか順番に思い出そうとしていた。
第一に、彼は仲間と、淫らな口つきでホットドックに、かぶりつこうとしている美人の女子学生に声をかけていた。からかっていた。昼飯時の、いつもの楽しい遊びに打ち興じていた。第二に、彼女が怒って立ち去った。
第三に、二人のゴージャスな女の子達が、カフェテリアに姿を見せた。第四に、明るい閃光と歯が浮くようなノイズが聞えた。五番目に気がついたことは、自分が素裸で、暗い場所にいるということだった。
何か湿った感じがする物質の表面に座っていた。何本かの光りの矢が、頭上の暗闇から差し込んで来た。それだけが、周囲の状況について、少しでも観察を許してくれる光源だった。

 彼が立っている土地は、深い溝と畠の畝のような隆起した部分を交互に持っていた。体重を乗せると、ほんのわずかだが、凹むような気がした。辺りを見回していた。
薄明りに四人の友達の影が、ぼんやりと見えた。彼らはヌードで、この見た事もない異様な地面の状況に恐れ戦いているようだった。
暗黒の中では、自分達のいる場所が、どこで、何なのかということを、それ以上に見極めることはできなかった。みんなが、彼と同じように混乱していた。

 スティーヴンは、両眼で二度、瞬きしていた。何か雷鳴のような物音が聞えた。閉鎖された空間の四方八方の壁に反響していた。くぐもってはいたけれども、一種のパターンがあるような気がした。
ある種の、意味のある言語ではないかということだけは、分かった。ひどく歪んではいた。けれども、スティーヴの耳には、女の子の声のようにも聞えていた。ただ、あまりにも大きすぎた。激しく罅割れているのだ。

 両足を踏ん張っていた。なんとか表面に2本の足で、まっすぐに立とうとしていた。あまりにも暴力的な力で、上空に持ち上げられていた。頭上の天井の部分が、いくつにも割れた。まばゆい光の筋が、暗闇に差し込んできた。
目が眩んだ。震動が止んだときには、スティーヴンも、今いる場所に座りこんでいた。両眼を、少しだけ開いてみようとしていた。見えたのは、戦慄すべき情景だった。彼が立っているピンク色の地面が、空に聳え立つ五本の塔につながっていた。
それぞれが、少なくとも30メートル以上の高さがあるだろう。

指の形の塔だ……。馬鹿らしいほどにでかい。けれども、あれは人間の指だった!!ということは、スティーヴンと友人たちは、誰かの掌の上に立っているということを意味する。
そして、もし指と掌であるのならば、それらには、さらにくっついている部分があるはずだ……。スティーブンは勇気をふりしぼっていた。ゆっくりと振りかえっていた。見なければならないものは、見なければならない。
巨人の手は、手首につながっていた。手の台地は、遥かな遠くにまで延びていた。肘の曲った部分で、二の腕の崖に接続していた。もしあの腕の崖の側面を、さらに高みにまで登っていったとすれば、赤い布地の内部に入って行くことになるだろう。
ブロンドの髪が幾房も、その上にかかっていた。ブロンドの髪に囲まれて、女神の頭部が、またその崖の上に位置していた。微笑している。おかしくてたまらないという表情だ。遊び半分の女神の顔だった。
この全景は、スティーヴの目と脳にとって一人の人間を見つめているという感じでだっなかった。風景を展望しているというようだった。より壮大な規模として理解されていた。彼女の顔までは、ここからでは数千メートル以上の距離があるだろう。
両の乳房を包む生地は、相対的には申しわけ程度の薄さしかない。赤いTシャツだった。胸部全体を、広大な生地が覆い隠していた。胴体の中央部分にかけて、大きく長く胸の隆起が産み出す影が、黒く落ちていた。
スティーヴの優れた視力は、もう一人の女神が、彼女の背後の、さらにもう少し遠くの場所に座っていることにも、気がついていた。そちらは明るい赤毛だ……。いきなり彼女たちが、つい一分前に彼らの方に近寄ってきた、あの二人連れに違いないということが分かった。

38 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:30:07.09 ID:h2p/Udgo
「助けてくれ!お願いだ!助けて!」

 小柄で太り気味のボビーの奴が、スティーヴの右隣で、虚しく叫んでいた。他の者達といっしょになって身を寄せ合っていた。意地も誇りも棄てていた。飛び上り、飛び折りるという動作を繰返している。力の限り叫んでいた。
巨人族の女の注目を引こうとしていた。その行為は、明らかに一定の効果をあらわしていた。

いきなりブロンドの灰青色の瞳が、ちっぽけな悲鳴を上げている男達を頭上から見下ろしていた。微笑していた。左手が、彼らの居る方向に滑空してきた。スティーブンには、彼女が狙いを定めているのが、自分らしいということが不意に分かった。
しかし、何をするにしても遅すぎた。第一関節から先だけでも、グレイ・ハウンドバス会社の長距離バスの車体よりも大きな指の先端が、前後から彼を押し包んでいた。間に、閉じ込められていた。
空気は、即座に彼の肺から搾り出されていた。強大な圧力に全身の骨が、折れて砕けるかと思われた。今度も、いきなりだった。落下していた。大地の方向に、風を切って墜落していた。

スティーヴには、何か茶色をした湖の表面に激突していた。その直前に、かろうじて一回だけ、息を呑む時間が与えられた。濃厚な暖かい液体に、即座に底なし沼の中に引きずりこまれていた。両方の肺臓は、空気の不足に燃えるように痛んだ。全身の骨と筋肉は、巨人女の指に加えられた圧迫によって、悲鳴を上げて軋んでいた。しかし、手足をふりまわしていた。かろうじて表面に浮上することができた。呼吸をすることができた。命を救われていた。塩味のする液体が、口から、ごぼごぼと入り込んでいた。激しく咳込んでいた。正体不明の汚物の堆積したような沼から、顔から上だけを出すことができていた。両眼から両手で粘液を拭っていた。周囲を見回していた。見えるものは、形も定かでないぼんやりとした白い島影だけだった。遥か彼方に、一本の銀色の塔のようなものが立っていた。あれもある種の、人工的な建築物かもしれなかった。半分食いかけのホットドッグがあった。スケールそのものは、馬鹿馬鹿しいぐらいに膨大だった。そのせいで、茶色の海の岩礁に乗り上げて難破した、船体のようにも見えた。何か巨大な怪物が、歯を立てて半分に噛み切ったのだった。怪物のサイズを証明するのは、物体の切断部分に残っている歯の痕跡だった。ホットドッグの残骸が、彼にこれが今日のランチの一品に違いないということを、明瞭に認識させていた。恐怖と戦慄に襲われていた。ゆっくりと頭をめぐらしていた。彼女の姿を、ついに見てしまった。両眼は、思わず下を向いてしまった。気力が萎えていた。しかし、反対に奇妙なことだったが、もう一度、視線を向けてしまうと、あまりにも凄まじい光景に、目をそらすことができなくなってしまった。ブラウスの緑の生地の上に、重々しく内部から突き出されて置かれている乳房の、荘厳な光景に衝撃を受けていた。彼女も、彼のことを見下ろしていた。彼は、女神の顔を注視していた。実際に彼女が見ていたのは、まだ食物というものの一片でしかなかったのだけれども。
39 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:30:31.02 ID:h2p/Udgo
3・

「あなたたちは、あたしに食べてほしいの?」

 ケイトの声は、少しだけ大きすぎた。

「ヘイ、静かにしてよね。状況が、わかってるの?そんなに、ひどい経験じゃないわよ。彼らの味も、わかんないぐらいだもの。信じてちょうだい。あたしは、もう経験済みなんだから」

 ベッカは、こんな事は、何でもないというように、ケイトに囁きかけた。もう一人の美少女も、同じように頷いてくれていた。

「でも、彼らは人間なのよね?あのいたずらな男子学生たち。そうでしょ?」

 ケイトの理性は、最後まで抵抗していた。けれども、肉体の方は、反対意見のようだった。空腹のあまり、お腹がぐーと、派手に鳴いていた。肉汁の中で泳いでいる、ちっぽけな生きものにも、もしかすると聴こえたのかもしれない。なぜかといえば、パニックを起したように、もう一度、マッシュポテトの岸辺に向かって、泳ぎだしていたからである。

 ステフは微笑していた。ケイトに真実を再認識させていた。

「そうよ、さっきの悪ガキども。思い出して。生きている価値もない奴ら。そうだったでしょ?」

 ステフはケイトに、にっこりと魅力的な笑みを投げかけていた。

「それに、もしあなたが、ランチを食べたくないんだったら、あたしが、遠慮なく、いただかせてもらうわ」

 トレイの方に手を伸ばしてきた。しかし、ケイトは自分のフォークを握りしめて放さなかった。それによって自分の意志を明白に示していた。右手のフォークをぶらぶらさせていた。ランチを凝視していた。

 ホットドッグの上の二人の男達は、ケイトの最後のひと口分が産み出した、断崖絶壁の縁に佇んでいた。自分の歯が残した痕跡が、彼らをより卑小に見せていた。ケチャップの中の小人は、粘性の高い赤い堆積物の内部から脱出しようとして、絶望的な戦いを続けていた。ブルーベリーヨーグルトの中の男は、優に彼のサイズの四倍ぐらいの大きさのある、ブルーベリーの粒の側面に、しがみ付いていた。難破した船の乗組員にそっくりだった。ヨーグルトの明るい青い海に浮んでいる、残骸の上に乗り上げている漂流者だった。

40 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:30:34.61 ID:h2p/Udgo
 ケイトは、びっしょりと濡れた男に、視線を戻していた。彼は、今では肉汁の湖水を泳ぎ渡っていた。彼自身の身体を、マッシュ・ポテトの乾いた岸辺に、上陸させる事に成功していた。ケイトは、フォークを持ち上げていた。深呼吸をしていた。それは、マッシュ・ポテトに過ぎない。頭の中で繰り返していた。フォークを持ち上げていた。鋼の食器は、小さな男のいる方向に、速やかに飛翔して言った。彼はすぐに立ち上がっていた。反対方向に逃げようとしていた。せっかくの脱出行動なのに、その速度は可哀想になるぐらいに、ゆっくりとしたものだった。彼のサイズでは、その一歩の幅は、彼女には、ほとんどそうと気がつく事すら、出来ないほどでしかなかった。ホイップされたクリーミーなポテトは泥のぬかるみのようで、ミニサイズの足を、容易に飲みこんでいた。行く手を阻んでいた。わずかばかりの進歩を示せているのは、むしろ奇跡的なことではないだろうか。強靭な体力を示していた。彼女のフォークは、あと一歩のところで躊躇いを見せていた。ポテトの内部に、深く突き刺さっていた。ちっぽけな存在が、必死の努力を続けている光景に、目を釘づけにされていた。フォークは、彼の大地そのものを、粉砕しながら急速に接近していった。彼の立っていた丘全体が、空中に持ち上がっていった。ケイトの獲物を待ち受けている、餓えた上下の唇の方向に上昇していった。すぐに、少しずつ食べ始められていた。ひと噛みされた。それだけで景観そのものが一変していた。小さな男が立っているマッシュ・ポテトの山そのものが、半分以上、消滅していた。さらにゆっくりと虚空を飛行して行った。ベッカとステフは、期待の表情を顔に浮べて、ただ見守っていた。小さな物体が飲みこまれるまでには、もうあとほんのわずかな時間しか残っていないだろう。しかし、最後の瞬間に、足首を捕まえられていたポテトの沼地の呪縛から、彼は自由の身となったのだった。フォークの上から、虚空に身を投げていた。三人の巨人女達には、ほとんど気がつくこともできないような、小さな出来事でしかなかった。しかし、彼のスケールからすれば、絶望的な気分で投身自殺をする気持ちになった者にしかできないような、驚くべき恐怖を伴う捨身の行為だった。再び柔らかいポテトの上に落下していた。ケイトは、その勇敢な光景を見て、口元に神経質そうな笑みを浮べていた。口腔に滑らせるようにして、ポテトを突き刺したままのフォークを入れていた。舌の上で食べ物を動かしていた。固い唾とともに、ごくりと飲みこんでいた。あんなに必死に戦っている。この勇敢な男にとって、食べ物といっしょに飲みこまれるというのは、いったいどれほどに屈辱的な感覚がする体験なのだろうか?想像を逞しくしていた。

 男は、もう一度、マッシュ・ポテトの山を乗り越えていこうとしていた。彼の視点からすれば今ではトレイの上でも、開けた平野に下りていけるだけの展望が開けていた。高い場所に出ていたのだ。さぞかし大きな逃亡の可能性を、獲得しているような自由な気分なのだろう。ケイトは、もう一度、男の方向にフォークを伸ばしていた。しかし、直接的に、彼を狙っているのではなかった。巨大な食器を、彼の頭上に聳えているポテトの山脈の側面に突き刺していた。結果的に、そこにあったダムを一撃で崩壊させていた。肉汁を溜めていた貯水池が決壊していた。今では、マッシュ・ポテトの左右の谷の側面を削りながら、粘性の高い肉汁が、猛烈な速度で彼の方向に流れ下っていた。彼にはなだれに対抗できるだけの十分な速度で、破滅の場所から脱出するだけの力はなかった。濃厚な密度を持った茶色の物体の雪崩に押し流されていった。彼は、表面に再度、浮上してきた。一台のブルドーザーぐらいのサイズのあるポテトの表面に、肉汁の粘着力によって磔の状態にされてしまっていた。ケイトは、今では囚われの身になった人間を乗せたポテトの下側に、フォークを悠然と刺しいれていた。顔の高さにまで持ち上げていった。さよならを言うためだった。

「よくやったと思うわ、君は。でも、……ごめんね」
 
 ケイトは、大きく口を開いた。ポテトを中に入れた。口を閉じた。上下の唇で、フォークについた食べ物を削いできれいにした。温かいポテトの塊が、舌の上に残っているのが分かった。口の中の天井の部分に舌で押し当てていた。ゆっくりと潰していった。一端、休息していた。舌の上に、何か小さな物が動いているのが、感じられるような気がしたからだ。それから、飲みこんでいた。ごくり。すべての食物が喉を下っていく。充実した感触を味わっていた。

* * *
41 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:30:54.54 ID:h2p/Udgo
4・


 スティーヴンは、フォークから跳躍していた。滞空時間は、一秒間もなかった。もう一度、ポテトの上に着地していた。もし、あの茶色のトレイの平原の上にまで脱出することができさえすれば。彼は自問自答していた。この白い丘を下るためには、優にフットボール球場一個分の距離を、走破する必要があった。しかし、マッシュ・ポテトの地面を走るというのは、およそ不可能なことだった。どろどろの泥が、堆積した沼地を徒歩で行くような難行だった。あちこちに大きな穴が開いていた。地面は、無数に皹割れていた。温い肉汁の泥土が、あちこちの窪地に溜まっていた。足を吸いこまれていた。スティーヴンは、フォークの動きを見つめていた。ついさっきまで山のようなポテトが乗っていた。女神の口の中に、あれほどに巨大な物体が、一瞬にして消えていく。全く何も残らずに、きれいになって出てきた。一連の滑らかな動きを目撃していた。彼女の咽喉は、ビルディング一個分の体積のある食物を飲みこむために、ぐびぐびと動いていた。さっきと同様な迅速な動きだった。鋼のフォークが、再び来襲した。彼としては逃避行に、全精力を傾けていた。だが、進行の度合は、はかばかしいものではなかった。フォークは、頭上の山腹の内部に吸いこまれるように消えていった。大量の物質を削り取っていった。一肉汁の大雪崩が咆哮しつつ、襲来した。意識を失わせるに十分な力で、ぶつかってきた。


 意識を取戻した時、彼はトレイの上空、300メートルの高度を飛行していた。何が起っているのか、判断する時間はなかった。ぬれぬれと濡れたピンク色をした二枚の唇があった。優にロック・コンサートのスタジアム一個分を収容できるだろう。それぐらいの容積のある空間だった。口腔の内部に導く門が開いてた。スティーヴンは、女神の両眼を見上げていた。二個の白い球体の中心に、深い黒の深淵があった。彼女の鼻腔が、空気を吸引していた。スティーヴンの周囲の空気は、轟轟と音を立てて失われていった。次の瞬間には、彼の周囲を呼気が突風となって吹き荒れていた。彼女は、何かの言葉を口から出そうとしているようだった。だが、その声は、あまりにも大きすぎた。スティーヴンには、意味を理解する事はできなかった。彼が見ることができたのは、休みなく動き続けている二枚の超巨大な唇の上下運動と、その向うで健康的な歯並びが、白く明るく光っている光景だった。フォークは、さらに口元に接近していた。上下の唇の距離は、さらに大きく開いていった。膨大な肉の質量を誇る赤い舌が、彼の入場を歓迎して蠢いていた。赤い口腔の大洞窟の彼方に、漆黒の深淵を覗くことができていた。喉の穴だった。一個でもトラック一台分のサイズのある、噛み砕かれたホットドッグの残骸が、奥歯の隙間にいくつも挟まっていた。口が閉じた。スティーブンは、ざらざらとした舌の湿った表面に転落していた。あたりは、真の闇が支配していた。唾液の熱い沼の中に横たわっていた。上方に持ち上げられていた。上顎の天蓋に押し当てられていた。しばらくして、もう一度、元の場所に下降していった。大量のポテトの塊とともに、彼女の胃袋へと続く食道を轟轟と下降していた。この後に、どんな運命が待ち受けているのか?彼には分かっていた。

* * *
42 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:31:44.64 ID:h2p/Udgo

5・

ケイトは、妙な気分だった。彼女の内部のどこかで、ちっぽけな人間が、今、緩慢な死を迎えようとしている。ほんとうに、ちっぽけな死だ。罪悪感を覚えているわけではまったくなかった。そんな感情は全くない。感情があるとすれば、幸福な高翌揚感と呼べるような種類のものだった。女性の自分が、男性に奮っている力の強大さに、酔うような気分になっていた。彼女は、今、一人の男を生きたままで食ったのだ。他の男達も、この光景を目撃していたことだろう。ケイトは、自分のランチを見下ろしていた。眼前に待ち受けている次に必要な行為に、恐怖を覚えるということは、全くなかった。さくさくとランチを平らげることにしていた。あの四人の小さな男達は恐怖の表情を浮べて、仲間が食われる光景を目撃していたことだろう。彼らも、彼女の昼食のほんの一部分に過ぎなかった。

【作者注記】
さらに多くの小さな男達が、ケイトの通過儀礼のための生贄になっていきます。

 最初と比較すれば、次の行為は、どんどん容易なものになっていった。混乱の時は過ぎた。その後では、すべての行為が、ただいつもの食事と同じ順番通りに、進められればいいだけのことだとわかっていた。ケイトは、すぐに自分の空腹を充足させたいと言う欲望と、この状況に対して性的な興奮が盛り上っていくという、二つの感覚を同時に抱いていた。ともあれ、もうくよくよと思い煩うということだけはなかった。それらは、遂行しなければならない、生きるために必要な行為でしかなかった。動物的な本能である。捕食と性の欲望。この二つの刺激の要求の充足に、身を委ねれば良いのだった。



43 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:31:53.51 ID:h2p/Udgo
 ステフとベッカは、ケイトが半分食べかけのホットドッグに手を伸ばすのを、満足した穏やかな笑みを顔に浮べて、見守っていた。頂上には、二人の男が囚われの身になっていた。ケイトの両眼は、自分の歯形が刻印された場所に、焦点を結んでいた。パンの断崖絶壁の端に、二個の小さな黒い点を見いだしていた。その上から転落しないように、男達は注意深くバランスを取っているようだった。どうしても、ファルスに見えてしまうことが、避けられない食品の上だった。彼らは、ホットドッグ山の尾根の上を、もう一方の端の方角に向かって走り続けていた。ケイトは自分の食べ方が、男性には、ちょっと変態っぽく見えるらしいということも、もうまったく気にしなかった。ゆっくりと、ホットドッグを口元に持ち上げていった。簡単に噛み切る前に、口腔に頬張れる限界の分量まで、そのままの形で挿入していった。これが、彼女の流儀だった。上下の歯が、鋭く噛み合わされた。肉とパンを切断していた。上下の唇が閉じられていた。口一杯の食べ物を、もぐもぐと食べていった。そうしながら、ホットドッグを目線の高さにまで持ち上げていた。二人の男は、自分のこのいつも通りの何気無いひと口に、ビックリ仰天しているようだった。腰を抜かしたように座りこんでいた。動けなくなっていた。その状態を観察していた。子供っぽい残酷な衝動に襲われていた。食物を噛みながら、口を大きく開いていた。口一杯の食べ物が、咀嚼されている光景を、あえて二人に目撃させていた。噛み砕かれた肉。唾液に漬かってべとべとにふやけたパン。舌でそれらを周囲の歯に押し当てて掻き回していった。べちゃべちゃという音がした。彼女自身にとっても、大きく不愉快なものだ。それだからこそ、小さな男子学生どもには、驚天動地の轟音に違いないと思えた。テーブルの向うに座っている二人の女子学生は、くすくすと笑っていた。もう一度、噛みしめていた。少しずつ何回かに分けて、口の中の内容物を飲みこんでいった。大きな塊が、喉の奥の食道を押し広げながら下降していった。すでに、彼女の胃袋の内部で待ち構えているはずの小さな男は、頭上から落下する大量の食物の下に、埋められていったことだろう。ミルクをがぶりと飲んでいた。流し込んでいた。視線をホットドッグの最後の一片に戻した。ケチャップ。それが必要だった。指を一本伸ばしていた。盛り上ったケチャップの山につきたてていた。指先をぐるりと回転させた。顔のところに持っていった。小さな人間は、完全にペースト状になったトマトの中に埋もれて、隠れてしまっていた。しかし、赤い物体の中で、何かがもがいていることはわかった。香辛料入りのケチャップを、残りのホットドッグの端から端まで指で丁寧に塗りつけていった。指をしゃぶってきれいにしていた。今では3人の男達が、信じられない出来事の連続に、ホットドッグ山脈の上で、恐れ戦いている。顔の表情まで見るには、あまりにも小さすぎた。分からないのが残念だった。しかし、最後のホットドッグの断片の頂上で、必死の戦いを繰り広げてくれていることだろう。ケイトは、形式ばらないで、無造作に首をそらしていた。口の中にホットドッグを放り込んだ。何度か噛んでから、ごくりと飲みこんでいた。ステフとベッカに微笑していた。

 今では、ランチルームには、空席が目立った。がらがらだった。三人の少女たちと、学生のアルバイトが一人いるだけだった。遠くのテーブルを布きんで無表情に拭いていた。

「どんな味だった?」

 ベッカが、穏やかな声で質問してきた。

 ケイトは、すぐには答えることができなかった。両眼は、鋭く焦点を結んでは、また遠くを見るような、ぼんやりとしたものになった。彼女は、あの肉体的であるとともに、精神的でもあった多幸感に、我を失っていた。上下の唇を開いていた。はあはあという呼吸の激しいリズムそのものを楽しんでいた。舌で口腔の内部を嘗め回していた。探っていた。自分が、本当に彼らを飲みこんだのかを確認していた。何も残ってはいない。自然に手が動き出していた。まるで自分自身の意志を持っているような動き方だった。上下の唇に指先で触れていた。それから、首筋に下がっていた。食道の上。乳房の谷間にまで下降していった。胃袋の上。ちっぽけな男達が、ここまで下って行ったのだ。そう想像していた。彼女の理性が、自分の袖をどこかで引っ張っていた。しかし、それは奇妙なほどに、遠くからでしかなかった。罪悪感など、さほど重要なものとは思えなかった。引続き自分を興奮させている、この悦楽感の方が、はるかに大切だった。


「充分に満足してくれたようね」

 ベッカは、手を伸ばしてケイトのトレイに手を触れていた。
44 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:31:56.54 ID:h2p/Udgo


ベッカは、スプーンを持ち上げていた。最後の生き残りの一人に目をやっていた。小さな男は、まだヨーグルトの海に浮ぶブルーベリーの漂流物に、しがみついていた。ベッカは、爆笑を押えることができなかった。

「あなたのお友達は、本当においしいと思うわ。賭けてもいい!」

笑いながら、スプーンをヨーグルトの中に入れていた。掬い上げていた。小人に話しかけていた。

「さっきから見ていると、これで、あなたの人生は最期みたいね。それというのも、あたしが食べちゃうから。生きたままで、丸呑みにしてあげる。それじゃ、いただきま〜す」

 ベッカは、スプーン一杯のヨーグルトに側面から口をつけていた。ゆっくりと表面を舌で舐めてきれいにしていた。

 ベッカは、ひと口分のヨーグルトをぺろりと飲みこんでいた。ステフは、ブロンドの髪に両手を当てて、後頭部の方でまとめていた。上半身を傾けていた。トレイの本当に近くまで、顔を寄せていた。恐れ戦く小さな男に、楽しげに語りかけた。

「あなたの小さなおちんちんを出して、あたしのお口に入れて欲しいの。口内射精してもらうのが、大好きなのよ」

***
45 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:32:24.04 ID:h2p/Udgo
6・

 ボビーは、理性を失っていた。ある時点から、リアリティは、その限界を越えて崩壊していた。精神が認知する事ができる、境界線を越えていたのだ。大脳も、人体の他のあらゆる器官と同様に、限界を越えると壊れてしまう器官に過ぎなかった。ボビーの限界点は、自分の身長が、わずか数ミリメートルになってしまっているということと、友人の一人が喰われているという行為を、故意に目撃させられたという事件の間の、どこかの時点にあったようである……。

 ボビーは、背中を自分よりも遥かに大きなブルーベリーの天辺に乗せて、仰向けに寝そべっていた。全裸だった。濃厚なヨーグルトが、全身に粘つくように張りついていた。呼吸は早くて浅かった。ホットドッグの最後のひと口が、3人からそれ以上の友人たちを乗せたままで、噛まれ飲みこまれていく光景を、驚嘆しながら目撃していた。ほんのわずかの間、巨人の少女たちが、彼のことを忘れてしまったのではないかという希望的な観測を抱いていた。たぶん、彼女たちはトレイを、この場所に置きっぱなしにしてくれる。そうすれば、脱出のチャンスがあるかもしれなかった。

脱出だって?だが、いったいどこへ行くというのか?

 彼のこのサイズでは、どんな生き残り策もありえないだろう。ただ、一つだけ明らかな思いは、自分は食われたくないという一点だけだった。

全世界が、彼の下で移動していった。巨人の赤毛の少女が、テーブルの上で、トレイを滑らせたのである。彼女は、真直ぐに彼を見つめていた。そして、話しかけて来たのだ。が、声はあまりにも大きくて力強かった。理解することはできなかった。ボビーは、巨大なスプーンが、ヨーグルトの海に、ずぶんと挿入される壮大な光景を眺めていた。彼がいる場所から数十メートルの彼方だった。数百トンのヨーグルトが一挙に持ち上げられて行った。彼の方に白い海面が盛り上ってきた。赤毛の手が、ゆっくりと巨大な食器を操作していった。怪物が湿ったものを食べているような轟音がした。ヨーグルトの海の一部分が、他の部分と切りはなされていた。自由の身になっていた。掬い上げられていった。少女の待ち受ける口元まで運ばれていった。

 ボビーは、激しい祈りを捧げていた。こいつは、本当にひどい。悪夢の一場面のようだった。巨大少女が、舌をスプーンの側面に当てていた。何台ものトラックを使わないと運搬できないような大量のヨーグルトが、彼女の洞窟のような口腔の内部に舐められて、一度に消えて行った。もう一度、女神は彼を注視していた。囚われの身になっているスプーンは、少女の手に握られているのだ。灰青色の瞳は、心を掻き乱すような強烈な感情を示していた。ブロンドの髪を頭の後でまとめていた。彼女の巨大な顔が、彼の方向に下降して来た。ボビーには、ピンク色の唇を注視している事しかできることはなかった。ノーマルなサイズであれば、自分の唇でそれに触れたいと、心の底から願ったことだろう。しかし、今は、それらは、その目的と巨大さで、彼に恐怖心を与えるだけだった。


彼女の両眼は、彼に焦点を結んでいた。ゆっくりと彼にとって利益のある提案を明白に主張していた。雷鳴のような声だが、意味がわかった。さっきまでは、ボウルの容器の内壁で反響していたのだろう。聴き取りにくいという条件がなくなっていた。

「あなたの小さなおちんちんを出して、あたしのお口に入れてくれない。口内射精してもらうのが、大好きなのよ」

 ボビーは、その正気はとうに失われていたので、この申し出を従順に実行していた。雷鳴のような言葉は、お願いというよりも、彼の耳には命令のように響いた。即座の勃起に痛みさえ覚えていた。恐怖に戦いたのだけれども、器官だけは、持主の精神の衰退に抵抗して、充実を示していた。
46 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:32:30.34 ID:h2p/Udgo

 身長千メートルの少女たちが、見せてくれているショーを凝視していた。二人の巨大な少女たちは、ゆっくりと唇を合わせていた。情熱的であるとともに、たいへんに芝居がかったキス・シーンを展開してくれていた。柔らかいピンクの唇は、きつく擦りあわされていた。力強くもあり、奇妙でもある二枚の舌のダンスが続いた。赤毛の手が出現していた。ブロンドの明るい色のTシャツの胸元を動いていった。片手から溢れる山のように大きな乳房を発見していた。抱き寄せながら、リズムをつけて揉み解して行った。彼女たちの身体が離れていた。ブロンドが彼を見下ろしていた。もう一度、じっくりと目を細めてみつめていた。

「あたしが思うに、彼も楽しんでくれているみたいよ」

 雷鳴の声が宣言していた。大きいくせに女性的な甘さがあった。彼の両耳をいっぱいに満たしていた。

 彼女は、両手で左右の乳房を掬い上げるようにして持っていた。薄い赤いTシャツの下で弄んでいた。ボビーの手の動きが速くなっていた。ブロンドは、上半身を傾けてきた。乳房の生み出す影が、ランチのトレイとボビーの上にかかって行った。彼にも、それらの膨大な重量が感じられた。頭上から重く垂れていた。ブロンドが山のようなCカップをテーブルの縁に落下させたのだ。左の乳首がトレイの縁に激突していた。ボビーが虜囚の身になっている場所から現実的には、ほんの数センチの距離だった。二つの物体の全衝撃は、小さな世界に大地震を惹き起していた。ボビーをクリーミイなヨーグルトの海に、ブルーベリーの救難船の上から滑落させていた。クリーミイな物質の抵抗と、必死の戦いをしていた。安全な避難場所としていたブルーベリーに、何とか攀じ登る手がかりを掴もうとしていた。元の場所に戻ろうと苦闘していた。巨大な一本の指が、ヨーグルト海の内部に、ずぶずぶと滑り込んでいくのを、かろうじて目撃していた。それが、彼の方を目掛けて直進してくる。あまりにも大きかったので、指紋のすべての筋を確認するだけの時間があった。ぶつかってきた。乗っかろうとしていたブルーベリーを押しのけていた。彼の身体を持ち上げていた。その場所から運び去っていった。空中高くに飛び上がっていた。風が耳もとで、びゅうびゅうと唸りを上げていた。まだ勃起したペニスから片手を離さなかった。彼を待ち構えていたのは、一個の口だった。赤毛のピンクの唇は、もう一人の少女の唾で、てらてらと光っていた。上下の唇が大きく開いた。餓えたような洞窟の情景を、隈なく顕わにしていた。彼を貼り付けた指は、ゆっくりと開かれた唇の間の空間に向かって、接近して行った。彼女の呼吸の暴風が温かく強く、周囲で吹き荒れていた。さえぎるものもない洋上の強い風のようだった。

 そうか、こういうことだったのか?

それから、いきなり口腔の内部にいた。あまりにも暗くて、何も見ることができなかった。指から、強い力を持った舌でしゃぶられていた。唾液のプールに落下していた。こういうことだったのだ。再度、自問自答していた。彼女は、確かに飲みこんでくれた。なんだ。こういうことだったのか。

47 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:32:33.01 ID:h2p/Udgo
 彼は足の下で持ちあがっていく、大地の表面の粗い感触を確かめていた。飲みこまれたのだ。そうと分かっていた。いきなり、明るい光の洪水にさらされていた。光りの源泉の方に目をやった。開口部が見えていた。彼女が口を開いたのだ。その境界の向うに、もうひとつ別の唇が見えた。ああ、なんてことだ。彼女たちが、キスをしているのだ。ボビーは、自分が乗せられている舌が移動し、前方に突き出されていくのを感じていた。いきなり、別の舌にぶつかっていた。もうひとつの別な舌が、自分に触れてくるのを感じていた。舐められていた。二つの間で、圧迫されていた。二匹の大蛇のように互いを絡み合わせていた。どちらもが、相手の上に乗り上げようとしていた。また前方に移動していた。光りの中に滑り出ていた。別の少女の柔らかい下唇にぶつかっていた。明るいピンク色をしたリップグロスに覆われていた。彼がへばり付いている、柔らかい崖に塗られていた物質だった。真下を見下ろしていた。突き出した顎の隆起があった。その下に、赤いTシャツに包まれた乳房が、高く盛り上っている。さらに下界では、片手が彼女の太ももの間で忙しく活発に動いていた。彼は、赤毛の口が再度、接近してくるのを、ちょうど間に合うようなタイミングで見上げていた。張りついていた下唇の場所を、前歯が悪戯っぽく噛んでくる。その一瞬前に、身体を回転させていた。歯を避ける事ができていた。明るい白い前歯は、長さが8メートル近くはあっただろう。柔らかい唇に押しつけられていた。ピンクのリップグロスを、少しだけ剥ぎ取って行った。歯が離れていた。変わりに、舌が前方に突き出されてきた。間髪をいれずに、反応していた。彼は再び襲撃を受けていた。素裸の身体の濡れそぼった中心部分が、少女の注目を浴びていた。それぞれが、あまりにも小さすぎて、どこがどこであるのか分からないはずの肉体に対して、繊細な感覚で適切な攻撃を加えて行った。

彼女達にとっては、楽しいゲームに過ぎなかった。彼がガムの一片であるかのように、互いの口から口へと移して楽しんでいた。最初は、ゆっくりで優しかった動きが、徐々に速く激しくなって行った。興奮が高まるにつれて、荒々しいものになっていった。興奮した女達の喘ぎ声が、彼の耳を痺れさせた。ついに勝利者が、明らかになっていた。ボビーは、明るい白い歯の下を通過していた。熱烈な舌の歓迎を受けていた。唾液の流れの中を漂っていた。別な少女の奇妙な舌の動きによって、とことんまで、つきまとわれ弄ばれていた。重力加速度が、増大していた。暗黒の喉の方向に滑落して行くのだろうか?だが、不意にブロンドの少女の口腔の内部に戻されていた。ボビーは背骨を反らせていた。ついにクライマックスを迎えていた。口内射精はしてやったのだ!頭上で彼女の扁桃腺が踊っていた。喉の崖縁から転落していた。唾液の滝に流されていた。食道へ滑り落ちて行った。

***
48 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:33:48.32 ID:h2p/Udgo
7・


「彼、どこにいるのかしら?」

 ベッカは、かすかにかすれた声で友人に笑いかけていた。

「飲みこんだと思うけど」
 
 ステフは、眉を寄せていた。舌で口の中に彼が残っていないかを探っていた。

「よかった」

 ベッカは、セクシーに唇を突き出していた。

 ステフは、トレイのミルクのグラスを持ち上げていた。全部を、一息に飲み干していた。

「彼らは、これからどうなっちゃうの?」

 ケイトは、小声で訪ねていた。

「縮小には、骨を強化する効果があるの。胃液の消化作用から、ある程度は保護する働きもあるわね……。というわけで、小さなおちんちんも、もうしばらくの間は、この中で、そのままの状態を保てることになるわ。あたし、彼が、自分の内部で生きて動いているって感じが好きなの。もちろん、あたしの胃袋の蠕動運動が、胃液とか空気の不足が、かたをつけてくれるまえに、彼のことを押し潰してしまうでしょうけれどね」

 ステフは、誇らかに白いミルクのついた口元で宣言してから、手の甲でそれを拭っていた。

「彼女は、生物学専攻なのよ。生殖器と消化器官の働き全般に関しては、相当に詳しいわ」

 ベッカが、付け加えていた。

 ステフは楽しそうに、ぞっとする話題の説明を続けた。
「一時間か二時間で、彼は小腸に送られる。それから、大腸ね。最期には、直腸にたどり着く。それから、肛門の出口ね。彼と他の仲間たちは、便器の水槽の中に、ぽちゃんと落下することになるの」
「ああ、なんてこと。あんたの頭の中は、いつも汚らしい考えで、いっぱいになっているのね」
 ベッカは、ステフの額をピシッと指先で弾いていた。
  「他の仲間たち?」
 
 ケイトは質問していた。彼女の声は小さくて擦れていた。
「いったい全部で、何人食べたの?」

「ほんの数人よ」

 ステフは、微笑していた。片手で引き締った下腹部を、いとおしそうに、なでさすっていた。
 「ごめんなさい。ちょっと気分が悪くなってきちゃったみたい」
 ケイトは、さっと立ち上がっていた。顔色が青白くなっていた。女子トイレの方に、よろよろと歩いて行った。ベッカとステフが後に続いた。

 スツールのドアを開いた。ケイトは腹部を押えていた。嘔吐し始めていた。両手は、トイレットの便座の左右を、長い指が爪先から白くなるほどに、きつく掴んでいた。上半身を傾けていた。ベッカが背後に付いて来ていた。ブルネットの髪の毛に触れられた時には、飛び上らんばかりに驚いていた。長い事、彼女は胃の内容物を、戻し続けていた。上半身をまっすぐにして立ち上がった時には、荒い呼吸をしていた。ステフは、外側に立って顔だけを入れて、トイレの中を覗きこんでいた。

「食べた物が、身体に合わなかったみたいね」
 ステフは、声に出して笑っていた。

49 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:33:57.48 ID:h2p/Udgo
.
「黙っていて頂戴!」

 ベッカは、ケイトの身体を支えてやっていた。

「最初は、誰にとっても、きついものなの。でも、あなたは、何も悪い事はしていないわ。そうでしょ?あいつらは、もともと生きていても、仕方のない悪党だったのだもの」

彼女は、ケイトの背中を優しく撫でてやっていた。

ステフは、大股で入ってきた。便座の内部を覗き込んでいた。

「いつも、オレンジ・ジュースのような匂いがするのね。こいつの匂いが、いつも、あたしをお、かしな気分にさせるの。食道の機能について研究していたときには、いつも嘔吐薬を服用して試したものだわ。このシトラスの臭気は、いくつもの消化液が複合して生じているものなのよ」
 
ステフは、トイレットの水槽の内部を、興味深そうに観察していた。

「あたしたちへの講義は、もう少しあとにしてくれないかしら?ケイトが、まだ気分が悪いみたいなの」

 ベッカは、ゆっくりとケイトを立ち上がらせていた。ドアの方に導いて行った。

「暫くの間、寮の部屋で休憩することにしましょう」

 彼女たちは、ゆっくりとステフをそこに置いて立ち去っていた。ステフだけが、女性用のトイレットの内部に残されていた。

「ごめんなさいね。君たち。こんな風に死んでいくなんて、本当に命の無駄使いよね。女性用トイレの中で、半分、消化されて浮んでいるなんて。この世に、ロマンティックなことなんて、何もないわ!!」

 彼女は、大の方に金具を倒して内部の物を流していた。

「本当に、フェアじゃないわ」
 
 彼女は、考えていた。女達は、そのセクシュアリティとして本性として、すべての優雅さを独占してしまっている。男たちに残されているのは、ほんの一瞬の単純な快感だけ。彼らをそんな風に創造したことに、彼女は創造主の残酷さを見るのだった。しかし、おそらく彼女ほどに残虐な性格ではないだろう……。




 ……ステフは、ケイトを介抱するという仕事をベッカに任せておくことにした。まだ、この全部のことに、ショックを受けている様子だった。もともと三人目の仲間を勧誘しようというのは、ベッカのアイデアだった。彼女は、秘密を他者と分け合う事を、楽しいと考えるような種類の人間だった。少なくとも、あと二人は仲間が欲しいと言っていた。ベッカの人選は、厳密を極めた。信頼できる女性でなければ、駄目だというのだ。だが、本当のところは、何も心配ない。もし秘密が漏洩したとしても、誰が信じるだろうか?

しかし、ステフの方は、この計画のすべてにまったく関心がなかった。今夜は、彼女だけで楽しもうと考えていた。

 彼女は、ストリップ小屋として、この辺りでは有名な『ツイスターズ』に顔を出していた。カレッジからそう遠くない所にある、男子大学生にも評判の良いストリップ劇場だった。入り口から入るのではなくて、裏口から侵入していった。裏の方は、暗くてちょっとばかり臭い。大きな公衆ゴミ箱の近くだったからだ。だが、静かだった。唯一の例外は、劇場の音楽が、ドアや窓の隙間から漏れ出てくる、ヒップホップの重低音のベースの震動だけだった。従業員用の扉には、鍵がかかっている。しかし、ステフにとっては、内部に入るぐらいは造作もないことだった。スカートのウエストの位置を、少しだけ持ち上げていた。裾丈が短くなっていた。トップを少しだけ下した。乳房の谷間を、いつもよりも少しだけ広く覗かせていた。ブロンドの髪を高く編み上げた。ドアをノックした。ちょっとの間があって、ドアが開いた。巨漢の用心棒が、姿を現した。鋭い視線を向けてきた。最初は、彼女は、彼のことを縮小してやろうかと思った。しかし、すぐに大柄な男は興味津々と言う表情で、彼女を見下ろしていた。目付きが和らいでいた。自己紹介する機会を与えられていた。


50 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:34:04.64 ID:h2p/Udgo
「ハロー。あたし、ステフ。新人なの」

 微笑していた。

 ドアを開けてくれた。ステフは素早く中に入っていた。彼に頷いていた。ストリッパーのための更衣室を、頭をめぐらせて探していた。すぐに見つかった。中に入って行った。建物の内部の構造の全体図を、自分自身の身体になじませようとしていた。左手には、長いカウンターがあった。ストールと鏡が何列も並んでいる。化粧台だった。


反対側には、また別の部屋があった。ロッカーが並んでいた。小さな名札がかかっていた。『キャンディ』『ミスティ』『シナモン』。まあ、そんな偽の名前ばかりだ。女の子達の衣服を、一着ずつ盗み出してやろうかというアイデアが閃いた。しかし、今回の全体の計画からずれていた。自分自身のために、いかにもストリッパー風な煽情的な衣装を盗み出そうという考えは、忘れる事にした。別に下着に困っているわけではない。もしストリップ・ショーをする機会があっても、ひどく短い時間だろう。

ロッカーを開けて、中を覗きこんでいた。ヴィニールや、レースや様々な素材の衣服が、ロッカーの底に設置されている、殺菌も兼ねた紫外線のブラックライトによって、蛍光を発していた。それを閉じて、隣に進んで行った。乱雑にちらかっていた。不愉快になっていた。次に行こうとして、小さな黒板の文字に目を止めていた。ロッカーを利用している女の子たちの名前だった。手書きの文字は、へたくそだった。のたくっていた。バカらしいような簡単な単語のスベルミスもあった。しかし、ともかくこれが仕事の予定表だった。参考になるだろう。女の子達が、どのようなローテーションを組んでいるかということが分かった。膝を叩いて踊りだしたい気分だった。ステフに、ある策略を思いつかせてくれたからだ。個室では、「バチュラー・パーティ(男性だけの独身最後の夜の馬鹿騒ぎ)」が催されていた。ステフには、個室で働いている女の子の名前もわかった。ティナだった。

「さてと、ティナ」

 ステフは、ひとりごとを呟いていた。

「それじゃ、あなたに、最高のオフの夜を与えて上げるわね」

 ステフは、もう少しあたりを見回していた。更衣室からは、ステージに直接にあがれるドアがあった。バーに出るもの。パーティの部屋に行くもの。そして、いわゆるプレイペン(赤ちゃん用の遊び場)に続くものがあった。ステフは、別に詮索したいという意図もなく、プレイペンへのドアを開いた。スイッチを上げた。部屋は、ピンクのライトに照らし出されていた。淡い中間色の優しい色あいの耐水性の生地が張られていた。相対的には、小さめの部屋だった。床からの高さが低めのベッドが、反対側の壁に置かれていた。もう一つのドアが右側の壁に合った。閉められていた。しかし、もっとも印象的だったのは、少なくとも1,8メートルは長さがあるカウンターの上に、大量に並べられた種種雑多の、いわゆる「おとなのおもちゃ」と呼ばれるガラクタのたぐいだった。幸いなことには、それらは汚れていない。新品の物のようだった。おそらく「使ったら買う事」というような条件がついている品物なのだろう。だから、誰も触れた事がないのだ。しかし、ステフの唇には、各種取り揃えた玩具の多彩さに、いたずらな笑みが浮んでいた。振りかえっていた。更衣室に顔を向けていた。ストリッパーの肉体が、ステージから部屋に戻ってきたところが見えたのだ。ステフが、トップレスの女の子に反応する前に、彼女の方から気が付いていた。質問をしてきた。
51 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:34:14.65 ID:h2p/Udgo

「あなた、いったいここで、何をしているのよ?」

ステフは、ちょっとの間、彼女を見つめていた。黄色いGストリングの他には、何も身につけていなかった。ただ丸い乳房の上に、真珠のような光沢のあるラメの素材を張りつけていた。キラキラ光っていた。手には、かろうじて、それらの一部分を覆い隠す事ができるような、小さな生地をぶら下げていた。ステフは、親しみをこめた笑みをみせて答えていた。


「あたしはステフ。新人よ」

「それじゃ、今晩は、ローテーションに入っていないわよ。最近は、ちょっと人手があまっているの」

 彼女は歩いて来ると、カウンターの上に小さな衣裳を叩きつけるようにして置いた。ヒールが高すぎて、重心が不安定に見える。黄色い靴で、お尻をふらふら揺らしながら歩いてきた。


「あなたが、ティナなの?」

「そうよ、どうしてあたしの名前を知っているの?」

 ティナは、ステフの方を振り向いていた。いきなり彼女の姿が消えていた。黄色いハイヒールだけが、ちょうど肩幅の間を空けて不安定に立っていた。黄色いGストリングがその間に、何気無いように落ちていた。


 ステフは、一歩前に出ていた。ティナが立っていた場所に跪いていた。ハイヒールとGストリングを見つめていた。床の上に置かれた下着の紐に、指を一本かけて持ち上げていた。探していたものを見つけた。混乱した裸の女だった。自分が履いていたパンティの股間に、3ミリメートル以下の背丈になって横たわっていた。本当に、点のようなものだった。一秒前まで、彼女のプライヴェートな部分に当てられていた生地の繊維と格闘して、足を躓かせていた。ステフは声に出して笑っていた。指輪を指先で、いとおしくてたまらないというように愛撫していた。それは、彼女にこんなにも楽しい事を可能にしてくれている武器だった。さらに目をやっていると、縮れて絡まった髪の毛と、10ドルと20ドル札をみつけた。縮小された時に、ティナの下着から零れ出たものだった。ステフは、お金をポケットに入れた。このちっぽけな女の子で、どんな遊びをしようかと熟考していた。自分には、ちょっと大きすぎるサイズの黄色いハイヒールのストラップに、指をひっかけて持ち上げていた。左手の指先に重量を感じていた。ステフは、靴のヒールの先端を、ティナの可愛らしい小さな体の上に移動させていた。手を持ち替えて押し潰す準備をしていた。
52 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:34:17.73 ID:h2p/Udgo

「あなたなんて、ただの虫けらに過ぎないのよ」

冷たい笑みを浮べていた。簡単に証拠を消してしまえる。ティナの肉体の残骸は、あまりにも取るに足りない量だろう。赤い血の染みは、女性の下着につきものの、生理時の汚れだと誤解されることだろう。ステフは、靴を打ち下ろそうとした。しかし、最後の瞬間になって、もっと良いことを思いついていた。手を止めていた。靴を脇に放り投げていた。小さなティナのピンク色の体は、まだあの黄色いGストリングの上を、うろちょろしていた。ステフは、細心の注意をしながら、左右の紐を摘んでいた。布地全体を、カウンターの上に乗せていた。

 
自分の服を脱ぎ始めた。黄色いGストリングを自分の身に付けてみたいと思えるまでに、気にいってしまったのだった。姿見の大きな鏡の前に立っていた。ヌードの全身像をしばらく、映し出していた。同性としての厳しい批評眼をもって、胸のサイズを、ティナのそれと比較していた。そんなに違いはないという結論に達した。両手を、滑らかに引き締った下腹部に滑らせていた。この内部には、もう一人の小さな存在が、囚われの身になっているのだった。ほとんど忘れ去っていた。飲みこんだ男は、ベッカの唾とスプーン一杯のブルーベリーヨーグルトの上で、今なお生への執着を示してくれているだろうか。


ステフは、黄色いブラのトップを乳房にあてがっていた。背中の紐を縛っていた。充分にフィットしていた。ゆっくりとGストリングを、カウンターから持ち上げていた。内容物を誤って落してしまわないように、注意していた。他人が着用していた下着を、もう一度、身につけると言うことには、ちょっとだけ不快感が伴った。しかし、他に適当な選択肢がなかった。慎重な動作で、片足を一方の穴に入れた。もう片方も同じようにした。両方の太腿を滑らせて、下着を持ち上げていった。充分に長い休止の間を取っていた。下腹部を見下ろしていた。陰毛のビキニラインは、慎ましく丁寧に刈りそろえてある。物惜しみせずに、自分の秘められた峡谷の全容を、点のように小さい旅人の眼前に、顕わにしてやっていた。その真下に、恐れ戦いているストリッパーがいた。ティナは、自分の下着を無断着用されている事で、不愉快そうな表情をしていた。気の毒なことだった。ステフは、生地を持ち上げていった。自分の股間に、ぴったりとフィットするまで、位置を調節していた。彼女を割れ目で挟むようにしてやっていた。

地球最大のショー(前編)



53 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:34:45.63 ID:h2p/Udgo

1・

 カレッジは、ケイトにとって孤独な場所だった。友人も家族も故郷に残してきた。二学期制も、半分を終えようとしている。新しい友達が一人もできなかった。寮の部屋で週末の時間を、本を読んだりテレビを見たりして、ひとりぼっちで過していることに、もう飽き飽きしてしまっていた。もしデートをしたければ、いつでもできそうな魅力のある女性だった。ブルネットの髪は長く伸びしていた。運動で鍛えた、引き締ったボディの持主だった。特に長い脚のラインが美しかった。ほとんどの男子学生は、彼女のあまりの美貌のために、声をかけることさえ、ためらってしまうのだった。残りは、興味を持つことすら諦めていた。彼女の方も、ここ最近は、なんだか男性に対して相反する感情を抱いていた。それというのも、都会の大学の妙齢の女子学生たちを観察している内に、彼女らの肉体と服装と化粧の美しさに、今までに自分が同性に感じたことがなかった種類のときめきが、芽生えるようになってきたからだった。

 友人を探していた週末に、二人の女子学生と偶然におしゃべりをした。とても、楽しい体験だった。ベッカとステフには、本当に心を惑わすような魅力があった。互いに好意を抱いていることを実に自然な方法で表現していた。表面的な行動には現れていない、何か別の思いが隠されているような気がした……。

 ケイトは、寮のカフェテリアに入っていった。自分自身がもっともかわいらしく見えると判断した、服装に着替えていた。黒いスカートは短いもので、長くてしなやかな脚を顕わにしていた。緑のブラウスは、今までに教室に着ていったどんな服よりも襟ぐりが深かった。確かにリスクはあったけれども週末だったし、それにリラックスしたい気分だったのだ。微積分の証明問題の解法に夢中になっていた。朝食を抜いていた。ひどくお腹がすいていた。

茶色のプラスティックのトレイを手にしていた。カフェテリアの通路を歩きながら、典型的なカレッジの昼食を乗せていった。食堂の隅の席に座った。トレイの上の食べ物に目を遊ばせていた。一杯のミルク。ホットドッグ一個。ケチャップの袋、数個付き。マッシュ・ポテトの肉汁のソースかけ。ブルーベリーのヨーグルトを入れた小さな硝子のボウル。ケイトはケチャップの袋を引き裂くと、粘着性のある赤い内容物を皿の端に搾り出していた。ホットドッグを掴むと、一方の端を赤いケチャップにつけた。口元に持ち上げていた。大きく口を開いて、おもむろに噛み付こうとしていた。すぐ近くで、男どもの忍び笑いがした。五人の男子学生が、ホットドッグを食べようとする光景を、いやらしい目付きで見つめているのだった。ケイトが顔を上げた瞬間に大きく声に出して、いっせいに笑いころげてた。一人は口笛を大きく吹き鳴らした。ケイトにとって、さらに不愉快であったのは、一人の男子が自分の股間を指差しながら、彼女にウインクを返してきたことだった。無視することにした。カフェテリアのもう一方の端に席を移動していた。ランチを続けた。不良どもには背を向けていた。食事に集中していた。昼食を半分ほど済ました辺りで、誰かに肩を叩かれた。男子学生と、つまらない会話をする気分ではなかった。振りかえりざまに、罵りの言葉を発していた。

「あんたたち、あたしに……」

 言葉は途中で止っていた。そこにいたのは、彼女の仇敵たちではなかった。ベッカとステフだった。ベッカは微笑を浮べていた。明るい色調の赤毛を指先で顔から掻き上げていた。

「わあ、なんかカリカリしてるわね?数学の問題が、解けなかったの?」

「いいえ、出きたわ」
 
 ケイトは肩をすくめていた。リラックスしていた。

「ついさっき、悪ガキどもに、からかわれたのよ」

二人の女子学生は、長いテーブルの角を回って来た。ケイトの正面の席に座っていた。ステフは、口元の笑みをさらに大きくしていた。ケイトの文句に、即座に同意してくれていた。

「そうよね、あたしたちも見てた。下品なやつら。この学校の恥じさらしよ」

「同感」
54 :パー速のローカルルールが変わりました [sage]:2010/02/08(月) 08:34:48.62 ID:h2p/Udgo

 ケイトも頷いていた。ステフは端整な顔の眉間に、いつもは見せない皺を寄せると、すぐに美しく微笑していた。握りしめた片手を、掌のほうを上にして、テーブルの上に置いていた。奇妙な行動だった。ケイトは質問していた。

「何、持ってるの?」

「ああ、なんでもないわ」

 ステフの笑みが、さらに大きくなった。ベッカの方は、声に出して笑っていた。二人の少女は、目と目を交していた。ベッカが、さも何も問題はないというように、話題を変えていた。


「週末に予定が入っているの。あなたも、気にいってくれるんじゃないかと思って」

「ええ、何かしら?」

 ケイトは、まだステフの閉じた手の方に目をやっていた。

「ある遊びを計画しているの。ちょっと、いけないことかもしれないけれど。あなたも、きっと楽しんでくれると思っているんだ」

 ベッカが、ステフに了解したというような顔で重々しく頷いていた。ゆっくりと片手が開かれていく。

「楽しい事というのはね……、これは、そのほんの予行演習にすぎないんだ……。ほんとうは、ランチが終ってから、見てもらおうと、思っていたんだけど……」

 ベッカは、ためらっているようだった。途中で言葉を切っていた。

「それは?何なの?」

 ケイトは、本当に訳がわからなくなっていた。

「まずランチを、終えてしまいましょうよ。もう、あとほんの二口分じゃない」

 ベッカは微笑していた。ステフの手が開かれていた。

 ケイトは、事態の推移の見当がつかなかった。最初は、ただ見つめていた。ステフは。掌に数粒のお米を、握っているのではないかと思えた。次に、米粒が動いていることに気がついた。ケイトが凝視している間にも、ステフはもう一方の手を持ち上げていた。デリケートな動きで、指先に一粒を摘み上げていた。あまりにも小さすぎる。ステフの親指と人差指の間で、見えなくなってしまっていた。ケイトのトレイの上まで、そろそろと動かした。指を開いた。茶色のトレイの上に、米粒が落ちた。ピンク色。ポトンという落下音。それも、ほとんど聞き取れない程度だ。マッシュ・ポテトの上にかかった肉汁の表面に落ちた。たちまち見えなくなっていた。

 ケイトは、押し黙ったままで見つめていた。彼女の持前の明晰な精神は、一連の合理的で論理的な説明を求めていた。激しく活動していた。全体が、何か手の込んだジョークではないかと疑っていた。しかし、目の端で何かの動きを捕えた。まだ温かいランチから、小さな湯気の筋が、白く細く立ち昇っていた。肉汁の中で、何かが必死に蠢いている。
 
おそらく3ミリにも満たないだろう。人体の動き方を妙に連想させた。膨大な量の肉汁の湖の中で、さらに卑小に見えていた。が、何となく手足がある。必死に泳いでいる。生きもののようにも見える。さっきまでは、マッシュ・ポテトの小さな孔に吸い込まれていく肉汁の凹みのひとつに過ぎない。そうとしか見えなかった場所だ。鋭敏な観察眼で、何かの種類の小さな生物の動きに違いないと確信していた。今では、新たなスケール感による視点から、絡み合った糸がほどけるように、謎の正体がくっきりと見えた。

そこにいるのは、ちっぽけな人間だった。あるいは手足がある、何かそんな種類の生物だった。ポテトの岸辺に向かって、絶望的な力泳を続けている。自分の明白な意志を持った生きものの行動だ。その進行の度合は、濃厚な茶色のソースの抵抗によって、あまりにも僅かなものでしかなかったけれども。

 ステフは、さらに残りの四人の小さな人間たちを、ケイトのトレイの、別々の場所に置いていった。二人は、半分、食いかけのホットドッグの上に。一人はケチャップの中に。最後の一人は注意深く、ブルーベリーヨーグルトの中央にそっと落していた。

55 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/08(月) 08:49:23.96 ID:kdzI35so
バッハの曲聴き中
56 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/08(月) 09:09:27.29 ID:kdzI35so
荒らしがくるので、ほかの掲示板で練習します。

自分で立てました。よければ時々覗いてください

http://jbbs.livedoor.jp/music/22409/
57 :パー速のローカルルールが変わりました :2010/02/13(土) 16:36:40.05 ID:is.hT9go
すまんが向こうは書き込む気がしない
がんばりや
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