このスレッドはパー速VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

【君だけを愛し続けてゆく事】 能力者スレ 【選んだから】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/09/15(木) 04:32:05.37 ID:EYAmc5a50
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/sports/37115/】 携帯【http://jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/sports/37115/

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)
【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。
・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。
 勝手に世界を氷河期などにはしないように。
・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
エロ描写について
 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1314710411/
wiki  【http://www31.atwiki.jp/nouryoku/
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/15(木) 13:10:34.81 ID:rvR46XFwo
>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/15(木) 15:31:50.44 ID:rPGPfahSO
>>1乙です
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/15(木) 15:45:43.00 ID:rPGPfahSO
>>1乙です
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/15(木) 17:54:04.52 ID:UKpXuvFIO
いちおーつ!
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2011/09/15(木) 18:11:09.19 ID:4Fim3PuAo
>>1乙と言わざるを得ない
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/15(木) 21:49:49.00 ID:GG+Gz8gv0
>>1乙!
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/17(土) 22:38:10.65 ID:4ETXyqxao
>>995
――――ッ‥ぐ‥ぁ‥‥‥痛いよ‥‥‥ッ!

【この少女、痛覚というものがよく理解出来ない】
【10年近く生身の肉体を奪われて生きてきたから、感覚というものが理解出来ない】
【だからこそ、痛みというものは未知の感覚であって、戸惑いが表情に浮かぶ】

【――しかし、少女の周囲からまたノイズが吹き上がり始める】
【徐々に周囲のノイズは濃くなっていき、また接近が難しい状態となるだろう】
>>996[ローズ]

――――なんだ‥‥‥よ、なんで‥‥‥ッ!
どうすればいいか、わかんないのよ‥‥――――ッ!
奪われることしか知らないのっ!奪うことしか、知らないのっ!
それしかしらないから、そうするしかないのッ!!

それでも、どうにかしたいなら、止めてみなさいよ――――――ッ!

【最後の言葉は、こう聞こえたかも知れない】
【どうにかしたいから、わたしを止めてください】
【と】
【そして、戻ってきた、霞。それの近くにアクセスする、ひとつの目のようなものがあった】

「‥‥やっとハックできたと思ったら驚きじゃねーか」

【聞き覚えのある声である。よく知る、白髪の少年のアートマンが、割りこむようにハッキングしてきた】
【一つのワイヤーフレームの眼球が、ぎょろり、とローズの方を向き、そして、また世界の修正を受けて消えていくが】
【一瞬、ちかり、と二人に向けて光が返されたのがわかるかも知れなかった。まあ、いわゆる応援というものだ】
>>997[ラグナロク]
――――ッ、ああああああああああああああああああッ!!

【迫る複数の幻影の剣が、少女に襲いかかり、右手の刃が其れを迎え撃つ】
【だが、大半を弾くことができたが、腹部に一本が突き刺さり、魔王は膝をついた】
【膨大勝つ強力な力はあっても、其れを扱う技術は未熟。それが、魔王の弱点であった】

>>999
――――ッ、ぐ‥ぅ。ぁ‥‥‥‥‥‥‥ッ!

【腹部に突き刺さった刃に気を取られた魔王は、迫るオルカの接近を許す結果となる】

‥‥‥‥それでも、それいがいを知らないの。
それいがいを、教えてもらわなかったの。それいがいを、奪われたの。

―――もう、わたしのちからじゃ、止まれないのッ!

【その目にあるのは、諦観か、絶望か】

>>1000
【血に塗れて。激痛の中で、しかし痛みを痛みと感じられず、違和感として処理しながら】
【魔王は、狂った泣き笑いを浮かべながら、口を開く】

―――わからないの、もう。
なにも、寂しくて、寂しくて。欲しかっただけなのに、空っぽのわたしをうめるものが、欲しかったのに。
なんで‥‥‥‥なんで、こうなったのよ‥‥‥‥、なんで、わたしは――――ッ!

【魔王は、満身創痍。しかし、窮鼠は猫を噛む。その言葉を忘れてはならない】
【ここからが、本当の正念場である。覚悟をしなければならないだろう】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/17(土) 22:43:14.92 ID:4ETXyqxao

>>ALL
「‥‥‥‥あーっと、谷山だ。聞こえてるか、中の奴ら」

【そして、ノイズと同時に、そんな声が響く】
【アートマンにより、この場に干渉し、声を届けているようだ】

「魔王、エリスは。どうやら、ゲームシステムに守られている。
要するに、破壊不能オブジェクト。HPを何処まで削ろうと、0にはならないバグキャラだ。
気絶もセず、エリスは戦い続けることが出来る。ようするに、このままじゃお前らが確実に負ける。
こっちで、時間はかかるが魔王の弱体化を開始している、しばらく堪えてくれ、成功すれば、恐らくお前ら攻撃は完全に通る。」

【提示した時間は、二レス。その間は、絶望的な暴力と戦い続ける結果となる】
【そして、アートマンが徐々に消えて行く中で、最後に声を漏らす】

「‥‥殺され手も文句は言えねぇけど。俺たちと同類だ、できれb――」

【そして、声は消えて。魔王が、そこには立っているのみ】

――――ッ、なんで‥‥ッ、嫌‥‥っ、やめ‥‥やめてッ、!

【魔王は、出血で朦朧とする視界に、何か過去の幻影を見るようで】
【それが徐々に周囲の空間を犯すような力を生み出していく。狂気と恐怖によって練り上げられた絶望の能力が】

―――エヴァンス、エリッドぉ―――――ッ!!

【絶望の象徴が、彼女を苛んだ。そして、それが真の力の開放をもたらした】
【直後、背中から8枚のノイズの翼が生まれ、少女は血の涙を流し声にならない芳香を上げて】

ッ、ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

【8枚の翼の内一つ一つを、それぞれの者たちに全力で奮ったのだ】
【物理的威力は無いが、触れれば先程のノイズとは違う効果をもたらす】
【それは、五感を永久に奪われる感覚。一瞬だけの永遠が、貴方たちを襲うだろう】
【1秒に満たない精神攻撃は、貴方たちに彼女と同じ地獄を見せるかも知れなかった】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2011/09/17(土) 22:45:31.07 ID:RXWRDYIBo
>>8
よし、もう一度・・・・・

【と、魔翌力を集中、幻影剣を精製しようとするも】

な・・・・・・

【ぐらりと揺らめき、片膝をついてうなだれる】

や、やはり・・・・・あの変な歪みを通り抜けたのが・・・・・・・
っち・・・・情けない・・・・・・・

【片膝ついたまま動くことができず、幻影剣を精製しようにもふらついて集中することができず】
【今は只、動けるようになるために体力の回復に努めた】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2011/09/17(土) 22:47:05.09 ID:RXWRDYIBo
/>>10は、取り消しで、申し訳ない
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2011/09/17(土) 22:54:13.51 ID:RXWRDYIBo
>>8
よし、もう一度・・・・・

【と、魔翌翌翌力を集中、幻影剣を精製しようとするも】

な・・・・・・

【ぐらりと揺らめき、片膝をついてうなだれる】

や、やはり・・・・・あの変な歪みを通り抜けたのが・・・・・・・
っち・・・・情けない・・・・・・・

【片膝ついたまま動くことができず】
【幻影剣を精製しようにもふらついて集中することも不可】
【今は只、体力の回復に努ようと息を整えていくが】

・・・・・!!

【彼女から放たれた羽根、うなだれていたためか避けることはおろか其れを受ける心構えすらできない状態で】

っか・・・・・・・っは・・・・・・・あ・・・・・・

【其れを其の身に受け、前のめりに倒れた】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2011/09/17(土) 22:54:53.69 ID:RXWRDYIBo
>>8
よし、もう一度・・・・・

【と、魔翌翌翌力を集中、幻影剣を精製しようとするも】

な・・・・・・

【ぐらりと揺らめき、片膝をついてうなだれる】

や、やはり・・・・・あの変な歪みを通り抜けたのが・・・・・・・
っち・・・・情けない・・・・・・・

【片膝ついたまま動くことができず】
【幻影剣を精製しようにもふらついて集中することも不可】
【今は只、体力の回復に努ようと息を整えていくが】

・・・・・!!

【彼女から放たれた羽根、うなだれていたためか避けることはおろか其れを受ける心構えすらできない状態で】

っか・・・・・・・っは・・・・・・・あ・・・・・・

【其れを其の身に受け、前のめりに倒れた】
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/17(土) 22:55:02.82 ID:7s+m9Rhgo
【体を起こした猫の肩を、叩く姿があった】
【徐々に輪郭を描き、明確な形をなしてゆく】
【おそらく、この中ではその姿を知るものは二人。あのゲームを熟知したエリスと一緒に参加したチェルシーだけ】


”どうやらパーティの時間に間に合ったみたいだね”


【――――――――少年のような念話にあわせ、彼はその笑みを深めた】
【蒼い制服。白を基調とし、回路図のような青い図形がびっしり描かれている】
【身長は160半ば、ネックが長く口元を隠し、立ち振る舞いはおかしな風格が漂っていて】
【ボサボサの黒髪は、当初のローズと良く似ていて、糸目が温和そうな印象を与える笑顔】
【手付きも仕草も、何もかも、少年めいた見た目とは乖離した大きさを内に秘めていた】

【線が少年の背に浮遊し帰還する。片側六本、十二対、翼のような威容】
【頭痛に眩む猫の肩を引っ張りあげて立たせると、そのまま若干乱暴に背を押した】
【振り返りかけた猫に、少年は首を振り、未だ魔王の少女を指して笑った】
【糸目に隠した蒼い瞳を、魔力でうっすら輝かせながら】

”君の役目は、そんなことじゃないだろう?”
「為すべき事を為しなさい。あなたは一人ではありませんよ、『ブルーローズ』」

【少女の声の主は、姿がない】
【でも従者の様な保護者のような言葉遣いは、その鈴のような声音には、覚えがある】
【きっと、今まで出会ったことがないこの少年も、きっと、】

>>999
【―――――追撃に、オルカの声が聞こえた】
【この場にいない二人…なんだかんだで保護者をやってくれた犬っころと、なんだかんだで稽古をつけた遥人】
【それだけじゃない、オルカをはじめ、ヘイロンもチェルシーも、…この場にいない人たちの事を思い出す】
【仲間という言葉ですら括れない、愛すべき隣人達】
【記憶をたどって、『兄』、『二人の姉』、『父のようなヒト』を思い浮かべ、そして、】

【原因不明の頭痛に苛まれながら、猫は前を向く力を取り戻す】

あっ、ありがとっ、オルカっ!!

【刻々と悪化してゆく頭痛を推して、ようやくローズは他者を見る余裕を取り戻し、礼を述べた】
【その意思に答えるべく、猫は予備動作たる一歩を踏み込む】
【距離にして僅かだが、次はあの俊足が来ると見ていいはずだ。頭痛で聊かふらついているのは懸案事項だが】
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/17(土) 22:55:36.55 ID:7s+m9Rhgo
>>14続き
//申し訳ない、続くのです

>>1000
”チェルシー、話は聞いた。…ありがとう”

【流し目でサイドポニーの彼女を伺うと、少年は済ました笑みを零した後、小さく頭を下げた】
【明言しないのは、事項が口外できない事や、そもそも本格的な活動をしていない負い目だろうけれど】

【同時に、うっすらとした信頼が混入していた。言わなくてもわかるという、酷く勝手な信頼が】
【一度で五つは意図が混ざる、悪い癖だ】
【声だけの彼女も、苦笑しながら訂正も何もしなかった。沈黙という名の、】


>>8>>9
――――――あ、!!!

”やあ、君こそ元気そうで何よりだよ。また入院がどうとかって聞いたけど、相変わらずだね”
”……いろいろ積もる話がある。『今度、全武装を解除して、屋上に来い』”

【そんな激しい頭痛を忘れるほど、猫の顔は喜色に満ちた】
【災いしたか、額の血管がぶつり、鼻からたらりまっかな血がこぼれたけれど】
【本人、まったく気にした様子無し。魔王たる少女に肉薄瞬間を想う。切り札を切る瞬間を】
【まだだ、まだ早いと、少年の背に隠れながら】

【名乗らずとも解したか、少年はクスクスと含み笑いを零す】
【――――――が、再開を祝すにはいろいろとおかしい感情が念にこめられ、笑顔もどこか怒気?を帯びた】
【しかし、戦線を維持するに当たりまったく油断はない】

「マスター、来ます」
”下がれローズ、君は意地でもあの子の元へ行かせる”

【左翼の六枚が一度飛散し、少年が差し出した手の先に集う】
【一点を基準として六方に拡散する『線』。結界かトンネルの如き姿】
【直撃に対して完全に同期した生成タイミング。壁面の意をなして防御するが、】

っっっ!!??

「マスター、経路エラー。フィードバックの一部とスペル負荷がローズに!」
”……ちっ、つまり防いでもダメージは全部ローズもち、おまけにコストダメージもか”
”負荷範囲計算。……呪文(スペル)耐久値を大急ぎで算出しろ”
「御意」

【その一部を、ローズは実感する羽目になる。真の孤独を、実時間にして一瞬、体感にして永遠】
【軽減されているとはいえ、辛いものがある。おまけに血流も瞬間増大して、眼から血涙まで】
【それに歯噛みして防御しながらも、少年は次の手を打つべく思考をとめない】
【ローズもきっと、すぐに帰って来る。なにせ―――――――】
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/17(土) 23:02:01.44 ID:jnCl9ldSO
>>8-9

――そうだよ。
痛いんだよ。ここにいる人たち、みんな。

【一転、穏やかな、寂しそうな笑みを浮かべ、少女に語りかける】

だから、もうやめよう。こんな事しても、何―――

【「何も変わらない」】
【そう語りかけようとしたが、それは少女の翼の攻撃により掻き消される】

――ぁ……

何、これ――――

【何も聞こえない。何も見えない。何も感じられない】

【気の抜けたような声を上げながら、白い闇の中に倒れる】
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/17(土) 23:03:55.89 ID:8TVCv0+Mo
>>8
【再び戻る、魔王を庇護する、雑音の壁】
【歯を食い縛りながらも、オルカは接近を止めない、止まる理由は、ない】
【十分に肉薄出来たなら、オルカは鉄槌を振り上げ――】

――何だと?

【突然聞こえたのは、谷山の声】
【このままでは魔王の打倒は不可能だと、そう告げた声が、何かに遮られる様に、消えてしまえば】
【直後に起こるのは、絶望】
【視覚】
【聴覚】
【嗅覚】
【味覚】
【触覚】
【五感、その全てを奪う、絶望の翼】
【鉄槌を止め、静止していた時間は、ほんの一瞬】
【肉薄していたオルカには、その翼を避けるだけの時間も、方法も、なかった】

く、そ……ッ!

【ブラックアウトする視界も、世界の終わりを告げる様な聴覚の焼失も】
【鉄槌を握ってした感触も、最早――】
【暗い暗い闇の底、思い出すのは過去の出来事】
【忘れ様にも忘れられぬ、自身を取り巻く世界が変化した日】
【けれど】

――――――――――ッ!!!

【触覚を失った筈の両手は、未だしっかりと、手のひらに血が滲む程強く、握られて】
【声にならない雄叫びは、確かにオルカの正気を示している】
【見えなかった両目に、徐々に光が戻れば】
【鉄槌を左手に持ち替えて、右の拳を、握り】

だったら教えて貰えばいい。
今からでも遅くねえだろうがッ!

【あろうことか、彼は鉄槌を使わず、そのまま、自分の拳を振るって】
【魔王を、少女を、殴り飛ばそうというのだ――】

>>14
【礼を述べるローズへ】
【オルカは、口角を吊り上げる仕草で、返事をした】
【新たに現れた相手が誰か、知る由もないが】
【味方であるならば、問題はないと、背中を任せて――】
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2011/09/17(土) 23:20:31.31 ID:ttjWY2cvo
/>>1

>>8>>9>>15

…………。

【チェルシーは、その言葉に対して何も言えない】
【許せない所があるのも事実だが、魔王もエヴァンスの被害者なのだ】
【──それに自分も、似たような存在だったのだから】

(……谷山…………。)
(攻撃が届かないなら、今はチャージに専念する……。)

【光の杖の先端の輝きが徐々に増していく】
【あとは2レス耐えきるだけ、なのだが──それが容易には、いかなくて】

……っ!?

【向かってくる翼目掛けて引金を引くが、その程度じゃとても、抗えない】
【翼は少女に襲いかかり──そして、すべてを奪った】

…………ぁ……───

【真っ暗闇の中。触覚を奪われた影響で二丁拳銃が地面に落ちた】
【自分が本当に地面に立っているかも分からない、ふわふわした感覚の中】
【気づかない内に体勢が崩れて、倒れ込みそうになるが】

…………久しぶり、ね。
別に……、お礼を言うのは、私の方だから。
……今も、昔も…………。私が私であれるのは……皆のお陰……。

【ラインの声によって現実に引き戻されて、地面を確りと踏みしめる】
【先ほどの攻撃の影響でポーカーフェイスが崩れている少女は、心なしか機嫌よさそうであった】

/うあー、遅れました申し訳ない
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/17(土) 23:23:59.33 ID:4ETXyqxao
>>13>>14,15>>16>>17>>18

【襲い来る力は、究極の絶望がひとつ】
【彼女の経験した、なにもない≠ニいう絶望の形、虚無】
【何も見えず、何も聞こえず、何も触れず、何も嗅げず、何も味わえぬ】
【タダ許されているのは思考だけで、しかし、思考しているのを認識する肉体もない】
【それは、もはや死んでいるのと同じ。意識がある、永遠の死を、少女は一度体験していて】

【其の絶望を、其の地獄を。誰かに叩きつけられずにはイられなかったのだ】

【見えるはずの目には、白い。己が壊してしまった何もない世界しか、見えない】
【聞こえるようになった耳には、苦しみの声が。己が傷つけた人の声しか聞こえない】
【触れる感覚を取り戻した肉体が感じるのは、冷たい金属が身を貫く違和感、痛みという者】
【匂いなんて、血と鉄。魔王として知るのは、其れくらい、今も己の身から流れる血が、むせかえる匂いを立ち昇らせる】
【口の中に広がる味は、ただただ美味しくなくて、鉄っぽい血の味だけで、思えば体を取り戻してから何も食べていない】

【―――どうして、こうなったのだろう。どうして、ここまで来てしまったのだろう】

【そんな後悔が、無色の世界に立つ少女の胸の内を満たして】
【何も見えていないように、せっかく見える瞳はうつろになって、しかし――――】

‥‥ッ、こ、ないで‥‥ッ!!

【怯える、魔王などではない一人の少女が、両手で己をかばうようにしてオルカの拳を受け止めた】
【絶望の復活と共に、己のやったことがわかってしまった。理解ができてしまった】
【だからこそ、それに怯える。己の罪が、わかるがゆえに、弱い心は更に深みに叩き落されていく】


―――――ダ、れ‥‥かッ!わたしを、わたしをとめて‥‥‥‥‥‥ッ!勇者様<b!


【――――魔王≠ヘ、勇者≠ノ助けを求めた】
【己の、止められ用のない狂気を。誰か他のものに止めてくれと、願うように】
【駄々っ子が拳を振り回すように、翼を魔王は振り上げた】

【泣き叫ぶ子を、止めるか殺すか】
【この子は、罪人だ。一人は確実に殺した、断罪しようと問題はない】
【どう幕を引くかは、そう。貴方たちに、勇者様≠ノ託されているのだから】

【魔王が、最後の力を振り絞り、翼を振り上げる。コレをしのげば、次には攻撃が通るようになる】
【さあ、終幕は跡わずか、出し惜しみをせず全力を以てして、コレに立ち向え――――ッ!】


                 ―――World breaker:the PERIODッ!


【翼が、大地に突き立てられ。世界を引き裂く<b!】
【八本の翼が、大地を割砕き、世界を引き裂きながら、容赦なく5人に迫っていく】
【触れれば、絶望的な精神攻撃。心を引き裂く攻撃≠ェ襲いかかってくるはずだ】
【心が認識する世界。それを心を壊すことで引き裂き破壊する、力。World breaker、エヴァンスの残した絶望の遺産】
【触れれば、痛みを以て、五感を引き裂きに来る=Bそれに、確固とした意思で立ち向かえば、先にあるは弱き魔王のみ】

【振るう魔王は、まるで――――己の恐怖を誰かに理解してほしいかのようであった】


【絶望に負けるか?恐怖に慄くか?闇に恐れを抱き敗走するか?】
【希望を振りかざすか?恐怖を乗り越えるか?闇を引き裂き、その先に進むか?】

  【全ては、君たちが乗り越えるか否かで、決められるのだ――――】
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/17(土) 23:44:02.14 ID:7s+m9Rhgo
>>18
”…お互い様、って奴だね”
”ロゥ達の代わりといっちゃあれだけど…今度四人で、また甘いものでも食べに行かないか?”
”食べ物を粗末に扱わないって、約束できるならね”

【変わったけど、変わらない。表面と内側にずれがあるだけで、彼女もちゃんと人間だと伝わる】
【少しずつ摺り合わせて、変わってゆければそれでいい】
【大人の余裕を見せて、少年は笑う】

【演算に没頭する使い魔とダメージに苦しむローズに代わって、少年は笑う】
【彼女の変化を想い、友のようにからかい、…慈しみながら】

>>19
「…計算終了。12本で既に過剰負荷(オーバーロード)。これにスペルを加味すると一発打てればいい方です」
”直結してるってことは、ロゥを守らないと僕らの権限も消える”
”加減できる相手じゃないから、今は数を減らせない。この辺の摺り合わせは後でやるとして”
”せっかく戻ってきたのに、君がやられたらおじゃんってわけだ。……出来るね?”

【姿なき従者と、その主たる少年は、負荷を受けるローズを脅かすように尋ねる】
【涙と血と汗と唾液と…精神汚染と少年がもたらす強すぎる負荷に、体液を垂れ流して自失していたけれど】
【ギリギリのところで膝を屈しないまま、立ち続ける】

【―――――いまさら視界を奪ったって意味がない】
【聴覚を、嗅覚を奪われたって、屁でもない】
【そんなものなくたって、理解できる】
【この繋がりは、その程度じゃ消えない】

【答えはただ、取り戻した呼吸に揺れる肩と、引き裂かれる様に裂けた口の端】
【なんとも力に満ちた強い笑み】


……できる、さ。


【彼と、そして未だ魔王の少女への、なんとも頼もしい解答】

【かつて負の遺産とされた自分だって、変われたのだ】
【この名前を貰った瞬間から、出会う人たちが変えてくれた】
【世界の壁すら越えてやってきた『二人』も、無理を推して声と力を届けてくれた『彼』も】

【一杯貰った。たくさんたくさん貰った】
【それに意味があるとすれば、きっと】

//はい、続きます、たびたびすみませんorz
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/17(土) 23:44:27.59 ID:7s+m9Rhgo
>>20
”ああそうとも、何せ――――――”

【盾とした六本線を背後に戻すと、一瞬ローズの出血が収まった】
【でも右翼も含めた十二本が離れて乱舞を始めると、眼をぎゅっと瞑ってしまうほどの激痛】
【それすらも圧して、ローズは笑う。痛みに苦しむ理由は、全部消えたのだから】

なにせ、にぃは――――――――あ、あああああっっ!!!

【求めに応じたようでもあった。線の移動の度に痛む脳の悲鳴が、端に漏れてなお】
【    と魔王の求めに応じて、蒼い線が踊る】
【ローズの正面、六つの線が再び一点に集う。ぐるぐる、ぐるぐる時計回りの螺旋を描く】
【円周軌道にあわせて、線を一角とした六亡星の魔方陣が出現。螺旋の中央に浮かぶ六角形が、トンネルのように広がる】

”そうとも、僕は―――――――!”

【残りの六本は、迫り来る衝撃を払う】
【命中のたびにローズは怯み、歯を食いしばって負荷に耐える】
【出血量や、徐々にふらつく足元。尋常なら立てるはずもないのだけれど】
【すべきことはわかっていたから、倒れなかった】

【インナーに手をいれ、取り出したのは、あのときの宝石】
【涙型、触れると暖かい、魔王が落とした人の心】
【これを返すんだ、絶対返して、救う。魔王を倒した物語の結末は、いつだって!】

【信じて/確信して、ローズは陣の中へと飛び込む】
【瞬間、魔方陣が弾けた。猫が撒き散らす血液の飛まつに混じり、青い魔力の粒子が破片のように散る】


”魔法使いだからね――――――――――――!!!”
「往きなさい!!」
とどけええええええええええええええええええええ!!!!!


【瞬間、陣を構成した六本の線が、ローズを基点に後ろへと倒れた】
【その体を蒼いオーラが包み、速さを長所とする猫を守る】
【カタパルトのように加速をつけ、その体を射出する】

【オーラが描き出す蒼い軌跡は、蛇の尾…あるいは流星の尻尾のように長く、永く残留する】

【―――――この場では、ただ一度だけ許された、超高速加速の大魔術】




                   【ヴァイパーブースト】




【届け、届け。ローズはただ、それだけを想う】
【彼女がまとう魔王という役割をぶち壊し、眠るお姫様を目覚めさせる】
【――――――そんな、どこにでもありふれたハッピーエンドの為に、宝石を突き出しエリスへと突っ込んでゆく】
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2011/09/17(土) 23:46:14.87 ID:RXWRDYIBo
>>19
【倒れたまま、徐々に五感が戻っていくのを感じ取り】

う・・・・く・・・そ・・・・・

【大きく、深く呼吸を行い、全身に酸素を行き渡らせ、戻った感覚を確かめていく】

っち、立ち上がることすらままならないとは・・・・・・

【体力を大きく削られ、精神的にも肉体的にも満身創痍、そこへ】

!!!!

【放たれた翼が、ラグナロクに触れ】

あ・・・・ぎ・・・・・ああ・・・・

【彼のその弱った精神を、引き裂き、蹂躙する】

―――――――――――――――!!

【全身を襲う激痛により体を痙攣させ、声にならぬ叫びを発し】

・・・・・・・・・・

【そのままピクリとも動かなくなった】
【かろうじて呼吸はしているが・・・・かなり危険な状態であることに変わりはないだろう】
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/17(土) 23:53:33.46 ID:8TVCv0+Mo
>>19
【きっと、目の前の少女が体験した事は】
【自分なんかとは、到底比べられない程の、絶望で】
【先に体験した絶望≠ニは、レベルが違うだろうということは、オルカにも解る】
【でも、だからと言って、振り上げた拳を止める理由はない】
【そうだからこそ、少女の本心≠聞けた時、笑んだのだった】

止めてやるよ…この場に居る全員で。
罪の最後は死ぬ事じゃねえ…生きて、償う事だから。
――換金≠セ、《The Golden Goose》ッ!

【左手に握っていた鉄槌が、甲高い音と共に、二枚の金貨に変われば】
【ポケットから取り出した三枚の金貨を、右手に持ち】
【金色の鵞鳥が、オルカの上空へ――】

がッ――――アアアアアアアアアアアアアッ!!

【来る、少女の絶望を体現した様な、一撃】
【心を引き裂く攻撃=\―それはきっと、個々人で違う痛み≠受けるもの】
【痛い――けれど屈しない――痛む――絶対に倒れない――叫ぶ――それがどうした】
【自らを鼓舞する為に、まだ立てることを示す為に】
【オルカは、右足で思い切り地面を叩く】

《保身に走る者の――重鎧》ッ!

【五枚の金貨を、バングルに投入】
【瞬間、オルカを包む、銀色の全身甲冑】
【何処からか飛び出して来た金貨が、更に一枚、鎧へ吸い込まれれば】
【オルカは、爆発的な力を持ってして、魔王の前に立ちふさがる筈だ】
【仲間を、後方の仲間達を、眼前の少女を止めるべき存在を、届かせる為に――】
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/17(土) 23:54:26.80 ID:8TVCv0+Mo
/次遅くなるかもしれません
/参加者の皆様、申し訳ない…
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/18(日) 00:01:07.73 ID:P014zTHSO
>>19

ぅ……く………

【地に手を突き、立ち上がる】
【失った感覚は、既に戻っている】

――分かった。出来る限りの力を尽くす。

【毅然とした表情で、両手を体の前に交差させる】
【迫る翼、しかし避けようとはしない】

ぁぁぁああああ!!!

【無謀にも、少女の翼を素手で受け止めようとした】
【体や心が引き裂かれるような感覚に襲われる】

【しかし、堪える】
【堪えなければ、お互いが破滅】
【それだけは避けねばならない】

うおおおおオオオォォォォォ!!!!

【届け、この思い】
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2011/09/18(日) 00:09:20.80 ID:EF7hvsqbo
>>20

……うん、約束する。
みんな一緒に……、楽しく、ね。

【ニコリと、口元に笑みを浮かべる。その姿は子供らしく、人間らしくて】
【最近は、良く笑顔を浮かべるようになった】
【これでも、つい3,4ヶ月前までは、一切笑ったことが無かったのである】

>>19

(迎撃を……、いや───)

翼を素にしているという事は、恐らくこれも精神攻撃……。
……だから、何の問題もない。

【光の杖の力を解放しようと振り上げるが、止める】
【台詞からすると、一見合理的な計算があるように思えるが】

耐え切って……、みせる。

【その実体は、とてつもなく精神的な考えであった】
【そして翼が、少女の心を引き裂いた──】
【痛覚が存在しない少女にとっては、初めて感じる痛み。しかし、それでも】

……だから…………。
だから……、どうした……!

【それでも少女は、立ち続けていられる】
【顔一面に汗を掻きながらも、耐え切った。だって少女は、空っぽではないのだから】
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 00:21:07.36 ID:8qPNMK9wo
>>20>>21>>22>>23>>25>>26

【銀の騎士が、己の前に立ちふさがる】
【理解した。自分が、こうなってしまったのは、きっと】
【絶望に抗えなくて、そして、その絶望に身を任せてしまったからだって】
【涙があふれる。やっと、己の悪夢が終わるのだと、己はようやく、理解できたから、だから】

‥‥‥‥あ‥‥っ。

【そして、己の翼を真正面から受け止める者が居た】
【己の背負う絶望を、己の全ての怨嗟を、真っ向から受け止める無謀者が】
【願う。目の前の無謀者が、己の一撃を耐えぬくことを、タダ、祈り続けて】

――――う‥‥っぁ‥‥!

【一人の少女は、己の攻撃を耐えぬいた。鋼の如き、精神力で】
【皆が、己の絶望を乗り越えて。そこに立つ口径は――――、当然のものか】

【絶望からくる力より、希望から生まれる力のほうが、強くて当然なのだから――!】

【そして。突き抜けて――――迫る】
【蒼き線が、蒼き薔薇が、迫る、迫る、迫る!】

――――‥‥‥‥あ、ぁ。

【涙が、自然と溢れてきた。救いを求めるように、魔王は両の手を広げて】
【来る、貴方を受け入れるように。魔王は――――微笑んだ】


――――――ありがと‥‥う。


【べき、べきべきべきべきべき】
【空間が、引き裂かれるように。しかし優しく崩れていく】
【絶望の坩堝、谷山基樹、ガートルッド=エリッド、エリシア=エンハウンド、見滝原 涼香。そして、――――――エリス】
【彼らが彼らたる所以を生み出した、絶望の象徴、白い世界が、勇者たち≠ノよって砕かれていく】


【魔王が、地面に倒れこんでいき、ダメ押しの様に世界に大きな罅が入り、砕け散って】



‥‥‥‥‥‥‥‥。



【その直後、皆が立っていたのは。ピリオド本社、システムルーム】
【最初の、この物語の始まりとなった場所、全ての元凶の発端の場所】

【――そして、同じ部屋には、白衣のセーラー服少女と、金髪のセーラー服少女】
【道路標識を背負った眼鏡の少女と、そして。白髪の学ラン姿の少年が、立っていた】

「‥‥‥‥ありがとう」

【代表するように、青年が頭をみんなに下げた】
【後ろの3人も、同じように、頭を下げていて】

<あーっと、怪我してる人たちはウチの医療班がすぐ下に居るから、行くといいかな?
みんな、本当に――――ありがとう、ね。私たちの事情に、首を突っ込んでくれて>

【怪我がひどくて、すぐに治療したいものは医療班が治療をしてくれるだろう】
【こちらの誰かと話をしたいのなら、話せば答えてくれるはずであった】

【物語の幕は引かれて。今宵の演舞は幸福を以て終幕となされたのだった―――】

//イベントはここで終わりでございます!GMに何かあればレスしてくだされば反応します!
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/18(日) 00:35:51.80 ID:cTI8u5cAO
/ID変わりまして携帯、オルカの者です

>>27
【立ち塞がる、何が起きても退かぬ覚悟で】
【少女が両腕を広げ、何かを受け入れる様な仕草をした、刹那】
【弾丸の様に飛来する、ブルーローズ】
【表情を覆い隠す甲冑の下、確かに】
【オルカは、笑んでいた】

────────ッ。

【届いた──そして】
【世界が壊れて、次に見えたのは、システムルーム──】
【其処に立つ、四人の少年、少女】
【彼らが頭を下げるのを見ながら、オルカは能力を解除する】

礼を言うなら金をくれってなあー……あー、冗談だ、冗談。

【ドカッ、と床に胡座を掻いて】
【右手で頭を掻きながら、白髪の少年へ視線を向けて、話しかける】

なあ……

【何処か、陰りを残した表情】
【トーンの落ちた声で、語りかける、内容は】

どうなった≠だ?

【魔王の、安否に関すること、だった】


/一先ずお疲れ様でしたー!
/ではもう暫くロールを続けさせていただきます!
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/18(日) 00:39:26.17 ID:P014zTHSO
>>27

【皹が入り、崩れていく白い虚無の世界】

(……終わった。)
(良かった、助けられて。)

【緊張が一気に解け、安堵の笑みを浮かべ倒れる】

【気がつくと、そこは見知らぬ所だった】
【誰かがお礼を言っているのが聞こえる】

……終わったんだね。

【ぽつり、そう呟く】
【瞼が重い。体に力が入らない】
【でも、眠るにはまだ早い。聞きたい事があった】

――すみません。
あの子は、どうなるんですか?

/お疲れ様でした!
/ではこちらも続けさせてもらいます!
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 00:44:33.78 ID:IQirY9qDo
>>27
………えり、す……。

【世界が変わるところまでは見た。でも本当に理解して、視ていたかどうかは別】
【元来、その能力は強すぎる。普段二本でも苦戦するところを、一気に十二、そして呪文すらも発動】
【きっと、もう何も見えていない。ぐちゃぐちゃにかき乱されて、毛皮は真っ赤に染まって、心にもいくらか】

【でも、倒れこんだって、今日は付き添いがいて】

”まったく…どうして僕が帰る時はいつも血塗れなんだ、この子は”

「あー、そういえばいろいろと感慨深いものがありますねー」
「最初のゲームの時も、最終的にローズぶっ倒れてましたし、マスターが受け止めたんでしたよね」

【青い服が汚れることも構わず、倒れようとする猫を抱きとめる】
【その癖の強い、針金のような黒髪は、以前の=かつて躯体を使っていた猫と同じ】
【超然とした振る舞いも、しかし奮戦を終えた猫達を前にしては、ほのかに軟化して】

”……エリシア、涼香、…それから基樹”
”言った筈だ、僕は好きで関わりに来たんだと。この子もそう、友達だからね”
”礼はいいよ。それより、負傷者の手当てを”

「ローズはとりあえず寝かせておいてください。一見派手ですが、致命的損傷は観測していません」
「自然治癒強化もありますし、ちゃんと治るはずです」
「むしろあなたが一緒にいたほうが速く回復するのではないでしょうか。ねぇ谷山さん?」

【頭を下げられて、ひらひらと手を揺らす】
【そういうのは心外だと言わんばかりで、誤魔化すように言いつけて、さらりとローズの身体を谷山へ押し付けるだろう】
【接近の瞬間、口元が見えるはずだ。ちゃんと笑っているその曲線が】
【なお猫は、そんなに重くないはずだ。柔らかいし血塗れだが、サイボーグたる少年なら、たぶんきっと】

【従者の捕捉は信頼に値するだろうけれど…何故か最後、早口で言い切られた言葉には、棘があった】
【なんというか両名、既に『知っている』ようで】
【使い魔の冗談にあわせて、彼の目がきらりと輝いた。どういう質のものかは伺えないが、とにかくきらりと】

【でもとにかく、言葉を紡がない喉が震えて、小さなため息をつく】
【普段は絵のように動かない少年の唇が、念話に合わせて動く】


”――――――ただいま、戦友”


>>28
”君は……”
「魔城は常時展開型の結界でしたので、状況終了かと思われます」
「魔王…もとい、エリス=メレニア嬢の起床まで気は抜けませんが、一応事態の解決にはなったかと」

【長期にわたっていて存在し続けていたことなどから、単純な意識喪失で済む問題ではないと判断】
【ちょっとだけ茶々を入れながら、姿なき使い魔がその分析を口にした】
【血にまみれた青の少年は、変わらず笑んで肩をすくめる】

”ロゥが風邪を引いた時、居合わせたそうだね。何でも遥人と良かったとか”
”……助かったよ、ありがとう”

【『声』とは別、少年のような低いトーンでも、なんだか保護者めいた響きがあって】
【身を挺して攻撃を凌いで見せた彼に、敬意と感謝を示し、頭を下げた】
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 00:53:22.73 ID:8qPNMK9wo
>>28[オルカ]>>29[ヘイロン]
【オルカの問に、少年は迷う事無く】

「‥‥‥‥生きてるよ、大丈夫だ」

【オルカの方へ、鋼色の双眸を向けながら白髪の少年は、微笑む】
【モニタールームの中心には、倒れこむ少女が居て】
【彼女の傍らにしゃがみ込むようにして、少年は様子を確認していた】
【そして、ヘイロンの問に、少年は面室に言葉を返して】

「エリスは、俺たちと、同郷。同じ研究所の育ちでな。
‥‥そうだな、罪は償わなきゃなんねぇけど。とりあえずは統一征斗会で保護する予定だ。」

>>30
「‥‥‥‥ローズっ!」

【そして、慌てるようにローズの元に谷山はかけ出した】
【ローズの肩を掴みながら、大丈夫か覗き込もうとするだろう】
【ラインがどうとかも有ったが、其れよりもまずローズが心配であったようであり、なんというか】
【そして、大事は無いことを理解したようで、ほっ、とため息をつき、そして預けられてとりあえずとばかりにお姫様抱っこをするだろう】

「お、おおう。わかった、つーか、すでにだな、なんだ、手は打ってあるから安心しれくれ!」
<ありがとねーラインくん。っつーか、いつの間にもっくんはローズちゃんとそんなに仲良くなってんのかな?>

【ベルの言葉に、谷山は露骨にキョドりつつも、ローズを心配そうに見つめていて】
【同時に、エリシアは知らなかったようで、なんというかさりげなく追求をしていたが】
【そして、フト気がついたように、二人の方を向き、口を開く】

「って、なんでしってんだよって、あーもうだらっしゃぁっ!」

【そんな風に、露骨に初心な反応を帰しまくる、ザ思春期、青春サイボーグ】
【しかし、しっかりとした表情で、強い微笑を浮かべながら声を返す】


 「――――――おかえり、戦友」
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2011/09/18(日) 00:56:16.96 ID:EF7hvsqbo
>>27

これで全てお終い……か。

【始まりの場所。思えばここまで長かった】
【あのゲームに参加したときは、こんな事になるとは思ってもなかったけれど】

終わり良ければ全て良し、なんて言い切れれば楽なのだけど……。
……寧ろ、これからが始まりなの、かも。

【ハッピーエンドなのに素直に喜べないのは、少女も罪を償ってる途中だからか】
【取り敢えず部屋の隅っこの方に座って、周りの話を聞く体勢に移る】

/乙でしたー。
/隅っこの方でじっとしてますが、続けたいと思います
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 01:01:16.94 ID:8qPNMK9wo
>>32
‥‥‥‥

【唐突に、白衣の少女が、真正面に立っているのが見えるだろう】
【その胸には、91のナンバーが。彼女はカノッサ機関であるのは明白であって】
【だが、悪意の類は全くなさそうであり、面室に口を開き】 

健太が。世話になったと、聞く。礼を

【感情の欠片も見えない、その表情は人形のようであり】
【しかしながら、感謝の気持ちが、彼女からは感じられただろう】


――――お父様は死に、私はもう自由、か


【コノ少女の名は、ガートルッド=エリッド=z
【その姓を聞けば、どういう事かは、よく分かるだろう】
【彼女は、魔王の裏に居た。魔王だったのだ】

【ある意味では、ずっとエヴァンスに縛られ続けて生きてきた彼女】
【彼女もまた、今宵の戦いを以て解放された虜囚の一人であった】
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/18(日) 01:03:00.31 ID:P014zTHSO
>>31

――そう、ですか……
良かった……。

【ふ、と微笑みを返す】

……そうだ。
すごく疲れたんで、寝床を、貸し――

【「寝床を貸して欲しい」】
【そう言おうとしたが、瞼が更に重くなり、意識が遠のいていき】

【言い終わる前に、眠ってしまった】



/お疲れ様でした!
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/18(日) 01:04:53.38 ID:cTI8u5cAO
>>30>>31
………そうか。

【ブルーライン達、そして谷山からの言葉を聞いて、オルカは陰りを残した表情のまま、答えた】
【罪の終わりは、死ではない】
【罪は、生きて償い続ける、ものなのだから】
【だからこそ、そんな表情を、しているのだろうか】

>>30
あー、アンタらは……成る程、いやまあアイツは本当に保護者が多いみたいだな。

【ブルーライン達の方に向き直って、そう言うと】
【彼らからのお礼の言葉に、頬を掻きながら答える】

別に、お礼なんて言われる事じゃない。
俺は前回の戦いに参加してないから、あの娘と何の因縁もない。
だったら、前回も参加してた奴らに任せた方が良い方に転ぶと思っただけだ。

【少しだけ視線を逸らして、素っ気なくそう言うのは】
【オルカにも、照れという感情が、あるからだろうか】
【そして、遥人という単語も聞き逃していなかったのか、再び視線を戻すと】

そうか、遥人とも知り合いなのか。
今度会ったら言っといてくれ、「今度は俺のストレート勝ちだ」ってさ。

【割と、あの時遅れを取ったことを、気にしているのだろうか】
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 01:08:38.03 ID:IQirY9qDo
>>29
”ヘイロン、だね。最後にあったのは魔竜戦だったか…昨日はありがとう”
”君と話せてよかったと、ロゥは感謝していた。……随分長い間ほっといたからね、話し相手が欲しかったらしい”

【竜の少年には、先日の礼を述べる】
【海で黄昏ていた猫の心情を代弁しつつ、にぎやかしく笑うことが出来たのはプラスだったと】
【その時、少しだけ少年の眉が曇る】

「もしあの時お会いしていなかったら、今日の最初なんかもっと酷かったかもしれません」
「時間としては短かったのですが、ローズにとって確かな糧となったようです」
「本当に、どうもありがとうございました」

【と、『声』も続ける。疲弊する彼をねぎらうように、励ますように】
【うんうんと頷く少年も、同意見なのだろう。念は挟んでこなかった】

>>30
【思春期ナパーム全焼中の谷山に、少年はニタニタと厭な笑みを向ける】
【糸目は変わらずだったが、何故か心底邪悪な雰囲気を纏っていた】
【…からかい三分の一、残りは憤怒。後ろに仁王像が阿吽セットで浮いていて、谷山少年を凝視する幻影ががが】

「行動記録を参照しました、六月二十五日から今日に至るまで仔細に」

”他に口を挟んでおかなきゃいけない人もいるみたいだけど……まあ、それはそれだ”
”今度時間を作ってもらう。アレとかソレとかの件でみっちり、ねっちり話さなきゃいけないらしい”

【不気味に笑う両者を他所に、猫は意識もないはずなのにふにゃっと笑った】
【においがいいのか手の感触がいいのか、ちゃんと相手は理解しているようだ】

………し、……お、か……

【夢でも見ているのかもしれない、真っ赤に汚れた唇が、小さく何事かを呟いていた】
【猫を見る魔法使いの目は、確かに優しい】
【続けて谷山少年に移した視線も、すぐさまなぞの威圧感で満たされたけれど】
【移動する一瞬だけ、ちゃんと笑顔だった。柔らかく暖かい】

>>32
”そういうもんだろ、人生なんて”
”ピリオド一つで片付くはずがないんだ…改行して別の文打つまでの、小休止に過ぎないよ”

【感慨に耽るチェルシーには、少しばかり気取る青少年】
【見た目に反しどこか大人ぶったような仕草は、決して咎める風ではなく】
【共に歩んでくれる、どこか自分達の『 』に似通った少女への、ささやかな助言だろうか】

「……ところでゲーム内通貨とかアバターとか貰ったのは、どうすればいいんでしょ……?」

【―――――主人が引き締めた(つもり)の空気を台無しにする、使い魔の口撃】
【蒼い少年は、ごちんと額を壁にたたきつけた。しばらくすりすりとこすりつけるように頭を冷やしていた】
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2011/09/18(日) 01:23:24.46 ID:EF7hvsqbo
>>33

……別に、お世話をした覚えはない。
寧ろ……、暴言を吐いて、ばかりだから。

【馬鹿とか、馬鹿とか、馬鹿とか、後馬鹿とか】
【お世話されてる方な気も、しなくはない】

自由は、いい……。
何をしても……いいん、だから。

【そんな当たり前で、それでいて実感の篭った台詞を吐く】

…………貴方が何をするつもりかは、知らないけれど。

【胸のナンバーには気づいているが、だからといって攻撃したりなどはしない】

>>36

……そうね。
終りを迎えるのは……死んだ、時だけ。

【ほんの少しだけ、自虐的に言い放つ】
【戦闘中に浮かべた笑顔はどこに言ったのやら、いつも通りの無表情に戻っている】

……。
どうもできないに、決まってるでしょう……?

【空気をぶち壊した使い魔さんには、取り敢えず真顔で冷たく言い捨てておいた】
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/18(日) 01:24:48.05 ID:4xB8HC5zo
>>998
【怯えの篭った眼を向けられれば、戸惑うように視線が揺らぐ】
【惨い事を言っている自覚はあるのか。青年は、ぎり、と小さく歯を食い縛った】
【震える少女へと伸ばしかけた左手を、心を鬼にして引き戻す――】

……だから、何だって言うんだ。全てを誰かの所為にして、欲しい欲しいと泣き喚けば君の恋人は戻るのか?
「俺が間違っていた。お前を愛してる、許してくれ」なぁんて……どう考えても違うだろう。
愛情や好意は、公園の蛇口を捻れば幾らでも出て来るようなお手軽な物じゃない。

全くの無償で注がれる愛は、決して永遠には続かない。思いが通わなければ、やがて尽きる。
世の中、タダより怖い物は無い――先ずは他人の欲する事をよく考えて、実行に映すことだ。

【自己嫌悪にわななく唇の震えを抑え込むべく、幾度か深呼吸。爪が掌に食い込む程に左手を固く握り】
【若干声色を柔らかくしはしたものの、変わらず淡々と言葉を並べる】

【説く内容は依然として変わらず、前を向け、目を開けろ、自分から動けの三拍子】
【何も考えずに与えるだけでは独善止まり、求めるだけでは何れ愛情を食い潰す】
【愛するでも愛されるでもなく、きちんと愛し合えなければ、どんな鴛鴦夫婦も、いつかは】
【概ね、そんなような物である】

俺だって優しくしたいさ。友人を詰るような真似して、気分が良い訳ないだろう。
それでも君が独りで泣き続けるのが嫌だから、自分勝手に問題の根っこを掘り返してるんだ。
優しさだけじゃ、対症療法にしかならないんだよ。鈴音。……そしてその対症療法でさえ、永くは保たない。

――……例えば俺が、さっきみたいに君を抱き締めたり撫でたりしたとしよう。
それでも明日になれば君は、きっとまた愛しの彼を想って悲嘆に暮れる。賭けても良い。

何故ならその卵≠ヘ、負の感情の加速器(ブースター)だからだ。
君自身が前を向けない限り、君の悪夢は永劫終わらない。いい加減に目を覚ませよ。
俺は魔法使いでも白馬に乗った王子でもない、しがない何でも屋だ。幾ら君が望んでも、夢の中には付き添えない。

【縋られれば、彼は決して拒みはしない。しかし先程のように、自分から進んで抱き竦める事はない。腕を広げて、ただ待つだけ】
【彼は基本的に、他者との間には明確に一線を引いて、それを越えないように付き合うタイプだ】
【極めて受動的、と言い換えても良いだろう――仮に彼女の願いが有償の「依頼」なら、本心を殺して尊重しただろうが】

【それでもカイ個人としては、出来るだけ彼女の肩の荷を減らしてやりたかった。だからこうして、叱咤する】
【押し付けの偽善ほど見苦しい物は無いし、こういった類いの相手に「頑張れ」が禁句なのも知っている。だが生憎と、彼は酷く不器用なようで】
//投稿したつもりが、反映されてませんでした……済みません、こちらのチェックミスです。
//これ以上貴方を拘束してしまうのも何ですし、無理なら遠慮せず切って下さい。
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 01:28:44.72 ID:8qPNMK9wo
>>34
<すずちん−!>(はいはい、合点承知之助ですよーって)

【小柄な標識少女は、少年を軽々と背負うと寝床へと運びさって言っただろう】
【勇者よ。今宵は、ゆっくりと眠るといい――――】

>>35
「‥‥罪は罪、さ。同じ生まれでも、それは否定できない。
でも、きっとなんとかなる、さ。アンタたちが、何とかしてくれたんだ。
次は俺たちが、なんとかする#ヤ‥‥だろ?」

【背負うものは決して小さなものではない、大きい物だ】
【一人に背負わせるには、大きいけれど。ここには同じ苦しみを知るものが居る】
【皆で背負えば、きっと。償えないものではないだろうから、信じて進む。そう思ったのだ】

>>36

「俺の、俺のプライバシーとか、そういうのはーっ!?」

【全力で青春真っ盛りな上に、こういうのは初めてなのだ、どうすりゃいいか正直ワカンネって話だ】
【あー、とかうー、とかぎゃー、とか。いろいろ声を漏らしているのだが、ローズの顔を見て何か覚悟を決めたようで】

「‥‥‥‥お、おう。うっし、分かった。つもる話もある。
今度、俺の仕事場でも空けとくよ。つっても、ローズの部屋からすぐだけどさ」

【あえて軽い調子で語ることで、己へのダメージを少なくする作戦だ】
【ローズの声を聞き、眉根を下げて、そして魔法使いの視線に慄くも、その奥の暖かさには気づいていた】

>>37
それでも、だ。雇い主として、大したことはしていないからな

【転じて、こっちは一応寝床とかを与えているだけで、其れ以外はほとんど何もしてない】
【だからこそ、健太と仲良くしてくれたことに、感謝だったようだ】
【この女には珍しく、愛着というものが湧いていたりしたようだった】


――――さぁ、ね。初めて得た自由だ、何をするかはこれから見つける、つもり、さ


【胸のナンバーに視線を向けて、わずかに意味ありげな微笑を残して】
【科学の魔女は鎖より解き放たれて、モニタールームを去っていった】

【もし、その後気がつけば。足元に手紙が落ちている事がわかるだろう】
【チェルシーに提供された銃は、ガートルッドの作品。中に入っていたのは要するに追加パーツであった】
【内容は、組み換えで口径を変えることの出来るパーツ。威力の大小を調整できるようだ】
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 01:38:47.56 ID:IQirY9qDo
>>35
”赤…ああ、犬は代理だよ。僕が動けない時のために頼んでおいたんだ”
「……何かやらかしたらしく、ローズからの信頼度は微妙と言わざるを得ませんが……」

【アレはあくまで保護者代理。非常時に備えて言付けておいたのが、今まで役に立っていた】
【が、どうも何かトラブったらしい。普段は他者に対し無防備なローズが、唯一継続して邪険に扱う相手でもあるのだ】
【使い魔の声色は、すすーっと視線をそらすような居た堪れなさが滲んでいた】

”前回云々じゃない、君はこの場での役割をちゃんと果たしてくれた”
”そういうことだよ、気にするな”

”遥人はね、父親から続く腐れ縁だよ……、まあ、その辺は本人いないしおいおい”
「正直、竜崎さんも同じこと考えてると思いますよ? 次あったら直接言いつけるのがよろしいかと…」
「ですが、確かに承りました」

【外見は、15・6の少年。身長もその平均程度で、中肉中背】
【なのに声だけの少女との掛け合いは、長年連れ添ったような慣れと風格があって、やや大人な感じ】
【写真だけ見せられれば違和感を感じるが、あって話せば保護者だと理解できる…そんな人物であったとさ】

>>37
”ラーズェ……”
「いや、この状況になるとつい思い出しちゃって…ああそんな冷たい目で見ないでっ!!私にそんな属性ついてませんっ!!」

【発音の難しいスラングで、見えない使い魔に合体攻撃。MP尽きても死ぬゲームがありましたねそういえば】
【しかし、その状況でふと思いついた。谷山少年の腕で眠るローズのリボンと、腕輪】
【自分達なしで成長した証。特に、腕輪のデザインは中々秀逸だと思う】

”…そうだね、借りるよ”
「え? あ、はい?」

【ぴくりと、ローズが動く。少しだけ頭から血が流れて滴るだろうけれど、大したことはない】
【そうして取り出された魔力がパイプを通じ、少年の右手首に結集】
【金と銀の配色と、編み方が反転した、鏡写しの腕輪が生成された】

”使い魔に文句があるときはこっちに言うといい。相手が見えないってのは辛いだろ?”
「おお、前回からの反省ですね! さすがです!!」

【なんて漫才をかわす両者。今度は明確に、腕輪から彼女の声がする】
【要するに、そういう仕掛けらしい。少年が指で腕輪を弾くと、くすぐったいです、と使い魔が笑った】


>>39
”その辺もおいおい話して行こうじゃないか、なあ少年”
”……ああ、仕事場をあけるのも結構だが、言ったろ、『お く じ ょ う』だ”
「ダメなら体育館裏でも地下駐車場でも構わないんですよ?」

【薄く開けられた目はまったく笑っていないし、あくまで場所にはこだわるつもりらしい】
【この調子だと、多分寮の構造も全部把握しているはずだ。なんというごつg】
【…とにかく、いずれ互いの状況がかみ合ったら、寮の屋上を集合場所に指定するはずだ。てこでも動くまい】

……いつも、の、おかえ、し……だもの……へへっ

【保護者達が谷山少年に『呼び出し』を強要する最中、猫本人はご満悦】
【先ほどの戦闘モニタリングを見ていたらわかるかもしれないが、この時期のローズは酷い孤独感に苛まれていて】
【その恨み節を、常々心配掛けてくれる誰かさんに擦り付けたかったのかもしれない】

【ローズは自分のダメージで寝てるはずなのに、やっぱり誰かを想う事はやめない】
【特に今は、いろいろ満たされていて、なおさら】
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/18(日) 01:51:14.64 ID:cTI8u5cAO
>>39
ま、そーさなあ…
俺に出来るのは此処まで。
後は、あの娘と、アンタらの番だ。

【罪は罪】
【谷山の言葉は、至極真っ当で、当然のこと】
【人を殺した、その事実は動かない】
【重要なのは、どうその罪に向き合って行くのか、だろう】
>>40
………あー、うん、確かに、なんか、納得出来る気がする。

【オルカ自身、まだあの犬青年とは一度しか面識がないのだが】
【それでも納得出来るって、どういうことなの…】

……へえ、父親からねえ。
んー、まあ遥人の奴なら当然っちゃ当然か…
ならそうだな、「次会う時まで負けんじゃねえぞ」、を追加で。

【人差し指を一本立てて、まるで飲み屋で注文する様な、軽いノリ】
【それだけ、ブルーローズを取り巻く者達に対する警戒心が、薄いということか】
【恐らくは、ローズの性格を鑑みて、周りの人々が信用に足る人物であると判断しているのだろう】

さて…じゃ、俺も休ませてもらうわ。
じゃあ、また今度。

【立ち上がり、背を向けて】
【右手を軽く振りながら、寝床へ向かう───】


【オルカ、使用金貨九枚】
【残り、四枚】



/ではこの辺で!
/お疲れ様でしたー!
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2011/09/18(日) 01:58:35.41 ID:EF7hvsqbo
>>39

随分、気に入ってるのね……。

【無表情の奥底から感じ取れる暖かな思いが、何となく心地よい】

そうね……、時間は、いくらでもあるのだから。
ゆっくり考えて、答えを出せばいい……。

…………またね。

【じっと、去っていくガートルッドを見送った】

……これは…………。

【尚、落ちていた手紙も確りと回収していて】
【帰った後自宅で、苦心しながら自分で組み替えたようだ】

>>40

……流石……。

【腕輪を作り出すのに感心したようで、感嘆の声を漏らす】

…………文句を?
ばーか……、あーほ……、どーじ……。

【文句を何でも言ってらしいので、取り敢えず子供みたいな罵倒をしておいた】
【心なしか視線が冷たかったり、声も何だかキツイが、冗談であろう。多分】

……じゃあ、私はそろそろ帰るから。
また何かあったら、遠慮なく呼んで……。
…………仲間として……、ね?

【そしてニッコリと微笑みを浮かべると】
【少女はその場から去り、自宅へと帰っていった】


/乙でしたー!
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 02:02:07.74 ID:8qPNMK9wo
>>40
「逃げれねぇかなぁ――――――」

【ぐしゃぐしゃとトレードマークのよく刺さる髪をかき乱しながら、ため息をついて】
【まあ、覚悟を決めたのだ。ならば、躊躇わない。どんなことであろうと、そうするのが谷山のポリシーだから】

「ったく。よく頑張ったよ、ローズ。ありがとな」

【そして、ご満悦なローズを心配している自分ノ心を感じて、いつも自分がこういう思いをサせていたのだと再認識】
【だから、なんとも言えない気分になって。とりあえず、ローズの頭をくしゃり、となでることにしたのでした、まる】

>>41
「‥‥おう。何時か、どっかであったらなんか奢るよ。じゃ、な」

【去っていくオルカを見送って、少年は微笑んで】
【魔王――――否、エリスの先を、静かに案じるのだった】

【そして、谷山たちも魔城の外に出ていった】

>>42
【ガートルッドは、去っていく直前にちらりと振り返って、わずかに口角を釣り上げた】

>>ALL
【今宵を以て、魔城の物型は幕を閉じる】
【だが、これよりさき新たなる幕が開かれ、饗宴が始まる日が有るだろう】

【その時まで勇者たちよ――――しばしの休息を】

//というわけで、こちらも落ちます。みなさまおつでしたー!
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 02:09:25.55 ID:IQirY9qDo
>>41
”一度負かすと、次は戦力が二倍になる奴だからね、遥人は”
”……言い忘れたけど、あいつに家族のことはきくなよ”

【苦笑で頷き、足すのは忠告。あの遥人も、最初から強かったわけではないのだという含みがある】
【負けるたび二倍になるなら、今はどれほどの戦力なのか、何度二倍の計算がされたのか】
【想像を掻き立てる事をぼやきながら、ちょっとだけ強めの口調で付け加える】
【苦い念が、声なき声に滲んでいた】

「はい、お疲れ様でした、オルカ様」
「また今後お会いすることがあれば、その時はよろしくお願いします」

【腕輪がちりちりと音を立てる。使い魔の懇切丁寧な挨拶に、少年も頷いて追う】
【彼の金貨が持つ意味はわからないけれど…ただ、波乱の中でも生きてゆけるようにと】

//お疲れ様でしたー!

>>42
”形だけを借りたんだ、元の腕輪の効果はない”
「でも以前から姿がないのは不便といわれてましたし、これならいくらか!」
「……くっ、小学生級煽り文句がものすごく堪えますっっ!!」

【右手を上げて、証明に翳してみたり】
【表面は銀、奥に金。ローズの腕輪とは真逆で、つけているのも右腕】
【それが音声を発するたび、鈴がなるような音がする。ちょっとばかりホラー】
【悔しげな言葉も、輪唱のようなちりんちりんという音に誤魔化されてしまった】

「はい、お疲れ様でした。良い子は帰って寝る時間ですよーぅ?」
”二人とも大人気ないよ。…お休み、いい夢みなよ”

【顔があったらあっかんべーでもしそうな使い魔を、今日は少年が諌める】
【肩を並べた戦友への気遣いが滲む対応は、彼女の安眠を心から願っていた】

/お疲れ様でしたー!!



”じゃあ、僕らも帰るかね”
「ローズの部屋をいじりますか?」
”別に野宿でもいいよ、少し散歩としゃれ込んでもいい”

【一同解散ムードに便乗して、少年も頷き、扉へと向かおうとする】
【沈黙する部屋は無駄に声が響き渡り―――――きっともう、この悪夢は終わったのだ。死んだように眠るのだろう】
【罪の在り処を想う。きっと一生掛けて償わなきゃいけないほどの罪科を背に】

【『それでも』。】

”じゃあ、お休み皆”
”ロゥは一晩預けるから、終わったら自力で帰らせてね”

【魔法使いは、いちいち扉をくぐらない】
【消失現象が足先から徐々に上昇して、背中の半分ほど着た辺りで振り返り】


   keep your dignity.
”…その尊厳と、共に在れ”


【終わった夢と、始まった今に約束を命じて、消え去ったのだった】


//自分もこれにて、おやすみなさいましー!!
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/09/18(日) 02:35:39.80 ID:t3GJHqdB0
>>38

【声色が柔らかくなったとは言え、湧いた恐怖がすぐに引くでなく】
【常に瞳孔の開いたような黒の瞳は、ふらふらと周囲を泳いでいて】
【変わらずに身体を震えさせたまま、数度。酸欠の金魚のように、口元を動かして】

………………って、だ、って、
……たす、けてくれ、る、って、……けて、あげる、って、……、…………だ、って……。

【鈴の音に掻き消されることはないが、それ以外に。例えば風の音だとか、少し大きな波の音だとか】
【大きな音がたてば、掻き消されてしまうような。ひどく震えて、ひ弱な声で】
【紡ぐのは、ほんの少し前の自分の言葉とすら矛盾するような、そんな言葉】

【元々、少女は精神的強さなんてほとんど持ち合わせておらず】
【その弱い心に、卵を埋め込まれて。当然のように孵化した悪意の化物に心を食い荒らされて】
【今にも壊れそうな中で、ほぼ唯一縋れる約束事。いくら矛盾しても、信じるのをやめればそこで壊れてしまうような】
【故に、自分であのひとは私のことなんか嫌いなんだと決め付けたひとの助けを期待する。ぎゅう、と。きっと卵のあるだろう辺りへと爪を立てて】

【前なんて見たくない、目を開けるくらいなら夢を見ていたい、自分から動くなんて――】
【解かれる内容のなの字も理解していないようなその姿勢】
【言うことを聞かない子供には、飴でも玩具でも与えて大人しくさせてから聞かせる、という手もないではないけれども】

……じゃ、ぁ、…………しくして、よ、…………やな、のに、……ぃや、なの、に……。
もう、や、だ、……やだ、やだ、やだ……。

なんで、私な、の? …………ね、ぇ。なん、で……。
…………悪い子、だか、ら? ………………ひと殺した、……から?
……なんでわたしだけ、なの、ねえ、……なんで、なんで……、なん、で……?
――みんな、ころしてる、くせに。みんな、殺してる、のに――。

【結局、少女が興味を持ったのは「優しくしたい」と言う部分だけで】
【だったら優しくして、と。強請って、疲れきったように、ゆるゆると頭を揺らして】
【次いで紡ぐのは、不特定多数の誰かに向けられた怨嗟の言葉】
【俯いて、ぎゅっと自分を抱きしめ。指の間から落ちる黒が、僅かに量を増していた】

/こちらもこちらで鳴きじゃくる猫宥めてたら遅れました、申し訳ないです
/それについてはこちらは何の問題も無いのですが、そちらは大丈夫でしょうか?
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/18(日) 04:45:11.67 ID:4xB8HC5zo
>>45
(……救いようのない馬鹿だな、俺は。悪循環と知りながら、一縷の望みに賭けた結果が)
(このザマ、か……同族嫌悪でつい熱くなりましただなんて、詭弁にもならない。)

【完全な失策だった。――すっかり怯えきって仕舞った少女から、一端視線を逸らして空を仰げば】
【右手で顔を覆い、小さく溜め息を漏らす。強く鷲掴みにされた頭蓋や頬骨が、ぎりぎりと軋んで鼓膜を震わせる】
【特に意味はない。強いて言うなら自罰行為。散々に痛め付けても壊れないのは、見た目よりかは頑丈なこの身体の特権だ】

………………、――どうしても、彼じゃなきゃ駄目なんだな。

【鈍い痛みと引き換えに頭は大分冷えたが、それでも返せる言葉はない。彼女の言葉に耳を傾け、しばし黙考】
【「助けてくれる訳が無いだろう」――ふと脳裡に浮かんだ言葉を腹の底へと飲み下して、代わりに尋ねる】
【結果など、解り切ったものだ。「せめて、卵さえ」と悔しげに独り語散た所で、どうなるものでもない】

【悪くて知り合い良くて友人の自分では、彼の代用品にもならない。何をしたって、きっと無駄だろう】
【そんな調子で内心途方に暮れていると、青年はふとポケットの重みに気付く】
【微温くなったアイスココアの存在を思い出した。数は二本――右手に一つ取り出し、プルタブを押し上げて呷る】

【いっそ酔いたい気分だったが、生憎とカカオで酔える愉快な体質は持ち合わせていない】
【その上口内に拡がる甘ったるさが、今日に限っては酷く不快だ。アルコールが無いのが悔やまれた】

誰かを殺せば敵が増えるのは、どこでだって当たり前の事さ。
理由は無いし、誰も悪くない。強いて言うなら、運が悪い……。

―――――いいよ、おいで。それを君が望むなら、好きなだけ優しくしてやる。

【半ば諦観して投げ遣りに吐き捨てるのは、字面だけは慈愛に満ち溢れた優しげな言葉】
【たとえ対症療法でも、処方出来るだけましなんだ。自分に言い聞かせながら、青年はへらりと人懐こい笑みを装った】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/09/18(日) 10:06:39.37 ID:t3GJHqdB0
>>46

【ただ、それでも。怒っているような素振りを見せなければ、それは段々と収まっていくようで】
【平時より早くて小刻みだった呼吸も、震えも、少し落ち着いて】
【小さな深呼吸を二回ほど。最後に、ため息のように吐き出して】
【その自罰行為を、まだ怯えの残る瞳で、視線を逸らしながら、ちらちらと伺って】

……だって、…………だって……。

【伺っていた視線が、地に落ちて。蛇がのたくるかのようにうろうろとさせながら】
【ぼそぼそと、口にするのは。肯定は肯定なのだろうが、なんだか遠まわしなもので】
【例えば「助けてあげる」といわれたから、とか。そんなことなのだろう、きっと】

【……結論から言えば、この少女。最終的には、その相手が誰だろうと構わない】
【そうやって愛されたことが一度だけで、その一度だけの相手がそのひとだったから】
【誰か、別にそうしてくれるひとが居れば。もう手に入らない過去のことは、きっと強請らない】
【「誰かに愛して欲しい」と、上手く口に出せないのは、少女の性格か、少女が幼いからか】

【取り出されるココアには、目を向けながらも、どうということはない】
【視線が緩く缶に書かれた文字をなぞって、そのうちに飽きたとばかりに逸らされて】

………………、だっ、て。そうじゃ、なきゃ……。
……わたし、が、わたし、が。ころされた、のに。
…………そうじゃ、なきゃ、……怜司がころされた、かも、しれないの……に……!

【運が悪い、と。その運の悪さすらも認めたくはないらしい】
【だってと。何度口にしたか分からない言葉をまた口にして】
【自衛のため、他人のため。どちらにせよ、ひとを殺したという過去が変わるわけもなく】

……………………――。

【次いだ言葉には、さんざ強請ったわりには、きょとんと、光を返さぬ瞳が丸くなる】
【糸を切られた人形のように、かくりと首を傾げて。数秒】
【じぃと見つめる口元が、ほんの僅か。数ミリレベルではあるが、小さく笑んだ】

/申し訳ない、超猛烈に眠ってました、です
/返しておきますが、昼間のうちは出かけるので返せないです。夕方以降に戻ってきます、と
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/09/18(日) 18:43:28.44 ID:DMVOImZSO
【路地裏、廃ビル屋上】

――This bullet is all openings,
Don't forget the meaning that pulled a trigger.

【歌声――男声のそれは呟きか囁きかのように微かな声で、閑静な路地裏であろうと耳を澄ませなければ聴こえない】
【そのせいか、時折歌声に混じる「パチン」という固い音が嫌に反響していた】

I bet all on this bullet,
Don't forget the feelings that pulled a trigger.

【「パチ、パチ――パチン」】
【不可解な音は続く、幾らかの間を空けて断続的に続く。それは歌声の緩慢さと同じ様に】
【元は激しい曲だろうが、こうも微かな声でスロウに歌われてはバラードか子守唄に成り下がる程】
【弱々しく迷いに満ちた――歌い手の男の心情が容易く汲み取れるような、そんな曲調と化していて】

Hesitating means death=\―

【――音源は廃ビルの屋上、階段近くで座り込んだ一人の青年。肩に掛かる長さの銀髪が月明かりを反射して】
【黒のYシャツに黒のスラックス、上質そうなその生地には既に塵芥が纏わりついてしまっている】
【首には一条の首輪、機関の紋章が付属したそれを付けている青年の所属は――言わずとも知れる】

【暗赤色の視線は手元に。音の正体は何の事はない、銀の小さな爪切りだった】
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/18(日) 19:07:20.71 ID:4xB8HC5zo
>>47
【ココアをすっかり飲み干してしまうと、無造作に缶を握り潰して放り棄て、誰に宛てたか、「甘い」と一言】
【俗に営業スマイルと呼ばれる笑みを仮面のように貼り付けたまま、右手でぽりぽりと頭を掻き毟った】
【ぴくり、一度だけ引き攣ってから、緩く弧を描く薄い唇。伏せた瞳はぼんやりと曇って、その内にある名状し難い感情を押し隠す】

……そうとも、君は悪くない。正当防衛という大義名分を振りかざせば、少なくとも罪に問われる事はない。
だが君が殺した相手にも、同様に居るんだよ。その人の事を大切に思う誰かが。
君に罪を償う義務が無いのと同じく、彼らにも君を許す義務は無い。動機が動機だ、解るでしょう?

【その後は、概ねいつも通りだった。お説教は続けるけれども、口調も雰囲気も、驚く程に柔らかい】
【「心が痛いのは君だけじゃないんだよー、それだけは忘れないでね」と、軽い調子で宣うと】
【何も反論が無ければ、この話題は無かった事とばかりに打ち切ってしまうだろう】

【匙は当に投げ出している。後のことは全て、仕事として割り切るつもりだった】
【この胸に飛び込んできなさいとばかりに、腕を拡げたまま一歩大股に歩み寄る】
【昏い目で暖かく彼女を見つめ、すう、と深呼吸。務めて冷静に、できるだけ甘く聞こえるように】

――――、…。……じゃあ鈴音、どうして欲しい?

一緒に住んでないからお帰りは言えなくても、ご飯作ってくれれば、美味しいって食べてあげるよ?
好きだとも言ってあげる。一杯抱き締めたり、頭を撫でたりもできる。
幾らお兄さんが何でも屋だって、お金なんて取らないさ。君は俺の大切なお友達だもの。
君が愛して貰えるようにも手伝うし、見捨てたりなんかしないから。
恋人の代わりは務められないけど、精一杯良くしてあげる。……ねえ、何がしたい?

【第三者から見ればピエロめいた滑稽さの、心にも無いリップサービスを始めた】
【語る言葉の端々に予防線を混ぜ込みながら、青年はそれでもやさしくほほえんで――】
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 19:59:00.66 ID:IFeKZv470
【――――――――水の国 『ホウオウシティ』】
【人口約40万を誇る、水の国の中の主要な商業都市の一つである】
【――――その中核を構成するエリアであるオフィス街に、不穏な影が蠢いていた】



――――総員に告ぎます。これより我々は、ホウオウシティにて作戦行動を開始します
陽動要員の各隊は、事前に支給した装備を用いて無差別攻撃を行い、本隊の動きをかき消す様に
本隊は、作戦エリア内の混乱を見極め、任意のタイミングで目標施設に突入し、対象を攻撃する事…………

【――――ホウオウシティ上空5000m 全領域拠点航空武装機『グランバルバレイ』】
【その中から、眼下の街並みを見下ろして、通信機に向かってせわしなく指示を飛ばす人物がいた】
【――――『暴蜂』の実質的なナンバー2、リーナ=ヴェイセシスである】

なお、作戦終了及び撤退のタイミングは、本隊からの連絡に一任してあります
我々も全体の状況を掌握してはいますが、本隊はくれぐれも自分たちに合わせて全体が行動している事を忘れない様に

【睨みつける数機のモニターには、地上に展開している部隊から、ややタイムラグがありながらもそれぞれの部隊の情報が表示されている】
【それを眼で追いながら、リーナは作戦開始までのわずかな時間にも全体への注意喚起を挟む】

…………7…………6…………5…………4…………――――――――時間です、行動開始!!

【モニターに表示されていたカウントダウンがゼロになった瞬間、リーナは号砲を撃ち出す】
【密かに、しかし大胆に計画された作戦が、『暴蜂』の手によって実行に移された】

――――大丈夫でしょうか、お頭様…………
「――――最悪でも、目的の達成はなるだろう。要は、そこに払う犠牲をどこまで少なく出来るかだ
それにこれは、奴等の技量を図る良い機会となる。上級構成員であるお前たちと違って、奴等は常に私のそばに居る訳ではないのだからな」

【リーナの振り返った先には、『暴蜂』総帥シュバルツ=L=ヴェイスが、堂々とした様子で椅子に腰かけていた】
【直接手を下す必要もないと判断しながら、自らの目で戦況を確かめる。その理由は――――――――】

「私も見極めねばならん。抗う者たちに対して、どれほどの力で向かうべきなのか。それをな…………」



<<<<<<<<<<<<――――――――任務、受領完了……………………>>>>>>>>>>>>

【リーナの合図を受けて、エリア内にそれぞれ配置されていたリイロクローン達は、一斉に行動を開始する】
【ある者は自らに備えられた兵装で、またあるものはこの作戦のために支給された火器を用いて】
【人と言わず、建造物と言わず、危険物と言わず――――無差別な破壊を振りまき始める】
【程なくして、オフィス街の複数個所から爆発――――事態は、同時爆弾テロの様相を呈し始める】
【身に迫る危険に逃げ惑う人々は、爆発によって更に神経を揺さぶられ、ものの5分と経たない内に、周囲はパニックに包まれた】

【この状況で、テロリストたちの狙いは別にあるという事に気づけた者は、極一部を除いているはずもなかった】

/続きます
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 20:00:00.26 ID:IFeKZv470
【――――悲鳴と混乱に彩られるオフィス街の中の一角】
【作戦行動に支障をきたさないようにと、敢えて襲撃から外されたビルがあった】
【――――――――その入り口前に佇む、複数の影】

<――――早朝より、外出した人間はいません。立て篭もる算段の様です>
正確には、『迎え撃つ』…………だな
「いくら武器や兵隊の数を集めても、所詮は寄せ集めだという事に気づかない…………馬鹿どもめ」
〈…………〉

【胸元に、逆三角形の金のプレートに蜂を象ったバッジを留めた、黒のレザージャケットを羽織り、首にネックレスを掛けた、無表情に半開きの眼が印象的な、病的なまでに白い肌をしたブロンドの髪の青年】

【同じく胸元に蜂のバッジを留めた、黒い『外套』を着込み、鳥打帽にスラックスを着こなした、痩躯の青年】

【黒のボディースーツを着込み、目元をバイザーで覆っている、小学生ほどの2人の少女】
【少女達の額には、それぞれη、πという文字が刻まれており】
【ηの少女は銀色の、πの少女はブロンドのショートカットをしている】
【なにより、髪の色と額の文字を除けば、彼女らの容姿は瓜二つである】

【そして――――頭部を金属的な装甲で覆われた、ネコ科の大型動物の様な獣】
【機械的な一対の角が、頭部の側面から前方に飛び出しており、更に、前を向いた頭とは別に、上を向いた機械の塊の様な『頭』が存在し】
【まるで鎧を着込んだ様に、肩や腹の周りに金属的なパーツが備え付けられ、8m前後の、先端に、縁が刃になっている金属の環の様なものがついた尾を帯び】
【そして、その背中には――――――――】
【オレンジ色のショートカットで、鼻に酸素吸引用と思しきチューブを差し込まれ、背筋を伸ばしたまま眠った様に目を閉じ、額にωの文字を刻みこまれている、小学生ほどの少女が】
【赤黒い肉塊によって無理やりにつなぎ合わせた様に、獣の背中にその上半身だけを残していた】
【この上半身のみの少女もまた、バイザーの2人の少女と瓜二つの外見をしていた】

【異様な5人の集団は、混乱極まる周囲の状況を意に介さずと言った表情で、ビルを見上げていた】

ダジル…………これが終わって生き残れたら、飲みでも行かないかい?
「貴様は人を殺した後に酒を飲むと言うのか? この畜生が」
相変わらず手厳しいね…………まぁ、オレは嫌いじゃないさ
〈……ナニフザケテンダヨ、オ前タチ…………サッサト始メナキャイケナインジャナイノ!?〉
…………自分の他にもう一人の命を背負っているって言うのは分かるが、焦り過ぎだ…………まあいい
ユニバーサルブレイン、内部の状況をもう少し正確に――――――――
「ッ、クロウ待て!」
<……アンノウンが外部より接近中。逃げ惑うといった動きではありません。こちらを目指しているものと思われます>
…………敵か

【πの少女――――ユニバーサルブレインと呼ばれた――――と、外套の青年――――ダジルが、近づいてくる気配を感知】
【淡々としていた一団に、この時初めて緊張感が生まれた】

――――ロンリームーンライトとユニバーサルブレインは先行し、内部へ突入……
ダジル、君とオレ…………そして将軍のご子女はここで殿……接近するアンノウンへの対処、場合によっては足止めをするぞ……
「良いだろう……」
〈……分カッタヨ〉

【ネックレスの青年の言葉通りに、バイザーの少女2人は先行してビルの中へと姿を消し、その場に青年2人と半人半獣の1人だけが残った】

/これよりイベントを開始します
/襲撃側の方々はそれぞれに投下を始めてください。ブルーローズ、双葉のお二方は、これにレスをお願いします
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/18(日) 20:01:23.15 ID:8qPNMK9wo
【ホウオウシティ:ビル街メインストリート】
【普段であれば、人ごみで埋め尽くされ、活気のある道はしかし人っ子一人見当たらず】
【気持ち悪いほどの沈黙が、ココら辺一帯を包み込んでいた】
【その、気味の悪い沈黙を破るのは、一つの陰鬱とした低くかすれた声で】


  ――――別に。悪いことをしているつもりじゃ。無いんだけど。


【ふわふわと中に浮かぶ球体の上に腰掛ける人影がひとつだけ】
【そして、もし貴方が電子機器を持っているのであれば、彼女の近くに来た時点で使用が不可能となっているはずだ】
【電子機器に障害を起こす電波、それを発信する兵器を彼女は運用しているようだ】

【周辺を、見渡せば。光り輝くビル街のビルは沈黙して、不規則に電灯が明滅し】
【随所で信号機が故障し、交通事故が発生しているのが分かるだろう】
【空を覆う暗雲が俄に裂けて、暗いビル街に一筋の光芒が差し込んでいき、その影を照らし出した】

【黒いボブカットに、淀んだ黄金の瞳を持つ少女だ】
【セーラー服ではなく、ズボンとシャツの上にヨレヨレの白衣を羽織っていた】
【その姿は、見て分かるほどに研究者≠ナあって】
【そして、少女の纏う陰鬱な雰囲気は、その高い身長も相まってさらに増幅されているだろう】

【彼女の座る球体から、ぶ、ぶぶ、と駆動音が聞こえており、コレが電子障害を生み出していると予想させる】
【しかしながら、危険は其れひとつでは無いようで、彼女の傍らには堅牢な作りの一つのトランクが存在していた】
【テロとは思われないほどの沈黙に包まれたこの場。しかし、確実に彼女の存在はこの街に打撃を与え続けている――】


     【正義にはとても見えず、だが悪としては朧気】

【だが、彼女を止めなければこの地は蹂躙されるのみ】

     【故に戦え、正義の味方≠諱z

//織守の方、本日はよろしくお願いします!
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/18(日) 20:19:03.21 ID:1Z5BS2Ipo
【ホウオウシティ=\―――テロ現場】

【突然のテロに衆目があふれ出す、物見遊山のオーディエンスが衣を裂くような声をあげ交じり合う
怒号に重ねられる悲鳴、それを包み隠すように瓦礫の枝垂れる音が響き渡る
砕けた灰色のコンクリート、砂塵のように舞い上がって宵月に靄のようにかかっていく】

【オフィス街の中心近く、ビルの密集した地帯――――連鎖するような爆破に導かれて、幾重ものビルが朽ちていく
その中に置いて一輪、全くの無傷のまま聳え立つ、一際高いビルが、安寧の色に満ちた月光に照らされ、薄く影を伸ばす
それはさながら墓碑のように、悠然と、その形を保ったまま、周囲の波を見下ろしていく】

【――――――――そうして人々は、そのビルの屋上に一つ
満開の夜空から落ちた迷子の流れ星のような灯りを見つける――――――――】

【白と黒のコントラスト、友禅のように染め上がるビルの上、彫刻のような白銀が、そこには揺らめいていて
月光を帯びたその銀は、その色を溶け込ませて、反芻し、一段と艶やかな色を目立たせていく
やがて、街灯に群がる、蟲のように、幾許かの人々が、そのビルの屋上を目指して、ビルの内部へとなだれ込むのが見て取れるだろう】

【恐らく∞きっと=\―――ビルの屋上にいるのは、このテロに便乗する悪役
故に、このビルはある程度の間の安全はきっと保証される筈――――ならば、その悪を蹂躙さえすれば、逃げ込める
どのような葛藤があったのかは分からない、それでも幾人かの人間が、屋上の扉を叩いた】


――――……普段と、少々お仕事の方法が違いますが、そう大した差はございませんね
個人的には待つより責める方が性にあっておりますが……経験を積むに越したことはございません

何時でも、どこでも、どのような状況でも、敵を駆逐できる者が、本当の従者≠ノございますが故――――
……そのような意味では、貴方方は良い練習の相手でしたね……感謝の言葉を、述べさせていただきましょう


【屋上の中心に陣取る白銀の長髪をポニーテールのように黒いリボンで結び、メイドカチューシャを付け
スレンダーな身体を、強調するように胸下で大きくエプロンドレスの結び目を目立たせる
黒と白のロングスカートメイド服を纏った、巨乳の少女
黒いメイドブーツと、白い手袋、そして真紅の瞳が、妙に高貴な印象を与えるだろうか】

【街下で見えた白銀は、彼女の髪であろう、一房の汚れすら見えない
その鮮やかな白さは、初雪に染まった雪景色のようで――――……
彼女はすっと、背筋を伸ばした立ったまま、眼前の様子に視線を向ける】

【――――彼女に向かってきた町の者たちであろう、それらが幾重にも積み重なって、微かな山を作っている
恐らく次の者を待ってか、それらは直ぐ側へどかされており、戦いの邪魔はしないだろう】


/オルカの方、お願いします
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 20:20:27.56 ID:IQirY9qDo
>>51
【砲火の大都市は、その名前に反して死んでゆく】
【刻一刻、分刻み、秒刻みで命が塗り替えられていく暴虐】
【蜂が毒をまいている。彼らの毒は、一度目は耐えても二度目はアレルギーで死に至る程という】
【これが三度目であるなら…概ね、死んでなければ不自然】

こっ、のぉっ!!!

【襲撃区画からはずれ、はぐれたようなビルに接近しながら、暴れ狂う構成員が二人、首を打たれて昏倒した】
【銃撃にて応戦するが、蒼い疾風のようなそれに対しては、あまりにも無力】
【能力者と思われた。対策を行ってなお、銃撃を掻い潜り進軍する個人】

【蒼い毛皮に猫耳尻尾、中肉中背+αの肉付きをした、猫の獣人少女である】
【クリームイエローの臍だし袖なしのインナーに、ベリーショートのカットジーンズ】
【ボサボサの黒髪だが、途中で髪質はやや癖のついたストレートに、色は青味掛かったプラチナへと代わっており】
【後ろ髪を林檎色のリボンで束ね、小さなポニーテールを作っている】
【左腕には金と銀が精緻に編まれた腕輪をはめていて、砲火をを反射しきらりと輝く】

【肘から伸びた青い線をたくみに操り、打撃と俊足によって見事打ち据えながら進む猫少女】
【額に巻いた包帯を引きちぎって捨て、外見から舐められないようにと腹を据え、たどり着いた矢先】

――――――あなた、ここでなにをしているの?

【異形と、二人が立ちはだかる】
【人であるとも、獣であるとも言いがたい合成獣】
【発案者の思考回路に名状しがたき嫌悪感を覚え、顔を歪めながら】
【硝煙に混じる憎悪やなにやらに、鋭く打ち据えるような質問】

そのバッジ……見覚えがある。
全然面白くない……でも、やめろといってもやめないんでしょう?

【男達のシンボルは、話に聞いた悪意を思い出す】
【子を平気で…否、進んで殺しに来る悪鬼。父親の、人間の出来損ないが率いる、唾棄すべき敵】
【常なら話し合う余地も遭ったのだが―――――今日の彼女は、強すぎる憎悪に吐き気すら覚えて】

【猫の目が絞られて、楕円を描く瞳孔が盾一閃に摩り替わる】
【同時に腰を落とし、肘だけでなく掌からも線を延ばして構える。後方で交差する×の字】
【どうにも、敵対する以外の考えなどない】


――――――とりあえず、退きなさい。
痛い目にあうよ。


【それでも、頭だけは冷静を保つ。焦燥は先の猛火においてきたのだから】
【今は迷いなど欠片もない。気力に満ち溢れた姿と、累々の雑兵が、その気勢をありありと物語る】

【―――――炎の都市にて、獣が出会う。吉兆であるはずがなかった――――――】


//ブルーローズです、よろしくお願いします!
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 20:21:36.55 ID:XpvUy+//o
>>52

……やれやれ、最近は世も静かになったと思えば
知っておったことじゃが、悪党どもは常に平穏を乱さねば気が済まぬようじゃの。

【静かな戦場に、一つの凛と響く声が鳴った】
【同時に現れるは、二人分の足音と気配】
【不気味なまでの静寂を打ち破るべく、正義を掲げる徒が少女の元に姿を現した】

この状況、よもや今宵の騒動と無関係とは言うまいが
弁解があるならば聞くぞ、妾の勘違いならば今この場で事情を語るがよい。

巻き込まれただけの不幸な民であればそれでよい。
そうでないならば――

【先ず現れた人影は、小柄な女であった】
【櫻を象った華美な着物を身に纏い、腰まで届く黒髪と黒曜石のような瞳が特徴的な】
【身長150cm程の童顔気味な面立ちをした東洋風の女性】

【女性は漆黒の眼を薄めながら、少女を見据えそう問いかける】
【万が一に相手が無関係な市民であればという可能性を考慮してのものだ】
【だが、女性の言葉には微かな警戒と戦意が存在する】
【少女の存在が、平穏に生きる民に害なすものであると半ば確信しているようにも伺えた】

――この貴宝院織守、Justiceの名の下直々に成敗してくれよう。

【女性――Justiceが長貴宝院織守は、その場に立ち止まりそうと告げた】
【同時に織守の周辺四方約1mを囲うようにして、四枚の小さな紙が出現する】
【何らかの異能か、紙はひとりでにパタパタと折られ始めていく】

「(……これが、今日の敵ですか?)」
「(今まで戦った人とはどこか違う……不気味、ですね)」

【そしてもう一つの人影が、織守の前方に静かに歩み出た】
【その姿は――正に異様というに相応しい代物であった】
【両肩部・両腕部には亀甲のような形状の盾を備え】
【首から背、腹部に掛けてをアルマジロを彷彿とさせる丸みを帯びた鎧で覆い】
【両脚部にはとぐろを巻く大蛇の形状をした物体がグルグルと絡みついている】

「(……ですが、何であっても織守様の敵であるならば私は戦うのみです)」

【長く伸びたポニーテールをそっと揺らし、鋭い視線を少女に向けながら】
【腰を低くして異形の戦士は構える】
【貴宝院織守が守護役、貴宝院神衣。少女は備えながらも場の進行を待った】


【織守・・・周辺四方にて小さな紙を折っている。距離約7m】
【神衣・・・織守の前方にて、構えて待機中】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/09/18(日) 20:26:24.68 ID:t3GJHqdB0
>>49

【浮かべられる営業スマイル。偽物の笑顔にも、気分を害した様子はなく】
【怒っているような様子のなくなったカイを見て、寧ろ機嫌は、どちらかと言えばいいほうらしい】
【パーカーの裾をぎゅっと握ってから一度、いつの間にやら止まっていた涙の存在を思い出したように、目元を拭って、また裾を握る】
【押し殺される感情には、何となく気がついたが、理解できず。小さく首を傾げて】

…………――――。

【その言葉に、露骨に言葉を詰まらせた】
【例えば、自分が大好きなひとを誰かに殺されたとして】
【もしもそうなったとしたら、その相手のことは、確実にゼロコンマで許さないと断言できるし、するだろう】
【本当の本気で末代まで祟る。自分の全てを使い果たしてでも、そのひとを祟って殺す】
【……そんな風に、思考を巡らせて。巡らせていたら、上手く言葉を返せなかった】
【外から見れば、視線を困ったように眉を下げて、視線をうろうろとさせる様が見えて。ああ一生懸命何かを考えているんだなあ、と。そんなことは分かる、だろうか】

【困り果てて無言を返し、それについて何か言われるんじゃないかと。未だに僅か、引き摺る尾】
【ちらりと盗み見るように伺えば、すっかりと元のような柔らかさが見えて】
【もう大丈夫なのかと、僅かに不安そうに視線を落として。落としたところに、大きく一歩、歩み寄られる】

【びっくりして、丸い目で見上げれば。返されるのは、暖かな視線で】
【最後に残ったほんの少しの暗い尾っぽも、ゆるりと解けて。満面とまではいかないが、それでも、今までの表情と比べればずっと強い笑みを浮かべて】

……じゃ、あ、……じゃあ、っ。

【上辺だけを見て、言葉だけを聞いて。裏をちっとも探らないままに、その表情は、欲しかった玩具をようやく買ってもらえる前の子供のようで】
【光はやっぱりなく、輝くわけでもない瞳を、それでも何となく輝かせるように、数度瞬いて】
【たっぷり数秒、考え込んで。そのうちに、答えが纏まったらしい、改めてカイを見上げてから】

…………、……抱っこして、いっぱい撫でて、……わたしのこと、いっぱい褒めて、……いっぱいいっぱい、好きって、いって。

【もしかして:纏まってない】
【ほぼ片っ端からを強請って、また距離の埋まった青年の身体に縋って】
【心の底から甘える声、仕草、目つき。その全てが、少女が十八であるという現実を黒塗りして隠していて】
【どう控えめに見ても、親辺りに全力で甘えたい六歳児程度】
【予防線については、それでもいいと甘受したらしい。特に反応は無かった】
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/18(日) 20:31:13.43 ID:cTI8u5cAO
>>53
おーおー、こりゃひでえ。
派手にやったもんだな、テロリストの姉ちゃんよ。

【カツ、カツ、カツ】
【右手で持った大剣を肩にあてがいながら、屋上へ現れる、一人の青年】
【ドレスシャツを着崩して、ワインレッドのスラックスを穿いている、金髪碧眼の青年だ】
【左手に嵌めているバングルには、硬貨を投入する小さな穴と、何かを挟む為のものなのか、細い溝が見受けられる】
【山積みにされた人間達を一瞥してから、彼女へ向けて放たれる言葉は、酷く棘のあるもので】
【言葉以上に、その表情は険しく】

俺がアンタと戦う理由は…説明する必要もないよな?

【左手、指先で弄くる一枚の金貨】
【月光を反射し、ギラリ、ギラリと】

じゃあ──始めようか!

【キィンッ──!】
【左手の親指で上空で弾かれた金貨】
【甲高く響くその音は、開戦を告げる銅鑼と──なるのか】

/よろしくお願いします!
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2011/09/18(日) 20:32:47.42 ID:EF7hvsqbo
>>51

【三人が残ったその場に、一人の青年が駆けつける】

……てめぇ等は─────

【燃えるように真っ赤なアホ毛、青空のように透き通った空色の瞳】
【白いシャツの上から灰混じりの黒いパーカーを羽織り】
【左手首にはオレンジ色の包帯を巻き、左足には蒼を基調とした金属製の細身のアンクレットを身に着けている】

どうして、いつか見た覚えのある顔が沢山いるかは分からないけど。
主犯格だっていうのなら……、ここで、潰す。
俺が──、天ヶ谷 双葉がなッ!!

【左手に彼の象徴たる"蒼穹の魔翌力"を集め、右手に処刑剣を構えている】

/双葉です。よろしくお願いします。
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/18(日) 20:37:43.32 ID:8qPNMK9wo
>>55
――――無関係じゃないけど。悪党のつもりも。無い。

【ふわふわと浮かびながら、陰鬱とした黄金色の双眸を相手に向ける】
【揺れることはなく、タダひたすらな深淵を満たした、底知れない瞳】
【そして、貴方が敵であろうことを理解しつつも、ゆっくりと口をのんきに動かして】

‥‥‥‥ただ。少しこの子を動かしてみたかっただけ。
一応。暴蜂とは協力しているし。表向きは。

【この子、とは座りこんでいる銀色の金属の球体であるだろう】
【ぶぶぶ、という起動音以外は動きを見せぬ、不気味な存在だ】
【そして、貴方が名乗りを上げたのを聞き、科学の魔女はためらうこと無く球体から飛び降りた】
【堕ちながら、表情を変えること無く、自己紹介を魔女はしていく】

カノッサ機関。‥‥ガートルッド=エリッド。ナンバーは。91。
もう一つの所属は。統一征斗会の科学部の部長。そして。谷山君の。幼なじみ。だよ。

【谷山基樹の武装などを作っていたのは主としてこの少女】
【そして、知っていれば分かるだろうが、統一征斗会は中立組織=z
【言うなれば、新聞部は正義寄りで、科学部は悪寄りであるというだけ。故に、可笑しいところは何もなかった】

―――来るなら。相手する。
やっと。17年かけて自由になれたんだから。
少しくらい。暴れてみるのも。面白いかも、ね。

【く、す、り】【コレまで感情の色が無かった少女は、まるで童女の様に、無邪気な微笑を零して】
【直後、右手を上へと伸し、ぱちり、と指を鳴らす音を響かせ、声を生み出した】


       コード――――フェアリィ・ダンス


【直後、背後に浮かぶ金属の球体が展開、分解されていく】
【生み出されたのは、10体の金属で構成された妖精の群れ】
【4体が彼女の周囲に舞い、残りの6体が神衣の方に高速で飛んでくるだろう】

【そして、同時に3体から電撃が撃ち放たれ神衣を狙い、三体が素早い動きで神衣の脇をすり抜け織守に向かおうとするはずだ】
【電撃の威力は低いが、広範囲な上に3体から同時であり、足止めという効果と言う点では十二分な効力を持つと言えるだろう】

【いつの間にか、ガートルッドの足元には先程のトランクがあり、ガートルッドは其れに座り込んでいた】  
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/18(日) 20:47:47.00 ID:1Z5BS2Ipo
>>57

【依然として周囲の騒然とした音は勢いを衰えさせず、雑多な雑音が響き渡る
けれども、その中に在って、貴方の言葉はすーっと透き通って、彼女の耳元で囁くように溶け込んでいく
金貨を弾く乾いた音色、それすらも鮮やかな、夜空の色にくっきりと映るだろう】


……ええ、少々口下手でして……そちらの方が私の方にも好都合でございます
相対する立場に在る男女に、言葉による馴れ合いなど不要でしょう
互いの身を重ねるか、或いは傷つけあうか――――そうして漸く、互いの真意を覗けることに……

カノッサ機関%チ殊部隊Knights of Cydonia£c長、カノン=ラン=パトリオット、参ります


【一陣の風が頬を撫でる、淡く揺られた横髪が瞬いて、微かな彼女の芳香を零して広げていく
蘭の香りに似た、心地良い甘い甘い香りは、下先で蕩けて、すーっと中へと染み込んでいくだろう
白銀の髪は依然、その髪の音色を宵月に溶け込ませて、奏でていく】

【貴方の金色の髪もまた、日輪のようなその真っ直ぐな色を夜に浮かび上がらせる
対峙する白銀と金色、真紅の瞳と碧色の眼、くっきりと分かれた相対する色も重なって
二律相反する彼彼女は、静かに一つの月下に、混ざり合う】


――――……Under Cover of Darkness


【彼女が右の手を無造作に真っ直ぐと揺らめかせる、細くしなやかな絹糸に包まれた指先が虚空で踊る
そうして、その細雪が如く小さな掌の中へと吸い込まれるように、足元の影から、一握の黒い塊が滴りつつ舞い上がる
やがて内部で炸裂するように闇がはがれると、その中から彼女の髪のように鋭い色をした刀≠ェ一本、彼女の右手に出現する】

【刀を握ると同時に彼女は疾駆する、たん、と軽い音をたて地面を蹴り、左半身を前に出し、身体を直線状に貴方へと向ける
左の手は、今にも踏みそうなぐらいに長いスカートの裾を掴んで、ぎゅぅ、と握り締めていて――――……
一つ、二つ、彼と彼女の間合いは5m程度、彼女の大きめの歩幅なら一秒未満で、接近を為すだろう】
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 20:54:00.41 ID:IFeKZv470
>>54

…………あの時のワーキャットか…………
「…………?」

【ネックレスの青年――――クロウの姿は、猫少女には見覚えがあったはずだ】
【第十回大会の会場の出店にて、車椅子に乗った病気の少年に付き添っていた、静かな青年】
【外套に身を包んだ青年――――ダジルは、面識があるらしい様子に眉を潜めるも、それを問いただす事はしなかった】

オレがここに居るのは、オレの意志じゃない。将軍の意志だ
将軍がオレに任務を完遂しろと言う。だからオレは、退く事はしない
「人間じゃない、か…………だが精神は人間に毒されてるとしか思えんな…………なら、さっさと死にに来い」
〈ゴメンナサイゴメンナサイ…………リイロチャン、コノ子ヲ死ナセタクナイカラ…………ゴメンナサイ〉

【三者三様、それぞれの言葉に乗せられた思いこそ違えど、彼らに退く気はないという事は共通していた】
【クロウは冷淡。ダジルは敵意。そしてキメラの如き合成獣は萎縮・懺悔――――】
【それぞれに、譲る事の出来ない何かを持っているという事なのだろう】

>>58

天ヶ谷 双葉……?
「…………対機関連合の首魁、だったはずだ…………未確認情報だがな。だが『敵』の一言で片付くだろう……こいつは」

【青年2人の反応は、あくまで任務上の敵を目の前にした、淡々としたもの。そこに、人間らしい感情の様なものを見受ける事は――――出来ないとは言わずとも、難しい】

〈――――ナ、ナンデ…………ナンデ双葉サンガココニイルノッ!?〉

【だが、残された1人――――少女とサイボーグ化された獣は、そうではなかった。彼は、明らかな動揺を見せている】

〈イ、嫌ダ…………昴サンハ、悲シマセタクナイ…………!
来ナイデ…………僕ノ前ニ、来ナイデヨ!!〉

【変わり果てた様相となっているが――――彼は、双葉と面識はあったのだ】
【かつて、天ヶ谷 昴の危機を前にして集結した者の中に――――昴の親友であるレイド=E=ヴェイスの妹、リイロ=M=ヴェイスがいた】
【そして、常にそのそばを付き従っていた、猫の姿をした使い魔『ファルガ』は、己の姿を巨大な獣へと変化させる事が出来た】
【――――何故こね合わされた様な姿をしているのかはともかく、ここにいるのは確かにリイロ=M=ヴェイスとファルガなのだろう】

/続きます
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 20:54:22.12 ID:IFeKZv470
>>54>>58

まぁいい……邪魔者だって言うなら、遠慮する理由はない…………行こう、ダジル
「言われずとも殺す! お前は一々うるさいんだよ!!」

【彼らは、一つの大いなる意志の元に行動を起こしている。それは彼らに恐らくは、敵対者は排除しろ、とでも言っていたのだろう】
【短い意志疎通だけで、彼らはそれぞれに戦闘態勢に入る】

…………ワーキャット、こうも早くあの時の続きをする事になるとは思わなかった…………

【クロウの身体が、灰色のスライムの様なモノに変化して、ドロドロと溶けていく】
【そうして、最後には地面を汚す水溜りの様な姿となり――――そして、映像を巻き戻す様に、再び人の身体を形成していく】
【巻き戻しではなく、先ほどとの差異を見出すとすれば――――スライムの広がっていた地面のアスファルトやコンクリートが、消えている事】
【そうして、再構成された身体には、かつて地面を形成していたであろうアスファルトやコンクリートが混じり】
【まるで等身大のゴーレムの様な、黒く固い姿を誇示していた】

「くそ…………おいオリジナルシン!! お前こいつとやり合いたくないんだろ、だったらさっさとクロウの援護に行け!!」
〈ヒッ…………ワ、分カッタヨ…………〉
「行くぜ天ヶ谷 双葉…………ダジル=エヴァンの刃と精神が、貴様を殺す!!
ギルティクロス…………行くぞ!!」

【双葉に対して恐慌をきたしているファルガは、このままでは足手まとい】
【そう判断したのか、ダジルは早々にオリジナルシンをブルーローズの方へとあてがう】
【それが済むと、ダジルは外套に包んでいた身体を解放させる。その腰には、一刺しの剣が携えてあった】
【それを右手で抜き放つ――――剣そのものが、巨大な十字架を模している様な、やや大ぶりな片手剣】
【見た所、他に武器の様なものは見当たらないが――――少数精鋭の部隊に属しているものである以上、これで打ち止めと言う訳でもないのだろう】

〈死ニタクナイナラ、退イテヨ…………僕ハ、負ケラレナインダ!!〉

【クロウの側へと駆けよりながら、どこか涙声になりながらブルーローズへと言葉を放つオリジナルシン】
【身構えるだけで、全身凶器となっている事は一目で分かるが、戦意喪失気味なのか、彼は構えるでもなく、ただ怒号を飛ばすだけだった】

/お二方、今日はよろしくお願いします
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 21:00:25.55 ID:XpvUy+//o
>>59

……成程のぅ、素性はよく判ったのじゃ。
例え谷山の友であったとしても、テロリストに加担しておるのであれば容赦は出来まい

【織守は口を挟む事無く少女――ガートルッドの言葉を聞き】
【理解を示した上で、明確な敵であると認識した】
【そして懐から、青銅のような金属で出来た両刃の長剣を取り出すと】
【その切っ先をガートルッドに向け】

……遊び気分で不要に民を苦しめた罰は重いぞ小娘。
後悔を抱え冥府に落ちるがよい

                 <貴宝院流結界術・補填の陣>

【射[ピーーー]ような視線と重圧の篭った声により、戦闘の火蓋を切った】
【同時に、織守の周囲にあった紙たちが一斉にその形を為す】
【それは小さなヒトガタ。織守を中心とした十字の配置で顕現した折紙達の間に】
【清浄なる気配が漂い始めた】

【これが――今の織守が力を発揮する条件である】
【実戦に耐えうる術を行使するためには、陣を形成しその場から一歩も動けなくなる制約を受ける必要がある】
【その為単体での戦闘能力は低く、無防備にもなりうる】

「(数は――6!私が役割を果すためには……!)」

【神衣は、展開される敵兵器を見据えながら行動を開始する】
【神衣の役割は織守の守護。織守とその術を護るための鉄壁の盾となるものだ】
【故に選択すべき行動は、向かってくる「全て」を「止める」ことに終止する】

【神衣は、その場で爪先を回し右足を地面に擦るようにして振る】
【それに対応するようにして、足に絡み付いていた「大蛇」が鞭のように前方広範囲に振るわれた】
【狙いは、向かってくる妖精たちを「阻害」、もしくは「撃墜」するためのもの】
【成功したならば、織守へと向かう妖精たちに何らかの影響をあたえることが出来るだろうか】

「くっ――――……!」

【そして一方、放たれた電撃を止める手段はない】
【身体を前傾させ、両腕両肩の盾で受け止めるも耐電性能はなく】
【小ダメージと共に両腕部に若干の麻痺が生じた】

【織守の左右・上方に2m四方の紙が出現し折られ始める】

【現状・織守:陣の中にて停止中。左右・上方にて紙を折り始める】
【神衣:前方広範囲に脚部「大蛇」による広範囲鞭打。電撃ダメージにより腕部に若干の麻痺】
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 21:01:23.56 ID:HyQ0vdOEo
>>60
おいおい今回の相手は部隊の長かよ…
まあ、強い相手はこっちも歓迎、だッ!
俺はオルカ、ただのオルカさ!
《The Golden Goose》――ッ!

【弾いた金貨、それが回転しながら落下】
【それが吸い込まれる様にバングルの投入口へ向かえば、チャリンと小気味のいい音を、たてて】
【同時に、オルカの視界に映るのは、影より顕現する、一振りの刀――】

(影から武器…!?影を武器に変える能力か…?)
(いや、多分それだけじゃあない…)

【分析も程々に、オルカも肉薄を始める】
【大剣を両手に持ち、身体の前面をカバーする様に、剣を斜に構えての、前進】
【大きい一歩、それで一気に相手の至近に潜り、刀による斬撃を封じようという、魂胆か】
【とは言え、大きい動作はカノンに狙いを気取られる可能性も、充分に含み】
【が、そこで突然、大剣の剣身が、眩い光を、撃ち放つ――!】
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/18(日) 21:15:42.04 ID:8qPNMK9wo
>>63
―――やっぱり。ね。
まあ。予想はできていたんだけど。

【特に驚いた様子も無く、尻の下のトランクにすっ、と手を這わせて】
【相手の猛々しい様子を真正面から受けても柳に風】
【黒く暗く重い黄金の瞳は、しかし僅かな人間性を漂わせて、細められた】

【――良い人が仲間なんだな】

【そんな声を、聞こえないくらいに小さく零して、く、す、と笑いを紡ぐ】

‥‥遊びじゃない。んだけど。ね。
仕方ない、か。そう思われても、仕方のないこと、だから。

相手をする、よ。
自由になった私が。どれくらい私を貫けるのか、知りたいから。

【ともすれば眠ってしまいそうなほどにゆっくりとして、ふわりとした声で話し続けるが】
【その顔は、僅かな緊張により蒼白から仄赤く紅潮し始めていた】

【そして、ガートルッドはおもむろに銀色の指揮棒のようなものを取り出して】
【其れを振りながら、淡々とした様子で命令を下していく】
【織守に向かう3体のウチ一体が叩き落されて、地面にごっ、とぶつかった】
【だが、構造が特殊であるようで、破壊には至らなかったようだ、しかしコア部の5cm程の金属球が露出している】
【どうやら、外部は液体金属で内部に固体金属のコアが存在しているようだ。表面は平時は硬化されていると予想される】

《Pixy》、羽音による共鳴振動。

【すり抜けた体の妖精は、織守の動きを止めようと織守の周りを飛び回りながら羽音を響かせる】
【そして、羽音が高周波となって脳を揺らしめまい等を起こすかも知れない】
【囲む範囲内から外れるか、外部から布陣を崩せば、この効果は無意味となるはずだ】  

《Alice》、回避専念。

【そして、残りの3体は小ささと素早さを生かして、回避を開始】
【羽の一部が千切られて二体が地面に落下、羽の再生製までは1レス程かかると見られる】
【後ろに居るガートルッドは、指揮棒を振りながら周囲の妖精に命令を下す】

同時に、周囲に展開している《Alice》は電磁結界を生成、磁力線による魔方陣の形成を開始。

【周囲のビル街の鉄筋コンクリートの一部が剥がれていき、彼女の周囲に浮遊していく】
【数は3であり、壁のように前方に配置されているようだ。どうじに、周囲に魔力とも電力ともつかぬ不思議な力が生まれていくのが分かるだろう】
【変則的な術師タイプ。だが、後方タイプであることは完全に確定と考えて仔細無いと思われた】 
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/18(日) 21:21:18.51 ID:1Z5BS2Ipo
>>64

【貴方の言葉を耳に溶かしつつ、更に加えられるエッセンスのような金貨の音色に思考が傾く
紡いだ能力の名、そこから連想するのは、その金貨を扱うような能力、であろうか
尤も、今の彼女には妄想することしかできない、それほどに情報量は少なくて――――……】

【今はただ、シャンパンのように、淡く弾けた音色に、数刻の思考を零して纏わせる】


オルカ様、でございますね……生憎と、部隊の長とは言いましても、今現在は私一人の部隊でして
他の特殊部隊の長≠フ皆様方と比べては少々立場が弱い、というのは明らかな事実にございます


【貴方の前進を見て、彼女の疾駆が止まる、左足が微かに回転、足の側面を貴方に向ける形でブレーキをかけ
彼女のスカートが一片、大きく揺らめいて、黒のドレスのフリルと、エプロンドレスの白いフリルが貴方の景色を飾り立てる
寸刻、彼女はスカートの裾を掴む左の手を放棄する、閂を抜かれたスカートは、一つ大きな姿を曝け出す】

【それはさながら、強い風が地面から吹いた、が如く――――彼女のスカートがいっとう°ュく捲れ上がる
スカートの中を覗けば、黒いストッキングに包まれた華奢な脚が、お堅い鉄のスカートの中から衆目の元へと引きずり出される
ひん剥かれた、スカートの奥の両脚は、密林の奥のオアシスが如く、潤いを孕んで、薄く光を瞬かせる】

【同時に彼女は、身体全体をやや後方に体重をかける形で反らせるだろう
さながら、大きいスカートを強く捲り上げて、目隠しをするが、如く
相手の行動を見てから戦法を変えるまでコンマ数秒にも満たない、場慣れは十分にしているのか】


ですが、嬉しいかな――――私自身は腕に覚えがございます
貴方様のお望み通り踊れるように、と……少々張り切ることを、約束いたしますよ?


【響くのはコインの音のように軽い音、それが彼女が左手≠ナ地面を弾いた音と気づくのに時間は必要ない
体勢を後ろに崩した彼女は、大きく上半身を捻り、左の腕を腹部を伝い、右脇腹の辺りにまで移動させていたのだろう
地面を弾いたと同時に、ほんの少し浮かび上がる彼女の身体、後は、歯車がかみ合うように動いていく】

【丁度、彼女を頭上から見て、カチューシャのてっぺんを軸に時計回り、彼女を捻ったように、彼女の身体が大きく回転
互いに肉薄するような距離――――しかし、普通に刀を振るうよりかは、やや遠い距離になるだろう
彼女はそのまま、真っ直ぐな貴方に対して斜めに構えるように、右手に握った刀を回転の勢いを持って、叩き付けようと為す
大剣の大きさにも寄るが、上手く行けば、切っ先が深く、貴方の右肩を抉ること、となるだろう】

【彼女はスカートをはためかせ、目隠しにし、貴方の初動を防ごうとした
しかし、その為に、貴方の閃光≠ノ対する反応が遅れるのも、また事実であろう
当然ながら切っ先はぶれる、攻撃が望みどおりいかない可能性も高い――――】
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 21:22:01.87 ID:IQirY9qDo
>>58>>61
お久しぶりだね、お兄さん。
そっちの人は知らないけど……まあ、こうなるよね。大体想像してた通り。

【蜂のバッジは見ていなかったが、関係性は掴めていた】
【あの状況…犬と車椅子の弟がいなければ一触即発だったのだから、それがない現状では無理もあるまい】
【そもそも、暴蜂は大嫌いだ。首魁の人柄は、アストラ達を見ていれば見当がつく】
【それらの感情が重なり、論調はどうしようもないほどに凍えていた】

……わからないね、実の子供達を食いつぶしてまで、シュバルツは一体なにをしようとしているんだ?
そんな意志も、それに疑問を抱かないあなた達も…退きはしないならこっちも同じこと。

死ぬもんか。……死んでなんか、やるものか。

【人間じゃないという言葉にも、猫は動じない】
【数日違えばまた違ったはずだけれど、ただその数日は、まったく異なる強さを、揺るがないものを猫にもたらした】
【宿った強さはきっと、その意味を物語る。同じくまるで譲れない】
【――――――ならば、すべきことは唯の一つ】

(天ヶ谷…双葉。対機関連合、リーダー!?)

君っ、シャロームのっ―――――!?

【どうも同類、暴蜂の敵対者と見える少年(?)に、敵対する三者が呼びかけ反応した】
【集う蒼に親近感を覚えながら、何やら因縁があるらしい少年(?)が、知り合いの大事な人で有名人】
【それまで凍えていた感情が一気に瓦解し、思わずガン見。ぱちくりと団栗眼を瞬かせる】

【そうして視線を外した隙に、クロウの姿が変わる】
【変異性能力者。自己の姿を作り変える類のそれは、見た目にたがわぬ暴力を宿している】
【ぎり、と噛み締めた歯が音を立てた】

【それに加え、『ファルガ』と呼ばれる獣すらもこちらに合流】
【二対一…否、攻撃力という点では圧倒的不利。火力に難ありのローズ単機では勝ち目は薄いけれど】


”―――――――死にたくないんなら戦場になんか出てこない”
”覚悟がないなら、当に退いてるさ。君と同じようにね”


【急襲―――――上から来たのは、猫と同じく蒼】
【蒼褪めた槍のような長い線が、獣の足を刺し貫こうと、ほぼ前触れなく】
【否、魔力検知技能あれば、始点となるポイントは充分判別できよう】
【当然、単純な落下軌道。後ろ足のギリギリを狙うものなので、数歩前進する程度で充分回避できるのだが】
【いずれにせよ、対処されるとすぐに線は消える。弾かれても快中しても、何事もなかったように】

【そしてローズの後方に、一人の少年が現れる】
【蒼い制服。白を基調とし、回路図のような青い図形がびっしり描かれている】
【身長は160半ば、15・6歳の平均的体格。右腕に銀と金が精緻に編まれた腕輪をはめている】
【ボサボサの黒髪と糸目、温和そうな印象を与える笑顔が印象深く】
【手付きも仕草も、何もかも、少年めいた見た目とは乖離した大きさを内に秘めていた】

にぃ!!?
「はじめまして、皆様方。我々はブルーライン…敵の敵、背を守護する魔法使い」
”闘いたくないと能書きを並べるのも結構だが…まさか、サイズと人数差だけで勝ったとか考えてないだろうね?”
”ロゥ、君は四本自由に使え。残り二本をこっちで使う”

【不遜な立ち振る舞い、威圧感を放つ腕組み。うっすら開かれた瞳は、蒼い魔力光を漏らしていて】
【少年のような低いトーンに促され、ローズはひとまず獣へと向かう】
【肘の線を仕舞い、右手に四本を束ね、一本のジャマダハル状にして、足を潰すように】

【ついで、少年はその傍らに二本の線を出現させる。ローズのものとは長さも蒼の深さも違う、槍のよう】
【何かを嘲るように肩を震わせ、組んだ腕を僅かに解き、おいでおいでのジェスチャーをクロウへ】
【瞬歩の猫と裏腹に、見た目は普通。それでいてこの余裕の正体は、果たして―――――】
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 21:35:11.90 ID:XpvUy+//o
>>65

……――っ、小賢しい、真似をしおるのぅ

【ガートルッドの行動は成功、術師の要である集中力を乱されたことで】
【折紙を「折る」行動がストップ。遅延する結果が生まれた】
【これによって周囲の折紙が、このレス中に完成することはなくなる】

「(どうにも……数が、多すぎますね……!)」

【高速で飛行が可能な6体の妖精】
【遠距離攻撃も有する上に、操作も自在】
【相性の問題で、単純な物理攻撃に依存する神衣では対処が難しい】

「ふっ……――!」

【行動の選択。前方で回避行動に移る個体を後回しにし】
【後方にて織守を苦しめる妖精たちへの対処を優先する】
【神衣は、左足を軸として身体を大きく回転させ、右足を高速で振るった】

【上段回し蹴り。鋭く重い蹴打によって、妖精を叩き落とそうとする】
【麻痺はまだ続いており、拳打による連続攻撃を行うことは出来ず単発攻撃であるが】
【直撃すれば相応のダメージが下るだろう】

【織守の術が展開不可能な現状、手数が圧倒的に足りない】
【神衣も織守も守勢に移り、ガートルッドの行動を阻害することはできないだろう】

【現状:織守:停止中】
【神衣:織守の周辺を飛ぶ妖精に上段回し蹴りによる攻撃】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/18(日) 21:37:33.50 ID:EF7hvsqbo
>>62>>67

昴、か……、俺もアイツを悲しませたくないのは、一緒なんでな。
だから死なないし、死なせない。

【そう言い切る彼の雰囲気は、血も繋がっていないのに、どこか彼女と似ている】

【しかしその場に居合わせた少女からまさかまさかの一言が放たれて】

ぅ、ぁ……、ぇ!?

【青年です。青年です。23歳の大人です、多分。】
【しかも極少人数しか知らないはずの超機密事項を口に出されたからもう大変。むせた。】
【戦闘中でなければ追求するのだが、流石にそこは大人らしく直ぐに切り替える】

何があったかは分からないけど、その子俺の知り合いだから……、頼んだッ!

【詳しい事情を説明する余裕もないし、そもそも正確にはあの少女は妹の友達であって、彼は事情を殆ど知らない。】
【だから最後の一言に沢山の思いを込めて、託した】

ダジルか、覚えた。
だけど俺は負けねぇ──、絶対になッ!!

──《 ストレートフラッシュ 》ッ!!

【ダジルの腹部を狙って、左手から光の奔流が放たれる】
【今回は戦闘前に溜めていたもののチャージに時間がかかる、機動が一直線と短所も多いものの】
【その分火力は一級品、それが彼の魔術だ。様子見の一撃とはいえ、舐めてかからない方がいいだろう】
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/18(日) 21:40:35.38 ID:HyQ0vdOEo
>>66
――ッチィ!

【扇情的な彼女の両足に気を割くことも】
【彼女の言葉に対応する暇も、この一瞬には存在せず】
【カノンが場馴れ≠オているという事実は、この瞬間にも認識することが出来た】
【アクロバティックなカノンの一閃に、オルカは対処をせざるをえない】

ッ、確かに、いい動きだな…!
大将張るにゃあ充分だろ…!

【オルカの持つ大剣は、一般にクレイモア≠ニ呼ばれる物だ】
【大剣≠フ中では小振りなそれは、通常であればこの一閃を防ぎきることは難しい】
【だが、先の閃光が効いたのか、狙いがぶれれば、防ぐことも、無理ではない】
【――ギッィィィンッ!と、刀が、大剣の腹に擦れる音】
【その衝撃を利用しながら、オルカはバックステップで距離を取るだろう】
【仕切り直し――まだ、相手も此方も、各々の能力を把握しきれていない】
【であれば、今のは小手調べ=z
【本番≠ヘ、これから――】

(さーて、残り二枚…か)

【ポケットに眠る、残りの二枚に思いを馳せながら】
【オルカは、山積みにされた人々の方を、視界の端に捉えて】
【何か――何か持っている人間はいないものかと、考えながら】
【左手に提げた大剣の切っ先が、屋上を擦っていた】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/18(日) 21:45:53.43 ID:8qPNMK9wo
>>68
―――強力な能力は無いけれど、ね。
私には、其れを補う技術力≠ェ有るから。

【新兵器の初運用、メタル・フェアリーの効果は上々というところか】
【しかし、その小ささと移動速度、さらに多様な性質を持つゆえに出力に分が悪い】
【それは、コレまでの攻防から相手に与えるダメージを見れば、良く理解できるだろう】
【本来の使用法は、もっと多数による物量戦か、少数ならば支援用を目的として作られた兵器なのだから】

―――《pixy》、いや。
間に合わないか、破壊直前に衝撃や動きの詳細データを私に転送。

【妖精は、重い音を響かせて吹き飛ばされて、地面をゴロゴロと転がり叩きつけられた】
【コアに罅が入っているようで、修復には最低でも10レスはかかるだろう】

【先ほど地面に落とされたpixyはいつの間にか地面を滑るように移動し、ガートルッドの脇に浮かんでいて】

――じゃあ、こっちも初めてのお披露目だけど。
メアリーがせっかく作ってくれたんだ、少し。楽しみ。

【くすり、と微笑んで。ガートルッドの周囲にばちり、ばちりと紫電が散り始めて】
【同時に、尻の下のトランクが展開されていき、白と黒の入り交じるオーラがトランクから漏れでている】

 ―――第一ロック解除。

ロック解除完了まで、MF全体は私の防御に専念。

【残りのMF、pixy一体と、Alice二体がガートルッドの前方に配置された】
【同時に、四体の周囲に浮かぶAliceが、その電磁結界の性質を変化させていく】

 ―――第二ロック解除。

 ―――最終ロックの解除開始と共に、サポートAIの最適化シークエンスの開始も並行。
理論値により算出される起動時間は三〇秒くらいか。

【ぶつぶつと、恐らくひとりごとで兵器のパラメータを口走っていく】
【三〇秒。その間、ガーとルッドは其の場を動かず、無力な状態。非力なMFを乗り越えればガートルッドに一撃を加えることは叶だろう】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 21:52:40.35 ID:IFeKZv470
>>67

……次に会った時はこうなる。分かり切っていた事だ

【声の調子は相変わらず涼しいままで。クロウはそれを既成事実の様に語る】
【とはいっても、既にその事はほんの1分もそれば、それこそ本当に既成事実へと変わる事に過ぎないのだが】

将軍の意志など、オレには分からない。オレなんかに、分かる必要もないさ
オレはただ…………家族のために戦う。それだけだ

【冷たさを帯びた声色なのは、クロウも同じこと。ただ違うのは、それが感情によって冷えたものではない、板についたものであるという点だ】
【正義も悪も関係なく、そんな窮屈な概念を超えた所に、彼の戦う理由はある。だからこそ、こうして悪びれないで居れたのだろう】

それに……食いつぶすだと?
むしろ、培養してやっているじゃないか…………なぁ、ヴェイス家の末の妹の、リイロ=M=ヴェイスさん?
〈…………ッ、貴様…………!〉
足手まといが、殺されないでチャンスをもらっただけ、将軍に感謝するんだな…………オレには、どうでも良い話だが
〈黙レッ!! リイロチャンヲ、馬鹿ニスルンナラ…………〉
オレを殺すか? 出来ないだろう…………そんな事をすれば、お前も死ぬ。背中の眠り姫もろともな

【つまらないものを見るような目で、オリジナルシンへと流し眼を送るクロウ】
【それを受けて、オリジナルシンを構成する獣――――ファルガは、その顔に怒気をふつふつと溜める】
【――――どこか萎縮している彼を発奮させるための、クロウなりの話術なのだろう】

〈――――グアッ!?〉
増援!? …………ぬかったな

【突如飛来する空からの攻撃に、オリジナルシンの脚部は捉えられる。改造強化の甲斐あってか、貫通する事態は避けられたようだが――――】

――――ゴミはいくら集ったところでゴミにしかならない。お前こそ、自分一人の増援で戦況を変えられるなどと、思わない事だな
〈――――フザケルナ…………コウシナキャ、僕ハ…………僕トリイロチャンハ、シュバルツニ殺サレルンダ…………!!
逆ラエナイナラ、セメテ人死ニハ避ケタイッテ思ウ事ガ、ソンナニ間違ッテルノカヨ!!〉
――――見苦しいぞ、オリジナルシン…………オレに『役立たず』と思われる内はまだいいが…………将軍に『役立たず』と思われたなら、どうなるのか…………
〈ッ!!〉

【やはり、その反応はくっきりとしたコントラストに彩られていた】
【感情ばかりが先行するオリジナルシンと、ただ『敵』以上の者として相手を見ないクロウ】
【絶対的優位を持っているクロウが、オリジナルシンの尻を叩くために、その言葉を利用する様にまで、徹底して理性に立脚していた】

>>69

〈――――ダッタラ、逃ゲテヨ…………僕ハ、負ケタリ逃ゲタリシタラ、ブチ殺サレル…………ダカラ…………逃ゲテヨッッ!!〉

【知り合いにこの姿を見られる事は、これ以上なく悲しかった。そして何より、彼らと敵対し、命のやり取りをしなければならない事はもっと苦痛だった】
【だが、彼に課せられたのは『勝利』――――即ち、撃退すれば面目はつくのだ】
【自分に良くしてくれた人と、殺し合いなんかしたくない。オリジナルシン――――ファルガの叫びには、そんな思いがにじみ出ていた】

「フン…………精神を持つ者の中で最も下等な存在である『人間』なんかに…………俺が殺せるものかよ!!」

【顔全体で不快感をあらわにしながら、ダジルは吼える】
【その言葉にも、彼の『人間』への嫌悪感が顕在していた】

/続きます
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 21:53:17.76 ID:IFeKZv470
>>67>>69

〈グアアアァァァ…………ッ、コノォォォォォ!!〉

【ブルーローズの斬撃は、確かに足を捉えた。先ほどの一撃が響いて、上手く回避できなかったのだろう】
【だが、獣はそれでは終わらない――――胴回し回転蹴りの要領で身体を回転させながら、先端に巨大な刃のついた尾を振るう】
【長くしなり、十分な加速のつけられたその円刃は、ギロチンの如き破壊力に満ちている】

――――まずはその自信、試させてもらうか

【自分を挑発するブルーラインに、クロウは右腕を振るい、腕を構成しているアスファルト片を飛ばす】
【真っ向からの工夫ない攻撃だが、これは様子見――――】

「うぉっ!?…………くそぅ、魔術系か…………少しは本気で行かないと不味いかもしれないな!!」

【待ちに向かっていた為、双葉の初撃は何とか回避できた。そのままダジルは右手の剣で双葉に襲いかかる】
【しかし、避けの動作から無理に突撃したため、わずかに遅れが生じる。付け入るならば、多少危険だがチャンスでもあるだろう】
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/18(日) 21:57:52.82 ID:1Z5BS2Ipo
>>70

【金属音が派手に爆ぜるものの、彼女の表情に色は映らない
冷静沈着を絵に描いたような表情で、彼女は自身の攻撃が完全に防がれた事を知覚するだろう
伸びる月光に照らされる、細身の刀と、優雅な大剣――――相対する白刃に、二つに裂かれる月明かり
互いの端正な彩りもあり、それはきっと、絵画が如く幻想的な光景で、あろう】


なるほど……貴方様もまた、良い腕前にございますね……決して深くない傷をつけるつもりでしたが……
予想以上に手馴れた動き、寸刻にぶれた私の攻撃を至近距離で受けきる反射の鋭さは感嘆するばかりですね


【右の足をすっとおろし、自然体で身体全体を貴方に向ける形で立ちつつ、互いの間合いを確かめる
雲間から顔を出す月が互いの身体をはっきりと照らし、互いの距離を明確に曝け出すだろう
5mも満たない、貴方がとった、バックステップ分の距離、頑張れば数歩で狭まるだろう】

【同時に彼女は自身の右の手に僅かに意識をそらす――――……先ほどの触れ合いで、刀に傷が奔る
それほどまでに、貴方の剣は質量があり、そして、貴方自身にも十分な筋力があったのだろう
彼女の口元が微かに歪む、三日月の如く、微かに唇が揺れて、微笑みに近い色が、彼女に滲む
――――存外にそれは、彼女の、大人びた雰囲気と比べて、淡く幼い少女のそれに、近い――――色】


ですが、戦いの最中に相手以外に気を配ることはいただけませんね
何分、人を殺める事に塗れてしまい、常に誠心誠意を尽くすので手一杯でして……
かのような隙を晒されることに、一種の羨望と……ムッとした感情を抱きますが故――――……

Under Cover of Darkness


【彼女の左手がすーっと、下に下りる、白い手袋の軌跡が、微かに夜に浮かび上がって、瞬いて
再び影がその掌の中に吸い込まれていって、やがて砕けて新たな形を彩る
掌の影に隠されて、その姿は窺えない、貴方がその正体を知る事ができるのは、それが放たれた℃栫z

【下方向に揺れた腕を振り上げると同時に、飛来する、殺意を持った明確な塊
三本のナイフのような小刀が、一直線に貴方の身体を目掛けて投擲されるだろう
足、胸、頭に向けて一本ずつ、腕を振り上げる一つの行為中に刻んでいく】

【山積みにされた人々は、彼女に挑んできただけあって、各々に様々な得物を持っている
しかしながら、そこまでの距離は10m近くはあろう……単純に隙をついてとりに行く、というのは難しそうだ
――――――――もしかしたら、彼女の態度だ、頼み込めば快く許してくれるかもしれない】
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 22:04:11.48 ID:XpvUy+//o
>>71

(鬱陶しい音は止んだが、大分相手に時間を与えてしまったか)
(奴の札が読めておらん以上、一手二手の遅れは響くだろうが……)
(取り戻せぬ程ではなかろう――。)

            <貴宝院流不折正方形一枚折り:槍飛行機×2・鬼面>

【織守は、未だ痛む頭と眩暈に耐えながらも術を再開し完成させた】
【左右に浮かぶは、全長1.5m程の突撃槍のような先端を持つ大きな紙飛行機】
【そして頭上に浮翌遊する折紙は、二本の長い角を持つ「鬼の顔」を模した面であった】

【紙を折る事により、その形状に応じた特性を与える「オリガミ」】
【古来より貴宝院流に受け継がれる奇跡の形が、今ここに顕現した】

――神衣よ、前進を開始せよ
妾はこのまま場を整える。御主は守備に重きを置き、敵術師に接近するのじゃ

「……了解です。ご無理は、なされないよう」

【青銅色の剣を前方に掲げながら、織守は神衣にそう指示を出した】
【神衣は反論することもなくその言葉に応じ、摺り足で距離を詰め始めた】
【その速度はとても30秒では到達できない慎重なものだ】
【指示通りに、突出すること無く様子をみるような動き。今はまだ、神衣は攻勢には出ない】

【その代わりに、織守の左方に浮かんでいた槍飛行機が行動を開始する】
【クルクルと激しく回転しながら、槍飛行機は天へと向かい飛翔し】
【ある程度の高度に到達した時点で停止、穂先をガートルッドへと向けながら構えた】

【恐らく、間もなく始まるであろう本格交戦に向けて備えている】
【織守の左方に3m四方の紙が出現し、折られ始めた】

【現状・織守:その場で停止。槍飛行機:左・上空にて待機中 右・織守の右方に待機中・鬼面:織守の頭上に待機中】
【神衣:ガートルッドに向けて前進中。動きは遅い】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 22:18:48.02 ID:IQirY9qDo
>>69
………そ、そっか、うん、そだよ、ね……?

【聞きかじりというか、半ば勘だった】
【あの時のやり取りで、はんぱな感情ではないと察していたが、反応が想像以上に露骨で】
【―――――ついで、あの対機関連合リーダーって、こんなに若いんだって吃驚仰天(実年齢などまったく知らない)】
【まー自分だって実年齢一桁未満だし、人のことは言えないけど、女の子はそー言う話には口さがないものである】
【何やら感慨深げに、猫は呟いて頷いた後、邪念を振り払った】

【唯一といっていいのか、状況を俯瞰する魔法使いは、酷く愉快そう】
【その笑みを絶やさぬまま、思考を切り替えるタイミングは完全な同期。姿は違うが、良く似た二人だった】

なんだかわかんないけど……こっちだね!?頼まれた!!
「見るからに嫌々闘ってます臭がしますし」
”じゃあ足を潰してお持ち帰りコースで”

【言付けられたのは、ファルガの処遇だろうと察して、蒼い二者は同時に頷く】
【少年の蒼い瞳は、その本質が誰かの使い魔と酷似している事を捉えたかもしれない】
【―――――使い魔の主従関係は鉄より硬い。よく知っている】
【多くを語らずとも、それだけで魔法使いは事情をいくらか察せて、目元を小さく歪めた】


>>72
っ!!

【肝心の部分で持ちこたえる底力には自身があるが、常態の内臓ダメージは避けたい】
【その一心で、突っ込んだまま反動で帰ってきた線を散らす】
【勢いに乗ったまま後ろに手をつき、脚力と腰の捻りを加えて回転、尻尾の薙ぎ払いに対し身体の向きを合わせる】

【組んだ手刀に線を載せた上、交錯するように縦線を二本配置】
【四本線の合成受身。華奢さに定評がある猫ができる最大限の受身】

【線は、得体の知れない硬さを持っていた。円鋸でも分断が困難な程】
【けれど勢いがつき、まして戦闘改造された兵器。徐々にそれは二重に重なる線に食い込むが、】
【表皮に到達する前に、猫は吹っ飛ばされる。魔法使いの線が、回転する猫の膝を引っ掛けて浮遊したためだ】
【猫の位置は、オリジナルシンの右斜め前。破壊された線は二本…次のレスには再生成が可能になるとして】
【それでも、操作できる線が二本である事実は変わらない】

【指に挟むように二本、線を生成。そのまままっすぐ投擲】
【ワイヤークラスに厚みを削った、針のような一撃】
【回転が加わっていて照準は困難だったはずだが、途中で軌道を修正してまっすぐ、背中】
【―――――括りつけられた少女の上半身、その付け根を狙って】

//すみません、ちょっと分けます
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 22:19:22.52 ID:IQirY9qDo
>>76続き

”……ゴミ、ね。どうもそっちの男が一番救いがたいらしい”

【人間を下等と侮る論調に、皮肉っぽく唇が吊りあがる】
【右から見れば笑っていて、左から見れば真顔。真正面から見ればさぞかし歪んで見える表情】
【―――――漏れた思念は、『矮小な視野だな』と、『的外れだ』という、恐ろしく傲然とした意志】
【挑発と思われた。問題児の言動に難儀する教師、のような】

【一本を猫の救援に割いた。手元には一本しか残っていないが】
【破片の飛来方向にそれが割り込むと、急速で回転を始める】
【槍か棒のような線は、一枚のごく薄いラウンドシールドのよう。飛んできた破片を破砕して防ぐ】
【…回転運動のサガとして、小粒をいくらか通してしまい、顔の表面にかすり傷が出来る】
【指先で拭うと、少年は一なめ。鼻で笑う】

”小手調べ、かな。じゃあこっちも『小手調べ』”

【帰還した二本目が並び、再び両サイドに移動】
【右手の線は厚みを増し、寺の鐘つきのような太さにまで肥大化すると、クロウの胴体へと襲い掛かる】
【大きさが災いして、速度はやや緩慢。受け止めるタイミングを計ることも可能】
【威力は、多分人間の骨くらいなら砕いてしまう衝撃だが、アスファルトと流体の本体では、精々揺らす程度に留まろう】

【そして左手の線は逆に、厚みを奪われ糸のような細さに】
【そのまま地面に突き立つと、姿を消した。意図は、この時点ではわからない】

”ところで、使い魔。君はこの念話を迷彩できているかな?”

【その間に少年は、オリジナルシン本体と思しき使い魔に、ピンポイントで念話を送る】
【ほかの誰にも伝わってないなら、そのように答えろと。ホットラインかしてあるので、個人的な応答も可能であるはずだ】
【魔術的知識があるからこその芸当、といえなくもないが、結果は果たして】
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 22:21:58.27 ID:HyQ0vdOEo
>>74
【一つ、とある一つの違和感が、オルカの脳裏を駆け抜ける】
【何時か、何処かで体験した様な…纏う雰囲気≠フ疑問】
【見た目と差異を感じる、奇妙な違和感だ】
【オルカも、戦闘中にその違和感について長考するほど抜けてはいないのだが…】
【結局、刹那に心の隅に追いやられたその思考とは別に、山積みにされた人は何か持っているか≠フ結論が出る】
【しかしながら、戦闘中の相手に頼み込んでそれを取りに行くなんて――どのプライドが許すのだろう?】

ハッ、俺も伊達に能力者やってないんでね。
強くならねえと…あいつ等≠ノは届かねえんだよ…!

【鋭く、吠えて】
【左手に大剣を提げたまま、屋上を擦らせ、火花を散らせながら】
【前進、肉薄、重心を前に傾けた、獣の様な疾駆――を行おうとした、直後】
【しかし、そこで飛来するのは三本の小刀】
【驚嘆しつつも、瞬間、オルカの表情は、笑みに変わり】

取りに行く手間≠ェ省けたぜ――《Golden Goose》ッ!

【右手を前方に翳せば、金色の鵞鳥が、右手から飛び出す様に現れて】
【一声、鵞鳥が鳴き喚けば】

ぐ、う…ッ!

【ナイフが消えて、浅い切り傷が、本来ナイフの刺さる筈であった場所に、刻まれて】
【額から血を流しながらも、オルカの表情は喜色】
【何故なら、彼の右手には、三枚の金貨が握られていたのだから――】
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/18(日) 22:23:15.38 ID:EF7hvsqbo
>>73>>76

人は、そんなに愚かじゃないさ。
俺はそれを知ってるし、それを証明してやるッ

……っと!

【襲いかかってくる剣を、右手の処刑剣の刃で受け止める】
【元々剣の扱いは専門ではないが、単純な力比べなら勝てはしなくとも負けもしない】

(ここは一旦距離を……いやっ!)

だぁっ!

【左手でズボンのポケットから万年筆を取り出すと、一瞬の内にそれが白銀の長剣に変化し、それを相手の右脇腹目掛けて振るった】
【特殊なマジックアイテムを利用した奇襲。先制ダメージに拘っている様子】
【だが速さを優先したその一撃は、あまり威力があるとはいえない上】
【魔術師たる彼が得意とするレンジは遠距離、この一撃を防ぐなどして完璧に対処したら、チャンスが訪れるかも知れない】

【尚、再び彼の左手に蒼穹の魔力が集まり始めている。チャージが必要という、彼の魔術の性質が薄々分かってくるかもしれない】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/18(日) 22:24:00.53 ID:8qPNMK9wo
>>75
【その間も、ガートルッドは手元の端末を確認しつつ状況を判断している】
【めまぐるしく変化していくパラメータに、どうやら予想外のパフォーマンスを見ているようだ】

――――、成る程、この状況だとこういう反応を。
だったら生成速度を上昇させる方向性に調整をするべきか。
ネックは起動速度、コレは何とかしないと運用は難しいな、及第点には少し遠い。

【そして、すっ、と淀む黄金を二人に向けると、立ち上がりトランクに右手を載せて】
【口元を弓の様に歪めて、楽しいおもちゃの包装を開ける子供のような表情で、陰鬱な声を響かせた】

‥‥初稼働にしては、上々な立ち上がり。
シークエンスは終了、相手もそろそろ動きを開始した。
これは――――動く機。

【己は戦闘の専門家ではない。だが、其れで構わない】
【戦闘技術を超える、技術力≠ナ全てをカバーするのがガートルッドのポリシーだからだ】
【故に、誇りを以て現在の己の総結集の兵器を解き放つ――――】

似合わない名、だけれど。
声紋認証を確認の後、起動を開始する。
――――機体名、エイル/Eir。起動――――――開始。

【直後、トランクが一瞬で展開され、周囲に閃光が解き放たれるだろう】

【Deus ex machina=A事象生体概念兵器 O・A=Aギア・フレーム、メタル・フェアリー】
【ソレら全ての技術を練りあげて作り上げ、新理論を以てして創り上げられた、ガートルッドの&髄普z
【其の名。エイル、とは北欧神話においては、「平和、慈悲」、あるいは「救済、温情」の意を持つヴァルキュリア】
【己の侍女であるメアリーがつけた名であり、そのデザインもメアリーが手がけた】

【光を切り裂き、掌握するようにして一歩あゆみを進めたのは、白いブーツ】


――――新世代強化外骨格、エイル、起動完了。


【そこに居たのは、白いドレスの少女。ガートルッド=エリッドだ】
【ドレスと言っても、体にぴっちりと張り付くタイプで、更に膝や肩や胸などには装甲が有り、戦闘用であることをわからせる】
【しかし、裾がひらりと風に揺れて。そのさまは、妖精の女王であるかのごとく。そして、その性質はガートルッドの異能を以てして完成する】

聖釘――武装と共鳴し、その出力を最大限に引き出して。

【胸元の大きな傷の奥で、力の感覚が生まれて、背からそれは放出される】
【煌々と光り輝き、周囲を引き裂くほどに鮮烈な、光の翼。天使の其れと言うよりは虫的な、まさに妖精の羽】

‥‥‥‥全く、似合わない。

【金色の瞳は、爛々と輝き。似合わないと言いつつも、わずかに微笑みを浮かべ続けている】
【周囲のMFがガートルッドの周囲に浮かび、ガートルッドの手元に電気の槍を創りだす】

―――ッ!

【ガートルッドは、其れを前進する神衣に投げ放った】
【ばちり、と弾ける音を響かせて迫るそれは、拡散するものではなく集中するもの】
【周囲のMFの能力を一体で統合して使用できるようだった】 
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/18(日) 22:42:58.92 ID:1Z5BS2Ipo
>>78

【舌先に残るのは、溶かしきれない、貴方の言葉の一片
それは恐らく、貴方が力を求める理由なのであろう、少々彼女の気を惹いた言葉でもある
これがきっと、単なる邂逅であれば彼女はそれを尋ねようとするのだが、少々状況はそれを許さないようで】


……驚きましたね、それが貴方様の能力でございましょうか
私も職業柄、いくらかの能力者の方々とお相手して参りましたが……
その中でも飛びぬけて、とても奇妙な能力でございますね


【ふむ、と微かに細く華奢な咽喉を震わせて、鶯の鳴き声のような淡いソプラノの音色を響かせる
凛と響き渡る言葉の残響は、高級なシャーベットの舌触りにも似た、甘さをいつまでも残すそんな慕情の響き
幾許かに揺らめく、その音色の色は貴方の表情が如く、貴方の髪が如くチューブから搾った檸檬色のそのままに】

【口元に触れる左手、薄くリップクリームの塗られた潤んだ柔らかい唇に沈み込んで雫を一滴
目を細めると、風に塗れる睫が、愛くるしい色を零しながら、絢爛とした色を周囲に煌かせる
やがて、左の手は虚空に触れる、彼女の表情が瀟洒な微笑みに満ちる】


恐らくはその金貨に何か秘密があるのでしょう、そして金貨の数と、私が放った小刀の数にも関係がございましょう
そして貴方様が、思わず見惚れてしまいそうなくらいな壮麗な笑みを浮かべてくださるのです、よほど嬉しいのでしょうか

――――従者≠フ生きがいとは、相手様が喜ぶことにございましょう
ならば、私としては、貴方様の楚々な笑顔をもっと育みたく存じます

Under Cover of Darkness=\―――……きっと、満面の笑みが咲くことでしょう


【雲間に隠れる月、月明かりが遮断されて、数刻、ほんの数刻、夜闇が周囲を包んで、目隠しをする
緊迫の数秒、意外にも音は無く、彼女が攻撃の気配が無いのは十分に理解できるだろう
そうして、やがて、雲が晴れて、そっと雲の隙間から月が顔を出す】

【――――……映し出されるのは、彼女を覆う、幾重もの影
月を浴びて、灰に帰る化け物のように、影はポロポロを見纏う黒を引ん剥いていって――――
やがて、そこに現れるのは刀#゙女の周囲を包む、二十は下らない、刀の群れ】

【彼女の左手が指し示す、黒鍵を叩くような、軽やかな指先をそっと揺らめかして、貴方へと向けられる
刀は一斉に刀身を向け、貴方へと同時で向かっていくはずだ
並の腕前では、いくらクレイモアであろうと、叩き伏せるのは決して容易ではないだろう
けれども、もし――――貴方の腕前が、彼女の予想を超えていれば……】
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 22:46:26.38 ID:XpvUy+//o
>>80

……ほう、これはまた
妾に近いと思うておったが、切り札は神衣寄りかの

【機械を操作し攻撃を仕掛けてきた当初の動きと違い】
【身に纏うことで自身を強化したガートルッドの姿を見て】
【織守は先程までの認識を改めて、行動を思考し始めた】

(先ずは小手調べ、然程通じる手とは思わんが――手の内を一つでも多く晒してもらおうかの)

【織守は、先程上空へと飛ばした槍飛行機を操作する】
【神力による指示を受けた飛行機は、ガートルッドの方へと照準を合わせると】
【全身を大きく回転させながら――一直線に降下する】

【狙いはガートルッド……ではなく、その周囲を飛ぶMFの一機を狙ったもの】
【直線的な動きではあるが、ドリルのように回転し貫通力を増した槍飛行機は】
【貫通力破壊力に優れ、直撃したならば相応のダメージが下るだろう】

「投げ――槍!?……っ……!!」

【そして、神衣へと襲いかかる電気の槍】
【神衣はガートルッドの幻想的なまでの姿に警戒し】
【放たれた力も相当に強力であると判断、素早く両腕の盾を重ね防御するが】

【破砕、一点集中された電気の槍は一枚目(左腕)の盾を砕き】
【二枚目の盾に罅を入れる結果となった】
【電気を受け止めたことにより痺れる腕。その衝撃も合わせ左腕はこの戦闘中には使いものにならないだろう】

「(こ、れじゃ……装甲が……保たない……!)」
「(こんな力を織守様に向かわせる訳には――行きません……!)」

【ダンッ!と、神衣は気合を入れるようにその場で震脚を一つすると】
【腰を低く構え、肉食獣のように脚部のバネに力を集中させ】

「(電気の槍をもう一度正面から受けることは難しいです……)」
「(ならべ私のすべきことは――)」

【神衣は、決心し足を大きく踏み込ませた】
【先ほどまでの擦り足による移動とは違い、地を滑るようにしての高速接近】
【接近に成功したならば、神衣は右腕部の盾を前に突き出しガートルッドの胸部を狙うだろう】

【消極的な防衛ではなく、積極的に攻めこむことによる行動の妨害が狙いだろう】
【未だ痺れの残る腕部、直撃したとしても致命打には遠いであろうが、神衣は全力を以て「防衛」を図る】

【織守の左方の紙が、猪の面のような形状へと変化しその場に浮かび始める】
【現状:織守:その場で待機中 槍飛行機・左・ガートルッドの周囲のMFへと攻撃中・右・右方にて待機中】
【鬼面・頭上にて待機中 猪面・左方にて待機中  神衣:ガートルッドへと接近を図り行動中】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/18(日) 22:59:03.99 ID:8qPNMK9wo
>>82
――――違う。よ。
私の力は、私の作るものに依存する。
今日は、こういうもの。それだけの話だから。

(まあ――――)

【あくまで、己は製作者に過ぎず本当に運用をするのは他者である】
【故に、彼女は己の武装に殆どとしてこだわりを持たぬように徹してきた】
【だが、これだけは違う。幻想を形としたこの外骨格は、彼女の見据える目的への足がかりであるのだ】
【そう、コレは彼女が初めて作る、己のための武装≠セった】

(―――これは、違うんだけど)

――――出力を限界まで上昇させて、pixy。

【迫る槍に、一体だけ残った音波を使用するMF、pixyを向かわせる】
【音の壁が紙飛行機を受け止めて、しかし貫かれてコアメタルに欠損を受ける】
【しかし、最後のあがきとばかりに表面の液体金属が棘の様に紙飛行機にまとわりつき前方を破壊しようとするだろう】

(Aliceの残機は五体。のこりの二体は動かせないから、どうするべきか。
こういう時なら、谷山君ならどうするのか――――考えてみよう)

【音波攻撃を失い、跡受けられるMFの支援は電撃のみだった。故に、ガートルッドは新たな動きを見せる】

視界と情報の確保は大切、だったか。

【二体が上空へ舞い上がり、俯瞰の図で戦場の全てを見回し始めた】
【要するに、全体を把握することでどういう行動を取るべきかより正確に判断しようとしているようだ】

――――ッ電磁ッ、防御!

【ばちり、とガートルッドの背の翼が破裂音を響かせて、浮かぶように後ろに移動しようとしたが】
【相手の盾が胸部に命中し、数メートル吹き飛ばされる】
【ごろごろ、と地面を転がるが、ムクリと起き上がる】

(‥‥‥‥痛い。やっぱり、接近は無理。近づかせない様にするのが、大切か)

【そうつぶやくと、己の周囲に三体を配置し、両の手に電気の槍を同時に生成していく】
【そして、其れをぶつけ合い、合成していくのが見えるだろう】
【数秒後に完成したのはいわゆる三尖槍、トライデントと呼ばれる三叉の槍であった】
【其れをガートルッドは投擲の体制で構えて、相手の動向を見据えている】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 22:59:28.42 ID:IFeKZv470
>>76-77

〈ッ、ヤメロオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!〉

【尾での一撃が功を成さず、ブルーローズに離脱を許してしまう】
【先ほどから、投擲の様な能力を使う以上、距離をとれば反撃が来るだろうと考え、その予想は的中する】
【――――問題は、それが自分の背――――命以上に守らなければならない箇所を狙っている事】

〈――――狙ウナラ僕ヲ狙エ
リイロチャンヲ傷ツケテミロ…………惨タラシク殺シテヤル…………!!〉

【回避は間に合わない。そう判断したオリジナルシンは、己の右腕を可能な限り身体の上へと振るい、二本の線の軌道を妨害する】
【真獣類の骨格からして無理のあるその動きを、背を丸める事で無理やりに実現させ――――右腕に、二本の線を貫通させる】
【しかし、その痛みに怯む事もなく、それこそ獣の様な純粋な殺意を視線に宿らせる。それを放ってきたブルーローズを、視線で射殺さんとするかのように】
【だが、少なくともこれで彼の右前脚は無視できないダメージを負っただろう】

勝った者にのみ生きる資格がある。負ける者がゴミでなくてなんなんだ?
――――貴様らは勝つために、何をしてきた?

【当たり前の様に口にするクロウ。それだけを取れば、なるほど冷酷無比な男でしかないが】
【彼の目は、ただ冷酷と言うだけでは済まされない、疲れきったような色が浮かんでいる――――その強烈な価値観には、自分自身も試されているのかもしれない】

――――いくらパワーを増しても、実体をもたない一撃など…………ッ!?
(違う…………これはブラフ。むしろこの状態では、不味いか……!)

【迫る丸太の様な線の一撃を、硬度と質量を増した肉体で受け止め、数秒の均衡の後にはじき返すクロウ】
【だが、その視線はいずこかへと消えたもう一本の線をしっかりと捉えていた――――それを、次なる一撃の布石と読んだ】

〈(ッ、誰ダ――――――――!?
ドウシテ僕ヲ使イ魔ト呼ブ!?)〉

【その念話は、確かにオリジナルシン――――ファルガへと届いた】
【元々、彼らヴェイス家の使い魔は、主とテレパシーを通じさせる事が出来る。外部からの声という事には驚いたが、念話そのものには慣れていた】
【主とテレパシーで会話をする要領で、どこからか飛んできた念に――――それがブルーラインからの物である事に気づいていないが、ファルガは問い返す】

>>79

「ふざけるな!!
既に証明されている事に、反例を証明してやる? どこまで思い上がれば気が済むんだよ『人間』って奴は…………
同族として、その愚かしさが恥ずかしいぜ!!」

【鳥打帽を左手でさっと直しながらダジルは更に吼える】
【彼の言葉は、特に『人間』を忌避した者のそれだ。まるで、自分が人間である事そのものが不快だと言わんばかりに――――】

「なっ馬鹿な!?…………ズアァ!!」

【奇襲的で、更に速度を重視した一撃。ダジルは流石にこれを捌く能をもたず、右わき腹に斬撃を浴びる】
【もっとも、威力の低さに加えて、外套を始めとした服装に威力を喰われた為、致命傷に至らなかったのは僥倖だったが】

「――――だったら、見せてやるぜ…………人の存在が、如何に小さいものであるかって事をなぁ!!」

【わき腹を気にしながら、ダジルは後退する】
【双葉の左手に渦巻く魔力を感知したうえで、その表情は未だ自信をいささかも失ってはいなかった】

/続きます
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/18(日) 23:00:48.72 ID:IFeKZv470
>>76-77>>79

〈コレ以上、来ルナァァァァァァァァ!!〉

【手負いの獣は、真に恐ろしい存在へとなり果てる】
【例え理性を持ち、人と意志疎通の手段を持っていたとしても、彼は同時に獣の力・性質も持ち合わせている】
【護るべき物がある上に、先手を取られて痛く傷つけられたため、その力が目覚めたのだ】
【――――頭部を振りかぶって、強く振り下ろすと、頭部の角の先から電流が発射され、真っすぐにブルーローズへと向かう】
【真っすぐとは言うものの、電撃特有の放電現象でその軌道はあやふやで、そしてなにより速度の速い一撃だ】

…………伊達に戦闘へと乱入する訳じゃないか…………
なら、次はこれだ…………!

【ブルーラインの次の手を警戒しつつ、クロウは次の行動に出る】
【胴体と、首――――身体の中央付近の危険地帯にのみ、アスファルトとコンクリートの混合物を、鎧の様に残して、両手足のそれをふるい落とす】
【そして、懐から取り出したのは、軍用大型ナイフとハンドガン】
【再び両腕をスライム化させ、その二つを取り込んで肉体を再構成】
【すると、右腕は巨大な刃となり、左腕には小さな砲口が出現する――――膂力と打撃力を捨てて、より攻撃力へと転換した形態になる】

「俺の本分は、剣なんかじゃねぇ…………確かに剣にも覚えはあるがな…………
――――出でよ!! 『マンティコア』!!」

【その手の剣『ギルティクロス』を自分の眼前で祈る様に構え、ダジルは叫ぶ】
【次の瞬間、彼の額に魔方陣の様なものが出現し、周囲に激しい光を放つ】
【そして次の瞬間――――その場に、黄緑の毛並みの、翼の生えたライオンの様なものが現われ、周囲を震わす咆哮を上げる】

「そうさ…………俺の本分はサマナー…………高尚な存在の力を借りて戦うのが、俺のスタンスだッ!!」

【恐らく、この『マンティコア』を召喚したのは、ダジルの能力によるものだろう】
【真っすぐに双葉を睨み、ダジルは組んだ両手を離す】

<――――!!>

【マンティコアは、すぐさま状況を理解したようだ。眼前の双葉に、獣独特の油断の無い足取りで、ゆっくりと距離を詰めていく】
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/18(日) 23:02:06.73 ID:cTI8u5cAO
>>81
【この邂逅が、ただ楽しく賑わう、街中だったなら】
【紡がれた物語は、きっと鮮血の舞う戦場には、ならなかったのだろう】
【けれど、青年は、オルカは、もし平穏の未来と戦いの未来を選べるとしても、戦いの未来を選んだ筈だ】
【だって、強者と刃を交えることは、自らを鍛える、手段だから】

ハン……コイツ≠ヘ少々変わり者でね。
今は俺の能力≠ネのに、どんなピンチになっても料金払わねーとピクリとも動きやしねえ。

【青年の肩口に止まり、幻想の如き朧気な体をゆらりゆらりと、揺らして】
【金色の鵞鳥は、オルカの言葉を無視している】
【今は俺の能力>氛氓ニいう発言は、青年の過去に、何かただならぬ事があった事を臭わせる…が】

頭の良さそうなアンタのことだ、今の言葉だけでも見当がついたんじゃねえか?
……ま、能力がバレても対処を取るのが難しいってのが、《支配を掲げる者の大剣》の強みなんで──なッ!

【チャリン、と】
【一枚の金貨が、バングルへ】
【左手の大剣が、波打ち=A前方へ突き出されたそれは、意思を持った鞭の如く、しなり】
【腕前など、これでは無意味】
【暴れ馬が如く蠢く剣身は、刃を持った鉄球の様なものだ】
【同時に、オルカは地面を蹴り出す】
【足の傷はそれほど深くはないのだろが、若干、足取りは遅く】
【前進の障害となりえる刀に重点を置いて、しなる大剣は動くだろう】
【弾ききれない刀の刃が、衣服ごと身体に赤い線を刻むのも、気に留めず】
【額から流れる血を舌に受けながら、オルカはカノンへ肉薄する───!】
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/18(日) 23:20:18.23 ID:1Z5BS2Ipo
>>86

【宵闇が濃くなって、舌先を乾かすような夜風に変わっていく
テロの嵐は微かに凪を迎えたようで、衆目の雑音も殆ど掻き消えただろう
しかしながら、被害は大きい、夜明けを迎えて人々はきっと、それを実感する筈だ】


……さあ、どうでしょうか、確かにいくつかの仮説は思いついております
ですが、相手の能力の正体を知ることに、あまり意味が無いのも事実でございましょう

本当の強者でしたら、例え能力が明らかになり、対策をされたとしてもそれを自身の手で乗り越えましょう
戦いは言葉でするものでなく、自身の腕でするものでございますが故――――


【刀の雨を抜けて、此方へと前進する貴方へ、正直な感嘆と、微かな畏敬の念を抱きつつも
彼女もまた、近接戦闘を得意とする身、まして、彼が己が傷を気にせず接近してきたのだ
避けるという選択肢は既に消え、迎え撃つことに思考をシフトする】

【Under Cover of Darkness≠ノより、右手に握る刀の鞘を影から取り出し、左手で握る
耳を澄ませば、時雨る雨が、血溜まりを作る音、篠のつくその音を感じ取りながら、左手で握った鞘に刀を納める
そっと、身体を横断するように右の手を移動、刀の柄をその手に握らせて――――……
身体をやや斜めに構えて、右の足を後方に下げると、後はタイミングだけを待つばかり】


――――……貴方様の言葉をはっきりと、感じ取らせていただきましょう――――!!


【肉薄するその一瞬、彼女は強く右足で地面を蹴る、加速する彼女の身体は、容易にトップスピードへとアクセルを踏み込む
鍔鳴りの音と重なる彼女が地面を刻む音、捌ききれないほどのリズムの中に混じる、僅かな抜刀の音
彼女は一歩で、貴方の(彼女から見て)左隣をすり抜け、貴方の直ぐ後方に躍り出ようとするだろう】

【そして成功したなら、変わるように飛び出した右足を軸に、身体を上から見て時計回りに捻る
抜刀された刃はそのまま、捻りを加えた速度で鞘から射出され、貴方を抉る刃となり、そのまま雪崩れ込む
貴方の背中に一閃、深く居合いを放とうとしつつ、彼女はそのまま身体を一捻り、貴方に背中を向ける形で刀を納めようとするだろう】

【もし、一瞬も目を閉じず光景を見ていれば、彼女の白銀の髪だけが、貴方の眼前で残光を揺らめかしているだろう
それはさながら、夢の中の蝶のように、諸手をすり抜ける、つかみ所の無い煙のようなもの
――――けれども、貴方が、寸刻も気を抜かなければ、その髪が一瞬だけ動きを緩めるのを理解できるだろうか
そして、その時必ず彼女は、貴方の直ぐ側、貴方をすり抜けようとする一瞬に、確実に存在している
支配を掲げる者の大剣≠ェ従者≠ノ触れるチャンスは、また、確実に存在しているのだ】
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 23:23:14.52 ID:XpvUy+//o
>>83

【液体金属により損傷を受けた紙飛行機は、そのまま地面へと落下】
【穂先から潰れ損傷限界を超過、ただの紙へと戻り消えていった】

(飛んだ?……奇襲目的、いや、妾の使う「折り鶴」同様の感覚補助か)
(警戒は必要だが、優先すべき対象でもなかろう)
(妾のすべき事は飽くまでも本体の撃破、ならばそれに邁進するのみ)

【飛翔する二体のMFに意識を送るも、すぐにガートルッドへと視線を戻した】
【そして、神衣の一撃で吹き飛ばされるガートルッドの姿を見て】

……近接戦闘に難有り、か。
攻撃自体は厄介じゃが、懐を取れたならば十分な勝機を得られる。
どの程度の連打が効くかは知れぬが、投擲ならば一撃をやりすごせばその可能性もあげられるかの。

【織守は一人ブツブツと何事かを呟くと、指を軽く弾く仕草を取りながら折紙に指示を出す】
【それに応じた折紙は、右方の槍飛行機と左方の猪面】

【それらはそれぞれ左右の軌道で別れ、迂回する形でガートルッドへと向かっていった】


「まずは一撃……!次は――」

【一方、神衣の動きは目の前で展開されたトライデントを見て停止した】
【先ほどの電気の槍よりも、更に強力になったであろうその武装】
【直撃したならば、致命傷になる可能性も十分に考えられる凶器であると神衣は予想する】

「(一瞬で勝負が決まる――選択を間違えれば、一気に私たちの敗色が深まります)」
「(一番恐れるべきことは、私の身のことよりもあの槍を織守様にぶつけられること)」
「(ならば、私の取るべき行動は――引き付けながら、防ぎきることです!)」

【神衣は、動きを再開する】
【体勢を先程よりも更に低くし、地を滑るようにして前方に踏み込み】
【右腕部の盾を構え、ガートルッドへと鋭く接近を図る】

【相手が接近戦を脅威とするならば、己は踏み入りその注意を引きつけるのみ】
【神衣は守護役としての役割を果すべく、決死の行動を敢行した】

【先程織守の放った槍飛行機は、迂回路を取りながら「ガートルッドからみて左方」より接近】
【猪面は、同様に迂回路を取りながら「ガートルッドから見て右方」より接近中】
【今はまだ距離はあるが、次のレスには攻撃を開始するであろう事を窺えるだろう】

【現状:織守・その場で待機中 槍飛行機(右)・迂回しながらガートルッドへ接近中】
【猪面:迂回しながらガートルッドへと接近中 鬼面・織守の頭上で待機中 神衣・正面よりガートルッドへ接近中】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 23:29:05.26 ID:IQirY9qDo
>>79,>>84
【ローズの考えでは、後ろのあの人体が本体だと思った】
【あるいは、司令塔…無力化するならそこだと】
【でもあの反応…どう見てもそういう機械的な判断じゃない】
【つまりアレが、獣の防衛対象。きっと自分の命より大事な、戦う理由】


―――――にぃ、わかった! 後ろの子だよ!! あの子がっっ!!


【喜色満面、原罪の開放手段を見つけて、猫は叫ぶ】

【魔法使いは、それをちゃんと見ていた。二人分の思考でちゃんと判別しながら】
【宙を舞う猫を、呼び止めることはしない。小さな首肯で答える】
【まず一手、獣の心臓を捉えた】

【でも猫はまだ着地できていない。雷撃に対する防御手段もまだ】
【線の引き戻しは間に合ったが、生成が、】

「ローズ、権限を交換! あなたが2でマスターが4!!」

っ!! わかった!!

【二個しか生成できないとなれば、補充分を考えなくていい】
【そのまま宙に線を作り出し、足場として着地すると、雷撃を跳んで避ける】
【尻尾の先端が焦げたりもしたが、付け根よりはいくらかマシと割り切り、演算を続行】
【とんだ先に生成した線に捕まり、猿か何かのような軽業で上部へと飛び移る】

シュバルツは…シュバルツは一体何を考えてるのっ!?

【そのまま跳ね飛び、上空を駆ける。行く手に線を敷いているが、移動の瞬間は無防備】
【三手で獣を飛び越え、巨人の右手へと移動するだろう。真上に来る二手目を捉えたなら―――――】

//うおおおまた続きますorz
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 23:29:45.26 ID:IQirY9qDo
>>89続き
【一方、魔法使い】

”……進んで人質を差し出したような男が、なんだって?”

【視線を戻す。流体の巨人に対し、青く冷たい瞳を向ける】

”赤…ああ、あの犬から聞いた。君がそっちにつくの、治療費のためなんだって?”
”冷静になって見ろよ、君と共闘してる獣だって、どう考えても同意の上でのことじゃない”
”そうでなくとも、頭領が身内を積極的に殺そうとする男だ”
”君が死んだら、身寄りがないのをいいことに、大砲につめるか培養槽に放り込むかしかしないと思う”
”想像力の欠如は、敗北以外の何者でもないと思うけどね”

【ギリギリ、衝撃を与え散らしたゴーレムに向き合う】
【線を消して戻すのと、その変化が同期したから様子は見えた】
【鋼鉄を取り込んで性質を変化させる能力のようだ…なるほど、市街地の制圧には買われる訳だ】

【今度は背に一本、両端に一本ずつ。先端に集う、凧のような三角形の陣形】
【背の一本を剣でも抜くように引き抜き、くるりともてあそんで首の後ろへ】
【両手を掛けて佇み、棒術使いのような立ち姿。それでも側方向には二本が未だ浮遊している】

「―――――鋼鉄の弱点は熱です」
”言う間でもないよね”

【腕輪がしゃべり、念が笑った。確認するように】
【少し地面が揺れて、何か破裂音が響き渡った。下から。パイプが破られるような】

”まあ、そのまま聞きな。後ろの子の生殺与奪が握られているのはわかった”
”もし君が命令に反したら、どういう風に殺されるのか教えてくれないかな”
”…でなきゃ、そうだな、”

【使い魔ファルガの問いはスルーして、要件だけ伝える】
【発信源を探る獣の眼がローズを捉えたなら、こちらを差させるように合図して】
【直接見たなら、青い瞳を露出しウィンクで答える】


”その子が起きたら、どうなる?”


【後ろの少女について、意味深な問いかけを続けて】

【大地が鳴動するのは、きっと地下で、何かが暴れているから】
【でたらめに動き回り、食いつぶし、食い破り…その下の何かが溢れてゆく】
【線が消えた穴から、何かが噴出している。都市ガスの異臭】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/18(日) 23:32:11.02 ID:EF7hvsqbo
>>84>>89

別に、俺の中では愚かじゃないって証明されてるからな。
ま、幾ら言っても平行線だろうし──、勝てば、いいんだろッ!?

【相手の追撃がないと分かると、彼自身も距離を取る】
【接近戦があまり得意ではない彼にとって、あのまま斬り合いに持ち込まれなかったのはラッキー──の、ように思えたのだが】

ッ、剣士じゃなくて召喚士なのかよ!・
しかも、また……、強そうなライオンだな。

【突如現れたマンティコアの姿を見据えると、驚愕の表情を浮かべる】
【獣には隙が少なく、接近などもってのほか。故に彼も剣を眼前に構えつつ、じわじわ後退していく】

(召喚士の場合、本体を狙うのがセオリーだけど……。コイツの場合、消えるかどうか微妙だ。)
(なら、やるしかない。問題は、俊敏性が高そうだってことか。)

【チャージすればする程威力が上がる魔術の特性上、彼は基本的に持久戦を得意とする】
【だが幾ら火力が高かろうと、その一発を当てられなければ意味が無い。ただでさえ彼の攻撃は、一直線なのだから】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/18(日) 23:34:06.87 ID:8qPNMK9wo
>>88
――――、聖釘よ。

【構えを取ったまま、背部の翼が更に強く発光し始めた】
【眼が痛いほどの閃光が周囲を満たし、それに呼応するようにして手元の槍が更に強化されていく】
【ガートルッドの創りだす武装のスタンスは、基本的にこういうものである】
【―――奥の手を作らず、全てが等しく締めと出来る性能を持たせること】
【通常武装、それ自体が威力を強化するだけで必殺に至る事が出来る武装】
【尖っていないがゆえに運用が容易であり、そして強力な物となる。それが、ガートルッドの兵器の考え方だった】

だったら、避けさせなければ良い、やり過ごさせなければ良い。

【不敵に、魔女は笑う。表情という物を確認するように、ぎこちなく】
【上空のMFはやり飛行機と猪面の動きを確認、ガートルッドに伝えて】
【其れを受けて周囲のMFが両脇に一体ずつ陣取った】

【そして、前方に一体のMFが配置され、迫る神衣を阻害しようとする】

―――オーバクロック、前方Alice、全力駆動。

【ばちりっ】【前方のMFの回路が焼け焦げるようにしてショートし、サーキットに莫大なエネルギーが流れこむ】
【そして、同時に。目の前の地面が――――】
 【――――ひび割れ、砕け、地形が崩れていく―――ッ!】

【要するに、電磁力を利用して地面の配管等を引き上げて地形を変化させているのだ】
【と言っても、隆起したりひび割れたりする程度ではあるが、それでもある程度接近を防ぐ効果を与えることは出来るだろう】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/09/18(日) 23:44:00.16 ID:cTI8u5cAO
>>87
いいね、そういう考えは嫌いじゃねえ───ッ!!

【カノンの、ある種の潔さ=A同時に強さ≠感じる言葉に、オルカは賛同する】
【単なるテロリスト、カノッサ機関としか見ていなかった彼女のことを、オルカは此処で初めて強者≠セと、認識を改めたのだ】
【──カノンの能力は、見た限りでは自身の能力とよく似ている、とオルカは思う】
【影から生み出して≠「るのか取り出して≠「るのか定かではないが、虚空から武器を取り出して戦う様は、自分と似ている、と】
【そして、彼女が取る姿勢は居合い=z
【それを知覚するよりも速く、彼女は動いた】
【見惚れるほどに、それは華麗】
【目を閉じる暇はなかった】
【視界を閉ざす理由はなかった】
【しっかりと、オルカの双眸はその動きを追っていた】
【しかし】
【しかし、左手に握り、そのままだった大剣では、自らの右側(カノンにとっては左側)を通り抜けんとする彼女に届かせるには、遅すぎる】
【だからこそ】
【それを本能的に理解したからこそ、オルカは右手に握ったまま≠フ金貨を、全部、バングルへ投入したのだろう】

《欲を貪る者の───大盾ぇえええええ》ッ!!!

【彼の右側、カノンの進行方向に現れ、即座にオルカが右手で掴むのは】
【大きな、ホプロンを彷彿とさせる様な、丸盾】
【壁の様に、カノンの道程に、鎮座して──】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/18(日) 23:49:59.60 ID:DMVOImZSO
【路地裏、廃ビル屋上】

――This bullet is all openings,
Don't forget the meaning that pulled a trigger.

【歌声――男声のそれは呟きか囁きかのように微かな声で、閑静な路地裏であろうと耳を澄ませなければ聴こえない】
【そのせいか、時折歌声に混じる「パチン」という固い音が嫌に反響していた】

I bet all on this bullet,
Don't forget the feelings that pulled a trigger.

【「パチ、パチ――パチン」】
【不可解な音は続く、幾らかの間を空けて断続的に続く。それは歌声の緩慢さと同じ様に】
【元は激しい曲だろうが、こうも微かな声でスロウに歌われてはバラードか子守唄に成り下がる程】
【弱々しく迷いに満ちた――歌い手の男の心情が容易く汲み取れるような、そんな曲調と化していて】

Hesitating means death=\―

【――音源は廃ビルの屋上、階段近くで座り込んだ一人の青年。肩に掛かる長さの銀髪が月明かりを反射して】
【黒のYシャツに黒のスラックス、上質そうなその生地には既に塵芥が纏わりついてしまっている】
【首には一条の首輪、機関の紋章が付属したそれを付けている青年の所属は――言わずとも知れる】

【暗赤色の視線は手元に。音の正体は何の事はない、銀の小さな爪切りだった】

/再利用
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/18(日) 23:53:09.51 ID:XpvUy+//o
>>92

……やれやれ、見かけによらず豪気な考え方じゃ
実現できるか、は兎も角として間違ってはおらんがの

【呟きを拾うガートルッドの聴力は、恐らく強化されたが故だろうと判断】
【その点に動揺することはなく、織守は状況を見つめ続ける】

(狙いは先ほどのような身を呈した防御、かの?)
(一体を犠牲にしてこちらの札を消せるのならば悪い手ではない)
(それを遂行されたならば――厄介か。ならば……)

【槍飛行機はそのまま直進、先ほどのものと同様に回転を加え】
【ドリルのような破壊力と貫通力を持って対峙することになるであろうMFに向かい飛ぶ】

【もう一方の猪面は、一瞬だけ動きを止めてその場で身体をくの字に曲げる】
【そして、前方に伸びた曲がった二本の牙を前方に突き出しながら】
【猪突猛進という言葉にふさわしい、凄まじい勢いでMFに向かい突撃する】
【狙いはMFの破壊ではなく、MFを「突き飛ばす」事】
【衝突したならば、突進の勢いを持ってMFを突き飛ばしガートルッドの方へと飛ばそうと試みるだろう】

「足場が――……!う、くっ……!」

【MFの行動は成功、神衣の足が一時的にだが停止する】
【地に足をつける近接戦闘者にとっての最大の弱点は「足」を潰されること】

【神衣もその例外に漏れず、直進を止めざるを得なくなり】
【踏み込みから短い跳躍にシフト、小ジャンプを連続して行いながら接近を図り】
【成功したならば、前方のMFに右腕肩部の盾によるショルダータックルを浴びせようとするだろう】
【其の体勢はアルマジロのような甲冑に倣ったように、前傾し丸みを帯びる事となる】

【しかし成否に問わずガートルッドへと到達する時間は遅れ、行動を許す結果となる】

【現状:織守:その場で待機 鬼面:頭上で待機 槍飛行機・MFに攻撃中】
【猪面・MFに突進攻撃を敢行中 神衣:接近を図り、成功したならばMFに攻撃】
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/19(月) 00:00:26.50 ID:wohII0Qno
>>93

【目の前の貴方の強さに、彼女は真っ直ぐな好意を覚える
深い傷は無いものの、範囲の広い浅い傷は細かい痛みが終始襲ってくる為、かえって精神力が必要と為る
それを経験則で知っているから、こそ――――それでも真っ直ぐに向かってくる貴方に心が揺れる】

【右に詰まれた人の山、彼等との交わりの中では見つけられなかった輝きを、貴方一人の中に感じ取って――――】


(読まれている、流石でございますね……動きを完全に追えています
ですが、見ることができるのと、反応ができるのは全くの別物にございます
その、大剣で私を止めるのは少々――――難しい行為、かと)


【既に足の感触は無い、一歩踏み出すだけで十分加速力は与えられる
身体は微かに宙に浮いて、うっとりするほど濃い夜に身を委ねるだけで問題なく
ただひたすらに流れに任せて、その身を進めるだけで、良かった――――】

【だからこそ、か、眼前に出現する巨大な壁の如き楯に、彼女の意識が揺れるのが遅れる
それは数字にしてコンマ数秒、瞬くよりも短い、僅かな時間であっただろうが
彼女の速度はその世界を生きているといっても過言ではない――――……ッ】


間に合いっ……ませっ――――んっ!!……っぐぅ……ハァ……あっ……
っつぅ――――……んぅ……ぅぁ……中々、痛み……ふぁっぐ……ますね


【加速した彼女を止める手段は無く、このままでは頭からぶつかる形となる
それを避けるためには、方法を選んでいる暇は無い、強引に空中で身体を捻り、左肩から、ぶつかるような形で楯に激突
速度はある種の力、となることを彼女は今までの戦闘で十分に知っている
故に、傷の深さも想像できただろう、腕一本棄てる覚悟で彼女は行動を為した】

【叩きつけられた左腕は、むき出しの神経を鈍く揺らされたが如く、彼女の身体を底から揺らす
芯から揺さぶられるその感触に鈍い痛みと共に、吐き気を催しそうになって
彼女の表情がくしゃっと揺れる、ほつれた大人びた仮面の奥から被虐に見える少女の姿が月下に曝け出されて
行動が遅れ、楯に左肩からもたれるような形で彼女の動きが止まるだろう、追撃のチャンスだろうが――――】
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/19(月) 00:09:09.15 ID:2A3UB6hA0
>>89-90

〈――――僕ヲ、タバカッタナ…………モウ良イ、許サナイ!!〉

【要するに先ほどの一撃は、自分を試す為に行われたのだと、オリジナルシンは解釈する】
【そこから更なる連撃を加える訳でもなく、自分の置かれた境遇を知る為だけの行い――――】
【戦いの最中にそんな事をされるのでは、命がけで何かを護ろうとしているファルガには『侮辱』と取られても無理はないだろう】

〈上ニ…………逃ゲタッテ、同ジ事ダ!!〉
〈――――状況確認。援護射撃に入ります〉

【怒りは、例え対象が視界から消えても永遠に残る。ファルガが、自分の主であるリイロの姉、レイドを殺したいと思っている様に】
【そして、意志疎通を保ちながら互いのバックアップを行えるのは、蒼い戦士たちだけではない】
【オリジナルシンに備え付けられた、機械的な第二の頭部――――その目が、上空へと逃れていくブルーローズを捉えた】

――――――――所詮、凡愚にはその程度の事しか言えないか…………
将軍は、そんな思考で計れるような人間ではない。遺族年金は制度として、確かに実施される
オレはあの方に命を捧げる。将軍は、それに相応しいだけの値段で、オレを買ってくれる…………その様は、俺がこの目で見てきた
『使いつぶし』とは、全てに対して『使いつぶす事』でしかない等と言う、その思考こそ愚か者のする事だ…………それではあの方の元に、始めから人はつくまい
使いつぶされるのは、将軍に逆らい、下されたもの…………自身の子供たちが、その典型例だろう
――――あの方は神に近い。信じる者には絶対の庇護を、逆らう者には絶対の破滅を…………そこに善悪の差はない
あの方にとり善であればオレの様に、あの方にとって悪であればオリジナルシンの様になる。それだけだ…………

【ブルーラインの糾弾の言葉に、やはり冷めた言葉を返すクロウ】
【――――まるで敬虔な信者の如き、己の言葉を信じて疑わない、淀みの無い言葉だ】
【その理で考えれば、何も可笑しい事ではないと】

〈(…………逆ラエバ、僕ノ身体ニ埋マッテル爆弾デ、殺サレル…………リイロチャンガ起キルナンテ、ホボ無イダロウケド、ソレデモ同ジナンジャナイカナ…………
シュバルツノリモートコントールニ、後ロニ乗ッテルコンピューターノ状況判断デモ、起爆シウル…………
――――ダカラ、命令ニ従ッテ、敵ヲ倒スシカ無インダ。ダカラ、セメテ傷ツカナイ様ニ、逃ゲテッテ言ッタノニ…………ッッ!!)〉

【念話の問いに、怒りを感じながらも答えを返す】
【前にも、こんな事があった――――「そんな風に従っているだけで、本当にいいのか」と言う、無責任な言葉】
【ここまで墜ちてしまった自分たちに、もうチャンスなど無いのに。二重三重にシュバルツの鎖につながれ、意に沿わなくなれば爆殺されるというのに】
【だからこそ、敵として立ちふさがられたら、殺すしかない。だから退いてくれと頼んだのに――――】
【――――――――極限まで抑圧された状況に、すっかり歪んでしまった心は、暴走とも言える怒りを発散していた】

>>91

「いくら言っても平行線…………あぁそうだろうさ。縋ってきたものが否定される事を、快く思う人間などいない…………
――――その一歩を踏み越えられるかが、賢愚の境界と言うものだがなぁ!」

【その反発は、既に予想していた事なのだろう。だからこそ、先ほどの様な強烈なリアクションはしなかった】
【しかしだからと言って、ダジルの中の『人間』に対する評価は変わる訳でもない】

「――――だからこそ、俺は『悪魔』に憧れた…………人の持つ愚かさを、克服してみせた精神体こそ、人の目指すべき物なんだよ!!」

【悪魔召喚師――――先ほどマンティコアを召喚したのも、彼の信念の現われる所なのだろう】
【人間よりも悪魔が高等だと。鳥打帽に潜められたその目は、ギラギラと輝きながらその心の内を主張していた】

/続きます
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/19(月) 00:09:53.23 ID:yvRz6xjYo
>>95
―――開発者として、この子たちの親として。
信じてやるべきだろう、信じて託すのが、親というものらしいからな。

【己は、そんなことをサれた覚えはない、信じられたことも何かを託されたことも】
【己の親は、己から奪い、己から搾取し、己を裏切り続けた】
【その親が、死に、自由となったからこそ。同じ科学者と言う道を歩もうとも違うあり方を目指したかった】

――は。
遅れてきた、反抗期、か。

【鼻で笑う用にして、己の中から沸き上がる感情に、自嘲をこぼす】
【嗚呼――――人形として生きてきたのに、存外人間らしいじゃないか】
【己の死んだと思った心も、僅かな反抗心も。それら全てが今の己には、タダひたすらに嬉しかった】

―――左方、Alice。
液体金属を展開、コアが突き刺さる瞬間よりコアに向けて収束開始。

【相手の飛行機が、左方のAliceに衝突。威力を殺そうとするが殺しきれずにガートルッドに通る】
【脇腹を深く抉り、吐血をするが、ガートルッドは不敵に笑い続ける】
【しのぎ切れれば、己の一撃を放てれば――――。己の開発物に自信を持つゆえの、覚悟を決めて受けることとしたのだ】

―――右方、Alice。
電磁力にて本体を加速、高速を以て迎撃。

【そして、迫る猪にガートルッドはAliceに命令を下す】
【それは、本体そのものを電磁力にて加速することによって10cmの金属の弾丸として撃ち出す攻撃】
【相手の猪突猛進に対抗するための苦肉の策。何方にしろぶつかれば大破して砕け散るためガートルッドにはダメージは通りにくい】

【足元を崩された神衣が、迫ってきて。MFはすでにショートしているゆえに容易に砕け散った】
【だが、その時点でガートルッドのチャージは終了している。行動が、開始された――――――】


――――蹂躙しろ―――――。


【三尖槍は、前方ではなく、真上に撃ち放たれて】
【直後。一気にその槍が弾け、上空から地面へと雷の矢となって降り注いでいくッ!】
【前方に居る、神衣と織守双方を巻き込むように放たれた、最大出力の電撃の弾幕】
【コレを凌がれれば、恐らく消費から考えてもガートルッドの敗北は確定といえるだろう】
【何方にしろ、大半のMFは大破。電子障害はすでに復旧。最後の意地とも言える一撃が、コレであった――――】

【周囲の鉄筋コンクリートが反応し、ビル街のビルがばきり、と異音を響かせながら】
【ばちり、ばちり、ばち、ばち、ばち、ば、ば、バババババッバババババッババババ】
【放電音が重なりあい、まさに豪雨のような音を立てて、前方へと襲いかかっていったッ!】 
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/19(月) 00:10:15.45 ID:2A3UB6hA0
>>89-91

〈――――マイクロミサイル、ロックオン――――発射〉

【オリジナルシンのサイボーグ化された器官から、人の指先ほどの小さなミサイルが、上空に逃れたブルーローズへと向かう】
【軌道から、クロウの方を狙っているのでは、とも予想されたが、それよりも攻撃を優先した格好だ】

この匂いは…………しまった!!
オリジナルシン、オレにもミサイルを撃て!!
信管抜いた奴を、ありったけだ!!
〈!? ――――分かった〉

【クロウは、敵の意図を察した。地下に埋まっていたガス管を破壊してガスを充満させ、ガス爆発を見舞うつもりだ】
【ならば、その対処は――――ガスの流れる風下を避けて、風上へと逃げれば良い】
【クロウはオリジナルシンに、爆発しないミサイルを発射させ、それを身に取り込み、足へと集中させる】

ぐぅ、あ…………これで、飛べる…………!

【外から飛来したものを無理に受け止めたために、身体に負荷が掛かったが、今は一刻も早くこの場を離れないと不味い】
【足からミサイルの噴射口が大量に突き出し、噴射によってクロウの身体は少しづつ空へと浮かび始める】
【このまま、邪魔が入らない内に風上へと回ってしまえば良い】
【――――左手をブルーラインへと向けたが、無理が祟って苦痛を伴ったため、射撃までには至らなかった】

「…………俺は、普通じゃねぇんだ!!
この身体も…………そしてこの剣も!!」

【双葉と対峙するダジルは、更なる一手を打つ】
【先ほどと同じように、召喚するための『構え』を作ると】

「――――憑依召喚…………サラマンダー!!」

【炎の精霊の名を叫んだ瞬間、彼の構えていた剣『ギルティクロス』が、赤々と発熱する】
【――――剣にサラマンダーの性質である『炎』が加えられたのだ】

「…………これで、どうだ……ッ!!」
<…………!?>

【赤熱した剣を構えるダジル。確かに痛い強化だが、これで彼の底も出尽くしただろう】
【先行するマンティコアは、地下から噴き出るガスの匂いを鋭敏に感じ取ったのか、背の翼をばたつかせる】
【その為に、一瞬立ち止まった――――ほんの僅かな隙だが、それを活かせるのか】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/19(月) 00:18:13.31 ID:y1F4vZEAO
>>96
【速度は力──それは当然、この場においても適用される】
【盾を経てとは言え、カノンの突進速度は最早弾丸と形容するに足る程の、力】
【そう、受け止める形となったオルカとて、無事には済まない】

が…ぐ、ァアアアッ…!

【ビキビキビキ、と】
【インパクトの瞬間、右腕全体に嫌な音が、響いて】
【骨が折れたか、罅で済んだのか】
【何にしても、右腕一本で支えるには、その衝撃は強力すぎた】
【骨の状態を確かめる術はないが、経験からか、この戦闘中に役立つものではないだろうと、オルカは判断して】
【盾を握る右手を、放すだろう】
【支えを失った盾は、カノンと共に地面へ倒れるかもしれない】
【オルカ自身も、衝撃に圧されて、後方へ倒れるだろう】

───ッ。

【だが、これは好機】
【右腕の痛みに顔を顰めながらも、何とか身を起こして、左手に握る大剣の刃を、カノンの首筋に宛てがおうと───】
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/19(月) 00:31:49.39 ID:OHHB4hTwo
>>98

――!これは……成程、そう来るか!
鬼面!方陣転換・守護の陣!頭上を全力で護るのじゃ!

【ここで初めて、織守の表情に動揺の色が混ざる】
【「槍を真正面に投擲する」という先入観から、その方向性でしか予測しておらず】
【天に昇り降り注ぐ無数の弾幕という手段は、織守の予想の裏をかくものとなった】

【守護役である神衣は到底間に合わない】
【ならば、今持てる手札を最大限に使って生き延びるしか道はない】
【織守は頭上に展開していた鬼面をそのまま上空からの攻撃を遮る盾とし】
【その直後に周囲に展開していた「制御」の式を「守護」の式に変換】
【二重の構えで雷の矢を防ぐ】

【しかし、一発一発が高威力の矢の雨を無傷で防ぎきれる道理はなく】
【鬼面は数秒で破壊され、守護の陣も攻撃を軽減するも防ぎきるには至らず織守に大きなダメージを与えた】


「な――……!織守様……!」
「私は、守護役としての役割を……う、ぅ……!」

【神衣は織守にも効果が及ぶことを察すると、すぐさま助けに行くことを思いつくが】
【現実的には距離がありすぎていてどうにもならない】
【神衣は悔しげに奥歯を噛み締めながら、今はただ、自身が生き残る行動しか取ることが出来なかった】

【身体を前にくるりと丸めて、肩と右腕部の盾を上方に向ける】
【そして脚部の大蛇を網目のように頭上に展開し、持てる全ての手段でダメージを軽減した】
【裏貴宝院流・無限童子が型の一つ<甲鎧闘衣>。防衛に特化した甲冑は、雷の矢に打たれていくのだった】

【結果から言うならば、両者は「耐える」ことが出来た】
【しかし、凌いだと言えるかどうかは難しい。何故ならば――】

……やれ、やれ。貴宝院織守ともあろう者が何たるザマじゃ
戦から離れていったツケがきたかの……

【織守は結界を形成する4体のヒトガタを含め全ての折紙を失い】
【次にまた先ほどのような攻撃態勢に移るにはかなりの時間を要する】
【術師であるため戦闘には然程関係はないが、華美な着物も其処ら中が焼け焦げ、悲惨な有様であった】

「ま……だ……――私は……!け、ほっ……!」

【神衣も同様、防ぎきるために甲冑を全て破壊することとなった】
【自身の負ったダメージも大きく、戦闘能力は激減している】
【痙攣する足を無理やり起こし、拳を構えてはいるが、まともに戦闘を出来る状態ではない】

【互いに消耗は激しい。】
【ガートルッドがまだ戦闘を続行可能ならば、死力を尽くした戦いとなるだろう】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/19(月) 00:32:41.96 ID:wohII0Qno
>>100

【恐らくは骨に罅が入っているか砕けているのだろう
まるで熱でも帯びているかの如く左腕が熱く、そして酷く痛む
神経を刺す痛みは、咽喉を乾かせ、うだるような痛覚を刺激する】


ハァ……ハァ……ぅぐ――――……
たった一撃で、ここまでダメージを食らってしまいましたか……んぅ……
私もまだまでですね、勝てると思い少々勇み足を踏んでしまいました……


【楯が倒れると共に、ぱたん、と彼女も倒れこむだろう
左肩から倒れこみ、右半身を上へと向けるような形で倒れこむ彼女
左の瞼が苦痛に塗れてくしゃっと閉じて、額を伝う冷たい汗の色が月光に滲む】

【白銀の横髪は汗を孕んで、ぺたっと彼女の白い頬にくっつくと、やがて彼女に溶ける様に揺れる
呼吸の音は荒く、喘ぐように咽喉を震わせて、褪せない痛みを何とか誤魔化そうと為すだろう
じぃ、と貴方と交錯するであろう真紅の瞳には、真っ直ぐな色と――――その奥に、微かな怯えが宿っていた】


……恥ずかしい話でございますが……できればこのまま、見逃してはいただけませんでしょうか……
この状況に於いて、逆転する術は――――今の私にはございません……
とは言え、このまま殺されるわけには、いかないのです……

……それで貴方様の気が済むのでございましたら、如何なる目にもあいましょう
尤も――――貴方様は、そのような方ではない、と信じておりますが……


【首筋に触れる、冷たい大剣の刃、真紅の瞳が白刃に移って、彼女の瞳でも覗けるぐらいに
小さく音をたてて、彼女は下方から右手の刀を弱々しく、大剣に触れさせるだろう
さながら、このまま振り下ろすことに待ったを掛けようとして】

【そのまま倒れこんだ為無造作に転がった彼女の両脚が、スカートの裾から零れ落ちている
視線を向けてみれば、薄く黒いストッキング越しに、沙雪の如く柔らかな白い素肌が、涙を零して映ることだろう
微かな震えは、紛れも無く彼女が、ギリギリの瀬戸際に立っていることを意味していて
大人びた雰囲気を孕む彼女が、存外に幼い少女であることをも、示しているのだろう】
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/19(月) 00:41:51.81 ID:yvRz6xjYo
>>101
――――Geniusを舐めるなよ。

【造られた天才としての、僅かな誇り。己の一撃を何としてでも通すための作戦】
【元の槍の時点で、複数の電流を束ねて創り上げたものだ、分解させてしまえば矢にサせることも可能】
【外す可能性のある一点突破よりも、確実に当てていける範囲攻撃を、ガートルッドは選択したのだった】

【その一撃は、文字通りの――――蹂躙=z

【豪雨の如き、雷矢が晴れていった後には、地面に顔面から倒れこむガートルッドの姿が見えただろう】
【ただでさえ負担の大きい外骨格でなれない大規模能力の運用等の負担で、一気に意識を失ったのだ】
【ごしゃり、と地面に倒れこむとガートルッドの身を纏う外骨格は分離。ガートルッドの両腕と首にリング上に装着され消えた】

‥‥‥‥ッ、めあ、りー。

【うっすらと開いた目で、うつろな声で誰かの名を呼び。そして、目を見開き、覚醒をして】
【首だけを二人に向けて、口を開いた】

――負け。
まさか、凌がれるとは、思ってなかったから。
織守、さん――――谷山君、迷惑かけるかも知れないけど、よろしく。
あと、伝言しておいて欲しい、殺すつもりで来てもいいから、って。

【腹部から流れる血は、かなり激しく。元から青白い顔は、もはや屍蝋のごとき様相】
【だが、何者かの到来を待つように、ガートルッドは周囲に気を貼っているのが分かるだろう】

‥‥‥‥どうする?

【無理をスレば己に止めを指すことは出来るかも知れない】
【それを踏まえた上での、問いかけであった】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/19(月) 00:45:46.93 ID:y1F4vZEAO
>>102
……………………。

【ブオン、と】
【オルカは、無言で大剣を振り上げる】
【左腕一本で大剣を振り上げる様は、さながらスプラッタな殺人鬼、だろうか】
【しかし、その剣身が振り下ろされる先は、カノンの首筋では、なく】
【屋上に突き立てられる様にして、動きを止める】

…………行け。
ただし、換金出来そうなもん置いて行きやがれ。

【どっかりと、大剣の脇に胡座を掻いて、賊の様な台詞を、口にする】
【──オルカの様子を、じっくりと観察したならば】
【幾つも刻まれた赤い線から流れる血の量は、決して少なくないことは解るだろう】
【額から流れる血も、まだ止まってはいないのだ】

自分の性格を決め付けられるのは癪に触るが…アンタ、単なるテロリストって訳じゃあ、なさそうだしな。

【左手で、右のポケットから器用に金貨を取り出すと、指先で弄り始める】
【険しい表情と、きつめの語調は、警戒を解いていないことを、暗に伝えるかの様で──】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/19(月) 00:50:10.23 ID:FFkY3Qzio
>>97
なっ、謀ったって…!!?

【猫にとっては心外もいいところだ。ただ何かある…その気持ちから、ひどく目立つ場所を狙っただけ】
【打撃を与えるつもりだったが、探りが入る結果になった】
【―――――少なくとも、猫にそんな気はなかった。魔法使いはどうだかわからないが】
【だから二手目が、その隙が確実のものとなる】

ぐあぅっ!?

【ミサイル防御なんて手段はない。爆風と衝撃になすがまま吹き飛ばされる】
【腹部にひどい火傷を負い、ビルの窓に叩きつけられる】
【意識を刈り取られないのは幸いで、自己修復が働くが緩慢。痛みに呻き、腹を押さえて、】

(…そういえば、何でこのビル、燃えてないんだ?)

【なんとなく、異変に気付いた】
【その区画以外は火の海なのに、何故かここだけ、と】
【…何か秘密が、あるんじゃないかと】


”……逆らったから、死ぬ。ふぅん”
”反抗期/自意識の芽生えすら許さないってか、狭量だな。そんな神がいるもんか”
”何が神に近いだ、視野狭窄の老害もいいところじゃないか”
”君が言っているシステムだって、そいつの意思によって決定され構築されたものだ”
”契約を交した対象がお前で庇護対象が知らなければ、しらばっくれるかも知れないぞ”

”何処にそんな保障がある…え? 神がどうして、獣の背に餓鬼を植え付け爆弾も埋め込み電子頭脳なんて首輪を掛ける?
”そんなのは厳重ってんじゃない……臆病なだけだ。それだけ首輪を掛けなきゃ安心できない小物ってだけだ”
”程度が知れる……存在の程度がな”

【それまでの超然を崩し、隠された口元が一文字に引き締まる。不快の表現だろう】
【自主性を、意思こそを重んじるが故に、青い魔法使いは首輪を嫌う】
【笑顔のペルソナを歪めるほどに】

”…大体、君も変だよ。まず真っ先に死んだ後の話をする”
”面倒を見る気がないんだ、死んで楽になるのは庇護対象じゃなくて君だ”
”――――――死にたいんだろ? 面倒だから、さっさと死にたいんだろ?”
”金払って義務果たして、その後はもうどうでもいいんだろ!? なあ!?”

【そしてたたきつけた思念は、激情に彩られて】
【見開かれた眼、歪む眉。音を紡がない唇すら開いてまで、たたきつける】
【感情的にして卑近、それでいてどうしようもないほどの悪口】

【命の『責任』を取るため、苦労して異世界に還ってきた】
【叩き出されてなお、本来は許されないことであるにもかかわらず、本体を伴ってまで】

【責任放棄を堂々と謡う、目の前の男が許せない】
【家族の為に覚悟して還ってきた魔法使いに、男の言葉は許せない】
【そして、】

//…続きますorz
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/19(月) 00:50:54.22 ID:FFkY3Qzio
>>105続き
「――――――使い魔想いの、いいマスターではありませんか」


【悲哀の使い魔に対し、同じく青の使い魔が応じる】
【如何なる理由か、とてもやさしい言葉遣い。その背を見通したような】
【眠る彼女の人格を想って、いつくしみ微笑むような、】

「主人を見るには使い魔を見よとは言いますが、あなたはよっぽど、彼女を愛していらしたのですね」
「言動の一つ一つから、とても強い気持ちを感じる。豊かな精神性…元になった人を象徴するような」

「…でしたら、わかるはずです。彼女が何も出来ずに眠っている事を、彼女自身がどう思うか」
「あなたが彼女に何も出来ずにいることを悔しがるのと同じように、彼女もあなたを想う」
「……もし目覚めるとしたら、彼女はあなたになんて声を掛けると思いますかね」

【自分の事のように思うようなそれは、多分】
【言葉の裏で、綿密に綿密に状況を想像しているのだろう】
【読んで字の如し、自分の事の様に。だって、】


「――――――私があなたの立場なら、絶対、このままでいるなんて嫌ですから」


【飛び去った男の足元、青い線が飛び出した】
【弾丸のような一撃、でも風に流されて、脇のほうに逸れるはず。あたれば勢いはあるから、鉄も貫けそうだったけど】

【引き連れてきたのはガスではなく、水道水】
【こちらが本命。圧縮された水流が、吹き飛ばされたクロウを迎撃する】
【多分進行を弱める程度なのだが】

【魔法使いは槍を構え、残った二本を弓のように配置】
【魔力を内部に通し加圧、内側に得体の知れない力をためてゆく】


”………もしも爆発が、君じゃなくてビル攻撃を目的としたら、どうかな”
”あのビルにだってガス管はあるだろ、さっきのはブラフだとして、本当は管を密閉して圧力を高めるためだとしたら”
”仮に通ってなくたって、都市のガス事情なんて見当がつく。……何階ぶん沈下するのかな”
”………何人、死ぬかな。あの中で”


【………、内部に入り込んだものたちを人質にとった、脅迫】
【無論爆風による二次被害も想定されたが、その価値により効果は代わってくる】
【度の過ぎたハッタリのようにも見えた。でも眼は凍えていて―――――真意は読めず】
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/19(月) 00:53:20.61 ID:OHHB4hTwo
>>103

――本当ならば御主を仕留めておくべきなのじゃろうがな
……いまはそれよりも優先すべきことがあるのじゃ

【織守は、背から細長い折紙を出現させる】
【それは折り鶴のような一対の「翼」】
【移動用として常に展開が可能な汎用折紙の一つであった】

【織守は翼を羽ばたかせると、ガートルッドの近く】
【「神衣」の所へと寄ると、その身体を抱き抱えた】

それに、御主とて生き延びる策の一つや二つは考えておるのじゃろう?
そうでなくては態々伝言などを残すまい。
ならば、現状これ以上争う意味もない。騒動を治めることは出来たのじゃから、今は良しとするのじゃ

じゃがまた、妾の前に立つならば
その時は命の保証があるとは思わんことじゃよ
妾としては、谷山と仲良く平和に過ごしておってほしいものじゃがな

【織守はガートルッドにそれだけ言い残すと、神衣を抱きかかえたまま背を向け】
【そして、翼を大きく羽ばたかせるとその場を離脱していった】
【戦闘結果は辛勝。いや、相手の策を通してしまったことを考えれると限りなく敗北に近いものであった】
【織守は己の不甲斐なさに改めて大きなため息を吐き】

「おりかみ……さま……すみ……ませ……」

……よい、御主はよく頑張った
今は寝ておれ。お主が起きるまでは、傍についておってやるからの

【寝言のように呻く神衣の頭をそっと撫でて、戦線を離脱していくのだった】

/お疲れさまでしたー
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 00:55:03.53 ID:5w4vZQLMo
>>99

じゃあ俺はその境界をぶち壊してやるさッ!
人は強くなれるんだよ、そんなものに頼らなくたって!

【叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。あまり頭の良くなさそうな言葉というか、直情的というか】

【獣の出来た隙に気づいて、反射的に体が動いた】
【今まで蓄積してきた戦闘の経験が、勝手に身体を動かした】

───《 JOKER 》ッ!!!

【左手から強大な光の奔流が──彼最強最大、必殺の一撃が放たれる】
【狙いは勿論マンティコア。閃光が、一直線に駆け抜けていく】
【一瞬の隙を見逃さなかった。だがこれ程の攻撃、放った後に隙が出来るだろうか】
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/19(月) 00:59:59.81 ID:wohII0Qno
>>104

【――――――――思ったとおりです】

【紡いだ言葉は夜風に消えて、ただ煌々とした月光に塗れていく
左手を右の手で支えながら立ち上がるものの、何とか歩ける様子で
貴方の言葉に少々考える様子を見せてから、よろよろと貴方に近づこうとし】


……申し訳御座いませんが、私もまた、お金に困っている身分でして
生憎と、貴女様へと差し上げることのできる物もございません
ですので、どうか、これでお許し下さいませ――――……


【それはどこからか取り出した絹のハンカチ、右の手に握られたそれが、揺らめいて
貴方の元へと近づけたなら、貴方の出血している箇所を、なれた手つきでふいていこうとするだろう
止血の効果は無いが、肌に触れる血が消えるだけで、不快感は消えるだろう】

【何より、掌で愛撫するような、彼女の柔らかい手つきはきっと、悪意の無い、善意の好意に近く
汚れ一つ無いハンカチは、貴方の血を拭き取ろうとし、やがて彼女はそれを再びどこかへしまうだろう】


……もし、お金に困っているのでしたら、そこに伸びている方々から頂けば宜しいのでは?
尤も、流石にそこまで為してしまいましては、スリと大差のないのかもしれませんが……

それでは私は此方で……また逢える日を楽しみにしていますよ


【夜闇は深く、月光が雲間に隠れると、寸刻先の景色も見えないほどに
やがて彼女は夜闇に消えて、どこかへと姿を消すだろう
後に残るのは、蘭の微かな残香、すーっと尾を惹いて、いつまでもその場に残り続けた】


/そろそろ終わりでしょうか、お疲れ様でしたー
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/19(月) 01:02:06.92 ID:yvRz6xjYo
>>107
‥‥まあ、ね。
策の1つや2つや3つや4つは、考えておくものだから。
‥‥逃げてくれるなら、それでも、良い。

――私と。谷山くんは。
そんなに甘ったるい関係は、無理だから。
互いに利用しあう事を、好しとして、一緒にいたんだから、ね。

【相手の言葉に、茫洋とした様子で応えながら、ガートルッドは去っていく相手を見送って】

「お疲れさん、マスター。‥‥って、やべぇ怪我じゃねーかオイッ!」

【背後にあらわれたメイドに抱きかかえられて、逃げていくのであった】

//乙でしたー!
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/19(月) 01:09:25.21 ID:y1F4vZEAO
>>109
【カノンが血を拭き取ろうと手を伸ばして来たところで】
【オルカは内心それをはねのけそうになったが、右手は思うように動かせず、左手には金貨を握ったままであることを思い出して、舌打ち】
【結果として血を拭き取られた形となるが、不快感が消えたのは、幾らかのプラス】
【彼女の提案も聞いていたのか居ないのか、結局、彼女が去るまで、オルカは苦虫を噛み潰した様な表情で、黙していて】

………何で、あのまま振り下ろさなかった。

【見逃すべきでは、なかっただろうに】
【後悔しても遅いことだが、空気を読まない鵞鳥が喚くのに、オルカはもう一度舌を打ち鳴らしたのだった───】


【尚、山積みにされた人々の中から、換金出来そうな物を数点、ちゃっかり取って行ったそうな…】




/お疲れ様でしたー!
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2011/09/19(月) 01:20:42.77 ID:3nTN96NEo
【夜間、市街地】

【人影が、二つばかり有った】
【その内の片方は、どうやら成人に一歩届かない程度の年齢だろう男性で】
【もう一つは、まだまだ少女としか呼ばれる事が無いだろう女性】
【人通りもまばらな道の真ん中で、二つの影は接近している】


……答えぇ。強い、ってなんや?
誰に聞いてもピンとこない、何を考えてもピンと来ない
アンタみたいな弱い連中なら、逆に強さってもんも分からんのんか?

【少女は、ほおずきの様な赤さの着物を纏い、右目に眼帯を付けている】
【右手で男性の胸倉を掴み、前後にガクガクと揺する】
【男性の方は、どうやら足が立たないようで、路上に膝をついて揺さぶられるままになっていて】

……分からんのなら、ええわ。役に立たん、って事やもんなあ……ああ、チクショウが

【少女は、何かが気に入らないようで、誰にともなく悪態を付いた】
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/19(月) 01:32:02.58 ID:2A3UB6hA0
>>105-106

〈…………素直ニ逃ゲテクレレバ、殺シモ、マシテヤ傷ツケル事モシナカッタ…………
別ニ信ジテクレナクナッテ、良イヨ…………〉

【マイクロミサイルに吹き飛ばされたブルーローズを、何とも言えず虚しい目で見送るオリジナルシン】
【或いは致命傷になったかもしれないと映ったのだろう――――微かなやりきれなさが、その目に光っていた】

…………お前は始めから勘違いをしている
そこの死人に心を奪われている亡者の存在が、それだけ強く映ったのだろうが…………あれは本来使い捨てだ。別に永劫手駒として使うものではない
これは『罰』なのだ。将軍に逆らった者に対する、労苦を貸す罰の様なもの…………
これをしなきゃ、いつまでも植物状態になってるその『死体』の横で、嘆きながら物理的な命脈を護ろうとする非生産的な行動を止めなかっただろう……
それを正しき方向へと向けてやっただけの事…………こんなモノ、死のうが生きようが、刃向ってこようが将軍にとってはどうでも良い事だ
その時は、オレたちが始末をつける…………クローニングが済んだ時点で、リイロ=M=ヴェイスの価値はもうない。剣闘奴隷の様な者と考えれば、分からないか…………?

【別に理解される必要などないと分かっているのだろうが、それでもクロウの丁寧な解説は続く】
【半分は皮肉なのだろう。力こそ籠っているが、その声に『熱』が感じられない】

――――――――やはり凡愚だ貴様は…………そんな答えにしか辿りつけないとはな…………
死んで楽になりたいなどと言うのであれば、とっくに死んでいる…………先ほどから貴様が何回もその『機会』を送って寄こしているだろうに
その程度のロジカルな思考も出来ないのか…………所詮力を持っただけの『似非』…………背負う物がなにもないからこそ、言える言葉だ…………

【ブルーラインの激昂を、やはり冷めきった眼と言葉でやり返すクロウ】
【わずかに、眉間に皺が浮かんでいる事から、弟の事を『どうでも良い』と言われた事に対する怒りは確かに感じているようだが】
【それ以上に、その言動は冷めきっている。怒りの熱よりも、その冷たさの方が、ずっとずっと大きい――――】

〈(――――関係無イ。リイロチャンノ心ハ、モウズタズタニ引キ裂カレチャッタンダカラ…………
ダカラコレハ、僕ノワガママナンダ…………モウ帰ッテ来ナイッテ分カッテテモ、リイロチャンヲ見捨テラレナインダ…………!!)〉

【使い魔として、主の事を第一に考える。例え精神が、心が、大脳が死んだとしても、その命ある限りは――――】
【そうした性を抱え込んでいるファルガの、悲痛な言葉が念に乗る】

〈(――――全部、レイドガ悪インダ…………アイツガ、リイロチャンヲナイガシロニシテ、見捨テタリシナケレバ…………!)〉

【会話とは別に、ファルガの思いが独り言のようにして漏れる。だがそれは、非常に強い悪意と殺意に満ち満ちていた】
【恐らくは、自分と主をこの様に改造した本人に対する怒りよりも、その思いは強く強く――――自らの主の姉を、この世から消し去りたいと強く望んでいる】

>>108

「出来るものか!!
貴様と同じような言葉を吐いてきた人間が、これまでの歴史の中で何百万人いたと思ってる!?
誰も成し遂げなかった、誰も人の限界を押し広げはしなかった!!」

【人を信じる事をしてきた人間たちは、過去に星の数ほど存在した。そしてその試みは、悉く失敗してきた――――その事は、言うまでもないだろう】
【歴史がそれを証明する。如何に文明が進もうと、古来からの人の精神性は変わる事が無かった。争いの種が、喰い物から富に移っただけの事】

「だから人は捨てなきゃならねぇ…………限界をきたした『人間』の器を!!
だから人は見なきゃならねぇ…………『悪魔』と呼ばれて蔑まれた存在の真の価値を!!」

【ダジルの言葉は、信念そのものだ。最早『暴蜂』としての任務などどうでも良くなっているのだろう】
【ただ『人間』を見捨ててその上を目指す。その事を金科玉条として説く青年が、そこにはいた】

/続きます
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/19(月) 01:32:50.24 ID:2A3UB6hA0
>>105-106>>108

く、うぉわっ…………ガァァァァァァァッッ!!

【吹き出された水流。それがクロウの身体を押し、わずかに狙いのずれた線を直撃させた】
【被弾したのは、左腕――――銃を取り込んだそこがダメになり、赤い血に彩られていく】

――――――――なんだ。このビルを壊そうと言うのか?
…………ならば良いさ。やるがいい…………俺たちも、そのつもりで来た…………んだからな

【ブルーラインの狙いは、不可抗力とは言え大きく外したものだった】
【クロウにその言葉は、脅しとして通じなかったのだ】

――――今回の任務…………それは、全て…………『ここ』を攻め落として、破壊する事…………
やってくれるって言うんなら、手間が省ける…………むしろお願いしたいくらいだ…………
――――――――あぁそうだな。将軍にも報告すると言い。任務に助力してくれた事で、大いなる報酬を授けてくれるだろうさ…………

【そう――――オフィス街全体を混乱させたのは、密かにここを『始末』するため】
【ならば、ハッタリであろうとなかろうと、クロウ達には決してその言葉はマイナスにはならない】
【むしろ、挙げ足を取る様にブルーラインの言葉に乗じて、自分たちの利益になっている事を強調しながら】

<――――――――!!>
「しまった…………ブラフにひっかかってッ!
――――トゥアアアアアアアッッ!!」

【ガスの匂いに身の危険を感じて取った行動が、正に仇になる】
【マンティコアは閃光の一撃に貫かれ、四散する――――が、その背後からダジルが飛び出す】
【攻撃を放った瞬間をチャンスと捉え、その手の炎剣で切りつけようと言うのだ】
【――――だが、先ほど負った右わき腹の傷が響き、その太刀筋は鈍い。反撃のチャンスは、無きにしも非ずと言ったところか――――】
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/19(月) 01:53:28.77 ID:FFkY3Qzio
>>113
【魔法使いの冷徹な思考は、ビルが燃えていない理由を想像する】
【例えば、重要資材や人物、施設があるから】
【その場合、彼らは『ここを攻撃できなかった』という事になる】
【行く手を阻むように立ちふさがった理由も、防衛が目的としたら筋が通らない事もない】

【――――――要するに破壊されたら困る施設だ。ならぶっ壊してやろう】
【目的達成を阻むのが勝利なら、これもひとつの、だが………】

――――――や、やりすぎだよにぃっ!!?
そんなことしたら、何のためにここに来たのかっ……!!

「ローズ、今回最初に、私が言いましたよ」
「我々は敵の敵……正義の味方なんかではありません」
「敵勢力が片付くなら、それに越したことはありません」

そんなっ………!!

【狼狽する猫に、使い魔は無情に続ける。あらゆる感情を殺戮したような姉と兄に、戸惑うばかりで】
【ギリと、弓のように構えた線。刻一刻と加圧が進み、徐々に下へ下へと照準が補正されてゆく】
【先ほどもぐらせた線で、構造を探っていたのだろう。迷いはなく】
【外す気はなさそうだし、彼らの言葉が真実なら、射出と同時に誘爆する―――――】


っっっっ、貴様あああああああああああああ!!!!


【あろうことか、それは為されなかった】
【魔法使いが構えていた弓が消えた。三本線、撃ちだされた一本もすべてが、】


【ローズの手元に、還る。】

//土下座orz
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/19(月) 01:55:25.65 ID:FFkY3Qzio
>>115続き
”な……!?”
「え、ちょっ!!?」

【今度は少年が狼狽する番だった。まったくの想定外と言った様子で】
【六爪を手に戻したローズは、巨人の首筋へと奔る】
【ぎょんと、怒りに震える緑の瞳が残像を残しながら、その姿を消すほどの速度で】

じゃあ、胸張って言って見ろよ…あの子に、あの子のために人を殺したんだって言って見ろよっ!!!
喜ぶと思ってんのか!! そこまでして欲しいなんて、あの子がかけらでも考えてるのかっ!!
あの子の寂しさが、こんなことでぬぐえるもんかっ!!!


大体……にぃが背負うものがないだと……にぃが似非だと!?

そんなわけあるか、にぃの痛みが、偽者なんかであるもんかあああああああああああ!!!


【――――――ふっ、】
【直前、姿を消した。側面のオリジナルシンの正面に、突如として出現する】
【緑色の色合いが変わって行く。うっすら蒼く、】

にぃいいいいいっっ!!

「………っ!! マスター、リミッターをっ!!」
”…あーもうっ!!!”

【二人の招請に応じ、魔法使いは魔力制御をやめた。きっと獣の正面で、ぶつりと猫が額から血を流す】
【だが、それにすら構わず猫は上空へ飛ぶ。背の少女に向かって、まっすぐ】
【ローズの六爪に追従し、ラインが操作する六本の線が浮かぶ。翼の如く】


”……そういうことか、ったく”

「じゃああなた、主人が何を思っているのか――――――」

自分の耳で確かめてみろおおおおおぉおおおおおおおおっっ!!!


【拳の爪が消え、振りかぶられた。そのままの勢いで振り下ろすと、着弾直前に翼となった六本が陣を描く】
【狙いは少女の頬、目覚ましのビンタにしてはきついグーパンだが】
【命中したなら――――――あたりに鈴の音が鳴り響く】

【眠れる意思を目覚めさせる大魔法、覚者の鈴(ライザーズベル)。】
【…負の意思に取り込まれた男には効いた。…同じケースとは思わないが、しかし】
【猫は疑わない。そして魔法使いは、効果のほどは身に染みている】
【……彼の意思を取り戻すには、これしかあるまい。たとえどんな結末になろうと】

【そしてその猫を補助するように、消えた六爪の在り処は】
【獣の後ろ足と前足、そして鼻先と尻尾のギリギリ。回転運動を封じる位置に突如出現する】
【地面に刺さったそれに攻撃力はない。強引に突破しようと思えば出来なくはないし、あたっても壁か柱にぶつかった程度】
【そもそも、牽制。猫のための】

【本来場に放つ類の大魔法を、拳ひとつに収束した】
【魔法使い、使い魔、そしてローズの一大連携である。どうなる】


(”………、僕の制御を奪取した挙句、短時間で転移までした、だと?”)


【仕掛け人の一人は、変わって行く妹に怪訝な顔を向けていた】
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2011/09/19(月) 01:56:43.22 ID:S7skJlC9o
>>112
//まだいらっしゃいますでしょうか
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2011/09/19(月) 01:57:21.28 ID:S7skJlC9o
>>112

//まだいらっしゃいますでしょうか
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2011/09/19(月) 01:58:10.81 ID:4i4CHy44o
>>112
/まだいます?
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2011/09/19(月) 01:58:35.73 ID:4i4CHy44o
あ、>>119は無しで
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 02:08:09.02 ID:5w4vZQLMo
>>113

それでも強くなるさッ! 歴史だとか、限界だとか、そんなもの諦める理由には到底ならねぇ!!
それに、てめぇは実際にその何百万人を見たわけじゃないだろうがッ!
本当に愚かだったのかよ、そいつらは? てめぇの狭い枠組みで、人間を語るなぁ!!

【しかし、彼も意思を曲げるわけがない】
【愚直なまでに、ただ一直線にここまで信念を貫いてきた。それが、彼】

がっ……!

【対応は僅かに身体を逸らしたのみ。炎の刃が、彼の腹部を切り裂いた】
【二重の激痛が身体を駆け巡るが、歯を食いしばって堪え】

俺が強くなれたのも皆のお陰だ。その強さを、その身で痛感しやがれッ!!!

【そして右手の処刑剣を、男の腹部目掛けて振るう】
【魔力を溜める様子はない。この接近戦に全てを注ぎ込み、決着をつけるつもりのようだ】
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 02:12:09.32 ID:5w4vZQLMo
>>121
/一行追加
/【だがこの彼の一撃もやはり、腹部の傷の影響で威力が減衰している】
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/19(月) 02:41:34.17 ID:2A3UB6hA0
>>115-116

――――――――ッ?

【怒りの言葉がブルーラインから帰ってくる事は予想していた。そうして正気からずれていけば、いずれ決定的なチャンスが生まれると踏んでいた】
【しかし、それがブルーローズからここまでの怒気を引き出すとは思っておらず、クロウの顔に戦慄が走る】

オレに出来る事が、これしかないだけの話だ…………何を恥じる必要がある?
生きねば、生き延びねば…………全ての命は等しく嘘だ…………!!
――――やはり貴様ら、揃いも揃って生きていない、ただ死に損なっているだけだ!!
リアルな命の享受すらできない、命を失う事の損失の大きさも理解できない…………見せかけの『生き人形』どもがッッッ!!

【クロウが吼える。とうとう感情をむき出しにして叫ぶ】
【喜ぶかどうかではなく、まず生きねばならないと言う。クロウ一人なら良い。しかし、あの弟には治療を受けさせねばならない】
【その資金を稼ぐための手段が、悪魔への身売り――――そうまでしてでも、例え歪みに歪み切ったものでも、命は保持しなければならないと】
【――――ブルーローズの出自を知って、『生き人形』と称したのではない。ただ、彼の信念が生きる手段を糾弾してくる蒼の戦士たちを許せなかっただけの事】

〈ッッッッ!!!
言ッタハズダ…………ソレハ許サナイィィィィィィィィィィィィ――――――――!!〉

【再び、ブルーローズの攻撃が背の少女、リイロに向く――――その性質を理解していないファルガは、ただ主を護る本能に従い、動いた】
【身体を弓なりに反らして、二本の足で立ち上がり、身代わりにその拳を受け――――自ら殴り飛ばされる】
【牽制の線を――――無理やりに突破し、自らの身を傷つける事になろうと、主にだけは指一本触れる事を許さなかったのだ】
【その代償が――――鼻先に出現した線による、顔面への多大なダメージ。無理に障害を巻きこんで強引に立ちあがったために】
【その鼻先に線が深々と突き立ち、ファルガの顔が無残に血だらけになる。顎ががくがくと痙攣している所から、頭骨にもダメージが入ったのかもしれない】
【それでも、苦痛の悲鳴を強引に噛み殺し、ファルガは立ち上がろうとする】

>>121

狭い枠組みだと!?
人の営みじゃねぇか!! これまで連綿と続いてきたなァ!!
貴様も、俺も、そしてこの世界もッッ!! その帰結だ!!
見ろ……だからこんな下らねぇもんが幅を利かしてんじゃねぇか!!
おためごかしに消してるだけで、人間の奥底にあるものは、どこまでもどこまでも矮小なクズだろうがッッッッ!!

【ダジルは、結局この様な不幸ばかり生み出す世界も、人間が作ったものだと主張する】
【それは、多く唱えられる一般論に過ぎないのかもしれないが――――あろう事か彼がその例に挙げたのは、自身の胸元のバッジ】
【――――自分の所属する組織が、人間の愚の象徴の様なものだと、明言したに等しい】

お前の強さに、意味なんて無ぇ…………只の見せかけ……ッ、だ…………!!
その事を…………俺が、証明…………ッァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!

【振るわれた剣に、かろうじて自身の剣を引いて受けに回る】
【そのまま均衡したが、やがて少しづつ押され、押され、押され――――双葉の刃がダジルの腹に届いた】

/続きます
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/19(月) 02:42:24.49 ID:2A3UB6hA0
>>115-116>>121

【――――突如、上空から一条のビームが落ちてくる】
【それは、彼らの側にそびえたっていたビルを目がけ落ちて来て――――そして貫通した】
【ビルの内部で強烈な爆発が発生し、ガラスが一斉に砕け散る】

なっ…………将軍!?
<――――もはや遠慮などする必要もない…………それだけの事だ>

【クロウが空を仰ぐと、いつの間にか、1機の巨大な飛行機が滞空していた】
【――――全領域拠点航空武装機『グランバルバレイ』。そこから響いてくるのは、どこまでも冷たい、そして重い、中年ほどと思われる男性の声】

<この程度の手勢に、ここまで粘られるとは、な…………お前たちに『暴蜂』を名乗らせたのは、私のミスだったのかもしれん…………>
――――!!
「――――!!」
〈――――!!〉

【そして声の後、一人の男がグランバルバレイからゆっくりと降下してくる】
【軍服の様な黒く豪奢な服を着込み、金の長髪をオールバックにした大柄な男】
【その側には、全身を赤い炎で包んだ、人間の頭部程の大きさの蜂】
【そして、彼らから発される、絶望的なまでの魔力と殺意――――まるで、惑星を滅ぼす巨大隕石が成層圏に突入してくるのを見る様な絶望感が、周囲に巻き散らされる】
【――――蜂が形成していると思しきフィールドに包まれ、ゆっくりと降下してくる男こそ、『暴蜂』の総帥、シュバルツ=L=ヴェイスだった】

<だが、逆を言えば理解できた…………もはや出し惜しみする余裕などない。闇に乗じてこそこそと…………そんな事をしていては遠からず躓く
ならば…………良いだろう。我々は世界に覇を唱えよう。持てる限りの力を以って…………その第一歩として
――――――――――――――――この街を、世界から永遠に消し去ってしまおうではないか――――――――――――――――>

【重々しく開かれた口からは、微かな怒りと強い意気込みが漏れ出る】
【仮面を被った魔王が、ついにその仮面を脱ぐときが来た】

|――――しゅ…………シュバルツ、様…………|
<…………ロンリームーンライトはどうした?>
|…………機能停止、しました…………、わ、私は…………|
<…………まだメンテナンスをすれば、間に合いそうだ…………来い。お前は生き残っても良い>

【ビルの3階から、先行したクローンのπが、よろよろと顔を出す】
【先ほどのビームに巻き込まれたのだろう。同行者は、それによって絶命したらしい】
【シュバルツの言葉に従い、彼女は窓から身を投げ――――シュバルツを覆うフィールドに受け止められて、生還する】

<クロウ、ダジル…………お前たちも戻ってこい。だが……………………だが、ファルガ…………お前のその様はなんだ?
背負っているものの重み、その意味――――真に理解していなかったようだな…………>
〈――――!! マ、待ッテクレシュバルツ!! リイロチャンヲ、リイロチャンヲ殺スノダケハ止メテクレ!!
僕ガ温カッタ…………甘カッタ、愚カダッタ!! ダカラ、止メテクレェェェェェ!!〉

【クロウとダジルもシュバルツのフィールドに包まれる。だが、オリジナルシンを見るシュバルツの目は、どこまでも非情だった】
【言葉と共に、すっと右手をオリジナルシンに向けるシュバルツ。其れを受けて、見栄の外聞もかなぐり捨てたと言った様子で、満身創痍の身体を引きずりながら命乞いをするファルガ】

【――――シュバルツの動作はあまりに隙だらけだったが。そのそばには、蜂――――シュバルツの使い魔であるラグが、裁判官の如き視線を、双葉と、蒼の戦士たちに向けていた】
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage saga]:2011/09/19(月) 02:53:53.01 ID:S7skJlC9o
>>112
//いらっしゃらないようなので>>117>>118撤回します。何故二重投稿になったし
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/19(月) 03:04:51.15 ID:FFkY3Qzio
>>123
【視線の残像は、少しずつ色合いを変えていた】
【クリアカラーのグラデーション、緑からゆっくりと青へ変わる過程】

【自分の事は、いい。別にいい。何とでも言えばいい。】
【腹の傷だって、甘んじて受けよう。毛皮を焼いて焼きついていて…この無茶で、完治はしないかもしれない】
【跡が残るかも知れないけれど、それでも、いい。血が止まらなくなるとか、考えたら恐ろしいけれど、いい。】

【そんなことは、どうでもいい。】

―――――――――二人は、人形なんかじゃない。

【でも、愛する人を愚弄されるほうが、猫には耐え難く】
【ばちんと、鮮血が迸る。火傷の跡が生々しい腹部からも、ぼとりと垂れて】
【口からも鼻からも、無理がたたる。でも猫は、何故か笑った】

……別にいい。死んだっていい。
いつか皆に訪れる事だ、それからは逃げない。

……生きるってことはね、方法を探すことだ。お金もその手段に過ぎない。
……どうせ死ぬなら、満足したまま死にたい。
……好きな人や大事な人と、一緒にいられて、笑っていられたなら―――――、死んだっていい。

ボクは、にぃやねぇや……皆の笑顔を奪ってまで、生きていたくなんか、ない。

【馬鹿げたほどに、猫は、】

//例によってorz
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/19(月) 03:05:33.23 ID:FFkY3Qzio
>>126続き
”……っ!!”


【状況の変異には、自失から復旧したラインが気付いた】
【砲撃の予兆、ひどくいやな予感がする。このままじゃ全滅だが、目の前の獣は、】

《――――――あなたがブルーライン、なの?》

【背後から声を掛けられて、魔法使いが振り返る】
【二桁にも達するか疑わしい少女、否、幼女である】

【中学校就学前程度の外見に、気のない金のジト目と栗口。白哲の肌】
【側頭部を隠す耳垂れがついた、猫耳めいたニット帽】
【帽子の裾から覗く前髪は黒だが、耳がある位置から後ろは、黄身掛かったプラチナヘアを帽子の中に押し込んでいるらしい】
【薄手の半そでベストに、丈の短いミニスカート。腰に巻かれた謎のファーは何故か四分の三程度しかなかった】

”……プリムローズか。何故ここに”

【機械的な反応と、あまり見覚えのない姿に困惑するが、検索を掛けると割と至近】
【すぐさまなをよぶと、レモンイエローの幼女は頷いた】

《上位固体リズヴェルグの命令なの。指示を。わたしの装備データを転送するの》
「―――――受理しました、こちらの作戦データを伝達します」
《―――――受理した、の》

【使い魔と幼女が短いやり取りを終えると、ラインはファルガを見つめる】
【弾き飛ばされたローズは、今は構っていられない。彼を救わなければ、ローズの意思すら報われない】

”――――――EMPとジャマーグレネード、フレアとチャフ…とにかく全部投げろ”
《了解したの、起爆は?》
”即時”《了解》

【がしゃんと地面から生えた、レモンイエローのウェポンボックス】
【開いた扉の中から、ありったけの榴弾を放り投げる】
【電磁干渉領域を作るジャマーグレネード、レーダー撹乱のチャフ、電子機器に誤作動を誘発させるパルスグレネードなどなど】
【フラッシュグレネードは、熱工学カメラ欺瞞性能すら揃えていた、徹底した念の入れよう】

【各種妨害用の榴弾が放り投げられ、そのまま、FNP−90もどきのPDWが火を噴く】
【装填されている弾丸はただのゴムボールなのだが、初撃においては、ボクサーのパンチ並】
【ばら撒かれて兆弾して…命中したものから即座に効果を発揮する】
【異世界の技術すら混入したそれは、機械類に対して徹底した妨害性能を持っていて】

【一瞬でもいいから、リモコンの電波を阻害で切ればよかった】

”爆弾の位置を!!!それから動くんじゃないっっっ!!”
「双葉さん、避難をっ!!!」

【魔法使いは即座に線を六本構成、二本の線の間に置かれた一本が加速する】
【まず一本を射出。電脳を狙って雷撃のような勢いではなたれる】

【最後の一瞬まであきらめて溜まるかと、魔法使いは奮戦する】
【上空の馬鹿をぶん殴るより先に…目の前の二人を、】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 03:13:39.04 ID:5w4vZQLMo
/駄目だ、頭が回らない……。

/すいませんが双葉は先に離脱したということでお願いします……。乙でした。
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/19(月) 03:29:49.78 ID:2A3UB6hA0
>>126-127

――――それは、十分すぎるほどに生きる手段を手にしている人間の言う事だ…………
御託より先に喰わねばならぬ世界を、お前は知っているか?
オレも実感として知っている訳ではないが…………しかし、似たものなら経験してきた。嫌と言うほどにな…………

【生きる事に対して悟る事が出来るのは、命を享受している証拠。そう言いたげに、再び静かな調子に戻ったクロウは口を開く】
【左腕の傷が痛むが、今はそれも心地よい。こうしてとにもかくにも生きている。その事実だけがクロウを包み込んでいる】

お前にとりそれは、命に代えても、と言えるほどの満足を齎すのか?
ならばオレは何も言わない…………その代わり、お前にもとやかく言わせない

【理想は、そこに落ち着く。生き延びる事ではなく、生きて何を成すかを考える事。そこは真に重要な問題である事はクロウも知っていた】
【その答えをブルーローズが持っているのなら、もはや相互に干渉する必要はないと】

<…………その様な行い、許すとでも思っているのか?>
{…………――――!!}

【何かを企んでいる。シュバルツにはその様が見えて、ラグにはその内容が聞こえた】
【恐らくは、主従の間のテレパシー。それによってシュバルツはラグに命令を伝える】
【次の瞬間――――小さなラグの身体から、嵐の如き光弾の雨が地上に向けて撃ち出される】
【その威力はどれも低い――――『破壊』よりも『衝撃』を重視した、警告の色合いの濃いものであるが】
【それに込められた魔力の量は、1発の魔力弾としては異常とも言える量――――下手な小細工を打てば、ファルガごと殺すと言いたいのだろう】

<さぁ、ファルガ……戻ってこい
これが最後のチャンスだ…………最後のチャンスを、最後にもう一度、お前に与えてやろう>
〈……………………〉
<お前は先ほど言っていただろう。自分が甘かった、自分が愚かだったと…………そうだ、骨身に染みたはずだ
その思いがある限り、お前はもう負けない。負けられない…………これで負けるなら、お前はリイロもろとも、そもそも生まれてはならなかった存在と言う事の証明だ
そんな愚図ではないだろう。お前にも意地はあるだろう…………それを見せろ。この『最後のチャンス』でな>
〈……………………ブルーラインサン、ブルーローズサン……………………モウ二度ト、僕ノ前ニ立タナイデ…………
多分、互イニトッテ、ソレガ一番ノハズダカラ…………〉

【シュバルツの言葉は、ファルガの心に絶対に楔となって撃ち込まれた。絶望に叩きのめされたファルガに、それに抗う事は出来なかった】
【何より、これに逆らえばシュバルツも本気だ。次は本当にラグの射撃で殺される――――それでは、彼らもまた危ない】
【最後に、ファルガはようやく彼らの行いが『自分の救うための全力』であった事を理解したが――――遅すぎた】
【せめて、彼らのそんな優しさを、リイロの様に壊したくないと考えて、言葉を残し、よろよろとシュバルツの足元へと歩いていく――――】

>>128
/了解です。ありがとうございましたー!
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/19(月) 03:48:31.29 ID:FFkY3Qzio
>>129
【榴弾類はすべて、衝撃によって起爆する】
【魔力弾によって効果は発揮されたが、魔力による妨害を想定しておらず、結局ラインたちは何もしなかった】
【打ち出した線も軌道を修正し、空の彼方へ飛んで行く。待機中の物も黙らせた】

【準備不足、情報不足、不足、不測】
【大概だなと舌を巻きつつ、追撃に銃を構えたプリムローズを、ラインは制した】
【目的も達された、これ以上の抵抗は首を絞める】
【…全員今は生きている。ローズも吹き飛ばされた先で虫の息だが、生き汚さは嫌というほど知っている】

”プリムローズ、撤収”
《成果は得られなかった、のに?》
”いい。次がある”
《スペルトレイター使用許可を…》
”抵抗するなって言ってるだろ。…ここは退く、ローズの転移は任せる”

【任務遂行を最優先するような黄色の少女が食い下がるが、その状況が読めない魔法使いではない】
【何か言いたげだったが、上位権限を行使されては仕方なく、倒れ臥した猫の元へと駆け寄っていく】
【手元に出現させたボックスから何かを取り出すと、倒れた猫に処置を施していく】
【異様なほど的確。定規を引いたような作業制度】

(”もう一度だけ聞く。爆弾の位置だけは教えろ”)

【小さな―――――再び迷彩を掛けた、ファルガに向けた個人用の念話】
【こればかりは、シュバルツに読まれるつもりはない。ただそれだけ、溢れでる好奇心】
【なんだかんだで食い下がってしまうのは、やっぱり諦めがついていないのだろう】
【―――――この撤退は諦めではなく、次こそはという執念】
【長生きすると、どうしても諦めが悪くなる。わかっていても、だ】

【そしてため息とともに再び笑顔を浮かべて、両手を挙げた】

”―――――まあ、交戦経験ゼロよりは参考になったよ”
”大体わかった…また会おう”

【完全なる敵対宣言。それでいて、口元はやっぱり笑みを浮かべている。挑発的だ】
【負け惜しみとわかっていたので、多少は自嘲も混じっていたのだろうが―――――少なからず、不敵】
【そのまま足元から消え去りながら、ウィンクを残した】

【『次』を約束しながら、酷く不遜に】

【二人の少女の姿も消えて―――――】



(”………、そんなところまで、似なくていいのに”)

【どこかで星が、そんな事を呟くように瞬いたとか】


//お疲れ様でしたー!
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/09/19(月) 04:02:09.81 ID:2A3UB6hA0
>>130

<…………足りんな。私を倒すには…………人員、実力。質量共にだ…………つまるところ、それがお前たちの限界……>

【抵抗を止めたブルーライン達を見下ろしながら、無表情でシュバルツは告げる】
【彼を魔王たらしめているもの。それこそ、この絶対的な『力』に他ならない】

〈(…………リイロチャンノ、スグ足元…………僕ノ背中ノ真ン中ダ…………)〉

【一瞬、歩調が乱れそうになるのを、むしろ怪我によろめいていると見せてやり過ごし、そう告げるファルガ】
【だが、もう彼は救いなど求めていない――――――――先ほどシュバルツが齎した絶望が、ファルガの心を砕いてしまっていた】
【だからこそ、もう会わない方がいいと、ファルガは残したのだ】

<――――また会う事になるか…………良く考えた方が良い、な>

【明らかな敵対宣言に、無表情のままでそう返すシュバルツ】
【そして、人員を収容したグランバルバレイは、高度を上げて離脱していく】

<――――プロトメサイヤ試作1号機の進捗状況は?>
≪現在約94%…………既に実践レベル一歩手前です≫
<ならば、次はプロトメサイヤを使う。標的はこのホウオウシティだ…………この街に眠る40万人の首を戦いの神にささげ、我々の勝利の道の第一歩と成す>
≪分かりました。それではそう伝えます≫
<うむ…………>

【グランバルバレイの中で、シュバルツはリーナと打ち合わせる】
【もはや、世界の裏側でこそこそしている事はない。果敢に打って出る。その為の誇示のために、この都市を破壊すると宣言して】

【――――シュバルツへの小さな反旗の目は、シュバルツの逆鱗によって、確実に摘まれた】
【だが、内からではなく外から、その包囲網は徐々に狭まり始めている】
【足元が盤石ではあるシュバルツだが、彼自身をおし流さんとする激流が、その予兆を見せ始めていた――――】

/これにてイベントは終了となります
/参加者の皆さま、ありがとうございましたー!
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/19(月) 18:05:29.22 ID:FFkY3Qzio
【公園】
【良くある自然公園だ。大通りに面した正面にベンチが設置してある】
【その後方=公園中央部は、噴水の周りに木々が茂っている。入ってすぐ緑が見える】

”…で、どう?”

【蒼い制服。白を基調とし、回路図のような青い図形がびっしり描かれている】
【身長は160半ば、15・6歳の平均的体格。右腕に銀と金が精緻に編まれた腕輪をはめている】
【ボサボサの黒髪と糸目、温和そうな印象を与える笑顔が印象深く】
【手付きも仕草も、何もかも、少年めいた見た目とは乖離した大きさを内に秘めていた】

【そんな蒼い少年は、木の上でゆらゆら足を揺らしている】
【手にした缶ジュースを煽りふぅと一息つくと、真下のベンチに座る男に問う】
【音声はないが、接近したなら、少年のような念話は誰にだって聞こえるはずだ】

とても悪い話……は昨日言ったとおりだけど、
昨日言わなかった件について悪い話といい話がある。
どっちから聞く?

【堅牢な体つきで、惜しげもなく露出した上半身は胸板も腹筋も申し分ない】
【それから、二の腕の中ほどから黒い袖のようなものをつけていて、袖口はやや広くゆとりがある】
【ベージュのズボンは、その下に鍛え上げられた脚部を隠している】
【彼を犬たら締めているのは、全身毛むくじゃらで、大きな尻尾と、頭部がまんま犬だったという点だ】
【毛皮は少し暗い赤、体毛より明度の高い赤髪を鉢巻でかきあげて、犬種は大型犬っぽいのに若干童顔だった】

【こちらはペットボトルの紅茶を威勢よくラッパ飲みにして、その体格に似合うため息をついた】
【常なら子供のように輝く瞳に、今日は影が差していた】

「悪いほうからお願いします」

【姿はその二人だけなのだが、おそらく犬の言葉に答える形で、もう一人の声がした】
【発信源は、少年の腕輪。ちりちりと甲高い音を立てる】

お腹の傷ね、しっかり痕が残りそう。胸に大きなバッテンの痕になってるのと同じ。
…どうもねー、大型の傷を負った後追撃があると、再生の起点が上書きされちゃうみたいなんだ。
”毛皮の再生は?”
まーなんとか…なんだけど、痕に合わせてムラが出ると思う。

【なにやら話し込む三者。ある個人の話題のようだが、いろいろと変わった取り合わせ】
【距離にもよるが、念話を傍受できなければ、犬が独り言を呟くという奇異な光景にも取れる】
【夕刻、少し空が暗くなって行く時期の話だった】
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2011/09/20(火) 05:41:03.36 ID:aC1dAEdTo
/tes
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 18:29:32.26 ID:Cbebz+qno
【路地裏――――普段は静けさに包まれているか、何らかの騒ぎが起きるかの両極端の場所】
【今宵は、その何方でもなく。しかし、後者の余韻を残すような空気を感じさせていた】
【即ち、熱気。大凡人の肉が生み出すとは思われぬ程の、熱が、路地裏を満たしていたのだ】
【そろそろ肌寒くもなってこようという昨今の季節に反して、この状況。違和感を感じるかも知れず】
【其の違和感の気配を探って、探って、歩いて来れば。此処にたどり着く事が出来るだろう】

【そこに或ったのは、一匹の鬼と――――十数の死体という光景】

――――月が見えるな。

【鬼は、ぼうっとした表情で唯月を見上げるのみで】
【何を思ったかおもむろにその月に手を伸ばしてみたりして】
【直後、月光はその向きを変えて、その悪鬼の姿をより解りやすく照らし出した】

【荒れ狂う火焔そのものを形にしたかの如き腰ほどまで或る真紅の長髪を流し】
【地獄の業火を映すが如く濁り淀む、紅玉の瞳をギラつかせ】
【両腕から背にかけては、焔と刃の意匠を感じさせる文様がびっしりと刻まれている】
【格好は、上半身晒布姿に下半身はデニムと言う物。起伏には富まずしかし締まった肉体だ】
【頭からは、30cm程の角が二本生えていて、もはやその様は、悪鬼の姿で】

【体には幾筋かの裂かれた傷や貫かれた傷が有り】
【足元に転がる死体は、カノッサ機関の物。要するに、殺し合いの直後だった】
【素足で踏む血の水たまりはごぽごぽと沸騰しており、周囲に血の香りを濃厚に漂わせている】
【しかし、其れすらを思考の外に置いて己の居る場に差し込む月光に只々、手を伸ばし思考に埋没しているのだった】

(―――此処に居るのは何故か。何故、斬り合ったのか。何故、戦ったのか。何故、剣を取ったのか)

【俄に沸騰する血の池の沸騰が止み、気持ち悪いほどの死の静寂を溢れる生が切り裂いた】
【ぐしゃぐしゃと、髪をかきむしりながら沈黙を裂いたのは沈黙を作った少女本人だった】

――掴みかけているんだがなぁ。
ああ糞!あと少しで、分かりそうなものなのに!

【もし、この場を目撃していれば】
【最新の状況を見れば、血溜まりで騒ぐ異形の少女】
【一部始終を見ていれば、何かに思い悩む異形の少女】
【それが、此処に居ると判断できるかも知れなかった】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/20(火) 18:48:19.71 ID:go9NqZ1fo
【『桜の天座』】

【かつて一つの決戦があった。狼煙を上げるような盛大な、空飛ぶ城が…不出来な理想郷のお披露目】
【この世界に生きていてそれを知らないというのは、モグリといわざるを得ないほどの】
【あまりにも大掛かりで、とある存在を語るに欠かせない】
【終焉を迎える理想郷が産声を上げ、そして海へと還ったあの事件】

【葉桜も散り始めていた。設置されていた青い炎も、花見用の演出であり取り除かれていて】
【シーズンでもなければ、ただ景色がいい場所に過ぎない】
【それだけだ。夜が深まる九月中旬…好んで訪れるのは、習慣として散歩する現地民くらいだろうか】

【…ただ、今日は。珍しい姿がたたずんでいて】

【蒼い制服。白を基調とし、回路図のような青い図形がびっしり描かれている】
【身長は160半ば、15・6歳の平均的体格。右腕に銀と金が精緻に編まれた腕輪をはめている】
【ボサボサの黒髪と糸目、温和そうな印象を与える笑顔が印象深く】
【手付きも仕草も、何もかも『見た目どおりではない』と思わせる、浮世離れした存在】

【何を見るでもなく、糸目は視線の在り処を隠蔽し】
【ただぼんやりと、佇んでいた。ポケットに手を突っ込み、嵐を告げるような突風にも揺らぐことなく】

【何を思ってか、佇んでいた】
【黙し静止、微動だにせず、いることそのものが目的であるかのように】
【代名詞たる青も、瞼の向こうで沈降する】
【そんなヒトリノ夜】
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/20(火) 19:24:49.96 ID:Iwn86f8SO
>>134
【嫌ったらしい熱気と甘ったるい臭気を辿っていった男が、一人いた】
【人の焼ける香と眼前の鬼の取り合わせは既視感――そう、かつてこんな風に。】
【こんな場所で、二人は顔を合わせた覚えがあった】

――火燐、だったか

【銀の大鎌を右肩に担ぎ、歩み寄るその男は】
【銀髪の長さが肩ほどに変わり、真紅の双眸が暗赤色に変わってはいるが】
【かつてこんな路地裏で出会した人物――ウェスカ・クルーガーそのものであった】

クハハッ、こりゃあまたゴミクズみてぇに殺ってくれたな。
ソレ。まさか俺の仕事仲間じゃねぇだろうなぁ?

【問うまでもないだろうに――あまい香りを血の池に浮かべるそれを指差して】
【何時かのおどけた笑みは亡く、嘲笑うかのような心無い笑みで。ウェスカは訊ねた】
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 19:31:35.51 ID:Cbebz+qno
>>136
【迫る貴方の気配を感じて、さらりと紅い髪を流しながら振り向いて】
【紅蓮が渦巻くも、妙に静かな色を持つ双眸を細めて、血の赤よりも火の緋よりも尚鮮やかな唇が動く】

――ウェスカ、だったか。

【奇しくも、返した言葉は貴方と同じ】
【しかし、表情には何処か虚しさが有るようで】
【十数を切り裂いたというのに喜色も何も其処にはなくて】

‥‥ゴミクズ、か。
そうだな、死んでしまえば人も鬼も唯の肉に過ぎない。
ゴミクズみたいに、ではなく、私がゴミクズにしたのだろうな。

――人を殺すということは、そういう事か。
殺しすぎて、麻痺していたが――――、漸く思い出した。

【前の、燃え盛る気配は無く。しかし、灼熱を感じさせる】
【轟々と燃え盛る真紅の業火ではなく、静かに揺れる蒼き炎を思わせる、灼熱】

殺したのは事実だ、どうする。ウェスカ。

【剣を妖気で作ることもなく、自然体で彼女は問いかける】
【両の手を見ながら、開いて、閉じて。何かを確かめるように彼女は己の手を見つめていた】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/09/20(火) 19:52:36.33 ID:Iwn86f8SO
>>137
【大鎌を不意に下ろす――が、それは火燐を狙ったものでは無く。】
【足下より少し先に寝そべる死体を、平たい刃でぐいと押して転がすためであった】
【ごろんと顔を見せたそれにウェスカは軽く顔をしかめて、次に首を傾げて】

…見覚えねぇわ。

【ただの機関員なんてそれこそゴミクズのように溢れている。現に自分がそうだ】
【だから同胞で有ろうが、面識がまるで無いのでは弔う気持ちも湧かない】
【――それこそ、ゴミクズのように死ぬ程度の者ならば。惜しむ心など無かった】

【ならばどうするか。簡単だ】


っくく、名前も知らねえ仲間の仇だ。討たせて貰おうじゃねぇの
きっと仲良くお喋りするよか愉しい筈だ――なぁ?火燐


【そう、簡単だ。戯れの理由にすれば良い】
【一歩、二歩ふらりと歩みだし、すらりと虚空を撫でる腕から数瞬遅れて。大鎌の一閃、】
【こちらを向くでもない彼女を振り向かせてみたくて、わざとその頬を掠める程度に振るったのだった】
【一筋の傷でもつけられれば尚良し。花の顔を気にするような乙女かどうかは、大凡解っている】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 19:58:40.99 ID:rKEJCpwv0
【水の国 公園】

…………ホウオウシティでテロ、とはな…………
「これも……暴蜂の仕業ですか……?」
恐らくは、な…………

【フード付きのマントと半ズボンを着た、顔に大きな傷があり尻尾の先が二つに分かれた、猫人間という表現がしっくりくる眼つきの鋭い二足歩行の猫と】
【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【傷ついた身体をベンチに預けて休息していた】

【猫人間は、小脇に1組の松葉づえを抱え、右足首に厳重にギプスを巻かれている】
【オッドアイの少女の方も、右腕にギプスを巻き、肌が覗いている箇所のほとんどに包帯を巻いている】

「これから…………どうなるんですか?」
…………徐々に、彼らの活動が大規模になってきている…………
――――あいつの言っていた『策』が、上手く決まればせめてもの慰みなのだがな…………

【空模様のよろしくない夕闇を見上げながら、ため息を吐く猫人間】
【側に寄り添う重症の少女も、その表情を暗く落としていた】
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 20:03:09.74 ID:Cbebz+qno
>>138
―――そうか。

【火燐はそれ以上何かを続けて言う事はなく】
【唯、己の殺したものの顔を見ようと、その目をわずかに眇めた】
【そして、貴方が好戦的な言葉と共に死者を種に己に向かったのを見て】

―――は、そうだな。
ごちゃごちゃ考えるのは、主義じゃあないんだ。

【不動。目もまだウェスカを向いてはいない。―――だが】
【今、確実に火燐はウェスカを見た=Bそう判断できるだろう】
【ふわり、と好戦的というにはいささか柔らかすぎる程に口元を綻ばせて】
【つぅ、と頬から流れる鮮血が、顔に紅を指し傷が逆に彼女を魅力的にすら演出した】

それに――――なんとなく、欲しい答えは殺し合いの果てに有りそうだ。

【とん、と地面を軽く蹴ると、彼女は数歩分後ろに飛びすさって】
【無手のまま、しかし刀を構えるように動きを取った】


――――死合おうか。


【まるで、遊びの誘いとばかりに彼女は軽い様子で貴方に持ちかけた】
【直後、彼女の手元で妖気が渦巻き、真紅の刀身を持つ太刀が一振り生成されて】
【その刀身は真紅でありながら、蒼の気配を感じさせる、コレまでの彼女には見られなかったもの】
【精神的な変化が、顕著に彼女に変化をもたらしている】
【感覚を是として生きる彼女。精神が肉体に影響するのも、またある意味では当然とも思えるかも知れない】
【一転して、変化はアレど構えに隙は少なく、もうすでに戦闘態勢に入っている事を伺わせた】
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/20(火) 20:15:19.33 ID:b4Kom52AO
>>139
【キィン───】
【───金属を弾く、高音】
【音の出どころは、一人の青年】
【ドレスシャツを着崩して、ワインレッドのスラックスを穿いている、金髪碧眼の青年だ】
【左手に嵌めているバングルには、硬貨を投入する小さな穴と、何かを挟む為のものなのか、細い溝が見受けられる】
【……もしかすると、少女の方はこの青年をとある戦いで見たことがあるかもしれない】
【覚えていれば──なのだが】

……あん?
ホウオウシティ=c…?

【記憶に新しい、街の名前】
【その単語を耳に受け、青年は足を止める】
【上空へ弾き上げられた金貨を、左手でキャッチする】
【見れば、青年も猫人間や少女と同じく、怪我をしている様で】
【あちこちに包帯が巻かれ、数カ所には赤い染みが見られ】
【右腕には、微弱な魔力を放つギプスがはめられている】
【骨折でもしているのだろうか?】
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 20:15:30.36 ID:Cbebz+qno
>>138
/*すいませんごはんたべてきます!*/
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/20(火) 20:25:03.35 ID:Iwn86f8SO
>>140
【真紅の刀身。秘めた熱は、字面通りに受け取るには遥かに高過ぎた】
【火焔を越えた蒼焔は、凍てつくような熱さを――矛盾した感覚を生み出す程に】
【炎≠意味する碓氷=z
【既に聞いたような単語遊びをする暇は、この先に進めば総て消え失せて呉れる】

【一条の血液と誘う言葉、確かに笑んだその口許に――】


…良い女だ


【溢れた言葉は、男ならば仕方無い。そうさせるだけの魅力が彼女に在ったのだから】
【心底愉快げに放った二撃目は、間髪置かぬステップと共に大鎌を降り下ろす動作】
【拡がった間合いを一気に詰め行かんとする強気の踏み込みで有りながら、狙いは血を噴かす事では無いらしく】

【その太刀筋は――彼女の妖刀とかち合うであろう軌跡を描き。鍔迫り合いに持ち込む目論見が窺えた】
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 20:25:41.48 ID:rKEJCpwv0
>>141

…………だが、危険である事に変わりはない…………
それに、敵の戦力を殺ぐという意味では、大して役にも立たんだろう…………
「…………大丈夫かな、レイドさん…………」

【表情に、どこか疲れた様子がうかがえる】
【それでなくても、彼らの身体に見える怪我は、優しいものでもない。恐らくは本当に『疲れている』のだろう】

「ん――――――――あ、あれ…………あの人?」
む…………?
――――類は友を呼ぶ、か?

【その時、何かを弾く様な音を、少女の耳が捉えた】
【音のする方を向くと、そこには自分たちと同じように負傷している青年が一人】
【その姿は、少女の記憶に微かに引っ掛かるものがあった】
【――――そうした少女の様子に気づき、猫人間もまた青年の方を向く】

…………あんたも随分とボロボロだな
その怪我、どこで浴びたものだ?

【猫人間の方が、青年に対して声を掛ける】
【同じように怪我を負っているという事で、声もかけやすかったのだろう】
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/20(火) 20:26:25.43 ID:Iwn86f8SO
>>142
/お気をつけて
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/20(火) 20:34:45.15 ID:mDbRVfOLo
>>144
…お互いになあ。

【声をかけられ、猫人間を見て、青年は僅かに身構える】
【身構える=\―と言っても、青年の能力を知らなければ、それは警戒されているなんて、思いもしない動作で】
【青年はただ、左手に握っている金貨を、すぐさま上空へ弾ける様、準備をしただけなのだから】

なぁに、他人に心配……ん?

【そこで解ける、青年の緊張】
【かつて刑務所での戦いで見た、少女の姿に気づいたからだ】

……アンタ、確かコリエンテ刑務所で――

【記憶を辿りながら、少女へ向けて声を発して】
【自然と、指先の金貨に籠められた力は、緩んでいく】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 20:44:57.95 ID:rKEJCpwv0
>>146

…………物騒な世の中だ。何があってもおかしくはないさ

【猫人間の右足首も、ぞっとしない理由で破壊されたもの】
【この世界で、身体的な重傷を負っているというのなら、可能性として考えられ、そして自分たちにとっても無縁ではないのは『何者かとの戦闘』】
【だからこそ猫人間は、青年が誰と戦闘していたのかを、それとなく聞き出そうとしていたのだが】

「え、刑務所?
……………………――――――――あっ……あなた、もしかしてあの時…………!?」

【コリエンテ刑務所――――その名前を出されて、少女はようやく自分のおぼろげな記憶の出所に見当がついた】
【救いの御手≠ニ名乗る襲撃者を迎え撃った者たちの中に、青年の姿があった事を、うっすらと覚えていたのだ】

「――――でも、それにしては…………傷が新しくないですか?
あの後、またどこかで怪我したんですか?」

【少女の傷への処置の跡は、治癒が長引いてる事をなんとなく感じさせる様な、整然としたものだった】
【対して青年の方は、包帯にも血が滲み、新しい怪我に対して行った新しい怪我の処置と言った風情を感じさせる】
【刑務所での戦いの後、またどこかで負傷したのかと、猫人間の興味とは別に少女も気になった様子で】
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2011/09/20(火) 20:45:43.20 ID:94WjEo7Jo
【街中】

「へぶっ!」

【人が道行く往来のど真ん中で、唐突に情けない悲鳴が上がる】
【何事かと声のした方へと目を向ければ、一組の男女の姿が見えるだろう】

【一人は、鼻を右手で押さえ、地面に尻餅をついた体勢の男性】
【そしてもう一人が、その男性を見下ろす一人の少女だ】

……あのさー。アタシさぁ、今すっげぇ機嫌悪いんだよねー。
でー? なんだっけー? 一緒に食事ぃ?

【耳にはいくつもの小さなピアス、長い睫毛に薄いアイシャドー】
【唇にはラメの入ったリップを塗った、ホットパンツにタンクトップという出で立ちの少女だ】

【口にするとおり、彼女の間延びしているような声は、剣先のように鋭く尖っている】
【――ナンパ男の哀れな末路と笑うには、少女の態度は攻撃的に過ぎた】

……鏡見てから冗談いえっつーの、不細工。

【かっ、と地面に座り込んでいた男性の顔に、怒りか羞恥か――朱が差す】
【だが、男性が何か行動を起こすよりも先に、つま先の尖ったパンプスが、その顎を打ち抜くほうが早かった】

「かっ……!」

【――奇妙な悲鳴を上げ、男性がその場に仰向けに転がって】
【しかし、周囲の通行人は、厄介事はごめんだとばかりに、その光景から目を背けて通り過ぎていく】

あーあー、ホンット、すっきりしなーい。

【――男性を昏倒させてなお、その鬱憤が晴れることはないのか】
【少女の男性を見下ろす目には、未だ攻撃色が抜け切らない】
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/20(火) 20:54:02.03 ID:mDbRVfOLo
>>147
やっぱり、あんときキレた女≠ニ戦ってた姉ちゃんか…
……あー…っと、名前、そう言えば知らねえんだった。
俺はオルカだ。

【記憶が正しかったことに、内心ホッとしながら】
【一応は背を並べて(?)戦ったこともあるからか、自らの名を名乗り】
【少女の言葉を受けて、猫人間に向き直りながら、答える】

ちょっと…な。
ホウオウシティ、この前テロがあったろ。
それの防衛側に参加して、な。

【読み通り、青年の怪我は新しいものだった】
【それも、猫人間や少女が話題にしていた、ホウオウシティでの戦闘が原因のものだ】
【何か思い出したくないことでもあるのか、青年は苦虫を噛み潰した様な、渋い顔をして】

そういうアンタは…随分とあの戦闘が響いてるみたい、だな。
そっちの兄さんは…あの戦闘では見なかったが、知り合いか?

【処置の程度から、少女があの戦闘で受けた傷を引きずっているのだろう、と推察し】
【初対面である猫人間にも、それとなく質問を、投げかけて】


150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 20:57:37.69 ID:Cbebz+qno
>>143
【何処か、浮世離れしたような気配は。今彼女が何か成長を目の前としていることの現れか】
【体から吹き出る哲学者の卵の邪気さえも、今の彼女を揺らがすには百分足りない】
【己の目の前に有る可能性。迷い、悩む己への光明を前にして、彼女は躊躇うことなどなかった】

【死合いの果てにそれ≠ェ有るのなら。死合いを以て其れを掴む】

【成る程。その様は己によく似合っている。火燐はそう戦いのさなかに想い、目を細める】 

―――光栄っ。

【あなたの言葉に、短く、しかし楽しげな声を以て返を成し】
【コレまでの彼女に有った力みを思わせない様子で、火燐は貴方の迫りを受け入れる】

(――何度も斬り合ってわかって来た。力を込めるのは、必要なときだけか。
ゆるく、ゆるく。遅く見えるほどに、力を抜くと――――――)

【ひゅう、がきぃん】
【遅く見える、力の抜けたように見える動作で、貴方の大鎌を受けた】
【速度は変わらず、しかし緩いはずなのに、妙な鋭さを生み出して、大鎌を押し返そうとするだろう】

(―――無理矢理じゃなくて、呼吸を読む。読む。
基本だけど、見なおしてみれば――――難しい)

【もし貴方が引くようならば、一気に押しにかかり、貴方が押すならば緩やかに後ろに引く】
【そのさまは揺らめいて形を掴ませぬ炎の様。根本は火燐のまま、洗練を今の火燐の太刀筋は生み出していた】

―――生きることは、闘争か。

【おもむろに、気がついたように呟くだろう】
【ずっと戦い続けてきて、理解した。この世のあらゆる武術の根本は、己を如何に生かし相手を負かせるか】
【生きることが一番大切であり、どんな武術も最初に習うのはまず受け、要は生存の術】
【ならば、生きることそのものが戦闘、闘争と言っても、あながち間違いではないと、今の精神状況の火燐の思考は飛躍して】

ウェスカ―――お前と戦うのは、楽しいな。

【と、心のそこから楽しそうな声と表情で、言いながら体から妖気を吹き出すのであった】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 20:58:30.85 ID:Cbebz+qno
>>143
/*只今戻りました!*/
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 21:09:57.90 ID:rKEJCpwv0
>>149

「……凌花って女の人の事ですよね。飛礫を飛ばしてきた……」

【確信を、更に補強する一言を少女は口にする】
【対戦相手の名前、そして戦闘スタイルまでもが認識と一致する。間違いなくこの少女はあの刑務所にいた少女と同一人物である】

「…………ケツァル・コアトル=ラベンダァイス=カエデ=キャニドップです
えと……よろしくお願いします」

【考えてみれば、あの時は互いに敵と戦う事で精一杯で、名前すら名乗っていなかったと思い出し】
【今さらになって――――という、何とも言えないバツの悪さを感じながらも、少女――――ラベンダァイスも名乗り返す】

「っ、ホウオウシティ!?」
――――.一昨日の、あのテロか…………なるほど、道理で傷が新しい訳だ

【出てきた名前に、二人は顔を見合わせる】
【先ほど微かに話題に出していた事の当事者と、こうして顔を合わせる事になるとは思ってもみなかったのだ】

「は、はい…………あの時、右の拳が砕かれちゃいましたし…………内蔵にも、かなり無理が来てて…………
しばらくは、起き上がる事もできませんでしたから…………」

【オービタル・ビット≠フ腹部への直撃。そして右の拳で強引に受け止めた事が、大きなダメージとなって響いていた】
【如何に生物兵器の身体とは言え、幼い少女にこれほどのダメージは、回復にも時間が掛かるのだろう】

「あ、あの…………死んだお父さんのお友達で……今、色々とお世話になってるんです……」
――――アーディン=プラゴールだ…………
この傷は……何の事はない。小さい子供に売春を強制していたクズの喉笛を掻き切った時に、悪あがきされただけの事だ

【青年――――オルカの質問を受けて、遅ればせながらも素性を明かす猫人間――――アーディン】
【彼の言う『喉笛を掻き切った』と言うのは、実際には致命傷にはなっておらず、彼自身もそれを薄々把握してはいるのだが】
【敢えてその事実は伏せて、ただならず者との戦闘で負った負傷だと言う事だけを口にした】

――――オルカと言ったな…………
ホウオウシティでのテロだが…………相手がどういう素性の者か、分からないか?

【ここまで聞いて、再びアーディンの口から問いの言葉が紡がれる】
【どうやら、彼らはホウオウシティについて大した情報は持っておらず、また、それを欲しているらしかった】

/すいません、風呂に行ってきます
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/20(火) 21:28:54.63 ID:mDbRVfOLo
>>152
ああ、ソイツだソイツ。
尤も、俺はゴツイ男相手に戦ってたから、そっちの状況は断片的にしか解らねえけど…

【少女の言葉を受けて、オルカも記憶を呼び出し、流暢に返答する】
【とは言え、彼女達の詳しい戦闘状況までは、記憶する暇もなかったのだけど】

ケツァル・コア………間を取って、ラベンダァイス、でいいのか?

【三文字で終わる自分の名前に対し、立派な名乗り】
【何と呼ぶべきか一瞬迷って、そんなことを口にする】
【二人が顔合わせるのを見て、先ほど口にしていた単語はやはり…と、オルカも表情を変える】

腕のいい治癒能力者を見つけはしたんだけどな…
まあ、暫くはギプスを外すなって言われたよ。

【微弱な魔翌力を放つギプスは、つまりそういうことなのだろう】

あー…あの女、相当エグい攻撃仕掛けてきやがったのか…
俺は運が良かったのか悪かったのか…

【あの時の戦いを見ても、決してラベンダァイスが弱い等とは思えない】
【そんな彼女にここまでの重傷を負わせるというのは、相応の強力な攻撃を受けていた、ということなのだろう】

アーディン…ね。
成程、そいつはなんだ、犬に噛まれたと思うしかねえわなあ。

【そんなアーディンの心境を知ってか知らずか】
【オルカは、苦笑を交えてそう言った】
【話がテロのことについて、となると、また表情を変えて】

素性…か。
俺が戦った相手は…カノッサ機関%チ殊部隊Knights of Cydonia£c長――カノン=ラン=パトリオット、だったかな。
ただ――どうもカノッサが中心のテロには見えなかった。
なんせ、奴――カノン=ラン=パトリオットの舞台は、自分一人だ、と言っていたからな。
私情で動いていたのか、テロの首謀者と組んで動いてたのかは、定かじゃねえけど。
こんぐらい、だなあ…

【自らに傷を負わせた相手、自らが対峙した相手】
【それを口にしながら、しかしこれはカノッサが主体には見えなかった、と語る】
【それ以上の有益な情報は解らないとばかりに、オルカは苦笑して肩を竦めてみせた】

/いってらっしゃいませ!
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/09/20(火) 21:36:31.67 ID:Iwn86f8SO
>>150
【かち合わせた刃から、言葉以上に伝わるものがある】
【猛々しさの象徴とまで言えた嘗ての彼女に、柳の如き受け流しが備わっていた】
【――否。掴み所の無いこの揺らめきは焔の如し】

(力圧しすりゃ圧し勝てる…が、ただ圧せば負ける)
(一筋縄じゃ行かねぇな。こりゃ強ぇわ)

【圧せど引けど揺らめく太刀を、絶妙な力加減で何とか一点に留め置く】
【端から見れば恐らく、二人の得物はかち合ったまま微動だにしていない――が】
【だからこそ恐ろしい。迫り合いがこれ程静かになる事など無いのだから】
【内燃の機関が音も無く唸るかのようで、互いの内の複雑な駆引きは、傍目に全く見て取ることが出来ず。】

…んだよ、迷ってたのか?
その通り、あんたは闘争で生を得てる。何も迷うこたねぇだろうに
闘いで死ぬんじゃなく闘いで生きる――それがあんただ。

【鍔迫り合いの果てに、ウェスカは思いきり刃を圧し込んだ】
【吹き上がる妖気に焦がされるような身では、最早亡いのだから。退きなどしない】
【圧し込んだ結果がどう転ぼうと、僅かな刹那に置く言葉は変わらない。】

――ああ、愉しいな

【圧し勝ったなら、火燐の左肩に強烈な一閃を与え】
【圧し負けたなら、致命打を確実に一撃は貰う隙を曝す】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/20(火) 21:41:44.93 ID:Iwn86f8SO
>>151
/おっと見逃し、お帰りなさいまし〜
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 21:44:02.43 ID:rKEJCpwv0
>>153

「……そういえば、もう一人いましたね
……彼らは、これからどうするつもりなんでしょうか…………」

【思い返せば、あの時現われたのは最後のクルスを除けば二人】
【ラベンダァイスは、片割れの凌花と戦っていたが、そう言えば男がもう一人いたはずだと思い出す】
【――――これからも戦い続けると言っていたクルスの言葉を思い出し、ラベンダァイスは微かに眉を潜めた】

「あ、はい……ラベンダァイスで、良いです」

【長い名乗りだという事は理解していた。しかし、その名が自分のアイデンティティでもある】
【その長い名前のため、様々に呼び名もつけられていたが、ラベンダァイスとしては、オルカの呼びやすい名前で構わなかった】

…………一昨日の傷ではな……如何に治癒の能力を用いたとはいえ、1週間かそこらは掛かるだろう…………

【恐らくは、激しい戦いだったのだろう。アーディンは腕のギプスをチラリと見やって】
【そう言われるのも無理からぬ事だと、一人頷いていた】

「…………もう一人の男の人、わき腹を貫通されてました…………あの人、今は生きてるのかどうか…………」

【自分が強かったとも、相手が弱かったとも、何とも言えない】
【ただ、同じ相手を頂いていたあの時の仲間は、自分以上に手ひどい傷を負っていた事だけは覚えていた】

――――噛みついたのは、俺の方だがな

【軽い調子で返すアーディン。一種のジョークのつもりなのだろう】

「…………」
――――機関の人間が噛んでいて、しかし機関としての規模はそれほどでもない、か…………
――――もしかすると、当たりかもしれんな

【オルカの言葉に、渋面を作りながら耳を傾けていた二人だが、徐々にアーディンの表情が愁眉を開いていく】
【何か、オルカの報告に思い当たる所があり、それが先ほどの二人の会話とも関係しているのだろう】

――――オルカよ。お陰で助かった
…………これは今の情報料だ。取っておいてくれ

【しばし、何かを考え込んでいたアーディンは、さっと顔を上げると、ポケットから紙幣を取り出してオルカへと差し出す】
【その額は50000――――1週間ほどの生活費となるかぐらいの、一般的な感覚で言う『大金』である】

/ただ今戻りましたー
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 21:49:19.24 ID:Cbebz+qno
>>154
【静かに燃え盛ってみて初めて分かる。見えているようで、己の目には映らないものがあると】
【其れは相手の重心の配分だったり、目の動きだったり、刃から伝わる貴方の押し引きだったり】
【恐らく、コレまでは感覚でまとめて処理していた其れを改めて己でじっくりと確認して分かる】
【見[ケン]こそ剣[ケン]の基本である、と】

(押しても引いても合わされる――――流石だな)

【刃を通して伝わる、高度な技法は結果として刃を動かさないこととなって】
【しかし、絶妙で精妙に過ぎる力のぶつかり合いは、正に綱渡りの様で】
【沈黙、沈黙、ただ沈黙】
【相手の動きを読み、己の動きを合わせ、綻びに付け込もうとする】
【小さく、しかしじっくりと燃え広がる種火のような、炎の攻めは、基本を同じくすると分かる】

色々あってな。戦いとか、人生とか、考える事が最近増えた。
でも、そうだな。色々考えて出てくる答えっていうやつは――――案外単純だ。

結局、戦いは戦いで。其れに付随する全てはおまけ。
勝ち負けすらも、戦いの中≠ナは邪魔なもの。―――見るべきは、今。刹那の時。

【感覚で生きるがゆえに、答えをシンプルにシンプルに出し続けるのが火燐の強み】
【戦いにおいて一番大切なことは、先を考えないこと。勝ちを考えれば手が強張り、負けを考えれば足が竦む】
【見るべきは敵で、考えるべきはどう切り込むか、どう対応するか。それだけなら体がこわばることも少なくなる】

――応。

【短くそう答えて、貴方の押しに引きを以て相対した、かと思わせて】

―――ッ

【僅かな息の放出と同時に、滑るように刃の上で刃を滑らせて】
【肩に浅い一撃を食らいつつ、滑りすれ違うように貴方の左脇腹に斬撃を加えるだろう】
【地名にはならない程度の浅さで、しかし、そのまま貴方の後ろに回りこむ動き】

【この選択は、もっと貴方と戦いを楽しみたかったから、その先に答え≠ェ有ると思ったから】
【まるで、恋焦がれる少女のように、好きなものと長くともに痛いと思う様に、甘美な斬撃をあなたに――――】
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/20(火) 22:00:26.48 ID:mDbRVfOLo
>>156
……さあな。
戦いを続けるってなら、俺はもう一度戦う、それだけだ。

【左手の金貨を、無意識の内に、強く握って】
【刑務所でのクルスの言葉を思い出してか、数秒外した視界は、夜空へ向けられる】
【そして、ラベンダァイスの了承を得て、呼び名を確定する】

……だな。
アンタの言う通り、暫くは安静――に出来たらいいんだけどなあ……

【何処か願望の入り混じった声音で】
【オルカはアーディンへそう言うと、金貨を手の内に握ったまま、後ろ手に頭を掻いて】
【恐らくは、自分の性格ではそうじっとしてはいられない事を自覚しているのかもしれない】

…死んじゃあいねえさ、きっとな。
俺の知る限り、能力者ってのはゾンビの集まりだぜ。

【冗談を交えて、けれど自信を持って述べるのは、彼なりの持論】
【誤解を生みそうな言い方だが、要するにしぶとい≠ニ言いたいのだろう】

そりゃ怖い、どっちかって言えば引っ掻きそうだぜ、アンタはさ。

【アーディンの軽い口調に合わせる様に、オルカも軽い調子でそう返す】
【そこに、侮蔑の色は見られない】

……役に立った、みてえだな。
詳しくは聞かないし、そのつもりもねえけど――ってちょ、おま。

【個人的に、それほど役に立つ情報は提供出来なかった】
【……と考えていたところに、大金のお礼】
【面食らったオルカは、大金を惜しみなく出すアーディンと、今の情報がそれだけ彼に取って収穫だったことの、どちらに驚くべきか考える】

……まあ、貰えるもんは貰っとくよ。
遠慮しても、しょうがねえしな。

【結局、深く考えても仕方がない、と納得して、紙幣に手を伸ばすだろう】
【額にして「五枚分かなー」なんて、オルカにしか解らないであろう計算を、しながら】

/お帰りなさいませー!
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 22:16:04.10 ID:rKEJCpwv0
>>158

「…………そう、ですね…………
あんな風に、殺意と悪意を巻き散らす人を使っておいて、罪を悔い改めた者のために――――も、ないですよ…………」

【ラベンダァイスが思い出すのは、ただ戦いだからと言う理由だけでは考えられない、殺戮を楽しむ凌花の姿】
【あれを『悔い改めた』人間の基準を満たすものと考えるようでは、残念ながらクルスの正義は否定せざるを得ない】

…………いつどこで、何に巻き込まれるか分かったものではないというのは分かるが…………
それが気になるながら、入院でもすればいいではないか
…………戦地に赴く者にとって、傷の治療と言うのは大事な事だぞ?

【それが困難だという声色を読みとったのか、アーディンは諭すような口調で言葉を返す】
【万全でない状態で戦う事を繰り返せば、いずれ本当の危機に遭遇する事になるだろうと、彼も分かっていた】

「え……と、確かに…………そうかも、しれないですね…………」

【オルカの言葉はあんまりと言えばあんまりだが、ラベンダァイスにも強く否定する事は出来なかった】
【どちらかと言えば、自分もゾンビと呼ばれるくらいに手ひどい怪我を負った体験が多かったからであり、またそうした知り合いを多く見てきたためである】

否定はしない。立ちふさがるなら、例え鋼鉄であっても引き裂いてみせるさ

【オルカの言葉は、正鵠を得ているものだった。アーディンの武器は、何より己の爪だからだ】

…………いずれ、その『黒幕』が何かやらかさないとも限らない…………
今言えるのは、こんな所だな

【オルカが詳しい事を聞いてこないのは、アーディンにとって好都合だった】
【この事情を話してしまえるのは、自分の判断する所ではない――――様子から察して、恐らくオルカに話すのは早計だと考えていたのだろう】
【それでも、近いうちに嫌でも知る事になるのかもしれないという予感が、アーディンにはあった】

――――――――情報も、俺にとっては大事な商売道具だ
今回は良いものを仕入れさせてもらったからな。それくらいは当然だ

【額に戸惑った様子のオルカに、そう声を掛けて促す】
【情報屋としての顔を覗かせるアーディンにとって、今回の話はそれだけ有益なものだったという事なのだろう】
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/20(火) 22:24:40.44 ID:go9NqZ1fo
【集合住宅街】
【人口密集地のお手本のようなマンション郡。格安から中流クラスまでがピンきりぎっしり】
【公園やショッピングモールへの交通網が充実し、施設整備も行き届いた良物件である】

えーっと、屋台運営費がこうで施設維持費がこう、あの収入がこうなって、こっちがこうだと税金が……。
あんまり余裕ないなぁ……青っちの注文をこなすとなるとさらにキツいし。

【とある学生寮密集地域。バス停のベンチに腰掛け、手にしたボードにはさまれた用紙に記入する人物】
【ちょこんと乗せた小さな丸めがねのせいで、頭だけは知的っぽい風体だが、全体をみると非常に脳筋orバカっぽい】

【堅牢な体つきで、惜しげもなく露出した上半身は胸板も腹筋も申し分ない】
【それから、二の腕の中ほどから黒い袖のようなものをつけていて、袖口はやや広くゆとりがある】
【ベージュのズボンは、その下に鍛え上げられた脚部を隠している】
【彼を犬たら締めているのは、全身毛むくじゃらで、大きな尻尾と、頭部がまんま犬だったという点だ】
【毛皮は少し暗い赤、体毛より明度の高い赤髪を鉢巻でかきあげて、犬種は大型犬っぽいのに若干童顔だった】

【収支報告書のようだが、どうにかして覗き込んだなら、用紙の頭に『家計簿』とポップな書体が踊っている】
【そもそもこんなところでそんなことをする意味がわからない】
【通りがかりの人たちは、いろいろ不振な犬男を無視して通り過ぎる】

【たぶんバスでやってくる誰かを待ち、暇つぶしに仕事をこなしているのだが】
【まあ、言われなきゃわからない。独り言をつぶやくほどに没頭しているのだし】

後は……『卵』の研究費用かガジェット開発か……コレガワカラナイ。
エネルギー問題が解決すれば投入できそうなんだけどなー…それをやると研究が進まないし……むむむ。

【そして最後の数行で、走り続けたペンが止まる】
【なんとなく物騒なことをつぶやくと、犬はうなり始めた】

【自覚がないのだろう、ベンチを占有してうんうん唸る大(犬)男なので、すっごく邪魔くさくてアヤしい】
【バスが通るということは地域の通行拠点である。帰宅中の学生やサラリーマンなどの目に留まる可能性も高い】

【そんな感じで目立つ犬男は、人目も気にせず唸り声を上げ、思考に没頭する】
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/20(火) 22:25:53.60 ID:Iwn86f8SO
>>157

――見るべきは今、か…っ、

【成程、それならば。この結末にも頷けた】
【自分は過去か未来の両極端を見て、今を蔑ろにして生きてきたから】
【全うに今に向き合えたときなんて、あのクールぶった可愛い少女を抱き締めた僅かな時間だけ】
【左脇腹に走る鋭い痛みを、脳裏に蘇ったあの笑顔が――すこしだけ、和らげてくれた】

【だから。ここだけは思いきり振るえる】


っらぁぁああッ!!!

     ――BLIND EVIL


【回り込まれた事実より先は必要としない――後方に相手がいる、それだけで十分だった】
【つまりは、振り向き様に切りつければ当たるだろうと。あまりにも大雑把なその確信には、勿論他の理由がある】
【それは、広範囲に渡る波動攻撃。瞳と同じ暗赤色の波動が、大鎌のリーチを越えて付近のものへ迫ってゆく】
【その正体は魔力では無く、実態なき拳に殴打されるかのような物理攻撃。】

【代償は――暗赤色の瞳に映る視界が溶け落ちること。正確な狙いなど端から捨てているのだ】
【今を見ない攻撃では無く、今に賭けた攻撃。それを読めるかは火燐次第と謂える】

【全方位攻撃でないこと、狙いが定まっていないこと。それはクリティカルヒットからノーダメージまで、あらゆる可能性を内包していると同義だった】
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/20(火) 22:37:21.88 ID:mDbRVfOLo
>>159
【ラベンダァイスの言葉に、オルカは無言で頷いた】
【ただ、彼がラベンダァイスと同じ考えでクルス達の正義を否定しようとしているのかは――解らない】
【あの時、オルカはクルスに自分を救えるのは自分だけ=Aと叫んだ】
【その言葉の真意も、今は解らない】

入院、なあ…
考えはしたけど、駄目だな、金が足りん。

【口にはしないが、オルカは貧乏である】
【能力と自分のお財布事情が密接に関係しているので、当然と言えば当然】
【怪我を負う時の戦いが激戦である程、その後の治癒にかけられる額は減るのである】

それに、万全でも負ける時は負ける。
それを言い訳にしたくはねえ。

【例え万全を期せず負けても、それは言い訳にしたくない】
【その言葉は、オルカの性格と、意地を端的に表していた】

『黒幕』ねえ…
――また、戦うかも知れねえって訳か。

【先日の強敵を――これから会うかもしれない強敵を、夢想しながら】
【オルカは、アーディンの言葉を反芻する】


アンタ情報屋なのか、成る程、そりゃ金も払う訳だ。

【合点が言った、とばかりに笑んで】
【握りっぱなしで少し汗ばんだ金貨を、ポケットに戻す】
【そして、踵を返し】

アンタが情報屋なら、色々聞いてみたいことがあるんだけど…
まあ、今はいいかな。
多分、近いうちに会えそうな気がするしな、今日はこれで失礼するぜ。

【ギプスで固定された右腕をダラリト下げて】
【左手を挙げて左右に振りながら、公園を出ていくだろう――】

/ちょっと短いですが、この辺で…
/お疲れ様でした、ありがとうございましたー!
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/20(火) 22:41:53.13 ID:2VlUzXOno
【半分の月が夜空を照らし、半分の光が地上に降り注ぐ
薄靄がかかった砂雪のような月光は、そのままでいるには少々暗すぎて
人工的な照明がちらほら、店先に並べられてライトアップしていく】

【そんな水の国の噴水広場、そこのベンチにて
一つの困ったような少女の人影が、すーっと、灯火に惹かれて薄く伸びていく】


んっしょ……っと――――やはり片手で、となりますと普段の半分もお仕事をこなせませんね
どのような場合におきましても、与えられたお仕事をこなしませんと……従者≠ニしては失格にございます


【霞のような潤いに満ちた淡い唇から紡がれるのは、砂糖粒のようにきめ細やかな言葉の砂
両手ですくって夜空に棄てて、夜風に乗って周囲に広がると、一つ一つの音が風鈴の如く鳴り響く
聞き取り易いソプラノボイスは、凪の海に放った小石のように、すーっと広がっていくことであろう】

【ベンチにちょこんとお尻を置いた白銀の長髪をポニーテールのように黒いリボンで結び、メイドカチューシャを付け
スレンダーな身体を、強調するように胸下で大きくエプロンドレスの結び目を目立たせる
黒と白のロングスカートメイド服を纏った、巨乳の少女
黒いメイドブーツと、白い手袋、そして真紅の瞳が、妙に高貴な印象を与えるだろうか】


(――――……とはいえ、このままでは次のお仕事に支障をきたす恐れも……
どなた様か、心優しい御仁はいらっしゃいませんでしょうか……)


【彼女の左腕を見てみれば、包帯で出来た三角巾がぐるぐると肩から伸びて、左腕に巻かれている
添え木が左腕を固定していて、その腕を痛めているのだろう、と容易に想像できるだろうか
そして彼女の直ぐ側のベンチには、品物が沢山詰まった紙袋が三つほど】

【一つ抱えるのですら精一杯そうな細腕で、三つを運ぶというのは難儀な仕事であろう
表情にはほんのりと不安が陰り、数刻の余暇を、暗澹で塗りつぶしていく】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 22:42:15.65 ID:Cbebz+qno
>>161
――――お祖父様ならば間違いなく言う、斬ってみてから考えろとッ!

【二代揃って、今を駆け抜ける道を選択した生粋の戦闘種族、花城家】
【過去を振り向かず、今はただ考えることは、どう相手を打倒するか】
【生き延びたのは間違いだったのか、人をやめたのは正しかったのか】
【ソレら過去の事は―――――今に居る以上変え用のないこと】
【祖父を超える、妹分と幸せな日々を過ごす、美味しいものを食べる】
【ソレら先の事は―――――今を駆け抜けた先にしか存在しないもの】
【――――過去に後悔をしないために全力で今を駆け抜けて】
【――――未来を切り開くために今を全力で貫き通す】
【今を生きることは、過去と未来を蔑ろにする事ではない。むしろ、今と過去のために、現在を生きるのだ】

【故に――――踏み込みに、体捌きに、刀を握る手に――――っ、迷いは存在しないッ!】


――――現在が機、進まずしてどうするものか‥‥此処が力を込めるべき場ッ!!


【直後、静かな蒼炎は、想像たる業火へとその性質を転ずることとなった】
【現在を賭けた一撃に対し、現在を賭ける事で火燐は反撃と成した――――】

呼吸を――――ッ、ぐ‥‥ッ!

【ギリギリまで、波動を自己の身に惹きつけようとしたが、己の体に横一線】
【ぶばぁっ!鮮血が飛び散り――――しかし、其処が機】


  落 と す ――――

      ――― 喰 ら え ―――

          ―――― 星 鬼 櫻 っ !


【消えるか消えないかの刹那火燐は――――踏み込みを選択した】
【た、たんたっ!まるで舞踏のようなステップは、武闘とは思わせぬ動きで】
【しかしながら、それは神速を以て振るわれた大鎌を持つ腕の腱、どころか腕を落とそうと迫る】
【いわゆるカウンター、引きからの踏み込みの掴ませぬ様は、文字通りの炎、蜃気楼の様相】

(‥‥踊るみたいだ―――ウェスカの動きに合わさるように、体が回る、踊る、趨る)

【祖父が言っていた。無駄を限界までそぎ落とすと、其れは其れは美しい姿となると】
【其れを、ふと思いだした。思う、コレをもっと突き詰めれば、どうなるのかと】
【思えば思うほど、現在に込める想いが強くなっていき、剣を握る己の口角が釣り上がって行くのが分かる】

(嗚呼――――矢張り‥‥ッ、面白いッ!)

【言葉はないが、この感情。共有することすら可能な、単純な思いであった】 
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 22:51:12.86 ID:rKEJCpwv0
>>162

「(――――あの人にも正義の志がある事は、痛いくらいに分かる…………
でも、そんな妥協をしてる様じゃ、その正義は偽物になっていくしかないのに……)」

【無言で頷くオルカの姿に、ラベンダァイスの脳裏にはクルスの姿が浮かぶ】
【自分に出来る事は何か――――それを確かめる一環として刑務所の防衛に赴いたラベンダァイスにとって、自らの信念のために戦うクルスは、重要な手本だった】
【しかし、それもあのような従者を連れてでは、自己矛盾をきたしてしまう――――それがラベンダァイスには残念だった】

(――――――――根っからの戦闘狂、というべきか?)
まぁ、確かに限界と言う物はあるがな…………無理はするなよ?

【オルカの言葉を受けて、アーディンもその性質をなんとなく理解したようだ】
【なら、こんな言葉を残しても無駄なのかもしれないが、忠告はする。半ばで命を落とさないために】

(――――次に『奴等』がどう出てくるのか…………問題だな)

【今からその戦いが待ち遠しいと言った様子のオルカを見据えながら、アーディンはふと顔を伏せる】
【十中八九、テロの首謀者の正体には見当がついている。だからこそ、次に何をしかねてくるのか、アーディンは心配だったのだ】

あぁ、気をつけてな
「おやすみなさい、オルカさん…………!」

【去っていくオルカを見送るアーディンとラベンダァイス】
【気がつけば、より天候も悪化して、自分たちもそろそろ戻らなくてはならない頃間だ】

――――そろそろ行くぞ、ラベンダァイス……あまり外出時間を超過しては、医者がうるさい…………
「そうですね、雨も降ってきましたし…………」

【オルカの姿を見送って、彼らも公園を後にする】
【傷だらけの身体を引きずる二人の姿は、痛々しさと力強さを同時に湛えた、正に戦士のそれであった――――】

/乙でしたー!
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/09/20(火) 23:12:21.78 ID:Iwn86f8SO
>>164

…っく、はは、ッ――!

【刃を振り抜いた時、僅かな慢心が笑みとなって顕れていた】
【これは得た能力の片鱗に過ぎないのだから。これより先があるのだから――】
【――やはり切り裂いた感触や良し。問題は予想だにせぬカウンターだった】

【ず、しゅっ】

【陽炎のように溶けた視界に躍った影が何かを奪い去って、右腕が軽くなる】
【目では未だ追えない為に、目眩滅法にもう一撃振るおうとした鎌は手中に無かった】

【――否、腕が無かった】

【感覚で悟り、痛みで確信を得れば。ウェスカは地に膝をついた】
【未だ完全な適合を見せないこの能力では、得物を無くせば勝機は見えなくなる】
【この勝負――火燐の勝利、であった】

は、っ…相も変わらずお祖父様、か…
そこだけは、変わってねぇな…火燐

――ただ闘うだけじゃ、ここまで成長出来やしねぇ
でっかい目標が…アンタを強くしてるって訳だ。…羨ましいこったな

【くつりと笑う顔には、戯れと位置付けていた割りに充足感が浮かんでいて】
【右腕には、感慨も無いのか――もしくは何かしら手段があるのか。兎も角、無くした事には悲観もしておらず】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/20(火) 23:16:32.00 ID:go9NqZ1fo
>>163
「………、納得いかない、の」
「何故小麦粉をいちいち分類する、の?」
「同じ、はずなの。小麦粉なら小麦粉で、どれでも大差ない、の」

【噴水広場の従者の前、手にした袋を持ち上げては、首をかしげる少女が一人】
【商品名は薄力粉。主に菓子類に用いられるもので、焼いたときの仕上がりが繊細になりやすい特性を持つ】
【だが金の目をした少女は、他種との違いを理解していないらしい】
【持ち上げたりおろしたり、口を開いて中を覗き込む横顔は、どうしようもなく無垢な疑問に満たされていた】

【中学校就学前程度の外見に、気のない金のジト目と栗口。白哲の肌】
【側頭部を隠す耳垂れがついた、猫耳めいたニット帽】
【帽子の裾から覗く前髪は黒だが、耳がある位置から後ろは、黄身掛かったプラチナヘアを帽子の中に押し込んでいるらしい】
【薄手の半そでベストに、丈の短いミニスカート。腰に巻かれた謎のファーは何故か四分の三程度しかない】

【黄の少女は、そのまま女性に気づくことなく通過しようとする】
【ある意味で一途に、悪く言うと熱中するとほかが見えなくなるのかもしれない】
【同じはずなのに薄い粉への疑問でいっぱい、周りのことなどどうでもいい、と言いたげな、】

【…ところが、ふと念話に近い声が、鼓膜ではなく心か脳に直接届くだろう】

(”だ、ダメだよっ!! リズが買って来いって言ったのは強力粉っ!!”)
(”説明されたじゃないかっ、麺の食感にかかわるからって何度も何度も……!!”)

【発信源は多分、すぐに理解できよう。少女がやってきた方角、ビルの陰】
【何かの拍子で発振された心の動きが、動揺で直接伝達される異常事態】
【壁と壁の間からひょっこり曝け出された猫耳は青く】
【付け根のボサボサな黒髪と、後部にゆれるブループラチナのポニーテール】
【エメラルドのような瞳が、少女からそれて、ゆっくり従者を捕捉すると、丸く丸く】


――――――かっ、かかかっ、カノンねぇ!?


【―――――深夜の広場に響き渡る悲鳴は、普通の声】
【ぎょっとした青の猫少女と、従者の左前方で立ち止まる黄の少女】
【機械的無表情を張り付かせて、黄の少女は肩を竦めて振り返る】

「……隠れ方がへたくそ、なの。ローズねぇ」
「さっきから何度か、漏れてた、の」

【おかしな呼び名で、きっと従者もよく知る猫へ通告しながら】

【一方、なぜか猫は、首から下を晒そうとせず】
【しばらくあたふた慌てると、顔も引っ込めてしまう】
【接近すれば、羞恥による動揺が伝わるかもしれないし、頭かくして尻尾は隠れていない】
【「恥ずかしい、見られると困る」。そんな感情―――――?】
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 23:19:51.03 ID:Cbebz+qno
>>166
――――ふっ!

【腕を振りぬき、鮮血を腹部から散らしながら、しかし】
【確実に、火燐は相手の腕を切り飛ばしていた――――】

【同時に、剣速の加速等で負担を得ていた太刀は砕け散って】

【腹部と腕を深く切り裂く斬撃は、火燐の肉体からしとどに血を吹き出させる事となった】
【だが―――その顔に有るのは、笑み一色】

私は、お祖父様が大好きだからな。
いくら変わろうと、己の親で有り師で有り友で有ったお祖父様を忘れる筈は無いさ。
故にこそ、追うのではなく、魅せつけるほどに強くなると決めている!

‥‥ま、戦い自体好きだからな、やはり生きることは戦いだ
憎しみとかを抜きにして、だ。怒りに任せて宣戦布告しておいてなんだがな。
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 23:20:20.25 ID:Cbebz+qno
>>166
//途中投稿ですごめんなさい!
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/20(火) 23:23:32.38 ID:Cbebz+qno
>>166
――――ふっ!

【腕を振りぬき、鮮血を腹部から散らしながら、しかし】
【確実に、火燐は相手の腕を切り飛ばしていた――――】

【同時に、剣速の加速等で負担を得ていた太刀は砕け散って】

【腹部と腕を深く切り裂く斬撃は、火燐の肉体からしとどに血を吹き出させる事となった】
【だが―――その顔に有るのは、笑み一色】

私は、お祖父様が大好きだからな。
いくら変わろうと、己の親で有り師で有り友で有ったお祖父様を忘れる筈は無いさ。
故にこそ、追うのではなく、魅せつけるほどに強くなると決めている!

【血を流しながら、いつものバ火笑いを路地裏に響かせていて】
【充足感のある表情で、両の手を開いて閉じて頷いて】

――――うむ、少し見えてきた。

【ざわり、と己の体から吹き上がる哲学者の卵の気配を鬼の妖気を以てしてねじ伏せて】
【負を以てして負を食らう、その力技の様は、かえって火燐という物をよく表す姿だった】

腹が減った――――な。

【腹をさすりながら、ちょくご路地裏を轟音が駆け抜けて】
【月を見上げ、火燐は何かを握るようにその手を伸ばすのであった】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/20(火) 23:33:11.77 ID:2VlUzXOno
>>167

【脳内に流れ込んできたのは、小さな小さな、妖精達の噂話にも似て
最初はふとした驚きを感じたものの、それを表情に出すことはせず
ただしんしん、と視線を揺らして、彼女に触れる、言の葉の主を見つけるだろう】

【貴女を見つけると彼女は、細く長いしゃんとした眉毛を少々揺らした
それは確かに偶然の邂逅に驚く表情に似て、やがてそれは、目じりを緩める、微笑みの色に変わる
そして貴女の声に誘われるように、彼女はすっと、ベンチから立ち上がった】


あら――――……奇遇でございますね、こんな所で貴女と会えるとは思ってもみませんでした
此方の方は……貴女の親族か、はたまたは親しい人でいらっしゃるのでしょうか
初めまして、私はカノン、カノン=ラン=パトリオット、と申します、以後――――お見知りおきを


【言の葉を揺らしつつ、彼女は悠然と歩みを進める――――足の動きにつられて、羽ばたくように長いスカートの裾が捲れる
黄の少女へと、好奇心のような感情を滲ませつつ、優雅に一片、大きく頭を下げて礼をすると、彼女の好奇心はまた再び揺れる
夜風に弄ばれる彼女の心、心なしか疲れているような色が、表情に見えるかもしれない】

【そうして、数歩ほど貴女へと歩みを進めつつも、ふと疑問が脳裏に過ぎったようで、途中で歩みを止めるだろう
数瞬遅れて、スカートが瞬きあがる、彼女の軌跡を辿って、黒いストッキングに諭された両脚を、隙間から覗かせて、やがて包み隠す
少なくとも従者≠ナある彼女は、他者の感情の読み取りに関しては――――得意な面があるのだろうか】


……っと、申し訳ございませんが、私は今、沢山の荷物を抱えていまして
わずかな距離ではございますものの、もしもの事を考えると、あまり無碍に扱うわけにもいきません

ですので、宜しければ出てきていただきませんか?
互いに裸に近い御姿を晒した仲にございましょう、何も躊躇う必要はございません、かと


【立ち止まる彼女は、ふと疑問を感じたように、言葉のお尻を下方向へと緩める
口元にそっと添えられる指先が唇に沈み込んで、彼女の小首を傾げる動作を友禅に染める
瀟洒な横髪が、整った顔たちを修飾すると、少し背伸びした彼女がそこに現れて】

【黄の少女の金色の眼に吸い込まれる月光の瞬き
満開の月輪を、そこに見つけると、彼女はしん、と真紅の瞳を微かに向けるだろう
大人びた顔たちの彼女は無表情に近くとも、そこには薄く、感情を貼り付けている】
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/20(火) 23:48:33.82 ID:go9NqZ1fo
>>171
【黄の少女は、ようやくカノンを認めて視線を移す】
【金に近いレモンイエローの瞳は、人形めいた無感情】
【薄力粉を後ろ手にしまうと、淡々とした口調で名乗り返す】

「私は、プリムラ=ブルガリス。ブルーローズのデータを元に開発された、有機アンドロイドR-typeNo1」
「…ローズねぇの、妹、というものになる……らしいの。いまいち意味は、わからないの」
「……カノン=ラン=パトリオット…あなたの事は知っている」
「けれどその格好……俗に言う、『メイドさん』、というものなの?」

【荒唐無稽だが、機械的過ぎる口調にうそが混じる様子はない】
【優雅な一礼の意味を理解し切れなかったり、遠慮なく直球でものを尋ねたり】
【何らかの説得力を与えるだろうか、短いスカートの端をつまみ、その所作を真似して見せた】
【冷たいほど完璧な鸚鵡返し。】

や、その、あの……って、ねぇ、怪我してるっ!?
大丈夫っ!?

【要請に躊躇いを見せ、一瞬蹈鞴を踏んだけれど】
【ふと左腕の怪我を目撃すると、一目散に躍り出て駆け寄ってきた】
【―――――多分、すぐに逡巡の理由もわかるだろう】

【猫はいつものインナーと、カットジーンズ姿ではない】

【チェックの入ったスカートに、学生が着るような真っ白なブラウス】
【半そでがうっすら膨らんでいて、胸元に巻かれた真っ赤なリボンは、髪を束ねるものとお揃い】
【元の脚力を生かすためだろうか、靴ではなく、土踏まずをベルトで止めるタイプのニーソ】
【ありふれた女学生のような、らしからぬ風貌】

わっ、これ、どうして……?あっ、ボクが一個持つよ、貸して!
プリムも手伝ってくれないかな、すっごいいっぱいあるしっ!!

【根本的な部分で、自分よりも他人を優先する傾向があるローズ】
【それまでの羞恥をふっとばし、何よりも先に手伝える事がないかと、置かれた紙袋を一つ抱えようとする】
【ついで、小麦粉を後生大事に抱えていたプリムラを愛称で呼びつけると、彼女は首をかしげる】

「……それは命令ですか? 『オツカイ』の指令より優先されるもの、なの?」

命令…じゃないけど、でも手伝ってくれるとうれしいのっ!! 手伝うべきなのっ!!

【感情のない人形のようなプリムは困惑したけれど、駄々をこねるようにまくし立てたローズは、言外の強制力を放っていて】
【状況判断の材料として、カノンを見るだろう】
【ガラス球のようなレモンイエローだが、瞳孔や風貌は見た目相応】
【…きっとまだ未完成で、入力されたロジック以外の遂行ができない、赤子同然のようだった】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 00:03:24.59 ID:hE2vOaTpo
>>172

【言葉は人工的で無機質に聞こえて、どこか排他的な響きを宿していた
けれども、口調から言えば、彼女もまた、ある種独特な口調をしている身で
複雑な思いを宿しつつも、脳裏には様々な色が瞬いて】


プリムラ様でございますね、あら、私の事は既に知っていて下さいましたか
ええ、そうでしょうね――――少なくともこの服で仕えていた頃はメイド≠ニいう役割もロールしておりました

……そして、私にも一つ質問をすることを許していただけるのであれば
開発された≠フ意味をもう少し、詳しく辿らせていただきたいものです


【完璧に真似される、彼女の仕種は、鏡を見ているが如く、聞き覚えのある旋律を宿していた
ふむ、と好奇心に胸は躍るものの、同時に感じるのは、微かな疑問にも似た心
そして同時に紡がれるのは、確かな疑問であろう】

【ローズ≠フ出生は、それこそ奇跡にも近い偶然が折り重なってできたもの
それ故に――――今までの言葉で判断すれば、プリムラの存在は、あまり好ましく思えないのも確かだ
――――脳裏に宿るのは、一体誰の残影であろうか】


……久しぶりに会ったと思っていますと、随分と可愛らしい格好でございますね
とても似合っていらっしゃいますよ、それこそ、姉として随分と誇らしく感じます
と、同時に不安にも感じますね――――悪い虫≠ェその花弁に惹かれ、迷い込んでしまいそうで

ふふ、そうですね……今日は貴女の言葉に甘えることにいたしましょう
――――見ての通り、でございまして……少々不調と言ったところでございます


【ゆったりと言葉をつむぎながら、見初める貴女の姿に、素直な賛辞の言葉を零す
それはまるで、実の姉が、妹の成長を喜ぶような、細い咽喉を通って、真っ直ぐに零れる、純粋な好意
そして、彼女らしからぬ様子で、貴女の受け入れを聞きいれ、紙袋を持ってもらうだろう】

【紙袋は存外に重い、食品が大量に入っており、両手で抱えるのが精一杯といったところか
彼女は残るであろう一つを右の手で抱えると、自身の周囲にいるであろう二方へ視線を揺らす
真紅の眼差しを覗き込めば、疲労の色が目に見える事に気づくだろうか】
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 00:04:11.51 ID:u8Je3K4SO
>>170
【右腕と共に落ちた大鎌は、銀のフォルムを液状に崩して再集結し――レイント社製の端末へと変わる】
【それを左手で拾い上げ、地面にある自分の右腕をまじまじと見ていた最中。怪獣の鳴き声か何かが路地裏を駆け抜けた】
【…それが腹の虫だと気付くのには少しの間を要したが。呆気に取られていた様を崩して、ウェスカはくつくつ笑い出す】

――うし、負けたし飯でも奢ってやるか。
ってお互いひでぇザマだな…小洒落た店は行けねえから路地裏の飯店か
行き掛けに…何だ。アレを何かすりゃ怪我はどうにかなる、な。多分

【もしかして:あやふや】

【ウェスカの提案に乗り飯店へ向かったのなら、程なくしてあやふやの正体は掴めるだろう】
【戦闘中に見せなかった能力――SENSE OF WONDER=z
【他人の生命力を代償に、回復及び自己再生力を飛躍的に高める力。逆に自分から他人への生命力還元も可能である】
【道中に居る浮浪者を数名絞って実演していく中で、互いに体力は幾らか回復する筈だ】

【ちなみに。飯店はメニューの豊富さと大盛の容赦の無さで人気を博す店である】
【そして今回の奢り担当には、特に金銭的な面で遠慮は一切要らなかったりする】

【過程はさておき、別れるまでに語られる話の中には――何かしら互いに有益な内容があるかも知れず】
【ウェスカから語られた中で言うならば卵以外の新たな能力開発手段について≠セ】
【それが機関で開発されていて、指揮を取っているのがウェスカ自身である事までは、聞き出せる筈である】

/ちょっと急ぎ足でしたがこれにて、お疲れ様でしたっ
/遅レス申し訳ない…
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/21(水) 00:05:49.04 ID:U9m76EYRo
>>174
//お疲れ様でしたー!
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 00:30:01.29 ID:8tDROM3Fo
>>173            リズヴェルグ
「ブルーローズの存在は、上位固体の想定しないもの。魂や命と呼ばれるものは、作り出すことができなかった」
「また、元々その身体はリズヴェルグが製作したもの。それが変異したということは、進化の可能性を証明する」
「その過程で『哲学者の卵』以外の要因を用意した時、どういう取り合わせにおいて魂が発現するのか」
「そのシミュレーション、第一号機。量子演算型支援AIの一騎を、マイナーチェンジで搭載した」

「『ラプラスの眼は魂を観測するか』。リズヴェルグはそう言った」
「……それから、ローズねぇの言葉が、決断に踏み切らせたといっていた…の。」

…ちょっと話しててさ、カノンねぇとかベルねぇとか…おねーさんって、どんな気分なのかなって話してたの。
そしたら、ある日突然顔合わせさせられて―――――。
あ、リズヴェルグってのは、ボクの保護者だよ。にぃとねぇがいない間、面倒を見てくれてたんだけど……。

【最後の一行を除き、問われたことに対し正確に、淀みなく答えたプリム】
【量子論の悪魔を引き合いに出しながら、ローズとは出発点が異なるという回答】
【難解な説明の裏側には、なんとなし異常な価値観も見え隠れしていたけれど】
【申し訳なさそうに補足したローズの言葉にも、少なからぬ戸惑いは含まれていた】
【まだ妹の存在を、完璧に納得しているわけではないらしい。嫌ってはいないようだが】

【要点を述べると、ローズのような爆弾は今のところ存在せず、なおかつ猫が直接の引き金である、とも】
【実行してしまえる『保護者=上位固体』。変人奇人の類であることは十分察せられよう】
【尻すぼみの猫の言葉も、相手を持て余している気持ちが存分ににじみ出ていた】



………か、カノンねぇが似合ってるって言ってくれるんならっ、いいかな!?
うん、信じるからね、後で笑わないでねっ!?

でも、虫って何? これ来てるとなんか寄ってくるの?

【自信がなかったのかもしれない、似合うと言ってもらえると、すぐさま顔を赤らめて喜ぶ】
【子供のような言葉遣いは相変わらずだが、その予防線を張る間すら、常に小躍りするような心持】
【――――――虫の意味は、理解できてないようだ。ブラウスの首元を鼻に近づけては、首をかしげていた】

まかせ……ってっ! ボクだけならまだしも、プリムも手伝ってくれるからっ!!
ねっ!?

「……指令、承諾。」

【抱えてふらつきながらも、気合十分といったローズ】
【それもそのはず、至近に近寄らせたら、その高ぶる気持ちを腕輪が伝えるはずだ】
【「恩返しのチャンス!」だとか、「少しでも役に立ちたい!」だとか、すっごい乗り気で】
【今まで散々世話になっていたので、鼻息荒く紙袋を抱えていた】

【プリムも結局折れる、というか、何かに合わせてコマンドでも飛ばしたのだろう】
【しぶしぶといった様子で紙袋を抱えた。重みでよろけはしたが、ムラッケのあるローズと違いぶれは少ない】
【機械的な思考などが役に立っているのかもしれない】

……カノンねぇ、何かあったの?
いつものねぇらしくないよ?

【覗き込むような視線には、突っ込まずにはいられない】
【腕が折れたくらいで助力を頼むとも思えない。ローズにとってのカノンは、頼りになる女性だったのだ】
【表情に対し機敏なローズは、眉根を寄せて尋ねてしまうだろう】
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 00:49:00.80 ID:hE2vOaTpo
>>176

【流石に想定していなかった単語の群れに、寸刻、素の表情が零れた
頭が悪い、というわけでは無いのだが、それほどまでに、貴女の存在は特別≠ネのであろう
何とか飲み込みつつ理解しようとするものの、完璧に理解する、というのは難しくて】


……なるほど、浅学な私めには少々重い説明でございましたが、概ねの理解はできました
リズヴェルグ様の事も気にはかかりますものの、一つ考えたことがございます

ローズの妹君がプリムラ様でございましたら、ローズの姉という存在である私は、プリムラ様の姉でもある、ということになりませんか?
他愛も無い要望でございますが故、口に出すのも恥ずかしいといった様相ですが
――――このような可愛い妹がもう一方増える、と思いますと、やはり嬉しい≠ニいった感情が優先されますので……


【頬に滲む、紅潮色のシロップのような甘い淡い色――――白い絹糸のような柔肌に、それは染め上げられていく
恥ずかしそうに目をやや伏せて、頬を白布で包まれた指で掻くと、乱れた横髪が、風に弄ばれて
――――彼女が子供好きなのは、知る人ぞ知る情報だったりする】

【それと同時に、微かな不快感、にも似た感情を抱いているのもまた正であろう
少なくとも、話を聞いている限りでは、命を軽視している行為に近くも感じられる
耳に入れたその名≠ヘきっと、不協和音を響かせていった】


ふふ、分からないのでしたら、知る必要はございませんよ
私の目が黒い内は、その様な御仁は斬って伏せて差し上げますので――――……


【冗談交じりに言の葉を交えながらも、やはり、貴女に突っ込まれるぐらいには表情は疲れ気味だ
確かに何時も気丈に振舞う彼女らしからぬ様子とは言えよう、言葉と同じくらい、大事に思っている貴女を
そして、貴女の妹を、自身の都合で働かせてしまうぐらいに】


……あまり、妹にこのような姿を見せるのは好ましくないのですが……
少々用事が重なり仕事が忙しい、といった言葉が一番相応しいでしょう

そして……そして、目的≠ェ遠くて、遠くて……諦めてしまいそうにもなるのです


【彼女の横顔が乱れる、爪先で擦ると、今にも剥がれて、吹き飛んでしまいそうなくらいに
貴方達へと向ける表情には、微笑が宿っている、けれどもそれも、薄氷の如き、冷たく薄っぺらく壊れ易いもの
それほどまでに貴女に気心を許しているのだろう、こんな、無防備な姿を見せるくらいに】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 01:15:47.84 ID:8tDROM3Fo
>>177
「………、ローズねぇ、カノン=ラン=パトリオットは何を言っている、の?」

君にもカノンねぇって呼んでほしい、って言ってるんじゃないかな。
―――――呼んであげたら? 多分喜んでくれると思うよ。
それにねぇも。この子ね、プリムローズって名前も持ってるから、プリムって愛称で呼んであげてよ。

「………? カノン、……ねぇ?」

【今度はプリムが、カノンの言葉を理解しかねた】
【無表情は変わらずだが、眉が寄る。どうしてそういう話になるのか理解できない、ような】
【そしてカノンの意思を翻訳したローズは、らしからぬつっけんどん】
【視線を逸らしたりしながら唇をやや尖らせ、時々揺り返した緑の眼が両者を観察していた】

【保護者に対する評価は、正解であろうと思われる】
【というより、アレは何かが根本からおかしいと、その近くにいるものは否応なしに実感する】
【いずれ会えばわかるだろう。この場で言葉に乗せなかったあなたの判断は、きっと最良だった】


――――――カノン、ねぇ……。

【薄氷を晒されたローズの顔は、よりいっそう暗い蒼が降りかかる】
【表情が読めるというのは、時として悲劇をもたらす。気遣いのペルソナを剥ぎ取り、奥へ奥へと鋭く突き刺さり】
【カメラがフィルムに景色を焼き付けるように、自分自身にも転写してしまう】


……諦めちゃ、ダメ。


【でも、享受するばかりじゃない。相互の関係が重要であることを学び、繋がりを抱きしめるローズは、確かに変わってゆく】
【ここで何も言わない事は、許されない気がした】
【否、今だからこそ何かを言わなければいけない気がした】

【たとえ自分の都合でも、猫は笑って答えたように】
【いつか痛みを受け取って、癒してもらったことを忘れないから】
【この瞬間、今日の出会いはきっとそのためにあったのだからと、頭ではなく心で理解した】

ねぇがどんなお仕事をしてて、何をがんばってるのかはわからない。
でも、それが誰かのためになるなら、こんなところで挫けてちゃダメだよっ!
ねぇは誰かのために頑張れる人だから…頑張る事をやめちゃいけないよ。

…それに、ね。ボクはいっぱい、ねぇに頑張る勇気をもらった。
それはねぇが、ボクの弱いところを受け入れてくれたからだよ。
カノンねぇの妹であるボクに、同じことができないはずがないでしょう?

信じて、ボクのこと。カノンねぇが大好きなボクのこと!

【その苦しみは、ローズには断片的にしかわからないけど、励ます事はできる】
【今まで自分も、そうしてもらったのだ。だから次の日頑張れた。次の次も頑張れて、挫けそうになったら出会って、休んで】
【もらったものは返し、信頼には応える。利子つきで。―――――だから、信じてほしいと懇願して】

…だから、たまにはボクに甘えてもいいんだよ? ねぇ。

【荷物を持ってるから、手は空いてないけれど】
【歩調を合わせ、寄り添って…猫は甘くささやきながら、その腕に柔らかく頭を寄せた】

【黙ってローズに併走していたプリムだが、無表情のまま反応もせず】
【持ちにくいからと考慮して、自分の薄力粉を上に乗せた】
【―――――その下に一つ、何か薄いものをこっそりと隠しながら】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 01:18:03.77 ID:hE2vOaTpo
>>178
/ごめんなさい……明日の事を考えると今日はこの辺りが限界です
/できれば持ち越しにしていただきたいのですがどうでしょうか……?
/明日であれば恐らく九時頃くらいなら居ますので
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 01:19:21.71 ID:8tDROM3Fo
>>179
//了解です、それでは準備が出来次第舞台裏にて及びください
//こちらこそながっちりになってしまい、申し訳ありません
//それでは、いったんお疲れ様でしたー!
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 01:21:25.36 ID:hE2vOaTpo
>>180
/有難う御座います!
/台風を心配しつつ……お疲れ様でしたー
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 17:12:06.42 ID:SaMeiPrw0
【大通り】

【この時間帯であれば、普段なら散歩や買い物など、人通りは多いはずなのだが】
【今は、人影はまばらで】

――ックシュン!

【少女のくしゃみもよく響く。お世辞にも天気がいいとは言えない空の元】

ズズ……、やっぱり傘持ってくればよかったですね……

【濃い灰色のローブは、細かな雨粒を吸ってその色を深め】
【両親指の銀色の指輪も、胸元の「L」の字をした首飾りも、鈍りこそすれ輝きは無く】
【左腰に下げた一振りの抜き身の刀も、自らの妖気に紛れたか煌きは見えず】
【唯一、背中に背負った三叉の槍が、妙な威圧感を放っている】


【ぱちゃ、ぱちゃと小雨の中水音が鳴る】
【少女の視線は、足元の方を向いていて――】
【ともすれば、誰かとぶつかってしまうかもしれない】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 19:41:31.94 ID:EJDECU6Z0
>>182
/まだ居ますかー?
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 19:45:34.35 ID:SaMeiPrw0
>>183
/貴方の真上か真下にいるの
/ただし途中で夕飯を挟みます
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 19:54:54.42 ID:EJDECU6Z0
>>182

やあ、どうしたんだい?

こんな雨の日に、傘も差さないで

【すたすたと、少女のほうに向かって歩いてくる少年】
【その手には黒いビニール傘が差されており、静かにそれで少女に当たる雨粒を遮断する】

【真っ黒の短髪、真っ黒の双眸の少年】
【無作為に切り揃えられた短髪、敢えてであろうか】

【黒い、としか言いようがないローブを羽織るように被っており】
【中には漆黒と純白のバーテンスーツを着ていた】

【両手両足には朱に染まった歪な包帯が無理やりに巻かれており】
【痛々しく、かつ不気味さを煽っている】

【相手の背中にあるものになど、目も移さずに】
【静かに相手に傘が当たる位置で、歩幅をあわせる】

得てして相々傘の形になっちゃったけど、気にすることは無いよね

―――――雨に濡れてるのも様にはなるけど、雨に濡れてちゃ風邪引くし

【ふぅ、と一息入れると少女のほうを向き、笑う】
【歪な笑顔では有ったが、彼なりの思いがあるのだろう】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 20:20:12.11 ID:SaMeiPrw0
>>185

――ックシュン……ズズ……?

【少年が視界に入るか否かのタイミングで、再びのくしゃみ】
【――雨が、止んだ? いやまだ降っている】
【何の気なしに上を向く。傘、手、腕を通って少年の顔、と非常に分かりやすく視線が動く】
【手の包帯を見て、一瞬ぎょっとしたのも分かるかもしれない】

……あ、その、えーと……
朝は降ってなかったから傘を持ってなかったんですよ……。そして今になってこの雨です……。

【いきなりの傘に戸惑いを隠せないまま、それでも最初の問いの答えを返してみる】
【よく見ると、少女の服には草や小さな葉っぱがほんの少しこびりついている】
【大体何処にいたのか予想は付くだろう】

う……多分もうひいてm……ックシュン

【それにしてもくしゃみが多い】
【ちなみに、少年が現れてからはきちんと手で鼻や口を覆ってくしゃみをしている】

/夕食が挟み込んでましてただいま戻りました
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 20:35:25.49 ID:EJDECU6Z0
>>186

ふむふむ、なるほどね

君がどんなところをさまよっていたのか、俺は関係ないけど

かわいい女の子が、雨に濡れて風邪をひくっていうのは、些か嫌な気分になるね

【大して表情も変えずに、少年は持っていた傘を左手に移し】
【右手で、“何か”を握り始めた】

【握り始めてから少しして、少年の手にはもう一本の傘が“いつの間にか”握られていた】

これをどうぞ、―――少々センスが悪いけど

背に腹は変えられないってね

【そういうとその傘を少女に向かって突き出す】
【綺麗な群青色の、革で作られたスーツのような傘であった】

それと、これもね

とりあえず、君を助けられた俺の優越感の代わりさ

【そういって少年は傘と一緒に握っていた手を開く】
【中にはよく見る市販の風邪薬が瓶で入っていた】

【いつの間に現れたのか、と不安を煽るだろうが】
【それらは至って普通の道具、可笑しな効果などは無い】
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 20:46:49.30 ID:du++uVKeo
>>178

【聞き慣れた旋律を紡ぐ、聴きなれない新しい声
その音色は耳に不思議な感触を与えて、ふわふわとした夢見心地のような響き
――――これが自然になる日がきたら、とふと心の中で考えた】


分かりました、プリム、ですね……可愛らしい名前でございます
あ、勿論ローズもですよ、名前だけでなく見た目もなのは言うまでもございません

……言い難ければ、無理に紡ぐ必要はございませんよ
形だけの言葉は、単なる造花に過ぎません……でも、やっぱし――――
造られた言葉でも嬉しいものは嬉しいのに変わりはありませんね


【言葉はどこか人懐っこく、普段の彼女と比べ、少し背の低い、屈みこんだような視線の色
ローズに対して冗談交じりに紡ぐ言葉は、すっかり本物の姉らしさを宿らせているようで
次に述べるプリムに対する言葉も、初対面の相手に対する態度としては珍しい様子であろう】

【きっとその根底には、ローズに対する好意が深くあるのだろう
微笑みの奥の表情には鮮やかな桃色にも似た甘ったるいエッセンスを響かせて
滲み出てくるそれは、誰に対しても等しく零れるように、思えるかもしれない】


(――――それが、貴女達に対して危害を加えることでも
本当に貴女は頑張れ=\―――と、言って下さるのでしょうか)


【言葉は確かに彼女の薄氷を揺らした、割れた破片からは綺麗に整った氷の結晶が舞い散って
微笑み色のそれは、確かに周囲に安堵に近い雰囲気を撒き散らすものの、その奥の彼女は決してそうではない
瞼を閉じて、睫を滲ませ、素顔の彼女に近い表情を見せつつも、微笑みとするには水で薄くなりすぎている】

【だからこそ、腕にもたれかかる小さな感触――――羽毛のようにふわふわとしていて、それでいてしっかりとした感触
右の腕にもたれかかるような貴女を愛しく感じて、包帯で固定された左の腕先をすーっと伸ばして、髪を撫でようとするだろう
プリムからは、微かに歪む彼女の表情が見てとれただろう】


……とても嬉しい言葉にございますが、それはできない相談ですね
私は姉≠ナす、姉の矜持にかけて、妹に対していつまでも甘えを見せてはいけないものでしょう

そして同時に私は従者≠ナもございます――――姉≠ニ従者
互いに共通するのは、どちらも、頼られる存在でなければならない、ということです

ですから、甘えて欲しいのです、ローズが……もしくは、プリムが私を信頼し、甘えて下さる
そうして身を委ねていただけると、母性本能というものが、こう……くいっと、擽られるのです
私の身を案じて下るのであれば、もっと甘えてくださいな


【言葉に含まれるのは虚勢にちかい虚仮の色――――同時にそれは、羨望の色を瞬かす
きっと、そうありたい、と彼女の本心は思っているのだろう、きっとその言葉にうそは無い
なりたい自分になるために、誰かの手助けを必要とする、あまりにも単純な、言葉のメカニズム】

【月明かりが落ちてくる、現と隔てて三人の人外達を、劇場に残して、照らして塗す
幾重にも交じり合った灯りは、プリズムのように七色に輝いて、黒のキャンパスに新しい色を生むのだろう】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 20:52:01.45 ID:SaMeiPrw0
>>187

かわいいって……そんなことは無いですよ……ックシ

【即効で否定にかかる。どうやらそういう言葉に反応するらしい】
【鼻を啜らせ、若干顔を紅くしながら――尤も、熱か何か有るのかもしれないが――反論する】

【くしゃみをすると当然視界は、一瞬だが下に行く】
【視界が戻ってきた頃には、もう一本の傘】

――……え、あれ?

【今しがた出てきた傘と、少年がさしている傘とを交互に見やる。流石に困惑は隠せない】
【――が、数秒もすれば、ああそうかと勝手に納得する】
【そして、その勝手な解釈に思考はつられてしまう】


(……物体の精製? 或いは練成?)
――えーと、ちょっと失礼ですが……毒とかは入ってませんよね?

【結果、差し出されたそれを受け取るのを、躊躇う】
【九分九厘好意から来るものだとは分かっているのだが、どうしてもどこかで疑う癖でも付いているらしい】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 21:01:14.36 ID:EJDECU6Z0
>>189

ふふ、君がどんな顔をしていても、俺がどう思うのかは、勝手だよ

―――っと、思ったより風邪が本格的だね・・・

【相変わらず表情無くそう呟くと】
【少女の額に勝手に手を添える、熱い】

熱いね、かなり熱い、これは絶対風邪引いてるね・・・

早く家に帰ったほうが良いけど、それを言う権利は俺には無いしね

【少しだけ真剣な表情を表し、持っている二つの傘をゆらゆら揺らす】

【突き出された傘と薬に怪訝そうな視線を感じ】

これはね、解熱剤って言う毒だよ、猛毒だ

何せ、人間の反応を殺してしまうんだからね

【軽く笑いながら、少し意地悪そうにそう呟くと、突き出した手を引かずに待つ】

ああ、その傘は毒でもなんでもないよ?

ただの傘さ、ちょっと重いけどね

【群青色のそれを見上げるように言う】
【嘘ではないようだ】
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2011/09/21(水) 21:16:26.45 ID:h+xjXuZNo
【路地裏】

……忠告はしたぜ。

【街明かりから離れた――しかし、どこか後暗い活気を帯びた空気】
【曇った明かりを灯す街灯の下で、静かな、苛立ち交じりの声が響いた】

「……っ……!」

【どさり、と何かが倒れる音、悲鳴になりきらぬ、喘鳴のような声】
【――そうして、路地裏には静寂が戻った】

……クソが。

【後に残ったのは、侮蔑の含まれた呟き】
【その声の主は、まだ稚気を遺す少年の物だった】

【黒いシャツに、黒いレザーボトム、暗赤色のレザーベストという服装】
【腰にはホルダー付きのベルトを巻いており、その左腰部には、三本の黒い棒が吊られていた】

【銀色の髪をバサバサと掻き毟って、少年は右手に持った長大な得物≠右肩に立て掛けた】

……何だ、俺に何が足りねェ……?

【それは、実に2mにも届こうかという、巨大な長槍だった】
【誰くれともなく問いかけて、少年は、足元に伏した血塗れの男を見下ろしている】
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 21:16:33.04 ID:SaMeiPrw0
>>190

……あー、大丈夫です、多分。平熱高いので……

【平熱以前の問題である。確かに普通以上に熱を帯びている】
【気にしていないのか強がりか、はたまた分からないのか】

まあ迷子ですし。帰る家が有っても帰れませんし

【無論迷子的な意味で。別に家出でも勘当でもない】
【まあそのどちらでも違和感はなさそうでは有るが】


――あー、それは言いえて妙ですね。
まあ要するに解熱剤ってことで良いんですよね? ……あまり気は進まないのですが

【ようやっと納得、或いは覚悟でもしたのか、薬と傘の両方を受け取り】
【即座に傘をさす。ばっと大きな音が鳴り響く】

/相手の様子を直接描写する(今回の場合、こちらのキャラに熱があるか否か)のは控えた方がいいですよ
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 21:18:28.79 ID:8tDROM3Fo
>>188
「……いきなり、他者を上位権限保持者と認める事には、強い困惑を覚える、の。」
「かといって、フルネームは長いから、今はカノンと呼ぶことにする、の。」

別に気にしてない、よ。……そっか、妹ができるとねぇが……。

【機械的処理に依存する場面が散見されるプリムは、命令権なしの関係を知らない】
【本格的な戦線投入も一度きりで、保護者も気を使ってはいるのだが、まだ人形】
【理解し難い要請には、一度応じてみたものの頭を振り、一歩引いた】
【一族の共通点か、『ねぇ』という言葉にはそれなりに思うところがあるらしく】

【常なら花のごとく咲き誇るローズの顔に、影が落ちる】
【他者への情が深い上、ローズは身内には特に甘く、それでいてなんとなく、気の張ったところがあった】
【好きだから心配をかけたくないと、頑張って笑う場面が散見されたこともあったけれど】
【急にできた妹の存在に、自分の立ち居地が脅かされる―――――小さな小さな独占欲の芽生えといえるかもしれない】
【明後日のほうを見ながら零れた気持ちは、退行か、進歩か】


「……ローズねぇ、カノンが不快を訴えている」

…ぇ? あ、ごめ……ぅー……重かった、かな?

【経験不足か出自のせいか、歪められた従者の顔を、末妹は快・不快の後者と判定する】
【驚き頭を離そうとしたが、髪に載せられる感触に思わず凍りつき…たまの邂逅だからと、逃げることをやめた】
【それでも、性根はいつまでも他者への気持ちがある】
【嫌ならちゃんと教えてと、短く言い置くだろう。ちゃんと受け入れなきゃと苦笑しながら】


……、カノンねぇが、そーいうなら……、

「私はまだ、カノンをよく知らない。不用意に指揮権を預けることはできない」
「しかしそちらに敵対の意思がないのであれば、こちらも交戦の意思はない」
「そんな指示は出ていない…少なくとも、ローズねぇには補佐を命じられている」
「指令範囲でなら、共闘などもやぶさかではない、………の。」

【顔を見ることはできなかった。何故か義姉に、距離感を感じたから】
【日進月歩人付き合いを覚えてゆくローズは、それが彼女にとって重要なものだと理解したから】
【指先の…原初から変わらないその熱が消えない限りはと、唇を結んだ】

【虚勢を剥ぎ取るスキルを持たないプリムも、譜面どおりに受け取りマニュアルどおりに応える】
【敵対しないなら、今は友軍。事務的にして兵士のような単語群】
【目的地を見据える眼、舌足らずであっても不思議ではない風貌に反した活舌のよさ】
【―――――最後についた口癖だけが、少しばかり浮いている】
【店先に並ぶドール証明に照らされたような幼面。猫耳じみた帽子が少し動いた】


【そんな猫の反抗…あるいは献身、だろうか】
【もう一度身を寄せて、頭を柔らかく押し付けたなら】
【指先や接触面を通じて、わずかに魔力が通電する】
【体の持つ自己再生促進魔術―――――猫の十八番、少しでもあなたに信じてほしいからと、縋る様な】
【プリムは黙して語らない。怪我の治療に口を挟む理由も、わざわざ告げる理由もない】
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 21:29:57.95 ID:EJDECU6Z0
>>192

ふぅん、そういうことじゃないと思うけどねー…

まぁ帰れないんじゃ仕方ないね、うち来る?って訳にも行かないだろうし

【聞き流すように無表情で返事を返す】
【無論少年は相手が平熱高いで済まされるそれじゃないことは分かっている】

俺の名前は黒瀬、黒瀬幸一って言うんだ

その傘のお礼に、君の名前も教えて欲しいなあ

【またしても歪な笑みを浮かべると、自己紹介】
【相手の返事を待っているようだったが、それを聞くよりも早く】

【一瞬だけ、何かを考えたように手を顎の下に添えると】
【少女のほうを向いて、提案を言う】

――――――余り気の進まない策ではあるんだけど、君の風邪をすぐに治すことが出来るんだよね

ただ、多分君はこの方法は嫌がると思うんだよ、多分ね

その風邪が本当にしんどいのなら、“治して”あげられるけど、どうかな?

【少し困ったように微笑み】
【相手からの了承を待つ】

/分かりました、ありがとうございます
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 21:41:25.55 ID:SaMeiPrw0
>>194

全力でお断りします。そこまでy……ックシュン!
……そこまで厄介になるわけにも行きませんし

【断る理由はあくまでもそっちである】

……そうですね。realize、リライズ、とでも。

【偽名にしか聞こえないかもしれないが、本名(?)である】
【ほんの少しの微笑を浮かべるが、次の言葉で真顔に戻る】


……どうやって治すのか、聞くだけ聞いてみてもいいですか?
それから判断したいと思います。

【ほんの少し、顔がこわばる。嫌な予感でもよぎったのだろうか】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/21(水) 21:43:04.50 ID:39ShGGTV0
>>191

酒を不味くする嫌な臭いがするなと思って来てみれば…やっぱり血ですかい

【その声は少年の背中に広がり、そして酒の臭いが背面から彼を包み込むであろうか】
【20歳前後の、若い声】【少年の背中に向かってゆっくりと足を進めながらさらに続ける】

ま…アンタに足りないモノなんて俺にゃあわかんねぇが…そいつを殺ったってなら

――俺らの組織のルールに従い…「不殺」を貫き、アンタを拘束する

【もし少年が振り返ったなら――】
【白のシャツに黒の長袖のジャケットを羽織った茶髪の若者が飲みかけのワインボトルを片手に持ち】
【少年をその黒い双眸で捉えているのが解るであろう】【間合いは4m程度か】

【しかし「拘束する」とは言うがこの男、持っているものは右手のワインボトルのみであり】
【少年からはただの酔っ払いにしか見えないのかもしれない】
【男が口を開く度、路地裏に酒の臭いが広がっていく――】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 21:48:13.79 ID:du++uVKeo
>>193

【望みどおりに行かない面もあったが、それは仕方の無いことであろう
姉妹としての関係も浅い上に、互いの面識の数、それこそ、当然と言った判断の形か
故にか、普段と違う表情を見せるローズに、彼女の意識が弛む】


……ええ、今はカノン≠ナ十分ですよ、いえ、それだけでも本当は勿体無いぐらいなのでしょうが……
――――ただ、知っていただきたい事が一つございます

プリム、貴女はどうやらねぇ≠ニ言った呼び方に……ひいては、姉と言った存在を上位の者と認識しているように思えます
……しかし、私はその見解は間違っていると私は思っております
そこに血の繋がりが在ろうと無かろうと姉妹≠ニいう関係に上下の差が存在するのはおかしい、とも

姉妹≠ニはある種のレッテル――――召し物のようなものでございましょう
羽織っているだけで確かに、他の方々との差異は生まれましょう――――けれども
所詮は召し物に過ぎません、本当に上位≠フ者と認められるのは、むしろ……召し物を脱いだ裸体の差異にあります

私は少なくとも、召し物に目を向けているつもりはございません
素顔の貴女達が気に入ったからこそ、なるべく召し物を選んでさしあげたい、と思っているのでして……
……少々話が長くなりましたね、小噺として頭の片隅にでも置いていて下さいませ


【紡ぐ言葉はゆっくりと、それでいてはっきりとローズにも向けた言葉であるだろう
即ち、彼女は妹という存在だから貴女に好意を持っている、というわけでなく
貴女に好意を持っているからこそ、貴女を妹として扱っている、ということだ】

【元来、人付き合いはあまり得意ではない彼女、したがって紡ぐ言葉もやや堅苦しくなってしまう
それを知ってか知らずか、少し言いすぎたか、と表情に滲む苦悶のような色
それでもきっと、頭を振り搾り、喉を震わせて紡いだのは、紛れも無い本当の旋律】


い、いえ……この程度でしたら、大丈夫でございます
――――そうですね……私としたことが、少々先走りすぎたようです
いけませんね、年齢を重ねますと保守的になってしまいます


【反省するような声色で、彼女は腕もとの愛らしい貴女を感じつつ、苦笑を表情に滲ませる
砕けた色を魅せるものの、少し大人びた元の調子に表情は戻っている
それはローズの魔術の効果もあってか、少し余裕を心に持っているのか】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 21:51:51.05 ID:EJDECU6Z0
>>195

リライズね、良い名前だね

覚えたよ

【無表情のままそう呟き】
【少し考え込む、どうやら言いごもっているようだ】

――――――・・・・・・えっとね、あの、引かないでね?

僕が、君の舌に、指で触れて、治す・・・・・・んだけど・・・っ

【彼の能力に付いて、まだ分かっていないかもしれないので】
【能力の事をひた隠しに伝えようとして】

【完全に失敗した】
【もしかしたら勘違いせずに能力と分かってくれるかもしれないが】

【少年の蒼白の顔に、些かの朱が混じってしまった】
【そのまま、気まずそうにうつむく】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/21(水) 21:56:59.16 ID:h+xjXuZNo
>>196

……あ?

【ほのかな酒精の香りと、聞き覚えのない男性の声】
【それら二つを嗅ぎ取って、少年の真紅の瞳がそちらへと向けられる】

……ンだテメェは。

【右肩に立て掛けていた槍を即座に旋回させて、穂先を男性に向けて突きつける】

デケェ面してしゃしゃり出てきたとこ悪ィがな、こいつは正当防衛だ、他所を当たんな。
……それとも何か?

【目上の人間に対する敬意というものは持ち合わせていないのだろう】
【敵意を剥き出しにした声色で、挑発的に問いかける】

テメェもこの首が欲しいって手合いかよ、酔っ払い?

【未だ棒立ちで、槍を突きつけただけの格好だが――それが虚仮おどしではない】
【路地裏のチンピラ風情とは一戦を画す、明らかに武術を学んだ者≠フ佇まいだ】
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 22:01:16.31 ID:SaMeiPrw0
>>198

――――ふぇ?

【思わず、素っ頓狂な声が上がる】
【要するに、思いっきり予想が外れていたわけである】

……えーと、な、何がどうしてそうなるんですか?

【勿論、混乱するに決まっている。何せプロセスが全く想像できないのだから】
【重ねて書くが、この少女は少年の能力を恐らくは「誤解」している】
【誤解を解く、或いは確信を深めさせる絶好のチャンスではある。ではあるが】

こう、なんというか……それでどうやって治すんですか?

【再度重ねて問う。目に見えて分かるほどに、当惑。混乱】
【だが、それが解かれれば或いは、治療させてくれるかもしれない】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 22:10:15.10 ID:8tDROM3Fo
>>197
「―――――話が違う、の。ねぇ、どういうこと?」

…ボクにもよくわかんない。なんというか、ねぇっていうのはすっごい人だと思ってたから。

「………生物には誕生順で序列が生じるとか、目上の者は絶対と聞いていた」
「少なくとも上位固体の説明では、命令には服従の必要性があると……」

……あの説明はなー……どーなんだろ、ボクもすっごい疑問を感じるけど……。

でも…そう、かもしれないね。ボクはカノンねぇより先にカノンが好きになったから…そうなってもらったのかもしれない。
あの時は、いろいろごめんね? 本当に、いろいろいきなり、甘えちゃって――――――、
………、カノンねぇ。
ボクはちゃんと、ボクのままで、いられてる?

【疑問を覚えて、食い違う知識に困惑の色を見せる】
【眉を寄せたくらいがプリムの表情変化なのだが、多用されるためか乏しいバリエーションの中では焼きつく】
【二人の話だと、何かを勘違いさせる要因が『説明』に含まれていたようだが】

【カノンの表情と言葉に、二度目の出会いを思い出して苦笑し、懐かしみながら続ける】
【一度視線を落として再び戻すと、今度はようやくカノンの顔を見る】

【あのときの約束は、まだ胸にある】
【自分はちゃんと、殉じているのだろうか。最近自分の変化が身に沁みるから、ふと自信なさげに】
【買い物袋の隙間から、『姉たる従者』へと眼を向けて】


「……一つ、聞きたいことがある、の。」
「二人の話が終わって、カノンの都合がついたら、でいいから」
「もちろん、黙秘権もある」

【思春期前、少し甲高いものもある声質を、低く冷たく】
【序列を気にしているのか、空気が読めるのか、今はただ布石のように】
【自分の踏み出す足先を確保するように、蛇のように地を這う瞳は、遠く硬く】
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 22:10:23.11 ID:EJDECU6Z0
>>200

えっと、あんまり詳しくはいえないんだ、立場上

【ごめん、と一言言ってしばらくした後】
【少々テレ気味に、恥ずかしそうに説明を始めた】

――――――僕には能力があってね、君にも有るかも知れないけど

その能力はさ、さっき見たでしょ?あんな感じ

“物を創ったり変化させたりできる”能力なんだ、それは分かるよね?

【そこで一区切りを割き、深く深呼吸】
【両手に巻いた包帯を解き、懐にしまう】

えっと・・・発動には、“対象に触れないと”いけないんだ

だからその、君の、舌、ていうか体内に、免疫を“創作”してあげようと思ってさ

その薬じゃ、ただ熱が下がるだけだから・・・それだけ

【顔を右手で押さえ、ふう、ともう一度深くため息をつき】
【顔を逸らすように雨空を見上げる】
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/21(水) 22:25:26.55 ID:39ShGGTV0
>>199

おおう、この間合いでも届くとか…穂先降ろしてくんね?

【大きな間合いを苦にしないのが槍、それが2m程の槍なら4mの間合いすらも無に帰す】
【突きつけられた穂先に敵意、その鋭さには彼も多少たじろぐ様であった】

あとさ…正当防衛にしてもちょっとやり過ぎじゃないの?
アンタは無傷だし相当な実力差があったようなカンジだよな…そうなら逃がしてやるとかさぁ…っと

【軽快に一歩引き、間合いの外へ逃げ込みながら軽く右手の酒を口に運ぶ】

「テメェも」…? 何アンタ賞金首なの? もしそうならひっ捕らえちゃおうかな?
って言っても賞金稼ぎじゃなくて俺ぁバーテンダーなんだぜ? ただの酔っ払いじゃあないんだな

【飲んべえ特有の軽い口調でニヤニヤしながら口を回すが――】

…とにかく少しだけ止まって貰おうか

【最後のセリフだけは――妙に鋭く冷たい印象のある雰囲気、口調であった】【ただの酔っ払いではないようだ】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 22:27:30.80 ID:du++uVKeo
>>201

【二人の会話を聞いて、単に言葉の意味を彼女に尋ねるわけでなく
お互いに考えつつ、その正体を予測する二人の姿勢に好感を感じると共に
その二人の知識の不自然さを思わせる要因≠ノ微かな疑問の色が過ぎった】

【表情は、彼女の眼前で踊る、二つの可愛らしい猫の戯れを見て、緩みつつも
凛とした睫に彩られる真紅の瞳は、ハッキリとした色を帯びていた
リズヴェルグ=\―――その名への不信が、脳裏に過ぎる】

【――――そして、不意を突く、言葉】


……申し訳御座いません、少し、あの時の……貴女が妹になった時の事を思い出しまして
あの時と比べますと、随分と成長いたしましたね、内面的、精神的な分は特に……

けれども、変わってはいませんよ、私の好きな、貴女という存在は
ですからご安心下さい、そのままの道を、そのままの仲間と進む限り、貴女にはきっと、明るい道が待っている筈です


【じぃ、と彼女の真紅と交錯していたならば、彼女の瞳に映る、薄い潤沢に気づくだろうか
それは紛れも無い、夜露にも似た雫――――淡い一粒の涙が、彼女の頬を伝った
気づいた瞬間、彼女は右の手で慌ててそれを拭った】

【きっと、貴女の前では強い#゙女であろうと思っているのだろう、手本であろうと思っているのだろう
彼女の幼少期を思い出して、同じ道を進ませない為にも
貴女の本当の親族≠思い出して――――――――】


……ええ、私はいつでも構いませんよ
そして申し訳御座いません……ローズとばかりお話をしてしまいまして
私で宜しければどのような質問でもお答えいたしますよ?


【ふと流れ込む旋律は、二つの言葉の重ねあいにアクセントを加え、良い音色を導き出す
その瞳の色を見てか、微かに罪悪感を覚え、言葉を付け足しつつ、答えるだろう】
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 22:30:58.62 ID:SaMeiPrw0
>>202

なんでしょう、そう言われると無性に気になります。

【異様な食いつきを見せた。知的好奇心の炎が燃える】

――あー、えっと、すみません、その瞬間は見えてませんでした……
……が、やっぱりそうだったんですね。そんな気はしていました。

【ちなみに少女の思考をもう少し掘り下げるなら、「敵に回したくない相手」である】
【が、そんなことを言っても反感を買うだけであろうことは容易に推測できる。から言わない】

成る程、そういうことですか。まあ目は危険ですし、新しく傷を作るわけにも――
そういえば、傷跡からじゃ駄目ですか? 駄目なら駄目で良いんですが
あとついでに貴方のその、「立場」を教えてください。

【やはり抵抗が多少有るのか、代替案を挙げてみる】
【ついでに立場について言及してくる。何故食いつく】
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/21(水) 22:38:27.04 ID:h+xjXuZNo
>>203

……。

【男性の――当然と言えば当然の――要求に、少年は応じる気配はない】
【じっと、野生の獣が敵を警戒するような目付きで、軽口を叩く男を見定めようとしている】

……逃がしてどうする?
こいつが次に手勢を引き連れて来ねぇって保証がどこにある?

後腐れなく弱い奴から死んで行く、アタリマエの事だろうが。

【間合いの外へと逃げた男の影を、積極的に追う事もない】
【ただ、そちらの動向を、注意深く見守っている】

……この首にどれだけの価値があるかはしらねぇがな。
突き出せばそれなりに喜ぶ奴も居るだろうよ。

【――確たる答えではないが、肯定とほぼ同義の言葉を返す】
【賞金首――あるいは、それに類する、後暗い人種であるのだろう】

……テメェが消えるなら追わねぇよ。
さっさと去ねよ、酔っ払い=B

【男性の主張を一蹴するように、改めて酔っ払い、と少年は呼ばわる】

【――止まれと言われずとも、もとより、そちらを追うような動きは無い】
【突きつけた槍は揺るがないが、動かせば突き殺せるような間合いでもなくなった】
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 22:39:16.87 ID:EJDECU6Z0
>>205

うーん、傷口からでも構わないんだけど・・・結構“抉る”様に成っちゃうから、痛いと思うよ?

血管に“触れないと”いけないからさぁ

口なら手に唾が付くぐらいで済むけど、いや、口に手を入れられる程度で済む、の間違いか

【事実、口は直接ウィルスのところにまで届く血管が大量に存在する】
【しかし、強制は確実に犯罪であることは、少年も分かっていた】

【なぜか怖がられているような気がするが、そのことは気にせず】
【ひとまず相手の質問に答える】

うーん、俺が言うなら良いのかもしれないんだろうけど、俺が決めたことだしなぁ・・・

そうだね、とある“組織”を作っているんだ、僕はその頭さ

とは言っても、皆“家族”なんだけどね、ふふ

【つまり身内とやっている組織ごっこ、ということだろうか】
【その中で、話してはいけないということなのだろう】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 22:50:50.98 ID:SaMeiPrw0
>>207

うぇ、それは痛いですね……痛そうじゃなくて痛いですね。
何度抉られたか……

【何を想起したか一瞬、というには少し長い間身震いする】
【少なくとも風邪の症状ではなさそうではある】

まあ、家族を組織っぽくして何かしてる、という解釈にしておきましょうそうしましょう。

【流石に思考が回らなくなってきた。恐らくは熱のせいだろう】
【追求をそこで中断して】


あー、と、じゃあ、やってもらえませんか? 

【少年の方に向き直って、あ、と大きく口を開けて舌を出す】
【恐らく、触れられるか疲れるまではこのままじっとしているだろう】
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 22:51:11.39 ID:8tDROM3Fo
>>204
【この場において詳細は語られない】
【ただ、上位権限を妄信するプリムはともかく、ローズの懐疑的な視線は…なんというか、『ひいた』ような色】
【(本人からしてみれば)悪意のない冗句、だったのかもしれないけれど】

…、明るい、道。

【悲しみが見えた。言葉から透けた他人行儀】
【自分の傍に、カノン自身を含まないような、】
【―――――少しずつ、カノンの闇が見えてくる。明確な輪郭を持ち、言葉として説明できるものではないが】
【きっとその手は、瞳の真紅に染まっていると、本人は考えている】
【以前説明された、『使命』。従者たる姉の仕える『主』】

【――――――せっかく、忘れていたのに。】
【その涙と薄氷の笑顔に、自分の痛みまで想起してしまう】

【荷物を落としてしまった。もう耐えられなかった。】
【寒い、寂しい。ローズの顔すらクシャリと歪んで、その体を抱きしめてしまおうとするだろう】
【歪めた目じりから、カノンのものと同じ涙が落ちる。縋りつくような腕の力は、いつになく強く、強く】

……、やだよ。カノンねぇなしでそんなところ行っても、意味がない。
皆で一緒がいい……ベルねぇもラインにぃも、カノンねぇも一緒じゃなきゃ、意味がないっ!!

なんでさ!? なんで皆、いつもいつも離れていこうとするのさっ!!
銀鶏も死んだ、ゼーロは一人で苦しんでる、基樹だって一人で無茶してっ、にぃもねぇもボクを置いてった!!

……、わかるよ、わからないわけない。皆必死で、自分のできることをしてるだけ。
そんなことわかってる……わかってるけどさっ……!!!

【夜の街道に響き渡るほどの嗚咽は、今までずっと溜め込んできた寂寥の正体】
【いい子でいたくて、苦労をかけたくなくて、耐えて耐えて膨らんだ痛み】
【頭でわかっていても、しぐさが大人びても、ずっとその奥で凍り付いていた闇】


――――――おいてっちゃ、やだよぅ……!!!


【笑っている顔は好き――――――】
【――――――さびしいのは、大嫌い。】
【ままならない世界に翻弄される、脆弱で幼すぎる魂】

【強すぎる感情の発露、上位固体の醜態を、しかしプリムは咎めない】
【ただロボットのような顔で、進むことをやめて立ち止まり―――――じっと見ている】
【理解できず、口を挟めず、そして薄く眼を見開きながら、】

「(………、涙)」
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/21(水) 23:00:50.04 ID:39ShGGTV0
>>206

…ま、そういう考え方もあるさね。
俺なら引き連れてきた奴もろともぶっ飛ばす!!…と口ではそう言ってみるよ。実践できるかは知らないけどさ…

【苦笑と共にまた酒を口に少量含む】【そして飲み込んで息を大きく吐き――】

…どっちにしろ「その男を血まみれにした」事実は変わんねー。なーに、ちょっとした事情聴取さ…でも拒むなら――

――――悪いが強引にでも…ってね

【左袖の中からいきなりワインボトルが飛び出し、そのまま左手に握られた】
【袖にグラスが隠されてあるような膨らみは全く無く、まるで別空間からワインボトルが出てきたようである】

酔っ払いが言う事聞く訳ないぜ少年…穏便に済ませようや

【この男は両手のワインボトルを棍棒のように順手で持ち、威嚇をするのである】
【『その槍が俺に向かって飛んでくるのなら、此方もそれ相応の対応をするぞ』と】
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/21(水) 23:03:35.97 ID:q3uB27lUo
【路地裏】
【今日も昨日もその明日も変わる事なく存在するであろうその場所は、犯罪の巣窟】

【今日も、その日常茶飯事がーーー】

ぐッ!!

【腹を殴られ思わず地面に倒れこむ青年】
【容姿は灰色の髪を後ろで結びボタンを全て開けた学ランを着ている青年】

【それを取り囲む数人の不良たち】

「へっ!この程度かよ! 」
「よくも邪魔しやがって...覚悟できてんのかァ!」

【青年はその両手に握られた自分の物であろうナイフを握り直そうともせず倒れこんでいる】
【対する不良は鉄パイプに金属バット、催涙スプレーなど様々】
【数の差もありナイフ二本じゃ勝ち目が見えにくい状況だろう】

「おらッ!!早く立てよ!」
ぐッ!.....

【不良の一人に脇腹を蹴られても立ち上がれない青年】
【危険な状況である】
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 23:05:01.99 ID:du++uVKeo
>>209

【抱きしめられる、貴女の腕は――――予想以上に細くて、今にも砕けてしまいそうに
そして、細いその身に秘めた、内に篭った貴女の感情を思うと、きゅぅ、と胸を摘んで、締め付ける
貴女の言葉に気づかされる、彼女達が、知らず知らずの内に、貴女を除け者にしていたことに】

【自身の無神経さに、そっと唇の端を噛んでも、こぼれてくるのは後悔の味だけ
染み渡るその音色に、耳に吸い込まれ行く貴女の慟哭が、やけに深く聞こえて】


……大切なものを失う、その辛さを、貴女ならよく知っている筈です
でしたら、きっと……分かっていただける筈です、私が何を感じているのか、を

――――貴女だけは、失いたく……ないのです


【月が雲間に隠されていく、細雪のような月光が、やけに薄く弱く褪せていくようで
雪解けを感じさせる、貴女の熱情だけが、神々しく燃えているようにも感じて
僅かに膝を曲げて、視線を合わせながら、抱きついた貴女へと、言の葉を探す】

【視線を覗けば、貴女がどれだけの感情を感じていたのかを、少しは分かるように思えた
きっと、それは思いあがりかもしれなくて――――それでも、そう信じていたくて
零す言葉は、ブラックボックスに触れる、少し変わった§b】


……少し、お話をしましょう――――……
ですから、落ち着いて下さいませ、今の私は決して、貴女を置いていったりは致しません


【しっとりと覗き込む彼女の表情は、普段の彼女と違わない、相手を落ち着かせるような、大人びた色
まるで、小さな両手で、くしゃくしゃに解けてしまいそうな貴女を、必死で支える、哀れな行為
それでも、きっと――――通じてくれる、と信じてるから】
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 23:07:17.56 ID:EJDECU6Z0
>>208

あー…ちょっとくすぐったいのは、我慢してね?

【そういい終わると、少年は右手の人差し指を立てる】

【ゆっくりと歩み寄り、指先に淡い光が灯る】
【恐らく魔力であろうか、よくは分からないが】

えっと、ここだね

【少年は口の中を出来るだけ見ないように集中して場所を発見し】
【其処からなぞるように一cmほど、やさしく撫でた】

【瞬間、少年の指先の光が消え、少年は相手の口から手を抜く】
【急いで包帯で指先をふき取ると、そのままうつむいてしまった】

これでもう、治ったよ
少なくとものどの痛みがあれば、それは消えてるはず

【少年は相手の舌の上の小さな細胞を変化させ、抗体を作り、即座にウイルスの場所に送っただけだが】
【即効性を重視したその行為は、その価値があるほどに一瞬にして熱を冷まし、身体を癒すだろう】
【疲労感のみは、避けられないが】

【余談だが、舌を撫でられることとは別に、少年の能力によって出来た光の影響か】
【非常にくすぐったく、ねこじゃらしで耳をこすられるような感覚が起こるが】
【そんなこと、少年だって知らない】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/21(水) 23:15:21.98 ID:h+xjXuZNo
>>210

……。

【するん、と飛び出してきたワインボトルを見て、少年は怪訝そうな顔をする】
【その表情が、男性がわざわざワインボトルを取り出した意図を測りかねてのものか】
【あるいは、どのようにしてワインボトルを取り出したのかを理解しかねてのものかはわからない】

……忠告はしたぜ

【――いずれにせよ、男性が退く様子を見せないことに、少年は表情を引き締める】
【去ね≠ニいう言葉は、一般的には忠告とは取られないものだが】
【少年の中では、もはや十分に忠告は為されたものらしかった】


【長槍を持つ右手を引いて、左手も槍に添えて、両手持ちに切り替える】
【腰を落として、槍を構える姿勢は、さながら黒い豹を思わせた】

発ッ!

【一喝の声と共に、少年の身体が前へと滑り出る】
【同時に、腰溜めに構えた長槍に体重を乗せて、男性の胸部に向かって突き出す】

【ただ愚直な全身と、真正面に突き出す、ごくごく単純な一撃】
【だが、単純ゆえに速く、迷いが無い】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/21(水) 23:18:53.07 ID:SaMeiPrw0
>>213

ひゃ、ひゃふひゃ……

【終わるまで、非常にくすぐったそうな声が響いたとか何とか】


――……なんでこんなにくすぐったいんですか全く……
というかなんで治療って痛いかくすぐったいかしかないんですか……

【口の端から流れ出た涎を拭きながら】
【しかし、治る度にこそばゆい思いをしたのは何度目だろう】

……あ、鼻のむずむずは消えました。喉は最初から痛く無かったですけど……
ところでこの抗体、いつまで効果ありますか?

【ちなみに、顔の熱っぽさは少ししか取れていない】
【が、他の症状は完全に治療されている】
【そして、少女は自身の熱っぽさに気づいていない】

/すみません風呂入ってきます
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 23:21:42.77 ID:8tDROM3Fo
>>212
【今まで吐いてきた希望の数々】
【もしかしたらずっと、他人の眼を通して自分に言い続けてきたのかもしれない】
【大丈夫、絶対大丈夫。独りじゃない、独りなんかじゃない】

【光のように、水のように、風のように】
【闇のように、炎のように、土くれのように】

【他者へ与えた希望の数だけ、自分の心を呪いが蝕む】

【…でも、知ってる。口端に乗せた希望は…自分を削ってでも他者を励ましてこれたのは】
【かつて見た光が、本物だったからに違いない】

【例え折れてしまいそうな従者の痩躯でも、猫にとっては愛する家族】
【腕力なんて皆無に等しく、心の暴走によってもたらされた力は、その身を軋ませることすらできない】
【歯を食いしばって耐える。耐える耐える耐える】
【いつものことだ、気が緩んだだけと言い聞かせ、嗚咽を無理やり飲み込んだ】

【言葉なんか出せるはずもなかったから、必死に頷いて理解を示した】
【――――――きっと、いつかと同じ光景】
【不変を約束したあの時と同じパノラマは、いいだけのものでも、悪いだけのものでもないはずだった】

……にぃたちは、帰ってきた。
本当はすっごく難しいのに、いっぱい苦労して帰ってきた。

……もう『大丈夫』。
ごめんなさい。……また、……。

【変わらない約束は、ローズの胸を締め付ける】
【せめてよりよく変わりたかった。昔ほめてくれた自分を抱きつつ、悪いところは少しでもと】
【それができずまた悔しがるけれど――――言外に隠された意図から眼を逸らして――――ちゃんと話を聞く姿勢に移行する】

【ローズが散した袋の中身を、プリムはつぶさに拾い集め、元通り仕舞い込んでゆく】
【感情が見えない出来過ぎた手際だったけれど、なんだかこの場では、姉と妹の称号がちぐはぐであるようだった】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/21(水) 23:35:25.42 ID:EJDECU6Z0
>>215

やっぱり痛いほうにしとけば良かったんじゃないかな?って酷いか・・・

――――――くっくっく・・・・・・!あー…面白い、笑っちゃまずいか・・・ふふっ!

【口を必死に押さえ、表情を無理矢理無表情にしているが】
【隠しきれておらず、口の端と顔に笑いが張り付いている】

【失礼である、至極失礼であるといえる】

言い方悪かったかな?それ抗体ッちゃ抗体だけど、正確には“生物”でね

攻撃するんだ、ウイルスを木っ端微塵にね

ウィルスにもトラウマってのがあるのかな?その風邪には“もうかからない”よ

君の身体には、さっきと“全く同じ”症状は起こらない、ウィルスのほうが怖がっちゃってね

ま、風邪って言うだけで無限にあるからなあ・・・普通の風邪には抗体じゃないんだ、無意味

だからそろそろ死んでるんじゃないかな?そういう風に寿命決めたし

【ぶつぶつと結構早口で言い放つ】
【まぁ当然といえば当然、詳しく話すなら“少女の身体に生き物を埋め込んだ”だから】

【説明は出来る限りしたくは無い】
【でも、少年は結構話好きなので、ついつい話しすぎてしまったようだ】

【少年の表情に失敗が写る】
【靴で何度も濡れた地面を踏み、気まずさを何とかしようとする】

/いってらっしゃいませー


218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/21(水) 23:39:08.08 ID:du++uVKeo
>>216

【ずっと、目の前の貴女は強い子≠セと思っていた
――――いつでも笑顔で優しく、可愛く在って……
だからこそ、か、魅せるその姿に、胸を絞める痛みを感じる】


……予め断っておきますが、これは私の話にございます
ですので、私の考え、というものを語るだけですので……他の方々が一概にそうである、とは言えません
けれども――――そう差異は無いものかと、思われます


【きっと、彼女の話は、少しでも貴女の心の支えになればと、紡がれるのだろう
貴女を傷つけたくないから、傷ついて欲しくないから――――だから、違う道を行く
そして残されるであろう貴女が少しでも、強くなれるように】

【嗚咽を飲み込んで、必死に心を落ち着かせようとして……そんな貴女に、誇りをも感じる
よく我慢出来ました、と撫でてあげたいくらいに――――そんな気持ちを、ごくんと飲み込んで
若干屈んで視線を合わせつつ、やがて言葉を紡ぐ】


時にプリム――――……貴女は、この世界にはいくつの国が存在しているかご存知ですか?

水の国といった大きなものから、名前も知られていないような小さな都市国家まで
地図には載らないぐらいの国など、この世界にはいくつも存在しております

――――私の母国Cydonia=iサイドニア)も、そのような小さな国の一つでございました
地理的には櫻の国≠フ近くでして……その事から、何が盛んであるか、貴女達なら十分に分かるでしょう?


【そう言って彼女は、少し誇らしげに表情に微笑を滲ませるだろう
ローズには理解できるはずだ、彼女の剣術のルーツがそこにある、ということを
そしてその技のレベルが、どの程度にあるか、戦った貴女なら、理解できると】

【また、同時にプリムについて質問をしているかのようにも取れるだろう
一般常識について……主要な国では何が特徴か――――それを知っているか、否かを尋ねるように
そうして彼女を語りつつ、対話を続けようとする】
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/21(水) 23:40:56.26 ID:39ShGGTV0
>>214

…忠告ゥ?何時したって…っておわぁっ!!

【繰り出される突きはまるで閃光――】
【一瞬で命を刈り取る威力も否めないが、此処で直撃すればこの飲んだくれは足元に伏した血塗れの男と変わらない】
【その一瞬をおぼろげながら見抜き――右斜め後ろに背中を逸らせながら躱そうと脳が電気信号を筋肉に送り込む――!!】

くっそ…!!
(避けきれねぇ…さっき一歩下がってなかったら死んでたぞコレ…!!)

【そして地面を力強く右足で蹴り上げ後ろに下がり、イメージ通りの動きを実行するが――】
【逸らした胸の左側、ちょうど左肩の上あたりを閃光が奔り、赤い液体がその閃光を飾り付ける】

【そのまま大きく下がり、間合いを開けてから体制を立て直し静止するが、ジャケットの左肩の部分が破れて赤く染まっている】

…いきなり殺しに来たよこの人ォ…!! オー怖…ならこっちも『じっくり』行かせて貰おうかねぇ!!

――そらぁ!!

【両手に握られたワインボトルを相手に向かって投擲――右手、左手とタイミングをずらして放る】
【綺麗にスピンを描いたソレは放物線を描いて少年の頭に向かっていくが】
【この距離で放物線を描くという事はスピードは無いという事――避けるのは難しくないが】
【ワインボトルはガラスでできている。つまり脆く割れると中の酒が零れ――ガラスの破片が飛び散るのは避けられない】

【中に入っている酒は唯の酒――ちなみに左の酒はアルコール度数95度のウォッカ、今まで飲んでいた右は弱めの日本酒である】
【スピードも遅く当たってもそこまでの被害は受けそうもないこの攻撃――小手調べなのか何か狙いがあるのか】


220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/21(水) 23:41:14.76 ID:horBXTtAO
>>211
/まだいらっしゃいまするか…!
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/21(水) 23:43:02.87 ID:q3uB27lUo
>>220
/貴方の後ろで正座で待機しております
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/21(水) 23:50:54.72 ID:horBXTtAO
>>211>>221
/喝ッ!
/それではよろしくお願いします!

【キィン──と】
【金属を弾く様な音が、倒れ込む青年と、それを囲う不良達に聞こえるだろう】
【それを追う様に、叫び声──】

どおっ──せぇぇぇぇぇぇいッ!!

【振り返れば、不良の後ろに宙を漂う物体が見える筈だ】
【とある一人の青年が、全力疾走からの、ドロップキックを不良の背中にぶちかまさんと、中空を漂う姿が】
【ドレスシャツを着崩して、ワインレッドのスラックスを穿いている、金髪碧眼の青年だ】
【左手に嵌めているバングルには、硬貨を投入する小さな穴と、何かを挟む為のものなのか、細い溝が見受けられる】
【右手を怪我でもしているのか、微弱な魔力を放つギプスで覆っている】
【容姿はともあれ、今まさに放たれんとしている蹴撃は、まともに喰らっていいものでは、ないだろう】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/21(水) 23:51:57.53 ID:8tDROM3Fo
>>218
【生物は元々、遺伝子という設計図を元に本能ができ、それに従ううちに理性を身につける】
【正当なプロセスを経て生まれることができなかったローズは、本能が成長する前に理性が熟してしまう】
【ある意味、望みどおり。けれどそうなると軋轢が生まれ、人知れず猫は苦しんでゆく】

【理性を元に本能を再構築する歪】
【自身の異常は―――――猫も少しずつ心得ていた】
【それでどうにもならないのが根本…魂の本能であろう】
【そのために、変わらなければならない。それこそが猫の戦いであった】

「地理情報は、大まかにだが把握している」
「カノンの言うとおり、大国は一通り。移動の際は指針になる」
「…サイドニア、聞き覚えはないけれど、わかる気はする、の」
「櫻は独立した、小さな文化圏を複数擁している。それらが密集していたため内乱が絶えなかった」

……戦、争?

【淡々としたプリムに、疑問を浮かべるローズ】
【急な話に追いつかないものはあったが…この切り出し方はきっと、只事ではない】
【そして今まで話さなかったことを語る姿は、仮初ではない力強さがあった】

【だから、あとは聞く。耳と理性と心で受け止める】
【この場に居合わせた自分の役割だと思った】

【そしてなんとなし、プリムも真剣に話についていく】
【先ほど飲み込んだ質問の答えが、一端でも隠れている気がしたから】
【人形に過ぎない少女もまた、裏で独り戦っていた】
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/21(水) 23:56:43.42 ID:h+xjXuZNo
>>219

(……浅い!)

【酔漢としか思えぬその態度からは想像も付かぬ身軽さ】
【初撃をかわして見せた男の評価を改めながら、しかし少年の身体は連動的に動く】

【回転しながら飛んで来るワインボトルを視界に収めて、右足を軸に、左へと回転】
【右手に持っていた酒瓶は狙いが反れて、路地裏の地面に衝突、中身を地面に撒き散らす】

……戯言に付き合う気はねぇ。

【左脚一本の力でその場でターンすると、それに追従した長槍が掲げられて】
【時間差をつけて飛来した左手の酒瓶に、叩きつけられた】

……ッ!?
っンだこれァ!?

【甲高い音を立てて破砕された酒瓶から、どぎついアルコール臭を放つ液体が飛散して、少年の身体を濡らす】
【――アルコールの匂いを知らぬでもあるまいが、余りにその強烈な臭気に中てられたか、少年の動きが止まった】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/22(木) 00:03:36.22 ID:oY3qhDOg0
>>217

……痛くしてたらもれなく頭かち割の刑が付いてきますよ?

【流石に気を悪くしたのか、むすっと膨れて】

うー……残念です。……まあ、確かに一つだけ抗体持ってても無意味といえば無意味ですけどね……

――あれ? ……生物?

【確かにこの少年は、生物といった】
【――となれば】


――……まさか、生物が作れる、なんていう話になるんですか?

【笑顔で、純粋すぎて怖い笑顔で、にじり寄るように問う】
【左手は背中の槍を、右手は刀の柄を握って。要するに「言わなきゃ力づくでも聞き出す」体勢である】
【恩人にそこまでするか、この少女。というかそこまでして聞きだすことか】

【ある意味、この少女に食いつかれたのは、不運かもしれない】
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/22(木) 00:06:51.52 ID:bcddN9swo
>>222
「あ!? なんだ!」

.......ッ....

【不良達は顔を、倒れこむ青年はその音の方に視線を向ける】

「なんだこいつっ!」

【不良はケンカ慣れはしていても、そこまで強いという訳では無い】

【突如現れたドロップキック青年の攻撃がよけれるわけでもなく】

「グッハァッ!!!」

【一人の不良の脇腹に直撃する】

【当たった蹴りでどの程度の怪我かはわからない】

【だが、間違いなく不良たち全員の注意を引けたであろう】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/22(木) 00:12:41.69 ID:OUepRoyI0
>>225

(やっぱり喋りすぎた――――――ははっヴァーデッドかよ)

もう隠し立てする意味も無いしね、仕方ない

うん、俺は“意思の持った”“操れる”“生き物”を創り出すことが出来るよ

【無表情で語られるは驚くべき事実】
【既にその能力は“能力”を超えている悪逆非道であるが、少年は一切気にしない】

でも、これ以上の説明は、赤の他人には言えないな・・・

かといって僕の組織に入れるわけにも、“君を僕の家族に変える”訳にもいかないしなぁ・・・

【そこで一区切り、此方も“引き”を作る】
【別に怖くは無いが、相手の槍と刀がちろちろ見え隠れするため】

【必然的に気圧される】

ただし、条件が一つある、それを守ってくれるんなら、詳しい説明をしよう

なんなら“創ってやってもいい”よ?

【恐ろしい事を真顔で言う少年、どこかいかれているようにも取れる】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 00:13:25.33 ID:kCGIQPiEo
>>223

【話している内に不安になるのは、偶然の上に出来たローズが
彼女の話の為に、積み木を崩したが如く、崩れ落ちてしまうかもしれない、こと
けれども同時に期待してしまう、ローズが少しでも成長してくれることも】


――――ええ、流石でございます……貴女達の予想通り、戦争が活発に在りました
とは言え、元が小さな国でして、そこまで大きな内乱というものはかなり昔に一度起きたきりでして……
尤も、その一度≠ェ非常に大きな影響を与えたのですが……

……お二人にもう一度質問です、大きな内乱≠乗り越えた国は
そして、直ぐ側でいつ飛び火するか分からない戦争≠ェ続いている国は
自衛の為に如何なる方法を取るのでしょうか――――

それが国教騎士団Knights of Cydonia≠フ始まりにございます
……聡明な貴女達でしたら、私が何故、その機関の説明を致したか、理解できるはずでしょう


【二人に言葉を投げかけつつも、単に情報を与えるだけでなく、それを練らせる機会を授ける
考えた上での答えはやはり、記憶に残る、そして何より、考える過程を彼女は大切にした
受動的でなく、能動的に――――資質を持っているからこそ、自分から動ける者に、なって欲しいから】

【夜が深まり、周囲の涼しさも増していく、夜風が不意に踊ると、その冷たさに驚きを隠せないように
弄ばれる白銀の横髪は、さながら新雪が如く、キラキラ、と月光を反芻し、周囲に撒き散らしながら
冬に咲く白い吐息のような結晶を、夜に紛れ込ませていく】


Cydonia≠フ名前を冠すだけありKnights of Cydonia≠ヘ国の中枢機関の一部でもございました
それはつまり、王に直々に従う組織≠ニいうことです
故に、単なる武装集団ではなく、王の身の回りの世話をする従者≠フ任も与えられる事となりました

――――これはその時からの伝統、といったところでございましょうか
存外、似合っているでしょう?……大分、気に入っているんですよ


【彼女はそういって、右の手で自身のメイド服の長いスカートの裾を掴み、右の手で揺らした
今にも踏んでしまいそうなぐらいに長いスカートの裾とフリル、運動神経が良くなければ、歩くことすら困難であろう】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/22(木) 00:15:02.41 ID:F/aHLSxAO
>>226
ハッハッー!
おいおい兄ちゃん方、随分と楽しそうな遊びしてんじゃねーの。
俺も混ぜてくれよ、ただし──

【不良を蹴り飛ばした勢いをそのままに、青年は身軽に体勢を立て直し、着地】
【左手に握る金貨は、なんのつもりか、指先で弄りながら、不良達と、地面に倒れた青年に、一瞥をくれて】
【素早く身を捻りながら、言葉を続け】

──俺はテメェらをぶっ飛ばす方…だけどなッ!

【近場に居る不良に向けて、側頭部を狙った、時計回りの回し蹴り】
【間髪を入れない攻撃は、不良達が臨戦態勢に入る前に、決められるか───】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/22(木) 00:16:14.49 ID:s93PGTo10
>>224

酒に決まってんだろぉ!? ま、酒と言っても一番度の強ぇウォッカだけどな!さすがの俺も飲んだらフラフラな訳!

(酒がかかってくれたなら上出来…!!さーて下準備はまだまだだ…!!)

【両袖からスルッと出てきて握られるワインボトル】【やはり袖のふくらみなどは皆無で】

行くぜぇぇぇぇ!!!

【動きが一瞬止まったのを見て今度は右手を順手、左手を逆手でボトルを握りながら自ら間合いを詰めにかかる】
【正直接近戦では獲物の差に攻撃の鋭さを加えると相手の方が1枚上手なのは明らか】
【何かしらの狙いがあるとみて良いだろう――早速この飲んだくれは何かを仕掛けるようだ】

そらぁ!!!

【またしても投擲――だが今回は右手の酒のみ、そして袖から出てくる酒はすべてウォッカである】
【更に違う所は先ほどよりも早く直線的な軌道であること――そして狙うのは少年の体では無く】
【足元からやや手前のコンクリの床であること】

(これで床は酒びたし…上手くいけばガラスの破片で機動力を奪えるが…)

【投擲後はそのまま低い姿勢で距離を詰めて左のボトルでアッパーを顎に向かってカチあげるつもりであるが】
【そこまで距離を詰められるかどうかが大事であり難しいであろう】
【槍は懐まで飛び込めば長さが仇となるが其処まで距離を詰めることは優秀な槍使い相手なら相当厳しいのである】
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/22(木) 00:18:35.60 ID:oY3qhDOg0
>>227

【少女の顔が、真顔そのものへと変化する】

要するに、自由自在に操れる駒を作る能力、ですか。
(……ますます敵に回したくないタイプだった)

【かけた手を、緩める。流石に少年の能力の制約が有るとはいえ、脅しが脅しになりえない】


――その条件、言ってください。それから考えましょう。その先を聞くかどうかを

【治療のときと同じ様な答えなのに、何故か印象がまるっきり違う】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/22(木) 00:29:23.39 ID:bcddN9swo
>>229
「おっおい!」
「テメェ!!」

【モロに蹴られた不良を見て思わず襲いかかる不良たち】

【しかし、彼らはそれほど戦闘慣れしていない】

「ガッ! ハァ....」
【青年の放つ蹴りは不良の側頭部に見事名中】

【蹴られた不良は気を失ったのか動かなくなり】

「おっおい!こいつはヤベェ!」
「こっ殺される!」

【恐れをなし、一気に逃げて行く不良達】

【もし深追いしなければその場に倒れこんだ青年が残るだろう】


233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 00:29:43.03 ID:QwS07w11o
>>228
内乱…自分たちの中でやる戦争、だよね?
それが終わったら…えっと、ボクなら、もう戦いたくないんだけど……

【戦争に関する知識はある。国家間の殺し合い、大規模な、大人数が互いに互いを痛めつける儀式】
【しかしローズの戦闘に対する能力は、せいぜい個人=戦闘員】
【保護者三名やどこぞの不良少女ならともかく、子猫に大規模な戦術眼はなかった】
【私情を交えた日和見主義的思考を、つっかえながらも吐き出す】

【そして戦闘に関して意欲が高いもう一人】

「他国との同盟を結び、小国である自身を庇護下に置くのが戦略的に正しいかと」
「相手は大国であればあるほど望ましく、そして向こうも条件を出す」
「助けてほしければ助けろ…今回のケースで言えば、戦力を出せとでも言われたのではないかと」

それって、傭兵? …守ってほしくて頼ったら、結局戦うことになるの?

「一方的享受は許されない。社会では弱者が淘汰されるのだから、それに追従するのに研鑽を積む」

……、そう、だよね…。

【非常に正確に、それこそ窮まった客観による思考を見せた】
【あまりにも淀みない弁舌は、マニュアル丸呑みとすら言えたけれど】
【ローズのように私情を挟まない定理の論述には、これ以上ない強みといえよう】
【定理ではなく感情で動くローズには、受け入れがたそうだったけれど】

騎士団、か……。そっか、それでカノンねぇ、強かったんだ……。

ひらひらした服を着こなすどころか、以前は武器にまで応用して……、
ボクには、ちょっとできそうにない……。

「……カノン、一つ尋ねたい」

【特異な衣装を特徴と認め、納得したように頷くローズだけれど】
【プリムが口を挟んだと同時、返答を尋ねずローズが次いだ】


それで、どこについたの?


【今の所属を】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 00:30:59.86 ID:SRZhr8F8o
>>230

クソが……!

【顔に掛かった飛沫を、手の甲で拭いながら少年は毒づく】
【まさかこちらを酔わせて仕留めようという腹でもないだろうに】

……手品に付き合う気もねぇぞ……!

【さらに男性の袖から現われたことにまで文句を付けて】

【投げつけられた酒瓶の狙いは低いと見て、放置】
【足元を再びウォッカが濡らすことに頓着せず、接近してくる男性の迎撃を一に考える】

払ッ!

【突っ込んでくる男性に槍を振るうには間合いが近いと判断したか】
【右手で持った槍の穂先を自分の正面に突き立てて】

【今度はその槍を軸にして、左足でフックパンチの様に鋭く、横合いから蹴りを放つ】
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/22(木) 00:33:23.49 ID:OUepRoyI0
>>231

ふふふ、いや敢えてここは・・・ひゃはは、か

面白い面白い、面白いねリライズ、気に入ったよ

仕方ないから能力については、タダにしといてあげるよ

それとも、“死人をよみがえらせたい”のかな?

【妖しそうにそう言い放つと同時に、笑い声をとめず】
【そのまま話し始めた】

ごほん!

――――――俺はね、この両手から“何でも”作り出せるんだよ、物体ならね

銃器、薬、食い物、家、壁、動物、人間とかね

ただ、雲とか嵐とかはちょっと無理かな、風は物質じゃないからね

創った生き物は俺の命令に従うこと以外は何の制約も無く、普通の生物を作れる

もう一つは触ったものを“変化させる”事ができるんだよ

こっちのほうが“早く”創れるから、戦闘とかになら使うかな

大体こんなものだよ?あと、他に質問とかある?

【そこで一区切り、突然真剣な顔つきになり】
【一瞬にして笑みは吹き飛んでいた】

ただし、この能力で生物を創るのは、“親友”と“家族”のためだけって決めてるんだ

親友は一人しか居ないからもう席がない、其処だけは絶対に譲れない

―――だから、君が俺の家族にならない限りは、この能力は使わない事を宣言しよう

【かたくななまでに其処だけを完全否定し、言い放つ】
【其処には譲渡の余地は、一つも無い】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/22(木) 00:35:56.60 ID:F/aHLSxAO
>>232
……ハッ、一昨日来やがれクソッタレ共。

【逃げて行く不良達を、冷ややかな目で見送りながら】
【左手の金貨を上空へ弾いて、落ちて来るそれをキャッチ】
【ポケットに金貨をしまいながら、倒れている青年の方へ向き直り、歩み寄る】
【何故か、その表情は不機嫌そうで】

おい、立てるか?

【一応、左手を青年に差し出し、必要なら介助をしようとはしているのだが】
【その声色は、青年を気遣う様なものではなく】
【厳しい、何かを叱責する様な、そんな声色だった】
【よく見れば、この青年、体のいたるところに包帯を巻いている】
【所々赤い染みが目立つことから、何処かで怪我でもして来たのだろうか】
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/22(木) 00:46:19.05 ID:oY3qhDOg0
>>235

流石にそんな願望までは……ありませんね。
少し前なら思ったのでしょうが。

【手を下ろす。これ以上の威圧は、無意味極まりない】
【無言の真顔の圧力程度なら、少年にはそよ風程度のものだろう】
【そして、ふむ、と一間を置き】

――早い話が、「あらゆる物体の精製」と「生命の創生」
そして、「あらゆる物体の変成」。まるで創造神ですね。

【長きに渡った言葉を、たったの二行で要約して】
【というか纏めすぎである】


では一つ質問を……とはいっても、能力の方ではないですが。
――仮に家族になる場合、どのような制約、或いはペナルティが待っていますか?

【とはいえ、この話を見逃すにはあまりにも惜しいらしく】
【それでも、二つ返事で「家族になる」とは言えず】
【中間を取るような形で、問いを重ねる】
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 00:48:22.35 ID:kCGIQPiEo
>>233

【二人の思考を聞きつつ、それをすかして、その奥の性格までも読み取れるような気がした
それもまた、この二人の性質によるものであろうか、その正反対っぷりに、思わず笑みが零れた】


ローズは優しいですね、もしローズが当時の王様でしたら、もっと良い国になっていたでしょうに……
プリムの意見は至極正しく、尚且つメリットもございます

……けれども、そうは上手くいかないのが世の常にございまして
国としての矜持、それがその道を選ぶ手段を閉ざしたのです

尤も――――……小国の騎士団など大したものではなかったのですが……


【国としての矜持、そこには当時の王が、いかなる考えを持っていたのか、想像に難くない
彼女の話から、これが数百年の単位で昔の話であると、想像することができれば
当時の王が、如何に自身を取り巻く世界を知らなかったのか、が窺えそうだ】

【感情で動くローズと、定理で動くプリム、正反対の彼女達が交わりあい反発する様相
思わずローズに手を差し伸べたくなったものの、それではわざわざ尋ねた意味が無い
そうして、続きを述べようとしたところで、プリムとローズの言葉が聞こえた】


どこについた≠ニは……少々アバウトな質問にございますね
それは私が仕える主人≠フ事でしょうか……もしくは、今現在の所属している組織か

前者でしたら、もう少し後にお話いたしましょうと思っておりまして
後者でしたら、言うまでも無く今現在も私の身はKnights of Cydonia≠ノ在ると断言いたしましょう


【端的な、それでいてハッキリとした質問に彼女は首を傾げつつ答える
シンプル故に解釈がいくつか存在したのだろう、数刻悩んだように、言葉を噤み、やがて述べる】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/22(木) 00:49:20.28 ID:bcddN9swo
>>236
......ッ...

【差し伸べられた手を握って立ち上がる青年】

【倒れていたせいで着ている学ランには砂埃がついているが気にせずそのままでいる】


....お前は強いんだな

【礼の一つも言わずにこの青年はいきなり口を開く】

【青年の服の赤い染みを見ながら、静かな声で、諦めたような声で言った】


【青年の握っていたはずのナイフはすでに消えている】

240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/22(木) 00:55:37.15 ID:s93PGTo10
>>234

なっ…!!

(突きじゃ…無ぇだとぉおぉぉ!?)

【繰り出してくるだろう突きを回避して一撃を入れる事に神経のほとんどを注いでいた彼にとってこの一撃はまさに『予想外』】
【従って――反応も遅れる】

アグッ…!!!

【重い蹴りが左肩を抉る…!!と同時に痛みからかボトルが左手から離れ、コンクリの床と衝突し甲高い音と共に割れて酒が飛び散る】
【低い姿勢を保っていたことが仇となったか、先ほど軽く痛めた部分を蹴られるという悪い結果となった】

【そのまま横に2mほど吹っ飛ぶ形となった】
【何とか回転受け身を取り大きな隙を作ることは避けたが――】
【回転受け身を取った床には先程投擲した際に割れたボトルのカラスの破片がいくつか散らばっており】

ガッ…!!…今日はツイてねぇぜ…!!
相手にゃ破片が刺さらねえのによりによって俺かよ…!!

(しかも…もうこの左肩じゃ上からボトル放れねぇな…肩より上に腕が上がらねェ…)

【背中に小さな破片が幾つか刺さってしまうという、不幸がまたしても起きてしまったのである】

だが…

(そろそろ、アレを使う頃かね…)

【受け身を取った名残で右膝を付いた飲んだくれは少年を睨みながら】
【左手をスラックスのポケットに突っ込んでゴソゴソと何かを探すのである】

【まだ、目は死んでいない。右手には少年の言う『手品』でまたしてもボトルが握られた】
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/22(木) 00:59:09.24 ID:F/aHLSxAO
>>239
【相手の手を取った時、感じるのは小さな違和感】
【先ほど一瞥した時には、相手は確かにナイフを持っていた筈…だが】

(仕舞った…?いや、──)

【思考の隅っこに疑問を張り付けたまま、相手が立ち上がることを助け】
【別段、礼を言われなかったことに怒る様子はない】
【だが、相手が放った第一声は、青年の表情を、ピクリと動かさせるに足る、一言だった】

さあ、どうだかな。
ただ、今のお前よりは確実に強いつもりだぜ。
……何で反撃しなかった?

【相手の声色から、心境を推し量りつつ、青年はそんな疑問を飛ばして】
【どうやら、青年は不良達になすがままにされていたことに、憤りを感じているらしかった】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/22(木) 01:01:23.87 ID:OUepRoyI0
>>237

創造神はちょっといいすぎかな、僕は空想上の生物は作れない、いや実際には作っても見かけだけになってしまう

それに、この能力ではどっちを使っても相手を“完全に殺害”出来ないからね

移動にも他の人の頼りが居るし、結構役に立たなかったりするよ?

【しかしそれでも、この能力は酷く卑怯で悪質であり】
【ほとんど反則に近い、“悪魔の能力”である、神などとは程遠い】

【ましてや友情など】

ふふふ、もし、君が僕の家族になるというのなら、名前のどこかに“黒瀬”と着けて貰わないと困る

それと、身体のほんの一部を、“僕との家系繋がり”として変えさせて貰う

結構シビアだろう?見ず知らずの相手の苗字を名乗り、身体をいじられるなんて、俺なら死んでも御免だね

それ以外は無い、僕の命令によって動かすことも出来無い、ま、ありえない話だろうけどね

俺自身、これじゃ完全に変態だよ、ふふっ

【含み笑いを耐えられないかのように噴き出し】
【面白そうにリライズを見る】

それともう一つ、これ自分で言うもんじゃないだろうけど

“俺に勝ったら”いいよ、能力使ってあげるよ、“逃がさず”“負けず”“変わらな”かったらね

【そこで一転、不気味な笑みを浮かべて、リライズを見る】
【初めて少年を見たときと同じく、まがまがしい様な感覚で】

/すみません明日学校なので落ちます
/出来る事なら別日に再開してもらえませんか?
/不可能ならばこのまま切っていただいても構いません、本当にすみません
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 01:02:05.88 ID:QwS07w11o
>>238
【ぞっとしない話だ、息を呑むローズ】
【戦闘能力の高さは知っている。最後の一撃は、自分も音速を超えるほどの速度でも回避し損ねた】
【スカートでの足払い、照準の隠蔽、統計からの戦術予想と、『影を操る』と思しき能力】
【それで高が知れているとは、世界は広いと思い知る】

「ローズねぇ、上位固体のデータは閲覧した、の?」

いいや、君はそういうの知らなくていいって言われたけど…?

「まかり間違えば個人の存在によって、世界が転覆することもある」
「例えば、R.I.P.のカーネル…データでしか知らないが、一台組織のトップともなれば戦闘以外でも有能」
「あんな実力者も、それに迫る能力者もごろごろしている。そのカーネルですら抑止力に阻まれた」
「極端な比較対象はいくらでも存在する。驚くのはまだ早い、の」

【眉一つ動かさずに、ローズも間接的に縁がある名前を出す】
【それなりに効果があったらしく、考えたくないと眼を逸らした。確かに右から左の暴論】
【反応の違いを性格のものと片付けてしまうには、まだプリムは欠損が多い】

なら、続きを話して。ちゃんと聞くから。

【甘えてばかりでいたくないから、ぎゅっと不安や揺らぎを飲み干して退治する】
【背筋を伸ばして、耳がぴくぴくと動く】
【しゃちほこばるローズと、無機質な自然体のプリム】
【両者とも、カノンの二の句を待ちつつ、その騎士団への矜持を刻み付けた】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/22(木) 01:08:57.99 ID:oY3qhDOg0
>>242

/ネームーケーガーというわけなのでコメントへの返信だけ
/持越しはOKです。基本的に夕方から深夜ならいますので舞台裏で呼びかけてくだされば……
/あ、でも明日はむりぽです
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/22(木) 01:10:34.02 ID:oY3qhDOg0
>>242

/ネームーケーガーというわけなのでコメントへの返信だけ
/持越しはOKです。基本的に夕方から深夜ならいますので舞台裏で呼びかけてくだされば……
/あ、でも明日はむりぽです
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 01:12:25.28 ID:SRZhr8F8o
>>240

【蹴りが男性の肩を叩いた感触が、少年の足裏に伝わる】
【確かな手応えを感じながらも、少年の動きは遅滞無く次の攻撃へと繋がる】

【振り切った左足を地面に下ろし、そのまま再び左足でターン】
【身体の重心を槍から足へと戻すと、すぐに槍を地面から引き抜いて】
【ターンのエネルギーを右手に集約し、吹き飛んだ男性を追う様に槍を振りぬく】

【受身を取った男の前に、槍の穂先をピタリと突きつけて、不遜な笑顔を浮かべた】

……手品は種切れか? 三流マジシャン。
破片を突き刺したけりゃ、俺に膝を付かせて見やがれ。

【僅かに口の端を上げてそう口にする仕草は、まさしく勝ちを確信した姿だ】
【――これ以上の口上も必要あるまいと、少年は槍を握る手に力を込める】

【長槍を右手一本の力で真上へと振り上げて――】

……終いだ。

【――天高く掲げられたその槍に、今度は左手を添えて】
【勢いよく、男の脳天へと振り下ろす!】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/22(木) 01:16:01.36 ID:bcddN9swo
>>241
反撃?.....する必要が無かったからからかな...

【青年は近くの壁にもたれて静かな声で言う】

【相手の声色に反応の色すら見せず、凍るように静かに】

さっきの荒事の勝利条件に不良を倒す事が入って無いし.....
俺は弱いから...ここで死ぬ事も気にしなかっただけですよ

【諦めているというより認めている】

【強くなろうとして諦めたのでなく】
【弱き自分を認めている】

【青年の態度、声色から感じ取れるかもしれない】

248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 01:17:07.89 ID:kCGIQPiEo
>>243

【自身の語りの合間に、ローズとプリムの話へと耳を傾ける
そして、その会話に至った原因の一つに自身の話があったと思うと
少し、言葉を選び間違えたかのようにも思えてしまう】


ええ、確かに世界は凄く広く、また同時に深いものです
だからと言って関わろうとしなければその人物の世界は狭く浅いままでしょう

確かにイレギュラーともいえる存在≠ヘ山ほど存在しましょう
故に人は徒党を組み、集団を持って、自身の弱さを補うのです
――――ところで、ローズ、貴女は何か組織に属しているので?


【言葉を述べつつも、ローズの嫌がる話題はなるべく裂けて通ろうとしている
この辺りが彼女の甘いところであろうか、言葉では厳しくしつつも、その実は詰めが甘い
その点を、プリムに看破されてしまいそう、と思いつつ、視線をプリムへと向けるだろう】


分かりました……私とKnights of Cydonia≠フ繋がりは生まれから既に影響しておりました
私の父は騎士団の団長を務めており、行く行くは私もその職を得る、という立場でして
幼い頃から特訓に明け暮れ、やがて10歳の時に、父が亡くなりました

父が死に、その後を次いだ私はKnights of Cydonia≠フ団長を務めると共に
従者≠ニして――――当時、新しい王に即位したばかりのある人物の世話を命じられました

これがご主人様≠ナあるカトレア=ミルフィーユ@lとの出会いでございました


【恐らくは、彼女が使える主人≠ニはその人物のことであろうか――――……
そして、ローズなら気づくかもしれない、彼女の辿る過去が、大分省略されている、であろうことに
そもそも、彼女は――――普段ひた隠しにしているが獣人≠ナある】

【この世界においては獣人≠ヘ、それこそイレギュラーな存在であり、同時に畏怖の対象でもあろう
それは十分に、貴女達なら理解できるだろう、そして――――そんな獣人≠フ若い小娘がいきなり団長になる
恐らくは語らない真実≠ェ、その奥には幾重にも含まれて居そうで……】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/22(木) 01:27:22.92 ID:F/aHLSxAO
>>247
………そうかい。
呆れたもんだ、かける言葉も見つからねえよ。

【相手の、学ランの青年から感じる、覇気のない声】
【言葉は短くとも伝わる、彼の諦め】
【再びポケットから取り出した金貨を、左手の親指で、高く弾き上げて】

《支配を掲げる者の──大剣》。

【落下した金貨が、バングルに投入された瞬間】
【金色の鵞鳥が顕現すると共に、青年の左手に握られるのは、一振りのクレイモア】
【相手の喉元へ刃を充てがおうと、剣を動かして】
【明確な殺意もみられないが、果たして──】

じゃあ、死ぬ前に見せてみろよ。
能力、使えるんだろ?
さっき、ナイフを消したみたいに、よ。

【先ほどのナイフの消失──最初は単なる早業かとも思ったのだが】
【カマをかける≠アとで、その正体を探ろうとして──】
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/22(木) 01:38:33.98 ID:s93PGTo10
>>246

…ふー。床にぶつかったボトルの破片が上手く飛び散ってくれないんよ…今日は厄日だわ…

【苦笑する彼に無慈悲な槍が振り降ろされる…!!】

【その刹那――】

どらぁぁぁぁあああ!!!!

【右手のボトルを振り降ろされる槍――即ち上に向かい投げ飛ばしながら、左斜め後ろに回避せんと右足裏の側面で床を強く蹴りこむ】
【ボトルが槍とぶつかったのなら――粉々に砕かれ中のウォッカは飛び散り――】
【ガラスの破片は少年に向かって飛び散るであろう】【この破片は刺さることよりも目晦ましが目的――】

っく…!! 十分よぉ…!!!

【槍の一撃は紙一重で躱すも、高速で振り降ろされる槍と衝突して砕けたガラスの一部が弾丸となって彼の右足に突き刺さった】
【結構な量のガラスの刃が右脛を痛々しく表現する】

【彼の視線が少年の足元に一瞬動く――床はウォッカで濡らされており、少年もかなりの量の酒を浴びたようだ】
【そして左手をポケットから抜く――取り出したのは】

          【――――――マッチ箱】

(間に合え…!!)

【右脛の痛みに耐えながら必死に下がり距離を取らんと足を動かす――もちろん両手はマッチを取り出そうと動いている】
【このマッチ、『瞬火』(またたび)と言う特殊なマッチであり――】
【出る火はとても激しく大きいが、5秒で火が跡形もなく消えるのが『瞬火』の特殊たる部分である】
【そしてこれが『不殺』を貫くが為の彼の工夫でもあるのだ】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/22(木) 01:39:08.89 ID:bcddN9swo
>>249
能力か...昔、一族みんなに落ちこぼれの烙印押されて以来、嫌いなんだよね

【そのクレイモアに興味がないのか恐怖がないのか眉一つ動かさず立ち尽くす】

【そう言った瞬間、力なくだらんとしていた青年の右手から何か光る物質が現れる】

【物質創造系能力】

【液体とも固体とも言い難いそれはすぐにナイフのすがたに変わっていた】

...ナイフ以外に変えれたら、強者になれたかもしれないって...そう過去を思った時点で弱者か...

【はぁ...とため息を尽きながら空いてを見て】

どうですか?これが俺の能力【絶対無力(イコールジョーカー)】です

【満足しましたか?と相手の青年に言う】

252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 01:46:20.94 ID:QwS07w11o
>>248
関わろうとすれば、か……。それは間違いないよね。
出会ってみて話したりぶつかったり…喧嘩は嫌いだけど、意味があることもあるし。
…ボクの、組織? えっと、

「ローズねぇは『学園』と呼ばれるものを運営している、の。一応私も」
「理由を問わず孤児を引き取り、社会生活に慣れさせるための教育施設としたい、と」
「まだまだ公的な動きは少ないが、資金繰りは上位固体が尽力している、の」

そーなる、ね。本当はボクも勉強受けるほうなんだけど…トモダチと一緒になって頑張ってる。
…あ、そういえばにぃが口出すかもってなんか言ってた。

「上位固体はあまりの忙しさに女の子の愛がほしいとかのたまっていた、の。」
「……愛がなんだかわからないし、私たちにこれ見よがしに言う意味もわからない、の。」

リズの愛は間違ってると思うから、気にしないでいいと思う

【所属に言及されたローズに、被せてくるプリム】
【事実ではあるので乗っかり、そこからやや脱線気味に保護者の話へ】
【呆れたようなため息と、強い困惑。すっごく大きなくしゃみが響いた】

【そして戦術・戦闘に関することに詳しく、外見不相応の分析力を持つプリムは、カノンの隙を見逃した】
【ローズと真逆すぎて、感情の機微に疎いらしい。気づいていて不要としたのかもしれないが】

【そしておそらく、『保護者』も学園の運営にかんでいるのは理解してもらえると思う】
【その犬が、機械的過ぎるプリムを製作した上資金繰りを謡い、堂々と少女たちの前で愛をくれと叫ぶ】
【……まじめにきいていたら、すっごい不安になりそうな。】
【どう聞いても人格破綻者である。】


……おとー、さん。

「十歳で、騎士団長。出世というには…いや、世襲制というもの、なの?」
「それでいて、カノンの実力はローズねぇが証明している。実力主義的側面があるなら問題ない、の」
「わかっていて周りが据えた、可能性もある。権力者の娘が剣術の心得を持つくらいなら、周りがいくらでも……」

【父親というものに対し、ある種の考えを持つローズは、そちらに気をとられて少し顔色が曇った】
【逆にあくまで客観視を持つプリムは、分析を口に出しながら続きを促す】
【まともに他者と対話するのはこれが始めてなので、不謹慎だが楽しんでいたのかもしれない】
【ただ、小娘がそういう場でどういう目にあうかは、ローズより知っているらしく】
【…猫の姉妹は、互いに自分の思考に没入して、少しばかり追及が緩んだ】

カトレア……その人は、どんな人なの?
ねぇのご主人様なら、すっごい美人で、すっごく…心がきれいな人、だったんじゃないかな。

【今まで自分を従者と呼び、その立場を堅持しようとしていたカノンだが、ようやく言及された最重要人物】
【カノンがほとんどいつも同じ服装で、そのあり方を誇る姿は知っていたから】
【興味津々と言った様子で身を乗り出しながら…軽く、見知らぬ主人に羨望を覚えた】
【そして表層に出さない程度に、戸惑う。誰かを独り占めにしたいという欲求が、なんだか強くなっている気がした】
【こんなことは、……あまり、経験がない】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 01:48:01.15 ID:SRZhr8F8o
>>250

ッ……!

【ぱりん、と】
【人の頭を砕くには余りにも軽い手応えに違和感を感じる間もなく】
【少年の鼻を刺すのは、もはや少年の身体からも発される、アルコールの異臭】

つっ……。

【勢いよく粉砕した瓶の破片が、男性のみならず少年の身体を叩く】
【頑丈なレザーベストは、胴体をその刃から守りはした】
【だが、下脚部や、むき出しの腕に、ガラスの破片が裂傷を刻んだ】

テメ……!

【この後に及んでまだ目くらましか、と苛立ちをぶつけようとして】
【アルコールを拭った視界の先に、不吉なモノが見えた】

……!

【ムダ口を叩くヒマもない】
【瞬時に判断を要求される中――恐らく、最良の選択肢は撤退だった】
【だが、少年は、なおも牙を爪を振るうことを、選択した】


【ベルトに吊られた、棒の一本を、空いた左手で抜き取る】
【そこに正体を現すのは、既に抜き身と成った投擲用の短槍――】

させねぇ!!

【それを手首の力だけで強引に投げ放つ】
【狙いは、彼が取り出したマッチ箱を握る、その手だ】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 01:50:43.75 ID:kCGIQPiEo
>>252
/ご、ごめんなさい……そろそろ眠気が限界に近いです……
/明日も同じ時間からでしたら再開できそうですが……
/あまり拘束するのも何ですので、切っていただいても構わないです
/なんと言うか……本当にごめんなさい……
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/22(木) 01:51:56.62 ID:F/aHLSxAO
>>251
【いいや、と】
【相手の問い掛けに、青年は口角を吊り上げて、答える】
【刹那、大剣を引き戻したかと思えば、間髪を入れない、右足の前蹴り】
【相手の腹部を狙った、一撃】
【速度はそこそこだが、威力はそうでもないだろう】
【当たったとしても、精々よろめく程度、か】

成る程ね、そういう能力か。
充分じゃねえの?
立派な暗器だぜ、それ。

【左手で握る大剣の腹を肩に当てる様にして、担ぎ】
【心なしか、その表情は綻んで】

お前、さっき死んでもいいとか言ってたよな。
じゃあなんで、あの不良共に囲まれてた時、ナイフを出してたんだ?

【あの時、倒れていた青年が握っていたナイフ──彼の能力が今し方見たものであるなら、自分の意思でそれを出した筈だ】
【であるならば、死んでもいい#ュ言と、武器たるナイフの創造は、矛盾するではないか】
【大剣を担いだ青年は、そう疑問を投げかけて】

お前の過去なんざ俺はこれっぽっちも知らねえがな、さっき不良に囲まれてたお前は、結局死にたくねえから武器を握ったんじゃねえのか?

【もしかすると、的外れな発言かもしれない】
【けれど、今までのことを総合して、この青年が出した答えが、これだった】
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 01:59:29.73 ID:QwS07w11o
>>254
//いえいえ、お体にはお気をつけて。無理はいけませぬ
//こちらもたびたび長引いてしまい、自分の不手際が申し訳ない
//ですがすっごくおいしい絡みなので、また明日も継続ということで
//それではお疲れ様でしたー!
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 02:01:19.71 ID:kCGIQPiEo
>>25
/お疲れ様でしたー
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/22(木) 02:06:34.53 ID:bcddN9swo
>>255
【腹部を狙う蹴り】
【青年はそれをよけようとも受け止めようともせずもろに受ける】

ぐっ....!

【少々よろめくが、なんとか持ちこたえる】

【いきなり蹴られた事に、なにも言わずただ、姿勢を直す】


ナイフは[ピーーー]目的は無い....威嚇で少々使ったんだ。
放ってはおけない状況だったからな...

【そう言うと、少し後ろを見る】
【路地裏の角でこちらの様子を伺う少女】

彼女を助けるためだ...たまたまさらわれそうなところを見かけたからな...

【そう言って青年は少女に軽くてを振る】

【「もう安全だから帰っても大丈夫」というサイン】

【少女もそれに気付き、その場を離れようとする】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/22(木) 02:14:37.39 ID:s93PGTo10
>>253

…!!

(よし、後は着火…!!)

【右手には1本のマッチ、そして左手にはマッチ箱】
【彼の思う通り後は着火するだけだが――目晦ましで稼いだ少しの猶予ももう切れた】
【もちろん妨害は飛んでくる――】

【飛んできたのは短槍――位置も恐ろしいほどに正確】

           【しかし】

――――着火なんてもんは…右手1本で十分だぜぇぇぇえええ!!!!!

【左手首を軽くしならせて箱を空中に放り――同時に左掌が短槍に貫かれる…!!】

―――ぐぁぁあぁぁぁぁぁあ!!!!! 

【激痛に音を漏らすが目はマッチ箱を追っており―――】

(空中で着火…!!これしか…ねぇ…!!!)

【右手のマッチで宙を舞うマッチ箱側面のヤスリ状の摩擦面をこすりつけんと振り切る!!!】

――――ボウッ!!!!!

【紅蓮の炎が――――マッチに点灯した 大きな炎である…!!】

しゃぁあぁああオラァアァァ!!!!!! 喰らえやぁぁあああぁあ!!!!

【そのまま相手に向かって投げつける】
【当たっても引火、もし躱したとしても落ちた先のウォッカの水たまりがもし少年の足元まで続いていたなら…引火である】

ック…!

【投げたと同時に痛みで膝が地面に付き、急いで左手に刺さった槍を抜くが――出る血の量から危ないかもしれなかった】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sagesaga]:2011/09/22(木) 02:24:39.77 ID:F/aHLSxAO
>>258
【突然蹴りを喰らわせても何も言わない青年を見て、内心でふぅむ、と声を出す】

(今ので敵意でも向けてくれりゃあ良かったんだけど…こりゃあ重症だな)

【ダメージを与えることで、相手の気分を煽り、何とかネガティブな思考から脱却させよう……と思っていたのだが】
【どうやら、それは失敗に終わったらしい】
【さてどうしたものかと、首を捻ろうとした、その時】

……へえ。
成る程、ローズと似たような性格、か。

【青年が示した先に居る少女を見た瞬間、頭の中で何かがカチリと音をたて】
【同時に想起され、口に出し呟くのは、知り合いの名前】

自分のことは嫌いだが…だからこそ他人を救うことは厭わない…か。

【しみじみとした口調で、そう言って】
【もう一度、少女を一瞥する】

……いやあ、流石にそんなベタな悪役は出来ねえなあ。

【何やら企んでいたのか、そんなことをボソッと呟いて】
【溜め息混じりに、担いでいた大剣を地面に下ろす】

自己犠牲は大いに結構、まあ俺が口を挟むことじゃあねえかもしれねえけど。
だがな、他人より先に自分を大切にするこった。

【大剣を引き摺りながら、青年は踵を返し】
【大剣が地面を擦り取る音を響かせながら、路地裏を出ようと歩みを進めるだろう】
【数歩進んだところで、はたと足を止め、首だけで後ろを振り返って】

ああ、そうそう。
俺はオルカだ。
まあ、死ななきゃ何時かまた会うだろ、じゃあな。

【そう言うと、また前を向いて】
【通りへ向かって、呼び止めでもされない限りは、そのまま歩き、去って行くだろう───】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 02:27:45.57 ID:SRZhr8F8o
>>259

【放った槍は、過たず彼の手を射抜いた――】

……っ!

【――だが、目論見どおりに、着火を中断させることは出来なかった】

【目を凝らす必要すらない。そこかしこは揮発するアルコールで充満し、路面も酒浸し】
【迫る炎塊から逃げ切れる理由などなかった】

ガアアアァァァッ!!

【――音も無く、紅蓮の絨毯が周囲を包む】
【少年は獣のような咆哮を上げて、炎から身を隠そうとした】
【とは言え、炎は少年の身体からも燃え広がりつつあるのだ――易々とは、炎の舌から逃れられない】

ッ……!

【炎を肺に入れぬようにと、息を止めて、少年は路地裏の奥へと足を向け】
【――水でなくとも、砂でも、ゴミでもいい】
【この身を包む焦熱を消し止めるナニカを探して、男性に背を向けて、路地裏の奥へと消えていく――】
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) :2011/09/22(木) 02:48:46.59 ID:s93PGTo10
>>261

…!!

(よかった…投げられたマッチのスピード自体は遅いから…うまく槍でマッチを跳ね返されたなら…俺が燃えてた)

【一瞬安堵するも左手の痛みが一瞬にしてその感情を奪い去る――】

…3、4、5秒。鎮火…!!

【紅蓮の炎が一瞬にして消え去り、火薬の臭いがアルコールの臭いに変わって充満した】

…アイツ…どこ行きやがった…!! 逃がしたってか…霧島 榮四郎(キリシマ エイシロウ)…一生の不覚だわな…!!
っく…左手の…痛み…がっ…ウ…


【そのまま――――霧島と言うのであろうその男は暗闇に意識を委ねた】
【一瞬だったが豪快な炎のお陰で人が集まり、すぐに病院に搬送されたそうだ】

【しかし当分は病院暮らしなので酒は飲めそうにないのだろう】

/ありがとうございました! このキャラでの初ロールなので(←言い訳にならない)いくつか問題がありましたがすみませんでした…
早急にこのキャラ調整します…!!
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 02:58:28.67 ID:SRZhr8F8o
>>262

……!?

【路地裏に逃げ込んだ矢先――】
【――身体に纏わり付いていた炎が消失した】

な……?

【口を開いて、酸素を求めるのも忘れて、少年は己の身体を見下ろす】
【――火傷はそこかしこに残り、服もぼろぼろに焦げ後が付いている】

【――だというのに、もはや炎の跡形は、どこにもなく】

……なんだってんだ、クソ!

【かといって今更、元の場所に戻って戦うほどの気力も体力も無い】

【最後の最後までペテンに掛けられた気分は拭いがたく】

【少年の中では、どうやら彼は――酔っ払いでもなく、バーテンダーでもなく】
【タチの悪い手品師であるという事に、結論付けられたそうな】

/おつかれさまでした!
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/22(木) 07:03:28.35 ID:bcddN9swo
>>260
自分が嫌いで他人を救いたいのは、わがままって奴かな?...兄貴にも言われたけど....

【ふと、夜空を見上げ静かな声で言う】

【その時、わずかに笑った】
【例の一族の事でも思い出したのかもしれない】

オルカ...わかりました。
俺は神崎無力....その名の通り、無力者

アンタもせいぜい死なない様に気を付けてみてくださいね

...あと、俺の兄貴っぽい人にあったら俺の事はあんまり喋らないでくれよ


【そう言ってオルカと別方向に歩き出す】

【気が付いたら神崎は消えているだろう】

【人に踏まれるだけの影と共に、この世界を歩き続けるのだろう】


/最後の最後に寝落ちしてしまってすみませんでしたorz
/絡んでくださってありがとうございましたー!

265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/22(木) 08:06:44.94 ID:F/aHLSxAO
>>264
/お気になさらず!
/お疲れ様でしたー!
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/22(木) 20:05:04.58 ID:9Rqtcqlro
【森の中、都合よく拓けた場所】

……うーん、……どうしたもんかな……。

【新雪のような白い髪、深い緑色に染まった瞳】
【不在の右袖を踊らせながらフード付きの灰色パーカーを羽織り】
【膝下までの長さの収納がやたらと多いズボンに黒いゴム製の安全靴を履き】
【ズボンのベルトの左側に無骨なナイフを2つ平行に掛け、妖しい魔翌力を放つ黒鞘の刀を右側に下げた】
【小さな身長(160cmくらい)の少年がそこにはいた】

やっぱ下手に黒色使うと弊害が目立つ、しかしまあ決定力不足という……
とも……義手でも探す?……いやいやキャラじゃねーよなあ……。

【ひらひら揺れる袖をいまいましげに睨みつけ】
【丁度良くあった切り株に腰を落とす】
【彼の表情はどうにもやる気がなさげ、ため息さえ漏れていた】
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 20:50:35.97 ID:SRZhr8F8o
>>266

【森の中――どこかに繋がる道でもあるのだろうか】
【また一人の人間が、少年の座る切り株へと近付いてくる】

……む?

【機械油か何かだろうか、黒ずんだ汚れがそこかしこに張り付いたツナギを着て】
【無精髭を生やした顎に手を当てた、30代頃と見える男性の姿だ】

このような場所に人間とは。
……最近は森の中をうろつくのが、若者のトレンドなのかね。

【微妙に世間ずれ――あるいは世代ずれ――した問いを発しながら、男性は少年の方へと近付いてくる】
【右肩には、大きな黒いバッグを掛けていて、それが歩くたびに重そうに揺れる】

だが、まぁ。
私には僥倖というものだ。 少年、少し良いかね?

【初対面、偶然の邂逅であるにもかかわらず、男性は少年に何か用があるようだった】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 21:01:27.51 ID:LQve9azVo
>>252

【枝垂れる月明かりが、薄く伸びて、互いの色を夜闇に溶かしていく
気がつけば周囲の喧騒は無くなり、三人の言の葉だけが、夜のプールを泳ぎ回る
反芻される言葉はきっと、普段より良い音色で響き渡る】


学園≠ナございますか……あまり聞きなれない名前にございますね
おおよその中身はプリムの説明で想像がつきますが――――

……そうですか教育施設、社会の為にも人の為にも素晴らしい場所にございましょう
ローズがそんな場所に居るなんて、姉として凄く誇らしいですよ


【くしゃっと、表情を歪ませると、新雪に覆われた肌に、薄くシュプールが刻まれて
やがて軌跡は新たな雪色に染められて、後に残る微笑の色をすーっと引き伸ばしていく
白銀の髪が彩る微笑みは、心をすかしたみたいに、透明な色をしていて】

【確かに不安はある、けれども――――ローズが選んだ場所だ、そしてトモダチ≠烽「る
左の指先がそっと胸に触れる、白い手袋で包まれた冷たい指先が、彼女の思考を落ち着かせていく】

【彼女の言葉は、やはり、貴女と一線を置いている、と洞察力の鋭いプリムには理解できるだろうか
ローズを褒める言葉にしても、暗に、その組織とは彼女が関わることが無い、と示しているようで……】


……ええ世襲制でした――――それも、厳格に規定が決められておりまして
もし、他殺により団長の座が空いたのでしたら、誰も後釜につけない、など……時代遅れの面もございましたが
それもあり、父の死は随分と念入りに調べられたものです


【追求が緩んだからか、彼女から返す言葉は、表面をなぞるだけの柔肌のような言葉
ふわりと撫でて、掴んでみると掌からするりとすり抜ける、そんな肩透かしの風のような音色
それは語ることが無い≠ゥらか語りたく無い≠ゥらか】

【――――その中には、父という単語に敏感に反応したローズの姿があったことであろう
曇った顔色を思わず撫でてしまいたくなるくらいに、その姿は胸を揺らす】


そうですね……実は同い年のお姫様、でございました
彼女には本当の姉妹がいらっしゃって、その末っ子だったのですが……
事故≠ェ置き、先王を初めとした彼女を除く全ての方が一度になくなってしまい
彼女は最年少でCydonia≠フ王妃となったのです

ですから、周囲は皆年上の中、私と彼女だけが近い存在でして……
随分と仲良くしていたものです


【懐かしそうに語る彼女の表情は、少し緩んで、素顔の笑みに近い色を滲ませている
それは確かに、その人物の事を親しく感じていたのだろう、貴女の羨望の色に、気づかないくらいに
そして同時に、聡明な貴女達なら分かるかもしれない】

【彼女が彼女の身の上を語り始めた理由――――それを考えると……】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/22(木) 21:03:12.40 ID:9Rqtcqlro
>>267

ん?……んー……。

【声の主、そちらへと顔を向け暫く凝視する】
【知り合いか、否か……どうやら記憶には残っていない】
【となれば初対面、少しばかり警戒する】

アンタのその「少し」の内容次第だな
こんな森の中にいる人間なんてそうそう信用出来ねーの……ってオレもその一人だけどさ
ま、なんにせよ場合によるんですよってヤツ。

【ツナギ姿とこの森と、凡そ関連付けるのが難しく疑問が浮かぶがまあそれまで】
【自分のようなモノもいるのだし理由なんてそれこそ無数】
【見たところ技術士のようだが、はてさてそんな人間が自分に用事とは?】

ともかく、だ……名を名乗れって
ラベルの無い商品よりラベルのある商品を普通の人間は選ぶぜやっぱ。
ああ、オレのラベル……じゃねえや名前はエルフェスってえの、ただの悪党以上。

【悪くも無く善くも無い、そんな曖昧な笑みを浮かべる】
【自分を悪党と評する彼、まあきっとひねくれ者の類だろう】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 21:13:23.85 ID:SRZhr8F8o
>>269

目的地を目指して、森を歩く。
そうおかしなことでもあるまい? それとも君は、他人を座標で評価するのかね。

【少年の言葉に、顔色一つ変えずにそう返す】
【だが、それも本題では無いのだろう。少年の座る切り株の近くまで歩み寄ると】
【右肩に背負っていたバッグを、重い音を立てて地面に下ろす】

名前か。今は……。
……そうだ、キリル。キリル・ヴェルバと言う。

【名前を問われてから、答えを発するまでに少々以上に間があった】
【本気で名前を思い出せないような浮世離れした人間か、あるいは偽名か――】

【少年のひねくれた言葉にも、男性は興味を示すことは無く、すぐさま本題を口にする】

用と言っても、大したことは無い。少しばかり質問をさせていただきたい。
見たところ君は右腕が無いようだが、それは先天的なものか? 後天的なものか?

【質問の内容はと言えば――他人の身体障害について、ずけずけと遠慮のない物言いだ】
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 21:20:19.69 ID:QwS07w11o
>>268
まだまだ下ごしらえの下ごしらえ…な感じだけどね。
……うん、頑張る。自分の居場所だもの、ちゃんと形にしてみせる。

―――――そしたら、………、遊びに来てね? 歓迎するから!

【感情の機微や、言葉裏に隠された距離は、やっぱりローズのほうが目敏い】
【でも二度も取り乱してしまうことはない。自分がはいた我侭が、大好きなヒトを縛るのはよくないと、改めて悟ったから】
【違う場所で、最善を尽くす。何もかもを受け入れる】
【だから今はそれでいいと、元気に誘って、力なく笑った】


「事故か病死、でしょうか。調査に調査を重ねて出された結論なら」
「……、そうでなければ、査察団が見抜けないほど特殊な手段での殺害、なの」

【カノンが流した言葉から、父の死に関して引っかかった事を追求する】
【いわゆる、『原因不明の心臓発作』の類を疑うようなものだ。能力のありふれた世界、不思議な発想でもにないけれど】
【そしてプリムは、もう一つの可能性を口にしない】
【カノンの反応を見るように、あえて噤み黙す。表面上の感情が出ないので、ポーカーフェイスは非常に上手だった】


そっか…あってみたいな、そういうヒトがいるなら。

でも、ねぇの顔……、

【強い思い故のモノトーン。彩色を忘れた絵画の前に立つ、齢十六の少女】
【きっと全てを語ることは、それだけで自分の心を締め付けて、痛めつける】
【その気持ちはよくわかる。だって、告げなかった言葉は、言いかけてやめた言葉は、】


【「ボクと、同じ顔してる、よ」】


【鏡なんて見なくても―――――それはわかる。嫌というほど】
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/22(木) 21:24:21.82 ID:9Rqtcqlro
>>270

それくらいしか判断材料にならなかったらそうするさ
ま、いきなし襲ってこられないだけマシ……かな、なんて。

【響く鈍い音、少しばかり興味が湧いたらしく】
【少年はちらりとそのバッグを見やる】

今は、ねえ……まあいいや看板に偽りなしってな。

【その言葉に些か引っかかる所もあるが】
【よくよく考えれば初対面で本名を名乗るというのも無用心な話】
【既に自分は名乗ってしまったけれど、まあいいやと思考を放棄するのであった】

ん?……いやーそれが朝起きたら家出しててさあそんなこんなで森にでもいないかなーって……
勿論冗談だけどさ、真面目な話をすると事故みたいなもんかな後天的な感じ?

【今更他人に貶されたり蔑まれた所で傷つく心も生憎とない】
【あっけらかん、というよりは脳天気な口調で失くした腕の理由を告げる】
【大体は二の腕の半分から先が無い、みたいな感じだ】
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 21:32:34.87 ID:SRZhr8F8o
>>272

そういうジョークが流行っているのか?
……まあいい。

【軽い口調で放たれた冗談に、男性は少し呆れたような口振りで言う】
【そして、その言葉を自分で引き取って終えると、さらに質問をいくつも重ねていく】

後天的なもの。

では、なぜそれをそのままにしておく?
義肢職人を探し、義手を手に入れるということもできるだろう。
コネクションが無い? 経済的な問題がある?

それとも、他に何か。
その目立つ右腕を抱えて歩く理由があるのかね?

【どういった意図で質問が為されているのかは不明】
【それとも、この質問はただのポーズで、他人の不幸を婉曲に貶める嫌がらせか何かなのだろうか】
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 21:33:10.44 ID:LQve9azVo
>>271

【つくづく、自身の言葉の拙さに後悔を覚える、こんな時に、貴女にこんな表情をさせてしまうなんて
そして同時に、貴女の心へと、心情へと思いを馳せて、貴女の優しさに溺れそうな気がした】


分かりました、約束しますよ――――学園♀mかにその名前、覚えました


【これ以上の言葉は紡がない、力なく笑う、貴女の表情を、これ以上見たくなかったから
肌寒さを感じさせる、冷たい夜風を理由に、彼女は貴女達の様相を尋ねるだろう
寒く無いでしょうか=\―――紡ぐ言葉は、どこか自然で、どこか人工的で】


……恐らく、の言葉でしかございませんが……病死≠ゥと
生前、手合わせしていただく途中に、苦しそうに咳をする父の姿を何度も見かけていましたので

思えば、物心ついた時から剣を握らされていたのは
父も分かっていたのかもしれませんね、自分の死期……そして……


【言葉の尾っぽは、青い鳥のようにすり抜けて、霞のように夜に消えていく
霧散とした音の残響に耳を傾けるも、そこには空虚な風音だけが、雑音のように響いて
プリムへと語りかける彼女の表情、貴女のポーカーフェイスに、少し戸惑っているのか】


――――……貴女は、私の知らない内に随分と成長していらしたようですね
嬉しくもあり、また同時に少し淋しくもありますね……過ぎた言葉ではありますが

可愛くて、元気で、それでいて誰よりも優しくて――――……
ローズ、貴女にそっくりな……ええ、本当にそっくりな、女の子でございました


【だから¢アく言葉は闇色に消えて、潤んだ唇だけが、くっつけられて、言葉を閉じた
貴女が傷つくのを嫌がるのは、貴女に似た人物を、過去に愛していたから
そして、その方を失った悲しみは、深く今も残っているから】

【――――言葉はしばし途切れるだろう、過去から貴女に向ける言葉は、これで終わりと言った具合に
いくつかの疑問を残しながらも、何となしに筋は通っているだろうか】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/22(木) 21:41:03.57 ID:9Rqtcqlro
>>273

ありゃりゃこういうの嫌い?……んじゃやめとくわ
なんて言いつつ真面目に話すってのも結構苦手なんですがねえ……。

【軽口は彼には余りよろしくないようで】
【「ふう」と息を吐いて一瞬だけ目を逸らす】

……つーかアンタって結構ずけずけと言うタイプなのね……。
うん、まあコネも無いしお金もそんなに―ってね、それでもまあ主な要因は―――――

【つまらなさそうな表情を浮かべながら】
【少年の欠落した腕の断面から「黒い」物体が滲んで】
【そしてそれは渦を描きながらやがて「黒い腕」と姿を変える】

いつでも腕を創ろうと思えば創れるから、かなあ……
もっとも機会があれば義手とかも考えるんだけどな、生憎と縁が無いんでさ。

【創りだした無機質な「黒い腕」をふらふらと見せびらかし】
【そして直ぐ様消す、文字通り霧散】
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 21:54:12.68 ID:QwS07w11o
>>274
【言葉が、気持ちが、少しずつすれ違ってゆく】
【近づきたくて手を伸ばし、傷つけるのが怖くて引っ込める】
【その繰り返しはいつしか、互いの背筋を凍てつかせる。そんなつもりはなくても、だ】
【「この服、結構暖かいから大丈夫だよ」。悲しい顔をしたくなくて、先ほどよりは上手く笑った】


「―――――そしてカノンの…騎士団の運命も」

【一切の震えなく、引き取って勝手に続けて】
【筋書きは読めたと、レンズのような黄色が目を閉じた】
【少し比喩的な響きを含んだものではあったが、その重みは、誰よりあなたが知っているはず】

【現代知識を入力された人形が知らない国】
【いま彼の国が何処にあるのか、納得したように】
【亡国の騎士団長に向けた視線は、……一切の変化はなかった】


………カノンねぇが喜んでくれるのなら、今まで頑張った甲斐があったよ!
やってきたことは、無駄じゃなかった! あの約束のおかげで、ボクは今日まで頑張ってこれた!
…過ぎた言葉なんかじゃない、ねぇに言ってもらえるなら……、

【本心を元気いっぱい、伝えたかった】
【もっと言ってほしい、想う事の価値を知っているからと、自分がこんなことを言うヒトは…あなたは特別なんだと】
【だから少し声を張り上げて、こぶしを握って主張しようとして、身を乗り出して、】
【顔を近づけて、微笑もうとして、】


――――――、笑って、くれるなら―――――っ


【そして空元気は消えた。蝋燭の火のように】

【肩を落として、もう一度腕を伸ばす。許されるならカノンの背に回して、抱き寄せながら体に顔を埋める】
【顔を見られたくなかったし、――――――顔を見るのが怖かった】
【…多分今は、『ローズ』に心から微笑んではくれないだろうから】

【続きを無言で促したのは、一歩引いた視点で両者を見ていた人形】
【歯車で動く人形が歯車を進める、童話染みた光景だった】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 21:56:47.23 ID:SRZhr8F8o
>>275

……好悪の感情は無いが、無駄な時間だと考える。

【少年の冗談交じりの言葉に、はっきりとムダだ、と断言する】
【――どうも、この歳にして他人とのコミュニケーション能力に致命的な欠陥があるようだ】

聞きたい事を聞いているだけだ。
……不愉快にしたのなら謝罪しよう。

【謝罪しよう、などと口にはしているが、罪悪感などは欠片も見当たらない】
【社交辞令そのままを口にした次の瞬間には、またも無遠慮な視線と言葉が少年に向けられる】

ほう。……なるほど、君も異能者か。
であれば、争いに巻き込まれて腕を失った、と言ったところか。

能力があるために争い、腕を失い、しかし能力があるために満たされている。
因果なことだな、少年。

【キリルの視線には、蔑みも憐れみもない。ただ淡々と、自分の感じた事を口にしている】
【――そこで質問は終わりなのか、また自分の顎に右手を当てて、なにやらぶつぶつと呟き始める】

……であれば、やはり生半可な義手では無意味か。
意のままに動き……それ以上の機能を要し……。

【目の前のエルフェスのことなど、もう視界に入っているかすらも怪しい様子だ】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 22:05:37.68 ID:LQve9azVo
>>276

【月の陰影のせいか、それとも、彼女の色眼鏡のせいか
網膜に映る貴女の表情は、少なくとも、真っ白とは言えなくて
だからこそ胸が痛んで、その笑顔を受け入れることしかできなかった】


……分かって下さいませ、あのような思いは、もう二度としたくはないのです
幸いにも、貴女にはプリムや、学園――――それらの、素晴らしい方々が近くにいらっしゃいます
貴女が傷ついて、私が、微笑むことなんてできはしませんよ


【胸元にもつれこむ、貴女の小さな表情、ふんわりと豊満な胸の中へと沈めながら
背中越しに感じる、貴女の華奢な手の感触を、愛しくも、また、危なっかしくも感じる
きっと、精巧な硝子細工のように、いくつもの色を滲ませつつも、直ぐに壊れてしまいそうで】

【貴女の思いは正しい、彼女から視線を逸らした貴女に、向ける表情も、取り繕う色も思いつかなくて
困ったような素顔の彼女は、貴女とはそう変わらない少女の色を、そこに浮かべて
少し申し訳なさそうな色を、プリムへと向けることであろう】

【もし、そのままずっと、耳を傾けていれば、彼女の心音が感じ取れるだろう
激しいリズムで刻まれる鼓動は、彼女の貴女を思う気持ちが、如実に現れていることであろう
そうして彼女は、貴女の髪へと右の手を添えて、離さない様に抱きしめた】


……時にプリム、先ほど私に何か質問がある、と申しておりませんでしたか?
これ以上は……あまり話していて気分の良い話ではございませんので……
それに――――……もう、ローズに負担をかけたくはないのです


【少なからず、彼女の言葉がローズにプレッシャーを与えた、と感じているのか
目じりを落として、整った表情に雲の色を除かせて、プリムへと視線を向け、言葉を向けた】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/22(木) 22:07:44.30 ID:9Rqtcqlro
>>277

うわお思ったよりも酷い言葉!時間のムダて……アンタ……。

【とは言いつつも少年の顔に悲しみやそれに類する感情は見られない】
【基本的には楽観主義らしい】

ああ、その辺は大丈夫。オレってそう簡単には怒れないからな。

【貶されたり蔑まれるのが自分であるなら、彼は基本的には怒らない】
【なんとも面倒臭い人間か】

どっちかってーと争いに自ら首突っ込んでいった、みたいな感じ……だなうん。
因果も言っちゃえばそんなふうなんだろうけど―――――ってオッサンもう聞いてねえし……。

【目の前の彼が興味が有るのは自分というパーソナルではなく】
【腕の欠如している状況なのかしらん、と一人置いてけぼりにされたエルフェスは考えるのでした】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 22:20:13.75 ID:QwS07w11o
>>278
【あの時は、その感触がひたすら暖かく】
【以前から、その言葉は果てしなく優しくて】
【それに恥じぬよう、いつか恩返しがしたくて、ずっとずっと今日まで闘ってきた】

【でも生きるということは―――――しがらみを重ねて生きる人間というイキモノは、】
【その全てを受け入れることなんか、できっこない】
【受け入れることしか出来ない事がある。気付かなければ楽でいられたことがある】

【―――――それと出会い挫ける事は、必然なのだろうか】
【この痛みも、皆は通過儀礼だと受け入れ、飲み下してきたのだろうか】

【こんなに悲しい抱擁があるなんて…ローズは知りたく、なかった――――――】
【心音を重ねながら、もう声を出してなく気力すらなくて】
【強く閉じた目から雫が無数、濁流のようにこんこんと湧き出すばかりだった】


「……敵性体排除に最も適した行動は殺害である」
「長期的な眼で見た場合、後に当人の報復の可能性を断てる」
「短期的な目線で考察しても、動きを封じ急所を損傷させればいいため加減が必要ない」

「……なのにローズねぇも上位固体も、ブルーラインすら敵の殺傷を躊躇う」
「私の装備も、銃弾は特別非殺傷弾に限定されている」
「近接装備はそれらの制限が解除されているとはいえ、納得がいかない」
「ロングレンジからの殺傷手段をわざわざ封じる理由が、私には納得できない」

「カノンはどう見る? わざわざ生かして敵を帰すことを、肯定できるだけの理由はある、の?」
「最も安全かつ、無理のない手をわざわざ封じる…その非合理の答えはあるの?」

【とても残酷な質問だった】
【騎士団長として戦いを続ける少女に対し、戦場の無慈悲な摂理を尋ねる】
【これほど酷な問いはあるまい。まして今は、その胸に『妹』を掻き抱く姉なのに、である】

【それでも、経歴を知ってなおの事強い説得力を帯びるであろう、カノンの答えが知りたい】
【機械故の無尽蔵な知識欲が、人形の舌を回す】
【闘いに臨む者として、彼女はなんと答えるのか。ただ知りたかったのだと】

【やはり義眼めいてすらいる双眸は、けれど一瞬強く輝いた】
【そのときだけは、強く】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 22:23:56.43 ID:SRZhr8F8o
>>279

……デザイン性との兼ね合いも……む。

【少年を放置することしばし、ようやく現実世界に帰還してきたキリルが目を上げる】

では少年。
君のような異能者が義手を求めるならば、どういった機能を要求するかね?

【同時に始まる、またもやの質問攻め】
【自分の妄想で話を中断したくせに、再開するのもまた唐突だった】

最低限、君の意のままに動くことは保証されているとして、だ。

【――最低限、と口にする要件は、おそらく障害者が求めてやまぬ最大の条件であろうが】
【それを超えて要求するならば、という問い】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/22(木) 22:31:11.23 ID:9Rqtcqlro
>>281

っておいまた唐突な……。
そうさなあ……、見た目は普通の義手がいいな肌色したふっつーの。
後触覚があれば尚良い、何に触ってるか分かるっていうのは尊いからな。

【異能者と表された少年】
【彼の要求は存外普通のソレだった】

下手に訳のわからない機能が着いてても身近なモノだからこそ恐いしなあ
強いて言えば、ナイフとかしまっておけたりすると便利かも、ホラ暗器的なアレだよアレ。

【普通……のハズ】

ああ、後は手入れが楽なのがいいかな。
オレみたいなそっちの知識が無いヤツでも簡単お手入れ出来るヤツ。

【普通を求めれば高くなる、のかもしれない】
【言い出してみたら結構欲しいモノがあった、というのは誰でも経験がありそうなものだ】
【とも少年にとっては日常生活が遅れる程度の機能であれば良い、というのが答えらしく】
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2011/09/22(木) 22:36:09.37 ID:LQve9azVo
>>280

【紡ぐ言葉は無い、否――――紡ぐことすら許されない
貴女が流す、純粋な涙は、彼女には眩しすぎて、それに触れることすら許されないぐらいに
胸を濡らす、貴女の優しさで、彼女の胸を沈めていく】

【月が彼女の髪を濡らす、白銀は朝焼けの色みたいに月光を溶かし込みつつも
その表情には憂いが満ちて、均整に歪む彼女の顔達の陰影をハッキリと浮かび上がらせる
言葉にできない胸の痛みが、そっと表情に表れているようで】


――――……そのような質問は、人を生かすことの出来る者にすべきでしょう

予め断言しておきましょう、戦場に――――いえ、どのような場においても
人を生かすことより殺すことの方が、至極簡単で容易いことにございます

例え足を切ろうとも、腕を絶とうとも、目を刺そうとも、戦う気概のある方はそれでも向かって参ります
故に、私にとっての剣術はすなわち、一刀の元に相手を殺す′セわば殺人剣となっている次第です
少なくとも、そちらの方が、まだ未熟な私達にとっては適した方法にございましょう
私の剣は、他者を生かすことなどできないのですから

――――それでも、人を生かすことの理由を挙げるとするならば……
どちらかと言えば、それは人の精神に関するものになるのでしょうね

先ほど述べました通り、たった一つの人間を失っただけで、その悲しみから抜けられず
今になっても、大切な人を困らせてしまうような愚か者がいるのです

人一人の命は塵よりも軽いですが、価値は世界よりも重いのでしょう
人≠ヘ集団の中で生きております、その人を断つということは集団の一部を欠損させるということでしょう
そう考えますと、心優しい彼女達が、活人の道を探す理由も分かる気がしますね


【彼女の言葉は意外にも、具体ではなく抽象な言葉であろう
例えば戦術的な利益――――死者でなく怪我人を作れば、怪我人にかかる人数が増える分
敵の戦力低下に役立つ、といった答えを述べることは簡単であろう】

【けれども、彼女はもっと抽象的な、心に関するものである、と答えた
それは、単純な論理では図りきれないものがある、と知って欲しい、と思ったからか
貴女の思考は大体分かっている、だからこそ、そこに足りないモノをもまた、感じて】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 22:52:48.34 ID:SRZhr8F8o
>>282

……。

【キリルは、エルフェスの答えを黙って聞いていた】
【そして、いくつかの要求が上げられた後――それを聞き終えて、溜息をこぼした】

案外、そういったモノかもしれんな。

【自在に動き、肌色で、感覚を有し、特別なメンテナンスを必要としない】
【――それはきっと、元の腕が欲しいという事】

【ナイフをしまうのも、『強いて言えば』とエルフェス自身が語るように】
【なんとなれば、袖にでも衣服にでも、暗器として仕込める程度のもの】

……だが、君の願いを機械的なアプローチで全て実現するのは、難しい。
単純にして究極、生体の神秘というものだ。

【キリルが、初めて表情らしいものを浮かべる】
【何か遠くの物を焦がれるような、憧憬の目。けして届かぬと悟っていながらも、手を伸ばすような――】

……であれば、私の作るものなど、彼女には不要かもしれんな。

【そして、小さな声でぼそりと呟いた後】
【何事もなかったかのように、普段の無表情へと戻る】

……参考になった。礼を言おう、少年。

【抑揚のないことでそれだけを口にして、地面に下ろしたバッグを、右肩に背負いなおす】

何か礼の一つでもしたいが、生憎と私には持ち合わせが無い。
なにかできる事であれば、聞いておこうと思うが。

【どうやら、彼の用というのはこれで終わったらしい】
【変なところで律儀に、礼を返そうという提案をエルフェスへと示す】
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 22:56:48.22 ID:QwS07w11o
>>283
「……精神的な理由。」
「私が死んでも代わりはいる。私の存在意義は魂の観測実験。失敗すれば次がある」
「…しかし上位固体は、私にそれを入力しておきながら言った」

「『実験は君無しでも出来るけど、せっかく作ったのにいなくなられるとさびしい』」
「『同じように、あんまり殺してほしくないから』、と。」

「未だに判りかねる。実験の為生み出された私が一人消えても、大差ないはずなのに」
「命の軽さと、価値の重さが比例しない、……理解、できない。その計算は、つりあわない」
「……『さびしい』とは、そんなに大きなもの、なの?」
「私にはわからない。私には、……わからない、の。」

【ロジカルに組まれた知能は、命を数字として捉えている】
【カノンの言葉を鵜呑みにするなら、それはきっとただの1の意味が変わるという事】
【実戦経験もない、なにもない。見た目も機能も限りなく人間のような人間は、確かに空っぽのようで】

【首を振りながら落ち込むようなしぐさを見せつつ、プリムは必死に、ぶつぶつと疑問に対し向き合い続けていた】
【黄の少女は、まだ自分の手札すら知らない】
【星への願いは届かない。まだその存在は、技師の机で微動だにしないまま、ただ世界を見るだけだった】


…さ、て。あんまり長々お話してても、アレだしね。
お家はまだ? こっちでいいんだよね?
楽しみだなぁ、初めてだし、一目見てみたいなって前から思ってたんだ。

【すり抜けるようにカノンから離れると、ローズはプリムが確保した紙袋を手に取る】
【振り返る一瞬ごしごし腕で目元をぬぐい、拭き取ってから、そのまま顔を見せないように再び歩き出す】
【自分の気持ちはさておき、とにかく当初の任務だけは完遂させようと、気丈な言葉を重ねた】

【妹もそれについてゆく。今考えて答えが出る問題でもない】
【一つの参考として、問いに回答をくれたカノンに小さく頭を下げると、弱弱しい姉の後ろについてゆく】
【そこで声をかけるだのといった技巧は披露しないが、立ち止まらないよう保険をかけて歩くようで】


【―――――本人は、その価値を知らない】
【立ち止まれないよう追い詰め、歩き続けて目の前だけを見る意味を】
【…きっと何処にも、絶対の正解なんてない】
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/22(木) 23:04:37.79 ID:9Rqtcqlro
>>284

理想はな、やっぱそうなっちまうよ……。

【結局、失われたモノは戻りはしない】
【クローニング技術で創りだそうと、それは完全な「元」ではない】
【己の歩んできた、越えてきた夜の数も全く違う「異」なのだから】

幾ら技術が進もうと、原型には届かない……か。
まあその生命の神秘も冒涜するような人間もいるっちゃいるけど。
(そういうのに待ってるのは十中八九天罰だろうな……)

【右手が無くなって、左手が残った】
【その左手を労ってやれる右手はおらず】
【悲しいかな、一番最初に汚れてゆく】

その口ぶりだとどっかにオレみたいな感じで腕失くしたヤツがいる訳か
なんというかねえ……、やれやれってトコか……。

【もしそんな人間がいたとして】
【その人物は不在の腕をどう思っているのだろう】
【しかしそんな思いは口にはせず】

いやいや礼を言われる程の事してねーのさ、受け答えしただけだし
そんなんでお礼なんてもらってられないっての
それに持ち合わせもねーんなら変に無理する必要もねーのさ。

アレだ、気持ちだけもらっておくってヤツだよ。

【ギブアンドテイクだけの人間関係というのもうすら寒い】
【求めるものを求めず、求めずして得る……人間なんてそんなものだろう】
【何かを皮肉るでもなく少年は「フン」と鼻を鳴らし、切り株から腰を上げる】
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/09/22(木) 23:09:49.71 ID:LQve9azVo
>>285

【目の前で葛藤する貴女は、自我を持ったロボットのようで
手を差し伸べるのは簡単なのであろうが、それは決して解決に導けるというわけでもなく
彼女は一人、言の葉を濁しながら、過ぎ行く時間を感じる】


(――――駄目ですね、やはり、このままではいつか正体がばれてしまいます
いい加減区切りをつけませんと……)


【去り行く貴女達の背中、それに思わず手を伸ばしそうに為るものの
ローズが振り向かず進んだ道を、彼女がわざわざ辿る必要などなく
それはむしろ冒涜に近く、背徳に似た行為であろう、と予測できて】

【脳裏に浮かぶ、溶けきれない問題に、抱えきれない課題に、胸が強く揺らいだ】


……やはり、姉が妹に頼りすぎる、というものはよく有りませんね……
Last Shadow Puppets=\―――今日はこの辺りで、お暇させていただきましょう


【貴女達に背中を向けながら、彼女はすーっと、右の手を伸ばして
月光に導かれる陰が、その身を揺らすと、爆ぜるような勢いで、地面から影が伸び上がる
それは大きな手を形取り、為れた手つきで、ローズとプリムから、紙袋を受け取ろうとするだろう】

【直ぐに、貴女達が振り向いてみれば、濃度の濃い影が周囲を包み、黒の色を深くさせていく
それはつまり、一寸先も見えぬ闇が、そこには存在するであろう、ということ――――紙袋は、その奥のカノンへと消えていくだろう
足音もしないまま、影の奥へと、彼女は歩みを続け、消えていく筈だ】

【――――逃げるように#゙女はこの場を後にするだろう
蘭の残香は色濃く、つい先刻まで居た彼女の姿を、輪郭をくっきりと映して
まだ見えぬ残光の色だけが、黒塗りの画用紙の中に閉じ込められて、隠れているのだろう……】


/これで一応の〆になるでしょうか……?
/三日間お疲れ様でしたー!
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/22(木) 23:19:57.66 ID:vKhDFWP60
【水の国―――廃劇場】

【人々で賑わう繁華街から少し離れた場所に位置する劇場ホール】
【辺りにはあまり人気が無く―――虫の歌声だけが辺りに木霊する】
【経営難か―――、はたまた違う理由か―――寂れた廃館は静かにそこに佇んでいる。】

【そんな劇場の中―――舞台に一つだけスポットライトが灯っている】
【その下には椅子が一つ置いてあり、そこに誰かが座っている―――。】

いやぁ、静かな場所はいいいですねぇ、街の雑音もここまでは訪れない
こんないい夜には何かいい事がありそうです……クック

さてと…では続きをしていきますか…

【前髪に金色のメッシュが入った肩ほどまでのワインレッドの髪】
【表情が読めない蛇のような℃目に赤いハーフフレームの眼鏡を付けている】
【深紅にストライプの柄が入ったスーツに、赤のネクタイ、その下に黒いシャツ】
【高級そうな黒い革靴を履いて、左手の甲には白い蛇の紋章の中に逆さ十字≠ェ入っている刺青をした180cm程の長身の青年】

【長い脚を組んで椅子に腰かけ、何やら端末を操作している―――。】

【何か愉悦を満たすモノが訪れないかと、期待を抱きながら―――。】
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/22(木) 23:21:21.37 ID:SRZhr8F8o
>>286

【バッグの掛け紐の位置が悪かったのか、それを一度揺すって背負いなおすと】
【エルフェスの人の良い答えに、しかし表情の変化は無い】

そうか。
では、私はこれで辞するとしよう。

【来た時と同様、しっかりとした足取りで、男性はふらりとその場を後にする】
【その去り際、背中越しにエルフェスへと――】

君が戦いに身を置く異能者であるならば、また会うこともあるだろう。
また会おう、我らが姫君の想い人。

【――エルフェスには理解できないだろう言葉を投げつけて】
【彼は音もなく、森の奥へと消えた】

/おつかれさまでした!
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/22(木) 23:24:20.26 ID:QwS07w11o
>>287
あっ、かの……っ!?

【突然の能力に戸惑い、振り返ったことがまた混乱を誘う】
【その隙に両者手がすいて、紙袋をすりとられる。影で視界と思考が覆われての出来事】
【ローズは寒気を覚えた。プリムは意図が理解できなかった】

【ただ、影が月光に呑まれた後、立ち尽くすばかり】


………バカ、バカバカバカっ!!

カノンねぇの、バカーーーーーーーーーーっっっ!!!


【静寂を引き裂くローズの心は、何に揺らいでいたのか】

【使命と定めたことさえ完遂させてくれなかった事だろうか】
【逃げたことに気付いたことだろうか】
【遠ざけられてしまったことだろうか】
【自分ではなく別の誰かを見ていたことだろうか】

【握り締めた左手の腕輪は完璧に封鎖されていたし、はたから見ていたのがプリムでは、その選択肢すら浮かばず】
【ぶつけどころのない気持ちを、夜半の迷惑も考えずに吐き出すことしか出来なかった】

【建物の屋上、影が一同を見下ろしている】
【ただ一人、真の意味で状況を俯瞰しうる蒼だけが観測していた】
【常のように一言も発さないまま、蒼は姿を消した。下の二人が踵を返し、家路を急ぎだしたのと同時に】
【…今度は、僕たちが会いに行くべきかね。思念の残り香だけを置き去りに】


<おかえりー…って、あれ? プリムちゃん、小麦粉…っておいィローズちゃんなんで泣いてんの!?>

「よくわからない。話しかけても聞くな知らないでうてあわない」
「ところで上位固体、何故強力粉でなければならないのかを一から説明してほしい、の」
「別に小麦粉なんだから何だっていいじゃない、の」

<いやそれはわかってないね、麺の種類によって適した粉が違うから、味にこだわるなら素材から厳選して…>
<……あれ、それで、余ったお金でお菓子買っていいって言ったよね? アレは?>

「………おいて、来た。………の。」

<はぁ!?>


【紙袋の中に含まれる、きっと覚えがない二つ】
【抱きしめていた薄力粉と――――――――ほのかに苦い、ビターチョコレート】


//はい、三日間お疲れ様でしたー!!
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/22(木) 23:53:53.74 ID:9Rqtcqlro
>>289

ほいよ、今夜はここまでおさらばさん……と。

【ズボンの汚れを軽く払って】
【キリルの顔を見るでもなく、また息を吐く】

まあ痛いの大好きだから戦いの場にはいるだろうさ。
我が身は既に塵芥、それでも生の実感を得るならばそれは痛みしか考えられず
その痛みを多く得られるはやはり戦場であった……。

【いつも通りの冗談のような声色で彼はうんと背伸びをして】

理性的には戦いなんざしたくないけどね
戦場で会う予告もされれば尚の事、おお恐い恐い明日ともしれない身とは正にこれか。
でも、姫様に好かれるような事はした記憶はねーけどなあ……。

【謎を残す一言に、やはり追いかけて問い詰めようと一瞬考える】
【が、どうせ戦場で会うならば同じ事かと肩を竦め】

ああ、やだやだ夜はどこに行ったって月が監視してらあ……。

【彼はねぐらへと帰ってゆくのだった】

/お疲れ様でしたー!
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2011/09/22(木) 23:57:59.00 ID:YF7acUTPo
【市街地】


【夜間だというのにやたらと明るいのは、街灯の為ではない】
【道路の中央、数台の車が横転し、ごうごうと炎を上げていた】
【黒い煙は空にばかり登り、地上は赤で照らされて】

【そんな中、一台だけ、横転しながらも破壊を免れた車の上】
【胡座を組み、竿から釣り針を垂らしている℃メが居る】


釣れんかのー……いや、連れたら寧ろ驚くか
……ふぁーあ、体が思う様に動かんのは困りもんだわ

【炎に負けず劣らずの紅い着物、右目に眼帯の少女】
【水も何もない路上で、釣り針はアスファルトの上、背後には事故現場】
【非日常の塊の様な光景の中、彼女は呑気にあくびをしていた】
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/23(金) 20:52:17.41 ID:HY22yW0SO
【人気の少ない通り】
【そこをうろうろと歩き回る人影があった】

【黒い瞳、背の中程で揃えた青みがかった黒髪】
【空よりは海に近い、緑がかった濃い藍色の和服】
【腰の辺りには、片手で振るえる程の大きさの手斧を2本ぶら下げている】
【そんな女だ】

――カネがねぇ。
博打すりゃカネが入る。でも博打するにゃカネが要る。
さて、どーすっか……

【しばらくうろうろと歩き回るが、しばらくして動きが止まる】

――ケンカすっか。
何、ちょいと恵んでもらうだけさ。

【もしかしなくても:カツアゲ】

【物騒な台詞を吐きながら、路地裏に入ろうとする】

【路地裏は危ないと親切に警告するか、カツアゲはいけないと注意するか、はたまた彼女に戦闘を仕掛けるか】
【それは彼女に近づく者の自由だ】


/10時頃までいる予定です
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/23(金) 21:28:09.28 ID:RtV/nFEy0
>>242

――要するに、本来存在しなければ作れない、と。
逆に言えば存在するもの全てを作れることにもなるわけなんですが……
やっぱりデメリット以上にメリットが大きいでしょう、それ
もはや悪魔の所業……悪魔がいるかどうかはよく分かりませんが

【目の前の相手は神か、悪魔か】
【どちらであったとしても、人として接することの出来る相手ではない――と】
【薄々ながら、心のどこかでそう、畏怖する】


(……そうなると、黒瀬……具現? ……語呂が悪いなあ……)
――ものすごく語呂が悪くなる気しかしないので、やっぱり家族になる案は却下してもいいですか?

それに、自分が苗字を貰うなら……いや、やっぱりいいです。

【少年とは対照的に、真剣になって考えていたのは、名前の語呂】
【英単語そのまんまの名前も語呂が悪い気がするがそれはさておき】
【なんというか、考える点がぶれている】

そもそも、体を弄られるという時点でもう断る以外の選択肢が無いんですけどね。
尤も、これ以上弄れたら、の話でもあるんですが。

【とはいえ、一応の根底は存在したのだが】


――さて、貴方は病み上がりになんていう無茶な選択肢を提案するんですか?
治してもらったとはいえまだ――ふぇ、ふぇっくし!

ズズ……まだ不調は不調なんですよ?

【寒いせいか、くしゃみまで出る始末】
【前述の通り、未だに熱っぽさは抜けていない。風邪の影響ではなさそうである】
【しかし、何故か半分キレているような気がする】

……貴方が無理に戦闘を勧めるなら、やりますけど。

【あれ?】
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/23(金) 21:37:59.35 ID:TnxKwzp50
>>294

当然、まさか本気で家族になれると思ってはいなかっただろう?

“かわいい”女の子の身体を弄るなんて、俺にはとても出来ないよ?

【妖しい笑みを浮かべ、茶化すように笑いかける少年】
【やはりどこか面白がっている様子でもある】

ふむ、確かに君の身体はまだまだ不調だ、もう知的好奇心?も回収できただろう

それに、別に僕は戦いたいわけじゃあ、無いよ?

“殴ってやりたい奴”とはよく言われるけどねぇ・・・ふふ

【両手を上に上げ、降参降参とポージング】
【しかし行動の角に、角に】
【他人を小馬鹿にするような態度がちらほらと出ている】

【ただし、相手の風邪に付いては、些か不備を感じてはいるようだ】

っていうかさ、リライズ、君むしろ戦いたがってない?

勘違いだと、いいけどね、ふふ

【挑戦的且つ挑発的に】
【じっと相手の目を見つめ、見詰める】
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/23(金) 21:46:41.82 ID:y7cs6Zcjo
【町外れ、工業地帯】
【公害どんとこいといわんばかりに乱立する、灰色の建築物】
【それも時がたてば老朽化し、工場の墓場というべき場所が発生する】
【そんな人気のない場所、とある廃工場が一つ。】

【役目を終えて眠るはずの廃屋に、明滅する二色の閃光】
【紅と蒼、鮮烈な魔力光。明らかに能力者同士の闘争】
【それがわかっていて、わざわざ近寄る一般人はいない。国家機関への通報すらない】
【いつものことで済まされた上、工場職員たちには迅速に緊急帰宅の許可が下りた】
【非常事態扱いなので交通費も支給。小躍りして皆家路に着いたという】

【それが計算に入っていたとするなら、体のいい人払い】

【ずん、と建物が揺れた】
【老朽化した壁面の一部をぶち抜き、何かが搬入用の通路に転がり落ちる】
【砂塵を引きつれたそれは、すぐさま風に姿を晒される】

”……痛いよ?”

【蒼い制服。白を基調とし、回路図のような青い図形がびっしり描かれている】
【身長は160半ば、15・6歳の平均的体格。右腕に銀と金が精緻に編まれた腕輪をはめている】
【ボサボサの黒髪と糸目、温和そうな印象を与える笑顔が印象深く】
【手付きも仕草も、何もかも、少年めいた見た目とは乖離した大きさを内に秘めていた】

【打ち付けたであろう背中を気にして、糸目を薄く開き、魔力で輝く蒼い瞳で相手を見る】
【恨み節がこめられてはいたが、敵意や殺意といったものは薄く】
【近づけばわかる程度に迷彩の薄い念話も、少年が友とたたく軽口のような響き】

わりぃわりぃ、久しぶりで加減がさ…?

【一方視線の先、ぶち抜かれた穴から出てきた『相手』】
【申し訳程度に申し訳なさそうな表情で、ぽりぽりと頭を掻く、犬男】

【堅牢な体つきで、惜しげもなく露出した上半身は胸板も腹筋も申し分ない】
【それから、二の腕の中ほどから黒い袖のようなものをつけていて、袖口はやや広くゆとりがある】
【ベージュのズボンは、その下に鍛え上げられた脚部を隠している】
【彼を犬たら締めているのは、全身毛むくじゃらで、大きな尻尾と、頭部がまんま犬だったという点だ】
【毛皮は少し暗い赤、体毛より明度の高い赤髪を鉢巻でかきあげて、犬種は大型犬っぽいのに若干童顔だった】

【未だ空気は引き締められていて、両者交戦の意思はあるようだが】
【顔見知りのような、何処となく勝手のわかっている振る舞いは…ちょっと派手な訓練、にも取れる】

【いずれにせよ、やたら目立ってしまった。他者の気を引くことは必至】
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/23(金) 21:48:12.97 ID:RtV/nFEy0
>>295

うー……何回可愛くないって言えばいいんですか……

【※まだ二回目です】
【顔が赤いのは、熱っぽさのせいだけではない。多分】

……あえて正直に言ってもいいですか?
殴りたいと言われるのは多分その性格のせいですよ?
――まあこんなこと言っても多分意味は無いでしょうけど

【きっと精神的ダメージにはならないだろうと思い】
【率直に意見をぶつけてみる。流されるのが関の山ではあろうが】


否定はしません。……が、今戦うと体調がネックになるのも事実です。
というわけで……戦うのは次に再開してから、という形でもいいですか?
能力関係無しに、純粋に戦ってみたい、というのもありますが。

【どうやら挑発に乗るほど熱い性格をしているわけでもなく】
【それでも、戦うのは割合好きなようで】

まあその時まで約束を覚えていたら、で良いんですけどね

【にこやかに微笑む。裏表の無い、小さな笑顔】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/23(金) 21:56:24.91 ID:TnxKwzp50
>>297

あはは、いいんだよ、この性格で

地味なキャラクターなのに覚えられるだろ?殴りたい奴って

【ここに来て地味発言】
【別にメタ発言ではない、キャラクターというのは個性のことだ、多分】

忘れられるのが嫌いなんだよ、大ッ嫌い

だからさ、“これでいい”


【其処まで言い切る、断言】
【それが彼の性格の一部分を深く現しているのだろう】

次、ねぇ

確かに体調が優れてないときに買っても負けても悔しいものだよね、凄く分かるよ

でもさ、別に戦いたいって意味じゃないけど

【そこで台詞を切り、どこか寂しそうにうつむくと】
【痛々しい偽笑を浮かべた】

“次”は、あるかなぁ・・・

――――――約束は、守るタイプなんだけどね、特にかわいらしいお嬢さんとの約束は、ふふ

【未だ雨が止み始めない曇天を見上げ、呟く】
【雨の音が、鳴り響く】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/23(金) 22:11:42.92 ID:RtV/nFEy0
>>298

まあ印象には残りますね。地味かどうかは置いておくとして。
(絶対地味じゃない……地味じゃないけどやっぱり言っても意味が無い気がする……)


忘れようにもどうにも忘れようが無い気がするのでその辺は安心してください。
……余程のことがあったら一時的に抜け落ちたりするかもしれませんが

【記憶が抜け落ちた前例は一応、無い】
【正確には有るが、状況が全く違う】
【それは置いておくとして、ほんの少し、少年の性格が見えた気がした】


まあ、単純に今戦うよりは万全な方がまだ勝機が見込めるってだけの話なんですけれど
……次が有るかどうかも怪しい、のは、同感です

【何が起こるかわからない。明日にはどちらかが死体となって倒れていてもおかしくない世界である】
【少なくとも少女は、そういう風に捉えて】

――で、わざとやってますよね? さっきから可愛くないって言ってるじゃないですか……

【少年につられたように一度空を見上げ】
【それから、少年に対して笑顔を向ける】
【先ほどのそれとは違い――なんというか、静かな怒りが隠れている】
【しかも左手が背中の槍に伸びている――要するに、少し危険】

【無駄に傷つきたくなければ、離れた方が得策……だろう。少なくとも普通の人間であれば】
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/23(金) 22:22:21.64 ID:TnxKwzp50
>>299

ふっ、ふふふ、あははははははは!!!

【たまらない、といった様子で笑い出し、腹を抱える】
【それは相手に対してというより、もっと広い】
【世界に対して笑っているかのように、声は虚空に響き渡る】

そういうところも“可愛い”よねぇ、ふふ

それにやっぱり、“**しい”よねぇ!

【ちょうど、そのタイミングで雨の勢いが増し】
【何を叫んだのか、相手には伝わらないだろうが】

【何を思ったのかは、少年の表情を見れば一目瞭然だろう】

あははは!リライズ、いいよ、君は本当に!

やっぱり僕も戦いたかったんだ、多分、いやきっと!

【笑い、両手に何かを握るようなモーションを見せる】
【気が付いたときには少年の両手には二本の無骨な鉄の棒が握られており】
【傘は、気が付かれずに消えうせた】

君には“勝機”が少ないかもしれないけど、僕にも“正気”が少ないだろう?

ふふ、嗚呼小気味良い、雨に打たれるのも受け流すのも!

【両腕を前に構え、顔だけで雨に打たれる】
【水滴が全身を濡らし、神経を洗い流して行く】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/23(金) 22:39:51.06 ID:4+KNm9KJ0
>>296

【ヒュゥゥゥゥと、通路に風が吹き込んでくる―――冷たい風が】
【そしてその風に乗って軽快な声も二人に向けられるだろう】



いやぁ楽しそうですねぇ、でもこんな場所で暴れては他の人の迷惑ですよ?
遊びはもっと安全な場所でしないとねェ…?



【前髪に金色のメッシュが入った肩ほどまでのワインレッドの髪】
【表情が読めない蛇のような℃目に赤いハーフフレームの眼鏡を付けている】
【深紅にストライプの柄が入ったスーツに、赤のネクタイ、その下に黒いシャツ】
【高級そうな黒い革靴を履いて、左手の甲には白い蛇の紋章の中に逆さ十字≠ェ入っている刺青をした180cm程の長身の青年】

【近くの重油タンクの上に腰かけながら、笑みを浮かべて二人を眺めている―――。】
【金色の瞳が、二人に締め付けるように放たれて―――。】

//マダイマスカ?
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/23(金) 22:49:31.30 ID:RtV/nFEy0
>>300

――あー、もう、聞き流します。たぶん最初から聞き流した方が得策でした

【聞き流す宣言をしている段階ですでに聞き流せていないのだが】
【様々な感情がごちゃ混ぜになったような、そんな表情で】


そうですねえ……確かに貴方は「狂気」に塗れています。
そして、私は……

【せっかく貰った傘を真上に放り投げる】
【そして、左手で槍を引き抜き、穂先を少年に向け、両手で構える】

「凶器」に溢れている、とでも言えるのでしょう

【吹いた風が、傘を押し流してゆく】
【吹き付ける雨が、顔を、体を、濡らしてゆく】


【ぱしゃ、と水が跳ね、少女の体は後ろへと下がる】

何処まで戦えるかは分かりませんが……、善戦はしようかと
(……本当、本調子じゃない戦いはあまりしないからなあ……)
――本当に、今日じゃなきゃ駄目ですかねえ

【先に攻める気は、起きない。様子見か、或いは】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/23(金) 22:56:51.61 ID:y7cs6Zcjo
>>301
【赤犬の緑眼、少年の蒼い目】
【同期して闖入者を捉えると、戯れのような温度が消えた】

【犬の大きな足が、指の運動のように地面に押し付けられ】
【少年は服についた埃を払い、余裕を持って立ち上がる】
【アイコンタクトの類はなく、迷彩つきの念話すらない】
【両者共に、体が勝手に動くほど、この類の状況には慣れているらしい】

割と場所は選んだほうだぜーぃ?
”もうちょっと人気がないぐらいがよかったけど、妥協ラインとしてはね”
早めの帰宅ラッシュさー。能力者の対処マニュアルが出回ってるのがよくわかる事例だなぁ。

【まず、軽さにあわせて軽く返す】
【どちらも笑顔のような面構えをしており、魔眼に対してひるむ様子はない】
【それどころか、少なくとも蒼は近似した存在。薄く開いた瞼の下、暗闇の中でも浮き上がる青い光】

そんな君こそ、ひょっとして同類かしらん?
踏んだり蹴ったりそれなりに痛いけど、それでもいいなら、ねぇ?

【裸足の犬は地面を踏みしめる。それで舗装された道路にひびが入る、なんてことはなかったけれど】
【少なくとも、相手が言う遊びがまともではなさそうだった事、】
【そして今にも大口開けて飛び掛ってきそうな目に対し、薄くとも危機感を覚えていたのは間違いなく】

【赤子の手を握るように、脳幹を締め付けられるような緊迫――――――】


//びはいんどゆーここに!
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/23(金) 23:00:23.90 ID:TnxKwzp50
>>302

凶器に溢れてるのは、やっぱり僕のほうじゃないかな?

【突き出された槍の先端、切れない、突けないという風には到底見えない】
【本物、至極当然であろうが】

あはは、どんな強い能力を使えても、どんなに伝説の武器を持っていても

“持ち手”が貧弱じゃあ、結局駄目になっちゃうんだよ?

実力じゃ、君のほうが強いさ

【むしろ、善戦すべくは自分のほう】
【少なからず、此方は相手の手札を知らず、あちらは此方の手札を知っている】

【即座には作り出せない事を、知っている】

でも、応用って言葉もあるよねー

基本的な使い方じゃ、達人にはこの能力は・・・―――

【身体をねじり、上半身を大きく捻り曲げ】
【右腕を、思いっきり振りかぶった】

勝てないんだよっ!!

【そして投げる、鉄の棒は思っている以上に軽いようで】
【重量というよりも、軽快さを持って相手の方向に跳びかかる】
【恐らく中身は空洞なのだろう】

【同時に、少年は左手の棒に触れる】
【瞬間、剥がれるように小さな棒が、右手に握りしめられ】
【それを、元の大きさに戻す】

【つまり、飛び道具など作らなくとも】
【二本作れば、一瞬の内に片方を“変化”させて二つにできるようだ】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/23(金) 23:11:18.09 ID:xIE/Cnwwo
【公園】

【少女が一人、ベンチに座ってぼーっとしている】

……戦いに一つ、区切りがついた。

【赤いリボンでサイドポニーに纏めている銀髪に、林檎色の瞳】
【七色の星模様入りの白いノースリーブシャツを着用し、下は黒のジーンズ】
【水晶のように透き通った翡翠色の指輪を左手中指に、緑色の指輪を人差し指に嵌めている】

でも……、これからはどうすれば、いいの。
立ち止まってるわけには、いかないし…………。

【一丁の拳銃を握りしめ、それを眺めている少女】
【深夜、公園、子供、拳銃──何だか不釣合いな組み合わせのように、思えるかもしれない】
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/23(金) 23:13:50.57 ID:4+KNm9KJ0
>>303

いくら廃工場とは言っても未だに誰かの管理地帯―――、
警備員が見回ってもおかしくない……なので次からは森などでやる事をお勧めしますよ

そうですねぇ、最近は物騒ですから、術を持たない弱者は淘汰されるだけですから―――。

【クックと低く笑いながら、辺りを見渡す―――…。】
【少年の言葉に納得したように頷きながら眼鏡の位置を正す―――月光の反射したレンズが輝く】

同類とは―――?貴方達は一体何者なのか……?それが分からなければ返答しようもありません
あぁ私は普通≠フサラリーマンですよ、ですからあまり私が痛い事≠ヘ嫌いですねぇ、デスクワーク派ですし

名前はハーネット≠ニ言います、どうぞお見知りおきを……フフ

【真贋どちらかは不明だが、自称サラリーマンは柔和に笑いながらそう答える】
【そもそも普通のサラリーマンがなぜこんな所にいるのか………警備関係者という線もなくはないが。】

【屈伸をしながらゆっくりと立ち上がり、二人を見おろす―――黄金の威圧はさらに力を増している】
【二人の力量、器を図っているのだろうか―――?】

//ではお願いしまする!
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/23(金) 23:16:21.16 ID:RtV/nFEy0
>>304

……要するに、身体能力は普通の人間程度、ってところでしょうか。

とりあえず後半は素直に褒め言葉として受け取っておきます。

【自身の強みは、今現在での自分の能力の「不透明さ」】
【これが破られた時点で……勝負は一気に不利な方向へと転ずる】

【そして、自身の抱える不調、これが何処までのネックとなるのか】
【どちらにせよ、無駄に戦闘を長引かせるほど、危険が高くなっていくことには間違いなかった】

――あー、では今のうちに言っておきます。

残念ながら、私は達人とは程遠い存在なんですよ。

【構えを解き、槍を左手のみに持ち】
【そのまま槍を上へと跳ね上げる。同時、飛んで来た棒を真上に弾く】

――あ、これ貰ってもいいですか?

【その結果自身の目の前に落ちてきた棒を、右手で掴む】
【弾いた時の感覚で、少なくとも軽めな感じではあったことは分かった】

(――さて、嘘偽りが無ければ、道具は両手からしか作れないはず……)
(問題は変成……あれ次第で多数の応用が利くから――)

【槍を横に凪ぎ、雨粒を払う。棒と共にもう一度両手で構え、走り出す】
【跳ねる水音。肉薄にはまだ遠い距離】

/すみません風呂入ってきます
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/23(金) 23:34:15.78 ID:y7cs6Zcjo
>>306
”確かにねーというか鬼なる。防御したけど蹴られたら壁打ち抜かれたし……痛かったよ?”
樹木を伐採するよりはマシでーぃ! …すんませんでした。

【使われてないから所有者がいない、というわけではあるまい】
【法的な問題になるが、それでもなんか、建築物損壊の罪を障害に摩り替えて犬に擦り付ける】
【少年と青年の指摘に一応反論はしてみるも、結局頭を下げる。アホ犬まるだし】
【緊張感を認識しているのか、わからなくなるような小芝居】

間違いねーや、弱肉強食は摂理…いざというとき何も出来ない人から、世の中死んでいくよねぇ。
あーやだやだ。
”だからといって淘汰『する』事は必然じゃないよね。強いから踏み潰していいとは直結しない”
”摩り替えちゃいけないし、勘違いしてもいけない”

【青年が持つ、言外の傲慢】
【それに対し釘を刺す、蒼の少年。指を振って丁寧に念を送る姿は、これまたやや上から目線】
【教師気取り、なのだろうか。でも、ただの気取りではない何かが、薄目のに潜むようで】

あー、こいつぁご丁寧に、ハーネットさん。
俺っちはリズヴェルグ、『ただの』犬っころだ。

”僕はブルーライン、『ただの』魔法使いさ”
”魔法使いは普通じゃないって? ガスタンクに腰掛けるサラリーマンが普通なら、別におかしくはない”

【両者共に、意趣返しに普通を強調する。ケタケタと言葉遊びを楽しむように】
【蛇のように掴みどころがない、自称普通のサラリーマン】
【デスクワーク派なら舌戦が所望と見えて、対応してのらりくらり】

なー、高いとこだと話しにくいだろー。
せめて降りてきたらどうだー? 首が痛いんだけどー!

【さらに牽制。同じ土台に来る気はないのかと注文をつける】
【アホ面の犬だが、一瞬で臨戦態勢に望む切り替えの早さと『踏んだり蹴ったり』のワード、健脚】
【露出した上半身の筋骨粒々具合から、これ見よがしに接近戦型と思われた】

【少年も犬も、見た目どおりではない場数を踏んでいるよう】
【キーワードとして名前と職業(?)を提示するに留まって、同じく相手を探る】
【特に少年は、相手の目が持つ金の輝きにまっすぐ対峙する】
【蛇の知略とやらを探りつつ、まさかここまで散歩で現れたんじゃないだろうとは、すでに勘付いていて――――】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/23(金) 23:36:34.01 ID:TnxKwzp50
>>307

ま、ほとんど鉄パイプだし、別に構わないよっと!

【作り出した棒を持ち替え、受けの体制】
【突き出した両手は、相手の動きを遮るには少し温い】

【初速からそこそこ早い相手の特攻、当然見切れないほどの瞬歩ではないが】
【槍の威圧感が、気合が、それらを更に早く感じさせる】

――――――そりゃッ!!

【突き出した両腕を少し下げ、クロスの形で構えつつ】
【向かってくる槍の柄を、下から突き上げた】

【勢いで負けていた上に、力でもほぼ互角なようだ】
【つまり、押し負ける】

(こりゃ、鍛える必要もありそうだね・・・と)

【がりがりと鉄が削れ、火花を鳴らしつつも】
【槍の方向を逸らすことには成功した】

――――――痛っ!

【しかしその勢いのまま槍先を頬を掠め、同じように耳も掠める】
【ずきりと響く痛みが肌を襲うも、ここで踏ん張らずには、勝利はありえない】

【そのまま突き上げ続け、頭上でクロスの形を維持し】
【それを相手の頭上へと振り下ろす】

【両手には一切の手加減は見えず、決して甘く取れる一撃ではない】
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/23(金) 23:58:46.00 ID:4+KNm9KJ0
>>308

そうですよぉ………誰かが秘密≠ナ使っている可能性もあるんですから…クック
まぁ私とは関係ない§bですから、まぁお気になさらず

【頭を下げる犬を嘲笑うかのように口の端を吊り上げて楽しそうに笑う】
【何かここにいられては困る理由があったのだろうか、それともこれもブラフか―――。】


―――………そうでしょうか?
人は誰しも役割があります、国を治める者、市民の生活を守る者、強者であるほど大きな役割を担う
では守られ、ルールに従うだけの弱者、どうしようもないただ生きて糞尿を垂れ流すだけの物体の使命とはなんだ―――?

そう、強者に淘汰されることだ、支配され差別され、虐げられ、それこそ存在の理由、価値だ
弱者を淘汰する強者は、淘汰されるというこの世界での役割を与えているんですよ

【少年に対して、原稿を読むかのようにスラスラと反論していく―――。】
【犬歯を覗かせ、ニタニタと笑いながら、冗談半分の言葉か―――それとも。】

ハ、ハハハハハハハハ!!!面白いですねぇ、ここには役者はいないようだ!
ただ、背景に紛れ、世界を演出するextraしかいないという訳ですか!!これはいい!!




―――ええ、私も高所恐怖症でしてね、降りるとしましょうか―――。


【狂ったように急に笑い出してから、相手の提案を笑いの余韻を残したまま承諾し】
【そのまま飛び降りようとタンクの端まで進み―――靴を慣らすように、軽くつま先でタンクを叩く】

               


                 【ガコンッ!!!!】



【ほんの軽い動作だった、誰しもが行う自然な行動、そこから異常な事象≠ヨと自称<Tラリーマンは派生させた】
【まるで真下から思い切り叩かれた缶のように、内部にガスを充満させたタンクは頭上へと浮き上がる】

【そのままクルクルと回転し、まるで引き寄せられるかのように二人の間へと落下する】
【よく見るとタンクには亀裂が走ってそこからガスが漏れているそこに落下の衝撃で発生した火花が―――】

【原因を作った青年はそのまま何の気なしに、笑顔を作って優雅に着地する】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/24(土) 00:09:28.66 ID:A8xakRwe0
>>309

あー、じゃあ早速……

【槍を扱うとはいえ、所詮は少女】
【成長の差等は有るだろうが、必然的に同年代の少年と同程度になってしまう】

【逸らされた槍を右手に、棒を左手に持ち直す――要するに、左手だけ槍を手放して】

使わせてもらいましょうか、っと!

【相手に近すぎる側の手、右手では防御に時間がかかるが】
【左手ならば何とか間に合う。左手の棒で、十字を受け止める】
【ガキン、と鈍い音。当然、間に合わせの防御でしかなく――?】

一応言っておきますが、決して左利きではないですよ?

【――振り下ろされる形にもかかわらず、ギリギリではあるが均衡を保っている】
【少女が力を隠していたか、或いは、何らかの恩恵か】

【一方で右手は、さらに槍を高く持ち上げる】
【そして、雨水を潤滑剤として、手の内で槍を滑らせる】
【先端から三分の一ほどだろうか、そこで右手を強く握り、下から振り上げるように槍を振るう】
【丁度、石突きの部分が下から少年を跳ね上げようとする形となる】
【勿論、右手は結構無理な動きをしているため、攻撃の後には隙が生まれることとなる】


【槍に意識が向けられていなければ不意打ちになるのは勿論、向いていれば向いていたで】
【「右利き」発言と現在の拮抗で、威力が高いものだと誤解するかもしれない】
【だが、実際は先ほどの槍での突撃と同程度、或いはそれ以下の力である】
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/24(土) 00:24:35.38 ID:WekK1sb80
>>311

かといって甘く見るほど、僕は楽観的ではなくってね

ちょっとした“いかさま”も、この際ありだよね?

【少年は叩き付けた二本の棒を、そのまま“手放した”】

【次の瞬間、右手には大きな布が握られていた】
【およそテーブルクロスぐらいだろうか、かなりの大きさである】

雨水も“物質”なんだよね、ちょっと卑怯だよね

ま、本気ださなきゃ、勝てないけどねっ!

【布は即座に水を浴び、湿り、重くなる】
【それをリライズに向かって投げた、もちろん勢いはほぼ0、ただそちらに向かっただけだが】
【これで、此方に布は“被らない”】

っ!?

【そこで石突による攻撃に気付くが、即座に両腕を重ねて防ぐ】
【不意を撃たれたが、布と防御のお陰でだいぶ威力は抑えられた】

【即座に身体を立て直し、防御で硬直している右腕を無視し】
【左手一本で、布によって分からないが、恐らく胸か腹の部分をに】

【掌底を放った】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 00:25:38.99 ID:dlISq8B5o
>>310
秘密の場所かー…わくわくするよね! タイムカプセル埋めたりするのかな?
”どんな秘密なのかな、工業地帯に見えて案外養鶏場でしたとか?”
蒼っち、彼は関係ないんだから聞いてもダメだよーぅ。
”そうだったね”

【クスクス、クスクス。含み笑いは不気味なユニゾンを見せる】
【ブラフであるか否かは関係ない、どうせただの言葉遊び】
【選び方には悪意が透けるけれど、両者共にわざわざ解説する親切心はない。捻くれもの共の宴】



まあね、人間の視点じゃどうしてもそうなるわな。
自分と違う人間の違いを明文化して仕分けし、自分より下なら下、上なら上でなければならないと決め付ける。
当然のことだ、下で上なのだから。

でも、人間に進化の演算なんて出来ない……這い上がってくる『弱者』は、案外侮れないもんだぜーぃ?

【はじめは小さなトカゲだった。でも必要に迫られて火を噴いた】
【火を噴くトカゲに変わった。でも空を行く必要があったから翼を得た】
【火を噴き空を飛ぶトカゲになった。でも強くある必要があったから大きくなった】

【その研鑽の果て、強者になった竜の末路は、語り部によって異なる】
【背に据えて守りとするか、前に配して斃されるか】
【そして勇者は、いつだって弱者の中からひょっこり姿を見せるものだ】

【弾圧を行った結果どうなるかは、きっとよく知っているはずだ】
【世界がまだこんな有様である限りはねと、犬が皮肉げに笑った】
【見てきたかのように、結末を知る語り部のように】


”―――――そうだろうね、僕らはあくまで観客に、舞台装置に過ぎない”
”演者はここには揃わない。でも、観客だって物語を求めてきたんだ”



”お互い、娯楽に飢えている。………手品でよければ披露しよう”



【ガス爆発の危険性を察して、少年が指を鳴らす】
【その背に六本の青い線が出現すると、三本が犬の前に、残りを自分の正面にそろえる】
【フォーメーションを組み上げ三角形を作ると、内部に魔術的結界が構成された】

【うっすら透けた障壁の向こう、犬と少年が示し合わせて、手のひらを壁につけた】
【誘爆したのであれば、互いに魔力を伝導させて直接の火傷を防ぐだろう】

【それでも、あまり長くは持たない。壁面への衝撃に比例して、両者は背後へと押しやられて―――――】


が、ガスタンク浮かせて爆発させるサラリーマンが普通なわけねーっっ!!


【この期に及んで、半泣きの犬がようやく突っ込みを入れた。遅すぎた反論】
【背をしたたか両者壁にたたきつけられて、むせる。…優雅な着地を優雅に見届けることは、出来なかった】
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/24(土) 00:38:46.88 ID:A8xakRwe0
>>312

――戦闘にいかさまなんて存在するんですk……わふっ!?

【視界一杯に広がる一面の布。水を吸ったそれを簡単に払いのけることは出来ず】
【とっさに後退したのだが、それでも布のせいでだいぶ動作は緩慢になり】

(マズ――!!)

【視界を奪われれば、後は攻撃の標的になるしかない。それぐらいは考えなくとも分かる】
【両手を引っ込めるが、場所もタイミングも悪く、胸部にそのまま掌底を受ける】

【押し出される肺の中の空気。全てでなかったのはまだましであるが、一瞬の呼吸の乱れは、リズムを狂わせる】
【そのまま、軽くすべるように後方へ押し戻される】

――ぜぇ、はぁ……

【その間に機転を利かせたか、手元の棒ごと布を正面へ蹴り飛ばし、まともな視界を確保する】
【よくて少年に届くかどうか。届いてもダメージは無いといってよいだろう】
【だが着地はまともではなく、立ち上がるまでは若干のタイムラグ。右手の槍を真横に構えてはいるが】
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/24(土) 00:40:54.68 ID:vODEIps70
>>313

【パチパチと火は音を立てて高く昇っていく―――その中を青年は歩いてくる】
【だが修練を積む修行僧とは違う、スーツは煤ける事無く、火が燃え移る事もなく―――】

【涼しげな表情で二人へと歩みながら左手を上げる】


もはや偽る必要もないでしょう、私はカノッサ機関水の国支部の支部長―――・・・

レギン=ハーネットです、お見知りおきを、普通≠フお二方………クック
では、面白い手品でも見せて下さい、私は口うるさいですよ?

つまらない玩具は直ぐに壊して≠オまう……

どうせならもっとお仲間を呼んだっていいんですよ、サーカスでも見せて下さい
舞台装置は舞台装置らしく派手に―――ね………


【ギュルギュルと掲げた左手を中心に辺りを吹き抜ける風が集まっていく】
【その風はレギンの後方で燃え上がる業火を巻き取り、掌でバスケットボールほどの灼熱の焔弾と化す】

【それを無造作に二人に向けてパスするように放り投げる】
【焔弾は二人の直前で破裂し、凝縮された爆炎を吐き出すだろう、しかし迫る速度はさほどでもない】
【狙い、軌道も単調、小手調べの続き、という訳か―――。】
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 00:56:26.98 ID:dlISq8B5o
>>315
おーぅ、支部長クラスとごたいめーんとは恐れ入ったぜ…!!

【先に動いたのは犬だった。天幕を払うように腕を振って駆け出し、爆炎へと突っ込む】
【一見すると無謀だが、軌道を読み取るように目元が細められ、破裂の瞬間鋭いまわし蹴り】
【風の流れを作ることで火の軌道を差し替える、鍛え上げられた体術】
【直接受けたわけではないにせよ、ズボンの先端が焦げる。この場では気にせず足を踏みしめ、再びレギンへと接近する】

”レギン……ああなるほど、一度会ってみたかったんだ”
”基樹から話は聞いている。あいつが強敵認定したぐらいだ、暇つぶしにはちょうどいいね”
”大体、僕と赤が揃っていて増援なんかいらないだろ”

【念話の少年は、どうにも名前に覚えがあったよう】
【おそらく下の名前で青年の知人を呼びながら、口の端をやっぱり皮肉にゆがめる】
【しかし、犬ほど体が頑丈ではない。背をコンテナにたたきつけられた姿勢…動くにはもう少しかかる】

【でもそもそも、関係なかった。思考が出来る状態なら、体なんてどうでもいいタイプの能力】
【魔法使いの所以たる蒼の線は、一度解体して、犬に向かってとんだ三本と合流】
【一本が少年の身長に匹敵する大きさ…これを一本だけ、レギンの頭へと飛ばす】
【バットのようなものだ、浮遊した状態で先端が握られ、見えない打者が振りかぶる】
【腕力が反映されていない、威力は常人よりやや強めの強撃だが、狙いが非常に粗雑】
【首筋を狙っていたが、わずかな所作で十分回避が可能であろう】

大道芸の時間だぜーぃ!!

【そして振り絞られたタイミングで、犬が跳ぶ】
【線に押されて背後に下がったところを刈り取る、空中回し蹴り】
【同時に正確に首に命中すればギロチンもいいところだが、両者狙いが高すぎる】
【特に空中に浮いた犬は隙だらけと思われたが、右の袖から、炎を反射してきらめく、鏡のようなものが顔を出していた】
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/24(土) 01:05:19.31 ID:WekK1sb80
>>314

あははっ!!あははははっ!!!あははははははっははははっ!!!

楽しい楽しい楽しいっっ!!

【突然、大声で笑い始めた】
【その表情には今までの歪な落ち着きは無く、ただ狂気に塗れた“悪者”の表情であった】

リライズ、君は本当に、ほんっとうに楽しい!!

【無邪気な狂気を瞳に写し、はしゃぐように口元を吊り上げて高笑い】

あははははははははっはははっはははは―――――――――

【高笑いの最中、跳んでくる鉄の棒が額に直撃し、叫びが止まる】
【一瞬困惑したような顔を見せたが、それも即座に笑みに変わり】

会って楽しい話して楽しい笑って楽しい怒って楽しい疲れて楽しい戦って楽しい驚いて楽しい叫んで楽しい焦って楽しい――――――――――――

【繰り返すように何度も何度も言霊を浮かべ、放つ】
【畳み掛けるように放つ言葉は、まるで何かの呪詛のようにも聞こえた】

【少年は額から血を一筋流しつつ、ゆっくりと鉄の棒を右手で掴み】
【それの形態を、歪ませ、狂わせ、変化させた】

―――――――――殺して、楽しい?

【それは、とても有名な、人に死を撒き散らす玩具であった】
【黒光りするそれの銃口を、躊躇いも無くリライズの頭部に向けて】
【引き金を、引き絞っ――――――】

「八割の笑顔と二割の侮蔑 (アクサンシルコンフレックス)」

【突然、一人の青年が、銃口を手で遮った】
【遅れて、発砲音が鳴り響き、空薬莢が零れ落ちたのにもかかわらず】
【その青年の手にも、リライズにも、弾丸が届くことは無かった】

【ダークバイオレットのセミロング、同じくダークバイオレットの双眸を持ち】
【頬に一筋の傷口がある、黒瀬によく似た青年であった】

【どうやらこの青年は、少年を止めたようで】
【敵対心は、恐らくなさそうだ】

/一回文章消えたので遅くなりましたすみません
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/24(土) 01:15:19.69 ID:vODEIps70
>>316

あぁ………あの餓鬼のお仲間か、通りで臭い臭い………青臭いッ!!
特に貴方ですよ小汚い獣人が………―――。


【飛ばされてきた一本を視認し、スイングの瞬間に軽く後ろにステップして回避】
【だが完全には仕切れず、頬を軽く擦切る、行動に支障がでる程ではない―――。】


はッ!!この程度で大道芸とはッ!!!!!まだまだ!
所詮は獣人、噛みつき突進する事しか知らぬか!!!!!!


【空中回し蹴りには腕を上げてガードする】
【そのまま与えられた衝撃を使って横へ跳躍し、距離と取る、ガードした腕の袖からは血が滴り落ちる】
【それを長い舌でペロリと舐めとって、口元を歪める―――。】
【愉悦に歪んだ、狂喜を隠そうともしない邪悪な笑み、黄金が月光に揺らめく】

流石は獣人、大した威力ですね、危うく骨ごとやられる所でした……
もはや代わり≠ヘないですからね、慎重に行かせてもらいますよ―――。

貴方達を達磨にして彼に送りつければいい吠え面が見られそうだ………ヒ、ヒヒヒ


【そして近くにあったコンテナを再び足で軽くたたく、直後にコンテナも重力から解放されたかのように浮き上がる】
【旋風に巻き上げられたコンテナはブルーラインの頭上へと落下していく】

【先ほどのように爆発はしないが、大きさは倍近くある、単調な軌道と速度だが注意は必要だ】
【同時にレギンはスーツから黒い小型端末を取出し、画面をタッチして何か操作を始める】

【ブラフか―――それとも―――。】
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/24(土) 01:19:20.47 ID:A8xakRwe0
>>317

――ッ!!
(マズい、これは――)

【ざわり、背筋に嫌な気が走る】
【やはり、触れてはいけない存在だったのだろうか。触らぬ神に祟り無しとはこの事か】
【手を出すべきでなかったのだろうか。それでも――】

(――やられるっ……!!)

【それでも、手立ては打たなければならない。自分が死なないためにも】
【ならば、手札を明かすより他に道が――】

シーt…………――


【道、が、見えた……?】


【雨音に混じって鳴り響く発砲音】
【まるで空砲のようで、しかし地面に跳ね返る薬莢の音が、それを否定する】
【――何が、あった?】


【この間に、呼吸を整え、ゆっくりとだが立ち上がる】
【それでも、衝撃が抜け切らないのか、肩で息をするかのようで】
【その上、じっとりと濡れ、重くなった服は、必要以上に体力を奪う】

【突然現れた少年に対して、半ば不審の目を向けるも、特にこれといった動作は示さない】
【何があってもいいように、多少は身構えているのだが】
【自然に顔に浮かぶのは疲労の色。無茶をすればまだいける、と自分に言い聞かせてはいるものの】
【限界点は、少女の予想通りであれば、非常に近いところに有る】
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 01:33:30.95 ID:dlISq8B5o
>>318
鍍金剥がれてるぞーおにいさーん?
まあこのデザインだって趣味だし。もふもふは正義っ!!

【笑んでいるのはこちらも一緒、獣人呼ばわりも何処噴く風で、犬はくるくる回る】
【それから着地すると、袖の中から何かを取り出す。先ほどの鏡、のようなもの】

【全てが鏡製のパーツで構成された、大口径のハンドガン】
【どう見ても実銃とは言いがたいのだが、揺らめく炎を一切の曇りなく反射していて】
【おそらく、一目で見当はつくだろう…魔銃の類だ】
【膝を突いて丁寧に照準補正、ラインへの攻撃集中にかこつけて引き金を引いた】

【――――――音はない。無音。引き金は引かれ撃鉄が落ちたにもかかわらず】
【レギンに向かって飛んだ赤い光はポインタレーザーのようだったが、命中することなく消えた】
【……今はまだ、何の影響もないはずだ。周囲は燃え盛る業火のサラウンド演奏】
【耳の奥に芽生えた違和感にも、きっと気付かない】

【魔銃ミラーズエッジ:弾丸残り7】



”あいつが青いのは…まあその通りだ。まったく同意だけど”
”このご時勢アレだけのきれいごとを、大真面目に吐ける男ってのはさ……面白いと思わないか?”

【一方の魔法使い、至って冷静。指先の痺れが取れてきた】
【振り絞った一本を転移で、戻さず。待機させた五本のうち四本をコンテナ防御に当てる】
【四角を構成した線の結界は、三本よりも若干強度が高い。画数に応じて術的性能が上がるらしい】
【しかし押し込まれると、苦痛に顔が歪む。衝撃の何割かは体感しているようだ】

”達磨はそっちの犬の分野だけど……僕がそうなるのはごめんだね”
俺だって嫌に決まってるだろー!!? 俺も『残機』に余裕ないんだからーっ!!

【無様に這い出すと同時、結界が崩壊。棒立ちのままなら圧殺されていた勢いで激突し、冷や汗をたらす】
【なにやらコンソール操作をするレギンに対し、犬の近くの一本と残り一本を飛ばす】
【今度は横に寝かせて、厚みを減らした状態で回転させる。ドリルのような穿孔攻撃】

【先行する一本の狙いは真正面、頭蓋の眉間。飛来速度そのものは低い】
【しかしこれに視線を誘導することで、コンソールに向かった二本目を隠す意図があった】
【上手い事撃ち抜ければ向こうの思惑もつぶれるかもしれないが、まあこちらもまだまだ本気ではなく】


(”……『呪文』は使えない、リミッター解除もローズなしじゃダメ”)
(”あの子を呼ぶ気はない……『低級呪文(コモンスペル)』ならどうだ?”)

【犬を前衛に据えるのは変わらないが、置物でいることは耐えられない】
【身体もそう丈夫ではないから―――――出来るのはわずかな間に、考えることだけだ】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/09/24(土) 01:38:44.87 ID:WekK1sb80
>>319

「おーれーのー前ーでっ・・・銃(メタル)を使うなッって言ってんだろうが糞野郎!!!」

うわっちょっ・・・!オイ・・・!!?

【青年は、突如少年の頭部を全力で殴りつけると】
【リライズのほうを向き、苦笑した】

【その表情は少年とは一転、人間味の帯びた普通の笑顔であった】

「悪いな、こいつ、こんな奴でさ、危うく殺されかけたってのに、恨むなッつうのがまちがってんのは分かるけどよ」

「“創作者”だから、持って帰らにゃならんのさ」

【青年はそういうと少年から銃を奪い取り】
【奪い取った瞬間、銃は消滅した】

【少年は苦しそうに血を吐き捨てると、一瞬意識を失ったようだが】
【すぐに立て直し、リライズのほうを向く】

――――――・・・ごめんね、こうなるとは僕も分かってなかったんだ

本当にごめん、反省してる

【深々と、頭部を大きく下げて謝罪する】
【その顔にはまたしても歪だが、落ち着いた表情が浮かんでいた】

【なんだかんだ言って、少年のほうも相当なダメージを負っており】
【特に頭部に受けた打撃は凄まじく、ふらふらと青年のほうにまで歩み寄ると】
【そのまま肩任せに倒れこんだ、それと同時にシーツが消える】

じゃあ、帰るよ、今日は本当に嘘偽り無く楽しかった

君の本気も、見たかったしね・・・風邪、治るといいね

【そういうとふらふらと芯はぶれながらも】
【大きく手を伸ばし、リライズに向かって振った】

バイバイ、可愛い女の子

縁が“合ったら”またあおうね

【それだけ告げると、少年は青年に引き摺られながら大通りを歩いていった】
【なぜか二人とも、傘を差さないのに濡れてはいないようであったが】

【その場には、一本の群青色の傘のみが残った】

/ここで落ちます、お疲れ様でした
/返信早いしブレないしで、凄く面白いロールでした
/最後のこの終わり方はかなり強引でしたが、何はともあれ楽しかったです!!
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/24(土) 01:56:26.47 ID:A8xakRwe0
>>321

え、あー、その、あー、と……な、難儀ですね……

【あまりに出来事が早すぎたのか。いつもであればうまく処理できたのかもしれないが】
【今回ばかりは、流石に認識するのに数秒を要して】

……あー、まあ、今回はしょうがなかったということにしましょう。
次にお楽しみが延びたと思えば……いいんじゃないでしょうか

【不完全燃焼感。流石にいくらかそれを感じていて】
【それでも、完全燃焼は今この場では不可能だった】
【それを考えれば、有る意味、この幕引きは――幸運/不運だったのかもしれない】


次は壊れないでくださいよ……少し怖かったんですから

【そう、戦闘中に恐怖を感じたことは、ほとんど無い】
【逃げなければならない、そう感じたことなら何度か有るのだが……】
【だから/しかし、もう一度、今度は全力で戦いたいと】



――せめて可愛くないって事だけは覚えて帰って下さいよまったく……。

【最後まで、最後までそれか、と思いながら】
【一つだけ残った、プレゼントの傘を拾い上げ】
【少年たちとは反対の方向へ、雨のカーテンの向こうへと姿を消した】

/お疲れ様でしたー!
/本当久々のロールでしたが……気持ちよくロールさせてもらえました。本当に感謝です!
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/24(土) 01:56:48.73 ID:vODEIps70
>>320

いえいえまだこれでも丁寧に接してる方ですよッ!!!!!!
気持ちの悪い………有能ならば獣人でも評価しますが、進んでその半端な醜態に堕ちるとは!!


【忌々しげに顔を歪めながら吐き捨てると、犬の銃撃へ意識を向ける】
【だが、弾は一向に発射される気配はなく―――音もない―――。】

【不可解な感覚だが、今はその真意を測る術をレギンは持ち合わせていない、戦闘行動を継続した】


面白い以上に忌々しくてたまりまっせんねェ、幾度となく立ち上がってくるから質が悪い
まぁ楽しいお仲間ごっこでもやっていてください貴方達は―――。

安心してください、二人仲良く一本ずつ捥いで差し上げますよ…クック
ハッ!!!そのような攻撃ッ!!!!!!


【レギンもラインの友人の事は高く評価しているようだった―――否、それだから忌々しいのか。】

【迫りくる螺旋の攻撃には、身体を横に逸らすようにして回避、前髪を一部打ち抜く―――、】
【二本目は見事端末へ命中、特殊な素材なのか破壊は出来なかったが、遠くへ吹き飛ばす事が出来た。】


チッ、まぁいいでしょう、取り出す≠フは成功しましたからねぇ…。


          
                『創刀″阜苣_』


さて、まだまだショーは始まったばかりです………フフ


【端末を吹き飛ばされた事でイラついた表情で舌打ちをするが、即座にまた不敵な笑みを浮かべて右手を掲げる】
【そしてその右手の周囲の空間が歪んでいき、漆黒の刀身、そして刀身の中心に赤い線の走った細太刀が握られる】
【この細太刀―――非常に長い………レギンの身長ほどの長さだ―――。】

【端末はどうやら転送装置としても働くようだ、しかしその端末も今や彼方、新たなる転送は行えないだろう】

【そしてレギンの両足の裏から吹き上げる旋風が発生する―――そして高く飛翔したレギンは犬を飛び越え】
【その後ろで遠距離から攻撃しているラインへと兜割りを放つ、風のブーストがかかった一撃は重く鋭い―――。】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 02:18:34.47 ID:dlISq8B5o
>>323
なぁーに言ってんだい、人間だって元はといえば猿だったんだ。
原点回帰といってくれぃ。……それに特化してる分混ぜればカタログスペック高いし。

【その嫌悪はただ、目を逸らしているだけだと指摘する】
【かなり破綻した論理なのだが、犬自身は冗談なのか本気なのかはわからない】

【ただ、人間の処理性能と獣の身体能力の融合という発想は、科学者ならありえなくもない足し算】
【付け足された冷静な言葉を聴けば、ある種近しい性質を持つことは、理解できるかもしれず】
【真意はきっと、少しずつ大きくなっていく音に掻き消される】


【――――――ピピピピ――――――】


【謎の電子音。遠くから迫るような、小さな小さな高音】
【レギンの周囲の魔力密度が、緩慢ながら高まってゆく】


”そこがいいんじゃないか、味方にすると頼もしいけどって奴だろ?”
        アオ          ソレ
”……まあ、幻想は僕の色だ。友達を汚した対価は重いよ―――――?”
(”風……? ちっ、どこかにそんなのがいたな―――――”)

【足からの風圧に他者を想起したが、とらわれることはなく】
【再構成が間に合った二本線が、兜割に割り込む】
【一本は軌道上、二本目は側面に衝撃を与え軌道を逸らす役割】
【とっさの判断としては悪くなかったのだが、得物が鋭すぎて、阻む一本は呆気なく寸断された】
【身をよじり回避するが、左腕に、】

”づっ――――――!!”

【―――――剣圧で、二の腕と肩が切れた】
【制服の肩口が切れ、再生魔術を行使しても戦闘中の回復は難しい】
【つながっていることが幸いしたが、確かなダメージ。】
【―――――しかし別に、これでいい】

                    レイボルト
二面戦闘ならこうもなるかー……『爆光脚』っ!!

【犬がつぶやくと、レギンの真似だろうか。膝から先に魔術刻印が生成された】
【それが魔力を伝導し、爆発。風に対して爆風操作で距離をつめると、腰のひねりを加えて足が天へと伸びた】
エクスレイ  エクステンド
『刃光脚 越位』!!

【右手の銃が再び、撃鉄だけをたたく】
【すると今度は、別の刻印が同時に生成。膝の皿のど真ん中から足を経由し、ふくらはぎを通って膝裏まで】
【膝裏の黒点から線が脹脛を割く様に出現し、踵へと移動】
【そのまま叩きおろされた。兜割の仕返しだろう】

【背面から狙うことになるのだが、爆音に加え動作が派手で大きい。反応するまでの猶予はかなりある】
【それでいて、踵から伸びた線は杭のように鋭く、直撃すれば衝撃を与えるだろう】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 02:21:43.05 ID:dlISq8B5o
>>324
//最後に以下の文章を追記します

【魔銃ミラーズエッジ:弾丸残り5】
【外面からは伺えないが、この魔銃は遠隔魔術発動や魔術の連続行使、単独で使える魔術強化の役割を与えるらしい】
【弾丸のリロードが通常の手段では出来ない魔の銃だけあって、その十発の使いどころを見極めることが重要であろう】
【…最初の三発は、おそらく予約である】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/24(土) 02:40:56.37 ID:vODEIps70
>>324

ハッ種としての価値と進化を捨ててまでそんな半端者になりたくはありませんね
人は人、獣は獣、両者の長所だけ足した所で所詮は肉袋に詰めただけ―――。

確かにそれは効率的だと言いたいところだがこちらも譲れぬ一線があるので…ねぇ!!!!



【電子音に反応する様子はない、気づいていないか、それとも無視しているのか―――。】

【そのまま細太刀を引き抜き、血を払うように一度振り、もう一度頭の位置まで上げて構えるが】
【直後に犬の強烈な一撃が迫ってくる、犬の言葉に反論しつつ、左手を刀から離し、そのまま振り向きざまに振る】

【左腕全体には風のヴェールが纏っており、衝撃は軽減されるが、それでどうにかなる威力ではないだろう】
【凄まじい衝撃に袖は破れ、肉は裂け、骨は砕けた―――レギンの顔にも自身の血肉が飛び散る】


大した威力だ、チッこれでまた暫くロクに動けなくなる、駒を増やすのも面倒だと言うのに……
この代償は大きいですよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!


【そのままひしゃげた左腕を強引に振るい、犬を吹き飛ばそうとする、掌から風を噴射しての一撃だ。】
【自身をかえりみない噴射により左腕はさらに肉塊へと変貌するが、その一撃の力は大きい、コンテナへと叩きつけられるかもしれない】


さぁ、次の品目はなんですッ!!!!!胴体切断ショーでも行きますか?

【そのまま片手で細太刀を軽々と振るい、ラインへ空気を切り裂きながら横一文字の一閃を放つ】
【無造作に放たれながらもその一撃は速く、ラインの後方の鉄のコンテナをも豆腐のように綺麗に両断する】

【欠点があるとすれば真一文字という単調な振りと振った後の隙だろうか―――。】
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 02:56:33.06 ID:dlISq8B5o
>>326
……合理的だと思うんだけどなぁ? もふもふ可愛いし。

【論理性ゼロの妄言に合理もへったくれもない】
【終始一貫して、発言はのらりくらり。破綻した論理が端々から顔を出しつつ、茶化されてしまい消える】
【そしてこれまでのどの場面においても、目か口元は常のように笑んでいた】
【更に、もう電子音はすでに無視できない段階まで膨れ上がっていただろう】


【ピピピピピピピピピピピピ―――――――】


【レギンの周囲を、三つの扇形図形が覆い始める】
【地面に押された烙印が浮いたような、平面的な魔方陣―――――否、上から見れば一目瞭然】
【これはターゲットサイトである。真上からのぞいたスコープの照準が投射されたような、】


うおっ、いった……!!?

【185の巨躯が、暴風の補助もあって軽々と舞う】
【背骨への衝撃は避けたが、軽く胃液が逆流して視界が白むほど】
【ずるりと落ちたら、左手は頭を覆い、右手の銃は―――――変わらず、レギンに向けてプルプルと向けられていて】

”…おいおい、二人係でこのザマか、『赤い蜃気楼』”

【その犬が作った隙のため、ラインは二本の再構成に成功】
【右手を伸ばした先に線を発生させ、線を握りながら操作することで自分の身体を引っ張らせる】
【薙ぎ払いの射程から離脱できたなら、瞬間線を消してレギンの周囲に分散して配置】
【その頭を後方、四方から打ちぬけるよう、後頭部に二つ、耳を射抜く位置に一つずつ】
【ぴたりととまる線は、地面を引きずるように移動するラインと同期しない。これで背後は封じた】


―――――そうだねぇ、じゃあ、衛星攻城砲ってのはどうだろう?


【手品を求められて、ふらつく足で犬は立つ】
【まだ線は動かないし、件のサイトは未だ出現したまま。だが少しずつ確かな輪郭を為してゆく】
【呼吸を整え銃を持つ犬――――――引き金にかかった指だけは、銃士の誇りとして一切のブレがなかった】

【さて、この大言。はったりだろうか】
【試してみてもいいが、サイトはまだ、正確にレギンを追従する。振り切れないが、発動もしない――――】
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/24(土) 03:16:31.43 ID:vODEIps70
>>327

【ガラガラとコンテナは崩れ落ちて辺りには粉塵が舞い上がる―――。】
【その中から黄金の双眸は未だラインを追い続けていた―――、】


………―――――撃ってみろ


【周囲に展開されるターゲットサイト、取り囲む複数の線―――】
【一歩踏み出すことも、逃げる事も敵わぬ牢獄の中で、ただ、ラインを黄金が追う】

【術者である犬を攻撃する事はない、二兎を追う者は―――蛇はただ狙いを定め一つの獲物を狙う】

【右手をラインに向けてグッと拳を握る―――直後にラインの周囲に衝撃波の壁が頭上から落下するだろう】
【上から押さえつけるように、重い一撃が伸し掛かろうとする―――サイドに転がれば回避は可能だろうが―――。】
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 03:33:55.30 ID:dlISq8B5o
>>328
さすが支部長。いい度胸だ、感動した。
――――――じゃあね。

【ぴぴ、ぴ。】

【電子音が止んで、サイトの透明度がゼロになる】
【もうエイムしない、完全に照準が固定され、その頭上に赤いレーザーサイトが延びた】
【同時に犬の目が病んで、引き金が引かれた】

【『衛星攻城砲』。半分ははったりだった。そんな威力ない、単独の威力ならせいぜい、家屋が半壊する程度】
【人間相手に直撃した場合は、もちろん半壊ではすまない】

【そしてはったりでなかった残り半分は、まさに衛星から狙撃されたかのようにまっすぐ引かれた一本線】
【サイトから一歩も動かなかったのであれば、脳幹をまっすぐ貫き背骨の隋を貫通する】
【三分待ちの予約で三つ、発動に更に三つの弾薬を消費する、リズヴェルグの魔術の一つ】

  レイ・デュナメス
『地を射抜く視線』


【更に発動の瞬間追尾が切れるので、赤いレーザーサイトが出現してから動けば簡単に避けられる】
【―――――これ見よがしに軌道を表示するなめた攻撃だが、対象が固定物の場合の威力は折り紙つき】



【―――――可能ではあるが、魔法使いブルーラインの身体能力は平均値である】
【魔術フィードバックによりダメージは蓄積し、背を打ちつけたダメージからは未だ復帰し切れておらず】
【打つ手が何もなければ、そのまま圧殺されたのだろう。万事休すであった。彼がただの少年なら】

”……なるほど、強敵だ。多分ここでも倒れないんだろうね、君は”

【しかし、背後の線が一本ラインの元に帰還した】
【ストックしていた線は二つ…これが少年の視線の先、一点に対し収束する様な陣を組む】
【同時に、三角形を基調とした魔方陣が浮かび上がる。ここで自分を狙ってきた蛇の妄執に、賞賛の言葉を送りながら】

【りぃん、鈴の音が鳴った。開かれた蒼の視線は、まっすぐ見えざる重圧を捉えて】


”……先に帰るね、後処理よろしく”


【一瞬目を閉じて、集う線が重圧に耐えた】
【眠るように閉じられた目、直後その姿は、転移魔術にて喪失する】
【ラインが場から消えたことで、背にしていた線も消える。砲撃のトリガーが引かれたのと同じタイミング】
【この瞬間に離脱できれば、後はリズヴェルグの弾丸二発だけが取得】

俺っちもぼちぼちしんどいんだけどなぁ……?

【なんだかんだで、細かいダメージは山積している】
【蹴り技の切れも自信がなくなってきたしと、犬は無責任な戦友にのんきなため息をついた】
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/24(土) 03:49:18.55 ID:vODEIps70
>>329

ハ、ハハ、まさか、ここで、終わ………り…だと


【背後であったためか、消失した線には気が付かず、そのまま両手を広げて天を仰ぐ】
【それは愚かな自分への自虐の笑か―――牢獄からの解放と共に振り降ろされる衛生砲の前になすすべはなかった】

【閃光に貫かれ、その身を焼かれ、その存在そのものも焼き払われて、消滅した―――。】

【残るモノは炎とその臭いだけだった―――。】

//オツカレサマデシター!
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 03:58:48.68 ID:dlISq8B5o
>>329
【燃える工場地区。落ちた線に殺意などなく…ただの熱線収束現象】
【それに如何なる意味を見出したところで、結局のところ人間の感傷に過ぎない】

………。

【死臭を嫌って顔をしかめるのが、人間らしいのだろうか】
【燃え盛る世界に涙するのが、正しい行為なのだろうか】
【立ち上がらなかった男の様相に、リズヴェルグは、】

【眉一つ動かさない。何の感情も浮かべない。】
【人間らしくはない、きっと正しくはない】

【後始末を思い立ったのは、決して倫理観を発揮したからではなく、友に頼まれたからだ】
【とりあえず消火器を探そうと周囲を見渡したところで、空から雨が降り始めて】
【……、この火災では、いずれ騒ぎになる。そうなる前に、犬は転移符を額に貼り付けた】
【足元から消える寸前、先ほどまであの男がいた場所を見たが】
【符の傍らから覗く緑眼は、――――――薄い、緑の膜を貼り付けただけの、模造品に見えたとか】



【魔法使いは、それを赤い蜃気楼と呼んだ。】
【一瞬犬は、困ったように笑った】
【それは、未だ明かされない『赤の称号』が、誤訳に過ぎないと言う自嘲――――――かも、しれない】

【真実は、あの悪魔だけが知っている。】


//お疲れ様でしたー
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/24(土) 20:27:58.43 ID:cK6putoDo
【街中】

【未だ人通りの耐えない繁華街の往来】
【一人の青年が、シャッターの閉じられた店の軒先に背を預け、煙草をくゆらせていた】

【黒目黒髪の、二十歳頃と見える青年だ】
【白いカッターシャツの裾を、黒のスラックスからはみ出させただらしの無い格好をしている】
【首元を締める――というよりは、引っ掛けられただけの緩いネクタイを、わざわざネクタイピンで留めている】

……ふぅ。

【溜息と共に、肺から煙を追い出して、青年は自らの右肩に視線を向けた】
【顔の無い人形が、見えざる糸に引かれるように、そこに立っていた】

気紛れに煙を吸ったとて、天啓が降りるわけもなし。

【物言わぬ人形に向けてか、そんな事を口にすると】
【人形は不可思議そうな仕草で、首を傾げた】

【――奇術師か何かとも思える、人形との会話】
【青年は、まだ半分も燃え尽きていないシガレットを、道端に放り投げて、今度は溜息を口から追い出した】

【独りでに動く人形】
【煙草のポイ捨て】

【お節介な誰かや、好奇心溢れる誰かに見咎められることも、あるかもしれない】
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/09/24(土) 20:51:56.58 ID:r6on/GqAO
>>332

……天恵は降りないだろうけど、煙草仲間ぐらいは寄るだろうさ
 
【<ジャリ/チャリ/ズッ>、っと音がした】
【足を擦る様な、鎖が擦れる様な、蛇が這う様な、そんな音が重なった奇妙な響き】
【背を預けていたシャッターが、もう一人分の重みを受けて緩く軋みを上げる】
 
【野暮ったい紫髪に無精髭。赤茶けた服に妙に短いジーンズを併せた、季節感の無い風貌】
【口元に煙草の火を点しながら、男もまた軒先に佇む】
【同意を求めるように、横眼で青年を捉えていた】

334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/24(土) 21:03:20.36 ID:cK6putoDo
>>333

……。

【新たな来客の声に、横目でそちらを確認して】
【青年は、口元を歪めて皮肉っぽい笑みを浮かべた】

生憎、仲間意識を持たれるホドじゃねェな。
むせずに吸えるってだけで、常用してるワケじゃねェさ。

【先ほどまでのアンニュイな様子はどこへやら、青年は軽口を飛ばす】
【肩に立っていた顔の無い人形は、会話の気配を察してか、青年の足元へと勝手に降りていった】

で、仲間を見つけたスモーカーの兄ちゃんは、俺に何かご用でも?

【だらしのない格好も相俟って、軽佻浮薄な雰囲気が作られる】
【ニヤニヤとした皮肉っぽい笑みで、酔ってきた男に問いかけた】
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/09/24(土) 21:14:44.62 ID:pmgOVFIvo
【公園】

【少女が一人、ベンチに座ってぼーっとしている】

……戦いに一つ、区切りがついた。

【赤いリボンでサイドポニーに纏めている銀髪に、林檎色の瞳】
【七色の星模様入りの白いノースリーブシャツを着用し、下は黒のジーンズ】
【水晶のように透き通った翡翠色の指輪を左手中指に、緑色の指輪を人差し指に嵌めている】

でも……、これからはどうすれば、いいの。
立ち止まってるわけには、いかないし…………。

【一丁の拳銃を握りしめ、それを眺めている少女】
【深夜、公園、子供、拳銃──何だか不釣合いな組み合わせのように、思えるかもしれない】
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) :2011/09/24(土) 21:20:57.43 ID:r6on/GqAO
>>334

吸えると吸えないじゃ天と地ほどの差があるさ
嬢ちゃん坊っちゃんにに煙吹けば、それだけで敵の出来上がりだからねぇ
 
【皮肉の笑みに返すのは、同じく皮肉の笑み】
【胡散臭い雰囲気が、男を包む。それはどこか、青年が纏う気配にも似通っていて】
 
いいや、特にないさ
最近は肩身が狭くてね。この街も煙草吸いには随分と厳しくなってきてるのさ
 
【そう呟いて、男は紫煙を燻らせる】
【立ち上った煙は、空へと一筋軌跡を引いていて】
【視線だけが、青年の足元で蠢く人形を睨むように眺めていた】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/24(土) 21:34:17.32 ID:cK6putoDo
>>336

こんなモンが吸えたところで、自慢にもなりゃしねェが、な。

【そう言って肩を竦めると、青年は男から視線を外し、夜空を見上げる】
【あらぬほうに視線を向けながら、しかし会話は続けられる】

そりゃどうもご愁傷サマ。
……俺はニコチン中毒じゃねェんでな、あんまり苦労がわかんねェよ。

【人形は、目の無い顔を男の方に向ける】
【やや大きめな作りや、なぜか首元に巻かれたロープが、不気味な印象を与えるかもしれない】

【そんな人形の動きとは関係なく、青年の言葉は続く】

ま、良いんじゃねェの? 毒を吐き散らすのは手前の責任が届く範囲ってことでさ?

【喫煙者の悩みとは程遠いらしい台詞で以って、青年は男にそんな同意を求める】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 21:42:15.68 ID:UFxNCAOWo
【路地裏。立ち並んだ雑居ビルの裏口が軋んだ音を立てて派手に開かれ、何者かが姿を現した】
【明滅を繰り返す街灯に映し出されたそのシルエットは、およそ公の場に出れる出で立ちなどでは無く】

………さみぃ。

【肩に掛る長さの銀髪に、暗赤色の双眸を持つ青年。右肩には大鎌を担いでいる】
【皺の無い黒のシャツの首元は緩められ、何かの紋章が刻まれた首輪が覗いているが、視認はし辛く】
【ダークグレーのジーンズに合わせた革のブーツは手入れが行き届き、履いている彼の潔癖さを窺わせた】

(しっかし…拾ってくっつける分には何とか行く程度、か)
(元々適合率は低いって話だったにしろ、あんまりだな――まぁ、活用次第だろうが)

【彼が立つ場所こそ心許ない街灯で照らされてはいるが、路地裏の先、一寸先は闇である】
【何者かが居たとして不自然では無いのだが、今のところ青年に警戒する様子は見えない】
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) :2011/09/24(土) 21:49:45.36 ID:r6on/GqAO
>>337

こんなもの吸って死ぬぐらいなら、そいつはその程度って事さ
まあ、意図的に吸わせる様な奴は死罪に値すべきだけどね
 
【そうして、男もまた空を見上げる】
【暗い夜空は星もなく、どこか澱んでいるようにも映っていて】
 
……それで唐突なんだけどさ、なんだい、その不気味なモノ?
 
【摘まんだ煙草の先が、赤い軌跡を引く】
【ゆるりと、宙を舞う。止まった先は、その不気味な人形を指していた】
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/24(土) 22:05:05.72 ID:cK6putoDo
>>339

一寸の虫にも五分の魂。
その程度≠フ奴でも、己の命に敏感にはなるのさ。

自分がどの程度≠ゥなんて、死んで見なけりゃわかんねェとなりゃ、なおさらだ。

【いやに婉曲的な言い方で、男の言葉に皮肉を返す】
【――アンタもそれでおっ死ぬ程度かもしれないぜ? と】

……ん?

【赤い光点の指し示す先にある人形は、不思議そうに首を傾げた】
【青年は、そちらを見やってから、なぜか苦笑すると】

なんだろうな。俺にも良くわかってねェ。
友達であり、メッセージでもあり、また方針の一つでもあり……。

【俺にも良くわからない、と語るとおり、胡乱げにいくつかの答えを並べた後】
【寂しげな苦笑と共に、青年は右手をスラックスのポケットに突っ込む】

……もしくは、そんな事と関係なく、ただの力≠ゥも知れねェ。
ククリ、スタンバイ。

【人形は青年のその声にピクリ、と反応】
【青年は、ポケットの中からやや大きめな包丁――カバーが付いているとは言え――を取り出した】
【それを軽く、放り投げれば】

【人形は軽い動作で投げられた包丁をキャッチして】
【それを右手に持って、くるくると軽快なステップを踏み始めた】

【――不気味、どころではなく、非常に剣呑な代物だ】
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/24(土) 22:16:00.22 ID:Mec35tISO
>>338

【その路地裏にふらふらと入り込む人影があった】

【黒い瞳、背の中程で揃えた青みがかった黒髪】
【空よりは海に近い、緑がかった濃い藍色の和服】
【腰の辺りには、片手で振るえる程の大きさの手斧を2本ぶら下げている】
【そんな女だ】

――カネがねぇ。
博打すりゃカネが入る。でも博打するにゃカネが要る。
さて、どーすっか…… ぁん?

【青年の姿を確認し、足を止める】

(――上手い具合に人を見つけた、が)
(あのカマはヤバそうだ、カツアゲは無理か?)

【じろじろと青年の姿を眺める】
【足音も独り言も聞こえるだろうし、もしかしたら視線も感じるかも】


/まだいますか?
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 22:18:26.64 ID:UFxNCAOWo
>>341
/この辺にいます、暫しお待ちをー
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) :2011/09/24(土) 22:22:28.44 ID:r6on/GqAO
>>340

そういう事。
だから良いんだよ。世間は優しい方向へ向かってる。逆行して居心地悪くなってる様な奴は、早々に失せるべきなのさ。
――尤も、そんな理屈はこの街じゃ塵以下だけどね。
 
【この街は初めから死ぬように出来ていると、まるでそう謳う様に男は嗤った】
【意味の不確かな言葉の応酬は、果たして二人の間でも正しいやり取りが行われているか定かではない】
【ただ一つ、気味の悪い風が、二人の狭間を吹き抜けた】
 
……へぇ、自立人形(オートマトン)か。随分とまた珍しい骨董だねぇ。
人形使いには逢った事があるけど、戦には会わないとの御墨付きらしいよ。ソイツは。
 
【屈んだ体制で、その人形を見詰める】
【御世辞にも、上手いとは言えぬ剣舞。だがそれはあくまで達人との比較。人形が自立で行う動作としては、流暢以外の何物でもない】
【ゆらり、と揺らめく包丁。人形ごと押すように、指先を刃先へと近づけた】
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 22:33:11.65 ID:UFxNCAOWo
>>341
【鮮明に聞きとった訳では無いにせよ、とにかく独り言らしき声は拾ったらしく】
【暗赤色の視線を女性に向け、何やらじろじろと見られている事に気付くと】

(――この鎌、か?まぁ何にせよ堅気には見えねえよなぁ。って、向こうも斧引っ提げてやがら)

…あー。

【ちょっとの間の後、空いた手で髪をがしがしと乱し、何事か考えて】
【結果、彼は大鎌の柄を何やら操作した。途端にそれは銀の液体の如く形を崩し】
【瞬き一つか二つの間に、携帯型端末へと姿を変える――つまりは、得物を仕舞った】

おい、そこの彼女。何だってこんな物騒なトコうろついてんだ?
ここにゃ俺も含めて、マトモな奴なんざ誰一人いねぇぜ。

…ああ安心しろ、襲いやしねぇから。だからガン飛ばすなってーのっ。

【ひらひらと両手を振って見せて、そんな軽口を飛ばした】
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/24(土) 22:35:15.59 ID:cK6putoDo
>>343

……。

【青年は、その言葉には答えず、ただ肩の力を抜くようにふっ、と息を吐いた】
【できそこないのダンスを踊るような人形のステップを見ながら、何か物思っている様子だ】

そうだな、向き≠カゃねェ。
……それでも、力は力だ。そう見えて、人の指を掻っ切るくらいのパワーはあるんだぜ。

【手を近づけた男を、脅かすような言葉を口にする】
【無論、カバーの掛かった包丁にそんな芸当ができるはずもない】
【人形は、近付いてきた指先に、なんのけれんも無く、包丁を押し当てようとする】
【触れても、プラスチックのカバーの、つるりとした手触りが残るだけだ】

ま、そいつを戦わせるような事態に陥ったことはねェけど。
平和が一番、ってな。

【付け加えるように、本心からの言葉とは思えないような軽い口調で、そんな事をうそぶいた】
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) :2011/09/24(土) 22:48:15.80 ID:r6on/GqAO
>>345

おぉ、怖い怖い。こんな所にも"五分の魂"は宿ってるって訳だ。
 
【おどけた様に肩を竦めながら、男は苦笑する】
【近づけた指先が、カバーをなぞる。撫でる様な感覚から、次第に力が掛かる。くるくると人形を回すように、刀身を指先で押し始めた】
 
平和が一番。何にも勝るものなし。
金に困ってるなら、コイツを道芸させればいいのさ。これだけ精巧に動くんだ、食いつく客は一杯いるだろう?

……それとも、別の『困り事』かい?
 
【仰け反るように首だけが、青年の方へと向けられた】
【逆さになった視線が重なる。真っ直ぐと向いたそれは、離れる事がなく】
【指先だけが未だ、くるくると回し続けられていた】
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/24(土) 22:52:03.08 ID:Mec35tISO
>>344

……おっ?

【みるみるうちに形を変える鎌を見て、軽く目を見開く】

――あっと、「そこの彼女」ってアタシのコトか?
物騒なトコだからココに来たのさ。ちょいとテキトーにチンピラ探してボコりゃ、ちょっとした収入にゃなるだろ?
マトモなヤツにそんなコトすりゃ、正義組織さんに目ぇ付けられるからな。

【青年の軽口に、意外にもまともに応じる】

っつーワケで。
ちょいとカネ、恵んでくんねーかな?

【斧を一つ右手に取り、青年に話し掛ける】
【もしかして:カツアゲ】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/24(土) 23:00:45.72 ID:cK6putoDo
>>346

【人形は、包丁に押し付けられる指先に、戸惑うように青年を見上げる】
【青年は頭をかいて苦笑すると、人形へか、声を掛ける】

ダメ。
……おいで。

【男の悪戯から逃げるように、包丁を引いて後ろに下がると】
【青年の足から手を伝って、肩の上へと登っていく】
【肩の上に戻った人形の手から、包丁をもぎ取るように取り上げると、青年はそれをスラックスの中にしまい直した】

金には困ってねェし、こいつは見せもんじゃねェよ。
……むしろ、あまり見せびらかすと、まずいシロモノなんだ。

【青年にワケあり――でなければ、人形に曰く憑き、と言ったところか】
【他所で口外しないことを進めるぜ? と、笑って言うと、青年はシャッターから背中を離した】

……そうだな、やるべきことが見定まらない。いつもの事さ。
そういうアンタはどうなんだ?

人形使いと知り合い≠ナ。
自動人形が戦いに向きか不向きか≠ネんてことを知ってるアンタはさ?

【己の事は一つとして語らず、同じような問いを男性に向けてつき返す】
【――男に隠し難く纏わり付いている、戦い≠フ匂いを嗅ぎ取ったのだろうか】
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/24(土) 23:13:15.37 ID:UFxNCAOWo
>>347
【清楚な雰囲気を持った和服の美人――かと思いきや、斧を引っ提げた勝気な口調の姐さんで】
【あろう事かそれを持ち出しての、ナチュラルかつ単刀直入なカツアゲ。結構なインパクトである】

…わーお、ボコは御免だな。
OKOK、有り金出すからソレ仕舞ってくれ。割と怖ぇぞ。

【情けなくも青年は早々と降参、懐から厚みのある財布を取り出した。その厚さからも中身には期待できるが、】
【その前に財布自体が有名なブランド品だったりする――偶然捕まえたカツアゲ相手にしては上玉、だろうか】

そら、献上致しますってか。現ナマが幾らか入ってた、か?覚えてねぇけど…

【ぽーん、と財布をそちらに放る。キャッチしてみれば意外と軽いだろう、硬貨が入っていないからだが】
【中を確認したなら、紙幣(諭吉)が30枚ばかり入っている。まだ若い青年に気安く持ち歩ける額とは、どう見ても言えないだろう】
【ましてその額を放るのに、何の抵抗も無し。どこかのボンボンか何かかと、思われても致し方無く】

正義組織さんじゃなくて良かったなぁ、オイ。
つーか俺が正義組織さんに助けて欲しい位だな…何だこの状況は。

【――路地裏で大鎌を背負っていた辺り、正義側では無いらしいが。未だ正体の掴めぬ男だった】
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) :2011/09/24(土) 23:17:41.06 ID:r6on/GqAO
>>348

……成る程。曰く憑き、入手先がキナ臭い、或いは呪いの類いか何かか。
という事は、見せびらかされた僕も何か不味い事に巻き込まれたりなんなりしちゃうのかい?
 
【視界を逆しまにしたまま、男はそう問い掛ける】
【浮かべた表情はどこか、喜んでいるようにも見えて】

【青年が身体を起こすと同じくして、男もまた体制を戻して立ち上がる。対称的に、男は再びシャッターへと身を預けた】
 
良くないねぇ、それは良くない。やるべき事がないのは、程度の差こそあれ死んでるのと同じさ。
ヒトは何かしら起こさなきゃいけない。それが善行であれ悪行であれ、ね。
無意味に停滞してる奴なんて、それこそ失せた方がいいんだよ。そんな奴は、畜生にも劣るのさ――キミは、そんな類いなのかい?
 
【男は嗤いながら、そこで言葉を区切った】
【問い掛けに対する問い掛け。道理から反するそれは、何よりの意思表示で】
 
【――腹の内は明かさぬと。二人は二人、同じ事をその内に抱えていた】
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/24(土) 23:35:47.23 ID:cK6putoDo
>>350

どうとでも取ってくれていいが。
……他所で口外すれば、どうなるかまでは保証しねェぜ?

【同じ言葉を二度使って、口封じを念押しすると、青年は伸びをした】
【首を回して、凝りを解す傍らで、肩元にいる人形が落ちそうになったりもする】

……買い被ってもらったところで悪いがなァ。
善でも悪でもなく、有象無象のクズ。世の中の9割はそんな人間で出来てんだよ。

【もうこの場に用はない、とでも言わんばかりに、男性へと背中を向けて】
【青年は、後ろ手に、やる気の無い仕草で手を振る】

じゃあな、スモーカーの兄ちゃん。
アンタが仕出かすこと、下々の視点から、たァのしく見守らせてもらうぜ。

【それが別れの言葉なのだろう】
【人形も男性を振り返り、ひらひらと造り物の手を振る】
【――別段、呼び止める理由が無ければ、青年はそのまま去っていくだろう】
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/24(土) 23:36:14.59 ID:Mec35tISO
>>349

――いいのかい?
ほら、カマ持ってたじゃねーか。ちっとくらい反撃してくれても良かったんだぜ?

【思っていたよりもあっさりと財布を取り出した青年を見て、少し驚いたような表情をする】

――おっ、中々沢山入ってんじゃん。
こんな儲かる仕事があんなら、ちょいと紹介してもらいてーくらいだ。

【財布を開き中身を確認、嬉々として財布を懐にしまう】
【いつの間にか、斧は元あった所に戻っている】

……ところでアンタ、何者だ?
こんな大金をポンポン渡したり出来る程度に良い身分で、路地裏でカマ引っ提げてるにーちゃんってのは、早々いねーと思うんだが。
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟・東北) :2011/09/24(土) 23:51:47.36 ID:r6on/GqAO
>>351

あぁ、受け取ったよ。それはつまり、口外伝聞なんでもござれって意味だね?
 
【大事なことなので二度言った念押しを逆に受け取ったのか、または冗談なのか、男はそう愉快げに笑う】
 
【去り行く背中に、それが届いたかどうかは解らない】
【ひらひらと、揺れる掌。その背を、真っ直ぐと捉えて】
 
……『毒を吐き散らすのは手前の責任が届く範囲』。キミの言葉も精々気を付けたまえよ、青年。

 
【そう、言った】

【青年が振り返ろうがしまいが、既にそこに男の姿は無かった】
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/24(土) 23:54:15.16 ID:cK6putoDo
>>353
/おつかれさまでした!
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/25(日) 00:01:00.84 ID:02X72u0no
>>352

ああ、姐さん喧嘩好きなクチか?
悪ぃが一昨日そんな奴とやり合ったばっかでな、まだ本調子じゃねーのよ。

(…しかも同じ豪快系の女と来た訳だ。勝負の結果もお揃いなんて、洒落になんねー)

【暈してはいるが、実はその一昨日の戦闘でとある少女に負けたばかりだったりする】
【担いでいた大鎌は、牽制の道具にでもなればと持ち出したものであった。故に戦う気力は無くて】

何者かと聞かれたら、答えてあげるが世の情け――だったか?
俺はどこにでも居るカノッサの下っ端だぜ、コレが証拠。

【そう答え、自身の首元を指差して見せる。そこにあった首輪には機関の紋章が刻まれていた】
【――だが、女性がかつてカノッサの下っ端をカツアゲした事があったなら。違和感を抱くかも知れず】
【幾らカノッサとはいえ、下っ端になるような構成員が大金を持ち歩いているというのは、あまり無い事例だった】

そんで何だ、姐さんはニートか? 勤労の義務なんたらとは言わねえが…
綺麗なんだから食わせてくれる男捕まえるのも簡単だろうし、
腕っ節に自信あんなら、どこぞの社長の秘書兼護衛なり出来ると思うぜ。

まー何だ、誰かにつくってのに抵抗あんなら、どっちも合わねぇだろうな。
姐さん見るに、自分の腕一本で食って行くタイプだろ。
本当は何か職とか、もしくは技術とか持ってんじゃねーの?

【ぺらぺらと話しつつ、そこら辺の地面に腰を下ろし。青年は懐からおもむろに煙草を取り出し、口に咥えた】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/25(日) 00:25:03.74 ID:AT5vH3wSO
>>355

はーん、カノッサねぇ……
カノッサってのは、そんな儲かるモンなのか?

【カノッサ機関の名前を出されても、さほど驚いた様子は無い】
【他の機関員と会った事は無いらしく、気安くそんな事を尋ねる】

――はァ?ニート?
そんなモンじゃねーよ、ちゃんと博打打ちやってっから。

は、護衛とか秘書とか、そんなのやりたかねーな。メンドーだし。

【青年の台詞に、律儀にもしっかりと答える】

……あー、技術?
まぁ、あるっちゃあるけど。

【懐から麻雀牌を一つ取り出し、表にして置く】
【麻雀牌には、丸が3つ彫られている】

よく見てな。

【麻雀牌をひっくり返し、それを取り、改めて表に返す】
【先程まで丸が3つだった筈だが、この牌は丸が大きく1つだけ彫られている】
【いわゆる「イカサマ」である】

――分かったか?

【※すっごいドヤ顔】
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/25(日) 00:43:03.45 ID:02X72u0no
>>356

儲かり具合は、やってる事によりけりだな。俺は降格した身だから、今じゃ閑古鳥だが。

【苦笑しつつ、オイルライターを取り出す――が、一寸思考して懐に戻し】
【代わりにマッチを取り出し、それで煙草に火を点す】
【それは何時ぞやにオイルをぶち撒けたのを思い出した為であり、特に意味のある行動では無かった】
【ようやく落ち着いて紫煙を燻らせつつ、喋った分とばかりに女性の話に耳を傾け】

ははぁ、博打打ちか。確かに、姐さんにゃ良く似合ってら。
…ってサマかよ!? いや、手並みすげぇけどさ、なんつーか…

【――不意に、青年の端末に着信が入った】
【それで何かの用事を思い出したらしく、彼は慌てた様子を見せ】

あーもしもし、っわ。悪い悪い、俺が悪かったっての。だから泣くなよ、頼むから…
10分後には落ち合える、だからもう少し待っててくれ、な? ――よし、良い子だ。

【何とか電話を切ると、溜息をひとつ。またがしがしと髪を乱して】
【おまけにもう一つ溜息を零しながら、重い腰を挙げて足元を踏みつける】
【――折角灯した煙草だったが、先程の電話の際に落としてしまったのだった】

悪りぃ、聞いての通りだ。
じゃあな姐さん、今度会ったらそのサマ教えてくれよ。

【特に何かを問われない限り、足早に青年はその場を立ち去るだろう――可なり足早に】
【ちなみに先程受け取った財布を探れば、古ぼけた一枚の身分証が出てくる筈だ】
【カノッサ機関 AOE事務局次長 ウェスカ・クルーガー=z
【それが、かつての男の素性。身持ちの良かった訳が伺える、とある過去の残骸だった】

/早めですがこの辺で、乙でしたっ
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/25(日) 01:04:35.79 ID:AT5vH3wSO
>>357

閑古鳥、か。そりゃ大変。
何ならちょっと返してやろーか?冗談だけど。

【収入が少ないならさっき貰った財布はかなり大事だろう】
【そう思うが、思うだけ。情は湧いてない】

【その時、不意に掛かった着信】

【台詞の端末に視線が行くが、詮索する気は無さそう】

――誰だ?カノジョか何かか?

【意地の悪い笑みを浮かべ、冷やかすように言う】

【そうだったのかは分からないが、かなり大事な用だったらしい】

じゃな、カノッサの下っ端くん。サマ教えるワケにゃ行かないけど。

【青年とは対照的に、緩慢な動作で踵を返し】
【ひらひらと手を振り、どこかへと歩き去っていった】


/乙でした!
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/25(日) 01:28:03.18 ID:IG0AuyqAO
ww
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/25(日) 21:55:09.23 ID:U5vJIp8no
【街中】
【人混みも特になく、比較的静かと言える大通り】

【一人の青年が全速力で走っている】

やっばッ!! 流石に俺でも焦るって!

【灰色の長めの髪を後ろで結んでボタンを全て開けた学ランを着ている青年だ】

【その瞳はどす黒く、全てを拒否すると言うか、諦めを表す様な瞳】

【それでも彼は焦っていた】
【彼を知る数少ない知人が見たら、前にあった時とのギャップに驚かされるくらい】

ハァ...ハァ...ここまでくれば....

【青年は後ろを向き、スピードを少し落として走りながら言う】


【前方不注意、激突警報】
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/09/25(日) 22:42:09.82 ID:IG0AuyqAO
>>360

この人ネオチで愚痴ってんぞwwwwww可哀想だから絡んでやれww
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2011/09/25(日) 22:52:46.33 ID:bc7YxpZRo
【夜間、市街地、工事現場】

【そこが選ばれたのは、足場が多いからだろう】
【作業の中断されたその場所を、地上から見上げたのなら】
【いや、見上げずとも音は聞きとれる筈だ】


ああああああああ……あ、あ゛あ゛っ!!

……っ、ぐ……お……

【例えるなら、痛みを無理に堪えて、だが堪え切れなかった時の様】
【抑えようとはしているのだろうが、抑えきれない声が聞こえてくる】
【そして、高所に存在する音源と同位置からは】
【ぽたり、ぽたり。誰かの血が、少しずつ落ちてきていた】 


もう夜か……さっきまで太陽拝んどった気ぃするけどな……
……あかん、トぶ℃條ヤが伸びとるわ……

【ほおずきの様に赤い着物、右目に眼帯を付けた少女】
【彼女は自分の左腕を強く抑え、工事現場の鉄骨の上にうずくまっていた】
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/25(日) 23:03:18.71 ID:02X72u0no
【ライカ。与えられたその名前には意味があったらしい】
【もっともそれは、第三世界の歴史書を紐解いて初めて知ったのだが――】

く、はは。やぁっと捕まえたぜクソアマちゃんよ。
首すっ飛ばしたのにまさか生き延びてやがったとはなぁ、夢にも思わなかったぜ?

【宇宙への片道切符を持って、永久の旅に出たある一匹の犬。その子はとてもとても、賢かったそうな】
【その子にあやかって付けられた名なのか、その子の再来としてついた名だったのか。後者ならばくすぐったい】

――だが、これで本当の仕舞いだ。
強化性遺伝子の破壊ウィルスを仕込んだ銃弾…これがお前を完全に停止させる術。
AOE帆ぬに遺されたプロジェクト要綱から引っ張り出してきた品だ。

…もう、逃げられねぇぜ?

【きっと、旅立つその瞬間も。彼女は私と同じように、飼い主の事を考えていたんだと思う】
【ただ飼い主と言うには、語弊があるのだけれど。立ち位置としては同じようなものだろう】

「――、っ」

【飼い主。つまりは目前の彼との全ての過程を辿って、少しだけ掬えた思い出を抱き締めて】
【恋仲だった訳じゃない。仲間とまでは呼べなかったかもしれない。でもそれで十分だった】

「ウェスカ。」

…あ?

【欲が無いのは昔からだった。18年間の人生は、ただ他人の顔色ばかり伺って生きて来た】
【自分に価値なんて無いと思っていたのに。私の価値を見出してくれたのは他でもない、目の前の彼だったから】
【だから、ずっと言いたかった。言っていいのかどうか、ずっと不安だったのだけれど。これが最後の我儘、】

「ありがとう」

――、

「死ぬはずだったあたしを拾って、存在理由をくれた」
「存在理由が無くなったら、逃がす事で自由をくれた」
「それで生じた全ての事に、ちゃんと自分の手で終わりをくれた」

「…なのに、きちんと終われなかった。最後の最後で、悪い子だった。ごめん」

【色の無い邂逅と、一夏の淡い追憶が――この心を攫っていったから、未練があった】
【でも。逆に言うなら、その記憶だけで満足だった。上手く言葉に出来ずとも、満たされた物があったから】

【――だから、もう迷ったりしない。別れを告げる鐘に替わる銃声に、この思いの丈を攫ってもらうから】



     【雲類鷲 律花 ――Lost=z

/絡み不要です。長々と失礼致しました
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/25(日) 23:19:33.58 ID:IayTQ1/zP
    , -──- 、
 /::::::::::::::    ::\
/:::::::::::        ::∨ト、        ラグナはくせえッー!
::::::::::          :: レ'ノ
::::::::::::::        ::: レ'⌒ヽ     害悪以下のにおいが
ヽ-───i===i─-}ァ'  ノ    プンプンするぜッ─────ッ!!
、` ー-===-゚---゚==‐' /
、`¨フ>;''ニニゞ,;アニニY´; )     こんなクズには出会ったことが
_、;;)¨´,ニ=゚='" ,.ヘ=゚:く {ッリ'        ねえほどなァ────ッ
i1(リ        r;:ドヽ K
ヾ=、     に二ニヽ `|; )      環境で卑屈になっただと?
_,ノ| i.     {⌒゙'^ヽ.{  i;; ヽ        ちがうねッ!!
_,ノ!i ヽ、  ヾ二ニソ ,';;;  ;;冫=:、
_;(|.!.  \   ‐っ /!;;; ;;/ 、''"\__  こいつは生まれついてのクズだッ!
'ト、\.   ,ゝ、.二..イリ\ / ー1\'ニゝヽ_
:ヽ  `ニア   ,. -┴‐‐'  ー-:l :=ゞ=ソ」=ヽ   双葉さん
:::::\ ニ=ト、.i___`ー-┴-、ノ .   l __l| ,ニト、くヽ
l::::::::::\ー:ト      __}/ト、゙ ー-‐| ,ニ|ゞ=ハ `¨´ー-  早えとこ
;ニ=ー:::::::ヾト、._    ̄ ノ|::ヽ ニ._‐-ゞ=' .ノ ::|::::::::::: アク禁にしちまいな!
:\:::::::::::::::ヽ   ̄ ̄ !:|:::::    ̄ ̄  ::::|::::::::

365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/25(日) 23:24:57.83 ID:IG0AuyqAO
ハブ酒にウェスカにラグ・・・このスレには害悪しかおらんのか!
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/25(日) 23:35:19.27 ID:ER9NgpVSo
>>56
【上辺を取り繕った甘いだけの問いを重ねれば、相手が見せたのは安らいだ笑顔と愛らしい仕種】
【自分に縋りついて、与えられるまま歳不相応に甘えて――先程までの悲嘆など、もはや見る影もない】
【私情はともかくとして、何でも屋としては喜ぶべき事だった】

…………ああ。俺のこと、好きなだけ頼ってくれて良いからね。
俺だけは何があっても、ずっとずっと君のお友達だから。

今までよく頑張ったね、君は偉いよ。寂しいのも痛いのも、一杯一杯我慢して……辛かっただろ。
もう良いんだよ。君はもう、十分過ぎる程に苦しんだ。これ以上、独りで抱え込む必要は無い。

【顧客≠ヘ自分の奉仕に満足してくれているのだから、これ以上は望むべくもない】
【青年は少女の注文に答えるべく細い躰を優しく抱いて、耳元に唇を寄せ】
【幼子をあやすように背中や頭を撫で摩りながら、優しくもどこか御座なりな言の葉を重ねる】

(そうだ――もう十分だ。これで良いんだ、きっと。俺は需要を供給してるだけだ、間違ってなんか無い)
(だからこの子の前ではいい人≠ナあろう。都合のいい、どうでもいい人で居続けよう)

…………好きだよ、鈴音。大好き。

【毒にも薬にもならなくていい、なんて。自分を納得させる為の詭弁と、もしもの時の安全策ばかりを、心の中で練りながら】
【――ぎゅう、と。誤魔化しに一際強く少女を抱き締めて、偽りの愛を囁いた】

(しっかし、俺にも焼きが回ったか……これじゃ、人のコト笑えないや)

(…………一体どうしてるかな、あの娘。待ちくたびれて、もう寝ちゃってるかな)
(待っててくれたら嬉しいなぁ、なんて――――不誠実だよね、仕事中に)

【それから少し経って、ふと彼は空を仰ぐ。傾きかけの白い月を肩越しに見つめて、ぼんやりと想うのは――――】

【――――――――。】
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/26(月) 09:16:15.98 ID:Ic9BOLlAO
>>366

wwwwww
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/26(月) 21:23:39.15 ID:Rq5li5lio
【路地裏】

ああっ! もうっ! ムシャクシャするーっ!

【薄暗い路地裏に、フラッシュが焚かれる様な閃光が走った】
【一度ならず二度、三度と瞬く光と共に、甲高い女性の声が空気を震わせる】

ねー? どうしたら良いと思うー?

「う……」

【壁に背を預け、地面にへたり込んだ男性を威圧するように見下ろすのは、一人の少女】
【茶色いショートヘアから覗く耳には、いくつもの小さなピアス】
【長い付け睫毛に、薄いアイシャドー。唇にはラメの入ったリップ】
【そろそろ肌寒い季節に変わろうというのに、ホットパンツにタンクトップという軽装である】

どうしたら良いかって聞いてんだろ答えろよ不細工ゥ!

「ぎゃあああっ!!」

【少女は激昂したように叫ぶと、男の頭に右手を当てると――再び、光が路地裏を照らす】
【男は、少女が手を放すまで悲鳴を上げて痙攣するがままだった】

あーっ! もーっ!

【――八つ当たりのような理不尽な暴力は、しかし路地裏では目新しいものでもないだろう】
【男の悲鳴と、少女の金切り声と、瞬く光だけが、空間を支配していた】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/26(月) 21:37:02.49 ID:zq+t1Cl2o
>>368
くっそッ!!いつまで来るんだよ! あのストーカー!

【少女のいる路地裏の入り口の方から声がする】
【ジャリッと砂を踏みながらその声の主のいる場所に走ってきた】

【灰色の長めの髪を後ろで結び、ボタンを全て開けた学ランを着ている青年】
【瞳は拒絶といった感情が読み取れるくらいドス黒い】

【そんなネガティブそうな青年はようやく少女に気付き、立ち止まった】

これは...

【思わず二人がなにしてるのか分からず、言葉が詰まる】
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/26(月) 21:51:16.13 ID:Rq5li5lio
>>369

「う、ぅ……」

【どうやら男の方はまだ意識があるらしく】
【この場に現われた、新たな闖入者に気付いて、そちらへと手を伸ばす】

……?

【その仕草に釣られて、少女も男性にわずかに遅れ、青年の方へと視線を向けた】
【お世辞にも好意的とは言いがたい表情で、現われた人物を眺めると】

……なにジロジロ見てんのー?
キモいからあっち向いててくれるー?

【不機嫌さも露わに、初対面の相手へと手酷い言葉をぶつけてくる】

それともー。
キミもこーんな風になりたいとかー?

【少女は右手をかざすと、そこから青白い稲光が枝分かれして放射される】
【――こんな風、と言って、衣服が焦げ付き、地面に座りこんだ男性を目線だけで示す】
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/26(月) 21:57:08.45 ID:/3wUprsxo
【とある地方の小さな村】

老人を先頭に一列に並び、順に車に乗り込め
無駄な抵抗は推奨しない。

【辺境のある村に、感情を灯さぬ鉄の如き声が響いた】
【2mを超える巨体を黒のスーツで包み、服の上からでも鍛えあげられていることが判る筋肉の膨らみ】
【漆黒の髪を短く切り揃え、巌のような顔つきにサングラスを掛け目元を隠している男が声の主であった】

俺の言うことが理解が出来ないならば、貴様らの脳でも理解できるまで教えてやる
弱者は強者の餌に過ぎん。余り俺を怒らせないことだ

「――――ッッ!!」

【男はグローブのように大きな手で村人であろう男を鷲掴みにして吊るしている】
【どのような握力を加えられているのか、村人の頭蓋からミシミシと音が鳴り】
【それを他の村人に見せつけるようにしながら、行動を促す】

【男の背後には大きな輸送車】
【その輸送車には「カノッサ機関」を表す紋章が刻み込まれていた】
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/26(月) 22:01:49.48 ID:FY4COKB10
【森林】

ハァッ、ハァッ…………ッ!
「……どうした、そろそろ一息入れるか?」

【薄手のトレーナーの上に赤いジャケットを羽織った、左目を縦に走る傷跡が目立つ、背中に掛かる程度の青い髪で】
【右腕に、鈍い金属光沢を放つ、先端に水色と橙色をした球体と、剣の様な物が埋め込まれた、何かの射出口らしきものも備えられている、物々しい義手を装着した少女と】
【短く刈りあげた髪に、上下黒で揃えた服の上から更に黒いベストを着込み、右目の周囲に古い火傷の跡がある青年が】

【ある程度開けた森の中、月明かりに照らされながら対峙している】

≪姉貴……いくらなんでも無茶のしすぎっすよ!
かれこれ2時間半、打ち込みっぱなしじゃないっすか!≫
冗談…………まだまだ足りないのよ、あたしは……
この程度じゃ、まだ……自衛をするには、心もと……なさ過ぎるから…………
「ったく……最近のお前、すげぇ根性だよな……
付き合ってるこっちも、ボロボロになってくるってよ…………」
……出来れば、自衛をするだけ、じゃない…………助けたい、から…………体力が尽きた時、物を言うのは……精神力でしょ?
"今、鍛えたいのは肉体や技術ではなく、根性と言う事か……"

【少女の傍らには、青い炎を纏った、やけにデフォルメされた髑髏が浮かんでいる】
【が、その姿や声は、魔力持ちなどでなければ感知する事は出来ないはずだ】
【また、青年の左袖が、違和感が無い程度に少しだけ膨れている】

【対峙する二人の間には、緊迫した空気が張り巡らされているが】
【不思議と、両者の間に殺意の様なものは感じられない――――組み手と称するのが、最も適当か】
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/26(月) 22:03:05.59 ID:zq+t1Cl2o
>>370
おっと!...お取り込み中だったか....

【少女の電撃を見て思わず一歩ほど後ろに下がる青年】

悪いが黒こげにされるほど変態趣味は無いからな...すまん、見知らぬおっちゃん...助けれなくて
【無駄な争いごとは避けたいのか】

【男に軽く念仏唱えてさっさとこの場を離れようと来た道を戻ろうとする瞬間】


【ドルンドルンと機械音】
【チェーンソーの様な音だ】

やっばッ!! あの野郎ッ!


【青年の顔が青ざめる】

【もし少女が彼の声を覚えていれば】
【先程「ストーカー」とか言っていた事を思い出すだろう】

【この青年が何者かに追われているのは何となく分かるかもしれない】
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/26(月) 22:14:39.06 ID:Rq5li5lio
>>373

【青年の物怖じした様子に、少女は小馬鹿にしたように鼻を鳴らした】
【それで興味は失せたのか、再び男へと八つ当たりを再開しようとしたが――】

……今度は何ー?

【耳障りなエンジン音を聞きつけて、再び青年のやってきた方へと振り向いた】
【不愉快さを滲ませたその瞳は、未だ音の主は姿を見つけられないが】

【――『厄介ごとを持ち込んだ奴が居る』事は、理解できたようだ】

キミ、なんなのー?
そーゆー近所迷惑なのはぁ、どっか違うとこでやってよねー。

【やかましいエンジン音に、ストレス解消の邪魔をする気配】
【少女の矛先を、眼前の暗そうな印象の青年≠ノ向けさせるには、どちらも十分な要素だろう】
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/26(月) 22:31:52.01 ID:zq+t1Cl2o
>>374
(追って来るのはあの「クソ野郎」)
(道を占領するのは電撃女)

【頭の中でどっちが危険考えるのに、時間はかからなかった】

おいお前....頼みがある

【青年はチェーンソー音から一歩ずつ後ろに下がる】
【つまり少女に背中を向けつつ、近づきながら言う】

初対面の男に頼まれて図々しいとは思うが...
俺が隠れている間、俺がここにいる事を黙るか、聞かれても嘘ついてくれないか...

【音は一歩ずつ近づいて来る】

俺は既にあいつと何度か鬼ごっこしてるけれど、もう限界だからな...

【よく見ると青年の服は所々切れている】
【刃物とは違った荒い切り口...チェーンソーの切り口だ】

お前の頼みもできる事なら請け負うから...頼む...

【少女の方を、目を見て真剣に言った】
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/26(月) 22:41:16.15 ID:Rq5li5lio
>>375

ハァ!?

【図太さを自認しながらも頼み込んでくる青年に、少女の反応は芳しくないものだった】
【だが、そうして非難するような声を上げた後――一転、何かを考えるように大人しくなる】

ふぅん……。
アタシの頼みも、『できる事』なら、やってくれるんだぁ?

【僅かな間の後、少女の口から出てきたのは、悪巧みを感じさせる言葉だった】
【青年の必死の嘆願は――道端で男を嬲る女性に向けられるには、無用心なものだと言える】

【少女はなぜか愉快そうにそっかそっかー、と一人で納得すると】

ホラホラ、早く隠れなよー。
ちゃーんと、匿ってあげるからさー。

【先ほどまでとはうってかわって上機嫌な様子で、近場の物陰を指差す】
【――己の言葉を撤回するなら、恐らくは最後のチャンスだろう】
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/26(月) 22:46:09.41 ID:Ic9BOLlAO
あの谷山にも見限られたスレはここですか?
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/26(月) 22:57:57.74 ID:zq+t1Cl2o
>>376
(....あれ? なんか嫌な予感)

【心の中でそう思うがもう遅い】
【音の主がもうすぐそばまで来ているのだから】
【迷ってる暇はないのだ】

あ....ありがとう!

【そう言い、青年は物陰に隠れる】
【息を潜めて待つこと10秒程】

【音の主が姿を現した】
「フーンフフーンフフーン♪
おや?お取り込み中だったかな?」
【少女ともう背景と同化しつつある黒焦げ男を見ながら言った】

【鼻歌を歌いつつ、現れたのは長身の男】
【赤い長髪を揺らしつつ、メガネをかけ、キッチリとしたスーツに身を包んだ柔和そうな男だ】

【両手に持った少々小型のチェーンソーを見なければの話だが】

「ねぇ君、ちょっとお兄さん聞きたい事があるんだけどいいかな?」

【ニッコリ笑って話しかける男】
【側面にけっして古くない血のついたチェーンソーを持ってるため少々不気味だが】

【少女に視線を合わせて言う】

「この辺りで君と同年代ぐらいの男の子を見なかったかな?灰色の髪のネガティブそうな子」

【間違いなく物陰に隠れている青年だろう】
【「見てたら教えてくれないかな?」そうニッコリ笑って言う】
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/26(月) 23:09:19.34 ID:Rq5li5lio
>>378

うるっさーい。

【音を立てるチェーンソーに対し、両耳を手で塞いで抗議する】
【あからさまな示威行為に、少女は不機嫌そうな表情を作って、男と相対する】

ウザいなぁー……。
今日は次から次へと邪魔ばっか入るー。

【さも少年を邪険に追い払ったかのような演技で、男に対する】
【あまり頭の回らなさそうな印象とは裏腹な、なかなかの役者っぷりである】
【演技は女性の武器、とでも言うつもりだろうか】

……ネクラそうなのがー、さっき悲鳴上げながら向こうに行ったよー?

【男性がやってきた方とは真逆の方向を指差して、男にミスリードを試みる】
【男の柔和な――チェーンソーを除けば、の話だ――態度には、あまりにも無愛想で、失礼な対応だが、果たして】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/26(月) 23:09:33.21 ID:cHE0tmLfo
>>371
【身に纏う厳めしい雰囲気に、如何にも屈強そうな面構えの男が】
【悪名高き機関の紋章引っ提げて、駄目押しとばかりに人質片手に示威行為】

【この世界にはありがちな、結果の解りきった安い悲劇だった。抵抗した所で、村人達には為す術もあるまい】
【このまま事が進めば、彼ないし彼女らは実験体なり奴隷なり、各々悲惨な末路を遂げるのだろう】

弱者は強者の餌に過ぎない……か。成程、好い事を聞いた。
そこのお前。無理を承知の相談なんだが、出来ればオレにも一枚噛ませてくれないか?

【――と、そんな所に。後方、恐らくは村の正門辺りから、冷淡な響きを帯びた中性の声が】
【さも知己に挨拶するような軽い調子で、馴れ馴れしく男を呼び止める】

【からころと近づく、耳に心地好い下駄の足音。言動からして血と金の匂いを嗅ぎ付けたならず者か、或いは――】
//まだいらっしゃいますか?
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/26(月) 23:25:15.64 ID:zq+t1Cl2o
>>379
「うるさい? あーごめんごめん」
【ようやくチェーンソーのエンジンを切り、静寂が帰ってくる】

「悲鳴あげながら逃げたのかい?あの無力君が...くっくっく...」
【少々吹き出しそうに手で口を抑える男】

「ちょっとでもやる気出せば僕を倒す程の「殺尽鬼」になれたのに...腕一本持っていったら本気だしたかな?」
【不気味な独り言】

「やれやれ、家出してたからただでさえ弱いのにもっと弱くなってたのかな?」
【家出...というと、この男は青年の身内かもしれない】

「鬼ごっこはまだ終わらないか...俺一人もなんだから無欲ちゃんにも鬼役頼むかな」

【独り言を言うと、合わせていた視線を戻す】

「ありがとうねお嬢ちゃん、もしさっきのネガティブ君に会ったら[無楽お兄ちゃんがさがしてますよ〜]って伝えてくださいね」

【そう言うと、くるっと青年が逃げたと言われた方向に鼻歌交じりに歩いて行く】
【放っておけばそのまま何処かに消えていくだろう】
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/26(月) 23:25:52.41 ID:/3wUprsxo
>>380

――素性の知れぬ者を引き入れる必要性を感じん。
俺の手伝いをしたいならば、機関のジャケットを着てから出直して来ることだ

【男は、感情の起伏を映さぬ声でそうとだけ告げ】
【握っていた村人を足元へ落とし、声の主を威嚇するように腹部を足で踏みつけ】
【爆音と共に「風船のように四散」させた】
【周囲から湧き上がる恐怖の悲鳴。――大凡筋力だけで可能な所業ではない。】

居合わせたならば、貴様も同様に俺の指示に従ってもらおうか。
無論、拒否権などは与えん。
――抵抗するか否かは自由だが、勧めはせんぞ。
鼠のように大人しく震えているならば、最低限の人権は考慮してやろう

【サングラスで隠された視線を、ただ静かに声の方向へと向け】
【機械的な動作で身体を反転、大きな足で地を踏みしめて其の主と対峙しようとするだろう】

/いますけれど、今日絡めるのは0時までになってしまうと思います
/すみませんが、時間になりましたら続きはまた後日にとしたいのですがよろしいでしょうか?
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/26(月) 23:33:20.58 ID:Rq5li5lio
>>381

……どーでもいーけどー。
独り言ブツブツ言うの、キモいから止めた方がいーよー。

【髪に手をやって、手櫛で解きながら、少女には理解できない言葉を呟く男性にそんな事を言う】
【少なからず距離感を置かれている、という雰囲気が、男にも伝わるだろう】
【――もっとも、それで気にする人物像とは、少女にも思えなかったが】

はーいはい。またこっちに来たら言っとくー

【投げやりに手を振って、恐らく無楽というのであろう男性の言伝を受け取ると】
【あとは黙って彼が道から過ぎ去るのを見送る】
【――彼の後姿が見えなくなったのなら、物陰に隠れている青年へと声を掛けるだろう】

もーいーんじゃないー?
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/09/26(月) 23:38:49.72 ID:WHZZQ4Cz0
>>366

……ほんと、う? ほんと?
本当に、…………いい、……の?

……………………――――。

【優しげに声を重ねられて、抱きしめられて、囁かれて】
【元より鈍い思考回路が、溶けて、さらに駄目になっていく】
【握り締めた服を、さらにぎゅうと握り締めながら、背伸びして、本当かと数度重ねて尋ねて】
【首を傾げていたが、そのうちに重ねられる、自ら強請ったその言葉に】
【心の底から嬉しそうに、光のない瞳を蕩かせて。それから、にこりと笑む】

【嬉しそうな勢いそのままに、ぎゅーっとカイの身体を抱きしめて】
【……余程嬉しかったか、足までぱたぱたさせて】

――――――わたしも、だいすき。

【抱きしめられれば、そのままに身体を預けて】
【楽しむように少し押し黙ってから、そう返し、顔を上げれば】

…………。

【目が合うことはなくて、ほんの僅かにきょとんとした表情を浮かべ】
【その視線を追いかけようと緩く首を捻って、やめる】
【その代わりに、こちらからもぎゅうと強く抱きしめ返し――】


【そうして少し、時間が経てば。子供にはいい加減眠い時間となってきたか、たびたび欠伸を繰り返すようになって】
【頑張ってはいたが、生理的欲求には敵わなかったらしい】
【ひどく惜しむような様子を見せながら、「寝るの。」なんて、口にして】
【身体を離して、一歩、二歩。後退してから、「またね」。子供みたいな笑顔と共に、投げてから】
【鈴の鳴く音を後に残して、そのまま。街のほうへと走って行った、……らしい】

/おつかれさまでしたー!
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/26(月) 23:46:22.81 ID:zq+t1Cl2o
>>383
もう大丈夫か...?

【物陰からひょっこり顔を出す青年】
【ようやく安全になったからか彼の顔が少し明るくなっている】

やれやれ...あのクソ兄貴...無欲姉さんまで手中に収める気か...
このままじゃヤバイな...どうすれば...

【勝手に独り言を始める青年】
【どうやらそこのところは兄であろうあの男・無楽とそっくりだ】

あ、そうだお前のお陰で助かった....
一応、礼は言っておかないとな...ありがとう。

【青年は軽く頭を下げて言う】

えっと...こっちも借りを返さないとな...何をすればいいんだ?

【青年は少女に聞いてみた】
【先程まで感じていた嫌な予感を抱きながら】
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/26(月) 23:56:03.77 ID:Rq5li5lio
>>385

【独り言を呟く青年――恐らく、無力という名前なのだろう――に対して、少女は蔑むような視線をぶつける】

……。

【青年は、無楽の独り言を聞いていた、ということは】
【同時に少女から無楽へと向けられた言葉も、聞いていたという事である】

【同じ年頃の少女にキモいと言われて、一切気兼ねするところが無いのは賞賛に値する図太さなのかもしれないが】
【どうやら、少女はそれが気に入らない様子だった】

パシリ。

【短く、あまりに端的過ぎる言葉で少女は己の欲求を口にする】

アタシー、パシってくれる奴が欲しかったんだー。
あ、もちろん、アタシの言う事には何でもゼッタイフクジューねー。

とりあえずまずはぁ、独り言キンシー。キモいからー。

【――余りにも一方的な物言いな上に、青年の意見すら取り合わぬ身勝手さである】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/27(火) 00:06:18.87 ID:ugS1D5Aso
>>380

なぁんだ、ツレないの。……でもまあ、それはそれで好いんだ。
「一枚噛む」とは言ったけど、「お前の手助けをする」とは一言も言ってないし、さ?

……ああ。オレはただ、お前の言葉に酷くそそられただけなんだ。

【ひゅう――悲鳴をBGMに、口笛が冷やかすような音色を立てる】
【派手に爆ぜ飛んだ人質を悼む事も、目の前で行われた殺人行為に怯える事も、微塵とて無く】
【くつり。近付く人影は、喉奥から込み上げる剣呑な笑いを隠しもしない】

だから、御断りだよ。お前にオレの行動を縛る権利なんて、これっぽっちも無い。
折角有った唯一の強制力も、今はお前の足元でミンチになってる事だし……。

……同類。悪いがオレは、甘んじて火の粉を被る気は無いぜ。
お前が「どうしても」って言うんなら――目には目を、だ。

【振り向けば其処には、闇に溶ける暗色の和装に身を包んだ、夜空色の髪に白皙の女】
【その腰には刀が長短双振り。左手には短刀がもう一振り、逆手に構えられている】
【鞘擦れの音は一切無かった。とすれば既に抜いていたか、或いは悲鳴に紛れて――どちらにしても、手慣れた物だ】

【刃めいて鋭い、これまた無機質な声で、反抗の意志は示された。】
【彼我の間合いは十と数メートル、戦いの火蓋が切って落とされるまで、恐らくは幾許もない】
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/27(火) 00:08:30.20 ID:4qZ7xITuo
>>386
パ...パシリ...?

【青年は自分がパシリ役なった事に数秒程時間を置いて気付く】

はぁ...
(今から兄貴追いかけて戦ってこいとかじゃないだけましなのか...)

【ため息をつきつつ、そう思う】
【青年と無楽では実力が桁違いなのだ】

【ついでに独り言禁止の命令を守っている】

【それに...と心の中で続ける】

(俺じゃ兄貴は倒せない...この子の近くにいた方が安全か...)

【勿論、盾にされて戦わされる可能性がよぎったが、考えたらキリがないのでやめる】

わかったよ...やればいいんだろ...超自己中な、お嬢様

【仕方なさそうに頭をかきながら言う】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/27(火) 00:10:25.81 ID:ugS1D5Aso
>>382
//把握しました。取り敢えず今日の夜に舞台裏で呼びかけますので、都合が付きましたらお相手宜しくお願いします
//あと、>>387は安価ミスなのです……それでは、また。御休みなさいませ、よい夢をー!
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/27(火) 00:21:30.55 ID:RsXrojCZo
>>388

おー? 従順だねー。

【一切拒否の言葉を口にしないどころか、こちらの提案を一発で呑んだ青年の対応は】
【さすがの少女を持ってしても、予想外であったらしかった】

うーんー。
ちょっとどころか超ネクラ君だけど、まー良いやー。奴隷っぽくていいよねー。

【改めて少年の様子をジロジロと観察し、本人を前にして明け透けな評価を下す】

【すっかり舞い上がった様子の少女の耳には】
【少年が口の端に登らせた、悪意ある修飾詞など、意に介されない】

じゃ、キミ今日からアタシのパシリねー!
あと、アタシの名前はリョーカ。道端でお嬢様とか呼んだら、焦がすからねー?

【強力な折檻の内容をあっけらかんと言い渡して、少女は己の名を名乗った】
【ついでに、携帯の番号も青年に渡して】

アタシが呼んだらー、どこにでも駆けつけてー。
アタシの頼んだ事はーちゃんとやるんだよー?

【――パシリ心得その1その2、とでも言ったところか】
【そんな身勝手な要求まで押し付け始めた】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/27(火) 00:31:21.77 ID:4qZ7xITuo
>>390
やれやれ...
(ずいぶん身勝手なお嬢様だ...)
【そう言ってリョーカに自分の携帯番号を教える】

さっきの会話で知ってると思うが、俺の名前は無力。神崎無力だ
【一応自己紹介しておく】

ついでにさっきのオトコは俺の兄の神崎無楽だ。
年下の女の子好きだから気を付けろよ
【ついでに警告】

わかったよリョーカ。
兄貴達に見つからない限り、暇人だからすぐこれるからな...

【学校にも行ってないようだ】
【このご時世珍しくもないが】

【とりあえず、リョーカにとっていい感じのパシリになりそうだ】
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/27(火) 00:39:44.96 ID:RsXrojCZo
>>391

無力……無力ねー?

【――無力という名前の異常さは、学のないリョーカにも良くわかる】
【まぁ、偽名か何かかな、と勝手に思い込んで、名前を覚えた旨を伝えた】

ふーん?
まー、チェーンソー振り回してー、独り言呟く奴とかありえないからー。

大丈夫だと思うけどねー?

【微妙に、無力の警告を違う風に捉えて】
【自分が無楽になびくことは無い、と返答する】
【自分が『無理やり』にどうこうされるような事態は、ありえないとでも考えているのだろうか】
【だとすれば、随分と傲岸な少女である】

じゃあー、そーゆーことでー。
今日は帰っていいよー。まったねー?

【出会ったときからは想像も付かないような上機嫌さで、少女は無力を放って、路地裏を去っていく】
【特に呼び止める用事が無いのなら、そのまま彼女は路地裏に消えるだろう】

【後に残るのは、リョーカの暴行によって、あちらこちらを焦げ付かせて気絶した男性の姿だけ――】
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/09/27(火) 00:52:12.11 ID:4qZ7xITuo
>>392
やれやれ...家出した時とはずいぶん状況が変わっちまったな...

【去ろうとするリョーカの背中を見つつ、そう言った】

俺も...今日は休もう...明日からなにされるか分からんし...

【無力も、また別の場所へ歩いて行った】



【廃ビル屋上】
「やれやれ...「殺尽鬼」候補が今やパシリか....面白いねぇ」
[そうね、お兄さん....どうするの無力は?]

「しばらく泳がせようかな...僕もちょっと休みたいし...無欲も休みたいだろ?」
[そうね...そうさせてもらうわ...私もこの街が気に入ったからそれに...]



「[うちの弟誘ったあの娘も気になるし]」


/ありがとうございましたー!
/ちょこっと謎を残して続きはまた次の機会にしようかと思います

/お疲れ様でしたー!
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/27(火) 00:52:47.06 ID:RsXrojCZo
>>393

/おつかれさまでした!
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/27(火) 19:52:25.15 ID:TpFcMCLWo
>>387

……警告はした。
その上で牙を剥くというのならば仕方あるまい。

【サングラスを外し、鷹のように鋭い両眼を顕にしながらもスーツの胸ポケットに仕舞い】
【襟元を正し、村人の血と臓腑で汚れた革靴を地面に擦りつけ払う】
【死闘の幕開けというには余りにも冷静で、機械じみた動作】
【緊張というものを感じさせない仕草であった】

――武力を以て制圧する
古来より力ある者は弱き者を従わせる権利を有すると云う事を
平穏という名の蜜に溺れた羊たちに我らカノッサが叩きこんでやろう。

【男は感情の起伏の無い平坦な声でそう宣言すると】
【構えもせず、散歩でもするかのように女のほうへと無造作に歩き出した】
【拳を握らず、「気を付け」をしているかのようにピンと指を伸ばし揃え】
【踏み出す脚や揺らす肩にも特別武術に通じるような動きは見えない】

【だが先程村人を四散させた力から、何らかの異能や特殊な技術を習得していることは確かである】
【出来の悪いブリキのロボットを彷彿とさせる無感情な動作】
【その男の動きは――数歩、約4m程女へと接近した地点で変化を齎した】

……ふん

【重厚な一声と共に、男は其の場の地面を革靴で大きく蹴り飛ばす】
【その瞬間、小型爆弾が炸裂するような音が鳴り】
【蹴りこまれた地面が大きく前方に向けて爆散した】

【その結果、女に向けて飛来するは多量の土や石の群れ】
【距離もあるため到達するまでに減速し、もし命中したとしても大したダメージにはならないだろう】
【だが顔などに無防備に土や石を受けることになれば、数瞬の隙を作ることになる可能性がある】

【牽制、試しの一手】
【相手の手札や身体能力を見極める材料を探すための行動であった】
【女はこのアクションに対して、如何なる対応を取るだろうか】
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/27(火) 21:42:14.27 ID:ugS1D5Aso
>>395
【忠告をにべもなく跳ね除ければ右足を引いて半身を切り、短刀を腰の高さに構え】
【女は鋭く相手を睨み据え、彼の一挙一動に至るまでを仔細に観察する】
【中でも一際注意を払うのは、その足運びである――先程見せた、能力と思しき「何か」を警戒しているのだろう】

……負けようが従おうが、何方にしたって行き着く先は地獄の底さ。
だからこそオレは抗う。誰もが飼い慣らせる羊ばかりと思うな、機関の狗め。

【彼女には村人の五体を吹き飛ばした一撃が、如何なる原理による物かは解らない】
【しかしどう控え目に見ても、あれは人外じみた威力を持っていた。様子見を選びたくなるのも道理ではある】

【一歩、二歩。傲岸な言い種とは裏腹に、薄氷の上を渡るよう慎重に歩みを進めながら】
【張り詰めた空気の中、男の行動を待ち――そうして、彼我距離が一桁にまで縮まった時】

(――――来た!)

【男の脚が、大きくバックスイングされた。これを予備動作と見て、彼女は右前方へと大きく踏み込むと】
【間髪入れず響く炸裂音。飛び散る土くれから右腕で目を庇いつつ、更に間合いを詰めに掛かる】

【蛮勇か、或いは牽制と見抜いての事か。彼女が選んだのは、一気呵成の速攻であった】
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 21:51:24.32 ID:1g+0i9mE0
【路地裏】

考えてみりゃ、ご無沙汰だったねぇ…………久しぶりにうきうきしてくるってもんさ
「う、ぉ…………が――――――――はっ」

【銀色のウェーブがかったロングヘアーに、黒のライダースーツで全身を固めた、目元をサングラスで隠す、毒々しい赤い口紅が印象的な女性が】
【半ば肉塊と化した人の上に座り込みながら、口元を満足げに笑ませている】
【その細い首筋には、『Canossa 616』と刻み込まれたプレートのついた、金属製の首輪がはめ込まれている】

さて……代わりはいくらでもいるんだ
そろそろ、あんたも人生終わらせたいだろ?
素晴らしいじゃないか……さんざ満足に生きれてきたんだからさ……最後くらい、ちょっと苦しくたって、良いもんだろ…………なぁ!?
「ご、ぅ――――――――」
…………ふぅ
さて……次は誰があの世に飛びたいかい?
「――――ッ!!」

【鋼鉄の右腕の一撃が振り下ろされ、一人の人間の命が散る】
【そのそばには、次なる犠牲者役と言う事なのだろうか。4人の男女が足をやられた状態で転がっている】
【満足げなため息を吐きだした女性は立ち上がり、次の獲物を品定めする――――】
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/27(火) 22:00:33.56 ID:TpFcMCLWo
>>396

互いの意志など最早無意味
敗者の意志など暴力の末にて勝者が決定する物だ
抗うというのならば、其の痩せ犬の牙を俺に届かせてみろ女

(――速度、判断能力は常人以上)
(異能の有無は不明。接近/数歩にて間合いに到達か)

【男は相も変わらず起伏に乏しい声で返事をする】
【純粋なまでのバトルジャンキー、恐らくは大半の基準が闘争に収束しているのだろう】
【戦闘以外の感情が欠落した一人の異常者は、ただ向かってくる女の姿を眼に収め】
【大股で一歩、足を踏み込むと同時に――】

フッ――――

                          【 < 空 虎 > 】

【――短く息を吐き、再び「異能」を発現させた】
【強く足を踏み鳴らすと同時に、開いたままの掌を女のほうへと向けて思い切り突き出す】
【構えは「掌打」、掌を相手に打ち付けるようなものであった。距離があり一見素振りのようにしか見えないが】

【しかしその瞬間、パァン!と空気が炸裂し大気が歪む】
【そして掌打の延長線上に無色の「衝撃波」が流れていく】
【威力は然程高くなく、掌打の延長であるため範囲も広くはない】
【だが衝撃波に接触した場合、衝撃によりノックバックや体制崩しの効果を受ける可能性がある】
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 22:06:45.76 ID:9m8Crzbyo
>>397
【ひゅっ】
【真上から、鋭い切れ味のナイフが貴女の肩を切り裂くように飛んでくるだろう】
【もし貴女が其れを防ぎ、そのナイフが投げられた方向を見たならば】

――――。

【貴女がそのナイフを投げた人間を確認する前に凄まじい閃光が貴女の目を焼くだろう】
【目潰し、である。そして、其れと同時に飛び降りてくる人間の音がする筈だ】
【成功しなくても、その張本人は飛び降りてくるはずである】
【しゅるる、とまるで丈夫なワイヤーか何か≠利用して降りているような音だ】

‥‥警察か、ああ。至急、救急車と車を頼む。
できる限り、全力で早くだ。

【そんな、何処かで聞き覚えの有るような声が、響くだろう】
【貴女に一度だけ出会い、治らない傷を負った、一人の少年の声が】

【着崩した制服姿が特徴的な小柄な少年である。背丈は恐らく160cm程、年齢を考慮すれば成長は見込めない】
【冬服の学ランの前は開けられ、シャツは当然のように裾を出してボタンは3つ開けていて】
【白骨よりも白い髪は、ハリネズミの様につんつんに逆立てられており、すごく刺さりそうである】
【右目の部分には、大きな傷が一閃と撃ちぬかれた跡があり、少し見た目が悪い】
【腰にはベルトポーチを巻いており、その中には様々なモノが入っている様だ】
【特に印象深いのは、その双眸だろう。ぎらぎらと意思の光を宿した瞳は鋭く、しかしまだ少年らしさも残している】

【―――谷山 基樹≠ェそこに居た】

【貴女が、視力を取り戻せば、目の前に彼の姿が映るだろう】
【そして、貴女が己を確認したのを確認してから、青年は口を開く】

‥‥通報しといたぞ、最寄りだから一〇分もしないで警察も救急も来るだろうさ。
さて、どうする?

【足元のナイフを拾い上げながら、青年は貴女に問い掛けるだろう】
【止めるにしろ、決着をつけるにしろ、後ろに誰かを背負うのは不利に過ぎる】
【故に、この場≠ノとどまりにくい状況を作り、場を変えさせるつもりであった】
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 22:27:01.09 ID:1g+0i9mE0
>>399

――――ん!?

【悦に浸りながら足元の人間を見下ろしていた女性――――ブラックハートがナイフに反応したのは、一瞬遅かった】
【左肩に、鋭く――――とまではいかないものの、ナイフが突き立つ】
【しかし、痛みに顔をしかめたりはしない。そんな事よりも先に、こうした状況ではするべき事がある事を、彼女は十分に理解していたのだ】

――――目くらまし、ねぇ…………この搦め手…………

【しかし、二撃目の目くらましは不発に終わる】
【サングラスが閃光を遮ったからか――――否、たかがサングラスに、兵器として昇華された閃光を防ぎ切れるはずもない】
【第一、振り返った時にサングラスは吹き飛び、顔から外れてしまっている。つまりは、その下の目を露出した形となり】
【――――そこにあるのは、顕微鏡の対物レンズの様なカメラ――――人間の目などよりはるかに高性能な、光の受信機】
【こうした二重三重の牽制を繰り返す様な戦闘スタイルに、ブラックハートは引っ掛かるものを覚え、相手の姿を確認して、その違和感の正体を掴んだ】

――――――――ッ
お前かい…………谷山 基樹…………!!
随分と、久しぶりじゃないのさ…………今日は何かと素晴らしい日だねぇ…………ッ!!

【谷山と同じように、ブラックハートにしても、その外見は色々と変わっている】
【両腕は以前の様な自然に近いものではなく、一目で分かる鋼鉄の義手と化し、赤い長髪は針金の様な銀の繊維質の束へと姿を変え】
【かつて谷山の右目を潰した報いか何かなのか――――ブラックハートの眼も、オートメイション化された物になっていた】
【――――因縁の再会。だというのに、ブラックハートの顔にはどこか、随喜の様な物が浮かんでいた】

そうかい……あたしのために、わざわざ獲物を増やしてくれたってのかい?
――――冗談さ。あん時の続き…………とまぁ行く前に、いくつか話しておきたい事もある…………
そっちにその気があんなら、着いてきなよ…………血生臭い秘め事に、ちょうど良い場所なら知ってるからねぇ…………

【始めこそ、性質の悪い笑みを浮かべながらの皮肉を口にしていたが】
【何かを思い直したように一瞬口をつぐむと、真面目くさった表情で谷山にそう告げるブラックハート】
【そのまま、谷山の返事も待たずに歩きだすブラックハート。その背中も、まだ戦い時ではないと考えているのか、どこか無防備なものだ】
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 22:41:36.14 ID:9m8Crzbyo
>>400
―――ココら辺は、俺のシマでな。
巡回しといて良かった、今日は嫌な予感がしたんだ。

‥‥よう、ブラックハート、こっちは最悪さ。

【転じて谷山は、表面上の怪我は殆ど消えている。だが、皮膚に僅かな違和感を感じるだろう】
【体の一部に、わかりづらい傷跡が有る。もし、聡ければ、張り替えた≠フだと予想がつくだろう】
【すっ、と双眸を鋭く細めて、複雑な感情を込めて、貴女の名を呼んだ】
【己の身に、傷という疵の綱、絆を刻み込んだ相手だ、思わぬことなど無いはずがない】
【しかし、前あったときに比べて、徹底して冷静を努めており、しかし目を見ればそれは表面上の物と分かる】
【目には、漸く宿敵と出会えたと言う、正義の者にしては粘り気のある感情が、有るのだから】

‥‥話、ねぇ。正直予想外だ、アンタが其処まで聞き分けがいいなんてな。
まあいい、こっちだってそっちがそうしてくれるならそっちの方がいいんだしな。
付いてってやるよ、案内しな。

【一瞬だけ、虚を付かれた表情をして、しかし、貴女の言葉に嘘は無いことを理解する】
【また、冷静さの仮面を被り直して、己の意図。被害者を巻き込まないようにする行動が予想外に成功したことに、心のなかで一瞬ため息を突く】
【正直な話を言ってしまえば。谷山はこのまま戦闘に映られる可能性が8割ほどと仮定していた】
【しかし、それでも己の身を晒し、提案をしたのは。貴女が己との因縁を、感じている可能性を利用した2割の為だった】

―――は、何処に連れてかれるってのかね。
ま。地獄の釜か、それともどこぞの赤土の荒野か、闘技場か、何が出ても付いて行ってやるさ。
話くらいは、聞いてやるさ。もしかしたら、此処で終わり≠ゥもしれねぇんだから。

【ナイフを腰のシース(鞘)に差して、懐中電灯を腰にぶら下げる】
【己の武装をそつなく回収しつつも、シッカリと地面を踏みしめてブラックハートについていく】
【まず無いとは思う。相手の性格は、あの時の殺し合いで己に刻み込んでいるから】
【しかし、敵陣のまっただ中に突っ込まれる可能性も、考慮に入れつつ。薄く双眸を蛍光色に染めて後ろをついていった】 
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/27(火) 22:43:15.33 ID:ugS1D5Aso
>>398


……上等!

【もはや、問答は無用。彼女は裂帛の気合と共に、持ち前の俊足を以て眼前の敵手へと迫る】
【礫に強か打ち据えられはしたが、動作に支障を来すほどの事は無い。男を一足一刀の間合いに捉えれば、左腕を軽く引いて】

【突き出された手を払い除けつつ一閃せんと、フックの要領で短刀を振るう】
【しかし――空を切るかに見えた掌打は、尋常のものではない】
【掌打から間を置かず、その掌の先の夜気が歪んで勢いよく爆ぜた】

く、っ――!?

【衝撃波と真っ向から激突する白刃は、数瞬の拮抗の後大きく弾かれ、彼の腕には届かない】
【速く鋭い太刀筋は、自信に満ちた物言いに違わぬ手練れのそれだが】
【その性別ゆえか、重さを大きく欠いていたのだった】

【たたらを踏みつつも踏み止っては見せたが、その態勢は崩れ掛かっている。二の太刀を放てる状況ではない】
【追撃の好機、か。――彼女は態勢を立て直しつつ、さりげなく右手を袖の内に引っ込めた】
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/27(火) 22:59:00.00 ID:TpFcMCLWo
>>402

……

【男は踏み込んだ足と突き出した腕を戻すと、何故か追撃はせずに再び歩み始める】
【恐らくは最初の対峙よりも遥かに近い間合いであろう距離】
【無毛の大地を歩むが如く、岩石のような巨体を揺らし一歩一歩を踏みしめる】

【先の現象は明らかに「まとも」なものではない】
【異能か其れに準ずるものであることを察せられるだろう】

【判断材料となるものは幾つか見せた】
【「拳」ではなく「掌」を使う意味】
【爆音と共に炸裂する地面や大気】
【男の能力は至極――単純明快なものであった】

……どうした、貴様は足が早いだけの鼠か
遠慮などいらん。其の刃を俺に突き立てに来るがいい
貴様の技を、身体を、苦心の末に鍛えた全てを俺が否定し潰してやる

【そして、一足の間合いにて男は立ち止まる】
【深く踏み込めば互いに懐を狙えるであろう距離】
【不気味なまでの無構え。一見すると隙だらけにも見える巨大な男は】
【感情を灯さぬ両眼で女を見据えながら、すっと、両腕を少しだけ上げて挑発じみた言葉を吐いた】
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 23:00:20.23 ID:1g+0i9mE0
>>401

…………なんだいなんだい。夜の支部を落として意気軒高と思ってたら、そんなんじゃねぇ…………
どうせアレを起こしたの、お前の息が掛かってる面々だろ?

【思ったよりも深く静かな口調の谷山に、わずかに肩すかしを喰らう】
【無論、感じる敵意はあの時となんら変わっていない。本気で命をやり取りをした相手である以上、それは当たり前の事なのだが】
【何か張り合いの無さを感じたのか、ブラックハートは軽い口調を続ける――――言葉通り、どこか機嫌がいいらしい】
【――――人間と、その味方をする者は全て敵だという気負いが、以前よりも穏やかになった、と言うべきか】

――――あたしだって、他人と意志疎通する事もあれば、尋常だけじゃ済まない事態ってのもあるさ
まぁ、予想外って思われてもしょうがないとは思うけどねぇ

【ブラックハートには、谷山が倒すべき敵であるという意志が無くなった訳ではない。今でもなお、その思いはしかと胸に刻みつけている】
【むしろ、そうした思いをギリギリの所まで秘めておくために、敢えて口数を多めにしているのかもしれない】
【――――必要なのは、ただ1度の勝利をものにするための瞬発力なのだから】

(――――――――確かに終わり≠ゥもしれないねぇ…………谷山 基樹
分かってんのか分かってないのか…………随分と身体にガタが来てるみたいじゃないか?)

【谷山が口にした終わり≠フ言葉に、ブラックハートは背を向けたまま眉を潜める】
【以前、自分自身が潰した右目の事もあるが、どこか谷山の雰囲気が『萎れた』様に感じるのである】
【恐らくは、自分とのみならずに、様々な戦いに身を投じているのだろう。谷山 基樹とはそういう人間だと、ブラックハートも承知している】
【ならば――――修理の効くサイボーグ体である自分とは違い、生身の谷山にはその負担は蓄積されていく】
【谷山のそうした姿を見て、いずれ暴発する時が来るだろうと、ブラックハートは予見したのだ】



――――――――さて
ここなら文句ないだろう?

【10分後――――ブラックハートはとある廃ビルの中に谷山を招いていた】
【取り壊しだけが成されずに放置されているビルの様で、内部にはいくつかの業務用品の慣れの果てであるゴミ以外、何も残っていない】
【フロアを遮るものは何本かの鉄骨の柱しかないという、まっさらな空間である】

話……ってのは、別に大した中身でも、量でもない…………でも、お前とやり合う前に、どうしても確認しておかなきゃならない事さ…………

【恐らく、ブラックハートは幾度かこの場所を利用していたのだろう。残ったデスクの一つに慣れた様子で腰掛けると、上に乗っている真新しい本を中へと仕舞う】
【その本も、恐らくブラックハートの私物なのだろう。仕舞い込むのは――――後に予想される『嵐』から守るためか】

――――――――谷山…………お前、夢幻檸檬…………当然知ってるよな?

【一息ついたブラックハートが、前置きもせずに本題を切りだす】
【話題に上がったのは、かつての同胞である『人間ではない』女性だった】
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/27(火) 23:14:03.07 ID:H7x84erIP
伝説:ギラン
S-1:ル、ウェイン
S-2:太郎、織守、エロゲマスター、ハブ酒
A+-1:ラギデュース、森島、ルカス、シェン
A+-2:朔夜、エルメア、シャロ、サージ、ツァーリ、マリア、シズク
A-1:院長、双葉、アリエル、リロード、あやベン、サナ
A-2:ゼーロ、蒼線、ぱおん、キョーコ、クルス
B+-1:檸檬、杏奈、カレル、エルフェス、ルシア、スノドロ
B+-2:谷山、重太郎、鈴音、ギムレット
B-1:翠、リライズ、ミーナ、ハッピー、ロンメル
B-2:ミスド、朝宮、千年、レギン、ヴァーデッド
C-1:釈迦、セシリア、獅子堂、ヴァルトスラット、赤木
C-2:ガブ様、十束丸、ロウ、赤井、ガシャロ、真織
D-1:ヘイロン、白髪、毒牙、木蓮、シモン、神導
E-1:サバト、鵺、ジャーニッド、優志、神裂

害悪:ラグナ(ロール力ならD位?)、アルバス(B-2)、ノビタ(B-2)、晃(E-1)、優蛾(B-1 ウェスカか?)
    ウェスカ(B+-2)、dj(E-1)、鮮(?)、焔裂(?)、チェリオ(?)、キング(B-2)、悪人粛清(B-1)

もう4分の1残ってるか怪しいよな、こんな糞スレだから仕方ないよな
上手い奴らはみんな外部や別の世界に逃げたんだ、残念だったな
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 23:16:00.21 ID:9m8Crzbyo
>>404
―――否定はしない、というか事実だ。
俺は、負けたけどな。総合的に見れば、俺たち≠フ勝ちだったよ、あのヤマは。

‥‥ま、一枚か二枚位は噛んでたさ、終わったことだし今更隠すことでもない。

【立案者は別であるが、声を掛けたり折衝をしたりしていたのは事実】
【潜入して人質を救出した一員であるのも事実だし、その後の戦闘に出向いていたのも事実】
【あのあとも変わらず。否、それ以上に必死に、己の正義≠貫き続けてきたのだ】
【積み重ね続けた経験が、静けさを生み出した。冷静さが一番己を活かす事を知ったから】
【かと言って、熱を背負わないわけではなく、その双眸に熱を秘める=z

‥‥当然だわな、お前だって人間だ、わかっちゃいるさ。
つっても―――お前と話し合いして、仲良く和解なんてことがあり得ないことも、よく分かってる。
認められないからこそ、ぶつかってるんだから、俺らはな。

【静かさは、不気味なほどの物で。貴女が想いを秘めるのと同じように】
【己の中で煮えたぎる熱い思いを、灼熱を、圧縮し、さらに過熱させていく】
【――――静かに燃える灼熱の意思こそ、己の力そのものなのだから】

(―――本調子、じゃないわな。まだ治療中の身だ。だけど‥‥。
相手の虚を突くのが俺の筋道。どんな因縁があっても、やることは変わらない。
たった一つ、俺の道を貫くだけ、だ。)

(‥‥にしても、だいぶ変わったか。良い方に)

【谷山は、最近退院したばかりである。そして、治療の後遺症が未だに残り続けている】
【何の治療かは、貴女との戦いの中で、分かるかも知れなかったが】
【谷山は、ブラックハートの事を、再評価をしているのだった】
【前の刺々しさが少なくなり、僅かに違和感を感じ続けていた】

【―――そして、たどり着いたのは、廃ビル】

【そうそうに貴女に問いかけられた、その言葉に】
【僅かに表情を変えながらも、よどみなく谷山は答える】

‥‥知ってるさ、ダチだ。

【守り合う約を交わした、掛け替えの無い親友である】
【己の痛みを、己の弱さを知る、少ない友の一人】
【カノッサ機関に入っていたことは知っていた為、貴女の口から彼女の名前が出るのは分かったが】
【彼女に関連する、貴女の話題というものは彼にとっては皆目検討つかないものだった】
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/27(火) 23:17:39.69 ID:H7x84erIP
夢幻檸檬なんざもうこのスレには居ないんだよwwww
だから決着つけようとしてるんだろうがなwwwwwwpgrwwwwwwww
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/09/27(火) 23:21:52.03 ID:wj0sRt+AO
>>407

だなwwwwwwこのタイミング逃したらキャラロス出来ないもんなww
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/27(火) 23:25:47.67 ID:H7x84erIP
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/netgame/6804/1297748419/280-300

280 :名無しのお客様:2011/03/16(水) 01:46:32 ID:VGD/fOjA
やっちまった……
俺も今日から害悪の仲間入りか……
TUEEEの積りは無かったが、結果としてTUEEEをしてしまった……
キャラ性能の把握と、自分に扱いきれない設定、俺は害悪か
ああ、クソ、このまま逃げてしまいたいが、あのキャラ以外では問題なくロール出来てるし、皆と仲良く出来てるのに
くそ、どうしよう、おれはどうすればいいんだ、初めての失敗らしい失敗だけど、之を気に皆からハブられたらどうしよう
でもスレ辞めたくないし、どうすればいいんだよおれ……、害悪の仲間入りなんかしたくない……
でも、一回の失敗だろうと失敗は失敗だろうし……、どうしよう……、迷惑かけちゃっただろうし……
暫くほとぼりが冷めるまで、抜けるべきだろうか、でも他との絡みの重要メンバーになっちゃってるし……抜けると逆に迷惑かけちゃいそうだし……
ああ、どうすりゃいいんだ俺は!


283 :名無しのお客様:2011/03/16(水) 01:53:05 ID:VGD/fOjA
>>281>>282
ごめん、俺馬鹿だ、そうだよな
にしても、そこそこ長くなりきりやっててこれまで特に問題起こしてなかったのに、やっちゃったってことが凄く恥ずかしくて
迷惑を掛けたってのが、凄く申し訳ないんだ
当然謝ったし、反省は活かすつもりだよ
でもごめん、どこかに吐き出さなきゃどうしようもない気持ちだったんだ
愚痴、だろうし。ここで吐けばいいかと思って吐いたんだ、俺のゲロみて不快に思ったならごめん
うん、取り敢えず次の絡みからはもう一度初心に帰ってやり直してみる、思えば俺は少し傲慢になってたのかも知れない
上手い上手いとみんなに褒められて、多分自分のロールが大丈夫か疑問視しなくなってきてたんだ
逆に、自己のロールや、なりきりに対する姿勢を見つめ直すいい機会になったのかも知れない


288 :名無しのお客様:2011/03/16(水) 14:09:49 ID:VGD/fOjA
うん、なんかごめん。
気にしないで愚痴吐いてくれ、なんか恥ずかしいから俺のレスはあぼーんしといてくれ。
管理人さん、このレス見てたら>>281>>283とこのレス消しといて欲しいです、お願いします。


全部谷山さんの文体ですよね?流石谷山さんwwwwwwwwwwwwwwwwww
これ、谷山さんの思い出のアルバムwwwwwwwwww俺は愚痴スレ民の仲間だぜwwwwwwwwwwwwww
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 23:27:08.74 ID:1g+0i9mE0
>>406

(確かにねぇ…………まんまと支部を攻め落とされたんだから、仕方の無い事だねぇ…………)

【負けは、厳然たる事実として存在する。勝ちだと言い張るには『支部陥落』の事実はあまりにも重い】
【この確認も、言ってみれば今さらな事でしか無い。それでも、ブラックハートは一つ頷いて】

(――――――――チッ、ふざけた事を…………
今じゃなきゃ、その一言だけで喰ってかかってやったんだけど…………今はまだだ。今は、ねぇ…………!)

【黙って歩を進めるブラックハートの、それでもわずかに肩を震わせる】
【『人間』を捨てさせられて、『人間』に捨てられた彼女は、『人間』を憎悪する】
【自らのアイデンティティすらも捨てて『サイボーグ兵器』である事に生きる意義を見出しているブラックハートに、『人間』の一言はタブーと言ってよい】
【しかし、対話のために誘いだしたのはブラックハート自身。それを自分の短気で壊してしまっては何にもならない】
【今すぐにも飛びかかりたい衝動を堪えて、ブラックハートは廃ビルへの歩を進めた】



…………なら、檸檬が機関を抜けたってのは承知してるかい?
……2度機関に入って、2度抜けたって事さ…………
檸檬には、あんたに伝言を頼んでたんだが、それが伝わってるか気になってねぇ…………

【前置きもなく――――と言うのは語弊があったかもしれない】
【檸檬の名前を出す事が、ブラックハートにとっての前置きだったのだ。二人の間に面識がある事は、ブラックハートも知っていたのだから】
【しかし、ブラックハートは檸檬に関しては、なんのわだかまりもなく名を呼ぶ。まるで心を許した相手であるかのように】
【そして、檸檬が機関を抜けて後、谷山と接触した事はあったかと、確認する様な質問を重ねる】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/27(火) 23:29:55.01 ID:H7x84erIP
谷山さんには五大陸も厨二能力もありますよwwwwwwここにいなくてもいいですよwwwwwwwwww
過疎の五大陸とロール底辺の厨二能力がなwwwwwwwwwwww
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 23:35:55.93 ID:9m8Crzbyo
>>410
【沈黙、そして。貴女の言葉を聞いて、驚いた様子で、しかし、顔を僅かにほころばせて】

‥‥そう、か。抜けたか。

【何時か、また会えたら。その時に色々話をしよう、そう思った】
【己の友の事を伝えてくれた相手に、感謝を感じる、だが、其れをねじ伏せる】
【これから戦い、殺しあう相手に。その感情は必要無い。だから、捨てる、其れを】
【目を瞑り、そして数秒後に開いて】

‥‥どうやら、檸檬と仲良くしてくれてたみたいだな。
それだきゃ、礼を言っておいてやるよ、そしてちょっと待て。

【戦いの前に、必要な下準備≠済ませておく】
【ベルトポーチから数種類の錠剤を取り出して、納めておいた水で其れを飲み下して】
【同時に、白い錠剤を10錠程、まとめて口の中に放り込み、ぼりぼりと咀嚼しながら嚥下】
【残った水を一気に飲み干して、ペットボトルをそこら辺に放り投げる事は無く、ベルトポーチに戻す】
【ペットボトル1つで戦況がひっくり返るかも知れないのだから、1つとして無駄にすることはない】
【息を深く吐いて、大量の薬品摂取の後の一息を付き。貴女を見据えると、口を開く】


―――決着、つけようぜ。


【両の目には、既に不健康極まりな人工的な蛍光色が照らしだされている】
【能力発動の反動で、たちくらみと吐き気が襲うが、わずかに体を揺らすだけで其れを御す】
【腰のナイフを右手で引き抜き、左手を前に、右手を後ろに構えて腰を落とした独特の構えを、取った】

【谷山基樹、既に臨戦態勢にあり】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/27(火) 23:37:58.04 ID:H7x84erIP
谷山、悪いことは言わないからこの戦いで[ピーーー]
ケモホモ仲間をつれてどっかに示し合わせて逃げればいいだろ?
どうせメルアド知ってるんだからよwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwww
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/27(火) 23:47:43.77 ID:u2FNl3Xvo
あー、噂の谷山ってのを初めて見たけど典型的な主人公様(笑)だな
こりゃ叩かれるわ
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/27(火) 23:49:35.81 ID:u2FNl3Xvo
やっべ、ネヲチのスレと誤爆した
すまんなww
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/27(火) 23:52:16.46 ID:fkClCOPRP
弟の書き込みなんです。。。すまそ
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/27(火) 23:53:43.10 ID:1g+0i9mE0
>>412

――――――――その様子だと、抜けた後にはまだ会ってない様だねぇ…………
ま、伝言そのものは他愛ない事だったから、それは構わないさ

【リアクションを見ていれば、谷山と檸檬の間に、あれ以後の接触はなかった事が分かる】
【その事実は、ブラックハートに何とも言えない微妙な感情を抱かせる。自らの口で伝える事になった事を喜ぶべきか否か――――】

……………………ッ
(こ、こいつ…………無理をしてるどころじゃない…………あと半年、いや……2ヶ月、保つかどうかだ…………!)

【大量の服薬の様子を見て、既に失った目を見張るブラックハート】
【どう見ても、肉体強化のためのドーピングとは思えない。あれは、無理を通す為の服薬】
【――――もう、その身体は本当のギリギリまで来ているのだろう】

――――――――決着、ね…………同じ事を言おうと思ってたんだ、谷山 基樹…………
ついでに、檸檬の事についても、ほんの少しだけ、補足しとかなきゃならない
…………あいつを機関に復帰させたのは、他でもないあたし…………あいつを機関から逃がしたのも、あたしだ…………!!

【面食らっていたブラックハートだが、全てを承知して自身も戦闘態勢を固める】
【右腕の義手が赤く発熱し、炎の鉄拳と化す。左腕の義手の先端の、矢じり状の刃が鈍い光を放つ】
【――――内部に収納された兵装までは未だ展開しないものの、わずかに腰を落とし、カメラでしっかりと谷山の姿を捉える】

(…………今のあいつはボロボロ…………なら、一気呵責に攻め立てる!!
そこを凌がれても、逆にこっちが時間稼ぎすりゃいい…………いずれ、薬も切れるッッ!!)
色々改造されたからねぇ…………この身体になってからの『実戦』は初めてだよぉッ!!

【谷山の様子を見れば、状況は自分に優勢である事は疑いようもない。脳内で即座に作戦を立てると、ブラックハートは先手を打つ】
【左腕の義手を真っすぐに谷山に向け――――先端の刃を飛ばす】
【矢じり状の刃の尾には、鎖で義手の内部と繋がっており、一種のアンカーショットになっていたのだ】
【直線的な一撃であり、虚を突く以外に、この攻撃に対処の難しい所はないが――――】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/27(火) 23:56:41.13 ID:TpFcMCLWo
/これだけ時間が空いていますし、>>402さんは落ちてしまったようですね
/また同じくらいの時間には帰宅できると思いますので
/再開が可能でしたら呼びかけていただければ幸いです
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/28(水) 00:04:57.85 ID:HxIvjd6Co
>>403
【後退した分だけ距離を詰められはするものの、反撃は無い。彼女はそれを訝るように目を細め】
【歯噛みを一つ。にじり寄る彼を目を反らさずに睨みつつ、態勢を立て直すと】

(……手足を介して衝撃≠伝播させる能力、か?決め付けるにはまだ早計だが……)
(大凡の見当さえ付けば、それで良い――それだけ解っていれば、遣りようも有る)

【挑発に無言で応じ、再び重心を大きく前傾させて踏み込んだ】
【先程と全く同じ、速く鋭いが愚直な前進】
【そこから放つのも矢張り、先程と似たり寄ったりな一閃である】
【下段真一文字の軌道で、太股を狙いフック気味に振るわれる鋭利な白刃――】

【些か学習能力に欠ける一手と見える。対処は言わずもがな、容易だ】
【この成否を問わず、次に彼女は右の袂に仕込んだ黒塗りの棒手裏剣を】
【手首のスナップのみを利かせて、彼の顔面へと擲つだろう】

【敢えて短刀を捌かせ、暗器の投擲で意表を突く事を狙った二段構えの策である】
【至近距離での投擲の威力などたかが知れているが、多少の奇襲効果は望めるか――?】
//遅れてすみません……!
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/28(水) 00:06:57.92 ID:CrcEPNzSO
                _____
            , -‐ '": : : : : : : : : : : `丶、
           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
         /: : : : : : : : λ: :|: : : : : : : :\: : : :\  ,'⌒',
        //: : : : : : : : : 小: :ト、: :\: : : : :\: : : :}  丶-'
       / /: : : : / : |: : :| | い.\⌒ヽ、: :\ヽ: : :|
        l: : : : /: : :|'": | |  ヽヽ \: :λ: : : ト:ヽ :}
        |: : : :イ|: : :|ヽ .|   \|  \l \: : |\/
        |: :. :ハ|: :│_L     r=‐イ: : \|:∨
      o  ',: :/  |\| !ニ-┘    `` ̄|: : : イ) {
         ∨  |: : :{    _  ,― 、 ノ|: : /「∧|  ○
             |: : : :> y' ^ぅ-―'< /}: :ハ/
            |\ トト/   廴__ノ`ヽレ′
              ヽト/  〃 7介y   }
.               (  / .// `ゝ-┬L
                7´  ノ  |  /  ノ
               /  /   |  {  ヽ
.              〈   \_  └'‐'′  〉
               `ゝ― -ヽ   -┬ ′
                |    .ト‐''′│
                └┬―‐|┬―r┘
.                  |   | |  │
                  └―'└--′
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 00:09:13.97 ID:45zyWP/jo
>>417
――――。

【服薬は、体を持たせるための治療の副作用を抑えるための薬とその薬の副作用を緩和する薬】
【治癒力や感染病に対する抵抗力の無さを補うために、毎日の服薬を欠かせない身に谷山はなっている】
【全ては、譲れない。大きな目的のために、わずかでも先に体を進めるための苦渋の選択】
【其れで、今のところは命を繋いでいる。だが、十数年の服薬は書かせず、その間に大きな感染症などにかかったり】
【―――確実に死にかけるレベルの怪我を負えば、一命を取り留めてもその身の治癒は数年以上かかる】
【其れだけの代償を払い、死にかけていた体のリミットを無理やりに谷山は伸ばしたのだ】

―――そうか‥‥‥‥‥‥ッ!

【貴女の言葉を聞いて、谷山の中で激情が吹き上がっていく、同時に体から数式も吹き上がっていく】
【数式は、形を取ることはなく、谷山の体に絡みつくように展開され、ナイフに纏わり付き数式の刃で刀身を延長する】
【現在の谷山からは、哲学者の卵の気配が全て消え果てていることが分かるだろう】
【狂気に飲まれず、己の意思で能力を御すレベルに達した谷山の能力は、精密に操作できるものとなっている】


―――だったら、容赦は必要ねぇな。


【ひゅっ、がきぃんっ!】
【体の周りで渦巻く数式が、唐突に収束。腹部からアートマンの左腕だけを構成して刃を受け止めた】
【ざくり、とアートマンの表皮に疵が入り、義手である左腕にもダメージが刻まれるが】
【アートマンが強い力でブラックハートを無理やり引っ張ろうとするだろう。そして同時に左腕が振るわれる】
【一瞬、貴女の目に銀色の線が映るか映らないかした瞬間に、谷山の得意技が襲いかかる】


―――― B O M B !


【手のひらを相手につきだしての、爆風攻撃である。拡散するように放たれた爆風は、貴女に大きなダメージを与えることはないだろう】
【しかし、轟音と爆風により視界を遮ることは十分に可能である】
【そして、薄れる爆風の向こうには、人形の影が写っており、谷山が底に居るかと思わせるが――――?】 


ッォォォオォオォォオォォオオォォォォォオオォッ!!


【爆風を突き抜けて、天井すれすれの所から谷山がブラックハートの顔面を蹴り飛ばそうと飛び蹴りを放ってくるだろう】
【屋内と言う場、天井を利用し、糸を引っ掛け己の体を爆風と同時に引き上げ、其の場にはアートマンを生成】
【同時に、己は爆風に乗じて真正面から不意打ちを仕掛ける=B変わらず、しかし凶悪な正義とは思われぬ絡め手】
【容赦無い強化靴と鍛えられた強靭な脚力が貴女の顔面のど真ん中を突き抜けようとしている筈だ】
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 00:32:30.91 ID:LuQjICgt0
>>421

…………『敵』に同情される言われはねぇ…………元よりそのつもりだ!!

【――――別れ際に、檸檬にも『好むと好まざるとに関わらず、命のやり取り、決着は必ずつけなければならない』と告げてある】
【檸檬の望む『仲間』は、所詮自分で無かっただけの事。心に淀みを抱えていたブラックハートも、谷山の姿を見て吹っ切れた】

掴みやがったか…………こいつ!!

【谷山のアートマン能力については、前回の戦いでおぼろげながらも覚えている】
【あの時は、『モード:アイアン・メイデン』の影響で、完全には覚えていないのではあるが、それでも戦いに関する事はしっかりと頭に刻みつけている】

(力は、逆用する…………『後の先』を、取る!!)

【引っ張られる力に抗わず、逆に前方へと跳躍するブラックハート。敵の意表を突くなら、前進を推し進めるのがこの際の正解のはずだ】

甘ぇんだよ!!
あの時とは違うと言っただろうが――――ッ!?

【目くらましの爆風には、右腕を突き出す事で回避を行う】
【強烈に熱を放出させる事で、向かってくる爆風のベクトルを捻じ曲げ、薙ぎ突かれない様にしたのだ】
【そのまま、眼窩のカメラで爆風の向こう側の影を捉える。今のブラックハートに、視覚の誤魔化しはほとんど通用しない】
【――――それが、逆に仇となった】

ッッッオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォッッッ!!

【谷山も、自分に対して突進して来ていた。しかも、軌道を上げて】
【咄嗟に、突き出していた右腕で谷山の蹴りを受け止める。元々が格闘用の義手であり、衝撃にはそれなりの耐性を持っている】
【しかし、互いに加速した勢いを殺すには、流石に無理があったようで、蹴りを受けた箇所に、ハッキリと傷が残された】
【そのまま、ブラックハートは突撃を断念。身を横へと投げ出して体勢を立て直す】

フン…………蝋燭は燃え尽きる直前が――――って奴かい?
相変わらず二手三手先を押えるのは大したもんだよ、谷山…………だがッ!!
――――『ツインレイ』!!

【蹴りを貰った右腕『プラズマ・ナックル』の熱伝導が、微かに調子を落としている。相当のダメージを右腕に貰ったようだ】
【義手に痛覚など無い以上、外見からコンディションを判断してやらなければならないのが、ブラックハートの腕の欠点でもある】
【――――しかし。くどいようだがブラックハートも改造を受けた身である】
【背中から、アームに接続された2基の小型砲台が飛び出し、そこから緑色のビームが発射される】
【ビームガトリングの様な連射は効かないが、単体での威力はそれなりに高い――――その2条の破壊の光が、飛び蹴りを終えた谷山へと撃ち出される】

(――――これを回避したら、また次の手を…………こっちを絡め取る為に打ってくるだろうさ…………
言ってみれば、これは『呼び水』…………!)
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/28(水) 00:38:38.60 ID:aH9ms624o

【雨が降っていた。月の灯りを遮る暗雲から大粒の涙が溢れ落ちていて】
【人通りの少なくなった街の中、黒のローブの少女がビニール傘片手に立ち尽くしていた】

【ハーフアップにした淡い蒼色の長髪の小柄な少女。十七とはその童顔からは察せないか】
【病的なまでに白い肌は不健康そうで、蒼い双眸は飛散する水溜まりを眺めていた】


………悪霊さん、悪霊さん……お話、できないの?


【問いかける様に水溜まりに語りかける。覗き込む自分の顔がぐにゃぐにゃと水波紋で揺れる】
【歪む自分の顔が悲しそうに笑っている。なんとも、不気味だな―――と、気味悪そうに小さな声で呟く】

【ローブから覗く白蒼の巫女服は―――赤が混じり、破れ、肉付きの悪い腹が見える】
【腹には螺旋を描く様な蒼い刺青。恐らくは胴全体へと刻まれているのだろうか―――?】


ぽつん、ぽつん……雨は、嫌い……水が怖い……。


【水奏での巫女、とは誰が付けた名だったか。手首に巻きつけた鈴が腕を動かす度にチリンと鳴り】
【とある女性から授かった名前通り、雨の中の少女は”不気味な程に似合っていた”】

【水溜まりは相変わらずその範囲を広げるばかりで―――彼女の黒い靴を濡らすだけで、何も応えない】
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/09/28(水) 00:46:01.37 ID:SWy3ejBAO
>>423

ヨォネェチャン、スケベしようや
【全裸の男が駆け寄ってくる】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/28(水) 00:59:27.60 ID:S3+oczQHo
>>423

【鈴の音に引き寄せられるようにして、人影が少女の背後からやってくる】
【雨音に混じって、水が跳ねる小さな音が、少しづつ大きくなってゆくのがわかるだろう】

【スラリとした痩駆の長身に、真っ直ぐに下された腰に届く程長い樗色(おうちいろ)の髪】
【前髪は短く切り揃えられていて、狂気を湛えた紫色の双眸を持ち、腰には鞘に収まった刀を一本ベルトで固定させていて】
【袖のない濃紫のワンピースに紫のスニーカーを履いた、そんな少女だ】
【首にかけられているNo.696と刻まれたドッグタグが、雨に濡れて光を反射していた】

【魔翌力を感知できるなら、ある程度まで近づけば少女の周囲にどす黒い魔翌力が漂っているのがわかるだろう】
【そしてその中に、僅かだが含まれるのは“哲学者の卵”の黒い魔翌力も――】


……なに……してるの……?


【ある程度まで近づけば、少女にそうやって声をかけるだろう】
【傘が雨を弾く音はない。つまり、彼女は傘を手に持ってないということだ】

【全身が雨粒に打ち付けられることも厭わず】
【どこか幼さが残る瞳が無表情に、貴方を捉える――】


/まだいらっしゃるかい…?
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/09/28(水) 01:03:41.74 ID:SWy3ejBAO
>>425

いないよ
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 01:07:10.43 ID:aH9ms624o
>>425

【耳に入る、水を踏む音―――誰か、来た?】


………ぁ、その……。


【振り向けば、少し怯えた様に一度眼を見た後、虚空へと逸らして口籠る】
【直感的に”怖い人”と捉えた為か、怯えた素振りを見せて後退り】


………べ、つに……何も……。


【ぴく、と顔が歪む。どす黒い魔力の感じ―――それに混じる、異物感】
【その異物感の正体を少女は知らない。故に”未知の恐怖”として感覚に刻まれていた】

【雨を全身で弾く彼女を見て思うは”可哀想”。ずぶ濡れで、風邪を引いてしまうじゃないか】
【少しだけ、傘を渡そうか迷ったが―――結局、何も行動を起こす事は無く目線を伏せるばかり】

【搾り出した蚊の鳴くような声は、否定の声。何もしていない。自分は立っていただけだ――なんて、嘘】


/わーい、いますともー
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/09/28(水) 01:08:50.04 ID:SWy3ejBAO
>>427

ゼーロは愚痴スレ民だから気をつけろ
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/28(水) 01:12:21.47 ID:6/ZMb5BhP
ゼーロさん、昔ページの一番下に書いた事覚えてますか?
エルフェスさん、あれはいったいなんなんですかwwwwwwwwwwww
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/09/28(水) 01:17:19.13 ID:SWy3ejBAO
>>429

スレの現状に堪えられませんっていう構ってちゃん全開のアレかーww

そのあとに愚痴スレて大暴れだったな
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/28(水) 01:24:48.04 ID:S3+oczQHo
>>427

【ぱしゃ、と最後に水を跳ねさせて、彼女の足が止まる】
【話すに困らない程度に開いた距離で止まった、その理由は――】

【怯える少女の素振りを、見てしまったから】

……そう。……

【短く、細い声でそれだけの言葉を返す】
【自分がおどろおどろしい魔翌力を垂れ流していることは自覚していた】
【ただ、制御がいまいちできないだけ】
【自覚しているからこそ、それ以上は近づかないようにしよう】

【そう、思ったけれど】


……けが、……してるの……?


【ローブから覗く赤を、血だと思ったらしい】
【止血できるものも持っていないけど、咄嗟に身体が動きそうになる】

【ぱしゃ。半歩踏み出した足が水を踏んづけて、我に返る】
【相手を警戒させないためにも、返事をまってからにしよう】
【そう思考した結果、踏みとどまった】


/では、よろしくお願いしますねー!
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 01:34:42.55 ID:aH9ms624o
>>431

【足を止める彼女を見て――しまった、と思った時には既に遅い】
【感じる雰囲気ほど、悪い人じゃないかもしれないのに自分が怯えた所為で】

【傘を両手で握りながら、少しだけ、ほんの僅かだが前に一歩踏み出してみた】
【声にも表情にも出さないが、少女なりの”申し訳なさ”の主張だろうか――面倒、だが】


け、が……? ぁ、ちが、ぅ……くて……。


【一瞬、なんの事を言っているのか思い小首を傾げたが、直ぐに理解したようだ】
【わたわた、と忙しなく首を振って否定した。湿気を含む髪の毛が、乱れて行く】


わた、しの……じゃなくて……その、返り血……です。


【こんな事を言ったら変に思われる、と思っても何故か嘘をつく事が出来なかった】
【現にローブの下の巫女服に付着した赤は自分のモノでは無かった――では、誰のモノ?】

【未だ警戒しているのか。ちらちら、と顔色を伺い視線を合わせたり、逸らしたり】
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/09/28(水) 01:58:50.81 ID:S3+oczQHo
>>432

【謝罪の現れは――しかし、彼女が汲み取ることはなく】
【中途半端に踏み出した足を、すっと一歩分、後退させて】


……? じゃあ、……誰かを……殺したの……?


【別段、怪しむ訳でもなく――むしろ、】
【小首を傾げて次に紡ぎだされたのは、そんな極端な言葉】
【変わらず無表情で、殺伐とした推測を口に出す】

【少女にとって、返り血が付いているということは】
【誰かと戦った後ということに繋がるのだろうか】
【もし誰もがそう推測するのだとしても、彼女の思考はちょっとだけ、偏っていた】

【そして貴女の回答が、少女に僅かな変化をもたらした】

【降りしきる雨の中――彼女の気配が、いっそう強くなる】
【不思議と雨が似合う彼女とは対照的に――】
【雨粒のカーテンの中、佇む魔力の黒が、より深くなってゆく】

【その中で光る紫色の瞳が、鋭利に細められた】
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 02:08:28.62 ID:aH9ms624o
>>433

【相手の後退を見て、少し眉を潜めて―――】


………私、じゃない 悪霊、が……私に、ついてる……悪霊が……。


【肯定。殺した、否、殺してしまった。私は何もしていないけど、悪霊が】
【私は断じて殺そうとしていない。私は悪くない、悪くない、悪いはずがない】


男、の……人が、ないふ……持ってて、怖くて……。
服、破かれて―――……ね、怖くて、怖くて、気づいたら……悪霊さんが、ね?


【然し、願ったのは彼女だった―――結果、彼女に危害を加えようとした男は”死んだ”】
【返り血が付着する程の惨劇。それを願ったのは他でもない彼女自身なのだけども】
【それでも私は悪くない、と同意を求めるように語りかける―――その姿は、まるで狂信者】

【びく、と身体が強張る。何故、相対する彼女の黒い魔力が強くなっているのだろう】
【何故、紫色の双眸は私を睨むのだろう―――何も、悪い事なんてしてないじゃないか】


【下唇を噛んで、呪詛の様に心で呟く――――”私は悪くない”】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/09/28(水) 02:31:14.60 ID:S3+oczQHo
>>434

……?

【うわ言のように呟かれる言葉の意味を、よく理解できなくて】
【思考が纏まらず、地面を叩く音だけがしばらく辺りを支配する】


……殺し、……たんだ……


【なにが起こったのか、なにを言っているのか】
【少女の言葉の意味を一つ一つ繋ぎ合せて、答えを導き出す】
【ただ一つ、悪霊≠セけがわからなかったけれど、それも何となく、悪いものだということはわかる】

【けれど、彼女は貴女を責めたりしなかった。同意の言葉も、なかったけれど】
【代わりに少女が途切れさせた言葉の続きを埋めるように呟く】
【僅かに伏せられた瞳の奥には彼女なりに、思うところがあるのだろうか】
【もしかすると、貴女の気持ちが少しだけ、わかるのかもしれない】
【無意識の内に人を殺す――その宿命故に】

【――そしてよく見れば、赤のとなりに、蒼】


……その……お腹のは……なに……?


【バシャ、――気付けば一歩、踏み出していた】
【最初に思考したことなど、どこかへ行ってしまったらしい】

【刻まれた刺青をよく見ようと――妨害しなければすぐ近くまで歩いてゆくだろう】
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 02:39:18.67 ID:aH9ms624o
>>435

【嗚呼、理解して貰えるわけがない―――そんなの、わかってる】
【初対面の人に自分の身に降りかかった厄災など知る由も無いだろう】

【だけれども、私ではないと否定したい―――そんな、自分勝手な考えが心で渦を巻く】
【小さく頷いていた。殺した、と。それはあくまでも自分では無い、と言いはる様に渋る肯定ではあるが】

【相手の瞳の奥なんて、伺えども悟る事は出来ない。唯々、責められている気分だった】
【紫の瞳が自分を殺人者と蔑んで居るように思えて、怖い。典型的な被害妄想の持ち主であった】


え、ぁ……これは……生まれた時から、ある……刺青、です……。


【近づく彼女。それを妨害するつもりも無いし、咎めるつもりも無い。唯、少し怖いが】
【傘を握る手と別の手でお腹を触る。蒼い刺青がやっぱりそこに在って――未だに、何なのか不明】

【生まれた時から在る。誰が刻んだかも、わからない。誰も知らなかった――親でさえも知らない】
【一種の呪いなのだろうか。真相は謎に包まれたままであるが、彼女は悪いモノでは無い……気がしていた】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/28(水) 03:08:49.79 ID:S3+oczQHo
>>436

………

【刺青を見つめながら――彼女は考えていた】

【この人は、男の人を殺したらしい】
【それは悪霊というものがやったらしくて、彼女は――自分がしたのではないと主張する】
【嘘かどうかはわからないけれど、でも、すごく苦しんでいいるように、見えた】

【 こんな時――わたしが出会ってきた人達なら、何て言うだろう 】


 ……そっか……


【 なんでだろう。わからない――けれど 】


 じゃあ、……その悪霊≠ヘ……わたしが……あなたを襲えば……
 ―――出て来てくれる?


【 自然と――やっぱりよくわからないことを、口走っていた 】


 ――― アーテル・スフィア


【掌を中空に翳し呟くと、直径1mほどの大きさの黒い球体が生成された】
【漆黒の魔翌力の塊は紛れもなく、彼女が能力を発動させた証拠】

【どうやら彼女は少女が言っていた悪霊≠ニやらを引き摺り出し、あわよくば倒してしまおうと考えているようだ】 
【相変わらず無表情のままだが、取り除けるならば、その苦しみを無くしてあげたい】
【苦しむ姿を見ると、自分もこころが痛くなるから――と】

/ぬおお…遅くてごめんなさい
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 03:25:10.45 ID:aH9ms624o
>>437

――――――……え?

【耳に届いた言葉は、とても怖い言葉だった】


【なんで、そんな事を言うんだろうか―――悪霊がみたいの?】


あ、ぁ……なん、で……貴方も―――……私を殺すの?
酷い事を、するの……? 私は、私は……何も、悪くないのにぃ……。


【黒い球体を見て、戦慄した。彼女の思惑など知る事は無い――あるのは、殺されるという危機感】
【彼女の心内を知らぬ少女は本当に殺されると”理解”した。結果、彼女は”また願う”】


ひどい、ひどい……私が、何をしたの――――……もう、いや……死んじゃえ……。


【普通に生きたいだけなのに、どうして襲われる。どうして周りの人達は死ぬの】
【もういいや、降りかかる火の粉は祓わないといけない―――もう、死んじゃえばいいのに】


【悪霊の実態、それは彼女自身の負の心。人間不信、現実逃避、被害妄想、様々な要因による人格の構築】


【ちゃぱちゃぱ、と足が水を叩く。後ろへ、後ろへ―― 一歩、二歩、三歩下がる】
【おあつらえ向きにフィールドは”雨”、謂わばこの世界は彼女のモノ―――彼女の目の前に”人型”が地面の水を吸って出来あがる】

【顔も、パーツも、何も無い。棒人間に肉付けをしただけの水で出来た人型。それの後ろに隠れて――少女は、傘を握り祈る】



【私を襲う脅威を、殺してくれ―――――誰よりも”悪霊”じみた願いを祈る】



/ちょ、ちょっと今日は限界かもですます……明日、また夜に再開でも良いですかね?
/22時頃には帰ると思うんですけども……っ!ね、眠気がー
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/28(水) 03:28:57.57 ID:S3+oczQHo
>>438
/全然問題ないですよー!
/その時間に呼びかけさせていただきます
/では、今日のところはこのあたりで、お疲れ様でした!
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 03:30:06.46 ID:aH9ms624o
>>439
/ありがとですー もし早めに帰れたらこちらから呼びかけますっと
/ではでは、お疲れ様でした!また明日!
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/28(水) 07:18:03.09 ID:SWy3ejBAO
ゼーロさん今の現状は問題ないんですか?ww
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/28(水) 12:49:35.80 ID:CrcEPNzSO
        _,  ―-
       , ´        `ヽ
      /    ヽ   \    
    /  ∧   | \_  ',     ',
    /  / __\ |/ノヽ| | |
    !  :|`ー´ \!´,ィぅヽ!   ! |
    |   :| ,ィぅ   弋.リ| :ト、.|
    .',  :ト、 弋リ  .   ,,, .!  :|ノ !
    |\:!:::. ,,,        |/ ! |
    ',   ::∧    ‐ ´  ,イ  |  \
     ヽ   |`ト 、  _./ | ./-‐―ヽ、
       ソ! | :!_, ヘレ'   / /    ハ
       { | ; | ヽ∨ヽ、/ ./       !\
        /レ' | ,r'∨/ !  | /       |  }
       .|/   | / Uヽ |  | !    / | \
      .|   /{./.|| ∨ / |  ./ |  \
       人 / ゝノト-/ /  .|  /   |    }
                 , -  、
               -‐´     ̄ ー-
           <      ∧      ヽ   `ヽ
         /        / ',      \    \
        /          /-―ヽ.       |、     '
                /__/`ヽ     |-、    
     /         |  !          ト-ヽ    ',
     ,'          .|   |         ',  ト、|   ',
      !    |    |   |,z==ミ    ', /  __  !   i
    |      |    |  〃ん..ハ   ∨  ,r'=、ヾ     |
    |     |     | .,ヘ 弋:::::::ノ      ir':::} ,イ ./  !
    |    _|     |/     ´        ゙ヾ  レ'  ,'
      !   「 |     |   ヽヽヽ     `  ヽヽ∨ |
          |. 1    .|        _        ;: |
     i    ゝ|    |          ゝ__ `フ     ハ |
      ',    |    |                 /::::  !
      ヽ   |    ト、               /:::::::  !
       i    |    |:::::::...            , '.::::::::::: |
      ./|    !    !::::::::::::::::::::::..... __ イ::::::::::::::::  |
     /     |   ∧ ',_:::::::::::::::::::::::/::::::::::∧::::::::::::::: |
    ./     ,ィ   ト、!|゙>-、::::::::/ヽ::::::::| !::::::::::::::,イ|
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 18:56:40.56 ID:t+3mXDNho
【――路地裏とは】
【得てして何かしらの訳を抱いた者が棲み付く、もしくは寄り来る場所であるのだが】

【今宵の来訪者には、一体どのような訳があったと言うのだろう】

(やっぱここなら居ない、かなぁ)
(…完全に安心出来るかと言えば、嘘になるけど)

【白皙の青年、その顔立ちは中性的―― 悪く言えば女顔であり、骨格も華奢な方と言えた】
【柔らかな黒髪は所々ハネていて、双眸は不可思議なオッドアイ、その組み合わせはピンクとパープル】

【丈の長いボーダーの服はこれもまたピンクとパープルの組み合わせで、些か目に痛い】
【タイトな灰色のジーンズに合わせたスニーカーには、金色の猫のシルエットが描かれていた】

(それでも滅多にある事じゃないはず―― こんな物騒な場所を歩くなんて、ね)

【挙動不審な様子こそ見せないが、青年はある物を確実に恐れていた】

【意味も無く、黒く塗った爪先で隣の壁を撫ぜてみたり、積まれたガラクタを蹴り崩してみたり】
【そんな行動の端々から、読み取れる物があるとするなら】
【青年のすました顔が、僅かな不安感から取り繕われたものであろう事、だ】
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 21:05:42.83 ID:45zyWP/jo
>>422
―――は‥‥ッ!上ゥ等ォ‥‥ッ!

【相手の言葉を。貴女の言葉を聞いて、笑みを形作る】
【此処から先は殺し合い、命をBETする、勝利と敗北、生と死の究極の争い】

「ピ、ィギィィィエェェッ!!」

【ワイヤーフレームのアートマンは、耳障りな叫び声を上げて、突如砕け散って】
【数式に戻ると谷山の体にまとわりつくようにして戻っていく】
【――可変。データが幾らでも改竄出来るように、その形質をいくらでも変化させられる】
【基礎性能、攻撃力や耐久力に関しては、平均を下回るのがこのアートマン】
【しかしながら、其れを補う応用性と能力の嫌らしさ。その在り方は谷山が扱うものとしてはよく似合っている】

―――百も承知ッ、こっちだってよォ―――――ッ!

【そして、爆風を突き抜けて、己の蹴りを相手に叩きこむ、が。受け止められて】
【ぎしぎし、と軋むような音を響かせつつも、全力で足を叩きこみに行く】
【相手が体を横に投げ出すと同時、足を強く蹴り出し、ブラックハートを踏み台に高く跳躍をする】
【高く、速く。決してひとつの場にとどまることをせず、場を掴ませない様に、動き続ける】
【相手の攻撃が強力だということは、己がその身を以てしてよく理解しているから】

まだ、終わらねーさ、燃え尽きてなんか、居られねぇんだよォォォォォオオォォオオッ!!
―――二手三手読んで潰されるなら四手を読み五手を高じるまでの話だッ!

【糸を左手から飛ばし、己の右斜前の天井に引っ掛けて、巻き取りを開始する】
【斜めに退かれた体は空中で錐揉み回転をして、その腕でビームを受ける】
【回転と表面の金属装甲の反射により、威力はある程度減衰し、左腕の表面装甲からぶすぶすと煙を上げ、谷山は地面に着地して】
【直後、見れば分かるだろうが、左腕を地面に接させているのが分かるだろう】
【に、ぃ。と意地悪い笑みを浮かべて、己の全力の卑怯を、全力の戦略を達する様に】

――――鬼さん、此方。ってな。

【足元で爆風が生じ、廃ビルの床が粉砕。谷山は階下に飛び降りていく】
【そして、音が聞こえなくなり、谷山の気配も大きく薄れるだろう】
【虎穴に入らずんば虎子を得ず。その穴に潜り込む、覚悟は有るか】

【もし、貴女が穴から降りてくれば、ナイフを振りかぶって貴女に飛び掛ってくるはずだ】
【胴を切り裂く様な一閃ではあるが、ナイフであることや、刃物の扱いに長けているわけではないことで致命傷にはならないだろう】
【しかし、貴女の鋭い目ならば見えるだろう。そのナイフには、数式がまとわりついていることを】
【当たれば、傷に見合わないほど、まるで直接神経を切り裂いているかのような激痛≠、貴女は感じるはずである】
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/28(水) 21:16:19.56 ID:As8deuwco
【路地裏】

【静寂に包まれた薄暗がりの中を、ゆっくりとした歩調で歩いている女性があった】

……。

【不機嫌そうにシワの寄った眉間、目の下には濃く残った隈の痕】
【パンツスーツで身を固めた、不健康そうなイメージの強い妙齢の女性だ】

割に合わないわねえ……。

【ぼそり、とそんな事を呟いて、女性は周囲を注意深く観察しながら歩いている】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/28(水) 21:24:52.33 ID:KQzo051Wo
>>419

【男は、フック気味に振るわれる一閃に対して最小限の動きで対処しようとする】
【即ち「足を引く」、という極単純な動作である】
【しかし、それが失態。女の策略に載せられる形となってしまう】

――――!

【反撃の一手と思考を巡らせた瞬間に、初めて男の表情が変化した】
【狙われた足を下げ、不安定な体勢】
【意識の隙を付く投擲の一撃。これを対処し切ることは、男の技量では不可能であった】

【出来たことは、咄嗟に顔を横にズラし致命傷を避けること】
【脇を通過する棒手裏剣は、男の頬を抉り、右耳朶を裂き血花を咲かせた】

ガ、フッ――――

【奥歯を噛み締め鉄の意志で激痛を堪えながらも、数瞬で意識を戦闘に戻し体を動かす】
【痛覚に屈し、致命の間合いで隙を晒す事ほどの愚行はしない】
【恐らくは肉薄する程の間合いにあるであろう女を狙い】


                   【 < 龍 砲 > 】


【左足で地面を蹴り爆散、前方に対する推進力を発生させ】
【右肩を前方に突き出しながらの、巨体によるショルダータックルを繰りだそうとする】

【男の能力は――<衝撃強化>】
【己の五体の動作より発せられるあらゆる「衝撃」を爆発的に増幅させる能力である】
【物体などを介する必要があり、お世辞にも使い勝手に優れる能力ではないが】
【事近接、一撃の打撃翌力に於いては高度な破壊力を発する】

【直撃した場合、打撃ダメージと同時に凄まじい衝撃が加わることになる】
【だがダメージを受けたことにより僅かに反応が遅れており、動き自体は読みづらいものではない】
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/09/28(水) 21:24:55.56 ID:SWy3ejBAO
>>445

ヨォネェチャンスケベしようや
【パンツ一丁の男が駆け寄ってくる】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 21:36:58.70 ID:LuQjICgt0
>>444

(いくらでも使い潰しが効く人形…………ふざけた話だ――――――――ッ)

【崩壊し、元へと戻っていくアートマンの姿を見送りながら、ふとブラックハートの思考にノイズが混ざる】
【――――自分とこいつに、どれほどの差があると言うのか――――】

――――――――燃え尽きてられねぇって奴が、自分を薬漬けにして無理を重ねるのかい!?
言う事とやる事、もう少し一致させたらどうなんだよッ!!

【谷山の言葉がどうあれ、ブラックハートの眼に映るのは『最後の力を振り絞っている』姿だった】
【人を止め、半分機械人形に足を突っ込んだ立場のブラックハートには、そうとしか考えられなかった】
【――――気合や根性でどうにかなる程、人の身体が強くはない】

(――――まさか、それが目当てなのかい…………?)

【或いは――――――――ブラックハートの思考は、更なる節を曲げて、一つの可能性に至る】
【――――谷山 基樹は、死に場所を求めているのではないか、と】

(馬鹿馬鹿しい……んな事を考えるのは後だ!!
それよりも…………!)
――――――――安心しろ。手が鳴らなくたってついていく…………ッ!

【戦闘時に、あまり雑念を抱え込むのは推奨されない。ましてや、相手は一度苦汁をなめさせられている強敵だ】
【無理やりに思考を切り替えると、ブラックハートは戦闘に専心する】
【――――左腕のアンカーショットを巻き取って収納し、床を抜いて降下した谷山を見据える】
【――――こうした時には何かを企んでいるのが谷山と言う人間だ。大仕掛けこそ、目くらましにはうってつけである】
【既にブラックハートの中で、谷山に対する戦闘の理論が構築されつつあった。ならば、素直に飛び込むのは危険】
【だが、ここで別ルートを模索する余裕など無い。『兵は迅速を尊ぶ』のだ】
【――――背中の『ツインレイ』を収納し、代わりに『機械鎌』を展開する。しかる後、穴へと身を投げる】

――――――――やれ来たあッ!!

【案の定、不意打ちが襲いかかってきた。奇襲は『奇』である事に意味があり、何かあると警戒されては奇襲の価値を失う】
【ブラックハートの右腕が、ナイフを掴む。痛覚のない義手が、偶然にも数式の効果を遮断し】
【サイボーグ兵装の幸い、背中の2本の機械鎌が谷山へと打ち出される。防御しつつの不完全な体勢からだが、その刃の大きさは一つの脅威である】
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 22:03:20.30 ID:45zyWP/jo
>>448
―――明日を。明日を掴み取るための‥‥ッ!其の為に、俺は活きているッ!
肺は潰れたから取り替えた、骨は砕けたから入れ替えた、皮膚は機能しねぇから張り替えた!
お前に潰された右目を補うために神経つなげて義眼も入れたッ!
体は卵でぶっ壊れて、アートマンと混ざって人って言えるか分かんねぇよ‥‥ッ!

だがな‥‥ッ、それでも―――ッ!死なずに明日を掴み取るため≠ノッ!

【独白の様に、雄叫びの様に、泣き叫ぶ様に、赤子の様に、獣の様に】
【生きるために、谷山は叫ぶ、駆ける、拳を振るおうとする】

‥‥‥‥俺は、生きている、つもり≠セっ!

【全ては、己の正義≠達するまで、走り続けるという目的のために】
【だからこそ、死ぬ暇など無い=B少なくとも、己の頭は、そう考えている】
【無理を承知で生きるなど、己に取っては侭有ることだった。ただ、其れがいつもになっただけで】
【本来なら、病院で数年は静養しろと言われていた身だ、生き長らえるつもりならば、そうしろと】
【だが。己はこうして戦場に居る。何故か。それは。それでも動くのが、己の在り方だから、其れだけだ】

【そして、落ちた穴の下で、谷山は息を潜めて、貴女が来る瞬間に、跳びかかった、が】
【ナイフを止められ、捕まれ。己に迫るは死神の其れにも似た、双曲の刃】

【そして、体を屈めて1つを避けるが、2つ目が谷山の首を狩ろうと迫り】
【とっさに、右腕≠ナ其れを受け止めた】

――――、悪いな。

【――――右腕は、切り落とされていない】
【ばっくりと裂けた傷口から見えるのは、鋼色の骨=z
【流れるのは、血にしては不自然に紅すぎる液体で】
【なんとも言えない表情で、コンマ数秒貴女を見つめ、呟きながら――――】

‥‥殆ど同類さ。

【そして、此処は至近】
【止められる前提の奇襲、受ける覚悟の体、相手の思考の誘導】


―――― B O M B


【右腕を犠牲に、左腕の回路を引き裂きながら、爆風をあなたに至近で撃ち放つ】
【火力はコレまでのものと比べて一点集中の激烈なもの】
【だが、貴女がまだ全力で最大で究極の本気を出していないのは承知】
【貴女が、この一撃で沈むなど、信じては居ない。それでも、確実なダメージを与える手を、谷山は選んだ】

【――一瞬。右目の義眼がノイズに分解され、元に戻った】
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/28(水) 22:19:04.57 ID:HxIvjd6Co
>>446

(……通ったか。目眩ましには成ったな)

【所詮は、相手の慣れを逆手に取った小細工だ。恐らく二度とは通じるまいと気を引き締め】
【予想される反撃――衝撃を付加した打撃――に備え、深追いはせず踏み止まり】

【彼女は数瞬の隙を利用して息を調え、万全の態勢を以て、敵手の次手を迎え撃った】
【とは言えど、間合いは一足分にも満たない】
【面の攻撃であるタックルを完全に躱すには、どうしても大きく距離を取る必要がある――】

(だが、跳べば隙が出来る。……多少の犠牲は覚悟する必要があるな)

【そこで彼女は、右に小刻みなステップを踏んだ。これによって真正面からタックルを受ける事を避け】
【同時にガードを上げて左半身を引き、身体を相手のタックルの勢いに逆らわず回転させる事で、打撃の芯を外した】

……っ――――!?

【――受け流し威力を削ぎながらも、ダメージは大きい。受けた衝撃に左の半身が痺れ、焼き鏝を当てられたような痛みが襲うが】
【彼女はその痛みを噛み殺して相手の背面を取り、短刀を右手に持ち換えてその背に投擲する】
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/28(水) 22:24:43.25 ID:891qN0uqo
>>438

……[ピーーー]? ……うん。……殺しちゃう……かも

【翳した手を下ろす――だが黒球は宙に浮いたままの状態を維持している】
【一度生成してしまえば自由に操作することができるのだろう】
【――下げられた手は、腰の刀に添えられて】

……でも、……あなたが……気を……強く持てば……
……あなたは……あなたでいられる……はず

【躊躇うことなく刃が抜き放たれる。そして、右手にそれを構えた】

【ぽつりぽつりと零される言葉は――文脈、状況からすれば順当なものではなく、意味不明】
【拙い口調と思考では、少女にどう伝えていいのか、適当な言葉が出て来なかった】
【それでもあの人≠ネら、きっと――】

死なない。……それに、……あなたは……何もしてないよ……?
だから、……わたしは……あなたを――――

【弱さになんて負けちゃいけない】
【悪霊がお前をダメにするのなら、それを引き摺り出して殺してやる】
【お前が抱く、苦しみと一緒に、全部吹き飛ばす】


―――あなたの中の……悪霊を、……[ピーーー]


【 こう言って――どこまでも無理矢理に、救おうとするはずだ 】

【左腕を少女に向けて振る――その動きに合わせて、黒球がそちらへと放たれる】
【狙いなどどこでもいい、命中するとその人の体力と魔翌力を、僅かだが吸収する魔弾だ】
【そしてこの球体は、魔翌力で出来たもの以外ならばあらゆるものをすり抜ける】
【水の人形が進路に立ち塞がったとしても、魔翌力で出来ていない限りは無効化できないはずだ】

【普段ならば気付かれにくい物をすり抜ける性質=z
【しかし今は雨が降っている。よく黒球を観察すると、雨粒が弾かれていないことに気付けるだろう】
【速度もそれほど速くはなく、回避は容易い筈だ】

/ではよろしくお願いしますっ
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 22:30:09.14 ID:LuQjICgt0
>>449

なにがつもり≠セッ!! お前は死にに来てんじゃねぇか!! なんだったってんだよさっきのザマは!?
誰がお前に戦場に出ろと強制してるんだ!? あたしと違って、お前はぬくぬくのうのうと生きる事を選択する事が許されてんだろうがッ!!
勝算もなく向かってくるなら、お前の言ってる事はただのお題目だ……!
勝算があるってんなら、お前はあたしを舐めている…………舐め腐ってるだけだ……ッ!

【まさか――――万全からは程遠い状態で、それでも勝つために自分に向かってくるというのだろうか】
【もしそうだとしたら――――自分が極限に舐められているか、向こうが救えない馬鹿かのどちらかでしか無い】
【――――ブラックハートの激昂が、本来なら鋭敏に反応するであろう語群を感知させなかった】

なっ―――――――

【切りつけて分かる。オートメイション化された肉体】
【自分が潰した目はまだ分かる。しかし――――この骨はなんなのだ。自分とは対照的な色をした、血とは言い難い液体はなんなのだ】
【決着をつけようとしていた相手は、既に人間でなくなっていたのか――――――――】
【ブラックハートの思考がホワイトアウトする。そんな状態で放たれた爆風に対し、有効なリアクションなど取れるはずもなく、吹き飛ばされた】

……っ、ぐ、ぅ…………
――――――――なんでだよ…………なんで、お前は…………お前は…………!!

【吹き飛ばされた身体へのダメージは、地味に大きい。この表現が適切だ。「致命傷ではないが無視は出来ない」と言う意味で】
【しかし、むしろブラックハートには精神的なショックの方が大きかった】
【感情の嵐が思考を食いつぶし、纏まった考えが出来ない。形に出来ない思いが、半端な言葉となって口から漏れ出る】
【――――何故そこまでして戦うのか。何故人を捨ててなお危うい道を突き進むのか。何故自分の様なろくでもない存在へと『墜ちる』事を選んだのか】
【あらゆる言葉が湧いて出て、そのどれか一つも、口から出す事が出来ない】

…………お前が、馬鹿馬鹿しいよ…………そして、羨ましいねぇ――――――――!!

【淀みを抱えたままで終わらせたくはない。谷山の真意を、例え戦いを中断させてでも問いただしたい】
【しかし、既に賽は投げられている。そうした選択は、自分たちには相応しくない】
【ただ、偽らざる本心をポツリと漏らして、ブラックハートは再び攻勢に出る】
【機械鎌を収納し、ビームガトリング2門を展開して掃射。狙いなど付けずに、ひたすらに『捲く』】
【本当ならば、再び何かを企む前に制圧したかったが、身体に響いているダメージを無視して突進しては、逆に不味いと判断しての事だ】
【――――服薬で無理やり身体のコンディションを整えている谷山の体力切れを狙う考えは、いつの間にかブラックハートのの掛から抜けていた】
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/28(水) 22:39:41.77 ID:KQzo051Wo
>>450

――俺の龍砲を受けて尚その反応。
成程、認識を改めよう。少々貴様を甘く見ていたようだ

【タックルを受け流された瞬間、男は前足を地面に叩きつけブレーキ】
【踵を軸に反転し、飛来する短刀に合わせ裏拳を繰り出した】
【短刀は拳の表面に刺さり薄い裂傷を発生させた瞬間、衝撃が炸裂。其れによって弾き飛ばす】

半端な足腰では持ち堪えられまい
今の貴様の反応は日々の鍛錬の賜であろう

面白い。鼠狩りにも飽きたところだ
――――久しぶりに「敵」に会えたぞ、女

【頬や耳から少なからぬ出血を垂れ流しながらも、男は鉄面皮でそう語る】
【機械じみた感情を含まぬ声。しかし、言葉には微かなれど歓喜の色が混ざっていた】

【男は乱れた姿勢を素早く正し、軽くスーツの埃を払う】
【そして、】

貴様が俺の心の臓に刃を突き立てるが先か、俺の技が貴様を砕くが先か
人間という生き物はは死を目前とし、「試練」を越えてこそ昇華される

……簡単に壊れてくれるなよ。

                 【< 燕脚 ―― 猿甲 >】

【片足を踏み鳴らし、衝撃を発生。前方への推進力を生み出す】
【一方向、女のほうへと爆発的な加速を以て肉薄を図り】
【行動が成功したならば、素早い動作で右・左とそれぞれ顔面と胸部を狙い掌打が打ち出されるだろう】

【単純な動きではあるが、一撃一撃が衝撃強化によって高い威力を有しており、「崩し」としての力が強い】
【しかし男の動きは一つ一つが豪快で大振り】
【この猛攻をやり過ごしたならば、その後に発生する隙が反撃の好機ともなりうるか】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/09/28(水) 22:44:27.06 ID:4Bt5oCWSO
【――路地裏とは】
【得てして何かしらの訳を抱いた者が棲み付く、もしくは寄り来る場所であるのだが】

【今宵の来訪者には、一体どのような訳があったと言うのだろう】

(やっぱここなら居ない、かなぁ)
(…完全に安心出来るかと言えば、嘘になるけど)

【白皙の青年、その顔立ちは中性的―― 悪く言えば女顔であり、骨格も華奢な方と言えた】
【柔らかな黒髪は所々ハネていて、双眸は不可思議なオッドアイ、その組み合わせはピンクとパープル】

【丈の長いボーダーの服はこれもまたピンクとパープルの組み合わせで、些か目に痛い】
【タイトな灰色のジーンズに合わせたスニーカーには、金色の猫のシルエットが描かれていた】

(それでも滅多にある事じゃないはず―― こんな物騒な場所を歩くなんて、ね)

【挙動不審な様子こそ見せないが、青年はある物を確実に恐れていた】

【意味も無く、黒く塗った爪先で隣の壁を撫ぜてみたり、積まれたガラクタを蹴り崩してみたり】
【そんな行動の端々から、読み取れる物があるとするなら】
【青年のすました顔が、僅かな不安感から取り繕われたものであろう事、だ】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/09/28(水) 22:47:20.63 ID:4Bt5oCWSO
>>454
/ミスです、お騒がせしました
/取消と言うことでお願いします
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 22:48:08.21 ID:aH9ms624o
>>451

【もう何も聞こえない――極度の疑心暗鬼へと陥っていく】
【目の前の彼女は悪い人だから、殺しにかかってくる人だから】
【彼女の思惑など少女は微塵たりとも理解せず、敵意を眼に灯す】

【抜かれた刃を見て顔を歪ませた。アレで刺されたら、痛いだろうなぁ、なんて】


私は、悪くない……私は悪くない、よね―――……だって、悪霊がしたことだもん。
今から、起こることは悪霊がした事……貴方が死ぬのも、私の所為じゃ、ない、ですっ!

そう、そう……私の、前に現れたっ! 私に話しかけた、貴方が悪いんだっ!


【どこまでも自己中心的。自己防衛の為にひたすら他人の所為――でなければとっくに動けない少女】
【狂ってしまっている。壊れてしまっている。そう思うのは容易いだろう。彼女は、明らかに正常じゃない】

【人型が破裂し、盾のように少女の身体程度の大きさに広がるが、迫る黒球はそれを通りぬけて来た】
【少女は驚いたのか、後退り―――尻から水溜まりへと転ぶ。ずぶ濡れになりながら、身体を捻って】
【這うように右横へと移動していく。あまりに滑稽で、弱者の逃走の様な様子。幸い黒球の速度がそれ程でも無かった】


―――――ぁ、や……あ、ぁ……!?


【結果として左肩を掠る程度で済んだ―――が、それだけでも黒球の効果が少女の身体に与える影響は大きい】
【突如身体を襲う疲労感に狼狽する。息切れこそしないものの、明らかに体力を失った―――魔力も、だろうか】

【黒球が左肩を掠って数瞬後、少女は彼女が槍に貫かれる様にと願った】
【その瞬間、水の盾となっていた水の塊は上下左右の四方へと分けられ、放物線を描く様に標的を彼女へと】
【槍の様に尖端を細く―――そして、圧力をかけて迫る。相手の手足を貫かんと、四本の水槍が】


/よろしくでっす
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 22:56:06.43 ID:45zyWP/jo
>>452
―――勝算?‥‥っは、舐めんなブラックハート。
有る方が少なかった=Bだから、勝算なんか無いのに勝ちを取りに行くのは慣れてんだよ。

【勝算があるか、と問われた。そんな物はない、コレまでだってそうだった】
【今の貴女、ブラックハートを始めとして、レギン、ラギデュース、掃除屋、パッション・プレイetc...】
【彼らを相手に、勝算など見つけ用があるだろうか、確実な勝利への道筋など、見えるだろうか?恐らく、見えない】
【だからこそ、谷山は言う。勝算など無くても、勝ちに行くのが俺のやり方だと】
【そして、貴女の問。なぜ≠ニ言う。谷山の根幹を揺るがす問に、谷山は、口を、顔を歪ませながら‥‥】

誰にと問うなら答えてやるよ、他の誰にでも無い、俺に≠セ。
前に言ったな、元ジャーナリストだって。沢山人が死ぬ所も見て来たって。
そして、俺自体が、糞みたいな科学者野郎のモルモットとして過ごしてきた。
そして、俺は、それら全てを見て来ただけ≠セった‥‥!

だからこそ‥‥俺は、傍観者では居られない‥‥っ。
もう、のうのうと世の中の悲劇に、戦場を観察≠キるのは真っ平だ‥‥っ!

―――諦めたく‥‥ねぇんだヨォッ!

【ずっと、あきらめ続けてきた。当事者に成るのを恐れて、一歩引いた所で全てを見続けてきた】
【己のことすら、人事にしないと、壊れてしまいそうな幼少期で、己の精神を形成してきた】
【其の反動が、決して何事も見過ごすことはできないという、偏執的な――――もはや狂人の、正義≠生み出している】
【不殺など、谷山は掲げない。己の正義に立ちふさがれば、其れは敵。手段など選びはしない。妥協を、しない】 
【諦めという物を打ち捨てたからこそ、谷山基樹はこうして此処に己の意思を体現するように戦いの場に居るのだ】


――――ッ問うかよ、デリケートな思春期の男子高校生に。


【あえて、茶化すように。でないと、この戦いに背負うには身軽さが失われる程に、想いは重い=z
【右腕は激痛を訴えている。骨まで達しているのだ、当然だが。其処を糸で止血を開始し始める】
【同時に能力で痛覚と色覚及び味覚をシャットアウトし、その分を、己の双眸と脳の思考にタスク分割をしていく】


‥‥馬鹿馬鹿しくて、大いに結構ッ!羨ましいなら、なってみろよ、大馬鹿野郎によォ‥‥ッ!


【ぐっ、と足の筋肉が隆起し、地面を強く蹴り飛ばして移動、走り、飛び、体をかすめる銃弾で血が飛び散る】
【攻撃にはもはや使えない右腕を盾にするように右腕に攻撃が走り抜けて、ボロボロになっていき】
【そして、僅かな好きを塗って、柱の鉄骨の後ろに隠れるのであった】


(‥‥‥‥。全力でなけりゃ、負ける、決着を、つけなきゃ、ならねぇ)


【ぼりぼりと己の能力を補助する大量の糖分錠を摂取しつつ、即座に其れを消費し思考を回していく】
【ざわざわと体から数式が吹き上がっていき、体の一部がノイズとして分解されていく】


HELLO[ようこそ]―――――


【物陰から、そんな声が聞こえてくるだろう――――、戦いは、これからだ=z
【貴女の攻撃で受けたダメージは深刻。だが、負けるつもりはない、何時だって勝つ積りを捨てれば其処で負ける】
【吹き上がる数式が、周囲の空間にざざざ、とノイズ音を響かせ始めるのであった――――】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 23:14:07.49 ID:LuQjICgt0
>>457

(…………無茶苦茶じゃねぇか、そんなの…………!!)

【行き当たりばったりで突き進んできたという谷山の言葉は、ブラックハートを動揺させる】
【自分が今の境遇に至った事には、様々な『理由』があった。だからこそ、それを現実として受け入れるしか無かった】
【しかし――――そうした道理を無視するかのような言葉を吐いているのが、対峙している敵だ】

――――――――馬鹿が
諦めたくない一心で、諦めないで済むもんかい………………ッ
手中の、ありきたりな幸せを自分で壊しやがって……………………この、ッ…………馬鹿野郎がッッ!!

【ブラックハートには許せなかった。清々しい言葉であると認めてやってもいいが、それでもなお許せなかった】
【平凡に生きる道を、生まれた時から刈り取られ、『当事者』のポストに生きる事を常に強制されてきた】
【だと言うのに、谷山は『傍観者』で居られる自由を捨てて、戦場へと足を踏み入れた】
【まるで、破滅への欲求ではないか――――――――望んでも手に入らなかったものを、自ら不意にする谷山が、ブラックハートには許せなかった】

がっ…………くっそぅ…………!
あんな奴に、遅れを取っちまって――――――――
「――――つくづく使えんガラクタじゃな…………ブラックハート」
ッ!?

【柱の後ろへと逃れた谷山を見送り、舌打ちをするブラックハート】
【万全ではない状態になってしまった以上、敵にペースを整えられるのは歓迎できない事態。そうした自分へのいら立ちを言葉にして】
【――――そこに重ねる様に、もう一つの声がかぶせられる】

「妙な行動を繰り返しておると報告が上がって、追跡して追いついてみればこれじゃ…………何のために貴様を改造したと思っておる?
出し惜しみなどせずに、さっさと踏みつぶさんかッ」
だっ…………だが!!

【柱の後ろに隠れている谷山には、恐らくその姿は見えないだろう。しかし、老齢の域に達したらしい男性の声は聞こえるはずで】
【その声はブラックハートを厳しく、一方的に叱責する】

「フン、もう良い…………貴様の代わりは既に確保できておるのじゃ
ここで敵の1匹も殺せんのなら、もうお前に用はない…………さっさと勝て。あるいは死ね」
ッ、止めろ――――――――――――――――ッ……………………

【唐突に、ブラックハートの声が途切れる】

――――――――Wake up............

Mode:Glow Erupt
>>Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.Survive.

Stand by ready.........Go

【代わりに響いてきたのは、かつてと同じ、ブラックハートのモードが切り替わる合成音声。だがその内容は、以前とは異なるもので――――】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/09/28(水) 23:26:28.38 ID:891qN0uqo
>>456

……ばか……

【全部悪霊のせいにして、襲ってくるもの全部跳ねのけて――】


……ちょっとは、……抗ってよ……
そうやって……全部……全部悪霊が……悪いって……

――あなたは……逃げてるだけじゃない!


【そうやって自分の殻の中に閉じこもってるだけじゃ、何も変わらない】
【自分と違って意識もはっきりしてる、殺すことを強要されている様子でもない】
【ただ――それを望んでしまっているようにしか見えない】

……これだけ……答えて……
……あなたは……人を殺して……後悔したの……?
悪霊が……悪いって言うなら、……それを……止めようとした……?

【薄く開かれた唇からは、疑問が出た】
【自分の気持ちをコントロールしようと、少しでも試みたか】
【力の加減がわからず殺してしまったのなら、それでもいい――けれど】
【人を殺めたことを正当化してしまう心が、嘘であってほしい】

【――それを忘れて、悪鬼に成り下がらないで。彼女の声は、届くのだろうか】


  ―――― アーテル・スフィア


【飛来する水の槍――それを迎え撃つべく、先程の黒球を2つ生成する】
【その全てを足に迫る槍へと放つ。もちろん槍は黒球をすり抜けるが、その速度が、急激に落ちた】
【これが黒球の最後の性質、威力吸収。あらゆるものの威力を削ぐ性質だ】

【速度を落とした槍の軌道からサイドステップで退避する。だが、まだ2つ】
【その一つを刀で弾いて避け、同時に身を屈めて最後の槍をかわそうとするが――】

――いたいっ

【避けきれず右肩を掠めた。傷口から血が溢れ雨と混ざり、腕を赤く染めてゆく】

(まだ……悪霊が何か……わからない……
 どんなのか……わからない……けど、……外に出てくるものなら……
 なんとか……できる……かな)

【見るに相手は明らかに戦闘慣れしていない。接近戦が苦手な自分でも有利に立ちまわれるかもしれない】
【そう思考した彼女は、肩の痛みに耐えながら、少女へと駆けだした】
【途中、左手に魔力を溜める――腕が黒く染まってゆくのがわかるだろう】
【手が届く距離まで接近できれば、少女の腕を掴もうとするはずだ】

【成功すれば触れている間、徐々に体力と魔力を奪い取られるだろう――】
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 23:34:02.41 ID:45zyWP/jo
>>458
――――ああ、そうさ。そうできれば=Aどれだけ良かったか。
だが、俺≠ェ其れを許さない、そうしなけりゃ、俺は俺≠ナ居られない。
だから認めるよ、認めてやるよ―――俺は、大馬鹿野郎だ、そして其れでいい。

【平凡など、最初から無かった。嘗ては有ったかも知れないが、一度すべて奪い取られた】
【その後で、漸く取り戻した平穏。そして、谷山は誰が其処に残っていても文句を言わない其処を捨てた】
【そうしなければならないと、己の中の何かが叫ぶから、そうしなければ自分で居られないと思ったから】
【傍観者として、何も己で動かないなど、もう嫌だ=Bそう思ったからこそ、当事者≠選んだのだから】
【他者の強制ではなく、己の強制に、谷山は突き動かされて、生きてきた】

【そして、息が整った頃に、谷山の耳に、不快な声が聞こえてくる】
【嗚呼――――初めて聞いた声だ。だが、聞いたことがある=Aアレ≠セ】
【己の視界が、白に侵略されていく、思考が白に塗りつぶされていく。己の幼少を埋めた、無限の白が】

【そして、理解した――――ブラックハートを殺すべきだ≠ニ言う事を】 

【すぅ、息を吸う。はぁ、息を吐く。目を閉じる、目を開く】
【足の震えは止まった、体には巡る力が存在している、迷う事は、無い】


――――NexT WorlD


【――――ようこそ、新世界へ】
【直後、谷山の世界の全てが崩壊し、谷山の世界の全てが再生した】
【体の生身といえる部分が、分解されていく、そして、アートマンを取り込んだ肉体として最適化されていく】
【髪が粉砕し、直後蛍光色の緑の逆だった髪へと、変貌し。右目の義眼が途端に粉砕していく】
【四肢の傷は、傷のままに流れる血だけが緑色のものへと変化していき、傷口の断面には無数の数式が這いまわる】
【右目の空虚に、数式が収束し、白目が黒く黒目が緑色の異形の目が誕生し。瞑目、開眼】


――――死ねない理由が増えた。
テメェに勝つ、テメェを殺す――――その上で、生かす。

‥‥殺しあおうぜ、ブラックハート、話し合いは、もう終わりだ。
ケモノみたいに、食らいついて、ぶちのめし合って‥‥ッ!

【谷山の双眸が移す世界は、現在は異常な世界である】
【視認できないはずの、本来なら音や匂い、触覚で感じる筈の情報が、全て目という媒体で認識できる】
【理解出来ないはずなのに、脳が勝手にソレらをデコードし、己に強制的に認識させていく】
【莫大な情報量の認識による、世界認識の変化、其れが今の谷山がいる世界、谷山にしか確認できない孤独の世界】

【腰を落として、左拳を握りしめ、谷山はかけ出していく、己の意思を、徹すために】
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/28(水) 23:36:04.27 ID:HxIvjd6Co
>>453

(……肋の幾つかに皹。左腕の感覚が薄いが……見立てでは、折れてはいない)
(それでも、マトモに動くようになる迄は暫く掛かる、か)

【表情を苦悶に歪めながらも、攻撃を受け流した事で崩れた態勢から直ぐ様復位し】
【内心で負ったダメージを検分しつつ、二振り目の短刀を腰の鞘より引き抜いた】
【鞘走る抜き身の刃は、薄らと白く残光の軌跡を残して右の順手に構えられる】
【男に刀身から漂う魔翌力を感知する術が有るのなら、短刀が魔具の類であると予想が付くだろう】

芯を外してもこの有り様だ。流石に驚いたよ。
おまけに、まさかあれを読んでいたとは……言うだけの事はある。

――――甘かったのは御互い様だ、戦闘狂め。その言葉、そっくり返すぜ。

【彼女もまた変わらず不遜な態度で応じつつも、相手の言葉に宿る僅かな喜色を感じ取ってか】
【揶揄るような口調ながら、目の前の敵を単なる機関の狗≠ナはない一人の戦士として認識し】

【風を巻いて突進する相手を、先程と真逆の位置からやはり退かずに迎え撃った】
【先ずは顔面を狙った右掌打を、上体を左に傾けて躱し】
【続く左は、前腕に柄尻を打ち込み掌打の軌道を相手から見て左に反らす事で捌くと】

【生じた隙を逃がさず、左腕を払った事で空いた左肩に、短刀を袈裟懸けに振り下ろす】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/28(水) 23:48:19.11 ID:aH9ms624o
>>459

逃げ、て―――……逃げて、なんかない……っ!

【びく、と”逃げ”という単語に反応する様に声を荒らげた】
【雨の音に消されぬ程の声を上げたのは、これが初めてでは無いか】

【望んでしまっている―――確かに、少女は殺人を望んで”願う”】
【それを自分は悪くない、と正当化して。悪霊の所為と合理化して――真に悪霊なのは、誰だ】


後悔、なんて……止め、ようと……なんて……する、はずない。
私に、酷い事をするから―――……みんな、悪霊にやられちゃう。

止める必要なんて、無いよぅ……私を―――――ぁ、いや、ぁぁぁぁあ、ぁああぁっ!!


【問いかけに答え様として―――両膝をついて、頭を抱えた。思い出したくないものが、脳裏を犯す】
【記憶の奔流、目まぐるしく変わる記憶の情景。水溜りに小さく閉じこもって、瞼の裏の闇に映るは埃っぽい部屋】

【相手が水槍を否し、右肩を掠めただけに留まった事も見えていない―――目を瞑り、頭を抱えてか細く叫ぶばかり】
【今まで誰も自分の行いを否定する人なんていなかった。誰も彼もが私を可哀想な眼で見てるだけで、『    』くれないじゃない】


ひっ、やだやだやだやだ、やぁぁぁぁあ………っ!


【地面に屈み込んでいたら、手を掴まれる感覚――ばっ、と顔を上げれば直ぐそこに彼女がいた】
【少女の視点からすれば殺人鬼同然。腕を掴む黒い手から徐々に体力と魔力が吸い取られて行く気分】


【殺される―――この人も、私を『  』んだ】


【非力な彼女に腕を振りほどく力は無い。故に悪霊頼み―――彼女の背後に、人型が再び現れた】
【地面の水を吸い上げて、右腕に当たる部分が肥大化していく。瞬く間にボーリング球ほどになったそれを】

【遠心力に任せて彼女の脇腹目掛けて振りかぶる。固められた水塊の衝撃は―――正しく凶器であり】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/28(水) 23:52:43.89 ID:LuQjICgt0
>>460

――――――――許さねぇ…………そんな事に正しさを見出す様な奴は、絶対に…………

【望んで手に入れられなかったからこそ、ブラックハートは他者の平穏を、幸せを奪い、壊す。自分を貶めた、愚かで身勝手な人間たちが幸福を享受している事が、許せなかったから】
【ましてや――――それを自ら捨てる様な真似をする『人間』を、許せるはずが無い。矛盾している様ではあるが、対象が『人間』ならば、ブラックハートの中では完結する】

「ほほっ…………貴様に刃向う奴は、やる気満々な様ではないか…………
なれば、貴様も往けッ…………終極は、機関の内にあると、存分に教えてやれ…………互いの命でなッ!!」
............ready go
「ヒヒッ、ヒヒヒッ…………さあ往け、『G-616』ブラックハート!!
生き残り、そして殺せ…………貴様の望みを、叶えるのだ!!」

【介入者の言葉のみが、フロアに反響する】
【それと反比例するかのように、ブラックハートの言葉が消えていく。漏れるのは、端的な機械音声のみ】

............separate

【ブラックハートの銀髪を構成していた金属が、熱を放出して赤熱する。まるで、かつての赤い長髪を想起させるかのように】
【放熱するための役割のために、本来の髪から付け替えられたのだろう】
【そして――――――――ブラックハートの手足が、根元から千切れる】
【透明度の高い、水の様な人工血液をぶちまけて、ブラックハートは両手足を失い。頭部と胴体のみの達磨の様な姿へと変わり】
【同時に、背中から8本のアームを飛び出させ、更に噴射によってその身体を宙に浮かせる】
【まるで宙に浮かぶ蜘蛛の様な姿に成り果てたブラックハートは、最早『敵』ですらなく、ただ『殲滅対象』として谷山を見ていた】

「良い実戦テストの機会になりそうじゃの…………!!」

【ブラックハートを嗾けた老人の声が、下がる】
【これから始まる激戦に、巻き込まれない様に――――と言う事なのだろうか】

/すいません……今度はこちらがそろそろ落ちなければならなくなりました
/明日に回してもらっても良いでしょうか?
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/28(水) 23:54:56.40 ID:KQzo051Wo
>>461

グ、ガッ――

【この距離、タイミングでは反撃の刃を避けることは叶わない】
【如何に強靭な肉体とはいえ人の身、左肩を大きく裂かれ出血し片腕はダラリと垂れ下がった】
【神経を傷つけたのか、左肩から腕にかけては痙攣するばかりで動く気配はない】

【しかし、先程耳と頬を傷つけられた時と同様にその動きを完全に止めるには至らない】
【闘争に全てを捧げた中毒者は、冷静に使える部位を取捨選択し】
【行動を決定、僅かな間隙の後動きを再開する】

                   【 < 陸虎 - 鹿槍 > 】

【次に取った男の行動は、「足の二連打」】
【右足で地面を踏み鳴らし、自分を中心とした小範囲に衝撃波を発生させ】
【右足を叩きつけた反動をバネの如く利用した、勢いを載せた左足での膝蹴り】

【衝撃波の範囲は約1m程であろうか。地表から30cm程を這う低位置攻撃であり】
【然程広くもなく、直撃したとしてもダメージは少ない】
【しかしまともに食らってしまえば、体勢を崩され隙を晒してしまう可能性も考えられる】
【そうなった場合、追撃で襲う衝撃強化の異能を載せた左膝蹴りが危険となりうるだろうか】

【男の負っているダメージは浅くない。】
【片腕が使用不可になっており、更に三箇所からの出血も勢いを増している】
【鉄の如き鍛えあげられた肉体と、戦闘狂の精神とはいえ人の身体には限界がある】
【恐らく決着の時は遠くない。この攻撃を凌ぐことが出来たならば、勝機を一気に引き寄せることも可能だろうか】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/29(木) 00:18:58.37 ID:0FtniNilo
>>462

【少女の叫びが、感情をを震わせる】
【内側が痺れるような感覚は、決して怯えているからじゃない】
【相手の苦しむ姿が、自分と重なって――こころに刺さるからだ】
【その痛み、苦しみの断片を、自分も知っているから】

【 そして――― 】
【 ふと、今わかった。自分がどうすれば、彼女を救えるのか 】
【 そうだ――彼女は何度も訴えていたじゃないか 】


――が、はっ


【急いで腕から手を離し、退避しようとしても、この至近距離ではどうすることもできない】
【凶悪な威力で迫る水塊が脇腹に直撃し、体内に奇妙な音を響かせながら、軽い身体は宙を舞った】
【手から力が抜けて、刀がどこかへと飛んでゆく】
【2度、3度地面へと身体を打ちつけて、ようやく止まったが受けたダメージは肩のそれとは比べ物にならない】

【それでも】

【立ち上がろうと腕に力を入れる。内臓がやられたのか、口から血が吐き出された】
【痛みで眼の前が霞むけれど――自分が彼女に何をすればいいのか、やっとわかったのだ】
【倒れてなんて――いられない】

【肩を上下させながら、ふらりと立ち上がる】
【全身に力が入らないけれど、眼光だけは力強く】


はぁ、……はッ……っ、……
――わかった……の。……あなたが……言う……悪霊≠ェ……何か……


【ばしゃ、一歩。踏み出すというよりかは倒れ込むように、足を出す】


……能力も、……刀も……っ、……いらなかった……


【そのまま妨害しなければ、地を這うような速度で接近を試みる】
【一直線に、貴女だけを見つめて】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/29(木) 00:36:38.72 ID:DN8NPT9lo
>>465

【水塊が彼女を襲った―――耳に届いた微かな異音】
【水で濡れに濡れた地面を鳴らす金属音、水を弾き衝突する衝撃音】

【嗚呼、殺した。これで私は安心。悪霊がまたやったんだ、悪い子だな】
【早く悪霊を消さないとね。貴方が死んだのは私の所為じゃないから、恨まないでね】
【でも不用意に近づいて来た貴方も悪いんだよ、分かってよ――そんな壊れた理論を反芻する】


【なのに】


なんっ……で、立つ……の……。


【一般人なら、死んでた。少なくとも自分を『   』した男達は、いつもいつも一瞬で死んでいた】
【怖い。なんで立ち上がれるのか―――なんで、そんな眼をしているのか。私は、悪くないじゃない】



【なんで、なんで―――そんなに必死なの】


………っ、うごか、ない……なん、で……みんな、なんで、なんで……。


悪霊さん、まで―――……裏切るの、私を一人に……あれ、誰に、私は裏切られ、た……の?


【立てない。先程の体力を奪われたのが足に来たか―――息切れもしている所為か、呼吸が定まらない】
【病弱で貧弱な身体が恨めしい。ならば、と地を這う彼女へと再度”悪霊”の”腕”を――――と、考えても】

【しん、と人型は人型のまま。肥大化した右腕も通常に戻り、ただの人を象った水の塊がそこに鎮座していた】


【手に持っていた用途を成さなくなったビニール傘を手放して、考える。考えたく無い事に、直面した】
【雨とは違う水分が顔を流れる―――脳が痛い。ヒリヒリと疼き、泣き叫ぶ様に。”現実を見つめろ”と世界の全てが言っている様で】
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/29(木) 01:01:04.34 ID:0FtniNilo
>>466

……立つよ……

【痛みで霞む視界の先、降りしきる雨の中に佇む少女を見失わないように捉えながら】
【一歩、また一歩と着実に、少女へと近づいてゆく】

【きっとこんな状態で攻撃されていれば、今度こそ自分は死んでいただろう】
【その点では、能力を使ったことが幸いしたのかもしれないけど、そもそも根本的に間違っていたのだ】
【でも今はもう間違えない。武器は要らない力は要らない】

【 ――届け 】


動く……よ。……あなたの……苦しむ……顔、……わたし、だって……見たく、ない、から


【能力は発動させず、あと少しのところまで距離を詰めた】
【相変わらず溢れ出る、どす黒い魔翌力だけは何ともならなかったけれど】
【敵意も何もない、澄んだ紫水晶のような瞳が、少女に視線を注ぐだけ】


――わか、る。……あなたの……気持ち……が


【力なく呟いて、自分を鼓舞する。気を抜けば、倒れてしまいそうで】
【そのまま少女のすぐ傍まで接近できれば、屈んで視線を合わせて】

【  ―――そっと、その身を抱くだろう  】

【責めるでもなく、叩くでもなく、何をするでもない】
【ただ優しく、壊れてしまいそうな存在を繋ぎとめるかのように】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/09/29(木) 01:09:18.97 ID:dkY8S4Rxo
>>464
【手の内に残る感触から、敵の左肩を大きく切り裂いた事は見ずとも知れる】
【――かなりの深手だ。畳み掛けるには好機と言えるが、彼女はしかし】
【此処でも追撃は行わず、見に徹する。刃を引き戻して一歩退き】
【刹那の間に思考を巡らせ、これまでの戦闘の事を思い返す】

【初手、横薙ぎの一閃は受け止められた。擲った短刀もまた弾かれた】
【だが腕を打ち払った時と、袈裟に切り込んだ時には、思った程の衝撃は伝わらなかった】

【接触した物に自由に衝撃を流せる能力ならば、後の二つも弾けて然るべきだろう。では、前者と後者の違いとは――】

(――――体術、か)

【恐らく、動作≠セ。――彼女は遂に、彼の能力の弱点を見抜き始めていた】
【前者は、掌打や裏拳と真っ向衝突したから弾かれた。後者が苦もなく成った理由は】
【動作に付加された衝撃の向き≠ノ逆らわなかった、ないし動作その物が無かったからだ】

【解ったところで攻略は容易でないが、打つ手は有る。此処に来て彼女は、始めて能力を露にする】

(……衝撃は恐らく、動作の延長線上にしか発せない=j
(身体に依存し、近距離の一点に特化している。それゆえ高火力と燃費の良さを両立し得ているが――)

(だからこそ、予備動作が目に見える。その上に……直線的!)

【――男の右足が踏み鳴らされると同時に短刀は納められ、痺れの抜け始めた左手が】
【腰に下がった最後の一振り。その鞘を強く握り締め】

【翻す右手が太刀を抜き打ち、切り上げの一閃で地面を伝播する衝撃を、斬った=z

【刀身に纏うは、玲瓏な蒼の輝き。それと同質の冷たい光が、薄墨色の双眸を染め上げていた】
【続けて彼女は膝蹴りを刀の鍔で以て受け止めながら、後方に跳び退いて衝撃を逃がす】

――――そう言えば先程、否定する≠ニお前は言ったな。

あれは無理だよ。……何故なら、否定はオレの領分だからだ。

【膝蹴りに返す刀で応じなかったのは――衝撃を付加した脚を斬り捨てる事は、恐らく難しく】
【仮に成ってもその瞬間に、また自らの腕も膝蹴りの威力で壊されると、知っていたが故の事だった】

【左手を柄に添え、中段、正眼に構える。着地の衝撃で態勢がやや崩れては居るが】
【それでも、寄らば斬ると言わんばかりの気迫で敵手を睨む。終わりは近いと、本能で感じ取っているのだろう】
【一足で踏み込める程の距離は、同時に刀の――彼女の間合いでもある。此処は意地でも、譲れない】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/29(木) 01:16:29.53 ID:DN8NPT9lo
>>467

【迫る彼女―――動けぬ、少女 と 動かぬ”悪霊”】

【何度も、何度も少女は立ち尽くす人型に”願った”―――あの女を、殺そうと】
【じゃないと、私は死んじゃうよ。”私”が壊れちゃうよ、と心で叫ぶ】


ぁ、なんで……そん、な………。


【なんでそんなに、優しいの】


なに、が―――……わか、るの……わたし、のなにが……。
こわいよ、つらいよ、くるしいよ、もう、しにたい、しにたい……っ!

わたしが、わるいの? わるいから、みんなひどいこと―――うぁ、あああぁぁ……っ!


【抱きしめられて、強張る身体。突き飛ばそうと胸元に手を押し当てても、力が入らない】
【徐々に背中に手が回って行った―――何故、自分は彼女を抱きしめているのだろうか】

【泣きじゃくり嗚咽する。堰を切ったように、しがみついて”助けて”と大粒の雨を流す】
【身体を張って、ボロボロになっても抱きしめてくれる人。済んだ紫の水晶が、綺麗な人】
【なんでこんなにも優しいのだろう。何時ぶりだろう、優しく抱きしめられたのは―――ねぇ、私?】


【水の人型は顔を二人に向けて―――その場で立ち尽くす。街灯の光の加減かもしれないが、微笑んだ様にも思えた】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/29(木) 01:42:03.81 ID:0FtniNilo
>>469

……ううん、……あなたは……悪くない……

【膝から力を抜いたことで、もう足に力が入らない】
【少女を抱きしめる、というよりも、まるで支えられているかのように身体を預けるだろう】
【そして、耳元で囁くように、小さな子どもをあやす様に紡ぐ】


……わたしは……もう……あなたに……なにもしない……
誰も……あなたに……酷いこと……しないし……
わたしが……させない……から

――だから、ね?


【少女には、見るもの全てが敵に見えているのかもしれない。彼女の言動から、そう思えた】
【ならば、今彼女にしてやれることは、彼女という存在を、認めてあげること―――】

【なんで抱きしめようと思ったのかは、自分でもわからない。けれど、そうすれば伝わるような気がした】
【たくさん泣いて、落ち着けばきっと、すぐに気付く。怖い人なんて、そうそういないことが。】
【それを証明するかのように、ぽん、ぽんと背を叩こうとするだろう】


……そうだ、……よかったら……お友達になろう……?
あなたの……なまえ……教えて……?


【つらい気持ちも、苦しさも、友達ならば分けあえる】
【なんてことはない。ただお話しして、笑いあって、支え合える】
【そんな小さな存在になろうと、提案したのだった】

【少女の背後に立つ水の人型――結局これはなんだったのだろうか】
【能力であることは間違いないけれど、もう攻撃してこないのならば、ひとまずは安心だ】
【それになぜだが――こっちを見つめているような、そんな気もしたから】
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/29(木) 01:56:48.39 ID:DN8NPT9lo
>>470

ひっ、ぁ……わるく、ない?

【悪くない、とあれほど自分で言っていたのに彼女の一言は重く感じた】
【悪くないんだ、私は―――……私は、悪い子じゃないのだろうか】

【涙が止まらない。水に濡れて、ぐしゃぐしゃで、冷たいはずなのに――暖かい】


――――――……っ!


【今まで親切な人は居た。敵じゃない人だって、優しい人だって居たけど】
【結局のところ、少女は心の底から信じられていなかったし、どこか不安で一杯だった】

【でも、彼女は違うんだろうか。信じていいんだろうか。背中を優しく叩く衝撃が、心地いい】


とも、だち……? え、ぅ……ユイ・シュウェ……。


【友達なんて、一体何時ぶりなんだろう。見捨てられて、友達に裏切られて】
【嗚呼、思い出した―――私は友達をも殺した。皆殺したんだ。悪霊じゃなくて、”私”が殺したんだ】

【悲しくなって、現実がとても辛くて。認めたくない事実が、認められる様になってしまったから辛くて】
【でも、こうして抱き合っている間なら耐えられるみたいで、不思議だった。辛くない、安心出来るんだ】


【人型は動かず。果たして本当に悪霊なのだろうか―――眼も鼻も口も無いが、微笑んで見えるのは何故だろう】
【明確に意思はあるのだろうか?だとすれば本当に悪霊か、化物の類だが―――今は、何も言わぬ石像の様に在るだけ】
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/29(木) 02:21:56.33 ID:0FtniNilo
>>471

悪くない……だから、……落ち着いて……

……ほら、……あの後ろのも……じっとしてる……
……あなたが、……あなたさえ……しっかりしてれば……変われる……
そしたら……悪霊だって……力を貸して……くれるかも……しれないよ……?

【ずっと少女は怖い思いをしながら過ごしてきたのだろう】
【その恐怖は、なにも周りに対してのものだけじゃないように感じた】

【悪霊――彼女がそれを使役する立場である限り】
【彼女の気持ちさえしっかりと固まっていれば、それすらも思いのままに操れるようになるだろう】
【闇雲に人を傷つけるのではなくて、共存できるようになるかもしれない】


……うん、……ともだち……
ユイちゃん、か……わたしは――えと……


【何故か自分の名は口に出さず、指でユイの背に文字を書き始める】
【書きにくい体勢でしかもへったくそだが、ゆっくりと動かしているおかげで】
【集中すれば、なんとか読み取れるはずだ】

【書いた文字は3つ。ゼーロ=z
【それが、彼女の名らしい】


――よろしくねっ? ユイちゃん……


【そう言って、ずっと無表情だった顔が、笑った】
【ユイからは見えないかもしれないけれど、確かに。】
【でも、それは長くは続かず――次の瞬間には、糸が切れたようにユイの肩に顎を乗せて】

……ごめんなさい。……限界……みた、い……

【支えなければ意識を失って、そのままユイの真横に倒れ込むだろう】
【やせ我慢が遂に限界を迎えたらしい。ここまで持ったことが逆に奇跡なくらいだった】
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/09/29(木) 04:02:10.35 ID:DN8NPT9lo
>>472

う、ぁ……うん、うん……。

【ネガティブな考えも、今後は少しは改善できるだろう】
【今夜で、少女は少しだけ”戻った”―――とはいえ、未だ不安定】

【然しながら、少女は”正常な側”に少しだけ戻った。現実を少し受け入れた】
【それは大いなる進歩であり―――同時に、大いなる失敗の可能性もあるが】


【少女と言えば泣きじゃくりながら、頷くばかり】


ゼー……ロ……? ぁ、う……よろしく、お願い……。


【背中に指で書かれた文字を読み取って、こちらもお願いと呟いた】
【涙でぐしゃぐしゃで、未だ抱きしめたまま離さないが―――夜の雨は、止んだ】

【暗雲は風に流され、漸く月が現れた。薄ら雲がかかりながらも、見える弓張月はまるで―――】


ぁ、ゼーロさん……どう、しよ……。


【泣き止んで、鼻をすすりながら限界を迎えた彼女を抱きとめて困り顔】
【とはいえ、お互いずぶ濡れだからいつまでもこうしてる訳には行かないし――――……?】


…………ね、悪霊さん……お話、出来ないの?


【人型は”にっ”と仕草で笑い、二人を抱き抱えるように大きさを変えて、二人を両腕の中へ】
【辺りは水だらけだ。消えてしまう前に、きっと一晩過ごせる場所へと辿り着くだろう―――そんな、悪霊の考え】

【少女は知る事も無いはずで、ただ”眠れる場所に行きたい”と願っただけだが、なんとなく、安心していた】
【腕の中で眠る友達を抱いて、悪霊の上で次第に微睡む。目覚める頃にはふかふかベッドの上だと”確信”しながら】


/あ、あうあうあうあうあ、お、お疲れ様でしたぁぁぁ!
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/09/29(木) 20:16:08.95 ID:X4GTTiGR0
【路地裏】

…んふふふふっ。よぉ〜し…今からゲームをするよっゴンザレス君… 『ガ…ググ…ヴヴヴヴッ…!!!!』

【都会の路地裏は臭いと言う。そしてこの路地裏も例外ではないが―――今日の臭いは尋常ではない】
【しかもそれは決してごみの生臭いものでは無く】

                          【―――血と死体の臭い】

【この臭いに気味の悪さや恐怖心を抱く者も少なくは無いが、魔翌力を操れる者にはもう一つの『何か』が恐怖心をさらに煽るのであろう】
【嘔吐感を催すほどの気味の悪い、穢れた血の色の魔翌力。その魔翌力が全身を蝕んでくる様で―――】
【もしかすれば、本能が反応してこう呼びかけてくるのかもしれない】

【―――『こいつには近づいてはいけない』と。】
【もし本能に抗い、路地裏に貴方が足を踏み入れるとするなら】
【2人の男が血塗れの床の上でブツブツと会話をしているのが見えるであろう。そして蝕んでくる『何か』の元は―――左の男から】

そ・の・名・も…

―――30分で何人殺せる!? 大☆虐☆殺ゲ〜〜〜〜ムッ!!!!

【大はしゃぎしながらそう右の男に話しかける左の男の風貌は―――見た目からその狂気が表現されており】
【灰色の肌、胸から腹にかけて描かれた漆黒の刺青、そして左頬に刻まれた黒蛇―――】
【其れを見せつけるかの如く、素肌に黒のロングコートに同色のスラックス】
【特に人間かすらも疑われるその肌の色が、路地裏のコンクリートと軽く同化して特徴的である】

『ガ…ウウ…!!』

【一方、右の男。服装は路地裏によく見る若者―――黒のジャケットにジーンズ、髪型は金髪で不良を彷彿とさせる】
【都会で良く見る感じの青年といえようか】

                       【だが『普通』なのは此処までだ】

【ジャケットの下の白いシャツ、その左胸が血で赤く滲んでおり―――その上に左の男の魔翌力と同じ色で描かれているのは魔方陣】
【瞳孔は開き口からは涎が少しばかり垂れており、話す言葉も只唸り声を上げるだけで一般人とは思えずまるで―――獣】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 20:39:43.96 ID:CMHNfHr7o
>>463
―――ああ、許されないだろうな。
俺は、幸福に耐えられない。

【幸せを求めて、あの研究所から這い出して。漸く光の元にたどり着いたのに】
【己の享受できたはずの幸せは、かえって苦痛だった。その幸せが、己の過去を照らし、影とするから】
【深海魚は、浅い海では生きていけない。己もソウなのか、そう思ったこともある】
【だが、平穏は捨てたが、幸せではない積りは、今の己にはない。捨てたんじゃない、於いてきたのだと】

‥‥‥‥‥‥生かす、殺す、与える、奪う。

【生殺与奪。人の行動という物を、よく表しているとは思えまいか】
【目を見開いて、谷山は言う】

‥‥オイ、糞研究者、ブラックハート殺してからお前も殺す。
テメェみたいなドグサレ研究者は嫌いでな、その不快な声も、思想も全てが気に入らない。
其れが分かったら、とっとと逃げるこったな、一度姿を見さえすれば、地の果てまで追い掛け回す。

【脅すように、沈むように。その声は果てしなく、重い、そして鋭い】
【出来るかどうかではなく、遣るのだ。良く聞く言葉だ、そして恐らく、谷山は其れを確実に実行しようとする】
【己のトラウマを掻き毟るような目の前の光景も、其れを創り上げた研究者という構図も――――】
【――――既視感、デジャヴュを感じる程、己の其れに酷似していた】
【違うのは、光に今いるか、闇に身を落しているか、きっとそれだけ位のもので】
【悲劇に優劣など付けられよう筈も無いが、少なくとも、目の前のものは、己と似た境遇なのは、理解できた、間違いなく】

――――‥‥、こういう決着で、良いのかよ。

【舌打ちをして、下がる声の元を睨みつけながら、瞑目、開眼、ブラックハートを見据える】
【認めたくはない、こういう形での決着など。少なくとも、眼の前の相手に倒される訳にはいかない=z
【倒されるならば、ブラックハート≠ノ。其れならば文句はない。だが、目の前の相手には、倒される訳にはいかない】
【だから、構えを取った。両手をだらりと下げ、体も脱力をして。しかし、その双眸はブラックハートのみを見据えている】

(‥‥取捨選択、どれを取り込んで、どれを認識しないか。脳の処理能力がいくら高かろうと、能力が優秀でも。
其れを活かせなければ、俺に勝ち筋なんてものがあるはずはない。分析しろ、解析しろ、予測しろ、結果を出せ。
必殺技とか、そんな大層なものは使えないけど、俺には俺のやり方がある、其れを貫くだけだ‥‥!)

【谷山の視界には、相手の大きさや距離の正確なデータが写り込んで居る】
【そして、知りたいと思うデータを思い浮かべれば、脳内で其れが即座に処理され、欲しいデータを表示する】
【見れば見るほど、相手や場の情報が増えていき、データの正確性は増して行き、無駄が削ぎ落とされていく】
【どんな者でもやる、相手の行動の予測。其れを突き詰めた先が、谷山の今の世界であった】
【今、谷山の視界に見えているのは、相手が取りうる行動の予測、しかし、まだデータ不足故、その正確性は低い】
【人間型をしているならば、その予測は他の人間のデータを参考にすればデータ不足を補えるが、今眼の前に居るのは、見たこと無い存在】

‥‥‥‥‥‥。

【相手の様子を、分析しながら、谷山はじりじりとにじり寄るように接近しているだろう】
【視界には、もはや不要なデータは無く、戦闘に必要なデータしか、写っていなかった】

(‥‥‥‥機械的な物なら、俺側から、ハックを掛ければ、強制解除も不可能じゃねぇはずだ。
問題は、どうやってハックを仕掛けるか。予測と計算の正確性は低いけど、確実に半端じゃないのは確実。
どうすりゃ、ブラックハートを、殺せる=d‥?どうすれば、救える=d‥?考えろ、思考が、俺の一番の武器なんだから)

【時代劇のにらみ合いにも酷似した、異様な緊張が、場を満たしていくだろう】
【緊張という、感情≠憶えているのは、恐らく己だけなのであろうが】
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/29(木) 20:54:34.43 ID:OeXsX+XOo
>>474

……。

【路地の一角、二人の男性達から離れた場所から、唐突に殺気が膨れ上がる】
【血の姿も形も無いというのに、周囲に漂う、色濃い血≠フ臭いに反応するように――】

……何してやがる?

【灰色の男性に向けて、刺々しい声が投げ掛けられる】

【そちらに目をやれば、そこには一人の少年が立っているのが確認できるだろう】
【高い身長、既に臨戦態勢と見える、険しい表情】
【どこか稚気を残す顔立ちがなければ、青年と言って差し支えの無い少年だった】

【黒いシャツ、黒いレザーボトム、真紅のレザーベストを身に付けて、腰にはホルダーの付いたベルト】
【ベルトに掛かったホルダーには、大きな棒が二本、小さな棒が三本吊り下げられている】

……ひでぇ臭いだ、テメェら。

【銀色の短髪を逆立てた少年の、真紅の瞳が二つの影を射抜く】
【周囲に満ちる異常な様相を示す魔力に、怯む様子も無い】

答えろよ、ここで何してやがる?

【喧嘩腰の言葉遣いを訂正する風でもなく、しっかりとした足取りで、二人の方へと近付いてくる】
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 21:32:59.50 ID:FCXzYYp90
>>475

「…………ほほほぅっ!?
言うではないか、チンピラ崩れのガキの分際で……!
ま、減らず口もそこら辺ににしとくんじゃな…………「有言不実行」など、無様じゃァないか…………あぁん!?」

【声の主は、若干遠目に陣取っているようで、その姿は闇に紛れている】
【しかし、声はよく通っており、会話をするには何の支障もないだろう】
【その声に宿るのは、どこまでも傲慢な自信。完全に谷山の言葉を『戯言』としか受け取っていない事が、ありありと読みとれた】

............searching

【宙に半身を浮かすブラックハートの眼は、無感情に――――それこそ人形の様に谷山を捉える】
【言葉も、最早届いてはいないのだろう。ただ、背中の8本の兵装が最適点を模索する様に揺れ動いている】

----------------fire

【その沈黙は、嵐の前に静けさだったのだろう。あまりに唐突に、ブラックハートの身体が弾ける】
【背中の8本のアームの内の二本、先端に四角いボックスをつけたアームから、ピンポン玉程の黒い弾がまき散らされる】
【大量にばら撒かれたそれは、わずかばかり床を転がって、爆発――――小型のグレネード弾を発射する装置だったのだ】

「フクッハハハハハハハハハハ!!
そうだ!! 砕け、ばら撒け、包み焼け!!
わしらの敵を打ち砕け!! 邪魔する者など、この世界には必要ないッッ!!」

【先手を仕掛けるブラックハートの姿を見ながら、興奮気味な奇声を上げる介入者】
【冷徹――――心を無にしているブラックハートとは対照的に、その声は狂騒に満ち満ちていた】

/少し遅れてしまいました
/今日もよろしくお願いします
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/09/29(木) 21:37:59.68 ID:X4GTTiGR0
>>476

…。来たね…来た…

【左の男『だけ』がその声に反応し首を少年の方に回す――――右の男は1oとも動かず】
【そして下卑た笑いを浮かべ、突然こう笑い出したのだ】

来たよ来た来た来た来ちゃった来ちゃった来た来た来た来た来テシマッタネェェェェェエ!!!!!!
キィィィィィイヤッホォォォォォォオゥ!!!!!!! エ・モ・ノ…が来たよゴンザレスくぅぅぅぅうぅぅん!!!!!

『ヴォォォォオォオオオウ!!!!!』

【右の男もその呼びかけに対しては唸り声で反応した――――いや、彼の呼びかけにしか反応しないのかも知れない】
【明らかに右の男は――――いや、左もだが普通の『ヒト』とは言えないのだ】

【左の男はゴンザレスと言う右の男の顎を優しく左手で触り、少年の方にその首を回す――――】
【ゴンザレスの瞳――――瞳孔が開いたままの死んだ目が少年とかち合うだろうか】

いいかいゴンザレス君…彼が1匹目の獲物だよ…!!! 可哀そうダネェ〜〜〜〜!!! 可哀そうダヨォ〜〜〜〜〜!!

『ヴォウ…!!!』

よーしいい子だ…君の力は並の能力者1人とほぼ互角…結構魔翌力を注ぎ込んだからね…それ相応の働きをしてもらうよ…?
とりあえず彼の四肢を捥いで肉達磨にでもしようか!!! さぁ…大☆虐☆殺ゲ〜〜〜〜ムッ…スタート!!!!

『ギャヴ…ヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォオヴォヴォヴォボォォオオ!!!!!』

【右の男が人とは思えぬ声を上げ、涎を垂らしながら路地裏の薄汚れた地面を蹴りだし――――その少年に襲い掛かる】
【胴に向かって右手から突き――――スピードはなかなかだがあまりにも直線的でモーションが大きい為、躱すのは容易か】
【指先を伸ばしたその突きは刃物に匹敵する鋭さを持っており、その身体能力は明らかに人と言うよりかは獣に近かった】
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/29(木) 21:44:37.03 ID:acXj6pxKo
>>468

――衝撃を「斬る」、か
成程随分と厄介な異能を隠し持っていたものだ

【男は衝撃の反動によって後退、数歩分の距離を開ける】
【姿勢を正しながら分析するように鷹の目を女に向けるが、その「無意味」な行動は直ぐに辞め】
【腰を落とし、肩を開き身を屈めて両の足で地面を擦る】

だが、貴様の反応を見る限り「全てを斬れる」ような代物ではあるまい
ならば恐れる必要性は存在しない
我が『暴力』を以て、貴様の全てを屈服させ……砕く。考えるまでもない単純な解だ。

【男の戦い方とは、其の単純な回答に収束するものであった】
【必殺の破壊力を誇る異能を以て小細工ごと相手を打ち砕く】
【ただ己の動作で発生する衝撃を強化するのみの、多くの下位互換になるであろう能力ではあるが】
【其のシンプルさ故に男の性格・体格とマッチしていた】

【男は静かに右腕を引き絞り、ふぅ……と大きく息を吐くと同時に】

――倒軍龍砲。
光栄に思え、貴様を一軍に匹敵すると認識してやる。
誇りと屈辱を胸に抱き、この地にて灰塵と消えろ

                              【 < 空 虎 > 】

【腕を真っ直ぐ前方に、打ち出す】
【その瞬間発生する現象は、最初に見せた芸当と同様に空気を破裂させるもの】
【空を通し衝撃波を前方に放つ技だ。そのままでは範囲も広くなく、威力にも乏しい技であるが】
【……それで、行動は終わらない】

                          【 < 倒 軍 龍 砲 >】

【男は地面を爆散させながら屈めていた身体を前方に疾駆させた】
【そして一歩、二歩、三歩と一歩ごとに能力を発動】
【衝撃による加速に更なる加速を加え、己の身体に限界までの速度と勢いを載せ】
【前方に存在する敵対勢力を粉砕すべく、全身を使った渾身の体当たりを女へと向けて撃ち放つ】

【空虎に「対応」させることにより隙を創りだそうとした後の、男の奥義】
【余りにも愚直で単純。しかしながらも「軍を倒壊させる」意の名に恥じぬ凄まじい威力を秘めている】
【真正面から迎え撃つには危険。直撃を貰ってしまえば、相応のダメージが下ることになり】
【衝撃強化を全身に纏った体躯は、其の勢い故に掠るだけでも相当量の力が加わることになる】

【だがこの攻撃は最高度まで勢いを載せるがゆえに、通常の「龍砲」のような技後のフォローが利かない】
【対応されてしまえば膨大な隙を作り出してしまう】
【決戦の一撃。女はこの男の奥義へ如何なる手段を以て対抗するだろうか】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 21:52:09.15 ID:CMHNfHr7o
>>477
―――いいや、やるね=B
何年かかろうとも、テメェを殺す、せいぜい今際の時まで楽しむことだな。

【逃げられても構わない、捉えるまで追い続けるだけだ。何年も、何年も、何年も】
【相手がよぼよぼの爺になり、老死することになっても、その前に枕元に立ち、その首をへし折ってみせる】
【谷山は、正義であるが善ではない。正義の為なら手段を選ばず、決して妥協も諦めもすることはないからだ】
【傲慢に対して、己がするという事実のみを、返して。既に視線も心も、ブラックハートのみを見据えていた】

――――今のお前とは、決着付けたくないな。

【不気味な沈黙と配布の兵装の動き。ソレらの前で、口元には口角を釣り上げる笑を浮かべる】
【そして、相手のアームから黒い玉がばら撒かれたのを、その全てを確認し分析する=z
【後ろに飛び、爆風が迫るのを見ながら、高速思考と理論演算を開始し、目の前の相手のデータベースに変更を加えていく】

(‥‥‥‥二本はグレネードランチャー、か。拡散度合いを確認、統計化しておく。
爆風と破片の範囲を確認の後、拡散度と爆風から予測できる危険範囲を定義する、って所かね。
物理的兵器だから、多分弾の数には制限があるだろうが、数は未確認、警戒度は極めて大‥‥だな)

【グレネードの破片が、猛々しく迫り来て。しかし、その全ての弾道が見えている=z
【そして、脳内で一番被害の少なくなる行動を演算し、己に命中する前に思考を完了させる】

――――Create‥‥、NexTWorlD‥‥。

【目に見える世界が、変革されていく。己に命中する攻撃しか視認できず、其れ以外は確認できない】
【そして、行動不能に至る破片のみを己の視界に残すように、さらに己の認識にフィルターをかける】

‥‥‥‥前に‥‥ッ!

【HelloWorldを盾にすることはできない。アートマンと肉体が一体化しているのだから、無理である】
【故に、谷山は貴女の撃ち放つ弾雨をくぐり抜けて、接近する必要があった】

‥‥進む――――っ!

【ぐる、とターンをして。同時に、しゅるる、と己の体を守るように糸を生成して】
【鋭い捻りで糸を無知のように振るい、致命傷になりうる部分のみを弾き、他は甘んじて受け入れる】
【肉体を焦がし、幾十の破片が身を貫き、緑色の血と数式を拭きあげ始めたが、同時に前進を選択した】

‥‥‥‥‥‥ッ、墜ちな‥‥ァ!

【糸を再度生成し、高速振動させながら貴女の背部のアームを1つでも絡めとろうとする】
【切り裂けなければ、振動を止め切り離し、アームを双つ程括ろうとするはずであった】
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/29(木) 21:54:43.48 ID:Ou4viifko
【森の中、都合よく拓けた場所】
【そこに一つの人影があった】

(早く寒くならないかな……未だ暑い、怠い……)

【淡い真珠色の腰辺りまで伸びた髪】
【整った顔立ち、どちらかといえば凛々しい方か】
【その身体を隠すように薄い紺色のローブに身を包んだ女性】
【彼女は切り株に背中を預けぼうっと暗い空を見上げる】

む、暗いなやっぱり……、月が小さいや。

【切り株の上に置かれたのは白銀色の手甲】
【僅かな月明かりを返すそれは月を象った彫刻があった】
【更に傍らには黒色の鞘入の剣、同じく月を象る紋章が一つ】

……ああ、何か言おうとしたけれど……
…………忘れた、怠い……。

【やる気の無さを示すようにダラっとよりその体重を預ける】
【あらゆる力を抜いているのか余程の事がない限り周りの事など歯牙にもかけないだろう】
【誰が近づいてこようとどうでもよい、といった感じだった】
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/29(木) 22:01:46.07 ID:OeXsX+XOo
>>478

【哄笑を上げる灰色の男に少年が返したのは、憎悪の眼差しだった】
【少年の口角が吊りあがり、奇妙な笑みを作った】

……テメェら二人、マトモに死ねると思うなよ。

【暗い興奮に煌く赤目だけが、二人の奇妙なやり取りを睨みつける】
【どうやら少年に取って、ゴンザレスとやらの瞳が死んでいようと、マトモな様子でなくても、無意味なことらしかった】
【きっちりと二人≠ニ死刑宣告を口にした後――右手が、右腰に吊られた二本の長い棒へと伸びた】

……来やがれ。

【カキン、と小さな音がして】
【ホルダーから棒が引き抜かれた、と思った次の瞬間には、少年の右手の中には、2メートルにも届こうかという長槍が出現していた】

【同時に、踊りかかるゴンザレスに対し、少年は後ろ足を引いて、自分の体を後方へずらす】
【そうして、相手の狙いを遠ざけると共に、引いた足を捻ってターン】

【身体を一回転させて】
【遠心力を発生させ、右手に持った槍の石突を、ゴンザレスの横面から叩きつける!】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 22:07:54.40 ID:FCXzYYp90
>>480

「クフフ…………それで凄んでおるつもりか?
死は隣人、死は友人じゃぞぉ…………貴様の様な、20も生きていない若造には分からんだろうがな!?
老い先短い事など既に分かっておる!! 今のわしに、怖いものなぞないんじゃよ!!」

【人を食ったような老人の言葉が、しつこくビルの中に反響する】
【死を明確に捉えている人間――――『死に損ない』に怖いものはないという】
【あるいは只の強がりなのかもしれないし、あるいは無知ゆえに口に出来る空論なのかもしれない】
【しかし、少なくとも今の老人には、そうした言葉を吐ける程度には死を恐れていない事だけは、事実である】

「ほぅむ…………なるほど、無駄の無い動き…………機械じみておるの?
じゃが…………そういう戦い方をする以上、本物の機械には敵わんよ……ッ」

【遠目に観察しているのは、何もブラックハートだけではない。戦場全て、即ち敵である谷山をも、老人は視界の内に捉えている】
【そうして、最低限の防御・回避のみに専心してひたすら前進する姿を確認すると、わずかに感心した様なため息を漏らす】
【――――瞬時にして、その表情は再び狂気に塗りつぶされるのだが】

----------------roll slash
「ファハハハハハ!!
良いぞっ、踊れ!! 切り落とせ!!
『最終勝利』の障害を、細々切り刻んでしまうのじゃッッ!!!」

【放たれる『糸』に対して、ブラックハートの取ったリアクションは奇怪至極なものだった】
【両手足を失い、噴射によって姿勢制御と移動を行っていたブラックハートは、自分に迫るその攻撃をカメラで捉え】
【すぐさま高度を下げる事によって放たれた糸を回避。そうしてそのまま、噴射の勢いを利用して回転すると】
【背中の4本の『機械鎌』を真っすぐに伸ばして、回転したままに谷山へ向けて突撃する】
【その様を一言で言い表すならば、巨大な芝刈り機のディスクグラインダーの様なものであった】
【そうして1個の巨大な回転刃と化したブラックハートが狙うのは、谷山の足――――】
【――――正に機械じみた動きに徹底したからこそできる。無駄の無い回避と攻撃の一体化した動作だと言える】
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 22:22:10.11 ID:CMHNfHr7o
>>483
―――ああ、ぶっ殺してぇ。

【もう、何も言うまい。コレ以上のことは】
【己の記憶にこびりつく、あの男に。老人はどうしようもなく似ていて】
【それ故に、決して許すことなど、できようはずがなかったのだ】

(‥‥‥‥分析、解析。どうすりゃいいか、見極め続けろ。
並の機械よりも人間の脳の方がはるかにスペックは高いんだ、処理速度で負けるはずはまず無い。
それに、奥の手はいくつか有る‥‥、諦めはまだ早い、妥協しなければ、必ず打開の道は見える)

【老人の言葉に、反応することはなく】
【ブラックハートの行動を、谷山はただひたすらに観察し続けていた】
【そして、動作を開始した瞬間に、谷山は糸を切断、真後ろに左腕を振るい、鉄骨に糸を巻きつける】

‥‥ッ。

【糸を巻き取り、高速で宙を舞うようにして、相手から距離を取って】
【己の目の前に迫り来る足を刈る刃を見て、その瞬間、谷山は着地する――――】

【――――柱の上部に】 

【高度を上げてくるのは、予想している。其の制御ができない欠陥技の筈は無い筈だ】
【相手をギリギリまで引きつけて、糸を切断。刹那の瞬間に、己が開けた天井の穴に糸を飛ばし、引っ掛けて】

――――ッォォオオオォォォツ!

【糸を巻きとり、上の階に移動した‥‥!】
【だが、ブラックハートのカメラには、確かに谷山の足に攻撃を命中させたのを見ただろう】

【転じて、階上】

(‥‥‥‥痛覚ないからいいけど、右足、指3本ちょっと飛んだな、これ)

【糸を高速で周囲の柱や天井に巻きつけ続けている、谷山がそこにいた】
【糸は斬撃の性質も拘束にも使えないものだが、弾性に富み、斬撃に対しても強い構造を生成してある】 

【貴女が上がってくる頃には、天井からぶら下がって居る谷山がその目に映るだろう】
【そこらじゅうに緑色の血痕が飛び散っており、出血は激しいことを思わせる、が】
【血溜まりからは数式が立ち上っており、危険性を、底から感じさせているだろう】
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/09/29(木) 22:29:31.49 ID:X4GTTiGR0
>>482

え?2人? 嫌だなぁ…ゴンザレスは10分前に死んだばっかりだよ? それに死に方なんてどうでもいいだろう?
ま…そこそこ君は強そうな雰囲気出してるから、良いデータが取れそうだよ…あ、安心して!

――――私は瀕死になった人間を[ピーーー]なんてつまらないことはしないからね
もし君が満身創痍になりながらゴンザレスを倒しても、僕は君には手を出さないよ…[ピーーー]のは元気な人間に限るってね

【と、声色だけは爽やかに言うと、左の男はポケットから缶ジュースを取り出し、プルタブを開けては飲み始めた】
【リラックスしながらニコニコとした笑顔で2人を眺める彼の背景には黒く、深く、そして重い―――魔翌力が渦巻いていた】

【『10分前に死んだ――――』ならば今戦っているゴンザレスとは何なのか】
【血塗られた床にはゴンザレスの顔が映った大型自動二輪の免許証が赤く染まって落ちていた】

【一方そのゴンザレス】

『ヴォオォオッォォォウウッ!!!!』

【ただ目の前の敵を[ピーーー]ことしか考えていない様子の彼は――――先程の突きの時に踏み込んだ右足に全体重を乗っけており】
【其の為相手が後ろに引いたとしてもさらに追うしか選択肢が無い――獣のように更に踏み出し内臓を貫かんとするが】

『ギャ…!!!!ギャゴォオォォ!!!』

【彼の死んだ目には視界の横から飛んでくる石突が見えていなかった様で、彼の左こめかみに遠心力の加わった石突が直撃】
【そのまま横の壁に叩きつけられる】
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 22:37:09.35 ID:FCXzYYp90
>>484

「(フン…………させるものか
貴様の様な小石に躓いていては、『最終勝利』も『秩序』も……あったもんではない…………)」

【押し黙る老人の胸中には、初めて毒が溜まっていた】
【狂人の振る舞いをしていても、その内にあるのは確かな目的意識】
【故に、それが潰される事は老人にとっては面白くない。その不快さが、老人の狂喜をおしとどめた】

「むっ、上に行くか!!」
........................------------------------

【回転斬を回避されたブラックハートは、やはり淀みなく回転を停止させ、階上の谷山を追う】
【この事で、老人は一人置き去りにされた格好となる】

「やれやれ…………じゃがま、観客席なぞないんじゃからな
下手に追ってもしょうがあるまい…………」

【見届ける為に現われた様なものだが、流石に危険を冒してまで戦いのショバ変えについていく気はないらしい】
【名残惜しそうに二人の消えた天井を見上げ、やがて老人はビルから立ち去る】

「(ま…………本来アレは『緊急帰還用』のモード…………本当にヤバくなれば、勝手に帰ってくるじゃろ…………帰ってこなければ、それこそそれまで…………)」

【静かにビルを離れた老人は、タバコに火をつける】
【その襟もとには、≪No.37≫の刺繍が成されていた――――――――】



----------------wasp launcher......fire

【一方、階上に追いついたブラックハートは、谷山の姿を認めるや否や、すぐさま追撃を開始する】
【先ほどグレネードをばらまいたボックスから、今度は2発の小型ミサイルが発射される】
【ミサイルの加速までわずかなタイムラグがあったが、足に負傷をした谷山にはこれが効果的と、電子頭脳は踏んだのだろう】
【――――どうやら、そのボックスは単なるグレネードランチャーではなく、多目的ランチャーの様だった】
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/29(木) 22:38:52.18 ID:SwqbTk7CP
もはや能力者スレに未来はない
イベンター諸兄、この過疎地域でイベントを開いてどれほどの人間が参加すると思うかね?
これからはそれを常に考えていただきたいものだ
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/29(木) 22:40:07.06 ID:OeXsX+XOo
>>485

知ったことか。動けりゃソイツは動物だ。
……動けなくなるまで殺す=B

【ターンのために乱れた足を、前屈の構えへと戻しながら、少年はなんでもないことの様にそう返答した】
【――だが、自分とゴンザレスの戦いを、観客気分で眺めている男に、少なからず不快感を覚えたようだった】

【吹き飛んだゴンザレスの方への注意を怠らないまま、男の方へと目を向ける】
【槍を自分の前に戻し、腕を畳んで再び構えを取りながら、口を開く】

……気にいらねぇツラだ。
テメェも動けなくなるまで℃Eす。分かってんのか?

【灰色の身体に、引き連れた奇妙な動く死体=z
【それらを踏まえても、尋常の人間ではないと思っているのだろう。ゴンザレスに向けたのと全く同じ言葉を投げて】

発ッ!

【左手が閃く】
【左腰に吊られた短い棒が、少年の左手の中に握られて――掛け声と共に、投げ放たれる】
【虚を突くように投擲されたのは、抜き身の短槍。狙いは、暢気にジュースをすする、その手だ】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 22:51:52.12 ID:CMHNfHr7o
>>486
(‥‥‥‥。長くは戦えない、か。できるだけデータを集めて。
パターンの中から見えてくる隙間を縫うしか道は無い‥‥!)

【ブラックハートが、おそらくブラックハートのまま向かってきたならば、この戦法は使えなかった】
【だが、逆に行ってしまえば、現在の強力なブラックハートだからこそ、この戦法は功を奏する】
【機械的なこと、という事はある程度行動も画一化されていく、無限の反応を見せる脳ではなく】
【プログラミングされ、仕込まれたアルゴリズム通りに動くのであれば、確実にパターンというものは存在する】

【例えば、足を怪我しているから其れに効果的な戦法を選ぶ≠ニか】
【成る程、それは最善≠フ策だ。そして、最善を選ぶならば、それほど予想のつきやすいものも、無いだろう】

(‥‥‥‥ミサイル。多種兵装、か。データベースに変更、だな)

【左足に力を入れると、足元の糸が撓み、反動で別の糸に飛び移った】
【ミサイルの爆風が、己の体を掠め、右腕の表面に罅を入れて、緑色の血が飛び散った、が】
【分かるだろう。殆ど、足に負担を掛けないように、糸を利用して走らないようにしていると】
【いざという時に走れるように、体力の温存をし始めていた。そして、右手を指鉄砲の形にして、ブラックハートに向けて】


―――B A N G!


【指先から吹き上がる数式を弾核に生成し、拘束でブラックハートの胴部に打ち出した】
【当たれば神経系や、ネットワーク等、データの流れる部分に干渉し、一時的に麻痺か行動の遅延を招く効果を齎すだろう】
【これは確認だ。己の攻撃が相手に通用するか。それを知らなければ、同しようもないのだから】
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 23:09:18.15 ID:FCXzYYp90
>>489

..............

【攻撃を読まれて、ミサイルはあっさりと回避される。無論、単なる無駄撃ちで終わっている訳でもないが、想定していた効果を発揮できなければ同じ事】
【それでも、その事にいちいち落胆する事はない。そうした回りくどい思考ルーチンを排除する事こそ、電子頭脳の長所】
【すぐさま、回避した先の谷山の軌道を捉えようとして】

............!!
----------------shock................

【向けられた攻撃に、瞬時に回避動作を取るが、間に合わない。電子頭脳はそこで、すぐさま方針を転換する】
【自ら直線的に後退し、そのまま銃弾を受けて吹き飛ぶ。銃弾の威力ではなく、自身の慣性によって】
【ダメージを受けて行動に遅滞が出る事を考慮し、そのタイムラグを攻められない様に、自ら谷山から距離を空けたのだ】

............beam gatling............ready............

【自ら吹き飛び、谷山から距離を空けたブラックハートは、肩部の中型ガトリング砲台4門を展開する】
【しかし、先ほど被弾した弾丸の情報数式の効果が現われたか、照準は正確に谷山には向けられず、即時発射もされなかった】
【――――明確な隙である。しかし、自ら距離を空けた事で時間を稼いだため、復帰も恐らくそこまで遅れはしないだろうと推測される】
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/09/29(木) 23:09:45.67 ID:X4GTTiGR0
>>488

ン〜ンッ 良い面構えじゃあないか…私は君を気に入ったよ…でも今回の相手は其処のゴンザレス君だよ?
あ、ちなみに脳か心臓を潰さない限りほぼ不死身だから♪

【ニコニコとした表情を崩さずに彼が口を動かす。それと同時にゴンザレスがむくっと起き上がる】
【起き上がってから数秒後、少年が短槍を投げるモーションを取ることになるが】
【其れを目撃するとゴンザレスは驚愕の速度で床を蹴り――――】

『ガウウウウゥゥゥゥゥ!!!!』

【その短槍の軌道に左手を出し――――肉の貫く音が路地裏に響き渡った】

いやぁ〜〜〜〜こわいこわいっ
ゴンザレス君が守ってくれなかったらあ〜ぶなかったよぉォォォオオオ〜
ンフフフフフフフフフ…えらいっ…えらいぞゴンザレス君…

【ジュースをすする音は少年が槍を投げた後も途切れず、彼はそのまま今丁度飲み干した様だ】

『ゴ…ゴファ…』

ご褒美に後で倉庫の中のヘヴンをあげるからね〜もし槍の彼の心臓を持ってきたらもっといいヤクをあげるよ〜

『ゴフ…!!ギャァフゥゥゥ!!』

【――――ヘヴン。 2年前に若者の間で流行った麻薬であり、その効き目は3回吸えば常人は廃人になる可能性がちらつくというモノ】
【現在は完全に滅びたという話を聞いた人は少なくは無いかもしれない】

【――――ゴンザレスは左手に痛々しく突き刺さった槍を引っこ抜き、少年を見つめては涎を更に多く垂らし笑う】
【左手から血が流れることは無い――――】

【彼は右腕を高く上げ振りかぶると――――少年へと投げ返した】
【先程の話から狙いは心臓らしいが、ずれたのかその軌道は右脛に向かっているようである。力強い投擲である】



492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2011/09/29(木) 23:15:24.34 ID:dkY8S4Rxo
>>479
【言うなれば彼女の力は、事象を遮り力と反発し理と相殺し合う、漠然とした負の方向性だ】
【だからこそ、形を持たぬエネルギーである衝撃さえも斬る事が適うが】
【対象を選ばない無差別さ故に極めて無駄が多く、その効力は決して絶対の物とは呼べなかった】

……肯定だ。この異能だけでは、全てを斬る事など到底できない。
だが斬る≠ニいう一念の下、持てる可能性の全てを束ねれば――

断言しよう。この一太刀は、森羅万象悉くを殺め尽くす。

【そう。男の導き出した解は、寸分違わず的を射ている――小細工抜き、力と力の衝突ならば、彼は決して負けはしない】
【故に彼女は、鍛えた体と心技に異能、全てを尽くして真っ向から此れを破ると豪語する】
【全てを集約し、何より鋭く誰より速く。一切の採算を度外視して、殺される前に、[ピーーー]、と】

【それは最早、策とすら呼べなかったが――彼にとっての最大の一撃は、同時に最大の隙になる】
【彼を確実に仕留める方策は、この特攻紛いの一閃をおいて他にない。彼女はそう確信していた】


――――受け取れ。これがお前への、手向けの花だ。


【態勢を立て直し、痛む肺へと目一杯に酸素を取り込み】
【腰を落とし丹田に力を込め、じり、と僅かに姿勢を前傾】
【膝を抜いて重心を沈め、前方に倒れ込むような自然さで、大きく速く、左前方に一歩踏み出す】

【駆けると言うよりかは、地を滑るような疾走。踏み込みざまの振り下ろしで、衝撃を唐竹割りに両断する】
【互いの最高速によって、一瞬で詰まる彼我距離。間合いに到達するや、彼女はそこから返す刀で下げ構えに移行し】
【相手の右側を擦れ違い様、一閃、胴を目掛けて逆袈裟に太刀を薙いだ】

【同時にその右半身を、とてつもない衝撃が打ち据える。――たかだか一瞬の交錯にも関わらず、その被害は甚大だ】
【脚が、肺が、肩が痺れ、打点を外したとは言え突進の威力を直接受けた右腕などは、もはや剣を握っているかも解らない】
【成る程確かにその名に違わぬ、一軍を粉砕して尚有り余る威力だ。堪らず彼女は、がくりと膝を折る】

【これで剣士の命たる足も、暫くは使えまい。ろくな呼吸さえ侭ならず、意識は胡乱に霞んで行く】
【渾身の――そして、最後の一太刀。これが破られれば、此方は死に体。その敗北は必定だろう】

【感覚を喪った右腕では、それが相手を捉えたか、弾かれたかも定かでない】
【結果をその目に納めるべく、ゆるり、彼女は後ろを振り返る】
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 23:22:00.80 ID:CMHNfHr7o
>>490
――――確認完了。

【吹き飛んだ相手を見て、谷山はそう小さく呟いた】
【情報弾は、直接的な威力は極めて低い。しかしながら、その効果は防御の難しいものだ】
【其れを理解した瞬間、左腕の五指から糸を大量に生成し、柱と柱の間に網を作り上げるように、糸を張り巡らせていく】
【己の背後に、獲物を捉える、蜘蛛の網のようなものが、創り上げられた】
【そして、谷山は、糸の上に飛び乗って、ぎしり、と糸を軋ませながらたわませて】

(‥‥チャンスは一度。其れを決して逃しちゃいけねぇ。この糸を警戒して止めに来る可能性も十分に予想済み。
‥‥さて、糸と俺、どっちを優先する?)

【ぐわぁんっ!】
【糸の戻る音と同時に、谷山はブラックハートへと真正面に迫っていく】
【其れはまるで自殺行為であるが、違う】

‥‥‥‥‥‥ッ、おぉぉぉっ、らぁぁぁっ!

【ばちりっ】
【爆風を放つ回路が完全に焼き切れ、オシャカになるが】
【それと引換に、貴女を飲み込むように、爆撃を放った、威力は二度目のアレよりは高くはない、が】
【その爆風には緑色の数式の欠片がいくつか混ざっているのが分かるだろう】
【痛覚は意味を成さないと予測して、その方向性を捨てて、バグデータによるチャフ効果を谷山は狙っていた】
【機械的なもので五感を補っていると予想し、視覚等のデータを受け取るのに不具合と成る、データ障害を起こさせるつもりである】
【生身の人間であれば、効果はないが、機械の身ならば効くかも知れない、とそう思っての爆撃だ】
【当たれば、1〜2レス程、谷山の動きを含み、周囲の光景が確認しにくく成るかも知れない】
【しかし、視覚以外を谷山は妨害できない、要するに聴覚や触覚は生きている―――要するに、そこにリソースを裂けば谷山の確認は叶だろう】


‥‥ッ、‥‥ぐ。


【地面に着地すると同時に、糸で己の身を引き上げ、後ろにひこうとするが、銃弾が己の身をかすめる】
【痛覚をカットしているからまだ戦えているが、普通ならば激痛でまともに動くのもできないだろう】
【脇腹を貫かれ、右耳の耳たぶが吹き飛び、びちゃり、と緑色の其れが飛び散っていく】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/29(木) 23:25:17.51 ID:OeXsX+XOo
>>491

テメェ……!

【挑発的なその態度に腹を立ててか、少年の表情が険しくなる】
【――そちらへ接近しようと、足を動かそうとした】

……なっ!?

【獣のような咆哮と共に飛び掛ってきたゴンザレスを見て、思わず身構える】
【だが、最初から彼の狙いは、こちらの投げた短槍であったらしい】
【左手を食い破る音と共に、戦線に復帰したゴンザレスを、少年は睨みつける】

(面倒な……)

【さながら忠犬の如き、身を挺した守りを見て、舌を打ち鳴らした】
【どうあっても、このゴンザレスとか言う獣まがい≠倒さねば、道は開けないということ】

っく!

【思考の隙にも、ゴンザレスは動く】
【こちらの虚を付いたような俊敏な動作ではないが――虚空を見つめる、開いた瞳孔からは、その狙いを読み取ることが難しい】

クソが……!

【心臓を狙った一撃とばかり思えたその投擲は、青年の右脛の外側を霞めていった】
【レザーボトムに血が滲む――それを苦い目で見つめてから、少年は再び前を見やった】

……猿回しなら他所でやりやがれ!

【エサ≠ちらつかせる男と、それを待ちわびるゴンザレスに、そんな悪態を吐いて】
【少年はゴンザレスに向かって走り寄る】

【――繰り出されるのは、単純な突きの一撃】
【ゴンザレスの初撃と同じく、直線的な軌道の、分かりやすい攻撃】
【違いと言えば、彼の両手で握られた槍――二メートルの長柄、そのリーチの差だ】
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 23:34:36.58 ID:FCXzYYp90
>>493

............!!

【内部に蓄積したエラーの処理。それは谷山の第二撃の飛来までに除去しきれなかった】
【跳躍のための糸の散布も、その跡の突撃も、ブラックハートは見逃してしまい、そのまま爆風を浴びせかけられる】
【そして現われる二次効果――――ブラックハートにとりもっとも重要な感覚である視覚が、支障をきたす】

--------burst burst burst burst................!!

【制御こそ取り戻し、再び宙へと身を躍らせたものの、敵の姿は愚か周囲の状況すらも正確には把握できない】
【この様な状況に陥った際に、取るべき手段は人間でも電子頭脳でも1つと判断する】
【――――搭載されている射撃兵装を全て展開。その場で全方位に向かって出鱈目な乱射を始めた】
【ともあれ、この異常が治まるまでは、敵に接近を許してはならない。攻撃に転じる余裕も与えてはならない】
【ビームガトリングの青い銃弾がまき散らされ、ツインレイの緑の閃光が出鱈目に空を切り裂き、グレネードの爆風が『壁』としてブラックハートを包む】
【――――そうした中、ツインレイの光が1条、偶然に真っすぐ谷山へと打ち出される】
【一撃の威力に特化した射撃――――目くらましと言わんばかりの乱射に混じったそれは、無視できない破壊力を秘めている――――】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/29(木) 23:45:42.60 ID:acXj6pxKo
>>492

……貴様のような人間を何と呼び表すべきか
久しく口にしていなかった言葉だ、思い出すには時間がかかる

【突き抜ける衝撃の余波にて大地を割り、空気を裂き、空間すらも僅かに歪めながら】
【巨体は其の動きを止め、背を向けたままゆらりと姿勢を戻す】
【吹き荒れた暴力の後とは思えぬ、あまりにも静謐な空間】
【ポツポツと言葉を漏らしながら、懐に仕舞ったサングラスを取り出し鷹の目を漆黒で覆う】

【女の捨て身の一撃は、男には通用しなかったのか】
【男は女に背を向けたまま、石像のように直立し一人静かに声を響かせていく】
【それは何秒の出来事だったか。恐らくは数瞬であっただろうが、男にとっては数時間にも感じられた】
【そして男は、首を上げて夜天を仰ぎながら】

そうだ――「勝者」だったか。
俺が貴様らのような人間に向けるのは幾年振りか
もう思い出すことも難しい、遠い追憶の彼方だ……――――

【夥しい量の鮮血が、思い出したかのように男の腹部から吹き出した】
【勝敗は、既に決していた】
【男は其の場で膝を付き、腹を抑え動かなくなる】
【女の一撃は確かに、男の戦闘能力を根こそぎ消失させるに足るものであった】

俺は貴様に及ばなかった。珍しくもない、ただそれだけの事だ

勝者は敗者を踏み躙る権利がある
闘争には常に勝者と敗者があり、そこに一切の例外は存在しない

――今ならば、容易く首を狩れるぞ
貴様の好きにするがいい。俺の生殺与奪権は貴様にある
下らん情に溺れ俺を見逃すなどという、甘えた考えは捨てることだ
……俺を、殺したくて仕方ないのだろう『同類』?本能に抗うなど、羊だけが持つ愚かな選択だ

【首だけを女の方へと向けて、名も知らぬカノッサの男は語りかける】
【勝者が敗者を蹂躙する。其れは男が語ってきた言葉であり、男自身が敗者となった場合も例外ではない】
【故に選択を迫る。生殺与奪権を得た彼女へと、己の命を如何にするかと】
【男は酷く落ち着いている。いや、感覚が麻痺し、死への恐怖すら存在しないのだろう】

【[ピーーー]には数歩進み、白刃を振るうだけで事足りる】
【闘争しか知らず、闘争の中を生きた男はただ、敗北という結果だけを受け入れていた】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/09/29(木) 23:48:08.64 ID:X4GTTiGR0
>>494

残念〜君の実力はゴンザレスと互角くらいのようだね…
ま、能力者と互角なら胸張っていいよ!

【空の缶ジュースを後ろに投げ捨てながら、道化のように嘲けてみせる】

うーん…やっぱり精度が足りないなぁ…もう少し魔翌力を注ぎ込む必要があるか…
じゃ…次はアレのチェックだね…

【パチンッ】【『制度が足りない』とは槍の狙いのずれのことを指しているのであろう】
【灰色の男のフィンガースナップにより、軽い破裂音がコンクリートの壁を反射した】

『ガッ…ウォオオオオオォォオ!!!!!』

【それに応えるように『獣』の咆哮――そして走り寄ってくる彼の前に開いた右手を出した】

『ガァッ!!』

【手からはバレーボールとほぼ変わらない大きさの火球が生み出され――大きな炎の音と共に打ち出された】
【しかしまたしても狙いの心臓からずれたのか、左膝へと飛んで行く】

魔術も使える死体…なかなかRomanticだろ?
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/29(木) 23:49:05.35 ID:CMHNfHr7o
>>495
――――‥‥っっ、チィィィィィイィィィッ!

【着地したのは、網≠フ目の前。そして、その瞬間に――――己に、閃光が襲いかかってくる】
【成る程、恐ろしい威力である。そして、さすがに動き続きで、肉体に無数の負担が積み重なっている】
【―――即ち、回避不能の結果を高速思考は叩き出した】
【そして、高速思考は、どうするべきか、対処を結論付けた】
【閃光に向けて、右腕を体のひねりを加えて、叩き込んだのだ。そして、緑の光芒とすれ違うように緑色の線が駆け抜ける】


―――――――ッ、ぎ‥‥ィ‥‥!


【が‥‥っ、ぶ、‥‥ちゅ‥‥びちゃ‥‥っ!】
【閃光は、確実に、谷山の身に、命中した、だが僅かに威力は軽減されたが】
【払った代償は、右腕を二の腕から下、失うというものであった】
【鈍く光る鋼色の骨と、周囲に飛び散り、噴射する緑色の血液と数式が、スプラッターな光景を生み出していた】
【なぜ、義手ではなかったのか?‥‥其れは、未だ結論を出すべきではない、ココに谷山の仕込みはあるのだから】
【しかし、ダメージが拡散された理由は、金属製の骨の表面が光沢を帯びていたことに有る】
【鏡の様に完璧に反射を成功したわけではないが、其れによってある程度のダメージを減衰させたのだ】
【ソウでなければ、そのまま半身を谷山は恐らく失っていただろうからである】

――布石は十分。

【そして、先ほど、すれ違うように放った攻撃が、攻撃の直後の貴女に、襲いかかるだろう】
【―――効果は、相手の武装関係の回線に、わずかに鑑賞をすること。要するに、狙いをつけづらくスル】
【しかし、視界を取り戻している上、射撃武装以外ならば、意味を成す。要するに、鎌ならば普通に当たる】

【そして、命中したとすれば、谷山が網の前にへたり込んでいる、姿が見えるだろう】
【諦めたかのように見えるがブラックハート≠ネらば、可笑しいと。そう思えただろう】

‥‥‥‥ッ、ご‥‥ぉ‥‥。

【負担が限界に達して、吐血すら、している】
【‥‥ココが好機、そう思わせる、本当のピンチであった】
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/30(金) 00:04:11.65 ID:dBm5ju/Go
>>497

……っ、!

【少年は歯を食い縛って、その口から漏れ出る罵倒をせき止めた】
【どれだけ吠え立てようと、ゴンザレスの後ろに居るあの男を揺るがすことは出来ないのだから】

【繰り出した槍に、ゴンザレスの右手がかざされる】

(また手で受け止めるつもりか……?)

【だとしても、構わない】
【――あの男の言う事を信じるでもないが、右手ごと、その心の臓を貫けば、それで勝負は決するはずだった】

っづ、あァっ!

【灼熱の閃光が、突き出した槍の向こうであふれ出す】
【槍を突き出した不安定な体勢で、迫る火球を処する術など、少年にはなかった】

【レザーボトムを焼け焦がし、少年の膝が煙を吹いて爛れる】
【苦鳴を上げて膝をつき――それでも少年は、憎悪の篭った視線を、灰色の男へと投げる】

クソが……。
……芸術家気取りかよ、あァ!?

【さきほど飲み込んだ罵倒を、とうとう喉から搾り出して】
【再び、左手でホルダーから短槍を引き抜く】
【右手に持ったままの槍を、ゴンザレスの迎撃用に構えながら、ゴンザレスの陰から、短槍を男の顔面に目掛けて投げつける】
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/30(金) 00:07:45.00 ID:3FKn58dp0
>>498

............hit

【変わらず作用しない視界の中、ブラックハートは音で谷山への命中を確認する】
【その事は、電子頭脳に落ち着きを取り戻させる――――否、この表現は的確ではない】
【敵へのダメージを入れられた事で、取るべき選択肢の幅が増え、てんで出鱈目の攻撃以外に有効な手が増えたのだ】

--------danger
energy......red
fire condition......red

【だが、この時ブラックハートには別の危機が迫っていた】
【乱射によるエネルギーと残弾の枯渇。姿勢制御に用いる推進剤の不足】
【更に、谷山に仕掛けられた火器への干渉による、動作不良】
【そこに元々のダメージが加わり、ブラックハートにも限界が近づいていたのだ】

............

【そこまで状況を確認し、電子頭脳は沈黙に入ってしまう】
【ブラックハートの『ここで決着をつける』と言う意気込みは、電子頭脳には共有されていない。故に、撤退を一つの選択肢として選ぶ事もあり得るのだ】
【しかし、敵も満身創痍である事は確認できている。ここで有効打を撃ち込めれば、確実に殺害できるだろう】
【そのジレンマに、判断の時間を必要としているのだった】

----------------survive

【――――最後に選んだ結論は、撤退だった】
【ブラックハートは、残るグレネードとミサイルを外壁へと発射して壁をぶち抜く】
【両手足を失ったブラックハートはそこから身を投げるだけで、宙を掛けて帰還する事が出来た】
【しかし、ここで戦闘行為を続行していたずらに消耗すれば、それも怪しくなる。そう判断したのだ】

..................

【とは言え、露骨に谷山に背中を見せるような行為はしない】
【じりじりと、外壁の穴へと移動しながら、わずかに背中の鎌とビームガトリングの内の1門を待機させる】
【最後まで、抵抗力は残しておかなければならないという判断を、電子頭脳は残していたのだ】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/30(金) 00:19:13.08 ID:viSdpXQQo
>>500
――――、オイ‥‥逃げんなよ‥‥っ。
決着を‥‥、つけよう‥‥ってよ‥‥ォ‥‥ッ。

【びちゃり、口から緑色の液体が溢れる】

‥‥‥‥‥‥‥‥、畜生‥‥‥‥ッ。
生き延びてやる‥‥ッ、どんなに無様でも、どんなに傷ついても‥‥ッ!
正義の遣ることじゃないと、誰かに非難を受けようと‥‥ッ!

ブラックハート‥‥ッ、次は、次こそは‥‥ッ、ぶっ殺す=d‥。
テメェも、テメェをそうした馬鹿もだ‥‥ッ!

【最後の力を残していたが、負う力は、残っていない】
【だからこそ、警戒を示しつつも、貴女が逃げるのを、見送らなければならない現状に】
【己の心が、軋み。腕の痛みすらを忘れさせる】

‥‥‥‥ッ。

【‥‥‥‥、谷山は、貴女が逃げるのを、見送ることしか出来なかった】

【だが、貴女が飛び降り、期間をするその時、遠くのビルから誰かが、其の現場を見ていた】
【ビルの上には、白衣の少女と、メイド服の女性の影が――――――】
【貴女が消えたならば、白衣の少女とメイド服の女性も姿を消すだろう、そしてしばらくして谷山も誰かに連れ去られる筈であった】
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/09/30(金) 00:23:03.19 ID:0H4bfSXi0
>>499

ヒャハハハハハハハァ!!!!!いいねぇ!!!思っていた以上の火力じゃあないのォ――ッツ!?

【顎を上げて大きく笑う彼の眼に、鈍く光る刃先が飛んでくるのが一瞬見えた――】

【ガッ!!!!】

…ふぅ。やるじゃない…あの状況で私を狙ってくる根性、見直したよ…この痛みと共に君の名を覚えておくとするよ…
さぁ、君の名を語りたまえ…それとももうその気力すらも残っていないか…?

【槍の刃先は右手に握られ、指の間からは血が流れていた――即ち槍を掴んでいたという事】

…おっと、死体に練りこんだ魔翌力ももう切れかけか…もしくはボディが持たなかったのか…スタミナ切れが今後の課題…だね

【灰色の男の目線はゴンザレスへ――すると】

『ァ…ァ…ァ…ヴ…』

【棒立ちになり、姿勢も不安定に揺れている――腕はだらっと垂れており、隙しかないと言っても過言ではない】
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/30(金) 00:29:48.01 ID:3FKn58dp0
>>501

........................

【ただ無感情に、ただ音声として、ブラックハートは谷山の言葉を、静かに聞いていた】
【そしてそのまま、夕闇へと身を投げ出し、残された推進剤によって空を駆ける――――】



「…………ふむ、確かに……とりあえずちゃんと帰還出来るだけの能力はある様じゃな…………
プロセスの踏み方も、しかと筋が通っておる…………これで良い…………ッ!
中核さえ残っておれば、いくらでも修理は効くんじゃからな…………」

【ビルから2キロほど離れた路上に駐車していた、ブラックハート用の移動拠点のトレーラー『factory』】
【その荷台で、両手足を失い、弾もエネルギーもほぼ底をついた、満身創痍のブラックハートを回収し、≪No.37≫は不敵に笑んでいた】

「じゃが…………やはり戦闘力は今一歩じゃな…………
所詮試作体に過ぎんし、その範囲では良くやってくれておる。おかげでプロジェクトも息を吹き返した様なもんじゃが…………
――――やはり急がねばならんのぉ…………ステップアップを…………!」

【両手足を始めとしたダメージ個所の『修理』をしながら、≪No.37≫は眼を怪しく光らせる】
【そこにいたのは、狂人ではなく科学者としての顔。『最終勝利』を声高に叫んでいた老人とは異なった、怜悧な表情があった】

/3日間、乙でしたー!
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/09/30(金) 00:36:19.52 ID:viSdpXQQo
>>503
【統一生徒会第十三研究所、施術準備室】
【其処に、双つの影が有る。ふたりとも、普段と違う手術着に身を包んでいて】
【淡々とした様子で、会話を交わしていた】

「‥‥‥‥嫌になる。そういう感情を抱けるようになったのは、喜ぶべきなのだろうな。
‥‥一度、何らかの形で折衝を取りたいものだ」

『‥‥ブラックハート。‥‥‥‥、アレじゃ、あたしよりもずっと道具みたいじゃないか』

「‥‥‥‥まあいい、とりあえず、今必要なのは、治療だな。
‥‥骨の入れ替えでも、現在の谷山君に移植は無理、か。
能力の制御をマスターしたみたいだし、其れを応用しても‥‥‥‥。
‥‥どっちにしろ、暫く掛かる、か。‥‥‥‥耐えて、我が友」

『必要薬剤の準備完了、行くか、マスター』

「‥‥ああ。コレより施術を開始する、患者は谷―――――

【一夜の邂逅に決着は付かず、何時か、決着をつける日は、来るのだろうか】

/*乙でしたー!*/
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/30(金) 00:38:19.68 ID:dBm5ju/Go
>>502

……く。

【痛みで赤く明滅する視界の端で、槍を平然と受け止める男の姿が映った】
【些少のダメージは与えたようだが――動けぬまでのダメージではないだろう】

【――勝ち誇ったような男の言葉に、少年は暗い声で名乗りを返す】

 ヴェンデッタ
贖血の復讐=B

……テメェは殺す。
その余裕面を剥いで、テメェが生まれてきたことを後悔するくらいに殺して、殺して、殺してやる。

【まるで獣が唸るように、人の名前とは思えぬような名前を口にして】
【呪うように、残虐な言葉を宣告する】

……どけよ、下っ端ァ!

【自分の言葉に怒りを覚えたか、赤い目をギラつかせて、ヴェンデッタは右手の長槍を振り上げる】
【左脇に槍を回して通し、左手に持ち帰る】
【左手に持ち替えた槍を、さらに腰から右脇に向けて回して通し――右手に持ち替えて】

【巻き付く蛇の様に、槍を身体の上を這わせて加速】
【上半身のみ、純粋な技術で槍を振るう間合い≠作り出して】
【ゴンザレスの左胸、心臓部を狙い討つ!】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/09/30(金) 01:02:21.84 ID:0H4bfSXi0
>>505

いいねぇ…気に入ったよヴェンデッタ君…ホントはこの刻印を刻みこんで私のモノにしたいけど…

【目線は――自らの左手に】【汚れた血の色の魔方陣が左手を包んでおり、それはゴンザレスの左胸のそれと同じものであった】

手負いの君では簡単すぎてつまらない…次に会ったときは遠慮無くさせてもらうけどね

【そしてゴンザレスは――――】

『ガ…!!』

【左胸を完全に貫かれ、力無く膝から崩れ落ちた】
【もう、動く気配は無い】

…ま、さっき殺したばっかの不良君にしては良く頑張った方だよ…
あ、こっちも言わなきゃね。私の名は――

――――――ディレンジ・ベルモンド。昔は麻薬組織のトップ…今は徒のネクロマンサー、そして近い未来―――世界を混沌に導く者

【闇より深いその魔翌力、貼り付けたようなで不気味な笑顔、何よりその邪悪な風貌…本気でこの世界を壊す気である】

…いずれ水の国とかで暴れる予定だからよろしく…ンフフフフフフ…じゃ、是非殺しに来てね♪

【彼の後ろに黒いオーラの円が具現化されていく――――恐らく空間転移の魔術であろうか】
【どんどんその円が右にゆっくりと回転しながら肥大化していく――――】

507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/30(金) 01:10:00.80 ID:dBm5ju/Go
>>506

うるせぇ……!

【つきこんだ槍をすぐに引き抜く。崩れ落ちるゴンザレスにはもう目もくれず】
【火傷と創傷に悲鳴を上げる両足をおして、ヴェンデッタは立ち上がった】

テメェの名前なんざ知ったことか!
四の五の言わず……!

【槍を抱えて、消え往くベルモンドに向かって、走り出す】
【――だが、両足に怪我を負った身では、先ほどまでのような素早い足捌きなどできるはずも無い】
【俊敏さを失った動きで、それでもヴェンデッタは槍を突き出す】

……ここで死んでいけ!

【黒い円を描く魔力の繭に、黒い長槍が突き出される】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2011/09/30(金) 01:24:20.75 ID:ZHJDcjA9o
>>496
【――沈黙。人や虫の声どころか、葉擦れの音も、風鳴り一つさえもない】
【冷たく舞う蒼光の残滓が、衝撃の嵐の後の凪をそのまま、世界を凍てつかせてしまったようだった】

【そんな惨状が嘘のような静寂の中、彼女は己の、途切れる二歩手前程で踏みとどまった脆弱な息遣いと】
【訥々と響く、地鳴りのように重苦しく無機質の声のみを、ただ訊いている】
【洞々たる夜闇の向こうに、何かを思い出そうとする彼の背を、蒼い瞳で睨んでいる】

――――そうか。勝ったか。

【走馬灯か、などと軽はずみな問いは掛けられない。自分もまた、薄氷を踏んでいる事には違いない】
【そうして押し黙ったまま一瞬とも久遠とも知れない時を待ち、ややあって】
【どっと溢れだす鮮血が、沈黙を破って紅花を咲かせ、彼女の勝利を告げれば】
【漸く口を開いて、ぽつり、他人事のように呟く。――辛勝だった】

【視線を俯ければ、あらぬ方向に曲がった右腕。驚く事に、まだ刀を握っている】
【痺れの残る左手で懐紙を取り出し、刀身を拭うと、強張った右手から無理矢理に刀を奪い取り】
【杖代わりとして体を起こし、彼女は亀の歩むような鈍さで立ち上がる】

無論。正義の味方なんて柄じゃあないが、その末席を汚す以上は――
もしかしたら敗けていたなんて、敵に無様は晒さないさ。これが、全て。
……鬼が敵なら鬼を斬り、神が敵なら神を絶つ。
この絶蒼≠ヘjustice同様、決して撓まず決して屈さぬ、無二の利刀であるべきだ。

そして――ああ、確かにその通りだよ。その考えは確かに、戦場に於いては不変の真理だ。
だが戦う術を持たない非戦地帯の民間人に、闘争の結果である勝ち負けを押し付けるのは度が過ぎていた。

だからオレは、自分の世界を脅かすお前を殺す。……生かす気なんざ毛頭ない。
――――だがオレは今のところ、進んで殺す獣じゃあない。

お前の知っている事を何から何まで聞き出せるなら、最低限の人権を考慮した上で拘束する。
嫌ならば、嫌と言うがいい。武人としての生を全うしたいのなら、素っ首即座に刎ねてやる。

【そこから先は、最早事務的なまでの無機質さだった】
【片足を引き摺って近寄りながら、彼女は司法取引のようなものを持ち掛ける】
【選択を迫る彼へと逆に提示された条件からは、一切の温情は窺えない。彼の選択は二つに一つ】
【自由を奪われるか、生を奪われるか――だ】

――――朔夜。それがオレの名だ。最後に訊いておく。お前は?

【遅々とした歩みで間合いを詰める彼女は、彼の選択が何方だったにせよ、それを躊躇わず実行するだろう】
【逃がせば彼は自分と同じく、間違いなくその先で人を殺す。そう断じて、責務を忠実に果たすだろう】
【振り上げられた刃が、月を映して酷薄に光る。放たれた名と問いのみが、彼を悼んでいた】

//散々遅れてすみませぬ……限も良いところですので、此方のレスは〆とさせて頂きます
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/09/30(金) 01:25:41.25 ID:0H4bfSXi0
>>507

…その諦めの悪さもあのガンマンに似てて好感が持てるよ…サービスで一つだけ見せてあげよう…純粋な魔翌力の剣≪禊祓(ミソギハラエ)≫を

【ギィィィィン!!!!】

【響いたのは金属音―――その音の出所は】
【汚れた血の色をした魔翌力を硬化させ―――剣の様な形で纏われる右腕からであった】

…わお。右腕今結構ビリビリ言ってるよ?受け止めるのも疲れるものだね…いい突きだよ…
おおっと、もう出来た様だ、次会う時は私が起こす革命でかな? じゃ、殺しに来るの待ってるよ〜♪

【左手を軽く振り、その貼り付けたような笑顔のままで―――ディレンジ・ベルモンドは深い闇に溶けて消えていった】

/お疲れ様でした!!
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/30(金) 01:30:11.68 ID:0WNeiCxKo
>>508

――名など、語る意味もない。
俺はただ、敗者の歴史に埋もれ果てるのみだ

【男に躊躇いはない】
【ただ己の敗北と死を受け入れる】
【弱肉強食。其の摂理を骨の髄まで刻んだこの戦闘狂は】
【事ここにきて生を惜しむ反応など、微塵も見せることはなかった】

【寒村に響くは鈍く果実が腐り落ちるような音】
【名も語られぬ村で名を語ることのなかった一人の男が、闘争の果てに散った】

【カノッサ機関の男――死亡】

/乙
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/30(金) 01:33:12.78 ID:dBm5ju/Go
>>509

な……!

【ヴェンデッタは、己の右手に伝わる硬い感触に息を呑んだ】
【物質化するほどの濃密な魔力――剣のように形成されたソレに、槍は止められていた】

テメ……!

【槍を引き戻して、もう一度突き出す】
【――それだけの時間すら、遺されていない】

【余裕ぶった声が残響を伴って消えていくのを、ただ見守ることしか出来ない】

っ……ふざけんじゃねぇぞ……。

【噛み締めた唇から、怨嗟の声が漏れる】

……次はぶっ殺す! テメェだけはぜってぇにぶっ殺すからなぁああ!!

【どれだけ吠え立てようとも、それに答える影も無く】
【少年の咆哮は、虚しく路地裏を奮わせた】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/30(金) 01:34:04.29 ID:dBm5ju/Go
>>509

/おつかれさまでした!
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/09/30(金) 20:07:01.91 ID:Iuym7f5SO
【公園】
【その中心に、真剣な面持ちで立つ人影があった】

【ツリ気味の糸目、まるで手入れのされていないバサバサの黒い長髪】
【夜空の闇を映したような闇色の和服に近い衣服】
【和服には無い、垂れや紐などの民族調の装飾が着けられており、それらには暗い緑色の複雑な刺繍が施されている】
【腰には緑色の宝珠が埋め込まれた剣を一本提げている】
【そんな風貌をした長身の男だ】

……………

【すらりと剣を抜き、薄く糸目が開き緑色の瞳が覗く】

【弓矢を引くように剣を構える】

――はっ!

【数瞬後、仮想の敵に向かい、剣を回しながら真っ直ぐに剣を振り下ろす】

ふっ、せいっ!!

【真横に剣を一閃】
【さらに間髪入れずに逆袈裟に斬り上げる】

――こんなもん、かな。

【誰にともなく呟き、目を細め剣を鞘に戻す】
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/09/30(金) 21:59:16.20 ID:Iuym7f5SO
>>513

/まだ絡み募集しています
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 00:15:47.87 ID:7yJbV59eo
>>513
【大きな円弧を描く太刀筋が、街灯の光を映して、一つ、夜闇に鋼色の線を引く】
【逃げ場を塞ぐ足捌き。間合いを詰めつつ機先を制して放たれる二の太刀】
【それを受けて僅かに生まれた隙を、過たず穿つ三の太刀、逆袈裟一閃】

【――その様子を車止めに腰掛けて、興味津々に見つめる長躯が一つある】
【黒髪。ぱっと見ひょろりとした痩せ型体型に、口端に湛えた冴えないが人懐こい笑み】
【スーツにスラックスにレザースニーカー。闇に滲むような、揃いも揃って黒尽くめの衣服を纏った青年だ】

演武、かな?にしては随分短いね、恐らくあの手で仕留めたんだろうけど……。
……にしても、良い音だったなぁ。となるとやっぱり、本職の剣士さん?

【公園の入り口の方から、相手が残心を取ったのを見れば、ほうと深い溜め息を吐いて】
【彼は目を細めてしげしげとそちらを見つめつつ、ぶつくさと何事か独り語散ていた】
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 00:28:09.71 ID:FOJ0Lg/SO
>>515

【公園の入口から、何か声がした】
【それが自分に向けられていた事にはすぐに気づき、そちらに顔を向ける】

――おや、こんばんは。
いや、演武って物じゃないよ。型の練習、て所かな?

【青年の元に歩いてく近づきながら、青年の独り言に答える】

……当たり。と言っても、そんな良い物じゃ無いよ。ただの『元』人殺しさ。

【そう呟きつつ、青年から五歩分程離れた所で立ち止まる】
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2011/10/01(土) 00:57:51.83 ID:7yJbV59eo
>>516
【振り返る男。返らない筈の答えが返り、合わない筈の視線が真っ向からカチ合う】
【おや、と意外そうに目を円くして――驚きも束の間、また元のように笑み】
【青年はひらひらと、手袋に包まれた左手を振ってみせた】

……やあ、今晩は。

型稽古か。……疎いもので何処の流派かは解らないけど、良かったよ。何せ素人目にも解るぐらいだ。
特に、最後の逆袈裟の太刀筋は鋭かった。あれなら恐らく真っ二つだったろう。

【五歩分の間合いを置いてパーソナルスペースの外側で立ち止まる男を、青年はにこやかに歓迎し】
【彼が計らずも自分に披露して見せた型に、いたく感じ入った様子で、頻りに彼を称賛する】

それは、手練れの剣士ならば人を斬った事ぐらいはあるだろうさ。俺の知り合いだってそうだよ。
……剣呑だね。でも『元』って事は、今は違うのか。

【元とは言え人殺しとの言葉を聞いても、相も変わらず揺るがない、穏やかな笑み】
【底抜けの馬鹿なのか、或いは心得があるのか――恐らくは後者だろうが、にしても無警戒に過ぎるというものだった】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 01:14:14.26 ID:FOJ0Lg/SO
>>517

流派というか、自己流だよ。
師匠みたいな人はいない。

おや、お褒めにあずかり光栄です、なんちゃってね。

【親しい人物と会話するように、初対面の青年に答える】
【馴れ馴れしいと思うか、フレンドリーだと思うかは青年次第】

違わないさ。でも、昔みたいにそこらの人を片っ端から斬っていくような事はしない。
昔の僕だったら、君みたいな人は真っ先に狙ってたと思うよ。

【剣を抜き、青年に突き付ける】
【もし青年に魔力を感じる才能があるなら、剣に埋め込まれた宝珠から弱い電気を纏った魔力を感じられるだろう】
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/01(土) 02:52:13.18 ID:FOJ0Lg/SO
>>517

/寝落ちでしょうか……?
/明日は特に予定はないので、夕方ごろ返してくれると有り難いです
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/01(土) 11:48:02.06 ID:Zno4IaMAO
自分からわざわざ呼び出しといて直ぐに寝落ちとかwwwwwwwwww
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/01(土) 12:02:32.52 ID:rZtPxEzUo
>>520

害悪No1さんのキチガイ関甲さん消えてください^^;
友達いないんですか?かわいそうww
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 14:32:29.25 ID:7yJbV59eo
>>518

そうなの?……それは少し驚いたね。
まさか我流でここまでだなんて、ちょっと意外……。

【フランクなのは此方も同様。きっと端から見れば、とても他人同士の会話には思えまい】
【へらへらと笑みを浮かべつ、青年は男に相槌を打って】

そっか。だろうね――剣の道を捨てました、って風にはとても見えない。
……君に出会ったのが今で良かったよ。命を狙われるのは、正直ちょっと困るもの。
軽い運動程度なら好きだけど、無闇に血を見るのは嫌いなんだ。自分のも、人のもね。

【剣が鞘走るやいなや、直ぐ様両手を上げて降参のポーズを取った】
【それと裏腹に落ち着き払った口調は、相手の真意を試すようなものである】
//寝落ちてしまいました、申し訳ない……。
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 18:28:53.86 ID:FOJ0Lg/SO
>>522

【降参のポーズを取る青年、その姿を見て剣の切っ先を地に向ける】
【こちらも、今青年と戦おうとする意志は無いようだ】

血を見るのは嫌い、ね。
だったら大変でしょ?そこらの路地裏は危険地帯、時には街のど真ん中でも殺しがある世界だ。最近はカノッサなんてよく分かんないのも居るし。

――まぁ、個人的にはそれで別にいいんだけどね。何も無いと退屈でしょうがない。

【青年の考えには概ね同意、しかし男自身は戦いが好きらしい】

今も少し退屈なんだ。
その『軽い運動』、今する気はある?



/お気になさらずー
/こちらも発見が遅れてすみません
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 19:56:22.28 ID:7yJbV59eo
>>523
【常の速度、常の歩幅では五歩分の距離は、しかし手練れにとっては一足一刀の間合いの内だ】
【――斬ろうと思えば、恐らくは容易い。にも関わらず相手は剣尖を下ろし、踏み込む様子一つ見せない】

……まあ、路地裏を歩くくらいは平気だよ。俺にもそれなりの心得は有るから。
少なくともチンピラやマフィアの鉄砲玉くらいなら、流血沙汰にならない程度にあしらえる程度にはね。
それでもどうにもならない時は、どうしたって有るけれど……さ。

【どうやら本当に、此方に対する殺意はないらしい。相手の反応からそう推測すると】
【彼は軽く肩を竦めつつ男に応じ、大袈裟に安堵の溜息を吐き出した】

模擬戦で良ければ、受けて立とう。先手は譲るよ。

//只今戻りました。それでは改めて、 宜しくお願いします!
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 20:25:28.98 ID:FOJ0Lg/SO
>>524

――そうだね。でも、そんな時は逃げるか全力でぶつかるだけさ。


僕から仕掛けていいのかい?

じゃ、遠慮なく行くよ。

【す、と目が開き、緑色の瞳が覗く】

【先程のように弓矢を引くような構えを取り】

【数瞬溜めた後、地を蹴り青年に肉薄】

はっ!!

【青年の胸の当たりに剣を突き出す】

【もし少しでも掠れば、一瞬剣が触れた所が痺れる筈だ】


/こちらこそよろしくお願いします!
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 20:45:23.34 ID:7yJbV59eo
>>525

(……雷属性の魔具か……これじゃ、銃は抜き難いね)
(銃身に一太刀でも受ければ、暴発する危険性は大だ。まあ、威力にもよるけれど……)

【左足を引き半身を切り、両腕を上げて守りを固め、繰り出される片手突きに応じ】
【右に小さくステップを踏む事で、左二の腕を切り裂かれつつもこれを避けると】

……貰った!

【前進を重ね、相手の左側面からショルダータックルを掛ける】
【狙いは二の太刀が放たれる前に、剣の間合いの内側へと踏み込む事】
【至近距離での格闘戦で、左腕の痺れが抜けるまでの時間を稼ぐ心算である】
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 21:04:59.38 ID:FOJ0Lg/SO
>>526

(外した……!)

【一応掠りはしたが、痺れがあるとは言えそこまでのダメージは無いようだ】

くっ!

【右にステップを踏み、青年のタックルを空振りさせる】

もう一回!

【空振りした所で、青年の首筋に剣の柄を叩き込む】

【特に尖っている訳ではないが、もしこれを食らったなら、先程のような痺れを感じる筈だ】
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 21:31:36.52 ID:7yJbV59eo
>>527
【雷の属性を内包する刃に打たれ、だらりと下がる左腕】
【裂けたスーツの袖には、じわじわと紅い染みが拡がってゆく――】

(……深くはない。痺れが取れれば、まだ動く程度)
(麻痺してるお陰であんまり痛まないのが不幸中の幸いだね。……さて、片腕でどう凌ぐか)

【青年はタックルを放った態勢から、その場で踏み止まって相手に向き直り】
【左手を上げて剣を持つ手の前腕を押さえ、首筋への柄打ちを防ぐと】

そう容易くは、させないよ……っと!

【そこから肘と肩を極めるべく、捕った腕を捻り上げつつ相手の背面に回ろうとした】
【ハンマーロック。逮捕術などにも用いられる、初歩的な関節技の一つ……の、出来損ない】

【幸いにも咄嗟の事ゆえ掛かりは極めて浅い。直ぐ様間合いを脱するなり何なり、技を抜ける方法は多い】
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/01(土) 21:32:31.27 ID:w5HMA2MTo
【街から少し離れた小高い丘】
【緑色の草木が月明かりに揺れる中、佇む人影があった】

街の灯ってのはやっぱり遠くからでも見えるもんだな……。

【新雪のような白い髪、深い緑色に染まった瞳】
【不在の右袖を踊らせながらフード付きの灰色パーカーを羽織り】
【膝下までの長さの収納がやたらと多いズボンに黒いゴム製の安全靴を履き】
【ズボンのベルトの左側に無骨なナイフを2つ平行に掛け、妖しい魔翌力を放つ黒鞘の刀を右側に下げた】
【小さな身長(160cmくらい)の少年は小さく呟く】

たまには違った場所で訓練といきたかったけど、なんかやる気無くしちまったわ

【腰の刀を見下ろし、暫く黙りこむ】
【「フン」と鼻を鳴らした後、視線を離し】

いいや今日は てけとーに過ごそう
やる気がないのに嫌々やったって意味ないだろうし……。

【元より少年は不真面目な部類に入る】
【やる気がなければそれに従うまでだった】
【草の上に腰を降ろし、頭の後ろで手を組んで仰向けに寝転ぶ】

(あー……なんだろう、若干寂しい感じ……情けないね全く)

【街と言う名の喧騒から離れた為か】
【周囲に誰もいない環境は少年にそう感じさせるのであった】
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 21:55:09.75 ID:FOJ0Lg/SO
>>528

おっと……!?
(やばい、関節技か!?)

危ねっ!

【手首を掴まれ、柄を使った攻撃は不発】

【そのまま腕を捻られそうになるが、腕を引き青年の手を引き離す】

危ない危ない、腕をやられる所だった。

【二、三回バックステップし、距離を離す】

さて、これでも食らえ!!

【剣を青年の足元に向け、切っ先から緑色の電撃が走る】

【電撃自体は強めの静電気程度だが、着弾した数瞬後、その地点が爆発する】
【爆発の規模は半径3m程、直撃すれば痛いでは済まない程度だが、タイムラグの間に回避する事は不可能ではない】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 22:20:16.45 ID:7yJbV59eo
>>530

(……そう簡単に逆を取らせては貰えない、か。ですよねー)
(けれどこれだけ時間を掛ければ、左手も……うん、ちゃんと動く)

あーあ、惜しかったんだけどなぁ……。

【技を外され、ひゅう、と称賛の意を込めた口笛一つ】
【有効打とはならなかったが、焦りはしない。元より目的は時間稼ぎ】
【剣士相手に二手凌いで、後退を強いられた。これだけでも十二分――左手≠ナ頭を掻きつつ、青年はへらりと笑んだ】

(高エネルギー反応――まずいっ!?)

――――こう、なったら……!

【切っ先を向けられれば素早く一歩後退。直後、夜闇を裂いて迸る電流が地面を撃つ】
【只の牽制かと思ったが、どうにも様子が可笑しい。咄嗟にホルスターから拳銃を抜いて、後方に放り投げ】
【自らも跳び退かんとするが、一瞬遅れて爆発に巻き込まれる――】
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 22:36:11.12 ID:FOJ0Lg/SO
>>531

【爆風で青年の姿は確認出来ないが、どうやら巻き込まれたようだ】

――やったか?

【死亡フラグじみた台詞を吐きながら、青年がいた筈の所に歩いて近づく】

【もちろん油断はしておらず、青年がいた所に切っ先を向けている】

これで終わりじゃないでしょ?
どうする?

【そこにいる筈の青年にそんな台詞を言いながら、3m程離れた所で立ち止まる】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 22:50:27.30 ID:7yJbV59eo
【もうもうと立ち込める砂煙が、夜風に吹かれて晴れてゆく】
【その内から姿を現した青年は、衣服の所々が焦げ付き、その分だけ身体にも傷を負っていたものの】
【驚く事に――まあ、お約束ではあるのだが――未だ健在だった】

……痛っ、たたたた……。いや。流石に危なかったよ、今のは。

【爆発を受け止めたのは、漆黒の装甲に包まれ、一回りも二回りも長大に変じた彼の右腕だ】
【五指の先には鋭利な鉤爪。前腕に備えた如何にも堅牢そうな大盾は、電熱で真っ赤に灼けている】
【ともすれば悪魔めいた、異形のそれを持ち上げて。彼は鋭く目を細めると】

まあお察しの通り、まだまだ行ける事は行けるんだけど……こうなっちゃうと、加減が利かない。
俺の見立てでは多分、どちらが勝っても大怪我は必至だよ。
それでも、どうしてもって言うんなら続けるけれど……気乗りはしないね。

【模擬戦の領分を逸脱してしまうかも知れない、と穏やかに告げた】
【其方に向けた大盾が、半ばから真っ二つに別れる。そこから競り出すのはこれまた黒い、大口径の砲身】
【その照準を男に据えたまま、青年は微動だにしない】
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 22:51:23.22 ID:7yJbV59eo
//まさかの安価忘れ……>>533>>532へ、です
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 23:08:52.83 ID:FOJ0Lg/SO
>>533

こりゃ驚いた……
なんなんだい、そりゃ?

【青年が爆発に耐えた事より、青年の異形の右腕に驚き、目を見開き少し後退る】

――そうだね。
僕も、こんな事で大怪我なんてしたくないし、第一勝てる自信がないよ。

【剣を鞘に戻し、両手を上げる】
【目は、いつの間にか元の糸目に戻っていた】

これは、引き分けでいいのかな?


……そういえば、まだ名前聞いてなかったな。
僕はリューファ。君は?

【思い出したように、青年の名前を尋ねる】
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/01(土) 23:27:47.69 ID:7yJbV59eo
>>535

……こういう能力なんだ。酷く使い勝手が悪くてね。
おまけに燃費も馬鹿にならないし、ここだけの話、使う度に上着とシャツが駄目になるし……。

そっか。なら、良かった。

【彼の返答にほっとしたのか、俄かに表情を緩めて】

【照準を外して大盾を元通りに接合し、左手で眉間を押さえつつ】
【困ったものだと嘆息すると、また元のように飄然と微笑を浮かべた】

うん、引き分けで。……お互いまだまだ余力はあるだろうし、ね。
判定で俺の負けってのも考えたけど、実戦に審判は居ないでしょう?

うん、覚えた。宜しくね、リューファ。
俺はカイ、しがない何でも屋さんをやってる。縁が合ったら、どうぞご贔屓にねー!
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/01(土) 23:49:13.45 ID:FOJ0Lg/SO
>>536

能力って言っても便利なだけじゃ無いんだね……

【ふむ、と溜息をつき、呟く】
【彼が能力者でない事が分かるだろうか。ならば、あの電撃は一体…?】

カイ、か。よし、覚えた。

【青年の名前を復唱し、確認】

何でも屋、か。
時々聞くけど、何をするのか分かんないから使った事ないな。
まぁ、縁があったら使ってみるよ。


ところでその腕、ちゃんと元に戻るよね?
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/02(日) 00:12:52.87 ID:I+gYZeEno
>>537

そうそう。ちっちゃい子には泣かれるしお腹は減るし疲れるし、トマトを潰さず持つのにも一苦労……
温泉には入りづらいってえか場合によっちゃ入れないし、色々と苦労があるのさ。

【きっと不便な思いを、それこそ山のようにして来たのだろう】
【しみじみとした口調で語りつつ、幾度も頷いて】
【しかし気に病む様子などは、これっぽっちも無いようだ。相も変わらず口許に湛えた笑みが、無言でそう告げている】

それは勿論、何でもさ。犬の散歩から要人の警護まで、俺の技倆の及ぶ限りね。
能力のお陰か、傭兵(マーシナリー)紛いの仕事が矢鱈と多いのが実情だけれど……。

……ああ、これかい?勿論。

【ややあって問われれば、青年は二つ返事に肯定する。返答すると同時に、大盾の表面が】
【その輪郭を失って――ぐにゃり、水面のように波打った】
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/02(日) 00:25:21.57 ID:HYr6bPISO
>>538

――そうか。
いや、しばらく腕がそのままだったら目立つだろうな、と思っただけさ。そんなに気にしないで。

【くだらない質問をしたような気がして、誰にともなく言い訳じみた台詞を言う】

さて、夜も遅いし、僕は帰るよ。
じゃあね、カイ。今度会ったら、決着をつけよう。

【そう言って踵を返し、歩き始める】

【何か言いたい事があれば、これが最後のチャンスだろう】
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2011/10/02(日) 00:51:41.41 ID:I+gYZeEno
>>539

…………人と同じようには、どうやっても出来ないけれどね。

【それだけ述べれば小さく左右に首を振って、暗に「気にするな」と念を押す】
【コールタールじみた粘性の液体と化した右腕は、急速に収斂し、元の大きさへと変化する】
【それでも肩から指先までを包む漆黒は、冷たい硬質の殻に覆われたままだった】

そうだね。もうこんな時間だ。
それを君が望むなら――ああ。俺は答えるよ。
何せ何でも屋さん≠セからね。死なない程度に、何時でもどうぞ?

【ひらり。右手を振って、彼はリューファを見送ると】
【何を思ってか夜空を見上げ、ただ無言でその場に立ち尽くしていた】

…………さて。俺もそろそろ、帰ろうか――――。

//お疲れ様でした。おつきあいいただき、有り難うございました!
//戦闘、物足りなかったらごめんなさい。次があったら、完全燃焼といきませう!
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/02(日) 00:53:52.96 ID:HYr6bPISO
>>540

/お疲れ様でした!
/久しぶりでレスがスカスカですみません!
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/02(日) 08:44:42.13 ID:1/UabNJQP
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2090793.png


海部 史音withベンヌ
もう少し粘ってもみたかったのですが。
もう半分以上、下手すると9割ぐらいバレているようなものなので真実を伝えましょう。


愚痴スレ史上最多の書き込み数をマークし、能力者アリーナを書いたのは自分です。
いま画面の前にいるあなたが絡んだかも知れないし、もしかすれば楽しいと思ったかも知れない。
そんな私こそが能力者スレ史上最悪の害悪です。今の気持ちはいかがですか?
自分のロールが他人と比べられ、格付けされ、その張本人は隣人だと知った気分は?
悪意なしで、皆様がこれからどうこのスレを動かしていくのか楽しみにしております

でも、五大陸を潰さなかったのは本当に間違いかも知れませんね。
優秀なプレイヤーは沢山流れて行ったし、スレは荒れたし、これを境に双方から姿を消した人がいる。
できれば片方だけが生き、プレイヤーも8割以上が生存する状態を作りたかったのですが?
あの五大陸、管理人は実は能力者出身ですしね。「レッドツリーさん」、分かるかな。

まあ悪人の戯言として聞き流して頂ければ結構。

それと、今年の2月ごろに忽然と姿を消した「ある中身」が居ますよね?
文体変えに戸惑っていたので、気付かれていそうだなぁとは思っていたが今の今まで突っ込まれなかった
あれ私ですよ私。ブブゼラとか誤変換とか聞けば思い出すんじゃないですか?
新規騙りはハブ酒さんとかゼビレイさんもやってるから、別に今に始まったことじゃないんだけどねぇ。
あのまま「優秀な新規」として、物語を謳歌したかったものです。スレが賑わい続けたのなら。


それでは、ここらへんで話は終わりにしましょう。私のなりきりプレイヤーとしての人生も。
綾為す五色の地平に旅立った彼等と穢れた地平に遺された彼等に、等しく栄えあらん事を願います。
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/02(日) 22:08:09.92 ID:VMisTb5q0
【水の国 市街地】

秋も深まってきましたね……
短い色彩の季節ですから、意識する人も少ないのでしょうけど……

【グレーのビジネススーツに身を包んだ、淡褐色の肌に明るめの紫色の髪をした女性が】
【両手にビニール袋を下げ、ぼんやりとした足取りで歩いている】
【その風貌は、会社帰りに買い物を済ませたOLと言った雰囲気だ】

……これからは、ものの2ヶ月ほどで冬ですか……

【感慨深げに夜空を見上げる女性】
【心なしか、夜の色彩もどこか朧な雰囲気を纏っていた】
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/10/03(月) 19:55:05.68 ID:1+3UoSQSO
【――路地裏とは】
【得てして何かしらの訳を抱いた者が棲み付く、もしくは寄り来る場所であるのだが】

【今宵の来訪者には、一体どのような訳があったと言うのだろう】

(夜、路地裏――やっぱここなら、流石にいないよねぇ)
(…完全に安心出来るかと言えば、嘘になるけど)

【白皙の青年、その顔立ちは中性的―― 悪く言えば女顔であり、骨格も華奢な方と言えた】
【柔らかな黒髪は所々ハネていて、双眸は不可思議なオッドアイ、その組み合わせはピンクとパープル】

【丈の長いボーダーの服はこれもまたピンクとパープルの組み合わせで、些か目に痛い】
【タイトな灰色のジーンズに合わせたスニーカーには、金色の猫のシルエットが描かれていた】

(それでも滅多にある事じゃないはず―― こんな時間にこんな物騒な場所を歩くなんて、ね)

【挙動不審な様子こそ見せないが、青年はある物を確実に恐れていた】

【意味も無く、黒く塗った爪先で隣の壁を撫ぜてみたり、積まれたガラクタを蹴り崩してみたり】
【そんな行動の端々から、読み取れる物があるとするなら】
【青年のすました顔が、僅かな不安感から取り繕われたものであろう事、だ】
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/03(月) 20:25:06.68 ID:ss2oySf20
>>544
/まだいますかー?
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/04(火) 21:20:34.11 ID:rmCPnLH7o
【街中】

……クソ。

【人通りの多い区画、人波のロータリーと化した交差点の一角に据えられたベンチの上】
【一人の少年が、悪態を付きながら手に持ったバケットを食いちぎった】

【そろそろ少年から青年へと変わりつつある、そんな年頃の少年だ】
【黒いシャツに黒いレザーボトム、暗赤色のレザーベストという服装】
【腰にはホルダーの付いた大きなベルトを巻いており、そこに吊られた大小あわせて5本の棒が、からからと音を立てていた】

……。

【肉や野菜を挟んだバケットを咀嚼しながら、少年は恨みすら感じさせる視線で、人の行き来する様を睨んでいる】
【銀色の髪、赤い瞳という容貌に眼を引かれた人間は、少年の雰囲気に、慌てて目をそらしていた】

クソ……。

【同じ言葉を呟いて、またバケットに食らい付く】
【まるで仇でも飲み込むような仕草の彼】

【少年の周りに、見えざる壁でもあるかのようだった】
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/04(火) 21:37:41.13 ID:Vi8y0T0c0
>>546

だーぁ、面倒くせぇ……
ったく……仕事の内容も、もう少し選べってんだ……

【こげ茶の皮ジャンを着こなした、長髪と言う訳ではないがやたらボサボサとボリュームのある金髪を持つ、サングラスの男が】
【どこか疲れた雰囲気を纏いながら、ぶつぶつと何事かを呟き、ゆっくりと歩いている】
【眉間に皺を寄せながら小声で悪態をつく様子は、どこか気だるげな物を感じさせる】

…………あ?
――――――――なんだありゃ

【この男も、大衆の中の一人として少年の前を横切ろうとするが】
【彼が大衆と違ったのは、少年の姿を目にして、立ち止まったという事】
【恐怖に目をそらす大衆とは異なり、彼はどういう訳か、少年をまじまじと見つめていた】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/04(火) 21:50:22.40 ID:rmCPnLH7o
>>547

【口の中の物を飲み下して、またバケットを口に運ぼうとしたところで】
【一人の男性が立ち止まり、こちらを見ていることに、少年は気付いたようだった】

……何見てやがんだ。

【真紅の双眸をそちらに向けて、低い声でうなるようにそう問いかける】
【生半可の人間ならば、それだけで眼を背けて立ち去りそうな態度だった】

ウゼェな、骨の一本二本でも砕いてやれば気が済むかよ?

【どうやら余程虫の居所が悪いと見えて、ただこちらを見ているだけの相手にこの言い草である】
【彼の言葉が、物理的に可能であることは、大柄で引き締まったその体躯が語っているだろう】
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/04(火) 22:00:08.06 ID:Vi8y0T0c0
>>548

あー…………やれやれ

【少年から帰ってくる反応に、またも面倒臭そうに頭を掻き毟る男】
【うっかり厄介事に足を突っ込んでしまった――――と、悔やんでいる様子がうかがえる】

…………その程度でお前の気が済むって保証がどこにあるよ?
それとも、俺が本当にこのまま背を向ければ、お前は納得するんか?

【脅し文句に関係なく、自分をいたぶるつもりだろうと、男は問い返す】
【どうもこの男、少年のリアクションから「眼をつけられた」と悟ったらしい】
【穏やかでない雰囲気を纏っていた少年に気が向いた事が、仇となってしまった格好だ】

……まぁ、こんな往来で騒ぎを起こしたいってんなら、止めはしねぇよ?
……公安の連中が飛んでくるまで、10分と掛からないだろうけど、よ

【かといって、馬鹿正直に正面切って喧嘩を買うのは不味いと、男も分かっている】
【確かに男もまた、それなりに体力には自身のありそうな体つきをしているが、それでも少年の若さには一歩劣るだろう】
【周りの通行をチラリと見やって、ここで騒ぎを起こせばただでは済まないとアピールする】
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/04(火) 22:13:26.18 ID:rmCPnLH7o
>>549

【どこか余裕のある口調で帰ってくる返答】
【少年は手にしたバケットの残りを全て口の中に詰め込んで、それを飲み込んでから】

……ゴチャゴチャうるせぇな。

【剣呑な光を宿した目を、男性に見せた】

……テメェなんざぶっ殺すのに、1秒と掛からねぇよ。
そうされたくないなら、さっさと去ね。

【取り成すような男性の言葉に対して、少年の言葉はやはり険しい】
【とはいえ、あからさまに立ち上がって挑みかかってくる様子はなく】

【理性が働いていて、ここで喧嘩をするのはまずい、と理解した上での発言なのか】
【――あるいは、単に目の前の男性を亡き者にして、逃亡する算段をつけている最中なのか】

【少年の荒んだ雰囲気からは、その真意を読み取ることは難しいだろう】
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/04(火) 22:14:26.66 ID:a3gCa8YTo
【路地裏、静かなその場所から唐突に小さな悲鳴が響いて消えた】
【アスファルトに流れるのは血液、その根源にあるものは死体】
【鋭利な刃物で切り裂かれしかしバラバラでは無い程度に原型は保たれている】

救済は成された、人よ還るが良い。

【声色の主は死体の僅か後方に立っていた】
【朱い瞳は何の感情も無く、修道女の被るようなベールの間から除く白色の髪は無機のよう】
【胸元が大きく開かれた白いブラウスの上に黒色のオーバーコート、そして黒皮のロングブーツ】
【その両手にオールのような幅広の両刃剣を携えた女性】

死へ帰属せよ、己のが死を見つめ、悔いて堕ちよ。

【剣に付着した血を振り払う】
【線状に伸びる赤色はもはやあるべき入れ物になくやがて乾いてゆく】
【女性は平淡な口調で生命活動の耐えたそれに言葉を残して、コツコツとその場から離れてゆくだろう】

【この場にこのまま誰も訪れなければ、また路地裏に加害者不明の死体が増えるだけ】
【果たして名も知らぬ彼を救うべく現れる者はいるのか……】
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/04(火) 22:26:05.04 ID:Vi8y0T0c0
>>550

(…………今ここでぶちのめすのは……このガキの力量が分からない以上、楽勝とは言えないけど、難しくは無ぇはずだな…………
だが、それをやっちまうと、こっちとしてもまずい、か…………)

【咀嚼して飲み込む様を見つめながら、男は小さくため息をひとつ吐く】
【なんとなく、穏やかには済みそうにない少年だとは分かっていたが、ここまで荒れている類だとは思わなかった】
【――――男の強気には、確かな裏打ちがあるものでこそあったが、だからと言って実力行使に走る事は、男にとっても得な事ではなかった】

――――さっきも言った通り、俺はどちらでも構わんよ?
ただ、どちらにせよ1つだけ、お前に言っておくべき事がある……ってとこか?

【明らかな害意を口にした少年を前にして、わずかに男の頬が引き締まる】
【先ほどまでの、男が纏っていたどこかだらけた雰囲気も、いつの間にか霧散していて】

…………俺がここから去るのを容認するって言うなら、少しはその不機嫌の向け先を制御しろ
ここで往来をけん制しているお前は、迷惑以外の何物でもない

あるいは、俺を殺そうって言うのなら――――――――身の程をわきまえろ、糞ガキ。意味は分かるな?

【男が口にしたのは、明らかな挑発文句】
【それだけを告げると、男はもう少年に興味など無いと言った様子で、背を向けて足早に歩みを再開する】
【一見無防備なその背には、明らかに少年の攻撃を警戒する気配が現われていて――――】
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/04(火) 22:42:02.96 ID:rmCPnLH7o
>>552

……あん?

【男性の言葉に、不機嫌そうに眉を上げて少年は応じる】
【言葉を告げる男性の雰囲気が変わった事に気付いて、怪訝そうな声を上げた】

……。

【すべて聞き終えた後で、少年は呆けたような顔を見せた】
【――男性が背を向けるが早いか、急激に殺気が膨れ上がる】


【小さな、それでいて甲高い金属音が、警戒を怠らない男性の耳に届くだろう】
【風切り音を上げて、男性の顔の真横を、鋭利な金属の先端が通り抜ける】

待てよ、オッサン……。

【怒気を含んだ声が、怨念の様にとどろく】
【男性が振り返れば――】
【どこから取り出したのか、二メートルにも届こうかという長槍を右手に持ち、不遜な笑みを浮かべた少年が立っている】
【表情こそ笑みには違いない――吊りあがった口の端、暗い愉悦を期待する瞳を、笑顔と呼ぶのならば、だが】

なぁ、おい。俺ァ今、機嫌が悪いんだ。
だからな、ちょっと遊んで行ってくれよ?

【槍を手元に引き戻し、左手も把手に添えて、両手持ちのスタイルに切り替えて、腰を落とす】
【チンピラ然とした物腰とは裏腹に、その姿は明らかに、修練を積んだ人間特有の、隙の無い構えだ】

【――平和な街中で長柄を抜いた、その凶行に、周囲の人間から悲鳴が上がる】
【にわかに狂気を渦巻かせたパニックが、伝播していく】

【――この騒ぎでは、公権が駆けつけてくるまで、そう長い時間はないだろう】
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/04(火) 22:52:51.37 ID:Vi8y0T0c0
>>553

…………っ

【頬をかすめて走り抜ける金属の塊】
【その背を追って聞こえてくる、先ほどまでとは趣の違う低い声に、男は首だけでさっと後ろを振り向いた】

――――――――悪いが、往来で血みどろをやり合う趣味はねぇよ…………ッ!!
(やっぱり、そっちに行くか…………!
てか、あの得物は能力か何かだな…………ったく、牽制しといて良かったって奴だ……ッ!!)

【構える少年を前にして、男はあろう事か突き放すような言葉と共に、脱兎のごとく駆けだした】
【人波を押しのけて、男は路地裏へと続く道へと飛び込む】

【――――先ほど、男は『往来でやり合うなら公安の眼につくから、止めるのが無難だ』と口にしていた】
【だというのに、今の男はその言葉とは正反対の行い――――人目につかない場所へと逃げる愚行――――を行っている】
【男の様子からして、パニックをきたしたという訳でもないだろう。何か作為があると考えるべきだが――――】
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/04(火) 23:10:00.04 ID:rmCPnLH7o
>>554

ンだぁ? 口だけかよ腰抜け!

【身の程をわきまえろとまで口にした男性が、こちらと一合として打ち合うことなく逃走したのを見て】
【拍子抜けしたような罵倒と共に、しかし少年は男性の後を追って駆け出した】

【両手で構えて走るのは難しいのだろう、右脇に槍の柄を手挟んで、路地裏へと続く道を駆けていく】

クソが! 喧嘩売ったのはテメェだろうが!
逃げてんじゃねェぞ!

【いつ終わるとも知れない鬼ごっこに嫌気が差したのか、男性の背中に大声でそう叫び】
【左腰に吊られた小さな棒を、左手でホルダーから引き抜く】

【その手の中に現われたのは、既に抜き身を晒す、投擲用の短槍】
【走りながら、いささか不安定な体勢のまま、男性の左のふくらはぎを狙って、それを投げつける!】

【――頭に血が上っているのか、彼の逃走の真意を読み取ろうという理性的な様子は、どうやらない】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/04(火) 23:20:47.85 ID:Vi8y0T0c0
>>555

…………ッッッ
安心しろ……ここまでくれば、鬼ごっこももう終わりだ…………!!

【放たれた短槍に対し、走りながらも回避に動いた男だったが】
【逃走と回避を両立させるのはやや無理があったらしく、男のふくらはぎをかすめる】
【それでも、直撃されなかっただけマシだったのかもしれないが――――路地裏の奥まった所へと逃げ伸びた所で、男は足を止める】

――――――――Come on『Nert Thunder』!!!

【先ほどまでの中年に片足を突っ込んでいる男の動きとは思えぬ、右足を軸にした的確なターンで追いかけてきた少年に向かうと】
【男は、右腕を空へと高く突き上げ、声高に何事かを叫んだ】
【次の瞬間、男の全身が激しく発光し、閃光にその姿が覆い隠されて――――その光が引いた時には】

【目元の黄色いバイザー以外の全てを、黒のパーツで構成されているヘッドギアを被り】
【胴体部に砲口、そして両腕にも多数の武器と思しきパーツを備えた、青を基調としたカラーのメカニカルな全身スーツを装備した】
【一見すると何かのロボットと見紛う様な、ヒーロー然とした男が立っていた】

【胸部装甲には、青い文字で『H.E.X.A.』と塗装されている】

――――――――世の中には、不思議な事も起こるもんだ…………なぁ、そうだろう?
…………俺は再三警告した。あんな往来で、周囲を巻き込みかねない攻撃を行う事を、やめろとお前に何度も言った…………
お前はそれを、悉く無視した…………その覚悟は、出来ているんだろうな?
周囲に害を成すお前の存在を…………叩きのめしてやる

【ゆっくりと両腕を持ち上げて、ファイティングポーズを取る男】
【今や、声の張りにまで精悍さが宿っており、先ほどまでのだらけた大人とは完全に別人とも言える男が、そこにいた】
【――――まるで、おとぎ話から飛び出してきた様な『正義のヒーロー』の如く、男は少年の『様』を批判して】
【重厚な装備に身を包んで、今度は男も後ろに退く気配を見せなかった】
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/04(火) 23:33:31.64 ID:rmCPnLH7o
>>556

く!?

【すっかり人影に縁の遠い場所となった路地裏】
【そこに溢れる光に、少年は戸惑いの声を上げて、光から目を覆った】

【やがて薄れていく光の向こうに、先ほどまでの男性だった影の姿を見て取って】

……あ?

【その仰々しい機械の塊のようなスーツに、不愉快そうな眼差しを注ぐ】
【ヘッドギアの向こうから聞こえてくる、聞き覚えのある声に、少年は醒めた目を返す】

……言いてぇ事はイロイロあるがな。

【それなりの距離を走ってきたというのに、息の乱れる様子もなく、少年は】

【――憎悪の声を、解き放った】

正義の味方気取りかよ、オッサン?
……ガラの悪いチンピラを叩きのめすのは、さぞ気持ちイイだろうなァ!?

【先ほどまでの不機嫌さとは、明らかに一線を画す、怒気と憎悪を孕んだ咆哮】
【もはや人の言葉が通じるかどうかも怪しい、一個の獣と化した少年が、疾駆する】

【右脇に手挟んでいた槍を、再び両手持ちに切り替えて】
【ただ愚直に、真っ直ぐに走りよって、穂先を男性の腹部目掛けて突き出す】

【迷いの無い動きゆえに、単調で――そして、速い】
【男性のスーツに取り付けられた、砲口や武装の類など、目にも入っていないかのようだ】
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/04(火) 23:47:24.21 ID:Vi8y0T0c0
>>557

(さて……どこまでやれる?
殺してしまうのは不味いが…………さっきこいつが言ってた事だ。腕の1本も折ってやるくらいで良いかもしれねぇな……)

【ぐっ、ぐっ、と拳を握り直しながらバイザー越しに少年を見据える男】
【ヘッドギアに頭部を保護されたその表情は、外からはうかがい知る事は出来なかった】

――――――――誰が気持ち良いものか。貴様らの血で汚れる事など、御免被るさ
だが、貴様らが誰かの血を流す事は、もっと気持ち悪く、腹立たしい事ってだけだ!!

【――――本性を表す少年と同様に、男の声も深く、重いものになっていく】
【男は能力者ですらないただの凡人だ。しかし、そんな彼にはこの全身スーツと言う、戦う力がある】
【その力に思いを乗せて、男は破壊の意志を振りまく少年を打倒すると、力強く宣言した】

…………甘い!!
そうそう素直な攻撃が通るものか!

【構えに対して突撃してきた少年に対し、男は右腕で槍の穂先をはねのける事で対処する】
【切っ先を外された槍は、男の右側面――――腋の下へと流れる】

凌いで見せろ!!
『バーニングブーメラン』!!

【そのまま、男は左手を少年へと突き出す】
【次の瞬間、男の左腕から緑色の炎の様なエネルギーで構成されたブーメランが、少年へ向けて放たれる】
【エネルギーを収束して放つまでにワンテンポのずれがあったが、攻撃の後の隙を狙ったこの攻撃に、少年はどう対処するのか】
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/05(水) 00:08:04.36 ID:oqbAmbdDo
>>558

【男性の力強い宣言に、しかしもはや返ってくる言葉は無い】
【据わった眼差しの青年は、男性に向かって、槍を突き出すことで答えとする】

う、お!?

【鈍重そうな見た目からは想像もできぬ、流麗なかわしの技術】
【槍を綺麗に捌かれて、少年の体幹が撚れて流れた】

【両手持ちの槍をサイドに流されて、無防備な右半身が、男性の前に晒される】
【――濃緑の焔が、膨れ上がるのを理解しながら、しかし体勢の崩れた少年に、防ぐ手立てはない】

っが!

【右脇腹に、ブーメランが突き刺さる】
【息を詰まらせた少年の悲鳴を残して、後方へ数メートル、その身体が吹っ飛ばされる】

【左肩から盛大に着地を決めて、少年はすぐに上体を起こした】
【そのままの姿勢で、何度か咳込んだ後――】

クソ……!

【まるでダメージなど無かったかのように立ち上がる】
【少年が身に着けているレザーベストには、破れほつれが見え、確実にダメージを与えているにも関わらずだ】

……。

【ベッ、と口から血混じりの唾を吐き出して、再び槍を構えると】
【無言のうちに、少年は男性へと走り寄る】

 【――どれだけ速かろうと、愚直な突きでは捌かれてしまう】
 【――ならば、と。少年は殺意を胸に、絡め手を繋げる】

【左腰のホルダーから、再び短槍を引き抜いて、それを男性の右肩に目掛けて投げつける】
【その対処を見てから、本命の長槍を振るおうという算段だろう】
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/05(水) 00:19:14.78 ID:ml3znuO+0
>>559

(――――単にキレてるだけ、かもしれねぇな…………
パワー、スピード、攻撃の的確さ…………このガキ、侮れねぇ…………)

【ヘッドギアの下、誰にも見せる事の無い男の思考が、警鐘を鳴らす】
【確かに先ほどの突撃は、あまりに愚直が過ぎていた為対処も楽だった。しかし、地の力そのものは非常に高いレベルにあると分かる】

――――立て
どうせこの程度では、まだ頭は冷えないだろう!?

【吹き飛ばされた少年に対して、男は言葉で追い打ちを掛ける】
【男に、少年に対する殺意はないが、傷を負わせる事に対する躊躇も、また皆無だった】
【このまま、少年の頭が冷えるか、或いは動けなくなるまで痛めつけようと言う魂胆である】
【ならば、この程度のダメージでは、少年の意志も萎えるはずもないと踏んでいた――――しかし】

……クッ!?
――――『ソニックカッター』!!

【わき腹にまともにブーメランの一撃が入ったにも関わらず、少年の身のこなしに衰えが感じられない】
【ただそれだけならば、キレているからの一言で説明にならない事もないのだが、接近をしながらの投擲と言う行動に、男は剋目する】
【咄嗟に、男は右腕で投げつけられた短槍を弾き捨てる】
【右腕の手刀は、青い軌道を描きながら短槍を明後日の方向へと弾き飛ばす。その手刀に何らかの力が宿っている事は一目瞭然だろう】
【だが――――投擲に対しての対応で、男にわずかな隙が生まれる】
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/05(水) 00:33:48.69 ID:oqbAmbdDo
>>560

ゴチャゴチャうるせぇっつっただろうが……。

【そう呟く少年の唇から零れた一筋の血が、肌の上に線を引く】
【それでも、少年の動きはより機敏になっていく――】

【弾かれた短槍の行く先を目で追うことは無い】

【先の一手は、防御行動を取らせると共に】
【――左側からの攻撃を意識させるための物だった】

【右手に握った槍を、出来る限り外側から、今度は男の左肩へと目掛けて突き込む】
【右肩を意識させてからの、対角線の攻撃――】

【それはまるで、視野の外から飛び出してくるような――盲点に隠れる暗殺者の一刺し】
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/05(水) 00:52:46.88 ID:ml3znuO+0
>>561

――――ッ!!

【短槍を弾いた瞬間、その行動が隙になっている事に、ワンテンポ遅れて男は気づく】
【そして、この状況下で注意すべきは、少年の連撃――――男の読みは、そこまでにしか至らなかった】

グッ…………ゥ

【少年の、左肩に対する攻撃はクリーンヒットした】
【肩部のアーマーを貫通し、深々と突き立つ槍。確かな手ごたえが、少年にも伝わっただろう】

――――『局所的……無情爆弾』

【変身前のふくらはぎへの一撃。そして今回の肩への一撃。男は左半身にダメージを負い過ぎた】
【しかし逆を言えば、右半身は無事である――――その無事な右腕で、腰から何かを抜き取ると、眼前の少年に向けて投擲する】
【それは、爆弾の言葉通りに黒い球体で、放られてすぐに爆発を起こす――――が、その様子は通常の『爆発』ではない】
【――――通常、爆発と言うのは力のベクトルがひたすら拡散し、広範囲に渡って影響を及ぼすものだ】
【が、男の放った爆弾は、爆発のエネルギーが一定範囲以上に広がらない――――ある程度の範囲まで広がると、再び内へとベクトルが逆転する】
【つまりは、攻撃範囲を絞って破壊力を集中させた爆弾――――爆発のタイミングは、ぎりぎり使用者である男を巻き込まない距離だった】
【この爆発は、破壊の力が一定個所に集まっているとは言え、正面から投げつけられた以上、回避しなければ危険と言える】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/05(水) 01:05:28.85 ID:oqbAmbdDo
>>562

【仰々しいスーツを貫いた槍を、達成感と共に引き抜いて】
【少年はさらなる追撃を加えんとした、が】

【男性が素早く、右腰から何かを投擲するのが見えた】
【刹那の交錯、少年の思考が揺らぐ――無視するか? 回避するか?】

【しかし、結論を出す前に、黒い球体が炸裂する】
【未知の、奇妙な爆裂】【それによって引き起こされた、広範囲な破壊のエネルギーを、防ぐことは――】

【――できない】

【まるで糊の中を泳ぐような、僅かな時間、僅かな思考の果てに】

づ、ぅおあぁぁっ!!?

【全身に叩きつけられた衝撃に悲鳴を上げて、少年は再び、後方へと吹き飛んでいく】
【大柄な身体が宙に浮くほどの衝撃波は、そのまま少年の身体を路地裏の壁へと叩きつける】

っか……は。

【叩きつけられた壁の先、喉を見せてのけぞった少年は、空気を肺から搾り出す】
【脳震盪でも起こしたか、あるいは蓄積されたダメージのためか】

【少年は、焦点の定まらない目を前に投げ出して、壁に背を預けたまま、座り込んだ】
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/05(水) 01:19:15.12 ID:ml3znuO+0
>>563

…………ぐ、ぅ…………分かった、か…………?
人を舐めるのも、大概にしろ…………という、意味が…………
如何に貴様が、強くとも…………秒殺など、現実には、あり得ない…………話だ…………

【吹き飛ばされた少年に対して、聞こえているかもわからない言葉をぶつける男】
【左肩の損傷は、思った以上の深手だった様で、右手で傷を強く押さえつけてなお、血はアーマーの傷からじくじくと流れ出る】

この程度で、済ましたくも、ないが…………俺も、不覚を取った…………
今日のところは、引き揚げさせてもらおう…………
これに懲りて、これからは…………精々自制する事だ…………

【本当なら、最初の言葉通りに、入院が必要な程度の『灸を据える』つもりだったが、予想外の手痛い代償を払ってしまった】
【これ以上は、自分の力量を超えるものだと、男は踏みとどまるだけの判断力を備えていた】
【実質的な捨て台詞を、その場へと残す。ヒーローは、何時でも勝利を収める訳ではない】

――――ッ…………トゥアァァァァッッッ!!

【一瞬、ふくらはぎに傷を負った左足が辛そうな仕草を見せたが、そのまま男は路地を形成するビルの屋上まで跳躍、そのまま夜の闇の中へと姿をくらまして行った】
【――――しかし、傷ついても、再び立ち上がるのがヒーローと言う物である】
【彼は再び、いつかどこかで誰かのための戦いを、再開するのだろう】

/遅くまで乙でしたー!
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/05(水) 01:27:47.11 ID:oqbAmbdDo
>>564

く、ぁ……。

【どうやら、まだ意識はあったらしい】
【口から言葉を零し、少年は濁った目を男性に向ける】

【ぼやけた視界に、勝ちを取った男性の、説教じみた態度が目に映った】

(フザけんじゃねぇ……! 何様の、つもりだ……!)

【それに言い返したい言葉がどれほどあろうとも、己の身体の自由は利かない】
【ただ憎しみに渦巻く目だけを、男性に向けて、右手の槍を握ろうとするも、それすら叶わない】

ま……て……!

【去っていこうとする男性に、蚊の鳴くような声で制止を掛けるが、どうやら聞き取られもしない】
【屈辱に身を震わせて、少年は傷が癒えるまで――そこに、鎮座していた】

クソ……。

【――彼の変わらぬ悪態が、路地裏に落ちた】

/おつかれさまでした!
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/05(水) 02:17:53.73 ID:T7goqzJR0
絡んでる相手が愚痴スレ民だと思って、お前らはロールできるのか?
こんな末期のスレはさっさと捨てて新天地を探せよ捗るぞ
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/05(水) 09:40:14.19 ID:Xw/sF8CAO
だな、あやベンがいい例だ
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/05(水) 10:46:49.39 ID:vobCHAsIO
お前らやめろ
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/10/05(水) 20:07:54.52 ID:OGEOddQDO
【路地裏──】
【赤毛混じりの黒髪の青年が、自分の前から立ち去っていく男を尻目に、懐から煙草を取り出して口にくわえる】
【黒のシングルライダースジャケットに、燃え盛る炎を象った刺繍が裾に施されデニムのパンツを履いた男は、左手人差し指の先を煙草の先に押し当てた】

 ……情報が足りねえな。

【ふー、と嘆息混じりに紫煙を吐き出した青年はくしゃりと髪を掻く】

(情報が足りねえ。長く遠ざかってたとはいえ、迂闊過ぎた)

【欲しい情報を手に入れるためにそれを知ってそうな人間、つまりはある組織に属していそうな人間と軽く戦ってみたのだが──】

(残念ながら外れ、と)

【二重の意味で】
【つい先程この場からそそくさと立ち去った男は、情報も持っていなければ自分の悪癖──闘争本能を満足させる力も持っていなかった】
【寧ろ、半端に闘争本能を擽られた気さえする】

 ……さて、次は誰が来るかね。

【ここは路地裏。情報を持ってそうな危ない人間にも、力を持ってそうな危ない人間にも、事欠かない】
【とりあえずは次に通りかかった人間に声をかけよう。それだけ考えて】

 ──。

【赤毛混じりの黒髪をした青年、朝宮暁は紫煙を吐いた】
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/05(水) 20:16:11.39 ID:ZMTDBZiSO
――――能力者スレ 完――――
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/05(水) 20:20:00.57 ID:Xw/sF8CAO
ハブ酒先生の次回作にご期待下さい!
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/05(水) 20:20:32.38 ID:JPK1gL/zo
>>569
おひょひょひょひょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

【全裸の変態がチンコを振り回しながら近付いて来る】
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 20:27:46.09 ID:yRBrNPHkP
>>569は異能都市のキャラを丸々流用した朝宮さんじゃないですかwwwwwwww
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/05(水) 20:30:30.44 ID:JPK1gL/zo
>>569
ヲーーーーーーーーーーーーウィwwwwwwwwwwwwwwww

さっさとレス返してくださいよーーーーーーーーーーーーウィwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

【チンコを振り回し続ける】
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/05(水) 20:41:01.67 ID:KX2pwPpSO
>>569

――おっと、何か見覚えある奴がいるぞ?

【こつ、こつ】
【青年の背後から、足音が響く】

【黒い瞳、赤い組紐で一つに束ねた黒髪】
【返り血を浴びてそのままにしたような赤黒い和服】
【腰には白い鉤手甲がぶら下がり】
【両腕には黒い鉤手甲を装備】
【黒い方は、鉤爪の代わりに長さ20cm程の刃が付いている】
【そんな男が、足音の発信源だった】
【何ヶ月か前公園でこの男と喧嘩した事を、青年は覚えているだろうか】

……よう、久しぶり。
さっきの奴は何だ?お前がボコッたのか?

【逃げていった男の影を眺めながら、気安く、青年に話し掛ける】
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/05(水) 20:46:07.12 ID:Xw/sF8CAO
>>575

ここで低ランカーの蘇芳さんの登場だぁぁ!
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 20:46:33.06 ID:FTud4QoSo
【路地裏、静かなその場所から唐突に小さな悲鳴が響いて消えた】
【アスファルトに流れるのは血液、その根源にあるものは死体】
【鋭利な刃物で切り裂かれしかしバラバラでは無い程度に原型は保たれている】

救済は成された、人よ還るが良い。

【声色の主は死体の僅か後方に立っていた】
【朱い瞳は何の感情も無く、修道女の被るようなベールの間から除く白色の髪は無機のよう】
【胸元が大きく開かれた白いブラウスの上に黒色のオーバーコート、そして黒皮のロングブーツ】
【その両手にオールのような幅広の両刃剣を携えた女性】

死へ帰属せよ、己のが死を見つめ、悔いて堕ちよ。

【剣に付着した血を振り払う】
【線状に伸びる赤色はもはやあるべき入れ物になくやがて乾いてゆく】
【女性は平淡な口調で生命活動の耐えたそれに言葉を残して、コツコツとその場から離れてゆくだろう】

【この場にこのまま誰も訪れなければ、また路地裏に加害者不明の死体が増えるだけ】
【果たして名も知らぬ彼を救うべく現れる者はいるのか……】
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 20:57:34.07 ID:OGEOddQDO
>>575
 ……手甲、直ったんだな。

【男を見てから鉤爪に目を遣った青年は、にや、と笑って男の顔を見る】
【赤毛混じりの黒髪の青年も、男の事を覚えている。中々の手練れだった、ということも】

 久しぶりだな。……いや、ボコッちゃいねーよ。
 殺したりひでえ怪我させるつもりもなかったからな。

【青年も気安く男に応じ、そして口にくわえた煙草を右手で握り潰す】
【瞬間、青年の握った右手から炎が漏れ出す。──開いた掌からは、さらりと灰が流れた】

(情報は期待できねぇな。だが、)

【期待の一つは外れたが、もう一つに関しては、申し分ない】
【青年は苦笑を浮かべ、口を開く】

 ところでよ、半端に戦ったおかげで、ちと欲求不満なんだわ。
 我ながら悪癖だなあと思うんだが……まあ、

【青年は男に相対し、右足を一歩下げ、体の左側を前に出した左半身の構えを取る】

 ……ちと、遊ばねえか?

【いつぞやの公園の時と変わらぬ構え】
【──青年は男の腰についた白い手甲を見て、そう言った】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/10/05(水) 21:18:45.23 ID:GOslP60SO
>>577
【路地裏の奥から、悲鳴を聞き付けたのかその場にやってくる人影があった】
【その人物の足音は死体の手前で停止し、代わりに何やら呟く声が聞こえてくる】

状態は悪くないね… これなら奥様に出せるかな
適度に血抜きも済んでて丁度良い

【白皙の青年、その顔立ちは中性的―― 悪く言えば女顔であり、骨格も華奢な方と言えた】
【柔らかな黒髪は所々ハネていて、双眸は不可思議なオッドアイ、その組み合わせはピンクとパープル】

【袖と丈の長いボーダーの服はこれもまたピンクとパープルの組み合わせで、些か目に痛い】
【灰色のジーンズに合わせたスニーカーには、金色の猫のシルエットが描かれていた】

――ただ、運ぶのが骨かなぁ…

【青年の方は死体の吟味に夢中で、未だ女性には気付いていないようだが――?】
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/05(水) 21:22:01.57 ID:KX2pwPpSO
>>578

――おっ、やる気か?

【見覚えのある構えを取る青年】
【わざわざ売ってくれた喧嘩だ、「買わない」という選択肢は、男には存在しない】

いいぜ。ただし、

【右手を握り、開く】
【手の平からは、さっきまで無かった黒いサイコロ――大、中、小が3つずつ――が転がり落ちる】
【サイコロ大その1:2】
【サイコロ大その2:3】
【サイコロ大その3:5】

【サイコロ中その1:2】
【サイコロ中その2:2】
【サイコロ中その3:4】

【2・2・4:ヨツヤ】

あの時と同じとは思うなよ?

【地を蹴り、青年に肉薄】

まず1発!

【青年の左足を払いにかかる】

【この一撃は、サイコロの目の効果により、青年の思っているよりもずっと重くなっている筈である】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 21:24:42.38 ID:FTud4QoSo
>>579

……――――!?

【足音に気づき、女性は振り返る】
【しかし振り返れどもその表情は変化する事はない】

【死体の側に佇む人物を暫く観察し】
【そして彼に向けて唐突に呟く】

汝は人間か?

【声色の中には感情は無く】
【機械的ですらあった】
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/05(水) 21:27:25.41 ID:FLt1v+oX0
【公園】

……む、むー! あと……も少し……っ!

【子供も失せた公園の、その真ん中】
【目立つ、大きな桜の樹があって。街灯の明かりに照らされたその樹の上】
【紅葉しかけた葉っぱの影から、少女のものらしいそんな声が、聞こえていて】

【がさがさと葉の擦れる音。どうやら、樹に登る誰かさんはなるべく上へ上へと向かっているらしく】
【そのうちに細い枝が軋むような音も混ざり始め。……嫌な予感しかしないのは、気のせいではないはずで】


【ちなみにこの公園、大通りからは比較的近い位置にあって】
【買い物帰りの休憩だとか、お散歩ついでの休憩だとか、そういう用途にぴったり、だとか】
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/05(水) 21:35:49.70 ID:GOslP60SO
>>581
【――唐突に響いた女性の声に、青年は酷く驚いた様子で肩を跳ね上げる】
【恐々と上げた顔で女性の姿を確認すると一歩二歩と後退り、明らかに怯えた表情を浮かべたのだった】

――ぁ…、私、は。 人間で、御座います、が
貴女様、は。 違う、ので、しょうか

【恐怖から上手く回らないらしい口調は、何故だか先程の気の抜けたそれから辿々しい敬語へ変わり】
【女性の剣を見止めて、殺害犯だと認識して怯えているのだろうか――それにしても、酷い怯え方だった】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/05(水) 21:41:57.97 ID:XVkNrg/Wo
>>582

【夜道を走る人影。肌寒くなったというのに、上半身は黒シャツ一枚の薄着】
【下半身は修行僧<モンク>の様な茶色のだぼっとしたパンツ。上半身とは対照的に暑そうだ】

【走る人物は長身の大柄の青年。細い眼の凛々しい顔つきをした、黒い短髪であった】
【息を小さく切らしながらランニングを続ける。どうやら、鍛錬中といった所だろうか】


―――――――――……。


【唯々、走り続ける。無駄の無い筋肉質の身体から彼が相当な鍛錬マニアという事が分かるだろうか】
【両手にはテーピングが巻かれており、首元では二つのリングを通したネックレスが揺れ、音が鳴る】


ふっ―――――……ん?


【ぴたり、と足が止まる。気づけば公園の入り口の前であった。足を止めた原因は、人の声】
【夜風に混じり微かに聞こえた少女の様な声を探す様に、細い眼を更に細めて公園内を見つめる】

【じっと目を凝らせば街灯に照らされた桜の樹の上に、少女が居た。軽く足を動かしながら、首を傾げる】
【こんな時間に一体? 青年がそう考えていた時、不吉な音が聞こえる。まぁ、案の定枝の軋む音でだ】

【気づいた時には全速力といかないまでも、それなりの速さで公園内へと侵入していた】
【大声を出せば驚かせてしまうだろうから、と黙々と桜の樹へと走る――――むしろ、怖いのではないだろうか】
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 21:46:22.89 ID:OGEOddQDO
>>580
 思っちゃいねえさ。しかし──
(……賽子? 意味が分からん。てことは能力? ……どんな能力かは情報が足りねえな)

【男の言葉に応えながらも、頭は冷静に状況を見極める】

(早いッ──だが)

 いささか、迂闊なんじゃあねえか?

【あの時も、確か先手を仕掛けたのは向こう。そして、それに対しこちらが考えることも同じ】
 
(攻撃を抜けて、俺の間合いに持ち込む……!)

【あの時の青年は鉤爪の間合いを嫌った】
【自分よりリーチが長く、それでいて自分の主な攻撃である打撃と同じ挙動で、打撃と同じ隙の無さで攻撃できる鉤爪の間合いを】

(待ちに入られたら苦戦した。だが──)

【しかしあの時、先に仕掛けたのは相手の男】
【──相手の攻撃を潜り抜けながら、相手の懐に飛び込むのは、青年が得意とするところだ。なぜなら、単純に何回もやっている】

 おォ、

【左足を軽く上げて足払いを避けると同時、重心を左足に掛ける】
【要するに、足を持ち上げて、前に力を向けて踏み出すという、踏み込みの動作】
【左足への足払いに対し、青年は“踏み込む”という一挙動で回避と接近を同時にこなす。無駄な動きは、しない】

 ──ッらあっ!

【男の顔面に向けて放たれたのは、右拳】
【素拳を灼けた砂鉄に突き込み胴板に叩き付け鉄塊に打ち付け鋼に撃ち込んで作られた拳】
【さながら刀を造る折り返し鍛打のような入念さで、拳を開いて打ち裏返して打ちあらゆる方向から打ち続け──そして流派秘伝の鍛打法によって鍛造した拳】
【柔な拳を徹底的に破壊し、殺害に用いる凶器へ造り変えるという、古式の硬功を幾重にも重ねて練り上げた先にある拳】
【人を[ピーーー]事を前提としなければ、造り得ない拳。────鋼鉄によって鍛造された、不破の拳】
【その青年の拳の威力は、男なら知っているだろう。かつて得物を砕かれたのだから】
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 21:48:08.46 ID:FTud4QoSo
>>583

人であるならば、還るが良い……。

【彼女は彼の質問には答えない】
【両手に収めた剣を立てて、そして青年を殺害対象だと決めたようだ】

理由がなんであれ同族の死体に惹かれるような人間は必要ではない。
汝は同族の為、ひいてはこの惑星の為にここで散るべきである。

【降ろした状態の剣はアスファルトと擦れ、左右火花を散らしながら近付いてゆく】
【そうして青年に近づいたのならば彼の恐怖など知ったことではないとばかりに】
【その剣を青年の首を左右から切り落とすように横に薙ぐだろう】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/05(水) 21:52:04.60 ID:ml3znuO+0
【森林】

てぇあああああああッッッ!!
「おおぅあああああああッッ!!」

【薄手のトレーナーの上に赤いジャケットを羽織った、左目を縦に走る傷跡が目立つ、背中に掛かる程度の青い髪で】
【右腕に、鈍い金属光沢を放つ、先端に水色と橙色をした球体と、剣の様な物が埋め込まれた、何かの射出口らしきものも備えられている、物々しい義手を装着した少女と】
【短く刈りあげた髪に、上下黒で揃えた服の上から更に黒いベストを着込み、右目の周囲に古い火傷の跡がある青年が】
【鬼気迫る表情で咆哮を上げながら、互いの得物をぶつけ合っている】

【少女の右腕の義手の先端に備え付けられた剣が、微かに金色の光を纏って斬撃の軌道を残し】
【青年の右手には、機械的なパーツのあるハンマーが握りしめられ、少女の斬撃を上手くいなしている】

「へっ、中々スムーズになってきたじゃねぇか!!
そろそろ、実戦レベルって奴だぜ!?」
まだまだ……その程度で終わらせるつもりはないわ……ッ!!
戦場に立てるってだけじゃダメ……勝たなきゃいけないんだからね……ッ!!

【時折、乱暴ながらもとげとげしさの無い言葉の応酬が、二人の間を駆け抜ける】
【――――本気で戦っている訳ではなく、二人が『組み手』を行っているという事が、なんとなく分かるだろう】

≪…………≫
"…………"

【二人から少し離れた所には、青い炎を纏った、やけにデフォルメされた髑髏と一匹の蛇が、周囲にキョロキョロと視線を飛ばしている】
【が、髑髏の姿や声は、魔力持ちなどでなければ感知する事は出来ないはずだ】
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/05(水) 21:53:26.49 ID:FLt1v+oX0
>>584

【公園の入り口。桜の樹よりは僅かに離れた位置の、青年の姿】
【絶賛樹登りなうの少女らしい誰かさんは、その存在の感知すら出来ず】
【しかし、青年が見つめるうちに、現状に変化が】

――っ、わふっ、ついたっ……!

【がさりと葉と枝を掻き分けて、樹の天辺のあたりに顔を出したのは、やぱり少女】
【ケンブリッジブルー色の髪に、シトラス色のまあるい瞳。蝶の飾りの付いた、黒いカチューシャをつけていて】

やったやった、やっと頂上ですっ……!
これでお空さんに手が届…………ひゃああぁ!?

【ただでさえ不安定であろう樹の上できゃあきゃあと騒ぐ、推定18歳ほどの少女】
【きらきらとした瞳で空を見上げていたが、ふと何かを感じ取ったらしい。下へと視線を向ければ】

【なんと、街灯はあるとは言え暗い中を、修行僧のような青年がこちらに向かって走り来るではないか――】
【身体がびくりと大きく跳ねて、怖いが、まだ樹の上にいると言う安心感からか、少しだけ余裕のあるような悲鳴を上げた、刹那】


【――ばきゃり。同時に、樹(枝)も悲鳴を上げた】
【少女は、「ひゃわ――!?」だとか、そんな声を上げて、また葉の中に潜り】
【がさりきゃーばきりきゃーべきりきゃー。そんな諸々の音の後】

【どすん、と。樹の元へたどり着くであろう青年の眼前に、落ちてくるだろう】

【先ほど描写したケンブリッジブルーの髪は膝を越えるほどもあって】
【ふんだんにフェイクファーをあしらった黒のワンピースに、白のぽんぽんのついたケープを羽織っていて】
【黒のオーバーニーソックスに、これまたフェイクファーとぽんぽんをあしらった黒の編み込みブーツ】
【そんな格好をした、どちらかと言えば小柄な少女】

【痛みからか、くるくると目を回していて。「ふぇー」だとか、そんな声を漏らしていた】
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/10/05(水) 22:00:34.43 ID:GOslP60SO
>>586
【後退る体勢に踏み込まれる、その間は恐ろしく速いもので――冷淡な女性の内に秘めた殺人術が窺える動きだった】
【だが、左右から横に薙がれた刃は青年の首を捉える事はなく、空を斬る音が響く筈】

っ、私は、奥様の為。 食材を、調達する義務が、在ります故…
御容赦、願い、たく―― 邪魔、されるのならば、貴女も。 同じ様に、致します

【青年は反射的に姿勢を低く構えて一歩前進する事で、首を狙った刃をかわしたのと同時に相手の背後を取り】
【ずるずるした袖に隠した刃渡り30cmの暗器を、低い体勢のまま女性の足目掛け切りつけようとする】

【身動きを取れなくする事を狙った一撃―― 尤も動作が多い為に、回避の余裕は十分に残されている】
【女性の殺人剣とはまた違った、言うなれば屠殺の為の剣術。青年が用いるのは専らそれであった】
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/05(水) 22:04:48.13 ID:XVkNrg/Wo
>>588

なっ、馬鹿――――危ないっ!

【頂上に辿り着いた少女の姿が良く見える。枝葉を掻き分け現れた少女は】
【あろうことか樹の上で騒ぎ出した。危ない、非常に危ない―――そして、こちらに気づいた】

【ばちっと目があって、聞こえたのは悲鳴。確かに大柄の男が暗闇を走って来たら怖いだろう】
【当の本人はそれを理解していないのか、悲鳴をあげる少女に叫ぶ。そんなに動いたら、木が折れる、と】

【案の定である。ばきばき、なんて枝の折れる音と共に少女の姿が消えて葉が揺れに揺れる】
【受け止めよう、と全速力で走るも―――間に合わず。ちょうど樹に到達した所で少女が地面に落下した】


はぁ…………大丈夫、か? 聞こえているか?


【少女の側に片膝をついて、息を少しだけ乱しながら目を回す彼女に声をかける青年】
【目で確認したところ、打ち身程度だろうか? 大きな怪我は無いとは思うが………?】

【どうしたものか、と口をへの字に曲げ、眉を八の字に曲げて。青年は一先ず相手の反応を待つ】
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/05(水) 22:09:41.93 ID:KX2pwPpSO
>>585

(かわされた――!)

【青年の体制を崩し、その勢いのまま押し切る】
【そう考えていたが、体制を崩せなければ始まらない】

【そして迫る、鎧をも砕く金剛の拳】
【男は思考する、この拳をどうするか】

(やばい)
(腕で受けるか?いや、腕を殺られる)
(そのまま受けるか?いや、それこそ殺られる)
(――避けるしか、ねぇ!!)

【ぐ、と首を右に曲げ、拳を避ける】
【しかし僅かに反応が遅れたか、拳はこめかみを掠め赤い筋を残し、男の表情が僅かに歪む】

――そこだ!!

【伸び切っている筈の青年の右腕】
【その上腕の内側に右腕でアッパーを繰り出す】

【まともに考えて、こんな攻撃を受ければ、少なくともこの戦闘では右腕を使えなくなる筈】
【加えて、サイコロの効果――攻撃力の増加――はまだ切れていない】
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 22:13:19.58 ID:FTud4QoSo
>>589

(回避、設定を1つ上に……)

【空を切るのみで終わった剣を直ぐ様引き戻す】
【視界の端に映った青年を追い女性も反転】

機動を絶つか、その技術やはり危険である……
生かしておくに値しない、己の汚れを悔いて剣に倒れよ。

【女性が持っている剣は元より幅広】
【つまりは盾としても使おうと思えば使える代物であり】
【自身の足元に交差するように剣を降ろし暗器の一撃を防ぎ】

一旦離れる……。

【後方へ跳ねるように、コートの裾を翻し距離を取った】
【凡そ3m程の距離】

近接は成らず、遠距離にて抹[ピーーー]る。
白炎にてその身を焦がせ、己が死を視よ――――。

【暗闇の中光る朱い瞳はおぼろげに】
【右手に握られた剣の切っ先を青年に向ける】
【切っ先から唐突に現れるのは白い炎の塊、自然界では恐らく存在し得ないであろう物】

【それは膨れ上がり全長は1m程に、炎に照らされる女性の表情はやはり無】
【そしてついにそれは青年に向けて放たれる】

【申し訳程度の追尾性能を持ったそれは青年の頭を標的に】
【白い炎は体に触れれば普通の炎と同じように焼け】
【同時に衰退の呪いを宿しており、触れれば呪いを受ける事となる】
【ただ現段階では呪いの程度は低く、触れてもその部位の動きが鈍くなる程度だ】
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/05(水) 22:19:18.77 ID:FLt1v+oX0
>>590

う、……つー……。
……ああ、はい、大丈夫です、すいませ、…………うわっ。

【軽い擦り傷と切り傷がいくつか。それにプラスして、青年の思う打ち身】
【命に別状を及ぼしすらしなさそうな軽症。声をかけられれば、ショック状態からも回復して】
【右手で頭を抱えるようにしながら、無様に倒れこんだ体を起こしながら言葉を返して、視線を上げれば】
【目に映るのは、先ほどこちらに向かって走って来ていた怖い人。ずいぶんと失礼な声を上げて、体を引いて】

【そのまま引き止めねば、ずりずりと座り込んだまま後ずさって。桜の幹に背中を預けたような姿勢へとなる、だろう】

…………わ、わたしなんか食べても美味しくありませんよっ!

【細かい木の枝や葉っぱ、土なんかを服や顔にたっぷりつけながら、じとりと】
【睨みつける様は、どうも迫力に欠けていて】
【次に青年が何をするのか、何を言うのか。それをそのまま、待つだろう】
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/05(水) 22:30:33.62 ID:GOslP60SO
>>592
【空振りした刃を再び袖へ引き戻し、かつて見た事も無い白い炎に相対する策を練る】

【放たれる迄に僅かな間があったのをこれ幸いとばかりに、手近に丁度倒れていた亡骸の頭を鷲掴みにして】
【盾の代わりとして、白い炎をそれで受け止めたのだった】

…焼き加減、は。 ウェルダン、でしょう、か
何の、効果があるか、知りませんが―― 不可思議な、炎で御座いますね…ッ!?

【それでも僅かに右腕に炎が触れてしまったために、重く鈍い感覚に片腕が支配される結果となり】
【奇妙なその効果に警戒してか、青年は焼け焦げた遺体を掴んだまま更に二歩後退した】

(これ、は―― 一体?)
(…考える余裕は、無い、かな)
(暫くは、これを盾に、乗り切るしか――)

【重い右腕に亡骸を掴んだまま、青年は左腕を突き出す―― 同時に、袖から一丁のボウガンが姿を見せて】
【剣と炎を操る右肩目掛け、一発の矢を放つ。矢には速効性の痺れ毒が塗られており、掠める事すら危ういものだが】
【右腕の呪いに戸惑っている事もあって、狙いは荒く、放つまでにも間は幾分かある】
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/05(水) 22:30:49.24 ID:XVkNrg/Wo
>>593

意識は混濁していないか……よかった、……・うわ?

【右手で頭を抱えながら、返答しつつ起き上がる少女】
【どうやら生命に別状は無いらしい。とはいえ、小さな怪我を見つけた】

【その矢先、目が会えば「うわっ」なんていう失礼な声である】
【何故、そんな声が? 不思議に思いながらも、座りながら後退る相手を見つめていた】

【続く言葉に、眉間にシワを寄せたまま青年は立ち上がり少女へと近づいて行く】


失礼、だな。 私が人喰いに見えるかな……?
キミを食べそうな種ならば、つい先日出会ったが―――……まぁ、いい。


【がしがし、と頭を掻きながら近づいて再び片膝を着いて屈み込む】
【拒絶されなければ、少女に付着した土やら砂やら葉やらをぱんぱん、と手で払ってやる】

【その後、首元にかけたネックレスを片手で器用に取り外し、リングを一つ右手の中指に嵌める】
【中指で空中に線を引く。作られるのはルーン文字―――太陽を意味するシンボル】

【光の線がSの文字の様なシンボルを空中に残す。それを右手で握れば、彼の右手は柔らかな光に包まれる】
【咎められなければ擦り傷、切り傷のある箇所へと手を伸ばして行くだろう。1秒ほど手を翳せば、傷はほとんど目立たなくなるだろう】
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 22:41:52.57 ID:OGEOddQDO
>>591
(反応の良さは相変わらずかッ!)

【焦り、怒り、戦うという楽しさ、相手に対する感心、敬意】
【それら全てをない交ぜにしたこの感情が背筋と内臓、丹田に溜まり灼熱するこの感覚こそが、恐らくは闘争なのだろう】
【血の筋を引いて振り抜かれた拳】
【一撃で相手を鎧ごと打ち[ピーーー]ことを旨とする故に、青年の放つ牽制以外の攻撃は、攻撃の隙が多少大きい】
【つまり、ただの一撃でもちょっとした大技に相当するということ】
【放たれた男のアッパーを避けるには右腕を引き戻すのが普通だろう】
【しかし、青年の流派の特性故に、その一撃に込められた力故に、それは難しい】
【当然だ。打つ力が大きければ大きい程、それを止めるのに必要な力も大きくなるのだから】

(直感か? おっそろしいなあオイ……!)

【青年はそう考える。相手の男の反撃は、限りなく正解だ。青年の流派がこれまでに見せた動きの、弱点を突いたのだから】
【────だが】

(……けどよ、)
 残念だが、不正解だぜッ!

【青年の流派は浅くはない】
【青年は体を反時計回りに回転させた】
【左足の踏み込からの右拳は、当然その腰を左回りに回して放ったものだ】
【その腰を回した勢いを殺さずに、そのまま勢いに体を乗せれば、自然と体が回転する。一撃を放った右腕ごと】
【──青年の流派は古い。流派の弱点など、無論とうの昔から研究されている。故に、弱点をカバーする技もあるのだ】
【それこそが、体の流し。攻撃後の隙を狙われるのならば、攻撃の勢いにそのまま乗って体を流す。──それがこの技】

ッ、

【相手のアッパーが右腕を掠める。肉が打たれる感触を感じながら回転する暁は、右足を継いで地を蹴り、回転を加速させる】
【ぐるり、一回転】
【回転から放たれたのは────】

食らいやがれッ!

【筋力に遠心力を重ねた、男の側頭部を狙う、左腕の肘打ち】
【拳ほどの、鎧を砕く威力はないが──しかし、その左肘は異様な風切り音を立て男の側頭部に肉薄する】
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/05(水) 22:47:08.64 ID:FLt1v+oX0
>>595

…………だ、だって。
何か、何か……、……こ、怖いじゃないですかっ!

ええぇっ……。

【失礼だと言われて、ほんの僅か、言葉に詰まったように一瞬の間が空いて】
【言い返そうとした言葉が、また詰まる】
【よくよく見れば、大柄でちょっと筋肉質で髪が短くて。人を喰らうような爪も牙もなくて】
【……要するに、勘違いである。青年の姿をよく見ていなかったがための、勘違い】
【それにしては失礼なことも言ったので、怒ったとしても、天からの罰は下らないのだろうが】
【……そして、青年の後半の言葉には露骨に嫌な顔をする。嫌な顔をして、辺りをきょろきょろと見渡して】
【そんな怖いものが近くに居なさそうなことを確かめて、安堵の息を吐けば、また即座に緊張することになる】

えっえっ、な、なんですかっ?
あっ……、えっと、枝とか自分で取れるから大丈夫です大丈夫ですっ!

【服はフェイクファーをふんだんにあしらったもふもふ仕様】
【そんなのが樹の天辺から落ちれば、当然葉や枝や何やかんだが付着していて】
【数度払った程度では、きっと全部は取れはしない】
【さらに、ある程度払われたところで少女は、手をぱたぱたと顔の前辺りで振ることで、その動作にストップをかけようとするのだろう】

あの、あの、本当に大丈夫ですからっ!
いろいろ大丈夫ですっ、大丈夫ですのでっ、きゃ!

【そのまま手を振りながら、またずりりと後ずさろうとして。それを拒むのは背後の桜の樹】
【最初の拒否の姿勢でその手を止めていなければ、あわわと慌てる数秒の間に、治癒は成功するはずで】
【その場合は、手の甲を眺めたり顔をぺたぺた触れてみたりして、傷が治っていることを理解してから、「ありがとうございます。」、と。そう口にするだろう】
【ほんの少しだけ、気まずそうな様子で】
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/05(水) 22:55:54.00 ID:KX2pwPpSO
>>596

(当たらねぇ……!)

【上手くいったと思った、現に的確に青年の流派の弱点を突いた】
【しかし、相手の方が上だった】

【1回転して、迫る左肘】

【まともに食らえば致命傷は避けられない一撃】

【しかし、回転というタイムラグのお陰で、攻撃を受ける時間が出来た】

っちぃ!

【腕を交差させ、青年の肘を受ける】
【致命傷は避けられたが、衝撃は軽くなく、骨の芯まで痺れるような感覚に襲われる】

――食らえ!!

【青年の下腹部に、左足で蹴りを繰り出す】

【サイコロの効果は切れている】
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/05(水) 22:58:40.11 ID:XVkNrg/Wo
>>597

【怖い、という言葉に軽いショックを受けるも表情には出さず】
【黙々と喧しい少女を無視して枝葉を払い、傷口に手を翳し治療を続ける】

【完全なるお節介だが―――まぁ、驚かせてしまったのは事実だった】
【彼女が樹から地面に落ちた責任は少なからず存在するのだから、当然の行為な訳で】


子供が遠慮なんてするんじゃない。特に、キミみたいな少女ならな―――……さ、終わったぞ。


【治療が終われば、右手を虚空で二、三度振って手を包んでいた光を消して立ち上がった】
【ぱんぱん、と膝についた砂を払いながら右中指にリングを付けたまま、もう一つリングの通ったネックレスを付け直す】


それにしても、樹に登って何をしていた? もう少し木が高ければ、洒落にならなかっただろう。
でなくても、落下した時に頭から打っていれば下手をすれば、死んでいたぞ。

まぁ、無事だったから良かったがな―――……さ、立ちなさい。


【説教臭い台詞を吐いた後、手を差し出す。手を取れば、ぐいと引き寄せて立ち上がるのを助けるだろう】
【ごつごつした手と、腕の持ち主の顔つきは依然として笑ってなどはいないが―――細い目は少しだけ柔らかい】
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 23:02:56.40 ID:FTud4QoSo
>>594

やがて呪いに蝕まれ、そして今までの自身の行いを省みるが良い。

【目的の物以外に触れた炎はその時点で勢いを無くしやがて鎮火する】
【衰退の呪いについてであるが、炎自体がまだ弱い部類の為その効果時間は短く3時間程】
【動きが鈍くなると同時に皮膚表面にウジでも這いまわっているような不快感が青年を襲うだろう】
【無論その効果も3時間を経れば忽然と後遺症も無く消える】

しかし、やはりそれでは足りないかならば良し
四肢を切り裂き、尚も強く己の愚かさを知るが良い。

【死体を盾にした行為を咎めているのか】
【そのモノ自体を創りだしたのは自分だというのによくもまあ、とでもいう所か】

いよいよもって――――!?

【青年の腕に呪いが宿った事は視認するでもなく理解し】
【好機とばかりに彼に向けて走る、その動作の中で隠れたボウガンからの一撃は見えず】
【一息の終わるか終わらない内に、矢は女性の右腕上部に突き刺さっていた】

……麻酔の類、成程それならば――――

【痺れは先ず腕の先、手へと侵蝕し】
【所持していた剣は離れ地面へと落ちる、ガランガランと音を鳴らしそして唐突に剣は白炎に姿を変え消失する】

【対してもう片方の、左手の剣を女性は掲げ】
【何の躊躇いもなく己の右肩へと刃を振り下ろす】
【地面に落ちる腕、切り口から吹き出る血液】

【そんな中でも、まるで詰まらないモノでも見るように冷淡なまま】

バランス修正、……――――。

【やがてその瞳は再度青年に向けられる】
【ふと見れば地面に落ちた腕と飛び散った血液は先程の剣と同じように白炎に姿を変え消失】
【肩の切り口からはゆらゆらと白炎が揺れていた、その姿は凡そ人のそれとはかけ離れたモノ……】

(撤退も考慮に入れる……)

【人非ざるモノは剣を掲げ】
【再々度青年に向けてその足を進める、剣の表面には血液から変化した白炎を宿したまま】
【近づきそして青年から見て左から一薙、死体ごと切り裂こうと試みるだろう】

【白炎の呪いに関してだが血液から成った為か先程よりも強く】
【その「衰退」は「腐敗」へと形を変える事となる】
【触れればそこから腐り始める、効果の時間はしかし短く5分程】
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/10/05(水) 23:20:05.61 ID:OGEOddQDO
>>598

 ────掛かったな?

【回転のタイムラグ。男の反応速度ならば、相手の目の前で回転するという、ある種の不意を突く動きであっても反応できる】
【いや、確実に反応する】
【青年はそう考えていたし、そしてそこからの自分の動きは流派の型にも存在した。こちらの動きには問題ない】
【問題は相手が反応した後で、どう動くか】
【後ろに退かれたなら、振り出しだ。再び間合いを外した状況から、お互い五分の条件で再開】
【だが、相手が肘を受けるか、回避するかしてくれれば、それでいい。相手が後ろに退いて、自分の間合いから外れなければそれで良いのだ】
【何せ、次に青年が行う攻撃は、青年が扱う技の中でも指折りに“速い”】
【単純な速度ではなく、“相手に当たるまでの時間が速い”】
【何せ────】

 おらよォッ!

【肘を伸ばすだけで、良いのだから】


【青年がやったことは簡単。一回転して放った肘打ちが受けられた後、肘関節ただ伸ばすだけ】
【肘を打ったのだから、当然肘関節は曲がっている。それを、勢いよく伸ばすだけ】
【それだけで、青年の持つ凶器──鎧を砕く拳が、いわゆる裏拳となって放たれるのだから】
【ひゅがっ、と音を立てて裏拳が放たれる。回転の勢いは未だ完全には消えていない】
【その裏拳は、手の甲で殴るというよりは、手の甲を叩き付けるといった方が正確と思えるほどに激烈なもの】
【それが、相手の男の、側頭部に迫る。鎧を砕く拳による、裏拳が】

 ッ、ッ──!

【裏拳を放った直後、青年は歯を食い縛って腹筋に力を入れた。瞬間、丹田に突き刺さる相手の蹴り】
【かは、と息が漏れそうなのを、横隔膜周りの筋肉で押し留める】
【──裏拳は、捨て身の一撃だった】

(……これで良い。ダメージレースで勝てば良い)

【一撃を重視する流派。故に、相討ちになっても相手の一撃よりも重い一撃を叩き込めれば、それで良い】
【────これが青年の流派】
【裏拳が、男に迫る】
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/05(水) 23:24:34.82 ID:FLt1v+oX0
>>599

…………む、むうう。

【ストップをかけてもその手を止めてくれない青年に、少女は。その場から逃げる、なんて手を採用しようとしていて】
【足をぐっと曲げて、すぐ立ち上がれるように。力を篭めていれば、青年の言葉にむっとした表情になって】

わたし、子供じゃないですっ。
そんなに子供に見えますか、わたし、もうすぐお酒だって飲めるんですから!

【逃げ出す案も放棄して、そう言い返し始める】
【「わたしもう18歳なんです!」なんてアピールして、頬を膨らませながらそっぽを向いて】

…………、あ、ありがとうございます。

【そのまま、お礼の言葉。やっぱり何となく気まずそうなままで、ちらりと視線を青年に向ければ】
【ちょうど、ネックレスを付け直しているところ。なんとなしに、それを見やって】

……だって、高いところに登らないとお空さんに近づけないじゃないですか。
わたしの身長じゃ、足りないんですっ。
もっともっと、高くに行かなきゃいけないのに!

…………それは今度こそ大丈夫です。

【樹に登っていた理由――問われれば、大人しく説明する】
【容疑者は空に近づきたかったなどと供述しており――、しかも、やけに力説】
【差し出される手は手で制して、幹に手を置きながら起き上がってから】

あ、そだ。
あなたさん、なんて名前なんですか?
わたしはファラーシャ。

【砂に汚れて白くなった服をぱたぱたとやりながら、ふと思いついたらしい】
【緩く首を傾げながら青年に名を尋ねて、自分の名を名乗る】
【それから、もう一度。何か思いついたような顔をして】

そういえば、さっき、そこに自販機あったんです。
お礼にしては安いかもしれませんけど、何か、要りませんか? 買ってきますよ。

【柔らかい目つきに警戒も緊張も薄まったか、そんな提案をして、公園の外を指差した】
【きっと、そっちのほうで自販機を見かけたのだろう。青年に向けては始めて、笑んで】
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/10/05(水) 23:31:36.83 ID:GOslP60SO
>>600
【虫酸の走るような右腕の感触と、未だ止まないとある恐怖に心鎮まらない状況の中】
【矢の命中に幸先の良さを感じたのも束の間、そこから先の行為の潔さに青年は息を飲んだ】

(――勝てないね、この女性には)
(退くしかない、今日の仕入れはこれ一体で甘んじるしか…)

【青年もまた、撤退を考慮し始めていた】
【相手の接近して切りつける動作に対し、一旦持っていた亡骸を女性に向け突き飛ばすと同時に自分は後退した、が――】

なっ、――!?

【青年の代わりに斬りつけられた亡骸は胴から真っ二つに、そして切り口は――腐敗してゆく】
【程好く火を通せた絶好の食材が、腐敗によって廃棄すべき生ゴミに変わってしまったのを感じ取って】
【青年は不可思議なオッドアイを見開いて、わなわなと肩を震わせたのだった】

っ、これでは―― 仕方、ありません。今宵は、退かせて頂き、ます
私めは、ヴィンセント=C(チェシャ)=レストレンジ。二度と、貴女にお会いしない、事を…祈ります

【名乗りを終えて丁寧に一礼すると、青年の姿は途端に黄緑色の煙へと変わり】
【煙らしからぬ素早さで上昇してゆき、夜空の大気と混じりあってゆくのだった】

(奥様―― アリス・バーネット様。私は、やはり、未だ)
(貴女様と同じ、女性が、――恐ろしい)

【――女性恐怖症。出会い頭から青年が怯えていた理由は、ただそれだけだった】

/最後時間掛かっちゃいまして申し訳ない
/では、乙でした!
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/05(水) 23:36:11.63 ID:KX2pwPpSO
>>601

(な……!?)

【男には、青年の腕が伸びたように見えた】

【青年の肘を受けた、しばらく腕は使えない】
【つまり腕で受ける事は出来ない】
【後ろに跳ぼうか、とも考えたが、先程放った蹴りでバランスが不安定、距離を離す事も不可能】

がっ――!!

【結果、青年の裏拳を甘んじて受け入れる形になった】

【脳が揺れ、視界が揺れ、意識が揺れる】

【そのまま、身体が右に倒れる】


【暫く、目が覚める事は無いだろう】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/05(水) 23:41:03.84 ID:XVkNrg/Wo
>>602

【ふっ、と鼻で笑う。決して嫌味な笑いでは無いが、中々小馬鹿にした笑いかもしれない】
【子供で無いと主張するが、言葉の端々から子供らしさが伝わって来るではないか】

【酒を飲めることが大人であると認識している―――それだけで、少しツボに入ったらしい】
【くく、と肩を少しだけ揺らしながら礼の言葉に「気にする事は無い」と手を差し出しながら呟く」


……? いや、どう足掻いても私達はあの空に届かんと思うが?
それに、今度は大丈夫というが……ビルの屋上、とかは考えるなよ。

そもそも、何故そんなに空に固執している……?


【呆れた口調で言葉を紡ぐ青年。樹に登っていた理由は分かったが、新たな疑問が生まれる】
【空に届くヒトなど居るものか。そもそも生物である時点で不可能―――やはり、首を傾げるばかり】

【手を差し出していたが、制止されたので引っ込めた。行き場を無くした手は、モンクパンツのポケットへ】


私の名か? ハガラズと言う、修行僧―――……否、破戒僧か。
今宵、出会ったのも何かの縁だ。以降、出会う事があれば宜しくだぞ……ファラーシャ。


【丁寧に挨拶し、ポケットから両手を出して少しだけ頭を下げた】
【顔を上げれば、少女の何かを思いついた顔―――む、と訝しむ表情となり】


年端も行かない子供にモノを恵んで貰うのは、性に合わないのでな。
然し、好意を無駄にするのも性に合わない―――……ということで、コレでスポーツドリンクでも買ってきてくれるか?


【再度ポケットから硬化を三枚取り出して、少女へと手渡す。きっちり二人分の飲み物が買える金額】
【要するに自分の分と、少女の分も買って来いという事なんだろう。奢られる気は無いが使い走りはする、か】
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 23:41:05.79 ID:yRBrNPHkP
朝宮さんチートすぎんだろwwwwwwww相手を楽しませる気あんのか?
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/05(水) 23:42:36.60 ID:FTud4QoSo
>>603

取れ……無い、か――――。

【切断面の手応えは生者のものではなく】
【腐敗の向こうに青年は未だ顕在だと知る】
【剣の炎は消えてなくなる】

…………………。

【その姿を変えた彼は、やがて視認出来なくなり】
【標的が消えた事で女性は戦闘状態を解く】

名を名乗る、それは良き事である
その名を知る限り、罪は果ても無く追い続けるだろう……。

【手から剣は離れ白炎と化しやがて消える】
【最後、小さく息を吐き】

休眠に入る、しかしながら人の罪が潰えぬ限りまた不滅、である。

【女性そのものが膨大な量の白炎と姿を正し】
【やがて何処へともなく消えていったという】

【残った死体はもはや誰かなど分からずに……】

/お疲れ様でしたー!
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/10/05(水) 23:48:10.33 ID:OGEOddQDO
>>604
 …………。

【無理矢理に押し留めた横隔膜が、蹴りの衝撃からゆるゆると立ち直るのを確認してから、青年は息を吐いた】
 
 ふ……、は、っ、ふ。

【そのまま流派に伝わる整息術で呼吸を正常に戻し、胃液が多少混じった唾液を吐き捨てた】
【下腹部が、痛む】

 ……まあ、これがうちの流派だな。

【左足で踏み込みながら右拳を放った時点で、自分の動きの流れはおおまかに決まっていた】
【後はそのまま相手の動きに合わせて、別の技に派生させる】
【裏拳で倒れなかった場合には、そのまま左腕を引いて、その勢いを利用して右の正拳突きを放っていた】

(しかし、大した反応速度だな……)

【闘争本能の充足を感じ、青年は微かに笑みを浮かべ口を開く】

 おい、大丈夫か?

【倒れた相手の肩を、叩きながら】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/06(木) 00:05:43.01 ID:7eaQf6DSO
>>608

ぅ、あ………

【肩を軽く叩かれ、目が覚める】

あー、頭が痛ぇ…… あと、目が回る……
でも、それ意外は多分大丈夫だ……

【壁に手をつき、ゆっくりと立ち上がる】

これで、借り2つ、か……

【頭を抑え、ぽつりと呟く】

あー、じゃな、暁。
借り2つ、覚えとけよ。いつか絶対返すからな。

【そう捨て台詞を吐き、壁に手をつき歩きだし】
【夜の路地裏の奥に消えていった】


/お疲れ様でした!
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/06(木) 00:06:07.76 ID:SWuDzMSH0
>>605

――――――!
何ですかその笑みは……っ!

けっ……結婚だって出来るんですからね!

【笑われた。その事実に、少女の眉が跳ね上がり】
【次いで持ち出したのはそんな事例。ちなみに彼氏居ない歴=年齢――まあそれは置いておいて】

届くんです、届かせるんです!
……いつか絶対、届かせるんですっ!

…………ビルの屋上は、部外者だってんで駄目だったんです。
都会の人は心が狭いんですよ、ちょーっとくらい、いいじゃないですか……ねぇ?

【届かないと思う――その言葉に、また少女は強く言い返す】
【やってみせる、やる。前向きにプラス思考に、断言してみせて】
【紡がれる「ビルはやめておけ」との言葉には、拗ねたように目を伏せて。既にやろうとしたらしい】
【同意を求めてから、首を傾げて見せて。それから、ぱちぱちと目を瞬かせる】

【「聞きたい?」と言いたげに、目を輝かせて、笑んで。数秒溜め込んでから、少女は大きく腕を広げて】

だってっ、あんなに広くて、あんなに大きくて、あんなに高くて、あんなに遠いんですよっ?
毎日毎日全然違ってて、太陽が暖かくて、雲が白かったり灰色だったりしてっ。
でもわたしたちじゃ、全然届かなくって!

【大きく手を広げたまま、見ているのは、空のほう】
【シトラス色の瞳をきらきらと輝かせながら、強く強く笑んで】

わたしなんかじゃ、まだまだ届かないかもしれないけど!
いつか、手が届いたら、素敵じゃないですかっ!

【大きく広げた腕を、胸の前辺りでぎゅっと握って。浮かべた強い笑顔はそのままに、視線をそちらに返す】

【それから名を名乗られれば、ぱっと、テンションは元に戻って】

ハガラズさん、ですか、分かりました、覚えましたっ!
はかいそう……? とか、よく分からないですけど、よろしくお願いしますね。

【こくこくと頷いて、覚えたと言う意思表明をした】

む、恵むんじゃないですよ。お礼です、お礼!
怪我、治してもらったじゃないですか。だから、そのお礼ですっ!

……スポーツドリンクは把握しましたけどっ!

【恵むわけでなく、先ほどの治療のお礼。こちらは既に受け取っているのだから、返させろと】
【頑張って繰り返して、その差し出す手も拒否の姿勢】

…………そうだっ、大人は子供の我侭を聞くのがお仕事なんですよね、だからお礼させてください!
というか、お金あるんで、自分の分は自分で買いますっ!

【……最終的には少し違うようなことまで言い出す始末】
【きちんと差し出された小銭の額も確認はしたらしい。明らかに多いことにも気付いていた】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/06(木) 00:13:08.33 ID:p2AMZsoDO
>>609
 ……け、自己破産させてやんよ。

【にやり、と笑って彼を見送る】
【痛む下腹部に手を当てようとしたが、しかし当てればもっと痛む気がして、取り止める】

 ……今日は、寝るかね

【欲求は十二分に満たされた。結局欲していた情報は手に入らなかったが、収穫はあった】
 
 …………
 
【煙草を取り出し、暁もまた歩き出す】

//お疲れ様でしたー!
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/06(木) 00:24:12.44 ID:18/dt7bso
>>610

くっ、ふふ……あまり背伸びしても、却って子供らしいだけだぞ。

【結婚だって出来るんだから、という言葉で止めを刺された様だった】
【あまり笑みの無い顔に微笑から段々と笑いが激しくなっていく――腹筋が更に割れそうです】


狭いんじゃなくて、キミが我侭なだけだ。大体、危険にも程がある。


【呆れた様にため息混じりに言葉を吐き出した。部外者でよかった、と真に思う】
【もし少女が部外者でなければ容易にビルの屋上へと至り、下手すれば落下していただろうに】

【目を輝かせ、腕を広げて力説を始める彼女を見て―――青年は興味深げに腕を組み耳を傾ける】


そうか……それは、確かに素敵な事だな。だが、方法は考えた方がいいぞ。
無理をしては空へ到達する前に、天に還る事になってしまうからな……否、地の底かもしれん。

なんにせよ、キミの空を掴むという目標は応援しよう。然し、危険な事はしてはいけないぞ……これは、約束しなさい。


【腰に手を当てて、厳格な父の様な雰囲気の青年。年齢は二十代前半なのだが、どうにも落ち着いていた】
【修行僧やら、破戒僧やら―――まぁ、その手の人間と理解するならば頷けない事も無いだろうが】

【破戒僧の意味がわからないなら、それでいい――と、答えて少しだけ細い目を曲げて笑みを浮かべる】


見返りを求めぬ慈悲という奴だが―――……まぁ、礼を受け取るのも礼儀か。
その前に、一つ訂正だ。大人の仕事は子供の我侭を聞くのでは無く、我侭を叱るのが仕事だ。

我慢を覚えぬ内は成長をせんからな。さて、では有難く礼を受け取るとしようか。キミの詭弁に乗せられておこう。


【くつくつ、と喉を鳴らして笑いながら小銭をポケットへと直す。観念したように、彼女の礼を受ける事にしたようだ】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/06(木) 00:46:00.72 ID:SWuDzMSH0
>>612

っ……、そんなこと、ないです!

【却って子供らしい。言われて、最後に一言、いっそう大きな声で返せば】
【その言葉がこたえたか、口を噤む】
【目をそらして顔もそらし。あからさまに話題を終わらせようとしていた】

そんなことないです、心が狭いんですっ!
柵から出ないって言ってるのに、ちょっとだけでいいって言ってるのに、入れてくれないんですよっ?

【むうっとした表情は、比較的本気でその対応をした人に苛立っているよう】
【受付のお姉さんだかも、きっと大変だったであろう。この様子だと、しばらく粘ったりしていそうである】

それは分かってますよ。危ないことしたら危ないですもん、……それくらい子供じゃないから分かってますっ。

でも、でもっ、何もしなかったら届かないんです。絶対!
だってわたしは鳥とか、蝶とかじゃなくって、鳥とか蝶より高等生物だから、きっと、できるはずなんです!

だからっ、……樹から落ちるくらいは許容範囲だと思うんですけどっ。

【命に関わるような危ないことはしない、ただ、樹から落ちる程度なら個人的には許容範囲だと】
【言って、伺いを立てるような目をハガラズへと向けてしまうのは、その父親のような雰囲気ゆえ、だろうか】

【「分からないなら、それでいい」……少女の知識の中にそれがない以上、ハガラズが教えてくれないならば、分からない】
【その結果。教えてくれないことに不満なような表情を浮かべながらも、一度頷いて】
【後で調べてみよう――そう考えたのは、余談】

そうです、最初っから素直に聞いてれば良かったんですよ!
でもでも、叱ってばっかじゃ駄目なんですっ! だから、今日は我侭聞いてくれればいいんです!

【折れた(※折れてくれた)様子を見て、気分がいいらしい。にこりと笑ってから】
【「いってきまーす。」なんて、軽い調子で口にして。それからぱたぱたと走っていくのだろう】
【数分後に戻ってくれば、片手にはスポーツドリンク、もう片手には、猛烈に甘い缶コーヒー】

スポーツドリンクでいいんでしたよね、はいどうぞー!

【そう言いながら、差し出すだろう。受け取れば、そのまま差し出したその手をスライドさせて】
【「ベンチ空いてるけどどうしますか?」空きベンチを指しながら、そんな風に、尋ねた】
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/06(木) 01:07:21.36 ID:18/dt7bso
>>613

そうだな、そんな事ないな……くく、まぁゆっくりと大人になるといい。

【口元を軽く押さえて、肩を揺らしながらそっぽを向いた彼女に笑いかけていた】


まぁ、許してやれ。規則というものは働く人間にとって絶対的なものだ。
キミを屋上へと通す事で、明日の仕事がなくなるやも知れぬ―――理解しろとは言わんが、な。


【苛立つ少女を宥める様に”相手の立場になってみる”事を揶揄するが、強制もしなかった】
【然し、少しだけ強くなった語調には厳しい雰囲気を孕ませていた――――……】


何もしなかったら届かないが、そんな事をしても届かない―――だろうな。
我々は確かに鳥や蝶達よりも知能を持った高等生物だが、地に足をつける事を宿命付けられている。
総合的にみれば生物として上位に立っていても、”飛ぶ”という機能面では完全に下位だ。

だから、もっと知恵を使いなさい。空を掴むならば、誰かを頼りなさい。一人では限界がある。
子供じゃないんだろう? なら、そういう危険な事は無意味だと理解しなさい。樹から落ちるのは、許容範囲外だ。


【落ちどころが悪かったら死ぬだろう、と人差し指を立てて忠告。あまり、ほめられたものでは無いぞ、と】
【説教臭いが―――空へ至るという夢を壊すつもりは無いらしい。やり方を考えろ、と言っている様だ】
【例えば飛行機、ヘリ等の乗り物に乗る。例えば、備えられた能力を使う―――とか、その他諸々】


分かった分かった……早く行きなさい。甘んじて、キミの我侭を受け入れよう。


【軽い調子で買いに行った後ろ姿を見送り、静かに溜息―――笑みを交えて、だが】
【数分後、戻ってきた少女からスポーツドリンクを受け取り「有難う」と礼を言って】


いや、あまり時間が無い。鍛錬もまだあるし、明日は早いからな―――……今日のところは、帰るとしよう。
では、また縁があればまた会おう。くれぐれも、危険な事はしないようにな……約束、だぞ?

さらばだファラーシャ、キミに神の恩恵があらんことを――――……。


【一礼し、スポーツドリンク片手に再び走りだす。向かう先は公園の出口だった】


/眠気が襲ってきましたぁ!寝落ちの危険性があるので、キリもいいしここいらでお疲れ様でしたっ!
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/06(木) 01:25:46.31 ID:SWuDzMSH0
>>614

……そうかもしれませんけどっ!
うー、でも、でもー。

…………一般開放された高い建物があれば全部平和なんですよっ!

【言われれば、相手の立場に立つこともまあできる】
【ただ、根本ではやっぱり、納得はしていないようで】
【厳しい雰囲気に負けたか、最終的に口にしたのは、平和案】
【好き勝手に入れる場所があればいいのに、と】

なんで神様は、鳥とか蝶とか、そういう生き物ばっかに飛行機能付けたんですか?
人にあれば、わたしはこんなに困らなかったのに!
神様って意地悪です、不平等です、だから精一杯好かれようと思って宗教が乱立するんですっ。

【僧を目の前にして、この発言】
【知らないとは怖いものである。それから、何を思ったか「わたしは神様とか、あんまり信じてませんけどっ。」なんて、付け足して】
【そこからころり、表情が変わり】

……人に聞けば、人に頼れば、空に手が届きますか?
わたしでも、こんなわたしでも、手が届くんですか?

【そう尋ねる表情は、真剣そのもので】
【人を頼れば、この夢は叶うのか、と。問うた、表情は】

…………えええー、だって、手が届く感じがするんですよ、するんですっ!
だから樹とか登るの大好きなんですけどっ、じゃあ、気をつけるから登りますっ!

【即座に崩れて。不満たらたら、最終的には自分勝手に決定までして】
【とりあえず、気をつけはするらしい。それでも樹には登るらしいから、あまり安全度が上がったとは言えないのだが】


そう、ですか。ならいいんですっ。
今度は人、怖がらせちゃ駄目ですよ!
……駄目なんですからねっ!

あっ……、さっきの答え、今度会えたら、ちゃんと教えてくださいね!
わたし、本当に、真剣なんですから!

【行くというならば、引止めはしない】
【それならばと、空いたベンチに足だけ向けて。そんな念押し】
【数歩歩いて、ベンチに座ったところで、思い出して】
【その背中にかけた声は、人に頼れば空に手は届くのかと。その答えを、強請るものだった】


…………、ふふ、さっきは今より、届いてました。

【それから、誰も居なくなった公園のベンチ。一人、天に手を伸ばしながら、甘いと有名な缶コーヒーをおいしそうに飲む少女の姿が、しばらくあったとか】

/おつかれさまでしたー!
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) :2011/10/06(木) 07:26:26.64 ID:bSIrA1ZAO
>うー、でも、でもー

キモすぎワロタ
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/06(木) 11:21:35.68 ID:eVupoRdvo
【火山:溶岩地帯】

 やはり仕事の後のこれは最高じゃ

【熱気滾る灼熱の溶岩。蒸気と熱気が滾るその場所に】
【溶岩に半身浸かりながら疲れを癒している人物】

 ナンバーズ……。
 面白そうな奴ばかりじゃい

【下半身こそ溶岩に浸かって可視することはできないが】
【上半身はハゲ頭にシワシワの皮膚、白髪混じりの眉毛と長ヒゲを持つ老人で】

 さて、ちょういと一眠りするかの……

【老人は溶岩に浸かりながら眠りにつこうとしている】
【仕事と老いからくる疲れを取り去りたいのか】
【うっすらうっすら眠りの世界へと――――向かっている】
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 20:11:37.82 ID:zIJTX3vVo
【町外れ】

……はぁ、はぁ、はぁ……っ!

【夜の町外れ、人気の無い道を息を切らせて走る者がいた】
【その容姿は未だ年若い少女】
【長く伸びた金色の髪に碧色の瞳。白い簡素な外套に身を包み】
【手には小さな弓、腰に矢筒を備えた風貌だ】

【彼女は後ろをチラ、と振り返り追跡者の姿を窺いながら】
【息を切らし、恐怖に歪んだ表情を浮かべ】

こ、来ないでください……!

【後ろに向けて弓を構え数本の矢を放つも】
【焦りのためか集中力を欠いており矢は明後日の方向へと消えていく】

【少女を追う相手は、黒いローブに身を包んだ数体の人影】
【各々に剣や棍棒などの凶器を手に持ち、徐々に徐々にと少女を追い詰めていった】

誰か……誰か――

【縋るような悲痛な声が、静かな街に響き渡る】
【この声を聴く者が、この光景を目に留める者は果たしているだろうか】
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/07(金) 20:38:28.49 ID:gknkweIM0
>>618
寝む...疲れてるのか....な?

【少女の走る方向から若い男の声が】
【灰色の長髪を後ろで結んだ髪型】
【着ている学ランはボタンを全て開け少しだけ不真面目そうなイメージを与える】

【首をポキポキとならしながらゆっくりとした足取りで歩いている】

あー....さっさと宿取って.....ん?
【ようやく逃げている少女に気付いた様子】

【青年はその場に立ち止まり、少女と追いかける人影を見る】
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 20:44:19.91 ID:zIJTX3vVo
>>619

ふぅ……はぁ……ッ!

【追跡者の足は遅い】
【しかし少女は疲労のためか既にふらついており】
【もう幾ばくもない時間の後、追いつかれ毒牙にかかるであろうことは明白であった】

【だが、そんな時に少女は眼前を歩む青年の姿を視界に収めた】
【少女の顔には少しの希望が、灯った】

そ、そこの人――たすけ、助けてください……!
あの人達に、訳もわからず追い回されて……!私……!

【少女は男の前まで走り寄ると】
【息を切らしながら、途切れ途切れの言葉で彼に助けを求めた】

【その瞬間にも、複数のローブの人影は近づいてくる】
【数は約5人ほどだろうか?緩慢にも見える、死人を思わせる動作であったが】
【手に持った各々の凶器から、眼前の者たちを害する意志が窺えた】
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/07(金) 20:53:57.46 ID:gknkweIM0
>>620
追われてる......?
【少女の話を聞きながら首を傾げる青年】
【一瞬戸惑ったような表情を見せるが】

わかったよ....「君の身を守る」...その依頼請け負ったよ

【すると、青年の両手から突如、サバイバルナイフが出現した】
【「仕方ない」と言いそうな顔で言う】

仕事するのは久しぶりだな....下がってて

【青年は少女に小声で言うとゆっくりとした足取りでローブ達に所に歩いて行く】


やぁ、こんばんは皆さん。
どうしたのですか? そんな物騒な物持って

【にっこりと笑いながらローブ達に話しかける】
【目的はわからない】
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 21:01:25.60 ID:zIJTX3vVo
>>621

は、はい……よろしくお願いします……

【少女は大人しく従い】
【青年の後ろに回って其の背と、ローブの人影達をただ見つめた】

「……」
「…………」

【ローブの者達は、青年の声に反応を示さなかった】
【その姿はさながら動く人形か】
【ただ眼前に歩み寄る存在を障害と認識したのか】
【じわり、じわりとした不気味な動きで青年に襲いかかった】

【まず接触するは二体】
【手に持つ凶器は釘を打ち付けた棍棒と、赤錆た長剣】
【正面からの、棍棒による頭部を狙った振り下ろしと】
【胴を狙い、青年から見て右方向より薙ぎ払う長剣の攻撃が僅かなタイムラグで青年を襲う】

【ローブの影は先程までの緩慢な動きと同様に、然程スピードはなく】
【技術も拙くただ武器を振り回すようなものだ。ある程度技量があるならば、たやすく捌くことも可能だろう】
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/07(金) 21:08:50.42 ID:YSQh72Aco
【路地裏】

ここも異常はなし……と。

【人気の無い路地に、けして大きくはない声が、いやに響く】
【表通りにはまだ人気が絶えないと言うのに、そこだけが切り取られたように、静かだった】

……まぁ、異常があってほしいわけではないんですが。

【小さな溜息のあと、再び声】
【声の主は、どうやら路地の真ん中に立って、周囲を見回している青年のもののようだった】

【年齢はまだ若い――二十歳頃だろうか】
【金色の髪を一房だけ後ろに伸ばし、うなじの辺りで括っている】
【上下共に黒のスーツを着こなし、しっかりと締められたネクタイが、やり手の商社マンを思わせた】

さて、次の場所に移動しましょうか。

【――およそ路地裏には似つかわしくない人物像と言える】
【どうやら彼は、ここでの探索に見切りをつけ、次の場所へと移動するようだ】
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/07(金) 21:16:07.14 ID:gknkweIM0
>>622
交渉決裂...か、殺しは嫌いなのにね
【ふっと残念そうに笑うとそのサバイバルナイフを構える】

【棍棒と長剣、その同時の攻撃は受け止めきれない】
【青年は単純にバックステップで攻撃をよける】

【ナイフと長剣、棍棒その違いの一つにその重さがある】
【サバイバルナイフのその軽さを利用し、バックステップ直後、】

【二人とも振りかぶった直後のがら空きの体を狙う】

ごめんッ!

【二人に突っ込んでいく青年】
【二人同時に首筋を狙う】

【もし切れたらただではすまない】
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 21:22:47.82 ID:zIJTX3vVo
>>624

「……」

【重い武器を全力で振り回せば必然的に隙が生じる】
【ローブの者達は青年の前で致命的な隙を晒し】
【抵抗することもなく、首筋を切り裂かれ其の場に崩れ落ちた】

【この「何か」からは本来あるべきの「出血」が無い】
【人間なのか、それとも別の存在なのか】
【今分かることは、人に害為す存在であることだけだろうか】

「……」
「…………」
「………………」

【そして残る三体が青年に向かい同時に襲いかかった】
【手に持つものは、粗末な作りの槍】
【それを青年の腹部・胸部辺りを目掛け一斉に突き出した】

【点の動き。真正面から受ける場合は危険だが】
【攻撃範囲が狭く、酷く直線的な動作になっている】
【数は多く、武器が粗末であっても直撃した場合のダメージは馬鹿にはできないが】
【これも冷静に対処することが出来ればさしたる脅威ではない】
【青年は、如何なる手段でこれらに対処し仕留めるだろうか】
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/07(金) 21:31:58.98 ID:gknkweIM0
>>625
血が無い...?
【疑問に思うが思考する時間はない】

【突き出してくる槍に青年は横にステップする】
【真正面からは非常に強いがよけられると非常に弱くなる】

ッ...!

【横によけた後は、その槍の持ち手部分を左腕と脇腹で受け止めようとする】
【もし、受け止めればローブ達は身動きを取れないうちに右手のサバイバルナイフを使い】
【首や、心臓部など急所を狙うであろう】
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 21:43:30.90 ID:zIJTX3vVo
>>626

「……」

【急所を裂かれたローブ達は、其のまま木偶のように崩れ落ちた】
【肉の手応えはある。しかし、相も変わらず生命の鼓動は感じない】

【ローブ達はその場で転がり、ゾンビのように起き上がる様子はない】
【脅威は去った。青年の手によって討伐はなされ】
【そこには「人型の何か」の骸が5つばかり転がるだけであった】

【街に静寂が戻る】
【ただでさえ人通りのない町外れには青年と追われていた少女の姿だけ】
【少女はどうなったのだろうか?逃げてしまったか――】

す、凄い……あっという間に……
有難うございます、おかげで助かりました……
あの、上手く言えませんけれど……格好、よかったです……

【――否、少女の声が何かを引くような音と共に青年の背に掛けられた】
【逃げてはいなかった。少女はずっと、青年が戦う姿を眺めていた】

……私、お金もあまり持っていなくて
大したお礼も出来ませんけれど……その――

【脚を一歩踏み出す音。何かの金具が擦れる音】
【感謝の言葉とは裏腹に、違和感を思わせるような微細な其れを鳴らしながら】

――せめてものお礼に……苦しまないように、仕留めて差し上げます

【ビィン――と、弦を揺らし一本の矢を射出した】
【狙いは青年の首。正確無比な軌道を辿り、死の一撃を下そうとする】
【だが、正確故に少し身体をズラすだけでも空を切る代物であり】
【また、違和感を覚え振り返っていたならば避けることも難しくはないだろう】
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/07(金) 21:54:21.18 ID:gknkweIM0
>>627
なんだこりゃ? 能力かなんかで作った物か?
【立ったままの姿勢でその骸を見ている】
【足でぺしぺしと何者か確認する為なのか蹴る】

【その蹴りをしながら背中を向けて少女に言う】
金はイラねぇよ。 出血大サービスってやつだ

【そう言いながら振り返った瞬間】
【ビュンッ!と飛んでくる矢】

【青年は首を傾け、紙一重で避ける】

.....初めてだね。 依頼主に殺されそうになるの

【別に怒る訳でも悲しむ訳でもなく】
【ただ、不敵に笑う】

俺の初めて奪ったんだ....話聞かせてもらおうか....な?

【戦う気がないのか、それとも余裕なのか】
【サバイバルナイフが両手から消える】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/07(金) 22:05:38.34 ID:J6uXwtz50
【聖都――――高台の教会】

【パチパチパチ――――音がする―――何かが燃える音が。】
【高台から街を見下ろす教会、それが煉獄の業火を纏い、ひたすらに燃え盛っている】

【熱に耐えられなくなったステンドガラスは割れ、飛び散る―――。】
【辺りには人の肌が焼ける臭いが充満している―――内部には焼け焦げた人々が倒れ伏す】
【神聖な筈の教会の内部は、さながら地獄を彷彿とさせる悲惨な光景を作り上げていた】
【割れた窓から入り込んだ夜風が、燃え盛る焔を撫でて、ユラユラと揺らしている】
【その中から優々と歩いてくる人影がある、恐らくはこの惨状を作り上げた者か】


さて、と、これであらかた終了かね………ロクなモノがないなァ聖都は…
はぁ、代役≠熨蝠マだね、彼がいきなり死んじゃうからさぁ、コンタクトも取り直しか

まっいいか、こういう事も中々面白い、次はどうしようか


【肩まで伸びるウェーブのかかった真っ白な美しい髪】
【鋭い眼光を放つ黒の瞳、右目は前髪で覆われて隠れてしまっている】
【胸のはだけた黒い襟に逆さ十字の描かれたシャツを着て】
【灰色のボトムを履き、腰の左側に何重ものベルトが巻かれた魔道書≠付けた人物】

【面倒そうに頭をポリポリと掻いてから、自らが作り上げた惨劇を一瞥し、ニッコリと笑う】
【それから街を眺め、そこへ手を向ける―――まるで、同じ惨劇と劫火で街を覆うとように】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 22:07:31.27 ID:zIJTX3vVo
>>628

――あれ?何で避けちゃうんですかぁ?
女の子が心を込めて送ったお礼を受け取らないなんて
見かけによらず、女心が判らない冷たい人なのかなぁ?

【クスクス、と可笑しそうに笑いながら少女は矢の軌跡を辿る】
【罪悪感など微塵も無い。ただ、先ほどまでの怯えた表情を一変させ】
【悪戯気に微笑みながら、視線の先に青年を捉えていた】

別にぃ?話すほどのことでもないんですけどぉ
ちょっとお兄さんみたいな新鮮で強い強いサンプルが欲しくてぇ

だから「キャー〜〜!」とか「助けて〜〜!」とか
一生懸命叫んでナイト様が来るのをずっと待ってたの!
健気じゃない?泣けて来るでしょ?

【くるくると、ダンスでも踊るようにステップを踏みながら】
【少女は凶器を片手に狂気的に笑う】
【まともな人種にはとても見えない、これは青年にとって――】

――だからぁ、さっさと死んじゃってくれない?
面倒なのは嫌いだし、私さっさと帰ってシャワー浴びたいんだぁ
ね?お兄さん、私の次の「依頼」――聞いてくれると嬉しいなっ!

【――紛れも無い、敵であった】
【少女は目にも留まらぬ速度で矢を番え、前方に射出する】
【先ほどのローブとは比べものにならない、技術として昇華された弓術であった】

【矢は三本】
【狙いはそれぞれ右肩・胸・腹部】
【高速で飛来する矢は貫通力に長けるが】
【点の動きであるがゆえに、見極めることが出来たならば回避も容易であろう】

【互いの距離、約7m】
【矢を避け数歩踏み込めば肉薄出来る距離とも、考えることは出来るか】
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/10/07(金) 22:19:03.76 ID:6rBoag5xo
>>629

【宵月から降る淡色の月光は、薄く尾を引く彗星のように降り注いで
茜色に染め上がり揺れる教会を飾り付けるだろう――――……
そして、黒い夜からくっきりと浮かび上がったソレは、どこか神聖な雰囲気を宿していて】


――――なるほど……神の従属者たる教会≠フ末路としては悪くは無い光景でございましょう
しかしながら、その中に居る方々は、必ずしもその皆が殉教者である、とは限りません

こんばんは、白髪の御仁、この様な夜更けに如何なる御用で?


【言の葉は燃え上がる教会の断末魔の隙間を縫うように瞬いて、落ちる
熱風が微かに白肌をなぞると、潤んだ唇が、きゅぅ、と軽い音をたてて渇きを潤す
視線の先には一対、教会にかけられた絵から抜け出したような少女が一人】

【白銀の長髪をポニーテールのように黒いリボンで結び、メイドカチューシャを付け
スレンダーな身体を、強調するように胸下で大きくエプロンドレスの結び目を目立たせる
黒と白のロングスカートメイド服を纏った、巨乳の少女
黒いメイドブーツと、白い手袋、そして真紅の瞳が、妙に高貴な印象を与えるだろうか】

【彼女が貴方を待つように、あなたの目の前に立っていることであろう
細く華奢な指先は、手袋に覆われて、貴方の前に佇むように彼女の腰元で一つに纏められている】
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/07(金) 22:20:44.20 ID:gknkweIM0
>>630
バーカ...死んじまったら、その女心とやらも受け取れないだろ
【頭をかきながら言う】

【命を狙った理由を聞いた瞬間、吹いた】
【青年が大笑いした】

ハッハァ!.....そんなことか!
【こちらも、先ほどとは違う暗い雰囲気から急にハイテンションになる】

久々だな....俺をわら笑わせるなんて....クックック....
【青年は笑いながら言う】

なら、訂正箇所が二つあるな....
【そう言った瞬間姿勢を低くし、駆ける】

「依頼」も受けてやる...アンタが俺を殺れるならなッ!
【駆ける、矢を避け少女に近づこうとする】
【ナイフは使わない】
【弓矢の弱点である近距離で勝負するつもりらしい】

【そのままなら、すぐにでも距離を詰めれるだろう】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 22:34:39.49 ID:zIJTX3vVo
>>632

ね?面白いでしょ〜?
こんな作戦でも結構来る人いるんだよ?

大体はあんなのにも勝てない馬鹿かスケベ親父だったけどぉ
その点お兄さんは久々の大ヒット!
か弱いか弱い私を危機から救う王子様、気持ち良かったでしょお?

【せせら笑う声は止まない】
【ふざけているのか、嘲笑っているのか。それとも何も考えていないのか】
【ローブの者達とは別ベクトルで理解が難しい仕草であった】

駄目だよぉお兄さん、依頼受けてくれたなら死んでくれなきゃ
そういう情熱的なのは嫌いじゃないけどさぁ
――私としては、何でも言うこと聞いてくれる方がタイプかな?

【接近する青年に対して、少女は余裕を崩さない】
【青年の身体能力や技能については先程のローブを倒した手際で知っているはずだ】
【弓矢は正確ではあるものの異能に届く領域ではない】
【このままならば、次の射撃を回避され少女の敗北は揺るがないだろうが】
【笑みを崩さないまま、ただ少女は弓を引き迎撃の矢を射出した】

【狙いは二点。青年の喉と眉間を狙ったもの】
【しかし目に近い位置でもあるため、冷静に対処できれば顔をずらすだけでも回避できる】
【「この程度」の技しか持たない少女。しかし――この余裕。何か、あるのだろうか】

【少女の斜め前方には街灯が並んでいる】
【そして前からの光に照らされ少女の影が前方に写し出されていた】
【「身体の上部」を狙った射撃。――少女が何を狙っているか、その違和感に気づくことは出来るだろうか】
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/07(金) 22:36:18.11 ID:J6uXwtz50
>>631

やァ、今日はいい夜だね、フロイライン………
だけど女の子が一人でこんな場所は危ないよ、獣が牙を磨いで狙っている


【本来ならば人気のない場所に現れた少女を見ても、優々とした物腰は変わらない】
【軽く手を挙げて、親しい友人へ挨拶をするがごとく、軽快に声を紡ぐ―――。】

【パチパチと燃え上がる木造の教会からは、二人へ向けて煤が降り注いでいる】
【少女の問いかけに、自分のアートを自慢するかのような表情で赤い教会へと振り向く】


何って、お掃除だよお掃除

彼≠ヘねェ、混沌たる世界が好きだったみたいだけど、僕は単純な方がいいなァ
だから、さ、少し整理をしようかと思ってね、それでやったわけ

別に彼ら≠ェ特別邪魔だったわけじゃない、ただ、教会にはたくさんの魔道書や宝具があるらしいからね

少し自分の趣味も入った結果さ。これで満足いく回答が出来たかな?


【ポンポンと腰の魔道書を叩きながら、そう鋭い左目で少女へと視線を戻していく】
【大した理由などない、ただの自己の快楽の追及の結果だ―――そこに大義はない】

【「で、君は?」と青年は少女へ問いかけるように微笑みを向ける。】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/07(金) 22:50:22.70 ID:gknkweIM0
>>633
王子様ァ? ハッハッハ! そりゃ何の冗談だよ!
悪いが俺は殺人鬼だ...あ、殺「尽」鬼だっけか....どうでもいいけど。
【そう言いつつ飛んでくる二本の矢】

【軌道が少々ずれるかもしれないが、ほぼ直線的な攻撃】
【避けるのは容易い】

俺はおしとやかっていうか、清純な子が好みなのよ....
アンタは問答無用で不合格だな....頭ぶつけて性格変えてから出直してこい!

【身軽そうなステップで矢を両方とも避ける】
【避けて、少女の懐に入ろうと、つま先に力を入れた瞬間】

(何で....上半身なんだ?)
【青年が身軽なのはよくわかってる筈だ】
【それなら足を潰し動きを封じるのがいいと思ったが】

【ふと、ほんの少し視界にうつる】

【街灯】

ッ.....! テメェ! ハナから狙いは俺じゃなくて....!

【思わず急ブレーキ】
【少女の思惑が当たっているかは、ともかく何かしでかすのはわかったようだ】
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/10/07(金) 22:51:48.90 ID:6rBoag5xo
>>634

【降り注ぐ煤は、夜に降る細雪が如く、降り積もることなく、夜霧の中へと消えていく
染みのように純白のスカートの上に落ちた、煤の一片を払い落とすと、衣擦れの音が響く
琴を弾いたが如く清楚な音色は、燃え上がる教会の音と、意外にも調和していることであろう】


……ええ、筋道の通った回答を有難う御座いました
私としては、このような夜更けにこのような場所――――そして目の前には鋭い牙をちらつかせる美しき御仁が一人

幸いにも、貴方様は満腹な御様子、妙な手立てなど考えず、一礼をして道を譲るべきなのでしょう


【軽い貴方の口調と反比例するような、整った、清楚で丁寧な物腰
貴方の手の動きと同調して、細い身体を鋭く畳んで、頭を下げて、礼を示す
両の手は長い長いスカートの裾を握り、微かに足を下げ、ゆったりと髪の束を揺らした】

【乳白色の彼女の頬が歪む、大人びた無表情に近い色が、微かに薄まった
言葉はいたって冷静、しかしながら、その奥の、彼女の感情が透け出ているようで
唇の端をそっと噛むと、ため息をつくように言葉を紡ぐ】


ですが――――貴方様の行為が許せないのも事実でございます
貴方様が趣味≠フ為にこのような事を成すのでしたら、私としても見過ごせません

……ぐだぐだと、口上が過ぎましたね
その性根を再教育して差し上げましょう、お坊ちゃま


【スラリと瀟洒に彼女の右手が伸びて、一片ずつ辿るように、彼女の指先が開いていく
地面に平行に向けた掌に、吸い込まれるように、地面から影がすーっと伸びて、彼女の白い掌へと上る
花を摘むように右の手を閉じると、そこには一本の太刀が出現していることであろう】

【彼女は右の手にソレを握ると、両脚を肩幅程度に開き、貴方へと向き直る
互いの距離は5m程度か、どうやらいきなりは仕掛けてはこない様子だ】
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 23:04:09.46 ID:zIJTX3vVo
>>635

――残念外れ、ふっ合格〜〜!
でもでもちょっと判っただけでも合格にしてあげよっかなぁ?

【急ブレーキをした青年の姿を滑稽とでも言うようににこやかに笑う】
【距離は初期より縮まった、しかし刀剣を届かせるには後二歩三歩と足りない】
【何かを狙っていることは確か】
【あのような異形のローブの「共犯」であるこの少女が、ただ弓矢が上手いだけの常人であるわけがない】
【ならば策があるのだ。近づかれようとも、青年を食い[ピーーー]ことの出来る何らかの技能が】

さ、気分が萎えちゃった?それとも怖くなっちゃった?
駄目だよぉそんなのじゃ、早速のデートのお誘いに尻込みしちゃうなんて
可愛いところもあるなって思うけどさぁ、そんなのじゃつまんないじゃん?

【少女は弓に次の矢を番える】
【青年を誘うように、蜜に虫を引き寄せるように】
【距離を保つ限り少女は瞬速の矢を以て青年を追い続ける】

【次の矢は、両肩と頭部を狙う二本】
【相も変わらず正確だが、其故に避けることも難しくない射撃】
【距離を保つ限り射手は獲物を狙い、矢を放ち続ける】

【――街灯に何かをする。これは、直線に放つ矢では難しいだろう】
【もし街灯に当て、その結果何らかを為すならば左右に逸れた不自然な軌道となる】
【ならば狙いは別。何かを確実に狙った上で行動している】
【この布陣を打ち崩し、その策を破る事が勝利への道となろうか――。】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/07(金) 23:14:45.41 ID:J6uXwtz50
>>636

【少女の動作に呼応するかのように、青年も肩に積もった煤を払っている】
【衣擦れの音に合わせるがごとく、規則正しく、定期的に、一定のリズムを以って】

獣と同じく扱われるのは些かながら心外だが、君の判断は正しい
別に僕は満腹という訳でもないけれど、見境なく人を喰らう餓鬼でもない


なんだい、人を殺める行為に、何かを虐げる行為には趣味では理由にならないと―――?



大義を以って行った殺人≠ヘ上等であると、君はそう言いたいのか、ならば確かに
僕と君の間では見解の相違があるという事だ、それを正す行為もまた暴力―――という訳か。

ヒトとは創世記から変わらずその矛盾に対してなんの疑念も持たない、いや、持つ事を拒否している
より大きな力で小さな力を制圧する―――成程、勝者が正義とは良くいったモノだ

つまり、だ、世界でも大きな権威と力を持つ彼ら教会=A僕はその一部を侵害した
と言う事はだ、僕は世界と言う大局であり全、そして君という小局であり一には悪と認識されるのか


なんだ―――存外適当≠ノやっても勤まるじゃないか―――悪≠フロールも


【少女が臨戦態勢に入っても尚、呑気な態度は変わらず、独り言のように呟き始める】
【顎に手を当てて、少し思考の海へと潜っていたが、納得し、満足したように頷いて微笑む】

【この男には今の今まで自分の行いが悪≠ナあったという確証がなかったのだ―――。】
【それが少女の侮蔑を孕んだ敵意の言葉によって形となった、その事は男にとっては大きな収穫であった】

【まるで人間味の感じない言葉を紡いでいた男は、ようやく腰の魔道書の拘束を外し、】
【右の手の平において、そして手をゆっくりと引いていく、魔道書は自立するように手の平という支え無くしても宙に漂う】


最後に、君の名前を聞いておこうか、ついでに所属も―――頁に書き込まなくちゃいけないんだ。

僕は、ワイズマン、ただの収集家さ―――。
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/07(金) 23:22:44.77 ID:gknkweIM0
>>637
100点取れなきゃ0点と同じって教え込まれてるかなら...そんな情けは要らねえよ!

【口調は変わらずハイテンションだが、青年は思考していた】
【矢の目的....それがまだわからない】

安心しろ....デートも何もテメェみたいな尻軽女に興味はねぇからな!
そもそも...俺とデートしたけりゃ眼鏡持ってこい!
【どうでもいい余談、青年は眼鏡っ娘が好みのようで】

【だが、そういう冗談を言えるのでずいぶん余裕なのだろう】

【矢も軽くステップで避ける】
(クッ! 考えても仕方ねぇ!)

【さらに足を出す】
【少女が行動が起こさなければ、青年の両腕が届くだろう】

【両手には何も握られてない、[ピーーー]気は無いのか?】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/10/07(金) 23:28:54.98 ID:6rBoag5xo
>>638

【ゆったりと刻まれる、柱時計のような、貴方の言葉
ロジックで塗り固められた言葉は、触れることすら躊躇うような茨の群れ
喉元に突き刺さる圧迫感に、微かなため息が口内で喘いだ】


……そこまで過大評価を為してもらうつもりはございません
教会≠ノとっては、このようなこと、赤子の戯れにしか過ぎず、関与するまでもないと思われていることでしょう
そのような意では、貴方様の行為は世界にとっては、常に悪と認識されるわけではございません

ですが――――お見事、と言うべきでしょう、貴方様の考察は、見事に私の心を解き明かしております
少なくとも私は、貴方様の好意を唾棄すべき悪≠ニ認識しております


【瞼と気だるく揺らめく睫の合間の真紅の瞳が、鋭さを増す、網膜に映る、貴方の背後の燃え上がる教会≠フ残光
きっと、そこには何人もの、老若男女の命が宿っているのだろう、彼女達が跳ね除けた煤の一片一片は
そのどれもが、貴方の暴虐によって作られた命の塵――――……】

【ひどく、エモーショナルな理由であるが、彼女に取ってはそれで十分なのであろう
足の位置が微かに動くたびに、大げさに彼女の長いスカートは弛みを魅せる
大人びた口調の下には意外と、幼げな少女の色が見え隠れしている】


――――カノッサ機関、特殊部隊Knights of Cydonia¥椛ョ
カノン=ラン=パトリオット、参ります


【言葉の残響を踏破するが如く、彼女の脚が鋭く地面を蹴る
瞬きしていれば見逃すほどの疾駆、なるほど、脚力には自信があるようで
言の葉の尾っぽが教会の崩落音に紛る頃には、貴方との間合いを詰めていることであろう】

【接近が成功したなら、彼女は鋭く右の脚を前に出しブレーキをかけ、右手の太刀を強く握る
そして、左手を後方に引きつつ、身体を、頭上から見て反時計回りに捻り上げる
勢いを乗せつつ、彼女は右手に握った太刀で一閃、貴方の胸を、彼女から見て右から左へと、切り伏せようとするだろう】
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/07(金) 23:40:54.37 ID:zIJTX3vVo
>>639

眼鏡?そんなオプションで女の子の価値決めちゃうんだぁ?
へ〜、お兄さんってば見た目以上に変態さんなのかな?

【ふーん、とでも言いたげな顔で青年を眺める】
【どうにもこうにも、命のやり取りをしているとは思えないほどに緊張感に欠ける】

ま、別に関係ないけどさ
どうせこれからお兄さんは私の虜……私の事以外何も考えられなくなるんだから
変態さんでも何でも――変わらず皆私のワンちゃんになるの。
お兄さんは特別に首輪をつけて毎日散歩してあげる――ふふ、素敵でしょ?

【口元を吊り上げながら、青年の未来を頭に過ぎらせる】
【サンプル――そう言っていた彼女は何をするために人を集めているのだろうか】
【それは現時点で察するのは難しい、狂気じみた言葉はただ露と溶け、再び命のやり取りへと回帰する】

【踏み込んだ青年】
【何の策があってのことか。少女は思考する】
【先ほど見た限りでは、青年はナイフを出現させていた】
【物体生成、もしくは収納・転移】
【その辺りであろうかと適当に当たりをつけながらも――思考を切り替え、狩場に踏み込んだ「獲物」へと】

『<Hide and Seek>――ようこそ私の世界へ』

『私はどこ?』

『私は誰?』

『追いかけて、目を凝らして――私を見つけてご覧なさい?』

【詩を読むように、歌うように己の「能力名」を告げながら】
【Hide and Seek……少女の持つ異能がここで発動した】

【動いたものは、少女の足元。突如として黒い何かが膨れ上がり】
【二本の剣のような形となって青年へと襲いかかる】

【それは――影だ。見れば少女の影は弓矢を構えた其れではなく】
【カットラスにも似た湾曲した刃物を両手に持つ、剣士の影へと変貌していた】
【下より襲い掛かる二本の刃、右手の刃は真っ直ぐ青年の腹部を狙い】
【左手の刃は右足を狙って振り払われる】

【街灯により「前」から照らされていたならば、影は遮蔽物である少女の「後ろ」に出る】
【だが先程の少女の影は『前方』に出現していた。それが、違和であった】
【上方に攻撃を集中していたのも、足元に注意をいかせないため。少女は、影による奇襲を狙っていたのだ】

【剣士の影と射手の少女】
【遠近を補う二つ影。これが彼女の異能の正体であろうか】
【この攻撃が来る前にある程度察しがついていたならば、回避出来る確率も飛躍的に上がるだろう】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/08(土) 00:01:20.87 ID:+GhynEbN0
>>640

【カノンの返答に、考え込むように眉を曲げて、ううむと唸る】
【どこまでも純粋な探究者、だが悪意と言うのは自覚がないほど性質が悪い】

やはり派手さが足りないか、まァ仕方なし、
あてがわれたばかりの役でいきなり大きな事は出来ないし、ね

君と言う世界に悪≠ニ認識された事を誉れと思うべきだろうね



カノッサ機関=Hちょっと待って欲しい、君は機関の人間なのか?
機関と言えばこの世界における絶対悪であり必要悪、この世界の理の一つだ

その悪≠ェ同じ悪≠駆逐するというのはどのような了見だ?
答えてくれ、これは重要な問いだ、何故君と言う世界に悪と認識された存在が同じ悪と敵対する
そのような自己矛盾、なぜ生まれると言うんだ、訳が分からない


【少女の言葉によって齎された大きな疑問、それに青年は驚愕の表情を持ってする】
【そして、今までの軽い口調とは打って変わって、深い、重みのある声で問いかけを放つ】

【だが、直後に少女が接近、手に持つ太刀が、自らを両断せんと迫っている―――。】
【慌てて後方へと跳躍するが、完全には回避しきれず、血液がゴバッと決壊したダムのように流れ出る】
【この男、自身≠フ戦闘能力は三流もいいとこである、では何故、教会を破壊せしめたのか】


グッやるねェ、これが戦いの痛みって奴か、流石に動きが違うな、本物は―――。
ならばこちらも相応の手段を持って対応しなければならない―――さて、どれがいいか―――よし。


≪満たせ――満たせ――満たし尽くせ――底無しの淵、奈落よりい出よ―――≫

≪祖は王、祖は暗黒、祖は堕ちし日輪―――サタネエル・アバド=\――≫



                 『災厄の破神』―――我は汝を使役する




【詠唱と共にパラパラパラパラと凄まじい速度で魔道書のページが捲れていく―――、】
【そして、ピタリと、目的のページへと到達と共に、停止し、辺りに膨大な魔の力場が発生していく】

【そして青年の前に、呼び出された<cmが現出する―――。】

【それは盾だった、一見してただの黒い円形の盾だ、】
【盾の円をなぞる様にダガーの刃のようなものが複数回転している―――。】

【だがそれが放つ威圧は、確かに本当の、魔であり、悪であった―――。】

【ガチンッ!!と回転する刃が静止し、少女へと矛先を一様に向ける――そして】
【┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドドッ!!!それはまるでイナゴの大群のように少女へと掃射された。】

【数は恐ろしく多いが、一つ一つの刃は小さく、簡単に弾くことが出来るだろう】
【だがその数は侮れない、回避するのであれば大きな動作が必要となるだろう】
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2011/10/08(土) 00:23:16.53 ID:qz0AszP/o
>>642

【貴方の言葉はしたたかで、しっとりと耳元で溶けて流れ込む毒のように
音色の欠片すら掴めない、雲のようにふわふわとした言葉で
彼女の頬に一滴の汗を滲ませるには、十分すぎた】


自己矛盾≠ニは、少々疑問符の付く言葉でございますね、貴方様ともあろうものがご理解していないので?
私が何に怒りを覚えるか、何を悪と感じるか、とは私自身の本質に基づくものでしょう
どこに所属しているか、など単なる召し物にすぎません

――――人の本質は、召し物を剥いだ後の一糸纏わぬ裸体にございましょう
流石にこの場で裸体を晒す、ということはできませんが、ね


【変拍子のように、リズムの変わる貴方の言葉、聴きなれないテンポは、慣れない指先を縺れさせるだろう
太刀の切っ先に感じる皮膚を裂く鈍い感触、傷の浅さをその指先は感じとる
刃先に滲んだ鮮血は、淡い音を立てて線香花火のように、黒一色の地面へと滴り落ちることであろう】

【彼女はそのまま身体を捻り、一回転、真っ直ぐ貴方を向き直る形で体勢を整えるだろう
ふわりと舞う、彼女の爪先ほどまである彼女のスカートの丈、白と黒のゴシックの風がさやかに夜を撫でて
淡い夜風が一片、熱風に当てられて、夜の中へと紛れていく】


(……詠唱=\―――でございますか、いけませんね……かなりの魔力を感じます
このような力、久しく対峙した覚えはございません、流石、とでも言いましょうか)

……ですが、力の差、というものは退歩の理由にはなりません
我が身を退くという行為は、退いた数だけ、その首元へと刃先を迫らせることとなります

これしきの通り雨、傘を差すまでもございません

Last Shadow Puppets


【彼女は右の手の太刀を放棄する、地面へと落ちた太刀は、沈みこむが如く、夜へと消えていく
同時に彼女の両の手が、下方向へと自然体の形で垂らされて、その手へと再び、影が伸びる
やがて現れるのはやや眺めの小刀が一対、それぞれの手に握られて】

【かくん、と大きく彼女が体勢を低くする、お尻を突き出す形で、彼女の上半身が揺らめく
足を引き、直ぐにでも駆け出せる体勢のまま、彼女は低くした身体の前に、両の手を置く
急に身体を下げたためか、大きく瞬く彼女のスカートの裾、フリルの付いたエプロンドレスがその身を翻らせる
貴方へと向く身体の面積を狭くし、彼女に触れるであろう刃の軌道を選び抜く】

【そうして刻まれる十六連符の金属音、細長い睫がうっすらとアイラインを引く様に彼女の真紅に滲むほどに
集中力を高め、最小の動きで、無数の刃を一つ一つ弾いていこうとするだろう
流石に数は膨大、数本の刃が彼女の腕を刻むも、何か行動を起こさない限り、それ以上の傷は無いだろう】

【ただし、貴方が肉を切らせただけあってか、彼女の攻撃の目も遅れる、ここは防御だけで彼女の手は終わるだろう】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/08(土) 00:28:47.46 ID:B+u48N0H0
>>641
変態?....そうかもな....クックック...
首輪も悪くねぇが俺には似合わねェな
アンタの方が似合うと思うぞ

【青年は笑つつ、トドメをさすために、踏み出そうとした瞬間】

【少女の足元から影が現れる】

ッ! これは!

【その突如現れた影を警戒したのか再びバックステップで距離を取る】

厄介だな...これがこいつの能力か....

【トントンとつま先で地面を蹴って調子を確認する】

な?にが王子様だ、もういるじゃないか...

【口調こそ笑っているが、間違いなく焦ってる】
【あくまで、ナイフは使わない】


645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/08(土) 00:39:30.66 ID:+GhynEbN0
>>643

【じわりと滲んでいる腹部の血を抑えながら、未だに多少の疑問を孕んだ表情で―――】
【だがそれでいて、答えを得たような、そんな表情でカノンの意見に耳を向ける】


なるほど、確かに個人の思想と組織の思想が相反する、というのはあるだろう
つまり自らが所属する組織の意向ではなく、自己の意識、その思いに伴って行動するという訳か

やはり、面白いな世界は―――ありがとう、君は色々と役に立ってくれた

だけど済まない、僕も戦いなれていなくてね、余裕がない、だから。


【感謝の言葉と共に、黒く、淀みきった瞳でカノンを見据え、口元を歪める】
【そして開いている魔道書のページに何か指でなぞる様な仕草をし、悪魔へと指示を出す】

【同時に、刃の雨は止むだろう、無数の刃は再び本体の周囲へと収まり、回転している】
【そして、悪魔が青く発光を始める、まるで原子が放つ光のような、この世のものとは思えない光―――。】

【刹那、カノンの足元の大地から、三本の巨大な氷柱が突きだし、カノンを串刺しにしようとする】
【恐らく魔術によって放たれた一撃だが、その氷柱の密度、恐らく氷属性の中級魔術クラスの攻撃だ】

【そのレベルの攻撃を繰り出せば、互いに相[ピーーー]る事が出来るが、ないのであれば回避に徹するべきだろう】
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/08(土) 00:42:44.12 ID:oc1ILQpmo
>>644

――駄目よ、自分の影を抱きしめられる?
自分の影とキスできる?影は影。王子様にはなれないの

【少女は飛びのく青年の姿を見てクスクスと小さく笑い】
【剣士の影は再び平面へと戻り息をひそめる】

【単純だが、距離の不利を打ち消し合うこの影の力】
【遠くに入れば弓矢の的にし、下手に近寄れば斬って捨てる】
【破壊力に優れるわけでも制圧力があるわけでもないが、堅実な布陣を敷いている】
【これを打ち破るために、青年は如何なる手段で立ち向かうだろうか】

秘密のびっくり箱もバレちゃったし、じゃこれから本番ね
ふふ……今度はいつまで避けられるかな?
二発?三発?それとも十発?――

【少女は、手に持った弓を投げ捨てて腕を振り上げた】
【その瞬間、コートの裾を滑るようにして二丁の小型ボウガンが出現する】
【両腕の袖から覗く機械弓は、青年へとしかと狙いを定め――】

――素敵なダンスを見せて、お兄さん。気に入ったら後で一緒に踊ってあげる

【――凄まじい速度で、小型の矢を吐き出した】
【自動装填/ワンボタンでの射出】
【都合6発の小型矢が青年目掛け襲い掛かる】

【正確なものではなくバラ撒くような軌道を取る無数の矢】
【数打ち当てる思考にシフトしたのか、狙いは雑なものの数が多い】
【位置的には青年の上半身付近を通るものになるだろうか?】
【一発一発の威力は然程ではないが兎に角数が多い】
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/10/08(土) 00:53:57.25 ID:qz0AszP/o
>>645

【――――いくつかの刃がメイド服を破り、彼女の柔肌に赤い線を刻む
風が触れるたびにむき出しの神経が舐られて、くすぐったいような痛みを感じるも
焼ける痛みに比べれば、何倍もマシと、自身を鼓舞する】


……お分かりいただけて幸いです、流石に聡明でございますね
余裕が無いのは此方もです、いくら場数を踏もうとも強者との戦いは常に後手に廻ってしまいますが故――――


【足元から現れる氷柱、それを感じ取るのは感知系の能力を持たない彼女にとっては厳しいか
それでも、自身の足元の異常をコンマ数秒で認知し、すぐさま回避行動に移る辺り、場数を踏んではいるのだろう
強く地面を蹴り、前へと出て、回避を行うと同時に接近を為す、悪い手段ではなかった】

【――――しかし、数え違いが在るとすれば、彼女の一手目であろう
彼女の蹴った地面、そこからは既に、氷柱が突き出していて……
彼女は奇しくも、自身で強く、自らの左足を、柱の先へと突き刺してしまうことになる】


っ……!!あっ……んぅ――――っくぁ……ふぁ、ぁん……
――――くっ……ハァ……っぅ……ハァ……


【前のめりになり、体勢を崩した彼女はそのまま地面に倒れこむだろう
慌てて右肩から落ちる体勢になり、右肩を強打しつつも、全身から落ちることは回避したものの
彼女の長く大きなスカートを貫く三つの氷柱、その内二つは、鮮やかな鮮血を身に纏い、夜月の下に唄う】

【それに混じるは、彼女の形の良い唇から零れる、柑橘色した果実味の嬌声に近い吐息
傷はかなり深いようで、左手を、その足へと這わせながら、白手袋で包まれた指先を、震わせて
白銀の髪が地面に寝転がって、乱れたように、彼女の修飾すると、彼女の頬に艶る汗の色を滲ませた】
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/08(土) 01:10:33.97 ID:+GhynEbN0
>>647

【青年は腹部を抑えたまま、ゆったりとした足取りで歩を進める―――。】
【発動を終えた氷柱は数秒後に、サラサラと雪のようになって消えていく】

【煤と雪が同時に舞う、些か不可思議な光景であった―――。】


駄目だな、少し燃費が悪いのを呼び過ぎた、もう持たない―――。
だが君の脚にダメージを与えられたのは正解だった、これでもう追撃は出来まい


君は僕を躾ける事は敵わず、僕は力が尽きた事により君をコレクトする事は敵わなかった
これは引き分けと言うのかな、僕には分からないが、ここは退かせてもらうとするよ


【シュウゥゥゥっと召喚した怪魔も黒い霧のように消失していく―――魔翌力が底をついたのだろうか】
【青年はパタンと魔道書を閉じると、再びボトムへとベルトで括り付け、拘束する】

【そして少女へと声が届く距離まで接近してから踵を返して歩き出す】


また会える時を愉しみにしているよ、所詮は狭い箱庭だ、すぐにきっと…
やっぱり………代役も楽ではないな、僕は彼と違って替えが効かないし、脆弱だ―――。


【そのまま血の斑点を地面に残しながら体を引きずって夜の闇へと消えていった―――】
【煉獄の業火は、いつしか消えていた。】

//お疲れ様でしたー!
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/10/08(土) 01:13:27.13 ID:qz0AszP/o
>>648

【声の残響が耳に残る、それと同時に胸に滴る想いも重なる
足の痛みが彼女の無力を告げる、心に飛来する感情がやけに痛い】


……っ――――……無様、でございますね……我ながら、情け無いです……
やはり、力不足なのでしょうか――――……私めは


【紡いだ言葉の行方は知れず、視線の先で燃える教会の色だけが
真っ黒な夜に、やけに浮かんでいるように感じた】


/お疲れ様でしたー!
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/08(土) 22:08:20.32 ID:kNXQPwIVo
【路地裏に散乱するゴミ箱やガラクタを派手に崩して倒れ込んだ何者かの姿が、ひとつ】

【その際に生じた派手な音は、往来の人の耳に入る可能性も十分に孕む程のもので】
【何かのトラブルが薄暗い其所で起きているであろうことを察するのは、それ程難しい事では無かった】

っ、ぁ…てンめェ、何処の何方サマかは、知らねェが…ッ
こっちの所属を知って―― ッ!!

【――加害者側の声は、聞こえなかった。ついでに言うなら姿すらも、だ】
【薄暗い路地とはいえ、被害者側の男だけに可視可聴出来ていると言うのは、些か気味が悪い】

【だが確かに、確実に、何かのダメージを見えない相手から受けたらしい男は】
【再び派手な音を響かせて、雑多な塵の山に埋もれる事となってしまうのだった】

好き勝手、抜かし、やがっ、て……ンの、野郎…! っか、は、ッ――

【肩までの銀の髪に暗赤色の瞳、首には機関の紋章が刻まれた首輪を装着し】
【首を緩めた黒のYシャツにダークグレーのジーンズ、茶のスニーカーという出で立ちの青年は】
【唯一の武器らしい大鎌を何とか握り締めてはいるものの、反撃する意思すら最早浮かばない様子だった】

【この男にだけは、相手の姿と声が、そして攻撃が。何故かは不明だが、通っているらしかった】
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 22:13:02.25 ID:0+bIAR890
【――――――――水の国 ホウオウシティ】
【先日、テロ攻撃の脅威にさらされたこの都市は、今や『暴蜂』の私軍に包囲され、最後の時を迎えようとしていた】
【水も漏らさぬ完全な包囲の前に、脱出の望みに賭けた5000人の無残な血が流され、都市の中に孤立する40万人は、息を潜める事しかできず】
【周囲に展開した水の国国軍も、2倍強の兵数差を誇りながら、事態を打開するには至らなかった】

「『プロトメサイヤ』、約3時間後に目標直上へと到達予定。進路、クリアーです」
「『コロナ・ゴスペル』発射シークエンス、ステージ2で待機。目標地点へと到達後、ステージ3へと移行します」

【そして――――地平の彼方から、かの地に滅びを齎さんとする、巨大な銀色の球体が姿を表す】
【世界へと、覇道の狼煙を上げようとする。その名は――――試作型最終救済決戦兵器『プロトメサイヤ』】
【4機の指揮補助船を伴いながらゆっくりと進行するその姿は、夜空と言う天井に吊るされたミラーボールの様な、滑稽な奇妙さを演出する】
【だが忘れてはならない。これこそが『暴蜂』の切り札――――1基で1都市を壊滅せしめる、絶望の巣なのである】

「――――地上部隊より入電。水の国国軍の一斉攻撃が始まったようです」
……包囲網を突破される前に、『コロナ・ゴスペル』の発射を完遂しなければなりません
速力を15%アップ。多少エネルギー効率を落としても構いません。目標直上への展開を最優先に
「了解」

【指揮補助船の内の1機に、暴蜂総帥秘書であるリーナ=ヴェイセシスの姿があった】
【報告を受け、新たな指令を自己の判断で発令する――――この戦線の指揮を預かっているのは、彼女なのだろう】

――――お頭様に刃向う者に、裁きの光を…………そのご威光を示す為に、かの都市には犠牲となってもらうしかないですが…………
…………抜かせません。お頭様こそ、この世に覇を唱えるに値する人間であるという事を、世界に告げるまで…………
――――――――天地にあらせられる戦の神々よ…………ここにいけにえを捧げます。どうか、我が主に覇道を歩ませたまえ――――――――

【そっと目を閉じて手を組み、祈る様な仕草を見せるリーナ。その願いは、偽らざる彼女の悲願・本心だった】



「『暴蜂』増援と思われる巨大兵器の移動速度が上昇しました! 軌道計算から、ホウオウシティの中心部を目指しているものと思われます!」
「っ……こちらの増援である能力者の状況は!?」
「既に、敵包囲網へと進軍を開始し、戦闘を開始しています!」
「よし、4分後に進撃開始、能力者を援護する! ――――彼らなら、必ずやってくれる…………だが、避難誘導は彼らの手には余るだろう…………
この国の民は、我々の手で護るのだ…………! あのような玉ッコロのこけおどしに怯むのは、許さんぞ……例え攻撃を完遂されようとも、だ!!
――――――――我々軍人の命は、この国の民のためにある事を忘れるなッッ!!」
「ハッ!!」

【地上――――水の国国軍も、事態が急速に進展するのを、指をくわえて眺めている程、愚かではなかった】
【むしろ、彼らは具体的に迫った人民の危機に、そして能力者の助力にその意気を高め、ウォークライを上げる】
【死の淵に立たされた民を、一人でも多く救うために――――――――水の国国軍と暴蜂私軍の全面衝突が始まる】

/続きます
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 22:14:09.72 ID:0+bIAR890
【――――――――ホウオウシティ郊外 幹線道路】

《…………ファルガ》
〈レイド…………今度コソ、今度コソオ前ヲ、殺ス……………………モウ、僕ニ後ハナイ…………オ前ガ死ヌカ、僕ガ死ヌカダ…………!〉
レイド殿……残念じゃが、もはやこの都市は救う事など出来ぬ…………そして、仮にも殿の御子女であるそなたを、あまり苦しめとうない…………
大人しく、ここでその命を差しだして下され。これ以上の抗いが、何になると言うのか…………
「…………」

【都市内外の交通の要衝である道路に、複数の影があった】

【傍らに、青い炎を纏った髑髏を伴った、薄手のトレーナーの上に赤いジャケットを羽織った、左目を縦に走る傷跡が目立つ、背中に掛かる程度の青い髪で】
【右腕に、鈍い金属光沢を放つ、先端に水色と橙色をした球体と、剣の様な物が埋め込まれた、何かの射出口らしきものも備えられている、物々しい義手を装着した少女】

【青の下地に黄色のラインが入った大型の甲冑に身を包んだ、逆三角形の金のプレートに蜂を象ったエンブレムを甲冑に取りつけている、2m半はあろうかと言う巨体を誇る大男】

【胸元に、逆三角形の金のプレートに蜂を象ったバッジを留めた、黒い『外套』を着込み、鳥打帽にスラックスを着こなした、痩躯の青年】

【そして――――頭部を金属的な装甲で覆われた、ネコ科の大型動物の様な獣】
【機械的な一対の角が、頭部の側面から前方に飛び出しており、更に、前を向いた頭とは別に、上を向いた機械の塊の様な『頭』が存在し】
【まるで鎧を着込んだ様に、肩や腹の周りに金属的なパーツが備え付けられ、8m前後の、先端に、縁が刃になっている金属の環の様なものがついた尾を帯び】
【そして、その背中には――――――――】
【オレンジ色のショートカットで、鼻に酸素吸引用と思しきチューブを差し込まれ、背筋を伸ばしたまま眠った様に目を閉じ、額にωの文字を刻みこまれている、小学生ほどの少女が】
【赤黒い肉塊によって無理やりにつなぎ合わせた様に、獣の背中にその上半身だけを残していた】

【『暴蜂』総帥、シュバルツ=L=ヴェイスの実子であり、また彼に抗う事を選んだ、レイド=E=ヴェイス】
【『暴蜂』の突撃隊長として、その巨躯を猛らせる巨人、グルゴン=イクシール】
【内心の不満を押し隠して『暴蜂』につき従う悪魔召喚師、ダジル=エヴァン】
【『用済み』と化したシュバルツの実子リイロと、その使い魔であるファルガを融合させ、更に改造を施した魔獣、オリジナルシン】
【――――この面々がそろい踏みをして、場は緊迫した空気に包まれる】

《――――ファルガ、ついてきなさい…………》
〈ッ、何…………!?〉
《…………あんたの言う通りよ。決着をつけましょう…………ヴェイス家の人間だけで、邪魔を入れないで、ね…………
生き残るべきなのは、どっちなのか…………あたしが死ぬのか、あんたが死ぬのか…………こんな簡単な事を決めるのに、御託も邪魔も、要らないでしょ?》
〈ッ――――上等ダ。レイド…………必ズオ前ヲ、引キ裂イテヤル!!〉
待ってもらおう、レイド殿…………殿の命令がある。わしもそう易々とそなたをファルガと共に去る事を認める訳にはゆかん…………
《――――あんたたちには、あんたたちの相手がいるでしょ?
あたしだって…………一人でここまで来るほど、馬鹿じゃないわ》
な、なんと…………!?

【レイドとオリジナルシンの間に割って入ろうとしたグルゴンが、苦い声を上げる】
【――――状況は、計らずしもレイドの言葉通りの推移を見せようとしていた】
【ホウオウシティを解放せんと集結した戦士たちが、この地に迫っていたのだから――――――――】

/続きます
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 22:15:19.72 ID:0+bIAR890
【ホウオウシティ 北東部】

ぬかった……あのような分かりやすい陽動を行ってくるとは……!

【レイドの言葉を受けて、グルゴン=イクシールがその巨躯を走らせる】
【レイドの出現に人員を集めたのが、完全に裏目に出た形だった】

…………キラークイーン、どうなっておる!!
「現状、国軍側は部隊を接近させています。しかし、攻撃を仕掛けてくる様子はありません」

【包囲網の北東部分に当たる一団と接触したグルゴンは、そこにいたクローン兵士に状況を確認する】
【黒のボディースーツを着込み、目元をバイザーで覆っている、小学生ほどの少女】
【その額にはαという文字が刻まれており、金色のショートカットをしている】

いや……部隊ではない。恐らく、能力者が仕掛けてくるはずじゃ。そちらの警戒をするべき…………
「っ…………グルゴン様、あれを!」
やはり…………来たか!
――――注意せよ!! 始まるぞ…………決戦が!

【接近してくる国軍の部隊に混じり、全く異質な何者かを認めた二人は、ゆっくりと向き直る】
【黒の子供と青の巨人が殺気をみなぎらせるその光景は、解放軍の戦士にはどう映るのか】
【そんな小さな感傷は、展開する暴蜂軍の騒音にかき消される様にして、薄まっていく――――】

/これよりイベントを開始します
/神衣の方とヴェンデッタの方はこれにレスをお願いします
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 22:15:56.46 ID:0+bIAR890
【ホウオウシティ 南東部】

…………人間など、全て滅んでしまえばいいんだ…………
その為に、相争い血を流し合うのは、実に効果的な手段…………止めさせねぇ、絶対に…………!

【南東部の一角へと展開したダジル=エヴァンは静かに上空の『プロトメサイヤ』を見上げる】
【それのもたらす殺戮こそが、彼の望み――――それを行うのも人である事に眼をつぶり、彼は人間の不幸を渇望していた】

…………俺には、悪魔の力がある…………
人間なんて、下等精神生命体なんかに……易々と抜かれて、たまるものかよ……

【右手に、派手な装飾のついた十字の剣を抜き放つ】
【じっとその刀身を見据えるダジルの眼は、酷く冷たいものだった】

――――さあぁぁぁ…………来やがれ人間どもがッッ!!
幾千、幾万の束になろうが……貴様らの様な下郎種、真に高等な存在の前には無力だという事を教えてやる!!

【徐々に包囲網を狭めてくる国軍の部隊に対して、吼えるダジル】
【その咆哮に答える様に、展開していた暴蜂の部隊も動き始める】
【殺意に染まり切った凶相は、正に『悪魔』のそれであった】

/重太郎の方はこれにレスをお願いします
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/08(土) 22:29:59.23 ID:mboj54iio
>>653

【そこかしこに争いの臭いが薫る、ホウオウシティの街路】
【影と轟音の合間を縫って静かに疾駆する、黒い隻影が彼らの目にも確認できるだろう】

【黒いシャツに黒いレザーボトム、暗赤色のレザーベストを身に着けた少年だ】
【銀色の短髪と真紅の瞳だけが、夜闇から切り取られたように浮き上がって見える】

【ホルダーの付いた大きなベルトの左右に、大小合わせて五本の棒を吊っており】
【右側には、長大な二本の棒。左側には短い三本の棒。それぞれが打ち鳴らされ、小さく音を立てている】

【少年の側も、どうやら二つの影に気がついたようだった】

……アレか?

【口に出して確認してみるが、この騒ぎの中、暢気に外を散策する子供連れなど居まい】
【つまり、あの異様な二人を倒すことが、ここに投入された自分の役目】

……チッ。

【名乗りも――口上すらもない】
【ただ舌打ちだけを残し、少年の右手が翻る】

【右腰の二本の棒が、引き抜かれ――瞬く間に、一本の長槍へと組み変えられた】
【その槍を素早く右の脇に手挟むと】
【得物を見つけた肉食獣の如く、二つの影へと肉薄していく】

/ヴェンデッタです。本日はよろしくお願いします。
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/08(土) 22:35:04.80 ID:oc1ILQpmo
>>653

――全く、次から次へと好き勝手に!
慎みというものを知らないのですか、貴方方は!

【国軍より前、突出する一陣の風が在った】
【幼さが残る、しかして覇気に満ちた声を上げ】
【漆黒の髪を凛と揺らしながら、戦士は隊を鼓舞する一番槍であらんと駆ける】

【その身を覆うは異形の鎧】
【獅子の頭部に似た、鋭利な牙を生やす両手甲】
【背には雄々しく広がる鷹の翼】
【胸から腹を覆うは猿を思わせる軽鎧となっており】
【脚には猛禽の其れを彷彿とさせる三本の大爪がそれぞれ備わっていた】

――『Justice』が長、貴宝院織守の剣!貴宝院神衣!
我、悪辣の責め苦に喘ぐ民らを救うべく!世を乱す野望を挫き平穏へと導くべく今此処に見参した!

正義の刃に臆するならば武器を捨てろ!
悪辣の矜持を貫き、我ら救国の戦士に牙を剥くならば相応しい裁きが待つと思え!
我は戦が一番槍!この武に!この言に偽りなど一片足りとも無いと思え!

【少女――神衣は常とは違い、戦場を貫く槍となるべく朗々と響く声で啖呵を切る】
【この戦いは個人の枠に収まるものに非ず。以前一度経験した、紛れも無い「戦争」だ】
【ならばこそ、戦争に於いての己の役割を果たさねばならない】

【突撃し、活路を開く。その一点に収束する】
【時間の猶予はない。神衣は、背の翼を広げ高速で二人へと接近していこうとする】

/神衣です、よろしくお願いします
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 22:44:40.72 ID:0+bIAR890
>>655

ぬっ…………それがぬしの得物か!!
「…………」

【現われた少年が、言葉もなく武器を構え、走り込んでくる姿を目にし、二人組に更なる緊張が走る】
【やはり、こうして自分たちの進路を阻むものが、姿を現したのだ――――】

>>656

…………おぬし、一角の『武士(もののふ)』の様じゃな…………

【戦場へと馳せ参じ、臆する様子もなく口上を述べる少女に、グルゴンは瞳を細める】
【その言葉は、彼の琴線に触れるものがあった】

――――――――武士ならば分かるじゃろう!!
武の道の元、主に仕えるからには、裏切りなど許されぬ…………その意を持とうと、持たずとも、じゃ!!
――――武士の道の元に…………おぬしを討つ!!

【だが、その道は元より交わらぬ道。互いに違う主を頂けば、戦い以外の道など無い】
【少女の言葉に応じて、武装解除を行うなど、言語道断であった】

>>655-656

――――『暴蜂』グルゴン=イクシール…………
殿の御心を侵す者どもの刃など、一筋たりとも通さん!!

【接近する二人に対し、グルゴンは背に背負う巨大な棍棒を引き抜いた】
【巨大な石の柱の様な、人間程の大きさをもつ棍棒――――接近する二人に向け、その大物を容赦なく薙ぎつける】

「…………ッ!!」

【同時に、後方へと下がったαは、両手に投げナイフを構え、二人へと向けて投擲する】
【――――――――戦闘が、始まった】

/よろしくお願いします!
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/08(土) 22:50:36.22 ID:/AiCKu16o
>>654

【銀色の太陽が空に浮かび上がるその中。近づく足音と幾つかの声】
【声はそれぞれ違った表情を見せるのだけれど、足音は1つだけで――】
【音が近づくのと共に、1人≠フ人間が姿を現す】

【短くも無く、長くも無い黒の髪。同色の双眸。黒い学生服をキッチリと着た、やや小柄の少年】
【腰には空のホルスターが2つ。中にあったと思われる銃は少年の手に】
【右手に持っている銃は常時空気中から魔翌力を吸収しており、魔銃の類であると分かるだろう】


『申し訳ないけど、君のその欲望は満たされないよ』
「そ、お前の大嫌いな人間がお前を邪魔するんだってよ!」

【声を出して見せたのは両手の銃。少年が持つのは喋る魔銃という訳だろうか】
【だが、左手の銃は右手の銃と違って魔翌力を吸収しておらず。見てくれも普通の銃と何ら変わりない】


誰かを見下すと足を掬われるって教えてやるよ……―――!

【少年は、怒りを孕んだ瞳と共に、2つの銃口をダジルへと向ける】
【すると即座に引き金を引き、銃弾が2つ、――ダジルの太股と剣を持った方の肩へと発射される】
【狙いとしては機動力を削ぐ事と剣での攻撃の威力の低下だろうか】
【銃弾は正確だが、狙いが愚直までに簡単なので回避は容易いだろう】

/重太郎です
今夜はお願いします
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/08(土) 22:55:39.32 ID:oc1ILQpmo
>>655>>657

ならばこれより言葉は不要!
己が意志を!己が忠義を!己が武を以て雌雄を決するのみ!

【応える声は、それにて終結】
【違えたならば敵同士。譲れぬ線にて競いあう】
【至極単純な構図。しかして武士の戦はこれこそが至上である】

ふっ――

【短く息を吐くと同時に、背の翼を打ち振るい方向修正】
【棍棒を上空に飛び上がることで回避し】

――はぁッ……!

【次いで襲いかかるナイフを、左腕の手甲を以て弾くと】
【その場でもう一度翼の「特性」、「推進」を発現させる】

【結果生み出されるは前方への加速。】
【異形の鎧を纏う女武士は、グルゴンに向けて天よりの一撃を送る】

【其れは左足による蹴り――否、爪撃であった】
【刀剣のように研ぎ澄まされた三本の爪により、グルゴン「右肩部」へと斬りかかる】
【直線的な攻撃ではあるが、重さと鋭さを併せ持つ一撃】
【直撃したならば、相応のダメージが伝わるだろうか】

(――共に進んできてくれた仲間は、一人)
(この方と連携することが出来れば、戦況は有利になるかも知れませんね)

【前線に突出した自分は今はまだ、呼吸を合わせられない】
【しかしてその存在を確かに感じながら、仲間の姿を思考に過ぎらせた】
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/08(土) 22:57:26.87 ID:mboj54iio
>>656

(貴宝院……?)

【とある経緯から、その名を聞き及んでいた少年は、そちらへと一瞬だけ目を向ける】
【華々しく、雄々しく、可憐で――威風堂々たるその名乗りに、憎々しげな眼差しを注いで】

フン……。

【だが、それも一瞬の事】
【鼻を鳴らして、少年は再び前を見据える】

>>657

【少年は、グルゴンの振るう棍棒を見て、即座に足を止めた】
【正面から受け止めるには余りにも強烈な質量の一撃――】

【槍を両手で広く持ち、振るわれる棍棒に対し、斜め下から押し上げるように柄を叩きつけた】

【――棍棒のエネルギーを、斜め上へと反らして、威力を減じさせると共に】
【全身をしなやかに――まるでバネのように撓めて、衝撃を受け止める】

く……!

【――とは言え、石柱と見紛うがごとき鈍器の一撃だ、全てを受け流すというわけには行かなかったのだろう】
【全身にひずみを与える衝撃に眉を顰めて――それでも、左手を腰へと伸ばす】

【左手に吊られた、三本の棒のうち一本を引き抜けば】
【そこには既に白刃をさらす、投擲用の短槍が現われている】

発ッ!

【それを、左手首のスナップだけで、グルゴンの右肩目掛けて投擲する】
【と同時に、さらにすり足で間合いを狭めて、長槍の間合いに、グルゴンを捉えようとする】
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 22:58:04.26 ID:0+bIAR890
>>658

――――――――きやがったな、下郎!!

【猛り狂うダジルの眼に、少年は姿を現す】
【一度、剣の切っ先を下げて、彼は少年の姿を見据える】

――――語るな。人間風情が…………
貴様らの意志など、何の重みもないものに、俺の道がふさげるものか!!

【そして、複数に響く声にわずかに訝しげな表情を見せるが、魔力の動きを感知すると、溜飲を下げたようで】
【再び、その表情に狂気に似たものをたぎらせて、強い反抗の言葉をぶつける】

そんな直線の攻撃で、俺を捉えられるかよ!!

【銃を持っている姿を見て、その射撃には強い警戒感を感じていた】
【それに違わず、少年は二丁の拳銃を発射してくる。ダジルは身を捻って銃弾を回避すると、ワンテンポで体勢を立て直し、少年へと急速に接近する】
【恐らく、その手の中の銃を無闇に使えないレンジへと、飛び込もうと言うのだろう】
【だが、銃弾を回避した分、わずかに出遅れた感があり、バックステップなどで距離を離そうとすれば、まだ間に合うだろう】

/よろしくお願いします!
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/08(土) 23:10:52.15 ID:/AiCKu16o
>>661

ちィ――――!


【剣士を相手取るのに一番怖いのは間合いを詰めらる事】
【回避されたのであれば、間違いなく距離を詰めてくる事は理解していた】

【反射とも言える速度で少年がおこなった行動は――銃弾が回避されると同時に後ろへの跳躍】
【銃口は下ろさず、引き金を引き再度ダジルの太股と肩を狙う】
【バックステップした距離は然程長くは無く。踏み込めば、剣が届く距離に居る】

【2発の銃弾が問題だろうか、ただの銃弾と言えど微量の魔翌力が込められており威力が強化されている】
【喰らえばダメージは避けられないが、―――】
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 23:11:07.34 ID:0+bIAR890
>>659

ならば超克してみせよ!!
我が鋼鉄の肉体、鋼鉄の精神、鋼鉄の武技を!!

【信じる事が出来るのは、己の武――――肉体と精神、そして修練の末に鍛え上げた技】
【道を違えたのであれば、互いに武人として相対する。それは敵に対してのもっとも基本的で、重要な『礼儀』である】
【武人として、グルゴンは同じく武人としての誇りを持つであろう神衣に、叫んだ】

>>660

…………ぬしには…………ぬしには黒いものを感じる…………
少年よ、何故だ…………なにゆえ、わしらの道を阻むか?

【グルゴンの眼に、少年はどこか危険なものを孕む存在に見えた】
【それは、人の生活を護り、安寧を求める――――と言った趣とは違う、むしろ、それを脅かす事を望んでいる様なものを感じて】
【戦の途中だというのに、グルゴンはその問いを止める事が出来なかった】

>>659-660

「グルゴン様!!」
キラークイーン、お主はわしの事を気にする必要はない!!
わしが盾となる…………お主はただ、この者たちを撃つ事に専心せよ!!
お主の役割は『投擲』…………そうじゃろう!?
「――――了解」

【神衣の爪撃、そしてヴェンデッタの投擲によって、グルゴンの右肩部の装甲は砕け散る】
【しかし、彼自身にはまるでダメージが通っている様子はない】
【――――全身の装甲合わせて70kgにも及ぶ堅牢な鎧は、砕け散りながらも攻撃を受け切ったのだ】

【――――そうして、αは再び武器を放つ】
【次に投げられたのは、円刃――――俗に『チャクラム』と呼ばれる投擲武器】
【グルゴンのそばに接近した神衣には、グルゴンを巻きこむ可能性を恐れて投擲せず、ただヴェンデッタへと向けて2条、放たれる】
【チャクラムは、曲線的な抉り込む軌道を描いて、ヴェンデッタを襲う】

おぉぉぉぉぉおおおおおお!!

【右の肩の装甲を砕かれたグルゴンだが、ひるむことなく神衣へと向けて、左手で鉄拳を放つ】
【頭上に向けて、ではあるが、至近距離まで詰めていた神衣に対しては、棍棒を振るうよりも確実だと判断したためで】
【空中に居る分、ダメージは分散されるだろうが、尋常ならばコンクリートの壁面にヒビを入れる力を持った拳が、神衣を襲う】
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 23:20:21.41 ID:0+bIAR890
>>662

ケッ…………馬鹿の一つ覚えかよ…………ッ!!
単純な分、強力なのは否定しないがな…………!

【流石に接近への銃撃は、ダジルにとって脅威で、足を止めざるを得ない】
【咄嗟に踏みとどまり、太ももを狙った銃弾を右手の剣で弾き飛ばす。しかし、右肩の銃弾には成す術なく捉えられてしまう】

――――――――なら、仕方がねぇ…………見せてやるぜ!!
人間を超越する『悪魔』の力…………召喚師(サマナー)としてな!!

【肩の傷を気にしながら、ダジルは立ち止まり、剣を真っすぐに自分の眼前に構える】
【銃を持った重太郎の前に、立ち止まる事は危険であるはずだが、ダジルはそんな事も厭わず】

――――出でよ、『ヴィーヴル』!!

【肉体に秘めた魔力をほとばしらせて、ダジルは1体の魔物を召喚する】
【――――それは、額にガーネットを埋め込んだ、人間程の大きさのドラゴン】
【ワイバーン伝承の元となった竜――――ヴィーヴルである】
【額のガーネットが、周囲に凄まじい魔力をまき散らしていた】

さぁ、恐怖しろ…………人間を超えし存在の力に!!
「――――――――!」

【ヴィーヴルを召喚すると、ダジルはヴィーヴルの影へと隠れる】
【恐らく、右肩のダメージを気にして、息を整える心算だろう】

【そして、ヴィーヴルは重太郎目がけて口から火炎を吐く】
【ドラゴンお定まりの攻撃だが、広範囲を薙ぐ火炎は容赦なく重太郎を襲う】
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/08(土) 23:30:14.59 ID:oc1ILQpmo
>>660>>663

【手応えはあった、しかしダメージを与えるには至らず】
【グルゴンの装甲と身体は紛れも無く堅牢、容易く破れる砦にあらず】
【その武を認識しながらも】

こ、の……っ……!まだまだ……!

【襲いかかる円刃と鉄拳を認識する】
【同時、一息に襲いかかるコンビネーション】
【この距離では先程のように軽やかに躱すなど叶わない】

【神衣は咄嗟に翼を動かし空中で身体を捻り】
【チャクラムを己の腹部装甲を掠らせるようにして回避】

か、――――は――!

【そして――グルゴンの鉄拳。これは不可避のタイミング】
【両腕部の手甲を重ねあわせ直撃を防ぐも、神衣の身体は天高く打ち上げられた】
【防いだもののその重厚な一撃、衝撃を防ぎ切るには足りず】
【胸から腹にかけてを突き抜けるようなダメージが奔り、大きく息を吐き出した】

はっ――……はぁ……!

(あの者も厄介ですが、射手の娘が輪をかけて曲者ですね)
(絶妙の機での援護、あれがある限り堅牢な砦は更に門を固く閉ざしている)

【認識する。この二人の強さを】
【一筋縄で討伐できる手合いではない。熟練した技術を持つコンビだ】
【ならば崩すべきは何か、定石に則ればそれは――】

行きます……――!

【――射手の撃破。】
【神衣は薄く罅割れた左手甲を胸の前に構え】
【背の翼を大きく打ち振るい、再度の急降下攻撃を仕掛けた】

【だが次は、先程とは攻撃手段が違う】
【ある程度まで接近した時点で神衣は空中で制動】
【身体を縦に回しながら、左の脚で空を大きく蹴りつけた】

【一見無意味とも取れる空振り】
【しかして、それの延長線上に凶刃が走る】
【其れは「三本の爪」。鋭く長い三本の凶器が、射手をめがけて殺到しようとする】
【爪を「切り離す」ことにより投擲武器として使う手法であった】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/08(土) 23:33:56.03 ID:mboj54iio
>>663 >>665

……喋らねぇと腕の一つも振れねぇか、木偶の坊。

【ようやく口を開いたかと思えば、そこから飛び出してくるのは、露骨な侮辱の言葉だった】

【戦場にあってあまり多弁ではない少年には、グルゴンの問いかけすらも煩いらしかった】
【それでも答えを寄越そうとするのは――彼なりに吐き出すモノもあるということか】

……テメェらが目障りな奴の命令≠セ。
それ以上でもそれ以下でもねぇよ。

ッチ!

【間合いを詰めようとしたところで、弧を描いて襲来するチャクラムに目を留めて足を止める】

ク、ソ……!

【一撃目はどうにか槍を跳ね上げてそれを弾くものの】
【連続した攻撃を受け止めるには、長槍は余りにも取り回しが悪い】

【上体を仰け反らせたヴェンデッタの胸部を、チャクラムが撫でていった】
【――シャツとベストに刻まれた鋭いラインから、滲むように血が滴る】

(クソ忌々しいが……こっちのデカブツを片付けねぇと……!)

【チャクラムを放ったキラークイーンに向けて、憎悪の篭った視線を投げた後】
【さらに空中を舞う貴宝院へと目を向けて】
【視点の推移は――終点、眼前のグルゴンで焦点を合わせる】

【――空を飛ぶことの出来る貴宝院とは違って、地を走ることしか出来ぬ自分には】
【目の前の巨人を倒す必要があることを、少年は本能から悟っていた】

勢ッ!

【両手で持ち、下段に構えた槍を、装甲の砕けた右肩に向けて、掬い上げるように斬りつける】
【――その斬撃の途中、石突に添えた右手を押し込んで――刃が描くはずの、弧の軌道を捻じ曲げる】

【グルゴンからは、まるで槍の穂先が突然伸び上がったかのようにも錯覚されるだろう】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/08(土) 23:45:04.03 ID:0+bIAR890
>>666

…………ただ、似合わぬ事をしていると感じただけだ

【確かに、自分の行為は戦場において、褒められたものではない】
【侮蔑の感情を向けられる事そのものは意に介さず、ただ続く言葉を引き受けて】

……そうか。良く分かった
――――もはや、語るまい

【恐らく、この少年はこの行いに乗り気ではないのだろうと結論をつける】
【それだけ分かれば、道を外れた行いも終わり。グルゴンの心は、戦場へと再び舞い戻る】

>>665-666

くっ…………だが、見える!!
負傷箇所を狙うだけなど、愚の行いに過ぎぬ!!

【自らの肩を再び狙う少年に、グルゴンの取った行動は、右手に持つ棍棒を地面に突き立てて、槍の進路を阻害するというものであった】
【同時に、最大限上体を後ろへと反らして、槍の刺突から逃れようとする】
【途上、槍のリーチが伸びる様な動きに、肩を捉えられるが、刺し貫かれるまでには、至らなかった】

――――真に優れた戦士は、攻防を一体と成すものだ!!

【そして、グルゴンは眼前に突き立てた棍棒を蹴りだして、少年へと倒させる】
【振るうよりは勢いに欠けるが、まるで柱が倒れてくる様に感じられるはずだ】

「……ッ、飛礫!?」

【空を切る神衣の蹴りが、何かを飛ばしてきた事をαは見切る。しかし、回避するにはあまりにその飛来は早い】

「――――投擲は、腕が一本あれば、事足りる…………ッズ、ァ!!」

【飛来する『爪』に対してαは、右腕を盾にして防御する】
【例え右腕を負傷してしまっても、左腕で投擲を維持すれば、自分の役割は果たせるとの判断だ】

「…………このっ!!」

【そのまま、左手でダーツ――――貫通力によって敵を攻撃する手投げの槍――――を2本構えて、神衣へと投げ放つ】
【先ほどのチャクラムの様な複雑な軌道は描かないが、直線的な速度は先ほどよりも上である】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/08(土) 23:51:21.47 ID:/AiCKu16o
>>664

【立ち止まるダジルだが、重太郎はもう1度バックステップを行い距離を取る】
【何かが来る―――そんな胸騒ぎの下で】
【黒色のスクリーンが魔翌力とヴィーヴルを映し出す。人間より強大な存在であると見た瞬間に直感し――】

『召喚――ね、凄い能力だけど……』
「それを超えてみせるのが人間ってものだろ?」

無責任だな本当…くッ…――――!

【襲い掛かる火炎を自分の周囲に鏡を張り巡らせ、身を守り】
【鏡を操る能力。これこそが少年の能力なのだろう。単純だが、応用が利き中々便利な能力だろうか】

【ヴィーブルを見ると右手の銃を腰のホルスターへと戻し】
【懐から短刀を取り出す。鏡で出来た鞘を抜き、鏡を消滅させ――】
【無い≠ニ見間違えてもおかしく無いほど、透明な刀身の短刀が右手に握られていた】

【火炎が止めば、重太郎は鏡を消滅させ、銃弾をヴィーヴル目掛けて発射――】
【そして、右手の短刀での攻撃を行う為にヴィーヴルへと接近を試みる】
【ただの短刀であるなら刃が通るかすら危ういがのだが……――リスクを冒してまでも接近すると言う事は――?】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 00:00:45.09 ID:88uRcXqI0
>>668

そうだ…………卑小な人間に死を…………ッ!!
ただの防御だけで、防げると思うな…………!!

【右の銃創に左腕を添えて、歯を食いしばりながら眼前の敵を睨みつけるダジル】
【召喚したヴィーヴルは、強大な魔力の持ち主。それこそ人間など足元にも及ばない、偉大な『竜族』の一員なのだ】

「――――――――ッッッ!!!」

【銃弾は、その巨体に狙い違わず命中する。それでも、身を覆う鱗が、ダメージを緩和しているらしく】
【一声、苦しげなうめき声を漏らしただけで、再び敵意に満ちた視線を投げつけて】
【額のガーネットが光った瞬間、光線がヴィーヴルの足元へと照射される】
【魔力レーザー――――地を焼きつくしながら、その狙いは少年へと向けられていく――――――――】

今のうちに…………宿す!
――――『バシリスク』!!

【再び、剣を先ほどの様に構えて、ダジルは叫ぶ】
【すると、真っ当な光を放っていた刀身が、徐々に紫色の霧の様なものを纏い始めて――――】
【――――バシリスク。猛毒を謳われた魔物の名が、剣に与えられる。その剣が放っているのも、強力な毒気なのだろう】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/09(日) 00:03:47.58 ID:O5R96MeXo
>>666>>667

(一本――これで少しは、手も緩みましょうが)
(奇策は二度通用しない。この一手で仕留められなかったのは手痛いですね)

【腕の一本を負傷させたが、それでも十全の結果とは言えない】
【一度見せた以上、二度目の射撃が成功する相手ではないだろうと神衣は確信していた】
【故に、練る。この状況にて自身の為すべきことを】
【そしてその瞬間――グルゴンに正面より立ち向かう少年の姿が目に写った】

……!これなら――!

【余裕など何処にもない。故に即断即決】
【思いつくがままに、神衣は天より舞いて戦場を翔ぶ】

【そして、行動を開始した瞬間に飛来するは二本の手投槍】
【直線的ではあるが、故に速く鋭い二本の槍はその軌道上に確かに神衣を捉え】
【一本がその片翼を、貫いた】

くっ――……ですが、このまま……!

【片翼がダメージにより力を失う。最大の利であった飛行能力を欠損させたことで】
【残る片翼による不恰好な空中制動のみが可能となる】
【そしてその神衣の落ちる先は――後方、正面より少年の攻撃を受ける『グルゴンの背が見える』位置】

【狙う策は「挟撃」。】
【単純ではあるが、射手と武士の意識を分断し各個撃破するための神衣の手であった】
【その距離グルゴンらより数m。攻撃を届かせるまで数歩の位置である】

はっ――――!

【短く息を吐くと共に、神衣はαに向けて駆ける】
【腕部の獅子を構えながら、己の役目を果たすべく】
【グルゴンという名の砦を支える少女を打倒するため接近を図る】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/09(日) 00:11:32.37 ID:BuStfdMwo
【とある清流沿い、東屋】

【夜。人里からそう遠くもなく、虫の鳴き声と川のせせらぎが耳に心地良い】
【そんな好立地に存在する小屋のような建物に、一つの明かりと人が居た】
【人は男性で、茶人じみた渋い和服を着、頭には布の白頭巾などを被っていて】

【そしてどうやら、その格好の通りに態々椀まで持ち寄って茶を飲んでいるらしく】
【彼の向かう備え付けの机にはその椀と、また別に近代的なペットボトルとが置かれており】

―――『夏が過ぎ 秋も終へと 行きしかば はや霜の降れる 時も近しと』

……なんて言うのも風情があって良いかも知れませんが、ね
もう少し厚手で来るべきでしたか……幸い、暖の茶こそありますが。

【不意にそんな歌だか、句だかを読むと男は薄ら寒そうに身を縮めて腕を組む】

【周囲は暗く、彼のいる場所はよく目立つ。そして、見るものによって印象も変わるだろうか】
【善人から見れば男は季節を楽しむ風に見え、悪人からすれば格好の獲物となるのである】
【勿論、それらは訪れる者があればこそだが―――――。】
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/09(日) 00:14:31.22 ID:G/qSZSJEo
>>667 >>670

うお……!?

【防御に立てた棍棒が、そのままノーモーションで倒れこんでくる】
【その光景に狼狽の声を上げて、ヴェンデッタは伸び切った腕を引き戻そうとする――】

【だが、槍を引き戻して、さらに防御、あるいは回避に努めるには、あまりに時間が足りなさ過ぎた】

クぁ……!

【真正面からの棍棒を、直接左腕で受け止めた――左腕から響いた鈍い音が、ヴェンデッタの耳に届く】
【すぐに後ろに転がって、棍棒の勢力圏から逃れて、立ち上がる】

(……骨が……!)

【どうやら、折れたか――そうでなくとも、ヒビは入ったか】
【苦痛に顔を歪めて、槍に添えた左手に視線を落としている】

……。

【――左手のコンディションを確認してから、内心の動揺はひた隠しに、グルゴンへと向き直る】
【どうやら、力と力の押し合いで、彼に勝つ道理は無い――】

(……なら)

【少年は、両手に持った槍を畳んで、右腰のホルダーへと差し直した】

木偶の坊が、吹いてンじゃねぇぞ。

【戦意喪失した――のでは、無論ない。それを証明するように、そう呟いて】
【左腰から、投擲用の短槍を抜き取る】
【本来は投擲用の短槍を、右手に持って――姿勢を低く構える】

【まるで飛び掛る寸前の獣の様に――】
【クラウチングスタートの姿勢に、良く似ている】

【刹那の瞬発力を得るための、姿勢】

発ッ!

【少年の身体が、爆ぜるように飛び出す】
【右手に持った短槍を――わざわざ注意を受けたというのに――装甲の弾けた右肩に目掛けて、至近距離から振りかぶって投擲する!】

>>670

(業腹だが……あのクソアマが後ろを抑えてやがる)

【情けを掛けられているのではない。それは分かる】
【もっとも勝利に近い行程を踏むために、機動力で勝る彼女は、それを生かした相手を選んだ】

【――だが、それがなんだというのだ?】

(……俺が℃Eす)

【低く、暗い誓いの言葉を胸に】
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/09(日) 00:22:44.55 ID:iCt2yirfo
>>669

―――っがああ…!!

【レーザーは重太郎の足を掠り、その身を焼き――】
【思わず悲鳴を上げ、体勢が崩れ転倒しそうになるが、なんとか建て直して、学生服の右の袖を銃口で上げ】
【右の手首に付いていたのは、月明かりを映す黄金の腕輪】
【腕輪のスイッチを銃口で押すと腕輪からアンカーが発射され、ヴィーヴル目掛けて飛んでいく】
【アンカーは鋭く、銃弾が通るのであれば、鱗にも突き刺さるだろうが、速度が銃弾よりも少しばかり劣るのが難点か】


【もし、刺されば、再度スイッチを銃口で押すだろう】
【するとアンカーは腕輪へと戻っていくのだが、体重の関係で重太郎はヴィーヴルに接近する事になる】
【接近を許せば、そのまま右手に持った短刀の刀身をヴィーヴルへと差し込むだろう】
【この短刀、滅龍刃<ヴリトラ>との名を持つ短刀でクリスタルドラゴンのブレードを加工したものである】
【竜鱗の対物理性能を無視する武器で、攻撃が通った時の威力計り知れず―――】

【行動が何処かで阻害された場合は、重太郎は短刀をヴィーヴル目掛けて投げつけるだろう】
【速度は当然銃弾に劣るが竜殺しの武器であるが故に威力の高さは折り紙つき】

【どちらにせよ竜にとっては回避せねば辛い攻撃となるのは間違い無く―――】

「おい、――!なんか危ないニオイがするぜ!?」
『バジリスクって事は…多分毒…!十分気を付けてよ――?』

【毒気を感じ取り、銃2挺は重太郎へと警告を促す】
【だが、本人は攻撃の手を止めるつもりは無いらしく―――】
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 00:27:36.02 ID:88uRcXqI0
>>670>>672

「各個撃破、ですか…………私を、ただの付属品と、思わない事です!」

【神衣の意志は見えた。1対1が並行する状況を作り、こちらの『互いを補い合う』戦術を崩壊させようと言うのだろう】
【それは、一面では正しい。明らかに機動力に劣るグルゴンの隙を埋めるのが、αの役目】
【そこを分断されれば、互いの弱点を突く事を敵に許してしまう形となる】
【――――しかし、末端の兵士とは言え、αもただの兵卒ではない】

「…………握力は、きついですが……何とか、武器は振るえる!」

【両手に、二丁の手斧を構えるα。そして、自分に向かってくる神衣に向けて、左手の己を投擲する】
【右手の斧は、腕の負傷で正確な投擲が出来ない以上、そのまま持っているしかないが、逆に言えば『取り出して構える』事には支障が無い】
【――――投擲した斧を掻い潜られた時、右手の斧で自衛しようというのだろう】

――――木偶の棒かどうか、試してみれば良いではないか

【半身を引きながら、グルゴンはやり返す】
【恐らく、飛びかかってくるであろう相手を、立ち回りで迎え撃とうと言うのであろう】

その素早さ見事、だが――――――――っぐぁ!?

【跳躍の瞬間を、グルゴンの眼は冷静に捉えていた】
【それを受けて、グルゴンは身を引いて――――その場で回転――――強力な裏拳を、カウンター気味に放つ】
【タイミングを合わせて撃ち払う事で返り討ちに、と言う算段だったのだが、そのまま投擲してくるというのは、グルゴンの予想を超えていた】
【回転したまま、右肩に突き立てられる槍。しかしグルゴンの回転の勢いは、そのままに少年をなぎ払おうとして――――】
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 00:34:49.83 ID:88uRcXqI0
>>673

…………っ、ぐぅぅぅうぅぅぅうぅうんんん…………!!

【左腕で、右肩の銃創を抉り、歯を食いしばるダジル】
【そして、肩に突き刺さった銃弾を抉りだし、投げ捨てる――――傷口を広げる行為ではあるが、肩に異物を抱えているよりは、はるかに動きやすくなった】

「――――!!」

【ヴィーヴルの身体に突き立つアンカー。しかしヴィーヴルは意に介さずといった様子で少年を睨みつける】
【再び、その額のガーネットが怪しく光り――――】
【――――飛び込んできた少年の短刀が、そのままヴィーヴルの身体を刺し貫く】

「ガァァァァァァァァァァッッッ!!」

【初めて、ダメージに怯む様子を見せるヴィーヴル。その刺突は、流石のドラゴンであっても耐えがたい苦痛の様で】
【しかし――――飛び込んできた少年をかみ砕かんと、苦痛の咆哮を上げたそばから、少年へと噛みつく】
【その強力なあごと牙――――喰らい付かれたらひとたまりもないだろう】
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/09(日) 00:40:14.93 ID:O5R96MeXo
>>672>>674

手負いでありながらその気迫――甘く見るなどとんでもない。
未熟ながらこの貴宝院神衣、持てる全力を以て貴方を打倒します!

【その闘志に敬意は払わない】
【違う場に立ち命のやり取りをする者同士】
【交わすは己の磨いた「武」の一点のみ】

【神衣は、飛来する斧へと正面から深く踏み込み】
【腰を落とし体を低くすることで肩を掠らせるようにして回避を成功させる】
【左肩に走る裂傷。流れる血が夜天を薄く彩った】

は……あぁぁぁぁぁぁ――――!

【そして、疾駆。右腕の獅子を振りかぶり】
【其の渾身の一撃を、αに向けて叩きこもうとする】

【その一打は「打撃」に非ず。正しく「噛撃」と称するべきであろう】
【獅子の頭部を模した手甲はその「顎」を大きく開き】
【拳がαに接触した場合、鋭い牙と獣の顎を以てその部位を食い破ろうとするだろう】
【狙いは胴部。やや大振りではあるが、直撃したならばその威力は高い】

【手負いの射手は、獅子の腕に対しどのような武を振るうであろうか】
【神衣は、感覚を研ぎ澄ましながら己が行動を遂行せんと身体を動かした】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/09(日) 00:48:47.83 ID:G/qSZSJEo
>>674 >>676

【これほどの巨体だ、動きは鈍重かと思えば、先までの打ち合いで、立ち回りの妙を心得ていることがわかる】
【――速く動く必要は無い、大きく構え、面制圧を相手に押し付ける、クレバーなパワーファイター】

クソが……!!

【それでも、と飛び込んだ少年を迎えたのは、痛烈なカウンターの一手】
【――だからと言って、今更止まれるはずもなく――】

――ッ!

【鈍い音と共に、少年の長躯が、棒切れの様に弾き飛ばされる】
【少年は身長は高く、筋肉も付いているが――機動力を得るためだろう。細身であることは間違いない】
【易々と宙を舞い、数メートルも吹き飛ばされて、地面を転がって――】

あ゛ァッ!!

【地面に叩きつけられた左腕から伝わる激痛に、たまらず叫び声を上げた】
【――先の棍棒の一撃で、左手を酷く損傷したことが、これで相手にも確実にバレてしまっただろう】

ぐ……くっ!

【右手を地面について、立ち上がる】
【未だ闘志は衰えず――少年は、憎悪を滾らせた瞳を、グルゴンに合わせる】

クソが……!

【何度目かも分からぬ、同じ雑言を、血混じりの唾と共に吐き捨てて、右腰に収めた槍へと右手を導く】
【軽い金属音と共に組み立てられた長槍の先を、グルゴンに合わせて】

殺す。テメェが死ぬまでだ。
その舐め腐った口を、後悔するまで殺す。

【片手持ちであっても、長槍の穂先がブレることはない】
【左手は左腰のあたりに添えられてはいるが――もう使い物にはならないのだろうか?】

【右手で槍を番えた姿勢のままで、少年が再び真正面から走りこんでいく――】
【――暗い決意の宿った瞳からは、未だ萎える事の無い殺意が、何らかの策を持って接近していることを知らせている】
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/09(日) 00:50:44.32 ID:iCt2yirfo
>>675

「おい、ヤバ――――!」

【対龍特化の一撃を喰らいながらも即座に攻撃へと移るヴィーヴルに驚きを見せ】
【まず行ったのはヴィーヴルと重太郎との間に鏡を作り出す】
【ヴィーヴルの口よりも大きい鏡は3枚重ねられては居るが、その顎と牙の前では時間稼ぎが精一杯だろうか】


間に合え……!間に合え糞ッ……!

【鏡が時間を作ってくれる事を信じ、重太郎は銃を乱雑にホルスターへと仕舞い、アンカーを外すだろう】
【アンカーを外せば短刀に体重を掛ける―――切れ味もあって、龍の体に紅い線を付けてもおかしくは無いが】
【ヴィーヴルがそれを許してくれるのかどうか―――】
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/09(日) 01:01:00.14 ID:RBMKf5HSO
【路地裏に散乱するゴミ箱やガラクタを派手に崩して倒れ込んだ何者かの姿が、ひとつ】

【その際に生じた派手な音は、往来の人の耳に入る可能性も十分に孕む程のもので】
【何かのトラブルが薄暗い其所で起きているであろうことを察するのは、それ程難しい事では無かった】

っ、ぁ…てンめェ、何処の何方サマかは、知らねェが…ッ
こっちの所属を知って―― ッ!!

【――加害者側の声は、聞こえなかった。ついでに言うなら姿すらも、だ】
【薄暗い路地とはいえ、被害者側の男だけに可視可聴出来ていると言うのは、些か気味が悪い】

【だが確かに、確実に、何かのダメージを見えない相手から受けたらしい男は】
【再び派手な音を響かせて、雑多な塵の山に埋もれる事となってしまうのだった】

好き勝手、抜かし、やがっ、て……ンの、野郎…! っか、は、ッ――

【肩までの銀の髪に暗赤色の瞳、首には機関の紋章が刻まれた首輪を装着し】
【首を緩めた黒のYシャツにダークグレーのジーンズ、茶のスニーカーという出で立ちの青年は】
【唯一の武器らしい大鎌を何とか握り締めてはいるものの、反撃する意思すら最早浮かばない様子だった】

【この男にだけは、相手の姿と声が、そして攻撃が。何故かは不明だが、通っているらしかった】
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 01:03:19.77 ID:88uRcXqI0
>>676-677

――――――――話にならん、な…………ただ猛を振るいたいがために戦うのか…………
お主の如き者に、わしは屠れん。例えわしが、老いて歯の抜けた獅子であろうともだ!!

【右肩に突き立った槍を左腕で引き抜きながら、悪態をつく少年を兜越しに冷ややかに見据えるグルゴン】
【むしろ、彼には大義など無く、ただ破壊のためだけに動いているのだろう。言葉の節々に、そうした性質が見え隠れしている】
【――――真の武士は、その様な相手に後れを取る事はない】

…………棍棒はもう無理か。ハルバートしかあるまい

【左手を背中へと回して、ハルバートを構えるグルゴン】
【本来ならばポールウェポンであるはずのハルバートを片手で軽々と操る辺り、やはりその底知れぬ身体能力を思わされる】
【彼に取り、ハルバート程度の重量など、小枝の様な物なのだろう】

【ハルバートを手にし、深く腰を落として少年の接近を待つ】

「…………私など、いくら倒そうと『暴蜂』は揺らがない…………
現に、私たちの本丸…………『プロトメサイヤ』は、今も進撃している…………!!」

【視線だけを、一瞬夜空へと飛ばしながら、αは答える】
【既に、市街地の上空へと至っている球形の兵器は、今も中枢へと進行している】

「…………手甲が、生きている!?
――――ぐ、うぅぁあああああっっっ…………!!」

【打撃と思われた一撃が、噛みついてくるというのは全くの想定外だった】
【咄嗟に、右手の斧を口に喰らわせて噛みつきの力を阻害する程度しか、αには出来ない】
【その胴体には、深々とした噛み傷を浴びて、立っているのも辛そうな様子を見せていた】

「…………でも、私の腕は、まだ…………生きて!!」

【満身創痍の傷を引きずりながら、αはなお戦意を散らさない】
【手の中に、短刀を構えて神衣目がけて投擲――――それだけではなんの工夫もない真っ向からの射撃だが】
【同時に、手首に巻かれた小型ボウガンの矢を1発発射する。時間差の2段攻撃だ】
【しかし、短刀はともかく、ボウガンは小型故に威力は低い。あるいは、神衣を驚かせるだけに終わるかもしれない】
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/09(日) 01:04:27.17 ID:eXsY5bxM0
>>671

【ジャリジャリと、どこからか歩みの音が響いてくる―――一定のテンポで】
【そして男性の前でそれは止まるだろう、まるで待ち合わせをしていたかのように】

やァ、待ったかい―――、なんて、ハハハハハハハハ
良い詩だねぇ、流石流石………。

こんばんは、いーい夜だ。

【肩まで伸びるウェーブのかかった真っ白な美しい髪】
【鋭い眼光を放つ黒の瞳、右目は前髪で覆われて隠れてしまっている】
【胸のはだけた黒い襟に逆さ十字の描かれたシャツを着て】
【灰色のボトムを履き、腰の左側に何重ものベルトが巻かれた魔道書≠付けた人物】

【まるで何十年もの付き合いかのように軽快な口調で話しかけてくる―――。】

【顎を摩り、ニヤニヤとした表情で、じっと男性を見つめている】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 01:09:14.69 ID:88uRcXqI0
>>678

「ガァァァァァァァッッッ!!」

【痛みと怒りに、ヴィーヴルの咆哮はなお高く響く。魔力で構成された鏡にも、その突撃は留まる所を知らず】
【1枚、2枚。容易くヴィーヴルによって打ち砕かれ、3枚目――――そこで防がれる】

…………隙ありぃッ!!

【だが、そこにダジルの斬撃が放たれる】
【剣に憑依を行わせ、右肩の異物を取り除き――――ダジルはずっと気を窺っていたのだ】
【そうして、ヴィーヴルが作り出したチャンスに、ダジルは躍り出る】
【強力な毒を纏った刃を、少年向けて振るう。例えかすり傷でも、伝説の毒の前には最悪の事態に陥りかねない】
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/09(日) 01:36:36.68 ID:BuStfdMwo
>>681

……おや、この時間にお客人とは少々予想の外でしたな
本来なら私一人、淡々と夜を楽しむ積もりでしたが……

【く、と顔を上げて相手を見る。僅かに顰む眉が、『知らぬ相手だ』という思考を告げているが】
【しかし、然程気にした様子も無い茶人は、相手に一席を指して座ってはどうかと提案し】

どんな作品でも、褒められれば喜ばしいものです
……ところで、私と貴方様は初対面、でしたな?
いやなに、昨今はどうにも歳のせいか物忘れが激しく……

………はて、どこか“混沌”とした具合は、嘗て知ったお方ですが。

【笑うでもなく、思案するでもなく、相手の視線にはそういう様子で目を返し】
【取り敢えず害意は無いらしいと踏んで、尚も席を奨め――――。】
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/09(日) 01:36:46.74 ID:iCt2yirfo
>>682

「来た――っ!危ない―――!』

【2人の叫び声を受けて、咄嗟に短刀をヴィーヴルから引き抜き刃と刃がぶつかり合う】
【だが短刀に体重を掛けれなくなり、重力に従い地面へと落下を始めるが―――】
【鏡の能力を駆使し、空中に鏡の壁を作る事により落下する事でのダメージを緩和するが】

【背中から落下したという点に変わりは無く、紛れも無い隙が生まれた――】
【左のホルスターから銃を引き抜こうとするが、ダジルの速度に間に合うかどうか――】

【短刀は使い始めてから日が浅いのか、年季の入った剣士の技とは程遠く】
【銃を持っていない今こそがダジルにとっては好機だろう】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/09(日) 01:43:34.81 ID:eXsY5bxM0
>>683

悪いねぇ、僕は夜は大勢で騒がしく過ごすのが大好きなんだ―――、
まぁ、この虫の音に耳を傾けて過ごすのも悪くはない、って感じかな

【ニヤリと口元を曲げて、白い歯を見せつけるように笑う、】
【あぁ、どうも、と一言、言ってから席について足を組み、その組んだ脚に肘をついて呆ける】


流石察しがいい、こんな残りカスの残滓を寄せ集めて移植しても気が付くなんてね―――。
だけど僕≠ヘ彼≠カゃあない、残念ながらね、だが安心してくれ

僕は彼≠フ演じていた役割を代役するように仰せつかってきた、だから彼≠ニ同じように接してくれ

彼がどうしたって?死んだよ、粉みじんに消滅した―――相手が悪かったね
相応の準備なしにあの二柱≠ノ挑むなんて、いや、遭遇の時点ではあれほどだと知る由もなかったが

【青年は右目を隠している前髪を左手でそっと捲し上げる―――。】
【そこにはギラギラと獲物を狙う、混沌とした黄金≠スる蛇の瞳が宿っていた】
【まるで右目単体で意思を持っているように、ギョロリと貴方を見つめるだろう。】

686 :イベント用 [!蒼_res]:2011/10/09(日) 13:47:23.42 ID:Klywxyh20
【白昼・日盛り】
【夜の国を除けば、現下太陽は天の頂にて輝き続けている瞬間だ】
【昼食を始めとし、一部間を除けば多くの者が寛ぐ為のささやかな時間である】

【丁度テレビやラジオでは、CM明けになる所だろうか――】
【重低音のブザーが、一時鳴った】

……ゴホン…皆様、失礼…

【次に各所の放送局から発せられたのは、咳き込む声と一礼の謝罪】
【ラジオはその声が、テレビでは音声と共に鼠色の画面が映し出され、中にはC.C≠ニいう奇妙なロゴが浮かぶことだろう】
【――少し間を開けてから、彼の論述は始まったのだった】

各々の時間を自由に過ごされていらっしゃったでしょう私生活の最中に、突然の無礼をお許し頂きたい
いえ、これから私が御話したいのは特にそれとない宣伝の一環に等しいものなので、無理に聞いて頂く必要は御座いません
最優先の私用が入っている以外の方々は適当に耳を傾けて下されば、私自身大変嬉しく感じるまでのことでしてね
ただ――カノッサ機関に対して何らかの思いを抱いている方には、是非ともお聞き頂きたい
また昼の国に滞在する方々や、これからバカンスを予定する方々は必ず聞いて下さるように願い存じ上げます

私の名はガリウス――ガリウス・ユーブラット、名ばかりながら哲学に関する思想的研究を行っている者です
その他に幾つかの役職を受け持ってはいるのですが、ここでは割愛させて頂くことと致します

今現在から遡ること、おおよそ一ヵ月と半月程度でしょうか――?
カノッサ機関夜の国支部が陥落したという報が、世界に知れ渡りましたな

皆様は当初、この事件についてどのように感じられましたかな?

自他が待ち望んだとばかりの愉悦感ですか?
ならば大いに結構!

あの機関の支部が堕ちたという驚愕感ですか?
ならば大いに結構!

いや、或いは――

敗北によりその威信を挫かれた屈辱感ですか?
ならば大いに結構!

己が身に迫る危機を覚えた焦燥感ですか?
ならば大いに結構!

いや、それとも――

何があろうと機関が滅びるはずないという絶念感ですか?
しかし多いに結構!

たがが一つなら慌てるまでもないという余裕感ですか?
しかし多いに結構!

何を感じようと何を思おうと、心や精神が微動したのであれば結構!
ごく極微なものだろうと、何かしらの感概を抱いたのであれば大いに結構である!!

/続きます
687 :イベント用 [!蒼_res]:2011/10/09(日) 13:48:58.38 ID:Klywxyh20
諸君!機関は各国に己の手足となる支部を設備し、その圧倒たる力でこの世を牛耳らんとばかりに振る舞い続けてきた!
しかし、奴等の最終目標である全世界の支配目標は幾度となく阻止され続けてきた!?何故だ!?
理由は明白、諸君らのように歪みを正す強い志を抱いた戦士達がそれを阻むべく戦ってきたからだッ!!
奴等は我々正義の下に災いを齎すべく攻勢を続けたが、一時の勝利を得ようとも最期には必ず苦杯を喫してきたのだ!!

その脅威である筈の機関の攻勢が、ここ数カ月に渡りいよいよ衰え始めてきたのだ!
そして今!この期に及んでである!夜の国から機関という名の弊害が消え去ったッ!!
この大事変、どう捉えるかは各々違うものであろう――がッ!!
これまで難攻不落の要塞と化していた機関支部の陥落は歴史初、間違いなく機関勢は追い詰められつつあるということだッ!!
滅びの予兆が現れている今、これ以上の機会を逃す訳にはいかない!

だからこそ我々は昼の国を解放すべく、明日より軍事的介入作戦に移ることを決意した!!
そう、昼の国に蔓延るあの機関員共を駆逐する時が来たのだッ!!
我々の正義を、世界の正義を実行すべき時である!

ただ――恥ずかしながらも決して完全な平穏への契りを結べるかといえば、そうでもない…
機関は…手強く、しぶといッ!!雑草の如く勢力を伸ばし、瞬く間に復興する!
勿論、我らが手勢も機関に対抗する術はある!が、相手は千年の歴史あるカノッサだ!
奴等の喉笛を噛み潰すには、完膚無きまでに滅し尽くし我らの勝利を誇示する必要があるッ!!

だからこそ、機関の消滅を望む世界各地の皆様に告げる!
明日、明日是非とも我々にお力添えを願いたいッッ!!
諸君らの力が一同に会してこそ、我々も勝利を掴むことができるもの!
今回の作戦に、何とぞ力を貸して頂きたいッ!!

皆さんも、一度は蒼天というものをご覧になっただろう
あの空一面を覆い尽くす青碧の美しさといったら、これ以上のものはない!
その中心に昇り地に光を照りつけんと輝く太陽の素晴らしさは何と言うものがあろうか!?
――だが、その青と白の空間に黒雲が浮かべば、途端に興ざめだ

皆さんも、一度は星空というものをご覧になっただろう
あの黒一面を覆い尽くす白星の美しさといったら、これ以上のものはない!
時折浮かぶ赤星がまた良い!それに淡い光を放つ月が加わる様は空に咲き誇る華の極みッ!
――だが、一度雲の汚れた様子が目に映るものならば実に興ざめであった

その醜態の因果であった雲の一つが消え、煌びやかなあの夜空は取り戻されたのだッ!
次は昼の国だ!昼の国に晴天白日の美を取り戻すべきであるッッ!!
俄然これは我が美徳観念に基づくだけでの宣言ではない!昼の国を解放することが与える影響の強さは凄まじいものがある!!

さあ、悪を討つ意志を持った戦人よ!世界の平和を願う心を持った善人よ!確かな正義の精神を持つ庶民よ!
今こそ我々と共に昼の国に集え!世の安寧を妨げ続ける機関に対して更なる鉄槌を下すのだ!
夜の国支部が陥落したあの日、諸君らの心は微動したであろう!
次にあの日の感情を世界中の人民に抱かせるのは、我々だッッ!!!



そして――諸君らが我らの勢威として介添えして下さるのであれば、我々は約束しよう!
この勝負――必ず我らが勝利を掴むッ!!

――――では。世界の平和を司る者が現れんことを祈って――――

【――声は、途切れる】
【無音状態が続いた中、ブツリという音と共に画面と音はブラックアウトし、再びそこには元のメディア映像と音楽が流れ出す】
【何事も無かったかのように、各所放送局は通常放送への挽回を行うのだった】

【これは世界の同士に呼びかけんとする叫びであり、またあまりにも堂々とした宣戦布告であった】
【全ては明日の決戦に向けての下準備――勝負の転び方は、分からない】

/明日のイベントに向けての宣戦布告及び世界宣言レスです
/参加される方がいらっしゃった場合は、お好きなように参考にして下さい
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/09(日) 14:57:08.23 ID:iCt2yirfo
避難所>>488

『おそらく毒付き…喰らうと危ないよ!』

―――ッ……!
(分かってる…分かってる―――けど……!)


【本能が訴えかける。なんとしてでも回避せねばいけぬ、――と】
【迫りくる剣を目で捉え、体を捻って刃を逃れようとするが剣は重太郎の腕を掠り――】
【体に混ざる異物の感覚。鏡を消滅させ、毒により自由が利かない体で何とか着地するも】

【体が動かなくなるのも時間の問題だろう。早期決着を目指さなければいけないというのは中々重荷で】

っ………ぐぁ……
「おい!体はどうなってる!?」

動きづらくはなってるけど…まだ、まだ大丈夫……!
『体に回るまでに倒さなくちゃね…相当マズいよこれは…』

【鈍くなる体と頭を痛感しながらも、正常を装い返事を返し】
【短刀の刀身の周りに鏡製の鞘を作り出して、懐に戻すとホルスターから銃を引き抜き】

【ガーネットには目も暮れず、左手の銃から魔弾をダジル目掛けて発射するだろう】
【魔弾は中級魔術程度の魔翌力を込めたモノで。速度は銃弾に劣るが、威力は銃弾より高い事間違いなしの一発】

/昨夜は申し訳無いです。とりあえずおいて置きますね
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/09(日) 19:02:19.43 ID:mDSg231no
【街に続く幾つにも伸びた、舗装も脆い街道行き交う物は、人、食料、金……】
【都市が心臓ならば街道は血管、大動脈のようなものだろう】

【今、その血管に流れるモノは燃えていた】

「遠クニ在リテ呪ウモノ」

【道に横たわるように馬車が倒れている】
【もう二度と走れない程に破損したそれは不思議な事に白い炎に燃え】
【そして段々と腐っていた】

無為に生きながらえさせようなどとは愚か
在るべくまま、在るべきまま、散るが定め

【腐敗する木材、馬、人、食材】
【誰もが顔をしかめるだろう臭いが風に流れてゆく】
【その僅かに目視出来る遠方、草原の上に佇む人影が在った】

【朱い瞳は何の感情も無く、修道女の被るようなベールの間から除く白色の髪は無機のよう】
【胸元が大きく開かれた白いブラウスの上に黒色のオーバーコート、そして黒皮のロングブーツ】
【その手に白炎を纏った長弓を携えた女性である】

そしてそれが人への救済である……。

【一息を終える間もなく弓は焼失する】
【後には何も残らない、ただ人が死んだという出来事は残り】
【それが誰にも見留められないのならば、腐り落ちてゆく彼の人生は無意味になるのだろう……】
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2011/10/09(日) 19:28:48.05 ID:RBMKf5HSO
【路地裏に散乱するゴミ箱やガラクタを派手に崩して倒れ込んだ何者かの姿が、ひとつ】

【その際に生じた派手な音は、往来の人の耳に入る可能性も十分に孕む程のもので】
【何かのトラブルが薄暗い其所で起きているであろうことを察するのは、それ程難しい事では無かった】

っ、ぁ…てンめェ、何処の何方サマかは、知らねェが…ッ
こっちの所属を知って―― ッ!!

【――加害者側の声は、聞こえなかった。ついでに言うなら姿すらも、だ】
【薄暗い路地とはいえ、被害者側の男だけに可視可聴出来ていると言うのは、些か気味が悪い】

【だが確かに、確実に、何かのダメージを見えない相手から受けたらしい男は】
【再び派手な音を響かせて、雑多な塵の山に埋もれる事となってしまうのだった】

好き勝手、抜かし、やがっ、て……ンの、野郎…! っか、は、ッ――

【肩までの銀の髪に暗赤色の瞳、首には機関の紋章が刻まれた首輪を装着し】
【首を緩めた黒のYシャツにダークグレーのジーンズ、茶のスニーカーという出で立ちの青年は】
【唯一の武器らしい大鎌を何とか握り締めてはいるものの、反撃する意思すら最早浮かばない様子だった】

【この男にだけは、相手の姿と声が、そして攻撃が。何故かは不明だが、通っているらしかった】
691 :>>690 :2011/10/09(日) 21:52:35.09 ID:RBMKf5HSO
/待機中です
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 22:28:24.61 ID:88uRcXqI0
>>688

クッ……だが、もはや勝った!!

【投げつけた剣が、少年の身体を切り裂くには至らずとも、その体内に毒を含ませた事は分かった】
【こうなれば、後は時間が勝利を運んで来てくれる。ダジルがすべきことは、ただその時を待つ事だけだ】
【――――――――本来なら、そのはずだった】

――――ッ!?
し、しまった!!

【だが、ダジルは地面に転がるガーネットを目に止めると、一瞬にして表情を変え】
【焦りながらも鬼気迫る表情で、ガーネットに飛びつき、拾い上げようとする】
【そんなわき目も振らぬ行動に、少年の魔力弾は容易く命中し、ダジルの動きはますます鈍るも、彼はガーネットを確保せんと、動く事を諦めない】

【――――ヴィーヴルの強大な魔力の源。それこそが額に埋め込まれていた、このガーネットだったのだ】
【本当ならば、ヴィーヴルの亡骸と共に消え去るはずのそれが、何の因果か現世に残ってしまった】
【これを確保する事は、正しく彼にとって死活問題だったのだ】

/今日もよろしくお願いしますー
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/09(日) 22:41:43.69 ID:iCt2yirfo
>>692

――――!

「効かねぇ…だと……!?」
『それより早くあれを先に――!』

【魔翌力弾を喰らっても尚、怯まないダジルに驚きを見せる白口と重太郎】
【だが口黒の指摘を受け、重太郎もガーネット確保に向けて動く―――】

【銃口をダジルの足とガーネットへと伸ばすであろう手に向けて銃弾を繰り出す】
【足には魔翌力弾。通常の銃弾と比べて攻撃範囲の拡大と威力の増加してある弾で速度を遅らせるのとバランスを崩れさせるのが目的だ】
【手に向けての銃弾は速度重視で普通の銃弾を発射】

中れ―――ぇ……!


【毒が回った状態ではガーネットの確保は難しいと考えての行動だろう】
【自分が確保するよりもダジルが確保するのを阻止する事を重視した】

【発砲後はガーネット目掛けて走り出す。だが毒のせいか足取りは覚束なく】


【ガーネット自体を壊すという考えもあったがあれを手に入れれば自身の強化に繋がる事を信じて確保の道を選んだ重太郎】
【果たしてその手は届くのか―――】

/それではよろしくお願いします
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/09(日) 22:42:28.73 ID:UfeOebTSO
【公園】

【備え付けのベンチに腰掛け、何やら作業をしている人影があった】

【紅い瞳、ボサボサの黒い短髪】
【砂埃で薄汚れたクリーム色のコートを羽織り】
【同じ様に薄汚れた黒い長ズボンを穿いている】
【右腕には、ウロボロスを象った白い腕輪と、五指の付け根にダイヤモンドが付いた黒い指貫タイプの手袋を付けている】
【コートの背中には二つ穴が空いており】
【そこからは『竜の翼』としか言えない物が生えている】
【よく見ると、両手の爪は全て5cm程の長さに伸びている】
【そんな格好をした、14〜5歳程に見える少年だ】

よっ……と……

【黒い鱗のような物に白い短剣で穴を開け、その穴に小さな青い石を嵌めこもうとしている】

【が】

あっ!

【ぱきっ】

【穴が小さすぎたのか、鱗に皹が入り、真っ二つに割れてしまった】

――また、やり直しか………

【悲しそうな目つきで、左腕を捲る】

【左腕には、びっしりと先程の鱗が生えていた】

………っ!

【顔をしかめつつ、生えている鱗を一つ剥がし、先程の作業をやり直す】


【ちなみに、少年の左腕は血まみれで、周囲には黒い破片が散乱している】


/明日になるまで居る予定です
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 22:52:47.58 ID:88uRcXqI0
>>693

くそっ、くそっ……!!
やらせるかよ…………なんで、こんな事が!!

【確かにガーネットは、自らの手に収める事が出来れば、非常に力強い魔力を保証してくれる】
【しかし、この状況ではそのメリットよりも、敵の手に渡るリスクの方がずっと重大だ】
【それを分かっているからこそ、ダジルはこうも焦っているのだろう】

ぐっ、ああぁぁぁ!!

【そうした焦りが、更にダジルの身体を痛めつける】
【伸ばした手に、発射された銃弾が命中し、更に魔力弾が迫っている事を認識し】
【苦虫をかみつぶしたような表情で、ダジルは手を引っ込め、その場から飛び退く】

――――――――こうなりゃ是非もねぇ…………確実に殺す!!

【ガーネットの確保に失敗し、破壊する手段も手元には無い】
【ならば、それを手中に収めようとする敵を倒す以外に、選ぶ道はない】
【ダジルは、先ほど投擲した逆十字剣『ギルティクロス』を拾い上げ、再び構える】
【変わらずバジリスクの毒を帯びるその剣を、負傷した為にややおぼつかない腕ではあるが、しっかりと構えるダジル】
【――――決定的な隙を窺い、猛毒の一撃を再び浴びせて少年を殺すつもりなのだろう】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/09(日) 23:07:54.15 ID:iCt2yirfo
>>695

(剣持たれたら俺に勝ち目は無い―――クソがッ……!)

【剣を構えたダジル相手に真っ向勝負を仕掛けて勝てる筈も無く】
【かといってと睨み合っていれば毒が回り倒れるのも目に見えている】
【ならば、銃口を向けるべき場所は1つ―――】


(頼む……!俺の思い通りになってくれ……っ……!)


【ガーネットに向けて銃口を向けて、引き金に手を掛けて銃弾を発射――――】
【銃弾は真っ直ぐガーネット目掛けて空気を切り裂いていく】
【ガーネットを守りに行くのであれば隙が出来る。それを狙っての攻撃】

【発射と共にもう片方の銃に魔翌力を溜める。恐らくは最後の攻撃となるであろう次の射撃で最高の一撃を撃ちだす心算だ】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 23:18:04.71 ID:88uRcXqI0
>>696

(…………隙はにがさねぇ。一撃だ…………二撃以上は必要ない……!)

【既に、何発もの銃弾を浴びて、ダジルのコンディションもお世辞にも良いとは言えない状態なのだ】
【ならば、余力を最後の一撃に回る事の方が、ずっと合理的である】
【じりじりと、剣を構えたままダジルは少年の動きを窺い続け――――】

ッ!?
血迷ったか、てめぇ!!

【自らガーネットに銃弾を放った少年を、信じられないものを見るような目で見るダジル】
【魔力弾を放つような戦い方をするというのなら、ガーネットの魔力を感じ取れないはずもない】
【それを破壊するという事は、自らが手にした好機を不意にする様なものだ】

まぁいい、死ねぇ!!

【しかし――――ダジルはガーネットには眼もくれない。ただ少年へと『最後の一撃』を放つ】
【――――傷のためか、あるいは自身もバジリスクの毒気に当てられたか、ダジルは深い思考も経ずに、ただ『攻撃』の選択肢を選ぶ】
【傷の為にやや正確さとスピードを欠きながらも、ダジルは真っ向から少年へと剣を振りおろす】
【――――懐に秘めた『隠し玉』には、とうとう気付かなかった】
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/09(日) 23:33:10.48 ID:iCt2yirfo
>>697

くっ…………

「早く――――――!』

【目論見は外れた―――だが刃は確実にこちらへと向かっており】
【これ以上毒を喰らえばマズイと危険信号を発する頭とは裏腹に体を動かすのが困難になっており】
【銃口をダジルへと向ける途中、刃が肩に触れるが――――】
【―――指に力を込め、引く引き金。ダジルへと放たれる最後の一撃にして最高の魔弾】


【だが、刃が肩に触れた瞬間。体内に毒が回り、力が抜ける】
【魔弾の反動を体で受け止める事が出来ず後方へと吹き飛ぶ体】


【全力を振り絞って行った最後の攻撃。悪魔に人間は敵うのかどうか―――】
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 23:42:19.58 ID:88uRcXqI0
>>698

うおおおぉぉおぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!

【叫ぶ。吼える――――持てる力の限りを尽くして刃を振り下ろす】
【そうして、とうとう肩に一撃を加えることに成功したが、当然の様に、少年からは反撃が飛んでくる】

ぐぉ――――あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………………ッッ!!

【真っ向から浴びた魔力弾に、全身を破壊されていくダジル】
【そして、その余波は肉体を破壊しながら、遠くへと吹き飛ばして行く】
【ダジルは、10m近くも吹き飛ばされ、包囲網を形成している暴蜂の陣営近くにまで、その身体を吹き飛ばされていた】

「暴蜂能力者が重体、この傷は一刻を争います!!」
「止むを得ん…………地点を破棄、退却する!!」

【吹き飛ばされたダジルは、暴蜂の部隊に回収され、後退していく】
【――――これにより、包囲網の一角が崩れて内部の住民を解放する事が出来るようになるだろう】
【ホウオウシティ解放軍としての仕事は、無事に果たされた事になるのである】

【ホウオウシティ南東部:国軍側の勝利】

/2日間、乙でしたー!
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福井県) [sage]:2011/10/09(日) 23:47:49.43 ID:iCt2yirfo
>>699

「――――だ、大丈夫!?』

【攻撃の行く末を見届けることが出来ず、仰向けに寝ているというか昏倒状態の重太郎】
【国軍側に救出されたが、病院で目を覚ましたのは随分と先の話になる】


/乙でした、ありがとうございました…!
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 23:50:30.52 ID:88uRcXqI0
「――――『コロナ・ゴスペル』発射準備、完了しました。発射まで残り60秒……」

【ついに悪魔の兵器がホウオウシティの中枢へと到達する】
【巨大な球体の下から、細長い砲台の様なものが直下に向けて突き出され、そこにエネルギーが集中する】
【――――そして一瞬の静寂の後、収束されたエネルギーの塊が、ホウオウシティへと向けて撃ち出された】
【まるで、スポイトから水滴が垂らされる様にも見えるその光景が、脱出叶わなかったホウオウシティの人間を、全て飲み込んでいく】

「――――ダメですね。包囲網に穴が開いて、何人も逃がしてしまっています……これでは」
「作戦終了。『プロトメサイヤ』、及び地上の全部隊、撤退します」

【眼下の光景を、リーナは苦々しく見つめる。絶対的な滅びをもたらす事が出来ず、作戦は成功とは言えなかった】
【40万人の都市での、この戦いの犠牲者は31337人――――都市は壊滅したが、住民は90%以上、脱出に成功していたのだ】



『おら、つっかえんじゃねぇ!! 列を乱さねぇでそのまま出てくんだ!!』
"我が主よ、もう限界だ!!"

【ホウオウシティが破壊の業火に焼かれる直前、人民を解放するべく別行動をとっていたアストラとダハルは、ホウオウシティの中にいた】
【アストラの精神波で民を操り、パニックに煮詰まった脱出経路を機械的に切り開いていたのだ】

ヘッ…………前は、強盗のために使ってた力を、こんな風に使う事になるなんて、思いもしなかったっての…………
"ッッ、我が主よ……砲が、発射された…………"
くそぅっ!! 間に合えよッッ!!

【『コロナ・ゴスペル』炸裂の瞬間。アストラは懐からごろごろと『人工宝玉』を取り出し、発動させる】
【その場に発生した重力波が、破壊の業火を食い止めんとして解き放たれ――――――――】

――――――――ぐ、ぁ…………悪運、まだ残ってた…………みてぇ、だな…………へへ…………

【アストラは、両足を失いながらもかろうじて生き残った】
【残った2個の回復の『人工宝玉』を、千切れた両足に埋め込み、治療と成す】
【――――後に、爆心地からの唯一の生還者として、アストラは救助されるが、心身ともにボロボロになり果てた彼は、2度と戦場に立つ事は無かった】
【――――――――アストラは、最悪の悲劇が最悪以下の悲劇になる事を、その身を以って防いだのだった】

/続きます
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 23:51:48.58 ID:88uRcXqI0
〈ア、グッ…………レイ、ド…………!!〉
はぁっ、はぁっ…………チェックメイトよ、ファルガ…………

【人知れず戦っていた姉妹にも、決着が訪れた。全身の装甲をはがされ、血まみれのファルガに、同じく血まみれのレイドが迫る】

〈――――マタ、殺スノカ……リイロチャンヲ!?〉
……忘れたの、ファルガ…………あたしは、忌々しい女なのよ?
『命を弄ぶ』のは『命を壊す』事じゃない…………覚えてるでしょ、あんただって…………
〈ッ――――!!〉

【満身創痍の身体に鞭を打ち、再び飛びかかろうとしたファルガは、レイドの言葉に怯む】
【レイドの言うとおり、その言葉の意味を、ファルガは違いなく斟酌したからだ】

〈オ前ニ…………オ前ナンカニ…………!〉
…………ファルガ、分かって……あたしは、リイロを『蘇らせるため』に戦ってるの…………あなたは結局『生き延びさせるため』にしか、戦えない…………
〈…………ク、クソ……ッ…………〉

【レイドの言葉に、ファルガは諦めた様にその動きを止める。そこにレイドは、右腕の義手の一撃を見舞う】
【致命傷を受けたファルガは、背のリイロと共にくずおれた】

〈…………オ前ナンカニ……頼ムノハ、癪ダケド…………リイロチャン、オ願イ、スル…………――――――――〉
――――任されて。ファルガ…………

【リイロクローンω、オリジナルシンの死亡を確認したレイドは、左腕に収束させた魔力を、光の粒として放出する】
【空をたゆたい、再びレイドの左手に集まった光は、1個の『虹色の魔玉』を形成していた】

<――――貴様。よくもオリジナルを!!>
…………おあつらえ向きに、やってきたわね。クローン兵士…………!!

【その時、全てが終わった戦場に、リイロクローンのοが姿を表す】
【普段の機械的な言動とはかけ離れた怒りを露わにしながら、レイドに飛びかかる】

――――そこッ!!
<っ…………あ…………?
なんだ、これは…………――――――――い、嫌だ…………私が、消え、て……………………――――――――>

【出来たばかりの魔玉を、οに叩きつけるレイド。炸裂しても何も効果を現さない様に見えたが――――οは脱力してその場にくず折れ、倒れる】

……………………リイロ、リイロ…………!!
<――――――――ぅ…………お、お姉、ちゃん…………?>
――――――――ッッッ!!

【レイドはοを抱き上げ、「リイロ」と呼びかける。答えた声は、レイドを「お姉ちゃん」と呼んで――――――――】
【――――――――言葉通りに、レイドはファルガの犠牲の元に、リイロの復活を完遂させたのだった――――――――】

/続きます
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga !red_res]:2011/10/09(日) 23:53:14.68 ID:88uRcXqI0
<ムグゥ!! モガァァゥ!!>
――――――――良いぞ、クロウ…………この裏切り者を取り込め
面従腹背を、私が見抜けないと思ったのか…………愚か者め
「ありがとうございます。将軍」

【――――水の国秘密都市≪V.I.C.特別区≫】
【半死半生で救助されたダジルは、拘束されたままシュバルツの眼前で、処刑されようとしていた】

「ダジル…………お前、ずっと気づいてたんだろ?
オレはずっとお前の事を――――――――オレのものにしたかった…………!!」
<――――――――グゥガァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!>

【クロウの肉体が融解し、ダジルを包み込み、侵食していく】
【溶け去り、砕け散るダジルの肉体。灰色のスライムと化したクロウの身体が、ダジルの血に汚れる】



……………………どうだ、首尾は?
「…………将軍の言うとおりです。ダジルが肉体に刻み込んでいた術式の性質が、オレの身体に定着しました……!」
うむ…………これからは、お前がその力を振るい、私の道を開くのだ
「承知しました。このクロウ=ブラックヴァルズ、持てる力の全てを、将軍に捧げます…………!」

【クロウによるダジルの捕食を、無感情に見ていたシュバルツが、クロウを労う】
【裏切り者のダジルは死に、その能力はクロウに受け継がれた】

まさか…………ここまで押し込まれるとは思っていなかったが…………裏切り者を除いた事だけでも、善しとしよう…………
「ダジル…………お前はもう一生、オレのものだ…………お前の魂も、能力も、全て…………!」

【事態は、思わぬ躓きを見せ、暴蜂の前途には暗雲が立ち込め始める】
【それでもなお、シュバルツは覇道を往く事を諦めはしない。世界の愚かさには、まだ付け入る隙がある事を、彼は良く知っている――――】

/これにてイベントは終了となります
/参加して下さったみなさん、ありがとうございましたー!
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) :2011/10/10(月) 13:13:51.55 ID:2h57O/qG0
【昼の国 空港】
【カノッサの支配の下、完全な軍事施設と化した空港は普段よりも慌ただしい】
【それもその筈、世界的な宣戦布告に黙認を決め込むわけにもいかないからだ】

【その為現時点における最大拠点である空港内では、本日の戦闘に向け多くの人物が動き出していた】
【機関に属する者も、機関に仇なす者も―――】

[テッテテーテテテテーッ♪]

【滑走路の脇に配備された多くの軍用機の中に、マーチ調の鼻歌が響き渡る】
【機関の制服と軍隊らしきキャップ帽を着用した男が、携帯電話らしきものを片手に口ずさんでいたものだった】
【足元に置いた工具箱を足で軽く蹴りつつ、拍を取ることに夢中のようだ】

「…っせーよ」

【耳触りだったのだろうその声を制したのは、煙草を携えつつ2m程度右の方向に突っ立った同様の服装の男だった】
【ボソリと呟くのみで、彼はそれといったこともなく辺りを見回し周囲の様子を適当に観察しながら一服を続ける】

『おう、ドリル一つ。デッカイ方な』

【機体の下から、また新たな一声が発せられた】
【軍用機の真下を覗けば、足のつま先だけがその姿を見せているのが分かることだろう】
【声に反応した鼻歌男は何一つ言わず工具箱からドリルを取りだし、地面を滑らせるようにこれを投げつけた】

【三人はただ自身の役割を演じるかのように、その様子を一切変えることはない】

{おお、御苦労さん}

【巡回行動を行っていたのだろうか、そこへ通りかかった機関員の一人が不意に声をかけた】
【若いとはいえないシミの目立つ顔つきだが、今だ現役である所から兵士として相応の活気は維持しているのだろう】
【付近の二人だけでなく、下へ潜り込んでいた一人も台車を滑らせ顔を出す】

『宣戦布告までされてんだ、今の内にやることはやっとかねぇとな。やること、は』

「制空権の支配もできなきゃこの空港はハリボテそのもになっちまいますよ」

【去りゆく老兵を目で見送りつつ手を振ると、再び彼等はその職務を全うすべく平然と作業を再開する】
【特にこれといって変わった様子でもない、機関支部における当たり前の光景の一環だ】
【気づく者だけが感じられるかもしれない“ごく若干の違和感”を除けば、それは日常の正史として進行してゆくこととなる――】
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!蒼_res]:2011/10/10(月) 19:11:43.63 ID:2h57O/qG0
【昼の国 海岸線】

【変わらない、何一つ変わらない】
【世界の空が漆黒に染まる時を迎えようとも、この国は当たり前のものとして太陽が浮かび続けていた】
【機関の支配も、同じだ】
【あたかもそれが“今は当たり前”として、概念であるかのようにただ存在するようになったのは、いつからだっただろう――】



「――ほら、同志の皆様がお見えになりました」

……いよいよ始まるか…よし、彼等に連絡を

「了解です」



【地平線の彼方より、疎らではあるが小さな影が見え始める】
【始めは一つ――秒刻みで増殖し、それは次第に一方角の海面一帯をやや分散気味ながらも覆っていく――】


「機関の巡洋船でしょうかね、やっぱり向かっていきますよ」

いいな、対応される前に潰すぞ


【先日の宣戦布告を踏まえれば、当然彼等の動きへの対応を疎かにする機関ではない】
【数隻の巡回船が一斉に方向を変え、船団の下へと向かい始めた】

【――だが、巡回船は徐々にその動きを衰えさせてゆく】
【陸からおおよそ1km程度で、勢いよく船団に向かわんとしたそれらは動きを鈍らせていく――】

【―――ボン―――と情けないほど小さな爆音が鳴ったのは、それから間髪入れぬごく小さな時間の後だった】
【続け様に一隻、また一隻と船は煙を上げ、静まりかえるのだった】
【果たして船内で何があったのか、今は誰にも分からない――】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!美鳥_res]:2011/10/10(月) 19:13:17.65 ID:2h57O/qG0
【カノッサ機関 昼の国支部】

【一方の空港支部では、突如として通信機能が不調に陥るという問題が発生していた】
【それも、海上で爆破が確認された際からではない】
【反機関派の船団が確認されたその瞬間から、だ】

通信が繋がらない…一体どうなってるんだ!?
これでは巡回部隊からの報告が受け取れんではないか!?
何をやっている!?

【司令室、つまり空港の管制塔内ではこの事態に怒号を響かせる男がいた】
【おそらくこの支部の指揮官であろう、怒鳴り散らされる副官の表情にも苦痛を伴う様子が感じられる】

ええいもう構わん!とにかく軍用機を発進させろ!
我々にこの空港がある限り、空は此方の者だ!

『い、いえ…それが、全戦闘機がエンジントラブルを…動きません!』

何と言うことだッ!!
こ、こうなれば動けるだけの陸戦部隊を向かわせろ!
奴等が上陸作戦を敢行するならば、この空港に最も近くそして浅い海岸に限られる!
其方へと部隊を迎撃に向かわせるのだ!支部に兵を近づかせぬなッ!!

(――奴等も下準備をしていたか――だが、兵力を埋めぬ限り我ら機関は潰えぬぞ――!)

【もしここに指揮官が存在するならば、どのように事態の対処を行うだろうか――?】
【全ては、それなりの実力者にこそ相応しいのかもしれない――】
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!蒼_res]:2011/10/10(月) 19:14:21.08 ID:2h57O/qG0
【昼の国 海岸線】

【同時刻、海岸線には悠々と無数の船が乗り上げ始めていた】
【船上から飛び降りる者、前方のハッチから降り立つ者――国土に足を踏み入れるその者達こそ、今作戦表向きの主役である】

「皆様、よくぞいらっしゃって下さいました」

――時間を考えれば、これで全員…だろうか――?

【呼びかけによりこの地に集いし同志は、おおよそ300名】
【国内におけるレジスタンスやその他反機関を掲げる地下組織と合計しても、1000にも満たぬ少数戦力である】
【この人数での支部攻め――想定する限りでは、多くの者が物足りなさを感じるものだろう】
【――最も、機関が万全の準備で支部の守りを固めていたのであれば、だが】

【彼等を第一に出迎えたのは、顔の下半分に轟々と白髭を生やし白いチュニックを着た老人だ】
【彼は一礼し、マイクロフォンを口元に運ぶと発言を開始した】

…まず、集って頂いた者達に心より感謝します
皆様には、我々が支部を落とすまでの間に敵勢の主戦力を引き付けるという役目を請け負って貰うこととなります
敵軍の指揮官や部隊長は我々が叩きます、皆様はあくまでも自身の命を大事にし戦闘を行なって下さい

最後に、皆様が強い意志を持ち協力して下さるのなら再び約束します
我らがその手に勝利を掴んだ後、それ相応の報酬を支払うことを
そして我々は必ず支部を陥落させ、昼の国を機関の支配から解放するということを――


それでは諸君――悪を掃滅に移ってくれ


【老人が手を振るうと、無数の轟声を上げ戦士達は支部へ駆け出す】
【それは戦いへの歓喜か、生死への覚悟か、機関への憎悪か】
【いよいよ彼等の戦いが始まるの】

(これまでは二つの支部を相手にすることを想定していたが――どうも、以前訪れた際と比べると様子が違うな)
(何らかの揉め事があったのか知らんが、森林地帯に創設されたという支部が消滅しているという報告が真であれば――?)

ククク……この勝負、頂きだな

【老人は、微かにほくそ笑んだ】

/これよりイベント開始です
/ウェスカの方は緑の方へとレスをお願いします!
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/10(月) 19:42:05.10 ID:pFJlr5LSO
>>706
【支部内、軍服姿の目立つその中に、場違いな民間人とも取れる姿がひとつあった】

【肩までの銀の髪に暗赤色の瞳、首には機関の紋章が刻まれた首輪を装着し】
【首を緩めた黒のYシャツにダークグレーのジーンズ、茶のスニーカーという出で立ちの青年は】

【総ての災禍を掻き集めたように忌まわしいフォルムを持つ、紫と黒と赤の三色が躍る大鎌を携えて】
【自らの責務を果たすべく、正義を掲げる愚民をこの場所にて掃討すべく――総力を以て、彼らを迎え撃つ体勢にあった】

(――昼の支部、か)
(ガルニエ。あんたが姿を消して久しい今、ましてあんたに一度会っただけの俺には)
(何を描いてこの国を盗ったか、何を思って機関を捨てたか、そんな事は解りゃしねェが)
(…あの時の命令、まァだ忘れちゃいねぇぜ)

【過去に思いを馳せ、そうして今の戦いに目を向け、自らの参戦意義を再確認すれば】
【いざ出陣とばかりに背を預けていた壁から離れ、大鎌を一振りする――が】
【出鼻を挫く悪い報告が耳に入り出し、俄にざわめく空気に。彼は眉をしかめて溜め息一つ、遺憾の意を露にするのだった】

…愚民共が。雑魚なりに頭は使うんだな…
ま、俺も同じく頭に従うのみ、なんだが――

了解、指揮官サマよ。ノーナンバーだが一部隊、引っ張らせて貰う
さァ、潰しに行くぜ――ESTIMABLE

【指揮官の指示を受け、ノーナンバー――ウェスカ・クルーガー率いる部隊ESTIMABLE≠ェ動き出す】
【武装した30名程のその部隊に、別段目立つ特徴は無く。ただの一部隊、と云うのが正しいだろうが】
【先頭を進む部隊長には伺えぬ背後にて――彼ら部隊員達の口の端には、不穏な笑みが浮かんでいた】


【――さて、何事も無ければ彼らは指示通りに、他の陸戦部隊と共に海岸へ進むだろう】

/こんな感じでしょうか、ではよろしくお願いしますっ
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!蒼_res]:2011/10/10(月) 20:07:54.23 ID:2h57O/qG0
>>708

おお、民間人でなければそれでいい!それでいいのだっ!
いざという時は通信を――いや、今はダメか…!?
――と、とにかく頼んだぞっ!

【隣に突っ立ったままの副官を目で諭しながら、まるで赤子のように騒ぎ立てる姿は切羽詰まった現場管理職そのもの】
【次々と発生する不足の事態に対処しきれない彼の所は、どこか経験の浅さを感じさせるかもしれない】
【それでも指揮官として、昼の国支部の防衛に努めるという任務を全うすうる為の我武者羅な指令を出すのであった】


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【昼の国に対する警告が功を成したのだろう、民間人の姿はほぼ皆無と言っていいようだ】
【進行すること約十分、機関と反勢力の衝突が初めて発生したのは海と支部の丁度中間地点に当たる街中となる】

――…――!――グァッ――!!

【始めはノイズのように、やがてその音声は徐々に増幅し耳内に伝わるはずだ】
【――おそらく先頭を進んでいたのであろう、部隊の叫び声である】
【絶叫と共に、銃声と金属の削れる摩擦音が町を覆っていく――】

【――やがてウェスカの立ち位置からでも、海岸線と共にその大部隊を確認できるかもしれない】
【世界から臨時的に集っただけあり、彼等の服装はバラバラである】
【彼等はデモ隊の如く路地に列を成し、最前線は乱戦と化していた】
【幸いの一つは、そのばらついた服装から味方に当たる機関員との判別に苦労を伴うことがないといった所か】

【ウェスカ率いるESTIMABLEが控える位置は後方、つまり“一応の”安全圏である】
【どのように動くか、判断は委ねられた――】
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/10(月) 20:50:34.77 ID:ZGWECg2Jo
>>646
(ボウガンッ!!)

【青年はあくまで、ナイフを使わないようで、構える】

【散弾のように飛んで来るものはただのステップでは避けきれない】

クッ!

【隙が大きいが、横に大きく転がる】

痛ッ.....背骨鳴ったぞ...

【冗談言うが、その言葉を言った瞬間には体制を立て直す】

【ジャリッとすでに駆ける】

【狙いは影】
【もし、近づければ、左脚を軸にした回転蹴りが影の頭部に当てようとする】

【もちろん、回転する分、隙がでかい】
【避けようと思えば避けれる】
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/10(月) 21:10:38.25 ID:pFJlr5LSO
>>709

(――かわいそーに、そりゃこんな経験滅多にねぇわな。パニくんのも当たり前だ)
(俺らが出た後が気になるな…前線が全て囮で狙いはこっち、なんてのも考えられる)
(…まぁ敵さんは大した数じゃねぇだろう、そんな策は無理に決まってら)

(支部の守りはこれで十分、か――)

【彼のこの判断は、大きな失策となるやも知れず。全てはこれからの戦闘次第だが、それでも】
【僅かな暗雲として、今回の作戦にのし掛かりゆくものの一つに成り得るのだった】



【そして、一応の安全圏≠ノて。敵の全容を把握し一抹の不安が過るも、同時に先の迷いは解消された】
【烏合の衆、数も余り無い正義側がこれだけの数を囮にする筈は無い、と。つまり彼は、たかをくくったのだった】

く、ははッ! 此れなら問題ねぇだろ――パターンBだ、さぁ散りなァ!!

【30名、少数精鋭の部隊は一斉に隊服を脱ぎ捨てて散り、正義側への襲撃を行い始めた】
【隊服の中は特徴もない私服であり、傍目には機関員であると判断しづらく――】
【尤も、ウェスカと揃いの首輪で、同じ機関員からは見分けがつくようになってはいたが】

【つまりは、敵を混乱させ同士討ちに持ち込む策。この混戦ならば、幾らかは成功するだろうか――?】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/10(月) 21:11:22.79 ID:aYCqxedmo
>>710

へぇ――これもみぃんな避けちゃう?
ふふ……ワンちゃんかと思ったら鼠ちゃんでしたか?
別にぃ、私はどっちでもいいんですけどね

【発射後は即自動装填】
【威力や正確さを犠牲にする代わりに連射速度を上げている】
【しかしここまでの射撃は見事に回避されている。それは青年の技量の高さを表していた】

【だが、少女の余裕は揺るがない】
【幾ら躱されようが、最後は自分が勝つのだと盲信している】
【己が窮地に陥る未来すら思考にないのか、ただ少女はクスクスと笑っていた】

あら――面白いダンスね
でも、それじゃ私の<Hide and Seek>には届かない

【平面の影、おそらくは地面に向けて放たれた回し蹴りを迎撃するため影は動き出す】

【二本の湾曲剣の内一本を、水から出るように立体的な腕として現出させ】
【腕の影は、カットラスを鋭い剣捌きで薙ぎ、蹴り足を切り裂こうとしつつ】

――私は二つ影。幾らこの子が可愛いからって浮気はダメよ?
私って、こう見えて嫉妬深いんだから

【少女は、ボウガンを青年へと突きつけようとする】
【一人で二人の表裏一体】
【近づく場合は影だけではなく少女の矢にも注意を払う必要がある】
【余裕故か瞬時に放つことはなかったが、隙があれば次のレスには容赦のない射撃が来るだろうことは予想できる】

【だが、少女の攻撃は「単純」だ】
【影は剣を振る。少女は矢を放つ。完璧に役割分担されているがゆえに読みやすい】
【青年は、この状況から如何なる手段でこの異能を打倒するだろうか】
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/10(月) 21:26:47.53 ID:ZGWECg2Jo
>>712
(ダメだッ!! 切られる!)
【影の斬撃は青年の脚を狙う】

【軸足と空いている手を使い何とかブレーキをかけ】
【バランスを崩し、コケる形にはなるが斬撃を避ける】

【しかし、休む暇はない】
【視界の端にボウガンを構える少女の姿】

あー面倒くせェ!
【青年は軽く笑いながら叫ぶ】
【青年はとうとう能力を使う】

【両手に現れたサバイバルナイフ】

できることなら武器使わず倒して格好良くしたかったけど...
無理だな、名前通り「無力」な奴だから俺

【駆ける】
【どうするわけでもない、現在の立ち位置から駆け出した】

【もちろん、少女の散弾も打ち出せる】

【誘ってるのか、意図は分からない】
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!蒼_res]:2011/10/10(月) 21:32:34.53 ID:2h57O/qG0
>>711

{な――何だよっ、こいつ等――ぐぁっ!}

〔お、おいっ!落ち付け!俺は味方だッ!〕

[や、やりやがった!お前――ぐぅッ!]

【今戦においての反機関勢力は言ってみれば寄せ集めそのもの、つまり殆どの者達が初対面同士の人物である】
【完全に信頼が置けるかといえばそうでもなく、また連携行動も穴が多い】

【結果としてESTIMABLEによる作戦は、大いに猛威を振るうこととなる――!】
【この時点で既にある程度の死傷者が確認されている以上、味方の裏切りに対する恐怖を抱く者も少なくないのだろう】
【反機関勢力の外周部は、混乱に陥りつつあった――】

『――!!』

「――!?」

【しかし、ほんのごく一瞬、戦場の時間が止まったかのように反機関勢力は動きを止めた】
【ほぼ全ての者が、同時に何かを察したかのような振る舞いである】

【――次の瞬間、戦闘に支障をきたしていた者達が一斉に動き始める】
【味方であると確証が取れる隣の人物らと、背中合わせに向き合い始めたのだ】
【これにより、背後からの不意打ちや同士討ちによる危険性を減らそうというのだろう――】

「そぉらぁぁ!!」

【同時に、機関部隊の前方で大きく血飛沫が上がった】
【見れば赤いバンダナとダンクトップを着用した小麦肌の大男がナイフを片手に振りかざしているのが目に映ることだろう】
【接近戦を担当している部隊をなぎ倒しながら、突っ込んで来たようだ】
【このままウェスカが立ち位置から移動しなければ、彼と衝突することは避けられない】
【おそらくは多少の猛者なのかもしれないが――この状況、どう出るか?】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/10(月) 21:37:41.89 ID:aYCqxedmo
>>713

ふぅん……能力なんて使うまでもないって思ってたんだぁ
優しいね?それとも、私が可愛い女の子ってだけでお砂糖見たく甘くちゃってた?

でもでもぉ、おにーさんってば女の子に追いかけられて結局出しちゃうんだからぁ――

【狙いは合わせたまま、青年の言葉に可笑しそうに笑う】
【幼気な甘ったるい口調とは裏腹に】
【殺傷力を有する凶器は、冷たく青年の姿を見据えていた】

――かっこわるぅい

【ニィ、と口の端を吊り上げると共に攻撃が開始される】
【青年は前か、後ろか、左右か。何処に向かって駆けたのか。】

【もし後方、もしくは左右だった場合は5発の矢が青年に向かい殺到する】
【正面に駆けてきていた場合は】
【まずは射撃。上記と同じく5発の矢が青年を射ぬかんと迫り】
【攻撃範囲内に侵入した瞬間、影の左腕が現れ腹部を裂かんと薙ぎ払う】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/10(月) 21:48:17.33 ID:ZGWECg2Jo
>>715
自覚してるさ....兄貴にも「お前はお人好し過ぎる」ってチェーンソー投げられたことあるんだ!

【走ったのは正面】
【影の斬撃は右手ーサバイバルナイフで受け流そうとする

格好悪いのも自覚済み!
生まれてから敗北人生だ!
【もし、上手くいけば、打ち出されたと同時に左手で着ている学ランを掴み】
【少女に向けて投げるだろう】

【少々厚いだけの布はとてもじゃないが、ボウガンの盾にはならない】

【だが視界は奪える】
【投げられた数秒間は視界から青年が消えるだろう】
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/10(月) 21:59:35.42 ID:pFJlr5LSO
>>714
【功を奏した策に、ウェスカはさも愉しげに口の端を吊り上げる。一方で、そんな彼の様子を察した部隊員達も】
【彼とはまた異種の、何か不吉を孕んだ笑みを。全員、揃いも揃って口の端に浮かべたのだった】

【――が。正義側とて無能では無く、烏合の衆とはいえ同じ目的の元に集った仲間意識があって】
【何時しかESTIMABLEの隊員達のみが、背中合わせにならない為に浮いてしまう状況となっていた】
【おまけに「あの首輪だ!あれを付けてるのは奴等だけだ!」と、正義側の聡い誰かが大声で叫んだために】
【彼らは判別方法を掴まれ、一気に防戦一方へと追い込まれてしまう。隊員達には、無線から告げられる筈の】
【次の新たな策に縋るしか、最早手が無くなっていたのだが――】



【――肝心の部隊長からの命令は、無かった。否、命令を下す状況に無かったのだ】
【猛進してくる赤いバンダナの男に対し、並々ならぬ気迫を感じてウェスカは直ちに攻撃の体勢を取ったが】
【戦闘と同時に司令官たる役目は果たせそうもない――策を破られた腹立たしさを乗せた一撃を、男の右肩に向けて振り下ろし】



【――建物の影から、そんな状態のウェスカを見たESTIMABLEの一員が、隊の無線とは別の無線器を取り出し】
【そっと口許に当てて、何事かを告げると。ウェスカを除いた隊員全てが、戦闘を止めて彼の元に集まり始める】

【ウェスカはまだ、それに気付かない――】
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/10(月) 22:05:42.80 ID:aYCqxedmo
>>716

【ギィン――と、金属の打ち合う音と共に影の刃は弾かれる】
【其の刃は現実のカットラスのように鋭利ではあるが】
【影の膂力自体は大したことが無いようで、バランスを崩すようなことはないだろう】

【そして次いで奔るは矢の嵐】
【青年を撃ち貫かんと迫るも、学ランに阻まれる】
【無論それで弾かれることもなく貫通するが、細く小さな穴が開くだけであり】
【青年の狙い通りに少女の視界を数瞬だが、防ぐことに成功する】

へぇ――中々素敵な作戦ね
フフ……おにーさんはぁ、私をどうやって苛めるつもりかなぁ?

【少女は正面にバラ撒くようにして矢を乱射する】
【見えない相手ゆえに、狙いなどは付けられない。】
【しかし――見えない範囲は限られている。学ランに覆われた視界を貫くように】
【乱雑かつ無数に小さな矢が打ち出された】

【威力自体は然程高いものではない。だが、下手な場所に当たれば危険となる可能性もある】
【姿を学ランで隠されているのは互いに同じ】
【しかしこの矢の乱射を対処できれば活路は開ける可能性が高い】
【青年の練った策とは、如何なるものであろうか。それはまだ、この少女の知る所ではなかった】
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/10(月) 22:11:29.14 ID:pFJlr5LSO
>>717
/抜けてました、振り下ろしたのは大鎌による∴鼬bナす
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/10(月) 22:16:40.14 ID:ZGWECg2Jo
>>718
行けェ!

【矢が学ランに当たる瞬間にしゃがむように地面を滑った】

【つまりスライディング】

【視界から逃げた瞬間に矢の雨から避けつつ、少女に接近するのだ】

【しかし、完璧には避けれない】

痛っ....!

【飛んだ矢の一本が青年の頬をかする】
【じわりと血がでるが、青年は止まらない】

【もし、上手くいけば】
【青年は一気にそのナイフが少女に届く距離まで詰めれるだろう】

721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!蒼_res]:2011/10/10(月) 22:19:47.19 ID:2h57O/qG0
>>717

「ぬぅうっ――ッ!!」

【猛走する猪は急には止まれない、突然の奇襲でなくともリーチの長さを活かしたその一撃を避けることは彼にとって難しかった】
【振りかざされた大鎌は彼の右肩へ、そしてさらに体の中心へ向け喰い込んでいくだろう】

「――ォオ……ぐっ、くそッ!!」

【その肩に突き刺さった大鎌の柄を左手で掴み、力強く引き抜かんとする大男】
【そこから右手のナイフを構え直し、ウェスカへ再び突っ込もうとした瞬間――】

「ぐぁああぁあ…!…ッ…機関、めッ……」

【ダンクトップに無数の風穴が開き、生地は血で滲む】
【ウェスカを憎悪の表情で見つめながら、そのまま大男は背後へと倒れ込む】

<――全員、主戦力を援護せよッ!!>

【事の発端は、ESTIMABLEとは別の射撃部隊による無認可の支援であった】
【最もたる悪でありまた世の害とみなされていようとも、真に機関を崇める者の結び付きは強い】
【連携力であれば、相手より若干勝るとも劣らない力を発揮できる――】

【しかし機関は世界的な悪の象徴であり、崇拝する者と対比すれば比べ物にならない人数の恨みを買ってきた】

『忌まわしき機関の雑兵どもが!ここで[ピーーー]ッ!』

【だからこそ、ここには多くの強兵が集うこととなった】
【大男の倒れた背後から、僧侶服を纏ったスキンヘッドの男が先端に刃物を取りつけた杖を片手に現れ、地面を蹴りつつ宙に飛ぶ】
【そこからウェスカに対して刃を向け、機関憎しの声を上げながら空中からの突きを狙わんとばかりに飛びかかる――!】
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!美鳥_res]:2011/10/10(月) 22:26:57.68 ID:2h57O/qG0
【同時刻 機関昼の国支部内】

(……偵察隊はまだ帰ってこないのか……?)

【前線との通信が一切叶わぬ支部内では、各機関員が落ち着きなく職務を続けていた】
【指揮官の男は部屋の中央に位置するキャプテンシートに背を持たれ、頭を抱え続ける】
【何とかそれらしく平静を装いつつも、右足の貧乏揺すりは止まることを知らない】

「全戦闘機、整備完了しました!」

【丁度その時、管制塔前の扉をこじ開け顔を出した副官の叫びが部屋に木霊する】
【彼等の備えた工作活動の規模は、そう大したものではなかったということだ】
【つまりやっと今、昼の国支部軍は問題を解消し本格的な戦闘に移ることを許されたのだ】

よし、全戦闘機を発進させよ!
油断している敵後方の頭上に、爆弾を落としてやれッ!!

【司令官の合図と共に、パイロット達は滑走路の上を駆け抜け、次々と戦闘機のコックピットへ乗り込んでいく】
【障壁を取り除き攻撃の準備を終えた昼の国支部が、いよいよ反撃の時を迎えることとなる――】

【はず、だった】


――さぁ、発進せょ………っ!?


【―――パイロット達が機内へ乗り込み、エンジンを掛けた瞬間、正にその瞬間である】
【爆撃機のうちの一機が、凄まじい轟音と共に空へ豪炎を吹きあげたのだ】
【それに続き他の爆撃機や戦闘機も、連鎖反応を起こすかのように爆発していく――】
【僚機の凄惨な光景に気づいたパイロット達は、慌てて脱出を試みるも時既に遅し】
【最後の一人が何とか外へ飛び出すも、その瞬間に吹き出た炎の中へ彼の姿は消えていった――】

おい!?一体全体どういう事だというのだッ!?
本当に整備不良なのかこれは!?メカニックは何をやっている!?

「修理班は確かにエンジントラブルの原因箇所を整備しました!爆発の原因は不明です!至急調査を――」

くそ――やられた!これは罠だッ!!
もういいッ!生存者の有無を確認するだけで結構だ!!

(――しかし何故二段階に罠を仕掛けていったのだ!?最初から爆破した方が効率が――何か不調でもあったというのか…!?)
(いや――整備班自体が裏切ったのか!?なんだ、一体何を企んでいる――!?)

【経験浅き指令官は想定外の事態に顔色を悪くし、ただ項垂れるばかりであった】
【敵は一体何を目的とし、態々爆破までにエンジントラブルという事故を挟んだというのか】
【只管に考えを巡らそうとするも、彼の実力では力不足であった】
【刻一刻と、昼の国奪還へと向けて時計の針は進んでいく――】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/10(月) 22:28:59.20 ID:aYCqxedmo
>>720

【青年の行動は成功し、距離は一気に詰まる】
【ナイフの届く範囲、それは影の攻撃が届く範囲と同様である】

【だが影が瞬時に動くことはない。】
【平面の影は少女の足元で剣を構えたまま青年の攻撃を待ち受ける】

【剣士の影の役割は「迎撃」】
【その動きは相手が斬り込んできた際のカウンターに特化している】
【先ほど受け流した時、感じただろうか】
【剣士の力自体は然程強いものではない】
【正面から斬り合うようなものではなく、本来の役割は防御や奇襲に向いたものである】

綺麗な血――私ぃ、もっともっと貴方の血が見たいな
そうしたらおにーさんはきっと、今よりもっと格好良くなれるよ

【故に、下より襲い掛かる二振りの太刀は単純な軌道しか取れない】
【受ける、弾く、突く、薙ぐ。パターンとしてはこの程度だろうか】
【青年の攻撃に対して「反応」するその動きは、防衛に特化しているがゆえに単調だ】

【越えることは――不可能ではない】
【青年の奇襲により、ボウガンを向け射出するまでタイムラグが存在する】
【影の二刀を超えた時、少女を護るものは無くなる】
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/10(月) 22:42:10.42 ID:pFJlr5LSO
>>721
【当たりは良し――上がる血飛沫と肉を裂く手応えを感じ取ったのは、束の間に過ぎなかった】
【単純な腕力の勝負ならば、体格の良い男には明らかに劣る。鎌は容易く引き抜かれ、体勢を崩した所に迫るナイフ――】

【――パぁン、】

【一発の銃声、それを合図に続く弾幕がウェスカの危機を救った】
【だがそれが別動の射撃部隊の働きと知って尚、彼の表情は何故か固いものとなり。警戒するように、周囲を見渡した】
【――交戦中の筈であるESTIMABLEの姿が、見えないのだ】

【そうして、敵への注意を怠った刹那――】

ッ、ぐぁあァ! ンの、野郎ォ――!!

【左肩を、坊主の得物が貫通し。そのまま長い得物で地に縫い付けられ身動きが取れなくなっては、と】
【咄嗟にウェスカが取った手段は――左肩を、突きの勢いを利用して引き千切る事だった】

――ッ、ぐぅ…、!!

【尋常では無い痛みを堪えた為に、噛み切ったらしい唇から一筋の血液が零れ落ちていき】
【それでも右腕に掴んだままの大鎌を、坊主の胴に真横一閃に斬りつけようと振るう】
【食らえば体の上と下が離れ離れになるのは確実――回避の隙は、左腕を千切る顛末を傍観していなければ幾らかある筈だ】
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/10(月) 22:44:39.47 ID:ZGWECg2Jo
>>723
残念だが、俺は血を浴びるのが苦手だからな...
アンタの願いは聞き入れられねェよ!

【青年はスライディングの直後に跳ねる】

【体を浮かせた前転のように下からの斬撃を服一枚皮膚一枚、腹をかする程度で何とか避ける】

痛っ!

【青年は腹をかする痛みで着地に失敗】

【立ち位置的には少女の斜め後ろに転がる】

くっそ...格好悪りィ....だけど

【着地に失敗しても手に握ったナイフは少女に向けている】
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/10(月) 22:56:02.78 ID:aYCqxedmo
>>725

ピョンピョンって――今度は醜い醜い蛙さんかなぁ?
その動きはちょぉっと、可愛く無いかな

【影はこちらのプレイヤーの操作するキャラなので】
【描写された斬撃の行動は発生せず、放たれなかった】
【故に、結果として青年の行動は傷を受けること無く成功する】

【トリッキーな動きで回りこむ】
【これはこの少女に対して非常に有効な動きであった】
【正面にある影は、影であるがゆえにその行動範囲が限定されており】
【射手も同様、射撃という攻撃である以上至近距離による咄嗟の小回りが効きづらい】

【故に生じる、少女の空白の時間】
【影が移動するまで、少女が振り返りボウガンの狙いをつけるまで】
【その時間、少女は射撃も斬撃も繰り出すことはできない】

【数瞬だろう、だが、確実に少女の防衛手段が消える】
【狙うならばこれ以上の好機はない――ここで、決着を付けることが出来るだろうか】
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/10(月) 22:56:58.16 ID:q57MlQsro
【街に続く幾つにも伸びた、舗装も脆い街道行き交う物は、人、食料、金……】
【都市が心臓ならば街道は血管、大動脈のようなものだろう】

【今、その血管に流れるモノは燃えていた】

「遠クニ在リテ呪ウモノ」

【道に横たわるように馬車が倒れている】
【もう二度と走れない程に破損したそれは不思議な事に白い炎に燃え】
【そして段々と腐り始めていた】

無為に生きながらえさせようなどとは愚か
在るべきまま、散るが定め――――

【腐敗する木材、馬、人、食材】
【誰もが顔をしかめるだろう臭いが風に流れてゆく】
【その僅かに目視出来る遠方、草原の上に佇む人影が在った】

【朱い瞳は何の感情も無く、修道女の被るようなベールの間から除く白色の髪は無機のよう】
【胸元が大きく開かれた白いブラウスの上に黒色のオーバーコート、そして黒皮のロングブーツ】
【その手に白炎を纏った長弓を携えた女性である】

そしてそれが救済である……。

【一息を終える間もなく弓は焼失する】
【後には何も残らない、ただ人が死んだという出来事は残り】
【それが誰にも見留められないのならば、腐り落ちてゆく彼の人生は無意味になるのだろう……】
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!蒼_res]:2011/10/10(月) 23:03:44.39 ID:2h57O/qG0
>>724

【快心の一撃であったか、満足げな表情を浮かべる男】
【しかし続け様にウェスカが取った行動には、彼のみならず周囲の兵も驚愕せざるを得なかった――】

『(コイツ――己の肩を潰してまで――!?)』

【そこからの鎌一閃である】
【言うまでも無く、それは確実に不意を捉えていた――】
【が】

『この――ッ、子癪な真似をしおる!』

【男はバックステップで大鎌の直撃を“かろうじて”避け、一歩下がった所で体勢を整える】
【そして再びその刃を構え、第二波に入ろうとした所――】

『くくく…くっ―― ―― ―無念― ッ』

【僧侶服の前方が捲れ、垂れ下がり】
【さらにその裂け目からは夥しい血が飛び出した】
【男は膝を付き、杖を落とすと脱力しながらうつ伏せに地へ叩きつけられることだろう】

くそっ、よくも――お前達は下がれ!私が[ピーーー]!
我が一族を殺めた機関めッ――許さんぞ!

【更に倒れた男を跨ぐように現れる、新たな戦士】
【赤い髪をポニーテールで結び、古びたシャツを着用しショートパンツを履いた頬に傷のある女だ】
【二本の短剣を構え、その片方をウェスカの体目掛けて投げつける――!】

【次々と猛者が現れ、戦い、そして敗れていく戦場――】
【しかし両勢力共々の奮闘あってか、戦場にはやや膠着した雰囲気が漂い始めた――】
【この女を倒せば、おそらく傷を癒やし、体勢を整えるだけの猶予ある時間が現れるはずだ――!】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/10(月) 23:06:03.96 ID:ZGWECg2Jo
>>726
(今だッ!!)

【倒れた姿勢から思い切り、全力で立ち上がる】

【正直、先程までの戦闘で体力が限界に近いため、かなりキツイがそれでも立ち上がる】

これで...終わりだ!
【息が上がりながらも言う】

【もし、青年の邪魔がなければ】
【ナイフの切っ先を少女の首に向けるだろう】

【腕は曲げていて、伸ばせば少女の首を刺せれる】

【無言で「動くな」と伝えているだろう】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/10(月) 23:18:37.72 ID:aYCqxedmo
>>729

――――

【一瞬の静寂】
【この状態ならばボウガンを構え撃つよりも、影がカットラスを突き出すよりも】
【青年が少女の首を貫くほうが速い】
【勝敗は、決した。少女の布陣を突破し詰ませた時点で青年の勝利であった】

――へぇ、カッコいいとこみせてくれるじゃん。
フフ……これじゃ私は何も出来ずにおにーさんの思うがまま

【しかし少女の口調も性格も変わらない】
【生殺与奪権を握られた状態でも揺るがない其れは、明らかに頭のネジが一本二本と外れている】

【少女は手を離し持っていたボウガンを地面に転がして】
【両手を上げて降参のポーズを取り】
【同時に影も剣を納めてその場で留まった】

で、どうするの?
そのナイフで――私の首をシュパってしちゃう?
それとも優しい優しいおにーさんは、私に甘い言葉をかけて口説いちゃう?
気になるなぁ、おにーさん私をどうしちゃうのかな?

【緊張感などまるで無い】
【抵抗する意志を捨てて、素直に降伏しているだけマシだろうが】
【未だに遊ぶように、誘うように青年へと語りかけ、選択を迫った】
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/10(月) 23:30:08.94 ID:pFJlr5LSO
>>728
【膠着状態が近付きつつある事を、ウェスカも感じ取っていて。怨めしげな女の叫びと共に飛ばされた短刀を、】
【一肢の欠けた歪な体で有りながら、木の葉の様に大鎌を振るい容易く弾くと――暗赤色の、澱んで腐り落ちた石榴に似た瞳で】
【獲物を射竦めるような視線を、腸まで抉り取られるようなプレッシャーを与えるそれを――勇ましい女性に、ついと向け】

――知るか。死ね

【途端に大鎌は、どろりとした銀の液体に変わりウェスカの右拳を包んで、頑強な拳の凶器へと早変わりし】
【その変形の最中にも彼は素早く女性に接近して、花の顔など知った事かとばかりに、それどころか頭蓋を割る勢いで顔面を殴り付けようとする】
【彼の鬼気迫る視線に女性が少しでも竦んだならば、回避は難しいだろう】
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/10(月) 23:33:48.10 ID:ZGWECg2Jo
>>730
さーてどうしようか...はっきり言うと、今殺しをする気分じゃ無いからな...

【クルクルと手に持ったナイフを回転させて持ち直す】

かと言って、口説くのも...

【ぐいっと青年が顔を近づける】
【互いの吐息が当たるぐらいまで】

まぁ、別に構わないが....
生憎俺には他人を好きになるってのがどうも分からんし...

【顔を元の距離に戻す】

【うーむ...と頭をかきながら考える】

なぁ、アンタはいつも俺みたいなお人好しを誘ってるみたいだが...何に使うんだ?
まさか、本当に自分のナイトにしようとか言わないよな...

【青年は気になったのか聞いてみた】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/10(月) 23:42:01.43 ID:aYCqxedmo
>>732

――本当に、そうだとしたらどうする?
私が素敵なナイト様を求めて働いてるんだって言ったら?

【帰ってきた答えは、肯定ともとれるものであった】
【クスクスと謎かけるような響きを混ぜながら、少女は小さく笑う】

人を集める――何で?
集めた後――どうする?

おにーさんは見てるはずだよ?だからきっと、ちょっと考えたら思いつくはず。
私は「ナイト」様が欲しいの。私を護って、死ぬまで何でも言う事聞いてくれる素敵なワンちゃん
きっとおにーさんなら、いいナイト様になれたと思うんだけどなー……残念残念

【今までの言葉に、そして見てきたものに答えがある】
【それを隠す気もなくヒントを散りばめる】

【――青年が最初に切り捨てた「死人のような何か」は、何だったのか】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!蒼_res]:2011/10/10(月) 23:52:58.25 ID:2h57O/qG0
お前達のような機関がいなければ、この世界は――私の家族は――ッ!!

【その光を感じさせぬ目で鎌の動きを捉え、姿勢を屈める女】
【もう片方の短剣を用いてウェスカの懐へ潜り込み、柔らかい脇腹へと一撃を喰らわせるつもりだったのだろう】

…――ッ!!

【――が、迫るそのプレッシャーにたじろぎ思わず動きを緩めてしまう】
【その非情で残虐性さえも感じさせんばかりの威に女は憤り、機関の邪悪さを思うばかりであったのか】
【拳のような凶器に吹き飛ばされる直前の表情は、厭忌に満ちていた】

ぐっ―――……

【掠れた叫び声を最期の遺言とし、彼女は数m先へと吹き飛ばされ】
【一度地面をバウンドした後、頭から血を流して動かなくなるだろう】
【ウェスカの鬼の如き実力に、反機関側の取り巻き連中も落ち着かない様子であった】



<おい…アンタ、大丈夫か!?>

【やがて直ぐに、自らの肩を剥ぎ取るその様子を生で目撃していた射撃部隊の男とその連れが、その場へと駆け寄らんと近づくだろう】
【機関員のコートとライフル銃を構えた三人の男達も、ウェスカの戦いっぷりには見入るものがあったのかもしれない】


【敵勢が、少しずつ後退してゆく――】
【やっと訪れた、一時の休息である】
【敵軍の次の攻撃が何時になるかは分からないが、戦士達にとっては大事な補給時間だ】
【だがおそらく第二陣の攻撃は、先程のものより激しくなる可能性が高い】
【ウェスカは、そして消えたESTIMABLEは、この僅かな時間をどのように活かし数分後の開戦に対応するのか――】
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!美鳥_res]:2011/10/10(月) 23:54:03.49 ID:2h57O/qG0
【昼の国支部内】

【戦場と離れた司令部の敷地内では、放置された機体の炎が煙を上げながら滑走路に燃え盛り続けていた――】

【支部の要であった航空戦力が壊滅的打撃を被った以上、うかうかしてはいられない】
【今、彼等は戦場の把握に躍起となってった――】
【しかし幾ら偵察隊を派遣しようとも、彼等の返事は「町中央にて衝突中」の一言のみである】
【滞る情報網、支部員に募る不安――他支部からの支援物資を要求しようとも、それが届くことのない絶望感】
【多くの兵士がささくれ立ち、戦場への焦りを感じ続けていた】

【――その上空に、彼等は遂に一機の航空機を捉えることとなる】

「指令、あれをご覧下さいッ――!」

て、敵かッ!?

【オペレーターや通信士も、管制室の窓から肉眼を用いてその姿を仰いだ】
【ああ、間違いない――あれこそが――】

あ、あれは――!?

【輸送機――カノッサ機関の輸送機だ――】
【それも機体の一部には穴が開き、やっと飛行できる程度までボロボロの状態である】

別支部からの援助だ!無線を繋げ!

≪―√―ァアー…管制塔聞こえるか…√……怪我人が多い…死ぬ……―……至急、医療部隊の派遣を求ム―――√ ̄ ̄≫

「――ダメです、これ以上繋がりません!おそらく無線を破壊されるほどの甚大な被害を受けているのかもしれません!」

……ま、まずは一旦着陸させろ!ここに一番近い滑走路へ誘導するんだ!

「ですがまだ準備が整ってません!」

戦力になってくれるだけいい、兎に角着陸させてやれ!

(そうか…奴等め、我々を孤立させ物資の補給を阻む手に出たか――)
(だが、待ち伏せするにも詰めが甘かったようだ――支援さえあれば、我々は十分に――!)

【戦局の分からぬ焦燥感に駆られた指揮官の決断は、結果として最大の誤審となってしまう】
【確実に麻痺しつつある司令部、その喉笛を狙う牙】
【禍を齎す方舟は、今、破滅の地へと降りたとうとしていた――】
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/10(月) 23:54:20.47 ID:ZGWECg2Jo
>>733
マジだったのか...やれやれ、なかなか面白いお嬢様で...

【若干飽きれたような目で見ている】


もう見てる?...あぁ、あれか
【死人のような何か、その正体が分かったようで】

ある意味、そう言う人生も悪く無いかもしれないが...悪いな、先客がいるんだ

【そう言うと、青年はナイフを消し去る】

ちょいと前に訳ありでパシられてるんだ
...おれをパシる奴も女だが、俺って女運が悪すぎじゃね?
そいつとお前で...はぁ...お人好しだな...俺

【ため息を尽きながら言う】
【結構苦労しているようだ】

【いろいろと面倒だ...とつぶやきながら学ラン回収】
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [sage]:2011/10/10(月) 23:56:20.32 ID:2h57O/qG0
おっと、>>734>>731宛てです
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/11(火) 00:08:19.34 ID:OZwTaMP2o
>>736

それは残念――もう首輪のついたワンちゃんだったのね?
きっと私、その飼い主さんと会ったら素敵な殺し合いが出来る気がするわ

【理解した青年の様子によく出来ましたとばかりに笑いかけながら】
【少女は彼の言葉にそんな感想を告げる】
【この少女の場合――相手がどうあれ大半の人間と殺しあう性質であろうが】

あ、見逃してくれるの?嬉しいなぁ
私お人好しな男は好きよ?だって、こんなに――

【青年がナイフを消し、学ランを回収しに行く】
【それを楽しそうに眺めながら、少女は口元を吊り上げながら】

――こんなに、可愛らしいんですもの

【袖から、何かが滑り落ちるようにして少女の手に収まる】
【それは小さな筒のような物体。】
【上に赤いボタンが付いた、何かの装置。それに指をかけ】

ではいい夜を……優しい優しい子犬ちゃん
『今度』会ったら私が首輪をつけてあげるから、楽しみにしててね?

【瞬間――装置が起動。少女を中心として中規模の爆発が生まれるだろう】
【小型爆弾による、自爆攻撃】
【自分の命を捨てることに一切の躊躇いが存在しない、それがゆえに素早い動作】
【だが彼女の行動に気づいていれば、咄嗟に避けて被害を軽減することも可能だろうか】
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/11(火) 00:15:18.28 ID:uar1kK52o
【銀河系第27惑星近辺】

カズガッ、オオスギル!

【能力者達の住む惑星から数十光年離れた宇宙空間】
【宇宙空間を謎のインベーダーと交戦中の光の巨人がいる】
【数分もかけて敵のインベーダーを殲滅したのだ。当然疲労度が彼を襲う】

タイヘンダッ!

【その巨人の遥か100kmほど離れた場所】
【数100機の円盤の大群が押し寄せてきていた】

【光の巨人はすぐさま能力者の住む惑星へと危機を知らせに行こうとする】
【近くに誰かいれば手に乗せて移動する事も考えている】
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/11(火) 00:19:43.48 ID:SpbrKBRSO
>>734
【――意外にも、ウェスカがこのような凄惨極まる攻撃の数々を繰り出したのは、初めての事だった】
【加えてあの左腕を千切り落とした行動。その荒い息と悍ましい眼光は、戦場の空気からも一線を隔す程に獰猛だった】
【地に転がった、最早見れた顔では無いだろう女性に一瞥もくれる事はなく。駆け寄った味方にさえ視線を向けず】

止血。…早くしやがれ!

【――加えて、吐き捨てるような命令口調】
【助けられた相手に何様かと言ってやりたくなる程のその要求に、彼等が応じてくれるか否かに関わらず】
【ウェスカはぎろりと周囲を睨み渡してから、続けて彼等に問い掛ける】

…おい、テメェら。俺と同じ首輪をした部隊を…見なかったか?
さっきから奴等に無線が繋がらねえ…繋がらねえと言えば、本部にも…だ。
ESTIMABLEは…本部は…どうなって、やがる…?

【――言葉の最後は、不安を帯びてか囁くような声だった】



【所変わって、戦線を離脱していたESTIMABLEは】
【仕掛けたカメラから、弱りきったウェスカの様子を、同士にあるまじき冷たい視線で見据えていたのだった】

「…どうする? 今ならどさくさに紛れて殺れそうだが」

『――本部の状況を見てから、だ。何やら向こうも騒がしいからな。先ずは一旦退避しよう』

【あろう事か部隊長を置いたままで、本部に引き返そうとしていた。否、意図的にそうしている様子だった】
【…本部に戻って何かを問われたとしても、彼らは口を揃えてこう言うだけだ】
【「激戦区に突入してしまい、隊長命令を待てず撤退する他に無かった」】
【――例えウェスカに知られたとて、怪しまれる点も咎められる点もない。至極自然な言い訳≠セった】
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/11(火) 00:23:52.60 ID:MU8OOumHo
>>738
俺に首輪趣味はねぇし、どっちかと言うと眼鏡のほうがいいんだがな...

【また眼鏡の事を言う】
【そんな事を言いつつも学ランを着ているが】


【少女の滑り落とした小型爆弾】

.......ッ!!

【油断した、まだ武器を持っているのかと】

【本能的に横に飛び、爆風で少し飛ばされるが、直撃を免れた】

(くっそ...まだまだ未熟者....修行がたりない...)

【起き上がりながら、爆心地を見る】
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/11(火) 00:32:19.05 ID:OZwTaMP2o
>>741

【爆心地には影も形も残ってはいなかった】
【焦げたかつて少女であった破片と、黒ずんだ道路】

【あまりにもあっけなく手放された命。】
【何を考えてのことだったのか、恐らくは「解放された瞬間使える武器を、最速で使用した」】
【少女にとってはその程度のことで、己の粉々になることを躊躇いなかった】

【静寂の夜が戻る】
【もう、ここには青年を害す敵はいない】
【彼女は誰だったのか、何を考えていたのか】
【『今度』と、不気味な言葉を残した瞬間死んだ少女は――もう、ここにはいなかった】

【この死は、温情をかけた青年の責任ではない】
【少女の思考が致命的に壊れていた。それだけであった】

【何はともあれ、この夜の生存競争の勝者は決まった】
【青年は何を思い、何を得て家路に着くだろうか】
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/11(火) 00:42:47.66 ID:MU8OOumHo
>>742
...は?

【青年は立ち上がり爆心地に近寄る】
【そこにしゃがみ込んで何かの手品かどうかを確認する】

やっぱり...マジか...
【死ぬ理由が分からない】
【青年の頭に少女の言った「今度」という言葉が浮かぶ】

あんだけぶっ飛んだ女だ...気にするだけ無駄....

【そう言ってポケットに手を突っ込んで歩き出す】


【...が、数歩程で立ち止まり、振り返る】

...俺の名前は、神崎無力だ
気が向いたらパシリ兼アンタの騎士とやらになってやらん事も無い
いつでも遊んでやる

【そう、何も無い爆心地に向かって言うと、青年は歩き出した】
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!蒼_res]:2011/10/11(火) 00:44:40.91 ID:qyGOJ6KC0
>>740

<――あ、ああ…>

【その気迫に思わずゾッとした表情を浮かべるも、彼は黙々と包帯を取り出し傷口を塞ぐことに専念する】
【どれほど危険な人物であろうと、ナンバーの所有者でなかろうと、彼は少なくとも自分達よりも機関に対して貢献している】
【地位や名声があろうとなかろうと、彼等は彼等なりに軍人らしい行動を取るのみであった】

<…通信が繋がらず本部とは全く連絡がつかんのだ…妨害装置でも仕掛けられたか…?>
〈…ESTIMABLE…首輪…最初よく動いてたあの部隊か…一体いつから消えたってんだ…?〉

【ウェスカの言葉を耳にし、傷口の処置をしつつも彼等は不明瞭な返答をした】
【実力も虚しい下っ端にとっては、各所での混乱の様子や敵勢の動きを把握するだけで精一杯だったのだろう】

<…そろそろ敵の動きが出る頃か…よし>

【傷口の応急的な処置だけは完了した】
【男は腰を上げ立ち上がると、ライフル銃を片手に戦場の最前線へ引き返そうとしながら後ろを振り返り】

<――それじゃあ、気をつけ      >


【遠方より、ライフルの銃声が響く――】
【それと共に、男の側頭部には一発の弾丸がのめり込んでいた――】

〈狙撃だッ!ヤバい!!〉

【裏返った声を発し、地面に伏せる男】

〈(もう反撃が来たってのか――これ以上は持ちこたえられないぞ!?)〉

【退いてから一分も絶たずに、相手は第二波を仕掛けてきたというのだ】
【この防衛線にも、少しずつ軋みが生まれていく――】
【ウェスカが優先すべきものは前線か、支部か、それとも――己が身か】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!美鳥_res]:2011/10/11(火) 00:54:21.49 ID:qyGOJ6KC0
【同時刻 昼の国支部内】

【着陸した輸送機の内部はというと、腐臭に満ちた不気味極まりないものであった】
【例えるとするならば、腐った無数の肉塊を積み込み廃棄物処理場へと向かうそれである】

【内部では機関の制服を着用した二人の男が、小さな悲鳴を発していた】

「くっっせぇぇーッ…何とかならねぇのかよコレ!?」

我慢しろ、質が悪いのは仕方ない。
質より量だって、今までのマメな努力の成果ってワケだ。

「努力っつーか、お遊び気分の奴等も結構いただろうに…」

仕事してりゃそれでいいんだよ。
そういや実際に拠点進行でこいつ等を使うってのは初めてだったが…。

「そもそもこんなゾンビみてぇなの、どう役立てるってのさ?」

んーそうだな…つまり、人海戦術や囮に使うには最適の“道具”ってことだ。

【そして男の一人は、その人間の集団であろう異臭を放つ無数の集団を指さす】

【死んでいるかのように半開きの状態の目】
【プルプルと常に震え、半開きの状態を維持している唇】
【汚れとシミを纏って色彩は青白く、生命力を感じさせない肌】
【顔面一帯は勿論、全身に痛々しいほどに浮かび上がっている無数の傷跡】
【それら多くの者は痩せ細っており、中には骨が半分浮き出ている者まで確認できる】
【そんな彼等を唯一輝かしく彩っているのが、おおよそ姿に似つかわしくない新品の機関服であった】

よーし、テメェらに早速今後の行動内容を言い渡してやる、耳かっぽじってよーく聞けよ。

【その屍の如き目の持ち主達は、声がかかった方角へ一斉にその首を回した】
【活気は全くない、しかしその動きは主人に対して実に忠実なものであった】

こっから先に見えるだろ?あのでっけぇ建造物が。
まずはそん出来る限り上を目指して進んでいけ。目指すはあの塔の頂上、ガラス張りの空間だ。

【機関服の男は輸送機前方のハッチを開け、その先に佇む管制塔を指差して告げた】
【その様子を見つめる“道具”は虚ろな目でその光景を脳内に書き記さんとばかり、僅かに残る思考力を働かせる】

そんでもって俺が合図したら、合図しただぞ?
その中うろついてる奴等ブッ殺して来い。一人残らず、だ。
奴等から命乞いをされようが隣に立つヤツの血飛沫が飛ぼうが構うな!ただ[ピーーー]ことだけ考えりゃいいっ!
その手に持ってるモン向けて人差し指を曲げりゃあいいんだ。簡単だろ?
そこに辿り着いた奴から順に合図しろ、そうすりゃお前らの望みは全て成就する

もう一度告げる!考える事はただ一つ!殺せッ!奴等に一切の安息を与えるなッ!
第一に殺せ、第二に進め、生き残ることを考えるのは第三…これが鉄則だッ!

よし、分かったヤツから出て行け。

【最後の言葉を発すると同時に、彼等は屍のようにゆらゆらと体を揺らして外へ出る】
【外で待ちうけていた多くの機関医療隊により、病室や検査室へとその体は運ばれていくのだった】

俺達の為にとっとと死んでこい、肉塊共。
生きる価値すら無い屑は、俺達の為に死んで利用価値を発揮すりゃいいんだよ。

【非情な言葉と共に、彼等の最期を見届ける男達】
【支部の危機が、遂に秒読みまで近づいた――】
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/11(火) 00:59:42.34 ID:OZwTaMP2o
>>743

【青年が名乗り、この場を去って数分後】
【人の姿もなく、物音一つ立たない空間に変化が訪れた】
【その変化は実に些細で、だが気づいた者からすると異常な光景であった】

『<Hide and Seek>』

   『私はどこ?』

       『私は誰?』

『追いかけて、目を凝らして――私を見つけてご覧なさい?』

【響く声は、先ほどの少女とは違う生態より放たれる声】
【しかしその台詞は間違いなく彼女のものであった】

【先ほどの爆心地より少し離れた場所――街灯にできた「影」が形を変える】
【長細い柱の形状が水のように蠢き、やがてそれは女の形へとなり】
【影は平面から立体へと。】
【表面に波紋を浮かばせながら、影の形と同じ少女が出現する】

【褐色の肌に銀の髪。布を合わせたような露出度の高いエキゾチックな衣装】
【腰には<71>と数字が刻まれた二本のカットラスを差した小柄な少女は】
【弓の少女が消え去った爆心地と、彼の去った方向へと視線を向けて】

――それじゃ、またね無力ちゃん。今度は私の名前も教えてあげる
だから次は、私をみつけてごらんなさい
そしたらもっともっと、楽しく遊べると思うから……フフ、楽しいなぁこの世界って

【カノッサ機関No.71・フェイ。】
【「Hide and Seek(隠れんぼ)」……『影に寄生する』能力を有するナンバーズの一人は】
【クスクスと楽しげに笑いながら――自分を破った彼の名前を呼び、舌の上で転がした】

/長時間、お疲れ様でしたー
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/11(火) 01:07:11.47 ID:SpbrKBRSO
>>744
【親身な手当てを受け、この混戦の中で精一杯掴んだのだろう情報を受けて】
【荒んでいたウェスカの様子は、傍目にも解る程度にまで落ち着いて来ていた】
【丁寧に仕上げられた包帯をちらりと一瞥する眼光も、少しはマシになったようで】
【立ち上がった男に、非礼の詫びと感謝の言葉を告げようと顔を上げたが――】

――、あ…?

【それは、もう永劫に叶わなかった】
【目前の男が倒れ、仲間の男が慌てて伏せ、そして頬の横を弾丸が掠めた所で】
【やっとウェスカは、己の取るべき行動を察したのだった】

…ッ退くぞ! 退けッ、撤退しろォ――!!

【伏せていた男の首根っこを片手で鷲掴みにして、先ずは二人で弾の届かない建物の裏へ退避する】
【――その間際、包帯を巻いてくれた男の亡骸が視界に入った。…左腕があれば、彼も共に連れて行けただろうにと】
【後先に立たぬ後悔と自責の念に苛まれながらも、ウェスカは男を庇いつつ本部への撤退を始めた】



【彼の到着より僅かに先に、ESTIMABLEは滑走路の燃え盛る機体を目の当たりにしていた】
【流石に暫し茫然としていた様子の彼等だったが、ウェスカが近付いている事を知ると、】
【本部の誰にも悟られていないまま、建造物の影に潜んでこの先の同行を見守る事に徹するのだった】
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/11(火) 01:10:26.48 ID:MU8OOumHo
>>746
/お疲れ様でしたー
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!red_res]:2011/10/11(火) 01:52:08.34 ID:qyGOJ6KC0
>>747

【ウェスカの手によって助けられた男は、一瞬自我を失っていた】
【もしウェスカが手を差し伸べなければ、彼は今頃追撃の餌食となっていたであろう】

〈――助かった、すまん…〉

【機転を利かせたその行動により命拾いした男は、ただただ単調に感謝を意を示す他なかった】
【“自分で歩ける”とウェスカを制し、立ち上がると走り出すだろう】

【これを機に、各所の防衛線も次々と破られていく】
【波が振動を伝えるかのように、機関の前線はズタズタにされていったのだ――】
【一分にも満たなかった彼等の休息は、三十秒後には阿鼻叫喚の風景と化していた】

〔逃がすな!一人も残らず殺してやれ!〕

〈俺のダチを殺りやがって!嬲り殺しにしてやる!〉

[もう、命乞いをしても無駄ですよ…滅しなさい]

【仲間を殺められ、傷つけられた彼等は、憤怒と憎悪を力として猛進的な追撃を開始する】
【逃げ遅れた者はその餌食となり、命を散らしてゆく――】

【しかし今回の敵の動きは、恐ろしく機敏で頭脳的なものがあった】
【序盤で一斉に背中を合わせ同士討ちを防ぐ戦術――あの機敏な動きは、一斉通信系の能力と予想できるかもしれない】
【また、間髪入れずに行なわれた急襲作戦は膠着寸前の戦況を一気に覆す予想外の作戦であった】
【…敵の中に、相当手強い指揮官が存在するというのだろうか――!?】
【――いや、今はそんなことを考えている余裕は一切ないのかもしれない――】

【太陽が照りつける中、ウクレレの響きと共に路地は血で染まっていく】
【敵からすれば勝利の宴、我々からは地獄絵図――どこか楽天的な音楽が、その光景を彩るかのように感じてしまうような――】

【――機関は予告通り、またも屈辱的な敗北≠味わうこととなった――】

/改行オーバーでレス消えちゃって返信遅れました、ちょっと続きます
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!red_res]:2011/10/11(火) 02:02:10.87 ID:qyGOJ6KC0
【同時刻 機関昼の国支部】


【医療室に運ばれた人間≠フ容態に、医者と看護師はただただ驚愕するばかりであった】
【栄養失調寸前の体でありながらも、何らかの強い精神力によりやっと意識を繋ぎとめていたような状態なのだから】

「これ、離して下さい」

‘………’

【また彼等はここに運ばれた当初から、その片手に簡易式の拳銃を強く握り続けていた】
【それを離すよう看護師が諭しても、断固として拒否するのである】

‘…くる’

【突拍子もなく、一人が呟いた】

‘くる…’
‘きたよ’
‘…きた’

【それに呼応するように、一人また一人と呟く】
【看護師が得体の知れない恐怖を感じ始めた時、窓の外に光が上がった――赤い花火である】
【それは爆散することなくひょろひょろと落ちていく――死への合図】





――――ゴミ掃除を始めろ――――




‘‘‘はい’’’

【突如彼等は一斉に拳銃を向け、医師と看護師へそれを乱射し始めた】
【蜂の巣にされた白衣には、赤に染まる】


【――始まった。もう、止められない――】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/11(火) 19:50:21.19 ID:SpbrKBRSO
>>749
【前線の崩壊はそのまま攻勢の逆転へと繋がって、哲学者の言っていた屈辱的な敗北≠フ光景が広がりゆく街中から】
【ただただ目を背け、まだ起死回生の一手を掴めると自らに信じ込ませ。支部へと直駆ける両脚が上げる悲鳴を圧し殺した】

【――だから、こんな展開など。思い描きすらしていない】
【初めに抱いた一抹の不安が、無尽蔵の絶望となって今眼前に広がっているなど…受け入れたくも、無かった】
【燃え盛る戦闘機を追悼する間も惜しんで、指揮官が居るだろう管制塔へ突入したウェスカと丁度擦れ違ったのは】
【白昼夢の中にある碧空へ高らかに終末を告げる、哀しい程に赤く綺麗な一条の花火だった】


【昼の国支部――空港内、管制塔にて】

…な、んだ――? 何が起きてやがる…ッ!?
畜生がッ、誰かいねェのか…なぁ、オイ!!司令官!!居るなら出てきやがれッ!!!

【司令官で無くとも、もし叫ぶ声に応答する者がいれば、こうなるに至った経緯を洗いざらい聞き出そうとし】
【もしそれが司令官であったなら、そして次なる命があるならば、迷わず彼は受けるだろう】
【それら全てが叶わぬのなら――切迫するとある感情が、彼の内で沸々と膨らみ始めていた】
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!red_res]:2011/10/11(火) 20:33:44.07 ID:qyGOJ6KC0
>>751

【ウェスカが支部に入り込んだ瞬間から、機関の支配力を、そして昼の国の主であることを示す軍事力の断片は既に見えないはずだ】
【各所ロビーや空中の渡り廊下に転がるのは、機関服を着用した無数らの人物の死体】
【一部の壁や床は爆弾による攻撃を受けたかのように吹き飛び、】

【死屍累々とした施設内部――ここは、既に機関の支部ではないのか――】

【――管制塔司令室の扉は、無数の銃痕と死体を加えた状態で既に開放されていた】
【その先を覗けば、既に部屋一面が薬莢と真紅の水による惨状と化した光景が浮かび上がる――】
【中には機関服を着用した5、6人程度の老若男女が、キャプテンシートへ銃を向け一定間隔で弾丸を撃ち続けている】
【既に弾丸が切れた者もいるようだが、それでも彼等は得体の知れぬ何かにとり付かれているかのように、ただ人差し指を引くのだ】

――く、来るな――ッ……罠、だ…ッ…

【部屋のキャプテンシートの裏から不意に発せられた声は、決断の優柔さが垣間見える、焦りに満ちた鈍いもの】
【――声の主は誰かを把握するのは、おそらく容易だろう】

こいつ等は――殺した後、自爆する…この室内にも死体が溜まりすぎた…もう、この支部は駄目だ――ッ!

【頭上を飛ぶ弾丸に身を潜め、途切れ途切れに言葉を発していく指令の男】
【彼の任務は支部の指揮――】

……その様子だと、前線もやられたという事、か――
最期の最期まで不甲斐なかった私からの、せめてものマトモな最期の命令だ――

‘…からだのなかが、あつい…’

‘ありがとうございます、ありがとうございます’

ノーナンバー、ウェスカ・クルーガー…………逃げろ…ぉ、ッ――!!

‘お、おっ――’

‘……ふうお、おッ―――’

【彼の最期の命令が伝わるか伝わらぬかの境目で、部屋は一瞬の強い光に包み込まれる】
【次の瞬間には管制室は無数のガラス破片を散ばせ、爆炎が立ち込めることとなるはずだ】
【――指揮官との心中を望まない限り、その場を立ち去ること自体は決して難しいことではないだろう――】

【もし爆発に逃れることを避けたとして、かろうじて用意された逃げ道は二つ】
【上手くジャングルの奥地へと逃げこみ追手を撒くか、何とか空港に残っている数少ない一般飛行機の切符を掴むか――】
【既に怒れる反機関勢は支部目前まで近づいており、生き残った敗走兵と支部員は我先にと飛行機を目指して走っているのが見えるだろう】
【今は誰もが、生き残ろうと足掻いていた――勿論、他人の命に構う暇などなく――】
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/11(火) 20:51:31.59 ID:RhJsdGPfo
【路地裏】

……さて。

【争う音、怒鳴りあう声】
【今日も今日とて騒音と寂寥の耐えぬ暗がりの中、一人の青年が困ったように立っていた】

思わず倒してしまいましたが……。
起こすべきか、このまま連れて行くべきですか。

【金色の髪を端正にカットした、スーツ姿の青年だった】
【美しくスーツを着こなし、ネクタイまでも締めたその立居振る舞いは、暴力とは無縁の様子であるが――】

【――その足元に転がっているのは、正しく負傷して倒れた男性だった】
【明確な外傷は無く、顔色も悪くない。ただ、気持ち良さそうに気絶している】

うーん。

【頭に手をやって悩む仕草も、どこか気取った一枚絵を思わせる】
【この路地裏という空間に馴染まぬ青年】
【路地裏のど真ん中で立ち止まっていることもあって、周囲の風景からは、浮いている】
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/11(火) 21:19:54.89 ID:SpbrKBRSO
>>752
【――逃げろ、】
【最期の上官命令に、ウェスカが身を翻したのと、彼らの爆破はほぼ同時だった】
【だが――辛うじて火の手を逃れた彼は、豪炎に追われつ管制塔に残された脱出口へ駆け抜ける】

【逃げ延びて、何を報告すれば良い――?】
【自分一人が生き延びて、ここまで弱体化しきった機関を転進させられるとでも言うのか――?】
【議会とAOEを言葉のみでいとも容易く瓦解させた自分が、支部長不在の殻支部をひとつ失う為だけにこの身を散らす――?】

【様々な思考が錯綜する彼の表情は、乱れた銀髪に掻き消されて伺い知れず】
【兎も角もたどり着いたのは、恐らく唯一残されたであろう脱出口――他にはもう、火の手が回っているか反機関側が固めているか】
【ここより他に、脱出の手立ては無かったのだが――】


――…ッ、お前、ら…!!

【唯一の脱出口を固めていたのは、前線からいち早く退いて消息を絶っていたESTIMABLE¢壕だった】
【燃え盛る建物の中に茫然と立ち尽くすウェスカにぴたりと狙いを定めた彼等の銃口は、一重にも揺らがずに】
【目前の男の一生に、弾幕にて幕を下ろさんとする――その瞬間】
【建物から吹き上がる黒煙が、俄にその場の視界を遮ったのだった】

【「ッ総員、放て――!!」】

【幾重もの、銃声につられてか――故障しかけていた防火扉が、ずるずると下がり始め】
【愈々以てウェスカの姿は見えなくなったが、この一連の間にあれだけの無情な発砲音の嵐を凌げるとは、誰にも考えられず】
【辺りに立ち込めた黒煙に咳き込みながらも、ESTIMABLEの隊員全てが勝利を確信した】

【――勿論、機関としての勝利ではない】
【ウェスカにその座を追いやられたAOE残党として。彼らは復讐と言う名の無音の勝利を遂げたのだった】

【ウェスカ・クルーガー ――生死不明】
【部隊ESTIMABLE=@部隊長を失うも全隊善戦、隊員達は全員が無事生還――】

/うっひゃー長引きました、申し訳ないっ
/こちらの行動はこの辺り、でしょうか…?
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [!red_res]:2011/10/11(火) 21:28:22.88 ID:qyGOJ6KC0
>>754

【みんな必死だった――既に墓標となることが決定した国内を脱出すべく、生き残るべく、ただ必死だった――】
【味方の劣勢に早くから勘付いた者が搭乗していたのだろう、飛行機のうちの一機が既に飛び立とうとしている】
【それを見た者は手を振り駆け寄ろうとするも、飛行機は他の仲間を待つ間もなく強制的に発進し始めていく――】



[やめろォ!俺が先に乗るッ!お前…は、退けェッ!!]

{助けてくれよ!おい!?早く乗せてくれぇぇぇ!}

〔し、死にたくない…こんな所で死にたくないんだよ!!〕

≪押さないでくれ――お、落ちるっ、よせ―――うわぁぁぁぁ!!≫

【特に支部間近に設置された航空機は修羅の如き競争率で、兵士達はあらゆる手段を用いて乗り込まんとしていく】
【列の先頭に乱れが生じてきたかと思えば、タラップから数人が蹴落とされ地面へ落下していく――】
【敗者に待っていた罰なのか――今、ここでは人間の命でさえ玩具のように転がされる――】

【支部前方から、遂に大衆の大歓声が響き始めた】
【敗走側にしてみれば眼前に迫る恐怖の合図――兵士達はパニックに陥り、タラップに並ぶ人海もうねりを上げた】

【さらに彼等をどん底へ落としたのは、反機関による容赦なき追撃――】
【装甲車等を利用した追撃に狙撃行為、爆破物を使用した航空機の破壊される光景――】
【それらは、生き残った者の目に深く刻まれる――】


【この後の報告によれば、脱出に成功した機体は僅か数機、おおよそ100名の機関軍のみだったという】
【昼の国に陣を据えた機関勢力は、数日のうちにして壊滅したのであった――】

【機関と反機関――両勢力に出た犠牲の数は、少なくない】
【しかし昼の国は――この戦いの末、開放された――】

/これにてイベント終了とさせて頂きます!
/ウェスカの方長引かせてしまい申し訳ありません、お疲れ様でしたー!
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/11(火) 22:01:53.59 ID:SpbrKBRSO
【――管制塔の、後日談】

【死体も生者も見境なく全てその棺に閉じ込めたまま、その管制塔は三日三晩炎上し続けた】
【三日目の豪雨の力を借りて何とか鎮火を成し、突入した者達が目の当たりにしたのは――苦しみのかたちをそのままに、】
【黒塗りの石膏像のような姿で炭化した遺体の群れ。それらが、白昼夢か何かの様に延々と広がっていたのだった】

【――ウェスカの遺体は、見付からなかったが】
【あの場であれだけの弾幕を浴びせたのだ、脱出など不可能に決まっている――という見解を以て】
【部隊ESTIMABLE&將キの戦況報告序でに、さも無念げに読み上げられた弔辞で、彼の死亡宣告は成される事となった】

【ただし、後日談には続きがある。目的を果たしたAOE残党の者達が機関を離れ始めたのだ――】
【その理由は意外にも、精神を酷く病んでの事だと言う。特にその傾向は、あの時に防火扉の近くで銃を構えていた隊員に顕著だった】
【彼等が口を揃えて言うのには――扉の閉まる今際の際に、ウェスカが気違いのように何事かを喚いていたと言う事】
【内容こそ聞き取れはしなかったが、その鬼気迫る表情に思わず攻勢の手を止めてしまう者も出ており】
【一番近くでその叫喚を聴いたと思われる若手隊員は、戦の褒賞を受けもせずに行方を眩ましたという】

【――着実なる崩壊への序曲は、既に佳境に入っている】
【栄華を極めたあの機関が、一歩一歩と近付く終末に脅かされ痩せ衰えて潰えてゆく様には】
【号泣する雨音が掻き鳴らす葬送曲が、一等良く似合っていた】


【―――ざざ、】

【ざぁ――】

【――ぱ、しゃン】


【何処かの海岸、揺らぐ銀髪と暗赤色の瞳を彷徨わせ、総ての記憶を手放して波打ち際に佇む青年の首に】
【紋章の外れた赤い首輪が、皮膚の肉に癒着するまでに焼き付いていた――】

/蛇足ながら、こちらのレスを投下するのをお許し下さい
/改めまして、二日間ありがとうございましたー!!
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/11(火) 23:09:56.47 ID:MU8OOumHo
【路地裏】
【非合法と暴力の支配する世界】

【その場に倒れる数人の男達】
【そこに佇む一人の青年がいた】

リョーカと昨日の弓矢女ときて....俺には女運が無いのかね...

【灰色の長めの髪を後ろで結んだ髪型】
【着ている学ランは妙にボロボロでボタンを全て開けている】

【ため息をしながらポキポキと首を鳴らす青年】

どうも仕事に気合入らないな.....ハァ
【テンションを下げながらポケットに手を突っ込んで大通りを目指す】

俺のこの欠落した知識の埋め合わせの為に
沢山の人と出会っとけと言われたが...

出会いが欲しい....

【ゆっくりとした歩調で歩く彼からは、負のオーラが溢れていた】
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/12(水) 18:51:50.76 ID:/28FBvGso
【路地裏】
【改めて言うまでもないが、死と暴力が蔓延する社会の隙間である】
【能力者という存在のせいか、常識では考えられない異常な光景も目の当たりに出来たりするのだが】
【とある内陸ではこれまた常人の与り知らぬ光景が見られた】

【不良が数名死んでいる。これは別に不思議でもない、良くある光景だ】
【入り組んだ路地の奥地、スラムにも近くよく屯ってる姿を目撃する。こちらも一般人と呼んで障りない】

【何が異常かと問われ、一つずつ列挙するならば】
【まず全員水浸しであり、悉く溺死である点】
【苦悶に満ちた表情で身動きをとめつつ、雨が降ったわけでもないのに一様にびしょ濡れ】
【打撲痕や切り傷擦り傷も細かく浮いてはいたが、どれも軽度で急所をはずしており、検死すれば肺に溜まった水分を検出できるだろう】
【ある意味普通に刺殺撲殺されるより、精神衛生上よろしくない光景】

【次に、路地裏も水浸しである点】
【繰り返すが雨が降ったわけでもなく、近くに海があるわけでも川があるわけでもないし、水道管の損傷も報告されていない】
【にもかかわらず壁面が塗れ、湿った地面には水が溜まり、時折ぽたぽたと雫の演奏会が続く】
【多分に潮の香りを漂わせながら、だ】

【そしてとどめに、というか、なんというか】
【ポリバケツが二つ、ドザエモンに囲まれるように鎮座していて】
【密閉されたそれが音を立て、うごめいていた】

【ごとごと、ごとごと。中に何か生物がいて封じられているかのように】
【バケツが立てる物音と雫に混じり、奇妙なスパイスが混じるのを耳にするだろうか】
【発生源である二つのどちらかに近づくほどに大きくなる、笑い声】

【くすくす、クスクス……、季節はずれの怪談めいた、怪奇現象といえようか】
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/12(水) 21:10:30.20 ID:jyddLIJk0
【公園】

良かった…………本当に、良かった…………!
「で、でも……素直には、喜べないよ…………こんな事に、なっちゃって…………」

【薄手のトレーナーの上に赤いジャケットを羽織った、左目を縦に走る傷跡が目立つ、背中に掛かる程度の青い髪で】
【右腕に、鈍い金属光沢を放つ、先端に水色と橙色をした球体と、剣の様な物が埋め込まれた、何かの射出口らしきものも備えられている、物々しい義手を装着した少女と】
【黒のボディースーツを着込み、目元をバイザーで覆っている、蒼黒色のショートカットをした、額にοの文字が刻まれた小学生ほどの少女が】
【ベンチに座り、互いの顔を見つめながら会話に興じている】

「お兄ちゃんが、あんな事になっちゃって…………お姉ちゃんが生きてたのは、嬉しいけど…………」
――――あたしは、あなたを取り戻せただけで…………生きてるのがやっとだったから、とても嬉しいのよ…………
≪姉貴…………でも、ファルガは≫
そこは…………仕方なかったって、思いたいわ…………

【傍らには、青い炎を纏った、やけにデフォルメされた髑髏が浮かんでいる】
【が、その姿や声は、魔力持ちなどでなければ感知する事は出来ないはずだ】
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/12(水) 22:04:37.31 ID:W/g9gbM3o
最下層のブッチャーってガー不持ってんのかよ…
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/12(水) 22:05:19.08 ID:W/g9gbM3o
あ、誤爆すんませんorz
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 19:55:17.55 ID:DZLwGaxuo
【草原】
【ぽつぽつと木が立ち並ぶ以外、見晴らしのいい原っぱ】
【雲とやや強めの風が吹くのを除けば、なんとも良好なロケーション】

ふっ、つぁっ!!

【ただ、時々樹木が揺れるのは風のせいでも地震のせいでもなく】
【幹に蹴りを放ち、ちょこちょこ葉摺れの音を立てている人物がいるためだ】
【彼女は学生服のスカートを翻し、毛皮の下に程よく鍛えられた脚を、あまり使い慣れない風に振るっていて】

バカっ、バカバカっ、バカっっ!!

【威力は小さいが鞭のようにしなやかで動きが早く、持ち主の八つ当たりに体よく利用され軽く悲鳴を上げていたが】
【青い猫耳と尻尾にて不機嫌を表現しつつ、ボサボサの黒から途中でグラデーションを掛けたようなブループラチナに変わる髪を揺らし】
【りんご色のリボンで作ったポニーテールが尾を引きながら、不機嫌に据わった緑の双眸を仇に向けるごとく細めて】

【幾度となく叩きつけられた足首と甲は軽く血が滲み、土踏まずにベルトで固定されたニーソの脛も少し荒れている】

……でも、一番バカなのは、きっと……、

【ダメ押し、折れて千切れよと加速し叩きつけられる寸前、蹴り進む足が硬直し寸止めされて】
【青い猫少女はしゅんとうなだれ、脚を下ろしながら地面にへたり込んだ】
【乙女座りの脚の間に手をついて、力なくたれた耳と尻尾】
【そして何より今にも泣き出しそうな顔が、その心細さをありありと物語っていた】

【この季節、風は少しつめたい】
【毛皮が暖かそうでも、それだけじゃ凌げるかわからないほどに】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/13(木) 20:08:20.47 ID:a9HwpSup0
>>762

――――そうか…………ともあれ、君が無事と言うだけで良かった…………奴も、喜んだろう……
「……ごめんなさい。私一人のせいで、色んな人に迷惑を掛けてしまったみたいで…………」
それは、君が気にする事ではない…………迷惑だと思うのなら、誰もここまではやらなかったろうからな

【フード付きのマントと半ズボンを着た、顔に大きな傷があり尻尾の先が二つに分かれた、猫人間という表現がしっくりくる眼つきの鋭い二足歩行の猫と】
【黒のボディースーツを着込み、目元をバイザーで覆っている、蒼黒色のショートカットをした、額にοの文字が刻まれた小学生ほどの少女が】
【散歩程度と思われる歩調でゆっくりと歩きながら、会話を交わしている】

「でも…………お姉ちゃんがあんなになっちゃって、お兄ちゃんも…………お父様、も…………」
…………君がこれからどう生きていくのか。それは君が決める事だ。俺には何も言えん…………
君なら、自分の力でそれを見つけられると、俺やレイドは思っているのだがな…………――――――――ん?
「…………?」

【会話は、徐々に立ち木のそばにいる猫へと近づいてきて】
【その時、猫人間の方は耳をピクリとさせて、周囲を見回し始める】
【その声には、恐らく聞き覚えがあるだろう】
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 20:20:52.31 ID:DZLwGaxuo
>>763
【繰り返される罵倒の言葉は、風に埋没してゆく】
【既に散々繰り返した後だというように、落ち込む姿は憔悴が沁みていて】
【けれど気配を感じて周囲を探り、立ち上がって見渡すと、覚えのある匂いと声、そして姿】
【振り返って見つけたのは、知らない概念をその姿に見た人で】

お、……じゃ、なかった、アーディンさんっっ!!

【ぱぁと顔色が晴れて立ち上がり、接近を試みる】
【それまでの落胆が嘘のように、近しく想いながらもあえずにいた人との邂逅に頬を緩め綻ばせ】
【でも散々ぶつけた足のため軽くよろめき、何とか姿勢を保つことには成功したものの、ひょこひょことした足取りになり】

お、お久しぶりっ!!こんなところであえるなんて思ってなか、っ、た……?

【普段よりも一般人よりもテンポの悪い接近の途中、隣の少女が目に留まる】
【見知らぬ人物、なのだが、かすかに見覚えがあって。数メートル分接近したところで立ち止まって首を傾げる】
【ややあって、痛む足を浮かせた片足立ちの姿勢でぽんと手を叩き】

あのっ!……あの、背中の!使い魔さんの背中にいた子?!
なんで一緒にいるの?…え、あれ、離れられたの?

【予期せぬ人物の同道に目を丸め、困惑するような猫少女】
【こちらも服装が変わっていて、以前のインナーとカットジーンズではなく、学生服のような白い半袖シャツとりんご色のリボンタイ、プリーツスカート】
【それから元気に振舞ってはいるが、ちょっと影や疲れが目元に浮かんでいる】
【あわない間に何か、面倒を背負い込んでいると看破されそうな姿】

【その面倒は強風に乗ってやってくる。魔力検知技能にもよるだろうが、風速が少々強まった際、ほのかに大気中の魔力濃度が濃くなる】
【何かが来る、そんな予兆に似ていた】
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/13(木) 20:30:59.56 ID:a9HwpSup0
>>764

む……この声、ローズか!?
どうしたんだ…………何故こんな所に……?

【現われた姿と、喜色に満ちた声。それで猫人間――――アーディンは相手がブルーローズである事を知る】
【場所が場所なら、足を痛めている姿も奇妙なもので、喜びよりも驚きが先行している】

あ、あぁ…………俺も、意外だったよ、ローズ…………なにせ、久しぶりに外へと出たのだからな…………

【そう答えるアーディンの姿は、特段いつもと変わる事はない】
【しかし、実際には足を負傷し、しばらくの間入院していたのである。そうした素振りは、傍目には感じ取れないだろうが――――】

「あ、あの!
あなたは…………もしかして、あの時の私と、会った事が…………?」

【側に控えていたボディスーツの少女は、目元のバイザーを外しながら、静かに問いかける】
【恐らく、この少女にはブルーローズの記憶が無いのだろう。状況を考えれば、むべなるかなと言ったところだが――――】

――――――――ッ、待て…………何か、来る…………!
「ッ…………あ、あの、失礼します!!」

【――――風に運ばれてやってくる魔力は、アーディンの感知する所になった】
【咄嗟に、拳を引いて身をやや前かがみにして、アーディンは未知の存在への警戒を露わにする】
【その様子を受けて、少女は口で非礼を詫びながら、さっとブルーローズへと手を伸ばし、その小さな手でブルーローズの左手首を掴もうとしている】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 20:49:48.29 ID:DZLwGaxuo
>>765
へへ、……ちょっと、むしゃくしゃして…かな……。
ボクもおんなじ。ちょっと部屋に篭ってたし、リハビリもかねて、さ。

【憂さ晴らしなどと、らしくない言い訳。輝くような笑顔もかすみ落ちて、精神的疲労を表してしまう】
【おまけに能動が売りの猫少女らしからぬ言い草は、原因がよほどのものであったと告げていて】
【それで体術修行にかまけて自分を苛めていたらしいが、こうなってしまっては形無しである】
【かつて誰かに警告されたオーバーワークを、最悪の形で具現してしまうという失態】

この前、暴蜂の襲撃のときにあったよ。先週はちょっと動ける状態じゃなかったから、その前の時かな。
あの時は失敗したけど、目が覚めたんなら、よかった!

【遭遇時酷い姿だった彼女が、自分の足で立ち言葉を交わし、バイザーの下瞼を開いてこちらを見ている】
【自分も疲労しているというのに、ようやく言葉を交わせたことに安堵して、ほにゃと心から笑った】
【他人のためならこうして笑えるのが性分だが、それが相変わらずであったのは不幸中の幸いか】

【けれど両者が警告した存在を、特に鋭敏なはずのローズが検知できなかったのはどういうわけか】
【ブランクで済ませるには奇妙で、まるで言われるまで気付かなかったと言いたげに首を傾げ】

え、なに、わっ!?

【左手を掴まれると同時、暴風が台風のごとく打ちつけ三者を流そうとする】
【特に脚を片方やっているローズは、左手に沿って少女に倒れこもうとするだろう】
【程なくして風がやみ、その発信源を見やったのであれば、】


「………、蒼、では、ない………?」


【一人の男が立っている。端的に言うなら緑の男だ】
【薄緑のコート、ダークグリーンのセミロングヘアをうなじの辺りで束ねている】
【猛禽のように鋭い目はうっすら赤く、緑尽くめの中ではアクセントとなる】
【薄手のマフラーを巻いて涼しい無表情、冷え始めたとはいえ、そこまでの防寒は過剰であろうに】
【たどたどしくふらつくブルーローズを見つめると、首を傾げて】

だ、誰!?
「……、なんだ、貴様。蒼と似ている…だが、………。」

【困惑を告げる猫少女から視線を動かし、今度はアーディンと少女に鮮紅の視線を向け、獲物を見定めたように細める】
【突如口調が明朗になり、威圧感を含む風を周囲に纏う】
【その背後、景色を歪曲する全長二メートル弱、幅が三メートルほどの透明な影が羽ばたくような動きを見せて】

「この世界の人類か。問おう……貴様らは星の敵か?」

【朗々、高所から見下ろすかのごとく冷徹な質問】
【ゆっくりと光学迷彩が剥ぎ取られ、影の正体=金属の装甲を露にしながら】
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/13(木) 21:03:21.78 ID:a9HwpSup0
>>766

…………そうか。なるほどな…………

【何かを抱えて生きている事は、初めて会った時からなんとなく感じられていた】
【ならば、尋常な心の動きだけでは解決できない『淀み』の様なものを、時として抱える事もあるのだろう】
【おぼろげながらもそれを察したアーディンは、それ以上詳しく言及する事を避けた】

「…………す、すいません…………ファルガが、迷惑をかけちゃったみたいで…………
――――本当なら、あの子に直接謝らせたかったけど…………」

【つまりは、眼前の少女は間違いなく、かつての自分と一戦交えた経験があるという事で、バイザーをはめ直しながら、ぐっと頭を下げる】
【――――クローン体と同じ姿をしているというのに、本人か否かと言うだけで、受ける印象はだいぶ異なったものになるだろう】

――――――――チッ、お前たち伏せろ!!
「わっ…………っとと!!――――――――『アタラクシア』!!」

【突如、勢いを増す暴風】
【アーディンは、腰を溜めて踏ん張る事で風に逆らい、姿勢を維持したが、少女の方はそうもいかずに、ブルーローズに巻き込まれて倒れてしまう】
【しかし、少女もただでは終わらず、その手にグリーンの光を帯びた魔力を収束させ、握っているブルーローズの左手首から、身体に伝える】
【効力を発揮すれば、ブルーローズの中から、焦りや落ち込みなどの負の感情が、緩和されていくはずだ】



……………………!!
「ひっ…………お、お姉ちゃん…………!!」

【現われた人物の視線を浴びせられ、反撃とばかりに殺意を露わにするアーディンと】
【その視線に射すくめられ、ぎゅっと萎縮したように身をしぼめて、姉に助けを求める様な声を漏らす少女】
【しかし、それでも少女には、及び腰になる様な『逃げ』の姿勢を見出す事は無かった】

――――――――質問の、意図が不明瞭だ…………
『星の敵』とは、どういう分別、定義を以って『星の敵』とするのか…………それを教えてもらおう…………ッ!!

【――――両手の甲から、ナイフの様に鋭い3本の爪を剥き出しにしながら、アーディンは低くも良く通る声で、現われた男に問い返す】
【下手な返答をすれば、間違いなく戦闘になる。それをアーディンは、即座に理解した】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/13(木) 21:05:10.15 ID:YZ3Pb5k7o
【森の中】

謀を企むには絶好の場所、ではあるのだがな……。

【それは異様な光景だった】
【沢を近くに望む、視界の開けた森の一角を、大量の――ナニカが占領していた】
【それらは、大小それぞれ、形も様々の、大量の金属片だった】
【ゴミの山の様に、うずたかく積まれたそれらを眺めて、一人の男性が溜息を吐く】

いつまでもこのままでは、メンテナンスの施しようもない。

【グレーの作業着を身に着けた、三十代も半ばと思しき男性だ】
【無精髭の伸びた顎を神経質そうに撫でながら、ジャンクの山を見て懸念の表情を浮かべている】

それに……いつまでも隠して置けるはずもないだろうな。
代表殿には早く仕事をしてもらいたいものだが……。

【大自然の只中にある、明らかな人工の堆積物は、否応無く、人の目を引くのだろう】
【また一つ溜息をついて、男性はしかし何をするでもなく、ジャンクの山へと視線を注いでいる】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 21:14:43.16 ID:DZLwGaxuo
>>767
わ、…これ、君が……あ、ありがと…

【緑の光に、ローズの不安は確かに軽減されていく】
【自分も自然治癒魔術を他者にかけたことはあるが、こんな感じだったのかなと思いながら微笑、礼を述べた】
【あえて、他の全てを置いて礼を、である】
【少女の様子に言い知れぬ不安を覚えたのも事実だが、今はそれよりもと、緑の男に気を集中させる】


【姿を現したのは金属製の怪鳥】
【表面は光沢を押さえた白銀で薄く緑を帯びていて、柔軟にはためく翼の内部構造は無数のケーブル】
【側端に合わせて銃口のような穴がいくつか開いていて、おそらく武装の類であろうと推察できる。口径は小さい】
【翼の後方=下部のスラスターでホバリングしながら見せ付ける腹部には、ブレード状の捕翼が二つ、脚代わりに装備されている】

【一見して高度な技術で構成された機体ではあるが、その動力は強い魔力】
【存在するだけで風として具現するほどの、強靭な魔力】
【発信源は胸部と、猛禽をトレースしたような額の赤い菱形宝石】

【緑の男と同様にして、少々解析が出来るなら繋がっていると、理解できるだろうか】

【男は鷹揚に頷き】

「65億、70億、75億。人類は増えすぎている。」
「重力の鎖を脱し、異界の門を開き、星が定めた摂理をことごとく超えうる生命体が、犇いている。」
「……、無為に生きるもの。無為に好奇心の命ずるまま星を侵しみだりに触れ、意味もなく命を食いつぶすモノ。」
「それが『我ら』の敵。生きる価値のない人間。」

【捕翼が上部に開き、中から何かが飛び出した】
【回転しながら弧を描き、男の双方に突き刺さったのは―――――紙のように薄い、羽を模した長剣】

「使命は間引き、星の掃除。人の重さに耐えかねた星の代行者、抗体。」
「重ねて問う。……貴様らは、敵か?」

【突き刺さる剣を引き抜くと、うっすらと風を纏い自然に構える】
【次答えねば問答無用と強い響きを混ぜて、後方の鳥がばさりと羽ばたいた】
【渦を巻くように、風が一騎と一人の周囲へと集う】

……、具現、幻想(マーブルリアリティ)……。

【その様子を見ていたローズが、何かを呆と零した】
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/13(木) 21:31:04.26 ID:a9HwpSup0
>>769

「いえ、いいんです。今の私には、これくらいしか出来ないから…………!」

【少女の中にも不安はあるのだろう。現在起こっている事態は、危険を孕んでいるかもしれない、何もかもが不明な事態だ】
【事実、少女の身体は微かに震えている。そっと手を離した左手に、直前までその感覚は残るだろう】



…………貴様は一体何の事を言っている?
――――『重力の鎖を脱し』と言ったな…………そして『この世界の人類』とも…………
貴様は、この世界の人間ではないというのか? …………この大地ならぬ寄る辺を、得る事が出来るとでも!?

【――――現われた存在の語る概念は、アーディンの理解を超えていた。恐らく、ブルーローズのそばで聞いている少女にも、同様の事が言えるだろう】
【男の語る言葉は、彼らの感覚では、到底理解しがたいものだった】
【眼前に現われた鉄の鳥に対してもなお、アーディンはその身を引き絞る】

――――知らぬな。俺が『星』に対して何を報い、何を報われるかなど…………それを『大いなる意志』と言うのであれば、それこそ俺の知る所ではない…………
――――――――ましてや『余所者』に過ぎぬ貴様に、どういう言われる謂われは無い…………!

【徐々に、その目に怒りを含めながら、アーディンは毅然と言葉を返す】
【てらいなく言ってしまえば、眼前の男のやっている事は、武力を笠に着ての脅迫である。その行いは、アーディンの腹に据えかねる物があった】
【ましてや、世界の条理すら異なる人間が、自分たちのルールで他の世界を裁こうなどと、傲慢もいい所だとアーディンは感じる】
【故に、彼等を『余所者』と突っぱねて、明確な敵意を露わにしたのである】

「…………お、お姉さん…………なんか分からないけど…………危険です。逃げましょう…………!」

【ブルーローズのそばにいる少女は、男に気取られぬように小声で、ブルーローズに撤退を促す】
【少女には、何が起こっているかの、その一遍ですら理解できているか怪しい。だが、彼女の経験と常識に照らし合わせて、ただ危険が迫っている事だけはなんとなく理解し】
【だからこそ、ブルーローズに向けて『共に逃げよう』と言うメッセージを発したのだ】

/すいません、次ちょっと遅れます
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/13(木) 21:40:31.63 ID:fTIP/tf2o
>>768

(自然の中、大量の金属反応……)
(側にいるのはよからぬ事を考える人間かはてさて)

【興味本位なのだろう、その場に近づく人間がいた】

【夜の闇に紛れるような紫紺のローブに身を包んだ女性は】
【その顔をフードで隠し、伺えるのは口元だけ】

よからぬ事を考えているのは実は私かもしれないけど……まあ戯言。

【ローブの間から伸びた右手の上には古ぼけたコンパス】
【厳密にはコンパスではなく、一種の探知機】
【その矢印は金属片の方向を差しており、彼女はその指示に従いここに現れたのかもしれない】

こんばんは、このような所で一体何をしているのかしら?

【僅かに見える口元を少しだけ吊り上げ彼に話しかけるだろう】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/13(木) 21:49:43.56 ID:YZ3Pb5k7o
>>771

ふむ……。

【森の中――それも夜が更けた後】
【唐突に声を掛けられて、平常で居られるというのも奇妙な話だが】

……。

【男性は、女性の問いかけに対して、何か過敏な反応を示すわけでもなく、そちらへと向き直った】
【挨拶を返すでもなく、ローブで身を包んだ女性を上から下へと、値踏みするように観察した後】

荷物番と言ったところだ。
……そちらこそ、何か用か?

【さらりと問いかけに答えを返し、間髪居れずに同じ問いを返す】
【表面上には感情の揺らぎは見えないが――その視線や気配から、警戒していることは女性にも伝わるだろう】
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 21:51:09.77 ID:DZLwGaxuo
>>770
「……、この世界は、そこまで技術が達していないか。」

【異界のものかとの問いに、肯定。細められた瞳は薄く笑んだようにも見えた】
【安堵であろう、かつて見てきた地獄から少しは遠いと知り、微かながら安堵を浮かべた】
【それまで人間離れした言動を繰り返し、人の上位種として存在を誇示していたような男が、ふと見せた『らしさ』】
【けれどすぐさまそれを消すと、再び無表情に変じ】

「然し、魔種の存在は否定できないはずだ。我は見た、世界を。」
「潤沢な魔力を持つ世界だ、一箇所に貯蔵している存在、我が鷹の目は欺けない。」
「あんなものがある世界だ……人は間違いなく間違える。その前に数を減らし、疲弊させれば、…間違える暇などない。」
「余所者にしか…空からしか見えぬ景色があるのだ、地を這う猫よ。」

【独善に違いあるまい、背筋を伸ばし胸を張る姿は立派ではあったのだが、主張の視点が偏っている】
【余所者であることを開き直り、余所者だからと権利を振りかざす傲慢】
【或いは、風。誇示する能力と性質を同じくしたモノ】

【―――――宝玉の存在をちらとほのめかしていることも、忘れてはなるまい】
【非常に危険視=注目していことも】

……逃げられると、思う?

【少女の問いかけに、猫は首を振る。奴の背後の鳥を指して】
【航空戦力と徒歩三名、自分は足を痛めている状況、それは厳しいだろう】
【転移も可能ではあるが、先ほどの光に冷静さを与えられたとはいえ精度に自信がない】
【不具合があって二人を危機に晒すことはできないと、しゃがみこみ患部に手を当てる】
【治癒促進の魔術】

ボクも参加する、時間を稼ぐか撃退するしかないよ。
……確か、どっちか片方仕留めればいいはず。相手は風、良くも悪くも重さがないから……凌げるはず。

【自動治癒は急いても効果がブーストされるわけではないが、それでも気を込めて】
【久方ぶりの実践が、何故か知識を持つ相手。この上一人でないからと胸を張り、先ほどまでのか弱さを捨てて頷き】

人の形をしたものが、人に御せないはずがない。…鳥に構わないで、射撃精度が低いからやりやすいと思う。

【応急処置を施して立ち上がると、一応両足の痛みは消えて】
【おそらく補助がせいぜいだろうが、参加できるだけマシかと笑み、対峙する】

 ウィザードブルー
「蒼の魔法使い……その同位体。」
「敵性と認識。これより掃討を開始する。」

「我は星の使徒、風の座―――――具現幻想フレス。」
「これより、汝らに選択を命ず。示せ、生の価値を―――――っ!!!」

【フレスの名乗りに乗じ、怪鳥が鬨の声を上げる】
【来るがいいと、傲然の立ち姿のまま、開幕の鐘がなる】

/了解しました、ごゆるりとー
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/13(木) 22:02:38.89 ID:fTIP/tf2o
>>772

あらそう、なんとも大層な荷物ね……
一体何に使うのかしら、なんて思ったり。

【「フフ」と微笑みを漏らす】
【それは余裕の現れか或いは自身の事などどうでもいいという現れか】

いえいえ私は探しモノを、していたのだけど――――
どうやらアナタが見張っているそれと間違えてしまったみたい。
(しかし、おかしい……失せ物探しの為に作られたコレが間違いを犯す……?)

【女性はそう答えながら手元のコンパスに視線を落とす】
【罅割れた紺色のガラスの外装に真鍮製の円盤が貼りつけられ】
【中央に菱形矢印が嵌められているという代物……】

大きな質量のモノを取り違えたのかしら、残念……。

【矢印は未だ金属を指し、微動だにしなかった】
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/13(木) 22:13:11.59 ID:a9HwpSup0
>>773

――――話にならぬな、世を異にする男よ
何を『支配者』ぶっている…………何を『管理人』ぶっている…………
貴様の行おうとしている事は『導き』ではない。ただの『侵略』……そして『暴虐』だ…………!

【吐き捨てるような、アーディンの冷え切った言葉が周囲に響く】
【男の言葉を斟酌すれば、そしてその解釈が間違っていないのならば、彼が行おうとしている事は『淘汰』】
【――――異界の人間に、どうしてそんな事をする道理があるのか。その大義がどこにあると言うのか】

貴様の行いは、ただこの世界を害する事にしかならんぞ…………ッ!!
貴様の行いには、恩恵を被る存在は一つもない…………『一人』どころか『一つ』もな…………!!
『異物』の分際で…………この世界に干渉する事など、許されると思うな――――ッ!!

【異世界の存在が、他の世界へと干渉するという事は、それは即ちその世界にとってみれば『異物』と言う事になるだろう】
【――――営みを持つ存在は、なんであれ『異物』を排除しようとする。人の身体にも免疫があり、国家には法律と公安がある】
【ましてや、世界に対して『異物』の干渉などを行おうとすれば、反発は畢竟であると、アーディンは吼える】

「…………わ、分かりました…………
なら…………私も、手伝います。まだ、この身体には慣れてないけど…………後ろから手伝う事ぐらいは、出来るはずだから……!」

【ブルーローズの言葉に、怖々頷く少女】
【恐らくは、普段からして戦いとは無縁の存在なのだろう。場の空気に飲み込まれてしまいそうな程に、その言葉は頼りなく】

「…………っ、『アナスタシス』……!」

【それでも、なお少女は自分を励まし、戦場に立たんとする】
【自らの両手にオレンジ色の光を集わせ、その手で自分の頬を包む。やがて、その目には沸々と『勇気』が湧き出て】

――――アーディン=プラゴール…………『仕置きの猫叉』として、貴様を仕置く…………覚悟するのだな!!
「リイロ……っ、――――――――リイロ・グランドクロス…………行きます…………!」

【男――――フレスの名乗りに応じる様に、自らも名乗りを上げるアーディンと少女――――リイロ】
【リイロは、何かを言い掛けた様に、一度その言葉をぐっと飲み込んだ】

リイロ、お前は射撃と回避に専念しろ!! 直接戦闘は俺が引き受ける!!
「わ、分かりました!」

【アーディンは、リイロへと指示を飛ばしながら、その身の魔力を高め、1体の分身を作り出す】
【全身から七色の光を放つ、完全にアーディンと同じシルエットを持った分身――――】
【そしてアーディンの言葉を受けて、リイロは背中にマイクロミサイルの発射口を展開する】
【多少まごついたのは、やはり慣れていないというのが大きいのだろう】

「4、3…………ッ、行けッ!!」

【照準を定めたらしいリイロは、背中から7発のマイクロミサイルを発射する】
【4発はフレスへ、3発は鉄の怪鳥へと――――――――戦闘開始に、これ以上ない明確な『合図』となるだろう】

/ただ今もどりましたー
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/13(木) 22:15:15.82 ID:YZ3Pb5k7o
>>774

……用途など、教える義理も義務もあるまいよ。

【女性の態度に、しかし男性の視線は小揺るぎもしないが】
【同様に、ローブに隠れた女性の視線の先はいずことも知れぬ】
【――男性は無意識のうちに腕を組んで、言葉を続ける】

それにしても……随分と奇矯なモノを探していると見える。
間違えたと言うが、生半可の物ならば……。

【台詞の途中で、顎で金属の山を示す】

……コレ≠ニ間違えるなどということはありえないだろう?

【どうやら、女性の言葉を信用できなかったのか】
【女性の目的を図りかねてか、無表情のままに、追及の手を緩めようとはしない】

発信機が故障でもしたかね?
……まぁ、最初からそんなものは無いと言うなら、合点のいく話ではある。

【女性が手にしている、ヒビの入ったコンパスに目をやって、そんな事を口にする】
【口調に抑揚が無いがため、ともすれば友好的にも見えるかもしれないが――】

【男性は、露骨に女性への疑念を口にしているのだった】
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 22:29:09.92 ID:DZLwGaxuo
>>775
「……、ああ、貴様は紛う事なき『敵』だ。」

【この男は人形のような面をして、目だけで笑む】
【ただ細めるだけの仕草に万感を込め、怒るように笑む『風』】
【彼が切った啖呵を真っ向から拒絶するように、マフラーに口元を隠すように俯き、顔を上げた】
【正面には、リイロのミサイルに追従するブルーローズの姿】

ブルーローズっ、魔法使い……見習いっっっっ!!!

【速度はやはり本調子ではないらしく、ミサイルに距離を離される】
【本来なら並ぶことなどわけもないのだが、これが限界かと歯噛みした次の瞬間、】
【羽ばたき続けていた怪鳥がスラスターを停止させた】
【間接を絞るように筋組織に似たケーブルを縮め装甲同士を接合すると、束ねられた噴射炎が爆風を散す】

【勿論ただふかし燃料を消費しただけではない、上方への移動のための行為だ】
【ラインの直結により熱量を推進へと回す巡航形態、鳥ではなく飛行機のようなフォルムを描くと真上へと飛び去る】
【先ほどの爆風に押し出され一つは落ち、一つは移動する鳥を捕らえきれず後方へ流れたが、残り二つは追従を続けるだろう】
【ミサイルと怪鳥の追いかけっこの始まりであるが、途中縮めた羽を広げ柔軟な動きを可能にすると】
【上昇途中くるりと身を翻し地面から見て斜め四十五度の急角度への方向転換。ミサイルがこれについてこられるだろうか】

【フレスはそれに動じないが、バランスの維持に苦戦していたローズが身じろぎ、ミサイルの一つが軌道を逸らした】
【そのまま羽剣を振るいつつ一歩を踏み込み、肩口すれすれのミサイルをスルー、一つを切り落とし爆風を身に浴びる】
【更におろした右手と挟み込むように左手を上げ、回転運動の遠心力を足してローズに切りかかる】
【とっさに出した六爪を、不安定な姿勢ながら腰の勢いで押し出し相殺してしまう】

【これを観察していたなら、ある事実が浮かび上がる】
【つまりフレスの剣は、不安定な姿勢からでも十分相殺できるほど軽いのだ、と】
【なるほど、風である。ただしその軽さは長所にも転じ、はじかれた体勢から既に正面へと向き直りつつある】
【爆風が皮膚を焦がした以外は無傷、まだまだといったところ】

「星の意思…自然、『風』の猛威を忘れた愚か者め……っ!!」

/お帰りなさいましー
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/13(木) 22:39:18.57 ID:fTIP/tf2o
>>776

お固い人、まあ初対面に馴れ馴れしくする人種よりはいいけれど……。

【他方、女性は彼の動向など知らぬとばかりに手元の探知機をじっと見ていた】

機嫌が悪いのかしら、もっともそんな人間的な道具じゃないけど
古い物だしそろそろ耐用限界……?

【コンパス(仮)を上下に軽く振り】
【そしてまた水平に戻す、矢印は変わらず金属の山の方向へ】

いやいや流石の私でも下らない嘘をつかないわよ
それに触らぬ神になんとやら……とも言うし、って大分突っついている感じはあるけども。

【「ふう」という溜息】
【その後ついに諦めたのかコンパスを袖の中へ仕舞った】

ま、少なくともその金属達と私は縁がなさそうだし。
そんな疑わずとも何かするつもりはないわ、何かされるつもりもないけれど。

【淡々とした口調のまま】
【しかし些か興味があるのか視線は金属の山へと向けられていた】
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/13(木) 22:45:09.85 ID:a9HwpSup0
>>777

…………ッ

【フレスの敵対宣言は、別に驚く所でもない。この世界ならざる正義が、自分たちに対してどのような立場を取るかなど、考えるまでもないからである】

「は…………速いッ!?」

【リイロの眼には正しく捉えきれない高速の追撃と回避が展開される】
【上空へと逃れた鳥の急旋回。残った2発のミサイルも、鳥程の旋回は叶わず、大きく弧を描きながら鳥を追う】
【しかし、その分だけ間隔は空いており、更に引き離して範囲の外へと逃げたり、迎撃を行うなど、対応はいくらでも取れよう】

「(た、多分…………ただ撃つだけじゃ、ダメなんだ…………でも、どうしたら!?)」

【ミサイルのいなされようを見て、リイロは必死に考えを巡らせる】
【ミサイル本体の追尾機能に頼るだけでは無理がある。ましてや、このミサイルは用途が対人用。鉄の装甲を纏う鳥を、1発や2発で落とせるはずもない】
【――――ブルーローズの『男を狙え』と言う言葉を忘れた訳ではないが、近接戦に入っているフレスへとミサイルを放つのは、味方を巻きこむ危険があり、怖くて出来なかった】

「だったら――――挟みこむ!!」

【再びリイロは、鳥へと向けて2発のミサイルを放つ。ただし、今度は明後日の方向へと初手の照準を合わせて】
【あらぬ方向へと放たれたミサイルが、追尾機能で鳥へと向かえば、その軌道は鳥の前から向かうものとなり】
【鳥の後方から追い続けているミサイルとの、挟み撃ちの形が完成する。これなら、多少のダメージは通るだろうと、リイロは踏んだ】

『土』の声も聞けぬ者に…………何も言われたくはない!!

【ブルーローズがいなされた、一連の動きを見て、アーディンは打って出る】
【分身が先行し、真正面から電光石火の速度で爪を振るう。実体をもたない分身ながらも、物理的な破壊力は秘めているようで】
【そうして、光り輝く分身をフレスの眼前にあてがいながら、アーディンは回り込む様な軌道で駆ける】
【正面からの分身による攻撃は、行ってみれば目くらまし。その隙に、敵の感知の及びにくいポジショニングを行おうというのが、アーディンの狙いだった】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/13(木) 22:49:21.30 ID:YZ3Pb5k7o
>>778

必要と在らば機嫌の一つや二つも取ろうとは思うがね。
君にその必要性を感じないというだけのことだ。

【生まれてこの方、その必要性≠ノ迫られたことが在るのかどうか】
【徹底して感情を廃したその佇まいは、彫像と話しているかのような錯覚すら与える】

……。

【女性の身振り手振り、態度、口調――】
【――それらをじっと見定めた後、男性はゆっくりと口を開いた】

……話すことは、吝かではない。
他言無用の上、という条件付だがね。

私とて、鬼が潜むと分かっている藪をつつきたくはない。

【――嘘がない、と信用してもらえたのだろうか】
【女性から視線を外して、目の前の金属塊の山へと目を向けて、そんな事を呟いた】
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/13(木) 23:04:52.60 ID:fTIP/tf2o
>>780

それはそれは嬉しいやら悲しいやら。

【下手に取り繕われるのも面倒だ】
【それならこれが楽といえば楽、という事でこの女は納得したのだろう】

かつて魔術師という人種はその家系のみで魔術を鍛えたという
他に漏れる事無く口伝で受け継がれてゆくというのは、魔術師の有する秘匿の力によるものもあるのだろう……。
そんな訳で他言の心配はご無用、楽しい物は個人で楽しみたい主義だしね。

【怪しい姿に怪しい道具、素性も分からぬとくれば】
【まあそれだけで魔術師に見えなくも無い】
【その本質を相手に捉えさせない、というのも魔術の一種かもしれない】

それに積極的に物語に関わる時期でもなさそう
だったら読む側として楽みたいものよね?

【空気を震わせるように、少し微笑んだ】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 23:05:47.96 ID:DZLwGaxuo
>>779
【鳥は傾斜を作る姿勢で、離れた地点の地面へと突っ込もうとしている】
【直線時は巡航形態、曲線を描く柔軟な行動時は滞空形態と使い分ける性質を持っていて】
【正面から来たミサイルもだが、後方から警報(アラート)を鳴らす二機目の存在も感知していた】
【ここで鳥が行った行動は滑空と変形、そしてスラスター出力調整によるきりもみ回転である】
【先端をしならせぐるりと輪を描き、挟み撃ちを仕掛けてくるミサイルを回避する行動だ】
【特に後方は、渦を描くスラスターの噴煙に引火して起爆してしまうだろう】

「……貴様はルクシャトリスの悲鳴を知らない。」

【異邦人の口から漏れる地名は、応酬への返答だろうか】
【前方から突っ込んでくる分身に対し、同じく電光石火の剣武にて答えるも、それにすらはじかれよろめくフレス】
【その隙を突き後方に流れていたローズが反転、右手の三本を束ねカタール状に突き出したものを、叩き下ろすように相殺する】
【この三発で右手の剣が砕け散り、破片がフレスを襲う。素材のため皮膚を割く程度なのだが】

「あの地に戦火を持ち込んだ男……あの地を故郷としながら火を持ち込む愚行。」
「奴も一人だ、『力』持つ一人……『人理(ひとり)』に踊らされ摂理を…風を痛めつけた。」
「いつまでも風が泣いている……人が起した火を嫌い涙する風の声が、貴様はわかるまい。」

【姿勢を崩したのだが、握りこんだ左の剣が風を纏い、連続攻撃を見舞おうとしたローズを弾き飛ばす】
【瞬間的な魔力放出による突風だ。接近してきたアーディン二人とローズをまとめて排除するかのような】
【風の名に相応しい能力だが、この一撃で左の剣に小さな皹が入るのを、猫の目は見ることが出来るか】

【回転の過程に、鳥はもう一つ行動を交えていた。翼の先端から何かを高速で打ち出していたのである】
【広域に乱雑にばら撒かれたのは、鋼鉄製の羽。だがミサイルのような大火力を持つものではない、ただの飾りのようなものだ】
【募金の礼としてもらえるような針を基点に、エッチング細工の加工がされているような】
【あたったところで蚊が刺す程度の威力だし、しかも当てる気があるとは思えない】
【それらがおそらく、フレスたちと交戦するアーディンとローズの足元に散らばり突き刺さるはずだった】

【が、回転の途中前からのミサイルを翼で叩き落としてしまい、爆発】
【露出したケーブルにダメージを負うも、対人向けであったことが幸いしてか被害はまだ軽微】
【瞬間的に装甲を閉じたのも功を奏したのだが、想定した座標からやや外れた位置に落ちて行く】
【墜落…では、あるまい。魔力収束現象がその方向で発生するのを感じ取れるか】

【少なくとも、風の男が胸に抱くのは善意、ではある】
【戦火を嫌うような言動も本心からなのだが、ただ彼にとって、人が絶対の敵であったということ】
【それが一線、明確な境界線なのだろう】
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/13(木) 23:25:50.02 ID:YZ3Pb5k7o
>>781

……だが独占は停滞に繋がる。
そうして化石と成り堕ちた技術がどれほどあるのか。……惜しいことだ。

【こちらも、一般論的に言葉を返す】
【自分は魔術師だとも、相手を魔術師だとも明言しない、腹の探りあいのような応酬だった】

……これらは、未分化の集積。
パズルか……あるいは、卵のようなものを考えてもらえれば良いだろう。

【そして、語りは唐突に始められる】
【誰かに言って聞かせるつもりとは思えぬような早口で続けながら、男性は山の周囲を歩く】

砦であり、獣であり、武器であり、あるいは無意味な金属の山であるかもしれない。
……これに形を取らせるのは、私一人の業ではないゆえ。

これが何の卵であるかは、私にも分からぬ。

【そして、傍で立ち止まり、小岩ほどもある金属の塊を掴みとって、それを眺める】

とはいえ、未だ試作の段階。
今はこのような、乱雑なものだが……いずれは、もっと整然とした形にできるだろう。

【かと思えば、手に取ったそれをまた山の中に投げ捨てて、女性の方へと戻ってくる】

君がコレに関わるかは、私も知らない。興味も無い。
……だが、美しいとは思わぬかね?

仮初で、乱雑で、無駄だらけだが……。
これは、原初の一だ。本物に比べれば、チリ程度であるとしても……宇宙開闢の源と同じモノだ。

【――男性の顔には、先ほどまでには無い熱があった】
【無邪気さ――言い換えるならば狂気。自らの作り上げたものに対する崇敬とでも言うような】
【子供のような、無限≠信じて疑わない者の目だった】
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/13(木) 23:28:35.80 ID:a9HwpSup0
>>782

「そ、そんな…………!!」

【鳥の挙動は、どこまでも見事なものだった。逆噴射の炎にあぶられて、勢いを失って失速した後方のミサイル2発は爆発する】
【相当に、戦闘に関してはレベルが高い事を確信する。恐らく、自分の様な素人とは根本的に違うのだろう】

「でも…………!」

【それでも、後出しの2発はその翼を撃ち、鳥は地へと落ちていく。あれだけの装甲を備えた鳥がそう簡単に沈むとは思えないが、ともあれ余裕は出来た】
【リイロは、両腕に工業用のアームの様な無骨な『爪』を展開させる】

――――ッ!
(ルクシャトリス…………前に≪R.I.P.≫の標的にされた土地の事か……?)

【虚を突かんと回り込むアーディンは、返事を返せない。しかし、その言葉は人間より優れたその耳が、しっかりと拾い上げていた】
【そして、魔力による突風で霧散する分身。魔力によって形成されている分身は、魔力による干渉で乱されることに弱かったのだ】

――――――――ッシィ!!

【しかし、敵の目を引きつけるという役目は、分身が十分に果たした】
【アーディンは、フレスの左斜め後方から爪を構えて突進する。さながら、その姿は放たれた矢の様であった】

…………貴様の言葉など、聞くに値しない
人間に害なす人間の言葉に、何の価値がある?
…………人にはすべからく、成さねばならない役目がある。貴様の様な狼藉者を排除する事が、俺の役目だ…………!

【攻撃が終われば、その成否に関わらず、アーディンは言葉を返すだろう】
【あくまで彼は『人』の側に立つという意志表示。決して、フレスの言葉に同調する事はないと】

やはり貴様は先ほどから『風』しか語らぬ…………片手落ちの正義だそれはッ!
我らが『水』の恵みを、『土』の育みを受け、共に生きている事を貴様は無視している!!
何より、ただ一人の人の行いを抽象化し、それを人間と言う概念全てに当てはめる!!
その様な卑猥なクズに、正義を貫けさせるものかよ…………ッ!!

【――――人と異なる種でありながら、人の中に生きる道を見出したアーディンには、到底フレスの言葉は容認できないものであった。例え血を流す事になろうとも】
【そして、彼の語る概念もまた、自然の中の極々一部を取り出しただけのものに過ぎず、その言葉も妥当性を欠く】
【40年以上の人生経験と、情報の売買を生業とする生き様が、フレスの言葉の矛盾を許さない】
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 23:47:05.47 ID:DZLwGaxuo
>>784
【装甲はケーブルを防護するための被服であり、輩の庇護を効果的に受けるべく儀礼が敷いてある】
【然し空に在るためには厚すぎてはいけない。同様の爆発を数度受ければ、あっけなく砕けて意味喪失するだろう】
【ミサイルがたたきつけた噴煙の一部を纏いながら消えた鳥は、吸い込むように風を集わせる】
【『溜め』ている】

「っ、!」

【左の剣は砕け、肩を貫く形になり停滞する】
【軽い金属の柄が落ち、痙攣するようにうごめく左腕は機能を停止、沈黙】

「我らもそうだ。自然に害する存在の言葉は、我らに価値を齎さない。」
「その点では一致している。そして意見の相違は廃されるべきだが、同調は喜ばねばなるまい。」

【目で語り、突っ込んできた猫を一段階上に見つつ、右手で動きを止めたアーディンの手を握ろうとするだろう】
【わき腹にローズの青い線が突き刺さり、マフラーを汚してもお構いなしに】
【風が咽び、握る指に力が篭る】


「言ったはず、我は風の座。役割がある。為すのは『我』ではなく、『我ら』だ。」
「――――――ソニックセイバー。」


……っ!?二人とも、伏せてっ!!!

【フレスが齎す予兆と宣言に、ローズは叫ぶ。『来る』、と。】
【突き刺した線を打撃判定化し、横に振り落としアーディン諸共フレスを地面に叩きつけようとするだろう】
【同時に線を消し、リイロへと走り手を伸ばす。脚が壊れているにもかかわらず、無理して加速し頭を地に付させようと跳び、】

【―――――同時に、鳥が上空を高速で通過した】
【この平原、木々がぽつぽつ立っている。それを避け高度をとったせいだろう、末尾が立ち上がった捕翼は直撃しない】
【あの速度を出しておきながら木々を避けたのだから、速度特化が過ぎて装甲が紙という証明。次回があれば役立つ情報だが】

【捕翼はフィールドを纏っていた。機体全面ではなく、捕翼の射程を延長するかのようなビームフィールド】
【それが鳥の突撃が発生させた風をかき乱し、無数の鎌鼬として一同へ襲い掛かる。フレスすら巻き添えにしてだ】
【地面にばら撒かれた羽が引きずられ舞うことも痛手になろう】
【針のような紙の様な羽の群れは、致命傷こそ招かないだろうが数が多く、身をかがめていなければ面積が広がりダメージが嵩む】
【アーディンを巻き添えにすることが出来れば…否できなくても、フレスは目を閉じるだろう】


「…問う。汝らの選択は、……」

786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/13(木) 23:48:15.28 ID:fTIP/tf2o
>>783

あらゆる可能性を内包する卵か……
木っ端の魔術師が見つけたのなら涎でも垂らしそう。

【思えば金属の山はそれ自体が細胞の集まりに見えなくも無い】
【いや金属かどうかも説明を聞いた今となっては疑わしく思え】
【しかしながら女性は達観しているのかソレ自体を欲する事は無かった】

しかし原初の……ね、美しくもあり恐ろしくもあり。
言うなれば禁忌の類のモノかもしれない、「気をつけろ」だなんて偉い言葉はかけないけどね。

【一方で女性の声色は変わらず】
【抑揚といった変化が無いのから察すれば熱は無く】
【それは喩えるならば物語を読む第三者のようであり……】

これがここに在る経緯も知りたいけど……
いいや、私は私の原初の欠片だけで手一杯、好奇心に殺されたくないから遠慮しましょ。

【己を戒めるように女性は小さく呟いて】
【数瞬、再び金属塊を見つめ今度は男性に視線を移す】

探しモノは見つからなかったけれど、面白いものが見れて良かったわ
ありがとうとは言わないけど……。

【「さて……」と言った後、思い出したように一言】

そうだ貴方のお名前は?
いや先に名乗るべきかしら私の名はクチハ
フリーの魔術師、傀儡師、或いは道具屋……まあ忘れてもいいけれど……。

【ローブの端をゆらりと揺らし】
【彼の狂気の一片を再度確認するよう見つめ、去ってゆくだろう】

/時間もそろそろなのでこの辺りで〆に入ってもよろしいでせうか?
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/13(木) 23:52:56.19 ID:DZLwGaxuo
>>785
//すみません、以下の文章を訂正します

【同時に線を消し、リイロへと走り手を伸ばす。脚が壊れているにもかかわらず、無理して加速し頭を地に付させようと跳び、】

【―――――同時に、鳥が上空を高速で通過した】

【(前略)、無理して加速し頭を地に付させようと跳び、】

【―――――同時に、鳥が上空を高速で通過しようとする】
【速度は速いのだが、宣言を聞いて待ち構えることが出来ればタイミングを計るのもたやすく、下方から迎撃することも可能だろう】
【この際リイロの反応次第で、ローズはリイロを伏せさせることに失敗し弾き飛ばされるかもしれない】
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/13(木) 23:57:34.63 ID:YZ3Pb5k7o
>>786

……コレを創った≠フは私だ。
それが禁忌の技術であるならば、なるほど私こそが禁忌ということか?

【愉快さを滲ませて、男性は山を振り返る】
【そこにある達成感を噛み締めるように、しばしじっと、そちらを見つめた後】

【――潮が引くように、また男性から熱が去る】

……試験運用の時も近い。
であれば、人目に付かぬ方がいい。それだけのことだ。

【経緯までは聞かずに置こう、と言った女性の言葉を聞いていなかったのか、大したこともなげに説明を終えて】
【『私の原初の欠片』――という言葉に、片眉を上げて興味を示したが、しかしそれを口にすることはない】

……名、か。
誰も彼もがそれを問う。意味の無いことだ。

私の名前はキリル・ヴェルバ。
知りおく必要がないのは、私の名とて同じ。好きにするがいい。

【――それで会話は終わり、ということだろうか】
【また男性は山へと視線を注いで、口を噤んでしまったようだった】

/はい、それではこんなところで。
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/14(金) 00:08:45.28 ID:WBXB3FLdo
>>788

そこに悦びを見出すのなら、その通りじゃないかしら?

【そんな彼の姿は】
【何時だったか彼女が見た、誰かの姿に似ていて】
【面白くないとばかりに「フン」と鼻を鳴らす】

私にとっては名前は意味があるのよ
だって保存する時にラベルが無いと不便じゃない?

【何を何処に保存するのか】
【相も変わらず暈すようなその言葉】

まあともかくその試験運用とやら……
上手く行くことを陰ながら祈っているわ、じゃあね。

【背を向けて森の間に足を進めたのなら】
【そのローブの色は紛れて、彼女は消えてゆく】


/お付き合いありがとうございました!
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/14(金) 00:16:16.49 ID:7fBgAvK70
>>785

――――世界に害なす異物が、それ以上の無駄口を、叩けると…………!?

【――――奇遇か、フレスの語る言葉はかつて、自身の友人の肉体を奪い世界を死に導こうとした『災厄』の言葉に似ていた】
【人の――――否、命の存在を汚れと称して、世界から命を駆逐し、世界を『あるべき姿へと清める』と言っていた存在】
【目指す所は違う。語る言葉も違う。それでも、独善的な正義を貫こうとする姿勢は、既視感を感じる程に似ていた】

【自分の腕を掴んできたフレスに対して、逆の手の爪でその手首を切り落とさんとするアーディン】
【何を企んで居るのかは分からないが、フレスの思惑のままに事を勧められるのは、あまり歓迎できる事態ではない】
【フレスは、自分の腕を掴む事で何かを成そうとしているに違いないのだ。そうして自分から切り離そうとした時――――】

っ、貴様…………自爆か!!

【――――全く失念していた。己の義を通す為なら、命を厭わない。そういう人種が時として存在するという事を】
【飛び上がり、魔力を纏う鳥の一撃が迫り、ブルーローズの打撃もあって、アーディンは地に身体を叩きつけられる】

「……っ、お姉さん!?」

【そして、リイロもブルーローズに飛びかかられ、強引にねじ伏せられる】
【事態がまるで分からない。意図せずに放り込まれた戦場の中で、何を行えばいいのか、もう分からない】
【リイロはついに心の糸が切れ、ただクローを展開したままの両腕で身体を庇いながら、地を転がる】

グッ、ぐ、ぁ…………アアアアアァアァッァァァァアァッッッ――――!!!

【引き倒されたアーディンを、ばら撒かれていた羽の乱舞が襲う】
【風の刃を身に受けながらも、アーディンは身を縮めて、リイロは鋼鉄のクローで身を庇う事でやり過ごしたのだが】
【羽に対してはそうもいかなかった。アーディンの左目に、羽の針が鋭く突き立ち、アーディンが苦悶の叫びを上げる】

く…………グァウッッ!!!

【嵐去って後、フレスの拘束を振り切ってアーディンは立ち上がり、左目に突き立った羽を、思い切り抜き取る】
【羽は存外深く突き立っていたようで、引き抜かれた眼球は形を維持できなくなり、内部の水晶体などが、じくじくと左の眼窩から流れ出る】

――――例えどのような御託を並べようと、貴様らが異界の異物である事に違いはない!!
そして、その様な者達の手前勝手な理に依って、この世界を荒らされる謂れなど無い!!
貴様らがそれを『悪』と呼ぶのならば…………喜んで『悪』を貫徹してやろうではないか…………ッ
俺はこの世界の一員として、貴様らを『否定』する。当然だろう?
一人の人間の成し様を見て、この世界で好き勝手をやろうとしたのだ。今ここで俺の意志を無視するなら、それは矛盾概念…………
――――貴様らの正義も、意図も、行動も、存在も――――――――存在してはならないものと成り果てる…………!!
それを思い知れ…………代弁者気取りの、躓きの石めが!! 貴様は越権行為の故に『この世界より』除かれるのだッ!!

【左目に不可逆的な重傷を負いながら、それでもなおアーディンは力強い敵意と誇りを持って、その言葉を紡ぐ】
【ものの通りを通さない、身勝手な暴力――――そんなものを許している訳にはいかないと、傷つけられた目でしっかりと見据え】
【この世界の一員として、アーディンは宣言した】

「――――――――あなたは、人を傷つけます…………私の大切な人を、今一人、傷つけました…………
先にやられたから、なんて論法は、通じないんです…………刃に刃を報いるだけじゃ、きっと両方とも終わってしまう…………
色んな世界を見てきたんだったら、それくらい……分かるでしょう?」

【――――元来、争い事は苦手なリイロには、これが精いっぱいの言葉だった】
【糾弾する事は出来ない。それは苦手だ。しかし、彼女の知人であるアーディンに、治る事のない傷を、不条理な行いによってつけられた】
【その事は、『世界』と言う大局を語るものであればこそ、許されざる行いだと――――口下手故に、明瞭ではないが、そんな意志を込めて】
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/14(金) 00:33:26.09 ID:mBFJ0Nj4o
>>790
【風は庇護者もあまねく吹き飛ばす。何らかの形を取る限り例外はない】
【刻まれたのはフレスも同様。どれほど切り刻まれようと能面は剥がれなかったが】
【目に羽を差してなお反論する『男』に、そしてここにきてようやく口を開いた少女に、】
【喀血で汚したマフラーの下、見えない場所で歪められた】

おとーさんっっっ!!

【新調した制服が風にぼろ布にされながら、毛皮を超え皮膚を切り裂く被害を受けながら】
【つぶれた左目を見て悲鳴を上げるローズは、強い感情に歯を鳴らして震えて】

【―――――二人の強い意志に凍りついた。】

【立てひざを突いたのは損害のせいか、がくりと項垂れ口を一文字に結び】
【男への強い憎悪を感じながら、それ以上に背筋を凍えさせるモノにおののき、言葉をなくした】
【今、二人は、なんと言ったのか。】

「……、我はシステム…、再現された、星の、声……」
「そして、人、の、幻想(ゆめ)……、姿を得た、幻想―――――」
「――――――諦め、ない。何度、でも……立つ。意思を、いつか、辿り着くまで、……答え、に。」

【ざり、ざりざりとノイズが混じり始める風の座は、徐々に鼓動を止め、血を流して死んで行き、】

「……、………、う…。」

【色を亡くした瞳が閉ざされる直前、口にしたのは『再開』であった】
【彼の鳥も突撃の先、地面へと落ちて。今度こそ爆風を巻き上げて破砕される】
【遠方にあがる火柱と爆音に巻き上げられた男の身体は、粒子状に霧散した】

【間違いなく勝利だ。襲撃者を三人が退けることに成功し、宣戦布告を跳ね除けた】

………、……ごめ、んなさ、い……。

【けれど猫の少女は、父と慕う人の負傷を見て、恐る恐る手を伸ばし】
【泣きそうな顔で、ぽつりと謝罪した】
【口をついて、それしか言えなかったのだろう。抑えられたはずの不安と恐慌がぶり返し始めていた】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/14(金) 00:51:08.44 ID:7fBgAvK70
>>791

…………実らせは、せぬよ…………貴様の様な乱入者を容認するほど、『世界』は甘くはない…………
いずれ…………貴様らも無へと帰す…………それが、俺の役目だ…………!

【霧散するフレスに、尚も冷たく言い放つアーディン】
【――――人は世界に対して罪を犯した。それはもはや言い逃れ出来ない真理だろう】
【しかして、その真理を、全く関係のない第三者に責められるのは、お門違いと言うもの】
【――――真理の法廷は、無関係なモノを締め出し、そこに真実のみを残す事で完遂される】
【この異界の介入者を排除しなければ、世界と人の関係など、語るだけ無駄な妄言と化してしまうだろう】

「アーディンさん…………!
え、えと……ローズ、さん……?」

【全てを見送り、リイロはアーディンの目の傷を見て絶句する】
【明らかに、これは光を失う事を避けられない傷である。医者を目指していたリイロでなくても、その事は見ればわかるだろう】
【それどころか、ちゃんとした治療をしなければ、アーディンの命そのものが危ない。眼窩は脳に通じる最短ルートの一つだ】
【ともかく、人のいる場所までアーディンを運ぼうと、リイロはまだ呼び慣れていないブルーローズに応援を求める】

――――うっ、あ…………ぐ、ぅ!!
…………ロ、ローズ…………さっきも言った通りだ…………この世に、生を受けた以上…………成すべき事は、必ずある…………!
俺が出来る事は…………子供たちを、若人を…………導く事…………そして、その為に、道を切り開く事…………だけだ…………!
お前が…………何に、心を蝕まれているのかは、分からない…………だ、だが…………安心しろ…………
お前の愛するこの世界を…………俺は、守る…………命に代えても、な…………
――――だから……だから、そんな顔を、するもんじゃない…………

【危機は去り、安堵の空気が流れる。その為に、傷の痛みがよりハッキリと感じられたのだろう】
【傷を押えて呻くアーディンは、ブルーローズの謝罪の言葉に『気にするな』と言う言葉を残す】
【――――年長者として。力を持つ者として。『父』として。アーディンは、ただひたすらに自分が導くべき者たちの為に、言葉を紡ぐ】

「と、とにかく!!
アーディンさんを病院に運ばないと…………ローズさん!」

【リイロがやきもきしたように叫ぶ】
【確かに、この状態のアーディンをリイロ一人で運ぶのは骨だろう】
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/14(金) 01:05:21.59 ID:mBFJ0Nj4o
>>792
【アレがまだ姿を残していたのなら、何かを反論した…かもしれない。】
【全ては推測でしかない、何せ今鳥も男も、その姿を跡形なく消失させていたのだから】
【例え後に回収し様と誰かが来たところで、意味喪失した魔術回路で加工された装甲盤ぐらいしか拾えない】
【けれど風が、風だけがアーディンをせせら笑うようにそよぎ】
【そして続けざま別方向からの風が、手を翻したように頬を撫でる】

【その意味とは、これがまだ選択肢の提示に過ぎないということなのかもしれない】
【それは決して捕らえられず、自由に手のひらをすり抜けてゆくのだから】

……、……っ、あ、う、うんっ!!

【まだそれら意見の取捨選択がへたくそな子供が一人、自分より幼くみえる少女によって引き戻される】
【本当はさん付けされる謂れ等ないと突っぱねてしまいそうでもあった】
【今酷く、とても酷い寒さに襲われていたローズの目は沈みかけていて】

おと、……あ、……おとーさん、しっかりっ!!

【それでも表情だけは取り繕って、迷った末、背を押されてついに彼を父と呼ぶ事にした】
【心に積まれてゆく痛みと膿に声なき悲鳴をあげながら、彼の意思は受け取った】
【無為にしたくないし、命に別状があると困る何処ろの騒ぎではない。…『あんなの』は二度とごめんだ】
【体格の上でわずかに利があるローズがアーディンの肩を支え、足早に近隣の病院へと担ぎ込むだろう】

【同期して現れたリズヴェルグは、事態を把握しているような素振りを見せたものの】
【今は静養して欲しいと、治療代の肩代わりを申し出るだろう】
【全額とは言わないが、拒まれたらしぶとく値切り交渉に及ぶという奇行にでるはずだ】

【何かしらの責任を感じているような犬は、交渉の去り際病室からアーディンとリイロへ視線を向けて】


『次があったら……具現幻想だのLシステムだのって単語を聞いたら、教えて欲しい』
『お大事に』


【意味深な言葉と見舞いのそれを残し、憔悴し落ち込むローズを連れ帰るだろう】
【自分の存在意義が揺らぎ始めた、小さな蒼い子猫を休養させるために】


//こんなところでしょうか、お疲れ様でしたー!
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/14(金) 01:17:41.11 ID:7fBgAvK70
>>793

――――あぁ、大丈夫だ。大丈夫だよ……ローズ――――――――ありがとう

【ブルーローズに肩を支えられながら、なお顔に笑みを浮かべて見せるアーディン】
【痩せ我慢を、痩せ我慢と思わせないように振舞う事は、流石に大人としてのアーディンが上手だった】
【ただ――――自分に献身してくれる事か、あるいは自分を『父』と呼んでくれた事か。微かに感極まって、アーディンはポツリと礼の言葉を漏らす】

【病院に担ぎこまれたアーディンは、リズヴェルグに治療費の半額を折半してもらう事で話をつけ、即座に治療を進められる】
【二人が去って後、病室には入れ違いに入ってくる影があった】

<リイロ!! …………旦那、大丈夫なの!?>
レイドか…………なに、片目が空いていれば、問題はない…………俺の事は、お前も良く知っているだろう?
<それは、そうだけど…………>
レイド、俺の目ん玉の事などどうでも良いんだ…………話を聞いてくれ…………
「お姉ちゃん…………何か、大変な事が起きてるみたいなの…………」
――――大変な、事…………?

【リイロの姉であるレイド=E=ヴェイス。話を聞きつけ、すぐさまアーディンの様子を見に訪れて、そこで事態の一部を彼女もまた知ることになる】
【――――家族と言う血の宿命に決着をつけようとしているレイド達の前に、また一つ大きな壁が立ちはだかろうとしていた】

/遅くまで乙でしたー!
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/14(金) 19:19:48.08 ID:MIchjVJSO
【星の国、スラム街】

【貧困層の占める地に有りがちな、雑多な瓦礫や塵芥の積もる汚ならしい街道に、ひとつの人影がある】

柔らかな食感である方が、私は好きですね。
――ええ、火など通さなくても良いのです。 いえ、ヴィンスの調理は素晴らしいですよ。

【紅蓮の髪を腰の辺りまで伸ばし、夜闇を連想させる紫の瞳を持った、たおやかな青年である】
【首に灰色のファーを巻いて、素肌の上に袖と裾がやや短い紺碧の着物を羽織り、長い燈の帯を蝶々結びに締め】
【黒革のボトムに、壊れた時計と真新しい時計を一緒に吊るした細身の銀の鎖を付け、軍用ブーツを履いている】

【先から独言が多いのを覗けば、品格など知った事かと謳うこの街には不釣り合いな姿である事は確かで】
【現に―― 既に数人の襤褸を着た男達が、彼の後をつけて歩いている】
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/15(土) 17:40:51.91 ID:jo5sFFuSO
【――路地裏の奥。積まれた雑多な瓦礫の上に腰掛けて、廃ビルの隙間に見える空を仰ぐ者がいた】

猫と…犬は、一緒に飼うのは難しいでしょうか…? …どうにも、悩ましいですね…。
会わせて…みない事には、分かりませんが…。

【紅蓮の髪を腰の辺りまで伸ばし、夜闇を連想させる紫の瞳を持った、たおやかな青年】
【首に灰色のファーを巻いて、素肌の上に袖と裾がやや短い紺碧の着物を羽織り、長い燈の帯を蝶々結びに締め】
【黒革のボトムに、壊れた時計と真新しい時計を一緒に吊るした細身の銀の鎖を付け、軍用ブーツを履いている】

【瓦礫の山の頂上に座す彼の側には、人一人が入る大きさの黒い立方体の箱が置かれていた】
【半ば埋もれているそれには、果たして何が入っているのか――材質の不明なその箱の中身は、伺い知れず】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/15(土) 19:49:13.32 ID:VC1LeblSO
【木々の生い茂る山】
【知る人ぞ知る絶好の紅葉狩りスポットだったらしいが、今はもう紅色ではなく、茶色に染まってしまっている】

【そんな森の木の根本に佇む人影があった】

【紅い瞳、ボサボサの黒い短髪】
【砂埃で薄汚れたクリーム色のコートを羽織り】
【同じ様に薄汚れた黒い長ズボンを穿いている】
【右腕には、ウロボロスを象った白い腕輪と、五指の付け根にダイヤモンドが付いた黒い指貫タイプの手袋を付けている】
【コートの背中には二つ穴が空いており】
【そこからは『竜の翼』としか言えない物が生えている】
【よく見ると、両手の爪は全て5cm程の長さに伸びている】
【そんな格好をした、14〜5歳程に見える少年だ】

――ちょっと、見つけるのが遅かったかな……

【ぼんやりと森を眺め、誰にともなく呟く】


また来年、か。

【ひらりと舞い落ちた紅葉の葉っぱ――茶色に染まりパリパリに乾いているが――を摘み上げ、月明かりに透かす】


/10時まで居る予定です
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/15(土) 21:47:37.01 ID:jo5sFFuSO
>>797
/滑り込みイマスカーッ
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/15(土) 21:56:20.77 ID:VC1LeblSO
>>798
/イマスゼーッ
/ヨロシクーッ
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/15(土) 21:57:39.82 ID:jo5sFFuSO
>>799
/よかったー!
/今からレスしますねっ
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/15(土) 22:09:48.34 ID:jo5sFFuSO
>>797
【かさ、かさり。踏みしめられた枯れ葉が物音を上げて、誰かの訪問を佇む竜人の彼に知らせて】
【続けて、彼の呟きに答えるように。ゆったりとした口調の声と、歩いてくる一人の男の姿が見えるだろう】

そうです…ね。 先月の今頃…でしたら、見頃…だったかも、知れ…ません。

【紅蓮の髪を腰の辺りまで伸ばし、夜闇を連想させる紫の瞳を持った、たおやかな青年】
【首に灰色のファーを巻いて、素肌の上に袖と裾がやや短い紺碧の着物を羽織り、長い燈の帯を蝶々結びに締め】
【黒革のボトムに、壊れた時計と真新しい時計を一緒に吊るした細身の銀の鎖を付け、軍用ブーツを履いていた】

…尤も。 私にとって…は、素敵な光景…に、出会え…ましたが。
今晩は、良い…夜ですね。 名は存じ上げ…ませんが、竜人の方…。

【丁寧な、中性的な、穏やかな声色で。取り敢えずの名としてか、青年は佇む彼を竜人の方≠ニ呼んだのだった】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/15(土) 22:20:26.13 ID:VC1LeblSO
>>801

………?

【青年の足音に気づき、ゆっくりと顔を向ける】

あ、えっと……
こんばんは。はじめまして。

僕は、ヘイロンっていいます。よろしく。

【簡単に挨拶をし、少し頭を下げる】


どうして、こんな所に?
暗いし、もう紅葉は茶色になってるし……

僕に会いに来た訳でも、ないでしょ?

【くるくると葉っぱを回しながら、青年に尋ねる】
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/15(土) 22:35:04.78 ID:jo5sFFuSO
>>802

…ヘイロン、此方こそ。
私の…名は、アリス・バーネット。 バーネットと…お呼び頂けれ、ば。

【ヘイロンの好意的な挨拶を受けて、こちらも柔らかい笑みを添えて告げたのは、男性にしては珍しい名】
【彼自身もそれは理解していたようで、故に姓の方を呼び名にしてほしいという意思を伝えたのだった】

他愛ない…散策、ですよ。 思考に煮詰まる…と良くこうして彷徨って、みるのです…。
従者…には、心配を…掛けてしまうようですが…。

【くすくすと笑いつつ、彼の問いにそう返して。近くの木の根に腰掛けて、同じように木の葉を拾う】
【まだ年若いというのに、徘徊する老人さながらのその行動からは、従者とやらの苦労も伺えるのだった】
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/15(土) 22:49:01.32 ID:VC1LeblSO
>>803

ア…おっと。バーネットさん、ですね。改めて、よろしく。

【なぜ女の名前なのか、尋ねようとしたが】
【彼の台詞から、あまり触れない方が良さそうだと判断し、尋ねるのを途中でやめる】

えっと、従者……?
その人は、どこに?近くには、いないみたいですけど……

【きょろきょろと辺りを見回し、従者とやらを探す】
【しかしそれらしき人影は見つからず、青年に聞いてみる】
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(秋田県) :2011/10/15(土) 22:51:39.95 ID:I1rAoBiI0
すいません、だれかおりますかね?
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/15(土) 23:03:52.62 ID:BppisNAso
>>805
/どうしました?
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/15(土) 23:07:29.65 ID:jo5sFFuSO
>>804

ああ…彼はすぐそばに、居ります…よ。
ただ彼を…見るのには、ひとつ条件がある…の、です。

彼は、一番近くにいる人間…にしか、見えません…ので。

【くすりと笑んでから、バーネットは自分の隣辺りに目線を向けて「ヴィンス、彼の…側に」と呟く】
【その場所には勿論、誰もいない。だが少しの間の後に突如として、ヘイロンの側に一人の青年が現れた】

――今晩はー、ここまで寄れば見えてる、よね?
僕はヴィンセント=C=レストレンジ。
よろしくね、ヘイロン♪

【癖のある柔らかなショートボブの黒髪に、ピンクとパープルのオッドアイを持った、何処か幼さを残す青年】
【手が隠れる程に袖が長いボーダー模様のセーターも、ピンクとパープルの二色で些か目に痛い】
【僅かに覗く爪先は黒色で、灰色のジーンズに合わせたスニーカーには、金色の猫のシルエットが浮かんでいた】

【それはバーネットとヘイロンの間の距離を丁度二分した地点から、見えない壁を抜けたかのように】
【ヘイロンの目に彼の姿が捉えられた瞬間から、青年が木の葉を踏む音も聞こえるようになるだろう】

【距離としてはそれほど近くはないが、登場の仕方ゆえに、少しばかり驚かせてしまうかも知れない】
【そしてヴィンセントは、今はヘイロンに姿を見せているためにバーネットからは捉えられず】
【バーネットはヘイロンに軽く微笑んでみせてから、摘まんだ木の葉を眺める事に没頭し始めるのだった】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/15(土) 23:26:15.04 ID:VC1LeblSO
>>807

一番近くの人にしか、見えない……?

それって、どういう―――うわぁぁっ!

【バーネットが声を掛けた方を見るが、当然何も見えず】
【しばらくそこを見ていた時に、急に派手な配色の青年が現れ、少し飛び上がってしまう】

え、と、ヴィンセントさん、ですね。よ、よろしく。

【軽くヴィンセントに頭を下げ、先程飛び上がった時に落とした葉っぱを拾う】

えっと、さっきのって、能力ですよね?
ちょっと心臓に悪いので、切替とか、できないんですか?
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/15(土) 23:41:15.91 ID:jo5sFFuSO
>>808

あー、びっくりしてるー! はははっ!
それと堅苦しいから、ヴィンスでいいよー?

【飛び上がった彼の様子が面白かったようで、くすくす笑いながら人懐こくそう告げると】
【――少しだけ不安げに、ちらりと後方のバーネットに視線を遣ったが】
【バーネットの方からは、本当にヴィンスの姿も声も何も解らないようだった】

…うん、能力なんだけどねー。
何というか常時発動状態だからさー、そぉんな器用な事は出来ないんだよねー★

【――反省とかは全く無しである。何というか、潔いけど頭に来る反応だ】

うーん確かに心臓に悪いかもだけどさっ、ほらっ、考え方を変えると…
今この瞬間、僕は世界で君だけに見えてるんだよ? ね、感動的だよねっ?

………感動的だよねっ?

【※大事な事なので二回言いました】
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/16(日) 00:02:06.15 ID:TNJ1g/ASO
>>809

っと、じゃあ、ヴィンスさん。


はぁ、じゃあ、色々大変でしょう?
人混みとか、むやみに通れないだろうし、一々人にびっくりされたら、疲れちゃうでしょ?

【ヴィンスの台詞は少しイラッと来たが、怒る程ではなかったようだ】

え、っと、まぁ、そうだろうとは、思いますけど……
(なんか、ちょっと変わった人だな……)

【ヴィンスに詰め寄られ、少したじろぐ】
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/16(日) 00:19:15.29 ID:tz3KeYQSO
>>810

あー確かに! 人混み通るとさ、幽霊騒ぎになっちゃうんだよねー。
だからあまり、人の多い所には出ないかな。
何時もは…

「ヴィンス」

【――無邪気に笑って答えていた彼は、バーネットの一声でぴたりと固まって】
【ばつの悪い表情で、すっと後ろへ下がってゆく。バーネットとの距離が近付いた辺りで、】
【それこそ幽霊のように、ヴィンセントの姿は掻き消えたのだった】

「何となくです…が。 従者が破目を外して騒いでいる気がしました…ので、控えさせ…ました。
 彼は少々無邪気…過ぎる所が、あります…ので。お気を…悪くなさらぬよう。」

【ゆったりとした口調でそう告げると、バーネットは腰掛けていた木から立ち上がる】
【拾った木の葉はどうやら気に入ったようで、捨てることなくその手に摘まんだままだった】

「さ、て…。 つかぬ事を伺い…ますが。
 ヘイロン、竜人である…君は、普段はどのような物を召し上がる…のですか?」

【――問うたのは、本当に唐突な質問だった】
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/16(日) 00:31:33.41 ID:TNJ1g/ASO
>>811

……?

【急に固まり、大人しく後ろに下がっていくヴィンス】

(……そうだった、「従者」なんだったな。)

【少し困惑した表情になるが、すぐに状況を飲み込む】

あ、いえ、気を悪くするなんて、そんな事ありませんよ。楽しかったです。


えっ、いつも食べる物、ですか?
まぁ、普通に、パンとか果物とか、時々お肉とか、ですけど……?

【急に投げかけられた質問に、困惑しつつも答える】
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/16(日) 00:48:44.64 ID:tz3KeYQSO
>>812

「…おや」

【ヘイロンの返答に、バーネットは少しばかり意外そうな反応を見せた】
【彼にしては珍しいその表情は――すぐにまた、変わらぬ穏やかな微笑に戻って】

「失礼。 人とは違った物…を食したりなさるのか…と、思ったもの…で。
 食事を愉しみとして…いるものですから。 気になって…しまったのです。」

【竜人であるからには、何かこう、不思議なものを食べるのだと思っていたらしい】
【その先入観の方が失礼に当たる気もするのだが――、そこには気付かないようで】

「…ああ、そう言え…ば。 ディナーがまだ、でした。
 邸に…戻るとしましょう。 では…。」

【食事の話で思い出したように、そう告げて彼は元来た道を戻ろうと振り返る】
【夜も遅くだと言うのに妙な話ではあったが、あり得ない事でもない】

【何も問われなければ、このまま彼等≠ヘ邸に戻るのだろう――】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/16(日) 01:01:28.37 ID:TNJ1g/ASO
>>813

はぁ、確かに、よく分かんない物とかゲテモノめいた物を食べる人もいますけど、僕は人間の食べ物が好きです。

【少年はそうではないらしいが、バーネットの考えている事もあながち間違いではないらしい】

――そうですか。
じゃあ、僕もそろそろ帰ります。
さよなら、お元気で!

【そう言うと、立ち上がり、背中の翼を羽ばたかせ】
【夜空のどこかへ消えていった】


/お疲れ様でした!
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/16(日) 01:16:10.91 ID:tz3KeYQSO
>>814

「…成る程。 竜人とは興味深い方々です…ね。
 貴方に…出会えて良かった。 また何処かで…。」

【夜空へ羽ばたいていった彼を見送って、バーネットも元来た道を歩き出す】
【機嫌の良い様子で進むバーネットだったが、暫くして不意に、何かに気付いたように】
【ぴたりと立ち止まると、先程ヘイロンと別れた場所を振り替えった】


「――竜人とは、どのような味が…するのでしょう。
 私とした…事が…。 あの場で確かめて…おけば良かった。」

【肩を落として後ろを見据えるバーネットの隣、今は彼にしか見えないチェシャ猫が】
【心底残念げな、狂気めいたその視線と言葉に、背を震わせたのだった】

/乙でしたー!
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/16(日) 20:13:22.64 ID:d3EO6WoN0
【街中】

…………む、む。
確かに、よく考えてみれば――あの高いお空さんに、1人で手が届くわけがなかったんです。

【日が落ちようと、明るさの止まない街の中】
【表通りに面した小さなカフェの、さらに外の席】
【人の流れを見ながら、アイスココアを飲みながら、難しい顔をしているのは、1人の少女で】

【膝を越えるほどの長さの髪は、美しいケンブリッジブルー。縛ることはなく、ただただ動きに躍らせて】
【頭には、蝶の飾りのついた黒のカチューシャをつけていて】
【瞳はまん丸できらきらと輝くシトラス色】
【ふんだんにフェイクファーをあしらった黒のワンピースに、白のぽんぽんのついたケープを羽織っていて】
【黒のオーバーニーソックスに、これまたフェイクファーとぽんぽんをあしらった黒の編み込みブーツ】
【そんな、どちらかと言えば小柄な少女は】

でも、だったら、どんな人に頼ればお空さんに手は届くんですかね……。
難しい問題なんです………………――――でも。

【ずずずと行儀悪く音を立てながら、アイスココアを二口ほど啜って、それから唐突に】

…………とりあえず、楽に不法侵入できる廃ビルとか探しましょう! 話はそこからですよねっ!

【かぁんとココアの入った紙コップを華麗に机に叩きつけつつ、叫びつつ、猛烈に立ち上がって】

…………あっ、ごめんなさい!

【人々の白い目に晒されて、また席に座ったとか……、ちなみに、カフェに入った当初から大体こんなノリのままである。うるさい】
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/16(日) 20:53:46.93 ID:j13X0pv+o
>>816
【少女の近くの席】

.....。
(うるさい....)

【一人、片手で携帯をいじりながらコーヒーを飲み青年がいた】

【灰色の長髪を後ろで結んだ髪型】
【ボタンを全部開けた学ランを着用している】

【現在青年は暇つぶし中】
【適当ーに選んだ席で一服していて現在に至る】

(今までの俺なら...あの女を止めにいくだろう...)
【ズズズッとコーヒーを飲む】

(だが、気付いた...俺は女運が無い)

【話すと長くなるが、今まで出会った女性にロクな人がいなかったそうだ】
【つまり、運が悪い】

【ここで少女に手を出すと今度は上空からスカイダイビングでもされそうな予感が青年の中にあった】

【しかし、自他ともに認めたお人好しの性格のせいか、じっと少女を見て止めたがってる】
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/16(日) 21:23:41.39 ID:d3EO6WoN0
>>817

うふふふ……、一番手っ取り早いのは、ビルの所有者さんと仲良くなることですけど……。
それはまず無理ゲーです、基本無理ゲーです、だから今のところは諦めますっ。
ということは、つまり、不法侵入しか道はありません、ないのですっ!

【席に座ったところで、静かになるわけでもなく。肘をついて、笑んだ口元を隠しながら】
【洩れているのは不審者の笑み。というかこれから絶賛犯罪者になろうとしている笑み】

そうと決まれば即実行!
善は急げと偉い人は言いましたっ! ……よしっ!

【×善 ○犯罪行為】
【少女は再びがたんと立ち上がって、体を捻り、振り返りながら手の温度で温くなったアイスココアを最後に口に流し込んで】

…………ん?

【カップを口に当てたまま、その視線にようやっと気がついた】
【何事もなければ、数秒見つめあった後】

……ああ、うるさくてごめんなさい。もう行きますよっ!

【勘違い。言ってから、何かに気がついたように再びテーブルに向き直り】
【きゅっきゅと、テーブルをダスターで拭き始め】
【突っ込みを入れるなら、今がチャンス?】
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/16(日) 21:37:52.39 ID:j13X0pv+o
>>818
(おい....不法侵入...これは...)

【流石に危ない】
【止めなければと思うが、過去の女難経験が邪魔をする】

【しかし、その瞬間】
【♪目と目が合(ry】
【数秒間の沈黙】

あ、おい!

【青年は立ち上がりながら】
【立ち去ろうとする少女に声をかける..いや、かけてしまった】

ちょっと...ちょっと待てお前!

【心の片隅で絶賛大後悔しながら少女に話しかけようとする】

【かるーく周りの視線を集めながら】

820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/16(日) 21:54:52.46 ID:d3EO6WoN0
>>819

【特に綺麗にしたいわけではないが、自分の居た場所だしとりあえず――】
【そんな拭き掃除はあっという間、数秒ほどで終わりを告げて】
【たとえ適当な拭き掃除だろうと、たとえ真実がただの水滴の照り返しだろうと、磨けば光るものである】
【光る机に満足げに口元を釣り上げれば、今度こそ立ち去るべく振り返り】

【青年については未だに勘違いが続いていて】
【「うるさくてごめんなさーい。」だとか、もう一度告げて。ではさようならと足を出しかけたところで】

………………はい?

【実際にそうされたわけではないが、長い髪をくいと引っ張られたような】
【そんな心境で、振り向いて。元から丸い目がさらにまん丸く。表情には疑問が浮かんでいて】

…………な、なんですか?
……うるさかったことについては、謝りましたよ?

【わたわたと慌てながら、視線が泳ぎ泳ぎ】
【紙コップを両手で握り締めて、それでも首を傾げて、尋ねた】
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/16(日) 22:12:25.32 ID:j13X0pv+o
>>820
えーっと...俺が言いたいのはそんなことじゃなく....さっきの話....

【誤解を解こうと身振り手振りしていると】
【感じる複数の視線】
【周りの視線が痛いことに気付く】

あー...ここじゃまずいな....
【頭をかきながら言う】
【ここでは場所が場所が悪いと思い、そのまま少女に近づく】

...いいから、ちょっと来い。

【そう小声で言うとテーブルに先程のコーヒー代を置き】
【少女の手を掴んで(少々無理矢理)店から出そうとする】

【おそらく、青年と少女ではそれなりの身長差があるだろう】
【少女が大きく抵抗でもしない限り、二人は店の外に出ると思われる】


【どーでもいい余談だが、少女のココア代もコーヒー代と一緒に置いてある】
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/16(日) 22:27:00.29 ID:d3EO6WoN0
>>821

………………さっきの話って、えーと、……なんですか?

【知らない男の人+身振り手振り+用事があるらしい=あやしい】
【失礼ながら、少女の思考回路は、最終的にそんな答えを導き出して】
【そんな答えのせいか、さっきの話、なんていわれても。青年に向けているのは、不審者を見るようなもので】
【それでも、行動に移らないのは、周囲の視線ゆえ。人目のあるところなら大丈夫――なんて、軽い思考は】

…………――――ちょっ!?

【手をつかまれるという現実に、あっさり引き裂かれて】
【白い細い手を握られれば、驚きに染まった声が口から洩れて】
【ここ=人目ある 連れて行かれる=人目のない場所? 人目のない場所=危険】

なんですかっ、なんなんですかっ!?
なんで人目の下で普通に誘拐しようとしちゃってんですかっ!?
ちょっと意味わかんないです、ついでにお金払ってないです、知ってますか無銭飲食は立派な犯罪なんですよ――!

【当然といえば当然なのだが。いきなり手を掴まれて、ちょっと来いといわれて】
【それですたすたとついていくのは、きっと余程腕に自信があるか、頭が軽いかのはずで】
【どちらでもないらしい少女は、足をぐっと踏ん張って、掴まれて居ない方の手で、掴まれた手を解放しようと頑張りつつ、あげるのは少し大きめの声】
【わざわざ誘拐だとか無銭飲食だとか、周りの人や店員の気を引くようなことを口走っているのは、わざとか意図的か】
【どちらにせよ、ひどく誤解されそうというか、されるというか、なんというか】
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/16(日) 22:39:14.63 ID:j13X0pv+o
>>822
お前の不法侵入とか言ってるの聞くと怪しいからなー!
ちょっと心配でな警察の方へつれていこうかなーってな!

【負けず劣らず大きな声でいう】
【少女が不法侵入だとか何やら怪しかったのは他の客も知ってるはず】

ついでに、金も払っていてやったから感謝しろよー!

【非常に演技くさいが店員に金を指差している】
【きっと二人分の金が確認されるはず】

少しでも皆さんの安全を守れるように今から連れて行きますんでー!
以後、お見知りおきをー!

【お客さん全員に大きな声(&超笑顔)でいう】
【最後に深く礼】

(警察にも変な路地裏にも連れていかないから安心しろ)

【礼をしている最中に小声で少女に言う】
【信じて貰うかは少女次第】

【特に何もしなければ、店の外へ行くだろう】
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/16(日) 22:45:47.46 ID:r5btbVci0
【町はずれ―――廃墟群】

【そこは忘れられた場所、置き去りにされた記憶の墓場、打ち捨てられた場所】
【しとしとと雨が降り注ぎ、辺りには湿気が満ちている、老朽化した建物には苔が生えている】
【廃墟たちは、集合住宅地が如く身を寄せ合うように隙間なく建築されている】

【その中でも大きめの、病院のような一つの廃墟、そこから物音が聞こえてくる】


なんやぁ、なんで俺がこないな事せなならんのや………おおさっぶ…
まぁ奴に従えば、俺の欲求も満たされるし、我慢したろうかのぉ―――。

でもまぁ、住み着いてた乞食じゃあ喰いたらんし、他に面白そうな事も…
やっぱりさっさと回収して帰るのが一番やなぁ…ヒッヒッヒッヒッヒッヒ


【黒いパーカーを着て、頭はすっぽりとフードに覆われて伺う事は敵わない】
【下は、ブラブラと複数の拘束ベルトが垂れ下がった緑のカーゴパンツを履いている】
【足には、機械的なブレードや、ローラーの付いた装甲靴を履いている】
【身長は180cm程で、エセッぽい関西弁話すを割と長身の青年】

【何の跡か―――廃墟のポッカりと空いた穴から雨模様の空を眺め、愚痴を垂れる】
【手にはベッタリと血が付着しており、青年の背後を点々と血液が、まるで道しるべのように落ちている】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/16(日) 23:01:39.09 ID:d3EO6WoN0
>>823

ちょッ……、……、それはそれで、これはこれでしょう!
関係ないじゃないですか……未遂と現行犯なら圧倒的に現行犯が悪いんですよっ!

ねえそうでしょう皆さん……、……、ちょっ……!

【大声で言われて、それでもまだ負けず】
【口に出しただけの未遂者と、現在手掴んでどっかに連れて行こうとしている誘拐現行犯なうな人】
【ならばどっちが悪いだろうと。当然後者だろうと。喚きたてながら、周りの人に同意を求めれば】
【能力者がそこらにうろつくこんな世界。巻き込まれたくないと誰もが願ったか、既に周りの人は平和に紅茶などを楽しむ姿勢へと戻っていて】
【「あらこの紅茶美味しいわ」「こちらのケーキも美味しくてよ」「あらあら」「うふふ」。そんな会話すら、聞こえてくる】

そんな親切要らないからッ! 誰か、ねえ誰か――ッ!

【いくら踏ん張ろうと、青年の力なんかに抵抗し続けられるわけもなく】
【ずりずりと引き摺られ始めながら、いよいよもって少女の声に真剣さが混ざり始めて】
【出せる限りの高さで助けを求めながら、ずーりずり。ある程度引き摺られたところで、そう小声で言われても】

家に連れ込むって予告されてるんですけど――――ッッ!

【半分信じて、半分信じず】
【最早涙目。せめて店の外に引きずり出されないように、掴まれそうなものに掴まって抵抗するも】
【世の中は非情であった。必死さからかかいていた汗が。つるりと。その手を滑らせて】
【店の外で引っ張り出される少女。閉まるドア。からんころんと平和な鈴の音。アリガトウゴザイマシター、と人工音声】
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/16(日) 23:17:07.64 ID:j13X0pv+o
>>825
だーれが家に連れ込むって!? 言ったい誰がそんなこと!

【はっはっはと高笑い】
【&超笑顔】
【少女をずるずると引きずって...】


【そして、ところ変わって店の外】

【店から出た瞬間一気に緊張から解かれたように表情を戻す】
....あー、表情筋が痛い....久しぶりにあんな顔(超笑顔)したからな....

【空いてる方の手で自分の頬を揉む】
【先ほどとは一気にテンションが変わる】
【やはり演技】

【金払ってやったんだ...感謝しろよー...とのんびり言うが】

...で? さっきの話は何なんだ?

【早速本題】
【少女の顔を見ずに、言い出す】
【先程の不法侵入とかの話だろう】

【先程とは違う意味でテンションが違う】
【演技とは思えぬ真面目そうな雰囲気】
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/16(日) 23:32:58.61 ID:d3EO6WoN0
>>826

【店の外に出れば、こちらもこちらで、雰囲気が変わる】
【よく考えればここは街中で、しかも大通りに面しているような、人通りのある場所で】
【あそこまで喚き散らす必要は特になかったのである。冷えた頭を一度抱えた】

【その刹那に。ほんの一瞬、掴まれたままの腕に一瞬で籠められるありったけの力を籠めて】
【掴まれた手を解放すべく、一度、強く振るうだろう】
【力が強いとはあまり言えないが、腕を振りなれているというのもおかしい気がするのだが、慣れていて】
【その動作で手が解放されれば、その手を胸の辺りへと運び】
【「赤くなっちゃったじゃないですか。」なんて、手に視線を落としながら、言うはずである】

払ってくれなんて言ってません、見ず知らずの誘拐犯にお金払ってもらうほど貧乏じゃないんで……。
……というわけで、今から払ってきます。猛烈に払ってきます。

【感謝どころか、返したのは冷たい声色と、冷たい視線】
【暖色であるはずのシトラスが、まるで青く染まったかのように冷たくて――あれ?】

【先ほどまでの少女を良く見ていれば、きっと分かるのだろうが】
【シトラス色をしていた丸い瞳は、今では髪と同じく、ケンブリッジブルーへと染まっていて】
【それだけでなく、少女の周りにはゆらゆらと。これまた同色の魔力が薄く漂っている】
【明らかな警戒姿勢を見せながら、またくるりと店内に踵を返そうとすれば、そう尋ねられて】

…………さっきの話さっきの話って何なんですか?
……ああ、無理矢理どっか連れて行こうとした話ですか?
今なら許して差し上げます、悪い話じゃないと思うんですけど……。

【……あれー?】
【足を止めたは止めたが、思い出す「さっき」には、既に上書きが成されているらしい】
【ドアノブにかけた手はそのまま、顔の半分ほどだけ振り返って。ズレた言葉を返した】
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/16(日) 23:50:46.87 ID:j13X0pv+o
>>827
【少女が力を込めて手が離れる】

あ、掴んだままだったな。 悪い悪い
【掴んでいたの忘れてたのかよ】
【ずいぶん鈍感】

やれやれ...感謝の言葉の一つでも欲しいものだが...ま、いいか
【そう言うと、金を払いに行こうとする少女の背中を見る】

.........
【魔翌力には気付いているのかどうか、表情に出さない】
【ただ、見てるだけ】

さっきの話ってのはそういう意味じゃなくて....廃ビルとか不法侵入とかだよ!

【呆れたように言う】
【だが、以下にも「まぁ、いっか」とでもいいそうな顔になる】

一応、目の前で犯罪者になられるのも気持ち悪りぃし、それに廃ビルとか持ってる知り合いいるからな

【見ず知らずの人に協力しようとする姿勢は決して悪くない】
【だが、怪しいといえば怪しい】

【もちろん、青年の言葉を信じるのは少女次第だが】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 00:04:44.32 ID:dsgKE2WO0
>>828

廃墟にしてるってことは、持ち主さんだって、別にそれを必要としてないってことです。
つまりつまり、それを私が有効活用したっていいと思いませんか?
ビルだって喜ぶと思いませんか?
さすがにビルとか買うお金は無いですしね、アルバイトじゃ大金持ちは相当遠い遠いんです。

【カフェの入り口、ドアノブを持ったまま。これ以上の営業妨害はないんじゃないかと、そんな姿勢のままで】
【返すのは、ある意味ひどい言葉で】
【要するに、「誰も使ってないんだからいーじゃん?」。全然よろしくないのだが】

そのためなら自分が犯罪者になってもいいんですか?
健康のためなら死んでもいいみたいな思考回路、私はあんまりオススメしないですっ。

【言いつつ向けるのは、青年にそうだと認めさせようとするような、冷たい視線】
【例えるなら、同じくらいの年代の少女が、痴漢の男性に向けるような。そんな視線であって】
【最後のたとえは何となくズレているような。ただ、青年の言葉の一部に、ぴくんと眉を吊り上げて】

私にビルくれるんです?

【なにがどうしてそうなった】
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 00:16:53.40 ID:PgVj6FAco
>>829
(可愛くない娘だな....やれやれ)
【苦笑いしつつ、少女の話を聞く】

【己の思考回路まで否定されたが何とも思ってないようだ】
【心が広いというか...なんと言うか....】


あー...俺の知り合いに廃ビルとか隠れ家にしているやつがいるんだ
他にもたくさん隠れ家持ってるからわざわざ目立つ廃ビルにいることが
ほとんど無いからな...多分無断でも大丈夫だろ

【知り合いのものを勝手に渡す】
【中々ひどい人】

【それだけ、その「知り合い」と仲がいいのか....】
【もしくは、その逆か...】

結構ここから近いけど...見に行くか?
お前の探すビルがどんなものか知りたいからな

【青年は大通りの道を指差しながら言う】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 00:40:29.00 ID:dsgKE2WO0
>>830

【苦笑いには、気付いているのか、いないのか】
【いかにも警戒していますよ、いかにも信用していませんよ――そんな目を向けていたが】
【ビルの譲渡へと話が移れば。真夏の海面よろしく、瞳をきらきらと輝かせ】

えっ――、本当にいいんですか?
そんなこと言ったら本気にしちゃいますよっ、その場合、後からの返却なんてしませんよっ?
その知り合いさんには悪いですけど、返せとか言われた場合、全力であなたに土下座してもらっちゃいますよ?

【ほぼノンストップ。息継ぎの間すら惜しいのか、早口でまくし立てて】
【「責任取らないけどビルはくれ」要約すればそんな意味合いの言葉達は、とりあえず初対面の人に向けるべきではないと思うが】

ああでも無断は駄目ですよね相手さんに悪いですよねっ?
だからあれ、今回の誘拐未遂はチャラにしてあげますから、ちゃんと許可とってくださいっ!
メールでも電話でも徒歩でも糸電話でも何でもいいです、出来れば今すぐがいいけど何なら今すぐじゃなくてもいいですっ。
ほら捨てアドあげますから、そこに連絡してくれればいいですから、ねっ、面倒ごとに巻き込まれるのは本意じゃないですしっ!

【やっぱり早口。ビル譲渡の話が余程嬉しい、……様子?】
【口の前辺りで両手を合わせて、きらきらとした視線を青年に精一杯向けて】
【誘拐未遂なんて現実はなく、それどころかココアまで奢ってもらっている現実なのだが。見えていないのか、都合よく改変しているのか】
【それでもアルバイトはしているとのことなので、先払いでも後払いでもローンでも、とりあえずお金を得ることは不可能ではない、はずである】

あ、立地とかはあんまり気にしないんです。
何階建てですか? 鍵かかりますか? あんまり路地裏の奥とかだと怖いんですけどっ!

【差されたほうを目で追い、ようやっとドアノブから手を離して、そちらにぱすんと足を出して】
【ほら行きましょうさあ行きましょうと、そんな目を向ける】
【頭は軽くないが、目の前に餌を垂らされれば食いつく性格。……ある種ただの馬鹿である】
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 00:58:28.97 ID:PgVj6FAco
>>831
現金な奴だな....お前......まぁ、別に構わんが

【頭をかきながらいう】
【少女の変わり様に少々引いたが、まぁ結果オーライと思いホッとする】

まぁ、今から行って運がよければいるかもしれないし、いなけりゃ俺が連絡するからな.....

【どっちにしろ、今すぐでOKそうな雰囲気】

立地か...鍵はかかるし....たしか10階以上はあったと思うぞ....
大通り側だから結構安全だと思うし...
どっからかは知らないけど、電気と水はきてたはず....

【どこから引いたか分からない電気と水道というのがなかなか不気味】

まぁ、取り敢えず言ってみるか?すぐそこだから、

【そう言って青年は大通りの道を歩き出す】



【その道中、何もなければ5分ほどで例のビルに到着するだろう】


833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 01:14:45.15 ID:dsgKE2WO0
>>832

社会に適合していると言ってくださいっ!

【ほんの少しだけ、眉を吊り上げて。言う言葉は、ひどく信用に値しないようなもの】
【もしかして:社会不適合者】

……そういうものなんです?
まあ、それでいいって言うんなら、私は全然構わないんですけどねっ。

【こんな年頃の少女からすれば、きっと不動産とかよく分からない世界のはずで】
【何かやけに難しそうなそんなイメージでも抱いていたらしい】
【思ったよりも軽いノリに、きょとんと目を丸くするも】
【それならそれでもいいと、上機嫌に目を細めて】

えっ、……、……なんかめっちゃ普通のビルじゃないですか。
何かあれ、築数十年ボロいです倒壊しそうですヤバいですっ! みたいなの想像してたんですけど……。
……それだとあれじゃないですか、お金とか払ったほうがいいんです?
私バイトしかしてないんですけどっ、生活費結構かつかつなんですけどっ! 大丈夫ですかね?

【鍵有り、10階以上、水電気有り。予想外の良物件に、少女は目を丸くして、首をかしげ】
【丸くなる瞳は、いつの間にやら元のシトラスに。漂っていた魔力も極々薄れ、感知すら難しいほどに】
【尋ねるのは、家賃を払ったほうがいいのかどうかと、アルバイト程度、それも生活費やらを抜いた残りのお金でも大丈夫かと】
【常識的に考えれば駄目というか無理というか。現実は非情であるフラグ】

連れてってくれるなら行きますっ!

【こくこくと頷いてから、少女は青年の後ろをついていくはずで】
【ちなみに身長は低め。それゆえに、1歩1歩は小さめで】
【青年の歩く速度によっては、小走りで追いかけることになるとか】


/そして申し訳無いです、眠気がマッハなので、明日に回していただくことは可能でしょうか?
/明日はちょっと予定不安定なのですが、最低夜には空いてると思うのです
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 01:30:05.17 ID:PgVj6FAco
>>833
はぐれるなよー この時間でもこの大通り人が多いからな〜
【そう言って約5分後到着】

えーっとこのビルだな
【元々、何かの企業か何かが使っていたのだろう入り口の上に古い看板がある】

【見た目も綺麗な感じ】
【売れば、それなりの値が張りそうな物件だ】

【中もそれなりに掃除が行き届いており、家具がない分、殺風景だが綺麗な内装だ】

あれ? 鍵かしてない?....おーい!兄貴!いるのかー?

【入り口に入ったところで青年が階段のあたりに向かっていう】

【知り合いとはどうも青年の兄らしい】

【返事が返ってこない】

........?

【青年は首をかしげつつ階段へと向かう】


/把握しましたー!
/夜は基本いると思うので、舞台裏で声をかけていただければきますので

/おやすみなさいー!

835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 01:43:14.82 ID:dsgKE2WO0
>>834

むっ……、そこは子供じゃないですし、大丈夫ですっ!

【……とは言うものの】
【少女の小柄な体は、人並みにあちらこちら流されたりして】
【ただ、そのたびに意地でも戻ってくる。再び舞い戻ってくる】
【そんなことをしているうちに、目的地にたどり着けば】

………………――わぁ。

【10階以上、水電気あり(=ある程度整備されてる)、鍵あり】
【その条件から、ある程度想像はしていたものの。実際に目の前にすれば、そんな声しか出ず】
【ぽかんと口を開けながら、しばし見上げていたが】
【青年がさくさくと入って行ってしまえば、少し慌てた風に後を追う】

……お兄ちゃんのなんです?

【そんな風に疑問を漏らしながら。その視線は、きょろきょろとせわしなく周囲を見つめていて】
【すごく……うれしそうです……】

/了解しましたー、じゃあ夜になった辺りで呼びかけます。
/明日はちょっと無理、ってことになったらそのときは夜より先にお知らせできると思います、そのときはごめんなさいです
/ではひとまずおやすみなさいませ!
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 19:53:34.26 ID:PgVj6FAco
>>835
兄貴と言ったら兄貴だが、ロリコン変態野郎だよ

【階段を上がりながら思い出すように言う青年】
【少女にロリコンの意味が分かれば、危ない気がしなとこともない】

【階段を適当ーに上がると一つの部屋につく】

【管理人室】

おーい...入るぞー
【青年はノックもせずに扉を開ける】

ありゃ....これはどっかのコンビニで立ち読みでもしてるのか?
【部屋には誰もおらず、ロリコン変態という人の部屋とは思えないほど綺麗な部屋】

【簡易ベッドに何故かチェーンソーが二つの事務机、ソファー、大型テレビなどなど】

【そして興味を惹かれるであろう】
【大量の写真が貼ってあるコルクボード】
【一枚じゃ飽き足らないのか3枚もコルクボードを使って沢山貼ってある】

...まぁ、連絡いれてみるか。その辺で適当ーにしてていいよ
【青年は部屋入りながら少女に言う】
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 19:59:55.66 ID:BkP3eIAS0
>>836

うぇ……ロリコンなんです?
あ、そういえばこの前、ロリコンは治ります! みたいなキャッチコピーの本ありましたよ?
読ませたら案外治っちゃったりするかもですよ、保障しませんけどねっ。

【ロリコンと聞いて、うわぁと歪められる表情】
【まあ普通の対応ではあるが。居もしないどころか会ったことすら無い人にドン引きを示した後に】
【挙げる提案は、そんな怪しい本を読めというもので。不思議と効く気が全くしねぇ】

【かんかんと階段を上がるごと、少女のテンションは何となく上がって行って】
【管理人室にたどり着く頃には、瞳のきらきらは絶好調。鼻歌でも歌いだしそうなほど】

…………えー、居ないんですっ?

【ただ、中に誰も居ないと分かれば。露骨な落胆と共にぶーたれた】

……まあ、そのロリコンさんにも何らかの用事があったりもしますよね、仕方ないですよねっ。
うんうん、……あ、言われなくても適当にします、気にしないで下さいーっ。

【ぶーたれるも、立ち直りは早め】
【後ろで腕を組みながら、部屋の中をきょろきょろと見渡しつつゆっくり歩き】

…………。

【そのうちに視線が止まるのは、3枚のコルクボード】
【数秒じぃと見つめて、特に何もなければ、そのうちにソファに座るだろう】
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 20:12:21.10 ID:PgVj6FAco
>>837
ん...あ、それ家族写真ね。俺は知らない人ばっかりだけど....

【コルクボードの写真を見て言う】
【家族で知らない人が多いのは何か事情があるのかも知れない】
【と、思うがどう見ても家族に見えない】
【髪の毛のや瞳、肌の色もだいたいの人が一致しない】
【それに、人数が多すぎる...30人ほどいるだろう】

【古い写真も多く、色褪せている写真の方が多い】

今から呼び出すから写真については兄貴に聞いて...あれ?

【携帯を使おうとすると電波が悪い様子】

一本しか立ってねぇ...悪いけど、そこで待ってて、外でかけるから。
適当に待っててね

【そう言うと青年は扉から出ようとする】
【少女が何もしなければ、青年は出て行って、他人の部屋の静寂を味わうだろう】
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/17(月) 20:21:01.17 ID:zfWOmOkpo
【公園】
【遊具は隅にそこそこ、広々とした運動スペースを確保した『広場』というべきか】
【敷地をぐるりと囲う鉄柵は頑強で、思い切り人体を叩きつけてもびくともしない、ような】

模擬戦の相手は公園で探せ、といわれても……、
あまり目立つと、秘匿行動に支障が出る、の。

【中央に、機械的に柔軟を行っている一人の少女がいて】
【愚痴っぽいことを無感情に呟きつつも、運動だけはきっちりこなしている】

【中学校就学前程度の外見に、気のない金のジト目と栗口。白哲の肌】
【側頭部を隠す耳垂れがついた、猫耳めいたニット帽】
【帽子の裾から覗く前髪は黒だが、耳がある位置から後ろは、黄身掛かったプラチナヘアを帽子の中に押し込んでいるらしい】
【薄手の半そでベストに、丈の短いミニスカート。腰に巻かれた謎のファーは何故か四分の三程度しかなかった】

でも、情報収集と経験値稼ぎの両立が出来るのは、魅力的、なの。
誰か、来る…の?

【鉄柵の境目、公園の入り口をじぃと見つめながら、華奢な身体を暖める少女】
【感情の薄い小動物のような少女だが、彼女の眼鏡に適う人材は、果たして現れるのか――――?】
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 20:23:45.81 ID:BkP3eIAS0
>>838

へえ……家族写真なんです?
失礼ですけど、他人率高くないです? または超浮気してません?
あまりにもアレな気がするんですけどっ。

【コルクボード3枚分もの家族写真】
【余程写真好きな一家かと思えば、そもそもの数が多く】
【大家族なのかとよく見れば、圧倒的容姿の不一致】
【そこが疑問だったか、写真をじぃと見つめたまま尋ねるのは、確かに言葉通りに失礼で】
【それでも、しばらく写真を眺めれば満足したか飽きたか、やはりソファーに腰掛けて】

私って写真嫌いなんですよ。
なんか、写真っていつまでもそのままじゃないですか。
私はもうその時とは違うのに、その写真の私はその時のままじゃないですか。
気味悪くて嫌いなんです、超嫌いなんです……、うぇ?

【あまり関係のない、自分のそんな小話】
【無駄知識にもならないようなことを口にしていたが、青年の上がる語尾に釣られたように、こちらも疑問系の声を漏らして】

1本あれば結構十分な気がするんですけど、うーん?
まあ、確かに電波悪いとアレですしね。ご自由にどうぞですよ?

【世の中には街中でも圏外になる携帯があるのです……うふふ】
【まあそれはさておいて、青年が外に出ることについては何の文句も無いらしい】
【寧ろ、ひらりと手を振ってまで、見送る姿勢】


【そして、青年が部屋から出ていけば】

そういえば、あれぇ。
これって連れ込まれたのと同義じゃないです?

…………、うん、なんとかなりますっ、なんとかなりますって!

【ホイホイついてきたことを、軽く後悔?】
【無人の部屋でぐっとガッツポーズ。なんとかなるさと楽観的独り言は、きっと無人の部屋によく響いたのである】
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 20:35:35.46 ID:PgVj6FAco
>>840
【少女の独り言が部屋に響いた時に音が聞こえる】
【天井...からか?】

【その音の正体はすぐにわかる】

【ガッ!と、もろ天井にいる何者かが天井蹴り破ったのだ】

「やー...僕の気配に気付かないって...無力君、ちょっと見ない間に落第レベルだなー! ハッハッハ!」
【よく意味のわからない独り言】

【長い赤髪の長髪】
【ひょろりと背が高く高級そうな眼鏡をかけ、高級そうなスーツをしときていている男】

「なんか可愛い女の子がいる気配がすると思ったらこんなところに!」

【キョロキョロとわざとらしく見回して少女を見る】
【そしてニッコリ超笑顔】

「こんばんは。お嬢さん」

【まさか....例のロリコン変態兄貴か?】
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 20:46:11.35 ID:BkP3eIAS0
>>841

【唐突に天井から響く物音に、握ったガッツポーズにいっそうの力がこもり】
【警戒した目つきで天井を見上げて】

……ふん、こういうのは猫だって決まってるんですよ?
私知ってるんです、今にも上からにゃーんって猫の声が…………、……ひぃ!

【警戒したくせに、わけのわからない理屈で油断して、驚いて】
【ずいぶんと間抜けだが、ちなみに本人は8割くらいは真面目である】

うわあ、盛り上げるためにわざわざ天井とか突き破っちゃうような人種って本当に居たんですねっ。
私初めてみちゃいました……笑ってもらうために命、かけちゃってる系人種ですよねっ?

【天井突き破って現れた男に、驚きながらもどこかズレた独り言を呟いて】
【最後に、かくんと首を傾げて、そう尋ね】
【お笑い芸人か何かと勘違いでもしたのだろうか。口に手を当てて、優雅にうふふと笑って見せて】

こんばんはです、私、さっきまでここに居た男の人に……えっと、誘拐されかけたんです。
でも、騒ぎにするのは嫌だからって、だからこのビルプレゼントするから黙っててくれないかって言われたんです。
とりあえずそんな人です、はじめまして。

【嘘は……言って……ない……?】
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/17(月) 21:12:54.02 ID:G8YdcLLo0
【公園】

…………
"……我がこんな事を言うのも、おかしいかもしれないが……我が主の事は、あまり抱え込まない方がいい……"
……でも、なんだか…………どうしても、やるせなくて…………
"…………無理もない、か…………"
「…………――――」

【黒のボディースーツを着込み、目元をバイザーで覆っている、蒼黒色のショートカットをした、額にοの文字が刻まれた小学生ほどの少女が】
【ベンチに浅く腰かけ、うなだれたまま身じろぎもせずに俯いている】

【そばには、車椅子に腰かけた、右目の周囲に振るい火傷の跡のある青年を伴っており】
【また、その青年の首筋には一匹の蛇が巻きついており、少女と人語で言葉を交わしている】

"…………だが、こうしている事もないのではないか?
せっかく戻ってこれたというのに…………"
なんか…………今は、お姉ちゃんの側にいても、落ち着かなくて…………
"…………しばらくは、気持ちの整理が必要、か…………"
「…………――――」

【青年は、虚脱しきったような表情で、生気のない眼をぼんやりと空へと向けている】
【足には膝掛けが掛けられていたが、その両足は明らかに常人よりも短くなっていた】
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 21:22:20.23 ID:PgVj6FAco
>>842
「誘拐だって?ハッハッハ!面白い冗談だねー!」

【バレてる...だと....】
【男は大きく高笑いしながら言う】
【なかなかうるさい】

「君達の会話は一応聞いてたよ。あのカフェぐらいから、この耳でねー」

【しかもつけられていた】
【恐ろしきストーカー】

「愛する弟は現在このビルの入り口で電話番号を打ち込んで....ほらきた」
【そう男が言うとピッタリのタイミングで男の携帯が振動した】

【が、男はその電話に出ずに放っている】

「コーヒー....じゃないね、ココアでも飲むかい?最近は寒いからね」

【そう言うと男は部屋の片隅のお湯でも入ってるであろうポットの所へ】


【余談だが、瓶を見る限り、有名な超高級ココアのようだ】
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 21:31:09.77 ID:BkP3eIAS0
>>844

同じ親に育てられると、同じような思考回路になるんですかね?

【うるさいのは慣れているのは、大して気にはせず】
【ただぽつりと呟いたのは、受け取り方によってはずいぶん失礼なもの】
【多少便利に口に出している感はあるが、比較的真面目に。誘拐未遂だと判断している部分が少女にはあるのである】

うわあ。
そんな聴力って、生きていくのにどうなんです?
関係無いけど、犬って人間の……えーっと、何千倍とかの嗅覚って言うじゃないですか。
そういうのって私人間なんて分からないんですけど、ドリアンとか嗅いだらどうなるんだろーって考えるじゃないですか。
それと同じで、つまり、あなたを岩盤ガリガリ削る工事現場なんかに放り込んだらどうなるんですっ?

【地獄耳すら超越するような地獄耳。素直に驚きを表情に出してから】
【下らない好奇心が擽られたか、尋ねるのはそんなこと】
【「または大音量ヘッドフォンでもいいですよっ?」なんて、一般人でもお断りしたいようなことまで口にして】

あ、ううん、私はもういいんですっ。
さっき飲んだばっかですし、夜にあんまり飲むと太っちゃいますしっ!
乙女に脂肪は厳禁なんです、だからお断りしますっ!

【それからぱたぱたと、手を振ることで拒否をアピール】
【曰く、夜分のココアは太りそうだから遠慮したいとのことであって】

……ところで、電話に出んわ?

【…………うん?】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 21:46:18.68 ID:PgVj6FAc0
>>845
「聴力はそこまで凄くないよ? 長年の経験と洞察力?....だっけ、それで何とかなるのさ」

【「さっきのカフェも実は店内にいたし、さっき携帯片手の愛する弟を廊下で見かけたから」だそうだ】
【どんな長年の経験だよ】

「飲まないのかい? 僕も歳だからカロリーハーフを飲んでるんだよねー」
【そう言いながら自分の分をコップに注いでいる】

「いやー....君が家族の子に雰囲気似てたからびっくりしちゃったよ」
【ココアを飲みつつ、笑いながら言う】

【家族....例の写真の事だろう】
【詳しい事は変態兄貴に聞けとか、あの青年は言っていたような】

「電話に誰も出んわってね。心配して僕を捜して夜の街走るのを想像しちゃってねー!」
【己の弟を弄ぶ】
【なんて奴だ】
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 22:05:14.50 ID:BkP3eIAS0
>>846

それって、……経験とか洞察力関係なくないです?
ただ普通に現場を目撃しただけじゃないですかっ。

【「それなら私だって洞察力すごいですよ?」】
【超地獄耳、まさかの現実。ほんの少し呆れたような表情をしながら、首を傾げて】
【私にも出来ると。そう言って、なぜだか少し偉そうに笑みを浮かべ】

大丈夫ですっ。
それに今日って少し暖かいじゃないですか、ホット飲む気にはならないなぁって私は思うんです。
……あと、カロリーハーフって基本マズいじゃないですかっ。
太りたくないとは言え、わざわざマズいものを食べるのは何か違うなあって思うんですよ。
だったら、普通の奴を美味しくちょっぴりいただきたいなぁって。

【やっぱりココアはノーセンキュー】
【見知らぬ人から渡されるものを飲みたくないのか、口に出した理由の通りに飲みたくないのか】
【どちらかはよく分からないが、ともかくも。ココアは要らないらしい】
【ふるふると首を振ってから】

へえ、そうなんです?
じゃあさぞかし良い子でしょっ?

【出された家族の話題には食いついて。さり気なく何かをのたまっているのは気のせいではなく】

布団が吹っ飛んだとどっちがサムいですかね?
全世界のサムさんに聞いて確かめてみるのがオススメだと私は思いますっ。

あ……あと、あんまり帰り遅いと、宿から締め出されちゃうんでっ、ちょっとそれは困っちゃうのです。
あんまり戻ってこないようだったら、メアド置いて帰っちゃいますね、申し訳無いですけどっ!

【こちらもこちらで、高尚なギャグセンスを持っているわけでなく】
【あまり面白くもないようなことを言って。それから、思い出したようにそんなことを】
【言って、数秒ばかし。座った姿勢を整えてから】

……まあ、まだ余裕あるんですけどね。

【けろりと付け足した】
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 22:18:34.67 ID:PgVj6FAco
>>847
「カロリーゼロとかって確かに、糖分使ってなくても何使ってるかわからないよねー」

【「まぁ、どうでもいいけど」だそうです】
【さっきまで歳がどうこう言ってたくせに】

「僕的には電話に出んわの方が寒い気するねー」
「今度サムさんに会ったら聞いてみよっか」
【知り合いにサムさんでもいるのかよ】


【少女にそっくりな子について】
「いやー、本当にいい子だったよ....本当に...」

【いつになく真面目そう】
【普段不真面目な人が真面目になると気持ち悪いとはこのことかもしれない】

【「生きていれば...もう二十歳か.....」とか呟いてる】

【生きていれば....その単語が気になるかもしれない】
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/17(月) 22:31:02.28 ID:zfWOmOkpo
【公園】
【特記する事のないありふれた公園。広くてベンチがあり街灯が明るい、それだけの場所だ】
【そんなだだっぴろいところではあるが、今のとこ人影は、見やすいベンチに座っている一つだけ】

「何あれ、ふざけてるの……?」
”フレスめ、いらぬ追い討ちかけやがって…”

【声は少女と、近づくと頭に直接響く少年の念話だけ】
【要するに、一人なのに会話している。遠目からでは単に座っているだけだが、右手の腕輪へ視線を落とし、なにやら呟いているのだ】

【蒼い制服。白を基調とし、回路図のような青い図形がびっしり描かれている】
【身長は160半ば、15・6歳の平均的体格。右腕に銀と金が精緻に編まれた腕輪をはめている】
【左腕をギプスで固定し、首に巻いた白い布で吊っている。けが人であると一目でわかるだろう】
【ボサボサの黒髪と糸目、温和そうな印象を与える笑顔が特徴といえて】

「報告によれば、対象は自爆同然に消失したとのことですが」
”一時的なことに過ぎないだろうね、ハルピュイアだし”
”ロゥならいけるかとも思ったが、アレではよくわからない…引き篭もって鬱ってるから鍛錬もしないし”
「やはり、宝玉は必要でしょう。少なくとも向こうも動力が欲しいのは同じです」

【それしかないかと嘆息して、一人のような二者は天を仰ぐ】
【変わらぬ糸目の隙間、青く輝く瞳が茫洋と彷徨い、眉が潜められる】
【難題を前に思案しているような少年】

”……アレは、僕らではフルスペックでもトドメがさせないからね”
”こちら側の戦力…ないし、この世界を原産とする魔力供給源が、どうしても、さ…”

【ため息をつくのに慣れてしまい、彼はまた呻いた】
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 22:36:01.57 ID:BkP3eIAS0
>>848

……確か、ヒトが腸で吸収できない糖分を使ってるんでしたっけ?
だから人によってはおなか壊したみたいになるって、確かそんなだった気がしますけどっ。
まあ、カロリーハーフとかノンカロリーとか好きじゃないし、滅多に食べないから別にいいんですけどねっ。
私にはあんまり関係無いことなのです。

【少し自信がないらしい。声のトーンを僅かに落として、首を傾げて】
【あまり自信が無いですよという姿勢を見せながら、そう口にした後に】
【結局自分は食べないからどうでもいいけど、なんて。締めれば、何かもう台無しであって】

まあ、駄洒落談義はどうだっていいんです。
駄洒落を言うのは誰じゃとかねえ……、……そんなのははげ散らかした親父共だけでいいんですよっ。

【自分から言い出したくせに、適当な扱い】
【駄洒落トークについては飽きたらしく、何となく話題を終わらせようとしながら。男の言葉に首を傾げて】

ま、過去のことってたいてい美化されるもんです。
だって過去の美しさを塗りつぶす現在の存在が居ないわけですし?
後はアレですね、嫌な記憶を誰だっていつまでも覚えときたくなんかないでしょっ。

【夢も希望もなかった。足を組んでから、その足に肘をついて】
【掌に顎をちょこんと乗せて、首を傾げてから】

ビル貰う代金として、思い出話。少しくらいなら聞いたげてもいいですよっ?

【にこり。言う口調は、自分と似てるらしい誰かについて、興味を持ったような。そんなものだったとか】
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 22:53:48.43 ID:PgVj6FAco
>>850
「はっはっは、駄洒落で笑っちゃうって僕も親父だね...いや、子供いないからおっさんか...」

【パッと見た感じではまだ20歳前半だろうに】
【「最近、足腰が痛くてね」...本当におっさんだった】


「過去のことは美化されるか...面白いこというね君」
【少女をの方を向いてにっこり笑っていう】

「確かに美化されてるかもね...当時のあの子はいつ死んでもおかしくなかったし...」

【男はそのままコルクボードの前へと歩いて行く】

「えーっと...あったあった。この写真だよ」

【男は貼ってある写真の一枚を少女に見せた】
【写っているのは、こちらを見あげているように写った少女の写真】

「もう十年前の写真だよ。僕の妹さ」
【妹というには男は赤毛に対し、写真の子は緑色の髪だ】

「もう、十年も前だし、一般人には知られてないからなー「代戦争」...知らないでしょ?」

【「代戦争」】
【十年前に起きた出来事らしいが少女は知らないであろう】
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 23:07:40.70 ID:BkP3eIAS0
>>851

世の中には年上好きって言うのが案外いっぱい居るものですよっ。
その歳なら、遺産目当てって言うのもないと思うのです。ねっ。

【「だから大丈夫」。そう言いたげな視線が男へ向けられて】
【何となく同情しているらしい。哀れんでいるともある種取れるような、言葉と視線】
【「ちなみに私は同い年くらいでいいです。」別に追い討ちをかけたわけではないが、そんなことも言って】

過去は美化されるし、都合の悪いことは忘れるのです。
だから虐めた側は覚えてないけど、虐められた側は一生死ぬまで覚えてるってようなことが起こるんですよ。
でも、覚えてないことで一生怨まれるってどんな気持ちなんでしょうね?

もしかしたら私もそうやって怨まれてるかもしれないって思うと、人生生きるのがうわぁって感じになっちゃうんで、考えないんですけどねっ!

【面白いと言われれば、何が面白いのかよく分かっていない風に首を傾げて】
【一通り言い終われば、怖いとでも言うように肩を竦めて、小さくため息】

ふーん……、髪は長かったんです?

【写真を見せられて、ほんの一瞬。なぜだか少女は眉を顰めて】
【写真の中、既に死んでいるという緑髪の少女を数秒睨みつけるように見つめた後に】
【気でも紛らわせるように尋ねて、自らの長い髪を摘んで、長さを見せ付けるようにして。首をかしげ】

私、最近この辺に来たばっかなんですよ。
前はもっと田舎に居たので……とにかく知りませんねっ。

【知らないと、答えた】
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/10/17(月) 23:21:26.25 ID:trT4YCbX0
htp://kamome.2ch.net/net/subback.html

こんな所に居たら愚痴スレで叩かれるぞwwwwwwww
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/10/17(月) 23:25:18.49 ID:trT4YCbX0
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/net/1317547326/l50
http://jbbs.livedoor.jp/sports/38866/

こんな所に居たら愚痴スレで叩かれるぞwwwwwwww
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2011/10/17(月) 23:25:44.11 ID:trT4YCbX0
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/net/1317547326/l50
http://jbbs.livedoor.jp/sports/38866/

こんな所に居たら愚痴スレで叩かれるぞwwwwwwww
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 23:25:56.10 ID:PgVj6FAco
>>852
「髪...かい?....確か長めだったと思うよ」
【写真の少女を見て言う】

【そして少女の長い髪を見て】
......
【無言で「撫でていいですか」アピール】



「そうかい...いや、知らなくて当然さ。その「代戦争」の生き残りもほとんど残って無いからね」

【「まぁ、その生き残りに僕がいるけどね。昔は強かったんだよー」とか言ってる】

「「代戦争」というのは...まぁ、話せば長いけど、僕達、神崎壱属の殲滅戦だったからね〜詳しく説明すると...

【変態説明中】
【「代戦争」とは当時は裏で最強と言われた殺し屋一族「神崎壱属」の殲滅が目的の集団戦闘のことだそうだ】

【その特出した実力が疎まれ、「神崎壱属」30人対その他殺し屋3000人以上の戦闘だったそうだ】

【現在の生き残りはこの男と青年を含めて、片手で数えれる程度しかいないそうだ】


「まぁ、当時戦闘狂だった僕は毎日がエキサイティングだったけどね!アッハッハ!」

【口では笑っているが十年前ならとの男もまだ子供だったであろう】

【写真の人間で、そのほとんどが故人というのが中々辛ものがある】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/17(月) 23:40:25.70 ID:BkP3eIAS0
>>856

……ふーん?
まあ、髪が長かったからといって、何の得も無いんですけどね。
ただ気になっただけですし……、……。

【髪は長かった。疑問が解決しても、晴れた顔をするでなく】
【気になったから聞いてみただけで意味は無いと。そう何となく説明してから、数秒】
【そのアピールに黙り込んで。おもむろにワンピースのポケットから携帯電話を取り出せば】

…………。

【躊躇いなく1、1、0。そして、その携帯を耳に当てて】

もしもーし、おまわりさーん? ここでーす、変質者がいますー!

【わあ、通報しやがったこいつ】
【……と見せかけて。携帯を開いた一瞬、気付くことも可能なはずである】
【明るくならない画面。つまるところ、電源が入っていない】
【どちらにせよ、少女は、電話の機能が一切無い携帯電話にそう告げれば、ぱたんと携帯を閉じて】

……まあそういうのって私、詳しくないですしっ。
興味も特にないんで、素っ頓狂なこと、言うかもしれないんですけど。

殺し屋さんってそんな世の中溢れてるんですねっ?
私の住んでたところとか超平和だったんで、そういうの居なかったんですよね。
都会怖いなぁ。

【どちらか片方が居なくなるまでの殺し合い】
【聞いて、18かそこらの少女が抱いた感想は。ズレたものであって】
【殺し合いがどうとかでなく、街に殺し屋とかそういったものが結構居るらしいことが怖い、と】

…………ふーん…………。

【ただ、目の前の男が戦闘狂だったと聞けば。シトラスの瞳を伏せて、僅かに冷たい反応】
【……つまるところ、自分に降りかかる火の粉は怖い。他所で燃え上がる火炎ならば、どうだっていい】
【そんな思考を持っているらしい。数秒後、男へと戻される視線は、ケンブリッジブルーへと染まっていた】
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/17(月) 23:54:48.45 ID:PgVj6FAco
>>857
「ハッハッハァ!今の僕でもおまわりさんぐらいかるーくあしらってやるさ!」

【またもやハイテンションに戻る】
【うるさいと言うか...なんというか....ウザい】


「あれ?ちょっと怯えてる?......戦闘狂と言っても昔の話さ、今はこうやってのんびり過ごしてる」

【「僕も昔は【十三番目の現実】って名で有名だったんだから」だそうだ】
【昔の栄光ということなのだろう】


「それに今は僕達は死んだことになってるのさ。」
「「神崎壱属」全員が表でも裏でも世界から消えれば「代戦争」は終結。今に至るのさ」

【犠牲は大きかったとのことだ】

【男は久しぶりに思い出話をしたせいか今までとは違ういい笑顔をする】

そうだ!....ぜひ君にお願いがあるんだった!

【たった今】
【たった今思い出したようにいきなり言う】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/18(火) 00:14:12.78 ID:atdJMKcB0
>>858

別に、怯えてはないですけど、ねっ?
殺すつもりなら、とっくに手出してると思うんですよ。
だってここ、他に誰も居ませんし、表通りにいくら近くたって、ねえ?
だから、すごく不安定な上のとりあえず、で落ち着くことにしてるんです。

【信用は特にしていないが、だからと言って疑っているわけでもない】
【中途半端な立ち位置で、ただ、警戒だけをしておく】
【全身の中で唯一の暖色を失ったからか、少女自身がひどく冷たい人種のように見えるかもしれず】

つまり社会的には化けて出た幽霊ってことで見られるんです?
それとも蘇ったゾンビかしら?
どっちみち、いい待遇は期待できそうにないですよねぇ。実際のところどうなんです?

【ただ、好奇心自体は人並みまたはそれ以上程度にあるらしい】
【特に結構下らない疑問点が発生しやすいタチらしく】
【当初から、妙な質問ばかりしている気もするのだが】

お願い事? ……内容によっては普通にお断りしますからねっ?
私、ただのアルバイターなんです。特殊なナンチャラは持ってないんですっ。

……あ、でも、ちょっと手短にお願いします、ねっ。
さっきも言ったけど、あんまり遅いと宿閉められちゃうんです。
明日も朝からバイトありますしっ、生活費かつかつですしっ、ねっ、ねっ?

【お願い事。初対面の、それも名前も知らないような人に?】
【とりあえず頷きはしたが、あからさまに疑ったような青い視線が男に向けられるはずで】
【それから、指をくるくると回しながら、そんな風に急かす言葉】
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/18(火) 00:59:01.10 ID:atdJMKcB0
>>858>>859
/申し訳無いです、明日は朝から遅れられない用事があるので、今日は落ちます。
/急用が出来ない限り、明日も今日と同じくらいの時間には手が空いてると思います。
/本当に申し訳無いです、お先におつかれさまでした。
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/18(火) 20:48:12.57 ID:CNwzCJypo
>>859
「「ゾンビ」....「幽霊」...いい表現だ!ハッハッハ!僕みたいな怠け者は一度そういう経験したらいいかもね」

【相変わらずの高笑い】
【「名前伏せれば以外とやっていけるものなのさ」だそうだ】
【十年も前なら容姿も変わるだろうし無理もない】


「ふっふーん...お願いはお願いさぁ...一応、このビルの管理者である僕のね」

【何だか不気味な笑顔】
【一瞬、メガネがきらーんと光って】

【真面目な顔で言った】

「....一度でいいから僕のことを「お兄ちゃん」と呼んで.....ブヘラッ!
なに言わせてるんだボケェーッ!

【台詞を遮るように部屋の扉が蹴り破られ先程までどっかに行っていた学ラン青年が飛び込んでくる】

【青年の飛び蹴りは扉では止まらず、そのまま男の後頭部を直撃】

【男は宙を舞い、2mほど吹き飛んで床に倒れこんだ】
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/18(火) 20:57:02.30 ID:e3aFM/Nm0
>>861

……というか、死んだ後に復活してくるものがあんまり思い浮かばないんですっ。
後は何でしょう、フェニックスとかもそうだと思うんですけど……。

【ゾンビはともかく、幽霊は復活してる、のだろうか?】
【首を傾げ、人差し指で緩く唇をなぞりながら言葉を紡げば、わざとらしく言葉を切って】

…………フェニックスに失礼だと私は思うのですよ。

【なにこれ失礼】
【これから少なくとも安くないようなビルを強奪しようとしている人が。こんな口の利き方をしていいのかと】
【グーを叩き込んでもきっと、本人は文句を言うだろうが、ある程度は許されるのではないだろうか。そんな発言で】

まあっ、それもありますし、ものによってはきちんと聞きますよっ。
後からなんかトラブルとかあっても面倒ですしね、貰ったものは返さないクチなんです。

【組んでいた足を解いて、ソファに両手をついて】
【背もたれに寄りかかるようにしながら、なぜだか若干偉そうに「それで?」なんて表情を見せて数秒】

【その表情がころりと変わった。……道端でのたくるミミズを見たような、そんな表情に】
【飛び込んでくる青年には一度体が跳ねたが、それ以上の反応は見せず】

ぐっじょぶです。誘拐犯のくせに結構いい働きするじゃないですかっ。
ちょっと見直しちゃいますよ、全世界の女の子のために頑張っていただきたいですねっ!

【青年に親指だけ立てた握りこぶしを向けて。もう一度言うが、こちらが何かをもらいうけようと言う側である】
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2011/10/18(火) 21:07:29.31 ID:B6QZK6mf0
【公園】

足取りは、掴めたか?
「いや…………未だ、有力な情報はない……」
<……前回の戦闘以来、行方不明になったままだ>

【黒のボディースーツを着込み、目元をバイザーで覆っている、小学生ほどの3人の少女が】
【街灯の下で、無表情な顔を突き合わせながら、ピリピリした会話を繰り広げていた】
【少女達の額には、それぞれγ、δ、λという文字が刻まれており】
【γの少女はライトグリーンの、δの少女は黄色の、λの少女は赤紫色のショートカットをしている】
【なにより、髪の色と額の文字を除けば、彼女らの容姿は瓜二つである】

――――オリジナルも、敗死してしまった…………このままでは済まさんぞ…………
「…………」
<…………>

【ふと、少女たちは顔を伏せてわずかな間、沈黙する】
【それは、まるで死者に対して黙祷を捧げている様な姿だった】
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/18(火) 21:12:52.24 ID:CNwzCJypo
>>862
【男は蹴られた衝撃で地面に倒れている】
【が、なぜかとても幸せそうな顔をしている】

【どMか弟に構ってもらえたか...どちらかだろう】
【どっちにしろ困った人だ】

おっおい!大丈夫か!?

【青年は男を盛大に蹴り飛ばしたあと、すぐに着地し、少女の方へと向かって行く】

大丈夫か!さっきみたいに変なこと言わされたり、
触れたり言わされたり言わされたりしなかったか!?

【青年はその両手で少女の肩を掴んで言う】
【よほど心配なのか肩を揺らしつつ言う】

【それだけ心配なのはありがたいが、顔が近い。キモイ】
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/18(火) 21:27:41.35 ID:e3aFM/Nm0
>>864

【その幸せな表情は、しかし、少女の視界に入ることはなく】
【既にその視線は、舞い戻った青年の方へと。にこにことあまり楽しそうとかには見えない笑みを浮かべながら、接近を眺め】

おっと、踊り子には触れちゃあいけないんですよっ?

【ひょいと、露骨にその腕から逃れ。とはいえ、ソファの上から退くような動きではなく】
【追いかければ、今度は掴まる。揺らされていようと、いなかろうと、少女はかくんと首をかしげて】

お兄ちゃんと呼べとしか言われてませんよっ?
私に兄弟は居ませんし、契りを交わすつもりもないので、お断りするつもりでしたけどっ!

【「ものによってはきちんと聞く」。つまり、「ものによっては聞かない」】
【その発言の逃げ道通り、少女はそれをお断りするつもりだったようで】
【それから、倒れ伏す男へと視線を動かして】

……昏倒しちゃったんならもうどうしようもないですかねっ?

【少し残念そうな表情で。わざとらしいため息を一つ吐いた】
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/18(火) 21:44:35.82 ID:CNwzCJypo
>>865
大丈夫ならいいんだが...悪いな、兄貴の気配に気付けれずに二人きりさせちまって

【何かしているしている様子】
【一応反省はしているようだ】

もし、兄貴と兄妹の契りでもしてみたら、
毎日、猫耳メイド服着させられるぞ
....昔いたからな....

【いろいろとひどい】
【少女いうお断りの方向で正解であろう】
【「ちなみにあいつ」とコルクボードの写真を指差す】
【先程までの会話に出てきた緑色の髪の少女】


いや、多分、目は覚めてると思うぜ?
愛する弟に蹴られたんだし

【「愛する〜」の部分は非常にいやそうな顔をして言う】

まぁ、兄貴に会ったならもうこのビルのことは話しただろ?
もういいんじゃないか?

【そういえば、当初の目的は管理者の承諾だったはず】

【もうビルはもらってもいいのでは...?】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/18(火) 21:54:06.10 ID:e3aFM/Nm0
>>866

いや、構わないですよ。
別に何にもなかったですし、何かあったら今頃こんな平和じゃないですしっ?

【何も無かったから平気理論】
【いつの間にやら瞳はシトラスに戻っていて、真ん丸い瞳をいくらか細めると】

…………うわ、ドン引きです。
真面目に不真面目にドン引きします、しちゃいますっ。

やっぱロリコンは消毒すべきですね、火炎放射器とか無いんですけどっ!

【指を差す動作に、視線は指の先を追いかけて】
【また同じ少女の話題が登れば、うげぇと表情を歪める】
【それから倒れ伏す男へと視線を向けて。今度は、今度こそ、ミミズどころか黒い悪魔なんかを見たような目を向けて】
【「スプレー缶とライターがあれば簡易火炎放射器作れるんですけど……。」】
【……念のため補足しておけば、とりあえず冗談の範疇の発言である。人を燃やす気はあまり無いのである】

うわ、ことさらに趣味が悪いじゃないですかー、やだー。
……えーでも、譲渡とかそんな話題でなかったんですよ? それでもいいんですかね?

【さらに歪む表情。ああ男への評価がどんどん鰻下がりしていく】
【「貰えるならこのまま所有権いただいちゃいますけど。」首を傾げた】
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/18(火) 22:10:21.04 ID:CNwzCJypo
>>867
そうだいな〜汚物(ロリコン)は消毒しないとな

【結構真面目そうな顔して言う】
【こっちは本気か!?】

【が、すぐに「いや、燃やしてもしないだろうな...この変態」とか言う】


もうこいつもビル欲しいってのは分かってるだろうし、いいんじゃないか?

【そう言って、部屋の事務机へと向かう】

えーっと...どこだ?
【ガチャガチャと事務机をあさる】


お、あったあった...ほら
【ヒョイっと少女に向けて軽く投げる】
【それは鍵だ】

【おそらく、ビルの鍵と空き部屋の鍵だろう】
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/18(火) 22:17:13.49 ID:e3aFM/Nm0
>>868

でも、その汚物の消毒のせいで二酸化炭素が出て植物の仕事が増えるんです。
それは駄目ですよねって私は思うので、そうですね……、餓えたハゲタカの巣の下辺りに置いたりするのはどうでしょうっ?
それともハゲタカがお腹壊しちゃいますかねっ? それはそれこそかわいそうですっ、じゃあどうしましょう……。

【少女的には冗談である話に、比較的真面目に返されれば。さらに酷い冗談を乗せて返す】
【口元に手を当てながら笑う様子は女子力高めであろうか。話している内容がアレなのでプラマイ0どころかマイナスな気がするのだが】

じゃあ、ありがたくいただいちゃおうかなっ。
うん、そういうことならいただいちゃうのですよ。

【再び、きらりと瞳が輝いて】
【ごそごそと机を漁る様子を、その手の動きを、少しも逃すことなく追いかけて】

【投げられた鍵を、ぱんと両手で挟むように受け取れば】
【凄くいい笑顔でそれを見つめて】

わあ、ありがとうございますっ!

【本当に本当に嬉しそうに、お礼の言葉を口にして】
【それから、思いついたように、鍵を青年に見せるようにしながら】

これって、鍵変えたりしてもいいんです?

【凄く……自分のお城にする気です……】
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2011/10/18(火) 22:38:37.39 ID:CNwzCJypo
>>869
海に沈める...だめだ、海が汚れる...どうすりゃいいんだこの男は!

【よっぽど死体処理を行いきたいのか】
【やはり本気かこいつ....】


鍵を変える?.....いいと思う....
「だめだだめだァ!!」
うっわ!いきてやがった!

「元所有者の意見も聞くべ....ぶっひゃ!
まだ生きてやがったか!?

【容赦なく踏みつけ】
【それでも、男は笑ってる】
【恐怖でも人は笑う】

「鍵なんて変えたら、カメラおけないじゃないか!」

【変態だ】
【危ない男だ】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/18(火) 22:47:08.41 ID:e3aFM/Nm0
>>870

でもまあ、最終的にはみんなのご飯になって平和かもですよっ?
その前にアガっちゃうといろんな人に迷惑かけますけど……、水死体っていろいろ酷いみたいですし。
腐敗ガスがどうとか……変色がどうとか……ねぇ?

【「水葬なんてものもありますし?」】
【ちょんと首を傾げ、そんな提案。ちなみに、水葬とは焼いた後の骨を海にばら撒くというものであって、決して肉ごと入れるというわけではないのだが】
【ただ、水死体はグロいからと言う理由であまり乗り気ではなく】
【そもそも最初から乗り気ではないのだが、まあそこは置いておいて】

じゃあ、専門の人に1回お掃除とかしてもらってから鍵変えますっ。
ちょっとお金かかるけど、仕方ないですよね、身の安全第一ですし……。

【コントのような応酬に、最早慣れたか、にこりと笑い】
【専門の人にというのは、つまるところ、何か怪しい機械なんかが壁に埋め込まれていないかとか、そう言う意味合いである】
【確実に信用してないまま、するりと鍵をワンピースのポケットに落として】

そだ、お金とか払ったほうがいいんですかね?
聞こう思ってて忘れてましたっ。あ、ちなみにココア代はこれから払うつもりです。

【ぽんと手を叩いて、そう尋ね】
【要するに完全にタダでいいのか、駄目なのか。そんな質問】
【そして、ココアの代金は払うらしい。ごそごそとワンピースのポケットから、黒を基調とした財布を取り出した】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/19(水) 01:56:23.09 ID:pMcEK8Fa0
>>870>>871
/今日もこれまた申し訳無いです、用事は無いのですがなるべく朝から動けるようにしておきたいので、今日も落ちますです。
/そして、明日以降はいつ用事が出来るか分からない上にその状況がいつ終わるかも分からないので、適当に補完して切っていただけたらと思います。
/お疲れ様でした、ありがとうございました。
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:21:48.67 ID:+c6xbzKSO
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:22:14.17 ID:+c6xbzKSO
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:22:37.51 ID:+c6xbzKSO
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:23:03.05 ID:+c6xbzKSO
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:23:28.24 ID:+c6xbzKSO
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:23:50.39 ID:+c6xbzKSO
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/20(木) 19:24:26.23 ID:+c6xbzKSO
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:24:49.98 ID:+c6xbzKSO
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:25:10.62 ID:+c6xbzKSO
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/20(木) 20:30:18.79 ID:ZZzKeCwNo
【街中】

「ふざけんなっ! テメェがふらふらしてんのが悪いんだろうが!」

【繁華街、人通りの多い中で一際大きなだみ声が響く】
【あまりの声量に、通行人の一部が視線を向ける中、騒ぎの中心になっているのは、二人の男性のようだった】

「おいっ! ちっとは誠意見せたらどうなんだクソガキ!」

【酒をどれだけ召した後なのか、遠めにも赤らんだ顔の中年男性と】

そう怒鳴らずとも良いではないですか。
……特にお怪我をされた様子もないようですし……?

【その男性に胸倉をつかまれた格好で困ったような笑みを浮かべているのは、金髪の青年だった】
【端正にカットされた髪や、綺麗に着込まれたスーツ姿からは、いかにもマジメな好青年然とした雰囲気が感じられる】

「怪我がなけりゃいいってのか!? ったく、最近のガキは礼儀もしらねぇなぁ!」

【単なる酔漢の騒ぎ、となれば、通行人はちらちらと視線をやりながらも、無視を決め込んでいる】
【制止の手が入らないためか、徐々に中年男性の声は高く、荒々しくなっていて――】

【――男性の握りこんだ拳が掲げられて、ついに暴力へと場が発展しようとしている】
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/20(木) 21:03:35.38 ID:7QnBUEjMo
>>882
【中年男性の大声に場がざわめき始めた矢先、その背に誰かが立ち止まる】
【暗色の風体がわずかな身じろぎをすると、右手にビニール袋を提げ、直立姿勢のまま後ろから肩をつつこうとするだろう】
【『黒』と、それを煮詰め濃度を上げたような『暗黒』、そして水晶のような『紫』という三色の魔力が入り混じる、包帯に包まれた左腕で】

じゃあ、怪我すりゃ気が済むのか?
礼儀はないが鉛玉と腕っ節、あと足癖の悪さにゃ定評があるから……、しこたまぶちこんでやってもいい。

【小突いた左腕は、魔力に反応しそれを緩慢に吸い上げる作用があるも】
【それがなければただの指だし、接触時間が少ないので微々たる物。反応して振り返ることもたやすいが】
【多分、振り返った視線の先、鼻っ面に銃口を見る】
【銃身下部にマチェットブレードを備え付けた、ウィンチェスターと呼ばれるショットガンの改造武器だ】
【黒々とした穴の奥、火薬の匂いが仄かに漂う。位近距離ならなおさら、偽者でないことは判別できるはずだ】

なあおっさん…酔っ払いは恐怖を知っているのか?

【街中だというに躊躇いなく抜銃したのは、ウルフカットの黒髪、こげ茶のジト眼、への字口】
【ノースリーブの上着から伸びた腕は無駄なく鍛えられていると主張し、不良染みた佇まいが喧嘩…いや戦闘慣れを謡う】
【座った眼でゴリゴリと銃を突きつけ、からかうかのように引き金に指をかける】

【きっと、相手の青年を助けようとしてのことではない】
【そんな柄には見えない、不良少女が一人、】

【憂さ晴らしの玩具を見つけたように、うっすら笑っている――――――】
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/20(木) 21:16:49.13 ID:ZZzKeCwNo
>>883

「ああん……?」
「テメェにゃカンケー……!?」

【不意に後ろから肩をつつかれて、男性は座った眼差しを背後の人物に向けようとして】
【――自分に突きつけられているものを見て、動きを止めた】

【紅潮していた頬から、血の気が失せていく――】

「……っ!!」

【右手に掴んでいた、青年の胸倉を突き飛ばして、物も言わずに一目散に逃げていく】
【――銃を見て即座に逃げ出す、という判断が出来る程度には、恐怖という感情も残っているらしかった】

っとと……。

【突き飛ばされた青年は、数歩ほど後ろにたたらを踏んでから、ようやく息を吐いた】

ふぅ。
危ないところをありがとうございました。

【人の良さそうな笑みを浮かべて、青年は首もとが乱れたシャツとネクタイを、手際よく正していく】
【危ないところ、と自ら口にする割には、あまり危機感を感じていた様子は無いが――】

【――さりげなく、逃げていく男性と銃の間に、自分の身体を滑り込ませて、遮蔽すると、青年は言葉を続ける】

それにしても……こんな街中で、そんなモノを振り回しては危ないですよ?
騒ぎになる前に、納められたほうが良いのでは?

【慇懃無礼、とでも言うべきか、青年は丁寧で柔らかい物腰で、銃の主を非難するような言葉を口にする】
【助けてもらってこの言い草では、なるほど酔漢の不興も買おうというものだろう】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/20(木) 21:28:10.24 ID:7QnBUEjMo
>>884
なんだ、木偶かと思えばまだ人間か……やれやれ。

【銃の威嚇効果を把握し、この結果を予測していたかのような笑みを浮かべると、吊りあがった唇が落ちてへの字を描く】
【身長160少々、胸元やタイトなジーンズに浮いた腰周りのラインから性別は女性と判別できるのだが】
【なんとも、少女、とはいろいろ言いがたい雰囲気を持っており】

別に、ああいうバカを苛めて遊ぶのが趣味なだけだ。
出したからには撃ちたかったが、そこまで非常識じゃないし。

【礼にはつっけんどんに、銃口を塞ぐ手際に手首を上げて斜線を逸らすと、ため息混じりに降ろす】
【文句を呟きながらくるくると数度縦回転させると、手品のように銃は消失した】
【風きり音から重みがあることは理解できよう、それを玩具のように扱う慣れもまた】

さわぎっつったってな、こんなところに誰が来る?
法治国家は放置国家だし、相手によっちゃJusticeに言えとか盥回しにされる世の中だ。
有象無象の呻きなんかほっとけ。

【非難されても慇懃無礼もお構いなし、そっけなく荒っぽい言葉遣いで手をひらひらさせる】
【何故かと言うと、ほのかにこちらも血色が良い。機嫌がいいというだけでは説明がつかない】
【繁華街で下げた袋は、居酒屋のロゴと香ばしい焼き鳥の匂いが漂っている。どう見ても飲み会帰りのおっさんです】

で、お前はなんだ。
こんなところで酔っ払いをからかってたのを見ると、同類くさいんだが…?

【ジト眼を鋭く細めると、相手の素性を問う不良少女】
【なんとなく、その振る舞いに余裕が見えたからだ。銃を前にしても絡まれていてもうろたえる要素がない】
【つまり場を切り抜ける算段があったと考えているようで、頭は働いているらしい】
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/20(木) 21:45:25.90 ID:ZZzKeCwNo
>>885

はは、騒ぎにならなくて良かった。

【あっさりと銃を収めた少女に、にこやかに笑いかけて、青年は一歩後ろに身を引く】
【無論、中年男性の影などもうどこにもなく、逃げ去った後だ】

いえいえ、最近は自警団なども組織されてるようですよ?
整理された区画の治安など、なかなかバカにはできないものです。

貴女だって、人助けをしたせいで留置場で一晩を明かす、なんてつまらない事になりたくないでしょう?

【騒ぎの渦中であったことなど棚に上げて、まるで他人事のようにそう言ってのける】
【少女の手持ち品や、ほのかに漂う酒精については、何か文句をつけるわけではないようだ】

からかうだなんて、人聞きの悪い。
先ほどの方とは、ちょっとぶつかっただけの事で、僕としても困っていたんですよ。

僕はフリッツ。フリッツ・オストワルドと申します。
救いの御手≠ニいう組織で、従待長を勤めさせて頂いております。

【――従侍長、という事は、要するに召使の筆頭ということだろうか】
【彼が口にした組織名――救いの御手≠ノついては、テロ組織としてウワサの端に登った事を、知っているかもしれない】

【救いの御手についての組織があろうとなかろうと、召使、となればあまり戦闘に向くような人物ではなさそうだが――】
【青年はあくまでもにこやかな笑みを崩さず、その腹を易々と割ることはなさそうだ】
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/20(木) 22:02:59.66 ID:7QnBUEjMo
>>886
素人がいくら揃ったところで、プロの襲撃や天災に耐えうるわけねぇだろ。
何があったっておかしかぁないこの世界じゃ、準備不足はあれど準備万端はありえない。

…人助けなんてしねぇよ、そもそもそこからつまらんし、この世界の腑抜けにつかまるほど柔じゃない。

【好戦的だがある種リアルな視点、民の善意や努力を無碍に否定するように見えて、それでも甘いと豪語する】
【おそらく自警団の持つ穴が見えている、外見に似合わない経験を滲ませる】

【不良ぶった口調に潜む、狩人の眼】
【それは目の前の青年への不審をうっすら投影し、身体は寛いでも鋭さを隠さず】

……、往来で堂々とテロリスト宣言か?
『騒ぎになる前に黙ったほうがいいんじゃねえのか?』

【近頃はギルドに入り浸り、細かな依頼をこなすことで日銭を稼ぐ生活をしていた】
【その過程で情報は手に入るし、常に情勢把握のアンテナは張っていた。根無し草には必要なことだ】
【だからその組織名を耳にするや否やテロリストだと断じ、腹のうちを見せない男の様子に真実だと判断し、】

【なおかつ、先ほど自分が告げられた言葉をアレンジしてつき返すと、とりあえず手近な路地を親指で指し顎で示し】

少し興味が涌いた、言い分について聞かせてもらおうか。
この前の…なんとかっていう収容所襲撃や、目的について。

【敵対の意思はないらしい、単に情報の裏づけが欲しいとか、もっと卑近に好奇心のような】
【だから、だろうか。あえて人通りが多く目立つ場所ではなく、路地裏という逃げ道を示し連れ込もうとしている】
【伸るか反るかは、青年の判断にゆだねられるが…】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/20(木) 22:18:48.73 ID:ZZzKeCwNo
>>887

仰るとおりかもしれません。

ですが、日常の小競り合いを収める程度には、機能している。大事なことですよ。
荒廃は小事から広がるものですから、ね。

……では、貴女が私にしてくださったことが、人助けでなくてなんなのです?

【そう口にする少女を、まるで年下の悪戯をたしなめるようにそう言う】
【――少女の保安観とはまた別の視点、『政治家』としての保安の考えを口にして、青年は笑う】

……おや、僕の事……ではなく、『僕ら』の事をご存知のようですね。

【青年は、にわかに警戒を強めた少女を前にして、態度を変えることは無い】

ですが、誤解があるようです。
僕らは『テロリスト組織ではない』。

……ウチのお姫様は、少なくともそう言うでしょう。

【その飄々とした受け答えが、余裕の表れから来るものなのか――あるいは本心から来るものかは図りがたい】
【路地裏を示した少女の仕草に、小さく頷きを返して、そちらにあっさりとついていく】

ま、往来で気軽にする話でもないですし、異論はありませんよ。

【ついてくる様子には、警戒も何も無い】
【あくまでも自然体に、世間話をするのと変わりのない態度で、路地裏の方へと入る】

……さて、何からお聞きになります?
僕らには、秘匿すべきことも、そうしなければならないこともないですよ。

【笑顔という名の仮面が、口を開く】
【――あるいはそれが本心からの表情だとしても、事ここに及んで笑顔で居られる精神というものは、異常を示すことに他ならない】
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/20(木) 22:46:23.58 ID:7QnBUEjMo
>>888
……犬には犬の、猫には猫の、人には人の分相応があるってことか。
その組織が機能しないのなら…結局のところ、最後に頼れるのは自分。
守ったつもりなだけだ、組織の八割方はな。

邪魔だから、追い払った。それだけだ。
目障りなんだよ、人ごみの中で目立つ奴は大嫌いでな。

【個人主義でひねくれた物の見方は、寄る辺のない身辺と苛烈な環境を語り】
【あくまでも自分の為だったと口にするも、遊びのない視線はまったくの本心からのものだった】
【アルコールがはさまれてなお、二つの眼は常に自分の手元にあるような傲岸不遜】

依頼を見て、顛末を小耳に挟んだ。が別件で忙しくて参加できなかっただけだ。

反社会勢力をテロリストっつーんだろ、予告状出せば襲撃が許されるとでも思って……ないみたいだな、『お前』は。
…そうだな、お前が名乗って俺は言わないのは不公平だな。
俺は竜崎遥人、根無し草の龍殺しだ。

【前述の通り、こちらの少女は組織の優位性を毛ほども信頼していない】
【だから見るのは常に、目の前の相手。のらりくらりと論点を回避し、誘導し、自分の好きな方に話を持っていこうとする頭がよさそうな男】
【ここでズバリと答えに詰まる様でも見れたら痛快なのだが、前段階として建前を引き出しておく必要があり】

……お前らは、誰を救うつもりだ?
神の手なんて…根本から神のいない世界で名を騙るバカが、救いの手始めにまず襲撃なんて愚作を取った阿呆が。
……その手で、何を救うつもりだ?

【わかりやすく、名を詰る。組織への疑問、ひいては宗教への愚弄と糾弾】
【一部の隙でも見せたら食いちぎろうと、直球で罵詈雑言を並べつつ目的を問いかける、狼少女】
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/20(木) 22:46:56.45 ID:7QnBUEjMo
>>888
……犬には犬の、猫には猫の、人には人の分相応があるってことか。
その組織が機能しないのなら…結局のところ、最後に頼れるのは自分。
守ったつもりなだけだ、組織の八割方はな。

邪魔だから、追い払った。それだけだ。
目障りなんだよ、人ごみの中で目立つ奴は大嫌いでな。

【個人主義でひねくれた物の見方は、寄る辺のない身辺と苛烈な環境を語り】
【あくまでも自分の為だったと口にするも、遊びのない視線はまったくの本心からのものだった】
【アルコールがはさまれてなお、二つの眼は常に自分の手元にあるような傲岸不遜】

依頼を見て、顛末を小耳に挟んだ。が別件で忙しくて参加できなかっただけだ。

反社会勢力をテロリストっつーんだろ、予告状出せば襲撃が許されるとでも思って……ないみたいだな、『お前』は。
…そうだな、お前が名乗って俺は言わないのは不公平だな。
俺は竜崎遥人、根無し草の龍殺しだ。

【前述の通り、こちらの少女は組織の優位性を毛ほども信頼していない】
【だから見るのは常に、目の前の相手。のらりくらりと論点を回避し、誘導し、自分の好きな方に話を持っていこうとする頭がよさそうな男】
【ここでズバリと答えに詰まる様でも見れたら痛快なのだが、前段階として建前を引き出しておく必要があり】

……お前らは、誰を救うつもりだ?
神の手なんて…根本から神のいない世界で名を騙るバカが、救いの手始めにまず襲撃なんて愚作を取った阿呆が。
……その手で、何を救うつもりだ?

【わかりやすく、名を詰る。組織への疑問、ひいては宗教への愚弄と糾弾】
【一部の隙でも見せたら食いちぎろうと、直球で罵詈雑言を並べつつ目的を問いかける、狼少女】
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/20(木) 23:14:16.47 ID:ZZzKeCwNo
>>889 >>890

貴女が良しと思わずとも、誰かが良しと思う。
神様が見ている、とまで言うつもりはありませんが……やはりそれは、人助けですよ。

【世を拗ねたようなものの言い方に、教えて諭すように噛み含めて言うと、青年は笑う】
【少女を傲岸不遜と例えるならば、青年は泰然自若。柳に風と、少女の言葉を受け流す】

はは、耳が痛いですね。
といっても実は僕、あの事件の後に組織参入した手合いでして、当時の事は大して知らないんですが。

竜崎さん。覚えておきます。

【名乗りを受けて、青年は笑ってそう言うと、ネクタイを締めなおす仕草をしながら、目を瞑った】
【しばらくそうして瞑目していたが――やがて、滑らかな口調で、舌を振るい始めた】

ま、うちの組織もなんだかんだでカツカツなんですよ。

カノッサみたいに莫大な組織力や資本力があるわけでもなければ。
R.I.P.のように、強大な軍事力やリーダーを持つわけでもない。

うちの代表が目的を達するためには、まず立場が必要なんです。
あらゆる人、国、組織に対して、対等だと思ってもらえる『立場』が。

この間の襲撃事件は、まぁそういう事だったらしいです。

【――要するに、力≠示すことで、その立場を得よう、という目論見らしかった】
【もっとも、そうして果たされた襲撃事件は失敗に終わり、想定した以上の効果を上げることはできなかったようだが】

恥ずかしい話、うちの組織も一枚岩じゃなくてね。色々と在るんです。

【察してくれますか? などと言いながら小首をかしげる様子は、一枚の絵画の様にサマになっていて】
【一般人など、ふと油断すれば、首を縦に振ってしまいそうな、そんな姿だった】

誰を救うか? 簡単ですよ。
『僕ら』です。

僕ら『救いの御手』は、許されざる罪を犯した罪人の集まり。
天辺から末端まで、犯罪者の巣窟です。

そんな僕らが、国によって裁かれることなく、罪を贖うことが出来る。
何年も何年も、ただじっと牢の中で過ごすよりは、ずっと有意義でしょう?

【――そこまでは、まるで、弁舌を振るう政治家のような姿だった】
【だが、次の言葉を口にする瞬間だけ――笑顔の仮面の奥に、寂しげな瞳が覗いた】

……そんな事をね、うちのお姫様は、つらそうな目で語るんです。

僕は、そんな彼女に救われた。
だから僕は、そんな彼女を救ってあげたいんですよ。

【そこで言葉を切ると、何かを偲ぶように、じっと目を閉じて――】

……どうです? 竜崎さん。
乱世の英雄も、平和な世では大量殺人者だ。

貴女からは、血の匂いがする。
……そんな貴女を、誰かが許して……そして、貴女が誰かを許すんです。

【――長く長く、そのくせ流れるような主張の言葉】
【言葉を締め切った今では、途中で仮面を外したことさえ、演技ではないかと疑わせるほどの、名調子だった】
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/20(木) 23:50:37.03 ID:7QnBUEjMo
>>891
ま、俺も風聞程度にしか知らんからな。

覚えなくても良い、俺も記憶する気がないから。

【手慰みに指を鳴らし、左手の包帯の加減を見ながらそっけなく返す】
【他人に関心がない風でもあるが、立ち去らずに話を聞くあたりは物好きといえるだろう】

まずは存在の認知から、ってか。
何処でもそうか、合理的ではあるが、舞台装置に利用された側は溜まったもんじゃねぇな。
身勝手な話だ……。

【乾いた同意の後、重箱の隅をつつくように天を見上げながらの指摘】
【組織のために個人が黙殺されたかのように認識して、たいした奴だと嘲笑う】
【それなりに考えがあると認めた上で、…他人事なフリッツの姿勢に違和感を覚える】

【従待長という役職は、有能なだけでは勤まらない。雇用者に対し深い理解がなければならないからだ】
【それがないということは、主が無能か相手が獅子身中の虫かという二択が浮かんだが、口にはしない】
【いろいろあるのも当然だろと、追求は避けた。肯定も否定もないスルーで】

【続く言葉、演説と独り言を沈黙で見届けた遥人は】

……、人間だな。お前らは、救った数より多く他人を足蹴にする人種だ。
確かに牢につなぐよりは税金の節約にもなるだろ、死体処理もしなくて良い、行動するのは、閉じこもって何もしないよりずっといいことだ。

だが覆水盆に帰らず、ハンプティダンプティは戻らない。

【本当にそれで、罪を償っているつもりなのか】
【枠組みから外れたまま、枠内の法を破ってまで救われたいとは、虫が良い話ではないか】
【瞳が物語る、自ら許されないと口にしておき、許されるという矛盾を糾弾するように】

【まっすぐ上げられた握りこぶし、肘は伸び、まっすぐ顔面へと差し出され視線に添えれば】

――――――誰かに許されなきゃ生きていけないお前らと、一緒にするな。

【決別の証となる】

【無表情に近いジト眼だが、あくまで嫌悪は薄く】
【ぐにゃりと反発しあう油膜に覆われた瞳の奥、彼が指摘した血のにおいと罪が確かに渦巻いている】
【けれどそれをまっすぐ、まっすぐ見つめた奥には、輝きを放つ紫水晶が隠れている】
【左手の紫が、ぃんと小さく啼いた】

俺はそんな生き方を許さない…自己満足すら欺瞞するなよ。

【俺は政治家が大嫌いだと呟き、左手を下ろす】
【血の匂いを許せる誰かが戦う限り、自分も戦うことをやめないと告げるように】
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 00:10:15.86 ID:XpzjeKHuo
>>892

うーん、誤解があると思うんですけどね。
それに、所属を無理強いをしたことはない……らしいですよ?

襲撃場所が刑務所だったのも、まぁ人材集めも兼ねてのことだそうですし。

【険悪な反応にも、フリッツは顎に手を当てて、困ったように笑うだけ】
【首を振って、処置なしとばかりに溜息を吐いて見せた】

……竜崎さんは強い人ですね。

強くて、孤高で、誰かを助けることもできる。誰かを殺すことも出来る。
清濁併せ呑んで、自分を自分で肯定できる。

でも、強い人ばかりじゃないんですよ。
……弱い人間だから、罪を犯す。そして、犯した罪から逃げられない。

【悲しみの感情に、フリッツの瞳が揺らぐ】
【血の臭いを飲み込んででも、輝き――生きていこうとする竜崎とは対照的な色合い】

一人で生きられるうちは、一人で生きていけばいいでしょう。

血溜まりの臭いにうなされて、夢から醒める。
……そんな風になったら、僕らのところに来てください。

【――どこまでが彼の本心で】
【――どこまでが演技なのか】

【青年の被った仮面の根は深く――きっと、誰にもその腹を悟らせない】
【全ての言葉を信用するような、そんなお人好しでもなければ、きっと】

……僕らは立場を手に入れるまでは、きっとテロリストの汚名を着たままでしょう。
もしかしたら、どこかで戦う事もあるかもしれません。

もちろん、その時は、僕も全力でお相手しましょう。

【どれだけ政治家ぶっていて、信用のならない人物だとしても、彼には彼なりの信念があるのだろう】
【真正面から竜崎の言葉を受け止めて、真顔で、戦うことを止めないと、同じ言葉を返す】

……それじゃ、この辺で。
僕はまだ仲間≠集めないといけないので、失礼しますね。

【ふっ、と息を吐いて、笑顔を取り戻すと、フリッツは来た方向ではなく】
【路地裏のさらに先を指差して、そちらの方に歩いていこうとする】
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/21(金) 00:23:42.13 ID:QMJuSrbdo
>>893
手段からして、根本的に相容れないんだ。
『あなたを救ってあげます』、だと?美しすぎて反吐が出る。

【既に汚れた自分を知るからこその拒否反応】
【自分が見出した希望は、そんな温い言葉じゃなかった】

【歯を食いしばり、罪と罰の連鎖の中意識を保って生きる意志】
【救われたのであれば、自ら報いようとする意思】
【いつまでも色あせない、紫水晶の沈黙こそが真実だと知っているから】

【けれど首を振った】
【強い人と称されると、前髪に表情を隠し否定し】

こういう生き方しか、出来なくなっただけだ。

【不意にそんな形で短くもれた本心】
【罪が深すぎて、罰を経てなお報われぬ魂は、闇の中でもがき続ける】
【とまることすら許されぬデスレース、追い立てられる魂は寄る辺なく】

滑落しろ、撃墜され堕落し墜落しろ。

それを尻目に跳んで行く。…邪魔をするなら退かすだけだ。

【呪いの言葉は虚勢かはたまた術か、或いは暗示のようなものか】
【まっすぐの瞳をゆがめるのは礼を失していると知るからこそ、受け止めた相手に最低限の礼を示す】
【言葉にしたのは歯牙にもかけないという挑発だったが、この少女、眼は口ほどに物を言う】

【ふいと視線を逸らすと、頭も下げず礼も述べず背を向け通りへと還る】
【自分も奥へ行くのが相応しいと思うのだが、へそ曲りなことに、同道したくない一身での行動だった】

……お前に、俺は救えない。誰にも俺は救えない。
……でも、あいつだけは間違っても……。

【雑踏に消えた諦めは淘汰され、天へと啓示された決意だけが、月明かりに照らされ燐光を放った】

//お疲れ様でしたー!
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 00:30:44.72 ID:XpzjeKHuo
>>894

……彼女ならなんて言ったかな。

【振り返って、通りへと去り行く竜崎を見つめて、フリッツはぽつりとそんな事を呟いた】

神ならぬ我々だからこそ、人を救えるのです、か。
……やっぱり、簡単じゃないですよ?

【誰も見ては居ないというのに、笑顔の表情を貼り付けたまま、少年は名残惜しそうに、路地裏の道を進んでいく】
【金色の髪は、やがて闇の中で見えなくなった】

/おつかれさまでした!
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/21(金) 18:55:47.81 ID:Ig9lJ5TSO
【夜の海岸、砂浜にて】

【波打ち際を、右足を引き摺りつつ歩く一人の男がいた】
【それは散歩にしては鋭い眼差しで、目的があるにしては惑うような足取りで】

……、…

【肩に掛かる長さの銀髪に、暗赤色の双眸を持つ長身の青年】
【首には、焦げ痕の残る赤い首輪が痛々しく焼き付き】

【首元を緩めた黒いYシャツに黒のスラックス、靴は何処へ遣ったか素足で】
【左腕は失ってしまったらしく、中身の無い袖が風に揺られていた】


――しゃらん、

【そんな男に追従する、一見すれば犬のように見える影がひとつ】
【影は足を引き摺る男の回りをくるくると駆け、そのたびに涼やかな音を鳴らす】
【その姿は大型犬よりも明らかに大きく、夜闇に紛れてしまいそうな程に黒く】

【――そしてその口に、片方だけのガラスの靴を銜えていた】


…おい、野良犬。
どっから拾ってきたんだ、ンなもんを――

――しゃら、ん

…聞いちゃいねぇ

【呆れるように呟いてから、男は波打ち際で立ち止まり】
【月明かりが朧気に浮かす水平線を、何の気なしにか眺め始めるのだった】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/21(金) 18:56:45.93 ID:Ig9lJ5TSO
【夜の海岸、砂浜にて】

【波打ち際を、右足を引き摺りつつ歩く一人の男がいた】
【それは散歩にしては鋭い眼差しで、目的があるにしては惑うような足取りで】

……、…

【肩に掛かる長さの銀髪に、暗赤色の双眸を持つ長身の青年】
【首には、焦げ痕の残る赤い首輪が痛々しく焼き付き】

【首元を緩めた黒いYシャツに黒のスラックス、靴は何処へ遣ったか素足で】
【左腕は失ってしまったらしく、中身の無い袖が風に揺られていた】


――しゃらん、

【そんな男に追従する、一見すれば犬のように見える影がひとつ】
【影は足を引き摺る男の回りをくるくると駆け、そのたびに涼やかな音を鳴らす】
【その姿は大型犬よりも明らかに大きく、夜闇に紛れてしまいそうな程に黒く】

【――そしてその口に、片方だけのガラスの靴を銜えていた】


…おい、野良犬。
どっから拾ってきたんだ、ンなもんを――

――しゃら、ん

…聞いちゃいねぇ

【呆れるように呟いてから、男は波打ち際で立ち止まり】
【月明かりが朧気に浮かす水平線を、何の気なしにか眺め始めるのだった】
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/21(金) 20:31:25.94 ID:Si5jxQ620
【街中、広場】

ふふん。活動拠点はついに見つけましたっ。
これで辛い家賃の問題から放たれるというものですっ……!

【暗くなった広場の一角、ワゴン車のクレープ屋台。特に美味しくは無いがまあ、安さから人気のあるらしい屋台の側のベンチのど真ん中】
【すぐ横の屋台で買ったらしいクレープをもちもちと齧りながら、独り言を繰り返す人影が一つあって】

【膝を越えるほどの長さの髪は、抜けるようなケンブリッジブルー。縛ることはなく、ただただ自由に躍らせて】
【頭には、蝶の飾りのついた黒のカチューシャをつけていて】
【瞳はまん丸できらきらと輝くシトラス色】
【ふんだんにフェイクファーをあしらった黒のワンピースに、白のぽんぽんのついたケープを羽織っていて】
【黒のオーバーニーソックスに、これまたフェイクファーとぽんぽんをあしらった黒の編み込みブーツ】
【そんな、どちらかと言えば小柄な少女は】

とりあえずっ、計画の一歩をわたしは踏み抜いたんですっ。
だったら、次の一歩を早めに決めないといけませんねっ、消費期限がきっとがりがり迫ってるのですよっ……。

【独り言の合間合間、クレープにかじりついて。おいしそうに目を細めれば、またそんな風に口を開く】
【そのうちに、おもむろにベンチに寄りかかって、夜空を仰いで】

…………――ああ、早くあの空に行きたいのに。

【恍惚と見上げる様は、なんというか、変人であって】
【ただ、いまだ人の多い街中の広場。……空いたベンチが、あんまり、ないです……】
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) :2011/10/21(金) 20:41:02.71 ID:QJsGeqZR0
【路地裏】

――――クッ…矢張り俺は…俺はッ…!! 『感動』無しには生きていけない…と言う訳か…ククッ…笑えねぇ…

【声の主は薄汚れたコンクリートの壁に背中を預け、腰を地面に降ろす】
【黒の喪服には汚れがしっかりとこびりつくのは明らかだったが、それを気にする様子は無く】
【切羽詰まった声で小さくそう呟くと、男は秋の寒空に目をやるのである】

もう2か月…「感動」から離れているのか…
この…何と言うか…意識が眠っていく…薄く死んでいくような感覚に包まれて…
「狂気」…「狂熱」…「勝利」ッ…!! これらの薬が無いと…俺は俺で無くなり…実質の「死」…!!

【孤独な空間で今の状況を唱えてみる】
【コンクリートに反射してその声は空に吸い込まれていく訳だが】
【男の精神状態が芳しくない、と言うのが解るであろうか――いや、何も語らずとも彼の濁りきった真紅の双眸を見通せば】
【やり切れ無さ――とでも言えようソレが伝わってくるであろう】

――――なら…殺し合いだッ…!!
今の俺に効く最善の薬…それはッ…『死闘』ッ…!! 雑魚を殺しても全くの無駄…無駄…無駄ッ…!!
狂気も…狂熱も…勝利も…そして…『感動』もッ…!!! 全てを手に入れられる…唯一の方法…!!

【立ち上がり、自らのネクタイを右手で強く握りしめ――断言したその声からは】
【『飢え』と言うモノがむき出しになっているのである】

【今、この路地裏に『雑魚』以外のモノが入ってきたならば――この20半ばであろう喪服の黒髪の男の『標的』と成り得るか】
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 20:56:31.98 ID:XpzjeKHuo
>>898

ちーがーうー。

チョコレートナッツだって言ったじゃんー。
これチョコバナナじゃんー。

【屋台の方から、甲高く、間延びした――クレームの声が公園に響く】
【なにやらひと悶着あったらしく、店員の困ったような声と、刺々しいその声の応酬が、しばらく続いた】

はぁ……もーいーよ。いくらー?

【――だが、根負けしたのは客の方らしかった】
【不機嫌な声音で、商品の値段を聞いて、投げつけるように硬貨を渡すと、ひったくるようにクレープを受け取る】

ったくぅ……。

【順番待ちの列から、右手にクレープを持って出てきたのは、一人の少女だった】

【目を引くのは、ラメの入ったルージュを塗った唇に、薄いアイシャドーと、長い睫毛だ】
【ホットパンツに、タンクトップという露出の多い出で立ちは、まるで娼婦か何かのようだ】

【きょろきょろと公園内を見回して――】
【――座れそうなベンチを見つけるものの、そこには夢心地の様子の先客が一人】

……。

【少女は溜息をついて、さらに周囲を見回すも、空いているベンチはやはり無い】

【肩を落として、少女は先客が空を見上げているベンチの前までつかつかと歩み寄って】
【何の断りも無く、ベンチの空いた場所へと、乱暴に腰を下ろす】

……変なやつー。

【そして、八つ当たりなのか、いかにも聞こえよがしに、そんな事を呟いた】
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sagesaga]:2011/10/21(金) 20:57:46.49 ID:FZlkHneSO
>>898

………………

【少ないベンチのど真ん中を占拠している少女を見つめる人影があった】

【紅い瞳、ボサボサの黒い短髪】
【砂埃で薄汚れたクリーム色のコートを羽織り】
【同じ様に薄汚れた黒い長ズボンを穿いている】
【右腕には、ウロボロスを象った白い腕輪と、五指の付け根にダイヤモンドが付いた黒い指貫タイプの手袋を付けている】
【コートの背中には二つ穴が空いており】
【そこからは『竜の翼』としか言えない物が生えている】
【よく見ると、両手の爪は全て5cm程の長さに伸びている】
【そんな格好をした、14〜5歳程に見える少年である】

……空も良いですけど、地上も悪くないと思いますよ。

隣、空いてますか?

【少女の食べているクレープと同じ物をかじりながら、話し掛ける】
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/21(金) 20:59:36.74 ID:FZlkHneSO
>>900

/すみません、被っちゃいました…
/複数絡みは出来ますかね…?
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 21:03:20.08 ID:XpzjeKHuo
>>902

/うーむ、他に投下もあるようですし、良ければ私が引きますが。
/複数はちょっと時間的にのびのびになっちゃいやすいですしね。
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/21(金) 21:09:38.35 ID:Si5jxQ620
>>900>>901

【クレープの屋台で繰り広げられるひと悶着】
【そして、自分へと向けられる視線】

【空に意識を奪われた少女は、そのどちらにも気付くことなく】
【やはり恍惚とした表情で、変わらず空を見つめていたが】

………………――――は、ぅっ?

【揉めていた少女が、乱暴にベンチに腰を降ろせば。その気配で、ようやっと現世に意識を戻す】
【きょとんとした目を少女の方へと向ければ、なんだか機嫌の悪そうな少女が、横に座っていて】
【相当驚いているようではあるが、面倒ごとは避けたいタイプなのか、そっとベンチ上で距離を取ろうとしたところに】

【隣空いていますかと声をかけられれば、びくんと体を跳ねさせて】

――えっ、あっ、はい、空いてますっ……。


…………空いてますっ…………!

【振り向きながら、そう返す。実際、空きスペースは既にあんまり無いのだが】
【そうして振り返れば、明らかに人間ではない姿。もう一度びくんと体を跳ねさせれば】
【すすすと、離れようとした寸前とは逆に。新たに座った少女の方に数センチばかり、その体を寄せようとして】

【すっかり驚いて、意味不明な言動を取っている……様子?】

/私は複数構いませんよー
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/21(金) 21:09:44.78 ID:FZlkHneSO
>>903

/じゃあ、こちらが引きます
/>>898さんと>>900さん、すみませんでした
/また機会があれば、その時はよろしくお願いします
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 21:14:48.74 ID:XpzjeKHuo
>>905

/了解です。
/それでは、またの機会によろしくお願いしますね。
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/21(金) 21:17:14.29 ID:Si5jxQ620
>>905>>906
/はい、了解しましたー
/また機会があったらよろしくお願いしますです。

/えーっと、じゃあちょっと文章書き直してきますです。もう少しお待ちをばー
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/21(金) 21:24:48.05 ID:Si5jxQ620
>>900

【クレープの屋台で繰り広げられるひと悶着。辺りに響いただろうその声は、しかし】
【空に意識を奪われて、現世と意識の間に一枚膜を挟んだかのような少女の耳には、一切届かず
【やはり恍惚とした表情で、変わらず空を見つめていたが】

………………――――は、ぅっ?

【揉めていた少女が、乱暴にベンチに腰を降ろせば。その気配で、ようやっと現世に意識を戻す】
【きょとんとした目を少女の方へと向ければ、なんだか機嫌の悪そうな少女が、横に座っていて】
【相当驚いているようではあるが、面倒ごとは避けたいタイプらしい】
【そーっと、そーっと。なるべくバレないようにと、すすすと数センチほど。音も立てずにベンチ上を移動して】

…………む、……わたしは変なやつじゃないですっ。

【移動したのだが、聞こえる声量で言われた悪口らしき言葉に、思わず反応を返してしまって】
【多少気に食わなかったか、八つ当たりみたいにクレープを齧ったところで、ふと気付く】
【距離を離したのに、せっかく離したのに、挑発のつもりがあったかはともかく、乗って、しかも言い返してしまった、と】

【とりあえず、もぐもぐと噛んで、ごくんと飲み込んで】
【うわあぁあとでも声を漏らしたいとばかりに、クレープを持っていない手で、頭を抱え込んだ】

【ちなみにこれは余談だが、彼女が食べているクレープ】
【ブルーハワイスペシャルとかなんかそんな名前のクレープであって】
【名前の通り、具からクリームから生地から包み紙までもが青い。非常に食欲を剥ぐような色合いをしているのでした】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 21:31:22.32 ID:XpzjeKHuo
>>908

……なによぉ?

【小さく声を上げ、距離を取ろうとした少女に向けて、嗜虐的な声が向けられる】
【ネズミをいたぶる猫のような目で、少女を睨みながら、犬歯でクレープの端をかじって見せた】

はぁ? キミ、薬でもやってんじゃないのー?
『お空に行きたいのにー』……だってー。

【クスクスと含み笑いを漏らしながら、少女の台詞を、大して似てもいない声真似であげつらう】
【よほどご機嫌斜めなのか、面白がっているだけなのかは分からない、が】

【体のいい八つ当たりの対象にされていることだけは間違いが無い】

【オーバーアクション気味に、自分の頭を抱え込む仕草を見て、少女は鼻を鳴らして笑う】

キモいクレープ食べてるしさー。
ホント、頭大丈夫なのー?

【少女の体調を心配しての言葉でないことは、その揶揄するような口調から自然と知れるだろう】
【とんとん、と。自分のこめかみを、空いた手でつつくような真似までしてのけている】
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/21(金) 21:42:29.36 ID:Si5jxQ620
>>909

【玩具を見つけた猫の視線。シトラス色は、睨まれた鼠みたいに、うろうろと泳いで】

むっ……、……そんなこと、してませんよっ!
だってわたし、元気ですもんっ。健康体なのにお薬飲む必要なんてないですっ!

……それに、いけないオクスリとかもしてませんっ。
だってあれ、体に悪いんですよっ。

【ただ、現実とは違った疑惑を振り掛けられれば、そう言い返す】
【今度は「しまった」といった風は見せずに、堂々と……言うのも変なのだが、まあ、そのままに言い返していて】
【普通の薬は飲んでいない、だからと言って、いけないオクスリにも手を出していない】
【なぜなら、元気だから、体に悪いから。何となくズレているようなしないでもない】
【睨みつけるには及ばない、むっとした目つき。じぃーっと、少女の方へ向けられていて】

だってっ……、これが一番いいんですっ!
今は夜だから見えませんけどっ……、ほら、お空さんの色みたいでっ!

【見れば見るほど真っ青のクレープ。実際にクレープを買っている少女ならば分かるかもしれない、が】
【屋台にあったメニューの隅っこ、そのブルーハワイスペシャルなんちゃらの名前の下には、一言】
【「食欲減退! 食べたいけど食べられない、ダイエットにオススメ!」なんて、書かれていたような一品】
【そんなゲテモノを自ら進んで喜んで食べている理由:空の色と似ているから】

【クレープを両手で持って、ほらほらと少女に見せる様子は。相手の少女の言葉に暗に駄目ですと返しているようなものだった】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 21:55:13.57 ID:XpzjeKHuo
>>910

どーだかー。

【少女の必死の抗弁を、そんな一言で受け流して、また一口、クレープの端をかじる】
【口の中の物を飲み下してから――今度は悪戯っぽい笑みを浮かべ、再び少女へと目を向ける】

それにさー、イケナイ薬だってねー、身体に良いのだってあるんだよー?

【――言いながら、少女はホットパンツの中に手を差し入れて、一本の瓶を取り出した】
【その親指ほどしかない小さな小瓶の中には、淡黄色の粉末が入っているのが見えるだろう】

……試してみるぅ?

【身体に良いから、お試し】
【そんな甘い謳い文句に誘われた者の末路の事を、誘いを受けた少女は知っているだろうか?】

【詭弁で魂を奪う悪魔もかくやという笑みで、少女は手の中の小瓶を振る】

そんなダイエット食みたいなの、食べなくても痩せられるしー。
もしかしたら、お空にだって行けちゃうかもよー?

【小瓶の中身が、本当にイケナイ薬≠ナあるかどうかも保証はない】
【笑いながら、なんでもないことの様に小瓶を見せ付けるその姿は、少女の目にどう映るのか】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/21(金) 22:13:52.32 ID:Si5jxQ620
>>911

…………誰がなんと言おうと、してないんですっ。

【あっさりと流された、あっさりとかわされた】
【わかって、それにほんの少し、不機嫌になる】
【がぶがぶとクレープをかじって、口の周りについた青のクリームを舌で舐めとって】
【まるで移動でも考えたかのように、その視線が広場を巡る。巡って、ただ、見当たらない空いたベンチ】
【落胆しかけながら相ベンチの少女に視線を戻せば、その手元には小さな小瓶】

………………え。

【揺れる淡黄色の粉末に、その視線が吸い寄せられて】
【禁忌だと、タブーだといわれて育ったものが(本物かはともかくとして)、目の前に】
【元から丸い瞳をさらに丸くして、視線が瓶の動きを追う】
【十数秒ほど黙りこんだ、その後に】

…………――――だからっ!
体に悪いから、駄目なんですっ、……それにっ!
……そんな粉で空には届きませんっ!

【ぎゅっと目を閉じて、首を横に振りながら。そう返す】
【「空に行きたい」だとか、「空みたいだから」だとか、「空には届かない」だとか】
【どうやら、この少女の考えには、空が強く作用しているらしい】
【その粉末を意識の外に追いやるように視線をそっぽに向ければ、またもぐもぐとクレープを齧って】
【まるで、少女の言葉(「もしかしたら、お空にだって行けちゃうかもよー?」)を無理矢理に無視しているようだった】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 22:31:36.60 ID:XpzjeKHuo
>>912

そう?
ま、要らないんじゃ、しょーがないねー。

【――あっさりと、揺らしていた小瓶を止めて、ポケットの中にまた仕舞いなおす】
【なにやら葛藤している様子の少女に、気にする様子も無く、何事も無かったかのように、クレープをかじり直す】

……それでー、キミはお空に行ってどーするの?
小鳥さんたちと遊びたいのー?

【少女をかどわかそうとしていた事など、なかったかのように、少女はそんな風に話を継いだ】
【チャンスは一度きり、とでも言うまいだろうが――】

【それでも、少女はもうその話題に触れるつもりはないようだった】

もっとたのしーこと、いっぱいあると思うけどー?

【機嫌も、どうやら直っている】
【少女に対して、勝ち誇ったような笑みを浮かべている辺り、彼女なりの発散≠ヘ済んだという事か】
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/21(金) 22:33:51.59 ID:kZusdC9/o
【路地裏、静かなその場所から唐突に小さな悲鳴が響いて消えた】
【アスファルトに流れるのは血液、その根源にあるものは死体】
【鋭利な刃物で切り裂かれしかしバラバラでは無い程度に原型は保たれている】

救済は成された、人よ還るが良い。

【声色の主は死体の僅か後方に立っていた】
【朱い瞳は何の感情も無く、修道女の被るようなベールの間から除く白色の髪は無機のよう】
【胸元が大きく開かれた白いブラウスの上に黒色のオーバーコート、そして黒皮のロングブーツ】
【その両手にオールのような幅広の両刃剣を携えた女性】

死へ帰属せよ、己のが死を見つめ、悔いて堕ちよ。

【剣に付着した血を振り払う】
【線状に伸びる赤色はもはやあるべき入れ物になくやがて乾いてゆく】
【女性は平淡な口調で生命活動の耐えたそれに言葉を残して、コツコツとその場から離れてゆくだろう】

【この場にこのまま誰も訪れなければ、また路地裏に加害者不明の死体が増えるだけ】
【果たして名も知らぬ彼を救うべく現れる者はいるのか……】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/21(金) 22:45:43.41 ID:Si5jxQ620
>>913

そうです、要らないんです――――あっ……。

【視線を逸らしたまま、こくこくと頷いて。頷いた数秒後に、ば、と。視線がそちらに戻される】
【ほんの少しだけ残念そうな表情は、つまり、ある程度以上は心を惹かれていたということで】
【ただ、仕舞われてしまえば強請るのも恥ずかしいような気がして】
【しょんぼりと眉を下げながら、「……そうです、粉薬で空にいけるわけが……。」などと、うわごとのように呟いていて】

えっとですね、……えっと。
小鳥さんと遊びたいのはそうなんですけど、でも、それだけじゃなくってっ!
あんなに高くて、あんなに広くて、どこまでもある空を飛べたらっ!

今のわたしじゃ、駄目なんです。こんなわたしじゃ駄目だけど、それでも、いつか、あの空を飛べたら。
……そしたら、わたし。誰かに必要とされるようなわたしに、なれる気がするんですっ。

【しかし、その理由を尋ねられれば。萎びた花に水をかけてやったかのよう、表情に強い笑顔が浮かんで】
【きらきら光るシトラスの瞳を、真っ暗な空に向けて、語るのは。低い自分への評価と、崇拝の域に足を踏み込んだような、空への想いで】
【最後は、視線を空から下ろして、少女ににこりと笑いかけ】

……でもっ、駄目なんですっ!
決めたんです、空を飛べたら、違うわたしになれたら、って!

【空を飛ぶことが第一で、娯楽はその二であると。眉を吊り上げて、そう強く返す】
【機嫌が直ったらしいことにはまだ気がついていないらしい。強く握る手の中、クレープが潰れていることも、気がついていない、らしい】
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 23:03:18.57 ID:XpzjeKHuo
>>915

……。

【熱の入った様子の少女とは対照的に、それを見る少女の視線は冷たい】
【――からかうような、勝ち誇ったような視線が、嫌悪を含んだものに変わっていく】

それでー?
キミみたいなチビが空飛んでさぁ、何か変わるわけー?

空飛べないキミは不必要なのに、空を飛べたら必要になるわけー?
……ばっかじゃないの?

【乱暴な言葉遣いでそう吐き捨てて、残ったクレープを、一気に口の中に流し込む】
【しばらくのあいだ、頬を膨らませてそれを咀嚼した後、飲み込んで――】

ま、そんなこと考えてるフーセン頭なら、いつか飛べるんじゃないー?
よかったねー。

【包み紙を放り捨てて、ベンチから立ち上がる】

……もうちょっと現実見たら?
キミがそーやって、ふわふわした夢見てる限り、なんにも変わんないよ。

【ベンチに座る、クレープを握りつぶした少女を見下ろして――初めて、間延びした口調を引き締めて】
【少女は、嫌悪と憐憫と軽蔑の混じった眼差しを、少女にぶつけて見せた】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/21(金) 23:38:05.41 ID:Si5jxQ620
>>916

【冷たくなっていく視線。最初、空を見上げていたときのように、現実と意識の間に膜を張った少女は、それに気付くのが遅れて】
【それに気がついたのは、乱暴な言葉で、自分の夢を、その果ての自分までも否定されたあと】

…………――――。

【何を言われたのかよく分からないと、そんな風に呆ける表情が、数秒経って、ようやく変わる】

――――だって、

【本当に本当に大事なものを否定された表情。瞳のシトラスが、まるで溶かされるように失せていき】
【変わるに現れるのは、髪と同じケンブリッジブルーの瞳】
【震えるほどに握り締める両手で、クレープに追撃をぶつけながら。殺意にすら変貌しそうな視線を少女にぶつけて】

だって、あの時わたしが空を飛べたなら、わたしはあの子を助けられたのに!
それが出来なかったから、わたしは、――それが出来たら、何にも出来ないわたしじゃなくなるんだからッ!

【少女の両肩の付け根から、どろりと溢れ出すものがあって】
【髪や瞳と同じ色をした、ケンブリッジブルーの魔力が。ゆっくりゆっくりと、形を成していく――片手で人すらも握りこめそうな、大きな両腕】

あの子に約束したんだ、今度は絶対に助けてみせるって、
――だから、わたしは、違うわたしにならなきゃいけないんだッ!

【これまたゆっくりと、ゆっくりと。重たそうに持ち上がっていく、魔力の右手】
【恐らくは能力の発動。寸前に向けた殺意のようなもの。穏やかじゃないにもほどがある、か】
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/21(金) 23:52:15.32 ID:XpzjeKHuo
>>917

……何言ってるかはわかんないけどー。

【向けられる敵意に、少女もまた敏感に反応する】
【持ち上がっていく魔力塊、振り上げられた両腕を見上げて――】
【――全身の至る所から、小さな稲妻が枝分かれして空気中に放射され始める】

【ぱちぱちと軽い音を立てて帯電する少女は、軽く一歩、後ろへと跳躍する】
【その履物は、踵の尖ったローヒールであるというのに、陸上選手のような軽やかさであった】

なら、ついでにタイムマシンも用意すればぁ?

【攻撃を受けかねない、巨大な魔力の奔流を前に、怯んだ素振りはない】
【むしろ、いよいよもってその瞳に浮かぶ軽蔑の色を濃くして、告げる】

本当に助けたかった子は、もう助けられないんだからさー?

【魔力で腕を練り上げる少女の前で、小さな雷を体から放射する少女は、嗜虐的な笑みを浮かべる】
【――心の傷を抉るのを、楽しむように】
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/22(土) 00:21:28.50 ID:jvEprSUO0
>>918

――じゃあっ! わたしについて、わたしたちについて、何も言わないでくださいッ!
決めたんだから、あなたには分からないかもしれないけどっ!

【未だにベンチに座ったまま、苛立ちを逃がすかのように、足で数度。地面を踏みつけて】
【それでも収まらなかったか、甲高い声で喚きながら。既に潰れきった手の中の青を地面に叩きつけて】
【――まるで、その動きに連動するかのように。魔力の両手が上へと持ち上げられると、そのまま地面に叩きつけられる】
【ついさっきののろのろとした動きと違った、素早い動き】
【ただ、後ろへと跳躍した少女には、どう頑張っても当たらないその両手は、ただ足元を一瞬振るわせただけで】

そんなものッ、そんなもの、要らないです!
今のわたしじゃ何にも出来ない、そんなものがあったら、わたしが、何も出来ないって気付かない!

【ここでようやく、ふらりと少女は立ち上がって。少女としては強い強い、ただ、裏の世界からすれば甘っちょろいような視線を、そちらに投げつける】
【魔力の腕は地面にたたきつけられたまま、少女の動きでずるりと引き摺られて】
【大きな両腕だというに、その動きが阻害される様子はない。こう見えて力持ちなのか、魔力の両腕にはあまり重さがないのか】
【肩から合計4本、腕を生やした少女は。ただ、なぜだかそこで薄く笑んで】

助けられます、助けてみせます――今度こそ、絶対に。

【そう、宣言。自分の夢を、自分すらも否定した少女へと、宣言した】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/10/22(土) 00:41:22.84 ID:IWtS5SGZo
>>919

もともと、何にも言う気はないけどー?
喧嘩売ってきたのはそっちじゃんー。

【確かに物理的に手を出したのは、魔力の腕が先だっただろう】
【だが、暴力という点で見るならば、執拗に言葉という暴力をぶつけ続けたこちらの非は、看過されるべき物ではない】
【だというのに、まるで一方が言いがかりをつけたかのごとくに言い放って、少女は腕を組む】

ふーん。
ま、好きにすればいーんじゃないー?

頑張って助けなよ。
……結果なんて、見え透いてるけどねー。

【真剣な目を向ける少女に対して、こちらの態度はあくまでも軽い】
【頬を人差し指で掻いて、呆れたようにそういうと、くるり、と背中を向ける】

飽ーきたっ。
……あ、追いかけたいならついておいでよー。

【肩越しに振り返り、余裕の笑みと共に、右手を振って別れの挨拶に変える】

……空でも飛べなきゃ、無理だと思うけどー。

【そんな、憎たらしい捨て台詞の半ばで】
【――地面を振るわせる、強烈な踏み切りの音と共に、少女の身体が疾風となって公園から消え行く】

/ちょっと中途半端ですが、眠くなってきてしまいました。
/この辺りで、切らせていただいてもよろしいでしょうか。申し訳ありません。
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/22(土) 01:02:28.46 ID:jvEprSUO0
>>920

…………そうですかっ。

【腕を組む様子を見て、ぐうと、眉が顰められる】
【苛立った様子でぎゅっと両手を握ると、連動して、魔力の両手の拳も握られる】
【一番最初は、動きの連動はなかった。その代わり、動きが鈍かった】
【腕の連動がある今は、その動作はほぼ同時に行われていて】
【そんな、能力の特徴を一部晒しながら。ぎりりと歯を食いしばって】

……やってみなきゃわかんないです、見え透いた結果なんて、無いですッ!

【言いながら、大きく首を振れば。魔力の両腕が一瞬、淡い光を放って】
【その直後、指先のほうから、だんだんとその形を失って崩れていく】
【ケンブリッジブルーを淡く散らしながら、その煌きの中で、向けられた背を見つめて】

…………いつか、いつか。
わたしが変われたら、違うわたしになれたら、見せ付けてやります。
だから、わたしのこと、覚えててください。今と違うって、分かるように、覚えておいてください。
ファラーシャ。忘れてたら、思い出すまで、どうにかしますから。

【その背中に、その捨て台詞に、重ねるようにそう告げる】
【そして、そうしていたし、魔力の両腕も失っていたから。何も出来なかった】
【消え行く少女を目でざっと追いかけてから、ぺたんとベンチに座り込んで】

…………、絶対、飛んでみせる。

【空を仰いで、もう一度の宣言】

【――ちなみにその後、足元の青い元食べ物は、アリさんにプレゼントと称して放置して帰って行ったのは、余談である】

/了解しました、おつかれさまでしたー!
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/22(土) 10:42:12.07 ID:w1VWz7dAO
pw126159100085.97.tss.panda-world.ne.jp 書くことの数は139です。 内容はそうです。自演であること。

61-24-86-236.rev.home.ne.jp 書くことの数は410です。 内容はそうです。能力者スレアリーナ、五大陸潰しであること。

このあやベンの上って誰だったの?谷山?森島?
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 19:58:14.08 ID:IWtS5SGZo
【山村】

【夜も更けた――天には欠け始めた月が輝き、地上を照らす】
【本来ならば淡い月光を押し返すはずの、人工の光――村からの灯火は、すっかりと鳴りを潜めていて】

【草木すら動く気配も感じられぬ村の周囲は、不気味なほどの静寂に包まれている】
【まだ草木が眠るには、時刻も早い。明らかな異常事態が進行しているのは、誰の目にも明らかだった】

「……我々はここで待機しています」
「村の中の安全が確保できたようでしたら、呼びに戻ってきてください」

【村の様子を眺めていた、調査団の長は、身を震わせてそう言った】
【――いよいよ、護衛の仕事も本番である】

「些少ではありますが、我々も自衛手段は用意してはおります」
「……ですが、貴方たちという戦力には及びますまい」

「どうか、お早い帰還をお待ち申し上げております」

【そうして礼を一つすると、団長は団員達の下へと戻っていった】
【これからどうするのか、団員達に指示を飛ばす声が細々と聞こえてくる――】

【囁きのような彼らの言葉も、村の中に筒抜けではないのか】
【そう思わせるほどに、村は無音というヴェールに包まれていた】

/続きます
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 20:00:50.90 ID:IWtS5SGZo
【さて――村の方へと目を向ければ】
【――小さな柵と柵の途切れ目に、申し訳のように、小さな木製の門が用意されている】

【門の向こうは、緩やかに右へと湾曲した道】
【事前に知らされた情報によれば、この道の先に村の大広場があるはずだ】

【大広場への視界を遮るのは、一際大きな家屋――おそらく、村の長が、役場に兼用しているという建物だろう】

【村長宅の向かいには、それよりも一回り小さい、二軒の民家が軒を連ねている】
【片方は赤い屋根、もう片方は橙色の屋根だが、どちらもそれ以外に目立った装飾や設備は無い】

【視点を変えて、門の脇を伸びていく柵を伝って見れば――周囲にまばらな木々を窺いながら、村の境界が伸びている】
【――柵と一口に言っても、野生の獣を防ぐ程度の物で、二メートルもないような、粗末なモノだ】

【村を囲む、暗い林の向こうは見通せない。しかし柵伝いに進んで、村の中を確認することも可能だろう】

【――さて、護衛の皆々は、どのようにして村の様子を探るのか?】

/まずは導入、探索イベントの開始です。
/参加者の皆様は、こちらにレスをお願いします。

/なお、探索イベントが終了のアナウンスが為されるまで、主催者側への攻撃描写は、全て確定させていただいて結構です。
/イベントスレの概要にも書きましたが、念のため再掲載させていただきました。
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/22(土) 20:14:46.79 ID:S4NNKPfso
>>923>>924

はいはいはぁ〜い!了解しましたぁ〜!
おじちゃん達はぁ、そこで可愛くぷるぷる震えて待っててね?
それでねぇ、私達が帰ってきたらいっぱいいーっぱいご褒美頂戴?期待してるからね〜

【場にそぐわぬ、緊張感の欠片も感じさせない声が響く】
【その声の主は、十代後半であろう容姿をした少女であった】

【ツインテールに結った赤髪に、そばかす混じりの小悪魔的な笑顔を浮かべた面立ち】
【全身を包むは髪と同じ紅のローブ、そして左手に短く装飾の施された杖】
【右手には炎を表現した図形を刻む魔導書。見るからに魔術師然とした風貌であった】

【小さく甘ったるい声で笑った後、少女――フェイは村へと視線を向けた】
【何を考えているのかいまいち判らない、人形のような瞳でしばらく風景を眺めた後】

それじゃ、そろそろ行こっかな?
折角来たんだし面白いことあればいいな
新しいお人形さんの調子も確かめたいしね。〜♪〜♪

【ゆるい口調で一人そう呟き、臆す様子もなく鼻歌交じりに進み始めた】
【ステッキを手元でくるくると回し、この状況を遊びに来たのかと感じさせるような調子のフェイ】
【指先を軽く振るうと、上方に小さな火の玉のようなものが発生し周囲を淡く照らした】

【彼女の向かう先は、正面の門】
【特に妨害する何かがなかったならば、フェイは湾曲した道を素直に進んでいこうとするだろう】

/フェイです。本日はよろしくお願いします
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/22(土) 20:14:57.26 ID:1o+cqAsoo
>>923

(話には聞いてたけど、なんか気持ち悪いなこの状況……)

【新雪のような白い髪、深い緑色に染まった瞳】
【不在の右袖を踊らせながらフード付きの灰色パーカーを羽織り】
【膝下までの長さの収納がやたらと多いズボンに黒いゴム製の安全靴を履き】
【ズボンのベルトの左側に無骨なナイフを2つ平行に掛け、妖しい魔翌力を放つ黒鞘の刀を右側に下げた】
【小さな身長(160cmくらい)の少年は一人考える】

(化物にでも襲われたか、それとも人間の手で起こされたか)
(……ま、どっちにしても碌な事じゃないけど)

【団長の言葉に言葉は返さずしかし頷いて】
【件の村へと歩みを進める】

(取り敢えず安全圏の確保、だよなこういう場合は……)
するってえと、こう周りから埋めた方が確実かね。

【少年はその考えのまま】
【村の柵の周りに沿うように歩き始める】

/エルフェス中身ですよろしゅう
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 20:19:16.36 ID:+f1hlaRzo
>>923>>924

【一行の中に、小刻みに身体を震わせている少年がいる】
【寒さからか、それとも恐怖からか。あまり護衛らしくない雰囲気や風貌で】

(……うー、暗いです、寒いです、怖いです…………。)
(なんでこんな依頼、受けちゃったんですかねぇ……。)

【茶色いアホ毛がぴょこんと生えた、レモン色の瞳を持つ小柄な少年】
【邪竜でも封印してるかのように右手には厳重に包帯を巻いていて】
【灰ローブを着用し、左腰には鞘に収められた西洋剣を二本提げている】

でも……、僕にも力が、あるんですから。
…………なにも、しないなんて。

【すーはーと、大きく深呼吸して気持ちを落ち着けると】

さて……、何かあるとしたら一番大きい家ですよね?

【大きな家屋、村長宅へ向けて歩き出す。警戒心はやや欠けているようで早足だ】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 20:21:02.93 ID:+f1hlaRzo
>>927
/追記 なぐさ中身です。よろしくお願いします。
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 20:26:47.86 ID:IWtS5SGZo
>>925

【周囲に光源のない村の中、少女が灯した明かりは、想像以上に周囲へと光を放射する】
【そのまま道なりに進めば、大きな広場が見えてくるだろう】

【まだ眠るには早い時間だというのに、行き交う人の姿はおろか】
【しわぶきの声一つすら響いては来ない】

【広場の向こうには、また沢山の民家が軒を連ねているのが見えるだろう】
【――民家の多くは、屋根や入り口の部分が破損しているところまでも、光の加護を得た少女には、見通せるだろう】

【――だが、光源を持って歩くという事】
【周囲に遮蔽の無い、広い場所へと足を踏み入れるという事】

【フェイの姿は、待ち伏せを受けるには、これ以上なく好条件の――的≠セった】

【入り口の破損した民家の一つ、その影から細身の影が躍り出る】
【魔術師たるフェイには、気配を読み取れずとも――魔力が集まっていくのが分かるだろう】

【周囲の風が、不自然にねじれ、蠢く】
【風を巻き、真空を作り出す、風刃の魔術】
【それらが、広場にいるフェイに向けて放射される!】

【フェイと影の距離は、五メートルほどだろうか。肉弾戦には遠いが】
【こと魔術の戦においては――もはや互いの制空権内と言えるだろう】
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 20:28:06.65 ID:IWtS5SGZo
>>926

【エルフェスが、柵を伝って村と林の境界を進む】
【村からの明かりがない今、月の光が遮られる木の下の視界は悪く――暗い】
【林の奥へと視線を向けても、さしたる成果は得られない】

【――村長宅の裏から移動したことで、広場へと視界は通ったが】
【遠目から広場を窺っても、月明かりに照らされた広場に人影らしきものはない】

【目立って動くシルエットもなく、広場の向こう側には、破損した多くの民家が広がっているのが見えるだけだ】

【ほかに目に付くものと言えば――】

【柵の周りには、物見やぐらが数本立てられていて】
【――最も遠い一本のやぐらに、不自然な影がある】

【まさか村の人間が、今更物見に立っているというわけでもあるまいに】
【物見やぐらの上に、うずくまるようにして――広場の方を向く人影だ】
【広場の方には、フェイが灯した光がある】

【光に薄く照らされた、微動だにしないその影を、その目に捉えることができるだろう】
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 20:28:45.65 ID:IWtS5SGZo
>>927 >>928

【家屋の扉を開けば――そこには、はっきりと異常事態が見て取れた】

【明かりの消えた民家の中、玄関と繋がった居間の中央に、巨大な濃紺のクリスタルが据えられている】
【薄ぼけた光を湛えたクリスタル。一見すれば貴重な宝石にも見えるそれは、魔力を感じられる者が見れば】
【――禍々しく、怖気をふるうような魔力が漏れ出ているのが、分かるだろう】

「……ん?」

【そして、暗い民家の中には、何者かが、入り口に背を向けて立っていた】
【背格好からして、男性だろう】

【――暗闇に落ちた村の中、民家の中で一人佇む男性が、村人であるはずもない】
【いかにも暴力に慣れ親しんだと言った風な、乱暴そうな雰囲気が、その造作からは感じられる】

「姐さん? 上に居たんじゃ……?」

【闖入者に気付いてか、男性がそんな事を口にしながら、扉の方へと振り返ろうとする――】

【居間には、クリスタルを据えるためだろうか。テーブルや椅子などの、生活のための品はない】
【男性となぐさの距離は、数メートル程度――どうするか】
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/22(土) 20:35:53.90 ID:1o+cqAsoo
>>930

(敵さん発見か……?)
(いや早計か、生き残りかも分からんし……)
つーか、村人全員死んでる前提で話すのも大分アレだな……。

【やぐらを一つ一つ通りすぎる内に見えて来る】
【その人影、それを見つけるや否や思考を回す】
【敵か、味方か……】

(ま、敵の確立のが高いんだろうなあこういう場合って)
(……広場の方を向いてる、となれば近づく好機)

【何にせよその人影の素性を看破するには近づき情報を得る以外に無い】
【足音を忍ばせかつ素早く、人影のあるやぐらの根元へ近づくだろう】
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/22(土) 20:44:32.21 ID:S4NNKPfso
>>929

ふぅん、見れば見るほどつまんなそーな村
こぉんな村に住んでる人って何が楽しかったんだろうね?
私だったらきっと耐えられないや

【軽い口調をそのままに、村の状況に適当な言葉を洩らすが】
【屋根や入口部分の破損を目に留めると――】

だから、よかったね?きっときっと刺激的な体験ができたでしょ?
家に隠れてぷるぷる震えてる所をバーン!グチャ!って破られてさ!
どんな顔してたのかなぁ?どんな声あげてたのかなぁ?

あ〜あ、私もやりたかったなぁ……こんなに楽しそ〜な遊び、私も混ぜてくれてもいいのに

【――幼気な、其故に無邪気な残酷さを以てそんな感想を漏らした】
【その姿は村を救う者に非ず、騒乱と殺戮を引き起こす魔女の其れに他ならなかった】

――へぇ?

【記述通り、「現在は魔術師」であるフェイは魔翌力を確かに感じ取った】
【ペロリと小さく舌を出して唇を湿らせ、手に持ったロッドをその方向へと向け】

『――』

【一節を以て発現する下級魔術】
【バスケットボールほどの火球が出現し、風の刃の方へと放つ】
【数瞬後、衝突。互いの魔翌力はぶつかりあい、周囲の大気を軽く揺らがしながら消滅した】

こんばんは?貴方は私と遊びたいのかなぁ?
だったらいいよ?鬼ごっこがいい?隠れんぼがいい?私は、どっちも好きだけど――

『―― ―― ――』

【一節を三度。短縮詠唱を経て現象が生まれる】
【それは炎で出来た三本の投擲槍。燃え盛る紅蓮の槍達は風の刃の飛んできた方へと穂先を向けて】
【一斉に、高速で細身の影へと向かう】

【接触すれば火炎ダメージと貫通効果を生み出す、下級で単調ながらも殺傷力に優れる魔術】
【それを以て細身の影を撃ちぬかんとする】
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 20:51:41.16 ID:+f1hlaRzo
>>931

(なんですか、この魔力?)
(あまり良い感じは、しませんねぇ……。)

【彼も魔法剣士の端くれ】
【まだまだ修行中の身であるが、最低限魔力を感じることはできる】
【だらーっと、嫌な汗が額から垂れて】

【そして扉を開いてみれば、なんだか怖い感じのお兄さんがいた】

(……ぇ、誰ですか?)
(常識的に考えて、村の人がいるのはおかしいですし。)
(姐さんとかアレな響きですし、そもそも雰囲気があわわって感じですし──)

【表情を引きつらせながら黄金の剣を鞘から抜くと、瞳の色がレモン色から紅に変わり】

……ご、ごめんなさいっ!!

【男性が振り返った瞬間ダッシュで駆け出し、男性の額に柄頭を叩き付ける】
【どうやら、気絶させることが狙いのようで】
【身長差を補うため、攻撃の直前に思い切り飛び跳ねた】

【また、攻撃の瞬間に思わず叫んでしまったため、他に仲間でもいたら存在がバレるかもしれない】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 21:06:13.27 ID:IWtS5SGZo
>>932

【エルフェスが音も無く近付けば、やぐらの上にうずくまる輪郭も、はっきりと陰影を取り戻す】
【どうやら、黒い戦闘衣に身を包んだ、中年の男性のようだ】

ふん、鴨が来やがったぜ……。

【そんな独り言まで、聞こえて来る】
【だが、独り言の内容は、エルフェスの事ではないようで】
【よほど前方に集中しているのか、眼科に回ったエルフェスには気付く様子は無い】

【村人か? ――あるいは、別の何かか?】
【その答えは、わざわざ問うまでもなく明白だろう】

【その手の中に握られていたのは――何よりもはっきりと、光を照り返す金属の筒】
【――銃だ】

【広場では戦闘が起こっているらしく、そちらの輝きに向けて、中年男性は狙いを絞って――】
【――ガンファイアが、エルフェスの前でちらついた】

【広場に向けて、狙撃している!】
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 21:07:41.51 ID:IWtS5SGZo
>>933

【放った魔術を瞬時に見抜かれ、破壊され――】
【――返す魔術を唱える間もなく、さらに高度な魔術が返礼としてもたらされる】

ぐあっ!

【短い悲鳴を上げて、全身を貫かれた影は、その場にもんどりうって倒れる】

【――転がった影は、黒い戦闘衣を身に纏った人間のようだった】
【もはや物言わぬ骸と化した、彼が身に着けている物は――】

【カノッサ機関の印章が象られた、機関の戦闘衣だった】
【だが――もしもカノッサ機関と関わった経験を持ち、その印章や制服を見たことがあるのなら】
【その衣装が、精巧に作られた偽者であることを看破できるかもしれない】


【――しかし生憎、近付いて手に取り、詳細に検分するような暇は与えられない】
【相手を打ち倒したフェイの足元の土を、重厚な衝撃音とともに、抉り飛ばされるのが分かるだろう】

【ボフッ、ボフッ、という音と共に、周囲の土が捲れていく】
【――魔術ではない】

【フェイが音のするほうへと視線を向ければ】
【その先にある物見やぐらの上に光を反射する、銃座の砲口が目に入るだろう】
【距離は遠い――ゆうに十メートル近くはあるだろうか】
【音速で飛来する科学の利器に、魔術で抗するには分が悪い】


【さらに――間の悪いことに、増援である】

【別の民家の影から、また新しい人影が躍り出てくる――彼我の距離は、数メートルほどか】

【これもまた、黒い戦闘衣に身を包んだ男性だ。既に魔力は充填済みと見えて、右手にフェイと同じく、赤い炎を纏っている】
【小さな詠唱の後、男の腕から赤い炎が螺旋を描いて、蛇の如く、フェイの体へと巻きつかんと迫る!】

【――足を止めて、これらと戦うのも良いだろう】
【射線だけを見ても2対1。不利を悟って、どこかへ撤退するのも良いかもしれない】
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 21:08:47.58 ID:IWtS5SGZo
>>934

テメ……ッ!?

【上がったなぐさの声に、ようやく侵入者を悟って】
【男性が声を上げて、身体ごとなぐさの方へと構えを取ろうとする――】

グガッ!

【が、既に剣を抜いたなぐさに抗するには――遅い】
【手応えも無く吹き飛んで、派手な音を立てて男性が昏倒して――】

【ところで、玄関口から見て右手、二階へ続く階段が設置されていて】

【案の定と言うべきか、階下の声や物音に、侵入者の気配を察知したらしい人間の、罵声と足音が聞こえてくる】

「おい、何があった!!」
〔……クリスタルは無事か!?〕

【狭い階段を、閊えるようにして降りてくるのは】

「……おい、誰かいるぞ!」
〔野郎、ぶっ殺せ!〕

【殺気だった、だみ声と共に、先の男と似たような風体の男性達が、なぐさに詰め寄る】

【大きく振りかぶっての、大上段からの振り下ろし攻撃】
【もう一人は、狭い家屋の中で自由に動けず、前の男が攻撃を終えるのを待っている】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/22(土) 21:26:29.71 ID:1o+cqAsoo
>>935

(どうもこんばんは鴨です、なんてな……)
(まあこれからその鴨みたいなヤツに襲われるんですけどね――――)

【視界に入る銃口、その先は広場】
【一応ではあるが仲間がそちらには居て】
【彼の邪魔をする理由にはそれで十分】

(分かりやすく敵っぽい行動してくれてホント助かるわ)

【攻撃を決意した瞬間にエルフェスの右腕、その断面から「黒い物体」が滲み出る】
【極小の粒のようなそれはそれぞれが繋がり合い最終的にトゲトゲしい「黒い腕」へと姿を変える】

面倒だから一気に叩いて潰しちまおう。

【「黒い腕」の端から更に「黒い物体」が伸び】
【やぐらを下から螺旋を描くように這い上がり始める】
【やがてそれがある程度まで上がったならば唐突に、やぐらを絞り潰そうと収束を始めるだろう】

(瓦礫でついでに潰れてくれれば御の字)
(無理でも死なない程度にバラす準備は……してある)

【腰に装備したナイフを左手に、刀を右手に収める】
【視界の内には中年の男性、やぐらが崩れようとも見逃しはしない】
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/22(土) 21:28:02.77 ID:S4NNKPfso
>>936

――ふぅん?これは何のつもりかなぁ?
私いつの間にか恨みとか買っちゃった?めんどくさいなぁ

【殺人を果たしても精神を揺らがすことはなく】
【カノッサの戦闘衣に身を包むその姿を見て目をパチクリさせた後】
【機関ナンバーズ<No.71>フェイは、杖をくるくると手元で回して面倒くささを仕草で表す】

【偽物であることには気づいてはいないのだろう】
【ナンバーズではあるが非常に適当な性格をしているため、詳細を観察しなかったのだ】
【そして――】

ん〜?今度は鉄の玩具がお相手?
さっきの人よりはずっとずっと面白そうだけどぉ

――まだ、ちょっと物足りないかなぁ?

【――足元を穿つ銃弾と、凶悪な砲口】
【そして間髪入れずに現れるは黒い戦闘服に身を包む魔術使いの増援】
【普通の魔術師ならば詰みにも近い状況に、フェイはただ楽しげに小悪魔的な笑みを浮かべて】

さ――どこかの誰かさん、楽しく遊びましょ?
面白い人だったら私が後でたくさん可愛がってあげるから

『――』

【杖の先端を銃座の方へと向けて一節呟く】
【すると頭上の光源となっていた火の玉が爆発。銃座の視界からフェイの姿を隠すと同時に】
【大きく横に駆け出し、民家の影に身を隠しながら】

私の心を焦がすには情熱が足りないなぁ
あなたはい〜らない。だからぁ、可愛い声で鳴いてね、お・馬・鹿・さん♪

【同時に迫り来る炎の螺旋】
【それに捉えられる瞬間、フェイは自ら右手を差し出し】
【「炎の螺旋を腕に絡みつかせると」】

【瞬間、フェイの火属の魔翌力により干渉。魔導書と杖をブースターに増幅し】
【「方向を転換」。逆流させ、男の元へと威力を倍増させた状態で「打ち返した」】

【同属性であり、一属性特化型の魔術師であるからこそ可能な改変作業】
【それを以てフェイは魔術使いの男を焼き尽くす】
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 21:35:31.61 ID:+f1hlaRzo
>>937

…………ひっ!
なんかたくさん来ました……っ!?

【またも懲りずに、悲鳴に近い大声をあげる】
【剣の実力はともかく、他は素人ということが丸分かりだ】

【黄金の剣の刃で、振り下ろされた攻撃を受け止める】
【少年の力によって身体能力が上昇しており、小柄な身であるが力負けしない】

遅いですよ。
えっと、ごめんなさい……、ミーティアッ!!

【そしてローブの内側から短剣──の、柄だけを取り出すと】
【魔力によって刃を生成。その左手の短剣で、男性が武器を手にしている方の肩めがけて斬りつける】
【急所外しの各個撃破。やや甘い戦略であるし、突破にはやや時間がかかりそうだ】
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 22:03:11.32 ID:IWtS5SGZo
>>938

……チ、的が小せえ……!

【ぼやくような愚痴と共に、薬莢がやぐらの下に落ちてくる】
【リロードを行うのに必死なようで――忍び寄る死の影に、気付く様子は無い】

ッうぉおっ!?

【広場から、フラッシュを焚くような強烈な閃光が、エルフェスにも感じられるだろう】
【スコープ越しに目を焼いた閃光に、狙撃手が苦悶の声を上げる】

くぉ……! あのチビ……!

【目を擦りながら、男性はもう一度銃を構えようとしたが】
【――そのもう一度≠ヘ、永遠に訪れない】

【丸太を組み合わせた程度の粗雑な造りのやぐらが、突然圧搾される】
【黒い影の重圧に耐え切れず、瞬時に瓦礫へと姿を変えたやぐらの上から、声が聞こえる】

……は?

【そんな間の抜けた声を残して、狙撃手は崩れた足場もろともに、地面に叩きつけられた】
【轟音と共に倒れたやぐらの下敷きとなった男の、足が隙間から覗いている】

【ピクリとも動かないソレ――戦闘不能にした事を、エルフェスは確信できるだろう】

【――同時に、異様な雰囲気が、周囲を包んでいくのが、エルフェスには分かるだろう】
【奇妙な、禍々しく、冷たく――おぞましいまでの気配が、村の入り口の方から溢れている】

【この依頼の内容は、村の調査だ。異変を放っておくわけには、いかないだろう】
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 22:03:45.91 ID:IWtS5SGZo
>>939

ッ!?

【炎に照らされた、男の嗜虐的な笑みが、驚愕の色に染まる】
【まるで魔術のバックファイアを受けたかのように、コントロールを失った炎が、自身に絡みつくのを感じ】

ヒ、あああぁぁっ!?

【爆炎に包まれて、男が断末魔の絶叫を上げる】
【煙を上げて炭化していく男は、もがくように地面に付して――動かなくなった】

【再び静寂の戻った周囲からは、これ以上に近付いてくる影は無い】

【いつのまにか、銃撃を放っていた筈の狙撃手は】
【そこにあった筈のやぐらごと消失してしまっていて――】

【ひとまず、彼女を襲う脅威は、全て排除されたようだった】


【――同時に、異様な雰囲気が、周囲を包んでいくのが、フェイには分かるだろう】
【奇妙な、禍々しく、冷たく――おぞましいまでの気配が、村の入り口の方から溢れている】

【この依頼の内容は、村の調査だ。異変を放っておくわけには、いかないだろう】
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 22:04:56.73 ID:IWtS5SGZo
>>940

「う、おっ!?」

【どうやら、目の前の小柄な少年が、攻撃を受け止められるなどとは想像もしなかったのだろう】
【受け止める剣の先を見て、目を剥いた】

「ぐはっ!」

【男性も、場慣れはしているのだろうが――剣の腕、とりわけ一対一での鎬の削り合いには手合い不足にもほどがある】
【なぐさが返す手で短剣を引き抜くのにも反応できず、容易く腕から武器を取り落とす】

〔……!! このガキ、生きて帰れると思うなよ!〕

【後ろで待機していた男の、激昂した声が響く――】

……やめておけ。

【だが、その場に水を差すような、無感情な声が響いた】
【その声に、男はビクン、と身体を硬直させ、明らかな狼狽の色を浮かべ、階段のほうへと振り返った】

〔し、しかし……! キ、キリルの旦那、こいつは……!〕

侵入者は計画の想定内だ。
……予定よりは少しばかり、早かったが……まぁ、良かろう。

【無精髭を生やした、中年の男性が、階段から降りてくる】
【その身に白衣を纏った姿は、さしずめ博士か、あるいは医者とでもいった風情だ】

……二人を連れて脱出しろ。
後は私とジーナでどうにかする。

〔へ、へいっ!〕

【男は、無精髭の男の言葉に、追従するように首肯すると、転がった二人の男性を連れて、村長宅から退出する】
【屋内に残った、なぐさに向けて、無精髭の男――七草なぐさにミーティアを手渡した、キリル・ヴェルバが口を開く】

……名前はなんと言ったかな。
ともかく、ソレ≠ゥら離れた方がいい。

【再会を懐かしむ風でもなく、居間の中央にただ佇んでいる、クリスタルへと指を刺す】

この家屋から出て行くことを勧めるよ。
……なに、私はまだ%ヲげはしない。

【無感情に、キリルがそう告げる傍らで】

【――同時に、異様な雰囲気が、周囲を包んでいくのが、なぐさには分かるだろう】
【奇妙な、禍々しく、冷たく――おぞましいまでの気配が、クリスタルから溢れている】

【――キリルの言に従うも良し】
【あるいは、それに逆らってみるのも良いだろう】
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/22(土) 22:09:48.28 ID:S4NNKPfso
>>942

――ん〜?帰っちゃったかなぁ?
つまんないなぁ、まだ顔も見てないのにぃ

【民家の影から、銃座に対抗するための魔術編もうとしたその時】
【音が、破壊の気配が消え失せ静寂が訪れる】
【フェイは姿を現し、先程銃座のあった場所を首を傾げて一瞥した後】

ま、いっか。
――もっと、楽しいことがありそうだしぃ?

今度はどんな素敵な事が待ってるのかなぁ?
次は私を焦がしてくれる、情熱的な人だと嬉しいなっと

【どこか弾んだ足取りで、異常な気配のする方向へと歩みだす】
【何処までも遊び感覚な性格破綻者だ】
【今度は何があるのかと――期待に胸を膨らませながら、少女は陽気に歌を口ずさみながら入り口へと進んでいった】
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/22(土) 22:19:54.12 ID:1o+cqAsoo
>>941

うおっ……と危ない危ない、オレまで下敷きとか洒落にならんわ。

【やぐらが崩れる前に少しばかり離れる】
【自分も危険だとこの状況になるまで分からない辺り少し頭がアレだった】

……はてさて、ラッキーなのかアンラッキーなのか。
何を恨め、とは言わないけどな。

【死を悼むつもりも毛頭無いのか】
【足元のソレを見下ろし、静かに呟きエルフェスは踵を返す】

(しかしなんだろうね、体よく分散させられた?)
(自衛の手段はある、とか抜かしてたけど団長供は大丈夫かね……)

【右肩口から「黒色」を滲ませたまま】
【名状しがたい気配の先、村の入口までエルフェスは向かうだろう】
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 22:34:27.12 ID:+f1hlaRzo
>>943

……キリル、さん?
どうして……こんなところに、いるんですか?

【たった一度会ったきりとはいえ、知り合いの突然の出現】
【まだ幼い少年は動揺の色を隠しきれず、顔が引き攣っている】

引けと言われて、引くわけありませんよ。
僕は……、僕は、依頼でここまで来たんですから……。
……それに、そんな怪しいものを放置するわけにはいきません。

【口にした言葉は立派であるものの、まだまだ大きな迷いがあるようで】
【男が明らかな敵意を見せたり、クリスタルが異変を見せたり──、何にせよ、自発的に行動することはないだろう】
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 22:36:09.52 ID:+f1hlaRzo
>>943

……キリル、さん?
どうして……こんなところに、いるんですか?

【たった一度会ったきりとはいえ、知り合いの突然の出現】
【まだ幼い少年は動揺の色を隠しきれず、顔が引き攣っている】

引けと言われて、引くわけありませんよ。
僕は……、僕は、依頼でここまで来たんですから……。
……それに、そんな怪しいものを放置するわけにはいきません。

【口にした言葉は立派であるものの、まだまだ大きな迷いがあるようで】
【男が明らかな敵意を見せたり、クリスタルが異変を見せたり──、何にせよ、自発的に行動することはないだろう】
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 22:51:14.20 ID:IWtS5SGZo
>>944 >>945

【村の入り口の方――正確には、村長宅の方から、気配は漏れてくる】

【――唐突に、村中に轟音が響き渡る!】

【メリメリと軋むような音を立てているのは――村長宅だ】
【先ほどまでは明かりなど、灯ってはいなかったというのに】
【今は、その窓から濃紺の光が、溢れ出んばかりに輝いていた】

『オォオオオオ――!!』

【――腹の底に響くような、低く重い、人ならざるものの咆哮】
【いよいよもって増大していく、崩壊の音と共に――氷の様に冷たく、禍々しく濁った魔力が溢れ出す】

『ォォオオオオッ!!』

【バキン、と】
【致命的な音がして――】

【村長宅が、内側の圧力に耐え切れず、崩壊した】

【建材である木片がばらばらと周囲に飛び散る中、村長宅があったはずの場所に、立っているのは】
【――銀色の狼、としか表現の出来ないもの】

『ゥルルル……。』

【つるりとした、金属のような体表に月光を反射させながら、低く唸っているのは】
【濃紺の瞳を持つ、全長三メートルはあろうかという――巨大な獣だった】

/探索イベント終了です。
/次のレスで合流してください。
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga !蒼_res]:2011/10/22(土) 22:52:04.12 ID:IWtS5SGZo
>>946 >>947

「説明する義理も義務も無い。違うかね?」

【あくまでも淡々と、無表情になぐさの問いを付き返し、キリルはクリスタルへと右手をかざす】
【クリスタルは、それに応じて――その身から溢れる異様な魔力を、増大させていくようだった】

「近くで見たいというのなら、それも良いだろう。」
「……ジーナ。降りて来い」

【クリスタルへと、某かの魔術を掛けながら、キリルが階上へと声を向ける】
【すると、それに応じて、パンツスーツ姿の女性が、階段を下りてきた】

……もう少し時間がかかるんじゃなかったの?
「侵入者がスケジュール通りならば、間に合っただろう。スケジュール管理は君の範疇だ。」

【灰色のセミロングを、ウェービーに波打たせた、目の下に濃い隈のある女性だ】
【不健康そうな顔を、さらに不機嫌そうに歪めて、鼻を鳴らす】

はぁ……。
……ホント、割に合わないわね……いいわ、始めて。

「もう始めている」

【キリルが答えるが早いか、クリスタルから、奇妙な脈動が波打つ】
【視界を覆うような、濃紺の閃光が家屋の中を満たして――そして、何も見えなくなる】

「……出でよ」

【キリルの声を最後に、衝撃と、轟音が、なぐさの視界を覆う】

/探索イベント終了です。
/次のレスで合流してください。
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/23(日) 20:30:36.95 ID:/wVAKyLBo
【草原、その丘に存在する教会前】

【そこに一人の女性――蒼い肌と頭部の角を覗けばそうみえる――が、居た】
【格好はといえば白い軍服と紫のマント、機能性重視の革製ブーツ】
【加えての前述の異様さを、銀色の妖しい髪色がどこか幻想的に見せている】

【と、まあそんな人物なのだが、注目すべきは今彼女が出てきた教会である】
【大きな木の扉は打ち壊され、祈りを捧げていたらしい人々は屍となって横たわり】

(久しぶりに動くとこんなもんか……やっぱり、鈍るなぁ)
(どうも[ピーーー]だけってのもらしくないってか、ありきたりでつまらないしな……)

………アレか、燃やすのが暖かくて良いな

【そして今、異形は松明を手にとって息せぬ肉塊とがらんどうの教会に向き直り】
【にやりと笑ってから、さぞ大きな篝になるだろうそれらに向けて】
【パチパチと爆ぜる松明を放り投げようと、振りかぶって――――。】
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/23(日) 20:42:40.92 ID:zlq7t1ESO
>>950

――おい、放火魔さんよ。

【振りかぶった女性の背に掛かる声は、凄惨なこの場の空気も読まないままに】
【恐らくは知らぬ相手だろうが、それでも声を掛けたのには理由があった】
【それは教会に尋ねたい事だったが、そうしようにもその門の前で火を放とうとする者がいるのだ――】

【――それ処か、それ以上の事をしているのだから】
【垣間見た中の光景に、やっと男は状況を掴んで。掛けた言葉を微修正し】

あー…いや、テロリストさんか?

【肩に掛かる長さの銀髪に、暗赤色の双眸を持つ長身の青年】
【首には、焦げ痕の残る赤い首輪が痛々しく焼き付き】

【首元を緩めた黒いYシャツに黒のスラックス、靴は何処へ遣ったか素足で】
【左腕は失ってしまったらしく、中身の無い袖が風に揺られていた】
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/23(日) 20:50:43.00 ID:/wVAKyLBo
>>951

火っていったらカウントダウンだよなぁ……
いっそ爆弾でも仕掛けて、でっっかくやれば楽し――?

【ぐ、と後ろに引かれた腕が止まる。無論、青年の登場によってである】
【それは幸いにも遺骸らへの冒涜を遅らせ、興味をそらすことに成功し】
【異形の女性は松明を投げ上げ受け止めを繰り返しながら、振り向いて】

……さあ?主義主張なんて無いから放火魔で殺人犯だろ、多分
そーいうお前はナニモンだよ、靴履いて首輪外してから人前に出ろっての

【そんな罵声混ざりの返事をしながら、女性は青年をじっと見る】
【格好は一見サラリーマンの様だが、片腕は足らず素足で首輪】
【現れた場所もある。どうやら面白そうだと、好奇心の覗く碧の瞳が輝いた。】


/次スレです→http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1319369894/
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2011/10/23(日) 21:03:58.48 ID:lctIyETl0
【路地裏】

――――――仮に、あくまでも仮に、の話だァ

【路地裏の小さく開けた空間に、少年がいた】
【両手を大きく広げ、天を仰ぐ】

【周囲を焼き焦がすかのような真っ赤な短髪】
【それに相応するかのような深い漆黒の双眸】

【未熟といえるであろうか、幼さが顔にまだ残る少年】
【大人になれば恐らく精悍な青年に成りそうな、整った顔をしている】

【肩の上のほうに、淡い蒼色に輝く小さな光球が浮かんでおり】
【それは時折、ふよふよと浮かびながら動き回っている】

【赤い、いや真紅に近いほど鮮やかな羽織を着ており、見る者を安心させる。が】
【反発するかのように右手には付けられた無骨な手甲があり】

【その拳部分には決して拭えない黒ずんだ血痕がこびり付いていた】

【また、左脚に傷口など一切見当たらず、少年自身も何の不自由もしていないように見えるのだが】
【何故か、一本の杖で身体を支え続けている】

ここに“一つのりんご”があったとする、そこには5人10人といっぱいの人間がいた

―――さァどうすんだ!?“分け合う”のか“奪い合う”のか!!

それとも醜く“かぶりつく”のかァ!!??ひゃははァ!!

【口元を歪に広げ、にやりと笑い顔を作ると】
【その場で大きく叫びを上げる、目の先は空、一面の闇天】

【少年の周囲には薄汚れ、何らかの武器を持っている青年達】
【取り囲み、彼ら一人一人が澱んだ暗い目で】
【少年を見つめていた】
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/23(日) 21:09:16.57 ID:zlq7t1ESO
>>952
…く、はははっ! 何だ何だ、ただのイカれ女かと思いきや面白ぇな、放火魔の殺人犯さんよ。
俺はまぁアレだな、迷子だ。 んで、靴は無くしたし首輪は取れねえんだよ、笑いたきゃ笑え。

【気の抜けた薄ら笑いで答えつつ、女性の異質さや中の惨状を伺う双眸は】
【一先ず、自らの望みは叶わないと結論を出し。大層な溜め息をひとつ落とした】

あーあァ、叶えて欲しい願いが出来たから、無い信心振り絞って祈りに来てみりゃこのザマだ。
幸先悪ぃなぁオイ… 

…いや、元から先なんか無ぇか。
未来だけじゃなくて過去≠焉Aそれこそ皆燃えて亡くなっちまえばいいのによ――

【紡ぎ出した言葉は、酷く未練たらしく延々と続く。視線も何時しか女性から外れて】
【目の前にいる人物の危険性を鑑みないその態度は、果たして女性にはどう映るのか――?】
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/23(日) 21:09:56.93 ID:zlq7t1ESO
>>952
/おっと忘れてた、スレ建て乙ですー
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/23(日) 21:20:36.21 ID:/wVAKyLBo
>>954

あぁ?仮にも女性に向かってイカレとはいい度胸だな、お前
見た目いい歳して迷子で靴を無くしたペット風の野郎に言われたくねーぞ
それに、笑いたきゃ笑え?哀れすぎて馬鹿にする気も起きやしねぇ

【ふン、と吐き捨てるように一息吐き、尚も女性は視線を上から下へと動かし続ける】
【だがどうにも好奇心の色は薄れ始め―――寧ろ、落胆の色が出始めていて】

……それは普段から祈ってねーんだから当たり前だろ、都合いいな

ん、なんだ……先も前も全部燃えてなくなっちまえ?
馬鹿の割には良い事言うなぁ、絵の前に火の元があるのにさぁ
オラ、くれてやるからみすぼらしくて望みのない一生を終わらせちまえばどうだ?

【やがて、見つめるという事はなくなり見据える程度に姿勢を戻した女性は】
【パシ、と受け止めた松明を、下手でほいっ、と青年の足元に放り投げる】
【それすなわち、言葉の通りに「燃えちまえ」―――無論、火は本物】
どうやら、青年の態度。それが気に食わなかったらしいが、彼女の性格は実際イカレているらしかった。】
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/23(日) 21:21:49.25 ID:/wVAKyLBo
/絵の前→眼の前ですー、脳内補完をばお願い申候。
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/23(日) 21:44:15.53 ID:zlq7t1ESO
>>956
【ぽいっと放られた松明の軌道をただ眺めていたために、裾に見事に引火してしまい】
【数秒ほど遅れて「…あっつ!」とか騒ぎ始めた男の、燃え盛りだす足下へと】
【何処からともなく、ひとつの影が駆け寄ったのだった】

『――しゃら、ん=x

【その姿はライオンのように大きな犬の影≠ナあり、夜闇に紛れてしまいそうな程に黒く】
【そしてその口には、片方だけのガラスの靴が銜えられていた】

【犬はその大きな前足で、男の裾に着いた火を踏み締めて消すと、先に響いた涼やかな音を鳴らしながら】
【男の周囲を、くるくるとじゃれるように駆け回るのだった】

…アホ犬が。 いや…アホはアンタだな、いきなり何かましやがる。
第一終わらせるだけじゃ俺の望みは叶わねぇんだよ――

【がしがし、と右腕で銀髪を乱し。乱れた前髪の隙間から、男は真っ直ぐに女性を見据えた】

俺という存在を無かった事にしてほしい=B
俺のいなかった世界を、あげたい奴がいるんだ…
――どうだ、アンタに叶えられるか?

【もし叶えられると言うなら、この場でそうして貰っても構わない、と――】
【暗赤色の双眸に、狂気と懇意を浮かばせて。男は、眼前の女性をただ見据えるのだった】
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/23(日) 21:56:58.71 ID:/wVAKyLBo
>>958

……んだよ、人の好意を文字通り踏みにじりやがったなこの犬
飼い主だかお仲間だかと一緒で、どっから見ても奇妙だしなぁ

あと、私はアホじゃない。人を馬鹿にするもんじゃないぞバカめ
終わらせて欲しいと言ったら終わらせてやるのが人情だろ?

【「つまんねーな」、と呟きながら、彼女は腕を組んで犬を見る】
【もしコッチに近づいたら蹴飛ばしてやるとでも言うように、鋭い視線で】
【それから、男の望みを一先ずは暴れもせずに聞き入れるが―――】

――はい結論、無理。

お前、存在がなかったことになるってどれだけ大変だと思ってんだ?
今お前がつったってる地面の汚れも、その匂いも痕跡はなにもかも消すんだぞ
んな事出来るのはそういう能力者か、もう居ない神サマか、でなきゃ……

……んー……ま、そんな感じだろ。私に出来るのは戦いだけだ
対人戦からこう、ドンパチとだな……前はやってた、そういうことも

っつーか、その世界をあげたい奴って誰だよ
お前そいつに死ぬほど嫌われてると同時に片思いでもしてんの?

【と、言動からも分かるように女性は青年の意思を一蹴した】
【実にさっぱりとした、いくらか人付き合いの下手そうな性格であるらしい、が】

【なにせ質問が質問だった。興味が湧いたらしく、少し深く突っ込んで。】
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/23(日) 22:28:53.05 ID:zlq7t1ESO
>>959
【罵倒されているのも理解していないのだろう、ただ楽しげに男の回りをくるくる回る犬は】
【古い童話のよくばりな犬≠フように、銜えたガラスの靴を決して放そうとはしなかった】
【それ故に吠える事も無く、出所不明の涼やかな音が代わりにひたすら鳴り続けるのだった】

――だよな、だからこそ靴無くすまで探し回ってる訳だ。
くはは、笑えねえわ…

しっかし、戦闘狂の軍服女、か。
アンタみたいな奴に昔会った気がするぜ、その不健康とか以前に人間かも怪しい肌の色と角を除きゃ、大体似てら。
はっ、まるであいつが化けて出たみてぇだ…まぁ、そこまで品のねぇ口じゃなかったけどな。

【靄が掛かる記憶の僅かな断片に浮かんだ人物は、名が思い出せないままだった】
【こちらも仕返しとばかりに罵詈雑言を交えつつ言葉を返し、続く問いに思い出したのは】
【その人物と同じく、名前の思い出せないとある少女――】

――嫌われてるってのは合ってるかも、な。
真っ白でチビで、泣き虫で見た目は幼女だけど中身は少女――だった、か?
名前も、俺との関係も、何にも思い出せねぇが。

ただ…何か俺の事で泣いてやがったんだ、その光景だけは覚えてた。
だから無くなりたい。 完璧に消え去って、もうこんな甲斐性無しの為に泣かないようにしてやりてぇ。

…どーだ、素ン晴らしい理由だろうが。

【相変わらずの薄ら笑いに篭るその想いは、異質な程に飛躍していた】
【最後の言葉で茶化したのは、流石に多少の気恥ずかしさがあったからだろう】

【そして、はっきりと今はまだ叶わない≠ニ理解出来たからだろうか】
【先に浮かべた狂気と懇意は、既に何処かへと消え失せていた】
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/23(日) 22:52:28.60 ID:/wVAKyLBo
>>960

【どうも、犬の方は犬らしく――青年と違っても、打っても響かないことを悟ったか】
【女性は奇妙な音はともかくとして、五感の殆どから犬を締め出し】

あー……肌じゃなくて服が蒼くて、竹割ったような性格してんだろそいつ
言うことなすこと仕事と性癖のためだけで、その癖メンタル弱いからアレなんだよな
ま、思い出せないみたいだしそんな奴のことはいいだろ、死んだし。

……いやぁしかし、素晴らしい理由で消えたがるバカも居るんだな

【へー、と感慨なさそうに呟く彼女は、退屈と言うか不満気である】
【おそらくは性格柄だ、気にすることもない。ただ、意見はキチンとあるらしく】

あのよぉ、お前男の割には女みてーな考え方してんだな
首輪はめちゃうくらいやんちゃなんだからさぁ、逃げてんじゃねーよ

その真っ白でチビで泣き虫のガキ、なんで泣いてたのか知らねーんだろ
「俺のことで泣いてた」イコール「悪いことした」って、なぁ……お前ロリコンじゃねーんだよな?
だったら、取り返しはつくっぽいだろ。ビビってないで謝って仲良くしてこいよ

……まあ、先ずは靴だな。で、そのスッカラカンの記憶ほじくりかえして白ガキ探せ
後は言った通り、成功したらそれで良し。私に感謝の雨だな

けど、見つからないか失敗して、それでも消えたいならもう一度此処に来い
なんと私は魔法が使えるからな、存在の消去方法くらい調べりゃあるだろ、手伝ってやるよ

【「Do you understand?」―――と、口早かつ簡潔に女性は述べ切った】
【人の悩みだというのに、わざわざ聞いておきながらふてぶてしい事極まりない、が】
【それでも提案であることには違いない。どう感じ、受け止めて行動するかは青年次第――当たり前では、あるのだが。】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/23(日) 23:25:45.09 ID:zlq7t1ESO
>>961

(…死ん、だ?)
(つーかコイツ、あの女の事――)

【早鐘を打つ思考を止めたのは、突如ぶつりと途切れた涼やかな音だった】
【どうやら、くるくると駆けていた犬が、自分の影に飛び込んで消えていったらしく】
【急に静かになった場に眉を潜めつつも、つらつらと紡がれる女性の言葉を、文句ひとつ挟むことなく聞き】

………、くくっ。 クハハハッ!

あー、こいつは驚いたな。 神父サマに貰う助言よりか、ずっと良い答えかも知れねぇ。
…アンタに話して良かったぜ、やっぱ馬鹿の悩みは馬鹿に相談するのが一番だ。

【「I Know.」――そう答えた男の表情からは、負の感情が消え失せていて】
【ふと頭に良い靴を履くと、靴が素敵な所へ連れて行ってくれる≠ネんて言葉が過る辺り、】
【自分の思考は女性の指摘した通りに、なかなか女々しいものだと自覚したりしたのだった】


――んで、俺からの最後の質問。

アンタ、その死んだって言う軍服の女とはどんな関係なんだ?
相変わらずそいつの名とかは思い出せねぇんだが、それだけ少しばかり気になってな。

【自分の記憶にある軍服の女性のイメージと、眼前の女性が重なって。口を衝いたのは、そんな問いだった】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2011/10/23(日) 23:58:03.05 ID:/wVAKyLBo
>>962

【フッ、と犬が消えていた。一瞬だけ、女性の五感は静止の世界に置かれたが】
【すぐさま耳に飛び込む笑い声と、女性にとっては不満の種だった負の表情】
【それが消えたことを視認して、さもうるさそうに両手で耳を塞ぐジェスチャーなんぞをしつつ】

(……笑えねぇとかいうクセに、元気になるとコレか)
(でもまぁ、いつまでも鬱々されても殺したくなるだけだしなぁ……)

ったく感謝か罵倒かどっちかにしとけ、終いにゃ殴るぞこのバカが
……あぁそうだ、結果は言えよな、気になるからさ
泣かしたガキとお前の関係とか、その後の状態とか、消えるかどうかとか……

まあ、次もさっきみたいな面してきたら消す前に百回バカって言ってやるよ

【「分かればよろしい」――そう呟いた女性の背に、闇で出来た翼が現れる】
【頭部の角に軍服姿と合わせてみると、『魔将』なんて言葉が似合いそうだが】

おっと、それはまた無粋な質問だな……ま、答えないのも回りくどい
死んだ彼女のマイナス面が凝縮されると、私のような悪性変異が出来るのだよ
……ふむ、やはり違和感のある言い回しだな、これは

まあいい。ウェスカ、自分の名前は忘れていないのだろうな?
お前には以前大きな迷惑をかけた……すまなかったな、それと―――頑張れ。

【その口調、凛とした雰囲気、髪に瞳、そして相手の名前を言ったこと】
【死した軍人も生ける異形も名は明かされなかったが、あまりにもダブる】

【――――だがそのこと、青年が何かしらを思っても時は既に遅い】
【女性は翼で飛――ばずに身を包み込み、やがて闇の球体と化していって】
【最後にスルリと消えてしまって、返事がないからである。ただ―――】

【凄惨な教会の光景と裏腹に、草原に吹く風は心地良いものであった、とだけ言えるだろう。】

/お疲れ様でしたー!
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/24(月) 00:43:25.93 ID:I2ACrjOSO
>>963

――っ!!

【言葉を掛ける間は、無かった。問い質す間も無論無かったのだが、】
【そうするまでもなく、女性…否、彼女は明らかに――】

……、ガルニエ…?


【――彼女が立ち去ってしまって、良かったと思えた事がひとつある】
【それは堰を切ったように溢れ出す感情で、自分がとても酷い顔になっているのを見られずに済んだ事】

【ウェスカは口許を押さえたまま、暫く茫然と彼女の消えた跡を見つめていたが】
【その手を髪へ滑らせ、ぐしゃりと乱してから俯き】

迷惑…、なんか。 何、言って、ンだよ…。
…謝るのは、俺の方じゃねーか…
あんたの命令も…てめぇで始めた事も…結局半端で、…潰えたってのに
何より、あんたの残した…昼の国、奪われちまったのに…!

【彼女の一言で、眠り姫の呪いが解いたかのように。靄が晴れて、記憶の海が凪いでゆく】
【ガルニエが最後に残した言葉が――頑張れ≠フ言葉が】
【彼女らしからぬようで、それでいて本当の彼女らしくて、――何より、嬉しかった】

【ガルニエと同じく、今の自分は機関にはいない。寧ろ、追われる側になっている】
【シズリとの約束ごとも、結局は叶えてやれないままに、運命は過ぎ去った】
【それでも何故か…すべての事柄に、ひとつ区切りがついたような心地だった】


……ふむ、

【――思い出したのは、もう一人】

【何も無く消え行こうとしていた自分に残された、最後の目的。ガルニエの助言を得た今、】
【もう馬鹿な考えは一切無くなって、希望的観測であろうとも…僅かな望みに、掛けてみようと思い始めたのだった】

…なぁ、ハイド。
どこにいるんだ、お前――

【草原の穏やかな風と、微かに混ざる血液の香りが、一層居心地の良さを与えるこの場所で】
【迷子の野良犬≠ヘ、進むべき道を得ることが出来たのだった――】

/長引いて申し訳ない、乙でしたー!
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/24(月) 18:06:40.36 ID:NlZ4eWNFo
【街中ーある裏通りの小さな町工場、その前】

【夜の冷たい風がその季節の変化を感じさせる頃、その場所は表通りとは違い景観は良い物とは言えない】
【倒されたゴミ箱、散乱するゴミ、そして壁にはスプレー缶で落書きされたようなそんな特徴的な絵や文字】

【月夜に猫はにゃあと鳴き、その風はゴミをコロコロと転がして腐ったものを突付く鴉がその場へ溜まっていて】

『ガラガラッ...ガシャーーン...』

【その音と共に小動物達は目を丸くして、その場所から飛び、奥に駆ける】
【大きなシャッターが閉じる音、そんな静かな裏通りにそれが響いて、身を震わせてその工場から出てくる一人の男が居た】

【身長190近くある白人男性、脂肪、無駄な肉を削ぎ落したかのような引き締まった肉体 】
【プラチナブロンドのショートカットに無精髭ティアドロップのサングラスをかけており、その奥に見えるのは深緑の双眸】
【ジャストフィットの白いシャツに紺色の少しゆるめのワークパンツに黒ずんだベージュのエンジニアブーツ】

おー...寒すぎる...

【なんて事を呟きながら、煙草に火を灯し、辺を一望しその倒れるゴミ箱、それを見つけそこに向かい足を進めて】

あらまぁ…面倒な事になってるよ、何でこれぐらいの風で飛ばされるようなゴミ箱なんかおいてんだ...
変えろよ...全く...

【不機嫌そうに、舌打ちをしながら、彼は倒れたゴミ箱を脚で器用に立ち上げて元在ったであろう、そんな場所に戻して何かに気付く】
【空から肌に感じたその冷たい雨、それが肌をかすめて彼は上を向いて舌打ちを打ち...その屋根のある工場前のベンチに腰掛け】
【空にはいつの間にか黒い雲、そしてゴロゴロと鳴る雷、そんな空をベンチに座り眺めながら、点滅する街灯に照らされながら】
【白い煙を履いて溜息を吐く】

はぁ...傘もないしね、雨がひどくなりそうだし、どうしたもんだか...

【そんな言葉を呟いたその時に大きな雷が何処変えひどい音を立てながら落ちたりして、そして空からふる大粒激しい雨】
【あっという間のそんな出来事に、ただ溜息を吐き、ベンチに腰掛煙草を吸う、そんな雨宿りをしている男性がそこに】
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage sage]:2011/10/24(月) 19:47:11.28 ID:byuZtD2H0
【町はずれ―――廃墟群】

【そこは忘れられた場所、置き去りにされた記憶の墓場、打ち捨てられた場所】
【しとしとと雨が降り注ぎ、辺りには湿気が満ちている、老朽化した建物には苔が生えている】
【廃墟たちは、集合住宅地が如く身を寄せ合うように隙間なく建築されている】

【その中でも大きめの、病院のような一つの廃墟、そこから物音が聞こえてくる】


なんやぁ、なんで俺がこないな事せなならんのや………おおさっぶ…
まぁ奴に従えば、俺の欲求も満たされるし、我慢したろうかのぉ―――。

でもまぁ、住み着いてた乞食じゃあ喰いたらんし、他に面白そうな事も…
やっぱりさっさと回収して帰るのが一番やなぁ…ヒッヒッヒッヒッヒッヒ

しっかし止まんのぉ…


【黒いパーカーを着て、頭はすっぽりとフードに覆われて伺う事は敵わない】
【下は、ブラブラと複数の拘束ベルトが垂れ下がった緑のカーゴパンツを履いている】
【足には、機械的なブレードや、ローラーの付いた装甲靴を履いている】
【身長は180cm程で、エセッぽい関西弁話すを割と長身の青年】

【何の跡か―――廃墟のポッカりと空いた穴から雨模様の空を眺め、愚痴を垂れる】
【ピチャンピチャンと、雨漏りした水が、コンクリートの天井から床へと滴り落ち、湿らしている】
【乱雑に放置されたバケツやパイプを蹴り飛ばしながら、青年は進んでいく】
【手にはベッタリと血が付着しており、青年の背後を点々と血液が、まるで道しるべのように落ちている】
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/24(月) 20:49:51.64 ID:NlZ4eWNFo
【裏通りーー】

【落書きされた煉瓦の壁、散乱した様々なゴミ、群がる鴉、鳴き声をあげる猫】
【生きているか死んでいるか、其れすら分からない壁に背をつけ腰掛ける人々】
【誰もがこんな場所で生活するなどとは思って居なかっただろう、そんな場所で息絶えるなど思いもしなかっただろう】
【人生生きていれば、どんな事でもできる、願っても彼はそんな事はしたくない、そんな事を思いながら、一人の男性がそこを歩く】

【身長190近くある白人男性、脂肪、無駄な肉を削ぎ落したかのような引き締まった肉体 】
【プラチナブロンドのショートカットに無精髭ティアドロップのサングラスをかけており、その奥に見えるのは深緑の双眸】
【ジャストフィットの白いシャツに紺色の少しゆるめのワークパンツに黒ずんだベージュのエンジニアブーツ、それにロングコートを羽織り】

【口には煙草をくわえ、白い煙を吐きながらその裏通りを表の光に向け、ひたすら歩くも、彼は何かに勢い良くぶつかることとなる】

『オィ…兄ちゃん、待ちな、こんな場所で何してんだぁ…?』
「ヒヒッ...良い体格してやがるぜぇ…」

『人様の肩にぶつかっておいてヨォ...謝る事もできないのかぁ…あぁ...どうだんだぁ?』

【どう見てもその場には人が居なかった、だがぶつかった、何故、か横から、体にぶつかられた、所謂、当たり屋…そんな所】
【彼は何も言わずにそのティアドロップ、の奥の瞳から、その2人の男性を面倒くさそうに眺め】

当たり屋かい…?残念ながら俺には金はねーし、お前らと遊んでいる暇もないんだよ
穏便にすまそうぜ...?
無駄な喧嘩はしたくない、時間の無駄だろ?お願いだからそこを通してくれないか...なっ...頼むよ


『ヒャハハハッ!通してくれと言われて誰が素直にハイ、そーですか何て言うんだっ!馬鹿かよお前っ!』

「今の立場を瑠海してないようだなぁ...ヒャハハッ!金目当てだけだったがお前の態度が気に食わねぇ…!」
『この場で殺してやるよぉ!!!』「[ピーーー]ぇいーーーっ!」


【その男性二人も、体格は悪い方では無い、寧ろ良い方で、そんな巨体な男が2人ナイフを持って目の前に立っている】
【どう見ても絶望的そんな状況で、今現在、その者達は此方に向い飛びかかってくる、そんな所】
【彼は一度苦笑いを表し、おいおい...まじかよ...等、そんな事を呟きながらもそこから一人の男にハイキック】

【バチンッ、とジャストミートしたのかとても爽快な音がして、先ずは一人を撃沈する】
【そしてもう一方の男はその隙を目掛けたのか、そのまま彼にナイフをかざし、タックルしようとするも】

【男が次に見るのは表通りの綺麗な街灯、そんな場所であろう、何故かは分からない】
【その裏通りの隙間から、体格の良い男が吹き飛ばされてきた、その前を通っているならそれとぶつかる可能性もあり】
【ぶつからなかったにしろ、裏通りから男が吹っ飛ばされて街灯にぶつかり気絶、そんな光景を見る事になる】

【勿論、その男が飛ばさて来た、そんな事態から、表通りは取り敢えず幾らかの叫び声が聞こえるだろう】
【高い女性の声、犬の吠える音、そんな少々のパニックが引き起こされるかもしれなくて...】

【そこを除けば一人の気絶した男性と、それを頭を掻きながら、落ちた煙草を拾う彼の姿が見えるだろう】


/絡み文を変え再投下、です!
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/25(火) 09:05:19.87 ID:r4ZBtp0AO
ミスドのレス無視され過ぎワロタww
愚痴スレ民は帰れってか
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 21:29:32.36 ID:yxOb9XAEo
【森の奥、月明かりを浮かべる湖畔―― 】
【 ――から、微妙な距離を置いた場所にある木の上。】

紛い物…の物語を進める、前に。
彼≠仕留めて…くれる猟師さんを、探す、必要がありますね…

【紅蓮の髪を腰の辺りまで伸ばし、夜闇を連想させる紫の瞳を持った穏やかな印象の青年】
【首には灰色のファーを巻き、紺碧の着物を羽織るように着て、長い燈の帯を蝶々結びに締め】
【黒革のボトムに、二つの時計を吊るした細身の銀の鎖を付け、軍用ブーツを履いている】

【そして木の根元には、一人の女性がまるで人形のように寄り掛かって座っていた】
【彼女の目は閉じられていて、痩せていると言うにも不自然な程に腹部が凹んでいる】

【その身体からは、馨しい程の死臭が漂っていて―― 】
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/25(火) 21:32:40.09 ID:zLEGNeiU0
【水の国、人通りの少ない街中】


【――はたり。はたり】


 うん。寒かったり暑かったりさぁ〜、結構大変だよね
 ところで奥さん!見てこれ、壁に貼って靡いちゃうポスターだよ〜

【人通りが多い筈だろうが、其の場所の一角だけは違って。壁に只一人存在する人影】
【其処には人が寄らない理由が在って。五月蠅く叫んでっている何かがそこにいた】
 何かは翠というより苔の生えた年代物の宝箱が頭に乗っかりどこぞのミミッk(ry】

 うーん、明日の朝ごはんどうしようかな……

【其のモノの脇の壁一帯には、破れて廃れる寸前のポスター】
【そんなポスターを只々宣伝して人影めざし右往左往に走り回ってる風なのであった】

【ポスターを見れば――】
【新正義組織 「blue justice/青義同盟」
 俺達の組織と、justice・対機関連合等の正義組織との違いは2点ある!

 〜中略〜

 P.S 何なら文句でも構わねぇぜ?腹立ててる連中もいんだろ?お互いの正義を語り合おうや。実力も見ておきたいしな】

 はぁはぁはぁ……あー、疲れ……!いかんいかん!ようし、ここはプランBに移ろう!我ながら用意周到なのだー!

【道のど真ん中で両ひざに手を当て勝手にばてた後、右腕を天高く掲げる】
【きっとそんな人なのだろう。そうであって欲しい】

 ……僕ことスーパーヒーローがスポンサーしているー正義組織ってどう!?

【避けられている状況で体から、生命力が溢れる。そんな人なのだろう】
【そんな人は誰にともなく、早口に問い掛け足を組んで両手を天秤のようにしているのだった】
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/25(火) 21:33:34.40 ID:EIqgnpXY0
【大通りに面した公園】

うーん……、そうですね、風船はヘリウムを入れてるから飛ぶんですよ、ね。

【明かりも多く灯る公園の、設置されたブランコの。安全柵に腰掛けている人影が一つあって】
【その人影の頭の上辺りには、メタリックピンクに揺らめくハロウィーン用らしい玩具の風船】

じゃあ、わたしもヘリウム吸ったら飛べますかね?
……って、そんなわけないのは分かってるんですけどっ。

【膝を越えるほどの長さの髪は、抜けるようなケンブリッジブルー。縛ることはなく、ただただ自由に躍らせて】
【頭には、蝶の飾りのついた黒のカチューシャをつけていて】
【瞳はまん丸できらきらと輝くシトラス色】
【ふんだんにフェイクファーをあしらった黒のワンピースに、白のぽんぽんのついたケープを羽織っていて】
【黒のオーバーニーソックスに、これまたフェイクファーとぽんぽんをあしらった黒の編み込みブーツ】
【そんな、どちらかと言えば小柄な少女は、呟きながら退屈げに足をゆらゆらとさせていて】

そういえば、ヘリウムガスって何年も吸ってないです。
今度買ってみましょうかっ……玩具屋さんですかねー?

【時折、風船の紐を引っ張っては。メタリックピンクのお化けを虐めていた】
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/25(火) 21:39:58.85 ID:wIIFMfjBo
>>970

えっと、君はこんなところで何をしているの?

【黒の艶消し長袖の服に同色のスボン、変なマークのついた銀色ジャケットに蒼いマフラーをなびかせて】
【程よい綺麗な顔立ちの少年が話しかけながら近づいてくる】

青義どうめい……?
スーパーヒーロー?
キミも悪と戦ってくれるの!?

【一人の少年が色々な質問を聞いてくる】
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 21:44:38.80 ID:yxOb9XAEo
>>971
【 ――砂を踏む足音が、公園の入口から聞こえてくるだろう】
【そちらを見たなら、色彩の渦に身を突っ込んだかのような男が居るのだろう】

ハロウィン…。
もう…すっかり、そんな季節になって…いるのですね。

【紅蓮の髪を腰の辺りまで伸ばし、夜闇を連想させる紫の瞳を持った穏やかな印象の青年】
【首には灰色のファーを巻き、紺碧の着物を羽織るように着て、長い燈の帯を蝶々結びに締め】
【黒革のボトムに、二つの時計を吊るした細身の銀の鎖を付け、軍用ブーツを履いている】

【彼は少女の腰掛ける柵の傍まで寄って来ると、その呟きを聞いてか、眉を顰め】

あれは、美味しくないです…よ。
声が愉快…になるだけで、楽しくなんかありませ…ん。

【…ヘリウムガスに嫌な思い出でもあったのか、そんな言葉を返したのだった】
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/25(火) 21:55:37.74 ID:EIqgnpXY0
>>973

【未だに人も多く訪れるこの公園。足音に、少女はぴくりとも反応を返さず】
【機嫌良さげに時折風船の紐を引っ張りつつも、退屈そうに足をばたばたさせるという器用なことを繰り返しながら】

ということでっ、ヘリウム吸ってイタズラ電話ワンチャンスありますっ。
あるったらあるんです、後からごめんね、許してくれるかな?って可愛らしくお願いすればきっと許してもくれますっ!

……お?

【そして、独り言は多少危うい方面へ】
【イタズラ電話がどうとか、「ボイチェンの変わりになりますかねっ。」とか】
【呟いていれば、そのうちに。青年より返される言葉が耳に入り、首を傾げる】

美味しいとか美味しくないとか、そんなこと気にしないのですよっ。
楽しければいいのです、だって、パーティグッズの場所に売ってるじゃないですかっ!
つまりそういうことですよっ、鼻眼鏡と同じジャンルなんですっ。

【傾げた首を戻しながら、何が楽しいか、にこにこと笑いながらそう返す】
【くんくんと風船を引っ張る動作は時折行いながら、何か楽しいことでも思い出したか、シトラスの瞳を輝かせ】

そう言うものが必要な時って、普通のときじゃないじゃないですかっ。
お祭りとか、パーティーとか、そういうハレの日なんだからっ!
楽しまないと駄目ですよ、だから今年は鼻眼鏡にヘリウムガスなんてどうですか?

【体を少し前にのめらせて、青年のほうを見つめながら】
【にっこり笑顔でなぜだかそんな提案をするのでした】
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 21:57:43.87 ID:zLEGNeiU0
>>972

 うんうん。そういうことになっちゃうねーまさにそれだわ。うん

【宝箱頭は声がした方面へ振り向いて、頷くのだった】
【「いてー足攣った」などと小声で言えるのはどうゆう事なのか。追及するには値しないが】

 そうそう。青義同盟!青がミソだっていってたなぁー
 ああ、僕はフール。すーぱーひーろーなのだー

 ははは、そんな綺麗な顔だと色々教えたくなっちゃうからやめてー。無理かー。アァーハハハハァー!

【色々事情があるらしいが、スーパーヒーローは外せないらしい】
【冗談めかして笑っては喋る。忙しい人である。本人は気にしてなさそうだが】

 キミもってことは貴方もってことなの!?

 イーヤッハー!!こりゃ、めでたいねぇっ!!貴方も何かのヒーローなのかなッ!?

【とにかく好奇心旺盛そうに振舞う宝箱頭。主に回ったりしたのだった】
【回って最終的に右手を少年のほうに差し出しそう問いかけ返答を待つ。……落ち着きは、皆無だ】
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/25(火) 22:04:50.92 ID:wIIFMfjBo
>>975

そっか!!
キミはスーパーヒーローなんだね!

【話しかけた相手が正義いや…青義を貫く人に感銘を受けている】
【少年は相当嬉しいようだが、今まで苦労してきたのかも】

僕はヒーローなんかじゃないよ!
でもこの世界に悪い事をする奴らは許さない。
僕は力星 光。よろしく!

【悪を許さない姿勢を貫く。正義と青義の共鳴ここに極めり】
【握手を交わし、今此処に二人のヒーローが自分の思いを貫く】

そういえばその貼紙、詳しく教えてもらってもいいかな?

【ポスターの内容はチラっと見た程度だが、少年は簡素な内容しか見ていない】
【フール自身の言葉や意見を用いて聞きたいようだ。】
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 22:08:52.78 ID:yxOb9XAEo
>>974
鼻眼鏡にヘリウムガス…。
私がやるとしたら、きっと従者が…腰を抜かしてしまいます、ね。
残念ですが、自重するしか無いでしょう…

【青年としては別段やることに抵抗は無いらしいが、彼の抱く空気からもそれは想像に絶する】
【喩え従者で無くともそうなること請け合いだが―― きっと眼前の少女なら、驚かない気がした】

晴れの日…だから。
成る程、如何にも貴方らしい考え…です、ね。

どれ、少しばかり日は早いですが………。

【つん、と風船を突こうと指先を伸ばし。成功したなら、ぼーんとオバケを揺らして見せて】
【そうしてから少女へ視線を移すと、一度にっこり笑って見せて、袂から何かを取り出した】

【その正体は―― 色とりどりの、棒付きキャンデー達】
【可愛らしく丸い頭を並べる彼らは、少女の合い言葉≠待っていたりして――。】
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/25(火) 22:19:45.63 ID:EIqgnpXY0
>>977

え、従者さんがいるんですっ?
従者さんってアレ、偉い人とかの隣とかにいたりするアレですよねっ?

えっ……、あなた、偉い人だったんです?

【合っているような、若干違っているような】
【もしかしたらSP辺りと間違えている気がしないでもない、が】
【元から丸い目は、少し驚いたか、いっそう丸くなって。首を傾げて、そう問うてから】

ですですっ、お祭りはハレの日なんです。
ハレの日にケの日のことを持ち込んじゃ駄目なんですよっ、だって特別の日なんですからねっ!

【自分の意見をさらに推すように、胸を反らして――余談だが、胸の膨らみは手で椀を作ったほどより、少し大きいほど程度であって――】
【ふふんと笑い。「あなたらしい」といわれれば、「そうですか?」なんて言いながら、また首を傾げて】

【突かれたお化けは、ぼんと押され、少女の手首に通された紐の輪っかを引っ張って】
【お化けに逃げられる気でもしたか、少々慌てたようにお化けに視線をやる少女】
【数秒の間の後に、青年へと視線を戻せば。その手には、色とりどりのキャンディーたち】
【ほんの一瞬、青年はわたしに何を求めているのだろうと、少女は考えて――思い当たった】

――――トリックオアトリートっ!

【胸の前辺りで両手を握って、笑顔で唱える呪文は、きっと望まれたものであって】
【英語的な発音などどこかへ失せたカタカナの言葉。楽しそうに、楽しみそうに、青年を見上げた】
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 22:31:13.59 ID:zLEGNeiU0
>>976

 んん、若いっていいねぇー!

【お前はいったい何歳だ。シェイクハンドしながらそんな事も叫ぶ】
【そんな中で質問を聞くと宝箱頭は何回か、頷いた】

 そうそう。それなんだけどさぁ〜
 まぁ、要するに不殺を貫いていこうっていう組織なんだ!

 ほら。悪を殺さず、懲らしめる正義っていいじゃん?何か、夢みたいじゃん?
 そういうかたーい信念で結ばれている、大体そんな組織だよ!

【こいつが言うといまいち軽いのは大凡愛嬌の心算なのだろう】
【子供のような、大人。まさにその体現といえる存在。そんな人なのだ】

 でもね、実は僕は雇われたの。僕の信念はそうなんだけどー。よく解らないんだ……
 そうじゃなくてもっとコアな話。正当構成員から直接聞いたの話なんだけど……聞きたい?

 詰まんないかもなんだけどねぇー。あったまかたいんだわ。僕の上司

【上司がいないところで上司の悪口。よくある話ではあるがどうやら、上司の話も聞けるらしい】
【少し、硬くなるのは仕方がないと前おいて、気まずそうにそっぽ向いた宝箱を見ると相当だ】
【ともあれ、判断は少年にゆだねられている】
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 22:34:56.38 ID:yxOb9XAEo
>>978
ええ、一人おります…よ。
猫のような方と、最近は…番犬代わりの方も、増やしたのです…

さて、私が偉い人かどうかは…まぁ、秘密にしておきましょう。

【くすくす笑ってそう言う青年は、きっと偉い人なんかじゃない】
【口元に添えられた片手、気付くか気付かないほどの血痕が、爪の間に残留していて】
【それが無念そうに訴える事実を掴みとることは、恐らく穏やかな少女には難しいはずだった】

――ふふ、正解。 さぁ、どうぞ…

【そして。見事正解を言い当てた少女に、青年も嬉しそうに微笑んでキャンディーを差し出した】
【5、6本程のキャンディーはパステルカラーの包装紙に包まれていて、】
【ピンクがピーチ、ライトグリーンがリンゴ、アクアブルーがラムネ味と、見た目で解りやすい親切な品だった】
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/25(火) 22:39:04.10 ID:wIIFMfjBo
>>979

悪い奴でも殺さない・・・?
それは難しい事だろうけどいいことだよ!

【フールの言う信念。悪い人でも殺さず懲らしめるという】
【それは不必要に命を奪う事ではないいいことなのだが】

でもそれは難しいそうだね。
応援するよ!

雇われてるの?
うん!是非にでも聞きたい!

【悪人を殺さず懲らしめる事は簡単な事じゃないだろうと】
【それを貫く青義の方々はきっとすごいのだと、正直驚くばかりである】
【上司の話に興味津々。食いつきがいい。】
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/25(火) 22:48:39.43 ID:EIqgnpXY0
>>980

そうなんですかっ。
……わあ、お付きの人とかが居る人って本当に居るんですねっ……。

今日は一緒じゃないんですっ? えっと……猫さんと、犬さんはっ?

【わあ凄いと、青年に向ける視線は、尊敬すら混ざるもので】
【何となく、偉そうに見えれば凄い気がしてしまうのである。何も考えていないといわれれば、きっとそのとおりで】
【質問を投げる視線は、青年の目を見ていて。そのせいか、否、じっくり直視でもしなければ気付かないはず】
【誰かから漏れたであろう血痕には、やはり気付くことはなかった】

わあ……ありがとうございますっ。

あ、あれっ。ありがとうございます、っておかしいんですかねっ?
だって、お菓子くれないとイタズラするぞって言うんだから……、えーと。

…………ふ、ふふん! 今日のところはこのキャンディーで勘弁してやるぞっ?

【そして、青年の裏を見つけられぬ少女は、差し出されるキャンディーをきゃらきゃらと笑いながら受け取って】
【目の前に持って来るようにしてじぃと包装紙を見つめていたら、ふと思いついたらしい】
【最終的に口に出したのは、違和感からかはてなマークを大量に浮かべた、そんなものだった】

……あっ、そうだ。
貰ってばっかじゃ悪いですよねっ、……ガムしか持ってないんですけどっ!

【それから、貰ったキャンディーを膝上のワンピース地の上に置いて】
【ごそごそとワンピースのポケットを漁りながら、盛大なネタバレと共に。遠まわしに、唱えろと言っているらしい】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 23:00:43.22 ID:yxOb9XAEo
>>982
猫は晩餐の準備に駆け回って…いるのでしょう。
犬は…きっと、シンデレラを探しているの…でしょう、ね。

【紅蓮の髪をさらさらと揺らして、微笑んで見せたその表情には僅かの悪意も見えなくて】
【何とも掴み辛い返答を返してから、キャンディーに体よく喜んでくれた少女を暫し眺め】
【「お許し頂き、光栄です」と。柔らかな笑顔で答えたのだった】

…おや、これはこれは。
とても迷う…のですが、どちらかに…決めなければならない、のですね。

ふふ―― トリック・オア・トリート

【お菓子か、悪戯か。この男はどちらかを取るかで悩んだそうです】
【結果的には「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ」といった訳で、お菓子を無事選びました】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 23:02:26.18 ID:zLEGNeiU0
>>981

 いい返事だ、光君ッ!

【急に起動したかのように、少年の顔へ宝箱を向ける】
【真ん中の鍵穴が覗き穴になっているのだろうか。どうでもいいのだが】

 ……じゃあさ、スーパーヒーローの上司である、ゼビレイって人のせかいにいざなヴ〜ゲホゲホッ

 まぁ要するに僕の上司はゼビレイって人がいるんだー

【酷い噛み方をしたのか、わざとなのか。咳をし、そんな後で。気を取り直して】
【紡いだ言葉は、やはり陽気なそれであった。そこまで身構える必要はなかったと思うかもしれない】

 とにかく、やり方が外道なの。青義の信念を利用して骨折ってやるとか平気で言っちゃうのさー

 本当に外道。容赦ないね、ありゃ。うん。大体はそんな話なんだけどさ

【あえて逆という言葉を使わない宝箱はやはり雇用者的目線だからなのか。やれやれと首を振って】
【骨を折るということは規則には反しないが、モラル的にそう容易く出来る事ではない】

 ……僕にはね。とても理解できないよ

【そんな話であったからこそ、彼は避けた。逆にいえばそういう事は彼には出来ない】
【そんな様子が言動からは読み取れなくもない】

 でもゼビレイは、僕を理解してくれた。……いや、違うね。全部、理解しようとしてる

 いい人なんだよ……だからもうね。訳わからなくて
 ……骨折ったら痛いし可愛そうじゃん。そう思わないぃっ

 いかんいかん。悪い癖だー忘れろビーム!

【ゼビレイという人物は、理解する人物。大体それであっている】
【しかし骨を折って可哀想という結果には行き着かない。そういう人だと】
【彼にはゼビレイという人物がいまいち、解っていないようだが、他人に訊くのも如何だろうか】
【そんな考えもあって右手を翳す。勿論、効果などはない。故に少々、寒い風が二人の間に吹くだろう】
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/25(火) 23:08:05.94 ID:wIIFMfjBo
>>984

うんうん!ありがとう!
え!?

【お礼をいいつつ、話を夢中になりながら聴く。真剣に】
【いきなり宝箱を向けられ鍵穴を覗き込んだ】

ゼビレイさん……?
それはひどい……、僕もそんな人はフールさんの組織にいてほしくないよ
理解してくれた人なんだ……。うん、骨は折れたら痛いしすぐに治らないもんね。

【フールの話を聴くとゼビレイという人物はよき理解者であるという】
【性格的にはあまり良い感じではないだろうが良き理解者である事に違いはないだろう】

なんか…寒いね

【少年は軽く身震いする。だが少年のハートはマグマよりもホットだ】

986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/25(火) 23:10:10.66 ID:EIqgnpXY0
>>983

……あれっ、こんな時間から晩ご飯なんです?
だってもう、いい夜ですよっ!
……あ、それともアレですかねっ? お仕事の都合がどうとか……こうとかっ!
だったら、わたしの口出すことじゃないですよねっ、ごめんなさいです。

シンデレラを探してるんです? あ、そういえばシンデレラで思い出したんですけど……。
他の村の女の人には靴はあわなかったって言うじゃないですか? どれだけ靴ぴったりなんだよ……!って、わたし、よく思ってたんですよっ。
実際のところ、どうなんですかねっ? 元々はガラスじゃなくて金だったらしいですけどっ。

【晩餐の準備――つまるところ、晩ご飯の準備と。少女はそう考えたらしい】
【公園の中に視線を巡らせて、視線が捉えるのは、公園に設置された小さな時計塔】
【示しているのは確かにいい時間。不思議そうにしていたが、ある仮説が頭の中に浮かべば、謝罪の言葉も口にして】
【……シンデレラに関しては、夢も希望もない疑問を口にして、首をかしげて】

あれっ……迷っちゃうんです?
だって、イタズラですよっ? イタズラしちゃうんですよっ?
それでも迷っちゃうんですかっ?

【予想外に迷われる。ポケットの中では目当てのものを見つけたらしい、何かを掴んだまま、取り出さずに】
【青年に向けるは、若干「うわぁ」的色の篭った視線である】
【変態疑惑を頭の隅っこでそっと立てながら、少し待って】
【青年から、望みの言葉が発せられれば、先ほどの視線は呆気なく失せて】

――――ですよねっ。

【ごそりと、ポケットからようやく引き抜いた手には、細長い紙の箱が握られていて】
【言葉通りに、ガムの入れ物。若い女の子の好みそうなフルーティかつ低カロリーかつなんちゃらかんちゃら……ともかく、若い女の子向けのガムである】
【指で摘んで、その箱を引っ張ってあければ、そのまま数粒摘んで。手に乗せて、青年へと差し出すだろう】

【「これ、絶対一粒じゃ足りないよねっていつも思うんですよ――。」】
【そんな、どうでもいい一言と共に】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 23:25:39.43 ID:zLEGNeiU0
>>985

 礼には及ばないぃー何故なら僕はスーパーヒーローだから!
 寒い。確かに……うーん。こうすれば気の性!

【翳していた右手を払うように戻し、ケロッとしている宝箱頭。いちいちやるか。これも結構重症だ】
【というより、宝箱頭でまともな判断を下せるとするのも間違いなのかもしれない】
【本当に頭脳まで宝箱とまでにはいかないで欲しい限りである】

 そう、理解はするの。解らないよね……いや、でも君合格過ぎるよ!僕と気が合うし!
 君ならやってける気がする!……まぁ、そんな構成員もいる組織なんだけど、どうよっ!?

 光君、一緒にやってみない?正義!

【両腕を開き、両手の平を翳すように少年に向ける。さぁどうする。そんな感じだ】
【対応に困るのはお察しするとして、何気に勧誘する所が、やはり抜け目ない】
【真面目に話していれば、あんなにも弱い宝箱は一転して抜け目なくなるのだ】

【抜け目ない宝箱はそんな勧誘を問いかけ、光へ右手をもう一度差し伸べる】
【正義として合格だろう。そんな信頼の詰まった右手。その信頼を利用するか否か】
【――実はそれも、少年に託されている】
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 23:27:52.99 ID:yxOb9XAEo
>>986
ふふ、ご心配なさらず…いつも、このような時間になる…ので、す。

【確かに不自然な時間である事を、そうさらりと言い逃れる様は、手慣れ過ぎていて常習犯のよう】
【そう言う意味では、彼女が深く問う事を避けたのはとても賢明な判断だと言えた】
【全ては紙一重―― ギリギリのところで、青年は少女の前で良い人≠演じていられるのだった】

そうです…ね、彼女は。
自分だけに合う…靴を、わざと落としていって、王子様に見つけてもらおうとし…た、そう考え、ます。

――ほう、あの靴は元は金だった…。
そのお話は、初めて聞きました、よ…博識、なのですね。

それでは、他の童話…例えば赤ずきん≠ナ、何か逸話をご存知でしょうか…?

【ごく自然に掛けた問い掛けにも、僅かな危うさを孕ませて】
【ただの世間話のひとつ、のように見せかけたその問いの答えは、彼女なりのものであれば】
【「知っている」でも「知らない」でも。きっと、青年には納得できる答えになる筈だろう】

これは…可愛らしい、ですね。
まだ、悪戯の方にも未練はありますが…頂き、ます。

【「ええ、分かります」 そう言って微笑む顔だけ見れば、たぶん好青年の端くれなのだろうに】
【どうにも、うわぁからのぁやしい的な、変態の香りは否めないのだった】
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/25(火) 23:33:28.60 ID:wIIFMfjBo
>>987

僕なんかでいいの!
ありがとう、僕でよければがんばるよ!

【光は青義同盟へ入りたいと意思を表す】
【差し伸ばされた手を力強く握り、熱い握手を交わすだろう】

よろしく!
ところで青義同盟にリーダーはいるの?

【握手を交わし、組織について質問】
【果たしてその組織にリーダーはいるのかどうか、といった質問だ】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/25(火) 23:39:34.20 ID:EIqgnpXY0
>>988

そうなんですかぁ、……関係無いですけどっ。
わたしはいつも晩ご飯、5時くらいなんですよっ。
別に、そうじゃないといけないとか無いんですけど、そういう生活に慣れちゃってっ!

そういうことって、結構ありますよねっ?

【いつもこんな時間だと、言われてしまえば、そうなんだとあっさり納得して】
【話題提供のつもりか、そんなことを口に出す。ついでに、「だからこんな時間になるとお腹減っちゃったりしてっ。」なんて、付け足して】
【知らず知らず、足元の落とし穴を回避したことには気がつかない。楽しそうに首を傾げて】

でも、自分だけに合う靴って……、……相当オーダーメイドだったんでしょうねっ。
それだけぴったりだと、その日の体調によって履けないとかありそうで怖いですっ、そんな靴わたしは嫌ですよっ。

確かそうだったと思うのですよっ、なんでも、途中で変わっちゃったらしいです。
金をガラスにして、何がどうなるのかってよく分からないんですけど……なんか、そっちのほうが良かったんでしょうね?

んー……赤頭巾ですかっ? 実は狼は狼じゃなくて、人間の姿をしてたっていうか普通に人間の男だったって言うのなら知ってますけどっ。

【彼女の言う体調とは、足のむくみだとか、体重の僅かな増加だとか――そんなところを気にする辺りは、やっぱり少女らしく】
【金がガラスへの変化については、疑問を浮かべて。見栄えが綺麗だからかしらなんて、言わずに考える】
【そして尋ねられた質問には、思い出すような少しの間の後に、そう返して】
【「そういえばわたし、所謂絵本のシンデレラとか赤頭巾って、読んだ記憶が無いんですよ。」なんて、余談を混ぜ込んで】

新製品だって言うから買ってみたんですよっ。
味長持ちって言うけど、本当に味長持ちだったんですけどっ。
ガムの癖に何時間も味があるとかナマイキなんです、本当にナマイキなんですっ!

【差し出すガム粒の数は、まあ一気に食べればある程度満足するであろう数で】
【青年がそれらを受け取れば、手を引っ込めて。箱のふたを閉めて、またポケットに仕舞いこむ】
【ガムを作った人に聞かせたら悲しむようなことを言いながら、先ほど貰ったキャンディーの、アクアブルー色を手にとって】
【びりびりと包装を破きながら、】

…………。

【……「変態なんです?」とでも言うような目を、また向けた】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 23:50:27.37 ID:zLEGNeiU0
>>989

 うん。でも、僕が決定権ある訳じゃないんだけどねー

【重大なことを忘れていやがった。いやきっと。天然なのだろう】
【嗚呼。そんな時、金属音らしい五月蠅い音が二人の傍から聞こえる】

 こ……この音は!?あーやっぱりーゼb

『黙れ、フール。話は全て訊いた……フフ、まぁいいが後で俺の肩をもんで欲しい』

 へーい

【其の両腕を漆黒ローブに仕舞っている風の其れより「銀色の髑髏と眼窩に宿る赤い眼」
 其の顔が印象強い。そんな異形は突如現れ自嘲気味に哂うのだ】
【宝箱の様子から知り合い。どうやら構成員の御出座しのようだ】

【その容姿から、機会であることは容易に確認できる為】
【先ほどの話も少しは解るかもしれない。そんな可能性の話だ】

 うん宜しくね、光君!えーと、なんだっけ?

『光か。――リーダーはマーシャル・ロウという男だ』

 そうらしいんだゼィッ!

【宝箱頭は、調子が狂ったように少しげんなりしていたが】
【そんな様子も何処へやら。何もなかったように調子を取り戻し】
【右手で少年を指さしていた。……何となしに腰巾着が似合う】

【一方ゼビレイは、大して介入する事なく、終えたい様でどうぞとばかりに少年にゆっくり頷く】
【それは無言の、構成員誕生の瞬間。……まぁ、そういう人なのだろう】
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/25(火) 23:59:22.80 ID:wIIFMfjBo
>>981

ゼ……?

【突如として現れたなぞの人物。その男は金属質の音を奏でながら】
【リーダーがマーシャルTロウであることを告げたのだ】

マーシャル・T・ロウさんがリーダーなんだね!
ありがとう!ところであなたは?

【少年はまだこの人物がゼビレイである事を気づいていない。】
【だが・・・薄々と感じ取ってはいるのかもしれないが】

   『---タイヘンダ、オマエモイマスグキテクレ---』

!!!
ごめん、兄さんが呼んでる!
ありがとう。今度はそのマーシャル・T・ロウさんにあわせてね!

【助けを呼ぶテレパシーを感じ取ったのか少年はかなり焦っている】
【フール達に手を振って別れを告げ・・・走り去っていった】
【数時間後、西の空に輝く強い光る星が見えるだろう】

//明日早いのでここらで。。。絡みありがとうございました!
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/26(水) 00:00:14.69 ID:msoCrjpdo
>>990
【可愛らしい言葉にも、穏やかに「ええ」とか「分かります、よ」とか頷いて見せる顔は】
【親しい従者が見たら苦笑しそうな程度に―― 不自然な、取り繕った穏やかさを湛えていた】

【少女の純真さがもし無かったならば、この笑顔のままで彼の言う晩餐の正体を明かし、】
【そしてそれ以上の事に及んでいたかも知れず。そんな可能性を、少女は実に上手に回避したのだった】

ああ、確かに…常にぴったりな靴というのも、奇妙な話です…
女性でないと気遣えない点…です、ね。
ガラスにしたのは…ぴったり≠強調したかった、ので…は?
金では柔らかいです…から。 それに少々絢爛過ぎて、下品に見えて…しまいます、し。

【女性ならではの観点には、気が付かなかったらしく。得心した様子で青年は頷いた、が】

――ッ、

【差し出されたガムを受け取りつつ、少女の言う狼の正体≠聞いた途端】
【青年の穏やかな表情は目に見えて青ざめ、落ち着きなく周囲を見渡し、】
【さして寒くは無い気候と格好だろうに、何故だか怯えるみたいに、ぐっと両腕を抱き締めたのだった】

………そろそろ、12時の鐘が鳴り…ます。
私は邸に戻ります、ね…。 …ぁあ、最後に。
宜しければお名前を、伺って…も?

私の名はアリス・バーネット… バーネットと、お呼び頂けれ…ば。

【す、と少女の隣りを離れたその表情は、貼り付けて取り繕ったぎこちない笑みで―― 】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2011/10/26(水) 00:11:33.73 ID:4IIi8/Z90
>>992

 ううん……。そうみたい!嗚呼!まぁいいや。ばいばい!!

【ちょっと言い忘れていたことがありすぎた宝箱】
【きっとそれは冗句とか冗句だろう。それ以上は基本的能はない】
【そんな宝箱を横目に、異形はそこに佇むのだ】

 『 ……矢張り俺は残る。肩揉みはまた後日にしよう 』

 よっしゃあぁ!

【その言葉をかけると途端に行った宝箱とその場に留まる異形】
【異形は壁辺りを左手で擦る。皺を伸ばしたいのだろう】

『 ……ご苦労だった 』

【そんな中その言葉を言えなかったのが聊か、悔く思う異形なのだった】

/おおふ。それは大変ですね。遅くまでお付き合い有難うございました。乙でしたー!
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/26(水) 00:15:01.92 ID:O9dQXwsI0
>>993

【そこらじゅうの落とし穴。いつの間にか回避していたものだから、存在すらも気付かぬ少女は】
【その不自然さすら、あんまり気がついていないように、楽しげに笑っていて】
【少女が動くたびに、お化けがゆらゆらと揺れて。悪巧みしているような笑顔が、あちらへ向いたり、こちらへ剥いたり】

まあっ、それはそれで、完璧に自己コントロールできてるってことで、いいじゃないですかねっ!
ついついチョコとか食べちゃうわたしからすると、羨ましい限りですよっ。

あ、そういえば確かに。金って柔らかいんでした、ねっ。
派手なものも上手く使えば凄くいいとは思うんですけどね。わたしはそう言うセンスあんまり無いから、アレなんですけど!

【むくみが何だとか、体重の増加が何だとか。最終的には、自己コントロールだと少女はまとめて】
【チョコなんかを摘んじゃう――そう口にしながら、少女は。先ほど包装を剥がしたラムネ味の青いキャンディーを口に頬張って】
【派手なものでも上手く使えばどうにかなるさと。言う少女の身に纏うものに、派手なものは含まれておらず】
【言葉通りに、そう言うセンスはないからと避けているらしい。髪が素晴らしく派手な色ではあるけれども】

…………――うん?

【ガムを差し出す、受け取ってもらう。少女の予想していた場の流れに、怯えられるというものは当然含まれていなかった】
【故に、唐突の青年のその様子に。ひどく驚いたような表情を浮かべて、怪訝に声を漏らす】

あれっ、どうかしましたか?
……具合悪いとかっ? 大丈夫なんです?

【ただ、それも一瞬。次の瞬間には、心配したような表情を浮かべて、膝に乗せていたキャンディーを落とさないように手で持ちながら、立ち上がって】
【ぱたぱたと数歩、距離を詰めれば。覗き込むように、青年の顔を、目を見ようとするはずで】
【それを許せば、許さずとも、気付くかもしれない。シトラス色をしていた瞳が、なぜだか髪と同じケンブリッジブルーに染まっていることに】

……そう、ですか?
あんまり体調が悪いなら、休んで行ったりした方がいいと思いますけどっ……。
ほら、ベンチはいっぱいありますしっ。そんなに寒く無いですし、少し休むくらいなら風邪を引いたりって言うのも無いと思いますよっ?

別に、それは構わないんですけどっ……、あ、ファラーシャって言いますです。
……で、アリスさん、大丈夫ですかっ?

【具合が悪いならば、ベンチで休んだらどうかと。そんな提案は、公園の中を見渡しながら発せられて】
【名前を尋ねられれば、大人しく答える。答えた後に、また、心配そうに。青く染まった瞳でアリスを見つめた】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/26(水) 00:32:05.56 ID:CTyyA0uSO
>>995

…大丈…夫、です。 ですから――

【言いかけた言葉は、覗き込んできた瞳の色の変化に気づいたために途切れて】

ファラーシャ……その、瞳は…?

【抱いた疑問を隠す余裕すらなくて、そのまま彼女に瞳のことを問い掛ける】
【そう、先までの余裕は最早青年からは消えてしまっていた。そして止めは、きっと】
【少女が何の気なしに呼んだ、自らの名――アリス=z

(…私は紛い物)
(まだ。まだ、悟られる訳には行か…ない)

(狼に、見つかってしまうから)

【後退るように少女から離れて、青年は――去り際に、先までと全く同じ穏やかな笑みを見せた】
【「もう大丈夫」と、無言ながらも少女に伝わるだろう程に。その表情は、穏やかだった】

では…また、会いましょう。ファラーシャ…

【ぱらりと手を振って、ゆったりとした足取りで彼は公園を去っていく】
【ゆったりとしている割りには、公園の出口に至るのが早かったが――所詮は僅かな違和感】
【結局は、まるで何事も無かったような穏やかさが、夜の公園に残されるのだった】

/乙でしたー!
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2011/10/26(水) 00:35:17.14 ID:CTyyA0uSO
>>995
/きゃー忘れてた、携帯に移行しましたっ
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2011/10/26(水) 00:48:42.39 ID:O9dQXwsI0
>>996

……本当に、大丈夫ですっ? あんまり、大丈夫そうには見えないんですけどっ……。

…………――へっ?

【大丈夫と。その言葉が、あんまり信用できるものだと思わなかったらしい】
【もう一度尋ね返して、何ならベンチに引き摺って行こうかとでも考えているかのように、視線はアリスとベンチを往復して】
【しかし、そう問われれば。その視線はぴたりと止まって、キャンディーを持っていないほうの手で、ぱっと片目を塞いで】

えっ、あ、……な、何でもないのですよっ!

【――あからさまに怪しかった】
【それから目を閉じて、頭をぶんぶんと振って。再び目を開ければ、瞳は元のシトラス色へと戻っていて】
【もう一度、「なんでもないんです。」と、言葉を重ねる】

……………………あ――。

【そうしている間に、気がつけば、せっかく詰めたアリスとの距離は僅かに離れつつあって】
【しつこく食い下がろうとしたのだろうか、口を開きかけたところで、その笑みが目に入って】
【押し負けたか、そのまま、口を噤んで、一拍】

……ちゃんと大人しく寝て、ちゃんと治さないと駄目ですからねっ!
そうじゃなかったら、今度こそイタズラしちゃいますからっ!

【引き止めることを諦めて、変わりにそう言いながら。遠回しにまたねの意味もこめて】
【それから少し。アリスが見えなくなれば、また。ブランコの安全柵に腰掛けて】

…………――やっぱりわたし、まだ人を助けるとか、無理なんですかね――。

【ぼんやりと見上げた空に、お化けを繋いでいた紐の輪を手首から抜いて】
【ぱっと放せば、当然お化けは空に飛んで行くわけで。それをじぃっと見つめながら】

……ビニールだかの袋だって空を飛べるのに、わたしはまだまだなんです?

【むーっとした表情と、そんな呟き】

【……ちなみに数秒後。この公園に手を叩いたときと、風船を割ったときの音を混ぜたような、そんな破裂音が響いたのは余談である】

/おつかれさまでしたー!
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/26(水) 07:28:13.71 ID:Y9GR9ZIAO
流石ネットストーカーゼビレイ
ウルトラマンを入れて青義を破壊か
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2011/10/26(水) 09:48:42.98 ID:EU7pjxuIO
1000
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
全て失って途方に暮れても確かに私はここに存在するAKBSKENMBHKTスレ @ 2011/10/26(水) 09:23:40.93 ID:AqwHTiNXo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1319588620/

できたらあんたらのクリスマスの予定を教えてくれないか? @ 2011/10/26(水) 08:36:57.98 ID:WAAAvwh60
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1319585817/

職場の上司に人生初の告白をかますまでケツを蹴って頂きたい @ 2011/10/26(水) 03:03:02.98 ID:0pYTTBwPo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1319565782/

みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/26(水) 02:48:37.28 ID:CrfIe9iq0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1319564917/

みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/26(水) 02:48:29.87 ID:B28/S2hM0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1319564909/

みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/26(水) 02:48:26.55 ID:dx15XK9b0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1319564906/

みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/26(水) 02:48:23.88 ID:uGmyhxnh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1319564903/

みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/26(水) 02:48:22.91 ID:CrfIe9iq0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1319564902/


Powered By VIPService http://vip2ch.com/

1234.03 KB   

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)